(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230627BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20230627BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H01G13/00 361F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574359
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2021034188
(87)【国際公開番号】W WO2021247313
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ホック,ジョセフ・エム
【テーマコード(参考)】
5E082
5G503
【Fターム(参考)】
5E082AB10
5E082MM36
5E082MM38
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA07
5G503EA08
(57)【要約】
ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするための方法が提供される。この方法は、複数の電圧測定値を取得するステップを含む。電圧測定値の各々は、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得することができる。さらに、電圧測定値の各々は、ウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。この方法は、複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に基づいてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するステップを含むことができる。この方法は、実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するステップをさらに含むことができる。さらに、実際の電圧ステップが閾値電圧を超えていると決定したことに応じて、この方法は、ウルトラキャパシタに保守処置を実行することに関連する通知提供するステップを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするための方法であって、前記方法が、
制御回路を介して、複数の電圧測定値を取得するステップであり、前記複数の電圧測定値の各々が、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得され、前記複数の電圧測定値の各々が、前記ウルトラキャパシタの両端の電圧を示す、取得するステップと、
前記制御回路を介して、前記複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に基づいて前記ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するステップと、
前記制御回路を介して、前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するステップと、
前記実際の電圧ステップが前記閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応答して、前記制御回路を介して、前記ウルトラキャパシタに保守処置を実行することに関連する通知を提供するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記制御回路を介して、前記ウルトラキャパシタのキャパシタンスと、前記ウルトラキャパシタに供給される電流の大きさとに少なくとも部分的に基づいて、前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを決定するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを決定するステップが、前記制御回路を介して、前記電流による前記ウルトラキャパシタの両端の最大電圧変化を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記閾値電圧ステップが、前記ウルトラキャパシタの両端の前記最大電圧変化よりも約2倍大きい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の間隔の各々の継続期間が同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウルトラキャパシタの前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを超えている場合、前記ウルトラキャパシタのキャパシタンスが減少している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウルトラキャパシタの前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを超えている場合、前記ウルトラキャパシタの等価直列抵抗(ESR)が増加している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記実際の電圧ステップが前記閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するステップが、前記制御回路を介して、前記実際の電圧ステップの大きさが前記閾値電圧ステップの大きさを超えているかどうかを決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記通知が電子通信を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記保守処置が、前記ウルトラキャパシタを交換するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ウルトラキャパシタの前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応答して、前記制御回路を介して、前記ウルトラキャパシタを電源から切り離すために1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連する1つまたは複数の制御信号を提供するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムであって、前記システムが、
前記ウルトラキャパシタを電源または負荷に選択的に結合させるように構成された1つまたは複数のスイッチングデバイスと、
前記1つまたは複数のスイッチングデバイスに通信可能に結合された制御回路であり、前記制御回路が、
複数の電圧測定値を取得することであり、前記複数の電圧測定値の各々が、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得され、前記複数の電圧測定値の各々が、前記ウルトラキャパシタの両端の電圧を示す、取得することと、
前記複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に基づいて前記ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定することと、
前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定することと、
前記実際の電圧ステップが前記閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、前記ウルトラキャパシタに保守処置を実行することに関連する通知を提供することと
を行うように構成される、制御回路と
を含む、システム。
【請求項13】
前記制御回路が、さらに、
前記閾値電圧ステップを、前記ウルトラキャパシタのキャパシタンスと、前記ウルトラキャパシタに供給される電流とに少なくとも部分的に基づいて決定する
ように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の間隔の各々の継続期間が同じである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ウルトラキャパシタの前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを超えている場合、前記ウルトラキャパシタのキャパシタンスが減少している、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記ウルトラキャパシタの前記実際の電圧ステップが前記ウルトラキャパシタの前記閾値電圧ステップを超えている場合、前記ウルトラキャパシタの等価直列抵抗(ESR)が増加している、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記実際の電圧ステップが前記閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応答して、前記制御回路が、さらに、
前記ウルトラキャパシタを前記電源から切り離すために前記1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連する1つまたは複数の制御信号を提供する
ように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記通知が電子通信を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記保守処置が、前記ウルトラキャパシタを交換することを含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2020年6月2日に出願された「System and Method for Monitoring One or More Characteristics of an Ultracapacitor(ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムおよび方法)」と題する米国仮特許出願第63/033,390号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー貯蔵セルは、電子、電気機械、電気化学、および他の有用なデバイスに電力を供給するために広く使用される。例えば、二重層ウルトラキャパシタは、液体電解質を含浸させた炭素粒子(例えば、活性炭)を含む1対の分極性電極を用いることができる。粒子の有効表面積と、電極間の小さい間隔とに起因して、大きいキャパシタンス値が達成され得る。個々の二重層コンデンサを一緒に組み合わせて、出力電圧を高めたまたはエネルギー容量を増加させたモジュールを形成することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の1つの態様は、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするための方法に関する。この方法は、制御回路を介して、複数の電圧測定値を取得するステップを含む。複数の電圧測定値の各電圧測定値は、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得することができる。加えて、複数の電圧測定値の各々は、ウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。この方法は、制御回路を介して、複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に基づいてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するステップを含むことができる。この方法は、制御回路を介して、実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するステップをさらに含むことができる。さらに、実際の電圧ステップが閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、この方法は、制御回路を介して、ウルトラキャパシタに保守処置(maintenance action)を実行することに関連する通知を提供するステップを含むことができる。
【0004】
本開示の別の態様は、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムに関する。システムは、ウルトラキャパシタを電源または負荷に選択的に結合させるように構成された1つまたは複数のスイッチングデバイスを含む。システムは、1つまたは複数のスイッチングデバイスに通信可能に結合された制御回路をさらに含む。制御回路は、複数の電圧測定値を取得するように構成される。複数の電圧測定値の各々は、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得することができる。さらに、複数の電圧測定値の各々は、ウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。制御回路は、さらに、複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に基づいてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するように構成される。制御回路は、その上さらに、実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するように構成される。さらに、実際の電圧ステップが閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、制御回路は、ウルトラキャパシタに保守処置を実行することに関連する通知を提供するように構成される。
【0005】
本開示の他の特徴および態様が、以下でさらに詳細に説明される。
【0006】
当業者を対象にした本開示の完全かつ可能な開示が、その最良の態様を含めて、添付の図を参照して本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムを示す図である。
【
図2】本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするための別のシステムを示す図である。
【
図3】本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタに関連する充電-放電曲線のグラフ表示を示す図である。
【
図4】本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタする例示の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書および図面における参照符号の反復使用は、本開示の同じまたは類似の形体または要素を表すように意図される。
【0009】
当業者なら、本考察が単に例示的な実施形態の説明であり、本開示のより広い態様を限定するように意図されておらず、より広い態様が例示的な構成で具現されることを理解されたい。
【0010】
本開示の例示の態様は、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性(例えば、キャパシタンス、等価直列抵抗(ESR)など)をモニタするシステムおよび関連する方法に関する。システムは、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性を決定するために、電圧ステップ(例えば、時間に対するウルトラキャパシタの両端の電圧の変化)をモニタするように構成された制御回路を含むことができる。例えば、制御回路は、ウルトラキャパシタの両端の電圧を示す複数の電圧測定値を取得するように構成することができる。複数の電圧測定値の各々は、順次、複数の間隔のうちの1つにおいて取得することができる。例えば、いくつかの実施態様では、制御回路は、約2ミリ秒ごとに電圧測定値を取得するように構成することができる。本明細書で使用される「約」という用語は、記載された数値の10%以内の値の範囲を指す。
【0011】
制御回路は、2つの連続する電圧測定値に基づいて、複数の間隔のうちの1つの間隔の間のウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するように構成することができる。例えば、制御回路は、第1の電圧測定値および第2の電圧測定値を取得することができる。第1の電圧測定値は、第1の時点におけるウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。第2の電圧測定値は、間隔に対応する時間の量だけ第1の時点の後に生じる第2の時点におけるウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。制御回路は、第1の電圧測定値および第2の電圧測定値に少なくとも部分的に基づいてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するように構成することができる。例えば、制御回路は、時間間隔(例えば、第1の電圧測定と第2の電圧測定との間に経過する時間の量)に対するウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するために、第1の電圧測定値と第2の電圧測定値との間の差を決定するように構成することができる。
【0012】
制御回路は、ウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを決定するように構成することができる。例えば、いくつかの実施態様では、制御回路は、時間間隔と、時間間隔の間にウルトラキャパシタに供給された電流の大きさとに少なくとも部分的に基づいて、閾値電圧ステップを決定するように構成することができる。代替としてまたは追加として、ウルトラキャパシタの閾値電圧ステップは、電流によるウルトラキャパシタの両端の最大電圧に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。より具体的には、電流による最大電圧変化は、ウルトラキャパシタのキャパシタンスとウルトラキャパシタの等価直列抵抗(ESR)とに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの実施態様では、閾値電圧ステップは、電流によるウルトラキャパシタの最大電圧変化の約2倍または3倍であることがある。
【0013】
制御回路は、さらに、ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するように構成することができる。例えば、制御回路は、実際の電圧ステップが閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するために、実際の電圧ステップの大きさを閾値電圧ステップの大きさと比較するように構成することができる。
【0014】
ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、制御回路は、ウルトラキャパシタに保守処置を実行する必要性を示す電子通信を行うように構成することができる。例えば、いくつかの実施態様では、電子通信は、テキストメッセージまたは電子メールとすることができる。代替としてまたは追加として、電子通信は、可聴警報または通知(例えば、自動電話呼出し)とすることができる。このようにして、通知は、ウルトラキャパシタを修理または交換するように人(例えば、技術者)に促すことができる。
【0015】
いくつかの実施態様では、制御回路は、さらに、ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連する1つまたは複数の制御信号を提供するように構成することができる。より具体的には、1つまたは複数の制御信号は、ウルトラキャパシタを電源(例えば、DC電源)から切り離すために、1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連することができる。このようにして、人が到着してウルトラキャパシタに保守処置を実行すると、ウルトラキャパシタを電源から切り離すことができる。追加として、いくつかの実施態様では、1つまたは複数の制御信号は、電源を電気的負荷から切り離すことに関連することができる。このようにして、人が到着してウルトラキャパシタに保守処置を実行すると、ウルトラキャパシタを電気的負荷から切り離すことができる。
【0016】
ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性をモニタするためのシステムおよび関連する方法は、非常に多くの技術的効果および利益を提供することができる。例えば、制御回路は、制御回路が既に受け取っている複数の電圧測定値に少なくとも部分的に基づいてウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性を決定することができる。このようにして、追加のハードウェアを必要とすることなしに、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性を決定することができる。さらに、制御回路は、ウルトラキャパシタをオフラインにする(例えば、電源から切り離す)必要なしに、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の状態を決定することができる。このようにして、ウルトラキャパシタがオンラインである(例えば、電源に結合されている)間でさえ、ウルトラキャパシタの1つまたは複数の特性を決定することができる。
【0017】
次に、図を参照すると、
図1は、本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタ110の1つまたは複数の特性をモニタするためのシステム100を示す。図示のように、ウルトラキャパシタ110は、電源130(例えば、直流)と負荷132との間に結合させることができる。このようにして、電源130は、ウルトラキャパシタ110を充電することができる。さらに、ウルトラキャパシタ110は、電流を負荷132に供給する(例えば、放電する)ことができる。
【0018】
図示のように、システム100は、制御回路140を含むことができる。いくつかの実施態様では、制御回路140は、処理回路(図示せず)を含むことができる。本明細書で使用される「プロセッサ」または「処理回路」という用語は、コンピュータに含まれているものとして当技術分野で参照される集積回路を指すだけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および他のプログラマブル回路も指す。
【0019】
制御回路140は、ウルトラキャパシタ110の両端の電圧を示す複数の信号150を取得するように構成することができる。さらに、制御回路140は、複数の信号150に少なくとも部分的に基づいて、ウルトラキャパシタ110の1つまたは複数の特性(例えば、キャパシタンス、ESR(等価直列抵抗)など)を決定するように構成することができる。例えば、制御回路140は、2つの連続する電圧測定の間に経過する時間間隔にわたるウルトラキャパシタ110の両端の電圧の変化の大きさに少なくとも部分的に基づいて、ウルトラキャパシタ110のキャパシタンスが減少していると決定するように構成することができる。代替として、制御回路140は、時間間隔にわたるウルトラキャパシタ110の両端の電圧の変化の大きさに少なくとも部分的に基づいて、ウルトラキャパシタ110のESRが増加していると決定するように構成することができる。いずれの場合でも、制御回路140は、ウルトラキャパシタ110に保守処置を実行するように人(例えば、技術者)に促すための電子通信を提供するように構成することができる。
【0020】
次に、
図2を参照すると、本開示の例示の実施形態によるシステム100の別の実施形態が提供される。図示のように、システム100は、ウルトラキャパシタ110と電源130(例えば、直流(DC)電源)との間に結合された第1のスイッチングデバイス120を含むことができる。第1のスイッチングデバイス120は、ウルトラキャパシタ110が電源130から切り離される第1の状態(
図1)およびウルトラキャパシタ110が電源130に結合される第2の状態(図示せず)において設定変更可能とすることができる。ウルトラキャパシタ110が第1のスイッチングデバイス120を介して電源130に結合されると、ウルトラキャパシタ110は、電源130から電力を引き出すことができる。このようにして、第1のスイッチングデバイス120が第2の状態にあるとき、電源130はウルトラキャパシタ110を充電することができる。
【0021】
システム100は、ウルトラキャパシタ110と負荷132との間に結合された第2のスイッチングデバイス122をさらに含むことができる。第2のスイッチングデバイス122は、ウルトラキャパシタ110が負荷132から切り離される第1の状態(
図1)およびウルトラキャパシタ110が第2のスイッチングデバイス122を介して負荷132に結合される第2の状態(図示せず)において設定変更可能とすることができる。第2のスイッチングデバイス122が第2の状態にあるとき、ウルトラキャパシタ110は、電流を負荷132に供給することができる。
【0022】
いくつかの実施態様では、第1のスイッチングデバイス120および第2のスイッチングデバイス122は、トランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ)を含むことができる。しかしながら、第1のスイッチングデバイス120および第2のスイッチングデバイス122は、ウルトラキャパシタ110を電源130に選択的に結合させるように構成された任意の適切なデバイスを含むことができることを認識されたい。電源130から電力を引き出す負荷132は適切な負荷を含むことができることも認識されたい。
【0023】
制御回路140は、第1のスイッチングデバイス120および第2のスイッチングデバイス122に通信可能に結合することができる。このようにして、制御回路140は、第1のスイッチングデバイス120および第2のスイッチングデバイス122に、それぞれ、1つまたは複数の制御信号160、162を提供することができる。より具体的には、1つまたは複数の制御信号160、162は、それぞれ、第1のスイッチングデバイス120および第2のスイッチングデバイス122の動作を制御することに関連することができる。例えば、制御回路140は、ウルトラキャパシタの充電を制御するために、第1のスイッチングデバイス120を介してウルトラキャパシタ110を電源130に結合させることに関連する1つまたは複数の制御信号160を提供することができる。代替として、制御回路は、ウルトラキャパシタ110を電源130から切り離すことに関連する1つまたは複数の制御信号160、および/またはウルトラキャパシタ110の放電を制御するためにウルトラキャパシタ110を負荷132に結合させることに関連する1つまたは複数の制御信号162を提供することができる。
【0024】
図3は、本開示の例示の実施形態によるウルトラキャパシタの充電-放電曲線200のグラフ表示を示す。より具体的には、2つの充電-放電サイクル中の時間に対するウルトラキャパシタの電圧の変化が示される。図示のように、ウルトラキャパシタの両端の測定された電圧は、充電サイクルの間、時間に対して増加する。逆に、ウルトラキャパシタの両端の測定された電圧は、放電サイクルの間、時間に対して減少する。さらに、ウルトラキャパシタスイッチが充電サイクルと放電サイクルとの間で切り替わるたびに、ウルトラキャパシタの等価直列抵抗(ESR)に少なくとも部分的に起因する電圧ステップ210が生じる。
【0025】
図示のように、充電-放電曲線200は、ウルトラキャパシタ110(
図1および
図2)の両端の電圧を示す複数の電圧測定値220を含むことができる。複数の電圧測定値220は、順次、複数の間隔230のうちの1つの間隔において取得することができる。例えば、複数の電圧測定値の各々は、順次、均一な時間間隔で(例えば、2ミリ秒ごとに)取得することができる。
【0026】
しかしながら、複数の電圧測定値は、任意の好適な時間間隔で取得できることを理解されたい。例えば、いくつかの実施態様では、複数の電圧測定値の各々は、順次、奇数間隔で(例えば、3ミリ秒ごとに)取得することができる。いくつかの実施態様では、複数の時間間隔の各々の継続期間を同じにすることができることをさらに理解されたい。例えば、各間隔は、約2ミリ秒とすることができる。以下でより詳細に論じるように、
図1および
図2を参照して上述で論じたシステム100の制御回路140は、複数の電圧測定値220を取得して、間隔230に対するウルトラキャパシタ110の電圧ステップが間隔230に対するウルトラキャパシタ110の閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定し、それによって、ウルトラキャパシタ110の1つまたは複数の特性を決定することができる。
【0027】
図4は、本開示の例示の実施形態による方法300の流れ図を示す。方法300は、例えば、
図1および
図2に示されたシステムを使用して実施することができる。
図4は、図示および議論のために特定の順序で実行されるステップを示す。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本明細書で開示される方法のうちのいずれかの様々なステップが、本開示の範囲から逸脱することなく様々な方法で省略され、再配置され、同時に実行され、拡張され、修正され、および/または適応され得ることを理解されよう。
【0028】
(302)において、方法300は、制御回路を介して、複数の電圧測定値を取得するステップを含むことができる。特に、複数の電圧測定値の各々は、順次、複数の時間間隔のうちの1つにおいて取得することができる。さらに、複数の電圧測定値の各々は、所与の瞬間におけるウルトラキャパシタの両端の電圧を示すことができる。
【0029】
(304)において、方法300は、制御回路を介して、(302)において取得された複数の電圧測定値のうちの2つの連続する電圧測定値に少なくとも部分的に基づいてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するステップを含むことができる。例えば、いくつかの実施態様では、制御回路は、第1の時点におけるウルトラキャパシタの両端の電圧を示す第1の電圧測定値と、第2の瞬間におけるウルトラキャパシタの両端の電圧を示す第2の電圧測定値とに少なくとも部分的に基づいて、実際の電圧ステップを決定するように構成することができる。より具体的には、制御回路は、時間間隔(例えば、第1の電圧測定と第2の電圧測定との間の時間経過)に対するウルトラキャパシタの実際の電圧ステップを決定するために、第1の電圧測定値と第2の電圧測定値との間の差を決定するように構成することができる。
【0030】
(306)において、方法300は、制御回路を介して、ウルトラキャパシタのキャパシタンスと、ウルトラキャパシタに供給される電流とに少なくとも部分的に基づいて、ウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを決定するステップを含むことができる。いくつかの実施態様では、閾値電圧ステップは、ウルトラキャパシタに電流を供給することによって決定することができる。そのような実施態様では、閾値電圧ステップは、ウルトラキャパシタのキャパシタンスと、ウルトラキャパシタに供給される電流の大きさとに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。より具体的には、電流を受け取っている間のウルトラキャパシタの最大電圧変化は、ウルトラキャパシタのキャパシタンスとウルトラキャパシタのESRとに少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの実施態様では、閾値電圧ステップは、電流を受け取っている間のウルトラキャパシタの最大電圧変化よりも約2倍または3倍大きくなることがある。
【0031】
(308)において、方法300は、(304)において決定されたウルトラキャパシタの実際の電圧ステップが、(306)において決定されたウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えているかどうかを決定するステップを含むことができる。例えば、制御回路は、ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップの大きさをウルトラキャパシタの閾値電圧ステップの大きさと比較するように構成することができる。ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップの大きさがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップの大きさを超えている場合、制御回路は、ウルトラキャパシタのキャパシタンスが減少しているか、またはウルトラキャパシタのESRが増加していると決定することができる。さらに、ウルトラキャパシタの実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えている場合、方法は(310)に進む。そうでなければ、方法300は(302)に戻る。
【0032】
(310)において、方法300は、(308)においてウルトラキャパシタの実際の電圧ステップがウルトラキャパシタの閾値電圧ステップを超えていると決定したことに応じて、1つまたは複数のプロセッサを介して、ウルトラキャパシタに保守処置を実行することに関連する電子通信を提供するステップを含むことができる。いくつかの実施態様では、電子通信は、視覚的通知(例えば、SMSメッセージ、電子メールなど)を含むことができる。代替としてまたは追加として、電子通信は、可聴通知(例えば、可聴警報、自動電話呼出しなど)を含むことができる。このようにして、電子通信は、ウルトラキャパシタに保守処置を実行するように人(例えば、オペレータ)に促すことができる。例えば、電子通信は、ウルトラキャパシタを修理するように人に促すことができる。代替として、電子通信は、ウルトラキャパシタを別のウルトラキャパシタに変更する(すなわち、交換する)ように人に促すことができる。
【0033】
(312)において、方法300は、ウルトラキャパシタを電源から切り離すために1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連する1つまたは複数の制御信号を提供するステップを含むことができる。このようにして、人が到着してウルトラキャパシタに保守処置を実行すると、ウルトラキャパシタを電源から切り離すことができる。追加として、いくつかの実施態様では、1つまたは複数の制御信号は、ウルトラキャパシタを電気的負荷から切り離すために1つまたは複数のスイッチングデバイスの動作を制御することに関連することができる。このようにして、人が到着してウルトラキャパシタに保守処置を実行すると、ウルトラキャパシタを電気的負荷から切り離すことができる。
【0034】
様々な異なる個々のウルトラキャパシタのいずれも、通常、本開示の例示の態様によるモジュールで用いられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ウルトラキャパシタは、電極アセンブリと、ハウジング内に含まれ任意選択で気密封止された電解質とを含む。電極アセンブリは、例えば、第1の集電子(current collector)に電気的に結合された第1の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む第1の電極と、第2の集電子に電気的に結合された第2の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む第2の電極とを含むことができる。所望の場合には、特にウルトラキャパシタが多数のエネルギー貯蔵セルを含む場合には、追加の集電子がさらに用いられてもよいことが理解されるべきである。集電子は、同じまたは異なる材料から形成されてもよい。それにも関わらず、各集電子は、典型的には、導電性金属、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銀、パラジウムなど、ならびにこれらの合金などを含む基材から形成される。アルミニウムおよびアルミニウム合金は、本開示で使用するのに特に好適である。基材は、箔、シート、プレート、メッシュなどの形態であってもよい。基材は、さらに、比較的小さい厚さ、例えば約200マイクロメートル以下、いくつかの実施形態では約1から約100マイクロメートル、いくつかの実施形態では約5から約80マイクロメートル、いくつかの実施形態では約10から約50マイクロメートルを有することができる。決して必要というわけではないが、基材の表面は、洗浄、エッチング、ブラスト処理などによって任意選択で粗化されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1の集電子および第2の集電子のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方は、基材から外向きに突き出る複数のファイバ様ウィスカ(fiber-like whisker)をさらに含むことができる。理論によって限定されるものではないが、これらのウィスカは、集電子の表面積を効果的に増加させ、さらに、対応する電極への集電子の接着を改善することができると考えられる。これは、第1の電極および/または第2の電極において比較的少ない結合剤含有量の使用を可能にすることができ、それは、電荷移動を改善し、界面抵抗を低減し、その結果として、非常に低いESR値をもたらすことができる。ウィスカは、典型的には、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物を含む材料から形成される。1つの実施形態では、例えば、材料は、アルミニウムカーバイド(Al4C3)などの導電性金属の炭化物を含むことができる。一般に、複数のウィスカが、基材から外向きに突き出る。所望の場合には、ウィスカは、任意選択で、基材内に埋め込まれているシード部分から突き出ることができる。ウィスカと同様に、シード部分は、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物、例えば、導電性金属の炭化物(例えば、アルミニウムカーバイド)などを含む材料から形成することもできる。
【0036】
そのようなウィスカが基材に形成される方法は、所望に応じて変わってもよい。1つの実施形態では、例えば、基材の導電性金属を炭化水素化合物と反応させる。そのような炭化水素化合物の例は、例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタンなどのようなパラフィン系炭化水素化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエンなどのようなオレフィン系炭化水素化合物;アセチレンなどのアセチレン系炭化水素化合物;ならびに前述のいずれかの誘導体または組合せを含むことができる。一般に、炭化水素化合物は、反応の間ガス形態であることが望ましい。したがって、加熱されたときにガス形態であるメタン、エタン、およびプロパンなどの炭化水素化合物を使用することが望ましいことがある。必ずしも必要ではないが、炭化水素化合物は、典型的には、100重量部(parts by weight)の基材を基準にして、約0.1重量部から約50重量部、いくつかの実施形態では、約0.5の重量部から約30重量部の範囲で使用される。炭化水素および導電性金属による反応を開始するために、基材は、一般に、約300℃以上、いくつかの実施形態では、400℃以上、いくつかの実施形態では、約500℃から約650℃の温度の雰囲気中で加熱される。加熱時間は、選択された正確な温度に依存するが、典型的には、約1時間から約100時間の範囲である。雰囲気は、典型的には、基材の表面への誘電体膜の形成を最小限にするために、比較的少量の酸素を含む。例えば、雰囲気の酸素含有量は、約1体積%以下とすることができる。
【0037】
第1および第2の炭素質コーティングは、さらに、第1および第2の集電子にそれぞれ電気的に結合される。それらは同じまたは異なるタイプの材料から形成されてもよく、そして1つまたは多数の層を含んでもよいが、炭素質コーティングの各々は、通常、活性化粒子を含む少なくとも1つの層を含む。ある実施形態では、例えば、活性炭層は、集電子上に直接位置決めされてもよく、任意選択で、炭素質コーティングのただ1つの層であってもよい。好適な活性炭粒子の例は、例えば、ヤシ殻ベースの活性炭、石油コークスベースの活性炭、ピッチベースの活性炭、ポリ塩化ビニリデンベースの活性炭、フェノール樹脂ベースの活性炭、ポリアクリロニトリルベースの活性炭、および石炭、木炭、または他の天然有機源などの天然源からの活性炭を含むことができる。
【0038】
ある実施形態では、活性炭粒子のある態様、例えば、粒度分布、表面積、および細孔サイズ分布(pore size distribution)を選択的に制御して、1回または複数回の充放電サイクルに供された後、あるタイプの電解質のイオン移動度(ion mobility)を改善するのを助けることが望ましいことがある。例えば、粒子の少なくとも50体積%(D50サイズ)は、約0.01から約30マイクロメートル、いくつかの実施形態では約0.1から約20マイクロメートル、いくつかの実施形態では約0.5から約10マイクロメートルの範囲のサイズを有することができる。粒子の少なくとも90体積%(D90サイズ)は同様に、約2から約40マイクロメートル、いくつかの実施形態では約5から約30マイクロメートル、いくつかの実施形態では約6から約15マイクロメートルの範囲のサイズを有することができる。BET表面は、約900m2/gから約3000m2/g、いくつかの実施形態では約1000m2/gから約2500m2/g、いくつかの実施形態では約1100m2/gから約1800m2/gにわたることもできる。
【0039】
特定のサイズおよび表面積を有することに加え、活性炭粒子は、特定のサイズ分布を有する細孔をさらに含むことができる。例えば、サイズが約2ナノメートル未満の細孔(すなわち、「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、いくつかの実施形態では約30体積%以下、いくつかの実施形態では0.1体積%から15体積%の細孔体積と規定することができる。サイズが約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間の細孔(すなわち、「メソ細孔」)の量は同様に、約20体積%から約80体積%、いくつかの実施形態では約25体積%から約75体積%、いくつかの実施形態では、約35体積%から約65体積%とすることができる。最後に、サイズが約50ナノメートルよりも大きい細孔(すなわち、「マクロ細孔」)の量は、約1体積%から約50体積%、いくつかの実施形態では約5体積%から約40体積%、いくつかの実施形態では約10体積%から約35体積%とすることができる。炭素粒子の全細孔体積は、約0.2cm3/gから約1.5cm3/g、いくつかの実施形態では約0.4cm3/gから約1.0cm3/gの範囲とすることができ、メジアン細孔幅は、約8ナノメートル以下、いくつかの実施形態では約1から約5ナノメートル、いくつかの実施形態では約2から約4ナノメートルとすることができる。細孔サイズおよび全細孔体積は、窒素吸着を使用して測定され、Barrett-Joyner-Halenda(「BJH」)技法によって分析されてもよい。
【0040】
所望の場合には、結合剤は、第1および/または第2の炭素質コーティング中に、炭素100部当たり約60部以下、いくつかの実施形態では40部以下、いくつかの実施形態では約1から約25部の量で存在することができる。結合剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、いくつかの実施形態では約10重量%以下、いくつかの実施形態では約0.5重量%から約5重量%を構成することができる。様々な好適な結合剤のいずれかが、電極に使用され得る。例えば、水不溶性有機結合剤、例えば、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルホモポリマー、酢酸ビニル-エチレンコポリマー、酢酸ビニル-アクリルコポリマー、エチレン-塩化ビニルコポリマー、エチレン-塩化ビニル-酢酸ビニルターポリマー、アクリルポリ塩化ビニルポリマー、アクリルポリマー、ニトリルポリマー、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンなどのフルオロポリマー、ポリオレフィンなど、ならびにこれらの混合物などが、ある実施形態で用いられ得る。水溶性有機結合剤、例えば多糖およびその誘導体なども用いられ得る。1つの特定の実施形態では、多糖は、非イオン性セルロースエーテル、例えば、アルキルセルロースエーテル(例えば、メチルセルロースおよびエチルセルロース);ヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロースなど);アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルエチルヒドロキシプロピルセルロース);カルボキシアルキルセルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース);および同様のもの、ならびにナトリウムカルボキシメチルセルロースなどの前述のいずれかのプロトン化塩などとすることができる。
【0041】
他の材料が、さらに、第1および/または第2の炭素質コーティングの活性炭層内で、および/または第1および/または第2の炭素質コーティングの他の層内で用いられ得る。例えば、ある実施形態では、導電性促進剤を用いて、導電率をさらに増加させることができる。例示的な導電性促進剤は、例えば、カーボンブラック、黒鉛(天然または人工)、黒鉛、カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノチューブ、金属ファイバ、グラフェンなど、ならびにこれらの混合物を含むことができる。カーボンブラックが特に好適である。導電性促進剤は、用いられる場合、典型的には、炭素質コーティング中の活性炭粒子100部当たり約60部以下、いくつかの実施形態では40部以下、いくつかの実施形態では約1から約25部を構成する。導電性促進剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、いくつかの実施形態では約10重量%以下、いくつかの実施形態では約0.5重量%から約5重量%を構成することができる。活性炭粒子は同様に、典型的には、炭素質コーティングの85重量%以上、いくつかの実施形態では約90重量%以上、いくつかの実施形態では約95重量%から約99.5重量%を構成する。
【0042】
炭素質コーティングを集電子に塗布する特定の手法は、印刷(例えば、輪転グラビア)、噴霧、スロット-ダイコーティング、ドロップコーティング、浸漬コーティングなど、様々であってもよい。塗布する手法とは無関係に、得られる電極は、典型的には、コーティングから水分を除去するために、約100℃以上、いくつかの実施形態では約200℃以上、いくつかの実施形態では約300℃から約500℃の温度などで乾燥される。電極はまた、ウルトラキャパシタの体積効率を最適化するために、圧縮(例えば、カレンダ仕上げ)されてもよい。いずれかの任意選択の圧縮の後、各炭素質コーティングの厚さは、通常、ウルトラキャパシタの所望の電気性能および動作範囲に基づいて変化してもよい。しかしながら、典型的には、コーティングの厚さは、約20から約200マイクロメートル、30から約150マイクロメートル、いくつかの実施形態では約40から約100マイクロメートルである。コーティングは、集電子の片面または両面に存在してもよい。それにも関わらず、電極全体(任意選択の圧縮の後の集電子および炭素質コーティングを含む)の厚さは、典型的には、約20から約350マイクロメートル、いくつかの実施形態では約30から約300マイクロメートル、いくつかの実施形態では約50から約250マイクロメートルの範囲内にある。
【0043】
電極アセンブリは、さらに、典型的には、第1の電極と第2の電極との間に位置決めされたセパレータを含む。所望の場合には、他のセパレータが、さらに、電極アセンブリで用いられてもよい。例えば、1つまたは複数のセパレータが、第1の電極、第2の電極、または両方の上に位置決めされてもよい。セパレータは、1つの電極を別の電極から電気的に絶縁して、電気的短絡を防止するのを助けることが可能であるが、依然として2つの電極間のイオン輸送がなされる。ある実施形態では、例えば、セパレータは、セルロース繊維材料(例えば、エアレイドペーパーウェブ、湿式ペーパーウェブなど)、不織繊維材料(例えば、ポリオレフィン不織ウェブ)、織布、フィルム(例えば、ポリオレフィンフィルム)などを含むものが用いられてもよい。セルロース繊維材料は、天然繊維、合成繊維などを含むものなどが、ウルトラキャパシタで使用するのに特に好適である。セパレータで使用するのに好適なセルロース繊維の特定の例は、例えば、広葉樹パルプ繊維、針葉樹パルプ繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維などを含むことができる。用いられる特定の材料とは無関係に、セパレータは、典型的には、約5から約150マイクロメートル、いくつかの実施形態では約10から約100マイクロメートル、いくつかの実施形態では約20から約80マイクロメートルの厚さを有する。
【0044】
電極アセンブリの構成要素が一緒に組み合わされる方法は、様々であってもよい。例えば、電極およびセパレータを最初に折り畳み、巻き上げ、積み重ね、または他の手法で一緒に接触させて、電極アセンブリを形成してもよい。1つの特定の実施形態では、電極、セパレータ、および任意選択の電解質は、「ジェリーロール」構成を有する電極アセンブリに巻き上げられてもよい。
【0045】
ウルトラキャパシタを形成するために、電解質は、電極アセンブリを形成するのに電極およびセパレータが一緒に組み合わされる前に、組み合わされる間に、および/または組み合わされた後に、第1の電極および第2の電極にイオン接触して配置される。電解質は、通常、本質的に非水性であり、したがって少なくとも1つの非水溶媒を含む。ウルトラキャパシタの動作温度範囲を拡げるのを助けるために、典型的には、非水溶媒が比較的高い沸騰温度、例えば約150℃以上、いくつかの実施形態では約200℃以上、いくつかの実施形態では約220℃から約300℃などを有することが望ましい。特に好適な高沸点溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどのような環状カーボネート溶媒を含むことができる。当然、他の非水溶媒も、単独でまたは環状カーボネート溶媒と組み合わせて用いられてもよい。そのような溶媒の例は、例えば、開鎖カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど)、脂肪族モノカルボキシレート(例えば、酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど)、ラクトン溶媒(例えば、ブチロラクトン バレロラクトンなど)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリルなど)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン)、アルカン(例えば、ニトロメタン、ニトロエタンなど)、硫黄化合物(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシドなど);および同様のものを含むことができる。
【0046】
電解質は、非水溶媒に溶解された少なくとも1つのイオン性液体をさらに含んでもよい。イオン性液体の濃度は変えることができるが、典型的には、イオン性液体は比較的高い濃度で存在することが望ましい。例えば、イオン性液体は、電解質リットル当たり約0.8モル(M)以上、いくつかの実施形態では約1.0M以上、いくつかの実施形態では約1.2M以上、いくつかの実施形態では約1.3から約1.8Mの量で存在してもよい。
【0047】
イオン性液体は、通常、比較的低い融解温度、例えば、約400℃以下、いくつかの実施形態では約350℃以下、いくつかの実施形態では約1℃から約100℃、いくつかの実施形態では約5℃から約50℃などを有する塩である。塩は、カチオン種および対イオンを含む。カチオン種は、「カチオン中心」として少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素またはリン)を有する化合物を含む。そのようなヘテロ原子化合物の例は、例えば、非置換または置換有機第四級アンモニウム化合物、例えば、アンモニウム(例えば、トリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなど)、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、キノリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、2つ以上の環がスピロ原子(例えば、炭素、ヘテロ原子など)によって一緒に接続されている第四級アンモニウムスピロ化合物、第四級アンモニウム縮合環構造(例えば、キノリニウム、イソキノリニウムなど)、および同様のものなどを含む。1つの特定の実施形態では、例えば、カチオン種はN-スピロ二環式化合物、例えば環式環を有する対称または非対称N-スピロ二環式化合物であってもよい。そのような化合物の一例は、以下の構造の
【0048】
【化1】
を有し、ここで、mおよびnは独立して3から7の数であり、いくつかの実施形態では4から5である(例えば、ピロリジニウムまたはピペリジニウム)である。
【0049】
同様に、カチオン種に好適な対イオンは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物など);スルフェートまたはスルホネート(例えば、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸ブチル、硫酸ヘキシル、硫酸オクチル、硫酸水素、スルホン酸メタン、スルホン酸ドデシルベンゼン、ドデシルスルフェート、スルホン酸トリフルオロメタン、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、ドデシルエトキシ硫酸ナトリウムなど);スルホスクシネート;アミド(例えば、ジシアナミド);イミド(例えば、ビス(ペンタフルオロエチル-スルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチル)イミドなど);ボレート(例えば、テトラフルオロボレート、テトラシアノボレート、ビス[オキサラト]ボレート、ビス[サリチラト]ボレートなど);ホスフェートまたはホスフィネート(例えば、ヘキサフルオロホスフェート、ジエチルホスフェート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)-トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロホスフェートなど);アンチモネート(例えば、ヘキサフルオロアンチモネート);アルミネート(例えば、テトラクロロアルミネート);脂肪酸カルボキシレート(例えば、オレエート、イソステアレート、ペンタデカフルオロオクタノエートなど);シアネート;アセテート;および同様のもの、ならびに前述のいずれかの組合せを含むことができる。
【0050】
好適なイオン性液体のいくつかの例は、例えば、テトラフルオロホウ酸スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウム、テトラフルオロホウ酸トリエチルメチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム、ヨウ化スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウム、ヨウ化トリエチルメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸メチルトリエチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸テトラエチルアンモニウムなどを含むことができる。
【0051】
上記のように、ウルトラキャパシタは、電極アセンブリおよび電解質が保持され任意選択で気密封止されるハウジングをさらに含む。ハウジングの性質は、所望に応じて変化してもよい。1つの実施形態では、例えば、ハウジングは、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金、それらの複合体(例えば、導電性酸化物でコーティングされた金属)、および同様のものから形成されたものなどの金属容器(「カン」)を含むことができる。アルミニウムは、本開示で使用するのに特に好適である。金属容器は、円筒状、D字形などの様々な異なる形状のいずれかを有してもよい。円筒形状の容器が特に好適である。
【0052】
別の実施形態では、例えば、ハウジングは、ウルトラキャパシタの構成要素を密閉する可撓性パッケージの形態とすることができる。パッケージは、一般に、2つの端部の間を延び、端部ならびに重なり合う両側部分が互いに固定的および密閉的に当接される(例えば、熱溶接によって)縁部を有する基材を含む。このようにして、電解質をパッケージ内に保持することができる。基材は、典型的には、約20マイクロメートルから約1000マイクロメートル、いくつかの実施形態では、約50マイクロメートルから約800マイクロメートル、いくつかの実施形態では、約100マイクロメートルから約600マイクロメートルの範囲内の厚さを有する。
【0053】
基材は、望ましいレベルのバリア特性を達成するために望まれる任意の数の層、例えば、1つ以上、いくつかの実施形態では2つ以上、いくつかの実施形態では、2つから4つの層を含むことができる。典型的には、基材は、アルミニウム、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼などのような金属を含むことができるバリア層を含む。そのようなバリア層は、一般に、電解質の漏洩を阻止できるように電解質に対して不透過性であり、さらに、一般に、水および他の汚染物質に対して不透過性である。所望の場合には、基材は、パッケージの保護層として機能する外層をさらに含むことができる。このようにして、バリア層は、外層と電極アセンブリとの間に位置づけられる。外層は、例えば、ポリオレフィン(例えば、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、プロピレンホモポリマーなど)、ポリエステルなどから形成されたものなどのポリマーフィルムから形成することができる。特に好適なポリエステルフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを含むことができる。
【0054】
所望の場合には、基材は、電極アセンブリとバリア層との間に位置づけられる内層をさらに含むことができる。ある実施形態では、内層は、ヒートシール可能なポリマーを含むことができる。好適なヒートシール可能なポリマーは、例えば、ビニルクロライドポリマー、ビニルクロリジンポリマー(vinyl chloridine polymer)、アイオノマーなど、ならびにそれらの組合せを含むことができる。アイオノマーは、特に、好適である。1つの実施形態では、例えば、アイオノマーは、α-オレフィンおよび(メタ)アクリル酸反復単位を含むコポリマーとすることができる。具体的なα-オレフィンは、エチレン、プロピレン、1ーブテン;3-メチル-1-ブテン;3,3-ジメチル-1-ブテン;1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘキセン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘプテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-オクテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ノネン;エチル、メチル、またはジメチル置換1-デセン;1-ドデセン;およびスチレンを含むことができる。エチレンは、特に、好適である。上述のように、コポリマーは、(メタ)アクリル酸反復単位とすることもできる。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルモノマーおよびメタクリルモノマー、ならびにその塩またはエステル、例えば、アクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーなどを含む。そのような(メタ)アクリルモノマーの例はメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、s-ブチルアクリレート、iーブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、i-アミルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-デシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、アミルメタクリレート、s-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、2ーエチルブチルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2ーエトキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなど、ならびにそれらの組合せを含むことができる。典型的には、α-オレフィン/(メタ)アクリル酸コポリマーは、金属イオンで少なくとも部分的に中和されてアイオノマーを形成する。好適な金属イオンは、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウムなど)、遷移金属(例えば、マンガン、亜鉛など)など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。金属イオンは、金属蟻酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物、アルコキシドなどのようなイオン化合物によって提供することができる。
【0055】
モジュール内で、ウルトラキャパシタが接続される方法は様々であってもよい。例えば、ウルトラキャパシタは、ウルトラキャパシタのそれぞれの端子に取り付けるかまたは接続する相互接続を使用して接続されてもよい。相互接続は、導電性金属などの導電材料で製作されてもよい。1つの実施形態では、相互接続は、比較的平坦であってもよく、または表面積が増加するものであってもよい。後者に関して、相互接続は、突起/突出を有してもよく、または、さらに、ワイヤ、編組、コイルなどから形成されてもよい。これに関して、相互接続の特定の寸法および構成は必ずしも限定されない。その形態に関係なく、銅、スズ、ニッケル、アルミニウムなどならびに合金および/またはコーティングされた金属などの様々な異なる導電材料のいずれかが用いられてもよい。所望の場合には、導電材料は、任意選択で、シース材料を用いて絶縁されてもよい。
【0056】
ウルトラキャパシタは、所望の特定の性質に応じて、直列にまたは並列に一緒に電気的に接続され得る。例えば、1つの特定の実施形態では、ウルトラキャパシタは、あるウルトラキャパシタの特定の極性(例えば、正)の端子が別のウルトラキャパシタの反対の極性(例えば、負)の端子に接続されるように直列に電気的に接続され得る。例えば、正端子は第1のウルトラキャパシタの頂部から延びることができ、負端子は第2のウルトラキャパシタの底部から延びることができる。
【0057】
それらを含むウルトラキャパシタおよびモジュールは、大量の電荷を貯蔵するために用いられ得る。その結果、本開示のモジュールおよびウルトラキャパシタは、様々な用途において用いられ得る。例えば、それらは、限定はしないが、風力タービン、ソーラータービン、ソーラーパネル、および燃料電池を含む様々なエネルギー用途で使用され得る。加えて、それらは、限定はしないが、車両(例えば、バッテリ推進電気車両、バス、エンジン始動、パワーおよびブレーキ回復システムを含むハイブリッド電気車両など)、列車および電車(例えば、リニアモーターカー、線路切換、スタータシステムなど)、および航空宇宙(例えば、ドア用アクチュエータ、脱出用シュートなど)を含む様々な輸送用途でも使用され得る。それらは、オートメーション(例えば、ロボティクスなど)、車両(例えば、フォークリフト、クレーン、電気カートなど)を含む様々な産業用途も有する。それらは、家庭用電化製品(例えば、ポータブルメディアプレイヤ、ハンドヘルドデバイス、GPS、デジタルカメラなど)、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、PDAなど)、および通信システムにおける様々な用途も有する。モジュールおよびウルトラキャパシタは、様々な軍用用途(例えば、戦車および潜水艦のためのモータ始動、フェーズドアレイレーダアンテナ、レーザ電源、無線通信、アビオニクス表示および計装、GPSガイダンスなど)、および医療用途(例えば、除細動器など)を有することもできる。
【0058】
本発明のこれらおよび他の変更および変形が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実践されてもよい。加えて、様々な実施形態の態様は、全体的または部分的の両方で交換されてもよいことが理解されるべきである。さらに、当業者は、前述の説明が、単なる例であり、当該の添付の特許請求の範囲にさらに記載されている本発明を限定するように意図されていないことを認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】