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特表2023-528448ガスストリーム成分除去システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ガスストリーム成分除去システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20230627BHJP
   F25J 3/02 20060101ALI20230627BHJP
   F25J 3/06 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25J3/02 B
F25J3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574388
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 US2021035459
(87)【国際公開番号】W WO2021247713
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,112
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ダグラス・エイ,ジュニア
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA10
4D047AB08
4D047BA07
4D047CA19
4D047DA01
4D047DA04
(57)【要約】
ガスストリームから選択成分を除去するためのシステムは、供給ガスストリームを受容して、冷却供給ガスストリームを提供するように構成された第1の冷却通路を含む熱交換器を有する。膨張器は、冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を受容する。分離装置は、膨張器から膨張流体ストリームを受容して、膨張流体ストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離する。圧縮機は、おおよそ精製蒸気温度で精製蒸気ストリームを受容して、熱交換器に戻される圧縮蒸気ストリームを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスストリームから選択成分を除去するためのシステムであって、
a.供給ガスストリームを受容して、冷却供給ガスストリームを提供するように構成された第1の冷却通路を含む熱交換器と、
b.前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を受容するように構成された膨張器と、
c.前記膨張器から膨張流体ストリームを受容して、前記膨張流体ストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するように構成された分離装置と、
d.おおよそ前記精製蒸気温度で前記精製蒸気ストリームを受容して、前記熱交換器に戻される圧縮蒸気ストリームを生成するように構成された圧縮機と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記圧縮蒸気ストリームを受容するように構成された第2の冷却通路を更に含み、
前記熱交換器は、前記第1および第2の冷却通路を含む単一の主熱交換器を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記圧縮蒸気ストリームを受容するように構成された第2の冷却通路を更に含み、
前記熱交換器は、前記第1の冷却通路を含む第1の熱交換器と、前記第2の冷却通路を含む第2の熱交換器と、を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧縮蒸気ストリームを受容するように構成された第2の冷却通路と、
第3の冷却通路であって、前記第1および第3の冷却通路が、前記供給ガスストリームを受容して、冷却供給ガスストリームを前記膨張器に提供するように、前記第1の冷却通路に平行に配置された第3の冷却通路と、
第4の冷却通路であって、前記第2および第4の冷却通路が、前記圧縮蒸気ストリームを受容するように、前記第2の冷却通路に平行に配置された第4の冷却通路と、
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1および第2の冷却通路は、第1の熱交換器内にあり、
前記第3および第4の冷却通路は、第2の熱交換器内にある、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記圧縮機から圧縮蒸気を受容して、前記熱交換器に調整圧縮蒸気を向けるように構成された調整熱交換器を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記熱交換器第1の冷却通路から前記冷却供給ガスストリームを受容するように構成された吸引ドラムを更に含み、
前記吸引ドラムは、前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成された吸引ドラム蒸気出口を有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記吸引ドラムは、吸引ドラム液体出口を有し、
前記分離装置に流体ストリームを向けるように構成された液体ドレン配管を更に含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記液体ドレン配管は、ドレン弁を含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記膨張器は、膨張タービンである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記圧縮機は、前記膨張タービンによって動力供給される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記圧縮機は、前記膨張タービンおよびモータによって動力供給される、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記膨張器は、モータによって動力供給される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記分離装置は、分離セクションおよびストリッピングセクションを有する分離カラムを含み、
前記分離セクションは、前記膨張器から前記膨張流体ストリームを受容して、前記ストリッピングセクションに流体を向けて、前記圧縮機に前記精製蒸気ストリームを向けるように構成され、前記汚染液体ストリームは、前記ストリッピングセクションから出、
前記供給ガスストリームの一部を受容して、ストリッピングガスとしての使用のために前記ストリッピングセクションに前記供給ガスストリームの前記一部を向けるように構成されたストリッピングガス配管を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ストリッピングガス配管は、前記熱交換器の前記第1の冷却通路から流体を受容するように構成された入口を含む、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記熱交換器第1の冷却通路から前記冷却供給ガスストリームを受容するように構成された吸引ドラムを更に含み、
前記吸引ドラムは、
前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成された吸引ドラム蒸気出口と、
流体ストリームを前記ストリッピングセクションに向けるように構成された吸引ドラム液体出口と、
を有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記分離装置は、分離セクションおよびストリッピングセクションを有する分離カラムを含み、
前記分離セクションは、前記膨張器から前記膨張流体ストリームを受容して、前記ストリッピングセクションに流体を向けて、前記圧縮機に前記精製蒸気ストリームを向けるように構成され、
前記選択成分を包含する前記液体ストリームは、前記ストリッピングセクションから出、
リボイラ液体ストリームを少なくとも部分的に気化させるために前記ストリッピングセクションから前記リボイラ液体ストリームを受容して、結果得られるストリッピングガスストリームを前記ストリッピングセクションに向けるように構成されたリボイラ熱交換器を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記供給ガスストリームの一部を受容して、前記供給ガスストリームの前記一部を前記リボイラ熱交換器に向けるように構成されたテイクオフガス配管を更に含み、
前記供給ガスストリームの前記一部は、前記リボイラ液体ストリームが加温されて気化される際に冷却され、
前記リボイラ熱交換器は、前記供給ガスストリームの冷却された前記一部の少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成される、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記圧縮蒸気ストリームを受容するように構成された第2の冷却通路を更に含み、
前記第1および第2の冷却通路は、平行な配置で前記熱交換器の内部に位置付けされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記熱交換器は、高温端部および低温端部を含み、
前記第2の冷却通路は、前記熱交換器の前記高温端部および低温端部の双方を少なくとも部分的に通過する高圧経路を形成し、
前記第1の冷却通路は、前記熱交換器の前記高温端部の少なくとも一部を通過する、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記圧縮機から圧縮蒸気を受容して、調整された圧縮蒸気を前記高圧経路に向けるように構成された調整熱交換器を更に含む、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
供給ガスを液化するためのシステムであって、
a.第1の冷却通路および第2の冷却通路を有し、前記第1の冷却通路が、冷却供給ガスストリームが形成されるように供給ガスストリームを受容するように構成されている、熱交換器と、
b.前記熱交換器と連通して、前記第1および第2の冷却通路を冷却するように構成されている、混合冷媒圧縮システムと、
c.前記第2の冷却通路の出口に接続された液化ガス出口配管と、
d.前記第1の冷却通路から前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を受容するように構成された膨張器と、
e.前記膨張器から膨張流体ストリームを受容して、前記膨張流体ストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するように構成された分離装置と、
f.おおよそ前記精製蒸気温度で前記精製蒸気ストリームを受容して、圧縮蒸気ストリームを生成するように構成された圧縮機と、
g.前記圧縮蒸気ストリームを受容および液化するように構成された前記第2の冷却通路と、
を含む、システム。
【請求項23】
前記熱交換器は、前記第1および第2の冷却通路を含む単一の主熱交換器を含む、
請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記熱交換器は、
前記第1の冷却通路を含む第1の熱交換器と、
前記第2の冷却通路を含む第2の熱交換器と、
を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
第3の冷却通路であって、前記第1および第3の冷却通路が、前記供給ガスストリームを受容して、冷却供給ガスストリームを前記膨張器に提供するように、前記第1の冷却通路に平行に配置された第3の冷却通路と、
第4の冷却通路であって、前記第2および第4の冷却通路が、前記圧縮蒸気ストリームを受容および液化するように、前記第2の冷却通路に平行に配置された第4の冷却通路と、
を更に含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1および第2の冷却通路は、第1の熱交換器内にあり、
前記第3および第4の冷却通路は、第2の熱交換器内にある、
請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記圧縮機から圧縮蒸気を受容して、前記熱交換器に調整圧縮蒸気を向けるように構成された調整熱交換器を更に含む、
請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記熱交換器第1の冷却通路から前記冷却供給ガスストリームを受容するように構成された吸引ドラムを更に含み、
前記吸引ドラムは、前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成された吸引ドラム蒸気出口を有する、
請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記吸引ドラムは、吸引ドラム液体出口を有し、
前記分離装置に流体ストリームを向けるように構成された液体ドレン配管を更に含む、
請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記液体ドレン配管は、ドレン弁を含む、
請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記膨張器は、膨張タービンである、
請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記圧縮機は、前記膨張タービンによって動力供給される、
請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記圧縮機は、前記膨張タービンおよびモータによって動力供給される、
請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記圧縮機は、モータによって動力供給される、
請求項22に記載のシステム。
【請求項35】
前記分離装置は、分離セクションおよびストリッピングセクションを有する分離カラムを含み、
前記分離セクションは、前記膨張器から前記膨張流体ストリームを受容して、前記ストリッピングセクションに流体を向けて、前記圧縮機に前記精製蒸気ストリームを向けるように構成され、
選択成分を包含する前記液体ストリームは、前記ストリッピングセクションから出、
前記供給ガスストリームの一部を受容して、ストリッピングガスとしての使用のために前記ストリッピングセクションに前記供給ガスストリームの前記一部を向けるように構成されたストリッピングガス配管を更に含む、
請求項22に記載のシステム。
【請求項36】
前記ストリッピングガス配管は、前記熱交換器の前記第1の冷却通路から流体を受容するように構成された入口を含む、
請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記熱交換器第1の冷却通路から前記冷却供給ガスストリームを受容するように構成された吸引ドラムを更に含み、
前記吸引ドラムは、
前記冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成された吸引ドラム蒸気出口と、
流体ストリームを前記ストリッピングセクションに向けるように構成された吸引ドラム液体出口と、
を有する、
請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記分離装置は、分離セクションおよびストリッピングセクションを有する分離カラムを含み、
前記分離セクションは、前記膨張器から前記膨張流体ストリームを受容して、前記ストリッピングセクションに流体を向けて、前記圧縮機に前記精製蒸気ストリームを向けるように構成され、
成分を包含する前記液体ストリームは、前記ストリッピングセクションから出、
リボイラ液体ストリームを加温して少なくとも部分的に気化させるために前記ストリッピングセクションから前記リボイラ液体ストリームを受容して、結果得られるストリッピングガスストリームを前記ストリッピングセクションに向けるように構成されたリボイラ熱交換器を更に含む、
請求項22に記載のシステム。
【請求項39】
前記供給ガスストリームの一部を受容して、前記供給ガスストリームの前記一部を前記リボイラ熱交換器に向けるように構成されたテイクオフガス配管を更に含み、
前記供給ガスストリームの前記一部は、前記リボイラ液体ストリームが加温されて部分的に気化される際に冷却され、
前記リボイラ熱交換器は、前記供給ガスストリームの冷却された前記一部の少なくとも一部を前記膨張器に向けるように構成される、
請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記熱交換器は、高温端部および低温端部を含み、
前記第2の冷却通路は、前記熱交換器の前記高温端部および低温端部の双方を少なくとも部分的に通過する高圧経路を形成し、
前記第1の冷却通路は、前記熱交換器の前記高温端部の少なくとも一部を通過する、
請求項22に記載のシステム。
【請求項41】
前記圧縮機から圧縮蒸気を受容して、調整された圧縮蒸気を前記高圧経路に向けるように構成された調整熱交換器を更に含む、
請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
ガスストリームから選択成分を除去するための方法であって、
a.冷却供給ガスストリームを提供するために供給ガスストリームを冷却するステップと、
b.膨張ガスストリームを提供するために前記冷却供給ガスストリームを膨張させるステップと、
c.前記膨張ガスストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するステップと、
d.圧縮蒸気ストリームを提供するためにおおよそ前記精製蒸気温度で前記精製蒸気ストリームを受容後に前記精製蒸気ストリームを圧縮するステップと、
を含む、方法。
【請求項43】
前記ガスストリームは、天然ガスストリームである、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
ガス供給ストリームを液化する方法であって、
a.冷却供給ガスストリームを提供するためにガス供給ガスストリームを冷却するステップと、
b.膨張ガスストリームを提供するために前記冷却供給ガスストリームを膨張させるステップと、
c.前記膨張ガスストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するステップと、
d.圧縮蒸気を提供するためにおおよそ前記精製蒸気温度で前記精製蒸気ストリームを受容後に前記精製蒸気ストリームを圧縮するステップと、
e.液化したガスストリームを形成するために前記圧縮蒸気ストリームを冷却するステップと、
を含む、方法。
【請求項45】
前記ガスストリームは、天然ガスストリームである、
請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]この出願は、2020年6月3日に出願された米国仮出願第63/034,112号の利益を主張し、それの内容は、ここに参照によって組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、概して、ガスを冷却または液化するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、選択した成分をそのようなガスから除去するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]天然ガスは、多くの場合、貯蔵、使用および輸送用に圧力下で液化される。液化に起因する体積の減少は、より実用的且つ経済的な設計の容器が使用されるのを可能にする。
【0004】
[0004]天然ガスは、典型的には、掘削作業や類似作業を介して地下貯蔵所から得られる。結果得られる天然ガスストリームは、本来はメタンであるが、重炭化水素(例えば、ブタン、エタン、ペンタンおよびプロパン、ベンゼン、キシレン、ヘプタン、オクタンおよび重成分を含む)、二酸化炭素、水素、窒素および水などの成分を含むこともある。
【0005】
[0005]液化は、典型的には、1つまたは複数の熱交換器における1つまたは複数の冷凍サイクルによって間接熱交換を介して天然ガスを冷却することによって達成される。重炭化水素などの成分が液化中にガスストリームに存在する場合、そのような成分は、液化熱交換器の作業をフリーズおよび毀損させることがある。また、生成物として成分を回収することが望ましいこともある。加えて、高めの純度の液化天然ガスは、燃料として燃焼されるときに、二酸化炭素などの温室効果ガスを少なめに作り出す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本主題のいくつかの態様が存在し、それらは下で説明および権利請求される方法、装置およびシステムにおいて別個にまたは一緒に具体化できる。これらの態様は、単独で、または、本明細書で説明される主題の他の態様との組合せで、採用されてもよく、これらの態様の説明は、これらの態様の別個の使用、或いは、そのような態様の別個のまたは種々の組合せでの主張を、除外することを互いに意図されておらず、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている通りである。
【0007】
[0007]1つの態様において、ガスストリームから選択成分を除去するためのシステムは、供給ガスストリームを受容して、冷却供給ガスストリームを提供するように構成された第1の冷却通路を有する熱交換器を含む。膨張器は、冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を受容するように構成される。分離装置は、膨張器から膨張流体ストリームを受容して、膨張流体ストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するように構成される。圧縮機は、おおよそ精製蒸気温度で精製蒸気ストリームを受容して、熱交換器に戻される圧縮蒸気ストリームを生成するように構成される。
【0008】
[0008]別の態様において、供給ガスを液化するためのシステムは、第1の冷却通路および第2の冷却通路を有する熱交換器を含む。第1の冷却通路は、冷却供給ガスストリームが形成されるように供給ガスストリームを受容するように構成される。混合冷媒圧縮システムは、熱交換器と連通して、第1および第2の冷却通路を冷却するように構成される。液化ガス出口配管は、第2の冷却通路の出口に接続される。膨張器は、第1の冷却通路から冷却供給ガスストリームの少なくとも一部を受容するように構成される。分離装置は、膨張器から膨張流体ストリームを受容して、膨張流体ストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するように構成される。圧縮機は、おおよそ精製蒸気温度で精製蒸気ストリームを受容して、圧縮蒸気ストリームを生成するように構成される。第2の冷却通路は、圧縮蒸気ストリームを受容および液化するように構成される。
【0009】
[0009]更に別の態様において、プロセスは、ガスストリームから選択成分を除去するために設けられ、冷却供給ガスストリームを提供するために供給ガスストリームを冷却するステップと、膨張ガスストリームを提供するために冷却供給ガスストリームを膨張させるステップと、膨張ガスストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するステップと、圧縮蒸気ストリームを提供するために精製蒸気ストリームを圧縮するステップと、を含む。
【0010】
[0010]また別の態様において、ガス供給ストリームを液化する方法は、冷却供給ガスストリームを提供するためにガス供給ガスストリームを冷却するステップと、膨張ガスストリームを提供するために冷却供給ガスストリームを膨張させるステップと、膨張ガスストリームを、選択成分を包含する液体ストリームと、精製蒸気温度を有する精製蒸気ストリームと、に分離するステップと、圧縮蒸気ストリームを提供するために精製蒸気ストリームを圧縮するステップと、液化したガスストリームを形成するために圧縮蒸気ストリームを冷却するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本開示のシステムの第1の実施形態を例証するプロセス流れ概略図である。
図2】[0012]本開示のシステムの第2の実施形態を例証するプロセス流れ概略図である。
図3】[0013]本開示のシステムの第3の実施形態を例証するプロセス流れ概略図である。
図4】[0014]本開示のシステムの第4の実施形態を例証するプロセス流れ概略図である。
図5】[0015]本開示のシステムの第5の実施形態を例証するプロセス流れ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016]混合冷媒液化システムおよび方法は、本開示の成分除去システムの実施形態を含んでおり、図1~5に例証されている。留意すべきことは、実施形態が、凍結成分を除去して、液化天然ガスを生成するために天然ガスを液化するためのシステムの観点から、例証されて下で説明されているが、本開示の技術が、他のタイプのガスを液化または冷却するシステムと共に使用できる、ということである。加えて、本開示の技術は、最終の所望の液化天然ガスまたは他の生成物温度よりも温かいが、ガスストリームの入口温度よりも冷たい温度で、凍結または凝縮する任意の選択した成分の分離を実行するために使用できる。
【0013】
[0017]図1を参照すると、システムは、本開示の成分除去システムの実施形態を含んでおり、10で全体が示されている。システムは、14で全体が示された液化システムに統合された12で全体が示された選択成分除去システムを含む。基本液化システムは、混合冷媒圧縮機システムを含んでおり、単なる例として、共通所有のGushanasらの米国特許第9,441,877号またはDucote, Jr. el.の米国特許第10,480,851号に説明されているとおりであってよく、それらの個々の内容は、ここに参照によって組み込まれる。
【0014】
[0018]全体として、図1を参照すると、システムは、マルチストリーム主熱交換器を含んでおり、それは16で全体が示され、高温端部18および低温端部20を有する。熱交換器は、高圧天然ガス供給ストリーム22を受容し、それは冷却ストリームとの熱交換を介した熱の除去を介して主熱交換器内で冷却され液化される。その結果として、液化天然ガス(LNG)の生成物ストリーム24が生成される。熱交換器のマルチストリーム設計は、単一の熱交換器の中へのいくつかのストリームの便利でエネルギ効率の良い統合を可能にする。適切な熱交換器は、ろう付けアルミニウム熱交換器(BAHX)などであり、ジョージア州ボールグラウンドのChart Energy & Chemicals, Inc.から購入できる。プレート・アンド・フィン・マルチストリーム熱交換器は、Chart Energy & Chemicals, Inc.から入手可能であり、物理的にコンパクトであるという更なる利点を提供する。
【0015】
[0019]代替的な設計およびタイプの熱交換器は、図1に16で例証されたBAHXのために代用できる。
【0016】
[0020]図1のシステムは、熱交換器16を含んでおり、当技術分野で知られている他のガス処理オプションを実行するように構成できる。これらの処理オプションは、ガスストリームが1回または複数回、熱交換器から出るおよび再度入ることを要求でき、また、更に詳細に下で説明されるように、選択成分除去および天然ガス液体回収を含むことができる。
【0017】
[0021]熱の除去は、26で全体が示された混合冷媒圧縮機システムを使用して処理および再調整される混合冷媒を使用する熱交換器において果たされる。混合冷媒圧縮機システムは、高圧アキュムレータ32を含んでおり、最後の圧縮および冷却サイクルの後に混合冷媒(MR)混合相ストリーム34を受容および分離する。アキュムレータドラム32が例証されているが、代替的な分離装置は、使用でき、それらに限定されないが、別のタイプの器、サイクロン分離器、蒸留ユニット、コアレッシング分離器またはメッシュ若しくはベーンタイプのミスト排除器を含む。高圧蒸気冷媒ストリーム36は、アキュムレータ32の蒸気出口を出て、熱交換器16の高温端部18まで移動する。
【0018】
[0022]高圧液体冷媒ストリーム38は、アキュムレータ32の液体出口から出て、熱交換器の高温端まで同じく移動する。熱交換器内での冷却後に、混合相ストリーム40として中間温度スタンドパイプ42まで移動する。
【0019】
[0023]アキュムレータ32からの高圧蒸気ストリーム36が熱交換器16で冷却された後、混合相ストリーム44は、低温蒸気分離器46まで流れる。結果得られる蒸気冷媒ストリーム48は、分離器46の蒸気出口から出て、熱交換器16内での冷却後に、混合相ストリーム54として低温度スタンドパイプ52まで移動する。蒸気および液体ストリーム56、58は、低温度スタンドパイプ52から出て、熱交換器16の低温端部20において一次冷却通路62の中に流れ込む。
【0020】
[0024]気化した混合冷媒ストリーム63は、熱交換器の高温端18から出て、任意選択の吸引ドラム65を通過した後、初期圧縮および冷却サイクルの圧縮機の入口に向けられる。
【0021】
[0025]液体ストリーム64は、低温蒸気分離器46から出て、熱交換器16内で冷却され、混合相ストリーム66として熱交換器から出る。混合相ストリーム66は、中間温度スタンドパイプ42に向けられ、アキュムレータ32の液体出口からの混合相ストリーム40と組み合わされる。蒸気および液体ストリーム72、74は、例証されたように、中間温度スタンドパイプから出て、一次冷却通路62の中に流れ込む。
【0022】
[0026]段間分離装置76は、初期圧縮および冷却サイクルの後に混合冷媒混合相ストリーム78を受容および分離する。分離ドラム76が例証されているが、代替的な分離装置は、使用でき、それらに限定されないが、別のタイプの器、サイクロン分離器、蒸留ユニット、コアレッシング分離器またはメッシュ若しくはベーンタイプのミスト排除器を含む。液体ストリーム82は、段間分離装置の液体出口から出て、熱交換器16内で冷却され、結果得られるストリーム84は、膨張されて一次冷却通路62に向けられる。蒸気ストリーム85は、段間分離装置の蒸気出口を出て、圧縮システムの最後の圧縮および冷却サイクルまで移動する。システムの代替的な実施形態において、段間分離装置は、蒸気出口だけを含むことができ、或いは、完全になくすこともできる。
【0023】
[0027]本開示に従って、成分除去システム12は、冷却ガス供給ストリーム86を受容し、それは主熱交換器16の第1の冷却通路88a内の供給ガスストリーム22を冷却することによって生成される。
【0024】
[0028]冷却供給ガスストリーム86は、主熱交換器16からの引き出し後に、任意選択の吸引ドラム92に向けられる。吸引ドラムからの蒸気ストリーム94は、膨張器96まで移動し、それは膨張タービンであることが好ましく、従って、ガスストリーム圧力は、臨界圧力より下に低下する。これは、主熱交換器内で凍結することになる成分および/または凝縮することになる他の成分が、混合相ストリーム98が形成されるように凝縮するのを引き起こす。この混合相ストリーム98は、分離装置102まで移動して、そこにおいて、液体ストリーム104は、凝縮凍結成分および他の選択成分を含んでおり、底部から引き出される。
【0025】
[0029]膨張タービンは、膨張器96として例証されているが、代替的な膨張装置は、それらに限定されないが、膨張弁またはオリフィスを含んでおり、使用することができる。
【0026】
[0030]吸引ドラム92内に収集された任意の液体は、分離装置に移動する混合相ストリーム98に向けられることがあり、液体ドレン配管108内のドレン弁106を開くことによって、吸引ドラムの底部から出る。これは、膨張器96への潜在的な損傷を防止する。代替的に、吸引ドラムからの液体は、弁106を出た後、分離装置102の中に直接入ることができる。
【0027】
[0031]上で示されたように、吸引ドラム92は、斯くして、液体配管108およびドレン弁106は、任意選択であり、斯くして膨張器96の入口に直接ルート送りされる主熱交換器から引き出される供給ストリームについて省略できる。或いは、代替的な実施形態において、膨張器96の入口にルート送りされるストリームは、僅かに加熱されてもよく(熱交換器16または専用の熱交換器の一部を貫く通路によるなど)、ストリーム内または供給ガスの高温ガスバイパス内の任意の液体を気化させる。
【0028】
[0032]精製されたメタンリッチ蒸気ストリーム112は、精製蒸気温度で分離装置102の上部から出て、圧縮機114に向けられ、それには(膨張器がタービンであるシステムのバージョンにおける)膨張器96またはモータ115或いは両者の組合せによって動力供給できる。圧縮機に動力供給するための膨張器の使用は、膨張器によって受容される高圧ガスストリームからエネルギを回収する。
【0029】
[0033]液化のために熱交換器に戻るストリームの最適効率のための理想的な圧力(「戻り圧力」)は、熱交換器通路88aを出る吸引ドラムまたはストリームの温度に殆ど等しい温度(「戻り温度」)に対応する圧力である。蒸気ストリーム112を精製蒸気温度で(即ち、分離装置102から圧縮機入口まで流れる際の精製蒸気ストリームの潜在的な偶発的加温に起因するおおよそ精製蒸気温度で)受容することによって、圧縮機114は、蒸気ストリーム112をより高い圧力および温度まで「低温圧縮」し、圧縮ストリームの温度は、吸引ドラム92内の蒸気の温度または主熱交換器から引き出された冷却ガスストリーム86の温度とおおよそ等しいかまたはそれより僅かに下である。圧縮機から出る蒸気ストリーム118の戻り温度は、理想的には、吸引ドラム92(またはストリーム86)内のガスの温度の近くかまたはそれより下であり、その理由は、システムが圧縮機114の中への進入に先立って分離装置102を出る蒸気を加熱しないからである。そのうえ、低温蒸気を圧縮機114に入れることによって、圧縮機から出る蒸気の圧力は、高めであり、温度は、分離装置102からの蒸気が(同じ圧縮機動力レベルのために)圧縮機の中への進入に先立って加熱された場合よりも低い。その結果として、所与レベルの液化天然ガス生成に必要とされる冷凍力は、低下するか、或いは、逆に、高めの液化天然ガス生成は、冷凍力が固定されている場合に得られる。圧縮蒸気ストリーム118は、LNG生成物ストリーム24が生成されるように、液化される戻り圧力および戻り温度で、熱交換器16の第2の冷却通路88bに戻される。
【0030】
[0034]図1の第1および第2の冷却通路88aおよび88bは、単一の熱交換器16の一部として例証されているが、代替的な実施形態において、通路88aおよび88bは、直列に配置される別個の熱交換器に組み込むことができる。加えて、通路88aに平行に延びる通路は、同じかまたは追加の熱交換器内に形成できる。同じことは、通路88b(および残りの実施形態における通路88aおよび88bに対応する通路)についても妥当する。
【0031】
[0035]示されたプロセスは、天然ガス液化プロセスのためのものであり、しかるに、12で例証されたシステムおよびプロセスは、任意の他のプロセスと共に使用でき、低めの圧力および温度で到来供給ガスの少なくとも一部を分離することを要求し、高めの圧力で供給ガスを戻すことから利益を得る。
【0032】
[0036]図2に例証されたように、図1の成分除去システム12は、116で全体が示されたコイル巻熱交換器(CWHX)を使用する液化プロセスの一部として実装できる。そのような熱交換器は、当技術分野でよく知られており、単なる例として、アイルランドのLinde pic of Dublin、または、ペンシルベニア州アレンタウンのAir Products and Chemicals, Inc.から購入できる。
【0033】
[0037]図2に例証されたように、熱交換器116は、高圧天然ガス供給ストリーム122を受容し、それは冷却ストリームとの熱交換を介した熱の除去を介して主熱交換器内で冷却され液化される。その結果として、液化天然ガス(LNG)の生成物ストリーム124が生成される。
【0034】
[0038]圧縮システムは、熱交換器116に対して、混合冷媒ストリームを提供し、また、そこから混合冷媒ストリーム128を受容し、図1の圧縮システム26と同じ様式で混合冷媒を調整する。
【0035】
[0039]当技術分野で知られているように、CWHX熱交換器116は、調整された混合冷媒ストリーム134、136、138および140を受容するシェル132を含む。混合冷媒ストリーム134は、低温蒸気分離器144からの蒸気ストリーム142を冷却して膨張させることによって形成される。混合冷媒ストリーム136は、低温蒸気分離器144からの液体ストリーム146を冷却して膨張させることによって形成される。混合冷媒ストリーム138は、高圧アキュムレータ152からの液体ストリーム148を冷却して膨張させることによって形成される。混合冷媒ストリーム140は、段間分離装置156から液体ストリーム154を冷却して膨張させることによって形成される。
【0036】
[0040]熱交換器116の冷却通路188aおよび188bと、混合冷媒を冷却するために使用される通路とは、コアまたはマンドレルに巻き付けられて熱交換器のシェル132内に配置された管束によって形成される。その結果として、管束の外側表面は、シェルに入る混合冷媒ストリーム134、136、138および140に曝露される。
【0037】
[0041]図1のシステムおよびプロセスと同様に、成分除去システム12は、冷却ガス供給ストリーム186を受容し、それは主熱交換器116の第1の冷却通路188a内の供給ガスストリーム122を冷却することによって生成される。冷却ガス供給ストリーム186は、図1を参照して上で説明されたと同じ様式で成分除去システム12内で処理され、圧縮蒸気ストリーム190は、LNG生成物ストリーム124が生成されるように液化されるために熱交換器116の第2の冷却通路188bに戻される。
【0038】
[0042]成分除去システムの代替的な実施形態は、図3において200で全体が示されている。液化システム14は、図1に例証されたと同じ様式で動作し、それ故に、第1および第2の冷却通路88aおよび88bを含む主熱交換器16を同じく含む。
【0039】
[0043]下で解説されるように、図3の成分除去システム200は、光成分がLNG生成物ストリームに追加されるように、凍結成分および他の選択成分から光成分を除去するためにストリッピングガスを使用する。
【0040】
[0044]図3を参照すると、先の実施形態におけるように、天然ガス供給ストリーム202は、冷却ストリームとの熱交換を介した熱の除去を介して主熱交換器16内で冷却され液化される。その結果として、液化天然ガス(LNG)の生成物ストリーム204が生成される。
【0041】
[0045]成分除去システム200は、冷却ガス供給ストリーム206を受容し、それは主熱交換器16の第1の冷却通路88a内の供給ガスストリーム202を冷却することによって生成される。
【0042】
[0046]冷却供給ガスストリーム206は、主熱交換器16からの引き出し後に、任意選択の吸引ドラム208に向けられる。吸引ドラムからの蒸気ストリーム210は、膨張器212まで移動し、それは膨張タービンであることが好ましく、従って、ガスストリーム圧力は、臨界圧力より下に低下する。これは、主熱交換器内で凍結することになる成分および/または凝縮することになる他の選択成分が、混合相ストリーム214が形成されるように凝縮するのを引き起こす。膨張タービンは、膨張器212として例証されているが、代替的な膨張装置は、それらに限定されないが、膨張弁またはオリフィスを含んでおり、使用することができる。
【0043】
[0047]この混合相ストリーム214は、216で全体が示された分離カラムまで移動する。カラム216は、分離セクション218およびストリッピングセクション220を含む。当技術分野で知られているように、ストリッピングセクション220は、メッシュパッド、トレイ、パッキンおよび類似の構成要素を含むことができる。
【0044】
[0048]混合相ストリーム214は、カラムの分離セクション218に入り、蒸気部分と液体部分とに分離される。液体部分は、直接、および/または、例えば、分配配管224および分配装置226を含む内側若しくは外側分配装置を通して、ストリッピングセクション220の中に流下する。
【0045】
[0049]ストリッピングガスは、ストリッピングガス配管228を通して提供され、弁230の制御下で、供給ガスストリーム202の一部をストリッピングセクション220の底部に向ける。代替的に、ストリッピングガスは、低めの温度でストリーム88aから引き出すことができる。
【0046】
[0050]液体ストリーム232は、凝縮凍結成分および他の選択成分を包含し、カラム216の底部から引き出される。
【0047】
[0051]吸引ドラム208内に収集された任意の液体は、カラム216のストリッピングセクション220に向けられることがあり、液体配管234内のドレン弁236を開くことによって、吸引ドラムの底部から出る。これは、膨張器212への潜在的な損傷を防止する。
【0048】
[0052]吸引ドラム208は、斯くして、液体配管234およびドレン弁236は、任意選択であり、斯くして膨張器212の入口に直接ルート送りされる主熱交換器から引き出される供給ストリームについて省略できる。
【0049】
[0053]精製されたメタンリッチ蒸気ストリーム238は、分離カラム216の上部から出て、圧縮機242に向けられ、それには(膨張器がタービンであるシステムのバージョンにおける)膨張器212またはモータ244或いは両者の組合せによって動力供給できる。蒸気ストリームを分離装置の温度で受容することによって、圧縮機242は、蒸気ストリーム238をより高い圧力および温度まで「低温圧縮」し、圧縮ガスストリームの温度は、理想的には、吸引ドラム208内の蒸気の温度または主熱交換器から引き出された冷却ガスストリーム206の温度とおおよそ等しいかまたはそれより僅かに下である。圧縮機から出る蒸気ストリーム246の出口温度は、吸引ドラム208(またはストリーム206)内のガスの温度の近くかまたはそれより下であり、その理由は、システムが圧縮機242の中への進入に先立って分離カラム216を出る蒸気を加熱しないからである。そのうえ、低温蒸気を圧縮機242に入れることによって、圧縮機から出る蒸気の圧力は、分離カラム216からの蒸気が(同じ圧縮機動力レベルのために)圧縮機の中への進入に先立って加熱された場合よりも高い。その結果として、所与レベルの液化天然ガス生成に必要とされる冷凍力は、低下するか、或いは、逆に、高めの液化天然ガス生成は、冷凍力が固定されている場合に得られる。圧縮蒸気ストリーム246は、LNG生成物ストリーム204が生成されるように、液化されるために、熱交換器16の第2の冷却通路88bに戻される。
【0050】
[0054]図3のシステムの代替的なバージョンは、リボイラサービスが分離カラムのストリッピングセクションのために追加されており、図4に提示されている。より具体的には、成分除去システムは、図4において300で全体が示されており、分離カラム302を含み、分離セクション304およびストリッピングセクション306を特徴とする。液体ストリーム308は、凝縮凍結成分および他の選択成分を包含しており、カラム302の底部から引き出される。加えて、リボイラサービスは、リボイラ熱交換器312を含んでおり、カラムのストリッピングセクション306からリボイラ液体ストリーム314を受容する。熱交換器312は、液化システムに入る一次天然ガス供給ストリーム318から分岐するテイクオフガスストリーム316を同じく受容および冷却する。その結果として、カラムからの液体ストリーム314は、少なくとも部分的に気化され、結果得られる蒸気ストリーム322は、ストリッピングガスとしての使用のためにカラムのストリッピングセクション306に戻される。冷却テイクオフガスストリーム324は、リボイラ熱交換器312を出て、任意選択の吸引ドラム326に向けられる。実施形態において、吸引ドラム326は、省略され、冷却テイクオフガスストリーム324は、膨張器332に入る蒸気ストリーム328と組み合わせできる。代替的な実施形態において、ストリーム316は、ストリーム88a(図1)のテイクオフされたストリームまたは任意の他の加熱媒体と置き換えできる。
【0051】
[0055]図4の汚染システム300、分離カラム302および液化システム14の残りの態様は、図3を参照して上で説明されたと同じ様式で動作する。
【0052】
[0056]成分除去システムの代替的な実施形態は、図5において400で全体が示されている。液化システム14は、図1に例証されたと同じ様式で動作する。図5のシステムの残りの態様は、図3のシステムと同じであり、例外は、圧縮機414の出口ストリーム412の処理である。図5の圧縮機出口ストリームの処理は、上で説明された実施形態のうちのいずれかにおいて使用できる。
【0053】
[0057]システム400は、高温端部406、低温端部410、並びに、第1および第2の冷却通路408a、408bを含む主熱交換器406を含んでいる。図5に例証されたように、第2の冷却通路408bは、熱交換器の高温端部および低温端部406、410の双方を少なくとも部分的に通過する高圧経路として構成されている。
【0054】
[0058]図5の実施形態において、圧縮機吸引は、精製蒸気温度におおよそ留まっており、先の実施形態におけるように、精製蒸気温度は、分離装置418の上部から出る蒸気ストリーム416の温度である。圧縮機の吐出圧力は、斯くして、ストリーム412の圧力は、(上で説明された実施形態に関して)或る点まで増加し、そこにおいて、ストリーム412は、膨張器424(または任意選択の吸引ドラム426)に入るストリーム422の温度よりも高温である。その結果として、ガスストリーム412は、先の実施形態におけるよりも高温であり、斯くして、ストリーム412は、高圧ガス経路408bに向けられる。この実施形態において、任意選択のモータ428による圧縮機への動力は、(それ自体によるか、または、膨張器タービン424によって提供される動力に加えることによるかのいずれかで)必要とされることがある。加えて、任意選択の圧縮機吐出調整熱交換器430は、ストリーム412を(冷却または加熱のいずれでもよい)調整して、熱交換器の中への進入に先立って液化、凝縮物システムまたは他のプロセスとの熱統合を提供するために、設けられることがある。
【0055】
[0059]上で提示された成分除去システムの実施形態は、分離装置からのガスを再圧縮し、選択成分は、圧縮機吸引が低温であるようにガスを加温せずに、即ち、分離装置の温度で、ガスから除去される。圧縮機の圧縮および吐出温度に必要とされる力は、吸入温度に比例する。それ故に、圧縮低温は、圧縮機吐出圧力が、より高めであること、および、温度が、最初に吸引が加温された場合よりも低めであること、を可能にし、固定の動力が利用可能であり、所望の戻り温度および戻り圧力が主熱交換器に至る。その結果として、所与レベルの液化天然ガス生成に必要とされる冷凍力は、低下するか、或いは、逆に、高めの液化天然ガス生成は、冷凍力が固定されている場合に得られる。
【0056】
[0060]本発明の好適な実施形態は、示されて説明されてきたが、当業者にとって明らかであろうことは、変更や修正が本明細書中で行うことができ、本発明の精神から逸脱することがなく、それの範囲が添付の特許請求の範囲によって規定される、ということである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】