IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特表2023-528473RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法
<>
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図1
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図2A
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図2B
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図3A
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図3B
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図4
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図5
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図6
  • 特表-RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】RFID一体型パッケージ及びRFID装置を梱包材に組み込む方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230627BHJP
   B65D 81/09 20060101ALI20230627BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G06K19/077 296
G06K19/077 280
G06K19/077 220
B65D81/09
H01Q1/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574443
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 US2021035357
(87)【国際公開番号】W WO2021247644
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,101
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3E066
5J047
【Fターム(参考)】
3E066AA61
3E066CA03
3E066GA20
3E066JA03
3E066KA01
3E066MA09
3E066NA60
5J047AB07
5J047AB08
5J047AB11
5J047BG10
(57)【要約】
コンテナ、コンテナ内に位置する物品、及び物品の少なくとも一部とコンテナの内面との間のコンテナ内に位置する梱包材を組み合わせたRFID一体型パッケージが開示される。梱包材は、少なくとも部分的にRFID装置に関連して作製される。梱包材は、紙などのリサイクル可能な材料で形成し得る。RFID装置と共に梱包材は、衝撃を吸収する構成を提供するように加工される。加工方法には、折り畳み、潰し、及びカット又はスリットを含んでもよく、RFID装置は、RFID装置と梱包材とをコンテナ内で使用するために衝撃を吸収する構成に加工した後も良好に機能し続ける。RFID装置全体が梱包材と関連してもよく、RFID装置の一部又は構成要素のみが梱包材と関連してもよく、そして別の部分又は構成要素がコンテナ又は物品と関連してもよい。
【選択図】図6、7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID一体型パッケージであって、
内面を含むレセプタクルと、
レセプタクル内に位置する物品と、
物品の少なくとも一部とレセプタクルの内面との間のレセプタクル内に配置され、衝撃を吸収する構成を有する梱包材と、を含み、前記梱包材は、
衝撃吸収材と、
反応性ストラップ及びアンテナを含むRFID装置と、を含み、前記RFID装置は、衝撃吸収材と少なくとも部分的に関連している、RFID一体型パッケージ。
【請求項2】
前記アンテナは、前記反応性ストラップと比べて、前記梱包材とは独立して関連付けられる、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項3】
前記アンテナは、前記RFID装置のRFIDチップと電気的に結合されたスロットループハイブリッドアンテナである、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項4】
前記RFID装置は、RFIDチップを含み、ここで前記アンテナは、RFIDチップに電気的に結合されたダイポールアンテナである、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項5】
前記アンテナは、梱包材と関連し、
前記反応性ストラップは、レセプタクル又は物品と関連している、請求項2に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項6】
前記アンテナは、梱包材と関連し、
前記反応性ストラップは、アンテナと同じピースの梱包材又はアンテナと異なるピースの梱包材のいずれかに関連している、請求項2に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項7】
前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部が折り畳まれる、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項8】
前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部が潰される、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項9】
前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部がカット又はスリットされる、請求項1に記載のRFID一体型パッケージ。
【請求項10】
RFID装置をパッケージに組み込む方法であって、
反応性ストラップとアンテナとを含むRFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けて、RFID一体化梱包材を規定するステップと、
衝撃を吸収する構成を提供するためにRFID一体化梱包材を加工するステップと、
RFID一体化梱包材をレセプタクルの内面とレセプタクル内に配置された物品の少なくとも一部との間のレセプタクルに挿入するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記RFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けて、前記RFID一体化梱包材を規定するステップは、
細長いウェブに前記梱包材を提供することと、
複数のRFID装置を細長いウェブに少なくとも部分的に関連付けることと、
隣接するRFID装置間の細長いウェブを加工して、RFID一体化梱包材の個々のピースを規定することであって、RFID一体化梱包材のそれぞれのピースはRFID一体化梱包材のピースが挿入されるレセプタクルのサイズ及び/又は構成に少なくとも部分的に基づく長さを有し、それぞれのレセプタクルにRFID一体化梱包材の単一ピースが挿入されるように構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
RF信号を介してRFID一体化梱包材と通信するステップと、
RFID一体化梱包材との前記通信に少なくとも部分的に基づいて、十分な梱包材がレセプタクルに挿入されたか否かを判断するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記RFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けて、前記RFID一体化梱包材を規定するステップは、
前記梱包材に導電性材料を関連付けることと、
前記導電性材料の一部を取り除いて、前記RFID装置のアンテナを規定することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記RFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けて、前記RFID一体化梱包材を規定するステップは、前記梱包材に導電性材料を印刷して前記RFID装置のアンテナを規定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記衝撃を吸収する構成を提供するためにRFID一体化梱包材を加工するステップは、前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部を折り畳むことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記衝撃を吸収する構成を提供するために梱包材を加工するステップは、前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部を潰すことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記衝撃を吸収する構成を提供するためにRFID一体化梱包材を加工するステップは、前記梱包材及び前記RFID装置の少なくとも一部をカット又はスリットすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記RFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けて、RFID一体化梱包材を規定するステップは、前記RFID装置のアンテナのみを前記梱包材に関連付けることと、前記反応性ストラップをレセプタクルに関連付けることと、を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月3日付で出願された米国仮特許出願番号63/034,101号の利益を主張し、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本主題は、無線周波数識別(「RFID」)装置に関する。より具体的には、本主題は、コンテナ又はレセプタクルを輸送するための梱包材にRFID装置を組み込むことに関する。
【背景技術】
【0003】
旧来、ポリスチレンチップ及びエア入りバブルラップは、輸送用の箱の中に物品を梱包するために使われてきた。これらの材料は効果的ではあるが、通常はプラスチックをベースにしているので、リサイクルが困難な場合がある。環境上の理由から、多くの企業がこれらのポリスチレンチップ及びエア入りバブルラップの使用を、折り畳まれて構造化された再生紙に置き換えている。紙は通常、追加の詰め物を提供するために折り畳まれたり、しわになったり、又はスリットが入る。
【0004】
在庫及び配送の確認のために、輸送コンテナにRFIDタグ又はRFIDラベル(以下、総称して「RFID装置」という)を取り付けるのが有利であることが証明されている。通常、RFID装置は、接着剤又は他の方法によってコンテナの外側に取り付けられる。コンテナの外側にある間、RFID装置は損傷する可能性があり、保護するために防水材が必要となり得る。この防水材はプラスチックであり、リサイクルが困難な場合がある。
【0005】
したがって、リサイクルが困難なプラスチックを必要とせずに、環境による損傷を回避する方法で、RFID装置を輸送コンテナと関連付けることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
以下で説明し請求される装置、システム及び方法において、個別に又は共に実施し得る本主題の幾つかの態様がある。これらの態様は、単独で又は本明細書で説明される主題の他の態様と組み合わせて用いてもよく、これらの態様が共に説明されることは、かかる態様を個別に使用すること、又はそのような態様を本明細書に添付された請求範囲に提示し得る個別の、又は異なる組み合わせにより請求することを排除するものではない。
【0007】
一態様において、RFID一体型パッケージは、レセプタクルと、レセプタクル内に配置される物品と、梱包材とを含む。梱包材は、物品の少なくとも一部とレセプタクルの内面との間のレセプタクル内に配置される。梱包材は、衝撃吸収材である。RFID一体型パッケージは、梱包材及び梱包材と少なくとも部分的に関連するRFID装置を含む。
【0008】
別の態様において、RFID一体型パッケージのRFID装置は、反応性ストラップ及びアンテナを含む。アンテナは、反応性ストラップに結合されている間、反応性ストラップと比べて梱包材とは独立して関連付けられる。
【0009】
また別の態様において、RFID装置をパッケージに組み込む方法は、RFID装置を梱包材に少なくとも部分的に関連付けるステップと、衝撃を吸収する構成を提供するために梱包材をRFID装置と共に加工するステップと、レセプタクルの内面とレセプタクル内に配置された物品の少なくとも一部との間のレセプタクルに加工された梱包材を挿入するステップとを含む。
【0010】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部として組み込まれ構成されている添付の図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明する役割をする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の例示的なRFID一体型パッケージを示す。
図2A】本開示の一態様による梱包材に取り付けられたダイポール型インレイを有するRFID装置を説明する表示である。
図2B】本開示の一態様による梱包材に取り付けられたハイブリッドスロットループアンテナを有するRFID装置を説明する表示である。
図3A】衝撃を吸収する構成を有するように関連する梱包材と共に加工された後に折り畳まれた状態における、図2AのRFID装置を説明する表示である。
図3B】衝撃を吸収する構成を有するように関連する梱包材と共に加工された後に折り畳まれた状態における、図2BのRFID装置を説明する表示である。
図4】衝撃を吸収する構成を有するように加工された後のスリット又はカット状態における、図2BのRFID装置及び梱包材を説明する表示である。
図5図4の衝撃を吸収する構成を有するように、図2Bの梱包材及びRFID装置をカット又はスリットするための例示的なシステムを説明する表示である。
図6】本開示の例示的なRFID一体型パッケージを説明する表示であり、RFID装置は梱包材に部分的にのみ関連している。
図7】本開示のまた別の例示的なRFID一体型パッケージを説明する表示であり、RFID装置は梱包材と部分的にのみ関連している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかし、開示された実施形態は、様々な形態で実施され得る本発明の例示に過ぎないことを理解すべきである。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定的なものとして解釈してはならず、単に請求の範囲の根拠として、また、事実上任意の適切な方法で本発明を様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
【0013】
本開示によるRFID一体型パッケージの例示的な実施形態が図1に示されており、コンテナ、ボックス、カートン又はレセプタクル10、梱包材20、RFID装置30及び物品40を含む。従来のように、物品40はレセプタクル10内に配置され、物品40の少なくとも一部とレセプタクル10の内面との間に梱包材20が配置され、レセプタクル10が受ける衝撃を吸収することによって物品40の損傷を防止する。
【0014】
梱包材20は、衝撃を吸収する構成を有する衝撃吸収材に加工できるものであれば、本開示の範囲から逸脱しない範囲で様々に構成し得る。梱包材20がリサイクル可能な材料を含むことが有利であり得、例示的な実施形態において、梱包材20は紙である。梱包材20が衝撃を吸収する構造に形成されるように加工する方法は、梱包材20の性質によって異なり得る。例えば、折り畳む、しわにする若しくは潰す、スリットする若しくはカットする、又は、上述の組み合わせにより行うことができる。上述のように、梱包材20は、レセプタクル10の内面と物品40の少なくとも一部との間のレセプタクル10内に配置される。梱包材20の量及びサイズは可変的であり、レセプタクル10内部の物品によって異なり得る。例えば、物品40が大きくて壊れにくい場合、必要な梱包材20の量を減らし得る。ただし、小さくて壊れやすいアイテムは、より多くの梱包材20が必要となる。一実施形態において、単一ピースの梱包材20がレセプタクル10に提供されるのに対し、別の実施形態においては、多数のピースの梱包材20がレセプタクル10に提供される。
【0015】
RFID装置30は、梱包材20と少なくとも部分的に関連し、RFID一体化梱包材を規定する組み合わせを有する。RFID装置30は、任意の既知のタイプのRFID装置とすることができるが、衝撃を吸収する構成を有するRFID一体化梱包材を提供するために、梱包材20と共に加工された後に作動するように構成されることが好ましい。
【0016】
RFID装置30は、アンテナとアンテナに結合されたRFIDチップとを有するRFIDタグ、インレイ又はラベルであり得る。アンテナは、梱包材20上に直接形成するか、または梱包材20に取り付けられた基板上に形成することができる。基板は、多数の適用可能な材料のいずれかであってもよく、様々なサイズ及び形状を有することができる。
【0017】
アンテナについては、導電性インク、導電性金属、又は当技術分野で知られている他のタイプのアンテナから構成することができる。アンテナは、所望の範囲及び周波数に応じて様々な形状とサイズにすることができる。図2Aに示す特定の実施形態において、RFID装置(一般に101で示される)は、ダイポールアンテナ300に電気的に結合されたRFIDチップ100を含み、RFID装置101は、梱包材200に取り付けられる。図2Bに示す別の例示的な実施形態において、RFID装置(一般に102で示される)は、ハイブリッドスロットループアンテナ310に電気的に結合されたRFIDチップ100を含み、RFID装置102は、梱包材200に取り付けられる。(本明細書でより詳細に説明する)反応性ストラップを有するRFID装置のような他の構成は、本開示の範囲から逸脱することなく使用し得る。
【0018】
上述のように、衝撃を吸収する構成を提供するためにRFID装置と共に梱包材を加工することは、RFID装置の構成及びその性能に影響を与えるであろう。一部のタイプのRFID装置は、特定のタイプの加工により良く反応するため、RFID装置の構成は、少なくとも部分的にRFID一体化梱包材が適用される加工に基づいて選択することが有利であり得る。例えば、RFID一体化梱包材が折り畳まれると、RFID装置の一部もまた図3A及び図3Bに示すように折り畳まれ得、点線はRFID装置のアンテナが折り畳まれる位置を示す。図3Aでは、図2AのRFID装置101のダイポールアンテナ300の一部が折り畳まれており、ダイポールアンテナのアームに近接させる。図3Bでは、図2BのRFID装置102のハイブリッドスロットループアンテナ310の一部が折り畳まれている。梱包材中のRFID装置のアンテナは、梱包材がしわになったり潰された時に同様に影響を受けることを理解すべきである。
【0019】
ダイポールアンテナ300(図3A)を有するRFID装置101は、2つのアームが近接すると性能の低下を示す。ハイブリッドスロットループアンテナ310(図3B)を有するRFID装置102もまた性能の低下を示すが、一段と制御されており、劇的な性能低下になりにくい。ハイブリッドスロットループアンテナ310の場合、折り畳みは、アンテナ構造の一部として導体の空白の構造化されてない領域を別の領域と近接させる。有効面積/長さの減少は、制御された方法で性能を低下させるが、ダイポールアンテナ300よりも多くの割合の折り畳みに対して優れた性能を維持する。したがって、折り畳んで加工されるRFID一体化梱包材の場合、(図2B及び図3Bのように)ハイブリッドスロットループアンテナを有するRFID装置は、(図2A及び図3Aのように)ダイポールアンテナを有するRFID装置よりも好ましいことがある。
【0020】
図4は、図2BのRFID装置102、関連する梱包材が(図4で320として識別される)RFID装置及び(図4で500として識別される)梱包材において複数のカット、スリット、割れ目又は裂け目を規定するように加工された後のRFID装置102を示す。加工された梱包材500は、スリット400及び410でカットされて3D表面に押し込めるようになり、カット部分を共に固定することによって、より大きな梱包効率を提供できるようにする。スリット410は、RFID装置320を通過し、RFID装置320のアンテナ310をカットし得る。例示されたハイブリッドスロットループアンテナ310は、導体の面積が大きく、重要な機能の領域(すなわち、スロット及びRFIDチップ100)が小さいため、他のタイプのアンテナよりもスリット動作に対して耐性があり得る。
【0021】
図5は、本開示に従って利用することができる一般に600で示されるカット若しくはスリットシステム又は機械の例示的な実施形態を示す。スリット動作は、単一の又は複数のRFID装置の存在と同期化し得る。図5の実施形態では、梱包材200は、スリット装置250に移送されてスリット梱包材210を生成する細長いウェブに提供される。スリット装置250のアップストリームにおいて、RFID装置は、任意の適切なアプローチに従って梱包材と関連付け得る。これは、(例えば)アンテナの形状で梱包材に導電性材料を印刷するステップ、梱包材に導電性材料を塗布した後、導電性材料の一部を取り除き、残りの導電性材料はアンテナを規定するステップ、または、組み立てられたRFID装置に関連する基板を梱包材に固定するステップを含む。
【0022】
RFID装置320a及び320bは、梱包材200のウェブ上に戦略的に配置でき、RFID装置の非重要部分(例えば、アンテナ310a及び310b)及び重要でない部分(例えば、RFIDチップ100a及び100b)のみがスリット装置250でスリットされる。RFID装置の数とサイズは、関連する物品40及び/又はコンテナ10の特性及び構成に基づいて選択できる。RFID装置は、特定の距離又はピッチ350を隔ててウェブ上に配置してもよく、RFID一体化梱包材が挿入されるレセプタクル10のサイズ及び/又は構成に基づいてもよい。通常、単一のRFID装置がRFID一体型パッケージに組み込まれていれば十分であるため、一般にピッチ350は、単一のレセプタクル10内に配置されるRFID一体化梱包材の総量に相応するように選択し得る。
【0023】
システム600は、さらに又は代案としてマーカー150a及び150bを利用してRFID装置が機械を通過する時に動作を調整し、マーカーが接近したり特定範囲内にある時にマーカーを読み取るセンサーを含み得る。マーカー150a及び150bは、任意のタイプの適切なマーカー又はインジケータであり得る。例えば、マーカーは、光学マーカー又は金属マーカーであってもよい。関連するセンサーは、特定のマーカー(例えば、金属探知機)に関連する リーダであり得る。
【0024】
多くのRFID装置の場合、RFID装置全体を梱包材に関連付けることが最も適切であろう。しかし、梱包材に関連するRFID装置のアンテナ及び他の位置に配置されたRFIDの他の構成要素だけがある場合のように、RFID装置が梱包材に部分的にのみ関連することは、本開示の範囲内である。例えば、図6及び図7は、再利用可能な反応性ストラップ及びアンテナ、例えば、ダイポールアンテナ又はハイブリッドスロットループアンテナを含むRFID装置を本開示のRFID一体型パッケージと共に利用し得る方法を示す。一実施形態において、アンテナは、依然として、反応性ストラップに結合されている間、レセプタクル又は物品のいずれかに関連する反応性ストラップと比べて梱包材とは独立して関連付けられる。図6において、反応性ストラップ50は、レセプタクル10の表面に取り付けられ、反応性ストラップ50に結合されたアンテナ31は、梱包材20(例えば、未加工梱包材の長さの少なくとも一部に沿って連続したストライプで塗布された導体の形態)と関連している。図7において、反応性ストラップ51は、物品40に取り付けられ、関連するアンテナ31が梱包材20に取り付けられている。反応性ストラップはまた、関連するアンテナと同じピースの梱包材又は異なるピースの梱包材のいずれかの梱包材20に取り付けられ得る。
【0025】
近接して配置されると、反応性ストラップは任意の隣接する導体へのアンテナ応答を刺激し、ストラップ自体の近距離読み取りではなく、遠距離読み取りを提供する。パッケージを識別する方法として、物品40に予め取り付けられたストラップを有することは特に有利であり得、(反応性ストラップとペアになり得るアンテナを有する)梱包材は、物流の輸送中にRFID一体型パッケージに向上したRFID応答を提供するが、小売店で物品40の識別のために長距離を必要としない場合は、性能が低下する。反応性ストラップは比較的小さいため、小型の物品及びコンテナに取り付けるのに有利であり得る。
【0026】
本開示のRFID一体型パッケージは、多数の機能のいずれかを提供するために単一又は複数のRFIDリーダと併せて使用し得る。パッケージ及び関連する物品の追跡や識別を可能にするだけでなく、RF信号を発信するRFIDリーダは、十分な梱包材がレセプタクルに挿入されたか否かを評価するために、RFID一体化梱包材のRFID装置を検出又は読み取るのに使用できる。
【0027】
上述の実施形態は、本主題の原理の一部の適用を例示するものであることが理解されるであろう。本明細書で個別に開示又は請求された特徴の組み合わせを含み、請求された主題の思想及び範囲から逸脱することなく当業者によって様々な修正がなされ得る。これらの理由により、本明細書の範囲は上記説明に限定されず、以下の特許請求の範囲に示される通りであって、本明細書で個別に開示又は請求された特徴の組み合わせを含む、本明細書の特徴に対する請求がなされることが理解される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】