(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】結合パターンを有する物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20230627BHJP
A61F 13/51 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
A61F13/49 313A
A61F13/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574613
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 US2021036328
(87)【国際公開番号】W WO2021252442
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン、エドワード、グリーニング、ザ、セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ウルミッシュ、ポパトラル、ダラル
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BB03
3B200BB11
3B200CA07
3B200DA01
3B200DD01
3B200DD02
3B200DD07
(57)【要約】
吸収性物品は、第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域、並びにトップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを含む。物品は、結合領域を有する伸縮性積層体を更に含む。結合領域は、複数の超音波結合部を有し、超音波結合部のうちの大部分は、伸縮方向に配向されており、結合領域は、2.5以下のヒステリシス比、及び0.44MPa以上の50%における除荷力を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品(100)であって、
トップシート(124)と、バックシート(126)と、前記トップシートと前記バックシートとの間に配設された吸収性コア(128)と、
伸縮性積層体(10)であって、
不織布(12)、
エラストマー層(14)、及び
結合領域(40)であって、前記結合領域が、第1の複数(36)の超音波結合部を含み、前記第1の複数の結合部のうちの大部分が、伸縮方向(32)に配向されており、各超音波結合部が、0.7mm以上である少なくとも1つの寸法を含み、前記結合領域が、本明細書に記載のヒステリシス試験法によって測定される場合、2.5以下、より好ましくは、2.4以下のヒステリシス比、及び0.44MPa以上の50%における除荷力を有する、結合領域(40)を含む、伸縮性積層体(10)と、を含む、吸収性物品(100)。
【請求項2】
前記伸縮性積層体が、本明細書に記載の結合寸法試験法に従って測定される場合、少なくとも1.5%の結合密度を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記伸縮方向に配向された結合部のうちの大部分が、少なくとも1.25のアスペクト比を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
第2の複数の超音波結合部(38)を有する第2の結合領域(42)を更に含み、前記第2の複数の結合部のうちの大部分が、第2の方向(34)に配向されており、前記第2の方向が、前記伸縮方向に対して垂直であり、前記第2の結合領域が、低応力領域(44)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記低応力領域が、約1.46MPa以下の50%における負荷を有する、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第2の方向(34)に配向された前記結合部の各々が、1.2mm以下の主寸法長さを有する、請求項4又は5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第2の複数が、前記第1の複数に少なくとも部分的に組み入れられている、請求項4~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第2の複数が、前記第1の複数と少なくとも部分的に重なり合う関係である、請求項4~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記伸縮方向に配向された結合部のうちの1つ以上が、楕円形状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記伸縮方向に配向された結合部の各々が、楕円形状を有する、請求項9に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記積層体が、本明細書に記載の10時間の力降下/開口部における伸び試験法に従って、65%以下の10時間の力降下及び50%以下の開口部における伸びを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記伸縮性積層体が、1つ以上の補強特徴部(50)を含み、前記補強特徴部が、追加の結合部、層、折り畳み、基材、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記伸縮性積層体が、耳部(130)、ウエストバンド(180)、ベルト(220)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成要素内に配設されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記構成要素が、後側腰部領域(118)内に配設された耳部である、請求項13に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記エラストマー層が、フィルム(15)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、結合された積層体、具体的には、吸収性物品において見られる伸縮性積層体などの伸縮性積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収性物品(例えば、おむつ、成人用失禁物品、婦人用衛生パッド)などの吸収性物品が、尿及び/又はその他の身体排泄物(例えば、糞便、月経、糞便と尿との混合物、月経と尿との混合物など)を受容し、封じ込めるという利点を提供することは、かなり以前から知られている。身体排出物を有効に封じ込めるためには、物品は着用者の腰部及び脚部周囲にぴったりとフィットする必要がある。
【0003】
製造業者は、心地の良いフィット感を実現するのを助けるために、物品内で伸縮性サイドパネル(すなわち、耳部)などの延伸性領域をよく使用する。着用時には、伸縮性がある耳部によって着用者の臀部及び腰部の周囲に物品が延伸し、着用者の快適な移動を可能としながら使用中の製品をしっかりと固定することができる。着用者の周囲に製品を更に固定するために、締結システムが、典型的には耳部に接合される。伸縮性のある耳部は、典型的には、被覆材料(例えば、不織布)とエラストマー性材料との積層体である。
【0004】
伸縮性積層体を、超音波結合を用いて作成することが提案されている。このような場合、伸縮性エラストマー性材料を超音波結合を介して不織布と組み合わせる。組み合わせた後、積層体が弛緩状態にある場合に不織布は波形を形成する。他の例では、エラストマー性材料は、超音波結合を介して延伸可能な、又は弾性の不織布に弛緩状態で接合される。これらの積層体は、接着剤及び機械的活性化の使用を回避しながら、(エラストマー性材料及び/又は不織布の延伸性において付与された伸縮性のレベルに応じて)高伸縮性耳部を生成することができる。しかしながら、超音波結合された耳部は、異なる手段(例えば、接着剤結合、共押出)下で形成される耳部の強度を欠く場合がある。使用中、耳部が必要な強度を欠いている場合、耳部の構成要素及び/又は耳部積層体の全体が裂けるか又は剥離し得、締結具が耳部から外れる場合があり、及び/又は耳部が物品の残部から外れる場合ある。このような破損により、物品自体が使用不能となる。
【0005】
したがって、好適な高結合強度が必要である。同様に、このような強度と、必要な延伸性とのバランスをとることが重要である。換言すれば、結合部の数及び位置決めは、伸縮性を阻害してはいけない。更に、積層体は、使用中に適所に留まるために好適な完全性を維持しながら、物品の容易な適用を可能にするために十分に伸縮しなければならない。更に、製造業者はまた、快適性、通気性、美的魅力、及び製品ライン分化のためにパターンを変化させることを求める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、好適な強度、伸縮性、及び回復性を提供する改善されたパターンを有する伸縮性積層体に対する、継続的な必要性が存在する。更に、かかるパターンの設計における変動性に対する必要性が存在する。コスト効果及び効率的な方法で所望の特性を作り出すために使用され得る結合パターンの必要性もまた存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本明細書における独立請求項の特徴を含む。吸収性物品は、不織布及びエラストマー層を含む伸縮性積層体を含む。伸縮性積層体は、結合領域を含む。結合領域は、第1の複数の超音波結合部を含み、第1の複数の結合部のうちの大部分は、伸縮方向に配向されており、第1の複数の超音波結合部のうちの各々は、0.7mm以上の少なくとも1つの寸法を含む。結合領域は、本明細書のヒステリシス試験法によって測定される場合、2.5以下のヒステリシス比及び0.44MPa以上の50%での除荷力を含む。
【0008】
吸収性物品は、前部腰部領域、後部腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域、並びにトップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを含む。物品は、伸縮性積層体を更に含む。伸縮性積層体は、複数の超音波結合部を有する第1の結合領域であって、第1の複数の結合部のうちの大部分が伸縮方向に配向されている、第1の結合領域、及び第2の複数の結合部を有する第2の結合領域であって、第2の複数の結合部のうちの大部分が、伸縮方向に対して垂直である、第2の方向に配向されている、第2の結合領域を含む。第2の結合領域は、低応力領域を含む。
【0009】
吸収性物品は、第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域、並びにトップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを含むシャーシを含む。物品は、伸縮性積層体を更に含む。伸縮性積層体は、不織布層及びエラストマー層を含む。伸縮性積層体は、65%未満の10時間の力降下、及び10時間後に50%以下の開口部における伸びを有する、複数の伸縮方向に配向された超音波結合部を有する結合領域を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な耳部の分解斜視図である。
【
図1A】本発明の1つの非限定的な実施形態による、例示的な耳部の平面図である。
【
図2】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な積層体の平面図である。
【
図2A】本発明の別の非限定的な実施形態による、例示的な積層体の平面図である。
【
図3】本発明の別の非限定的な実施形態による、例示的な積層体の斜視図である。
【
図4A】例示的な先行技術の結合パターンの概略表現である。
【
図4B】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4C】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4D】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4E】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4F】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4G】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図4H】本発明の非限定的な実施形態による、例示的な結合パターンの概略表現である。
【
図5】本発明の非限定的な実施例による、積層体に関する負荷(N/in)対歪み(%)及び関連する力曲線を示すチャートである。
【
図6】本発明の非限定的な実施例による、積層体に関する負荷(N/in)対歪み(%)及び関連する力曲線を示すチャートである。
【
図7】本発明の非限定的な実施例による、積層体に関する負荷(N/in)対歪み(%)及び関連する力曲線を示すチャートである。
【
図8】本発明の1つの非限定的な実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、平坦な非収縮状態で示されている。
【
図9A】本明細書に詳述されるような吸収性パンツの例示的な実施形態の概略斜視図である。
【
図9B】ベルトの前部及び後部セクションを接合する前の、吸収性パンツ前身的構造体の例示的な実施形態の概略平面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるパッケージの概略斜視図である。
【
図11】本明細書の10時間の力降下/開口部における伸び試験法において使用するための例示的な試料の概略平面図である。
【
図12】本明細書の10時間の力降下/開口部における伸び試験法において使用するために好適なグリップの概略側面図である。
【
図13】10時間の力降下/開口部における伸び試験法において使用するための例示的な機器の概略斜視図である。
【
図14】10時間の力降下/開口部における伸び試験法において使用するための例示的な機器の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収及び封じ込める器具を意味し、より詳細には、着用者の身体に接して、又は着用者の身体の近位に置かれて、身体から排出される種々の排泄物を吸収し、封じ込める器具を意味する。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。
【0012】
本明細書で使用される場合、「アスペクト比」は、結合部の主寸法(すなわち、最大寸法)が、本明細書の結合部寸法試験法によって指定されるように、当該主寸法に垂直な結合部の寸法で除算された積を意味する。
【0013】
「弾性」、「エラストマー性」、及び「弾性的延伸性」は、本明細書に記載されたヒステリシス試験による方向のうちの1つにおいて、所与の負荷において、破裂又は破損がない状態で少なくとも50%伸縮し、負荷が取り除かれた際に、弾性材料又は構成部品が少なくとも70%の回復を呈す(すなわち、30%未満の硬化を有する)材料、又は材料の部分の能力を意味する。歪み、歪みパーセント、工学歪み、延伸比、又は伸長と称されることもある伸縮性は、回復及び硬化と同様に、以下でより詳細に記載されるヒステリシス試験によってそれぞれ測定されてもよい。弾性ではない材料は、非弾性として称される。本明細書で使用される場合、積層体の面積の少なくとも20%が本明細書における弾性の定義を満たす場合、積層体は弾性である。この状況において、積層体の面積のパーセントは、積層体が完全に伸張した状態にあるときに判定される。
【0014】
「延伸性」とは、本明細書のヒステリシス試験における工程5(a)による、少なくとも50%まで、破裂又は破損なく伸張するか又は伸長する能力を意味する。本明細書で使用される場合、積層体は、積層体の面積の少なくとも20%が本明細書の延伸性の定義を満たす場合に延伸可能である。この状況において、積層体の面積のパーセントは、積層体が完全に伸張した状態にあるときに判定される。積層体が上記の弾性の定義を満たさないが、この段落内に提供される延伸性の定義を満たす場合、積層体は延伸可能な積層体である。
【0015】
吸収性物品に関連する「使い捨て」とは、その吸収性物品について、洗濯するか、又は別の方法で吸収性物品として復元されるか若しくは再利用されることが、一般的に意図されていないこと(すなわち、それらの吸収性物品について、1回の使用後に廃棄される、好ましくは、リサイクル、コンポスト化、又はその他の環境に適合する方法で廃棄されることが意図されていること)を意味する。
【0016】
「配設された」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを指す。
【0017】
「接合された」とは、要素をその他の要素に直接付着させることにより、その要素がその他の要素に直接貼り付けられている構成、及び要素を中間部材に付着させ、その中間部材が更にその他の要素に貼り付けられていることにより、その要素がその他の要素に間接的に貼り付けられている構成を指す。
【0018】
「フィルム」とはシート状材料であって、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大幅に超える(例えば、10倍、50倍、又は更には1000倍)ものを意味する。フィルムは、典型的には液体不透過性であるが、通気性であるように構成されてもよい。
【0019】
積層体に関連する「完全に伸張された」とは、(1)波形積層体の場合、積層体の非弾性基材が可塑的に変形していないことを確認しながら、積層体を延伸させることによって波形が実質的に平坦化されるとき、積層体は完全に伸張され、(2)波形のない積層体の場合、積層体は、いずれのかかる延伸もなく完全に伸張されるとみなされる(すなわち、非波形積層体は、それらの弛緩状態で完全に伸張される)ことを意味する。
【0020】
「積層体」とは、当該技術分野において公知の任意の好適な方法(例えば、接着剤結合、熱結合、又は加熱されていない若しくは加熱されたパターン付きロールを用いる高圧結合)によって互いに結合された2つ以上の材料を意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合「長手方向」とは、物品のx-y平面における吸収性物品の最大直線寸法を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、長手方向は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態の場合に腰部縁部から対向する腰部縁部まで、又は2つ折りにされた物品の腰部縁部から股部底部まで、実質的に垂直に延びる。吸収性物品の任意の構成要素(例えば、耳部、ウエストバンド)の長手方向は、構成要素が物品に接合されるときに判定される。
【0022】
「横方向」とは、一般に、長手方向に対して垂直な方向を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、横方向は、側縁部から対向する側縁部まで、実質的に平行に延びる。
【0023】
「不織布」とは、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、例えば、スパンボンド、メルトブローン、エアレイイング、カーディング、共形成、水流交絡などのプロセスなどから作製される多孔質な繊維状材料を意味する。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。不織布は、液体透過性又は不透過性であってもよい。
【0024】
積層体に関連する「弛緩された」とは、静止時に、積層体に作用する外力が重力以外に実質的にない状態を意味する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「伸縮方向」は、最終製品における延伸性の意図された方向を意味する。例えば、吸収性物品における後耳部は、着用者の腰の周りに合わせるように横方向に延伸可能であることが意図され得る。積層体の伸縮方向は、横方向及び/又は長手方向であり得る。製品は、複数の方向に伸縮可能であり得ることを理解されたい。かかる場合では、伸縮方向は、使用のために必要とされる力の予想される適用に応答して、最初に意図された伸縮方向である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「第2の方向」は、伸縮方向に対して垂直な方向を意味する。
【0027】
特定の方向に配向されている結合部に関連して、本明細書で使用される場合、「配向された」とは、結合部が、主寸法が、当該特定の方向に対して平行な線と40度以下の角度を形成する状態で、少なくとも1.1のアスペクト比を有することを意味する。例として、伸縮方向に配向された結合部は、結合部が、伸縮方向に延伸する線と40度以下の角度を形成する主寸法を有することを意味する。第2の方向に配向された、又は垂直に配向された結合部は、結合部が、主寸法が、第2の方向に延伸する線と40度以下の角度を形成する状態で、少なくとも1.1のアスペクト比を有することを意味する。
【0028】
積層体
図1に示されるように、積層体10は、第1の不織布12及びエラストマー層14を含む。積層体は、第2の不織布16を含み得、エラストマー層14は、第1の不織布と第2の不織布との間に挟持され得る。追加の層が含まれていてもよい(例えば、追加の不織布、非弾性材料、弾性又は延伸性材料など)。積層体は、延伸性であり得る。特定の実施形態では、積層体は、エラストマー性である。1つ以上の積層体層は、
図1Aに例示されるように、複数の超音波結合部30によって接合され得る。超音波結合部は、エラストマー層を介して不織布層を接合させてもよい。超音波結合積層体は、限定されるものではないが、同一出願人による米国特許出願第62/374,010号、同第62/419,515号に記載されているものを含む、任意の好適なプロセスによって形成され得る。
【0029】
任意の好適な不織布が、積層体10において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は約30gsm以下、又は約22gsm以下、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約22gsmの坪量を含み得、当該範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。好適な不織布としては、スパンボンド、スパンレイド、メルトブローン、スパンメルト、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、空気積層、乾式積層、湿式積層を施したステープルファイバー、及び当該技術分野で周知の、部分的又は全体的にポリマー繊維から形成された他の不織布ウェブ材料が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的な実施例では、不織布は、メルトブローン層を含む。追加的に、又は代替的に、不織布は、スパンボンド層を含んでもよい。非限定的な実施例では、不織布は、2層以上のスパンボンド層を含む。更なる非限定的な実施例では、1つ以上の不織布は、SMS構成を含んでもよい。代替的に、耳部における不織布のうちの1つ以上は、メルトブローン層を有していなくてもよい。メルトブローン層は、接着を必要とする耳部における結合を強化することが判明しているが(多孔質不織布構造を介した接着の拡散をメルトブローン層が阻害することに鑑みて)、メルトブローン層は、強度が不足している場合が多い。いくつかの実施形態では、不織布は、スパンボンド層から本質的になる。いくつかの非限定的な実施例では、第1の不織布及び第2の不織布はいずれも、少なくとも2層のスパンボンド層、又は3層以上のスパンボンド層を含む。
【0030】
この不織布ウェブは、主にポリマー繊維で形成されてもよい。いくつかの実施例では、好適な不織布繊維材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又は具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、繊維は、米国特許第5,266,392号に記載されているものなどのPP/PEブレンドから形成されていてもよい。不織布繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、若しくはその他のバイオポリマーなどの成分から形成されてもよいし、又はそれらの成分を、添加剤又は改質剤として含んでもよい。更なる有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の形成、並びに関連する方法は、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号、及び同第7,112,621号、並びに米国特許出願第10/338,603号、同第10/338,610号及び同第13/005,237号に記載されている。不織布層の個々の繊維は、単一成分又は多成分(二成分を含む)であってもよい。多成分繊維は、例えば、コア及びシース配列又は並列配置での種々のポリマー成分を含む、二成分とすることができる。個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレン、又はそれらのコポリマーなどのポリオレフィン、あるいはポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又はその他のバイオポリマーを含むことができる。更に、この不織布は、例えば、上記のポリマー繊維の種類から選択される、種々の繊維のブレンドを含んでもよい。いくつかの実施例では、それらの繊維の少なくとも一部は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を示してもよい。一例によれば、それらの繊維は、個別の繊維である、二成分の繊維を含むことができ、それぞれが、異なる材料、通常、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料を含む。並列型二成分繊維を使用することは、それらの繊維にスパイラル捲縮を付与するために有益であると考えられている。潜在的に好適な捲縮又は「牽縮」二成分繊維及びこれらから形成される不織布の例は、米国特許第5,382,400号、同第5,418,045号、同第5,707,468号、同第6,454,989号、同第6,632,386号、同第5,622,772号及び同第7,291,239号に記載されている。本明細書の目的のために、例えば、直前に引用されている特許及び/又は特許出願に記載されているものなどの、二成分又は多成分のひだ付き繊維から形成される不織布の使用は、1つ又は両方の不織布層として望ましい場合があるが、その理由は、これらが、特に手触りが柔らかく感じることができ(着用者にとって内側が快適であり、外側は審美的に感じのよい印象になる)、一般にかなり柔軟性に富むからである。その他の非限定的な実施例では、不織布は捲縮繊維を有していなくてもよい。
【0031】
積層体10が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を有していてもよい。同様に、不織布は、同じ層構成(例えば、SSS)又は異なる層構成(例えば、SMS)を含んでもよい。
【0032】
エラストマー層14は、層14の少なくとも一部に弾性をもたらす1つ以上のエラストマー性材料を含む。エラストマー性材料の非限定的な実施例としては、フィルム(例えば、ポリウレタンフィルム、ゴム及び/又はその他のポリマー材料から誘導されたフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー性接着剤、印刷エラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー性不織布、スクリムなどが挙げられる。エラストマー性材料は、スチレン誘導体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリオレフィン、これらの組み合わせを含むエラストマー性ポリマー、又は共押出されたVISTAMAXX(登録商標)が挙げられるがこれらに限定されない任意の好適な公知のエラストマーから形成され得る。例示的なエラストマー及び/又はエラストマー性材料は、米国特許第8,618,350号、同第6,410,129号、同第7,819,853号、同第8,795,809号、同第7,806,883号、同第6,677,258号、及び米国特許公開第2009/0258210号において開示される。市販されているエラストマー性材料としては、KRATON(スチレン系ブロックコポリマー;Kraton Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、SEPTON(スチレン系ブロックコポリマー;Kuraray America,Inc.(New York、NY)から入手可能)、VECTOR(スチレン系ブロックコポリマー;TSRC Dexco Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、ESTANE(ポリウレタン;Lubrizol,Inc.(Ohio)から入手可能)、PEBAX(ポリエーテル系ブロックアミド;Arkema Chemicals(Philadelphia,PA)から入手可能)、HYTREL(ポリエステル;DuPont(Wilmington,DE)から入手可能)、VISTAMAXX(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、EXXON Mobile(Spring,TX)から入手可能)、及びVERSIFY(ホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにランダムコポリマーのブレンド、Dow Chemical Company(Midland,Michigan)から入手可能)が挙げられる。
【0033】
非限定的な実施例では、エラストマー層14はフィルム15を含む。フィルムは、単一層又は複数層を含み得る。フィルムは延伸性であってもよい、又は横方向及び/若しくは長手方向に弾性であってもよい。フィルムは、例えば米国特許第9,533,067号に開示されているように予め活性化されていてもよい。
【0034】
エラストマー層は、積層体自体よりも積層体の1つ以上の寸法で短くてもよい。例えば、エラストマー層は第1の寸法Yを含んでもよく、Yは、同一方向に少なくとも10mmで、積層体の寸法W未満であってもよい。特定の実施形態では、Yは、Wの少なくとも約20%、又は約25%~約100%、又は約35%~約85%、又は約80%以下であり、各範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。追加的に、又は代替的に、エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法に等しい寸法を有してもよい。例えば、エラストマー層は、積層体の横方向幅全体にわたって積層体の実質的に同じ長手方向長さを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エラストマー層は、約5~約150gsm、又は約10~約100gsm、又は約150gsm未満の坪量を有してもよく、各範囲についてこの範囲内の5gsm増分毎に列挙する。
【0035】
図2を参照すると、積層体10は、弾性が付与された領域18を含んでもよい。伸縮性領域18は、一般に、エラストマー性材料14の周縁によって画定される。弾性領域では、積層体は、弾性的に延伸性である。いくつかの実施形態では、弾性領域の面積は、積層体の全面積の少なくとも約20%、又は約30%~約100%、又は約80%以下を含み、当該範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。
【0036】
積層体は、1つ以上の非弾性領域を更に含んでもよい。特定の実施形態では、積層体10は、第1の非弾性領域20を含むが、これは、積層体の第1の積層体縁部9から横方向に外側に延伸し、第1のエラストマー性材料縁部17において弾性領域18に隣接している。耳部は、第2の非弾性領域22を更に含み得、これは、第2の積層体縁部11から横方向に内側に延伸し得、第2のエラストマー性材料縁部19において弾性領域18に隣接し得る。第1の非弾性領域及び第2の非弾性領域は、同じ材料で作製されてもよいし、又は異なる材料で作製されてもよい。
【0037】
特定の実施形態では、積層体10は、積層中に層のうちの1層が残りの層よりも大きく歪むギャザー付き積層体24を含む。このように、低延伸性層(すなわち、不織布12、16)は、積層体24が弛緩状態にあるとき、ギャザーを形成する。いくつかの実施形態では、エラストマー層の少なくとも一部は、積層中に不織布が弛緩状態にある間に歪む。エラストマー層は、1つ以上の方向に引き伸ばされてもよい。次いで、その後に形成された積層体24が弛緩状態にあるときに、不織布層内に波形が形成される。積層された積層体を作製する場合、エラストマー層は、伸縮方向(すなわち、最終製品における伸縮の意図された方向)に引き伸ばされる。伸縮方向は、横方向であってもよい。非限定的な実施例では、エラストマー層は、物品の横方向に対応する方向に引き伸ばされる。換言すれば、積層後に積層体をシャーシに接合したとき、積層体は、積層体が物品の横方向に伸縮可能である(すなわち、積層体が横方向に延伸性である)ように配向される。
【0038】
図1A~
図3に示されるように、2つ以上の積層体の層は、1つ以上の超音波結合部30によって接合される。超音波結合は、エラストマー層を介して不織布層を接合させてもよい。結合部は、任意の好適な形状又はサイズであり得る。いくつかの実施形態では、結合部は、非円形である。追加的、又は代替的に、結合部は、それらの横方向寸法よりも大きい長手方向寸法を有し得るか、又はその逆であり得る。結合部の少なくとも一部分は、少なくとも1.1、又は少なくとも約1.25、又は少なくとも約1.5、又は約1.1~約10、又は約1.25~約7.5のアスペクト比を有し得、各範囲について、範囲内の0.01増分毎に列挙する。結合部は、少なくとも約0.55mm、又は少なくとも約0.7mm、又は少なくとも約1mm、又は約0.55mm~約2.6mm、又は約1mm~約2.5mmの主寸法(すなわち、最大寸法)を有し得、当該範囲について、範囲内の各0.05増分を列挙する。非限定的な実施例では、主寸法は、少なくとも約0.7mmである。結合部は、少なくとも約0.5mm、又は少なくとも約0.75mm、又は約0.5mm~約2.2mmの小さい寸法を有し得、各範囲について、範囲内の0.05mm増分毎に列挙する。非限定的な実施例では、結合部は、0.7mm以上の少なくとも1つの寸法を有し、当該寸法は、小さい寸法又は主寸法以外の寸法であってもよい。1つ以上の結合部は、楕円形、卵形、又は棒状の形状などの曲線形状を有し得る。結合形状の他の非限定的な例としては、長方形、台形、菱形、S字形、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
上記に加えて、1つ以上の超音波結合部30は、伸縮性方向に配向された結合部32である(すなわち、伸縮方向に配向されている)。非限定的な実施例では、超音波結合部のうちの大部分は、伸縮方向に配向されている。特定の実施形態では、少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約55%、又は約20%~約100%、又は約25%~約80%、又は約30%~約75%の結合部が、伸縮方向に配向され得、当該範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。理論に束縛されるものではないが、結合部のうちの大部分が伸縮方向に配向されることは、戻り(すなわち、除荷)力を改善し、引き裂きを低減し、より大きな耐久性を提供する積層体を提供すると考えられる。かかる積層体が伸縮するとき、結合部位間のフィルムが伸縮する。概して、超音波結合積層体では、各結合部位は、エラストマー性材料内に開口部を含み、それを通して不織布又は他の材料層が結合される。第2の方向34に配向された結合部は、伸縮方向SDに対して垂直な比較的大きい結合部長さを有する。このより長い結合部長さにより、大量のエラストマー性材料が伸縮方向において切断される。この接続性の欠如のために、張力が伸縮方向に適用されるとき、初期結合部の開口部が適用された力に抵抗することができないため、大きい開口部が形成される。逆に、伸縮方向に配向された結合部32は、伸縮方向SDに対して垂直な比較的小さい結合部長さを有する。この小さい結合部長さにより、限られた量のエラストマー性材料が伸縮方向において切断される。接続性が高いため、張力が伸縮方向に適用されるとき、適用された力に抵抗するための接続された材料が十分に存在し、最小限の開口部の伸びをもたらす。より小さい開口は、積層体の完全性を下げることなく、改善された延伸性及び外観につなげることができる。
【0040】
積層体は、伸縮方向において弾性であり得る。積層体は、本明細書の力降下試験法によって測定される場合、内部で0.5%増分毎に列挙する、約65%以下、又は約60%以下、又は約40%~約70%の10時間の力降下を有する面積Aを含み得る。面積Aは、少なくとも、幅25.4mm、長さ25.4mmであり得る。理論に束縛されるものではないが、上で示されるような10時間の力降下を有する積層体は、改善された延伸性及び完全性を有すると考えられる。所望の10時間の力降下は、結合パターン、結合部配向、及び材料化学の組み合わせによって取得され得る。
【0041】
非限定的な実施例では、積層体は、エラストマー性材料開口部において実質的な伸びを有さない場合があり、実質的な伸びは、約50%を超えるか、又は元の開口部面積である。非限定的な実施例では、積層体フィルムは、10時間の力降下法に従って、10時間後、約50%以下、又は約25%以下の開口部における伸びを有する。
【0042】
追加的に、又は代替的に、積層体10は、結合部寸法試験法によって定義される場合、少なくとも約1.5%、又は少なくとも約2%、又は約1.5%~約12%の結合部密度を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1%増分毎に列挙する。結合部密度は、積層体が組み込まれる成分に応じて変化し得る。
【0043】
理論に束縛されるものではないが、配向、結合部アスペクト比、結合部面積、結合部サイズを含む幾何学形状、及び本明細書に開示される材料組成は、改善された積層体性能をもたらすと考えられる。様々な形状が用いられ得るが、本明細書の教示による結合部及び基材は、所望の性能を達成する。いくつかの実施形態では、本発明の積層体は、約3以下、又は約2.75以下、約2.65以下、又は約2.5以下、又は約2.4以下、又は約1~約3のヒステリシス比を有する結合領域40を含む。このように、積層体は高弾性を示す。吸収性物品に組み込まれるとき、本発明のヒステリシス比を有する積層体は、適用のために容易に伸縮し、着用時に力に耐えるための十分な能力を有する(例えば、適用後、伸縮耳部が弛緩し、製品が着用者にぴったり適合することを可能にする)。換言すれば、積層体は、適用のために比較的低い力を必要とするが、好適な、より高い戻り力を維持することにより、垂れ又は引き裂きなしに着用中に歪みに耐えることを可能にする。
【0044】
加えて、結合領域は、非限定的な実施例では、約0.57N/in以上、又は約0.6N/in以上、又は約0.62N/in以上、又は約0.65N/in/以上の50%における除荷力を含む。いくつかの実施形態では、より低いヒステリシス比(3以下)を達成することができない場合でも、より高い除荷力を有することが望ましい場合がある。かかる実施形態について、積層体は、本明細書のヒステリシス試験法によって測定される場合、約0.4N/in以上、又は約0.5N/in以上、又は約0.6N/in以上、又は約0.4N/in~約2N/inの50%における除荷力を含み、当該範囲についてこの範囲内の0.1N/in増分毎に列挙する。
【0045】
結合領域は、非限定的な実施例では、約0.42MPa以上、又は約0.44MPa以上、又は約0.45MPa以上、又は約0.48MPa以上の50%における除荷力を含む。追加的に、又は代替的に、積層体は、本明細書のヒステリシス試験法によって測定される場合、0.29MPa以上、又は0.37MPa以上、又は0.44MPa以上、又は約0.29~約1.46MPaの50%における除荷力を含み、当該範囲についてこの範囲内の0.05MPa増分毎に列挙する。
【0046】
いくつかの実施形態では、積層体は、第2の方向に配向された結合部34(本明細書では、垂直に配向された結合部34とも称される)を含み得る。非限定的な実施例では、少なくとも5%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも約75%、又は約5%~約75%の結合部は、垂直配向であり得、当該範囲についてこの範囲内の5%増分毎に列挙する。非限定的な実施例では、伸縮方向に配向された結合部32の平均主寸法は、垂直に配向された結合部34の平均主寸法よりもより高くなり得る。例えば、1つ以上の伸縮方向に配向された結合部は、約1.5mmの主寸法(又は集合的に、平均主寸法)を有し得、1つ以上の垂直に配向された結合部は、約1.2mmの主寸法(又は集合的に、平均主寸法)を有し得る。
【0047】
追加的に、又は代替的に、積層体は、第1の複数の結合部36を含み得、第1の複数の結合部のうちの大部分は、伸縮方向に配向された結合部32である。積層体は、第2の複数の結合部38を含み得、第2の複数の結合部のうちの大部分は、第2の方向に配向された結合部34を含む。このようにして、より低い戻り力を有する(着用者に適用される圧力が低くなる)第2の方向に配向された結合部は、伸縮方向に配向された結合部の強度、より高い戻り力及び引き裂き抵抗の利点を依然として維持しながら使用することができる。第1の複数は、
図2~
図2Aに示されるように、第1の結合領域40内に配設されてもよく、及び/又は第2の複数は、第2の結合領域42内に配設されてもよい。非限定的な実施例では、第2の結合領域は、低応力領域44を含む。低応力領域は、本明細書のヒステリシス試験法によって測定される場合、隣接する結合領域(すなわち、隣接する高応力領域46)の50%における負荷力よりも少なくとも10%低い50%における負荷力を有する。非限定的な実施例では、低応力領域は、ヒステリシス試験法によって測定される場合、約2N/in以下、又は約1.5N/in以下、又は約1.3N/in以下、又は約1N/in以下、又は約0.2N/in~約2N/inの50%における負荷力を含み、当該範囲についてこの範囲内の0.1N/in増分毎に列挙する。低応力領域は、本明細書のヒステリシス試験法によって測定される場合、約1.46MPa以下、又は約1.10Mpa以下、又は約0.95MPa以下、又は約0.73MPa以下、又は約0.15MPa~約1.46MPaの50%における負荷力を含み得、当該範囲についてこの範囲内の0.05MPa増分毎に列挙する。より高い応力領域46は、積層体の中央に配設され得、積層体の横方向中心線48と重なり得る。低応力領域は、より高い応力領域の長手方向外側及び/又は長手方向内側に少なくとも部分的に配設され得る。
図2Aに示される非限定的な実施例では、積層体は、2つの低応力領域44a及び44bを含み、1つは、より高い応力領域の長手方向外側に配設され、第2は、より高い応力領域の長手方向内側に配設される。2つの低応力領域は、同じストレス/歪みプロファイル又は異なる応力/歪みプロファイルを含み得る。非限定的な実施例では、積層体は、第2の方向の結合部の割合における勾配を含み得る。第2の方向に配向された結合部の集合面積及び/又は第2の方向に配向された結合部の数は、積層体の最高応力点から更に離れるように増加し得る。例えば、最高応力面積において、積層体の結合領域は、伸縮方向に配向された結合部のみを含み得るか、又は伸縮方向に配向された結合部のうちの大部分を含み得る。最高応力面積の長手方向内側、及び/又は長手方向外側に、積層体の結合領域は、第2の方向に配向された結合部の数、第2の方向に配向された結合部の集合面積、結合部の第2の方向における寸法の平均サイズ、及び/又はより大きい寸法が第2の方向にある結合部の平均アスペクト比で徐々に増加し得る。
【0048】
特定の実施形態では、第1の複数36は、
図3に例示されるように、少なくとも部分的に散在し、及び/又は第2の複数38と少なくとも部分的に重複する関係であり得る。
【0049】
積層体10は、積層体に強度を提供するのに役立つ、補強特徴部50を更に含み得る。補強特徴部の非限定的な実施例としては、
図3に示されるように、接着剤、熱又は圧力結合などの追加の結合52、別個の材料層及び/又は折り畳まれた材料を含む追加の基材層54、並びにこれらの組み合わせを含む。追加の基材層54は、不織布、エラストマー性材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。追加の基材層54は、第1の不織布、第2の不織布及び/又はエラストマー層と同じ材料を含み得、又は、追加の基材層54は、前述の層のいずれかとは異なる材料を含み得る。
【0050】
特定の実施形態では、積層体は、本明細書における空気透過性試験法に従って、少なくとも約1m3/m2/分、又は約1m3/m2/分~約125m3/m2/分、又は約2m3/m2/分~約50m3/m2/分の通気性値を含み得、各範囲について範囲内の1m3/m2/分増分毎に列挙する。
【0051】
いくつかの実施形態では、積層体は、接着剤を有していなくてよい。
【実施例】
【0052】
次の積層体の実施例は、本明細書の発明の特性を実証する。以下の実施例は、3つの異なる積層体の様々な組み合わせであり、これらは、それらのエラストマー層、及び
図4A~
図4Hに示される8つの異なるパターンによって異なる。
【0053】
比較例1Aは、第1の不織布及び第2の不織布、並びに第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されたエラストマー性フィルムを含む。第1の不織布及び第2の不織布の各々は、Avgol、USAから商標名AVMN3002394で入手可能な19gsmのスパンボンド不織布である。不織布は、本明細書の坪量試験法によって測定される場合、約19gsmの平均坪量を有する。エラストマー性フィルムは、Berry Globalから商標名ELASTIPRO(商標)4013の商標名で入手可能であり、約50gsmの坪量を有する。不織布を、95mmの伸縮方向寸法及び141mmの第2の方向寸法を有する長方形に切断した。フィルムを、44mmの伸縮方向寸法及び140mmの第2の方向寸法を有する長方形に切断した。積層体を、Branson Ultrasonicsから商標名Branson 2000Xで入手可能な超音波スキャナ及び所望のパターンを有する結合プレートを使用して組み立てた。フィルムを、130%の歪みで伸縮させ(すなわち、各側面上に7mmの非弾性ゾーンを含み、44mmが約103mmに伸縮)、その伸縮状態では、設定により幅が約4mmに伸びた。次いで、第2の不織布を、フィルムが第1の不織布と第2の不織布との間に挟持されるように適用した。フィルムを説明されるように伸縮させながら、積層体を超音波結合した。
図4Aに示される結合パターンを使用した。各塊は、0.49mm
2の結合部面積を有する。
【0054】
比較例2Aは、EXTENから商標名EXTRETCH30で入手可能であるエラストマー性フィルムを除いて、比較例1と同じであり、約30gsmの坪量を有する。
【0055】
比較例3Aは、Tredegar Corp.から商標名CEX802Wで入手可能であるエラストマー性フィルムを除いて、比較例1と同じであり、約50gsmの坪量を有する。
【0056】
本発明の実施例1B~1Hは、各々、フィルムが説明されるように伸縮されながら、積層体が、
図4B~
図4Hに示される結合パターンをそれぞれ使用して超音波結合されたことを除いて、比較例1Aと同じである。
【0057】
本発明の実施例2B~2Hは、各々、フィルムが説明されるように伸縮されながら、積層体が、
図4B~
図4Hに示される結合パターンをそれぞれ使用して超音波結合されたことを除いて、比較例2Aと同じである。
【0058】
本発明の実施例3B~
図3Hは、各々、フィルムが説明されるように伸縮されながら、積層体が、
図4B~
図4Hに示される結合パターンをそれぞれ使用して超音波結合されたことを除いて、比較例3Aと同じである。
【0059】
以下の表1は、結合部寸法に関する情報を提供し、各積層体にどのパターンが提供されたかを要約する。
【0060】
【0061】
図5~
図7に例示されるように、結合部面積を一貫して保持するとき、本発明の結合部幾何学形状は、結合部設計における可撓性を提供しながら、望ましい強度、延伸性、及び弾力性を生成した。更に、本発明の積層体は、改善された引き裂き抵抗を提供した。図は、様々な積層体に関する力の負荷及び除荷曲線のチャートである。力の負荷曲線は、特定の延伸を達成するために積層体に必要とされる力の量を例示する。言い換えれば、力の負荷曲線は、延伸中に適用された力に関する。力の負荷曲線は、製品適用中又は別様に、積層体の容易な延伸に関するプロキシである。力の除荷曲線は、その初期状態に(又は可能な限りその初期状態に近づくように)戻りながら、積層体が着用者に適用することができる力の量を例示する。力の除荷曲線は、適用後、装着時の積層体の耐久性に関するプロキシである。力の負荷曲線が力の除荷曲線に近いほど(すなわち、ヒステリシス比が低いほど)、積層体はより弾性である。典型的には、弾性積層体は、必要とされるより高価な材料に起因して、より高価となる。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に開示される本発明の結合パターン及び教示を使用して、より低いコストの高弾性材料を用いて弾性積層体を生成することができることを見出した。上記のように、いくつかの実施形態では、より低いヒステリシス比(3以下)を達成することができない場合でも、より高い除荷力を有することが望ましい場合がある。
【0062】
図5は、比較例1A(
図4Aに示されるパターンを有する)と、本発明の実施例1B及び1C(それぞれ
図4B及び
図4Cのパターンを有する)と、を比較する。チャートは、
図4B及び
図4Cのパターンが、結合部設計における変動性を提供しながら、既知のパターンの力プロファイル及び弾力性に近似することができることを例示する。
図5内のチャートは、実施例1A~1Cの積層体を図示するが、同じ傾向が、実施例2A~2C及び3A~3Cのデータにおいて示される。
【0063】
図6は、比較例1A及び本発明の実施例1D~1Eを比較する。チャートは、
図4Dのパターンが、結合部設計における可撓性を提供しながら、既知のパターンの力プロファイル及び弾力性に近似することができることを例示する。更に、チャートは、
図4Eのパターンが既知のパターンよりも良好に機能することを例示する。実際、パターンは比較例の負荷曲線に近似しているが、パターンはより良好な戻り曲線を提供する。D及びEを比較する際に、結合部寸法は同じであるが、伸縮方向に配向された結合部(
図4Eのパターン)は、より良好な、より高い戻り力を提供することが見られ得る。実際、以下の表に示されるように、
図4Eのパターンは、一貫してより高い戻り力を有する。
【0064】
図7は、本発明の実施例1E~1Hを比較する。以下の表に示されるように、
図4F~
図4Gのパターンは、概して、比較例1Aより50%における低い負荷力及び50%における低い除荷力を有する。実際、力の負荷曲線は、概して、
図6及び
図7を比較することによって示され得るように、比較例のものよりも低い。更に、
図7は、
図4F~
図4Hのパターンが、比較例よりも低い力の負荷曲線を提供し、負荷曲線の少なくとも一部分に対して、同じ延伸を達成するために必要な力がより低いことを示す。更に、チャートは、1.2mm超の主寸法を有する第2の方向に配向された結合部を有する積層体が、比較例に対して低減された性能を有することを実証する。実際、より多くの結合部が第2の方向に配向されると、力の低減がより大きくなる。
図7内のチャートは、実施例1E~1Hの積層体を図示するが、同じ傾向は、実施例2E~2H及び3E~3Hのデータにおいて示される。
【0065】
表2は、本明細書のヒステリシス試験法によって判定される際の、実施例のヒステリシス比を例示する。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
積層体の実施例もまた、本明細書の力降下試験法で試験した。本発明の実施例1E、2E、及び3E(その全てが
図4Eのパターンを含む)は、試験の8時間後に引き裂きを示さなかったが、残りのパターンは、フィルムにかかわらず、8時間後に50%超の開口部における伸びを有した。以下の表5に示されるように、本発明の実施例1-E、2-E及び3-Eはまた、65%以下、より具体的には、60%以下の10時間の力降下を呈した。これは、着用体験を表す条件下で、伸縮配向された結合部が、製品のフィット感/性能を損なうことなく、追加のパターン及び視覚的外観の改善を提供することができることを更に示す。
【0070】
【0071】
積層体を含む物品
図8を参照すると、本発明の積層体10は、使い捨て吸収性物品などの吸収性物品100に組み込まれてもよい。積層体は、シャーシ取り付け結合部102によってシャーシ120の1つ以上の層に取り付けられてもよい。シャーシ取り付け結合部は、超音波結合部、接着結合部、機械的結合部、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0072】
図8は、平坦な、非収縮状態にある、本発明の吸収性物品100の例示的で非限定的な実施形態の平面図である。吸収性物品100の身体に面する表面115が、こちらを向いている。吸収性物品100は、長手方向中心線105及び横方向中心線110を含む。
【0073】
吸収性物品100は、シャーシ120を含む。吸収性物品100及びシャーシ120は、第1の腰部領域114、第1の腰部領域114の反対側にある第2の腰部領域118、及び第1の腰部領域114と第2の腰部領域118との間に位置する股部領域116を有するものとして示されている。腰部領域114及び腰部領域118は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む、吸収性物品のそれらの一部を含む。腰部領域114及び腰部領域118は、フィット感及び封じ込め性が向上するように、着用者の腰部周囲でギャザーをなすような弾性部材155を含んでいてもよい。股部領域116は、吸収性物品が着用された場合に、着用者の両脚の間に一般に位置付けられる吸収性物品の部分である。
【0074】
シャーシ120の外側周辺部は、長手方向縁部112及び腰部縁部(第1の腰部領域114における第1の腰部縁部113及び第2の腰部領域118における第2の腰部縁部119)によって画定される。シャーシ120は、長手方向中心線105に対して一般に平行に配向された、対向する長手方向縁部112を有してもよい。しかしながら、より良いフィット感のために、長手方向縁部112は、例えば、
図8に示されるような平面図で見たときに「砂時計」形状の物品を生成するように、湾曲しているか又は角度が付けられていてもよい。シャーシ120は、横方向中心線110に対して一般に平行に配向された、対向する横方向縁部113、119(すなわち、第1の腰部縁部113及び第2の腰部縁部119)を有してもよい。
【0075】
シャーシ120は、液体透過性のトップシート124、バックシート126、及びトップシート124とバックシート126との間の吸収性コア128を含んでもよい。トップシート124は、コア128及び/又はバックシート126に接合されていてもよい。バックシート126は、コア128及び/又はトップシート124に接合されていてもよい。コア128とトップシート124との間、及び/又はコア128とバックシート126との間に、その他の構造体、要素、又は基材が位置付けられていてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、トップシート126と吸収性コア128との間に、捕捉分配システム127が配設される。
【0076】
特定の実施形態では、シャーシ120は、複合吸収性物品構造を形成するために付加される他の機構と共に、吸収性物品100の主要構造を含む。トップシート124、バックシート126、及び吸収性コア128は、種々の周知の構成で組み立てられ得るが、吸収性物品の構成は、概して米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。
【0077】
使い捨て吸収性物品の構成要素は、米国特許公開第2007/0219521(A1)号、同第2011/0139658(A1)号、同第2011/0139657(A1)号、同第2011/0152812(A1)号、及び同第2011/0139659(A1)号に記載されるような生物由来の内容物を少なくとも部分的に含むことができる。これらの構成要素としては、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、耳部/耳部積層体、レッグガスケットシステム、超吸収体、捕捉層、コアラップ材料、接着剤、締結システム、及びランディングゾーンが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用すると、約10%~約100%、又は約25%~約75%、又は約50%~約60%のバイオベース含有量値を含む。ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、構成要素の代表的なサンプルを試験のために得なければならない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、周知の粉砕法(例えば、WILEY(登録商標)ミル)を使用して、約20メッシュ未満の微粒子へと粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出し得る。
【0078】
本発明の積層体10は、耳部、腰部機構、ベルト、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、物品の1つ以上の構成要素を形成するか、又はその一部分であり得る。
【0079】
トップシート
トップシート124は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触する、又はより近位に配置されてもよい、吸収性物品100の一部である。好適なトップシート124は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブなどの、広範囲の材料から製造されてもよい。トップシート124は、概して、着用者の肌に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。一般に、トップシート124の少なくとも一部は、液体透過性であり、液体をトップシート124の厚みを介して容易に透過させることができる。トップシート124は、有孔であってよい。トップシートは、米国特許第5,628,097号に開示されているように、材料をオーバーボンディングし、次にリングロールによってオーバーボンドを破断することによって有孔させてもよい。
【0080】
トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体の滲出物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0081】
吸収性コア
吸収性コア128は、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。好適な吸収性材料の例としては、一般的に、エアフェルトクレープ紙綿と称される粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に堅固化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一実施形態では、吸収性コアの少なくとも一部は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有する、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。その他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性材料、例えば、吸収性粒子状ポリマー材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%超、又は吸収性コアの約85重量%超、又は吸収性コアの約90重量%超、又はコアの約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネル129を含んでもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状ポリマー材料を実質的に含まない。チャネル129は、長手方向又は横方向に延在してもよい。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に含んでもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な実施例では、長手方向軸線の周囲に、2つのチャネルが対称的に配設される。
【0082】
バックシート
バックシート126は、概して、吸収性物品100の表面に面する衣類の少なくとも一部分であり得るように位置付けられる。バックシート126は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート124、吸収性コア128、及び/又は吸収性物品の任意のその他の層の一部に接合されてもよい。バックシート126は、吸収性物品100によって吸収され、その中に収容された排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの、吸収性物品100と接触し得る物品を汚すのを防止するように設計されてもよい。特定の実施形態では、バックシート126は、実質的に不透水性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであるか、又はこれを含んでもよい。その他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で、依然として、身体の滲出物がバックシートを通過することを防止するか又は少なくとも抑制する、通気性材料を含んでもよい。
【0083】
バックシート126はまた、2層以上の層からなり得る。バックシート126は、外側カバー及び内部層を含んでもよい。外側カバー材料40は、ボンドパターン、開口、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバー材料40は、水流交絡不織布材料などの不織布材料であってもよい。内側層は、高分子フィルムなどの実質的に液体不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって一緒に接合されていてもよい。
【0084】
耳部/締結具
吸収性物品100は、例えば、第1の腰部領域に配設された前方耳部132及び/又は第2の腰部領域に配設された後方耳部134を含む、1つ以上の耳部130を含んでもよい。耳部130は、シャーシと一体であってもよく、耳部の1層以上をシャーシに接合し得るシャーシ取り付け結合部102においてシャーシ120に接合された別個の要素であってもよい。耳部130は、延伸性又は弾性であってもよい。耳部130は、1つ以上の不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマーフィルム及びエラストマー性フィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、又はこれらのいずれかの組み合わせ及び/若しくは積層体から形成されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、耳部130は、エラストマーを含んでもよく、これにより、耳部は伸縮性になる。特定の実施形態では、耳部130は、不織布/エラストマー性材料積層体又は不織布/エラストマー性材料/不織布積層体などの伸縮性積層体で形成されてもよいが、このこともまた、耳部を伸縮性とする。耳部120は、物品の横方向に延伸可能であってもよい。いくつかの実施形態では、耳部は、横方向に弾性である。更なる実施形態では、耳部130は、長手方向よりも横方向に長く延伸してもよい。代替的に、耳部は、横方向よりも長手方向に延伸してもよい。ある特定の非限定的な実施例では、耳部は、別々の弾性領域に沿って1つ以上の非弾性領域を含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、耳部は、本発明の積層体に関して本明細書に記載された特徴又は積層体層のいずれかを有する積層体10などの、1つ以上の不織布、及び1つ以上の弾性材料の積層体を含む。
【0087】
任意の好適な不織布が、耳部130において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は少なくとも約30gsm、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約17gsmの坪量を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。典型的には、より低い坪量の不織布は、耳部の全体的な強度を低減させる。しかしながら、本発明者らは、本明細書の原理に従って設計された耳部が、より低い坪量の不織布にもかかわらず高い強度を取得することができることを発見した。耳部130が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を含んでもよい。同様に、不織布は、同じ層構成又は異なる層構造を含んでもよい。更に、耳部における不織布は、バックシート、トップシート、脚部ガスケットシステム、及び/又は腰部機構において同じ又は異なる機構の不織布を含んでもよい。
【0088】
耳部は、例えば、米国特許出願第15/674559号において開示される超音波結合された耳部を含み得る。耳部は、ギャザー付き積層体24であってもよい。代替的に、耳部は、米国特許公開第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号、同第5,993,432号、同第5,156,793号、同第5,167,897号、同第7,062,983号、及び同第6,843,134号に開示のプロセスによって活性化されてもよい。
【0089】
耳部は、シャーシ取り付け結合部102でシャーシに接合されてもよい。いくつかの非限定的な実施例では、シャーシ取り付け結合部は、耳部の非弾性領域に位置する。
【0090】
吸収性物品100はまた、締結システム148を含んでもよい。締結システム148は、締結された場合、第1の腰部領域116と後方腰部領域118とを相互接続し、吸収性物品100の着用中に着用者を取り囲むことができる腰部外周を生じる。締結システム148は、例えば、テープタブ、フック・ループ締結構成要素、タブ及びスロットなどの相互係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体の締結構成部品などの締結要素150を含み得るが、任意の他の既知の締結手段も、概して許容可能である。吸収性物品は、締結要素が係合可能なランディングゾーン及び/又は使用前に締結要素を損傷(insult)から保護するリリーステープを更に含んでもよい。いくつかの例示的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な相互係合締結システムは、米国特許第6,432,098号に開示されている。いくつかの実施形態では、締結システム148及び/又は要素150は、折り畳み可能である。
【0091】
締結システム148は、任意の好適な手段によって物品100の任意の好適な部分に接合されてもよい。締結システムは、層間で耳部に接合されてもよい。
【0092】
脚部ガスケットシステム
吸収性物品100は、シャーシ120に取り付けられた脚部ガスケットシステム170を含んでもよく、脚部ガスケットシステムは、1つ以上のカフを含んでもよい。脚部ガスケットシステムは、一対のバリア脚部カフ172を含んでもよい。各バリアレッグカフは、吸収性物品に結合される一片の材料によって形成され得るため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴体と脚部との接合部付近で流体及びその他の排泄物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリア脚部カフは、トップシート124及び/又はバックシート126に直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し、封止部を形成することを意図する自由端縁部175とによって、境界が定められる。いくつかの実施形態では、自由端縁部175は折り曲げられた縁部を含む。バリア脚部カフ172は、長手方向中心線105の両側において吸収性物品の前方腰部縁部113と後方腰部縁部119との間に少なくとも部分的に延在し、かつ股部領域内に少なくとも存在する。バリア脚部カフは、接着、溶融接合、又はその他の好適な接合処理の組み合わせによって行うことができる接合によって、近位縁部で物品のシャーシと接合されてもよい。
【0093】
バリア脚部カフは、トップシート124又はバックシート126と一体であってもよく、又は物品のシャーシに接合された別々の材料であってもよい。各バリア脚部カフ172は、より良好な封止を提供するために、自由端縁部175に近接して1つ、2つ又はそれ以上の弾性要素155を含んでもよい。
【0094】
バリア脚部カフ172に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート124及び/又はバックシート126に接合され、かつバリア脚部カフ172に対して外側に配置されたガスケットカフ176を含んでもよい。ガスケットカフ176は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。ガスケットカフは、近位縁部及び自由端縁部177を含んでもよい。自由端縁部177は、折り曲げられた縁部を含んでもよい。各ガスケットカフは、脚部開口部の領域におけるトップシート124とバックシート126との間の吸収性物品のシャーシに、1つ以上の弾性要素155を含んでもよい。バリアレッグカフ及び/又はガスケットカフの全部又は一部を、ローション又は別のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0095】
更なる実施形態では、脚部ガスケットシステムは、ガスケットカフと一体化されたバリア脚部カフを含む。吸収性物品の一部であり得る好適な脚部ガスケットシステムは、米国特許出願第62/134,622号、同第14/077,708号、米国特許第8,939,957号、同第3,860,003号、同第7,435,243号、同第8,062,279号に開示されている。
【0096】
弾性腰部機構
図8に示されるように、吸収性物品100は、改善されたフィット感及び封じ込めを提供するのに役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構180を含んでもよい。弾性腰部機構180は、一般的に、伸びて着用者の腰に動的にフィットすることが意図される。伸縮性腰部機構は、ウエストバンド、シャーシ120から取り外される腰部機構180の一部から形成されるポケットを有する腰部カフ、及び着用者の腹部の周囲にしっかりとフィットするように設計された腰部パネルを含む。伸縮性腰部機構の非限定的な実施例は、米国特許出願第13/490,543号、同第14/533,472号及び同第62/134,622号に開示されている。腰部機構180は、第1の腰部領域114及び/又は第2の腰部領域118でシャーシ120に接合されてもよい。腰部機構は、着用者に物品を適切にフィットさせるための望ましい伸縮及び可撓性を提供するために、耳部130と併用され得る。腰部機構は、積層体に関して本明細書に記載された特徴のいずれかを有する積層体10を含んでもよい。腰部機構は、横方向及び/又は長手方向に延伸性又は弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、腰部機構180は、ベルト220を含む。
【0097】
成人又は乳児用パンツ吸収性物品
いくつかの実施形態では、物品100は、
図9A及び
図9Bに示されるような吸収性パンツ200を含み得、吸収性パンツは、シャーシ122、着用者の腰の周りに位置付けられるベルト220、及び任意選択的に、脚ガスケットシステム170を含み得る。
図9Bは、平らに広げられ、弾性誘導収縮に対して横方向に伸縮された開放構成にある、
図9Aのパンツの例示的な前身的構造体を図示する。パンツの最終アセンブリにおいて、前方ベルト部分222は、シーム224において、後方ベルト部分223に接合されるが、これは、恒久的であってもよく、又は再固定可能であってもよい。パンツ200を形成するため、前身的構造体を横方向中心線110で又はその周囲で折り畳み、トップシート124が内側に面するようにし、前方の222のベルト及び後方の223のベルト部分の長手方向縁部が、シーム224で接合され、脚部開口部、前方腰部縁部及び後方腰部縁部を有するパンツ構造体を形成してもよい。このように、パンツ200は、パンツ200の着用時に、着用者のために、予め形成された連続腰部開口部及び予め形成された連続脚部開口部を含んでもよい。
【0098】
前方ベルト部分222及び後方ベルト部分223は、パンツ200の前方領域及び後方領域を形成する、最も外側の構造体であってもよい。パンツは、前方領域、股領域及び後方領域の全体を包み、かつ最も外側のパンツ形状の構造体を形成する外側ラップ226を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バックシートの外側カバーは、外側ラップを形成する。外側ラップ226は、不織布ウェブの1つ以上の区域から形成されてもよく、所望の場合、好適に調節した脚部開口部の縁部輪郭を提供する輪郭へと裁断されてもよい。
【0099】
ベルト220は、1つ以上の不織布層及び1つ以上のエラストマー層を含む前述の特徴のいずれかを有する、本発明の積層体10を含んでもよい。積層体層は、超音波結合によって接合されてもよい。
【0100】
いくつかの非限定的な実施例によれば、ベルト部分に使用される不織布は、外部圧力が印加されて除かれる場合に、良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。
【0101】
ベルト部分などの腰部機構のエラストマー層は、1つ以上の弾性部材155を含んでもよい。弾性部材155は、種々のデシテックスレベルの、INVISTA(Wichita、KS)から入手可能なLYCRA(登録商標)繊維などのエラストマー性繊維であってもよい。弾性部材155はまた、当該分野において周知の任意の熱収縮性の弾性材料を含んでもよい。その他の好適な弾性体は、ゴム、スチレンエチルブチレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、ポリオレフィンエラストマー、エラストマーポリウレタン、及び当該技術分野において既知のその他のエラストマー性材料、並びにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、種々のその他の材料から作製され得る。いくつかの非限定的な実施例では、弾性部材は、任意の数のストランド(又はフィラメント)を有する押出ストランド弾性体であってもよい。いくつかの実施形態では、弾性部材は、50~2000範囲のデシテックス、又はこの範囲中の任意のデシテックス値に関する任意の整数値を有し得る。当業者であれば、所望の収縮量、及び本明細書において議論されているその他の原理に基づいて、適切なデシテックスを選択してもよい。更なる実施形態では、弾性部材はフィルムの形態であってもよい。フィルムの実施例は、先行特許出願に記載されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0040826号を参照のこと)。このフィルムは、いくつかの副層のうちの少なくとも1層で組み合わされた、種々の樹脂を用いて作製することができ、これにより、そのフィルムには異なる有益性が提供される。
【0102】
なお、弾性部材155は、複数の構成をとってもよい。例えば、幅は変化してもよく、弾性材料の単一のストランド又は複数の平行若しくは非平行のストランドが使用されてもよい、直線及び曲線を含む種々の形状が使用されてもよい、又は種々の断面形状を使用し得る(円形、長方形、正方形など)。
【0103】
腰部機構(例えば、ベルト部分)及び/又はシャーシ120の層を、層間に堆積する接着剤によって、熱接着によって、圧着によって、又はこれらの組み合わせによって、弾性ストランド155の周囲に一緒に接合してもよい。その他の実施例では、1つ以上の弾性部材は、エラストマー性材料から形成されるフィルムのストリップ又は断片であってもよい。弾性部材が細長い場合、ストランド155が、例えば、
図9Bに示されているように、より長い方の寸法が横方向に配向されているか、又は横方向に実質的に整列していることさえ望ましい場合がある。
【0104】
ベルト部分又は腰部機構のその他の形態は、少なくとも3つの腰部弾性部材、少なくとも5つの弾性部材、少なくとも10の腰部弾性部材、又は少なくとも15の腰部弾性部材、又は約2~約35の腰部弾性部材、又は約5~約25の腰部弾性部材を含んでもよく、各範囲についてこの範囲内の1増分毎に列挙する。
【0105】
一実施形態では、隣接する弾性部材155は、部材の一方の縁部から部材の他方の縁部まで少なくとも3.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも4mmの長手方向距離で、所望により少なくとも4.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも5.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも6mmの長手方向距離で、所望により少なくとも6.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも7mmの長手方向距離で、所望により少なくとも7.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも8mmの長手方向距離で、所望により少なくとも8.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも9mmの長手方向距離で、所望により少なくとも9.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも10mmの長手方向距離で、所望により少なくとも10.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも11mmの長手方向距離で、所望により少なくとも11.5mmの長手方向距離で、所望により少なくとも12mmの長手方向距離で、離間される。弾性部材間の間隔設定は、腰部機構の長手方向の長さに対して同じであってもよく、又は異なっていてもよい。例えば、隣接する弾性部材間の間隔設定は、均一に7mmとし得、又は種々の間隔設定(すなわち、2つの隣接する弾性部材は3mm離れており、別の2つは、6.5mm離れているなど)とし得る。
【0106】
腰部機構の製造中に、弾性部材155は、腰部機構に組み込む際に望ましい量だけ、予め歪みが与えられてもよい。腰部機構のその後の緩和に際して、弾性部材は、それらの非歪み長さに向かって横方向に収縮し得る。これにより、腰部機構の層に折り目が付き、弾性部材155の長さ方向を概して横断する隆起部及び谷部を有し、かつz方向に延伸するひだ又はしわが形成され得る。
【0107】
更なる実施形態では、腰部機構積層体の構成要素を接着するために、腰部積層体中に組み込む前に、弾性部は、接着剤により個別にコーティングされてもよい(「コーティングストランド」)。ストランドコーティング方法及び技術を含む様々なコーティング方法及び技術は、例えば、米国特許第5,340,648号、同第5,501,756号、同第5,507,909号、同第6,077,375号、同第6,200,635号、同第6,235,137号、同第6,361,634号、同第6,561,430号、同第6,520,237号、同第6,582,518号、同第6,610,161号、同第6,613,146号、同第6,652,693号、同第6,719,846号、及び同第6,737,102号に示されている。使用する接着剤は、事前に歪みが付与された弾性材料を基材に取り付けるために好適にした、弾性及び可撓性を有するホットメルト型接着剤(Bostik,Inc.(Wauwatosa、Wisconsin)から入手可能なOMNIMELT BLOCKS22H2401F、又はAVANCEなどのZEROCREEP(商標)など)とすることができる。
【0108】
特定の実施形態では、
図9Bにおいて示唆されるように、前方ベルト部分及び/又は後方ベルト部分の角は、切り取られていてもよい。特定の湾曲脚部縁部の輪郭をもたらすことが望ましいものとなり得るように、角は、直線に沿って切り取られてもよい、又はベルト部分の残りの領域に関して凹又は凸のどちらかで曲線状となっている切り取り経路に沿って切り取られてもよい。上記のこのような切り取り、及び弾性ストランドの構成と関連して、それぞれのベルト部分222、223の縁部に沿って、層間に結合を付与することが望ましい場合がある。このような結合は、不揃いな外観を作り出す一因となり得る縁部に沿った層の任意の分離を防止するために役立てることができ、シーム224より下の弾性ストランドの収縮力下で、後方ベルト部分を内側に横方向で中心シャーシ120に向かって効率的に引っ張る手助けもすることができる。結合は、例えば、米国特許第4,854,984号及び同第4,919,738号に記載の機械的結合/圧着によって、熱接着若しくは溶接によって、又は層間の接着剤の堆積によって、作用し得る。非限定的な実施例では、このような結合は、縁部に沿ってパターンを形成し得る。このような結合は、一般に、それぞれのベルト部分222、223を積層構造体として一緒に保持する層間の任意の結合を補うものであってもよい。
【0109】
サイドシーム224は、恒久的であっても再締結可能であってもよい。恒久的シームは、任意の接合機構によって前方ベルト部分と後方ベルト部分との間で形成され得、前方ベルト及び後方ベルト部分は、前方及び後方ベルト部分の片方又は両方に大きな損傷を与えることなく、又は実質的な再取り付け若しくは再固定を行うことができる機構を含ませることなく、強制的に分離することはできない。恒久的なシームを形成する結合は、圧着、熱接合/溶接、超音波接合、又は接着結合を含んでもよい。再固定可能なシームは、前方ベルト部分及び後方ベルト部分の実質的に非破壊性の強制的分離、及び後続する同じ位置における実質的な再取り付け又は再固定を可能にするように構成されている任意の機構によって、前方ベルト部分と後方ベルト部分との間に形成されてもよい。このような機構の一例は、面ファスナー締結システム、例えば、VELCRO締結システムである。好適なサイズ及び形状のフック構成要素は、これらが一緒になって係合し、シーム224を形成し得る位置において、その長手方向縁部に沿って前方ベルト部分又は後方ベルト部分のうちの一方に結合されてもよく、またその長手方向縁部に沿って前方ベルト部分又は後方ベルト部分の他方に結合されてもよい。例は、米国特許出願第61/787,416号、同第61/787,332号、同第61/666,065号に図示されている。
【0110】
例示的なベルト及び吸収性パンツ構造は、米国特許出願第14/598,783号及び同第14/032,595号に開示されている。
【0111】
パッケージ
本開示の吸収性物品100は、パッケージに配置されてもよい。パッケージは、高分子フィルム及び/又は他の材料を含み得る。吸収性物品の特性に関する図形及び/又は目印は、パッケージの外側部分に形成され、印刷され、位置付けられ、及び/又は配置されてよい。各パッケージは、複数の吸収性物品を含んでもよい。吸収性物品は、パッケージのサイズを小さくする一方で1パッケージ当たり十分な量の吸収性物品を提供するように圧縮下で包装することができる。吸収性物品を圧縮下で包装することによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができると共に、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。
【0112】
したがって、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に基づいて、約110mm未満、約105mm未満、約100mm未満、約95mm未満、約90mm未満、約85mm未満、約80mm未満、約78mm未満、約76mm未満、約74mm未満、約72mm未満、又は約70mm未満のバッグ内積み重ね高さを有してもよく、具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する。代替的に、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内スタック高さ試験に従う、約70mm~約110mm、約70mm~約105mm、約70mm~約100mm、約70mm~約95mm、約70mm~約90mm、約70mm~約85mm、約72mm~約80mm、又は約74mm~約78mmのバッグ内スタック高さを有してもよく、具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する。
【0113】
図10は、複数の吸収性物品1004を含む、例示的なパッケージ1000を例示する。パッケージ1000は、複数の吸収性物品1004が置かれる内部空間1002を画定している。複数の吸収性物品1004は、1つ以上の積み重ね1006として配置されている。
【0114】
試験方法
試料の調製
以下の特定の方法で別途指定されない限り、試料は、以下のように積層体又は構成要素から切断され、調製される。1つの結合パターンを有する積層体/構成要素の場合:所望のサイズの試料(方法で規定される)は、弾性領域内の結合パターン面積から切断される。利用可能な結合パターン面積及び/又は弾性領域が、ヒステリシス及び10時間の力降下/開口部における伸び試験法に関して規定されるものよりも小さい場合、幅10mm(伸縮方向に対して垂直な寸法)、長さ10mm(伸縮方向において)ほどの小さい試料が使用され得る。2つ以上のパターンを有する積層体/構成要素の場合:弾性領域における1つの関心結合パターン(すなわち、均一な結合パターン)を特定する。利用可能な結合パターン面積が、ヒステリシス及び10時間の力降下/開口部における伸び試験法に関して規定されるものよりも小さい場合、幅10mm(伸縮方向に対して垂直な寸法)、長さ10mm(伸縮方向において)ほどの小さい試料が使用され得る。ゲージ長が試料の幅と同じに保たれ、試験歪み速度が方法で規定されるものと同じに保たれるように注意すべきである。
【0115】
秤量
少なくとも1cm2の試料が、均一な結合パターン面積から坪量を測定するために使用される。試料は、デジタル天秤を使用して±0.1ミリグラム以内に計量される。試料の長さ及び幅は、デジタルノギス、又は±0.1mm以内の相当物を使用して測定される。全ての試験は、22±2℃及び50±10%の相対湿度で実施される。坪量は以下の式を使用して計算される。
【0116】
【0117】
10時間の力降下/開口部における伸び試験法
この試験の目的は、積層体試料に関する「10時間の力降下」及び「開口部における伸び」を測定することである。この試験は、積層体が37.8℃及び100%の工学歪みに保持されているとき、積層体が物品を着用者にどのように固定するか、すなわち、使用中の製品のフィット感に関する情報を提供する。
【0118】
設定
ゲージ長:25.4mm
試料幅:25.4mm
試験温度:37.8℃。
適用された工学歪み:100%(すなわち、25.4mmの変位を適用及び保持する。)
適用される変形の方向:物品の通常の使用中の積層体の伸縮方向
【0119】
試料の調製
図11は、試料調製の特定の態様を例示するために提供される。切断マット上で、積層体材料は、光コピー紙のシート間に挟持される。鋭いX-ACTOブランドのナイフ及び直線縁を使用して、試料600を調製する。試料は、弾性領域の均一な結合パターン面積から切断される。試料600は、試料をグリップに装填するために好適であり、かつ試験に不必要に干渉することなく25.4mmのゲージ長を提供するのに十分である、25.4mmの幅615及び長さ616を有するように切断される。この特定の実施例では、長さ616は幅615よりも長く、長さ616は伸縮方向にある。
【0120】
グリップ
図12に示されるタイプのライン接触グリップ500が、この試験のために使用される。ライングリップ500は、明確に画定されたゲージを提供し、過度の滑りを回避するように選択される。試料は、最小限のたるみを有するように位置付けられる。試料の破損又は切断を回避しながら、良好なゲージ定義を与えるようにグリップ500の頂部507を接地させる。頂部を接地させて、0.5~1.0mmの範囲内の半径を提供する。グリップ500の一方又は両方の一部分は、試料が滑る傾向を低減する材料507(例えば、50~70のショアA硬度を有するウレタン又はネオプレンゴム片)を含むように構成され得る。
図13は、本明細書における使用に好適な一対の対向するグリップ700を示す。
【0121】
装置
グリップは、他方に関して1つのグリップの手で動作させる移動を可能にするフレーム(例えば、Chatillon MT150L又は同様のもの)に取り付けられる。ゲージブロックを使用して、試料の負荷及び試料の試験のための正確なグリップの位置を確立する。フレーム全体は、試料の直近における空気温度を37.8℃で維持するために十分に適した温度制御装置を装備したチャンバ内に取り付けられる。
図14は、試験を実施するための例示的な装置800を示す。
図14に示されるように、装置800は、温度制御チャンバ内に設定され、上部グリップ701、底部グリップ702、少なくとも底部グリップ702を正確に位置付けるためのゲージブロック720、及びチャンバ内の温度を監視するための熱電対710を含む。力変換器715は、上部グリップ701と機械的に連通するように展開される。力変換器715は、著しいドリフト、ノイズなどを伴わずに所望の力測定を可能にするための好適な品質信号調節器を含む。力変換器は、適切な解像度を提供するように選択されて、試料の最終的な故障が発生するときを識別する。信号調節器からの出力は、コンピュータとインターフェース接続されたアナログ-デジタル変換器に接続されて、試験中のデータ取得を可能にする。力データは、試料が延伸されている間、及びその初期力減衰中に、少なくとも1つの1秒当たりのデータ点の周波数でサンプリングされる。後続のデータサンプリングの頻度は、試験期間全体(「10時間の力降下」に対して10時間、「開口部における伸び」に対して少なくとも8時間)にわたって試料の力減衰を判定するのに十分でなければならない。時間ゼロは、試料が100%に延伸した後(すなわち、延伸完了後1秒)の第1のデータ点に割り当てられる。
【0122】
試験
グリップ分離(すなわち、ゲージ長)は、25.4mmに設定され、試料は、グリップが試料上に明確に画定された接触線を形成するように挿入される。グリップボルトを締め付けて、試料を切断することなく、固定グリップを提供する。温度チャンバドアを閉鎖して、温度を目標温度において2分間平衡化させる。データ取得を開始する。所望の変位(25.4mm、100%歪みに相当する)が、15秒かけて試料に適用される。力データは、試験中に1秒間隔で収集される。試料を時間ゼロにおける力として100%に歪ませた1秒後の力を記録する。試料を100%の歪みで保持し10時間後の力を、10時間後の力として記録する。10時間の力降下は、時間ゼロにおける力から10時間後の力までの、力における減衰を意味する。10時間の力降下は、以下のように計算される。
【0123】
【0124】
「開口部における伸び」測定のために、試料は、上で説明されたように、少なくとも8時間かつ10時間以内で負荷がかけられる。「ベース開口部面積」は、試験の開始時に計算される。試料が100%まで完全に伸縮されるとき、最小である3つの開口部の寸法が、ノギスを使用して0.1mmの精度で測定される。フィルム内の開口部の面積が測定され、結合部位の面積は測定されない。これら3つの開口部は、ベース開口部と称される。測定が完了すると、チャンバのドアが閉鎖され、残りの試験が、摂氏37.8度で実行され得る。ベース開口部の面積を計算するために、開口部の形状(長方形、正方形、円、楕円など)に最も適合する数学的面積式を使用して、開口部の各々について面積を計算する。次いで、3つの計算された領域を平均して「ベース開口面積」を計算する。試験の終了時(8時間後)に、最大開口部寸法は、ノギスを使用して0.1mmの精度で測定され、一方で試料は依然として100%まで伸縮される。「最大開口部面積」は、開口部の形状に最も適合する数学的面積式を使用して計算された試料のフィルム内の最大開口部の面積である。「開口部における伸び」は、以下を使用して計算される。
【0125】
【0126】
結合部寸法試験法
結合部寸法試験を使用して、積層体における結合の様々な寸法及び積層体の結合密度を測定する。結合部寸法試験は、実体光学顕微鏡(Zeiss V20 Stereoscopeなど)及び取り付けカメラ(Carl Zeiss AxioCam MRc5など)を使用して生成される反射光顕微鏡画像で実施する。取得したときの画像内に配置した定規に対して較正したImage Pro Plusソフトウェア(Version 7.0.0.591、Media Cybernetics(USA))を使用して、測定を実施する。この方法の目的上、結合は、2層以上の意図的な接合であり、結合プロセス中に生じる変形した領域である(例えば、結合部位における低減されたキャリパー)。
【0127】
均一な結合パターン面積から複数の関心結合を識別し、得られた周辺部を少なくとも1cm2の面積の直線状試験片に輪郭を描き、周辺部に沿って切断することによって収集する。それが異なる場合(例えば、非結合、非弾性、又は異なる結合パターンを有する面積)、隣接する領域から試験片を収集することを回避するように注意を払わなければならない。試験片は、少なくとも1cm2の面積を有する実質的に長方形の形状で収集される。十分に大きい試料が利用できない場合、最低1つの繰り返し結合パターンの繰り返しユニットを有するより小さい試料を使用することができ、測定された結合部面積値は、1cm2の試験片面積に対して正規化される。立体鏡撮像にはパターンが大きすぎる場合、試料の背景に黒色背景を用いてSLRカメラ(Pentax R20Dなど)又はスキャナ(Epson Perfection V750 Pro Flatbed Scannerなど)を使用して、画像を収集するべきである。
【0128】
試験片を完全に伸縮させる。波形積層体の場合、積層体の非弾性基材が塑性変形していないことを確認しながら、積層体を延伸させることによって波形が実質的に平坦化されるとき、試験片は完全に伸縮される。波形のない積層体の場合、試験片は、かかる延伸なしで完全に伸縮されると考えられる。
【0129】
画像を取得するときに、各画像内で、結合の長手方向に対して平行に定規を配置する。不連続結合の寸法及び不連続結合面積は、結合領域のみを選択することによって、Image Pro Plusソフトウェア内の不規則な面積用ツールで測定される。
【0130】
【0131】
試験片内の全ての不連続結合面積を加算して、試験片に対する総計結合面積を計算し、次いで、総計結合面積を試験片の面積で除算して(完全に伸縮した状態で測定されるように)、結合密度を判定するが、これは次の式で表すことができる。
【0132】
【0133】
ヒステリシス試験法
ヒステリシス試験は、様々な特定された歪み又は負荷値に使用することができる。ヒステリシス試験は、コンピュータと接続された市販の引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)製、SINTECH-MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)製又は同等のもの)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、データの収集、計算、及び報告をする。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試験前24時間、試験片をコンディショニングする。
【0134】
試験片を、実施した試験に対して、以下の表に列挙されている寸法に切断する。
【0135】
試験プロトコル
1.適切なライングリップ(10時間の力降下/開口部における伸び試験法のグリップセクションで上記に開示されたものと同様)及びロードセルを選択する。グリップは、1つの平面を有していなければならず、その全幅に沿って試験片を把持するのに十分広くなければならない。また、グリップは、試験片が試験中に滑らないことを確実にするのに十分な力及び好適な表面を提供しなくてはならない。ロードセルは、試験される試験片からの引張応答が使用されるロードセル容量の25%~75%になるように選択される。製造者の指示書に従って試験機を較正する。
2.実施された試験毎にグリップ間の距離(ゲージ長)を設定する(以下の表)。
3.均一な幅がゲージ長方向に対して垂直な方向に沿って位置するように、グリップの平面に試験片を置く。試料を上側把持部で固定し、試料をたるんだ状態で垂れ下がるようにし、次に下側把持部を閉じる。
4.予負荷:たるみを0.05Nで予負荷を設定し、13mm/分の予負荷クロスヘッド速度を設定する。これは、たるみが0.05Nの力で(13mm/分の一定のクロスヘッド速度で)取り除かれたときに、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は0.05Nの力の引張試験機のグリップ間の試験片の長さである。この調整されたゲージ長を最初の試料長さとするが、それは歪み0%に対応している。試験の任意の点における歪み率は、調整されたゲージ長で割って100を掛けた、調整されたゲージ長に対する長さの変化として定義される。
5(a)第1のサイクル負荷:試験について以下の表に定義される一定のクロスヘッド速度で、所与の負荷又は歪みに試験片を引っ張る。グリップ間の伸長した試験片長さをlmaxとして報告する。
5(b)第1のサイクル除荷:試験片を工程5(a)の負荷又は歪みで30秒間保持し、次いで、上記の工程5(a)において定義された一定のクロスヘッド速度で、クロスヘッドをその開始位置(0%歪み又は初期試料長さ、lini)に戻す。
5(c)試験片を1分間緩んだ状態で保持する。
5(d)第2のサイクル:工程5(a)及び5(b)を繰り返す。
【0136】
【0137】
コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた力を、適用された歪みの関数として記録する。作成された得られたデータから、以下の量を報告する。
【0138】
i.0.001mm単位に四捨五入した、0.05Nの予負荷されたたるみにおけるグリップ間の試験片の長さ(lini)。
ii.0.001mm単位に四捨五入した、所与の歪みにおける第1のサイクル上のグリップ間の試験片の長さ(lmax)。
iii.0.001mm単位に四捨五入した、0.07Nの第2のサイクル負荷力におけるグリップ間の試験片の長さ(lext)。
iv.0.01N/in単位に四捨五入した、第1の負荷サイクル中の50%歪みにおける力(50%における負荷力として報告)
v.0.01N/in単位に四捨五入した、第2の除荷サイクル中の50%歪みにおける力(50%での除荷力として報告)
【0139】
報告された負荷力及び除荷力値は、エラストマー層の坪量が周知であるか、又は他の周知の情報から計算されている場合、以下の式を使用してMPaに変換される。
【0140】
【0141】
エラストマー層の密度が不明である場合、0.93g/cm3密度値が使用される。
【0142】
平均エラストマー層の厚さを、任意の実験方法(SEMなど)を介して評価することができる場合、報告された負荷力及び除荷力値は、以下の式を使用してMPaに変換することができる。
【0143】
【0144】
空気透過度試験方法
指定の圧力低下によって駆動される、標準的なコンディショニングされた空気の試料を通過する流速を測定することによって、耳の積層体又は基材(例えば、フィルム、不織布、又は物品の構成部品)の空気透過性を判定する。この試験は、不織布、有孔耳積層体などの比較的高い気体透過性を有する材料に特に適している。以下のように変更して、ASTM D737を用いた。
【0145】
Textest AG、Switzerland、又はAdvanced Testing Instruments ATI、Spartanburg SC、USA)から入手可能なTextest FX 3300機器又は等価物を使用する。TEXTEST FX 3300空気透過性テスタマニュアルの操作説明にある、気密性試験並びに機能及び較正チェックにおいて記載されている手順を行う。異なる器具を使用する場合、製造業者の説明書により、気密性及び較正に関する同様の規定に従う。
【0146】
弛緩した状態にある間に試料を試験する。
【0147】
試験圧力低下を500パスカルに設定し、1cm2面積試験ヘッド(FX3300-5モデル)又は等価物を使用する。結果を3桁の有効数字で記録する。5つの試料の平均を計算し、通気性値(m3/m2/分)として報告する。
【0148】
バッグ内積み重ね高さ試験方法
吸収性物品のパッケージのバッグ内積み重ね高さは、以下のように測定する。
【0149】
機器
平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さ試験機を使用する。厚さ試験機は、水平スライディングプレートが平坦な剛性の水平ベースプレートのすぐ上で水平の向きに常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成されている。厚さ試験機は、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±0.5mm以内で測定するのに好適なデバイスを含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、各プレートと接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい(すなわち、各プレートは全ての方向において吸収性物品パッケージの接触表面を越えて延在する)。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力850±1重量グラム(8.34N)を加えるが、これはスライディングプレートの合計質量に付加重量を足して850±1グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成され得る。
【0150】
試験手順
吸収性物品パッケージを、測定前に、23±2℃及び50±5%の相対湿度で平衡化する。
【0151】
水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平の配向となるようにして、吸収性物品パッケージを水平スライディングプレート下で中心に配置する(
図10参照)。プレートのいずれかに接触するであろうパッケージの表面上にある任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから10秒後に、水平プレート間の間隙を±0.5mm以内になるように測定する。5つの同じパッケージ(同じサイズのパッケージ及び同じ吸収性物品数)を測定し、算術平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内積み重ね高さ」=(パッケージ幅/積み重ね当たりの吸収性物品数)×10を計算し、±0.5mm以内で報告する。
【0152】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0153】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0154】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】