(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】レーザ外科デバイス及びその外科的方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/20 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A61B18/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575272
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 KR2020012886
(87)【国際公開番号】W WO2021246580
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068479
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068480
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068481
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068482
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522435894
【氏名又は名称】レセンスメディカル、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】515351884
【氏名又は名称】ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、グン-ホ
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA02
4C026AA03
4C026DD02
4C026DD06
4C026FF01
4C026FF21
4C026FF56
4C026GG07
4C026HH07
4C026HH13
4C026HH24
(57)【要約】
冷却システムを有するレーザ処置デバイスであって、デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール、皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に、患者の皮膚の表面の温度を検出する検知ユニット、冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口、皮膚に冷媒をスプレーするノズル、入口をノズルと接続する導管、導管に配置されている、入口をノズルと接続又はノズルから接続解除するバルブを使用することによって冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット、及び流量制御ユニット及びノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュールを備えるレーザ処置デバイスが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却システムを有するレーザ処置デバイスであって、前記デバイスは、
患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;
前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記患者の皮膚の表面の温度を検出するセンサ;
冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び、前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール、前記冷却モジュールは、前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚の前記表面を冷却するように構成されている;及び
前記センサを介して皮膚温度情報を取得し;前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる前記熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の温度を制御し;前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように前記皮膚表面の前記温度を制御する制御モジュール
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記制御モジュールは、前記流量制御ユニットを介して、前記レーザの放射セクションの少なくとも一部を含むように前記冷媒のスプレーセクションを制御し;前記冷媒条件制御ユニットを介して、前記スプレーセクションにおいて前記皮膚温度情報に基づいて、スプレーされることになる前記冷媒の前記温度を制御し;前記レーザに起因する前記皮膚表面に対する前記損傷を低減させるように前記皮膚表面の前記温度を制御する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記冷媒条件制御ユニットは、前記レーザ放射セクション以外のセクションと前記レーザ放射セクションとでは、前記冷媒に異なる熱エネルギーを加える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記冷媒条件制御ユニットは、前記レーザ放射セクションにおいて、前記レーザ放射セクション以外の前記セクションにおけるよりも少ない熱エネルギーを前記冷媒に加える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記冷媒条件制御ユニットは、スプレーセクションの第1の時点において第1の熱エネルギーを加え、前記スプレーセクションの第2の時点において第2の熱エネルギーを加え、前記第2の時点は、レーザ放射セクションに含まれ、前記第1の時点は、前記レーザ放射セクションの前の第1のセクション、又は、前記レーザ放射セクションの後の第2のセクションに含まれ、前記第2の熱エネルギーは、前記第1の熱エネルギーよりも小さい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記スプレーセクションの前記第1の時点における前記皮膚表面の温度が、前記レーザ放射セクションの前記第2の時点における前記皮膚表面の温度よりも低いとき、前記制御モジュールは、前記スプレーセクションの前記第1の時点における前記第1の熱エネルギーの印加を制御し、前記スプレーセクションの前記第2の時点における、前記第1の熱エネルギーよりも小さい前記第2の熱エネルギーの印加を制御する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
冷却システムを有するレーザ処置方法であって、前記方法は、
レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを照射する段階;
前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、センサを介して、前記皮膚の表面の温度を測定する段階;
冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び、前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュールを介して前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚表面を冷却する段階;及び
制御モジュールを介して、前記センサから皮膚温度情報を取得した後に、前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の前記温度を制御することによって、前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように、前記皮膚表面の前記温度を制御する段階
を備える方法。
【請求項8】
冷却システムを使用するレーザ処置方法であって、前記方法は、
レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを出力する段階;
センサを介して前記皮膚の温度を測定する段階;
ノズルを介して前記皮膚に冷媒をスプレーする段階;
冷媒条件制御ユニットを介して前記冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階;
制御モジュールを介して前記センサから第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得する段階、ここで、前記第1の皮膚情報は、少なくとも、第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前における前記皮膚の温度を含み、前記第2の皮膚情報は、少なくとも、前記第1のショットの前記レーザ出力が停止したとき又はその後における前記皮膚の温度を含む;及び
前記制御モジュールを介して、前記第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階
を備える方法。
【請求項9】
前記第1の皮膚情報は、前記レーザ出力が開始した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含み、
前記第2の皮膚情報は、前記レーザ出力が停止した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含み、
前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置が実行されるとき、前記制御モジュールは、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記レーザの放射セクションの少なくとも一部において前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置を実行するとき、前記制御モジュールは、前記レーザ放射セクションを除いた残りの冷却セクションにおいて、前記第2のショットのレーザが照射された皮膚表面において検出された温度に基づいて、前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置を実行するとき、前記制御モジュールは、前記レーザ放射セクションの少なくとも一部において、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報の間の差に基づいて、前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のショットは、前記皮膚の第1の位置に対するレーザ出力であり、前記第2のショットは、前記皮膚の第2の位置に対するレーザ出力である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記センサから第3の皮膚情報を取得し、前記第3の皮膚情報は、少なくとも、前記第2のショットの前記レーザ出力が開始したとき又はその前における皮膚温度を含み、前記制御モジュールは、前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置を実行するとき、前記第1の皮膚情報、前記第2の皮膚情報、及び前記第3の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置を実行するとき、前記制御モジュールは、前記第1の皮膚情報及びと前記第3の皮膚情報の間の差に基づいて、前記第2のショットの前記レーザ処置中にスプレーされることになる前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、レーザ処置デバイス及びその処置方法に関する。より詳細には、本開示は、冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、レーザ処置デバイスは、スキンケア、血管病変、除毛、又はいぼ除去のための処置又は処置に広く使用されている。特に、現代社会において、スキンケアへの関心は飛躍的に高まっており、したがってレーザ処置デバイスへの関心及びその研究が増加している。
【0003】
しかしながら、レーザ処置の特性に起因して、非常に短時間のうちに高いエネルギーを出力するレーザが身体の皮膚に使用されることで、皮膚の特定のエリアに熱エネルギーが蓄積し、これが熱による皮膚損傷を引き起こしやすい。さらに、短時間のうちに高いエネルギーを出力することによって皮膚の特定の部分に熱アブレーション(heat ablation)を生じさせる原理で処置が実行されるので、熱アブレーションによって疼痛が引き起こされる可能性が高い。
【0004】
このために、レーザ処置は、レーザ照射とともに冷却が実行される方式で実行されてきた。従来の冷却の場合、接触式冷却、非接触式冷却、及びエアガス利用冷却があり、特に、従来のスプレー式の冷却の場合、冷媒をスプレーするとき、スプレーされた冷媒の強圧がスプレーユニットの内部構成要素に加わってこれを摩耗させ、それにより、構成要素の耐久性が減少し、したがって構成要素のアフターサービス(AS)に起因して高コストを生じさせる。さらに、スプレー冷却の場合では、冷媒のスプレーが医療従事者の経験に依拠して進められるので、皮膚損傷及び疼痛という副作用がやはり存在する。
【0005】
したがって、熱に起因する損傷を防止するとともに疼痛を軽減するように冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、スプレー冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【0007】
本開示の別の目的は、皮膚損傷の直接的な要因である皮膚の温度を測定することによって冷媒の温度を制御するために使用されるレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【0008】
本開示のまた別の目的は、皮膚の測定された温度に基づいて冷媒の温度又は量を正確に制御するレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【0009】
本開示のまた別の目的は、レーザ処置デバイスによって実行されるレーザ照射の前、その間、又はその後に冷却を実行するスプレー冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【0010】
本開示のまた別の目的は、冷媒がスプレーされるときの突然の圧力上昇を防止するスプレー冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【0011】
本開示のまた別の目的は、レーザ照射中に生じ得る皮膚温度測定の誤差を解決及び/又は防止するスプレー冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記患者の皮膚の表面の温度を検出する検知ユニット;冷媒貯蔵部から冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び、前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール、前記冷却モジュールは、前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚の前記表面を冷却するように構成されている;及び、前記検知ユニットを介して皮膚温度情報を取得し;前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる前記熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の温度を制御し;及び、前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように前記皮膚表面の前記温度を制御する制御モジュールを備える。
【0013】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、レーザ処置のために患者の皮膚にレーザを出力するレーザモジュール;皮膚の温度を測定する検知ユニット;皮膚に冷媒をスプレーするノズル;冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御する冷媒条件制御ユニット;及び、検知ユニットを介して第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得した後、第1のショットのレーザ処置の後に第2のショットのレーザ処置を実行するときに、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている制御モジュールであって、第1の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度を含み、第2の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が停止したとき又はその後の皮膚温度を含む、制御モジュールを備えてよい。
【0014】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを照射する段階;前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、検知ユニットを介して、前記皮膚の表面の温度を測定する段階;冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュールを介して前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚表面を冷却する段階;及び、制御モジュールを介して、前記検知ユニットから皮膚温度情報を取得した後に、前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の前記温度を制御することによって、前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように、前記皮膚表面の前記温度を制御する段階を備える。
【0015】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを出力する段階;検知ユニットを介して前記皮膚の温度を測定する段階;ノズルを介して前記皮膚に冷媒をスプレーする段階;冷媒条件制御ユニットを介して前記冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階;制御モジュールを介して前記検知ユニットから第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得する段階、ここで、前記第1の皮膚情報は、少なくとも、第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前における前記皮膚の温度を含んでよく、前記第2の皮膚情報は、少なくとも、前記第1のショットの前記レーザ出力が停止したとき又はその後における前記皮膚の温度を含んでよい;及び、前記制御モジュールを介して、前記第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記冷媒の前記温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階を備える。
【0016】
レーザ治療において使用され、冷却機能を有する、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;皮膚がレーザによって加熱される前に、患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚表面に冷媒をスプレーするノズル及び冷媒に熱エネルギーを加えることによって冷媒の温度を制御する冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール;及び、レーザモジュールを介してレーザ照射が皮膚に対して実行される制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、レーザ照射の前に皮膚への冷媒のスプレーが開始されるように制御され、冷媒のスプレー量及び温度のうちの少なくとも1つは、冷媒のスプレー中に皮膚温度情報に基づいて制御され、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したか否かが検出され、レーザ照射は、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したときに開始される。
【0017】
レーザ治療において使用され、冷却機能を有する、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;皮膚がレーザによって加熱される前に患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚表面に冷媒をスプレーするノズル及び冷媒に熱エネルギーを加えることによって冷媒の温度を制御する冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール;及び、皮膚に対するレーザ治療を提供するようにユーザを誘導する通知を提供する通知モジュール;レーザ照射についてのユーザの入力を取得するトリガ;レーザモジュールを介して皮膚へのレーザ照射が実行される制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、レーザ照射の前に皮膚に冷媒をスプレーすることを開始するように制御され、冷媒のスプレー量及び温度のうちの少なくとも1つは、冷媒のスプレー中に皮膚温度情報に基づいて制御され、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したとき、上記通知が通知モジュールを介して出力され、通知が出力された後に、ユーザの入力の受け取りに応じてレーザモジュールを介してレーザが出力される。
【0018】
本明細書において開示されている、患者の皮膚の冷却及び皮膚へのレーザ照射が実行される、冷却システムを使用するレーザ処置方法は、検知ユニットを使用することによって患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する段階;冷媒条件制御ユニットを介して、皮膚温度情報に基づいて冷媒に熱エネルギーを加えることによって、冷媒の温度を制御する段階;レーザ照射の前に、ノズルを介して、患者の皮膚表面に冷媒をスプレーする段階;皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したか否かを検出する段階;通知モジュールを使用することによって、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したことを通知する通知を出力する段階;皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したとき、レーザモジュールを介した皮膚へのレーザ照射を開始する段階を備えてよい。
【0019】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスであって、レーザ治療において使用され、冷却機能を有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚温度情報に基づいて皮膚にスプレーされる冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット及び冷媒の温度を制御する冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール;及びレーザの放射時間の前の時間に開始する前冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に冷媒がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、前冷却セクションの少なくとも一部において皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように、冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御し、予め定められた第1の設定温度は、レーザの少なくとも一部を反射する氷が皮膚表面に形成される温度又はそれを超える温度として予め設定されてよい。
【0020】
レーザ治療において使用され、冷却機能を有する、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚温度情報に基づいて皮膚にスプレーされる、固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる寒剤のスプレー量を制御する流量制御ユニット、及び寒剤の温度を制御する冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール;及びレーザの放射時間前の時間に開始する前冷却セクション及びレーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に寒剤がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、前冷却セクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように且つ中間冷却セクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第2の設定温度であるように寒剤の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御してよく、予め定められた第2の設定温度は、レーザが放射される経路内に、レーザの少なくとも一部を反射する固体状態の寒剤が形成される温度又はそれを超える温度として予め設定されてよい。
【0021】
レーザ治療において使用され、冷却機能を有する、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚温度情報に基づいて皮膚にスプレーされる、固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる寒剤に熱エネルギーを加えることによって、スプレーされる寒剤の気体状態比を制御する冷却モジュール;及びレーザの放射時間前の時間に開始する前冷却セクション及びレーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に寒剤がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、制御モジュールは、中間冷却セクションにおいて寒剤の気体状態比が予め設定された値又はそれを超える値であるように、冷却モジュールを使用することによって寒剤に熱エネルギーを加えてよい。
【0022】
患者の皮膚の冷却及びレーザ照射が実行される、本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、検知ユニットを使用することによって患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する段階;固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる、皮膚温度情報に基づいて皮膚にスプレーされる寒剤に、熱電素子を使用することによって熱エネルギーを加える段階;レーザモジュールを使用することによって患者の皮膚にレーザを照射する段階;皮膚にレーザが照射される時間よりも前の時間に開始する前冷却セクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように寒剤の温度を制御する段階;及び、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が、レーザが放射される経路内にレーザの少なくとも一部を反射する固体状態の寒剤が形成される温度又はそれを超える温度として予め設定された、予め定められた第2の設定温度であるように、寒剤の温度を制御する段階を備えてよい。
【0023】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に皮膚の温度を測定する検知ユニット;皮膚に冷媒をスプレーするノズル;熱電素子を使用することによって冷媒に加えられる熱エネルギーを制御する冷媒条件制御ユニット;レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクション、中間冷却セクションの前の前冷却セクション、及び中間冷却の後の後冷却セクションを含むスプレーセクションにおいてノズルを介して冷媒がスプレーされるように制御する制御モジュールを備えてよく、スプレーされることになる冷媒の温度は、皮膚を所望の温度に冷却するために、冷媒条件制御ユニットを介して皮膚の温度に基づいて制御され、所望の温度は、前冷却セクションにおいて、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に制御され、所望の温度は、後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に制御される。
【0024】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールによって患者の皮膚にレーザを照射する段階;皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に、検知ユニットによって皮膚の温度を測定する段階;ノズルを介して皮膚に冷媒をスプレーする段階;熱電素子を使用して冷媒条件制御ユニットから冷媒に加えられる熱エネルギーを制御する段階;及び、制御モジュールを介して、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクション、中間冷却セクションの前の前冷却セクション、及び中間冷却の後の後冷却セクションを含むスプレーセクションにおいてノズルを介してスプレーされることになる冷媒を制御する段階、皮膚を所望の温度に冷却するために、冷媒条件制御ユニットを介して制御されることになる皮膚の温度に基づいて、スプレーされることになる冷媒の温度を制御する段階、前冷却セクションにおいて、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に調整されるように所望の温度を制御する段階、及び、後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に調整されるように所望の温度を制御する段階を備えてよい。
【発明の効果】
【0025】
本明細書の実施形態によれば、検知ユニットは、冷媒の温度を制御するときに使用されることになる、皮膚損傷の直接的な要因である皮膚の「温度」を測定し、それにより、皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることができる。
【0026】
本明細書の実施形態によれば、冷媒の温度又は量は、冷媒条件制御ユニットによって測定される皮膚の温度に基づいて正確に制御され、それにより皮膚温度を正確に制御することができる。
【0027】
本明細書の実施形態によれば、皮膚の温度に基づいて流量制御ユニットによって測定される冷媒の量は、正確に制御され、それにより皮膚温度を正確に制御することができる。
【0028】
本明細書の実施形態によれば、スプレー冷却システムは、レーザ照射が開始する前及び/又はレーザ照射中に冷却を実行し、それにより熱による皮膚損傷を最小限に抑える。
【0029】
本明細書の実施形態によれば、スプレー冷却システムは、レーザ照射が停止した後に冷却を実行し、それにより皮膚疼痛を最小限に抑える。
【0030】
本明細書の実施形態によれば、スプレー冷却システムは、レーザ照射の前、その間、及びその後等に、各セクションにおいて最適な物理的特性を有する冷媒で冷却を実行し、それにより、様々な処置タイプ及び目的に応じて処置を適応的に実行することを可能にする。
【0031】
本明細書の実施形態によれば、冷媒条件制御ユニットに印加される電流を制御することによって冷媒の温度又は量を制御する方法を介して、冷媒がスプレーされるときに、冷媒の突然の圧力上昇を防止できる。さらに、スプレーユニットの構成要素が、冷媒をスプレーすることによる強圧によって摩耗することを防止できる。さらに、構成要素の、その摩耗に起因するアフターサービス(AS)コストを低減できる。
【0032】
本明細書の実施形態によれば、レーザ照射中、検知ユニットによる温度測定の誤差を補正又は防止し、それによりレーザ照射中における皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
【0034】
【
図2】冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの実施形態の概略図である。
【0035】
【
図3】上記実施形態による冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの動作を示す概略図である。
【0036】
【
図4】本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの駆動方法の例示的な実施形態によって制御される皮膚表面温度及びターゲットの温度の変化を示すグラフである。
【0037】
【
図5】本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの駆動方法の実施形態を示すフローチャートである。
【0038】
【
図6】本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による前冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートである。
【0039】
【
図7】本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による中間冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートである。
【0040】
【
図8】本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による後冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートである。
【0041】
【
図9】本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態によって測定される皮膚表面温度の補正方法を示すフローチャートである。
【0042】
【
図10】第1のショットによる第1のスポットへのレーザ照射を示す図である。
【0043】
【
図11】第1のスポットへの第1のショットのレーザ照射が完了したときから予め定められた時間後の第1のスポットへの第2のショットのレーザ照射を示す図である。
【0044】
【
図12】第1のスポットに複数のショットのレーザを照射するときのレーザ処置デバイスの駆動方法を示すフローチャートである。
【0045】
【
図13】第1のスポットへのレーザ照射を示す図である。
【0046】
【
図14】第1のスポットへのレーザ照射が完了したときから予め定められた時間が経過した後の第2のスポットへのレーザ照射を示す図である。
【0047】
【
図15】複数のスポットにレーザを照射するときのレーザ処置デバイスの駆動方法を示すフローチャートである。
【0048】
【
図16】本開示の実施形態による、冷却中にレーザを放射する方法を示すフローチャートである。
【0049】
【
図17】本明細書の実施形態による、皮膚が冷却されるときに皮膚の表面に干渉物質が形成される状態を示す図である。
【0050】
【
図18】本明細書の実施形態による、冷却中に干渉物質の形成を防止する方法を示す図である。
【0051】
【
図19】本明細書の実施形態による霜防止セクションを含むスプレーセクションにおいて皮膚表面の冷却を実行する方法を示す図である。
【0052】
【
図20】本明細書の実施形態による、皮膚が照射されるレーザの経路内に干渉物質が形成される状態を示す図である。
【0053】
【
図21】本明細書の実施形態による、冷却中のレーザの経路内での干渉物質の形成を防止する方法を示す図である。
【0054】
【
図22】本明細書の実施形態による、干渉物質の形成を防止するための、冷媒の温度を制御する方法を示す図である。
【0055】
【
図23】本明細書において開示されているレーザ処置デバイスによって上記処置及び/又は血管病変の処置を実行する方法のフローチャートである。
【0056】
【
図24】本明細書において開示されているレーザ処置デバイスによって上記処置及び/又は血管病変の治療を実行する方法の例示的な実施形態によって制御される皮膚表面温度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本願の上述の目的、特徴、及び利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を通してより明らかとなる。しかしながら、本願は、様々な変更を有し得、様々な実施形態を有し得るが、特定の実施形態が以下図面に例示されるとともに詳細に説明される。
【0058】
図面において、層及び領域の厚さが明確性のために誇張されており、さらに、要素又は層が別の構成要素又は層の「上に(on)」又は「上に(on)」位置していることを示すことは、その要素又は層が別の要素又は層の上に直接位置しているとともに、さらに別の要素又は層がそれらの間に位置しているすべての場合を含んでよい。明細書全体を通して、同様の参照符号は、原理的に同様の要素を指す。さらに、各実施形態の図面に示されている同じ発想の範囲内で同じ機能を有する構成要素は、同じ参照符号を使用して説明され、その重複する説明は省略される。
【0059】
本願に関連する既知の機能又は構成の詳細な説明が、本願の主旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略される。さらに、本明細書の説明プロセスにおいて使用される序数(例えば、第1及び第2等)は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するための識別子にすぎない。
【0060】
さらに、以下の実施形態において使用される構成要素についての「モジュール」及び「部」という用語は、明細書を書くことの容易さのみを考慮して与えられているか又は混在させられており、それら自体によって互いに異なる意味又は役割を有するものではない。
【0061】
以下の実施形態において、単数表現は、文脈によって明確に別途指示されない限りは、複数表現を含む。
【0062】
以下の実施形態において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書において説明される特徴又は構成要素が存在することを意味しており、1又は複数の他の特徴又は構成要素が追加され得る可能性を排除しない。
【0063】
図面において、各構成要素のサイズは、説明の便宜上誇張又は縮小されている場合がある。例えば、図面に示されている各構成要素のサイズ及び厚さは、説明の便宜上恣意的に示されているものであり、本開示はそれに必ずしも限定されない。
【0064】
特定の実施形態が異なるように実現され得る場合において、特定のプロセスシーケンスは、説明されたシーケンスと異なってよい。例えば、連続して説明された2つのプロセスは、実質的に同時に実行されてもよいし、又は説明された順序と逆の順序で実行されてもよい。
【0065】
以下の実施形態において、フィルム、領域、及び構成要素が互いに接続されていると言われるとき、それは、そのフィルム、その領域、及びその構成要素が互いに直接接続されている場合だけでなく、そのフィルム、その領域、及びその構成要素が互いに間接的に接続されるように、そのフィルム、その領域、及びその構成要素の間に、他のフィルム、領域、及び構成要素が配置される場合も含む。
【0066】
例えば、本明細書において、フィルム、領域、及び構成要素が互いに電気的に接続されていると言われるとき、それは、そのフィルム、その領域、及びその構成要素が互いに直接電気的に接続されているだけでなく、そのフィルム、その領域、及びその構成要素が互いに間接的に電気的に接続されるように、そのフィルム、その領域、及びその構成要素の間に、他のメンブレン、領域、及び構成要素が配置されている場合も含む。
【0067】
【0068】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記患者の皮膚の表面の温度を検出する検知ユニット;冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール、前記冷却モジュールは、前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚の前記表面を冷却するように構成されている;及び、前記検知ユニットを介して皮膚温度情報を取得し;前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる前記熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の温度を制御し;及び、前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように前記皮膚表面の温度を制御する制御モジュールを備えてよい。
【0069】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、前記制御モジュールは、前記流量制御ユニットを介して、前記レーザの放射セクションの少なくとも一部を含むように前記冷媒のスプレーセクションを制御してよく;前記冷媒条件制御ユニットを介して、前記スプレーセクションにおいて前記皮膚温度情報に基づいて、スプレーされることになる前記冷媒の温度を制御してよく;前記レーザに起因する前記皮膚表面に対する前記損傷を低減させるように前記皮膚表面の温度を制御してよい。
【0070】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷媒条件制御ユニットは、レーザ放射セクション以外のセクションとレーザ放射セクションとでは、冷媒に異なる熱エネルギーを加えてよい。
【0071】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷媒条件制御ユニットは、レーザ放射セクションにおいて、レーザ放射セクション以外のセクションにおけるよりも少ない熱エネルギーを冷媒に加えてよい。
【0072】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、前記冷媒条件制御ユニットは、スプレーセクションの第1の時点において第1の熱エネルギーを加えてよく、前記スプレーセクションの第2の時点において第2の熱エネルギーを加えてよく、前記第2の時点は、レーザ放射セクションに含まれてよく、前記第1の時点は、前記レーザ放射セクションの前の第1のセクション、又は、前記レーザ放射セクションの後の第2のセクションに含まれてよく、前記第2の熱エネルギーは、前記第1の熱エネルギーよりも小さくてよい。
【0073】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、前記スプレーセクションの前記第1の時点における前記皮膚表面の温度が、前記レーザ放射セクションの前記第2の時点における前記皮膚表面の温度よりも低いとき、前記制御モジュールは、前記スプレーセクションの前記第1の時点における前記第1の熱エネルギーの印加を制御し、前記スプレーセクションの前記第2の時点における、前記第1の熱エネルギーよりも小さい前記第2の熱エネルギーの印加を制御する。
【0074】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、レーザ処置のために患者の皮膚にレーザを出力するレーザモジュール;皮膚の温度を測定する検知ユニット;皮膚に冷媒をスプレーするノズル;冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御する冷媒条件制御ユニット;検知ユニットを介して第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得した後、第1のショットのレーザ処置の後に第2のショットのレーザ処置を実行するときに、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている制御モジュールであって、第1の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度を含み、第2の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が停止したとき又はその後の皮膚温度を含む、制御モジュールを備えてよい。
【0075】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、前記第1の皮膚情報は、前記レーザ出力が開始した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含んでよく;前記第2の皮膚情報は、前記レーザ出力が停止した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含んでよく、前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置を実行するとき、前記制御モジュールは、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記レーザ放射セクションの少なくとも一部において前記冷媒の温度及び前記量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0076】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、レーザ放射セクションを除いた残りの冷却セクションにおいて、第2のショットのレーザが照射される皮膚表面上で検出される温度に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0077】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、レーザ放射セクションの少なくとも一部において、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報の間の差に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0078】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、第1のショットのレーザ出力及び第2のショットのレーザ出力は、皮膚の実質的に同じ位置に実行されてよい。
【0079】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、第1のショットは、皮膚の第1の位置に対するレーザ出力であってよく、第2のショットは、皮膚の第2の位置に対するレーザ出力であってよい。
【0080】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、検知ユニットから第3の皮膚情報を取得してよく、第3の皮膚情報は、少なくとも第2のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度を含み、制御モジュールは、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、第1の皮膚情報、第2の皮膚情報、及び第3の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている。
【0081】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、第1の皮膚情報及び第3の皮膚情報の間の差に基づいて第2のショットのレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0082】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも高いとき、第2のショットによるレーザ処置中にスプレーされる冷媒の温度を、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも低いときよりも比較的高くなるように調整してよい。
【0083】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、第1のショットによるレーザ処置の後に第2のショットによるレーザ処置が実行されるときに、第2の皮膚情報及び第3の皮膚情報の間の差に基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0084】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、第1の差の場合において、レーザ処置中にスプレーされる冷媒の温度を、第1の差よりも大きい第2の差の場合においてレーザ処置中にスプレーされる冷媒の温度よりも高くなるように制御してよい。
【0085】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、第1の差の場合において、レーザ処置中にスプレーされる冷媒の量を、第1の差よりも大きい第2の差の場合においてレーザ処置中にスプレーされる冷媒の量よりも大きくなるように制御してよい。
【0086】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを照射する段階;前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、検知ユニットを介して、前記皮膚の表面の温度を測定する段階;冷媒貯蔵ユニットから冷媒を受け取る入口;前記皮膚に前記冷媒をスプレーするノズル;前記入口を前記ノズルと接続する導管;前記導管に配置されている、前記入口を前記ノズルと接続又は前記ノズルから接続解除するバルブを使用することによって前記冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット;及び前記流量制御ユニット及び前記ノズルの間に位置している熱電素子を使用することによって前記冷媒に熱エネルギーを加える冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュールを介して前記冷媒をスプレーすることによって、前記皮膚が前記レーザによって加熱される前、その間、又はその後に、前記皮膚表面を冷却する段階;及び、制御モジュールを介して、前記検知ユニットから皮膚温度情報を取得した後に、前記皮膚温度情報に基づいて、前記冷媒条件制御ユニットから前記冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる前記冷媒の温度を制御することによって、前記レーザによって加熱されている前記皮膚表面に対する損傷を低減させるように、前記皮膚表面の温度を制御する段階を備えてよい。
【0087】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを出力する段階;検知ユニットを介して前記皮膚の温度を測定する段階;ノズルを介して前記皮膚に冷媒をスプレーする段階;冷媒条件制御ユニットを介して前記冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階;制御モジュールを介して前記検知ユニットから第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得する段階、ここで、前記第1の皮膚情報は、少なくとも、第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前における前記皮膚の温度を含み、前記第2の皮膚情報は、少なくとも、前記第1のショットの前記レーザ出力が停止したとき又はその後における前記皮膚の温度を含む;及び、前記制御モジュールを介して、前記第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記冷媒の温度及び前記量のうちの少なくとも1つを制御する段階を備えてよい。
【0088】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法において、前記第1の皮膚情報は、前記レーザ出力が開始した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含んでよく、前記第2の皮膚情報は、前記レーザ出力が停止した時と実質的に同時に検出された前記皮膚温度を含んでよく、前記第1のショットの前記レーザ処置を実行した後に前記第2のショットの前記レーザ処置が実行されるとき、前記制御モジュールは、前記第1の皮膚情報及び前記第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記レーザの放射セクションの少なくとも一部において前記冷媒の温度及び前記量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0089】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法において、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、レーザ放射セクションを除いた残りの冷却セクションにおいて、第2のショットのレーザが照射される皮膚表面上で検出される温度に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0090】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法において、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、レーザ放射セクションの少なくとも一部において、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報の間の差に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0091】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法によれば、第1のショットは、皮膚の第1の位置に対するレーザ出力であってよく、第2のショットは、皮膚の第2の位置に対するレーザ出力であってよい。
【0092】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法において、制御モジュールは、検知ユニットから第3の皮膚情報を取得してよく、第3の皮膚情報は、少なくとも第2のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度を含み、制御モジュールは、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、第1の皮膚情報、第2の皮膚情報、及び第3の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている。
【0093】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法において、第1のショットのレーザ処置を実行した後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュールは、第1の皮膚情報及び第3の皮膚情報の間の差に基づいて第2のショットのレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0094】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;皮膚がレーザによって加熱される前に、患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚表面に冷媒をスプレーするノズルを含む冷却モジュール;及び冷媒に熱エネルギーを加えることによって冷媒の温度を制御する冷媒条件制御ユニット;及び、レーザモジュールを介して皮膚にレーザが照射される制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、レーザ照射の前に皮膚への冷媒のスプレーが開始されるように制御され、冷媒のスプレー量及び温度のうちの少なくとも1つは、冷媒のスプレー中の皮膚温度情報に基づいて制御され、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したか否かが検出され、レーザ照射は、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したときに開始される。
【0095】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷却モジュールは、レーザ照射後に、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度とは異なる予め定められた第2の設定温度に到達するように冷媒の温度を制御してよい。
【0096】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷却モジュールは、レーザ照射前に予め設定されたセクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達するように冷媒の温度を制御してよい。
【0097】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、レーザ照射が開始したとき、冷却モジュールは、皮膚表面への冷媒のスプレーを停止してよい。
【0098】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷却モジュールは、レーザ照射が停止した後に、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度とは異なる設定温度に到達するように冷媒が皮膚表面にスプレーされることを可能にし得る。
【0099】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、ユーザの入力を受け取るトリガを備えよく、ユーザの入力を受け取ると、制御モジュールは、冷却モジュールを介して皮膚表面に冷媒をスプレーしてよく、レーザモジュールを介してレーザを放射してよい。
【0100】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、皮膚表面の冷却を命令するユーザの第1の入力を受け取る第1のトリガ、及び、レーザ照射を命令するユーザの第2の入力を受け取る第2のトリガを備えてよく、制御モジュールは、ユーザの第1の入力を受け取ることによって冷却モジュールを介して皮膚表面に冷媒をスプレーしてよく、ユーザの第2の入力を受け取ることによってレーザモジュールを介してレーザを放射してよい。
【0101】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、ユーザの第1の入力が受け取られず、ユーザの第2の入力が受け取られた場合、制御モジュールは、レーザが皮膚に照射されることを防止してよい。
【0102】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、レーザ照射を命令するユーザの入力を受けるトリガを備えてよく、制御モジュールは、ユーザの入力を受け取ることによって皮膚に対してレーザ照射が実行されることを可能にしてよく、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達していないとき、レーザが皮膚に照射されることを防止してよい。
【0103】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷却モジュールは、スプレーセクションにおいて皮膚表面に対する冷媒のスプレーを維持してよく、スプレーセクションは、レーザモジュールが皮膚表面にレーザを照射するセクションを含んでよい。
【0104】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、皮膚表面温度が第1の所望の温度又はそれを超える温度であるときにユーザの入力を受け取るとき、レーザ照射を停止してよい。
【0105】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、通知は、視覚通知、聴覚通知、及び触覚通知のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0106】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、検知ユニットを使用することによって患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する段階;冷媒条件制御ユニットを介して、皮膚温度情報に基づいて冷媒に熱エネルギーを加えることによって、冷媒の温度を制御する段階;レーザ照射の前に、ノズルを介して患者の皮膚表面に冷媒をスプレーする段階;皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したか否かを検出する段階;通知モジュールによって、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したことを通知する通知を出力する段階;及び、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度に到達したとき、レーザモジュールによって皮膚へのレーザ照射を開始する段階を備えてよい。
【0107】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚にスプレーされる冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニット及び皮膚温度情報に基づいて冷媒の温度を制御する冷媒条件制御ユニットを含む冷却モジュール;及びレーザの放射時間の前の時間に開始する前冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に冷媒がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、前冷却セクションの少なくとも一部において皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように、冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御し、予め定められた第1の設定温度は、レーザの少なくとも一部を反射する物質が皮膚表面に形成である温度又はそれを超える温度として設定されてよい。
【0108】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、スプレーセクションは、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを含んでよく、冷却モジュールは、中間冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度とは異なる予め定められた第2の設定温度であるように、冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0109】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、スプレーセクションは、レーザ照射の後の時間に開始する後冷却セクションを含んでよく、冷却モジュールは、後冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が予め定められた第2の設定温度とは異なる予め定められた第3の設定温度であるように冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0110】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、予め定められた第3の設定温度は、レーザの少なくとも一部を反射する氷が皮膚表面に形成される温度又はよりも低い温度として設定されてよい。
【0111】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、スプレーセクションは、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを含んでよく、制御モジュールは、中間冷却セクションにおいて、冷却モジュールが皮膚表面に冷媒をスプレーすることを停止させてよい。
【0112】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、スプレーセクションは、中間冷却セクションの後の後冷却セクションを含んでよく、冷却モジュールは、後冷却セクションにおいて、皮膚表面が予め定められた第1の設定温度とは異なる予め定められた第3の設定温度となるように冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0113】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、予め定められた第1の設定温度は、0℃又はそれを超える温度に設定されてよい。
【0114】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚にスプレーされる、固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる寒剤のスプレー量を制御する流量制御ユニットを含む冷却モジュール;及び、皮膚温度情報に基づいて寒剤の温度を制御する冷媒条件制御ユニット;及び、レーザの放射時間の前の時間に開始する前冷却セクション及びレーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に寒剤がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、冷却モジュールは、前冷却セクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように、かつ、中間冷却セクションにおいて皮膚表面温度が予め定められた第2の設定温度であるように、寒剤の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御してよく、予め定められた第2の設定温度は、レーザが放射される経路内にレーザの少なくとも一部を反射する固体状態の寒剤が形成される温度又はそれを超える温度として予め設定されてよい。
【0115】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、予め定められた第2の設定温度は、-20℃又はそれを超える温度として設定されてよい。
【0116】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、スプレーセクションは、レーザ照射の後の時間に開始する後冷却セクションを含んでよく、冷却モジュールは、後冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が予め定められた第2の設定温度よりも低い予め定められた第3の設定温度となるように、寒剤の温度を制御してよい。
【0117】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する検知ユニット;皮膚温度情報に基づいて皮膚にスプレーされる、固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる寒剤に熱エネルギーを加えることによって、スプレーされる寒剤の気体状態比を制御する冷却モジュール;及びレーザの放射時間前の時間に開始する前冷却セクション及びレーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションを少なくとも含むスプレーセクションにおいて皮膚に寒剤がスプレーされるように冷却モジュールを制御する制御モジュールを備えてよく、制御モジュールは、中間冷却セクションにおいて寒剤の気体状態比が予め定められた値又はそれを超える値であるように、冷却モジュールを使用することによって寒剤に熱エネルギーを加えてよい。
【0118】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、寒剤は、二酸化炭素を含んでよく、制御モジュールは、スプレーされた寒剤に含まれる液滴又はドライアイスが予め定められた量であるか又はそれよりも少ないように、冷却モジュールを使用することによって寒剤に熱エネルギーを加えてよい。
【0119】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、中間冷却セクションにおいて寒剤の気相比が90%であるか又はそれを超えるように、冷却モジュールを使用することによって寒剤に熱エネルギーを加えてよい。
【0120】
上記実施形態による本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、検知ユニットを使用することによって患者の皮膚表面温度を検出することによって皮膚温度情報を取得する段階;皮膚温度情報に基づいて、皮膚にスプレーされる固体、液体、及び気体状態のうちの少なくとも1つを含むことによってスプレーの形態でスプレーされる寒剤に、熱電素子によって熱エネルギーを加える段階;レーザモジュールを使用することによって患者の皮膚にレーザを照射する段階;レーザが皮膚にスプレーされる時間の前の時間に開始する前冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度であるように寒剤の温度を制御する段階;及び、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクションにおいて、皮膚表面温度が、レーザが放射される経路内にレーザの少なくとも一部を反射する固体寒剤が形成される温度又はそれを超える温度として設定される予め定められた第2の設定温度であるように寒剤の温度を制御する段階を備えてよい。
【0121】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、患者の皮膚にレーザを照射するレーザモジュール;皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に皮膚の温度を測定する検知ユニット;皮膚に冷媒をスプレーするノズル;熱電素子によって冷媒に加えられる熱エネルギーを制御する冷媒条件制御ユニット;及び、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクション、中間冷却セクションの前の前冷却セクション、及び中間冷却の後の後冷却セクションを含むスプレーセクションにおいて、冷媒がノズルによってスプレーされるように制御される制御モジュールを備えてよく;所望の温度に到達するように皮膚を冷却するために、皮膚の温度に基づいてスプレーされることになる冷媒の温度が冷媒条件制御ユニットによって制御され;所望の温度は、前冷却セクションにおいて、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に制御され;所望の温度は、後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に制御される。
【0122】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、バルブを使用することによって冷媒のスプレーを実行するか否か又は冷媒のスプレー量を制御する流量制御ユニットを備えてよく、皮膚を所望の温度に制御するために、制御モジュールは、皮膚の温度に基づいて、流量制御ユニットを介して、スプレーされることになる冷媒のスプレー量を制御してよく、前冷却セクションにおいて、制御モジュールは、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御してよく、後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御してよい。
【0123】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、冷媒条件制御ユニットは、前冷却セクションと後冷却セクションとのそれぞれで冷媒に異なる熱エネルギーを加えてよい。
【0124】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、制御モジュールは、スプレーされる冷媒の量を制御できるように、前冷却セクションにおける流量制御ユニットの開/閉時間の期間、及び、後冷却セクションにおける流量制御ユニットの開/閉時間の期間を互いに異なるように制御してよい。
【0125】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度は、18℃又はそれを超える温度から40℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度であってよい。
【0126】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイスの実施形態によれば、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度は、-10℃又はそれを超える温度から2℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度であってよい。
【0127】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、レーザモジュールを介して患者の皮膚にレーザを照射する段階;検知ユニットを介して皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に皮膚の温度を測定する段階;ノズルを介して皮膚に冷媒をスプレーする段階;熱電素子を使用して、冷媒条件制御ユニットを介して冷媒に加えられる熱エネルギーを制御する段階;及び、制御モジュールを介して、レーザが放射されるセクションに対応する中間冷却セクション、中間冷却セクションの前の前冷却セクション、及び中間冷却の後の後冷却セクションを含むスプレーセクションにおいてノズルを介して冷媒のスプレーを制御し、皮膚の温度を所望の温度に冷却するために、冷媒条件制御ユニットを介して皮膚の温度に基づいてスプレーされることになる冷媒の温度を制御し、前冷却セクションにおいて、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御し、後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御する段階を備えてよい。
【0128】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法は、バルブを使用して流量制御ユニットを介して冷媒のスプレーを実行するか否か及び冷媒のスプレー量のうちの少なくとも1つを制御する段階をさらに備えてよく、制御モジュールは、皮膚の温度を所望の温度に制御するために、流量制御ユニットを介して皮膚の温度に基づいてスプレーされることになる冷媒のスプレー量を制御してよく;前冷却セクションにおいて、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御してよく;後冷却セクションの少なくとも一部において、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に所望の温度を制御してよい。
【0129】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法の実施形態によれば、冷媒条件制御ユニットは、前冷却セクション及び後冷却セクションのそれぞれにおいて冷媒に異なる熱エネルギーを加えてよい。
【0130】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法の実施形態によれば、制御モジュールは、スプレーされる冷媒の量を制御できるように、前冷却セクションにおける流量制御ユニットの開/閉時間の期間、及び、後冷却セクションにおける流量制御ユニットの開/閉時間の期間を互いに異なるように制御してよい。
【0131】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法の実施形態によれば、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度は、18℃又はそれを超える温度から40℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度であってよい。
【0132】
本明細書において開示されている冷却システムを使用するレーザ処置方法の実施形態によれば、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度は、-10℃又はそれを超える温度から2℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度であってよい。
【0133】
【0134】
本明細書は、冷却システムを有するレーザ処置デバイス及びその処置方法に関する。本明細書の実施形態によれば、冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、皮膚のターゲットエリアにレーザを放射してよく、皮膚表面を冷却してよい。
【0135】
ここで、レーザ処置は、処置ターゲットに光エネルギーが加えられるすべての行為を意味し得、光エネルギーは、スキンケア又は皮膚処置を促進するために、ターゲットのために熱エネルギーに変換される。例えば、レーザ処置は、処置ターゲットにおいて、レーザの光エネルギーの熱エネルギーを蓄積することによって、熱アブレーションを引き起こすことを意味し得る。
【0136】
レーザ処置において使用されるレーザは、皮膚処置のために使用できる任意のタイプのレーザであってよく、長パルスレーザ又は短パルスレーザが、処置タイプに応じて使用されてよい。
【0137】
具体的には、レーザ処置において使用されるレーザは、レーザ処置のターゲット、周辺組織における吸収波長、及び皮膚における位置(例えば、深さ)等を考慮することによって決定されてよい。レーザの波長に関して、一般に、レーザの波長が増加するにつれて、皮膚内への貫入深さ(penetration depth)が増加し得る。しかしながら、貫入深さは単純な波長によってだけでなく、ターゲット物体の吸収率によっても影響を受けるので、レーザは、ターゲット物体の吸収波長を考慮することによって選択される必要がある。さらに、周囲物質に関して高吸収率の光が使用されるとき、ターゲット物体の処置の前に、レーザが周囲物質によって吸収される場合があり、したがって熱がターゲット物体に十分に加えられない場合がある。例えば、多くのメラニンが皮膚の表皮付近の浅い深さに分散しており、短波長帯の光の多くを吸収するので、メラニンをターゲットとするレーザ処置の場合、メラニンのために比較的短い波長且つ高吸収のレーザを使用することが好ましい。さらに、600nmを下回る波長のレーザは、毛細管内に効果的に吸収され、1200nmを上回る波長のレーザは、皮膚内の水分によって効果的に吸収されるので、メラニンをターゲットとする処置の場合、700nm~1100nmの波長の光を使用することが好ましい。換言すると、レーザ処置において使用されるレーザは、処置ターゲットの吸収率、皮膚における位置(例えば、深さ)、及び周辺組織の吸収率を考慮して選択される必要がある。
【0138】
さらに、本明細書において説明されるターゲットは、処置のターゲットを意味する。具体的には、ターゲットエリアとは、処置を受ける皮膚の特定のエリア又は組織を意味し、レーザによって熱エネルギーが集中的に加えられ、処置が熱アブレーションを経て実行される領域又は組織として、ターゲットは、皮膚、身体の内側及び外側組織、様々な細胞、血液、及び唾液を含む、患者の身体を構成する部位の一部であってよい。
【0139】
さらに、皮膚表面は、ターゲットエリアにレーザが照射されるときにレーザ経路内に位置している皮膚表面のエリアを意味してよい。すなわち、皮膚表面は、ターゲットエリアではなく皮膚の上層に位置しているエリアであってよい。さらに、ターゲットエリアは、皮膚表面に位置してよく、この場合、ターゲットエリア及び皮膚表面は、実質的に同じエリアを指してよい。しかしながら、ターゲットエリアが皮膚表面の下の異なるエリアに位置しているとき、皮膚のターゲットエリアと皮膚表面とは、異なるエリアを指すことが明らかである。
【0140】
さらに、本明細書において説明される皮膚と皮膚表面とは、異なる概念として説明される。具体的には、皮膚は、皮膚表面、表皮、真皮、及び皮下組織のすべてを含む概念であってよく、皮膚表面は、身体の外表面組織であり、皮膚の上部組織を意味する概念として使用される。換言すると、本明細書において、皮膚は、皮膚表面よりも包括的な概念として使用される。
【0141】
さらに、本明細書において説明されるような「冷却」とは、冷媒を介して冷却されるようにターゲットに冷却エネルギーを加えること、及び、冷却されることになるターゲットの温度が低下するように、冷却されることになるターゲットの熱エネルギーを吸収することを意味する。例えば、冷却は、冷却されることになるターゲットに冷媒を「スプレーする」方法において、冷却されることになるターゲットに冷却エネルギーを加えることによって実行される。別の例として、冷却は、冷却媒体に冷却エネルギーを加え、冷却媒体を冷却されることになるターゲットに「接触」させることによって、冷却されることになるターゲットに冷却エネルギーを加えてよい。さらに別の例として、エアガスを「スプレー」することによって、冷却されることになるターゲットに冷却エネルギーが加えられてよい。換言すると、冷却は、冷却されることになるターゲットに冷却エネルギーを加えるすべての方法(例えば、接触式、非接触式(又は噴射式)、及びエアガス噴射式等)を含む包括的な概念として理解される必要がある。しかしながら、本明細書において開示されている例示的な実施形態において、非接触方法、特にスプレー方法によって皮膚表面に冷媒をスプレーすることによって皮膚表面を冷却することが可能である。
【0142】
ここで、「冷却されることになるターゲット」、すなわち、冷却が実行されるターゲットは、様々であってよい。例えば、患者のためのレーザ処置が実行されるとき、冷却されることになるターゲットは、レーザ処置が実行される、皮膚、身体の内側及び外側組織、様々な細胞、血液、及び唾液等を含む、患者の身体を構成する部位の一部であってよい。換言すると、本明細書において、冷却されることになるターゲットは、レーザ処置を受けるすべてのエリアを含む包括的な概念として理解される必要がある。詳細には、冷媒をスプレーすることによって患者の身体の一部を冷却するとき、冷媒は、概して皮膚表面にスプレーされ、この場合、冷却エネルギーは、冷却エネルギーの伝達に起因して、皮膚表面だけでなく皮膚表面の内側のエリアにおける皮膚組織にも加えられ得る。この場合、冷却されることになるターゲットは、皮膚表面だけでなく、皮膚表面の内側のエリアにおける皮膚組織も含む包括的な概念として理解される必要がある。
【0143】
さらに、本明細書において、「冷媒」は、冷却されることになるターゲットに冷却エネルギーを加えることができる任意の物質を含んでよい。例えば、冷媒は、液相及び/又は気相を含む寒剤、冷媒、及び冷媒等を含んでよい。別の例として、冷媒は、固相の部分を含む物質をさらに含んでよい。例えば、「冷媒」は、二酸化炭素、液体窒素、二酸化窒素、HFC系物質、メタン、PFC、SF6、冷却水、及び冷却ガス等の、冷却エネルギーを加えることができる1つの相又は相の組み合わせを含むすべての物質を含む包括的な概念として理解される必要がある。本明細書において開示されている例示的な実施形態において、冷媒は、二酸化炭素であってよい。しかしながら、冷媒はそれに限定されるものではなく、皮膚に有害でなく、皮膚温度を低下させることができる任意の物質が、本明細書のレーザ処置デバイスのための冷媒として使用されてよい。
【0144】
さらに、冷却が実行される冷却セクションは、以下「スプレーセクション」と称される。レーザ放射セクションとの時間的関係において、スプレーセクションは、前冷却セクション(又は放射前の冷却セクション)、中間冷却セクション(又は、放射中の冷却セクション)、及び後冷却(又は放射後の冷却セクション)を含んでよい。前冷却セクションとは、時間軸上でレーザ放射セクションの開始時間の前に位置するスプレーセクションを意味する。中間冷却セクションとは、時間軸上でレーザ放射セクションの少なくとも一部に重なるスプレーセクションを意味する。後冷却セクションとは、時間軸上でレーザ放射セクションの停止時間の後に位置するスプレーセクションを意味する。換言すると、スプレーセクションは、レーザ放射セクション以外のセクション及びレーザ放射セクションに少なくとも部分的に含まれるセクションであり、レーザ放射セクションとの時間的関係によれば、レーザ放射セクション以外のセクションは、前冷却セクション及び後冷却セクションを含んでよく、レーザ放射セクションに少なくとも部分的に含まれるセクションは、中間冷却セクションであってよい。いくつかの実施形態において、レーザ放射セクション及び中間冷却セクションは、実質的に同じセクションとして言及され得る。例えば、冷却が、レーザ放射の開始時間からレーザ放射の停止時間まで連続的に実行されるとき、レーザ放射セクション及び中間冷却セクションは、実質的に同じセクションとして言及され得る。
【0145】
この場合、レーザは、短い時間間隔(例えば、ナノ秒及びマイクロ秒時間間隔)で複数のパルスを連続的に放射してよい。この場合、第1のレーザパルスの出力の開始時間及び最後のレーザパルスの出力の停止時間の間のセクションは、レーザ放射セクションと称され得る。換言すると、ナノ秒時間間隔及びマイクロ秒時間間隔で、複数のパルスでのレーザが放射される処置の場合、複数のパルスのレーザの出力は、「一群」のレーザ出力と実質的に同じ意味を有するように使用されてよく、したがって、レーザ放射セクションは、複数のパルスにおける最初のパルスの開始時間及び最後のパルスの停止時間の間のセクションを意味してよい。
【0146】
さらに、冷却エネルギーを加えることの意味は、冷却されることになるターゲットから熱エネルギーを吸収することと実質的に同じ意味を有するように使用されてよい。さらに、冷却されることになるターゲットから熱エネルギーを吸収することは、冷却されることになるターゲットに負のエネルギーを加えることと実質的に同じ意味を有してよい。すなわち、冷却エネルギーを加えることは、負のエネルギーを加えることと実質的に同じであってよい。
【0147】
同様に、熱エネルギーを加えることは、正のエネルギーを加えることと実質的に同じであってよい。
【0148】
冷却システムを有する、本明細書において開示されているレーザ処置デバイスは、皮膚処置のために使用されてよく、具体的には、血管病変、いぼ、ざ瘡、及び色素沈着等の皮膚処置のために、また、除毛、脱毛、しわ除去、しみ除去、及び局所的な脂肪減少等の美容のために使用されてよい。
【0149】
本開示は、冷却システムを有するレーザ処置デバイスに関する。本明細書の実施形態によれば、冷却システムを有するレーザ処置デバイスは、皮膚のターゲットエリアにレーザを放射してよく、皮膚表面を冷却してよい。この場合、皮膚表面の冷却後、レーザがターゲットエリアに照射されてよく、レーザ照射中、皮膚表面が同時に冷却されてよく、レーザ照射後、皮膚表面が冷却されてよい。皮膚表面を冷却することは、冷媒をスプレーすることによって実行されることが好ましい場合がある。
【0150】
以下、本明細書の実施形態による冷却システムを有するレーザ処置デバイスの構成は、
図1及び
図2を参照して説明される。
【0151】
図1は、冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイスの例示的な実施形態を示す斜視図である。
図2は、冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の実施形態を示す概略図である。
【0152】
本開示の実施形態によれば、冷却システムを有するレーザ処置デバイス100は、レーザモジュール1100、冷却モジュール1200、貯蔵ユニット1500(又はタンク)、及びチューブ1600(又は導管)を備えてよい。
【0153】
レーザモジュール1100は、レーザを生成してよく、皮膚10のターゲットエリアにレーザを出力してよい。レーザモジュール1100は、レーザ生成ユニット1110及びレーザ放射ユニット1120を含んでよい。レーザ生成ユニット1110に電圧が印加されると、電子がその電子放射源から放射されてよく、電子は、電界に従って移動し、電極と衝突してレーザを生成してよい。レーザ放射ユニット1120は、レーザ生成ユニット1110から生成されるレーザを皮膚10のターゲットエリアに向けて出力してよい。
【0154】
冷却モジュール1200は、皮膚に冷媒をスプレーすることによって皮膚に冷却エネルギーを加えてよい。ここで、冷却モジュール1200は、皮膚10に加えられる冷却エネルギーを制御してよい。具体的には、冷却モジュール1200は、スプレーされる冷媒の特性を制御することによって皮膚10に加えられる冷却エネルギーを制御してよい。ここで、冷媒の特性は、冷媒の温度、量、圧力、及び速度等の物理的特性を含んでよい。したがって、冷媒の物理的特性を制御することによって、冷却モジュール1200は、レーザ処置による皮膚表面に対する損傷を防止又は最小限に抑えてよい。さらに、冷却モジュール1200は、冷媒の物理的特性を制御してよく、侵害受容器の活性を減少させることによってレーザによって引き起こされる疼痛を最小限に抑えるように冷媒の温度を制御してよい。
【0155】
さらに、冷却モジュール1200は、スプレー式、接触式、又はエアガススプレー式冷却等の冷却方法を使用することによって皮膚表面温度を冷却してよい。
【0156】
さらに、冷却モジュール1200は、流量制御ユニット1210、冷媒条件制御ユニット1220、及びスプレーユニット1230を備えてよい。
【0157】
冷却モジュール1200の流量制御ユニット1210は、冷媒条件制御ユニット1220又はスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御してよい。冷媒条件制御ユニット1220は、スプレーされることになる冷媒の温度、圧力、及び/又は量を制御してよく、スプレーユニット1230は、冷媒を皮膚表面に向けてスプレーしてよい。
【0158】
貯蔵ユニット1500は、冷媒を受け取ってよい。具体的には、貯蔵ユニット1500は、液体状態を含む熱力学的状態で冷媒を受け取ってよい。さらに、貯蔵ユニット1500は、カートリッジ又はタンクの形態で構成されてよい。貯蔵ユニット1500は、スプレーユニット1230において受け取られる冷媒よりも多い冷媒を受け取ってよい。こうして、貯蔵ユニット1500は、内圧が安定に維持され得、同じ容積下で、気体状態の冷媒よりも大きな質量の液体状態の冷媒を収容し得る。
【0159】
図1において、貯蔵ユニット1500は、レーザ処置デバイス100のハンドピースの外部に位置するように示されているが、レーザ処置デバイス100のハンドピースの内部に位置するように構成されてもよい。例えば、貯蔵ユニット1500がタンクとして構成されるとき、貯蔵ユニット1500は、レーザ処置デバイス100のハンドピースの外部に位置してよいが、貯蔵ユニット1500がカートリッジとして構成されるとき、貯蔵ユニット1500は、状況に応じてレーザ処置デバイス100のハンドピースの内部に位置するように構成されてよい。
【0160】
さらに、本明細書の実施形態によるレーザ処置デバイス100は、貯蔵ユニット1500を冷却モジュール1200の入口と接続するチューブ1600をさらに備えてよい。さらに、
図1及び
図2には示されていないが、冷却モジュール1200の構成要素は、チューブによって互いに接続されてよい。例えば、冷却モジュール1200の入口と冷媒条件制御ユニット1220の第1の側部とは、チューブによって互いに接続されてよく、冷媒条件制御ユニット1220の第2の側部とスプレーユニット1230の1つの側部とは、チューブによって互いに接続されてよい。
【0161】
さらに、レーザ処置デバイス100は、少なくとも1つのチューブを含んでよい。レーザ処置デバイス100において、チューブは、スプレーユニット1230を介して貯蔵ユニット1500から外部に放出される冷媒をスプレーするための流路を形成するために使用されてよい。
【0162】
レーザ処置デバイス100は、貯蔵ユニット1500の冷媒出口及び流量制御ユニット1210の入口の間に流路を形成することに関与するチューブを含んでよい。換言すると、少なくとも1つのチューブが、貯蔵ユニット1500の冷媒出口及び流量制御ユニット1210の入口の間に配置されてよい。
【0163】
レーザ処置デバイス100は、流量制御ユニット1210の出口及び冷媒条件制御ユニット1220の入口の間に、及び/又は、流量制御ユニット1210の出口及び冷媒条件制御ユニット1220の出口の間に、流路を形成することに関与するチューブを含んでよい。
【0164】
レーザ処置デバイス100は、流量制御ユニット1210の出口及びスプレーユニット1230の入口の間に、及び/又は、流量制御ユニット1210の出口及びスプレーユニット1230の出口の間に、流路を形成することに関与するチューブを含んでよい。
【0165】
レーザ処置デバイス100は、冷媒条件制御ユニット1220の出口及びスプレーユニット1230の入口の間に、及び/又は、冷媒条件制御ユニット1220の出口及びスプレーユニット1230の出口の間に、流路を形成することに関与するチューブを含んでよい。
【0166】
本明細書の実施形態によれば、レーザ処置デバイス100のレーザモジュール1100と冷却モジュール1200とは、様々な方法で互いに結合されてよい。例えば、レーザモジュール1100と冷却モジュール1200とは、アドオンタイプにして構成されてよい。代替的に、レーザモジュール1100と冷却モジュール1200とは、スタンドアロンタイプにして構成されてよい。
【0167】
スタンドアロンタイプは、本明細書の実施形態によるレーザ処置方法を、別個の外部デバイスを伴わずに実行できるタイプを意味し得る。
【0168】
アドオンタイプは、本明細書の実施形態によるレーザ処置デバイスが外部デバイスと協働してレーザ処置を実行できるタイプを意味し得る。アドオンタイプの冷却システムは、スタンドアロンタイプの冷却システムからいくつかの構成要素が排除される形態で提供され得る。例えば、アドオンタイプの冷却システムは、レーザモジュールを排除することによって構成されてよい。この場合、本明細書の実施形態によるレーザ処置方法は、レーザを放射する外部デバイスとアドオンタイプの冷却システムとが協働するときに実行され得る。
【0169】
以下、上で説明した冷却モジュール1200をより詳細に説明する。
【0170】
戻って
図2を参照すると、冷却モジュール1200は、流量制御ユニット1210、冷媒条件制御ユニット1220、及びスプレーユニット1230を含んでよい。さらに、冷却モジュール1200は、冷媒を受け取る貯蔵ユニット1500から冷媒を受け取る入口をさらに含んでよい。
【0171】
本開示の実施形態によれば、流量制御ユニット1210は、バルブとして構成されてよい。バルブは、冷媒の流れ及び量を制御するように機能してよい。バルブは、バルブを通過する冷媒を放出又は遮断するように機能してよい。代替的に、バルブは、バルブを通過する冷媒を放出する程度を制御するように機能してよい。
【0172】
本開示の実施形態によれば、バルブは、特定の信号に従って制御されてよい。バルブは、制御モジュール1400によって生成される電子信号に応答して開閉されてよい。具体例として、バルブは、電子バルブ(例えば、ソレノイドバルブ)であってよいが、それに限定されるものではない。
【0173】
本開示の実施形態によれば、バルブは、機械的構造及び流体の移動に応じて制御されてよい。バルブは、レーザ処置デバイス100内の流路に沿って移動する流体によって形成される圧力に応じて開閉されてよい。具体例として、バルブは、油圧バルブ(例えば、圧力制御バルブ)であってよいが、それに限定されるものではない。
【0174】
本開示の実施形態によれば、バルブは、ユーザの入力に応じて制御されてよい。バルブは、ユーザによって開かれ又は閉じられてよい。具体例として、バルブは、手動バルブ(例えば、グローブバルブ)であってよいが、それに限定されるものではない。
【0175】
例えば、流量制御ユニット1210は、冷却モジュール1200の入口及び冷媒条件制御ユニット1220の間に位置してよい。この場合、流量制御ユニット1210は、冷却モジュール1200の入口から冷媒条件制御ユニット1220に供給される冷媒の量を制御してよい。例えば、バルブは、冷却モジュール1200の入口及び冷媒条件制御ユニット1220の間に位置してよく、冷却モジュール1200の入口から冷媒条件制御ユニット1220に供給される冷媒の量を制御してよい。具体的には、バルブが開かれているとき、冷媒は、冷却モジュール1200の入口から冷媒条件制御ユニット1220に移動し得、バルブが閉じられているとき、冷媒は、冷却モジュール1200の入口から冷媒条件制御ユニット1220に移動することを制限され得る。さらに、バルブの開時間及びサイクルは、冷却モジュール1200の入口から冷媒条件制御ユニット1220に移動できる冷媒の量を制御するように制御されてよい。
【0176】
別の例として、流量制御ユニット1210は、冷却モジュール1200の内部の冷媒条件制御ユニット1220及びスプレーユニット1230の間に位置してよい。この場合、流量制御ユニット1210は、冷媒条件制御ユニット1220からスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御してよい。例えば、バルブは、冷媒条件制御ユニット1220及びスプレーユニット1230の間に位置してよく、冷媒条件制御ユニット1220からスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御してよい。具体的には、バルブが開かれているとき、冷媒は、冷媒条件制御ユニット1220からスプレーユニット1230に移動し得、バルブが閉じられているとき、冷媒は、冷媒条件制御ユニット1220からスプレーユニット1230に移動することを制限され得る。さらに、バルブの開時間及び開サイクルを制御することによって、冷媒条件制御ユニット1220からスプレーユニット1230に移動できる冷媒を制御することが可能である。換言すると、流量制御ユニット1210の開時間を制御することによって、スプレーユニット1230に供給される冷媒の量が制御されてよく、最終的に、皮膚表面温度を制御するように、スプレーされることになる冷媒の量が制御され得る。
【0177】
例えば、流量制御ユニット1210は、ソレノイドバルブとして構成されてよく、ソレノイドバルブは、制御モジュール1400及び入力ユニットと電気的に接続されており、したがって、ユーザによって入力ユニットを操作することによって生成される信号が制御モジュール1400に入力され、これに基づいて、制御モジュール1400は、冷媒の流入又は流出を制御できるように開かれるようにソレノイドバルブを制御してよい。
【0178】
例えば、流量制御ユニット1210は、ソレノイドバルブとして構成されてよい。この場合、ソレノイドバルブは、制御モジュール1400の電気信号に従ってパルス幅変調(PWM)方法によってバルブの開サイクルを調整することによって、冷媒の流入又は流出を制御してよい。具体的には、ソレノイドバルブは、処置中の予め定められた期間の間だけバルブを開くことができるように、制御モジュール1400からの予め設定されたプロトコルに従って、複数の開/閉動作を自動的に実行する。この場合、バルブの開サイクルは、規則的なサイクル又は不規則サイクルであってよい。
【0179】
戻って
図2を参照すると、レーザ処置デバイス100の冷却モジュール1200は、冷媒条件制御ユニット1220を含んでよい。本開示の実施形態による冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の物理的状態を制御するように機能してよい。換言すると、冷媒条件制御ユニット1220は、レーザ処置デバイス100の冷媒の物理的状態を制御する機能を実行してよい。すなわち、冷媒条件制御ユニット1220は、流量制御ユニット1210及び/又はスプレーユニット1230を含む冷却モジュール1200において移動する冷媒の物理的状態を制御するように機能してよい。
【0180】
一実施形態において、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の温度及び/又は圧力を制御してよい。冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒を加熱してよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒を冷却してよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の温度を維持するように、冷媒の状態に応じて冷媒を加熱及び/又は冷却してよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の圧力を維持するように、冷媒の状態に応じて冷媒を加熱及び/又は冷却してよい。
【0181】
一実施形態において、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の速度及び/又は圧力を制御してよい。冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒が膨張する空間を提供してよく、冷媒の速度及び圧力を減少させてよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒が圧縮される空間を提供してよく、冷媒の速度及び圧力を増加させてよい。
【0182】
一実施形態において、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の量の制御を実行してよい。例えば、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーが増加すると、冷媒条件制御ユニット1220を通って移動する冷媒の自由度が増加し、したがってその静圧が増加し、その結果、冷媒の量が減少する。反対に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーが減少すると、冷媒条件制御ユニット1220を通って流れる冷媒の自由度が減少し、したがってその静圧が減少し、その結果、冷媒の量が増加する。
【0183】
本開示の実施形態による冷媒条件制御ユニット1220は、熱エネルギーを供給可能な素子を含んでよい。冷媒条件制御ユニット1220は、熱エネルギーを生成できる。
【0184】
冷媒条件制御ユニット1220は、化学エネルギーを使用することによって又は電気エネルギーを使用することによって熱エネルギーを生成してよい。さらに、冷媒条件制御ユニット1220は、凝縮ガスが使用されるジュール-トムソン法を使用することによって熱エネルギーを生成してよい。
【0185】
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、ペルチェ素子等の熱電素子を使用することによって熱エネルギーを供給してよい。冷媒条件制御ユニット1220が熱電素子である場合、熱電素子に電流が印加されると、ペルチェ効果により、熱電素子の第1の表面が熱を吸収し得、熱電素子の第2の表面に熱が生成され得る。
【0186】
本開示の実施形態によれば、熱電素子の第2の表面に対応する表面が、冷媒が流れる流路と熱的接触するように構成されているレーザ処置デバイス100が提供され得、この場合、熱電素子は、冷媒条件制御ユニット1220として機能し得る。
【0187】
戻って
図2を参照すると、レーザ処置デバイス100の冷却モジュール1200は、スプレーユニット1230を含んでよい。本開示の実施形態によるスプレーユニット1230は、冷却モジュール1200の内部の流体を外部にスプレーするように機能してよい。スプレーユニット1230は、流量制御ユニット1210及び/又は冷媒条件制御ユニット1220を通過する冷媒を外部に放出するように機能してよい。
【0188】
本開示の実施形態によるスプレーユニット1230は、ノズルとして構成されてよい。ノズルは、冷却モジュール1200における少なくとも1つのエリアを流れる冷媒を自由空間に噴射させ、皮膚表面のエリアに到達させる機能を実行してよい。さらに、スプレーユニット1230は、ジュール-トムソン効果を最適化できるノズル構造を含むように構成されてよい。具体的には、ノズルは、高圧冷媒が流れる流路よりも幅が狭いように形成されており、流路が開かれているとき、高圧冷媒は、流路に沿ってノズルまで誘導され、ノズルを介して放出される冷媒は、ジュール-トムソン効果により冷却された状態でスプレーされ得る。
【0189】
スプレーユニット1230を介してスプレーされる冷媒は、ジュール-トムソン効果により冷却された状態でスプレーされる。ここで、ジュール-トムソン効果は、圧縮ガスが膨張すると圧縮ガスの温度が低下する現象である。この現象は、圧力-温度からなる熱力学的相に関連する温度の変化であり、冷媒を介して空気を液化させるか又は空気を冷却させることに適用される現象である。オリフィス等の開口を流体の流路に挿入すると、流体の温度は開口の背後で低下する。この現象は、気体が自由に膨張するとき、すなわち、気体が外部と仕事をやりとりすることなく断熱的に膨張するとき、内部エネルギーがほぼ変化しない現象である。この現象は、気体液化デバイスを用いて低温を得るための断熱自由膨張の効果を指す。ジュール-トムソン効果により、スプレーユニット1230を介してスプレーされる冷媒は、その急速な圧力減少に起因して冷却され、冷媒が処置エリアにスプレーされると、冷媒が処置エリアと接触することによって処置エリアから熱を奪い、したがって処置エリアを冷却できる。
【0190】
自由空間に噴射される冷媒は、気相、液相及び/又は固相であってよい。換言すると、冷媒は、気相、液相、又は固相であってよく、少なくとも2又はそれよりも多い相の冷媒が一緒に分散されている混合物であってよい。一例において、冷媒が二酸化炭素(CO2)であるとき、スプレーされる冷媒は、気体及び固体の混合物として分散されてよい。別の例において、冷媒が窒素(N2)であるとき、スプレーされる冷媒は、気体及び液体の混合物として分散されてよい。
【0191】
さらに、ノズルは、耐摩耗特性を有してよい。換言すると、ノズルは、摩擦損傷しにくい物質で形成されてよい。例えば、ノズルは、アルミニウム合金、鋼合金、ステンレス鋼、又は銅合金で作製されてよいが、それに限定されるものではない。
【0192】
さらに、本開示の実施形態によれば、スプレーユニット1230は、スプレーユニット1230から放出される冷媒が到達する皮膚表面のエリアを制限するスプレー制限部をさらに含んでよい。さらに、スプレーユニットは、冷媒がスプレー制限部以外のエリアに到達しないようにガイド部をさらに含んでよい。
【0193】
戻って
図2を参照すると、本開示の実施形態によれば、レーザ処置デバイス100は、検知ユニット1300を備えてよい。検知ユニット1300は、皮膚表面温度、冷媒温度、及び冷却モジュール1200の構成要素の温度、又はそれらの任意の好適な組み合わせを検出してよい。
【0194】
検知ユニット1300は、皮膚表面の温度を測定する第1の温度検知ユニットを含んでよい。
【0195】
さらに、検知ユニット1300は、冷媒条件制御ユニット1220の温度及び/又は冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーを測定する第2の温度検知ユニットを含んでよい。
【0196】
さらに、検知ユニット1300は、スプレーユニット1230からスプレーされることになる冷媒の温度を測定する第3の温度検知ユニットを含んでよい。
【0197】
第1の温度検知ユニットは、レーザが照射される皮膚表面のエリア、レーザが照射されている皮膚表面のエリア、又はレーザ照射が完了した皮膚表面のエリアの温度を測定してよい。第1の温度検知ユニットは、好ましくは、皮膚表面のターゲットエリア(例えば、レーザ経路内における皮膚表面のエリア)の中心の温度を測定してよい。第1の温度検知ユニットは、皮膚表面のターゲットエリアの中心以外のエリアを測定するように構成されてよいが、ターゲットエリアの中心の温度は、レーザ出力によって最も上昇するので、皮膚損傷温度により到達しやすく、したがって、皮膚表面のターゲットエリアの中心の温度を測定することによって皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることが可能である。
【0198】
この場合、第1の温度検知ユニットは、非接触温度検知ユニットとして構成されてよい。本開示の実施形態によれば、レーザ処置デバイス100及び皮膚表面の間の離間距離が変更されてよく、この場合、非接触温度検知ユニットが離間距離に応じて、皮膚表面のターゲットエリアの中心を測定するように、非接触温度検知ユニットの角度が調整されてよい。例えば、本開示のレーザ処置デバイス100は、レーザ処置デバイス及び皮膚表面の間の距離を複数の距離(例えば、1cm、2cm及び3cm)に調整できる冷却距離維持部をさらに備えてよい。この場合、冷却距離維持部は、非接触温度検知ユニットと機械的に相互係止されているので、非接触温度検知ユニットの設置角度は、冷却距離維持部によって予め設定されている距離に応じて皮膚表面のターゲットエリアの中心が検査されるように調整される。
【0199】
第2の温度検知ユニットは、冷媒条件制御ユニット1220の温度及び/又は冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーを測定してよい。一例として、冷媒条件制御ユニット1220がペルチェ素子等の熱電素子である場合、熱電素子に電流が印加されるとき、ペルチェ効果により、熱電素子の第1の表面が熱を吸収し得、熱電素子の第2の表面に熱が生成され得る。この場合、熱電素子に印加される電流に応じて、熱電素子において生成又は吸収される熱エネルギーは異なるので、第2の温度検知ユニットは、熱電素子の第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つの温度を測定するように構成されてよい。冷媒条件制御ユニット1220において生成又は吸収される熱エネルギーは、皮膚表面のターゲットエリアの温度の制御における直接的な変数のうちの1つであるので、皮膚表面のターゲットエリアの温度を正確に制御できるデータを取得できるように、冷媒条件制御ユニット1220の温度が測定され得る。
【0200】
しかしながら、これは一例にすぎず、冷媒条件制御ユニット1220は、熱電素子に印加されている電流を測定することによって取得される電流値についての情報及び後で説明される第3の温度検知ユニットによって測定される冷媒の温度に基づいて、冷媒に加えられる熱エネルギーの量を測定してよい。
【0201】
第3の温度検知ユニットは、スプレーユニット1230によってスプレーされる冷媒の温度を測定するように構成されてよい。スプレーユニット1230によってスプレーされる冷媒の温度は、皮膚表面のターゲットエリアの温度の制御における直接的な変数のうちの1つであるので、皮膚表面のターゲットエリアの温度を正確に制御できるデータを取得できるように、スプレーユニット1230によってスプレーされる冷媒の温度が測定される。しかしながら、第3の温度検知ユニットは、スプレーユニット1230によってスプレーされる冷媒の温度に限定されるものではなく、第3の温度検知ユニットが、レーザ処置デバイス100の冷却モジュール1200内の任意の位置において流路を通って流れる冷媒の温度を測定するように構成されていても、皮膚表面のターゲットエリアの温度を正確に制御する本開示の目的を達成できることが明らかである。
【0202】
戻って
図2を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100は、制御モジュール1400を備えてよい。この場合、制御モジュール1400は、既存の処置情報、冷媒の温度及び皮膚表面温度等の温度情報、及び処置プロトコル情報が格納されるメモリをさらに含んでよい。
【0203】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、レーザ処置デバイス100の動作全体を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、メモリから冷却モジュール1200の動作のためのプログラムをロードして実行してよく、レーザ放射モジュール100によって放射されるレーザを制御するための制御信号を生成してよく、又は、入力ユニットを介してユーザからトリガ信号を受け取り、レーザモジュール1100、冷却モジュール1200、及び検知ユニット1300にトリガ信号を送信してよい。
【0204】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、レーザ処置デバイス100の動作を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、レーザ処置デバイス100のレーザモジュール1100によるレーザの放射を制御してよい。さらに、制御モジュール1400は、冷媒の物理的特性がレーザ処置デバイス100の冷却モジュール1200によって制御されることを可能にしてよく、スプレーされることになる冷媒を制御してよい。さらに、制御モジュール1400は、皮膚表面温度及び冷媒の温度を検出するようにレーザ処置デバイス100の検知ユニット1300を制御してよい。
【0205】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、レーザモジュール1100のレーザ生成ユニット1110及びレーザ放射ユニット1120の動作を制御してよい。
【0206】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の駆動を制御してよい。より具体的な例として、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉を制御してよく、必要なときには繰り返しサイクルを有するように、流量制御ユニット1210の開/閉を制御してよい。
【0207】
さらに、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間を制御してよい。こうして、制御モジュール1400は、スプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御してよく、皮膚表面のターゲットエリアに加えられる冷却エネルギーの量を制御してよい。
【0208】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220の動作を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を動作させるか否か(例えば、冷媒条件制御ユニット1220をターンオンするか/オフするか)を制御してよく、必要なときには冷媒条件制御ユニットと流量制御ユニット1210(例えば、バルブ)の開/閉との関係を考慮して、冷媒条件制御ユニット1220のターンオン/オフを制御してよい。詳細には、冷媒条件制御ユニット1220が熱電素子(例えば、ペルチェ素子)であるとき、制御モジュール1400は、熱電素子に印加される電流の量を制御してよい。こうして、熱電素子の第1の表面の吸熱の程度及びその第2の表面の発熱の程度が制御されてよく、したがって、熱電素子によって冷媒に加えられる熱エネルギーの量を制御できる。
【0209】
ここで、冷媒条件制御ユニット1220(例えば、熱電素子)から冷媒に加えられる熱エネルギーの量の増加は、冷媒条件制御ユニット1220内の流路を通って流れる冷媒の温度の上昇と実質的に同じであってよく、冷媒条件制御ユニット1220(例えば、熱電素子)から冷媒に加えられる熱エネルギーの量の減少は、冷媒条件制御ユニット1220内の流路を通って流れる冷媒の温度の低下と実質的に同じであってよい。
【0210】
本開示の別の実施形態によれば、熱電素子に印加される電流の方向を逆転させることによって、制御モジュール1400は、熱電素子の第1の表面上で熱が生成されるように制御してよく、熱電素子の第2の表面上で熱が吸収されるように制御してよい。この場合、冷媒温度制御ユニット1220を通って流れる冷媒は、熱電素子の第2の表面の吸熱によって「冷却」されてよい。それに応じて、熱電素子が冷媒温度制御ユニット1220に印加されるとき、制御モジュール1400は、熱電素子に印加される電流の方向を制御してよく、冷媒温度制御ユニット1220を通って流れる冷媒を熱又は冷却してよい。
【0211】
図2に示されているように、共通制御モジュール1400は、レーザモジュール1100及び冷却モジュール1200を制御するように示されているが、それに限定されるものではなく、レーザ処置デバイス100は、複数の制御モジュールを備えてよく、複数の制御モジュールのうちの第1の制御モジュールがレーザモジュール1100の動作を制御し、複数の制御モジュールのうちの第2の制御モジュールが冷却モジュール1200の動作を制御するように構成されてよい。この場合、第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、互いに電気的に接続されてよく、レーザ放射及び冷媒スプレーを、レーザモジュール1100及び冷却モジュール1200の間の接続を考慮することによって実行されるようにそれぞれ制御してよい。
【0212】
制御モジュール1400は、中央処理装置(CPU)、又は、ハードウェア又はソフトウェア又はそれらの組み合わせによる、それと同様のデバイスとして構成されてよい。例えば、制御モジュール1400は、コントローラ又はプロセッサとして構成されてよい。制御モジュール1400は、電気信号を処理することによって制御機能を実行するハードウェアとして電子回路の形態で提供されてよく、ハードウェア回路を駆動するためのソフトウェアとしてプログラム又はコードの形態で提供されてよい。
【0213】
以上、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100の構成要素を説明してきた。しかしながら、本開示のレーザ処置デバイス100は、上記構成要素のみを含む必要はなく、図示されていないが、ユーザの入力を受け取るための入力ユニット、ユーザに特定の情報を出力するためのディスプレイ等の出力ユニット、及び、レーザ処置デバイス100を通って流れる冷媒の不純物を濾過するフィルタをさらに備えてよい。
【0214】
さらに、レーザ処置デバイス100は、別個の電源を有してよく、又は、有線又は無線によって外部から電力を受け取ってよく、電源を制御するための別個のスイッチを有してよい。
【0215】
【0216】
以下、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100の構成要素間の接続関係及びレーザ処置デバイス100の特定の動作を詳細に説明する。
【0217】
以下、
図3を参照しながら説明する。
図3は、上記実施形態による冷却システムを有する本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の動作を示す概略図である。レーザモジュール1100は、皮膚10のターゲットにレーザを放射してよく、冷却モジュール1200は、皮膚10のターゲット及び皮膚表面を含むエリアに冷媒をスプレーしてよい。
図3において、レーザがレーザモジュール1100から出力されるときに、冷却モジュール1200によって冷媒がスプレーされるが、これは限定ではなく、冷却モジュール1200は、レーザが出力される前又はレーザの出力が停止した後に冷媒をスプレーしてもよい。
【0218】
さらに、検知ユニット1300は、レーザの放射及び/又は冷媒のスプレーに応じた皮膚表面温度を測定できる。さらに、検知ユニット1300は、レーザの放射及び/又は冷媒のスプレーに応じた皮膚表面温度の変化を測定できる。
【0219】
さらに、レーザモジュール1100、冷却モジュール1200、及び検知ユニット1300のそれぞれは、制御モジュール1400に電気信号を送信するか又は制御モジュール1400から電気信号を受信するために、制御モジュール1400に電気的に接続されてよい。制御モジュール1400は、電気信号を介して、レーザモジュール1100、冷却モジュール1200、及び検知ユニット1300の動作を制御してよい。
【0220】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、レーザモジュール1100がターゲットエリアにレーザを照射するときにレーザの経路である皮膚表面の温度を制御するために、検知ユニット1300の第1の温度検知ユニットを制御してよい。この場合、検知ユニット1300の第1の温度検知ユニットは、レーザ照射の前、間、及び後に皮膚表面温度を測定してよく、検出された皮膚表面温度は、制御モジュール1400に送信されてよい。
【0221】
例えば、制御モジュール1400と検知ユニット1300の第1の温度検知ユニットとは、互いに電気的に接続されてよく、第1の温度検知ユニットによって測定された皮膚表面温度は、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0222】
【0223】
本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100の冷媒条件制御ユニット1220は、スプレーされることになる冷媒の温度及び/又は圧力及び/又は量を制御してよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって冷媒の温度及び/又は圧力を制御してよい。この場合、検知ユニット1300は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーの程度を測定する第2の温度検知ユニットをさらに含んでよい。第2の温度検知ユニットは、冷媒条件制御ユニット1220の温度の変化量又は冷媒条件制御ユニット1220を通過する冷媒の温度の変化量(例えば、冷媒条件制御ユニット1220の入口及び出口の間での冷媒の温度の変化量)を測定してよく、冷媒に加えられた熱エネルギーの程度を測定してよい。しかしながら、それに限定されることなく、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーの程度を測定する目的は、冷媒条件制御ユニット1220に印加された電流の強度を測定する方法によっても達成され得る。
【0224】
この場合、第2の温度検知ユニットによって検出された冷媒条件制御ユニット1220の温度(例えば、熱電素子の第1及び第2の表面の温度)又は冷媒条件制御ユニット1220を通過する冷媒の温度の変化量についての温度情報が、制御モジュール1400に送信されてよい。
【0225】
例えば、制御モジュール1400と検知ユニット1300の第2の温度検知ユニットとは、互いに電気的に接続されてよく、第2の温度検知ユニットによって測定された温度情報が、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0226】
さらに、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100のスプレーユニット1230は、冷媒をスプレーしてよい。この場合、スプレーユニット1230は、冷媒条件制御ユニット1220及び/又は流量制御ユニット1210によって制御された冷媒の温度及び量で、スプレーされる冷媒をスプレーできるように構成されてよい。この場合、検知ユニット1300は、スプレーユニット1230によってスプレーされた冷媒の温度を測定できる第3の温度検知ユニットを含んでよく、第3の温度検知ユニットによって検出された冷媒の温度は、制御モジュール1400に送信されてよい。
【0227】
例えば、制御モジュール1400と検知ユニット1300の第3の温度検知ユニットとは、互いに電気的に接続されてよく、第3の温度検知ユニットによって検出されたスプレーされた冷媒の温度情報は、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0228】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、第1の温度検知ユニット~第3の温度検知ユニットによって検出された、制御モジュール1400において受信され格納されている複数の温度情報に基づいて、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間又は冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を制御してよい。
【0229】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210に電気的に接続されてよく、制御モジュール1400は、第1の温度検知ユニット~第3の温度検知ユニットによって検出された温度データに基づいて、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル又は開/閉時間の期間を制御することによって、供給される冷媒の量を正確に制御し得る。さらに、タイマによって、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間についてのデータが測定されてよく、タイマによって測定された流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間についてのデータは、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。制御モジュール1400に格納されている流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間は、皮膚表面温度又は/及び冷媒の温度と組み合わせて、スプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御するための根拠とされ得る。制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間及び皮膚表面温度及び冷媒の温度についてのデータに基づいて、スプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。
【0230】
さらに、本開示の実施形態による制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220に電気的に接続されてよく、制御モジュール1400は、第1の温度検知ユニット~第3の温度検知ユニットによって検出された温度データに基づいて、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギー及び/又は冷媒条件制御ユニット1220を通過する冷媒の量を制御するように構成されてよい。さらに、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーについての情報が、第2の温度検知ユニットによって測定されてよく、第2の温度検知ユニットによって測定された、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーについての情報は、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。制御モジュール1400に格納された、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーについての情報は、皮膚表面温度又は/及び冷媒の温度と組み合わせて、後でスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御するための根拠とされ得る。換言すると、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギー、皮膚表面温度、及び冷媒の温度についての情報に基づいて、スプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。
【0231】
本開示の実施形態による制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギー、及び/又は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間、開/閉サイクル、及び/又は開/閉を制御してよい。こうして、制御モジュール1400は、スプレーされる冷媒の量を制御することによって「皮膚表面温度」を制御してよい。この場合、制御モジュール1400は、第1の温度検知ユニットによって検出され制御モジュール1400に格納された皮膚表面温度、及び、第2の温度検知ユニット及び第3の温度検知ユニットのうちの少なくとも1つによって検出され制御モジュール1400に格納された温度の情報という既存の情報を使用することによって、スプレーされることになる冷媒の温度を制御してよい。さらに、制御モジュール1400は、「皮膚表面温度」を制御するために、制御された温度の冷媒を皮膚表面に向けてスプレーするようにスプレーユニット1230を制御してよい。
【0232】
例えば、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーの程度に基づく温度情報を使用することによってスプレーされた冷媒の温度は、処置ごとに制御モジュール1400に格納されてよい。さらに、スプレーされた冷媒の温度に従って制御された皮膚表面温度の情報もまた、制御モジュール1400に格納されてよい。換言すると、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーの程度についての情報を格納及び分析して、格納されている温度情報を使用することによって皮膚表面温度を特定の温度に制御してよい。本開示の実施形態による制御モジュール1400は、上で説明した温度情報を使用することによって「冷媒」の温度を制御することで、皮膚表面温度を制御してよい。
【0233】
さらに、本明細書によるレーザ処置デバイス100の制御モジュール1400は、レーザ放射セクションと冷媒のスプレーセクションとが重なるか否かを考慮することによって、冷媒に加えられる熱エネルギー及び/又は流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間を制御してよい。
【0234】
例えば、レーザ放射の前の前冷却の場合において、制御モジュール1400は、検知ユニット1300から皮膚表面温度情報を受信し、「レーザ放射セクション」において、皮膚表面温度が、皮膚表面が損傷される臨界温度又はそれよりも低い温度に制御されるように、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの制御を通して、レーザ放射の開始時間の前にスプレーされる冷媒の温度を制御してよい。この場合、制御モジュール1400は、レーザ放射セクションにおけるレーザによる皮膚表面温度の上昇値を考慮することによって、皮膚表面温度が、皮膚表面が損傷する臨界温度又はそれよりも低い温度であるように、前冷却セクションP1においてスプレーされる冷媒の温度を制御してよい。
【0235】
さらに、レーザ放射が実行されるセクションにおいて、制御モジュール1400は、検知ユニット1300からレーザ放射によって生じる皮膚表面温度の情報を受信してよく、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの制御を通して、レーザ放射セクションにおいてスプレーされる冷媒の温度を制御してよい。この場合、冷媒の温度は、レーザ放射によって生じる皮膚表面温度が、皮膚表面が損傷する臨界温度又はそれよりも低い温度に制御されるように、制御モジュール1400によって制御されてよい。
【0236】
さらに、レーザが放射された後の後冷却の場合において、制御モジュール1400は、検知ユニット1300から皮膚表面温度情報を受信してよく、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの制御を通して、レーザ放射セクションの停止時間の後にスプレーされる冷媒の温度を制御してよい。この場合、制御モジュール1400は、皮膚10の疼痛を最小限に抑えるために或る温度に制御されるように、冷媒の温度を制御し得る。
【0237】
図4は、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法の例示的な実施形態によって制御される皮膚表面温度及びターゲットの温度の変化を示すグラフである。ここで、
図4の「T_surface」は、本明細書の皮膚表面温度を指し得る。さらに、
図4の「T_target」は、本明細書のターゲットの温度を指し得る。さらに、
図4の「T_damage」は、本明細書の皮膚損傷温度を指し得る。さらに、
図4の「T_desired」は、本明細書のターゲットの所望の温度を指し得る。さらに、
図4の「P1」、「P2」、及び「P3」は、本明細書の「前冷却セクション」、「中間冷却セクション」、及び「後冷却セクション」をそれぞれ指し得る。さらに、
図4の「Ts1」、「Ts2」、及び「Ts3」は、本明細書の「第1の設定温度」、「第2の設定温度」、及び「第3の設定温度」をそれぞれ指し得る。
【0238】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の実施形態によれば、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210を介して、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含むように冷媒のスプレーセクションを制御してよい。例えば、
図4において、冷媒のスプレーセクションは、前冷却セクションP1、レーザ放射セクションの中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3を含み、中間冷却セクションP2は、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含んでよく、レーザ放射セクションと実質的に同じセクションであってよい。
【0239】
さらに、制御モジュール1400は、冷媒のスプレーセクションの皮膚温度情報(例えば、皮膚表面温度及びターゲットの温度等)に基づいて、冷媒条件制御ユニット1220を介して、スプレーされることになる冷媒の温度を制御してよい。こうして、皮膚表面温度は、レーザによる皮膚表面に対する損傷が減少するように制御され得る。例えば、
図4を参照すると、第2の設定温度Ts2は、レーザ放射セクションの皮膚表面温度が皮膚損傷温度又はそれよりも低い温度に制御されるように予め設定されてよく、したがって、冷媒条件制御ユニット1220を介して制御された冷媒の温度で冷媒がスプレーされ得る。
【0240】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の実施形態によれば、流量制御ユニット1210を介して、制御モジュール1400は、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含むように冷媒のスプレーセクションを制御してよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒のレーザ放射セクション以外のスプレーセクション(例えば、前冷却セクションP1及び/又は後冷却セクションP3)と、レーザ放射セクションのスプレーセクションとでは、冷媒に異なる熱エネルギーを加えてよい。
【0241】
例えば、
図4を参照すると、スプレーセクションは、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2(レーザ放射セクション)、及び後冷却セクションP3を含んでよく、特に、中間冷却セクションP2は、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含むように制御してよい。この場合、レーザ放射セクションにおいて冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーと、レーザ放射セクション以外のスプレーセクション、例えば、前冷却セクションP1及び/又は後冷却セクションP3において冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられた熱エネルギーとは、互いに異なってよい。
【0242】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の実施形態によれば、レーザ放射セクションにおける皮膚表面温度及び皮膚損傷温度の間の差は、レーザ放射以外のセクションにおける皮膚表面温度及び皮膚損傷温度の間の差よりも小さくてよい。したがって、レーザ放射セクションにおいて冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、レーザ放射セクション以外のセクションにおいて冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーよりも小さくてよい。換言すると、レーザ放射セクションにおけるスプレーされる冷媒の温度は、レーザ放射セクション以外のセクションにおけるスプレーされる冷媒の温度よりも低くてよい。
【0243】
例えば、
図4を参照すると、レーザ放射セクションにおいて冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、レーザ放射セクション以外のセクション(例えば、前冷却セクションP1及び後冷却セクションP3)において冷媒条件制御ユニットから冷媒に加えられる熱エネルギーよりも小さくてよい。換言すると、レーザ出力による皮膚10の温度上昇は、レーザ放射セクションにおいて、レーザ放射セクション以外のセクションにおけるよりも高い場合があるので、レーザ放射セクションにおいてスプレーされることになる冷媒の温度をより低く制御できるように、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、レーザ放射セクションにおいて、レーザ放射セクション以外のスプレーセクションにおけるよりも小さくなるように制御されてよい。
【0244】
しかしながら、上記説明は例示にすぎず、レーザ放射セクション下にあるか否かに関わらず、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、検知ユニット1300によって測定された皮膚表面温度及び皮膚損傷温度の間の差に基づいて制御されてよい。
【0245】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の上記実施形態によれば、スプレーセクションは、第1の時点TP1及び第2の時点TP2を含んでよい。第1の時点TP1は、スプレーセクションにおける時点であり、レーザ放射セクション前の第1のセクション(例えば、前冷却セクションP1)に、又は、レーザ放射セクション後の第2のセクション(例えば、後冷却セクションP3)に含まれる時点であってよい。第2の時点TP2は、レーザ放射セクションに含まれる時点であってよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220は、スプレーセクションの第1の時点TP1において冷媒に第1の熱エネルギーを加え、レーザ放射セクションの第2の時点TP2において冷媒に第2の熱エネルギーを加え、第2の熱エネルギーは、第1の熱エネルギーよりも小さくてよい。
【0246】
例えば、
図4を参照すると、第1の時点TP1は、スプレーセクションの前冷却セクションP1に含まれる時点であってよく、第2の時点TP2は、レーザ放射セクション及びスプレーセクションの中間冷却セクションP2に含まれる時点であってよい。この場合、第2の時点TP2においてレーザ放射によって温度上昇が引き起こされるので、スプレーされる冷媒の温度は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーを第2の時点TP2におけるよりも第1の時点TP1において大きくなるように制御することによって、レーザ放射セクションのスプレーセクションにおいて比較的低くなるように制御され得る。
【0247】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の上記実施形態によれば、スプレーセクションは、第1の時点TP1及び第2の時点TP2を含んでよい。第1の時点TP1は、スプレーセクションにおける時点であり、レーザ放射セクション前の第1のセクション(例えば、前冷却セクションP1)に、又は、レーザ放射セクション後の第2のセクション(例えば、後冷却セクションP3)に含まれる時点であってよい。第2の時点TP2は、レーザ放射セクションに含まれる時点であってよい。この場合、第1の時点TP1における皮膚表面温度が第2の時点TP2における皮膚表面温度よりも低いとき、制御モジュール1400は、第1の時点TP1において第1の熱エネルギーを加えてよく、第2の時点TP2において、第1の熱エネルギー「よりも小さい」第2の熱エネルギーを加えてよい。冷媒条件制御ユニット1220を介して、制御モジュール1400は、第1の時点TP1及び第2の時点TP2のそれぞれにおいて冷媒に加えられる熱エネルギーを制御してよい。
【0248】
図4において、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、及び第3の設定温度Ts3は、異なる温度であるように示されているが、それに限定されるものではなく、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、第3の設定温度Ts3のうちの少なくとも2つの温度が同じであってよい。代替的に、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、及び第3の設定温度Ts3は、同じであるように予め設定されてよい。これは、
図6から
図8を参照しながら後で詳細に説明される。
【0249】
さらに、
図4において、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3のすべてが含まれているように示されているが、それに限定されるものではなく、処置の目的及び処置のタイプに応じて、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3のうちのいくつかのセクションのみが含まれるように、冷媒がスプレーされてよい。
【0250】
上記において、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100のレーザモジュール1100、冷却モジュール1200、検知ユニット1300、制御モジュール1400、貯蔵ユニット1500、及びチューブ1600の様々な動作を説明した。これは、後で説明される冷却システムを有するレーザ処置デバイス100の駆動方法へと推論及び適用され得る。
【0251】
【0252】
図5は、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法S1000の1つの実施形態を示すフローチャートである。
【0253】
本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法S1000は、S1100にて皮膚表面温度及び冷媒の温度を測定する段階;S1200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階;及び、S1300にて冷媒をスプレーする段階を備えてよい。
【0254】
本開示の実施形態によるレーザ処置方法S1000において、レーザ処置が開始すると、S1100にて、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度が測定されてよく、S1200にて、測定された温度及び予め定められた設定温度を考慮することによって、冷媒の温度又はスプレー量が決定されてよい。さらに、S1200にて決定された冷媒の温度又はスプレー量に従って、S1300にて、冷媒のスプレーが実行されてよい。
【0255】
上記実施形態によれば、S1000が開始する前(又はS1100の前)に、温度が予め設定されてよい。
【0256】
設定温度は、皮膚表面温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、設定温度は、スプレーされる冷媒の温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、設定温度は、レーザによる処置を受けるターゲットの温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。
【0257】
この場合、ユーザは、皮膚表面温度、スプレーされる冷媒の温度、及び/又はターゲットの所望の温度のそれぞれを、制御されることが望ましい特定の温度として直接予め設定してよい。例えば、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることができる入力ユニットを備えてよく、この入力ユニットを介して、ユーザは、皮膚表面温度、冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つの温度を、制御されることが望ましい特定の温度として入力してよい。入力ユニットに入力された皮膚表面温度、冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つの温度は、制御モジュール1400に送信されてよく、S1200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定することにおいて考慮されるべき要素として用いられてよい。
【0258】
別の例において、設定温度は、処置エリア、処置を受ける病変のタイプ、処置の目的、及び使用されるレーザのタイプを考慮して、「制御モジュール」1400によって設定されてよい。例えば、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることができる入力ユニットを備えてよく、入力ユニットを介して、ユーザは、処置を受ける病変のタイプ、処置エリア、処置の目的、及び使用されるレーザのタイプ等の処置情報を入力してよい。この場合、入力ユニットへの処置情報入力は、制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、受け取られた処置情報に基づいて、皮膚表面温度、冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つの温度を特定の値として予め設定してよい。制御モジュール1400によって予め設定された皮膚表面温度、冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つは、ユーザによって修正又は確認されてよい。制御モジュール1400によって予め設定された皮膚表面温度、冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つの温度は、制御モジュール1400に送信されてよく、S1200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定することにおいて考慮されるべき要素として用いられてよい。
【0259】
さらに、設定温度の設定において、皮膚表面温度、スプレーされる冷媒の温度、及びターゲットの所望の温度のうちの少なくとも1つの温度は、レーザ放射セクション及びスプレーセクションによって異なるように設定されてよい。換言すると、設定温度の設定において、前冷却セクションP1の第1の設定温度Ts1、中間冷却セクションP2の第2の設定温度Ts2、及び後冷却セクションP3の第3の設定温度Ts3が予め設定されてよい。さらに、設定温度の設定において、前冷却セクションP1の第1の設定温度Ts1、中間冷却セクションP2の第2の設定温度Ts2、及び後冷却セクションP3の第3の設定温度Ts3が異なるように設定されてよい。これは、
図6から
図8を参照しながら詳細に説明される。
【0260】
入力ユニットは、レーザ処置デバイス100の外面上に形成されてよく、レーザ処置デバイス100と有線又は無線によって通信するように、レーザ処置デバイス100とは別個の空間に設けられてよい。例えば、入力ユニットは、レーザ処置デバイス100のハンドピースの外面上にあるディスプレイの形態で設けられてよい。別の例として、入力ユニットは、レーザ処置デバイス100と無線通信が可能である外部デバイスとして構成されてよい。しかしながら、入力ユニットは、それに限定されるものではなく、設定温度情報又は処置情報をレーザ処置デバイス100の制御モジュール1400に送信できる様々な方法で設けられてよい。
【0261】
上で説明したように、設定温度を設定するステップは、S1000が開始する前に実行されるように説明されているが、これは例示にすぎず、設定温度は、S1000内の任意の好適なステップにて設定されてよい。
【0262】
以下、各ステップを詳細に説明する。
【0263】
戻って
図2及び
図5を参照すると、S1100にて、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度が測定されてよい。
【0264】
S1100にて皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定する段階は、レーザ処置デバイス100の検知ユニット1300を使用することによって温度情報を検出した後に、検出された温度情報を制御モジュール1400に送信することよって実行されてよい。温度情報は、皮膚表面温度及び冷媒の温度のうちの少なくとも1つを含んでよい。換言すると、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定してよく、具体的には、検知ユニット1300を介して温度情報が検出されてよい。
【0265】
例えば、検知ユニット1300は、皮膚表面の温度を測定できる第1の温度検知ユニットを含んでよく、第1の温度検知ユニットによって測定された皮膚表面温度は、レーザ処置デバイス100の制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0266】
別の例として、検知ユニット1300は、スプレーユニット1230によってスプレーされる冷媒の温度を測定できる第3の温度検知ユニットを含んでよく、第3の温度検知ユニットによって測定された測定された冷媒の温度は、レーザ処置デバイス100の制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0267】
図5に示されているように、温度情報は、皮膚表面温度及び冷媒の温度を含むように示されているが、それに限定されるものではなく、冷媒条件制御ユニット1220に関連する温度情報を含んでよい。例えば、検知ユニット1300は、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの程度を測定できる第2の温度検知ユニットを含んでよく、第2の温度検知ユニットによって測定された温度情報は、レーザ処置デバイス100の制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよい。
【0268】
さらに、
図5によれば、温度情報は、皮膚表面温度及び冷媒の温度のすべてを含むように示されているが、冷媒の温度を除いた皮膚表面温度のみが、測定されてよく、後で説明されるS1200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定するときに考慮されてよい。換言すると、
図5のS1100にて、冷媒の温度の測定は省略されてよい。
【0269】
戻って
図5を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置方法は、S1100にて測定された温度及びS1200にて予め定められた設定温度を考慮して、冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階を備えてよい。
【0270】
本開示の実施形態によれば、測定された温度及び予め定められた設定温度を考慮して、S1200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階では、冷媒の温度又はスプレー量を決定するときに、S1100にて測定された温度を考慮してよい。さらに、S1200は、冷媒の温度又はスプレー量を決定するとき、予め定められた設定温度を考慮してよい。さらに、S1200は、冷媒の温度又はスプレー量を決定するとき、測定された温度及び予め定められた設定温度の間の差を考慮してよい。
【0271】
測定された温度は、検知ユニット1300によって測定された皮膚表面温度及びスプレーされる冷媒の温度のうちの少なくとも1つを含む温度であってよい。具体的には、皮膚表面温度は、第1の温度検知ユニットによって測定された温度であってよく、制御モジュール1400に送信されて格納される。さらに、冷媒の温度は、スプレーされた冷媒の温度であり、第3の温度検知ユニットによって測定された温度であってよく、制御モジュール1400に送信されて格納される。
【0272】
予め定められた設定温度は、上で説明した温度の予めの設定において予め設定された皮膚表面温度の所望の温度又は冷媒の所望の温度であってよい。具体的には、予め定められた設定温度は、ユーザによって入力ユニットに入力された温度情報であってよい。代替的に、設定温度は、ユーザによる入力ユニットへの処置情報入力に基づいて、制御モジュール1400によって設定された温度であってよい。
【0273】
本開示の実施形態によれば、S1200にて、測定された温度及び予め定められた設定温度を考慮して、冷媒の温度又はスプレー量等の冷媒の特性が決定されてよい。具体的には、冷媒の温度及び/又はスプレー量は、制御モジュール1400によって制御される冷媒条件制御ユニット1220又は流量制御ユニット1210によって決定されてよい。
【0274】
上記実施形態によれば、冷媒の温度は、制御モジュール1400によって制御される冷媒条件制御ユニット1220によって制御されてよい。
【0275】
例えば、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が皮膚表面の予め定められた設定温度付近であるように冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって、冷媒条件制御ユニット1220がスプレーされることになる「冷媒の温度」を制御するように構成されてよい。スプレーされることになる冷媒の温度が制御されてよく、最終的に、皮膚表面温度が予め定められた設定温度付近であるように制御されてよい。この場合、スプレーユニット1230からスプレーされたすぐ後に、スプレーユニット1230及びターゲットエリアの間に存在する空気、すなわち、外気によって、冷媒の温度が上昇する場合があるので、スプレーユニット1230からスプレーされてすぐの冷媒は、冷媒条件制御ユニット1220によってターゲットエリアの温度よりも低くなるように制御されてよい。この場合、スプレーユニット1230からスプレーされてすぐの冷媒の温度及びターゲットエリアの温度の間の差は、外気の温度によって変化し得、外気の温度が上昇するにつれて、スプレーユニット1230からスプレーされてすぐの冷媒の温度及びターゲットエリアの温度の間の差が増加し得る。具体例として、冷媒条件制御ユニット1220は、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-20℃又はそれよりも低くなるように、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御してよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220は、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が10℃又はそれよりも低くなるように、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御してよい。冷媒条件制御ユニット1220は、好ましくは、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-60℃又はそれを超える温度から-20℃又はそれよりも低くなるように、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御してよい。
【0276】
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から-10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-20℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から-10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-10℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、好ましくは、皮膚表面温度が-20℃又はそれを超える温度から-10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-60℃又はそれを超える温度から-30℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。
【0277】
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が-10℃又はそれを超える温度から0℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-10℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が-10℃又はそれを超える温度から-10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が0℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、好ましくは、皮膚表面温度が-10℃又はそれを超える温度から0℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-60℃又はそれを超える温度から-25℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。
【0278】
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が0℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が0℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。
代替的に、冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、皮膚表面温度が0℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が10℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーは、好ましくは、皮膚表面温度が0℃又はそれを超える温度から10℃又はそれよりも低い温度の温度範囲付近であるように、スプレーされる冷媒(例えば、二酸化炭素)の温度が-55℃又はそれを超える温度から-25℃又はそれよりも低い温度であるように制御されてよい。
【0279】
皮膚表面温度を特定の温度に制御するために冷媒が約25mmのスプレー距離(スプレーユニット及び皮膚表面の間の距離)でスプレーされるとき、上で説明したスプレーされる冷媒の温度は、スプレーユニットから約3mmの距離を置いて熱電対を設置した後に測定された冷媒の温度であってよい。
【0280】
しかしながら、これは一例にすぎず、スプレーされる冷媒の温度は、皮膚表面温度が特定の温度範囲付近であるように制御されてよく、スプレーされる冷媒の温度は、測定プロトコル(例えば、スプレー距離、及びスプレーされる冷媒の温度の温度測定位置等)によって異なってよい。
【0281】
上記実施形態によれば、冷媒のスプレー量は、制御モジュール1400によって制御される流量制御ユニット1210によって制御されてよい。
【0282】
例えば、皮膚表面温度を皮膚表面の予め定められた設定温度付近であるように制御するために、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間又は開/閉サイクルを制御してよく、スプレーされることになる冷媒の量を制御してよい。スプレーされることになる冷媒の量を制御することによって、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーの程度が制御されてよい。さらに、こうして、最終的に、皮膚表面温度が予め定められた温度付近であるように制御され得る。
【0283】
別の実施形態によれば、冷媒のスプレー量は、冷媒条件制御ユニット1220によって制御されてよい。
【0284】
例えば、冷媒条件制御ユニット1220が冷媒に加えられる熱エネルギーの程度を増加させるとき、すなわち、冷媒の温度を上昇させるとき、冷媒条件制御ユニット1220を通って流れる冷媒の自由度が増加するので、冷媒の静圧が増加し、その結果、冷媒の量が減少する。反対に、冷媒条件制御ユニット1220が冷媒に加えられる熱エネルギーを減少させるとき、冷媒条件制御ユニット1220を通って流れる冷媒の自由度が減少するので、静圧が減少し、その結果、冷媒の量が増加する。スプレーされることになる冷媒の量を制御することによって、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーの程度が制御されてよい。さらに、最終的に、皮膚表面温度が予め定められた設定温度付近であるように制御されてよい。
【0285】
冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの制御は、ペルチェ素子等の熱電素子を介して実行されてよく、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220が冷媒に加えられる熱エネルギーの量を制御できるように、熱電素子に電力を供給するか否か、及び/又は、熱電素子に印加される電流の量を制御してよい。しかしながら、これは一例であり、上で説明した制御モジュール1400及び冷媒条件制御ユニット1220の様々な動作を介して、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒の温度又は量を制御するために、冷媒に加えられる熱エネルギーの程度を制御してよい。
【0286】
上記実施形態によれば、S1200にて、予め定められた設定温度及び測定された温度を考慮して、冷媒の特性が制御されてよい。冷媒の特性は、冷媒の温度、量、圧力、又は速度、又はそれらの任意の好適な組み合わせを含み得る。
【0287】
例えば、冷媒の特性は、予め設定された皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差に基づいて制御されてよい。具体的には、測定された皮膚表面温度が予め設定された皮膚表面温度よりも高いか又は低いかに基づいて、冷媒の特性が制御されてよい。予め設定された皮膚表面温度が測定された実際の皮膚表面温度よりも低いとき、制御モジュール1400は、実際の皮膚表面温度を低下させるように、流量制御ユニット1210及び/又は冷媒条件制御ユニット1220を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間を増加させることによって冷媒の量を増加させてよく、皮膚表面に加えられるエネルギーの量を増加させてよい。別の例として、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を減少させることによって、冷媒の温度を低下させるように制御してよい。一方で、予め設定された皮膚表面温度が測定された実際の皮膚表面温度よりも高いとき、制御モジュール1400は、実際の皮膚表面温度を増加させるように、流量制御ユニット1210及び/又は冷媒条件制御ユニット1220を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間を減少させることによって冷媒の量を減少させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーの量を減少させてよい。別の例として、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を増加させることによって、冷媒の温度を上昇させるように制御してよい。
【0288】
例えば、冷媒の特性は、「冷媒」の所定の温度及び「冷媒」の測定された実際の温度の間の差に基づいて制御されてよい。具体的には、冷媒の特性は、冷媒の測定された温度が冷媒の予め定められた温度よりも高か否かに基づいて、制御されてよい。冷媒の所定の温度が冷媒の測定された実際の温度よりも低いとき、制御モジュール1400は、冷媒の実際の温度を低下させるように冷媒条件制御ユニット1220を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を減少させることによって、冷媒の温度を低下させるように制御してよい。一方で、冷媒の予め定められた温度が冷媒の測定された実際の温度よりも高いとき、制御モジュール1400は、スプレーされることになる冷媒の実際の温度を上昇させるように冷媒条件制御ユニット1220を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を増加させることによって、冷媒の温度を上昇させるように制御してよい。
【0289】
上記実施形態によれば、S1200にて、予め定められた温度及び測定された実際の温度の間の「差の程度」によって、冷媒の温度及び/又は量等の冷媒の特性が制御されてよい。
【0290】
例えば、予め定められた皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第1の温度差である場合と、予め定められた皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第1の温度差よりも「大きい」第2の温度差である場合との間には、冷媒の温度及び/又は量の制御において、細部に差異があり得る。
【0291】
例えば、予め設定された皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第1の温度差である場合とは、予め定められた皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第2の温度差である場合よりも、予め設定された皮膚表面温度に近いことを意味し得る。したがって、制御されることによる、スプレーされた冷媒の温度及びスプレーされることになる冷媒の温度の間の「変化量」は、第1の温度差の場合において、第2の温度差の場合におけるよりも小さくてよい。同様に、制御されることによる、スプレーされた冷媒の量及びスプレーされることになる冷媒の量の間の「変化量」は、第1の温度差の場合において、第2の温度差の場合におけるよりも小さくてよい。
【0292】
一方で、予め設定された皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第2の温度差である場合において、予め定められた皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が第1の温度差である場合におけるよりも、予め設定された皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度の間の差が大きいことも意図され得る。したがって、冷媒の温度及び/又は量は、第1の温度差の場合におけるよりも多く補正されることが要求され得る。換言すると、制御されることによる、スプレーされた冷媒の温度及びスプレーされることになる冷媒の温度の間の「変化量」は、第2の温度差の場合において、第1の温度差の場合におけるよりも大きくてよい。このために、制御されることによる、冷媒条件制御ユニット1220に以前に印加された電流及び冷媒条件制御ユニット1220に印加されることになる電流の間の「変化量」は、第2の温度差の場合において、第1の温度差の場合におけるよりも大きくてよい。同様に、制御されることによる、スプレーされた冷媒の量及びスプレーされることになる冷媒の量の間の「変化量」は、第2の温度差の場合において、第1の温度差の場合におけるよりも大きくてよい。このために、制御されることによる、流量制御ユニット1210の既存の開時間及び流量制御ユニット1210の開かれることになる開時間の間の「変化量」は、第2の温度差の場合において、第1の温度差の場合におけるよりも大きくてよい。上述の例は、予め定められた皮膚表面温度及び測定された実際の皮膚表面温度に基づいて説明したが、冷媒の予め定められた温度及び冷媒の測定された実際の温度に同様に適用され得る。
【0293】
上記実施形態によれば、S1200にて、冷媒の温度及び/又は量等の冷媒の特性は、好ましくは、予め定められた温度及び測定された実際の温度を考慮することによって、比例・積分・微分(PID)制御方法によって制御されてよい。
【0294】
上記実施形態によれば、S1200にて、冷媒の温度及び/又は量等の冷媒の特性は、外部温度を考慮することによって制御されてよい。例えば、予め設定された皮膚表面温度が一定であるとき、冷媒条件制御ユニットは、外部温度によって異なるように、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御してよい。具体例として、予め設定された皮膚表面温度が一定であるとき、かつ外部温度が10℃又はそれを超える温度から25℃又はそれよりも低い温度の温度範囲にあるとき、一般に、外部温度が上昇するにつれて、予め設定された皮膚表面温度を実現するようにスプレーされる冷媒の温度が低下し得る。したがって、外部温度が上昇するにつれて、冷媒条件制御ユニットは、冷媒に加えられる熱エネルギーを減少するように制御してよい。
【0295】
上記実施形態によれば、S1200にて、冷媒の「タイプ」並びに測定された温度及び予め定められた設定温度を考慮することによって、制御モジュール1400は、冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。具体的には、冷媒の温度及び/又は量の制御方法は、冷媒の雰囲気圧力下で、冷媒の本質的な物理的特性に応じて変化し得る。
【0296】
例えば、冷媒として二酸化炭素(CO2)が用いられるとき、二酸化炭素の冷媒は、スプレーユニット1230からスプレーされた後に、雰囲気圧力下でHFC系冷媒よりも比較的低い温度で皮膚表面に塗布されてよい。例えば、冷媒条件制御ユニット1220が熱電素子(例えば、ペルチェ素子等)である場合、熱電素子の電力をターンオフすることによって二酸化炭素の冷媒をスプレーするとき、冷媒は、約-40℃から-70℃の温度でスプレーされ、皮膚表面に塗布されてよい。具体的には、スプレーされる冷媒の温度は、外部温度によって影響を受ける場合があり、外気の温度が15℃から25℃の温度であるとき、熱電素子の電力がターンオフされた状態で二酸化炭素であるスプレーされた冷媒の温度は、約-70℃又はそれを超える温度から-50℃又はそれよりも低い温度であってよい。さらに、外気の温度が25℃から35℃の温度又はそれよりも低い温度であるとき、熱電素子の電力がターンオフされた状態で二酸化炭素であるスプレーされた冷媒の温度は、約-40℃又はそれを超える温度から-60℃又はそれよりも低い温度であってよい。この場合、スプレーされた冷媒の測定された温度は、スプレーユニットから約3mm距離を置いて熱電対を設置した後に測定された温度であってよい。したがって、冷媒として二酸化炭素が用いられるとき、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒を加熱する程度のみを制御することによって冷媒の温度を制御してよい。換言すると、冷媒の温度は、二酸化炭素の冷媒によって冷媒に加えられる熱エネルギーが無い(すなわち、加熱が無い)ときであっても実質的に低いので、スプレーされる冷媒の温度は、好ましくは、「加熱」を介して冷媒条件制御ユニット1220から冷媒に加えられる熱エネルギーの量を制御することによって制御されてよい。
【0297】
例えば、冷媒としてHFC系物質が用いられる場合、冷媒条件制御ユニット1220がターンオフされると、この冷媒は、二酸化炭素の冷媒よりも比較的高い温度(例えば、-20℃)でスプレーされ得る。これは、広い範囲にわたって皮膚表面温度を制御するために、比較的高い温度であり得る。特に、追加の冷却を伴わずにHFC系冷媒を用いることによって、皮膚表面温度を約-10℃又はそれよりも低い温度に調整することは困難であり得る。したがって、冷媒としてHFC系物質が用いられるとき、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒を加熱及び冷却するように動作してよい。特に、冷媒条件制御ユニット1220が熱電素子(例えば、ペルチェ素子)である場合、電流が第1の方向において熱電素子に印加されるとき、熱電素子の第1の表面に吸熱が生じ得、その第2の表面に発熱が生じ得る。さらに、電流が第2の方向において熱電素子に印加されるとき、熱電素子の第1の表面に発熱が生じ得、その第2の表面に吸熱が生じ得る。この場合、冷媒が流れる流路が、第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つに接触するように構成されてよく、制御モジュール1400は、状況に応じて冷媒を加熱又は冷却するために熱電素子に印加される電流の方向を制御するように構成されてよい。
【0298】
上で説明したように、制御モジュール1400は、S1200にて測定された温度及び予め定められた設定温度を考慮して、冷媒の温度又はスプレー量を決定することを主に説明した。
【0299】
しかしながら、これは一例にすぎず、上記実施形態によれば、制御モジュール1400は、測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた設定温度の「条件」に対応するか否かを決定するように構成されてよい。この場合、予め定められた設定温度の「条件」は、予め定められた設定温度に対して許容可能な「誤差範囲」が設定された温度範囲であってよい。
【0300】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた設定温度条件に対応するとき、制御モジュール1400は、以前にスプレーされた冷媒の温度又はスプレー量によって、スプレーされることになる冷媒の温度又はスプレー量を決定してよい。
【0301】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた設定温度条件に対応しないとき、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を介して、冷媒の温度又は量を制御するように構成されてよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210を介して、冷媒の量を制御するように構成されてよい。
【0302】
戻って
図5を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置方法は、S1300にて冷媒をスプレーする段階を備えてよい。
【0303】
この場合、S1300にて冷媒をスプレーする段階において、S1200にて決定された冷媒の温度又はスプレー量に従って、冷媒がスプレーされてよい。
【0304】
図5は、冷媒がスプレーされるとき、レーザ処置デバイス100の駆動が停止することを示しているが、これは一例にすぎず、冷媒がスプレーされるとき、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定する段階S1100が再度実行されてよく、したがって、一連のステップが繰り返し実行されてよい。
【0305】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、スプレーされることになる冷媒の温度又はスプレー量は、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定した後に測定された皮膚表面温度情報及び/又は冷媒の温度についての情報を考慮することによって決定されてよく、したがって、皮膚表面温度は、予め定められた設定温度付近であるように制御され得る。この温度フィードバックを介して、皮膚損傷の最も直接的なパラメータである皮膚表面温度を設定温度付近に安定に維持できる。特に、設定温度を皮膚損傷温度よりも低く設定することによって、皮膚損傷を最小限に抑えることができる。
【0306】
以上、本開示の実施形態によるレーザ処置方法を説明したが、上記説明は、後で説明される本明細書の別の実施形態によるレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法に等しく当てはまり得る。
【0307】
本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法は、温度を測定する段階;冷媒の温度又は量を決定する段階;及び、冷媒をスプレーする段階;及びレーザを放射する段階を備えてよい。
【0308】
レーザを放射する段階は、処置を受けるターゲットエリアに向けてレーザを放射する段階を含み得る。レーザは、レーザモジュール1100のレーザ生成ユニット1110において生成されてよく、レーザ放射ユニット1120において放射されてよい。
【0309】
具体的には、レーザモジュール1100は、制御モジュール1400と電気的に接続されており、レーザを放射するために制御モジュール1400のレーザ放射信号を受信する。
【0310】
この場合、制御モジュール1400は、ユーザによるレーザ放射入力を受け取ってよく、レーザモジュール1100のレーザ放射信号を送信してよく、そのようにしてレーザモジュール1100のレーザ放射が実行されてよい。代替的に、レーザ放射のための条件は、制御モジュール1400において予め設定されてよい。この場合、予め設定された条件が満たされているとき、レーザモジュール1100は、レーザが放射されるように制御モジュール1400によって制御されてよい。例えば、冷却システムによって皮膚表面温度が特定の温度に到達したとき、レーザモジュール1100は、制御モジュール1400によってレーザを放射するように制御されてよい。この場合、特定の温度は、皮膚損傷温度、皮膚表面上に霜が形成される温度、及びレーザ経路内での干渉物質が最小限に抑えられる温度を考慮することによって予め設定されてよい。これは、
図17から
図22を参照しながら後で詳細に説明される。
【0311】
本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100の駆動によるレーザ処置方法は、冷媒のスプレーセクション及びレーザ放射セクションを備えてよい。
【0312】
この場合、
図4を参照すると、冷媒スプレーセクションは、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3を含んでよい。冷媒スプレーセクションは、冷媒のスプレーによって皮膚表面に冷却エネルギーが加えられるセクションを意味し得る。しかしながら、冷媒のスプレーの時点と、皮膚表面に冷却エネルギーが加えられる時点との間には差があり得るが、この時間差は非常に小さいものであり得、この場合、冷媒スプレーセクション及び皮膚表面に冷却エネルギーが加えられるセクションは実質的に同じ意味を有するように用いられ得る。
【0313】
前冷却セクションP1は、レーザ放射セクションの開始点の前に冷媒によって皮膚表面に冷却エネルギーが加えられるセクションを意味し得る。しかしながら、レーザ放射セクションの開始点の「前」に、皮膚表面に冷却エネルギーが印加されると説明したが、レーザ放射の開始点において冷媒によって皮膚表面に冷却エネルギーが印加されるとき、レーザ放射の開始点は、前冷却セクションP1に含まれていてもよい。前冷却セクションP1は、レーザ放射セクションにおけるレーザ放射による熱エネルギーの蓄積による皮膚表面温度の上昇に起因して皮膚表面が皮膚損傷温度に到達することを防止するために、皮膚表面温度を「予め」低下させるように意図されてよい。代替的に、前冷却セクションP1は、レーザ放射の前に皮膚10を麻酔するために実行できる。
【0314】
中間冷却セクションP2は、レーザ放射セクションにおいて冷媒によって皮膚表面に冷却エネルギーが印加されるセクションを意味し得る。中間冷却セクションP2は、中間冷却セクション、リアルタイム冷却セクション、及びレーザ放射中の冷却セクション等の用語としても用いられ得る。中間冷却セクションP2の少なくとも一部と、レーザ放射セクションの少なくとも一部とは、時間軸上で重なってよい。すなわち、中間冷却セクションP2の冷却及びレーザ放射セクションのレーザ放射は、少なくとも部分的に同時に実行されてよい。
【0315】
中間冷却セクションP2の少なくとも一部は、時間軸上でレーザ放射セクションに重なってよく、レーザ放射によって皮膚表面温度が大幅に上昇し得るセクションであってよい。この場合、皮膚表面温度が皮膚損傷温度未満に制御されるように皮膚表面を冷却することが、中間冷却の主たる目的であってよい。
【0316】
後冷却セクションP3は、レーザ放射セクションの停止時間の後に、冷媒によって皮膚表面に冷却エネルギーが印加されるセクションを意味し得る。しかしながら、レーザ放射セクションの停止時間の「後」に冷却エネルギーが印加されるが、レーザ放射の停止時間において冷媒によって皮膚表面に冷却エネルギーが印加されるとき、レーザ放射の停止時間は、後冷却セクションP3にも含まれていてよい。
【0317】
後冷却セクションP3は、レーザ放射の停止時間後のセクションであり、皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度を正常温度に低下させるか又はレーザ処置後の疼痛を緩和させるように意図され得る。
【0318】
以下、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3におけるレーザ処置デバイスの駆動方法の実施形態を詳細に説明する。
【0319】
本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法は、前冷却、中間冷却、及び後冷却を介して実行されてよい。換言すると、本開示の実施形態によるレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法は、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3を含んでよい。
【0320】
以下、
図4及び
図6を参照しながら説明が行われる。
図6は、本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による前冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートS2000である。
【0321】
前冷却は、S2100にて皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定すること;S2200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定すること;S2300にて冷媒をスプレーすること;及びS2400にてレーザ放射イベントが発生したか否かを決定することを含んでよい。
【0322】
上で説明したS1100は、S2100における皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度の測定に等しく当てはまり得る。前冷却セクションP1の特徴を中心に説明するとき、レーザ放射セクションの開始点の前にスプレーされた冷媒の温度及びレーザ放射セクションの開始点の前の皮膚表面温度が、S2100にて測定されてよい。
【0323】
図6によれば、S2100にて冷媒の温度及び皮膚表面温度が測定されるように示されているが、冷媒の温度を除き、皮膚表面温度のみが測定されて、後で説明するS2200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定することにおいて考慮されてよい。換言すると、
図6のS2100にて、冷媒温度の測定が省略されてよい。
【0324】
S1200は、S2200における冷媒の温度又はスプレー量の決定に等しく当てはまり得る。したがって、以下、前冷却セクションP1の特性を主に説明する。
【0325】
戻って
図6を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置方法は、S2100にて測定された温度及び予め定められた第1の設定温度を考慮することによってS2200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階を備えてよい。
【0326】
第1の設定温度Ts1は、前冷却セクションにおいて皮膚表面温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第1の設定温度Ts1は、前冷却セクションにおいてスプレーされる冷媒の温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第1の設定温度Ts1は、前冷却セクションにおいてレーザによって処置が実行されるターゲットの温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。
【0327】
一実施形態において、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションにおける皮膚表面温度の上昇の程度、皮膚損傷温度、及びレーザ放射セクションにおいてレーザ干渉物質が生成されたか否かを考慮することによって決定されてよい。さらに、第1の設定温度Ts1は、ユーザによって設定されてよく、又は、制御モジュール1400に格納された処置情報及び温度情報を使用することによって制御モジュール1400によって設定された値をユーザが選択するように設定されてよい。
【0328】
例えば、レーザ放射セクションにおいて、レーザの光エネルギーは、ターゲットにおいて熱エネルギーに変換され得、変換された熱エネルギーがターゲットにおいて蓄積され得、したがってターゲット及び皮膚表面を含む皮膚の温度が上昇し得る。この場合、レーザ放射セクションにおいて皮膚表面温度が皮膚損傷温度よりも高く増加すると、皮膚表面が損傷することがある。したがって、レーザ放射セクションにおいて皮膚表面温度が上昇しても、皮膚表面温度を専ら皮膚損傷温度未満で上昇するように制御するために、前冷却セクションP1においてレーザ放射前に皮膚表面温度を低下させてよい。このために、前冷却セクションP1において、皮膚表面温度は、レーザ放射による温度上昇の程度及び皮膚損傷温度を考慮することによって第1の設定温度Ts1として設定されてよい。この場合、皮膚損傷温度は、処置タイプ及びスキンタイプに応じて変化し得るが、一般に、皮膚温度が40℃から60℃の範囲内の温度に到達すると、皮膚は熱によって損傷することがある。例示的な実施形態によれば、皮膚温度が50℃から60℃の範囲内の温度に到達すると、皮膚は熱によって損傷することがある。しかしながら、皮膚に対する損傷はそれに限定されるものではなく、当業者は、皮膚損傷を引き起こし得る熱エネルギーの蓄積の程度を考慮して第1の設定温度Ts1を設定してよい。例えば、皮膚温度が40℃又はそれよりも低い温度に連続的に維持される場合であっても、皮膚損傷が発生することがあり、この場合、第1の設定温度Ts1は、皮膚が熱に曝される時間の量及び/又は蓄熱の程度を考慮して設定されてよい。
【0329】
別の例として、レーザ放射セクションにおける皮膚損傷を最小限に抑えるために、第1の設定温度Ts1は、処置ターゲットの位置、処置を受ける皮膚のタイプ、レーザのタイプ、及びレーザの出力の強度等を考慮することによって設定されてよい。例えば、処置ターゲットの位置が皮膚表面付近であると、レーザ放射による皮膚表面温度の上昇度は高くなりやすく、したがって、これを考慮して、前冷却セクションP1の第1の設定温度Ts1が設定されてよい。さらに、使用されるレーザの出力の強度が増加すると、ターゲットに蓄積される熱エネルギーの量が増加し得、したがって、使用されるレーザのタイプに応じたレーザの出力の強度を考慮することによって、前冷却セクションP1の第1の設定温度Ts1が設定されてよい。
【0330】
別の例として、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションにおいてレーザ干渉物質が生成されたか否かを考慮して設定されてよい。例えば、前冷却セクションP1の後のレーザ放射セクションにおいて、霜、氷、ドライアイス、及び蒸気等のレーザ干渉物質がレーザ放射経路内に又は皮膚表面上に残っていると、レーザが散乱し得る。したがって、前冷却セクションP1において、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションにおいてレーザ干渉物質が残らないように設定されてよい。
【0331】
一実施形態において、第1の設定温度Ts1は、処置を受ける処置エリア及び病変を考慮することによって設定されてよい。例えば、血管病変のためのレーザ処置中、血管収縮温度条件に対応する温度まで皮膚の前冷却が実行されると、血管が収縮し得、処置ターゲットが認識できなくなり得る。したがって、血管病変のためのレーザ処置の前冷却中、第1の設定温度Ts1は、血管病変の収縮温度条件を考慮することによって設定されてよい。血管病変のための本開示のレーザ処置方法は、
図23及び
図24を参照しながら後で詳細に説明する。
【0332】
上記実施形態において、第1の設定温度Ts1は、前冷却セクションP1においても異なるように設定されてよい。
【0333】
例えば、上で説明したように、前冷却セクションP1におけるレーザ放射セクションのレーザ放射による温度上昇に起因する皮膚損傷の可能性を最小限に抑えるためには、第1の設定温度Ts1を比較的低く設定することが要求され得、レーザ放射セクションにおいて皮膚表面上にレーザ干渉物質が残ることを防止するためには、第1の設定温度Ts1を比較的高く設定することが要求され得る。
【0334】
この場合、前冷却セクションP1の後方セクション及びレーザ放射セクションの開始点に隣接するセクションにおいて、第1の設定温度Ts1は、皮膚表面上にレーザ干渉物質が残らないように設定されてよい。レーザ放射セクションが開始する時間から皮膚表面上のレーザ干渉物質が存在しないとき、レーザ散乱が十分に防止され得、したがって、第1の設定温度Ts1は、レーザ散乱が防止され得るように、レーザ放射のすぐ前のセクションにおいてのみ、レーザ干渉物質が残らない温度に設定されてよい。
【0335】
さらに、前冷却セクションP1の後方セクションを除いたセクションにおいて、第1の設定温度Ts1は比較的低く設定されてよく、したがって、レーザ放射セクションにおいて、レーザ放射による皮膚損傷の可能性が最小限に抑えられ得る。
【0336】
換言すると、前冷却セクションP1の後方セクションを除いたセクション(例えば、前冷却セクションP1の最初の半セクション)において、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションにおける皮膚損傷の可能性を最小限に抑えるように可能な限り低く設定されてよく、前冷却セクションP1の後方セクションにおいて、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションにおいてレーザ散乱を最小限に抑えることができるように、皮膚表面上にレーザ干渉物質が残らない温度に設定されてよい。したがって、前冷却セクションP1においても、第1の設定温度Ts1は異なるように設定されてよい。
【0337】
実施形態において、第1の設定温度Ts1は、特定の範囲の温度であってよい。具体的には、第1の設定温度Ts1は、第1の設定温度Ts1に対する許容可能な「誤差範囲」を含む温度範囲であってよい。
【0338】
この場合、第1の設定温度Ts1の誤差範囲は、前冷却セクションP1においても異なるように設定されてよい。例えば、前冷却セクションP1に含まれるレーザ放射セクションのすぐ前のセクションにおいて、皮膚表面温度は、皮膚表面上に霜等のレーザ干渉物質が形成されない温度に制御されてよい。この場合、皮膚表面にレーザ干渉物質が形成されない温度に皮膚表面温度を制御するために、誤差範囲は、好ましくは狭く設定されてよい。換言すると、前冷却セクションP1に含まれるレーザ放射セクションのすぐ前のセクションにおいて、皮膚表面上に霜が形成されないように皮膚表面温度を正確に制御するために、誤差範囲は比較的狭く設定されてよい。一方で、レーザ放射セクションから時間的に分離された前冷却セクションP1の冒頭セクションにおいて、レーザ放射セクションにおいて皮膚損傷の可能性が減少するように可能な限り皮膚表面温度を低下させるために、冷却が実行されてよい。この場合、前冷却セクションP1の冒頭セクションにおいて、皮膚表面温度は、比較的低い正確さで制御されることが許容され、したがって、誤差範囲は比較的広く予め設定されてよい。
【0339】
以上では、第1の設定温度Ts1は、皮膚表面温度に基づいて設定されるように説明されたが、それに限定されるものではなく、皮膚表面温度の直接的な変数である冷媒の温度に基づいて特定の温度が予め設定されてよいことが当業者に明らかである。
【0340】
レーザ処置方法は、S2100にて測定された皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階S2200を備えてよい。具体的には、制御モジュール1400は、S2100にて測定された皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって冷媒条件制御ユニット1220を制御してよく、S2200にて冷媒の温度及び/又はスプレー量を決定してよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル、開/閉時間の期間を制御することによってスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御してよく、S2200にて冷媒のスプレー量を決定してよい。
【0341】
S2300にて冷媒をスプレーする段階において、S2200にて決定された冷媒の温度又はスプレー量に従って冷媒がスプレーされてよい。
【0342】
S2300にて冷媒がスプレーされたとき、S2400にてレーザ放射イベントが発生したか否かを判定する段階が開始し得る。
【0343】
レーザ放射イベントは、ユーザによってレーザ放射信号を入力することによって発生してよい。代替的に、前冷却が開始した後に予め定められた時間が経過したら、レーザ放射イベントが発生してよい。代替的に、レーザ放射イベントは、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度が、皮膚表面上に霜が残らないように設定された第1の設定温度Ts1と実質的に同じであるときに発生してよい。
【0344】
S2400にてレーザ放射イベントが発生したか否かを判定する段階で、レーザ放射イベントが発生したか否かに応じて、前冷却セクションP1が停止したか否かが判定されてよい。具体的には、S2400にて、制御モジュール1400は、S2300にて冷媒がスプレーされるときにレーザ放射イベントが発生したか否かを判定するように構成されてよい。レーザ放射イベントが発生していないとき、制御モジュール1400は、一連のステップが再度実行され得るように、S2100にて皮膚表面温度及び冷媒温度の測定が実行されるように、レーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0345】
一方で、レーザ放射イベントが発生するとき、制御モジュール1400は、前冷却が停止し、中間冷却C1が実行されるように、レーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0346】
しかしながら、ここで、制御モジュール1400は、レーザ放射イベントが発生したか否かを「判定」するように説明されているが、それに限定されるものではなく、レーザ放射イベントが発生するとき、レーザ放射信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、制御モジュール1400がレーザ放射イベントが発生したか否かを判定しなくても中間冷却C1が実行されるようにレーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0347】
【0348】
上で説明したように制御モジュール1400がS2200にて測定された温度及び予め定められた第1の設定温度Ts1を「考慮」した後、冷媒の温度又はスプレー量を「決定する段階」を主に説明した。しかしながら、これは一例にすぎず、上記実施形態によれば、制御モジュール1400は、測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第1の設定温度条件に対応するか否かを「判定」するように構成されてよい。この場合、予め定められた第1の設定温度条件は、予め定められた第1の設定温度に対して許容可能な「誤差範囲」が設定される温度範囲であってよい。代替的に、第1の設定温度条件は、皮膚表面温度が特定の期間の間特定の温度値に対して維持される条件を含む任意の好適な条件であってよい。
【0349】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度、スプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第1の設定温度条件に対応するとき、制御モジュール1400は、スプレーされる冷媒の温度又はスプレー量で冷媒がスプレーされるように、スプレーされることになる冷媒の温度又はスプレー量を決定してよい。
【0350】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第1の設定温度条件に対応しないとき、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を介して、冷媒の温度又は量を制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210を介して冷媒の量を制御してよい。
【0351】
以下、
図4及び
図7を参照しながら説明する。
図7は、本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による中間冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートS3000である。
【0352】
中間冷却は、S3010にてレーザを放射すること;S3100にて皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定すること;S3200にて冷媒の温度又は量を決定すること;S3300にて冷媒をスプレーすること;及び、S3400にてレーザ放射停止イベントが発生したか否かを判定することを含んでよい。
【0353】
S3010におけるレーザの放射は、処置ターゲットの温度がターゲットの所望の温度又はそれを超える温度であるように、レーザモジュール1100によるレーザ出力によってターゲットに熱エネルギーが印加されるように実行されてよい。ターゲットの所望の温度は、ターゲットにおいて熱アブレーションを引き起こすことができる温度を意図し得る。
【0354】
ターゲットの所望の温度は、処置タイプ及び/又はターゲット組織のタイプに応じて異なってよいが、一般に約40℃から60℃内の温度であってよい。ターゲットの所望の温度は、好ましくは約50℃から60℃内の温度であってよい。
【0355】
しかしながら、レーザによってターゲットに蓄積された熱エネルギーは、皮膚表面に伝導又は伝達され得、したがって皮膚表面温度が上昇し得る。この場合、皮膚表面温度が皮膚損傷温度又はそれを超える温度であるとき、皮膚損傷の副作用が発生し得、したがって、S3100にて皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定することを通して;後で説明されるS3200にて冷媒の温度又は量を制御すること;及びS3300にて冷媒をスプレーすることで、レーザ放射による皮膚損傷の副作用が最小限に抑えられ得る。
【0356】
上で説明したS1100は、S3100における皮膚表面温度の測定及び/又は冷媒の温度に同様に当てはまり得る。中間冷却セクションP2の特性を主に説明するとき、S3100にて、レーザ放射セクションにおけるスプレーされる冷媒の温度が測定されてよく、レーザ放射セクションの皮膚表面温度が測定されてよい。
図7に応じて、冷媒の温度及び皮膚表面温度はすべてS3100にて測定されるように示されているが、冷媒の温度を除いた皮膚表面温度のみが測定されて、後で説明されるS3200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定するときに考慮されてよい。換言すると、
図7のS3100にて、冷媒温度の測定が省略されてよい。
【0357】
上で説明したS1200は、冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階S3200に同様に当てはまり得る。したがって、以下、中間冷却セクションP2の特性を主に説明する。
【0358】
戻って
図7を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置方法は、S3100にて測定された温度及び予め定められた第2の設定温度Ts2を考慮することによってS3200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階を含んでよい。
【0359】
第2の設定温度Ts2は、中間冷却セクションP2において皮膚表面温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第2の設定温度Ts2は、中間冷却セクションP2においてスプレーされる冷媒の温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第2の設定温度Ts2は、中間冷却セクションP2においてレーザによって処置が実行されるターゲットの所望の温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。
【0360】
一実施形態において、第2の設定温度Ts2は、レーザ放射セクションの皮膚表面温度の上昇の程度、レーザ放射セクションにおけるターゲットの温度及びターゲットの所望の温度、皮膚損傷温度、及びレーザ放射セクションのレーザ干渉物質が生成されたか否かを考慮することによって設定されてよい。さらに、第2の設定温度Ts2は、ユーザによって直接設定されるか、又は、制御モジュール1400に格納されている処置情報及び温度情報を使用して、制御モジュール1400によって設定された値をユーザが選択するようにして選択されてよい。
【0361】
例えば、第2の設定温度Ts2は、レーザ放射セクションの皮膚表面温度の上昇の程度を考慮することによって設定されてよい。皮膚表面温度の上昇の程度は、出力及び波長に関係するレーザのタイプ、処置エリア、及び処置エリアの位置に応じて異なってよい。具体的には、レーザの出力が増加すると、皮膚表面温度の上昇の程度が増加し得、ターゲットのタイプ及びレーザが吸収される位置は、レーザの波長に応じて異なり得、したがって、皮膚表面温度の上昇の程度は、レーザ出力及び波長に関係するレーザタイプに応じて異なり得る。さらに、処置エリアが皮膚表面付近の位置にあれば、皮膚表面温度の上昇の程度は増加し得る。したがって、第2の設定温度Ts2は、上記変数を考慮して設定されてよい。
【0362】
例えば、第2の設定温度Ts2は、レーザ放射セクションにおいて「ターゲットの温度及び「ターゲットの所望の温度」を考慮することによって設定されてよい。具体的には、レーザ放射セクションの少なくとも一部において、処置エリア(ターゲット)の熱アブレーションのために、処置エリアの温度がターゲットの所望の温度又はそれを超える温度であるように、レーザによる熱エネルギーが処置エリアに加えられることが要求される。したがって、皮膚表面温度の第2の設定温度Ts2は、ターゲットの温度がターゲットの所望の温度に十分到達できるように設定されてよい。
【0363】
例えば、第2の設定温度Ts2は、皮膚損傷温度を考慮することによって設定されてよい。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度も、レーザによってターゲットに加えられる熱エネルギーの伝導及び伝達によって上昇し得る。この場合、皮膚表面温度が皮膚損傷温度よりも高いとき、皮膚損傷の副作用が発生し得る。したがって、皮膚損傷の副作用を最小限に抑えるために、第2の設定温度Ts2は、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように考慮された温度に設定されてよい。
【0364】
例えば、第2の設定温度Ts2は、レーザ出力中に「レーザ経路内に」レーザ干渉物質(例えば、固相の物質)が生成されたか否かを考慮することによって設定されてよい。具体的には、冷却モジュール1200から冷媒がスプレーされるとき、冷媒は、ジュール-トムソン効果により断熱的に膨張し、冷媒の温度は大幅に低下し得る。この場合、冷媒中に固相の物質もまた発生し得、周囲雰囲気中の水分が氷等の固相に瞬時に変化し得る。レーザ経路内に固相の物質が存在するとき、その物質は、レーザを散乱させ得、レーザ処置の効率を低下させ得る。したがって、第2の設定温度Ts2は、レーザ経路内での固相の比を最小限に抑えるように考慮された冷媒の温度に対応する温度として設定されてよい。
【0365】
例えば、第2の設定温度Ts2は、「皮膚表面上に」レーザ干渉物質が生成されたか否かを考慮することによって設定されてよい。具体的には、皮膚表面温度が0℃又はそれよりも低い温度に制御されるとき、皮膚表面上に霜等のレーザ干渉物質が生成され得、このレーザ干渉物質がレーザを散乱させ得、効率的なレーザ処置を妨害し得る。したがって、第2の設定温度Ts2は、レーザ干渉物質が生成されない皮膚表面温度を考慮することによって設定されてよい。第2の設定温度Ts2は、好ましくは、霜等のレーザ干渉物質が生成されない0℃よりも高い温度として設定されてよい。
【0366】
一実施形態において、第2の設定温度Ts2は、中間冷却セクションP2においても異なるように設定されてよい。例えば、中間冷却セクションP2の冒頭セクションにおいて、レーザによって加えられる熱エネルギーの総量は比較的小さいものであり得、したがって、中間冷却セクションP2の冒頭セクションにおいて、皮膚損傷温度ではなく、レーザ経路内に及び/又は皮膚表面上にレーザ干渉物質が生成されたか否かが、第2の設定温度Ts2を予めの設定するときに考慮されるべき重要な要素であり得る。一方で、中間冷却セクションP2の後方セクションにおいて、レーザによって加えられる熱エネルギーの総量は比較的大きいものであり得、したがって、皮膚損傷の可能性は比較的高くなり得る。したがって、中間冷却セクションP2の後方セクションにおいて、第2の設定温度Ts2は、皮膚損傷温度を比較的重要であると考慮することによって設定されてよい。したがって、中間冷却セクションP2においても、第2の設定温度Ts2は、状況に応じて異なるように好適に設定されてよい。
【0367】
一実施形態において、第2の設定温度Ts2は、特定の範囲の温度であってよい。具体的には、第2の設定温度Ts2は、第2の設定温度Ts2に対する許容可能な「誤差範囲」が含まれる温度範囲であってよい。第2の設定温度Ts2の誤差範囲は、レーザ放射セクションにおいても異なるように設定されてよい。例えば、レーザ処置による蓄熱の量は、レーザ放射セクションの後方セクションにおいて、レーザ放射セクションの冒頭セクションにおけるよりも大きく、皮膚損傷の可能性が比較的高く、したがって、レーザ放射セクションの後方セクションの誤差範囲は、皮膚表面温度が正確に制御されるように、レーザ放射セクションの後方セクションの誤差範囲よりも狭く予め設定されてよい。
【0368】
以上では、第2の設定温度Ts2は、皮膚表面温度に基づいて設定されるように説明されたが、それに限定されるものではなく、皮膚表面温度の直接的な変数である冷媒の温度に基づいて特定の温度を予め設定できることが当業者に明らかである。
【0369】
【0370】
戻って
図7を参照すると、レーザ処置方法は、S3100にて測定された皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって、冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階S3200を備えてよい。具体的には、制御モジュール1400は、S3100にて測定される皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって冷媒条件制御ユニット1220を制御することによって、S3200にて冷媒の温度及び/又はスプレー量を決定してよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間によってスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御することによって、S3200にて冷媒のスプレー量を決定してよい。
【0371】
S3300にて冷媒をスプレーする段階において、S3200にて決定された冷媒の温度又はスプレー量に従って冷媒がスプレーされてよい。
【0372】
S3300にて冷媒がスプレーされたとき、S3400にて、レーザ放射の停止イベントが発生したか否かを判定する段階が実行されてよい。
【0373】
レーザ放射停止イベントは、ユーザがレーザ放射信号の入力を停止したときに発生してよく、中間冷却が開始した後に予め定められた時間が経過したら、レーザ放射停止イベントが発生してよい。代替的に、レーザ放射停止イベントは、皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度が予め定められた第2の設定温度と実質的に同じであるときに発生してよい。代替的に、レーザ放射停止イベントは、ターゲットの温度がターゲットの所望の温度に到達する時間に対して予め定められた時間が経過したら発生してよい。しかしながら、レーザ放射停止イベントは、それに限定されるものではなく、任意の好適な方法で発生してよい。
【0374】
レーザ放射停止イベントが発生したか否かを判定する段階S3400で、レーザ放射停止イベントが発生したか否かに応じて、中間冷却セクションP2が停止したか否か。具体的には、S3400にて、S3300にて冷媒がスプレーされたとき、制御モジュール1400は、レーザ放射停止イベントが発生したか否かを判定してよい。
【0375】
レーザ放射停止イベントが発生していないとき、制御モジュール1400は、一連のステップを再度実行できるように、S3100にて皮膚表面温度及び冷媒温度の測定が実行されるように、レーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0376】
一方で、レーザ放射の停止イベントが発生したとき、制御モジュール1400は中間冷却を停止してよく、後冷却C2が実行されるようにレーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0377】
しかしながら、ここで、制御モジュール1400は、レーザ放射停止イベントが発生したか否かを「判定」するように説明したが、それに限定されるものではなく、レーザ放射停止イベントが発生したとき、レーザ停止信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400が、レーザ放射の停止イベントが発生したか否かを判定しなくても、レーザ処置デバイス100は、後冷却C2が実行されるように制御されてよい。
【0378】
【0379】
上で説明したように、制御モジュール1400は、S3200にて測定された温度及び予め定められた第2の設定温度Ts2を考慮して、冷媒の温度又はスプレー量を決定することを主に説明した。しかしながら、これは一例にすぎず、上記実施形態によれば、制御モジュール1400は、測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第2の設定温度条件に対応するか否かを「判定」するように構成されてよい。この場合、予め定められた第2の設定温度の「条件」は、予め定められた第2の設定温度に対して許容可能な「誤差範囲」が予め設定された温度範囲であってよい。代替的に、第2の設定温度条件は、皮膚表面温度が特定の期間の間特定の温度値に対して維持される条件を含む任意の好適な条件であってよい。
【0380】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度、スプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第2の設定温度条件に対応するとき、制御モジュール1400は、スプレーされる冷媒の温度又はスプレー量で冷媒がスプレーされるように、スプレーされることになる冷媒の温度又はスプレー量を決定してよい。
【0381】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第2の設定温度条件に対応しないとき、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を介して、冷媒の温度又は量を制御するように構成されてよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210を介して冷媒の量を制御してよい。
【0382】
【0383】
以下、
図4及び
図8を参照しながら説明する。
図8は、上記実施形態による本明細書において開示されているレーザ処置方法の後冷却及びレーザ照射方法を示すフローチャートS4000である。
【0384】
後冷却は、S4100にて皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を測定すること;S4200にて冷媒の温度又は量を決定すること;S4300にて冷媒をスプレーすること;及び、S4400にてレーザ放射が停止した後に予め設定された期間が経過したか否かを判定することを含んでよい。
【0385】
上で説明したS1100は、皮膚表面温度及び冷媒の温度を測定する段階S4100に同様に当てはまり得る。後冷却セクションP3の特性を主に説明するとき、S4100にて、レーザ放射セクションの「停止」時間後にスプレーされた冷媒の温度が測定されてよく、レーザ放射セクションの停止時間後の皮膚表面温度が測定されてよい。すなわち、S4100にて、レーザ放射が停止した後にスプレーされた冷媒の温度及び/又は皮膚表面温度が測定されてよい。
図8に応じて、冷媒の温度及び皮膚表面温度はすべてS4100にて測定されるように示されているが、冷媒の温度を除いた皮膚表面温度のみが測定されてよく、後で説明されるS4200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定するときに考慮されてよい。換言すると、
図8のS4100にて、冷媒温度の測定が省略されてよい。
【0386】
上で説明したS1200は、冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階S4200に同様に当てはまり得る。したがって、以下、後冷却セクションP3の特性を主に説明する。
【0387】
戻って
図8を参照すると、本開示の実施形態によるレーザ処置方法は、S4100にて測定された測定温度及び予め定められた第3の設定温度Ts3を考慮することによって、S4200にて冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階を備えてよい。
【0388】
第3の設定温度Ts3は、後冷却セクションP3において皮膚表面温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第3の設定温度Ts3は、後冷却セクションP3においてスプレーされる冷媒の温度を制御するように意図された所望の温度であってよい。代替的に、第3の設定温度Ts3は、後冷却セクションP3におけるレーザ処置を受けるターゲットの所望の温度を制御するように意図されたターゲット温度であってよい。
【0389】
一実施形態において、第3の設定温度Ts3は、レーザ放射セクションにおける皮膚表面温度の上昇の程度、疼痛を最低限に抑える温度、冷却による皮膚乾燥温度等を考慮することによって設定されてよい。さらに、第3の設定温度Ts3は、ユーザによって直接設定されるか、又は、制御モジュール1400に格納されている処置情報及び温度情報を使用して、制御モジュール1400によって設定された値をユーザが選択するようにして選択されてよい。
【0390】
例えば、第3の設定温度Ts3は、レーザ放射セクションの皮膚表面温度の上昇の程度を考慮することによって設定されてよい。具体的には、後冷却は、レーザ放射セクションにおけるレーザ出力によって上昇した皮膚表面温度を正常体温まで低下させるように実行されてよい。したがって、後冷却セクションP3において、レーザ放射セクションにおける皮膚表面温度の上昇の程度に応じて皮膚表面温度を考慮することによって冷媒がスプレーされてよく、上記説明を考慮して、後冷却セクションP3において制御される皮膚表面の設定温度は、第3の設定温度Ts3として設定されてよい。
【0391】
例えば、第3の設定温度Ts3は、皮膚表面又はターゲットに隣接する組織の疼痛が最小限に抑えられる温度を考慮することによって設定されてよい。具体的には、後冷却は、皮膚表面に対する損傷を最小限に抑えるように、又は疼痛を最小限に抑えるように機能し得る。したがって、後冷却セクションP3の第3の設定温度Ts3は、疼痛が最小限に抑えられる温度を考慮することによって設定されてよい。例えば、第3の設定温度は、皮膚表面又はターゲットに隣接する組織の侵害受容器の活性が減少する温度である30℃又はそれよりも低い温度として設定されてよい。代替的に、第3の設定温度Ts3は、皮膚表面又はターゲットに隣接する組織の侵害受容器の活性が減少する温度である10℃又はそれよりも低い温度(好ましくは、0℃又はそれを超え且つ10℃又はそれよりも低い温度)として設定されてよい。
【0392】
例えば、第3の設定温度Ts3は、冷却によって皮膚表面又は皮膚の組織が壊死する温度を考慮することによって設定されてよい。具体的には、例えば、皮膚表面又は皮膚が長期間0℃又はそれよりも低い温度に曝されると、凍傷によって皮膚の組織の壊死が引き起こされることがある。別の例として、皮膚表面又は皮膚が-20℃又はそれよりも低い温度に曝されると、短期間の曝露にもかかわらず、皮膚の組織の壊死が引き起こされることがある。したがって、後冷却セクションP3において、第3の設定温度Ts3は、皮膚表面又は皮膚が壊死する温度(例えば、0℃又はそれよりも低い温度)よりも高い温度として設定されてよい。
【0393】
一実施形態において、第3の設定温度Ts3は、後冷却セクションP3においても、各セクションに応じて異なるように設定されることが要求され得る。例えば、後冷却セクションP3の冒頭セクションがレーザ放射セクションの停止時間に隣接しているので、レーザ放射セクションの皮膚表面温度の上昇の程度が、後冷却セクションP3の冒頭セクションにおける第3の設定温度Ts3を予め設定するときに考慮されるべき重要な要素であり得る。一方で、後冷却セクションP3の冒頭セクションの後のセクションにおいて、疼痛を最低限に抑える温度及び皮膚壊死の温度は、第3の設定温度Ts3を設定するときに考慮されるべき比較的重要な要素であり得る。この場合、後冷却セクションP3の冒頭セクション及び後方セクションにおいて考慮されるべき要素は異なるので、第3の設定温度Ts3は、後冷却セクションP3においても異なるように設定されてよい。
【0394】
以上、第3の設定温度Ts3は、皮膚表面温度に対して設定されるように説明したが、それに限定されるものではなく、皮膚表面温度の直接的な変数である、冷媒条件制御ユニット1220によって制御される冷媒の温度に基づいて、特定の温度が設定されてよいことが当業者には明らかである。
【0395】
戻って
図8を参照すると、レーザ処置方法は、S4100にて測定された皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって、冷媒の温度又はスプレー量を決定する段階S4200を備えてよい。具体的には、制御モジュール1400は、S4100にて測定される皮膚表面温度及び/又は冷媒の温度を考慮することによって冷媒条件制御ユニット1220を制御することによって、S4200にて冷媒の温度及び/又はスプレー量を決定してよい。代替的に、制御モジュール1400は、S4200にて、流量制御ユニット1210の開/閉サイクル及び開/閉時間の期間を制御することによってスプレーユニット1230に供給される冷媒の量を制御することによって、冷媒のスプレー量を決定してよい。
【0396】
S4300にて冷媒をスプレーする段階において、S4200にて決定された冷媒の温度又はスプレー量に従って冷媒がスプレーされてよい。
【0397】
S4300にて冷媒がスプレーされるとき、レーザ放射が停止した後に予め定められた時間が経過したか否かを判定する段階S4400が実行されてよい。
【0398】
レーザ放射が停止した後に予め定められた時間が経過したか否かを判定する段階S4400において、制御モジュール1400は、レーザ放射の後に後冷却が実行される期間が予め定められた期間内であるか否かを判定してよい。
【0399】
予め定められた時間は、レーザ放射セクションにおける処置タイプ及び皮膚表面温度の上昇の程度等に応じた疼痛の程度を考慮することによって設定されてよい。予め定められた時間は、後冷却を実行できる期間を意味し得、後冷却の期間は、皮膚表面に加えられるエネルギーの量と直線関係を有してよく、したがって、レーザ放射セクションにおける処置及び皮膚表面温度の上昇の程度に応じた疼痛の程度を考慮することによって設定されてよい。
【0400】
例えば、疼痛の程度は、処置タイプ又は処置エリアに応じて異なり得、疼痛の程度が比較的高いとき、後冷却の期間、すなわち、予め定められた期間は、比較的大量の冷却エネルギーが皮膚表面に加えられるように、比較的長く設定される。一方で、疼痛の程度が比較的低いとき、後冷却の期間、すなわち、予め定められた期間は、比較的少量の冷却エネルギーが皮膚表面に加えられるように、比較的短く設定される。換言すると、予め定められた期間は、処置に応じた疼痛の程度を考慮することによって設定されてよい。
【0401】
予め定められた期間は、ユーザによって直接設定されるか、又は、制御モジュール1400に格納されている処置情報及び温度情報を使用して制御モジュール1400によって設定された値をユーザが選択するように設定されてよい。さらに、予め定められた期間は、レーザ処置が開始する前(例えば、
図5の開始ステップの前)に設定されてよい。
【0402】
後冷却が実行される期間が所定の期間内であるとき、一連のステップを再度実行できるように、皮膚表面温度及び冷媒の温度を測定する段階S4100が実行される。
【0403】
一方で、後冷却が実行される期間が予め定められた期間を過ぎると、制御モジュール1400が後冷却を停止してよい。
【0404】
しかしながら、ここで、制御モジュール1400は、レーザ放射の後で予め定められた期間が経過したか否かを「判定」するように説明されたが、それに限定されるものではなく、レーザ放射の後に予め定められた期間が経過したとき、タイムラプス信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、制御モジュールが、レーザ放射後に予め定められた期間が経過したか否かを判定しなくても、後冷却を停止するようにレーザ処置デバイス100を制御してよい。
【0405】
さらに、
図8において、後冷却は、レーザ放射が停止した後に予め定められた期間が経過したときに停止するように示されているが、これは一例にすぎない。後冷却は、ユーザによる冷媒のスプレーの入力の停止を通しても停止されてよい。
【0406】
上で説明したように、制御モジュール1400は、S4200にて測定された温度及び予め定められた第3の設定温度Ts3を考慮して、冷媒の温度又はスプレー量を決定することを主に説明した。しかしながら、これは一例にすぎず、上記実施形態によれば、制御モジュール1400は、測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第3の設定温度の「条件」に対応するか否かを判定してよい。この場合、予め定められた第3の設定温度条件は、予め定められた第3の設定温度に対して許容可能な「誤差範囲」が予め設定される温度範囲であってよい。代替的に、予め定められた第3の設定温度条件は、皮膚表面温度が特定の期間の間特定の温度値に対して維持される条件を含む任意の好適な条件であってよい。
【0407】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度、スプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第3の設定温度条件に対応するとき、制御モジュール1400は、スプレーされた冷媒の温度又はスプレー量で冷媒がスプレーされるように、スプレーされることになる冷媒の温度又はスプレー量を決定してよい。
【0408】
測定された実際の温度(例えば、皮膚表面の実際の温度及びスプレーされた冷媒の実際の温度)が予め定められた第3の設定温度条件に対応しないとき、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を介して、冷媒の温度又は量を制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210を介して冷媒の量を制御してよい。
【0409】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法によれば、前冷却セクションP1における第1の設定温度Ts1、レーザ放射セクションにおける第2の設定温度Ts2、及び後冷却セクションP3における第3の設定温度Ts3のうちの少なくとも2の設定温度が異なるように設定されてよい。具体的には、前冷却セクションP1、レーザ放射セクション、及び後冷却セクションP3において考慮されるべき要素は、異なり得る。例えば、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射セクションの皮膚表面温度の上昇度、レーザ放射セクションのレーザ干渉物質が生成されたか否かを考慮することによって設定されてよく、第2の設定温度は、レーザ放射セクションにおけるターゲットの温度及びターゲットの所望の温度、及び皮膚損傷温度等を考慮することによって設定されてよい。さらに、第3の設定温度Ts3は、疼痛を最低限に抑える温度及び冷却等による皮膚乾燥温度を考慮することによって設定されてよい。この場合、各セクションにおいて考慮されるべき要素は異なり得るので、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、及び第3の設定温度Ts3は、互いに異なるように設定されてよい。
【0410】
例えば、第1の設定温度Ts1は、第2の設定温度Ts2よりも低くてよく、第3の設定温度Ts3は、第1の設定温度Ts1及び第2の設定温度Ts2の間の温度であってよい。具体的には、第2の設定温度Ts2が、レーザ放射によって皮膚表面温度が上昇するセクションに対応し得るので、第2の設定温度Ts2は、第1の設定温度Ts1及び第3の設定温度Ts3よりも高く設定されてよい。さらに、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射の前に皮膚表面温度を可能な限り低く維持するように、第3の設定温度Ts3よりも低い温度として設定されてよい。
【0411】
例えば、第1の設定温度Ts1は、第2の設定温度Ts2よりも低くてよく、第1の設定温度Ts1は、第3の設定温度Ts3よりも高くてよい。具体的には、第2の設定温度Ts2が、レーザ放射によって皮膚表面温度が上昇するセクションに対応し得るので、第2の設定温度Ts2は、第1の設定温度Ts1及び第3の設定温度Ts3よりも高く設定されてよい。さらに、第1の設定温度Ts1は、レーザ放射中に皮膚表面上に霜が存在しない温度(0℃又はそれを超える温度)として設定されてよく、第3の設定温度Ts3は、皮膚表面温度を可能な限りすぐに正常温度に戻すために0℃よりも低い温度として設定されてよい。
【0412】
例えば、第1の設定温度Ts1は、第2の設定温度Ts2よりも低くてよく、第3の設定温度Ts3と同じであってよい。具体的には、第2の設定温度Ts2が、レーザ放射によって皮膚表面温度が上昇するセクションに対応し得るので、第2の設定温度Ts2は、第1の設定温度Ts1及び第3の設定温度Ts3よりも高く設定されてよい。さらに、第1の設定温度Ts1及び第3の設定温度Ts3は、上記説明を考慮して任意の好適な等しい温度として設定されてよい。
【0413】
例えば、レーザ放射セクションにおいて、第2の設定温度は、皮膚表面温度が第2の設定温度付近であるように設定されてよい。しかしながら、レーザ放射セクションにおいて皮膚表面に高出力エネルギーが印加されるので、皮膚表面温度が第2の設定温度に制御されない可能性がある。すなわち、実際の皮膚表面温度及び第2の設定温度の間の差が大きい可能性がある。この例において、実際の皮膚表面温度とは無関係に、第2の設定温度は、皮膚表面に対する損傷の可能性を最小限に抑えることができるように可能な限り低く設定されてよい。この場合、第2の設定温度Ts2は、第1の設定温度Ts1及び/又は第3の設定温度Ts3よりも低くてよい。
【0414】
しかしながら、上記説明は一例にすぎず、処置のタイプ及び目的を考慮して、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、及び第3の設定温度Ts3が設定されてよい。例えば、第1の設定温度Ts1、第2の設定温度Ts2、及び第3の設定温度はすべて同じ温度として設定されてよい。別の例として、処置のタイプ及び目的を考慮して、第1の設定温度Ts1及び第2の設定温度Ts2が同じに設定されてよい。別の例として、処置のタイプ及び目的を考慮して、第2の設定温度Ts2及び第3の設定温度Ts3が同じに設定されてよい。
【0415】
【0416】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法によれば、前冷却セクションP1における第1の設定温度Ts1の誤差範囲、レーザ放射セクションにおける第2の設定温度Ts2の誤差範囲、及び後冷却セクションP3における第3の設定温度Ts3の誤差範囲が設定されてよい。例えば、戻って
図4を参照すると、前冷却セクションP1において、皮膚表面温度が第1の設定温度Ts1に制御されるように設定され、皮膚表面温度が予め定められた温度範囲内に維持されるように誤差範囲R1が設定されてよい。
【0417】
この場合、誤差範囲は、上で説明した設定温度と同様にしてユーザによって直接入力されてよく、又は、制御モジュール1400において任意の好適な値として設定されてよい。
【0418】
さらに、誤差範囲は、前冷却セクションP1、中間冷却セクションP2、及び後冷却セクションP3によって異なるように設定されてよい。
【0419】
例えば、中間冷却セクションP2において、誤差範囲は、レーザのタイプ、レーザの出力、皮膚損傷温度、ターゲットの所望の温度を考慮することによって設定されてよく、レーザによって引き起こされる皮膚損傷の可能性が比較的高いので、設定温度の誤差範囲が他の冷却セクションよりも狭く設定されてよい。
【0420】
一方で、後冷却セクションP3は、レーザ出力が停止した後の冷却セクションであり、レーザ処置によって引き起こされる温度の上昇に起因した皮膚損傷の可能性は、後冷却セクションにおいては他の冷却セクションにおけるよりも低い場合があるので、後冷却セクションP3における設定温度に関連する誤差範囲は、後冷却セクションP3において、他の冷却セクションにおけるよりも広く設定されてよい。
【0421】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100によるレーザ処置方法によれば、皮膚表面の設定温度が前冷却セクションP1、レーザ放射セクション、及び後冷却セクションP3のそれぞれにおける処置状況及び温度状況を考慮して好適に設定されてよく、各処置状況及び各温度状況についてカスタマイズされた処置を実行でき、より効率的な冷却を実行できる。詳細には、前冷却セクションP1において、皮膚表面温度は、レーザ放射セクションにおける温度上昇に起因する皮膚損傷の可能性が防止されるように、レーザ放射の前に減少させてよく、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度は、皮膚損傷の可能性が最小限に抑えられるように、皮膚損傷温度又はそれよりも低い温度に制御されてよい。さらに、後冷却セクションP3において、皮膚表面温度は、処置に起因する疼痛が最小限に抑えられるように、疼痛を最小限に抑えることができる温度に制御されてよい。さらに、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度が皮膚損傷温度又はそれよりも低い温度に維持される一方で、冷媒の温度及び/又は量は、ターゲットの温度がターゲットの所望の温度に到達するように、レーザ放射に関連して制御されてよい。したがって、上記に基づいて、皮膚損傷及び疼痛の可能性を最小限に抑えるというターゲット処置の目的及び本明細書の目的を達成することが可能である。
【0422】
【0423】
レーザ照射中に皮膚温度を測定するとき、誤差が発生し得る。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面にレーザが照射されている間に検知ユニット1300が皮膚表面の温度を検出するとき、レーザの出力が著しく大きいので、検知ユニット1300による皮膚表面温度の検出は、レーザによって妨害され得る。したがって、レーザ放射セクションにおいて皮膚温度を測定するとき、測定された皮膚温度が誤差を有している場合がある。以下、
図9を参照しながら、レーザ放射セクションにおいて測定された皮膚温度の誤差を最小限に抑えるためのレーザ処置デバイスの駆動方法を説明する。
図9は、本明細書において開示されているレーザ処置方法の実施形態による、測定された皮膚表面温度を補正する方法を示すフローチャートS5000である。
【0424】
図9を参照すると、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、S5100にてレーザを放射する段階;S5200にて皮膚表面温度を測定する段階;及び、S5300にて測定された皮膚表面温度が実際の皮膚表面温度であるか否かを判定する段階を備えてよい。この場合、測定された皮膚表面温度が実際の皮膚表面温度であるとき、測定された皮膚表面温度に基づいて冷媒の温度及び/又は量を制御することによって、S5410にて温度フィードバックが実行されてよい。一方で、測定された皮膚表面温度が実際の皮膚表面温度でないと判定されたとき、S5420にて測定された皮膚表面温度の補正が実行されてよい。
【0425】
以下、S5420にて測定された皮膚表面温度を補正する方法として、誤差を補正するか又は誤差の可能性を低減させる方法が提案される。
【0426】
一実施形態において、レーザ放射時間と同時に検知ユニット1300によって測定される皮膚表面温度のデータを補正及び推測する方法を使用することによって、測定された温度の誤差に起因する温度フィードバックの精度を改善できる。具体的には、従来の処置によって蓄積される、レーザ放射によって生じる皮膚表面温度のデータを使用することによって、レーザ放射時間と同時に検知ユニット1300によって測定された皮膚表面温度のデータ及び実際の皮膚表面温度のデータの間の差が小さいように、検知ユニット1300によって測定された皮膚表面温度のデータの補正及び/又は推測が実行されてよい。例えば、従来の処置によって蓄積される、レーザ放射に起因する皮膚表面温度の変化のデータに基づいて、レーザ放射に起因する皮膚表面温度の変化の傾向を分析でき、皮膚表面温度変化の傾向に従うように、誤差の可能性が高い皮膚表面温度のデータを補正及び/又は推測できる。誤差の可能性が高い皮膚表面温度のデータを補正及び/又は推測して好適な温度データにすることによって、温度フィードバックの精度を改善できる。
【0427】
レーザ放射中に検知ユニットを使用することによって皮膚表面温度を測定するとき、レーザの影響下で、測定された皮膚表面温度及び実際の皮膚表面温度の間の差が発生し得る。
【0428】
一実施形態において、そのような誤差を低減するために、検知ユニット1300による温度測定のサイクルは、レーザ放射サイクルとの関係を考慮して設定されてよい。例えば、レーザが放射されるとき、レーザは、予め定められたサイクルで出力されてよく、この場合、検知ユニット1300による皮膚表面の温度測定のサイクルは、測定された皮膚表面温度の誤差を防止又は低減できるようにレーザ出力サイクルとは異なるように設定されてよい。
【0429】
例えば、検知ユニット1300の温度測定サイクルは、レーザ放射サイクルよりも短く設定されてよい。検知ユニット1300の温度測定サイクルがレーザ放射サイクルよりも短く設定されるとき、レーザの影響により誤差が非常に発生しやすい皮膚表面の温度の測定回数の数は、誤差が非常に発生しやすくない皮膚表面の温度の測定回数の数とは異なり、したがって、それらの間の区別は容易である。こうして、レーザの影響により誤差が非常に発生しやすい皮膚表面の測定された温度(例えば、レーザ放射時間と同時に測定された皮膚表面温度)は、データから排除されるか又は補正され、測定された温度の誤差に応じた温度フィードバックの精度を改善できる。
【0430】
ここで、検知ユニット1300の温度測定サイクルは、レーザ放射サイクルよりも短く設定されるように説明したが、それに限定されるものではない。温度測定サイクルは、レーザ放射サイクルと同じサイクル又はそれよりも長いサイクルとして設定され、レーザ放射時間と温度測定時間とが同じである時間の温度データは、測定された温度の誤差に応じた温度フィードバックの精度を改善できるように排除されるか又は補正される。
【0431】
例えば、検知ユニット1300は、皮膚表面温度を無作為に測定するように構成されてよい。具体的には、レーザが出力される時間及びサイクルとは無関係に、検知ユニット1300は、皮膚表面温度を無作為に測定するので、検知ユニット1300がレーザの出力時間と同時に皮膚表面温度を測定する確率を低減することが可能である。こうして、皮膚表面の測定された温度の誤差の可能性が減少するので、温度フィードバックの精度を改善できる。
【0432】
さらに、レーザ放射中に検知ユニットを使用することによって皮膚表面温度を測定するとき、レーザの影響下で、測定された皮膚表面温度及び実際の皮膚表面温度の間の差が発生し得る。この誤差を低減するために、所望の時間に測定された温度データのみが選択的にフィルタリングされてよい。
【0433】
例えば、検知ユニット1300は、皮膚表面温度を連続的に測定し、測定された温度データのうち、レーザ放射時間において測定される温度データは排除されてよく、レーザ放射時間以外の時間にて測定された温度データのみが選択的にフィルタリングされてよい。フィルタリングは、外部デバイスを通して実施されてもよいし、又は、制御モジュール1400において実施されてもよい。温度フィードバックの精度は、誤差の可能性が高い温度データをフィルタリングすることによって改善できる。
【0434】
レーザ放射中に検知ユニットを使用することによって皮膚表面温度を測定するとき、レーザの影響下で、測定された皮膚表面温度及び実際の皮膚表面温度の間の差が発生し得る。
【0435】
一実施形態において、レーザとの干渉に起因する検知ユニット1300による温度測定の誤差を防止するために、処置において使用されるレーザの波長のみを選択的に遮断するフィルタが使用されてよい。具体的には、皮膚表面温度を測定するための検知ユニット1300は、赤外温度検知ユニットとして構成されてよく、レーザ放射中、レーザ光又はレーザによる皮膚表面上で部分的に反射した光が赤外温度検知ユニットと干渉し得る。この場合、皮膚表面上で反射したレーザ光のレーザ波長帯又は波長帯をフィルタすることができるフィルタが、赤外温度検知ユニットに取り付けられてよい。こうして、レーザ又はレーザ反射光に起因する検知ユニット1300の温度測定誤差を最小限に抑えることが可能である。換言すると、特定の波長の光がフィルタを通過しないように検知ユニット1300にフィルタ(例えば、赤外線フィルタ)が取り付けられてよく、こうして、検知ユニット1300による温度測定において、レーザの干渉及び/又はレーザ反射光に起因する温度測定誤差を最小限に抑えることができる。
【0436】
【0437】
測定された皮膚表面の温度測定の誤差が防止される、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、レーザ放射セクションにおいて検知ユニット1300の温度測定機能が使用されなくてよい。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度の測定がレーザによって妨害される場合があり、この場合、皮膚表面温度を測定することによって温度フィードバックを実行することが効率的ではないことがある。したがって、レーザ放射セクションにおいて、検知ユニット1300の皮膚表面温度の測定が実行されなくてよい。しかしながら、レーザ放射セクションは、皮膚損傷の可能性が高いセクションであるので、以下、検知ユニット1300の温度測定が実行されなくても皮膚損傷を防止するためのさらなる方法が提案される。
【0438】
一実施形態において、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度とは無関係に、冷媒の量を固定値に設定することによって皮膚表面上にスプレーされることになる冷媒をスプレーすることが可能である。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、検知ユニット1300は、検知ユニット1300が皮膚表面温度の測定を実行しないように構成されてよい。レーザ放射セクションにおいてもレーザによる熱エネルギーからの皮膚表面に対する損傷を防止するために、冷媒の量を固定値に設定することによって皮膚表面上に冷媒がスプレーされてよい。この場合、冷媒の量の設定値は、制御モジュール1400に格納された処置情報及び温度情報に基づいて皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように考慮された値であってよい。
【0439】
一実施形態において、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、レーザ放射セクションにおいて、皮膚表面温度とは無関係に、冷媒の温度を固定値に設定することによって皮膚表面上に冷媒をスプレーすることが可能である。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、検知ユニット1300は、検知ユニット1300が皮膚表面温度を測定しないように構成される。レーザによる熱エネルギーからの皮膚表面に対する損傷を防止するために、レーザ放射セクションにおいても、スプレーされる冷媒の温度が固定値に設定されてよく、特定の温度値で冷媒が皮膚表面にスプレーされてよい。冷媒の温度は皮膚表面温度の直接的な変数であるので、皮膚表面温度が制御できるように特定の温度で冷媒がスプレーされてよい。この場合、冷媒の温度の予め設定された値は、制御モジュール1400に格納された処置情報及び温度情報に基づいて皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように考慮された値であってよい。
【0440】
一実施形態において、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、レーザ放射セクションにおいて、冷媒条件制御ユニット1220は、皮膚表面温度とは無関係に冷媒に加えられる熱エネルギーの量の値を固定することによって操作されてよい。具体的には、レーザ放射セクションにおいて、検知ユニット1300は、検知ユニット1300が皮膚表面温度を測定しないように構成されてよい。レーザ放射セクションにおいてもレーザによる熱エネルギーからの皮膚表面に対する損傷を防止するために、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒に加えられる熱エネルギーの量の値を固定してよい。このために、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流を固定することによって、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電力が固定されてよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流値、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電力値、及び冷媒に加えられる熱エネルギーの量の値のうちの少なくとも1つが、制御モジュール1400に格納された処置情報及び温度情報に基づいて、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように考慮された値であってよい。
【0441】
以上、レーザ放射セクションにおいて、検知ユニット1300が皮膚表面温度の測定を実行しないことを主に説明したが、レーザ放射セクションにおいて検知ユニット1300が皮膚表面温度を測定する間、上で説明した、冷媒条件制御ユニットによる冷媒の量の固定、冷媒条件制御ユニットによる冷媒の温度の固定、及び冷媒条件制御ユニットによる冷媒に加えられる熱エネルギーの量の固定を互いに組み合わせて用いてよく、この組み合わせを通して、皮膚表面温度をレーザ放射セクションにおいて皮膚損傷温度を超えないように制御するという本開示の目的を実現することが可能であることが、当業者には明らかである。
【0442】
【0443】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法において、検知ユニット1300によって測定される皮膚表面温度における誤差の発生を防止しながら、皮膚表面に対する損傷の可能性を最小限に抑えるために、従来の処置を通して取得された処置情報及び/又は温度情報に基づいて、レーザ放射セクションにおける皮膚表面温度及びターゲットの温度の変化が推測されてよい。具体的には、制御モジュール1400は、処置が実行される処置エリア及びレーザタイプ等の処置情報と実質的に同じ処置情報を使用して、従来の処置において取得された皮膚表面温度、ターゲットの温度、及び冷媒の温度に基づいて、レーザ放射セクションにおける温度変化を推測及び/又は予測するように構成されてよい。
【0444】
実施形態において、従来の処置のレーザ放射セクションにおいてレーザが放射される時間と同時に、冷媒の温度及び量が特定の値を有するように皮膚表面に冷媒をスプレーすることによって処置を実行するとき、制御モジュール1400は、従来の処置から取得された処置情報及び温度情報に基づいて、皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度を含む温度情報の変化及び傾向を分析してよい。この場合、制御モジュール1400は、冷媒の温度及び量、レーザタイプ、及び処置エリア、及び、これらと皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度の変化との関係等の情報を分析してよい。さらに、従来の処置と実質的に同じ処置が実行されるとき、制御モジュール1400は、皮膚表面温度及びターゲットの温度を推測及び予測してよく、冷媒のスプレーが制御されるように、冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。この場合、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達せず、ターゲットの温度がターゲットの所望の温度に到達するように、冷媒の温度及び/又は量を制御するように構成されてよい。
【0445】
一実施形態において、実行されることになる処置と実質的に同じである従来の処置の皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度に基づいて、制御モジュール1400は、スプレーされることになる冷媒の温度及び量を制御するように構成されてよい。詳細には、従来の処置のレーザ放射の開始時間の皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度、及び、そのレーザ放射の停止時間の皮膚表面温度及び/又はターゲットの温度に基づいて、制御モジュール1400は、スプレーされることになる冷媒の温度及び量を制御するように構成されてよい。この場合、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達せず、ターゲットの温度がターゲットの所望の温度に到達するように、冷媒の温度及び/又は量を制御するように構成されてよい。
【0446】
一実施形態において、1つのターゲットに複数のレーザを照射する処置が実行されよい。この場合、第1のショットによって取得された皮膚情報を使用することによって、第2のショットでスプレーされる冷媒の温度及び/又は量を制御することが可能である。これについては、後で詳細に説明する。
【0447】
一実施形態において、複数のターゲットにレーザを照射する処置が実行されてよい。この場合、第2のスポットにスプレーされる冷媒の温度及び/又は量は、第1のスポットの温度情報を使用することによって制御されてよい。これについては、後で詳細に説明する。
【0448】
【0449】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100は、レーザ処置のために患者の皮膚にレーザを出力するレーザモジュール;皮膚の温度を測定する検知ユニット;皮膚に冷媒をスプレーするノズル;冷媒の温度及びスプレー量のうちの少なくとも1つを制御する冷媒条件制御ユニット;及び、検知ユニットを介して第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つを取得した後、第1のショットのレーザ処置の後に第2のショットのレーザ処置を実行するときに、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている制御モジュールであって、第1の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度を含み、第2の皮膚情報は、少なくとも第1のショットのレーザ出力が停止したとき又はその後の皮膚温度を含む、制御モジュールを備えてよい。
【0450】
ここで、第1の皮膚情報又は第2の皮膚情報は、スキンタイプ、皮膚処置エリア、皮膚温度、及び皮膚に関連する任意の好適な情報を含む概念であるが、以下では、皮膚温度についての情報の実施形態が主に説明される。
【0451】
第1の皮膚情報は、第1のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の皮膚温度であってよく、第2の皮膚情報は、第1のショットのレーザ出力が停止したとき又は後の皮膚温度であってよい。
【0452】
第1のショットのレーザ処置の後で、第2のショットのレーザ処置を実行するとき、レーザ処置デバイス100の制御モジュール1400は、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよい。
【0453】
上記実施形態によれば、第1の皮膚情報は、レーザの出力が開始する時間と実質的に同時に検出された皮膚温度を示してよく、第2の皮膚情報は、レーザの出力が停止した時間と実質的に同時に検出された皮膚温度を示してよい。この場合、第1のショットのレーザ処置の後で第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュール1400は、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、レーザの放射セクションの少なくとも一部における冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよい。
【0454】
上記実施形態によれば、第1のショットのレーザ処置の後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュール1400は、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報の間の「差」に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよい。
【0455】
上記実施形態によれば、第1のショットのレーザ処置の後で第2のショットのレーザ処置を実行するとき、制御モジュール1400は、第2のショットのレーザ放射セクションを除いた残りの冷却セクションにおいて第2のショットで照射される皮膚表面から検出された温度に基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよい。換言すると、制御モジュール1400は、レーザ放射セクションにおける第1のショットに関連する第1の皮膚情報及び/又は第2の皮膚情報に基づいて、レーザの放射セクションの少なくとも一部における冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよく、レーザ放射セクションを除く前冷却セクションP1及び/又は後冷却セクションP3において第2のショットが照射される又は照射された皮膚表面から検出された温度に基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御するように構成されてよい。
【0456】
上記実施形態によれば、第1のショット及び第2のショットのレーザ出力は、同じターゲットに対して実行されてよい。例えば、第1のショットのレーザが第1のスポットに対して出力されるとき、第2のショットのレーザもまた第1のスポットに出力されてよい。換言すると、第1のショットのレーザ出力と第2のショットのレーザ出力とは、皮膚の実質的に同じ位置に対して実行されてよい。
【0457】
上記実施形態によれば、第1のショット及び第2のショットのレーザ出力は、異なるターゲットに対して実行されてよい。例えば、第1のショットのレーザが第1のスポットに対して出力されるとき、第2のショットのレーザが第2のスポットに出力されてよい。換言すると、第1のショットは、皮膚の第1の位置へのレーザ出力であり、第2のショットは、第1の位置とは異なる皮膚の第2の位置へのレーザ出力であってよい。
【0458】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、1つのターゲットへの複数のレーザショットを実行する段階を備えてよい。
【0459】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、複数のターゲットに1のレーザショットを実行する段階をさらに備えてよい。
【0460】
上記実施形態によれば、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、複数のターゲットにそれぞれ複数のレーザショットを実行する段階を備えてよい。
【0461】
ここで、1のレーザショットは、1のパルスを出力することを意味し得る。さらに、複数のレーザショットは、一般に複数のパルスを出力することを意味し得る。しかしながら、複数の短パルスが、非常に短い時間単位(例えば、ナノ秒時間単位)の間隔を置いて連続的に出力される場合があり得、この場合、1のレーザショットは、複数の連続的に出力されるパルスを含むこと意味し得る。
【0462】
この動作及び実施方法を通して、少なくともレーザ放射セクションの皮膚表面温度の測定誤差が防止され得、皮膚損傷の可能性が最小限に抑えられ得る。以下、上述の動作及び実施方法をより詳細に説明する。
【0463】
以下、
図10から
図12を参照しながら説明する。
図10は、第1のショットでのレーザ照射を示す図である。
図11は、第1のスポットへの第1のショットのレーザ照射の完了後に予め定められた期間が経過した後の、第1のスポットへの第2のショットのレーザ照射を示す図である。
図12は、第1のスポットに複数のレーザショットを実行するときのレーザ処置デバイスの駆動方法S6000を示すフローチャートである。
【0464】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、レーザ処置を開始したときに、S6100にて第1の皮膚情報を測定する段階;S6200にて第1のショットのレーザを放射する段階;S6300にて第2の皮膚情報を測定する段階;S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階;及び、S6500にて第2のショットのレーザ放射及び冷媒の制御された温度又は量に従って冷媒をスプレーする段階を備えてよい。
【0465】
上記実施形態によれば、S6100にて第1の皮膚情報を測定する段階において、レーザ処置を受けるターゲットの皮膚表面又は皮膚表面に隣接するエリアの皮膚情報が、検知ユニット1300によって検出されてよい。
【0466】
第1の皮膚情報は、レーザの出力が開始したとき又はその前に検出されてよい。好ましくは、第1の皮膚情報は、レーザの出力が開始する時間と実質的に同時に検出された皮膚情報であってよい。
【0467】
第1の皮膚情報は、レーザ処置を受けるターゲットの皮膚表面の温度又は皮膚表面に隣接するエリアの「皮膚温度」であってよい。例えば、第1の皮膚情報は、レーザが出力され、その熱エネルギーが皮膚表面に印加される前の、皮膚表面温度であってよい。しかしながら、第1の皮膚情報は、皮膚表面温度に限定されるものではなく、患者の皮膚タイプ及び処置エリア、及びターゲットの位置及び/又は深さを含んでよい。例えば、除毛の処置の場合、毛が位置する皮膚の特性(例えば、水分及び感度等)についての情報、及び、ターゲットの位置又は深さについての皮膚情報が測定され、この情報が第2のショットのレーザ放射中に使用されてよい。
【0468】
上記実施形態によれば、第1の皮膚情報は、レーザの出力の開始時間前の時間に検出されてよい。この場合、レーザの出力の開始時間の前の時間に、前冷却が実行されてよい。前冷却が実行されるとき、第1の皮膚情報に加え、前冷却におけるスプレーされる冷媒の温度及び/又は量についての情報が取得されてよく、後で説明される第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御するために使用されてよい。
【0469】
S6200での第1のショットのレーザ放射において、レーザモジュール1100が処置ターゲットにレーザを出力してよい。好ましくは、第1のショットのレーザの放射は、第2のショットのレーザを放射するときにスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を一緒に正確に制御するために皮膚情報を取得するように意図され得る。換言すると、第1のショットのレーザの放射は、第1のショットのレーザ放射セクションの放射開始時間及び放射停止時間に取得された皮膚情報に基づいて、第2のショットのレーザ処置中に皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように、冷媒の温度及び/又は量を制御するように意図されてよい。
【0470】
上記実施形態によれば、S6300にて第2の皮膚情報を測定する段階において、第2の皮膚情報は、第1の皮膚情報が測定された皮膚表面エリアと同じ皮膚表面エリアにおいて、検知ユニット1300によって検出されてよい。すなわち、レーザによる処置を受けるターゲットの皮膚表面又は皮膚表面に隣接するエリアについての第2の皮膚情報が測定されてよい。
【0471】
第2の皮膚情報は、レーザ出力が完了したとき又は後に検出されてよい。好ましくは、第2の皮膚情報は、レーザ出力が停止した時間と実質的に同時に検出された皮膚情報であってよい。
【0472】
第2の皮膚情報は、レーザによる処置を受けるターゲット又は皮膚表面に隣接するエリアの皮膚表面の「皮膚温度」であってよい。例えば、第2の皮膚情報は、レーザ出力が停止した後、皮膚表面に熱エネルギーが加えられた後の皮膚表面温度であってよい。しかしながら、第2の皮膚情報が皮膚表面温度に限定されるものではなく、レーザ放射セクションにおけるレーザタイプ(レーザ波長及び、出力)及びレーザ放射時間等を含んでよい。
【0473】
上記実施形態によれば、第2の皮膚情報は、レーザ出力が停止したとき又は後の時間に検出されてよい。この場合、レーザ放射セクションにおいて、レーザの出力に加えて冷媒がスプレーされてよい。すなわち、中間冷却が実行されてよい。中間冷却が実行されるとき、スプレーされる冷媒の温度及び/又は量についての情報が、中間冷却においてさらに取得されてよい。さらに、スプレーされる冷媒の温度及び/又は量に応じた皮膚表面温度の変化についての情報もまた、中間冷却において取得されてよい。冷媒の温度、冷媒の量についての情報、及び/又は中間冷却における皮膚表面温度の変化についての情報は、後で説明される第2のショットのレーザ放射の前、その間、又はその後にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御するために使用されてよい。
【0474】
第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、S6400にて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、制御モジュール1400は、検出された第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。この場合、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220を通して冷媒に加えられる熱エネルギーの量を制御することによって、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間及び/又は開/閉サイクルを制御することによって、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の量を制御してよい。
【0475】
S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御することによって、皮膚表面温度が第2のショットの放射中に皮膚損傷温度又はそれよりも低い温度に制御されてよい。したがって、皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることができる。
【0476】
例えば、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1の皮膚情報に基づいて制御されてよい。
【0477】
例えば、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1のショットのレーザ放射の開始時間における処置エリアの「皮膚表面温度」に基づいて制御されてよい。皮膚表面温度が比較的高いとき、レーザによる蓄熱による皮膚表面温度の上昇に起因して、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達する可能性が非常に高いので、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒は、比較的低い温度で又は比較的大量にスプレーされるように制御されてよい。
【0478】
一方で、皮膚表面温度が比較的低いとき、レーザによる蓄熱に起因した皮膚表面温度の上昇に起因して、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達する可能性が低いので、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒は、比較的高い温度で又は比較的少量でスプレーされるように制御され、したがって、冷媒条件制御ユニット1220の電力消費量を低減させること及び冷媒を節約することが可能である。
【0479】
例えば、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、「第2の皮膚情報」に基づいて制御されてよい。
【0480】
例えば、第1のショットのレーザ放射の停止時間と実質的に同時の処置エリアの「皮膚表面温度」に基づいて、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量が制御されてよい。皮膚表面温度が皮膚損傷温度又はそれよりも高い温度であるか又はレーザ放射の停止時間と実質的に同時の皮膚損傷温度に比較的近い温度であるとき、それは、レーザ放射に起因して皮膚損傷の可能性が高いことを意味し、したがって、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒は、比較的低い温度で又は比較的大量にスプレーされるように制御されてよい。したがって、皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることが可能である。
【0481】
一方で、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に比較的近くないとき、そのことは、レーザによる蓄熱に起因した皮膚表面温度の上昇に起因して、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達する可能性が低いので、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒は、比較的高い温度で又は比較的少量でスプレーされるように制御され、したがって、冷媒条件制御ユニット1220の電力消費量を低減させること及び冷媒を節約することが可能であることを意味する。
【0482】
例えば、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報に基づいて制御されてよい。いくつかの例において、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報の間の「差」に基づいて制御されてよい。
【0483】
例えば、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、第1のショットのレーザ放射の開始時間と実質的に同時の処置エリアの皮膚表面温度及び第1のショットのレーザ放射の停止時間と実質的に同時の処置エリアの皮膚表面温度の間に「差」に基づいて、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量が制御されてよい。すなわち、第1のショットのレーザ放射の開始時間及び停止時間における皮膚表面温度の間の差に基づいて、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量が制御されてよい。皮膚表面温度の間の差が比較的大きいとき、そのことは、開始時間における皮膚表面温度が、レーザ放射によって大幅に上昇し、皮膚損傷温度に到達する可能性が非常に高いことを意味すると解釈され得る。したがって、この場合、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒が比較的低い温度で又は比較的大量にスプレーされるように制御されてよい。したがって、皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることが可能である。
【0484】
一方で、皮膚表面温度の間の差が比較的小さいとき、そのことは、開始時間における皮膚表面温度が、レーザ放射によって少量だけ上昇し、皮膚損傷温度に到達する可能性が低いことを意味すると解釈されてよい。したがって、この場合、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒が比較的高い温度で又は比較的少量でスプレーされるように制御されてよい。したがって、冷媒条件制御ユニット1220の電力消費量を低減すること、及び、冷媒を節約することが可能である。
【0485】
S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つが、第1のショットの停止時間及び第2のショットの開始時間の間の差をさらに考慮して制御されてよい。
【0486】
例えば、第1のショットの停止時間及び第2のショットの開始時間の間の差が比較的大きいとき、第1のショットのレーザ放射によって皮膚表面に伝達される熱エネルギーは、周辺組織に分散する可能性が非常に高い。一方で、第1のショットの停止時間及び第2のショットの開始時間の間の差が比較的小さいとき、第1のショットのレーザ放射に起因して皮膚表面に残る熱エネルギーが比較的高くなり得、第2のショットのレーザ放射に起因して、皮膚表面に追加の熱エネルギーが蓄積され得、したがって、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に比較的より到達しやすい場合がある。したがって、時間差が比較的小さいとき、第2のショットのレーザ放射中にスプレーされることになる冷媒は、比較的低い温度で又は比較的大量にスプレーされるように制御されてよい。
【0487】
S6500にて第2のショットのレーザ放射及び冷媒の制御された温度又は量に従って冷媒をスプレーする段階において、S6400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において制御される冷媒の温度及び/又は量に従って、処置エリアに冷媒がスプレーされてよい。この場合、冷媒のスプレーは、第2のショットのレーザ放射セクションの少なくとも一部において実行されてよい。すなわち、冷媒の制御された温度又は量に従って冷媒がスプレーされるので、中間冷却は、第2のショットのレーザ放射中に実行されてよい。さらに、この冷却を通して、第2のショットのレーザ放射セクションにおける皮膚表面温度は、皮膚損傷温度に到達しないように制御されてよい。
【0488】
しかしながら、冷媒の制御は、中間冷却に限定されるものではなく、冷媒の制御された温度又は量に従って、第2のショットのレーザ放射の前の「前冷却」及び/又は第2のショットのレーザ放射の後の「後冷却」が実行されてよく、したがって、皮膚損傷及び疼痛の可能性を最小限に抑えるという本開示の目的を達成することが可能である。換言すると、以上では、冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つが第1のショットの第1の皮膚情報及び/又は第2の皮膚情報に基づいて制御される中間冷却を主に説明したが、冷媒の制御は中間冷却に限定されるものではなく、スプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つが、第1のショットの第1の皮膚情報及び/又は第2の皮膚情報に基づいて第2のショットの前冷却及び/又は後冷却において制御されてよい。
【0489】
以上、複数のレーザショットを1つのターゲットに対して実行する処置を説明したが、上記説明は1つのターゲットに対して複数のレーザショットを実行することに限定されるものではなく、同じ又は同様の方法で複数のターゲットにレーザを照射することへとさらに推論及び適用されてよく、これについては後で説明する。以下、複数のターゲットに対するレーザ処置の特性を主に説明する。
【0490】
以下、
図13及び
図15を参照しながら説明する。
図13は、レーザでの第1のスポットの照射を示す図である。
図14は、レーザでの第1のスポットの照射の後に予め定められた期間が経過した後の、レーザでの第2のスポットの照射を示す図である。
図15は、複数のスポットにレーザを照射するときのレーザ処置デバイスの駆動方法S7000を示すフローチャートである。
【0491】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法は、S7100にてレーザ処置が開始した後に第1のスポットの第1の皮膚情報を測定する段階;S7200にて第1のスポットにレーザを照射する段階;S7300にて第1のスポットの第2の皮膚情報を測定する段階;S7400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階;及び、S7500にて第2のスポットへのレーザ照射及び冷媒の制御された温度又は量に従って冷媒をスプレーする段階を備えてよい。
【0492】
上記実施形態によれば、S610にて第1のスポットの第1の皮膚情報を測定する段階において、レーザによる処置を受ける第1のスポットの皮膚表面又は皮膚表面に隣接するエリアの皮膚情報が、検知ユニット1300によって検出されてよい。第1のスポットは、後で説明する第2のスポットとは異なるスポットであってよい。しかしながら、第1のスポット及び第2のスポットは、好ましくは、隣接するエリアにおける同じ又は同様の機能を果たす生体内の組織であってよい。
【0493】
第1の皮膚情報は、「第1のスポット」へのレーザ出力が開始したとき又はその前に検出されてよい。
【0494】
さらに、第1の皮膚情報は、「第1のスポット」の皮膚表面又は皮膚表面に隣接するエリアの皮膚温度であってよい。しかしながら、第1の皮膚情報は、それに限定されるものではなく、患者のスキンタイプ、処置エリア、及びターゲットの位置を含んでよい。
【0495】
S7200にて第1のスポットにレーザを照射する段階において、レーザモジュール1100は、処置を受ける第1のスポットにレーザを出力してよい。好ましくは、レーザでの第1のスポットの照射は、第2のスポットにレーザを照射するときにスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量を好適に制御するための皮膚情報を取得するように意図されてよい。換言すると、「第1のスポット」のレーザ放射セクションの開始時間及び停止時間における皮膚情報が取得されてよく、第1のスポットとは異なるスポットである第2のスポットのレーザ処置中に皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように、この皮膚情報に基づいて冷媒の温度及び/又は量を制御するように意図されてよい。
【0496】
上記実施形態によれば、S7300にて第1のスポットの第2の皮膚情報を測定する段階において、第2の皮膚情報は、第1の皮膚情報が測定された皮膚表面エリアと同じ皮膚表面エリアにおいて、検知ユニット1300によって検出されてよい。すなわち、第2の皮膚情報は、第1のスポットにおいて測定されてよい。
【0497】
第2の皮膚情報は、「第1のスポット」へのレーザ出力が停止したとき又は後に検出されてよい。
【0498】
さらに、第2の皮膚情報は、「第1のスポット」の皮膚表面又は皮膚表面に隣接するエリアの「皮膚表面温度」であってよい。しかしながら、第2の皮膚情報が皮膚表面温度に限定されるものではなく、レーザ放射セクションにおけるレーザタイプ(レーザ波長及び、出力)及びレーザ放射時間等を含んでよい。
【0499】
S7400にて第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御する段階において、レーザでの第2のスポットの照射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つが、第1のスポットから検出された第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて制御されてよい。この場合、第2のスポットへのレーザ照射中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御することによって第2のスポットにレーザが照射されるとき、第2のスポットの皮膚表面温度は、皮膚損傷温度に到達しないように制御されてよい。こうして、第2のスポットの皮膚損傷の可能性を最小限に抑えることが可能である。
【0500】
S6500にて第2のスポットへのレーザ照射及び制御された温度又は冷媒の量に応じて冷媒をスプレーする段階において、第1のスポットから検出された第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいた冷媒の制御された温度及び/又は量に従って、第2のスポットに冷媒がスプレーされてよい。この場合、第2のスポットにスプレーされる冷媒は、第2のスポットにレーザが照射される前にスプレーされてよい。代替的に、第2のスポットにレーザが照射されている間、第2のスポットに冷媒がスプレーされてよい。代替的に、第2のスポットにレーザが照射された後、第2のスポットに冷媒がスプレーされてよい。
【0501】
上述の実施形態は、第1のスポット及び第2のスポットの処置環境、処置タイプ、又は処置方法が同じ又は同様であるときに当てはまり得る。
【0502】
しかしながら、第1のスポット及び第2のスポットの処置環境、処置タイプ、又は処置方法が異なるときでも、第2のスポットにスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つが、第1のスポット及び第2のスポットの処置環境、処置タイプ、又は処置方法の間の差をさらに考慮して、第1のスポットの第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて制御されてよい。
【0503】
例えば、
図15には示されていないが、第1のショットのレーザ処置の後に第2のショットのレーザ処置を実行するとき、第2のスポットの第3の皮膚情報が、検知ユニット1300によって測定されてよい。
【0504】
第3の皮膚情報は、少なくとも第2のショットのレーザ出力が開始したとき又はその前の第2のスポットの皮膚情報であってよい。さらに、第3の皮膚情報は、第2のショットのレーザによる処置を受けるターゲット又は皮膚表面に隣接するエリアの皮膚表面の「皮膚温度」であってよい。例えば、第3の皮膚情報は、第2のショットのレーザを出力することによって第2のスポットに対応する皮膚表面に熱エネルギーが印加される前の皮膚表面温度であってよい。しかしながら、第3の皮膚情報は、皮膚表面温度に限定されるものではなく、患者のスキンタイプ、処置エリア、及びターゲットの位置及び/又は深さ等を含んでもよい。例えば、除毛のための処置が実行されるとき、毛が位置する皮膚の特性(例えば、水分及び感度等)についての情報及びターゲットの位置又は深さについての皮膚情報が測定され、第2のショットのレーザ照射中に冷媒の特性を制御するための根拠として使用されてよい。
【0505】
一実施形態において、制御モジュール1400は、検知ユニット1300を通して取得された第1のショットに関連する第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報及び第2のショットに関連する第3の皮膚情報の中の少なくとも1つに基づいて、第2のショットのレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度及び量のうちの少なくとも1つを制御してよい。
【0506】
例えば、制御モジュール1400は、第1のショットに関連する第1の皮膚情報及び第2のショットに関連する第3の皮膚情報の間の差に基づいて第2のショットのレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度又は量を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも高いとき、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも低いときよりも、第2のスポットにスプレーされることになる冷媒の温度を比較的高くなるように制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも低いとき、第1の皮膚情報に含まれる皮膚温度が第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度よりも高いときよりも、第2のスポットにスプレーされることになる冷媒の量を比較的小さくなるように制御してよい。
【0507】
例えば、制御モジュール1400は、第1のショットに関連する第2の皮膚情報及び第2のショットに関連する第3の皮膚情報の間の差に基づいて第2のショットのレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度又は量を制御してよい。例えば、制御モジュール1400は、第2の皮膚情報に含まれる皮膚温度及び第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度の間の差が第1の差よりも大きい第2の差である場合、第2の皮膚情報に含まれる皮膚温度及び第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度の間の差が第1の差である場合よりも、第2のスポットにスプレーされることになる冷媒の温度を比較的高くなるように制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、第2の皮膚情報に含まれる皮膚温度及び第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度の間の差が第1の差よりも大きい第2の差である場合、第2の皮膚情報に含まれる皮膚温度及び第3の皮膚情報に含まれる皮膚温度の間の差が第1の差である場合よりも、第2のスポットにスプレーされることになる冷媒の量を比較的小さくなるように制御してよい。
【0508】
図10から
図12を参照すると、複数のレーザショットを1つのスポットに出力する方法として、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100が操作され得る。さらに、
図13から15を参照すると、レーザショットを複数のスポットのそれぞれに出力する方法として、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100が操作されてよい。しかしながら、これは限定ではなく、複数のレーザショットを1つのスポットに出力する方法の任意の原理及び利点及び1つのレーザショットを複数のスポットのそれぞれに出力する方法の任意の原理及び利点が互いに組み合されてよい。
【0509】
例えば、第1のスポットを第1のショットで照射することによって処置が実行されるとき、第1のスポットに対する第2のショットの処置中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1のショットのための第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて制御されてよい。さらに、第2のスポットに対するレーザ処置中にスプレーされることになる冷媒の温度及び/又は量は、第1のショットのための第1の皮膚情報及び第2の皮膚情報のうちの少なくとも1つに基づいて制御されてよい。
【0510】
すなわち、複数のレーザショットを1つのスポットに出力する方法と、1つのレーザショットを複数のスポットのそれぞれに出力する方法とが互い組み合わされてよい。
【0511】
以下、本明細書の実施形態による冷却システムを有するレーザ処置デバイス100を使用することによって冷却中にレーザを放射する方法を、
図16を参照しながら説明する。
【0512】
図16は、本開示の実施形態による、冷却中にレーザを放射する方法S8000を示すフローチャートである。
【0513】
図16を参照すると、レーザ処置において、冷却中に皮膚表面にレーザを放射する方法S8000は、S8100にて第1のトリガ信号を受信する段階;S8200にて冷却機能を実行する段階;S8300にて第2のトリガ信号を受信する段階;S8400にてレーザ放射条件が満されたか否かを判定する段階;S8500にて通知を与える段階;及び、S8600にてレーザを放射する段階を備えてよい。
【0514】
以下、各ステップをより詳細に説明する。
【0515】
レーザ処置デバイス100は、S8100にてユーザから第1のトリガ信号を受信してよい。ここで、第1のトリガ信号は、レーザ処置の開始を命令するトリガ信号及び/又はレーザ処置の前の冷却を命令するトリガ信号を含んでよい。この場合、レーザ処置デバイス100は、第1のトリガ信号を受信するための第1のトリガボタン(又は第1のトリガ)を含んでよい。
【0516】
第1のトリガ信号を受信したとき、レーザ処置デバイス100は、S8200にて皮膚表面が冷却されるように冷却モジュールを操作してよい。例えば、冷却モジュールは、皮膚表面温度を連続的に測定してよく、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度Ts1であるように、皮膚表面に冷媒を周期的に又は連続的にスプレーすることによって、皮膚表面を冷却させてよい。別の例として、冷却モジュールは、皮膚表面温度が予め定められた第1の設定温度Ts1に対して予め設定された温度範囲内であるように皮膚表面を冷却してよい。また別の例として、冷却モジュールは、皮膚表面温度が異なる設定温度範囲内で経時的に変化するように、皮膚表面を冷却してよい。この場合、レーザ処置デバイス100は、冷却モジュールを操作するときに検知ユニットから取得された皮膚温度情報を使用してよい。
【0517】
レーザ処置デバイス100は、S8300にてユーザから第2のトリガ信号を受信してよい。第2のトリガ信号は、皮膚表面へのレーザ照射を命令する信号を含んでよい。この場合、レーザ処置デバイス10は、第2のトリガ信号を受信するための第2のトリガボタン(又は第2のトリガ)を含んでよい。一方、第2のトリガ信号を受け取る段階S8300は、省略されてもよく、又は、レーザ放射条件が満たされているか否かを判定する段階S8400の後に実行されてもよく、これについては後で説明する。S8300にて第2のトリガ信号を受信する段階を通して、ユーザは、所望の時間に皮膚表面にレーザを放射してよい。
【0518】
第1のトリガ信号又は第2のトリガ信号を受信したとき、レーザ処置デバイス100は、S8400にてレーザ放射条件が満たされているか否かを判定してよい。ここで、レーザ放射条件は、皮膚表面温度が設定温度範囲に含まれる条件、皮膚表面温度が予め定められた期間の間設定温度範囲に維持される条件、及び冷媒が皮膚表面にスプレーされ始めた後に予め定められた期間が経過した条件のうちの少なくとも1つを含んでよい。当然ながら、本明細書において説明した皮膚表面温度のデータは、上述の条件が満たされているか否かを判定するために使用されてよい。
【0519】
レーザ放射条件が満たされていないとき、レーザ処置デバイス100は、S8500にて通知を与えてよく、S8200にて皮膚表面の冷却機能を実行してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、通知モジュールを備えてよく、通知モジュールを通してユーザにレーザ放射条件が満たされていないことを通知する通知を与えてよい。通知は、視覚通知、聴覚通知、及び触覚通知等の様々な方法で実行されてよい。一方、レーザ放射条件が満たされているときでも、レーザ処置デバイス100は、レーザ放射条件が満たされていることを通知する通知をユーザに与えてよい。
【0520】
レーザ放射条件が満たされているとき、レーザ処置デバイス100は、S8600にて皮膚表面にレーザを放射してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、レーザ放射条件が満たされている時間から予め定められた期間内でレーザモジュールを動作させてよく、皮膚表面にレーザを放射してよい。一方で、レーザ放射条件が満たされているとき、レーザ処置デバイス100は、ユーザに通知を与えてよく、ユーザから第2のトリガ信号を受信したとき、皮膚表面にレーザを放射してよい。
【0521】
皮膚表面の冷却が実行されるとき、S8000にてレーザを放射する方法は、上述のステップのうちの少なくとも1つを省略してよい。例えば、S8400にてレーザ放射条件が満たされているか否かを判定する段階と、S8500にて通知を与える段階とが省略されてよい。具体的には、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面を冷却しながら、第2のトリガ信号を受信したときに、レーザを放射してよい。代替的に、レーザ処置デバイス100は、第1のトリガ信号を受信したときに皮膚表面を冷却してよく、予め定められた期間が経過したか又は皮膚表面が特定の温度条件を満たしたときにレーザを放射してよい。
【0522】
さらに、
図16に示されていないが、本明細書の他の部分において説明するように、皮膚表面にレーザが照射される間も、皮膚表面が冷却されてよく、レーザ照射の後も、皮膚表面が冷却されてよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、皮膚にレーザが照射されている間、皮膚表面温度が第2の設定温度Ts2であるように、スプレーされる冷媒を制御してよく、レーザ照射の後に皮膚表面温度が第3の設定温度であるようにスプレーされる冷媒を制御してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射が開始したときに冷媒のスプレーを停止してよい。また別の例として、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射が開始したときに冷媒のスプレーを停止してよく、レーザ照射が停止したときに冷媒のスプレーを再開してよく、皮膚表面温度が第1の設定温度Ts1と同じであるか又は別の第3の設定温度であるように冷媒を制御してよい。
【0523】
上で説明したように、皮膚表面が連続的に又は周期的に冷却されている間に予め定められた条件が満たされているときに、皮膚表面にレーザが照射されるので、より安全であるとともにレーザ照射に起因した疼痛を低減させるレーザ処置を実行できる。
【0524】
【0525】
一方で、冷却中にレーザを放射する方法S8000の効果をさらに改善するために、複数の冷却モジュールが使用されてよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、スプレーセクションにおいて冷媒を連続的にスプレーするメイン冷却モジュール、及び、レーザ放射時間に基づいて予め設定されたセクションセットにおいて冷媒をスプレーする補助冷却モジュールを備えてよい。ここで、皮膚表面に冷媒をスプレーするように補助冷却モジュールが操作された後、レーザモジュールがレーザを放射するように操作される。
【0526】
ここで、メイン冷却モジュール及び補助冷却モジュールのそれぞれは、本明細書において説明した冷却モジュールと同様であると理解され得、それと共通のいくつかの構成要素を有するように構成されてよい。さらに、メイン冷却モジュール及び補助冷却モジュールは、異なる設定温度を使用することによって皮膚表面にスプレーされる冷媒を制御してよい。
【0527】
さらに、ここで、メイン冷却モジュール及び補助冷却モジュールは、上で説明したトリガ信号に基づいて動作してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、第1のトリガ信号を受信したときにメイン冷却モジュールを操作してよく、第2のトリガ信号を受信したときに補助冷却モジュールを操作してよい。
【0528】
したがって、レーザ処置デバイス100は、スプレーセクションにおいて冷却を連続的に実行するメイン冷却モジュール、及び、スプレーセクションにおいて冷却を一時的に実行する補助冷却モジュールを備えてよく、したがって、レーザ処置デバイス100は、皮膚の上を移動しながらレーザを連続的に放射し得、それにより皮膚表面をより迅速に冷却できる。
【0529】
【0530】
以下、皮膚へのレーザ照射と干渉する干渉物質20の形成を防止する方法を、
図17から
図22を参照しながら説明する。
【0531】
上で説明したように、レーザ処置において、皮膚へのレーザ照射の前に冷却が実行されるので、レーザ照射と干渉するか又はレーザの少なくとも一部を遮断する干渉物質20(又は遮断物質及び反射物質)が発生し得る。例えば、冷却によって皮膚表面温度が低下し、皮膚表面に霜が生成されて、皮膚表面に照射されるレーザを散乱又は反射させ、したがってレーザの少なくとも一部を遮断する場合がある。別の例として、皮膚表面にスプレーされる冷媒の温度が低下するにつれて、冷媒の少なくとも一部がレーザ放射経路内で凍結し、したがって放射されたレーザを散乱又は反射させる場合がある。したがって、この干渉物質20の形成を防止するか又は生成された干渉物質20を除去するために、皮膚表面又は冷媒の温度を制御することによってより効果的なレーザ処置を促進する必要がある。
【0532】
【0533】
図17は、本明細書の実施形態による、皮膚が冷却されるときに皮膚表面に干渉物質20が生成される状態を示す図である。
【0534】
図18は、本明細書の実施形態による、冷却が実行されるときに干渉物質20の形成を防止する方法を示す図である。
【0535】
図19は、本明細書の実施形態による霜防止セクションP_frostを含むスプレーセクションにおいて皮膚表面の冷却を実行する方法を示す図である。
【0536】
図17を参照すると、干渉物質20が皮膚表面に形成され得る。例えば、空気中の水分又は皮膚に含まれる水分又はガス状物質が、皮膚が冷却されると凝結し得、したがって、干渉物質20が形成される場合がある。別の例として、皮膚表面を冷却するためにスプレーされた冷媒が凝結するとき、皮膚表面に干渉物質20が形成される場合がある。この干渉物質20は、ユーザの視界を遮るか、又は、皮膚10のレーザ処置において皮膚10を照射するレーザを反射又は散乱させ、結果として、レーザ処置の効果を減少させる場合がある。以下、説明の便宜上、干渉物質20が霜である場合を主に説明するが、本明細書の技術的発想はそれに限定されるものではなく、冷却によって皮膚表面に形成され、ユーザの視界を妨げるとともにレーザを散乱又は反射する任意の物質にも同様に当てはまり得る。
【0537】
図18を参照すると、霜の形成を防止する方法S9000は、S9100にて第1の設定温度に基づいて冷媒のスプレーを制御する段階;S9200にて霜臨界温度に基づいて冷媒のスプレーを制御する段階;S9300にてレーザを放射する段階;及び、S9400にて第2の設定温度に基づいて冷媒のスプレーを制御する段階を備えてよい。
【0538】
以下、各ステップを詳細に説明する。
【0539】
レーザ処置デバイス100は、S9100にて第1の設定温度に基づいて冷媒のスプレーを制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、レーザ処置がレーザで実行されることが意図されるターゲットを照射する前に、前冷却セクションP1において冷媒をスプレーすることによって、皮膚表面温度を低下させてよい。ここで、冷却を実行するためのレーザ処置デバイス100において予め設定された温度は、本明細書の他の部分において説明した第1の設定温度Ts1を含んでよい。この場合、予め定められた第1の設定温度Ts1は、後で説明する霜臨界温度Th1よりも低いか又はそれと同じであってよい。
【0540】
レーザ処置デバイス100は、S9200にて霜臨界温度に基づいて冷媒のスプレーを制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、ターゲット又は皮膚表面にレーザを照射する前に霜臨界温度Th1に基づいて冷媒のスプレーを制御してよい。ここで、後で説明するように、霜臨界温度Th1は、霜が形成されない温度を意味し得る。したがって、ターゲット又は皮膚表面にレーザが照射される前の霜の形成を防止することが可能である。
【0541】
レーザ処置デバイス100は、S9300にてターゲット又は皮膚表面にレーザを放射してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、霜臨界温度Th1に基づいて冷媒を制御することによって皮膚表面を冷却してよく、その後、皮膚表面にレーザを放射してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることによって、ターゲット又は皮膚表面にレーザを放射してよい。ここで、レーザ処置デバイス100は、レーザを出力する前に、皮膚表面に霜が形成されたか否かを判定してよい。具体的には、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面温度を測定することによって霜が形成されたか否かを判定してよい。代替的に、レーザ処置デバイス100は、冷媒が霜臨界温度Th1に基づいて制御された期間が予め定められた期間又はそれを超える期間であるときに霜が形成されていないと判定してよい。代替的に、レーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることによって霜が形成されたか否かを判定してよい。霜が形成されたか否かの判定は、必ずしも実行されなくてよい。
【0542】
レーザ処置デバイス100は、S9400にて第2の設定温度Ts2に基づいて冷媒のスプレーを制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、ターゲット又は皮膚表面にレーザが照射される中間冷却セクションP2において、それに冷媒をスプレーすることによって、レーザによって上昇した皮膚表面温度を低下させてよい。ここで、冷却を実行するためのレーザ処置デバイス100において設定された温度は、本明細書の他の部分において説明した第2の設定温度Ts2を含んでよい。この場合、第2の設定温度Ts2は、霜臨界温度Th1よりも高いか又はそれ同じであってよい。
【0543】
一方で、S9400にて第2の設定温度Ts2に基づいて冷媒のスプレーを制御する段階は、省略されてよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、中間冷却セクションP2において冷媒のスプレーを禁止してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、中間冷却セクションP2において冷媒のスプレーを禁止してよく、レーザ照射が停止した後に皮膚に冷媒をスプレーしてよい。
【0544】
示されていないが、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射後の後冷却セクションP3においても、冷媒のスプレーを制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、ターゲット又は皮膚表面へのレーザ照射の後で、第3の設定温度Ts3に基づいてターゲット又は皮膚表面の冷却を実行してよく、レーザ照射によってターゲット又は皮膚表面に残った熱の一部を除去してよい。ここで、後冷却セクションP3に設定された第3の設定温度Ts3は、霜臨界温度Th1とは無関係に設定されてよい。代替的に、第3の設定温度Ts3は、第2の設定温度Ts2よりも低く、霜臨界温度Th1よりも高く設定されてもよいし、又は、霜臨界温度Th1よりも低く設定されてもよい。
【0545】
図19を参照すると、レーザ照射の前に霜の形成を防止するか又は霜を除去するために、レーザ処置デバイス100は、霜臨界温度Th1までの皮膚表面の冷却を実行してよく、したがって、皮膚表面温度が制御されてよい。
【0546】
例えば、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射の前の霜防止セクションP_frostにおいて、霜臨界温度Th1に基づいて冷却を実行してよい。
【0547】
ここで、霜防止セクションP_frostは、前冷却セクションP1及び中間冷却セクションP2の間に配置されるか、又は、中間冷却セクションP2の前に配置されることによって前冷却セクションP1に含まれてもよい。代替的に、霜防止セクションP_frostは、前冷却セクションP1の少なくとも一部及び中間冷却セクションP2の少なくとも一部を含んでよい。
【0548】
さらに、ここで、霜防止セクションP_frostは、冷却効率を高めるために十分短く予め設定されるか、又は、霜防止効率を高めるために十分に長く予め設定されてよい。例えば、霜防止セクションの長さP_frost lengthは、0から10秒の範囲で選択されてよい。代替的に、霜防止セクションP_frostの長さは、前冷却セクションP1の0から20%内で予め設定されてよい。一方で、霜防止セクションP_frostの長さは、スプレーされる冷媒の温度又は量を考慮して設定されてよい。さらに、ここで、霜臨界温度Th1は、霜又は氷等の干渉物質20が形成されない温度を含んでよい。例えば、霜臨界温度Th1は、霜が形成される霜形成温度T_frost又はそれを超える温度として設定されてよい。具体的には、霜臨界温度Th1は、0℃を上回るように設定することができる。別の例として、霜臨界温度Th1は、皮膚10又は皮膚の周囲の湿度を考慮して設定されてよい。具体的には、霜臨界温度Th1は、皮膚の周囲の湿度が比較的高いとき、皮膚の周囲の湿度が比較的低いときよりも高く設定されてよい。一方で、霜臨界温度Th1は、皮膚表面に対する冷却の開始時間における冷却に基づく第1の設定温度Ts1よりも高く設定されてよい。
【0549】
図20は、本明細書の実施形態による、皮膚10が照射されるレーザの経路内に干渉物質20が生成される状態を示す図である。
【0550】
図21は、本明細書の実施形態による、冷却中のレーザの経路内での干渉物質20の形成を防止する方法を示す図である。
【0551】
図22は、本明細書の実施形態による干渉物質20の形成を防止するための、冷媒の温度を制御する方法を示す図である。
【0552】
図20を参照すると、干渉物質20は、皮膚10を照射するレーザの経路内に形成され得る。例えば、干渉物質20は、冷媒のスプレー経路内に形成され得、干渉物質20は、冷媒のスプレー経路がレーザ放射経路と重なる部分に形成され得る。ここで、干渉物質20は、冷媒の温度が特定の温度又はそれよりも低い温度に低下したときに又は冷媒の圧力が増加したときに形成され得る。具体的には、干渉物質20は、皮膚10に気体又は液体冷媒がスプレーされる間に、気体又は液体冷媒の少なくとも一部が断熱膨張により固体状態に変化したときに形成され得る。
【0553】
したがって、レーザ放射経路内に形成された干渉物質20は、レーザの少なくとも一部を散乱又は反射し得、それにより、十分な熱エネルギーがターゲットエリアに加えられない場合があり、したがって、レーザ処置の効率が減少し得る。
【0554】
以下、説明の便宜上、レーザ放射経路内に形成された干渉物質20がドライアイスである場合を主に説明したが、本明細書の技術的発想が、それに限定されるものではなく、冷却によってレーザ放射経路内に形成され、レーザを散乱又は反射する任意の物質にも同様当てはまり得る。
【0555】
図21を参照すると、ドライアイスの形成を防止する方法S10000は、S10100にてドライアイス形成温度T_iceに基づいて第1の温度T1及び第2の温度T2を設定する段階;S10200にて第1の温度T1に基づいて冷媒温度を制御する段階;レーザS10300にて放射する段階;及び、S10400にて第2の温度T2に基づいて冷媒温度を制御する段階を備えてよい。
【0556】
ここで、冷媒温度は、レーザ処置デバイスから冷媒がスプレーされる前の冷媒の温度、又はレーザ処置デバイス100からスプレーされる冷媒の温度を意味し得る。さらに、冷媒温度は、レーザ処置デバイスが備える検知ユニットによって測定されてもよいし、又は、別個の検知ユニットによって測定されてもよい。
【0557】
以下、各ステップを詳細に説明する。
【0558】
レーザ処置デバイス100は、S10100にてドライアイス形成温度に基づいて第1の温度T1及び第2の温度T2を予め設定してよい。例えば、レーザ処置デバイス100の制御モジュールは、冷媒温度が皮膚表面の冷却中制御される温度として第1の温度T1及び第2の温度T2を設定してよい。別の例として、冷却を実行するために使用される冷媒温度情報としての第1の温度T1及び第2の温度T2は、レーザ処置デバイス100のメモリに格納されており、制御モジュールは、第1の温度T1及び第2の温度T2を使用することによって冷却中に冷媒温度を制御してよい。別の例として、第1の温度T1及び第2の温度T2は、ユーザの入力に基づいて設定されてよい。ここで、第1の温度T1及び第2の温度T2は、後で説明するドライアイス形成温度に基づいて設定されてよい。具体的には、第1の温度T1は、ドライアイス形成温度よりも低く設定されてよく、第2の温度T2は、ドライアイス形成温度よりも高く設定されてよい。このステップは、皮膚表面の冷却が実行される前又はその間に実行又は省略されてよい。
【0559】
レーザ処置デバイス100は、S10200にて第1の温度T1に基づいて冷媒温度を制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射の前に、第1の温度T1に基づいて、冷媒に熱エネルギーを供給してよい。具体的には、レーザ処置デバイス100は、冷却中の冷媒温度を測定してよく、冷媒温度が第1の温度T1付近に制御されるように流量制御ユニット及び冷媒条件制御ユニットのうちの少なくとも1つを制御してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、第1の温度T1を考慮して予め設定された予め定められた第1の設定温度を使用することによって皮膚表面を冷却してよい。
【0560】
レーザ処置デバイス100は、S10300にてターゲット又は皮膚表面にレーザを放射してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面を冷却するために皮膚表面に冷媒をスプレーしてよく、これは第1の温度T1に基づいて制御され、予め定められた時間が経過したときに皮膚表面にレーザを放射してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることによって、ターゲット又は皮膚表面にレーザを放射してよい。別の例として、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面温度又は冷媒温度が設定温度であるか又はそれよりも高いときに、レーザを放射してよい。ここで、レーザ処置デバイス100は、レーザを出力する前にレーザ放射経路内にドライアイスが形成されたか否かを判定してよい。具体的には、レーザ処置デバイス100は、冷媒の温度を測定することによってドライアイスが形成されたか否かを判定してよい。代替的に、レーザ処置デバイス100は、ユーザの入力を受け取ることによってドライアイスが形成されたか否かを判定してよい。ドライアイスが形成されたか否かの判定は、必ずしも実行されなくてよい。
【0561】
レーザ処置デバイス100は、S10400にて第2の温度T2に基づいて冷媒温度を制御してよい。例えば、皮膚にレーザを照射するときに、レーザ処置デバイス100は、第2の温度T2に基づいて皮膚表面に対して温度が制御された冷媒をスプレーすることによって、皮膚表面を冷却してよい。別の例として、皮膚にレーザを照射する間、レーザ処置デバイス100は、皮膚表面を第2の温度T2に対応する第2の設定温度Ts2に冷却してよい。
【0562】
示されていないが、レーザ処置デバイス100は、レーザ照射後の後冷却セクションP3においても冷媒温度を制御してよい。例えば、レーザ処置デバイス100は、ターゲット又は皮膚にレーザを照射した後に第3の温度T3に基づいて冷媒を制御してもよいし、又は、第3の温度T3に対応する第3の設定温度Ts3に基づいて冷却を実行してよく、レーザ照射によって皮膚表面又はターゲット上に残った熱の少なくとも一部を除去してよい。ここで、後冷却セクションP3において設定された第3の温度T3は、ドライアイス形成温度とは無関係に予め設定されてよい。代替的に、第3の温度T3は、第2の温度T2よりも低く、かつドライアイス形成温度よりも高く設定されてもよいし、又はドライアイス形成温度よりも低く設定されてもよい。
【0563】
図22を参照すると、冷媒の温度は、前冷却セクションP1及び中間冷却セクションP2において異なる温度に制御されてよく、したがって、冷媒温度を制御できる。
【0564】
前冷却セクションP1における冷媒の温度は、第1の温度T1に制御されてよい。例えば、レーザ処置デバイスは、前冷却セクションP1において冷媒の温度を検知してよく、冷媒の温度が第1の温度T1から予め設定された範囲内であるように冷媒条件制御ユニット又は流量制御ユニットを制御してよい。
【0565】
中間冷却セクションP2における冷媒の温度は、第2の温度T2に制御されてよい。例えば、レーザ処置デバイスは、中間冷却セクションP2において冷媒の温度を検知してよく、冷媒の温度が第2の温度T2から予め設定された範囲内であるように冷媒条件制御ユニット又は流量制御ユニットを制御してよい。
【0566】
第1の温度T1及び第2の温度T2は、ドライアイス形成温度T_iceに対して設定されてよい。例えば、第1の温度T1は、ドライアイス形成温度よりも低くてよい。別の例として、第2の温度T2は、ドライアイス形成温度よりも高くてよい。
【0567】
ドライアイス形成温度は、冷媒又はスプレーされる冷媒の少なくとも一部がドライアイスを形成する温度を意味し得る。ドライアイス形成温度は、冷媒のスプレー前の冷媒の圧力及び冷媒のスプレー後の冷媒の圧力(例えば、雰囲気圧力)を考慮して設定されてよい。具体的には、ドライアイス形成温度は、冷媒がスプレーされるときに断熱膨張を通して冷媒の温度が変化する程度に基づいて設定されてよい。例えば、ドライアイス形成温度は、-20℃から10℃に設定されてよい。
【0568】
一方で、ドライアイス形成温度は、スプレーされる冷媒の相比に基づいて設定されてよい。例えば、冷媒がスプレーされるとき、冷媒は、気体状態を有する第1の部分と、液滴及び固体粒子のうちの少なくとも1つを含む第2の部分を含んでよく、冷媒の温度によって、第2の部分に対する第1の部分の比が決定されてよい。具体的には、スプレーされる冷媒は、少なくとも気体状態を有する第1の部分及びドライアイスを含む第2の部分を含んでよく、冷媒の温度によって、スプレーされる冷媒中のドライアイスの比が決定されてよい。別の例として、スプレーされる冷媒は、その温度によって冷媒が変化する固体、液体、及び気体状態の比を有し得る。この場合、ドライアイス形成温度は、スプレーされる冷媒のドライアイス比又はその液体及び固体状態比が予め設定された値又はそれよりも低い値である温度であってよい。代替的に、ドライアイス形成温度は、スプレーされる冷媒の気体状態の比が予め設定された値又はそれを超える値である温度であってよい。例えば、ドライアイス形成温度は、スプレーされる冷媒中のドライアイスの比が10%又はそれよりも低いように予め設定されてよい。別の例として、ドライアイス形成温度は、スプレーされる冷媒の気体状態の比が90%又はそれを超える温度を含んでよい。
【0569】
以上、冷媒の温度が検知され、特定の温度範囲に含まれるように制御されることを主に説明したが、本明細書の技術的発想はそれに限定されるものではなく、干渉物質20は、第1の設定温度Ts1及び第2の設定温度Ts2を制御することによって、レーザ放射経路内に形成されない場合がある。例えば、レーザ処置デバイスは、上で説明した第1の温度T1及び第2の温度T2にそれぞれ対応する第1の設定温度Ts1及び第2の設定温度Ts2に基づいて皮膚表面を冷却してよい。また別の例として、レーザ処置デバイスは、前冷却セクションP1において、皮膚表面をドライアイス形成温度よりも低い第1の設定温度Ts1に冷却してよく、中間冷却セクションP2において、皮膚表面をドライアイス形成温度T_iceよりも高い第2の設定温度Ts2に冷却してよい。
【0570】
さらに、以上、冷媒の少なくとも一部の相変化によってレーザ放射経路内に干渉物質20が形成されることを主に説明したが、本明細書の技術的発想はそれに限定されるものではなく、冷媒から形成された干渉物質20が皮膚表面に形成され得る。
【0571】
【0572】
一方で、上で説明した霜の形成を防止する方法S9000及びドライアイスの形成を防止する方法S10000が、二重に実行されてよい。例えば、皮膚表面上での霜の形成を防止するために冷却が実行される間、冷媒温度は、レーザ放射経路内でのドライアイスの形成を防止するために制御されてよい。具体的には、レーザ処置デバイス100は、前冷却セクションP1及び中間冷却セクションP2において、霜臨界温度Th1及びドライアイス形成温度を考慮して予め設定された第1の設定温度Ts1及び第2の設定温度Ts2に基づいて皮膚表面を冷却してよい。代替的に、レーザ処置デバイス100は、前冷却セクションP1において霜臨界温度Th1及び第1の温度T1を考慮して設定された第1の設定温度Ts1に基づいて皮膚表面を冷却してよく、中間冷却セクションP2において霜臨界温度Th1及び第2の温度T2を考慮して設定された第2の設定温度Ts2に基づいて皮膚表面を冷却してよい。
【0573】
【0574】
レーザを使用することによって血管病変(血管病変)のための処置又は処置を実行するとき、血管がレーザ処置のターゲット組織であり、レーザ光を吸収する媒体である。換言すると、その血管病変の処置を受けるターゲットは、血管である。したがって、レーザを使用することによって血管病変のための処置を実行するとき処置ターゲットである血管が縮小して見えなくなることを防止することが要求される。さらに、血管が収縮したとき、医療従事者にとって処置ターゲットを発見するのが困難になり得、したがって、処置及び/又は処置の効果が減少し得、処置ターゲットである血管以外部分にレーザが照射され得、それにより副作用が発生し得る。したがって、レーザを使用することによって血管病変(vascular lesion)(血管病変(blood vessel lesion))の処置又は処置を実行するとき、血管の収縮を防止することが必要である。
【0575】
さらに、レーザ処置及び/又はレーザ処置の場合、高出力レーザによって熱エネルギーが皮膚に蓄積され、したがって皮膚損傷の可能性が存在する。したがって、レーザ照射の「前」に、皮膚表面を含む皮膚の温度を可能な限り低下させる前冷却が実行されてよい。しかしながら、血管病変の処置及び/又は処置のための前冷却を実行するとき、皮膚温度は、血管が収縮する皮膚温度まで低下し、血管の収縮に起因して、上で説明したように副作用が発生し得る。したがって、血管病変に対して前冷却が実行されても、皮膚温度を血管が収縮しない温度に制御できるように、精密かつ正確な制御を実行できるレーザ処置デバイス100及びレーザ処置デバイスの処置方法が要求される。
【0576】
一般に、皮膚の温度が約2℃から18℃の範囲であるとき、血管は収縮し得る。さらに、皮膚の温度が約2℃又はそれよりも低いとき、組織損傷を防止するように血液の流量が増加し、血管が弛緩し得る。さらに、皮膚の温度が約18℃又はそれよりも高いとき、血管が弛緩し得る。
【0577】
本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100の駆動方法によれば、皮膚の温度を、血管が収縮しない温度(例えば、18℃又はそれよりも高い温度又は2℃又はそれよりも低い温度)に制御することによって、血管が収縮し得ず、レーザ照射中の皮膚の温度上昇に起因した皮膚損傷が防止され得る。
【0578】
以下、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイス100及び血管病変処置を説明する。
図1から
図4に関連して説明したレーザ処置デバイス100の構成要素の任意の好適な原理及び利点及び実施形態によるレーザ処置デバイス100の駆動方法の任意の好適な原理及び利点が、推論及び適用され得る。したがって、以下、血管病変の処置及び/又は処置において、レーザ処置デバイス100の構成要素の特性又は血管病変の処置方法の特性を主に説明する。
【0579】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイス100は、患者の皮膚にレーザを出力するレーザモジュール1100;皮膚がレーザによって加熱される前、その間、又はその後に皮膚の温度を測定する検知ユニット1300;皮膚に冷媒をスプレーするスプレーユニット1230;熱電素子を使用することによって冷媒に加えられる熱エネルギーを制御する冷媒条件制御ユニット1220;及び、制御モジュール1400を備えてよい。
【0580】
本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイス100によれば、レーザ処置デバイス100は、血管病変の処置又は処置を実行するために使用されてよい。
【0581】
レーザモジュール1100は、処置ターゲットである血管によって吸収される波長帯の波長を有するレーザを生成して放射し得る。例えば、血管は、500nmから600nmの範囲及び700nmから1200nmの範囲の波長を有する光に関して高吸収を有する。さらに、血管中を移動する酸化ヘモグロビンは、350nmから500nmの範囲内の波長を有する光に関して高吸収を有し得る。したがって、レーザモジュール1100は、上述の波長帯を有するレーザ光を放射してよい。さらに、レーザモジュール1100によって放射されるレーザ光は、波長の吸収度だけでなく、血管の位置(例えば、皮膚内での深さ)も考慮して、特定の深さまで貫入できる波長を考慮して選択されてよい。
【0582】
検知ユニット1300は、皮膚表面を含む「皮膚」の温度を測定してよい。検知ユニット1300は、好ましくは皮膚表面温度を測定してよい。検知ユニット1300は、皮膚表面温度を測定して、皮膚表面温度を制御モジュール1400に送信し、したがって、制御モジュール1400は、血管が収縮又は弛緩したか否かを示す情報を測定して提供してよい。検知ユニット1300は、好ましくは温度検知ユニットとして構成されてよい。しかしながら、皮膚表面温度は一例にすぎず、検知ユニット1300は、血管が収縮したことを示す様々なタイプの情報を測定するように構成されてよい。例えば、様々なタイプの情報は、血管の収縮及び弛緩による血液の流量、血中酸素濃度、血圧等のような、血管が収縮又は弛緩したか否かを判定できる様々なタイプの情報を意味し得る。
【0583】
冷媒条件制御ユニット1220は、皮膚表面温度が血管が収縮しない温度条件に対応する温度に制御されるように冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。
【0584】
具体的には、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒条件制御ユニット1220内の流路を移動する冷媒に熱エネルギーを加えることによって冷媒の温度を制御してよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220は、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度条件に対応する温度、例えば、約18℃又はそれよりも高い温度又は約2℃又はそれよりも低い温度に制御されるように、冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって、スプレーされることになる冷媒の温度を制御してよい。
【0585】
さらに、冷媒条件制御ユニット1220は、冷媒条件制御ユニット1220内の流路を移動する冷媒に加えられる熱エネルギーを制御することによって冷媒の量を制御してよい。この場合、冷媒条件制御ユニット1220は、血管が収縮しない温度条件に対応する冷却エネルギーが皮膚表面に加えられるように冷媒の量を制御してよい。冷媒条件制御ユニット1220は、好ましくはペルチェ素子等の熱電素子として構成されてよい。
【0586】
スプレーユニット1230は、冷媒のスプレーを実行してよい。この場合、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度条件に対応する温度に制御されるように、上で説明した冷媒条件制御ユニット1220によって制御される温度及び/又は量に応じて、スプレーユニット1230によって皮膚表面に冷媒がスプレーされてよい。スプレーユニット1230は、好ましくはノズルとして構成されてよい。
【0587】
制御モジュール1400は、レーザが出力されるセクションに対応する中間冷却セクションP2、中間冷却セクションP2の前の前冷却セクションP1、及び中間冷却の後の後冷却セクションP3を含むスプレーセクションにおいて、スプレーユニット1230を通してスプレーされるように冷媒を制御してよい。
【0588】
さらに、皮膚を所望の温度に冷却するために、制御モジュール1400は、皮膚温度に基づいて冷媒条件制御ユニット1220を通してスプレーされることになる冷媒の温度を制御するように構成されてよい。この場合、所望の温度は、血管が収縮しない温度条件に対応する任意の好適な温度であってよい。皮膚表面温度である所望の温度は、好ましくは、2℃又はそれよりも低い温度又は18℃又はそれを超える温度のうちの任意の好適な温度であってよい。血管が収縮しない温度条件に対応する皮膚温度は、好ましくは、18℃又はそれを超える温度から40℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度として予め設定されてよい。代替的に、血管が収縮しない温度条件に対応する皮膚温度は、好ましくは、-10℃又はそれを超える温度から2℃又はそれよりも低い温度の温度範囲内の温度として予め設定されてよい。
【0589】
皮膚を所望の温度に冷却するために、制御モジュール1400は、後で説明する冷媒条件制御ユニット1220及び/又は流量制御ユニット1210を通して皮膚温度に基づいてスプレーされることになる冷媒の量を制御するように構成されてよい。
【0590】
さらに、制御モジュール1400は、前冷却セクションP1において、上記所望の温度を、皮膚の下の血管が収縮する設定温度又はそれを超える温度(例えば、18℃又はそれを超える温度)に制御してよい。
【0591】
さらに、制御モジュール1400は、前冷却セクションP1において、上記所望の温度を、皮膚の下の血管が収縮する設定温度又はそれを超える温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に制御してよい。
【0592】
さらに、前冷却セクションP1において、制御モジュール1400は、上記所望の温度を、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に制御してよく、後冷却セクションP3の少なくとも一部において、上記所望の温度を、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に制御してよい。例えば、前冷却セクションP1において、血管の収縮によって引き起こされるレーザの吸収媒体の不可視性に起因してレーザ処置が中断されることを防止するために、所望の温度は、血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に制御されてよい。一方で、後冷却セクションP3は、レーザ放射の停止時間後のセクションであり、血管は、後冷却セクションP3の少なくとも一部において収縮し得る。したがって、後冷却セクションP3の少なくとも一部において、制御モジュール1400は、上記所望の温度を、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に制御してよい。
【0593】
さらに、本明細書において開示されている冷却システムを有するレーザ処置デバイス100は、流量制御ユニット1210を備えてよい。流量制御ユニット1210は、好ましくはバルブとして構成されてよい。
【0594】
流量制御ユニット1210は、冷媒の量及び/又は流れを制御してよい。具体的には、流量制御ユニット1210は、血管が収縮しない温度条件に対応する冷却エネルギーが皮膚表面に加えられるように冷媒の量を制御してよい。流量制御ユニット1210の開期間及び開サイクルを制御することによって、冷媒の量及び/又は流れが制御されてよく、こうして、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーの量が制御されてよく、したがって、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度条件に対応する温度に制御されてよい。
【0595】
流量制御ユニット1210を通してスプレーされることになる冷媒のスプレー量を制御することによって、制御モジュール1400は、前冷却セクションP1において、上記所望の温度を、皮膚の下の血管が収縮しない血管の温度に対応する皮膚温度に制御してよい。一方で、流量制御ユニット1210を通してスプレーされることになる冷媒のスプレー量を制御することによって、制御モジュール1400は、後冷却セクションP3の少なくとも一部において、上記所望の温度を、血管が収縮する血管の温度に対応する皮膚温度に制御してよい。
【0596】
制御モジュール1400は、検知ユニット1300から測定された温度(例えば、皮膚表面温度、冷媒の温度)を受信して格納してよく、検知ユニット1300は、測定された温度が血管弛緩温度に対応する温度に対応するか否かを判定してよい。
【0597】
検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応しないと判定したとき、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220及び/又は流量制御ユニット1210の動作を制御することによって冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。
【0598】
具体的には、検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応しないと判定したとき制御モジュール1400は、冷媒の温度を制御できるように、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流の量、及び/又は、冷媒条件制御ユニット1220の電力をターンオン/オフするか否かを制御する。代替的に、検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応しないと判定したとき制御モジュール1400は、冷媒の量を制御できるように、冷媒条件制御ユニット1220に印加される電流の量、及び/又は、冷媒条件制御ユニット1220の電力をターンオン/オフするか否かを制御する。
【0599】
例えば、検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応しないと判定したとき、冷媒条件制御ユニット1220は、前冷却セクションP1及び後冷却セクションP3のそれぞれにおいて異なる熱エネルギーを冷媒に加えてよい。
【0600】
例えば、検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応しないと判定したとき、前冷却セクションP1における流量制御ユニット1210の開/閉サイクル又は開/閉時間の期間は、後冷却セクションP3における開/閉サイクル又は開/閉時間の期間とは異なるように制御されてよい。
【0601】
一方で、検知ユニット1300が、測定された温度が血管弛緩温度に対応すると判定したとき、制御モジュール1400は、レーザ放射の開始信号をレーザモジュール1100に送信してよい。レーザモジュール1100は、レーザ放射の開始信号を受信することによってレーザを出力するように構成されてよい。しかしながら、これは限定ではなく、検知ユニット1300は、測定された温度が血管弛緩温度に対応する温度に対応することの通知をレーザ処置デバイス100の別個のディスプレイに表示してよく、ユーザがレーザ放射入力を直接実行してよい。
【0602】
さらに、レーザ出力が開始するとき、レーザ放射信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、レーザ放射信号を受信し、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含むことによって冷媒をスプレーするために、冷媒スプレー信号を冷却モジュール1200に、特にスプレーユニット1230に送信してよい。冷却モジュール1200、特にスプレーユニット1230は、冷媒スプレー信号を受信してよく、レーザ放射セクションの少なくとも一部を含むことによって冷媒をスプレーしてよい。
【0603】
さらに、レーザ出力が開始するとき、レーザ放射信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、レーザ放射信号を受信してよく、レーザ放射セクションの少なくとも一部においてスプレーされる冷媒温度及び/又は量を制御するために、冷媒条件制御ユニット1220に加えられる電流の量及び/又は冷媒条件制御ユニット1220の電力をターンオン/オフするか否かを制御してよい。代替的に、レーザ出力が開始するとき、レーザ放射信号が制御モジュール1400に送信され、制御モジュール1400は、レーザ放射信号を受信してよく、レーザ放射セクションの少なくとも一部においてスプレーされる冷媒の量を制御するために、流量制御ユニット1210の開/閉時間の期間及び開/閉サイクルを制御してよい。
【0604】
【0605】
以下、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100による血管病変の処置及び/又は処置の方法を、
図23及び
図24を参照しながら詳細に説明する。
【0606】
図23は、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100による上記処置及び/又は血管病変の処置の方法S11000のフローチャートである。
【0607】
図24は、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100による血管病変の処置/治療方法の例示的な実施形態によって制御された皮膚表面温度の変化を示すグラフである。ここで、
図24の「T_surface1」は、本明細書の実施形態による皮膚表面温度を指し得る。さらに、
図24の「T_surface2」は、本明細書の実施形態による皮膚表面温度を指し得る。さらに、
図24の「T_damage」は、本明細書の皮膚損傷温度を指し得る。さらに、本明細書において、
図24の「R2」は、血管が収縮する皮膚表面温度範囲を指し得る。
【0608】
図23を参照すると、本明細書において開示されているレーザ処置デバイス100によって血管病変の外科的処置/治療方法は、S11100にて冷媒をスプレーするとともに皮膚表面温度を測定する段階;S11200にて測定された皮膚表面温度に基づいて血管が弛緩したか否かを判定する段階;S11300にて冷媒の温度及び/又はスプレー量を制御する段階;S11400にてレーザを放射する段階;及び、S11500にて皮膚表面温度が設定温度付近であるようにスプレーされる冷媒の特性を制御する段階を備えてよい。
【0609】
S11100にて冷媒をスプレーする段階は、前冷却を意味し得る。すなわち、冷媒をスプレーする段階は、レーザ放射が開始する前に冷媒をスプレーする段階を意味し得る。したがって、
図4から
図6における前冷却に関連する説明が、推論及び適用され得る。
【0610】
S11100にて、血管が収縮しない温度に対応する冷媒の温度で冷媒がスプレーされてよい。さらに、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度であるように、冷却エネルギーを印加するための冷媒の量で、冷媒がスプレーされてよい。
【0611】
さらに、S11100にて皮膚表面温度を測定する段階は、検知ユニット1300によって実行されてよい。検知ユニット1300は、皮膚表面温度を測定してよく、それに関連する温度情報のデータを制御モジュール1400に送信してよい。皮膚表面温度情報に関連するデータは、後で説明するS11200にて血管が弛緩したか否かを判定するための根拠として使用されてよい。
【0612】
図23のS11100のブロック図において、皮膚表面温度が測定のみされるように示されているが、これは一例にすぎず、「冷媒」の温度が測定されてよく、冷媒の温度のデータが制御モジュール1400に送信されてよく、冷媒の温度の情報に基づいて、血管が収縮しない温度に対応する「冷媒」の温度が推測されてよく、後で説明するS11200にて血管が弛緩したか否かを判定するための根拠として使用されてよい。さらに、「冷媒」の温度の情報は、後で説明するS11300にて又は同じ血管病変処置において制御される冷媒の温度を決定するために使用されてよい。
【0613】
さらに、冷媒の量は、検知ユニット1300によって様々な方法で測定されてよく、冷媒の量に関連する情報が制御モジュール1400に送信されてよく、上記冷媒の量に基づいて、血管が収縮しない温度に対応する冷媒の量が推測されてよく、後で説明するS11200にて血管が弛緩したか否かを判定するための根拠として使用されてよい。さらに、冷媒の量に関連する情報は、後で説明するS11300にて又は同じ血管病変処置において制御される冷媒の温度を決定するために使用されてよい。
【0614】
S11200にて、血管が弛緩したか否かは、S11100にて測定された皮膚表面温度に関連する温度情報に基づいて制御モジュール1400によって判定されてよい。具体的には、血管が弛緩したか否かは、測定された皮膚表面温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える温度)に対応するか否かに基づいて判定されてよい。換言すると、皮膚表面温度が、血管が収縮する温度範囲(例えば、2℃から18℃以外の温度)に対応する皮膚表面温度として測定されたか否かに基づいて、血管が収縮したか又は弛緩したかを判定してよい。さらに、制御モジュール1400は、S11100にて測定された皮膚表面温度の情報、及び、S11200にて関連付けられた温度情報によって血管が弛緩したか否かを判定した結果を格納してよい。ここで、血管が弛緩したか否かの判定結果の情報は、S11300にて冷媒の温度又はスプレー量を制御するための根拠として使用されてよい。
【0615】
上で説明したように、「皮膚表面温度」に基づいて血管が弛緩したか否かが判定されること説明したが、これは一例にすぎず、皮膚表面温度は、血圧、血液の流量、及び血中酸素濃度を測定するために使用されてよい。
【0616】
S11200にて、測定された皮膚表面温度が血管弛緩温度に対応する温度に対応しないとき、すなわち、測定された皮膚表面温度が血管収縮温度に対応する温度に対応するとき、S11300のステップが開始し得る。
【0617】
上で説明したようにS11200は、S11100にて測定された皮膚表面温度に基づいて血管が弛緩したか否かが「判定」されたことを示しているが、これは一例にすぎず、皮膚表面温度に基づいて血管が弛緩したか否かの「判定」は省略されてよい。例えば、レーザ処置が開始する前に、皮膚温度は、血管が収縮する皮膚の温度範囲(例えば、
図24のR2)に対応しない特定の温度として設定されてよい。この場合、血管が弛緩したか否かが「判定」されなくても、制御モジュール1400は、S11100にて測定された皮膚表面温度及び設定皮膚温度を考慮して冷媒の温度又はスプレー量を制御するように構成されてよい。具体的には、血管が弛緩したか否かが判定されなくても、制御モジュール1400は、S11100にて測定された皮膚表面温度及び予め設定された皮膚温度の間の差を考慮して冷媒の温度又はスプレー量を制御してよい。この場合、S11400でのレーザ放射は、ユーザのレーザ放射入力によって実行されてよい。代替的に、S11100にて、冷媒がスプレーされ始める時間から予め定められた期間が経過した後に、レーザが放射されてよい。
【0618】
S11300にて、制御モジュール1400は、S11100にて測定された冷媒の温度の情報、冷媒の量の情報、皮膚表面温度の情報、及びS11200での血管が弛緩したか否かの判定の情報に基づいて、冷媒の温度及び/又はスプレー量を制御してよい。
【0619】
具体的には、S11300にて、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度に対応する皮膚表面温度であるように、冷媒条件制御ユニット1220を通して冷媒の温度を制御してよい。この場合、冷媒の温度は、血管が収縮しない皮膚表面温度である2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える温度に対応する冷媒の温度であってよい。代替的に、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管が収縮しない温度に対応する温度に制御されるように、冷媒条件制御ユニット1220を通して冷媒の量を制御してよい。皮膚表面に加えられる冷却エネルギーは、冷媒の量を制御することによって制御されてよく、したがって、皮膚表面温度は、血管が弛緩する温度条件に対応する温度に制御されてよい。
【0620】
さらに、S11300にて、血管が収縮しない皮膚表面温度に対応する冷却エネルギーが皮膚表面に加えられるように、流量制御ユニット1210を通して冷媒の量が制御されてよい。
【0621】
例えば、制御モジュール1400は、S11100にて測定された「皮膚表面温度」によってS11200にて血管が弛緩したか否かが判定された情報に基づいて、冷媒の温度及び/又はスプレー量を制御してよい。
【0622】
例えば、測定された皮膚表面温度が、血管収縮温度条件に対応する温度(例えば、2℃又はそれを超える温度から18℃又はそれよりも低い温度の皮膚表面温度)であるとき、制御モジュール1400は、「冷媒条件制御ユニット」1220を通して冷媒の温度を血管弛緩温度条件に対応する温度に上昇させてよく、皮膚表面温度を、血管弛緩温度条件に対応する温度に制御(例えば、皮膚表面温度を18℃又はそれを超える温度に制御)してよい。代替的に、制御モジュール1400は、「冷媒条件制御ユニット」1220を通して冷媒の温度を血管弛緩温度条件に対応する温度に低下させてよく、皮膚表面温度を血管弛緩温度条件に対応する温度に制御(例えば、皮膚表面温度を2℃又はそれよりも低い温度に制御)してよい。
【0623】
別の例として、測定された皮膚表面温度が血管収縮温度条件に対応する温度(例えば、2℃又はそれを超え且つ18℃又はそれよりも低い皮膚表面温度)であるとき、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する「皮膚表面温度」(例えば、2℃又はそれよりも低い皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して冷媒の量を増加させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを増加させてよい。代替的に、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して冷媒の量を減少させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを減少させてよい。
【0624】
一実施形態において、制御モジュール1400は、S11100にて測定された「冷媒の温度」によってS11200にて判定された血管が弛緩したか否かの情報に基づいて冷媒の温度及び/又はスプレー量を制御してよい。冷媒の温度は、皮膚表面温度の直接的な変数であるので、制御モジュール1400は、冷媒の温度並びに皮膚表面温度を通して冷媒の温度及び/又はスプレー量を制御してよい。例えば、冷媒の温度が血管収縮温度条件に対応する温度であるとき、制御モジュール1400は、冷媒の温度を血管弛緩温度条件に対応する温度に上昇させてもよいし、又は、冷媒の温度を血管弛緩温度条件に対応する温度に低下させてもよい。
【0625】
例えば、S11000にて測定された「冷媒の温度」が血管収縮温度条件に対応する温度であるとき、制御モジュール1400は皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「冷媒条件制御ユニット」1220を通して「冷媒の温度」を制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように「冷媒条件制御ユニット」1220を通して冷媒の量を制御してよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを制御してよい。
【0626】
例えば、S11000にて測定された「冷媒の温度」が血管収縮温度条件に対応する温度であるとき、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低い皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して「冷媒の量」を増加させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを増加させてよい。代替的に、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して冷媒の量を減少させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを減少させてよい。
【0627】
例えば、制御モジュール1400は、S11100にて測定された「冷媒の量」によってS11200にて判定された、血管が弛緩したか否かの情報に基づいて、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「冷媒条件制御ユニット」1220を通して「冷媒の温度」を制御してよい。代替的に、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低いか又は18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「冷媒条件制御ユニット」1220を通して冷媒の量を制御してよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを制御してよい。
【0628】
例えば、制御モジュール1400は、S11100にて測定された「冷媒の量」によってS11200にて判定された、血管が弛緩したか否かの情報に基づいて、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、2℃又はそれよりも低い皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して「冷媒の量」を増加させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを増加させてよい。代替的に、制御モジュール1400は、S11100にて測定された冷媒の量によってS11200にて判定された、血管が弛緩したか否かの情報に基づいて、皮膚表面温度が、血管弛緩温度条件に対応する皮膚表面温度(例えば、18℃又はそれを超える皮膚表面温度)であるように、「流量制御ユニット」1210を通して「冷媒の量」を減少させてよく、皮膚表面に加えられる冷却エネルギーを減少させてよい。
【0629】
S11300の後、冷媒条件制御ユニット1220及び/又は流量制御ユニット1210を通して制御モジュール1400によって制御される冷媒の温度及び/又は量によって、冷媒がスプレーされてよく、それに応じて、皮膚表面温度を測定する段階S11100及び一連のステップを開始してよい。さらに、S11300での冷媒の温度及び/又は量の変化に応じたS11000での皮膚表面温度、冷媒の温度、冷媒の量の変化の情報が、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよく、S11200にて血管が弛緩したか否かを判定するための情報として使用されてよい。さらに、S11300での冷媒の温度及び/又は量の変化に応じたS11000での皮膚表面温度、冷媒の温度、冷媒の量の変化の情報が、制御モジュール1400に送信されて、そこに格納されてよく、後で実行されるS11300にて冷媒の温度又はスプレー量を制御するための根拠として使用されてよい。
【0630】
S11200にて、測定された皮膚表面温度が、血管弛緩温度に対応する温度に対応するとき、すなわち、測定された皮膚表面温度が、血管収縮温度に対応する温度に対応しないとき、S11400にてレーザを放射する段階が実行されてよい。S11400でのレーザは、血管内で高吸収度を有するレーザであってよく、血管が位置する深さに到達可能である波長帯を有する任意の好適なレーザとして選択されてよい。任意の好適な原理についての説明及び
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図7の利点は、レーザ放射に関して推論及び適用されてよい。
【0631】
S11500にて、制御モジュール1400は、皮膚表面温度が設定温度付近であるように、スプレーされる冷媒の温度及び量等の冷媒の特性を制御してよい。
【0632】
S11500にて、皮膚は、レーザ照射に起因する皮膚表面温度の上昇によって損傷され得る。したがって、S11500にて、中間冷却が実行されてよい。S11500にて、中間冷却が実行されるとき、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図7に関連して説明した中間冷却の設定温度及び設定温度条件についての説明、及び、中間冷却の任意の好適な原理及び利点が推論及び適用されてよい。換言すると、皮膚温度が中間冷却中にレーザ照射に起因して皮膚損傷温度に到達することを防止するために、上で説明した制御モジュール1400、冷却モジュール1200、及びレーザモジュール1100の動作及び駆動方法が好適に適用されてよい。
【0633】
例えば、
図23及び
図24を参照すると、測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応する場合、S11200にて、レーザ照射によって皮膚表面温度が上昇するにつれて、皮膚表面温度が、血管収縮範囲(例えば、
図24の点線の皮膚表面温度(T_surface1)の場合)に対応し、したがって、レーザ照射中に血管が収縮することで、レーザ処置の副作用及び非効率につながる場合がある。したがって、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応するとき、予め設定された皮膚表面温度は、S11500にて2℃又はそれよりも低い温度として予め設定されてよい。
【0634】
例えば、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応する場合、設定温度は、皮膚表面の霜等のレーザ干渉物質を考慮して設定されてよい。具体的には、レーザ放射中、霜等のレーザ干渉物質が皮膚表面上に存在するとき、霜がレーザを散乱させ得、これが非効率なレーザ処置を引き起こし得、したがって、皮膚表面の設定温度は、霜等のレーザ干渉物質が皮膚表面上に存在しない0℃又はそれを超える温度として設定されてよい。
【0635】
別の例として、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応する場合、設定温度は、レーザ放射経路内の氷等のレーザ干渉物質を考慮して設定されてよい。具体的には、レーザ放射中、氷等の複数のレーザ干渉物質がレーザ放射経路内に存在するとき、それらの物質がレーザを散乱させ得、これが非効率なレーザ処置を引き起こし得、したがって、皮膚表面の設定温度は、レーザ放射中にレーザ放射経路内の氷等のレーザ干渉物質が最小限に抑えられる温度として設定されてよい。
【0636】
別の例として、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応する場合、レーザ放射の開始のすぐ前に冷媒の温度及び/又は量をさらに制御することによって、皮膚表面温度が18℃又はそれを超える温度に制御された後、レーザが放射されてよい。具体的には、
図23は、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、2℃又はそれよりも低い温度)に対応するとき、S11400にてレーザ放射が実行されるが、レーザ放射が進行するにつれて、皮膚表面に熱が蓄積し、皮膚表面温度が、血管収縮温度範囲(2℃又はそれを超える温度から18℃又はそれよりも低い温度)に入る場合があることを示している。したがって、この可能性を最小限に抑えるために、S11400でのレーザ放射の開始前に、制御モジュール1400は、冷媒条件制御ユニット1220及び/又は流量制御ユニット1210によって、皮膚表面温度が血管弛緩温度に対応する1つの温度条件である18℃又はそれを超える温度に制御された後に、レーザを放射するように構成されてよい。
【0637】
例えば、
図23及び
図24を参照すると、S11200にて測定された皮膚温度が血管弛緩温度(例えば、18℃又はそれを超える温度)に対応する場合、レーザ放射によって皮膚表面温度が増加につれて、皮膚表面温度が血管収縮範囲(例えば、
図24の実線の皮膚表面温度(T_surface2)の場合)に対応する可能性が比較的低くなり得る。しかしながら、レーザ放射によって皮膚表面温度が上昇するにつれて、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達し得る。したがって、この場合、S11500にて、皮膚表面の設定温度は、皮膚損傷温度を考慮して設定されてよく、制御モジュール1400は、皮膚損傷温度を考慮して、皮膚表面温度が設定温度付近であるように、スプレーされる冷媒の温度及び/又は量を制御してよい。こうして、設定温度は、皮膚損傷の可能性を最小限に抑えるために、皮膚表面温度が皮膚損傷温度に到達しないように設定されてよい。
図7に関連して説明した予め定められた第2の設定温度Ts2の説明が推論及びこれに適用されてよい。
【0638】
例えば、S11500にて、設定温度は、ターゲットである血管の温度が血管に熱損傷を与える可能性がある温度を考慮することによって予め設定されてよく、
図7を参照して説明したターゲットの所望の温度が推論及びそれに適用されてよい。
【0639】
S11500にて、上で言及した様々な要因を考慮して選択された任意の好適な設定温度を考慮することによって、制御モジュール1400は、冷媒の特性を制御することによって冷媒がスプレーされるように構成できる。
【0640】
さらに、
図23及び
図24には示されていないが、S11500は、レーザ放射が完了した後の後冷却に関連してよい。この場合、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、及び
図8に関連して説明した後冷却の設定温度及び設定温度条件及び後冷却についての好適な原理及び利点等の説明が推論及び適用され得る。換言すると、レーザ放射によって上昇した皮膚温度を正常皮膚温度に戻すために、又は、後冷却中の疼痛を最小限に抑えるために、上で説明した制御モジュール1400及び冷却モジュール1200の動作及び駆動方法が適切に適用されてよい。
【0641】
上記実施形態において説明した特徴、構造、効果等は、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれるが、1つの実施形態のみに必ずしも限定されない。さらに、各実施形態において示された特徴、構造、及び効果等が、実施形態が属する分野の当業者によって、他の実施形態のために組み合わされるか又は修正されてよい。したがって、本開示の範囲には、上記組み合わせ及び修正に関する内容が含まれているものと解釈されるべきである。
【0642】
さらに、以上、複数の実施形態を主に説明したが、これらは例にすぎず、本開示を限定するものではなく、本開示が関連する分野の当業者は、本実施形態の本質的な特徴から逸脱することなく、上に例示されていない様々な修正及び用途が可能であることを認識できる。すなわち、実施形態において具体的に示した各構成要素は、修正されてよい。また、添付の特許請求の範囲において規定されている本開示の範囲には、これらの修正及び用途に関連する差が含まれていると解釈されるべきである。
【国際調査報告】