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特表2023-528531プラグバルブの密封用可変シリンダー壁
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】プラグバルブの密封用可変シリンダー壁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/085 20060101AFI20230627BHJP
   F16K 11/076 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F16K11/085 Z
F16K11/076 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575286
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 KR2021008338
(87)【国際公開番号】W WO2022050543
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】63/072,991
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/141,315
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グライチェン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】サンダース,エド
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA12
3H067AA23
3H067CC32
3H067CC45
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA03
3H067EC01
3H067FF12
3H067FF17
3H067GG13
(57)【要約】
【課題】プラグバルブのパッケージ空間を最小化でき、プラグとバルブ体間の相互作用で流体気密密封を維持しながら、より多くの相違する流れ構成に再配置できるプラグバルブを提供する。
【解決手段】本発明による回転バルブは、回転バルブの回転軸を基準に回転するように構成された回転部品を含む。回転部品は、回転部品の外部表面に形成された複数の流体開口を含み、それぞれの前記流体開口は複数の流体通路の中の1つに対する流体入口または流体出口を形成する。前記回転部品は内部に回転部品を回転可能に収容するバルブ体をさらに含む。前記バルブ体は前記回転バルブが5方向スイッチングバルブとして作動するようにするために、バルブ体を貫通して形成された5個の流体ポートを含み、それぞれの流体ポートは前記バルブ体と関連する前記回転部品の回転位置によって前記回転部品の流体開口の中の1つと選択的に整列されるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転バルブにおいて、
回転軸を中心に回転するように構成されて、外部表面に形成された複数の流体開口を含む回転部品として、それぞれの前記流体開口は回転部品を貫通して形成された複数の流体通路の中の1つに対する流体入口または流体出口を形成する前記回転部品、及び
内部に前記回転部品を回転可能に収容して、貫通して形成された複数の流体ポートを含むバルブ体として、それぞれの流体ポートは前記バルブ体に関連する前記回転部品の回転位置によって前記回転部品の前記流体開口の中の1つと選択的に整列されるように構成された前記バルブ体を含むことを特徴とする回転バルブ。
【請求項2】
前記複数の流体開口は前記回転部品の円周方向壁を貫通して形成された前記複数の円周方向流体開口を含み、
前記複数の流体ポートは前記バルブ体の円周方向壁を貫通して形成された複数の円周方向流体ポートを含むことを特徴とする請求項1に記載の回転バルブ。
【請求項3】
前記円周方向流体開口及び前記円周方向流体ポートは第1層及び第2層に配列されて、
前記第1層は第1面に配置された複数の第1円周方向流体開口及び複数の第1円周方向流体ポートを有し、
前記第2層は第2面に配置された複数の第2円周方向流体開口及び複数の第2円周方向流体ポートを有し、
前記第1面及び第2面は前記回転部品の回転軸に対してそれぞれ垂直に配列されて、
前記第1面は前記回転部品の回転軸に対して前記第2面から軸方向に離隔されて形成されたことを特徴とする請求項2に記載の回転バルブ。
【請求項4】
前記回転部品を貫通して形成された前記流体通路の中の少なくとも1つは前記第1層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つ及び前記第2層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つと流体連通することを特徴とする請求項3に記載の回転バルブ。
【請求項5】
前記回転部品を貫通して形成された少なくとも2個の前記流体通路は前記第1層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つ及び前記第2層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つと流体連通することを特徴とする請求項3に記載の回転バルブ。
【請求項6】
前記複数の流体通路は前記第1層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つを前記第2層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つに流体的に結合する第1流体通路を含み、
前記第1層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つを前記第2層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つに流体的に結合する第2流体通路を含み、
前記第2層の前記円周方向流体開口の中の少なくとも1つを前記回転部品の軸方向端部壁を貫通して形成された前記複数の流体開口の軸方向流体開口に流体的に結合する第3流体通路を含むことを特徴とする請求項3に記載の回転バルブ。
【請求項7】
前記第1流体通路は前記第1層の前記円周方向流体開口の中の第1開口を前記第2層の前記円周方向流体開口の中の第1開口に流体的に結合して、
前記第2流体通路は前記第1層の前記円周方向流体開口の中の第2及び第3開口を前記第2層の前記円周方向流体開口の中の第2、第3及び第4開口に流体的に結合して、
前記第3流体通路は前記第2層の前記円周方向流体開口の中の第5開口を前記軸方向流体開口に流体的に結合することを特徴とする請求項6に記載の回転バルブ。
【請求項8】
前記第1層の前記複数の第1円周方向流体開口は前記回転部品の前記円周方向壁に関し円周方向に離隔された3個の前記円周方向流体開口を含み、
前記第2層の前記複数の第2円周方向流体開口は前記回転部品の前記円周方向壁に関し円周方向に離隔された5個の前記円周方向流体開口を含み、
前記第1層の前記複数の第1円周方向流体ポートは前記バルブ体の前記円周方向壁に関し円周方向に互いに離隔された2個の前記円周方向流体ポートを含み、
前記第2層の前記複数の第2円周方向流体ポートは前記バルブ体の前記円周方向壁に関し円周方向に互いに離隔された2個の前記円周方向流体ポートを含むことを特徴とする請求項3に記載の回転バルブ。
【請求項9】
前記回転部品の前記円周方向壁は第1円周方向に進行する時、第1円周方向セグメント、第2円周方向セグメント、第3円周方向セグメント、第4円周方向セグメント及び第5円周方向セグメントを含む5個の同じ円周方向セグメントに分割されて、
前記複数の第1円周方向流体開口は前記第1円周方向セグメント内に形成された前記第1層の第1円周方向流体開口、前記第2円周方向セグメント内に形成された前記第1層の第2円周方向流体開口及び前記第4円周方向セグメント内に形成された前記第1層の第3円周方向流体開口を含み、
前記複数の第2円周方向流体開口は、前記第1円周方向セグメント内に形成された前記第2層の第1円周方向流体開口、前記第2円周方向セグメント内に形成された前記第2層の第2円周方向流体開口、前記第3円周方向セグメント内に形成された前記第2層の第3円周方向流体開口、前記第4円周方向セグメント内に形成された前記第2層の第4円周方向流体開口及び前記第5円周方向セグメント内に形成された前記第2層の第5円周方向流体開口を含むことを特徴とする請求項3に記載の回転バルブ。
【請求項10】
前記複数の流体通路は
前記第1層の前記第1円周方向流体開口及び前記第2層の前記第1円周方向流体開口のそれぞれに流体結合された第1流体通路、そして前記第1層の前記第2円周方向流体開口、前記第1層の前記第3円周方向流体開口、前記第2層の前記第2円周方向流体開口、前記第2層の前記第3円周方向流体開口及び前記第2層の前記第4円周方向流体開口のそれぞれに流体結合された第2流体通路、そして前記第2層の前記第5円周方向流体開口及び前記回転部品の軸方向端部壁を貫通して形成された前記複数の流体開口の軸方向流体開口のそれぞれに流体的に結合される第3流体通路を含むことを特徴とする請求項9に記載の回転バルブ。
【請求項11】
前記バルブ体の前記円周方向壁は5個の同じ円周方向セグメントに分割されて、
前記複数の第1円周方向流体ポートは前記第1層の第1円周方向流体ポート及び前記バルブ体の前記円周方向壁の円周方向に隣接した円周方向セグメント内に配置された前記第1層の第2円周方向流体ポートを含み、
前記複数の第2円周方向流体ポートは前記第1層の前記第1円周方向流体ポートと軸方向に整列された前記第2層の第1円周方向流体ポート及び前記第1層の第2円周方向流体ポートと軸方向に整列された前記第2層の第2円周方向流体ポートを含むことを特徴とする請求項10に記載の回転バルブ。
【請求項12】
前記回転バルブの第1作動モードは
前記第1流体通路を通じて前記第2層の前記第1円周方向流体ポートに流体的に結合された前記第1層の前記第1円周方向流体ポート及び
前記第2流体通路を通じて前記第2層の前記第2円周方向流体ポートに流体的に結合された前記第1層の前記第2円周方向流体ポートを含み、
前記回転バルブの第2作動モードは
前記第2流体通路を通じて前記第1層の前記第1円周方向流体ポートに流体的に結合された前記第2層の前記第2円周方向流体ポート及び
前記第2層の前記第1円周方向流体ポートのそれぞれを含み、
前記回転バルブの第3作動モードは
前記第2流体通路を通じて前記第1層の前記第2円周方向流体ポートに流体的に結合された前記第2層の前記第2円周方向流体ポート及び
前記第2層の前記第1円周方向流体ポートのそれぞれを含み、
前記回転バルブの第4作動モードは
前記第1流体通路を通じて前記第2層の前記第2円周方向流体ポートに流体的に結合された前記第1層の前記第2円周方向流体ポート及び
前記第3流体通路を通じて前記バルブ体の軸方向端部壁を貫通して形成された前記複数の流体ポートの中の1つの軸方向流体ポートに流体的に結合された前記第2層の前記第1円周方向流体ポートを含むことを特徴とする請求項11に記載の回転バルブ。
【請求項13】
前記回転部品を貫通して形成された全ての前記流体通路は前記回転部品内でそれぞれ流体的に互いに分離されることを特徴とする請求項1に記載の回転バルブ。
【請求項14】
前記バルブ体は5個の前記流体ポートを含み、
前記回転バルブは5方向スイッチングバルブに作動することを特徴とする請求項1に記載の回転バルブ。
【請求項15】
前記5個の流体ポートは第1入口ポート、第2入口ポート、第1出口ポート、第2出口ポート、及び第3出口ポートを含み、
前記回転バルブの第1作動モードは前記第1出口ポートに流体的に結合された前記第1入口ポート及び前記第2出口ポートに流体的に結合された前記第2入口ポートを含み、
前記回転バルブの第2作動モードは前記第1出口ポートにそれぞれ流体的に結合された前記第1入口ポート及び前記第2入口ポートを含み、
前記回転バルブの第3作動モードは前記第2出口ポートにそれぞれ流体的に結合された前記第1入口ポート及び第2入口ポートを含み、
前記回転バルブの第4作動モードは前記第3出口ポートに流体的に結合される前記第1入口ポート及び前記第2出口ポートに流体的に結合される前記第2入口ポートを含むことを特徴とする請求項14に記載の回転バルブ。
【請求項16】
分割構造は前記回転部品内の前記流体通路間の分割を形成することを特徴とする請求項1に記載の回転バルブ。
【請求項17】
前記分割構造は第1流体通路を第2流体通路から分離するために前記回転部品の円周方向壁を横切って延び、
前記分割構造は第3流体通路を形成する囲まれた開口を限定することを特徴とする請求項16に記載の回転バルブ。
【請求項18】
少なくとも1つの密封要素は前記バルブ体の内周面と前記回転部品の外周面の間に半径方向に配置されて、
前記回転部品の前記外周面は前記回転軸から測定された第1半径を有する少なくとも1つの密封区域及び
前記回転軸から測定された第2半径を有する少なくとも1つの非密封区域を有し、前記第1半径は前記第2半径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の回転バルブ。
【請求項19】
少なくとも1つの密封要素のそれぞれは前記密封区域の中の1つと噛み合う時に前記回転部品に第1密封力を加えるか、
前記非密封区域の中の1つと噛み合う時に前記回転部品に第2密封力を加えて、
前記第1密封力は前記第2密封力より大きいことを特徴とする請求項18に記載の回転バルブ。
【請求項20】
前記複数の流体開口は前記回転部品の円周方向壁を貫通して形成された複数の円周方向流体開口を含み、
それぞれの前記密封区域は前記円周方向流体開口の中の1つの周りを囲み、
それぞれの前記非密封区域は前記円周方向流体開口のそれぞれの周りから離隔されたことを特徴とする請求項18に記載の回転バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転バルブに関する。より詳細には、回転バルブは回転バルブが5方向スイッチングバルブで作動できる5個のそれぞれ異なる流体ポートを含む。また、回転バルブはバルブ体内で回転可能な回転部品を含み、回転部品はバルブ体と関連する密封要素と回転部品の間に可変的密封力を生成するための可変的外周壁半径を有する。
【背景技術】
【0002】
プラグバルブは、典型的に相応する円筒形または円錘形内部表面を有するバルブ体内に収容される実質的に円筒形または円錘形外部表面を有する「プラグ」を含む。プラグは典型的にプラグを貫通して形成される少なくとも1つの通路を含み、該通路それぞれの端部の中の少なくとも1つは、プラグの外部表面を横切って形成される。それぞれの通路は、色々な流れ構成の中の任意の構成に対してプラグを通じて流体を連通するように構成される。バルブ体は一般的にバルブ体のポートとプラグの通路の任意の組み合わせの間で流体を連通させるために、バルブ体の内部表面を交差する1つ以上のポートを含む。
【0003】
プラグは固定バルブ体に対してプラグを回転させるように構成された回転式アクチュエーターに作動可能に連結されて、それぞれの固定ポートに対してそれぞれの通路の位置が変更されるようにする。プラグ及びバルブ体の構成によって、バルブ体に対するプラグのこのような回転はポートの中1つがないバルブ体の内部表面の一部に整列された通路の中の少なくとも1つを配置することによって、通路の中の少なくとも1つによる流れを止めるか、または通路の中の何れかが該ポートと流体連通するように配置するかをスイッチングすることができる。
【0004】
プラグがバルブ体に対して回転する方式はバルブ体に対するプラグの回転を容易にするために、プラグとバルブ体の間に存在できる相対的に小さな円筒形または円錘形の隙に該漏れないようにするためにプラグの外部表面とバルブ体の内部表面の間に適切な流体気密密封が形成されるように要求する。伝統的に、このような密封は各ポートの周辺部周囲のバルブ体の内部表面に密封要素を配置することによって形成される。それぞれの密封要素は一般的にバルブ体の内周面とプラグの外周面の間で圧縮されてプラグの回転位置に関係なく適切な密封効果が維持されるように保障する。このような密封要素は例えばエラストマー物質、硬質プラスチック物質、またはこの両方の組み合わせで形成されることができる。
【0005】
残念なことに、このような密封要素はプラグとバルブ体の間の密封効果の増加がバルブ体に対してプラグを回転させるのに必要なトルクの量を増加させる傾向がある不利な関係を招く。これはプラグバルブの半径方向にこのような密封要素に適用される圧縮量が、密封要素が提供する密封効果と直接関連するため発生する。圧縮の程度が増加することによって、密封要素の内部表面とプラグの外部表面の間に存在する半径方向の力も増加する。この増加した半径方向の力はプラグの円周方向に対して密封要素とプラグの外部表面の間に存在する摩擦力を増加させて、これは結果的にバルブ体を基準にプラグを回転させる時、このような摩擦力を克服するのに必要なトルクの量を増加させる。
【0006】
従って、与えられたプラグバルブ構成に対して所望の程度の密封効果を提供できる回転アクチュエーターの類型は該トルク定格を有する回転アクチュエーターに制限され、これはこのような回転アクチュエーターを所望の方式で作動させるためにより多くの部材を必要とする一方、より高くなる。プラグの所望の回転のためにプラグに必ず伝えられなければならないトルクの量を最小化するための1つ解決策はプラグとバルブ体のポートと関連するそれぞれの密封要素間に存在する摩擦を減らすことである。これは密封要素の噛み合い表面及び/またはプラグの噛み合い表面を比較的低い摩擦材料で形成することによって実現できる。しかし、そのような低摩擦材料は非常に高いか、特別且つ複雑な製造を要するか、好ましくない熱膨脹抵抗特性または耐食性特性を有するなどの特性がある。
【0007】
従って、関連密封要素のそれぞれに対して所望の程度の密封効果を提供できるが、関連するバルブ体を中心にプラグを回転させるのに必要なトルクの量が該密封効果に相応する水準に増加するように要しないプラグ(回転部品)を製造する必要がある。
【0008】
また、従来技術のこのようなプラグバルブは、一般的に最大2個または3個の適切な構成のように、プラグバルブによる流れ構成を規定するための制限された数の可能な構成だけを含む。これは1つ以上の流体流れを2個または3個以上の可能な流れ経路にルーティングされるようにするより複雑な流れ構成に対するプラグバルブの収容能力を大きく制限する。結果的に、所望の流れ構成を達成するためには、多数のそれぞれ異なるバルブ部材を対応する1つの流体システムまたは流体システム内の相違する位置に含めることが必要である。追加的なバルブ要素を使用すればこのような流れ構成達成に必要な費用、複雑性及びパッケージ空間が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、プラグバルブの費用、複雑性及びパッケージ空間を最小化するために、プラグとバルブ体間のそれぞれの相互作用で前述した流体気密密封を維持しながら、より多くの数の相違する流れ構成に再配置できるプラグバルブを製造する必要が当業界に追加的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例によれば、回転バルブは回転バルブの回転軸を基準に回転するように構成された回転部品を含む。前記回転部品は、外部表面に形成された複数の流体開口を含み、それぞれの前記流体開口は前記回転部品を貫通して形成された複数の流体通路の中の1つに対する流体入口または流体出口を形成する。前記回転部品は、内部に回転部品を回転可能に収容するバルブ体をさらに含む。前記バルブ体は、バルブ体を貫通して形成された複数の流体ポートを含み、それぞれの前記流体ポートは、前記バルブ体に関連する前記回転部品の回転位置によって前記回転部品の前記流体開口の中の1つと選択的に整列されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例による回転バルブの分解斜視図である。
図2】回転バルブの回転軸を基準に切って図示する回転バルブの分解立面断面図である。
図3】回転バルブ層の中の一対を切って図示する回転バルブの底面斜視断面図である。
図4】回転部品の外周面の可変半径を示す回転バルブの回転部品の部分拡大斜視図である。
図5】回転バルブの回転部品、バルブ体及び密封要素間の相互作用を示す部分拡大断面図である。
図6】回転バルブを使用する流体システムの概略図である。
図7a】回転バルブが第1作動モードで作動する時の回転バルブの第1層を切って図示する断面図である。
図7b】回転バルブが第1作動モードで作動する時の回転バルブの第2層を切って図示する断面図である。
図8a】回転バルブが第2作動モードで作動する時の回転バルブの第1層を切って図示する断面図である。
図8b】回転バルブが第2作動モードで作動する時の回転バルブの第2層を切って図示する断面図である。
図9a】回転バルブが第3作動モードで作動する時の回転バルブの第1層を切って図示する断面図である。
図9b】回転バルブが第3作動モードで作動する時の回転バルブの第2層を切って図示する断面図である。
図10a】回転バルブが第4作動モードで作動する時の回転バルブの第1層を切って図示する断面図である。
図10b】回転バルブが第4作動モードで作動する時の回転バルブの第2層を切って図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の技術説明は、主題の本質、1つ以上の発明の製作及び使用上において例示的なものであり、この出願またはこれから登録される特許の優先権を主張して出願される他の出願において請求された任意の特定の発明の範囲、適用例、または使用を制限するように意図されない。この観点から、提示された段階の順序は事実上例示的であり、それにより、多様な実施例で段階の順序はそれぞれ違うことができる。本明細書の「1つの」は、「少なくとも1つ」が存在することを示す。可能な場合、複数で存在できる。別途の明示的な言及がない限り、本明細書内の全ての数値的数量は「約」という単語を通じて変更できる。全ての地理的及び空間的技術語は技術の最も広い範囲を説明する時「実質的に」という単語を利用し変更されたと理解しなければならない。数値の値に適用される時、「約」は計算または測定上数値の値に若干の不正確性を許容することを指す。(「ほとんど」の意味である)。ある理由で「約」及び/または「実質的に」の不正確性が、一般的な意味として当業界で理解されない場合、本明細書に使われた「約」及び/または「実質的に」は少なくとも該媒介変数を測定するか、使用する一般的な方法で発生する差を指す。
【0013】
本明細書では、ある構成要素または層が他の構成要素や層「上にある」、「噛み合う」、「連結される」、または「結合される」と言及される場合、それは他の構成要素上に直接連結される、噛み合うまたは結合されることができるか、またはそれらの間に第3の構成要素や層が配置されることができるということを意味する。逆に、ある構成要素が「直接~上にある」、「直接噛み合う」、「直接結合される」と言及される場合、それは該構成要素と他の構成要素との間に第3の構成要素や層がないことを示す。要素間の関係を説明するのに使われる他の単語は類似する方式と解釈しなければならない(例:「~間に」対「まさに間に」、「隣接した」対「直接隣接する」)。本明細書に使われる用語「及び/または」は関連する構成が定義できる1つ以上の組み合わせを全部含む。
【0014】
第1、第2、第3などの用語は多様な要素、部品、地域、層及び/または区画を説明するのに使われることができるが、前記構成要素、地域、層及び/または区画は前記用語により限定されない。前記用語は1つの成分、部品、地域または区画を他の成分、部品、地域または区画から区別することを目的にする場合のみ使われる。本明細書で使われる「最初の」、「2度目」のような用語及びその他の数字用語は文脈上明確に別途表示されない限り、順序を意味しない。従って、下で議論される第1成分、部品、地域、層または区画は本実施例の権利範囲を逸することなく第2成分、部品、地域、層または区画と命名できる。
【0015】
図1-10は、本発明の一実施例による回転部品(50)(プラグ)を利用する回転バルブ(10)を図示する。回転部品(50)は対応するバルブ体(60)に対して回転部品(50)を回転させるのに必要なトルクの量を減少させるために減少した摩擦接触面を有する。図示される回転バルブ(10)は必要な場合、代案的に「プラグバルブ」と称す。
【0016】
また、本明細書に図示説明される回転バルブ(10)は任意の数のそれぞれ異なるアプリケーションのために、そしてこれを通じて任意の多様な相違する流体または流体の組み合わせを選択的に伝達するために使われる。現在、開示される回転バルブ(10)は、例えば油圧システム、空圧システム、燃料システム、暖房、換気及び空調(HVAC)システム、または関連する車両の冷却水システムの作動と関連する多様な流体の制御を含む自動車アプリケーションに使われる。回転バルブ(10)と共に使用するのに適した流体は所望によって空気、油圧流体、任意の類型の燃料、任意の冷媒、またはこのような車両システムと関連して一般的に使われる任意の液体冷却剤である。しかし、本回転バルブ(10)は必ず本発明の範囲を逸することなく任意の流体伝達システムと関連する任意の流体と共に使用するように構成できることが明白でなければならない。図6は回転バルブ(10)が関連する自動車の多様な部品の加熱/冷却要求によって、回転バルブによる冷却剤(水)の複数の相違する流れを制御するのに使われる回転バルブ(10)の1つの例示的な適用事例を図示する。
【0017】
回転バルブ(10)は一般的に回転部品(50)、バルブ体(60)、及び回転部品(50)とバルブ体(60)の間に流体気密密封を提供するための少なくとも1つの密封要素(20)を含む。回転部品(50)及びバルブ体(60)はそれぞれ形状が実質的に円筒形である。バルブ体(60)は回転部品(50)を回転可能に収容するために内部に形成された実質的に円筒形である開口(67)をさらに含む。しかし、バルブ体に形成された補助開口及び回転部品がその他の実質的軸方向対称形状を含む場合、本発明の有益な特徴が維持できるが明白でなければならない。例えば、バルブ体に形成される補助開口及び回転部品は本発明の範囲を逸することなく、端が切られた楕円形状または端が切られた円錐形状をそれぞれ含むことができる。
【0018】
回転部品(50)は回転軸を中心にバルブ体(60)に対して回転するように構成される。回転部品(50)の回転軸は回転部品(50)の中心を貫通して延び、回転部品の軸方向を定義する。回転部品(50)の回転軸はまた、回転バルブ(10)の中心軸はもちろん、バルブ体(60)の中心軸とさらに一般的に一致し、従ってバルブ体(60)、回転部品(50)または回転バルブ(10)の軸方向に対する後続参照は回転部品(50)の回転軸に平行するように配列された方向を意味する。また、回転バルブ(10)、回転部品(50)またはバルブ体(60)の中の何れか1つの半径方向は回転部品(50)の回転軸を通過して垂直に配置される方向の中の何れか1つを意味する。
【0019】
回転部品(50)は固定バルブ体(60)に対する回転軸を中心で(に)回転部品(50)を回転させるのに必要なトルクを提供するように構成された回転モーターまたはアクチュエーター(味到時)に作動可能に結合される。回転モーターまたはアクチュエーターはビゼー韓国赤十字である例としてトルクモーター、徐歩モーター、電気ステッパーモーター、またはブラッシュリースDCモーターでありうる。バルブ体(60)に対する回転部品(50)の所望の回転位置を設定するために必要なトルク及び精密度を有する回転モーターまたはアクチュエーターは、本発明の範囲を抜け出さないで選択される。
【0020】
回転部品(50)は回転部品(50)の第1端部(151)から第2端部(152)まで軸方向に延びる。第1端部壁(161)はその第1端部(151)に隣接した回転部品(50)の軸方向に実質的に垂直に延び、第2端部壁(162)はその第2端部(152)に隣接した回転部品(50)の軸方向に実質的に垂直に延びる。図1及び図2に図示されるように、回転部品(50)は回転バルブ(10)の対応する回転モーターまたはアクチュエーターと作動的に結合するために、その第1端部(151)から延びるステム(56)を含むことができる。回転部品(50)は第1端部壁(161)と第2端部壁(162)の間で延びる円筒形円周方向壁(153)をさらに含む。円周方向壁(153)はバルブ体(60)の周辺部に向かって半径方向外側に向かう外周面(171)と回転部品(50)の回転軸に向かって半径方向内側に向かう内周面(175)を含む。
【0021】
回転部品(50)はこれを貫通する複数の流体通路(211、212、213)を形成する。それぞれの流体通路(211、212、213)は回転部品(50)の外部または外部表面に形成された2個以上の流体開口(181、191)間に流体連通を提供する。具体的に、流体開口(181、191)は円周方向壁(153)を通じて外周面(171)に延びる8個の円周方向流体開口(181)及び回転部品(50)の第2端部壁(162)を通じて第2端部(152)に延びる単一の軸方向流体開口(191)を含む。回転バルブ(10)の瞬間作動モードによって、流体開口(181、191)のそれぞれは対応する流体通路(211、212、213)への入口または出口に該当することができる。流体通路(211、212、213)に対する流体開口(181、191)の特定配置は下で回転バルブ(10)のそれぞれ異に作動可能な作動モードを説明する時に詳細に説明される。
【0022】
図4に最もよく示されるように、円周方向壁(153)の外周面(171)は少なくとも1つの密封区域(172)及び少なくとも1つの非密封区域(173)に細分されて、ここでそれぞれの円周方向流体開口(181)は密封区域(172)の中の1つに対応する位置で外周面(171)に沿って形成される。その結果、それぞれの円周方向流体開口(181)の周り全体が密封区域(172)の中の対応する1つにより囲まれる一方、それぞれの非密封区域(173)はそれぞれの円周方向流体開口(181)の周りから離隔される。
【0023】
それぞれの密封区域(172)は対応する円周方向流体開口(181)がこれを通じて流体を連通させる作動位置及び対応する円周方向流体開口(181)がこれを通じて流体を連通しない作動位置の両方を含む回転部品(50)の複数の作動位置の中の1つで回転部品(50)が回転される時、第1密封力を通じて密封要素(20)の中の1つと密封して噛み合うように構成された外周面(171)の一部を形成する。対照的に、それぞれの非密封区域(173)は円周方向流体開口(181)の中の1つを直接囲まない外周面(171)の一部を指すので、回転バルブ(10)が前記複数の作動位置の中の1つで作動される時、それぞれの非密封区域(173)は密封要素(20)の中の1つで直接密封される必要がない。従って、それぞれの非密封区域(173)は第1密封力より小さな第2密封力で密封要素(20)の中の1つと噛み合うように構成される。必要によって第1密封力は代案的に最大密封力と称されることができる一方、第2密封力は代案的に最小密封力と称されることができる。
【0024】
密封区域(172)と非密封区域(173)は回転部品(50)の回転軸から測定された識別された区域(172、173)のそれぞれに沿って外周面(171)の半径の差によって互いに区別される。具体的に、それぞれの密封区域(172)は第1半径を含むことができ、それぞれの非密封区域(173)は第1半径より小さな第2半径を含むことができる。第1半径は密封要素(20)の中の1つと噛み合うように構成された外周面(171)の最大半径を示すことができ、第2半径は密封要素(20)の中の1つと噛み合うように構成された外周面(171)の最小半径を示すことができる。従って、密封区域(172)は代案的に外周面(171)の大きい半径区域(172)と称されることができる一方、非密封区域(173)は代案的に外周面(171)の小さな半径区域(173)と称されることができる。
【0025】
図5は第1(最大)半径を有する密封区域(172)の中の1つがら第2(最小)半径を有する非密封区域(173)の中の1つへの外周面(171)の転移を図示する。図5は密封要素(20)の中の1つの半径方向最内側対向表面と非密封区域(173)の間に形成された半径方向ギャップ(179)を追加で図示する。密封要素(20)は回転部品(50)の回転位置と関係なく、密封要素(20)が回転部品(50)とバルブ体(60)の間で圧縮されるように構成されているので、密封区域(172)と非密封区域(173)の両方に沿って外周面(171)と噛み合うように構成されて、従って、図示されるギャップ(179)は回転バルブ(10)の作動的な使用中に実際に存在しない。前記ギャップ(179)はそれぞれの密封要素(20)の対応する部分がバルブ体(60)と密封区域(172)の中の1つとの間、またはバルブ体(60)と非密封区域(173)の中の1つとの間で圧縮されるかどうかによって、密封要素(20)のそれぞれの半径方向圧縮上の差を図示するためのものである。半径方向ギャップ(179)は密封要素(20)の対応する部分が回転部品(50)とバルブ体(60)の間に挟まれる時に半径方向に必ず圧縮されなければならない半径方向距離の減少を示す。このような半径方向圧縮の減少はそれぞれの非密封区域(173)に存在する密封力の減少を招く。
【0026】
密封区域(172)のそれぞれは対応する円周方向流体開口(181)の周辺部から外周面(171)に沿って密封要素(20)の中の瞬間的に整列された密封要素と密封噛み合いを形成するための適切な距離だけ外側にオフセットされることができる。図示される例で、それぞれの円周方向流体開口(181)の円形の周り形状は密封区域(172)のそれぞれによって対応する円周方向流体開口(181)の円形の周り形状に比例して、一定したオフセット距離だけ拡大される類似の円形の周り形状を有するように招く。密封区域(172)と密封要素(20)の噛み合い表面間の所望の噛み合いを保障するために、オフセット距離は対応する密封区域(172)と半径方向に整列された噛み合う密封要素(20)の寸法に対応できる。例えば、それぞれの密封区域(172)は、密封要素(20)の中の整列された密封要素(20)との噛み合いを維持するために、対応する円周方向流体開口(181)の周辺から外側に約3mmオフセットされることができ、この例示に制限されない。
【0027】
図4に示すように、それぞれの密封区域(172)の周辺オフセットの大きさだけではなく、円周方向流体開口(181)のそれぞれの位置及び大きさは、密封区域(172)の一部が回転部品(50)の円周方向に対して密封区域(172)の中の隣接した1つと交差して併合されるようにする結果を招くことができる。このような併合は以下で外周面(171)の転移区域(177)の中の1つと称されるもので発生できる。図示される実施例で、転移区域(177)は円周方向流体開口(181)の中の隣接した開口間に配置された外周面(171)の一部によって形成される。それぞれの転移区域(177)で隣接した密封区域(172)の併合は回転部品(50)が1つの作動位置から他の作動位置に回転して転移する間、併合された密封区域(172)のそれぞれの少なくとも一部に第1密封力が加えられるように保障する。図示されていないが、密封区域(172)はまたオフセットの大きさ及び隣接した円周方向流体開口(181)の間に存在する軸方向間隔によって転移区域(177)を類似するように形成するために、回転バルブ(10)の軸方向に併合できることが明白でなければならない。
【0028】
以下に詳細に説明されるように、図示される実施例の円周方向流体開口(181)は軸方向に互いに離隔されている2個の相違する層に提供される。このように、非密封区域(173)は軸方向に離隔された円周方向流体開口(181)または円周方向流体開口(181)の層のそれぞれを越えて軸方向に配置された外周面(171)の軸方向端部部分間に配置された外周面(171)の一部分と同じ、円周方向流体開口(181)の層の中の1つがない外周面(171)の軸方向位置に沿って延びることができる。
【0029】
外周面(171)内に密封区域(172)と非密封区域(173)の両方が存在するという事実は、回転部品(50)を先行技術の回転バルブの類似する回転部品(プラグ)と区別付ける。具体的に、従来技術の回転部品のそれぞれの外周面は内部に形成された任意の円周方向流体開口の存在によって、外周面の半径間に区別がないことを典型的に含む。例えば、従来技術の円筒形回転部品は一般的に外周面と交差する1つ以上の円周方向流体開口の存在と関係なく、外周面全体にわたって一定の半径を含む。このように、外周面と任意の噛み合い密封要素間に存在する摩擦力を減少させるために、外周面に加えられる半径方向密封力を減少させる構造的特徴は存在しない。
【0030】
回転部品(50)が回転バルブ(10)の多数の有益な作動モードを達成するためにバルブ体(60)に対して特定構成を有すると以下で説明されるが、対応する円周方向流体開口(181)のそれぞれの位置による密封区域(172)と非密封区域(173)の間の半径変化に関する一般的な概念は本発明の範囲を逸することなく、多様な相違する回転バルブ構成で利用できるが明白でなければならない。例えば、回転部品(50)は外周面(171)の半径を密封区域(172)及び非密封区域(173)に変更する利点を相変らず認めながら、本明細書に図示されて説明されるものとは反対になる円周方向流体開口(181)の任意の数及び配列を実質的に含むことができる。また、密封区域(172)と非密封区域(173)の間の外周面(171)半径変更の利点は回転バルブ(10)が本明細書に図示されて説明された密封要素(20)の他に、半径方向に圧縮可能な任意の密封組立体または密封要素を使用する時また認められるという点も明白でなければならない。
【0031】
また、図1図2を参照すれば、バルブ体(60)はバルブ体(60)の第1端部(61)から第2端部(62)まで軸方向に延びる。バルブ体(60)の第1端部(61)はバルブ体(60)が回転部品(50)及びそれぞれの対応する密封要素(20)を内部に軸方向に収容した後にカバー(63)を収容するように構成される。カバー(63)は回転部品(50)の回転軸を中心とする開口(64)を含み、開口(64)は開口を通じて回転部品(50)のステム(56)を収容するように構成される。バルブ体(60)の第1端部(61)とカバー(63)の内部軸方向表面間にO-リング(65)が配置されてその間に流体気密密封を形成する。
【0032】
開口(64)を限定するカバー(63)の内周面と回転部品(50)のステム(56)の外周面の間に、バルブ体(60)に対する回転部品(50)の回転期間の間を含んで流体気密密封を形成するための他の一対のO-リング(図示しない)が収容される。
【0033】
バルブ体(60)の開口(67)はバルブ体(60)の軸方向端部壁(68)及び円周方向壁(69)のそれぞれを限定する。軸方向端部壁(68)は回転部品(50)の軸方向端部と噛み合うように構成されて、円周方向壁(69)は回転部品(50)がバルブ体(60)内に回転可能に収容される時に回転部品(50)を囲むように構成される。
【0034】
バルブ体(60)の円周方向壁(69)は回転部品(50)の周りに延びる内周面(70)を含む。複数の支持部材(71)は回転部品(50)の回転軸に向かって内周面(70)から半径方向内側に延びる。支持部材(71)は回転部品(50)の回転軸から測定された同じ72度角度間隔で互いに円周方向に離隔される。ポケット(72)は支持部材(71)の隣接したそれぞれの対間に円周方向に形成される。それぞれのポケット(72)はその中に密封要素(20)の中の1つを収容するように形成される。ポケット(72)は固定バルブ体(60)に対して回転部品(50)が回転する間、内部の密封要素(20)の中の対応する1つの位置を設定して維持するための多様な表面特徴を含むことができる。
【0035】
バルブ体(60)はバルブ体(60)を貫通する複数の流体ポート(82、83)を追加で限定する。それぞれの流体ポート(82、83)は回転バルブ(10)の外部に配置された関連流体システムの構成要素(図6に図示されるものと同じ)と回転部品(50)の内部を貫通して形成された流体通路(211、212、213)の中の1つとの間に流体連通を提供する。具体的に、流体ポート(82、83)は円周方向壁(69)を通過して、その内周面(70)まで半径方向に延びる4個の円周方向流体ポート(82)と、軸方向端部壁(68)を貫通して開口(67)により限定されるバルブ体(60)の内部に延びる1個の軸方向流体ポート(83)を含む。それぞれの円周方向流体ポート(82)はバルブ体(60)に対する回転部品(50)の回転位置によって回転部品(50)の円周方向流体開口(181)の中の1つと選択的な流体連通をするよう構成される。軸方向流体ポート(83)は回転部品(50)の回転軸と一致する軸に沿って回転部品(50)の軸方向流体開口(191)と整列されて、流体連通する。流体ポート(82、83)の特定配列は回転バルブ(10)の相違する作動モードを議論する時に詳細に説明される。
【0036】
図1、2及び5はそれぞれの密封要素(20)の特徴を最もよく例示する。それぞれの密封要素(20)は第1密封体(21)及び第2密封体(22)を含む。第1密封体(21)は所望の場合、代案的に「硬性」密封体(21)と称されることができる一方、第2密封体(22)は代案的に「軟性」密封体(22)と称されることができる。硬性密封体(21)は回転部品(50)が回転バルブ(10)を通じて所定の流れ構成を引き起こすために回転部品(50)の相違する所定位置の中の1つに回転される時、回転部品(50)の外周面(171)と直接噛み合って、その間に流体気密密封を提供するように構成される。より具体的に、硬性密封体(21)は回転部品(50)の作動位置によって、密封区域(172)の中の1つまたは非密封区域(173)の中の1つと噛み合うように構成される。
【0037】
逆に、軟性密封体(22)はバルブ体(60)のポケット(72)の中の1つ内でバルブ体(60)の円周方向壁(69)と直接噛み合うように構成される。軟性密封体(22)の中の少なくとも1つはバルブ体(60)の円周方向流体ポート(82)の中の対応する1つの半径方向最内側端部の周辺部を囲み、流体気密密封を形成するように構成される。また、硬性密封体(21)は密封体(21、22)が互いに直接接触する位置でそれらの間に流体気密密封を形成するために軟性密封体(22)と噛み合うように構成される。このように、密封要素(20)は回転部品(50)を貫通して形成された円周方向流体開口(181)の中瞬間的に整列された1つと、バルブ体(60)内の密封要素(20)の位置に対応する円周方向流体ポート(82)の半径方向最内側端部間に流体気密密封を提供するように構成される。しかし、該密封要素(20)の代案的な構成が以下で説明されるように、それぞれの密封要素(20)と回転部品(50)の外周面(171)間の有利な関係を維持するために利用できることが当業者に明白でなければならない。例えば、必要によってそれぞれの密封要素は隣接した剛性(硬質)材料がない状態でエラストマー物質のような弾性的に圧縮可能な(軟性)材料だけで形成されることができる。
【0038】
それぞれの硬性密封体(21)は軸方向に離隔された一対の周辺部(25)を含む。それぞれの周辺部(25)は回転バルブ(10)の半径方向から見る時、周辺形状が実質的に円形である円筒形形状であり、周辺部を貫通する流動開口(24)を限定する。それぞれの流動開口(24)は回転部品(50)を貫通して形成された任意の円周方向流体開口(181)の周りの大きさ及び形状に実質的に対応する周りの大きさ及び形状を含む。図5に図示されるように、それぞれの周辺部(25)は半径方向内部表面(28)及び半径方向外部表面(29)をさらに含む。半径方向内部表面(28)はバルブ体(60)に対する回転部品(50)の作動位置によって、密封区域(172)の中の1つに沿ってまたは非密封区域(173)の中の1つに沿って回転部品(50)の外周面(171)と密封して噛み合うように構成される。半径方向外部表面(29)は回転部品(50)の半径方向に対して軟性密封体(22)を支持するように構成される。
【0039】
硬性密封体(21)は相対的に硬質であるエラストマー物質のような実質的に剛性である材料で形成される。より具体的に、選択された物質は好ましくは半結晶性熱可塑性物質であることができる。熱可塑性物質が使われる場合、熱可塑性物質は好ましくはポリフタルアミド(PPA)またはポリフェニレンサルファイド(PPS)であることができる。相対的に強い耐化学性、耐熱性及び永久変形または摩耗に対する抵抗性を有するそれぞれの材料によってPPAまたはPPSの中の1つを使用することが好ましい。
【0040】
また、PPA及びPPSのそれぞれは回転部品(50)の外周面(171)との所望の密封噛み合いを設定するための所望の公差を維持しながら、相対的に安価な製造工程を使用して硬性密封体(21)の前述した形状及び構成を形成するために、査出成形できる熱可塑性樹脂として提供できる。堅固な密封体(21)を形成するためにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような他の硬質の熱可塑性材料が使われることができるが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は査出成形工程を使用して製造できないので、回転部品(50)の外周面(171)に流体気密密封を提供するために硬性密封体(21)を所望の構成に正しく形成するためにより高くて難しい製造工程が要求される。関連回転バルブ(10)に対する適用特定要求事項によって、多様な金属、多様なセラミック、炭素黒鉛、さらにはガラスを含む追加の剛性材料がまた硬性密封体(21)を形成するために使われることができる。しかし、もう一度言うが、上に列挙された好ましい熱可塑性材料の以外の該代案材料は高すぎるが、硬性密封体(21)と回転部品(50)の間の流体気密密封を維持するために所望の許容誤差内で製造することが難しくなる。
【0041】
回転部品(50)、特に回転部品(50)の外周面(171)を形成する部分は硬性密封体(21)を形成するのに適すると説明された同じ材料で形成されることができる。例えば、回転部品(50)はこれに制限されないが、PPAまたはPPSのような剛性熱可塑性材料で形成されることができる。一部実施例で、回転部品(50)及び硬性密封体(21)のそれぞれを形成するために同じ材料が選択されることができる。しかし、本発明の範囲を逸することなく、回転部品(50)を形成するために任意の剛性材料が選択されることができる。
【0042】
それぞれの軟性密封体(22)はバルブ体(60)に形成されたそれぞれのポケット(72)の形状に実質的に相補的な形状を有する。軟性密封体(22)はバルブ体(60)の半径方向または円周方向に、軟性密封体(22)のそれぞれの動きを防止する方式でポケット(72)の中対応するポケット内に収容される。それぞれの軟性密封体(22)はこれを貫通して形成された軸方向に離隔されて形成された一対の流動開口(44)を含む。それぞれの流動開口(44)は形状が円筒形であり、回転バルブ(10)の半径方向に対応する軟性密封体(22)を通じて延びる。それぞれの流動開口(44)は回転バルブ(10)の半径方向から見る時、円形の周り形状を含む。それぞれの流動開口(44)は硬性密封体(21)の半径方向外部表面(29)が軟性密封体(22)に対して支持することを保障するために、硬性密封体(21)を貫通して形成された流動開口(24)のそれぞれに対して若干減少した半径を含む。
【0043】
名前で分かるように、硬性密封体(21)は、軟性密封体(22)を形成するために選択された材料より堅固で硬い材料で形成される。より具体的に、軟性密封体(22)は弾性的に変形可能な比較的軟質材料で形成される。本明細書において使われるように、弾性的に変形可能な材料は材料の変形後、特に材料が与えられた方向に寸法が減少するように圧縮される時に材料が本来の位置に戻ろうとすることによって変形する材料である。軟性密封体(22)に対して選択された材料の弾性は軟性密封体(22)が円周方向壁(69)に向かって半径方向に圧縮されることに応答して材料が硬性密封体(21)に半径方向スプリング力を加えるようにしなければならない。弾性変形可能な材料は好ましくはSantoprene(登録商標)熱可塑性エラストマー、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、Nylabond(登録商標)熱可塑性エラストマー、EPDMフォーム、シリコンゴム、ニトリルまたはウレタンのようなエラストマー材料であることができ、これに制限されない。
【0044】
エラストマー材料は所望の耐化学性及び耐熱性を含むように、回転バルブ(10)を通じて連通される流体の類型及び作動特性に基づいて選択されることができる。好ましい実施例で、エラストマー材料は軟性密封体(22)に対して低いスプリング力対変位比率を提供するために低い硬度計、35-45ショアA、軟質密封ゴムに選択されることができる。低い硬度計材料の使用は回転バルブ(10)の半径方向を含んで任意の与えられた方向で公差累積と関連する問題を解決するのに役立つが、その理由は低いスプリング力対変位比率がそれぞれの密封要素(20)形成においてより大きくてより多くの製造親和的な公差を使用するように許容するためである。
【0045】
硬性密封体(21)を形成する剛性材料は軟性密封体(22)を形成するために選択された弾性及び軟質材料より低い摩擦係数を含むように選択される。このように、相応する回転モーターまたはアクチュエーターによる回転部品(50)の回転は硬性密封体(21)の半径方向内部表面(28)と回転部品(50)の外周面(171)の間に存在する摩擦力を克服するために、回転部品(50)が回転する間、回転部品(50)と直接接触するように軟性密封体(22)が配置される場合より少ないトルクを必要とする。
【0046】
回転バルブ(10)が完全に組み立てられた位置にある時、回転部品(50)を貫通して形成された円周方向流体開口(181)の中の1つとバルブ体(60)を貫通して形成された円周方向流体ポート(82)の中整列されたポート間の流体連通を提供するために、硬性密封体(21)の中の1つを貫通して形成された流動開口(24)のそれぞれは対応する軟性密封体(22)を貫通して形成された流動開口(44)の中の1つと協同する。
【0047】
密封要素を通過するように形成された対応する流体通過を有するそれぞれの密封要素(20)は流動通路外部への流体漏れを防止するために必要な流体気密密封を形成する。回転式アクチュエーターまたはモーターはそれぞれの密封要素(20)が回転部品の回転の間及び回転後に軟性密封体(22)のそれぞれにより対応する硬性密封体(21)に加えられる連続的なスプリング力により流体気密密封効果を維持しながらバルブ体(60)に対して多様な相違する回転位置の中任意の位置に回転部品(50)を回転させることができる。
【0048】
それぞれの密封要素(20)の構造に関するより徹底した説明はGraichenの米国特許出願番号16/939、270号に示され、これはその全体が本明細書において参照として含まれる。
【0049】
図7a乃至図10bに示すように、回転バルブ(10)の相違する作動モードを達成するための回転部品(50)及びバルブ体(60)の特定構成が図示されて説明される。図1乃至図3に図示されるように、回転バルブ(10)は一般的に回転バルブ(10)の軸方向に対して互いに離隔された2個の層のそれぞれを有する2階構成を含む。第1層は円周方向流体開口(181)の第1セット、流動開口(24、44)の第1セット(それぞれの密封要素(20)の構造(21、22)により形成される)及び第1平面に全部配列された円周方向流体ポート(82)の第1セットを含む。第1平面は回転バルブ(10)の軸方向に垂直に配置されて、回転バルブ(10)が完全に組み立てられる時に回転部品(50)の第1端部(151)に向かって配置される。第2層は円周方向流体開口(181)の第2セット、流動開口(24、44)の第2セット、第2平面上に全部配列された円周方向流体ポートの第2セットを含む。第2平面は回転バルブ(10)の軸方向に垂直に類似するように配列されて、回転バルブ(10)が完全に組み立てられる時に回転部品(50)の第2端部(152)に向かって第1層を有するように形成された第1平面から軸方向に離隔される。
【0050】
図7a、図8a、図9a及び図10aのそれぞれは回転バルブ(10)の4の潜在的作動モードによる回転バルブ(10)の第1層(第1平面)による断面を図示したもので、図7b、8b、9b及び10bのそれぞれは回転バルブ(10)の第2層(第2平面)による断面図を図示したものである。図7a及び図7bは回転バルブ(10)が第1作動モードで作動する時に2個の層を図示し、図8a及び図8bは回転バルブ(10)が第2作動モードで作動する時に2個の層を図示して、図9a及び図9bは回転バルブ(10)が第3作動モードで作動中である時に2個の層を図示し、図10a及び図10bは回転バルブ(10)が第4作動モードで作動する時に2個の層を図示する。4個の異なる作動モードはバルブ体(60)を貫通して形成された5個の異なる流体ポート(82、83)の組み合わせ間の流体連通潜在性を含むので、回転バルブ(10)は、5方向バルブまたは5方向スイッチングバルブと呼ばれる。
【0051】
図7a乃至図10bに示すように、円筒形回転バルブ(10)は一般的に円の5個の相違する72度セクターに細分されることができ、該セクターのそれぞれはバルブ体(60)のポケット(72)の中の1つ内に配置された密封要素(20)の中の1つを含む。円の各セクターは回転部品(50)の外周面(171)に形成された円周方向流体開口(181)の中の1つの潜在的位置に追加的に対応する。類似するように、円周方向流体ポート(82)のそれぞれは円のセクターの中の1つに位置的に対応して、共通した層の一対の円周方向流体ポート(82)はセクターの中の隣接したセクターに配置される。第1層の円周方向流体ポート(82)を含む2個の隣接したセクターはまた第1層の円周方向流体ポート(82)のそれぞれが回転バルブ(10)の軸方向に対して第2層の円周方向流体ポート(82)の中の対応する1つから整列されて離隔できるように、第2層の円周方向流体ポート(82)を含む2個の隣接したセクターと一致する。
【0052】
このような回転バルブ(10)の5個の相違するセクターへの分割は一般的に回転バルブ(10)を形成する相違する類似の特徴部が回転バルブ(10)の円周方向に対して72度増分だけ互いから角度的に分離されるように招く。具体的に、回転部品(50)の円周方向壁(153)は5個の同じ円周セグメントに分割でき、それぞれの円周方向セグメントは回転部品(50)の回転軸から測定になる時に72度の弧を通じて延びる。類似するように、バルブ体(60)の円周方向壁(69)は5個の同じ円周方向セグメントに分割でき、それぞれの円周方向セグメントは回転部品(50)の回転軸から測定される時に72度の弧を通じてもう一度延びる。このように、回転部品(50)は円周方向流体開口(181)の中の所望の1つをその同じ層の円周方向流体ポート(82)の中の所望の1つと半径方向に整列するために、72度増分で回転されるように構成されてそれらの間に流体連通を提供する。(密封要素(20)の中の対応する1つを貫通して形成された流動開口(24、44)の半径方向に整列された集合を通じて)。回転バルブ(10)の相違する2個の層は回転バルブ(10)の相違する作動モードを達成するために、相応する流体を内部に形成された相違する流体通路(211、212、213)を通じて回転部品(50)の内部を通過するように軸方向に連通させる。
【0053】
図7aに示すように、回転バルブ(10)の第1層は第1円周方向流体開口(251)、第2円周方向流体開口(252)、及び第3円周方向流体開口(253)を有する回転部品(50)を含む。第1層の第1円周方向流体開口(251)の位置は図7aの下部右側コーナーに向かって位置する円周方向壁(153)の第1円周方向セグメントに対応する。円周方向壁(153)の残りの円周方向セグメントは回転部品(50)の第1円周方向に対して連続的に形成されて(図7aの観点を基準に時計回り)、ここで第2円周方向セグメントは第1円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第3円周方向セグメントは第2円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第4円周方向セグメントは第3円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第5円周方向セグメントは第4円周方向セグメント(または第4番目の円周方向セグメントに対して反対位置の第1円周方向セグメントに)に隣接するように配置される。
【0054】
このような規則に基づいて、第1層の第2円周方向流体開口(252)は第2円周方向セグメントに対応するように位置する一方、第1層の第3円周方向流体開口(253)は第4円周方向セグメントに対応するように位置する。残りの第3円周方向セグメント及び第5円周方向セグメントにはそれぞれ円周方向流体開口(181)の中の1つがなく、代りに円周方向壁(153)の連続的な部分(弧)により占有されて任意の流体が回転部品(50)の内外に円周方向流動することを防止する円周方向壁(153)の円周方向セグメントの同じ命名規則を使用しながら図7bを参照すると、回転バルブ(50)の第2層は第1円周方向セグメントに対する位置に対応する第1円周方向流体開口(261)(図7bの下段右側コーナー)、第2円周方向セグメントに対する位置に対応する第2円周方向流体開口(262)、第3円周方向セグメントに対する位置に対応する第3円周方向流体開口(263)、第4円周方向セグメントに対する位置に対応する第4円周方向流体開口(264)及び第5円周方向セグメントに位置で対応する第5円周方向流体開口(265)を有する回転部品(50)を含む。
【0055】
従って、回転部品(50)の第1円周方向セグメントは回転バルブ(10)の軸方向に対して第2層の第1円周方向流体開口(261)と整列されて離隔された第1層の第1円周方向流体開口(251)を含む。類似するように、第1層の第2円周方向流体開口(252)は第2層の第2円周方向流体開口(262)と軸方向に整列されてそれから離隔される一方、第1層の第3円周方向流体開口(253)は第2層の第4円周方向流体開口(264)と軸方向に整列されてそれから離隔される。このような関係はバルブ体(60)に対する回転部品(50)の回転位置と関係なく維持される。
【0056】
図7a及び図7bに示すように、分割構造(155)は回転部品(50)の内周面(175)の相違する部分間で延びて回転部品(50)の内部を3個のそれぞれ異なる流体通路(211、212、213)に分割する。具体的に、分割構造(155)は円周方向壁(153)の第1円周方向セグメントと第2円周方向セグメントの間に形成された境界から円周方向壁(153)の第4円周方向セグメントと第5円周方向セグメントの間に形成された境界まで延びる壁を形成する。第1流体通路(211)は第1及び第5円周方向セグメントに沿って分割構造(155)の一側に形成されて、第2流体通路(212)は第2、第3及び第4円周方向セグメントに沿って分割構造(155)の反対側に形成される。
【0057】
分割構造(155)は、また第3流体通路(213)を形成するために回転部品(50)の内部を通じて延びる開口を限定する。分割構造(155)は回転部品(50)内で流体通路(211、212、213)のそれぞれを互いに流体的に分離する。即ち、分割構造(155)は任意の流体通路(211、212、213)間の直接的な流体連通を防止するので、流体通路(211、212、213)の中の何れかの1つを通過する独立した流体流れの中の何れも回転部品(50)の円周方向壁(153)の境界内で流体通路(211、212、213)の中の異なる1つを通過する独立した流体流れと混合されるか、他の方式で結合しない。回転部品(50)の端部壁(161、162)は図2に図示されるように、回転バルブ(10)の軸方向に対してそれぞれの流体通路(211、212、213)を追加で限定する。
【0058】
第1流体通路(211)は第1層の第1円周方向流体開口(251)と第2層の第1円周方向流体開口(261)の間に流体連通を提供する。第2流体通路(212)は第1層の第2円周方向流体開口(252)、第1層の第3円周方向流体開口(253)、第2層の第2円周方向流体開口(262)、第2層の第3円周方向流体開口、第2層の第4円周方向流体開口(264)の任意の組み合わせ間の流体連通を提供する。分割構造(155)により形成された第3流体通路(213)は内部に90度回転を含み、回転部品(50)の回転軸に沿って配置された軸方向流体開口(191)と第2層の第5円周方向流体開口(265)の間に流体連通を提供する。
【0059】
また図7aを参照すると、回転バルブ(10)の第1層は第1円周方向流体ポート(281)及び第2円周方向流体ポート(282)を有するバルブ体(60)を含む。第1円周方向流体ポート(281)は図示される回転バルブ(10)の第1作動モードに対して、回転部品(50)の円周方向壁(153)の第1円周方向セグメントと半径方向に瞬間的に整列されるバルブ体(60)の円周方向壁(69)の第1円周方向セグメントに沿って位置する。もう一度、円周方向壁(69)の残りの円周方向セグメントはバルブ体(60)の円周方向に対して連続的に形成されて(図7aの観点を基準に時計回り)、ここで第2円周方向セグメントは第1円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第3円周方向セグメントは第2円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第4円周方向セグメントは第3円周方向セグメントに隣接するように配置されて、第5円周方向セグメントは第4円周方向セグメント(また第4円周方向セグメントの反対側に配置された第1円周方向セグメント)に隣接するように配置される。この規則に基づいて、第1層の第2円周方向流体ポート(282)は円周方向壁(69)の第2円周方向セグメントに沿って位置する一方、円周方向壁(69)の残りの第3、第4及び第5円周方向セグメントは円周方向流体ポート(82)の中の1つがない円周方向壁(69)の連続的な部分(弧)により形成される。
【0060】
円周方向壁(69)の円周方向セグメントの同じ命名規則を使用しながらこれから図7bを参照すると、回転バルブ(10)の第2層は第1円周方向セグメント位置で対応する第1円周方向流体ポート(291)及び第2円周方向セグメント位置で対応する第2円周方向流体ポート(292)を有するバルブ体(60)を含む。円周方向壁(69)の残りの第3、第4及び第5円周方向セグメントは円周方向流体ポート(82)の中の1つがない円周方向壁(69)の連続的な部分(弧)によりもう一度形成される。第1層の第1円周方向流体ポート(281)は回転バルブ(10)の軸方向に対して第2層の第1円周方向流体ポート(291)と整列されて離隔される一方、第1層の第2円周方向流体ポート(282)は類似するように回転バルブ(10)の軸方向に対して第2層の第2円周方向流体ポート(292)と整列されて離隔される。
【0061】
図7a及び図7bに示すような第1作動モードは図示される位置に回転された回転部品(50)を含み、第1層の第1円周方向流体ポート(281)は第1層の第1円周方向流体開口(251)と半径方向に整列されて、第1層の第2円周方向流体ポート(282)は第1層の第2円周方向流体開口(282)と半径方向に整列されて、第2層の第1円周方向流体ポート(291)は第2層の第1円周方向流体開口(261)と半径方向に整列されて、第2層の第2円周方向流体ポート(292)は第2層の第2円周方向流体開口(262)と半径方向に整列される。流体の第1流れは第2層の第1円周方向流体ポート(291)、第2層の第1円周方向流体開口(261)、回転部品(50)を貫通して形成された第1流体通路(211)、第1層の第1円周方向流体開口(251)、そして第1層の第1円周方向流体ポート(281)の順に流れる。流体の第2流れは第2層の第2円周方向流体ポート(292)、第2層の第2円周方向流体開口(262)、回転部品(50)を貫通して形成された第2流体通路(212)、第1層の第2円周方向流体開口(252)、そして第1層の第2円周方向流体ポート(282)の順に流れる。
【0062】
図示される流れ構成で、第2層の第1及び第2円周方向流体ポート(291、292)は回転バルブ(10)の流体入口として作用する一方、第1層の第1及び第2円周方向流体ポート(281、282)は回転バルブ(10)の流体出口として作用する。しかし、回転バルブ(10)を有する流体システムの残りによる流体の流れ構成によって、流体流れの中の1つまたは2つが本発明の範囲を逸することなく図示されて説明される流れ方向に反対になる流れ方向に流体通路(211、212)を通じて軸方向に通過できることが当業者に容易に明白でなければならない。このように、任意の円周方向流体ポート(281、282、291、292)は図7a及び7bに図示されるようにバルブ体(60)に対する回転部品(50)の構成に対して回転バルブ(10)への流体入口または流体出口として作用できる。
【0063】
図8a及び図8bに図示される2番目の作動モードは第1作動モードと関連する回転部品(50)の回転位置から72度(図示される観点で反時計回り)回転された回転部品(50)を含む。第2作動モードは第1層の第1円周方向流体ポート(281)が第1層の第2円周方向流体開口(252)と半径方向に整列されて、第1層の第2円周方向流体ポート(282)が円周方向壁(153)一部により遮断されて、第2層の第1円周方向流体ポート(291)が第2層の第2円周方向流体開口(262)と半径方向に整列されて、第2層の第2円周方向流体ポート(292)が第2層の第3円周方向流体開口(263)と半径方向に整列される構成を含む。流体の第1流れは第2層の第1円周方向流体ポート(291)、第2層の第2円周方向流体開口(262)、回転部品(50)を貫通して形成された第2流体通路(212)、第1層の第2円周方向流体開口(252)、続いて第1層の第1円周方向流体ポート(281)の順に流れる。流体の第2流れは第2層の第2円周方向流体ポート(292)、第2層の第3円周方向流体開口(263)、回転部品(50)を貫通して形成された第2流体通路(212)、第1層の第2円周方向流体開口(252)、続いて第1層の第1円周方向流体ポート(281)順に流れる。
【0064】
図示される流れ構成で、第2層の第1及び第2円周方向流体ポート(291、292)は回転バルブ(10)の流体入口として作用する一方、第1層の第1円周方向流体ポート(281)は回転バルブ(10)の流体出口として作用し、ここで流体の2個の流れは回転部品(50)を出る前に第2流体通路(212)内で互いに混合される。しかし、流体流れの中の1つまたは2つは回転バルブ(10)を有する流体システムの残りの部分による流れ構成によって、本発明の範囲を逸することなく図示されて説明されるものと異なる流れ構成を使用して、第2流体通路(212)を通過できることが当業者に容易に明白でなければならない。例えば、流体は円周方向流体ポート(281、291、292)の中の任意の2つに入り、第2流体通路(212)内で結合した後、円周方向流体ポート(281、291、292)の中の残りの1つを通じて出るか、又は円周方向流体ポート(281、291、292)の中の1つを通じて流入して、第2流体通路(212)内で2つの異なる部分的流れに分離された後、円周方向流体ポート(281、291、292)の中の残りの2つを通じて出る。
【0065】
図9aと図9bに示される第3作動モードは第2作動モードと関連する回転部品(50)の回転位置から72度(図示される観点で反時計回り)回転された回転部品(50)を含む。第3作動モードは第1層の第1円周方向流体ポート(281)が円周方向壁(153)の一部により遮断されて、第1層の第2円周方向流体ポート(282)が第1層の第3円周方向流体開口(253)と半径方向に整列されて、第2層の第1円周方向流体ポート(291)が第2層の第3円周方向流体開口(263)と半径方向に整列されて、第2層の第2円周方向流体ポート(292)が第2層の第4円周方向流体開口(264)と半径方向に整列される構成を含む。流体の第1流れは第2層の第1円周方向流体ポート(291)、第2層の第3円周方向流体開口(263)、回転部品(50)を貫通して形成された第2流体通路(212)、第1層の第3円周方向流体開口(253)、続いて第1層の第2円周方向流体ポート(282)の順に流れる。
【0066】
流体の第2流れは第2層の第2円周方向流体ポート(292)、第2層の第4円周方向流体開口(264)、回転部品(50)を貫通して形成された第2流体通路(212)、第1層の第3円周方向流体開口(253)、続いて第1層の第2円周方向流体ポート(282)の順に流れる。図示される流れ構成で、第2層の第1及び第2円周方向流体ポート(291、292)は回転バルブ(10)の流体入口として作用する一方、第1層の第2円周方向流体ポート(282)は回転バルブ(10)の流体出口として作用して、ここで流体の2個の流れは回転部品(50)を出る前に第2流体通路(212)内で互いに混合される。しかし、回転バルブ(10)を有する流体システムの残りの部分による流れ構成によって、流体流れの中の1つまたは2つが本発明の範囲を逸することなく図示されて説明されるものと異なる流れ構成を使用して第2流体通路(212)を通過できることが当業者に容易に明白でなければならない。例えば、流体は円周方向流体ポート(282、291、292)の中の任意の2つに入り、第2流体通路(212)内で結合した後、円周方向流体ポート(282、291、292)の中の残りの1つを通じて出るか、または、円周方向流体ポート(282、291、292)の中の1つを通じて流入し、第2流体通路(212)内で2つの異なる部分流れに分離された後、円周方向流体ポート(282、291、292)の中の残りの2つを通じて出る。
【0067】
図10a及び10bに示すような第4作動モードは、第3作動モードと関連する回転部品(50)の回転位置から144度(図示される観点で反時計回り)回転された回転部品(50)を含む。第4作動モードは、第1層の第1円周方向流体ポート(281)が円周方向壁(153)の一部により遮断されて、第1層の第2円周方向流体ポート(282)が第1層の第1円周方向流体開口(251)と半径方向に整列されて、第2層の第1円周方向流体ポート(291)は第2層の第5円周方向流体開口(265)と半径方向に整列されて、第2層の第2円周方向流体ポート(292)は第2層の第1円周方向流体開口と半径方向に整列される構成を含む。流体の第1流れは第2層の第1円周方向流体ポート(291)、第2層の第5円周方向流体開口(265)、回転部品(50)を貫通して形成された第3流体通路(213)、回転部品(50)の軸方向流体開口(191)、そしてバルブ体(60)の軸方向流体ポート(83)の順に流れる。流体の第2流れは第2層の第2円周方向流体ポート(292)、第2層の第1円周方向流体開口(261)、回転部品(50)を貫通して形成された第1流体通路(211)、第1層の第1円周方向流体開口(251)、続いて第1層の第2円周方向流体ポート(282)の順に流れる。
【0068】
図示のような流れ構成で、第2層の第1及び第2円周方向流体ポート(291、292)は回転バルブ(10)の流体入口として作用する一方、第1層の第2円周方向流体ポート(282)及び軸方向流体ポート(83)は回転バルブ(10)の流体出口として作用する。しかし、回転バルブ(10)を有する流体システムの残りの部分による流れ構成によって、流体流れの中の1つまたは2つが本発明の範囲を逸することなく図示されて説明されるものと異なる流れ構成を使用して流体通路(211、213)を通過できるということが当業者に容易に明白でなければならない。具体的に、流体通路(211、213)の中の1つまたは2つによる流れ方向は必要によって逆転されてポート(83、282、291、292)の中の回転バルブ(10)の入口及び出口として何が作用するかをスイッチできる。
【0069】
回転バルブ(10)が密封区域(172)及び非密封区域(173)を形成するために可変半径を有する外周面(171)を有する回転部品(50)を利用すると図示及び説明されるが、回転バルブ(10)と関連して開示される相違する流れ構成は、本発明の範囲を逸することなく密封区域(172)及び非密封区域(173)の形成なく有利に利用できるが当業者に明白でなければならない。即ち、回転バルブ(10)による新しい流れ構成は相違する区域(172、173)により供給される減少した摩擦力がない場合に有用であることができ、従って回転バルブ(10)はこのような特徴を含む実施例に制限されない。
【0070】
回転バルブ(10)の4の開示される作動モードは5方向スイッチングバルブとして回転バルブ(10)の1つの可能な使用を例示するために、図6の例示的な流体システム(301)を参照してこれから論議される。先に言及したように、図6に図示される流体システム(301)は回転バルブ(10)を通じて循環する冷却水として水を利用する電気自動車の冷却水システムを代表する。しかし、回転バルブ(10)による相違する流れ構成を規定する時の柔軟性は単一バルブ部材で併合された5個の相違する流れ経路を有する任意の流体システムの使用に有利に適応できることが明白でなければならない。
【0071】
流体システム(301)はラジエーター冷却水配管(310)、バッテリー冷却水配管(320)及び電気部品冷却水配管(330)を含む。ラジエーター冷却水配管(310)及びバッテリー冷却水配管(320)は回転バルブ(10)を通じて、または配管(310、320)のそれぞれに対して回転バルブ(10)から遠隔で配置された一対のバルブ(315、325)により、互いに流体連通するように配置されることができる。ポンプ(303)は配管(310、320)のそれぞれに対して、回転バルブ(10)のまさに上流に配置されて水が所望の流れ方向に配管(310、320)のそれぞれを通じて流れるようにする。
【0072】
バッテリー冷却水配管(320)は電気部品冷却水配管(330)と冷却水-冷却水熱交換器(305)による、熱交換関係にある。電気部品冷却水配管(330)は電気部品冷却水配管(330)を循環する冷却水と熱エネルギーを交換するための少なくとも1つの電気自動車の電気部品(335)を含む。少なくとも1つの電気部品(335)は冷却水-冷却水熱交換器(305)を通じてバッテリー冷却水配管(320)に伝達できる熱を生成するように構成されることができる。
【0073】
ラジエーター冷却水配管(310)はラジエーター(312)、バルブ(315)、少なくとも1つの電気駆動装置(314)、ポンプ(303)の中の1つ、及び回転バルブ(10)を含む。迂回流路(318)は回転バルブ(10)からラジエーター(312)の下流及びバルブ(315)の上流にあるラジエーター冷却水配管(310)上の位置まで延びる。
【0074】
ラジエーター冷却水配管(310)はまた、ラジエーター(312)のまさに上流及びバイパス流路(318)がラジエーター冷却水配管(310)に合流する位置の下流での冷却水温度を決定するための一対の温度センサー(302)を含み、ここで冷却水温度の決定はラジエーター(312)を迂回するための回転バルブ(10)の作動モードを決定するのに利用されることができる。バッテリー冷却水配管(320)は冷却水-冷却水熱交換器(305)、冷却装置(321)、バルブ(325)、バッテリー(322)、バッテリー充電器(323)、ポンプ(303)の中の1つ、及び回転バルブ(10)を含む。
【0075】
図7a及び図7bに示される第1作動モードによれば、回転バルブ(10)はポート(291)からポート(281)への冷却水の第1流れとポート(292)からkポート(282)への冷却水の第2流れを連通させる。このような作動モードは冷却水の熱を除去するために、後でラジエーター冷却水配管(310)のラジエーター(312)を通過する回転バルブ(10)を通じて流れるバッテリー冷却水配管(320)のバッテリー充電器(323)及びバッテリー(322)による冷却水の流れを含む。追加的に、少なくとも1つの電気駆動装置(314)による冷却水の流れはバイパス流路(318)による流れを通じてラジエーター(312)周囲にバイパスされる。第1作動モードは少なくとも1つの電気駆動装置(314)を向かう冷却水はもちろん、バッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)を通過するためにバルブ(325)を向かう冷却水を分配するバルブ(315)を含むことができる。
【0076】
図8a及び図8bに示される第2作動モードはそれぞれのポート(291、292)からポート(281)に冷却水を連通させる回転バルブ(10)を含む。これは結合された冷却水流れの熱を除去するためにラジエーター(312)を通過する前に、少なくとも1つの電気駆動装置(314)を通過する冷却水の部分と、バッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)を通過する冷却水の部分が回転バルブ(10)内で結合されるようにする。第2作動モードはバッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)による後続通過のためのバルブ(325)だけではなく少なくとも1つの電気駆動装置(314)に冷却水を分配するバルブ(315)に依存する。
【0077】
図9a及び図9bに示される第3作動モードはそれぞれのポート(291、292)からポート(282)に冷却水を連通させる回転バルブ(10)を含む。これはラジエーター(312)を迂回するためのバイパス流路(312)を通じて通過される前に、少なくとも1つの電気駆動装置(314)を通過する冷却水の部分とバッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)を通過する冷却水の部分が回転バルブ(10)内で結合されるようにする。第3作動モードはバッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)による後続通過のためのバルブ(325)だけではなく1つ以上の電気駆動装置(314)に冷却水を分配するバルブ(315)に依存する。
【0078】
図10a及び図10bに示される第4作動モードはポート(291)から軸方向に配列されたポート(191)への冷却水の第1流れだけではなくポート(292)からポート(282)への冷却水の第2流れを連通させる回転バルブ(10)を含む。また、バルブ(315、325)は回転バルブ(10)の入口ポート(291、292)に向かって流れるように各バルブ(315、325)と合う全ての冷却水を送るように調整されて、従ってバルブ(315、325)間には冷却水が交換されない。このような構成により冷却水が2個の配管(310、320)を通じて8字状流動形態に流動する。
【0079】
具体的に、バッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)による冷却水の流れは回転バルブ(10)を通過してラジエーター(312)を向かう。ラジエーター(312)を出る流れはその後少なくとも1つの電気駆動ユニット(314)及び回転バルブ(10)を通過して冷却水-冷却水熱交換器(305)に向かって流れる。バッテリー冷却水配管(320)の冷却水は冷却水-冷却水熱交換器(305)内で電気部品冷却水配管(330)の冷却水と熱エネルギーを交換する。冷却水は循環プロセスをまた始めるためにバッテリー(322)及びバッテリー充電器(323)を通じて逆流する前に、冷却装置(321)内の他の流体と追加的な熱エネルギーを交換することができる。
【0080】
第4作動モードは電気自動車が特に寒い周辺環境に露出した状態で初めて起動される時のように、電気自動車のバッテリー(322)が所望の程度の効率を達成するために加熱が必要な期間の間に活用できる。冷却水-冷却水熱交換器(305)はバッテリー(322)を通じて冷却水が通過する前に、電気部品冷却水配管(330)から冷却水に熱が追加されることを有利に許容して、バッテリー(322)がより速く加熱するように許容する。第4作動モードの間、配管(310、320)のそれぞれによる冷却水の流れはまた熱がラジエーター(312)内の冷却水で除去される前に、少なくとも1つの電気駆動装置(314)により生成された熱が類似するようにバッテリー(322)に伝達されることを有利に許容して、バッテリー(322)を速かに加熱するのにさらに役立つ。
【0081】
可変半径形式の密封区域(172)及び非密封区域(173)を有する回転部品(50)の使用は、従来技術の回転部品と比較して、回転部品(50)により低い総半径方向力が加えられるように許容する。具体的に、回転部品(50)の相違する作動位置は第1密封力で密封区域(172)とバルブ体(60)の間で圧縮される密封要素(20)の少なくとも一部及びより低い第2密封力で非密封区域(173)及びバルブ体(60)の間で圧縮される密封要素(20)の一部を含む。非密封区域(173)のより小さな半径を利用して密封要素(20)の少なくとも一部に対して存在する密封力を減少させることによって、噛み合う硬性密封体(21)と回転部品(50)の間に存在する摩擦力が外周面(171)上の多様な位置で減少される。このように、回転部品(50)と密封要素(20)の間に存在する総摩擦力が減少して、これによりバルブ体(60)に対して回転部品(50)を回転させるのにより少ないトルクが要求される。減少したトルク要求事項はバルブ体(60)に対して回転部品(50)を回転させるのに必要なエネルギー量を減少させながら、回転バルブ(10)と共に使用できる適切な回転モーターまたはアクチュエーターを有利に拡張する。より低いトルク要求事項はまた回転バルブ(10)を含む任意の組立体のパッケージング空間を減らすために、回転モーターまたはアクチュエーターの大きさがさらに小さくなることを有利に許容できる。
【0082】
回転バルブ(10)の開示される構成はまた回転バルブ(10)が単一回転部品(50)の使用を通じてバルブ体(60)の5個の相違するポート(83、281、282、291、292)による冷却水の流れを制御できるようにし、従って、回転バルブ(10)は単一作動(actuating)入力があるだけにもかかわらず、5方向スイッチングバルブとして作動する。これは回転部品(50)とバルブ体(60)の2階構成により可能であり、回転部品(50)を貫通して形成された流体通路(211、212、213)の特定構成は回転バルブ(10)を通じて可能な流れ構成の数を拡張するために、冷却水が2層の間から軸方向に連通できるようにする。従って、回転バルブ(10)はコンパクトであり、前記バルブで合う少なくとも5個の異なる流路による流れを制御できるバルブを必要とする任意の流体システムにより容易に統合できる。多数の相違する流れ経路を制御するための単一バルブの使用はまた、多数のバルブ要素または多数の移動部分を有するバルブ要素を同時に制御することと関連する潜在的な問題を除去すると同時に、流体システムを単純化させる。
【0083】
前述の説明から、当業者は本発明の本質的な特徴を容易に確認でき、本発明の思想及び範囲を逸することなく多様な用途及び条件に適応させるために本発明に多様な変更及び修正を加えることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 回転バルブ
20 密封要素
21 硬性密封体
22 軟性密封体
24 流動開口
25 周辺部
28 半径方向内部表面
29 半径方向外部表面
44 流動開口
50 回転部品
56 ステム
60 バルブ体
61 第1端部
62 第2端部
63 カバー
64 開口
65 O-リング
67 開口
68 軸方向端部壁
69 円周方向壁
70 内周面
71 支持部材
72 ポケット
82 流体ポート、円周方向流体ポート
83 流体ポート、軸方向流体ポート
151 第1端部
152 第2端部
153 円周方向壁
155 分割構造
161 第1端部壁
162 第2端部壁
171 外周面
172 密封区域
173 非密封区域
175 内周面
177 転移区域
179 半径方向ギャップ
181 流体開口、円周方向流体開口
191 流体開口、軸方向流体開口
211 流体通路(第1流体通路)
212 流体通路(第2流体通路)
213 流体通路(第3流体通路)
251 第1層の第1円周方向流体開口
252 第1層の第2円周方向流体開口
253 第1層の第3円周方向流体開口
261 第2層の第1円周方向流体開口
262 第2層の第2円周方向流体開口
263 第2層の第3円周方向流体開口
264 第2層の第4円周方向流体開口
265 第2層の第5円周方向流体開口
281 第1層の第1円周方向流体ポート
282 第1層の第2円周方向流体ポート
291 第2層の第1円周方向流体ポート
292 第2層の第2円周方向流体ポート
301 流体システム
302 温度センサー
303 ポンプ
305 冷却水-冷却水熱交換器
310 ラジエーター冷却水配管
312 ラジエーター
314 電気駆動装置
315 バルブ
318 迂回流路
320 バッテリー冷却水配管
321 冷却装置
322 バッテリー
323 バッテリー充電器
325 バルブ
330 電気部品冷却水配管
335 電気部品

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
【国際調査報告】