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特表2023-528545スルホンアミド誘導体およびそれを有効成分とする精神病の予防または治療に使用するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】スルホンアミド誘導体およびそれを有効成分とする精神病の予防または治療に使用するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/14 20060101AFI20230627BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 211/18 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 295/13 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 309/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 215/36 20060101ALI20230627BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20230627BHJP
【FI】
C07D211/14 CSP
A61P25/00
A61P25/24
A61P25/18
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/22
A61P25/34
A61P25/04
A61K45/00
A61K31/445
C07D211/18
C07D401/04
A61K31/454
C07D295/13
A61K31/495
C07D309/04
A61K31/496
C07D401/12
A61K31/4545
A61K31/4709
C07D215/36
A23L33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517641
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2021004197
(87)【国際公開番号】W WO2021241875
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0065505
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0041812
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518452917
【氏名又は名称】テグ-キョンプク メディカル イノベーション ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】522466821
【氏名又は名称】トリニューロ
【氏名又は名称原語表記】TRINEURO
【住所又は居所原語表記】7th Fl., 120, Neungdong-ro, Gwangjin-gu, Seoul 05029,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】イム,チュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ガヨン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ,ウンビ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジヒ
(72)【発明者】
【氏名】ベ,セリ
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ユジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンヘ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ユジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イ,シオン
(72)【発明者】
【氏名】シン,チャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,キョンジャ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヒジョン
(72)【発明者】
【氏名】パウデル,スレッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,セジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ギュソク
【テーマコード(参考)】
4B018
4C063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B018MD18
4B018ME14
4C063BB01
4C063BB07
4C063CC10
4C063CC12
4C063DD06
4C063DD10
4C063EE01
4C084AA17
4C084NA14
4C084ZA01
4C084ZA05
4C084ZA08
4C084ZA12
4C084ZA15
4C084ZA16
4C084ZA18
4C084ZC39
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086BC28
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZC39
(57)【要約】
精神病の予防または治療のためのスルホンアミド誘導体およびそれを有効成分として含む医薬組成物を開示する。本誘導体は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害剤として優れた効果を発揮するため、精神病の治療に効果的に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
式中、
nが0~5の整数であり、
R1が、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~14個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールが、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルが、直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbが、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-10アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mが0~5の整数であり、
R2が、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4~8個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルが、インドール、-(CH2pC6-10アリール、ならびにN、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびC6-10アリールが、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pは0~5の整数を表し、
R3が、水素または直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3が、結合している窒素原子と一緒になって、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、4~8個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルは、インドールまたは-(CH2qC6-10アリールにより置換されており、qが0~5の整数である、
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
nが0~4の整数であり、
R1が、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~10個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールが、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルが、直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbが、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mが0~4の整数であり、
R2が、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4~6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルが、インドール、-(CH2pフェニル、および1つ以上のOを含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびフェニルが、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-3アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-3アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pが0~4の整数を表し、
R3が、水素または直鎖もしくは分岐C1-3アルキルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3が、結合している窒素原子と一緒になって、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、4~6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルが、インドールまたは-(CH2qフェニルにより置換されており、qが0~4の整数である、
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
nが0~3の整数であり、
R1が、1つ以上のNを含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~9個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールが、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-4アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-4アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルが、直鎖もしくは分岐C1-4アルキル、直鎖もしくは分岐C1-4アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbが、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-4アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、1つ以上のNを含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mが0~3の整数であり、
R2が、1つ以上のNを含む6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルが、インドール、-(CH2pフェニル、および1つ以上のOを含む6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびフェニルが、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、および-CF3からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pが0~3の整数を表し、
R3が、水素またはメチルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3が、結合している窒素原子と一緒になって、1つ以上のNを含む、6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルが、インドールまたは-(CH2qフェニルにより置換されており、qが0~3の整数である、
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
nが0、2、3または4であり、
R1が非置換もしくは置換フェニル、非置換ナフチル、非置換インドール、非置換もしくは置換ピリジニル、または非置換キノリニルであり、
置換フェニルおよび置換ピリジニルが、独立して、-OH、ハロゲン、メトキシ、ブトキシ、-OCF3、-NH2、-NHnBu、-NHC(=O)(CH22ピペリジニル、-NHC(=O)(CH2)2N(CH3)2、非置換もしくはメトキシ、ハロゲンもしくはメチルで置換されている置換フェニル、およびフェノキシからなる群から選択される1以上の置換基により置換されており、
R2は置換ピペリジニルまたは置換ピペラジニルであり、
置換ピペリジニルおよび置換ピペラジニルは、独立してインドール、-(CH2)pフェニル、およびメチルテトラヒドロピラジニルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されており、インドールおよびフェニルは、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、メチル、メトキシおよび-CF3からなる群から選択される1以上の置換基で置換されており、pは0~2の整数であり、
R3は、水素であるか、または、
nが0の場合、R2およびR3は、結合する窒素原子と一緒になってピペリジニルを形成してもよく、ピペリジニルは、インドールまたは-(CH2)qフェニルで置換されていてもよい、
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩であって、式中
nが、0、2、3または4であり、
R1
【化2】
であり、
R2
【化3】
であり、
R3が、水素であるか、または、nが0である場合、-NR2R3
【化4】
である、
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式1で表される化合物が、下記化合物群からなる群より選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩:
<1> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-ヒドロキシベンゼンスルホンアミド
<2> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-フルオロベンゼンスルホンアミド
<3> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
<4> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<5> 3-(1-((4-ブトキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
<6> N-(2-(4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<7> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(5-メチル-1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<8> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(5-メトキシ-1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<9> 1-((4-ブトキシフェニル)スルホニル)-4-フェネチルピペリジン
<10> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<11> N-(3-(4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<12> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-1H-インドル-2-スルホンアミド
<13> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
<14> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
<15> 4-アミノ-N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<16> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-(ブチルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
<17> N-(4-(N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)スルファモイル)フェニル)-3-(ピペリジン-1-イル)プロパンアミド
<18> N-(4-(N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)スルファモイル)フェニル)-3-(ジメチルアミノ)プロパンアミド
<19> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルフィンアミド
<20> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<21> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジフルオロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<22> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロフェニル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<23> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<24> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<25> 4-ブトキシ-N-(3-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<26> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<27> N-(3-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<28> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<29> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-メチルベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<30> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<31> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<32> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-フルオロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<33> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<34> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
<35> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-5-ブトキシピリジン-2-スルホンアミド
<36> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インドル-2-スルホンアミド
<37> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-diメトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<38> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<39> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<40> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<41> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<42> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<43> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<44> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<45> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<46> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<47> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<48> N-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<49> N-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<50> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<51> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<52> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<53> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<54> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<55> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<56> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<57> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<58> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-フルオロ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<59> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<60> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-メチル-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<61> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<62> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<63> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<64> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<65> N-(3-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<66> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<67> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<68> N-(3-(4-フェニルピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<69> N-(3-(4-フェニルピペラジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<70> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<71> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<72> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<73> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<74> 4'-フルオロ-N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<75> N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<76> N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<77> N-(4-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<78> N-(4-(4-(3-フェニルプロピル)ピペラジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド、および
<79> N-(4-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド。
【請求項7】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神病の予防または治療のための医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物が、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの再取り込みを阻害する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記精神障害が、神経性過食症、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、ジスティミック障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、周期性障害、一般的な医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、疑似認知症、ガンジャー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往がない広場恐怖、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症状、認知症、老化性認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症、後天性免疫不全症候群認知症合併症、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物中毒、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン中毒、ニコチン中毒、タバコ中毒、アルコール中毒、アルコール依存症、病的クレプトマニア、中毒物質離脱による離脱症候群、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ関連痛、腰痛、癌性疼痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後疼痛。薬物性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経系による疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋肉痛、幻肢痛、食欲不振、月経前症候群、月経困難症、黄体後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、遷延性植物状態尿失禁、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏、勃起障害、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性無食欲症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、Rett障害、小児性崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、緘黙症、トリコチロマニア、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳梗塞、脳神経障害、トゥレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗性障害、脳卒中後障害、からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神病の予防または治療のための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害薬。
【請求項11】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神病の予防または改善のの健康機能食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホンアミドおよびそれを有効成分として含有する精神病の予防または治療に使用するための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
精神病とは、認知、感情、気分、情動の異常をもたらす識別可能な症状によって特徴づけられる脳の病理学的異常を指す。代表的な精神病としては、注意欠陥多動性障害(ADHD)、パニック障害、双極性障害、うつ病、統合失調症、摂食障害、解離性障害、心的外傷後ストレス障害などがあり、これらの障害は、様々な機能障害、症状の重さ、期間などによって特徴付けられる。精神病を引き起こす要因としては、以下が挙げられる:1)脳神経機能に影響を及ぼす神経伝達物質の過不足による脳分泌障害、2)脳の損傷や脳機能の変性、3)ホルモンの分泌異常、4)ストレスなど。
【0003】
脳を構成する多数の神経細胞は、異なる神経細胞とコミュニケーションすることで神経機能を調節しているが、この神経細胞には主に2つの伝達方法がある。一つは、神経細胞内の伝達方法である「電気的伝達」であり、もう一つは、神経細胞間の伝達方法である「化学的伝達」である「神経細胞外伝達」である。化学伝達は、シナプス(ある神経細胞の軸索末端と次の神経細胞の樹状突起の接合部)で起こり、シナプス前過程で神経伝達物質(すなわち化学物質)を分泌し、別のシナプスに伝達する方法である。シナプス後過程として、シナプスを介して神経伝達物質を受け取ったニューロンは、神経伝達物質の量に応じて、その閾値を超えると活性化し、興奮する。こうして活性化した神経細胞は、樹状突起で電気シグナルを発生させ、そのシグナルを軸索に伝えると、軸索はシナプスを介して神経伝達物質を分泌する、というこの一連のプロセスが繰り返される。神経細胞から分泌される神経伝達物質が、神経細胞とのシナプス反応を調節し、最終的には神経回路を制御することで、ヒトの行動を制御する、最も重要な因子であることが知られている。
【0004】
神経細胞から神経伝達物質が分泌されると、その神経細胞とシナプスを形成するシナプス後神経細胞の特定の受容体が、神経伝達物質と結合して活性化するが、シナプス後神経細胞とシナプスの活性化は、受容体のシグナル伝達によって調節することができる。ヒトの行動は、神経伝達物質によるニューロンやシナプスの活性化の調節によって制御されていると推定され、神経伝達物質(神経伝達物質がペプチドの場合)、神経伝達物質を生成する酵素、または神経伝達物質の受容体の遺伝子の変異が、行動制御障害に関連することが報告されている。さらに、神経伝達物質の量や受容体を介したシグナル伝達を調節する薬剤が、ヒトの行動を制御することが知られている。
【0005】
上記のように行動を制御する神経伝達物質としては、一価のアミン(カテコールアミン、セロトニンなど)、アセチルコリン、興奮性または抑制性のアミノ酸、各種神経ペプチドなどがあり、その受容体は、イオン性受容体、Gタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ受容体に大別される。
【0006】
脳内の様々な神経伝達物質のうち、カテコールアミン系の神経伝達物質であるドーパミンは、シナプス後部のドーパミン受容体の種類によって、興奮性シグナルと抑制性シグナルになることがある。ドーパミンは、我々の体内で、行動、注意、学習、動機づけ、報酬系、強化効果などに関連している。ドーパミンの活性が低下すると、無気力、意欲の減退、気力の減退などの抑うつ症状が出現する。また、ドーパミンは、前頭葉の神経細胞を興奮させ、短期記憶、計画、戦略などの精神活動に影響を及ぼす。特に、ドーパミンの与える報酬は、この報酬の快感を得るために人間に行動や学習を繰り返させるため、初期の脳の神経回路構築に非常に重要な役割を担っている。
【0007】
ノルエピネフリンは、自律神経系に存在するカテコールアミン系の神経伝達物質であり、ドーパミンの放出作用により分泌される二次神経伝達物質として知られている。ノルエピネフリンは、身体を緊張させ、周囲に注意を払い警戒させる覚醒作用に関連し、恐怖やストレス反応に関与する。特に、ノルエピネフリンは感情と密接に関係しており、気分障害(うつ病や双極性障害など)の原因とも考えられている。すなわち、ノルエピネフリンやドーパミンの働きが低下した状態がうつ病、ノルエピネフリンの働きが過剰に促進された状態が躁病という仮説が存在する。
【0008】
セロトニンは、通常抑制的に作用する神経伝達物質であり、ヒトの基本的な生理現象(睡眠、食欲、痛み、体温調節、心血管系反応、性欲、不安、うつなど)に多く関連している。臨床的には、セロトニンは様々な精神神経疾患(うつ病、統合失調症、強迫性障害、不安障害、摂食障害、睡眠障害、性障害、衝動制御障害、発達障害、脳変性疾患、ストレス障害、運動障害など)の原因に関与すると考えられており、特にうつ病との関連は非常に重要であるとされている。
【0009】
神経細胞のシナプス小胞には神経伝達物質が含まれており、神経細胞に刺激が伝わると、神経細胞間のシナプスの手前でカルシウムイオンチャネルが開き、神経細胞内にカルシウムが流入してシナプス小胞を神経細胞の細胞膜に移動させる。細胞膜に移動した小胞は、軸索末端でエキソサイトーシスによりシナプスに放出される。放出された神経伝達物質は、受容体と相互作用して、神経伝達物質を受け取った神経細胞を興奮または抑制し、また受容体に作用した後に残った神経伝達物質は、シナプス前細胞の軸索末端で再吸収されるか、シナプス後膜に存在する分解酵素によって分解されるか、または外部に拡散してグリア細胞によって除去される。
【0010】
再取り込みのプロセスは、神経伝達物質のトランスポーターによって行われる。神経伝達物質の種類に応じて、特定の神経伝達物質トランスポーターが存在し、シナプス膜に存在するシナプス間隙に存在する神経伝達物質をシナプス前細胞に再取り込みする役割を担っている。このプロセスによる神経伝達物質の濃度調節は、最終的にシナプス後ニューロンに存在する様々な受容体の活性化の強度および持続時間に影響を与えることになる。
【0011】
上記のように、神経伝達物質の再取り込みとは、神経伝達物質が放出されたシナプス前細胞の膜にある特定の神経伝達物質トランスポーターによって、シナプス前細胞に再吸収され、神経伝達物質が不活性化されるプロセスを指す。神経伝達物質の再取り込みが増加すると、神経伝達物質の欠乏やアンバランスが起こり、神経伝達物質の再取り込みに関連する疾患が発症する。これらの再取り込み関連疾患の治療は、神経伝達物質の再取り込みを阻害することにより、シナプス内の神経伝達物質の濃度を高め、症状を改善する、というものである。
【0012】
神経伝達物質再取り込み阻害剤としては、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ドーパミン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体拮抗剤-セロトニン再取り込み阻害剤等が挙げられ、これらの阻害剤は、うつ病、気分障害、ADHD、慢性神経障害性疼痛、強迫性障害、パニック障害、不安障害、更年期障害などの治療に使用される。
【0013】
精神病障害を治療するための薬剤は継続的に開発されており、その中でも神経伝達物質再取り込み阻害剤に関連する技術として、韓国特許公開第10-2009-0089439号は、クロメン-2-オン誘導体の、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤としてのその使用、および精神病の治療のための使用を開示し、韓国特許公開第10-2009-0117736は、選択的セロトニン再取り込み阻害用組成物およびその製造方法に関し、アジアチコシドおよびマデカソシドを含む組成物を開示している。
【0014】
しかしながら、現在使用されている脳神経領域の精神病治療薬は、関連する病因として示唆されている様々な神経伝達物質のうち、単に一つの神経系に作用するだけであったり、神経伝達物質に対する選択性が十分でなかったりするため、治療効果や患者のコンプライアンスに問題が多く、重大な副作用(成長障害、睡眠障害、依存など)が生じるため、神経伝達物質に対する多様な選択性により複数の標的を柔軟に調節できる薬剤の開発が求められている。
【0015】
このような観点から、複数の標的を調節する薬剤に関する開発が進められており、新規アゼチジン誘導体およびそれを含む抗うつ剤組成物に関する韓国特許公開第10-2013-0026292号は、新規なアゼチジン誘導体およびそれを含む抗うつ組成物に関し、ドーパミン、セロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込みを同時に阻害できるアゼチジン誘導体を含む抗うつ剤組成物を開示し、韓国特許公開第2002-0079730号は、ノルエピネフリン、ドーパミン、およびセロトニンの再取り込みを阻害するためのアリールおよびヘテロアリール置換テトラヒドロイソキノリンの使用を開示し、韓国特許公開第10-2010019982号は、モノアミン再取り込み阻害剤としてのフェニル置換シクロアルキルアミンに関し、シナプス間隙からのドーパミン、セロトニンおよびノルエピネフリンなどの内因性モノアミンの再取り込みを阻害し1つ以上のモノアミン輸送体を調節するフェニル置換シクロアルキルアミンを開示している。
【0016】
本発明者らは、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン神経系を同時に調節する物質をベースに、その神経機能制御の選択性の差を確保して、複数の標的を柔軟に調節できる薬剤を鋭意開発した結果、スルホンアミドが、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンの3つの再取り込みの阻害作用を有し、精神病の治療に有用なことを確認し、本発明を完成させるに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の1つの目的は、スルホンアミド誘導体を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、スルホンアミド誘導体を有効成分として含有する、精神病の予防または治療のための医薬組成物を提供することである。。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、スルホンアミド誘導体を有効成分として含有する、精神病の予防または治療のためのセロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害剤を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、スルホンアミド誘導体を有効成分として含有する、精神病の予防または改善のための保健機能食品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
該目的を達成するために、本発明の一側面は、式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[式1]
【化1】
式1中、R1、R2、R3およびnは、本明細書で定義したものと同じである。
【0022】
本発明の別の側面は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または治療に使用するための医薬組成物を提供する。
【0023】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または治療に使用するための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重取り込み阻害剤を提供する。
【0024】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または改善に使用するための健康機能食品組成物を提供する。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、精神病の予防または治療に使用する方法を提供し、本方法は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または保健機能食品組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0026】
本発明のさらに別の態様は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分としてとして含有する医薬組成物または保健機能食品組成物の、精神疾患の予防または治療における使用を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神病の治療に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】
一方、本発明の実施形態は、様々な形態で変更可能であり、本発明の範囲は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業者に対して本発明をより完全に説明するために提供されるものである。さらに、本明細書を通じて、ある構成要素を「含む」とは、特に断らない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0030】
本発明の一側面は、式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[式1]
【化2】
【0031】
式中、
nは0~5の整数であり、
R1は、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~14個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールは、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルは、直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbは、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-10アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mは0~5の整数であり、
R2は、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4~8個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルは、インドール、-(CH2pC6-10アリール、ならびにN、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびC6-10アリールは、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pは0~5の整数を表し、
R3は、水素または直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3は、結合している窒素原子と一緒になって、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、4~8個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルは、インドールまたは-(CH2qC6-10アリールにより置換されており、qは0~5の整数である。
【0032】
式中、
nは0~4の整数であり、
R1は、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~10個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールは、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルは、直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbは、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mは0~4の整数であり、
R2は、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む4~6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルは、インドール、-(CH2pフェニル、および1つ以上のOを含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびフェニルは、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-3アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-3アルコキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pは0~4の整数を表し、
R3は、水素または直鎖もしくは分岐C1-3アルキルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3は、結合している窒素原子と一緒になって、N、SおよびOからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、4~6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルは、インドールまたは-(CH2qフェニルにより置換されており、qは0~4の整数である。
【0033】
式1中、
nは0~3の整数であり、
R1は、1つ以上のNを含む、C6-10の非置換もしくは置換アリールまたは5~9個の原子の非置換もしくは置換ヘテロアリールであり、
該置換アリールおよび該置換ヘテロアリールは、独立して、-OH、ハロゲン、1つ以上のハロゲンを有する非置換もしくは置換の直鎖もしくは分岐C1-4アルキル、1つ以上のハロゲンを有する非置換または置換の直鎖もしくは分岐C1-4アルコキシ、非置換もしくは置換フェニル、-NRaRb、-NHC(=O)(CH2)mNRaRbおよびフェノキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、
置換フェニルは、直鎖もしくは分岐C1-4アルキル、直鎖もしくは分岐C1-4アルコキシまたはハロゲンで置換されており、
RaおよびRbは、独立して水素または非置換もしくは1つ以上のハロゲンで置換された直鎖もしくは分岐C1-4アルキルであるか、あるいは、結合しているN原子と一緒になって、1つ以上のNを含む5~6個の原子のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、mは0~3の整数であり、
R2は、1つ以上のNを含む6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルであり、
置換ヘテロシクロアルキルは、インドール、-(CH2pフェニル、および1つ以上のOを含む6個の原子のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基により置換されており、
該インドールおよびフェニルは、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、および-CF3からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されており、pは0~3の整数を表し、
R3は、水素またはメチルであるか、または、nが0の場合、R2およびR3は、結合している窒素原子と一緒になって、1つ以上のNを含む、6個の原子の非置換もしくは置換ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、置換ヘテロシクロアルキルは、インドールまたは-(CH2qフェニルにより置換されており、qは0~3の整数である。
【0034】
式1において、
nは0、2、3または4であり、
R1は非置換もしくは置換フェニル、非置換ナフチル、非置換インドール、非置換もしくは置換ピリジニル、または非置換キノリニルであり、
置換フェニルおよび置換ピリジニルは、独立して、-OH、ハロゲン、メトキシ、ブトキシ、-OCF3、-NH2、-NHnBu、-NHC(=O)(CH22ピペリジニル、-NHC(=O)(CH22N(CH32、非置換もしくはメトキシ、ハロゲンもしくはメチルで置換されている置換フェニル、およびフェノキシからなる群から選択される1以上の置換基により置換されており、
R2は置換ピペリジニルまたは置換ピペラジニルであり、
置換ピペリジニルおよび置換ピペラジニルは、独立してインドール、-(CH2)pフェニル、およびメチルテトラヒドロピラジニルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されており、インドールおよびフェニルは、非置換であるか、または独立して、ハロゲン、メチル、メトキシおよび-CF3からなる群から選択される1以上の置換基で置換されており、pは0~2の整数であり、
R3は、水素であるか、または、
nが0の場合、R2およびR3は、結合する窒素原子と一緒になってピペリジニルを形成してもよく、ピペリジニルは、インドールまたは-(CH2qフェニルで置換されていてもよい。
式1中、
nは0、2、3または4であり、
R1
【化3】
であり、
R2
【化4】
であり、
R3は、水素であるか、または
nが0である場合、-NR2R3は、
【化5】
であってもよい。
【0035】
本発明による式1で表される化合物の例としては、以下の化合物群を挙げることができる:
<1> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-ヒドロキシベンゼンスルホンアミド
<2> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-フルオロベンゼンスルホンアミド
<3> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
<4> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<5> 3-(1-((4-ブトキシフェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール
<6> N-(2-(4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<7> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(5-メチル-1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<8> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(5-メトキシ-1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミド
<9> 1-((4-ブトキシフェニル)スルホニル)-4-フェネチルピペリジン
<10> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<11> N-(3-(4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<12> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-1H-インドル-2-スルホンアミド
<13> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-フェノキシベンゼンスルホンアミド
<14> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-メトキシベンゼンスルホンアミド
<15> 4-アミノ-N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<16> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-(ブチルアミノ)ベンゼンスルホンアミド
<17> N-(4-(N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)スルファモイル)フェニル)-3-(ピペリジン-1-イル)プロパンアミド
<18> N-(4-(N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)スルファモイル)フェニル)-3-(ジメチルアミノ)プロパンアミド
<19> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルフィンアミド
<20> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<21> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジフルオロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<22> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロフェニル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<23> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<24> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<25> 4-ブトキシ-N-(3-(4-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<26> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<27> N-(3-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミド
<28> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<29> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-メチルベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<30> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<31> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<32> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(4-フルオロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<33> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(2,3-ジクロロフェニル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<34> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
<35> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-5-ブトキシピリジン-2-スルホンアミド
<36> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インドル-2-スルホンアミド
<37> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-diメトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド
<38> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<39> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<40> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<41> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<42> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<43> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<44> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<45> N-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<46> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<47> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<48> N-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<49> N-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<50> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<51> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<52> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<53> N-(2-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル)キノリン-2-スルホンアミド
<54> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<55> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<56> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<57> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<58> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-フルオロ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<59> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-クロロ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<60> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-メチル-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<61> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4'-メトキシ-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<62> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<63> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<64> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<65> N-(3-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<66> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<67> N-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<68> N-(3-(4-フェニルピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<69> N-(3-(4-フェニルピペラジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<70> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド
<71> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-1-スルホンアミド
<72> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<73> N-(3-(4-(4-クロロフェニル)ピペラジン-1-イル)プロピル)キノリン-2-スルホンアミド
<74> 4'-フルオロ-N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<75> N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<76> N-(3-(4-(3-フェニルプロピル)ピペラジン-1-イル)プロピル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<77> N-(4-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド
<78> N-(4-(4-(3-フェニルプロピル)ピペラジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド、および
<79> N-(4-(4-(3-フェニルプロピル)ピペリジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミド。
【0036】
本発明の式1で表される化合物は、薬学的に許容される塩の形態で使用することができ、薬学的に許容される遊離酸によって形成される酸付加塩がその塩として有用である。酸付加塩は、無機酸(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、リン酸など)、無毒性有機酸(例えば、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸など)、有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸など)から得られる。このような薬学的に無毒な塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプレート塩、ヘプタン酸塩、プロピオラート塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、硫酸塩、スベレート塩、セバケート塩、フマラート塩、マレイン塩、ブチイン-1,4-ジオエート塩、ヘキサン-1,6-ジオエート塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロ ベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニルアセテート塩、フェニルプロピオネート塩、フェニルブチレート塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシブチレート塩、グリコレート塩、マレアート塩、タートレート塩、メタンスルホネート塩、プロパンスルホネート塩、ナフタレン1-スルホネート塩、ナフタレン2-スルホネート塩、マンデレート塩、などが挙げられる。
【0037】
本発明による酸付加塩は、常法により調製することができ、例えば、式1の誘導体を有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレン、アセトニトリルなど)に溶解し、有機酸または無機酸を加えて沈殿物をろ過、乾燥することにより調製してもよく、あるいは、有機溶媒中で減圧下で溶媒と過剰の酸を蒸留し乾燥、結晶化することによって調製してもよい。
【0038】
さらに、塩基を用いて薬学的に許容される金属塩を調製してもよい。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過剰の水酸化アルカリ金属溶液または水酸化アルカリ土類金属溶液に溶解し、未溶解の化合物塩をろ過し、ろ液を蒸発乾固することによって得られる。この場合、金属塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩を調製することが薬学的に好適である。また、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と適当な陰性塩(例えば、硝酸銀)とを反応させることにより、対応する塩が得られる。
【0039】
さらに、本発明には、式1で表される化合物およびその薬学的に許容される塩のみならず、そこから調製される溶媒和物、光学異性体、水和物等も含まれる。
【0040】
「水和物」とは、非共有結合性の分子間力によって結合した化学量論的または非化学量論的量の水を含む、本発明の化合物、またはその塩を指す。本発明の式1で表される化合物の水和物は、非共有結合性の分子間力によって結合した水を化学量論的にまたは非化学量論的に含有し得る。水和物は、1当量以上、好ましくは1~5当量の水を含有し得る。このような水和物は、本発明の式1で表される化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩を、水または含水溶媒から結晶化させることにより調製し得る。
【0041】
用語「溶媒和物」は、非共有結合性の分子間力によって結合した溶媒を化学量論的または非化学量論的に含む、本発明の化合物またはその塩を指す。このような溶媒として好ましいものとしては、揮発性、無毒性、および/またはヒトへの投与に適した溶媒が挙げられる。
【0042】
「異性体」とは、化学式または分子式は同じであるが、構造的または立体的に異なる本発明の化合物またはその塩をいう。このような異性体としては、構造異性体(例えば、互変異性体など)、非対称炭素中心を有するRまたはS異性体、立体異性体(例えば、幾何異性体(トランス、シス))、光学異性体(エナンチオマー)などが挙げられる。これらの異性体およびその混合物もすべて本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明による式1で表される化合物は、下記反応1に示すように、式2で表される化合物と式3で表される化合物とを反応させて式1で表される化合物を調製することを含む調製方法に従って、調製され得る。
【0044】
[反応1]
【化6】
【0045】
反応1において、R1、R2、R3およびnは、式1で定義したものと同じであり、Xはハロゲンである。
【0046】
反応1の調製方法は、式2で表される化合物のハロゲンと式3で表される化合物のアミンを反応させ、スルホンアミド結合を形成させ、式1で表される化合物を調製する方法である。調製方法は、当業者に周知の反応条件を用いることができ、本発明の実施例に準じて行うことができるが、これは例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明の別の側面は、式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または治療のための医薬組成物を提供するものである。
【0048】
該化合物は、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンの再取り込みを抑制することができる。
【0049】
該精神病は、神経性過食症、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛による二次性うつ病、大うつ病性障害、ディスチミア症、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、周期性障害、一般疾患による気分障害、物質による気分障害、疑似認知症、ガンガー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往がない広場恐怖、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症。不安症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症状、認知症、加齢性認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症、後天性免疫不全症候群認知症合併症、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害。急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物中毒、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール中毒、アルコール依存症、病的クレプトマニアック、中毒物質の離脱による離脱症候群、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病神経因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病関連痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、腰痛、癌性疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後疼痛、薬剤性ニューロパシー糖尿病性神経障害、交感神経系による疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋肉痛、幻肢痛、食欲不振、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続性植物状態、尿失禁、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏、勃起障害、勃起不全、女性早漏、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性無食欲症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、緘黙症、トリコチロマニア、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳梗塞、脳神経障害、トゥレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗性障害、脳卒中後障害など、からなる群より選択される少なくとも1つであり得る。
【0050】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの再取り込み阻害作用に優れているため、精神病の治療に有用である(実験例1および表17を参照)。
【0051】
本発明による医薬組成物において、式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与時に種々の経口および非経口投与形態で投与することができ、より好ましくは非経口投与形態で投与される。製剤化する場合、医薬組成物は、通常用いられる充填剤、伸展剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固体製剤としては、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、カプセルなどがあり、このような固体製剤は、少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロースもしくはラクトース、ゼラチンなどを、1以上の化合物と混合することによって調製される。単純な賦形剤に加え、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与用の液体製剤としては、懸濁液、内用液、乳剤、シロップなどがあり、一般に用いられる単純な希釈剤である水や流動パラフィンの他に、湿潤剤、甘味剤、香料、保存剤などの種々の賦形剤を含有させ得る。非経口投与用の製剤としては、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁液、エマルションなどがある。非水溶液および懸濁液としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)等を使用し得る。
【0052】
式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与の際に、種々の経口および非経口投与形態で投与することができる。製剤化する場合、医薬組成物は、通常用いられる充填剤、伸展剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固体製剤としては、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、カプセルなどがあり、このような固体製剤は、少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロースもしくはラクトース、ゼラチンなどを、1以上の化合物と混合することによって調製される。単純な賦形剤に加え、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与用の液体製剤としては、懸濁液、内用液、乳剤、シロップなどがあり、一般に用いられる単純な希釈剤である水や流動パラフィンの他に、湿潤剤、甘味剤、香料、保存剤などの種々の賦形剤を含有させ得る。非経口投与用の製剤としては、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁液、エマルションなどがある。非水溶液および懸濁液としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)等を使用し得る。
【0053】
式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物は、非経口的に投与することができ、非経口的投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射または胸腔内注射により行われる。
【0054】
この場合、非経口投与用の剤形に製剤化するためには、式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を、安定剤または緩衝剤とともに水に混合して溶液または懸濁液を調製し、これをアンプルまたはバイアルに単位剤形として調製し得る。この組成物は、滅菌されていてもよく、ならびに/または、保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化促進剤、浸透圧の制御のための塩および/もしくは緩衝剤、および他の治療上有用な物質を含んでいてもよく、混合法、造粒法、コーティング法等の常法に従って製剤化されてもよい。
【0055】
経口投与のための剤形としては、例えば、錠剤、丸薬、ハード/ソフトカプセル、液体、懸濁液、乳化剤、シロップ、顆粒、エリキシル剤、トローチなどが挙げられ、これらの剤形は、希釈剤(例えば。乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および/またはグリシン)、潤滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウム塩またはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール)を、活性成分のほかに含有する。錠剤は、結合剤(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリジン)を含み得、任意に、崩壊剤(例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩)または発泡性混合物、および/または吸収剤、着色剤、風味、甘味剤等を含み得る。
【0056】
式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容される塩を、有効成分として含有する、精神病の予防または治療のための医薬組成物は、単独の治療薬として投与されてもよいし、他の治療薬と組み合わせて使用されてもよい。
【0057】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または治療のための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重取り込み阻害剤を提供する。
【0058】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神病の予防または改善のための健康機能食品組成物を提供する。
【0059】
さらに、本発明の別の態様は、精神病の予防または治療に使用する方法を提供し、本方法は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または保健機能食品組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0060】
本発明のさらに別の態様は、上記式1で表される化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または保健機能食品組成物の、精神疾患の予防または治療における使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明を実施例および実験例により具体的に説明する。
【0062】
しかしながら、以下の実施例および実験例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容は以下の実施例および実験例に限定されるものではない。
【0063】
<調製例1> 2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩の調製
【化7】
【0064】
ステップ1:4-ベンジルピペリジン(1 eq)およびK2CO3(1.5 eq)をDMFに溶解させ、続いて室温で5分間撹拌した。反応物にtert-ブチル(2-ブロモエチル)カルバメート(1.2 eq)を滴下し、次いで60℃で12時間撹拌した。反応生成物にtert-ブチル(2-ブロモエチル)カルバメート(1.2 eq)をもう一度滴下し、次いで60℃で12時間撹拌することにより加えた。反応終了後、1N HCl水溶液を滴下して加え、ジクロロメタンによる抽出に付した。有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製してtert-ブチル(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)カルバメートを得た。
【0065】
ステップ2:tert-ブチル(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)カルバメートを直接4M HClジオキサン溶液で処理した後、室温で20分間撹拌した。反応終了後、減圧下で過剰量の塩酸を留去した。2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩を白色固体として得た。
【0066】
ステップ1において、4-ベンジルピペリリンの代わりに表1に示すRを用いた以外は、調製例1と同様の方法で、調製例2および調製例3の化合物を得た。
【0067】
【表1】
【0068】
<調製例4> 2-(4-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-アミンの調製
【化8】
【0069】
ステップ1:5-メチル-3-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドールHCl塩(1 eq)、2-(2-ブロモエチル)イソインドリジン-1,3-ジオン(1 eq)およびNAHCO3(1.1 eq)をDMFに溶解し、その後70℃で3時間撹拌した。反応終了後、氷を加え、濾過して得られた固体をMPLCで分離精製し、2-(2-(4-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)イソインドリジン-1,3-ジオンを得た。
【0070】
ステップ2:ステップ1で合成した2-(2-(4-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)イソインドリジン-1,3-ジオン(1 eq)をエタノールに溶解させ、そこにヒドラジン水和物(1.4 eq)を滴下し、その後2時間還流撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応物を濾過し、回収した濾液中の溶媒を減圧下で留去した。固体化合物を1M NaOH水溶液に溶解し、酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、食塩水で順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。2-(4-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)エタン-1-アミンをさらに精製することなく得た。
【0071】
5-メチル-3-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール塩酸塩の代わりに表2に示すRを用いた以外は調製例4と同様の方法で、調製例5および調製例6の化合物を得た。
【0072】
【表2】
【0073】
<調製例7> 3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミンの調製
【化9】
【0074】
ステップ1:4-ベンジルピペリジン(1 eq)、N-(3-ブロモプロピル)フタルイミド(1 eq)およびNaHCO3(1.1 eq)をDMFに溶解させ、その後70℃で3時間撹拌した。反応終了後、氷を加え、濾過して得られた固体をMPLCで分離精製し、2-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)イソインドリン-1,3-ジオンを得た。
【0075】
ステップ2:ステップ1で合成した2-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(1 eq)をエタノールに溶解させ、そこにヒドラジン水和物(1.4 eq)を滴下し、2時間還流撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応物を濾過し、回収した濾液中の溶媒を減圧下で留去した。固体化合物を1M NaOH水溶液に溶解し、酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、食塩水で順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミンをさらに精製することなく得た。
【0076】
4-ベンジルピペリジンの代わりに表3に記載のRを用いた以外は調製例7と同様の方法で、調製例8および調製例9の化合物を得た。
【0077】
【表3】
【0078】
<実施例1> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-4-ヒドロキシベンゼンスルホンアミドの調製
【化10】
【0079】
ステップ1:フェノール(1 eq)をDCMに溶解し、クロロスルホン酸(4 eq)を0℃で滴下し、次いで室温で3時間撹拌した。反応終了後、氷を加えた。反応液をジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和した。有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。別途精製することなく、4-(ヒドロキシベンゼン-1-スルホニルクロリド)を得た。
【0080】
ステップ2:ステップ1で得られた4-(ヒドロキシベンゼン-1-スルホニルクロリド)(1 eq)をDCMに溶解し、そこに2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩(1.5 eq)およびK2CO3(1.5 eq)を滴下して追加した。撹拌は室温で3時間行った。反応終了後、生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例1の化合物を得た。
【0081】
ステップ1のフェノールの代わりに表4に示すRを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2および実施例3の化合物を得た。
【0082】
【表4】
【0083】
<実施例4> 4-ブトキシ-N-(2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)エチル)ベンゼンスルホンアミドの調製
【化11】
【0084】
4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリド(1 eq)をDCMに溶解し、そこに2-(4-(3,4-ジクロロベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩(2 eq)およびK2CO3(2 eq)を滴下して添加した。撹拌は室温で3~6時間行った。反応終了後、生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例4の化合物を得た。
【0085】
ステップ1の2-(4-(3,4-ジクロロベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩の代わりに表5に記載のRを用いた以外は実施例4と同様の方法で、実施例5~実施例9の化合物を得た。
【0086】
【表5】
【0087】
<実施例10> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミドの調製
【化12】
【0088】
4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリド(1 eq)をDCMに溶解し、3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミン(2 eq)およびK2CO3(2 eq)をそこに滴下して添加した。撹拌は室温で3~6時間行った。反応終了後、生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例10の化合物を得た。
【0089】
3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミンに代えて表6に示すRを用いた以外は実施例10と同様の方法で、実施例11および実施例12の化合物を得た。
【0090】
【表6】
【0091】
4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに表7に示すRを用いた以外は、実施例10と同様の方法で、実施例13および実施例14の化合物を得た。
【0092】
【表7】
【0093】
<実施例15> 4-アミノ-N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミドの調製
【化13】
【0094】
ステップ1:4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(1 eq)をDCMに溶解し、そこに3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミン(1.1 eq)およびK2CO3(1.5 eq)をドロップワイズリーに追加した。撹拌は室温で12時間行った。反応終了後、生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミドを得た。
【0095】
ステップ2:ステップ1で合成したN-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(1 eq)をメタノールに溶解し、Pd/C(10%wt)を滴下し、水素気流下で3時間撹拌した。反応終了後、セライト濾過を行い、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例15の化合物を得た。
【0096】
<実施例16> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-(ブチルアミノ)ベンゼンスルホンアミドの調製
【化14】
【0097】
4-アミノ-N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド(DN205914)(1 eq)およびK2CO3(2 eq)をDMFに溶解し、続いて5分間撹拌した。反応混合物に1-ブロモブタン (1.2 eq) を滴下し、室温で6時間撹拌した。反応終了後、水を加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例16の化合物を得た。
【0098】
1-ブロモブタンの代わりに表8に示すRを用いた以外は、実施例16と同様の方法で、実施例17および実施例18の化合物を得た。
【0099】
【表8】
【0100】
<実施例19> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-4-ブトキシベンゼンスルホンアミドの調製
【化15】
【0101】
4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリド(1 eq)をDCMに溶解し、Et3N(10 eq)を0℃で滴下して加えた。DCMに溶解したトリフェニルホスフィン(PPh3)(1 eq)と3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロパン-1-アミン(1 eq)の混合溶液を、1時間かけてシリンジポンプを用いて反応物にゆっくりと滴下して添加した。滴下終了後、TLCで生成物を確認し、飽和NaHCO3水溶液を加え、反応を終了させた。反応終了後、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液、食塩水で順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例19の化合物を得た。
【0102】
<実施例20> 4-ブトキシ-N-(3-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)プロピル)ベンゼンスルホンアミドの調製
【化16】
【0103】
ステップ1:4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリド(1 eq)および3-クロロプロパン-1-アミンHCl塩(1.2 eq)をDMFに溶解し、トリエチルアミン(TEA)(4 eq)をそこに滴下して添加した。撹拌は35℃で12時間行った。反応終了後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、ブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。4-ブトキシ-N-(3-クロロプロピル)ベンゼンスルホンアミドを精製することなく入手した。
【0104】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ブトキシ-N-(3-クロロプロピル)ベンゼンスルホンアミド(1 eq)をDMFに溶解し、そこに4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンHCl塩(1.5 eq)とK2CO3(4 eq)を滴下し、その後70℃で12時間撹拌した。反応終了後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、ブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例20の化合物を得た。
【0105】
ステップ2において、4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン塩酸塩の代わりに表9に示すRを用いた以外は、実施例20と同様の方法で、実施例21~実施例33の化合物を得た。
【0106】
【表9-1】
【表9-2】
【0107】
ステップ1において4-ブトキシベンゼンスルホニルクロリドの代わりに表10に記載のR1、ステップ2において4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンHCl塩の代わりに表10に記載のR2を用いた以外は、実施例20と同様の方法により、実施例34の化合物を得た。
【0108】
【表10】
【0109】
<実施例35> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)-5-ブトキシピリジン-2-スルホンアミドの調製
【化17】
【0110】
ステップ1:6-ブロモピリジン-3-オール(1 eq)をDMFに溶解し、そこに1-ブロモブタン(1.5 eq)とK2CO3(2 eq)を滴下し、その後80℃で2時間撹拌した。反応終了後、水を加え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよびブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。反応混合物を分離し、MPLCで精製して、2-ブロモ-5-ブトキシピリジンを得た。
【0111】
ステップ2:ステップ1で合成した2-ブロモ-5-ブトキシピリジン(1 eq)をジオキサンに溶解し、そこに(4-メトキシフェニル)メタンチオール(1.1 eq)およびDIPEA(3 eq)を室温で滴下して添加した。脱気後、窒素ガスを充填し、Pd2(dba)3(0.025 eq)およびXPhos(0.05 eq)を添加した。この反応混合物をBiotageマイクロウェーブを用いて150℃で30分間反応させた。反応終了後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、ブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。5-ブトキシ-2-((4-メトキシベンジル)チオ)ピリジンを精製することなく入手した。
【0112】
ステップ3:ステップ2で合成した5-ブトキシ-2-((4-メトキシベンジル)チオ)ピリジン(1 eq)を酢酸:水(1:1)溶液に溶解し、そこにN-クロロスクシンイミド(4 eq)を滴下し、室温で1時間撹拌することにより、反応させた。反応終了後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、ブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。5-ブトキシピリジン-2-スルホニルクロリドを精製することなく得た。
【0113】
ステップ4:ステップ3で合成した5-ブトキシピリジン-2-スルホニルクロリド(1 eq)をDMFに溶解し、そこに3-クロロプロパン-1-アミンHCl塩(1.2 eq)およびTEA(4 eq)を滴下し、室温で12時間撹拌を続けた。反応終了後、セライト濾過を行い、減圧下で溶媒を留去した。次に、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2Oおよび食塩水で順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。5-ブトキシ-N-(3-クロロプロピル)ピリジン-2-スルホンアミドを精製することなく入手した。
【0114】
ステップ5:ステップ4で合成した5-ブトキシ-N-(3-クロロプロピル)ピリジン-2-スルホンアミド(1 eq)をDMFに溶解し、そこに4-ベンジルピペリジン(1.5 eq)およびK2CO3(3 eq)を滴下し、その後70℃で12時間撹拌することにより、合成した。反応終了後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層をH2O、ブラインで順に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例35の化合物を得た。
【0115】
<実施例36> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インドール-2-スルホンアミドの調製
【化18】
【0116】
ステップ1:tert-ブチル2-(クロロスルホニル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1 eq)をDMFに溶解し、そこに2-(4-(3,4-ジクロロベンジルピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩(1.5 eq)およびDIPEA(7 eq)を滴下して添加した。撹拌は室温で1時間行った。反応終了後、水を滴下し、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよび食塩水で順に洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、tert-ブチル2-(N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)スルファモイル)-1H-インドール-1-カルボキシレートを得た。
【0117】
ステップ2:ステップ1で得られたtert-ブチル2-(N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)スルファモイル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(1 eq)を、DCM:トリフルオロ酢酸(TFA)(1:1)に溶解させた後、室温で30分間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。このようにして乾燥した化合物をTHFに溶解し、室温で5分間撹拌した。そこに酢酸エチルを滴下し、有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。実施例36の化合物は、別途精製工程なしで得られた。
【0118】
2-(4-(3,4-ジクロロベンゼンピペリジン-1-イル)エタンアミン2HCl塩の代わりに表11に示すRを用いた以外は実施例36と同様の方法により、実施例37の化合物を得た。
【0119】
【表11】
【0120】
<実施例38> N-(2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)エチル)ナフタレン-2-スルホンアミドの調製
【化19】
【0121】
ステップ1:ナフタレン-2-スルホニルクロリド(1 eq)および2-ブロモエチルアミン臭化水素酸(1.15 eq)を無水ジクロロメタンに溶解し、窒素気流下、0℃で10分かけてトリエチルアミン(2.4 eq)を滴下して添加した。0℃で10分間撹拌した後、ジクロロメタンを加えて希釈した。有機層を2M塩酸水溶液、食塩水で順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。その後、別途精製することなく、N-(2-ブロモエチル)ナフタレン-2-スルホンアミドを得た。
【0122】
ステップ2:ステップ1で得たN-(2-ブロモエチル)ナフタレン-2-スルホンアミド(1 eq)、a-ベンジルピペリジン(1.5 eq)、K2CO3(2 eq)および触媒量のヨウ化ナトリウムをアセトニトリルに溶解し、その後、反応が終わるまで還流撹拌を続けた。反応終了後、フィルターを用いてろ過を行い、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例38の化合物を得た。
【0123】
ステップ1においてナフタレン-2-スルホニルクロリドの代わりに表12に記載のR1を用い、ステップ2において4-ベンジルピペリジンの代わりに表12に記載のR2を用いた以外は実施例38と同様の方法で、実施例39~53の化合物を得た。
【0124】
【表12-1】
【表12-2】
【0125】
<実施例54> N-(3-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)プロピル)ナフタレン-2-スルホンアミドの調製
【化20】
【0126】
ステップ1:ナフタレン-2-スルホニルクロリド(1 eq)および3-ブロモプロピルアミン臭化水素酸(1.15 eq)を無水ジクロロメタンに溶解し、窒素気流下、0℃で10分かけてトリエチルアミン(2.4 eq)を滴下して添加した。0℃で10分間撹拌した後、ジクロロメタンを加えて希釈した。有機層を2M塩酸水溶液、食塩水で順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。その後、別途精製することなく、N-(3-ブロモプロピル)ナフタレン-2-スルホンアミドを得た。
【0127】
ステップ2:ステップ1で得たN-(3-ブロモプロピル)ナフタレン-2-スルホンアミド(1 eq)、4-ベンジルピペリジン(1.5 eq)、K2CO3(2 eq)および触媒量のヨウ化ナトリウムをアセトニトリルに溶解し、その後、反応が終わるまで還流撹拌を続けた。反応終了後、フィルターを用いてろ過を行い、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例54の化合物を得た。
【0128】
ステップ1においてナフタレン-2-スルホニルクロリドの代わりに表13に記載のR1を用い、ステップ2において4-ベンジルピペリジンの代わりに表13に記載のR2を用いた以外は実施例54と同様の方法で、実施例55~76の化合物を得た。
【0129】
【表13-1】
【表13-2】
【0130】
<実施例77> N-(4-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)ブチル)-[1,1'-ビフェニル]-4-スルホンアミドの調製
【化21】
【0131】
ステップ1:
[1,1'-ビフェニル]-4-スルホニルクロリド(1 eq)および4-クロロブタン-1-アミン塩酸塩(1.15 eq)を無水ジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(2.4 eq)を窒素気流下0℃で10分かけて滴下して添加した。0℃で10分間撹拌した後、ジクロロメタンを加えて希釈した。有機層を2M塩酸水溶液、食塩水で順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。その後、別途精製することなく、N-(4-ブロモブチル)ナフタレン-2-スルホンアミドを得た。
【0132】
ステップ2:ステップ1で得たN-(4-ブロモブチル)ナフタレン-2-スルホンアミド(1 eq)、4-ベンジルピペリジン(1.5 eq)、K2CO3(2 eq)および触媒量のヨウ化ナトリウムをアセトニトリルに溶解し、その後、反応が終わるまで還流撹拌を続けた。反応終了後、フィルターを用いてろ過を行い、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例77の化合物を得た。
【0133】
ステップ2において、4-ベンジルピペリジンの代わりに表14に示すRを用いた以外は、実施例77と同様の方法により、実施例78~79の化合物を得た。
【0134】
【表14】
【0135】
実施例1~実施例79の化合物名、NMR分析結果および質量分析の結果をまとめて表15および表16に示す。
【0136】
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【表15-4】
【表15-5】
【表15-6】
【表15-7】
【表15-8】
【表15-9】
【0137】
【表16-1】
【表16-2】
【表16-3】
【表16-4】
【表16-5】
【表16-6】
【表16-7】
【表16-8】
【表16-9】
【表16-10】
【0138】
<実験例1> 3重再取り込みの阻害作用の評価
本発明による実施例の化合物のセロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンに対する再取り込み阻害作用を評価するために、以下の実験を行い、その結果を表17に示す。
【0139】
ドーパミンに対する再取り込み阻害作用を評価するために、HEK-293細胞株を用いてドーパミントランスポーターcDNAをトランスフェクトし、翌日24ウェルプレートに播種した。培地を除去した後、取り込み用緩衝液で1μMに希釈した実施例または比較例の各化合物を200μL/ウェルの濃度となるように添加し、37℃で15分間培養した。20~30nMの[3H]-DAを含む取り込み用緩衝液100μLを加え、37℃で5分間培養した。反応液を速やかに除去し、1 mLの氷冷した取り込み用緩衝液で3回洗浄した。得られたものを1% SDS(0.5 mL)に溶解した後、放射性同位元素で標識したドーパミンのトランスポーターへの結合の程度を測定した。
【0140】
ノルエピネフリン(NE)およびセロトニン(5-HT)については、NEまたは5-HTトランスポーターcDNAをトランスフェクトした細胞を用い、基質として[3H]-NEまたは[3H]-5-HTを用いた以外は、上記と同様の方法で、ラジオアイソトープ標識したノルエピネフリンまたはセロトニンのトランスポーターへの結合の程度を測定した。
【0141】
また、ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンに対する再取り込み阻害効果を評価するとき、対照として実施例または比較例の各化合物での処理をせずに同様の方法を行い、ラジオアイソトープ標識ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンのトランスポーターへの結合度を測定し、これを基準(100%)として、3重取り込み阻害効果を相対比率(%比)で評価した。すなわち、対照群では、ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンのトランスポーターへの結合は阻害されないが、実施例の各化合物を処理することにより結合が阻害されると、%比の値が減少する。
【0142】
一方、%比の値を比較したところ、ドーパミンに対する再取り込み阻害作用に優れる実施例6、10、13、14、17、20、21、22、30、31、32、34、36、38、39、40、54、55、56、57、58および73の化合物の場合、1 nM、5 nM、10 nM、50 nM、100 nMおよび1 μMの計6つの濃度を用いて%比が50%となる濃度を算出し、IC50として表した。
【0143】
【表17-1】
【表17-2】
【表17-3】
【0144】
上記表16において、SERTはセロトニントランスポーターを、NETはノルエピネフリントランスポーターを、DATはドーパミントランスポーターを意味する。
上記表16に示されるように、本発明の実施例の化合物は、セロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンの再取り込みを阻害することができることが理解される。
【0145】
したがって、本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神病の治療に有用であり得る。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神病の治療に有用であり得る。
【国際調査報告】