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特表2023-528547少なくとも1つのNを含む5員ヘテロアリール誘導体、ならびにこれを有効成分として含有する精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(54)【発明の名称】少なくとも1つのNを含む5員ヘテロアリール誘導体、ならびにこれを有効成分として含有する精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/06 20060101AFI20230627BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230627BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20230627BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20230627BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230627BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20230627BHJP
【FI】
C07D401/06
A61P25/18
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P25/24
A61P25/28
A61P25/22
A61P25/14
A61P3/04
A61P25/16
A61P25/36
A61P25/34
A61P25/32
A61P25/04
A61P3/10
A61P25/06
A61P35/00
A61P1/04
A61P1/02
A61P21/00
A61P1/14
A61P15/00
A61P17/02
A61P13/10
A61P15/10
A61P1/00
A61P25/20
A61P25/02
A61P9/10
A61P27/16
C07D401/14 CSP
C07D403/04
C07D405/14
C07D409/14
C07D413/14
C07D491/056
A61K31/454
A61K31/496
A23L33/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517643
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2021006496
(87)【国際公開番号】W WO2021241982
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0065506
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518452917
【氏名又は名称】テグ-キョンプク メディカル イノベーション ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】522466821
【氏名又は名称】トリニューロ
【氏名又は名称原語表記】TRINEURO
【住所又は居所原語表記】7th Fl., 120, Neungdong-ro, Gwangjin-gu, Seoul 05029,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ガヨン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ,ウンビ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジヒ
(72)【発明者】
【氏名】イム,チュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ベ,セリ
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ユジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンヘ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ユジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンボム
(72)【発明者】
【氏名】クォン,オビン
(72)【発明者】
【氏名】シン,チャンヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,キョンジャ
(72)【発明者】
【氏名】パウデル,スレッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,セジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,ギュソク
【テーマコード(参考)】
4B018
4C050
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD18
4B018ME14
4B018MF10
4C050AA01
4C050AA08
4C050BB04
4C050CC17
4C050CC18
4C050DD10
4C050EE01
4C050FF10
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063BB03
4C063BB04
4C063CC41
4C063CC58
4C063CC76
4C063CC81
4C063CC94
4C063DD06
4C063DD10
4C063DD41
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC60
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA20
4C086ZA34
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA68
4C086ZA69
4C086ZA70
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZB26
4C086ZC35
4C086ZC39
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、Nを含む5員ヘテロアリール誘導体、およびそれを有効成分として含有する精神障害の予防または治療に使用する医薬組成物に関するものであり、当該誘導体は、セロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れており、ゆえに精神障害の治療に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で表される化合物
【化1】
その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩であって、
上記の式1において、
nが0~5の整数であり;
A1がO、NH、またはSであり;
A2がNまたはCHであり;
L1が直鎖もしくは分岐C1-5アルキレンまたはC(=O)であり;
R1
【化2】
であり、式中、A3がNH、O、またはSであり、A4がNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、または-NRcC(=O)Rcであるか、あるいは、Ra2およびRa3が、それらが結合している炭素と一緒になって1つ以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rb1およびRb2が、独立して水素、ハロゲン、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直線もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、-NRcC(=O)Rc またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2が、それらが結合する炭素と一緒になって1以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、Rb3が水素、ヒドロキシ、C1-3アルキル、またはC1-3アルコキシであり、
Rcが、独立して水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルキルであり、置換アルキルが、ハロゲン、アミノ、メチルアミノおよびジメチルアミノからなる群から選択される1以上の置換基で置換され、
R2
【化3】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Re1、Re2、Re3、およびRe4が、独立して水素、ハロゲン、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、または非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシである、
化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが0~4の整数であり;
A1がO、NH、またはSであり;
A2がNまたはCHであり;
L1が直鎖もしくは分岐C1-3アルキレンまたはC(=O)であり;
R1
【化4】
であり、式中、A3がNH、O、またはSであり、A4がNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5が、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、または-NRc C(=O)Rcであるか、あるいは、Ra2およびRa3が、それらが結合している炭素と一緒になって1つ以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rb1およびRb2が、独立して水素、ハロゲン、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直線もしくは分岐C1-5アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、-NRcC(=O)Rc またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2が、それらが結合する炭素と一緒になって1つもしくは2つのOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rcが、独立して水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであり、置換アルキルは、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノで置換され、
R2
【化5】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Re1、Re2、Re3、およびRe4が、独立して水素、ハロゲン、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、または非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
nが0~2の整数であり、
A1がO、NH、またはSであり、
A2がNまたはCHであり、
L1がCH2またはC(=O)であり、
R1が、
【化6】
であり、式中、A3がNH、O、またはSであり、A4がNH、O、またはSであり、Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5が、独立して水素、ハロゲン、OH、-NH2、CN、メチル、-CF3、メトキシ、ブトキシ、-OCF3、-C(=O)OCH3、-C(=O)OH、-C(=O)NH2、または-NHC(=O)CH3であるか、あるいは、Ra2およびRa3が、それらが結合している炭素と一緒になって
【化7】
を形成し、
Rb1およびRb2が、独立して水素、ハロゲン、OH、-NH2、CN、メチル、-CF3、メトキシ、ブトキシ、-OCF3、-C(=O)OCH3、-C(=O)OH、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(CH2)2N(CH3)2、-NHC(=O)CH3、またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2が、それらが結合している炭素と一緒になって
【化8】
を形成し、
R2が、
【化9】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、およびRd4が水素であり、Re1、Re2、Re3、およびRe4が、独立して水素、Cl、またはメトキシである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
R1が、
【化10】
【化11】
である、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R2が、
【化12】
である、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式1で表される化合物が、下記の化合物群から選択されるいずれか一つである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩:
<1> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<2> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<3> 2-(5-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<4> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<5> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<6> 2-(5-((4-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<7> 2-(5-((4-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<8> 2-(5-((4-(3-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<9> 4-ベンジル-1-((5-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<10> 4-ベンジル-1-((5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<11> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノン
<12> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール
<13> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<14> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<15> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<16> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-フルオロ-1H-インドール
<17> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボニトリル
<18> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<19> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<20> メチル2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボキシレート
<21> 4-ベンジル-1-((5-(ナフタレン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<22> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<23> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インドール
<24> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-4-クロロ-1H-インドール
<25> 1-((5-(ベンゾフラン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<26> 1-((5-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<27> 1-((5-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<28> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボン酸
<29> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<30> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<31> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール
<32> 2-(5-((4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<33> 2-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドル-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール
<34> 2-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドル-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール
<35> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5,6-ジオール
<36> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<37> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<38> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メチル-1H-インドール
<39> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<40> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-クロロ-1H-インドール
<41> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<42> メチル3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-7-カルボキシレート
<43> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-アミン
<44> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<45> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<46> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ベンゾニトリル
<47> 4-ベンジル-1-((5-(4-フルオロフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<48> 4-ベンジル-1-((5-(3,4-ジメトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<49> 4-ベンジル-1-((5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<50> 4-ベンジル-1-((5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<51> N-(4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)フェニル)アセタミド
<52> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ナフタレン-2-オール
<53> 4-ベンジル-1-((5-(4-フェノキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<54> 4-ベンジル-1-((5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<55> 4-ベンジル-1-((5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<56> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<57> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボキサミド
<58> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ベンゾアミド
<59> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<60> メチル3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-7-カルボキシレート
<61> 4-(3,4-ジクロロベンジル)-1-((5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<62> 4-(3,4-ジクロロベンジル)-1-((5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<63> メチル2-アミノ-4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ベンゾエート
<64> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<65> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<66> N-(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-イル)アセタミド
<67> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-オール
<68> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノン
<69> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-ブトキシ-1H-インドール
<70> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-3-メチル-1H-インドール
<71> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-4,6-ジクロロ-1H-インドール
<72> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジクロロ-1H-インドール
<73> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5H-[1,3]ジオキソロ[4,5-f]インドール
<74> 7-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-2,3-ジヒドロ-6H-[1,4]ジオキシノ[2,3-f]インドール
<75> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-フルオロ-1H-インドール、および
<76> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール。
【請求項7】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物が、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの再取り込みを阻害する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記精神障害が、神経性過食症、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、ジスティミック障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、周期性障害、一般的な医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、疑似認知症、ガンジャー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往がない広場恐怖、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症状、認知症、老化性認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症、後天性免疫不全症候群認知症合併症、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物中毒、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン中毒、ニコチン中毒、タバコ中毒、アルコール中毒、アルコール依存症、病的クレプトマニア、中毒物質離脱による離脱症候群、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ関連痛、腰痛、癌性疼痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後疼痛。薬物性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経系による疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋肉痛、幻肢痛、食欲不振、月経前症候群、月経困難症、黄体後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、遷延性植物状態尿失禁、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏、勃起障害、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性無食欲症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、Rett障害、小児性崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、緘黙症、トリコチロマニア、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳梗塞、脳神経障害、トゥレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗性障害、脳卒中後障害、からなる群から選択される一つ以上である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神障害の予防または治療に使用するための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害薬。
【請求項11】
請求項1に記載の式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、精神障害の予防または改善に使用するための健康機能性食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのNを含む5員ヘテロアリール誘導体、ならびにこれを有効成分として含有する精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
精神障害とは、認知、感情、気分、情動の異常をもたらす識別可能な症状によって特徴づけられる脳の病理学的異常を指す。代表的な精神障害としては、注意欠陥多動性障害(ADHD)、パニック障害、双極性障害、うつ病、統合失調症、摂食障害、解離性障害、心的外傷後ストレス障害などがあり、これらの障害は、様々な機能障害、症状の重さ、期間などによって特徴付けられる。精神障害を引き起こす要因としては、以下が挙げられる:1)脳神経機能に影響を及ぼす神経伝達物質の過不足による脳分泌障害、2)脳の損傷や脳機能の変性、3)ホルモンの分泌異常、4)ストレスなど。
【0003】
脳を構成する多数の神経細胞は、異なる神経細胞とコミュニケーションすることで神経機能を調節しているが、この神経細胞には主に2つの伝達方法がある。一つは、神経細胞内の伝達方法である「電気的伝達」であり、もう一つは、神経細胞間の伝達方法である「化学的伝達」である「神経細胞外伝達」である。化学伝達は、シナプス(ある神経細胞の軸索末端と次の神経細胞の樹状突起の接合部)で起こり、シナプス前過程で神経伝達物質(=化学物質)を分泌し、別のシナプスに伝達する方法である。シナプス後過程として、シナプスを介して神経伝達物質を受け取ったニューロンは、神経伝達物質の量に応じて、その閾値を超えると活性化し、興奮する。こうして活性化した神経細胞は、樹状突起で電気シグナルを発生させ、そのシグナルを軸索に伝えると、軸索はシナプスを介して神経伝達物質を分泌する、というこの一連のプロセスが繰り返される。神経細胞から分泌される神経伝達物質が、神経細胞とのシナプス反応を調節し、最終的には神経回路を制御することで、ヒトの行動を制御する、最も重要な因子であることが知られている。
【0004】
神経細胞から神経伝達物質が分泌されると、その神経細胞とシナプスを形成するシナプス後神経細胞の特定の受容体が、神経伝達物質と結合して活性化するが、シナプス後神経細胞とシナプスの活性化は、受容体のシグナル伝達によって調節することができる。ヒトの行動は、神経伝達物質によるニューロンやシナプスの活性化の調節によって制御されていると推定され、神経伝達物質(神経伝達物質がペプチドの場合)、神経伝達物質を生成する酵素、または神経伝達物質の受容体の遺伝子の変異が、行動制御障害に関連することが報告されている。さらに、神経伝達物質の量や受容体を介したシグナル伝達を調節する薬剤が、ヒトの行動を制御することが知られている。
【0005】
上記のように行動を制御する神経伝達物質としては、一価のアミン(カテコールアミン、セロトニンなど)、アセチルコリン、興奮性または抑制性のアミノ酸、各種神経ペプチドなどがあり、その受容体は、イオン性受容体、Gタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ受容体に大別される。
【0006】
脳内の様々な神経伝達物質のうち、カテコールアミン系の神経伝達物質であるドーパミンは、シナプス後部のドーパミン受容体の種類によって、興奮性シグナルと抑制性シグナルになることがある。ドーパミンは、我々の体内で、行動、注意、学習、動機づけ、報酬系、強化効果などに関連している。ドーパミンの活性が低下すると、無気力、意欲の減退、気力の減退などの抑うつ症状が出現する。また、ドーパミンは、前頭葉の神経細胞を興奮させ、短期記憶、計画、戦略などの精神活動に影響を及ぼす。特に、ドーパミンの与える報酬は、この報酬の快感を得るために人間に行動や学習を繰り返させるため、初期の脳の神経回路構築に非常に重要な役割を担っている。
【0007】
ノルエピネフリンは、自律神経系に存在するカテコールアミン系の神経伝達物質であり、ドーパミンの放出作用により分泌される二次神経伝達物質として知られている。ノルエピネフリンは、身体を緊張させ、周囲に注意を払い警戒させる覚醒作用に関連し、恐怖やストレス反応に関与する。特に、ノルエピネフリンは感情と密接に関係しており、気分障害(うつ病や双極性障害など)の原因とも考えられている。すなわち、ノルエピネフリンやドーパミンの働きが低下した状態がうつ病、ノルエピネフリンの働きが過剰に促進された状態が躁病という仮説が存在する。
【0008】
セロトニンは、通常抑制的に作用する神経伝達物質であり、ヒトの基本的な生理現象(睡眠、食欲、痛み、体温調節、心血管系反応、性欲、不安、うつなど)に多く関連している。臨床的には、セロトニンは様々な精神神経疾患(うつ病、統合失調症、強迫性障害、不安障害、摂食障害、睡眠障害、性障害、衝動制御障害、発達障害、脳変性疾患、ストレス障害、運動障害など)の原因に関与すると考えられており、特にうつ病との関連は非常に重要であるとされている。
【0009】
神経細胞のシナプス小胞には神経伝達物質が含まれており、神経細胞に刺激が伝わると、神経細胞間のシナプスの手前でカルシウムイオンチャネルが開き、神経細胞内にカルシウムが流入してシナプス小胞を神経細胞の細胞膜に移動させる。細胞膜に移動した小胞は、軸索末端でエキソサイトーシスによりシナプスに放出される。放出された神経伝達物質は、受容体と相互作用して、神経伝達物質を受け取った神経細胞を興奮または抑制し、また受容体に作用した後に残った神経伝達物質は、シナプス前細胞の軸索末端で再吸収されるか、シナプス後膜に存在する分解酵素によって分解されるか、または外部に拡散してグリア細胞によって除去される。
【0010】
再取り込みのプロセスは、神経伝達物質のトランスポーターによって行われる。神経伝達物質の種類に応じて、特定の神経伝達物質トランスポーターが存在し、シナプス膜に存在するシナプス間隙に存在する神経伝達物質をシナプス前細胞に再取り込みする役割を担っている。このプロセスによる神経伝達物質の濃度調節は、最終的にシナプス後ニューロンに存在する様々な受容体の活性化の強度および持続時間に影響を与えることになる。
【0011】
上記のように、神経伝達物質の再取り込みとは、神経伝達物質が放出されたシナプス前細胞の膜にある特定の神経伝達物質トランスポーターによって、シナプス前細胞に再吸収され、神経伝達物質が不活性化されるプロセスを指す。神経伝達物質の再取り込みが増加すると、神経伝達物質の欠乏やアンバランスが起こり、神経伝達物質の再取り込みに関連する疾患が発症する。これらの再取り込み関連疾患の治療は、神経伝達物質の再取り込みを阻害することにより、シナプス内の神経伝達物質の濃度を高め、症状を改善する、というものである。
【0012】
神経伝達物質再取り込み阻害剤としては、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ドーパミン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、セロトニン受容体拮抗剤-セロトニン再取り込み阻害剤等が挙げられ、これらの阻害剤は、うつ病、気分障害、ADHD、慢性神経障害性疼痛、強迫性障害、パニック障害、不安障害、更年期障害などの治療に使用される。
【0013】
精神障害を治療するための薬剤は継続的に開発されており、その中でも神経伝達物質再取り込み阻害剤に関連する技術として、韓国特許公開第10-2009-0089439号は、クロメン-2-オン誘導体の、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤としてのその使用、および精神障害の治療のための使用を開示し、韓国特許公開第10-2009-0117736は、選択的セロトニン再取り込み阻害用組成物およびその製造方法に関し、アジアチコシドおよびマデカソシドを含む組成物を開示している。
【0014】
しかしながら、現在使用されている脳神経領域の精神疾患治療薬は、関連する病因として示唆されている様々な神経伝達物質のうち、単に一つの神経系に作用するだけであったり、神経伝達物質に対する選択性が十分でなかったりするため、治療効果や患者のコンプライアンスに問題が多く、重大な副作用(成長障害、睡眠障害、依存など)が生じるため、神経伝達物質に対する多様な選択性により複数の標的を柔軟に調節できる薬剤の開発が求められている。
【0015】
このような観点から、複数の標的を調節する薬剤に関する開発が進められており、新規アゼチジン誘導体およびそれを含む抗うつ剤組成物に関する韓国特許公開第10-2013-0026292号は、新規なアゼチジン誘導体およびそれを含む抗うつ組成物に関し、ドーパミン、セロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込みを同時に阻害できるアゼチジン誘導体を含む抗うつ剤組成物を開示し、韓国特許公開第2002-0079730号は、ノルエピネフリン、ドーパミン、およびセロトニンの再取り込みを阻害するためのアリールおよびヘテロアリール置換テトラヒドロイソキノリンの使用を開示し、韓国特許公開第10-2010019982号は、モノアミン再取り込み阻害剤としてのフェニル置換シクロアルキルアミンに関し、シナプス間隙からのドーパミン、セロトニンおよびノルエピネフリンなどの内因性モノアミンの再取り込みを阻害し1つ以上のモノアミン輸送体を調節するフェニル置換シクロアルキルアミンを開示している。
【0016】
本発明者らは、ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン神経系を同時に調節する物質をベースに、その神経機能制御の選択性の差を確保して、複数の標的を柔軟に調節できる薬剤を鋭意開発した結果、少なくとも1つのNを含む5員ヘテロアリール誘導体が、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンの3重再取り込みの阻害作用を有し、精神障害の治療に有用なことを確認し、本発明を完成させるに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の1つの目的は、Nを含む5員ヘテロアリール誘導体を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、Nを含む5員ヘテロアリール誘導体を有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物を提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、Nを含む5員環ヘテロアリール誘導体を有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害剤を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、Nを含む5員ヘテロアリール誘導体を有効成分として含有する、精神障害の予防または改善に使用するための、保健機能食品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
該目的を達成するために、本発明の一側面は、下記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
【0022】
式1において、
nは0~5の整数であり;
A1はO、NH、またはSであり;
A2はNまたはCHであり;
L1は直鎖もしくは分岐C1-5アルキレンまたはC(=O)であり;
R1
【化2】
であり、式中、A3はNH、O、またはSであり、A4はNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、または-NRcC(=O)Rcであるか、あるいは、Ra2およびRa3は、それらが結合している炭素と一緒になって1つ以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rb1およびRb2は、独立して水素、ハロゲン、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直線もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、-NRcC(=O)Rc またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2は、それらが結合する炭素と一緒になって1以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、Rb3は水素、ヒドロキシ、C1-3アルキル、またはC1-3アルコキシであり、
Rcは、独立して水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルキルであり、置換アルキルは、ハロゲン、アミノ、メチルアミノおよびジメチルアミノからなる群から選択される1以上の置換基で置換され、
R2
【化3】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Re1、Re2、Re3、およびRe4は、独立して水素、ハロゲン、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、または非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシである。
【0023】
本発明の別の側面は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物を提供する。
【0024】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重取り込み阻害剤を提供する。
【0025】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神障害の予防または改善に使用するための健康機能性食品組成物を提供する。
【0026】
本発明のさらに別の側面は、精神障害の予防または治療に使用する方法を提供し、本方法は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または健康機能食品組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0027】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、医薬組成物または保健機能食品組成物の、精神障害の予防または治療における使用を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神障害の治療に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0030】
一方、本発明の実施形態は、様々な形態で変更可能であり、本発明の範囲は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業者に対して本発明をより完全に説明するために提供されるものである。さらに、本明細書を通じて、ある構成要素を「含む」とは、特に断らない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
本発明の一側面は、下記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化4】
【0032】
上記の式1において、
nは0~5の整数であり;
A1はO、NH、またはSであり;
A2はNまたはCHであり;
L1は直鎖もしくは分岐C1-5アルキレンまたはC(=O)であり;
R1
【化5】
であり、式中、A3はNH、O、またはSであり、A4はNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、または-NRcC(=O)Rcであるか、あるいは、Ra2およびRa3は、それらが結合している炭素と一緒になって1つ以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rb1およびRb2は、独立して水素、ハロゲン、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直線もしくは分岐C1-10アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、-NRcC(=O)Rc またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2は、それらが結合する炭素と一緒になって1以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、Rb3は水素、ヒドロキシ、C1-3アルキル、またはC1-3アルコキシであり、
Rcは、独立して水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐C1-10アルキルであり、置換アルキルは、ハロゲン、アミノ、メチルアミノおよびジメチルアミノからなる群から選択される1以上の置換基で置換され、
R2
【化6】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Re1、Re2、Re3、およびRe4は、独立して水素、ハロゲン、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルキル、または非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-10アルコキシである。
上記式1において、
R1
【化7】
であり、式中、A3はNH、O、またはSであり、A4はNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4およびRa5は、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、または-NRcC(=O)Rcであるか、あるいは、Ra2およびRa3は、それらが結合している炭素と一緒になって1つ以上のOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rb1およびRb2は、独立して水素、ハロゲン、CN、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直線もしくは分岐C1-5アルキル、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシ、-C(=O)ORc、-C(=O)N(Rc)2、-NRcC(=O)Rc またはフェノキシであるか、あるいは、Rb1およびRb2は、それらが結合する炭素と一緒になって1つもしくは2つのOを含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルケニルを形成し、
Rcは、独立して水素、置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐C1-5アルキルであり、置換アルキルは、アミノ、メチルアミノおよびジメチルアミノからなる群から選択される1以上の置換基で置換され、
R2
【化8】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Re1、Re2、Re3、およびRe4は、独立して水素、ハロゲン、非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルキル、または非置換もしくは1以上のハロゲンで置換されている直鎖もしくは分岐C1-5アルコキシである。
【0033】
上記式1において、
nは0~2の整数であり、
A1はO、NH、またはSであり、
A2はNまたはCHであり、
L1はCH2またはC(=O)であり、
R1
【化9】
であり、式中、A3はNH、O、またはSであり、A4はNH、O、またはSであり、
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5は、独立して水素、F、Cl、OH、-NH2、CN、メチル、-CF3、メトキシ、-C(=O)OCH3、または-C(=O)OHであり、
Rb1およびRb2は、独立して水素またはメトキシであるか、あるいはRb1およびRb2は、それらが結合している炭素と一緒になって1,3-ジオキソールを形成し、
R2
【化10】
であり、式中、Rd1、Rd2、Rd3、およびRd4は、水素であってもよく、Re1、Re2、Re3、およびRe4は、独立して水素、Clまたはメトキシであってもよい。
【0034】
上記式1において、
nは0または1の整数であり、
A1はO、NH、またはSであり、
A2はNまたはCHであり、
L1はCH2またはC(=O)であり、
R1
【化11】
【化12】
であり、
R2
【化13】
であってもよい。
【0035】
本発明による式1で表される化合物の例としては、以下の化合物群を挙げることができる:
<1> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<2> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<3> 2-(5-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<4> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<5> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<6> 2-(5-((4-(4-メトキシベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<7> 2-(5-((4-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<8> 2-(5-((4-(3-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<9> 4-ベンジル-1-((5-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<10> 4-ベンジル-1-((5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<11> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノン
<12> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール
<13> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<14> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<15> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<16> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-フルオロ-1H-インドール
<17> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボニトリル
<18> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<19> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<20> メチル2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボキシレート
<21> 4-ベンジル-1-((5-(ナフタレン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<22> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール
<23> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インドール
<24> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-4-クロロ-1H-インドール
<25> 1-((5-(ベンゾフラン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<26> 1-((5-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<27> 1-((5-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソル-5-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)-4-ベンジルピペリジン
<28> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボン酸
<29> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<30> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<31> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール
<32> 2-(5-((4-(1H-インドル-3-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<33> 2-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドル-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール
<34> 2-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドル-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール
<35> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5,6-ジオール
<36> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<37> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<38> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メチル-1H-インドール
<39> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メチル-1H-インドール
<40> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-クロロ-1H-インドール
<41> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<42> メチル3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-7-カルボキシレート
<43> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-アミン
<44> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール
<45> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-7-メトキシ-1H-インドール
<46> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ベンゾニトリル
<47> 4-ベンジル-1-((5-(4-フルオロフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<48> 4-ベンジル-1-((5-(3,4-ジメトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<49> 4-ベンジル-1-((5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<50> 4-ベンジル-1-((5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<51> N-(4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)フェニル)アセタミド
<52> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ナフタレン-2-オール
<53> 4-ベンジル-1-((5-(4-フェノキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<54> 4-ベンジル-1-((5-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<55> 4-ベンジル-1-((5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<56> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<57> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボキサミド
<58> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ベンゾアミド
<59> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドール
<60> メチル3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-7-カルボキシレート
<61> 4-(3,4-ジクロロベンジル)-1-((5-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<62> 4-(3,4-ジクロロベンジル)-1-((5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メチル)ピペリジン
<63> メチル2-アミノ-4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)ベンゾエート
<64> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール
<65> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-クロロ-1H-インドール
<66> N-(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-イル)アセタミド
<67> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-オール
<68> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノン
<69> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-ブトキシ-1H-インドール
<70> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-3-メチル-1H-インドール
<71> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-4,6-ジクロロ-1H-インドール
<72> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5,6-ジクロロ-1H-インドール
<73> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5H-[1,3]ジオキソロ[4,5-f]インドール
<74> 7-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-2,3-ジヒドロ-6H-[1,4]ジオキシノ[2,3-f]インドール
<75> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-フルオロ-1H-インドール、および
<76> 6-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドール。
【0036】
本発明の式1で表される化合物は、薬学的に許容される塩の形態で使用することができ、薬学的に許容される遊離酸によって形成される酸付加塩がその塩として有用である。酸付加塩は、無機酸(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、リン酸など)、無毒性有機酸(例えば、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸など)、有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸など)から得られる。このような薬学的に無毒な塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプレート塩、ヘプタン酸塩、プロピオラート塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、硫酸塩、スベレート塩、セバケート塩、フマラート塩、マレイン塩、ブチイン-1,4-ジオエート塩、ヘキサン-1,6-ジオエート塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニルアセテート塩、フェニルプロピオネート塩、フェニルブチレート塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシブチレート塩、グリコレート塩、マレアート塩、タートレート塩、メタンスルホネート塩、プロパンスルホネート塩、ナフタレン1-スルホネート塩、ナフタレン2-スルホネート塩、マンデレート塩、などが挙げられる。
【0037】
本発明による酸付加塩は、常法により調製することができ、例えば、式1の誘導体を有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレン、アセトニトリルなど)に溶解し、有機酸または無機酸を加えて得られた沈殿物をろ過、乾燥することにより調製してもよく、あるいは、有機溶媒中で減圧下で溶媒と過剰の酸を蒸留し乾燥、結晶化することによって調製してもよい。
【0038】
さらに、塩基を用いて薬学的に許容される金属塩を調製してもよい。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過剰の水酸化アルカリ金属溶液または水酸化アルカリ土類金属溶液に溶解し、未溶解の化合物塩をろ過し、ろ液を蒸発乾固することによって得られる。この場合、金属塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩を調製することが薬学的に好適である。また、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と適当な陰性塩(例えば、硝酸銀)とを反応させることにより、対応する塩が得られる。
【0039】
さらに、本発明には、式1で表される化合物およびその薬学的に許容される塩のみならず、そこから調製される溶媒和物、光学異性体、水和物等も含まれる。
【0040】
「水和物」とは、非共有結合性の分子間力によって結合した化学量論的または非化学量論的量の水を含む、本発明の化合物、またはその塩を指す。本発明の式1で表される化合物の水和物は、非共有結合性の分子間力によって結合した水を化学量論的にまたは非化学量論的に含有し得る。水和物は、1当量以上、好ましくは1~5当量の水を含有し得る。このような水和物は、本発明の式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を、水または含水溶媒から結晶化させることにより調製し得る。
【0041】
用語「溶媒和物」は、非共有結合性の分子間力によって結合した溶媒を化学量論的または非化学量論的に含む、本発明の化合物またはその塩を指す。このような溶媒として好ましいものとしては、揮発性、無毒性、および/またはヒトへの投与に適した溶媒が挙げられる。
【0042】
「異性体」とは、化学式または分子式は同じであるが、構造的または立体的に異なる本発明の化合物またはその塩をいう。このような異性体としては、構造異性体(例えば、互変異性体など)、非対称炭素中心を有するRまたはS異性体、立体異性体(例えば、幾何異性体(トランス、シス))、光学異性体(エナンチオマー)などが挙げられる。これらの異性体およびその混合物もすべて本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明による式1で表される化合物は、下記反応1に示すように、調製され得、
式2で表される化合物と式3で表される化合物とを反応させて式1で表される化合物を調製することを含む調製方法に従って、調製され得る。
【0044】
[反応1]
【化14】
【0045】
上記反応1において
R1、R2 A1、A2、L1およびnは、上記式1で定義されたとおりである。
【0046】
具体的には、反応1の調製方法は、式2で表される化合物のヒドロキシと式3で表される化合物のアミンとを、Mitsunobu条件下で脱水反応させることにより、式1で表される化合物を調製する方法である。調製方法は、当業者に公知の反応条件を用い、本発明の実施形態に準じて行えばよいが、これは単なる例示であり、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明の別の側面は、式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物を提供する。
【0048】
該化合物は、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンの再取り込みを抑制することができる。
【0049】
精神障害は、神経性過食症、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛による二次性うつ病、大うつ病性障害、ディスチミア症、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、周期性障害、一般疾患による気分障害、物質による気分障害、疑似認知症、ガンガー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、パニック障害の既往がない広場恐怖、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症。不安症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソン症状、認知症、加齢性認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症、後天性免疫不全症候群認知症合併症、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害。急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物中毒、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール中毒、アルコール依存症、病的クレプトマニアック、中毒物質の離脱による離脱症候群、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病神経因性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病関連痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、腰痛、癌性疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後疼痛、薬剤性ニューロパシー糖尿病性神経障害、交感神経系による疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋肉痛、幻肢痛、食欲不振、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続性植物状態、尿失禁、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏、勃起障害、勃起不全、女性早漏、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性無食欲症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、緘黙症、トリコチロマニア、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳梗塞、脳神経障害、トゥレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗性障害、脳卒中後障害など、からなる群より選択される少なくとも1つであり得る。
【0050】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの再取り込み阻害作用に優れているため、精神障害の治療に有用である(実験例1および表13を参照)。
【0051】
本発明による医薬組成物において、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与時に種々の経口および非経口投与形態で投与することができ、より好ましくは非経口投与形態で投与される。製剤化する場合、医薬組成物は、通常用いられる充填剤、伸展剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固体製剤としては、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、カプセルなどがあり、このような固体製剤は、少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロースもしくはラクトース、ゼラチンなどを、1以上の化合物と混合することによって調製される。単純な賦形剤に加え、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与用の液体製剤としては、懸濁液、内用液、乳剤、シロップなどがあり、一般に用いられる単純な希釈剤である水や流動パラフィンの他に、湿潤剤、甘味剤、香料、保存剤などの種々の賦形剤を含有させ得る。非経口投与用の製剤としては、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁液、エマルションなどがある。非水溶液および懸濁液としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)等を使用し得る。
【0052】
式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与の際に、種々の経口および非経口投与形態で投与することができる。製剤化する場合、医薬組成物は、通常用いられる充填剤、伸展剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固体製剤としては、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、カプセルなどがあり、このような固体製剤は、少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロースもしくはラクトース、ゼラチンなどを、1以上の化合物と混合することによって調製される。単純な賦形剤に加え、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与用の液体製剤としては、懸濁液、内用液、乳剤、シロップなどがあり、一般に用いられる単純な希釈剤である水や流動パラフィンの他に、湿潤剤、甘味剤、香料、保存剤などの種々の賦形剤を含有させ得る。非経口投与用の製剤としては、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁液、エマルションなどがある。非水溶液および懸濁液としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)等を使用し得る。
【0053】
式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、臨床投与の際に、種々の経口および非経口投与形態で投与することができる。製剤化する場合、医薬組成物は、通常用いられる充填剤、伸展剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固体製剤としては、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、カプセルなどがあり、このような固体製剤は、少なくとも1つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロースもしくはラクトース、ゼラチンなどを、1以上の化合物と混合することによって調製される。単純な賦形剤に加え、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与用の液体製剤としては、懸濁液、内用液、乳剤、シロップなどがあり、一般に用いられる単純な希釈剤である水や流動パラフィンの他に、湿潤剤、甘味剤、香料、保存剤などの種々の賦形剤を含有させ得る。非経口投与用の製剤としては、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁液、エマルションなどがある。非水溶液および懸濁液としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)等を使用し得る。
【0054】
式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物は、非経口的に投与することができ、非経口的投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射または胸腔内注射により行われる。
【0055】
この場合、非経口投与用の剤形に製剤化するためには、上記式1で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を、安定剤または緩衝剤とともに水に混合して溶液または懸濁液を調製し、これをアンプルまたはバイアルに単位剤形として調製し得る。この組成物は、滅菌されていてもよく、ならびに/または、保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化促進剤、浸透圧の制御のための塩および/もしくは緩衝剤、および他の治療上有用な物質を含んでいてもよく、混合法、造粒法、コーティング法等の常法に従って製剤化されてもよい。
【0056】
経口投与のための剤形としては、例えば、錠剤、丸薬、ハード/ソフトカプセル、液体、懸濁液、乳化剤、シロップ、顆粒、エリキシル剤、トローチなどが挙げられ、これらの剤形は、希釈剤(例えば。乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および/またはグリシン)、潤滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウム塩またはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール)を、活性成分のほかに含有する。錠剤は、結合剤(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリジン)を含み得、任意に、崩壊剤(例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩)または発泡性混合物、および/または吸収剤、着色剤、風味、甘味剤等を含み得る。
【0057】
上記式1で表される化合物、その光学異性体またはその薬学的に許容される塩を、有効成分として含有する、精神障害の予防または治療に使用するための医薬組成物は、単独の治療薬として投与されてもよいし、他の治療薬と組み合わせて使用されてもよい。
【0058】
本発明のさらに別の側面は、有効成分として、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を含有する、精神障害の予防または治療に使用するための、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重取り込み阻害剤を提供する。
【0059】
本発明のさらに別の側面は、有効成分として、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を含む、精神障害の予防または改善に使用するための健康機能性食品組成物を提供する。
【0060】
本発明のさらに別の側面は、精神障害の予防または治療に使用する方法を提供し、該方法は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または保健機能食品組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0061】
本発明のさらに別の側面は、上記式1で表される化合物、その立体異性体、または薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物または保健機能食品組成物の精神障害の予防または治療における使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明を実施例および実験例により具体的に説明する。
【0063】
しかしながら、以下の実施例および実験例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容は以下の実施例および実験例に限定されるものではない。
【0064】
<調製例1>ボロン酸の調製
[反応2]
【化15】
【0065】
上記反応2において
Ra1、Ra2、Ra3、Ra4、およびRa5は、上記式1で定義されるとおりである。
【0066】
ステップ1:インドール(1 eq)およびN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(DMAP)(2-4 mol%)をDMFに溶解し、ジ-tert-ブチルジカーボネート(無水Boc)(1.5 eq)を0℃にて滴下して加えた。反応物を室温で12時間撹拌した。反応終了後、そこに水を滴下して加え、得られたものを酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよび食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で留去してboc-インドールを得た。
【0067】
ステップ2:ステップ1で合成したboc-インドール(1 eq)を無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解した後、そこに窒素雰囲気下でトリイソプロピルボレート(1.5 eq)を滴下して加えた。反応物を0℃に冷却した後、リチウムジイソプロピルアミドの2M溶液(n-ヘプタン/エチルベンゼン/THF中のLDA 2.0M溶液)(1.25 eq)を15分間かけてゆっくりと滴下して加えた。反応物を0℃で反応が完了するまで撹拌し、反応完了後、そこに1N HClを滴下して加え、得られたものを酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよび食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。その後、酢酸エチルおよびヘキサンを用いて固化し、ボロン酸を得た。
【0068】
<実施例1> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドールの調製
【化16】
【0069】
ステップ1:3-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イルメタノール(1 eq)およびインドール-2ボロン酸ピナコールエステル(またはインドール-2ボロン酸)(1.1 eq)をマイクロ波バイアルに加え、1,4-ジオキサン:水(4:1)に溶解し、そこに触媒Pd(dppf)Cl2-H2Cl2(10 mol%)およびK2CO3(3 eq)を室温で滴下して加え、5分間撹拌した。この反応混合物をBiotageマイクロウェーブで100℃、1.5時間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、(5-(1H-インドール-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノールを得た。
【0070】
ステップ2:ステップ1で合成した(5-(1H-インドール-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)(1 eq)、4-ベンジルピペリジン(1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.5 eq)を0℃でテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、そこにアゾジカルボン酸ジエチル溶液(DEAD)(1.5 eq)を滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付した後、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例1の化合物を得た。
【0071】
ステップ1のインドール-2ボロン酸ピナコールエステル(またはインドール-2ボロン酸)の代わりに下記表1に記載のRを用い、実施例1と同様の方法で実施例2の化合物を得た。
【0072】
【表1】
【0073】
ステップ2において、4-ベンジルピペリジンの代わりに下記表2に示すRを用い、実施例1と同様の方法を用いながら、実施例3~8の化合物を得た。
【0074】
【表2】
【0075】
<実施例9> 4-ベンジル-1-((5-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジンの調製
【化17】
【0076】
合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、フェニルボロン酸(1.3 eq)、Na2CO3(4 eq)および触媒Pd(Ph3P)4(0.5 eq)をマイクロ波バイアル中のDME中に溶解し、Biotageマイクロ波中で130℃、3時間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例9の化合物を得た。
【0077】
<実施例10> 4-ベンジル-1-((5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジンの調製
【化18】
【0078】
合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、2-(4-メトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロリン(1.3 eq)、Na2CO3(5 eq)、触媒PdCl2(dtbpf)(0.1 eq)を4-ジオキサン:水(3:1)に溶解してマイクロ波バイアルに入れ、反応混合物をBiotageマイクロ波で130℃、2時間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例10の化合物を得た。
【0079】
<実施例11> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(4-メトキシフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノンの調製
【化19】
【0080】
ステップ1:5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸(96 mg, 0.5 mmol, 1 eq)をDMFに溶解した後、DIPEA(175 μL, 1.000 mmol, 2 eq)、HATU(285 mg, 0.750 mmol, 1.5 eq)および4-ベンジルピペリジン(105 μL, 0.600 mmol, 1.2 eq)を滴下して添加した。反応物を室温で12時間撹拌した。反応終了後、得られたものを酢酸エチルで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、(4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノン化合物を得た。
【0081】
ステップ2:ステップ1で合成した(4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノン(1 eq)、2-(4-メトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロリン(1.3 eq)、Na2CO3(5 eq)、触媒PdCl2(dtbpf)(0.1 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン中に溶解させ、反応混合物をBiotageマイクロ波中で130℃、2時間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例11の化合物を得た。
【0082】
<実施例12> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドールの調製
【化20】
【0083】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付した後、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0084】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.1 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させ、反応混合物をBiotageマイクロ波で130℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例12の化合物を得た。
【0085】
ステップ2の(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸の代わりに下記表3に示すRを用いて、実施例12と同様の方法により、実施例13~27の化合物を得た。
【0086】
【表3-1】
【表3-2】
【0087】
<実施例28> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-カルボン酸の調製
【化21】
【0088】
実施例20のメチル2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-カルボキシレート(1 eq)をメタノールに溶解後、そこに4M水酸化カリウム水溶液(150 eq、過剰量)を滴下して室温で12時間反応させた。反応終了後、得られたものを1M塩酸水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した後、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。次いで、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例28の化合物を白色固体の形態で得た。
【0089】
<実施例29> 2-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドールの調製
【化22】
【0090】
ステップ1:4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンHCl塩をジクロロメタンに溶解した後、得られたものを6M NaOH水溶液で洗浄し、pH12以上に調整した。有機層の溶媒を無水Na2SO4で乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンを得た。
【0091】
ステップ2:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノール(500 mg, 2.81 mmol, 1 eq)、ステップ1で得た4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(892 mg, 3.65 mmol, 1.3 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 g, 4.21 mmol, 1.5 eq)をテトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン化合物を得た。
【0092】
ステップ3:ステップ1で合成した1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.1 eq)をマイクロ波バイアル中の1,4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波中で130℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例29の化合物を得た。
【0093】
ステップ2の(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸の代わりに下記表4に示すRを用いて、実施例29と同様の方法を用い、実施例30および31の化合物を得た。
【0094】
【表4】
【0095】
<実施例32> 2-(5-((4-(1H-インドール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドールの調製
【化23】
【0096】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノール(100 mg, 0.562 mmol, 1 eq)、3-(ピペリジン-4-イル)-1H-インドール(146 mg, 0.730 mmol, 1.3 eq)およびトリフェニルホスフィン(221 mg, 0.843 mmol, 1.5 eq)をテトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(0.367 ml, 0.843 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、次に減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、3-(1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール化合物を得た。
【0097】
ステップ2:ステップ1で合成した3-(1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン-4-イル)-1H-インドール(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.1 eq)をマイクロ波バイアル中の1,4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波中で130℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例32の化合物を得た。
【0098】
<実施例33> 2-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾールの調製
【化24】
【0099】
ステップ1:4-ベンジルピペリジン(0.502 mL, 2.85 mmol)、2-ブロモ酢酸エチル(0.475 mL, 4.28 mmol)およびトリエチルアミン(0.390 mL, 2.85 mmol)をトルエンに溶解させた後、反応物を80℃で12時間撹拌した。反応終了後、水を滴下した。得られたものを酢酸エチルで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)酢酸エチルを得た。
【0100】
ステップ2:ステップ1で合成した2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)酢酸エチル(0.4 g, 1.530 mmol)をテトラヒドロフラン(THF):水(1:1)に溶解させた後、反応物を0℃に冷却した。そこに水酸化リチウム水和物(0.071 g, 1.684 mmol)を0℃で滴下して添加し、混合物を30分間撹拌した。その後、反応物を室温まで加熱し、室温で12時間撹拌した。反応終了後、そこに酢酸エチルを滴下して抽出し、減圧下で溶媒および水層を除去した。得られた2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)酢酸リチウムを、精製することなく次の反応に使用した。
【0101】
ステップ3:1H-インドル-2-カルボヒドラジド(0.285 mmol)とリチウム2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)アセテート(0.314 mmol)をPOCl3(2M)に溶解した後、得られたものを110℃で3時間撹拌した。反応終了後、そこに氷水を滴下して加え、混合物を10分間撹拌した。そこに酢酸エチルを滴下して抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例33の化合物を得た。
【0102】
<実施例34> 2-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-5-(1H-インドール-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾールの調製
【化25】
【0103】
ステップ1:4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンHCl塩(0.3 g, 1.069 mmol)、エチル2-ブロモアセテート(0.178 mL, 1.604 mmol)およびトリエチルアミン(0.146 mL, 1.069 mmol)をトルエンに溶解させた後、反応物を80℃で12時間撹拌した。反応終了後、水を滴下して加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をH2Oおよび食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)酢酸エチルを得た。
【0104】
ステップ2:ステップ1で合成した2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)アセテート(0.17 g, 0.515 mmol)をテトラヒドロフラン(THF):水(1:1)に溶解させ、その後反応物を0℃に冷却した。そこに水酸化リチウム水和物(0.024 g, 0.566 mmol)を0℃で滴下して添加し、混合物を30分間撹拌した。その後、反応物を室温まで加熱し、室温で12時間撹拌した。反応終了後、そこに酢酸エチルを滴下して抽出し、減圧下で溶媒および水層を除去した。得られた2-(4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)酢酸を精製することなく次の反応に使用した。
【0105】
ステップ3:1H-インドル-2-カルボヒドラジド(0.285 mmol)および2-(4-(-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)酢酸(0.314 mmol)をPOCl3(2M)中に溶解した後、その結果物を110℃で3時間撹拌した。反応終了後、そこに氷水を滴下して加え、混合物を10分間撹拌した。そこに酢酸エチルを滴下して抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製して、実施例34の化合物を得た。
【0106】
<実施例35> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5,6-ジオールの調製
【化26】
【0107】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(DEAD)(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0108】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。もう一度(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)を反応物に滴下して添加した後、反応物を160℃、30分間、Biotageマイクロ波で反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドールを得た。
【0109】
ステップ3:ステップ2で合成した2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5,6-ジメトキシ-1H-インドール(1 eq)を酢酸に溶解後、そこに臭化水素(酢酸溶液)(30 eq)を室温で滴下して添加した。反応混合物を12時間還流撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を除去し、得られたものを酢酸エチルとテトラヒドロフラン(THF)の混合溶媒に溶解させた。NaHCO3の飽和水溶液を滴下して加え、得られたものをDCMで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。次に、得られたものをMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、実施例35の化合物を得た。
【0110】
<実施例36> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドールの調製
【化27】
【0111】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0112】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、tert-ブチル5-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドル-1-カルボキシレート(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCおよびPrep HPLCで精製して、実施例36の化合物を得た。
【0113】
ステップ2においてtert-ブチル5-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレートの代わりに下記表5に示すRを用いて、実施例36と同様の方法で、実施例37から42の化合物を得た。
【0114】
【表5】
【0115】
<実施例43> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-アミンの調製
【化28】
【0116】
ステップ1:合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1H-インドル-3-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、tert-ブチル(3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)カルバメートを得た。
【0117】
ステップ2:ステップ1で合成したtert-ブチル(3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)カルバメート(1 eq)をDCMに溶解後、そこにTFA(50 eq)を滴下添加し室温で3時間反応させた。反応終了後、炭酸ナトリウムの過飽和水溶液を用いて中和し、次いでジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物を分離し、Prep HPLCで精製して、実施例43の化合物を白色固体の形態で得た。
【0118】
<実施例44> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドールの調製
【化29】
【0119】
ステップ1:4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン塩酸塩をジクロロメタンに溶解した後、6M NaOHの水溶液で洗浄し、得られたもののpHを12以上に調整した。有機層の溶媒を無水Na2SO4上で乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンを得た。
【0120】
ステップ2:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノール(500 mg, 2.81 mmol, 1 eq)、ステップ1で得た4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(892 mg, 3.65 mmol, 1.3 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 g, 4.21 mmol, 1.5 eq)をテトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン化合物を得た。
【0121】
ステップ3:ステップ1で合成した1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(1 eq)、tert-ブチル5-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドル-1-カルボキシレート(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCおよびPrep HPLCで精製して、実施例44の化合物を得た。
【0122】
tert-ブチル5-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレートの代わりに下記表6に示すRを用いて、実施例44と同様の方法で、実施例45の化合物を得た。
【0123】
【表6】
【0124】
<実施例46> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ベンゾニトリルの調製
【化30】
【0125】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0126】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。もう一度4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)を反応物に滴下して添加した後、反応物を160℃、30分間、Biotageマイクロ波で反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ベンゾニトリルを得た。
【0127】
ステップ2における4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリルの代わりに下記表7に示すRを用いて、実施例46と同様の方法で、実施例55の化合物を得た。
【0128】
【表7】
【0129】
<実施例56> 3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドールの調製
【化31】
【0130】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0131】
ステップ2:ステップ1で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、tert-ブチル6-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドル-1-カルボキシレート(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、表題化合物3-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドールを得た。
【0132】
<実施例57> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-カルボキサミドの調製
実施例28の2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-カルボン酸(1 eq)をDMFに溶解後、そこに0℃でHBTU(3.5 eq)、塩化アンモニウム(5 eq)およびトリエチルアミン(5 eq)を滴下して添加した。反応物を室温で12時間撹拌した。
【化32】
【0133】
反応終了後、得られたものを酢酸エチルで抽出し、有機層をNaHCO3の飽和水溶液および食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、表題化合物2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-カルボキサミドを得た。
【0134】
<実施例58> 4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ベンゾアミド
【化33】
【0135】
ステップ1:4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(500 mg, 2.272 mmol)、2-(ジメチルアミノ)エタン-1-オール(0.296 ml, 2.95 mmol)およびトリフェニルホスフィン(775 mg, 2.95 mmol, 1.3 eq)をテトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.34 mL, 2.95 mmol, 1.3 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、N,N-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)エタン-1-アミン系化合物を得た。
【0136】
ステップ2:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0137】
ステップ3:ステップ2で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、N,N-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン-2-イル)フェノキシ)エタン-1-アミン(1.3 eq)、ステップ1で合成したLi2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中、4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応物にもう一度N,N-ジメチル-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)エタン-1-アミン(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)および触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)を滴下して添加した後、反応物を160℃で30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、表題化合物4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)ベンゾアミドを得た。
【0138】
<実施例59> 3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドールの調製
【化34】
【0139】
ステップ1:4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン塩酸塩をジクロロメタンに溶解した後、6M NaOHの水溶液で洗浄し、得られたもののpHを12以上に調整した。有機層の溶媒を無水Na2SO4上で蒸発させ、減圧下で溶媒を留去し、4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジンを得た。
【0140】
ステップ2:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタノール(500 mg, 2.81 mmol, 1 eq)、ステップ1で得た4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(892 mg, 3.65 mmol, 1.3 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 g, 4.21 mmol, 1.5 eq)をテトラヒドロフラン(THF)中で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン化合物を得た。
【0141】
ステップ3:ステップ2で合成した1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(1 eq)、tert-ブチル6-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドル-1-カルボキシレート(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、表題化合物3-(5-((4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-6-メトキシ-1H-インドールを得た。
【0142】
ステップ3においてtert-ブチル6-メトキシ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレートの代わりに下記表8に示すRを用いて、実施例59と同様の方法で、実施例60から62の化合物を得た。
【0143】
【表8】
【0144】
<実施例63> 2-アミノ-4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)安息香酸メチルの調製
【化35】
【0145】
ステップ1:2-アミノ-4-ブロモ安息香酸メチル (500 mg, 2.173 mmol)、酢酸カリウム (427 mg, 4.35 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(717 mg, 2.83 mmol)およびPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(266 mg, 0.326 mmol)を1,4-ジオキサン(15 mL)中に溶解後、反応混合物を窒素で脱気した。反応物を100℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をセライトで濾過し、有機層を酢酸エチルで抽出した。有機層を0.5 M塩酸水溶液および食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、得られたものをMPLCで分離精製し、メチル2-アミノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート化合物を得た。
【0146】
ステップ2:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0147】
ステップ3:ステップ2で合成した4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン(1 eq)、2-アミノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエートのメチル(1.3 eq)、ステップ1で合成したLi2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中、4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、表題化合物メチル2-アミノ-4-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ベンゾエートを得た。
【0148】
<実施例64> 2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドールの調製
【化36】
【0149】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、1-ベンジルピペラジン(0.594 mg, 3.37 mmol, 1.2 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、1-ベンジル-4-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペラジン化合物を得た。
【0150】
ステップ2:ステップ1で合成した1-ベンジル-4-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペラジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)をマイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、表題化合物2-(5-((4-ベンジルピペラジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドールを得た。
【0151】
ステップ2の(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸の代わりに下記表9に示すRを用いて、実施例64と同様の方法を用い、実施例65の化合物を得た。
【0152】
【表9】
【0153】
<実施例66> N-(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)アセトアミドの調製
【化37】
【0154】
ステップ1:(5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノール(500 mg、2.81 mmol、1 eq)、4-ベンジルピペリジン(0.741 mL、4.21 mmol、1.5 eq)およびトリフェニルホスフィン(1.105 mg、4.21 mmol、1.5 eq)を、テトラヒドロフラン(THF)中0℃で溶解させた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)溶液(1.911 mL, 4.21 mmol, 1.5 eq)をそこに滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCで分離精製し、4-ベンジル-1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)ピペリジン化合物を得た。
【0155】
ステップ2:ステップ1で合成した1-((5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-4-(3,4-ジクロロベンジル)ピペリジン(1 eq)、(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1H-インドール-2-イル)ボロン酸(1.3 eq)、Li2CO3(2 eq)、触媒Pd(Ph3P)4(0.2 eq)を、マイクロ波バイアル中の4-ジオキサン:水(3:1)に溶解させた後、反応混合物をBiotageマイクロ波中で160℃、30分間反応させた。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep HPLCで分離精製し、tert-ブチル(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)カルバメートを得た。
【0156】
ステップ3:ステップ2で合成したtert-ブチル(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)カルバメート(1 eq)をDCMに溶解後、そこにTFA(50 eq)を滴下添加し室温で3時間反応させた。反応終了後、飽和NaHCO3水溶液で中和し、得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-アミンをさらに精製することなく入手した。
【0157】
ステップ4:2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-アミン(1 eq)をDCMに溶解させた後、トリエチルアミン(1.1 eq)と無水酢酸(1.1 eq)をそこに滴下し、室温で1時間半撹拌した。
【0158】
反応終了後、得られたものをジクロロメタンおよびメタノールで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物をMPLCおよびPrep TLCで分離精製し、表題化合物N-(2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-イル)アセトアミドを得た。
【0159】
<実施例67> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-1H-インドル-5-オール
【化38】
【0160】
実施例13の2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-5-メトキシ-1H-インドール(1 eq)をジクロロメタンに溶解後、0℃で三臭化ホウ素(2.5 eq)を滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-1H-インドール-5-オールを得た。
【0161】
<実施例68> (4-ベンジルピペリジン-1-イル)(5-(5-フルオロ-1H-インドル-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)メタノン
ステップ1の(1-(tert-ブトキシカルボニル)-5-イル-フルオロ-1H-インドール-2-イル)ボロン酸の代わりに下記表10に示すRを用いて、実施例11と同様の方法を用い、実施例68の化合物を得た。
【0162】
【表10】
【0163】
<実施例69> 2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾル-3-イル)-6-ブトキシ-1H-インドール
【化39】
【0164】
ステップ1:6-ブトキシ-1H-インドール-2=カルボン酸(200 mg, 0.857 mmol, 1 eq)およびジメチルホルムアルデヒド(33 μL, 0.429 mmol, 0.5 eq)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した後、塩化オキサリル(150 μL, 1.1715 mmol, 2 eq)を0℃にて滴下して添加した。反応物を窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボニルクロリド化合物を得た。
【0165】
ステップ2:ステップ1で合成した6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボニルクロリド(1 eq)をテトラヒドロフランに溶解した後、0℃で水酸化アンモニウムを滴下して得られたもののpHを9~10に調整し、室温で1時間反応させ、そこに水5 mLを滴下し、30分撹拌した。得られたものをジクロロメタンで抽出に付し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。その後、反応混合物を分離し、MPLCで精製し、tert-ブチル6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボキサミドを得た。
【0166】
ステップ3:ステップ2で合成した6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボキサミド(1 eq)とLawesson試薬(1.2 eq)をテトラヒドロフランに溶解した後、反応物を80℃で4時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、得られたものをメタノールで固化し、6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボチオアミドを得た。
【0167】
ステップ4:ステップ3で合成した6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルボチオアミド(1 eq)とヨウ化メチル(2 eq)をアセトンに溶解させた後、反応物を80℃で4時間撹拌させた。反応終了後、減圧下で溶媒を除去し、得られた反応物を室温で1時間反応させ、そこに水5 mLを滴下し、得られたものを30分間撹拌した。得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよび食塩水で順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去してメチル-6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルビミドチオエートを得た。
【0168】
ステップ5:ステップ4で合成したメチル-6-ブトキシ-1H-インドール-2-カルビミドチオエート(1 eq)、2-(4-ベンジルピペリジン-1-イル)アセトヒドラジド(1 eq)および酢酸アンモニウム(1.5 eq)をエタノールに溶解させ80℃で6時間撹拌した。反応終了後、得られたものをジクロロメタンで抽出し、有機層をH2Oおよびブラインで順次洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。次いで、反応混合物をMPLCで分離精製し、2-(5-((4-ベンジルピペリジン-1-イル)メチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-6-ブトキシ-1H-インドールを得た。
【0169】
ステップ1において6-ブトキシ-1H-インドール-2=カルボン酸の代わりに下記表11に示すRを用い、実施例69と同様の方法を用い、実施例70~76の化合物を得た。
【0170】
【表11】
【0171】
実施例1~76の化合物名、NMR分析結果、質量分析結果を下記表12にまとめた。
【0172】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【表12-6】
【表12-7】
【表12-8】
【表12-9】
【表12-10】
【表12-11】
【0173】
<実験例1> 3重再取り込みの阻害作用の評価
本発明による実施例の化合物のセロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンに対する再取り込み阻害作用を評価するために、以下の実験を行い、その結果を表13に示す。
【0174】
ドーパミンに対する再取り込み阻害作用を評価するために、HEK-293細胞株を用いてドーパミントランスポーターcDNAをトランスフェクトし、翌日24ウェルプレートに播種した。培地を除去した後、取り込み用緩衝液で1μMに希釈した実施例または比較例の各化合物を200μL/ウェルの濃度となるように添加し、37℃で15分間培養した。20~30nMの[3H]-DAを含む取り込み用緩衝液100μLを加え、37℃で5分間培養した。反応液を速やかに除去し、1 mLの氷冷した取り込み用緩衝液で3回洗浄した。得られたものを1% SDS(0.5 mL)に溶解した後、放射性同位元素で標識したドーパミンのトランスポーターへの結合の程度を測定した。
【0175】
ノルエピネフリン(NE)およびセロトニン(5-HT)については、NEまたは5-HTトランスポーターcDNAをトランスフェクトした細胞を用い、基質として[3H]-NEまたは[3H]-5-HTを用いた以外は、上記と同様の方法で、ラジオアイソトープ標識したノルエピネフリンまたはセロトニンのトランスポーターへの結合の程度を測定した。
【0176】
また、ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンに対する再取り込み阻害効果を評価するとき、対照として実施例または比較例の各化合物での処理をせずに同様の方法を行い、ラジオアイソトープ標識ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンのトランスポーターへの結合度を測定し、これを基準(100%)として、3重取り込み阻害効果を相対比率(%比)で評価した。すなわち、対照群では、ドーパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニンのトランスポーターへの結合は阻害されないが、実施例の各化合物を処理することにより結合が阻害されると、%比の値が減少する。
【0177】
一方、%比の値を比較したところ、ドーパミンに対する再取り込み阻害作用に優れる実施例1、2、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、31の化合物の場合、1 nM, 5 nM, 10 nM, 50 nM, 100 nM, 1 μMの計6つの濃度を用いて%比が50%となる濃度を算出し、IC50として表した。
【0178】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【0179】
上記表13において、SERTはセロトニントランスポーターを、NETはノルエピネフリントランスポーターを、DATはドーパミントランスポーターを意味する。
【0180】
上記表13に示すとおりである。
【0181】
本発明の実施例の化合物は、セロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンの再取り込みを阻害することができることが理解される。
【0182】
したがって、本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神障害の治療に有用であり得る。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明による式1で表される化合物は、セロトニン、ノルエピネフリンおよびドーパミンの3重再取り込み阻害作用に優れているため、精神障害の治療に有用であり得る。
【国際調査報告】