(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(54)【発明の名称】ユーザ機器及びそのリソース配分方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/40 20230101AFI20230628BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20230628BHJP
H04W 72/25 20230101ALI20230628BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20230628BHJP
【FI】
H04W72/40
H04W72/0446
H04W72/25
H04W24/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560239
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 CN2020083776
(87)【国際公開番号】W WO2021203302
(87)【国際公開日】2021-10-14
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100203105
【氏名又は名称】江口 能弘
(72)【発明者】
【氏名】リン フエイ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ チェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ルー チアンシー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE25
5K067LL11
(57)【要約】
ユーザ機器及びそのリソース配分方法が提供される。方法は、リソースプールのスロットに対する監視を実行することと、リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することと、リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することとを含む。それにより、事前に選択されたリソースが他のユーザ機器により引き継がれるか又は予約されるリスクを低下させ、及び/又は、将来のサイドリンクリソースの早い指示/予約を提供できるようにサイドリンク制御情報(SCI)のシグナリングの柔軟性を向上させ、続いて、システム全体の性能を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
送受信機と、
前記メモリ及び前記送受信機に結合されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、リソースプールのスロットに対する監視を実行し、
前記リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外し、
前記リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択するように構成される、リソース配分のユーザ機器。
【請求項2】
前記リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される、請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む、請求項1又は2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号し、前記リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(RSRP)を測定することにより実行される、請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく、請求項1~4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上の前記サイドリンクリソースを選択することは、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分を選択のために優先させるか又は選択のために前記1つ以上の時間部分に高い順位を付ける時間部分ベースの選択スキーム、又は、
前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキームの少なくとも1つに基づく、請求項1~5のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分からランダムに選択される、請求項6に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記チェーンベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、1つ以上の前記スロット領域からランダムに選択される、請求項6に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分は、
【数1】
若しくは
【数2】
(ここで、T
2-T
1は、前記リソース選択ウィンドウの期間であり、maxNumTXは、トランスポートブロック(TB)に許可される最大送信回数であり、S’
Aは、前記残りの候補リソースセットである)、又は、
【数3】
若しくは
【数4】
(ここで、maxNumResourceは、単一のSCIによりシグナリングできるPSCCH/物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を送信するためのサイドリンクリソースの最大数を設定するための無線リソース制御(RRC)構成パラメータである)、又は、
【数5】
若しくは
【数6】
(ここで、numResourceは、前記プロセッサがTBの1つのSCIでシグナリングしようとするサイドリンクリソースの数である)の少なくとも1つに基づいて均等に分割される、請求項6又は7に記載のユーザ機器。
【請求項10】
前記maxNumTXは、8、16又は32に等しい、請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記maxNumResourceは、2又は3に等しい、請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記numResourceは、1、2又は3に等しい、請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項13】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウの最初の時間部分は、リソース選択のために使用され、
前記最初の時間部分は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウの最初のX%の時間(ここで、Xは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける最初のZスロット(ここで、Zは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウからの最初のYサイドリンクリソース(ここで、Yは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
ウィンドウ(T
2、min-T
1)(ここで、T
2、minは、優先値を有する関連するTBの最小リソース選択時間ウィンドウを設定するRRC構成パラメータである)の少なくとも1つに基づいて定義される、請求項6又は7に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記チェーンベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上のスロット領域は、
あるスロット領域の時間下限を次のサイドリンクリソースの時間スロットの前の時間ギャップにより定義し、あるスロット領域の時間上限を前のサイドリンクリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義すること、又は、
あるスロット領域の時間下限及び時間上限をそれぞれ次のサイドリンクリソースの時間スロットの前後の時間ギャップにより定義すること、又は、
あるスロット領域の時間上限を前のリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義することの少なくとも1つに基づいて識別される、請求項6又は8に記載のユーザ機器。
【請求項15】
全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である、請求項6又は14に記載のユーザ機器。
【請求項16】
前記時間下限と前記時間上限との間に利用可能な/候補のサイドリンクリソースがない場合、前記プロセッサは、前のリソース及び/又は次のリソースを含む代替サイドリンクリソースを再選択する、請求項14に記載のユーザ機器。
【請求項17】
前記再選択された代替サイドリンクリソースは、任意の2つの連続するサイドリンクリソース間の32スロット時間制限を満たす、請求項16に記載のユーザ機器。
【請求項18】
リソースプールのスロットに対する監視を実行することと、
前記リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することと、
前記リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することと、を含む、ユーザ機器のリソース配分方法。
【請求項19】
前記リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号し、前記リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(RSRP)を測定することにより実行される、請求項18~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく、請求項18~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上の前記サイドリンクリソースを選択することは、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分を選択のために優先させるか又は選択のために前記1つ以上の時間部分に高い順位を付ける時間部分ベースの選択スキーム、又は、
前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキームの少なくとも1つに基づく、請求項18~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分からランダムに選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記チェーンベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、1つ以上の前記スロット領域からランダムに選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分は、
【数7】
若しくは
【数8】
(ここで、T
2-T
1は、前記リソース選択ウィンドウの期間であり、maxNumTXは、トランスポートブロック(TB)に許可される最大送信回数であり、S’
Aは、前記残りの候補リソースセットである)、又は、
【数9】
若しくは
【数10】
(ここで、maxNumResourceは、単一のSCIによりシグナリングできるPSCCH/物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を送信するためのサイドリンクリソースの最大数を設定するための無線リソース制御(RRC)構成パラメータである)、又は、
【数11】
若しくは
【数12】
(ここで、numResourceは、前記ユーザ機器がTBの1つのSCIでシグナリングしようとするサイドリンクリソースの数である)の少なくとも1つに基づいて均等に分割される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項27】
前記maxNumTXは、8、16又は32に等しい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記maxNumResourceは、2又は3に等しい、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記numResourceは、1、2又は3に等しい、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記時間部分ベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウの最初の時間部分は、リソース選択のために使用され、
前記最初の時間部分は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウの最初のX%の時間(ここで、Xは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける最初のZスロット(ここで、Zは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウからの最初のYサイドリンクリソース(ここで、Yは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、
ウィンドウ(T
2、min-T
1)(ここで、T
2、minは、優先値を有する関連するTBの最小リソース選択時間ウィンドウを設定するRRC構成パラメータである)の少なくとも1つに基づいて定義される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項31】
前記チェーンベースの選択スキームでは、前記残りの候補リソースセット又は前記リソース選択ウィンドウにおける1つ以上のスロット領域は、
あるスロット領域の時間下限を次のサイドリンクリソースの時間スロットの前の時間ギャップにより定義し、あるスロット領域の時間上限を前のサイドリンクリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義すること、又は、
あるスロット領域の時間下限及び時間上限をそれぞれ次のサイドリンクリソースの時間スロットの前後の時間ギャップにより定義すること、又は、
あるスロット領域の時間上限を前のリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義することの少なくとも1つに基づいて識別される、請求項23又は25に記載の方法。
【請求項32】
全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である、請求項23又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記時間下限と前記時間上限との間に利用可能な/候補のサイドリンクリソースがない場合、前記ユーザ機器は、前のリソース及び/又は次のリソースを含む代替サイドリンクリソースを再選択する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記再選択された代替サイドリンクリソースは、任意の2つの連続するサイドリンクリソース間の32スロット時間制限を満たす、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
コンピュータにより実行されると、請求項18~34のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる命令が記憶される、非一時的な機械可読記憶媒体。
【請求項36】
チップであって、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行することにより、請求項18~34のいずれか1項に記載の方法を前記チップが搭載される装置に実行させるように構成されたプロセッサを含む、チップ。
【請求項37】
請求項18~34のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項38】
請求項18~34のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項39】
請求項18~34のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムの分野に関し、特に、良好な通信性能及び高い信頼性を提供できるユーザ機器及びそのリソース配分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ機器(user equipment(UE))間の直接の車車間・路車間(vehicle-to-everything(V2X))無線通信用の最新の第5世代新無線(5th generation-new radio(5G-NR))モバイル技術に基づく新しいサイドリンク(SL)送信システムの開発において、設計における困難なタスクの1つは、UEが、最小(事前)構成で、場合によってはモバイルネットワークからの支援なしで、ほぼ完全で自律的に動作するようにサポートすることである。すなわち、この自律モード(モード2として知られている)で動作するSL UEは、互いのSL UEのメッセージを検出して復号し、リソースを個別に選択して、自分のメッセージを信頼性及び遅延について必要な性能を有する他のSL UEに送信することができるべきである。しかしながら、複数のUEがSL通信を同時に行い、同じ無線キャリアとモード2のリソースプールを共有する場合、UE間の送信(Tx)衝突を回避し、必要な目標性能を維持することは困難である。更に、モード2においてUEがSLリソースを自律的に選択する性質により、別のUEは、元のTx-UEにより既に事前に選択又は告知された1つ以上のリソースを指示/予約又は先取りし、元のUEに代替リソースを見つけて再選択するように強制することができる。この動作がSL通信で頻繁に発生すると、システムは、不安定で信頼性がなくなり、情報メッセージのパケットが予想外に失われ、他のUEに受信されなくなる可能性がある。
【0003】
したがって、良好な通信性能及び高い信頼性を提供できるユーザ機器及びそのリソース配分方法を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、事前に選択されたリソースが他のユーザ機器により引き継がれるか又は予約されるリスクを低下させ、及び/又は、将来のサイドリンクリソースの早い指示/予約を提供できるようにサイドリンク制御情報(sidelink control information(SCI))のシグナリングの柔軟性を向上させ、続いて、システム全体の性能を向上させるユーザ機器及びそのリソース配分方法を提案することである。
【0005】
本開示の第1の態様では、リソース配分のためのユーザ機器は、メモリと、送受信機と、メモリ及び送受信機に結合されたプロセッサとを含む。プロセッサは、リソースプールのスロットに対する監視を実行し、リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外し、リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択するように構成される。
【0006】
本開示の第2の態様では、ユーザ機器のリソース配分方法は、リソースプールのスロットに対する監視を実行することと、リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することと、リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することとを含む。
【0007】
本開示の第3の態様では、非一時的な機械可読記憶媒体には、コンピュータにより実行されると、上記方法をコンピュータに実行させる命令が記憶される。
【0008】
本開示の第4の態様では、端末装置は、プロセッサと、コンピュータプログラムを記憶するように構成されたメモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して上記方法を実行するように構成される。
【0009】
本開示の第5の態様では、基地局は、プロセッサと、コンピュータプログラムを記憶するように構成されたメモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して上記方法を実行するように構成される。
【0010】
本開示の第6の態様では、チップは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行することにより、上記方法をチップが搭載される装置に実行させるように構成されたプロセッサを含む。
【0011】
本開示の第7の態様では、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体は、上記方法をコンピュータに実行させる。
【0012】
本開示の第8の態様では、コンピュータプログラム製品は、上記方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを含む。
【0013】
本開示の第9の態様では、コンピュータプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させる。
【0014】
本開示の実施形態又は従来技術をより明確に説明するために、実施形態で説明される以下の図面について簡単に紹介する。図面が本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造性のある労働をせずに(without paying the premise)、これらの図に基づいて他の図を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施形態に係る通信ネットワークシステムにおけるリソース配分のためのユーザ機器(UE)のブロック図である。
【0016】
【
図2】本開示の一実施形態に係るユーザ機器のリソース配分方法を示すフローチャートである。
【0017】
【
図3】本開示の一実施形態に係る時間部分ベースのリソース(再)選択スキーム((re) selection scheme)の一例を示す図である。
【0018】
【
図4】本開示の一実施形態に係るリソース再評価中のチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図である。
【0019】
【
図5】本開示の一実施形態に係るリソース先取り中のチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図である。
【0020】
【
図6】本開示の一実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の添付図面を参照して、技術的事項、構造的特徴、達成される目的及び効果とともに本開示の実施形態を詳細に説明する。具体的には、本開示の実施形態における用語は、特定の実施形態の目的を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態では、現在のリソース選択メカニズムを強化することにより、ユーザ機器(UE)の処理電力及び複雑さを節約するために、リソース再選択プロセスをトリガーすることをできるだけ回避し、別のUEがこの指示に基づいて上記UEのリソース選択を採用しようとする場合(例えば、ユニキャスト(unicast)及びグループキャスト(groupcast)のシナリオ)、指示されたリソースを頻繁に変更することを回避することは必要で、かつ有益である。更に、SL通信の性能を保証し向上させ、UE間の送信(Tx)衝突のリスクを最小限に抑えるために、選択されたリソースを事前に、又はできるだけ早く予約することにより、他のUEが同じリソースを選択することを回避することは、有益で、かつ不可欠である。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態に係るタイミングベースのリソース選択スキームは、Tx-UEのリソース選択戦略を割り当てられた送信プロファイル(例えば、優先度、パケット遅延バジェット(PDB))に適合させ、SLリソースの混雑を減少させ、Tx衝突を最小限に抑え、リソースの再選択確率を減少させることを目的とする。新無線(NR)サイドリンク通信におけるトランスポートブロック(TB)の初期送信及び/又は再送信にタイミングベースのリソース選択方法を採用することの他の利点は、以下のうちの少なくとも1つを含む。1.事前に選択されたリソースが他のユーザ機器により引き継がれるか又は予約されるリスクを最小限に抑える。2.将来のリソースの早い指示/予約を提供できるようにサイドリンク制御情報(SCI)のシグナリングの柔軟性を向上させ、続いて、システム全体の性能を向上させる。
【0024】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の一実施形態に係る通信ネットワークシステム30におけるリソース配分のためのユーザ機器(UE)10及び20が提供される。通信ネットワークシステム30は、UE10及びUE20を含む。UE10は、メモリ12と、送受信機13と、メモリ12及び送受信機13に結合されたプロセッサ11とを含んでもよい。UE20は、メモリ22と、送受信機23と、メモリ22及び送受信機23に結合されたプロセッサ21とを含んでもよい。プロセッサ11又は21は、本明細書に記載の提案された機能、手順及び/又は方法を実装するように構成されてもよい。無線インタフェースプロトコルの層は、プロセッサ11又は21に実装されてもよい。メモリ12又は22は、プロセッサ11又は21に動作可能に結合され、プロセッサ11又は21を動作させるための各種の情報を記憶する。送受信機13又は23は、プロセッサ11又は21に動作可能に結合され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0025】
プロセッサ11又は21は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit(ASIC))、他のチップセット、論理回路及び/又はデータ処理装置を含んでもよい。メモリ12又は22は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体及び/又は他の記憶装置を含んでもよい。送受信機13又は23は、無線周波数信号を処理するベースバンド回路を含んでもよい。実施形態をソフトウェアで実装する場合には、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)で実装することができる。モジュールは、メモリ12又は22に記憶し、プロセッサ11又は21により実行することができる。メモリ12又は22は、公知の様々な手段を介して、プロセッサ11又は21に通信可能に結合できる場合に、プロセッサ11又は21内に実装されてもよく、プロセッサ11又は21の外部に実装されてもよい。
【0026】
UE間の通信は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)及び新無線(NR)リリース16以降で開発されたサイドリンク技術に係る車車間(vehicle-to-vehicle(V2V))、車歩行者間(vehicle-to-pedestrian(V2P))、路車間通信/車ネットワーク間(vehicle-to-infrastructure/network(V2I/N))を含む車車間・路車間(V2X)通信に関する。UEは、PC5インタフェースなどのサイドリンクインタフェースを介して互いに直接通信する。本開示のいくつかの実施形態は、3GPP NRリリース16以降のサイドリンク通信技術に関する。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセッサ11は、リソースプールのスロットに対する監視を実行し、リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外し、リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択するように構成される。それにより、事前に選択されたリソースが他のユーザ機器により引き継がれるか又は予約されるリスクを低下させ、及び/又は、将来のサイドリンクリソースの早い指示/予約を提供できるようにサイドリンク制御情報(SCI)のシグナリングの柔軟性を向上させ、続いて、システム全体の性能を向上させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される。いくつかの実施形態では、リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む。いくつかの実施形態では、リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel(PSCCH))を復号し、リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(reference signal received power(RSRP))を測定することにより実行される。いくつかの実施形態では、候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく。
【0029】
いくつかの実施形態では、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分を選択のために優先させるか又は選択のために上記1つ以上の時間部分に高い順位を付ける時間部分ベースの選択スキーム、及び、前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキームの少なくとも1つに基づく。
【0030】
いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分からランダムに選択される。いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキームでは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分は、
【数1】
若しくは
【数2】
(ここで、T
2-T
1は、リソース選択ウィンドウの期間(time period)であり、maxNumTXは、トランスポートブロック(TB)に許可される最大送信回数であり、S’
Aは、残りの候補リソースセットである)、又は、
【数3】
若しくは
【数4】
(ここで、maxNumResourceは、単一のSCIによりシグナリングできるPSCCH/物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を送信するためのサイドリンクリソースの最大数を設定するための無線リソース制御(RRC)構成パラメータである)、又は、
【数5】
若しくは
【数6】
(ここで、numResourceは、プロセッサ11がTBの1つのSCIでシグナリングしようとするサイドリンクリソースの数である)の少なくとも1つに基づいて均等に分割される。いくつかの実施形態では、maxNumTXは、8、16又は32に等しい。いくつかの実施形態では、maxNumResourceは、2又は3に等しい。いくつかの実施形態では、numResourceは、1、2又は3に等しい。
【0031】
いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキーム(time-portion based selection scheme)では、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウの最初の時間部分は、リソース選択のために使用され、最初の時間部分は、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウの最初のX%の時間(ここで、Xは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける最初のZスロット(ここで、Zは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからの最初のYサイドリンクリソース(ここで、Yは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、ウィンドウ(T2、min-T1)(ここで、T2、minは、優先値を有する関連するTBの最小リソース選択時間ウィンドウを設定するRRC構成パラメータである)の少なくとも1つに基づいて定義される。いくつかの実施形態では、Xは、5、10又は20に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、Zは、1、2、5又は10に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、Yは、1、2、3、5又は10に等しくてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、チェーンベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、1つ以上のスロット領域からランダムに選択される。いくつかの実施形態では、チェーンベースの選択スキームでは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上のスロット領域は、あるスロット領域の時間下限を次のサイドリンクリソースの時間スロットの前の時間ギャップにより定義し、あるスロット領域の時間上限を前のサイドリンクリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義すること、あるスロット領域の時間下限及び時間上限をそれぞれ次のサイドリンクリソースの時間スロットの前後の時間ギャップにより定義すること、及び、あるスロット領域の時間上限を前のリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義することの少なくとも1つに基づいて識別される。いくつかの実施形態では、全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である。いくつかの実施形態では、時間下限と時間上限との間に利用可能な/候補のサイドリンクリソースがない場合、プロセッサは、前のリソース及び/又は次のリソースを含む代替サイドリンクリソースを再選択する。いくつかの実施形態では、再選択された代替サイドリンクリソースは、任意の2つの連続するサイドリンクリソース間の32スロット時間制限を満たす。
【0033】
図2は、本開示の一実施形態に係るUEのリソース配分方法200を示す。いくつかの実施形態では、方法200は、リソースプールのスロットに対する監視を実行するブロック202と、リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外するブロック204と、リソースプールにおける残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択するブロック206とを含む。それにより、事前に選択されたリソースが他のユーザ機器により引き継がれるか又は予約されるリスクを低下させ、及び/又は、将来のサイドリンクリソースの早い指示/予約を提供できるようにサイドリンク制御情報(SCI)のシグナリングの柔軟性を向上させ、続いて、システム全体の性能を向上させる。
【0034】
いくつかの実施形態では、リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される。いくつかの実施形態では、リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む。いくつかの実施形態では、リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号し、リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(RSRP)を測定することにより実行される。いくつかの実施形態では、候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく。
【0035】
いくつかの実施形態では、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分を選択のために優先させるか又は選択のために上記1つ以上の時間部分に高い順位を付ける時間部分ベースの選択スキーム、及び、前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキームの少なくとも1つに基づく。
【0036】
いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分からランダムに選択される。いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキームでは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上の時間部分は、
【数7】
若しくは
【数8】
(ここで、T
2-T
1は、リソース選択ウィンドウの期間(time period)であり、maxNumTXは、トランスポートブロック(TB)に許可される最大送信回数であり、S’
Aは、残りの候補リソースセットである)、又は、
【数9】
若しくは
【数10】
(ここで、maxNumResourceは、単一のSCIによりシグナリングできるPSCCH/物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を送信するためのサイドリンクリソースの最大数を設定するための無線リソース制御(RRC)構成パラメータである)、又は、
【数11】
若しくは
【数12】
(ここで、numResourceは、UEがTBの1つのSCIでシグナリングしようとするサイドリンクリソースの数である)の少なくとも1つに基づいて均等に分割される。いくつかの実施形態では、maxNumTXは、8、16又は32に等しい。いくつかの実施形態では、maxNumResourceは、2又は3に等しい。いくつかの実施形態では、numResourceは、1、2又は3に等しい。
【0037】
いくつかの実施形態では、時間部分ベースの選択スキームでは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウの最初の時間部分は、リソース選択のために使用され、最初の時間部分は、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウの最初のX%の時間(ここで、Xは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける最初のZスロット(ここで、Zは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウからの最初のYサイドリンクリソース(ここで、Yは、事前に定義されるか、又はネットワークにより構成されるか、又は事前に構成される)、又は、ウィンドウ(T2、min-T1)(ここで、T2、minは、優先値を有する関連するTBの最小リソース選択時間ウィンドウを設定するRRC構成パラメータである)の少なくとも1つに基づいて定義される。いくつかの実施形態では、Xは、5、10又は20に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、Zは、1、2、5又は10に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、Yは、1、2、3、5又は10に等しくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、チェーンベースの選択スキームでは、1つ以上のサイドリンクリソースは、1つ以上のスロット領域からランダムに選択される。いくつかの実施形態では、チェーンベースの選択スキームでは、残りの候補リソースセット又はリソース選択ウィンドウにおける1つ以上のスロット領域は、あるスロット領域の時間下限を次のサイドリンクリソースの時間スロットの前の時間ギャップにより定義し、あるスロット領域の時間上限を前のサイドリンクリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義すること、又は、あるスロット領域の時間下限及び時間上限をそれぞれ次のサイドリンクリソースの時間スロットの前後の時間ギャップにより定義すること、又は、あるスロット領域の時間上限を前のリソースの時間スロットの後の時間ギャップにより定義することの少なくとも1つに基づいて識別される。いくつかの実施形態では、全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である。いくつかの実施形態では、時間下限と時間上限との間に利用可能な/候補のサイドリンクリソースがない場合、プロセッサは、前のリソース及び/又は次のリソースを含む代替サイドリンクリソースを再選択する。いくつかの実施形態では、再選択された代替サイドリンクリソースは、任意の2つの連続するサイドリンクリソース間の32スロット時間制限を満たす。
【0039】
図3は、本開示の一実施形態に係る時間部分ベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図である。
図3に示すように、いくつかの実施形態では、UEは、時間n304でリソース配分手順がトリガーされた後の(事前に)構成されたサイドリンク選択/モード2のリソースプールについて、n+T
1 302とn+T
2 303との間のリソース選択ウィンドウ(RSW)301を表す1セットのスロットを決定し、また、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)及びPSCCHを送信するための適切なサブチャネルサイズを有する全ての適用可能なサイドリンク(SL)リソースを含むRSWの候補リソースセットS
A307をセットアップ/初期化する。適用可能な全てのSLリソースは、全ての影付きのボックス305及び透明なボックス306を含む候補リソースセットS
Aの正方形ボックスとして示される。次に、UEは、感知ウィンドウの期間に受信されたSCIにより指示/予約され、かつ測定された関連するRSRPレベルが対応するRSRP閾値よりも高い全てのSLリソース(透明なボックス)を、候補リソースセットS
A307から除外する。これらの予約されたリソース/透明なボックスは、306として示される。次に、影付きのボックス305は、Tx-UEによりSL送信のために潜在的に選択され得る残りの候補リソース(ここで、セットS’
Aとして示される)である。
【0040】
現在、LTEサイドリンクモード4及びNRサイドリンクモード2の動作で3GPPにより定義された既存のリソース選択手順は、主に、セットS’A内の残りの候補リソースから1つ以上のSLリソースをランダムに選択することで構成される。しかしながら、前述のように、このランダム選択の結果は、RSWのわずかな時間部分/領域(例えば、RSWの中間又は最後の部分)のみに集中し、かつリソースプールのこれらの部分が他の部分よりも混雑することを引き起こす1セットのSLリソースである可能性がある。更に、このランダム選択スキームは、リソース選択と実際の送信との間の時間ギャップが広い場合、選択された、更に予約されたリソースが別のUEにより指示されるか、又は告知されるか、又は先取りされるリスクが高くなる。更に、ランダムに選択されたリソースが、前及び/又は次の既に事前に選択されたリソースからのシグナリング時間制限(例えば、32スロット)内にない場合、ランダムに選択されたリソースを同じSCI又は以前のSCIで共にシグナリングすることができないため、Tx衝突を最小限に抑えるために、将来のリソースを事前に予約することができない。これらの問題を軽減するために、次のリソース選択スキームが提案される。
【0041】
以下に提案されている2つのリソース選択スキームは、互いに競合する代替案ではなく、リソース(再)選択のシナリオに応して個別に適用してもよく、互いに組み合わせて適用してもよいことに注意する。各スキームの適したシナリオ又はユーザケースについては、それぞれのセクションで詳しく説明する。
【0042】
第1の態様(時間部分ベースのリソース(再)選択):
【0043】
時間部分ベースのリソース(再)選択スキームの場合、残りの候補リソースセット又はRSWにおける1つ以上の時間部分は、以下の方法のいずれかに基づいて識別することができる。利点:時間部分ベースのスキームを使用することにより、リソースの利用を広げ、リソースの混雑を減少させ、送信の衝突を最小限に抑える。更に、事前に選択されたリソースが別のUEにより引き継がれるか又は先取りされる可能性を低下させる。
【0044】
いくつかの実施形態では、提案された第1のリソース(再)選択スキームは、時間部分ベースの方法であり、RSWの期間(T2-T1)又は残りの候補リソースセット(S’A)は、1つ以上の時間部分に構成され、及び/又は、Tx-UEは、RSW(T2-T1)又は残りの候補リソースセット(S’A)の1つ以上の特定の時間部分を識別し、特定の時間部分から送信のためにSLリソースを選択する。特定の時間部分(例えば、最初/中間/最後の部分)に属する期間からリソースを選択することにより、リソースの混雑によるTx衝突の可能性を抑え、TBの短いパケット遅延バジェットを満たし、及び/又は、事前に選択されたリソースが別のUEにより引き継がれるか又は予約されるリスクを最小限に抑える。
【0045】
いくつかの実施形態では、RSWの期間又は残りの候補リソースセット(S’A)を1つ以上の時間部分に構成するために、期間は、以下のうちの少なくとも1つに基づいて分割される。
【0046】
1.
【数13】
若しくは
【数14】
(ここで、maxNumTXは、TBに許可される最大(再)送信回数((re) transmissions)(例えば、8、16又は32)である)。RSWの期間又は残りの候補リソースセット(S’
A)が、TBの最大(再)送信回数で分割されると、Tx-UEは、分割された時間部分の各々から1つのSLリソースをランダムに選択して、送信負荷をRSW又は残りの候補リソースセット(S’
A)全体にわたって分散するため、リソースプールへの送信混雑及びTx衝突を最小限に抑える。このリソース選択アプローチは、ブラインドベースの再送信に特に適し、ここで、Tx-UEは、T
2=残りのPDBを設定することにより、選択されたSLリソースがTBの残りのパケット遅延バジェット(PDB)内にあることを保証することができる。
【0047】
2.
【数15】
若しくは
【数16】
(ここで、maxNumResourceは、単一のSCIによりシグナリングできるPSCCH/PSSCHを送信するためのSLリソースの最大数(例えば、2又は3)を設定するためのRRC(事前)構成パラメータである)。RSWの期間又は残りの候補リソースセット(S’
A)が、SCIでシグナリングできるSLリソースの最大数で分割されると、Tx-UEは、分割された時間部分の各々から1つのSLリソースをランダムに選択して、選択をRSW又は残りの候補リソースセット(S’
A)全体にわたって広げる。更に、Tx-UEは、複数の時間部分から選択されたリソースが互いに32スロット以内にあることを保証することもできるため、選択されたリソースは、1つのSCIによりシグナリングされ得る。これは、maxNumResource=3の場合に
図3の
図300により例示的に示される。この場合、RSWであるT
2-T
1 301を最初の時間部分308、中間の時間部分309及び最後の時間部分310という3つの時間部分に均等に分割することと同じであり、Tx-UEは、時間部分の各々からSLリソース(影付きのリソース305のうちの1つ)をランダムに選択することができる。
【0048】
3.
【数17】
若しくは
【数18】
(ここで、numResourceは、UEがTBの1つのSCIでシグナリングしようとするSLリソースの数(例えば、1、2又は3)である)。RSWの期間又は残りの候補リソースセット(S’
A)が、SCIでシグナリングしようとするSLリソースの数で分割されると、Tx-UEは、分割された時間部分の各々から1つのSLリソースをランダムに選択する。時間部分の数が2つ以上である場合、Tx-UEは、複数の時間部分から選択されたリソースが互いに32スロット以内にあることを保証することができるため、選択されたリソースは、同じSCIによりシグナリングされ得る。このリソース選択アプローチは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックベースの再送信に適し、使用されるSLリソースの選択は、多くの場合、受信側UEからHARQフィードバックを受信した後にのみ実行され、不要な将来のリソースのブッキング又は予約を回避する
【0049】
RSW又は残りの候補リソースセットS’Aを最初の時間部分、中間の時間部分及び最後の時間部分に分割してSCIシグナリングに合わせる上述した使用シナリオに加えて、この時間部分ベースのリソース選択は、次の使用にも役立つ。例えば、第1の時間部分308は、TBの初期送信のためのリソースを選択して、選択されたリソースが別のUEにより先取りされるか又は予約される可能性を低下させ、再送信リソースを早く予約することに役立つ。中間の時間部分309は、ブラインドベースの再送信リソース及びHARQフィードバックベースの再送信リソースの両方を選択することに役立つ。また、中間の時間部分309と最後の時間部分310の両方は、再送信リソースを選択して、リソース使用の混雑を減少させ、Tx衝突の可能性を最小限に抑えることに役立つ。
【0050】
場合によっては、Tx-UEは、RSW301又は残りの候補リソースセット(S’A)の1つ以上の特定の時間部分を、SLリソースを(再)選択するために、より重要/重大(important/critical)又は適切/関連する(suitable/relevant)ものとして識別することができる。例えば、優先度の高いTBは、多くの場合、短い遅延要件(すなわち、小さいPDB)に関連付けられる。厳しい遅延要件を満たすとともに、優先度の高いTBに対して高い送信信頼性の保証を満たすために(例えば、再送信のための十分なリソース/機会を可能にするために)、Tx-UEは、リソース選択がトリガーされた後の最初の時間部分を識別し、最初の時間部分から1つ以上のSLリソースを選択して、TBの初期送信と再送信(場合によっては)を行う。一方、TBのパケット遅延要件がそれほど厳しくない場合、又は比較的に緩和される場合、Tx-UEは、リソースの混雑が少ない時間部分からリソースを(再)選択しようとすることができる。通常、PDBが小さいTBをできるだけ早く送信する必要があるため、早い時間部分は、多くの場合、他の時間部分よりも混雑する。したがって、例えば、時間部分の測定されたチャネルビジー率(CBR)又はチャネル占有率(CR)が特定のM%未満の場合(ここで、Mは、60、50又はそれ以下であってもよい)、Tx-UEは、RSW又は残りの候補リソースセットS’Aの中間の時間部分又は最後の時間部分からSLリソースを(再)選択しようとすることができる。或いは、Tx-UEは、CBR又はCRがM%よりも高い時間部分からリソースを(再)選択することを回避することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、リソース(再)選択がトリガーされた後、少なくともTBの初期送信をできるだけ早く行うために、RSW又は残りの候補リソースセット(S’
A)における最初の時間部分は、以下の方法のうちの少なくとも1つで定義されるか又は(事前に)構成され得る(
図3の
図300を参照)。
【0052】
1.RSW(セットSA)又は残りの候補リソースセット(S’A)311の最初のX%の時間(ここで、Xは、5、10、20であってもよい)。或いは、これは、スロットの数(例えば、RSW又は残りの候補リソースセットS’Aにおける最初のZスロット(ここで、Zは、1、2、5又は10であってもよい))で表されてもよい。
【0053】
2.RSW(セットSA)又は残りの候補リソースセット(S’A)311からの最初のYリソース(例えば、Yは、1、2、3、5又は10であってもよい)。
【0054】
3.ウィンドウ(T2、min-T1)312(ここで、(n+T2、min)313におけるT2、minは、優先値pを有する関連するTBの最小リソース選択時間ウィンドウを設定するRRC(事前)構成パラメータである)。
【0055】
最初の時間部分において2つ以上の候補リソースがある場合、Tx-UEは、TBの初期送信及び/又は再送信のために1つ以上のリソースをランダムに選択する。例えば、RSW301又は残りの候補リソースセット(S’A)の1番目のスロットが、Tx-UEが(TBの初期送信又は再送信のいずれかのために)最初の送信リソースを選択できる時間部分として識別/設定され、1番目のスロット314及び315に利用可能な複数の候補リソースがある場合、Tx-UEは、これら2つの/利用可能なリソースのうちの1つをランダムに選択する。
【0056】
第2の態様(チェーンベースのリソース(再)選択及び予約):
【0057】
チェーンベースのリソース(再)選択スキームの場合、残りの候補リソースセット又はRSWにおける1つ以上のスロット領域が、以下の方法のいずれかに基づいて識別される。利点:SL通信でのTx衝突を減少させるための早い/チェーンベースの予約を目的として、チェーンベースのスキームを使用することにより、新しく選択されたSLリソースが、次に選択されたリソースを同じSCIでシグナリング/予約でき、及び/又は、新しく選択されたSLリソースが、以前に選択されたリソースにより同じSCIでシグナリング/予約できることを保証する。
【0058】
いくつかの実施形態では、SL送信UEにより使用されて、TBの初期及び/又は再送信のためにリソースを(再)選択できる上記時間部分ベースのスキームに加えて、Tx-UEが更に採用できる別のリソース(再)選択スキームは、新しく選択されたリソースが少なくとも1つの以前のSCIにより指示でき、及び/又は、次の事前に選択されたか又は既に告知/シグナリングされたリソースが新しく(再)選択されたリソースにより指示できることを保証するチェーンベースの方法である。この早い/チェーンベースの予約を実現するために、リソースの選択又は代替は、新しく選択されたリソースがRSWからのスロットにあり、かつ前及び/又は次の既に事前に選択されたか又は告知/シグナリングされたリソースからの最大時間ギャップ内にあるという基準に準拠することができる。すなわち、時間ギャップは、32スロット以下であり得、その原因は、32スロットがSCIフォーマット0-1の時間リソース割り当てパラメータにより現在サポートされる最大時間長であることである。したがって、このチェーンベースのリソース(再)選択スキームは、実際のSL送信の前に別のUEにより先取りされたか又は告知/シグナリングされたSLリソースの再選択又は再評価に理想的に適切である。
【0059】
3GPPで現在定義されるサイドリンクモード2のリソース配分メカニズムの一部として、Tx-UEは、以前に選択されたが、まだTx-UEにより告知/シグナリングされないSLリソース(これらのリソースは、事前に選択されたリソースとしても一般的に知られている)の再評価を実行し、別のUEからの事前に選択されたリソースのいずれかの告知/予約により、このリソースが利用できなくなった場合(例えば、残りの候補リソースセットS’Aに存在しなくなった場合)、この事前に選択されたリソースを再選択することができる。しかしながら、事前に選択されたリソースの再選択(代替リソースを見つけること)が、RSW又は残りの候補リソースセット(S’A)からのランダムな選択だけである場合、このプロセスは、新しく選択されたリソースが以前のSCIによりシグナリング/予約できるか、又は新しく選択されたリソースが次の事前に選択されたリソースを同じSCIでシグナリング/予約できることを保証しない。
【0060】
図4は、本開示の一実施形態に係るリソース再評価中のチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図である。
図4の
図400を参照すると、提案されたチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図は、事前に選択されたSLリソースの再評価中のリソース再選択シナリオについて示される。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、SLリソースR1 401、R2 402及びR3 403は、Tx-UEにより既に事前に選択されたが、まだ他のUEに告知/シグナリングされないリソースである。事前に選択されたSLリソースR1 401を使用してPSCCH/PSSCHを送信し、SLリソースR1のSCIフォーマット0-1を介して最初の時間のSLリソースR2及びR3を告知/シグナリングする前に、Tx-UEは、別のUEから同じSLリソースR2 402を予約するか又は部分的に予約する404でSCI送信を検出する。404での予約SCIの検出に基づいて、Tx-UEは、事前に選択されたSLリソースR1、R2及びR3の全てについて、SLリソースR1 401での計画されたSL PSCCH/PSSCH送信の前に、スロットn405でリソース再評価プロセスをトリガーして、それらのリソースが依然として残りの候補リソースセット(S’
A)の一部であるかどうかを決定する。別のUEからの予約のため、事前選択されたSLリソースR2 402が残りの候補リソースセット(S’
A)の一部ではなく、Tx-UEが新しいSLリソースの再選択を実行してSLリソースR2 402を代替する必要があると仮定する。提案されたチェーンベースのリソース再選択スキームの場合、残りの候補リソースセット(S’
A)から新しいSLリソースをランダムに選択する代わりに、Tx-UEは、まず、SLリソースR2の再選択を実行できる適切な時間領域を決定する。
【0061】
いくつかの実施形態では、新しく再選択されたSLリソースR2が、依然としてSLリソースR1 401で送信されるPSCCHにより予約/シグナリングできるように、R2の新しい/代替SLリソースが前の事前に選択されたリソースから少なくとも32スロット以内にあることを保証するために、時間領域の(R1+32スロット)での時間上限407を確立することができる。同様に、新しく再選択されたSLリソースR2から送信されたPSCCHが依然として次の事前に選択されたSLリソースR3 403を予約/シグナリングできるように、R2の新しい/代替リソースが次の事前に選択されたリソースから少なくとも32スロット以内にあることを保証するために、時間領域の(R3-32スロット)での時間下限406を確立することができる。したがって、SLリソースR2 402の再選択は、時間下限406と時間上限407との間の重複時間領域408内で実行されてもよい。SLリソースR1 401とR3 403との間の時間ギャップ/距離分離が32スロット以下である場合(スロットは、物理スロット又は論理スロットであってもよい)、SLリソースR2 402の再選択/代替リソースは、リソースチェーン内の非使用スロットのいずれかにあってもよい。それ以外の場合、R2 402の再選択/代替SLリソースは、前述のように、また
図400に示すように、時間下限406と時間上限407内に制限され得る。時間限界408内に利用可能/候補リソースがない場合、Tx-UEは、新しく選択された代替リソースが依然としてチェーンの選択/予約の32スロットの時間制限を満たすように、R2 402と共に別の事前に選択されたSLリソース(R1又はR3)を再選択する。例えば、新しいSLリソースR2がSLリソースR3から32スロット以内にあり、新しいSLリソースR1が新しいSLリソースR2から32スロット以内にあるように、R1とR2の両方のSLリソースを再選択する。
【0062】
図5は、本開示の一実施形態に係るリソース先取り中のチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図である。
図5の
図500を参照すると、提案されたチェーンベースのリソース(再)選択スキームの一例を示す図は、SLリソース先取りによるリソース再選択シナリオについて示される。
図5に示すように、いくつかの実施形態では、SLリソースR1 501、R2 502及びR3 503は、PSCCH/PSSCH送信のためにTx-UEにより選択されたSLリソースである。SLリソースR1 501でのPSCCH送信中に、SLリソースR2 502及びR3 503は、将来の予約のために同じSCIフォーマット0-1で告知/シグナリングされる。SLリソースR1 501でのPSCCH送信の後、Tx-UEは、504で、送信されたSLリソースR1自体よりも高いL1優先度を有するSCIを検出し、別のUEから同じSLリソースR2 502を(完全に、又は部分的に)先取り/予約する。504での先取りSCIの検出に基づいて、Tx-UEは、SLリソースR2 502での計画されたPSCCH/PSSCH送信の前に、スロットn505でリソース再選択手順をトリガーして、先取りされたSLリソースR2 502の新しい/代替リソースを再選択する。
【0063】
いくつかの実施形態では、提案されたチェーンベースのリソース再選択スキームの場合、残りの候補リソースセット(S’A)から新しいリソースをランダムに選択する代わりに、Tx-UEは、まず、SLリソースR2の再選択を実行できる適切な時間領域を決定する。時間n505でのリソース再選択トリガーのタイミングは、SLリソースR1のPSCCH/PSSCH送信スロットの後である(すなわち、R1は、既に過去に使用されたSLリソースである)ため、新しいSLリソースR2のスロットタイミングは、チェーン予約のために、SLリソースR1 501から32スロット以内である必要がない。しかしながら、提案されたチェーンベースのリソース再選択スキームの場合、SLリソースR2の新しい/代替リソースがSLリソースR3 503をシグナリング/予約できるか又はSLリソースR3 503によりシグナリング/予約され得ることを保証するために、新しく再選択されたSLリソースR2は、依然として既に告知/シグナリングされたSLリソースR3 503から32スロット以内にあってもよい。これを達成するために、R2 508の再選択のための時間領域は、506での時間下限(R3-32スロット)及び507での時間上限(R3+32スロット)で、Tx-UEにより確立され得る。時間限界508内に利用可能な残りの候補リソースがない場合、Tx-UEは、新しく選択された代替リソースがチェーン選択/予約の32スロットの時間制限を依然として満たすように、他の既に告知/シグナリングされたSLリソースR3 503をR2 502と共に再選択する。例えば、R2とR3の両方のSLリソースが再選択され、新しいSLリソースR2と新しいSLリソースR3が互いに32スロット以内にある。
【0064】
要約すると、いくつかの実施形態では、新無線サイドリンク(NR-SL)通信における使用を意図した無線リソース(再)選択の発明の方法の本開示において、送信側ユーザ機器(Tx-UE)は、リソース選択ウィンドウ(RSW)における送信時間部分に従って、及び/又は、隣接するリソースに関連する時間限界に基づいて、1つ以上のSLリソースを選択してSLトランスポートブロック(TB)を送信する。リソース選択を時間の経過とともに広げ、リソース選択のためにRSWにおける特定の時間部分を優先させ、及び/又は、タイミング選択制限に従うことにより、提案された発明の方法は、送信(Tx)衝突のリスク、及び事前に選択されたリソースが別のUEにより予約又は先取りされるリスクを最小限に抑えるとともに、サイドリンク制御情報(SCI)のシグナリングにおいて将来のSLリソースの指示/事前予約を利用するため、システム全体の性能を向上させる。
【0065】
いくつかの実施形態では、提案されたリソース(再)選択スキームの場合、Tx-UEは、最初にネットワーク構成を受信するか、又はSL「選択」(モード2として知られている)送信リソースプールの情報を含む事前構成シグナリングを取得し、感知ウィンドウ内に(事前に)構成されたリソースプールに属するスロットのSLリソース感知/監視を実行し、リソース感知/監視動作は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号して、現在及び将来の意図/予約リソースに対する1つ以上の時間及び周波数リソース割り当て、リソース予約期間(Prsvp_RX)、及び受信したSCIフォーマット0-1(第1段階のSCI)からの優先度(prioRX)に関する情報を抽出することと、これらのスロットで受信したSCIフォーマット0-1のRSRPレベル(PSCCH-RSRP又はPSSCH-RSRPに基づく)を測定することとを含む。
【0066】
いくつかの実施形態の商業的利益(commercial interest)は、以下のとおりである。1.リソースの混雑及び送信衝突を減少させることにより、信頼性がより高く高速なNRサイドリンク無線送信性能を提供する。2.早い選択及びチェーン予約により、リソース再選択及び端末処理の電力消費のリスクを低下させる。3.優れた通信性能を提供する。4.高い信頼性を提供する。5.本開示の幾つかの実施形態は、5G-NRチップセットベンダーと、V2X通信システム開発ベンダーと、自動車、電車、トラック、バス、自転車、モト・バイク(moto-bikes)、ヘルメットなどを含む自動車メーカーと、ドローン(無人航空機)と、スマートフォンメーカーと、公衆安全用途のための通信装置と、例えば、遊技、会議/セミナー、教育用途のAR/VR装置メーカーとにより使用される。本開示のいくつかの実施形態は、3GPP仕様で採用されて、最終製品を作成可能な「技術/プロセス」の組み合わせである。
【0067】
図6は、本開示の一実施形態に係る例示的な無線通信システム700のブロック図である。本明細書に記載の実施形態は、任意の適切に構成されたハードウェア及び/又はソフトウェアを使用してシステムに実装されてもよい。
図6は、少なくとも示されるように互いに結合された無線周波数(radio frequency(RF))回路710、ベースバンド回路720、アプリケーション回路730、メモリ/ストレージ740、ディスプレイ750、カメラ760、センサ770及び入力/出力(I/O)インタフェース780を含むシステム700を示す。
【0068】
アプリケーション回路730は、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサなどの回路を含んでもよいが、これらに限定されない。プロセッサは、汎用プロセッサと、グラフィックプロセッサ及びアプリケーションプロセッサなどの専用プロセッサとの任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、メモリ/ストレージに結合されて、メモリ/ストレージに記憶された命令を実行することにより、様々なアプリケーション及び/又はオペレーティングシステムがシステム上で動作することを可能にするように構成されてもよい。
【0069】
ベースバンド回路720は、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサなどの回路を含んでもよいが、これらに限定されない。プロセッサは、ベースバンドプロセッサを含んでもよい。ベースバンド回路は、RF回路を介した1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を処理してもよい。無線制御機能は、信号変調、符号化、復号及び無線周波数シフトなどを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、1つ以上の無線技術に準拠した通信を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(evolved universal terrestrial radio access network(EUTRAN))及び/又は他の無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)との通信をサポートしてもよい。ベースバンド回路が1つ以上の無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成される実施形態では、マルチモードベースバンド回路と呼ばれてもよい。
【0070】
様々な実施形態では、ベースバンド回路720は、ベースバンド周波数にあると厳密に考慮されていない信号で動作する回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間の中間周波数を有する信号で動作する回路を含んでもよい。
【0071】
RF回路710は、非固体媒体を介して、変調された電磁放射を使用して無線ネットワークとの通信を可能にしてもよい。様々な実施形態では、RF回路は、無線ネットワークとの通信を容易にするように、スイッチ、フィルタ及び増幅器などを含んでもよい。
【0072】
様々な実施形態では、RF回路710は、無線周波数にあると厳密に考慮されていない信号で動作する回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、RF回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間の中間周波数を有する信号で動作する回路を含んでもよい。
【0073】
様々な実施形態では、ユーザ機器、eNB又はgNBに対して上述した送信側回路、制御回路又は受信側回路は、RF回路、ベースバンド回路及び/又はアプリケーション回路のうちの1つ以上の全て又は一部に具体化されてもよい。本明細書に使用されるように、「回路」とは、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用又はグループ)、及び/又は、1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラムを実行するメモリ(共有、専用又はグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は、上述した機能性を提供する他の適切なハードウェア部品を指すか、それらの一部であるか、或いはそれらを含む。いくつかの実施形態では、電子機器回路は、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアモジュールにおいて実装されてもよいか、或いは、回路に関連付けられる機能は、1つ以上のソフトウェア又はファームウェアモジュールにより実装されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路、アプリケーション回路及び/又はメモリ/ストレージの構成部品の一部又は全は、共に、システムオンチップ(SoC)上で実装されてもよい。
【0075】
メモリ/ストレージ740は、例えば、システムのためのデータ及び/又は命令をロードして記憶するために使用されてもよい。一実施形態のメモリ/ストレージは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの適切な揮発性メモリ、及び/又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0076】
様々な実施形態では、I/Oインタフェース780は、システムとのユーザ相互作用を可能にするように設計された1つ以上のユーザインタフェース、及び/又はシステムとの周辺部品相互作用を可能にするように設計された周辺部品インタフェースを含んでもよい。ユーザインタフェースは、物理的なキーボード又はキーパッド、タッチパッド、スピーカ、マイクロホンなどを含んでもよいが、これらに限定されない。周辺部品インタフェースは、不揮発性メモリポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、オーディオジャック及び電源インタフェースを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0077】
様々な実施形態では、センサ770は、システムに関する環境条件及び/又は位置情報を決定する1つ以上の感知装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、ジャイロセンサ、加速度計、近接センサ、環境光センサ及び測位ユニットを含んでもよいが、これらに限定されない。測位ユニットは、また、全地球測位システム(GPS)人工衛星などの測位ネットワークの部品と通信するベースバンド回路及び/又はRF回路の一部であってもよく、これらと相互作用してもよい。
【0078】
様々な実施形態では、ディスプレイ750は、液晶ディスプレイ及びタッチスクリーンディスプレイなどのディスプレイを含んでもよい。様々な実施形態では、システム700は、例えば、ラップトップコンピューティング装置、タブレットコンピューティング装置、ネットブック、ウルトラブック、スマートフォン、AR/VRガラスなどのモバイルコンピューティング装置であってもよく、これらに限定されない。様々な実施形態では、システムは、より多いか又はより少ない部品及び/又は異なるアーキテクチャを有してもよい。適切な場合に、本明細書に記載の方法は、コンピュータプログラムとして実装されてもよい。コンピュータプログラムは、非一時的な記録媒体などの記憶媒体に記憶されてもよい。
【0079】
当業者であれば、本開示の実施形態で説明及び開示されるユニット、アルゴリズム及びステップの各々は、電子ハードウェア、又はコンピュータのソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせを使用して実現されることが理解される。機能がハードウェアにより実行されるかソフトウェアにより実行されるかは、技術案の適用条件及び設計要件に依存する。
【0080】
当業者であれば、異なる方法を使用して、特定の用途ごとに機能を実現することができるが、そのような実現は、本開示の範囲を超えてはならない。上述したシステム、装置及びユニットの動作プロセスが基本的に同じであるため、上述した実施形態におけるシステム、装置及びユニットの動作プロセスを参照することができることは、当業者に理解される。説明の便宜及び簡潔にするために、これらの動作プロセスについては詳しく説明しない。
【0081】
本開示の実施形態における開示されたシステム、装置及び方法は、他の方法で実現できることが理解される。上述した実施形態は、例に過ぎない。ユニットの分割は、論理的な機能に基づくものに過ぎないが、実現において他の分割が存在する。複数のユニット又は部品を他のシステムに組み合わせてもよく、統合してもよい。一部の特徴を省略してもよく、スキップしてもよい。一方、表示又は議論された相互結合、直接結合又は通信結合は、電気的、機械的又は他の形式でいくつかのポート、装置又はユニットを介して間接的又は通信的に動作する。
【0082】
分離部品として説明したユニットは、物理的に分離していてもよく、していなくてもよい。表示用のユニットは、物理的なユニットであってもよく、なくてもよく、すなわち、1箇所にあってもよく、複数のネットワークユニットに分散してもよい。実施形態の目的に従って一部又は全てのユニットを使用する。更に、各実施形態における各機能ユニットが1つの処理ユニットに統合されてもよく、物理的に独立してもよく、2つ以上のユニットを1つの処理ユニットに統合してもよい。
【0083】
ソフトウェア機能ユニットが、製品として実現されて使用及び販売される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。この理解に基づいて、本開示が提案する技術案は、本質的に又は部分的にソフトウェア製品の形態として実現することができる。或いは、従来技術に有益な技術案の一部は、ソフトウェア製品の形態として実現することができる。コンピュータのソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、演算装置(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置)に本開示の実施形態に開示される全て又は一部のステップを実行させる複数の命令を含む。記憶媒体は、プログラムコードを記憶可能なUSBディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フロッピーディスク又は他の種類の媒体を含む。
【0084】
本開示は、最も実用的かつ好ましい実施形態と考えられるものに関連して説明されたが、本開示は、開示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈の範囲から逸脱することなくなされた様々な構成をカバーすることを意図していることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
送受信機と、
前記メモリ及び前記送受信機に結合されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、リソースプールのスロットに対する監視を実行し、
前記リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外し、
前記リソースプールにおける残りの候補リソースセッ
トからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択するように構成される、リソース配分のユーザ機器。
【請求項2】
前記リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される、請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む、請求項1又は2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号し、前記リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(RSRP)を測定することにより実行される、請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく、請求項1~4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記残りの候補リソースセッ
トからタイミングベースの選択を使用して1つ以上の前記サイドリンクリソースを選択することは
、
前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキー
ムに基づく、請求項1~5のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項7】
全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である、請求項
6に記載のユーザ機器。
【請求項8】
リソースプールのスロットに対する監視を実行することと、
前記リソースプールにおける候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することと、
前記リソースプールにおける残りの候補リソースセッ
トからタイミングベースの選択を使用して1つ以上のサイドリンクリソースを選択することと、を含む、ユーザ機器のリソース配分方法。
【請求項9】
前記リソースプールは、ネットワークにより構成されるか又は事前に構成される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記リソースプールは、サイドリンク送信のための選択/モード2のリソースプールを含む、請求項
8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記リソースプールのスロットに対する監視は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を復号し、前記リソースプールの感知ウィンドウの期間に基準信号受信電力(RSRP)を測定することにより実行される、請求項
8~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記候補リソースセットから1つ以上のサイドリンクリソースを除外することは、サイドリンク制御情報(SCI)からのL1優先度、時間及び周波数リソース割り当て、及び予約周期性と、RSRP閾値とに関する1つ以上の情報に基づく、請求項
8~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記残りの候補リソースセッ
トからタイミングベースの選択を使用して1つ以上の前記サイドリンクリソースを選択することは、
前のサイドリンクリソース及び/又は次のサイドリンクリソースからの最大時間ギャップの時間制約内の1つ以上のスロット領域を選択のために識別するチェーンベースの選択スキー
ムに基づく、請求項
8~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
全ての時間ギャップの最大値は、32スロット以下である、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータにより実行されると、請求項
8~14のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる命令が記憶される、非一時的な機械可読記憶媒体。
【請求項16】
チップであって、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行することにより、請求項
8~14のいずれか1項に記載の方法を前記チップが搭載される装置に実行させるように構成されたプロセッサを含む、チップ。
【請求項17】
請求項
8~14のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記憶される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
請求項
8~14のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】