IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島海爾洗衣机有限公司の特許一覧 ▶ 海爾智家股▲フン▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-洗濯機 図1
  • 特表-洗濯機 図2
  • 特表-洗濯機 図3
  • 特表-洗濯機 図4
  • 特表-洗濯機 図5
  • 特表-洗濯機 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/40 20060101AFI20230628BHJP
   D06F 21/06 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
D06F37/40 A
D06F21/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560394
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2021085539
(87)【国際公開番号】W WO2021204099
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】202010278712.5
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AA15
3B165AE02
3B165BA82
3B165BA83
3B165CB01
3B165CB31
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA22
3B165GA27
(57)【要約】
洗濯機は減速クラッチ装置を含む。減速クラッチ装置は、内槽軸(4)と、内槽軸(4)をロックするためのロック機構(6)を含む。内槽軸(4)の側壁には位置決め孔が設置されている。また、ロック機構(6)は、往復運動可能に位置決め孔に対し挿入/引き出されるロックロッド(7)を有する。更に、減速クラッチ装置は、ロックロッド(7)を位置決め孔に挿入するよう案内するためのガイドリング(8)を含む。前記洗濯機は、ロックロッド(7)を位置決め孔に挿入して内槽軸(4)をロックし、ロックロッド(7)を引き出す際に内槽軸(4)のロックを解除することで、2種類のクラッチ状態の切り替えを実現する。また、ガイドリング(8)を設置して、ロックロッド(7)を位置決め孔に挿入するよう案内することで、ロック位置の決定がいっそう容易となる。これにより、ロックロッド(7)のずれが回避され、ロック機構(6)がより確実となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速クラッチ装置を含み、前記減速クラッチ装置が、内槽軸と、前記内槽軸をロックするためのロック機構を含む洗濯機であって、
前記内槽軸の側壁には位置決め孔が設置されており、前記ロック機構は、往復運動可能に前記位置決め孔に対し挿入/引き出されるロックロッドを有し、前記減速クラッチ装置は、更に、前記ロックロッドを前記位置決め孔に挿入するよう案内するためのガイドリングを含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記ガイドリングは、前記内槽軸の外部に覆設されるとともに、前記位置決め孔に対応してガイド孔が開設されていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記減速クラッチ装置は、更に、前記内槽軸の外部に固定的に覆設される制動輪を含み、前記制動輪には前記位置決め孔に対応して貫通孔が開設されており、前記ガイドリングは前記制動輪の外部に覆設されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記ガイドリングには周方向に沿って延伸するガイド摺動溝が設けられており、前記ロックロッドにおける前記位置決め孔に対し挿入/引き出し可能な一端は、移動可能に前記ガイド摺動溝内に設置されるとともに、前記ガイド摺動溝の表面に隙間嵌めされることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記ガイドリングは柔軟性の材質で製造され、前記ロックロッドにおける位置決め孔に対し挿入/引き出し可能な一端は、前記ガイドリングの外表面に対し相対的に摺動可能に接触して設置されることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記ロック機構はハウジングを含み、前記ハウジング内には、ロックロッドの軸線方向に沿って延伸し、一定の長さを有するガイド経路が固定的に設置されており、前記ロックロッドが往復運動可能に前記ガイド経路内に設置されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記ロック機構は駆動装置を更に含み、前記駆動装置は、伝動アセンブリを介して前記ロックロッドを軸線沿いに往復運動させて、前記位置決め孔に対し挿入する/引き出すことを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記伝動アセンブリはコネクティングロッドを含み、前記コネクティングロッドの一端は駆動装置に接続されるとともに、前記駆動装置に駆動されて端点周りに回転可能であり、前記ロックロッドにおける前記位置決め孔から離間する一端には、軸線と垂直に一定の長さを有するガイド溝が設けられており、前記コネクティングロッドの他端には接続部が設けられており、前記接続部が移動可能に前記ガイド溝内に設置されることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記伝動アセンブリはギヤ及びラックを含み、前記ラックは、ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端に固定的に設置されるとともに、前記ロックロッドの軸線に沿って一定の長さを有するよう延伸しており、前記ギヤは前記ラックに係合及び装着されるとともに、前記駆動装置によって回転可能であることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記伝動アセンブリはカムを含み、前記カムは、駆動装置によって回転可能であり、前記ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端が前記カムに当接し、前記ロックロッドには弾性部材が固定的に接続されており、前記弾性部材の弾性力によって前記ロックロッドを位置決め孔から引き出すことを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の全自動パルセータ洗濯機の動作モードでは、一般的に、洗浄及びすすぎ時には、駆動装置が減速クラッチ装置によってパルセータを正逆交互に回転駆動させるが、内槽は動作させない。一方、脱水時には、駆動装置が、減速クラッチ装置によってパルセータと内槽を同期して回転駆動させる。しかし、科学技術レベルの進歩と生活の質に対する人々の要求の高まりに伴い、洗濯機の動作過程において、パルセータの回転のみにより水流を攪動させて衣類の洗浄を実現するという方式では、衣類の洗浄効果を向上させるのに限界があり、日々高まるユーザのニーズを満たすことができない。そこで、如何にして全自動パルセータ洗濯機の洗浄モードの多様化を実現するかが、早急に解決を要する課題となっている。
【0003】
現在、比較的よく見られる洗浄モードには、内槽を動作させずにパルセータを回転駆動させる全自動モードと、パルセータが回転駆動され、内槽が自由に回転する手洗いモードの2種類がある。同一の洗濯機で上記2種類の洗浄モードを実現するには、伝動機構の構造を改良することで駆動方式を変更し、2種類のモードの相互切り替えを実現する必要がある。
【0004】
特許文献1の中国特許は、洗濯機への使用に適した2方向駆動を発生させる伝動機構を開示している。当該機構は、1つの動力入力端及び2つの動力出力端を含む。そのうち、一方の動力出力端は攪拌器軸(10)に接続されて、攪拌器軸を第1の方向に回転させる。また、他方の動力出力端は内槽軸(11)に接続されて、内槽軸を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させる。特許文献1は、更に、2方向洗浄を発生させる洗濯機と、洗濯機で2方向洗浄を発生させ得る洗浄方法、並びに関連の攪拌器及び内槽についても開示している。当該特許では、2方向の動力を発生可能な伝動機構を設計することで、駆動方式が単一的であるとの課題を解決しているが、開示されている伝動機構の構造が複雑であり、生産コストが高い。
【0005】
特許文献2の中国特許は、外槽、内槽、パルセータ及び駆動装置を含む全自動洗濯機を開示している。前記駆動装置は、少なくとも2つのロータと少なくとも1つのステータを含む。そのうち一方のロータは内槽軸に接続され、もう一方のロータはパルセータ軸に接続される。上記の駆動装置は可変周波数ダイレクトドライブモータである。また、上記のロータ、ステータ、内槽軸及びパルセータ軸は同軸に設置される。内槽軸は中空であり、パルセータ軸は内槽軸内に設けられる。前記洗濯機では、洗浄時に、パルセータと内槽が同一方向に回転するか、互いに逆方向に回転する。或いは、パルセータと内槽のいずれかが回転する。また、脱水時には、パルセータと内槽が同一方向に同一速度で回転する。当該特許の駆動装置は2つのロータを含み、2方向の動力出力を実現しているが、2方向の動力出力を有する駆動装置はコストが非常に高くなる。
【0006】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願公開第02804912.8号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第201310408108.X号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、2種類のクラッチ状態を有し、且つ、2種類のクラッチ状態間の切り替えが安定的且つ確実な洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0010】
洗濯機は減速クラッチ装置を含む。前記減速クラッチ装置は、内槽軸と、前記内槽軸をロックするためのロック機構を含む。前記内槽軸の側壁には位置決め孔が設置されている。また、前記ロック機構は、往復運動可能に前記位置決め孔に対し挿入/引き出されるロックロッドを有する。前記減速クラッチ装置は、更に、前記ロックロッドを位置決め孔に挿入するよう案内するためのガイドリングを含む。
【0011】
更に、前記ガイドリングは、内槽軸の外部に覆設されるとともに、前記位置決め孔に対応してガイド孔が開設されている。
【0012】
更に、前記減速クラッチ装置は、内槽軸の外部に固定的に覆設される制動輪を更に含む。前記制動輪には前記位置決め孔に対応して貫通孔が開設されている。前記ガイドリングは前記制動輪の外部に覆設される。
【0013】
更に、前記ガイドリングには周方向に沿って延伸するガイド摺動溝が設けられており、前記ロックロッドにおける位置決め孔に対し挿入/引き出し可能な一端は、移動可能に前記ガイド摺動溝内に設置されるとともに、ガイド摺動溝の表面に隙間嵌めされる。
【0014】
更に、前記ガイドリングは柔軟性の材質で製造される。前記ロックロッドにおける位置決め孔に対し挿入/引き出し可能な一端は、前記ガイドリングの外表面に対し相対的に摺動可能に接触して設置される。
【0015】
更に、前記ロック機構はハウジングを含む。前記ハウジング内には、ロックロッドの軸線方向に沿って延伸し、一定の長さを有するガイド経路が固定的に設置されており、前記ロックロッドが往復運動可能に前記ガイド経路内に設置される。
【0016】
更に、前記ロック機構は駆動装置を更に含む。前記駆動装置は、伝動アセンブリを介して前記ロックロッドを軸線沿いに往復運動させて、前記位置決め孔に対し挿入する/引き出す。
【0017】
更に、前記伝動アセンブリはコネクティングロッドを含む。前記コネクティングロッドの一端は駆動装置に接続されるとともに、駆動装置に駆動されて端点周りに回転可能である。前記ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端には、軸線と垂直に一定の長さを有するガイド溝が設けられている。前記コネクティングロッドの他端には接続部が設けられており、前記接続部が移動可能に前記ガイド溝内に設置される。
【0018】
更に、前記伝動アセンブリはギヤ及びラックを含む。前記ラックは、ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端に固定的に設置されるとともに、ロックロッドの軸線に沿って一定の長さを有するよう延伸している。前記ギヤはラックに係合及び装着されるとともに、前記駆動装置によって回転可能である。
【0019】
更に、前記伝動アセンブリはカムを含む。前記カムは、駆動装置によって回転可能であり、前記ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端が前記カムに当接する。前記ロックロッドには弾性部材が固定的に接続されており、前記弾性部材の弾性力によって前記ロックロッドを位置決め孔から引き出す。
【発明の効果】
【0020】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
本発明の洗濯機は、ロックロッドを位置決め孔に挿入して内槽軸をロックし、ロックロッドを引き出す際に内槽軸のロックを解除することで、2種類のクラッチ状態の切り替えを実現する。また、ガイドリングを設置して、ロックロッドを位置決め孔に挿入するよう案内することで、ロック位置の決定がいっそう容易となる。これにより、ロックロッドのずれが回避され、ロック構造がより確実となる。
【0022】
本発明のガイドリングは、内槽軸又は制動輪の外部に覆設されるため、ロックロッドが内槽軸又は制動輪の側壁に直接接触することがない。これにより、クラッチ状態の切り替え時にロックロッドが内槽軸又は制動輪の側壁で摺動することで内槽軸又は制動輪の側壁を摩耗させるとの事態が回避されるとともに、ロックロッドの摺動に伴う金属摩擦時の異音の発生も回避される。
【0023】
本発明のガイド摺動溝とロックロッドは隙間嵌めされるか、柔軟性の材質でガイドリングが製造される。よって、ロックロッドが摺動及び位置決めの過程で摩耗し、破損するとの事態が回避される。
【0024】
本発明の洗濯機は、クラッチ装置の従来の構造を維持したままで、ロック機構を導入するだけで2種類の異なる洗浄モードの切り替えを実現可能としている。また、ロック機構は構造がシンプルであり、取り付けが容易である。
【0025】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0026】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明における洗濯機の内槽軸がロック状態の場合の概略構造図である。
図2図2は、本発明における洗濯機の内槽軸がロック解除状態の場合の概略構造図である。
図3図3は、本発明における図2のA部分の概略拡大図である。
図4図4は、本発明におけるロック機構とガイドリングの概略構造図である。
図5図5は、本発明の実施例5における減速クラッチ装置の概略構造図である。
図6図6は、本発明の実施例5における洗濯機の外槽底部の装着構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0029】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0030】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0031】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0032】
図1図4に示すように、本発明の洗濯機は減速クラッチ装置を含む。減速クラッチ装置は、内槽軸4と、内槽軸4をロックするためのロック機構6を含む。内槽軸4の側壁には位置決め孔が設置されている。また、ロック機構6は、往復運動可能に位置決め孔に対し挿入/引き出されるロックロッド7を有する。更に、減速クラッチ装置は、ロックロッド7を位置決め孔に挿入するよう案内するためのガイドリング8を含む。
【0033】
本発明の好ましい実施形態として、ガイドリング8は、内槽軸4の外部に覆設されるとともに、位置決め孔に対応してガイド孔9が開設されている。ロックロッド7における位置決め孔に対し挿入/引き出される一端は、ガイドリング8の周方向に沿って摺動し、ガイド孔9を通って位置決め孔に挿入されることで内槽軸4のロックを実現する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態として、ロック機構6はハウジング11を含む。ハウジング11内には、ロックロッド7の軸線方向に沿って延伸し、一定の長さを有するガイド経路が固定的に設置されており、ロックロッド7が往復運動可能にガイド経路内に設置される。ガイド経路を設計してロックロッド7を位置規制することで、ロックロッド7がその他の方向に移動して位置決め孔からずれるとの事態が防止される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態として、ロック機構6は駆動装置10を更に含む。駆動装置10は、伝動アセンブリを介してロックロッド7を軸線沿いに往復運動させて、位置決め孔に対し挿入する/引き出す。駆動装置10と伝動アセンブリによってロックロッド7を運動させることで、内槽軸4のロック及びロック解除の制御を実現する。
【実施例1】
【0036】
図1図4に示すように、本実施例で記載する洗濯機は減速クラッチ装置を含む。前記減速クラッチ装置は減速機構を有する。減速機構は、固定的に接続される内槽軸4と制動輪5を含む。制動輪5は内槽軸4の外部に覆設される。洗濯機は、更に、外槽、内槽、及び回転可能に内槽の底部に設置されるパルセータを含む。また、減速クラッチ装置はパルセータ軸3を更に含む。内槽は内槽軸4に固定的に接続されており、パルセータはパルセータ軸3に固定的に接続されている。本実施例における上記の減速機構は、更に、入力軸1を含む。入力軸1は、洗濯機の駆動モータに固定的に接続されている。洗濯機の動作時には、駆動モータが入力軸1を回転駆動させ、入力軸1が減速クラッチ装置を通じて動力をパルセータ軸3に伝達する。これにより、パルセータ軸3は、駆動モータの駆動下でパルセータを回転させる。
【0037】
減速クラッチ装置は、更に、内槽軸4をロックするためのロック機構6を含む。外槽の下方には、固定された装着大プレート2が取り付けられており、装着大プレート2にロック機構6が固定的に設置される。内槽軸4の側壁には位置決め孔が設置されている。また、制動輪5における内槽軸4との接続部分のうち位置決め孔に対応する位置には貫通孔が開設されている。ロック機構6は、往復運動可能に位置決め孔に対し挿入/引き出されるロックロッド7を有する。ロックロッド7が位置決め孔に挿入されると、内槽軸4はロックされる。この場合、洗浄過程において、入力軸1は、減速クラッチ装置を通じて動力をパルセータ軸3に伝達し、パルセータを内槽底部で回転させる。一方、内槽は、内槽軸4がロックされており、衣類や水流に付随して回転しないため、パルセータのみが回転する全自動洗浄モードが実現される。また、ロックロッド7が位置決め孔から引き出されると、内槽軸4のロックは解除される。この場合、洗浄過程において、入力軸1は、減速クラッチ装置を通じて動力をパルセータ軸3に伝達し、パルセータを内槽底部で回転させる。且つ、内槽軸4は自由状態となっているため、内槽は、衣類や水流に付随して自由に回転可能である。これにより、パルセータが回転駆動され、内槽が自由に回転する手洗いモードが実現される。
【0038】
制動輪5の外部には、ロックロッド7を位置決め孔に挿入するよう案内するためのガイドリング8が固定的に覆設されている。また、ガイドリング8における位置決め孔に対応する位置にはガイド孔9が開設されている。洗濯機が手洗いモードから全自動洗浄モードに切り替えられる過程では、ロックロッド7の右端がガイドリング8の周方向に沿って摺動する。そして、ロックロッド7が位置決め孔の位置に対応したときに、ロックロッド7はガイド孔9を通って位置決め孔に挿入され、内槽軸4のロックを実現する。
【0039】
本実施例の好ましい方案において、ガイドリング8には、周方向に沿って延伸するガイド摺動溝が設けられている。ロックロッド7の右端は、移動可能にガイド摺動溝内に設置されて、ガイド摺動溝の表面に隙間嵌めされる。ガイド摺動溝によりロックロッド7の右端を位置規制することで、位置決め孔が存在する高さの周方向においてロックロッド7の摺動可能な位置決めを確実に保証する。これにより、ロックロッド7の右端が移動時にずれて、位置決め孔に挿入し得なくなるとの事態が回避される。ロックロッド7がガイド摺動溝に隙間嵌めされることで、ロックロッド7に対する位置規制効果が実現されるとともに、摺動過程においてロックロッド7の右端が摩耗するとの事態も回避される。
【0040】
本実施例の別の好ましい方案において、ガイドリング8は柔軟性材料で製造される。また、ロックロッド7の右端は、ガイドリング8の外表面に対し相対的に摺動可能に接触して設置される。摺動及び位置決め過程でロックロッド7がガイドリング8と接触することで、ロックロッド7の右端に対する案内作用が実現される。また、柔軟性材料は低い硬度を有するため、摺動過程でロックロッド7を摩耗させることがない。前記柔軟性材料は、ゴム又はプラスチックとすることができる。ゴム材質のガイドリング8を使用する場合、ガイドリング8は制動輪5に締り嵌めされる。且つ、ガイドリング8を制動輪5の外部に直接覆設することで固定的な接続を実現する。一方、プラスチック材質のガイドリング8を使用する場合には、係接、接着又はネジ固定といった方式でガイドリング8を制動輪5の外部に固定すればよい。
【0041】
本実施例では、減速クラッチ装置が、ロックロッドを位置決め孔に挿入することで内槽軸がロックされ、ロックロッドを引き出す際に内槽軸のロックが解除される。これにより、2種類のクラッチ状態の切り替えを実現することで、1台の洗濯機で2種類の異なる洗浄モードを実現する。また、ガイドリングを設置して、ロックロッドを位置決め孔に挿入するよう案内することで、ロック位置の決定がいっそう容易となる。これにより、ロックロッドのずれが回避され、ロック構造がより確実となる。また、ガイドリングは制動輪の外部に覆設され、ロックロッドはガイドリングの外側で摺動するため、制動輪の側壁に直接接触することがない。これにより、制動輪の側壁とロックロッドの摩耗が回避されるとともに、ロックロッドの摺動に伴う金属摩擦時の異音の発生が回避される。
【実施例2】
【0042】
図1図4に示すように、本実施例は上記の実施例1を更に限定する。前記ロック機構6はハウジング11を含む。ハウジング11は装着大プレート2に固定的に接続される。ハウジング11内には、ロックロッド7の軸線方向に沿って延伸し、一定の長さを有するガイド経路が固定的に設置されており、ロックロッド7が往復運動可能にガイド経路内に設置される。ガイド経路を設計してロックロッド7を位置規制することで、ロックロッド7がその他の方向に移動して位置決め孔からずれるとの事態が防止される。
【0043】
ロック機構6は駆動装置10を更に含む。駆動装置10は、伝動アセンブリを介してロックロッド7を軸線沿いに往復運動させて、位置決め孔に対し挿入する/引き出す。前記洗濯機はコントロールパネルを有する。駆動装置10はコントロールパネルに電気的に接続され、コントロールパネルからの信号を受信すると伝動アセンブリを駆動して、ロックロッド7を位置決め孔に対し挿入する/引き出すことで、内槽軸のロックを実現する/解除する。具体的に、洗濯機は、内槽を回転させずにパルセータを回転駆動させる全自動洗浄モードと、パルセータが回転駆動され、内槽が自由に回転する手洗いモードを有する。コントロールパネルは、全自動洗浄モードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置が伝動アセンブリを駆動して、ロックロッド7を位置決め孔に挿入することで内槽軸4をロックするよう制御する。また、コントロールパネルは、手洗いモードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置が伝動アセンブリを駆動して、ロックロッド7を位置決め孔から引き出すことで内槽軸4のロックを解除するよう制御する。洗浄過程で使用する洗浄モードは、ユーザが洗濯プログラムの起動時に自身で選択してもよいし、洗濯機の洗浄プログラムを設計することで、2種類の洗浄モードを同一の洗浄プログラム内で交互に実行してもよい。
【0044】
更に、前記伝動アセンブリはコネクティングロッドを含む。コネクティングロッドの一端は駆動装置10に接続されており、駆動装置10に駆動されて、駆動装置に接続される端点周りに回転可能である。ロックロッド7の左端には、軸線と垂直に一定の長さを有するガイド溝が設けられている。また、コネクティングロッドの他端には接続部が設けられており、前記接続部が移動可能に前記ガイド溝内に設置される。駆動装置10がコネクティングロッドを回転させると、接続部は、コネクティングロッドと駆動装置を接続する端点周りに回転して、内槽軸が存在する位置に対し接離する。それと同時に、接続部は、ガイド溝内でロックロッド7の軸線と垂直な方向に移動することで、ロックロッド7をガイド経路内で往復運動させる。
【0045】
本実施例では、ロック機構のハウジング内にガイド経路を設置することで、ロックロッドを位置規制している。これにより、ロックロッドが位置決め孔からずれることでロック機構が機能喪失するとの問題が更に防止される。また、駆動装置と伝動アセンブリによりロックロッドの動作を制御することで、構造がシンプルとなり、実現しやすくなる。
【実施例3】
【0046】
本実施例は、上記実施例2と以下の点で異なっている。即ち、前記伝動アセンブリはギヤ及びラックを含む。前記ラックは、ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端に固定的に設置されており、ロックロッドの軸線に沿って一定の長さを有するよう延伸している。前記ギヤはラックに係合及び装着されるとともに、前記駆動装置によって回転可能である。コントロールパネルは、全自動洗浄モードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置がギヤを正回転させるよう制御する。これにより、ラックを位置決め孔の存在する方向へ移動させ、ロックロッドを位置決め孔に挿入するよう運動させることで内槽軸をロックする。また、コントロールパネルは、手洗いモードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置がギヤを逆回転させるよう制御する。これにより、ラックを位置決め孔の存在する方向とは反対の方向へ移動させ、ロックロッドを位置決め孔から引き出すことで内槽軸のロックを解除する。
【0047】
本実施例では、伝動アセンブリの構造を変更したにすぎず、実現される効果は上記実施例2と同様である。つまり、駆動装置と伝動アセンブリによってロックロッドの動作を制御することで、内槽軸のロックを実現又は解除可能であり、これにより、2種類の洗浄モードの切り替えを実現する。
【実施例4】
【0048】
本実施例は、上記実施例2と以下の点で異なっている。即ち、前記伝動アセンブリはカムを含む。前記カムは、駆動装置によって回転可能である。また、前記ロックロッドにおける位置決め孔から離間する一端が前記カムに当接する。前記ロックロッドには弾性部材が固定的に接続されており、前記弾性部材の弾性力によって前記ロックロッドを位置決め孔から引き出す。コントロールパネルは、全自動洗浄モードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置がカムを回転駆動させるよう制御する。これにより、カムにおける回転中心から遠い一端をロックロッドに向けて、位置決め孔の存在する方向へロックロッドを押動することで、ロックロッドを位置決め孔に挿入し、内槽軸をロックする。また、コントロールパネルは、手洗いモードを起動する信号を受信すると、駆動装置に対し信号を送信し、駆動装置がカムを回転駆動させるよう制御する。これにより、カムにおける回転中心に近い一端をロックロッドに向けると、弾性部材がロックロッドを引き出す方向へロックロッドを動かすことで、ロックロッドを位置決め孔から引き出して内槽軸のロックを解除する。
【0049】
本実施例では実施例2と異なる伝動アセンブリの構造を採用しているが、実現される効果は上記実施例2と同様である。つまり、駆動装置と伝動アセンブリによってロックロッドの動作を制御することで、内槽軸のロックを実現又は解除可能であり、これにより、2種類の洗浄モードの切り替えを実現する。
【実施例5】
【0050】
図1図6に示すように、本実施例は上記実施例のいずれかを更に限定する。前記減速機構は、更に、1方向に前記制動輪を制動可能な制動バンドアセンブリを含む。前記制動バンドアセンブリは、制動輪5を1方向に制動可能であり、ロック機構6と連携することで制動輪5の2方向制動を実現可能である。
【0051】
前記減速クラッチ装置は、更に、クラッチ機構及び牽引器13を含む。前記クラッチ機構は、往復運動可能なクラッチカバー16と、クラッチカバー16を往復運動させるシフトフォークアセンブリを含む。前記牽引器13は、制動バンドアセンブリとシフトフォークアセンブリを牽引して動作させる。前記牽引器13は、制動バンドアセンブリを弛緩させるよう牽引する第1牽引ストロークと、制動バンドアセンブリを弛緩させるとともに、シフトフォークアセンブリによりクラッチカバー16を噛合位置に動作させるよう牽引する第2牽引ストロークを有する。同一の牽引器13によって制動バンドアセンブリ及びシフトフォークアセンブリの動作を実現するとともに、制動バンドアセンブリ及びシフトフォークアセンブリの動作要求を満たすよう、牽引器13が少なくとも2つのストロークを有することで、より多くの洗浄方式が提供される。具体的に、制動バンドアセンブリは、制動輪5の外周を包囲するブレーキバンド12と、ブレーキバンド12の一端に接続されるブレーキレバー21を含む。牽引器13は前記ブレーキレバー21に接続される。
【0052】
本実施例における上記の減速機構は、更に、入力軸1の外部に覆設される入力ブッシュ15を含む。また、クラッチ機構は、入力軸1に覆設されて一緒に回転するトルクブッシュ17を含む。前記クラッチカバー16は、入力ブッシュ15に覆設されるとともに、軸線方向に往復運動可能である。更に、前記入力軸1の外周にはアウタースプラインが設置されており、前記トルクブッシュ17にはインナースプラインが備わっている。トルクブッシュ17のインナースプラインは入力軸1のアウタースプラインに嵌合する。また、トルクブッシュ17は、入力軸1と同期して回転する。
【0053】
本実施例のクラッチカバー16におけるトルクブッシュ17に近接する一端には、クラッチカバー噛合歯が設置されている。また、前記トルクブッシュ17におけるクラッチカバー16に近接する一端には、トルクブッシュ噛合歯が設置されている。クラッチカバー16がトルクブッシュ17まで運動すると、クラッチカバー噛合歯とトルクブッシュ噛合歯とが噛合することで、クラッチ機構が噛合状態となる。本実施例におけるクラッチカバー噛合歯は周方向に均一に分布しており、歯の下縁が斜歯となっている。また、斜歯の角度は0~15度である。装着状態において、斜歯の方向は、脱水方向から見て低い方から高い方に向かっている。また、本実施例のクラッチカバー噛合歯は周方向に均一に分布しており、歯の上縁が斜歯となっている。且つ、クラッチカバー噛合歯に対応して、トルクブッシュ噛合歯の斜歯の角度は0~15度である。また、装着状態において、斜歯の方向は、脱水方向から見て高い方から低い方に向かっている。
【0054】
本実施例の入力軸1には、入力軸1と駆動モータ23のロータを固定的に接続するためのモータロックナット20が覆設されている。また、トルクブッシュ17における駆動モータ23に近接する一端の端面には緩衝パッド18が設置されている。
【0055】
本実施例における上記のシフトフォークアセンブリは、シフトフォーク19及びシフトフォークベース14を含む。シフトフォーク19の一端は、クラッチカバー16の外周に位置規制されて、クラッチカバー16を往復運動させる。シフトフォーク19の中央部は、回動可能にシフトフォークベース14に装着されて梃子構造を形成している。また、シフトフォーク19の他端は前記ブレーキレバー21に当接する。牽引器13は、第2牽引ストロークにおいて、ブレーキレバー21を引き動かすことでブレーキバンド12を弛緩させる。これと同時に、ブレーキレバー21はシフトフォーク19を動作させ、クラッチカバー16をトルクブッシュ17と噛合するまで運動させる。シフトフォーク19には、更に、シフトフォーク19を弾性的に位置復帰させるシフトフォークねじりバネ25が設置されている。
【0056】
本実施例のブレーキレバー21は、ブレーキバンド12とクラッチカバー16を同時に制御する(洗浄、脱水のクラッチ切り替え)。牽引器13が動作しない場合、ブレーキバンド12は制動輪をしっかりと包囲し、シフトフォーク19は動作せず、クラッチカバー16も動作することなく最も上端に位置する。牽引器13は、第1ストロークに位置する場合、ブレーキバンド12の一部を引き離すことでブレーキバンド12と制動輪5の間に小さな隙間を持たせる。このとき、クラッチカバー16は動作せず、シフトフォーク19も動作しない。且つ、シフトフォーク19の端部はクラッチカバー16に接触して押圧する。一方、牽引器13は、第2ストロークに位置する場合、ブレーキバンド12を完全に引き離すことでブレーキバンド12と制動輪5に大きな隙間を持たせる。且つ、シフトフォーク19が動作し、クラッチカバー16が下方に移動して、シフトフォーク19がクラッチカバー16から離脱する。
【0057】
本実施例の減速クラッチ装置は、更に、内部空間を有する下端ケース26を含み、制動輪5が下端ケース26の内部空間に設置される。制動輪5は、開口した収容室を有する制動輪本体と、制動本体の開口端に固定的に接続される制動輪軸を含む。前記制動輪軸と下端ケース26の間には2方向回転軸受が設置されている。こうすることで、本実施例の制動輪は2方向に回転可能となる。また、下端ケース26の周壁には、ブレーキバンド12の装着口が開設されている。ブレーキバンド12は、一端が装着口の一方の側に固定される。また、他端が、制動バンド装着口から下端ケース26の内部空間に進入し、制動輪5を包囲してから、制動バンド装着口を通じて伸出し、ブレーキレバー21に接続される。ブレーキレバー21は、ブレーキレバー回転軸を介して回転可能に下端ケース26に装着されている。前記ブレーキレバー回転軸には、ブレーキレバー21を位置復帰させるための復帰ねじりバネが設置されている。
【0058】
本実施例のシフトフォークベース14は、下端ケース26の底部のエンドカバーに固定的に装着される。また、入力ブッシュ3には、クラッチカバー16を弾性的に位置復帰及び噛合させるためのクラッチ圧縮バネ27が覆設されている。クラッチ圧縮バネ27は、クラッチカバー16と下端ケース26の底部の端面との間に設置される。
【0059】
本実施例における洗濯機の外槽22の底部には、排水口の開閉を制御する排水弁24が装着されている。排水弁は排水弁プルロッドを有し、前記牽引器13が排水弁プルロッドに接続されている。前記排水弁プルロッドと牽引器13は引っ張りバネを介して接続されている。牽引器13が第1牽引ストロークを実行する過程では、引っ張りバネが伸長し、排水弁プルロッドが動作しなくなることで、排水弁が閉状態を維持する。
【0060】
本実施例は、更に、前記洗濯機の制御方法を提供する。当該洗濯機は、ロック機構6が内槽軸4をロックし、制動輪5が制動状態となり、クラッチ機構が分離するよう制御するとともに、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータを往復運転させるよう制御する第1洗浄過程と、ロック機構6が内槽軸4をロック解除し、制動輪5が自由回転状態となるよう制御するとともに、クラッチ機構が分離するよう制御し、且つ、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータを往復運転させるとともに、内槽を自由に運転させるよう制御する第2洗浄過程と、ロック機構6が内槽軸4をロック解除し、制動輪5が自由回転状態となるよう制御するとともに、クラッチ機構が噛合するよう制御し、且つ、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に運転するよう制御する脱水洗浄過程、を含む。
【0061】
更に、洗濯機が牽引器13を初期状態とするよう制御すると、制動バンドアセンブリが制動輪5をしっかりと包囲して制動状態とし、クラッチ機構が分離し、排水弁24が閉止を維持する。そして、ロック機構6が内槽軸4をロックするよう制御するとともに、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータを往復運転させるよう制御することで、第1洗浄過程を実施する。
【0062】
洗濯機が牽引器13を第1牽引ストロークまで動作させるよう制御すると、牽引器13が制動バンドアセンブリを弛緩させるよう牽引し、制動輪5が自由回転状態になるとともに、クラッチ機構が分離し、排水弁24が閉止を維持する。そして、ロック機構6が内槽軸4をロック解除するよう制御するとともに、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータを往復運転させるとともに、内槽を自由に運転させるよう制御することで、第2洗浄過程を実施する。
【0063】
洗濯機が牽引器13を第2牽引ストロークまで動作させるよう制御すると、牽引器13が制動バンドアセンブリを弛緩させるよう牽引し、制動輪5が自由回転状態になるとともに、クラッチ機構が噛合し、排水弁24が開放を維持する。そして、ロック機構6が内槽軸4をロック解除するよう制御するとともに、駆動モータ23が動作し、減速クラッチ装置を通じて洗濯機に動力を伝え、パルセータと内槽が同一速度で同一方向に運転するよう制御することで、脱水過程を実施する。
【0064】
好ましくは、上記の第1洗浄過程と第2洗浄過程は、同一の洗浄プログラムにおいて択一的又は交互に実行可能である。
【0065】
本実施例における洗濯機の洗浄過程には、全自動洗浄状態及び手洗い状態という複数の洗浄プログラムを設置可能である。これらの洗浄状態は、要求される任意のタイミング、任意の時間に基づいて交互に使用可能である。
【0066】
全自動洗浄状態:ロック機構6が動作し、ロックロッド7が位置決め孔に挿入されて、内槽軸4が動作しない(内槽が回転しない)。また、パルセータが駆動モータ23の駆動によって左右に運転する。且つ、牽引器13は動作しない(シフトフォーク19、クラッチカバー16等がいずれも動作しない)。
【0067】
手洗い状態:ロック機構6が位置復帰し、ロックロッド7が位置決め孔から引き出される。また、牽引器13が第1ストロークで運転し、ブレーキバンド12の一部が弛緩することで、ブレーキバンド12と制動輪5が小さな隙間を有する。且つ、シフトフォーク19が動作せず、クラッチカバー16も動作しない。また、駆動モータ23が、入力軸-ギヤ列-パルセータ軸を駆動することで、パルセータが左右に運転し、内槽が自由に回転する。
【0068】
脱水状態:牽引器13が第2ストロークで運転し、シフトフォーク19が大きなストロークで動作する。これにより、シフトフォーク19がクラッチカバー16から離脱し(シフトフォーク19がクラッチカバー16と接触しなくなる)、クラッチカバー16のクラッチカバー噛合歯がトルクブッシュ17のトルクブッシュ噛合歯と噛合することで、内槽やパルセータ等のアセンブリが一緒にモータの駆動により脱水運転を行う。
【0069】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0070】
1 入力軸
2 装着大プレート
3 パルセータ軸
4 内槽軸
5 制動輪
6 ロック機構
7 ロックロッド
8 ガイドリング
9 ガイド孔
10 駆動装置
11 ハウジング
12 ブレーキバンド
13 牽引器
14 シフトフォークベース
15 入力ブッシュ
16 クラッチカバー
17 トルクブッシュ
18 緩衝パッド
19 シフトフォーク
20 モータロックナット
21 ブレーキレバー
22 外槽
23 駆動モータ
24 排水弁
25 シフトフォークねじりバネ
26 下端ケース
27 クラッチ圧縮バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】