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特表2023-528635少なくとも1つの家具駆動装置を調整するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(54)【発明の名称】少なくとも1つの家具駆動装置を調整するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230628BHJP
   A47B 88/457 20170101ALI20230628BHJP
   A47B 88/00 20170101ALI20230628BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20230628BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
A47B88/457
A47B88/00
G16Y10/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574476
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 AT2021060194
(87)【国際公開番号】W WO2021243393
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】A50490/2020
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リューディサー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ブアチャー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス タイムラー
【テーマコード(参考)】
3B160
5K048
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB41
3B160AC05
3B160CA02
3B160EB02
3B160EB22
3B160EB32
5K048AA04
5K048BA01
5K048DC01
5K048EB02
5K048FB10
5K048FB15
5K048FC01
(57)【要約】
少なくとも1つの電子機器(2)、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して少なくとも1つの家具駆動装置(1)を調整するための方法であって、少なくとも1つの家具駆動装置(1)は少なくとも1つのメモリユニット(3)を含んでおり、以降のステップ、すなわち、少なくとも1つの電子機器(2)の取付け工領域(4)においては、少なくとも1つのメモリユニット(3)に、少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップ、少なくとも1つの電子機器(2)のエンドユーザ領域(6)においては、少なくとも1つのメモリユニット(3)に、少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップが、好適には、経時的な順序で実行される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子機器(2)、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して少なくとも1つの家具駆動装置(1)を調整するための方法であって、
前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)が少なくとも1つのメモリユニット(3)を含んでいる、方法において、
以下の、好適には経時的な順序で実行されるステップ、すなわち、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)の取付け工領域(4)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップ、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)のエンドユーザ領域(6)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、前記少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップ
を特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの電子機器(2)、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して家具アセンブリ(7)を調整するための方法であって、
前記家具アセンブリ(7)は、家具キャビネット(8)に可動に支持されている少なくとも1つの家具部分(9)と、少なくとも1つのメモリユニット(3)を備える少なくとも1つの家具駆動装置(1)とを含んでおり、
前記少なくとも1つの家具部分(9)は、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)によって、少なくとも2つの動作位置において前記家具キャビネット(8)に対して相対的に配置可能である、方法において、
以下の、好適には経時的な順序で実行されるステップ、すなわち、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)の取付け工領域(4)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップ、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)のエンドユーザ領域(6)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を、特に無線信号伝送で格納するステップ
を特徴とする、
方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電子機器(2)と前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)とは、空間的に相互に別個に形成されている、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記取付け工領域(4)と前記エンドユーザ領域(6)とは、好適には別個のログインおよび/または別個のアプリによって、前記少なくとも1つの電子機器(2)上で相互に分離されており、
好適には、前記取付け工領域(4)および/または前記エンドユーザ領域(6)において、前記少なくとも1つの電子機器(2)と前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)との間のデータ通信が暗号化される、かつ/または所定の時間窓中に可能にされることが想定されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記取付け工領域(4)および/または前記エンドユーザ領域(6)の前記少なくとも1つのデジタルデータセット(5)は、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)とは空間的に別個にされている少なくとも1つのデータ伝送装置(10)を介して格納され、
好適には、前記少なくとも1つの電子機器(2)が前記少なくとも1つのデータ伝送装置(10)とWi-Fiおよび/またはWANを介して通信し、かつ/または前記少なくとも1つのデータ伝送装置(10)がESB(登録商標)を介して前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)と通信することが想定されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電子機器(2)と前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)との間で双方向にデータ通信を行い、
好適には、前記少なくとも1つの電子機器(2)が、少なくとも1つの、好適には厳密に1つの家具駆動装置(1)および/または少なくとも1つの、好適には厳密に1つの、場合によっては存在しているデータ伝送装置(10)との接続によって、少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)、および/または前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)が表されているネットワーク(12)の情報、好適には少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を求めることが想定されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記取付け工領域(4)は少なくとも1つの電子機器(2)上にインストールされており、前記エンドユーザ領域(6)は、前記少なくとも1つの電子機器(2)とは空間的に別個にされている少なくとも1つの別の電子機器(13)上にインストールされている、または前記取付け工領域(4)と前記エンドユーザ領域(6)とが同一の電子機器(2)上にインストールされている、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電子機器(2)は、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)とBLEを介して通信する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記取付け工領域(4)および/または前記エンドユーザ領域(6)は、ユーザによって行われる口頭の音声命令に関連して、好適にはユーザ識別を伴って、かつ/または触覚的に操作され得る、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの静的なパラメータは、基準パラメータ、同期パラメータ、結合パラメータ、状態パラメータおよび/または衝突パラメータの形態で存在しており、
好適には、前記状態パラメータが少なくとも1つの動作位置に関連して変更されることが想定されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの動的なパラメータは、時間パラメータ、ロックパラメータおよび/または収納スペースパラメータの形態で存在している、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記取付け工領域(4)において、
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)を少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)と結合し、かつ/またはユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して同期させ、
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)を、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して初期化し、
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)を少なくとも1つの命令発信器(14)と結合し、好適には前記少なくとも1つの命令発信器(14)を、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して初期化し、
・前記少なくとも1つのメモリユニット(3)において、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して衝突回避を格納し、かつ/または
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)、少なくとも1つの命令発信器(14)および/または少なくとも1つのデータ伝送装置(10)をネットワーク(12)に追加する、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記取付け工領域(4)において、
・少なくとも1つのネットワークアドレス、少なくとも1つのリンクキーおよび/または少なくとも1つのネーミングを付与し、かつ/または割り当て、
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器(14)および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置(10)の少なくとも1つの現下の状態、少なくとも1つのログ情報および/または少なくとも1つの動作情報を読み出し、
・好適には、少なくとも1つの家具駆動装置(1)および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置(10)および/または場合によっては存在している命令発信器(14)に対する少なくとも1つのエラーメッセージを表示し、
・少なくとも1つの家具駆動装置(1)、少なくとも1つのデータ伝送装置(10)および/または少なくとも1つの命令発信器(14)を、ネットワーク(12)の形成のために追加し、
・少なくとも1つの家具駆動装置(1)、場合によっては存在している少なくとも1つのデータ伝送装置(10)および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器(14)をリセットし、ロック解除またはロックし、かつ/またはアクティブまたは非アクティブに設定し、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)、場合によっては存在している命令発信器(14)および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置(10)の少なくとも1つのアップデート、好適にはファームウェアアップデートを更新し、かつ/または
・少なくとも1つの操作ガイドおよび/または設定のためのヘルプダイアログを表示する、
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記エンドユーザ領域(6)において
・前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)の少なくとも1つの現下の状態を読み出し、
・少なくとも1つの家具駆動装置(1)、場合によっては存在している少なくとも1つのデータ伝送装置(10)および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器(14)をアクティブまたは非アクティブに設定し、かつ/またはロック解除またはロックし、
・少なくとも1つのサポートアクセス、特にライブでのサポートアクセスを可能にし、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)、場合によっては存在している命令発信器(14)および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置(10)の少なくとも1つのアップデート、好適にはファームウェアアップデートを更新し、かつ/または
・少なくとも1つの操作ガイドおよび/または設定のためのヘルプダイアログを表示する、
請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)は、家具キャビネット(8)に前記家具駆動装置(1)を固定するための少なくとも1つの固定装置(15)と、少なくとも1つの可動の家具部分(9)を前記家具キャビネット(8)に対して相対的に動かすことができる少なくとも1つの調整装置(16)と、前記少なくとも1つの調整装置(16)を、特に電気的に駆動することができる少なくとも1つの駆動ユニット(17)とを含んでおり、
好適には、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)が少なくとも1つの計算ユニット(18)を含んでいることが想定されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)は少なくとも1つのデータ伝送装置(19)を含んでおり、前記データ伝送装置(19)を介して、好適には、少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)のデータ伝送装置(19)を介して、少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)の少なくとも1つの静的なパラメータ、少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)の少なくとも1つの動的なパラメータおよび/または前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)が配置されているネットワーク(12)に関する少なくとも1つの情報、好適には少なくとも1つのデジタルデータセット(5)を求め、かつ/または前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に格納する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記家具アセンブリ(7)全体が、前記取付け工領域(4)および/または前記エンドユーザ領域(6)において設定可能である、請求項2から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
コンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は命令を含んでおり、前記命令は、計算ユニット(18)による実行の際に、前記計算ユニット(18)とデータ接続されている、またはデータ接続可能なメモリユニット(3)から、請求項1から17までの少なくとも1項記載の方法を実施するように前記計算ユニット(18)を促す、
ことを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記コンピュータプログラム製品によって呼び出された取付け工領域(4)は、少なくとも1つの電子機器(2)上に表示可能であり、前記コンピュータプログラム製品によって呼び出されたエンドユーザ領域(6)は、前記少なくとも1つの電子機器(2)とは空間的に別個にされている少なくとも1つの電子機器(2)上に表示可能である、または前記コンピュータプログラム製品によって呼び出された前記取付け工領域(4)と前記エンドユーザ領域(6)とは同一の電子機器(2)上に表示可能である、請求項18記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
少なくとも1つのメモリユニット(3)を備える少なくとも1つの家具駆動装置(1)と、家具キャビネット(8)に可動に支持されている少なくとも1つの家具部分(9)と、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)とは特に空間的に別個にされている少なくとも1つの電子機器(2)、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータとから成る家具アセンブリ(7)であって、
前記少なくとも1つの家具部分(9)は、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)によって、少なくとも2つの動作位置において前記家具キャビネット(8)に対して相対的に配置可能であり、
好適には、前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)と前記少なくとも1つの電子機器(2)とがそれぞれ少なくとも1つのデータ伝送装置(19)を含んでいることが想定されている、家具アセンブリ(7)において、
前記少なくとも1つのメモリユニット(3)は、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)の取付け工領域(4)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)が、特に無線信号伝送で格納可能であるように、
・前記少なくとも1つの電子機器(2)のエンドユーザ領域(6)においては、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、前記少なくとも1つの電子機器(2)を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)が、特に無線信号伝送で格納可能であるように
構成されている、
ことを特徴とする、家具アセンブリ(7)。
【請求項21】
前記家具アセンブリ(7)は、少なくとも1つのデータ伝送装置(10)および/または少なくとも1つの命令発信器(14)を含んでおり、前記少なくとも1つの命令発信器(14)は、少なくとも1つのデジタルデータセット(5)および/または少なくとも1つのデジタル命令を伝送する、請求項20記載の家具アセンブリ(7)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの命令発信器(14)は、前記少なくとも1つの電子機器(2)、無線スイッチング要素(22)、データ伝送装置(10)、家具ロック(23)、家庭用機器(24)および/または別の家具駆動装置(11)の形態で形成されている、請求項20または21記載の家具アセンブリ(7)。
【請求項23】
請求項20から22までのいずれか1項記載の家具アセンブリ(7)用の家具駆動装置(1)であって、
・家具キャビネット(8)に前記家具駆動装置(1)を固定するための少なくとも1つの固定装置(15)と、
・少なくとも1つの可動の家具部分(9)を前記家具キャビネット(8)に対して相対的に動かすことができる少なくとも1つの調整装置(16)と、
・前記少なくとも1つの調整装置(16)を、特に電気的に駆動することができる少なくとも1つの駆動ユニット(17)と、
・特に少なくとも1つの計算ユニット(18)および/または少なくとも1つのデータ伝送装置(19)と、
・少なくとも1つのメモリユニット(3)と、
を含んでいる、家具駆動装置(1)において、
前記少なくとも1つのメモリユニット(3)に、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセット(5)が、特に無線信号伝送で、少なくとも1つの電子機器(2)、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して格納可能であるように前記少なくとも1つのメモリユニット(3)が構成されている、
ことを特徴とする、家具駆動装置(1)。
【請求項24】
前記少なくとも1つのデータ伝送装置(19)は、ELBを介して前記少なくとも1つの電子機器(2)とデータ通信するための少なくとも1つのELBモジュール(26)および/またはESB(登録商標)を介して少なくとも1つの命令発信器(14)、少なくとも1つのデータ伝送装置(10)および/または少なくとも1つの別の家具駆動装置(11)とデータ通信するための少なくとも1つのESB(登録商標)モジュール(26)を含んでいる、請求項23記載の家具駆動装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの家具駆動装置(1)の前記少なくとも1つのデータ伝送装置(19)に、前記少なくとも1つの命令発信器(14)および/または前記少なくとも1つのデータ伝送装置(10)の少なくとも1つのデジタル命令が、好適には無線信号伝送で伝送可能であり、
前記少なくとも1つの計算ユニット(18)は、前記少なくとも1つのデジタル命令を、前記少なくとも1つのメモリユニット(3)内に格納されている少なくとも1つのデジタルデータセット(5)と比較するように構成されており、前記少なくとも1つの計算ユニット(18)は、前記比較の結果に関連して、前記少なくとも1つのデジタル命令の実行に対する選択を行うように構成されている、
請求項23または24記載の家具駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電子機器、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して少なくとも1つの家具駆動装置を調整するための方法に関し、少なくとも1つの家具駆動装置は、少なくとも1つのメモリユニットを含んでいる。さらに本発明は、少なくとも1つの電子機器、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して家具アセンブリを調整するための方法に関し、家具アセンブリは、家具キャビネットに可動に支持されている少なくとも1つの家具部分と、少なくとも1つのメモリユニットを備える少なくとも1つの家具駆動装置とを含んでおり、少なくとも1つの家具部分は、少なくとも1つの家具駆動装置によって、少なくとも2つの動作位置において家具キャビネットに対して相対的に配置可能である。さらに本発明は、このような方法を実施するコンピュータプログラム製品に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つのメモリユニットを備える少なくとも1つの家具駆動装置と、家具キャビネットに可動に支持されている少なくとも1つの家具部分と、少なくとも1つの家具駆動装置とは特に空間的に別個にされている少なくとも1つの電子機器、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータとから成る家具アセンブリに関し、少なくとも1つの家具部分は、少なくとも1つの家具駆動装置によって、少なくとも2つの動作位置において家具キャビネットに対して相対的に配置可能であり、好適には、少なくとも1つの家具駆動装置と少なくとも1つの電子機器とがそれぞれ少なくとも1つのデータ伝送装置を含んでいることが想定されている。さらに、本発明は、このような家具アセンブリ用の家具駆動装置に関し、この家具駆動装置は、家具キャビネットに家具駆動装置を固定するための少なくとも1つの固定装置と、少なくとも1つの可動の家具部分を家具キャビネットに対して相対的に動かすことができる少なくとも1つの調整装置と、少なくとも1つの調整装置を、特に電気的に駆動することができる少なくとも1つの駆動ユニットと、特に少なくとも1つの計算ユニットおよび/または少なくとも1つのデータ伝送装置と、少なくとも1つのメモリユニットとを含んでいる。
【0002】
従来技術、たとえば国際公開第2019/145440号から、家具駆動装置と接続されている電子機器が公知であり、ここではこの電子機器は、家具駆動装置の制御のために設けられている。たとえば、家具駆動装置は、スマートフォンを介して、家具が、駆動制御される家具駆動装置を介して種々異なる動作位置に移動するように操作され得る。電子機器によって生成された制御命令は評価ユニットに伝送され、調整装置の動きに変換される。
【0003】
従来技術の欠点は、組付けステップにおいてすでに、家具駆動装置の摩擦のない動作に関連する全てのデータが、たとえば家具駆動装置に配置されているHMIを介して、家具駆動装置に格納されていなくてはならず、これによって、システムの柔軟性が、格納されている運動データに制限されており、快適な格納が行われないということである。さらに、家具部分同士の衝突を招く制御命令を、非常制御命令の意味での別の制御命令によってしか阻止することができず、これは、家具駆動装置の動作中のユーザの高い注意力を要求し、システムのユーザにとっての使いやすさが低減される。さらに、家具のユーザが、制御命令の適応化を行うことはできず、たとえば音声エラーの発生および/または家具のユーザの音声認識不足時に、システムの使用が著しく困難になってしまう。
【0004】
したがって、本発明の客観的な技術的課題は、従来技術のこれらの欠点が少なくとも部分的に取り除かれており、特に、遠隔位置からの、家具の動作に関連するデータのユーザフレンドリかつ/または柔軟な格納を特徴とする、従来技術に比べて改良された、少なくとも1つの家具駆動装置を調整するための方法ならびに家具アセンブリを調整するための方法を提示することである。さらに、改良されたコンピュータプログラム製品、改良された家具アセンブリおよび改良された家具駆動装置が提示される。
【0005】
上述の課題は、請求項1記載の特徴によって解決される。
【0006】
したがって本発明では、以降の、好適には、経時的な順序で実行されるステップ、すなわち、
・少なくとも1つの電子機器の取付け工領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットを、特に無線信号伝送で格納するステップ、
・少なくとも1つの電子機器のエンドユーザ領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットを、特に無線信号伝送で格納するステップ、
を行うことが想定されている。
【0007】
これによってはじめて、デジタルデータセットを柔軟に、家具アセンブリの状況および/または要求に合わせて調整することが可能になり、かつ常にユーザフレンドリに適合させることが可能になり、特に、取付け工および/またはユーザには、自身に関連するまたは安全上の理由から解放される家具駆動装置の設定オプションだけが示される。
【0008】
無線信号伝送形式での格納の場合には、取付け工および/またはユーザが、調整、事前調整および/または設定のために家具駆動装置のすぐ近くに存在している必要はなく、調整、事前調整および/または設定を、たとえば遠隔の空間からも快適に実行することができるという建設的な特性がこれに加わる。しかし一般に、この格納を有線で行うこともできる。
【0009】
一般に、少なくとも1つの電子機器は、可動の家具部分の動きの開始のために、家具駆動装置用の命令発信器としても機能することができ、この場合、家具駆動装置の駆動制御を、たとえば、少なくとも1つの電子機器における、音声制御されるかつ/または触覚的に操作可能なアプリによって行うことができる。たとえば、各ユーザに権限が与えられた命令だけを生成できるようにするために、エンドユーザ領域において、特定のユーザに対する制限された命令オプションが設定されていてよい。したがって、たとえば、危険な収容物を覆っている可動の家具部分を駆動制御する家具駆動装置を子供がアクティブ化することを阻止することができる。
【0010】
さらに、取付け工領域において、ユーザの機密性の高いデータを隠したままにすることが可能であり、この場合、より広範な設定オプションが、格納されるべき静的なパラメータの拡張された範囲によって可能になる。動的なパラメータがすでに既知である場合には、これらの動的なパラメータがすでに家具駆動装置の組付けにおいて、少なくとも1つのデジタルデータセットを介して格納されてよい。しかし、動的なパラメータを、後の時点でユーザによって修正することも可能である。
【0011】
静的なパラメータによって、家具駆動装置に、たとえば命令発信器によるデジタル命令の照合によって、可動の家具部分同士の衝突を伴わない、かつ/または別の家具駆動装置による可動の家具部分の同期化された動きを伴う、適切なキッチン動作を保証することが可能となる。たとえば、静的なパラメータは、開放または閉鎖された家具部分および/またはロックまたはロック解除された家具駆動装置を規定する家具駆動装置の状態を表していてよい。
【0012】
動的なパラメータによって、ユーザは、たとえば、収納スペースを覆っている可動の家具部分と接続されている家具駆動装置に、収容物名を格納することができるようになる、かつ/またはどの時点において、家具駆動装置が可動の家具部分を開放すべきか、またはどの時点において、可動の家具部分が家具駆動装置によって開放不可能であるべきかを規定することができるようになる。一般に、動的なパラメータを介して、特定のユーザに対するそれぞれ異なる権限が、家具駆動装置に格納されていてよい。
【0013】
冒頭で述べたように、請求項2の上位概念に記載の家具アセンブリを調整するための方法に対しても保護が請求され、ここでは、以降の、好適には、経時的な順序で実行されるステップ、すなわち、
・少なくとも1つの電子機器の取付け工領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットを、特に無線信号伝送で格納するステップ、
・少なくとも1つの電子機器のエンドユーザ領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットを、特に無線信号伝送で格納するステップ
が行われる。
【0014】
冒頭で述べたように、コンピュータプログラム製品に対しても保護が請求され、このコンピュータプログラム製品は命令を含んでおり、この命令は、計算ユニットによる実行の際に、計算ユニットとデータ接続されている、またはデータ接続可能なメモリユニットから、先行する請求項の少なくとも1項記載の方法を実施するようにこの計算ユニットを促す。
【0015】
コンピュータプログラム製品は、たとえば、少なくとも1つのメモリユニット内に格納されていてよく、少なくとも1つの計算ユニットによって実行されてよい。
【0016】
冒頭で述べたように、請求項20の上位概念に記載の家具アセンブリに対しても保護が請求され、ここでは少なくとも1つのメモリユニットが、
・少なくとも1つの電子機器の取付け工領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットが、特に無線信号伝送で格納可能であるように、
・少なくとも1つの電子機器のエンドユーザ領域においては、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器を介して、少なくとも1つの動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットが、特に無線信号伝送で格納可能であるように
構成されている。
【0017】
冒頭で述べたように、請求項23の上位概念に記載の家具駆動装置に対しても保護が請求され、ここでは少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの静的なパラメータおよび/または動的なパラメータに関する少なくとも1つのデジタルデータセットが、特に無線信号伝送で、少なくとも1つの電子機器、特に移動端末、スマートフォンまたはコンピュータを介して格納可能であるように少なくとも1つのメモリユニットが構成されている。
【0018】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0019】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの電子機器と少なくとも1つの家具駆動装置とが、空間的に相互に別個に形成されていることが想定されている。
【0020】
これによって、デジタルデータセットの格納時の快適性が大幅に向上する。取付け工および/またはユーザは、離れた位置から多数の家具駆動装置の設定を行うことができ、特に、場合によっては必要な、大型家具および/または重い可動の家具部分のためのリファレンスランにおいて、ユーザにとっての使いやすさを向上させることができ、かつ家具駆動装置の設定における付加的な人員を省くことができる。
【0021】
さらに、他の家具部分に関連する衝突パラメータおよび/または同期パラメータのような静的なパラメータを、少なくとも1つのデジタルデータセットを格納するための設定ポジションを変更せずに、少なくとも1つのメモリユニットに伝送することができる。
【0022】
有利には、取付け工領域とエンドユーザ領域とが、好適には別個のログインおよび/または別個のアプリによって、少なくとも1つの電子機器上で相互に分離されていることが想定されており、ここでは好適には、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域において、少なくとも1つの電子機器と少なくとも1つの家具駆動装置との間のデータ通信が暗号化される、かつ/または所定の時間窓中に可能にされることが想定されている。
【0023】
これによって、ユーザが取付け工領域内に入り、もしくは取付け工がエンドユーザ領域内に入り、自身の作業領域に対応付けられていない、家具駆動装置の静的なパラメータおよび/または動的なパラメータを変更することを阻止することができる。
【0024】
特に好ましくは、データ通信は、第1の電子機器上に配置された取付け工領域および第2の電子機器上に配置されたエンドユーザ領域においても暗号化され、かつ/または所定の時間窓中に可能にされる。
【0025】
有利な変形形態では、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域の少なくとも1つのデジタルデータセットが、少なくとも1つのメモリユニットに、少なくとも1つの電子機器とは空間的に別個にされている少なくとも1つのデータ伝送装置を介して格納され、ここでは好適には、少なくとも1つの電子機器が少なくとも1つのデータ伝送装置とWi-Fiおよび/またはWANを介して通信し、かつ/または少なくとも1つのデータ伝送装置がESB(登録商標)を介して少なくとも1つの家具駆動装置と通信することが想定されている。
【0026】
電子機器が、家具駆動装置と通信することができる無線プロトコルを有していない場合には、少なくとも1つのデータ伝送装置は、少なくとも1つの家具駆動装置がデジタルデータを受け取ることができる無線プロトコルを介してデジタル命令を転送することができ、この場合にはデータ伝送装置は、少なくとも1つのデジタルデータセットを少なくとも1つのメモリユニットに格納するために、かつ/または家具駆動装置を駆動制御する命令を伝送するために、2つの無線プロトコル間のトランスレーションを生成する。特に、データ通信を、IEEE802.11規格および/またはBluetooth(登録商標)規格に準拠した伝送プロトコルに従って実行することができる。一般に、このトランスレーションが、クラウド内で行われてもよい。
【0027】
一般に、家具駆動装置は、少なくとも1つの別の家具駆動装置と通信することができ、たとえば、少なくとも1つのデジタルデータセットを、少なくとも1つの別の家具駆動装置の少なくとも1つのデジタルデータセットと照合することができる、かつ/または少なくとも1つのデジタルデータセットを、少なくとも1つの別の家具駆動装置と共有することができ、この場合にはデータ通信は、特に好ましくはESB(登録商標)を介して行われる。
【0028】
無線プロトコルである専門用語ESB(登録商標)とは、Enhanced Shockburst(商標)であると理解されるべきであり、これは、BLEに比べて、とりわけレイテンシが短いことによって、家具駆動装置の駆動制御にとって特に有利であることが判明している。
【0029】
一般に「データ通信」とは、好ましくは、少なくとも一時的に、送信または受信のみが行われる、送信および受信によるデータ伝送のことであると理解され得る。しかし、一方向のデータ通信も考えられ、この場合にはたとえばデジタル情報によるフィードバックが省かれる。特に、無線信号プロトコルを介したデータ通信が好ましく、一般に、有線のデータ通信も可能である。受信ユニットおよび送信ユニットが、たとえば1つのチップ上に統合されて設けられていてよい、または空間的に互いに別個にされて設けられていてよい。
【0030】
少なくとも1つの電子機器と少なくとも1つの家具駆動装置との間で双方向にデータ通信が行われるのが有利であることが判明しており、ここでは好適には、少なくとも1つの電子機器は、少なくとも1つの、好適には厳密に1つの家具駆動装置および/または少なくとも1つの、好適には厳密に1つの、場合によっては存在しているデータ伝送装置との接続によって、少なくとも1つの別の家具駆動装置、および/または少なくとも1つの家具駆動装置が表されているネットワークの情報、好適には少なくとも1つのデジタルデータセットを求めることが想定されている。
【0031】
これによって、少なくとも1つの電子機器に、たとえば状態変化および/または少なくとも1つのデジタルデータセットの成功した格納をコンファームするおよび/または表示することができる。一般に、単に1つの家具駆動装置との接続によって、家具駆動装置が配置されているネットワークの他のエンティティについての情報に電子機器がアクセスできる。
【0032】
本発明の有利な実施形態によれば、取付け工領域が少なくとも1つの電子機器上にインストールされており、エンドユーザ領域が、この少なくとも1つの電子機器とは空間的に別個にされている少なくとも1つの別の電子機器上にインストールされている、または取付け工領域とエンドユーザ領域とが同一の電子機器上にインストールされていることが想定されている。
【0033】
取付け工領域とエンドユーザ領域とは、一般に相互に分離されており、そのため、ユーザは、たとえばアプリを、自身のスマートフォンにインストールすることができ、このアプリはエンドユーザ領域へのアクセスのみを可能にし、取付け工領域へのアクセスは可能にしない。
【0034】
少なくとも1つの電子機器が、少なくとも1つの家具駆動装置とBLEを介して通信することが有利であることが判明している。
【0035】
特に好ましくは、少なくとも1つのデータ伝送装置を有する少なくとも1つの電子機器は、家具駆動装置のデータ伝送装置と直接通信する。データ通信用の伝送プロトコルあるいは無線プロトコルとしてBLEが特に有利であることが判明している。
【0036】
無線プロトコルである専門用語BLEとは、Bluetooth(登録商標) Low Energyであると理解されるべきであり、これは、スマートフォンまたはコンピュータ等の市販の電子機器に集積されている。
【0037】
特に好ましくは、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域は、ユーザによって行われる口頭の音声命令に関連して、好適にはユーザ識別を伴って、かつ/または触覚的に操作され得る。
【0038】
有利な変形形態では、少なくとも1つの触覚命令および/または少なくとも1つの口頭の音声命令が、少なくとも1つの命令発信器によって、かつ/または少なくとも1つのクラウドにおいて、家具駆動装置を駆動制御する少なくとも1つのデジタル命令にトランスレーションされる、かつ/または格納のために設けられている少なくとも1つのデジタルデータセットにトランスレーションされる。これによって、ユーザによってもたらされた命令の均一化を達成することができ、これらの命令は、適切な無線プロトコルを介して、データ伝送装置の短いレイテンシで伝送可能である。
【0039】
音声命令によって、少なくとも1つの電子機器を介した少なくとも1つの家具駆動装置の特に快適な駆動制御および/または設定が行われる。なぜならユーザは、たとえば適切な単語または一連の単語によって、特定の可動の家具部分の開閉を生じさせることができる、かつ/または特定の収容物を有する収納スペースに個々の識別を与えることができるからである。ユーザ識別によって、たとえば、特定の人物のデジタル命令では、家具駆動装置は可動の家具部分を開始することができない、かつ/または少なくとも1つのメモリユニットへのデジタルデータセットの格納は生じ得ない。さらに、音声命令は個別に適応化可能であり、たとえば用語「塩」が、収納スペース内に塩入れを有している可動の家具部分の開放を生じさせることができ、これによって、このネットワークのユーザにとっての使いやすさが向上する。用語「開放」は、たとえば、家具駆動装置の組付けプロセスにおける静的な状態パラメータを指すことができ、この静的な状態パラメータは、可動の家具部分の動作位置の変化時に、変化した状態パラメータに移行する。デジタル命令は、操作命令および/または制御命令を含んでいてよい。家具駆動制御のために重要なデータは、静的なパラメータと、動的なパラメータとで、少なくとも1つのメモリユニットに格納されていてよい。
【0040】
ネットワークに配置されるエンティティの数は一般に任意である。ユーザは、所望の収容物の正確な位置を知らずに、この収容物に、簡単な口頭の命令によってアクセスすることができ、ここでは可動の家具部分の開放が少なくとも部分的に、少なくとも1つの家具駆動装置によって生成され、これによって、所望の収容物を取り出すことができる。このために必要な静的なパラメータおよび/または動的なパラメータが、少なくとも1つのデジタルデータセットによって完全にカバーされていてよい。これとは異なる、たとえば「砂糖」のような口頭の命令によって、別個の収納スペースの収容物にアクセスすることが可能である。
【0041】
本発明の1つの実施例では、少なくとも1つの静的なパラメータが、基準パラメータ、同期パラメータ、結合パラメータ、状態パラメータおよび/または衝突パラメータの形態で存在していることが想定されており、ここでは好適には、状態パラメータが少なくとも1つの動作位置に関連して変更されることが想定されている。
【0042】
基準パラメータとは、たとえば、少なくとも1つの家具駆動装置の動作位置を規定する少なくとも1つの調整装置の所定の終端位置であると理解されるべきである。同期パラメータとは、たとえば、少なくとも1つの家具部分を動かすための多数の家具駆動装置を調整するための、少なくとも1つの駆動ユニットの時間的に規定された一連の作動であると理解されるべきである。結合パラメータとは、たとえば、1つのネットワークの2つのエンティティ間の結合を規定するための、命令発信器、家庭用機器、無線スイッチング要素、別の家具駆動装置および/またはこれらに類似のものとの家具駆動装置の結合であると理解されるべきである。状態パラメータとは、たとえば、開放されたまたは閉鎖された可動の家具部分を表す、少なくとも1つの調整装置のロックおよび/または位置であると理解されるべきであり、ここでは少なくとも1つの可動の家具部分の動作位置間の移行時に、状態パラメータが変化可能である。静的なパラメータは、上述のパラメータに限定されず、たとえば、家具アセンブリに関連する他の取付け調整を含んでいてよい。
【0043】
一般に、家具駆動装置は、家具駆動装置のロックを可能にする家具ロックと結合されていてよく、かつ/または家具駆動装置自体がロック装置を有しており、このロック装置は、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域によって、特に特定の時点で、ロック状態またはロック解除状態に移行する。
【0044】
本発明の好ましい実施例によれば、少なくとも1つの動的なパラメータが、時間パラメータ、ロックパラメータおよび/または収納スペースパラメータの形態で存在することが想定されている。
【0045】
たとえば、家具駆動装置は、電子レンジおよび/またはコーヒーマシンが配置されている家具に配置されていてよく、このような家庭用機器の動作中には、可動の家具部分の閉鎖が阻止されるべきである。このことは、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域を介して、ロックパラメータを格納することによって行われ得る。ロックパラメータは、家具駆動装置がロックされるべき時間インターバルに関連して家庭用機器の動作に結び付けられていてよい、かつ/またはユーザによって個別に調整可能であってよい。
【0046】
時間パラメータは、たとえば、どの時点で家具駆動装置が、可動の家具部分を開放された動作位置へ動かすべきか、かつ/またはどの時点で、可動の家具部分の開放のためのデジタル命令が家具駆動装置によって実行されるべきでないかを含んでいてよい。収納スペースパラメータを介して、収納スペースおよび/または収納スペース内の収容物を個別に規定することができ、ここでは、たとえば、音声認識システムでの口頭の命令によって、ユーザはこれらにアクセスできるようになる。動的なパラメータの変更は、常に、エンドユーザ領域へのアクセスによって可能である。動的なパラメータは、一般に、キッチン動作に関連する他のユーザ調整を含んでいてよい。
【0047】
少なくとも1つの電子機器は、たとえば、音声認識システムを備えたタブレットの形態で存在していてよく、この場合には、空間的に別個にされている音声識別システムがネットワーク内に統合されていてもよい。
【0048】
取付け工領域において、
・少なくとも1つの家具駆動装置が少なくとも1つの別の家具駆動装置と結合され、かつ/またはユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して同期され、
・少なくとも1つの家具駆動装置が、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して初期化され、
・少なくとも1つの家具駆動装置が少なくとも1つの命令発信器と結合され、好適には少なくとも1つの命令発信器が、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して初期化され、
・少なくとも1つのメモリユニットにおいて、ユーザによって実行されるべきリファレンスランを介して衝突回避が格納され、かつ/または
・少なくとも1つの家具駆動装置、少なくとも1つの命令発信器および/または少なくとも1つのデータ伝送装置がネットワークに追加される
ことが有利であることが判明している。
【0049】
リファレンスランによって、可動の家具部分が家具駆動装置によって動かされる、可動の家具部分の所要の動作位置等、現場の状況特に有利な様式で家具駆動装置の学習を行うことができ、ここではデジタルデータセットは別の家具駆動装置に関する情報、たとえば差し迫っている衝突、または可動の家具部分を適切に動かすための必要な同期化に関する情報を含んでいてよい。デジタルデータセットは、リファレンスラン中に、かつ/またはリファレンスランの前または後にメモリユニットに格納可能である。
【0050】
電子機器および/または家具駆動装置に、少なくとも1つの命令発信器、別の家具駆動装置および/またはデータ伝送装置が既知である場合には、ネットワークの障害許容力が高められ、エラー発生率が低減される。さらに、ネットワークの他のエンティティのデジタルデータがエンティティとの接続によってアクセス可能であるので、ログ情報は、特に有利な様式で、少なくとも1つの電子機器を介して読み出し可能かつ/または分析可能である。
【0051】
ログ情報によって、ユーザ/取付け工は、特に匿名で評価可能である、製品利用に関する情報にアクセスすることができ、かつ/またはたとえば、特定の家具駆動装置の使用頻度および使用時間、言語、温度、湿度、センサデータ、キッチンサイズ等に関するデータがサポートに伝えられてよい。
【0052】
さらに、好ましくは、取付け工領域において、
・少なくとも1つのネットワークアドレス、少なくとも1つのリンクキーおよび/または少なくとも1つのネーミングが付与され、かつ/または割り当てられ、
・少なくとも1つの家具駆動装置および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置の少なくとも1つの現下の状態、少なくとも1つのログ情報および/または少なくとも1つの動作情報が読み出され、
・好適には、少なくとも1つの家具駆動装置および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置および/または場合によっては存在している命令発信器に対する少なくとも1つのエラーメッセージが表示され、
・少なくとも1つの家具駆動装置、少なくとも1つのデータ伝送装置および/または少なくとも1つの命令発信器が、ネットワークの形成のために追加され、
・少なくとも1つの家具駆動装置、場合によっては存在している少なくとも1つのデータ伝送装置および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器がリセットされ、ロック解除またはロックされ、かつ/またはアクティブまたは非アクティブに設定され、
・少なくとも1つの電子機器、少なくとも1つの家具駆動装置、場合によっては存在している命令発信器および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置の少なくとも1つのアップデート、好適にはファームウェアアップデートが更新され、かつ/または
・少なくとも1つの操作ガイドおよび/または設定のためのヘルプダイアログが表示される
ことが想定されている。
【0053】
これによって、ネットワークの現実性ならびにネットワークの性能が高められる。さらに、たとえば少なくとも1つの操作ガイドおよび/または少なくとも1つのヘルプダイアログによって、特に家具アセンブリへの家具駆動装置の組付けが容易になる。
【0054】
特に好ましくは、エンドユーザ領域において、
・少なくとも1つの家具駆動装置の少なくとも1つの現下の状態が読み出され、
・少なくとも1つの家具駆動装置、場合によっては存在している少なくとも1つのデータ伝送装置および/または場合によっては存在している少なくとも1つの命令発信器がアクティブまたは非アクティブに設定され、かつ/またはロック解除またはロックされ、
・少なくとも1つのサポートアクセス、特にライブでのサポートアクセスが可能にされ、
・少なくとも1つの電子機器、少なくとも1つの家具駆動装置、場合によっては存在している命令発信器および/または場合によっては存在しているデータ伝送装置の少なくとも1つのアップデート、好適にはファームウェアアップデートが更新され、かつ/または
・少なくとも1つの操作ガイドおよび/または設定のためのヘルプダイアログが表示される
ことが想定されている。
【0055】
これによって、特に家具アセンブリに関する家具駆動装置の現下の状況を迅速にかつ家具アセンブリから離れて見通すことができ、家具駆動装置の快適な操作もしくは設定ならびに最新のソフトウェアへの更新が可能となり、ここでは電子機器および/または家具駆動装置の取扱いにおいて問題が生じた場合に、操作の支援が保証される。
【0056】
択一的に、少なくとも1つの家具駆動装置が、家具キャビネットに家具駆動装置を固定するための少なくとも1つの固定装置と、少なくとも1つの可動の家具部分を家具キャビネットに対して相対的に動かすことができる少なくとも1つの調整装置と、少なくとも1つの調整装置を、特に電気的に駆動することができる少なくとも1つの駆動ユニットとを含んでいることが可能であり、好適には、少なくとも1つの家具駆動装置が、少なくとも1つの計算ユニットを含んでいることが想定されている。
【0057】
少なくとも1つの固定装置によって、特に家具内での位置固定された位置決めが可能になり、ここでは少なくとも1つの駆動ユニットによって、少なくとも1つの可動の家具部分を動かす力が提供され、この力は、少なくとも1つの調整装置によって、少なくとも1つの可動の家具部分を動かすために、少なくとも1つの可動の家具部分に伝えられる。
【0058】
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの家具駆動装置が少なくとも1つのデータ伝送装置を含んでおり、このデータ伝送装置を介して、好適には、少なくとも1つの別の家具駆動装置のデータ伝送装置を介して、少なくとも1つの別の家具駆動装置の少なくとも1つの静的なパラメータ、少なくとも1つの別の家具駆動装置の少なくとも1つの動的なパラメータおよび/または少なくとも1つの家具駆動装置が配置されているネットワークに関する少なくとも1つの情報、好適には少なくとも1つのデジタルデータセットが求められ、かつ/または少なくとも1つのメモリユニットに格納されることが想定されている。
【0059】
この少なくとも1つのデータ伝送装置は、一般に、1つのチップ上に配置されているまたは空間的に相互に別個にされて家具駆動装置に配置されている送信装置および/または受信装置を含んでいてよい。
【0060】
本発明の有利な構成によれば、家具アセンブリ全体が、取付け工領域および/またはエンドユーザ領域において設定可能であることが想定されている。
【0061】
従来技術では、家具、家具駆動装置および/または可動の家具部分が多数である場合、ネットワークにおいてエンティティとして表されていてよいインスタンスによってこれらを設定すること、および/または家具と接続されている家具駆動装置にデジタルデータセットを格納することオプションは提供されていない。本発明では、個々の家具駆動装置の少なくとも1つのメモリユニットを特有にデジタルデータセットで満たすことができる取付け工領域および/またはエンドユーザ領域によるソリューションが、より高い柔軟性を提供する。
【0062】
たとえば、取付け工は、キッチンに、種々異なる家具の多数の家具駆動装置を取付け、これら多数の家具駆動装置は、電子機器を介して、無線信号伝送で、取付け工の位置変更を必要とせずに、デジタルデータセットの格納によって設定可能である。
【0063】
同様に、ユーザは、キッチン全体を、キッチンに存在する家具駆動装置を介して設定し、所望の特性に合わせることができる。
【0064】
本発明の有利な構成によれば、コンピュータプログラム製品によって呼び出された取付け工領域が、少なくとも1つの電子機器上に表示可能であり、コンピュータプログラム製品によって呼び出されたエンドユーザ領域が、少なくとも1つの電子機器とは空間的に別個にされている少なくとも1つの電子機器上に表示可能である、またはコンピュータプログラム製品によって呼び出された取付け工領域とエンドユーザ領域とが同一の電子機器上に表示可能であることが想定されている。
【0065】
有利には、家具アセンブリが、少なくとも1つのデータ伝送装置および/または少なくとも1つの命令発信器を含んでいることが想定されており、少なくとも1つの命令発信器は、少なくとも1つのデジタルデータセットおよび/または少なくとも1つのデジタル命令を伝送する。
【0066】
これによって、家具アセンブリの家具駆動装置が、少なくとも1つの可動の家具部分を、デジタル命令を考慮して動かすことが可能になり、ここではたとえば、実行可能または実行不可能に対する選択を、少なくとも1つのデジタル命令と少なくとも1つのデジタルデータセットとの比較を介して行うことができ、これによって、衝突を阻止することができ、かつ/または別の家具駆動装置との同期した動きを生成することができる。
【0067】
少なくとも1つの命令発信器が、少なくとも1つの電子機器、無線スイッチング要素、データ伝送装置、家具ロック、家庭用機器および/または別の家具駆動装置の形態で形成されていることが有利であることが判明している。
【0068】
メモリユニットの少なくとも1つのデジタルデータセットと少なくとも1つのデジタル命令とによって、少なくとも1つの可動の家具部分の衝突の危険を伴わずに、少なくとも1つの可動の家具部分を適切に動かすことができ、少なくとも1つの可動の家具部分の不所望の開閉を阻止することができ、かつ/または少なくとも1つの別の家具駆動装置によって、可動の家具部分の共通の並行な動き、または共通のシーケンシャルな動きを生じさせることができる。
【0069】
本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つのデータ伝送装置が、ELBを介して少なくとも1つの電子機器とデータ通信するための少なくとも1つのELBモジュールおよび/またはESB(登録商標)を介して少なくとも1つの命令発信器、少なくとも1つのデータ伝送装置および/または少なくとも1つの別の家具駆動装置とデータ通信するための少なくとも1つのESB(登録商標)モジュールを含んでいることが想定されている。
【0070】
少なくとも1つの家具駆動装置の少なくとも1つのデータ伝送装置に、少なくとも1つの命令発信器および/または少なくとも1つのデータ伝送装置の少なくとも1つのデジタル命令が、好適には無線信号伝送で伝送可能であることが有利であることが判明しており、ここでは少なくとも1つの計算ユニットは、少なくとも1つのデジタル命令を、少なくとも1つのメモリユニット内に格納されている少なくとも1つのデジタルデータセットと比較するように構成されており、少なくとも1つの計算ユニットは、この比較の結果に関連して、少なくとも1つのデジタル命令の実行に対する選択を行うように構成されている。
【0071】
これによって、少なくとも1つの家具駆動装置が、命令発信器とは別個にされている独立した独自の知能を有することがはじめて可能になり、この独自の知能を介して少なくとも1つの家具駆動装置は、少なくとも1つの命令発信器の少なくとも1つのデジタル命令を、実行可能かに関して検査することができる。少なくとも1つのデジタル命令を、たとえば衝突が差し迫っていることによって、少なくとも1つの可動の家具部分が損傷する危険を冒すことなく実行することが不可能である場合には、少なくとも1つの家具駆動装置は、少なくとも1つのデジタル命令の実行を阻止することができ、ここで家具駆動装置が多数ある場合には、同期した動きを実行できるようにするため、かつ/または衝突を回避できるようにするために、1つの家具駆動装置によってデータ通信が行われるだけでよい。
【0072】
たとえば、棚またはアンダーキャビネットの形態の家具の場合には、内引出しの少なくとも1つの家具駆動装置が、音声識別システム、特に少なくとも1つの電子機器の音声命令を介してトリガされることが想定されていてよく、ここでは前板引出しの少なくとも1つの別の家具駆動装置が、並行してまたはシーケンシャルに同期化されて作動され、これによって、2つの可動の家具部分が命令発信器のデジタル命令によって動かされる。衝突が差し迫っている場合には、これらの動きが中断され、適正な同期のもとで、かつ潜在的に衝突せずに、これらの動きが実行され、ここでは、これに関連する情報が、少なくとも1つのデジタルデータセットの静的なパラメータの形態で、かつ/または動的なパラメータの形態で、少なくとも1つのメモリユニット内に格納されている。実行可能であることならびに可動の家具部分の動作位置の変化した状態が、命令発信器に、特に少なくとも1つの電子機器に、デジタル情報の形態で伝送される。アプリを介して、家具の変化がユーザに知らせられ、場合によってユーザは、エンドユーザ領域を介して少なくとも1つのデジタルデータセットを変えることができる。
【0073】
同期した家具駆動装置は、少なくとも1つの可動の家具部分の動き経過を、時間のずれに基づいて、かつ/または家具キャビネットまたは他の可動の家具部分に対する少なくとも1つの可動の家具部分の空間的な位置、たとえば最低開放角度に基づいて制御することができ、ここでは特に衝突の危険が常に少なくとも1つの家具駆動装置によって検査可能である。
【0074】
以降では、本発明のさらなる詳細および利点を、図示された実施例に関する図面の説明に基づいて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】4つの家具駆動装置と、電子機器と、ネットワークに接続されている多数の命令発信器とから成る家具アセンブリを概略的に示す概略図である。
図2a】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2b】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2c】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2d】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2e】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2f】家具駆動装置への電子機器または命令発信器からのデータ通信を示す概略図であり、家具駆動装置は、別の家具駆動装置とデータ接続されている。
図2g】家具ロックおよび命令発信器とデータ接続されている電子機器を示す概略図である。
図2h】家具ロックおよび命令発信器とデータ接続されている電子機器を示す概略図である。
図3a】2つの電子機器を示す概略図であって、家具駆動装置に2つのデジタルデータセットが伝送されている間、ある電子機器には取付け工領域が表示されており、第2の電子機器にはエンドユーザ領域が表示されている。
図3b】家具駆動装置のデータ伝送装置へのデジタルデータセットの伝送の取付け工領域およびエンドユーザ領域を有するアプリがインストールされている電子機器を示す概略図である。
図4a】家具キャビネットと家具フラップの形態の可動の家具部分とを備えた家具と、2つの命令発信器とから成る家具アセンブリを示す斜視図である。
図4b】家具と、引出しの形態の、家具キャビネットに対して相対的に可動の5つの家具部分と、電子機器と、データ伝送装置とを備えた家具アセンブリを示す斜視図である。
【0076】
図1は、家具アセンブリ7を示しており、この家具アセンブリ7は、それぞれ1つのメモリユニット3を備える4つの家具駆動装置1と、左下側の家具駆動装置1に配置されている可動の家具部分9とから成る。家具部分9は、点線で示唆されている。一般に、全ての家具駆動装置1に、各家具駆動装置1に配置されている可動の家具部分9が配置されている。家具キャビネット8に可動に支持されている家具部分9は、家具駆動装置1によって、少なくとも2つの動作位置において、家具キャビネット8に対して相対的に配置される。家具アセンブリ7は、家具駆動装置1とは空間的に別個にされている電子機器2と、この電子機器2と接続形成されている、またはこの電子機器2と接続可能な別の電子機器13とを含んでいる。
【0077】
ネットワークのデータ通信は、無線接続を介して信号伝送で生成されるが、有線のデータ通信も可能である。電子機器2はスマートフォンの形態で存在しており、ここでは移動端末の形態の別の電子機器13は音声識別システムとして形成されている。一般に、音声認識システムが、スマートフォンに組み込まれていてもよい。一般に、コンピュータ、タブレット、移動端末等の形態の電子機器2も可能である。
【0078】
電子機器2と家具駆動装置1は、空間的に互いに別個に形成されている。
【0079】
命令発信器14は、電子機器2、それぞれ家具駆動装置1と信号伝送で接続されている無線スイッチング要素22、データ伝送装置10、家具ロック23、電子レンジ、コーヒーマシンおよび掃除機ロボットである3つの家庭用機器24および別の家具駆動装置11の形態で存在している。
【0080】
しかし家具駆動装置1が、一般に、それ自体で命令発信器14として機能することもでき、これによって、たとえば可動の家具部分9の同期した動きを生じさせるために、命令発信器14のデジタル命令の後でデジタル命令を別の家具駆動装置11に伝送することができる。可動の家具部分9との差し迫っている衝突に関する衝突パラメータは、静的なパラメータの形態で、メモリユニット3内に存在するデジタルデータセット5に格納されている。
【0081】
家具駆動装置1が、可動の家具部分9を新たな動作位置に移動させると、状態パラメータの形態の静的なパラメータが更新される。収納スペース名および/または収容物名のような動的なパラメータは、常に、たとえば、音声認識システムの形態の別の電子機器13によって、口頭の命令からクラウドにおいてトランスレーションされるデジタルデータセット5の形態で、家具駆動装置1のメモリユニット3に、かつ/またはエンドユーザ領域を介して格納可能である。
【0082】
家具アセンブリ7の家具駆動装置1は、家具キャビネット8に家具駆動装置1を固定するための固定装置15と、可動の家具部分9を家具キャビネット8に対して相対的に動かすことができる調整装置16と、調整装置16を電気的に駆動する駆動ユニット17とをそれぞれ含んでいる。
【0083】
見易くするために図面には示されていない計算ユニット18、データ伝送装置19およびメモリユニット3は、それぞれ家具駆動装置1と、別の家具駆動装置11とに含まれている。メモリユニット3は、メモリユニット3に、静的なパラメータおよび動的なパラメータに関するデジタルデータセット5が無線信号伝送で電子機器2を介して格納可能であるように構成されている。
【0084】
家具アセンブリ7全体は、取付け工領域4内およびエンドユーザ領域6において設定可能であり、ここでは一般に、ネットワーク12の部分領域も、電子機器2によって、デジタルデータセット5の格納によって設定可能である。
【0085】
たとえば、取付け工は、家具アセンブリ7の組付けの間、電子機器2にインストールされているアプリを開始し、組付け領域において電子機器2をデータ伝送装置10と接続させ、電子機器2を家具駆動装置1と接続させることができ、ここで、家具駆動装置1との接続によって、家具アセンブリ7のデータモデルがデータ伝送装置10に伝送可能にされてよく、かつ/または電子機器2は、別の家具駆動装置11等の、ネットワーク12内に配置されているエンティティに関する情報を受け取ることができる。音声認識システムの形態の別の電子機器13は、電子機器13を介してネットワーク12と接続されてよく、ここでは家具駆動装置1は、音声認識システム、電子機器2の口頭の命令によって、かつ/または可動の家具部分9を動かす電子機器2における触覚命令によって操作可能である。静的なパラメータを、家具駆動装置1にいつでも格納することができる。
【0086】
たとえばユーザは、家具アセンブリ7の組付けが行われた後に、電子機器2にインストールされているアプリを開始し、エンドユーザ領域において家具アセンブリ7をデジタルで設置し、電子機器2を家具駆動装置1と接続させ、全ての、別の家具駆動装置11等の、ネットワーク12内に配置されているエンティティまたはネットワーク12の部分領域を、動的なパラメータの格納によって設定することができる。家具駆動装置1への接続は、格納されているデータセット5のような、ネットワーク12の、全ての情報を受け取ることを可能にするのに十分である。
【0087】
家具駆動装置1の利用中になんらかの問題が生じた場合、サポートアクセスによって、かつ/または段階を追って示されたガイドによって、問題に対する援助が提供されてよく、この場合、ガイドされるプロセスによって、専門家が省かれてよく、たとえばネットワークにおける特定のエラーまたは組付け不良時のフィードバックが生成され、表示されてよい。
【0088】
電子機器2を介したシステムアップデートによって、家具アセンブリ7の性能の向上ならびに機能性の拡張を実現することができる。エラー診断を、分析および/または評価のために、ヘルプダイアログを介して家具アセンブリ7の利用を支援することができるサポートに匿名化して転送することができる。
【0089】
たとえば、エラーメッセージは、問題のあるネットワーク構造、駆動ユニットの正しくない調整、取付け深さの不足、無線スイッチへの可動の家具部分の連続的な押圧および/またはエラーを有するファームウェアに関する情報を含んでいてよく、これは、ユーザおよび/または取付け工に、電子機器2において、表示可能かつ/または転送可能である。
【0090】
電子機器2を介して、家具駆動装置1に、たとえば別の家具駆動装置11を衝突回避のために対応付けることが可能であり、かつ/また同期化のために別の家具駆動装置11が結合可能である。次いで、家具アセンブリ7、たとえばキッチンのデータモデルを作成することができ、ここでは各家具駆動装置1は、対応付けられている別の家具駆動装置11および命令発信器14を認識し、別の家具駆動装置11および命令発信器14は、家具駆動装置1との接続を介して求められ、かつ/またはデジタルデータセット5内に、静的なパラメータの形態で格納されている。
【0091】
図2aは、データ伝送装置19を備えたスマートフォンの形態の電子機器2を示しており、ここでは電子機器2は、家具駆動装置1を設定するために使用され、家具駆動装置1の命令発信器14として使用される。
【0092】
家具駆動装置1は、別の家具駆動装置11と、無線信号伝送でデータ接続されており、ここでは電子機器2は、BLEを介して家具駆動装置1と通信し、家具駆動装置1は、ESB(登録商標)を介して別の家具駆動装置11と通信する。
【0093】
図2bは、電子機器2の代わりに、家具ロック23が命令発信器14としてネットワーク12内に配置されているという点で、図2aとは異なっている。家具ロック23は、デジタル命令を家具駆動装置1に伝送することができ、デジタル命令は、データ伝送装置19によって、別の家具駆動装置11のデータ伝送装置19に転送され、これによって、たとえば可動の家具部分9の同期した動きを生じさせることができる。
【0094】
家具ロック23は、ロック命令を家具駆動装置1に送ることができる、または家具ロック23自体が、可動の家具部分9の動きを、ロック状態によって阻止することができる。
【0095】
図2cは、命令発信器14が無線スイッチング要素22として形成されているという点で、図2bとは異なっている。一般に、命令発信器14は、家具駆動装置1による可動の家具部分9の閉鎖を阻止する、電子レンジのような家庭用機器24の形態で存在していてもよい、かつ/または家具25内に留め置くことができるようにするために、家具駆動装置1による可動の家具部分9の開放を要求する掃除機ロボットの形態で存在していてもよい。
【0096】
図2dは、命令発信器14として、別の電子機器13が設けられているという点で、図2bとは異なっており、この別の電子機器13は、電子機器2と家具駆動装置1との間のデータ通信のためのデータ伝送装置10としても使用可能である。ネットワーク12内には、別の家具駆動装置11が配置されており、この別の家具駆動装置11は、直接的な無線信号伝送で、家具駆動装置1と接続されている。
【0097】
図2eは、家具駆動装置1および別の家具駆動装置11を設定することができる電子機器2がデータ伝送装置10を介してデータ通信を生成するという点で、図2aとは異なっている。電子機器2は、一般に命令発信器14としても機能することができる。家具駆動装置1は、別の家具駆動装置11のための命令発信器14として機能することができ、これによってたとえば可動の家具部分9の同期した動きが実現される。
【0098】
電子機器2は、ユーザおよび取付け工によって家具駆動装置1と接続されてよく、この場合、電子機器2は、Wi-Fiを介してデータ伝送装置10と通信し、データ伝送装置10は、ESB(登録商標)を介して家具駆動装置1と通信する。
【0099】
電子機器2と家具駆動装置1との間のデータ通信は双方向で行われ、この場合、電子機器2は、家具駆動装置1またはデータ伝送装置10との接続によって、別の家具駆動装置11、および家具駆動装置1が表されているネットワーク12のデジタルデータセット5のような情報を求める。
【0100】
取付け工領域4またはエンドユーザ領域6のデジタルデータセット5は、電子機器2とは空間的に別個にされているデータ伝送装置10を介してメモリユニット3に格納される。電子機器2、データ伝送装置10、家具駆動装置1および別の家具駆動装置11は、ネットワーク12の任意のエンティティとのデータ通信のためにデータ伝送装置19を有している。エンドユーザ領域6ならびに取付け工領域4は、電子機器2を介して触覚的に操作可能である、かつ口頭で操作可能である。
【0101】
図2fは、別の電子機器13が音声認識システムとして構成されているという点で、図2dとは異なっている。音声認識システムは一般に、取付け工領域4またはエンドユーザ領域6が示される電子機器2とは空間的に別個にされていてよい、または電子機器2に統合されていてよい。
【0102】
取付け工領域4およびエンドユーザ領域6は、ユーザによって行われる口頭の音声命令に関連して操作可能である。口頭の音声命令のトランスレーションは、クラウド、音声認識システムまたはデータ伝送装置10において行われてよい。家具駆動装置1へのデータ通信は、データ伝送装置19によって実現される。
【0103】
図2gは、家具ロック23と接続されている電子機器2を示している。ユーザおよび/または取付け工は、電子機器2上で、たとえば、家具ロック23が可動の家具部分9の開放を阻止すべき時間インターバルまたは家具ロック23を特定の家具駆動装置1と結合する時間インターバルを規定することができる。
【0104】
図2hは、電子機器2が無線スイッチング要素22と信号伝送でデータ通信するという点で、図2gとは異なっている。ユーザおよび/または取付け工は、電子機器2を介して、たとえば無線スイッチング要素22におけるソフトウェアアップデートを開始することができる、または無線スイッチング要素22を所定の時間インターバルにわたって非アクティブに設定することができる。
【0105】
図3aは、家具駆動装置1を調整するための方法において、スマートフォンの形態の電子機器2とスマートフォンの形態の別の電子機器13とを介して家具駆動装置1がどのように設定されるのかを示している。家具駆動装置1は、メモリユニット3を有しており、このメモリユニット内3には、これらのスマートフォンのうちの1つによって、すでに2つのデジタルデータセット5が格納されている。
【0106】
電子機器2の取付け工領域4においては、メモリユニット3に、電子機器2を介して、静的なパラメータおよび動的なパラメータに関するデジタルデータセット5が、無線信号伝送で格納される。
【0107】
別の電子機器13として形成されている電子機器2のエンドユーザ領域6においては、メモリユニット3に、動的なパラメータに関するデジタルデータセット5が無線信号伝送で格納される。
【0108】
デジタルデータセット5は、データ伝送装置19によって受け取られ、メモリユニット3に記憶される。計算ユニット18は、デジタルデータセット5をいつでもたとえば分析目的で用いることができる。
【0109】
一般に、家具駆動装置1は、キッチンの可動の家具部分9に配置されており、この場合、電子機器2を介して、家具アセンブリ7を設定するのに適しており、ここでは家具アセンブリ7は、家具キャビネット8に可動に支持されている家具部分9と、メモリユニット3を備えた家具駆動装置1とを含んでおり、家具部分9は、家具駆動装置1によって、少なくとも2つの動作位置で家具キャビネット5に対して相対的に配置され得る。
【0110】
コンピュータプログラム製品は命令を含んでおり、この命令は、計算ユニット18による実行の際に、計算ユニット18とデータ接続されている、またはデータ接続可能なメモリユニット3から、調整するための方法を実施するようにこの計算ユニット18を促し、コンピュータプログラム製品は電子機器2および別の電子機器13の両方にインストールされている。電子機器2および別の電子機器13は、このために、メモリユニット3と、(図では見えていない)計算ユニット18とを有している。
【0111】
一般に、コンピュータプログラム製品の一部またはコンピュータプログラム製品が家具駆動装置1にインストールされていてもよい。
【0112】
家具駆動装置1のメモリユニット3は、電子機器2の取付け工領域4においては、電子機器2を介して、静的なパラメータまたは動的なパラメータに関するデジタルデータセット5が無線信号伝送でメモリユニット3に格納可能であるように構成されている。同様に、エンドユーザ領域6においては、動的なパラメータに関するデジタルデータセット5がメモリユニット3に格納可能である。
【0113】
このような実施例では、取付け工領域4は、電子機器2上にインストール・表示されており、エンドユーザ領域6は、電子機器2とは空間的に別個にされている別の電子機器13上にインストール・表示されている。
【0114】
取付け工領域4において、家具駆動装置1は、リファレンスランを介して設定され、初期化され、同期化され、別の家具駆動装置11、命令発信器14またはデータ伝送装置10と結合され、衝突回避が格納され、ネットワーク12に追加されてよい。さらに、取付け工領域4において、ネットワークアドレス、リンクキーおよびネーミングが割り当てられ、現下の状態、ログ情報および動作情報が読み出され、アップデートが更新され、エラーメッセージ、操作ガイドおよび設定のためのヘルプダイアログが表示されてよい。さらに、家具駆動装置1のロックもしくはロック解除ならびに非アクティブ設定もしくはアクティブ設定が可能である。
【0115】
図3bは、取付け工領域4とエンドユーザ領域6とが同一の電子機器2上にインストールされている点で、図3aとは異なっている。取付け工領域4とエンドユーザ領域6とは、電子機器2上の別個のログおよび別個のアプリによって相互に分けられている。コンピュータプログラム製品によって呼び出された取付け工領域4およびエンドユーザ領域6は、両方とも電子機器2に表示可能である。
【0116】
取付け工領域4およびエンドユーザ領域6において、電子機器2と家具駆動装置1との間のデータ通信は暗号化され、規定された時間窓の間、行われ得る。家具駆動装置1のデータ伝送装置19は、ELBを介して電子機器2とデータ通信するためのELBモジュール26と、ESB(登録商標)を介して命令発信器14、データ伝送装置10または別の家具駆動装置11とデータ通信するためのESB(登録商標)モジュールとを有している。
【0117】
家具駆動装置1のデータ伝送装置19には、命令発信器14およびデータ伝送装置10のデジタル命令が無線信号伝送で伝送可能であり、ここでは計算ユニット18は、デジタル命令を、メモリユニット3内に格納されているデジタルデータセット5と比較するように構成されている。計算ユニット18は、この比較の結果に関連して、デジタル命令の実行に対する選択を行うように構成されている。
【0118】
エンドユーザ領域6では、家具駆動装置1に関して、現下の状態が読み出され、アクティブ設定/非アクティブ設定ならびにロック解除および/ロックが行われ、サポートアクセスが可能にされ、アップデートが更新され、操作ガイドまたは設定のためのヘルプダイアログが表示されてよい。
【0119】
家具駆動装置1のデータ伝送装置19を介して、特に、別の家具駆動装置11のデータ伝送装置19を介して、別の家具駆動装置11の静的なパラメータ、別の家具駆動装置11の動的なパラメータ、および家具駆動装置1が配置されているネットワーク12に対するデジタルデータセット5等の情報が求められ、メモリユニット3に格納されてよい。
【0120】
適切な音声命令によって、可動の家具部分9が駆動制御可能であり、ここではたとえば、子供の声は、家具駆動装置1の特定の機能を実行することができない。音声命令によって、たとえば、キッチン、居間またはそこに存在する収納スペースおよび収容物の検出および指名が可能になる。音声命令によって、ユーザおよび/または取付け工には、電子機器2を介して、家具駆動装置1がどのような現下の状態にあるのかが明らかとなる。たとえば、電子機器2の音声認識システムを介して、可動の家具部分9が、家具駆動装置1によってコーヒーマシンをアクセス可能にすべき時点が定められてよい。
【0121】
図4aには、家具フラップの形態の、家具キャビネット8に可動に支持されている家具部分9を備えた家具25が示されており、ここでは家具部分9は、家具部分9に配置されかつ同期化されている2つの家具駆動装置1によって、少なくとも2つの動作位置で家具キャビネット8に対して相対的に配置可能である。家具駆動装置1は、音声認識システムの形態の命令発信器14を介して駆動制御可能であり、ここではデータ伝送装置19から送られた音声命令が、たとえばクラウドにおいてデジタル命令にトランスレーションされ、データ伝送装置10を介して家具駆動装置1に転送される。
【0122】
命令発信器14は、データ伝送装置10とWi-Fiを介して通信し、データ伝送装置10は、レイテンシを最小にするために、家具駆動装置1とESB(登録商標)を介して通信する。
【0123】
可動の家具部分9は、これらの家具駆動装置1(第2の家具駆動装置1は、図面では可動の家具部分9によって覆い隠されている)によって、共同して並行に、2つの動作位置の間で家具キャビネット8に対して相対的に動かされる。動作位置の数は一般に任意である。一般に、家具部分9が2つの家具部分9の形態で存在していてもよく、この場合、これらの家具部分9は、2つの家具駆動装置1によって個別に、特にシーケンシャルに、駆動制御可能である。
【0124】
家具キャビネット8には、無線スイッチング要素22の形態の別の命令発信器14が配置されており、これによって家具駆動装置1は、無線スイッチング要素22の操作に関する直接的なデジタル命令によってアクティブ化され、可動の家具部分9を、特にESB(登録商標)を介して動かすように指示される。無線スイッチング要素22の位置は一般に任意であり、このような無線スイッチング要素22が、家具25とは空間的に別個にされて配置されていてもよい。
【0125】
一般に、音声認識システムは、家具駆動装置1を設定するために電子機器2と接続されていてよく、ここでは基準パラメータ、同期パラメータ、結合パラメータ、状態パラメータおよび衝突パラメータの形態の静的なパラメータが家具駆動装置1に伝送される。このような実施例では、静的なパラメータはすでにメモリユニット3に格納されており、ユーザは家具25の操作を快適に行うことができ、場合によっては適応化を、電子機器2のエンドユーザ領域6を介して、または音声認識システムを介して間接的に行うことができる。家具駆動装置1の状態パラメータが変化すると、静的なパラメータである現在の動作位置に関連して、状態パラメータが変えられる。
【0126】
家具駆動装置1には、時間パラメータ、ロックパラメータおよび収納スペースパラメータの形態の動的なパラメータが格納されており、したがって可動の家具部分9は、ある固定の時点で家具駆動装置1によって開放位置へ動かされ、別の固定の時点でロックされ、規定された口頭の音声命令によって駆動制御可能である。
【0127】
家具駆動装置1は、家具キャビネット8に家具駆動装置1を固定するための固定装置15と、可動の家具部分9を家具キャビネット8に対して相対的に動かすことができる調整装置16と、調整装置16を電気的に駆動することができる駆動ユニット17とをそれぞれ含んでいる。
【0128】
図4bは、家具キャビネット8に可動に支持されている、家具駆動装置1によって個別に動かされる引出しの形態の5つの家具部分9を備えた家具25を示している。このような実施例では、電子機器2に統合されている音声認識システムが利用され、音声認識システムは、デジタル命令へのトランスレーションが行われた後に、データ伝送装置10を介して家具駆動装置1を駆動制御する。
【0129】
デジタルデータセット5は電子機器2を介して家具駆動装置1のメモリユニット3に直接に格納可能であり、家具駆動装置1のすぐ近くに存在している必要はない。無線プロトコルとしてこのためにBLEが利用される。電子機器2は触覚的にかつ音声制御で操作可能である。
【0130】
可動の5つの家具部分9は、並行してまたはシーケンシャルに、(図面において家具部分9によって覆い隠されている)家具駆動装置1によって、少なくとも2つの動作位置の間で、家具キャビネット8に対して相対的に動かされ得る。
【0131】
家具アセンブリ7は、データ伝送装置10および電子機器2を、命令発信器14として、また家具駆動装置1の設定のために含んでおり、これによってデジタルデータセット5およびデジタル命令が家具駆動装置1に伝送される。
【符号の説明】
【0132】
1 家具駆動装置
2 電子機器
3 メモリユニット
4 取付け工領域
5 デジタルデータセット
6 エンドユーザ領域
7 家具アセンブリ
8 家具キャビネット
9 可動の家具部分
10 データ伝送装置
11 別の家具駆動装置
12 ネットワーク
13 別の電子機器
14 命令発信器
15 固定装置
16 調整装置
17 駆動ユニット
18 計算ユニット
19 データ伝送装置
22 無線スイッチング要素
23 家具ロック
24 家庭用機器
25 家具
26 ELBモジュール
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図3a
図3b
図4a
図4b
【国際調査報告】