(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(54)【発明の名称】シート材処理ユニット及びシート材処理機
(51)【国際特許分類】
B65H 5/08 20060101AFI20230628BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20230628BHJP
B65H 29/54 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
B65H5/08 H
B65H5/02 Z
B65H29/54
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575839
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2021063970
(87)【国際公開番号】W WO2021249771
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ド ガイヤンド クリストフ
【テーマコード(参考)】
3F049
3F053
3F101
【Fターム(参考)】
3F049BA00
3F049DB05
3F049LA01
3F049LA15
3F049LB01
3F049LB07
3F053AA00
3F053LA01
3F053LA15
3F053LB01
3F053LB07
3F101CA10
3F101CA17
3F101LA01
3F101LA15
3F101LB01
3F101LB07
(57)【要約】
シート材処理ユニット(20、22、24)は、シート(12)又はその一部をそれぞれの入力端(20i、22i、24i)からそれぞれの出力端(20o、22o、24o)へ搬送する搬送システム(32)を備える。グリッパユニット(46)は、搬送システム(32)に解放可能に結合され、シート(12)のうちの1つの少なくとも一部を保持するように構成されている。加えて、グリッパユニット(46)を搬送システム(32)から切り離し、グリッパユニット(46)を隣接するシート材処理ユニット(20、22、24)に提供する、及び/又は隣接するシート材処理ユニット(20、22、24)からグリッパユニット(46)を受け取り、受け取ったグリッパユニット(46)を対応する搬送システム(32)に結合するように構成されている少なくとも1つのハンドオーバー機構(47d、47r)が設けられている。加えて、少なくとも2つの当該シート材処理ユニット(20、22、24)を備えるシート材処理機(10)が提示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材処理ユニット(20-28)であって、
処理されるシート(12)が前記シート材処理ユニット(20-28)に入る入力端(20i-28i)と、前記シート(12)の少なくとも一部が前記シート材処理ユニット(20-28)から出る出力端(20o-28o)と、
前記シート(12)又はその一部を前記入力端(20i-28i)から前記出力端(20o-28o)へ搬送するための搬送システム(32)と、
前記搬送システム(32)に解放可能に結合され、前記シート(12)のうちの1つの少なくとも一部を保持するように構成されたグリッパユニット(46)と、
を備え、
前記入力端(20i-28i)及び/又は前記出力端(20o-28o)は、前記搬送システム(32)から前記グリッパユニット(46)を切り離し、前記グリッパユニット(46)を隣接する前記シート材処理ユニット(20-28)に提供する、及び/又は、前記グリッパユニット(46)を隣接する前記シート材処理ユニット(20-28)からを受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)に結合するように構成されている、ハンドオーバー機構(47d、47r)を備える、シート材処理ユニット(20-28)。
【請求項2】
前記グリッパユニット(46)は、クリップオン機構(66)を介して、又はクランプ機構(54)を介して搬送システム(32)に結合される、請求項1に記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項3】
前記グリッパユニット(46)は、前記クリップオン機構(66)を介して前記搬送システム(32)に結合され、前記搬送システム(32)は、1又は2以上の雄型クリップ要素(62)を備え、前記グリッパユニット(46)は、1又は2以上の対応する雌型クリップ要素(64)を備える、請求項2に記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項4】
前記グリッパユニット(46)は、前記クランプ機構(54)を介して前記搬送システム(32)に結合され、前記グリッパユニット(46)は、前記シート材処理ユニット(20-28)の搬送システム(32)及び/又は隣接する前記シート材処理ユニット(20-28)の搬送システム(32)に選択的に係合するように構成されている少なくとも1つの切替え可能なクランプ(56a、56b)を備える、請求項1に記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項5】
前記搬送システム(32)は、前記入力端(20i-28i)から前記出力端(20o-28o)の方向に、処理されるためのシート(12)又はその一部を保持するグリッパユニット(46)を搬送するように構成された処理セクション(32p)を備え、
前記処理セクション(32p)は、前記入力端(20i-28i)に配置され、隣接するシート材処理ユニット(20-28)からグリッパユニット(46)を受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)に結合するように構成されているハンドオーバー機構(47r)と関連する、及び/又は、
前記処理セクション(32p)は、前記出力端(20o-28o)に配置され、前記搬送システム(32)から前記グリッパユニット(46)を切り離し、前記グリッパユニット(46)を隣接するシート材処理ユニット(20-28)に提供するように構成されているハンドオーバー機構(47d)と関連する、請求項1から4のいずれかに記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項6】
前記シート材処理ユニット(20-28)は、好ましくは見当合わせモジュールを含む給送ユニット、プラテンプレスユニット、詳細にはホットホイルスタンピングユニット又は打抜きユニット、剥離ユニット、品質管理ユニット、デジタル印刷ユニット、デジタル装飾ユニット、デジタル切断ユニット、折り目付けユニット又は送出ユニットである、請求項1から5のいずれかに記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項7】
前記シート材処理ユニット(20-28)は、請求項5に記載の2つのシート材処理ユニット(20-28)を接続するように構成されている移行ユニット(76)であり、
前記搬送システム(32)は、シート(12)又はその一部を保持するグリッパユニット(46)を、前記入力端(20i-28i)から前記出力端(20o-28o)の方向に搬送するように構成された移行セクション(32t)を備え、
前記移行セクション(32t)は、前記入力端(20i-28i)に配置され、隣接するシート材処理ユニット(20-28)からグリッパユニット(46)を受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)に結合するように構成されているハンドオーバー機構と関連し、
前記移行セクション(32t)は、前記出力端(20o-28o)に配置され、前記グリッパユニット(46)を前記搬送システム(32)から切り離し、前記グリッパユニット(46)を隣接するシート材処理ユニット(20-28)に提供するように構成されているハンドオーバー機構と関連する、請求項1から4のいずれかに記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項8】
前記搬送システム(32)は、前記出力端(20o-28o)から前記入力端(20i-28i)の方向にシート(12)を持っていないグリッパユニット(46)を搬送するように構成された再循環セクション(32r)を備え、
前記再循環セクション(32r)は、前記出力端(20o-28o)に配置され、隣接するシート材処理ユニット(20-28)からグリッパユニット(46)を受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)に結合するように構成されているハンドオーバー機構(47r)と関連する、及び/又は、
再循環セクション(32r)は、前記入力端(20i-28i)に配置され、前記グリッパユニット(46)を前記搬送システム(32)から切り離し、前記グリッパユニット(46)を隣接するシート材処理ユニット(20-28)に提供するように構成されているハンドオーバー機構(47d)と関連する、請求項1から7のいずれかに記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項9】
前記搬送システム(32)は、ベルト駆動装置又はチェーン駆動装置を備え、前記グリッパユニット(46)は、対応するベルト(38)又はチェーンに解放可能に結合されている、請求項1から8のいずれかに記載のシート材処理ユニット(20-28)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の少なくとも2つの隣接するシート材処理ユニット(20-28)を備えるシート材処理機(10)であって、前記少なくとも2つの隣接するシート材処理ユニット(20-28)は、
前記第1のシート材処理ユニット(20-28)の出力端(20o-28o)に設けられ、前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)から切り離し、前記グリッパユニット(46)を第2のシート材処理ユニット(20-28)に提供するように構成されている第1のハンドオーバー機構(47d)と、
前記第2のシート材処理ユニット(20-28)の入力端(20i-28i)に設けられ、前記グリッパユニット(46)を前記第1のシート材処理ユニット(20-28)からを受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する搬送システム(32)に結合するように構成されている第2のハンドオーバー機構(47r)と、
によって結合されている、シート材処理機(10)。
【請求項11】
前記2つの隣接するシート材処理ユニット(20-28)は、
前記第2のシート材処理ユニット(20-28)の入力端(20i-28i)に設けられ、前記グリッパユニット(46)を対応する前記搬送システム(32)から切り離し、前記グリッパユニット(46)を前記第1のシート材処理ユニット(20-28)に提供するように構成されている第3のハンドオーバー機構(47d)と、
前記第1のシート材処理ユニット(20-28)の出力端(20o-28o)に設けられ、前記グリッパユニット(46)を前記第2のシート材処理ユニット(20-28)から受け取り、受け取った前記グリッパユニット(46)を対応する搬送システム(32)に結合するように構成されている第4のハンドオーバー機構(47r)と、
によって結合されている、請求項10に記載のシート材処理機(10)。
【請求項12】
再循環モジュール(30)が、前記グリッパユニット(46)を前記第2のシート材処理ユニット(20-28)の出力端(20o-28o)から前記第1のシート材処理ユニット(20-28)の入力端(20i-28i)に移送するための移送システム(40)を備える、請求項10に記載のシート材処理機(10)。
【請求項13】
グリッパ交換モジュール(68)が、
前記シート材処理ユニット(20-28)の少なくとも1つの再循環セクション(32r)又は前記再循環モジュール(30)に結合され、
グリッパユニット(46)を前記再循環セクション(32r)又は前記再循環モジュール(30)から引き出すように、及び/又はグリッパユニット(46)を前記再循環セクション(32r)又は前記再循環モジュール(30)に送り込むように構成されている、請求項10から12のいずれかに記載のシート材処理機(10)。
【請求項14】
前記第1のシート材処理ユニット(20-28)の前記搬送システム(32)は、前記搬送システム(32)の前記出力端(20o-28o)に配置される第1の搬送ホイール(34)を備え、前記第2のシート材処理ユニット(20-28)の前記搬送システム(32)は、前記搬送システム(32)の前記入力端(20i-28i)に配置される第2の搬送ホイール(36)を備え、前記第1の搬送ホイール(34)及び前記第2の搬送ホイール(36)は、実質的に同軸に配置されている、請求項10から13のいずれかに記載のシート材処理機(10)。
【請求項15】
前記第1のシート材処理ユニット(20-28)の搬送システム(32)は、前記第2のシート材処理ユニット(20-28)の前記搬送システム(32)と処理方向(18)で重なり合う、請求項10から13のいずれかに記載のシート材処理機(10)。
【請求項16】
前記シート材処理機(10)は、プラテンプレス機、詳細にはホットホイルスタンピング機、又は打抜き機である、請求項10から15のいずれかに記載のシート材処理機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材処理ユニットに関し、シート材処理ユニットは、処理されるシートがシート材処理ユニットに入る入力端と、シートの少なくとも一部がシート材処理ユニットから出る出力端とを備える。本発明によるシート材処理ユニットは、詳細には、紙処理ユニット、厚紙処理ユニット、又は可撓性材料処理ユニットである。
【0002】
さらに、本発明は、少なくとも2つのそのようなシート材処理ユニットを含むシート材処理機に関する。
【背景技術】
【0003】
シート材処理ユニット及び対応するシート材処理機は、本技術分野では公知である。
これに関連して、シート材処理機は、例えばホットホイル機である。このような機械は、プラテンによるホットホイル用途及びシート送り出しに関連するシート材処理ユニットを備える。あるいは、シート材処理機は、切断、廃棄物排出、及びブランク分離に関するシート材処理ユニットを備える打抜き処理機である。しかしながら、本発明は、これらのタイプの機械に限定されない。
【0004】
シート材を機械の異なるユニットを通って移動させるために、搬送システムが設けられる。多くの場合、この搬送システムは、実質的に機械の全てのユニットに広がるチェーン駆動装置又はベルト駆動装置を備える。結果として、処理されるシート材は、シート材処理機の入力端で搬送システムに接続され、シート材の少なくとも一部は、処理された後にシート材処理機の出力端で搬送システムから放出される。
【0005】
このようなシート材処理機は、予め定められた一定数の処理ステップを実行するのに有効である。これらのステップの数又は内容を変更することは、機械の大規模な変更を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、シート材処理機をより柔軟なものにすることである。勿論、そのような機械の高レベルの効率及び生産性は維持する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、シート又はその一部を入力端から出力端まで搬送するための搬送システムと、搬送システムに解放可能に結合され、シートのうちの1つの少なくとも一部を保持するように構成されているグリッパユニットとを備える上述のシート材処理ユニットによって解決される。加えて、入力端及び/又は出力端は、グリッパユニットを搬送システムから切り離し、グリッパユニットを隣接するシート材処理ユニットに提供するように、及び/又は、グリッパユニットを隣接するシート材処理ユニットから受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合するように構成されているハンドオーバー機構を備えている。公知のシート材処理機とは対照的に、各シート材処理ユニットは、専用の搬送システムを備える。これらの搬送システムは、ハンドオーバー機構によって選択的に相互接続することができる。結果として、このようなシート材処理ユニットは、自己完結型のモジュールであり、自由に組み合わせてシート材処理機を形成することができる。従って、モジュールの数及びモジュールによって実行される対応する処理ステップは、簡単に適合させることができる。公知のシート材処理機の公知の搬送システムと比較して、シート材処理ユニットの搬送システムは、より小型で、より単純である。加えて、その重量及び慣性が低減される。さらなる利点は、シート材処理機を形成するために組み立てる前に、複数のシート材処理ユニットは、並行して又は別々に製造及び試験することができる点である。
【0008】
本発明の基本的な考え方は、公知のシート材処理機の全ての処理ユニットにまたがる公知の搬送システムを、各シート材処理ユニットが専有する、より小型の搬送システムで置き換えることである。これらの搬送システムは相互に接続可能である。このために、対応するグリッパユニットは、搬送システムに解放可能に接続される。結果として、グリッパユニットは、1つのシート材処理ユニットから隣のシート材処理ユニットへ引き渡すことができる。
【0009】
搬送システムがシート又はその一部を搬送するために適合され、グリッパユニットがシートの少なくとも一部を保持するように構成されているという事実は、シート材処理ユニットに入るシートがその処理中に複数の要素に分離される場合があるという状況に起因する。原則的に、3つの代替案が考えられる。第1の代替案では、シートは複数の要素に分離されることなくシート材処理ユニットに入り、そこから出る。あるいは、シート材処理ユニットに入るシートは、その処理中に第1の要素と第2の要素とに分離される。第1の要素は、プロセスの所望の結果物、例えば、製品又は中間製品に対応し、第2の要素は、廃棄物とすることができる。従って、第2の代替案では、グリッパユニットは、第1の要素、すなわち製品又は中間製品を保持するように構成することができ、第3の代替案では、グリッパユニットは、第2の要素、すなわち廃棄物を保持するように構成することができる。要約すると、本発明によるシート材処理ユニットは、言及した全ての代替案のために構成されている。
【0010】
シート材処理ユニットは、段ボール、紙、プラスチック又は木材の形態のシート材を処理するのに適することができる。
グリッパユニットは、クリップオン機構を介して搬送システムに結合することができ、詳細には、搬送システムは、1又は2以上の雄型クリップ要素を備え、グリッパユニットは、1又は2以上の対応する雌型クリップ要素を備える。このようなグリッパユニットは、1つの搬送システムから容易かつ迅速に切り離して、別の搬送システム、例えば、隣接するシート材処理ユニットの搬送システムに結合することができる。このプロセスは自動化することができる。さらに、クリップオン機構により、グリッパを搬送システム上に正確かつ安定した方法で位置決めすることができる。
【0011】
代替案では、グリッパユニットは、クランプ機構を介して搬送システムに結合され、グリッパユニットは、シート材処理ユニットの搬送システム及び/又は隣接するシート材処理ユニットの搬送システムに選択的に係合するように構成された少なくとも1つの切替え可能なクランプを備える。クランプの切替えは、作動カムがクランプ機構を作動させるという点で自動的に行うことができる。これは、迅速に行うことができる。結果として、クランプ機構は、隣接する2つのシート材処理ユニット間でのグリッパユニットの受け渡しを容易かつ確実に行うことを可能にする。これに関連して、グリッパユニット及び搬送システムは、搬送システムの指定位置でのみクランプが可能であるように構成することができる。あるいは、グリッパユニット及び搬送システムは、グリッパユニットがその何らかの適切な位置で搬送システムに結合できるように構成することができる。
【0012】
一実施形態によれば、搬送システムは、入力端から出力端への方向に、処理されるためのシート又はその一部を保持するグリッパユニットを搬送するように構成された処理セクションを備える。それによって、処理セクションは、入力端に配置され、隣接するシート材処理ユニットからグリッパユニットを受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合するように構成されているハンドオーバー機構と関連する。追加的に又は代替的に、処理セクションは、出力端に配置され、グリッパユニットを搬送システムから切り離し、グリッパユニットを隣接するシート材処理ユニットに提供するように構成されたハンドオーバー機構と関連する。結果的に、処理されるシート材又はその一部を運ぶグリッパユニットは、シート材処理ユニットの入力端に到達することができる。その後、グリッパユニットは、ハンドオーバー機構を介して対応する搬送システムに結合される。その後、シート材又はその各要素は、シート材処理ユニットによって実行される1又は2以上の処理ステップを受けることができる。その後、グリッパユニット及びシート材又はその各要素は、出力端に到達して、後続の処理ステップを実行する隣接するシート材処理ユニットに移送されることになり、ここでは、グリッパユニットは、搬送システムから解放されて隣接するシート材処理ユニットの搬送システムに結合される。従って、シート材処理ユニットは、シート材を処理するために他のモジュールと簡単に結合することができる柔軟なモジュールである。
【0013】
シート材処理ユニットは、好ましくは見当合わせモジュールを含む給送ユニット、プラテンプレスユニット、詳細にはホットホイルユニット又は打抜きユニット、剥離ユニット、廃棄物排出ユニット、ブランク分離ユニット、品質管理ユニット、デジタル印刷ユニット、デジタル装飾ユニット、デジタル切断ユニット、折り目付けユニット又は送出ユニットとすることができる。従って、シート材処理ユニットは、シート材処理に関連するあらゆる種類の処理ステップを実行するために適合させることができる。
【0014】
変形例では、シート材処理ユニットは、シート材の処理に使用される2つのシート材処理ユニットを接続するように構成されている移行ユニットである。移行ユニットの搬送システムは、シート又はその一部を保持するグリッパユニットを入力端から出力端の方向に搬送するように構成された移行セクションを備える。加えて、移行セクションは、入力端に配置され、隣接するシート材処理ユニットからグリッパユニットを受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合するように構成されているハンドオーバー機構と関連する。さらに、移行セクションは、出力端に配置され、グリッパユニットを搬送システムから切り離し、グリッパユニットを隣接するシート材処理ユニットに提供するように構成されているハンドオーバー機構と関連する。換言すると、移行ユニットとして構成されているシート材処理ユニットは、シート材を処理するために使用される2つのシート材処理ユニットを接続するために使用することができる。このような移行ユニットは、シート又はその一部を搬送する以外の処理ステップを実行するように構成されていない。移行ユニットの目的はむしろ、シート材処理ユニットを互換性のあるものにすること、すなわち、1つのシート材処理ユニットの出力端にあるハンドオーバー機構がシート材処理ユニットの別の1つの入力端にあるハンドオーバー機構に直接、接続できない場合がある、各シート材処理ユニットを接続することにある。移行ユニットが使用される場合、グリッパユニットは、1つのシート材処理ユニットから移行ユニットに、そこから別のシート材処理ユニットに移送させることができる。これに関連して、移行ユニットの入力端及び出力端のハンドオーバー機構は、異なる設計とすることができる。結果として、移行ユニットは、アダプターユニットとして使用することができる。代替的に又は追加的に、移行ユニットは、単に2つのシート材処理ユニットの間の所定の距離を橋渡しするために使用することができる。
【0015】
搬送システムは、出力端から入力端の方向にシートを持っていないグリッパユニットを搬送するように構成された再循環セクションを備えることもできる。それによって、再循環セクションは、出力端に配置され、隣接するシート材処理ユニットからグリッパユニットを受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合するように構成されているハンドオーバー機構と関連する。追加的に又は代替的に、再循環セクションは、入力端に配置され、グリッパユニットを搬送システムから切り離し、グリッパユニットを隣接するシート材処理ユニットに提供するように構成されているハンドオーバー機構と関連する。換言すると、シート材処理ユニットは、空のグリッパユニットをその出力端から入力端に再循環させることができる。その後、これらのグリッパユニットは、追加のシート材を処理するために使用することができる。そうすることで、グリッパユニットは閉ループで循環する。これは、予め定められた数のグリッパユニットだけを必要とし、循環が完全に自動で行われるという点で効率的である。
【0016】
好ましくは、搬送システムはベルト駆動装置又はチェーン駆動装置を備え、グリッパユニットは対応するベルト又はチェーンに解放可能に結合される。ベルト駆動装置及びチェーン駆動装置は、シート材処理ユニットに適していることが分かっている。これらは、動作において信頼性が高く、正確である。
【0017】
上記の課題は、本発明による少なくとも2つの隣接するシート材処理ユニットを備える上記のシート材処理機によっても解決される。シート材処理ユニットは、第1のシート材処理ユニットの出力端に設けられ、グリッパユニットを対応する搬送システムから切り離し、グリッパユニットを第2のシート材処理ユニットに提供するように構成されている第1のハンドオーバー機構と、第2のシート材処理ユニットの入力端に設けられ、グリッパユニットを第1のシート材処理ユニットから受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合するように構成されている第2のハンドオーバー機構とによって結合されている。これに関連して、少なくとも2つのシート材処理ユニットの両方は、処理されるシート材に対して実際に処理ステップを実行することができる。あるいは、少なくとも2つのシート材処理ユニットのうちの1つが移行ユニットであり、少なくとも2つのシート材処理ユニットのうちの別の1つだけが処理ステップを実行する。従って、このようなシート材処理ユニットは、実行される処理に応じて、シート材処理ユニットを簡単に組み合わせて、対応するハンドオーバー機構によって接続することができる点で自由度が高い。また、対応するシート材処理ユニットを排除し、残りのシート材処理ユニットをそのハンドオーバー機構によって接続し直すことで、処理ステップを排除することも可能である。
【0018】
シート材処理機の少なくとも2つのシート材処理ユニットのうちの1つが移行ユニットである構成では、好ましくは、シート材に処理ステップを実行するように構成された第3のシート材処理ユニットが設けられる。移行ユニットは、有利には、シート材に処理ステップを実行する各シート材処理ユニットの間に配置される。そうすることで、移行ユニットは、上述のようにアダプターユニットとして動作することができる。結果として、シート材処理ユニットは、自由かつ柔軟に組み合わせることができる。
【0019】
2つの隣接するシート材処理ユニットは、第2のシート材処理ユニットの入力端に設けられ、グリッパユニットを対応する搬送システムから切り離し、グリッパユニットを第1のシート材処理ユニットに提供するように構成された第3のハンドオーバー機構と、第1のシート材処理ユニットの出力端に設けられ、グリッパユニットを第2のシート材処理ユニットから受け取り、受け取ったグリッパユニットを対応する搬送システムに結合させるように構成されている第4のハンドオーバー機構とによって結合することができる。これは、実際に処理ステップを実行するシート材処理ユニット及び移行ユニットであるシート材処理ユニットにも適用される。従って、グリッパユニットは、シート材を保持する機能を果たした後にシート材処理機の入力端に再循環することができる。従って、グリッパユニットは閉ループで動作することができる。
【0020】
あるいは、グリッパユニットを第2のシート材処理ユニットの出力端から第1のシート材処理ユニットの入力端に移送するための移送システムを備える再循環モジュールを設けることができる。この代替案では、グリッパユニットは、シート材処理ユニットを介して再循環されず、シート材処理機の出力端からその入力端に広がる別の再循環モジュールを介して再循環される。従って、シート材処理ユニットは、開ループ構成で使用されているかのように動作することができる。再循環モジュールにより、シート材処理機は、それ自体、閉ループで動作することができる。
【0021】
再循環モジュールは、グリッパユニットをシート又はその一部とともに時間的に変化する速度で搬送するシート材処理ユニットに特に有利である。これに関連して、グリッパユニット及び対応するシート又はその各要素は、定期的に加速又は減速させることができる。また、グリッパユニット及び対応するシート又はその各要素の動きは、定期的に停止させることができる。このような動作モードは、ストップアンドゴーモードと呼ぶことができる。しかしながら、再循環モジュールは、連続的に動作することができる、すなわち、グリッパユニット及び対応するシート又はその各要素を実質的に一定の速度で搬送することができる。この構成では、再循環の最中にグリッパユニットがそこから切り離されるので、グリッパユニット及び対応するシート又はその各要素を加速又は減速させる場合に、シート材処理ユニットが受ける慣性は小さい。これにより、シート材処理ユニットを高速及び/又は高加速度で動作させることができる。加えて、高品質の処理結果が保証される。
【0022】
シート材処理機は、シート材処理ユニットのうちの少なくとも1つの再循環セクション又は再循環モジュールに結合することができるグリッパ交換モジュールを備えることもできる。グリッパ交換モジュールは、再循環セクション又は再循環モジュールからグリッパユニットを引き出すように、及び/又は再循環セクション又は再循環モジュールにグリッパユニットを供給するように構成されている。従って、グリッパ交換モジュールは、メンテナンスを受ける必要がある又は交換を必要とするグリッパユニットを交換するために使用することができる。さらに、グリッパ交換モジュールは、シート材処理機で使用されるグリッパユニットの数を増減させるために使用することができる。結果として、グリッパ交換モジュールは、異なる数のグリッパユニットを必要とする異なるジョブへのシート材処理機の適合を助長する。グリッパ交換モジュールは、シート材処理機、詳細にはシート材処理ユニットによってシート材が処理されている間に動作することができる。結果として、グリッパ交換モジュールは、シート材処理機の処理を停止する必要なしで、その機能を実行することができる。
【0023】
グリッパ交換モジュールは、複数のグリッパユニットを保管することができる入力バッファを備えることができる。結果として、グリッパユニットは、シート材処理機内のグリッパユニットを交換又は補充するために利用可能に保持される。従って、交換又は補充は、非常に短時間で行うことができる。
【0024】
有利には、第1のシート材処理ユニットの搬送システムは、その出力端に配置される第1の搬送ホイールを備え、第2のシート材処理ユニットの搬送システムは、その入力端に配置される第2の搬送ホイールを備え、第1の搬送ホイール及び第2の搬送ホイールは、実質的に同軸に配置されている。この構成では、第1の搬送ホイールが、グリッパユニットを第1のシート材処理ユニットの搬送システムから切り離すリリース機構を作動させ、第2の搬送ホイールが、グリッパユニットを第2のシート材処理ユニットの搬送システムに接続するロック機構を作動させるので、グリッパユニットの受け渡しを迅速に行うことができる。また、この解決策は、省スペースである。
【0025】
別の実施形態では、第1のシート材処理ユニットの搬送システムは、第2のシート材処理ユニットの搬送システムと処理方向で重なり合う。搬送システムが重なり合う領域は、移行ゾーンと呼ぶことができる。この領域では、グリッパユニットは、第2のシート材処理ユニットの搬送システムと結合され、第1のシート材処理ユニットの搬送システムから切り離されることになる。好ましくは、グリッパユニットは、第1のシート材処理ユニットの搬送システムから解放される前に、第2のシート材処理ユニットの搬送システムに結合されることになる。そうすることで、グリッパユニットは、常に明確に定義された位置にある。
【0026】
好ましい変形例では、第1のシート材処理ユニットの搬送システム及び第2のシート材処理ユニットの搬送システムは、搬送システムが互いに独立して制御可能であるように、それぞれ制御ユニットを備える。これにより、例えば、それぞれのシート材処理ユニットで独立したエラー処理が可能となる。特に、処理されるシート材の位置決め誤差を容易に修正することができる。加えて、独立した制御ユニットにより、異なる動作速度に依存するシート材処理ユニットを組み合わせることが可能である。また、一定速度で動作するシート材処理ユニット、例えば給送ユニット又は排出ユニットと、ストップアンドゴーモードで動作するシート材処理ユニット、例えばプラテンユニット又は剥離ユニットとを接続することも可能である。独立に制御可能な2つのシート材処理ユニット間のスムーズな移行を保証するために、2つのシート材処理ユニットは、グリッパユニットが1つの搬送システムから隣接する搬送システムに移行する間のみ同期させる必要があることに留意されたい。例えば、第1のユニットがストップアンドゴーモードで動作し、第2のユニットが一定速度で動作する場合、グリッパが一方の搬送システムから隣接する搬送システムに引き渡される比較的短い期間でのみ、両方の搬送システムが同じ速度で動作する必要がある。
【0027】
シート材処理機は、プラテンプレス機、詳細にはホットホイルスタンピング機又は打抜き機とすることができる。
以下、本発明は添付図面を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による複数のシート材処理ユニットを備える第1の実施形態によるシート材処理機を概略的に示す。
【
図2】本発明による複数のシート材処理ユニットを備える第2の実施形態によるシート材処理機を概略的に示す。
【
図3】本発明による複数のシート材処理ユニットを備える第3の実施形態によるシート材処理機を概略的に示す。
【
図4】
図1から3のシート材処理機の移行ゾーンの詳細図である。
【
図6】
図1から3のシート材処理機の代替的な移行ゾーンの詳細図である。
【
図7】
図1から3のシート材処理機のうちのいずれか1つの部分とすることができるグリッパ交換モジュールの概略図である。
【
図8】本発明による3つのシート材処理ユニットを含む第4の実施形態によるシート材処理機を概略的に示し、そのうちの1つは移行ユニットである。
【
図9】
図8の方向IXに沿った
図8によるシート材処理機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、打抜き機である第1の実施形態によるシート材処理機10を示す。
これは、入口側パイル14上に供給され、処理後に出口側パイル16上に配置されるシート12を処理するように適合されている。
シート材処理機10を通るシート12の処理方向18に進むと、合計5つのシート材処理ユニット20から28が設けられている。
【0030】
本実施例では、シート材処理ユニット20は給送ユニットであり、シート材処理ユニット22はプラテンプレスユニットであり、シート材処理ユニット24は剥離ユニットであり、シート材処理ユニット26は品質管理ユニットであり、シート材処理ユニット28は送出ユニットである。
【0031】
以下では、説明を容易にするために、給送ユニットを参照符号20で、プラテンプレスユニットを参照符号22で、剥離ユニットを参照符号24で、品質管理ユニットを参照符号26で、送出ユニットを参照符号28で示すことにする。
さらに、再循環モジュール30が設けられている。
【0032】
シート材処理ユニット20-28の各々は、処理されるシート12がそれぞれのシート材処理ユニット20-28に入る入力端(それぞれ20i、22i、24i、26i、28iで示される)と、シート12がそれぞれのシート材処理ユニット20-28から出る出力端(それぞれ20o、22o、24o、26o、28oで示される)とを備えている。
【0033】
給送ユニット20、プラテンプレスユニット22、及び剥離ユニット24は、シート12をそれぞれの入力端20i、22i、24iからそれぞれの出力端20o、22o、24oまで搬送するためのそれぞれの搬送システム32を備えている。
【0034】
各搬送システム32は、対応するシート材処理ユニット20、22、24の出力端20o、22o、24oに配置される第1の搬送ホイール34と、対応するシート材処理ユニット20、22、24の入力端20i、22i、24iに配置される第2の搬送ホイール36とを備えている。
搬送ホイール34、36は、それぞれの搬送ホイール34、36によって駆動及び/又は案内されるベルト38と相互作用する。
【0035】
また、再循環モジュール30は、複数の関連する搬送ホイール44によって駆動及び/又は案内されるベルト42を有する搬送システム40を備えている。
図1に示す実施例では、搬送システム40は、品質管理ユニット26及び送出ユニット28にも使用されるという意味で、共有搬送システムである。換言すると、品質管理ユニット26及び送出ユニット28は、給送ユニット20、プラテンプレスユニット22及び剥離ユニット24のような別個の搬送システムを有していない。
【0036】
全ての搬送システム32は、それぞれの入力端20i、22i、24iからそれぞれの出力端20o、22o、24oまでシート12を搬送するのに適している。
シート12は搬送システム32、40と直接相互作用しないので、シート12を保持するのに適したグリッパユニット46が設けられている。
グリッパユニット46は、搬送システム32、40に結合することができる。
【0037】
特定のシート材処理機10で使用されるグリッパユニット46の数は、実行されるジョブに応じて様々とすることができることを理解されたい。
図1では、2つのグリッパユニット46のみが示されているが、これはむしろ、技術的要件よりも説明の容易さによるものである。
【0038】
処理されるシート12は、給送ユニット20においてグリッパユニット46によって把持され、送出ユニット28において放出される。
搬送システム40は、シート12を持たないグリッパユニット46を、剥離ユニット24の出力端24oから給送ユニット20の入力端20iに搬送するのに適している。
そのため、グリッパユニット46は、閉ループで動作する。
【0039】
従って、グリッパユニット46は、1つの搬送システム32、40からそれぞれの隣接する搬送システム32、40に移送される必要がある。
そうするために、グリッパユニット46は、搬送システム32、40に、より正確には、対応するベルト38、42に解放可能に結合される。
【0040】
さらに、入力端20i、22i、24i、26iの各々は、隣接するシート材処理ユニット20-24又は再循環モジュール30からグリッパユニット46を受け取り、受け取ったグリッパユニット46をそれぞれの搬送システム32、40に結合するように構成されたハンドオーバー機構47rを備える。
これに関連して、品質管理ユニットの入力端26iは、再循環モジュール30の入力端30iとして機能する。
【0041】
出力端20o、22o、24o、30oは、グリッパユニット46をそれぞれの搬送システム32、40から切り離し、グリッパユニット46を隣接するシート材処理ユニット22-24又は再循環モジュール30に提供するように構成されたハンドオーバー機構47dを備えている。
グリッパユニット46の受け渡しが行われるゾーンは、移行ゾーン48と呼ばれる。
【0042】
より詳細には、給送ユニット20は、その出力端20oに関連する移行ゾーン48に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46をプラテンプレスユニット22の搬送システム32に提供するように構成されているハンドオーバー機構47dを備える。
さらに、給送ユニット20は、その入力端20iに関連する移行ゾーン48に設けられ、再循環モジュール30から、シート12を運んでいないグリッパユニット46を受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
従って、給送ユニット20は、合計で2つのハンドオーバー機構47d、47rを備える。
【0043】
プラテンプレスユニット22は、その入力端22iに関連する移行ゾーン48に設けられ、シート12を運んでいるグリッパユニット46を給送ユニット20から受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備ええる。
加えて、プラテンプレスユニット22は、その出力端22oに関連する移行ゾーン48に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46を剥離ユニット24の搬送システム32に提供するように構成されているハンドオーバー機構47dを備える。
従って、プラテンプレスユニット22は、同様に合計2つのハンドオーバー機構47r、47dを備える。
【0044】
剥離ユニット24についても同様であり、上記の説明が必要な変更を加えて適用される。
品質管理ユニット26及び送出ユニット28とも共有される再循環モジュール30の搬送システム40は、その入力端26i、30iに関連する移行ゾーン48に設けられ、シート12を運んでいるグリッパユニット46を剥離ユニット24から受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム40に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
【0045】
さらに、ハンドオーバー機構47dは、その出力端30oに関連する移行ゾーン48に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム40から切り離し、グリッパユニット46を給送ユニット20の搬送システム32に提供するように構成されている。
従って、再循環モジュール30の共有搬送システム40は、2つのハンドオーバー機構47d、47rを備える。
【0046】
ハンドオーバー機構47r、47d及び移行ゾーン48は、
図4から6に関連して以下に説明される。
シート材処理ユニット20-24の搬送システム32及び再循環モジュール30の搬送システム40の各々は、それぞれの制御ユニット49を備える。
【0047】
制御ユニット49は、それぞれのベルト38、42の動きを制御するのに適している。そうすることで、それぞれのベルト38、42に結合されているグリッパユニット46の位置及び動きを正確に制御することができる。
制御ユニット49は、互いに独立しているので、搬送システム32、40の一部を連続的に動作させること、すなわち対応するベルト38、42を実質的に一定の速度で移動させることができる。
【0048】
図示の例では、これは給送ユニット20及び再循環モジュール30に当てはまる。
他の搬送システム32、40をストップアンドゴーモード(stop-and-go-mode)で動作させることも可能である、すなわち対応するベルト38、42は所定の移動速度まで断続的に加速され、その後停止される。
図1の例では、これはプラテンプレスユニット22及び剥離ユニット24に当てはまる。
【0049】
図2には、第2の実施形態によるシート材処理機10が示されている。
以下では、第1の実施形態によるシート材処理機10と異なる点についてのみ説明する。同一又は対応する要素には、同一の参照符号が付与されることになる。
【0050】
図2のシート材処理機10も打抜き機であり、給送ユニット20、プラテンプレスユニット22、剥離ユニット24、品質管理ユニット26及び送出ユニット28を備える。
この場合もシート材処理ユニット20-24は、搬送装置32を備えている。
【0051】
第1の実施形態とは対照的に、再循環モジュールが設けられていない。代わりに、品質管理ユニット26及び送出ユニット28は、搬送システム32を共有している。
第2の実施形態によるシート材処理機10は、シート材処理ユニット20-28の搬送システム32によってシート12を持たないグリッパユニット46の再循環が行われる点で、第1の実施形態によるシート材処理機10とはさらに異なっている。
【0052】
これに関連して、搬送システム32は、それぞれ処理セクション32pと再循環セクション32rとに細分することができる。
処理セクション32pは、処理方向18に、すなわちそれぞれの入力端20i、22i、24i、26iからそれぞれの出力端20o、22o、24oに、処理されるシート12を保持するグリッパユニット46を搬送するように構成されている。
【0053】
処理セクションは、移行ゾーン48に配置され、第1の実施形態に関して説明したハンドオーバー機構47r、47dに実質的に対応するそれぞれのハンドオーバー機構47r、47dと関連する。
再循環セクション32rは、それぞれの出力端28o、26o、24o、22o、20oからそれぞれの入力端20i、22i、24i、26i、28iへの方向でシート12を持たないグリッパユニット46を搬送するように構成されている。
【0054】
このため、再循環セクション32rにも、対応する移行ゾーン50に配置されるハンドオーバー機構47r、47dが設けられている。
再循環セクション32rのハンドオーバー機構47r、47dは、処理セクション32pのハンドオーバー機構47r、47dに実質的に対応し、以下の
図4から6に関連して詳細に説明されることになる。
【0055】
そのため、給送ユニット20は、その出力端20oに関連する移行ゾーン48に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46をプラテンプレスユニット22の搬送システム32に提供するように構成されているハンドオーバー機構47dを備える。
加えて、給送ユニット20は、その出力端20oに関連する移行ゾーン50に設けられ、プラテンプレスユニット22から、シート12を運んでいないグリッパユニット46を受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
従って、給送ユニット20は、合計で2つのハンドオーバー機構47d、47rを備える。
【0056】
プラテンプレスユニット22は、その入力端22iに関連する移行ゾーン48に設けられ、シート12を運んでいるグリッパユニット46を給送ユニット20から受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
さらに、プラテンプレスユニット22は、その出力端22oに関連する移行ゾーン48に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46を剥離ユニット24の搬送システム32に提供するように構成されているハンドオーバー機構47dを備える。
【0057】
加えて、プラテンプレスユニット22は、その出力端22oに関連する移行ゾーン50に設けられ、シート12を運んでいないグリッパユニット46を剥離ユニット24から受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
プラテンプレスユニット22は、その入力端22iに関連する移行ゾーン50に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46を給送ユニット20の搬送システム32に提供するように構成されている、さらなるハンドオーバー機構47dを備える。
従って、プラテンプレスユニット22は、合計で4つのハンドオーバー機構47r、47dを備える。
【0058】
剥離ユニット24についても同様であり、上記の説明が必要な変更を加えて適用される。
品質管理ユニット26及び送出ユニット28の共有搬送システム32は、その入力端26iに関連する移行ゾーン48に設けられ、シート12を運んでいるグリッパユニット46を剥離ユニット24から受け取り、受け取ったグリッパユニット46をその搬送システム32に結合するように構成されているハンドオーバー機構47rを備える。
【0059】
さらに、ハンドオーバー機構47dは、その入力端26iと関連する移行ゾーン50に設けられ、グリッパユニット46を搬送システム32から切り離し、グリッパユニット46を剥離ユニット22の搬送システム32に提供するように構成されている。
従って、品質管理ユニット26と送出ユニット28の組み合わせは、合計で2つのハンドオーバー機構47d、47rを備える。
【0060】
図3には、第3の実施形態によるシート材処理機10が示されている。
以下では、第1及び第2の実施形態によるシート材処理機と異なる点についてのみ説明する。同一又は対応する要素には、同一の参照符号が付与されることになる。
【0061】
第3の実施形態によるシート材処理機10は、ホットホイルスタンピング機である。プラテンプレスユニット22は、それに応じて適合される。
上述の実施形態とは対照的に、これはプラテンプレスユニット22によって処理されるホイルのための保管設備を有するホイルハンドリングシステム52を備える。
【0062】
ホイルハンドリングシステム52は、品質管理ユニット26及び送出ユニット28の共有搬送システム32の内部に配置されている。
さらに、剥離ユニット24は取り除かれている。
【0063】
図4及び5には、移行ゾーン48、50と、それに対応するハンドオーバー機構47r、47dを示す。
これに関連して、第1の搬送システム32の2本のベルト38及び第2の搬送システム32の2本のベルト38が示されている。
2つの搬送システム32を区別するために、第1の搬送システムの要素には添え字aを付与し、第2の搬送システムの要素には添え字bを付与する。
【0064】
第1の搬送システム32aは、例えば、給送ユニット20、プラテンプレスユニット22、又は剥離ユニット24に関連する。
第2の搬送システム32bは、例えば、プラテンプレスユニット22又は剥離ユニット24に関連する。
【0065】
処理方向18に沿って、第2の搬送システム32bは、第1の搬送システム32aの後方に配置される。加えて、第1の搬送システム32aは、処理方向18において第2の搬送システム32bに重なり合う。
図4及び5に示す状態では、グリッパユニット46は、クランプ機構54を介して第1の搬送システム32aに、より正確には対応するベルト38aに結合される。
【0066】
クランプ機構54は、少なくとも2つのクランプ56a、56bを備える。これらは、ベルト38aがそれぞれのクランプ56a、56bとグリッパユニット46との間にクランプされるように、ベルト38aに係合する。
グリップユニット46を第1の搬送システム32aから第2の搬送システム32bに移送するために、クランプ56a、56bはベルト38aから離される。この目的のために、グリッパユニット46を第1の搬送システム32から切り離し、第2の搬送システム32bに提供するハンドオーバー機構47dが使用される。
【0067】
ハンドオーバー機構47dは、カム又はカム付きホイールを介してクランプ56a、56bと相互作用することができる動作体(actor)57aと関連する。
続いて、第2の搬送システム32bと関連するハンドオーバー機構47rは、グリッパユニット46を受け取り、グリッパユニット46を第2の搬送システム32bに結合するが、ここでベルト38bは、それぞれのクランプ56a、56bとグリッパユニット46との間にクランプされる。
【0068】
また、ハンドオーバー機構47rは、カム又はカム付きホイールを介してクランプ56a、56bと相互作用することができる動作体57bと関連する。
この受け渡し手順は、矢印58a、58bによって示されている。クランプ56a、56bのそれぞれの回転軸は、参照符号60a、60bによって示される。
【0069】
図6には、代替案のハンドオーバー機構47d、47rを有する移行ゾーン48、50が示されている。
この代替案では、隣接する搬送システム32の第1の搬送ホイール34及び第2の搬送ホイール36は、実質的に同軸に配置されている。
【0070】
第1の搬送システム32aのベルト38a及び第2の搬送システム32bのベルト38bの両方は、雄型クリップ要素62を備えている。説明を容易にするために、雄型クリップ要素62の一部のみに参照符号が付与されている。
第1の搬送システム32aから第2の搬送システム32bに搬送されるグリッパユニット46は、雌型クリップ要素64を備える。
【0071】
図6に示される状態では、第1のベルト38aの雄型クリップ要素62は、グリッパユニット46の雌型クリップ要素64と係合し、それによってクリップオン機構66を形成している。
処理方向18にさらに移動すると、第1のベルト38aの雄型クリップ要素62は、ハンドオーバー機構47dによってグリッパユニット46から切り離されることになる。
その後、グリッパユニット46は第2の搬送装置32bに移送され、グリッパユニット46、より正確にはその上に設けられた雌型クリップ要素64は、ハンドオーバー機構47rによって第2のベルト38bの雄型クリップ要素62と係合することになる。
【0072】
図7は、上述したシート材処理ユニット20-28のいずれか1つの再循環セクション32r又は再循環ユニット30に結合することができるグリッパ交換モジュール68を示す。
グリッパ交換モジュール68は、グリッパユニット46を再循環セクション32r又は再循環ユニット30から引き出すために構成されたグリッパ引き出しセクション70を備える。
【0073】
さらに、グリッパ交換モジュール68は、グリッパユニット46を再循環セクション32r又は再循環ユニット30に供給するために構成された供給セクション72を有する。
供給セクション72は、説明を容易にするために、3つのグリッパユニット46が保管される入力バッファ74を備えている。
【0074】
グリッパ交換モジュール68は、取り替えが必要なグリッパユニット46を交換するために使用することができる。
さらに、グリッパ交換モジュール68は、シート材処理機10で使用されるグリッパユニット46の数を適合させるために、従って、異なる数のグリッパユニット46を必要とする異なるジョブにシート材処理機10を適合させるように構成されている。
【0075】
図8及び9は、第4の実施形態によるシート材処理機10を示す。
この場合も上述した実施形態によるシート材処理機10と異なる点についてのみ説明する。対応する要素には、同一の参照符号が付与されることになる。
【0076】
第4の実施形態によるシート材処理機10は、3つのシート材処理ユニット20、22、24を備え、シート材処理ユニット20、24は、処理されるシート12上に処理ステップを実行するように構成される。これらは、上記の実施形態で言及した何らかのタイプとすることができる。
シート材処理ユニット22は、移行ユニット76であり、従って、シート材の流れの観点から、すなわち処理されるシート12の流れに関する限り、シート材処理ユニット20、24を接続するように構成されている。
【0077】
移行ユニット76の搬送システム32は、シート12又はその一部を保持するグリッパユニット46を移行ユニット76の入力端22iから出力端22oに向かう方向に搬送するように構成された移行セクション32tを備える。
移行セクション32tは、入力端22iに配置されたハンドオーバー機構と関連しており、シート材処理ユニット20からグリッパユニット46を受け取り、受け取ったグリッパユニット46を移行ユニット76の搬送システム32に結合するように構成されている。
【0078】
さらに、移行セクション32tは、出力端22oに配置されたハンドオーバー機構と関連しており、グリッパユニット46を移行ユニット76の搬送システム32から切り離し、シート材処理ユニット24に提供するように構成されている。
両方のハンドオーバー機構は、上記の実施形態と同様に構成されている。説明を容易にするために、それらは
図8及び9には示されていない。
【0079】
移行ユニット76の搬送システム32は、4つのベルト駆動装置78a、78b、78c、78dを備える。
ベルト駆動装置78a、78bは、シート材処理機10の同じ側面に配置され、グリッパユニット46がベルト駆動装置78a、78bの間に受け入れることができるように、上下に配置されている。
同様に、ベルト駆動装置78c、78dは、ベルト駆動装置78a、78bが配置されている側面とは反対側のシート材処理機10の側面に配置されている。また、ベルト駆動装置78c、78dは、グリッパユニット46がベルト駆動装置78c、78dを受けることができるように、上下に配置されている。
【0080】
シート材処理機10の動作時、シート材処理ユニット20の出力端20oでハンドオーバー機構によって提供されるグリッパユニット46は、移行ユニット76の搬送システム32によって、すなわちベルト駆動装置78a、78bとベルト駆動装置78c、78dとの間に受け入れることができる。
ベルト駆動装置78a-78dの作動時、グリッパユニット46及びそれに接続されたシート12は、移行ユニット76の入力端22iから出力端22oに搬送することができる。
出力端22oにおいて、グリッパユニット46及びシート12は、シート材処理ユニット24の入力端24iのハンドオーバー機構に提供することができる。
【0081】
例えば第4の実施形態のシート材処理機10を
図4に示す移行ゾーン48と比較すると分かるように、移行ユニット76は、両方が搬送システム32を備えるシート材処理ユニット20、24を互換性があるものにする。ここでベルト38は実質的に等しい横方向距離で配置される。
この構成では、ベルト38を処理方向18に対して重なり合うように配置することはできない。
グリッパユニットを処理方向18と反対方向に再循環させるために、再循環モジュール30を設けること、又はシート材処理ユニット20、22、24に上述したような再循環セクションを設けることができる。
【国際調査報告】