(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/124 20230101AFI20230629BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230629BHJP
H10K 50/818 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/813 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/816 20230101ALI20230629BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20230629BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20230629BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20230629BHJP
H10K 102/20 20230101ALN20230629BHJP
【FI】
H10K59/124
G09F9/30 365
G09F9/30 339
H10K50/818
H10K50/813
H10K50/816
H10K59/122
H10K59/121
H10K59/131
H10K102:20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568597
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2020081878
(87)【国際公開番号】W WO2021189494
(87)【国際公開日】2021-09-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朱 志▲堅▼
(72)【発明者】
【氏名】敖 雨
(72)【発明者】
【氏名】李 云▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲鵬▼程
(72)【発明者】
【氏名】田 元▲蘭▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD03
3K107DD23
3K107DD24
3K107DD28
3K107DD29
3K107DD44X
3K107DD44Y
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE03
3K107EE07
3K107FF15
5C094AA42
5C094BA27
5C094CA19
5C094CA20
5C094DA13
5C094EA04
5C094ED11
5C094FA02
5C094JA08
(57)【要約】
本発明は、表示パネル及び表示装置を提供し、表示技術の分野に属する。前記表示パネルは、順次積層される駆動バックプレーン、透明絶縁層及び発光素子層と、を含み、ここで、駆動バックプレーンは、順次積層される駆動回路層、金属配線層、第1絶縁層及び反射電極層を含み;第1絶縁層は、第1金属接続部材が充填された複数の第1ビアホールを有し;反射電極層は、それぞれ第1金属接続部材を介して金属配線層に電気的に接続される複数の第1反射電極を含み;透明絶縁層は、第1反射電極に対応する接続ビアホールを有し;発光素子層は、順次積層される画素電極層、有機発光層及び共通電極層を含み;画素電極層は、それぞれ接続ビアホールを介して第1反射電極に接続される複数の第1画素電極を含み;画素電極層上の接続ビアホールの正投影と第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値以上である。前記表示パネルは、表示パネルの歩留まりを向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
順次積層される駆動回路層、金属配線層、第1絶縁層及び反射電極層を含む駆動バックプレーンと、
前記駆動回路層から離れる前記反射電極層の一側に設けられる透明絶縁層と、
前記反射電極層から離れる前記透明絶縁層の一側に順次積層される画素電極層、有機発光層及び共通電極層を含む発光素子層と、を含み、
前記第1絶縁層は、複数の第1ビアホールを有し、各前記第1ビアホール内には、第1金属接続部材が設けられ、
前記反射電極層は、複数の第1反射電極を含み、前記第1反射電極は、それぞれ前記第1金属接続部材を介して前記金属配線層に電気的に接続され、
前記透明絶縁層は、各前記第1反射電極と一対一に対応する複数の接続ビアホールを有し、
いずれか1つの前記接続ビアホールは、対応する前記第1反射電極の表面の一部を露出させ、
前記画素電極層は、複数の前記接続ビアホールと一対一に対応する第1画素電極を含み、前記第1画素電極は、対応する前記接続ビアホールを介して対応する前記第1反射電極に接続され、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影は、対応する前記第1画素電極内に位置し、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値以上であり、
前記第1閾値は、隣接する2つの前記第1画素電極の間の間隔の0.13倍~1.3倍である
表示パネル。
【請求項2】
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1画素電極には、少なくとも隣接する第1エッジ及び第2エッジが存在し、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第1エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しく、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第2エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1画素電極のエッジ上の任意の一点と前記第1画素電極の中心との間の距離の最小値は、第3距離であり、
前記第1閾値は、前記第3距離の5%~8%範囲内にある
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記画素電極層上において、前記第1画素電極に電気的に接続される前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1画素電極内に位置し、且つ、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影と完全に重なっていない
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1距離と等しく、
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2距離と等しく、
前記第2距離は、前記第1距離より小さい
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極内に位置し、
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2閾値以下であり、
前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記駆動回路層上の前記第1画素電極の正投影は、中心対称な六角形であり、
各前記第1画素電極は、ハニカム状に配列され、行方向に沿う複数の第1画素電極行を形成し、
前記第1画素電極は、対向に設けられる2つの第1辺壁と、2つの前記第1辺壁に接続される4つの第2辺壁と、を含み、
2つの前記第1辺壁は、いずれも前記行方向に垂直し、4つの前記第2辺壁は、対向に設けられる第1頂角及び第2頂角を形成し、
対応する前記第1画素電極上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と前記第1画素電極の第1頂角を形成する2つの第2辺壁のうちのいずれか1つの前記第2辺壁上の任意の一点との間の距離の最小値は、いずれも前記第1閾値と等しい
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1画素電極上において、前記第1画素電極に電気的に接続される前記第1金属接続部材の正投影の位置は、前記第1画素電極行における隣接して設けられた2つの前記第1画素電極において対称な関係を有する
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
対応する前記第1画素電極上の前記接続ビアホールの正投影の位置は、前記第1画素電極行における隣接して設けられた2つの前記第1画素電極において同様に配列される
請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記画素電極層は、前記駆動回路層から離れる前記透明絶縁層の表面に順次積層される第1チタン金属層、第1アルミニウム金属層、第2チタン金属層及びモリブデン金属層を含み、
前記第1チタン金属層の厚さは、80~120Åであり、
前記第1アルミニウム金属層の厚さは、400~500Åであり、
前記第2チタン金属層の厚さは、40~60Åであり、
前記モリブデン金属層の厚さは、40~60Åである
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記反射電極層は、前記金属配線層から離れる前記第1絶縁層の表面に順次積層される第3チタン金属層、第2アルミニウム金属層及び窒化チタン層を含み、
前記第3チタン金属層の厚さは、80~120Åであり、
前記第2アルミニウム金属層の厚さは、700~900Åであり、
前記窒化チタン層の厚さは、80~120Åであってもよい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記接続ビアホールの直径は、0.2~0.4μmである
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術の分野に関し、特に、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン系OLEDマイクロディスプレイは、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)やLCOS(シリコン系液晶)マイクロディスプレイに比べて、非常に優れた表示特性を有する。OLEDの輝度が高く、色が豊富であり、駆動電圧が低く、応答速度が速く、消費電力が低く、非常に優れたユーザ体験を有する。また、OLEDは、全固体型デバイスであり、耐震性能が良好であり、動作温度の範囲(-40℃~85℃)が広く、自発光素子に属し、バックライト光源が不要となり、視野角の範囲が広く、厚さが薄く、システムの体積を減らすのに有利であり、特に、近眼表示システムに適している。
【0003】
しかしながら、シリコン系OLEDマイクロディスプレイのピクセルサイズは、一般的に非常に小さく、製造過程において陽極の断線不良が発生しやすい。
【0004】
なお、上記の背景技術に開示された情報は、本発明の背景に対する理解を高めるためにのみ使用されるものであるので、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、表示パネルの歩留まりを向上させる表示パネル及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の発明目的を実現するために、以下のような技術案を提供する。
【0007】
本発明に係る第1態様によれば、表示パネルを提供する。前記表示パネルは、
順次積層されている駆動回路層、金属配線層、第1絶縁層及び反射電極層を含む駆動バックプレーンと、
前記駆動回路層から離れる前記反射電極層の一側に設けられ、各前記第1反射電極と一対一に対応する複数の接続ビアホールを有し、いずれか1つの前記接続ビアホールが対応する前記第1反射電極の表面の一部を露出させる透明絶縁層と、
前記反射電極層から離れる前記透明絶縁層の一側に順次積層される画素電極層、有機発光層及び共通電極層を含む発光素子層と、を含み、
前記第1絶縁層は、複数の第1ビアホールを有し、各前記第1ビアホール内には、第1金属接続部材が設けられ、前記反射電極層は、複数の第1反射電極を含み、前記第1反射電極は、それぞれ前記第1金属接続部材を介して前記金属配線層と電気的に接続され、
前記画素電極層は、複数の前記接続ビアホールと一対一に対応する第1画素電極を含み、前記第1画素電極は、対応する前記接続ビアホールを介して対応する前記第1反射電極と接続され、
ここで、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影は、対応する前記第1画素電極内に位置し、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値以上であり、前記第1閾値は、隣接する2つの前記第1画素電極の間の間隔の0.13倍~1.3倍である。
【0008】
本発明の一例示的な実施例において、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい。
【0009】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1画素電極には、少なくとも隣接する第1エッジ及び第2エッジが存在し、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第1エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しく、且つ、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第2エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい。
【0010】
本発明の一例示的な実施例において、前記画素電極層上において前記第1画素電極に電気的に接続される前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1画素電極内に位置し、且つ、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影と完全に重なっていない。
【0011】
本発明の一例示的な実施例において、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1距離と等しく、
【0012】
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2距離と等しく、
【0013】
前記第2距離は、前記第1距離より小さい。
本発明の一例示的な実施例において、前記第1画素電極のエッジ上の任意の一点と前記第1画素電極の中心との距離の最小値は、第3距離であり、
前記第1閾値は、前記第3距離の5%~8%範囲内にある。
【0014】
本発明の一例示的な実施例において、前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極内に位置し、前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2閾値以下であり、前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい。
【0015】
本発明の一例示的な実施例において、前記駆動回路層上の前記第1画素電極の正投影は、中心対称な六角形であり、且つ、各前記第1画素電極は、ハニカム状に配列され、各前記第1画素電極は、行方向に沿う複数の第1画素電極行を形成し、
【0016】
前記第1画素電極は、対向に設けられている2つの第1辺壁及び2つの前記第1辺壁に接続されている4つの第2辺壁を含み、2つの前記第1辺壁は、いずれも前記行方向に垂直し、4つの前記第2辺壁は、対向に設けられる第1頂角及び第2頂角を構成し、
対応する前記第1画素電極上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と前記第1画素電極の第1頂角を形成する2つの第2辺壁のうちのいずれか1つの前記第2辺壁上の任意の一点との間の距離の最小値は、いずれも前記第1閾値と等しい。
【0017】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1画素電極上において、前記第1画素電極に電気的に接続される前記第1金属接続部材の正投影の位置は、前記第1画素電極行における隣接して設けられる2つの前記第1画素電極において対称な関係を有する。
【0018】
本発明の一例示的な実施例において、対応する前記第1画素電極上の前記接続ビアホールの正投影の位置は、前記第1画素電極行における隣接して設けられる2つの前記第1画素電極において同様に配列される。
【0019】
本発明の一例示的な実施例において、前記画素電極層は、前記駆動回路層から離れる前記透明絶縁層の表面に順次積層される第1チタン金属層、第1アルミニウム金属層、第2チタン金属層及びモリブデン金属層を含む。ここで、前記第1チタン金属層の厚さは、80Å~120Åであり、前記第1アルミニウム金属層の厚さは、400Å~500Åであり、前記第2チタン金属層の厚さは、40Å~60Åであり、前記モリブデン金属層の厚さは、40Å~60Åである。
【0020】
本発明の一例示的な実施例において、前記反射電極層は、前記金属配線層から離れる前記第1絶縁層の表面に順次積層される第3チタン金属層、第2アルミニウム金属層及び窒化チタン層を含む。ここで、前記第3チタン金属層の厚さは、80Å~120Åであり、前記第2アルミニウム金属層の厚さは、700Å~900Åであり、前記窒化チタン層の厚さは、80Å~120Åであってもよい。
【0021】
本発明の一例示的な実施例において、前記接続ビアホールの直径は、0.2μm~0.4μmである。
本発明に係る第2態様によれば、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0022】
図面を参照しながら、例示的な実施形態を詳細に説明する。本発明の前記特徴及び他のメリットは、より明瞭となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る表示パネルの断面構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る表示パネルの上面構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る第1反射電極、第1画素電極、第1金属接続部材及び接続ビアホールの投影を示す上面模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る第1画素電極及び接続ビアホールの投影を示す上面模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る他の第1画素電極及び接続ビアホールの投影を示す上面模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る第1フォトレジスト層及び反射防止層が形成された構造を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る第1フォトレジスト層及び反射防止層がパターン化された構造を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る画素電極材料層が形成された構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る第1フォトレジスト層が剥離された構造を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る第2フォトレジスト層が形成された構造を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る第2フォトレジスト層がパターン化された構造を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る第1画素電極の配列構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、例示的な実施例をより完全に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実施されることができ、且つ本明細書に記載の実施例に限定されると解釈されるべきではない。逆に、これらの実施例は、本発明が包括的且つ完全であり、例示的な実施例の概念を当業者に完全に伝えるように提供される。記載されている特徴、構造又は特性を、何れの適切な様態で1つ又はより多くの実施例に組み合わせても良い。以下の説明において、本発明の実施例を充分に理解するため、多くの具体的な細部を提供する。
【0025】
図面において、明瞭にするために、領域と層の厚さを誇張する可能性がある。図面における同じ図面符号は、同じまたは類似する要素を示すため、それらの詳細な記述が省略される。
【0026】
記載されている特徴、構造又は特性を、何れの適切な様態で1つ又はより多くの実施例に組み合わせても良い。以下の説明において、本発明の実施例を充分に理解するため、多くの具体的な細部を提供する。しかしながら、当業者が理解すべきのは、所定の細部のうちの一つ又は複数がなくても本発明に係る技術案を実現でき、あるいは、他の方法、ユニット、材料などを採用することができる。他の場合には、主要な技術的思想をあいまいすることを避けるように、周知の構成、材料又は操作を詳しく表示や説明しない。
【0027】
ある一つの構造が他の構造の「上」に位置する場合、ある一つの構造が他の構造の上に一体的に形成されたり、ある一つの構造が他の構造の上に「直接的」に配置されたり、別の構造により他の構造に「間接的」に配置されたりすることを意味する可能性がある。
【0028】
「1つ」、「一」及び「前記」という用語は、1つ又は複数の要素/構成要素/などが存在していることを示すために使用されるものである。「含む」及び「備える」という用語は、開放式に含まれることを意味し、且つ、列挙された要素/構成要素以外の要素/構成要素/などをさらに含むことを意味し、「第1」、「第2」などという用語は、標記として用いられ、その対象の数を限定するものではない。
【0029】
本発明は、表示パネルを提供する。表示パネルは、
図1に示すように、駆動バックプレーン100と、透明絶縁層200と、発光素子層とを含む。
【0030】
駆動バックプレーン100は、順次積層される駆動回路層110と、金属配線層120と、第1絶縁層150と、反射電極層とを含む。第1絶縁層150は、複数の第1ビアホールを有し、各第1ビアホール内には、第1金属接続部材151が設けられている。反射電極層は、複数の第1反射電極131を含む。各第1反射電極131は、対応する第1金属接続部材151を介して金属配線層120に電気的に接続される。透明絶縁層200は、駆動回路層110から離れる反射電極層の一側に設けられている。透明絶縁層200は、各第1反射電極131と一対一に対応する複数の接続ビアホール202を有する。いずれか1つの接続ビアホール202は、対応する第1反射電極131の表面の一部を露出させる。発光素子層は、駆動回路層110から離れる透明絶縁層200の一側に設けられるとともに、順次積層される画素電極層と、有機発光層320と、共通電極層330とを含む。画素電極層は、複数の接続ビアホール202と一対一に対応する第1画素電極311を含む。第1画素電極311は、対応する接続ビアホール202を介して対応する第1反射電極131に接続される。ここで、
図4及び
図5に示すように、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影は、対応する第1画素電極311内に位置する。画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する第1画素電極131のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値N以上である。第1閾値Nは、隣接する2つの第1画素電極131の間の間隔の0.13倍~1.3倍である。
【0031】
本発明に係る表示パネルにおいて、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影が第1反射電極131のエッジに近接されないように、第1画素電極311の間の間隔に応じて第1閾値Nを確定することができる。これにより、パターン化の操作により第1画素電極311を製造する場合、アライメント不良が発生しても、接続ビアホール202内に位置する画素電極材料をエッチングすることがより容易になり、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影が対応する第1画素電極311内に完全に位置されないというリスクを低減し、接続ビアホール202における導電材料がエッチングされることによる第1画素電極311と第1反射電極131との間の抵抗が増加し又は断線するという不具合を回避し、表示パネルの歩留まりを向上させるとともに、画素電極層を製造する場合のプロセスウィンドウを拡大させることができる。特に、第1閾値Nを使用することにより、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影を第1反射電極131のエッジに近接させない前提で、第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、第1画素電極311の不均一な表面を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させるので、接続ビアホール202の発光素子の発光均一性への影響を低減し、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明に提供される表示パネルの構造、原理及び効果をさらに解釈及び説明する。
【0033】
図1及び
図2を参照すると、本発明により提供される表示パネルは、表示領域Aと、表示領域Aを取り囲む周辺領域Bとを含むことができる。前記表示パネルは、順次積層される駆動バックプレーン100と、透明絶縁層200と、発光素子層とを含むことができる。ここで、駆動バックプレーン100は、順次積層される駆動回路層110と、金属配線層120と、第1絶縁層150と、反射電極層とを含むことができる。
【0034】
駆動回路層110には、複数のトランジスタ及び蓄積キャパシタが形成されていることができる。トランジスタは、蓄積キャパシタに電気的に接続されて駆動回路を形成することができる。本発明に係る一実施形態において、トランジスタは、N型トランジスタ及びP型トランジスタを含むことができる。このようにして、CMOSプロセスを参照して駆動回路層110を製造することができる。
【0035】
例えば、駆動回路層110は、シリコン系半導体層、絶縁層及びリード線層を含むことができる。ここで、シリコン系半導体層には、駆動トランジスタのチャネル領域、ソース電極及びドレイン電極が形成されることができ、リード線層には、駆動トランジスタのゲート電極が形成されることができ、絶縁層は、駆動トランジスタのチャネル領域とゲート電極を隔離することができる。シリコン系半導体層及びリード線層には、蓄積キャパシタが形成され、又は、異なるリード線層の間には、蓄積キャパシタが形成されることができる。リード線層に蓄積キャパシタと薄膜トランジスタとを接続する接続用リード線が形成されることにより、トランジスタは、蓄積キャパシタに接続されて駆動回路を形成することもできる。
【0036】
図1に示すように、金属配線層120と駆動回路層110との間には、第2絶縁層140と、第2絶縁層140を貫通するとともに、駆動回路層110と金属配線層120を接続させる第2金属接続部材141と、が設けられることができる。第2絶縁層140は、有機又は無機絶縁材料を使用することができる。本発明に係る一実施形態において、第2絶縁層140は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカガラス又は他の無機絶縁材料を使用することができる。第2絶縁層140には、駆動回路層110の金属層の少なくとも一部を露出させる第2ビアホールが形成されている。第2金属接続部材141は、金属配線層120が駆動回路層110に電気的に接続されるように、第2ビアホールに埋め込まれることができる。
【0037】
第2金属接続部材141の材料は、チタンや、タングステンや、銅などの金属材料であってもよい。本発明に係る一実施形態において、以下のような方法により第2絶縁層140及び第2金属接続部材141を形成することができる。駆動回路層110の表面に1つのFSG(フッ素をドープしたシリカガラス、Fluorinated Silicate Glass)層を形成し、その後FSG層に第2ビアホールを形成し、第2ビアホールに金属タングステンを充填した後、CMP(化学機械的研磨)プロセスにより金属タングステンからなる第2金属接続部材141を形成する。
【0038】
選択的に、第2絶縁層140の厚さは、8~12μmであってもよく、これにより、金属配線層120と駆動回路層110との間に大きな間隔を有し、金属配線層120上の電気信号による駆動回路層110の各素子への影響を低減し、駆動回路層110の動作の安定性を向上させる。本発明に係る一実施形態において、第2絶縁層140の厚さは、10μmであってもよい。
【0039】
金属配線層120と反射電極層との間には、第1絶縁層150と、第1絶縁層150を貫通するとともに、金属配線層120と反射電極層を接続させる第1金属接続部材151と、が設けられている。
【0040】
第1絶縁層150は、有機又は無機絶縁材料を使用することができる。本発明に係る一実施形態において、第1絶縁層150は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカガラス又は他の無機絶縁材料を使用することができる。第1絶縁層150には、金属配線層120の少なくとも一部を露出させる第1ビアホールが形成される。選択的に、第1絶縁層150にCMPプロセス処理を施すことにより、反射電極層の表面を平坦化し、第1反射電極131の平坦度を高め、さらに第1反射電極131の反射効果を向上させることもできる。
【0041】
第1金属接続部材151は、金属配線層120が第1反射電極131に接続されるように、第1ビアホールに埋め込まれることができる。第1金属接続部材151の材料は、チタンや、タングステンや、銅などの金属材料であってもよい。本発明に係る一実施形態において、以下のような方法により第1絶縁層150及び第1金属接続部材151を形成することができる。駆動回路層110から離れる金属配線層120の表面により1つのUSG(ドープしないシリカガラス、Undoped Silicate Glass)層を形成し、その後USG層に第1ビアホールを形成し、第1ビアホールに金属タングステンを充填した後、CMP(化学機械的研磨)プロセスにより金属タングステンからなる第1金属接続部材151及び平坦化された第1絶縁層150を形成する。
【0042】
選択的に、第1金属接続部材151の導電材料を効率よく充填するとともに、表示パネルの第1金属接続部材151に対するインピーダンス要求を満たすことができるものであれば、第1ビアホールの直径は、0.140~0.324μmであってもよい。
【0043】
選択的に、第1絶縁層150の厚さは、6~10μmであってもよく、これにより、反射電極層と金属配線層120との間に大きな間隔を有し、第1反射電極131上の電気信号による金属配線層120への干渉を低減する。本発明に係る一実施形態において、第1絶縁層150の厚さは、8μmであってもよい。
【0044】
反射電極層は、駆動回路層110から離れる第1絶縁層150の表面に設けられ、1つ又は複数の導電材料層であってもよい。選択的に、反射電極層は、優れた導電性能及び高反射率を有するアルミニウム金属層を含むことができる。アルミニウム金属層の両側には、それぞれ保護層がさらに設けられることができる。好ましくは、反射電極層は、第1絶縁層150の表面に順次積層される第3チタン金属層、第2アルミニウム金属層及び窒化チタン層を含むことができる。ここで、第3チタン金属層の厚さは、80~120Åであってもよく、第2アルミニウム金属層の厚さは、700~900Åであってもよく、窒化チタン層の厚さは、80~120Åであってもよい。
【0045】
反射電極層は、複数の第1反射電極131を含むことができる。各第1反射電極131は、それぞれ第1金属接続部材151を介して金属配線層120に電気的に接続されることができる。選択的に、各第1反射電極131の寸法及びパターンが全く同じである。このようにして、エッチングにより各第1反射電極131を形成する際のエッチングの均一性を確保し、第1反射電極131のエッチングの精度を向上させることができる。選択的に、第1反射電極131は、
図3に示すように、中心対称な六角形の電極であってもよい。
【0046】
選択的に、隣接する第1反射電極131の間の間隔d2を可能な限り低減することにより、各第1反射電極131の被覆面積と大きくし、特に、表示領域Aにおける第1反射電極131の面積の被覆率を高くすることができる。これにより、反射電極層の反射効果を向上させ、表示パネルの輝度を向上させることができる。好ましくは、隣接する2つの第1反射電極131の間の間隔d2は、0.1~0.3μmである。
【0047】
好ましくは、ウェハメーカーで半導体プロセスにより反射電極層を製造することにより、隣接する第1反射電極131の間に小さな間隔d2を有し、パネルメーカーの製造精度上の制約を回避することができる。
【0048】
本発明に係る一実施形態において、以下のような方法により反射電極層を製造することができる。駆動回路層110から離れる第1絶縁層150の表面に反射電極材料層を形成し、その後反射電極材料層をパターン化することにより、反射電極層を形成する。
【0049】
選択的に、いずれか1つの第1反射電極131は、
図3に示すように、複数の第1金属接続部材151を介して金属配線層120と電気的に接続されることにより、第1反射電極131と金属配線層120との間の電気的接続の安定性を確保することができる。好ましくは、いずれか1つの第1反射電極131は、2つの第1金属接続部材151を介して金属配線層120と電気的に接続される。
【0050】
本発明に係る一実施形態において、
図3に示すように、第1反射電極131は、中心対称な六角形電極である。第1反射電極131は、2つの第1金属接続部材151を介して金属配線層120と電気的に接続される。第1反射電極131上の2つの第1金属接続部材151の正投影は、第1反射電極131の頂角に近接する。好ましくは、第1画素電極311は、中心対称な六角形電極である。第1画素電極311上の2つの第1金属接続部材151の正投影は、第1画素電極311の頂角に近接する。これにより、第1金属接続部材151により引き起こした第1画素電極311の表面の不均一な部分が第1画素電極311の頂角に位置することで、発光素子の出光の均一性を向上させる。
【0051】
図1に示すように、透明絶縁層200は、駆動回路層110から離れる反射電極層の表面に設けられ、有機絶縁材料又は無機絶縁材料であってもよい。選択的に、透明絶縁層200は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム又は他の透明絶縁材料を使用することができる。第1画素電極311の平坦度を向上させることにより発光素子の出光効果を向上させるように、駆動回路層110から離れる透明絶縁層200の表面は、平坦化された表面であってもよい。本発明に係る一実施形態において、透明絶縁層200の材料は、酸化シリコンであってもよい。
【0052】
透明絶縁層200の光透過率を確保するために、透明絶縁層200の厚さは、100nm未満であってもよく、例えば、500Å未満であってもよい。本発明に係る一実施形態において、透明絶縁層200の厚さは、300~400Åであってもよい。
【0053】
選択的に、
図1及び
図3に示すように、透明絶縁層200には、複数の接続ビアホール202が設けられることができる。各接続ビアホール202は、各第1反射電極131及び各第1画素電極311と一対一に対応するように設けられる。ここで、各接続ビアホール202は、各第1反射電極131の一部領域を一対一に対応するように露出させる。これにより、各第1反射電極131は、各接続ビアホール202を介して各第1画素電極311と一対一に対応するように電気的に接続されることができる。
【0054】
選択的に、接続ビアホール202の直径は、0.2~0.4μmである。これにより、接続ビアホール202の直径が小さすぎて第1画素電極311の導電材料を効率よく充填できないことを回避するとともに、接続ビアホール202の直径が大きすぎて第1画素電極311の不均一な部分の面積が大きくなりすぎることを回避することができる。本発明に係る一実施形態において、接続ビアホール202の直径は、0.20~0.25μmである。
【0055】
図1及び
図3に示すように、画素電極層は、複数の第1画素電極311を含むことができる。各第1画素電極311は、各第1反射電極131と一対一に対応するように電気的に接続されることができる。表示領域Aにおいて、第1画素電極311は、発光素子の電極となることができる。選択的に、各第1画素電極311の寸法及びパターンが全く同じである。これにより、エッチングにより各第1画素電極311を形成する際のエッチングの均一性を確保し、第1画素電極311のエッチングの精度を向上させることができる。
【0056】
選択的に、画素電極層は、1つ又は複数の金属層を含むことができる。本発明に係る一実施形態において、画素電極層は、駆動回路層110から離れる透明絶縁層200の表面に順次積層される第1チタン金属層と、第1アルミニウム金属層と、第2チタン金属層と、モリブデン金属層と、を含む。ここで、第1チタン金属層の厚さは、80~120Åであり、第1アルミニウム金属層の厚さは、400~500Åであり、第2チタン金属層の厚さは、40~60Åであり、モリブデン金属層の厚さは、40~60Åである。
【0057】
選択的に、
図3に示すように、隣接する第1画素電極311の間の間隔d3を可能な限り低減することにより、各第1画素電極311の被覆面積及び各第1画素電極311の面積を拡大させ、特に、表示領域Aにおける第1画素電極311の面積を拡大させることができる。このように、発光素子の発光面積が拡大されるので、表示パネルの発光輝度を向上させ、高輝度の表示パネルを製造することができる。好ましくは、隣接する2つの第1画素電極311の間の間隔d3は、0.6~1.0μmである。
【0058】
本発明に係る一実施形態において、パネルメーカーで画素電極層を製造することができる。選択的に、以下のような方法により画素電極層を製造することができる。ベース基板から離れる透明絶縁層200の表面に画素電極材料層を形成し、画素電極材料層は、各第1反射電極131と電気的に接続されるように、各接続ビアホール202を覆い;画素電極材料層をパターン化することにより、画素電極層を形成する。ここで、画素電極層上の各接続ビアホール202の正投影は、それぞれが自身に対応する第1画素電極311内に位置する。このようにして、第1画素電極311は、対応する接続ビアホール202を介して第1反射電極131と電気的に接続されるので、第1反射電極131と第1画素電極311を接続させるための金属部材を別個に製造する必要がなくなり、表示パネルの製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。
【0059】
さらに、画素電極層の製造精度を向上させ、第1画素電極311の間の間隔をさらに低減することは、以下のような方法により画素電極層を製造することができる。
【0060】
図6に示すように、駆動回路層110から離れる透明絶縁層200一側には、反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102が順次に形成される。
【0061】
その後、
図7に示すように、反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102に対して露光及び現像を行うことにより、画素電極層の形成待ちの位置での反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102を除去する。例えば、第1画素電極311に対応する位置での反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102を除去する。言い換えれば、反射電極層上において残留された反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102の正投影は、反射電極層上の画素電極層の正投影と相補されることができる。
【0062】
その後、
図8に示すように、駆動回路層110から離れる反射防止層3101及び第1フォトレジスト層3102の一側に導電材料を積層することにより、画素電極材料層3103を形成する。一部の導電材料は、駆動回路層110から離れる残留した第1フォトレジスト層3102の表面に積層されるが、一部の導電材料は、残留された反射防止層3101と第1フォトレジスト層3102との間の隙間に積層される。
【0063】
そして、
図9に示すように、第1フォトレジスト層3102を剥離することにより、残留された第1フォトレジスト層3102に積層されている導電材料を剥離することを実現し、画素電極材料層3103に対するパターン化操作を実現し、画素電極層を獲得する。
【0064】
そして、
図10に示すように、駆動回路層110から離れる残留された反射防止層3101及び画素電極層の一側に第2フォトレジスト層3104を形成する。
【0065】
そして、
図11に示すように、第2フォトレジスト層3104及び残留された反射防止層3101に対して露光及び現像を行うことにより、ボンディング領域D以外の第2フォトレジスト層3104及び残留した反射防止層3101を除去する。これにより、露光及び現像を行った後、ボンディング領域Dにおける第2反射電極132が反射防止層3101及び第2フォトレジスト層3104により被覆及び保護され、表示領域Aにおける反射防止層3101、第1フォトレジスト層3102及び第2フォトレジスト層3104が除去される。
【0066】
これにより、画素電極層を製造する時、先に反射防止層3101を形成し、その後第1フォトレジスト層3102を形成することにより、反射防止層3101は、露光時の光線の反射が低減され、露光の精度を向上させるので、画素電極層の製造精度を向上させるという目的を達成することができる。画素電極層の製造精度が向上されるので、第1画素電極311の間の間隔を小さくすることを容易になる。
【0067】
画素電極層上の接続ビアホール202の正投影は、対応する第1画素電極311内に位置する。画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する第1画素電極131のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値N以上である。即ち、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影と第1画素電極のエッジとの間の間隔は、第1閾値N以上である。言い換えれば、いずれか1つの第1画素電極311内には、閉じられた限定領域が含まれることができ、前記限定領域のエッジの任意の一点と第1画素電極311のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、いずれも第1閾値Nである。第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影は、完全に前記第1画素電極311の限定領域内に位置する。
【0068】
選択的に、前記画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極311のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値と等しい。即ち、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影は、対応する第1画素電極311内に位置し、また、対応する第1画素電極311のエッジとの間の間隔d1は、第1閾値Nである。
【0069】
さらに、第1画素電極311には、少なくとも隣接する第1エッジ及び第2エッジが存在する。画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する第1画素電極311の第1エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値Nと等しい。また、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する第1画素電極311の第2エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値Nと等しい。即ち、第1画素電極311には、少なくとも隣接する第1エッジ及び第2エッジが存在し、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影と第1エッジとの間の間隔は、第1閾値Nであり、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影と2つのエッジとの間の間隔は、第1閾値Nである。即ち、
図4を参照すると、
図4における間隔d1は、第1閾値Nと等しくてもよい。これにより、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影をできるだけ第1画素電極311のエッジに近接させることにより、第1画素電極311の不均一な表面をできるだけ第1画素電極311のエッジに近接させることにより、接続ビアホール202による発光素子の発光均一性への影響を低減することができる。
【0070】
本発明に係る一実施形態において、第1画素電極の寸法に応じて第1閾値Nを確定することもできる。選択的に、第1画素電極311のエッジ上の任意の一点と第1画素電極311の中心との距離の最小値は、第3距離である。第1閾値Nは、第3距離の5%~8%の範囲内にある。これにより、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。
【0071】
本発明に係る他の実施形態において、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の中心と対応する第1画素電極311の所定のエッジとの距離は、他のエッジからの距離以下である。画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の中心と前記所定のエッジとの距離は、第4距離である。所定のエッジと第1画素電極311の中心との距離は、第5距離である。第4距離は、第5距離の8%~14%である。ここで、所定のエッジは、第1画素電極311の各エッジにおいて、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影に最も近いエッジである。これにより、エッチング時のアライメント不良による接続ビアホール202の接続不良が低減される前提で、接続ビアホール202を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。
【0072】
本発明に係る他の実施形態において、第1画素電極層の製造過程におけるアライメント精度に応じて、第1閾値Nを確定することもできる。好ましくは、第1閾値Nをアライメント精度とすることができる。これにより、接続ビアホール202内の導電材料がエッチングされないことを確保する前提で、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。選択的に、第1閾値Nは、100~300nmである。好ましくは、第1閾値Nは、100~200nmである。
【0073】
選択的に、画素電極層上において第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影は、第1画素電極311内に位置するとともに、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影と完全に重なっていない。これにより、第1反射電極131を製造する際、アライメント不良による第1反射電極131と第1画素電極311との間の接触不良を回避し、第1反射電極131が完全に第1金属接続部材151を覆うことができることを確保し、さらに、第1金属接続部材151が第1反射電極131を介して第1画素電極311と電気的に接続されることができるのを確保することができる。それに加えて、第1金属接続部材151に発生する可能性のある不均一な表面による接続ビアホール202への影響を回避するので、接続ビアホール202内の第1画素電極311と第1反射電極131との接合面の接続強度を高めるとともに接触抵抗を低減することもできる。
【0074】
好ましくは、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と対応する第1画素電極311のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1距離と等しい。画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影の任意の一点と第1金属接続部材151に電気的に接続される第1画素電極311のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2距離と等しい。第2距離は、第1距離より小さい。これにより、画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影を第1画素電極311のエッジにも近接させることで、第1画素電極311の中間位置で第1金属接続部材151に不均一な表面が発生することを回避するので、発光素子の発光効果を確保することができる。
【0075】
画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影は、第1金属接続部材151に電気的に接続された第1画素電極311内に位置する。画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影の任意の一点と第1金属接続部材151に電気的に接続される第1画素電極311のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2距離以下である。第2距離は、第1距離より小さい。第2距離が0以上であることを理解すべきである。このようにして、画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影を第1画素電極311のエッジにも近接させることで、第1画素電極311の中間位置で第1金属接続部材151に不均一な表面が発生することを回避するので、発光素子の発光効果を確保することができる。
【0076】
選択的に、
図3に示すように、第1画素電極311のパターンは、六角形である。好ましくは、
図4及び
図5に示すように、第1画素電極311は、中心対称な六角形である。第1画素電極311の6つの辺壁は、対向になるように設けられた2つの第1辺壁3111と、2つの第1辺壁3111に接続されている4つの第2辺壁3112とを含む。4つの第2辺壁3112の長さは、同じである。ここで、4つの第2辺壁3112は、対向に設けられる第1頂角3113及び第2頂角3114を形成する。さらに好ましくは、第1画素電極311において、2つの第1辺壁3111の間の間隔は、3.8~4.3μmであり、第1頂点と第2頂点との間の距離は、4.8~5.4μmである。
【0077】
選択的に、
図3に示すように、反射電極層上の第1画素電極311の中心の正投影は、対応する第1反射電極131の中心と重なっている。これにより、各第1反射電極131の最適な反射効果を確保することができる。さらに、第1反射電極131は、中心対称な六角形である。また、第1画素電極311の各辺壁は、対応する第1反射電極131の各辺壁と一対一に対応して平行するように設けられる。
【0078】
好ましくは、
図3に示すように、反射電極層上の第1画素電極311の正投影は、対応する第1反射電極131内に位置する。さらに、反射電極層上の第1画素電極311の正投影のエッジと対応する第1反射電極131のエッジとの間の間隔は、0.2~0.5μmである。
【0079】
選択的に、
図12に示すように、駆動回路層上の第1画素電極311の正投影は、中心対称な六角形である。互いに隣接する3つの第1画素電極311の間の間隔は、同じにすることにより、第1画素電極311をハニカム状に配列させる。各第1画素電極311には、行方向(row direction)Mに沿う複数の第1画素電極行が形成される。これにより、第1画素電極311の配列密度を向上させるとともに、ピクセル借用アルゴリズムにより表示パネルの表示効果を更に向上させることができる。
【0080】
選択的に、同一の第1画素電極行において、対応する第1画素電極311上の各接続ビアホール202の正投影は、同一直線に位置することにより、各第1画素電極311における対応する接続ビアホール202を同一直線に位置させる。前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に接続される第1金属接続部材151の正投影の位置は、第1画素電極行と隣接して設けられた2つの第1画素電極311において対称な関係を有し、例えば、軸対称な関係又は中心対称な関係を有することができる。例えば、1つの第1画素電極311を挟む2つの第1画素電極311に電気的に接続された第1金属接続部材151は、行方向Mに沿う同一直線に位置する。行方向Mに隣接して設けられた2つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151は、行方向Mに沿う同一直線に位置しない。
【0081】
本発明に係る一実施形態において、
図12に示すように、第1画素電極311は、中心対称な六角形である。また、各第1画素電極311は、ハニカム状に配列される。各第1画素電極311には、行方向Mに沿って配置された複数の第1画素電極行が形成されている。いずれか1つの第1画素電極311は、対向に設けられている2つの第1辺壁3111と、2つの第1辺壁3111に接続されている4つの第2辺壁3112を含む。2つの第1辺壁3111は、いずれも行方向Mに垂直する。また、4つの第2辺壁3112の長さは、同じである。4つの第2辺壁3112は、対向に設けられている第1頂角3113及び第2頂角3114を形成する。対応する第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影の任意の一点と前記第1画素電極311における第1頂角3113をなす2つの第2辺壁3112のうちのいずれか1つの第2辺壁3112上の任意の一点との間の距離の最小値は、いずれも前記第1閾値Nと等しい。言い換えれば、対応する第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影と第1頂角3113をなす2つの第2辺壁3112との間の間隔は、いずれも第1閾値Nである。
【0082】
好ましくは、対応する第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられた2つの第1画素電極311において同様に配列される。
【0083】
好ましくは、前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられている2つの第1画素電極311において対称な関係を有する。好ましくは、前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられた2つの第1画素電極311において中心対称な関係を有する。
【0084】
好ましくは、画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影は、第1金属接続部材151と電気的に接続される第1画素電極311内に位置し、且つ、第1頂角3113の頂点又は第2頂角3114の頂点との距離は、第1画素電極311の他の頂角の頂点との距離より大きい。即ち、画素電極層上の第1金属接続部材151の正投影は、第1金属接続部材151に電気的に接続される第1画素電極311の第1頂角3113又は第2頂角3114に近接する。
【0085】
例えば、同じ第1画素電極行における隣接して設けられた2つの第1画素電極311において、前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影と前記第1画素電極311の第1頂角3113の頂点との距離は、前記第1画素電極311の他の頂角の頂点との距離より大きい。また、前記第1画素電極311上において他の第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影と前記第1画素電極311の第2頂角3114の頂点との距離は、前記第1画素電極311の他の頂角の頂点との距離より大きい。即ち、同じ第1画素電極行において、1つの第1画素電極311を挟む2つの第1画素電極311に電気的に接続された第1金属接続部材151は、いずれも第1頂角3113に近接して設けられ、又は、第2頂角3114に近接して設けられ、また、隣接して設けられる2つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151は、それぞれ第1頂角3113及び第2頂角3114に近接する。これにより、反射電極層、透明絶縁層及び画素電極層を製造する際のプロセスの安定性及び実現可能性を向上させることができる。
【0086】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、周辺領域Bは、ボンディング領域Dをさらに含むことができる。反射電極層は、ボンディング領域Dに設けられている第2反射電極132をさらに含む。第2反射電極132は、金属配線層120に電気的に接続される。透明絶縁層200には、第2反射電極132の少なくとも一部の領域を露出させるボンディング孔201が形成されている。これにより、本発明に係る反射電極層に含まれる第2反射電極132は、表示パネルのボンディングパッドとして信号の入力及び出力チャンネルを構成することができる。選択的に、第2反射電極132のパターン及び寸法は、第1反射電極131のパターン及び寸法と同じであることにより、エッチングにより反射電極層を形成する際のエッチングの均一性を向上させる。
【0087】
本発明に係る一実施形態において、周辺領域Bは、感知領域Cを含むことができる。前記感知領域Cには、感知素子が形成されることができる。前記感知素子は、表示領域A内の発光素子の動作をシミュレーション及び検出するとともに、シミュレーション結果に応じて発光素子に対する駆動を調整することにより、発光素子の発光をより正確にする。反射電極層は、感知領域Cにおいて複数の第1反射電極131を含む。感知領域Cにおける第1反射電極131は、第1金属接続部材151を介して金属配線層120と電気的に接続される。画素電極層は、感知領域Cにおいて複数の第1画素電極311を含む。感知領域Cにおける第1画素電極311は、接続ビアホール202を介して第1反射電極131と電気的に接続される。
【0088】
これにより、表示パネルは、感知領域C及び表示領域Aには、いずれも第1反射電極131と、第1画素電極311と、第1画素電極311を覆う有機発光層320と、共通電極層330とが設けられている。第1画素電極311、有機発光層320及び共通電極層330は、表示領域Aにおいて発光素子を形成するとともに、感知領域Cにおいて感知素子を形成する。発光素子及び感知素子は、いずれも第1反射電極131を介して金属配線層120に電気的に接続される。これにより、発光素子及び感知素子が同じ電気的環境にあることを確保することにより、感知素子のシミュレーション及び検出結果を発光素子の実際の状況とより一致させ、感知素子のシミュレーション及び検出結果の正確性を向上させるので、発光素子に対する調整の正確性を向上させることができる。それに加えて、反射電極層が感知領域Cにおいて第1反射電極131を形成するので、反射電極層をパターン化する際、感知領域Cでのエッチング量を低減し、エッチング時間を短縮するとともに表示領域Aに位置する第1反射電極131のパターンの精度を確保することにより、表示領域Aにおける第1反射電極131がより優れた反射効果を有することを実現し、表示パネルの輝度を向上させることができる。
【0089】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、周辺領域Bは、陰極係合領域Eをさらに含むことができる。反射電極層は、陰極係合領域Eに設けられている第3反射電極133をさらに含むことができる。第3反射電極133は、金属配線層120に電気的に接続される。第3反射電極133は、共通電極層330と直接又は間接的に電気的に接続されることにより、共通電極層330に共通電圧を提供することができる。前記第3反射電極133は、金属配線層120と共通電極層330を電気的に接続させることにより、共通電極層330が金属配線層120に直接的に接続される際の勾配が大きすぎたり、共通電極層330の沈下深さが大きすぎたりなるなどの問題を回避し、表示パネルの製造の難しさを低減し、金属配線層120と共通電極層330との間の電気的な接続の安定性を向上させることができる。選択的に、第3反射電極133のパターン及び寸法は、第1反射電極131のパターン及び寸法と同じであることにより、エッチングにより反射電極層を形成する際のエッチングの均一性を向上させる。
【0090】
好ましくは、
図1に示すように、透明絶縁層200は、陰極係合領域Eにも複数の接続ビアホール202が設けられている。陰極係合領域Eにおける各接続ビアホール202は、各第3反射電極133と一対一に対応するように設けられている。ここで、接続ビアホール202は、対応する第3反射電極133の一部領域を露出させることができる。画素電極層は、陰極係合領域Eに位置する複数の第2反射電極312をさらに含むことができる。各第2反射電極312は、各接続ビアホール202及び各第3反射電極133と一対一に対応するように設けられることにより、いずれか1つの第2反射電極312は、対応する接続ビアホール202を介して対応する第3反射電極133と電気的に接続される。共通電極層330は、各第2反射電極312に電気的に接続されることにより、第2反射電極312及び第3反射電極133を介して金属配線層120と電気的に接続されることができる。選択的に、第2反射電極312のパターン及び寸法は、第1画素電極311のパターン及び寸法と同じであることにより、エッチングにより画素電極層を形成する際のエッチングの均一性を向上させる。
【0091】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、周辺領域Bは、表示領域Aと感知領域Cとの間に位置する第1補助領域Fと、感知領域Cと陰極係合領域Eとの間に位置する第2補助領域Gと、陰極係合領域Eとボンディング領域Dとの間に位置する第3補助領域Hと、をさらに含むことができる。反射電極層は、第1補助領域F、第2補助領域G及び第3補助領域Hに位置する第1補助電極をさらに含むことができる。各第1補助電極のパターン及び寸法は、第1反射電極131のパターン及び寸法と同じにされることにより、エッチングにより反射電極層を形成する際のエッチングの均一性を確保し、反射電極層の製造精度を向上させる。画素電極層は、第1補助領域F、第2補助領域G及び第3補助領域Hに位置する第2補助電極をさらに含むことができる。各第2補助電極のパターン及び寸法は、第1画素電極311のパターン及び寸法と同じにされることにより、エッチングにより画素電極層を形成する際のエッチングの均一性を確保し、画素電極層の製造精度を向上させる。
【0092】
第1補助電極は、第2補助電極と一対一に対応するように電気的に接続されてもよく、互いに接続されなくてもよい。例えば、透明絶縁層200は、第1補助領域F、第2補助領域G及び第3補助領域Hにおいても接続ビアホール202が設けられている。これらの接続ビアホール202は、各第1補助電極及び各第2補助電極と一対一に対応するように設けられている。いずれか1つの第2補助電極は、対応する接続ビアホール202を介して対応する第1補助電極と電気的に接続される。これにより、各補助領域における反射電極層及び画素電極層の構造は、表示領域A及び感知領域Cにおけるそれらの構造と同じにされることにより、反射電極層及び画素電極層の製造の均一性を確保することができる。
【0093】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、発光素子層は、ピクセル定義層340をさらに含むことができる。ピクセル定義層340は、駆動バックプレーン100から離れる透明絶縁層200の表面に設けられるとともに、第1画素電極311の間の隙間に位置する。反射電極層上のピクセル定義層340の正投影は、第1反射電極131と部分的に重なっている。ピクセル定義層340が第1画素電極311の間の隙間に位置するので、ピクセル定義層340は、第1画素電極311を遮蔽しないことになり、これにより、表示パネルは、より大きな開口率及びより高い輝度を有する。ピクセル定義層340は、第2反射電極の間に位置するとともに、第1反射電極131の一部を覆うことにより、隣接する発光素子の間の光クロストークを低減し、表示パネルのコントラスト比を向上させることができる。
【0094】
有機発光層320は、駆動回路層110から離れる画素電極層の一側に設けられるとともに、感知領域C及び表示領域Aを覆う。これにより、感知素子及び発光素子の電気的環境が均一になることを確保し、感知領域Cでのシミュレーション及び検出結果の正確性を向上させる。選択的に、オープン式マスク(Open Mask)により有機発光層320の各サブフィルム層の材料を順次に蒸着することにより、各サブフィルム層が全体としてフィルム層になる。本発明に係る一実施形態において、発光素子が白光を放出できるように、有機発光層320は、白色発光層であってもよい。例えば、有機発光層320は、積層される赤色発光材料層、緑色発光材料層及び青色発光材料層を含むことができる。
【0095】
共通電極層330は、駆動回路層110から離れる有機発光層320の表面に設けられ、透明な導電材料を使用することができ、例えば、マグネシウム銀合金などの材料を使用することができる。本発明に係る一実施形態において、共通電極層330は、さらに陰極係合領域Eを覆うことにより、陰極係合領域Eにおいて駆動回路層110から離れる第2反射電極312の表面を覆い、第2反射電極312を介して金属配線層120に電気的に接続されることを実現する。
【0096】
図1に示すように、本発明に提供される表示パネルは、フィルム封止層(TFE)410をさらに含むことができる。フィルム封止層410は、駆動回路層110から離れる共通電極層330の一側を覆うとともに、共通電極層330の側辺を覆うことにより、水及び酸素が有機発光層320に侵入されることを回避できる。
【0097】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、本発明に提供される表示パネルは、キャッピング層420(CPL、capping layer)をさらに含むことができる。キャッピング層420は、駆動回路層110から離れる共通電極層330の表面に設けられることにより、出光効率を向上させるので、表示パネルの輝度を向上させることができる。
【0098】
本発明に係る一実施形態において、
図1に示すように、本発明に提供される表示パネルは、カラーフィルタ層430をさらに含むことができる。カラーフィルタユニットは、駆動回路層110から離れるフィルム封止層410の一側に設けられることができる。カラーフィルタ層430は、異なる色のカラーフィルタユニットを含むことができる。表示領域Aに位置する各カラーフィルタユニットは、表示領域Aにおける各第1画素電極311と一対一に対応するように設けられることにより、発光素子により放出された光が対応するカラーフィルタユニットにより出射され、出射された光線は、カラーフィルタユニットによりフィルタリングされて多色をなすことができる。
【0099】
さらに、
図1に示すように、表示パネルは、ブラックマトリクス層440をさらに含むことができる。ブラックマトリクス層440は、駆動回路層110から離れるフィルム封止層410の一側に設けられ、且つ、複数の光透過窓を有する。表示領域Aに位置する各光透過窓は、表示領域Aにおける各第1画素電極311と一対一に対応するように設けられるとともに、表示領域Aに位置するカラーフィルタユニットにより一対一に対応するように覆われる。感知領域Cにおいて、感知領域Cの各感知素子がブラックマトリクス層440により覆われるように、ブラックマトリクス層440に光透過窓を設けなくてもよい。これにより、素子が発光することを感知した場合にも、放出された光は、出射されることができない。
【0100】
選択的に、
図1に示すように、駆動回路層110から離れるカラーフィルタ層430及びブラックマトリクス層440の一側には、保護層450がさらに設けられることができる。好ましくは、保護層450の材料及び構造は、フィルム封止層410と同じである。
【0101】
図1に示すように、本発明に提供される表示パネルは、カバープレート460をさらに含むことができる。カバープレート460は、表示パネルの駆動回路層110と反対になる側に位置することにより、発光素子層などのフィルム層がカバープレート460と駆動回路層110との間に位置する。これにより、さらに有機発光層320を保護し、有機発光層320の寿命及び安定性を向上させる。選択的に、カバープレート460は、ガラスカバープレート460であってもよい。
【0102】
本発明に係る実施形態は、上記の表示パネルの実施形態に記載された表示パネルのいずれか1つを含む表示装置をさらに提供する。前記表示装置は、ARメガネ、VRメガネ又は他のタイプの表示装置であってもよい。前記表示装置は、上記の表示パネルの実施形態に記載された表示パネルのいずれか1つを有するので、同様の有益な効果を奏するが、本発明は、ここでは詳細な説明を省略する。
【0103】
本発明は、その適用を、本明細書で提出された部品の詳細な構造及び配置方式に限定しないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態を有することができ、且つ、様々な方式で実現及び実行することができる。前述の変形形態及び修正形態は、本発明の範囲に含まれる。本明細書で開示及び限定される本発明は、本明細書及び/又は図面で言及又は明らかにされた2つ以上の個別の特徴のすべての代替可能な組み合わせに及ぶことを理解すべきである。これらの異なる組み合わせは、すべて本発明の複数の代替可能な態様を構成する。本明細書に記載された実施形態は、本発明を実施するための知られている最も好ましい形態を説明しており、且つ、当業者が本発明を利用することを可能にする。
【符号の説明】
【0104】
100 駆動バックプレーン
110 駆動回路層
120 金属配線層
131 第1反射電極
132 第2反射電極
133 第3反射電極
140 第2絶縁層
141 第2金属接続部材
150 第1絶縁層
151 第1金属接続部材
200 透明絶縁層
201 ボンディング孔
202 接続ビアホール
320 有機発光層
330 共通電極層
340 ピクセル定義層
311 第1画素電極
410 フィルム封止層
420 キャッピング層
430 カラーフィルタ層
440 ブラックマトリクス層
450 保護層
460 カバープレート
3101 反射防止層
3102 第1フォトレジスト層
3103 画素電極材料層
3104 第2フォトレジスト層
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
順次積層される駆動回路層、金属配線層、第1絶縁層及び反射電極層を含む駆動バックプレーンと、
前記駆動回路層から離れる前記反射電極層の一側に設けられる透明絶縁層と、
前記反射電極層から離れる前記透明絶縁層の一側に順次積層される画素電極層、有機発光層及び共通電極層を含む発光素子層と、を含み、
前記第1絶縁層は、複数の第1ビアホールを有し、各前記第1ビアホール内には、第1金属接続部材が設けられ、
前記反射電極層は、複数の第1反射電極を含み、前記第1反射電極は、それぞれ前記第1金属接続部材を介して前記金属配線層に電気的に接続され、
前記透明絶縁層は、各前記第1反射電極と一対一に対応する複数の接続ビアホールを有し、
いずれか1つの前記接続ビアホールは、対応する前記第1反射電極の表面の一部を露出させ、
前記画素電極層は、複数の前記接続ビアホールと一対一に対応する第1画素電極を含み、前記第1画素電極は、対応する前記接続ビアホールを介して対応する前記第1反射電極に接続され、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影は、対応する前記第1画素電極内に位置し、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1閾値以上であり、
前記第1閾値は、隣接する2つの前記第1画素電極の間の間隔の0.13倍~1.3倍である
表示パネル。
【請求項2】
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1画素電極には、少なくとも隣接する第1エッジ及び第2エッジが存在し、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第1エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しく、
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極の第2エッジの任意の一点との間の距離の最小値は、前記第1閾値と等しい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1画素電極のエッジ上の任意の一点と前記第1画素電極の中心との間の距離の最小値は、第3距離であり、
前記第1閾値は、前記第3距離の5%~8%範囲内にある
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記画素電極層上において、前記第1画素電極に電気的に接続される前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1画素電極内に位置し、且つ、前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影と完全に重なっていない
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記画素電極層上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と対応する前記第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第1距離と等しく、
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2距離と等しく、
前記第2距離は、前記第1距離より小さい
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影は、前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極内に位置し、
前記画素電極層上の前記第1金属接続部材の正投影の任意の一点と前記第1金属接続部材に電気的に接続される第1画素電極のエッジの任意の一点との間の距離の最小値は、第2閾値以下であり、
前記第2閾値は、前記第1閾値より小さい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記駆動回路層上の前記第1画素電極の正投影は、中心対称な六角形であり、
各前記第1画素電極は、ハニカム状に配列され、行方向に沿う複数の第1画素電極行を形成し、
前記第1画素電極は、対向に設けられる2つの第1辺壁と、2つの前記第1辺壁に接続される4つの第2辺壁と、を含み、
2つの前記第1辺壁は、いずれも前記行方向に垂直し、4つの前記第2辺壁は、対向に設けられる第1頂角及び第2頂角を形成し、
対応する前記第1画素電極上の前記接続ビアホールの正投影の任意の一点と前記第1画素電極の第1頂角を形成する2つの第2辺壁のうちのいずれか1つの前記第2辺壁上の任意の一点との間の距離の最小値は、いずれも前記第1閾値と等しい
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1画素電極行の前記第1画素電極上
の前記第1金属接続部材の正投
影は、
交互に配列される
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1画素電極行の前記第1画素電極上の前記
第1金属接続部材の正投
影は、
一行に配列される
請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記画素電極層は、前記駆動回路層から離れる前記透明絶縁層の表面に順次積層される第1チタン金属層、第1アルミニウム金属層、第2チタン金属層及びモリブデン金属層を含み、
前記第1チタン金属層の厚さは、80~120Åであり、
前記第1アルミニウム金属層の厚さは、400~500Åであり、
前記第2チタン金属層の厚さは、40~60Åであり、
前記モリブデン金属層の厚さは、40~60Åである
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記反射電極層は、前記金属配線層から離れる前記第1絶縁層の表面に順次積層される第3チタン金属層、第2アルミニウム金属層及び窒化チタン層を含み、
前記第3チタン金属層の厚さは、80~120Åであり、
前記第2アルミニウム金属層の厚さは、700~900Åであり、
前記窒化チタン層の厚さは、80~120Åであってもよい
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記接続ビアホールの直径は、0.2~0.4μmである
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の表示パネルを含む表示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
本発明に係る一実施形態において、第1画素電極の寸法に応じて第1閾値Nを確定することもできる。選択的に、第1画素電極311のエッジ上の任意の一点と第1画素電極311の中心oとの距離の最小値は、第3距離d3である。第1閾値Nは、第3距離d3の5%~8%の範囲内にある。これにより、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
本発明に係る他の実施形態において、画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の中心と対応する第1画素電極311の所定のエッジとの距離は、他のエッジからの距離以下である。画素電極層上の接続ビアホール202の正投影の中心と前記所定のエッジとの距離は、第4距離である。所定のエッジと第1画素電極311の中心oとの距離は、第5距離である。第4距離は、第5距離の8%~14%である。ここで、所定のエッジは、第1画素電極311の各エッジにおいて、第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影に最も近いエッジである。これにより、エッチング時のアライメント不良による接続ビアホール202の接続不良が低減される前提で、接続ビアホール202を第1画素電極311のエッジに可能な限り近接させることにより、発光素子の発光効果の確保と表示パネルの歩留まりの向上との間のバランスを図ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
選択的に、
図3に示すように、反射電極層上の第1画素電極311の中心
oの正投影は、対応する第1反射電極131の中心と重なっている。これにより、各第1反射電極131の最適な反射効果を確保することができる。さらに、第1反射電極131は、中心対称な六角形である。また、第1画素電極311の各辺壁は、対応する第1反射電極131の各辺壁と一対一に対応して平行するように設けられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
好ましくは、対応する第1画素電極311上の接続ビアホール202の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられた2つの第1画素電極311において同様に配列される。即ち、第1金属接続部材151は、第1画素電極行の第1画素電極311上の正射影が一列に配列されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
好ましくは、前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられている2つの第1画素電極311において対称な関係を有する。好ましくは、前記第1画素電極311上において1つの第1画素電極311に電気的に接続される第1金属接続部材151の正投影の位置は、第1画素電極行における隣接して設けられた2つの第1画素電極311において中心対称な関係を有する。即ち、第1金属接続部材151は、第1画素電極行の第1画素電極311上の正投影が交互に配列されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】