(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法、電子装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/81 20230101AFI20230629BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230629BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/805 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/816 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/818 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/82 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20230629BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/88 20230101ALI20230629BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20230629BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20230629BHJP
H10K 102/10 20230101ALN20230629BHJP
H10K 102/20 20230101ALN20230629BHJP
【FI】
H10K50/81
G09F9/30 338
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349B
H10K50/10
H10K50/805
H10K50/816
H10K50/818
H10K50/82
H10K50/844
H10K59/122
H10K50/88
H10K71/16
H10K71/20
G09F9/30 365
H10K102:10
H10K102:20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570498
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2020081837
(87)【国際公開番号】W WO2021189473
(87)【国際公開日】2021-09-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 冠▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】董 永▲發▼
(72)【発明者】
【氏名】王 青
(72)【発明者】
【氏名】李 世▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】王 宇
(72)【発明者】
【氏名】童 慧
(72)【発明者】
【氏名】袁 雄
(72)【発明者】
【氏名】申 ▲曉▼斌
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC31
3K107CC35
3K107CC43
3K107DD03
3K107DD23
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3K107DD38
3K107DD39
3K107DD44X
3K107DD46X
3K107DD46Y
3K107DD89
3K107DD95
3K107EE03
3K107EE21
3K107EE22
3K107EE48
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3K107FF00
3K107FF06
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3K107GG05
3K107GG11
3K107GG13
3K107GG28
3K107HH05
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA23
5C094EA05
5C094EA06
5C094ED03
5C094ED11
5C094ED13
5C094FA02
5C094FB12
5C094JA08
(57)【要約】
表示パネル及びその製造方法、電子装置であって、表示パネルはベース基板(10)と、ベース基板(10)に設置されるアレイ構造層及び発光構造層(20)とを備え、ベース基板(10)はトランジスタ(11)を備え、アレイ構造層は第1導電性ピラー(13)、接続電極(14)及び第2導電性ピラー(16)を備え、発光構造層(20)は第1電極(21)、有機発光層(22)及び第2電極(23)を備え、第1電極(21)は有機発光層(22)のベース基板(10)に近接する側に位置し、第2電極(23)は有機発光層(22)のベース基板(10)から離れる側に位置し、第1電極(21)は第1サブ電極(211)、第2サブ電極(212)及び第3サブ電極(213)を備え、第2サブ電極(212)は第1サブ電極(211)のベース基板(10)から離れる側に位置し、第3サブ電極(213)は第1サブ電極(211)のベース基板(10)に近接する側に位置し、第1サブ電極(211)の反射率は閾値反射率より大きく、且つ第2サブ電極(212)の反射率より大きく、第2サブ電極(212)の反射率は第3サブ電極(213)の反射率より小さく、第1電極(21)は第2導電性ピラー(16)によって接続電極(14)に接続され、接続電極(14)は第1導電性ピラー(13)によってトランジスタ(11)のドレイン電極に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
ベース基板と、前記ベース基板に順次設置されるアレイ構造層及び発光構造層とを備え、前記ベース基板はトランジスタを備え、前記アレイ構造層は順次設置される第1導電性ピラー、接続電極及び第2導電性ピラーを備え、前記発光構造層は第1電極、有機発光層及び第2電極を備え、前記第1電極は前記有機発光層の前記ベース基板に近接する側に位置し、前記第2電極は前記有機発光層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記第1電極は第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備え、前記第2サブ電極は前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記第3サブ電極は前記第1サブ電極の前記ベース基板に近接する側に位置し、
前記第1サブ電極の反射率は閾値反射率より大きく、且つ前記第2サブ電極の反射率より大きく、前記第2サブ電極の反射率は前記第3サブ電極の反射率より小さく、
前記第1電極は前記第2導電性ピラーによって前記接続電極に接続され、前記接続電極は前記第1導電性ピラーによって前記トランジスタのドレイン電極に接続される、表示パネル。
【請求項2】
前記第2サブ電極は透過電極であり、且つ前記ベース基板での正投影は前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆し、
前記第3サブ電極の前記ベース基板での正投影は少なくとも前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆し、前記第2サブ電極の前記ベース基板での正投影は前記第3サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
表示パネルは更にゲート線を備え、前記第1サブ電極の第1方向に沿う長さは前記第2サブ電極の第1方向に沿う長さより大きく、前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さは前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さより小さく、
前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さは前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さの1.2倍であり、
前記第1方向は前記ベース基板に垂直であり、前記第2方向は前記ゲート線の延在方向である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1サブ電極の製造材料は銀を含み、
前記第1サブ電極の第1方向に沿う長さは400オングストローム~600オングストロームであり、前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルである、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2サブ電極の製造材料は酸化インジウムスズを含み、
前記第2サブ電極の第1方向に沿う長さは120オングストローム~180オングストロームであり、前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さは1.8マイクロメートル~4マイクロメートルである、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第3サブ電極の製造材料はチタンを含み、
前記第3サブ電極の第1方向に沿う長さは80オングストローム~120オングストロームであり、前記第3サブ電極の第2方向に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルである、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1サブ電極の製造材料は銀を含み、前記第2サブ電極の製造材料は酸化インジウムスズを含み、前記第3サブ電極の製造材料はチタンを含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
閾値反射率は80%であり、
前記第2サブ電極の仕事関数は5より大きく、前記第2サブ電極の光透過率は99%より大きい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記表示パネルは更に画素定義層、パッケージ層及びカラーフィルム層を備え、
前記画素定義層は前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記パッケージ層は前記発光構造層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記カラーフィルム層は前記パッケージ層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記画素定義層の製造材料は酸化ケイ素を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記パッケージ層は第1無機パッケージ層、第2無機パッケージ層及び第3有機パッケージ層を備え、
前記第1無機パッケージ層は前記第2無機パッケージ層の前記ベース基板に近接する側に位置し、
前記第3有機パッケージ層は前記第2無機パッケージ層の前記ベース基板から離れる側に位置する、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示パネルは更にカバープレートを備え、
前記カバープレートは前記カラーフィルム層の前記ベース基板から離れる側に位置する、請求項9又は10に記載の表示パネル。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示パネルを備える電子装置。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示パネルを製造することに用いられる表示パネルの製造方法であって、
ベース基板にアレイ構造層を形成し、前記ベース基板がトランジスタを備えることと、
前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に、第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備える第1電極を形成することと、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に有機発光層を形成することと、
前記有機発光層のベース基板から離れる側に第2電極を形成し、これにより、前記第1電極、前記有機発光層及び前記第2電極を備える発光構造層を形成することと、を含む表示パネルの製造方法。
【請求項14】
前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に、第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備える第1電極を形成することは、
前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に反射防止薄膜及びフォトレジストを順次塗布することと、
反射防止薄膜及びフォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
露光処理後の反射防止薄膜及びフォトレジストに第1金属薄膜及び第2金属薄膜を順次堆積することと、
第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬して、フォトレジストを剥離することと、
フォトレジストが剥離された後のベース基板を現像処理することにより、反射防止薄膜を剥離して、第3サブ電極及び第1サブ電極を形成することと、
前記第1サブ電極のベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板の剥離溶液での浸漬時間は30分間より短い、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することは、
前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積することと、
透明導電薄膜にフォトレジストを塗布することと、
フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
透明導電薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、
フォトレジストを剥離して第2サブ電極を形成し、前記第2サブ電極の前記ベース基板での正投影が前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1サブ電極のベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積する開始時刻と、前記第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬してフォトレジストを剥離する終了時刻との間の間隔時間は、120分間より短い、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に有機発光層を形成する前に、前記方法は更に、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に画素定義薄膜を堆積することと、
画素定義薄膜にフォトレジストを塗布することと、
フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
画素定義薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、
フォトレジストを剥離して画素定義層を形成することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記有機発光層のベース基板から離れる側に第2電極を形成した後、前記方法は更に、
前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にパッケージ層を形成することと、
前記パッケージ層の前記ベース基板から離れる側にカラーフィルム層を形成することと、
前記カラーフィルム層の前記ベース基板から離れる側にカバープレートを形成することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術分野に関するが、それに限らず、特に表示パネル及びその製造方法、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ有機発光ダイオード(Micro Organic Light-Emitting Diode、Micro-OLEDと略称)は近年発展してきたマイクロディスプレイであり、シリコン系OLEDはその中の1つである。シリコン系OLEDは画素のアクティブアドレッシングを実現することができるだけではなく、シリコン基板においてタイミング制御(TCON)回路、過電流保護(OCP)回路等を含む複数の機能回路を製造することを実現することもでき、システムの体積を減少させて、軽量化を実現することに役立つ。シリコン系OLEDは成熟した相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOSと略称)集積回路プロセスを用いて製造されたものであり、体積が小さく、高解像度(Pixels Per Inch、PPIと略称)、高リフレッシュレート等の利点を有し、仮想現実(VR、Virtual Reality)又は拡張現実(AR、Augmented Reality)のニアアイディスプレイ分野に広く応用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は本開示に詳しく説明される主題の概要である。本概要は特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0004】
第1態様では、本開示は表示パネルを提供し、ベース基板と、前記ベース基板に順次設置されるアレイ構造層及び発光構造層とを備え、前記ベース基板はトランジスタを備え、前記アレイ構造層は順次設置される第1導電性ピラー、接続電極及び第2導電性ピラーを備え、前記発光構造層は第1電極、有機発光層及び第2電極を備え、前記第1電極は前記有機発光層の前記ベース基板に近接する側に位置し、前記第2電極は前記有機発光層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記第1電極は第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備え、前記第2サブ電極は前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記第3サブ電極は前記第1サブ電極の前記ベース基板に近接する側に位置し、
前記第1サブ電極の反射率は閾値反射率より大きく、且つ前記第2サブ電極の反射率より大きく、前記第2サブ電極の反射率は前記第3サブ電極の反射率より小さく、
前記第1電極は前記第2導電性ピラーによって前記接続電極に接続され、前記接続電極は前記第1導電性ピラーによって前記トランジスタのドレイン電極に接続される。
【0005】
いくつかの可能な実現方式では、前記第2サブ電極は透過電極であり、且つ前記ベース基板での正投影は前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆し、
前記第3サブ電極の前記ベース基板での正投影は少なくとも前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆し、前記第2サブ電極の前記ベース基板での正投影は前記第3サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆する。
【0006】
いくつかの可能な実現方式では、表示パネルは更にゲート線を備え、前記第1サブ電極の第1方向に沿う長さは前記第2サブ電極の第1方向に沿う長さより大きく、前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さは前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さより小さく、
前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さは前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さの1.2倍であり、
前記第1方向は前記ベース基板に垂直であり、前記第2方向は前記ゲート線の延在方向である。
【0007】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1サブ電極の製造材料は銀を含み、
前記第1サブ電極の第1方向に沿う長さは400オングストローム~600オングストロームであり、前記第1サブ電極の第2方向に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルである。
【0008】
いくつかの可能な実現方式では、前記第2サブ電極の製造材料は酸化インジウムスズを含み、
前記第2サブ電極の第1方向に沿う長さは120オングストローム~180オングストロームであり、前記第2サブ電極の第2方向に沿う長さは1.8マイクロメートル~4マイクロメートルである。
【0009】
いくつかの可能な実現方式では、前記第3サブ電極の製造材料はチタンを含み、
前記第3サブ電極の第1方向に沿う長さは80オングストローム~120オングストロームであり、前記第3サブ電極の第2方向に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルである。
【0010】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1サブ電極の製造材料は銀を含み、前記第2サブ電極の製造材料は酸化インジウムスズを含み、前記第3サブ電極の製造材料はチタンを含む。
【0011】
いくつかの可能な実現方式では、閾値反射率は80%であり、
前記第2サブ電極の仕事関数は5より大きく、前記第2サブ電極の光透過率は99%より大きい。
【0012】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示パネルは更に画素定義層、パッケージ層及びカラーフィルム層を備え、
前記画素定義層は前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記パッケージ層は前記発光構造層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記カラーフィルム層は前記パッケージ層の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記画素定義層の製造材料は酸化ケイ素を含む。
【0013】
いくつかの可能な実現方式では、パッケージ層は第1無機パッケージ層、第2無機パッケージ層及び第3有機パッケージ層を備え、
前記第1無機パッケージ層は前記第2無機パッケージ層の前記ベース基板に近接する側に位置し、
前記第3有機パッケージ層は前記第2無機パッケージ層の前記ベース基板から離れる側に位置する。
【0014】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示パネルは更にカバープレートを備え、
前記カバープレートは前記カラーフィルム層の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記カラーフィルム層を保護することに用いられる。
【0015】
第2態様では、本開示は上記表示パネルを備える電子装置を更に提供する。
【0016】
第3態様では、本開示は更に表示パネルの製造方法を提供し、上記表示パネルを製造することに用いられ、前記方法は、
ベース基板にアレイ構造層を形成し、前記ベース基板がトランジスタを備えることと、
前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に、第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備える第1電極を形成することと、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に有機発光層を形成することと、
前記有機発光層のベース基板から離れる側に第2電極を形成し、これにより、前記第1電極、前記有機発光層及び前記第2電極を備える発光構造層を形成することと、を含む。
【0017】
いくつかの可能な実現方式では、前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に、第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備える第1電極を形成することは、
前記アレイ構造層の前記ベース基板から離れる側に反射防止薄膜及びフォトレジストを順次塗布することと、
反射防止薄膜及びフォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
露光処理後の反射防止薄膜及びフォトレジストに第1金属薄膜及び第2金属薄膜を順次堆積することと、
第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬して、フォトレジストを剥離することと、
フォトレジストが剥離された後のベース基板を現像処理することにより、反射防止薄膜を剥離して、第3サブ電極及び第1サブ電極を形成することと、
前記第1サブ電極のベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することと、を含む。
【0018】
いくつかの可能な実現方式では、第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板の剥離溶液での浸漬時間は30分間より短い。
【0019】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することは、
前記第1サブ電極の前記ベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積することと、
透明導電薄膜にフォトレジストを塗布することと、
フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
透明導電薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、
フォトレジストを剥離して第2サブ電極を形成し、前記第2サブ電極の前記ベース基板での正投影が前記第1サブ電極の前記ベース基板での正投影を被覆することと、を含む。
【0020】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1サブ電極のベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積する開始時刻と、前記第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬してフォトレジストを剥離する終了時刻との間の間隔時間は、120分間より短い。
【0021】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に有機発光層を形成する前に、前記方法は更に、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に画素定義薄膜を堆積することと、
画素定義薄膜にフォトレジストを塗布することと、
フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、
画素定義薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、
フォトレジストを剥離して画素定義層を形成することと、を含む。
【0022】
いくつかの可能な実現方式では、前記有機発光層のベース基板から離れる側に第2電極を形成した後、前記方法は更に、
前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にパッケージ層を形成することと、
前記パッケージ層の前記ベース基板から離れる側にカラーフィルム層を形成することと、
前記カラーフィルム層の前記ベース基板から離れる側にカバープレートを形成することと、を含む。
【0023】
図面及び詳細な説明を閲覧して理解した後、他の態様を分かることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面は本開示の技術案を理解するためのものであり、且つ明細書の一部となり、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈することに用いられ、本開示の技術案を制限するものではない。
【0025】
【
図1】
図1は本開示の実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図2】
図2は例示的な実施例に係るベース基板の回路原理の模式図である。
【
図3】
図3は例示的な実施例に係る電圧制御回路及び画素駆動回路の回路実現の模式図である。
【
図4】
図4は例示的な実施例に係る有機発光層の構造模式図である。
【
図5】
図5は例示的な実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図6】
図6は他の例示的な実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
【
図7】
図7は本開示の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図9】
図9は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図10】
図10は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図11】
図11は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図12】
図12は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図13】
図13は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図14】
図14は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図15】
図15は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図16】
図16は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図17】
図17は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図18】
図18は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図19】
図19は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図20】
図20は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図21】
図21は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図22】
図22は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【
図23】
図23は例示的な実施例に係る表示パネルの製造方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面を参照しながら本開示の実施例を詳しく説明する。実施形態は複数の異なる形式で実施されてもよい。当業者が容易に理解し得る事実は、本開示の趣旨及びその範囲を逸脱せずに、方式及び内容を様々な形式に変換することができることである。従って、本開示は下記実施形態に記載された内容のみに限定されると解釈されるべきではない。衝突しない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴は互いに任意に組み合わせられることができる。
【0027】
図面において、明確にするために、各構成要素のサイズ、層の厚さ又は領域を拡大して示す場合がある。従って、本開示の実施形態は該サイズに限定されるとは限らず、図面における各部材の形状及びサイズは真の比率を反映しない。また、図面に理想的な例を模式的に示すが、本開示の実施形態は図面に示される形状又は数値に限定されるものではない。
【0028】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は本開示の属する分野内で当業者が理解する通常の意味であるべきである。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する言葉はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。「備える」又は「含む」等の類似する言葉は、該言葉の後に記載された素子又は部材が該言葉の前に列挙した素子又は部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する言葉は物理的又は機械的な接続に限定されるものではなく、直接的又は間接的接続にかかわらず、電気的接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係だけを指し、説明された対象の絶対的な位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0029】
本明細書において、トランジスタとは少なくともゲート電極、ドレイン電極及びソース電極の3つの端子を備える素子を指す。トランジスタはドレイン電極(ドレイン電極端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース電極(ソース電極端子、ソース領域又はソース電極)との間にチャネル領域を有し、且つ電流はドレイン電極、チャネル領域及びソース電極を流れることができる。チャネル領域とは電流が主に流れる領域を指す。
【0030】
本明細書において、第1極はドレイン電極であってもよく、第2極はソース電極であってもよく、又は、第1極はソース電極であってもよく、第2極はドレイン電極であってもよい。極性が反対であるトランジスタを使用する場合又は回路動作中の電流方向が変化する場合等に、「ソース電極」及び「ドレイン電極」の機能は互いに交換される場合がある。従って、本明細書において、「ソース電極」及び「ドレイン電極」は互いに交換されることができる。
【0031】
本明細書において、「接続」は構成要素がある電気的作用を有する素子により一体に接続される状況を含む。「ある電気的作用を有する素子」は接続される構成要素間の電気信号の授受を行うことができる限り、特に制限しない。「ある電気的作用を有する素子」の例は電極及び配線のほか、更にトランジスタ等のスイッチング素子、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、他の様々な機能を持つ素子等を含む。
【0032】
本明細書において、「フィルム」及び「層」は互いに交換されることができる。例えば、「導電層」を「導電フィルム」に置換できる場合がある。それと同様に、「絶縁フィルム」を「絶縁層」に置換できる場合がある。
【0033】
シリコン系OLEDは駆動回路が集積されるシリコン系バックプレーンと、シリコン系バックプレーンに形成されるOLED発光素子アレイとを備える。OLED発光素子アレイは陽極、有機発光層及び陰極を備える。
【0034】
シリコン系OLEDのPPIが高いため、トップエミッション構造を用いてもよい。陽極は反射機能を実現するように構成される。一般的に、陽極はチタン/アルミニウム/チタンの積層構造を用いるため、陽極の反射率が低く、更にシリコン系OLEDの表示輝度に影響し、シリコン系OLEDの表示効果を低減してしまう。
【0035】
図1は本開示の実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
図1に示すように、本開示の実施例に係る表示パネルはベース基板10と、ベース基板10に設置されるアレイ構造層及び発光構造層20とを備える。ベース基板10はトランジスタ11を備え、アレイ構造層は順次設置される第1導電性ピラー13、接続電極14及び第2導電性ピラー16を備え、発光構造層20は第1電極21、有機発光層22及び第2電極23を備える。第1電極21は有機発光層22のベース基板10に近接する側に位置し、第2電極23は有機発光層22のベース基板10から離れる側に位置する。
【0036】
第1電極21は第1サブ電極211、第2サブ電極212及び第3サブ電極213を備え、第2サブ電極212は第1サブ電極211のベース基板10から離れる側に位置し、第3サブ電極213は第1サブ電極211のベース基板10に近接する側に位置する。
【0037】
第1サブ電極211の反射率は閾値反射率より大きく、且つ第2サブ電極212の反射率より大きく、第2サブ電極212の反射率は第3サブ電極213の反射率より小さい。
【0038】
第1電極21は第2導電性ピラー16によって接続電極14に接続され、接続電極14は第1導電性ピラー13によってトランジスタ11のドレイン電極に接続される。
【0039】
第1サブ電極211は有機発光層22から射出された光を反射するように構成され、第2サブ電極212は第1サブ電極211により反射された光を透過するように構成される。第3サブ電極213は第1サブ電極211とアレイ構造層との間の粘着力を強化するように構成され、それにより第1サブ電極211の凝集及び脱落を回避する。
【0040】
例示的な実施例では、ベース基板10はシリコン基板又はガラス基板であってもよく、トランジスタ11の活性層はベース基板10の内部に形成される。
【0041】
例示的な実施例では、トランジスタ11は金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor、MOSと略称)であってもよい。
【0042】
例示的な実施例では、表示パネルは表示領域及び非表示領域を備える。表示パネルは表示領域に位置する複数のサブ画素を備える。非表示領域は制御回路を備える。
図1に表示領域のみを示し、表示パネルがサブ画素100A、100B及び100Cの3つのサブ画素を備える場合を例として説明する。
【0043】
例示的な実施例では、3つの異なる色のサブ画素は1つの画素を構成し、3つのサブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素であってもよい。いくつかの可能な実現方式では、1つの画素は4つ、5つ以上のサブ画素を備えてもよく、実際の応用環境に応じて設計して決定されてもよい。
【0044】
例示的な実施例では、
図1に示すように、ベース基板10に位置するアレイ構造層におけるトランジスタは画素駆動回路を構成することができる。
【0045】
図2は例示的な実施例に係るベース基板の回路原理の模式図である。
図2に示すように、表示領域における複数のサブ画素が規則的に配置されることにより、複数の表示行及び複数の表示列が形成される。各サブ画素は画素駆動回路101と、画素駆動回路101に接続される発光デバイス102とを備える。画素駆動回路101は少なくとも駆動トランジスタを備える。制御回路は少なくとも複数の電圧制御回路110を備え、各電圧制御回路110は複数の画素駆動回路101に接続される。例えば、1つの電圧制御回路110は1つの表示行における画素駆動回路101に接続され、該表示行の画素駆動回路101における駆動トランジスタの第1極は共同で該電圧制御回路110に接続され、各駆動トランジスタの第2極はこのサブ画素の発光デバイス102の陽極に接続され、発光デバイス102の陰極は第2電源信号VSSの入力端子に接続される。電圧制御回路110は、それぞれ第1電源信号VDDの入力端子、初期化信号Vinitの入力端子、リセット制御信号REの入力端子及び発光制御信号EMの入力端子に接続される。電圧制御回路110は、リセット制御信号REに応答して、初期化信号Vinitを駆動トランジスタの第1極に出力し、対応の発光デバイス102をリセットするように制御するように構成される。電圧制御回路110は更に、発光制御信号EMに応答して、第1電源信号VDDを駆動トランジスタの第1極に出力して、発光デバイス102を駆動して発光させるように構成される。1つの表示行における画素駆動回路101が共同で電圧制御回路110に接続されることにより、表示領域における画素駆動回路101の構造を簡素化することができ、表示領域における画素駆動回路101の占有面積を低減し、これにより、より多くの画素駆動回路101及び発光デバイス102を表示領域に設置し、高PPI表示を実現する。電圧制御回路110は、リセット制御信号REの制御によって初期化信号Vinitを駆動トランジスタの第1極に出力し、対応の発光デバイス102をリセットするように制御し、前のフレームが発光する際に発光デバイス102に印加した電圧の次のフレームによる発光への影響を回避することができ、残影現象を改善することができる。
【0046】
例示的な実施例では、1つの電圧制御回路110は、同一の表示行における2つの隣接するサブ画素における画素駆動回路101に接続されてもよく、又は同一の表示行における3つ以上のサブ画素における画素駆動回路101に接続されてもよい。
【0047】
図3は例示的な実施例に係る電圧制御回路及び画素駆動回路の回路実現の模式図である。
図3に示すように、発光デバイスはOLEDを備えてもよい。OLEDの陽極は駆動トランジスタM0の第2極Dに接続され、OLEDの陰極は第2電源信号VSSの入力端子に接続される。
【0048】
例示的な実施例では、第2電源信号VSSの電圧は負電圧又は接地電圧VGND(一般的に0Vである)であってもよい。初期化信号Vinitの電圧は接地電圧VGNDであってもよい。
【0049】
例示的な実施例では、OLEDはMicro-OLED又はMini-OLEDであってもよく、それにより高PPI表示を実現することに役立つ。
【0050】
例示的な実施例では、電圧制御回路110は1つの表示行における2つの画素駆動回路101に接続される。画素駆動回路101は駆動トランジスタM0、第3トランジスタM3、第4トランジスタM4及び蓄電コンデンサCstを備え、電圧制御回路110は第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2を備える。駆動トランジスタM0、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、第3トランジスタM3、第4トランジスタM4はいずれもベース基板において製造されたトランジスタである。
【0051】
第1トランジスタM1の制御電極は、リセット制御信号REの入力端子に接続され、リセット制御信号REを受信することに用いられ、第1トランジスタM1の第1極は、初期化信号Vinitの入力端子に接続され、初期化信号Vinitを受信することに用いられ、第1トランジスタM1の第2極はそれぞれ対応の駆動トランジスタM0の第1極S及び第2トランジスタM2の第2極に接続される。第2トランジスタM2の制御電極は、発光制御信号EMの入力端子に接続され、発光制御信号EMを受信することに用いられ、第2トランジスタM2の第1極は、第1電源信号VDDの入力端子に接続され、第1電源信号VDDを受信することに用いられ、第2トランジスタM2の第2極は、それぞれ対応の駆動トランジスタM0の第1極S及び第1トランジスタM1の第2極に接続される。例示的な実施形態では、第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2のタイプは異なってもよく、例えば、第1トランジスタM1はN型トランジスタであり、第2トランジスタM2はP型トランジスタであり、又は、第1トランジスタM1はP型トランジスタであり、第2トランジスタM2はN型トランジスタである。いくつかの可能な実現方式では、第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2のタイプは同じであってもよく、実際の応用環境に応じて設計して決定されてもよい。
【0052】
画素駆動回路101は駆動トランジスタM0、第3トランジスタM3、第4トランジスタM4及び蓄電コンデンサCstを備える。駆動トランジスタM0の制御電極G、駆動トランジスタM0の第1極Sは第1トランジスタM1の第2極及び第2トランジスタM2の第2極に接続され、駆動トランジスタM0の第2極DはOLEDの陽極に接続される。第3トランジスタM3の制御電極は、第1制御電極走査信号S1の入力端子に接続され、第1制御電極走査信号S1を受信することに用いられ、第3トランジスタM3の第1極は、データ信号DAの入力端子に接続され、データ信号DAを受信することに用いられ、第3トランジスタM3の第2極は、駆動トランジスタM0の制御電極Gに接続される。第4トランジスタM4の制御電極は、第2制御電極走査信号S2の入力端子に接続され、第2制御電極走査信号S2を受信することに用いられ、第4トランジスタM4の第1極はデータ信号DAの入力端子に接続され、データ信号DAを受信することに用いられ、第4トランジスタM4の第2極は、駆動トランジスタM0の制御電極Gに接続される。蓄電コンデンサCstの第1端子は駆動トランジスタM0の制御電極Gに接続され、蓄電コンデンサCstの第2端子は接地端子GNDに接続される。例示的な実施形態では、駆動トランジスタM0はN型トランジスタであってもよく、第3トランジスタM3及び第4トランジスタM4のタイプは異なってもよく、例えば、第3トランジスタM3はN型トランジスタであり、第4トランジスタM4はP型トランジスタである。データ信号DAの電圧は高グレースケールに対応する電圧である場合、P型の第4トランジスタM4をオンにすることによりデータ信号DAを駆動トランジスタM0の制御電極Gに伝送し、これにより、データ信号DAの電圧が例えばN型の第3トランジスタM3の閾値電圧から影響を受けることを回避することができる。データ信号DAの電圧は低グレースケールに対応する電圧である場合、N型の第3トランジスタM3をオンにすることによりデータ信号DAを駆動トランジスタM0の制御電極Gに伝送し、これにより、データ信号DAの電圧がP型の第4トランジスタM4の閾値電圧から影響を受けることを回避することができる。そうすると、駆動トランジスタM0の制御電極Gに入力された電圧範囲を広げることができる。
【0053】
例示的な実施例では、第3トランジスタM3及び第4トランジスタM4のタイプについては、第3トランジスタM3はP型トランジスタであってもよく、第4トランジスタM4はN型トランジスタであってもよい。
【0054】
例示的な実施例では、画素駆動回路は3T1C、5T1C又は7T1C回路構造であってもよく、又は内部補償又は外部補償機能を有する回路構造であってもよい。
【0055】
例示的な実施例では、
図1に示すように、アレイ構造層は、トランジスタ11のベース基板10から離れる側に位置する第1絶縁層12と、第1絶縁層12のベース基板10から離れる側に位置する第2絶縁層15とを更に備える。
【0056】
第1絶縁層12に第1ビアが設置され、第1導電性ピラー13は第1ビアの内に設置される。第2絶縁層15に第2ビアが設置され、第2導電性ピラー16は第2ビアの内に設置される。
【0057】
例示的な実施例では、トランジスタ11は、活性層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極及びゲート接続電極を備える。ソース電極及びドレイン電極はそれぞれ活性層に接続され、ゲート接続電極は導電性ピラーによってゲート電極に接続される。トランジスタはボトムゲート構造であってもよく、又はトップゲート構造であってもよい。
【0058】
例示的な実施例では、第1絶縁層12及び第2絶縁層15の製造材料はシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)又は酸窒化ケイ素(SiON)であってもよい。第1絶縁層12及び第2絶縁層15の構造は単層構造であってもよく、又は多層複合構造であってもよい。
【0059】
例示的な実施例では、第1導電性ピラー13及び第2導電性ピラー16の製造材料はタングステンであってもよい。
【0060】
例示的な実施例では、接続電極14の製造材料は銀又はアルミニウムであってもよい。接続電極14の構造は単層構造であってもよく、又は多層複合構造であってもよい。
【0061】
図4は例示的な実施例に係る有機発光層の構造模式図である。
図4に示すように、例示的な実施例に係る有機発光層は、陽極と陰極との間に順次積層される第1発光サブ層331、第1電荷発生層332、第2発光サブ層333、第2電荷発生層334及び第3発光サブ層335を備える。
【0062】
第1発光サブ層331は、第1色光を射出することに用いられ、順次積層される第1正孔輸送層(HTL)3311、第1発光材料層(EML)3312及び第1電子輸送層(ETL)3313を備える。第2発光サブ層333は、第2色光を射出することに用いられ、順次積層される第2正孔輸送層3331、第2発光材料層3332及び第2電子輸送層3333を備える。第3発光サブ層335は、第3色光を射出することに用いられ、順次積層される第3正孔輸送層3351、第3発光材料層3352及び第3電子輸送層3353を備える。第1電荷発生層332は、第1発光サブ層331と第2発光サブ層333との間に設置され、2つの発光サブ層を直列接続してキャリアの伝達を実現することに用いられる。第2電荷発生層334は、第2発光サブ層333と第3発光サブ層335との間に設置され、2つの発光サブ層を直列接続してキャリアの伝達を実現することに用いられる。有機発光層は第1色光を射出する第1発光材料層と、第2色光を射出する第2発光材料層と、第3色光を射出する第3発光材料層とを備えるため、有機発光層が最終的に射出した光は混合光である。例えば、第1発光材料層が赤色光を射出する赤色光材料層であり、第2発光材料層が緑色光を射出する緑色光材料層であり、第3発光材料層が青色光を射出する青色光材料層であるように設定することができ、従って、有機発光層は最終的に白色光を射出する。
【0063】
実際に実施するとき、実際の必要に応じて有機発光層の構造を設計することができる。各発光サブ層において、電子及び正孔を発光材料層に注入する効率を向上させるために、更に正孔注入層及び電子注入層を設置してもよい。有機発光層の構造を簡素化するために、第1電子輸送層3313、第1電荷発生層332及び第2正孔輸送層3331をキャンセルしてもよく、即ち第2発光材料層3332は直接に第1発光材料層3312に設置されてもよい。
【0064】
例示的な実施例では、有機発光層は第1色光を射出する有機発光層及び第1色光の相補光を射出する有機発光層を用いてもよく、該2つの有機発光層はベース基板に対して順次積層され、それにより全体的に白色光を発する。
【0065】
例示的な実施例では、第2電極23は面状電極であってもよい。
【0066】
例示的な実施例では、第2電極23は透過電極であり、有機発光層22から射出された光を透過することに用いられる。有機発光層22から射出された光は、有機発光層22が第2電極23へ射出した光と、有機発光層22が第1電極21へ射出し且つ第1電極21により反射された光とを含む。
【0067】
例示的な実施例では、第2電極23の製造材料は酸化インジウムスズ又は酸化亜鉛スズであってもよく、又は他の透明導電材料であってもよい。
【0068】
例示的な実施例では、第1電極21のベース基板10での正投影は有機発光層22のベース基板10での正投影を被覆し、即ち第1電極21のサイズは有機発光層22のサイズより大きく、そうすると、表示パネルの表示輝度を向上させることができる。
【0069】
例示的な実施例では、第1サブ電極211のベース基板10での正投影は有機発光層22のベース基板10での正投影を被覆し、即ち第1サブ電極211のサイズは有機発光層22のサイズより大きく、それにより第1サブ電極211は有機発光層22が第1サブ電極211へ射出した光を大きく反射することができ、第1サブ電極の反射効率を向上させる。
【0070】
例示的な実施例では、閾値反射率は80%であってもよい。
【0071】
本開示の実施例に係る表示パネルは、ベース基板と、ベース基板に順次設置されるアレイ構造層及び発光構造層とを備え、ベース基板はトランジスタを備え、アレイ構造層は順次設置される第1導電性ピラー、接続電極及び第2導電性ピラーを備え、発光構造層は第1電極、有機発光層及び第2電極を備え、第1電極は有機発光層のベース基板に近接する側に位置し、第2電極は有機発光層のベース基板から離れる側に位置し、第1電極は第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備え、第2サブ電極は第1サブ電極のベース基板から離れる側に位置し、第3サブ電極は第1サブ電極のベース基板に近接する側に位置し、第1サブ電極の反射率は閾値反射率より大きく、且つ第2サブ電極の反射率より大きく、第2サブ電極の反射率は第3サブ電極の反射率より小さく、第1電極は第2導電性ピラーによって接続電極に接続され、接続電極は第1導電性ピラーによってトランジスタのドレイン電極に接続される。本開示の実施例に係る技術案において、第1電極は反射率が閾値反射率より大きい第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備え、これにより、第1電極の反射率を向上させることができ、更にシリコン系OLEDの表示輝度を向上させ、シリコン系OLEDの表示効果を向上させる。
【0072】
例示的な実施例では、
図1に示すように、第2サブ電極212のベース基板10での正投影は第1サブ電極211のベース基板10での正投影を被覆し、即ち第2サブ電極212のサイズは第1サブ電極211のサイズより大きい。第2サブ電極212は第1サブ電極211を取り囲み、そうすると、第1サブ電極が第2サブ電極の後のフィルム製造プロセスにより損傷されて反射率が低減することを防止することができ、第1サブ電極の性能を向上させることができ、更に第1サブ電極211を保護する役割を果たすことができる。
【0073】
例示的な実施例では、表示パネルはベース基板に設置される複数のゲート線及び複数のデータ線を更に備える。ゲート線とデータ線は縦横に交差する。
【0074】
例示的な実施例では、第3サブ電極213のベース基板10での正投影は少なくとも第1サブ電極211のベース基板10での正投影を被覆し、第2サブ電極212のベース基板10での正投影は第3サブ電極213のベース基板10での正投影を被覆する。
【0075】
例示的な実施例では、第3サブ電極213のベース基板10での投影と第1サブ電極211のベース基板10での投影は面積が等しくてもよく、又は第3サブ電極213のベース基板10での投影面積は第1サブ電極211のベース基板10での投影面積より大きくてもよい。
【0076】
例示的な実施例では、第1サブ電極211の第1方向A1に沿う長さは第2サブ電極212の第1方向A1に沿う長さより大きく、第1サブ電極211の第2方向A2に沿う長さは第2サブ電極212の第2方向A2に沿う長さより小さい。
【0077】
例示的な実施例では、第2サブ電極212の第2方向A2に沿う長さは第1サブ電極211の第2方向A2に沿う長さの1.2倍であり、第2サブ電極が第1サブ電極を完全に被覆するように確保することができる。
【0078】
例示的な実施例では、
図1に示すように、第1方向A1はベース基板10に垂直であり、第2方向A2はゲート線の延在方向である。
【0079】
例示的な実施例では、第2サブ電極212が存在するため、第1サブ電極211の製造材料は銀を含んでもよく、それにより第1電極21の反射率を95%にすることができ、第1電極の反射率を大幅に向上させる。
【0080】
例示的な実施例では、第1サブ電極211の第1方向A1に沿う長さは400オングストローム~600オングストロームであり、又は第1サブ電極211の第1方向A1に沿う長さは±10%変動してもよい。例示的な実施例では、第1サブ電極211の第1方向A1に沿う長さは500オングストロームである。
【0081】
例示的な実施例では、第1サブ電極211の第2方向A2に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルであり、又は第1サブ電極211の第2方向A2に沿う長さは±20%変動してもよい。例示的な実施例では、第1サブ電極211の第2方向A2に沿う長さは2マイクロメートルである。
【0082】
例示的な実施例では、第1サブ電極211の反射率は第1サブ電極211の第1方向A1に沿う長さの増大につれて増加する。
【0083】
例示的な実施例では、第2サブ電極212の製造材料は酸化インジウムスズを含んでもよい。
【0084】
例示的な実施例では、第2サブ電極212の仕事関数は5より大きく、第2サブ電極212の光透過率は99%より大きく、そうすると、有機発光層におけるエネルギー準位に整合することができ、正孔を有機発光層により良く注入することを可能にし、表示パネルの電力損失を低減することができる。
【0085】
例示的な実施例では、第2サブ電極212の第1方向A1に沿う長さは120オングストローム~180オングストロームであり、又は第2サブ電極212の第1方向A1に沿う長さは±20%変動してもよい。例示的な実施例では、第2サブ電極212の第1方向A1に沿う長さは150オングストロームである。
【0086】
例示的な実施例では、第2サブ電極212の第2方向A2に沿う長さは1.8マイクロメートル~4マイクロメートルであり、又は第2サブ電極212の第2方向A2に沿う長さは±20%変動してもよい。例示的な実施例では、第2サブ電極212の第2方向A2に沿う長さは2.4マイクロメートルである。
【0087】
第2サブ電極212が第1サブ電極211の縁部に成膜する際に階段が存在するため、例示的な実施例では、第2サブ電極212の第1方向に沿う長さは、第2サブ電極212が第1サブ電極211の縁部において第1サブ電極21を包むように確保することができ、第1サブ電極211が酸化腐食されて故障が発生することを防止することができ、第1電極の耐用年数を延ばす。
【0088】
例示的な実施例では、第3サブ電極213の製造材料はチタンを含む。
【0089】
例示的な実施例では、第3サブ電極の第1方向A1に沿う長さは80オングストローム~120オングストロームであり、又は第3サブ電極の第1方向A1に沿う長さは±20%変動してもよい。例示的な実施例では、第3サブ電極の第1方向A1に沿う長さは100オングストロームである。
【0090】
例示的な実施例では、第3サブ電極の第2方向A2に沿う長さは1.5マイクロメートル~2.5マイクロメートルであり、又は第3サブ電極の第2方向A2に沿う長さは±20%変動してもよい。例示的な実施例では、第3サブ電極の第2方向A2に沿う長さは2マイクロメートルである。
【0091】
例示的な実施例では、第1サブ電極211の製造材料は銀を含み、第2サブ電極212の製造材料は酸化インジウムスズを含み、第3サブ電極213の製造材料はチタンを含む。
【0092】
例示的な実施例では、
図1に示すように、例示的な実施例に係る表示パネルは画素領域を定義するための画素定義層24を更に備える。画素定義層24はアレイ構造層のベース基板10から離れる側に位置する。
【0093】
例示的な実施例では、画素定義層24の製造材料は酸化ケイ素を含んでもよい。
【0094】
図5は他の例示的な実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
図5に示すように、例示的な実施例に係る表示パネルは更にパッケージ層25及びカラーフィルム層30を備える。
【0095】
パッケージ層25は、発光構造層20のベース基板10から離れる側に位置し、且つ水蒸気と酸素を阻隔するように構成され、カラーフィルム層30はパッケージ層25のベース基板10から離れる側に位置する。
【0096】
例示的な実施例では、
図5に示すように、パッケージ層25は、第1無機パッケージ層251、第2無機パッケージ層252及び第3有機パッケージ層253を備える。
【0097】
第1無機パッケージ層251は第2無機パッケージ層252のベース基板10に近接する側に位置し、第3有機パッケージ層253は第2無機パッケージ層252のベース基板10から離れる側に位置する。
【0098】
例示的な実施例では、第1無機パッケージ層251の製造材料は窒化ケイ素を含んでもよい。第1無機パッケージ層は第2無機パッケージ層を製造する際に発光構造層を損傷することを回避することができる。第1無機パッケージ層251は無機特性を有するため、優れたパッケージ特性を有するだけではなく、優れた第2電極との粘着性も有し、パッケージ層のパッケージ効果が確保される。
【0099】
例示的な実施例では、第2無機パッケージ層252の製造材料は酸化アルミニウムを含んでもよい。第2無機パッケージ層252は水蒸気と酸素が発光構造層に入ることを阻止することができ、発光構造層の耐用年数を延ばすことができる。
【0100】
例示的な実施例では、第2無機パッケージ層252の第1方向A1に沿う長さは第1無機パッケージ層251の第1方向A1に沿う長さより大きい。
【0101】
例示的な実施例では、第3有機パッケージ層253の製造材料はポリ-P-キシレンを含んでもよい。第3有機パッケージ層253は有機特性を有するため、比較的優れた有機パッケージ特性を有するだけではなく、比較的優れた粒子(particle)被覆能力も有し、フィルム層における粒子を良く被覆して、フィルム層を突き通すことを防止することができる。また、有機特性を有する材料は無機層間の応力を良く解放して、フィルム層には比較的大きな応力により微小クラック又は剥離(peeling)等の欠陥が生じることを防止することができる。第3有機パッケージ層253は更に比較的高い平坦性を有し、後続のカラーフィルム層の製造に比較的平坦なベース基板を提供して、カラーフィルム層の製造プロセスが第2無機パッケージ層を損傷することを防止することができる。
【0102】
例示的な実施例では、カラーフィルム層30はパッケージ層25に設置され、カラーフィルム層30は白色光とカラーフィルムを組み合わせる方式を用いてフルカラー表示を実現する。カラーフィルム層30は少なくともサブ画素に対応する第1色の光学フィルター、第2色の光学フィルター及び第3色の光学フィルターを備える。例示的な実施例では、第1色の光学フィルターは緑(G)色光学フィルターであってもよく、第2色の光学フィルターは赤(R)色光学フィルターであってもよく、第3色の光学フィルターは青(B)色光学フィルターであってもよい。
【0103】
例示的な実施例では、カラーフィルム層30は更に白色光学フィルター又は他の色の光学フィルターを備えてもよい。
【0104】
例示的な実施例では、カラーフィルム層30は更にブラックマトリックスを備えてもよい。
【0105】
例示的な実施例では、白色光とカラーフィルムを組み合わせる方式を用いて2000より大きな高解像度を実現することができ、VR/ARニーズを満足することができる。
【0106】
図6は他の例示的な実施例に係る表示パネルの構造模式図である。
図6に示すように、例示的な実施例に係る表示パネルは更にカバープレート40を備え、カバープレート40はカラーフィルム層30のベース基板10から離れる側に位置する。
【0107】
例示的な実施例では、カバープレートはガラスカバープレートであってもよい。カバープレート40とベース基板10の間はシーラント(図示せず)により固定される。カバープレートはカラーフィルム層30を保護する役割を果たすことができる。
【0108】
例示的な実施例では、シーラントはベース基板とカバープレートとの間に設置され、水蒸気と酸素の侵入を阻止するために保障を提供することができ、シリコン系OLED表示パネルの耐用年数を大幅に延ばす。他の例示的な実施形態では、シーラントはカバープレートの側面に設置されてもよく、カバープレートの周りの側面とベース基板の間はシーラントにより密封され、シーラントのベース基板から離れる側の端面はカバープレートのベース基板に隣接する側の表面とカバープレートのベース基板から離れる側の表面との間に位置し、これにより、密封効果を確保することができるだけではなく、シーラントがカバープレートより高いことによる表示パネルの厚さの増加を防止することもできる。
【0109】
図7は本開示の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
図7に示すように、本開示の実施例は更に表示パネルの製造方法を提供し、上記いずれか1つの実施例に係る表示パネルを製造することに用いられ、本開示の実施例に係る表示パネルの製造方法は下記ステップを含む。
【0110】
ステップ100:ベース基板にアレイ構造層を形成する。
【0111】
ベース基板はトランジスタを備える。トランジスタは活性層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極及びゲート接続電極を備える。ソース電極及びドレイン電極はそれぞれ活性層に接続され、ゲート接続電極は導電性ピラーによってゲート電極に接続される。トランジスタはボトムゲート構造であってもよく、又はトップゲート構造であってもよい。
【0112】
ステップ200:アレイ構造層のベース基板から離れる側に、第1サブ電極、第2サブ電極及び第3サブ電極を備える第1電極を形成する。
【0113】
ステップ300:第1電極のベース基板から離れる側に有機発光層を形成する。
【0114】
ステップ400:有機発光層のベース基板から離れる側に第2電極を形成し、これにより、第1電極、有機発光層及び第2電極を備える発光構造層を形成する。
【0115】
本開示の実施例における表示パネルの製造方法は上記いずれか1つの実施例に係る表示パネルを製造することに用いられ、実現原理及び実現効果が類似するため、ここで詳細な説明は省略する。
【0116】
例示的な実施例では、ステップ100は、ベース基板にトランジスタを形成し、トランジスタが形成されるベース基板に、第1ビアが設置される第1絶縁層を形成することと、第1ビアの内に第1導電性ピラーを形成することと、第1絶縁層に接続電極を形成することと、接続電極が形成される第1絶縁層に、第2ビアが設置される第2絶縁層を形成することと、第2ビアの内に第2導電性ピラーを形成することと、を含む。
【0117】
例示的な実施例では、ステップ200は、アレイ構造層のベース基板から離れる側に反射防止薄膜及びフォトレジストを順次塗布することと、反射防止薄膜及びフォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、露光処理後の反射防止薄膜及びフォトレジストに第1金属薄膜及び第2金属薄膜を順次堆積することと、第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬して、フォトレジストを剥離することと、フォトレジストが剥離された後のベース基板を現像処理することにより、反射防止薄膜を剥離して、第3サブ電極及び第1サブ電極を形成することと、第1サブ電極のベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することと、を含む。
【0118】
例示的な実施例では、第1サブ電極のベース基板から離れる側に第2サブ電極を形成することは、第1サブ電極のベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積することと、透明導電薄膜にフォトレジストを塗布することと、フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、透明導電薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、フォトレジストを剥離して第2サブ電極を形成することと、第2サブ電極のベース基板での正投影が第1サブ電極のベース基板での正投影を被覆することと、を含む。
【0119】
例示的な実施例では、ドライエッチングにより第2サブ電極を形成することにより、第2サブ電極の精度を確保することができる。
【0120】
例示的な実施例では、第1サブ電極のベース基板から離れる側にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜を堆積する開始時刻と、第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板を剥離溶液で浸漬してフォトレジストを剥離する終了時刻との間の間隔時間は、120分間より短く、それにより第1サブ電極が酸化腐食されることを回避する。
【0121】
例示的な実施例では、アレイ構造層のベース基板から離れる側に反射防止薄膜及びフォトレジストを順次塗布する前に、表示パネルの製造方法は、アレイ構造層が設置されるベース基板を清浄にすることを更に含む。
【0122】
例示的な実施例では、反射防止薄膜及びフォトレジストに対して露光及び現像処理を行った後、表示パネルの製造方法は、反射防止薄膜及びフォトレジストが堆積されるベース基板に付着する塵埃を除去することを更に含む。
【0123】
例示的な実施例では、フォトレジストを塗布する前に反射防止薄膜を塗布することにより、フォトリソグラフィプロセスのウィンドウを拡大し、フォトリソグラフィストリップの幅制御を向上させる目的を実現することができる。
【0124】
例示的な実施例では、反射防止薄膜及びフォトレジストを露光した後、反射防止薄膜及びフォトレジストにより凹溝が形成される。凹溝は反射防止薄膜に形成される第1凹溝と、フォトレジストに形成される第2凹溝とを含み、第1凹溝のベース基板での正投影は第2凹溝のベース基板での正投影を被覆し、即ち反射防止薄膜及びフォトレジストにより形成される凹溝はアンダーカット(undercut)構造である。
【0125】
例示的な実施例では、第1サブ電極を形成する製造過程において第1金属薄膜をエッチング処理しないため、第1サブ電極はエッチングプロセスにより損傷されることがなく、第1サブ電極の精度がシリコン系OLEDの要件を満足できるように確保することができる。従って、例示的な実施例では、第2金属薄膜の製造材料は銀であってもよいが、銀の反射率が95%にも達するため、第1サブ電極の反射率を向上させることができる。
【0126】
例示的な実施例では、第1金属薄膜の製造材料はチタンであってもよい。
【0127】
例示的な実施例では、第1金属薄膜及び第2金属薄膜が堆積されたベース基板の剥離溶液での浸漬時間は30分間より短く、剥離溶液の第2金属薄膜への損傷を回避することができ、第2金属薄膜の損傷は第2金属薄膜の凝集損傷又は収縮を含む。
【0128】
例示的な実施例では、ステップ300の前に、表示パネルの製造方法は、第1電極のベース基板から離れる側に画素定義薄膜を堆積することと、画素定義薄膜にフォトレジストを塗布することと、フォトレジストに対して露光及び現像処理を行うことと、画素定義薄膜をドライエッチングプロセスによりエッチングすることと、フォトレジストを剥離して画素定義層を形成することと、を更に含む。
【0129】
例示的な実施例では、ステップ400の後で、表示パネルの製造方法は、第2電極のベース基板から離れる側にパッケージ層を形成することと、パッケージ層のベース基板から離れる側にカラーフィルム層を形成することと、カラーフィルム層のベース基板から離れる側にカバープレートを形成することと、を更に含む。
【0130】
以下、
図8~
図23を参照しながら表示パネルの製造過程の例によって表示パネルの構造を説明する。本開示における「パターニングプロセス」はフィルムの堆積、フォトレジストのコーティング、マスクの露光、現像、エッチング及びフォトレジストの剥離処理を含む。堆積はスパッタリング、蒸着及び化学気相堆積のうちのいずれか1つ又は複数を用いてもよく、コーティングはスプレー及びスピンコートのうちのいずれか1つ又は複数を用いてもよい。「薄膜」とはある材料をベース基板に堆積又はコーティングプロセスにより製造した1層の薄膜を指す。製造過程全体において該「薄膜」がパターニングプロセスを行う必要がない場合、該「薄膜」は更に「層」と称されてもよい。製造過程全体において該「薄膜」がパターニングプロセスを行う必要がある場合、パターニングプロセスの前に「薄膜」と称され、パターニングプロセスの後で「層」と称される。パターニングプロセスを経た後の「層」には少なくとも1つの「パターン」が含まれる。
【0131】
ステップS1:ベース基板10を提供し、ベース基板10はトランジスタ11を備える。トランジスタにより画素駆動回路が構成される。
図8に示すように、ベース基板10に複数のサブ画素が含まれ、各サブ画素は1つの画素駆動回路を備える。
【0132】
例示的な実施例では、表示パネルは表示領域及び非表示領域を備え、サブ画素は表示領域に位置し、
図8には表示領域の3つのサブ画素、即ち第1サブ画素100A、第2サブ画素100B及び第3サブ画素100Cを示し、画素駆動回路に含まれるトランジスタ11を示す。製造が完了した後、ベース基板10の表面に表示領域のソース電極及びドレイン電極が露出する。
【0133】
ステップS2:ベース基板10に第1絶縁薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより第1絶縁薄膜をパターニングして、ベース基板10を被覆する第1絶縁層12を形成し、第1絶縁層12に複数の第1ビアを形成し、複数の第1ビアはそれぞれ各サブ画素のドレイン電極を露出させる。その後、第1ビアの内に第1導電性ピラー13を形成し、第1導電性ピラー13は各サブ画素のドレイン電極に接続される。第1絶縁層12に導電薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより導電薄膜をパターニングして、第1導電性ピラー13に接続される接続電極14を形成する。
図9に示すように、接続電極14に第2絶縁薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより第2絶縁薄膜をパターニングして、ベース基板を被覆する第2絶縁層15を形成し、第2絶縁層15に複数の第2ビアを形成し、複数の第2ビアはそれぞれ接続電極14を露出させ、第2ビアの内に、接続電極14に接続される第2導電性ピラー16を形成し、それによりアレイ構造層が形成される。
【0134】
ステップS3:
図10に示すように、アレイ構造層に反射防止薄膜200A及びフォトレジスト200Bを順次塗布する。
【0135】
例示的な実施例では、反射防止薄膜の製造材料は有機材料であってもよく、又は無機材料であってもよい。フォトレジストを塗布する前に1層の反射防止薄膜を塗布することにより、フォトリソグラフィプロセスのウィンドウを拡大し、フォトリソグラフィストリップの幅制御を向上させる目的を実現することができる。
【0136】
ステップS4:
図11に示すように、紫外線に第1マスクM1を透過させることにより、反射防止薄膜200A及びフォトレジスト200Bを露光する。
【0137】
ステップS5:
図12に示すように、露光後の反射防止薄膜200A及びフォトレジスト200Bを現像処理し、その後、ベース基板を除塵処理する。
【0138】
現像処理後の反射防止薄膜200A及びフォトレジスト200Bにアンダーカット構造の凹溝が形成される。凹溝は露光処理後の反射防止薄膜200Aに形成される第1凹溝と、露光処理後のフォトレジスト200Bに形成される第2凹溝とを含み、第1凹溝のベース基板10での正投影は第2凹溝のベース基板10での正投影を被覆する。
【0139】
ステップS6:
図13に示すように、露光処理後の反射防止薄膜200A及びフォトレジスト200Bに第1金属薄膜210A及び第2金属薄膜210Bを順次堆積する。
【0140】
ステップS7:
図14に示すように、第1金属薄膜210A及び第2金属薄膜210Bが堆積されるベース基板10を剥離溶液で浸漬して、フォトレジスト200Bを剥離し、浸漬時間は30分間より短い。
【0141】
剥離溶液で浸漬する時間が比較的長いと、第2金属薄膜210Bが損傷して凝集され、第2金属薄膜210Bを第1金属薄膜210Aの表面から脱落させ、又は第2金属薄膜210Bが収縮されてしまう。
【0142】
ステップS8:
図15に示すように、反射防止薄膜200Aを現像処理し、反射防止薄膜200Aを剥離して、第3サブ電極213及び第1サブ電極211を形成する。
【0143】
ステップS9:
図16に示すように、第1サブ電極211が形成されるベース基板にスパッタリングプロセスにより透明導電薄膜210Cを堆積する。
【0144】
ステップS7の終了時刻とステップS9の開始時刻との間の時間間隔は120分間より短く、それにより第1サブ電極211が酸化腐食されて黒くなることを防止する。
【0145】
ステップS10:
図17に示すように、透明導電薄膜210Cにフォトレジスト200Bを塗布し、紫外線に第2マスクM2を透過させることによりフォトレジスト200Bを露光処理する。
【0146】
ステップS11:
図18に示すように、露光処理後のフォトレジスト200Bを現像処理し、透明導電薄膜210Cをドライエッチングプロセスによりエッチングし、且つフォトレジストを剥離して第2サブ電極212を形成し、それにより第1電極21を形成する。
【0147】
ステップS12:
図19に示すように、第1電極が形成されるベース基板にプラズマ加速化学気相成長プロセス(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVDと略称)により画素定義薄膜240を堆積する。
【0148】
ステップS13:
図20に示すように、画素定義薄膜240にフォトレジスト200Bを塗布し、紫外線に第2マスクM3を透過させることによりフォトレジスト200Bを露光処理する。
【0149】
ステップS14:
図21に示すように、露光処理後のフォトレジスト200Bを現像処理し、画素定義薄膜240をドライエッチングプロセスによりエッチングし、且つフォトレジストを剥離して画素定義層24を形成する。
【0150】
各サブ画素において、画素定義層24に画素開口が開設され、画素開口に第1電極21の表面が露出する。
【0151】
ステップS15:
図22に示すように、画素定義層が形成されるベース基板に有機発光層22及び第2電極23を順次形成する。
【0152】
各サブ画素において、有機発光層22は第1電極21に電気的に接続され、第2電極23は有機発光層22に電気的に接続される。
【0153】
ステップS16:
図23に示すように、第2電極23に第1パッケージフィルムを堆積し、パターニングプロセスにより第1パッケージフィルムをパターニングして、第1パッケージ層251を形成し、第1パッケージ層251に第2パッケージフィルムを堆積し、パターニングプロセスにより第2パッケージフィルムをパターニングして、第2パッケージ層252を形成し、第2パッケージ層252に第3パッケージフィルムを塗布し、マスク、露光、現像プロセスにより第3パッケージフィルムをパターニングして、第3パッケージ層253を形成し、それによりパッケージ層25が形成される。
【0154】
ステップS17:
図5に示すように、パッケージ層25のベース基板から離れる側にカラーフィルム層30を形成する。
【0155】
例示的な実施例では、カラーフィルム層30はサブ画素に対応する第1色の光学フィルター、第2色の光学フィルター及び第3色の光学フィルターを備える。
【0156】
例示的な実施例では、第1色の光学フィルターは緑(G)色光学フィルターであってもよく、第2色の光学フィルターは赤(R)色光学フィルターであってもよく、第3色の光学フィルターは青(B)色光学フィルターであってもよい。いくつかの可能な実現方式では、カラーフィルム層30の製造過程は、まず青(B)色光学フィルターを形成し、次に赤(R)色光学フィルターを形成し、それから緑(G)色光学フィルターを形成することを含む。青色光学フィルターの粘着性が比較的大きく、青色光学フィルターを先に形成することによりカラーフィルム層30がカラーフィルム層に接触するフィルムから剥離する可能性を低下させることができる。赤色光学フィルターの粘着性が比較的小さいが、流動性が高いため、赤色光学フィルターRの形成過程において、青色光学フィルター及び赤色光学フィルターの第2電極から離れる側の表面の気泡数を減少させることができ、それにより青色光学フィルター及び赤色光学フィルターの両方のオーバーラップ位置での膜厚の均一性を向上させることができる。緑色光学フィルターの基体材料及び赤色光学フィルターの基体材料はほぼ同じであるため、緑色光学フィルターと赤色光学フィルターとの間の粘着力は比較的大きく、カラーフィルム層30が第2電極から剥離する可能性を低下させることができる。いくつかの可能な実現方式では、カラーフィルム層30は他の色の光学フィルター、例えば白色又は黄色のもの等を備えてもよい。
【0157】
ステップS18:
図6に示すように、密封プロセスによりカバープレート40を形成し、カバープレート40とベース基板10の間はシーラント(図示せず)により固定される。
【0158】
本開示の実施例は上記いずれか1つの実施例に係る表示パネルを備える電子装置を更に提供する。
【0159】
例示的な実施例では、電子装置はVR装置又はAR装置を含む。
【0160】
本開示の図面は本開示の実施例に関わる構造のみに関し、他の構造については通常設計を参照してもよい。
【0161】
明確のために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は微細構造の厚さ及びサイズが拡大される。理解されるように、層、フィルム、領域又は基板等の素子が他の素子の「上」又は「下」に位置すると称される場合、該素子は「直接」に他の素子の「上」又は「下」に位置してもよく、又は中間素子が存在してもよい。
【0162】
以上は本開示に開示される実施形態であって、本開示を理解しやすくするために用いた実施形態に過ぎず、本開示を制限するためのものではない。当業者であれば、本開示に開示される趣旨や範囲を逸脱せずに、実施形態及び細部に対していかなる修正や変更を行うことができるが、本開示の特許保護範囲は依然として添付の特許請求の範囲に限定される範囲に準ずるべきである。
【符号の説明】
【0163】
10 ベース基板 20 発光構造層
11 トランジスタ
13 第1導電性ピラー
14 接続電極
16 第2導電性ピラー
20 発光構造層
21 第1電極
22 有機発光層
23 第2電極
211 第1サブ電極
212 第2サブ電極
213 第3サブ電極
【国際調査報告】