(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置、デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/61 20110101AFI20230629BHJP
【FI】
H04N21/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552389
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 US2020025633
(87)【国際公開番号】W WO2021201817
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヘワヴィタナ,ツシャラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴイヒベルク,ネイサン
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA03
5C164TA02S
5C164TA22P
(57)【要約】
実施例は、増幅装置またはデバイスを含むケーブル通信ネットワークのためのタップについての増幅装置、デバイスまたは方法、および増幅装置またはデバイスを含むケーブル通信ネットワークに関する。増幅装置は、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース回路を含む。共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく。増幅装置は、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路を含む。増幅装置は、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅器回路を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置であって、
共有信号の第1のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース回路であって、
前記共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、インターフェース回路と、
前記共有信号の第2のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路と、
前記第1の周波数バンドが前記共有信号の前記第2のバージョンにおいて増幅されるように、前記共有信号の前記周波数スペクトルの前記第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅器回路と、を含む、増幅装置。
【請求項2】
前記第1の周波数バンドは、前記第2の周波数バンドよりも高い周波数を含む、請求項1に記載の増幅装置。
【請求項3】
前記第1の周波数バンドおよび前記第2の周波数バンドは、前記周波数スペクトル内で隣接している、請求項1または2のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項4】
前記第1の周波数バンドおよび前記第1の周波数バンドに隣接する前記第2の周波数バンドの少なくとも一部分は、前記ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用される、請求項3に記載の増幅装置。
【請求項5】
前記第2の周波数バンドは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用され、前記第2の部分は、前記ケーブル通信ネットワーク内のアップストリーム通信および/または全二重通信に使用され、前記第1の部分は、前記第1の周波数バンドに隣接している、請求項1~4のうちのいずれか1つに記載の増幅装置。
【請求項6】
ローパスフィルタと、少なくとも1つのハイパスフィルタと、を含み、前記ローパスフィルタは、前記第1の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されており、前記少なくとも1つのハイパスフィルタは、前記第2の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項7】
前記増幅装置の前記ローパスフィルタおよび前記少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性は、前記第1の周波数バンドおよび前記第2の周波数バンドと部分的に重複する遷移周波数バンド内で、前記ローパスフィルタの周波数応答におけるシフトが、前記少なくとも1つのハイパスフィルタの周波数応答におけるシフトと反対方向に生じるように選ばれる、請求項6に記載の増幅装置。
【請求項8】
制御回路を含み、前記ローパスフィルタは、調整可能または切り替え可能なローパスフィルタであり、前記少なくとも1つのハイパスフィルタは、少なくとも1つの調整可能または切り替え可能なハイパスフィルタであり、前記制御回路は、前記ローパスフィルタおよび前記少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性を調整するように構成されており、それによって、前記第1の周波数バンドと前記第2の周波数バンドとの間の境界をシフトする、請求項6または7に記載の増幅装置。
【請求項9】
第1の結合回路と、第2の結合回路とを含み、前記第1の結合回路は、前記共有信号の前記第1のバージョンを前記増幅器回路に提供するように構成されており、前記第2の結合回路は、前記増幅器回路の出力を前記共有信号の前記第2のバージョンに挿入するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項10】
前記第1の結合回路によって前記増幅器回路に提供された前記共有信号の前記第1のバージョンをハイパスフィルタ処理するように構成されている第1のハイパスフィルタを含む、請求項9に記載の増幅装置。
【請求項11】
前記増幅器回路の前記出力をハイパスフィルタ処理し、前記ハイパスフィルタ処理された出力を前記第2の結合回路に提供するように構成されている第2のハイパスフィルタを含む、請求項9または10のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項12】
前記第1の結合回路および前記第2の結合回路は、パススルー信号を交換するようにさらに構成されており、前記パススルー信号は、前記増幅器回路をバイパスする、請求項9~11のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項13】
前記パススルー信号をローパスフィルタ処理するように構成されているローパスフィルタを含む、請求項12に記載の増幅装置。
【請求項14】
少なくとも前記第1の周波数バンドにわたって前記増幅器回路の出力の振幅を選択的に調整するように構成されている振幅傾斜修正回路を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項15】
前記第1の構成要素が前記増幅装置のアップストリームに位置し、前記第2の構成要素が前記増幅装置のダウンストリームに位置する、請求項1~14のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の増幅装置を含む、ケーブル通信ネットワークのためのタップ。
【請求項17】
少なくとも第1の構成要素と、第2の構成要素と、請求項1~15のいずれか一項に記載の増幅装置と、を含み、前記増幅装置は、共有信号の第1のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの前記第1の構成要素と交換し、前記共有信号の第2のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの前記第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路を含む、ケーブル通信ネットワーク。
【請求項18】
前記第2の構成要素は、前記ケーブル通信ネットワークのタップである、請求項17に記載のケーブル通信ネットワーク。
【請求項19】
前記第1の構成要素は、前記ケーブル通信ネットワークのタップまたはケーブルモデム終端システムである、請求項17または18に記載のケーブル通信ネットワーク。
【請求項20】
前記ケーブル通信ネットワークの前記タップは、前記増幅装置を含む、請求項17~19のいずれか一項に記載のケーブル通信ネットワーク。
【請求項21】
ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅方法であって、
共有信号の第1のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換することであって、
前記共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、交換することと、
インターフェース回路を介して、前記共有信号の第2のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換することと、
増幅器回路を介して、前記第1の周波数バンドが前記共有信号の前記第2のバージョンにおいて増幅されるように、前記共有信号の前記周波数スペクトルの前記第1の周波数バンドを選択的に増幅することと、を含む、増幅方法。
【請求項22】
請求項21に記載の増幅方法を実行するように構成されている、ケーブル通信ネットワークのためのタップ。
【請求項23】
少なくとも第1の構成要素と、第2の構成要素と、請求項21に記載の増幅方法を実行するように構成されている構成要素と、を含み、前記増幅方法は、共有信号の第1のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの前記第1の構成要素と交換することと、前記共有信号の第2のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの前記第2の構成要素と交換することと、を含む、ケーブル通信ネットワーク。
【請求項24】
ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅デバイスであって、
共有信号の第1のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース手段であって、
前記共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、インターフェース手段と、
前記共有信号の第2のバージョンを前記ケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース手段と、
前記第1の周波数バンドが前記共有信号の前記第2のバージョンにおいて増幅されるように、前記共有信号の前記周波数スペクトルの前記第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている手段と、を含む、増幅デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、増幅装置またはデバイスを含むケーブル通信ネットワークのためのタップについての増幅装置、デバイスまたは方法、および増幅装置またはデバイスを含むケーブル通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
DOCSIS 4.0(Data Over Cable Service Interface Specification 4.0)が、全二重(FDX)を用いた1.2GHzのケーブルスペクトルまたはFDXを用いない1.8GHzのスペクトルを使用して、10Gbpsダウンストリームおよび5Gbpsアップストリーム容量を可能にする産業標準として開発されている。これは、ケーブル事業者が、ピークサービスレートの現在の年平均成長率(CAGR)に基づいた次の10年間のサービス需要を満たすのに十分であり得る。
【0003】
10年間の時間枠先を見据えて、ケーブル事業者は、増加する消費者データレートに対応する際に、PON (Passive Optical Network)のような他のアクセス技術と競合力を有するように、ダウンストリームにおいて25Gbpsの範囲の容量を望み得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
装置および/または方法のいくつかの例は、添付の図面を参照して、例としてのみ以下に記載される。
【0005】
【
図1】ケーブル通信ネットワークの一部分の概略図である。
【
図2】複数のタップに提供される信号の伝達関数を示すグラフを示す。
【
図3a】ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置または増幅デバイスの実施例のブロック図を示す。
【
図3b】ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置または増幅デバイスの実施例のブロック図を示す。
【
図3c】増幅装置または増幅デバイスを含むケーブル通信ネットワークの実施例のブロック図を示す。
【
図3d】増幅装置または増幅デバイスを含むケーブル通信ネットワークの実施例のブロック図を示す。
【
図4】ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅方法の実施例のフローチャートを示す。
【
図5a】増幅器を含むケーブル通信ネットワークの概略図を示す。
【
図5b】拡張スペクトルを含む周波数プランを示す。
【
図5c】ダウンストリームのみ拡張スペクトルのための増幅器モジュールの概略図を示す。
【
図5d】拡張スペクトルのための増幅器のアーキテクチャの概略図を示す。
【
図6a】増幅器の入力における期待信号パワースペクトル密度の実施例を示す。
【
図6b】ハイパスフィルタの例示的な実装の周波数応答を示す。
【
図6c】増幅器の例示的な実装の周波数応答を示す。
【
図6d】ハイバンドパスに沿った様々な点における信号を示す。
【
図6e】パススルーローパスフィルタ処理された信号とハイバンド増幅およびフィルタ処理された信号を示す。
【
図6f】入力信号と得られる組み合わされた出力信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
様々な実施例は、以下、いくつかの例が例示される添付の図面を参照して、より完全に記載される。図では、線、層および/または領域の厚さは、明瞭にするために誇張されることがある。
【0007】
したがって、さらなる実施例が、様々な改変および代替形態をとることを可能にするが、それらのいくつかの特定の実施例が図面に示され、次いで詳細に説明される。しかしながら、この詳細な説明は、実施例を記載された特定の形態にさらに限定するものではない。さらなる実施例は、本開示の範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物をカバーしてもよい。同じまたは類似の数字は、図面の説明の全体を通して、類似または同様の要素を指し、それらは、同じまたは同様の機能性を提供しつつ、互いに比較されたときに、同一または修正された形態で実装されてもよい。
【0008】
要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と呼ばれるときに、要素は1つ以上の介在要素を介して直接接続または結合され得ると理解される。2つの要素AとBが「または」を使用して組み合わされる場合、これは、明示的または暗示的に定義されていない限り、すべての可能な組み合わせ、すなわち、Aのみ、Bのみ、およびAおよびBを開示すると理解されるべきである。同じ組み合わせに対する代替的な文言は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「Aおよび/またはB」である。2つよりも多い要素の組み合わせについても、同じことを準用適用する。
【0009】
特定の実施例を記載する目的で本明細書において使用される専門用語は、さらなる実施例を限定することを意図するものではない。「a」、「an」および「the」のような単数形が使用され、単一の要素のみが必須であると明示的にも暗示的にも定義されていない場合はいつでも、さらなる実施例は、複数の要素を使用して、同じ機能を実装してもよい。同様に、機能が後に複数の要素を使用して実装されていると記載されているときに、さらなる例は、単一の要素または処理エンティティを使用して同じ機能を実装してもよい。用語「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」は、使用されるときに、記載された特徴、整数、ステップ、動作、プロセス、行為、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、プロセス、行為、要素、構成要素および/またはそれらの任意のグループの存在または追加を妨げるものではないことがさらに理解される。
【0010】
別段の定義がない限り、すべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本明細書において、実施例が属する技術分野の通常の意味において使用される。
【0011】
本開示の様々な実施例は、マルチGHz Coax(同軸)スペクトルを使用するための、後方互換HFC(ハイブリッドファイバ同軸)ネットワークアップグレードのための拡張拡張スペクトル増幅器を提供する。先に指摘したように、ケーブル事業者は、他のアクセス技術と競合力を有するために、ダウンストリームにおいて25Gbpsの範囲の容量を望み得る。例えば、これは、使用されるスペクトルを3GHz以上に拡張することによって、ケーブルネットワークにおいて達成されてもよい。
【0012】
DOCSISを1.2GHzを超えて拡張するために、エコシステム全体がアップグレードされてもよい。1.ノードが、拡張スペクトルのための信号を処理するようにアップグレードされてもよい。2.ケーブルモデム(CM)が、拡張スペクトルを処理するようにアップグレードされてもよい。3.ネットワークが、拡張スペクトルを伝搬するためにアップグレードされてもよい。本開示の焦点は、上記の第3のポイントに焦点を当てることがある。
【0013】
ケーブル伝搬チャネルは、能動要素と受動要素の両方を含んでもよい。すなわち、ハードライントランクケーブルが、ノードからタップまで、およびタップ間で使用され、低品質(例えば、RG6、同軸ケーブルの一般的なタイプ)ケーブルが、タップからホームまでのドロップケーブルとして使用される。タップ自体は、特定のスペクトルをサポートするように設計されてもよい。能動ノード(N+X、X>0は、ネットワークにおけるノードとCMとの間の増幅器の最大数を表す)では、ケーブルチャネルを通過して減衰する信号を増幅する増幅器もネットワークにおいて存在し得る。
【0014】
本開示の様々な実施例は、
図1に示すように、受動ノード(N+0、0は、ノードの後に増幅器がないことを意味する)シナリオに焦点を当ててもよい。
図1にN+0のネットワーク実施例を示す。
図1は、ケーブル通信ネットワークの一部分の概略図である。ケーブル通信ネットワークは、ファイバを介して接続されているCMTS(CMTS(Cable Modem Termination System)110と、CMTSに順次接続されている複数のタップ120~170と、を含む。各タップは、さらに、複数のケーブルモデム180(
図1では、CPE(Customer Premises Equipment)として示される)に接続されている。
図1の例では、CPEは、(最大)100ft/30mのRG6ケーブルを介してそれぞれのタップに接続されている。2つのタップ間の同軸ケーブルは、長さが最大175ft/50mであり、そのタイプがQR540(別のタイプの同軸ケーブル)である。タップ値(入力タップポートからタップアウトポートまでの信号減衰量を指す)は、タップからタップへと減少し、最初のタップでは29dBで開始し、最後のタップでは7dBまで下がる。
図1では、各タップには4つのタップ出力ポートを有する。これらのタップ出力ポートにおける信号パワーは、タップ入力信号レベルと比較してタップ値だけ低い。
【0015】
ここで、CMTSは、一体型CMTS(従来のモデル)または、遠隔PHY (RPHY)と呼ばれる、分散型CMTSアーキテクチャのPHY (物理)層であってもよい。この場合におけるCPE(Consumer Premises Equipment)は、CMである。
【0016】
N+0アーキテクチャは、1.2GHz DOCSIS FDXを実装するための前提条件であるが、1.8GHz DOCSIS 4.0は、N+Xネットワークでも同様に動作可能である。本開示において提供される例は、N+0およびN+Xネットワークの両方、つまりFDXまたは非FDXに適用可能であってもよい。ケーブルネットワークにおける電流増幅器の間隔は、特定の周波数(例えば、1.2GHz)までのスペクトルをサポートするように設計される。それ以上の周波数(例えば、3GHz)をサポートするようにネットワークをアップグレードするために、事業者は、ネットワーク内のタップ、コネクタなどの能動および受動要素の両方をアップグレードしてもよい。しかしながら、トランク、ドロップの両方ともケーブルはそのまま残るものと想定する。なぜなら、ケーブルの交換には非常に費用がかかり、労働集約的な作業が必要になり、これにより、事業者が徹底的にファイバにしようとする(Fiber to the home-FTTH)のを最初に妨げているためである。
【0017】
本開示の様々な例は、インフラストラクチャへの最小限の変化で拡張スペクトルネットワークの容量を増加させるためのアプローチに関する。具体的には、N+0ネットワークにおける「遠く離れた」タップに接続されたCMの容量損失の増大に対処し得る。
【0018】
ケーブルスペクトルを1.2GHzを越えて拡張するために、タップがアップグレードされてもよく(、または選択的増幅器がタップの間に差し込まれてもよく)、潜在的にネットワークにおけるコネクタの一部がアップグレードされてもよい。しかしながら、ネットワークにおけるケーブルは変更されないままでもよい。これは、ケーブルを掘り出し、交換するという費用のかかる退屈なプロセスを回避し得る。同軸ケーブルの重要な特性のうちの1つは、それらの信号減衰量が周波数と共に単調に増加することである。
図2は、
図1に示すネットワークのためのノードから異なるタップに接続されたCMへのケーブルチャネルの損失を示している。
図2は、
図1のタップ1~6(すなわち、120~170)によって経験された、複数のタップに提供された信号の伝達関数を示すグラフである。したがって、
図2は、N+0ネットワークの損失を示し得る。
図2から分かるように、1GHzを超えると、CMTSから遠く離れたタップ(タップ6が最も遠く離れたタップである)ほど、損失が実質的により顕著になっている。
【0019】
現在のネットワークでは、ノードの送信パワーは、1.2GHz以下のスペクトルの減衰レベルを扱うのに十分であり得る。しかしながら、より高い周波数に達すると、損失とその結果としての容量損失は顕著になる。したがって、送信信号パワーを増加させるか、または追加の増幅局をケーブルネットワークに追加するかのいずれかを行ってもよい。送信パワーは増幅器技術とネットワークパワー予算によって制限される。それゆえ、追加の増幅器局が、より実用的な解決策を提供し得る。
【0020】
ケーブル業界はこれまで1GHz未満のスペクトルのみを使用してきたため、このような増幅のために先行するアプローチは存在しないかもしれない。ネットワークは、もともと約1GHz以下の信号をサポートするのに十分な増幅器間隔で設計されている。ケーブル事業者がケーブル減衰を以前に処理した方法のように、ケーブル事業者は、この問題に取り組むためにネットワークAmp間の間隔を変更する傾向があり得る。例えば、
図3に示すN+0ノードネットワークでは、タップ3(140)の後にネットワークAmpを配置して、そのポイントを越えて進む信号を増幅することは、その望みに対処し得る。
【0021】
N+0ネットワークにおいて追加のAmpを配置すると、ノードN+1となる。これは、このようなシナリオではFDXが実装されない可能性があることを意味する。さらに、本格的なネットワークAmpを配置することは、この問題に取り組むために必要ではないかもしれない。なぜなら、信号減衰の増加は、拡張スペクトルのスループットに決定的な影響を与えるだけかもしれないからである。したがって、本開示の実施例は、拡張スペクトルにおける信号パワーをブーストすることに焦点を当てる。また、1.8GHzまたは3GHzスペクトルをカバーする本格的なAmpは、本開示の文脈において提供されるアプローチと比較して、より複雑であり、よりパワーを必要とし得る。
【0022】
図3aおよび
図3bは、ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置または増幅デバイスの実施例のブロック図を示す。増幅デバイス30の構成要素は、増幅装置10のそれぞれの構成要素に対応する構成要素手段として定義される。増幅装置/デバイスは、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース回路(すなわち、インターフェース手段)31を含む。共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく。増幅装置/デバイスは、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路(すなわち、インターフェース手段)32を含む。増幅装置/デバイスは、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅器回路(すなわち、増幅するための手段)33を含む。
【0023】
本開示の様々な実施例は、ケーブル通信ネットワーク、例えばケーブル通信ネットワークのタップのための増幅装置または増幅デバイス(以下、増幅装置と呼ぶだけである)に関する。例えば、増幅装置は、ケーブル通信ネットワークにおいて使用されている共有信号について使用されるのに好適であり得る。一般に、ケーブル通信ネットワークは、共有信号の共有スペクトルを使用する、すなわち、アップリンクスペクトルとダウンリンクスペクトルの両方が複数のケーブルモデムの間で共有される。ダウンリンクスペクトル内の送信は、単一のエンティティ、例えばDOCSISケーブルモデム終端システム(CMTS)によって送信される(したがって、追加のスケジュールを必要としない)が、アップリンクスペクトル内のケーブルモデムの送信は、ケーブル通信ネットワークのスケジューラによってスケジュールされる。ケーブルモデムには、いわゆるスロットまたはミニスロット(すなわちち、タイムスロット)がアップストリームスペクトルのアップストリームチャネルにおいて割り当てられ、ケーブルモデムは、これらのスロットを使用して、共有媒体でのアップストリームパケットを送信する。
【0024】
ダウンストリームスペクトルにおける送信は、中央エンティティ(例えば、DOCSISの専門用語ではノード)によって実行され、これは、例えば、前述のようにCMTSであってもよい。この中央エンティティは、共有信号のダウンストリーム(または全二重)スペクトル内で送信し、送信は、ケーブル通信ネットワークのタップを介してCMTSに接続されたケーブルモデムによって受信される。タップは、ケーブル通信ネットワーク内に配置されたデバイス(受動デバイスを含むことが多い)であり、これは、しばしば、ケーブルモデムへの接続のために(ドロップケーブルを介して)共有信号の一部を「タップ」オフするための方向性結合器とスプリッタの組み合わせを含む。ケーブル通信ネットワークでは、通常、タップのシーケンスが使用され(例えば、
図1を参照)、ケーブルモデムがタップのシーケンスに接続されている。前述のように、タップのシーケンスの末端にあるタップに到達するダウンストリーム信号振幅は、通常、最初のタップに到達するダウンストリーム信号振幅よりも実質的に低い。この効果は、より高い周波数バンドでより顕著であり、信号減衰はより高い周波数バンドでより高い。したがって、本開示の例では、増幅器を使用して、増加した減衰を受けるスペクトルの一部分を選択的に増幅してもよい。
【0025】
先に指摘したように、共有信号は、少なくとも第1の(連続)周波数バンドと第2の(連続)周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく。例えば、
図5bに関連して示されるように、ケーブル通信ネットワークにおいて使用されるスペクトルは、各々が特定の目的のために使用される複数の部分を含んでもよい。例えば、スペクトルは、アップストリーム通信に使用される部分(または周波数バンド)と、全二重通信に使用される部分(すなわち、スケジューリングに応じて、アップストリームおよびダウンストリーム通信の両方)と、ダウンストリーム通信に使用される部分とを含んでもよい。様々な実施例では、より高い周波数を含む周波数バンドがダウンストリーム通信に使用されており、より低い周波数を含む周波数バンドがアップストリームまたは全二重通信に使用されている。
【0026】
より高い周波数はより多くの減衰を受けるたね、第1の周波数バンド(増幅器回路により増幅される)は、第2の周波数バンドよりも高い周波数を含んでもよい。例えば、
図5bを参照すると、第1の周波数バンドは、ケーブル通信ネットワークのダウンストリーム通信に使用される(レガシーダウンストリームバンドの上で開始する)拡張スペクトルを含んでもよい。追加的に、第1の周波数バンドは、レガシーダウンストリームバンドの少なくとも一部分を含んでもよい。例えば、第1の周波数バンドは、少なくとも684MHz、少なくとも700MHz、少なくとも800MHz、少なくとも900MHz、または少なくとも1GHzの下限を有してもよい。第1の周波数バンドは、最大1.8GHz、または最大3GHzの上限を有してもよい。第2の周波数バンドは、アップストリーム送信、すなわち、ケーブル通信ネットワークのアップストリームスペクトルまたは全二重スペクトルに使用される周波数を含んでもよい。例えば、
図5に関連して導入されたスペクトルを参照すると、第2の周波数バンドは、アップストリームスペクトルおよび/または全二重スペクトルを含む上限、例えば、少なくとも最大684を有してもよい。いくつかの例では、第2の周波数バンドは、同様に、ダウンストリームスペクトルにも到達してもよい。言い換えれば、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間のフロンティアまたは遷移は、ケーブル通信ネットワークによって使用される共有信号のダウンストリームスペクトル内にあってもよい。より正確には、第1の周波数バンドおよび第2の周波数は、周波数スペクトル内で隣接していてもよく、例えば直接隣接していてもよい。第2の周波数バンドに隣接する第1の周波数バンド間のフロンティアまたは遷移は、ケーブル通信ネットワークによって使用される共有信号のダウンストリームスペクトル内にあってもよい。したがって、第1の周波数バンドおよび第1の周波数バンドに隣接する第2の周波数バンドの少なくとも一部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用されてもよい。例えば、第2の周波数バンドは、いくつかの部分、例えば、アップストリーム通信に使用される部分と、全二重通信に使用される部分とを含んでもよい。いくつかの例では、第2の周波数バンドは、ダウンストリーム通信にのみ使用される部分を含んでもよい。より形式的な用語では、第2の周波数バンドは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを含み得、第1の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用され、第2の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のアップストリーム通信および/または全二重通信に使用される。第1の部分は、第1の周波数バンドに(直接)隣接していてもよい。言い換えれば、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドの第1の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に(のみ)使用される周波数バンドを形成してもよい。
【0027】
増幅装置は、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅器回路33を含む。本開示の文脈において、「選択的に増幅する」という用語は、増幅器回路が第1の周波数バンドを増幅するように構成されていることを示してもよい。例えば、増幅器回路は、第1の周波数バンドを含み、第2の周波数バンドの少なくとも一部分を任意選択で省略する周波数バンド内で増幅を提供するように構成されてもよい。第2の周波数バンドは、増幅器回路によって増幅されないことがある、または増幅器回路によって実行される第2の周波数バンドの増幅は、共有信号の第2のバージョンに供給されないことがある。
【0028】
したがって、増幅装置は、第1の周波数バンドのための1つの経路と第2の周波数バンドのための2つの経路(すなわち、分岐)を生成するための回路を含んでもよい。いくつかのシステムでは、ダイプレクサは、2つの経路を生成するために使用され得、これは、アップストリーム通信にもダウンストリーム通信にも使用することができない第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間に必要とされるガードバンドをもたらすことがある。代わりに、(一方向性)結合器を使用して、第1の構成要素から受信した共有信号の第1のバージョンの一部分を分岐させ、分岐された部分の増幅されたバージョンを共有信号の第2のバージョンに挿入してもよい。
【0029】
一般に、結合器(すなわち、増幅装置またはデバイス30の結合回路または結合手段37、38によって実装される方向性結合器)は、別の回路において使用されるべきその量のパワーを分岐させるために、定義された量の信号のパワーをポートに結合するように構成されている受動デバイスであってもよい。一般に、結合器に入力される信号のスペクトル全体は、予め定義された量のみであるが、ポートに分岐されてもよい。さらに、結合器は方向性があり、パワーは一方向(この場合、第1の結合器から増幅器へ、増幅器から第2の結合器へ、したがって、共有信号の第2のバージョン)にのみ流れる。
【0030】
言い換えれば、
図1bに示すように、増幅装置は、第1の結合回路(すなわち、第1の結合手段)37および第2の結合回路(すなわち、第2の結合手段)38を含んでもよい。例えば、第1および第2の結合回路は方向性結合器であってもよい。言い換えれば、共有信号の第1のバージョンのパワーの一部分は、第1の結合回路によって分岐されてもよいが、その逆は真ではないことがあり、第1の結合回路は、信号の第1のバージョンの(パワーの)一部分を分岐させるようにのみ構成されるが、共有信号の第1のバージョンに何かを戻すように挿入するように構成されなくてもよい。言い変えれば、第1の結合回路は、共有信号の第1のバージョンを増幅器回路に(一方向に)提供するように構成されてもよい。同様に、第2の結合回路は、増幅器の出力を共有信号の第2のバージョンに挿入するように構成されてもよいが、増幅器によって使用される分岐に共有信号の第2のバージョンを挿入するように構成されなくてもよい。第2の結合回路は、増幅器回路の出力を(一方向に)共有信号の第2のバージョンに挿入するように構成されてもよい(例えば、分岐においてさらに処理が実行された後)。本開示の文脈では、「増幅器(回路)の出力」はまた、増幅器(回路)によって出力される信号の処理されたバージョン、例えば、増幅器回路によって出力される信号のハイパスフィルタ処理された、および/または傾斜補正/修正されたバージョンにも関してもよい。
【0031】
前述のように、結合器(すなわち、結合回路または結合手段)は、スペクトル全体を分岐させてもよい。2つの分岐をスペクトルの第1の部分および第2の部分に限定するために、フィルタが使用されてもよい。例えば、
図1bにさらに示すように、増幅装置は、ローパスフィルタ(すなわち、ローパスフィルタ手段)34と、少なくとも1つのハイパスフィルタ(ハイパスフィルタ手段)35a、35bと、を含んでもよい。例えば、少なくとも1つのハイパスフィルタを使用して、増幅器回路による増幅のための第1の周波数バンドを分離してもよい。したがって、少なくとも1つのハイパスフィルタは、第2の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのハイパスフィルタは、第1の周波数バンドの周波数よりも第2の周波数バンド内の周波数を減衰するように構成されてもよい。ローパスフィルタは、増幅器回路をバイパスする分岐または経路内の第1の周波数バンドを、(少なくとも部分的に)除去または減衰するために、すなわち、第1の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するために使用されてもよい。言い換えれば、少なくとも1つのハイパスフィルタは、第2の周波数バンドの周波数よりも第1の周波数バンド内の周波数を減衰するように構成されてもよい。少なくとも1つのハイパスフィルタは、第1の結合回路によって分岐される分岐に含まれてもよく、従って、増幅器回路によって入力される信号および/または出力される信号をハイパスフィルタ処理してもよい。ローパスフィルタは、第1および第2の結合回路間のパススルー分岐に含まれてもよい。
【0032】
様々な例において、増幅回路は、増幅器回路の入力または出力をハイパスフィルタするための少なくとも1つのハイパスフィルタを含む。例えば、増幅装置は、第1の結合回路によって前記増幅器回路に提供された共有信号の第1のバージョンをハイパスフィルタ処理するように構成されている第1のハイパスフィルタ(すなわち、第1のハイパスフィルタ手段)35aを含んでもよい。言い換えれば、第1のハイパスフィルタ35aは、第1の結合回路37と増幅器回路との間に配置されてもよい。追加的または代替的に、増幅装置は、増幅器回路の出力(または、以下に示すように、増幅器回路の出力の傾斜補正/修正バージョン)をハイパスフィルタ処理し、ハイパスフィルタ処理された出力を第2の結合回路に提供するように構成されている第2のハイパスフィルタ(すなわち、第2のハイパスフィルタ手段)35bを含んでもよい。言い換えれば、第2のハイパスフィルタ35bは、増幅器回路33と第2の結合回路との間に配置されてもよい。いくつかの例では、実装は、ただ1つのハイパスフィルタ、または増幅器の前に1つと後に1つを含んでもよいが、これは設計上の考慮事項である。追加のフィルタは、傾きを増加させ、信号が近接している(マルチパスを減らすため)周波数範囲を低減させてもよく、増幅器の直線性要件を低減するために使用することができる。
【0033】
先に指摘したように、ローパスフィルタは、第1および第2の結合回路間のパススルー分岐に含まれてもよい。言い刈れば、第1の結合回路および第2の結合回路は、パススルー信号を交換するようにさらに構成されてもよく、パススルー信号は増幅器回路をバイパスする。方向性信号である、増幅器回路によって増幅される信号とは対照的に、パススルー信号は、方向性結合器によって分岐される分岐ではなく、2つの結合回路を通過する分岐であるため、双方向信号であってもよい。様々な実施形態では、パススルー信号は、ローパスフィルタ34によって第2の周波数バンドに制限されてもよい。言い換えれば、増幅装置は、パススルー信号をローパスフィルタ処理するように構成され得るローパスフィルタ34を含んでもよい。マルチパスに対する感度に応じて、パススルー内のローパスフィルタが除去されるかもしれない。ローパスフィルタを使用すると、信号がパワーにおいて近接している周波数範囲を低減してもよい。
【0034】
増幅器の出力が第2の結合回路によって挿入された後の第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の滑らかな遷移を提供するために、ハイパスフィルタとローパスフィルタとのフィルタ特性は、それらが徐々に重複し、得られる信号がバンド間で均一な遷移を示すように選ばれてもよい(例えば、
図6eに示されるように)。言い換えれば、増幅装置の前記ローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性は、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドと部分的に重複する遷移周波数バンド内で、ローパスフィルタの周波数応答におけるシフトが、少なくとも1つのハイパスフィルタの周波数応答におけるシフトと反対方向に生じるように選ばれてもよい。例えば、
図6eに示すように、パススルー信号680および増幅された信号670は、互いに補完し合い、第1および第2の周波数バンドの間の遷移にわたって均等な周波数応答をもたらす周波数応答における反対のシフトを含んでもよい。
【0035】
上述の議論では、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドの間のフロンティア/遷移は、一定の周波数で起こると仮定した。しかしながら、いくつかの例では、ハイパスフィルタおよびローパスフィルタを調整することによって遷移を移動させてもよい。言い換えれば、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の遷移は、調整可能であってもよい。例えば、ローパスフィルタは、調整可能または切り替え可能なローパスフィルタであってよく、少なくとも1つのハイパスフィルタは、少なくとも1つの調整可能または切り替え可能なハイパスフィルタであってよい。調整可能なハイパスまたはローパスフィルタでは、ハイパスまたはローパスフィルタのカットオフポイントは、制御回路によって制御信号に従って徐々に移動させてもよい。切り替え可能なハイパスまたはローパスフィルタでは、制御回路による制御信号を使用して、異なる予め定義されたフィルタ構成間、例えば、異なる予め定義されたカットオフポイント間を切り替えてもよい。増幅装置は、第1および第2の周波数バンドを分離する周波数を制御するための制御回路36を含んでもよい。言い換えれば、増幅装置は、ローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性を調整するように構成された制御回路(すなわち、制御手段)36を含んでもよく(例えば、制御信号をそれぞれの調整可能なフィルタまたは切り替え可能なフィルタに提供することによって)、それによって、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の境界をシフトさせる。
【0036】
先に指摘したように、増幅器回路によって出力される信号は、例えば、より高い周波数が第1の周波数バンド内のより低い周波数よりも高い度合いで増幅されるように、傾斜補正(すなわち、修正)されてもよい。言い換えれば、増幅装置は、少なくとも第1の周波数バンドにわたって増幅器回路の出力の振幅を選択的に調整するように構成されている振幅傾斜修正回路(振幅傾斜修正手段)39を含んでもよい。例えば、振幅傾斜修正回路は、より高い利得を第1の周波数バンドのより高い周波数に適用し、より低い利得を第1の周波数バンドのより低い周波数に適用するように構成されてもよい。様々な例では、振幅傾斜修正回路は、より高い周波数に傾斜した、すなわち、より高い周波数でより高い利得をもたらす増幅器利得形状を有する増幅器回路によって実装されてもよい。例えば、傾斜補正仕様は、挿入損失のような他のパラメータとトレードオフされるように低減されてもよい。
【0037】
増幅装置は、共有信号の第1バージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換し、共有信号の第2バージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路またはインターフェース手段31を含む。例えば、インターフェース回路またはインターフェース手段31、32は、信号を受信および/または送信するための1つ以上の信号入力および/または出力に対応し得る。例えば、インターフェース回路またはインターフェース手段31、32は、ケーブル通信ネットワークのケーブルを介して提供される共有信号に遷移(またはポート)を提供するように構成されている受動回路であってもよい。
【0038】
一般に、第1の構成要素は増幅装置のアップストリームに位置してもよく、第2の構成要素は増幅装置のダウンストリームに位置してもよい。したがって、共有信号の第1のバージョンは、増幅装置よりもケーブル通信ネットワークのノード/CMTSにより近くに位置するケーブル通信ネットワークの構成要素、例えば、増幅装置よりもCMTSにより近くに位置するCMTSまたはタップと交換されてもよい(すなわち、ケーブル通信ネットワークの構成要素から受信され、これに送信されてもよい)。共有信号の第2のバージョンは、増幅装置よりもケーブル通信ネットワークのノード/CMTSからさらに離れて位置するケーブル通信ネットワークの構成要素と交換されてもよく、例えば、タップは、増幅装置よりもCMTSからさらに離れて位置する。
【0039】
図3cおよび
図3dは、この場合のケーブル通信ネットワークの2つの実施例を示す。
図3cおよび
図3dは、増幅装置または増幅デバイスを含むケーブル通信ネットワークの実施例のブロック図を示す。例えば、ケーブル通信ネットワークは、DOCSIS、例えば、DOCSIS 4.0またはそれ以降に基づいてもよい。ケーブル通信ネットワーク3000は、少なくとも第1の構成要素320、330、第2の構成要素340、および増幅装置またはデバイス30を含む。増幅装置は、共有信号の第1バージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換し、共有信号の第2バージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路またはインターフェース手段31、32を含む。例えば、第1の構成要素は、ケーブル通信ネットワークのタップ330またはノード、例えばケーブルモデム終端システム320であってもよい。第2の構成要素340は、ケーブル通信ネットワークのタップであってもよい。
【0040】
いくつかの例では、増幅装置は、
図3cに示すように、2つのタップ330、340間に配置されてもよい。代替的には、増幅装置は、例えば、
図3dに示すように、ケーブル通信ネットワークのタップ310内に一体化されてもよい。言い換えれば、ケーブル通信ネットワークのタップ310は、増幅装置を含んでもよい。
図3dは、ケーブル通信ネットワーク300ためのタップ310を示し、タップ310は、装置またはデバイス30を含む。
【0041】
本開示の例は、ノード(例えば、CMTS)とそれぞれのタップ(および増幅装置)との間に増幅器が配置されないいわゆるN+0ケーブル通信ネットワーク、および1つ以上の増幅器がノードとそれぞれのタップ(および増幅装置)との間に配置されるN+Xケーブル通信ネットワークに適用されてもよい。N+0ネットワークでは、FDXがサポートされる。例えば、ケーブル通信ネットワークは、FDX機能を含むケーブル通信ネットワーク(N+0ネットワークの場合)、またはFDX機能を含まないケーブル通信ネットワークであってもよい。
【0042】
増幅装置またはデバイス、およびケーブル通信ネットワークのさらなる詳細および態様は、提案された概念、または上記もしくは下記に記載の1つ以上の実施例(例えば、
図1a~2、4~6f)に関連して言及される。増幅装置またはデバイス、およびケーブル通信ネットワークは、提案された概念の1つ以上の態様に対応する1つ以上の追加の任意選択の特徴、または上記もしくは以下に記載される1つ以上の実施例を含んでもよい。
【0043】
図4は、ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅方法の実施例のフローチャートを示す。また、この方法は、他のタイプのデバイス、例えば、タップから分離されたスタンドアロン増幅装置またはデバイスにも好適である。この方法は、インターフェース回路を介して、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換することを含む。共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく。この方法は、インターフェース回路を介して、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換することを含む。この方法は、増幅器回路を介して、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅すること(430)を含む。
【0044】
図3a~
図3bの増幅装置またはデバイス、および/または
図3c~
図3dのケーブル通信ネットワークに関連して記載される特徴は、
図4の増幅方法にも同様に適用されてもよい。
【0045】
増幅方法のさらなる詳細および態様は、提案された概念、または上記もしくは下記に記載の1つ以上の実施例(例えば、
図1a~3d、5a~6f)に関連して言及される。増幅方法は、提案された概念の1つ以上の態様に対応する1つ以上の追加の任意選択の特徴、または上記もしくは以下に記載される1つ以上の実施例を含んでもよい。
【0046】
図3a~
図4に関連して導入されたように、本開示の例は、複雑さを低減し、従って、N+0ネットワークを「デシメート」するための低コストの増幅器を使用してもよい。増幅器は、
図5aに示すように、
図1に与えられるネットワークの例について、タップ3 310(すなわち、
図1のタップ140)と同一位置(co-located)に位置することができる。
図5aは、さらに、CMTSのようなノード320、先行するタップ330、および後続するタップ340を示す。ケーブルモデム510は、タップに接続されている。
図5aは、増幅器を含むケーブル通信ネットワークの概略図を示す。
図5aは、追加のAmp局を用いてN+0ネットワークを「デシメート」する方法を示し得る。
【0047】
この新しい増幅器は、DOCSISスペクトルの拡張部分を増幅するのみであり、複雑さ、パワー消費および費用の低減につながる。したがって、このAmpは、
図3aの増幅器装置またはデバイス30であり得る、拡張スペクトル増幅器と呼ばれ得る。例えば、ESAにおいて増幅のための拡張スペクトルを分離するために、ダイプレクサが使用されてもよい。本開示の例は、ダイプレクサに必要とされるガードバンド(ガードバンドは無駄なスペクトルである)を低減することを目的にしてもよい。
【0048】
図5bは、一実施例による、例えばケーブルスペクトルを3GHzに拡張するための、拡張スペクトルを含む周波数プランを示す。スペクトルは、レガシーアップストリーム(US)バンドとして使用される85MHz未満の部分522、85MHz~108MHzのギャップ、およびアップストリームまたはダウンストリーム(DS)に使用できるバンドを含む108MHz~684MHzのFDXバンド524を含む。レガシーUSバンド522およびFDXバンド524は、USおよび全二重バンド520からのものである。スペクトルは、さらに、684~1218MHzのレガシーDSバンド530、および「新規」ダウンストリームバンドとして使用することができる1218~約3GHzの拡張スペクトルバンド540を含む。
【0049】
以下では、1.8GHz DOCSISを一実施例として使用してもよい。1.2GHzを超える新しいスペクトル540がすべてダウンストリーム(DS)であると仮定する。108~684MHz (例えば、第2の周波数バンド)のスペクトルは、DOCSIS 4.0のFDXバンド524であり、ESA ampは、FDX動作のためにこのバンドの受動ネットワークを維持してもよい。ESAは、684MHz~1.8GHzのスペクトル(
図5bのバンド530および540、例えば第1の周波数バンド)を増幅してもよい。新しいESAがタップの1つに同一位置にある場合、CPEからの同軸ドロップケーブルを介してパワーが供給されてもよい。しかしながら、一般に、トランクケーブルを通してパワーを供給することは、事業者にとって好ましいアプローチである。
【0050】
様々な実施例による増幅器は、684MHzスペクトルの下の信号に干渉せずに、684MHz~1.8GHzのスペクトルを増幅するように構成されてもよい。その際、ESAが取り扱うスペクトルとスペクトルの残りとの間にガードバンドを必要としないことがある。
【0051】
N+0は、684MHz未満のスペクトルに対して維持され得、これは、DOCSIS FDXを可能にし得る。これは、FDX機能を含む完全な後方互換性をもたらし得る。
【0052】
684MHz~1.8GHzまたは3GHzまでの拡張スペクトルを増幅するため要な増幅器は、約10MHzを超える信号を増幅しなければならない従来のネットワークアンプと比較して、高い低いバンドエッジを有してもよい。これにより、増幅器の設計が大幅に緩和される可能性があり、増幅器メーカーが安価で低電力のデバイスを開発できる可能性がある。ESAによって増幅された信号とスペクトルの残りの部分との間にはガードバンドの必要がないかもしれない。
【0053】
ケーブルチャネル損失は周波数とともに単調に増加し、特にノードまたはAmpから遠く離れたCMの場合には、大きな容量を失うことなく1GHzを超えるスペクトルを使用する可能性を制限する。実施例は、HFCネットワーク内の増幅器間の間隔を減らすことによって、これに対処してもよい。例えば、N+0ネットワークでは、中間タップ(
図1の例では、タップ3または4)の後に増幅器局を追加することによって、これを行ってもよい。従来のAmpは、スペクトル全体を増幅する。様々な実施例では、ケーブルチャネル減衰特性を利用して、必要な増幅器の仕様は、増幅された信号スペクトルの下方エッジを増加させることによって単純化されてもよい。言い換えれば、周波数バンドの下方エッジは、増加されてもよい。
【0054】
この増幅器の下方エッジの選択は、事業者の要件に基づいて行うことができる。a)FDX動作を維持するために、684MHz未満のスペクトルは、手つかずのままにしておいてもよい。b)事業者は、ネットワーク内のレガシーモデムに関連する他の要件に基づいて、684MHzよりも高いバンドエッジを選択することを選んでもよい。
【0055】
一般性を損なうことなく、ESAによって妨害されないで通過したスペクトルの上方エッジをfExtと表してもよく、fExt≧684MHzは、FDXバンドをN+0ネットワークモードで維持するためである。いくつかのアプローチでは、ΔfExtの遷移バンドを必要とするダイプレクサが使用されてもよい。
図5cは、ダウンストリームのみ拡張スペクトルのための増幅器モジュール、例えば、ダウンストリームのみ拡張スペクトルのための拡張スペクトル増幅器(ESA)の概略図を示す。いくつかのアプローチでは、fExt未満のスペクトルは、これらの周波数に対してネットワークN+0を維持しながら、単に通過させることができる(ダイプレクサ間の下矢印)。したがって、FDXの動作に影響はない。fExt+ΔfExtを超える信号は、ダウンストリーム方向に増幅されてもよい。
【0056】
増幅に加えて、Ampは、ケーブルチャネルの周波数選択的減衰による信号スペクトルにおける任意の傾斜を補償するように潜在的に設計することができる。ダイプレクサに基づく実装は、遷移バンドを使用不可能にすることがある。
【0057】
実施例は、増幅されたスペクトルとパススルースペクトルとの間のガードバンドを除去するAmp設計を提供してもよい。実施例は、以下の
図5dに示すように、ダイプレクサの代わりに結合器を使用してもよい。
図5dは、拡張スペクトルのための増幅器のアーキテクチャの概略図を示す。増幅器は、第1の分岐と第2の分岐の2つの分岐を含む。2つの分岐は、2つの結合器、すなわち、第2の分岐を供給する第1の結合器37と、第2の分岐の出力を第1の分岐の出力にマージする第2の結合器38によって供給される。第1の分岐は、ローパスフィルタ34を含み、パススルーバンドを双方向に転送する。第2の分岐は、第1の結合器の分岐によって供給され、ハイパスフィルタHPF1 35a、増幅器33、傾斜補正/修正回路39、およびさらなるハイパスフィルタHPF2 35bを、この順序で順次含み、さらなるハイパスフィルタの出力は、第2の結合器38に供給される。第2の分岐は一方向性である。
【0058】
Amp前の結合器における10dBの損失にもかかわらず、ESAにおける信号レベルがタップ2に接続されたCMの信号レベルよりも10dB以上良好であると期待され得ることを考慮すると、Amp入力において良好な信号レベルが期待されてもよい。タップ2の値は29dBであることに留意する(
図1の130を参照)。
【0059】
一般に、ノードにおける送信信号スペクトル(N+0の場合)は、上方に傾斜されてもよく、したがって、CMにおいて受信した信号のパワースペクトル密度(PSD)は、平坦に近い。基本的には、信号スペクトルにおける上方傾斜は、同軸チャネルの損失を打ち消す。ESAの場合に、ESAがN+0ネットワーク範囲の中間マークに近接して配置されることを考慮すると、拡張スペクトルに対するノードにおける傾斜は、レガシースペクトルの勾配の半分に低減されてもよい。したがって、信号がESA入力に到達するまでに、それは、レガシーバンドにおいて半レベル傾斜を有し、拡張スペクトルにおいて平坦傾斜を有することがある。ESAの入力信号の例が、
図6aに示されており、送信された信号が、最大1GHzの範囲で12dBの傾斜、1GHzよりも大きい範囲で6dBの傾斜、1GHzにおいて送信さされたPSDの3dBの負のステップを有したと想定する。
図6aは、Amp入力(すなわち、入力信号)600における期待信号PSD(パワースペクトル密度)の実施例を示す。
図6a~
図6fにおいて、x軸は周波数(MHz単位)を表し、y軸は(基準からの)dBに関する。x軸は、0~2GHzのスペクトルをカバーする。
【0060】
ESAの目的は、広域スペクトルの信号をブーストし、半傾斜(+Amp挿入損失を打ち消すために少し傾斜)を導入することで、ラインの終端におけるCMが、スペクトル全体に対して良好な絶対PSDレベルを有するほぼ平坦なPSDを受信するようにすることである。
【0061】
次のセクションでは、ラインの終端におけるCMがほぼ平坦なパワースペクトル密度(PSD)に到達できるように、拡張スペクトルの信号レベルをどのように回復できるかを例示する。
【0062】
以下の例示的な定量的分析は、特定の実装を使用し、結合因子、周波数応答および挿入損失についていくつかの図を想定する。これらの数値は、主に例を単純化するために使用されるが、現実的に近いと想定されている。同じ原理は、他の実装および他のより正確な周波数応答にも適用される。
● 結合器(例えば結合回路37、38)
〇 周波数範囲:ダウンストリームを送信するために使用されるDOCSIS周波数
〇 挿入損失(IL)=1dB
〇 結合=10.5 dB
● ハイパスフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ35a、35b)
〇 最大950MHzのストップバンド、42dB拒否
〇 1050MHzから始まるパスバンド、2dB IL
〇 ストップバンドとパスバンドとの間の傾きは一定(0.4dB/MHz)として近似
● 増幅器(例えば、増幅器回路33)
〇 パスバンド:500~2500MHz
〇 パスバンドにおける利得:40dB
〇 0.05dB/MHzの周波数のパスバンド未満の利得ドロップ
〇 0.004dB/MHzの周波数のパスバンドにおける利得ドロップ
● 傾斜補正(例えば、振幅傾斜修正回路39)
〇 -35dB@0.1GHz~-1dB@1.8GHzの周波数依存利得を適用
● ローパスフィルタ(例えば、ローパスフィルタ34)
〇 最大1GHzのパスバンド、0.5dB IL
〇 0.2dB/MHzの傾き
【0063】
図6bは、
図5dのHPF1 35a(上の表に特定されるように)の例示的な実装の周波数応答610を示す。
図6cは、
図5dの増幅器33の例示的な実装の周波数応答を示す。
【0064】
ESA CMTS/ノード側入力(結合器37へ)における信号は、2つの結合器の挿入損失(IL)およびLPF周波数応答を有するCMの方向に通過する。この例における950MHz未満の全体損失は、結合器ILにより2dBである。
【0065】
また、入力における信号は、10dBの結合係数を用いて、ハイバンド経路(第2の分岐)に結合される。それは、HPF1 35aによってフィルタリングされ、(増幅器33によって)増幅され、(傾斜補正/修正回路39によって)傾斜補正され、HPF2 35bによってフィルタリングされ、第2の結合器38を使用してパススルー信号と結合される。
図6dは、ハイバンド経路(すなわち、第2の分岐)、すなわち、拡張信号増幅経路に沿った様々な点における信号を示す。
図6dは、結合された入力信号630、HPF1の後の信号640、増幅器の後の信号650、傾斜補正/修正の後の信号660、および(HPF2および第2の結合器の後の)注入された増幅信号670を示す。
【0066】
入力信号630は、CMTS側入力における信号の形態を有する。フィルタ処理を受けた後(640)、信号は、主として、より高い周波数を保持する。次いで、信号は増幅され(650)、傾斜補正が適用され(660)、再びフィルタ処理される。最終的にパススルー信号に追加されるハイバンド増幅信号670は、「注入された増幅信号」としてグラフに示されている。関心領域は、より低い周波数での性能が、1GHzより低い信号に有意な影響を及ぼさないことを目標として、1GHz領域付近であってもよい。
【0067】
図6eは、パススルーローパスフィルタ処理された信号680とハイバンド増幅およびフィルタ処理された信号670と、を示す。
図6eは、さらに、パススルーローパスフィルタ処理された信号680とハイバンド増幅およびフィルタ処理された信号670を組み合わせて得られる組み合わせ信号690を示す。1GHz付近の周波数の信号は、逆の傾きを有し、そのパワーが近い範囲を低減させ、信号が「マルチパス」様の効果を有する範囲を低減させる。周波数範囲の大部分において、信号パワーは、非増幅スルー信号または増幅ES信号のいずれかによって支配される。
【0068】
図6fは、入力信号630対得られた組み合わせられた出力信号690を示す。1GHz未満の範囲では、出力は、結合器およびLPFによる入力に対していくらかの損失を有する。1GHz以上では、周波数を有する出力信号は、増幅信号の寄与が大きく、そのパワーは周波数とともに増加している。このような信号は、プラントからの追加の下方傾斜を生じ得るが、提案されたES増幅器なしでは、このような傾斜は、性能を著しく低減し、あるいはより高い周波数のいくつかを使用不可能にさえする可能性がある。
【0069】
以前に詳細に記載の実施例および図のうちの1つ以上と共に言及および記載の態様および特徴は、他の実施例の類似する特徴を置き換えるために、または特徴を他の実施例に追加的に導入するために、他の実施例のうちの1つ以上と組み合わされてもよい。
【0070】
実施例1は、ケーブル通信ネットワーク(300)のタップ(310)のための増幅装置(30)であって、増幅装置は、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース回路であって、共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、インターフェース回路(31)と、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路(32)と、を含む。増幅装置(30)は、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅器回路(33)を含む。
【0071】
実施例2では、実施例1または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドは、第2の周波数バンドよりも高い周波数を含むことを含んでもよい。
【0072】
実施例3では、実施例1~2のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドが周波数スペクトル内で隣接していることを含んでもよい。
【0073】
実施例4では、実施例3または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第1の周波数バンドに隣接する第2の周波数バンドの少なくとも一部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用されることを含んでもよい。
【0074】
実施例5では、実施例1~4のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の周波数バンドは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用され、第2の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のアップストリーム通信および/または全二重通信に使用され、第1の部分は、第1の周波数バンドに隣接していることを含んでもよい。
【0075】
実施例6では、実施例1~5のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ローパスフィルタ(34)と、少なくとも1つのハイパスフィルタ(35a、35b)と、を含み、ローパスフィルタは、第1の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されており、少なくとも1つのハイパスフィルタは、第2の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されていることを含んでもよい。
【0076】
実施例7では、実施例6または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、増幅装置のローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性は、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドと部分的に重複する遷移周波数バンド内で、ローパスフィルタの周波数応答におけるシフトは、少なくとも1つのハイパスフィルタの周波数応答におけるシフトと反対方向に生じるように選ばれることを含んでもよい。
【0077】
実施例8では、実施例6~7のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、制御回路(36)を含み、ローパスフィルタは、調整可能または切り替え可能なローパスフィルタであり、少なくとも1つのハイパスフィルタは、少なくとも1つの調整可能または切り替え可能なハイパスフィルタであり、制御回路は、ローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性を調整するように構成されており、それによって、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の境界をシフトすることを含んでもよい。
【0078】
実施例9では、実施例1~8のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合回路と、第2の結合回路とを含み、第1の結合回路は、共有信号の第1のバージョンを増幅器回路に提供するように構成されており、第2の結合回路は、増幅器回路の出力を共有信号の第2のバージョンに挿入するように構成されていることを含んでもよい。
【0079】
実施例10では、実施例9または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合回路によって増幅器回路に提供された共有信号の第1のバージョンをハイパスフィルタ処理するように構成されている第1のハイパスフィルタを含んでもよい。
【0080】
実施例11では、実施例9~10のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、増幅器回路の出力をハイパスフィルタ処理し、ハイパスフィルタ処理された出力を第2の結合回路に提供するように構成されている第2のハイパスフィルタを含んでもよい。
【0081】
実施例12では、実施例9~11のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合回路および第2の結合回路は、パススルー信号を交換するようにさらに構成されており、パススルー信号は、増幅器回路をバイパスすることを含んでもよい。
【0082】
実施例13では、実施例12または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、パススルー信号をローパスフィルタ処理するように構成されているローパスフィルタ(34)を含んでもよい。
【0083】
実施例14では、実施例1~13のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、少なくとも第1の周波数バンドにわたって増幅器回路の出力の振幅を選択的に調整するように構成されている振幅傾斜修正回路を含んでもよい。
【0084】
実施例15では、実施例1~14のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素が増幅装置のアップストリームに位置し、第2の構成要素が増幅装置のダウンストリームに位置することを含んでもよい。
【0085】
実施例16は、実施例1~15のうちの1つによる増幅装置(30)を含む、ケーブル通信ネットワーク(3000)のためのタップ(310)に関する。
【0086】
実施例17は、少なくとも第1の構成要素(320、330)を含むケーブル通信ネットワーク(3000)に関する。ケーブル通信ネットワーク(3000)は、第2の構成要素(340)と、実施例1~16のうちの1つによる増幅装置(30)と、を含み、増幅装置は、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換し、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース回路(31、32)を含む。
【0087】
実施例18では、実施例17または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の構成要素(340)は、ケーブル通信ネットワークのタップであることを含んでもよい。
【0088】
実施例19では、実施例17~18のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素がケーブル通信ネットワークのタップ(330)、またはケーブルモデム終端システム(330)であることを含んでもよい。
【0089】
実施例20では、実施例17~19のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ケーブル通信ネットワークのタップ(310)は、増幅装置を含むことをさらに含んでもよい。
【0090】
実施例21は、ケーブル通信ネットワーク(300)のタップ(310)のための増幅デバイス(30)であって、増幅デバイスは、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換するためのインターフェース手段であって、共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、インターフェース手段(31)と、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース手段(32)と、を含む。増幅デバイス(30)は、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅するように構成されている増幅するための手段(33)を含む。
【0091】
実施例22では、実施例21または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドは、第2の周波数バンドよりも高い周波数を含むことを含んでもよい。
【0092】
実施例23では、実施例21~22のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドが周波数スペクトル内で隣接していることを含んでもよい。
【0093】
実施例24では、実施例23または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第1の周波数バンドに隣接する第2の周波数バンドの少なくとも一部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用されることを含んでもよい。
【0094】
実施例25では、実施例21~24のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の周波数バンドは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用され、第2の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のアップストリーム通信および/または全二重通信に使用され、第1の部分は、第1の周波数バンドに隣接していることを含んでもよい。
【0095】
実施例26では、実施例21~25のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ローパスフィルタ手段(34)と、少なくとも1つのハイパスフィルタ手段(35a、35b)と、を含み、ローパスフィルタ手段は、第1の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されており、少なくとも1つのハイパスフィルタ手段は、第2の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断するように構成されていることを含んでもよい。
【0096】
実施例27では、実施例26または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、増幅デバイスのローパスフィルタ手段および少なくとも1つのハイパスフィルタ手段のフィルタ特性は、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドと部分的に重複する遷移周波数バンド内で、ローパスフィルタ手段の周波数応答におけるシフトは、少なくとも1つのハイパスフィルタの周波数応答におけるシフトと反対方向に生じるように選ばれることを含んでもよい。
【0097】
実施例28では、実施例21~27のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、制御するための手段(36)を含み、ローパスフィルタ手段は、調整可能または切り替え可能なローパスフィルタ手段であり、少なくとも1つのハイパスフィルタ手段は、少なくとも1つの調整可能または切り替え可能なハイパスフィルタ手段であり、制御するための手段は、ローパスフィルタ手段および少なくとも1つのハイパスフィルタ手段のフィルタ特性を調整するように構成されており、それによって、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の境界をシフトすることを含んでもよい。
【0098】
実施例29では、実施例21~28のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合手段(37)と、第2の結合手段(38)とを含み、第1の結合手段は、共有信号の第1のバージョンを増幅するための手段に提供するように構成されており、第2の結合手段は、増幅するための手段の出力を共有信号の第2のバージョンに挿入するように構成されていることを含んでもよい。
【0099】
実施例30では、実施例29または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合手段によって増幅するための手段に提供された共有信号の第1のバージョンをハイパスフィルタ処理するように構成されている第1のハイパスフィルタ手段(35a)を含んでもよい。
【0100】
実施例31では、実施例29~30のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、増幅するための手段の出力をハイパスフィルタ処理し、ハイパスフィルタ処理された出力を第2の結合手段に提供するように構成されている第2のハイパスフィルタ手段(35b)を含んでもよい。
【0101】
実施例32では、実施例29~31のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合手段および第2の結合手段は、パススルー信号を交換するようにさらに構成されており、パススルー信号は、増幅するための手段をバイパスすることを含んでもよい。
【0102】
実施例33では、実施例32または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、パススルー信号をローパスフィルタ処理するように構成されているローパスフィルタ手段(34)を含んでもよい。
【0103】
実施例34では、実施例21~33のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、少なくとも第1の周波数バンドにわたって増幅するための手段の出力の振幅を選択的に調整するように構成されている振幅傾斜修正手段(39)を含んでもよい。
【0104】
実施例35では、実施例21~34のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素が増幅デバイスのアップストリームに位置し、第2の構成要素が増幅デバイスのダウンストリームに位置することを含んでもよい。
【0105】
実施例36は、実施例21~35のうちの1つによる増幅デバイス(30)を含む、ケーブル通信ネットワーク(3000)のためのタップ(310)に関する。
【0106】
実施例37は、少なくとも1つの第1の構成要素(320、330)と、第2の構成要素(340)と、実施例21~36のうちの1つの増幅デバイス(30)と、を含み、増幅デバイスは、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換し、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換するためのインターフェース手段(31、32)を含む、ケーブル通信ネットワーク(3000)に関する。
【0107】
実施例38では、実施例37または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の構成要素(340)は、ケーブル通信ネットワークのタップであることを含んでもよい。
【0108】
実施例39では、実施例37~38のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素がケーブル通信ネットワークのタップ(330)、またはケーブルモデム終端システム(330)であることを含んでもよい。
【0109】
実施例40では、実施例37~39のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ケーブル通信ネットワークのタップ(310)は、増幅デバイスを含むことをさらに含んでもよい。
【0110】
実施例41は、ケーブル通信ネットワークのタップのための増幅方法であって、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換することであって、共有信号は、少なくとも第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとを含む周波数スペクトルに基づく、交換すること(410)と、インターフェース回路を介して、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換すること(420)と、を含む増幅方法に関する。増幅方法は、増幅器回路を介して、第1の周波数バンドが共有信号の第2のバージョンにおいて増幅されるように、共有信号の周波数スペクトルの第1の周波数バンドを選択的に増幅すること(430)を含む。
【0111】
実施例42では、実施例41または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドは、第2の周波数バンドよりも高い周波数を含むことを含んでもよい。
【0112】
実施例43では、実施例41~42のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドが周波数スペクトル内で隣接していることを含んでもよい。
【0113】
実施例44では、実施例43または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の周波数バンドおよび第1の周波数バンドに隣接する第2の周波数バンドの少なくとも一部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用されることを含んでもよい。
【0114】
実施例45では、実施例41~44のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の周波数バンドは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のダウンストリーム通信に使用され、第2の部分は、ケーブル通信ネットワーク内のアップストリーム通信および/または全二重通信に使用され、第1の部分は、第1の周波数バンドに隣接していることを含んでもよい。
【0115】
実施例46では、実施例41~45のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、ローパスフィルタを使用して、第1の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断し、少なくとも1つのハイパスフィルタを使用して、第2の周波数バンドを少なくとも部分的に遮断することをさらに含んでもよい。
【0116】
実施例47では、実施例46または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性は、第1の周波数バンドおよび第2の周波数バンドと部分的に重複する遷移周波数バンド内で、ローパスフィルタの周波数応答におけるシフトは、少なくとも1つのハイパスフィルタの周波数応答におけるシフトと反対方向に生じるように選ばれることを含んでもよい。
【0117】
実施例48では、実施例41~47のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ローパスフィルタは、調整可能または切り替え可能なローパスフィルタであり、少なくとも1つのハイパスフィルタは、少なくとも1つの調整可能または切り替え可能なハイパスフィルタであり、方法は、ローパスフィルタおよび少なくとも1つのハイパスフィルタのフィルタ特性を調整し、それによって、第1の周波数バンドと第2の周波数バンドとの間の境界をシフトすることを含んでもよい。
【0118】
実施例49では、実施例41~48のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合回路を使用して、共有信号の第1のバージョンを増幅器回路に提供することと、第2の結合回路を使用して、増幅器回路の出力を共有信号の第2のバージョンに挿入することと、を含んでもよい。
【0119】
実施例50では、実施例49または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1のハイパスフィルタを使用して、第1の結合回路によって増幅器回路に提供された共有信号の第1のバージョンをハイパスフィルタ処理することを含んでもよい。
【0120】
実施例51では、実施例49~50のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2のハイパスフィルタを使用して、増幅器回路の出力をハイパスフィルタ処理し、ハイパスフィルタ処理された出力を第2の結合回路に提供することを含んでもよい。
【0121】
実施例52では、実施例49~51のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の結合回路と第2の結合回路との間でパススルー信号を交換することであって、パススルー信号は増幅器回路をバイパスする、交換することを含んでもよい。
【0122】
実施例53では、実施例52または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ローパスフィルタを使用して、パススルー信号をローパスフィルタ処理することを含んでもよい。
【0123】
実施例54では、実施例41~53のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、振幅傾斜修正回路を使用して、少なくとも第1の周波数バンドにわたって増幅器回路の出力の振幅を選択的に調整することをさらに含んでもよい。
【0124】
実施例55では、実施例41~54のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素が増幅器回路のアップストリームに位置し、第2の構成要素が増幅器回路のダウンストリームに位置することを含んでもよい。
【0125】
実施例56は、実施例41~55のうちの1つによる方法を実行するように構成されている、ケーブル通信ネットワークのためのタップに関する。
【0126】
実施例57は、少なくとも第1の構成要素と、第2の構成要素と、請求項41~56のうちの1つによる増幅方法を実行するように構成されている構成要素と、を含み、増幅方法は、共有信号の第1のバージョンをケーブル通信ネットワークの第1の構成要素と交換することと、共有信号の第2のバージョンをケーブル通信ネットワークの第2の構成要素と交換することと、を含む。
【0127】
実施例58では、実施例57または本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第2の構成要素は、ケーブル通信ネットワークのタップであることを含んでもよい。
【0128】
実施例59では、実施例57~58のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、第1の構成要素がケーブル通信ネットワークのタップ、またはケーブルモデム終端システムであることを含んでもよい。
【0129】
実施例60では、実施例57~59のうちの1つまたは本明細書に記載の実施例のいずれかの主題は、さらに、ケーブル通信ネットワークのタップは、増幅方法を実行するように構成されていることを含んでもよい。
【0130】
さらに、コンピュータプログラムがコンピュータまたはプロセッサ上で実行されるときに、実施例は、上記の方法のうちの1つ以上を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムであってもよく、またはこれに関連していてもよい。様々な上述の方法のステップ、動作またはプロセスは、プログラムされたコンピュータまたはプロセッサによって実行されてもよい。また、実施例は、命令の機械実行可能、プロセッサ実行可能またはコンピュータ実行可能プログラムを符号化する、機械、プロセッサまたはコンピュータ可読なものであるデジタルデータ記憶媒体のようなプログラム記憶デバイスをカバーしてもよい。命令は、上述の方法の行為の一部または全部を実行するか、または実行させる。プログラム記憶デバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスク、磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的可読デジタルデータ記憶媒体を含んでもよく、またはそれらであってもよい。さらなる実施例は、上述の方法の行為を実行するようにプログラムされた、コンピュータ、プロセッサもしくは制御ユニット、または上述の方法の行為を実行するようにプログラムされた、(フィールド)プログラマブルロジックアレイ((F)PLA)もしくは(フィールド)プログラマブルゲートアレイ((F)PGA)をカバーしてもよい。
【0131】
明細書および図面は、単に本開示の原理を例示するに過ぎない。さらに、本明細書に規定されたすべての実施例は、主として、本開示の原理および発明者によって当該技術分野を促進するために寄与された概念を理解する際に読者を助けるために、例示的な目的のためにのみ明示的に意図されている。本開示の原理、態様、および実施例を記載する本明細書におけるすべての記述、ならびにそれらの特定な実施例は、それらの等価物を包含することを意図している。
【0132】
所定の機能を実行する「のための手段」として示される機能ブロックは、所定の機能を実行するように構成されている回路を指してもよい。したがって、「~のための手段」は、「~するように構成されたか、または~に好適な」として、例えば、それぞれのタスクに構成されたか、またはそれらに好適なデバイスまたは回路として実装されてもよい。
【0133】
「手段」、「信号を提供するための手段」、「信号を生成するための手段」などとラベル付けされた任意の機能ブロックを含む、図に示された様々な要素の機能は、「信号プロバイダ」、「信号処理ユニット」、「プロセッサ」、「コントローラ」などの専用のハードウェア、および適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアの形態で実装されてもよい。プロセッサによって提供されるときに、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または複数の個々のプロセッサによって提供されてもよく、これらのプロセッサの一部または全部が共有されてもよい。しかしながら、用語「プロセッサ」または「コントローラ」は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアに限定されるものではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを含んでもよい。他のハードウェア、従来のもの、および/または慣例のものも含まれてもよい。
【0134】
ブロック図は、例えば、本開示の原理を実装する高レベル回路図を例示してもよい。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コードなどは、様々なプロセス、動作またはステップを表してもよく、これらは、例えば、コンピュータ可読媒体に実質的に表され、そして、コンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行される。明細書または特許請求の範囲に開示の方法は、これらの方法の行為の各々を実行するための手段を有するデバイスによって実装されてもよい。
【0135】
明細書または特許請求の範囲に開示された複数の行為、処理、動作、ステップまたは機能の開示は、例えば、技術的理由のために明示的または暗示的に別段の記述がない限り、特定の順序内にあると解釈されなくてもよいと理解されるべきである。したがって、複数の行為または機能の開示は、そのような行為または機能が技術的理由により互換性がない場合を除き、特定の順序に限定されるものではない。さらに、いくつかの例では、単一の行為、機能、プロセス、動作またはステップは、それぞれ、複数のサブ行為、サブ機能、サブプロセス、サブ動作、またはサブステップを含んでもよいし、それらに分割されてもよい。明示的に除外されない限り、このようなサブ行為を単一の行為の開示に含め、その一部としてもよい。
【0136】
したがって、以下の特許請求の範囲は、発明を実施する形態に組み込まれ、各請求項は、それ自体が、別個の実施例として位置付けられてもよい。各請求項は、それ自体が別個の実施例として位置付けられてもよいが、従属請求項は、その請求項において1つ以上の他の請求項との特定の組み合わせを指すことがあり、他の例は、他の従属請求項または独立請求項の各々の主題とその従属請求項の組み合わせも含むことができることも留意されたい。このような組み合わせは、特定の組み合わせが意図されていないと述べられていない限り、本明細書において明示的に提案される。さらに、請求項が独立請求項に直接従属していない場合でも、この請求項の特徴を任意の他の独立請求項に含めることが意図されている。
【国際調査報告】