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  • 特表-パッドの存在感知システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】パッドの存在感知システム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553683
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 IB2021052824
(87)【国際公開番号】W WO2021176433
(87)【国際公開日】2021-09-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522353392
【氏名又は名称】ジェイ.ブラシュ シーオー.,エルエルシー
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】スミス ジュニア,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】ブラシュ,ジョン ジョセフ
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA17
2F051AB07
2F051AC07
2F051BA07
(57)【要約】
【解決手段】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、圧力パッドとモニターの間の接続の検知するよう構成されるシステムに関連がある。システムは圧力検知回路および存在検知回路を含んでいる。圧力検知回路は、パッドにおける圧力が閾値圧力を上回るかまたは下回るかを感知するよう構成される。存在検知回路は、モニターとパッドとの接続が完全かどうかを判断するよう構成される。存在検知回路は、接続が存在検知回路の途中で切断された場合に生じる高電圧状態、および存在検知回路が完全な場合に生じる低電圧状態を確立するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力パッドとモニターとの接続を検知するよう構成されたシステムであって、前記圧力パッドは、前記圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を下回る場合に、開スイッチとして機能し、前記圧力パッドにかかる圧力が前記閾値圧力を上回る場合に、閉スイッチとして機能するよう構成された感圧ゾーンを含み、前記モニターは、第1の外部ピン、第2の外部ピン、および前記外部ピン間に位置する1つ以上の中間ピンを有するジャックを含み、前記システムは、
前記圧力パッドにかかる圧力が前記閾値圧力を上回るか下回るかを感知するよう構成された圧力検知回路であって、前記圧力検知回路は、前記第1の外部ピンから始まり、前記第2の外部ピンで終わり、前記第1の外部ピンおよび前記第2の外部ピンを前記感圧ゾーンと直列に接続し、前記圧力検知回路は、前記感圧ゾーンと前記第1の外部ピンとの間の前記モニターに位置するアースへの第1の接続をさらに含み、ならびに、第1の弱いプルアップ抵抗を介する、アースよりも高い所定の入力電圧を有する電力源への第2の接続をさらに含み、前記第2の接続は、前記感圧ゾーンと前記第2の外部ピンとの間の前記モニターに位置している、圧力検知回路と、
前記モニターと前記圧力パッドとの間の接続が完全かどうかを判断するよう構成された存在検知回路であって、前記存在検知回路は、前記第1の外部ピンから始まり、前記1つ以上の中間ピンから選択された中間ピンで終わり、前記存在検知回路は、前記第1のピンから前記圧力パッドに向かう第1の経路およびアースへの前記第1の接続を、前記圧力検知回路と共有し、前記感圧ゾーンに達する前に前記第1の経路におけるショート接続を含み、前記ショート接続は、前記圧力検知回路と共有されない第2の経路を介して、前記選ばれた中間ピンに導き、ならびに前記モニターにおける第2の弱いプルアップ抵抗を介する、前記電力源への第3の接続を有する、存在検知回路とを含み、
前記圧力検知回路は、前記感圧ゾーンが開スイッチとして機能する場合に前記第2の外部ピンにおいて生じる第1の高電圧状態、および、前記感圧ゾーンが閉スイッチとして機能する場合に前記第2の外部ピンにおいて生じる第1の低電圧状態を確立するよう構成され、前記第2の外部ピンにおける電圧の測定値が、前記感圧ゾーンが開スイッチまたは閉スイッチとして機能するかを判断するのに使用されることができ、それにより前記圧力パッドにかかる圧力が前記圧力閾値を下回るか上回るかを示し、ならびに
前記存在検知回路は、前記存在検知回路の途中で接続が切断された場合に前記選択された中間ピンにおいて生じる第2の高電圧状態、および、前記存在検知回路が完全な場合に前記選択された中間ピンにおいて生じる第2の低電圧状態を確立するよう構成される、システム。
【請求項2】
前記ショート接続が前記圧力パッド内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モニターと前記圧力パッドとの間の接続装置をさらに含み、前記接続装置は、前記圧力検知回路および前記存在検知回路を完成させるために、互いに取り外し可能に連結されるよう構成されたコネクターおよびアダプターを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記コネクターは前記モニターに接続され、ならびに、前記ジャックの少なくとも前記第1の外部ピン、前記選択された中間ピン、および前記第2の外部ピンに対応し接続された多数の雄ピンを収納する窩を含み、
前記アダプターは前記圧力パッドに接続され、ならびに、複数の雌コネクターを有する、突出したアダプター本体を含み、
前記コネクターの窩は、前記アダプター本体を受け取るよう構成され、前記圧力検知回路および前記存在検知回路を完成させるために、前記雌コネクターがそれぞれの前記雄ピンを受け取るよう構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アダプターは、クリップを含み、
前記コネクターは、前記アダプターおよび前記コネクターを共に取り外し可能にロックするために、前記クリップを受け取るよう構成されたクリップレセプターを含む、請求項3に記載にシステム。
【請求項6】
圧力パッドにおける圧力を検知するよう構成されるシステムであって、前記システムは、
前記圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を下回る場合に、開スイッチとして機能し、前記圧力パッドにかかる圧力が前記閾値圧力を上回る場合に、閉スイッチとして機能するよう構成された感圧ゾーンを含む、圧力パッドと、
前記圧力パッドに接続されるよう構成されるモニターであって、前記モニターは、第1の外部ピン、第2の外部ピン、および前記外部ピン間に位置する1つ以上の中間ピンを有するジャックを含む、モニターと、
前記圧力パッドにかかる圧力が前記閾値圧力を上回るか下回るかを感知するよう構成された圧力検知回路であって、前記圧力検知回路は、前記第1の外部ピンで始まり、前記第2の外部ピンで終わり、前記第1の外部ピンと前記第2の外部ピンを前記感圧ゾーンと直列に接続し、前記圧力検知回路は、前記感圧ゾーンと前記第1の外部ピンとの間の前記モニターに位置するアースへの第1の接続をさらに含み、ならびに、第1の弱いプルアップ抵抗を介する、アースよりも高い所定の入力電圧を有する電力源への第2の接続を含み、前記第2の接続は、前記感圧ゾーンと前記第2の外部ピンとの間の前記モニターに位置している、圧力検知回路と、
前記モニターと前記圧力パッドとの接続が完全かどうかを判断するよう構成される存在検知回路であって、前記存在検知回路は、前記第1の外部ピンで始まり、前記1つ以上の中間ピンから選択された中間ピンで終わり、前記存在検知回路は、前記第1の外部ピンから前記圧力パッドへ向かう前記第1の経路およびアースへの前記第1の接続を、前記圧力検知回路と共有し、前記感圧ゾーンに達する前に前記第1の経路におけるショート接続を含み、前記ショート接続は、前記圧力検知回路と共有されない第2の経路を介して、前記選択された中間ピンに導き、ならびに、前記モニターにおける第2の弱いプルアップ抵抗を介する、前記電力源への第3の接続を有する、存在検知回路とを含み、
前記圧力検知回路は、前記感圧ゾーンが開スイッチとして機能する場合に前記第2の外部ピンにおいて生じる第1の高電圧状態、および、前記感圧ゾーンが閉スイッチとして機能する場合に前記第2の外部ピンにおいて生じる第1の低電圧状態を確立するよう構成され、前記第2の外部ピンにおける電圧の測定値は、前記感圧ゾーンが開スイッチまたは閉スイッチとして機能するかを判断するのに使用されることができ、それにより前記圧力パッドにかかる圧力が前記圧力閾値を下回るか上回るかを示し、ならびに
前記存在検知回路は、前記存在検知回路の途中で接続が切断された場合に前記選択された中間ピンにおいて生じる第2の高電圧状態、および、前記存在検知回路が完全な場合に前記選択された中間ピンにおいて生じる第2の低電圧状態を確立するよう構成される、システム。
【請求項7】
前記ショート接続は前記圧力パッド内にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記モニターと前記圧力パッドとの間の接続装置をさらに含み、前記接続装置は、前記圧力検知回路および前記存在検知回路を完成させるために、互いに取り外し可能に連結されるよう構成されたコネクターおよびアダプターを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記コネクターは前記モニターに接続され、ならびに、前記ジャックの少なくとも前記第1の外部ピン、前記選択された中間ピン、および前記第2の外部ピンに対応し接続された多数の雄ピンを収納する窩を含み、
前記アダプターは前記圧力パッドに接続され、ならびに、複数の雌コネクターを有する、突出したアダプター本体を含み、
前記コネクターの窩は前記アダプター本体を受け取るよう構成され、前記圧力検知回路および前記存在検知回路を完成させるために、前記雌コネクターがそれぞれの前記雄ピンを受け取るよう構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記アダプターは、クリップを含み、
前記コネクターは、前記アダプターおよび前記コネクターを共に取り外し可能にロックするために、前記クリップを受け取るよう構成されたクリップレセプターを含む、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年4月3日に出願された米国仮出願第63/004,574号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ベッド上の人の存在を感知するための標準ベッドパットは、図1で見られるように、感知材料に接続された外部の1対のワイヤーを備えた6ピンジャックJ1あるいは4ピンジャックJ1に配線される。この材料は、圧力がパッドに存在しない場合、開スイッチとして機能し、ウェイトがかかった場合は、閉スイッチに切り替わる。
【0003】
検知ライン(例えば、モニターのピンユニットに6つあるいは4つのピンがあるか次第である、圧力検知のためのピン6あるいはピン4)は、アースより高い所定の入力電圧VIN(例えば+5V)を有する電力源に接続される(弱い)プルアップ抵抗R1に接続されることで、スイッチが開いている場合に、ピン6において既定の高電圧状態を確立することができる。検知ラインはまた、ピン1の周辺のアースに接続される。アースへの接続はピン1とパッドのスイッチの間にあり、そして電力源への接続がパッドのスイッチとピン6の間にある。一旦スイッチがピン1とピン6(6ピンユニットの場合、あるいはピン4ユニットの場合のピン1およびピン4)の間のパッドの中で閉じると、ピン1とピン6の間の回路における信号はアースへと引き寄せられる。したがって、ピン6上の信号を測り、高電圧状態であった場合、パッドスイッチは開いていると推測され、このことは、所定の閾値を上回る圧力が、圧力パッドにかかっていないことを示す(患者はパッドに存在しない)。ピン6上の信号を測り、低電圧状態であった場合(アースあるいはアースの近くで)、パッドスイッチは閉じていると推測され、このことは、所定の閾値を上回る圧力が、圧力パッドにかかっていることを示す。測定ユニット50はモニターの一部であり、ジャックJ1に接続されることで、異なるピンで電圧を測定する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態の概要
発明者は、前述の設計の問題は、操作中にパッドが切断された場合に何が起こるかであり、それは2つのシナリオのうちの1つになることを発見した。
【0005】
1.切断が生じる前に、ウェイトがかかった場合、モニターは起動し(armed)、および切断により高電圧(例えば+5V)状態が引き起こされるので、そのことが圧力放出を示すパッドスイッチを開き、および、フォールアラートを作動させる判断をしたと誤って推測され得る。
【0006】
2.切断が生じる前に、ウェイトがかからなかった場合、モニターはアイドル状態となり、切断された回路内の測定値がまだ高電圧状態(例えば+5V)を示すので、ハードウェアの切断は見逃され得る。これは、職員が切断されたパッドに気づかない限り、次にパッドを利用する患者が検知されないシナリオを引き起こし得る。
【0007】
したがって、本発明のいくつかの実施形態の一態様は、圧力パッドとモニターの間の接続を検知するよう構成されたシステムに関連する。圧力パッドは、圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を下回る場合に、開スイッチとして機能し、および圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を上回る場合に、閉スイッチとして機能するように構成された感圧ゾーンを含み、ここでモニターは、第1の外部ピン、第2の外部ピン、および外部ピン間に位置する1つ以上の中間ピンを有するジャックを含む。システムは圧力検知回路、および存在検知回路を包む。圧力検知回路は、パッドにかかる圧力が閾値圧力を上回るか、あるいは下回るかを、感知するように構成される。圧力検知回路は、第1の外部ピンから始まり、第2の外部ピンで終わり、および第1と第2の外部ピンを感圧ゾーンと直列に接続する。圧力検知回路は、感圧ゾーンと第1の外部ピンとの間のモニターに位置するアースへの第1の接続、および、モニター内の第1の弱いプルアップ抵抗を介する、アースよりも高い所定の入力電圧を有する電力源への第2の接続をさらに含み、第2の接続は感応ゾーンと第2の外部ピンとの間に位置する。存在検知回路は、モニターとパッドとの間の接続が完全かどうかを判断するよう構成される。存在検知回路は、第1の外部ピンから始まり、1つ以上の中間のピンから選択された中間のピンで終わり、および第1の外部ピンからパッドへ向かう第1の経路、ならびにアースへの第1の接続を、圧力検知回路を共有する。存在検知回路は、感圧ゾーンに達する前の、第1の経路におけるショート接続を含み、当該ショート接続は、圧力検知回路と共有されない第2の経路を介して、選択された中間ピンに導く。第2の経路は、モニターの中の第2の弱いプルアップ抵抗を介する、電力源への第3の接続を有する。圧力検知回路は、感圧ゾーンが開スイッチとして機能する場合に、第2の外部ピンにおいて生じる第1の高電圧状態、および感圧ゾーンが閉スイッチとして機能する場合には、第2の外部ピンにおける第1の低電圧状態を確立するように構成され、第2の外部ピンにおける電圧の測定値は、感圧ゾーンが開スイッチと閉スイッチのどちらで機能するのかを判断するために用い得、それによって、パッドにかかる圧力が圧力閾値を下回るのか、または上回るのかを示すことができる。存在検知回路は、接続が存在検知回路の途中で切断された場合に、選択された中間ピンにおいて生じる高電圧状態、および存在検知回路が完全な場合に、選択された中間ピンにおいて生じる低電圧状態を確立するように構成される。
【0008】
変形形態では、ショート接続は、パッドにある。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、システムはモニターとパッドとの間の接続装置をさらに含み、当該接続装置は、圧力検知回路、および存在検知回路を完成させるために、互いに取り外し可能に連結されるよう構成されるコネクタおよびアダプタを含む。
【0010】
変形形態では、コネクタはモニターに接続され、およびジャックのピンに対応して接続される多数の雄ピンを収納する窩を含み、アダプタはパッドに接続され、複数の雌コネクタを有する突出したアダプタ本体を含み、コネクタの窩はアダプタ本体を受け取るように構成され、その結果、雌コネクタはそれぞれの雄ピンを受け取ることで、圧力検知回路および存在検知回路を完成するように構成される。
【0011】
別の変形形態では、アダプタはクリップを含み、その一方でコネクタは、クリップを受け取るように構成されるクリップレセプタを含み、アダプタとコネクタとを共に取り外し可能にロックすることができる。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態のうちの別の変形形態は、圧力パッドにかかる圧力を検知するよう構成されたシステムに関連する。システムは圧力パッド、モニター、圧力検知回路および、存在検知回路を含む。圧力パッドは感圧ゾーンを含み、当該感圧ゾーンは圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を下回る場合に、開スイッチとして機能し、および圧力パッドにかかる圧力が閾値圧力を上回る場合に、閉スイッチとして機能するよう構成される。モニターは圧力パッドに接続されるよう構成され、当該モニターは、第1の外部ピン、第2の外部ピン、および外部ピンの間に位置する1以上の中間ピンを有するジャックを含む。圧力検知回路は、パッドにかかる圧力が閾値圧力を上回るのか、あるいは下回るかを感知するよう構成される。圧力検知回路は、第1の外部ピンから始まり、第2の外部ピンで終わり、および第1並びに第2の外部ピンを感圧ゾーンと直列に接続する。圧力検知回路は、さらに感圧ゾーンと第1の外部ピンとの間のモニター内に位置するアースへの第1の接続、およびモニター内の第1の弱いプルアップ抵抗を介する、アースよりも高い所定の入力電圧を有する電力源への第2の接続をさらに含み、第2の接続は、感圧ゾーンと外部ピンとの間のモニター内に位置する。存在検知回路は、モニターとパッドの接続が完全かどうかを判断するよう構成される。存在検知回路は、第1の外部ピンから始まり、1つ以上の中間ピンのうちから1つ選択した中間ピンで終わり、存在検知回路は、第1のピンからパッドへ向かう第1の経路を、圧力検知回路およびアースへの第1の接続と共有し、存在検知回路は感圧ゾーンに達する前に第1の経路におけるショート接続を含む。ショート接続は、圧力検知回路と共有されない第2の経路を介して、選択された中間ピンに導き、モニター内の第2の弱いプルアップ抵抗を介する、電力源への第3の接続を有する。圧力検知回路は、第2の外部ピンにおいて、感圧ゾーンが開スイッチとして機能する場合に生じる高電圧状態、および第2の外部ピンにおいて、感圧ゾーンが閉スイッチとして機能する場合に生じる低電圧状態を確立するように構成され、その結果、第2の外部ピンにおける電圧の測定値は、感圧ゾーンが開スイッチと閉スイッチのどちらで機能するのかを判断することに用いられ、それによりパッド上の圧力が閾値圧力を下回るかまたは上回るかどうかを示す。存在検知回路は、存在検知回路の途中で接続が切断された場合に、選択された中間ピンにおいて生じる第2の高電圧状態、および存在検知回路が完全な場合に、選択された中間ピンにおいて生じる低電圧状態を確立するように構成される。
【0013】
変形形態では、ショート接続は、パッド内にある。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、システムはモニターとパッドとの間の接続装置をさらに含み、当該接続装置は、圧力検知回路、および存在検知回路を完成させるために、互いに取り外し可能に連結されるよう構成されるコネクタとアダプタを含む。
【0015】
変形形態では、コネクタはモニターに接続され、およびジャックのピンに対応して接続された多数の雄ピンを収納する窩を含み、アダプタはパッドに接続され、および複数の雌コネクタを有する突出したアダプタ本体を含み、コネクタの窩はアダプタ本体を受け取るように構成され、その結果、雌コネクタがそれぞれの雄ピンを受け取ることで、圧力検知回路および存在検知回路を完成するように構成される。
【0016】
別の変形形態では、アダプタはクリップを含み、その一方でコネクタは、クリップを受容するように構成されるクリップレセプタを含み、アダプタとコネクタとを共に取り外し可能にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】技術常識で知られるような、モニターと圧力パッドの回路図であって、所定の閾値を上回る圧力がパッドにかけられているかどうかを判断するよう構成される回路図を示す。
図2a】本発明のいくつかの実施形態による、モニターと圧力パッドの回路図であって、所定の閾値を上回る圧力がパッドにかけられているかどうかを判断するとともにモニターと圧力との切断を検知するように構成される回路図を示す。
図2b】本発明のいくつかの実施形態による、コネクタとアダプタが切断されている図2aの回路図を示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、圧力パッドに接続されるとともにモニターに接続されるように構成されるアダプタを図示する図である。
図4】パッドのアダプタに接続されるように構成される、本発明のいくつかの実施形態によるモニターのコネクタを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は時折、例となる環境の観点から本明細書に記載される。これらの環境の観点での記載が提供されることにより、発明の様々な特徴および実施形態が例示的な用途の文脈に描写されることが可能になる。この記載を読んだ後に、本発明が異なる環境と代替的環境でどのように実装されるかが、当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
別段の定めのない限り、本明細書に使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有している。本明細書に参照される全ての特許、特許出願、出願公開、および他の刊行物は、その全体を参照することで本明細書に引用される。本セクション中で明記される定義が、参照により本明細書に引用される特許出願、出願公開、および他の出願に明記される定義と相反する、またはさもなくば一致していない場合、本文章中に明記される定義は、参照により本明細書に引用される定義よりも優先される。
【0020】
パッドとモニターとの切断に関する上記の状況を説明するべく、本発明のいくつかの実施形態の一態様は、タンパーセンサー回路を各モニターパッド接続へ追加するほか、パッド内にピンショートを追加することで、タンパーセンサー回路が切断を検知することを可能にすることに関する。この特徴を実装するために、2つの回路のアップデートが提供され、一方はモニター回路に、他方はパッド回路に提供される。
【0021】
モニター回路
図2aおよび図2bに示されるように、モニターに必要な圧力検知回路は、開スイッチまたは閉スイッチを検知することを意図しているため、当業者に知られる標準パッド圧力検知と同一である。本発明では、パッドとモニターとの接続を検知するために、存在回路が追加される。測定ユニット50はモニターの一部であり、ジャックJ1に接続されてジャックJ1の様々なピンにおける電圧を測定する。本発明のいくつかの実施形態では、測定ユニット50は、望ましいピンに接続される凡用入出力(General Purpose Input/Output(GPIO))ピンを使用してジャックJ1の様々なピンにおける電圧を測定するマイクロコントローラを含んでいる。
【0022】
モニターは、少なくとも3本(3本、4本、6本など)のピンを有するジャックJ1を含み、うち2本は外部ピン、少なくとも1本は中間ピンである。J1は、例えば雌側RJ-11または雌側RJ-12フォーンジャックであってよい。モニターとパッドは、パッドの取外しと交換を可能にするよう構成されたコネクタ装置202を介して任意選択で接続される。コネクタ装置202は、コネクタ202aおよびアダプタ202bを含み、それらは選択的に連結され(図2a)かつ分離される(図2b)ように構成されている。
【0023】
圧力検知回路は、ジャックJ1の外部ピン(6ピンジャックのためのピン1とピン6、または4ピンジャックのためのピン1とピン4)の直径を計る一方、存在回路は、外部ピン(例えば、ピン1など)と中間ピン(例えば、ピン2など)の直径を計る。検知ライン(例えば、モニターのピンユニットにあるピンが6本か4本かに応じて圧力検知ピン6またはピン4、および存在検知ピン2)は、所定の入力電圧VINがアースより高い(例えば+5V)電力源に接続されるそれぞれの(弱い)プルアップ抵抗(R1、R2)に接続されることで、既定の高電圧状態を確立することができる。検知ラインはさらに、ピン1の付近のアースにも接続される。一旦スイッチが、(6ピンユニットのための)ピン1とピン6の間のパッドにおいて閉じられると、ピン1とピン6の間の回路における信号は、アースへと引き寄せられる。したがって、ピン6上の信号が高電圧状態であると測定されると、パッドスイッチは開いていると推測され、所定の閾値を上回る圧力が圧力パッドにかけられていないことが認められる(患者は存在しない)。ピン6上の信号がアース状態にあると測定されると、パッドスイッチは閉じていると推測され、所定の閾値を上回る圧力が圧力パッドにかけられていることが認められる(患者は存在する)。
【0024】
VINは、モニターの作業電圧に応じて変動する可能性がある。例えば、大半の電池式ユニットでは、VINは3.3Vまたは5Vのトランジスタトランジスタロジック(TTL)レベルとなるであろう。
【0025】
R1とR2は、弱いプルアップ抵抗であるため、非常に大きな抵抗値を有する場合がある。例えば、R1とR2は10kOhm超かつ100kOhms未満の抵抗を有する場合がある。R1とR2の抵抗があまりに低い場合(例えば、10kOhm未満)、抵抗は強いプルアップ抵抗になり、入力信号に対し負の影響を及ぼしかねない。
【0026】
パッド回路
第2の回路の必要な追加は、外部ピンを中間ピン(例えばピン1およびピン2)と共にショートさせるセンサーパッドの内部の接続100である。これは、一旦センサーパッドをモニターに接続すれば、検知することができる恒久的な物理的閉鎖を提供する。
【0027】
切断がない場合、ピン2での信号はアースへと引き寄せられ、その結果完全な接続を示す第2の低電圧状態(アースの近く、またはアースにおいて)を確立する。切断が生じる場合、パッドスイッチの状態にかかわらず、ピン1とピン2の間のショートは切断され、およびVINによって電力が供給された別の高電圧状態は、ピン2上で検知される。この高電圧は、ショートが切断されていることを示し、存在回路が完全であっても、ピン2によって検知されたように、存在回路の電圧は、ピン1への接続100でのショートによりアースへと引き寄せられている。
【0028】
ショート接続100は任意に、ワイヤハーネスまたはセンサーパッド材料において可能な限り遥か下に配置される。ショートがワイヤハーネスの高いところ(コネクタユニット202の近くで)に確立された場合、および切断がセンサーパッドの遥か下に生じたならば、センサーパッドの切断はパッドスイッチの開口部として誤って検知される。ショート接続100をコネクタ装置202から可能な限り遠くに置くことによって(つまり、パッドセンサー材料の近く、あるいはパッドセンサー材料内に)、モニター側の回路は、モニターと圧力パッドとの間のコネクタ装置202における分離に起因する切断を検知するだけでなく、例えばベッドやイスの動作に起因する、パッドとコネクタとの間のワイヤーのカットなどの、重要なワイヤハーネスの破損をさらに検知する。これは、ワイヤハーネスに沿ったいかなる場所の破損もショートの切断を発生させ、その結果モニターにおける存在回路を作動させるという事実に起因する。
【0029】
ドングル接続
本発明のいくつかの実施形態では、パッドはまた、図3および図4で示されるように、センサーパッドとモニターとの間のコネクタ装置202を含んでいる。
【0030】
コネクタ装置は、モニターに接続されたコネクタ202a(図4)、およびパッドに接続されたアダプタ202b(図3)を含んでいる。コネクタとアダプタは、互いに取り外し可能に連結されている。コネクタとアダプタが共に連結されている場合、圧力検知回路および存在回路は完成する。コネクタ202aはモニターのジャックJ1におけるピンに対応し、ピンに接続され、およびコネクタの窩に位置する、多くの雄ピンを有している。正確に言えば、コネクタの雄ピンはそれぞれ、第1の外部ピン、存在回路の一部である中間ピン、および第2の外部ピンの少なくともすべてに対応し、接続される。より多くの雄ピンは、圧力検知回路、および存在回路において使用されていない、ジャックJ1の他の中間ピンに接続するためにコネクタの中に存在し得る。アダプタ202bは、コネクタの窩に入るよう構成された突出したアダプタ本体を有し、それによって、アダプタとコネクタを連結する。アダプタ本体は、パッドにある圧力検知回路および存在検知回路の部分に接続された雌コネクタを含む。雌コネクタは、図2aおよび図2bに示されるように、圧力検知回路および存在回路を完成させるために、コネクタの雄ピンを受け取るように構成される。アダプタ内の雌コネクタの数は、パッドに位置する圧力検知回路および存在検知回路の部分の数を超過し得るが、雌コネクタのうちの3つだけが、パッドにある圧力検知回路および存在検知回路の部分に接続される。
【0031】
これは、パッド上の1つの標準アダプタを提供し、およびアダプタ202bをコネクタ202aに転換するドングルの「ピグテール」を提供し、消費モニターのジャックJ1のピンの必要条件を与える(つまり、4ピンRJ11、6ピンRJ11、ミニステレオなど)。本発明のいくつかの実施形態では、クリップなどの壊れやすい部品は、アダプタ202bに位置する一方、クリップレセプタは、アダプタとコネクタを共に取り外し可能にロックするクリップを受け取るために、コネクタ202aに位置する。これは、破損が生じた場合にパッドを処分することなく、アダプタを交換することを可能にする。本発明の範囲はまた、クリップがコネクタ202aに位置し、クリップレセプタがアダプタ202bに位置する実施形態にまで拡大する。
【0032】
アダプタとコネクタが共に接続される場合、圧力検知回路および存在回路は完成する。このシナリオでは、ピン1とピン2との間の存在回路の感知のショート接続は、アダプタ202bとパッドの間またはパッドの内部に置かれ、それによってモニターは、アダプタがコネクタを介してモニターになお接続されているシナリオを検知し得るが、切断が、アダプタ202bとパッドの間あるいはパッドの内部に、生じる。
【0033】
コネクタ配列
図3および図4の例において、4ピンコネクタが示されるが、3つの導体だけが使用される。本発明の技術は、6ピンあるいは4ピンRJ11スタイルプラグ、1/4インチのオーディオ、ミニオーディオ、マイクロオーディオあるいは他のカスタムコネクタのような、少なくとも3つのラインとの任意の接続で使用され得る。
【0034】
本発明は、上記に、様々な典型的な実施形態および実装に関して記載されているが、様々な特徴、態様、時間測定、および個々の実施形態のうちの1つ以上に記載されている機能性は、それらが記載されている特定の実施形態への適用可能性に限定されず、その代わり、そのような実施形態が記載されているかどうか、およびそのような特徴が記載された実施形態の一部であるように提示されているどうかにかかわらず、1つだけあるいは様々な組み合わせで、発明の1つ以上の他の実施形態にまで、適用され得る、ということが理解されるべきである。したがって、本発明の幅および範囲は、上記の典型的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきでない。
図1
図2a
図2b
図3
図4
【国際調査報告】