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特表2023-528719カーボンナノチューブを用いたメモリを有する光学的に可能なサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】カーボンナノチューブを用いたメモリを有する光学的に可能なサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20230629BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20230629BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G06F1/18 A
G06F1/16 312M
G06F1/16 312B
H05K7/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554310
(86)(22)【出願日】2021-03-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 US2021021268
(87)【国際公開番号】W WO2021183399
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/986,716
(32)【優先日】2020-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504022618
【氏名又は名称】ナンテロ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】リッジリー,リチャード・ダレル
【テーマコード(参考)】
4E352
【Fターム(参考)】
4E352AA08
4E352BB07
4E352DD10
4E352GG30
(57)【要約】
実施形態は、カーボンナノチューブを用いた不揮発性メモリを使用することに基づいており、さらにハードドライブおよび/またはソリッドステートドライブを省く、光学的に可能なサーバの設計に関する。開示される光学的に可能なサーバは、銅を用いたインターコネクトの代わりに、高速光インターコネクトを介して、互いに接続された複数のブレードサーバを収容する。いくつかの実施形態では、高速光インターコネクトは、光インターフェースが複数の波長の光を使用して生成された光信号を(複数のブレードサーバと1つまたは複数の外部デバイスとの間で)ルーティングするための光経路を提供するように、入出力インターコネクトモジュール内に含まれた電気メザニンコネクタをブレードサーバのマザーボード上に配置された対応メザニンスロットと接合することによって生成された光インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、開示される設計は有利には、単一の従来の光ブレードエッジサーバの100倍の速度の利点と、同一サイズの標準的なDDR4同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)メモリの3倍のエネルギー節約とを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度高速光サーバであって、
複数のブレードサーバを囲む筐体であって、各ブレードサーバは、ソフトエラーを免れて、リフレッシュ、リブート、チェックポイントおよび再起動動作を無くすように構成された複数のカーボンナノチューブ(CNT)を用いた不揮発性メモリモジュールを備え、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールの使用は、ハードドライブおよびソリッドステートドライブの一方または双方の使用を無くすことを含む、筐体と、
ブレードサーバ毎に光入力および出力を提供し、前記複数のブレードサーバと1つまたは複数の外部デバイスとの間で光信号をルーティングするための光経路を提供するように構成された前記筐体の後方部分に配置される複数の入出力インターコネクトモジュール(ICM)であって、前記光信号は複数の波長の光を使用して生成される、複数の入出力インターコネクトモジュール(ICM)と
を備え、前記複数のブレードサーバのうちのブレードサーバは、光インターフェースが前記光信号をルーティングするための前記光経路を提供するように、光ネットワークアダプタモジュール内に含まれる電気メザニンコネクタを前記ブレードサーバのマザーボード上に配置された対応メザニンスロットと接合することによって生成された前記光インターフェースを介して前記複数のICMのうちの少なくとも1対に接続される、光サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の光サーバであって、
前記電気メザニンコネクタを前記対応メザニンスロットと接合することにより生成された前記光インターフェースに基づいた高速光学データ通信のために、電気信号の光信号への変換を可能とする前記光ネットワークアダプタモジュールであって、前記光ネットワークアダプタモジュールは、前記ブレードサーバ内での前記光ネットワークアダプタモジュールの配置を可能とするフォームファクタを有する、前記光ネットワークアダプタモジュール
をさらに備えた光サーバ。
【請求項3】
請求項1に記載の光サーバであって、前記複数のICMは、100Gbpsまたは200Gbpsのいずれかのデータレートでのデータ転送をサポートするポートのセットを含む、光サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載の光サーバであって、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、サーバ、デスクトップおよびPCのためのIAW JEDEC DDR4またはDDR5仕様に準拠する、光サーバ。
【請求項5】
請求項3に記載の光サーバであって、前記複数のICMが100Gbpsのデータレートまたは200Gbpsのデータレートのいずれかをサポートするように、前記複数のICMは少なくとも4つの(4)ICMを含む、光サーバ。
【請求項6】
請求項1に記載の光サーバであって、前記複数のブレードサーバは、前記筐体内の少なくとも2つの列に配置され、ブレードサーバの第1のセットは第1の列に含まれ、ブレードサーバの第2のセットは第2の列に含まれる、光サーバ。
【請求項7】
請求項6に記載の光サーバであって、ブレードサーバの前記第1のセットおよびブレードサーバの前記第2のセットは、それぞれ、6つのブレードサーバを含む、光サーバ。
【請求項8】
請求項1に記載の光サーバであって、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、前記ブレードサーバの前記マザーボード上に配置されたデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)スロットに挿入される、光サーバ。
【請求項9】
請求項1に記載の光サーバであって、前記(CNT)を用いた不揮発性メモリモジュールは、128GB、256GB、または、512GBの記憶容量を備える、光サーバ。
【請求項10】
請求項1に記載の光サーバであって、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、フライバイトポロジにしたがって設計され、それぞれのCNTを用いた不揮発性メモリモジュール上のクロック、制御、コマンド、および、アドレスのピンは、単一のトレースに接続されて、終端される、光サーバ。
【請求項11】
請求項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールのCNTの1つまたは複数の特性に基づいて電離放射線に影響されない、光サーバ。
【請求項12】
請求項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、前記光サーバの内部にレイヤ2East-Westデータトラフィックのための光相互接続を含み、銅を用いた相互接続の使用を無くす、光サーバ。
【請求項13】
請求項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、摂氏80°以下の周囲温度で動作するように構成される、光サーバ。
【請求項14】
請求項1に記載の光サーバであって、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、電離放射線の影響を受けない、光サーバ。
【請求項15】
請求項1に記載の光サーバであって、前記1つまたは複数の外部デバイスは、光スイッチと、高速光ネットワークとを含む、光サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/986,716号に対して優先権を主張するものであり、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、高密度、高効率で、光学的に可能なサーバと、そこに含まれる構成要素に関する。詳しくは、開示される実施形態は、光学的に可能なブレードサーバの設計においてカーボンナノチューブ(CNT)を利用する。
【背景技術】
【0003】
[0003]大きなデータを取り扱うビジネスは、一般に、そのデータを整理して処理するために、より高い計算能力およびメモリを必要とする。また、大量のデータを処理するビジネスは、特定の処理タスクを実行するように構成され得る、高性能、低コストのコンピューティングモジュールを使用する。これらの要件は、複数のコンピューティングモジュールまたはブレードサーバの集約および/または統合に関係した技術の出現につながってきた。ブレードサーバは、高密度データストレージなど、特定のデータ処理タスクのために設計された自立型のコンピューティングデバイスである。通常、ブレードサーバは、マザーボードと呼ばれることが多い単一のプリント回路基板(PCB)に搭載された少なくとも2つのプロセッサおよびソリッドステートメモリを含む。複数のブレードサーバがブレードエンクロージャ内に収容される。ブレードエンクロージャは、電源、冷却ファン、電力接続、光ネットワークデータ相互接続、およびブレードサーバと通信する周辺I/Oデバイスを含み得る。多くの場合、データセンタは、ラック内に配置されたブレードサーバとそれらの関連エンクロージャとを含み得る。各ラックにおける密度を高めて、ケーブルの長さを短くすることによって、データセンタは、数百または数千のブレードサーバを収容することができ、ハイパースケールデータセンタと呼ばれる。
【発明の概要】
【0004】
ただし、従来のブレードサーバは、いくつかの課題に直面している。例えば、個々のブレードに対するブレードエンクロージャによって提供されるネットワークデータ相互接続は、非常に遅く、現在のビジネスニーズを満たすために必要とされる最適な高速光データレートを提供できていない。さらに、ブレードサーバに含まれる高速揮発性メモリは、相当な量の電力を消費し、これは熱散逸のための冷却ユニットの設置を必要とし、機器コストの追加と動作効率の減少につながる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
[0004]添付図面は、本明細書に記載の原理の様々な実施形態を図示するものであり、本明細書の一部である。図示される実施形態は例に過ぎず、特許請求の範囲を限定しない。
図1】[0005]個別の光ブレードサーバが実装された例示的なブレードエンクロージャの透視正面図である。
図2】[0006]ファン、電源、光インターコネクトのモジュールが実装された例示的なブレードエンクロージャの透視背面図である。
図3】[0007]例示的な光ブレードサーバの詳細を示す図である。
図4】[0008]例示的な高速光インターコネクトモジュール(ICM)の詳細を示す図である。
図5】[0009]光ブレードサーバ内に含まれる高速光ネットワークアダプタモジュールの一例を示す図である。
図6】[0010]不揮発性CNTを用いたメモリチップ内のカーボンナノチューブメモリセルに基づく不揮発性メモリモジュールを示す図である。
図7】[0011]図2に示されるエンクロージャの後部に配置される光学的に可能なミッドプレーンおよびICMと、図1に示されるエンクロージャの前部の光ブレードサーバとの間の例示的な高速データフローを示す図である。
図8】[0012]光ネットワークアダプタモジュール内に含まれた例示的なメザニンコネクタを示す図である。
図9】[0013]エンクロージャ内の光ネットワークアダプタモジュール入力および出力と光学的に可能なミッドプレーンとの間の例示的な相互接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0014]本技術の実施形態は、高密度、高効率で、光学的に可能なサーバと、そこに含まれる構成要素の設計に関する。開示される実施形態によれば、光学的に可能なサーバは、従来の揮発性のシリコンを用いたトランジスタおよびコンデンサのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)の代わりに、不揮発性カーボンナノチューブ(CNT)を用いたメモリモジュールを備える複数のブレードサーバを含み得る。従来の揮発性のシリコンを用いたメモリをカーボンナノチューブを用いた不揮発性メモリと置き換えることによって、結果として、同一の容量の標準的なDDR4同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)メモリの少なくとも3倍のエネルギー節約が実現する。さらに、小型CNTは、メモリの処理密度の改善を可能とする。例えば、14nmのフォトリソグラフィを使用した場合、16ギガバイトから128ギガバイトの間の範囲の記憶容量を有するCNTメモリチップが得られる。高密度、高効率で、光学的に可能なサーバ(光サーバとして知られる)は、外部光ネットワークを介して100Gbpsまたは200Gbpsの光データストリームを光ブレードサーバに提供するための高速入出力光ネットワークインターフェースモジュールを含む。
【0007】
[0015]開示される光サーバは、さらに、光ブレードサーバ(もしくは本明細書では「ブレードサーバ」と呼ばれる)の空間内に収まるようにフォームファクタにしたがって設計され、複数の光ブレードサーバを収容するエンクロージャ内に含まれる光学的に可能なミッドプレーンとインターフェース接続することによって光ネットワーク接続性を提供する光ネットワークアダプタモジュールを含む。光学的に可能なミッドプレーンは、(例えばEast-Westレイヤ2トラフィックを容易にするために)光ブレードサーバが、光サーバシャーシ内の他の構成要素と、他のサーバラック内に配置された他の光サーバとに対して直接接続することを可能にする。
【0008】
[0016]いくつかの実施形態では、光ネットワークアダプタモジュールと光学的に可能なミッドプレーンとの間のインターフェース接続は、光ブレードサーバ内のメザニンコネクタスロットの使用に基づく。さらに、開示される光ブレードサーバは、各ブレードサーバと外部デバイス/ネットワーク(光スイッチおよび/または高速ネットワークなど)との間に高速で無閉塞の光接続を提供するために、光サーバの後部に配置された複数の光インターコネクトモジュール(ICM)を利用する。いくつかの実施形態では、開示される設計は、銅を用いたインターコネクトの代わりに、光インターコネクトの使用に基づく。これは、大幅なエネルギーの節約、性能向上およびセキュリティ強化を実現し得る。
【0009】
[0017]いくつかの実施形態では、本明細書で開示される設計は、光サーバ内のハードドライブおよび/またはソリッドステートドライブを省く。ハードドライブとソリッドステートドライブとの使用を省くことによって、有利には、単一の最先端のブレードサーバの少なくとも100倍の速度の利点が実現可能である。従来の設計とは対照的に、開示される設計は、光学的に可能なサーバが、サーバシャーシ内で他のデバイスに直接、さらにレイヤ2East-Westデータトラフィックを目的として光接続を介してサーバのラック間で外部から、接続されることを可能とする光学的に可能なミッドプレーンおよび/または光学的に可能なバックプレーンを利用する。それによって、ラック内における独立したサーバであるラックサーバとは異なり、開示される技術は、互いに協働し単一のシャーシ/エンクロージャ内部に収容されたモジュラーブレードサーバの集合体を利用することを伴う。
【0010】
[0018]一態様では、開示される高速の光ブレードサーバ設計は、空気流と冷却との増加のために、追加の空間がマザーボード上で形成されることが可能になる。一態様では、開示される高速光サーバ設計は、摂氏80°以下の周囲温度で動作するように構成され得る。一態様では、CNTを用いたメモリを使用した開示される高速光サーバ設計は、電離放射線の影響を受けないCNTによって、そのような放射線に影響されない。
【0011】
[0019]本文書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に規定しない限り、複数の言及を含む。定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本文書で言及される全出版物は、参照によって本明細書に組み込まれる。本文書に記載の全サイズは、例を意図しているのに過ぎず、本開示は、以下に列挙する特定のサイズまたは寸法を有する構造に限定されない。
【0012】
[0020]「サーバ」という用語は、他のプログラムまたはデバイスのための機能を提供する任意のデバイスおよびコンピュータプログラムに与えられた名称を指す。クライアント-サーバモデルと一般的に呼ばれるこのアーキテクチャは、複数のプロセスまたはデバイスにわたって分散される単一の全計算を提供する。サーバは、複数のユーザ間でのデータまたはリソースの共有またはクライアントのための計算の実行など、「サービス」と呼ばれることの多い様々な機能を提供し得る。単一のサーバは複数のクライアントに対してサービスを提供でき、単一のクライアントは複数のサーバを使用できる。クライアントプロセスは、同一のデバイス上で実行されることが可能であるか、またはネットワークを介して、異なるデバイス上のサーバと接続し得る。サーバの例は、アプリケーションサーバ、コラボレーションサーバ、データベースサーバ、エッジサーバ、ファイルサーバ、FTPサーバ、ゲームサーバ、メールサーバ、プリントサーバ、ウィンドウズ(登録商標)サーバ、プロキシサーバ、リアルタイムコミュニケーションサーバ、サーバプラットフォーム、ウェブサーバなどを含むが、それらに限定されない。
【0013】
[0021]「カーボンナノチューブ」(CNT)という用語は、円筒になるように丸められたハニカム格子を指す。カーボンナノチューブの直径は、ナノメートルの大きさであり、ナノチューブの長さは1μmよりも大きくなり得る。カーボンナノチューブの顕著な物理的特性のうちの1つは、それらの形状にのみ依存する電子構造である。カーボンナノチューブ(CNT)は、多種多様な電子的、光学的、および物理的用途でそれらが理想的に有効となる新規の特性を呈する円筒形に原子が配置された純粋な炭素から構成される。シングルウォールCNT(SWNT)は、CNT不揮発性メモリの場合のように、超高密度のスイッチを構築するために分離および配向され、または構成要素間で超低インピーダンスのインターコネクトを形成するためにPCB(SWNTまたはSWNT束のいずれかとして)上でトレース材料として使用され得る。メモリの場合、CNTは、エネルギー需要の劇的な減少、記憶密度の2から8倍の増加、より高い信頼性、瞬時のon/off、データの永続的記憶、およびSDRAMでは一般的なソフトエラーが皆無になることを可能とする。CNTは、電離放射線に対して不活性であるため、放射線の影響を受けず、宇宙関連の用途における使用によく適している。CNTが不揮発性メモリを設計する際に使用された場合、CNTを用いたメモリは、高電気伝導性および熱伝導性を実現する。CNTの熱伝導性によって、CNTを、電子デバイスのための温度管理(例えば、平面的な放熱)に対してよく適するようにして、それから作製された大部分のデバイスにおける能動的冷却の必要性を低減する。
【0014】
[0022]「プリント回路基板」(PCB)という用語は、電子部品の機械的支持および電気的接続、または非導電性基板のシート層上に、および/またはそれらの間の積層基板の1つまたは複数のシート層からエッチングされた、導電トラック、パッド、および他の特徴を使用した電気部品を指す。部品は、一般に、それらの部品をPCBへ電気的接続および機械的固定の両方を行うために、PCB上にはんだ付けされるか、または接着接合される。プリント回路基板は、大部分の電子製品で使用される。PCBは、片面、両面、または多層であり得る。内部層上の回路トレースが部品間の表面空間を他の方法でとり得るため、多層PCBは、さらに高い部品密度を可能とする。開示される技術の目的のため、多層PCBは、表面実装技術を組み込んだ4つよりも多いトレース面を有すると考えられる。
【0015】
[0023]「光インターコネクト」という用語は、光を使用して集積回路の一部から他の部品へ光信号を送受信する任意の仕組みを指す。本開示の実施形態は、絶えず成長するデータセンタおよびハイエンドのコンピューティングシステムにおいて大データ量の転送に対する現在と将来的な必要性に対処するために、電気的インターコネクトの後継を提供する。本文書の目的のために、「光インターコネクト」という用語は、サーバモジュールに搭載されたネットワークインターフェースカードまたは光ネットワークアダプタモジュールとの相互の高速光接続を指す。
【0016】
[0024]「モジュール」という用語は、一般に「カード」という用語と同義であると見なされ得る。したがって、例えば、メモリモジュールおよびメモリカードは入れ替え可能に使用される。
【0017】
[0025]図1を参照すると、例示的な光サーバ(100)の正面図が示される。光サーバ(100)は、複数の光ブレードサーバ(ブレードサーバ(101-1から101-12)など、電源ユニット、ネットワーク入出力(I/O)カード、冷却ファン、管理モジュール、および他のユニットを収容するエンクロージャ(104)を含む。(「エンクロージャ」および「筐体」という用語は、本開示全体において入れ替え可能に使用される)。ブレードサーバ(101-1から101-12)および光サーバ(100)のいくつかの他の構成要素は、「ホットスワップ可能」であると見なされ得る。ホットスワップ可能なブレードサーバは、停止、シャットダウン、リブート、または他の方法でエンクロージャ(104)と併せて作動する1つまたは複数の他の光ブレードサーバの動作に影響することなく、所与のブレードサーバの交換または追加を可能にする。いくつかの実施形態では、光サーバ(100)のエンクロージャ(104)は、高さが半分の仕様にしたがって設計されてもよく、ブレードサーバ(101-1から101-6)が第1の列に配置され、ブレードサーバ(101-7から101-12)が第2の列に配置されるように、6個の光ブレードサーバを2列形成する。通常、ブレードサーバのそれぞれは、ブレードサーバが使用されるデータシステムのそれぞれの必要性に基づいて同一の幅および深さの寸法を有する。図1に示されるブレードサーバの数は、例示目的に過ぎない。本開示の代替の実施形態において、光サーバは、任意の適した数の列に配置された任意の数のブレードサーバを含み得る。
【0018】
[0026]図2を参照すると、例示的な光サーバ(100)の後部が示される。エンクロージャ(104)の後部は、ファン(ファン1~10など)、複数のネットワーク入出力インターコネクトモジュール(ICM)(ICM102-1から102-6など)、1つまたは複数の電源1~6、および冗長管理モジュールを含み得る。いくつかの実施形態では、ICMは、複数の光ブレードサーバ(光サーバ(100)内)と光ブレードサーバの外部に配置されたデバイス/ネットワーク/スイッチとの間の複数の波長の光を使用して生成された光信号をルーティングするための光経路を提供するように構成され得る。ICM102-1から102-6は、光学的に可能なミッドプレーン(図7に示された光学的に可能なミッドプレーン600など)と光サーバ(100)の後部に配置される光学ポート106-1から106-6とからの受動光学パススルーである。いくつかの実施形態では、光ブレードサーバの1列(例えば、列101-1から101-6または列101-7から101-12)は、最小で2つのICM(300)によってサポートされる。
【0019】
[0027]図2は、光ブレードサーバ(または、単に「ブレードサーバ」)と外部光ネットワークまたはスイッチとの間の光学データ転送を可能とするためにICM102-2に含まれたポート(106-1から106-6)のセットを示す。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のポートは、100Gbpsまたは200Gbpsのデータレートをサポートできる。いくつかの実施形態では、100Gbpsまたは200Gbpsのポートは、同一のICM上に存在でき、各ICM上の全ポートが同一のデータレートを有する。
【0020】
[0028]いくつかの実施形態では、ICMは、第1のマイクロプロセッサおよび第2のマイクロプロセッサなどの少なくとも2つのコンピュータプロセッサを含み得る。各管理モジュールは、管理モジュール上のメモリに格納された命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。管理モジュールは、1つまたは複数の光ブレードサーバおよび光サーバ内部の他の構成要素と内部的に通信(例えば、命令および/またはデータの送信/受信)するように構成され得る。
【0021】
[0029]図3は、本開示に適合した例としての光ブレードサーバ(200)の例示的な詳細を示す。ブレードサーバ(200)(コンピュートモジュールとして知られる)は、入出力ネットワークインターフェースアダプタモジュール(205-1から205-3)と、非光ブレードサーバ上で2つのハードディスクドライブまたは2つのソリッドステートドライブを収容するために使用され得る未実装部分206とを支持するプリント回路基板(PCB)(207)を含む。入出力ネットワークインターフェースアダプタモジュール(205-1から205-3)は、光ネットワークアダプタカードであり、そのそれぞれは、電気的3×16レーンのPCIeバスを取り、それを高速100Gbpsまたは200Gbps光データストリームに変換する。光信号の電気信号への変換は、インバウンドの信号を適用し、電気信号の光信号への変換はアウトバウンドの光信号を適用する。開示される実施形態によれば、入出力ネットワークアダプタモジュール(205-1から205-3)は、マイクロプロセッサ(202および204)からの3×16レーンのPCIeバスとのインターフェース接続のためのメザニン電気コネクタを含む。メザニンコネクタは、光ネットワークアダプタモジュールとブレードサーバとの間の物理的および電気的結合を可能とする。未実装部分(206)は、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブケージを有さない。したがって、本技術の少なくとも1つの利点は、ハードドライブまたはソリッドステートドライブが省かれ、空気流および熱散逸の増加を実現することである。図3は、PCB(207)(もしくは本明細書では「マザーボード」と呼ばれる)上に支持される16セットまでのメモリスロット(201-1から201-16)および(203-1から203-16)を示す。例えば、メモリスロット(201-1から201-16)および(203-1から203-16)は、DDR4メモリDIMMをサポート可能である。開示される実施形態によれば、DDR4メモリDIMMは、不揮発性CNTを用いたランダムアクセスメモリ(もしくは「NRAM」と呼ばれる)を備え得る。例えば、CNT材料(フォトリソグラフィによって画定およびエッチングされる)は、2つの金属電極間に配置されることが可能であり、NRAM不揮発性メモリチップ内でCNTメモリセルのアレイを構成するNRAMセルを形成する。その後、それらのCNTメモリチップは、メモリモジュール(500)上に配置される。1つまたは複数のプロセッサ((202)で示されるプロセッサ#1および(204)で示されるプロセッサ#2などは、PCB(207)上に含まれ得る。オペレーティングシステム、ドライバソフトウェア、およびユーザアプリケーションがハードドライブまたはソリッドステートドライブ上にロードされる従来のサーバとは対照的に、本技術は、不揮発性のCNTを用いたメモリ上にオペレーティングシステム、ドライバソフトウェア、およびユーザアプリケーションを格納することを目的とする。
【0022】
[0030]次に図4を参照すると、インターコネクトモジュール(ICM)(300)の透視上面図が示される。一般に、ICM(ICM(300)など)は、ブレードサーバ(光ブレードサーバ(200)内に配置)とICM(300)の外部に配置されたデバイス/ネットワーク/スイッチとの間で光信号をルーティングする光経路を提供できる。いくつかの実施形態では、ICM(300)は、光サーバ(100)のブレードエンクロージャ(104)の後部に挿入され、外部ネットワークからの/への高速光データ転送を容易にするために受動光インターフェースとして機能する。各ICM(ICM(300)など)は、外部の光ネットワークへのデータ転送を容易にするために、ICM(300)の後部側に配置された複数のブラインドメイトコネクタ(301-1から301-6など)を含み得る。例えば、ブラインドメイトコネクタ(301-1から301-6)は、光学的に可能なミッドプレーン(エンクロージャ(104)の図7に示される光学的に可能なミッドプレーン(600)など)と各光ブレードサーバ内に配置された入出力ネットワークインターフェースモジュール(205-1から205-3)との間に高速受動光学パススルーを提供する。本実施形態において、ICM(300)は、各ブレードと外部高速光ネットワークまたは光スイッチとの間の高速で光学的で無閉塞の1対1の接続の用途のための100または200Gbpsパススルーモジュールとして機能し得る。それによって、ブラインドメイトコネクタ(301-1から301-6)のサブセットは、100Gbpsまたは200Gbpsの両方でのデータ転送をサポートできる。例えば、そのような実施形態において、各エンクロージャ(104)は、ブレードサーバの2列をサポートする少なくとも合計4つのICMを含むことができ、ICMのうちの2つを有する各列における6つのブレードサーバは、100Gbpsまたは200Gbpsのデータレートの両方をサポートする。これらの実施形態では、光ケーブルおよびコネクタのみがサポートされる。銅を用いたケーブルまたはコネクタはサポートされない。
【0023】
[0031]いくつかの例示的な実施形態では、エンクロージャ(104)内で各光ブラインドメイトコネクタが全ての光ブレードサーバに結合され、光学的に可能なミッドプレーン(600)を介してICM(300)に接続されるように、各光ブレードサーバ(200)は、2つの異なるICM(300)に結合された2つの光ブラインドメイトコネクタ(図9に示される209-1および209-2)を含む。さらに、各光ブラインドメイトコネクタは、100Gbpsまたは200Gbps光学データをサポートする。各光経路は、32の双方向光レーンから構成される。波長毎に25Gbpsで光ファイバーレーン毎に光の第1の波長(λ)が使用される場合、これは、ブレード毎に毎秒1.6テラビット(Tbps)を達成できる。波長毎に50Gbpsのデータレートをそれぞれがサポートする光経路毎に光の4つの異なる波長が使用される場合、これは、ブレード毎に最大12.8Tbpsまで達成できる。12個のブレードサーバを備える光サーバフレームに対して、光サーバ毎に最大153.6Tbpsが実現可能である。対照的に、従来のサーバは、データ接続のためにせいぜい50Gbpsのレートをサポートする。したがって本技術の1つの利点は、データレートにおいて、単一の光ブレードサーバと比較して、100倍を上回る性能改善が実現可能である。
【0024】
[0032]図5は光ネットワークアダプタモジュール(400)を図示する。このモジュール(光ブレードサーバ(200)内に含まれる)は、高速光学データ通信のために電気信号の光信号への変換を可能とする。光ネットワークアダプタモジュール(400)は、メザニン電気コネクタ(402)、光学トランシーバ(403)、押下可能部(404)、光コネクタ(406)、および留めネジ(405-1および405-2)を含む。いくつかの実施形態では、メザニン電気コネクタ(402)は、3×16レーンPCIeバスを介してマザーボード(207)に電気的に接続し、メザニン電気コネクタ(402)は、さらに、図7に示される光学的に可能なミッドプレーン(600)に接続する。したがって、メザニン電気コネクタ(402)の一方の接続は電気的であり、他方の接続は光学的である。
【0025】
[0033]光ネットワークアダプタモジュール(400)は、従来の光ネットワークアダプタモジュールとは異なることを理解されたい。例えば、光ネットワークアダプタモジュール(400)は、従来の光ネットワークアダプタモジュールに通常存在するPCIeスロットのためのPCIeコネクタを含まない。開示される実施形態によれば、PCIeコネクタの代わりに、メザニン電気コネクタ(402)が使用される。光ネットワークアダプタモジュール(400)上に配置されたメザニン電気コネクタ(402)は、メザニンコネクタスロット(図3に示される光ブレードサーバ(200)のマザーボード上に配置された入出力ネットワークアダプタモジュール(205-1から205-3)上に配置されたスロットなど)と接合/整列/インターフェース接続するように設計される。メザニン電気コネクタ(402)のメザニンコネクタスロットとの接合は、押下可能部(404)を押して、光ネットワークアダプタモジュール(400)上でネジ(405-1および405-2)を締めることによって実現される。従来の光ネットワークアダプタモジュールのさらなる修正形態は、従来の光ネットワークアダプタモジュールにおける銅を用いた電気入出力コネクタを光学トランシーバ(403)および光コネクタ(406)に置き換えること、すなわち銅を用いたインターコネクトが受動光インターコネクトと置き換えられることを含む。光学トランシーバ(403)は、図7の光学的に可能なミッドプレーン(600)に挿入され、光ブレードサーバの出力として動作する。開示される実施形態によれば、光ブレードサーバ内部で利用可能な限定的な空間に起因して、光ネットワークアダプタモジュール(400)を支持するPCBは、ブレードサーバ(200)内部に収まるために補正可能な物理的フォームファクタを有する。有利には、開示される高速光学アダプタ(400)は、CPU(202および204)の利用を減少させ、各ブレードサーバ上に配置された仮想マシン(VM)の数を増加し、クラウドスケールの効率を改善する。開示される高速光学アダプタ(400)は、高密度の100Gbpsまたは200Gbpsのイーサネット光スイッチングソリューションを有する従来のサーバと100%互換性があるように設計され、すなわち、開示される光ネットワークアダプタモジュール(400)は、高スループット、低レイテンシ、およびスケーラビリティの向上を実現する。
【0026】
[0034]次に図6を参照すると、DDR4デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)(500)の一次側および二次側が示される。開示される実施形態によれば、DIMM(500)は、不揮発性NRAMカーボンナノチューブ(CNT)を用いたマルチギガビットメモリチップ(501-1から501-18)を利用する。DIMM(500)(JEDEC DDR4またはDDR5標準に準拠)は、光ブレードサーバ(200)内に配置されたメモリスロット(201-1から201-16)および(203-1から203-16)に差し込まれる。例えば、DIMM(500)は、図3に示されるブレードサーバ(200)のスロット(201-1から201-8、201-9から201-16、203-1から203-8、および203-9から203-16)に挿入され得る。U1からU18は、CNTを用いた不揮発性マルチギガビットメモリチップを表す。いくつかの実施形態では、CNTを用いたメモリモジュール(500)は、128GB、256GB、または512GBの記憶容量を備える。例えば、そのようなメモリは、サーバ、デスクトップ、およびPCのためのIAW JEDEC DDR4またはDDR5の仕様書に従った2666、2933、および3200 Million Transfers per second(MT/s)の速度で動作するように構成され得る。
【0027】
[0035]開示される不揮発性DIMM(500)(例えば、288個のピンを含む)は、従来の揮発性DIMMと互換性がある。現在の最先端(SOTA)のブレードサーバまたはコンピュートモジュールは、通常、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブがコンピュータ処理ユニットのオペレーティングシステムおよび他のコンポーネントドライバを保持することを必要とする揮発性同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)マルチギガビットメモリを使用する。開示されるCNTを用いたメモリのいくつかの利点は、以下の通りである。
・CNTを用いたメモリは、SOTA SDRAMメモリよりも3倍少ない電力を消費する。
・CNTを用いたメモリは、ソフトエラー(例えば、宇宙放射または地球放射における放射から発生)の影響を受けず、宇宙に関する用途での使用によく適する。ソフトエラーは、通常、SDRAMメモリチップを構成する高エネルギーニュートロンとケイ素原子との間の衝突に起因して発生する。したがって、ソフトエラーを除去することによって、CNTを用いたメモリは、電流における一時的サージを免れ、メモリに格納されたデータ値に対する偶発的な変化を免れる。ソフトエラー率は、CNTを用いたメモリに含まれるビットラインの設計/配向に依存し得る。
・CNTを用いたメモリは、決定的であり、SDRAMとは異なってリフレッシュを必要としない。
・CNTを用いたメモリは、5nmフォトリソグラフィ(例えば、超紫外線フォトリソグラフィと関連する)未満でスケーラブルである。
・CNTを用いたメモリは、普遍的に、様々な種類のメモリに置き換えられ得る。例えば、CNTを用いたメモリは、SRAM、SDRAM、および3D NANDフラッシュメモリと置き換えられ得る。他の例として、6トランジスタSRAMメモリセルは、単一のCNT分子マイクロスイッチと置き換えられ得る。
・不揮発性メモリはメモリの状態を固定させるため、CNTを用いたメモリは、高性能コンピューティングを含むアプリケーションにおいてチェックポイントまたは再起動を必要としない。
・CNTを用いたメモリと関連付けられた負荷低減デュアルインラインメモリモジュール(LRDIMM)はスケーラブルであり、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブを不要とし、SAS/SATAおよびNVMeバスの必要性を無くす。
【0028】
[0036]図6において、DIMMモジュール(500)の一次側はデータバッファ(504-1から504-9)を示し、各データバッファは2つの(2)CNTメモリチップの役割を果たす。DIMMモジュール(500)の部品(503)は、バッファ制御のためのレジスタリングクロックドライバ(RCD/PLL)である。DIMMモジュール(500)の一次側に示される部品(506-1および506-2)は、電圧調整器を表す。部品(508)は、例えば512バイトのサイズを有する、シリアルプレゼンス検出(SPD)消去可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(EEPROM)である。
【0029】
[0037]図6に示される二次側を参照すると、部品(502)は、DIMMモジュール(500)のピン(例えば、288本のピン)を表す。部品(505および509)は、電圧調整器である。部品(507)は、例えば1.8Vで動作するインダクタである。
【0030】
[0038]いくつかの実施形態では、NRAMメモリチップ(501-1から501-18)は、それぞれ4つのメモリバンクを備える4つの内部バンクグループを有し、合計で16バンクを提供する。これは、I/Oピンにおいてクロックサイクル毎に2つのデータワードを転送するように設計されたインターフェースを有する8nプリフェッチアーキテクチャの使用を可能にする。NRAMメモリチップ(501-1から501-18)に対する単一の読み出しまたは書き込み動作は、内部NRAMコアにおける単一の8nビット幅、4クロックデータ転送およびI/Oピンでの8つの対応するnビット幅、2分の1クロックサイクルデータ転送を効果的に含む。いくつかの実施形態では、NRAMメモリチップは、データをキャプチャするためのDQS_tおよびDQS_cと、コマンド、アドレス、および制御信号をキャプチャするためのCK_tおよびCK_cという差動信号の2つのセットを使用する。差動クロックおよびデータストローブは、それらの信号に対して並外れたノイズ耐性を確実とし、入力信号をキャプチャするために高精度のクロッシングポイントを提供する。いくつかの実施形態によれば、メモリセル(例えば、1ビットの情報を格納)は、二次元アレイに配置される。例えば、そのアレイが8×8のサイズを有する場合、格納可能な合計ビット数は64である。各カーボンナノチューブメモリセルは、セルを制御するように動作するワード線を有する。データの読み出し、または書き込みのいずれかのためにセルにアクセスする信号は、ワード線に印加される。ワード線に対して垂直なのはビット線である。メモリに対して書き込まれたデータまたはメモリから読み出されたデータは、ビット線上に見られる。
【0031】
[0039]DIMMモジュール(500)の本実施形態は、以前のDDR技術よりも高速なクロック速度を使用し、信号品質をかつてないほど重要とする。改善された信号品質のために、クロック、制御、コマンド、およびアドレスのバスは、フライバイトポロジにおいてルート設定され、各NRAMメモリチップにおける各クロック、制御、コマンド、およびアドレスのピンは、単一トレースに接続され終端される(この終端がコネクタ近くのモジュールを切り離す木構造ではない)。このフライバイトポロジは、JEDEC DDR4仕様のライトレベリング機能を使用することによってクロックとDQS信号との間のタイミングスキューの原因となる。
【0032】
[0040]図7は、光ブレードサーバ(101-1から101-6)に接続された光学的に可能なミッドプレーン(600)とエンクロージャ(104)に関連したICM(300-1および300-2)との間の光学データフローを示す概念ブロック図を示す。ブレードサーバ(101-1から101-6)は、チャネル毎に100Gbpsまたは200Gbpsでの双方向光学データの送受信のために、光学的に可能なミッドプレーン(600)を介してICM(300-1および300-2)に接続される。光学的に可能なミッドプレーン(600)は、光ブレードサーバ(図1に示される(101-1から101-12))が単一光サーバのシャーシ/エンクロージャ(104)の外部の他の外部部品と、サーバラック内に配置される他の光サーバとに対して(例えば、OSI用語を使用してEast-Westレイヤ2トラフィックを容易にするため)直接接続可能とする。例えば、データは、受動パススルーインターコネクトモジュール(例えば、図4に示される)と外部光学デバイス/ネットワークとを介してブレードサーバ(図1に示される(101-1から101-6))間の複数の波長の光を使用して生成された高速光信号によって運ばれる。この高速データ通信は、双方向である。さらに、図7は、双方向の光学データフローが、光学的に可能なミッドプレーン(600)とデュアルインターコネクトモジュール(300-1および300-2)との間で交換されることを示す。この双方向光学データフローは、それぞれが双方向の6つの光学データフロー経路の2つのセットを使用して表され、6つの双方向光経路の1セットは第1のICM(ICM(300-1))へのものであり、6つの双方向光経路の第2のセットは第2のICM(ICM(300-2))へのものである。サーバと光学的に可能なミッドプレーン(ミッドプレーン(600)の左側に示される)との間、およびミッドプレーンとICM(ミッドプレーン(600)の右側に示される)との間の光学データ送受信は双方向であると理解されたい。
【0033】
[0041]図8は、例示的な電気メザニンコネクタ(402)を図示する。電気メザニンコネクタ(402)は、光ネットワークアダプタモジュール(図5に示された光ネットワークアダプタモジュール(400)など)内に含まれる。電気メザニンコネクタ(402)は、入出力ネットワークアダプタモジュール上のメザニンスロット(図3に示されたブレードサーバ(200)に含まれる入出力ネットワークインターフェーススロット(205-1から205-3)など)とインターフェース接続するために使用される。開示される実施形態によれば、電気メザニンコネクタ(402)は、光ネットワークアダプタモジュールがブレードサーバ(200)内に収まり得るようにする。電気メザニンコネクタ(402)の使用の結果として、光ネットワークアダプタモジュール(400)は、エンクロージャ(104)内部に配置された光学的に可能なミッドプレーン(600)内でインターフェース接続できる。例えば、電気メザニンコネクタ(402)のピン/ソケット構成は、プロセッサ(図3に示されるブレードサーバ(200)に含まれるプロセッサ(202)および(204)など)からPCIe4.03×16レーン接続を介した高帯域幅接続(例えば、200Gbpsまで)を容易にし得る。
【0034】
[0042]図9は、光ネットワークアダプタモジュール(400)と光学的に可能なミッドプレーン(600)との間の例示的な相互接続を図示する。例えば、図9は、ブレードサーバ(200)上に配置された光ブラインドメイトコネクタ(209-1および209-2)を示す。「ブラインドメイトコネクタ」という用語は、「自己整合コネクタ」と見なされることが可能である。例えば、視覚的な点検を行わずに、ブラインドメイトコネクタ(209-1および209-2)は、ICMまたはブレードサーバが光学的に可能なミッドプレーンに直接差し込まれることを可能とする。
【0035】
[0043]ブラインドメイトコネクタ(209-1および209-2)は、光ネットワークアダプタモジュールを光学的に可能なミッドプレーン(600)に接続するための光学的に可能なミッドプレーン(図7に示される光学的に可能なミッドプレーン(600)など)上に配置されたブラインドメイトコネクタのセットと並ぶ。部品(210)は、電源コネクタを示す。ケーブル(208-1および208-2)は、光ネットワークアダプタモジュール(図5に示される光ネットワークアダプタモジュール(400)に配置される光コネクタ(406)など)上に配置された光コネクタを、(図9に示されるブレードサーバ(200)に含まれるブラインドメイトコネクタ(209-1および209-2)へ接続するために使用される光ファイバーケーブルである。光コネクタ(406)に対する制限はない。例えば、任意の標準的な光コネクタが使用され得る。
【0036】
[0044]開示された技術のいくつかの実施形態が、以下で項を用いた形式で提示される。
[0045]1.高密度高速光サーバであって、
[0046]複数のブレードサーバを囲む筐体を備え、各ブレードサーバは、ソフトエラーを免れて、リフレッシュ、リブート、チェックポイントおよび再起動動作を無くすように構成された複数のカーボンナノチューブ(CNT)を用いた不揮発性メモリモジュールを備え、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールの使用は、ハードドライブおよび/またはソリッドステートドライブの使用を無くすことを含み、さらに、
[0047]ブレードサーバ毎に光入力および出力を提供し、前記複数のブレードサーバと1つまたは複数の外部デバイスとの間で光信号をルーティングするための光経路を提供するように構成された前記筐体の後方部分に配置される複数の入出力インターコネクトモジュール(ICM)を備え、前記光信号は複数の波長の光を使用して生成され、
[0048]前記複数のブレードサーバのうちのブレードサーバは、光インターフェースが前記光信号をルーティングするための前記光経路を提供するように、光ネットワークアダプタモジュール内に含まれた電気メザニンコネクタを前記ブレードサーバのマザーボード上に配置された対応メザニンスロットと接合することによって生成された前記光インターフェースを介して前記複数のICMのうちの少なくとも1対に接続される、光サーバ。
【0037】
[0049]2.項1に記載の光サーバであって、
[0050]前記電気メザニンコネクタを前記対応メザニンスロットと接合することにより生成された前記光インターフェースに基づいた高速光学データ通信のために、電気信号の光信号への変換を可能とする前記光ネットワークアダプタモジュールをさらに備え、前記光ネットワークアダプタモジュールは、前記ブレードサーバ内での前記光ネットワークアダプタモジュールの配置を可能とするフォームファクタを有する、光サーバ。
【0038】
[0051]3.項1に記載の光サーバであって、前記複数のICMは、100Gbpsまたは200Gbpsのいずれかのデータレートでのデータ転送をサポートするポートのセットを含む、光サーバ。
【0039】
[0052]4.項3に記載の光サーバであって、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、サーバ、デスクトップおよびPCのためのIAW JEDEC DDR4またはDDR5仕様に準拠する、光サーバ。
【0040】
[0053]5.項3に記載の光サーバであって、前記複数のICMが、100Gbpsのデータレートまたは200Gbpsのデータレートのいずれかをサポートするように、前記複数のICMは少なくとも4つの(4)ICMを含む、光サーバ。
【0041】
[0054]6.項1に記載の光サーバであって、前記複数のブレードサーバは、前記筐体内の少なくとも2つの列に配置され、第1のセットのブレードサーバは第1の列に含まれ、第2のセットのブレードサーバは第2の列に含まれる、光サーバ。
【0042】
[0055]7.項6に記載の光サーバであって、前記第1のセットのブレードサーバおよび前記第2のセットのブレードサーバは、それぞれ、6つのブレードサーバを含む、光サーバ。
【0043】
[0056]8.項1に記載の光サーバであって、前記CNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、前記ブレードサーバの前記マザーボード上に配置されたデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)スロットに挿入される、光サーバ。
【0044】
[0057]9.項1に記載の光サーバであって、前記(CNT)を用いた不揮発性メモリモジュールは、128GB、256GB、または512GBの記憶容量を備える、光サーバ。
【0045】
[0058]10.項1に記載の光サーバであって、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、フライバイトポロジにしたがって設計され、それぞれのCNTを用いた不揮発性メモリモジュール上のクロック、制御、コマンドおよびアドレスのピンは、単一のトレースに接続されて、終端される、光サーバ。
【0046】
[0059]11.項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールCNTの1つまたは複数の特性に基づいて電離放射線に影響されない、光サーバ。
【0047】
[0060]12.項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、前記光サーバの内部にレイヤ2East-Westデータトラフィックのための光相互接続を含み、銅を用いた相互接続の使用を無くす、光サーバ。
【0048】
[0061]13.項1に記載の光サーバであって、前記光サーバは、摂氏80°以下の周囲温度で動作するように構成される、光サーバ。
[0062]14.項1に記載の光サーバであって、前記複数のCNTを用いた不揮発性メモリモジュールは、電離放射線の影響を受けない、光サーバ。
【0049】
[0063]15.項1に記載の光サーバであって、前記1つまたは複数の外部デバイスは、光スイッチと、高速光ネットワークとを含む、光サーバ。
[0064]本明細書に記載の実施形態のいくつかは、方法またはプロセスの一般的な文脈において説明され、コンピュータプログラム製品によって一実施形態で実施され、コンピュータ可読媒体において具体化され、プログラムコードなどのコンピュータ実行可能命令を含み、ネットワーク接続された環境においてコンピュータによって実行されることが可能である。コンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含むがそれに限定されない、取り外し可能な格納デバイスおよび取り外し不可な格納デバイスを含み得る。したがって、コンピュータ可読媒体は、非一時的格納媒体を含み得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。データ構造およびプログラムモジュールと関連付けられたコンピュータまたはプロセッサが実行可能な命令は、本明細書に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令または関連データ構造の特定のシーケンスは、上記のステップまたはプロセスに記載された機能を実施するための対応動作の例を表す。
【0050】
[0065]開示される実施形態のいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用するデバイスまたはモジュールとして実施され得る。例えば、ハードウェア回路の実施は、例えばプリント回路基板の一部として集積された個別のアナログおよび/またはデジタルコンポーネントを含み得る。代替的または追加的に、開示されるコンポーネントまたはモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)として、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスとして実施され得る。いくつかの実施例は、追加的または代替的に、本願の開示の機能と関連したデジタル信号処理の動作上の必要性のために最適化されたアーキテクチャを有する特化型マイクロプロセッサであるデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。同様に、各モジュール内の様々なコンポーネントまたはサブコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアにおいて実施され得る。モジュール間および/またはモジュール内のコンポーネント間の接続性は、インターネット、適切なプロトコルを使用した有線または無線ネットワークを介した通信を含むが、それに限定されない、本開示が属する分野で知られている接続方法および媒体の任意のものを使用して提供され得る。
【0051】
[0066]実施形態の上記の記載は、例示および説明を目的として提示されたものである。上記の記載は、網羅的であること、または本開示の実施形態を、開示される厳密な形態に限定することは意図しておらず、上記の教示を鑑みて、修正および変形が可能であり、または様々な実施形態の実践から取得され得る。本明細書で論じられた実施形態は、当業者が本開示を、様々な実施形態において、さらに企図された特定の使用に適するような様々な修正形態とともに利用できるように、様々な実施形態の原理および特性ならびにそれらの実践的な用途を説明するために選択され記述されたものである。本明細書に記載の実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム、およびコンピュータプログラム製品の全ての可能な組み合わせにおいて結合され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】