(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】オンラインゲームの管理装置、その方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/358 20140101AFI20230629BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230629BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20230629BHJP
【FI】
A63F13/358
A63F13/79
A63F13/795
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022567029
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 FI2021050332
(87)【国際公開番号】W WO2021245325
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513136528
【氏名又は名称】スーパーセル オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Supercell Oy
【住所又は居所原語表記】Jatkasaarenlaituri 1 FI-00180 HELSINKI Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】カンフィス ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ロイッカネン ヨンネ
(72)【発明者】
【氏名】フランザス ヨン
(57)【要約】
オンラインゲームの管理装置(102)であって、プロセッサ(104)とメモリ(106)とを備える。前記プロセッサは、オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットを識別し、前記セット内のクライアントデバイスに関連付けられたゲームパラメータを識別し、前記セットからクライアントデバイスのグループを定義し、前記グループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定し、前記グループの各々からクライアントデバイスのサブグループを定義し、前記サブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にするように構成される。前記グループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、前記サブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインゲームを管理する装置であって、プロセッサとメモリとを備え、前記プロセッサは、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セット内のクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される、装置。
【請求項2】
前記ゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーのスキルレベル、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーキャラクタのリソースレベル、及びクライアントデバイスに関連付けられたアカウントで利用可能なリソースのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
・ 前記少なくとも1つのグループの第1のクライアントデバイスと前記サーバとの間の通信に関連付けられた第1のレイテンシ値を測定することと、
・ 前記少なくとも1つのグループの第2のクライアントデバイスと前記サーバとの間の通信に関連付けられた第2のレイテンシ値を測定することと、
・ 前記第1のレイテンシ値と前記第2のレイテンシ値との差を計算することと、
・ 前記第1のクライアントデバイス及び前記第2のクライアントデバイスを、
・ 前記計算された差が予め定められた閾値を下回る場合は、クライアントデバイスの同じサブグループに、又は
・ 前記計算された差が前記予め定められた閾値を上回る場合は、クライアントデバイスの異なるサブグループに
割り振ることと
によって、前記少なくとも1つのサブグループを定義するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ゲームパラメータの変更又はその通信レイテンシの変更に応じて、クライアントデバイスを異なるサブグループに再割り振りするようにさらに構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのグループの第1のサブグループを第1のゲームサーバに関連付け、前記少なくとも1つのグループの第2のサブグループを第2のゲームサーバに関連付けるように構成される、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、さらに、
・ クライアントデバイスの前記第1のサブグループのクライアントデバイスを前記関連付けられた第1のゲームサーバと同じゲームセッションに参加可能にし、
・ クライアントデバイスの前記第2のサブグループのクライアントデバイスを前記関連付けられた第2のゲームサーバと同じゲームセッションに参加可能にする
ように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間で、その間の通信レイテンシを安全に決定するべく、一対の暗号鍵を共有するように構成される、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間の通信レイテンシを決定するためにユーザデータグラムプロトコル(UDP)接続を確立するように構成される、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスと前記サーバとの間に実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、遅延モジュールを前記少なくとも1つのサブグループにおける1つ又は複数のクライアントデバイスに関連付けるようにさらに構成される、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記遅延モジュールは、実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、前記少なくとも1つのサブグループの1つ以上のクライアントデバイスと前記サーバとの間の前記通信レイテンシを延ばすように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記サーバは、マルチプレイヤーゲームサーバである、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、ゲームサーバを備える、請求項1から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
オンラインゲームの管理方法であって、
・ オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットを識別することと、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別することと、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定することと、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にすることと
を含み、
前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む、
方法。
【請求項14】
前記ゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーのスキルレベル、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーキャラクタのリソースレベル、及びクライアントデバイスに関連付けられたアカウントで利用可能なリソースのうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのサブグループを定義することは、
・ 前記少なくとも1つのグループの第1のクライアントデバイスと前記サーバとの間の通信に関連付けられた第1のレイテンシ値を測定することと、
・ 前記少なくとも1つのグループの第2のクライアントデバイスと前記サーバとの間の通信に関連付けられた第2のレイテンシ値を測定することと、
・ 前記第1のレイテンシ値と前記第2のレイテンシ値との差を計算することと、
・ 前記第1のクライアントデバイス及び前記第2のクライアントデバイスを、
・ 前記計算された差が予め定められた閾値を下回る場合は、クライアントデバイスの同じサブグループに、又は
・ 前記計算された差が前記予め定められた閾値を上回る場合は、クライアントデバイスの異なるサブグループに
割り振ることと
を含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲームパラメータの変更又はその通信レイテンシの変更に応じて、クライアントデバイスを異なるサブグループに再割り振りすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのグループの第1のサブグループを第1のサーバに関連付け、前記少なくとも1つのグループの第2のサブグループを第2のサーバに関連付けることをさらに含む、請求項13から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
・ クライアントデバイスの前記第1のサブグループのクライアントデバイスを前記関連付けられた第1のサーバと同じゲームセッションに参加可能にすることと、
・ クライアントデバイスの前記第2のサブグループのクライアントデバイスを前記関連付けられた第2のサーバと同じゲームセッションに参加可能にすることと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間で、その間の通信レイテンシを安全に決定するために、一対の暗号鍵を共有することをさらに含む、請求項13から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間の通信レイテンシを決定するためにユーザデータグラムプロトコル(UDP)接続を確立することをさらに含む、請求項13から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスと前記サーバとの間に実質的に同一の通信レイテンシを形成することをさらに含む、請求項13から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、前記少なくとも1つのサブグループの1つ以上のクライアントデバイスと前記サーバとの間の前記通信レイテンシを延ばすことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
オンラインゲームの管理システムであって、
・ クライアントデバイスのセットに通信可能に接続されたサーバと、
・ 前記サーバ及び前記クライアントデバイスに通信可能に接続された装置と、
を備え、前記装置は、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、データ通信システムに関し、より具体的には、オンラインゲームのゲームセッションに1つ以上のクライアントデバイスを参加させるためのオンラインゲームの管理装置に関する。
【背景】
【0002】
近年、携帯通信機器に搭載されるマイクロプロセッサの処理能力の向上や、インターネットによるデータ通信の高速化により、オンラインゲームの人気は飛躍的に高まっている。さらに、最近では、オンラインゲームは趣味にとどまらず、オンラインゲームを中心としたeスポーツ大会や選手権が世界各地で開催され、ゲームプレイのライブ配信プラットフォーム(例えばTwitch(登録商標))では、プロのゲーマ(ゲームのプレイヤー)とゲームプレイストリーマがそれぞれオンラインゲームを専業とすることも可能になっている。そのため、ゲーマは、同じようにオンラインゲームに関心を持つ世界中のプレイヤーと、日常的にオンラインゲームをプレイして練習することが求められている。
【0003】
オンラインゲームは、1つや2つのゲームジャンルにとどまらず、レースゲームからスポーツ系ゲーム、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)からファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)まで、ほぼすべてのゲームジャンルを網羅している。ゲーマがこのようなオンラインゲームをプレイする場合、ゲーム機器の品質(例えば、ゲーマがゲームをプレイするために使用している機器に関連付けられたマイクロプロセッサ、機器に使用されている1つ以上のグラフィックスカード等)、及びデータ接続のレイテンシは、ゲーマがプレイするゲームの結果(ひいては、ゲーマが長期間で伸ばしてきたスキルレベル)に大きく影響することが理解できるであろう。
【0004】
例えば、FPSゲームにおいて、ヒットスキャン(即着弾)系の武器でプレイするゲーマは、プロジェクタイル(発射型)系の武器でプレイする他のゲーマと比べて、両者のデータ接続のレイテンシが同様である場合、ヒットレジストレーションに関して有利であることはよく知られている。そのため、ヒットスキャン系の武器でプレイするゲーマは、プロジェクタイル系の武器でプレイするゲーマに対して不当に有利となる。そのため、両者に対するゲームプレイ体験が大幅に低下し、また、様々な人(例えば、ゲームをプレイするゲーマ、ゲームの潜在的な購入者、及び/又はeスポーツマッチやゲームのライブストリームの視聴者)にとってゲームに関連付けられた信頼要素が最小化されてしまう。
【0005】
したがって、前述の議論に照らして、ゲーム環境においてゲーマが体験するデータ接続レイテンシが異なることに関連する様々な問題を克服する必要性が存在する。
【摘要】
【0006】
本開示は、オンラインゲームの管理装置を提供しようとするものである。また、本開示は、オンラインゲームの管理方法を提供しようとするものである。さらに、本開示は、オンラインゲームの管理システムを提供しようとするものである。本開示は、地理的に分散したサーバと地理的に分散したクライアントデバイス及び関連するプレイヤー間の通信レイテンシに主に起因する、オンラインゲームにおいて特定のプレイヤーが他のプレイヤーに対して不当に有利であるという既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。さらに、本開示は、ゲームをプレイしている間にユーザが体験する退屈さや単調さという既存の問題に対する解決策を提供し、ユーザにとって全体的に満足のいく体験を提供しようとするものである。本開示の目的は、従来技術の問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供し、オンラインゲームを管理するための効率的でシームレスな手法を提供することである。
【0007】
第1の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理装置を提供する。この装置は、プロセッサとメモリとを備え、前記プロセッサは、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セット内のクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される。
【0008】
第2の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理方法を提供する。この方法は、
・ オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットを識別することと、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別することと、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定することと、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にすることと
を含む。ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。
【0009】
第3の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理システムを提供する。このシステムは、
・ クライアントデバイスのセットに通信可能に接続されたサーバと、
・ 前記サーバ及び前記クライアントデバイスに通信可能に接続された装置と、
を備え、前記装置は、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される。
【0010】
本開示の実施形態は、従来技術における前述の問題を実質的に排除するか、又は少なくとも部分的に解決し、対応するクライアントデバイスに関連付けられた同じスキルレベル又は同じレイテンシ値のユーザをゲームセッションに参加させることによって、オンラインゲームにおけるユーザの関心を維持することを可能にする。その結果、前記装置は、より優れたユーザ体験を提供するために、オンラインゲームを効率的かつシームレスに管理する。
【0011】
本開示の追加の態様、効果、特徴、及び目的は、図面及び後続する添付の請求項と関連して解釈される例示的な実施形態の詳細説明から明らかになるであろう。
【0012】
本開示の特徴は、添付の請求項によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組合せで組み合わせることが可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上記の摘要及び例示的な実施形態についての以下の詳細説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構造が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法及び手段に限定されるものではない。さらに、当業者であれば、図面が縮尺どおりでないことは理解できるであろう。可能な限り、同種の要素には同一の符号を付している。
【0014】
以下に、例示のみを目的として、本開示の実施形態を下記の図を参照しながら説明する。
【
図1】本開示の一実施形態に係るネットワーク環境のブロック概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義するステップを示すフローチャートの図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係るオンラインゲームの管理方法のステップを示すフローチャートの説明図である。
【0015】
図面中、下線付きの符号は、その符号が配置されている、又は隣接している要素を表すために使用される。下線のない符号は、その符号と要素を結ぶ線によって識別される要素に関する。下線が引かれておらず、矢印が対応付けられている符号は、その矢印が指し示す要素全体を識別するために使用される。
【実施形態の詳細説明】
【0016】
以下の詳細説明は、本開示の実施形態と、それらを実施可能な方法とを示す。本開示を実施するいくつかの態様を開示したが、当業者であれば、本開示を実施又は実践するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0017】
第1の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理装置を提供する。この装置は、プロセッサとメモリとを備え、前記プロセッサは、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セット内のクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される。
【0018】
第2の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理方法を提供する。この方法は、
・ オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットを識別することと、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別することと、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定することと、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義することと、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にすることと
を含む。ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。
【0019】
第3の態様において、本開示の一実施形態は、オンラインゲームの管理システムを提供する。このシステムは、
・ クライアントデバイスのセットに通信可能に接続されたサーバと、
・ 前記サーバ及び前記クライアントデバイスに通信可能に接続された装置と、
を備え、前記装置は、
・ オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、
・ 前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、
・ 前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々と前記サーバとの間の通信レイテンシを決定し、
・ 前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含み、
・ 前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする
ように構成される。
【0020】
本開示は、オンラインゲームに参加するクライアントデバイスのセットに関連付けられたユーザ(「プレイヤー」とも呼ばれ、以下、これらの2つの用語は互換的に使用される)に公平なプレイのゲーム体験を提供するために、オンラインゲームの管理装置、システム、及び方法を提供する。本開示の実施形態は、ネットワーク及びデータレイテンシ、その他のゲームパラメータの結果であり得、オンラインゲームに参加しているユーザやプレイヤーにとって不快感をもたらすような、他のユーザに対するあるユーザの不当な優位性を緩和するための技術を提供する。さらに、本開示は、対応するクライアントデバイスに関連付けられた同じスキルレベル又は同じレイテンシ値のユーザをゲームセッションに参加させ、これによってオンラインゲームにおけるユーザの退屈さを軽減し、関心を維持する装置を提供する。
【0021】
本開示は、オンラインゲームの管理装置を提供する。本開示を通じて、本明細書で使用する「オンラインゲーム」という用語は、ゲーム用途に特別に設計されたアプリケーションプログラム等、特定の機能、タスク、又は活動を行うように設計された、完全で自己完結型のコンピュータプログラムを指す。本例において、オンラインゲームは、レースゲーム、冒険ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム(RPG)、戦略ゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム等のジャンルのものであってもよい。一例として、オンラインゲームは、ユーザやプレイヤーにゲームをプレイするためのインタラクティブな環境を提供するように設計される。ユーザは、オンラインゲームへのアクセス権を得た後、そのゲームにおけるゲームセッションに参加することができる。ユーザは、オンラインゲームの特徴に応じて、アプリケーション上のゲームをリアルタイムモード、準リアルタイムモード、又はオフラインモードのいずれかでプレイすることができる。本例では、オンラインゲーム(又はオンラインアプリケーション全般)は、マルチプレイヤーゲーム環境である。ここで、オンラインゲームは、複数のユーザを組み入れることができ、これにより各ユーザは、ゲーム環境におけるレイテンシに依らずオンラインゲームでかなり競争力のある体験をするように、いくつかの定義されたパラメータに応じてオンラインゲームの同じゲームセッションに参加するように選択される。
【0022】
本開示を通じて、本明細書で使用される「ユーザ」という用語は、コンピューティングデバイスを使用してオンラインゲームにアクセスし、そのゲームにおいてユーザ固有のアクションを実行する人(すなわち、人間)に関する。
【0023】
本開示の教示は、アプリケーション間で相互作用を持つために同様のパラメータ又は特性が求められるデータ通信環境において、他のサーバ及び/又はクライアントデバイスにアクセスしている複数のクライアントデバイスを含む任意のデータ通信環境に適用できることが理解されよう。このアプリケーションの一例として、オンラインゲームが挙げられる。そこで、以下では、本発明の一実施形態を、オンラインゲームに関して説明する。しかし、本発明の適用はオンラインゲームに限定されないことは明らかであろう。
【0024】
本開示の目的のために、ここで、オンラインゲームの管理装置が、通信ネットワークを介してオンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットと通信している、例示的なネットワーク環境が検討される。本装置及びクライアントデバイスのセットは、通信リンクを介して通信ネットワークに接続されてもよい。本開示を通じて、「通信ネットワーク」という用語は、出願時に利用可能である又は既知であるか、あるいは後に開発されたものであるかを問わず、1つ以上の電子機器及び/又はデータベース間のデータ通信を促進するように構成された、相互接続されたプログラマブル及び/又は非プログラマブルコンポーネントの配置に関する。さらに、通信ネットワークは、1つ以上のピアツーピアネットワーク、ハイブリッドピアツーピアネットワークを含んでもよいが、これらに限定されない。ここで、通信ネットワークは、互いに接続され、一つの大きなネットワークとして機能する個々のネットワークの集合であってもよい。そのような個々のネットワークは、有線、無線、又はそれらの組合せであってもよい。このような個々のネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、無線LAN(WLAN)、無線WAN(WWAN)、無線MAN(WMAN)、インターネット、第2世代(2G)移動通信ネットワーク、第3世代(3G)移動通信ネットワーク、第4世代(4G)移動通信ネットワーク、及び世界規模相互運用マイクロ波アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX)のネットワークが挙げられるが、これらに限定されない。これに加えて、又はその代わりに、コンピューティングデバイスは独自のBluetooth(登録商標)ネットワークを使用し、Bluetooth(登録商標)サーバに接続して、他の電子機器と同期を取ることができる。実施例によっては、ネットワークの通信リンクは、ハードワイヤリンク、光リンク、衛星又はその他の無線通信リンク、波動伝播リンク、又は情報通信のための他の任意の機構を含む様々なタイプのものであってもよい。
【0025】
ネットワーク環境は、可能な各種シナリオに応じて、様々な方法で実装されてもよいことが理解されよう。シナリオの一例として、ネットワーク環境は、プロセッサとメモリとを備える装置、又はシステム、装置、及びクライアントデバイスのセットの空間的に配列された配置によって実装されてもよい。特に、本装置は、オンラインゲームにおけるクライアントデバイスのセットを管理するように構成される。サーバ(詳細は後述)は、オンラインゲームをホストするように構成されていることが理解されよう。1つ又は複数の実施形態において、装置は、ゲームサーバを備える。ここで、ゲームサーバは、クライアントデバイスのセットに関連付けられた複数のユーザに対してオンラインゲームをホストするように構成される。本開示は、オンラインゲームの管理システムをさらに提供する。ここで、オンラインゲームはサーバによってホストされる。このようなシナリオでは、クライアントデバイスのセットの各々は、サーバと装置の両方に通信可能に接続されている。特に、サーバは、オンラインゲームをホストするように構成され、装置は、オンラインゲームに参加するクライアントデバイスのセットを管理するように構成される。別の例のシナリオでは、ネットワーク環境は、通信ネットワークを介して通信する、プロセッサとメモリとを備える装置及びクライアントデバイスのセットの空間的に分散した配置によって実装されてもよい。さらに別の例のシナリオでは、プロセッサとメモリとを含む装置は、クラウドサーバを介して実装されてもよい。
【0026】
本開示を通じて、「クライアントデバイスのセット」又は「クライアントデバイスセット」、「クライアントデバイスのグループ」又は「クライアントデバイスグループ」、「クライアントデバイスのサブグループ」又は「クライアントデバイスサブグループ」で使用される「クライアントデバイス」という用語は、ユーザがアプリケーションポータルに関連付けられた特定のタスクを実行できるようにすることができるユーザに関連付けられた(又はユーザが使用する)電子機器に関するものであることを指す。さらに、「クライアントデバイス」という用語は、無線通信ネットワークを介した音声通信及び/又はデータ通信に使用され得るあらゆる電子機器を含むように広義に解釈されることが意図されている。クライアントデバイスには、携帯電話、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス(MID)、タブレットコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(UMPC)、ファブレットコンピュータ、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、Webパッド、パーソナルコンピュータ(PC)、ハンディPC、ノートPC、デスクトップコンピュータ、ネットワーク接続ストレージ(Network Attached Storage:NAS)デバイス、PCを組み込んだ大型タッチスクリーン、ゲーム機(例えば、Sony PlayStation2(登録商標)、Microsoft X-Box(登録商標)、NINTENDO GAMECUBE(登録商標)等)、テレビ(TV)セット、セットトップボックス(STB)、ビデオスロットマシン、ビデオポーカーマシン等の対話型娯楽装置、キオスク、個人用カジノ装置を含み得るがこれらに限定されるものではなく、通常、クライアントデバイスに関する上記の要素の多く又はすべてを含む。さらに、「クライアントデバイス」という用語は、サーバによって提供されるオンラインゲームに参加することができる他の適切なクライアントデバイス又はプラットフォームを含んでもよい。クライアントデバイスのセットは、直接又は通信ネットワークを介して間接的に、サーバとインターフェイスを取ることができる。クライアントデバイスは、通常、そのユーザが、インターネットを介してサーバや他のシステムから提供される情報にアクセスし、処理し、閲覧することを可能にするプログラムを実行する。そのようなプログラムの例としては、ブラウザ(例えば、Microsoft社のInternet Explorer、Netscape Navigator)、ユーザインターフェイスプログラム、ゲームインターフェイス等が挙げられる。
【0027】
実施例によっては、クライアントデバイスは、通常、入力及び出力デバイスも備える。入力デバイスは、ユーザがクライアントデバイスと対話することを可能にし、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ペン等のポインティングデバイス、ジョイスティック、各種ゲームコントローラ(例えば、各種ゲームコンソール用のコントローラ、ハンドル、アクセルペダル等)等を備えてもよい。クライアントデバイスのユーザは、ゲームアプリケーションによって提供され、サーバによってホストされるオンラインゲームと対話するために、1つ以上の入力デバイスを使用してもよい。出力デバイスは、モニター、音声フィードバック用のスピーカー等を備えてもよい。オンラインゲームによって提供される動画、音声、画像、その他の種類の情報は、1つ以上の出力デバイスを使用してユーザに出力されてもよい。
【0028】
前述したように、本装置は、プロセッサとメモリとを備える。本開示を通じて、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、装置を駆動する命令に応答し処理するように動作可能な計算要素に関する。実施例によっては、プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(Complex Instruction Set Computing:CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(Reduced Instruction Set Computing:RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(Very Long Instruction Word:VLIW)マイクロプロセッサ、又は任意の他の種類の処理回路を含むが、これらに限定されない。さらに、「プロセッサ」という用語は、1つ以上の個別のプロセッサ、処理装置、及び他の処理装置で共有される可能性がある処理装置に関連付けられた各種要素を指してもよい。さらに、1つ以上の個々のプロセッサ、処理装置及び要素は、装置を駆動する命令に応答し処理するために、様々なアーキテクチャで配置される。
【0029】
本開示を通じて、本明細書で使用される「メモリ」という用語は、電気回路、磁気ディスク、仮想メモリ、光ディスク等、コンピュータがデータ又はソフトウェアを任意の期間保存できる揮発性又は永続性の媒体を指す。実施例によっては、メモリは物理記憶媒体等の不揮発性大容量記憶装置である。さらに、装置を分散させるシナリオでは、メモリを分散させることも可能である。ここで、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサが上記のような1つ以上の機能を実行するように構成された命令のセットを保存するように構成される。
【0030】
プロセッサは、オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットを識別するように構成される。クライアントデバイスのセットは、本装置に通信可能に接続される。特に、プロセッサは、クライアントデバイスのセットを識別するために、クライアントデバイスの各々の実行状態を識別するように構成される。一例では、プロセッサは、クライアントデバイスとサーバとの間のアクティブな通信リンクを決定することにより、リアルタイム又はほぼリアルタイムで装置に接続されているクライアントデバイスを識別し、これによって、クライアントデバイスがオンラインゲームに参加する準備ができていると判定する。別の例では、プロセッサは、オンラインゲームに参加する準備ができているクライアントデバイスのセットが、そのデバイスのユーザに関連付けられたゲームアカウントにログインしていると判定することによって、クライアントデバイスのセットとして複数のクライアントデバイスを識別する。特に、プロセッサは、クライアントデバイスのユーザがオンラインゲームに参加する前に、そのデバイスの実行状態を判定する。
【0031】
さらに、プロセッサは、クライアントデバイスのセット内のクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別するように構成される。特に、各クライアント端末に関連付けられたプレイヤーは、オンラインゲームにおいて1つ以上のゲームキャラクタ又はオブジェクトを制御することができる。「ゲームキャラクタ」という用語は、オンラインゲームに参加するプレイヤーが操作するそのゲーム内のアニメーションキャラクタやアバターに関するものであってもよい。ゲームキャラクタは、オンラインゲームにおいて目標を達成するために使用される様々なアクションを行うことができる様々な能力を保持してもよい。各プレイヤーは、クライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータによって数値化できるゲームキャラクタの制御等、ゲームをプレイするための異なる専門技術を有していることが理解されよう。1つ以上のゲームパラメータによって、共通のパラメータに基づいて互いに比較したときの各プレイヤーのレベルが決まる。
【0032】
実施例によっては、1つ以上のゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーのスキルレベル、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーキャラクタのリソースレベル、及びクライアントデバイスに関連付けられたアカウントで利用可能なリソースのうちの1つ以上を含む。
【0033】
一例として、識別されたゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーのスキルレベルである。プレイヤーのスキルレベルとは、オンラインゲーム内で一定期間行ったアクションに関するプレイヤーの効率性を示す指標である。特に、プレイヤーのスキルレベルは、戦争系ゲームにおけるヘッドショットやレースゲームにおける鋭いカーブのようなアクションの実行精度、戦略系ゲームや賭け金系ゲームにおけるリソース管理のような意思決定スキル、オンラインゲームで収集した最高報酬、オンラインゲームで達成した最高ゲームレベル等、プレイヤーが行った1つ以上のアクションによって評価及び/又は数値化することが可能である。
【0034】
別の例では、識別されたゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間である。クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間は、ゲームにおけるプレイヤーのスキルレベルに対応することが理解されよう。このような例では、プレイヤーの累積プレイ時間を、1時間未満、1時間~10時間、10時間~50時間、50時間~100時間、100時間超等の1つ以上の閾値に基づいて分割することが可能である。これに対応して、ゲームをインストール又は購入してからのプレイ時間が1時間未満のプレイヤーを同じグループとし、一方、合計プレイ時間が1時間~10時間(例えば、2時間半、6時間等)のプレイヤーを同じグループとすることができる。一例として、プレイヤーの累積プレイ時間は、プレイヤーのランキングシステムに関連付けることができる。このような例では、ゲームを1時間未満しかプレイしていないプレイヤーを「初心者」ランクに関連付け、1時間~10時間ゲームをプレイしたプレイヤーを「初級者」ランクに関連付けることができる。同様に、10時間~50時間プレイしたプレイヤーは「中級」ランク、50~100時間プレイしたプレイヤーは「上級」ランク、100時間超プレイしたプレイヤーは「達人」ランクに関連付けることができる。
【0035】
さらに別の例では、識別されたゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーキャラクタのリソースレベルである。本明細書で使用する「リソースレベル」という用語は、プレイヤーがゲームをプレイし、それに対応してゲームの異なるレベルを進むことにより、プレイヤーキャラクタによって収集される任意の収集可能な「リソース」に関連し得る。例えば、このようなリソースは、プレイヤーキャラクタが収集した体験量(又はXPポイント)、プレイヤーキャラクタに提示される様々なゲーム内の目的を達成することによってプレイヤーキャラクタが獲得するゲーム内通貨の量、ゲームを進めることによってプレイヤーキャラクタが獲得する1つ以上の「解除可能要素」(1つ以上のキャラクタスキン、武器スキン、音声セリフ、感情表現等)等を含むことができる。このような例では、同等のリソースレベルを有するプレイヤーを同じグループとし、例えば、0~1000のXPポイントを有するプレイヤーキャラクタに関連付けられたプレイヤーを同じグループとし、1000~5000のXPポイントを有するプレイヤーキャラクタに関連付けられたプレイヤーを同じグループとし、0~100ポイントの累積ゲーム内通貨を有するプレイヤーを同じグループとすることが可能である。
【0036】
さらに別の例では、識別されたゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたアカウントで利用可能なリソースである。様々なゲームが、そのゲーム外で行われる1つ以上のアクションを通じて、プレイヤーをゲームと対話可能にすることが理解されよう。例えば、ゲームは、1つ以上のキャラクタ、キャラクタ能力、ゲームプレイ機能、ラウンド等へのアクセス等、プレミアム機能に関連付けられたプレミアム料金を支払うことで、プレイヤーがその機能にアクセスできる無料プレイ(Free-to-Play)ゲーム(すなわち「F2Pゲーム」)であってもよい。これに伴い、プレミアム機能に関連付けられたプレミアム料金を支払っていないプレイヤーは、当該プレミアム機能を利用することができない。このようなプレイヤーをプレミアム料金を支払ったプレイヤーと対戦させると、そのプレイヤーは不利な立場でゲームをプレイすることになり、その結果、そのプレイヤーのゲームプレイ体験が低下することが理解されよう。したがって、アカウントに利用可能なリソースであって、1つ以上のプレミアム機能のそれぞれに対応するプレミアム料金の支払いに対応するリソースを有するプレイヤーは、同じグループとされる。例えば、ゲームに関連付けられた1つ以上のダウンロードコンテンツ(新しいプレイヤーキャラクタ、追加レベル、ストーリー拡張等)を解除するためにプレミアム料金を支払ったプレイヤーは、当該コンテンツを解除した他のプレイヤーとゲームをプレイ可能となる。
【0037】
さらに、プロセッサは、クライアントデバイスのセットから少なくとも1つのクライアントデバイスグループを定義するように構成される。ここで、少なくとも1つのクライアントデバイスグループは、同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含む。特に、少なくとも1つのクライアントデバイスグループは、クライアントデバイスに関連付けられた1人以上のプレイヤーが保持する同様のゲームパラメータに基づいて定義される。「同様の」とは、1つ以上のパラメータに対応する値が、定量的に±5%~±20%の範囲にあるプレイヤーを定義すること意味する。オンラインゲームの種類が異なれば、対応するクライアントデバイスに関連付けられた1人又は複数人のプレイヤーが同様であることを定義する範囲も異なり得ることが理解されよう。一例として、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーのパラメータ値が互いに5%以内であれば、ゲームパラメータに基づいてプレイヤーが同様であるとみなされる。この場合、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーは同じグループに振り分けられる。
【0038】
実施例によっては、上記のような同様のゲームパラメータに基づいて、複数のグループを定義することができる。一例として、それぞれのクライアントデバイスに関連付けられた6人のプレイヤー(すなわち、第1のプレイヤー、第2のプレイヤー、第3のプレイヤー、第4のプレイヤー、第5のプレイヤー、及び第6のプレイヤー)は、異なるスキルレベルを有している。ここで、第1のプレイヤーのスキルレベルは2、第2のプレイヤーのスキルレベルは14、第3のプレイヤーのスキルレベルは3、第4のプレイヤーのスキルレベルは16、第5のプレイヤーのスキルレベルは7、第6のプレイヤーのスキルレベルは20である。特に、第1のプレイヤー、第3のプレイヤー、第5のプレイヤーは同様のスキルレベルを有し、第2のプレイヤー、第4のプレイヤー、第6のプレイヤーは同様のスキルレベルを有している。したがって、第1のプレイヤー、第3のプレイヤー、第5のプレイヤーは第1グループに、第2のプレイヤー、第4のプレイヤー、第6のプレイヤーは第2グループに振り分けられる。本明細書で説明する例は、理解を深めるためのものにすぎない。しかし、プロセッサは、何百ものゲームパラメータを効率的に識別し、それに応じて、同様のゲームパラメータに基づいて何百ものクライアントデバイスのグループを定義するように構成されていることが理解されよう。
【0039】
有益なことに、そのような方法で、クライアントデバイスのセット内のクライアントデバイスに関連付けられた1人以上のプレイヤーを、同様のゲームパラメータを有するクライアントデバイスのグループにそれぞれグループ化することができる。
【0040】
さらに、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定するように構成される。実施例によっては、サーバはゲームサーバであり、オンラインゲームにおける複数のゲームアプリケーションをホストするように構成される。本開示を通じて、「サーバ」という用語は、情報を保存、処理、及び/又は共有するように構成されたプログラマブル及び/又は非プログラマブルコンポーネントを含む構造及び/又はモジュールを指す。実施例によっては、サーバは、様々な計算タスクを実行するために情報を強化することができる物理的又は仮想的な計算エンティティの任意の構成を含む。さらに、サーバは、単一のハードウェアサーバ及び/又は並列又は分散アーキテクチャで動作する複数のハードウェアサーバであってもよいことが理解されよう。一例として、サーバは、メモリ、プロセッサ、ネットワークアダプタ等のコンポーネントを含み、クライアントデバイス等の他のコンピューティングコンポーネントと情報を保存、処理、及び/又は共有してもよい。実施例によっては、サーバはオンラインゲームサーバである。ここで、サーバは、オンラインゲームをホストするように構成され、これによって、クライアントデバイスを介してアクセス可能な複数のゲームアプリケーションを提供する。この点、サーバは、異なる地理的位置に設置された第1のゲームサーバ及び第2のゲームサーバを備える等、分散型アーキテクチャを有してもよい。
【0041】
本開示を通じて、本明細書で使用する用語「通信レイテンシ」(「レイテンシ」ともいう)は、信号がサーバとの間で移動するのにかかる時間を指す。特に、通信レイテンシが、伝送媒体(例えば、銅線、光ファイバー、電波)の速度と、サーバとの間に介在するデバイス(例えば、ルータやモデム)による伝送の遅延に依存する。レイテンシが短いということは、ネットワーク効率が高いことを示す。特に、瞬時の応答が求められるリアルタイムゲームシステムという側面に関して、通信レイテンシは重要な考慮事項である。ここで、レイテンシ(「ラグ」ともいう)が長いと、どのプレイヤーが先にアクションを起こしたのか(相手を撃つ、質問に答える等)を判定するのが難しくなることがある。ゲームの種類やユーザのスキルレベルに応じて、ユーザが満足し得る通信レイテンシは異なることが理解されよう。例えば、バックギャモン等のスローカジュアルゲームやスローアクションロールプレイングゲームでは100msのレイテンシは許容できるかもしれないが、高速アクションゲームでは70msや80msを超えるレイテンシはユーザのゲームパフォーマンスを損ねる可能性があり、許容できない。例えば、高反応速度を必要とするゲームでは、レイテンシが50msから100msに増加すると精度が急激に低下することが分かっている。このような通信レイテンシは、伝送損失、圧縮に要する時間、フレームレートの調整に要する時間等に起因し得ることが理解されよう。
【0042】
実施例によっては、通信レイテンシは、クライアントデバイスの各々からサーバに制御信号を送信することによって決定することができる。特に、制御信号にはタイムスタンプが付与されているため、サーバ位置とクライアントデバイス位置のそれぞれのタイムスタンプが提供する時間差を計算することにより、テスト制御信号が対応するクライアントデバイスからサーバまで移動するのに要する時間が求められる。特に、レイテンシは、ネットワーク環境における様々な予測可能な理由と予測不能な理由によって引き起こされる可能性がある。そのため、通信レイテンシの決定は、通信レイテンシの原因に依存する部分がある。さらに任意の実施形態では、通信レイテンシは、統計的な方法を用いて決定することができる。一例として、サーバまでの平均レイテンシを、レイテンシが決定されていないクライアントのレイテンシ値として使用することができる。ここで、通信レイテンシは、当技術分野で知られている通信レイテンシの決定の様々な方法及びシステムによって決定され得ることが理解されよう。
【0043】
実施例によっては、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間で、その間の通信レイテンシを安全に決定するべく、一対の暗号鍵を共有するように構成される。ここで、暗号鍵は、プロセッサによって、サーバとクライアントデバイスの各々との間で送信される信号の暗号化及び復号に使用される。具体的には、一対の暗号鍵のうちの第1の暗号鍵を各クライアントデバイスと共有し、一対の暗号鍵のうちの第2の暗号鍵をサーバと共有する。このような信号の暗号化によって、悪意のある第三者の攻撃、破損又は妨害に対抗することが理解されよう。具体的には、暗号鍵は、サーバによって用いられる権利に関する制約が定義されたアクセス保護権を提供する。
【0044】
ある例では、暗号鍵は、公開鍵、秘密鍵のいずれか一つである。通信レイテンシは、対称型暗号技術又は非対称型暗号技術を使用して決定される。一例として、非対称型暗号技術を使用して通信レイテンシを決定する。このような技術では、サーバとクライアントデバイスの間に接続が確立されると、クライアントデバイスで非対称鍵ペアが生成される。この非対称鍵ペアは、通常、2つの不同な数字鍵が対になって構成される。鍵ペアの一方の鍵は、一般にネットワーク上のすべてのユーザと共有される公開鍵であり、もう一方の鍵はクライアントデバイス内で秘密にされる秘密鍵である。生成された鍵ペアの公開鍵はサーバに伝達され、そこに保存される。ここで、クライアントデバイスは、特定のデータ(ここでは、テスト制御信号)を秘密鍵で署名し、その後、テスト制御信号をサーバに伝達することができる。サーバは、テスト制御信号を利用可能な公開鍵で復号することにより、クライアントデバイスの真正性を確認するように構成される。ここで、プロセッサは、セキュアな通信路を介して、サーバとクライアントデバイスの各々との間の通信レイテンシを安全に決定する。特に、クライアントデバイスからサーバへのデータパケット(すなわち、テスト制御信号)の送信時刻、及びその逆を時間的に識別できるようにすることで、通信レイテンシを決定できる。特に、一対の暗号鍵は、当該テスト制御信号を安全に送受信するために使用される。このような鍵を使用することは、ユーザが端末の通信レイテンシを変更しようとして、レイテンシの決定に関するメッセージを遅延させる等の事態を回避するために重要である。ユーザは、最初にレイテンシの長いグループに割り振られ、実際にはレイテンシが短いことを利用して他のユーザに勝つために、そのような意図を持つことが考えられる。
【0045】
さらに任意に、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定するためにユーザデータグラムプロトコル(UDP)接続を確立するように構成される。UDPは、インターネットプロトコル上で動作することが理解できるであろう。特に、UDPは、サーバとクライアントデバイスの各々との間に短レイテンシかつ損失許容の接続を確立し、その間に確実に信号を送信する。そのため、UDP接続では、サーバとクライアントデバイスの各々と間のデータパケットの伝搬にかかる短遅延(又は時間間隔)を保証する。この点で、プロセッサは、サーバとの間のデータパケット、具体的には信号の所望の伝搬を保証するために、サーバとクライアントデバイスの各々との間の通信レイテンシを決定するように動作可能である。
【0046】
さらに、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの各々から、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループを定義するように構成される。ここで、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループは、同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。特に、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループは、上記グループに含まれる複数のクライアントデバイスの各々とサーバとの間の同様の通信レイテンシに基づいて定義される。「同様の」とは、±5%~±20%の範囲にある、クライアントデバイスとサーバとの間の通信レイテンシを定義することを意味する。ネットワーク環境の種類が異なれば、上記グループに含まれるクライアントデバイスの各々が同様であることを定義する範囲も異なり得ることが理解されよう。一例として、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーのレイテンシ値が互いに5%以内であれば、通信レイテンシに基づきプレイヤーが同様であるとみなされる。この場合、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーは同じサブグループに振り分けられる。
【0047】
実施例によっては、上記のような同様の通信レイテンシに基づいて、複数のサブグループを定義することができる。一例として、クライアントデバイスのグループ(すなわち、第1のクライアントデバイス、第2のクライアントデバイス、第3のクライアントデバイス、第4のクライアントデバイス、第5のクライアントデバイス、及び第6のクライアントデバイス)は、異なる通信レイテンシを有する。例えば、第1のクライアントデバイスの通信レイテンシは100ミリ秒(ms)、第2のクライアントデバイスの通信レイテンシは85ミリ秒(ms)、第3のクライアントデバイスの通信レイテンシは113ミリ秒(ms)、第4のクライアントデバイスの通信レイテンシは78ミリ秒(ms)、第5のクライアントデバイスの通信レイテンシは127ミリ秒(ms)、第6のクライアントデバイスの通信レイテンシは90ミリ秒(ms)である。特に、第1のクライアントデバイス、第3のクライアントデバイス、及び第5のクライアントデバイスは同様の通信レイテンシを有し、第2のクライアントデバイス、第4のクライアントデバイス、及び第6のクライアントデバイスは同様の通信レイテンシを有している。したがって、第1のクライアントデバイス、第3のクライアントデバイス、及び第5のクライアントデバイスは、第1サブグループに、第2のクライアントデバイス、第4のクライアントデバイス、及び第6のクライアントデバイスは、第2サブグループに割り振られる。本明細書で説明する例は、理解を深めるためのものにすぎない。しかしながら、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの各々における複数のクライアントデバイスの通信レイテンシを効率的に決定し、それに応じて、同様の通信レイテンシに基づいて複数のサブグループを定義するように構成されることが理解されよう。こうして得られたサブグループは、同様のゲームパラメータや通信レイテンシを有する利点がある。
【0048】
実施例によっては、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループを定義するように構成される。プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第1のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第1のレイテンシ値を測定するように構成される。さらに、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第2のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第2のレイテンシ値を測定するように構成される。前述のように、第1のクライアントデバイスからサーバへ、第2のクライアントデバイスからサーバへ、それぞれテスト制御信号を送信することにより、第1のレイテンシ値及び第2のレイテンシ値を決定することができる。さらに、安全に通信レイテンシを決定するべく、一対の暗号鍵を共有することにより第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値を決定できる。
【0049】
第1の例では、第1の通信レイテンシ値は200ms、第2の通信レイテンシ値は150msと決定され得る。第2の例では、第1のレイテンシ値は200ms、第2のレイテンシ値は78msと決定され、さらに、プロセッサは、第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値との差を計算するように構成される。第1の例では、第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値との差は50msと計算される。第2の例では、第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値の差は122msと計算される。さらに、プロセッサは、計算された差が予め定められた閾値を下回る場合、第1のクライアントデバイス及び第2のクライアントデバイスをクライアントデバイスの同じサブグループに割り振るように構成される。さらに、プロセッサは、計算された差が予め定められた閾値を上回る場合、クライアントデバイスの異なるサブグループに割り振るように構成される。ここで、予め定められた閾値とは、これを下回るクライアントデバイスのグループを同一のサブグループに割り振り、これを上回るクライアントデバイスのグループを異なるサブグループに割り振るレイテンシ値である。上記の例では、予め定められた閾値が60msであったとする。第1の例では、計算された差は50msであり、予め定められた閾値を下回るため、第1のクライアントデバイスと第2のクライアントデバイスは、クライアントデバイスの同じサブグループに割り振られる。第2の例では、計算された差は112msであり、よって、第1のクライアントデバイスと第2のクライアントデバイスは、クライアントデバイスの異なるサブグループに割り振られる。
【0050】
例示的な実装では、クライアントデバイスのセットは、表1に関連して説明されるように、ゲームパラメータと通信レイテンシに基づいて、2つのグループと5つのサブグループに分けられる。
【0051】
【0052】
表から分かるように、一意の識別子を持つプレイヤーは10人である。ここで、10人のプレイヤーをそれぞれのスキルレベルに応じて「グループ1」と「グループ2」の2つのグループに分ける。プレイヤーIDが1、2、7、8、9のプレイヤーは熟練者であるため「グループ1」に、プレイヤーIDが3、4、5、6、10のプレイヤーは熟練者ではないため「グループ2」に割り振られている。
【0053】
「グループ1」と「グループ2」は、通信レイテンシ値に基づいて、さらに5つのサブグループに分けられる。「グループ1」に属するプレイヤーのうち、同様の通信レイテンシ値を有する、すなわち、プレイヤーIDが1、2、7のプレイヤーは、サブグループ「A」に割り振られる。「グループ2」に属するプレイヤーのうち、同様の通信レイテンシ値を有する、すなわち、プレイヤーIDが3と6のプレイヤーは、サブグループ「B」に割り振られる。「グループ2」に属するプレイヤーのうち、同様の通信レイテンシ値を有する、すなわち、プレイヤーIDが4と5のプレイヤーは、サブグループ「C」に割り振られる。「グループ1」に属するプレイヤーのうち、同様の通信レイテンシ値を有する、すなわちプレイヤーIDが8と9のプレイヤーは、サブグループ「D」に割り振られる。また、プレイヤーIDが10のプレイヤーは、その通信レイテンシ値から自分のスキルレベルに見合ったプレイヤーと対戦させるのは公平でなく、単独でサブグループ「E」にいる。
【0054】
実施例によっては、プレイヤーIDが10のプレイヤーは、サブグループ「A」、すなわち、より優れたプレイヤーのサブグループに関連付けられる。プレイヤー10は、短いレイテンシによってスキル不足が補われ、すなわち、ゲーム体験が損なわれないため、そのグループに入れることができる。別の実施形態では、プレイヤー10はグループ「A」に関連付けられるが、遅延モジュール(詳細は後述)が本装置及び/又はゲームサーバに追加される。この場合、プレイヤーIDが10のプレイヤーを受け入れるために、サブグループ「A」のプレイヤーにレイテンシを発生させることができる。さらに別の実施形態では、プレイヤーIDが7のプレイヤーをグループEに割り振ることができる。このようにすると、プレイヤーIDが7の熟練プレイヤーは、プレイヤーIDが10の熟練度の低いプレイヤーと対戦することができるが、レイテンシの差によって補償され、良いゲーム体験につながる。
【0055】
レイテンシ値が測定又は決定されていないプレイヤーのための任意の配置によれば、そのプレイヤーが使用しているのと同じサーバに関連付けられた他のプレイヤーの平均レイテンシ値を使用することができる。これは、すべてのプレイヤーのレイテンシ値を測定する必要性が減るために有益である。
【0056】
さらに、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループのクライアントデバイスをオンラインゲームのゲームセッションに参加可能にするように構成される。特に、特定のサブグループに関連付けられたクライアントデバイスは、プロセッサによって、オンラインゲームの同じゲームセッションに参加するように指示される。こうすることで、通信レイテンシやユーザのスキルセット等を考慮し、より正確にクライアントデバイスを割り振ることができる。特に、オンラインゲームは、異なるセッションでプレイされ、例えばそのオンラインゲームの各レベルがゲームセッションである。ここで、各サブグループのクライアントデバイスは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーが公平なプレイのゲーム体験をするように、同じゲームセッションに参加する。一例として、同じサブグループのクライアントデバイスに関連付けられた第1のプレイヤーと第2のプレイヤーは、同じゲームセッションで対戦することができ、ユーザに競争力のあるゲーム体験を提供する。別の例では、第1のプレイヤーと第2のプレイヤーは同じゲームセッションで互いにチームとしてプレイするができ、プレイヤーに強化されたユーザ体験を提供する。
【0057】
一実施形態によれば、プロセッサは、ゲームパラメータの変更又はその通信レイテンシの変更に応じて、クライアントデバイスを異なるサブグループに再割り振りするようにさらに構成される。各クライアントデバイスのゲームパラメータ及び/又はクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシは、動的なエンティティであり、すなわち、これらの値は一定期間にわたって変化し得ることが理解されよう。このため、プロセッサは、クライアントデバイスの各々に関連付けられたゲームパラメータ及び通信レイテンシの各々(以下、「エンティティ」と総称する)を継続的に監視し、変更されたエンティティに基づいてグループ及びサブグループを再定義するように構成される調整モジュールをさらに備える。この技術的効果により、通信状況が変化しても良好なユーザ体験を維持することができる。例えば、ネットワークの負荷や携帯端末の移動によって、通信レイテンシが変化することがある。
【0058】
実施例によっては、プロセッサは、リアルタイム及び/又は一定期間にわたってサーバに接続されているクライアントデバイスの各々の構造化リストをメモリに保存するように構成される。さらに、クライアントデバイスの各々は、リスト内の対応するクライアントデバイスに関連付けられ、その後メモリに保存される一意の識別値を有してもよい。特に、クライアントデバイスの各々に関連付けられたゲームパラメータ、クライアントデバイスの各々に関連付けられた通信レイテンシ、クライアントデバイスが関連付けられるグループ及びサブグループがメモリに保存されている。プロセッサの調整モジュールは、構造化リストにアクセスし、それに応じてリアルタイム又はほぼリアルタイムでこのリストを常時更新するように構成される。さらに、プロセッサは、変更されたゲームパラメータと1つ以上のクライアントデバイスの通信レイテンシとに基づいて、1つ以上のクライアントデバイスを再割り振りするように構成される。このような技術により、動的な環境、すなわち、オンラインゲームのエンティティが常に変化するような環境においても、プレイヤーに公平な体験を保証できることが理解されよう。
【0059】
実施例によっては、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの第1のサブグループを第1のゲームサーバに関連付け、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの第2のサブグループを第2のゲームサーバに関連付けるように構成される。特に、前述のようにサーバはゲームサーバであり、異なるゲームサーバが異なる場所に配置されているような分散型アーキテクチャを有してもよい。一例として、第1のゲームサーバは第1の場所に配置され、第2のゲームサーバは第2の場所に配置されてもよい。ここで、プロセッサは、クライアントデバイスの第1のサブグループを第1のゲームサーバに関連付け、クライアントデバイスの第2のサブグループを第2のゲームサーバに関連付けるように構成される。このような装置では、同じサブグループに割り振られたクライアントデバイスが共通のアクセスポイントを持つようにし、これによってこのサブグループのクライアントデバイスの各々の通信レイテンシを維持することが理解されよう。実施例によっては、プロセッサは、クライアントデバイスの第1のサブグループのクライアントデバイスを関連付けられた第1のゲームサーバと同じゲームセッションに参加可能にするようにさらに構成される。さらに、プロセッサは、クライアントデバイスの第2のサブグループのクライアントデバイスを関連付けられた第2のゲームサーバと同じゲームセッションに参加可能にするようにさらに構成される。
【0060】
1つ以上の実施形態において、プロセッサは、クライアントデバイスを第1のゲームサーバから第2のゲームサーバに、さらにその逆に、再割り振りするようにさらに構成される。すなわち、実施形態によれば、第1のゲームサーバに関連付けられたサブグループの第1のセットのうち特定のサブグループに関連付けられた実現可能なクライアントデバイスがない場合、ユーザは、再割り振りされたゲームサーバに関連付けられたサブグループでマッチが行われ得る他のサーバに再ルーティングされる場合がある。
【0061】
一実施形態によれば、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループのクライアントデバイスとサーバとの間に実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、遅延モジュールを少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループにおける1つ又は複数のクライアントデバイスに関連付けるようにさらに構成される。本開示を通じて、「遅延モジュール」という用語は、サーバから受信され、その後クライアントデバイスにルーティングされる、さらにその逆の、1つ以上の信号の遅延を発生させるようにプロセッサを構成するためのプロセッサによって実行可能な命令の集合又はセットを指す。さらに、「遅延モジュール」という用語は、クライアントデバイス及び/又はサーバとの間の通信に遅延を与えるように構成された、プログラマブル及び/又は非プログラマブル電子機器を指してもよい。
【0062】
この点で、サーバとクライアントデバイスの各々との間の通信レイテンシを決定すると、プロセッサは、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループにおける1つ以上のクライアントデバイスに適切な遅延モジュールを関連付ける。実施例によっては、遅延モジュールは、実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループにおける1つ以上のクライアントデバイスとサーバとの間の通信レイテンシを延ばすように構成される。特に、遅延モジュールが、クライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシが実質的に同一となることを保証する。そのため、クライアントデバイスの各々は実質的に同一の時刻にデータパケットを受信する。このように、サーバからデータパケットを受信する時刻が同一であることで、クライアントデバイスの各々に関連付けられたユーザが確実に同様の体験を得られるため、ユーザのアクションのいかなるラグも防止し、さらに高いユーザ体験を提供する。遅延を加える方法として、デバイスとサーバとの間のパケット中継を遅延させるようにルータを設定する方法がある。遅延は、サーバ側で受信した通信パッケージに対して発生させることもできるし、アプリケーションの環境に応じて命令を遅延させることでアプリケーションに発生させることもできる。
【0063】
前述のように、本開示は、オンラインゲームの管理システムも提供し、このシステムは、サーバと装置とを備える。サーバは、クライアントデバイスのセットと通信可能に接続されている。本装置は、サーバとクライアントデバイスのセットとに通信可能に接続されている。ここで、本装置は、オンラインゲームに参加している、前記装置に通信可能に接続されたクライアントデバイスのセットを識別し、前記セットのクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータを識別し、前記セットからクライアントデバイスの少なくとも1つのグループを定義し、前記少なくとも1つのグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定し、前記少なくとも1つのグループの各々からクライアントデバイスの少なくとも1つのサブグループを定義し、前記少なくとも1つのサブグループのクライアントデバイスを前記オンラインゲームのゲームセッションに参加可能にするように構成される。ただし、前記少なくとも1つのグループは同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含み、ただし、前記少なくとも1つのサブグループは同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。
【0064】
以上開示した実施形態及び詳細は、このオンラインゲームの管理システムにも準用される。
【0065】
前述したように、本開示は、オンラインゲームの管理方法も提供する。以上開示した実施形態及び内容は、このオンラインゲームの管理方法にも準用される。
【0066】
実施例によっては、ゲームパラメータは、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーのスキルレベル、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーの累積プレイ時間、クライアントデバイスに関連付けられたプレイヤーキャラクタのリソースレベル、及びクライアントデバイスに関連付けられたアカウントで利用可能なリソースのうちの1つ以上を含む。
【0067】
実施例によっては、少なくとも1つのサブグループを定義する方法は、
・ 少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第1のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第1のレイテンシ値を測定することと、
・ 少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第2のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第2のレイテンシ値を測定することと、
・ 第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値との差を計算することと、
・ 第1のクライアントデバイス及び第2のクライアントデバイスを、
・ 計算された差が予め定められた閾値を下回る場合は、クライアントデバイスの同じサブグループに、又は
・ 計算された差が予め定められた閾値を上回る場合は、クライアントデバイスの異なるサブグループに
割り振ることと
を含む。
【0068】
実施例によっては、本方法は、ゲームパラメータの変更又はその通信レイテンシの変更に応じて、クライアントデバイスを異なるサブグループに再割り当てすることをさらに含む。
【0069】
実施例によっては、本方法は、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの第1のサブグループを第1のサーバに関連付け、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの第2のサブグループを第2のサーバに関連付けることをさらに含む。
【0070】
任実施例によっては、本方法は、
・ クライアントデバイスの第1のサブグループのクライアントデバイスを関連付けられた第1のサーバと同じゲームセッションに参加可能にすることと、
・ クライアントデバイスの第2のサブグループのクライアントデバイスを関連付けられた第2のサーバと同じゲームセッションに参加可能にすることと
をさらに含む。
【0071】
実施例によっては、本方法は、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間で、その間の通信レイテンシを安全に決定するために、一対の暗号鍵を共有することをさらに含む。
【0072】
実施例によっては、本方法は、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシを決定するためにユーザデータグラムプロトコル(UDP)接続を確立することをさらに含む。
【0073】
実施例によっては、本方法は、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループのクライアントデバイスとサーバとの間に実質的に同一の通信レイテンシを形成することをさらに含む。
【0074】
実施例によっては、本方法は、実質的に同一の通信レイテンシを形成するべく、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループにおける1つ以上のクライアントデバイスとサーバとの間の通信レイテンシを延ばすことをさらに含む。
【図面の詳細説明】
【0075】
図1を参照すると、本開示の一実施形態によるネットワーク環境100のブロック概略図が示されている。ネットワーク環境100は、プロセッサ104及びメモリ106を備える装置102と、第1のゲームサーバ108及び第2のゲームサーバ110等のゲームサーバと、第1のクライアントデバイス112、第2のクライアントデバイス114、第3のクライアントデバイス116、及び第4のクライアントデバイス118等のクライアントデバイスと、を備える。さらに、本システムは、前述のすべてのエンティティ間の通信が行われる通信ネットワーク101を備える。
【0076】
図1は単なる一例であり、本明細書の請求の範囲を不当に制限すべきではないことは理解されよう。オンラインゲームの管理装置102の特定の指定事項は、例として提供され、プロセッサ104、メモリ106、第1のゲームサーバ108及び第2のゲームサーバ110等のゲームサーバを備えるサーバ120、第1のクライアントデバイス112、第2のクライアントデバイス114、第3のクライアントデバイス116、及び第4のクライアントデバイス118等のクライアントデバイス、並びに通信ネットワーク101の特定の数、種類、又は配置に装置102を限定すると解釈するものではないことが理解されよう。当業者であれば、本開示の実施形態の多くの変形、代替、及び修正を認識することができる。サーバ120は、図では、第1のゲームサーバ108と第2のゲームサーバ110とが地理的に異なる場所にあるが、論理的には同じサーバの一部を構成する分散型サーバである。
【0077】
図2を参照すると、本開示の一実施形態に係る少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループを定義するステップを示すフローチャート200が図示されている。ステップ202では、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第1のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第1のレイテンシ値が測定される。ステップ204では、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのうちの第2のクライアントデバイスとサーバとの間の通信に関連付けられた第2のレイテンシ値が測定される。ステップ206では、第1のレイテンシ値と第2のレイテンシ値との差が計算される。ステップ208では、計算された差が予め定められた閾値を下回るか否かが判定される。計算された差が予め定められた閾値を下回る場合、「Y」の方に進み、計算された差が予め定められた閾値を上回る場合、「N」の方に進む。「Y」の方に進むと、ステップ210が実行され、第1のクライアントデバイスと第2のクライアントデバイスがクライアントデバイスの同じサブグループに割り振られる。「N」の方に進むと、ステップ212が実行され、第1のクライアントデバイスと第2のクライアントデバイスがクライアントデバイスの異なるサブグループに割り振られる。
【0078】
図3を参照すると、本開示の一実施形態に係るオンラインゲームの管理方法のステップを示すフローチャートが図示されている。ステップ302では、オンラインゲームに参加しているクライアントデバイスのセットが識別される。ステップ304では、セット内のクライアントデバイスの各々に関連付けられた1つ以上のゲームパラメータが識別される。ステップ306では、クライアントデバイスのセットから少なくとも1つのクライアントデバイスグループが定義され、ここで、少なくとも1つのクライアントデバイスグループは、同様のゲームパラメータを有する複数のクライアントデバイスを含む。ステップ308では、少なくとも1つのクライアントデバイスグループのクライアントデバイスの各々とサーバとの間の通信レイテンシが決定される。ステップ310では、少なくとも1つのクライアントデバイスグループの各々からの少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループが定義され、ここで、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループは、同様の通信レイテンシを有する複数のクライアントデバイスを含む。ステップ312では、少なくとも1つのクライアントデバイスサブグループのクライアントデバイスをオンラインゲームのゲームセッションに参加可能にする。
【0079】
前述の本開示の実施形態は、添付の請求項に定義される本開示の範囲から逸脱することなく変更可能である。本開示を説明し、請求するために使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「有する」、「ある」等の表現は、非排他的に解釈されることを意図しており、すなわち明示的に説明されていない品目、構成要素、又は要素も存在することが許容される。また、単数形への言及は、その複数形にも関すると解釈される。
【国際調査報告】