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特表2023-528764個別要素岩石発破移動方法、装置、及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】個別要素岩石発破移動方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F42D 3/04 20060101AFI20230629BHJP
   E21D 9/00 20060101ALI20230629BHJP
   F42D 1/00 20060101ALI20230629BHJP
   E21C 41/00 20060101ALI20230629BHJP
   E21B 7/00 20060101ALI20230629BHJP
   F42D 1/08 20060101ALI20230629BHJP
   F42D 99/00 20090101ALI20230629BHJP
【FI】
F42D3/04
E21D9/00 C
F42D1/00
E21C41/00
E21B7/00
F42D1/08
F42D99/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570406
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 US2021033411
(87)【国際公開番号】W WO2021236932
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/028,345
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/124,412
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/324,704
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520281295
【氏名又は名称】ダイノ ノベル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNO NOBEL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】デイル エス プリース
(72)【発明者】
【氏名】エイ ビー エム アブドゥル アリ ブイヤン
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA05
2D129AB13
2D129AC04
2D129HA01
2D129HA05
2D129JA01
(57)【要約】
発破モデリングシステムは、発破入力データに基づいて現場モデルを生成し得る。発破入力データは、発破孔データ、ベンチ上方、及び知識入力データを含み得る。現場モデルは、岩石質量を表す複数の別個の要素を含み得る。各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧を介して間接的に結合されるように、1つ又は複数の線の端点を結ぶことによって形成される幾何学的輪郭を有し得る。発破モデリングシステムは、複数の要素を使用して発破をシミュレートし得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爆砕モデリングの方法であって、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含み、
各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧によって間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記1つ又は複数の線の前記端点を結ぶことによって形成される形状を有する、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突に基づいて、各弧の半径は増大し、前記1つ又は複数の線の各々の長さは減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素間の接触を検出することを含み、接触を検出することは、
前記近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと、
命令を記憶したメモリと、
を備えた計算装置であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含み、
各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧によって間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記1つ又は複数の線の前記端点を結ぶことによって形成される形状を有する、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行うように前記装置を構成する、計算装置。
【請求項12】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項11に記載の計算装置。
【請求項13】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素間の接触を検出することを含み、接触を検出することは、
前記近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、請求項11に記載の計算装置。
【請求項14】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項13に記載の計算装置。
【請求項15】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項13に記載の計算装置。
【請求項16】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項11に記載の計算装置。
【請求項17】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項11に記載の計算装置。
【請求項18】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項17に記載の計算装置。
【請求項19】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項17に記載の計算装置。
【請求項20】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項11に記載の計算装置。
【請求項21】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含み、
各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧によって間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記1つ又は複数の線の前記端点を結ぶことによって形成される形状を有する、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素間の接触を検出することを含み、接触を検出することは、
前記近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項23に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項23に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項27に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項27に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
爆砕モデリングの方法であって、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含む、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を含み、
前記発破をシミュレートすることは、
近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、方法。
【請求項32】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
各要素は、2つ以上の線が弧を介して間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記2つ以上の線の端点を結ぶことによって形成される形状を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
プロセッサと、
命令を記憶したメモリと、
を備えた計算装置であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含む、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行うように前記装置を構成し、
前記発破をシミュレートすることは、
近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、計算装置。
【請求項42】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項41に記載の計算装置。
【請求項43】
各要素は、2つ以上の線が弧を介して間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記2つ以上の線の端点を結ぶことによって形成される形状を有する、請求項41に記載の計算装置。
【請求項44】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項41に記載の計算装置。
【請求項45】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項41に記載の計算装置。
【請求項46】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項41に記載の計算装置。
【請求項47】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項41に記載の計算装置。
【請求項48】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項47に記載の計算装置。
【請求項49】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項47に記載の計算装置。
【請求項50】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項41に記載の計算装置。
【請求項51】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含む、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行わせ、
前記発破をシミュレートすることは、
近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項52】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項53】
各要素は、2つ以上の線が弧を介して間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記2つ以上の線の端点を結ぶことによって形成される形状を有する、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項54】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項55】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項56】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項57】
各要素の前記形状は、角が丸められた多角形である、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項58】
前記要素の少なくとも幾つかは異なる形状である、請求項57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項59】
前記要素の同じ形状の少なくとも幾つかは異なるサイズである、請求項57に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項60】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項51に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項61】
爆砕モデリングの方法であって、
発破孔データ、ベンチ上方、及び地質入力データを含む入力データを受信することと、
前記入力データに基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは発破孔のセットを含む、生成することと、
前記発破孔のセットの各発破孔の周囲のゾーンを識別することであって、各ゾーンは、関連する発破孔から標的距離である周辺を含む、識別することと、
弧及び線を含む複数の非円形要素に前記現場モデルを断片化することであって、前記ゾーン内の非円形要素の第1のセットは、前記ゾーン外の非円形要素の第2のセットよりも小さい、断片化することと、
前記複数の非円形要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を含む、方法。
【請求項62】
前記複数の非円形要素の層をオフセットすることを更に含む請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ベンチ面又は発破孔を横断する要素を切断することを更に含む請求項61に記載の方法。
【請求項64】
要素の面積を間隔及び岩石密度で乗算することによって前記複数の非円形要素の各々の質量を特定することを更に含む請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記現場モデルを回転させて、地質傾斜を生み出すことを更に含む請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記複数の非円形要素の負荷解放時間を識別することを更に含む請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記発破孔がサブ掘削される場合、前記非円形要素を発破ピットの下で第1の負荷の長さによってベンチ面を超えて延長させる、延長させること、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
プロセッサと、
命令を記憶したメモリと、
を備えた計算装置であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
発破孔データ、ベンチ情報、及び地質入力データを含む入力データを受信することと、
前記入力データに基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは発破孔のセットを含む、生成することと、
前記発破孔のセットの各発破孔の周囲のゾーンを識別することであって、各ゾーンは、関連する発破孔から標的距離である周辺を含む、識別することと、
弧及び線を含む複数の非円形要素に前記現場モデルを断片化することであって、前記ゾーン内の非円形要素の第1のセットは、前記ゾーン外の非円形要素の第2のセットよりも小さい、断片化することと、
前記複数の非円形要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行うように前記装置を構成する、計算装置。
【請求項69】
前記命令は、前記複数の非円形要素の層をオフセットするように前記装置を更に構成する、請求項68に記載の計算装置。
【請求項70】
前記命令は、ベンチ面又は発破孔を横断する要素を切断するように前記装置を更に構成する、請求項68に記載の計算装置。
【請求項71】
前記命令は、要素の面積を間隔及び岩石密度で乗算することによって前記複数の非円形要素の各々の質量を特定するように前記装置を更に構成する、請求項68に記載の計算装置。
【請求項72】
前記命令は、前記現場モデルを回転させて、地質傾斜を生み出すように前記装置を更に構成する、請求項68に記載の計算装置。
【請求項73】
前記命令は、前記複数の非円形要素の負荷解放時間を識別するように前記装置を更に構成する、請求項68に記載の計算装置。
【請求項74】
前記発破孔がサブ掘削される場合、前記非円形要素を発破ピットの下で第1の負荷の長さによってベンチ面を超えて延長させる、延長させること、請求項68に記載の計算装置。
【請求項75】
命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
発破孔データ、ベンチ上方、及び地質入力データを含む入力データを受信することと、
前記入力データに基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは発破孔のセットを含む、生成することと、
前記発破孔のセットの各発破孔の周囲のゾーンを識別することであって、各ゾーンは、関連する発破孔から標的距離である周辺を含む、識別することと、
弧及び線を含む複数の非円形要素に前記現場モデルを断片化することであって、前記ゾーン内の非円形要素の第1のセットは、前記ゾーン外の非円形要素の第2のセットよりも小さい、断片化することと、
前記複数の非円形要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項76】
前記命令は、前記複数の非円形要素の層をオフセットするように前記コンピュータを更に構成する、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項77】
前記命令は、ベンチ面又は発破孔を横断する要素を切断するように前記コンピュータを更に構成する、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項78】
前記命令は、要素の面積を間隔及び岩石密度で乗算することによって前記複数の非円形要素の各々の質量を特定するように前記コンピュータを更に構成する、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項79】
前記命令は、前記現場モデルを回転させて、地質傾斜を生み出すように前記コンピュータを更に構成する、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項80】
前記命令は、前記複数の非円形要素の負荷解放時間を識別するように前記コンピュータを更に構成する、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項81】
前記発破孔がサブ掘削される場合、前記非円形要素を発破ピットの下で第1の負荷の長さによってベンチ面を超えて延長させる、延長させること、請求項75に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項82】
移動物体をモデリングする方法であって、
複数の要素を含むモデルを生成することであって、
各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧を介して間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記1つ又は複数の線の前記端点を結ぶことによって形成される形状を有する、生成することと、
前記複数の要素の移動をシミュレートすることであって、
近隣要素間の弧-弧接触を検出し、
前記近接要素間の弧-線接触を検出すること
によってシミュレートする、ことと、
を含む、方法。
【請求項83】
前記移動をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを実行することを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項82に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2021年5月19日付で出願された「DISTINCT ELEMENT ROCK BLASTING MOVEMENT METHODS,APPARATUSES,AND SYSTEMS」と題する米国特許出願第17/324,704号明細書、2020年12月11日付けで出願された「DISTINCT ELEMENT ROCK BLASTING MOVEMENT METHODS,APPARATUSES,AND SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第63/124,412号明細書、及び2020年5月21日付けで出願された「DISTINCT ELEMENT ROCK BLASTING MOVEMENT METHODS,APPARATUSES,AND SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第63/028,345号明細書への優先権を主張するものであり、上記出願の内容は全体的に参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般的には爆薬に関する。より具体的には、本開示は、発破計画を設計する方法、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
任意の特定の要素又は動作の論考を容易に識別するために、参照番号の1つ又は複数の最上位桁は、その要素が最初に導入された図番を指す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施形態による発破シミュレーションの高度個別要素を示す。
図2】一実施形態による、近隣要素の弧間の接触を特定するためにモデリングシステムによって使用し得る弧-弧接触検出技法を示す。
図3】一実施形態による弧-線接触検出技法を示す。
図4】一実施形態による弧-線接触検出技法を使用して線-線接触を検出する方法を示す。
図5】一実施形態による、要素に接触することによって高度個別要素に付与される力を特定するためにモデリングシステムが使用し得る力計算を示す。
図6】一実施形態による、要素に接触することによって高度個別要素に付与されるモーメントを特定するモーメント計算を示す。
図7】一実施形態による爆砕モデリングの方法のフローチャートを示す。
図8】一実施形態による使用して発破をシミュレートする方法のフローチャートを示す。
図9】一実施形態によりモデリングシステムが受信し得る入力ファイルのパラメータを示す。
図10】一実施形態による地質入力データを示す。
図11】一実施形態による複数のゾーンに分割された発破モデルを示す。
図12】一実施形態による部分的に断片化された発破モデルを示す。
図13】一実施形態による部分的に断片化された発破モデルを示す。
図14】一実施形態による発破ピットを示す。
図15】一実施形態によるカスタム発破モデルを示す。
図16】一実施形態による発破パターンの上面図を示す。
図17】一実施形態によるサブ掘削発破孔を有する発破モデルを示す。
図18】一実施形態による発破モデルに地質傾斜を導入する回転手順を示す。
図19】一実施形態による発破モデルにおける個別モデリング要素の負荷解放のタイミング。
図20】一実施形態による緩衝発破又はチョーク発破のシミュレーションモデルを示す。
図21】一実施形態による発破をシミュレートするためのモデルを作成する方法のフローチャートを示す。
図22】一実施形態による項目を示す。
図23】発破シミュレーション中の要素の形状を変更する手順を示す。
図24】本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって使用し得る2つの円形要素を示す。
図25】本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって要素として使用し得る3つの潜在的な三次元形状を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
爆薬は、岩石及び鉱石を破砕するために鉱業、採石業、及び採掘業で一般に使用されている。一般に、「発破孔」と呼ばれる孔が地面等の表面に穿孔される。次いで爆薬を発破孔内に配置し得る。典型的には、大量の岩石及び鉱石を破砕するために複数の発破孔が使用される。複数の発破孔の使用は、発破計画に複雑性を導入する。例えば、発破は、発破孔間隔、発破孔負荷、発破孔深さ、発破孔パターン、発破孔数、地質的性質、爆薬のタイプ、爆薬の量、及び発破孔開始時間を含め、複数のファクタに基づいて様々であり得る。可能性の数により、熟練した発破エンジニアであっても発破計画が難しくなる。
【0006】
モデリングシステムによって実行される発破シミュレーションを使用して、発破の結果を予測し得る。モデリングシステムは発破をシミュレートして、岩石の移動及び発破誘導ヒーブを予測する。発破モデリングシステムを使用して、発破発生後の最終的なマックパイル中の鉱石の場所を特定し、ズリ鉱石廃棄物の鉱石管理及びズリ鉱石と標的鉱石との混合の最小化を支援することができる。
【0007】
幾つかの発破モデリングシステムは、個別要素を使用して発破をシミュレートする。個別要素モデリングシステムは、発破現場を表す要素の集合を生成し、要素の経時移動を追跡して、発破をシミュレートする。個別要素の移動は、集合に付与される力及び通常、重力によっても生じる。
【0008】
岩石を表すのに円形要素を使用する幾つかのモデリングシステム。爆薬負荷及び重量に起因して経時移動する二次元円形要素の集団を使用して、発破をシミュレートし得る。円は、2つの円の中心間距離を円の半径の和と比較することによって粒子間接触を特定することができるため、非常に計算効率的であることができる。しかしながら、円形要素は岩石質量を簡易化しすぎ、シミュレーションの正確性の低下を生じさせる。例えば、円形要素は、要素間に摩擦を生成せず、又は不均等な岩石質量が相互作用するような方法と同じようには互いと相互作用しない。球形個別要素と関連する別の問題は、アスペクト比を持たず、したがって、球形個別要素の集団におけるバルキング又は孔隙発生の予測が制限されることである。したがって、円形要素は、発破後の最終マックパイルにおいて生じ得るバルキングを正確に表すことができない。
【0009】
幾つかのモデリングシステムは、四辺形要素又は三角形要素等の直線辺個別要素を採用して、岩石質量を表す。直線辺個別要素は、一連の線が互いに接続されて、角度の付いた角のセットを有する形状の輪郭を形成する。直線辺要素を使用するシステムは、円形要素を使用するシステムよりも正確なシミュレーションを提供する。例えば、直線辺個別要素は、円形要素と異なり、アスペクト比を有することができる。しかしながら、直線辺要素間の接触(例えば第1の要素の角と第2の要素の辺との間の接触、第1の要素の角と第2の要素の辺との間の接触、及び第1の要素の辺と第2の要素の辺との間の接触)の検出は、非常に複雑であり、計算集約的なプロセスである。さらに、これらのタイプの個別要素を使用するシミュレーションは、球形要素を採用するシミュレーションよりも計算に数桁多くの計算時間を必要とする。さらに、直線辺要素は剛性すぎ、巨体すぎて、岩石の流れ挙動をあまりよく表さない。
【0010】
本明細書に記載されるのは、発破された岩石の移動を表す、高度ジオメトリックパラダイムを有する個別要素を使用して発破をシミュレートする実施形態である。高度個別要素は幾何学的に、個々の個別要素の輪郭を定義する弧及び線を含む。各線は、線が交わらないように弧を介して接続される。その代わり、弧及び線は1つ又は複数の直線辺を有し、角が丸められた二次元個別要素を作成するのに使用される。丸められた角は1つ又は複数の弧を用いて形成し得る。これらの高度個別要素は、円形要素と比較した場合、シミュレーションの正確性を改善するとともに、直線辺個別要素よりも高い計算効率を有する。
【0011】
本明細書に記載の実施形態は二次元モデリングに関連するが、実施形態は、三次元に拡張可能であり得、その場合、固有のより高い忠実性及び計算効率により、現在利用可能な球形及びブロック要素法を凌ぐはるかに大きな利点が提供されることになる。例えば、三次元での高度個別要素は、角が丸められたブロックを含み得る。
【0012】
本明細書において以下に概説され、図に示されるように、実施形態の構成要素が多様な異なる構成で配置され設計することができることが容易に理解されよう。例えば、方法のステップは必ずしも任意の特定の順序で実行される必要はなく、更には順次実行される必要さえなく、またステップを1回のみ実行する必要もない。したがって、以下説明され図に表されるような種々の実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲の限定を意図せず、種々の実施形態の単なる代表にすぎない。実施形態の種々の態様が図面に提示されるが、図面は特記される場合を除き、必ずしも一定の縮尺ではない。
【0013】
本明細書に記載の発破計画システム及び方法の実施形態及び実施態様は、種々のステップを含み得、種々のステップは、コンピュータシステムによって実行される機械実行可能命令で実施し得る。コンピュータシステムは、1つ又は複数の汎用又は専用コンピュータ(又は他の電子デバイス)を含み得る。コンピュータシステムは、ステップを実行する特定の論理を含むハードウェア構成要素又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの組合せを含み得る。
【0014】
実施形態は、本明細書に記載のプロセスを実行するようにコンピュータシステム又は他の電子デバイスをプログラムするのに使用し得る命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品として提供し得る。コンピュータ可読媒体は、限定ではなく、ハードドライブ、フロッピーディスケット、光ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ROM、RAM、EPROM、磁気若しくは光カード、固体メモリデバイス、又は電子命令の記憶に適した他のタイプの媒体/コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0015】
コンピュータシステム及びコンピュータシステムにおけるコンピュータは、ネットワークを介して接続し得る。本明細書に記載のような構成及び/又は使用に適したネットワークには、1つ又は複数のローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、大都市圏ネットワーク、及び/又はワールドワイドウェブ、プライベートインターネット、セキュアインターネット、付加価値ネットワーク、仮想プライベートネットワーク、エクストラネット、イントラネット等のインターネット若しくはIPネットワーク、又は媒体の物理的輸送によって他のマシンと通信する独立型マシンがある。特に、適したネットワークは、異種のハードウェア及びネットワーク通信技術を使用するネットワークを含め、2つ以上の他のネットワークの部分又は全体から形成し得る。
【0016】
1つの適したネットワークは1つのサーバ及び幾つかのクライアントを含み、他の適したネットワークは、サーバ、クライアント、及び/又はピアツーピアノードの他の組合せを含み得、所与のコンピュータシステムはクライアント及びサーバの両方として機能し得る。各ネットワークは、サーバ及び/又はクライアント等の少なくとも2つのコンピュータ又はコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、切断可能なモバイルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、クラスタ、いわゆる「ネットワークコンピュータ」若しくは「シンクライアント」、タブレット、スマートフォン、個人情報端末若しくは他のハンドヘルド計算デバイス、「スマート」消費者電子デバイス若しくはアプライアンス、医療デバイス、又はそれらの組合せを含み得る。
【0017】
適したネットワークは、Novell(登録商標)、Microsoft(登録商標)、及び他のベンダーから入手可能なソフトウェア等の通信又はネットワーキングソフトウェアを含み得、TCP/IP、SPX、IPX、及びツイストペア、同軸ケーブル、又は光ファイバケーブル;電話回線;電波;衛星;マイクロ波中継;変調AC電力線;物理的媒体の移送;及び/又は当業者に既知の他のデータ伝送「ワイヤ」を経由する他のプロトコルを使用して動作し得る。ネットワークは、より小さなネットワークを包含してもよく、且つ/又はゲートウェイ又は同様のメカニズムを通して他のネットワークに接続可能であってもよい。
【0018】
各コンピュータシステムは1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを含み、コンピュータシステムは、種々の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含むこともできる。プロセッサは、Intel(登録商標)、AMD(登録商標)、又は他の「既製の」マイクロプロセッサ等の汎用デバイスを含み得る。プロセッサは、ASIC、SoC、SiP、FPGA、PAL、PLA、FPLA、PLD、又は他のカスタマイズされた若しくはプログラム可能なデバイス等の汎用処理デバイスを含み得る。メモリは、スタティックRAM、ダイナミックRAM、フラッシュメモリ、1つ又は複数のフリップフロップ、ROM、CD-ROM、ディスク、テープ、磁気、光学、又は他のコンピュータ記憶媒体を含み得る。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ライトペン、タブレット、マイクロホン、センサ、又はファームウェア及び/又はソフトウェアが付随する他のハードウェアを含み得る。出力デバイスは、モニタ若しくは他のディスプレイ、プリンタ、スピーチ若しくはテキストシンテサイザ、スイッチ、信号線、又はファームウェア及び/又はソフトウェアが付随する他のハードウェアを含み得る。
【0019】
コンピュータシステムは、フロッピーディスク、テープドライブ、光ドライブ、磁気光学ドライブ、又は記憶媒体を読み取る他の手段を使用することが可能であり得る。適した記憶媒体には、特定の物理的構成を有する磁気、光、又は他のコンピュータ可読記憶装置がある。適した記憶装置には、フロッピーディスク、ハードドライブ、テープ、CD-ROM、DVD、PROM、RAM、フラッシュメモリ、及び他のコンピュータシステム記憶装置がある。物理的構成は、コンピュータシステムに本明細書に記載のように特定の予め定義された様式で動作させるデータ及び命令を表す。
【0020】
本発明の実施を支援するのに適したソフトウェアは、本明細書に提示される教示並びにModern Fortran、Java、Pascal、C++、PHP、 .Net、データベース言語、API、SDK、アセンブリ、ファームウェア、マイクロコード、及び/又は他の言語及びツール等のプログラミング言語及びツールを使用して当業者によって容易に提供される。適した信号フォーマットは、アナログ又はデジタル形態で、誤り検出及び/又は修正ビット、パケットヘッダ、特定のフォーマットでのネットワークアドレス、及び/又は当業者によって容易に提供される他のサポートデータあり又はなしで実施し得る。
【0021】
特定の実施形態の態様は、ソフトウェアモジュール又は構成要素として実施し得る。本明細書で使用される場合、ソフトウェアモジュール又は構成要素は、コンピュータ可読記憶媒体内又はその表面上に配置された任意のタイプのコンピュータ命令又はコンピュータ実行可能コードを含み得る。ソフトウェアモジュールは例えば、コンピュータ命令の1つ又は複数の物理的又は論理的なブロックを含み得、これは、1つ若しくは複数のタスクを実行し、又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等として編成し得る。特定のソフトウェアモジュールは、コンピュータ可読記憶媒体の異なる場所に記憶された異種の命令を含み得、異種の命令は一緒になってモジュールの記載される機能を実施する。実際には、モジュールは単一の命令又は多くの命令を含み得、幾つかの異なるコードセグメントにわたり、異なるプログラム間で、且つ幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたって分散し得る。
【0022】
幾つかの実施形態は分散計算環境で実施し得、分散計算環境では、タスクは、通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによって実行される。分散計算環境では、ソフトウェアモジュールはローカル及び/又はリモートコンピュータ可読記憶梅田に配置し得る。加えて、データベース記録において一緒に結ばれるか、又はレンダリングされるデータは、同じコンピュータ可読記憶媒体に存在してもよく、又は幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたって存在してもよく、ネットワークにわたりデータベース中の記録のフィールドにおいて一緒にリンクし得る。一実施形態によれば、データベース管理システム(DBMS)により、ユーザは1つ又は複数のデータベースと対話することができ、DBMSは、データベースに含まれるデータへのアクセスを提供する。
【0023】
図1は、一実施形態による一実施形態による高度個別要素100を示す。個別要素モデリングシステムは、高度個別要素100を使用して二次元現場モデルを複数の要素にセグメント化セグメント化する。高度個別要素100は、2つ以上の線の端点が弧を介して間接的に結合され、弧が形状の丸められた角を形成するように、弧を用いて1つ又は複数の線の端点を接続することによって形成される形状を有する。高度個別要素100の図示の実施形態は、4つの弧(即ち第1の弧108、第2の弧112、第3の弧116、及び第4の弧122)によって接続された第1の線102、第2の線104、及び第3の線106を含む。
【0024】
図示の実施形態は2つの平行線を含む。他の実施形態は1つ又は複数の線を有し得、線は互いに対して傾斜し得る。各線は2つの端点を有し、各端点は、形状が丸められた角又は縁部を有するように弧に接続される。丸められた各角は、1つ又は複数の弧を使用して作成し得る。例えば、1つの丸められた角又は丸められた縁部は、第1の弧108及び第2の弧112を結ぶことによって作成される。
【0025】
各弧は区別可能な曲線である。図示の実施形態において、弧は、円の外周の一部の輪郭を描く円弧である。図示の実施形態は4つの弧を含む。他の実施形態は異なる数の弧を含み得る。各弧は弧中心点(即ち第1の中心点126、第2の中心点128、第3の中心点130、及び第4の中心点132)を含む。弧中心点は、円弧上の全点から等距離の点を表す。各弧は半径(即ち第1の半径110、第2の半径114、第3の半径118、及び第4の半径124)を更に含む。弧は円形であるため、各弧の半径は弧の全点に沿って同じである。さらに、各弧は弧角度(例えば第1の弧角度120)を含む。弧角度とは、中心点において弧によって形成される角度である。示されるように、弧の端点は、第1の弧108と第2の弧112との間の接続によって示されるように別の弧に接続し得、又は弧の端点は第1の線102と第3の弧116との間の接続によって示されるように線に接続し得る。
【0026】
弧と線との間の交点及び弧と弧との交点は、異なる形状輪郭線要素間の滑らかな遷移を形成する。各線は、接続される弧の端点の接線方向にあり得、遷移を平滑にする。同様に、弧-弧遷移も平滑に遷移し得る。交点は、2つの直線が直接接続され、頂点を形成するような急な角度を形成しない。その結果、形状は、角度の付いた角を有する形状ではなく角が丸められた輪郭線を有する。したがって、高度個別要素100の線は直接接続されず、むしろ、弧を介して間接的に結合されて、角度の付いた角を回避する。丸められた角は、急角度の角よりも計算効率的であり、1つ又は複数の弧を使用して作成し得る。
【0027】
高度個別要素100は、個々の個別要素の輪郭線を定義する弧及び線から作成される。図1は、弧及び線から作成することができる多くの可能な要素形状の1つを表す。高度個別要素の他の実施形態は弧及び線を使用して、角度の付いた角のない他の非球形形状を作成し得る。弧及び線の組合せを使用して作成し得る他の形状には、角が丸められた多角形、例えば角が丸められた三角形、角が丸められた台形、角が丸められた矩形、角が丸められた正方形、角が丸められた六角形、又は角が丸められた八角形がある。
【0028】
幾つかの実施形態において、シミュレーションモデルの要素に使用される形状は、岩石硬度等の地質データに基づき得る。幾つかの実施形態において、シミュレーションモデル要素の少なくとも幾つかは異なる形状である。例えば、異なる形状の要素を使用して異なるタイプの岩石をモデリングし得る。例えば、石炭は丸められた四辺形を用いてモデリングし得、同じシミュレーションにおいて別の岩石は丸められた六角形を用いてモデリングし得る。幾つかの実施形態において、同じ形状の要素の少なくとも幾つかは異なるサイズである。
【0029】
弧を介して間接的に結合された非連続線で形成された個別要素形状は、円形要素よりも良好な正確性を提供し、直線のみを有する個別要素を凌ぐ計算効率利点を提供する。直線及び様々な弧半径は、円と比較した場合、より現実的なアスペクト比を提供し、一方、弧は、直線のみを有する要素と比較した場合、近隣要素間の接触を検出するより効率的な方法を提供する。
【0030】
発破シミュレーションモデルにおける各高度個別要素100は、モデリングシステムのメモリに記憶し得る。例えば、高度個別要素100は、線端点ノード座標、指定された弧端点、弧中心点、弧半径、及び弧角度を含むデータ構造であり得る。
【0031】
図2図4は、高度個別要素間の接触を検出する種々の方法を示す。近隣要素間の接触を検出するための2つの主要要素間相互作用メカニズムは、1)図2に示されるような弧-弧及び図3に示されるような弧-線である。別の可能な相互作用メカニズムは、図4に示されるような線-線である。しかしながら、より詳細に下述するように、線-線接触は弧-線相互作用メカニズムによって検出することができる。
【0032】
高度個別要素間のこれらの要素相互作用の検出は全て非常に計算効率的であり、直線辺の個別要素間の相互作用よりもはるかに計算効率的である。高度個別要素はまた、1よりも大きなアスペクト比を有し、円形要素よりも自然なバルキング及び粒子間摩擦を有する。
【0033】
記載される高度個別要素は、要素が、円形要素が持つことができないアスペクト比を有し、バルキング等の発破誘導移動中の自然な挙動又は岩石及び要素間摩擦をより自然に示すため、岩石発破の個別要素モデリングにおいてシミュレーションの忠実度を高めることができる。
【0034】
また、計算簡易性、弧-弧及び弧-線接触検出速度、並びに解像度に起因して、はるかに短い計算時間でより忠実度の高いシミュレーションを完了することができる。これは、忠実度のはるかに高い発破シミュレーションをより安価でより可搬性のあるラップトップコンピュータで達成できることを暗示する。
【0035】
図2は、近隣要素の弧間の接触を検出するためにモデリングシステムが使用し得る弧-弧接触検出技法を示す。示されるように、第1の弧216を有する第1の要素202は、第2の弧218を有する第2の要素204の近隣である。
【0036】
シミュレーションの時間ステップ中、これらの2つの要素のコアが互いと接触するか否かを検出するために、モデリングシステムは、第1の弧216と第2の弧218との間に重複があるか否かを判断し得る。そのような重複する弧は弧-弧接触と呼ぶことができる。近隣要素間の弧-弧接触の検出は、近隣要素の第1の弧216及び第2の弧218の弧中心点(即ち第1の中心点206と第2の中心点208との)間の距離214を、近隣要素の2つの弧の第1の半径210と第2の半径212との和と比較することを含む。例えば、幾つかの実施形態において、弧-弧接触は、半径の和が距離214よりも大きい場合、検出される。
【0037】
図3は、近隣要素の弧310と線312との間の接触を検出するために、モデリングシステムが使用し得る弧-線接触検出技法を示す。この図において、第1の要素302及び第2の要素304は、要素の外周に沿った最近傍点が第2の要素304の弧310及び第1の要素302の線312である近隣要素である。R1は弧310の半径308を表し、Dは、弧中心点314と線312との間の最短距離306を表す。モデリングシステムは、ドット積を使用して距離306を特定し得る。
【0038】
弧310及び線312がシミュレーションにおいて重複する場合、弧-線接触と呼ばれる。モデリングシステムは、弧310の半径308を第1の要素302の線312と第2の要素304の弧310の弧中心点314との間の距離306と比較することにより、近隣要素間の弧-接触を検出し得る。例えば、接触は、半径308が距離306よりも大きい場合、検出し得る。
【0039】
図4は、線-線接触が、図3を参照して説明した弧-線接触技法を使用してモデリングシステムによっていかに検出し得るかを示す。線-線接触は、第1の要素406の第1の線402が第2の要素408の第2の線404と重複する場合、生じる。直接線-線接触検出は、弧-弧接触検出及び弧-線接触検出よりも計算的に効率が低い。したがって、幾つかの実施形態において、線-線接触は弧-線接触検出を使用して間接的に検出し得、その理由は、線が重複する場合、第1の弧410及び第2の弧412の一方又は両方が第1の線402と重複するためである。
【0040】
したがって、近隣要素接触を判断するために、モデリングシステムは、第1の弧410及び第2の弧412の一方又は両方に対して図3を参照して説明した弧-線接触技法を使用し得る。例えば、システムは、第1の弧410の半径を第1の線402と第1の弧410の中心点との間の距離と比較し、第2の弧412の半径を第1の線402と第2の弧412の中心点との間の距離と比較し得る。
【0041】
図5は、要素に接触することによって高度個別要素に付与される力を特定するためにモデリングシステムが使用し得る力の計算を示す。モデリングシステムは、各要素に付与される力の大きさ及び方向を計算し得る。システムは、シミュレーションの時間ステップ中、第1の要素502及び第2の要素504の外周に重複506がある場合、それらの2つの個別要素間の接触を検出する。モデリングシステムは、重複506をなくすために計算された復元力を適用することにより、重複を解決し又はなくす。これらの復元力は、第1の要素502及び第2の要素504の両方に付与される。
【0042】
シミュレーションの一環として、モデリングシステムは接触を判断し、接触している近隣要素により各要素に付与される力を計算し得る。力は、接触によって生じる重複506に基づいて計算される。弧-弧接触の場合、弧-弧接触の場合、力は弧中心点(即ち第1の弧中心点508及び第2の弧中心点510)を通して付与される。弧-線接触の場合、力は線に直交して、弧の中心を通って付与される。この復元力の大きさは、材料の指定されたばね定数を重複506で乗算したものに等しい。
【0043】
図6は、接触している要素によって高度個別要素600に付与されるモーメント604を特定するためにモデリングシステムが使用し得るモーメント計算を示す。高度個別要素600に付与される各力606は、示されるように、高度個別要素600にモーメントM 604も生成する。モーメントは、接触する要素によって生じる弧中心点608に付与される力606を含め、高度個別要素600に付与される全ての力によって要素中心602に付与される。幾つかの実施形態において、モデリングシステムは、各力のモーメントを別個に計算し、次いでモーメントを合算して、高度個別要素600の総モーメントを特定する。
【0044】
モデリングシステムは、
M=F×r
を計算することによってモーメント604を計算し得、式中、
Fは力606であり、
r610は、力606を表すベクトルと要素中心602との間の最短距離である。
【0045】
総モーメント(即ちモーメントの和)を計算して、高度個別要素600の回転を特定する。
【0046】
図7は、一実施形態による爆薬発破モデリングの方法700のフローチャートを示す。方法700を実行するモデリングシステムは、発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信する。発破孔データは、発破孔間隔、発破孔負荷、発破孔深さ、発破孔直径、発破孔パターン、発破孔数、ステミング情報、爆薬性質、発破孔角度、発破孔の上部座標、発破孔の下部座標、及びデッキング情報等の発破孔パラメータを含み得る。発破パターンは、3D座標系X(経度)、Y(緯度)、及びZ(垂直)で幾何学的に定義し得る。3D座標系は、発破パターン近傍のどこかに原点を有する局所座標系であってもよく、又は典型的には採鉱場の全てを包含するより大きな3D局所座標系である採鉱場の座標系内にあってもよい。発破パターン設計において、発破孔を表す線は、上部座標及び下部座標によって定義し得る。大半の発破パターンは平らな上面を有さず希に、パターンにおける各発破孔の角度はわずかに又は大幅に異なることができる。したがって、上部座標及び下部座標を使用して発破孔を定義し得る。
【0047】
発破現場データは、現場のベンチ情報、地質的性質、地質特性、及び地質係数を含み得る。ベンチ情報の非限定的な例には、面角度、ベンチ高、ベンチ傾斜、ピット傾斜、スポイル角、及び面要素数がある。地質学的性質の非限定的な例には、鉱物学(元素及び/又は鉱物)、岩質構造(一次、二次、及び/又はテクスチャ)、多孔性、硬度、減衰、ヤング率、剛性率、バルク弾性率、ポアソン比、P波速度、S波速度、岩石密度、岩石タイプ、岩石強度、岩石状態、岩石記述、節理状態、節理角度、節理向き、節理間隔の標準偏差、粘着力、垂直節理間隔、水平節理間隔、一軸圧縮強さ(UCS)、音速、穿孔の標準偏差、衝撃速度、岩石の破砕強度、岩石の反射率、岩石の引張り強さ、内部摩擦角、ウゴニオデータ(例えばUp min、Up max、Us min、Us max)、及び地盤強度(σ1、σ2、σ3、応力向き、傾斜、方向、及びロール)がある。「テクスチャ」は、岩石又は他の材料を形成する抱き込み鉱物結晶のサイズ、形状、及び配置を指す。地質データは、脆砕性及び砕屑性等の更なる地質特性の特定に使用し得る。
【0048】
モデリングシステムは、複数の高度個別要素を生成することによって発破計画に基づいて現場モデル(例えば2つの二次元現場モデル)を生成する(704)。各高度個別要素は、1つ又は複数の線の端点が弧を介して間接的に結合され、弧が形状の丸められた角を形成するように、弧を用いて1つ又は複数の線の端点を結ぶことによって形成された形状を有する。モデリングシステムは、現場モデル及び複数の要素を使用して発破を更にシミュレートする(706)。
【0049】
図8は、一実施形態による発破をシミュレートする方法800のフローチャートを示す。個別要素シミュレーション方法は、個々の要素の質量及び剛性に応じて、予め計算された安定した時間ステップ、典型的には1.0E-4s以下で時間を通して進むことによって数千個の個別要素の移動及び相互作用を追跡する。各時間ステップにおいて、以下の方法ステップが使用される。
【0050】
方法800を使用するシステムは、図2図4を参照して説明した技法を使用して、弧-弧接触及び弧-線接触について現場モデル内の個別要素の全集団をサーチする(806)。システムは、図5を参照して説明した技法を使用して弧-弧接触及び弧-線接触から生じる力を更に特定し得る(808)。システムは、図6を参照して説明した技法を使用して、各要素のモーメントを特定することもできる(810)。
【0051】
方法800を使用するシステムは、各要素のモーメント及び力を合算する(812)。各時間ステップにおいて、各要素は、周囲要素との複数の接触から生じる、各要素に付与される複数の復元力及びモーメントを有することができる。複数の力及びモーメントを合算して、総力及び総モーメントを計算する。
【0052】
方法800を実施するシステムは、総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させる(814)。新しい位置は、次の時間ステップ中、使用される。要素間の接触は重複に繋がる。この重複は、反力及びモーメントを各要素に付与することによって解決され又はなくなる。システムは、総力及び総モーメントを各要素に付与して、小さな時間ステップの終わりにおいて、各要素を新しい場所まで小さな距離並進及び回転させる。
【0053】
次いで、方法800を使用するシステムは、シミュレーションの総実行時間が完了したか否かを判断する(804)。シミュレーションの持続時間が終わった場合、方法800は終了する(802)。その他の場合、方法800は時間ステップを現在の時間期間に追加し、個別要素の新しい位置を用いてシミュレーションを再び実行する(816)。
【0054】
幾つかの実施形態において、方法800は追加のステップを含み得る。例えば、2つの弧が横切る場合、大きなフィクションは生成されない。したがって、方法800の一部は、粗い岩石によって生じる摩擦をシミュレートするように一時的な拘束を課すことを含み得る。この強化された摩擦挙動は岩石タイプに基づいて変わり得る。
【0055】
図9図20は、モデリングシステムが発破をシミュレートするために実行し得る種々の手順を示す。これらの手順のいずれも図7及び図8に記載の方法と組み合わせて使用し得る。
【0056】
図9は、モデリングシステムが受信し得る入力ファイルのパラメータ900を示す。入力ファイルは、発破シミュレーションのモデルを作成するためにモデリングシステムによって使用される。図示のモデルは自由面二次元モデルである。モデルは、二次元XY平面に示される複数の発破孔(例えば発破孔902及び発破孔904)を含む。発破孔の場所、サイズ、及び角度を含むモデルが入力ファイルによって定義される。
【0057】
入力ファイルは、発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画であり得る。発破孔データは、行の数、負荷、間隔、ステミング情報、デッキング情報、爆薬性質、発破孔直径、発破孔角度、上部座標、及び下部座標を含み得る。発破現場データは、面角度、ベンチ高、ベンチ傾斜、ピット傾斜、スポイル角、及び面要素数等のベンチ情報を含み得る。
【0058】
図10は、モデリングシステムが受信し得る地質入力データ1000を示す。地質入力データ1000は、モデリングシステムが受信する入力ファイルの発破現場データに含まれ得る。地質入力データは、現場の地質的性質、地質特性、及び地質係数を含む。
【0059】
例えば、地質入力データ1000は、ベンチ傾斜1002、ピット傾斜1012、及び地質傾斜1004を含み得る。ベンチ傾斜1002は、ベンチのプラトーの傾きを表す。ピット傾斜1012はピットの傾きを表す。地質傾斜1004は、ベンチの地層の傾きを表す。幾つかの実施形態において、ベンチ傾斜1002、ピット傾斜1012、及び地質傾斜1004の角度は、互いと異なり得る。幾つかの実施形態において、ベンチ傾斜1002、ピット傾斜1012、及び地質傾斜1004のうちの2つ又は3つ全ては同じ角度を有し得る。例えば、ベンチ傾斜及び地質傾斜1004は同じ角度を有し得る。
【0060】
さらに、地質入力データは、地層(例えばベンチの第1の層1006、第2の層1004、及び第3の層1010の性質を含み得る。地層の性質は、各層の岩石タイプ、密度、ヤング率、ポアソン比、岩石衝撃速度、及び亀裂速度係数を含み得る。これらの性質は、地層のモデリングに使用される個別要素の弧の形状、サイズ、及び/又は半径を特定するのに使用し得る。
【0061】
図11は、発破孔の場所に基づいて複数のゾーン(即ち、本明細書ではゾーンと呼ばれるゾーン1102~1110)に分割された発破モデル1100を示す。モデリングシステムは、異なるサイズの要素がシミュレーションに使用されることになる領域を表すゾーンを識別し得る。
【0062】
異なるサイズの要素は、異なる断片サイズを表すのに使用し得る。モデリングシステムは、ゾーン内のより小さな要素を使用して、発破孔1112~1120に最も近い岩石が、爆発力に対するそれらの位置に起因してより小さな個片に破砕されることを表し得る。さらに、幾つかの実施形態において、これらのゾーンは、ステミング等の部分を無視して、発破孔1112~1120内の爆薬の場所に基づいて定義し得る。
【0063】
幾つかの実施形態において、ゾーン内の岩石は、ベンチの残りの部分のサイズの割合である要素によって表される。例えば、図示の実施形態において、ゾーン内の要素は、モデルにおけるその他の要素のサイズの半分である。他の実施形態において、ゾーン内の要素は、ゾーンと関連する発破孔内の爆薬のエネルギー密度、タイプ、及び/又は量に基づいて異なる割合であり得る。例えば、第1のゾーンは半分サイズの要素にセグメント化し得、一方、第2のゾーンは1/4要素にセグメント化し得る。
【0064】
幾つかの実施形態において、要素のサイズは2つのサイズではなく発破孔内の爆薬に対する相対位置に基づいて段階的に変更し得る。これらの実施形態において、ゾーンは使用されてもよく、又は使用されなくてもよい。要素サイズの勾配の結果として、発破孔の爆薬近傍は最小要素になり、発破孔の爆薬からの距離に基づいて要素のサイズは徐々に大きくなる。
【0065】
図12は部分的に断片化された発破モデル1200を示す。示されるように、モデリングシステムは、モデルの岩石を表す要素のメッシュをセグメント化又は形成することによって発破モデル1200を断片化する。図示の実施形態における要素は、角が丸められた四辺形要素である。急な角のない他の非球形要素を使用して同様の断片化を行い得る。
【0066】
図示の実施形態において、モデリングシステムは、第1のゾーン1202及び第2のゾーン1204外の発破モデル1200のエリアが、所望の通過サイズの60%であるサイズで破砕することを予測する。ベンチ面における要素が大きいほど、ベンチ面と位置合わせされるように切断され得る。
【0067】
モデリングシステムは、第1のゾーン1202及び第2のゾーン1204においてより小さな要素を使用して、発破孔内の爆薬近傍のより程度の高い断片化を表す。図示の実施形態において、より小さな要素は、より大きな要素のサイズの半分である所望の通過サイズの30%である。発破孔を横断する要素は分割され得、2つの要素として表され得る。
【0068】
図13は、多様な断片化技法を使用して複数の要素に部分的に断片化される発破モデル1300を示す。図示の実施形態で使用される要素は、一タイプの高度個別要素、即ち角が丸められた四辺形要素を表す。
【0069】
第1のエリア1302において、モデリングシステムはベンチの上部を4つの層にセグメント化した。示されるように、第1のエリア1302並びに第2のエリア1306及び第3のエリア1304における各層はオフセットされる。例えば、幾つかの実施形態において、各連続層は要素の半分だけオフセットし得る。
【0070】
第2のエリア1306は、モデリングシステムが発破孔近傍の発破モデル1300をいかにセグメント化するかを表す。モデリングシステムは、発破孔を横断する要素を識別し、発破孔周囲の要素に合うようにそのような要素を切断し得る。図示の実施形態において、発破孔におけるこれらの要素は、垂直縁部でもって発破孔において切断又は断ち切られる。しかしながら、他の実施形態において、要素は発破孔と同じ角度で断ち切られ得る。さらに、幾つかの実施形態において、切断された要素が閾値サイズ又は閾値幅未満である場合、モデリングシステムは単に要素を削除し得る。
【0071】
第3のエリア1304は、モデリングシステムがベンチ面近傍で発破モデル1300をいかにセグメント化するかを表す。モデリングシステムは、ベンチ面を横断する要素を識別し、ベンチ内の要素と合うようにそのような要素を切断し得る。図示の実施形態において、ベンチ面におけるこれらの要素は、垂直縁部でもってベンチ面において切断又は断ち切られる。しかしながら、他の実施形態において、要素はベンチ面と同じ角度で断ち切られ得る。さらに、幾つかの実施形態において、切断された要素が閾値サイズ又は閾値幅未満である場合、モデリングシステムは単に要素を削除し得る。
【0072】
モデリングシステムは、上述した技法に従って発破モデル1300の残りの部分を断片化し得る。
【0073】
図14は、モデリングシステムが発破ピット1400をいかに作成し得るかを示す。発破ピット1400は不動要素1402を使用して形成し得る。不動要素1402は、シミュレーション中、動かない。不動要素1402は、弧及び線を使用して形成された要素を使用することもできる。例えば、不動要素1402は、ベンチのモデリングに使用される同じ要素と同じ形状を有し得る。したがって、不動要素1402と発破移動要素との間の相互作用は、弧-弧接触及び弧-線接触を使用してモデリング要素によって特定し得る。
【0074】
図15は、パラメータが異なる発破孔を有する発破モデル1500を示す。発破設計において、パラメータは発破現場にわたって様々であることができる。例えば、発破設計パラメータは各行で様々であることができる。発破計画内で可変である幾つかのパラメータは、負荷、間隔、ステミング、孔角度、孔深さ、孔直径、及び爆薬タイプを含み、各行でカスタマイズすることができる。負荷及び間隔は、ベンチ上部における発破孔の位置について定義され、一方、孔深さ及びステミングはベンチ上部から定義される(例えばベンチ上部からの距離)。本明細書に記載されるようなモデリングシステムは、発破設計パラメータを変更するカスタムモデルを生成し、そこで発破シミュレーションを実行することができる。
【0075】
図16は、発破パターン1600の上面図を示す。二次元計算平面1602は、発破シミュレーションが行われる二次元個別要素発破モデル(例えば図9図15に示されるモデル)である。モデリングシステムは発破パターン1600を使用して、ベンチの三次元態様を考慮に入れ得る。
【0076】
例えば、モデリングシステムは、間隔1604に基づいて要素の質量を特定することにより、ベンチの三次元態様を考慮に入れ得る。間隔1604を考慮に入れることにより、モデリングシステムは、各発破孔によって移動する真の質量を特定し、二次元計算平面1602にある要素にその質量を割り当てる。したがって、シミュレーションの要素変位は、間隔の関数になる。さらに、要素の質量を上げると、シミュレーションの時間ステップを大きくし得る。
【0077】
要素質量は、
要素質量=面積×間隔×岩石密度
として計算し得、式中、
面積は、二次元計算平面1602における要素面積であり、
間隔は、行中の発破孔間の距離であり、
岩石密度は、要素によって表される地質材料の密度である。
【0078】
図17は、サブ穿孔(subdrilled)発破孔(例えば発破孔1706)を有する発破モデル1700を示す。サブ穿孔は、発破孔がピット1704の底の下まで穿孔される場合、生じる。換言すれば、発破孔深さにステミングを足したものがベンチ高よりも大きい。
【0079】
サブ穿孔された孔を有する発破をシミュレートするために、モデリングシステムの幾つかの実施形態は、可動要素エリア1702をピット1704の下まで拡張し得る。例えば、発破シミュレーション中に移動する個別要素は、第1の負荷幅1708の長さだけベンチ面を超えて拡張し得る。第1の負荷幅1708は、第1の発破孔の行と面との間のスペースである。モデリングシステムが発破をシミュレートするとき、モデリング要素エリア1702全体は、システムが要素の移動を特定する計算エリアとして使用される。したがって、サブ穿孔は計算エリアをピット1704の下まで拡張する。幾つかの実施形態において、モデリングシステムは要素を使用して行間時間遅延をシミュレートし得る。例えば、モデリングシステムは、データを要素の位置及び第2の行を開始する時間に供給する一連の時間遅延平面をシミュレートし得る。例えば、図16は、個々の発破孔によって移動した岩石の体積を示す。発破孔間の(平面外の)間隔は、発破孔によって移動する岩石の質量、ひいては最終的にその発破孔によって影響を受けるGEM要素の速度を制御し得る。
【0080】
図18は、発破モデル1800の地質傾斜を作成するためにモデリングシステムが採用し得る回転手順を示す。幾つかの実施形態において、モデリングシステムは、ゼロ地質傾斜を有するモデル1800を作成する。システムは次いで、モデル1800を水平位置1802から角度付き位置1804に回転させ得る。システムは、角度付き位置1804におけるモデル1800が地質傾斜と一致する角度を有し得るようにモデル1800を回転し得る。
【0081】
図19は、発破モデル1900における個別モデリング要素の負荷解放のタイミングの手順を示す。示されるように、モデリングシステムは、発破モデル1900を複数の爆発部分(例えば第1の爆発部分1902、第2の爆発部分1904、第3の爆発部分1906、第4の爆発部分1908、及び第5の爆発部分1910)に分割し得る。発破孔内の爆薬が爆発する前、個別要素はまだ解放されていない。換言すれば、個別要素は移動から凍結されている。
【0082】
爆発部分における個別要素の負荷解放は、シミュレーションが、爆発部分に配置された発破孔内の爆薬を爆発させたとき、生じる。負荷解放により、個別要素は移動を開始することができる。シミュレーションは、各行の発破孔行の爆発間で遅延し得る時間遅延を含み得る。シミュレーションの初期化中、モデリングシステムは行遅延時間に基づいて各要素の負荷解放又は「生存時間(alive time)」を設定し得る。
【0083】
各爆発部分は、発破孔の各行の背後の負荷の1/3に配置された要素と、発破孔の前方にある要素とを含み得る。したがって、各爆発部分が負荷解放時間に達すると、発破孔の背後の負荷の1/3は断片化され、負荷断片化と共に自由に、発破孔の前方に自由に移動する。
【0084】
モデリングシステムは、安定した時間ステップでシミュレーションを時間的に進める。行の爆発時間に達すると、モデリングシステムは、行の前方にある負荷における要素を解放し、加えて背後の負荷の1/3における要素は移動するために解放されるが、その理由は、それらの全ての要素の「生存時間」に達したためである。モデリングシステムは、新しい自由面1912に達するまで、各爆発部分の要素を順次解放する。
【0085】
図20は、自由面のない発破(例えば緩衝発破又はチョーク発破)をシミュレートするためにモデリングシステムが生成する個別要素モデル2000を示す。緩衝発破又はチョーク発破とは、自由面を用いない発破技法である。緩衝発破又はチョーク発破に六面体を使用するシミュレーションは、鉱石が発破中に移動することを予測する。この予測により、鉱石のより精密な掘削が可能になり得る。
【0086】
このタイプの発破技法は、金採掘及び銅採掘に使用し得る。金及び銅の採掘は、高解像度のシミュレーションに頼る。高解像度の必要性、金の岩石性質、及び性質に基づいて、六面体要素を使用し得る。
【0087】
六面体要素は、弧を用いて間接的に結合されて、角が丸められた多角形を形成するサイズ線を含み得る。六面体要素は半分に断ち切って、平面を作り得る。さらに、発破孔(発破孔2002等)と相互作用する六面体要素は、2つの部分に分割し得、又は切断し得る。
【0088】
図21は、発破をシミュレートするためのモデルを作成する方法2100のフローチャートを示す。ブロック2102において、方法2100は、発破孔データ、ベンチ情報、及び地質入力データを含む入力データを受信する。ブロック2104において、方法2100は入力データに基づいて現場モデルを生成し、現場モデルは発破孔のセットを含む。ブロック2106において、方法2100は、発破孔のセットの各発破孔の周囲のゾーンを識別し、各ゾーンは、関連する発破孔から標的距離に外周を有する。ブロック2108において、方法2100は、弧及び線を含む複数の非円形要素に現場モデルを断片化し、ゾーン内の非円形要素の第1のセットは、ゾーン外の非円形要素の第2のセットよりも小さい。ブロック2110において、方法2100は複数の非円形要素を使用して発破をシミュレートする。
【0089】
図22は、一実施形態による発破モデリングシステム2200のブロック図である。発破モデリングシステム2200は、本明細書において他の図を参照して説明した方法を実行し得、本明細書において他の図を参照して説明した技法を使用し得る。発破モデリングシステム2200は、メモリ2203、1つ又は複数のプロセッサ2204、ネットワークインターフェース2206、入力/出力インターフェース2208、及びシステムバス2209を含むことができる。
【0090】
1つ又は複数のプロセッサ2204は、Intel(登録商標)、AMD(登録商標)、又は他の標準マイクロプロセッサ等の1つ又は複数の汎用デバイスを含み得る。1つ又は複数のプロセッサ2204は、ASIC、SoC、SiP、FPGA、PAL、PLA、FPLA、PLD、又は他のカスタマイズされた若しくはプログラム可能なデバイス等の汎用処理デバイスを含み得る。1つ又は複数のプロセッサ2204は、分散(例えば並列)処理を実行して、本明細書に開示されている実施形態の機能を実行又は他の方法で実施することができる。1つ又は複数のプロセッサ2204は、標準オペレーティングシステムを走らせ得、標準オペレーティングシステムの機能を実行し得る。任意の標準オペレーティングシステム、例えばMicrosoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)MacOS(登録商標)、Disk Operating System(DOS)、UNIX、IRJX、Solaris、SunOS、FreeBSD、Linux(登録商標)、ffiM(登録商標)OS/2(登録商標)オペレーティングシステム等を使用し得ることが認識される。
【0091】
メモリ2203は、スタティックRAM、ダイナミックRAM、フラッシュメモリ、1つ又は複数のフリップフロップ、ROM、CD-ROM、DVD、ディスク、テープ、磁気、光学、又は他のコンピュータ記憶媒体を含み得る。メモリ2203は、複数のプログラムモジュール2210及びプログラムデータ2220を含み得る。メモリ2203は、示されるように発破モデリングシステム2200にローカルであってもよく、又は分散且つ/又は発破モデリングシステム2200からリモートであってもよい。
【0092】
メモリ2203はデータ2220を含み得る。発破モデリングシステム、例えばプログラムモジュール2210又は他のモジュールによって生成又は使用されるデータは、例えばストアドプログラムデータ2220としてメモリ2203に記憶し得る。データ2220は1つ又は複数のデータベースとして編成し得る。
【0093】
データ2220は、発破入力データ、要素データ構造2222、ポジショニング情報2224、並びに接触、力、及びモーメントデータ2226を含み得る。発破入力データは、ユーザにより入力/出力インターフェース2208を通して入力し得る。幾つかの実施形態において、発破入力データは発破孔データ、ベンチ情報、及び地質入力データを含み得る。要素データ構造2222は、発破モデルの各要素の形状に関連する情報を含み得る。例えば、要素データ構造2222は、線端点ノード座標、指定された弧端点、弧中心点、弧半径、及び弧角度を含み得る。ポジショニング情報2224は、発破モデルの各要素の場所情報を含み得る。例えば、ポジショニング情報2224は、各要素の座標及び各要素の向きを含み得る。接触、及びモーメントデータ2226は、現在の時間ステップにおける各要素の接触、力、及びモーメントを含み得る。
【0094】
プログラムモジュール2210は、発破モデリングシステム2200の他の要素の全て又は一部を含み得る。プログラムモジュール2210は、複数の動作を同時に、並列して、又は1つ若しくは複数のプロセッサ2204で実行し得る。幾つかの実施形態において、開示されるモジュール、構成要素、及び/又は施設の一部は、ハードウェア若しくはファームウェアで実施される実行可能命令として実施され、又は非一時的機械可読記憶媒体に記憶される。実行可能命令はコンピュータプログラムコードを含み得、コンピュータプログラムコードは、プロセッサ及び/又は計算デバイスによって実行されると、計算システムに、本明細書に開示されるように、特定の処理ステップ、手順、及び/又は動作を実施させる。本明細書に開示されるモジュール、構成要素、及び/又は施設は、ドライバ、ライブラリ、インターフェース、API、FPGA、構成データ、ファームウェア(例えばEEPROMに記憶される)等として実装且つ/又は実施し得る。幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるモジュール、構成要素、及び/又は施設の一部は、限定ではなく、回路、集積回路、処理構成要素、インターフェース構成要素、ハードウェアコントローラ、ストレージコントローラ、プログラマブルハードウェア、FPGA、ASIC等を含め、汎用デバイス及び/又は専用デバイス等の機械構成要素として実施される。したがって、本明細書に開示されるモジュールは、コントローラ、レイヤ、サービス、エンジン、施設、ドライバ、回路位、サブシステム等と呼ばれ得る。
【0095】
モジュール2210は、モデル生成器2212、シミュレーションモデル2214、及び質量計算器2216を含み得る。モデル生成器2212は、発破入力データに基づいて現場モデルを生成し、現場モデルを複数の要素に断片化し得る。質量計算器2216は各要素の質量を計算し得る。
【0096】
シミュレーションモデル2214は、複数の時間ステップにわたって発破のシミュレーションを実行し得る。例えば、シミュレーションモデル2214は、弧-弧接触及び弧-線接触について現場モデルをサーチし、弧-弧接触及び弧-線接触から生じる力及びモーメントを特定し得る。シミュレーションモデル2214は、総力及び総モーメントに基づいて各要素の位置座標及び向きを新しい位置に変更することもできる。新しい位置は、次のステップ中に使用される。
【0097】
入力/出力インターフェース2208は、1つ又は複数の入力デバイス及び/又は1つ又は複数の出力デバイスとのユーザ対話を促進し得る。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ライトペン、タブレット、マイクロホン、センサ、又はファームウェア及び/又はソフトウェアが付随する他のハードウェアを含み得る。出力デバイスは、モニタ若しくは他のディスプレイ、プリンタ、スピーチ若しくはテキストシンテサイザ、スイッチ、信号線、又はファームウェア及び/又はソフトウェアが付随する他のハードウェアを含み得る。例えば、一実施形態において、入力/出力インターフェース2208は、潜在的なアブレーション外周を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するディスプレイを含む。入力/出力インターフェース2208は、ユーザ入力データ2222を受信することができる。幾つかの実施形態において、入力/出力インターフェース2208はタッチスクリーンであり、サイズ入力はタッチスクリーンを介して受信される。幾つかの実施形態において、入力/出力インターフェース2208は、標的アブレーション外周を組織の画像に重ねることができる。
【0098】
ネットワークインターフェース2206は、他の計算デバイス、ネットワーク、並びに/或いは他の計算及び/又は通信ネットワークと之通信を促進し得る。ネットワークインターフェース2206は、従来のネットワーク接続、例えば、イーサネット(IEEE1102.3)、トークンリング(IEEE1102.5)、ファイバ分散データリンクインターフェース(FDDI)、又は非同期転送モード(ATM)等を備え得る。さらに、ネットワークインターフェース2206は、多様なネットワークプロトコル、例えばインターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、UDP/TCP経由のネットワークファイルシステム、サーバメッセージブロック(SMB)、Microsoft(登録商標Common Internet File System(CIFS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接アクセスファイルシステム(DAFS)、ファイル転送プロトコル(FTP)、リアルタイムパブリッシュサブスクライブ(RTPS)、オープンシステム相互接続(OSI)プロトコル、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、セキュアシェル(SSH)、セキュアソケットレイヤ(SSL)等をサポートするように構成し得る。
【0099】
システムバス2209は、1つ又は複数のプロセッサ2204、メモリ2203、入力/出力インターフェース2208、及びネットワークインターフェース2206を含め、発破モデリングシステム2200の他の構成要素間の通信及び/又は対話を促進し得る。
【0100】
図23は、発破シミュレーション中、要素2302の形状を変える手順2300を示す。発破において、岩石が転がり、摺動し、破砕されるにつれて、岩石はより丸くなる。モデリングシステムは、対応する要素の移動、対応する要素の回転、及び対応する衝突の1つ又は複数に基づいて、シミュレーション中、各弧の半径を増大させることにより、要素2300に対するその影響を近似し得る。換言すれば、要素2300が移動し、他の要素と相互作用するにつれて、直線の端点は一緒により近くに移動し、弧の半径は拡大する。
【0101】
要素2300は、タイトに丸められた角(例えば半径の小さな弧から形成される角)を有する多角形(例えば正方形)として開始し得る。タイトに丸められた角により、要素はベンチにおいてよりよく一緒に適合することができる。しかしながら、そのようなタイトに丸められた角を有する要素の発破誘導移動は幾らか不自然であり得る。したがって、モデリングシステムは、要素2300の移動、回転、及び衝突を追跡し、シミュレーション中、要素2300の形状を変更し得る。要素が移動、衝突、及び回転するにつれて、モデリングシステムは、角の弧の半径を増大させ得る。
【0102】
図24は、本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって使用し得る2つの円形要素(即ち第1の要素2404及び2410)を示す。モデリングシステムによって使用される形状は直線を有し得るが、モデリングシステムは、発破シミュレーションにおいて岩石をモデリングするために、円形要素を同様に使用することも可能であり得る。
【0103】
例えば、モデリングシステムは、1つの弧中心点2408と、2つの180度弧(例えば第1の弧2402及び第2の弧2404)とを有する円形要素を作成することによって円形要素を扱い得る。示されるように、第1の要素2404は第2の要素2420と重なる。1つの弧中心弧中心点及び2つの弧を使用して、モデリングシステムは、上述した方法を使用して要素の移動を特定することができる。
【0104】
図25は、本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって要素として使用し得る3つの潜在的な三次元形状を示す。図示の実施形態は、球形要素2502、四辺形要素2504、及び立方骨要素2506を含む。本明細書に記載の方法及びシステムは、これらの形状を使用して三次元発破をモデリングし得る。示されるように、これらの要素の各々は丸められた縁部及び角を含み得る。丸められた縁部及び角の半径を使用して、本明細書に記載の方法を使用して要素の移動を特定し得る。
【0105】
幾つかの実施形態において、球形要素2502は、丸められた角及び縁部を有する三次元六面体形状を使用してモデリングし得る。丸められた表面を有する三次元六面体形状の接触挙動は、球形とあまり異ならないことがある。
【0106】
本明細書に開示される例及び実施形態は特に発破シミュレーションを参照しているが、高度個別要素及びシミュレーション方法は、多様な異なるシミュレーソン用途に適用し得る。例えば、本明細書に記載される要素は、液体、溶液、気体、貯蔵サイロ内の材料、及び粉体の移動のシミュレーションに使用し得る。シミュレーソン方法は、種々の用途及及び複数の産業で使用し得る。例えば、シミュレーション方法は、地震、石油及びガスの掘削及び回収、並びに鉱物処理のシミュレーションに使用し得る。本明細書に開示される個別要素の実施形態は、フライス加工シリンダ内の高強度スチールロッド又はボール等の研削エンティティを使用して鉱石の研削のモデリング、理解、及び研削を行うのに使用することもできる。鉱石及び研削エンティティは両方とも、高度個別要素によってより性悪に表すことができる。移動及び衝突に基づいて角が丸められる個別要素に関連する実施形態は、フライス加工モデリングに特に有用であることができる。
【0107】
移動する物体をシミュレートするより一般化された方法の幾つかの実施形態は、先の図を参照して説明したように、複数の高度個別要素を含むモデルを生成することを含み得る。各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧を介して間接的に結合されるように、弧を用いて1つ又は複数の直線の端点を結ぶことによって形成された形状を有し得る。複数の要素の移動をシミュレートすることは、時間を通して繰り返し進む時間ステップシミュレーションを実行することによって行うことができる。シミュレーションの各時間ステップで、方法は、近隣要素間の弧-弧接触及び弧-線接触を探して検出し得る。方法は、弧-弧接触及び弧-線接触から生じる力及びモーメントを特定することもできる。力及びモーメントは合算されて、次の時間ステップ中に使用される新しい位置に各要素を移動させ得る。
【0108】
本明細書に開示された例及び実施形態は、単なる例示及び例として解釈されるべきであり、決して本鍛冶の範囲の限定として解釈されるべきではない。本明細書における開示の基本原理から逸脱せずに、上記実施形態の詳細に変更を行い得ることが当業者及び本開示の恩恵を受ける者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
命令を記憶したメモリと、
を備えた計算装置であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含み、
各要素は、1つ又は複数の線の端点が弧によって間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記1つ又は複数の線の前記端点を結ぶことによって形成される形状を有する、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を行うように前記装置を構成する、計算装置。
【請求項2】
対応する要素の移動、前記対応する要素の回転、及び前記対応する要素の衝突の1つ又は複数に基づいて、各弧の半径は増大する、請求項に記載の計算装置。
【請求項3】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素間の接触を検出することを含み、接触を検出することは、
前記近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、請求項に記載の計算装置。
【請求項4】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項に記載の計算装置。
【請求項5】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項に記載の計算装置。
【請求項6】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項に記載の計算装置。
【請求項7】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項に記載の計算装置。
【請求項8】
爆砕モデリングの方法であって、
発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信することと、
前記発破計画に基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは複数の要素を含む、生成することと、
前記現場モデル及び前記複数の要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を含み、
前記発破をシミュレートすることは、
近隣要素間の弧-弧接触を検出することと、
前記近隣要素間の弧-線接触を検出することと、
を含む、方法。
【請求項9】
各要素は、2つ以上の線が弧を介して間接的に結合されるように、前記弧を用いて前記2つ以上の線の端点を結ぶことによって形成される形状を有する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記近隣要素間の前記弧-弧接触を検出することは、前記近隣要素の2つの弧の弧中心点間の距離を前記近隣要素の前記2つの弧の半径の和と比較することを含み、前記和が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記近隣要素間の前記弧-線接触を検出することは、第1の要素の線と第2の要素の弧の弧中心との間の距離を前記第2の要素の前記弧の半径と比較することを含み、前記半径が前記距離よりも大きい場合、接触が検出される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記発破をシミュレートすることは、近隣要素に接触することによって各要素に付与される力を計算することを含み、前記力は、接触重複に基づいて計算され、弧中心点に適用される、請求項に記載の方法。
【請求項13】
各要素の形状は、角が丸められた多角形である、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記発破をシミュレートすることは、反復的に時間を進む時間ステップシミュレーションを含み、前記シミュレーションの各時間ステップにおいて、前記方法は、
弧-弧接触及び弧-線接触について前記現場モデルをサーチすることと、
前記弧-弧接触及び前記弧-線接触から生じる力を特定することと、
各要素のモーメントを特定することと、
各要素の前記モーメントと前記力とを合算することと、
総力及び総モーメントに基づいて各要素を新しい位置に移動させることであって、前記新しい位置は次の時間ステップ中、使用される、移動させることと、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
爆砕モデリングの方法であって、
発破孔データ、ベンチ上方、及び地質入力データを含む入力データを受信することと、
前記入力データに基づいて現場モデルを生成することであって、前記現場モデルは発破孔のセットを含む、生成することと、
前記発破孔のセットの各発破孔の周囲のゾーンを識別することであって、各ゾーンは、関連する発破孔から標的距離である周辺を含む、識別することと、
弧及び線を含む複数の非円形要素に前記現場モデルを断片化することであって、前記ゾーン内の非円形要素の第1のセットは、前記ゾーン外の非円形要素の第2のセットよりも小さい、断片化することと、
前記複数の非円形要素を使用して発破をシミュレートすることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記複数の非円形要素の層をオフセットすることを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ベンチ面又は発破孔を横断する要素を切断することを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
要素の面積を間隔及び岩石密度で乗算することによって前記複数の非円形要素の各々の質量を特定することを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記現場モデルを回転させて、地質傾斜を生み出すことを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の非円形要素の負荷解放時間を識別することを更に含む請求項15に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
図1】一実施形態による発破シミュレーションの高度個別要素を示す。
図2】一実施形態による、近隣要素の弧間の接触を特定するためにモデリングシステムによって使用し得る弧-弧接触検出技法を示す。
図3】一実施形態による弧-線接触検出技法を示す。
図4】一実施形態による弧-線接触検出技法を使用して線-線接触を検出する方法を示す。
図5】一実施形態による、要素に接触することによって高度個別要素に付与される力を特定するためにモデリングシステムが使用し得る力計算を示す。
図6】一実施形態による、要素に接触することによって高度個別要素に付与されるモーメントを特定するモーメント計算を示す。
図7】一実施形態による爆砕モデリングの方法のフローチャートを示す。
図8】一実施形態による発破をシミュレートする方法のフローチャートを示す。
図9】一実施形態によりモデリングシステムが受信し得る入力ファイルのパラメータを示す。
図10】一実施形態による地質入力データを示す。
図11】一実施形態による複数のゾーンに分割された発破モデルを示す。
図12】一実施形態による部分的に断片化された発破モデルを示す。
図13】一実施形態による部分的に断片化された発破モデルを示す。
図14】一実施形態による発破ピットを示す。
図15】一実施形態によるカスタム発破モデルを示す。
図16】一実施形態による発破パターンの上面図を示す。
図17】一実施形態によるサブ掘削発破孔を有する発破モデルを示す。
図18】一実施形態による発破モデルに地質傾斜を導入する回転手順を示す。
図19】一実施形態による発破モデルにおける個別モデリング要素の負荷解放のタイミングを示す
図20】一実施形態による緩衝発破又はチョーク発破のシミュレーションモデルを示す。
図21】一実施形態による発破をシミュレートするためのモデルを作成する方法のフローチャートを示す。
図22】一実施形態による項目を示す。
図23】発破シミュレーション中の要素の形状を変更する手順を示す。
図24】本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって使用し得る2つの円形要素を示す。
図25】本明細書に記載のモデリングシステム及び方法によって要素として使用し得る3つの潜在的な三次元形状を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
幾つかのモデリングシステムは、四辺形要素又は三角形要素等の直線辺個別要素を採用して、岩石質量を表す。直線辺個別要素は、一連の線が互いに接続されて、角度の付いた角のセットを有する形状の輪郭を形成する。直線辺要素を使用するシステムは、円形要素を使用するシステムよりも正確なシミュレーションを提供する。例えば、直線辺個別要素は、円形要素と異なり、アスペクト比を有することができる。しかしながら、直線辺要素間の接触(例えば第1の要素の角と第2の要素の辺との間の接触、第2の要素の角と第1の要素の辺との間の接触、及び第1の要素の辺と第2の要素の辺との間の接触)の検出は、非常に複雑であり、計算集約的なプロセスである。さらに、これらのタイプの個別要素を使用するシミュレーションは、球形要素を採用するシミュレーションよりも計算に数桁多くの計算時間を必要とする。さらに、直線辺要素は剛性すぎ、巨体すぎて、岩石の流れ挙動をあまりよく表さない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図1は、一実施形態による高度個別要素100を示す。個別要素モデリングシステムは、高度個別要素100を使用して二次元現場モデルを複数の要素にセグメント化する。高度個別要素100は、2つ以上の線の端点が弧を介して間接的に結合され、弧が形状の丸められた角を形成するように、弧を用いて1つ又は複数の線の端点を接続することによって形成される形状を有する。高度個別要素100の図示の実施形態は、4つの弧(即ち第1の弧108、第2の弧112、第3の弧116、及び第4の弧122)によって接続された第1の線102、第2の線104、及び第3の線106を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
幾つかの実施形態において、シミュレーションモデルの要素に使用される形状は、岩石硬度等の地質データに基づき得る。幾つかの実施形態において、シミュレーションモデルにおける要素の少なくとも幾つかは異なる形状である。例えば、異なる形状の要素を使用して異なるタイプの岩石をモデリングし得る。例えば、石炭は丸められた四辺形を用いてモデリングし得、同じシミュレーションにおいて別の岩石は丸められた六角形を用いてモデリングし得る。幾つかの実施形態において、同じ形状の要素の少なくとも幾つかは異なるサイズである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
記載される高度個別要素は、要素が、円形要素が持つことができないアスペクト比を有し、バルキング等の発破誘導移動中の岩石の自然な挙動及び要素間摩擦をより自然に示すため、岩石発破の個別要素モデリングにおいてシミュレーションの忠実度を高めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図7は、一実施形態による爆薬発破モデリングの方法700のフローチャートを示す。方法700を実行するモデリングシステムは、発破孔データ及び発破現場データを含む発破計画を受信する。発破孔データは、発破孔間隔、発破孔負荷、発破孔深さ、発破孔直径、発破孔パターン、発破孔数、ステミング情報、爆薬性質、発破孔角度、発破孔の上部座標、発破孔の下部座標、及びデッキング情報等の発破孔パラメータを含み得る。発破パターンは、3D座標系X(経度)、Y(緯度)、及びZ(垂直)で幾何学的に定義し得る。3D座標系は、発破パターン近傍のどこかに原点を有する局所座標系であってもよく、又は典型的には採鉱場の全てを包含するより大きな3D局所座標系である採鉱場の座標系内にあってもよい。発破パターン設計において、発破孔を表す線は、上部座標及び下部座標によって定義し得る。大半の発破パターンは平らな上面を有さず、パターンにおける各発破孔の角度はわずかに又は大幅に異なることができる。したがって、上部座標及び下部座標を使用して発破孔を定義し得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
幾つかの実施形態において、方法800は追加のステップを含み得る。例えば、2つの弧が横切る場合、大きな摩擦は生成されない。したがって、方法800の一部は、粗い岩石によって生じる摩擦をシミュレートするように一時的な拘束を課すことを含み得る。この強化された摩擦挙動は岩石タイプに基づいて変わり得る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
さらに、地質入力データは、地層(例えばベンチの第1の層1006、第2の層1004、及び第3の層1010の性質を含み得る。地層の性質は、各層の岩石タイプ、密度、ヤング率、ポアソン比、岩石衝撃速度、及び亀裂速度係数を含み得る。これらの性質は、地層のモデリングに使用される個別要素の弧の形状、サイズ、及び/又は半径を特定するのに使用し得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
例えば、モデリングシステムは、1つの弧中心点2408と、2つの180度弧(例えば第1の弧2402及び第2の弧2404)とを有する円形要素を作成することによって円形要素を扱い得る。示されるように、第1の要素2404は第2の要素2420と重なる。1つの弧中心点及び2つの弧を使用して、モデリングシステムは、上述した方法を使用して要素の移動を特定することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
本明細書に開示された例及び実施形態は、単なる例示及び例として解釈されるべきであり、決して本開示の範囲の限定として解釈されるべきではない。本明細書における開示の基本原理から逸脱せずに、上記実施形態の詳細に変更を行い得ることが当業者及び本開示の恩恵を受ける者には理解されよう。
【国際調査報告】