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特表2023-528769乾式構造コネクタ、乾式構造配置、乾式構造天井を構築するためのキット及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】乾式構造コネクタ、乾式構造配置、乾式構造天井を構築するためのキット及び方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/16 20060101AFI20230629BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20230629BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20230629BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
E04B9/16 B
E04B9/18 Q
F16B5/07 C
F16B5/10 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571220
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2020000099
(87)【国際公開番号】W WO2021233512
(87)【国際公開日】2021-11-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510094539
【氏名又は名称】クナウフ ギプス カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジルヴィア ラハヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド レオナルド フランチェスコ ディ フェリーチェ
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA08
3J001HA09
3J001JD32
3J001KA19
3J001KB04
(57)【要約】
本発明は、第1の端部における第1の端部部分と、第2の端部における第2の端部部分と、を有する、少なくとも1つの本体(50)を備える、乾式構造コネクタであって、本体(50)が、第1の端部部分と第2の端部部分との間に、中央部分(4)を有し、第1の端部部分が、ビーム(10)に接続するための保持舌部(2)を形成し、第2の端部部分が、乾式構造プロファイル(23、23’)に接続するための耐荷重舌部(3)を形成する、乾式構造コネクタに関する。本発明は更に、少なくとも1つの乾式構造コネクタ(1)を備える、乾式構造配置、乾式構造において天井を構築するためのキット、及び天井を構築するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部における第1の端部部分と、第2の端部における第2の端部部分を有する、少なくとも1つの本体(50)を備える、乾式構造コネクタであって、前記本体(50)が、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間に、中央部分(4)を有し、前記第1の端部部分が、ビーム(10)に接続するための保持舌部(2)を形成し、前記第2の端部部分が、乾式構造プロファイル(23、23’)に接続するための耐荷重舌部(3)を形成することを特徴とする、乾式構造コネクタ。
【請求項2】
前記保持舌部(2)が、前記中央部分(4)に対して直角に配設されるか、又は前記中央部分(4)に対して平行に配設されるように折り返されることを特徴とする、請求項1に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項3】
耐荷重舌部(3)が、乾式構造プロファイル(23)に接続するために、その反対側の各々に少なくとも1つの耐荷重突起(7、7’)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項4】
前記耐荷重舌部(3)が、第1及び第2の側(19、20)を有し、少なくとも前記第1の側(19)に、突起(16)及び窪み(17)が配設され、前記突起(16)の形状及びサイズは、前記突起(16)が同一の更なる本体(50’)の前記窪み(17)に受容可能であるように、設計及び寸法設定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項5】
前記突起(16)及び前記窪み(17)が、前記耐荷重舌部(3)の長手方向中心線に対して同一の中心距離を伴って配設されることを特徴とする、請求項4に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項6】
前記突起(16)及び前記窪み(17)が、前記耐荷重舌部(3)の塑性変形部分によって各々形成されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項7】
前記本体(50)が、前記中央部分(4)から第2の折り曲げ線(8)にわたって、前記耐荷重舌部(3)内に連続的に延在する、少なくとも1つの補剛ビード(9)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項8】
それらの耐荷重舌部(3)と互いに対して位置する前記本体(50、50’)のうちの2つを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項9】
前記2つの本体(50、50’)の前記耐荷重舌部(3)が、互いに平行に配設されることを特徴とする、請求項8に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項10】
前記本体(50’)の他方の前記耐荷重舌部(3)の前記窪み(17)に受容されている前記本体(50)の一方の前記耐荷重舌部(3)の突起(16)により、前記耐荷重舌部(3)の領域において、前記2つの本体(50、50’)間に確実な接続が形成されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項11】
前記2つの本体(50、50’)の前記耐荷重舌部(3)の各々において、折り曲げタブ(61)が、切り欠き(60)によって形成され、前記折り曲げタブは、開口部(62)が前記耐荷重舌部(3)において形成されるように折り曲げられ、前記本体(50、50’)の一方の前記耐荷重舌部(3)の前記折り曲げタブ(61)が、前記本体(50’、50)の他方の前記耐荷重舌部(3)の前記開口部(62)内に延在することを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の乾式構造コネクタ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの乾式構造コネクタ(1)、並びにビーム(10、10’)及び乾式構造プロファイル(23、23’)を備える、乾式構造配置であって、前記乾式構造コネクタ(1)の前記少なくとも1つの本体(50、50’)が、その保持舌部(2)で前記ビーム(10)の一部分に接続され、その耐荷重舌部(3)で前記乾式構造プロファイル(23)に接続される、乾式構造配置。
【請求項13】
前記乾式構造配置が、部屋天井の天井構造を形成し、天井パネル(24)が、前記乾式構造プロファイル(23)に配設されることを特徴とする、請求項12に記載の乾式構造配置。
【請求項14】
前記乾式構造プロファイル(23)が、プロファイルウェブと、その上に配設されたプロファイルフランジと、を有し、前記プロファイルウェブが、水平に配設され、前記プロファイルフランジが、上向きに垂直に配設されることを特徴とする、請求項12又は13に記載の乾式構造配置。
【請求項15】
前記ビーム(10、10’)が、ビームウェブ(11)と、前記ビームウェブ(11)に配設された少なくとも第1及び第2のビームフランジ(12)と、を備え、前記保持舌部(2)が、前記ビームウェブ(11)又は前記ビームフランジ(12)に接続されることを特徴とする、請求項12~14のいずれか一項に記載の乾式構造配置。
【請求項16】
前記保持舌部(2)が、前記ビームフランジ(12)に確実に接続され、前記保持舌部(2)が、前記ビームフランジ(12)の一部分の後ろに確実に係合することを特徴とする、請求項15に記載の乾式構造配置。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの乾式構造コネクタと、少なくとも1つの乾式構造プロファイル(23)と、を備える、乾式構造において天井を構築するためのキット。
【請求項18】
天井を構築するための方法であって、
・請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの乾式構造コネクタ(1)が、ビーム(10)に配設されるステップと、
・乾式構造プロファイル(23)が、前記乾式構造コネクタ(1)の前記耐荷重舌部(3)に取り付けられるステップと、
・天井要素が、前記乾式構造プロファイル(23)に取り付けられるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の端部における第1の端部部分と、第2の端部における第2の端部部分とを有する少なくとも1つの本体を備える、乾式構造コネクタであって、本体が、第1の端部部分と第2の端部部分との間に中央部分を有する、乾式構造コネクタに関する。本発明はまた、乾式構造配置、並びに乾式構造天井を構築するためのキット及び方法に関する。
【0002】
乾式構造とは、工業的に製造された半製品の組み立てによる、乾式構造天井などの建設要素の製造を指す。乾式構造天井は、通常、天井要素が吊り下げられた形式で取り付けられている天井エリアに下部構造を作成することによって、構築される。下部構造には、板金製の本体を伴う、乾式構造プロファイルがよく使用される。これらは軽量であるため、取り扱いが容易である。それらは更に、乾式構造天井を良好な安定性で構築することを可能にする。
【0003】
天井の下部構造には、典型的には、互いに交差して配設される金属プロファイルが使用される。例えば、EP 2 035 635 A1に記載されているように、プロファイルを接続するためにクロスコネクタが提案されている。クロスコネクタのウェブは、上部プロファイルを取り囲み、下方のプロファイルに確実に接続される。これには、接続されるそれぞれのプロファイルに適合する寸法のクロスコネクタが必要である。
【0004】
プロファイルレールをビームに取り付けることができる更なるハンガーが、EP 0 808 958 A2に記載されている。
【0005】
本発明の1つの目的は、乾式構造コネクタ、乾式構造配置、乾式構造天井を構築するためのキット及び方法を特定することであり、これは、天井下部構造の要素の単純かつ確実な接続を可能にする。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の乾式構造コネクタを伴う、本発明に従って達成される。したがって、上述の乾式構造コネクタの第1の端部部分は、ビームへの接続のための保持舌部を形成すること、第2の端部部分は、乾式構造プロファイルへの接続のための耐荷重舌部を形成することが仮定される。この設計は、特に有利である。乾式構造コネクタによって、乾式構造プロファイルをビームに接続することにより、建設現場で単純かつ安全な方法で、天井の下部構造を作成することが可能になる。組み立ては迅速に実行することができるので、コスト削減を助ける。更に、構造は、高い安定性を特徴とする。これにより、乾式構造コネクタは、広いスパンのビームであり、したがって大きなスパンを有するビームでの使用に特に好適である。取り扱いは、特に単純である。更に、特許請求された乾式構造コネクタを使用して、異なる寸法を有することができる乾式構造プロファイル及びビームを接続できる。したがって、異なるサイズの特定の寸法に適合した乾式構造コネクタをストックする必要はない。別の利点は、乾式構造コネクタを使用すると、下部構造に必要な高さがわずかで済むことである。これにより、天井の必要な設置スペースが削減される。これは、とりわけ、乾式構造プロファイルを、乾式構造コネクタによって、ビームの真下に省スペースで配設できるという事実によって達成される。好ましくは、乾式構造コネクタは、乾式構造ハンガーとして形成される。
【0007】
有利な実施形態が、以下及び従属請求項に記載されている。
【0008】
有利な実施形態は、本体が材料の細長いストリップによって形成され、第1の端部部分が、材料のストリップの第1の端部に、第2の端部部分が、第2の端部に設けられることを仮定する。
【0009】
本発明の有利な実施形態は、保持舌部が、第1の折り曲げ線を介して、中央部分に接続されることを仮定する。好ましくは、本体は、折り曲げを容易にするために、第1の折り曲げ線に沿ったエリアに切り欠き、好ましくは、切り抜きを有し得る。保持舌部は、組み立て前は、中央部分と同一平面上にあり得、次いで、組み立て中に折り曲げられる。
【0010】
本発明の有利な実施形態は、保持舌部が、中央部分に対して直角に配設されることを仮定する。これは、特に、ビームのビームウェブへの保持舌部の単純な接続を可能にする。
【0011】
保持舌部はまた、中央部分と平行に配設することもできる。これは、特に、保持舌部がビームの部分の後ろで確実に係合する、保持舌部とビームとの間の形状嵌合を作成することが可能にする。この場合、保持舌部は、中央部分と平行になる程度まで、第1の折り曲げ線の周りで折り返されてもよい。
【0012】
本発明の有利な実施形態は、少なくとも1つの貫通開口部が、保持舌部及び/又は中央部分に設けられ、それを通して、締結手段が、ビームに導入され得る、又は導入されることを仮定する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態は、耐荷重舌部が、中央部分及び/又は保持舌部よりも広い幅を有することを仮定する。幅は、本体を形成する材料のストリップの長手方向に対して垂直に測定することができる。
【0014】
本発明の有利な実施形態は、耐荷重舌部が、乾式構造プロファイルへの接続のために、その反対側の各々に少なくとも1つの耐荷重突起を有することを仮定する。好ましくは、耐荷重突起は、切り欠き又は打ち抜きによって形成される。耐荷重突起は、形状適合によって、乾式構造プロファイルとの接続を可能にする。
【0015】
この発明のアイデアの更なる展開によれば、少なくとも2対の耐荷重突起が設けられ、耐荷重突起の第1の対が、第1のサイズの乾式構造プロファイルへの接続に好適であり、耐荷重突起の第2の対が、第2のサイズの乾式構造プロファイルへの接続に好適であることが仮定される。この目的のために、耐荷重舌部が、第1の対のエリアに第1の幅を第2の対のエリアに第2の幅を有することが仮定され得る。耐荷重突起の追加の対がまた、設けられ得る。
【0016】
本発明の有利な実施形態は、耐荷重舌部が、第2の折り曲げ線を介して、中央部分に接続されることを仮定する。乾式構造コネクタが、第2の折り曲げ線の周りで予め折り曲げられることが仮定され得る。特に、耐荷重舌部は、中央部分に対して直角に位置決めされてもよい。
【0017】
本発明の有利な実施形態は、耐荷重舌部が、第1及び第2の側を有し、少なくとも第1の側に、突起及び窪みが配設され、突起の形状及びサイズは、突起が同一の更なる本体の耐荷重舌部における窪みに受容可能であるようであることを仮定する。第1の側は、中央部分から離れて面していてもよく、第2の側は、中央部分に向かって面してもよい。好ましくは、突起及び窪みは、細長い。
【0018】
好ましくは、耐荷重舌部の長手方向中心線までの突起及び窪みの中心距離は、同一である。長手方向中心線は、耐荷重舌部の中央で、第2の折り曲げ線に対して直角に延在してもよい。耐荷重舌部の実施形態は、有利には、一方の側の突起の位置が、他方の側の窪みの位置に対応することを除いて、長手方向中心線に対して鏡像対称であり得る。これは、耐荷重舌部がそれらの第1の側で一致するように互いに嵌合するように配設される場合、2つの同一の本体の間で、確実な嵌合が達成されることを可能にし、突起が窪みに収容される。このようにして、2つの本体の耐荷重突起が互いに隣り合って配設されることを達成することも可能であり、二重化は、特に高い安定性をもたらす。
【0019】
本発明の有利な実施形態は、突起及び窪みが、耐荷重舌部の塑性変形部分によって各々形成されることを仮定する。好ましくは、突起及び/又は窪みは、各々ビードによって形成される。一方のビードが、耐荷重舌部の第1の側に突出して、突起を形成し、他方のビードが、耐荷重舌部の第2の側に突出し、その後部に窪みを形成することが仮定され得る。
【0020】
本発明の有利な実施形態は、折り曲げタブが、切り欠きによって耐荷重舌部に形成され、該折り曲げタブは、折り曲げられて第1の側から突出し、したがって、耐荷重舌部に開口部を形成することを仮定する。2つの同一の本体が、耐荷重舌部のエリアで互いに対して配置される場合、一方の本体の折り曲げタブは、他方の本体の開口部を通って延在する。これはすでに、2つの耐荷重舌部が整列することを可能にする。追加の安定性が必要な場合は、折り曲げタブを(好ましくは、外側に)更に折り曲げることによって、2つの本体を、次いで、形状適合で互いに接続し、互いに支持することができる。これには、他の締結手段又はツールは必要ない。
【0021】
本発明の有利な実施形態は、本体が、中央部分から第2の折り曲げ線にわたって、耐荷重舌部内に連続的に延在する、少なくとも1つの補剛ビードを有することを仮定する。好ましくは、これらのビードのうちの2つが提供される。補剛ビードは、耐荷重舌部及び中央部分の長手方向中心線に平行に延在してもよい。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの補剛ビードが、耐荷重舌部の第2の側に突起を形成することが仮定される。補剛ビードは、第1の側に突出しておらず、説明したように一緒に使用されるときに、2つの本体の耐荷重舌部が互いに対して平坦に当接することを可能にする。
【0023】
本発明の有利な実施形態は、本体が連続的に折り曲げられた板金から成ることを仮定する。特に、板金の厚さは、0.4mm~5mm(好ましくは0.5mm~1mm)であり得る。
【0024】
本発明の特に有利な実施形態は、乾式構造プロファイルをビームに締結するための乾式構造コネクタが、本明細書に記載の本体のうちの2つを備え、本体が、それらの耐荷重舌部で互いに対して当接することを仮定する。この設計は、更なる安定性の向上を実現するだけではない。また、異なる断面形状のビームへの確実な取り付けを可能にする。このように、1つのタイプの本体で異なる設置状況に対応できる。これは、実行の柔軟性及び品質を向上させ、天井の設置コストの削減に貢献する。好ましくは、2つの本体が、同一に形成される。
【0025】
本発明の有利な実施形態は、2つの本体の耐荷重舌部が、互いに平行に配設されることを仮定する。特に、耐荷重舌部は、互いに対して平坦に位置し得る。好ましくは、本体の耐荷重舌部は、一致する外形を有する。
【0026】
本体が、それらの第1の側で互いにもたれることが有利であり得、中央部分が、それぞれの耐荷重舌部から反対方向に面している。好ましくは、2つの本体の中央部分は、共通の平面に配設される。
【0027】
本発明の有利な実施形態は、本体の他方の耐荷重舌部の窪みに収容されている本体の一方の耐荷重舌部の突起により、耐荷重舌部のエリアにおいて、2つの本体間に確実な嵌合が形成されることを仮定する。好ましくは、他方の本体の耐荷重舌部の突起も、一方の本体の耐荷重舌部の窪みに受容されている。
【0028】
本発明の有利な実施形態は、両方の本体の耐荷重舌部が、互いに接続されることを仮定する。これは、切り欠きによって、耐荷重舌部の各々において折り曲げタブを形成することによって、達成することができ、該折り曲げタブは折り曲げられ、したがって、耐荷重舌部において、開口部を形成する。2つの同一の本体が、耐荷重舌部のエリアで互いに対して配置される場合、一方の本体の折り曲げタブは、他方の本体の耐荷重舌部の開口部を通って延在する。折り曲げタブを折り曲げることによって、2つの本体を、更にしっかりと接続し、互いに支持することができる。これには、更なる締結手段は必要ない。
【0029】
本発明は更に、上述のタイプの少なくとも1つの乾式構造コネクタ、並びにビーム及び乾式構造プロファイルを備える、乾式構造配置であって、乾式構造コネクタの少なくとも1つの本体が、その保持舌部でビームの一部分に接続され、その耐荷重舌部で乾式構造プロファイルに接続される、乾式構造配置に関する。
【0030】
更に、乾式構造配置が、室内天井の天井構造を形成し、ビームが、天井ビームであることが好ましい。
【0031】
有利な方式では、乾式構造プロファイルに、1つ以上の天井パネルを配設することが仮定され得る。天井パネルは、既知の方式で、例えば、石膏ボード、繊維板、及び/又はグリッド天井の要素であり得る。
【0032】
ビーム及び乾式構造プロファイルを水平に配置し、乾式構造プロファイルをビームに対して直角に配設することが有利であってもよい。
【0033】
本発明の有利な実施形態は、ビームが、ビームウェブと、ビームウェブに配設された少なくとも第1及び第2のビームフランジと、を有することを仮定する。好ましくは、ビームは、Cプロファイル、Uプロファイル、Tプロファイル、Iプロファイル、ダブルCプロファイル、ダブルUプロファイル、又はダブルTプロファイルとして設計される。特に、ビームは、より大きなスパンを有することもできるワイドスパンビームにすることもできる。
【0034】
本発明の有利な実施形態は、保持舌部が、ビームウェブ又はビームフランジに接続されることを仮定する。ビームウェブへの接続は、例えば、ねじ、リベット、圧着などによって行うことができる。
【0035】
本発明の更に有利な実施形態は、保持舌部が、ビームフランジに確実に接続され、保持舌部が、ビームフランジの一部分(好ましくはエッジ部分)の後ろで確実に係合することを仮定する。そうすることで、ビームフランジの部分を、中央部分と保持舌部との間に受容することができる。
【0036】
本発明の有利な実施形態は、保持舌部が、ビームウェブに平行に配設され、中央部分が、ビームのビームフランジに平行に、好ましくは、その下側に配設されることを仮定する。保持舌部及び中央部分、並びにビームウェブ及びビームフランジが、互いに直交することを仮定することは、特に有利であり得る。
【0037】
好ましい方法では、中央部分及び耐荷重舌部は、ビームの下側に位置し得る。好ましくは、中央部分は、水平面に配設される。更に、耐荷重舌部が、その自由端部で、垂直に下方を向いていることが好ましい。
【0038】
本発明の有利な実施形態は、乾式構造プロファイルが、プロファイルウェブ及びそれに接続されたプロファイルフランジを有し、プロファイルフランジが、耐荷重乾式構造コネクタの耐荷重舌部(又は、2つの本体を伴う、乾式構造コネクタを使用するときは:耐荷重舌部)と係合することを仮定する。プロファイルウェブが、水平に配設され、プロファイルフランジが、プロファイルウェブから垂直に上向きに延在するように配設されることが仮定され得る。更に、乾式構造プロファイルが、金属プロファイルであり、プロファイルフランジが、内向きに面するエッジ部分を有することが仮定されてもよい。内側とは、プロファイルフランジ間のスペースを指す。エッジ部分を介して、乾式構造プロファイルは、耐荷重舌部に確実に接続することができる。好ましくは、乾式構造プロファイルは、Cプロファイルである。
【0039】
本発明は更に、乾式構造天井を構築するためのキットであって、記載の乾式構造コネクタ及び乾式構造プロファイルを備える、キットに関する。キットはまた、少なくとも1つのビームを備えてもよい。
【0040】
本発明はまた、天井を構築するための方法であって、
・少なくとも1つの記載の乾式構造コネクタがビームに配置されるステップと、
・乾式構造プロファイルが、乾式構造コネクタの耐荷重舌部に取り付けられるステップと、
・天井要素が、乾式構造プロファイルに取り付けられるステップと、を含む、方法に関する。
【0041】
方法、キット、及び配置の更なる有利な特徴は、乾式構造コネクタの説明からも導き出すことができる。
【0042】
本発明の更なる目標、特徴、利点、及び適用の可能性は、図面に基づく以下の実施形態の説明から生じる。記載され、かつ/又は描かれたすべての特徴は、個々の請求項又はそれらの参照において、しかも要約とは無関係に、個々に又は任意の意味のある組み合わせで、発明の目的を形成する。説明とともに、図面は、可能な技術的設計の例示的かつ非限定的な説明を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面は以下を示す。
図1】1つの本体を伴う、乾式構造コネクタの斜視図。
図2】ビームに取り付けられた図1の乾式構造コネクタ。
図3図1に示された本体のうちの2つを備える、乾式構造コネクタ。
図3a図3からの詳細Bの拡大図。
図3b】突起及び窪みの領域における図3aからの乾式構造コネクタの2つの耐荷重舌部の断面図。
図4】ビームに取り付けられた図3からの乾式構造コネクタを備える、乾式構造配置。
図4a】乾式構造プロファイルを伴う、図4による乾式構造配置の側面図。
図4b】天井パネルを伴う、図4aからの乾式構造配置の斜視図。
図5】1つの本体を伴う、乾式構造コネクタの別の実施例。
図5a図5に示された2つの本体を伴う、乾式構造コネクタの断面。
図5b図5aによる乾式構造コネクタを伴う、ビーム。
【0044】
図1は、材料の細長いストリップで作られた本体50を伴う、乾式構造コネクタ1を示している。材料のストリップは、その長手方向に、第1の端部における第1の端部部分を有し、該第1の端部部分は、ビームに接続するための保持舌部2を形成する。更に、材料のストリップは、その第2の端部における第2の端部部分を有し、該第2の端部部分は、耐荷重舌部3を形成する。2つの端部部分の間に、耐荷重舌部3を保持舌部2に接続する中央部分4が設けられる。
【0045】
乾式構造コネクタ1の本体50は、板金から成形された材料のストリップで作られる。保持舌部2は、第1の折り曲げ線5を介して、中央部分4に接続される。示されている例示的な実施形態では、保持舌部2は、中央部分4に対して直角に配設される。第1の折り曲げ線5のエリアにおいて、乾式構造コネクタ1の本体50は、保持舌部2の折り曲げを容易にする切り抜き6を有する。
【0046】
図1は、耐荷重舌部3の設計も示している。それは、反対側に耐荷重突起7、7’を有する。これらは、周囲の切り欠き又は打ち抜きによって形成され、以下でより詳細に説明するように、形状適合による乾式構造プロファイルとの接続を可能にする。
【0047】
図示の例示的な実施形態では、乾式構造コネクタ1は、2対の耐荷重突起7、7’を有する。耐荷重突起7の第1の対は、第1のサイズの乾式構造プロファイルに接続するのに好適であり、耐荷重突起7’の第2の対は、第2のサイズの乾式構造プロファイルに接続するのに好適である。これは、以下で説明する図4aに明確に描かれている。
【0048】
耐荷重舌部3は、第2の折り曲げ線8を介して、中央部分4に接続される。耐荷重舌部3は、中央部分4に対して直角に配設される。
【0049】
更に、乾式構造コネクタ1の本体50は、2つの補剛ビード9を有する。これらは、中央部分4から、第2の折り曲げ線8を介して、連続的に耐荷重舌部3内に延在する。長手方向の補剛ビード9は、耐荷重舌部3又は中央部分4の長手方向中心線に平行に整列される。補剛ビードは、中央部分4に対する耐荷重舌部3の位置を固定する。
【0050】
1つの本体50を伴う乾式構造コネクタ1は、図2に示すように、ビーム10に取り付けることができる。描かれたビーム10は、ビームウェブ11と、第1及び第2のビームフランジ12と、を有する。図示の例示的な実施形態では、ビーム10は、Uプロファイルとして形成される。図示の例では、ビームウェブ11に開口部13が設けられている。
【0051】
乾式構造コネクタ1の本体50は、ビーム10に接続され、中央部分4とともに、ビームフランジ12に対して平坦に位置する。保持舌部2は、ビームウェブ11に対して平坦に位置する。保持舌部2及び中央部分4は、締結手段14によって、ビーム10にしっかりと接続される。締結手段14は、特に、保持舌部及び/又は中央部分4の貫通開口部15を通して挿入されるねじであり得る。
【0052】
図2は、示されている乾式構造配置に必要な構造高のみが低いことを示している。
【0053】
図3は、図1に示されるタイプの2つの同一の本体50、50’がどのように結合されて、乾式構造コネクタ1’を形成するかを示している。より明確にするために、図3の2つの本体50、50’は、それらの間に距離を置いて示されている。完全に組み立てられると、本体50、50’は、それらの耐荷重舌部3で互いに平坦に位置する(図3b及び4を参照)。
【0054】
耐荷重舌部3は各々、第1及び第2の側19、20を有し、少なくとも第1の側19には、突起16及び窪み17が設けられる。示されるように、第1の側19は、中央部分4から離れて面する耐荷重舌部3の側である。第2の側20は、中央部分4に向かって面する。突起16及び窪み17は、一方の本体50又は50’の突起16が、他方の本体50’又は50’の窪み17にそれぞれ収容できるように、設計されている。この目的のために、突起16及び窪み17は、一致する形状を有する。図示の例示的な実施形態では、突起16及び窪み17は、細長いビードの形態のシート材料の塑性変形によって形成される。突起16及び窪み17の耐荷重舌部3の長手方向中心線までの中心距離は、同一である。
【0055】
図3aは、図3からの拡大された詳細Bを拡大である。ここで、窪み17の設計は、本体50の第1の側19に示されている。更に、本体50’の耐荷重舌部3の第2の側20の一部分が示されている。突起16は、各々の場合もビードによって形成されるので、本体50’の第1の側19に、突起16を形成する第2の側20の本体50’のビードの後側18を見ることができる。
【0056】
図3bは、突起16及び窪み17の断面図を示しており、本体50、50’の耐荷重舌部3が互いに対して位置して示されている。ここで、一方の本体50’の突起16が、他方の本体50の窪み17に係合し、2つの本体50、50’が、このように、形状適合によって、互いに位置決めされることが分かる。
【0057】
図4は、ビーム10’への図3からの乾式構造コネクタ1’の取り付けを示す。ビーム10’は、図示のように、互いに接続された2つのUプロファイルから形成することができる。特に、プロファイルは、強化されたU補剛プロファイルであり得る。あるいは、ビーム10’は、例えば、Iビームとして設計することもできる。ビーム10’は、ビームウェブ11と、その上に配設された4つのビームフランジ12と、を有する。ビームウェブ11は、ビームフランジ12に対して直交するように配設される。ビームウェブ11は、開口部13を備える。
【0058】
2つの本体50、50’から構成される図3からの乾式構造コネクタ1’は、図4に示すように、ビーム10’の下側に最初に配置することができ、保持舌部2は、当初はまだ垂直に上向きに向いている(図4の左側に示されている)。次に、ビームフランジ12の一部分が、保持舌部2と中央部分4との間に取り囲まれるように、保持舌部2を折り曲げることができる(図4の右側に示されている)。より良い安定性を達成するために、締結手段22は、保持舌部2及び中央部分4をビームフランジ12に固定するために、折り曲げられた状態で、互いの上部に位置する保持舌部2及び中央部分4の2つの貫通開口部15、15’に挿入され得る(図4の中央に示されている)。
【0059】
図4では、耐荷重舌部3を伴う、本体50、50’が、乾式構造プロファイル23、23’を耐荷重舌部3に取り付けることができるように、ビーム10’に配設されていることがすでに分かる。乾式構造プロファイル23、23’の設置後の状態が、図4aに示されている。特に、乾式構造プロファイル23、23’の長手方向が、ビーム10’の長手方向に直交することが分かる。
【0060】
更に、図4aは、異なる乾式構造プロファイル23、23’を、どのように耐荷重突起7、7’の対に取り付けることができるかを示している。図4aの左側では、わずかに大きい乾式構造プロファイル23が、耐荷重突起7上に配設されている。右側には、耐荷重突起7’上に配設されているわずかに小さい乾式構造プロファイル23’が示されている。このようにして、乾式構造コネクタ1’を伴い、異なるサイズの乾式構造プロファイルを確実に装着することができる。
【0061】
図4bは、天井パネル24を、どのように乾式構造プロファイル23、23’に配設できるかを示している。下部構造に必要なスペースが小さいことが、この図ではっきりとわかる。
【0062】
図5、5a及び5bは、乾式構造コネクタ1’’及び1’’’の更なる実施形態を示す。乾式構造コネクタ1’’及び1’’’は、それぞれ図1及び4からの乾式構造コネクタ1及び1’と本質的に同じように設計される。したがって、その説明は、図5、5a及び5bに示される実施形態にも適宜適用されるものとする。形状が異なる場合でも、同じ機能を持つ部品には、同じ参照番号が使用される。図5は、本体50を伴う、乾式構造コネクタ1’’を示し、図5a及び5bは、2つの同一の本体50、50’を備える組み合わされた乾式構造コネクタ1’’’を示す。
【0063】
しかしながら、乾式構造コネクタ1’’及び1’’’は更に、折り曲げタブ61を形成する耐荷重舌部3のエリアに切り欠き60を有し、それによって、窓形状の開口部62が、耐荷重舌部3に形成される。好ましくは、切り欠き60は、U字形である。ここで、図5aに示すように、2つの本体50、50’が、耐荷重舌部3のエリアで互いに配置される場合、本体50の折り曲げタブ61は、本体50’の開口部62を通って延在する。同時に、本体50’の折り曲げタブ61は、本体50の開口部62を通って延在する。これだけで、2つの本体50、50’の耐荷重舌部3の間の形状適合が達成される。
【0064】
より良い固定のために、2つの本体50、50’を結合した後、折り曲げタブ61は、必要に応じて、図5aに示す位置から更に折り曲げて、本体50及び50’を互いに支持することができる。突起16と窪み17との間の確実な嵌合とともに、2つの本体50及び50’の確実かつ耐荷重性のある固定が達成される。
【0065】
次に、図5bは、図4と同様の実施形態を示す。ここでは、ビーム10’の下側に配設される3つの乾式構造コネクタ1’’’が示されている。
図1
図2
図3
図3a
図3b
図4
図4a
図4b
図5
図5a
図5b
【国際調査報告】