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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】改良型自動車用表示パネル
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20230629BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230629BHJP
   B60K 37/00 20060101ALI20230629BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230629BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230629BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230629BHJP
   H10K 59/90 20230101ALI20230629BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G09F9/00 362
G09F9/00 313
G09F9/00 302
G09F9/00 312
B60K37/00 B
H10K50/10
H10K59/10
H10K59/00
H10K59/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572663
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021032842
(87)【国際公開番号】W WO2021242558
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/030,406
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バダー,アメイ ガンパット
(72)【発明者】
【氏名】チャァ,カイカイ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハウス,ジョゼフ ポール
(72)【発明者】
【氏名】ケネディー,ペイジ ヴァーナー
(72)【発明者】
【氏名】キスター,エヴァン グレイ
(72)【発明者】
【氏名】ラヨーニ,カレド
(72)【発明者】
【氏名】ミーナクシ サンダラム,バラムルガン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン セ
(72)【発明者】
【氏名】カラウシュ,ユスフ カイエド
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ディヴィッド エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート,ジェイソン スコット
【テーマコード(参考)】
3D344
3K107
5G435
【Fターム(参考)】
3D344AA07
3D344AA14
3D344AA27
3D344AB01
3D344AC30
3D344AD01
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC41
3K107EE61
3K107EE63
3K107FF15
5G435AA00
5G435EE13
5G435GG42
5G435GG43
5G435HH05
5G435HH18
(57)【要約】
自動車産業の標準的な頭部衝撃試験の要件を満たすように作られた可撓性結合部分を備えた、自動車内装に使用するための可撓性表示パネルの構造設計の解決策が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
前記前面にあるガラスカバー、
前記背面にある支持構造、および
一体丁番部分であって、該一体丁番部分における前記カバーガラスおよび前記支持構造は可撓性である一体丁番部分、
を備え、
前記支持構造は、6.8kgの質量を有する頭部模型が6.67m/sの速度で前記一体丁番部分の前面に衝突したときに、該頭部模型の減速が80g(gは重力加速度である)を超えないように前記カバーガラスを支持し、
前記支持構造は、
前記一体丁番部分を渡り、該一体丁番部分の両側で前記支持構造に取り付けられたストラップであって、前記一体丁番部分が曲げられることに対して所定量の抵抗を該ストラップが与えるように、前記表示パネルの該一体丁番部分よりも堅いストラップ、
前記表示パネルの第1の部分に対する該表示パネルの第2の部分の動きを作動させるために該第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドであって、該第1の部分および該第2の部分は前記一体丁番部分により互いに接続されている、作動ロッド、または
前記一体丁番部分の背面に近接して設けられ、固定構造に搭載された衝撃吸収体であって、前記頭部模型によって前記一体丁番部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与える衝撃吸収体、
の内の1つを含む、表示パネル。
【請求項2】
前記支持構造が前記ストラップを含み、該ストラップが、該ストラップと前記支持構造との間に相対運動がないように、前記一体丁番部分の片側で該支持構造に取り付けられており、該ストラップは、該ストラップと前記支持構造との間にある程度の横方向の滑り運動が可能な様式で前記一体丁番部分の他方の側に取り付けられている、請求項1記載の表示パネル。
【請求項3】
前記支持構造が、前記表示パネルの第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドを含み、
前記作動ロッドが、前記頭部模型によって前記第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られたダンパーアセンブリを含む、請求項1記載の表示パネル。
【請求項4】
前記支持構造が、前記一体丁番部分の背面に近接して設けられ、前記固定構造に搭載された衝撃吸収体を含み、
前記表示パネルが、自動車が衝突すると展開するエアバッグシステムを備えた自動車内の表示パネルであり、前記衝撃吸収体が、該エアバッグシステムと同時に展開するように同調されるエアバッグである、請求項1記載の表示パネル。
【請求項5】
前記支持構造が、前記表示パネルの第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドを含み、該作動ロッドが、前記一体丁番部分の屈曲による前記第1の部分に対する前記第2の部分の動きを作動させるために滑節によって該第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられており、
前記滑節は、該滑節の周りの前記第2の部分の回転に抵抗することによって、前記頭部模型によって該第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られており、
前記滑節が、前記所定量の抵抗を与えるように作られた歯車アセンブリを備えること、
前記表示パネルが、前記作動ロッドに設けられ、前記滑節と前記一体丁番部分との間の一点で前記背面に向かって延在し、それと接触する支持足部をさらに含み、該支持足部は、前記表示パネルの第2の部分を支え、前記衝撃力が印加されたときに、該第2の部分が所定量よりも大きく該滑節の周りに回転するのを防ぐこと、または
前記滑節が、前記頭部模型が衝突すると、該滑節をロックし、前記第2の部分が所定量を超えて該滑節の周りに回転するのを防ぐのに十分な前記所定量の抵抗を与えるロッキング丁番ピンを備えること、
の内の1つが成り立つ、請求項1記載の表示パネル。
【請求項6】
前記滑節が前記ロッキング丁番ピンを含み、
前記ロッキング丁番ピンが、鍵に合わせた頭部を有し、
前記ロッキング丁番ピンは、ロックされていない位置とロックされた位置との間で丁番軸に沿って可動性であるように作られており、
前記頭部模型により、前記表示パネルの第2の部分が、所定量よりも大きく前記滑節の周りに回転するときに、前記丁番ピンは、ロックされた位置に動き、該第2の部分がそれ以上さらに回転するのを防ぐ、請求項5記載の表示パネル。
【請求項7】
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
前記前面にあるカバーガラス、
前記背面にあるバックプレート、
前記カバーガラスと前記バックプレートとの間の接着剤層、および
一体丁番部分であって、該一体丁番部分における前記カバーガラス、前記接着剤層、および前記バックプレートは、可撓性である一体丁番部分、
を備え、
前記バックプレートおよび前記接着剤層は、6.8kgの質量を有する頭部模型が6.67m/sの速度で前記一体丁番部分の前面に衝突したときに、該頭部模型の減速が80g(gは重力加速度である)を超えないように前記カバーガラスを支持し、
前記接着剤層は厚さを有し、前記一体丁番部分における該接着剤層は、該接着剤層の厚さに亘る複数の穿孔を有し、前記頭部模型が衝突した結果として、該接着剤層中の穿孔により、該一体丁番部分における前記カバーガラスの部分が、さらに移動することができる、表示パネル。
【請求項8】
前記穿孔の各々が、最も近くの隣接する穿孔から10μmから50mmだけ間隔が空けられており、該穿孔の各々が、5μmから10mmの直径を有する管状形を有する、請求項7記載の表示パネル。
【請求項9】
前記穿孔が、前記バックプレートに対して70°から120°の角度に配向されている、請求項7または8記載の表示パネル。
【請求項10】
前記穿孔の全てが無作為な向きに配向されている、請求項9記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2020年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/030406号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、改良型自動車用表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車産業において、近年、乗員の死亡者数と怪我を減少させるための構造的耐衝撃性の改善が益々注目を集めてきた。耐衝撃性は、衝撃に関与したとき、または衝撃を経験したときの車両の反応を称する。衝撃の最中、運転者または同乗者の頭部が、ディスプレイモジュールなどの車内の構造物にぶつかった場合、深刻な傷害が生じ得る。さらに、カバーガラスが破砕した場合、それらの破片から二次的な傷害(裂傷)を生じる可能性が非常に高い。カバーガラスに使用されている高強度ガラスを最大限に活用しつつ、傷害を軽減し、命を守るためには、自動車業界の仕様で求められているような中程度の衝撃下で運転者と同乗者を保護できる最適なディスプレイモジュール設計を見つけ出すことが非常に重要である。これらのディスプレイ用の画像表示スクリーン材料に、様々なタイプ、例えば、LED-LCD、TFT-LCD、OLED、AMOLED、LED、PDP、QLEDなどがあり得、ディスプレイアセンブリ全体の設計は、この材料に基づいて決定される。典型的に、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイは、従来のLCD(液晶ディスプレイ)と比べて、ずっと薄く、可撓性である。これは、OLEDを使用すれば、車内でその形状を劇的に変えられる独創的な湾曲ディスプレイの余地が多くなることを意味する。自動車業界では、乗員に安全な車内環境を提供するために、頭部衝撃試験(HIT)を行っている。HITは、FMVSS201の下、自動車部門で義務付けられている規制である。この試験は、自動車ダッシュボードの様々な部品に乗員の頭部が衝突するのをシミュレーションして、自動車ダッシュボードの様々な部品の安全性を評価するために使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、HITの要件を満たすことができる表示パネルなどの自動車ダッシュボード部品のための構造設計の解決策が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
可撓性結合部分を備えた、有機発光ダイオード(OLED)表示パネルなどの可撓性表示パネルの構造設計の解決策が、ここに開示されている。HITの要件には、重力加速度の80倍(80g)以下の連続した3ミリ秒の頭部減速が含まれる。本開示の1つの態様は、表示パネルの後部構造が、HITの要件を満たし、ガラスカバーの破砕を防ぐように変形する構造設計の解決策を提供することにある。
【0006】
本開示は、HITの要件に合格し、その上、カバーガラスの破壊を防ぐための、一体丁番(living hinge)などの可撓性結合部分を備えた表示パネルを可能にできる構造設計の解決策をいくつか提供する。
【0007】
それに加え、本開示は、部分的に支持されたディスプレイ、支持されていないディスプレイ、および支持されたディスプレイのための後部構造剛性設計システムを提供する。可撓性ディスプレイに、極薄構造を生み出し、容易に曲げられるOLEDまたは任意の他のそのような技術で作られたものがある。それゆえ、本発明は、カバーガラスが破砕せずにHITに耐えるディスプレイ用構造を設計する方法であって、ディスプレイが可撓性材料から作られている、方法である。可撓性ディスプレイは、一般に、車内では使用されないので、本発明は、車内での可撓性ディスプレイの使用も主張する。
【0008】
本発明は、新製品(一体丁番)のための一連の製品改良設計である。その設計は、HIT性能全体を改善することを目的とした、一体丁番システムにおける丁番、その駆動機構、および他の構成要素に対する全ての改良または補強である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
これらの図面は、ここに開示され、議論された実施の形態が、図示された配置および手段に限定されないことを理解した上で、説明目的のために提供されている。図面は、略図であり、一定の縮尺で描かれていない。図面は、寸法または実際の比率を示す意図はない。
図1A】本開示による、HITの要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供する方法を示す流れ図
図1B】本開示による、HITの要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供する方法を示す流れ図
図2】OLED表示パネルの一般構造の断面図
図3】HITの一般構成の概略図
図4A】可撓性表示パネルの形状の例を示す概略図
図4B】可撓性表示パネルの形状の例を示す概略図
図4C】可撓性表示パネルの形状の例を示す概略図
図4D】可撓性表示パネルの形状の例を示す概略図
図4E】可撓性表示パネルの形状の例を示す概略図
図5A】線形特性バネを示す概略図
図5B】回転バネを示す概略図
図5C】線形特性ダンパーを示す概略図
図5D】回転ダンパーを示す概略図
図6】可撓性OLEDディスプレイの連続後部支持体を示す概略図
図7】HIT構成における可撓性OLEDディスプレイおよび後部支持体構造を示す分解図
図8】可撓性OLEDディスプレイの後部支持構造に関する所望の設計範囲を示す、回転バネ剛性(K2)対線形特性バネ剛性(K1)のプロット
図9A】OLED表示パネルの一体丁番部分がHIT中に移動できる距離を制限するために、OLED表示パネルの背面に取り付けられたストラップの例を示す可撓性OLED表示パネルの概略図
図9B】OLED表示パネルの一体丁番部分がHIT中に移動できる距離を制限するために、OLED表示パネルの背面に取り付けられたストラップの例を示す可撓性OLED表示パネルの概略図
図10】本開示の実施の形態による緩衝作動機構を備えた可撓性OLED表示パネルの概略図
図11】本開示の実施の形態による衝撃吸収機構を備えた可撓性OLED表示パネルの概略図
図12】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の実施の形態の概略図
図13A】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13B】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13C】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13D】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13E】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13F】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13G】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図13H】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図14A】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図14B】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図14C】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図14D】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図15A】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図
図15B】HIT中に可撓性OLED表示パネルに印加される衝撃力を緩衝する構造の別の実施の形態の概略図 この説明は詳細を含み得るが、これらは、範囲の限定と解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施の形態に固有であり得る特徴の説明と解釈すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特に明記のない限り、「上部」、「底部」、「外側」、「内側」などの用語は、便宜上の単語であり、限定的な用語として解釈されるべきではない。それに加え、ある群が、一群の要素およびその組合せの内の少なくとも1つを含むと記載されているときはいつでも、その群は、個別にまたは互いとの組合せで、列挙されたそれらの要素をいくつ含んでも、いくつから実質的になっても、またはいくつからなっても差し支えない。
【0011】
同様に、ある群が、一群の要素およびその組合せの内の少なくとも1つからなると記載されているときはいつでも、その群は、個別にまたは互いとの組合せで、列挙されたそれらの要素のいくつからなっても差し支えない。特に明記のない限り、値の範囲は、列挙された場合、その範囲の上限と下限を含む。ここに用いられているように、名詞は、特に明記のない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の対象を指す。
【0012】
HITの要件を満たすであろう表示パネル後部構造の剛性を決定するためのシステムが開示されている。そのシステムは、命令を実行できるプロセッサ;およびHITの要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、プロセッサがプログラム命令を実行するときに、そのプロセッサが図1A~1Bに概説された方法の一方を実行する、非一時的な機械可読記憶媒体を備える。その方法は、図1Aの流れ図10Aおよび図1Bの流れ図10Bにより示されるような、2つの異なる実施の形態で実施することができる。第1の実施の形態において、その方法は、(a1)支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程(工程11)、および(a2)以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程(工程12)を含む。第2の実施の形態において、その方法は、(b1)支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程(工程11a)、および(b2)以下の関係式:K1≦(2E-10)×(K2)-0.0014×(K2)+2822.9を使用することによって、支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程(工程12a)を含む。
【0013】
別の態様によれば、非一時的な機械可読記憶媒体が開示されている。この機械可読記憶媒体は、HITの要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、プロセッサがプログラム命令を実行するときに、そのプロセッサが図1に概説された方法を実行する。その方法は、上述したように、流れ図10Aおよび10Bにより示されるような2つの異なる実施の形態で実施することができる。
【0014】
上述したシステムにより実施される開示の方法は、図2に示された一般層状構造20を有する可撓性表示パネル構造の一体丁番部分のあるバージョンに適用できる。可撓性表示パネルのいくつかの例に、OLEDタイプのディスプレイおよびLCDタイプのディスプレイがある。OLEDディスプレイ構造を含む図示された例において、TFT+OLED+リファイナ(refiner)層21が、表示画像を生成し、視聴者側でカバーガラス25により保護されている。OLEDディスプレイは、一般に、TFT+OLED+リファイナ層21とカバーガラス25との間に、偏光フイルム22、ガラス層23、およびガラスカバー25を適所に保持する光学的に透明な接着剤(OCA)層24を有する。LCDタイプのディスプレイは、一般に、背面照明層などの追加の機能層を必要とし、それゆえ、一般に、OLEDタイプのディスプレイよりも厚くなる。
【0015】
図3は、自動車内の典型的なディスプレイアセンブリの汎用概略図である。このアセンブリにおいて、表示パネル構造20がダッシュボード40に取り付けられている。表示パネル構造20をダッシュボード40に取り付けるために、あるタイプの支持構造30(以後「後部構造」と称される)で、表示パネル構造20の背面(すなわち、カバーガラス25の反対側)をダッシュボード40に取り付ける。図3に示された例において、後部構造30は、一連の保持ブラケットを含む。図3は、HITに使用される頭部模型50も示している。頭部模型50は、典型的に、直径が165mmであり、6.8kgの質量を有する。この頭部模型は、異なる角度で、一般に、6.67m/sの速度で、ディスプレイに衝突することができる。この試験の全衝撃エネルギーは、152ジュール程度である。可撓性ディスプレイは、金属、プラスチック、または任意のそのような典型的な自動車等級材料から製造できる後部構造30を使用して、ダッシュボード40に取り付けられる。HITについて、ダッシュボードの部門は、後部構造30を搭載するための実際のダッシュボード試料および/またはいくつかの構造フレーム(例えば、横梁)の使用を含む。
【0016】
図4は、可撓性ディスプレイが合うことのできる見込みがある形状(a)~(e)のいくつかの例を示している。典型的に、形状が一旦設定されたら、ディスプレイがその位置に設置される。しかしながら、本開示の発明のシステム、方法、および構造は、その形状が、設置後に車内で劇的に変えられる可撓性ディスプレイに適用できる。これは、ユーザが、いつでも、ディスプレイを平らな状態から凸形または凹形に、また逆も同様に適応させられることを意味する。それゆえ、そのような可撓性表示パネルは、表示パネルを劇的に曲げることを可能にする可撓性部分を有する。その可撓性部分は、例えば、一体丁番であり得る。それゆえ、劇的に可撓性または曲げられるという用語は、その表示パネルが、2つの異なる曲率半径の間で曲げたり戻したりできることを意味する。一体丁番の構造は、カバーガラス25層も、劇的に曲げられることも必要とする。ここに用いられている「カバーガラス」という用語は、様々な異なる材料であり得、ガラスに限定されない。カバーガラス25についてのより多くの議論が、下記のカバーガラスの項目に与えられている。
【0017】
可撓性ディスプレイの後部構造30は、典型的に、金属および/またはプラスチックから作られ、それに関連する剛性値を有するべきである。この剛性値は、HIT中の表示パネル全体の挙動を決定する。剛性は、個別にまたは組合せで作用する、線形特性バネ、線形特性ダンパー、回転バネおよび回転ダンパーによって、近似することができる。図5A~5Dは、線形特性バネ(図5A)、回転バネ(図5B)、線形特性ダンパー(図5C)、および回転ダンパー(図5D)を表す単純な図解である。
【0018】
図6は、可撓性表示パネル20が、連続的に支持する後部構造30によってダッシュボード40に取り付けられている例を示す概略図である。連続的に支持する後部構造30の例は、弾性材料のシートまたは詰め物である。弾性材料のシートが、図6の後部構造30の剛性を近似する一連のバネとして図示されている。
【0019】
図7は、HITの有限要素(FE)シミュレーションに使用される表示パネル20のモデルの分解図を示す。後部構造の剛性を表すために、いくつのバネの組合せを使用しても差し支えないが、ここでの例として、OLED表示パネルの四つ角の各々に、1つの線形特性バネLSおよび1つの回転バネRSの組合せがFEモデルシミュレーションに使用されている。
【0020】
図7に示されたOLEDディスプレイアセンブリのFEモデルにより、回転バネ剛性K2と線形特性バネ剛性K1との間の定量的相関関係を決定した。この相関関係は、図8のK2対K1のプロットに示された曲線によって定義される。HIT。このプロットは、OLED表示パネルの1つの角(すなわち、4分の1対称モデル)に一組のバネだけに関するバネ剛性相関関係を表す。図8に示されるように、プロット線の下の領域は、HITの要件を満たすK2、K1対を表す。それゆえ、このモデルは、後部構造30を設計するための設計指針を提供する。
【0021】
図9A~9Bは、可撓性表示パネル20の一体丁番部分28がHIT中に移動できる距離を制限するために、可撓性表示パネルの背面に取り付けられたストラップ100の例を示す可撓性表示パネル20の概略図である。図9Aは、図9Bに示された切断線A-Aに沿って撮られた断面図である。図9Bは、可撓性表示パネル20の背面の平面図である。先に述べたように、可撓性表示パネル20の一体丁番部分28は、可撓性表示パネル20の表示部分のレイアウトに応じて、表示層を含んでも、含まなくてもよい。
【0022】
いくつかの実施の形態によれば、可撓性表示パネル20は、前面と背面を有し、前面にあるガラスカバー25、背面にあるバックプレート20B、および一体丁番部分28を備える。一体丁番部分にあるカバーガラス25およびバックプレート20Bは可撓性であり、可撓性表示パネル20は一体丁番部分28で曲がることができる。表示パネル20は、特定の可撓性表示パネルの構造および選択されるストラップ材料の剛性に応じて、1つ以上のストラップ100を含み得る。ストラップ100の各々は、一体丁番部分28を渡り、一体丁番部分の両側でバックプレート20Bに取り付けられている。図示された例において、ストラップ100は、一対の取付ピン20pでバックプレート20Bに取り付けられている。ストラップ100は、一体丁番部分が曲がることに対して所定量の抵抗をそのストラップが与えるように、可撓性表示パネル20の一体丁番部分28よりも堅い材料から作られている。HITからの衝撃力が表示パネル20の前面に印加されたときに、その衝撃力は一体丁番部分28を後方(図9Aの矢印Bの方向)に押し、2つの取付ピン20pが互いから離れるように動き、ストラップ100に張力(矢印Tで表される)を印加する。ストラップ100は、その張力に対する抵抗を与え、一体丁番が後方に移動できる距離を制限する。ストラップ100は、これを2つの様式で行うことができる。1つは、一体丁番部分28が方向Bに強制的に動かされているときに、ストラップ100の剛性が、この一体丁番部分の曲げに対する抵抗を与えることである。他方は、取付ピン20pにより印加されている張力Tによって伸ばされていることに対して抵抗することによる。
【0023】
ストラップ100は、ストラップとバックプレート20Bとの間に相対運動がないように、一体丁番部分28の片側でバックプレートに取り付けられており、このストラップは、ストラップとバックプレートとの間にある程度の滑り運動が可能な様式で一体丁番部分28の他方の側に取り付けられている。図9Bに示されるように、この滑り運動は、ストラップ100の一端に設けられたスロット102により可能になる。滑り運動は、ストラップ100の長手方向に沿っている。滑り運動により、可撓性表示パネル20が、抵抗なく意図する方向に曲がることができる。図示された例において、表示パネル20は、図示されたような平らな形態と、一体丁番部分28の前面が凸形になるように一体丁番部分28が曲げられた曲げ形態との間で曲げられることが意図されている。平らな形態から曲げ形態に移行するために、一体丁番部分28は、図9Aに示された矢印Bと反対の方向に出てきて、2つの取付ピン20pが、互いに向かって動く。図9Bに示されるように、ストラップ100内のスロット102により、図面の右手側にある取付ピン20pが、抵抗に遭わずにスロット102の端部aからスロット102の端部bに向かって自由に動くことが可能になる。
【0024】
可撓性表示パネル20のいくつかの実施の形態において、ストラップにより与えられる曲げに対する所定量の抵抗は、頭部衝撃試験と同等の衝撃力が前面から一体丁番部分28に与えられたときに、一体丁番部分28の曲げを所定量に制限するのに十分である。HITにおいて、この衝撃力は、一体丁番部分に6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型により与えられる衝撃力と等しい。
【0025】
可撓性表示パネル20のいくつかの実施の形態において、ストラップ100により与えられる曲げに対する所定量の抵抗は、6.67メートル/秒で移動して一体丁番部分に衝突する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように一体丁番部分の曲げを制限するのに十分である。これは、HIT中に印加される衝撃力と等しい。
【0026】
ストラップ100は、所望の剛性を生じるであろう適切な寸法に作ることのできるどの適切な材料から作ることもできる。可撓性表示パネル20のいくつかの実施の形態において、1つ以上のストラップ100の各々は、一対の取付ピン20pでバックプレート20Bに取り付けられるようなサイズにすることができる。いくつかの他の実施の形態において、1つ以上のストラップ100の各々は、図9Bに示された例より幅広くても差し支えなく、複数の対の取付ピン20pでバックプレート20Bに取り付けられても差し支えない。
【0027】
図10は、別の実施の形態による可撓性表示パネル20の概略図である。可撓性表示パネル20は、前面と背面を有し、第1の部分20-I、第2の部分20-II、および第1の部分20-Iと第2の部分20-IIを接続する一体丁番部分28を備える。第1の部分20-Iは、自動車のダッシュボードなどの固定構造に固定されており、第2の部分20-IIは、一体丁番部分28の作動によって、第1の部分20-Iに対して可動性である。作動ロッド60が、第1の部分に対する第2の部分の動きを作動させるために第2の部分20-IIの背面にヒンジ状に取り付けられている。一般に、作動ロッド60の機構は、第2の部分20-IIを動かして、表示パネル20を所望の形態にするための電気モータなどの遠隔作動される駆動ユニットによって駆動されるであろう。例えば、作動ロッド60は、丁番62によってバックプレート20Bに取り付けることができる。作動ロッド60は、前面から印加される衝撃力によって第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を第2の部分に与えるように作られたダンパーアセンブリ65を含む。
【0028】
いくつかの実施の形態において、ダンパーアセンブリ65により与えられる所定量の抵抗は、HIT中に印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝し、ここに記載されたHITの要件を満たすのに十分である。
【0029】
ダンパーアセンブリ65のいくつかの例は、液体充填衝撃吸収体、気体充填衝撃吸収体、またはコイルバネであり得る。ダンパーアセンブリ65の構成は、通常は、前面に凸形または凹形を有する可撓性OLED表示パネルシステムで機能できる。
【0030】
図11は、いくつかの実施の形態による、衝撃吸収機構を備えた可撓性表示パネルの概略図である。可撓性表示パネル20は、前面と背面を有する。表示パネル20は、前面にあるカバーガラス25、背面にあるバックプレート20B、および一体丁番部分28を備え、一体丁番部分にあるカバーガラスとバックプレートは可撓性である。可撓性表示パネル20は、一体丁番部分28の背面に近接して設けられ、ダッシュボードなどの固定構造に搭載された衝撃吸収体70も備える。衝撃吸収体70は、HIT中に印加される衝撃力と等しい、前面から印加される衝撃力によって一体丁番部分が後方に押し込まれることに対して、ここに記載されたHITの要件を満たす所定量の抵抗を与える。
【0031】
可撓性表示パネル20が、自動車が衝突すると展開する主要エアバッグシステムを備えた自動車内の表示パネルである、いくつかの実施の形態において、衝撃吸収体70は、その主要エアバッグシステムと同時に展開するように同調されるエアバッグであり得る。衝撃吸収体70は、バネ、パッドなどの柔軟材料から製造することもできる。衝撃吸収体70の配置は、前面で通常は凸形または凹形を有する可撓性OLED表示パネルシステムにおいて機能できる。
【0032】
丁番62で第2の部分20-IIの背面に取り付けられた作動ロッド60を有する可撓性表示パネル20のいくつかの実施の形態において、丁番62は、滑節の周りの第2の部分の回転に抵抗することによって、滑節と第1の部分との間のどこかに前面から印加される衝撃力により第2の部分20-IIが後方に押し込まれ、丁番62の周りに回転することに対して所定量の抵抗を与える、または第2の部分20-IIをロックするように作ることができる。滑節により与えられる所定量の抵抗は、HIT中に印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝し、HITの要件を満たすのに十分である。
【0033】
図12を参照すると、いくつかの実施の形態において、作動ロッド60は、滑節と一体丁番部分28との間の一点でバックプレート20Bに向かって延在し、それと接触する、作動ロッド60に設けられた支持ロッド63を備えることができる。この支持ロッドは、表示パネルの第2の部分20-IIを支え、力が表示パネルの前面から一体丁番部分に印加されたときに、所定量よりも大きく第2の部分が滑節62の周りに回転するのを防ぐ。支持ロッド63は、作動ロッド60に取り付けることができ、丁番62により近い力が作動ロッド60に戻るように伝達され、よって、HIT中に第2の部分20-IIの移動長さを制限するように、作動ロッド60とバックプレート20Bとの間で支持具として機能する。支持ロッド63に、HIT中の衝撃力を緩衝するために、バックプレート20Bと接触する場所の支持ロッド63の端部に緩衝材料片64を設けることができる。
【0034】
いくつかの実施の形態において、丁番62は、所定量の抵抗を与えるように作られた歯車アセンブリを備える。
【0035】
図13A~13Hを参照すると、作動ロッド60が丁番62によってバックプレート20Bに取り付けられている表示パネル20において、その丁番は、衝撃力が印加されているときに、滑節をロックし、第2の部分が所定量を超えて滑節の周りに回転するのを防ぐのに十分な所定量の抵抗を与えるロッキング丁番ピン80を備えることができる。
【0036】
いくつかの実施の形態において、ロッキング丁番ピン80は、鍵に合わせた頭部80’を有する。ロッキング丁番ピン80は、ロックされていない位置とロックされた位置との間で丁番軸HAに沿って可動性であるように作られている。印加された衝撃力により、表示パネルの第2の部分が、所定量よりも大きく滑節の周りに回転するときに、丁番ピンは、ロックされた位置に動き、第2の部分がそれ以上さらに回転するのを防ぐ。
【0037】
丁番62は、一対のフランジの間に作動ロッド60の末端を保持する丁番ブラケット84を備える。丁番ブラケット84および作動ロッド60の末端60’には、丁番軸HAに沿って揃う穴が設けられている。ロッキング丁番ピン80は、丁番ブラケット84と作動ロッド60の末端60’の穴を通って延在して、滑節として構成部材を共に保持する。ロッキング丁番ピン80のロッキング機能を可能にするために、丁番ブラケット84の穴および作動ロッド60の末端60’の穴は、ロッキング丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’の特定形状を受け入れる形をした鍵穴である。図13Eは、丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’の翼形状を示す。通常、丁番62において、アセンブリは、図13B、13D、13E、および13Fに示されたロックされていない位置にある。ロックされていない位置において、丁番ブラケット84および作動ロッド60の末端60’の鍵穴は、ずれており、揃っていない。丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’は、丁番ブラケット84の上側フランジ内の鍵穴の中にあるが、作動ロッド60の末端60’内の鍵穴がずれているので、鍵に合わせた頭部80’は、、作動ロッド60の末端60’に落ちない。丁番62のこのロックされていない配置のために、第2の部分20-IIは丁番軸HAの周りに回転することができる。
【0038】
しかしながら、第2の部分20-IIが図13G~13Hに示されたような所定の位置まで回転すると、丁番ブラケット84と作動ロッド60の末端60’の鍵穴が揃う。これにより、丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’が作動ロッド60の末端60’内の鍵穴にすぐに落下することができる。このように、丁番ピン80は、ロックされていない位置からロックされた位置に動く。図13Hの等角図に示されるように、丁番ピン80がロックされた位置にある場合、鍵に合わせた頭部80’は、作動ロッド60内の鍵穴に完全には落ちない。鍵に合わせた頭部80’の少なくとも一部は、鍵に合わせた頭部80’が両方の鍵穴の中にあるように、丁番ブラケット84の上側フランジ内の鍵穴にまだ残っている。これにより、丁番ブラケット84(バックプレート20Bに固定されている)および作動ロッド60の末端60’が互いに対して回転するのが妨げられる。
【0039】
ロッキング丁番ピン80には、丁番ブラケット84および作動ロッド60の末端内の鍵穴が揃ったときに、丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’が作動ロッドの末端60’内の鍵穴に自動的に落ち、丁番62をロックするように、丁番ピン80の鍵に合わせた頭部80’をロッキング位置に向かって絶えず推し進めているバネ荷重機構(図示せず)が設けられていることが好ましい。
【0040】
図14A~14Dを参照すると、別の実施の形態において、丁番62は、作動ロッド60の末端60’に、第2の部分20-IIが所定範囲を超えて丁番軸HAの周りに回転するのを防ぐ止め具として作動する所定角度βになっている2つの平坦部を持たせるように作ることによって、表示パネルの第2の部分20-IIが丁番62の周りに回転するのを制限するように作ることができる。図から分かるように、作動ロッド60の末端60’には、所定角度βに向けられた平面91、92が作られている。平面の各々は、可撓性表示パネル20がいずれかの方向に所定量を超えて回転したときに、バックプレート20Bに突き当たることによって、止め具として機能する。図14Aにおいて、作動ロッド60は、可撓性表示パネル20の第2の部分20-IIを後方に引っ張って、一体丁番部分28で曲がった可撓性表示パネル20を保持している。第1の平面91は、バックプレート20Bの背面と接触している。図14Dは、頭部模型50が一体丁番部分28で可撓性表示パネル20に激突して、一体丁番部分28を後方に動かし、真っ直ぐにした後の形態を示している。これにより、作動ロッド60の末端60’にある第2の平面92が今ではバックプレート20Bの背面と接触しているように、ディスプレイの第2の部分20-IIが丁番ピン69の周りに回転した。第2の平面92は、止め具として機能し、可撓性表示パネル20の第2の部分20-IIがこれ以上さらに回転するのを防ぐ。この特徴は、頭部模型50による衝撃の際に、一体丁番部分28の移動を制限して、衝撃力を緩衝し、HITの要件を満たすのを助けるように利用することができる。
【0041】
図15A~15Bを参照すると、別の態様によれば、HITの要件を満たすのに必要な緩衝効果を提供するために、可撓性表示パネル20の一体丁番部分28内の光学的に透明な接着剤(OCA)層24(図2参照)内に複数の穿孔200を設けることができる。HITの要件を満たさない構造において、高減速の観測された原因の内の1つは、衝撃の最初の数ミリ秒のカバーガラス25からの即時インパルス応答である。OCA層24内の複数の穿孔により、カバーガラス25は衝撃領域内にさらに移動し、減速率を減少させることができる。
【0042】
いくつかの実施の形態によれば、前面と背面を有する可撓性表示パネル20は、前面にあるカバーガラス25、背面にあるバックプレート20B、カバーガラス25とバックプレート20Bとの間の接着剤層24、および一体丁番部分28を備えることができる。一体丁番部分にあるカバーガラス、接着剤層、およびバックプレートは、可撓性である。接着剤層24は厚さを有し、一体丁番部分28における接着剤層は、接着剤層24の厚さに亘る複数の穿孔200を有する。この接着剤層中の穿孔200により、一体丁番部分28におけるカバーガラス25の部分が、HITの最中に一体丁番部分28に印加される衝撃中にさらに移動することができ、これにより、頭部模型50の減速率が減少する。
【0043】
いくつかの実施の形態において、穿孔200の各々は、最も近くの隣接する穿孔から間隔Sだけ間隔を空けることができる。間隔Sは、10μmから50mmであり得る。いくつかの実施の形態において、穿孔200の各々は、5μmから10mmの直径dを有する管状形を有し得る。いくつかの実施の形態において、穿孔200は、バックプレートに対して70°から120°の角度θに配向することができる。いくつかの実施の形態において、穿孔200は、同じ方向に配向することができる。いくつかの実施の形態において、穿孔200の全てを無作為な向きに配向することができる。いくつかの実施の形態において、曲げ軸BAが一体丁番部分28内に規定され、穿孔200は、バックプレート20Bに対して70°から120°の角度θに配向することができ、複数の穿孔200の内のいくつかは、曲げ軸BAに向けて配向することができる。いくつかの実施の形態において、曲げ軸BAの片側にある穿孔200は、第1の値の角度θに配向することができ、曲げ軸BAの反対側にある穿孔200は、第2の値の角度θに配向することができる。いくつかの実施の形態において、第1の値と第2の値は同じであり得る。言い換えると、穿孔200の配置は、曲げ軸BAの周りに対称である。いくつかの実施の形態において、第1の値と第2の値は異なり得る。言い換えると、穿孔200の配置は、曲げ軸BAの周りで非対称であり得る。いくつかの実施の形態において、穿孔200の各々の角度θは、70°から120°の範囲内で無作為に分布され得る。
【0044】
カバーガラス
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、非晶質基板を含み得、これは、ガラス物品を含むことがある。そのガラス物品は、強化されていても、されていなくてもよい。ガラス物品を形成するのに使用される適切なガラス組成物の群の例としては、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、およびアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスが挙げられる。1つ以上の代わりの実施の形態において、カバーガラス25は、ガラスセラミック物品などの結晶質基板(強化されていても、されていなくてもよい)を含み得る、またはサファイアなどの単結晶構造を含み得る。1つ以上の特別な実施の形態において、カバーガラス25は、非晶質ベース(例えば、ガラス)および結晶質クラッド(例えば、サファイア層、多結晶アルミナ層および/またはスピネル(MgAl)層)を含む。
【0045】
カバーガラス25は実質的にシート状であり得るが、他の実施の形態は、湾曲したまたは他の成形されたまたは造形された基板を利用することができる。カバーガラス25は、実質的に光学的に透明であり、透き通っており、光錯乱がないことがあり得る。そのような実施の形態において、カバーガラス25は、約85%以上、約86%以上、約87%以上、約88%以上、約89%以上、約90%以上、約91%以上、または約92%以上の可視光範囲に亘る平均光透過率を示すことがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、カバーガラス25は、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、または約0%未満の可視光範囲に亘る平均光透過率を示すまたは不透明であることがある。いくつかの実施の形態において、これらの光透過率値は、全透過率値(基板の両方の主面を通る透過率を考慮した)である。カバーガラス25は、白色、黒色、赤色、青色、緑色、黄色、オレンジ色などの色を必要に応じて示すことがある。
【0046】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約20mmから約10,000mm、約20mmから約9,000mm、約20mmから約8,000mm、約20mmから約7,000mm、約20mmから約6,000mm、約20mmから約5,000mm、約20mmから約4,000mm、約20mmから約3,000mm、約20mmから約2,000mm、約20mmから約1,000mm、約20mmから約750mm、約20mmから約500mm、約20mmから約250mm、約50mmから約10,000mm、約75mmから約10,000mm、約100mmから約10,000mm、約200mmから約10,000mm、約300mmから約10,000mm、約400mmから約10,000mm、約500mmから約10,000mm、約600mmから約10,000mm、約700mmから約10,000mm、約800mmから約10,000mm、約900mmから約10,000mm、約1,000mmから約10,000mm、約1,100mmから約10,000mm、約1,200mmから約10,000mm、約1,300mmから約10,000mm、約1,400mmから約10,000mm、約1,500mmから約10,000mm、約1,600mmから約10,000mm、約1,700mmから約10,000mm、約1,800mmから約10,000mm、約1,900mmから約10,000mm、約2,000mmから約10,000mm、約2,100mmから約10,000mm、約2,200mmから約10,000mm、約2,300mmから約10,000mm、約2,400mmから約10,000mm、約2,500mmから約10,000mm、約3,000mmから約10,000mm、約3,500mmから約10,000mm、約4,000mmから約10,000mm、約5,000mmから約10,000mm、約7,500mmから約10,000mm、約20mmから約1,000mm、約500mmから約5000mm、約500mmから約2500mm、約500mmから約1500mm、約500mmから約1000mm、約250mmから約3000mm、または約400mmから約10,000mmの範囲の曲率半径を示すように湾曲していることがある。
【0047】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、湾曲しており、冷間曲げされたカバーガラス25を含む。ここに用いられているように、「冷間曲げされた」または「冷間曲げ」という用語は、ガラスの軟化点より低い冷間曲げ温度でカバーガラス25を湾曲させることを称する。大抵、冷間曲げ温度は室温である。「冷間曲げ可能な」という用語は、カバーガラス25の冷間曲げされる能力を称する。1つ以上の実施の形態において、冷間曲げされたカバーガラス25は、ガラス物品またはガラスセラミック物品を含み、これは、必要に応じて、強化されていてもよい。1つ以上の実施の形態において、冷間曲げされたカバーガラス25の特徴は、第1の主面と第2の主面との間の非対称な表面圧縮応力である。1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25の第1の主面と第2の主面におけるそれぞれの圧縮応力は、冷間曲げ過程または冷間曲げされる前に、実質的に等しい。カバーガラス25が強化されていない1つ以上の実施の形態において、第1の主面と第2の主面は、冷間曲げの前に、感知できる圧縮応力(CS)を示さない。カバーガラス25が強化されている(ここに記載されるように)1つ以上の実施の形態において、第1の主面と第2の主面は、冷間曲げの前に、互いに対して実質的に等しい圧縮応力を示す。1つ以上の実施の形態において、冷間曲げの後では、冷間曲げ後に凹形状を有する表面のCSは増加し、一方で、冷間曲げ後に凸形状を有する表面のCSは減少する。言い換えると、凹面のCSは、冷間曲げ前よりも、冷間曲げ後のほうが大きい。理論で束縛されるものではないが、冷間曲げ過程は、造形されているカバーガラス25のCSを増加させて、冷間曲げ中に与えられる引張応力を相殺する。1つ以上の実施の形態において、冷間曲げ過程は、凹面に圧縮応力を経験させ、一方で、冷間曲げ後に凸形状を形成する表面は、引張応力を経験する。冷間曲げ後に凸面が経験する引張応力は、表面圧縮応力の正味の減少をもたらし、よって、冷間曲げ後の強化済みカバーガラス25の凸面の圧縮応力は、カバーガラス25が平らである場合の同じ表面の圧縮応力より小さい。
【0048】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、湾曲しており、加熱成形されたカバーガラスを含み、これは、永久的に湾曲しており、第1の主面と第2の主面は同じCSを有する。
【0049】
1つ以上の実施の形態において、一体丁番部分は、カバーガラス25を屈曲させる、または曲げることがある、もしくはそのカバーガラスが、曲げ軸に沿って屈曲する、曲がることがある。1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約10,000mm以下の第1の曲率半径を示すことがあり、曲げ軸に沿って劇的に曲げられる。1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、曲げ軸に沿って平らな状態から湾曲状態に、曲げ軸に沿って湾曲状態から平らな状態に、曲げ軸に沿って第1の曲率半径から第2の曲率半径に、曲げ軸に沿って第2の曲率半径から第1の曲率半径に、およびその組合せで、屈曲する、または曲がることができる。
【0050】
カバーガラス25が、平らな状態(曲率半径が10,000mm超から無限大である)から湾曲状態で屈曲する、または曲がることのできる1つ以上の実施の形態において、その湾曲状態は、約20mmから約10,000mm、約20mmから約9,000mm、約20mmから約8,000mm、約20mmから約7,000mm、約20mmから約6,000mm、約20mmから約5,000mm、約20mmから約4,000mm、約20mmから約3,000mm、約20mmから約2,000mm、約20mmから約1,000mm、約20mmから約750mm、約20mmから約500mm、約20mmから約250mm、約50mmから約10,000mm、約75mmから約10,000mm、約100mmから約10,000mm、約200mmから約10,000mm、約300mmから約10,000mm、約400mmから約10,000mm、約500mmから約10,000mm、約600mmから約10,000mm、約700mmから約10,000mm、約800mmから約10,000mm、約900mmから約10,000mm、約1,000mmから約10,000mm、約1,100mmから約10,000mm、約1,200mmから約10,000mm、約1,300mmから約10,000mm、約1,400mmから約10,000mm、約1,500mmから約10,000mm、約1,600mmから約10,000mm、約1,700mmから約10,000mm、約1,800mmから約10,000mm、約1,900mmから約10,000mm、約2,000mmから約10,000mm、約2,100mmから約10,000mm、約2,200mmから約10,000mm、約2,300mmから約10,000mm、約2,400mmから約10,000mm、約2,500mmから約10,000mm、約3,000mmから約10,000mm、約3,500mmから約10,000mm、約4,000mmから約10,000mm、約5,000mmから約10,000mm、約7,500mmから約10,000mm、約20mmから約1,000mm、または約400mmから約10,000mmの曲率半径を有することがある。
【0051】
カバーガラス25が、第1の曲率半径と第2の曲率半径との間で屈曲する、または曲がることのできる1つ以上の実施の形態において、第1と第2の曲率半径は、約20mmから約10,000mm、約20mmから約9,000mm、約20mmから約8,000mm、約20mmから約7,000mm、約20mmから約6,000mm、約20mmから約5,000mm、約20mmから約4,000mm、約20mmから約3,000mm、約20mmから約2,000mm、約20mmから約1,000mm、約20mmから約750mm、約20mmから約500mm、約20mmから約250mm、約50mmから約10,000mm、約75mmから約10,000mm、約100mmから約10,000mm、約200mmから約10,000mm、約300mmから約10,000mm、約400mmから約10,000mm、約500mmから約10,000mm、約600mmから約10,000mm、約700mmから約10,000mm、約800mmから約10,000mm、約900mmから約10,000mm、約1,000mmから約10,000mm、約1,100mmから約10,000mm、約1,200mmから約10,000mm、約1,300mmから約10,000mm、約1,400mmから約10,000mm、約1,500mmから約10,000mm、約1,600mmから約10,000mm、約1,700mmから約10,000mm、約1,800mmから約10,000mm、約1,900mmから約10,000mm、約2,000mmから約10,000mm、約2,100mmから約10,000mm、約2,200mmから約10,000mm、約2,300mmから約10,000mm、約2,400mmから約10,000mm、約2,500mmから約10,000mm、約3,000mmから約10,000mm、約3,500mmから約10,000mm、約4,000mmから約10,000mm、約5,000mmから約10,000mm、約7,500mmから約10,000mm、約20mmから約1,000mm、または約400mmから約10,000mmである。
【0052】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25の下に配置されたディスプレイも、カバーガラス25に関してここに記載されたものと同じまたは同様の形状を示すように、湾曲される、または屈曲され曲げられることがある。例えば、ディスプレイは、カバーガラス25に関してここに記載されたような曲率半径を示すことがある。
【0053】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約1.5mm以下の厚さ(t)を有する。1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約0.125mm超(例えば、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上、約0.13mm以上)の厚さ(t)を有する。例えば、その厚さは、約0.01mmから約1.5mm、0.02mmから約1.5mm、0.03mmから約1.5mm、0.04mmから約1.5mm、0.05mmから約1.5mm、0.06mmから約1.5mm、0.07mmから約1.5mm、0.08mmから約1.5mm、0.09mmから約1.5mm、0.1mmから約1.5mm、約0.15mmから約1.5mm、約0.2mmから約1.5mm、約0.25mmから約1.5mm、約0.3mmから約1.5mm、約0.35mmから約1.5mm、約0.4mmから約1.5mm、約0.45mmから約1.5mm、約0.5mmから約1.5mm、約0.55mmから約1.5mm、約0.6mmから約1.5mm、約0.65mmから約1.5mm、約0.7mmから約1.5mm、約0.01mmから約1.4mm、約0.01mmから約1.3mm、約0.01mmから約1.2mm、約0.01mmから約1.1mm、約0.01mmから約1.05mm、約0.01mmから約1mm、約0.01mmから約0.95mm、約0.01mmから約0.9mm、約0.01mmから約0.85mm、約0.01mmから約0.8mm、約0.01mmから約0.75mm、約0.01mmから約0.7mm、約0.01mmから約0.65mm、約0.01mmから約0.6mm、約0.01mmから約0.55mm、約0.01mmから約0.5mm、約0.01mmから約0.4mm、約0.01mmから約0.3mm、約0.01mmから約0.2mm、約0.01mmから約0.1mm、約0.04mmから約0.07mm、約0.1mmから約1.4mm、約0.1mmから約1.3mm、約0.1mmから約1.2mm、約0.1mmから約1.1mm、約0.1mmから約1.05mm、約0.1mmから約1mm、約0.1mmから約0.95mm、約0.1mmから約0.9mm、約0.1mmから約0.85mm、約0.1mmから約0.8mm、約0.1mmから約0.75mm、約0.1mmから約0.7mm、約0.1mmから約0.65mm、約0.1mmから約0.6mm、約0.1mmから約0.55mm、約0.1mmから約0.5mm、約0.1mmから約0.4mm、または約0.3mmから約0.7mmの範囲にあることがある。
【0054】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25の厚さは、カバーガラス25の他の部分と実質的に同じ厚さを有するという点で実質的に均一である。例えば、カバーガラス25の厚さは、第1の主面、第2の主面、または第1と第2の主面の両方の全表面積に亘り、±10%、5%または2%を超えて変動しない。1つ以上の実施の形態において、その厚さは、第1の主面、第2の主面、または第1と第2の主面の両方の全表面積の90%、95%または99%に亘り実質的に一定(平均厚さの±1%以内)である。
【0055】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約5cmから約250cm、約10cmから約250cm、約15cmから約250cm、約20cmから約250cm、約25cmから約250cm、約30cmから約250cm、約35cmから約250cm、約40cmから約250cm、約45cmから約250cm、約50cmから約250cm、約55cmから約250cm、約60cmから約250cm、約65cmから約250cm、約70cmから約250cm、約75cmから約250cm、約80cmから約250cm、約85cmから約250cm、約90cmから約250cm、約95cmから約250cm、約100cmから約250cm、約110cmから約250cm、約120cmから約250cm、約130cmから約250cm、約140cmから約250cm、約150cmから約250cm、約5cmから約240cm、約5cmから約230cm、約5cmから約220cm、約5cmから約210cm、約5cmから約200cm、約5cmから約190cm、約5cmから約180cm、約5cmから約170cm、約5cmから約160cm、約5cmから約150cm、約5cmから約140cm、約5cmから約130cm、約5cmから約120cm、約5cmから約110cm、約5cmから約110cm、約5cmから約100cm、約5cmから約90cm、約5cmから約80cm、または約5cmから約75cmの範囲の幅(W)を有する。
【0056】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、約5cmから約250cm、約10cmから約250cm、約15cmから約250cm、約20cmから約250cm、約25cmから約250cm、約30cmから約250cm、約35cmから約250cm、約40cmから約250cm、約45cmから約250cm、約50cmから約250cm、約55cmから約250cm、約60cmから約250cm、約65cmから約250cm、約70cmから約250cm、約75cmから約250cm、約80cmから約250cm、約85cmから約250cm、約90cmから約250cm、約95cmから約250cm、約100cmから約250cm、約110cmから約250cm、約120cmから約250cm、約130cmから約250cm、約140cmから約250cm、約150cmから約250cm、約5cmから約240cm、約5cmから約230cm、約5cmから約220cm、約5cmから約210cm、約5cmから約200cm、約5cmから約190cm、約5cmから約180cm、約5cmから約170cm、約5cmから約160cm、約5cmから約150cm、約5cmから約140cm、約5cmから約130cm、約5cmから約120cm、約5cmから約110cm、約5cmから約110cm、約5cmから約100cm、約5cmから約90cm、約5cmから約80cm、または約5cmから約75cmの範囲の長さ(L)を有する。
【0057】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25は、強化されているガラス物品またはガラスセラミック物品を含む。1つ以上の実施の形態において、そのカバーガラスは、一方または両方の主面から第1の圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力(CS)領域を有する。そのCS領域は、最大CS大きさ(CSmax)を含む。そのガラス物品またはガラスセラミック物品は、DOCから反対のCS領域まで延在する中央領域に配置されたCT領域を有する。このCT領域は、最大CT大きさ(CTmax)を規定する。CS領域およびCT領域は、ガラス物品またはガラスセラミック物品の厚さに沿って延在する応力プロファイルを規定する。
【0058】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、その物品の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して、圧縮応力領域および引張応力を示す中央領域を作ることによって、機械的に強化されることがある。いくつかの実施の形態において、カバーガラスは、ガラスをガラス転移点より高い温度に加熱し、次いで、急冷することによって、熱的に強化されることがある。
【0059】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、イオン交換によって化学的に強化されることがある。イオン交換過程において、ガラス物品またはガラスセラミック物品の表面の、またはその近くのイオンが、同じ価数または酸化状態を有するより大きいイオンによって、置換-すなわち、交換-される。ガラス物品またはガラスセラミック物品がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスから作られている実施の形態において、その物品の表面層中のイオンおよびより大きいイオンは、Li、Na、K、Rb、およびCsなどの一価のアルカリ金属陽イオンである。あるいは、表面層中の一価の陽イオンは、Agなど、アルカリ金属陽イオン以外の一価の陽イオンと置換されることがある。そのような実施の形態において、ガラス物品またはガラスセラミック物品中に交換される一価のイオン(または陽イオン)により応力が生じる。
【0060】
イオン交換過程は、典型的に、ガラス物品またはガラスセラミック物品中の小さい方のイオンで交換されるべき大きい方のイオンを含有する1つ以上の溶融塩浴中にそのガラス物品またはガラスセラミック物品を浸漬することよって行われる。水性塩浴も利用してよいことに留意すべきである。それに加え、浴の組成物は、複数の種類の大きい方のイオン(例えば、NaおよびK)または1種類の大きい方のイオンを含むことがある。以下に限られないが、浴の組成と温度、浸漬時間、塩浴中のガラス物品またはガラスセラミック物品の浸漬回数、複数塩浴の使用、徐冷、洗浄などの追加の工程を含む、イオン交換過程のパラメータが、ガラス物品またはガラスセラミック物品(物品の構造および存在するいずれの結晶相も含む)の組成、および強化により生じるガラス物品またはガラスセラミック物品の所望のCS、DOCおよびCTの値によって一般に決まることが当業者に認識されるであろう。例示の溶融浴の組成は、より大きいアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、塩化物を含むことがある。典型的な硝酸塩としては、KNO、NaNO、LiNO、NaSOおよびその組合せが挙げられる。溶融塩浴の温度は、一般に、約380℃から約450℃までの範囲にあり、一方で、浸漬時間は、ガラス物品またはガラスセラミック物品の厚さ、浴の温度およびガラス(または一価イオン)の拡散性に応じて、約15分から約100時間に及ぶ。しかしながら、先に記載されたものと異なる温度および浸漬時間も使用してよい。
【0061】
1つ以上の実施の形態によれば、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、約370℃から約480℃の温度を有する、100%のNaNO、100%のKNO、またはNaNOとKNOの組合せの溶融塩浴中に浸漬されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品またはガラスセラミック物品は、約1%から約99%のKNOおよび約1%から約99%のNaNOを含む溶融混合塩浴中に浸漬されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品またはガラスセラミック物品は、第1の浴中に浸漬された後、第2の浴中に浸漬されることがある。その第1と第2の浴は、互いに異なる組成および/または温度を有することがある。第1と第2の浴中の浸漬時間は様々であってよい。例えば、第1の浴中の浸漬は、第2の浴中に浸漬より長いことがある。
【0062】
1つ以上の実施の形態によれば、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、約5時間未満、またさらには約4時間以下に亘り、約420℃未満の温度(例えば、約400℃または約380℃)を有する、NaNOとKNO(例えば、49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴中に浸漬されることがある。1つ以上の実施の形態において、カバーガラスは、8時間に亘り430℃の温度を有する第1の混合溶融塩浴(例えば、75%のKNO/25%のNaNO)中に浸漬され、次いで、それより短い期間(例えば、約4時間)に亘り、第1の混合溶融塩浴よりも低い温度を有するKNOの第2の純粋な溶融塩浴中に浸漬される。1つ以上の実施の形態において、ガラス物品またはガラスセラミック物品は、8時間に亘り、75%のKNOと25%のNaNOの組成および430℃の浴温度を有する第1の浴中に浸漬し、次いで、4時間に亘り、100%のKNOの組成および390℃の浴温度を有する第2の浴中に浸漬することよって、化学的に強化されることがある。
【0063】
イオン交換条件は、結果として得られるガラス物品またはガラスセラミック物品の表面またはその近くの応力プロファイルの勾配を増加させるために、または「スパイク」を与えるために、調整することができる。そのスパイクにより、より大きい表面CS値が得られるであろう。このスパイクは、1つの浴または複数の浴により達成することができ、その浴は、ここに記載されたガラス物品またはガラスセラミック物品に使用されるガラス組成物の特異的性質のために、1つの組成または混合組成を有する。
【0064】
ガラス物品またはガラスセラミック物品中に複数の一価イオンが交換される、1つ以上の実施の形態において、異なる一価イオンが、ガラス物品またはガラスセラミック物品内の異なる深さまで交換され(異なる深さでガラス物品またはガラスセラミック物品内に異なる大きさの応力が生じ)ることがある。その応力生成イオンの結果として生じる相対的な深さは、決定することができ、それにより、応力プロファイルの異なる特徴が生じる。
【0065】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、約900MPa以上、約920MPa以上、約940MPa以上、約950MPa以上、約960MPa以上、980MPa以上、約1000MPa以上、約1020MPa以上、約1040MPa以上、約1050MPa以上、約1060MPa以上、約1080MPa以上、約1100MPa以上、約1120MPa以上、約1140MPa以上、約1150MPa以上、約1160MPa以上、約1180MPa以上、約1200MPa以上、約1220MPa以上、約1240MPa以上、約1250MPa以上、約1260MPa以上、約1280MPa以上、または約1300MPa以上のCSmaxを有する。1つ以上の実施の形態において、CSmaxは、約900MPaから約1500MPa、約920MPaから約1500MPa、約940MPaから約1500MPa、約950MPaから約1500MPa、約960MPaから約1500MPa、約980MPaから約1500MPa、約1000MPaから約1500MPa、約1020MPaから約1500MPa、約1040MPaから約1500MPa、約1050MPaから約1500MPa、約1060MPaから約1500MPa、約1080MPaから約1500MPa、約1100MPaから約1500MPa、約1120MPaから約1500MPa、約1140MPaから約1500MPa、約1150MPaから約1500MPa、約1160MPaから約1500MPa、約1180MPaから約1500MPa、約1200MPaから約1500MPa、約1220MPaから約1500MPa、約1240MPaから約1500MPa、約1250MPaから約1500MPa、約1260MPaから約1500MPa、約1280MPaから約1500MPa、約1300MPaから約1500MPa、約900MPaから約1480MPa、約900MPaから約1460MPa、約900MPaから約1450MPa、約900MPaから約1440MPa、約900MPaから約1420MPa、約900MPaから約1400MPa、約900MPaから約1380MPa、約900MPaから約1360MPa、約900MPaから約1350MPa、約900MPaから約1340MPa、約900MPaから約1320MPa、約900MPaから約1300MPa、約900MPaから約1280MPa、約900MPaから約1260MPa、約900MPaから約1250MPa、約900MPaから約1240MPa、約900MPaから約1220MPa、約900MPaから約1210MPa、約900MPaから約1200MPa、約900MPaから約1180MPa、約900MPaから約1160MPa、約900MPaから約1150MPa、約900MPaから約1140MPa、約900MPaから約1120MPa、約900MPaから約1100MPa、約900MPaから約1080MPa、約900MPaから約1060MPa、約900MPaから約1050MPa、または約950MPaから約1050MPa、または約1000MPaから約1050MPaの範囲にある。CSmaxは、主面で測定されることがある、またはCS領域内の主面からある深さで見られることがある。
【0066】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、第1の主面102から約10マイクロメートルのガラス物品またはガラスセラミック物品内の深さで800MPa以上のCSの大きさ(CS10)を持つ応力プロファイルを有する。1つ以上の実施の形態において、CS10は、約810MPa以上、約820MPa以上、約830MPa以上、約840MPa以上、約850MPa以上、約860MPa以上、約870MPa以上、約880MPa以上、約890MPa以上、または約900MPa以上である。1つ以上の実施の形態において、CS10は、約800MPaから約1000MPa、約825MPaから約1000MPa、約850MPaから約1000MPa、約875MPaから約1000MPa、約900MPaから約1000MPa、約925MPaから約1000MPa、約950MPaから約1000MPa、約800MPaから約975MPa、約800MPaから約950MPa、約800MPaから約925MPa、約800MPaから約900MPa、約800MPaから約875MPa、または約800MPaから約850MPaの範囲にある。
【0067】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、第1の主面102から約5マイクロメートルのガラス物品またはガラスセラミック物品内の深さで700MPa以上、または約750MPa以上のCSの大きさ(CS)を持つ応力プロファイルを有する。1つ以上の実施の形態において、CSは、約760MPa以上、約770MPa以上、約775MPa以上、約780MPa以上、約790MPa以上、約800MPa以上、約810MPa以上、約820MPa以上、約825MPa以上、または約830MPa以上である。1つ以上の実施の形態において、CSは、約700MPaから約900MPa、約725MPaから約900MPa、約750MPaから約900MPa、約775MPaから約900MPa、約800MPaから約900MPa、約825MPaから約900MPa、約850MPaから約900MPa、約700MPaから約875MPa、約700MPaから約850MPa、約700MPaから約825MPa、約700MPaから約800MPa、約700MPaから約775MPa、約750MPaから約800MPa、約750MPaから約850MPa、または約700MPaから約750MPaの範囲にある。
【0068】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、約0.25tから約0.75tの範囲の第1の主面からのガラス物品またはガラスセラミック物品内の深さに存在するまたは位置するCTmaxを持つ応力プロファイルを有する。1つ以上の実施の形態において、CTmaxは、約0.25tから約0.74t、約0.25tから約0.72t、約0.25tから約0.70t、約0.25tから約0.68t、約0.25tから約0.66t、約0.25tから約0.65t、約0.25tから約0.62t、約0.25tから約0.60t、約0.25tから約0.58t、約0.25tから約0.56t、約0.25tから約0.55t、約0.25tから約0.54t、約0.25tから約0.52t、約0.25tから約0.50t、約0.26tから約0.75t、約0.28tから約0.75t、約0.30tから約0.75t、約0.32tから約0.75t、約0.34tから約0.75t、約0.35tから約0.75t、約0.36tから約0.75t、約0.38tから約0.75t、約0.40tから約0.75t、約0.42tから約0.75t、約0.44tから約0.75t、約0.45tから約0.75t、約0.46tから約0.75t、約0.48tから約0.50t、約0.30tから約0.70t、約0.35tから約0.64t、約0.4tから約0.6t、または約0.45tから約0.55tの範囲の深さに存在するまたは位置する。1つ以上の実施の形態において、CTmaxの位置に関する上述した範囲は、ガラス物品またはガラスセラミック物品が実質的に平坦な形態にある(例えば、カバーガラスが、約5000mm超、または約10,000mm超の曲率半径を有する)場合に存在する。
【0069】
1つ以上の実施の形態において、CTmaxの大きさは、約80MPa以下、約78MPa以下、約76MPa以下、約75MPa以下、約74MPa以下、約72MPa以下、約70MPa以下、約68MPa以下、約66MPa以下、約65MPa以下、約64MPa以下、約62MPa以下、約60MPa以下、約58MPa以下、約56MPa以下、約55MPa以下、約54MPa以下、約52MPa以下、または約50MPa以下である。1つ以上の実施の形態において、CTmaxの大きさは、約40MPから約80MPa、約45MPから約80MPa、約50MPから約80MPa、約55MPから約80MPa、約60MPから約80MPa、約65MPから約80MPa、約70MPから約80MPa、約40MPaから約75MPa、約40MPaから約70MPa、約40MPaから約65MPa、約40MPaから約60MPa、約40MPaから約55MPa、または約40MPaから約50MPaの範囲にある。1つ以上の実施の形態において、CTmaxの大きさに関する上述した範囲は、ガラス物品またはガラスセラミック物品が実質的に平坦な形態にある(例えば、ガラス物品またはガラスセラミック物品が、約5000mm超、または約10,000mm超の曲率半径を有する)場合に存在する。
【0070】
1つ以上の実施の形態において、前記応力プロファイルの一部は、放物線のような形状を有する。いくつかの実施の形態において、応力プロファイルは、平らな応力(すなわち、圧縮または引張)部分または実質的に一定の応力(すなわち、圧縮または引張)を示す部分を含まない。いくつかの実施の形態において、CT領域は、平らな応力を実質的に含まない、または実質的に一定の応力を含まない応力プロファイルを示す。1つ以上の実施の形態において、応力プロファイルは、深さ方向に、またはカバーガラスの厚さtの少なくとも一部に沿って延在するどのような線形セグメントも実質的に含まない。言い換えると、応力プロファイルは、厚さtに沿って実質的に連続的に増加または減少している。いくつかの実施の形態において、応力プロファイルは、約10マイクロメートル以上、約50マイクロメートル以上、または約100マイクロメートル以上、または約200マイクロメートル以上の長さを有する深さ方向のどのような線形セグメントも実質的に含まない。ここに用いられているように、「線形」という用語は、線形セグメントに沿って約5MPa/マイクロメートル未満、または約2MPa/マイクロメートル未満の大きさを有する勾配を称する。いくつかの実施の形態において、深さ方向にどのような線形セグメントも実質的に含まない応力プロファイルの1つ以上の部分は、第一面または第二面のいずれか一方または両方から約5マイクロメートル以上(例えば、10マイクロメートル以上、または15マイクロメートル以上)のカバーガラス内の深さに存在する。例えば、第一面から約0マイクロメートルから約5マイクロメートル未満の深さに沿って、応力プロファイルは線形セグメントを含むことがあるが、第一面から約5マイクロメートル以上の深さからは、その応力プロファイルは、線形セグメントを実質的に含まないことがある。
【0071】
1つ以上の実施の形態において、CTmaxの深さから0.1t、0.15t、0.2t、または0.25t内のCT領域の全ての点は、非ゼロ勾配を有する正接を含む。1つ以上の実施の形態において、そのような点の全ては、大きさが約0.5MPa/マイクロメートル超、大きさが約0.75MPa/マイクロメートル超、大きさが約1MPa/マイクロメートル超、大きさが約1.5MPa/マイクロメートル超、または大きさが約2MPa/マイクロメートル超、または大きさが約0.5MPa/マイクロメートル超の勾配を有する正接を含む。
【0072】
1つ以上の実施の形態において、約0.12t以上(例えば、約0.12tから約0.24t、約0.14tから約0.24t、約0.15tから約0.24t、約0.16tから約0.24t、約0.18tから約0.24t、約0.12tから約0.22t、約0.12tから約0.2t、約0.12tから約0.18t、約0.12tから約0.16t、約0.12tから約0.15t、約0.12tから約0.14t、または約0.15tから約0.2t)の深さでの応力プロファイルの全ての点は、非ゼロ勾配を有する正接を含む。
【0073】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、CT領域(図2の112)の少なくとも一部に沿って応力プロファイルの形状に関して記載されることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、CT領域の相当な部分または全体に沿った応力プロファイルは、等式によって近似されることがある。いくつかの実施の形態において、CT領域に沿った応力プロファイルは、等式(1):
【0074】
【数1】
【0075】
により近似されることがある。等式(1)において、応力(x)は、位置xでの応力値である。ここでは、応力は正(張力)である。CTmaxは、MPaで表される正の値としての最大中央張力である。値xは、0からtの範囲で、マイクロメートルで表される厚さ(t)に沿った位置であり、x=0は、一方の表面(図2の102)であり、x=0.5tは、ガラス物品またはガラスセラミック物品の中心であり、応力(x)=CTmax、x=tは、反対の表面(図2の104)である。等式(1)に使用されるCTmaxは、約40MPaから約80MPaの範囲にあることがあり、nは、1.5から5(例えば、2から4、2から3、または1.8から2.2)のフィッティングパラメータであり、それにより、n=2は、放物線応力プロファイルを与えることができ、n=2から外れる指数は、ほぼ放物線の応力プロファイルを与える。
【0076】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品のDOCは、約0.2t以下である。例えば、DOCは、約0.18t以下、約0.18t以下、約0.16t以下、約0.15t以下、約0.14t以下、約0.12t以下、約0.1t以下、約0.08t以下、約0.06t以下、約0.05t以下、約0.04t以下、または約0.03t以下であることがある。1つ以上の実施の形態において、DOCは、約0.02tから約0.2t、約0.04tから約0.2t、約0.05tから約0.2t、約0.06tから約0.2t、約0.08tから約0.2t、約0.1tから約0.2t、約0.12tから約0.2t、約0.14tから約0.2t、約0.15tから約0.2t、約0.16tから約0.2t、約0.02tから約0.18t、約0.02tから約0.16t、約0.02tから約0.15t、約0.02tから約0.14t、約0.02tから約0.12t、約0.02tから約0.1t、約0.02tから約0.08t、約0.02tから約0.06t、約0.02tから約0.05t、約0.1tから約0.8t、約0.12tから約0.16t、または約0.14tから約0.17tの範囲にある。
【0077】
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス物品またはガラスセラミック物品は、約10マイクロメートルから約50マイクロメートル、約12マイクロメートルから約50マイクロメートル、約14マイクロメートルから約50マイクロメートル、約15マイクロメートルから約50マイクロメートル、約16マイクロメートルから約50マイクロメートル、約18マイクロメートルから約50マイクロメートル、約20マイクロメートルから約50マイクロメートル、約22マイクロメートルから約50マイクロメートル、約24マイクロメートルから約50マイクロメートル、約25マイクロメートルから約50マイクロメートル、約26マイクロメートルから約50マイクロメートル、約28マイクロメートルから約50マイクロメートル、約30マイクロメートルから約50マイクロメートル、約10マイクロメートルから約48マイクロメートル、約10マイクロメートルから約46マイクロメートル、約10マイクロメートルから約45マイクロメートル、約10マイクロメートルから約44マイクロメートル、約10マイクロメートルから約42マイクロメートル、約10マイクロメートルから約40マイクロメートル、約10マイクロメートルから約38マイクロメートル、約10マイクロメートルから約36マイクロメートル、約10マイクロメートルから約35マイクロメートル、約10マイクロメートルから約34マイクロメートル、約10マイクロメートルから約32マイクロメートル、約10マイクロメートルから約30マイクロメートル、約10マイクロメートルから約28マイクロメートル、約10マイクロメートルから約26マイクロメートル、約10マイクロメートルから約25マイクロメートル、約20マイクロメートルから約40マイクロメートル、約25マイクロメートルから約40マイクロメートル、約20マイクロメートルから約35マイクロメートル、または約25マイクロメートルから約35マイクロメートルの範囲にあるDOLを有する。1つ以上の実施の形態において、応力プロファイルの少なくとも一部は、第1の主面から延在するスパイク領域、尾部領域、およびスパイク領域と尾部領域との間の屈曲領域を含む。スパイク領域120は、応力プロファイルのCS領域内にある。1つ以上の実施の形態において、スパイク領域内の応力プロファイルの全ての点は、約15MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約20MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約25MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約30MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約35MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約40MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約45MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約100MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約150MPa/マイクロメートルから約200MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約190MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約180MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約170MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約160MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約150MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約140MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約130MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約120MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約100MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約75MPa/マイクロメートル、約15MPa/マイクロメートルから約50MPa/マイクロメートル、約50MPa/マイクロメートルから約150MPa/マイクロメートル、または約75MPa/マイクロメートルから約125MPa/マイクロメートルの範囲にある大きさの勾配を有する正接を含む。
【0078】
1つ以上の実施の形態において、尾部領域における全ての点は、約0.01MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.05MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.1MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.25MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.5MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.75MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約1MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約1.25MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約1.5MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約1.75MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約2MPa/マイクロメートルから約3MPaマイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.9MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.8MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.75MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.7MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.6MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.5MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.4MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.2MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2.1MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約2MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約1.75MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約1.5MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約1.25MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約1MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約0.75MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約0.5MPa/マイクロメートル、約0.01MPa/マイクロメートルから約0.25MPa/マイクロメートル、約0.1MPa/マイクロメートルから約2MPa/マイクロメートル、約0.5MPa/マイクロメートルから約2MPa/マイクロメートル、または約1MPa/マイクロメートルから約3MPa/マイクロメートルの範囲にある大きさの勾配を有する正接を含む。
【0079】
1つ以上の実施の形態において、スパイク領域内のCSの大きさは、約200MPa超から約1500MPaの範囲にある。例えば、スパイク領域におけるCSの大きさは、約250MPaから約1500MPa、約300MPaから約1500MPa、約350MPaから約1500MPa、約400MPaから約1500MPa、約450MPaから約1500MPa、約500MPaから約1500MPa、約550MPaから約1500MPa、約600MPaから約1500MPa、約750MPaから約1500MPa、約800MPaから約1500MPa、約850MPaから約1500MPa、約900MPaから約1500MPa、約950MPaから約1500MPa、約1000MPaから約1500MPa、約1050MPaから約1500MPa、約1100MPaから約1500MPa、約1200MPaから約1500MPa、約250MPaから約1450MPa、約250MPaから約1400MPa、約250MPaから約1350MPa、約250MPaから約1300MPa、約250MPaから約1250MPa、約250MPaから約1200MPa、約250MPaから約1150MPa、約250MPaから約1100MPa、約250MPaから約1050MPa、約250MPaから約1000MPa、約250MPaから約950MPa、約250MPaから約900MPa、約250MPaから約850MPa、約250MPaから約800MPa、約250MPaから約750MPa、約250MPaから約700MPa、約250MPaから約650MPa、約250MPaから約600MPa、約250MPaから約550MPa、約250MPaから約500MPa、約800MPaから約1400MPa、約900MPaから約1300MPa、約900MPaから約1200MPa、約900MPaから約1100MPa、または約900MPaから約1050MPaの範囲にあることがある。
【0080】
1つ以上の実施の形態において、屈曲領域におけるCSの大きさは、約5MPaから約200MPa、約10MPaから約200MPa、約15MPaから約200MPa、約20MPaから約200MPa、約25MPaから約200MPa、約30MPaから約200MPa、約35MPaから約200MPa、約40MPaから約200MPa、約45MPaから約200MPa、約50MPaから約200MPa、約55MPaから約200MPa、約60MPaから約200MPa、約65MPaから約200MPa、約75MPaから約200MPa、約80MPaから約200MPa、約90MPaから約200MPa、約100MPaから約200MPa、約125MPaから約200MPa、約150MPaから約200MPa、約5MPaから約190MPa、約5MPaから約180MPa、約5MPaから約175MPa、約5MPaから約170MPa、約5MPaから約160MPa、約5MPaから約150MPa、約5MPaから約140MPa、約5MPaから約130MPa、約5MPaから約125MPa、約5MPaから約120MPa、約5MPaから約110MPa、約5MPaから約100MPa、約5MPaから約75MPa、約5MPaから約50MPa、約5MPaから約25MPa、または約10MPaから約100MPaの範囲にある。
【0081】
1つ以上の実施の形態において、応力プロファイルの屈曲領域は、第1の主面より約10マイクロメートルから約50マイクロメートル延在する。例えば、応力プロファイルの屈曲領域は、第1の主面より、約12マイクロメートルから約50マイクロメートル、約14マイクロメートルから約50マイクロメートル、約15マイクロメートルから約50マイクロメートル、約16マイクロメートルから約50マイクロメートル、約18マイクロメートルから約50マイクロメートル、約20マイクロメートルから約50マイクロメートル、約22マイクロメートルから約50マイクロメートル、約24マイクロメートルから約50マイクロメートル、約25マイクロメートルから約50マイクロメートル、約26マイクロメートルから約50マイクロメートル、約28マイクロメートルから約50マイクロメートル、約30マイクロメートルから約50マイクロメートル、約32マイクロメートルから約50マイクロメートル、約34マイクロメートルから約50マイクロメートル、約35マイクロメートルから約50マイクロメートル、約36マイクロメートルから約50マイクロメートル、約38マイクロメートルから約50マイクロメートル、約40マイクロメートルから約50マイクロメートル、約10マイクロメートルから約48マイクロメートル、約10マイクロメートルから約46マイクロメートル、約10マイクロメートルから約45マイクロメートル、約10マイクロメートルから約44マイクロメートル、約10マイクロメートルから約42マイクロメートル、約10マイクロメートルから約40マイクロメートル、約10マイクロメートルから約38マイクロメートル、約10マイクロメートルから約36マイクロメートル、約10マイクロメートルから約35マイクロメートル、約10マイクロメートルから約34マイクロメートル、約10マイクロメートルから約32マイクロメートル、約10マイクロメートルから約30マイクロメートル、約10マイクロメートルから約28マイクロメートル、約10マイクロメートルから約26マイクロメートル、約10マイクロメートルから約25マイクロメートル、約10マイクロメートルから約24マイクロメートル、約10マイクロメートルから約22マイクロメートル、または約10マイクロメートルから約20マイクロメートル延在する。
【0082】
1つ以上の実施の形態において、尾部領域は、ほぼ屈曲領域からCTmaxの深さまで延在する。1つ以上の実施の形態において、尾部領域は、圧縮応力尾部領域、および引張応力尾部領域の一方または両方を含む。
【0083】
1つ以上の実施の形態において、カバーガラス25の第1の主面および第2の主面のいずれか一方または両方が、表面処理を含む。その表面処理は、第1の主面と第2の主面の少なくとも一部を覆うことがある。例示の表面処理としては、洗浄し易い表面、防眩表面、反射防止表面、触覚表面、および装飾表面が挙げられる。1つ以上の実施の形態において、第1の主面および/または第2の主面の少なくとも一部は、防眩表面、反射防止表面、触覚表面、および装飾表面の内のいずれか1つ、いずれか2つ、または3つ全てを含むことがある。例えば、第1の主面は防眩表面を含むことがあり、第2の主面は反射防止表面を含むことがある。別の例では、第1の主面は反射防止表面を含み、第2の主面は防眩表面を含む。さらに別の例では、第1の主面は防眩表面および反射防止表面のいずれか一方または両方を含み、第2の主面は装飾表面を含む。
【0084】
防眩表面は、エッチング過程を使用して形成することができ、20%以下(例えば、約15%以下、約10%以下、5%以下)の透過ヘイズを示すことがある。1つ以上の実施の形態において、防眩表面は、約80以下の像鮮明性(DOI)を有することがある。ここに用いられているように、「透過ヘイズ」および「ヘイズ」という用語は、ASTM手順のD1003による、約±2.5°の角度の錐体の外に散乱する透過光の百分率を称する。光学的に滑らかな表面について、透過ヘイズは、一般に、ゼロに近い。ここに用いられているように、「像鮮明性」という用語は、「Standard Test Methods for Instrumental Measurements of Distinctness-of-Image Gloss of Coating Surfaces」と題するASTM手順のD5767(ASTM 5767)の方法Aにより定義されている。ASTM 5767の方法Aによれば、基板の反射係数の測定は、正反射視野角と、正反射視野角からわずかに外れた角度で、防眩表面に行われる。これらの測定から得られた値を組み合わせて、DOI値を提供する。詳しくは、DOIは、等式(2):
【0085】
【数2】
【0086】
にしたがって計算され、式中、Rosは正反射方向から0.2°と0.4°の間だけ離れた相対反射強度の平均であり、Rsは、正反射方向における(正反射方向を中心とした+0.05°と-0.05°の間)相対反射強度の平均である。入力光源角度が、試料表面の法線から+20°であり(本開示に亘るように)、試料に垂直な表面を0°と解釈すると、ひいては、正反射光Rsの測定は、約-19.95°から-20.05°の範囲の平均と解釈され、Rosは、-20.2°から-20.4°(または-19.6°から-19.8°、もしくはこれら2つの範囲の両方の平均)の範囲の平均反射強度と解釈される。ここに用いられているように、DOI値は、ここに定義されるようなRos/Rsの目標比を規定すると直接解釈されるべきである。いくつかの実施の形態において、防眩表面は、反射光パワーの95%超が±10°の錐体内に収められるような反射散乱プロファイルを有し、ここで、この錐体は、任意の入力角度について、正反射方向を中心とする。
【0087】
防眩表面は、約10nmから約70nm(例えば、約10nmから約68nm、約10nmから約66nm、約10nmから約65nm、約10nmから約64nm、約10nmから約62nm、約10nmから約60nm、約10nmから約55nm、約10nmから約50nm、約10nmから約45nm、約10nmから約40nm、約12nmから約70nm、約14nmから約70nm、約15nmから約70nm、約16nmから約70nm、約18nmから約70nm、約20nmから約70nm、約22nmから約70nm、約24nmから約70nm、約25nmから約70nm、約26nmから約70nm、約28nmから約70nm、または約30nmから約70nm)の表面粗さ(Ra)を有することがある。防眩表面は、複数の凹形特徴を備えたざらついた表面を含むことがあり、凹形特徴は、その表面から外側に面する開口を有する。その開口は、約30マイクロメートル以下(例えば、約2マイクロメートルから約30マイクロメートル、約4マイクロメートルから約30マイクロメートル、約5マイクロメートルから約30マイクロメートル、約6マイクロメートルから約30マイクロメートル、約8マイクロメートルから約30マイクロメートル、約10マイクロメートルから約30マイクロメートル、約12マイクロメートルから約30マイクロメートル、約15マイクロメートルから約30マイクロメートル、約2マイクロメートルから約25マイクロメートル、約2マイクロメートルから約20マイクロメートル、約2マイクロメートルから約18マイクロメートル、約2マイクロメートルから約16マイクロメートル、約2マイクロメートルから約15マイクロメートル、約2マイクロメートルから約14マイクロメートル、約2マイクロメートルから約12マイクロメートル、または約8マイクロメートルから約15マイクロメートル)の平均断面寸法を有することがある。1つ以上の実施の形態において、防眩表面は、約6%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または約1%以下のPPDrなどの低いスパークル(sparkle)(低いピクセルパワー偏差基準すなわちPPDrに関する)を示す。ここに用いられているように、「ピクセルパワー偏差基準(pixel power deviation reference)」および「PPDr」という用語は、ディスプレイのスパークルに関する定量的測定を称する。特に明記のない限り、PPDrは、60μm×180μmのネイティブなサブピクセルピッチおよび約44μm×約142μmのサブピクセル開口窓サイズを有するエッジライト式液晶表示画面(TN型液晶ディスプレイ)を備えた表示装置を使用して測定される。その液晶表示画面の前面は、光沢のある反射防止型直線偏光フイルムを有した。ディスプレイシステムまたはディスプレイシステムの一部を形成する防眩表面のPPDrを決定するために、画面を、「眼のシミュレータ」カメラの焦点領域に配置する。このカメラは、ヒトの観測者の目のパラメータを近似する。このように、このカメラシステムは、光の集束角を調節し、それゆえヒトの眼の瞳孔の開口を近似するために光路に挿入される開口(または「瞳孔開口」)を備える。ここに記載されたPPDr測定において、虹彩絞りは、18ミリラジアンの角度を限定する。
【0088】
前記反射防止表面は、高屈折率材料と低屈折率材料の交互の層から形成された多層コーティング積層体により形成されることがある。そのようなコーティング積層体は、6層以上を備えることがある。1つ以上の実施の形態において、その反射防止表面は、約400nmから約800nmの範囲内の光波長領域に亘る約2%以下(例えば、約1.5%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.5%以下、または約0.25%以下)の片面平均光反射率を示すことがある。その平均反射率は、約0度超から約10度未満の入射照射角で測定される。
【0089】
その装飾表面は、顔料(例えば、インク、塗料など)から形成されたどの美観デザインを含んでもよく、木目デザイン、艶消し金属デザイン、グラフィックデザイン、肖像画、またはロゴを含んでも差し支えない。1つ以上の実施の形態において、装飾表面は、装飾表面が、ディスプレイの電源が切られているときに、下にあるディスプレイを観察者から隠すまたは覆うが、ディスプレイの電源が入れられたときに、ディスプレイを見ることができるデッドフロント効果を示す。その装飾表面は、ガラス基板上に印刷されていてもよい。1つ以上の実施の形態において、防眩表面は、エッチングされた表面を含む。1つ以上の実施の形態において、反射防止表面は多層コーティングを含む。1つ以上の実施の形態において、洗浄し易い表面は、指紋防止特性を与える疎油性コーティングを含む。1つ以上の実施の形態において、触覚表面は、触れられたときにユーザに触覚フィードバックを与えるために、表面上に高分子またはガラス材料を堆積させることによって形成された隆起または窪み表面を含む。
【0090】
1つ以上の実施の形態において、表面処理(すなわち、洗浄し易い表面、防眩表面、反射防止表面、触覚表面および/または装飾表面)は、第1および/または第2の主面の外周の少なくとも一部の上に配置され、そのような表面の内部はその表面処理を実質的に含まない。
【0091】
本開示の態様(1)は、命令を実行できるプロセッサ、および頭部衝撃試験の要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、プロセッサがプログラム命令を実行するときに、そのプロセッサが、
(a1)前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および
(a2)以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または
(b1)前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および
(b2)以下の関係式:K1≦(2E-10)×(K2)-0.0014×(K2)+2822.9を使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程、
を含む方法を実行する、非一時的な機械可読記憶媒体を備えたシステムに関する。
【0092】
本開示の態様(2)は、頭部衝撃試験の要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、プロセッサがプログラム命令を実行するときに、そのプロセッサが、前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および以下の関係式:K1≦1500N/mmを使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程を含む方法を実行する、非一時的な機械可読記憶媒体に関する。
【0093】
本開示の態様(3)は、自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造が、6.67m/sで移動する6.8kgの質量の頭部模型を前記可撓性ディスプレイに衝突させる頭部衝撃試験(HIT)の要件を満たすための剛性設計指針を提供する方法であって、前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および以下の関係式:K1≦(2E-10)×(K2)-0.0014×(K2)+2822.9を使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程を含む方法に関する。
【0094】
本開示の態様(4)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、この前面にあるガラスカバー、この背面にあるバックプレート、一体丁番部分であって、この一体丁番部分におけるカバーガラスおよびバックプレートは可撓性である一体丁番部分、およびこの一体丁番部分を渡り、この一体丁番部分の両側でバックプレートに取り付けられたストラップであって、この一体丁番部分が曲がることに対して所定量の抵抗をこのストラップが与えるように、表示パネルの一体丁番部分よりも堅いストラップを備えた表示パネルに関する。
【0095】
本開示の態様(5)は、ストラップが、ストラップとバックプレートとの間に相対運動がないように、一体丁番部分の片側でバックプレートに取り付けられており、このストラップは、ストラップとバックプレートとの間にある程度の横方向の滑り運動が可能な様式で一体丁番部分の他方の側に取り付けられている、態様(4)の表示パネルに関する。
【0096】
本開示の態様(6)は、ストラップにより与えられる曲げに対する所定量の抵抗が、頭部衝撃試験と同等の衝撃力が前面から一体丁番部分に与えられたときに、一体丁番部分の曲げを所定量に制限するのに十分である、態様(4)または態様(5)の表示パネルに関する。
【0097】
本開示の態様(7)は、衝撃力が、一体丁番部分に6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型により与えられる衝撃力と等しい、態様(6)の表示パネルに関する。
【0098】
本開示の態様(8)は、ストラップにより与えられる曲げに対する所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動して一体丁番部分に衝突する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように一体丁番部分の曲げを制限するのに十分である、態様(7)の表示パネルに関する。
【0099】
本開示の態様(9)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、第1の部分、第2の部分、この第1の部分と第2の部分を接続する一体丁番部分であって、第1の部分は固定構造に固定されており、第2の部分は、一体丁番部分の作動によって、第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分、および第1の部分に対する第2の部分の動きを作動させるために第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドであって、前面から印加される衝撃力によって第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られたダンパーアセンブリを含む作動ロッドを備えた表示パネルに関する。
【0100】
本開示の態様(10)は、ダンパーアセンブリにより与えられる所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、前面から表示パネルの第2の部分にその頭部模型により印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝するのに十分である、態様(9)の表示パネルに関する。
【0101】
本開示の態様(11)は、前面にあるカバーガラスをさらに含む、態様(9)または態様(10)の表示パネルに関する。
【0102】
本開示の態様(12)は、背面にあるバックプレートをさらに含み、作動ロッドが、このバックプレートにヒンジ状に取り付けられている、態様(9)から(11)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0103】
本開示の態様(13)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、前面にあるカバーガラス、背面にあるバックプレート、一体丁番部分であって、一体丁番部分にあるカバーガラスとバックプレートは可撓性である、一体丁番部分、および一体丁番部分の背面に近接して設けられ、固定構造に搭載された衝撃吸収体であって、前面から印加される衝撃力によって一体丁番部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与える衝撃吸収体を備えた表示パネルに関する。
【0104】
本開示の態様(14)は、衝撃力が、一体丁番部分に6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型により印加される衝撃力と等しい、態様(13)の表示パネルに関する。
【0105】
本開示の態様(15)は、衝撃吸収体により与えられる所定量の抵抗が、一体丁番部分に衝突する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、その頭部模型の減速を制限するのに十分である、態様(13)または態様(14)の表示パネルに関する。
【0106】
本開示の態様(16)は、表示パネルが、自動車が衝突すると展開するエアバッグシステムを備えた自動車内の表示パネルであり、衝撃吸収体が、そのエアバッグシステムと同時に展開するように同調されるエアバッグである、態様(13)から(15)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0107】
本開示の態様(17)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、第1の部分、第2の部分、この第1の部分と第2の部分を接続する一体丁番部分であって、第1の部分は固定構造に固定されており、第2の部分は、一体丁番部分の作動によって、第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分、および一体丁番部分の屈曲による第1の部分に対する第2の部分の動きを作動させるために滑節によって第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドを備え、その滑節は、滑節の周りの第2の部分の回転に抵抗することによって、滑節と第1の部分との間のどこかに前面から印加される衝撃力によって第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られている、表示パネルに関する。
【0108】
本開示の態様(18)は、滑節により与えられる所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型が3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、前面から表示パネルの第2の部分に頭部模型により印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝するのに十分である、態様(17)の表示パネルに関する。
【0109】
本開示の態様(19)は、滑節が、所定量の抵抗を与えるように作られた歯車アセンブリを備えた、態様(17)または態様(18)の表示パネルに関する。
【0110】
本開示の態様(20)は、作動ロッドに設けられ、滑節と一体丁番部分との間の一点で背面に向かって延在し、それと接触する支持足部をさらに含み、その支持足部は、表示パネルの第2の部分を支え、衝撃力が印加されたときに、第2の部分が所定量よりも大きく滑節の周りに回転するのを防ぐ、態様(17)から(19)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0111】
本開示の態様(21)は、滑節が、衝撃力が印加されているときに、滑節をロックし、第2の部分が所定量を超えて滑節の周りに回転するのを防ぐのに十分な所定量の抵抗を与えるロッキング丁番ピンを備えた、態様(17)から(20)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0112】
本開示の態様(22)は、ロッキング丁番ピンが、鍵に合わせた頭部を有し、ロッキング丁番ピンは、ロックされていない位置とロックされた位置との間で丁番軸に沿って可動性であるように作られており、印加された衝撃力により、表示パネルの第2の部分が、所定量よりも大きく滑節の周りに回転するときに、丁番ピンは、ロックされた位置に動き、第2の部分がそれ以上さらに回転するのを防ぐ、態様(21)の表示パネルに関する。
【0113】
本開示の態様(23)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、前面にあるカバーガラス、背面にあるバックプレート、カバーガラスとバックプレートとの間の接着剤層、および一体丁番部分であって、一体丁番部分におけるカバーガラス、接着剤層、およびバックプレートは、可撓性である一体丁番部分を備え、接着剤層は厚さを有し、一体丁番部分における接着剤層は、接着剤層の厚さに亘る複数の穿孔を有し、接着剤層中の穿孔により、一体丁番部分におけるカバーガラスの部分が、さらに移動することができる、表示パネルに関する。
【0114】
本開示の態様(24)は、穿孔の各々が、最も近くの隣接する穿孔から10μmから50mmだけ間隔が空けられている、態様(23)の表示パネルに関する。
【0115】
本開示の態様(25)は、穿孔の各々が、5μmから10mmの直径を有する管状形を有する、態様(23)または態様(24)の表示パネルに関する。
【0116】
本開示の態様(26)は、穿孔が、バックプレートに対して70°から120°の角度に配向されている、態様(23)から(25)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0117】
本開示の態様(27)は、穿孔の全てが同じ方向に配向されている、態様(26)の表示パネルに関する。
【0118】
本開示の態様(28)は、穿孔の全てが無作為な向きに配向されている、態様(26)の表示パネルに関する。
【0119】
本開示の態様(29)は、曲げ軸が一体丁番部分内に規定され、穿孔が、バックプレートに対して70°から120°の角度に配向され、複数の穿孔の内のいくつかは、曲げ軸に向けて配向されている、態様(23)から(28)のいずれか1つの表示パネルに関する。
【0120】
本開示の態様(30)は、前面と背面を有する表示パネルにおいて、第1の部分;第2の部分;この第1の部分と第2の部分を接続する一体丁番部分であって、第1の部分は固定構造に固定されており、第2の部分は、一体丁番部分の作動によって、第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分;一体丁番部分の屈曲による第1の部分に対する第2の部分の動きを作動させるために滑節によって第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッド;および作動ロッドを滑節と一体丁番部分との間の第2の部分の背面の一点に接続する支持ロッドを備え、この支持ロッドは、滑節と第1の部分との間のどこかに前面から印加される衝撃力によって、第2の部分が後方に押し込まれることに対して、支持具として機能する、表示パネルに関する。
【0121】
当業者には、ここに記載された例示の実施の形態に対する多くの改変が、本開示の精神および範囲から逸脱せずに可能であることが認識されるであろう。それゆえ、その説明は、与えられた例に限定されることは意図されておらず、そのように解釈されるべきではなく、付随の特許請求の範囲およびその等価物により与えられる保護の完全な範囲が与えられるべきである。それに加え、本開示の特徴のいくつかは、他の特徴を対応して使用せずに、使用することができる。したがって、例示のまたは説明に役立つ実施の形態の先の説明は、本開示の原理を説明する目的のために与えられ、その制限ではなく、その改変とその変更を含むことができる。
【0122】
本開示の好ましい実施の形態を記載してきたが、記載された実施の形態は、説明のためだけであること、および本発明の範囲は、その熟読により当業者に自然に想起される等価物、多くの変更および改変の全範囲が認められた場合、付随の特許請求の範囲だけにより定義されるものとすることが理解されよう。
【0123】
以下、本発明の好ましい実施の形態を項分け記載する。
【0124】
実施形態1
命令を実行できるプロセッサ、および
頭部衝撃試験の要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、前記プロセッサが前記プログラム命令を実行するときに、該プロセッサが、
(a1)前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および
(a2)以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または
(b1)前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および
(b2)以下の関係式:K1≦(2E-10)×(K2)-0.0014×(K2)+2822.9を使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程、
を含む方法を実行する、非一時的な機械可読記憶媒体、
を備えたシステム。
【0125】
実施形態2
頭部衝撃試験の要件を満たす自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造の剛性設計指針を提供するためのプログラム命令がコード化され、よって、プロセッサが前記プログラム命令を実行するときに、該プロセッサが、
前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および
以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または
前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および
以下の関係式:K1≦1500N/mmを使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程、
を含む方法を実行する、非一時的な機械可読記憶媒体。
【0126】
実施形態3
自動車のダッシュボードに搭載するための可撓性ディスプレイの支持構造が、6.67m/sで移動する6.8kgの質量の頭部模型を前記可撓性ディスプレイに衝突させる頭部衝撃試験(HIT)の要件を満たすための剛性設計指針を提供する方法であって、
前記支持構造の線形特性バネ剛性K1を決定する工程、および
以下の関係式:K2≦0.3414×(K1)-1753.3×(K1)+3E6を使用することによって、前記支持構造の許容可能な回転バネ剛性K2を決定する工程、または
前記支持構造の回転バネ剛性K2を決定する工程、および
以下の関係式:K1≦(2E-10)×(K2)-0.0014×(K2)+2822.9を使用することによって、前記支持構造の許容可能な線形特性バネ剛性K1を決定する工程、
を含む方法。
【0127】
実施形態4
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
前記前面にあるガラスカバー、
前記背面にあるバックプレート、
一体丁番部分であって、該一体丁番部分における前記カバーガラスおよび前記バックプレートは可撓性である一体丁番部分、および
前記一体丁番部分を渡り、該一体丁番部分の両側で前記バックプレートに取り付けられたストラップであって、前記一体丁番部分が曲がることに対して所定量の抵抗を該ストラップが与えるように、前記表示パネルの該一体丁番部分よりも堅いストラップ、
を備えた表示パネル。
【0128】
実施形態5
前記ストラップが、該ストラップと前記バックプレートとの間に相対運動がないように、前記一体丁番部分の片側で該バックプレートに取り付けられており、該ストラップは、該ストラップと前記バックプレートとの間にある程度の横方向の滑り運動が可能な様式で前記一体丁番部分の他方の側に取り付けられている、実施形態4に記載の表示パネル。
【0129】
実施形態6
前記ストラップにより与えられる曲げに対する所定量の抵抗が、頭部衝撃試験と同等の衝撃力が前記前面から前記一体丁番部分に与えられたときに、該一体丁番部分の曲げを所定量に制限するのに十分である、実施形態4に記載の表示パネル。
【0130】
実施形態7
前記衝撃力が、前記一体丁番部分に6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型により与えられる衝撃力と等しい、実施形態6に記載の表示パネル。
【0131】
実施形態8
前記ストラップにより与えられる曲げに対する所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動して前記一体丁番部分に衝突する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように該一体丁番部分の曲げを制限するのに十分である、実施形態7に記載の表示パネル。
【0132】
実施形態9
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
第1の部分、
第2の部分、
前記第1の部分と前記第2の部分を接続する一体丁番部分であって、前記第1の部分は固定構造に固定されており、前記第2の部分は、該一体丁番部分の作動によって、該第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分、および
前記第1の部分に対する前記第2の部分の動きを作動させるために該第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッドであって、前記前面から印加される衝撃力によって前記第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られたダンパーアセンブリを含む作動ロッド、
を備えた表示パネル。
【0133】
実施形態10
前記ダンパーアセンブリにより与えられる所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、前記前面から前記表示パネルの前記第2の部分に該頭部模型により印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝するのに十分である、実施形態9に記載の表示パネル。
【0134】
実施形態11
前記前面にあるカバーガラスをさらに含む、実施形態9または10に記載の表示パネル。
【0135】
実施形態12
前記背面にあるバックプレートをさらに含み、前記作動ロッドが、該バックプレートにヒンジ状に取り付けられている、実施形態9から11のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0136】
実施形態13
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
前記前面にあるカバーガラス、
前記背面にあるバックプレート、
一体丁番部分であって、該一体丁番部分にある前記カバーガラスと前記バックプレートは可撓性である、一体丁番部分、および
前記一体丁番部分の背面に近接して設けられ、固定構造に搭載された衝撃吸収体であって、前記前面から印加される衝撃力によって前記一体丁番部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与える衝撃吸収体、
を備えた表示パネル。
【0137】
実施形態14
前記衝撃力が、前記一体丁番部分に6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型により印加される衝撃力と等しい、実施形態13に記載の表示パネル。
【0138】
実施形態15
前記衝撃吸収体により与えられる所定量の抵抗が、前記一体丁番部分に衝突する6.8kgの頭部模型が、3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、該頭部模型の減速を制限するのに十分である、実施形態13または14に記載の表示パネル。
【0139】
実施形態16
前記表示パネルが、自動車が衝突すると展開するエアバッグシステムを備えた自動車内の表示パネルであり、前記衝撃吸収体が、該エアバッグシステムと同時に展開するように同調されるエアバッグである、実施形態13から15のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0140】
実施形態17
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
第1の部分、
第2の部分、
前記第1の部分と前記第2の部分を接続する一体丁番部分であって、該第1の部分は固定構造に固定されており、該第2の部分は、該一体丁番部分の作動によって、該第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分、および
前記一体丁番部分の屈曲による前記第1の部分に対する前記第2の部分の動きを作動させるために滑節によって該第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッド、
を備え、
前記滑節は、該滑節の周りの前記第2の部分の回転に抵抗することによって、該滑節と前記第1の部分との間のどこかに前記前面から印加される衝撃力によって該第2の部分が後方に押し込まれることに対して所定量の抵抗を与えるように作られている、表示パネル。
【0141】
実施形態18
前記滑節により与えられる所定量の抵抗が、6.67メートル/秒で移動する6.8kgの頭部模型が3msの期間で80g(gは重力加速度である)以下の速度で減速するように、前記前面から前記表示パネルの第2の部分に前記頭部模型により印加される衝撃力と等しい前記衝撃力を緩衝するのに十分である、実施形態17に記載の表示パネル。
【0142】
実施形態19
前記滑節が、前記所定量の抵抗を与えるように作られた歯車アセンブリを備えた、実施形態17または18に記載の表示パネル。
【0143】
実施形態20
前記作動ロッドに設けられ、前記滑節と前記一体丁番部分との間の一点で前記背面に向かって延在し、それと接触する支持足部をさらに含み、該支持足部は、前記表示パネルの第2の部分を支え、前記衝撃力が印加されたときに、該第2の部分が所定量よりも大きく該滑節の周りに回転するのを防ぐ、実施形態17から19のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0144】
実施形態21
前記滑節が、前記衝撃力が印加されているときに、該滑節をロックし、前記第2の部分が所定量を超えて該滑節の周りに回転するのを防ぐのに十分な前記所定量の抵抗を与えるロッキング丁番ピンを備えた、実施形態17から20のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0145】
実施形態22
前記ロッキング丁番ピンが、鍵に合わせた頭部を有し、
前記ロッキング丁番ピンは、ロックされていない位置とロックされた位置との間で丁番軸に沿って可動性であるように作られており、
前記印加された衝撃力により、前記表示パネルの第2の部分が、所定量よりも大きく前記滑節の周りに回転するときに、前記丁番ピンは、ロックされた位置に動き、該第2の部分がそれ以上さらに回転するのを防ぐ、実施形態21に記載の表示パネル。
【0146】
実施形態23
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
前記前面にあるカバーガラス、
前記背面にあるバックプレート、
前記カバーガラスと前記バックプレートとの間の接着剤層、および
一体丁番部分であって、該一体丁番部分における前記カバーガラス、前記接着剤層、および前記バックプレートは、可撓性である一体丁番部分、
を備え、
前記接着剤層は厚さを有し、前記一体丁番部分における該接着剤層は、該接着剤層の厚さに亘る複数の穿孔を有し、該接着剤層中の穿孔により、該一体丁番部分における前記カバーガラスの部分が、さらに移動することができる、表示パネル。
【0147】
実施形態24
前記穿孔の各々が、最も近くの隣接する穿孔から10μmから50mmだけ間隔が空けられている、実施形態23に記載の表示パネル。
【0148】
実施形態25
前記穿孔の各々が、5μmから10mmの直径を有する管状形を有する、実施形態23または24に記載の表示パネル。
【0149】
実施形態26
前記穿孔が、前記バックプレートに対して70°から120°の角度に配向されている、実施形態23から25のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0150】
実施形態27
前記穿孔の全てが同じ方向に配向されている、実施形態26に記載の表示パネル。
【0151】
実施形態28
前記穿孔の全てが無作為な向きに配向されている、実施形態26に記載の表示パネル。
【0152】
実施形態29
曲げ軸が前記一体丁番部分内に規定され、前記穿孔が、前記バックプレートに対して70°から120°の角度に配向され、前記複数の穿孔の内のいくつかは、該曲げ軸に向けて配向されている、実施形態23から28のいずれか1つに記載の表示パネル。
【0153】
実施形態30
前面と背面を有する表示パネルにおいて、
第1の部分、
第2の部分、
前記第1の部分と前記第2の部分を接続する一体丁番部分であって、該第1の部分は固定構造に固定されており、該第2の部分は、該一体丁番部分の作動によって、該第1の部分に対して可動性である、一体丁番部分、
前記一体丁番部分の屈曲による前記第1の部分に対する前記第2の部分の動きを作動させるために滑節によって該第2の部分の背面にヒンジ状に取り付けられている作動ロッド、および
前記作動ロッドを前記滑節と前記一体丁番部分との間の前記第2の部分の背面の一点に接続する支持ロッド、
を備え、
前記支持ロッドは、前記滑節と前記第1の部分との間のどこかに前記前面から印加される衝撃力によって、前記第2の部分が後方に押し込まれることに対して、支持具として機能する、表示パネル。
【符号の説明】
【0154】
20 一般層状構造、表示パネル構造、表示パネル
20B バックプレート
20-I 第1の部分
20-II 第2の部分
20p 取付ピン
21 TFT+OLED+リファイナ層
22 偏光フイルム
23 ガラス層
24 接着剤層
25 カバーガラス
28 一体丁番部分
30 支持構造
40 ダッシュボード
50 頭部模型
60 作動ロッド
62 丁番
63 支持ロッド
64 緩衝材料片
65 ダンパーアセンブリ
70 衝撃吸収体
80 ロッキング丁番ピン
80’ 頭部
84 丁番ブラケット
91、92 平面
100 ストラップ
102 スロット
200 複数の穿孔
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図10
図11
図12
図13A
図13B-13C】
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
【国際調査報告】