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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】医療用カプセル
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
A61B1/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574238
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2021096831
(87)【国際公開番号】W WO2021244431
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202010486154.1
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1, No. 2218 Jinsui Road, Pilot Free Trade Zone, Shanghai, 200131, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リウ レイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥァン シァォドン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161DD07
4C161FF17
4C161JJ06
(57)【要約】
本発明は、軸方向にその一端に位置する開口部を含むシェル部(1)と、前記シェル部(1)内部に設けられたPCB基板群(2)及び機能ユニットであって、前記PCB基板群(2)が、フレキシブル配線基板(20)を介して接続され且つ間隔をおいて設けられる複数のPCB基板を含み、前記機能ユニットが、前記PCB基板に電気的に接続される電池ユニット(6)を含むPCB基板群及び機能ユニットと、前記開口部に組み付けられる圧力伝達膜(30)、前記シェル部(1)内に位置する圧力センサ(31)及び前記圧力センサ(31)に電気的に接続される圧力取得処理回路基板(32)を含む圧力検出ユニット(3)であって、前記圧力取得処理回路基板(32)がフレキシブル配線基板(20)を介して前記PCB基板の1つに接続される圧力検出ユニットと、を含む医療用カプセルを提供する。本発明の医療用カプセルは構造が簡単で、装着が容易で且つ必要に応じて機能を拡張可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向にその一端に位置する開口部を含むシェル部と、
前記シェル部内部に設けられたPCB基板群及び機能ユニットであって、前記PCB基板群が、フレキシブル配線基板を介して接続され且つ間隔をおいて設けられる複数のPCB基板を含み、前記機能ユニットが、前記PCB基板に電気的に接続される電池ユニットを含むPCB基板群及び機能ユニットと、
前記開口部に組み付けられる圧力伝達膜、前記シェル部内に位置する圧力センサ及び前記圧力センサに電気的に接続される圧力取得処理回路基板を含む圧力検出ユニットであって、前記圧力取得処理回路基板がフレキシブル配線基板を介して前記PCB基板の1つに接続される圧力検出ユニットと、を含むことを特徴とする、医療用カプセル。
【請求項2】
前記圧力伝達膜が、内から外へ凹設されてなる圧力溝、前記圧力溝の底面に設けられる圧力膜を含み、前記圧力センサが前記圧力溝内に収容され前記圧力膜に面していることを特徴とする、請求項1に記載の医療用カプセル。
【請求項3】
前記シェル部が、互いに係合される前シェル部と中シェル部を含み、前記中シェル部の前記前シェル部から離れる一端の内部に複数の支持脚が凸設され、前記圧力取得処理回路基板が前記支持脚の前記前シェル部から離反する側に固定され、前記圧力伝達膜が前記中シェル部の前記前シェル部から離れる一端に組み付けられ、前記圧力センサが前記圧力伝達膜と前記圧力取得処理回路基板との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の医療用カプセル。
【請求項4】
前記圧力取得処理回路基板の周囲に複数の支持脚に一対一に対応する固定脚が凸設されることを特徴とする、請求項3に記載の医療用カプセル。
【請求項5】
前記シェル部が、互いに係合される前シェル部と中シェル部、及び前記前シェル部と前記中シェル部との接続部に位置する固定溝を含み、
前記PCB基板群が、隣接する2つのPCB基板を接続する固定構造をさらに含み、1つの固定構造の縁部が前記固定溝内に固定されて前記PCB基板群を前記シェル部内に固定することを特徴とする、請求項1に記載の医療用カプセル。
【請求項6】
前記PCB基板群が、順に配置される照明回路基板、画像取得処理基板、電源基板及びアンテナ送受信基板を含み、前記固定構造が照明固定構造を含み、前記照明回路基板が前記照明固定構造内に位置し、前記画像取得処理基板が前記照明固定構造の前記前シェル部から離反する側に固定され、前記照明固定構造の縁部が前記固定溝内に収容されることを特徴とする、請求項5に記載の医療用カプセル。
【請求項7】
前記機能ユニットが、照明ユニット、撮像ユニット及びアンテナをさらに含み、前記照明ユニットが前記照明回路基板の前記前シェル部に向かっている側に固定され、前記撮像ユニットが前記画像取得処理基板の前記前シェル部に向かっている側に固定され、前記電池ユニットが前記電源基板に電気的に接続され、前記アンテナが前記アンテナ送受信基板に固定され、前記照明固定構造が環状であり、前記照明回路基板に前記撮像ユニットが前記前シェル部方向に向かって通過する貫通孔が設けられることを特徴とする、請求項6に記載の医療用カプセル。
【請求項8】
前記照明固定構造が、環状の保持壁、一部の前記保持壁の前端から外へ突出する保持ブラケット、前記保持壁から内部へ突出して前記照明回路基板を固定及び制限する複数の固定係止部材を含み、前記保持ブラケットの縁部が前記固定溝内に固定され、
前記照明回路基板が前記保持壁で囲まれてなる取付溝内に収容され、前記画像取得処理基板が前記保持壁の前記前シェル部から離反する側と互いに固定されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用カプセル。
【請求項9】
前記電池ユニットが前記電源基板と前記アンテナ送受信基板との間に設けられ、前記固定構造が、それぞれ前記電池ユニットの正負極両側に位置する電池固定板をさらに含み、2つの前記電池固定板がそれぞれ前記電源基板、前記アンテナ送受信基板に固定接続されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用カプセル。
【請求項10】
前記電池ユニットが、直列接続される複数の電池、隣接する前記電池を電気的に接続する電池接続片、前記電池ユニットの正負両端に接続される電極接続片を含み、2つの前記電極接続片がそれぞれ前記電源基板、前記アンテナ送受信基板に電気的に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用カプセル。
【請求項11】
前記医療用カプセルが、前記画像取得処理基板と前記電源基板との間に設けられる磁石ユニットをさらに含み、前記磁石ユニットが、磁石、前記磁石の外部に嵌着される磁石固定ハウジングを含み、前記磁石固定ハウジングが前記画像取得処理基板及び前記電源基板に固定接続されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機械の技術分野に関し、特に医療用カプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル内視鏡が広く応用されている中、益々多くの医療用無線カプセル装置が開発されて臨床に使用されており、且つ無線カプセルの機能も徐々に増加し充実されている。中でも、圧力カプセル内視鏡は、消化管内の圧力測定が重要な臨床的意義を有するため、消化管の圧力状況を非侵襲的且つ快適に検出し、臨床診断に根拠を提供するために開発されてきた。
【0003】
既存の圧力カプセル内視鏡技術は、可撓性シェル部が採用され、且つ可撓性シェル部の内部に液体が充填され、構造が非常に複雑で、生産と組立の難易度が極めて高いものであるか、又は圧力取得によって振動治療の効果を評価することが開示されているが、圧力カプセル内視鏡の具体的な組立構造が開示されておらず、従来技術における圧力カプセル内視鏡の構造が複雑で組立の難易度が高いという問題を解決する技術的解決手段も提供されていないものである。
【0004】
これに鑑みて、上記問題を解決するために、既存の医療用カプセルを改良する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、構造が簡単で、装着が容易で且つ必要に応じて機能を拡張可能な医療用カプセルを提供することにある。
【0006】
上記発明の目的を実現するために、本発明は次の技術的解決手段を採用する。
【0007】
医療用カプセルであって、
軸方向にその一端に位置する開口部を含むシェル部と、
前記シェル部内部に設けられたPCB基板群及び機能ユニットであって、前記PCB基板群が、フレキシブル配線基板を介して接続され且つ間隔をおいて設けられる複数のPCB基板を含み、前記機能ユニットが、前記PCB基板に電気的に接続される電池ユニットを含むPCB基板群及び機能ユニットと、
前記開口部に組み付けられる圧力伝達膜、前記シェル部内に位置する圧力センサ及び前記圧力センサに電気的に接続される圧力取得処理回路基板を含む圧力検出ユニットであって、前記圧力取得処理回路基板がフレキシブル配線基板を介して前記PCB基板の1つに接続される圧力検出ユニットと、を含む。
【0008】
さらに、前記圧力伝達膜が、内から外へ凹設されてなる圧力溝、前記圧力溝の底面に設けられる圧力膜を含み、前記圧力センサが前記圧力溝内に収容され前記圧力膜に面している。
【0009】
さらに、前記シェル部が、互いに係合される前シェル部と中シェル部を含み、前記中シェル部の前記前シェル部から離れる一端の内部に複数の支持脚が凸設され、前記圧力取得処理回路基板が前記支持脚の前記前シェル部から離反する側に固定され、前記圧力伝達膜が前記中シェル部の前記前シェル部から離れる一端に組み付けられ、前記圧力センサが前記圧力伝達膜と前記圧力取得処理回路基板との間に位置する。
【0010】
さらに、前記圧力取得処理回路基板の周囲に複数の支持脚に一対一に対応する固定脚が凸設される。
【0011】
さらに、前記シェル部が、互いに係合される前シェル部と中シェル部、及び前記前シェル部と中シェル部との接続部に位置する固定溝を含み、
前記PCB基板群が、隣接する2つのPCB基板を接続する固定構造をさらに含み、1つの固定構造の縁部が前記固定溝内に固定されて前記PCB基板群を前記シェル部内に固定する。
【0012】
さらに、前記PCB基板群が、順に配置される照明回路基板、画像取得処理基板、電源基板及びアンテナ送受信基板を含み、前記固定構造が照明固定構造を含み、前記照明回路基板が前記照明固定構造内に位置し、前記画像取得処理基板が前記照明固定構造の前記前シェル部から離反する側に固定され、前記照明固定構造の縁部が前記固定溝内に収容される。
【0013】
さらに、前記機能ユニットが、照明ユニット、撮像ユニット及びアンテナをさらに含み、前記照明ユニットが前記照明回路基板の前記前シェル部に向かっている側に固定され、前記撮像ユニットが前記画像取得処理基板の前記前シェル部に向かっている側に固定され、前記電池ユニットが前記電源基板に電気的に接続され、前記アンテナが前記アンテナ送受信基板に固定され、前記照明固定構造が環状であり、前記照明回路基板に撮像ユニットが前シェル部方向に向かって通過する貫通孔が設けられる。
【0014】
さらに、前記照明固定構造が環状の保持壁、一部の前記保持壁の前端から外へ突出する保持ブラケット、前記保持壁から内部へ突出して前記照明回路基板を固定及び制限する複数の固定係止部材を含み、前記保持ブラケットの縁部が前記固定溝内に固定され、
前記照明回路基板が前記保持壁で囲まれてなる取付溝内に収容され、前記画像取得処理基板が前記保持壁の前記前シェル部から離反する側と互いに固定される。
【0015】
さらに、前記電池ユニットが前記電源基板と前記アンテナ送受信基板との間に設けられ、前記固定構造が、それぞれ前記電池ユニットの正負極両側に位置する電池固定板をさらに含み、2つの前記電池固定板がそれぞれ前記電源基板、前記アンテナ送受信基板に固定接続される。
【0016】
さらに、前記電池ユニットが、直列接続される複数の電池、隣接する前記電池を電気的に接続する電池接続片、前記電池ユニットの正負両端に接続される電極接続片を含み、2つの前記電極接続片がそれぞれ前記電源基板、前記アンテナ送受信基板に電気的に接続される。
【0017】
さらに、前記医療用カプセルが、前記画像取得処理基板と前記電源基板との間に設けられる磁石ユニットをさらに含み、前記磁石ユニットが、磁石、前記磁石の外部に嵌着される磁石固定ハウジングを含み、前記磁石固定ハウジングが前記画像取得処理基板及び前記電源基板に固定接続される。
【0018】
従来技術に比べ、本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明は前記PCB基板群及び機能ユニットを組み合わせて内視鏡イメージングモジュールを構成し、圧力検出ユニットによって消化管の圧力検出を実現し、それによって医療用カプセルの機能を多様化し、また、圧力検出ユニットをシェル部の開口部側に設けることで、前記医療用カプセルの内部構造配置を合理的にし、迅速な組立が可能で量産化に寄与し、そして、本発明は拡張しやすいという特徴を有し、異なる機能の追加が必要である場合、順にPCB、機能素子及び対応する固定部材を追加すればよく、医療用カプセルの機能拡張に便宜を与える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において実施例又は従来技術の説明に用いられる図面を簡単に説明し、当然ながら、以下の説明における図面は本発明の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、提供される図面から他の図面に想到し得る。
図1】本発明の医療用カプセルの構造模式図である。
図2】本発明の医療用カプセルにおける圧力伝達膜の構造模式図である。
図3】本発明の医療用カプセルにおける圧力センサ及び圧力取得処理回路基板の構造模式図である。
図4】本発明の医療用カプセルにおけるPCB基板群の構造模式図である。
図5】本発明の医療用カプセルにおけるPCB基板群と照明固定構造、磁石固定ハウジング、電池固定板との組立構造模式図である。
図6】本発明の医療用カプセルにおける照明回路基板と照明固定構造との組立構造模式図である。
図7】本発明の医療用カプセルが照明固定構造によってシェル部と組み立てられる模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下において、図面に示す具体的な実施形態を参照しながら本出願を詳細に説明する。しかし、これらの実施形態は本出願を限定するものではなく、当業者がこれらの実施形態に基づいて行った構造、方法、又は機能上の変換は、いずれも本出願の保護範囲に含まれる。
【0021】
本出願の各図面において、図示の便宜上、構造又は部分の何らかの寸法は、他の構造又は部分に対して誇張されることがあるため、本出願の主題の基本構造を図示するためのみのものである。
【0022】
図1から図7は、本発明の好ましい実施例の医療用カプセル100を示し、それはシェル部1、前記シェル部1の内部に設けられるPCB基板(Printed Circuit Board,プリント回路基板)群2、機能ユニット、圧力検出ユニット3及び磁石ユニット4を含む。
【0023】
前記シェル部1は生体適合性を有し且つ消化液によって腐食されることがなく、既存のカプセル内視鏡等におけるシェル部材料を流用してもよく、別途設計してもよい。また、前記シェル部1は、他の構造を前記シェル部1内に固定するために、少なくとも2つの部分でつなぎ合わせられている。
【0024】
具体的には、前記シェル部1は軸方向にその一端に位置する開口部を含み、前記圧力検出ユニット3が前記開口部に取り付けられ、それによって前記医療用カプセル100の内部構造配置が合理的になり、迅速な組立が可能で量産化に寄与する。
【0025】
図1図4図7に示す実施例において、前記シェル部1は具体的に、互いに係合される前シェル部10と中シェル部11を含み、両者は接着剤又はレーザ溶接加工によって一体化される。前記前シェル部10と前記中シェル部11との接続部に固定溝14が形成される。前記中シェル部11の前シェル部10から離れる一端が前記開口部を構成し、且つ前記中シェル部11の前記前シェル部10から離れる一端の内部に複数の支持脚13が凸設され、前記固定溝14及び前記支持脚13を設けることで、前記PCB基板群2及び前記圧力検出ユニット3の取付が容易になる。
【0026】
前記PCB基板群2は、フレキシブル配線基板20を介して接続され且つ間隔をおいて設けられる複数のPCB基板を含む。さらに、前記PCB基板群2は、隣接する2つのPCB基板を接続する固定構造をさらに含み、1つの固定構造の縁部が前記固定溝14内に固定されて前記PCB基板群2を前記シェル部1内に固定する。
【0027】
前記固定構造及び隣接するPCB基板のうちの一方に位置決め柱124が設けられ、他方に位置決め穴125が設けられ、両者間の円周方向回転が防止され得る。好ましくは、位置決め柱124が前記固定構造に設けられ、前記位置決め穴125が前記PCB基板に設けられ、製造プロセスが簡単である。
【0028】
具体的には、前記複数のPCB基板は、順に配置される照明回路基板210、画像取得処理基板211、電源基板212及びアンテナ送受信基板213を含む。
【0029】
図1図5図7に示す実施例において、前記固定構造は照明固定構造12を含み、前記照明回路基板210が前記照明固定構造12内に位置し、前記画像取得処理基板211が前記照明固定構造12の前記前シェル部10から離反する側に固定され、前記照明固定構造12の縁部が前記固定溝14内に収容され、糊によって前記シェル部1と互いに固定される。
【0030】
前記照明固定構造12は環状の保持壁120、一部の前記保持壁120の前端から外へ突出して前記固定溝14内に収容可能な保持ブラケット121、前記保持壁120から内部へ突出して前記照明回路基板210を固定及び制限する複数の固定係止部材122、及び前記保持壁120に設けられてフレキシブル配線基板20が通過する切欠部を含み、前記保持壁120は囲むように取付溝123を形成する。
【0031】
前記固定係止部材122は、前後方向に間隔をおいて設けられて前記照明回路基板210を係止保持する2グループの固定係止部材122を含み、前側に位置するグループの固定係止部材122は間隔をおいて設けられる複数の係止部を含み、後側に位置するグループの固定係止部材122は前記保持壁120に沿って延在する帯状の係止リブを含む。好ましくは、前記係止部と前記係止リブがずらして取り付けられ、前記照明回路基板210が前記取付溝123内に収容され、且つ2グループの固定係止部材122間に係止保持され、前記照明回路基板210を接続する前記フレキシブル配線基板20が切欠部から延出して前記画像取得処理基板211に接続される。
【0032】
前記保持壁120の前記前シェル部10から離反する側に位置決め柱124及び/又は位置決め穴125が設けられ、前記画像取得処理基板211にそれと係合する位置決め穴125及び/又は位置決め柱124が設けられる。前記画像取得処理基板211と前記保持壁120が位置決め柱124及び位置決め穴125によって互いに固定され、円周方向回転が防止され得る。好ましくは、前記保持壁120の前記前シェル部10から離れる側に接着剤塗布溝がさらに設けられ、接着剤塗布によって両者の接続安定性が向上する。
【0033】
前記固定構造によって、フレキシブル配線基板20は複数のPCB基板を一体として接続してから、前記保持ブラケット121の縁部を前記固定溝14内に固定し、前記PCB基板群2全体を前記シェル部1内に固定可能であり、組立が容易である。
【0034】
前記機能ユニットは、前記PCB基板群2に電気的に接続される照明ユニット(図示せず)、撮像ユニット5、電池ユニット6及びアンテナ7を含む。
【0035】
具体的には、前記照明ユニットが前記照明回路基板210の前記前シェル部10に向かっている側に固定され、前記撮像ユニット5が前記画像取得処理基板211の前記前シェル部10に向かっている側に固定され、前記電池ユニット6の2つの電極がそれぞれ前記電源基板212、前記アンテナ送受信基板213に電気的に接続され、前記アンテナ7が前記アンテナ送受信基板213に固定される。
【0036】
前記照明回路基板210に撮像ユニット5が前シェル部10の方向に向かって通過する貫通孔2100が設けられる。前記画像取得処理基板211における撮像ユニット5は、貫通孔2100及び環状の前記照明回路基板210の中空部を順に通過して前シェル部10内に配置される。
【0037】
前記電池ユニット6が前記電源基板212と前記アンテナ送受信基板213との間に設けられ、前記固定構造は、それぞれ前記電池ユニット6の正負極両側に位置する電池固定板64をさらに含み、2つの前記電池固定板64がそれぞれ前記電源基板212、前記アンテナ送受信基板213に固定接続され、具体的には位置決め柱124及び位置決め穴125によって固定接続される。
【0038】
さらに、前記電池ユニット6は、直列接続される複数の電池60、隣接する前記電池60を電気的に接続する電池接続片61、前記電池ユニット6の正負両端に接続される電極接続片62を含み、2つの前記電極接続片62がそれぞれ前記電源基板212、前記アンテナ送受信基板213に電気的に接続される。前記電池接続片61は複数の電池60を電池パックとなるように電気的に接続し、前記電極接続片62は電池パックの正極又は負極を対応するPCB基板に接続して電気出力を行わせる。
【0039】
前記電池60はボタン電池であり、前記電池ユニット6は前記電池60の負極周囲に位置する絶縁ガスケット63をさらに含むことで、負極と正極を絶縁させるとともに、電池60を絶縁ガスケット63に位置する電池接続片61又は電極接続片62と絶縁させる。
【0040】
前記電池接続片61は、折り畳み状で、隣接する2つの電池60間に位置し、空間を節約でき、且つ前記電池接続片61は溶接、導電性接着剤等の形で電池60と互いに接続してもよい。前記電極接続片62と前記電池ユニット6の正極負極、PCB基板とは、安定性を向上させるために、好ましくは溶接方式で互いに固定される。前記電極接続片62の前記電池60から離れる一端に凹部が設けられ、それに応じて、電源基板212及び前記アンテナ送受信基板213にポケット2120が設けられ、溶接時に半田を受け入れやすい。
【0041】
また、前記医療用カプセル100は、前記画像取得処理基板211と前記電源基板212との間に設けられる磁石ユニット4をさらに含み、前記磁石ユニット4は磁石、前記磁石の外部に嵌着される磁石固定ハウジング40を含む。
【0042】
前記磁石固定ハウジング40は内部中空の凹溝であり、前記凹溝内部の高さは磁石に適合する。前記磁石固定ハウジング40の両側がそれぞれ位置決め柱124及び位置決め穴125によって前記画像取得処理基板211、前記電源基板212に固定接続され、また、前記磁石固定ハウジング40の下方に接着剤塗布孔41がさらに設けられる。磁石固定ハウジング40の体積が大きいため、接着剤塗布孔41内に糊を注入して隣接するPCB基板と互いに固定させ、それによって構造全体をさらに安定化する。
【0043】
本発明のPCB基板群2と、機能ユニットとは、消化管内で画像を取得するための内視鏡イメージングモジュールを構成し、前記磁石ユニット4は、より良好な角度の画像を取得するために、体外磁場の制御下で前記医療用カプセルの運動及び姿勢を制御する。
【0044】
図1図3を参照し、前記圧力検出ユニット3は消化管内部の圧力を検知するためのものであり、前記中シェル部11の前記前シェル部10から離れる開口部に組み付けられる圧力伝達膜30、前記中シェル部11内に位置し且つ圧力伝達膜30と結合される圧力センサ31及び前記圧力センサ31に電気的に接続される圧力取得処理回路基板32を含む。前記圧力取得処理回路基板32が、フレキシブル配線基板20によって前記PCB基板の1つに接続され、好ましくは、前記圧力取得処理回路基板32が前記開口部に近いアンテナ送受信基板213に接続される。
【0045】
前記圧力伝達膜30はシリコン製のものが好ましく、内から外へ凹設されてなる圧力溝301、前記圧力溝301の底面に設けられる圧力膜302を含み、前記圧力センサ31が前記圧力溝301内に収容され前記圧力膜302に面している。
【0046】
前記圧力伝達膜30は、前記圧力溝301の上端に位置する環状段差部303をさらに含み、前記圧力センサ31が、環状段差部303と噛み合う固定座310によって前記圧力取得処理回路基板32に固定され、このように圧力センサ31と圧力膜302との距離を制限することができる。
【0047】
前記圧力伝達膜30は、その周囲に凹設されてなる接着部304をさらに含み、前記接着部304が糊によって中シェル部11の下端と接着固定され、このように圧力検出ユニット3と中シェル部11との取付構造がより安定化される。
【0048】
前記圧力溝301の横断面はT字形であり、前記圧力溝301の底部に位置する前記圧力膜302の厚さは0.1mm~0.5mmが好ましい。
【0049】
前記圧力取得処理回路基板32が前記支持脚13の前記前シェル部10から離反する側に固定され、前記圧力伝達膜30が前記中シェル部11の前記前シェル部10から離反する一端に組み付けられ、前記圧力センサ31が前記圧力伝達膜30と前記圧力取得処理回路基板32との間に位置する。
【0050】
さらに、前記圧力取得処理回路基板32の直径がPCB基板群2内の他のPCB基板の直径より小さく、且つ前記圧力取得処理回路基板32の周囲に複数の支持脚13に一対一に対応する固定脚320が凸設され、それによって全体の組立が容易になる。参考になり得る組立プロセスは次のとおりである。前記圧力取得処理回路基板32をフレキシブル配線基板20によってアンテナ送受信基板213と一体に接続し、その後、PCB基板群2全体を中シェル部11の前記前シェル部10に近い一端から前記中シェル部11内に挿入し、前記圧力取得処理回路基板32が前記支持脚13間の隙間130を通過して前記支持脚13の前記前シェル部10から離反する側に到達し、その後、糊等を用いて前記固定脚320と前記支持脚13とを一対一に固定する。
【0051】
以上のように、本発明は前記PCB基板群2と機能ユニットを組み合わせて内視鏡イメージングモジュールを構成し、圧力検出ユニット3によって消化管の圧力検出を実現し、それによって医療用カプセルの機能を多様化し、また、圧力検出ユニット3をシェル部1の開口部側に設けることで、前記医療用カプセルの内部構造配置を合理的にし、迅速な組立が可能で量産化に寄与する。そして、本発明は拡張しやすいという特徴を有し、異なる機能の追加が必要である場合、順にPCB基板、機能素子及び対応する固定部材を追加すればよく、医療用カプセルの機能拡張に便宜を与える。
【0052】
なお、本明細書は実施形態に基づいて説明をしたが、各実施形態に1つのみの独立した技術的解決手段が含まれるわけではなく、明細書におけるこのような記載方式は明確化のためのものに過ぎないことを理解すべきであり、当業者であれば、明細書を全体と見なすべきであり、各実施形態における技術的解決手段も適宜組み合わせて、当業者の理解できる他の実施形態を形成することが可能である。
【0053】
上記で記載された一連の詳細な説明は本発明の実行可能な実施形態についての具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではなく、本発明の趣旨から逸脱することなくなされた均等の実施形態又は変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0054】
100 医療用カプセル
1 シェル部
10 前シェル部
11 中シェル部
13 支持脚
130 隙間
14 固定溝
12 照明固定構造
120 保持壁
121 保持ブラケット
122 固定係止部材
123 取付溝
124 位置決め柱
125 位置決め穴
2 PCB基板群
20 フレキシブル配線基板
210 照明回路基板
2100 貫通孔
211 画像取得処理基板
212 電源基板
2120 ポケット
213 アンテナ送受信基板
3 圧力検出ユニット
30 圧力伝達膜
301 圧力溝
302 圧力膜
303 環状段差部
304 接着部
31 圧力センサ
310 固定座
32 圧力取得処理回路基板
320 固定脚
4 磁石ユニット
40 磁石固定ハウジング
41 接着剤塗布孔
5 撮像ユニット
6 電池ユニット
60 電池
61 電池接続片
62 電極接続片
63 絶縁ガスケット
64 電池固定板
7 アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】