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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】電池アセンブリ及び医療用カプセル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/51 20210101AFI20230629BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20230629BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20230629BHJP
【FI】
H01M50/51
H01M50/247
H01M50/284
H01M50/50 101
H01M50/505
H01M50/516
H01M50/522
H01M50/588
H01M50/593
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574239
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2021096832
(87)【国際公開番号】W WO2021244432
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202010486148.6
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1, No. 2218 Jinsui Road, Pilot Free Trade Zone, Shanghai, 200131, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リウ レイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ハオ
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AS18
5H040AT03
5H040AY02
5H040DD03
5H040DD07
5H040DD13
5H040DD24
5H040JJ03
5H040LL01
5H040LL06
5H043AA04
5H043BA04
5H043CA07
5H043CA22
5H043FA04
5H043FA22
5H043GA23
5H043GA24
5H043GA26
5H043HA13F
5H043HA16F
5H043HA17F
5H043JA15F
5H043KA06F
5H043KA07F
5H043KA08F
(57)【要約】
本発明は、電池アセンブリ及び医療用カプセルを提供し、電池アセンブリは、少なくとも2個の直列接続された電池を含む組電池と、前記組電池の正極に電気的に接続される正極接続片、前記組電池の負極に電気的に接続される負極接続片、任意の隣接する2つの電池のうちの一方の正極及び他方の負極のいずれにも電気的に接続される中間接続片を含む複数の接続片と、を含む。複数の接続片によって組電池の総電圧又は部分電圧を選択的に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個の直列接続された電池を含む組電池と、
前記組電池の正極に電気的に接続される正極接続片、前記組電池の負極に電気的に接続される負極接続片、任意の隣接する2つの電池のうちの一方の正極及び他方の負極のいずれにも電気的に接続される中間接続片を含む前記組電池に電気的に接続される複数の接続片と、を含むことを特徴とする、電池アセンブリ。
【請求項2】
前記電池は酸化銀電池であることを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項3】
前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片であることを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項4】
前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有することを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項5】
前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極又は負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の他方側に向かって延在することを特徴とする、請求項4に記載の電池アセンブリ。
【請求項6】
隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項7】
前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含むことを特徴とする、請求項6に記載の電池アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の電池アセンブリを含むことを特徴とする、医療用カプセル。
【請求項9】
前記医療用カプセルは振動カプセルであり、前記医療用カプセルはシェルと、前記シェル内に位置する振動源及び制御ユニットとをさらに含み、前記制御ユニットはPCB基板を含み、前記正極接続片、前記負極接続片はともに前記PCB基板に電気的に接続され、前記振動源は前記PCB基板及び前記中間接続片の両方に電気的に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の医療用カプセル。
【請求項10】
前記電池は酸化銀電池であることを特徴とする、請求項8に記載の医療用カプセル。
【請求項11】
前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片であることを特徴とする、請求項8に記載の医療用カプセル。
【請求項12】
前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有することを特徴とする、請求項8に記載の医療用カプセル。
【請求項13】
前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極又は負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の他方側に向かって延在することを特徴とする、請求項12に記載の医療用カプセル。
【請求項14】
前記電池アセンブリは隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の医療用カプセル。
【請求項15】
前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含むことを特徴とする、請求項14に記載の医療用カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の分野に関し、特に、複数種類の電圧を出力可能な電池アセンブリ及び医療用カプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、より高度な医療機器はヒト疾患の診断及び治療のために開発されている。振動カプセルや内視鏡カプセル等に代表される嚥下可能医療技術の発展により、治療方式の快適性が大幅に改善され、臨床的交差感染の発生が回避される。
【0003】
嚥下可能な医療用カプセルにおいて、電池ユニットは他の内部コンポーネントの電源となるため、その安全性、安定性等の要素を全面的に評価する必要がある。現在、カプセル医療装置の使用に対応できる大容量の単一電池は少なく、基本的にリチウム電池だけが対応できるが、リチウム電池の汎用における安全性はまだ検証されていない。
【0004】
これに鑑みて、上記技術的課題を解決するために、改良された電池アセンブリ及び医療用カプセルを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、複数種類の電圧を出力可能な電池アセンブリ及び医療用カプセルを提供することである。
【0006】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【0007】
少なくとも2個の直列接続された電池を含む組電池と、
前記組電池の正極に電気的に接続される正極接続片、前記組電池の負極に電気的に接続される負極接続片、任意の隣接する2つの電池のうちの一方の正極及び他方の負極のいずれにも電気的に接続される中間接続片を含む前記組電池に電気的に接続される複数の接続片と、を含む、電池アセンブリである。
【0008】
さらに、前記電池は酸化銀電池である。
【0009】
さらに、前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片である。
【0010】
さらに、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有する。
【0011】
さらに、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極又は負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の他方側に向かって延在する。
【0012】
さらに、前記電池アセンブリは隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含む。
【0013】
さらに、前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含む。
【0014】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段をさらに採用する。
【0015】
前述した電池アセンブリを含む医療用カプセルである。
【0016】
さらに、前記医療用カプセルは振動カプセルであり、前記医療用カプセルは、シェルと、前記シェル内に位置する振動源及び制御ユニットとをさらに含み、前記制御ユニットはPCB基板を含み、前記正極接続片、前記負極接続片はともに前記PCB基板に電気的に接続され、前記振動源は前記PCB基板及び前記中間接続片の両方に電気的に接続される。
【0017】
さらに、前記電池は酸化銀電池である。
【0018】
さらに、前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片である。
【0019】
さらに、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有する。
【0020】
さらに、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極又は負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の他方側に向かって延在する。
【0021】
さらに、前記電池アセンブリは隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含む。
【0022】
さらに、前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含む。
【0023】
本発明の有益な効果として、前記電池アセンブリは、前記正極接続片、前記負極接続片によって前記組電池の総電圧を出力することができるとともに、前記正電極又は前記負電極のうちの一方と前記中間接続片との協働によって、組電池の一部の電圧を出力することもできる。これにより、異なる電気素子に異なる電圧を供給することができるとともに、必要に応じて同一の電気素子に異なる電圧を供給することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下において、実施例又は従来技術の記述に用いられる図面について簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は単に本発明の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、提供される図面に基づいて他の図面に想到し得る。
図1】本発明の好ましい一実施例の電池アセンブリの構造模式図である。
図2図1中の1つの電池の負極、絶縁片及び負極接続片の組立模式図である。
図3図1中の1つの電池の正極と正極接続片の組立模式図である。
図4図1中の1つの中間接続片は隣接する2つの電池の正極、負極にそれぞれ接続される模式図である。
図5】第1絶縁片の構造模式図である。
図6】本発明の好ましい一実施例の医療用カプセルの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下において、図面に示す具体的な実施形態を参照しながら、本発明を詳しく説明する。しかし、これらの実施形態は、本発明を制限するものではなく、当業者がこれらの実施形態に基づいて行った構造、方法、又は機能上の変換は、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
【0026】
本発明の各図面において、図示の便宜上、構造又は部分の一部の寸法は他の構造又は部分に対して誇張されているため、これらは単に本発明の主題の基本構造を図示するためのものである。
【0027】
上記で確認した技術的課題を解決するために、図1図5に示すように、本発明の電池アセンブリ100は、組電池1と、前記組電池1に電気的に接続される複数の接続片2とを含む。該電気的な接続は、溶接又は導電性接着剤によって実現することができる。
【0028】
前記組電池1は少なくとも2個の直列接続された電池11を含む。好ましくは、少なくとも2つの電池11が積層して設けられ、前記電池11の数は所望の出力電圧に応じて調整することができる。
【0029】
一具体的な実施例において、前記電池11はボタン型酸化銀電池であり、体積が小さく、安全性及び安定性がいずれも医療用カプセル200のセキュリティ要件を満たすことができる。
【0030】
前記複数の接続片2は、前記組電池1の正極111に電気的に接続される正極接続片21、組電池1の負極112に電気的に接続される負極接続片22、任意の隣接する2つの電池11のうちの一方の正極111及び他方の負極112のいずれにも電気的に接続される中間接続片23を含む。したがって、前記正極接続片21、前記負極接続片22によって前記組電池1の総電圧を出力することができるとともに、前記正電極又は前記負電極のうちの一方と前記中間接続片23との協働によって、組電池1の一部の電圧を出力することもでき、異なる電気素子に電力を供給すること、又は必要に応じて同一の電気素子に異なる電圧を供給することが実現される。
【0031】
「組電池1の一部の電圧を出力する」こととは、前記組電池1は少なくとも2個の直列接続された電池11を含み、前記正電極又は前記負電極のうちの一方と前記中間接続片23との協働によって、そのうちのN個の電池11の電圧を出力することをいい、Nは前記組電池1に含まれる電池11の総数以下の整数である。例えば、前記組電池1は2個の直列接続された電池11を含む場合に、1個の電池11の電圧を出力することができる。
【0032】
前記中間接続片23と前記正極接続片21との間に直列接続された電池11の数、前記中間接続片23と前記負極接続片22との間に直列接続された電池11の数は、いずれも所望の出力電圧に応じて調整することができる。例えば、前記中間接続片23と前記正極接続片21との間に1つの前記電池11が直列接続され、又は前記中間接続片23と前記負極接続片22との間に1つの前記電池11が直列接続されている場合は、単一の前記電池11の電圧を出力することができる。
【0033】
前記接続片2は、前記電池11に溶接される溶接部24、前記溶接部24に接続される出力部25をさらに含む。通常、前記溶接部24と前記出力部25は一体的に設けられ、前記出力部25は、前記医療用カプセル200内に装着しやすいように、所望の形状に折り曲げることができる。ここでいう前記接続片2は、前記正極接続片21、前記負極接続片22及び前記中間接続片23を含む。
【0034】
図1図2及び図3に示すように、前記正極接続片21、前記負極接続片22は構造が類似し、それらの溶接部24は、前記組電池1との多点溶接を容易にし、溶接の安定性を向上させるように、円形を呈する。前記溶接部24には複数の溶接点が含まれ、例えば、前記溶接部24は少なくとも4つの溶接点を含み、はんだ付け、高圧スポット溶接又はレーザスポット溶接によって溶接し、電力供給の安定性を向上させることができる。それらの出力部251、252は折り曲げやすい棒状を呈する。
【0035】
好ましい解決手段において、前記接続片2と前記電池11の電極との間の接続はスポット溶接法が採用され、レーザスポット溶接は一貫性が高く、自動化程度が高いことから好ましい。前記接続片2とPCB基板(Printed Circuit Board,プリント回路基板)又は負荷電気素子との間は、溶接の安定性を維持するために、はんだ付けを採用する。
【0036】
図1図4に示すように、前記中間接続片23は全体として棒状を呈し、その溶接部を隣接する2つの電池11に溶接した後、2つの電池11の間に積層される。
【0037】
さらに、前記接続片2は、ニッケルめっきSPCC(Cold Rolled Steel,一般用冷間圧延鋼板及び鋼帯)鋼片、ニッケル片又は銅片であり、前記電池11の電極、PCB基板、負荷電気素子に溶接することができる。はんだ付け不良を効果的に回避できることから、純ニッケル片が好ましい。純ニッケル片は業界で一般的に言及される純ニッケルから形成され、ニッケル含有量が100%の純ニッケルだけを指すのではなく、精製工程で排除できない微量の不純物が含まれていてもよい。
【0038】
前記正極接続片21の出力部251、前記負極接続片22の出力部252は、前記組電池1の正極111又は負極112が位置する側に向かって延在して、同一のPCB基板に溶接される。前記中間接続片23の出力部253は前記組電池1の他方側に向かって延在する。前記中間接続片23の出力部253はある負荷電気素子に接続されることで、PCB基板と協働して該負荷電気素子に組電池1全体の部分電圧を出力することができる。
【0039】
一具体的な実施例において、例えば、図1図5に示すように、前記正極接続片21の出力部251、前記負極接続片22の出力部252はともに前記組電池1の正極111が位置する側に向かって延在して、PCB基板に溶接される。前記中間接続片23の出力部253は前記組電池1の負極112が位置する側に向かって延在する。
【0040】
上記いずれかの実施例を基に、前記電池アセンブリ100は絶縁アセンブリ3をさらに含み、当業者であれば、短絡を回避するために、絶縁が必要な2つの部材の間に前記絶縁アセンブリ3が設けられることが理解可能である。例えば、前記絶縁アセンブリ3は、隣接する電池11の間に設けられ、又は前記接続片2と前記電池11との間に設けられ、又は前記電池アセンブリ100と隣接するPCB基板との間に設けられ、又は前記電池アセンブリ100と隣接する他の電気素子との間に設けられる。
【0041】
具体的に、前記絶縁アセンブリ3は、前記電池11の負極112の周囲に位置する環状の絶縁ガスケット31を含み、該絶縁ガスケット31は、デバイス又は他の電気的接触による前記電池11の正極領域及び負極領域の短絡を回避するために、前記電池11の負極112周囲の正極部分を丁度覆うように前記電池11の負極112に貼り付けられる。例えば、前記負極112と前記負極112周囲の正極部分とを隔絶するか、又は前記負極112に接続される接続片2と前記負極112周囲の正極部分とを隔絶することができる。
【0042】
前記絶縁ガスケット31は、接着剤付のPET(polyethylene terephthalate,ポリエチレンテレフタレート)材質、又はPVC(polyvinyl chloride,リ塩化ビニル)材質、又はPP(polypropylene,ポリプロピレン)材質、又はPA(polyamide,ポリアミド)材質の薄膜である。前記絶縁ガスケット31の厚さは0.01mm~0.5mm、好ましくは0.05mm~0.15mmであり、該厚さは良好な加工歩留まりと優れた絶縁特性を両立できる。
【0043】
また、図1図5に示すように、前記正極接続片21の出力部251、前記負極接続片22の出力部252はともに前記組電池1の正極111が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片23の出力部253は前記組電池1の負極112が位置する側に向かって延在する。前記負極接続片22と前記組電池1の側壁との間には絶縁が必要である。前記絶縁アセンブリ3は、前記負極接続片22の出力部252の前記電池11に向かう側に位置して、前記負極接続片22と前記組電池1の側壁との間を絶縁する第1絶縁片32をさらに含む。好ましくは、前記第1絶縁片32は折れ曲がって、前記正極接続片21の前記組電池1から離反する側まで延在し、電池アセンブリ100全体と前記PCB基板とを絶縁分割する。
【0044】
本実施例において、前記中間接続片23の溶接部と前記組電池1の負極112との間に電池11が1個のみである場合、前記中間接続片23の出力部253と該電池11の側壁との間は絶縁する必要がなく、したがって、前記中間接続片23の出力部253の前記電池11に向かう側に絶縁片を設けても設けなくてもよい。前記中間接続片23の溶接部と前記組電池1の負極112との間に少なくとも2つの電池11がある場合、短絡の発生を防止するために、前記中間接続片23の出力部253の前記電池11に向かう側に絶縁片を設ける必要がある。
【0045】
あるいは、前記正極接続片21の出力部251、前記負極接続片22の出力部252はともに前記組電池1の負極112が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片23の出力部253は前記組電池1の正極111が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリ3は、前記正極接続片21の出力部251の前記電池11に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片23の出力部253の前記電池11に向かう側に位置する第3絶縁片をさらに含む。
【0046】
本発明の電池アセンブリ100は、様々な医療用カプセル200に使用することができ、前記医療用カプセル200は振動カプセル、内視鏡カプセル等を含むが、これらに限定されない。
【0047】
一具体的な実施例において、図6に示すように、前記医療用カプセル200は、振動カプセルであり、シェル4、前記シェル4内に位置する振動源5、前記電池アセンブリ100、及び制御ユニット6を含む。振動源5、電池アセンブリ100及び制御ユニット6は固定構造7によって前記シェル4内に固定される。
【0048】
前記シェル4及び前記振動源5はいずれも従来技術のいずれかを採用し、前記電池アセンブリ100は上記のいずれか1種である。
【0049】
前記制御ユニット6は、PCB基板61と、前記PCB基板61上に通信接続されたリードスイッチ62とを含み、前記正極接続片21、前記負極接続片22はともに前記PCB基板61に電気的に接続され、前記振動源5は前記PCB基板61及び前記中間接続片23の両方に電気的に接続され、したがって、前記振動源5の許容電圧範囲内で異なる電圧を出力することができる。
【0050】
以上より、本発明の電池アセンブリ100は、前記正極接続片21、前記負極接続片22によって前記組電池1の総電圧を出力することができるとともに、前記正電極又は前記負電極のうちの一方と前記中間接続片23との協働によって、組電池1の一部の電圧を出力することもできる。これにより、異なる電気素子に電力を供給し、又は必要に応じて同一の電気素子に異なる電圧を供給する。
【0051】
なお、本明細書は実施形態により説明したが、各実施形態は1つの独立した技術的解決手段だけを含むものではなく、明細書においてこのように説明するのは、明瞭さのために過ぎないことを理解すべきである。当業者は明細書を全体とすべきであり、各実施形態における技術的解決手段は、当業者の理解できる他の実施形態を形成するために適宜組み合わせられ得る。
【0052】
上記の一連の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施形態についての具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない等価の実施形態又は変更は全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0053】
100 電池アセンブリ
1 組電池
11 電池
111 正極
112 負極
2 接続片
21 正極接続片
22 負極接続片
23 中間接続片
24 溶接部
25 出力部
251 正極接続片の出力部
252 負極接続片の出力部
253 中間接続片の出力部
3 絶縁アセンブリ
31 絶縁ガスケット
32 第1絶縁片
200 医療用カプセル
4 シェル
5 振動源
6 制御ユニット
61 PCB基板
62 リードスイッチ
7 固定構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個の直列接続された電池を含む組電池と、
前記組電池の正極に電気的に接続される正極接続片、前記組電池の負極に電気的に接続される負極接続片、任意の隣接する2つの電池のうちの一方の正極及び他方の負極のいずれにも電気的に接続される中間接続片を含む前記組電池に電気的に接続される複数の接続片と、を含み、
前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片はいずれも出力部を有しており、
前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極又は負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の他方側に向かって延在することを特徴とする、電池アセンブリ。
【請求項2】
前記電池は酸化銀電池であることを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項3】
前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片であることを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項4】
前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有することを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項5】
隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項6】
前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含むことを特徴とする、請求項5に記載の電池アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の電池アセンブリを含むことを特徴とする、医療用カプセル。
【請求項8】
前記医療用カプセルは振動カプセルであり、前記医療用カプセルはシェルと、前記シェル内に位置する振動源及び制御ユニットとをさらに含み、前記制御ユニットはPCB基板を含み、前記正極接続片、前記負極接続片はともに前記PCB基板に電気的に接続され、前記振動源は前記PCB基板及び前記中間接続片の両方に電気的に接続されることを特徴とする、請求項7に記載の医療用カプセル。
【請求項9】
前記電池は酸化銀電池であることを特徴とする、請求項7に記載の医療用カプセル。
【請求項10】
前記接続片はニッケルめっきSPCC鋼片、ニッケル片又は銅片であることを特徴とする、請求項7に記載の医療用カプセル。
【請求項11】
前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有することを特徴とする、請求項7に記載の医療用カプセル。
【請求項12】
前記電池アセンブリは隣接する電池の間に設けられる又は前記接続片と前記電池との間に設けられる絶縁アセンブリをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の医療用カプセル。
【請求項13】
前記絶縁アセンブリは前記電池の負極の周囲に位置する絶縁ガスケットを含み、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記負極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第1絶縁片を含み、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に1つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設けるか又は絶縁片を設けず、前記中間接続片の溶接部と前記組電池の負極との間に少なくとも2つの電池がある場合、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に絶縁片を設け、
又は、前記正極接続片、前記負極接続片及び前記中間接続片のいずれもが、前記電池の電極に溶接される溶接部、前記溶接部に接続される出力部を有し、前記正極接続片の出力部、前記負極接続片の出力部はともに前記組電池の負極が位置する側に向かって延在し、前記中間接続片の出力部は前記組電池の正極が位置する側に向かって延在し、前記絶縁アセンブリは前記正極接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第2絶縁片、前記中間接続片の出力部の前記電池に向かう側に位置する第3絶縁片を含むことを特徴とする、請求項12に記載の医療用カプセル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
上記いずれかの実施例を基に、前記電池アセンブリ100は絶縁アセンブリ3をさらに含み、当業者であれば、短絡を回避するために、絶縁が必要な2つの部材の間に前記絶縁アセンブリ3が設けられることが理解可能である。例えば、前記絶縁アセンブリ3は、隣接する電池11の間に設けられ、又は前記接続片2と前記電池11との間に設けられ、又は前記組電池1と隣接するPCB基板との間に設けられ、又は前記電池アセンブリ100と隣接する他の電気素子との間に設けられる。
【国際調査報告】