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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】乾燥機器用の凝縮器及び乾燥機器
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/24 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
D06F58/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574242
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2021093374
(87)【国際公開番号】W WO2021223766
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】202010490515.X
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522467862
【氏名又は名称】チョンチン ハイアール ローラー ウォッシング マシーン カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517417854
【氏名又は名称】青島海爾▲滾▼筒洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER DRUM WASHING MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District,Qingdao,Shandong 266101,China
(71)【出願人】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】タオ リー
(72)【発明者】
【氏名】ロン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホン シュー
(72)【発明者】
【氏名】チェンリャン リウ
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA05
3B166AB22
3B166AB30
3B166AB33
3B166AE07
3B166BA55
3B166EA11
3B166EA17
3B166ED05
(57)【要約】
乾燥機器用の凝縮器及び乾燥機器であって、当該凝縮器の中空室の前側壁には第1の円弧状構造、第2の円弧状構造及び分流構造が設置され、分流構造は吸気口と対向し、中空室の左側壁及び右側壁は両方とも円弧状に設置され、分流構造は、吸気口から入った気体を第1の気流及び第2の気流に分割することができ、かつ、第1の気流及び第2の気流のそれぞれを大体第1の円弧状構造の接線方向及び第2の円弧状構造の接線方向に沿って第1の円弧状構造及び第2の円弧状構造のそれぞれに入ることができ、それにより第1の気流及び第2の気流を遠心的に旋回上昇させることができる。第1の気流及び第2の気流を遠心的に旋回上昇させることにより、第1の気流及び第2の気流の凝縮器本体における行程が長くなり、それにより、冷却効果を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機器用の凝縮器であって、前記凝縮器は、本体及び冷却水管を含み、前記冷却水管の排水端は、前記本体の内部に形成される中空室と連通し、
前記中空室の前側壁には、第1の円弧状構造、第2の円弧状構造及び前記第1の円弧状構造と前記第2の円弧状構造との間に位置する分流構造が設置され、前記中空室の後側壁には吸気口が設置され、前記分流構造は前記吸気口と対向し、前記中空室の左側壁及び右側壁は両方とも円弧状に設置され、前記左側壁の両端は、それぞれ前記第1の円弧状構造及び前記後側壁に滑らかに連結され、前記右側壁の両端は、それぞれ前記第2の円弧状構造及び前記後側壁に滑らかに連結され、前記分流構造は、前記吸気口から入った気体を第1の気流及び第2の気流に分割でき、かつ、前記第1の気流及び前記第2の気流のそれぞれを大体前記第1の円弧状構造の接線方向及び前記第2の円弧状構造の接線方向に沿って前記第1の円弧状構造及び前記第2の円弧状構造のそれぞれに入らせることができるように設置され、それにより、前記第1の気流を前記第1の円弧状構造、前記左側壁及び前記後側壁の左側部分に沿って遠心的に旋回上昇させることができ、かつ、前記第2の気流を前記第2の円弧状構造、前記右側壁及び前記後側壁の右側部分に沿って遠心的に旋回上昇させることができる、
ことを特徴とする乾燥機器用の凝縮器。
【請求項2】
前記第1の気流と前記第2の気流とが略等量になるように、前記分流構造は左右対称に設置されるとともに、前記分流構造の中心線は前記吸気口の中心線と重なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の凝縮器。
【請求項3】
前記第1の気流及び前記第2の気流がそれぞれ前記第1の円弧状構造及び前記第2の円弧状構造にスムーズに流すことができるように、前記後側壁には第1の円弧状ガイド構造及び第2の円弧状ガイド構造が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の凝縮器。
【請求項4】
前記前側壁には導水溝が設置され、前記導水溝の頂端は前記冷却水管の排水端に連結され、前記導水溝の底端は前記分流構造に連結される、
ことを特徴とする請求項1に記載の凝縮器。
【請求項5】
前記導水溝は、上から下にかけて前記後側壁に近い方向に沿って斜めに設置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の凝縮器。
【請求項6】
前記分流構造は、上から下にかけて前記後側壁から遠い方向に沿って斜めに設置される、
ことを特徴とする請求項4に記載の凝縮器。
【請求項7】
前記分流構造は第1の円弧状分流部及び第2の円弧状分流部を含み、前記第1の円弧状分流部の一端は、前記第1の円弧状構造に滑らかに連結され、前記第1の円弧状分流部の他端は、前記第2の円弧状分流部の一端に滑らかに連結され、前記第2の円弧状分流部の他端は前記第2の円弧状構造に滑らかに連結される、
ことを特徴とする請求項4に記載の凝縮器。
【請求項8】
前記後側壁の左側部分には、前記第1の気流中の水滴を前記第1の気流から分離するために、第1の水切り溝が設置されている、
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の凝縮器。
【請求項9】
前記後側壁の右側部分には、前記第2の気流中の水滴を前記第1の気流から分離するために、第2の水切り溝が設置されている、
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の凝縮器。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の凝縮器が含まれる、
ことを特徴とする乾燥機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機器技術の分野に関し、具体的には、乾燥機器用の凝縮器及び乾燥機器を提供する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機器とは、熱空気を用いて衣類を乾燥することができる機器を言う。乾燥機器には、主に洗濯乾燥一体機、衣服乾燥機又は乾燥機などが含まれる。
【0003】
洗濯乾燥一体機を例として、洗濯乾燥一体機には、主にキャビネット、キャビネット内に設置された衣類処理槽、加熱装置、凝縮器及びファンが含まれ、ファンは、空気が衣類処理槽、加熱装置及び凝縮器の間を循環して流れるように動力を提供し、加熱装置の作用下で、乾燥した空気は、乾燥した熱空気に加熱されてから、衣類処理槽内に入って、湿っている衣類と熱交換を行って、衣類中の水分を奪い、湿っている熱空気を形成し、その後、凝縮器に入り、凝縮器の凝縮作用を経て、湿っている熱空気中の水分が凝縮されて水になってから、排水管を介して排出され、凝縮後の空気は比較的乾燥した冷空気になり、その後、加熱装置の加熱により乾燥した熱空気になった後に、次の循環に入り、このように、乾燥工程が終了するまで繰り返される。
【0004】
凝縮器に用いられる凝縮方式は複数あり、そのうち比較的一般的な1つは、冷媒として水を利用して乾燥空気と熱交換を行うことにより、熱空気中の水分を凝縮させて空気から分離することである。このような凝縮器には、通常、冷却水管が連結されている通路状本体が1つある。湿熱した乾燥空気は凝縮器本体内を下から上へ通過し、その間、冷却水は上から下に流出し、湿熱空気と熱交換を行う。しかしながら、空間の制約から、凝縮装置の本体の空間高さが限られており、湿熱空気と冷却水との熱交換の行程が非常に短い。
【0005】
特許文献1には衣服乾燥機が開示され、衣類を収容する槽、槽空間と連通する凝縮器、及び槽から凝縮器へ流れるように空気を促進するファンを含み、凝縮器は本体、本体の底部の附近に連結される吸気通路及び本体の頂部に近い空気出口を有し、吸気通路が大体本体の横断面の接線方向に沿って延伸して、吸気通路から本体に入った空気は、本体側壁に沿って遠心的に旋回上昇する。つまり、空気を凝縮器の側壁遠心的に沿って旋回上昇させることにより、空気の凝縮器本体内での行程が長くなり、より多くの熱交換を取得できる。しかしながら、当該特許文献の図1に示すように、既存の衣服乾燥機のキャビネット内の、凝縮器を取り付けるための空間は細長い形状であり、長手方向においては空間が大きいが、幅方向においては空間が限られており、幅方向での制約を受け、当該特許における凝縮器の本体のサイズは小さく、それにより、凝縮器の本体の熱交換空間も小さい。
【0006】
そのため、当分野では、上記の問題を解決するための、新規乾燥機器用の凝縮器及び対応する乾燥機器を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許第104711833号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術における上記の問題を解決するために、即ち、従来の乾燥機器の凝縮器の冷却効果が悪いという問題を解決するために、本発明は、乾燥機器用の凝縮器を提供し、前記凝縮器は、本体及び冷却水管を含み、前記冷却水管の排水端は、前記本体の内部に形成される中空室と連通し、前記中空室の前側壁には、第1の円弧状構造、第2の円弧状構造及び前記第1の円弧状構造と前記第2の円弧状構造との間に位置する分流構造が設置され、前記中空室の後側壁には吸気口が設置され、前記分流構造は前記吸気口と対向し、前記中空室の左側壁及び右側壁は両方とも円弧状に設置され、前記左側壁の両端は、それぞれ前記第1の円弧状構造及び前記後側壁に滑らかに連結され、前記右側壁の両端は、それぞれ前記第2の円弧状構造及び前記後側壁に滑らかに連結され、前記分流構造は、前記吸気口から入った気体を第1の気流及び第2の気流に分割でき、かつ、前記第1の気流及び前記第2の気流のそれぞれを大体前記第1の円弧状構造の接線方向及び前記第2の円弧状構造の接線方向に沿って前記第1の円弧状構造及び前記第2の円弧状構造のそれぞれに入らせることができるように設置され、それにより、前記第1の気流を前記第1の円弧状構造、前記左側壁及び前記後側壁の左側部分に沿って遠心的に旋回上昇させることができ、かつ、前記第2の気流を前記第2の円弧状構造、前記右側壁及び前記後側壁の右側部分に沿って遠心的に旋回上昇させることができる。
【0009】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記第1の気流と前記第2の気流とが略等量になるように、前記分流構造は左右対称に設置されるとともに、前記分流構造の中心線は前記吸気口の中心線と重なる。
【0010】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記第1の気流及び前記第2の気流がそれぞれ前記第1の円弧状構造及び前記第2の円弧状構造にスムーズに流すことができるように、前記後側壁には第1の円弧状ガイド構造及び第2の円弧状ガイド構造が設置される。
【0011】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記前側壁には導水溝が設置され、前記導水溝の頂端は前記冷却水管の排水端に連結され、前記導水溝の底端は前記分流構造に連結される。
【0012】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記導水溝は、上から下にかけて前記後側壁に近い方向に沿って斜めに設置される。
【0013】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記分流構造は、上から下にかけて前記後側壁から遠い方向に沿って斜めに設置される。
【0014】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記分流構造は第1の円弧状分流部及び第2の円弧状分流部を含み、前記第1の円弧状分流部の一端は、前記第1の円弧状構造に滑らかに連結され、前記第1の円弧状分流部の他端は、前記第2の円弧状分流部の一端に滑らかに連結され、前記第2の円弧状分流部の他端は前記第2の円弧状構造に滑らかに連結される。
【0015】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記後側壁の左側部分には、前記第1の気流中の水滴を前記第1の気流から分離するために、第1の水切り溝が設置されている。
【0016】
上記の凝縮器の好ましい技術案において、前記後側壁の右側部分には、前記第2の気流中の水滴を前記第1の気流から分離するために、第2の水切り溝が設置されている。
【0017】
一方、本発明では、乾燥機器をさらに提供し、前記乾燥機器には、上記の凝縮器が含まれる。
【0018】
当業者であれば理解できるように、本発明の好ましい技術案において、凝縮器の中空室の前側壁には、第1の円弧状構造、第2の円弧状構造及び第1の円弧状構造と第2の円弧状構造との間に位置する分流構造が設置されており、中空室の左側壁及び右側壁は両方とも円弧状に設置され、左側壁の両端は、それぞれ第1の円弧状構造及び後側壁に滑らかに連結され、右側壁の両端は、それぞれ第2の円弧状構造及び後側壁に滑らかに連結され、中空室の後側壁には吸気口が設置されており、分流構造は吸気口と対向し、それにより吸気口から入った気体がちょうど分流構造に衝突することが可能で、分流構造は、気流を第1の気流及び第2の気流に分割することができ、かつ、第1の気流を大体第1の円弧状構造の接線方向に沿って第1の円弧状構造に入らせてから、第1の円弧状構造、左側壁及び後側壁の左側部分に沿って逆時計回りに遠心的に旋回上昇させることができ、及び、第2の気流を大体第2の円弧状構造の接線方向に沿って前記第2の円弧状構造に入らせてから、第2の円弧状構造、右側壁及び後側壁の右側部分に沿って時計回りに遠心的に旋回上昇させることができる。第1の気流及び第2の気流を遠心的に旋回上昇させることにより、凝縮器の本体における第1の気流及び第2の気流の行程が長くなるため、冷却効果を向上させることができる。また、特許文献1に開示された凝縮器と比べ、幅方向におけるサイズが同じである場合、本発明の凝縮器の長手方向におけるサイズがより大きく、対応して、凝縮器の本体内の熱交換空間もより大きく、冷却効果もより良い。
【0019】
さらに、分流構造は、左右対称に設置されるとともに、分流構造の中心線は吸気口の中心線と重なり、このような設置により、第1の気流及び第2の気流を略等量にすることができ、こうすると、第1の気流及び第2の気流が後側壁に近い位置で会った後、互いにぶつかって散乱させることなく、相互作用下で、前側壁に向かって平行に流れ、その後、それぞれ前側壁に設置されている第1の円弧状構造及び第2の円弧状構造に入る。
【0020】
さらに、第1の気流及び第2の気流がそれぞれ第1の円弧状構造及び第2の円弧状構造にスムーズに流れるように、後側壁には第1の円弧状ガイド構造及び第2の円弧状ガイド構造が設置されている。このような設置により、第1の円弧状ガイド構造及び第2の円弧状ガイド構造のガイド作用下で、第1の気流と第2の気流とが直接衝突することを回避でき、第1の気流と第2の気流とが合う時、第1の気流の移動傾向及び第2の気流の移動傾向は、いずれも前側壁を向くため、第1の気流と第2の気流とが会った後、互いに作用することができ、それにより、第1の気流が第1の円弧状構造に向いて移動し、第2の気流が第2の円弧状構造に向いて移動する。
【0021】
さらに、前側壁には導水溝が設置され、導水溝の頂端は冷却水管の排水端に連結され、導水溝の底端は分流構造に連結される。このような設置により、冷却水が分流構造まで流れると、気体の衝突(吸気口から入った気体が直接分流構造に衝突する)を受け、衝突力の作用下で、水流が水膜に散乱され、熱交換面積が大きくなり、気体とより十分に熱交換を行うことができ、それにより冷却効果が向上し、かつ、水流は散乱された後にも第1の気流及び第2の気流と共に移動することができ、熱交換面積をさらに増大させ、冷却効果をさらに向上させることができる。
【0022】
さらに、分流構造は、上から下にかけて後側壁から遠い方向に沿って斜めに設置される。このような設置により、水流がより容易に散乱されるように、冷却水及び分流構造の表面の付着力を低減することができる。
【0023】
さらに、導水溝は、上から下にかけて後側壁に近い方向に沿って斜めに設置される。このような設置により、冷却水が導水溝に沿ってスムーズに流れるように、冷却水が導水溝から外れることを回避できる。
【0024】
さらに、分流構造は第1の円弧状分流部及び第2の円弧状分流部を含み、第1の円弧状分流部の一端は第1の円弧状構造に滑らかに連結され、第1の円弧状分流部の他端は第2の円弧状分流部の一端に滑らかに連結され、第2の円弧状分流部の他端は第2の円弧状構造に滑らかに連結される。このような設置により、分流構造の表面積が大きくなり、水流を散乱させるのにより有利である。
【0025】
また、本発明は、上記の技術案を基に、乾燥機器をさらに提供し、それは、上記の凝縮器を用いたため、上記の凝縮器が有している技術効果を有し、既存の乾燥機器に比べ、本発明の乾燥機器の乾燥効率がより高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の洗濯乾燥一体機の概略構造図である。
図2】本発明の凝縮器の概略構造図1である。
図3】本発明の凝縮器の概略構造図2である。
図4図3におけるA-A断面の断面図1である。
図5図3におけるA-A断面の断面図2である。
図6図3におけるB-B断面の断面図である。
図7図3におけるC-C断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、洗濯乾燥一体機を合わせて本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。当業者は、以下のような実施形態は本発明の技術原理を解釈するために使用されるだけで、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。例えば、以下のような実施形態では、洗濯乾燥一体機を合わせて説明したが、本発明は、依然として衣服乾燥機、乾燥機などの他の乾燥機器に適用でき、このような適用対象の調整及び変化は、本発明の原理及び範囲から逸脱しないため、何れも本発明の保護範囲内に限定されるべきである。
【0029】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの方向又は位置関係を示す用語は、図面に示される方向又は位置関係に基づいたものであり、これは、説明を容易にするためのものにすぎず、前記装置又は部品が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成や操作されることを指示又は暗示することではなく、そのため、本発明を限定するものとして理解することはできない。また、「第1」、「第2」という用語は、説明のために使用されるだけで、相対的な重要性を指示又は暗示すると理解することはできない。
【0030】
また、本発明の説明において、特に明確に定義や限定しない限り、「取り付け」、「接続」、「連結」などの用語は、広義に理解されるべきであり、固定的な連結であっても、着脱可能な連結であっても、又は一体になってもよく、機械的連結であっても、電気的連結であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介する間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよいことをさらに説明する必要がある。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
本発明は、背景技術に指摘された従来の洗濯乾燥一体機の凝縮器の冷却効果が悪いという問題に基づいて、洗濯乾燥一体機用の凝縮器及び洗濯乾燥一体機を提供し、凝縮器の冷却効果を向上させることを目的とする。
【0032】
まず、図1を参照すると、図1は、本発明の洗濯乾燥一体機の概略構造図である。図1に示すように、本発明の洗濯乾燥一体機は、キャビネット(図示せず)と、キャビネット内に設置された衣服乾燥桶1、凝縮器2、送風機3、加熱装置(図示せず)及びエアダクト4とを含み、加熱装置は、エアダクト4内に取り付けられ、エアダクト4の一端は衣服乾燥桶1と連通し、エアダクト4の他端は送風機3と連通し、送風機3は、凝縮器2とエアダクト4との間に取り付けられる。洗濯乾燥一体機が動作する際に、送風機3の作用下で、空気は、衣服乾燥桶1、凝縮器2及び加熱装置の間を循環して流れ、加熱装置の作用下で、乾燥した空気は、乾燥した熱空気に加熱されてから、エアダクト4に沿って衣服乾燥桶1内に入って、湿っている衣類と熱交換を行って、衣類中の水分を奪い、湿っている熱空気を形成し、その後、凝縮器2に入り、凝縮器2の凝縮作用により、湿っている熱空気中の水分が凝縮されて水になり、凝縮後の空気は、比較的乾燥した冷空気になってから、エアダクト4に入って加熱装置の加熱により乾燥した熱空気になった後に、次の循環に入り、このように、乾燥工程が終了するまで繰り返される。ここで、加熱装置は、加熱管又は加熱棒などであり得、当業者は、実際の応用において、加熱装置で空気を加熱することができれば、加熱装置の具体的な構造タイプを柔軟に設置することができる。
【0033】
次に、図2図3及び図7を参照し、ここで、図2は、本発明の凝縮器の概略構造図1であり、図3は、本発明の凝縮器の概略構造図2であり、図7は、図3におけるC-C断面の断面図である。
【0034】
図2図3及び図7に示すように、本発明の凝縮器2は本体21及び冷却水管22を含み、本体21の上部に排気口211が設置され、本体21の下部には吸気口212が設置され、本体21の内部には中空室213が形成され、中空室213の頂部は排気口211と連通し、中空室213の底部は吸気口212と連通し、冷却水管22の排水端は中空室213と連通する。洗濯乾燥一体機が動作時に、冷却水管22で中空室213内に冷却水を供給でき、衣服乾燥桶1から排出される湿熱空気が吸気口212から中空室213内に入って、中空室213内の冷却水と熱交換を行い、湿熱空気中の水分が凝縮され水になり、凝縮後の空気が比較的乾燥した冷空気になり、その後、排気口211を介して排出される。
【0035】
次に、図3図6を参照し、ここで、図4は、図3におけるA-A断面の断面図1であり、図5は、図3におけるA-A断面の断面図2であり、図6図3におけるB-B断面の断面図である。
【0036】
図3~6に示すように、中空室213の前側壁には、第1の円弧状構造214、第2の円弧状構造215、及び第1の円弧状構造214と第2の円弧状構造215との間に位置する分流構造216が設置され、中空室213の左側壁217及び右側壁218は、いずれも円弧状に設置され、左側壁217の両端は、それぞれ第1の円弧状構造214及び後側壁219に滑らかに連結され、右側壁218の両端は、それぞれ第2の円弧状構造215及び後側壁219に滑らかに連結され、吸気口212は、中空室213の後側壁219に設置され、分流構造216は吸気口212と対向し、それにより、吸気口212から入った気体はちょうど分流構造216に衝突することが可能で、分流構造216は、気流を2つの気流に分割することができ、第1の気流5及び第2の気流6と記し、かつ、第1の気流5を大体第1の円弧状構造214の接線方向に沿って第1の円弧状構造214に入らせることができ、後で、気流の推進作用下で、第1の気流5は、第1の円弧状構造214、左側壁217及び後側壁219の左側部分に沿って逆時計回りに遠心的に旋回上昇することができ、かつ、第2の気流6を大体第2の円弧状構造215の接線方向に沿って第2の円弧状構造215に入らせることができ、後で、気流の推進作用下で、第2の気流6は、第2の円弧状構造215、右側壁218及び後側壁219の右側部分に沿って時計回りに遠心的に旋回上昇することができる。
【0037】
中空室213は2つの気体通路を含み、第1の円弧状構造214、左側壁217及び後側壁219の左側部分で第1の気体通路を構成し、第2の円弧状構造215、右側壁218及び後側壁219の右側部分で第2の気体通路を構成し、気体は、吸気口212から中空室213に入った後、分流構造216によって第1の気流5及び第2の気流6に分割され、第1の気流5は、第1の気体通路の内壁に沿って遠心的に旋回上昇することができ、第2の気流6は、第2の気体の通路の内壁に沿って遠心的に旋回上昇することができると理解できる。
【0038】
第1の気流5及び第2の気流6を遠心的に旋回上昇させることにより、凝縮器2の本体21における第1の気流5及び第2の気流6の行程が長くなり、それにより、冷却効果を向上させることができる。また、特許文献1に開示された凝縮器と比べて、幅方向においてサイズが同じである場合、本発明の凝縮器2の長手方向におけるサイズがより大きく、対応して、凝縮器2の本体21内の熱交換空間もより大きく、冷却効果もよりよい。
【0039】
なお、本発明の凝縮器2は、特許文献1の凝縮器を簡単に並列に設置するのではなく、中空室213の前側壁に分流構造216を創造的に設置したものであり、分流構造216を介して、吸気口212から入った気体を第1の気流5及び第2の気流6に分割して、第1の気流5及び第2の気流6をそれぞれ旋回上昇させる。
【0040】
続いて、図4及び図5を参照し、図4及び図5は、いずれも図3におけるA-A断面の断面図であり、図4及び図5に、2つの異なる形状の分流構造216を示し、この2つの分流構造216はいずれも本発明の好ましい実施形態であり、図4における分流構造216及び図5における分流構造216の具体的な形状は異なるが、図4における分流構造216及び図5における分流構造216は両方とも左右対称に設置されたものであり、かつ、その中心線は吸気口212の中心線と重なり、このような設置により、第1の気流5と第2の気流6とを略等量にすることができ、こうすると、第1の気流5と第2の気流6とが後側壁219に近い位置で会った後、互いにぶつかって散乱することなく、相互作用下で、共に前側壁に向かって平行に流れ、その後、それぞれ前側壁に設置されている第1の円弧状構造214及び第2の円弧状構造215に入る。
【0041】
図4から分かるように、図4における分流構造216は、第1の円弧状分流部2161及び第2の円弧状分流部2162を含み、第1の円弧状分流部2161の左端は第1の円弧状構造214に滑らかに連結され、第1の円弧状分流部2161の右端は第2の円弧状分流部2162の左端に滑らかに連結され、第2の円弧状分流部2162の右端は第2の円弧状構造215に滑らかに連結される。吸気口212から入った気体は当該分流構造216に衝突して、第1の気流5及び第2の気流6に分割され、第1の気流5は第1の円弧状分流部2161に沿って第1の円弧状構造214に流れ、第2の気流6は第2の円弧状分流部2162に沿って第2の円弧状構造215に流れる。
【0042】
図5から分かるように、図5における分流構造216は、第1の円弧状構造214の右端部と第2の円弧状構造215の左端部とが共に構成した構造である。吸気口212から入った気体は、分流構造216に衝突して、第1の気流5及び第2の気流6に分割され、第1の気流5は第1の円弧状構造214に直接流れ込み、第2の気流6は第2の円弧状構造215に直接流れ込む。
【0043】
続いて、図6を参照し、中空室213の後側壁219には第1の円弧状ガイド構造2191及び第2の円弧状ガイド構造2192が設置され、第1の円弧状ガイド構造2191のガイド作用下で、第1の気流5は、第1の円弧状構造214へスムーズに流れることができ、同様に、第2の円弧状ガイド構造2192のガイド作用下で、第2の気流6も第2の円弧状構造215へスムーズに流れることができ、つまり、第1の円弧状ガイド構造2191及び第2の円弧状ガイド構造2192のガイド作用下で、第1の気流5及び第2の気流6が直接正面衝突することを回避でき、第1の気流5と第2の気流6とが会うとき、第1の気流5の移動傾向及び第2の気流6の移動傾向は、いずれも前側壁を向いており、そのため、第1の気流5と第2の気流6とが会った後、互いに作用することができ、それにより、第1の気流5が第1の円弧状構造214に向いてスムーズに移動でき、第2の気流6が第2の円弧状構造215に向いてスムーズに移動できる。
【0044】
なお、第1の気流5及び第2の気流6がそれぞれ独立で旋回上昇できることを保証するために、中空室213内に中間仕切り板を1つ設置し、中間仕切り板の前側は第1の円弧状構造214及び第2の円弧状構造215にそれぞれ滑らかに連結され、中間仕切り板の後側は後側壁219の左側部分及び右側部分にそれぞれ滑らかに連結される。中間仕切り板の設置により、中空室213を2つの室に分割することができ、第1の気流5は、左側室の内壁に沿って遠心的に旋回上昇することができ、第2の気流6は、右側室の内壁に沿って遠心的に旋回上昇することができる。
【0045】
続いて、図6を参照すると、中空室213の後側壁219の左側部分には第1の水切り溝2193が設置され、後側壁219の右側部分には第2の水切り溝2194が設置され、第1の水切り溝2193及び第2の水切り溝2194はいずれも中空室213の高さ方向に沿って延伸し、第1の気流5が第1の水切り溝2193を流れる際に、第1の気流5に乗った水滴は第1の水切り溝2193にブロックされ、水滴を第1の気流5から分離し、水滴が第1の気流5に伴って送風機3内に流れ込み、同様に、第2の気流6が第2の水切り溝2194を流れる際に、第2の気流6に乗った水滴が第2の水切り溝2194にブロックされ、水滴を第2の気流6から分離して、水滴が第2の気流6に伴って送風機3内に流れ込むことを回避する。
【0046】
続いて、図3図4及び図7を参照し、中空室213の前側壁には導水溝220が設置され、導水溝220の頂端は冷却水管22の排水端に連結され、導水溝220の底端は分流構造216に連結される。洗濯乾燥一体機が動作時に、冷却水管22で中空室213内に冷却水を供給し、冷却水が導水溝220に入った後、導水溝220に沿って下へ流れ、冷却水が分流構造216まで流れると、気体の衝突(吸気口212から入った気体が直接分流構造216に衝突する)を受け、衝突力の作用下で、水流が水膜に散乱され、熱交換面積が大きくなり、気体とより十分に熱交換を行うことができ、それにより冷却効果が向上し、かつ、水流は散乱された後にも第1の気流5及び第2の気流6と共に移動することができ、熱交換面積をさらに増大させ、冷却効果をさらに向上させることができる。
【0047】
なお、このような冷却方法を用いて、図4に示す分流構造216を用いることが好ましく、分流構造216の表面積が大きく、水流を散乱させるのにより有利である。
【0048】
続いて、図7を参照すると、分流構造216は、上から下にかけて後側壁219から遠くなる方向に沿って斜めに設置される。このような設置により、水流がより容易に散乱されるように、冷却水及び分流構造216の表面の付着力を低減することができる。
【0049】
続いて、図7を参照し、導水溝220は、上から下にかけて後側壁219に近い方向に沿って斜めに設置される。このような設置により、冷却水が導水溝220に沿ってスムーズに流れるように、冷却水が導水溝220から外れることを回避できる。
【0050】
これまで、図面に示される好ましい実施形態と合わせて、本発明の技術案を説明したが、当業者であれば、本発明の保護範囲はこれらの具体的な実施形態に限定されないことが明らかであることを容易に理解できる。本発明の原理から逸脱しない前提で、当業者は、関連技術特徴に対して同等の変更または置換を行うことができ、これらの変更または置換の後の技術案は、いずれも本発明の保護範囲内に入る。
【符号の説明】
【0051】
1 衣服乾燥桶
2 凝縮器
21 本体
22 冷却水管
211 排気口
212 吸気口
213 中空室
214 第1の円弧状構造
215 第2の円弧状構造
216 分流構造
217 左側壁
218 右側壁
219 後側壁
220 導水溝
2161 第1の円弧状分流部
2162 第2の円弧状分流部
2191 第1の円弧状ガイド構造
2192 第2の円弧状ガイド構造
2193 第1の水切り溝
2194 第2の水切り溝
3 送風機
4 エアダクト
5 第1の気流
6 第2の気流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】