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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】オストミーパウチ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022574318
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 GB2021051341
(87)【国際公開番号】W WO2021245398
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】2008262.4
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508080986
【氏名又は名称】コンバテック リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】ホールデン,クレア
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,アリス
(72)【発明者】
【氏名】エバンズ,ケビン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE03
4C098CE17
(57)【要約】
オストミーパウチは、ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定し、可撓性シート材料の内壁および外壁と、キャビティからストーマ排出物を排出するための展開型ドレンと、ホットメルト接着剤コーティングを有する少なくとも1つの快適性材料シートとを備える。第1の快適性材料シートが、外壁に取り付けられており、第1の快適性材料シートの少なくとも一部がフラップを形成している。フラップは、展開型ドレンが格納位置にあるときに前記展開型ドレンを覆うように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定する可撓性シート材料の内壁および外壁と、
前記キャビティからストーマ排出物を排出するための展開型ドレンと、
ホットメルト接着剤コーティングを有する少なくとも1つの快適性材料シートと
を備え、
第1の快適性材料シートが、前記外壁に取り付けられており、前記第1の快適性材料シートの少なくとも一部がフラップを形成しており、
前記フラップは、前記展開型ドレンが格納位置にあるときに前記展開型ドレンを覆うように構成されている、オストミーパウチ。
【請求項2】
前記外壁の周辺部の少なくとも一部の周りにおいて、前記外壁に取り付けられた第2の快適性材料シートを備え、
前記第1の快適性材料シートは、前記第2の快適性材料シートを介して前記外壁に取り付けられている、請求項1に記載のオストミーパウチ。
【請求項3】
前記第1の快適性材料シートは、前記外壁の周辺部において、前記外壁に直接取り付けられている、請求項1に記載のオストミーパウチ。
【請求項4】
前記第1の快適性材料シートは、前記外壁の周辺部の少なくとも一部において前記外壁に取り付けられている、請求項1または3に記載のオストミーパウチ。
【請求項5】
前記フラップが折り畳まれるように構成された折り曲げ線は、前記オストミーパウチの前記周辺部において、前記第1の快適性材料シートと前記外壁との間の取り付けが終わる2点の間で延びる線によって画定されている、請求項3に記載のオストミーパウチ。
【請求項6】
前記折り曲げ線は、前記格納位置にある前記展開型ドレンと前記オストミーパウチの最も上側の縁との間に位置している、請求項5に記載のオストミーパウチ。
【請求項7】
前記展開型ドレンは、前記キャビティから前記ストーマ排出物を排出するための拡張構成と、前記展開型ドレンを格納するための格納構成との間で移動するように構成されており、
前記フラップは、前記展開型ドレンが前記格納構成のときに、前記フラップが前記展開型ドレンを覆うカバー位置と、前記格納構成にある前記展開型ドレンが前記フラップによって覆われておらず展開するためにアクセスすることができるアクセス位置との間で折り曲げ線に沿って折れるように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項8】
前記ホットメルト接着剤は、少なくとも前記フラップの内側表面を覆っており、前記内側表面は、前記フラップが前記展開型ドレンを覆うときに前記展開型ドレンに対向している、請求項1から7のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項9】
前記ホットメルト接着剤は、ウェブとして塗布されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項10】
前記ウェブは、塊と、複数の空隙とを備える、請求項9に記載のオストミーパウチ。
【請求項11】
前記空隙は、前記ウェブの少なくとも50%を構成している、請求項10に記載のオストミーパウチ。
【請求項12】
前記ホットメルト接着剤は、EVAである、請求項1から11のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項13】
快適性材料は、織られた快適性材料である、請求項1から12のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項14】
前記フラップは、前記折り曲げ線から遠位の縁が前記オストミーパウチの周辺部の形状に一致するような形状である、請求項5または請求項5を引用する請求項6から13のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項15】
前記展開型ドレンを前記格納位置に維持するように構成されているファスナ配置を更に備え、前記ファスナ配置は、前記展開型ドレンの外部表面に配置された第1ファスナと、前記キャビティの外部表面に配置された第2ファスナとを有する、請求項1から14のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項16】
前記第2ファスナは、前記キャビティの前記外壁に固定されたタブを有する、請求項15に記載のオストミーパウチ。
【請求項17】
前記タブは、タブ折り曲げ線を有し、前記タブは、前記タブ折り曲げ線の周りで前記タブが締結構成と非締結構成との間で折り畳まれるように構成されている、請求項16に記載のオストミーパウチ。
【請求項18】
前記フラップが前記アクセス位置にあるとき、前記タブの折り畳み可能な部分が露出している、請求項17に記載のオストミーパウチ。
【請求項19】
前記内壁に取り付けられて、内側快適層を形成する別の快適性材料シートをさらに備える、請求項1から18のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項20】
前記内側快適層と前記内壁との間で前記展開型ドレンの近くに開口が設けられている、請求項19に記載のオストミーパウチ。
【請求項21】
前記内側快適層は、前記内壁の周辺部において前記内壁に取り付けられており、前記開口は、前記周辺部の領域における隙間により提供されている、請求項20に記載のオストミーパウチ。
【請求項22】
前記フラップは、前記折り曲げ線から遠位の前記フラップの端部が前記オストミーパウチから離れて前記オストミーパウチの最も上側の縁に向かって持ち上げられて、アクセス位置に移動するように、前記折り曲げ線周りに折り畳まれるように構成されている、請求項5または請求項5を引用する請求項6から請求項21のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項23】
前記キャビティを見るための窓開口部を更に備え、
前記窓開口部は、前記外壁に配置されており、
前記第1の快適性材料シートは、第1部分と第2部分とを備え、
前記第1部分は、前記第2部分に部分的に重複している、つまり前記第2部分が重複領域にある第1部分に重複して前記窓開口部を形成している、請求項1から22のいずれか1項に記載のオストミーパウチ。
【請求項24】
オストミーパウチを形成する方法であって、
ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定する外壁および内壁と、前記キャビティからストーマ排出物を排出するための展開型ドレンとを準備し、
前記外壁に第1の快適性材料シートの一部を取り付け、前記展開型ドレンが格納位置にあるときに前記展開型ドレンを覆うようにフラップを配置する
ことを含み、
前記第1の快適性材料シートは、少なくとも部分的にホットメルト接着剤で覆われている、方法。
【請求項25】
少なくとも前記フラップは、ホットメルト接着剤で覆われている、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オストミーパウチ、特に排水可能なオストミーパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミーパウチは、オストメイトの身体に形成されたストーマからのストーマ排出物を集めて保持するために使用されることがある。一般的に、ストーマは、オストメイトの身体の胴体における外科的な開口であるが、開口により露出する内部組織、器官、またはこれらの一部を指すことがある。オストミーパウチは、通常、互いにシールされた一対の壁の形態を取り、ストーマ排出物が形成されたストーマを通じてオストメイトから排出されるキャビティを形成する。
【0003】
オストミーパウチの性質および用途を考慮すると、パウチは、オストメイトが可能な限簡単に、目立たないように装着できることが望ましい。オストメイトの利便性を向上させるためには、パウチを長時間装着することが有利である。このため、オストメイトがキャビティからストーマ排出物を断続的に排出することを可能にするドレンを備えるパウチがある。ドレンは、通常、パウチが閉じた収納位置と、例えばパウチのドレン開口部を開くことにより、ドレンが開いてパウチの内容物を排出することができる展開位置との間を何らかの方法で(例えば、折るおよび/または巻くことで)移動可能である。
【0004】
オストミーパウチおよび/またはドレンの内容物が通常使用時に隠れていることはユーザにとって望ましい場合がある(排水プロセスがやや不快であるため、排水可能装置であると認識できることは、望ましくない特性である)。
【0005】
ドレンを隠すための何らかの装置を含む解決策が知られている。例えば、ConvaTec社のEsteem(登録商標)+Convex Invisiclose Drainable Pouch with Lock-it Pocketパウチでは、パウチの底部に1以上の快適性材料層を追加して、ポケットを形成することで、ドレンを折り畳み、ポケットを反転させるとドレンを隠すことができるようにした装置を有している。しかし、そのようなパウチは、追加の製造工程を必要とし、使い勝手の観点からも複雑になってしまうという問題があり、場合によっては、オストメイトがドレンを完全に収納する(隠す)ためにオストメイトが両手を使う必要がある。例えば、Lock-it Pocketは、Lock-it Pocketの底部の角に親指を当てて、マネーバッグを閉じるように、裏返してドレンがしっかりと保持されることで、閉じられる。これにより、確かに慎重さと安全性は向上するが、製品が依然として平坦な基部を有しており、折り畳まれたドレンの形状から、排水可能装置(排水プロセスがやや不快であるため望ましくない特性であると考えられている)であると認識される。
【0006】
SALTs社のConfidence BE Drainableパウチは、代替案を提供している。この代替案では、不透明な快適層と、隣接する不透明なフィルム層の基部が、キャビティを形成する2つのフィルム層の基部を除く周辺部に溶接されることで、小さなフラップを形成し、ドレンが格納または折られて、フラップとキャビティとの間に形成された開口に導入されるときに、ドレンをフラップの後ろに隠すことができる。
【0007】
しかし、フラップを形成する不透明な快適層と隣接する不透明なフィルム層との組み合わせにより、2つの層が相互に影響しあうことで、摩擦音が増加する。さらに、フラップが「捲れ上がり(ride-up)」、ドレンを覆わない場合があり、パウチが排水可能装置として認識できるため、望ましくない。
【0008】
本発明の1以上の実施形態の目的は、先行技術が有する1以上の問題を克服するか、少なくとも部分的に軽減することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の広範な側面によれば、展開型ドレンと快適性材料のフラップとを備え、快適性材料は、ホットメルト接着剤を有する、オストミーパウチが提供される。
【0010】
オストミーパウチは、可撓性シート材料の内壁および外壁を備えてもよい。内壁および外壁は、ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定してもよい。快適性材料のフラップは、ホットメルト接着剤を有する第1の快適性材料シートの一部を形成してもよい。第1の快適性材料シートは、外壁に取り付けられてもよい。フラップは、ドレンが格納位置にあるとき、展開型ドレンを覆うように構成されてもよい。
【0011】
本発明の一側面によれば、ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定し、可撓性シート材料の内壁および外壁と、前記キャビティからストーマ排出物を排出するための展開型ドレンと、ホットメルト接着剤コーティングを有する少なくとも1つの快適性材料シートとを備え、第1の快適性材料シートが、前記外壁に取り付けられており、前記第1の快適性材料シートの少なくとも一部がフラップを形成しており、前記フラップは、前記展開型ドレンが格納位置にあるときに前記展開型ドレンを覆うように構成されている、オストミーパウチを提供する。
【0012】
有利には、フラップを形成する快適性材料にホットメルト接着剤コーティングを設けることで、フラップの「捲れ上がり(riding-up)」を減少でき、ホットメルト接着剤は滑りを抑制する「粘着性(tackiness)」を提供する。
【0013】
以下に述べる選択的な特徴が本発明の任意の側面に適宜適用されてもよい。
【0014】
内壁と外壁とがキャビティからストーマ排出物を排出する展開型ドレンを画定してもよい。ドレンは、内壁および外壁の細長い延長部分を有してもよい。内壁および外壁は、キャビティにおけるドレン入口から延びた細長いドレンチャネルと、ドレンチャネルの遠位端に設けられ、キャビティからのストーマ排出物をパウチから排出することができるドレン開口部とを共に画定してもよい。
【0015】
内壁と外壁とは、キャビティおよび/またはドレンを画定するために、それらの周辺部の周りでシール(例えば、溶接)されもよい。シール/溶接は、単一の連続的な縁シールを有してもよい。単一の連続的な縁シールは、ドレンチャネルの第1縁(例えば、左側縁)からパウチのドレンチャネルの第2縁(例えば、右側縁)に延びていてもよい。単一の連続的な縁シールは、溶接であってもよく、溶接は、選択的に2mmから6mmまでの幅を有してもよく、3mmから5mmまでの幅を有しても良く、例えば、約4mmの幅を有してもよい。単一の連続的な縁シールは、オストミーパウチの周辺部の周りで一定の幅を有してもよい。
【0016】
第1の快適性材料シートは、周辺部の少なくとも一部の周りで外壁に接合されてもよい。接合は、溶接、接着、または同等の手段を用いて行われてもよい。第1の快適性材料シートを外壁に取り付ける溶接部は、キャビティを画定する溶接部と連続してもよい。単一の接合操作が、内壁と、外壁と、第1の快適性材料シートを共に接合するために使用されてもよい。例えば、3つの層を接合するために単一の溶接部が用いられてもよい。第1の快適性材料シートは、外壁の周辺部で外壁に直接取り付けられてもよい。
【0017】
オストミーパウチは、別の(第2の)快適性材料シートを備えてもよい。第2の快適性材料シートは、外壁の周辺部の少なくとも一部の周りで、外壁に取り付けられてもよい。第1の快適性材料シートは、第2の快適性材料シートを介して外壁に取り付けられてもよい。
【0018】
フラップは、折り曲げ線に沿って折れるように構成されてもよい。折り曲げ線は、格納位置にある展開型ドレンと、オストミーパウチの最も上側の縁との間に位置してもよい。折り曲げ線は、第1の快適性材料シートと外壁との取り付けが終わる周辺部の周りの2点の間で延びる線によって画定されてもよい。折り曲げ線は、第1の快適性材料シートと外壁との間のさらなる取り付け点によって画定されてもよい。折り曲げ線は、ドレンが格納位置にあるときに、パウチの最も下側の縁から20mmから50mm、または30mmから40mm、例えば35mm、例えば約34mmの距離で配置されてもよい。
【0019】
フラップは、展開型ドレンが格納位置にあるとき、展開型ドレンを覆うように構成されてもよい。フラップは、展開型ドレンが格納位置にあるときに、フラップが展開型ドレンを覆うカバー位置と、格納構成の展開型ドレンがフラップによって覆われておらず、展開するためにアクセスすることができるアクセス位置との間で折り曲げ線の周りで折れるように構成されてもよい。フラップは、アクセス位置に移動するために、折り曲げ線から遠位のフラップの端部がパウチから離れて、パウチの最も上側の縁に向けて持ち上げられるように、折り曲げ線の周りで折られるように構成されてもよい。フラップは、カバー位置に移動するために、折り曲げ線から遠位のフラップの端部がパウチの最下縁に向かって移動するように、折り曲げ線の周りで折られるように構成されてもよい。パウチの最下縁は、ドレンとキャビティとの間の境界によって画定されてもよい。ドレンとキャビティとの間の境界は、ドレンとキャビティとの間の折り曲げ線によって画定されてもよい。
【0020】
フラップは、折り曲げ線から遠位の端部がオストミーパウチの周辺部の形状に一致するような形状であってもよい。フラップは、オストミーパウチの1以上の輪郭に対応するような形状を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、パウチは、1以上の湾曲縁を有してもよく、フラップは、同様に、パウチの湾曲縁の輪郭に対応するように湾曲してもよい。フラップの遠位端は、パウチの周辺部の周りの溶接線と調和するように、溶接部のように見えるように加熱されてもよい。
【0021】
ホットメルト接着剤は、第1の快適性材料シートの内側表面を覆ってもよい。ホットメルト接着剤は、第1の快適性材料シートの内側表面のみを覆ってもよい。ホットメルト接着剤は、フラップの内側表面を覆ってもよい。ホットメルト接着剤は、フラップの内側表面のみを覆ってもよい。フラップの内側表面は、フラップがカバー位置にあるときに展開型ドレンに面してもよい。
【0022】
ホットメルト接着剤コーティングは、ウェブとして塗布されてもよい。ホットメルト接着剤のウェブは、塊と、塊における複数の空隙とを備えてもよい。ウェブは、格子、メッシュ、またはグリッドであってもよい。ウェブは、ネットまたはドットであってもよい。空隙は、規則的な間隔で配置されてもよい。空隙は、不規則な間隔で配置されてもよい。空隙は、規則的な形状であってもよい。ウェブは、規則的で均一な分布の接着剤を有してもよい。空隙は、不規則な形状であってもよい。ウェブは、不規則で不均一な分布の接着剤を有してもよい。各空隙は、塊に比べて、快適層に塗布されたホットメルト接着剤の不在(すなわち実質的な不在)を含んでもよい。空隙は、ウェブの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%を占めてもよい。
【0023】
この種のウェブは、したがって、完全なフィルムよりもはるかに薄く、より少ない材料で作ることができ、フィルムに関連する摩擦音を避けることができる。
【0024】
ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、シリコンゴム、フルオロポリマー、ポリカーボネート、スチレンブロックコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、またはポリカプロラクトンのうちの1つ以上を含んでもよい。特に、EVAまたはコポリエステルを含んでもよい。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリオレフィンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はエチレン-酢酸ビニル(EVA)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリウレタンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤はシリコンゴムである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はフルオロポリマーである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリカーボネートである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はスチレンブロックコポリマーである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリエステルである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリアミドである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリカプロラクトンである。ホットメルト接着剤は、少なくとも5、10、15、16、または20g/m、および/または50、40、35、30、または25g/m以下、好ましくは10~50g/m、16~35g/m、20~30g/m、または23~27g/m、例えば25g/mの面積密度を有し得る。
【0025】
ホットメルト接着剤は、最大厚さ、または平均(平均値)厚さが0.05mm未満、0.04mm未満、0.03mm未満、0.02mm未満、または0.01mm未満、例えば0.005mm未満であってもよい。ホットメルト接着剤を薄層/ウェブとして設けることにより必要な量が減少し、コストまたは必要な出発材料の重量などの点で対応する利点がある。
【0026】
快適性材料シートの内が内側表面は、1以上の領域に分割されてもよい。ホットメルト接着剤は、1つの領域または1以上の領域に塗布されてもよい。2以上の領域がある場合、ウェブの特定の特性は、各領域に対して選択されてもよい。領域の1つ以上には、ホットメルト接着剤が塗布されていなくてもよい。
【0027】
第1の快適性材料シートは、第1部分と第2部分とを有してもよく、第1部分と第2部分とは、重複領域において、第1部分が第2部分に部分的に重複しているか、第2部分が第1部分に部分的に重複するように、外壁に接合されてもよい。第1部分と第2部分とは、キャビティを見るための窓開口部を形成するように、重複領域において互いに分離可能であってもよい。重複領域は、パウチの使用時に、水平に延びるように角度がつけられてもよい。第1の快適性材料シートの第1部分と第2部分とは、下にある外壁の膨張に対応するように、重複領域において互いにスライドするように構成されてもよい。第1部分と第2部分とは、重複領域の第1端部と第2端部とにおいて互いに接合されてもよい。第1部分と第2部分とは、重複領域の第1端部と第2端部とにおいて、選択的にはパウチの外周溶接部の一部として、互いに溶接されてもよい。第1の快適性材料シートの1以上の部分の外部縁は、外壁の形状、形態、および輪郭に対応するように形状および寸法が決定されてもよい。
【0028】
オストミーパウチは、第2の快適性材料シートを備えてもよい。第2の快適性材料シートは、内壁に取り付けられてもよい。オストミーパウチは、第2の快適性材料シートと内壁との間に開口部を有してもよい。第1および第2の快適性材料シートは、それぞれの周辺部の周りにおいて、対応する壁に取り付けられてもよい。開口部は、周辺部の領域における取付部での隙間により設けられてもよい。
【0029】
第2の快適性材料シートが存在する場合、第2の快適性材料シートは、単一の部分または複数の部分を備えてもよい。第2の快適性材料シートは、内壁の部分のみを覆ってもよい。しかし、第2の快適性材料シートは、内壁の全体を実質的に覆うことが好ましい。パウチの内壁での入口の位置に対応して、内側快適層に開口部が設けられてもよい。内側快適層は、内壁の形状、形態、および輪郭に対応するように形状および寸法が決定されてもよい。内側快適層は、内壁の入口とオストミーウェハとの流体的な接続を可能にするように、内壁の入口の位置に対応するウェハ開口部を有してもよい。
【0030】
展開型ドレンは、キャビティからストーマ排出物を排出するための拡張構成と、展開型ドレンを格納するための格納構成との間で移動するように構成されてもよい。
【0031】
展開型ドレンは、ドレンを巻く、または(例えばドレンの1以上の折り曲げ線で)折ることで、格納位置および展開位置との間で移動可能である。ドレンは、使用時には、上方かつオストメイトから離れる方向に折るおよび/または巻くことで、展開位置から格納位置に移動してもよい。
【0032】
格納位置では、ドレンは、パウチの最も下側の縁から20mmから50mm、または25mmから45mm、例えばパウチの最も下側の縁から約30mm延びてもよい。特に、格納されたドレンの上側の縁(ドレンの上面)までの距離であって、例えば、最後から2番目の折りによって定義されるように、パウチの最も下側の縁から20mmから50mm延びてもよく、または25mmから45mm、例えばパウチの最も下側の縁から約30mm延びてもよい。
【0033】
折り曲げ線は、格納されたドレンの上側の縁から、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、または、少なくとも5mm、少なくとも7.5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm上方に配置されてもよい。折り曲げ線は、格納されたドレンの上側の縁から、5cm以下、3cm以下、2cm以下、または1cm以下の位置で上方に配置されてもよく、例えば好ましくは、1mm~10mm、より好ましくは4mmの位置に配置されてもよい。格納されたドレンの上側の縁から上方に折り曲げ線を配置することで、折り曲げ線をドレンの上部とパウチの最も上方の縁との間に配置することができる。
【0034】
オストミーパウチは、展開型ドレンを格納位置に維持するように構成されたファスナ配置を更に備えてもよい。ファスナ配置は、展開型ドレンの外部表面(好ましくは内壁)に配置された第1ファスナを有してもよい。ファスナ配置は、キャビティの外部表面(特に、外壁)に配置された第2ファスナを有してもよい。第2ファスナは、タブに設けられてもよい。タブは、キャビティの外壁に固定されてもよい。フラップがアクセス位置にあるとき、タブの全体が露出してもよい。タブは、折り曲げ線を有してもよく、タブは、締結構成と非締結構成との間で折り曲げ線の周りで折られるように構成されてもよい。フラップが折られるように構成された折り曲げ線は、(a)タブが折られるように構成された折り曲げ線と、(b)オストミーパウチの最も上側の縁との間に配置されてもよい。これは、タブを引き上げるときに、フラップとキャビティとの間の折り目に過度な力がかからないために有益である。
【0035】
タブが折られるように構成された折り曲げ線は、フラップが折られるように構成されている折り曲げ線から、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、または少なくとも2mm下方に位置していてもよい。タブが折られるように構成された折り曲げ線は、フラップが折られるように構成されている折り曲げ線から、10mm以下、5mm以下、2mm以下で下方に位置していてもよい。例えば、タブが折られるように構成された折り曲げ線は、フラップが折られるように構成されている折り曲げ線から、好ましくは2mm~7mm、より好ましくは約5mmで位置していてもよい。
【0036】
実施形態では、ファスナは、面ファスナ(フックアンドループファスナ)またはフックアンドフックファスナであってもよく、例えば、第1ファスナは、フックファスナのストリップを有してもよく、第2ファスナは、ループファスナのストリップを有してもよく、ともに面ファスナ装置を形成してもよい。同様に、第1ファスナは、ループファスナのストリップを有してもよく、第2ファスナは、フックファスナのストリップを有してもよい。第1および第2ファスナのそれぞれは、二重フックファスナ装置を形成するフックファスナのストリップを有してもよい。代替的なファスナとして、再度シール可能な接着剤を含むことができる。
【0037】
ドレンは、1以上のパーシングストリップを有してもよい。パーシングストリップは、硬く、屈曲可能な材料を有してもよい。パーシングストリップは、パウチの内壁または外壁に関連付けられてもよい。例えば、パーシングストリップは、パウチの内壁または外壁に、接着またはその他の方法で固定されてもよい。パーシングストリップは、パウチの内壁および外壁をその一部において分離して、キャビティからストーマ排出物を排出するために、パウチにドレン開口を画定することを支援してもよい。例えば、使用時に、パーシングストリップは、オストメイトまたはユーザによる力によって、屈曲または湾曲してもよい。ストリップの屈曲または湾曲により、パウチの内壁および/または外壁が対応して動き、パウチ内に開口(すなわち、ドレン開口部)が画定されてもよい。
【0038】
実施形態では、ドレンは、一対のパーシングストリップを有してもよい。一対のパーシングストリップは、ドレンの両側に配置されてもよい。例えば、ドレンは、内壁に設けられた第1パーシングストリップと、外壁に設けられた第2パーシングストリップとを有してもよい。パーシングストリップは、互いに重なり合ってもよい。代替的には、パーシングストリップは、ずれて配置(オフセット)されてもよい。
【0039】
実施形態では、ドレンは、2以上のセグメントに細分されてもよい。セグメントは、ドレンが展開と格納位置との間で移動するときに、ドレンが折られる折り曲げ線で画定されてもよい。例えば、ドレンセグメントは、展開位置から格納位置に移動するときに、互いに重なり合うように順次折られてもよい。ドレンは、少なくとも2つのセグメントを有してもよく、第1パーシングストリップがパウチの内壁に配置され、ドレンの第1セグメントの少なくとも一部を画定し、第2パーシングストリップがパウチの外壁に配置され、ドレンの第2セグメントの少なくとも一部を画定する。ドレンは、3つのセグメントに細分されてもよく、第2ファスナは、パウチの内壁に設けられ、ドレンの第3セグメントの少なくとも一部を画定する。
【0040】
ドレンは、パウチの下側セクションに設けられてもよく、例えばパウチが実質的に垂直な向きで使用されるように構成されているとき、パウチの底部に設けられてもよい。
【0041】
内壁および外壁の可撓性シート材料は、単一の層または複数層の積層体を有してもよい。内壁および/または外壁の可撓性シート材料は、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)および/またはエチレン-酢酸ビニル(EVA)を有してもよい。内壁および/または外壁の可撓性シート材料は、例えば、50~150マイクロメートル、75~125マイクロメートル、または75~100マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0042】
快適性材料は、可撓性シート材料から形成されてもよい。可撓性シート材料の材料は、ポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、およびエチレン-酢酸ビニル(EVA)のうちの1つ以上を含んでもよい。快適層は、2以上の層の積層体を有してもよい。快適層は、少なくとも1つの織物層を含んでもよい。少なくとも1つの織物層は、織布層または不織布層を有してもよい。織物層は、ポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリエチレン、またはポリプロピレンを有してもよい。快適層は、例えば、50~1000マイクロメートル、60~500マイクロメートル、75~300マイクロメートル、100~200マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0043】
(第1のシートおよび/または第2のシートの)快適性材料は、織物層であってもよく、例えば不織布層または織布層であってもよい。織物層は、ホットメルト接着剤(例えば、EVAのウェブ)を有してもよい。
【0044】
パウチの内壁は、ストーマ排出物をキャビティへ受け入れるための入口を有してもよい。
【0045】
パウチは、内壁の入口の内部に設けられるか関連付けられるオストミーウェハまたは内壁の入口の内部に設けられるか関連付けられる解放可能な結合のいずれかを備えてもよい。実施形態では、解放可能な結合は、オストミーウェハを有する身体適合部品と結合するように構成されている。オストミーウェハが存在する場合、オストミーウェハは、内壁および/または内側快適層の開口を通じて延びてもよい。オストミーウェハは、使用時にパウチをオストメイトに固定する前にユーザによって取り外される解放可能なライナを備えてもよい。
【0046】
実施形態では、キャビティは、1以上のセクション、例えば上側セクションと下側セクションとを有してもよい。キャビティは、上側セクションと下側セクションとの間に位置するウエストセクションを有してもよい。ウエストセクションは、上側および/または下側セクションの最大幅よりも小さい最小幅を有してもよい。
【0047】
実施形態では、キャビティは、上側セクションと、下側セクションと、および上側セクションと下側セクションとの間に位置するウエストセクションとを有してもよい。
【0048】
上側および/または下側セクションは、概して丸みを帯びた形状であってもよい。例えば、上側セクションは、ウエストセクションの第1縁(例えば左側の縁)からウエストセクションの第2縁(例えば右側の縁)まで延びた、連続的に湾曲した縁を有してもよい。下側セクションは、ウエストセクションの第1縁(例えば左側の縁)から右側の縁(例えば右側の縁)まで延びた、連続的に湾曲した縁を有してもよい。
【0049】
上側および/または下側セクションの連続的に湾曲した縁は、凸状に湾曲してもよい。上側および/または下側セクションの連続的に湾曲した縁は、変曲点または輪郭の急激な変化がないようにしてもよい。
【0050】
上側および/または下側セクション、ウエストセクションとの接合箇所は、上側または下側セクションの左側の縁とウエストセクションの左側の縁との間の単一の変曲点、および上側または下側セクションの右側の縁とウエストセクションの右側の縁との間の単一の変曲点が境界となっている。
【0051】
本発明の他の広範な側面によれば、ホットメルト接着剤コーティングを有する快適性材料のフラップをアクセス位置に折り畳んで、展開型ドレンを露出されることを含む、オストミーパウチの排出方法を提供する。
【0052】
本発明の一側面によれば、ホットメルト接着剤コーティングを有する快適性材料のフラップを折り曲げ線でアクセス位置に折り上げて、展開型ドレンを露出し、展開型ドレンを拡張構成に展開し、キャビティからストーマ排出物を排出し、展開型ドレンを格納構成に格納し、フラップを、折り曲げ線でカバー位置に折り下げて、展開型ドレンを覆うことを含む、オストミーパウチの排出方法を提供する。本方法は、展開型ドレンを拡張位置に展開する前にファスナを解放するステップを更に備えてもよい。本方法は、拡張構成の展開型ドレンをファスナで固定するステップを更に備えてもよい。本方法は、展開型ドレンを展開する前にファスナを解放するステップを更に備えてもよい。
【0053】
本発明の一側面によれば、本明細書で説明される任意の側面に係るオストミーパウチを使用してストーマ排出物を収集する方法を提供する。本方法は、オストミーパウチをオストメイトのストーマの周りに取り付けることを含んでもよい。オストミーパウチは、パウチがワンピースオストミーパウチである場合、パウチのオストミーウェハを使用して、ストーマの周りに取り付けられてもよい。代替的には、本方法は、ツーピースオストミーパウチの身体適合部品のオストミーウェハをストーマの周りに取り付けて、パウチを身体適合部品に取り付けることを含んでもよい。パウチは、オストミーウェハがストーマの周りに取り付けられる前または後に身体適合部品に取り付けられてもよい。オストミーパウチが開放または排水可能なパウチである場合、本方法は、ストーマ排出物をオストミーパウチから排出することを含んでもよい。オストミーパウチは、本発明の前述の側面の方法によって、排水されてもよい。
【0054】
本発明の別の広範な側面によれば、第1の快適性材料シートをオストミーパウチの外壁に取り付け、展開型ドレンが格納位置にあるとき、フラップが展開型ドレンを覆ったままにしておくことを含み、快適性材料のフラップは、ホットメルト接着剤で覆われている、オストミーパウチを形成する方法を提供する。
【0055】
本発明の一側面によれば、ストーマ排出物を収容するためのキャビティを画定する外壁および内壁と、キャビティからストーマ排出物を排出するための展開型ドレンとを準備することを含むオストミーパウチを形成する方法を提供する。展開型ドレンは、キャビティからストーマ排出物を排出するための拡張構成と、展開型ドレンを格納する格納構成との間で移動可能である。本方法は、外壁に第1の快適性材料シートを取り付け、展開型ドレンが格納位置にあるとき、フラップが展開型ドレンを覆ったままにしておくことを含み、第1の快適性材料シートは、少なくとも部分的にホットメルト接着剤で覆われている。第1の快適性材料シートのフラップは、ホットメルト接着剤で覆われてもよい。
【0056】
いずれの方法でも、パウチは、上記で概説した本発明のいずれかのパウチであってもよく、上述した選択的な特徴のいずれかまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0057】
本発明がより明確に理解されるように、本発明の1以上の実施形態が添付の図面を参照して、例としてのみ、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、本発明によるオストミーパウチの一実施形態の身体側からの透視図である。
図2図2は、図1のオストミーパウチの衣類側からの透視図である。
図3a図3aは、図1のオストミーパウチの展開位置にあるドレンの模式的な断面図である。
図3b図3bは、図1のオストミーパウチの格納位置にあるドレンの模式的な断面図。
図4図4は、本発明によるオストミーパウチの代替的な実施形態の衣類側からの透視図である。
図5図5は、図4のオストミーパウチの展開位置にあるドレンの模式的な断面図である。
図6図6は、図1から図5のパウチの快適層を形成する材料の内側表面の部分的な図であり、内側表面に塗布されたホットメルト接着剤を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
「ストーマ排出物(stomal output)」という用語は、本明細書および本明細書を通じて使用されるとき、ストーマから分泌され得るまたはオストメイトのストーマから出る、オストメイトにより生成される任意の気体、流体、または固体のことを指す。ストーマ排出物は、気体、液体、および/または固体のストーマ排出物を含んでもよい。
【0060】
「ストーマ(stoma)」という用語は、身体の開口のことを指す。一般的に、ストーマは、身体の胴体における外科的な開口である。「ストーマ」という用語は、開口によって露出した内部組織、器官、およびそれらの一部のことを指すこともある。非限定的な例では、内部組織は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、および十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択されてもよい。内部組織は、小腸または大腸の端部またはループであってもよい。
【0061】
「オストメイト(ostomate)」という用語は、本明細書で説明されるオストミーパウチを使用する対象者のことを指す。オストメイトは、通常、外科的な開口を有する対象者を指すが、本明細書で使用される場合、「オストメイト」は、ストーマが手術またはその他の手段で形成されたかどうかに関わらず、ストーマを有する対象者を指すことがある。
【0062】
「ユーザ(user)」という用語は、オストメイトまたは例えばオストメイトがキャビティからストーマ排出物を出すことを手伝う他の人を指すことがある。
【0063】
本明細書で開示されるオストミーパウチは、例えば、例えば、食道造設術、胃造設術、胆嚢造設術、総胆管造設術、盲腸造設術、結腸造設術、十二指腸造設術、回腸造設術、空腸造設術、虫垂造設術、気管切開術、人工膀胱造設術、腎瘻造設術、尿管造設術、または膀胱造設術によって作成されたストーマを管理するために使用されてもよい。本明細書に開示されるオストミーパウチは、シャント、カテーテル、プラグまたは糞便管理システムを含むがこれらに限定されない更なる装置と共に使用されてもよい。
【0064】
この明細書において、特徴の位置および向きは、「使用中(in use)」のオストミーパウチまたは「使用中であるように方向付けられている(orientated as it would be in use)」オストミーパウチを参照して記載される場合がある。そのような用語は、オストミーパウチがそのような使用を現在実行しているかどうかまたはオストミーパウチの実際の位置にかかわらず、オストミーパウチがオストメイト、例えば立位のオストメイトの身体に接着またはその他の方法で固定されるときの、オストミーパウチの意図される向きを指す。「上側(upper)」および「下側(lower)」という用語および関連する用語は、使用中であるように方向付けられたときのオストミーパウチの一部分または一部の相対位置を指す。例えば、オストミーパウチの1つのセクションは、オストミーパウチの「上側」セクションと呼ばれ、パウチの最も上側の縁に言及されることがある。そのような例において、前記セクション/縁は、起立したオストメイトの身体に取り付けられたときのオストミーパウチの(垂直方向における)最上セクションであるように意図される。しかしながら、当業者であれば分かるように、オストメイトに取り付ける前では、前記セクションが常に最も上側のセクションであるとは限らず、加えて、オストメイトに取り付けられた場合であっても、オストメイトが非立位、例えば横たわっている姿勢をとるときには、前記セクションが常に最も上側のセクションであるとは限らない。
【0065】
「左側(left-hand)」および「右側(right-hand)」という用語および関連する用語は、(例えば、図1に示すように)後側から見たときのオストミーパウチを参照する。したがって、例示的な例として、オストミーパウチがオストメイトの胴体の前側に取り付けられている状況では、オストミー器具の「左側」の縁は、オストメイトの左側に向いている。
【0066】
「凹状(concave)」および「凸状(convex)」という用語および関連する用語は、オストミーパウチの外側から見たときのオストミーパウチの特徴の形状を指す。したがって、例示的な例として、円形のオストミーウェハは、凸状の外周縁を有すると考えられる。
【0067】
「内側(inner)」および「外側(outer)」という用語は、オストミーパウチがオストメイトの身体に(例えば、接着またはその他の方法で)取り付けられる場合のオストメイトの身体を参照したときのオストミーパウチの一部分または一部の相対位置を指す。「内側」は、「外側」である比較位置よりもオストメイトの身体に相対的に近い位置を指す。「外側」は、「内側」である比較位置よりもオストメイトの身体から相対的に離れた位置を指す。内側は、「身体側」と同義である一方で、外側は「衣類側」と同義である。
【0068】
オストミーパウチは、一般に、1つ以上の接着層を含むオストミーウェハによって身体に取り付けられる。オストミーウェハは、一般に、スタータ孔と呼ばれることもあるストーマ用の開口を有し、スタータ孔は、取り付け前にユーザによって必要なサイズに切断され得る。オストミーウェハは、一般に、オストミーウェハをオストメイトの身体に接着するために身体に面する側に接着層を備える。一般に、オストミーウェハの身体に面する側は剥離ライナーにより覆われており、剥離ライナーは、皮膚に適合する前にユーザによって除去される。本明細書では、「オストミーウェハ」という用語は、「アダプタ」、「ウェハ」、「ベースプレート」、または「層状接着ウェハ」という用語と互換的に使用され得る。「オストミーウェハ」、「アダプタ」、「ウェハ」、「ベースプレート」、または「層状接着ウェハ」という用語は、オストメイトとパウチとの間のスキンバリアを形成してもよい。本明細書では、「オストミーウェハ」という用語は、「ツーピースパウチ」用および「ワンピースパウチ」用のオストミーウェハを含む。
【0069】
「ツーピースパウチ」は、オストミーウェハが解放可能な結合によってパウチに取り付けられる別個の身体適合部品の一部を形成する、オストミーパウチを指す。ツーピースパウチは、身体適合部品が損傷することなくパウチから分離されることを可能にし、その結果、部品の少なくとも1つが機能的に使用可能であり続ける。例えば、身体適合部品は、オストメイトの身体の所定位置に留まることができる。これに対して、「ワンピースパウチ」は、器具を損傷するリスクを伴うことなくオストミーウェハを容易に分離することができない程度まで、オストミーウェハが器具に恒久的に取り付けられるオストミーパウチを指す。ワンピースパウチは、一体型ユニットとして使用されることが意図されている。
【0070】
オストミーパウチは、一般に、「閉鎖パウチ」または「開放パウチ」として構成されてもよい。本明細書では、「閉鎖パウチ」は、ストーマ排出物がキャビティから排出されることを意図しないオストミーパウチを指す。したがって、閉鎖パウチは、一般に、1回限りの使い捨ての再使用不可能なパウチとして構成されてもよい。本明細書において、「開放パウチ」は、ストーマ排出物をキャビティから排出することができ、パウチが再使用されるオストミーパウチを指す。したがって、開放パウチは、再使用可能なパウチとして構成することができ、身体に取り付けられている間に複数回再使用および空にすることができるが、これは必須ではない。開放パウチにおいて、ストーマ排出物は、オストメイトの動作によって引き起こされるように断続的に排出されてもよいし、キャビティがドレン、例えば夜間ドレンラインに流体接続されることに起因して断続的にまたは連続的に排出されてもよい。
【0071】
閉鎖パウチまたは開放パウチの使用は、ある程度ユーザの好みによるが、特定のオストメイトのニーズおよびオストメイトにおけるストーマの位置によっては閉鎖パウチまたは開放パウチのいずれかがより適していることがある。例えば、回腸造設術により形成されたストーマでは、ストーマ排出物が緩くなる傾向があり、容易に排出できるので、開放パウチが適していることがある。結腸造設術により形成されたストーマでは、ストーマ排出物がより硬くなる傾向があり、ユーザによって容易に排出できないことがある。このような場合、閉鎖パウチがより適していることがある。
【0072】
「できる(can)」、「できた(could)」、「かもしれない(might)」、または「かもしれない(may)」のような仮定語句は、特に言及しない限り、または使用される文脈で理解される限り、一般に、特定の特徴、要素、および/またはステップが、特定の実施形態に含まれる一方で、他の実施形態が含まれないことを伝えることを意図している。したがって、そのような仮定語句は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが、1以上の実施形態に何らかの形で必要であることを暗示するものではない。また、そのような仮定語句は、一般に、1以上の実施形態が、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるかまたは実行されるかどうかを、ユーザ入力またはユーザプロンプティングの有無にかかわらず、決定するための論理を必ず含むことを暗示するものではい。
【0073】
図1から図3は、内壁19と、外壁21と、展開型ドレン13とを有する例示的なオストミーパウチ10が示されており、外壁21は、ストーマ排出物を収容するためのキャビティ12を画定するために、外壁21の周辺部11の少なくとも一部の周りでシールされている。パウチ10は、したがって、「開放型」であり、シール14は、以下に詳述するドレン開口部15を除いて、パウチ10の周辺部11周りの単一の連続的なシールとして提供される。本実施形態では、キャビティは、第1の上側セクション16と、第2の下側セクション17とを含み、第1の上側セクション16と第2の下側セクション17とは、概して凸状に湾曲した縁を有する概して丸みを帯びた形状である。上側セクション16と下側セクション17とは、上側セクション16および下側セクション17よりも幅が狭いウエストセクション18により分離されている。ウエストセクション18は、凹状に湾曲した縁を有する。展開型ドレン13は、パウチの下側セクション17から延びるように設けられている。
【0074】
当業者であれば、オストミーパウチの形状が上述したものに限定されないことが容易に理解されるであろう。実際、本明細書で開示される教示は、ウエストセクションがないパウチまたは複数のウエストセクションを有するパウチなどの他のパウチ形状に等しく適用可能である。
【0075】
本実施形態の内壁19および外壁21は、可撓性プラスチックシート材料から形成されている。パウチ10は、外側快適層31を形成する第1の快適性材料シートを含み、本実施形態では、内側快適層32を形成する第2の快適性材料シートを含む。内側快適層32は、内壁19を覆っており、外側快適層31は、外壁21を覆っている。本実施形態では、快適層31,32は、織物材料からなり、パウチ10の外側表面を画定している。内側快適層32の内壁19に面する表面と、外側快適層31の外壁21に面する表面とは、ホットメルト接着剤(この例では、EVA。以下にさらに詳しく説明する)のウェブで覆われている。しかしながら、快適層は、他の様々な材料から形成されてもよく、複数の層として設けられ得ることなどが理解されるであろう。
【0076】
本実施形態では、外側快適層は、2つの部分を備えている。第1部分31aは、下側セクション17、ウエストセクション18を覆っており、上側セクション16を部分的に覆っている。第2部分31bは、上側セクション16を部分的に覆っている。第1部分および第2部分は、重複領域で部分的に重複している。第2部分31bは、外壁21の周辺部11周りで外壁21に接合されている。第1部分31aは、外壁21の周辺部の一部に沿って外壁21に接合されている。第1部分31aは、右側周辺部35aおよび左側周辺部35bに沿って接合されており、接合部は、下側溶接端部35a’、35b’で終端している。第1部分31aの下側縁は、外壁21に接合されておらず、代わりにフラップ33を形成している。フラップ33は、フラップ折り曲げ線34に沿って折り畳まれ、折り曲げ線は、第1部分31aの右側および左側周辺接合部の下側溶接端部35a’、35b’の間で延びている。フラップ33は、格納位置にある展開型ドレン(以下で、詳細に説明する)を覆うカバー位置にあるとき、フラップ折り曲げ線34から遠位の縁36が、ドレンが格納位置にあるときのパウチの形状に適合するような形状である。
【0077】
本実施形態では、フラップ33は、外側快適層31および内側快適層32の他の部分と同様に、内側表面80がホットメルト接着剤81で覆われている。図6は、例示的なホットメルト接着剤コーティングを示している。本実施形態では、ホットメルト接着剤は、ウェブを形成している。ウェブは、内部に多数の空隙Vを有するホットメルト接着剤の塊Mを有する。空隙Vでは、ホットメルト接着剤が存在していない(または実質的に存在していない、場合によっては痕跡を含む)。塊Mは、格子、メッシュまたはグリッドの一般的な形状をとる。本実施形態で理解できるように、空隙は、不規則な形状および間隔であり、空隙で接着剤がない部分よりも比較的小さな面積が塊によって覆われている。
【0078】
全ての快適層の内側表面にホットメルト接着剤を設けることで製造が簡単になり、ホットメルト接着剤が他の目的(最も顕著には、快適層31,32の壁19,21への接着)に役立つようになるが、当業者であれば、ホットメルト接着剤をフラップ33のみに選択的に適用してもよく、快適性材料の残りの部分の1以上のセクションに選択的に適用してもよいことが理解されるであろう。更に、当業者であれば、適用方法を変更することで、空隙を規則的な形状および/または間隔にできることが理解されるであろう。
【0079】
この実施形態では、ホットメルト接着剤はエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む。
【0080】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリオレフィンである。
【0081】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリウレタンである。
【0082】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。
【0083】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はシリコンゴムである。
【0084】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はフルオロポリマーである。
【0085】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカーボネートである。
【0086】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はスチレンブロックコポリマーである。
【0087】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリエステルである。
【0088】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリアミドである。
【0089】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカプロラクトンである。
【0090】
この実施形態では、ホットメルト接着剤のウェブは25g/mの面密度を有する。適切なEVAホットメルト接着剤は、3Z8の名称でフランスのCernayのProtechnic SAから入手可能である。
【0091】
外側快適層の第1部分31aおよび第2部分31bは、使用中に、キャビティを視認するための窓開口部を形成するように、重複領域22において互いに分離可能である。図示された本実施形態では、重複領域において第2部分31bが第1部分31aを覆っているが、当業者であれば、そのような重複は、逆の方法で、すなわち重複領域22において第1部分31aが第2部分31bを覆って形成され得ることを認識できるであろう。また、当業者であれば、当然、他の実施形態では外側快適層が重複のない1つの部分に形成されてもよいことを認識できるだろう。
【0092】
内壁19は、ストーマ排出物をキャビティに受け入れるためのストーマ入口51をパウチ10に画定する開口50を内部に有している。ストーマ入口51は、パウチの上側セクション16に配置されている。本実施形態では、内側快適層32は、ストーマ入口と同心に配置された開口35を有しており、これにより、使用時にオストミーウェハ52をストーマに適用することができる。本実施形態では、オストミーウェハ53は、パウチに恒久的に取り付けられている、すなわち、パウチはワンピースパウチであるが、当然、分離可能(すなわち、ツーピースパウチ)であってもよい。
【0093】
本実施形態では、内壁と内側快適層との間の溶接部は、それらの全周に及んでおらず、ドレン13に近接するセクション76は、内壁と内側快適層との間に隙間が形成されるように溶接されていない。
【0094】
上述したように、内壁19および外壁21は、展開型ドレン13をさらに画定する。ドレン13は、内壁および外壁と一体であり、本実施形態では、細長く、下側セクション17の下側縁から延びている。周辺部11の周りの溶接部は、ドレンの各縁に沿って、パウチがシールされていないドレン開口部15、すなわち、内壁と外壁とが互いに接合されていない周辺部11の領域まで延びている。使用時では、ドレン開口部15は、キャビティからストーマ排出物を除去するために用いられてもよい。
【0095】
本実施形態では、ドレン13は、ドレン13を横切って横方向に延びた第1および第2の折り曲げ線63,64によって、ドレン13の長さに沿って3つの等しいセクション66,67,68に分離されている。第3の折り曲げ線65は、(ドレンが格納されたとき)ポーチの最下端を画定する、ドレンとキャビティとの境界において、ドレンを横切って横方向に延びている。本実施形態では、ドレン開口部15に近接するセクション66を画定する内壁19の一部に第1パーシングストリップ61が配置されている。第2パーシングストリップ62が本実施形態のドレン13の中間セクションを画定する外壁21の一部に配置されている。キャビティに近接するセクション68を画定する内壁19の一部に第1締結手段69が配置されており、図示された本実施形態では、締結手段は、自己把持フックファスナテープのストリップである。当業者であれば、他の締結手段も適していること、パーシングストリップが望ましいが選択的な特徴であること、および他の装置も本発明の範囲内にあることが理解できるであろう。
【0096】
例示的なパウチの外壁21の下側部分17には、第2ファスナ70が配置されている。第2ファスナ70は、下側溶接端部35a’,35b’の間で延びた折り曲げ線の中央部と下側に配置されている。特定の実施形態の第2ファスナ70は、折り畳み可能な発泡タブで形成されており、タブは、タブ折り曲げ線75で折り畳まれ、タブ折り曲げ線は、第2ファスナ70の2つのセクション、つまり接着セクション71と締結セクション73とを画定している。接着セクション71の一側面は、発泡タブを外壁21の外部表面に接着する接着剤72で覆われている。締結セクション73は、接着セクション上の接着剤72と反対側のタブの表面に配置された第2締結手段74(例示的な実施形態では、自己把持フックファスナテープのストリップ)を有している。本実施形態では、折り畳み可能な発泡タブは、折り曲げ線75がフラップ33の折り曲げ線34に平行で折り曲げ線34の下側に配置されるように(つまり、折り畳み可能な発泡タブの折り曲げ線が、パウチの下縁の近くに配置されるように)配置されている。使用時には、ドレン13は、(図3aに示す)拡張構成と、(図3bに示す)格納構成との間で移動可能である。本実施形態では、ドレン13は、拡張構成から格納構成に以下の方法で移動する。まず、ドレンの中間セクション67を形成する外壁21のセクションとドレン開口部15に近接するセクション66とが接触するように、第1折り曲げ線63で折り畳んで、ドレン開口部15に近接するセクション66を身体から離す。次に、ドレン開口部15に近接するセクション66を形成する内壁19のセクションと、キャビティに近接するセクション68を形成する外壁21のセクションが接触するように、ドレンが身体から離れて第2折り曲げ線64で折り畳まれる。第3の折り畳みは、第3折り曲げ線65で行われ、中間セクション67を形成する内壁19のセクション62がキャビティの外壁21と接触するように、ドレン13が身体か離れて折り畳まれる。格納構成では、第2折り曲げ線64で形成されるように、格納したドレンの頂部は、下側溶接端部35a’,35b’の間で延びた線の下側に配置されている。当業者であれば、ドレンがより多くのまたはより少ないセクションを備えてもよく、対応する折り曲げ線の数の増加または減少が適用されることを理解できるであろう。さらに、折り畳む代わりに、ドレンは、巻くなどの他の方法で格納されてもよい。
【0097】
ドレン13が格納構成にあるとき、3つの折り曲げ線63,64,65で繰り返し折ることで、ストーマ排出物がキャビティから漏れないように、ドレン13を効果的に密閉する。ドレンは、第1および第2締結手段69,74が接触するように第2ファスナ70が折り曲げ線72で折り畳まれることで、格納構成に保持されてもよい。その後、フラップ33は、格納構成のドレン13を覆うように、フラップ折り曲げ線34で折り畳まれてもよい。
【0098】
反対に、パウチ10の排水を可能にするために、ドレンは、格納構成から拡張構成に移動されてもよい。まず、フラップは、フラップ折り曲げ線34で折り返され、格納されたドレン13と締結タブ70を完全に露出する(すなわち、フラップ折り曲げ線は、格納されたドレンまたは締結タブを覆っていない)。その後、締結タブ70をドレンから取り外し、折り畳み動作を逆の順序で行い、ドレンを格納構成から拡張構成に移動させる(すなわち、まず第3折り曲げ線65で開き、次に第2折り曲げ線64で開き、最後に第1折り曲げ線63で開く)。ドレンは、もはやシールされておらず、ストーマ排出物は、ドレン開口部15を介してキャビティから排出可能である。
【0099】
図4および図5には、本開示に係る他の例示的なオストミーパウチが図示されている。100を足した同様の参照数字は、同様の特徴に使用されている。本実施形態では、前述の実施形態と比較して異なる特徴のみを以下の説明で詳細に説明する。1以上の実施形態で共通の特徴については、全体として説明を参照されたい。
【0100】
本実施形態では、外側快適層131は、3つのセクション、つまりウエストセクション118を覆い、上側および下側セクション116,117を部分的に覆う第1部分131aと、上側セクション116を部分的に覆う第2部分131bと、フラップ133を形成する第3部分131cとを有する。
【0101】
先の例と同様に、第1および第2部分は、重複領域122において部分的に重複している。第2部分131bは、周辺部111周りでパウチの外壁に接合されている。第1部分131aは、周辺部の一部に沿って外壁に接合されている。第1部分131aは、右側周辺部135aおよび左側周辺部135bに沿って接合されている。第3部分131cは、第1部分131aの下側縁に沿って、第1部分131aに取り付けられている。本実施形態では、第1および第3部分131a,131cは、溶接線134に沿った溶接により接合されている。溶接線134は、この特定の実施形態では、パウチの幅に横切る直線で延びている。溶接線134の領域において第1部分の外側表面に対向する第3部分131cの内側表面上のホットメルト接着剤コーティングにより、溶接が容易になる。折り曲げ線137(フラップが折り曲げ線137でアクセス位置とカバー位置との間で折られるように構成されている)は、第1部分131aに接合された第3部分131cのセクションと、フラップ133を形成する第3部分131cのセクションとの間の境界により形成されている。フラップ133は、フラップ133が格納構成の展開型ドレンを覆うカバー位置にあるときに、フラップ折り曲げ線137から遠位の縁136が、ドレンが格納構成のときのパウチの形状に一致するような形状を有している。
【0102】
他の側面では、この例示的な実施形態は、上述したように、先の例示的な実施形態と同一である。
【0103】
例または明示的に示した場合を除き、材料の量、および装置の寸法などを特定する本明細書における全ての数値は、「約(about)」という言葉で修飾されていると理解される。
【0104】
1つ以上の実施形態を単なる例として説明した。添付の特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
【国際調査報告】