(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】膜を用いた結合及び溶出クロマトグラフィーのための装置、並びに製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/281 20060101AFI20230629BHJP
B01D 15/38 20060101ALI20230629BHJP
G01N 30/60 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B01J20/281 G
B01D15/38
G01N30/60 A
G01N30/60 B
G01N30/60 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574327
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 US2021029152
(87)【国際公開番号】W WO2021252085
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520023112
【氏名又は名称】メルク・ミリポア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ラウティオ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・フォーリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラード・セドロン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ティー・ストーン
【テーマコード(参考)】
4D017
【Fターム(参考)】
4D017AA11
4D017BA07
4D017CA13
4D017CB05
4D017DA03
4D017EA05
(57)【要約】
入口及び出口を有し、入口と出口との間のユニットの内部容積に介在可能な1つ又は複数の膜を含む一体型クロマトグラフィーユニット。特定の実施形態において、膜の各々は、1つ又は複数のスペーサーの配置によって膨潤するのに十分なスペースをユニット内に割り当てられる。流体入口を通ってユニットに入る流体は、流体出口を通ってユニットを出る前に、膜及びスペーサーを通過する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィー装置であって、
流体入口及び前記入口から離れた流体出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内の内部容積と;
前記流体入口と前記流体出口との間の領域において前記ハウジングの前記内部容積に配置された少なくとも第1及び第2の膜であって、前記流体入口に導入された流体が流れる活性膜領域をそれぞれ有する第1及び第2の膜と、
前記第1の膜と前記第2の膜との間に配置された少なくとも1つのスペーサーであって、前記活性膜領域と流体連通する開口部を有する少なくとも1つのスペーサーと
を含む、クロマトグラフィー装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスペーサーは環状の形状である、請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
【請求項3】
前記少なくとも第1及び第2の膜の前記活性膜領域によって画定される前記内部容積内にろ過ゾーンがあり、前記少なくとも1つのスペーサーの前記開口部は、前記ろ過ゾーン内に配置される、請求項2に記載のクロマトグラフィー装置。
【請求項4】
前記第1の膜は、前記クロマトグラフィー装置の動作中の流体の流れの方向において、前記第2の膜の上流に配置され、前記クロマトグラフィー装置は、前記流体入口と前記第1の膜との間に配置された多孔質フリットをさらに含む、請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
【請求項5】
さらに前記流体出口と前記第2の膜との間に配置された多孔質フリットを含む、請求項3に記載のクロマトグラフィー装置。
【請求項6】
前記少なくとも第1及び第2の膜ならびに前記少なくとも1つのスペーサーは、前記装置の作動中、流体が前記流体入口に入り、前記流体出口を通って前記ハウジングを出る前に、前記第1の膜、前記少なくとも1つのスペーサー、及び前記第2の膜を連続的に通過するように、前記ハウジング内に配置される、請求項1に記載のクロマトグラフィー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月10日に出願された米国仮出願第63/037,262号の優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
全体的に、本開示は、クロマトグラフィーユニットを対象とし、特に、膜ベースの結合/溶出クロマトグラフィーを含む用途を備えた、膜を介した使い捨て又はシングルユースのクロマトグラフィー装置を対象とする。
【背景技術】
【0003】
適正製造基準と政府規制は、多くのバイオ医薬品製造プロセスの中核である。そのような製造プロセスは、多くの場合、義務付けられており、多くの場合、時間と費用のかかる検証手順を経る必要がある。例えば、バイオ医薬品の分離と精製に使用される機器は、当然のことながら、厳しい清浄度要件を満たさなければならない。単一の機器の場合、1回の洗浄検証に関連して繰り返し発生するコストは、すぐに数千ドルを超える可能性がある。このような洗浄検証のコストと費用を削減するため、及び/又は洗浄が必要又は要求される場合を減らすために、製薬及びバイオテクノロジー業界では、検証済みのモジュール式の使い捨てソリューションをますます模索している。
【0004】
これらの方針に沿って、生の薬学的に合成された流体(例えば、細胞培養)の産業、実験室、及び臨床ボリュームの一次及び/又は二次清澄化に対する使い捨てソリューションの開発に、最近かなりの関心が寄せられている。このようなプロセスの大量、高スループットの要件は、一般に、高価な、設置済みのステンレス鋼装置(交換可能なカセット又はカートリッジ(例えば、典型的にはレンチキュラーフィルタエレメントのスタックを含む)が、ステンレス鋼ハウジング又は同様のレセプタクル内に設置される)の使用が望ましい。ろ過操作の終了時、及び使用済みのカセット又はカートリッジの除去において、装置は、再度使用する前に、かなりの費用と労力をかけて洗浄し、有効性を確認しなければならない。
【0005】
バイオ医薬品処理産業で使用するために設計された膜ベースの装置は、通常、すべて熱可塑性部材で構成されている。これは、選択された熱可塑性樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルスルホンなど)が化学薬品や環境にさらされても安定しているため、望ましいことである。製造中に二次成形操作を利用するすべての熱可塑性装置のマイナス面の1つは、収縮である。熱可塑性樹脂が冷えると収縮し、膜がゆがみ、膜に望ましくない空隙ができる。
【0006】
スケールダウンモデルは、ウイルスろ過操作などのろ過操作の検証に使用できる。例えば、汚染をシミュレートするためにサンプルに既知の量のウイルスをスパイクし、その後、スケールダウン装置で除去することができる。装置の性能を測定して、そのウイルス除去能力を確認することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような装置は通常、熱可塑性樹脂でできており、オーバーモールド工程を使用して製造されている。そこで、熱可塑性樹脂(通常はポリプロピレン)の「窓枠」は、膜又は媒体の長方形片の周囲に射出成形され、次に、接合ステップ(振動、ホットプレートなど)を使用して、サブアセンブリを取り付ける。分離メカニズムがサイズ排除又は電荷ベースのいずれかであるフロースルー用途では、装置が冷却するにつれて収縮する(及び膜又は媒体にしわが寄る)ことによって作成される装置内部の追加の空隙は、装置の性能に悪影響を与えない。ただし、クロマトグラフィー列での捕捉のための結合及び溶出モードの用途では、しわのある膜によって作成される追加の空隙が装置の性能を低下させる。この性能の低下は、破過曲線の鋭さと溶出効率に見られる。
【0008】
さらに、ウェット又はセミウェット膜を使用する場合でも、装置内で膜の一体型シールを作成することが重要である。
【0009】
したがって、所望のリガンド(例えば、プロテインAリガンド)と結合した1つ又は複数の膜を使用して、装置内で平坦で空隙がなく密封された状態を維持する、結合及び溶出クロマトグラフィー装置などのろ過装置を有することが望ましい。
【0010】
本発明の性質及びこれら及び他の目的をさらに理解するために、添付の図面と併せて考慮される以下の説明を参照する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来技術の問題は、本明細書に開示された、入口と出口を有する一体型クロマトグラフィーユニットに関連し、入口と出口との間のユニットの領域に配置された1つ又は複数の膜を含む実施形態によって解決された。膜の膨潤を可能にするために、膜間に十分な空間が提供される。いくつかの実施形態では、入口を通ってユニットに入る流体は、入口から離間した出口を通ってユニットを出る前に、1つ又は複数の膜を通過する。
【0012】
様々な実施形態において開示されるのは、流体入口及び前記流体入口から離れた流体出口を有するハウジングと、前記流体入口と前記流体出口との間の領域内の内部容積と、前記ハウジングの前記内部容積内に配置された少なくとも第1及び第2の膜と、前記第1の膜と第2の膜との間に配置された少なくとも1つのスペーサーを含む、クロマトグラフィー装置である。1つ又は複数の膜(及びスペーサー)を通る結果として生じる流路は、例えばバイオ医薬品流体の結合/溶出クロマトグラフィー操作を含むクロマトグラフィー用途のためのユニットの使用を促進する。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスペーサーは、環状の形状(例えば、ワッシャー又はドーナツ形状の部材)である。いくつかの実施形態では、少なくとも第1及び第2の膜の活性膜領域によって画定されるハウジングの内部容積内にろ過ゾーンがあり、環はそのろ過ゾーン内に配置された開放領域を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の膜は、クロマトグラフィー装置の動作中の流体の流れの方向で第2の膜の上流に配置され、スペーサーは第1の膜と第2の膜との間に配置される。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー装置は、流体入口と第1の膜との間に配置された多孔質フリットをさらに備える。いくつかの実施形態では、流体出口と、クロマトグラフィー装置の動作中の流体の流れの方向で、第1の膜の下流に配置された第2の膜との間に配置された多孔質フリットがあってもよい。いくつかの実施形態では、流体入口と第1の膜との間、及び流体出口と第2の膜との間の両方にフリットを配置することができる。
【0015】
そのようなクロマトグラフィーユニットを製造する方法も開示される。
【0016】
ハウジングの内部容積内に1つ又は複数のスペーサーを適切に配置し、ハウジング内で1つ又は複数の膜が膨潤又は拡張するための空間を提供することによって、膜の凹凸やしわによる装置性能の低下の問題が最小限に抑えられるか、解決される。
【0017】
したがって、膜ベースの結合及び溶出クロマトグラフィーユニット又は装置が開示され、膜又は複数の膜は装置内で平坦かつ均一なままであり、空隙を最小限に抑え、それによって装置の活性膜面積を最大化する。
【0018】
特定の実施形態で開示されるのは入口及び出口を有するろ過装置であり、この装置は、ろ過ゾーンを有するポリマーフレームワークと、ろ過ゾーンにおいて前記ポリマーフレームワークに結合又は接着された1つ又は複数の膜とを含み、装置内の膜を分離する1つ又は複数のスペーサーを備えている。
【0019】
特定の実施形態では、複数の膜内の各膜は同じであり、例えば、それぞれが同じ化学及び性能の特性又は等級を有する。特定の実施形態では、複数の膜内の各膜は、結果として得られるフィルタユニットの特定の性能特性を得るために、異なる化学的特性又は性能特性が変わる。
【0020】
いくつかの実施形態で開示されるのは、入口及び出口を有し、少なくとも1つの膜を含む一体型ユニットであり、入口を通ってこの使い捨て一体型ユニットに入る流体は、出口を通ってユニットを出る前に、少なくとも1つの膜を通過する。1つ又は複数のスペーサーが一体型ユニット内に、好ましくはワッシャー又は環の形態で配置され、ユニット内の1つ又は複数の膜の拡張領域を提供する。このユニットは、高速サイクリングによる清澄化細胞培養物からのモノクローナル抗体(mAb)の生産性の高いクロマトグラフィー捕捉に適している。従来のプロテインAレジンよりもはるかに高い流速で操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】特定の実施形態によるろ過装置の断面図である。
【
図2】特定の実施形態によるスペーサーの斜視図である。
【
図3】別の実施形態によるろ過装置の断面図である。
【
図4】特定の実施形態による1mL装置の圧力流量関係の例示的なグラフである。
【
図5】特定の実施形態による、注入弁と検出器との間に示されたシステムホールドアップボリュームを含む、システム構成の概略図である。
【
図6】特定の実施形態に従ってシステムホールドアップボリュームを測定するために使用される2%アセトンパルスのUV280を示す例示的なクロマトグラフである。
【
図7】特定の実施形態による、1mL装置の280nmでの正規化された吸光度を示す例示的な破過クロマトグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照することにより、本明細書に開示される構成要素、プロセス、及び装置をより完全に理解することができる。これらの図は、便宜上及び本開示の説明の容易さに基づいた単なる概略図であり、したがって、例示的な実施形態の範囲を定義又は限定することを意図するものではない。
【0023】
以下の説明では明確にするために特定の用語が使用されているが、これらの用語は、図面で説明するために選択された実施形態の特定の構造のみを指すことを意図しており、開示の範囲を定義又は制限することを意図していない。以下の図面及び以下の説明において、同様の番号指定は同様の機能の構成要素を指すことが理解されるべきである。
【0024】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0025】
本明細書で使用されるように、様々な装置及び部品は、他の構成要素を「含む」ものとして説明される場合がある。本明細書で使用される用語「含む」、「備える」、「有する」、「できる」、「含有する」、及びそれらの変形は、追加の構成要素の可能性を排除しない、制限のない移行句、用語、又は単語であることを意図している。
【0026】
従来、スケールダウンろ過装置は、単一工程の成形操作で製造されてきた。1つ又は複数の膜層が2つのプラスチック部材(及び入口と出口)の間に積み重ねられ、部材と膜が一緒に機械的に圧縮される熱可塑性金型に配置され、そして、溶融熱可塑性物質が周囲に射出され、上部のプラスチック部材から下部のプラスチック部材までのシールが作成される。接触又はホットプレート溶接操作を使用できる。膜又は膜と装置との間に一体型シールが形成され、装置ハウジング全体が溶接される。各膜の下に配置された膜スクリーンを装置に含めることができる。適切なスクリーンには、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びナイロン製のスクリーンが含まれる。1つの適切なスクリーンは、DelStar Technologiesから市販されているNaltex押出網(厚さ0.010インチ、ストランド数(イン)13.5SPI、ストランド数(アウト)13.5SPI、スタンド角度60度、坪量5.50オンス/10フィート)である。スクリーンで膜を分離すると、溶出圧力が低下し、ばらつきが減少する。いくつかの実施形態では、スペーサー22のうちの1つ又は複数は、圧入や接着剤による結合などにより、スペーサー22の内径内に配置された膜スクリーン25を有することができる(
図3)。
【0027】
しかしながら、膜は典型的には、最適な機能を達成するために膨潤(例えば、典型的には5~30%の膨潤)を必要とする多孔性ヒドロゲルである。この膨潤により、動的結合能力が低下し、圧力損失性能が高くなる可能性がある。本明細書に開示される実施形態は、膨潤に適応し、装置の性能を改善する。
【0028】
次に
図1を参照すると、流体入口13と、入口13から離れた流体出口14とを有するハウジング12を含むろ過ユニット10が示されている。流体入口13及び流体出口14は、チューブなどへの便利な接続のために適切なルアーコネクタを含むことができる。ハウジングは、流体不浸透性の壁によって画定される。流体入口13及び/又は流体出口14におけるハウジング12の内面は、ハウジング内の流体分布を高めるために格子状表面8を有してもよい(
図1では流体出口13でのみ示される)。格子状表面8は、ハウジングと一体であってもよいし、ハウジングに接合された別個の部品であってもよい。
【0029】
図示の実施形態では、ユニット10内に配置された複数の膜15a、15b、15c、15d及び15eがある。この実施形態では5つの膜が示されているが、当業者は、より少ない又はより多くの膜を使用できることを理解できる。膜15aは、上流膜として配置される。膜15bは、入口13から出口14への流体の流れの方向において、膜15aの下流に配置される。膜15cは、入口13から出口14への流体の流れの方向において、膜15bの下流に配置される。膜15dは、入口13から出口14への流体の流れの方向において、膜15cの下流に配置される。そして、膜15eは、入口13から出口14への流体の流れの方向において、膜15dの下流に配置される。好ましくは、膜15はそれぞれ、オーバーモールドプロセスなどによって、ハウジング12の流体不浸透性壁の表面にシールされる。オーバーモールド材料は、ハウジングの材料と同じ、例えばポリエチレンであってもよい。このように、ハウジングの上部と下部、膜、任意選択のスクリーンとワッシャーを成形機に配置して、成形機はこのスタックを圧縮し、例えば周囲に溶融ポリプロピレンを射出して、上部、下部、膜/スクリーン/ワッシャースタックを一緒に溶接する。組み立てられると、各膜15は、活性領域、すなわちサンプルの流れに利用できる膜の領域、及び膜の不活性領域、すなわちハウジングに密閉され、したがってサンプルフローには使用できない領域(通常は膜の周囲)を有する。いくつかの実施形態では、流体入口13と最も上流に配置された膜(
図1の実施形態では膜15a)との間に、及び/又は、流体出口14と最も下流に配置された膜(
図1の実施形態では膜15e)との間に、多孔質フリット17を任意に配置することができる。いくつかの実施形態では、多孔質フリット17は、
図3に示すように、ユニットの流体入口13及び/又は流体出口14に配置することができる。すなわち、フリット17は、
図1の実施形態のようにユニットのハウジングにオーバーモールドされるのではなく、流体入口13及び/又は流体出口14の内径内に圧入されてもよい。したがって、
図3に示されるように入口又は出口に配置されるフリットの外径は、
図1に示されるように配置されるフリットの外径よりも小さい。適切なフリット材料には、ポリオレフィン、特にポリエチレンが含まれる。適切なフリットの厚さは、約0.03インチから約0.06インチの範囲であり得る。フリットの厚さは均一であることが好ましい。
【0030】
適切な膜には、結合/溶出クロマトグラフィーに適しており、プロテインAリガンドなどのリガンドが付着した膜が含まれる。特定の実施形態では、膜15は、多孔性ヒドロゲルなどの乾燥不可能な湿潤膜であってもよい。適切な膜には、米国特許第7,316,919号、第8,206,958号、第8,383,782号、第8,367,809号、第8,206,982号、第8,652,849号、第8,211,682号、第8,192,971号、第8,187,880号に開示されるものが含まれ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。そのような膜は、支持部材を通って延びる複数の細孔を有する支持部材と、支持部材の細孔内に位置し、支持部材の細孔を本質的に満たすマクロポーラス架橋ゲルを含む複合材料を備える。いくつかの実施形態では、使用されるマクロポーラスゲルは、環境条件に応答性であり、応答性複合材料を提供する。他の実施形態では、微孔性ゲルは、微生物又は細胞の化学合成を促進するか、又は成長をサポートするのに役立つ。
【0031】
特定の実施形態では、1つ又は複数の膜15は、好ましくは熱可塑性物質などのポリマー材料で作製されたハウジング12に接着され、シールされる。適切な熱可塑性物質には、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン、それらのブレンド、及びポリエーテルスルホンが含まれる。ハウジング12内の膜15の配置及びシールは、好ましくは、装置10の流体入口13に入るすべての流体が、装置10の流体出口14に到達する前に、1つ又は複数の膜15の活性領域を通過するような配置及びシールでなければならない。
【0032】
様々な実施形態において、膜15のうちの1つ以上の間に配置されるのは、スペーサー又はワッシャー20である(
図2)。いくつかの実施形態では、スペーサー又はワッシャー20は、フレーム22又は周囲によって画定され、これは、環状周囲であってもよく、連続的又は不連続的であってもよい。5つの膜15がある
図1の実施形態では、4つのワッシャー20があってもよい。したがって、ワッシャー20aは、膜15aと15bとの間に配置される。ワッシャー20bは、膜15bと15cとの間に配置される。ワッシャー20cは、膜15cと15dとの間に配置される。そして、ワッシャー20dは、膜15dと15eとの間に配置される。ワッシャー20は、膜15の各々がしわや反りを最小限又はゼロに抑えてハウジング内で膨潤又は膨張するのに十分なスペースを提供するのに適した厚さである。適切なワッシャーの厚さには、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、及び0.030インチが含まれる。1つ又は複数の膜15の所望の拡張空間に応じて、他の厚さのワッシャー20を使用することができる。特定の実施形態では、ワッシャー20の外径は、膜15の外径と同じ又は実質的に同じである。特定の実施形態では、ワッシャー20の外径は、ハウジング12への取り付け及びシールを可能にするのに十分である。
【0033】
装置10内に複数のワッシャーがある特定の実施形態では、ワッシャー20の各々は同じ寸法を有する。特定の実施形態では、各ワッシャー20は、組み立てられた状態にあるときに膜15の活性膜領域と流体連通する開放領域21を有する。好ましくは、各ワッシャーの開放領域21は、装置10のろ過ゾーンに配置され、ろ過ゾーンは、活性膜領域を含むハウジング12の内部容積内の領域(すなわち、ハウジング12内のろ過に利用できる膜の面積)である。したがって、ワッシャー20は、装置10内及び装置10を通る流体の流れ又はろ過を妨げない。特定の実施形態では、開放領域21は、膜15の活性領域と整列する。各ワッシャー20の周囲又はフレーム22は、非多孔性であり、ハウジング12の内壁へのシールに利用可能であり得る。ワッシャー20に適した材料には、ポリエステル、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン及びポリスルホンが含まれる。
【0034】
この装置は、比較的低コストで実装することができる。装置10は、再利用可能であるか、又は「シングルユース」アイテムとして製造することができる。すなわち、「シングルユース」とは、目的の(又は所定の)操作の完了時に、装置は、廃棄するか(例えば、特定の環境規制物質をフィルタリングした後、法律で要求される場合)、部分的又は完全に再生又はリサイクルすることができる(例えば、非規制物質をフィルタリングした後)ことを意味する。装置内に1つ又は複数のワッシャーが存在することで、ばらつき(すなわち、10%ブレークスルーでの溶出圧力対動的結合ボリューム、及び溶出量対溶出遅延を測定する際のデータ拡散の減少)がなくなる。
【実施例】
【0035】
1mLの膜を含むプロテインA膜装置の接続
フラクションコレクターを備えた適切なサイズのクロマトグラフィーシステム(例:AKTA(商標)Avant25又はAKTA(商標)Pure25)は、280nm(UV280)でのUV吸光度、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで、10mL/分の流速で平衡化バッファーでプライミングされる。適切なチューブが装置の入口と出口に取り付けられ、入口チューブを出口チューブに接続するためにゼロボリュームルアーコネクタが使用される。UV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達したら、チューブを10mL/分ユニットの流速で平衡化バッファーで洗い流す。流れを停止し、ゼロボリュームルアーコネクタを取り外した。出口は、装置への空気の導入を回避しながら、ルアーフィッティングで出口チューブに接続される。平衡化バッファーを流速1mL/分で逆方向に流して(出口→入口)、気泡を除去し、入口をルアーフィッティングを介して入口チューブに接続する。
【0036】
装置は、出口が上になるように配置され、出口キャップを取り外した。出口は、装置への空気の導入を回避しながら、ルアーフィッティングで出口チューブに接続される。平衡化バッファーを流速1mL/分で逆方向に流して(出口→入口)、気泡を除去し、入口をルアーフィッティングを介して入口チューブに接続する。平衡化バッファーを、1mL/分の流速で装置を通って逆方向に導入する。流速を10mL/分まで徐々に上げ、圧力低下(DeltaC圧力)を装置全体で監視する。圧力が安定するまで、流量を10mL/分で流す。圧力降下(DeltaC圧力)は100psiを超えてはならない。
【0037】
50MVの平衡化バッファーを10mL/分の流速で装置を通して順方向に流す。このフローは、UV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで続けられる。
【0038】
圧力流量特性評価
目標圧力降下
好ましくは、流速は、2バールの操作デルタカラム圧力に到達するように調整される。観測された圧力は、選択したバッファー液によって異なる。最適な流量を特定するために、7、8、9、及び10MV/分の流量でブランクランを実行できる。ブランクラン中、mAb溶液は装置にロードされない。残りの手順は同じである。
【0039】
ブランクラン方法
1.すべてのバッファーは、システムポンプA又はシステムポンプBのいずれかを介して接続される。平衡化バッファーは、UV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで、カラムバイパスを介して10mL/分で流される。UV280シグナルはゼロに設定される。
2.目標流量が選択される(7、8、9、又は10MV/分)。
3.動作流量を調査する次の手順は、以下の表1にも示されている。
a.ステップP1:10mLのポンプを使用して洗浄し、平衡化バッファーをプライミングする。装置は、目標流量で10MVの平衡化バッファーで平衡化される
b.ステップP2:10mLのポンプ洗浄液を使用して、高塩バッファーをプライミングする。装置は、目標流量で10MVの高塩バッファーで洗浄される
c.ステップP3:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。装置は、目標流量で10MVの平衡化バッファーで洗浄される
d.ステップP4:10mLのポンプ洗浄液を使用して、溶出バッファーをプライミングする。装置には、目標流量で15MVの溶出バッファーが流れる
e.ステップP5:10mLのポンプ洗浄液を使用して、CIP溶液をプライミングする。装置は、目標流量で10MVのCIP溶液で洗浄される。
f.ステップP6:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。装置は、10MVの目標流量で、又はUV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで、平衡化バッファーで平衡化される。
4.ステップD1~D6は、7~10MV/分の範囲の残りの流量で、必要に応じて繰り返される。
5.高速サイクリング研究の同じセッションで装置を使用しない場合は、クロマトグラフィーシステムから装置を取り外し、入口/出口キャップを取り付け直して、冷蔵庫に保管する。
6.適切な操作流量を決定する手順については、次のセクションで説明する。
【0040】
【0041】
流量測定
流量を最適化するために、各流量の最大作動圧力が最初に決定される。これは典型的にはCIP中に起こり、
図4に示されるものと同様の圧力-流量曲線をもたらす。
【0042】
最適化された流量は、次の式に示すように、線形補間によって決定できる:
【数1】
式中、Q
opは決定された動作流量、P
opは2バールの目標動作デルタカラム圧力降下である。P
1とP
2は観測された2つの圧力で、2バールに最も近いものであり、Q
1とQ
2は対応する流量である。
【0043】
その後の実験は、前述の流量で実行することが推奨される。
【0044】
システムホールドアップボリューム
システムホールドアップボリュームの説明
システムホールドアップボリュームは、注入弁と検出器の間のボリュームである(
図5)。これは、装置を平衡化バッファーで平衡化してから、トレーサー溶液パルス(2%アセトン、高塩溶液)を注入することによって決定できる。観測されたピークの保持ボリュームがシステムホールドアップボリュームである。
【0045】
システムホールドアップボリュームの測定
1.平衡化バッファーを目標流量で装置に流し、UV280又は導電率検出器をモニターしてベースラインシグナルを確立する。
2.トレーサー溶液を100μLのサンプルループにロードする。
3.平衡化バッファーを目標流量で流し続けながら、トレーサー溶液を注入する。時間/ボリュームは、この注入イベントでゼロに設定する。
4.ピークが分割されているか、ひどく歪んでいる場合は、装置が完全ではない可能性があり、評価を中止する必要がある。
5.観測されたピーク最大ボリュームは、システムホールドアップボリュームである。1mL装置を用いたシステムホールドアップボリュームの測定中に生成されたクロマトグラムの例を
図6に示す。
6.システムホールドアップボリュームは通常2~6mLである。装置とクロマトグラフィーシステムは、それぞれ1~3mLを提供する。測定されたシステムホールドアップボリュームが顕著に大きい場合、クロマトグラフィーシステムホールドアップボリュームは、装置をゼロボリュームコネクタに交換することによって単独で測定できる。
【0046】
動的結合容量
動的結合容量フィードの調製
好ましくは、動的結合容量は、前精製されたmAb溶液を使用して決定される。その後、UV280シグナルをモニタリングすることで、mAbのブレークスルーを観察できる。精製されたmAb溶液は、高速サイクリング研究に使用されるmAbフィードと同様の濃度、pH、及び導電率を持っている必要がある。ブレークスルー動作を完全に観察するには、装置に約50g/Lをロードする必要がある。
【0047】
精製されたmAb溶液が利用できない場合は、浄化されたmAbフィードを使用して動的結合容量を決定することもできる。清澄化細胞培養物を使用する場合、UV検出器は280nmで飽和するため、この場合は300nmなどのより長い波長を使用する必要がある。あるいは、Swinnenらによって記述された手順を使用して、より高い精度を達成できる。ここで、mAbブレークスルーボリューム画分が収集され、対応するmAb濃度が分析的プロテインAクロマトグラフィーによってオフラインで測定される(J.Chromatograph.B,848(2007)97-107)。
【0048】
動的結合容量法
1.動的結合容量測定用にバッファーとmAbフィードを準備する。表1は、装置の1回の動的結合容量測定のために準備するバッファーのおおよその量を示す。
【表2】
2.mAbフィードをサンプルポンプを介して接続し、すべてのバッファーをシステムポンプA又はシステムポンプBを介して接続する。
3.UV280/UV300、pH、及び導電率検出が一定の値に達するまで、平衡化バッファーをカラムバイパスに10mL/分で流す。UV280/UV300信号をゼロに設定する。
4.UV280/UV300シグナルが安定した値に達するまで、mAbフィードを1mL/分でカラムバイパスに流す。この値は100%のブレークスルー値として記録し、次のセクションでDBC
10を計算するために使用される。
5.UV280/UV300、pH、及び導電率検出が一定の値に達するまで、平衡化バッファーをカラムバイパスに10mL/分で流す。UV280/300信号はゼロに戻るはずである。
6.動的結合容量を測定するための次の手順も、表3に示される。
a.ステップD1:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。目標流量で10MVの平衡化バッファーで装置を平衡化する
b.ステップD2:1mL装置に50mgのmAbフィードを目標流量でロードする。
c.ステップD3:装置を目標流量で10MVの平衡化バッファーで洗浄する
d.ステップD4:10mLのポンプ洗浄液を使用して、高塩バッファーをプライミングする。目標流量で10MVの高塩バッファーで装置を洗浄する
e.ステップD5:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。目標流量で10MVの平衡化バッファーで装置を洗浄する
f.ステップD6:10mLのポンプ洗浄液を使用して、溶出をプライミングする。目標流量で15MVの溶出バッファーを使用して、装置からmAbを溶出する
g.ステップD7:10mLのポンプ洗浄液を使用して、CIP溶液をプライミングする。目標流量の流量で10MVのCIP溶液で装置を洗浄する
h.ステップD8:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。装置は、10MVの目標流量で、又はUV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで、平衡化バッファーで平衡化される。
7.高速サイクリング研究の同じセッションで装置を使用しない場合は、クロマトグラフィーシステムから装置を取り外し、入口/出口キャップを取り付け、冷蔵庫に保管する。
8.DBC
10値は、次のセクションで説明するように、UV280シグナルのクロマトグラムを分析することによって計算される。
【0049】
【0050】
DBC
10
の計算
1.UVシグナルを、「動的結合容量法」セクションのステップ4で測定した100%破過値で割ることによって正規化する(
図7)。
2.破過曲線上のUVシグナルが10%の値に達するローディングボリュームを特定する。
3.10%ブレークスルーでの動的結合容量を次の式に従って計算する:
【数2】
式中、DBC
10は10%ブレークスルーでの動的結合容量であり、V
10%BTはUVシグナルが10%に達したときのバッファーの容量であり、V
HUはシステムホールドアップボリューム、C
feedはmAbフィードの濃度であり、V
membraneは装置内の膜の容量である。
4.例えば、10%ブレークスルーが12.5mL、システムホールドアップボリュームが2.47mL、mAbフィード力価が3g/L、膜ボリュームが1mLの場合、DBC
10は30.1g/Lになる。[0059]高速サイクリング研究。
【0051】
研究の時間長さ
好ましくは、装置は100サイクル評価される。単一の結合/溶出サイクルは、通常、ローディング密度、フィード濃度、動作流量、及びLC装置のポンプ洗浄に必要な時間に応じて、8~15分を必要とする。したがって、100サイクルを完了するには13~25時間が必要である。
【0052】
必要なmAbフィードの容量の計算
高速サイクリング研究に必要なフィードの容量は、次の式で計算される:
【数3】
式中、V
feedは必要なフィードの容量であり、V
membraneは装置内の膜の容量であり、LDはローディング密度であり、C
feedはmAbフィードの濃度であり、N
cyclesはサイクル数である。
【0053】
ローディング密度は、次の式に従って計算されることに留意されたい:
【数4】
【0054】
例えば、装置のDBC10が30.1g/Lであることが判明した場合、装置の負荷は30.1g/L×80%、すなわち24.08g/Lになる。1g/Lのフィード濃度では、サイクルごとに24.08mLをロードする必要があり、100サイクルには2,408mLが必要である。システムをプライミングし、フィード容器が完全に空にならないように、追加の量のフィードを準備する必要があることに留意されたい。
【0055】
高速サイクリング法
1.高速サイクリング研究用のmAbフィードとバッファーを準備する。上記の表1は、1mL装置を使用した100サイクルの実験用に準備する必要があるバッファーの量を示している。
2.好ましくは、mAbフィードは、サイクリング研究全体を通して10℃未満に保たれる。
3.mAbフィードはサンプルポンプを介して接続され、すべてのバッファーはシステムポンプA又はシステムポンプBを介して接続される。
4.1回の結合/溶出サイクルについては、次の手順で説明し、表4に示す。サイクリングプロセスは、クロマトグラフィーシステムソフトウェアで自動化する必要がある。例えば、AKTAシステムでは、これは実験を設定するときに、「メソッドエディター」の「スカウティング」機能を使用するか、「メソッドキュー」を使用してメソッドを構築することによって行われる。
a.ステップR1:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。目標流量で20MVの平衡化バッファーで装置を平衡化する。
b.ステップR2:上記で計算されたローディング密度(80%×DBC10)まで、装置にmAbで浄化された細胞培養物をローディングする。最初のサイクルを開始する前に、フィードを注入弁にプライミングする必要がある。その後のサイクルは、プライミングを必要としない。
c.ステップR3:装置を、目標流速の流速で10MVの平衡化バッファーで洗浄する。
d.ステップR4:10mLのポンプ洗浄液を使用して、高塩バッファーをプライミングする。装置を、目標流量で10MVの高塩バッファーで洗浄する。
e.ステップR5:10mLのポンプ洗浄液を使用して、平衡化バッファーをプライミングする。装置を、目標流量で10MVの平衡化バッファーで洗浄する。
f.ステップR6:10mLのポンプ洗浄液を使用して、溶出バッファーをプライミングする。mAbは、目標流量で15MVの溶出バッファーで装置から溶出される。好ましくは、UV280溶出ピークが100mAUを超える場合、10サイクルごとに溶出液を15mLチューブに収集する。100mAU値は、特定のフィードに合わせて調整する必要がある場合がある。
g.ステップR7:10mLのポンプ洗浄液を使用して、CIP溶液をプライミングする。装置を、目標流量で10MVのCIP溶液で洗浄する。
5.100サイクルの完了後、装置は35MVの平衡化バッファーで、目標流量で、又はUV280、pH、圧力、及び導電率検出が一定の値に達するまで、平衡化される。
6.1回のセッションで完全な100サイクルを完了できない場合は、UV280、pH、圧力、及び導電率検出器が一定の値に達するまで、装置を平衡化バッファーでフラッシュする。装置をクロマトグラフィーシステムから取り外し、入口/出口キャップを再び取り付け、冷蔵庫に保管する。
【0056】
【国際調査報告】