(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】IgA腎症の処置に関する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 38/17 20060101AFI20230629BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230629BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20230629BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230629BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20230629BHJP
【FI】
A61K38/17
A61P13/12
A61K47/68
A61K39/395 V
C07K19/00 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574328
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 US2021035161
(87)【国際公開番号】W WO2021247512
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504104899
【氏名又は名称】アレス トレーディング ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【氏名又は名称】岩田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】ワックス,ステファン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バッシ,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】グーリング,ハンズ
(72)【発明者】
【氏名】テリリアン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】カオ,エイミー フイ‐シアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076CC17
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084CA18
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZA81
4C085AA33
4C085BB31
4C085CC22
4C085EE03
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA41
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA28
(57)【要約】
本開示は、IgA腎症の処置に関連する方法に関する。より具体的には、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法、IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法、IgA腎症を有する患者のタンパク尿を低減する方法、IgA腎症を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法、ならびにさらなる関連する開示に関する。これらの方法に用いられる薬剤は、アタシセプトなどの、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子(TACI-Ig/TACI-Fc融合分子)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記方法。
【請求項2】
IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記方法。
【請求項3】
IgA腎症(IgAN)を有する患者のタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記方法。
【請求項4】
IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記方法。
【請求項5】
前記患者が持続性タンパク尿を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記タンパク尿が、1.0~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(a)前記持続性タンパク尿が、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgであると決定されている、
請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記TACI-Ig融合分子が、配列番号3と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記TACI-Ig融合分子がアタシセプトである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記患者が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記IgA腎症が、腎生検により確認されたIgA腎症である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記TACI-Ig融合分子が1週間あたり25~150mgの量で投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記TACI-Ig融合分子が少なくとも4週間投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記TACI-Ig融合分子が皮下投与によって投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の前記血清レベルの低減をもたらす、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
患者のIgA腎症の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記使用。
【請求項17】
IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記使用。
【請求項18】
IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記使用。
【請求項19】
IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記使用。
【請求項20】
患者のIgA腎症の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記TACI-Ig融合分子。
【請求項21】
IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによってIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記TACI-Ig融合分子。
【請求項22】
IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記TACI-Ig融合分子。
【請求項23】
IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、前記TACI-Ig融合分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月2日に出願された米国仮特許出願第63/033,593号の利益を主張し、その開示内容は、参照により全文が本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書で電子的に提出されたテキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。配列表のコンピュータ可読フォーマットのコピー(ファイル名:VETH_011_01WO_SeqList_ST25.txt、記録日:2021年5月3日、ファイルサイズ28キロバイト)。
【0003】
本開示は、一般に、IgA腎症を処置するための方法に関する。より具体的には、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法、IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法、IgA腎症を有する患者のタンパク尿を低減する方法、IgA腎症を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法、ならびにさらなる関連する開示に関する。
【背景技術】
【0004】
免疫グロブリンA腎症(IgAN)は、ベルジェ病とも呼ばれ、世界で最も多い原発性糸球体腎炎である。米国では年間100万人あたり約10人、アジアでは年間100万人あたり20~40人と推定される。
【0005】
臨床的にも病理学的にも、IgANの兆候は様々である。古典的なIgANでは、この疾患は、感染症に伴う肉眼的血尿を伴う。しかし、より一般的なIgANは、タンパク尿を伴うかまたは伴わない無症候性の顕微鏡的な血尿を伴う。特に、IgAN患者において持続性タンパク尿(特に尿タンパク:クレアチニン比(UPCR)>1mg/mg)は、腎不全のリスク上昇と関連している。IgANを患っている全対象の最大40%が末期腎臓疾患(ESRD)に移行するといわれている。
【0006】
IgANの発症機序は完全には解明されていない。腎臓に沈着するIgA含有循環免疫複合体(CIC)の形成が、糸球体の炎症と尿細管間質性の瘢痕を誘発すると考えられている。免疫複合体形成の1つの基質として、ガラクトース欠損型免疫グロブリンA1(Gd-IgA1)がある。正常なIgA1抗体と比較して、これらのGd-IgA1抗体は、ヒンジ領域のO-結合型グリカンにガラクトースを欠いている。このグリコシル化欠損型Gd-IgA1タンパク質は、Gd-IgA1ヒンジ領域に対するIgAおよびIgG自己抗体形成を誘発すると考えられている。循環IgA含有免疫複合体が形成され、腎臓に沈着すると糸球体の炎症と尿細管間質性の瘢痕が誘発される。IgA腎症におけるガラクトース欠損型IgA1(Gd-IgA1)に関連する文献としては、以下のようなものがある:Liu D et al., 2020;Makita Y et al., 2020;Zhao et al., Kidney International 2012。
【0007】
今日現在、IgAN患者の支持療法の中心的な構成要素は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を用いた適切な血圧(BP)制御およびタンパク尿管理からなる(International Society of Nephrology, 2012)。ACEiの使用は、無作為化対照試験において、タンパク尿を減少させ、腎臓の生存率の向上と相関することが示されている(Descamps-Latascha et al., 2004)。ACEiとARBを組み合わせて使用することで、タンパク尿の減少に相加的な効果が期待できる。しかし、長期的には、ACEiとARBは、IgANに関連した進行中のタンパク尿と腎不全への進行を止めたり、元に戻したりすることはできない。
【0008】
副腎皮質ホルモン(CS)および免疫抑制剤などの他の処置法は、腎臓の転帰を決定的に改善することは示されていない(Floege et al., 2011)。十分な血圧制御およびACEiによる処置にもかかわらず持続性タンパク尿を有する腎機能が維持されている対象には、CSの短期コースが推奨されているが(International Society of Nephrology, 2012)、公表された臨床試験の最近のレビューでは、CSは特定の状況においてのみ腎臓の生存率を向上させることがあり、安全性に関する疑問が残っていることが示されている(Lv 2012)。
【0009】
したがって、IgANに対する利用可能な処置法が現在不十分であるため、IgANの処置に対する重大な未だ満たされていない医療ニーズが存在する。IgANを有する対象における転帰が、特にESRDの発症および総死亡率に関して依然として悪いことを考えると、IgANは緩徐進行性の疾患とは見なされず、より良い処置が必要とされる。特に、循環Gd-IgA1免疫複合体の腎臓での形成と沈着を効果的に低減する利用可能な処置法は、今のところ存在しない。したがって、特に持続性タンパク尿や尿中に高いタンパク質量を有する患者に対して、原因となる疾患因子の低減による真の疾患修飾が期待できる介入は、現在のところ存在しない。
【0010】
したがって、IgAN、特に持続性タンパク尿および/または高レベルのタンパク尿を有するIgAN患者を処置するための改善された方法が当技術分野では求められている。さらに、IgANを有する患者、特に持続性タンパク尿および/または高レベルのタンパク尿を有するIgAN患者において、好ましくは長期間にわたって適用できる方法によって、Gd-IgA1の血漿レベルを低減する改善された方法が当技術分野では求められている。さらに、IgA腎症を有する患者、特に持続性タンパク尿および/または高レベルのタンパク尿を有するIgAN患者において、好ましくは長期間にわたって適用できる方法によって、タンパク尿を低減する改善された方法が当技術分野では求められている。
【0011】
本開示は、上述した問題を克服し、上述した必要性に対処するものである。
【発明の概要】
【0012】
本開示は、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子に関し、IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法および関連する方法を提供する。
【0013】
本発明は、部分的には、アタシセプトのようなTACI-Ig融合分子の投与により、高タンパク尿レベルを有する、ひどく冒された患者であっても、IgAN患者のGd-IgA1の血清レベルを強く低減することができるという驚くべき観察に基づくものである。さらに、この方法は、従来技術で知られているIgAN処置よりも副作用が少なく、より長期の処置が可能であることが分かった。
【0014】
一態様によれば、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0015】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0016】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症を有する患者のタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0017】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0018】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含み、
前記方法は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、方法に関する。
【0019】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法に関する。
【0020】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、方法に関する。
【0021】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法に関する。
【0022】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0023】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0024】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0025】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0026】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0027】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0028】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0029】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0030】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0031】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0032】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0033】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0034】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0035】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0036】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0037】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0038】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0039】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0040】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0041】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0042】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0043】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0044】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0045】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0046】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0047】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0048】
以下では、図が参照される。以下の図の説明で言及されるすべての方法は、実施例で詳細に説明されたように実施された。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】実施例1の試験デザイン(部分A)を模式的に示した図である。*:72週目以前に早期終了した対象は、早期終了来院と、4週目、12週目、24週目、およびその後12週毎に72週目まで来院する安全性フォローアップ期間とを受ける。ET:早期終了来院、IMP:治験薬、安全性FU:24週間の安全性フォローアップ期間。
【
図2-1】実施例1において得られた24週目までの中間結果をまとめた図である。(A)は、実施例1の試験における、24週目のベースライン(1日目)からの血清Gd-IgA1の変化の中央値を示し、(B)は、24週目のベースライン(1日目)からの24時間UPCRの変化の中央値を示し、(C)は、実施例1の試験における、24週目の血清IgA、IgGおよびIgMの変化の中央値を示す。左から右の棒グラフは、プラセボ、アタシセプト25mg、アタシセプト75mgの値を示す。
【
図3】実施例1の試験における、24週目のGd-IgA1および24時間UPCRのベースラインからの変化について観察された用量関係を示すグラフである。
【
図4】アタシセプト75mgとブデソニド16mgとの間の処置効果の比較を示す図である。
【
図5-1】実施例1の試験における、(A)血清IgA、(B)血清IgG、(C)血清IgM、(D)血清Gd-IgA1、(E)血清中の補体C3、(F)血清中の補体C4、および(G)推定糸球体ろ過率(GFR)の対ベースライン変化率の中央値について、血清濃度の対ベースライン(最初のTACI-Ig投与前の1日目の値)変化率の中央値を示す図である。
【
図6】実施例1の試験における、スポット尿タンパク:クレアチニン比のベースラインからの変化(CFB、すなわち最初のTACI-Ig投与前の1日目の値に対する変化)(個々の患者の値、およびこれらの値に基づく適合曲線)を示す図である。25mg:25mgアタシセプト群;75mg:75mgアタシセプト群、PBO:プラセボ群。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、上記および下記で詳細に説明されているが、本開示は、本開示によって説明される特定の方法論、プロトコルおよび試薬が変化し得るため、これらに限定されないことが理解されるものとする。また、本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲を限定することを意図していないことも理解されるものとする。別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0051】
以下では、本開示の特定の要素を、特定の実施形態の説明を含めて、より詳細に説明する。しかしながら、様々に説明された例および好ましい実施形態は、本開示を明示的に説明された実施形態のみに限定するように解釈されるべきではない。この説明は、明示的に説明された実施形態を、任意の数の開示されたおよび/または好ましい要素と、任意の方法で組み合わせた実施形態を支持し、包含するものと理解されるべきである。さらに、本出願に記載されたすべての要素の任意の順列および組合せは、これが論理的矛盾をもたらすか、または文脈がそうでないことを示す場合を除き、本出願の説明によって開示されたと見なされるべきである。
【0052】
本明細書において別に定義されない限り、本開示に関連して使用される科学的用語および技術的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。一般に、本開示で言及される命名法および技術、例えば医学、薬学、生物学、バイオテクノロジー、薬理学または毒物学の命名法および技術は、当技術分野でよく知られ、一般的に使用されている。本開示の方法および技術は、一般に、特に断りのない限り、当技術分野で周知の従来の方法、および本開示を通じて引用され議論される文献に記載される方法に従って実施される。
【0053】
本開示が、本明細書で引用される特許出願、特許または印刷刊行物が参照により本明細書にその全体が組み込まれると記載する場合、そのような組み込まれた資料は、請求項、定義、主題の免責または否認を除き、また組み込まれた資料が本明細書の明示的開示と矛盾する範囲を除き、その全体が組み込まれるが、この場合、本開示における表現が優先される。
【0054】
一態様によれば、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0055】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0056】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症を有する患者のタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0057】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法に関する。
【0058】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含み、
前記方法は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、方法に関する。
【0059】
疑念を避けるために、以下の説明の定義および実施形態は、上述のそれぞれの態様、ならびに以下に記載するさらなるそれぞれの態様に関する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「IgAN」と略される「IgA腎症」は、腎臓内のIgA1沈着によって特徴付けられる腎臓疾患を指す(Selvaskandan H et al., 2019;Cattran DC et al., 2009;上記の背景技術の項も参照されたい)。IgANに関連する最も一般的な病理組織学的変化は、増殖細胞および細胞外マトリックスを有するメサンギウム領域の局所的またはびまん性拡大である。さらに、より重症の病変を有する患者では、びまん性管内増殖、分節性硬化、分節性壊死、および細胞性半月体形成など、光学顕微鏡で確認される様々な病変が見られることがある。IgA腎症のある患者では、予後が異なることが分かっている。IgA腎症の予後不良には、血尿、タンパク尿、高いレベルの血清中Gd-IgA1、中等度細胞過多、糸球体硬化、尿細管間質性炎症、IgGおよび/またはIgMならびに補体成分3(C3)のびまん性糸球体共沈着などいくつかの要因が高い相関を示すことが確認されている。
【0061】
血尿および/またはタンパク尿を有する患者がIgA腎症を有するかどうかは、腎生検によって確認することができる。当業者が認識しているように、IgA腎症を有する個体では、生検検体はメサンギウムの増殖を示し、免疫蛍光法および電子顕微鏡でIgAの沈着が確認される。好ましくは、本開示によれば、生検においてタンパク尿およびIgA優位メサンギウム沈着の組合せが観察される場合、個体はIgA腎症を有する/IgA腎症患者であると見なされる。
【0062】
当業者が認識しているように、Gd-IgA1は、「ガラクトース欠損型IgA1」であり、少なくとも一部のIgAN患者の糸球体メサンギウムに、単独またはIgGおよび/またはIgMと組み合わせて異常に沈着する免疫グロブリンA1の修飾型である。Gd-IgA1に関連する論文には、Wyatt et al., N Engl J Med 2013;Czerkinsky et al. J Clin Invest (1986);Novak et al. Semin Nephrol 2008;Tomana et al. Kidney Int 1997;およびSuzuki et al., Clin Exp Nephrol 2014が挙げられる。
【0063】
血清Gd-IgA1レベルは、例えば、鈴木ら(Suzuki et al., Clin Exp Nephrol 2014)によって開示された方法に準じて、後述の実施例1に記載のELISAにより決定することができる。この方法は、市販のキット、例えば、ヒトGd-IgA1のガラクトース欠損ヒンジ配列を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いたELISAに基づくImmuno-Biological Laboratories、日本によるGd-IgA1(ガラクトース欠損型IgA1)アッセイキット(カタログ番号27600)によっても実施できる(Yamasaki et al., Monoclon Antib Immunodiagn Immunother, 2018;Yasutake et al., Nephrol Dial Transplant, 2015)。
【0064】
「タンパク尿」は、本明細書で使用される場合、正常レベルを超える尿中のタンパク質の存在を指す。「タンパク尿」には、「アルブミン尿」および「微量アルブミン尿」が含まれる。ヒトの正常レベルのタンパク質は、約0~30mg/Lの範囲で尿中に現れるが、無作為な尿試料の場合、そのレベルは約80mg/Lに達することがある。24時間の採尿の場合、ヒトの尿中タンパク質の正常なレベルは、約0~150mgの範囲である。好ましくは、本開示によれば、患者が尿中に1日あたり0.5gを超えるタンパク質を有する場合、または24時間尿中に尿タンパク:クレアチニン比(UPCR)が0.5mg/mgを超える場合、タンパク尿に関する試験は異常または上昇したタンパク質レベルを示すと見なされる(したがって、タンパク尿に関する試験は、患者がタンパク尿を有するものとして識別されるという意味で「陽性」である)。
【0065】
本明細書で使用される場合、患者は、その人が少なくとも2回連続してタンパク尿の陽性反応であった場合、「持続性タンパク尿」を有する。この文脈では、例えば、患者が尿中に1日あたり0.5gを超えるタンパク質を有する場合、または24時間尿中に尿タンパク:クレアチニン比(UPCR)が0.5mg/mgを超える場合に検査が陽性と見なされる場合がある。当業者が認識しているように、意味のあるものにするためには、第2の検査は第1の直後に行うのではなく、ある程度時間的距離をおいて、例えば1週間後や数ヶ月後(例えば、2回の陽性検査の間に1週間から6ヶ月の時間をおいて)行う必要がある。持続性タンパク尿は、慢性腎臓疾患を示し、ほとんどの場合、戻ることのできないポイントである。したがって、持続性タンパク尿は、結果として腎不全や死亡または慢性透析を伴う重症疾患へとさらに進行する危険因子となる。
【0066】
タンパク尿の重症度は、さらに「UPCR」(尿タンパク:クレアチニン比)値によって説明することができる。クレアチニンは、通常、ほぼ一定の速度で尿中に放出される。したがって、UPCRは、正常/健康な状態と比較して、毎日の尿中タンパク質排泄量が増加しているかどうかを推定することを可能にする(Yang et al, PLoS ONE, 2015)。正常な尿タンパク/クレアチニン比は、200mg/g以下である。好ましくは、本開示によれば、UPCRは、24時間尿中の総タンパク質およびクレアチニンを測定することによって決定される。
【0067】
本開示が「タンパク尿のレベルの決定」に言及する場合、これは、(1)患者がタンパク尿を有するか否かの決定、(2)タンパク尿が持続性タンパク尿であるか否かの決定、および(3)24時間採尿に基づくUPCR(尿タンパク:クレアチニン比)値の決定の組合せを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、疾患を「処置すること」および疾患の「処置」は、前記疾患が緩和、低減、最小化、停止または治癒さえもするように、および/または疾患の再発の可能性が低減または疾患の再発が予防さえもするように、対象に医薬処置、例えば、薬剤の投与を提供する過程を指す。
【0069】
典型的には、本開示に記載の処置/投与に供される患者は、以前に、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法の投与による標準治療(SOC)療法で処置されている。例えば、患者を本開示の方法に供する前に、患者は、ACEiおよび/またはARBの投与による少なくとも8週間、好ましくは少なくとも12週間の処置に供されていてもよい。
【0070】
本開示に記載の方法は、(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)およびAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメインを含むTACl-免疫グロブリン(TACl-Ig)融合分子を投与することを伴う。
【0071】
現在までに、2つの成長因子BLyS(Bリンパ球刺激因子)およびAPRIL(増殖誘導リガンド)に対する固有の結合親和性を有する3つの受容体:TACI(膜貫通アクチベーターおよびCAML-インタラクター、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13B(TNFRSF13B)としても知られる)、BCMA(B細胞成熟抗原)およびBAFF-R(B細胞活性化因子に対する受容体)(Marsters et al. 2000;Thompson et al. 2001)が同定されている。
【0072】
TACIおよびBCMAはBLySおよびAPRILの両方に結合するが、BAFF-RはBLySのみに高い親和性で結合することができるようである(Marsters et al., 2000;Thompson et al. 2001)。その結果、BLySは3つの受容体すべてを通じてシグナル伝達が可能であるが、APRILはTACIとBCMAを通じてのみシグナル伝達が可能なようである。さらに、BLySとAPRILの循環ヘテロ三量体複合体(BLySとAPRILのサブユニットをそれぞれ1または2コピー含む3つのタンパク質サブユニットの群)が、全身性免疫系リウマチ疾患患者から採取した血清試料で同定されており、in vitroでB細胞増殖を誘導することが示されている(Raschke et al., 2002)。
【0073】
BLySおよびAPRILは、B細胞の成熟、増殖および生存の強力な刺激因子であり(Moore et al., 1999;Schneider et al., 1999;Do et al., 2000)、特にB細胞を含む自己免疫疾患の持続に役割を果たす。アタシセプトは、BLySとAPRILのすべての既知のコンフォメーション(すなわち、ホモ三量体、ヘテロ三量体、多量体、および可溶性または膜発現型)に対するアンタゴニストであり、B細胞の必須の生存シグナルを奪う(Gross JA et al., 2001)。
【0074】
特に断らない限り、本開示が「TACI」に言及する場合、これは、ヒトTACI受容体を指すことを意味する。TACIのアミノ酸配列は、本開示の配列番号10として提供される。
【0075】
「TACI細胞外ドメイン」という用語は、(ヒト)TACIの細胞外ドメインを指定する。TACIの細胞外ドメインは、配列番号10のアミノ酸1~166に対応する。TACIの細胞外ドメインのアミノ酸配列は、本開示の配列番号11として提供される。
【0076】
TACI細胞外ドメインまたはその断片がBLySに結合するかどうかは、当業者に既知の方法によって決定することができ、例えば、公開された米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例4に記載されている。
【0077】
本開示に従うTACI-Ig融合分子は、抗TACI抗体ではないことが当業者によって理解される。抗TACI抗体は、BLySおよび/またはAPRILに結合するTACI細胞外ドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含まないが、TACI細胞外ドメインからのエピトープに対するものであろう。
【0078】
公開された米国特許出願公開第2006/0067933号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)および国際出願PCT/US02/15910(国際公開第02/094852号パンフレットとして公開、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、TACIの細胞外ドメインの配列、ならびにそのリガンド、BLySおよびAPRILと相互作用するTACI細胞外ドメインの特定の断片を開示する。
【0079】
例えば米国特許出願公開第2006/0067933号明細書に開示されているように、TACI細胞外ドメインは、TACI受容体が属する腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバーにとって特徴的な2つのシステイン(Cys)-リッチリピートを含む。米国特許出願公開第2006/0067933号明細書では、BR42x2と示され、第2の保存度の低いCys-リッチリピートをのみを含む、TACIのスプライスバリアントがBLySに結合できることも立証されている。したがって、本開示の枠内において、TACI細胞外ドメインまたはその断片は、好ましくは、第2のCys-リッチリピートに対応する配列番号11のアミノ酸残基71~104を少なくとも含むかまたはそれからなる。あるいは、TACI細胞外ドメインまたはその断片は、第1のCys-リッチリピートに対応する配列番号11のアミノ酸残基34~66をさらに含んでいてもよい。本開示の好ましい実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号11のアミノ酸残基30~110を含むかまたはそれからなる。この配列を含むTACI-Ig融合分子は、BLySに結合して阻害する。さらに、この配列を含むTACI-Ig融合分子は、APRILにも結合して阻害する。
【0080】
TACI細胞外ドメインの断片およびバリアント(例えば、同一性の%が異なる配列バリアント)は、断片/バリアントがBLySおよび/またはAPRILに結合できる限り、本発明の文脈において同様に使用することが可能である。好ましくは、このような断片は、BLySおよび/またはAPRILの生物学的活性を阻害または低減する。
【0081】
任意のTACI細胞外ドメイン、TACl-Ig融合分子、またはそれらの任意のバリアントもしくは断片がBLySおよび/またはAPRILに結合する能力は、当業者に既知の標準的な結合アッセイによって評価することができる。
【0082】
例えば、競合結合アッセイは、公開された米国特許出願公開第2003/0103986号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の実施例4Aに記載されるように実施することができる。簡潔には、TACIは、96ウェルプレートにコーティングされ得る。放射性標識BLySまたはAPRILが調製される。試験されるTACI-Ig融合分子の様々な濃度と、一定濃度の放射性標識BLySまたはAPRILとの混合物を、TACIでコーティングされたプレートに曝露する。IC50値は、保持された放射性標識の量に基づいて計算することができる。
【0083】
あるいは、溶液結合アッセイは、公開された米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例4Bに記載されるように実施することができる。
【0084】
BLySまたはAPRIL生物学的活性を阻害または低減する能力は、例えば、試験されるTACI細胞外ドメインまたはTACI-Ig融合分子が、免疫グロブリンレベルおよび成熟B細胞および総B細胞の用量依存的低減を引き起こす能力を有するかどうかを検証することによって、当業者に既知の標準的な活性アッセイによって評価することができる。このような実験は、例えば、公開された米国特許出願公開第2006/0067933号明細書の実施例11に記載されている。
【0085】
「ヒト免疫グロブリン定常ドメイン」という用語は、本明細書で使用される場合、「免疫グロブリン(Ig)定常ドメイン」または「Fcドメイン」とも呼ばれ、IgGであることが好ましいヒトに由来する。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4であってもよい。Fcドメインは、好ましくは、少なくともIgG1のCH2、CH3ドメインを含み、好ましくはヒンジ領域とともに含まれる。好ましくは、ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、ヒトIgG1定常ドメインである。
【0086】
一部の実施形態では、前記ヒトIgG1定常ドメインは、補体依存性細胞傷害(CDC)および/または抗体依存性細胞傷害(ADCC)の低減のために修飾されている。
【0087】
ADCCでは、抗体のFcドメインがナチュラルキラーやマクロファージなどの免疫エフェクター細胞の表面にあるFc受容体(FcγR)に結合し、標的細胞のファゴサイトーシスまたは溶解に至る。CDCでは、抗体は細胞表面で補体カスケードを誘発し、標的細胞を死滅させる。IgGと活性化(FcγRI,FcγRIIa,FcγRIIIa,FcγRIIIb)および抑制(FcγRIIb)FcγRsまたは補体の第1成分(C1q)との結合はヒンジ領域とCH2ドメインにある残基に依存する。CH2ドメインの2つの領域はFcγRと補体C1qの結合に重要であり、IgG2とIgG4では固有の配列を有する。例えば、233~236位のIgG2残基をヒトIgG1に置換すると、ADCCとCDCが大きく低減することが報告されている。EUインデックス位置(Kabat et al., 1991)に従い、以下のFc突然変異は、例えば、IgG1由来のFc
T250Q/M428L
M252Y/S254T/T256E+H433K/N434F
E233P/L234V/L235A/ΔG236+A327G/A330S/P331S
E333A;K322A
に導入することができる。
【0088】
さらなるFc突然変異は、例えば、330、331、234、もしくは235、またはそれらの組合せから選択されるEUインデックス位置における置換であってもよい。CH2ドメインに位置するEUインデックス297位におけるアミノ酸置換も、本発明の文脈においてFcドメインに導入され、N-結合型炭水化物付着の潜在的な部位を除去することがある。EUインデックス220位のシステイン残基はまた、セリン残基に置換されてもよく、通常、免疫グロブリン軽鎖定常領域とジスルフィド結合を形成するシステイン残基を除去することがある。
【0089】
TACI-Ig融合タンパク質に適した特定のFcドメイン(Fc-488、ならびにFc4、Fc5、Fc6、Fc7、およびFc8)およびそれらの調製は、例えば、米国特許第8,637,021号明細書に開示されている。本開示のTACI-Ig融合分子において使用されてもよいヒト免疫グロブリン定常ドメインの好ましい例は、配列番号2によって提供される。TACl-lg融合タンパク質の形成のためのこれらの特定のFcドメインまたはその配列バリアントのいずれかの使用は、本開示の範囲内である。
【0090】
本開示に記載の「融合分子」は、上記で定義された2つの部分(すなわち、(i)BLySおよび/またはAPRILに結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン)を含む分子である。このような融合分子は、少なくとも2つの遺伝子のヌクレオチド配列を含む核酸分子によって発現されるハイブリッドタンパク質であってもよい。例えば、TACI免疫グロブリン融合分子は、TACI受容体部分と免疫グロブリン部分を含むことができる。本明細書で使用される場合、「TACI受容体部分」は、BLySまたはAPRILの少なくとも1つに結合するTACI受容体の細胞外ドメインの一部である。
【0091】
「受容体」という用語は、「リガンド」と呼ばれる生物活性分子に結合する細胞関連タンパク質を示す。この相互作用は、細胞に対するリガンドの効果を媒介する。TACI受容体結合の文脈では、「特異的に結合する」または「特異的結合」という表現は、リガンドが受容体と競合的に結合する能力を指す。例えば、BLySはTACI受容体と特異的に結合するが、これは検出可能に標識されたBLySと非標識のBLySとの間でTACI受容体に対する競合を観察することによって示すことができる。
【0092】
受容体は、膜結合型、細胞質型または核型;単量体(例えば、甲状腺刺激ホルモン受容体、βアドレナリン受容体)または多量体(例えば、PDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL-3受容体、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、エリスロポエチン受容体およびIL-6受容体)であり得る。膜結合型受容体は、細胞外リガンド結合ドメインと細胞内エフェクタードメインを含むマルチドメイン構造を特徴とし、一般的にシグナル伝達に関与する。特定の膜結合型受容体では、細胞外リガンド結合ドメインと細胞内エフェクタードメインは、完全な機能性受容体を含む別々のポリペプチドに配置されている。
【0093】
一般に、リガンドが受容体に結合すると、受容体のコンフォメーションが変化し、エフェクタードメインと細胞内の他の分子との間の相互作用を引き起こし、その結果、細胞の代謝に変化をもたらす。受容体-リガンド相互作用に関連することが多い代謝現象としては、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクリックAMP産生の増加、細胞内カルシウムの動員、膜脂質の動員、細胞接着、イノシトール脂質の加水分解、リン脂質の加水分解などが挙げられる。
【0094】
本開示において、TACI細胞外ドメインまたはその断片がBLySおよび/またはAPRILに「結合する」と記載されている場合、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片がTACI受容体と競合的に結合して、BLySおよび/またはAPRILに結合することを意味する。この結合は、当業者に知られているように、競合結合実験によって検証することができる。例えば、TACI細胞外ドメインまたはその断片のBLySへの結合を検証するために、一定量の標識BLyS(例えば、放射性標識で)を、異なる量の前記TACI細胞外ドメインまたはその断片の存在下で一定量の固定化全長TACI受容体に結合させることができる。漸増量のTACI細胞外ドメインまたはその断片の存在下で、前記固定化TACI受容体に結合する標識BLySの量が減少する場合、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片がTACI受容体と競合的に結合して、BLySに結合していることを示す。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片のAPRILへの結合は、標識APRILを用いた対応する実験によって検証することができる。
【0095】
TACI-Ig融合分子の例としては、アタシセプト(WHO Drug Information, Vol. 21 (2007) No. 1, p. 58)または近縁分子のテリタシセプト(WHO Drug Information, Vol. 33 (2019), No. 3, p. 689)が挙げられる。
【0096】
アタシセプトのアミノ酸配列は、配列番号3として提供される。近縁のTACI-Ig融合分子テリタシセプトのアミノ酸配列は、配列番号4として提供される。公開された欧州特許出願公開第2161287号明細書に開示されたさらに近縁のTACI-Ig融合分子のアミノ酸配列は、配列番号5~7および9として提供される。米国特許第8,193,316号明細書に開示されたさらに近縁のTACI-Ig融合分子のアミノ酸配列は、配列番号8として提供される。
【0097】
アタシセプトは、受容体TACI(膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド(CAML)-インタラクター)の細胞外、リガンド結合部分とヒトIgGの修飾Fc部分を含む組換え融合タンパク質である。
【0098】
アタシセプトは、両方とも腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーのメンバーであるBLyS(Bリンパ球刺激因子)およびAPRIL(増殖誘導リガンド)に対するアンタゴニストとして作用する。BLySとAPRILは、B細胞の成熟機能と生存の重要な制御因子であることが示されている。
【0099】
アタシセプトは、ヒトIgG1-FcとBLyS受容体TACIの細胞外ドメインからの一部との融合によって生じた313個のアミノ酸を含む可溶性糖タンパク質であり、35.4キロダルトン(kDa)の予測される質量を有する。生成物のコンフォメーションは二量体であり、予測される質量は73.4kDaである。アタシセプトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いて組換え技術により生産されている。
【0100】
アタシセプトでは、ヒトIgG1-Fcは、補体のC1q成分へのFc結合および抗体受容体との相互作用を低減するように修飾されている(Tao et al., 1993;Canfield et al., 1991)。アタシセプトは、これらのFcエフェクター機能の低減について試験され、確認された。
【0101】
本発明の文脈において、TACI細胞外ドメインのいかなるそのような断片もしくはバリアントまたはTACI-Ig融合分子も、アタシセプト、すなわち配列番号3のアミノ酸配列を有するタンパク質の活性よりも著しく低いいかなる生物活性も有さないことが好ましい。
【0102】
TACI-Ig分子は、当業者に既知の分子生物学、組換えタンパク質の発現および精製の標準的な方法によって調製されることがある。このような方法は、例えば、米国特許出願公開第2003/0103986号明細書に記載されている。具体的には、TACI-Ig融合分子のタンパク質配列をコードする核酸を、DNA合成によって、または米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例1に記載される方法によって、調製することができる。その後、この核酸は、米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例2に記載されるように、哺乳動物発現ベクターにクローニングすることができる。次いで、この発現コンストラクトを使用して、哺乳動物発現細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)DG44細胞をトランスフェクトし、米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例2に記載されるように、発現コンストラクトにコードされたTACI-Ig融合分子を組換え発現させることができる。次いで、組換え発現したタンパク質を、例えば米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例2および3に記載されているように、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーおよびS-200サイズ排除クロマトグラフィーの組合せによって単離および精製することができる。精製されたTACI-Ig融合分子の構造的特徴付けは、米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例3に記載されるように、ウェスタンブロッティングおよびタンパク質配列決定によって実施されることがある。さらに、TACI-Ig融合分子の機能的特徴付けは、米国特許出願公開第2003/0103986号明細書の実施例4に記載されるように、競合結合アッセイまたは溶液結合アッセイによって実施することができる。
【0103】
本開示に記載の効果(例えば、Gd-IgA1血清濃度および/またはタンパク尿を低減する効果)を達成するために、TACI-Ig融合分子は、治療上有効な量で患者に投与される。したがって、本開示において、TACI-Ig融合分子がそれを必要とする患者/対象に投与されると記載されている場合、これは、治療上有効な量の前記TACI-Ig融合分子が投与されることを意味することが理解される。TACI-免疫グロブリンタンパク質および薬学的に許容される担体は、投与される量が生理学的に有意である場合、「治療上有効な量」で投与されるといわれる。薬剤は、その存在がレシピエント患者の生理学において検出可能な変化をもたらす場合、生理学的に有意である。TACI免疫グロブリンタンパク質が治療上有効な量で投与される一般的な兆候の一例は、対象への投与後、血中のBLySおよび/またはAPRILの循環レベルの減少が見られることである。血中のBLySおよび/またはAPRILの循環レベルのレベルは、例えば、ELISAによって決定することができる。治療上有効であると考えられる濃度の例は、例えば実施例1(25mg/週または75mg/週)に提供される。
【0104】
TACI-Ig融合分子の製剤、投与形態、投与経路は、所望の効果を得ることができるTACI-Ig融合分子の適切な血清濃度(例として実施例1および
図5A参照)となる限り、特に限定されるものではない。
【0105】
一般に、投与されるTACI-免疫グロブリンタンパク質の用量は、対象の年齢、体重、身長、性別、一般的な病状および以前の病歴などの要因によって変化することになる。典型的には、前記対象の体重1kgあたり約0.2~10mgのTACI-Ig融合分子の範囲であるTACI-免疫グロブリンタンパク質の用量をレシピエントに提供することが望ましいが、状況に応じてより低いまたは高い用量も投与されてもよい。例えば、25mgまたは75mgの前記TACI-Ig融合分子を、1週間あたり週に1回、対象に投与してもよい(または、1週間にわたって数回に分けて投与してもよい)。特に、100mg、125mgまたは150mgの前記TACI-Ig融合分子を、1週間あたり週に1回、対象に投与する(または1週間にわたって数回に分けて投与する)ような高濃度も考慮されてもよい。
【0106】
TACI-免疫グロブリンタンパク質の対象への投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、髄腔内、局所カテーテルによる灌流、または直接髄腔内注入によることができる。治療用タンパク質を注射で投与する場合、投与は連続注入でも、単回または複数回のボーラスでもよい。
【0107】
追加の投与経路には、経口、粘膜-膜、肺、および経皮が含まれる。経口送達は、ポリエステル微小球、ゼイン微小球、プロテイノイド微小球、ポリシアノアクリレート微小球、および脂質ベースのシステムなどに適している(例えば、DiBase and Morrel, "Oral Delivery of Microencapsulated Proteins," in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), pages 255-288 (Plenum Press 1997)を参照されたい)。鼻腔内送達の実現可能性は、インスリン投与のような様式によって例示される(例えば、Hinchcliffe and Illum, Adv. Drug Deliv. Rev. 35:199 (1999)を参照されたい)。TACI-免疫グロブリンを含む乾燥または液体粒子は、乾燥粉末分散器、液体エアロゾル発生器、またはネブライザーの助けを借りて調製および吸入され得る(例えば、Pettit and Gombotz, TIBTECH 16:343 (1998);Patton et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 35:235 (1999))。このアプローチは、エアロゾル化されたインスリンを肺に送り込む手持ちの電子吸入器であるAERX糖尿病管理システムによって例示される。48,000kDaの大きさのタンパク質が、低周波超音波の助けを借りて、治療濃度で皮膚を通して送達されたことが研究で示されており、これは経皮投与の実現可能性を示している(Mitragotri et al., Science 269:850 (1995))。エレクトロポレーションを用いた経皮送達は、TACI-免疫グロブリンタンパク質を投与する別の手段を提供する(Potts et al., Phann. Biotechnol. 10:213 (1997))。
【0108】
TACI-免疫グロブリンタンパク質を含む医薬組成物は、医薬的に有用な組成物を調製するための既知の方法に従って製剤化することができ、それによって、治療用タンパク質が医薬的に許容される担体と混合物で組み合わされる。「薬学的に許容される」という用語は、前記担体が、医薬組成物の他の成分と適合し、医薬組成物が投与される患者に有害でない、非毒性で不活性な物質であり、そのため医薬製品に使用できることを指定する。医薬組成物における担体、希釈剤または賦形剤として適した物質は、当業者に知られている(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed. (2012), Pharmaceutical Press)。無菌リン酸緩衝生理食塩水は、薬学的に許容される担体の一例である。
【0109】
医薬組成物は、例えば追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色剤、乳化剤、充填剤、香味剤、保存料、安定剤、懸濁剤および/または他の慣用の医薬補助剤をさらに含んでもよい。
【0110】
例えば、TACI-Ig融合分子(例えば、アタシセプト)は、米国特許第8,637,021号明細書(米国特許第8,637,021号明細書はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように製剤化することができる。
【0111】
TACI-Ig融合分子(アタシセプトなど)は、TACI-Ig融合分子の他に、(唯一)60~100mg/mlのトレハロースと、pH4.9~5.1の範囲で製剤を緩衝する酢酸緩衝剤とを含む水溶液で投与され得る(詳細は米国特許第8637021号明細書を参照されたい;以下の実施例1も参照されたい)。TACI-Ig融合分子は、例えば、前記水溶液1mlあたり25~150mgのTACI-Ig融合分子の濃度で前記水溶液中に含まれてもよい。
【0112】
TACI-免疫グロブリンタンパク質を含む医薬組成物は、液体形態、エアロゾル、または固体形態で供給することができる。液体形態は、注射可能な溶液および経口懸濁液によって例示される。例示的な固体形態には、カプセル剤、錠剤、および放出制御形態が含まれる。後者の形態は、ミニ浸透圧ポンプおよびインプラントによって例示される(Bremer et al., Phann. Biotechnol. 10:239 (1997);Ranade, "Implants in Drug Delivery," in Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 95-123 (CRC Press 1995);Bremer et al., "Protein Delivery with Infusion Pumps," in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), pages 239- 254 (Plenum Press 1997);Yewey et al., "Delivery of Proteins from a Controlled Release Injectable Implant," in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), pages 93-117 (Plenum Press 1997))。
【0113】
リポソームは、治療用ポリペプチドを静脈内、腹腔内、髄腔内、筋肉内、皮下、または経口投与、吸入、または鼻腔内投与により対象に送達するための1つの手段を提供する。リポソームは、水性コンパートメントを囲む1つまたは複数の脂質二重層からなる微小小胞である(Ranade, "Site-Specific Drug Delivery Using Liposomes as Carriers," in Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 3-24 (CRC Press 1995)を参照されたい)。様々な薬剤をリポソームにカプセル化することができる。疎水性薬剤は二重層内に分配し、親水性薬剤は内部の水性空間内に分配する(例えば、Machy et al., Liposomes In Cell Biology And Pharmacology (John Libbey 1987)、およびOstro et al., American J. Hosp. Phann. 46:1576 (1989)を参照されたい)。さらに、リポソームのサイズ、二重層の数、脂質組成、ならびにリポソームの電荷および表面特性を変えることにより、カプセル化された薬剤の治療上の利用可能性を制御することが可能である。
【0114】
他の剤形は、例えば、Ansel and Popovich, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th Edition (Lea & Febiger 1990), Gennaro (ed.), Remington's Phannaceutical Sciences, 19th Edition (Mack Publishing Company 1995)、およびRanade and Hollinger, Drug Delivery Systems (CRC Press 1996)によって示されるように、当業者によって考案され得る。
【0115】
例示として、医薬組成物は、TACI-免疫グロブリンタンパク質を含む容器を含むキットとして提供されてもよい。治療用ポリペプチドは、単回または複数回投与のための注射可能な溶液の形態で、または注射前に再構成される無菌粉末として提供され得る。あるいは、そのようなキットは、治療用ポリペプチドを投与するための乾燥粉末分散器、液体エアロゾル発生器、またはネブライザーを含むことができる。そのようなキットは、医薬組成物の適応症および使用法に関する書面による情報をさらに含んでいてもよい。さらに、そのような情報は、TACI-免疫グロブリンタンパク質組成物が、TACI受容体部分または免疫グロブリン部分のいずれかに対して既知の過敏症を有する患者において禁忌であるという記述を含んでいてもよい。
【0116】
本明細書に開示されるいずれか1つの方法の一部の実施形態では、前記患者は持続性タンパク尿を有する。
【0117】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgであると決定されている。
【0118】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0119】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿が、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0120】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgであると決定されている。
【0121】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0122】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0123】
一部の実施形態では、前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記持続性タンパク尿を有していた。
【0124】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法に関する。
【0125】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、方法に関する。
【0126】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法に関する。
【0127】
本開示が、患者の「尿中のタンパク質レベルを測定する」ステップに言及する場合、これは、例えば24時間尿に基づいて、前記患者の尿中の総タンパク質または前記患者の尿中のUPCRのいずれかが測定されるステップを意味する。好ましくは、該用語は前記患者の24時間尿中の総タンパク質が測定されるステップを指す。患者の尿中のタンパク質レベルは、臨床現場の標準的な方法によって測定することができる。この測定は、患者がタンパク尿を患っているかどうかを決定することができるような方法で実施されるべきであることが理解される。特に好ましい実施形態では、該用語は、(1)患者がタンパク尿を有するか否かを決定する、(2)タンパク尿が持続性タンパク尿であるか否かを決定する、および(3)24時間採尿に基づくUPCR(尿タンパク:クレアチニン比)値を決定するための測定を含む。
【0128】
以下の実施形態は、本開示の3つの先行する態様のそれぞれに関する。
【0129】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0130】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0131】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0132】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0133】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0134】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0135】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0136】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む。
【0137】
一部の実施形態では、前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む。
【0138】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0139】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0140】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0141】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0142】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0143】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0144】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0145】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0146】
疑念を避けるために、以下の説明の定義および実施形態は、上述のそれぞれの態様、ならびに以下に記載するさらなるそれぞれの態様に関する。
【0147】
一部の実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、BLyS(Bリンパ球刺激因子)に結合する。例えば、アタシセプトは、BLySに結合するTACI細胞外ドメインの断片を含む。したがって、アタシセプトはBLySに結合する。
【0148】
一部の実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、APRIL(増殖誘導リガンド)に結合する。例えば、アタシセプトは、APRILに結合するTACI細胞外ドメインの断片を含む。したがって、アタシセプトはAPRILに結合する。
【0149】
一部の実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、BLyS(Bリンパ球刺激因子)およびAPRIL(増殖誘導リガンド)と結合する。例えば、アタシセプトは、BLySおよびAPRILと結合するTACI細胞外ドメインの断片を含む。したがって、アタシセプトはBLySおよびAPRILと結合する。
【0150】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記TACI細胞外ドメインまたはその断片を介したBLySへの結合は、BLySのB細胞上の内因性TACI受容体への結合を阻害する。TACI-Ig融合分子がB細胞上の内因性TACI受容体へのBLySの結合を阻害するかどうかは、例えば、培養B細胞、標識BLyS、およびTACI細胞外ドメインまたはその断片に対応する前記TACI-Ig融合分子の部分の、漸増量の前記TACI-Ig融合分子それぞれを用いて、競合結合実験により決定することができる。TACI細胞外ドメインまたはその断片に対応する前記TACI-Ig融合分子の部分の、漸増量の前記TACI-Ig融合分子それぞれが、標識BLySのB細胞への結合(すなわち、B細胞上のTACI受容体への結合)を競合的に置換する場合、前記TACI-Ig融合分子がBLySのB細胞上の内因性TACI受容体への結合を阻害することを示す。例えば、アタシセプトは、BLySに結合するTACI細胞外ドメインの断片を含み、BLySとB細胞上の内因性TACI受容体との結合を阻害する。
【0151】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記TACI細胞外ドメインまたはその断片を介したAPRILへの結合は、APRILのB細胞上の内因性TACI受容体への結合を阻害する。TACI-Ig融合分子がB細胞上の内因性TACI受容体へのAPRILの結合を阻害するかどうかは、例えば、BLySについて上述したような競合結合実験により決定することができる。例えば、アタシセプトは、APRILに結合するTACI細胞外ドメインの断片を含み、APRILとB細胞上の内因性TACI受容体との結合を阻害する。
【0152】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、アミノ酸からなる。
【0153】
一部の実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、少なくとも60個、好ましくは少なくとも70個、より好ましくは少なくとも80個のアミノ酸を含む。
【0154】
一部の実施形態では、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、少なくとも200個のアミノ酸、好ましくは少なくとも210個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも220個のアミノ酸、さらにより好ましくは少なくとも230個のアミノ酸を含む。
【0155】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)にペプチド結合で結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン、
からなる。
【0156】
一部の実施形態では、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1を含むアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1からなるアミノ酸配列を有する。
【0157】
本開示において、ある配列Aが別の配列Bと「少なくともx%同一である」と記載されている場合、これは、配列Aが配列Bと「x%の同一性を有する」と記載することと同義である。この記載は、配列を比較して決定された2つのポリペプチド配列AとBとの間の関係を反映している。一般に、同一性とは、比較される配列の長さにわたって、2つのポリペプチド配列がアミノ酸とアミノ酸との間でそれぞれ正確に対応することを指す。正確な対応がない配列については、2つの配列が同一である割合を決定する場合がある。一般に、比較する2つの配列は、配列間の相関が最大となるようにアライメントされる。これには、アライメントの程度を高めるために、一方または両方の配列に「ギャップ」を挿入することを含んでいてもよい。同一性の%は、比較されるそれぞれの配列の全長にわたって決定される場合があり(いわゆるグローバルアライメント)、これは同一または非常に類似した長さの配列に特に適しており、または、より短い定義された長さにわたって決定される場合があり(いわゆるローカルアライメント)、これは不等長の配列により適している。
【0158】
2つ以上の配列の同一性を比較する方法は、当技術分野でよく知られている。したがって例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package, version 9.1 (Devereux J et al., 1984)で利用できるプログラム、例えばプログラムBESTFITおよびGAPは、2つのポリヌクレオチド間の同一性の%および2つのポリペプチド配列間の同一性の%を決定するために使用されてもよい。BESTFITは、Smith and Waterman(1981)の「局所相同性」アルゴリズムを使用し、2つの配列間の類似性の最良の単一領域を見いだす。同一性配列を決定するための他のプログラムも当技術分野で知られており、例えば、BLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al, 1990、Altschul S F et al, 1997、NCBIのホームページwww.ncbi.nlm.nih.govからアクセス可能)およびFASTA(Pearson WR, 1990)である。好ましくは、本開示に記載の同一性の%は、BLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al, 1990、Altschul S F et al, 1997、NCBIのホームページwww.ncbi.nlm.nih.govからアクセス可能)に従って決定される。
【0159】
一部の実施形態では、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2を含むアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2からなるアミノ酸配列を有する。
【0160】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、配列番号3と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3からなるアミノ酸配列を有する。
【0161】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、配列番号4と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4からなるアミノ酸配列を有する。
【0162】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つと少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つを含むアミノ酸配列を有する。さらにより好ましくは、前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の1つからなるアミノ酸配列を有する。
【0163】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、アタシセプトまたはテリタシセプトである。
【0164】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、テリタシセプトである。
【0165】
特に好ましい実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、アタシセプトである。
【0166】
一部の実施形態では、前記患者は、哺乳動物である。
【0167】
一部の実施形態では、前記患者は、ヒトである。好ましくは、前記ヒトは少なくとも18歳である。
【0168】
一部の実施形態では、前記患者は、白色またはアジア系の人種である。
【0169】
一部の実施形態では、前記患者は、白色人種である。
【0170】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有する。
【0171】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている。
【0172】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者がタンパク尿を有するかどうかを決定するステップを含む。
【0173】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者がタンパク尿を有するかどうかを決定するステップを含み、前記患者は、前記患者がタンパク尿を有する場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与による前記処置に供される。
【0174】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である。
【0175】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、少なくとも0.8g/日、好ましくは少なくとも1.0g/日、より好ましくは少なくとも1.3g/日、さらにより好ましくは少なくとも1.5g/日、さらにより好ましくは少なくとも2.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿である。
【0176】
本明細書で使用される場合、「少なくともxg/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿」は、24時間採尿に基づく総タンパク質の少なくとも1回の測定において、少なくともxgの値が測定されたことを意味する。
【0177】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、少なくとも0.8g/日、好ましくは少なくとも1.0g/日、より好ましくは少なくとも1.3g/日、さらにより好ましくは少なくとも1.5g/日、さらにより好ましくは少なくとも2.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿である。
【0178】
本明細書で使用される場合、「少なくともxg/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿」は、24時間採尿に基づく総タンパク質の少なくとも2回の連続した測定において、少なくともxgの値が測定されたことを意味する。当業者が認識しているように、連続した2回の検査は、例えば1週間または数ヶ月の時間的間隔をおいて(例えば、少なくとも1週間から6ヶ月までの時間的間隔をおいて)行われる必要がある。
【0179】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、最大6.0g/日、好ましくは最大5.0g/日、より好ましくは最大4.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿である。
【0180】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、1.0~6.0g/日、好ましくは1.3~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿である。
【0181】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、最大6.0g/日、好ましくは最大5.0g/日、より好ましくは最大4.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿である。
【0182】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、1.0~6.0g/日、好ましくは1.3~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿である。
【0183】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、少なくとも0.75mg/mg、好ましくは少なくとも1.0mg/mg、より好ましくは少なくとも1.5mg/mg、より好ましくは少なくとも2.0mg/mgであることによって特徴付けられる。
【0184】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、最大6.0mg/mg、好ましくは最大5.0mg/mg、より好ましくは最大4.0mg/mgであることによって特徴付けられる。
【0185】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、1.0~6.0mg/mg、好ましくは1.5~5.0mg/mg、より好ましくは1.5~4.0mg/mgであることによって特徴付けられる。
【0186】
一部の実施形態では、
(a)前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0187】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿である。
【0188】
一部の実施形態では、
(a)前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0189】
一部の実施形態では、前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0190】
一部の実施形態では、前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0191】
一部の実施形態では、前記IgA腎症は、腎生検により確認されたIgA腎症である。
【0192】
一部の実施形態では、前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立ってアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている。
【0193】
一部の実施形態では、前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間(好ましくは少なくとも12週間)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている。
【0194】
一部の実施形態では、前記患者は、前記アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)による前記処置と同時に免疫抑制剤によって処置されていない。
【0195】
一部の実施形態では、前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の安定した用量で処置されている。
【0196】
一部の実施形態では、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用と同時に、バックグラウンド療法として前記患者に投与される。
【0197】
一部の実施形態では、前記患者は、eGFR≧35mL/分/1.73m2を有する。
【0198】
一部の実施形態では、前記患者の血清IgGレベルは、≧6g/Lである。
【0199】
一部の実施形態では、前記患者の前記IgA腎症は、シクロホスファミドで処置されていない。
【0200】
一部の実施形態では、前記患者は、健康な個体と比較して血清Gd-IgA1のレベルが増加している。
【0201】
当業者が認識しているように、本出願が、例えば患者におけるある値、レベルまたは測定値が、「健康な個体と比較して」または「IgANのない健康な個体と比較して」高い/低い/増加/...と記載する場合、これは、好ましくは、値、測定値のレベルを、より多数の健康な個体(例えば、20、好ましくは100を超える健康な個体)から得られた対応する値、レベルまたは測定値の平均と比較することによって検証される。
【0202】
一部の実施形態では、前記患者は、健康な個体と比較して少なくとも25%、好ましくは50%、より好ましくは75%増加した血清Gd-IgA1レベルを有する。
【0203】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のBLySレベルが増加している。
【0204】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のBLySレベルが増加していると診断されている。
【0205】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySのレベルを決定するステップを含む。
【0206】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySのレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のBLySレベルが増加している場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される。
【0207】
一部の実施形態では、血清中の前記増加したBLySレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%増加している。
【0208】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のAPRILレベルが増加している。
【0209】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のAPRILレベルが増加していると診断されている。
【0210】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインAPRILのレベルを決定するステップを含む。
【0211】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインAPRILのレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のAPRILレベルが増加している場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される。
【0212】
一部の実施形態では、血清中の前記増加したAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%増加している。
【0213】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、BLySおよびAPRILレベルが増加している。
【0214】
一部の実施形態では、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、BLySおよびAPRILレベルが増加していると診断されている。
【0215】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySおよびAPRILのレベルを決定するステップを含む。
【0216】
一部の実施形態では、前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySおよびAPRILレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較してBLySおよびAPRILレベルが増加している場合、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される。
【0217】
一部の実施形態では、前記増加したBLySおよびAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%それぞれ増加している。
【0218】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、前記患者の体重1kgにつき1週間あたり0.2~10mg、好ましくは0.5~5mg、より好ましくは0.5~2mg、さらにより好ましくは0.8~1.5mgのTACI-Ig融合分子の量で投与される。
【0219】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約25~約150mg、好ましくは1週間あたり約50~約150mg、より好ましくは1週間あたり約75~約150mg、さらにより好ましくは1週間あたり約75~約125mg、さらにより好ましくは1週間あたり約75mgの量で投与される。
【0220】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり25~150mg、好ましくは1週間あたり50~150mg、より好ましくは1週間あたり75~150mg、さらにより好ましくは1週間あたり75mgの量で投与される。
【0221】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり75~125mgの量で投与される。
【0222】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり70~155mg、好ましくは1週間あたり70~80mgの量で投与される。
【0223】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、週に1~3回の投与量で、好ましくは週に1または2回の投与量で、より好ましくは週に1回の投与量で投与される。
【0224】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、隔週で1回投与される。
【0225】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも4週間、好ましくは少なくとも8週間、より好ましくは少なくとも12週間、より好ましくは少なくとも24週間、より好ましくは少なくとも48週間、より好ましくは少なくとも52週間投与される。
【0226】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、最大4週間、好ましくは最大8週間、より好ましくは最大12週間、さらにより好ましくは最大24週間、さらにより好ましくは最大48週間、さらにより好ましくは最大52週間、さらにより好ましくは最大72週間、さらにより好ましくは最大156週間投与される。
【0227】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、2~48週間投与される。
【0228】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、2~52週間投与される。
【0229】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子は、皮下投与によって投与される。
【0230】
一部の実施形態では、TACI-Ig融合分子は、(TACI-Ig融合分子の他に)60~100mg/mlのトレハロースと、pH4.9~5.1の範囲で製剤を緩衝する酢酸緩衝剤とを含む水溶液で投与される。好ましい実施形態では、TACI-Ig融合分子は、(TACI-Ig融合分子の他に)60~100mg/mlのトレハロースと、pH4.9~5.1の範囲で製剤を緩衝する酢酸緩衝剤のみを含む水溶液で投与される。好ましくは、前記TACI-Ig融合分子は、前記水溶液1mlあたり25~150mgのTACI-Ig融合分子の濃度で前記水溶液中に含まれる。より好ましくは、前記TACI-Ig融合分子は、前記水溶液1mlあたり25または75mgのTACI-Ig融合分子の濃度で前記水溶液中に含まれる。さらにより好ましくは、前記TACI-Ig融合分子は、前記水溶液1mlあたり75mgのTACI-Ig融合分子の濃度で前記水溶液中に含まれる。
【0231】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用は皮下投与によるものであり、25mgの前記TACI-Ig融合分子が1週間あたり週に1回の投与量で投与される。
【0232】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用は皮下投与によるものであり、75mgの前記TACI-Ig融合分子が1週間あたり週に1回の投与量で投与される。
【0233】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用と同時に、さらなる医薬/さらなる複数の医薬が、前記患者に投与される。
【0234】
一部の実施形態では、前記さらなる医薬/さらなる複数の医薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、アスピリン、降圧薬(好ましくは、利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬およびβ遮断薬からなる群より選択される)、スタチン、オメガ3魚油およびジピリダモールからなる群より選択される。
【0235】
一部の実施形態では、前記さらなる医薬(複数可)は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)および/またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の組合せである。
【0236】
一部の実施形態では、前記さらなる医薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)との組合せである。
【0237】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク質(24時間採尿に基づく)の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%低減をもたらす。
【0238】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%低減をもたらす。
【0239】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は、10%以下、好ましくは5%以下減少する。
【0240】
本明細書で使用される場合、「eGFR」と略記される「推定糸球体ろ過率」は、当業者に知られているように、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式に基づいて決定される(Levey AS et al., 2009も参照されたい)。
【0241】
一部の好ましい実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は減少しない。
【0242】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%増加する。
【0243】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%低減をもたらす。
【0244】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%低減をもたらす。
【0245】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%減をもたらす。
【0246】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgGの血清濃度の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%減少をもたらす。
【0247】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%減少をもたらす。
【0248】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgA、IgGおよびIgMのそれぞれの血清濃度の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも30%減少をもたらす。
【0249】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、抗Gd-IgA1抗体の血清レベルの低減をもたらす。
【0250】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、糸球体IgA沈着の低減をもたらす。
【0251】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、糸球体IgA沈着の低減をもたらす。
【0252】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、腎臓病理組織学における減少をもたらす。
【0253】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間に、補体C3の血清レベルの減少は観察されない。
【0254】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、補体C3の血清レベルの増加をもたらす。
【0255】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間に、補体C4の血清レベルの減少は観察されない。
【0256】
一部の実施形態では、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、補体C4の血清レベルの増加をもたらす。
【0257】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0258】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0259】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0260】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0261】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0262】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0263】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0264】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0265】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0266】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0267】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0268】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0269】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子に関する。
【0270】
疑念を避けるために、以下の実施形態は、使用のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子に関する上述の態様のそれぞれに関する。
【0271】
一部の実施形態では、前記使用は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む。
【0272】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有する。
【0273】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている。
【0274】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である。
【0275】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0276】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿である。
【0277】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0278】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿である。
【0279】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む。
【0280】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む。
【0281】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む。
【0282】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0283】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0284】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg、好ましくはUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0285】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0286】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0287】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む。
【0288】
一部の実施形態では、前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む。
【0289】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0290】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0291】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0292】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0293】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0294】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0295】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0296】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0297】
使用のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子に関する上述の態様およびそれに関する実施形態のいずれかについて、前記膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子、前記処置、前記IgA腎症、前記患者、前記投与、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片、前記BLySおよび/またはAPRIL結合、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメイン、前記血清Gd-IgA1レベルの低減、前記Gd-IgA1、前記タンパク尿の低減、前記タンパク尿、前記患者の前記タンパク尿のレベルの決定、前記タンパク尿の診断、前記持続性タンパク尿、前記患者にアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を投与する前記ステップ、前記アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法、前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定する前記ステップ、および投与し続ける前記ステップは、上記に開示したいずれか一つの実施形態またはその任意の組合せにおいて定義されている通りである。
【0298】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0299】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0300】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0301】
別の態様によれば、本開示は、IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0302】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0303】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0304】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0305】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0306】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0307】
別の態様によれば、本開示は、IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0308】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0309】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0310】
別の態様によれば、本開示は、患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用に関する。
【0311】
疑念を避けるために、以下の実施形態は、医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用に関する上述の態様のそれぞれに関する。
【0312】
一部の実施形態では、前記使用は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む。
【0313】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有する。
【0314】
一部の実施形態では、前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている。
【0315】
一部の実施形態では、前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である。
【0316】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0317】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0318】
一部の実施形態では、前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である。
【0319】
一部の実施形態では、
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている。
【0320】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む。
【0321】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む。
【0322】
一部の実施形態では、前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む。
【0323】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0324】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0325】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg、(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0326】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む。
【0327】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mg(好ましくはUPCR≧1mg/mg)の持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む。
【0328】
一部の実施形態では、前記測定ステップは、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む。
【0329】
一部の実施形態では、前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む。
【0330】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0331】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0332】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0333】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0334】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである。
【0335】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0336】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0337】
一部の実施形態では、前記ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである。
【0338】
使用のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子に関する上述の態様およびそれに関する実施形態のいずれかについて、前記膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子、前記処置、前記IgA腎症、前記患者、前記投与、前記TACI細胞外ドメインまたはその断片、前記BLySおよび/またはAPRIL結合、前記ヒト免疫グロブリン定常ドメイン、前記血清Gd-IgA1レベルの低減、前記Gd-IgA1、前記タンパク尿の低減、前記タンパク尿、前記患者の前記タンパク尿のレベルの決定、前記タンパク尿の診断、前記持続性タンパク尿、前記患者にアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を投与する前記ステップ、前記アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法、前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定する前記ステップ、および投与し続ける前記ステップは、上記に開示したいずれか一つの実施形態またはその任意の組合せにおいて定義されている通りである。
【0339】
例示的な実施形態
本開示の一部の実施形態は、以下のように、実施形態Iに関する。
【0340】
実施形態1。IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0341】
実施形態2。IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0342】
実施形態3。IgA腎症(IgAN)を有する患者のタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0343】
実施形態4。IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0344】
実施形態5。患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含み、
前記方法は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、方法。
【0345】
実施形態6。前記患者が持続性タンパク尿を有する、実施形態1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0346】
実施形態7。
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態6に記載の方法。
【0347】
実施形態8。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態6または7に記載の方法。
【0348】
実施形態9。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態6~8のいずれか一項に記載の方法。
【0349】
実施形態10。
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態6に記載の方法。
【0350】
実施形態11。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態6または10に記載の方法。
【0351】
実施形態12。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態6または10もしくは11のいずれか一項に記載の方法。
【0352】
実施形態13。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記持続性タンパク尿を有していた、実施形態6~12のいずれか一項に記載の方法。
【0353】
実施形態14。患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法。
【0354】
実施形態15。患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン;
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、方法。
【0355】
実施形態16。患者のIgA腎症(IgAN)を処置する方法であって、前記方法は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、方法。
【0356】
実施形態17。前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態14~16のいずれか一項に記載の方法。
【0357】
実施形態18。前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態14~17のいずれか一項に記載の方法。
【0358】
実施形態19。前記測定ステップは、前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態14~18のいずれか一項に記載の方法。
【0359】
実施形態20。前記測定ステップは、前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態14~19のいずれか一項に記載の方法。
【0360】
実施形態21。前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態14~17のいずれか一項に記載の方法。
【0361】
実施形態22。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態14~17または21のいずれか一項に記載の方法。
【0362】
実施形態23。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態14~17または21もしくは22のいずれか一項に記載の方法。
【0363】
実施形態24。前記測定ステップは、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む、実施形態14~23のいずれか一項に記載の方法。
【0364】
実施形態25。前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む、実施形態15~24のいずれか一項に記載の方法。
【0365】
実施形態26。ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~25のいずれか一項に記載の方法。
【0366】
実施形態27。ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態15~26のいずれか一項に記載の方法。
【0367】
実施形態28。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~27のいずれか一項に記載の方法。
【0368】
実施形態29。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~28のいずれか一項に記載の方法。
【0369】
実施形態30。ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態15~26のいずれか一項に記載の方法。
【0370】
実施形態31。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~26または30のいずれか一項に記載の方法。
【0371】
実施形態32。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~26または31もしくは32のいずれか一項に記載の方法。
【0372】
実施形態33。ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態15~32のいずれか一項に記載の方法。
【0373】
実施形態34。患者のIgA腎症の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0374】
実施形態35。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによってIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0375】
実施形態36。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0376】
実施形態37。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0377】
実施形態38。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0378】
実施形態39。患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0379】
実施形態40。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0380】
実施形態41。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0381】
実施形態42。IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0382】
実施形態43。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0383】
実施形態44。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0384】
実施形態45。患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0385】
実施形態46。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するのに使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0386】
実施形態47。前記使用は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、実施形態34~46のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0387】
実施形態48。前記患者は、タンパク尿を有する、実施形態34~47のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0388】
実施形態49。前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている、実施形態34~48のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0389】
実施形態50。前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である、実施形態34~49のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0390】
実施形態51。
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態34~50のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0391】
実施形態52。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態34~51に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0392】
実施形態53。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態34~52に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0393】
実施形態54。
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態34~49のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0394】
実施形態55。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態34~49または54のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0395】
実施形態56。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態34~49または54もしくは55のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0396】
実施形態57。前記使用は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態34~56のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0397】
実施形態58。前記使用は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、実施形態34~56のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0398】
実施形態59。前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態34~56のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0399】
実施形態60。前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態57~59のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0400】
実施形態61。前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態57~60のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0401】
実施形態62。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態57~61のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0402】
実施形態63。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態57~62のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0403】
実施形態64。前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態57~60のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0404】
実施形態65。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態57~60または64のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0405】
実施形態66。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態57~60または64もしくは65のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0406】
実施形態67。前記測定ステップは、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む、実施形態57~66のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0407】
実施形態68。前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む、実施形態58~67のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0408】
実施形態69。ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~68のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0409】
実施形態70。ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態58~69のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0410】
実施形態71。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~70のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0411】
実施形態72。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~71のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0412】
実施形態73。ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態58~69のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0413】
実施形態74。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~69または73のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0414】
実施形態75。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~69または73もしくは74のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0415】
実施形態76。ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態58~75のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子。
【0416】
実施形態77。患者のIgA腎症の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0417】
実施形態78。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0418】
実施形態79。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0419】
実施形態80。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0420】
実施形態81。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0421】
実施形態82。患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0422】
実施形態83。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0423】
実施形態84。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0424】
実施形態85。IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0425】
実施形態86。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0426】
実施形態87。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0427】
実施形態88。患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0428】
実施形態89。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0429】
実施形態90。前記使用は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、実施形態77~89のいずれか一項に記載の使用。
【0430】
実施形態91。前記患者は、タンパク尿を有する、実施形態77~90のいずれか一項に記載の使用。
【0431】
実施形態92。前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている、実施形態77~91のいずれか一項に記載の使用。
【0432】
実施形態93。前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である、実施形態77~92のいずれか一項に記載の使用。
【0433】
実施形態94。
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態77~93のいずれか一項に記載の使用。
【0434】
実施形態95。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態77~94のいずれか一項に記載の使用。
【0435】
実施形態96。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態77~95のいずれか一項に記載の使用。
【0436】
実施形態97。
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態77~93のいずれか一項に記載の使用。
【0437】
実施形態98。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態77~93または97のいずれか一項に記載の使用。
【0438】
実施形態99。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態77~93または97もしくは98のいずれか一項に記載の使用。
【0439】
実施形態100。前記使用は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態77~99のいずれか一項に記載の使用。
【0440】
実施形態101。前記使用は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、実施形態77~99のいずれか一項に記載の使用。
【0441】
実施形態102。前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態77~99のいずれか一項に記載の使用。
【0442】
実施形態103。前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態100~102のいずれか一項に記載の使用。
【0443】
実施形態104。前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態100~103のいずれか一項に記載の使用。
【0444】
実施形態105。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態100~104のいずれか一項に記載の使用。
【0445】
実施形態106。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態100~105のいずれか一項に記載の使用。
【0446】
実施形態107。前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態100~103のいずれか一項に記載の使用。
【0447】
実施形態108。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態100~103または107のいずれか一項に記載の使用。
【0448】
実施形態109。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態100~103または107もしくは108のいずれか一項に記載の使用。
【0449】
実施形態110。前記測定ステップは、前記患者が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む、実施形態100~109のいずれか一項に記載の使用。
【0450】
実施形態111。前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む、実施形態101~110のいずれか一項に記載の使用。
【0451】
実施形態112。ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~111のいずれか一項に記載の使用。
【0452】
実施形態113。ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態101~112のいずれか一項に記載の使用。
【0453】
実施形態114。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~113のいずれか一項に記載の使用。
【0454】
実施形態115。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~114のいずれか一項に記載の使用。
【0455】
実施形態116。ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態101~112のいずれか一項に記載の使用。
【0456】
実施形態117。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~112または116のいずれか一項に記載の使用。
【0457】
実施形態118。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~112または116もしくは117のいずれか一項に記載の使用。
【0458】
実施形態119。ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態101~118のいずれか一項に記載の使用。
【0459】
実施形態120。患者のIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0460】
実施形態121。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0461】
実施形態122。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0462】
実施形態123。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0463】
実施形態124。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0464】
実施形態125。患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0465】
実施形態126。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0466】
実施形態127。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0467】
実施形態128。IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0468】
実施形態129。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0469】
実施形態130。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0470】
実施形態131。患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0471】
実施形態132。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0472】
実施形態133。前記使用は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、実施形態120~132のいずれか一項に記載の使用。
【0473】
実施形態134。前記患者は、タンパク尿を有する、実施形態120~133のいずれか一項に記載の使用。
【0474】
実施形態135。前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている、実施形態120~134のいずれか一項に記載の使用。
【0475】
実施形態136。前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である、実施形態120~135のいずれか一項に記載の使用。
【0476】
実施形態137。
(a)前記持続性タンパク尿が、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態120~136のいずれか一項に記載の使用。
【0477】
実施形態138。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態120~137のいずれか一項に記載の使用。
【0478】
実施形態139。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態120~138のいずれか一項に記載の使用。
【0479】
実施形態140。
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態120~139のいずれか一項に記載の使用。
【0480】
実施形態141。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態120~136または140のいずれか一項に記載の使用。
【0481】
実施形態142。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態120~136または140もしくは141のいずれか一項に記載の使用。
【0482】
実施形態143。前記使用は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態120~142のいずれか一項に記載の使用。
【0483】
実施形態144。前記使用は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、実施形態120~142のいずれか一項に記載の使用。
【0484】
実施形態145。前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態120~142のいずれか一項に記載の使用。
【0485】
実施形態146。前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態143~145のいずれか一項に記載の使用。
【0486】
実施形態147。前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態143~146のいずれか一項に記載の使用。
【0487】
実施形態148。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態143~147のいずれか一項に記載の使用。
【0488】
実施形態149。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を前記患者が有すると決定することをさらに含む、実施形態143~148のいずれか一項に記載の使用。
【0489】
実施形態150。前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態143~146のいずれか一項に記載の使用。
【0490】
実施形態151。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態143~146または150のいずれか一項に記載の使用。
【0491】
実施形態152。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態143~146または150もしくは151のいずれか一項に記載の使用。
【0492】
実施形態153。前記測定ステップは、前記患者が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ少なくとも8週間、前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む、実施形態143~152のいずれか一項に記載の使用。
【0493】
実施形態154。前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む、実施形態144~153のいずれか一項に記載の使用。
【0494】
実施形態155。ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~154のいずれか一項に記載の使用。
【0495】
実施形態156。ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態144~155のいずれか一項に記載の使用。
【0496】
実施形態157。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~156のいずれか一項に記載の使用。
【0497】
実施形態158。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~157のいずれか一項に記載の使用。
【0498】
実施形態159。ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態144~155のいずれか一項に記載の使用。
【0499】
実施形態160。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~155または159のいずれか一項に記載の使用。
【0500】
実施形態161。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~155または159もしくは160のいずれか一項に記載の使用。
【0501】
実施形態162。ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態144~161のいずれか一項に記載の使用。
【0502】
実施形態163。患者のIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0503】
実施形態164。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0504】
実施形態165。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0505】
実施形態166。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0506】
実施形態167。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0507】
実施形態168。患者のIgA腎症に関連するタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0508】
実施形態169。患者のIgA腎症に関連する血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0509】
実施形態170。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0510】
実施形態171。IgA腎症のある患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0511】
実施形態172。IgA腎症のある患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0512】
実施形態173。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0513】
実施形態174。患者のIgA腎症におけるタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0514】
実施形態175。患者のIgA腎症における血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症の処置のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を含む医薬組成物であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、医薬組成物。
【0515】
実施形態176。前記処置は、前記患者におけるタンパク尿のレベルを決定することを含む、実施形態163~175のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0516】
実施形態177。前記患者は、タンパク尿を有する、実施形態163~176のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0517】
実施形態178。前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている、実施形態163~177のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0518】
実施形態179。前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である、実施形態163~178のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0519】
実施形態180。
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記処置に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態163~179のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0520】
実施形態181。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態163~180のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0521】
実施形態182。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態163~181のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0522】
実施形態183。
(a)前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、前記患者がACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記処置に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態163~178のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0523】
実施形態184。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態163~178または183のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0524】
実施形態185。前記持続性タンパク尿は、前記患者がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で決定した、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態163~178または183もしくは184のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0525】
実施形態186。前記処置は、
(1)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(2)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態163~185のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0526】
実施形態187。前記処置は、
(1)膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者がタンパク尿を有する場合、前記TACI-Ig融合分子を前記患者に投与し続けるステップと
を含む、実施形態163~185のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0527】
実施形態188。前記使用は、
(1)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を前記患者に投与するステップと、
(2)前記患者の尿中のタンパク質レベルを測定するステップと、
(3)前記患者に前記ACEiおよび/または前記ARBを投与し続け、さらに、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を前記患者に投与するステップであって、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、ステップと
を含む、実施形態163~185のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0528】
実施形態189。前記測定ステップは、前記患者が持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態186~188のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0529】
実施形態190。前記測定ステップは、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)前記患者が、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態186~189のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0530】
実施形態191。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態186~190のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0531】
実施形態192。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態186~191のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0532】
実施形態193。前記測定ステップは、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定すること、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することであって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されていること
をさらに含む、実施形態186~189のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0533】
実施形態194。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態186~189または193のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0534】
実施形態195。前記測定ステップは、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有すると決定することをさらに含む、実施形態186~189または193もしくは194のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0535】
実施形態196。前記測定ステップは、前記患者が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ少なくとも8週間、前記持続性タンパク尿を有していたと決定することをさらに含む、実施形態186~195のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0536】
実施形態197。前記測定ステップ(2)は、ステップ(2)の測定に基づいて、ステップ(3)を実施するかどうかを決定することをさらに含む、実施形態187~196のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0537】
実施形態198。ステップ(3)は、前記患者が持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~197のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0538】
実施形態199。ステップ(3)は、
(a)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者がUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態187~198のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0539】
実施形態200。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~199のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0540】
実施形態201。ステップ(3)は、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~200のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0541】
実施形態202。ステップ(3)は、
(a)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合、または
(b)ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合であって、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている場合
にのみ実施されるべきである、実施形態187~198のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0542】
実施形態203。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~198または202のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0543】
実施形態204。ステップ(3)は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)療法および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)療法を受けている状態で、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿を有することを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~198または202もしくは203のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0544】
実施形態205。ステップ(3)は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与に先立つ少なくとも8週間、前記患者が前記持続性タンパク尿を有していたことを測定ステップが示す場合にのみ実施されるべきである、実施形態187~204のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0545】
実施形態206。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、BLyS(Bリンパ球刺激因子)に結合する、実施形態1~33のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~205のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0546】
実施形態207。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、APRIL(増殖誘導リガンド)に結合する、実施形態1~33または206のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~206のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0547】
実施形態208。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、BLyS(Bリンパ球刺激因子)およびAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合する、実施形態1~33または206もしくは207のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206もしくは207のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206もしくは207のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~207のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0548】
実施形態209。前記TACI-Ig融合分子の前記TACI細胞外ドメインまたはその断片を介したBLySへの結合は、BLySのB細胞上の内因性TACI受容体への結合を阻害する、実施形態1~33または206~208のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~208のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~208のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~208のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0549】
実施形態210。前記TACI-Ig融合分子の前記TACI細胞外ドメインまたはその断片を介したAPRILへの結合は、APRILのB細胞上の内因性TACI受容体への結合を阻害する、実施形態1~33または206~209のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~209のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~209のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~209のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0550】
実施形態211。前記TACI-Ig融合分子は、アミノ酸からなる、実施形態1~33または206~210のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~210のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~210のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~210のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0551】
実施形態212。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、少なくとも60個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~211のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~211のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~211のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~211のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0552】
実施形態213。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、少なくとも70個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~212のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~212のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~212のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~212のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0553】
実施形態214。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、少なくとも80個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~213のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~213のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~213のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~213のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0554】
実施形態215。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、少なくとも200個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~214のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~214のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~214のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~214のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0555】
実施形態216。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、少なくとも210個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~215のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~215のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~215のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~215のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0556】
実施形態217。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、少なくとも220個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~216のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~216のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~216のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~216のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0557】
実施形態218。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、少なくとも230個のアミノ酸を含む、実施形態1~33または206~217のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~217のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~217のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~217のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0558】
実施形態219。前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)にペプチド結合で結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン、
からなる、実施形態1~33または206~218のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~218のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~218のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~218のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0559】
実施形態220。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~219のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~219のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~219のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~219のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0560】
実施形態221。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~220のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~220のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~220のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~220のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0561】
実施形態222。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~221のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~221のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~221のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~221のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0562】
実施形態223。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1を含むアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~222のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~222のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~222のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~222のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0563】
実施形態224。前記TACI細胞外ドメインまたはその断片は、配列番号1からなるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~223のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~223のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~223のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~223のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0564】
実施形態225。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~224のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~224のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~224のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~224のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0565】
実施形態226。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~225のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~225のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~225のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~225のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0566】
実施形態227。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~226のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~226のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~226のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~226のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0567】
実施形態228。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2を含むアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~227のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~227のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~227のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~227のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0568】
実施形態229。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号2からなるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~228のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~228のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~228のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~228のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0569】
実施形態230。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号3と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0570】
実施形態231。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~230のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~230のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~230のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~230のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0571】
実施形態232。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~231のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~231のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~231のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~231のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0572】
実施形態233。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~232のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~232のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~232のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~232のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0573】
実施形態234。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号3からなるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~233のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~233のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~233のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~233のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0574】
実施形態235。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号4と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0575】
実施形態236。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または235のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または235のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または235のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または235のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0576】
実施形態237。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または235もしくは236のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または235もしくは236のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または235もしくは236のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または235もしくは236のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0577】
実施形態238。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または235~237のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または235~237のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または235~237のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または235~237のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0578】
実施形態239。前記ヒト免疫グロブリン定常ドメインは、配列番号4からなるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または235~238のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または235~238のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または235~238のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または235~238のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0579】
実施形態240。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つと少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0580】
実施形態241。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または240のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または240のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または240のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または240のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0581】
実施形態242。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または240もしくは241のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または240もしくは241のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または240もしくは241のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または240もしくは241のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0582】
実施形態243。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の少なくとも1つを含むアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または240~242のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または240~242のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または240~242のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または240~242のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0583】
実施形態244。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号5~9の1つからなるアミノ酸配列を有する、実施形態1~33または206~229または240~243のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~229または240~243のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~229または240~243のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~229または240~242のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0584】
実施形態245。前記TACI-Ig融合分子は、アタシセプトまたはテリタシセプトである、実施形態1~33または206~219のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~219のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~219のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~219のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0585】
実施形態246。前記TACI-Ig融合分子は、テリタシセプトである、実施形態1~33または206~219のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~219のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~219のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~219のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0586】
実施形態247。前記TACI-Ig融合分子は、アタシセプトである、実施形態1~33または206~219のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~219のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~219のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~219のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0587】
実施形態248。前記患者は、哺乳動物である、実施形態1~33または206~247のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~247のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~247のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~247のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0588】
実施形態249。前記患者は、ヒトである、実施形態1~33または206~248のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~248のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~248のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~248のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0589】
実施形態250。前記ヒトは少なくとも18歳である、実施形態1~33または206~249のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~249のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~249のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~249のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0590】
実施形態251。前記患者は、白色またはアジア系の人種である、実施形態1~33または206~250のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~250のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~250のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~250のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0591】
実施形態252。前記患者は、白色人種である、実施形態1~33または206~251のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~251のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~251のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~251のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0592】
実施形態253。前記患者は、タンパク尿を有する、実施形態1~33または206~252のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~252のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~252のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~252のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0593】
実施形態254。前記患者は、タンパク尿を有すると診断されている、実施形態1~33または206~253のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~253のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~253のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~253のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0594】
実施形態255。前記方法は、前記患者がタンパク尿を有するかどうかを決定するステップを含む、実施形態1~33または206~254のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~254のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~254のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~254のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0595】
実施形態256。前記方法は、前記患者がタンパク尿を有するかどうかを決定するステップを含み、前記患者は、前記患者がタンパク尿を有する場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与による前記処置に供される、実施形態1~33または206~255のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~255のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~255のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~255のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0596】
実施形態257。前記タンパク尿は、持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~256のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~256のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~256のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~256のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0597】
実施形態258。前記タンパク尿は、少なくとも0.8g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~257のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~257のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~257のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~257のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0598】
実施形態259。前記タンパク尿は、少なくとも1.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~258のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~258のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~258のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~258のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0599】
実施形態260。前記タンパク尿は、少なくとも1.3g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~259のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~259のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~259のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~259のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0600】
実施形態261。前記タンパク尿は、少なくとも1.5g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~260のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~260のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~260のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~260のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0601】
実施形態262。前記タンパク尿は、少なくとも2.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~261のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~261のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~261のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~261のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0602】
実施形態263。前記タンパク尿は、最大6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~262のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~262のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~262のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~262のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0603】
実施形態264。前記タンパク尿は、最大5.0g/日のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~263のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~263のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~263のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~263のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0604】
実施形態265。前記タンパク尿は、最大4.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~264のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~264のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~264のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~264のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0605】
実施形態266。前記タンパク尿は、1.0~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~265のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~265のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~265のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~265のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0606】
実施形態267。前記タンパク尿は、1.3~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)のタンパク尿であり、好ましくは持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~266のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~266のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~266のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~266のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0607】
実施形態268。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、少なくとも0.75mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~267のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~267のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~267のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~267のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0608】
実施形態269。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、少なくとも1.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~268のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~268のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~268のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~268のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0609】
実施形態270。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、少なくとも1.5mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~269のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~269のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~269のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~269のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0610】
実施形態271。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、少なくとも2.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~270のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~270のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~270のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~270のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0611】
実施形態272。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、最大6.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~271のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~271のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~271のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~271のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0612】
実施形態273。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、最大5.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~272のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~272のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~272のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~272のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0613】
実施形態274。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、最大4.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~273のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~273のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~273のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~273のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0614】
実施形態275。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、1.0~6.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~267のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~267のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~267のいずれか一項に記載の使用、実施形態163~267のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0615】
実施形態276。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、1.5~5.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~267のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~267のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~267のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~267のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0616】
実施形態277。前記タンパク尿は、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)が、1.5~4.0mg/mgであることによって特徴付けられる、実施形態1~33または206~267のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~267のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~267のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~267のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0617】
実施形態278。
(a)前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態1~33または206~277のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~277のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~277のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~277のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0618】
実施形態279。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~278のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~278のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~278のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~278のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0619】
実施形態280。前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~279のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~279のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~279のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~279のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0620】
実施形態281。
(a)前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿が24時間採尿によるUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態1~33または206~277のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~277のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~277のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~277のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0621】
実施形態282。前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~277または281のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~277または281のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~277または281のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~277または281のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0622】
実施形態283。前記患者はACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、前記タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、実施形態1~33または206~277または281もしくは282のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~277または281もしくは282のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~277または281もしくは282のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~277または281もしくは282のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0623】
実施形態284。前記IgA腎症は、腎生検により確認されたIgA腎症である、実施形態1~33または206~283のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~283のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~283のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~283のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0624】
実施形態285。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立ってアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている、実施形態1~33または206~284のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~284のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~284のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~284のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0625】
実施形態286。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている、実施形態1~33または206~285のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~285のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~285のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~285のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0626】
実施形態287。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも12週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている、実施形態1~33または206~286のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~286のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~286のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~286のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0627】
実施形態288。前記患者は、前記アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)による前記処置と同時に免疫抑制剤によって処置されていない、実施形態1~33または206~287のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~287のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~287のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~287のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0628】
実施形態289。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の安定した用量で処置されている、実施形態1~33または206~288のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~288のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~288のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~288のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0629】
実施形態290。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)が、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用と同時に、バックグラウンド療法として前記患者に投与される、実施形態1~33または206~289のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~289のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~289のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~289のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0630】
実施形態291。前記患者は、推定糸球体ろ過率(eGFR)≧35mL/分/1.73m2を有する、実施形態1~33または206~290のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~290のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~290のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~290のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0631】
実施形態292。前記患者の血清IgGレベルは、≧6g/Lである。実施形態1~33または206~291のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~291のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~291のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~291のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0632】
実施形態293。前記患者の前記IgA腎症は、シクロホスファミドで処置されていない、実施形態1~33または206~292のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~292のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~292のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~292のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0633】
実施形態294。前記患者は、健康な個体と比較して血清Gd-IgA1のレベルが増加している、実施形態1~33または206~293のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~293のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~293のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~293のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0634】
実施形態295。前記患者は、健康な個体と比較して少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%増加した血清Gd-IgA1レベルを有する、実施形態1~33または206~294のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~294のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~294のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~294のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0635】
実施形態296。前記患者は、健康な個体と比較して少なくとも75%増加した血清Gd-IgA1レベルを有する、実施形態1~33または206~295のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~295のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~295のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~295のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0636】
実施形態297。前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のBLySレベルが増加している、実施形態1~33または206~296のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~296のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~296のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~296のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0637】
実施形態298。前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のBLySレベルが増加していると診断されている、実施形態1~33または206~297のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~297のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~297のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~297のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0638】
実施形態299。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySのレベルを決定するステップを含む、実施形態1~33または206~298のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~298のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~298のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~298のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0639】
実施形態300。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySのレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のBLySレベルが増加している場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される、実施形態1~33または206~299のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~299のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~299のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~299のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0640】
実施形態301。血清中の前記増加したBLySレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%増加している、実施形態1~33または206~300のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~300のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~300のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~300のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0641】
実施形態302。血清中の前記増加したBLySレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも25%増加している、実施形態1~33または206~301のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~301のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~301のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~301のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0642】
実施形態303。血清中の前記増加したBLySレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも50%増加している、実施形態1~33または206~302のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~302のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~302のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~302のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0643】
実施形態304。前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のAPRILレベルが増加している、実施形態1~33または206~303のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~303のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~303のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~303のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0644】
実施形態305。前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して、血清中のAPRILレベルが増加していると診断されている、実施形態1~33または206~304のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~304のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~304のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~304のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0645】
実施形態306。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインAPRILのレベルを決定するステップを含む、実施形態1~33または206~305のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~305のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~305のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~305のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0646】
実施形態307。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインAPRILのレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較して血清中のAPRILレベルが増加している場合にのみ、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される、実施形態1~33または206~306のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~306のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~306のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~306のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0647】
実施形態308。血清中の前記増加したAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%増加している、実施形態1~33または206~307のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~307のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~307のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~307のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0648】
実施形態309。血清中の前記増加したAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも25%増加している、実施形態1~33または206~308のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~308のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~308のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~308のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0649】
実施形態310。血清中の前記増加したAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも50%増加している、実施形態1~33または206~309のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~309のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~309のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~309のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0650】
実施形態311。前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較してBLySおよびAPRILレベルが増加している、実施形態1~33または206~310のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~310のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~310のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~310のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0651】
実施形態312。前記患者は、IgAN有しない健康な個体と比較して、BLySおよびAPRILレベルが増加していると診断されている、実施形態1~33または206~311のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~311のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~311のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~311のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0652】
実施形態313。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySおよびAPRILのレベルを決定するステップを含む、実施形態1~33または206~312のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~312のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~312のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~312のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0653】
実施形態314。前記方法は、前記患者の血清中のサイトカインBLySおよびAPRILレベルを決定するステップを含み、前記患者は、IgANを有しない健康な個体と比較してBLySおよびAPRILレベルが増加している場合に、前記TACI-Ig融合分子の投与に供される、実施形態1~33または206~313のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~313のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~313のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~313のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0654】
実施形態315。前記増加したBLySおよびAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも10%それぞれ増加している、実施形態1~33または206~314のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~314のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~314のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~314のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0655】
実施形態316。前記増加したBLySおよびAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも25%それぞれ増加している、実施形態1~33または206~315のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~315のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~315のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~315のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0656】
実施形態317。前記増加したBLySおよびAPRILレベルは、IgANを有しない健康な個体と比較して少なくとも50%それぞれ増加している、実施形態1~33または206~316のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~316のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~316のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~316のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0657】
実施形態318。前記TACI-Ig融合分子は、前記患者の体重1kgにつき1週間あたり0.2~10mgのTACI-Ig融合分子の量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0658】
実施形態319。前記TACI-Ig融合分子は、前記患者の体重1kgにつき1週間あたり0.5~5mgのTACI-Ig融合分子の量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0659】
実施形態320。前記TACI-Ig融合分子は、前記患者の体重1kgにつき1週間あたり0.5~2mgのTACI-Ig融合分子の量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0660】
実施形態321。前記TACI-Ig融合分子は、前記患者の体重1kgにつき1週間あたり0.8~1.5mgのTACI-Ig融合分子の量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0661】
実施形態322。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約25~約150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0662】
実施形態323。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約50~約150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0663】
実施形態324。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約75~約150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0664】
実施形態325。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約75~約125mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0665】
実施形態326。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり約75mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0666】
実施形態327。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり25~150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0667】
実施形態328。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり50~150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0668】
実施形態329。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり75~150mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0669】
実施形態330。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり75mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0670】
実施形態331。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり75~125mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0671】
実施形態332。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり70~155mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0672】
実施形態333。前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり70~80mgの量で投与される、実施形態1~33または206~317のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~317のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~317のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~317のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0673】
実施形態334。前記TACI-Ig融合分子は、週に1~3回の投与量で投与される、実施形態1~33または206~333のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~333のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~333のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~333のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0674】
実施形態335。前記TACI-Ig融合分子は、週に1または2回の投与量で投与される、実施形態1~33または206~333のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~333のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~333のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~333のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0675】
実施形態336。前記TACI-Ig融合分子は、週に1回の投与量で投与される、実施形態1~33または206~333のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~333のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~333のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~333のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0676】
実施形態337。前記TACI-Ig融合分子は、隔週で1回投与される、実施形態1~33または206~333のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~333のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~333のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~333のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0677】
実施形態338。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも4週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0678】
実施形態339。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも8週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0679】
実施形態340。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも12週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~162または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~251または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0680】
実施形態341。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも24週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0681】
実施形態342。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも48週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0682】
実施形態343。前記TACI-Ig融合分子は、少なくとも52週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0683】
実施形態344。前記TACI-Ig融合分子は、最大4週間投与される、実施形態1~33または206~338のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~338のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~338のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~252のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0684】
実施形態345。前記TACI-Ig融合分子は、最大8週間投与される、実施形態1~33または206~339のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~339のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~339のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~339のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0685】
実施形態346。前記TACI-Ig融合分子は、最大12週間投与される、実施形態1~33または206~340のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~340のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~340のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~340のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0686】
実施形態347。前記TACI-Ig融合分子は、最大24週間投与される、実施形態1~33または206~341のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~341のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~341のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~341のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0687】
実施形態348。前記TACI-Ig融合分子は、最大48週間投与される、実施形態1~33または206~342のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~342のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~342のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~342のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0688】
実施形態349。前記TACI-Ig融合分子は、最大52週間投与される、実施形態1~33または206~343のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~343のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~343のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~343のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0689】
実施形態350。前記TACI-Ig融合分子は、最大72週間投与される、実施形態1~33または206~343のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~343のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~343のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~343のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0690】
実施形態351。前記TACI-Ig融合分子は、最大156週間投与される、実施形態1~33または206~343のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~343のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~343のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~343のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0691】
実施形態352。前記TACI-Ig融合分子は、2~48週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0692】
実施形態353。前記TACI-Ig融合分子は、2~52週間投与される、実施形態1~33または206~337のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~337のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~337のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~337のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0693】
実施形態354。前記TACI-Ig融合分子は、皮下投与によって投与される、実施形態1~33または206~353のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~353のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~353のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~353のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0694】
実施形態355。前記TACI-Ig融合分子は、(唯一)60~100mg/mlのトレハロースと、pH4.9~5.1の範囲で製剤を緩衝する酢酸緩衝剤とを含む水溶液で投与される、実施形態1~33または206~354のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~354のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~354のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~354のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0695】
実施形態356。前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用は皮下投与によるものであり、25mgの前記TACI-Ig融合分子は、1週間あたり週に1回の投与量で投与される、実施形態1~33または206~355のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~355のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~355のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~355のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0696】
実施形態357。前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用は皮下投与によるものであり、75mgの前記TACI-Ig融合分子が1週間あたり週に1回の投与量で投与される、実施形態1~33または206~355のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~355のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~355のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~355のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0697】
実施形態358。前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用と同時に、さらなる医薬/さらなる複数の医薬が、前記患者に投与される、実施形態1~33または206~357のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~357のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~357のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~357のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0698】
実施形態359。前記さらなる医薬/さらなる複数の医薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、アスピリン、降圧薬(好ましくは、利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬およびβ遮断薬からなる群より選択される)、スタチン、オメガ3魚油およびジピリダモールからなる群より選択される、実施形態1~33または206~358のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~358のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~358のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~358のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0699】
実施形態360。前記さらなる医薬(複数可)は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)および/またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の組合せである、実施形態1~33または206~359のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~359のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~359のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~359のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0700】
実施形態361。前記さらなる医薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)との組合せである、実施形態1~33または206~360のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~360のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~360のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~360のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0701】
実施形態362。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク(24時間採尿に基づく)の低減をもたらす、実施形態1~33または206~361のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~361のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~361のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~361のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0702】
実施形態363。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク(24時間採尿に基づく)の少なくとも10%低減をもたらす、実施形態1~33または206~362のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~362のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~362のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~362のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0703】
実施形態364。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク(24時間採尿に基づく)の少なくとも15%低減をもたらす、実施形態1~33または206~363のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~363のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~363のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~363のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0704】
実施形態365。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク(24時間採尿に基づく)の少なくとも20%低減をもたらす、実施形態1~33または206~364のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~364のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~364のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~364のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0705】
実施形態366。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、前記患者の尿中の総タンパク(24時間採尿に基づく)の少なくとも25%低減をもたらす、実施形態1~33または206~365のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~365のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~365のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~365のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0706】
実施形態367。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく尿タンパククレアチニン比(UPCR)の低減をもたらす、実施形態1~33または206~366のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~366のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~366のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~366のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0707】
実施形態368。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)の少なくとも10%低減をもたらす、実施形態1~33または206~367のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~367のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~367のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~367のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0708】
実施形態369。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)の少なくとも15%低減をもたらす、実施形態1~33または206~368のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~368のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~368のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~368のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0709】
実施形態370。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)の少なくとも20%低減をもたらす、実施形態1~33または206~369のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~369のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~369のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~369のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0710】
実施形態371。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)の少なくとも25%低減をもたらす、実施形態1~33または206~370のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~370のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~370のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~370のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0711】
実施形態372。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、24時間採尿に基づく24時間尿タンパククレアチニン比(UPCR)の少なくとも30%低減をもたらす、実施形態1~33または206~371のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~371のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~371のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~371のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0712】
実施形態373。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は10%以下減少する、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0713】
実施形態374。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は5%以下減少する、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0714】
実施形態375。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は減少しない、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0715】
実施形態376。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は増加する、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0716】
実施形態377。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は少なくとも5%増加する、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0717】
実施形態378。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間、推定糸球体ろ過率(eGFR)は少なくとも10%増加する、実施形態1~33または206~372のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~372のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~372のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~372のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0718】
実施形態379。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の低減をもたらす、実施形態1~33または206~378のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~378のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~378のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~378のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0719】
実施形態380。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも10%低減をもたらす、実施形態1~33または206~379のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~379のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~379のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~379のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0720】
実施形態381。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも20%低減をもたらす、実施形態1~33または206~380のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~380のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~380のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~380のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0721】
実施形態382。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも25%低減をもたらす、実施形態1~33または206~381のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~381のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~381のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~381のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0722】
実施形態383。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも30%低減をもたらす、実施形態1~33または206~382のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~382のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~382のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~382のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0723】
実施形態384。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも40%低減をもたらす、実施形態1~33または206~383のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~383のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~383のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~383のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0724】
実施形態385。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、末梢血における成熟ナイーブB細胞の数の少なくとも50%低減をもたらす、実施形態1~33または206~384のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~384のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~384のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~384のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0725】
実施形態386。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの低減をもたらす、実施形態1~33または206~385のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~385のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~385のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~385のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0726】
実施形態387。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも10%低減をもたらす、実施形態1~33または206~386のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~386のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~386のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~386のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0727】
実施形態388。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも20%低減をもたらす、実施形態1~33または206~387のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~387のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~387のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~387のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0728】
実施形態389。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも25%低減をもたらす、実施形態1~33または206~388のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~388のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~388のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~388のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0729】
実施形態390。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも30%低減をもたらす、実施形態1~33または206~389のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~389のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~389のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~389のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0730】
実施形態391。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも40%低減をもたらす、実施形態1~33または206~390のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~390のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~390のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~390のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0731】
実施形態392。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも50%低減をもたらす、実施形態1~33または206~391のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~391のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~391のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~391のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0732】
実施形態393。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の血清レベルの少なくとも60%低減をもたらす、実施形態1~33または206~392のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~392のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~392のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~392のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0733】
実施形態394。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の減少をもたらす、実施形態1~33または206~393のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~393のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~393のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~393のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0734】
実施形態395。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の少なくとも10%減少をもたらす、実施形態1~33または206~394のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~394のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~394のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~394のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0735】
実施形態396。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の少なくとも20%減少をもたらす、実施形態1~33または206~395のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~395のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~395のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~395のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0736】
実施形態397。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の少なくとも30%減少をもたらす、実施形態1~33または206~396のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~396のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~396のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~396のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0737】
実施形態398。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の少なくとも40%減少をもたらす、実施形態1~33または206~397のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~397のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~397のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~397のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0738】
実施形態399。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgAの血清濃度の少なくとも50%減少をもたらす、実施形態1~33または206~398のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~398のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~398のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~398のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0739】
実施形態400。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgGの血清濃度の減少をもたらす、実施形態1~33または206~399のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~399のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~399のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~399のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0740】
実施形態401。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgGの血清濃度の少なくとも10%減少をもたらす、実施形態1~33または206~400のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~400のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~400のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~400のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0741】
実施形態402。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgGの血清濃度の少なくとも20%減少をもたらす、実施形態1~33または206~401のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~401のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~401のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~401のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0742】
実施形態403。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgGの血清濃度の少なくとも30%減少をもたらす、実施形態1~33または206~402のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~402のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~402のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~402のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0743】
実施形態404。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の減少をもたらす、実施形態1~33または206~403のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~403のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~403のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~403のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0744】
実施形態405。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも10%減少をもたらす、実施形態1~33または206~404のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~404のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~404のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~404のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0745】
実施形態406。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも20%減少をもたらす、実施形態1~33または206~405のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~405のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~405のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~405のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0746】
実施形態407。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも30%減少をもたらす、実施形態1~33または206~406のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~406のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~406のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~406のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0747】
実施形態408。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも40%減少をもたらす、実施形態1~33または206~407のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~407のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~407のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~407のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0748】
実施形態409。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも50%減少をもたらす、実施形態1~33または206~408のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~408のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~408のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~408のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0749】
実施形態410。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも60%減少をもたらす、実施形態1~33または206~409のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~409のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~409のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~409のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0750】
実施形態411。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgMの血清濃度の少なくとも70%減少をもたらす、実施形態1~33または206~410のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~410のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~410のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~410のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0751】
実施形態412。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgA、IgGおよびIgMのそれぞれの血清濃度の減少をもたらす、実施形態1~33または206~411のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~411のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~411のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~411のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0752】
実施形態413。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgA、IgGおよびIgMのそれぞれの血清濃度の少なくとも10%減少をもたらす、実施形態1~33または206~412のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~412のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~412のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~412のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0753】
実施形態414。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgA、IgGおよびIgMのそれぞれの血清濃度の少なくとも20%減少をもたらす、実施形態1~33または206~413のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~413のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~413のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~413のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0754】
実施形態415。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、IgA、IgGおよびIgMのそれぞれの血清濃度の少なくとも30%減少をもたらす、実施形態1~33または206~414のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~414のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~414のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~414のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0755】
実施形態416。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、抗Gd-IgA1抗体の血清レベルの低減をもたらす、実施形態1~33または206~415のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~415のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~415のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~415のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0756】
実施形態417。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、糸球体IgA沈着の低減をもたらす、実施形態1~33または206~416のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~416のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~416のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~416のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0757】
実施形態418。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、糸球体IgA沈着の低減をもたらす、実施形態1~33または206~417のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~417のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~417のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~417のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0758】
実施形態419。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、腎臓病理組織学における減少をもたらす、実施形態1~33または206~418のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~418のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~418のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~418のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0759】
実施形態420。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間に、補体C3の血清レベルの減少は観察されない、実施形態1~33または206~419のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~419のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~419のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~419のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0760】
実施形態421。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、補体C3の血清レベルの増加をもたらす、実施形態1~33または206~420のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~420のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~420のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~420のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0761】
実施形態422。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の間に、補体C4の血清レベルの減少は観察されない、実施形態1~33または206~421のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~421のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~421のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~421のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0762】
実施形態423。前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記処置/前記投与または前記使用の前の状況と比較して、補体C4の血清レベルの増加をもたらす、実施形態1~33または206~422のいずれか一項に記載の方法、または実施形態34~76または206~422のいずれか一項に記載の使用のためのTACI-Ig融合分子、または実施形態77~162または206~422のいずれか一項に記載の使用、または実施形態163~422のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0763】
実施形態II-1。IgA腎症(IgAN)を有する患者を処置する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0764】
実施形態II-2。IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルを低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0765】
実施形態II-3。IgA腎症(IgAN)を有する患者のタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0766】
実施形態II-4。IgA腎症(IgAN)を有する患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減する方法であって、前記方法は膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子を患者に投与することを含み、前記TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、方法。
【0767】
実施形態II-5。前記患者は、持続性タンパク尿を有する、実施形態II-1~II-4のいずれか一項に記載の方法。
【0768】
実施形態II-6。前記タンパク尿は、1.0~6.0g/日(24時間採尿に基づく総タンパク質)の持続性タンパク尿である、実施形態II-1~II-5のいずれか一項に記載の方法。
【0769】
実施形態II-7。
(a)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿である、または
(b)前記持続性タンパク尿は、24時間採尿に基づくUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿であり、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ12ヶ月以内に少なくとも一度、前記患者が24時間採尿に基づくUPCR≧1mg/mgを有すると決定されている、
実施形態II-5またはII-6に記載の方法。
【0770】
実施形態II-8。前記TACI-Ig融合分子は、配列番号3と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する、実施形態II-1~II-7のいずれか一項に記載の方法。
【0771】
実施形態II-9。前記TACI-Ig融合分子は、アタシセプトである、実施形態II-1~II-8のいずれか一項に記載の方法。
【0772】
実施形態II-10。前記患者は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用に先立つ少なくとも8週間、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)で処置されている、実施形態II-1~II-9のいずれか一項に記載の方法。
【0773】
実施形態II-11。前記IgA腎症は、腎生検により確認されたIgA腎症である、実施形態II-1~II-10のいずれか一項に記載の方法。
【0774】
実施形態II-12。前記TACI-Ig融合分子は1週間あたり25~150mgの量で投与される、実施形態II-1~II-11のいずれか一項に記載の方法。
【0775】
実施形態II-13。前記TACI-Ig融合分子は少なくとも4週間投与される、実施形態II-1~II-12のいずれか一項に記載の方法。
【0776】
実施形態II-14。前記TACI-Ig融合分子が皮下投与によって投与される、実施形態II-1~II-13のいずれか一項に記載の方法。
【0777】
実施形態II-15。前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用は、前記TACI-Ig融合分子の前記投与または前記使用前の状況と比較して、Gd-IgA1抗体の前記血清レベルの低減をもたらす、実施形態II-1~II-14のいずれか一項に記載の方法。
【0778】
実施形態II-16。患者のIgA腎症の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0779】
実施形態II-17。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0780】
実施形態II-18。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0781】
実施形態II-19。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置のための医薬の製造のための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子の使用であって、TACI-Ig融合分子は、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含む、使用。
【0782】
実施形態II-20。患者のIgA腎症の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0783】
実施形態II-21。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルを低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0784】
実施形態II-22。IgAN患者のタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【0785】
実施形態II-23。IgAN患者の血清Gd-IgA1レベルおよびタンパク尿を低減することによるIgA腎症(IgAN)の処置に使用するための、膜貫通アクチベーターおよびカルシウムモジュレーターおよびシクロフィリンリガンド-インタラクター(TACI)-免疫グロブリン(Ig)融合分子であって、
(i)BLyS(Bリンパ球刺激因子)および/またはAPRIL(増殖誘導リガンド)に結合するTACI細胞外ドメインまたはその断片、および
(ii)ヒト免疫グロブリン定常ドメイン
を含むTACI-Ig融合分子。
【配列表フリーテキスト】
【0786】
配列番号1(アタシセプトに含まれるTACI細胞外領域の断片のアミノ酸配列)
AMRSCPEEQYWDPLLGTCMSCKTICNHQSQRTCAAFCRSLSCRKEQGKFYDHLLRDCISCASICGQHPKQCAYFCENKLRS
配列番号2(アタシセプトに含まれるIg領域のアミノ酸配列)
【0787】
【化1】
配列番号3(アタシセプトのアミノ酸配列)
【0788】
【化2】
配列番号4(テリタシセプトのアミノ酸配列)
【0789】
【化3】
配列番号5(欧州特許第2161287号明細書のTACI-Ig融合タンパク質T1のアミノ酸配列)
【0790】
【化4】
配列番号6(欧州特許第2161287号明細書のTACI-Ig融合タンパク質T2のアミノ酸配列)
【0791】
【化5】
配列番号7(欧州特許第2161287号明細書のTACI-Ig融合タンパク質T3のアミノ酸配列)
【0792】
【化6】
配列番号8(米国特許第8193316号明細書の配列番号4に記載のTACI-Ig融合タンパク質のアミノ酸配列)
【0793】
【化7】
配列番号9(欧州特許第2161287号明細書のTACI-Ig融合タンパク質T4のアミノ酸配列)
【0794】
【化8】
配列番号10(ヒトTACIのアミノ酸配列)
【0795】
【化9】
配列番号11(ヒトTACI細胞外ドメインのアミノ酸配列)
【0796】
【実施例】
【0797】
以下の実施例は、比較開示とともに、本開示に関連する方法および研究データを記載する。実施例に反映された本開示の様々な実施形態が、上記で提供された一般的な記載から、実施されてもよいことが理解される。前述の発明は、理解を明確にする目的で、説明および実施例によってある程度詳細に記載されているが、記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0798】
[実施例1]
持続性タンパク尿に罹患しているIgA腎症(IgAN)患者群、すなわち重篤な腎合併症を発症するリスクの高い患者群において、アタシセプト投与の効果を評価するために、無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した。
【0799】
患者の選択
患者のスクリーニングの際、主要な選択基準は、
- 18歳以上の男性/女性対象
- 生検で確認されたIgAN
- スクリーニング期間中に24時間採尿でUPCR≧1mg/mgの持続性タンパク尿;または、ACEi療法および/またはARB療法を受けている状態で、スクリーニング来院に先立つ12ヶ月以内に少なくとも1回UPCR≧1mg/mgの履歴が記録され、スクリーニング期間中に24時間採尿でUPCR≧0.75mg/mgの持続性タンパク尿
- 患者は、スクリーニングに先立つ8週間以上、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)の安定した最適な用量を服用していた
であった。
【0800】
登録されたすべての患者は、最大限の標準治療(SOC)療法(すなわち、最適なACE阻害剤および/またはARB)にもかかわらず、1g/日以上のタンパク尿を有していた。
【0801】
このレベルのタンパク尿は、末期腎疾患などの重大な腎臓の転帰の高いリスク(20年以内に最大60~70%のリスク)と関連しているため、研究対象集団が選択された。
【0802】
主要な選択基準は、
- 50%以上の糸球体硬化または尿細管萎縮または間質性線維症に侵された皮質領域
- eGFR<35mL/分/1.73m2
- ヘノッホ・シェーンライン紫斑病など、IgAN以外の重大な腎臓疾患の併発
- 血清IgG<6g/L
- シクロホスファミドの使用歴
- 免疫抑制剤の同時使用
- 140/90mmHgより高い血圧
- 活動性感染症、または高い感染リスク
であった。
【0803】
処置
本研究は、当初2つのパート(パートAおよびB)で構成されるように設計されていたが、最終的には最初のパート(A)のみが実施された。パートAの研究概略を
図1に示す。
【0804】
登録された16人のIgAN患者について試験を実施した。患者は以下の処置を受けるために1:1:1に無作為化され、
群1:プラセボ、または
群2:アタシセプト25mg;または
群3:アタシセプト75mg
を週1回、皮下(SC)注射で投与した。注射容量は1.0mLであった。プラセボは、アタシセプトを予め充填した注射器に合う予め充填した注射器に、滅菌した注射用溶液として供給された。注射は、予め充填された注射器と標準的なSC注射技術を使用して、腹部(前腹壁)または大腿にSC注射された。注射部位は、すべての投与について回転させ、指示に従い、皮膚病変のない部位で、前回の注射部位から少なくとも5cm(約2インチ)離した。注射は、各週でほぼ同じ曜日と時間に行われるように意図されていた。
【0805】
アタシセプトは、25または75mg/mlのいずれかの濃度の溶液として製剤化した(トレハロース二水和物および酢酸ナトリウムを含む水溶液中、pH5)。
【0806】
並行して、すべての群の患者は、SOC(標準治療)の基本療法として、最適化された用量のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEi)および/またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を継続して投与された。
【0807】
人口統計とベースライン特性
異なる処置群の人口統計とベースライン特性を以下の表1に要約した。
【0808】
【0809】
【0810】
アッセイ
試料を予め設定された時点で縦断的に採取した。1日目以降、個々の対象におけるアタシセプトのPD効果を明らかにすることができる解析の結果は、試験実施施設、治験依頼者およびCROに対して盲検化された。解析には、バイタル、ECG、血液学的検査化学、尿検査における潜在的な変化をモニターするための典型的な評価を含めた。
【0811】
免疫グロブリン(IgA、IgM、IgG)の評価は、標準的なセントラルラボパネル(Q2 Solutions、US)の一部として免疫濁度測定法により実施した。補体因子(C3およびC4)の測定および免疫細胞(B細胞および形質細胞レベルを含む)のフローサイトメトリーは、標準的なアッセイによって実施した。
【0812】
血清中のガラクトース欠損型IgA1レベルは、株式会社免疫生物研究所、日本による市販のキット(カタログ番号27600;Suzuki et al., Clin Exp Nephrol (2014))を使用してELISA法により測定した。簡潔には、KM55 ELISAキットを製造業者の説明書に従って使用した(IBL,日本)。血清試料をEIA緩衝剤で1:50の割合で希釈し、プレートの蓋をして60分間インキュベートした。洗浄緩衝剤で4回洗浄後、調製した標識抗体を30分間インキュベートした。プレートを5回洗浄後、50μLのTMA溶液を添加し、暗所で30分間インキュベートした。最後に発色反応を停止し、450/625nmで吸光度を測定した。このアッセイはMerck KGaAによって逆検証が行われた。
【0813】
血清中のアタシセプト濃度は、酵素結合免疫吸着法を用いて定量した遊離アタシセプト、アタシセプト-BLyS複合体および総アタシセプト(遊離アタシセプト + アタシセプト-BLyS複合体と定義)の血清レベルを測定することにより決定した。血清はアタシセプトに特異的なビオチン結合モノクローナル抗体とインキュベートし(遊離または総アタシセプト検出)、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロプレート上に固定化した。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合アタシセプト特異的モノクローナル抗体を添加した。アタシセプト種は、標準的な化学発光法を用いて検出および定量した。
【0814】
成熟ナイーブB細胞の数をフローサイトメトリーにより決定した。選択された臨床施設で末梢血を患者から採取し、24時間以内に契約研究機関に輸送した。全血を直接標識蛍光抗体の適切な希釈液とともにインキュベートし、赤血球を標準細胞溶解試薬を使用して溶解した。T細胞およびB細胞の総濃度を決定するために、計数ビーズを使用した。標準的なフローサイトメトリー法を使用した4色免疫表現型検査により、細胞の種類を区別した。
【0815】
推定糸球体ろ過率(eGFR)は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式に基づいて決定された。
【0816】
24時間尿からのUPCR(尿タンパク:クレアチニン比)を標準的な方法で決定した。スポットUPCR評価は、朝一番の排尿スポット尿試料から標準的な方法で実施した。
【0817】
24週間後の結果
24週間の処置終了後に前向きに計画された中間解析では、以下の所見に基づき、IgANおよび持続性タンパク尿を有する患者におけるアタシセプトの効果について概念実証が示された。
【0818】
驚くべきことに、Gd-IgA1(
図2A)の一貫した、用量依存的な低減が、24週目に観察された。並行して、タンパク尿(24時間UPCR)は、24週目にアタシセプトで、ベースラインからの高い中央値%低減を示した:アタシセプト25mgおよび75mgでそれぞれ-18.67%および-25.34%、プラセボで+0.098%(
図2B)。さらに、血清免疫グロブリンIgA、IgG、IgMの一貫した用量依存的な低減が観察された(
図2C)。
【0819】
特に、アタシセプトの用量レベル75mgは、Gd-IgA1のより大きな低減と関連し、24週目の24時間UPCRによるタンパク尿の低減と相関した(
図3)。
【0820】
時間経過プロットはさらに、アタシセプト処置による血清Gd-IgA1、IgA、IgG、およびIgMレベルの明確な用量依存的な低減を実証した。eGFRで測定される腎機能は、経時的に安定したままであった。処置を要する有害事象(TEAE)は、対象の81%から報告された。TEAEの程度は軽度または中等度であり、重篤なTEAEは報告されなかった。注射部位反応(ISR)および感染症が最も一般的なTEAEであった。ISRはアタシセプト群のみで報告されたが、頻度または重症度において明らかな用量依存性は認められなかった。また、重篤な関連事象、重篤な低ガンマグロブリン血症を伴う事象、致命的な転帰は報告されなかった。
【0821】
アタシセプト75mgSC(皮下投与)週1回の24週間処置で観察されたタンパク尿低減の大きさ(ベースラインからの平均変化率)は、(Fellstrom et al., Lancet (2017))が報告したように、フェーズII NEFIGAN試験におけるブデソニド16mg経口(ネフェコン)1日1回の36週間処置と同等であったようであった(
図4)。しかし、ブデソニドはGd-IgA1レベルに最小限の影響しか及ぼさない(Bhachu JS,2018)。
【0822】
試験終了後の結果
処置(プラセボ、アタシセプト25mgまたはアタシセプト75mgの週1回の皮下投与)は48週目まで継続した。測定はそれ以降の週にも継続した。
【0823】
経時的な血清アタシセプト濃度の測定により、アタシセプトの皮下投与によって、予想通り用量依存的な曝露が生じることが確認された。さらに、ベースライン時と比較して、アタシセプト処置患者群では成熟ナイーブB細胞数が経時的に低減したのに対し、プラセボ群ではむしろ安定的に推移したことがわかった。これは、アタシセプトの作用機序に関連するよく知られた効果である。
【0824】
試験(パートA)の終了後、縦断的IgA、IgG、IgMは中間結果を確認し、これらすべての免疫グロブリンについて、アタシセプト処置により、血清濃度対ベースラインの明確な用量依存的低減を示した(
図5A~C)。
【0825】
驚くべきことに、同時にアタシセプトの強い用量依存的な効果が、血清Gd-IgA1の低減に関しても観察された(
図5D)。
【0826】
本発明者らの知る限り、ある薬剤が病原性Gd-IgA1レベルの低減を引き起こし、同時に血清免疫グロブリンIgA、IgGおよびIgMを低減するのは、今回が初めてである。現在までに本発明者らの知る限り、血清Gd-IgA1レベルを25%(アタシセプト25mg)または60%(アタシセプト75mg)ほど低減することができる薬剤は他に存在しない。
【0827】
補体C3の血清レベルの測定は、アタシセプト療法(特に75mg)でわずかに増加し、一方、プラセボではわずかに減少して変化が認められなかった(
図5E)。同様に、全体として、ベースラインからの血清補体C4の用量依存的な増加がアタシセプト処置で観察された(
図5F)。
【0828】
プラセボ群ではeGFRによる腎機能の低下が進行していたのに対し、アタシセプト群では24週目までは多少の変動があり、48週目には若干の改善が見られるものの腎機能は比較的安定しているように見えた(
図5G)。
【0829】
データ点の予備的分析(
図6)から、Gd-IgA1の低減は、処置期間(48週間)の間、用量依存的であるスポットUPCR値の低減に変換されることが観察された。アタシセプト投与24週目に観察された臨床的に意義のある24時間タンパク尿の低減は、アタシセプト75mg群では48週目に消失したが、これは2例の患者によるものであった(試料数が少ない。アタシセプト75mg群で24週目以降のデータが得られた2例の対象は24週目以降にタンパク尿が増加した。1例の対象はアルドステロンの投与中止により高血圧が悪化した。他の対象は48週目にタンパク尿とeGFRが増加し、72週目には両者とも減少した)。
【0830】
したがって、本試験の患者において観察されたアタシセプトによる予想外のGd-IgA1の低減は、IgA腎症に罹患した患者に対する疾患修飾の可能性につながるものである。
【0831】
参考文献
【0832】
【0833】
【配列表】
【国際調査報告】