(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備えるサセプタ組立品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230629BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230629BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230629BHJP
H05B 6/06 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/465
H05B6/06 361
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574713
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2021064912
(87)【国際公開番号】W WO2021245190
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
【テーマコード(参考)】
3K059
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
3K059AB26
3K059AC33
3K059AD03
3K059AD13
4B045AA50
4B162AA03
4B162AA05
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4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC13
4B162AC17
4B162AC22
(57)【要約】
本開示は、交番磁界の影響下で、エアロゾル形成基体を誘導加熱するための一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備えるサセプタ組立品に関する。一つ以上のサセプタ粒子の一つずつは、粒子コアと、粒子コアを完全に封入する粒子シェルとを含む。粒子コアは、摂氏20度の温度で最高で10kHzの周波数に対して少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性またはフェリ磁性のコア材料を含む、またはそれらで作製される。粒子シェルは、導電性シェル材料を含む、または導電性シェル材料で作製される。本開示はさらに、こうしたサセプタ組立品を備えるエアロゾル発生物品だけでなく、こうした物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにも関する。加えて、本開示は、こうしたサセプタ組立品の製造の方法に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交番磁界の影響下でエアロゾル形成基体を誘導加熱するためのサセプタ組立品であって、前記サセプタ組立品が、一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備え、前記一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、粒子コアと、前記粒子コアを完全に封入する粒子シェルとを備え、前記粒子コアが、摂氏20度の温度で、最高で10kHzの周波数に対して、少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性もしくはフェリ磁性のコア材料を備え、またはそれらで作製され、かつ前記粒子シェルが、導電性シェル材料を含む、またはそれらで作製される、サセプタ組立品。
【請求項2】
前記シェル材料が常磁性である、請求項1に記載のサセプタ組立品。
【請求項3】
前記シェル材料が、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性炭素、または青銅のうちの一つである、請求項1~2のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項4】
前記コア材料が、非導電性である、請求項1~3のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項5】
前記コア材料が、摂氏160度~400、具体的には摂氏160度~摂氏360度、好ましくは摂氏200度~摂氏360度、または摂氏160度~摂氏240度の範囲内のキュリー温度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項6】
前記コア材料がフェライト粉末である、請求項1~5のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項7】
前記コア材料が、マンガン-マグネシウムフェライト、ニッケル-亜鉛フェライト、またはコバルト-亜鉛バリウムフェライトのものである、請求項1~6のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項8】
前記一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、実質的にボール形状を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項9】
前記一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、10マイクロメートル~500マイクロメートル、具体的には20マイクロメートル~250マイクロメートル、より具体的には35マイクロメートル~75マイクロメートルの範囲内、例えば、55マイクロメートルの等価球状粒子直径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項10】
前記粒子コアが、5マイクロメートル~499マイクロメートル、具体的には15マイクロメートル~220マイクロメートル、より具体的には、30マイクロメートル~55マイクロメートルの範囲内、例えば、35マイクロメートルの等価球状コア直径を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項11】
前記粒子シェルが、1マイクロメートル~100マイクロメートル、具体的には2.5マイクロメートル~15マイクロメートル、より具体的には5マイクロメートル~12マイクロメートルの範囲内、例えば10マイクロメートルのシェル厚さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項12】
前記粒子コアが、焼結粒子コアであり、具体的には、前記コア材料が、焼結材料である、請求項1~11のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項13】
前記シェル材料が、前記粒子シェルを形成するように、前記粒子コアの上へとメッキ、堆積、被覆、またはクラッディングされる、請求項1~12のいずれか一項に記載のサセプタ組立品。
【請求項14】
誘導加熱エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、前記物品が、少なくとも一つのエアロゾル形成基体と、請求項1~13のいずれか一項に記載のサセプタ組立品と、を備え、前記サセプタ組立品の前記一つ以上のサセプタ粒子が、前記エアロゾル形成基体内に埋め込まれ、具体的にはエアロゾル形成基体全体を通して、好ましくはエアロゾル形成物品の中心軸からその周辺への分散勾配を有して分散される、エアロゾル発生物品。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品と、前記装置とともに使用するための誘導加熱エアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交番磁界の影響下で、エアロゾル形成基体を誘導加熱するための一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備えるサセプタ組立品に関する。本開示はさらに、こうしたサセプタ組立品を備えるエアロゾル発生物品だけでなく、こうした物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにも関する。加えて、本開示は、こうしたサセプタ組立品の製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を誘導加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生することは、先行技術から一般的に知られている。このために、基体は、交番磁界へと曝露された時、渦電流またはヒステリシス損失のうちの少なくとも一つに起因して熱を生成する能力を有してもよいサセプタと熱的に近接して、またはこのサセプタと直接物理的に接触して配設されてもよい。例えば、サセプタは、エアロゾル形成基体内に埋め込まれた一つ以上のサセプタ粒子を含んでもよい。一緒に、基体およびサセプタは、交番磁界を生成するための誘導源を含むエアロゾル発生装置の中へと挿入されるように構成されたエアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0003】
基体の温度を制御するために、異なる材料で作製された第一のサセプタおよび第二のサセプタを備えるサセプタ組立品が提案されてきた。第一のサセプタ材料は、熱損失に関して、そしてそれ故に加熱効率に関して、最適化される場合がある。対照的に、第二のサセプタ材料は温度マーカーとして使用されてもよい。このために、第二のサセプタ材料は、サセプタ組立品の予め定義された動作温度に対応するキュリー温度を有するように選ばれる。そのキュリー温度において、第二のサセプタの磁性は強磁性またはフェリ磁性から常磁性へと変化し、その電気抵抗の一時的な変化が付随して起こる。それ故に、誘導源によって吸収される電流の対応する変化をモニターすることによって、第二のサセプタ材料がいつそのキュリー温度に達したか、そしてそれ故に、予め定義された動作温度にいつ達したかを検出することができる。急速な過熱を回避するために、加熱プロセスは、動作温度に達した時に、加熱電力を能動的に低減またはオフに切り替えることによって制御されなければならない。
【0004】
先行技術の解決策の利点を有する一方で、それらの制限を軽減する、サセプタ組立品、エアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生システムを有することが望ましいことになる。特に、改善された加熱効率および改善された温度制御能力を有する、サセプタ組立品、エアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生装置システムを有することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様によると、交番磁界の影響下で、エアロゾル形成基体を誘導加熱するためのサセプタ組立品が提供される。サセプタ組立品は、一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備える。一つ以上のサセプタ粒子の一つずつは、粒子コアと、粒子コアを完全に封入する粒子シェルとを含む。粒子コアは、10kHz(キロヘルツ)の周波数において、具体的には最高10kHz(キロヘルツ)までの周波数に対して、かつ摂氏20度の温度で少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性コア材料またはフェリ磁性コア材料を含む、またはそれらで作製される。すなわち、粒子コアは、10kHz(キロヘルツ)の周波数、具体的には最高10kHz(キロヘルツ)までの周波数を有する交番磁界によって貫通された時、摂氏20度の温度で少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性コア材料またはフェリ磁性コア材料を含む、またはそれらで作製される。粒子シェルは、導電性シェル材料を含む、または導電性シェル材料で作製される。
【0006】
本発明によると、高い透磁率を有する磁気コアおよび導電性シェルを備えるサセプタ粒子は、加熱効率の改善および自己調節特性を有する温度制御の改善の両方を提供することが見出された。この程度まで、高い透磁率を有する磁気コアは、粒子シェルを通る磁束を増加させる磁束集中器として作用することが見出された。ファラデーの誘導の法則によると、磁束の増加は、導電性シェル材料を通る閉じた経路の周りの起電力の増加を引き起こし、これは結果として、粒子シェル内で渦電流損失の増加を引き起こす。よって、磁気コアの高い透磁率は、使用中に粒子シェル内で生成される熱の量を増加させる。有利なことに、これはまた、粒子シェルをむしろ薄くすることも可能にし、そしてそれ故に、サセプタ粒子の製造のための材料およびコストを節約する。
【0007】
さらに、サセプタ組立品の実際の温度の関数として粒子シェル内で生成される量を制御するために、磁気コアが使用されてもよいことが見出された。これは、粒子コアの磁性が、コア材料のキュリー温度において強磁性またはフェリ磁性から常磁性へと変化するという事実に起因する。結果として、複合材料サセプタ粒子の全体的な有効透磁率は、サセプタ組立品がコア材料のキュリー温度に達する時に、1へと低下する。これは、コア材料の磁気ヒステリシスが消滅するため、ヒステリシス損失に起因して、粒子コアにおける発熱の停止を引き起こす。なおさらに、透磁率の変化は、透磁率の減少が導電性シェルを通る磁束の減少を引き起こすため、粒子シェルにおける発熱にも影響を与える。これは結果として、起電力の低減につながり、そしてそれ故にサセプタ組立品がコア材料のキュリー温度に達した時に、粒子シェル内の発熱渦電流損失の低減につながる。加えて、粒子シェルの表皮厚さ(これは交番磁界に曝露された時に導電性シェル材料内でどの程度まで電気伝導が起こるかの尺度である)は、複合材料サセプタ粒子の全体的な有効透磁率に依存する。よって、サセプタ粒子の全体的な有効透磁率の低下は、粒子コアの透磁率の低下を引き起こし、シェルにおける表皮厚さの増加につながる。これは結果として、導電性粒子シェルの有効抵抗の低下を引き起こす。結果として、コア材料のキュリー温度に達する時に、有効抵抗の低下に起因して、粒子シェルにおける発熱も低減し、シェル材料における渦電流損失の低減も引き起こす。その結果、キュリー温度において、粒子シェルにおける渦電流損失による発熱は、粒子シェルを通る磁束の低減およびシェル材料の有効抵抗の低減の両方に起因して低減する。加えて、粒子コアのヒステリシス損失がコア材料のキュリー温度において消滅することに起因して、全体的な発熱が低減する。最も重要なことであるが、サセプタ組立品がコア材料のキュリー温度に達した時に、全体的な発熱の低減はそれ自体で生じる。結果として、エアロゾル形成基体の急速な過熱は、好ましくは、能動的な温度制御を必要とすることなく、効果的に回避することができる。
【0008】
さらに、本発明による複合材料サセプタ粒子の加熱効率は、強磁性またはフェリ磁性のコア材料のみからなるサセプタ粒子より大きい。これは、熱の大部分が強化された渦電流損失に起因して生成される、シェル材料に起因する。
【0009】
シェル材料は、常磁性であってもよい。この場合、導電性シェル材料における発熱は、渦電流によってのみ生じる。同様に、シェル材料は、強磁性またはフェリ磁性であってもよい。結果として、熱は、シェル材料内でヒステリシス損失によっても生成される場合がある。有利なことに、これはサセプタ組立品の加熱効率を増加させる。好ましくは、磁性である場合、シェル材料のキュリー温度は、強磁性またはフェリ磁性のコア材料のキュリー温度以下であることが好ましい。有利なことに、これは、ヒステリシス損失によるシェル材料における発熱が、コア材料のキュリー温度以下、すなわち予め定義された動作温度以下の温度でのみで生じることを確実にする。また、シェル材料のキュリー温度が、強磁性またはフェリ磁性のコア材料のキュリー温度より高いことも可能である。
【0010】
シェル材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性炭素、または青銅のうちの一つであってもよい。アルミニウムは、低温での焼結を可能にするため特に適切であり、これは結果として、下記により詳細に記述されるように、複合材料サセプタ粒子の製造を容易にする場合がある。
【0011】
コア材料は非導電性であることが好ましい。この場合、コア材料内の発熱は、ヒステリシス損失によってのみ引き起こされる。結果として、コア材料のキュリー温度に達する時に、サセプタコア内の発熱は完全に停止する。これは、サセプタ組立品の自己調節的な温度制御に関して特に有益であることを明確に示す。コア材料が導電性であることも可能である。
【0012】
上述のように、コア材料のキュリー温度は、サセプタ組立品の予め定義された動作温度に対応することが好ましい。実際の動作温度は、加熱されるエアロゾル形成基体の特定のタイプに依存する。たばこ材料を含有する固体エアロゾル形成基体については、動作温度は、摂氏200度~摂氏360度の範囲内であってもよい。ゲル様エアロゾル形成基体については、動作温度は、摂氏160度~摂氏240度の範囲内であってもよい。その結果、コア材料は、摂氏160度~摂氏400度の範囲内、具体的には摂氏160度~摂氏360度、好ましくは摂氏200度~摂氏360度、または摂氏160度~摂氏240度の範囲内のキュリー温度を有してもよい。
【0013】
サセプタ組立品の加熱効率は、相対透磁率のより高い値に伴い増加する。したがって、コア材料は、200より高い相対透磁率を有する場合さえもある。その結果、コア材料は、少なくとも300、または少なくとも400、または少なくとも500、または少なくとも700、具体的には少なくとも1000、好ましくは少なくとも10000、または少なくとも50000、または少なくとも80000の相対透磁率を有してもよい。これらの値は、10kHz(キロヘルツ)の周波数(具体的には最高で10kHz(キロヘルツ)の周波数に対する)、および摂氏25度の温度における相対透磁率の最大値を指す。下記にさらに記述するように、サセプタ組立品の誘導加熱に使用される交番磁界は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、具体的には5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。これらの周波数に対して、コア材料の最小相対透磁率は、より低くてもよい。例えば、コア材料は、7MHz(メガヘルツ)の周波数および摂氏25度の温度において、少なくとも80、具体的には、少なくとも100、好ましくは、少なくとも120の相対透磁率を有してもよい。同様に、コア材料は、15MHz(メガヘルツ)の周波数および摂氏25度の温度において、少なくとも40、具体的には少なくとも50、好ましくは少なくとも60の相対透磁率を有してもよい。
【0014】
コア材料は、フェライト、具体的にはフェライト粉末を含んでもよく、またはフェライトであってもよい。本明細書で使用される場合、フェライトは、大きい比率の酸化鉄(III)酸化物(Fe2O3)を、小さい比率のバリウム、マンガン、ニッケル、および亜鉛などの一つ以上の追加的な金属元素と混合および焼成することによって作製されるセラミック材料である。
【0015】
一例として、コア材料は、マンガンマグネシウムフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、またはコバルト亜鉛バリウムフェライトのうちの一つであってもよい。
【0016】
例えば、コア材料は、MgxMnyFezO4タイプの組成物を含んでもよく、またはそれから成ってもよく、式中、x=0.4~1.1、y=0.3~0.9、z=1~2であり、また金属カチオンMg、MnおよびFeの原子分率x、y、およびzは、金属カチオンの総電荷が酸素アニオンの総電荷と平衡するようなものである。
【0017】
具体的には、コア材料は、
-摂氏約270度のキュリー温度を有する、Mg0.77Mn0.58Fe1.65O4、
-摂氏約262度のキュリー温度を有する、Mg0.55Mn0.88Fe1.55O4、
-摂氏約190度のキュリー温度を有する、Mg1.03Mn0.35Fe1.37O4、を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。
【0018】
上述のようなニッケル亜鉛フェライトは、NixZn1-xFe2O4タイプの組成物を含んでもよく、またはそれから成ってもよく、式中x=0.3~0.7であり、また金属カチオンNi、Zn、およびFeの原子分率は、金属カチオンの総電荷が酸素アニオンの総電荷と平衡するようなものである。特に、開気孔性の誘導加熱可能なセラミック材料は、例えば、摂氏約258度のキュリー温度を有するNi0.5Zn0.5Fe2O4を含んでもよく、またはそれであってもよい。
【0019】
上述のようなコバルト亜鉛バリウムフェライトは、摂氏約279度のキュリー温度を有する、Co1.75Zn0.25Ba2Fe12O22を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。
【0020】
有利なことに、フェライトは製造が簡単かつ安価である。加えて、フェライトは非導電性である。その結果、コア材料における発熱は、ヒステリシス損失のみに起因するものであり、そしてそれ故に、キュリー温度に達した時に自己調節的である。さらに、フェライトは不活性であり、そしてそれ故にエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品における使用に関してきわめて重要なわけではない。
【0021】
粒子コアは、固体粒子コアであることが好ましい。具体的には、粒子コアはボール形状を有してもよい。同様に、粒子シェルは、固体粒子シェルであることが好ましい。特に、粒子は球状シェルであってもよい。
【0022】
一つ以上のサセプタ粒子の一つずつは、10マイクロメートル~500マイクロメートル、具体的には20マイクロメートル~250マイクロメートル、より具体的には35マイクロメートル~75マイクロメートルの範囲内、例えば55マイクロメートルの等価粒子直径を有してもよい。等価球径は不規則な形状の粒子と組み合わせて使用され、また等価体積の球の直径として定義される。粒子サイズは、とりわけ加熱されるエアロゾル形成基体に依存してもよい。加えて、安全上の理由から、粒子サイズは、サセプタ粒子が使用される場合があるエアロゾル発生物品のフィルターをサセプタ粒子が通らないように十分に大きいべきである。その結果、一つ以上のサセプタ粒子の一つずつは、少なくとも20マイクロメートル、好ましくは少なくとも35マイクロメートルの粒子直径を有してもよい。
【0023】
その結果、粒子コアは、5マイクロメートル~499マイクロメートル、具体的には15マイクロメートル~220マイクロメートル、より具体的には30マイクロメートル~55マイクロメートルの範囲内、例えば35マイクロメートルの等価球状コア直径を有してもよい。等価粒子直径は、主に、等価球状コア直径によって与えられてもよい。30マイクロメートル~55マイクロメートルの範囲内の等価球状コア直径は、こうした粒子は、基体内ではほとんど見えないほど十分に小さいが、それでもなおサセプタ粒子が使用される場合があるエアロゾル発生物品のフィルターを通らないほど十分に大きいため、特に適切である。
【0024】
シェル内のコア材料のフラックス強化効果に起因して、シェルの厚さはやや小さくてもよい。有利なことに、これは、サセプタ粒子の製造のための材料およびコストの節約を可能にする。粒子シェルは、2.5マイクロメートル~15マイクロメートル、具体的には5マイクロメートル~12マイクロメートルの範囲内の、例えば、10マイクロメートルのシェル厚さを有してもよい。シェル厚さは、とりわけ、粒子シェルの材料、特に誘導加熱速度およびシェルの製造のための材料特有の要件に依存してもよい。例えば、シェルの厚さは、アルミニウムについては10マイクロメートルであってもよく、一方で、シェルの厚さは、鋼については10マイクロメートルより低くてもよい。シェルの厚さのより大きい値は、多孔性または焼結構造を有する粒子シェルについては特に適切である。
【0025】
上記の値は、サセプタ組立品のすべてのサセプタ粒子の平均コア直径、平均シェル厚さ、および平均粒子直径を指してもよい。その結果、一部のサセプタ粒子は、サセプタ組立品の他のサセプタ粒子よりも、より小さいコア直径、より小さいシェル厚さ、またはより小さい粒子直径のうちの少なくとも一つを有することが可能である。
【0026】
粒子シェルは、粒子コアと物理的に接触することが好ましい。これは、粒子シェルと粒子コアとがほぼ同じ温度になるように、粒子シェルと粒子コアとの間の良好な熱交換を可能にする。
【0027】
粒子コアは、焼結粒子コアであってもよい。具体的には、コア材料は、焼結材料であってもよい。焼結は、熱または圧力によって、液化点まで溶融することなく、材料の固体の塊を圧密および形成するプロセスである。有利なことに、焼結は、ほぼすべての形状および寸法を有する粒子コアを生成することを可能にする。焼結はまた、良好な強度特性を有するサセプタ粒子ももたらす。加えて、焼結粒子コアは、粒子シェルと粒子コアとの間の良好な結合を容易にする。
【0028】
その結果、粒子シェルは、粒子コアにしっかりと結合されることが好ましい。すなわち、粒子シェルと粒子コアとの間に物質と物質との結合があってもよい。しっかりした結合は、粒子シェルと粒子コアとの間の良好な機械的安定性および良好な熱交換を提供する。
【0029】
具体的には、シェル材料は、粒子シェルを形成するなど、粒子コア上にメッキ、堆積、コーティング、またはクラッディングされてもよい。
【0030】
本発明によるサセプタ組立品は、特に高周波の交番磁界によって駆動されるように構成されることが好ましい。本明細書に言及されるように、高周波磁界は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、具体的には5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。
【0031】
サセプタ粒子は、カバー、特に保護カバーを備えてもよい。カバーは、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成されてもよく、サセプタ粒子の少なくとも一部分の外側にそれぞれ形成またはコーティングされてもよい。有利なことに、カバーは、エアロゾル形成基体がサセプタ組立品の表面に、もしくはその逆にくっつくのを回避するため、エアロゾル形成基体、具体的には液体エアロゾル形成基体のサセプタ組立品への接着を増加させるため、具体的には風味物質または液体エアロゾル形成基体を貯蔵するため、風味物質またはエアロゾル化強化カバーを提供するため、サセプタ材料からエアロゾル形成基体への物質の拡散、例えば、金属拡散を回避するため、またはサセプタ粒子の機械的強度を改善するため、のうちの少なくとも一つのために構成されてもよい。風味物質またはエアロゾル化強化カバーを提供するために、カバーは、風味物質またはエアロゾル化強化物質を含んでもよい。カバーは非導電性であることが好ましい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「サセプタ粒子」という用語は、交番磁界に供された時に電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する要素を指す。これは、サセプタ粒子内に含まれる材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ、粒子内で誘発されたヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であってもよい。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ材料内で生じる。渦電流は、サセプタ材料が導電性である場合に誘発されてもよい。導電性の強磁性またはフェリ磁性のサセプタ材料の場合には、渦電流およびヒステリシス損失の両方に起因して熱を発生することができる。
【0033】
本発明の別の態様によると、誘導加熱エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品が提供される。物品は、少なくとも一つのエアロゾル形成基体と、本発明による、そして本明細書に記述されるような少なくとも一つのサセプタ組立品を備える。サセプタ組立品の一つ以上のサセプタ粒子は、エアロゾル形成基体内に埋め込まれる。
【0034】
サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体全体を通して分散されてもよい。サセプタ粒子は、エアロゾル形成基体全体を通して均等に、すなわち、均一に分散されてもよい。また、サセプタ粒子は、局所的な濃度ピークを有して、または濃度勾配、例えば、エアロゾル形成物品の中心軸からその周辺への分散勾配に従って、エアロゾル形成基体全体を通して分散されることも可能である。
【0035】
本明細書で使用される場合「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱されたときにエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する、少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。すなわち、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品である。エアロゾル発生物品は、消耗品、特に単回使用後に廃棄される消耗品であってもよい。例えば、物品は、加熱されるゲル様エアロゾル形成基体を含むカートリッジであってもよい。別の方法として、物品は従来の紙巻たばこに似ているロッド状の物品(特にたばこ物品)であってもよい。
【0036】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される。エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体もしくは液体エアロゾル形成基体もしくはゲル様エアロゾル形成基体、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。すなわちエアロゾル形成基体は、例えば、固体構成成分と液体構成成分との両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体はまた、その他の添加物および成分(ニコチンまたは風味剤など)も含んでもよい。エアロゾル形成基体はまた、ペースト様の材料、エアロゾル形成基体を含む多孔性材料のサシェ、または、例えば、ゲル化剤または粘着剤と混合されたばらのたばこであってもよく、これはグリセリンなどの一般的なエアロゾル形成体を含むことができ、これはプラグへと圧縮または成形される。
【0037】
一例として、エアロゾル発生物品は、以下の要素、すなわち基体要素と、支持要素と、冷却要素と、フィルター要素とを備えてもよい。前述の要素のすべては、上述の順序で物品の長さ軸に沿って逐次的に配設されてもよく、基体要素は、物品の遠位端に配設され、かつフィルター要素は物品の近位端に配設される。具体的には、基体要素は、システムの使用時に物品を通過する気流に関して支持要素の下流に位置する。前述の要素の各々は、実質的に円筒状であってもよい。具体的には、すべての要素は、同じ外側断面形状を有してもよい。加えて、要素は、要素を一緒にまとめて保持するように、かつロッド状の物品の所望の断面形状を維持するように、外側ラッパーによって囲まれてもよい。ラッパーは紙で作製されることが好ましい。
【0038】
基体要素は、加熱される少なくとも一つのエアロゾル形成基体、およびサセプタ組立品、すなわちエアロゾル形成基体に埋め込まれた一つ以上のサセプタ粒子を含むことが好ましい。
【0039】
支持要素は、何も有しない中央空気通路を有する中空のセルロースアセテートチューブを備えてもよい。
【0040】
エアロゾル冷却要素は、大きい表面積および低い引き出し抵抗(例えば、15mmWG(水柱ミリメートルゲージ圧)~20mmWG(水柱ミリメートルゲージ圧)を有する要素であってもよい。使用時に、基体要素から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品の近位端へと搬送される前にエアロゾル冷却要素を通して引き出される。
【0041】
フィルター要素は、マウスピースとして、またはエアロゾル冷却要素と一緒にマウスピースの一部として機能することが好ましい。本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、エアロゾルが通ってエアロゾル発生物品から出る物品の一部分を指す。
【0042】
別の実施例によると、エアロゾル発生物品は、以下の要素、すなわち遠位支持要素と、基体要素と、近位支持要素と、冷却要素と、フィルター要素とを備えてもよい。前述の要素のすべては、上述の順序で物品の長さ軸に沿って逐次的に配設されてもよく、遠位支持要素は、物品の遠位端に配設され、かつフィルター要素は物品の近位端に配設される。すなわち、基体要素は、近位支持要素と遠位支持要素との間に位置する。具体的には、基体要素は、使用時に物品を通過する気流に関して、近位支持要素の下流に、かつ遠位支持要素の上流に位置する。前述の要素の各々は、実質的に円筒状であってもよい。具体的には、すべての要素は、同じ外側断面形状を有してもよい。加えて、要素は、要素を一緒にまとめて保持するように、かつロッド状の物品の所望の断面形状を維持するように、外側ラッパーによって囲まれてもよい。ラッパーは紙で作製されることが好ましい。
【0043】
基体要素、冷却要素、およびフィルター要素は、前述の実施例によるそれぞれの要素に対応してもよい。
【0044】
遠位支持要素および近位支持要素は、何も有しない中央空気通路を有する中空のセルロースアセテートチューブを備えてもよい。別の方法として、遠位支持要素は、セルロースアセテートプラグ(何も有しない中央空気通路を有しない)を備えてもよい。セルロースアセテートプラグは、基体要素の遠位前方端を覆い、かつ保護するために使用されてもよい。
【0045】
本発明によるエアロゾル発生物品のさらなる特徴および利点は、本発明による、そして等しく適用するサセプタ組立品に関してすでに上述してきた。
【0046】
本発明の別の態様によると、本発明による、かつ本明細書に記述されるようなエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムだけでなく、装置とともに使用するための誘導加熱エアロゾル発生装置も提供される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「誘導加熱エアロゾル発生装置」という用語は、サセプタ組立品、そしてそれ故に物品内のエアロゾル形成基体を誘導加熱することによってエアロゾルを発生するように、少なくとも一つのエアロゾル形成液体を含む少なくとも一つのエアロゾル発生物品と相互作用する能力を有する電気的に動作する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、ユーザーによってユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するための吸煙装置であることが好ましい。特に、エアロゾル発生装置は手持ち式のエアロゾル発生装置である。
【0048】
装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するための受容空洞を備えてもよい。
【0049】
誘導加熱エアロゾル発生装置は、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体を誘導加熱するために、受容空洞内に交番磁界を生成するように構成および配設された少なくとも一つの誘導源を備えてもよい。
【0050】
交番磁界を生成するために、誘導源は、受容空洞の周りに配設された少なくとも一つのインダクタ、好ましくは少なくとも一つの誘導コイルを備えてもよい。誘導コイルは、物品が受容空洞内に受容される時に、サセプタ組立品、すなわち、一つ以上のサセプタ粒子を包囲するように配設されてもよい。
【0051】
少なくとも一つの誘導コイルは、らせん状コイルまたは平坦な平面状コイル、具体的にはパンケーキコイルまたは湾曲した平面状コイルであってもよい。平坦なスパイラルコイルの使用は、頑丈でかつ製造が安価なコンパクトな設計を可能にする。らせん状誘導コイルの使用は有利なことに、均質な交番磁界を発生することを可能にする。本明細書で使用される場合、「平坦なスパイラルコイル」は、概して平面状のコイルであって、コイルの巻線の軸がコイルの置かれている表面に対して垂直であるコイルを意味する。平坦なスパイラル誘導コイルは、コイルの平面内で任意の所望の形状を有することができる。例えば、平坦なスパイラルコイルは円形の形状を有してもよく、または概して楕円形もしくは長方形の形状を有してもよい。しかしながら、本明細書で使用される場合、「平坦なスパイラルコイル」という用語は、平面状のコイルだけでなく、湾曲した表面に適合するように形作られた平坦なスパイラルコイルの両方を網羅する。例えば、誘導コイルは、好ましくは円筒状のコイル支持体(例えば、フェライトコア)の周囲に配設された「湾曲した」平面状コイルであってもよい。さらに、平坦なスパイラルコイルは、例えば四回巻きの平坦なスパイラルコイルの二つの層を備えてもよく、または四回巻きの平坦なスパイラルコイルの単一の層を備えてもよい。少なくとも一つの誘導コイルは、エアロゾル発生装置の主本体またはハウジングのうちの一つの中に保持されてもよい。
【0052】
誘導源は交流(AC)発生器を備えてもよい。AC発生器はエアロゾル発生装置の電源によって電力供給されてもよい。AC発生器は、少なくとも一つの誘導コイルに動作可能に連結される。具体的には、少なくとも一つの誘導コイルは、AC発生器の一体部分であってもよい。AC発生器は、交番磁界を発生させるために少なくとも一つの誘導コイルを通過する高周波振動電流を発生するように構成される。AC電流は、システムの起動後、少なくとも一つの誘導コイルに連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。
【0053】
誘導源は、LCネットワークを含むDC電源に接続されたDC/ACコンバータを備えることが好ましく、LCネットワークは、コンデンサおよびインダクタの直列接続を備える。
【0054】
誘導源は高周波磁界を生成するように構成されることが好ましい。本明細書で言及されるように、高周波磁界は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、具体的には5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内であってもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は、具体的には所定の動作温度へのエアロゾル形成液体の加熱を制御するために、好ましくは閉ループ構成において、加熱プロセスの動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備えてもよい。エアロゾル形成基体を加熱するために使用される動作温度は、摂氏200度~摂氏360度、具体的には摂氏160度~摂氏240度の範囲内であってもよい。これらの温度は、エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼させないための典型的な動作温度である。
【0056】
コントローラは、エアロゾル発生装置の全体的なコントローラであってもよく、またはエアロゾル発生装置の全体的なコントローラの技術分野であってもよい。コントローラは、マイクロプロセッサ、例えばプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路を備えてもよい。コントローラは、少なくとも一つのDC/ACインバータ、および/または電力増幅器(例えば、クラスC電力増幅器、もしくはクラスD電力増幅器、もしくはクラスE電力増幅器)などの、さらなる電子構成要素を備えてもよい。具体的には、誘導源はコントローラの一部であってもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は、電源、具体的には誘導源にDC供給電圧およびDC供給電流を提供するように構成されたDC電源を備えてもよい。電源はリン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としてもよい、すなわち、電源は再充電可能であってもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源はおおよそ六分間、または六分の倍数の期間の間エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または誘導源の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0058】
エアロゾル発生装置はまた、誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設された、かつ少なくとも一つの誘導源の交番磁場を受容空洞に向かって歪めるように構成されたフラックスコンセントレータをさらに備えてもよい。それ故に、物品が受容空洞内に受容された時、交番磁界は、存在する場合、誘導加熱可能な液体導管に向かって歪められる。フラックスコンセントレータは、フラックスコンセントレータ箔、特に、多層フラックスコンセントレータ箔を備えることが好ましい。
【0059】
本発明によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点は、本発明によるサセプタ組立品およびエアロゾル発生物品に関してすでに記述されており、そしてそれ故に等しく適用される。
【0060】
本発明によると、エアロゾル形成基体を誘導加熱するための一つ以上の複合材料サセプタ粒子を含むサセプタ組立品を製造する方法も提供され、一つ以上のサセプタ粒子の一つずつは、粒子コアおよび粒子コアを完全に封入する粒子シェルを含む。方法は、
-強磁性またはフェリ磁性のコア材料を含む、またはそれらから作製された、一つ以上の粒子コアを提供することと、
-一つ以上の粒子コアの一つずつの周りに粒子シェルを形成するように、一つ以上の粒子コアの一つずつを、導電性シェル材料で完全に包むことと、を含む。
【0061】
本発明によるサセプタ組立品に関してさらに上述したように、粒子コアは焼結粒子コアであってもよい。その結果、一つ以上の粒子コアを提供することは、
-強磁性またはフェリ磁性のコア材料から、粒子コアの形状に対応する形状を有する一つ以上のグリーンボディを形成することと、
-一つ以上のグリーンボディを加熱することによって、一つ以上のグリーンボディを焼結することと、を含む。
【0062】
本発明によるサセプタ組立品に関してさらに上述したように、シェル材料は、粒子シェルを形成するように粒子コアの上へとメッキ、堆積、コーティング、またはクラッディングされてもよい。その結果、一つ以上の粒子コアの一つずつを導電性シェル材料で完全に包むことは、シェル材料を一つ以上の粒子コアの上へとメッキ、堆積、コーティング、またはクラッディングすることを含んでもよい。特に、導電性シェル材料は、蒸着、スラリーの状態でローラーで塗る、または平坦な流体浴内で、粒子コアの上へと塗布されてもよく、スラリーおよび平坦な流体浴は、塗布されるシェル材料を含む。
【0063】
本発明による方法のさらなる特徴および利点は、本発明による、そして等しく適用するサセプタ組立品に関してすでに上記に述べてきた。
【0064】
本発明は特許請求の範囲で定義される。しかしながら、以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0065】
実施例Ex1:交番磁界の影響下でエアロゾル形成基体を誘導加熱するためのサセプタ組立品であって、サセプタ組立品が、一つ以上の複合材料サセプタ粒子を備え、一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが粒子コアと、粒子コアを完全に封入する粒子シェルとを備え、粒子コアが、摂氏20度の温度で、10kHz(キロヘルツ)の周波数で、具体的には最高で10kHz(キロヘルツ)の周波数に対して、少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性もしくはフェリ磁性のコア材料を備え、またはそれらで作製され、かつ粒子シェルが、導電性シェル材料を含む、またはそれらで作製される、サセプタ組立品。
【0066】
実施例Ex2:シェル材料が常磁性である、実施例Ex1によるサセプタ組立品。
【0067】
実施例Ex3:シェル材料が、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性炭素、または青銅のうちの一つである、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0068】
実施例Ex4:コア材料が、非導電性である、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0069】
実施例Ex5:コア材料が、摂氏160度~400、具体的には摂氏160度~摂氏360度、好ましくは摂氏200度~摂氏360度、または摂氏160度~摂氏240度の範囲内のキュリー温度を有する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0070】
実施例Ex6:コア材料がフェライト粉末である、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0071】
実施例Ex7:コア材料は、マンガン-マグネシウムフェライト、ニッケル-亜鉛フェライト、またはコバルト-亜鉛バリウムフェライトのものである、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0072】
実施例Ex8:一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、実質的にボール形状を有する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0073】
実施例Ex9:一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、10マイクロメートル~500マイクロメートル、具体的には20マイクロメートル~250マイクロメートル、より具体的には35マイクロメートル~75マイクロメートルの範囲内、例えば、55マイクロメートルの等価球状粒子直径を有する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0074】
実施例Ex10:粒子コアが、5マイクロメートル~499マイクロメートル、具体的には15マイクロメートル~220マイクロメートル、より具体的には30マイクロメートル~55マイクロメートルの範囲内、例えば、35マイクロメートルの等価球状コア直径を有する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0075】
実施例Ex11:粒子シェルが、1マイクロメートル~100マイクロメートル、具体的には2.5マイクロメートル~15マイクロメートル、より具体的には5マイクロメートル~12マイクロメートルの範囲内の、例えば10マイクロメートルのシェル厚さを有する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0076】
実施例Ex12:粒子コアは、焼結粒子コアであり、特にコア材料は、焼結材料である、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0077】
実施例Ex13:粒子シェルが粒子コアと物理的に接触する、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0078】
実施例Ex14:粒子シェルが粒子コアにしっかりと結合される、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0079】
実施例Ex15:シェル材料が、粒子シェルを形成するように、粒子コアの上へとメッキ、堆積、コーティング、またはクラッディングされる、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品。
【0080】
実施例Ex16:誘導加熱エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、物品が少なくとも一つのエアロゾル形成基体と、先行する実施例のいずれか一つによるサセプタ組立品と、を備え、サセプタ組立品の一つ以上のサセプタ粒子が、エアロゾル形成基体内に埋め込まれ、具体的には、エアロゾル形成基体全体を通して分散され、例えば、均質に分散され、または局所的な濃度ピークを有して分散され、または、具体的にはエアロゾル形成物品の中心軸からその周辺への分散勾配を有して分散される、エアロゾル発生物品。
【0081】
実施例Ex17:先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生物品と、装置とともに使用するための誘導加熱エアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【0082】
実施例Ex18:エアロゾル形成基体であって、一つ以上のサセプタ粒子の一つずつが、粒子コアおよび粒子コアを完全に封入する粒子シェルを備える、エアロゾル形成基体を誘導加熱するための一つ以上の複合材料サセプタ粒子を含むサセプタ組立品を製造する方法であって、
強磁性またはフェリ磁性のコア材料を含む、またはそれらから作製された、一つ以上の粒子コアを提供することと、
一つ以上の粒子コアの一つずつの周りに粒子シェルを形成するように、一つ以上の粒子コアの一つずつを、導電性シェル材料で完全に包むことと、を含む方法。
【0083】
実施例Ex19:一つ以上の粒子コアを提供することが、
粒子コアの形状に対応する形状を有する、強磁性またはフェリ磁性のコア材料から、一つ以上のグリーンボディを形成することと、
一つ以上のグリーンボディを加熱することによって、一つ以上のグリーンボディを焼結することと、を含む、実施例Ex18による方法。
【0084】
実施例Ex20:一つ以上の粒子コアの一つずつを導電性シェル材料で完全に包むことが、シェル材料を一つ以上の粒子コアの上へとメッキ、堆積、コーティング、またはクラッディングすることを含む、実施例Ex18またはEx19のいずれか一つによる方法。
【0085】
実施例Ex21:一つ以上の粒子コアの一つずつを導電性シェル材料で完全に包むことが、蒸着によって、スラリーの状態でローラーで塗る、または平坦な流体浴内でシェル材料を粒子コアの上へと塗布することであって、スラリーおよび平坦な流体浴が、塗布されるシェル材料を含む、実施例Ex18~Ex20のいずれか一つによる方法。
【0086】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、本発明の第一の例示的な実施形態によるサセプタ組立品を備える誘導加熱可能なエアロゾル発生物品を概略的に例証する。
【
図2】
図2は、エアロゾル発生装置と、
図1によるエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に例証する。
【
図3】
図3は、
図1によるエアロゾル発生物品内に含まれるサセプタ組立品の一つのサセプタ粒子を示す。
【
図4】
図4は、本発明の第二の例示的な実施形態による誘導加熱可能なエアロゾル発生物品を概略的に例証する。
【0088】
図1は、本発明による誘導加熱可能なエアロゾル発生物品100の第一の例示的な実施形態を概略的に例証する。エアロゾル発生物品100は、ロッド形状を実質的に有し、また同軸の整列の状態で逐次的に配設された四つの要素、すなわち、エアロゾル形成ロッドセグメント110、中央空気通路141を有する支持要素140、エアロゾル冷却要素150、およびマウスピースとして機能するフィルター要素160を備える。エアロゾル形成ロッドセグメント110は、物品100の遠位端102において配設され、一方でフィルター要素160は、物品100の遠位端103において配設される。これらの四つの要素の各々は実質的に円筒状の要素であり、これらのすべては実質的に同じ直径を有する。加えて、四つの要素は、四つの要素を一緒に保持し、かつロッド様の物品100の所望の円形断面形状を維持するように、外側ラッパー170によって囲まれる。ラッパー170は紙で作製されることが好ましい。
【0089】
本発明については、エアロゾル形成ロッドセグメント110は、エアロゾル形成基体130だけでなく、交番磁界に曝露された時に、基体130を加熱するためのサセプタ組立品120も含む。
図1でわかるように、サセプタ組立品120は、エアロゾル形成基体130全体を通して均等に分散される複数のサセプタ粒子123を備える。その粒子状の性質に起因して、サセプタ123は、包囲するエアロゾル形成基体130に対して大きい表面積を提示し、これは有利なことに熱伝達を強化する。サセプタ粒子123の詳細は、
図3に関して、下記にさらにより詳細に記述される123。
【0090】
図2で例証するように、エアロゾル発生物品100は、誘導加熱エアロゾル発生装置10とともに使用するように構成される。装置10と物品100は一緒に、本発明によるエアロゾル発生システム1を形成する。エアロゾル発生装置10は、物品100の少なくとも遠位部分をその中に受容するために、装置10の近位部分12内に画定された円筒状の受容空洞20を備える。装置10は、高周波の交番磁界を生成するための誘導コイル30を含む誘導源をさらに備える。本実施形態では、誘導コイル30は、円筒状の受容空洞20を円周方向に包囲するらせん状コイルである。コイル30は、エアロゾル発生物品100のサセプタ組立品120が、物品100を装置10と係合するのに伴い交番磁界を経験するように配設される。それ故に、誘導源を起動させる時、サセプタ組立品120は、誘導加熱に起因して加熱する。
図3に関してさらに以下により詳細に記述される123ように、サセプタ組立品120は、エアロゾル形成ロッドセグメント110内のエアロゾル形成基体130を気化させるのに十分な動作温度に達するまで加熱される。遠位部分13内に、エアロゾル発生装置10は、電力を供給し、かつ加熱プロセスを制御するためのDC電源40とコントローラ50(
図2で概略的にのみ例証される)とをさらに備える。誘導コイル30とは別に、誘導源は、装置10のコントローラ50の少なくとも部分的に一体部分であることが好ましい。
【0091】
図3は、
図1に示すエアロゾル発生物品内で使用されるサセプタ粒子123のうちの一つの詳細な断面図を示す。本発明によると、サセプタ粒子123の一つずつは、粒子コア121と、粒子コア121を完全に封入する粒子シェル122とを備える。粒子コア121は、摂氏20度の温度で最高で10kHz(キロヘルツ)の周波数に対して少なくとも200の相対透磁率を有する強磁性またはフェリ磁性のコア材料を含む、またはそれらで作製される。本実施形態では、粒子コア121は、ニッケル亜鉛フェライト、すなわち、非導電性のフェリ磁性材料で作製される。対照的に、粒子シェル122は、導電性シェル材料で作製される。本実施形態では、粒子シェル122は、常磁性であるアルミニウムで作製される。よって、一般に、誘導コイル32の交番磁界に曝露された時、粒子シェル122は渦電流に起因して加熱される一方で、粒子コア121はヒステリシス損失に起因して加熱される。
【0092】
本発明によると、磁気コアは別の重要な機能を有する:その高い透磁率のために、粒子121は、粒子シェル122を通る磁束を増加させる磁束集中器として作用する。ファラデーの誘導の法則によると、磁束の増加は、粒子シェル122内の渦電流損失の増加を引き起こす。よって、磁性粒子コア121の高い透磁率は、使用中に粒子シェル内で生成される熱の量を増加させる。有利なことに、これはまた、粒子シェルをむしろ薄くすることも可能にし、そしてそれ故に、サセプタ粒子の製造のための材料およびコストを節約する。
【0093】
コア材料のキュリー温度にほぼ達する時に、粒子コア121の磁性は、フェリ磁性から常磁性へと変化する。結果として、磁性粒子コア121の全体的な有効透磁率は、1へと低下する。これは、コア材料の磁気ヒステリシスが消滅するため、粒子コア121における発熱の停止を引き起こす。なおさらに、透磁率の変化は、磁性粒子コア121の透磁率の減少が導電性粒子シェル122を通る磁束の減少を引き起こすため、粒子シェル122における発熱にも影響を与える。これは結果として、起電力の低減につながり、そしてそれ故に、サセプタ組立品がコア材料のキュリー温度に達した時に、粒子シェル122内の発熱渦電流損失の低減につながる。
【0094】
加えて、透磁率の減少が上記でさらに記述されるように粒子シェル122内の表皮厚さの増加を引き起こすため、透磁率の変化は、粒子シェル122の発熱にも影響を与える。これは結果として、アルミニウム粒子シェル122の有効抵抗の低下を引き起こす。よって、コア材料のキュリー温度に達する時には、有効抵抗の低下も生じて粒子シェル122における発熱も低減するため、シェル材料における渦電流損失の低減も生じる。
【0095】
その結果、キュリー温度において、粒子シェル122における渦電流損失による発熱は、粒子シェルを通る磁束の低減およびシェル材料の有効抵抗の低減の両方に起因して低減する。加えて、粒子コア121内のヒステリシス損失がコア材料のキュリー温度において消滅することに起因して、全体的な発熱が低減する。具体的には、エアロゾル形成基体としての急速な過熱を、好ましくは積極的な温度制御を必要とすることなく、効果的に回避することができるように、全体的な発熱の低減は、それ自体による結果である。
【0096】
具体的なコア材料は、エアロゾル形成基体130が加熱されるサセプタ組立品120の予め定義された動作温度周辺のキュリー温度を有するように選ばれることが好ましい。たばこ材料を含有する固体エアロゾル形成基体については、動作温度は、摂氏200度~摂氏360度の範囲内であってもよい。
【0097】
図3でさらにわかるように、サセプタ粒子123は実質的にボール形状を有する。粒子直径124は、50マイクロメートル~75マイクロメートルの範囲内であってもよい。本実施形態では、すべてのサセプタ粒子123の平均粒子直径は、約55マイクロメートルであり、これは約35マイクロメートルのコア直径125を有する粒子コア121、および約10マイクロメートルのシェル厚さ126を有する粒子シェル122から生じる。
【0098】
粒子コアは、強磁性またはフェリ磁性のコア材料のグリーンボディを焼結し、そしてその後、粒子コア121へとしっかりと結合された粒子シェル122を提供するように、粒子コア121の上へと、例えば、蒸着によって、シェル材料を塗布することによって製造されてもよい。
【0099】
図4は、本発明によるエアロゾル発生物品200の第二の実施形態を示す。一般に、
図4によるエアロゾル発生物品200は、
図1および
図2に示すエアロゾル発生物品100と非常に類似している。したがって、同一または類似の特徴は、同じ参照符号で示されるが、なお100が加えられている。
図1に示す第一の実施形態とは対照的に、
図4による物品400は、ロッドセグメント210の中心部分で主に加熱されるエアロゾル形成基体230を有するために、エアロゾル形成物品200の中心軸207からその周辺への、具体的には、物品200の中心軸207に沿って局所濃度最大値を有する分散勾配を有するサセプタ粒子223の粒子分布を有する。
【0100】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的については、別段の表示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、すべての事例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±Aの5パーセントとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修飾する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を与えないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】