(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】発熱体、発熱アセンブリ及び加熱装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/02 20060101AFI20230629BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230629BHJP
【FI】
H05B3/02 A
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574737
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2021096296
(87)【国際公開番号】W WO2022068231
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011066148.7
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ドウ▼ 恒恒
(72)【発明者】
【氏名】胡 国勤
(72)【発明者】
【氏名】方 日明
【テーマコード(参考)】
3K092
4B162
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA06
3K092QB02
3K092QB26
3K092QC02
3K092QC42
3K092QC43
3K092QC44
3K092UA06
3K092UA17
3K092VV22
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、発熱体(100,200)、発熱アセンブリ(10,20)、及び加熱装置に関する。当該発熱体(100,200)は、基体(110,210)と、発熱回路(130,230)と、測温回路(150,250)とを含む、基体(110,210)は底面(115)を有し、基体(110,210)上には、発熱領域(119,319)及び発熱領域(119,319)に隣接する電極設置領域(117)が設けられ、電極設置領域(117)は発熱領域(119,319)よりも底面(115)に近接しており、発熱回路130,230)は基体(110,210)上に位置し、発熱回路(130,230)は、発熱部(131,231)と発熱部(131,231)に電気的に接続された発熱電極(133,233)とを含み、発熱部(131,231)は発熱領域(119,319)に位置し、発熱電極(133,233)は電極設置領域(117)に位置し、測温回路(150,250)は基体(110,210)上に位置し、測温回路(150,250)は、発熱回路(130,230)と間隔をあけて設けられ、測温回路(150,250)は、測温部(151,251,351)と測温部(151,251,351)に電気的に接続された測温電極(153,253)とを含み、発熱領域(119,319)は高温領域(119a)を含み、測温部(151,251,351)は高温領域(119a)内に位置する。上記の発熱体の加熱開始段階の実際温度と設計温度との偏差がより小さい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を有する基体であって、前記基体上には発熱領域及び前記発熱領域に隣接する電極設置領域が設けられ、前記電極設置領域は前記発熱領域よりも前記底面に近接して設けられる基体と、
前記基体に設けられた発熱回路であって、前記発熱回路は発熱部と前記発熱部に電気的に接続された発熱電極とを含み、前記発熱部は前記発熱領域に設けられ、前記発熱電極は前記電極設置領域内に設けられる発熱回路と、
前記基体上に設けられた測温回路であって、前記測温回路は前記発熱回路と間隔をあけて設けられ、前記測温回路は測温部と前記測温部に電気的に接続された測温電極とを含み、前記発熱領域は高温領域を含み、前記測温部は前記高温領域内に設けられる測温回路と、を含む、
ことを特徴とする発熱体。
【請求項2】
前記高温領域は、前記電極設置領域相と間隔をあけて設けられ、前記測温電極は、前記発熱領域から前記電極設置領域まで延在し、或いは、前記高温領域は、前記電極設置領域に隣接して設けられ、前記測温電極は、完全に前記電極設置領域内に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記基体は、柱状又は短尺のシート状であり、前記電極設置領域及び前記発熱領域は、前記基体の長手方向に配列され、前記基体の長手方向における前記高温領域の長さと、前記基体の長手方向における前記発熱領域及び前記電極設置領域の長さの合計との比が1:(2~5)である、
ことを特徴とする請求項2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記基体の長手方向における前記高温領域の長さと、前記基体の長手方向における前記発熱領域の長さとの比が1:(1.5~4)である、
ことを特徴とする請求項3に記載の発熱体。
【請求項5】
前記発熱電極は、第1の電極と、前記第1の電極と間隔をあけて設けられた第2の電極とを含み、前記測温電極は、第3の電極と、前記第3の電極と間隔をあけて設けられた第4の電極とを含み、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の各々には引出配線が接続され、各引出配線は互いに間隔をあけて設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発熱体。
【請求項6】
前記発熱部はU字状であり、前記発熱部の一端は前記第1の電極に電気的に接続され、前記発熱部の他端は前記第2の電極に電気的に接続され、前記測温部は前記発熱部のU字状の底部に近接しており、前記測温部は前記発熱部の両端によって形成された開口部から離れており、及び/又は、
前記測温部はU字状であり、前記測温部の一端は前記第3の電極に電気的に接続され、前記測温部の他端は前記第4の電極に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載の発熱体。
【請求項7】
前記発熱部は、間隔をあけて設けられた複数本の発熱線を含み、各前記発熱線の一端は前記第1の電極に電気的に接続され、各前記発熱線の他端は前記第2の電極に接続され、前記測温部は、隣接する前記発熱線のU字状の底部間の空間に位置し、かつ、前記発熱線と間隔をあけている、
ことを特徴とする請求項5に記載の発熱体。
【請求項8】
前記発熱部は、間隔をあけて設けられた2本の発熱線を含み、前記第1の電極及び前記第2の電極は、いずれもU字状であり、前記第3の電極の一部は、前記第1の電極の内側に位置し、前記第4の電極の一部は、前記第2の電極の内側に位置する、
ことを特徴とする請求項7に記載の発熱体。
【請求項9】
前記発熱部は発熱線を含み、前記発熱領域は、前記高温領域及び非高温領域からなり、前記高温領域及び前記非高温領域には、いずれも発熱線が設けられ、前記高温領域における発熱線の幅は、前記非高温領域における発熱線の幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4、及び請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の発熱体。
【請求項10】
前記発熱線は、順に接続された電極セグメント、中間セグメント及び頂部セグメントを含み、前記電極セグメントは前記発熱電極に近接しており、前記頂部セグメントは前記測温部に近接しており、前記電極セグメント及び前記頂部セグメントの幅は、前記中間セグメントの幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項9に記載の発熱体。
【請求項11】
前記基体は、柱状又は短尺のシート状であり、前記基体は、本体と前記本体上に位置する絶縁層とを含み、前記本体は、基部と前記基部に接続された先端部とを含み、前記先端部は、前記基部から離れる方向に延在し、前記先端部の横断面の幅は、前記基部から離れる方向に沿って徐々に狭くなっており、前記絶縁層は、前記基部に巻回されており、前記発熱回路及び前記測温回路は、前記絶縁層上に位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
【請求項12】
前記基部は、セラミック基部又はステンレス基部であり、前記絶縁層は、ガラスセラミック絶縁層又は低温セラミック絶縁層であり、及び/又は、
前記絶縁層の厚みは、0.02mm~0.5mmである、
ことを特徴とする請求項11に記載の発熱体。
【請求項13】
常温で、前記発熱部の抵抗は0.5Ω~2Ωであり、及び/又は、
常温で、前記測温部の抵抗は1.5Ω~20Ωである、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項6乃至請求項8、及び請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の発熱体。
【請求項14】
前記発熱部は、正温度係数サーミスタであり、
及び/又は、前記測温部は、正温度係数サーミスタであり、
及び/又は、前記発熱部のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□であり、
及び/又は、前記測温部のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□であり、
及び/又は、前記発熱部には、ニッケル、銀、パラジウム、白金及びルテニウムのうちの少なくとも1種が含まれており、
及び/又は、前記測温部には、ニッケル、銀、パラジウム、白金及びルテニウムのうちの少なくとも1種が含まれている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項6乃至請求項8、及び請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の発熱体。
【請求項15】
前記発熱部の抵抗温度係数は、前記測温部の抵抗温度係数よりも小さい、
ことを特徴とする請求項14に記載の発熱体。
【請求項16】
前記発熱部の材料は、ニクロム合金、タンタル合金、金クロム合金、及びニッケルリン合金のうちの1種から選択され、
及び/又は、前記測温部の材料は、銅、ニッケル、マンガン、及びルテニウムのうちの少なくとも1種から選択される、
ことを特徴とする請求項15に記載の発熱体。
【請求項17】
前記発熱電極のシート抵抗は、5mΩ/□を超えず、前記測温電極のシート抵抗は、5mΩ/□を超えない、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項6乃至請求項8、請求項10乃至請求項12、及び請求項15乃至請求項16のいずれか1項に記載の発熱体。
【請求項18】
前記発熱体は、前記発熱部と、前記測温部と、前記測温電極の一部とを覆う保護層を更に含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の発熱体。
【請求項19】
取付座と、前記取付座上に取り付けられた発熱体とを含む発熱アセンブリであって、前記発熱体は請求項1乃至18のいずれか1項に記載の発熱体である、
ことを特徴とする発熱アセンブリ。
【請求項20】
ケースと、請求項19に記載の発熱アセンブリとを含む、
ことを特徴とする加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年9月30日に中国特許庁に出願された、出願番号が202011066148.7、名称が「発熱体、発熱アセンブリ及び加熱装置」である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、非燃焼加熱式喫煙具の技術分野に関し、特に、発熱体、発熱アセンブリ及び加熱装置に関する。
【背景技術】
【0003】
非燃焼加熱式喫煙具は、主に、200℃~400℃の低温で煙草をベークして煙を発生させるが、分解による大量の有害物質を生じないものである。現在、非燃焼加熱式喫煙具は、主に発熱体の発熱によって煙草又は煙弾を加熱する。しかしながら、実際の使用中、従来の発熱体は、加熱開始段階の温度が設計温度とより大きい偏差があるため、煙草や煙弾のベーク温度との整合が取れず、喫煙体験が良くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、加熱開始段階の実際温度と設計温度との間の偏差を小さくすることができる発熱体を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発熱体は、
底面を有する基体であって、前記基体上には発熱領域及び前記発熱領域に隣接する電極設置領域が設けられ、前記電極設置領域は前記底面に近接している基体と、
前記基体上に位置する発熱回路であって、前記発熱回路は発熱部と前記発熱部に電気的に接続された発熱電極とを含み、発熱部は前記基体上で前記発熱領域を形成し、前記発熱電極は前記電極設置領域内に位置する発熱回路と、
前記基体上に位置する測温回路であって、前記測温回路は前記発熱回路と間隔をあけて設けられ、前記測温回路は測温部と前記測温部に電気的に接続された測温電極とを含み、前記発熱領域は高温領域を含み、前記測温部は前記高温領域内に位置する測温回路と、を含む。
【0006】
上記の発熱体によれば、発熱回路と測温回路とが互いに独立して設けられ、発熱体の測温部が発熱領域の高温領域内に設けられることにより、測温部によって発熱体全体の温度をより正確に反応することができ、加熱開始段階の温度をより正確に制御することに有利であり、加熱開始段階の実際温度と設計温度との偏差を小さくすることができる。
【0007】
一実施例において、前記高温領域は、前記電極設置領域と間隔をあけており、前記測温電極は、前記発熱領域から前記電極設置領域まで延在し、或いは、前記高温領域は、前記電極設置領域に隣接し、前記測温電極は、完全に前記電極設置領域内に位置する。
【0008】
一実施例において、前記基体は、柱状又は短尺のシート状であり、前記電極設置領域及び前記発熱領域は、前記基体の長手方向に配列され、前記基体の長手方向における前記高温領域の長さと、前記基体の長手方向における前記発熱領域及び前記電極設置領域の長さの合計との比が1:(2~5)である。
【0009】
一実施例において、前記基体の長手方向における前記高温領域の長さと、前記基体の長手方向における前記発熱領域の長さとの比が1:(5~4)である。
【0010】
一実施例において、前記発熱電極は、第1の電極と、前記第1の電極と間隔をあけて設けられた第2の電極とを含み、前記測温電極は、第3の電極と、前記第3の電極と間隔をあけて設けられた第4の電極とを含み、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第3の電極及び前記第4の電極の各々には引出配線が接続され、各引出配線は互いに間隔をあけている。
【0011】
一実施例において、前記発熱部はU字状であり、前記発熱部の一端は前記第1の電極に電気的に接続され、前記発熱部の他端は前記第2の電極に電気的に接続され、前記測温部は前記発熱部の底部に近接しており、前記測温部は前記発熱部の両端によって形成された開口部から離れており、及び/又は、
前記測温部はU字状であり、前記測温部の一端は前記第3の電極に電気的に接続され、前記測温部の他端は前記第4の電極に電気的に接続される。
【0012】
一実施例において、前記発熱部は、間隔をあけて設けられた複数本の発熱線を含み、各前記発熱線の一端は前記第1の電極に電気的に接続され、他端は前記第2の電極に接続され、前記測温部は、隣接する前記発熱線の底部の間隔同士の間に位置し、かつ、前記発熱線と間隔をあけている。
【0013】
一実施例において、前記発熱部は、間隔をあけて設けられた2本の発熱線を含み、前記第1の電極及び前記第2の電極は、いずれもU字状であり、前記第3の電極の一部は、前記第1の電極の内側に位置し、前記第4の電極の一部は、前記第2の電極の内側に位置する。
【0014】
一実施例において、前記発熱部は発熱線を含み、前記発熱領域は、前記高温領域及び非高温領域からなり、前記高温領域及び前記非高温領域には、いずれも発熱線が設けられ、前記高温領域における発熱線の幅は、前記非高温領域における発熱線の幅よりも小さい。
【0015】
一実施例において、前記発熱線は、順に接続された電極セグメント、中間セグメント及び頂部セグメントを含み、前記電極セグメントは前記発熱電極に近接しており、前記頂部セグメントは前記測温部に近接しており、前記電極セグメント及び前記頂部セグメントの幅は、前記中間セグメントの幅よりも大きい。
【0016】
一実施例において、前記基体は、柱状又は短尺のシート状であり、前記基体は、本体と前記本体上に位置する絶縁層とを含み、前記本体は、基部と前記基部に接続された先端部とを含み、前記先端部は、前記基部から離れる方向に延在し、前記先端部の横断面の幅は、前記基部から離れる方向に沿って徐々に狭くなっており、前記絶縁層は、前記基部に巻回されており、前記発熱回路及び前記測温回路は、前記絶縁層上に位置している。
【0017】
一実施例において、前記基部は、セラミック基部又はステンレス基部であり、前記絶縁層は、ガラスセラミック絶縁層又は低温セラミック絶縁層であり、及び/又は、前記絶縁層の厚みは、0.02mm~0.5mmである。
【0018】
一実施例において、常温で、前記発熱部の抵抗は0.5Ω~2Ωであり、及び/又は、常温で、前記測温部の抵抗は1.5Ω~20Ωである。
【0019】
一実施例において、前記発熱部は、正温度係数サーミスタであり、
及び/又は、前記測温部は、正温度係数サーミスタであり、
及び/又は、前記発熱部のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□であり、
及び/又は、前記測温部のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□であり、
及び/又は、前記発熱部には、ニッケル、銀、パラジウム、白金及びルテニウムのうちの少なくとも1種が含まれており、
及び/又は、前記測温部には、ニッケル、銀、パラジウム、白金及びルテニウムのうちの少なくとも1種が含まれている。
【0020】
一実施例において、前記発熱部の抵抗温度係数は、前記測温部の抵抗温度係数よりも小さい。
【0021】
一実施例において、前記発熱部の材料は、ニクロム合金、タンタル合金、金クロム合金、及びニッケルリン合金のうちの1種から選択され、
及び/又は、前記測温部の材料は、銅、ニッケル、マンガン、及びルテニウムのうちの少なくとも1種から選択される。
【0022】
一実施例において、前記発熱電極のシート抵抗は、5mΩ/□を超えず、前記測温電極のシート抵抗は、5mΩ/□を超えない。
【0023】
一実施例において、前記発熱体は、前記発熱部と、前記測温部と、前記測温電極の一部とを覆う保護層を更に含む。
【0024】
取付座と、前記取付座上に取り付けられた上記の発熱体とを含む発熱アセンブリが提供される。
【0025】
ケースと、上記の発熱アセンブリとを含む加熱装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一実施形態の発熱アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1に示された発熱アセンブリの爆発図である。
【
図3】
図1に示された発熱アセンブリの発熱体の分解図である。
【
図4】
図1に示された発熱アセンブリの発熱体の他の爆発図である。
【
図5】
図1に示された発熱アセンブリの、密封部材及び取付カバーを隠した後の構成図である。
【
図6】
図1に示された発熱アセンブリの正面図である。
【
図7】
図6に示された発熱アセンブリのA-A線に沿った断面図である。
【
図8】他の実施形態の発熱アセンブリの斜視図である。
【
図9】
図8に示された発熱アセンブリの爆発図である。
【
図10】
図8に示された発熱アセンブリの他の爆発図である。
【
図11】
図8に示された発熱アセンブリの発熱体の、保護層を隠した後の構成図である。
【
図12】
図8に示された発熱アセンブリの取付カバーを隠した後の構成図である。
【
図13】実施例1の発熱アセンブリの温度制御曲線である。
【
図14】比較例1の発熱アセンブリの測温回路及び発熱回路の構成図である。
【
図15】比較例1の発熱アセンブリの温度制御曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の理解を容易にするために、本発明をより完全に説明するが、本発明は多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の実施例に限定されない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明の開示内容の理解をより徹底的かつ包括的にすることである。
【0028】
なお、一方の部品は他方の部品に「固定されている」と呼ばれる場合、他方の部品に直接位置するか、又は介在する1つ又は複数の部品が存在してもよい。一方の部品は他方の部品に「接続されている」と見なされる場合、他方の部品に直接接続されているか、又は介在する1つ又は複数の部品が存在してもよい。「垂直」、「水平」、「左」、「右」、「上」、「下」、「内」、「外」、「底部」等の用語を使用して向き又は位置関係を示す場合は、図面に示された向き又は位置関係に基づいて説明を容易にすることのみを意図しており、言及される装置又は部品が特定の向きを有し、特定の向きで構成及び動作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと理解されるべきではない。また、「第1」、「第2」等の用語は、説明の目的のみに使用され、相対的な重要性を意味又は示唆するものとして理解されるものではない。
【0029】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において、本発明の明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態は、取付座101と、取付座101に取り付けられた発熱体100とを含む発熱アセンブリ10を提供する。
【0031】
具体的には、
図3及び
図4を参照すると、発熱体100は、基体110と、基体110上に設けられた発熱回路130及び測温回路150とを含み、発熱回路130と測温回路150とは、互いに独立している。
【0032】
基体110は、発熱回路130及び測温回路150を支持するために用いられる。基体110は、底面115を有し、基体110は、本体111と絶縁層113とを含み、発熱回路130及び測温回路150は、絶縁層113上に位置する。本体111は、基部111aと基部111aに接続された先端部111bとを含み、基部111aは柱状であり、先端部111bは、基部111aから離れる方向に延在し、先端部111bの横断面の幅は、基部111aから離れる方向に沿って徐々に狭くなっている。基部111aは、絶縁層113を支持するものであり、先端部111bは、発熱体100の加熱される物体(例えば煙草)への挿入を容易にするように配置される。選択的な一具体例において、基部111aは、円柱状、三角柱状、又は四角柱状である。当然ながら、他のいくつかの実施例において、基部111aの形状は、上記に限定されず、他の形状であってもよい。
図3に示された実施例において、基部111aの縦断面は矩形であり、先端部111bの縦断面は二等辺三角形である。当然ながら、他の実施例において、先端部111bの縦断面は、二等辺三角形に限定されず、他の三角形であってもよい。
【0033】
いくつかの実施例において、基部111aは中空構造である。中空構造の基部111aは、発熱体100の重量を軽減することができるとともに、電極設置領域117への熱伝達を低減し、熱利用率を向上させることができる。
【0034】
いくつかの実施例において、基部111aの先端部111bから離れた領域には、ブラインドホールが設けられている。更に、ブラインドホールは、取付座101に近接している。取付座101に近接している基部111aにブラインドホールを設けることで、同様に、取付座101への熱伝達を低減し、熱利用率を向上させ、取付座101及び取付座101内の他の部品の寿命を向上させることができる。
【0035】
具体的には、本体111は、例えばジルコニアセラミック本体111、アルミナセラミック本体111などのセラミック本体111である。更に、基部111aは、セラミック基部111aであり、先端部111bは、セラミック先端部111bである。当然ながら、他のいくつかの実施例において、基部111aの材料は、セラミックに限定されず、例えばステンレスなどの他の材料であってもよい。先端部111bの材料も、セラミックに限定されず、例えばステンレスなどの他の材料であってもよい。
【0036】
絶縁層113は、基部111aに巻回されており、絶縁層113は、発熱回路130及び測温回路150を支持するとともに、絶縁の機能も果たす。具体的には、絶縁層113は、本体111の外面に巻回されている。
図3に示された実施例において、絶縁層113は基部111aの外面に巻回されている。いくつかの実施例において、まず、シルク印刷により発熱回路130及び測温回路150を絶縁層113上に作製した後、絶縁層113を基部111aに巻回して(例えば流延成形して)基部と共に焼結することによって、発熱回路130及び測温回路150を柱状の基部111a上に作製する作業の効率を向上させることができ、発熱回路130及び測温回路150が微小であるために柱状の本体111上での作業が困難であるという問題を回避することができる。
【0037】
具体的には、絶縁層113は、ガラスセラミック絶縁層113又は低温セラミック絶縁層113である。ガラスセラミック絶縁層113の材料は結晶化ガラスである。低温セラミック絶縁層113の材料は低温セラミックである。選択的な一具体例において、絶縁層113はガラスセラミック絶縁層113であり、絶縁層113の材料はホウケイ酸カルシウムガラス-酸化ケイ素充填材である。選択的な他の具体例において、絶縁層113は、ホウ酸バリウムスズセラミック絶縁層113又はホウ酸バリウムジルコニウムセラミック絶縁層113であり、絶縁層113の材料は、ホウ酸バリウムスズセラミック又はホウ酸バリウムジルコニウムセラミックである。当然ながら、理解されるように、絶縁層113の材料は、上記に限定されず、絶縁層113として本体111に巻回可能な他の材料であってもよい。本明細書において、低温セラミックは、焼結温度が1000℃以下のセラミックをいう。更に、基部111aの材料は、絶縁層113の材料とは異なる。例えば、絶縁層113には、基部111aよりも延性が高い材料が選択され、基部111aには、絶縁層113よりも硬度が高い材料が選択される。
【0038】
本実施形態において、絶縁層113の厚みは、0.02mm~0.5mmである。選択的に、絶縁層113の厚みは、0.02mm、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、又は0.5mmである。
【0039】
理解されるように、いくつかの実施例において、絶縁層113は省略されてもよい。絶縁層113が省略される場合、本体111が絶縁材料であればよい。
【0040】
図3又は
図4を参照すると、基体110は柱状であり、基体110上には、発熱領域119と発熱領域119に隣接する電極設置領域117とが設けられており、電極設置領域117と発熱領域119は、基体110の長手方向に沿って配列され、発熱領域119よりも電極設置領域117の方が底面115に近い。発熱領域119は、発熱体100が発熱する領域であり、発熱回路130は発熱領域119に位置し、電極設置領域117は、発熱体100を取付座101に取り付ける領域である。更に、発熱領域119は高温領域119aを含み、高温領域119aは、発熱体100が動作時に高温となる領域である。一実施例において、高温領域119aは、電極設置領域117と間隔をあけている。他の実施例において、高温領域119aは、電極設置領域117に隣接している。
【0041】
具体的には、基体110が柱状又は短尺のシート状の発熱体100である場合、基体110の長手方向における高温領域119aの長さ(
図3中のa)と、基体110の長手方向における発熱領域119及び電極設置領域117の長さの合計(
図3中のb)との比が1:(2~5)である。更に、基体110の長手方向における高温領域119aの長さと、基体110の長手方向における発熱領域119の長さ(
図3中のc)との比が1:(1.5~4)である。
図3に示された実施例において、基体110の長手方向における高温領域119aの長さと、基体110の長手方向における発熱領域119及び電極設置領域117の長さの合計との比が1:3である。基体110の長手方向における高温領域119aの長さと、基体110の長手方向における発熱領域119の長さとの比が1:2である。
【0042】
図3を参照すると、発熱体100の発熱する部分である発熱回路130は、絶縁層113に貼り付けられている。発熱回路130は、発熱部131と、発熱部131に電気的に接続された発熱電極133とを含む。発熱電極133は、発熱部131と電源とを接続するための部品である。発熱部131は、絶縁層113の本体111から離れた側の表面に貼り付けられ、発熱部131は、絶縁層113に発熱領域119を形成し、発熱電極133も絶縁層113の表面に貼り付けられ、発熱電極133は、第1の電極133aと第2の電極133bとを含み、第1の電極133a及び第2の電極133bも、基体110の表面に位置し、かつ、取付座101に近接しており、第1の電極133aは、発熱部131の一端に電気的に接続され、第2の電極133bは、発熱部131の他端に電気的に接続される。当然ながら、第1の電極133aと第2の電極133bとは間隔をあけて設けられて、それぞれ電源の両極(正極と負極)に接続される。他の実施形態において、発熱回路130と測温回路150とが絶縁層113の同一表面に設けられ、かつ、発熱回路130と測温回路150とが基部111aの外面に密着している。
【0043】
具体的には、発熱部131は、一端が第1の電極133aに電気的に接続され、他端が第2の電極133bに接続された発熱線131aを含む。更に、発熱線131aは、第1の電極133a及び第2の電極133bにシルク印刷により接続される。選択的な一具体例において、発熱部131は、1本のU字状の発熱線131aを含み、発熱線131aは、絶縁層113の本体111から離れた表面に貼り付けられ、発熱線131aの一端は、第1の電極133aに電気的に接続され、他端は第2の電極133bに接続される。
図3に示された実施例において、発熱部131は、絶縁層113上に間隔をあけて設けられた2本の発熱線131aであり、2本の発熱線131aは、いずれもU字状であり、一方の発熱線131aは、他方の発熱線131aより内側に位置し、第1の電極133a及び第2の電極133bは、いずれもU字状であり、第1の電極133aの両端は、それぞれ2本の発熱線131aの一端に電気的に接続され、第2の電極133bの両端は、それぞれ2本の発熱線131aの他端に電気的に接続される。理解されるように、他の実施例において、発熱線131aの本数は、上記に限定されず、他の本数であってもよい。発熱線131aが複数本である場合、複数本の発熱線131aは、間隔をあけて設けられ、かつ、各発熱線の一端は、第1の電極133aに電気的に接続され、他端は第2の電極133bに接続される。当然ながら、発熱線131aの形状も、U字状に限定されず、例えばV字状、S字状などの他の形状であってもよい。第1の電極133a及び第2の電極133bの形状も、U字状に限定されず、帯状又はL字状であってもよい。
【0044】
一実施例において、発熱領域119は、高温領域119a及び非高温領域からなる。高温領域119aにおける発熱線131aの幅は、非高温領域における発熱線131aの幅よりも小さい。基体110は、柱状又は短尺のシート状であり、高温領域119aの長さは、基体110の長手方向における幅の小さい発熱線131aの長さであり、高温領域119aの幅は、基体110の幅である。
【0045】
具体的には、発熱線131aは、順に接続された電極セグメント、中間セグメント及び頂部セグメントを含み、電極セグメントは発熱電極133に近接しており、頂部セグメントは測温部151に近接している。選択的な一具体例において、中間セグメントの幅は、電極セグメント及び頂部セグメントの幅よりも小さい(中間セグメントの幅が最も小さい)。発熱線131aの中間セグメントの幅を電極セグメント及び頂部セグメントの幅よりも小さく設定することによって、発熱体100の発熱を中間セグメントに集中させ、かつ頂部セグメント及び電極セグメントに拡散させ、加熱時の煙の食感に合わせる上に、発熱電極133に近接している領域の温度をより低くし、高温による取付座への影響や損傷を防止することもできる。すなわち、発熱線131aの中間セグメントの幅が電極セグメント及び頂部セグメントの幅よりも小さい場合、高温領域119aは、中間セグメントが位置する領域であり、高温領域119aの長さは、基体110の長手方向における中間セグメントの長さであり、高温領域119aの幅は、基体110の幅である。この場合、高温領域119aは、電極設置領域117と間隔をあけている。
【0046】
選択的な他の具体例において、発熱体100の発熱が頂部セグメントに集中するように、発熱線131aの頂部セグメントの幅は、電極セグメント及び中間セグメントの幅よりも小さく、高温領域119aは、頂部セグメントが位置する領域であり、高温領域119aの長さは、基体110の長手方向における頂部セグメントの長さであり、高温領域119aの幅は、基体110の幅である。この場合、高温領域119aは、電極設置領域117と間隔をあけている。
【0047】
選択的な他の具体例において、発熱体100の発熱が電極セグメントに集中するように、発熱線131aの電極セグメントの幅は、中間セグメント及び頂部セグメントの幅よりも小さく、高温領域119aは、電極セグメントが位置する領域であり、高温領域119aの長さは、基体110の長手方向における電極セグメントの長さであり、高温領域119aの幅は、基体110の幅である。この場合、高温領域119aは、電極設置領域117に隣接している。
【0048】
具体的には、発熱部131は、高抵抗率の抵抗ペーストで作製される。より具体的には、発熱線131aは、高抵抗率の抵抗ペーストで作製される。発熱部131は、厚膜ペーストをシルク印刷して高抵抗率の抵抗ペーストを絶縁層113上に転写した後、焼結して形成することができる。具体的には、発熱部131を作製する高抵抗率の抵抗ペーストには、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びルテニウム(Ru)のうちの少なくとも1種が含まれている。更に、発熱部131を作製する抵抗ペーストには、ニッケル、銀パラジウム合金(AgPd)、銀白金合金(AgPt)、又は銀ルテニウム合金(Ag-Ru)が含まれている。当然ながら、発熱部131を作製する高抵抗率の抵抗ペーストには、例えば無機バインダなどのバインダが更に含まれている。理解されるように、高抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合は比較的低い。当然ながら、発熱部131の作製方法は、これに限定されず、当該分野で常用される他の方法であってもよい。
【0049】
一実施例において、発熱部131のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□である。更に、発熱部131のシート抵抗は、20mΩ/□、50mΩ/□、80mΩ/□、100mΩ/□、120mΩ/□、150mΩ/□、180mΩ/□、又は200mΩ/□である。
【0050】
一実施例において、常温で、発熱部131の抵抗は0.5Ω~2Ωである。更に、常温で、発熱部131の抵抗は1Ω~2Ωである。当然ながら、他の実施例において、発熱部131の常温での抵抗は、上記に限定されず、必要に応じて発熱部131を作製する抵抗ペーストの材料、発熱部131の長さ、発熱部131の幅、発熱部131の厚み、及び発熱部131のパターンを調整して発熱部131の抵抗を設定してもよい。
【0051】
一実施例において、発熱部131は、正温度係数サーミスタである。発熱部131を正温度係数サーミスタとすることにより、発熱部131を急速に発熱させることができるが、温度が一定値に達した後は、発熱部131の抵抗が温度の上昇により急激に上昇するため、発熱部131にほとんど電流が流れずに発熱が停止し、発熱領域119の温度が継続的に高くなり過ぎることを回避することができる。
【0052】
具体的には、発熱電極133は、低抵抗率の抵抗ペーストから作製される。より具体的には、第1の電極133a及び第2の電極133bは、低抵抗率の抵抗ペーストから作製される。同様に、発熱電極133は、ペーストをシルク印刷して低抵抗率の抵抗ペーストを絶縁層113上に転写した後、焼結して形成することができる。具体的には、発熱電極133を作製する低抵抗率の抵抗ペーストには、銀(Ag)及び金(Au)のうちの少なくとも1種が含まれている。選択的な一具体例において、発熱電極133を作製する抵抗ペーストには、Ag、Au、金合金、又は銀合金が含まれている。当然ながら、発熱電極133を作製する低抵抗率の抵抗ペーストには、例えば無機バインダなどのバインダが更に含まれている。理解されるように、低抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合は、高抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合よりも大きい。当然ながら、発熱電極133の作製方法は、これに限定されず、当該分野で常用される他の方法であってもよい。
【0053】
本実施形態において、発熱電極133のシート抵抗は、5mΩ/□を超えない。更に、発熱電極133のシート抵抗は、1mΩ/□~5mΩ/□である。発熱電極133の抵抗は、発熱部131の抵抗よりもはるかに小さく、例えば、発熱電極133の抵抗は、0.1Ω~0.5Ωである。このように、発熱電極133は、通電時にほとんど発熱せず、取付座101の温度を低下させ、消費電力を節約することができる。
【0054】
図3を参照すると、測温回路150は、発熱体100の温度をフィードバックするために用いられ、測温回路150は、絶縁層113の本体111から離れた側の表面に貼り付けられ、発熱回路130と測温回路150とが互いに独立するように、測温回路150は、発熱回路130と間隔をあけて設けられる。発熱回路130と測温回路150とが互いに独立して配置される場合、測温回路150の自発熱が少なく、電流加熱によるノイズ信号が少なく、電子部品の温度に対する精密な制御に有利である。
【0055】
具体的には、測温回路150は、測温部151と測温部151に電気的に接続された測温電極153とを含む。測温部151は、測温回路150における温度を測定するための部分であり、測温部151は、高温領域119a内に位置し、測温電極153は、測温部151と電源とを接続するための部品であり、測温電極153は絶縁層113に貼り付けられる。高温領域119aと電極設置領域117とが間隔をあけている場合、測温電極153は、発熱領域119から電極設置領域117内に延在している。高温領域119aと電極設置領域117とが隣接している場合、測温電極153は、完全に電極設置領域117内に位置する。選択的な一具体例において、測温部151に近接している測温電極153の一端は、発熱部131に近接している発熱電極133の一端と面一になっている。測温部151は、抵抗TCR特性を有し、すなわち、温度と抵抗との間には特定の対応関係が存在する。電源と電子制御装置により、測温部151に一定の電圧を印加する時に特定の電流値が得られ、測温部151の抵抗値が得られ、更に測定した抵抗値から発熱体100の温度が得られる。より具体的には、測温電極153は、第3の電極153aと第4の電極153bとを含み、第3の電極153a及び第4の電極153bは、発熱領域119から電極設置領域117まで延在し、測温部151の一端は第3の電極153aに電気的に接続され、測温部151の他端は第4の電極153bに電気的に接続される。選択的な一具体例において、測温部151は、第3の電極153a及び第4の電極153bに溶接により接続される。
【0056】
発熱体100において、発熱領域119から電極設置領域117に至るまで、発熱体100の温度が徐々に低下することが多い。その主な原因としては、ユーザが煙を吸っている時に、気流が電極設置領域117から発熱領域119方向に流れ、すなわち、電極設置領域117が先に降温される一方、熱伝導の特性上、熱が高さの高い位置では低い位置よりもわずかに大きくなるためである。電極設置領域117から離れた発熱領域119の温度が、電極設置領域117に近接している発熱領域119の温度よりも高いことが多いため、測温部151を電極設置領域117から離れた発熱領域119に設けることにより、発熱体100の温度をより正確に反映することができ、加熱開始段階の温度をより正確に制御することに有利であり、加熱開始段階の温度と設計温度との偏差をより小さくすることができる。更に、測温部151は、高温領域119a内に位置する。測温部151が高温領域119a内に位置することにより、発熱体100の最高温度をより正確に反映し、発熱体100の発熱回路の電圧の制御に更に有利であり、発熱回路130の発熱を低減し、加熱開始段階の実際温度と設計温度との偏差をより小さくし、実際の加熱開始段階の実際温度と設計温度との一致性を向上させることができる。
【0057】
より具体的には、測温部151は測温線を含む。発熱部131が1本のU字状の発熱線131aである実施例において、測温部151は1本の測温線であり、測温線は、U字状の発熱線131aと第1の電極133a及び第2の電極133bとの接続箇所(すなわち、U字状の発熱線131aの両端によって形成された開口部)から離れており、U字状の発熱線131aの底部に近接しており、かつ、測温線はU字状の発熱線131aの内側に位置している。発熱部131の発熱線131aの数が複数本である実施例において、測温線の数は、1本であってもよいし、複数本であってもよい。選択的に、測温線が1本の場合、測温線は、複数本の発熱線131aから形成された高温領域119aに設けられ、測温線が複数本の場合、測温線は、複数本の発熱線131aから形成された高温領域119aに間隔をあけて設けられる。
【0058】
図3に示された実施例において、測温線もU字状であり、発熱線131aから形成された高温領域119aは、基体110の底面115までの距離が基体の長さの2/3よりも大きい発熱領域119である。高温領域119a内で、測温線は、2本のU字状の発熱線131a同士の間に位置し、かつ、測温線は、2本のU字状の発熱線131aと間隔をあけており、絶縁層113の本体111から離れた側面における、第3の電極153a及び第4の電極153bの部分は、帯状であり、第3の電極153aの一部は、第1の電極133aの内側に位置し、第4の電極153bの一部は、第2の電極133bの内側に位置する。
【0059】
当然ながら、他の実施例において、測温線の形状は、U字状に限定されず、例えばV字状、S字状などの他の形状であってもよい。第3の電極153a及び第4の電極153bの形状も、帯状に限定されず、例えばL字状などの他の形状であってもよい。
【0060】
具体的には、測温部151は、同様に、高抵抗率の抵抗ペーストから作製されてもよい。より具体的には、測温線は、同様に、高抵抗率の抵抗ペーストから作製されてもよい。測温部151は、厚膜ペーストをシルク印刷して高抵抗率の抵抗ペーストを絶縁層113に転写した後、焼結して形成することができる。本実施形態において、測温部151を作製する高抵抗率の抵抗ペーストには、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及びルテニウム(Ru)のうちの少なくとも1種が含まれている。更に、測温部151を作製する抵抗ペーストには、ニッケル、銀パラジウム合金(AgPd)、銀白金合金(AgPt)、又は銀ルテニウム合金(Ag-Ru)が含まれている。当然ながら、測温部151を作製する高抵抗率の抵抗ペーストには、例えば無機バインダなどのバインダが更に含まれている。理解されるように、高抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合は比較的低い。当然ながら、測温部151の作製方法は、これに限定されず、当該分野で常用される他の方法であってもよい。
【0061】
一実施例において、測温部151のシート抵抗は、20mΩ/□~200mΩ/□である。更に、測温部151のシート抵抗は、20mΩ/□、50mΩ/□、80mΩ/□、100mΩ/□、120mΩ/□、150mΩ/□、180mΩ/□、又は200mΩ/□である。
【0062】
測温部151は発熱する必要がないので、その初期抵抗値は、通常、測温部151の抵抗よりも大きい。一実施例において、常温で、測温部151の抵抗は1.5Ω~20Ωである。更に、常温で、測温部151の抵抗は10Ω~20Ωである。当然ながら、他の実施例において、測温部151の常温での抵抗は、上記に限定されず、必要に応じて測温部151を作製する抵抗ペーストの材料、測温部151の長さ、測温部151の幅、測温部151の厚み、及び測温部151のパターンを調整して測温部151の抵抗を設定することができる。
【0063】
一実施例において、測温部151は、正温度係数サーミスタである。測温部151を正温度係数サーミスタとすることにより、温度変化に伴う抵抗値の変化が大きくなり、周囲環境の温度をより正確に反映することができる。更に、発熱部131の抵抗温度係数は、測温部151の抵抗温度係数よりも低い。発熱部131の抵抗温度係数が測温部151の抵抗温度係数よりも低いことにより、発熱機能と測温機能が分離され、発熱回路130での消費電力がより低くてコストが低くなる。選択的な一具体例において、発熱部131の材料は、ニクロム合金、タンタル合金、金クロム合金、及びニッケルリン合金のうちの1種から選択される。上記の材料を採用することにより、発熱部131の抵抗温度係数をより低くすることができる。この場合、温度変化に伴う発熱部131の抵抗値の変化が非常に小さくなり、抵抗値が安定して確実になり、発熱が安定する。測温部151の材料は、銅、ニッケル、マンガン、及びルテニウムのうちの少なくとも1種から選択される。更に、測温部151の材料は、銅、ニッケル、マンガン、及びルテニウムのうちの1種から選択される。TCR特性によれば、温度が高くなるにつれて測温部151の内部抵抗が増加し、測温部151の抵抗温度係数が大きくなるほど内部抵抗の増加が顕著になり、測温回路での電流変化が大きくなるほど電流センサによる測定が容易になり、測定結果がより正確になる。
【0064】
具体的には、測温電極153も、低抵抗率の抵抗ペーストから作製される。より具体的には、第3の電極153a及び第4の電極153bも、低抵抗率の抵抗ペーストから作製される。測温電極153は、ペーストをシルク印刷して低抵抗率の抵抗ペーストを絶縁層113上に転写した後、焼結して形成することができる。具体的には、測温電極153を作製する低抵抗率の抵抗ペーストには、銀(Ag)及び金(Au)のうちの少なくとも1種が含まれている。選択的な一具体例において、測温電極153を作製する抵抗ペーストには、Ag、Au、金合金、又は銀合金が含まれている。当然ながら、測温電極153を作製する低抵抗率の抵抗ペーストには、例えば無機バインダなどのバインダが更に含まれている。理解されるように、低抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合は、高抵抗率の抵抗ペーストにおけるバインダの割合よりも大きい。当然ながら、測温電極153の作製方法は、これに限定されず、当該分野で常用される他の方法であってもよい。
【0065】
本実施形態において、測温電極153のシート抵抗は5mΩ/□を超えない。更に、測温電極153のシート抵抗は1mΩ/□~5mΩ/□である。測温電極153の抵抗は測温部151の抵抗よりもはるかに小さい。例えば、測温電極153の抵抗は0.1Ω~0.5Ωである。このように、測温電極153は、通電時にほとんど発熱せず、取付座101の温度を低下させ、消費電力を節約することができる。
図2を参照すると、測温電極153上には、引出配線140が更に設けられ、測温電極153上の引出配線140は、電源と測温電極153とを電気的に接続するために用いられ、発熱電極133上にも、引出配線140が設けられ、発熱電極133上の引出配線140は、電源と発熱電極133とを電気的に接続するために用いられ、測温電極153上の引出配線140と発熱電極133上の引出配線140とは、間隔をあけて設けられる。
【0066】
具体的には、発熱電極133上には引出配線140が溶接され、測温電極153上にも引出配線140が溶接され、測温電極153と引出配線140との溶接点及び発熱電極133と引出配線140との溶接点は、いずれも取付座101内に位置し、測温電極153上の引出配線140が位置する平面と発熱電極133の引出配線140が位置する平面とは、同一平面ではない。測温電極153と引出配線140との溶接点は、発熱電極133と引出配線140との溶接点よりも基体110の底面115に近接している。
図2に示された実施例において、測温電極153の引出配線140と発熱電極133は、絶縁層113の本体111から離れた側の異なる面に位置し、測温電極153の一部は、絶縁層113の本体111から離れた側に位置し、他の一部は、絶縁層113の本体111に近接する側に位置し、測温電極153は、絶縁層113の本体111に近接する側に位置する電極を介して引出配線140に接続される。本実施形態において、発熱電極133の数は2つであり、測温電極153の数は2つであり、引出配線の数は4つであり、2つの発熱電極133及び2つの測温電極153の各々には1本の引出配線が接続される。
【0067】
いくつかの実施例において、発熱体100は、発熱領域119に位置する発熱部131、測温部151、及び測温電極153を保護するように構成される保護層170を更に含む。具体的には、保護層170は、発熱領域119内に位置し、保護層は、発熱部131と、全ての測温部151と、前記測温電極153の一部とを覆う。本実施形態において、保護層170はグレーズ層である。保護層170がグレーズ層である場合、グレーズ層の表面が滑らかであるため、保護層170は、発熱領域119の部品を保護するとともに、発熱体100に煙油の付着を防止する効果を持たせ、加熱される物体の抜き差しをより円滑にする。他の実施例において、保護層170の材料は、グレーズに限定されず、他の材料であってもよい。
【0068】
選択的な一具体例において、保護層170の厚みは0.1mm~0.5mmである。当然ながら、保護層170の厚みが0.5mmよりも大きいと、発熱部131の熱を加熱される物体に伝導させるのに不利である。保護層170の厚みが0.1mmよりも小さいと、保護層170が損傷又は剥離されやすくなるおそれがある。
【0069】
本実施形態において、基部111aは略円柱状であり、基部111aの直径は2mm~5mmであり、基部111aの長さは15mm~25mmであり、本体111の長さは18mm~30mmであり、基部111aの長手方向における発熱部131の長さは8mm~12mmであり、発熱線131aの幅は0.5mm~1.5mmである。選択的な一具体例において、基部111aの直径は3mmであり、基部111aの長さは16mmであり、本体111の長さは20mmであり、基部111aの長手方向における発熱部131の長さは10mmであり、発熱線131aの幅は0.8mmである。当然ながら、他の実施形態において、本体111、基部111a及び発熱線131aのサイズは、上記に限定されず、必要に応じて調整することができる。
【0070】
図3を参照すると、発熱電極133の発熱部131に近接する側から基体110の底面115までの領域は、電極設置領域117である。取付座101は、電極設置領域117内に位置する。
図4~
図7を参照すると、取付座101は、発熱体100を固定するために用いられ、取付座101は中空構造であり、取付座101は発熱体100の基体110に固定接続され、取付座101と基体110との接続箇所は、発熱電極133の底面115に近接する側に位置する。取付座101と基体110との接続箇所を発熱電極133の底面115に近接する側に設けることにより、取付座101の基体110に接触する部分が発熱部131から離れ、かつ底面115に近接し、発熱部131の熱による取付座101への影響を減らし、取付座101の寿命を向上させる。より具体的には、取付座101と基体110との接続箇所は、発熱電極133と底面115との間に位置し、取付座101と基体110との接続箇所は、発熱電極133及び底面115と間隔をあけており、或いは、取付座101と基体110との接続箇所は、底面115に近接する側に位置し、かつ、発熱電極133に隣接している。更に、取付座101と基体110との係止箇所又は当接箇所は、発熱電極133と底面115との間に位置し、取付座101と基体110との係止箇所又は当接箇所は、発熱電極133及び底面115と間隔をあけており、或いは、取付座101と基体110との係止箇所又は当接箇所は、底面115に近接する側に位置し、かつ、発熱電極133に隣接している。
【0071】
図7を参照すると、発熱アセンブリ10は係止部材105を更に含み、係止部材105は基体110に外嵌されて基体110に固定され、係止部材105は取付座101内に位置して取付座101の内壁に係止される。係止部材105と取付座101との嵌合により、発熱体100が取付座101内に固定される。
図7に示された実施例において、係止部材105は、発熱電極133と引出配線との接続箇所と、測温電極153と引出配線との接続箇所との間に位置し、測温電極153の一部は取付座内に収容される。当然ながら、他の実施例において、係止部材105は、取付座101内の他の位置に位置してもよく、例えば、係止部材105は、測温電極153と底面115との間に位置する。当然ながら、係止部材105上には、引出配線140の挿通を容易にする貫通孔又は溝を有する。選択的に、係止部材105はフランジである。いくつかの実施例において、係止部材105と発熱体100の基体110は一体に成形される。当然ながら、他の実施例において、係止部材105は省略されてもよい。係止部材105が省略される場合、発熱体100は、取付座101上に締まりばめで取り付けられてもよい。当然ながら、基体110と取付座101とが締まりばめされたときの接触部分は、発熱電極133の底面に近接する側に位置する。
【0072】
当然ながら、他の実施例において、測温電極153は、取付座101内に完全に収容されてもよい。理解されるように、他のいくつかの実施例において、取付座101と基体110との接続箇所は、発熱電極133の発熱部133に近接する側又は発熱電極133上に位置してもよい。この場合、取付座101は、発熱部131により近接し、熱の影響を受けやすくて寿命が短縮される。
【0073】
図4及び
図5を参照すると、取付座101は、取付ベース101aと取付カバー101bとを含む。取付ベース101aと取付カバー101bとは、遊動可能に接続されてもよいし、固定接続されてもよい。選択的に、取付座101と取付カバー101bとは係止される。当然ながら、取付ベース101a及び/又は取付カバー101b上には引出配線140が挿通する貫通孔が設けられ、取付座101及び/又は取付カバー101b内には、複数の引出配線溝が設けられ、各引出配線140は、互いに間隔をあけるようにそれぞれ異なる引出配線溝内に配置される。
図5に示された実施例において、取付座101内に発熱部131がないため、発熱体100による取付座101への影響を更に減らす。当然ながら、他のいくつかの実施例において、取付座101内には、発熱部131の一部が位置してもよい。
【0074】
図7を参照すると、発熱アセンブリ10は、密封部材103を更に含み、密封部材103は発熱体100に外嵌され、密封部材103は、発熱部131と発熱電極133との接続箇所に位置している。密封部材103は、加熱した後に形成された生成物(例えば煙草や煙弾を加熱して発生した霧化液)が発熱体100の表面を沿って取付座101内に流入して、取付座101内の電極に影響を与えることを防止するために用いられる。選択的に、密封部材103は、取付座101に当接し、その一部が取付座101内に収容される。選択的な一具体例において、密封部材103の材料はシリカゲルである。当然ながら、他の実施例において、密封部材103は他の材料であってもよい。
【0075】
選択的に、密封部材103は、煙草や煙弾を加熱して発生した霧化液が隙間を通って取付座101内に入りにくくなるように、発熱体100に緩嵌されていてもよい。例えば、密封部材103と発熱体100との間には、0.5mm~2mmの隙間がある。この隙間の範囲では、煙草又は煙弾を加熱して発生した霧化液が隙間を通って取付座101内に入りにくくなる。更に、密封部材103と発熱体100との間には、1mmの隙間がある。理解されるように、いくつかの実施例において、密封部材103は省略されてもよい。密封部材103が省略される場合、取付座101に密封部材103の機能も持たせる設計を採用することができる。例えば、発熱電極133と発熱部131との接続箇所に近接する取付座101の一端に対して、加熱した後に形成された生成物が取付座101に流入するのを防止する設計を採用することができる。当然ながら、取付座101内に電極を保護するための保護部材を設けてもよい。
【0076】
図8~
図12を参照すると、本発明は、他の実施形態の発熱アセンブリ20を更に提供する。当該発熱アセンブリ20の構成は、発熱アセンブリ10の構成と略同様である。発熱アセンブリ20は、取付座201と、取付座201に取り付けられた発熱体200及び密封部材203とを含み、密封部材203は、発熱体200に外嵌され、取付座201に近接している。発熱体200は、基体210と、基体210上に設けられ、かつ互いに独立している発熱回路230及び測温回路250とを含み、発熱回路230は、発熱部231と発熱電極233とを含み、発熱部231は、基体210上で発熱領域を形成し、発熱電極233は、第1の電極233aと第2の電極233bとを含み、測温回路250は、測温部251と測温電極253とを含み、測温部251は、取付座201から離れた発熱領域内に位置し、測温電極253は、発熱領域から取付座201内に延在し、測温電極253は、第3の電極253aと第4の電極253bとを含む。発熱アセンブリ20は、基体210が短尺のシート状である点が発熱アセンブリ10と異なる。具体的には、本体211は短尺のシート状であり、本体211は第1の突起211c及び第2の突起211dを有し、第1の突起211cは、第2の突起211dと間隔をあけて設けられ、第1の突起211cは、発熱電極233に近接しており、第2の突起211dは、基体210の底面に近接している。取付座201の取付ベース201aには、スライド溝201cが設けられ、取付カバー201bには、スライドブロック201dが設けられる。取付ベース201aは、スライド溝201cとスライドブロック201dとの嵌合により、取付カバー201bに遊動可能に接続される。取付ベース201aには、係止溝201fが更に設けられ、係止溝201fは、発熱電極233の基体210の底面に近接する側に位置し、第2の突起211dは、取付座201が基体110に固定接続されるように、係止溝201f内に係止される。更に、発熱体200の取り付けを容易にするために、取付ベース201aには、ガイド突起が更に形成される。本体211の上面及び下面の各々には絶縁層213が設けられ、本体211の下面に近接する絶縁層213には保護層270が更に設けられ、発熱電極233と測温電極253は、同一平面上にある。
【0077】
本発明の一実施形態は、上記のいずれか1つの発熱アセンブリを含む加熱装置を更に提供する。
【0078】
<具体的な実施例>
以下、具体的な実施例を組み合わせて詳細に説明する。以下の実施例では、特に断らない限り、不可避的不純物以外の成分は含まれない。実施例で使用される試薬や機器は、特に断りのない限り、当業界で一般的に選択されるものである。実施例において具体的な条件が明記されていない実験方法は、通常の条件、例えば文献、本に記載されている条件、又は製造者が推奨する方法に従って実施される。
【0079】
実施例1
実施例1の発熱アセンブリの構成は、
図1に示されている。ここで、発熱体の基部はジルコニアセラミックであり、直径は3mmであり、基部の長さは16mmであり、基部に巻回された絶縁層の厚みは0.3mmであり、基部の長手方向における発熱線の長さは10mmであり、発熱線の幅は0.8mmであり、基部の幅方向において形成された発熱線の最大長さは5.06mmであり、基部の長手方向における測温線の長さは4mmであり、測温線から2本の発熱線の各々までの距離は等しい。常温での発熱部の抵抗は1Ωであり、発熱部のシート抵抗は100mΩ/□であり、発熱部の主な材料はNiであり、常温での測温部の抵抗は10Ωであり、測温部のシート抵抗は150mΩ/□であり、測温部の主な材料はAgPbであり、測温電極及び発熱電極は、いずれも銀ペーストで作製された電極である。
【0080】
実施例1の発熱アセンブリの初期段階の恒温安定性を赤外線測温で試験した結果を
図13に示す。
図13において、横座標は時間であり、各格子の水平方向の長さは15sを示し、縦座標は温度(℃)である。
図13から分かるように、実施例1の発熱体の測温部は、発熱体のリアルタイム温度を正確に反映することができる。発熱体の最高温度はわずかなオーバーシュートが発生して345℃に達した後、温度が徐々に安定して340℃に達し、高温オーバーシュートは5℃程度しかなく、その後、安定した温度に速く達した。このことから、上記したように、測温部を電極設置領域から離れた発熱領域に設けることにより、発熱体の初期段階の温度の均一制御が困難になるという問題を良好に改善できることがわかった。
【0081】
比較例1
比較例1の発熱アセンブリの構成は、
図14に示されたように、比較例1の測温部351が発熱領域319全体に亘って設けられている点を除いて、実施例1とほぼ同様である。比較例1の測温部351のシート抵抗は実施例1と同様である。
【0082】
比較例1の発熱アセンブリの初期段階の恒温安定性は、
図15に示されている。
図15において、横座標は時間であり、各格子の水平方向の長さは15sを示し、縦座標は温度(℃)である。
図15から分かるように、比較例1の発熱体に対して恒温温度制御を行った場合、測温部351が発熱体のリアルタイム温度を反映することができないため、発熱体の最高温度は大きいオーバーシュートが発生して362℃に達した後、温度が徐々に安定して338℃に達し、高温オーバーシュートは24℃程度に達した。この温度オーバーシュートは発熱体自体によって大きく変化するため、量産過程で発熱体の初期段階の温度の均一制御が更に困難になる。
【0083】
上述の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせは、矛盾しない限り、本明細書に記載された範囲内であると考えられるべきである。
【0084】
上述の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、より具体的かつ詳細に記載されているが、本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。なお、当業者であれば、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの修正や改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0085】
10 発熱アセンブリ;100 発熱体;110 基体;111 本体;113 絶縁層;111a 基部;111b 先端部;115 底面;119 発熱領域;117 電極設置領域;119a 高温領域;130 発熱回路;131 発熱部;133 発熱電極;131a 発熱線;133a 第1の電極;133b 第2の電極;150 測温回路;151 測温部;153 測温電極;153a 第3の電極;153b 第4の電極;170 保護層;101 取付座;101a 取付ベース;101b 取付カバー;103 密封部材;105 係止部材;140 引出配線。20 発熱アセンブリ;200 発熱体;210 基体;211 本体;211c 第1の突起;211d 第2の突起;213 絶縁層;230 発熱回路;231 発熱部;233 発熱電極;233a 第1の電極;233b 第2の電極;250 測温回路;251 測温部;253 測温電極;253a 第3の電極;253b 第4の電極;270 保護層;201 取付座;201a 取付ベース;201c スライド溝;201d スライドブロック;201f 係止溝;201b 取付カバー;203 密封部材。319 発熱領域;351 測温部。
【国際調査報告】