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▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】締結システムを有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20230629BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20230629BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20230629BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A61F13/56 213
A61F13/49 410
A61F13/493
A61F13/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574831
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 US2021036902
(87)【国際公開番号】W WO2021252824
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/038,292
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、アンドリュー、ヘイデン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ、カルン、ジャヤカラン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200CA05
3B200CA06
3B200CA07
3B200DA21
3B200DA25
3B200DD07
3B200DD09
3B200DE01
3B200DE06
3B200DE07
3B200DE14
3B200DE16
3B200DE18
(57)【要約】
吸収性物品が、第1の腰部領域、第2の腰部領域、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域と、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、を有する。本物品はまた、主締結システムと副締結システムとを含む。主締結システムは、第2の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第1の腰部領域に配設され、主締結構成要素と動作可能に係合可能な主受容構成要素と、を有する。副締結システムは、第1の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第2の腰部領域に配設され、副締結構成要素と動作可能に係合可能な副受容構成要素と、を有する。本物品は、副締結構成要素と少なくとも部分的に重複するグラフィックを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品(10)であって、
第1の腰部領域(14)、第2の腰部領域(18)、前記第1の腰部領域と前記第2の腰部領域との間に配設された股部領域(16)と、
トップシート(24)、バックシート(26)、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配設された吸収性コア(28)と、
主締結システム(100)及び副締結システム(200)であって、前記主締結システムは前記第2の腰部領域に配設された主締結構成要素(110)と、前記第1の腰部領域に配設され、前記主締結構成要素と動作的に係合可能な主受容構成要素(112)と、を含み、前記副締結システムは、前記第1の腰部領域に配設された副締結構成要素(210)と、前記第2の腰部領域に配設され、前記副締結構成要素と動作的に係合可能な副受容構成要素(212)と、を含む、主締結システム及び副締結システムと、
前記副締結構成要素と少なくとも部分的に重複する関係で前記第1の腰部領域内に配設された締結エリアグラフィック(500)と、を備え、
前記副締結構成要素は、第1の形状(406)を有する締結構成要素周辺部(402)と、締結構成要素エリアと、を備え、前記締結エリアグラフィックは、第2の形状(506)を有するグラフィック周辺部(502)と、グラフィックエリアと、を備え、前記第1の形状と前記第2の形状は異なる、吸収性物品。
【請求項2】
前記副締結構成要素は視認可能ではない、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記副締結構成要素は前記主受容構成要素上に配設される、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記副締結構成要素は、前記バックシート及び/又は前記主受容構成要素から一体的に形成された締結要素を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記グラフィックエリアは締結構成要素エリアとは異なる、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記グラフィックエリアは前記締結構成要素エリアよりも大きい、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記締結エリアグラフィックは、前記締結構成要素エリアの少なくとも20%、又は少なくとも50%と重複する、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記グラフィックの第1の部分(510)は前記副締結構成要素と重複し、前記グラフィックの第2の部分(512)は前記副締結構成要素と重複しない、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第1の部分は、色、色強度、透明度、反射度、飽和度、二次元エリア、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせのうちの1つによって、前記第2の部分とは異なる、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記第1の部分の不透明度よりも少なくとも15%大きい不透明度を備える、請求項8又は9に記載の吸収性物品。
【請求項11】
請求項8~10に記載の吸収性物品用の締結構成要素を形成するための方法であって、
第1の部分(610)及び第2の部分(612)を有する着色部分(601)を有する基材(600)を提供するステップと、
締結要素(614)の第1の複数体を提供するステップと、
前記第2の部分が締結要素の前記第1の複数体を欠くように、締結構成要素の前記第1の複数体を前記第1の部分と重複させるステップであって、前記第2の部分とは重複させないステップと、を含む方法。
【請求項12】
締結要素の前記第1の複数体を前記第1の部分と重複させるステップは、前記第1の部分から締結要素の前記第1の複数体を一体的に形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
締結要素の前記第1の複数体を前記第1の部分と重複させるステップは、第2の基材(602)から締結要素の前記第1の複数体を一体的に形成し、前記第2の基材を前記第1の部分と重複させることを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記着色部分を形成するために前記基材に印刷するステップを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記着色部分を提供するために前記基材に色付けするステップを更に含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、締結システムを有する吸収性物品、特に複数の締結システムを有する物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収性物品(例えば、おむつ、成人用失禁物品、婦人衛生パッド)などの吸収性物品が、尿及び/又はその他の身体排泄物(例えば、糞便、月経、糞便と尿との混合物、月経と尿との混合物など)を受容し、封入するという利点を提供することは、かなり以前から知られている。身体排出物を有効に封じ込めるためには、物品は着用者の腰部及び脚部周囲にぴったりとフィットする必要がある。締結システムは、物品が着用者の周りに固定され、所定の位置に留まることを確実にするために使用されてきた。吸収性物品/締結システムの1つの一般的な構成は、前側腰部領域と、股部領域と、後側腰部領域と、を有する吸収シャーシを含み、一対の締結部材が各々、後側腰部領域においてシャーシの左右の長手方向縁部からそれぞれ横方向に延在するものである。典型的な構成では、各締結部材は、締結部材の着用者対向側に固着される材料支持フックのパッチを含む。協働するループ材料のセクションが典型的には、前側腰部領域の衣類対向側に配設される。この構成では、シャーシは、後方腰部領域が着用者の下背部及び臀部を横切って配置され、前方腰部領域が着用者の下腹部エリアを横切って配置された状態で、着用者の股部エリアを通して巻きつけられ得る。次いで、左右の締結部材は、それぞれ着用者の左右のヒップの周りに巻き付けられ、フックと前側腰部領域のループ材料との係合を介して前側腰部領域に締結され、それによって、着用者におむつを固定し得る。
【0003】
腰部の周りにおけるフィット及び長期の取り付けを更に確実にするために、副締結システムが含まれ得るが、これは、前側腰部領域の衣類対向側に付着されたフックと、後側腰部領域の着用者対向側の協働するフック受容材料(例えば、ループ)と、を含み得る。副締結システムは、取り付け及び係留の付加的なエリアを提供するため、前側及び後側腰部領域は、着用者により良好に適合し、適用時にも使用中にも間隙及び垂れ下がりが低減され得る。副締結システムはまた、場合によっては起こる腰部領域の回転、及び/又は滲出液が物品の股部領域を重みで押し下げるときにしばしば生じる、腰部の材料の反転を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
副締結構成要素は、ユーザにとって視認可能でなくてもよく、あるいはユーザにとって明白であってもよい。したがって、副締結システムの場所及び使用について、ユーザにより良好に指示するための機構を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、本明細書における独立請求項の特徴を含む。吸収性物品が、第1の腰部領域、第2の腰部領域、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域と、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、を備える。本吸収性物品は、主締結システムと副締結システムとを含み、主締結システムは、第2の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第1の腰部領域に配設され、主締結構成要素と動作可能に係合可能な主受容構成要素と、を備える。副締結システムは、第1の腰部領域に配設された副締結構成要素と、第2の腰部領域に配設され、副締結構成要素と動作可能に係合可能な副受容構成要素と、を備える。本物品は、副締結構成要素と少なくとも部分的に重複する関係で第1の腰部領域内に配設された締結エリアグラフィックを備え、副締結構成要素は、第1の形状を有する第1の周辺部と、締結構成要素エリアと、を備え、グラフィックは、第2の形状と、グラフィックエリアと、を備える。第1の形状と第2の形状は異なる。
【0006】
吸収性物品が、第1の腰部領域、第2の腰部領域、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域と、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、を備える。本物品は、主締結システムと副締結システムとを含み、主締結システムは、第2の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第1の腰部領域に配設され、主締結構成要素と動作可能に係合可能な主受容構成要素と、を備える。副締結システムは、第1の腰部領域に配設された副締結構成要素と、第2の腰部領域に配設され、副締結構成要素と動作可能に係合可能な副受容構成要素と、を備える。本物品は、副締結構成要素と少なくとも部分的に重複する関係をなして第1の腰部領域に配設されたグラフィックであって、グラフィックの第1の部分は副締結構成要素と重複し、グラフィックの第2の部分は副締結構成要素と重複しないようになっている、グラフィックを備え、第1の部分は、色、色強度、透明度、反射度、飽和度、二次元エリア、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせのうちの1つによって、第2の部分とは異なる。
【0007】
締結構成要素を形成する方法であって、
第1の部分及び第2の部分を有する着色部分を有する基材を提供するステップと、
締結要素の第1の複数体を提供するステップと、
第2の部分が締結要素の第1の複数体を欠くように、締結構成要素の第1の複数体を第1の部分と重複させるステップであって、第2の部分とは重複させないステップと、を含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の非限定的な一実施形態による例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、平坦な非収縮状態で示されている。
図2】非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、折り畳み状態で示されている。
図3】非限定的な一実施形態による例示的な吸収性物品の部分の概略平面図である。
図4】非限定的な一実施形態による別の例示的な吸収性物品の部分の概略平面図である。
図5】非限定的な実施形態による締結構成要素の概略平面図である。
図6】非限定的な一実施形態による基材の概略平面図である。
図7】非限定的な一実施形態による締結構成要素を有する、図6の基材の概略平面図である。
図8】非限定的な一実施形態による例示的なフック構成の概略側面図である。
図9】非限定的な一実施形態による例示的なフック構成の概略側面図である。
図10】非限定的な一実施形態による例示的なフック構成の概略側面図である。
図11】非限定的な一実施形態による例示的な締結構成要素の外周の概略平面図である。
図12】非限定的な一実施形態による例示的な締結構成要素の外周の概略平面図である。
図13】非限定的な一実施形態による例示的な締結構成要素の外周の概略平面図である。
図14】非限定的な一実施形態による、例示的な吸収性物品の概略平面図である。吸収性物品は、着用者対向表面を視認者に向けた、平坦な非収縮状態で示されている。
図15】耳部が折り畳み構成にある、図14の吸収性物品の概略平面図である。
図16】非限定的な一実施形態による、耳部が折り畳み構成にある、例示的な吸収性物品の概略平面図である。
図17】非限定的な一実施形態による、折り畳み構成にある例示的な吸収性物品の概略正面図である。
図18】非限定的な一実施形態による、折り畳み構成にある例示的な吸収性物品の概略正面図である。
図19】非限定的な一実施形態による、折り畳み構成にある例示的な吸収性物品の概略正面図である。
図20】非限定的な実施形態による締結構成要素の概略平面図である。
図21】非限定的な一実施形態による、折り畳み構成にある例示的な吸収性物品の概略平面図である。
図22図21の吸収性物品の締結構成要素の概略平面図である。
図23図21の吸収性物品の締結構成要素の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
「吸収性物品」とは、身体滲出液を吸収及び収容するデバイスを意味し、より具体的には、着用者の身体に接触して、又は近接して配置され、身体から排泄された様々な排出物を吸収及び収容するデバイスを意味する。吸収性物品の例としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に例示されているようなあらかじめ形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ若しくはパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの婦人用衛生衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。
【0010】
物品に関連する「使い捨て」とは、その物品が一般に、洗濯されるか、又は同じ容量で復元若しくは再利用されることが意図されていない(すなわち物品が、単回使用後に廃棄される、好ましくはリサイクル、堆肥化、又は環境に適合する様式で廃棄されることが意図されている)ことを意味する。
【0011】
「配置された」とは、要素が、ある特定の場所又は位置に置かれていることを指す。構成要素の表面又は側面上に配設される特徴部は、当該構成要素と一体であってもよく、あるいは当該構成要素に接合されてもよい。
【0012】
「弾性」及び「エラストマー性」とは、本明細書に記載のヒステリシス試験による、方向のうちの1つで所与の負荷で断裂又は破損なく少なくとも50%伸張し、負荷が取り除かれると、弾性材料又は構成要素が少なくとも70%の回復を呈する(すなわち、30%未満の硬化を有する)材料の能力を意味する。歪み、歪みパーセント、工学歪み、延伸比、又は伸長と称されることもある伸縮性は、回復及び硬化と同様に、以下でより詳細に記載されるヒステリシス試験によってそれぞれ測定されてもよい。
【0013】
「伸長可能」とは、本明細書のヒステリシス試験での工程6(a)による、少なくとも50%まで、断裂又は破損なく延伸又は延長する能力を意味する。
【0014】
物品の第1の特徴及び物品上の第2の特徴又は場所に対するその位置に関して「内側」とは、第1の特徴が、水平表面上で、含められた任意の事前緊張済みエラストマー材料によって誘発される任意の収縮に対して、平坦に展開され、その構成要素のウェブ材料の長手方向及び横方向の完全な寸法へと伸長されたときに、概ね物品によって占められる水平x-y平面に沿って、第2の特徴又は場所と比べて、物品のそれぞれの軸により接近して位置することを意味する。横方向内側とは、第1の特徴が長手方向軸により近いことを意味し、長手方向内側とは、第1の特徴が横軸により近いことを意味する。逆に、物品の第1の特徴及び物品上の第2の特徴又は場所に対するその位置に関する「外側」とは、第1の特徴が第2の特徴又は場所と比べて、物品のそれぞれの軸からより遠くにあることを意味する。
【0015】
「一体」とは、構成要素に接合されるのとは対照的に、要素が物品構成要素若しくはその一部分から生成されるか、若しくはそれによって生成される構成を意味する。「一体的に形成された」とは、例えば、材料を成形、付形、及び/又は再構成することによって、基礎材料又はその一部分から要素が生成されることを意味する。
【0016】
「接合された」とは、要素を他の要素に直接固着することにより、要素を別の要素に直接固定する構成、及び要素を中間部材(複数可)に固着し、これが次に他の要素に固着されることにより、要素が別の要素に間接的に固定される構成を意味する。
【0017】
「長手方向」とは、吸収性物品のx-y平面における最大直線寸法に平行に長手方向に延びる方向を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、長手方向は、吸収性物品が平らに延ばされた非収縮状態の場合に腰端部縁部から対向する腰端部縁部まで、又は2つ折りにされた物品の腰端部縁部から股部底部まで、実質的に垂直に延びる。物品構成要素の長手方向寸法は、最終的な吸収性物品上の構成要素の構成に基づいて決定される。
【0018】
「横方向」とは、一般に、長手方向に対して垂直な方向を意味する。本明細書に記載された吸収性物品では、横方向は、側縁部から対向する側縁部まで、実質的に平行に延びる。
【0019】
「視認可能」とは、物品のx-y平面に垂直な線に沿って少なくとも12インチ離れたところから、20/20の視力を有する人間の眼によって目視可能であることを意味する。
【0020】
概要
図1は、非折り畳み構成650をなす、平坦な非収縮状態にある、本発明の吸収性物品10の例示的且つ非限定的な実施形態の平面図である。物品は使い捨て式であってもよい。吸収性物品10の身体対向表面9は観察者に向いている。吸収性物品10は、シャーシ20を備える。吸収性物品10及びシャーシ20は、第1の腰部領域14、第1の腰部領域14の反対側にある第2の腰部領域18、及び第1の腰部領域14と第2の腰部領域18との間に位置する股部領域16を有するものとして示されている。腰部領域14及び腰部領域18は、一般に、着用時に着用者の腰部を取り囲む、吸収性物品のそれらの一部を備える。図2は、折り畳み構成660にある例示的な吸収性物品を示す。図2に示されるように、物品は、腰部領域に、主締結システム100と、副締結システム200と、を備え得る。締結システム及び周囲エリアは、既知の物品よりも良好に着用中に力を分散させ、張力の影響を軽減するように構成されている。締結システムは、締結構成要素(例えば、締結構成要素210)を備える。締結構成要素は、少なくともグラフィック500と部分的に重複する関係にある。グラフィックは、締結構成要素の形状とは異なる形状を備え得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、グラフィックは、非重複領域とは異なって出現する場合がある(例えば、グラフィックのセグメントは、色強度、透明度、飽和度、サイズ、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせによって異なり得る)。
【0021】
締結構成要素は、周辺部を備え、これは、周辺部の最も内側の範囲の外側に配設された最大長手方向寸法を有し得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、締結構成要素(特に第2の締結構成要素)の最も内側の範囲は、物品の長手方向の折り畳み線の横方向内側に配設され得る。これらの特徴及び他の特徴については、以下により詳細に記載される。
【0022】
吸収性物品
図1に戻るが、吸収性物品10は、長手方向中心線90及び横方向中心線95を含む。シャーシ20の外側周辺部は、長手方向縁部12及び腰部縁部(第1の腰部領域14における第1の腰部縁部13及び第2の腰部領域18における第2の腰部縁部19)によって画定される。シャーシ20は、長手方向中心線90に対して一般に平行に配向された、対向する長手方向縁部12を有してもよい。しかしながら、より良いフィット感のために、長手方向縁部12は、例えば、図1に示されるように平面図で見た場合に「砂時計」形の物品が作製されるように、湾曲しているか又は角度が付けられていてもよい。シャーシ20は、横方向中心線95に対して一般に平行に配向された、対向する横方向縁部13、19(すなわち、第1の腰部縁部13及び第2の腰部縁部19)を有してもよい。
【0023】
シャーシ20は、液体透過性のトップシート24、バックシート26、及びトップシート24とバックシート26との間の吸収性コア28を備えてもよい。吸収性コアは、例えば、超吸収性粒子及び吸収性ゲル化材料(absorbent gelling material、AGM)を含む、吸収性材料を含み得る。トップシート24は、コア28及び/又はバックシート26に接合されていてもよい。バックシート26は、コア28及び/又はトップシート24に接合されていてもよい。コア28とトップシート24との間、及び/又はコア28とバックシート26との間に、その他の構造体、要素、又は基材が位置付けられていてもよいことを認識すべきである。いくつかの実施形態では、トップシート24と吸収性コア28との間に、捕捉分配システム27が配置される。
【0024】
特定の実施形態では、シャーシ20は、複合吸収性物品構造を形成するために付加される他の機構と共に、吸収性物品10の主要構造を備える。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、種々の周知の構成で組み立てられ得るが、吸収性物品の構成は、概して米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。1つ以上のマスキング層又は材料が、吸収性物品内に提供されてもよい。マスキング層は、吸収性物品が衣類に面する表面又は着用者に面する表面から触れた場合にクッション性を提供する層であってもよい。マスキング層は、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料によって引き起こされる可能性があるざらざらした感触を「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、吸収性物品の着用者対向表面又は衣類対向表面を見たときに、身体排泄物が視認可能となるのを「隠す」ことができる。マスキング層は、約15gsm~約50gsm又は約15gsm~約40gsmの範囲の坪量を有してもよい。マスキング層は、1つ以上の不織布材料(例えば水流交絡不織布材料)、発泡体、パルプ層、及び/又はその他の好適な材料を含んでもよい。マスキング層は、バックシートの外側カバー材料であってもよい。マスキング層は、コアの衣類対向側又は着用者対向側を形成する層であってもよい。マスキング層は、コアの衣類に面する表面と液体不透過性バックシートとの中間に位置付けられた別個の材料であってもよい。
【0025】
使い捨て吸収性物品の構成要素は、米国特許公開第2007/0219521(A1)号、同第2011/0139658(A1)号、同第2011/0139657(A1)号、同第2011/0152812(A1)号、及び同第2011/0139659(A1)号に記載されているように、バイオソース含有量で少なくとも部分的に構成され得る。これらの構成要素としては、トップシート、バックシートフィルム、バックシート不織布、サイドパネル、脚部ガスケットシステム、超吸収体、捕捉層、コアラップ材料、接着剤、締結システム、及びランディングゾーンが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用すると、約10%~約100%、又は約25%~約75%、又は約50%~約60%のバイオベース含有量値を含む。ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、構成要素の代表的なサンプルを試験のために得なければならない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、周知の粉砕法(例えば、WILEY(登録商標)ミル)を使用して、約20メッシュ未満の微粒子へと粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出し得る。
【0026】
トップシート
トップシート24は、一般に、着用者に少なくとも部分的に接触する、又はより近位に配置されてもよい、吸収性物品10の一部である。適切なトップシート24は、一般に、着用者の肌に対してしなやかで柔らかい感触であり、非刺激性である。更に、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液状の身体の滲出物がその厚みを通して容易に浸透する。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、孔形成されたプラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシートは1つ以上の層を有してもよい。トップシートは、孔形成されてもよく、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、且つ/又は、複数のエンボス部(例えば、ボンドパターン)を有してもよい。トップシートは、材料を強接合し、次いで、米国特許第5,628,097号(Bensonら、1997年5月13日発行)及び米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されているように、リングロールを介して強接合部を破裂させることによって、孔形成されてもよい。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体の滲出物がトップシートを通過し得るように、典型的には孔が存在することになる。
【0027】
吸収性コア
吸収性コア28は、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。好適な吸収性材料の例としては、一般的に、エアフェルトクレープ紙綿と称される粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に堅固化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料(AGM)、又は任意のその他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、吸収性コアの少なくとも一部は、実質的にセルロースを含まず、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維、微量のセルロース繊維を含有する、又はセルロース繊維を含有しない。微量のセルロース系材料は、実質的にセルロースを含まない吸収性コアの部分の薄さ、可撓性、及び吸収性のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさないことを理解すべきである。その他の利点の中でも、吸収性コアの少なくとも一部が実質的にセルロースを含まない場合、吸収性コアのこの部分は、10重量%超のセルロース繊維を含む、同様の吸収性コアよりも著しく薄く、高い可撓性があると考えられる。吸収性コア中に存在する吸収性粒子状ポリマー材料などの吸収性材料の量は、様々であってもよいが、特定の実施形態では、コアの約80重量%超、又は約85重量%超、又は約90重量%超、又は約95重量%超の量で吸収性コア中に存在する。いくつかの実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネル29を備えてもよく、当該チャネルは、吸収性粒子状ポリマー材料を実質的に含まない。チャネル29は、長手方向又は横方向に延在してもよい。吸収性コアは、2つ以上のチャネルを更に備えてもよい。チャネルは、直線状であっても、曲線状であっても、角度をなしていても、これらの任意の機能可能な組み合わせであってもよい。非限定的な実施例では、長手方向軸線の周囲に、2つのチャネルが対称に配置される。吸収性コア28として使用するための例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び米国特許出願第13/491,642号及び同第15/232,901号に記載されている。
【0028】
バックシート
バックシート26は一般的に、図2に示されるように、吸収性物品10の衣類対向表面11の少なくとも一部分となり得るように位置している。バックシート26は、吸収性物品10によって吸収され、その中に収容された排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの、吸収性物品10と接触し得る物品を汚すのを防止するように設計されてもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、実質的に不透水性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであってもよく、あるいはこれを含んでもよい。他の適切なバックシート26材料は、排泄物がバックシート26を通過することを阻みながら、吸収性物品10から蒸気を逃がすことを可能にする通気性材料を含み得る。
【0029】
バックシート26はまた、2層以上の層から構成されてもよい。バックシート26は、外側カバー及び内部層を備えてもよい。外側カバーは、軟質の不織布材料から作製されてもよい。内側層は、高分子フィルムなどの実質的に液体不透過性のフィルムから作製されてもよい。外側カバー及び内側層は、接着剤又は任意の他の好適な材料又は方法によって1つに接合されていてもよい。外側カバー材料は、結合パターン、孔、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。外側カバーは、水流交絡された不織布材料であってもよい。
【0030】
伸長要素及び腰部特徴部
吸収性物品10は、1つ以上の横方向伸長要素300(すなわち、シャーシの長手方向縁部12の横方向外側に延在する要素)を含み得る。横方向伸長要素300は、腰部領域に配設され得る。横方向伸長要素の非限定的な例としては、耳部30、ベルト(腰部領域の長手方向中央部分を覆う)、締結具取り付けアーム33(図1参照)及びそれらの有効な組み合わせが挙げられる。
【0031】
特定の実施形態において、物品10は、例えば、第1の腰部領域に配設された前側耳部32及び/又は第2の腰部領域に配設された後側耳部34を含めて、耳部30の形態をなす1つ以上の横方向伸長要素を含む。耳部30は、シャーシと一体であっても、シャーシ20に接合された別個の要素であってもよい。耳部30は、伸長性又は弾性であってもよい。耳部30は、1つ以上の不織布ウェブ、織布ウェブ、編布地、ポリマーフィルム及びエラストマー性フィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、又はこれらのいずれかの組み合わせ及び/若しくは積層体から形成されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、耳部30は、エラストマーを含んでもよく、これにより、耳部は延伸性になる。特定の実施形態では、耳部30は、不織布/エラストマー性材料積層体又は不織布/エラストマー性材料/不織布積層体などの伸縮性積層体で形成されてもよく、このこともまた、耳部が延伸性となることをもたらす。耳部30は、物品の横方向に伸長可能であってもよい。いくつかの実施形態では、耳部は、横方向に弾性である。更なる実施形態では、耳部30は、長手方向よりも横方向に長く伸長してもよい。代替的に、耳部は、横方向よりも長手方向に延伸してもよい。ある特定の非限定的な実施例では、耳部は、別々の弾性領域に沿って1つ以上の非弾性領域を含んでもよい。いくつかの実施形態では、弾性領域の面積は、耳部の全面積の少なくとも約20%、又は約30%~約80%を含み、上記範囲についてこの範囲内の5%ごとの増分が列挙される。非弾性領域は、弾性領域の横方向外側に配設され得る。非限定的な例において、弾性領域は、2つの非弾性領域の間に配設される。
【0033】
任意の好適な不織布が、耳部30において使用されてもよい。好適な不織布は、少なくとも約8gsm、又は少なくとも約22gsm、又は約17gsm以下、又は約10gsm~約20gsmの坪量を含んでもよく、当該範囲についてこの範囲内の1増分ごとに列挙する。耳部30が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を含んでもよい。同様に、不織布は、同じ層構成又は異なる層構造を含んでもよい。更に、耳部における不織布は、バックシート、トップシート、脚部ガスケットシステム、及び/又は腰部機構において同じ又は異なる機構の不織布を含んでもよい。
【0034】
好適なエラストマー性材料の非限定的な例としては、フィルム(例えば、ポリウレタンフィルム、ゴム及び/又は他のポリマー材料に由来するフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー性接着剤、印刷エラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー性不織布、スクリム、ストランドなどが挙げられる。エラストマー性材料は、スチレン誘導体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリオレフィン、これらの組み合わせを含むエラストマー性ポリマー、又は共押出されたVISTAMAXX(登録商標)が挙げられるがこれに限定されない任意の好適な公知のエラストマーから形成され得る。
【0035】
耳部は、例えば、米国特許公開第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号、同第5,993,432号、同第5,156,793号、同第5,167,897号、同第7,062,983号、及び同第6,843,134号に開示のプロセスによって活性化されてもよい。それに代わって、耳部30は、積層及び/又は接合の間に層のうちの一層が残りの層よりも大きく歪むギャザー付き積層体を含む。このように、低伸長性層(すなわち、不織布)は、積層体が弛緩状態にあるとき、ギャザーを形成する。次いで、その後に形成された積層体が弛緩した状態にあるときに、不織布層内にひだが形成される。耳部は、例えば、米国特許公開第2018/0042777号、同第2018/0042778号、同第2018/0271716号及び同第2018/0271717号に記載されているような超音波接合された積層体を含み得る。
【0036】
物品10が複数の耳部30を含む場合、当該耳部30は同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。非限定的な例として、後耳部34は、弾性耳部を含み得るが、前耳部32は、非弾性であり得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、前耳部の各層は、後部耳部の各層とは異なる手段によって接合され得る。例えば、前耳部の層は、接着剤によって接合され得、後耳部の層は、超音波結合によって接合され得る。
【0037】
吸収性物品10は、腰部特徴部40を備えてよい。腰部特徴部40は、第1の腰部領域14及び/又は第2の腰部領域18に配設され得る。いくつかの非限定的な例において、物品の腰部縁部13、19の一方又は両方が、図1に示されるように、腰部特徴部によって少なくとも部分的に画定され得る。更なる非限定的な例において、腰部機構は、最も近い腰部縁部の内側に配設され得る。腰部機構は、腰部領域内のシャーシ、カフ、及び/又は他の要素の1つ以上の層と一体であってもよく、あるいはシャーシ、レッグカフ構造、及び/又は腰部領域に配設された他の要素の1つ以上の層と別個のものであり、それらに接合されてもよい。腰部特徴部は、物品の外向き表面11上、又は物品の着用者対向表面9上で層間に接合され得る。腰部特徴部は、伸長性又は弾性であり得る。伸縮性腰部特徴部42は一般に、着用者の腰部に動的にフィットするように伸縮することを意図されている。伸縮性腰部機構は、ウエストバンド、シャーシ20から取り外される腰部特徴部の一部分から形成されるポケットを有する腰部カフ、並びに、おむつ、パンツ、又は他の物品構成において着用者の腹部の周りにしっかりとフィットするように設計された腰部パネル及び/若しくはベルトを含む。伸縮性腰部特徴部の非限定的な実施例は、米国特許出願第14/533,472号、同第15/074,675号及び同第62/855,001号に開示されている。伸縮性腰部特徴部は、1つ以上の不織布層及び1つ以上の弾性要素45を含み得る。非限定的な例において、伸縮性腰部特徴部は、不織布層(複数可)に接合された弾性ストランドを含む。更なる非限定的な例において、伸縮性腰部特徴部は、1つ以上の不織布層と1つ以上のフィルムとの積層体を含む。
【0038】
代替の実施形態では、腰部特徴部は、非弾性であり得る。そのような構成では、腰部特徴部は、着用者のウエストの周りに更なる係留を提供し得る。
【0039】
腰部特徴部は、望ましい延伸性及び柔軟性を提供するために、あるいは別様に着用者に対する物品のフィット性を向上させるために、耳部30と連動して使用され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、横方向伸長要素は、腰部特徴部をも構成するようにベルトの形態をなし得る。横方向伸長要素300は、図1の腰部領域14に示されるように、腰部領域を通じて、またシャーシの長手方向縁部の横方向外側に延在する、ウェブ材料47から形成された組み合わせベルト構造46を備え得る。組み合わせベルト構造46とは、(i)締結システムの受容構成要素を提供及び/又は支持すること(以下で議論される)と、(ii)シャーシの長手方向縁部12の外側に延在する1つ以上の耳部30を形成することと、の両方を行うように要素が構成されることを意味する。非限定的な例において、組み合わせベルト構造46は、主受容構成要素112並びに副締結構成要素210を提供及び/又は支持するように構成され、それらの各々は、以下で論じられる。
【0041】
固定具
図2に戻ると、吸収性物品10は、1つ以上の締結システム100を含む。図2に示され実施形態では、物品は、主締結システム100と、副締結システム200と、を備える。主締結システム100は、締結されたとき、第1の腰部領域14と後側腰部領域18とを相互接続し、その結果、吸収性物品10の着用中に着用者を取り囲み得る腰部外周が生じる。同様に、締結されると、副締結システム200は、腰部領域を相互接続する。
【0042】
締結システムの1つ以上の部分は、横方向伸長要素300から形成されてもよく、あるいはそれに接合されてもよい。それに加えて、あるいはそれに代わって、締結システムの各部分は、シャーシ20から形成されてもよく、あるいはそれに接合されてもよい。締結システムの各部分が接合される実施形態では、当該部分は、外部表面又は層間に接合され得る。締結システムの各部分が一体である実施形態では、当該部分は、任意の適切な表面と一体にされ得る。
【0043】
各締結システムは、締結構成要素及び受容構成要素を備え得る。受容構成要素は、締結構成要素と動作可能に係合可能である。係合可能な締結構成要素及び受容構成要素の非限定的な例には、テープタブ、フックループ締結構成要素、タブとスロット、バックル、ボタン、スナップなどの相互係止締結具、及び/又は無性締結構成要素が挙げられ得る。いくつかの例示的な表面締結システムは、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。締結構成要素及び/又は受容構成要素は、使用前に構成要素を侵襲から保護する剥離テープ又は他の材料を更に含み得る。非限定的な例において、締結構成要素及び/又は締結構成要素が接合される構成要素は折り畳み可能であり、また、締結構成要素がそれを侵襲から保護する材料と係合するように、使用前に折り畳まれてもよい。腰部領域に示されているが、締結及び/又は受容構成要素はおむつの任意の部分に配設されてよく、これによって、配置中に物品を閉鎖若しくは包装すること、物品をそれ自体に固定すること、及び/又は物品を衣服などの別の表面に固定することが容易となり得ることも企図される。
【0044】
締結構成要素110は、構成要素を受容構成要素などの別の表面と係合させる1つ以上の締結要素114を備える。様々な実施形態において、締結要素はフックを含む。受容構成要素112は、フックアンドループ締結システムの組み合わせを提供するために、協働的ループ材料として働くように適合されたセクション又はパッチなどの締結要素と締結可能に協働するように適合された材料を含む。締結及び/又は受容構成要素は、物品構成要素150とは別個であり、それに接合されてもよく、あるいは1つ以上の物品構成要素150と一体であってもよい。物品構成要素150は、シャーシ20、トップシート24、バックシート26、横方向伸長要素300、耳部30、ランディングゾーン152(すなわち、受容構成要素を備える基材又はシャーシの一部分)、締結具取り付けアーム33、腰部特徴部40、組み合わせベルト構造46又はそれらの組み合わせから選択されてよい。非限定的な例において、物品構成要素の一部分を形成する材料は、一体型ループ材料を含み得る。更なる非限定的な例において、締結構成要素と受容構成要素は、材料の同じパッチ上に形成され得る。
【0045】
特定の実施形態において、締結構成要素は、締結構成要素が配設される物品構成要素の横方向縁部から長手方向にオフセットされ得る。締結構成要素は、構成要素の外側横方向縁部155から少なくとも1mm、又は少なくとも約3mm、又は少なくとも約5mm、又は約1mm~約10mmだけ長手方向にオフセットされてもよく、当該範囲についてその中の0.5mmの増分ごとに列挙される。非限定的な例において、締結構成要素は、それが配設される構成要素の内側縁部156又は外側縁部155のいずれとも一致しない。例えば、各副締結構成要素210(以下で更に論じられる)は、その表面エリア及び外縁部が、横方向伸長要素又は横方向伸長要素が配設される他の物品構成要素の表面エリア及び外縁部の完全に内方にある状態で配置されることが望ましい場合がある。それに加えて、あるいはそれに代わって、締結構成要素は、それが配設される構成要素の長手方向縁部から横方向にオフセットされてもよい。例えば、副締結構成要素210の外側縁部211は、少なくとも約1mm、又は少なくとも約3mm、又は少なくとも約5mm、又は約1mm~約10mmだけ、長手方向縁部153の横方向内側にあってもよく、当該範囲についてその中の0.5mmの増分ごとに列挙される。非限定的な例において、副締結構成要素の外側縁部211は、シャーシ縁部12の横方向内側にあってもよい。
【0046】
依然として図2を参照すると、主締結システム100は、第2の腰部領域18に配設されたフックなどの主締結構成要素110を備える。主締結構成要素110は、シャーシに接合された、又は第2の腰部領域内の別の構成要素に接合された締結材料の別個のパッチなど、別個のものであり得る。非限定的な例において、主締結構成要素は、耳部34又は耳部に接合された別個の層に接合される。別の非限定的な例において、主締結構成要素は、耳部と一体であり得る。更なる非限定的な例において、主締結構成要素110は、シャーシ及び/又はシャーシに接合された別の構成要素と一体であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、主締結構成要素110は、熱、圧縮、接着剤、超音波結合、又はそれらの任意の組み合わせによって後耳部又はシャーシに結合されたフック材料の別個に適用されるセクション又はパッチであり得る。他の例では、主締結構成要素は、耳部のセクション上に直接形成され、より具体的には、不織布の高分子層のセクション上に直接形成されるフックのパッチであり得る。例えば、フックは、溶融ポリマー樹脂を層上へと塗布すること、及び、既知の方法を用いて、塗布された溶融樹脂に、またその溶融樹脂からフックを続いて形成することによって生成され得る。主締結構成要素は、米国特許第8,784,722号に開示されているように、材料の一部分を加熱及び軟化させ、それをフック形成空洞に押し込むことによって、高分子材料から一体的に形成され得る。主締結構成要素は、本願と同一の出願人に譲渡された米国特許出願第16/545,425号、代理人整理番号15308Mに開示されているように、単一の連続的プロセスを通じて、高分子材料から一体的に形成され得る。
【0048】
依然として図2を参照すると、主締結システム100は、第1の腰部領域14に配設されたループなどの主受容構成要素112を更に備え得る。主受容構成要素は、シャーシに接合された、又は第1の腰部領域内の別の構成要素に接合された受容材料の別個のパッチなど、別個のものであり得る。他の実施形態では、主受容構成要素は、シャーシと一体であっても、第1の腰部領域内の別の構成要素と一体であってもよい。そのような実施形態では、バックシート26、組み合わせベルト構造46、耳部30、又はそれらの組み合わせは、主受容構成要素112を形成し得るループ材料などの材料を含み得る。
【0049】
主構成要素110、112は各々、任意の好適な形状又はサイズのものであり得る。主構成要素110、112は、物品の対向する表面上に配設され得る。例えば、主締結構成要素110は、物品の着用者対向表面9上に配設され得、主受容構成要素は、衣類対向表面11上に配設され得る。
【0050】
様々な実施形態において、物品はまた、副締結システム200を備える。副締結システム200は、物品を着用者の周りに更に固定するように動作可能に係合可能な副締結構成要素210及び副受容構成要素212を備える。副締結構成要素210は、第1の腰部領域に配設され得、副締結受容構成要素212は、第2の腰部領域に配設され得る。副締結システムの追加は、締結のためのより大きな表面積を提供し、それによって、おむつが着用される際に、後側腰部領域が前側腰部領域に向かって引っ張られるとき、またその逆に引っ張られるとき、締結位置を通じて伝達される横方向引張力を分散させることになり得る。加えて、2つの別個の締結位置を有することにより、物品の前部分が旋回する(すなわち、主締結システムの単一の締結位置の周りを旋回する)傾向が低減する。更に、副システムは、前側腰部縁部のより近くに張力線を発生させるのに役立ち、これによって、着用中に前側腰部縁部の折り畳み又は反転の可能性が低減され得る。更にまた、副システムは、着用者中の垂れを防止するために、股部領域からヒップの上へと力を方向付けるための、係留測地を生成し得る。副システムはまた、着用中に前耳部又は組み合わせベルト構造を所定の位置に固定するのに役立ち得る。前述の各々は、締結をより効果的で且つ耐久性のあるものにし、長手方向及び/若しくは横方向の屈曲をより少なくし、且つ/又は、着用中に締結エリアの周りに生じるおむつ材料の垂れ及び/若しくはしわをより少なくするのに役立ち得る。
【0051】
副構成要素210、212は、対向する表面上に配設され得る(例えば、副締結構成要素は、衣類対向表面11上に配設され得、副受容構成要素は、着用者対向表面9上に配設され得る)。副締結システムは、主締結システムに関連させて上で詳述された特徴のうちのいずれかを備え得る。副構成要素は、シャーシ又はそれぞれの腰部領域内の別の特徴部とは別個のものであってもよく、あるいは副構成要素は、シャーシ又はそれぞれの腰部領域(例えば、ランディングゾーン)のシャーシに接合された別の特徴部と一体であってもよく、シャーシの表面の一部分又は当該特徴部を形成してもよい。
【0052】
特定の例において、副締結構成要素210はフックであってもよく、副受容構成要素212は、フックアンドループ締結システムのループ構成要素として機能する後耳部34の着用者対向側に配設されてもよく、且つ/又はそこから形成されていてもよい。1つの特定の例では、後側腰部領域の一部分を形成する着用者対向層は、受容構成要素212として機能し、副締結構成要素210を構成するフックと締結可能に係合するように適合された不織布材料を含み得る。主締結構成要素に関して上述されたように、副締結構成要素は、シャーシ又は第1の腰部領域内の別の構成要素に接合された材料の別個のパッチであり得る。それに代わって、副締結構成要素の一部分は、シャーシ又は第1の腰部領域に配置された当該の他の構成要素(例えば、ランディングゾーン基材)と一体であってもよい。主締結構成要素に関して記載されたように、副締結構成要素は、溶融ポリマー樹脂をウェブ材料上へと塗布すること、及び、既知の方法を用いて、塗布された溶融樹脂に、またその溶融樹脂からフックを続いて形成することによって生成され得る。副締結構成要素は、米国特許第8,784,722号に開示されているように、材料の一部分を加熱及び軟化させ、それをフック形成空洞に押し込むことによって、高分子材料から一体的に形成され得る。副締結構成要素は、本願と同一の出願人に譲渡された米国特許出願第16/545,425号、代理人整理番号15308Mに開示されているように、単一の連続的プロセスを通じて、高分子材料から一体的に形成され得る。
【0053】
一体的に形成される場合、締結要素は、本願と同一の出願人に譲渡された米国特許出願第17/173453号に開示されているように、物品構成要素の1つ以上の層から形成され得る。いくつかの実施形態では、締結構成要素内の2つの一体型締結要素は、異なる材料層から形成され得る。一体型締結要素が形成され得る層及び材料は、不織布、エラストマー、フィルム、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、接着剤、インク、染料、触覚改質剤(例えば、シリコーン)及びそれらの組み合わせを含み得る。層は、液体状態、又は少なくとも部分的な溶融状態で重複領域に適用され得る。様々な非限定的な例において、締結要素は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンなどの弾性であるが適合可能な材料から形成される。そのような弾性材料は、締結材料が使用又は他の破壊後にそれらの所望の構成に戻ることを可能にする。
【0054】
締結要素を一体的に形成することにより、事前製造された締結材料のストリップの供給及び適用によってもたらされる実際的な制約及び/又はコストが排除され、締結要素のエリアは、任意の所望の構成で提供され得る。締結要素のエリアは、任意の所望のサイズ、形状、パターン、締結の方向性、要素の数、又は配向で構成され得ることが理解され得る。締結要素のエリアの配向は、物品の長手方向軸に対するエリアの最大寸法を通る線の角度である。
【0055】
上記に加えて、一体的な締結構成要素は、構成要素の異なるセクションに異なる利点を提供するように、様々な方向性を有して形成され得る。例えば、(逆J字形状又は類似のフック構成を作り出すように)垂直中心線について非対称であるフックは、開放部分が予想される係合の方向に向けられるように形成され得る。更なる非限定的な例において、前側腰部領域14内のフックは、横方向に接近するかあるいはそれに沿い、おむつの長手方向軸に向かって延在する方向性を付与され得る。そのような方向性は、着用中にフックが係合されている間に、その領域のフックに加えられるせん断力(directed away from the longitudinal axis in the front region)の通常の方向と反対の方向に延在する機械的構造を提供することになり、同様のサイズ、材料利用度(形状容積)及び数値密度の非指向性フックと比較して、付加的な締結強度及び/又はより確実な取り付けを提供することになる。後側腰部領域のフックは、(締結部材が開放位置にあるとき)おむつの長手方向軸に向かう方向性を付与され得る。そのような方向性は、着用中にフックが係合(すなわち、締結)されるときに前側腰部領域のフックに加えられるせん断力の通常の方向に対向するものであり、同様のサイズ、材料利用度(形状容積)及び数値密度の非指向性フックと比較して、付加的な締結強度及び/又はより確実な取り付けを提供することになる。
【0056】
いくつかの実施形態では、主及び副締結構成要素は、対向する表面上に配設される(例えば、主締結構成要素は、着用者対向表面上に配設され、副締結構成要素は、衣類対向表面上に配設される)。同様に、主及び副受容構成要素は、対向する表面上に配設され得る。
【0057】
非限定的な例において、副締結構成要素(例えば、フック)を含むウェブ材料はまた、主受容構成要素(例えば、ループ)を備え得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、主締結構成要素(例えば、フック)を含む材料はまた、副受容構成要素(例えば、ループ)を備え得る。
【0058】
主及び/又は副締結構成要素は、図2に示されるように、第1の複数体301及び第2の複数体302などの締結要素の1つ以上の複数体を備え得る。要素の複数の複数体が締結構成要素内に存在する場合、その複数体は、締結要素の形状、締結要素の数、締結要素の方向性、アレイの配向、締結要素の平均間隔、締結要素が個別のものであるか、一体型であるか、あるいは何らかの組み合わせであるか、締結要素構成材料、一体型の締結要素が形成される層の数及び/又はタイプ、締結要素の平均サイズ、アレイの集合的な形状、表面積、不透明度、色、並びにそれらの組み合わせによって異なり得る。各複数体は、複数体をなす他の締結要素のうちの少なくとも1つから約2mm以下、又は約0.1mm~約2mm、又は約0.5mm~約1.5mmだけ離れている締結要素を含み得、各範囲についてその中の0.1mmの増分ごとに列挙される。複数体は、1つの複数体が、別個の複数体から少なくとも約2mm以上、又は約2.25mm以上、又は約35mm以下、又は約30mm以下、又は約25mm以下、又は約15mm以下、約2.25mm~約35mm、又は約3mm~約30mm、又は約2.5mm~約25mm、又は約3mm~約20mm、又は約4mm~約15mmであることから互いに区別され得、各範囲についてその中の1mmの増分ごとに列挙される。空隙エリア326は、図2に示されるように締結要素の複数体を分離する。また、2つの異なる複数体における締結要素が異なる材料から作製されてもよく、且つ/又は同じ複数体内の異なる締結要素が異なる材料から作製されてもよいことが企図される。例えば、1つの複数体が、ナイロン、ポリオレフィン、及び生体成分共押出材料(例えば、ポリプロピレン/ポリエチレン)並びにそれらの組み合わせなどのより剛性のある材料を含む締結要素を含んでもよいが、別の複数体が、低弾性率添加剤(例えば、油、VISTAMAXX(登録商標)などのエラストマー)とブレンドされたポリマーなどのより柔軟性のある材料から形成された締結要素を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、物品は1つ以上の締結エリアグラフィック500を含んでもよく、締結エリアグラフィックは、締結構成要素と完全にあるいは部分的に重複するグラフィックを含む、締結構成要素(例えば、副締結構成要素210)の5mm以内のグラフィックである。グラフィックは、印刷、色付け、着色接着剤、ボンディング、及びそれらの組み合わせによって形成され得る。非限定的な例において、締結エリアグラフィック500は、副締結構成要素と少なくとも部分的に重複する。図3図4を参照すると、締結エリアグラフィック500は、グラフィック周辺部502を備えている。締結構成要素は、形状、サイズ、面積、及び連続性/不連続性のうちの少なくとも1つにおいてグラフィック周辺部とは異なり得る締結構成要素周辺部402を備える。周辺部は、適用可能な締結エリアグラフィック又は締結構成要素の隣接する外側範囲を仮想線によって接続して、適用可能なグラフィック又は締結構成要素の周りの境界を描くことによって決定される。グラフィックが不連続である場合、周辺部を形成するときに互いに2mm以内のセグメントが一緒に評価される。締結構成要素が不連続である場合(すなわち、締結要素の複数の複数体)、周辺部を描くときに、互いから10mm以内の複数体が一緒に評価される。例えば、図3及び図4では、周辺部は点線で示されている。様々な実施形態において、締結構成要素の周辺部は、第1の形状406を備え、グラフィックの周辺部502は、第1の形状406とは異なる第2の形状506を備える。例えば、図2では、(観察者から見ておむつの右側にある)第1の形状406は卵形として示され、第2の形状506は星形として示されている。図3では、第1の形状は長方形であり、第2の形状は卵形である。図4では、第1の形状は長方形であり、第2の形状は、線によって接続された2つの卵形を含む。形状の任意の好適な組み合わせが用いられ得る。非限定的な例において、締結構成要素は、1つ以上の曲線セグメントを備える。更なる非限定的な例において、締結構成要素の周辺部全体が曲線状である。それに加えて、あるいはそれに代わって、グラフィック周辺部又はその一部分が曲線状であり得る。
【0060】
締結構成要素の周辺部402は、周辺部402内の数学的二次元エリアである締結構成要素エリアを画定する。同様に、グラフィック周辺部502は、周辺部502内の数学的二次元エリアであるグラフィックエリアを含む。様々な実施形態において、グラフィックエリアは、締結構成要素エリアとは異なる。グラフィックエリアは、締結構成要素エリアよりも大きくてもよい。グラフィックエリアは、締結構成要素エリアよりも少なくとも約10%、又は少なくとも約20%、又は約10%~約50%だけ大きくてもよく、当該範囲についてその中の1%の増分ごとに列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、グラフィック500は、締結構成要素エリアの少なくとも約20%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約50%、又は約20%~約100%にわたって締結構成要素と重複してもよく、当該範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。
【0061】
様々な実施形態において、締結構成要素は視認可能ではない。他の実施形態では、締結構成要素は視認可能であるが、周囲のエリアと容易に区別可能ではない。例えば、締結要素は、周囲の材料と同じ色であり得る。更に、締結構成要素は、あるいはより具体的に言えば締結要素は、比較的小さくてもよい。締結エリアグラフィックを提供することは、ユーザが締結要素を位置特定すること、及び/又は締結システムの構成要素を位置決めすることを助けることになり得る。
【0062】
考察されるように、締結エリアグラフィック500は、締結構成要素と少なくとも部分的に重複してもよい。グラフィック500は、締結構成要素と重複する第1の部分510と、締結構成要素と重複しない関係にある第2の部分512と、を備え得る。第1の部分は、色、色強度、透明度/不透明度、飽和度、反射度、サイズ、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせのうちの1つによって、第2の部分とは異なり得る。例えば、図5に示されるように、第1の部分は、第2の部分よりも透明であり、それによって締結要素のエリアを強調してもよい。いくつかの非限定的な例において、第2の部分の不透明度は、不透明度試験方法によって決定されるように、第1の部分の不透明度よりも約15%超、又は約25%超、又は約30%超、又は約50%超、又は約25%~約100%だけ大きい。それに加えて、あるいはそれに代わって、第1の部分は、第2の部分よりも反射性が高く、第2の部分と比べてより多くの光を反射し且つ/又はより輝いて見え、それによって締結要素のエリアを強調し得る。
【0063】
第1の部分510は、締結構成要素エリアの少なくとも約20%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約50%、又は約20%~約100%にわたって締結構成要素と重複してもよく、当該範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。非限定的な例において、締結構成要素の一部分が、例えば図4図5に示されるように、グラフィックの外側に延在し得る。
【0064】
第1の部分と第2の部分とにおける相違は、任意の好適な方法によって達成され得る。特定の実施形態では、締結構成要素(例えば、副締結構成要素210、又は第1の締結構成要素110)を形成するための方法は、着色部分601を有する基材600を提供するステップを含む。着色部分は、図6に示されるように、第1の部分610及び第2の部分612を含む複数の部分に名目上分割されている。この方法は、締結要素の第1の複数体614を第1の部分と重複させるが、第2の部分とは重複させないことを更に含む。第1の複数体は、一体的に形成された締結要素を含み得る。第1の複数体を第1の部分と重複させるステップは、図8に示されるように、基材から第1の複数体を一体的に形成することを含み得る。締結要素は、米国特許第8,784,722号に開示されているように、材料の一部分を加熱及び軟化させ、それを要素形成空洞に押し込むことによって、締結要素を形成することを含む任意の好適な手段によって形成され得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、第1の部分を第1の複数体と重複させるステップは、第1の複数体を第2の基材602から一体的に形成し、図9に示されるように第1の部分と重複する関係で第2の基材を位置付けすることを含み得る。非限定的な例において、第2の基材は、着色部分の色とは異なり得る色を含む。このようにして、第3のブレンドされた色が、基材600、602の組み合わせから形成され得る。基材600、602は、任意の好適な手段によって接合され得る。また、図10に示されるように、締結要素が基材600及び第2の基材602から形成され得ることも企図される。
【0065】
この方法は、着色部分601を形成するように基材600に印刷すること更に含み得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、この方法は、着色部分を形成するように基材600に色付けすることを含み得る。
【0066】
非限定的な例において、基材600は、吸収性物品のバックシート26を含み得る。更なる非限定的な例において、基材600は、任意の好適な手段によってバックシート26に接合され得る。基材は、トップシート24、耳部30、締結アーム33、又は吸収性物品の任意の他の好適な部分に接合され得ることも企図される。基材は、第1の腰部領域14に配設され得る。基材は、第2の腰部領域18に配設され得る。
【0067】
この方法は、図10に示されるように、第2の基材602から一体的に形成され得る締結要素616の第2の複数体を形成することを更に含み得る。締結要素の第2の複数体は、締結要素の形状、締結要素の数、締結要素の方向性、アレイの配向、締結要素の平均間隔、締結要素が個別のものであるか、一体型であるか、あるいは何らかの組み合わせであるか、締結要素構成材料、一体型の締結要素が形成される層の数及び/又はタイプ、締結要素の平均サイズ、アレイの集合的な形状、表面積、不透明度、色、並びにそれらの組み合わせのうちの1つによって、第1の複数体とは異なり得る。
【0068】
上記のように、締結構成要素及び受容構成要素は、任意の好適な形状又はサイズを含み得る。例えば、図11及び図12に示されるように、鋭角の角部ではなく、丸みを帯びたプロファイル、又は90度以外の角部のプロファイルを有する副締結構成要素の1つ以上の縁部を切断するか、あるいは別様に付与することが望ましい場合がある。これは、構成要素210の鋭利な角部における着用者の皮膚に対する局所的な圧力の集中によって他の方法では発生し得る、着用者の皮膚の摩擦を低減する目的で望ましい場合がある。
【0069】
上記のように、締結構成要素は、周辺部402を備える。図11に示されるように、締結構成要素の周辺部は、最内側範囲403及び最外側範囲405を含む。最内側範囲403は、非折り畳み構成650において長手方向中心線90に最も近い周辺部の縁部又は点である。最外側範囲405は、非折り畳み構成650において長手方向中心線90から最も遠い周辺部の縁部又は点である。締結構成要素の周辺部は、長手方向中心線と平行に測定される最大長手方向寸法Lと、横方向中心線と平行に測定される最大横方向寸法Wと、を備える。様々な実施形態において、締結構成要素の周辺部402は非対称である。そのような実施形態では、締結構成要素の周辺部は、最内側の範囲において、最外側の範囲とは異なる長手方向の長さを備え得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、締結構成要素の周辺部は、不均一な長さを備えてもよい(すなわち、長さは、締結構成要素の周辺部の最大幅全体を通じて一定ではない)。締結構成要素の周辺部は、幅Wの一部分に対して様々な長さを備え得る(すなわち、傾斜又は湾曲することによって変化する)。締結構成要素の周辺部402は、最大幅Wの少なくとも約20%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は約20%~約100%、又は約40%~約75%にわたって様々な長さを含み得、各範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、締結構成要素の周辺部は、不均一な幅を備えてもよい(すなわち、幅は、締結構成要素の周辺部の最大長さ全体を通じて一定ではない)。非限定的な例において、締結構成要素の周辺部は、長さLの一部分に対して様々な幅を備え得る。締結構成要素の周辺部402は、最大長さの少なくとも約20%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は約20%~約100%、又は約40%~約75%にわたって様々な幅を含み得、各範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。
【0070】
様々な実施形態において、最大長手方向寸法Lは、図11図14に示されるように、最内側範囲403の横方向外側に配設される。最大長手方向寸法Lは、最小分離距離Dだけ最内側範囲403の横方向外側にあってもよい。最小分離距離Dは、少なくとも約1mm、又は少なくとも約5mm、又は少なくとも約10mm、又は約1mm~約15mmであってよく、当該範囲についてその中の1mmの増分ごとに列挙される。それに加えて、あるいはそれに代わって、最小分離距離Dは、最大横方向寸法Wの少なくとも約5%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約50%、又は約5%~約100%、又は約10%~約90%であってよく、当該範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。非限定的な例において、最大長手方向寸法は、例えば図12に示されるように、最外側の範囲405と一致し得る。
【0071】
図14に戻ると、最大長手方向寸法が最内側の範囲403の外側に配設されている場合、主締結構成要素と副締結構成要素(及びそれらのそれぞれの要素)と間の相互作用は、係合構成(すなわち、締結構成要素がそれらの受容構成要素と係合されるとき)において最小化され得る。例えば、副締結構成要素を内側範囲の外側の最大長手方向寸法で構成することにより、副締結構成要素が第1の腰部領域内の主締結構成要素の係合に利用可能な空間に干渉する可能性が低減される。別の言い方をすれば、副締結構成要素の存在は、主締結構成要素の係合に利用可能な空間の量を低減することになり得る。副締結構成要素の長さをその内側範囲で短縮することにより、副締結構成要素の存在にもかかわらず、より多くの受容領域が主締結構成要素のために利用可能となる。この構成により、物品は、受容エリアの量を制限する既知の副締結具を有する物品よりも広範囲のユーザに適合することが可能となる。更に、締結構成要素の周辺の長さ及び/又は幅を変化させることは、締結のより正確な標的化を提供し得ると考えられる。
【0072】
更に図14を参照すると、例えば、包装のために、折り畳み構成にて吸収性物品を提供することが望ましい場合がある。図15に示されるように、腰部領域は、折り畳み構成660において、耳部30が長手方向縁部12の横方向内側に配置されるように、長手方向折り畳み線700に沿って横方向に折り返されてもよい。耳部及び折り畳み線の外側の腰部領域の他の部分(非折り畳み構成において)は、図15に示されるようなe折り構成で着用者対向表面に向かって折り畳まれ得る。また、耳部及び他の腰部領域は、衣類対向表面に向かって折り畳まれ得ることも企図される。
【0073】
本明細書で企図されるタイプの吸収性物品は、効率的な包装及び輸送のためによりコンパクトな構成に折り畳まれることが一般的に望ましい。したがって、第1のステップでは、物品の左側及び右側の余白部710は、図14の湾曲矢印によって示されるように、左右の長手方向の物品折り畳み線700の周りに横方向内向きに折り畳まれて、物品は、左右の長手方向の折り畳み縁部714を伴って、図15に示される第1の中間折り畳み構成にされ得る。図16はまた、重複する第1の腰部領域を伴う中間折り畳み構成にある物品を示す。図17を参照すると、次のステップにおいて、物品は、それ自体の上に、長さ方向におよそ半分に、着用者対向表面を内方にして、横方向の折畳み線713を中心に折り畳まれて、図17に示されるような折り畳み物品構成にされ得るが、これは、複数の吸収性物品の効率的な積み重ね、包装及び出荷のために適した、整頓されたコンパクトな構成である。図18及び図19はまた、異なる副締結周辺部を伴って、それ自体の上に、およそ半分に折り畳まれた物品を示す。
【0074】
折り畳み構成は、いくつかの利点を提供し得る。第1に、シャーシが任意の更なる下流での処理、折り畳み、及び/又は包装を経て移動する際、耳部30に対する制御が提供され、耳部30が任意の設備に絡まり、場合によっては結果的に損害を生じる可能性が低減される。第2に、副締結構成要素210が含められている場合、1つ以上の副締結構成要素210の各部分の上に耳部32(又は腰部領域の他の部分)を折り畳むことは、その使用前に、副締結構成要素を物品の他の部分との不所望な接触及び相互作用から遮蔽及び保護することになる。例えば、副締結構成要素210がフック材料のパッチである場合、締結具の大部分を露出させることは、例えば、おむつ全体が包装のために折り畳まれるとき、締結具のそれらの大部分が、そのような折り畳まれた物品構成において、物品の他の部分に不所望にも絡まり、且つ/又は、不所望にも付着する可能性があるため、望ましくない可能性がある。副締結構成要素の全て又は一部分は、例えば、図16に示されるように、物品の一方の側を他方の上に重複させる(例えば、左側を右側の上に重複させる)ことによって、あるいは一方の側をそれ自体の上にz折り構成で折り畳むことによって被覆され得る。
【0075】
副締結構成要素の最内側の範囲403は、物品折り畳み線700と一致するか、又はその内側に配設され得る。副締結構成要素の周辺部の最内側の範囲403は、折り畳み線700と重複する関係で配設されてもよく、あるいは物品の長手方向折り畳み線700の少なくとも約2mm、又は少なくとも約5mm、又は約0mm~約10mm、又は約2mm~約5mm横方向内側に配設されてもよい。
【0076】
例えば、図14図15に示されるように締結構成要素の周辺部が不均一な長さを備える実施形態では、最大長手方向寸法は、物品折り畳み線700の外側に配設され得、最内側範囲403は、物品折り畳み線の内側に配設され得る。理論に束縛されるものではないが、そのような構成は、副締結構成要素並びに主締結構成要素のために適した締結エリアを維持しながら、図17に示されるように折り畳まれた非係合構成にあるおむつの前部に締結要素が配設されることによる望ましくない影響を最小限にすると考えられる。
【0077】
上記のように、締結周辺部は、締結構成要素エリア(すなわち、二次元エリア)を備える。様々な非限定的な例において、締結構成要素エリアの少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約75%、又は約20%~約100%、又は約25%~約90%、又は約30%~約75%が、物品長手方向折り畳み線の外側に配設され、各範囲についてその中の5%の増分ごとに列挙される。様々な実施形態において、物品折り畳み線の内側と比べて、より多くの締結要素が物品折り畳み線の外側に配設される。例えば、図20に示されるように、締結構成要素は、物品長手方向折り畳み線の横方向内側に配設された締結要素の複数体(以下、内側複数体303)と、物品長手方向折り畳み線700の外側に配設された締結要素の複数体(以下、外側複数体304)と、を備え得る。外側複数体は、内側複数体よりも多くの締結要素を含み得る。
【0078】
図21に戻ると、物品10が係合構成670に位置付けられているとき、締結構成要素が設計の通りに受容構成要素と係合されると、主締結構成要素の周辺部402aは、副締結構成要素210のためのポケット800aを形成し得、且つ/又は、副締結構成要素の周辺部402bは、主締結構成要素110のためのポケット800bを形成し得る。そのような実施形態では、ペアにされる主締結構成要素と副締結構成要素は、長手方向中心線の同じ側に配設される。図22図23に示されるように、ポケットは、残りの締結構成要素の相補的な(すなわち、嵌合する)縁部である1つ以上の縁部を備え得る。例えば、主締結構成要素の周辺部402aの内側部404は、副締結構成要素の周辺部402bの内側部410と相補的であり得る。相補的な側部は、同一又は同等の曲率、角度、形状、及びそれらの組み合わせを含み得る。主ポケット800aを有する実施形態では、主締結構成要素の一部分は、図22に示されるように、係合構成において副締結構成要素全体の長手方向外側に配設され得る(図21の物品の左側を示す)。同様に、副ポケット800bを含む実施形態では、副締結構成要素の一部分は、図23に示されるように、主締結構成要素全体の長手方向外側に配設され得る(図21の物品の右側を示す)。また、主締結構成要素の一部分が副締結構成要素全体の長手方向内側に配設され得るように主ポケットが形成され得、且つ/又は副締結構成要素の一部分が主締結構成要素全体の長手方向内側に配設され得るように副ポケットが形成され得ることも企図される。ポケットのエリアにおいて、主締結構成要素内の締結要素は、係合構成において、副締結周辺部の完全に外側にあり得る。
【0079】
主締結構成要素周辺部402aは、第1の形状408aを備え得、副締結構成要素周辺部402bは、例えば、図21図23に示されるような第2の形状408bを備え得る。第1の形状と第2の形状は異なり得る。主締結構成要素周辺部は、副締結構成要素とは異なる寸法を備え得る。例えば、主締結構成要素は、副締結構成要素の最大長手方向寸法L2よりも大きい最大長手方向寸法L1を含み得るか、あるいはその逆であり得る。主締結構成要素は、副締結構成要素の最大横方向寸法W2よりも大きい最大横方向寸法W1を含み得るか、あるいはその逆であり得る。寸法を変化させることは、互いに補完するように締結構成要素を設計する助けとなり得る。
【0080】
上述のように、副締結構成要素210は、主受容構成要素上に配設され得る。主受容構成要素は、受容構成要素エリア(すなわち、二次元エリア)を備える。副締結構成要素の締結構成要素エリアは、受容構成要素エリアの約20%以下、又は約15%以下、又は約5%以下、又は約2%~約20%、又は約5%~約15%を含み得、当該範囲についてその中の1%の増分ごとに列挙される。このようにして、副締結構成要素の存在にもかかわらず、主締結構成要素に係合するための十分なエリアが残っている。
【0081】
脚部ガスケットシステム
図1に戻ると、吸収性物品10は、シャーシ20に取り付けられた脚ガスケットシステム70を備えていてよく、シャーシは、1つ以上のカフを備え得る。脚部ガスケットシステムは、一対のバリア脚部カフ72を備えてもよい。各バリア脚部カフは、吸収性物品に結合される一片の材料によって形成され得るため、吸収性物品の着用者に面する表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴体と脚部との接合部付近で流体及びその他の身体排泄物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリア脚部カフは、トップシート24及び/又はバックシート26に直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し、封止部を形成することを意図する自由端縁部75とによって、境界が定められる。いくつかの実施形態では、自由端縁部75は折り曲げられた縁部を備える。バリア脚部カフ72は、長手方向中心線90の両側において吸収性物品の前方腰部縁部13と後方腰部縁部19との間に少なくとも部分的に延在し、且つ股部領域内に少なくとも存在する。バリア脚部カフは、接着、溶融接合、又はその他の好適な接合処理の組合せによって行うことができる接合によって、近位縁部で物品のシャーシと接合されてもよい。
【0082】
バリア脚部カフは、トップシート24又はバックシート26と一体であってもよく、あるいは物品のシャーシに接合された別々の材料であってもよい。各バリア脚部カフ72は、より良好な封止を提供するために、自由端縁部75に近接して1つ、2つ又はそれ以上の弾性要素55を備えてもよい。
【0083】
バリア脚部カフ72に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート26に接合され、且つバリア脚部カフ72に対して外側に配置されたガスケットカフ76を備えてもよい。ガスケットカフ76は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。ガスケットカフは、近位縁部及び自由端縁部77を備えてもよい。自由端縁部77は、折り曲げられた縁部を備えてもよい。各ガスケットカフは、脚部開口部の領域におけるトップシート24とバックシート26との間の吸収性物品のシャーシに、1つ以上の弾性要素55を備えてもよい。バリア脚部カフ及び/又はガスケットカフの全部又は一部を、ローション又は別のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0084】
更なる実施形態では、脚部ガスケットシステムは、ガスケットカフと一体化されたバリア脚部カフを備える。吸収性物品の一部であり得る好適な脚部ガスケットシステムは、米国特許出願第62/134,622号、同第14/077,708号、米国特許第8,939,957号、同第3,860,003号、同第7,435,243号、同第8,062,279号に開示されている。
【0085】
組み合わせ
A.吸収性物品であって、
第1の腰部領域、第2の腰部領域、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域と、
バックシート、バックシート、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、
主締結システム及び副締結システムであって、主締結システムは第2の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第1の腰部領域に配設され、主締結構成要素と動作的に係合可能な主受容構成要素と、を含み、副締結システムは第1の腰部領域に配設された副締結構成要素と、第2の腰部領域に配設され、副締結構成要素と動作的に係合可能な副受容構成要素と、を含む、主締結システム及び副締結システムと、
副締結構成要素と少なくとも部分的に重複する関係で第1の腰部領域内に配設されたグラフィックと、を備え、
副締結構成要素は、第1の形状を有する締結構成要素周辺部と、締結構成要素エリアと、を備え、グラフィックは、第2の形状を有するグラフィック周辺部と、グラフィックエリアと、を備え、第1の形状と第2の形状は異なる、吸収性物品。
B.グラフィックは、締結構成要素エリアの少なくとも20%、又は少なくとも50%と重複する、段落Aに記載の吸収性物品。
C.副締結構成要素は視認可能ではない、段落A又はBに記載の吸収性物品。
D.副締結構成要素は主受容構成要素上に配設される、段落A~Cのいずれかに記載の吸収性物品。
E.副締結構成要素は、バックシート及び/又は主受容構成要素から一体的に形成された締結要素を備える、段落A~Dのいずれかに記載の吸収性物品。
F.グラフィックエリアは締結構成要素エリアとは異なる、段落A~Eのいずれかに記載の吸収性物品。
G.グラフィックエリアは締結構成要素エリアよりも大きい、段落Fに記載の吸収性物品。
H.グラフィックの第1の部分は副締結構成要素と重複し、グラフィックの第2の部分は副締結構成要素と重複しない、段落A~Gのいずれかに記載の吸収性物品。
I.第1の部分は、色、色強度、透明度、反射度、飽和度、二次元エリア、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせのうちの1つによって、第2の部分とは異なる、段落Hに記載の吸収性物品。
J.第2の部分は、第1の部分の不透明度よりも少なくとも15%大きい不透明度を備える、段落Iに記載の吸収性物品。
K.吸収性物品であって、
第1の腰部領域、第2の腰部領域、第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配設された股部領域と、
トップシート、バックシート、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアと、
主締結システム及び副締結システムであって、主締結システムは第2の腰部領域に配設された主締結構成要素と、第1の腰部領域に配設され、主締結構成要素と動作的に係合可能な主受容構成要素と、を含み、副締結システムは第1の腰部領域に配設された副締結構成要素と、第2の腰部領域に配設され、副締結構成要素と動作的に係合可能な副受容構成要素と、を含む、主締結システム及び副締結システムと、
副締結構成要素と部分的に重複する関係をなして第1の腰部領域に配設されたグラフィックであって、グラフィックの第1の部分は副締結構成要素と重複し、グラフィックの第2の部分は副締結構成要素と重複しないようになっている、グラフィックと、を備え、
第1の部分は、色、色強度、透明度、反射度、飽和度、二次元エリア、形状、印刷解像度、及びそれらの組み合わせのうちの1つによって、第2の部分とは異なる、吸収性物品。
L.第2の部分は、第1の部分の不透明度よりも少なくとも15%大きい不透明度を備える、段落Kに記載の吸収性物品。
M.第1の部分と第2の部分は色強度において異なる、段落K又はLに記載の吸収性物品。
N.副締結構成要素は締結構成要素エリアを備え、第1の部分は、締結構成要素エリアの少なくとも20%と重複する、段落K~Mのいずれかに記載の吸収性物品。
O.第1の部分は、締結構成要素エリアの少なくとも50%と重複する、段落Nに記載の吸収性物品。
P.副締結構成要素は視認可能ではない、段落K~Oのいずれかに記載の吸収性物品。
Q.副締結構成要素は主受容構成要素上に配設される、段落K~Pのいずれかに記載の吸収性物品。
R.副締結構成要素は、バックシート及び/又は主受容構成要素から一体的に形成された締結要素を備える、段落K~Qのいずれかに記載の吸収性物品。
S.グラフィックはグラフィックエリアを含み、締結構成要素は締結構成要素エリアを含み、グラフィックエリアは締結構成要素エリアとは異なる、段落K~Rのいずれかに記載の吸収性物品。
T.グラフィックエリアは締結構成要素エリアよりも大きい、段落Sに記載の吸収性物品。
U.締結構成要素を形成する方法であって、
第1の部分及び第2の部分を有する着色部分を有する基材を提供するステップと、
締結要素の第1の複数体を提供するステップと、
第2の部分が締結要素の第1の複数体を欠くように、締結構成要素の第1の複数体を第1の部分と重複させるステップであって、第2の部分とは重複させないステップと、を含む方法。
V.締結構成要素の第1の複数体は、一体的に形成された締結要素を含む、段落Uに記載の方法。
W.締結要素の第1の複数体を第1の部分と重複させるステップは、着色部分のうちの第1の部分から締結要素の第1の複数体を一体的に形成することを含む、段落U又はVに記載の方法。
X.締結要素の第1の複数体を第1の部分と重複させるステップは、第2の基材から締結要素の第1の複数体を一体的に形成し、第2の基材を第1の部分と重複させることを含む、段落U~Wのいずれかに記載の方法。
Y.第2の基材は色を備える、段落Xに記載の方法。
Z.第2の部分から締結要素の第2の複数体を一体的に形成するステップを更に含み、第2の複数体は、締結要素の形状、締結要素の数、締結要素の方向性、アレイの配向、締結要素の平均間隔、締結要素が個別のものであるか、一体型であるか、あるいは何らかの組み合わせであるか、締結要素構成材料、一体型の締結要素が形成される層の数及び/又はタイプ、締結要素の平均サイズ、アレイの集合的な形状、表面積、不透明度、色、並びにそれらの組み合わせのうちの1つによって、第1の複数体とは異なり得る、段落U~Yのいずれかに記載の方法。
AA.着色部分を形成するために基材に印刷するステップを更に含む、請求項U~Zのいずれかに記載の方法。
BB.着色部分を提供するために基材に色付けするステップを更に含む、請求項U~AAのいずれかに記載の方法。
【0086】
試験方法
ヒステリシス試験
次の試験方法は、コンピュータと接続された市販の引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)製、SINTECH-MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)製又は同等のもの)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、データの収集、計算、及び報告をする。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試験前の24時間にわたって試料をコンディショニングする。
1.試験用に材料の2.54cm(幅)、7.62cm(長さ)の試料を選択する。場合によっては、2.54cm×7.62cmの試料を得ることができなければ、より小さい試料を使用してもよいが、25mmのゲージ長を依然として使用する必要がある。試料が活性化されるか、又は活性化部分を含む場合、試料の長さを活性化の方向に取る。
2.適切なジョー及びロードセルを選択する。ジョーは、平坦な表面を有するものでなければならず、また試料に適合するように十分に幅広(例えば、少なくとも2.54cm幅)でなければならない。また、ジョーは、試料が試験中に滑らないことを確実にするのに十分な力を提供するものであるべきである。ロードセルは、試験される試料からの引張応答が使用されるロードセル容量の25%~75%になるように選択される。
3.製造者の指示書に従って試験機を較正する。
4.グリップ間の距離を25mmに設定する。
5.試料の長手方向軸がゲージ長方向に実質的に平行になるように、試料をジョーの平坦な表面に置く。最小限のたるみで試料を取り付ける。たるみの予荷重を0.02N/cmに設定する。これは、たるみが0.02N/cmの力で除去されたときに、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算されるが、調整されたゲージ長は0.02N/cmの力における引張試験機のグリップの間の試料の長さである。この調整されたゲージ長を最初の試料長さとするが、それは歪み0%に対応している。試験の任意の時点における歪み率は、長さの変化を調整済みのゲージ長で割って、100%を乗じたものとして定義される。
6(a)第1周期負荷:254mm/分の一定のクロスヘッド速度で50%の歪みまで試料を引っ張る。
6(b)第1周期負荷解除:50%の歪みで試料を30秒間保持し、次いで、254mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(すなわち、0%の歪み)に戻す。試料を1分間緩んだ状態で保持する。
6(c)第2周期負荷からの設定:0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の負荷に達するまで、254mm/分の一定のクロスヘッド速度で試料を引っ張る。拡張ゲージ長(lext)を記録する。次に、254mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(ゼロ歪み)に戻す。設定は、0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の第2周期負荷での歪みとして定義される。以下に示すように、%設定を計算する。
6(d)第2周期負荷解除:次に、254mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(ゼロ歪み)に戻す。
【0087】
パーセント設定は、0.05N/25.4mm(0.020N/cm)の第2周期負荷での歪みパーセントとして定義される。以下に示すように、%設定を計算する。
【0088】
コンピュータデータシステムは、試験中に試料に加えられた力を、適用された歪みの関数として記録する。生成された得られたデータから、以下の量が報告される(負荷は、力を試料の幅で割ったものとして報告され、試料の厚さを考慮したものではないことに留意されたい)。
1.25%歪み及び50%歪み(N/cm)での負荷
2.%硬化(0.001mm単位の、7重量グラム(lext)の第2周期負荷力におけるグリップ間のパーセント歪み)。
iv.0.01%単位の、(lext-lini)/(lmax-lini)×100%と定義される%硬化。
【0089】
6つの別個の試料で試験を繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0090】
不透明度試験方法
コントラスト比による不透明度の測定は、標準CIE L*a*b*測色を行うのに好適な0°/45°分光光度計(例えば、Hunterlab Labscan XE分光光度計(Hunter Associates Laboratory Inc.(Reston VA)又はその等価物)を用いて行う。計器の測定ポートの直径は、対象領域のみが測定ポート内に含まれるように選択すべきである。解析は、約23℃±2℃及び50%±2%の相対湿度で調節された室内で行う。試料を、試験前に2時間、同条件下で調整する。
【0091】
供給メーカーによって提供された標準黒白タイルを使用して供給メーカーの指示に従い機器を較正する。分光光度計を、D65標準照明及び10度オブザーバーを用いて、CIE XYZ色空間を用いるように設定する。低温スプレー及びはさみを使用して、試験対象の物品から慎重に試験片を切り取る。試験片を、外向きの表面を分光光度計の測定ポート及びポート内の対象領域に向けて、計器に対して平らに配置する。引き裂き、穴、又は開口が測定ポート内に存在しないことを確認する。測定ポートを完全に被覆するように、白色標準タイルを試験片の反対側の表面上に配置する。XYZの読み取り値を取り、0.01単位で記録する。試験片を移動させずに、白色プレートを取り外し、黒色標準プレートと交換する。XYZの第2の読み取り値を取り、0.01単位で記録する。合計で10個の複製試験片に対して、対応する部位でこの手順を繰り返す。
【0092】
不透明度は、裏地として黒色タイルを用いて測定したY値を、裏地として白色タイルを用いて測定したY値で割ったものを割ることによって算出する。不透明度値を0.001単位で記録する。10個の複製について不透明度を算出し、平均不透明度を0.001単位で報告する。
【0093】
第1の試料の不透明度と第2の試料の不透明度との間の差を、以下の式を使用して計算する。
【0094】
【数1】

試料2は、2つの平均不透明度のうちの低い方を有する試料である。
【0095】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0096】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0097】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
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【国際調査報告】