(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】がんを処置する個別化された方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/198 20060101AFI20230629BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230629BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230629BHJP
A61K 31/4172 20060101ALI20230629BHJP
A61K 31/405 20060101ALI20230629BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230629BHJP
A61K 31/132 20060101ALI20230629BHJP
A23L 33/20 20160101ALI20230629BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K45/00 101
A61P35/00
A61K31/4172
A61K31/405
A61P43/00 121
A61K31/132
A23L33/20 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575209
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 US2021035780
(87)【国際公開番号】W WO2021247923
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522472855
【氏名又は名称】フェス・セラピューティクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】マドックス,オリバー・ディー・ケイ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD94
4B018ME08
4B018MF14
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
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4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA01
4C206FA53
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZB26
4C206ZC75
(57)【要約】
がんを処置することにおける使用のための、実質的に少なくともシステインまたはその塩を欠く食事組成物が本明細書に開示される。本開示の食事組成物および方法は、単独でまたはがん療法と組み合わせて、MTAP-欠乏であるがんを処置するために使用することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんを処置することを必要とする対象において、それを処置するための方法であって、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、
食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品が、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)含み、
対象が、がんのためのがん療法を受けており、
食事療法製品を対象に投与することが、がん療法を受けているが食事療法製品を受けていない同等の対象におけるがん療法の有効性と比較して、少なくとも約10%は対象におけるがん療法の有効性を高める、方法。
【請求項2】
がんが、乳がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がんが、結腸直腸がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
がんが、膵がんである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
がんが、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
がんが、アップレギュレートされたアデノシルメチオニン脱炭酸酵素1(AMD1)発現を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
投与が、経口である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
食事療法製品が、システインまたはシスチン、セリン、およびグリシンを欠く、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
食事療法製品が、約7.5%(w/w)超のメチオニンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
がん療法が、放射線療法である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
がん療法が、化学療法である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
がん療法が、抗がん剤の治療有効量の対象への投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ポリアミン、その前駆物質、もしくは類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、
食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、
がんが、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有し、
食事療法製品の対象への投与が、食事療法製品を投与されていない同等の対象におけるがん細胞増殖の減少と比較して、がん細胞増殖を少なくとも約20%は低下させる、方法。
【請求項22】
がんが、乳がんである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
がんが、結腸直腸がんである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
がんが、膵がんである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
投与が、経口である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
食事療法製品の治療有効量が、約0.8g/kg/日である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
食事療法製品が、セリンおよびグリシンをさらに欠く、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
食事療法製品が、約7.5%(w/w)超のメチオニンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
がん療法を施すステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
がん療法が、放射線療法である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
がん療法が、化学療法である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
抗がん剤の治療有効量を投与するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインまたはその塩を提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を投与するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年6月4日出願の米国仮第63/034,679号の優先権の利益を主張し、これを、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
配列表
[0002]本出願は、ASCIIフォーマットでコンピュータを用いて提出されている配列表を含み、その全体を、参照により本明細書に組み込む。2021年6月3日に創出された前記ASCIIコピーは、57630-705.601_SL.txtと名前を付けられ、サイズが980バイトである。
【背景技術】
【0003】
[0003]がん細胞は、がん細胞の成長および増殖の速度の強化を補助する代謝性順応を獲得する。特に、がん細胞は、非必須アミノ酸の需要が高く、非必須アミノ酸は、細胞生存および増殖を補助するタンパク同化および抗酸化経路のための前駆物質である。アミノ酸を中止することによって、がん細胞増殖を妨害し、細胞死をもたらすことができる。
【0004】
参照による援用
[0004]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に示されるように、参照により援用されるのと同じ程度まで参照により援用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置するための方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品が、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)を含み、対象が、がんのためのがん療法を受けており、食事療法製品を対象に投与することが、がん療法を受けているが、食事療法製品を受けていない同等の対象におけるがん療法の有効性と比較して、対象におけるがん療法の有効性を少なくとも約10%は高める、方法が本明細書に開示される。
【0006】
[0006]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、がんが、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有しており、食事療法製品の対象への投与が、食事療法製品を投与されていない同等の対象におけるがん細胞増殖の減少と比較して、がん細胞増殖を少なくとも約20%は減少させる、方法が本明細書に開示される。
【0007】
[0007]一部の実施形態では、ある状態の処置を必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法が、a)対象から生体試料中の代謝物のレベルを決定するステップと;b)治療有効量の食事療法製品を、代謝物のレベルに少なくとも基づいて対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、グリシン、セリン、アラニン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、チロシン、およびアルギニンからなる群から選択される少なくとも1種の非必須アミノ酸を最大約0.5%(w/w)含む、方法が本明細書に開示される。
【0008】
[0008]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品の治療有効量が、a)グルコースを欠く食事療法製品の治療有効量;b)セリンおよびグリシンを欠く食事療法製品の治療有効量;ならびにc)リシンを欠く食事療法製品の治療有効量のうちの少なくとも1つと比較して、がんの処置の場合に低い、方法が本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]システイン飢餓(-システイン、右パネル)の細胞増殖に対する効果を、十分に供給された状態(対照、左パネル)と比較して示す図である。
【
図2】[0010]MDA-MB-231細胞における主な栄養素の飢餓している細胞の効果を示す図である。
【
図3】[0011]システイン飢餓のシステイン、シスチン、γ-GCおよびGSHレベルに対する効果を示す図である。
【
図4】[0012]システイン飢餓および外因性GSHの、HCT116、SW480、MDA-MB-213およびMIAPaCa-2細胞における細胞死に対する効果を示す図である。
【
図5】[0013]de novoシステイン合成での、システイン飢餓に対する応答とTsP酵素の発現との間の関係を例証する図である。
【
図6】[0014]S-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(AHCY);シスタチオニン(cystathione)β-シンターゼ(CBS);シスタチオニンγ-リアーゼ(CSE)の酵素発現を比較する散乱プロット、またはCBS+CSE対システイン飢餓後の細胞数を示す図である。
【
図7】[0015]パネルAは、0.2mMホモシステイン(HC)または0.2mMシスタチオニン(CTH)の添加により、SW480およびMDA-MB-231細胞系における生存および増殖のかなりの回復が引き起こされることを示す図である。パネルBは、0.8mMホモシステイン(HC)の補充により、細胞増殖が復元するが、0.8mMメチオニンの補充では回復が生じないことを示す図である。
【
図8】[0016]HCT116およびSW480細胞においてメチオニンがトランススルフレーション経路に入り、標識がホモシステイン、シスタチオニンおよびホモセリンで検出されることを示す図である。MDA-MB-231細胞では、きわめて少量の標識しかホモシステイン、シスタチオニン、およびホモセリンで検出されない。
【
図9】[0017]パネルAは、細胞外MTAレベルが、飢餓への感受性に強く相関していたことを示す図である。パネルBは、MTAPタンパク質発現が、システイン飢餓応答に相関していたことを示す図である。
【
図10】[0018]横列Aは、耐性細胞系HCT116、SW480、および MDA-MB-468が、ポリアミンの存在下で高度に増感したことを示す図である。横列Bは、より感受性の細胞(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)における、より多いスペルミジンおよびスペルミンと同時に生じるより少ないプトレシンでの、一貫した傾向を示す図である。
【
図11】[0019]パネルAは、システイン飢餓中のTsPに対する、ポリアミン経路の活性を評価する、ホモシステイン、シスタチオニン、スペルミジンまたはスペルミンが補充されたMDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞のLC-MS分析を示す図である。パネルBは、AMD1阻害剤(サルドモジド)での細胞の処置により、システイン飢餓に応答する細胞死が防止されたことを示す図である。
【
図12】[0020]システイン飢餓の、また、
13C
5
15N
1-メチオニンまたは
34S
1-メチオニンで増殖させたMDA-MB-2321、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞のLC-MS分析を示す図である。
【
図13】[0021]活性酸素種(ROS)過酸化水素(H
2O
2)を生成するポリアミン代謝の反応を例証する図である。
【
図14】[0022]SMOX阻害剤を用いてMDA-MB-231、PANC-1、MIAPaCa-2、HCT116、SW480およびMDA-MB-468細胞の処置の効果を示して、これらのROS-生成反応の、システイン飢餓への細胞の応答に対する影響を評価する図である。
【
図15】[0023]横列Aは、平均CellROX染色強度での、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞に対する、システイン飢餓および/またはSMOX阻害剤での処置の効果を示す図である。横列Bは、システイン飢餓、SMOXおよびPAOX阻害剤、スペルミジンまたはスペルミンでの処置の、HCT116、SW480およびMDA-MB-468細胞に対する効果を示す図である。横列Cは、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞での、平均CellROX染色強度に対するシステイン飢餓および/またはAMD1阻害の効果を示す図である。
【
図16】[0024]横列Aは、システイン飢餓、ならびに組み合わせたメチオニンおよびシステイン飢餓の、HCT116、SW480、MDA-MB-468、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞の細胞生存に対する効果を示す図である。横列Bは、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞生存における、外因性メチオニンを有する、または有さないシステイン飢餓の効果を示す図である。
【
図17】[0025]メチオニンの中止のシステイン代謝に対する影響を検査する、システイン飢餓-感受性細胞系のLC-MS分析を示す図である。
【
図18】[0026]パネルAは、MTAP-欠失に対するシステイン飢餓の効果およびフェロスタチンを用いた回復を示す図である。パネルBは、AMD1阻害剤を用いた細胞の処置により、システイン飢餓に応答して細胞生存が復元したことを示す図である。パネルCは、NTC-およびMTAP-欠失細胞の、システインの制限への応答は、in vivoで著しく異なることを示す図である。
【
図19】[0027]パネルAは、AMD1発現におけるMTAP喪失の効果を実証するウエスタンブロットを示す図である。パネルBは、ポリアミン経路活性の増大を示すメチオニン-依存性dc-SAM標識の劇的な増加につながるAMD1アップレギュレートのLC-MS分析を示す図である。パネルCは、MTAP-欠失HCT116細胞が、MTAP-発現細胞に対する、システイン飢餓に応答する細胞ROSレベル増加の増大を示したことを示す。パネルDは、MTAP-欠失細胞が、ポリアミンスペルミジンにおいて実質的により高いメチオニン依存性標識を有していたこと、およびTsP中間体の標識において一貫した差はなかったことを示すLC-MS分析を示す図である。
【
図20】[0028]横列Aは、システイン飢餓中に、SMOX阻害剤、PAOX阻害剤およびMTOB補充でのポリアミン代謝の阻害は、MTAP発現細胞にほとんど影響を及ぼさなかったが、MTAP-欠失細胞の細胞生存を回復したことを示す図である。横列Bは、メチオニンの存在が、システイン飢餓中にMTAP発現細胞に有利であり、メチオニンのレベルが一層低いと、MTAP欠失細胞の生存能力を阻害することを示す図である。
【
図21】[0029]がん細胞のシステイン飢餓に対する敏感性に影響を与えるプロセスを例証する図である。
【
図22】[0030]パネルAは、所定の栄養素が欠落した完全培地または適合培地中で24時間増殖させた細胞系を示す図である。MDA-MB-231データは、他の細胞系との比較のために
図2から複写される。パネルBは、24時間および72時間で、システインを有する(Ctr)、またはシステインを有さない(-Cys)およびフェロスタチン(+F)1μMで増殖させた細胞系を示す。
【
図23】[0031]すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、または5mMグルタチオンを有しシステインが欠落している(-Cys+GSH)、もしくはグルタチオンを有さずシステインが欠落している(-Cys)適合培地で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す図である。
【
図24】[0032]パネルAは、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、または0.8mMホモシステインを有するシステインが欠落している(-Cys+HC)、もしくはホモシステインを有さない適合培地(-Cys)中で24時間増殖させた結腸直腸がん細胞(HCT116およびSW480)および乳がん細胞(MDA-MB-231およびMDA-MB-468)を示す。パネルBは、24時間で、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(+)またはシステインが欠落している(-)適合培地中で増殖させた細胞を示す。
【
図25】[0033]パネルAは、ビヒクル(Veh)が補充された、0.2mMホモシステイン(HC)が補充された、または0.2mMシスタチオニン(CTH)が補充された、システインが欠落している(-Cys)培地中で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す図である。パネルBは、ビヒクル(Veh)が補充された、または0.2mMもしくは0.8mMホモシステイン(HC)が補充された、システインが欠落している培地中で8時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す図である。
【
図26】[0034]パネルAは、システインを有して(+)または有さずに(-)24時間増殖させた細胞の、MTAP欠失に対する影響を示す図である。パネルBは、システインを有して(+)または有さずに(-)24時間増殖させた細胞を示す図である。細胞溶解物は、ウエスタンブロットによりAMD1およびOCD1酵素発現について精査され、LiCorスキャナーで定量された。
【
図27】[0035]細胞系11種のシステイン飢餓への感受性に対する、ある範囲の生物学的パラメーターについての相関係数(R
2)を示す図である。
【
図28】[0036]完全培地(0.4mM、セリンに代わる
13C
3
15N
1-セリンを有する)中で48時間増殖させた細胞を示す図である。
【
図29】[0037]パネルAは、
図28に示されるピーク面積データを使用して、GSHレベルを合計GSHプールの%合計として示す図である。パネル上段では、すべてのアイソトポログが示される。パネル下段では、システインに由来するアイソトポログ(m+4およびm+7)のみが示される。パネルBは、(Veh)を有さない、または0.5mMもしくは1mMのCSE阻害剤ベータ-シアノ-L-アラニンを有する完全(Ctr)、または、システインが欠落している(-Cys)培地中で48時間増殖させた細胞を示す図である。
【
図30】[0038]増加量のMTAを有するすべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で20時間および72時間増殖させた細胞を示す図である。
【
図31】[0039]パネルAは、ビヒクルまたは500μM MTAを有する完全培地中で24時間増殖させた細胞を示す図である。代謝産物が抽出され、LC-MSにより分析された。パネルBの上列は、20μMプトレシン(+プトレシン)、20μMスペルミジン(+スペルミジン)、もしくは20μMスペルミン(+スペルミン)を含有する、または作用剤を有さない(+ビヒクル)完全培地中で増殖させた細胞を示す。パネルBの下列は、20μMプトレシン(+プトレシン)、20μMスペルミジン(+スペルミジン)、もしくは20μMスペルミン(+スペルミン)を含有する、または作用剤を有さない(+ビヒクル)、システインを有さない培地中で増殖させた細胞を示す。
【
図32】[0040]パネルAは、0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地中で16時間増殖させた、次いで、0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で32時間増殖させた細胞を示す。パネルBは、メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地中で5時間増殖させた細胞を示す。
【
図33】[0041]パネルAは、完全培地(メチオニンに代わる0.2mM
23S
1-メチオニンを有する)中で24時間増殖させ、次いで、20μMのAMD1阻害剤サルドモジドで2時間、4時間および8時間処置したMDA-MB-231細胞を示す図である。パネルBは、20μMのAMD1阻害剤サルドモジドを有する、または有さない、完全培地(メチオニンに代わる0.2mM
34S
1-メチオニンを有する)中で16時間増殖させたMDA-MB-231細胞(左)およびMIAPaCa-2細胞(右)を示す図である。
【
図34】[0042]10μM、40μM、または80μMのPAOX阻害剤を有さない、または有する完全培地中で16時間増殖させた、次いで完全培地(Ctr)、または10μM、40μM、もしくは80μMのPAOX阻害剤を有さない、もしくは有するシステインが欠落している適合培地中で24時間増殖させた細胞を示す図である。
【
図35】[0043]パネルAは、50μMのSMOX阻害剤MDL72527を有する(+SMOXi)、またはSMOX阻害剤を有さない(+ビヒクル)完全培地中で増殖させ、次いで完全培地(Ctr)、または50μMのSMOX阻害剤を有する、または有さない、システインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す図である。ROSは、CellROX deep redで処置された生細胞において、Operetta自動顕微鏡によりリアルタイムで検出された。ROS染色強度は、16時間時点について示される。パネルBは、正常酸素状態(Nor)または低酸素状態(Hyp);1%酸素下で完全培地、システインが欠落している培地中で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す図である。パネルCは、完全培地(Ctr)、または20μMのAMD1阻害剤を有する、もしくはAMD1阻害剤を有さないシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す。
【
図36】[0044]横列Aは、システインを有さず、増加濃度(1から1mM)のメチオニンを含有する培地中で20時間増殖させたシステイン飢餓に高度に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す図である。横列Bは、システインを有さず、増加濃度(0から10μM)のメチオニンを含有する培地中で17時間増殖させたシステイン飢餓に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す図である。横列Cは、システインを有さず、増加濃度のメチオニン(0から10μM)を含有する培地中で41時間増殖させたシステイン飢餓に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す。
【
図37】[0045]所定の濃度で、メチオニン(Met)を有する、または有さない、完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す図である。
【
図38】[0046]様々なレベルの
13C
5
15N
1-メチオニンが補充された、メチオニンが欠落している培地中で5時間増殖させたPANC-1細胞を示す図である。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析される。
【
図39】[0047]パネルAは、
図17および
図38に示される実験からの、LC-MSデータを使用して評価されたアミノ酸のレベルを示す図である。パネルBは、DMEMまたはRPMI中で2週間培養したMIAPaCa-2細胞を示す図である。
【
図40】[0048]パネルAは、メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する)完全培地中で30時間増殖させたMTAP陽性(親/Par、NTC)および陰性(M1、M2)HCT116細胞を示す図であり、代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析される。パネルBは、MTAP-陽性(NTC)およびMTAP-枯渇(M2)HCT116細胞が注入されたCD-1ヌードマウスから得られるデータを示す図である。パネルCは、MTAレベルについてLC-MS分析を施した異種移植片腫瘍および血清から抽出された代謝産物を示す図である。
【
図41】[0049]パネルAは、空ベクター(クローンM2.EV1およびM2.EV2)またはMTAP発現ではプラスミド(クローンM2.MX1およびM2.MX2)で安定的にトランスフェクトされたCRISPR/Cas9(M2)によりMTAPが欠失したHCT116細胞を示す図である。パネルBは、xCT阻害剤および10μMフェロトーシス誘発物質エラスチンを有する、または有さない、完全培地中で18時間増殖させたHCT116クローンを示す図である。パネルCは、完全培地中で30時間増殖させた(メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する)MTAP-発現(NTCおよびM2.MX2)およびMTAP-欠失(M2およびM2.EV1)HCT116細胞を示す図である。
【
図42】[0050]パネルAは、24ウェルプレートにおける完全培地中である範囲の細胞密度で播種したMTAP-発現(NTCおよびM2.MX2)およびMTAP-欠失(M2)HCT116細胞を示す図である。パネルBは、完全培地中で24時間増殖させた膠芽腫(GBM)細胞系を示す図である。細胞溶解物は、ウエスタンブロットによりMTAP、AMD1およびアクチン発現について精査され、LiCorスキャナーで定量された。
【
図43】[0051]パネルAは、完全培地(Ctr)またはシステインが欠落している(-Cys)培地中で48時間増殖させたGBM細胞系を示す図である。パネルBは、対照(Ctr)またはシステインが欠落している(-Cys)培地中で48時間または72時間増殖させた乳がん細胞系MDA-MB-231(高度に感受性)およびMDA-MB-468(耐性)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0052]がん細胞は、がん細胞の成長および増殖の速度の強化を補助する代謝性順応を獲得する。代謝性順応は、より高いタンパク同化のアウトプットを補助し、抗酸化防御を支えるために、代謝を調整するのに役立つ一方、代謝性順応は、代謝柔軟性を低下させ、de novo合成に対する栄養の取込みに対する依存の増加をも課し得る。がん細胞は、非必須アミノ酸(NEAA)の需要が高く、NEAAは、細胞生存および増殖を補助するタンパク同化および抗酸化経路のための前駆物質である。
【0011】
[0053]ホモ二量体シスチンとして存在することができる、システインは、がん細胞の成長および増殖を補助する必須の外因性の栄養素として必要とされるNEAAである。がん細胞は、システインを消費し、システインの欠乏によって、細胞死を誘導することができる。いくつかの状況においてシステインを中止することによって、がん細胞増殖を単に妨害するのでなく、フェロトーシスと名付けられた脂質過酸化が関与している細胞死の異なる鉄-依存の形態を誘発することができる。がん遺伝子発現によって、システインの制限に対する感度を促進することができ、システインの酵素の枯渇によって、マウスのがんモデルにおいて腫瘍成長を制限することができる。腫瘍においてアップレギュレートされる、xCT輸送体を介したシスチンの取込みの阻害によって、フェロトーシスを誘導することもできる。
【0012】
[0054]システイン、グリシン、およびグルタメートが、主な細胞抗酸化グルタチオン(GSH)を合成するために使用されるため、システイン、グリシン、およびグルタメートは、がん細胞の代謝において重要である。がん細胞中で、制御されない増殖を補助する、アップレギュレートされる代謝過程は、活性酸素種(ROS)のレベルの上昇をもたらし、細胞抗酸化経路への需要を高める。GSH合成および代謝回転の適切なレベルは、がん細胞の生存および増殖を補助することにおいて重要である。NRF2経路の活性化は、がんにおいて一般に見られ、シスチンの取込みの増加および細胞システインの上昇への代謝性順応を含めた、抗酸化応答を促進する。シスチンの取込みの上昇の重要な推論は、グルタミノリシスへの依存性の増加である。さらに、システインは、タンパク質およびタンパク質補因子、例えば、鉄-硫黄クラスターの合成のためにやはり必須であり、これらは、がん細胞におけるROS-センシングにとって重要である。
【0013】
[0055]がん細胞は、逆含硫基移動(reverse transsulfuration)としても知られる、含硫基移動経路(TsP)を介して、de novoシステイン合成のための酵素の発現を損ない得る。いくつかのがん細胞は、TsP酵素をアップレギュレートして、システインの制限中の生存を改善することができる。TsPの究極の上流前駆物質は、必須アミノ酸メチオニンである。S-アデノシルメチオニン(SAM)およびS-アデノシルホモシステイン(SAH)への変換を介するメチオニンは、ホモシステインをTsPに供給する。
【0014】
[0056]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置するための方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品が、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)含み、がん療法を受けており、食事療法製品を対象に投与することが、がん療法を受けているが、食事療法製品を受けていない同等の対象におけるがん療法の有効性と比較して、対象におけるがん療法の有効性を少なくとも約10%は高める、方法が本明細書に開示される。
【0015】
[0057]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、がんが、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有しており、食事療法製品の対象への投与が、食事療法製品を投与されていない対象におけるがん細胞増殖の減少と比較して、がん細胞増殖を少なくとも約20%は低下させる、方法が本明細書に開示される。
【0016】
[0058]一部の実施形態では、食事療法製品を必要とする対象においてある状態を処置する方法であって、方法が、a)対象から生体試料中の代謝物のレベルを決定するステップと;b)治療有効量の食事療法製品を、代謝物のレベルに少なくとも基づいて対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、グリシン、セリン、アラニン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、チロシン、およびアルギニンからなる群から選択される少なくとも1種の非必須アミノ酸を最大約0.5%(w/w)含む、方法が本明細書に開示される。
【0017】
[0059]一部の実施形態では、がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法が、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品の治療有効量が、a)グルコースを欠く食事療法製品の治療有効量;b)セリンおよびグリシンを欠く食事療法製品の治療有効量;ならびにc)リシンを欠く食事療法製品の治療有効量のうちの少なくとも1つと比較して、がんの処置の場合に低い、方法が本明細書に開示される。
【0018】
[0060]一部の実施形態では、食事療法製品を必要とする対象を同定する方法であって、方法が、a)対象から得られた生体試料中のメチルチオアデノシン(MTA)のレベルを決定するステップと;b)生体試料中のMTAのレベルが参照レベルを上回る場合、食事療法製品を必要としている対象を同定するステップと;c)食事療法製品を対象に投与するステップとを含み、食事療法製品が、最大約0.5%のシステインまたはシスチンを含む、方法が本明細書に開示される。
【0019】
アミノ酸組成物
[0061]アミノ酸組成物を使用して、ある状態を処置する方法が、が本明細書に開示される。一部の実施形態では、本組成物は、食事療法製品として使用される。本開示の組成物は、少なくとも10種のアミノ酸または任意のそのアミノ酸の塩を含むことができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のアミノ酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は10個のアミノ酸またはその塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は14個のアミノ酸またはその塩を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、18種のアミノ酸またはその塩を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、19種のアミノ酸またはその塩を含む。本明細書において開示されるアミノ酸の塩は、薬学的に許容される塩であり得る。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は実質的に、少なくともシステインを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は実質的に、少なくともシスチンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は実質的に、少なくともシステイン、シスチン(cytstine)、およびセリンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は実質的に、少なくともシステイン、シスチン、セリン、およびグリシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は実質的に、少なくともシステイン、シスチン、セリン、グリシン、およびプロリンを欠く。
【0020】
[0062]いくつかの実施形態において、本開示の組成物は1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は7、8、または9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は8個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともヒスチジンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともイソロイシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともロイシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともリシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともメチオニンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともフェニルアラニンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともスレオニンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともトリプトファンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともバリンを欠く。本明細書において開示される任意の組成物は、システイン、L-システイン、シスチン、またはL-シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、システインの代わりに、シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、L-システインの代わりに、L-シスチンを使用することができる。
【0021】
[0063]いくつかの実施形態において、本開示の組成物は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は7、8、9、10、または11個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は7個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は8個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は9個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン、またはシステインを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともグルタミン酸、グルタミン、グリシン、またはプロリンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともセリンまたはチロシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシステインを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシスチンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシステインおよびセリンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシスチンおよびセリンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシステイン、セリン、およびグリシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシスチン、セリン、およびグリシンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシステイン、セリン、グリシン、およびプロリンを欠く。一部の実施形態では、本明細書において開示される組成物は、少なくともシスチン、セリン、グリシン、およびプロリンを欠く。
【0022】
[0064]本開示の組成物は必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含むことができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は7、8、または9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および6、7、8、または9個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は8または9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および8または9個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および7個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および8個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は9個の必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩および9個の非必須アミノ酸またはそのいずれかのアミノ酸の塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。
【0023】
[0065]いくつかの実施形態において、本開示の組成物はヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、グルタミン、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸またはプロリンを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はL-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リシン、L-メチオニン、L-システイン、L-フェニルアラニン、L-チロシン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-バリン、L-アルギニン、L-グルタミン、L-アラニン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン、L-グルタミン酸、またはL-プロリンを含む。本明細書において開示される任意のアミノ酸は、その水和物またはその塩であり得る。
【0024】
[0066]いくつかの実施形態において、組成物はヒスチジンまたはその塩、例えばL-ヒスチジンまたはL-ヒスチジン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はイソロイシンまたはその塩、例えばL-イソロイシン、L-イソロイシンメチルエステル塩酸塩、またはL-イソロイシンエチルエステル塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はロイシンまたはその塩、例えばL-ロイシン、L-ロイシンメチルエステル塩酸塩、またはL-ロイシンエチルエステル塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はリシンまたはその塩、例えばL-リシン、L-リシン塩酸塩、またはL-リシン二塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はメチオニンまたはその塩、例えばL-メチオニン、L-メチオニンメチルエステル塩酸塩、またはL-メチオニン塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。本明細書において開示される任意のアミノ酸は、その水和物またはその塩であり得る。
【0025】
[0067]いくつかの実施形態において、本開示の組成物はシステインまたはその塩、例えばL-システイン、L-システイン塩酸塩、L-システインメチルエステル塩酸塩、またはL-システインエチルエステル塩酸塩を含む。本明細書において開示される任意の組成物は、システイン、L-システイン、シスチン、またはL-シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、システインの代わりに、シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、L-システインの代わりに、L-シスチンを使用することができる。いくつかの実施形態において、組成物はシスチンまたはその塩、例えばL-シスチンを開示する。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はフェニルアラニンまたはその塩、例えばL-フェニルアラニン、DL-フェニルアラニン、またはL-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はチロシンまたはその塩、例えばL-チロシンまたはL-チロシン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はトレオニンまたはその塩、例えばL-トレオニンまたはL-トレオニンメチルエステル塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はL-トリプトファンを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はバリンまたはその塩、例えばL-バリン、L-バリンメチルエステル塩酸塩、またはL-バリンエチルエステル塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。本明細書において開示される任意のアミノ酸は、その水和物またはその塩であり得る。
【0026】
[0068]いくつかの実施形態において、本開示の組成物はアルギニンまたはその塩、例えばL-アルギニンまたはL-アルギニン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はグルタミンまたはその塩、例えばL-グルタミンまたはL-グルタミン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はアラニンまたはその塩、例えばL-アラニンまたはβ-アラニンを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はアスパラギン酸またはその塩、例えばL-アスパラギン酸、D-アスパラギン酸、L-もしくはD-アスパラギン酸カリウム塩、L-もしくはD-アスパラギン酸塩酸塩;L-もしくはD-アスパラギン酸マグネシウム塩、またはL-もしくはD-アスパラギン酸カルシウム塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はL-アスパラギンを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はグルタミン酸またはその塩、例えばL-グルタミン酸またはL-グルタミン酸塩酸塩を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はプロリンまたはその塩、例えばL-プロリン、L-プロリン塩酸塩、L-プロリンメチルエステル塩酸塩、またはL-プロリンエチルエステル塩酸塩を含む。本明細書に開示されるアミノ酸の塩は薬学的に許容される塩であることができる。
【0027】
[0069]本開示の組成物は実質的に、少なくともシステインを欠き得る。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約2%、最大約1.8%、最大約1.6%、最大約1.4%、最大約1.2%、最大約1.0%、最大約0.8%、最大約0.7%、最大約0.6%、最大約0.5%、最大約0.4%、最大約0.3%、最大約0.2%、または最大約0.1%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.4%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.3%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.2%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.1%のシステインまたはその塩を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、いかなるシステインまたはその塩をも含まない。
【0028】
[0070]一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約2%、最大約1.8%、最大約1.6%、最大約1.4%、最大約1.2%、最大約1.0%、最大約0.8%、最大約0.7%、最大約0.6%、最大約0.5%、最大約0.4%、最大約0.3%、最大約0.2%、または最大約0.1%のグリシンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%(w/w)のグリシンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、グリシンを欠く。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約2%、最大約1.8%、最大約1.6%、最大約1.4%、最大約1.2%、最大約1.0%、最大約0.8%、最大約0.7%、最大約0.6%、最大約0.5%、最大約0.4%、最大約0.3%、最大約0.2%、または最大約0.1%のセリンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%(w/w)のセリンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、セリンを欠く。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約2%、最大約1.8%、最大約1.6%、最大約1.4%、最大約1.2%、最大約1.0%、最大約0.8%、最大約0.7%、最大約0.6%、最大約0.5%、最大約0.4%、最大約0.3%、最大約0.2%、または最大約0.1%のプロリンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%(w/w)のプロリンまたはその塩をさらに含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、プロリンを欠く。
【0029】
[0071]一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステインおよび最大約0.5%のグリシンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインおよびグリシンを欠く。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステインおよび最大約0.5%のセリンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインおよびセリンを欠く。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%のグリシン、および最大約0.5%(w/w)のセリンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システイン、セリン、およびグリシンを欠く。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%のグリシン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および最大約0.5%(w/w)のプロリンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システイン、セリン、グリシン、およびプロリンを欠く。本明細書において開示される任意の組成物は、システイン、L-システイン、シスチン、またはL-シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、システインの代わりに、シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、L-システインの代わりに、L-シスチンを使用することができる。
【0030】
[0072]本開示の組成物は、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸の量を増加させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、メチオニンの量を増加させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約5%、少なくとも約5.5%、少なくとも約6.0%、少なくとも約6.5%、少なくとも約7.0%、少なくとも約7.5%、少なくとも約8.0%、少なくとも約8.5%、少なくとも約9.0%、少なくとも約9.5%、または少なくとも約10.0%のメチオニンを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも約7.5%のメチオニンを含むことができる。
【0031】
[0073]一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステインならびにメチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステインおよび少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインを欠き、少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインおよびセリンを欠き、少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%(w/w)のグリシン、および少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインおよびグリシンを欠き、少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%(w/w)のグリシン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システイン、グリシン、およびセリンを欠き;少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約0.5%のシステイン、最大約0.5%(w/w)のグリシン、最大約0.5%(w/w)のセリン、最大約0.5%(w/w)のプロリンを、および少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンを有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システイン、グリシン、セリン、およびプロリンを欠き;少なくとも約7.5%(w/w)のメチオニンまたはそれらの塩を含む。本明細書において開示される任意の組成物は、システイン、L-システイン、シスチン、またはL-シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、システインの代わりに、シスチンを使用することができる。本明細書において開示される任意の組成物は、L-システインの代わりに、L-シスチンを使用することができる。
【0032】
医薬組成物
[0074]本開示の医薬組成物は、例えば、別の医薬品による、例えば、対象の処置前、処置中または処置後に使用することができる。
【0033】
[0075]対象は、例えば、高齢者、成人、思春期、思春期前、小児、幼児、乳児、新生児、および非ヒト動物であり得る。一部の実施形態では、対象は、患者である。
[0076]本開示の医薬組成物は、他の化学成分、例えば、担体、安定剤、希釈剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤との、本明細書中に記載される任意の組成物または食事療法製品の組合せであり得る。医薬組成物は、食事療法製品の生物への投与を容易にする。医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、経口、非経口、眼部、皮下、経皮、経鼻、腟内、および局所投与を含めた、様々な形態および経路により、医薬組成物として治療有効量で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物または食事療法製品は、経口投与される。
【0034】
[0077]医薬組成物は、局所方式で、例えば、臓器への食事療法製品の直接の注射は、必要に応じて、デポーまたは徐放製剤または留置用剤の形態で投与することができる。医薬組成物は、急速放出製剤の形態で、延長放出製剤の形態で、または中間型放出(intermediate release)製剤の形態で、提供することができる。急速放出形態は、即時放出を提供することができる。延長放出製剤は、制御放出または持続遅延放出を提供することができる。
【0035】
[0078]経口投与の場合、医薬組成物は、本開示の活性組成物または食事療法製品を、薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせることによって、製剤化することができる。かかる担体は、対象による経口摂取用に、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリ、または懸濁液を製剤化するために使用することができる。経口溶解可能製剤中で用いられる溶媒の限定されない例は、水、エタノール、イソプロパノール、食塩水、生理食塩水、DMSO、ジメチルホルムアミド、リン酸カリウム緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、リン酸ナトリウム緩衝液、4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、ピペラジン-N,N’-bis(2-エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、および生理食塩水クエン酸ナトリウム(saline sodium citrate)緩衝液(SSC)を含むことができる。経口溶解可能製剤中で用いられる共溶媒の限定されない例は、スクロース、尿素、cremaphor、DMSO、およびリン酸カリウム緩衝液を含むことができる。
【0036】
[0079]医薬組成物は、静脈内投与用に製剤化することができる。医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の無菌の懸濁液、溶液またはエマルションとして、非経口注射に適した形態であり得、配合剤(formulatory agent)、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などを含有することができる。非経口投与用の医薬組成物には、水溶性の形態で活性食事療法製品の水溶液を含む。活性食事療法製品の懸濁液は、油性注射懸濁液として調製することができる。適当な親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油、例えば、ゴマ油など、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド、またはリポソームを含む。懸濁液は、適当な安定剤または食事療法製品の溶解性を高めて、高濃度溶液の調製を可能にする薬剤を含有することもできる。あるいは、有効成分は、使用前の、適当なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質なしの水を用いた構成用の、粉末の形態であり得る。
【0037】
[0080]本明細書中で示される処置または使用の方法を実行することにおいて、本明細書中に記載される食事療法製品の治療有効量は、医薬組成物の形態で、疾患または状態を有する対象に投与されて、処置される。一部の実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、ヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康、使用される食事療法製品の効力、ならびに他の因子に応じて広範に変わり得る。食事療法製品は、単独でまたは混合物の構成成分として1種もしくは複数の治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0038】
[0081]医薬組成物は、賦形剤および補助剤を含む、1種または複数の生理的に許容される担体を用いて製剤化することができ、これは、薬学的に使用することができる調製への活性食事療法製品の処理を容易にする。製剤は、選択される投与の経路に応じて修正することができる。本明細書中に記載される食事療法製品を含む医薬組成物は、例えば、混合、溶解、乳化、カプセル化、封入、または圧縮過程により、製造することができる。
【0039】
[0082]医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤および遊離塩基または薬学的に許容される塩の形態として本明細書中に記載される食事療法製品を含むことができる。医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、張度強化剤、緩衝液および保存剤を含有することができる。
【0040】
[0083]本明細書中に記載される食事療法製品を含む組成物の調製のための方法は、1種もしくは複数の不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体と共に食事療法製品を調製して、固体、半固体、または液体組成物を形成するステップを含む。固体組成物は、例えば、粉末、錠剤、分散性粒剤、カプセル、およびカシェ剤を含む。液体組成物は、例えば、食事療法製品が溶解される溶液、食事療法製品を含むエマルション、またはリポソームを含む溶液、ミセル、または本明細書において開示される食事療法製品を含むナノ粒子を含む。半固体組成物は、例えば、ゲル、懸濁液およびクリームを含む。組成物は、液体溶液または懸濁液、使用前の液体中で溶液または懸濁液に適した固体の形態、またはエマルションとしてであり得る。これらの組成物は、微量の非毒性の、補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤、および他の薬学的に許容される添加物を含有することもできる。
【0041】
[0084]本開示中の使用に適した剤形の限定されない例は、液体、粉末、ゲル、ナノ懸濁液、ナノ粒子、マイクロゲル、水性または油性懸濁液、エマルション、および任意のその組合せを含む。
【0042】
[0085]本開示中の使用に適した薬学的に許容される賦形剤の限定されない例は、結合剤、崩壊剤、接着防止剤(anti-adherent)、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗菌剤、球形化剤(spheronization agent)、および任意のその組合せを含む。
【0043】
[0086]接着防止剤:本開示の組成物は、接着防止剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ステアリン酸マグネシウムなどの付着防止剤を含むことができる。
【0044】
[0087]結合剤:本開示の組成物は、本組成物を一緒に保持する少なくとも1種の結合剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、糖、タンパク質、または合成ポリマーなどの結合剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、二糖(例えば、スクロースもしくはラクトース)、多糖もしくは多糖誘導体(例えば、デンプン、セルロース、修飾セルロース、セルロースエーテル)、または糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトール、もしくはマンニトール)を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ゼラチンなどのタンパク質結合剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ポリビニルピロリドン(PVP)またはポリエチレングリコール(PEG)などの合成ポリマー結合剤を含むことができる。
【0045】
[0088]保存剤:本開示の組成物は、少なくとも1種の保存剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は酸化防止剤または抗菌剤を含むことができる。酸化防止剤は、酸化メカニズムによる組成物の劣化を遅延させるかまたは防止する。抗菌剤は、組成物中の腐敗または病原性微生物の増殖を阻害する。
【0046】
[0089]抗酸化剤:一部の実施形態では、抗酸化剤は、組成物に加えて、不飽和脂肪酸の自動酸化または酵素-触媒酸化を遅延するまたは防止する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸、亜硫酸塩、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、またはトコフェロールのうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アスコルビン酸を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、BHTを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、クエン酸を含む。
【0047】
[0090]一部の実施形態では、本開示の組成物は、約100mg/kg、約200mg/kg、約300mg/kg、約400mg/kg、約500mg/kg、約600mg/kg、約700mg/kg、約800mg/kg、約900mg/kg、または約1000mg/kgの酸化防止剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約100mg/kg、最大約200mg/kg、最大約300mg/kg、最大約400mg/kg、最大約500mg/kg、最大約600mg/kg、最大約700mg/kg、最大約800mg/kg、最大約900mg/kg、または最大約1000mg/kgの酸化防止剤を含む。
【0048】
[0091]抗菌剤:一部の実施形態では、抗菌剤を本組成物に加えて、本組成物中の損傷物または病原微生物の増殖を遅延するまたは防止する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、酢酸、安息香酸、ナタマイシン、ナイシン、硝酸塩、亜硝酸塩、プロピオン酸、ソルビン酸、亜硫酸塩、または二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
[0092]一部の実施形態では、本開示の組成物は、約100mg/kg、約200mg/kg、約300mg/kg、約400mg/kg、約500mg/kg、約600mg/kg、約700mg/kg、約800mg/kg、約900mg/kg、または約1000mg/kgの抗菌剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約100mg/kg、最大約200mg/kg、最大約300mg/kg、最大約400mg/kg、最大約500mg/kg、最大約600mg/kg、最大約700mg/kg、最大約800mg/kg、最大約900mg/kg、または最大約1000mg/kgの抗菌剤を含む。
【0050】
[0093]着色剤:本開示の組成物は、少なくとも1種の着色剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、天然着色剤または合成着色剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、天然着色剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アントシアニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、イチゴ(フラガリア(Fragaria)種)から得られるペラルゴニジン-3-グルコシドまたはブドウ(ヴィティス(Vitis)種)から得られるマルビジン-3-グルコシドなどのアントシアニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ベタシアニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビートの根(ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris))から得られるベタニンなどのベタシアニンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、カロテノイドを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、カロテノイド、例として、アナトー(ビクサ・オレラナ(Bixa Orellana))から得られるビキシン;サフラン(クロッカス・サティヴァス(Crocus sativus))から得られるクロシン;パプリカ(カプシカム・アンヌム(Capsicum annuum))から得られるカプサンチン;ニンジン(ダウカス・カロタ(Daucus carota))から得られるベータカロチン;またはキノコ(カンタレルス・キナバリヌス(Cantharellus cinnabarinus))から得られるカンタキサンチンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、フェノール類を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ウコン(クルクマ・ロンガ(Cuycuma longa))から得られるクルクミンなどのフェノール類を含む。
【0051】
[0094]一部の実施形態では、本開示の組成物は、合成着色料を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アルラレッドAC、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ファストグリーンFCF、インジゴカルミン(indico carmine)、サンセットイエローFCF、またはタートラジンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、FD&C赤色40号、FD&C青色1号、FD&C赤色3号、FD&C緑色3号、FD&青色2号、FD&C黄色6号、またはFD&C黄色5号を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、E133、E127、E132、E110、またはE102を含む。
【0052】
[0095]香味料:本開示の組成物は、少なくとも1種の香味剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、天然の香味物質、天然の同等な香味物質、または人工の香味物質を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、スパイス、フルーツジュース、または野菜ジュースなどの天然の香味物質を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、バニリンなどの天然同一の香味物質を含むことができる。
【0053】
[0096]一部の実施形態では、本開示の組成物は、人工香味物質、例えば、アリルピラジン、メトキシピラジン、2-イソ-ブチル-3-メトキシピラジン、アセチル-L-ピラジン、2-アセトキシピラジン、アルデヒド、アルコール、エステル、ケトン、ピラジン、フェノール類、またはテルペノイドを含むことができる。
【0054】
[0097]甘味料:本開示の組成物は、少なくとも1種の甘味料を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、スクロース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、または糖アルコールを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ソルビトール、マンニトール、またはキシリトールなどの糖アルコールを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、フルクトースを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、合成甘味剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、サッカリン、シクラメート、アスパルテーム、またはアセスルファムKを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アスパルテームを含む。
【0055】
[0098]一部の実施形態では、本開示の組成物は、甘味剤を、約0.5g/給仕、約1g/給仕、約1.5g/給仕、約2g/給仕、約2.5g/給仕、約3g/給仕、約3.5g/給仕、約4g/給仕、約4.5g/給仕g/給仕、約5g/給仕、約5.5g/給仕、約6g/給仕、約6.5g/給仕、約7g/給仕、約7.5g/給仕、約8g/給仕、約8.5g/給仕、約9g/給仕、約9.5g/給仕、または約10g/給仕の量で含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、約1g/給仕の甘味剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、約2.5g/給仕の甘味剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、約5g/給仕の甘味剤を含むことができる。
【0056】
[0099]加工剤:本開示の組成物は、少なくとも1種の加工用添加物を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、固化防止剤、漂白剤、キレート化剤、清澄剤、コンディショニング剤、乳化剤、保湿剤、pH制御剤、安定化剤、または増粘剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、アルミノケイ酸ナトリウムなどの固化防止剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート化剤、臭素酸カリウムなどのコンディショニング剤、またはクエン酸もしくは乳酸などのpH制御剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、グリセロールなどの保湿剤、または安定化剤および増粘剤、例としてペクチン、ゼラチン、カラギーナン、もしくはグアーガムを含むことができる。
【0057】
[0100]薬学的に許容される賦形剤の限定されない例は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton, Pa.:Mack Publishing Company、1995年);Hoover、John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania 1975年;Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年;ならびにPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins1999年)において見出すことができ、そのそれぞれは、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0058】
[0101]本開示の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、食事療法製品を速やかに作用させるために製剤化することができる。即時放出製剤の非限定的な例には、容易に溶解可能な製剤が含まれる。制御放出製剤は、活性剤の放出速度および放出プロファイルが生理学的および経時治療的要件に一致できるように適合された、またはプログラムされた速度で活性剤の放出をもたらすように製剤化された医薬製剤であり得る。制御放出製剤の非限定的な例としては、顆粒、遅延放出顆粒、ヒドロゲル(例えば、合成または天然起源のもの)、他のゲル化剤(例えば、ゲル形成食物繊維)、マトリックスベースの製剤(例えば、少なくとも1つの活性成分が分散したポリマー材料を含む製剤)、マトリックス内の顆粒、ポリマー混合物、および顆粒塊、が挙げられる。
【0059】
[0102]一部では、制御放出製剤は、遅延放出形態である。遅延放出形態は、長時間食事療法製品の作用を遅延するために製剤化することができる。遅延放出形態は、1種または複数の食事療法製品の有効な投与量の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16、または約24時間遅延するために製剤化することができる。
【0060】
[0103]制御放出製剤は、徐放の形態であり得る。徐放の形態は、長時間にわたって、例えば、食事療法製品の作用を持続するために製剤化することができる。徐放の形態は、約4、約8、約12、約16または約24時間にわたって、有効な投与量の本明細書中に記載される任意の食事療法製品を提供する(例えば、生理学的に-有効な血液プロファイルを提供する)ために製剤化することができる。
【0061】
[0104]本明細書中に記載される医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形において、製剤は、1種または複数の食事療法製品の適切な含量を含有する単位投与量に分けられる。単位用量は、製剤の別個の含量を含有するパッケージの形態であり得る。限定されない例は、注射液、バイアル、またはアンプルに包装される。水性懸濁液組成物は、単回用量の再密閉不可能な容器中に包装することができる。多回の再密閉可能な容器は、例えば、保存剤と組み合わせてまたは組み合わせずに使用することができる。注射用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプルの形態で、または保存剤を含む多回容器の形態で提示することができる。
【0062】
[0105]投与の初期のモードに応じて、医薬組成物は、固体、半固体または液体剤形の形態、例えば、錠剤、坐薬、丸薬、カプセル、粉末、液体、懸濁液、ローション剤、クリーム、またはゲルで、例えば、正確な用量の単回投与に適した単位剤形であり得る。
【0063】
[0106]固体組成物の場合、非毒性の固体担体は、例えば、医薬用のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、および炭酸マグネシウムを含む。
【0064】
[0107]本開示中の使用に適した剤形の限定されない例は、液体、エリキシル剤、ナノ懸濁液、水性または油性懸濁液、液滴、シロップ、および任意のその組合せを含む。本開示中の使用に適した薬学的に許容される賦形剤の限定されない例は、顆粒化剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、甘味剤、流動促進剤、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、ゴム、コーティング剤、着色剤、香味剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、植物セルロース由来物質および球形化剤、および任意のその組合せを含む。
【0065】
[0108]本開示の組成物は、付着防止剤、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、風味剤、保存料、吸着剤、甘味剤、またはビヒクルなどの少なくとも1つの医薬賦形剤を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、着色剤および風味剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、着色剤、風味剤、および甘味剤を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、風味剤、甘味剤、および保存料を含む。
【0066】
[0109]サプリメント:本開示の組成物は、少なくとも1種のサプリメントを投与される対象に投与することができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はエネルギー補給食(energy supplement)と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はエネルギー補給食、例えばカフェイン、ガラナ、朝鮮人参(Asian ginseng)、ビタミンB12、または補酵素Q10と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はエネルギー補給食、例えばカフェイン、チロシン、ピロロキノリンキノン(PQQ)、テアニン、補酵素Q10、アセチル-L-カルニチン(ALCAR)、アルファ-リポ酸(ALA)、シチコリン、クレアチン、シトルリン、ビートの根粉末、アシュワガンダ、またはイワベンケイ(Rhoodiola rosea)と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は補酵素Q10と共に対象に投与される。
【0067】
[0110]いくつかの実施形態において、本開示の組成物は微量栄養素補給物と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はマルチビタミンと共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はビタミン補給剤、例えばビタミンCまたはビタミン補助食品と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物はミネラルサプリメント、例えば鉄または亜鉛補助食品と共に対象に投与される。
【0068】
[0111]いくつかの実施形態において、本開示の組成物はエネルギー補給食および微量栄養素補給物と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は補酵素Q10およびマルチビタミンと共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は補酵素Q10およびミネラルサプリメントと共に対象に投与される。
【0069】
[0112]ビタミン:本開示の組成物は、1つまたは複数の必須ビタミンを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、およびビタミンBを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピロキシジン(pyroxidine)(ビタミンB6)、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)、またはコバラミン(ビタミンB12)を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、またはビタミンKなどの脂溶性ビタミンを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビタミンCおよびビタミンBなどの水溶性ビタミンを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、水溶性ビタミン、例としてチアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピロキシジン(ビタミンB6)、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)、またはコバラミン(ビタミンB12)などのビタミンBを含むことができる。
【0070】
[0113]一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、およびビタミンEを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピロキシジン(ビタミンB6)、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)およびコバラミン(ビタミンB12)を含むことができる。
【0071】
[0114]本開示の組成物は、成人男性におけるビタミンの推奨栄養所要量(recommended dietary allowance)を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性におけるビタミンの推奨栄養所要量:ビタミンA、900μg;ビタミンC、90mg;ビタミンD、15μg;ビタミンE、15mg;ビタミンK、120μg;チアミン、1.2mg;リボフラビン、1.3mg;ナイアシン、16mg;パントテン酸、5mg;ピロキシジン、1.3mg;ビオチン、30μg;葉酸、400μg;およびコリン、550mgを含む。本開示の組成物は、成人女性におけるビタミンの推奨栄養所要量を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性におけるビタミンの推奨栄養所要量:ビタミンA、700μg;ビタミンC、75mg;ビタミンD、15μg;ビタミンE、15mg;ビタミンK、90μg;チアミン、1.1mg;リボフラビン、1.1mg;ナイアシン、14mg;パントテン酸、5mg;ピロキシジン、1.3mg;ビオチン、30μg;葉酸、400μg;およびコリン、425mgを含む。
【0072】
[0115]本開示の組成物は、成人男性または女性におけるビタミンのいずれかの推奨栄養所要量の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性におけるビタミンのいずれかの推奨栄養所要量の約20%、約30%、約40%、約50%、または約60%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性におけるビタミンのいずれかの推奨栄養所要量の約30%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性におけるビタミンのいずれかの推奨栄養所要量の約50%を含むことができる。
【0073】
[0116]ミネラル:本開示の組成物は、1つまたは複数のミネラルまたは元素を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、カルシウム、クロム、銅、フッ化物、ヨウ化物、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、セレン、亜鉛、カリウム、ナトリウム、または塩化物を含むことができる。
【0074】
[0117]本開示の組成物は、成人男性における元素またはミネラルの1日当たり推奨摂取量(recommended daily allowance)を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性における元素またはミネラルの1日当たり推奨摂取量:カルシウム、1000mg;クロム、35μg;銅、900μg;フッ化物、4mg;ヨウ化物、150μg;鉄、8mg;マグネシウム、400mg;マンガン、2.3mg;モリブデン、45μg;リン、700mg;セレン、55μg;亜鉛、11mg;カリウム、3400mg;ナトリウム、1500mg;または塩化物、2.3gを含む。本開示の組成物は、成人女性における元素またはミネラルの1日当たり推奨摂取量を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人女性における元素またはミネラルの1日当たり推奨摂取量:カルシウム、1000mg;クロム、25μg;銅、900μg;フッ化物、3mg;ヨウ化物、150μg;鉄、18mg;マグネシウム、310mg;マンガン、1.8mg;モリブデン、45μg;リン、700mg;セレン、55μg;亜鉛、8mg;カリウム、2600mg;ナトリウム、1500mg;または塩化物、2.3gを含む。
【0075】
[0118]本開示の組成物は、成人男性または女性における元素またはミネラルのいずれかの推奨栄養所要量の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性における元素またはミネラルのいずれかの推奨栄養所要量の約20%、約30%、約40%、約50%、または約60%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性における元素またはミネラルのいずれかの推奨栄養所要量の約30%を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、成人男性または女性における元素またはミネラルのいずれかの推奨栄養所要量の約50%を含むことができる。
【0076】
[0119]脂質:本開示の組成物は、脂肪を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、飽和脂肪、トランス脂肪、多価不飽和脂肪、または一価不飽和脂肪を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、飽和脂肪、トランス脂肪、多価不飽和脂肪、および一価不飽和脂肪を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、合計脂肪含有量のうちの約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、または約10gを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、合計脂肪含有量のうちの約5gを含むことができる。
【0077】
[0120]一部の実施形態では、本開示の組成物は、コレステロールを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、約100mg/給仕のコレステロールを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、約50mg/給仕のコレステロールを含む。
【0078】
[0121]炭水化物:一部の実施形態では、本開示の組成物は、糖、デンプン、または複合糖質などの炭水化物を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、コーンシロップ、フルクトース、ガラクトース、グルコース、高フルクトースコーンシロップ、ラクトース、マルトース、またはスクロースなどの糖を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、糖アルコールを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、デンプンを含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、エンバク、米、豆果、生のジャガイモデンプン、グリーンバナナ、またはHi-Maize(登録商標)粉などの難消化性デンプンを含む。
【0079】
[0122]一部の実施形態では、本開示の組成物は、繊維などの複合糖質を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、可溶性繊維を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、オートミール、亜麻仁、大麦、乾燥エンドウ豆、リンゴ、またはニンジンなどの食物源から得られる可溶性繊維を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、不溶性繊維を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、種子、ナッツ、暗緑色葉物野菜、または小麦ふすまなどの食物源から得られる不溶性繊維を含む。一部の実施形態では、本開示の組成物は、イヌリン、メチルセルロース、オオバコ、または小麦デキストリンなどの繊維を含む。
【0080】
[0123]いくつかの実施形態において、本開示の組成物は栄養的に完全な製品として対象に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は完全食セーキまたは粉末として投与される。いくつかの実施形態において、組成物は経腸栄養チューブを介して投与される。一部の実施形態では、組成物は、静脈内トピラマートとして投与される。
【0081】
投薬
[0124]本明細書中に記載される医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形において、製剤は、1種または複数の食事療法製品の適切な含量を含有する単位投与量に分けられる。単位用量は、製剤の別個の含量を含有するパッケージの形態であり得る。限定されない例は、バイアルまたはアンプル中の液体である。水性懸濁液組成物は、単回用量の再密閉不可能な容器中に包装することができる。多回の再密閉可能な容器は、例えば、保存剤と組み合わせて使用することができる。非経口注射用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプルの形態で、または保存剤を含む多回容器の形態で提示することができる。
【0082】
[0125]投与量は、対象の質量によって割った薬物の量、例えば、対象の体重キログラム当たり薬物ミリグラムに関して表すことができる。
[0126]本明細書に記載される組成物は対象により摂取される食事を補足するために施すことができる。本明細書に記載される組成物は完全食(meal replacement)として施すことができる。本明細書に記載される組成物は食事の直前または直後に施すことができる。ここに記載される組成物は食事の前または後約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約40分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、または約6時間以内に施すことができる。
【0083】
[0127]本明細書に記載される組成物は正確な投薬量の単回投与に適した単位剤形とすることができる。単位剤形において、製剤は適当な量の組成物を含有する単位用量に分割される。いくつかの実施形態において、単位投薬量は離散量の製剤を含有するパッケージの形態であることができる。いくつかの実施形態において、本開示の製剤は一回限りの小袋に入った単位剤形として供給することができる。いくつかの実施形態において、本開示の製剤は単一用量の再閉鎖できない容器に入れて供給することができる。いくつかの実施形態において、本開示の製剤は再閉鎖可能な容器に入れて供給することができ、対象は単一用量の一服を分配するように考案されたさじまたはスプーンを用いて製剤の単一用量の一服を得ることができる。いくつかの実施形態において、本開示の製剤は再閉鎖可能な容器に入れて供給することができ、対象は半分の用量の一服分配するように考案されたさじまたはスプーン(すなわち、一服量を分配するために2さじ)を用いて製剤の単一用量の一服を得ることができる。
【0084】
[0128]本明細書に記載される組成物は約1g~約2g、約2g~約3g、約3g~約4g、約4g~約5g、約5g~約6g、約6g~約7g、約7g~約8g、約8g~約9g、約9g~約10g、約10g~約11g、約11g~約12g、約12g~約13g、約13g~約14g、約14g~約15g、約15g~約16g、約16g~約17g、約17g~約18g、約18g~約19g、約19g~約20g、約20g~約21g、約21g~約22g、約22g~約23g、約23g~約24g、または約24g~約25gの範囲の単位用量の一服として存在することができる。
【0085】
[0129]本明細書に記載される組成物は約1g、約2g、約3g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、約10g、約11g、約12g、約13g、約14g、約15g、約16g、約17g、約18g、約19g、約20g、約21g、約22g、約23g、約24g、または約25gの量で単位用量の一服として存在することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約10g、12g、15g、20g、または24gの量で単位用量の一服として存在する。
【0086】
[0130]いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約12gの量で単位用量の一服として存在する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約12gの量で小袋中に単位用量の一服として存在する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約15gの量で単位用量の一服として存在する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約15gの量で小袋中に単位用量の一服として存在する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約24gの量で単位用量の一服として存在する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は約24gの量で小袋中に単位用量の一服として存在する。
【0087】
[0131]いくつかの実施形態において、本開示の組成物の用量は対象の質量で割った薬物の量、例えば、対象の体重1キログラム当たりの薬物のグラム数で表することができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の治療有効量は約0.1g/kg/日~約0.2g/kg/日、約0.2g/kg/日~約0.3g/kg/日、約0.3g/kg/日~約0.4g/kg/日、約0.4g/kg/日~約0.5g/kg/日、約0.5g/kg/日~約0.6g/kg/日、約0.6g/kg/日~約0.7g/kg/日、約0.7g/kg/日~約0.8g/kg/日、約0.8g/kg/日~約0.9g/kg/日、約0.9g/kg/日~約10g/kg/日、約10g/kg/日~約11g/kg/日、約11g/kg/日~約12g/kg/日、約12g/kg/日~約13g/kg/日、約13g/kg/日~約14g/kg/日、または約14g/kg/日~約15g/kg/日である。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の治療有効量は約0.4g/kg/日~約0.5g/kg/日である。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の治療有効量は約0.6g/kg/日~約0.7g/kg/日である。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の治療有効量は約0.8g/kg/日~約0.9g/kg/日である。
【0088】
[0132]一部の実施形態では、本開示の組成物の治療有効量は、約0.1g/kg/日、約0.2g/kg/日、約0.3g/kg/日、約0.4g/kg/日、約0.5g/kg/日、約0.6g/kg/日、約0.7g/kg/日、約0.8g/kg/日、約0.9g/kg/日、約1.0g/kg/日、約1.1g/kg/日、約1.2g/kg/日、約1.3g/kg/日、約1.4g/kg/日、約1.5g/kg/日、約1.6g/kg/日、約1.7g/kg/日、約1.8g/kg/日、約1.9g/kg/日、または約2.0g/kg/日である。一部の実施形態では、本開示の組成物の治療有効量は、約0.6g/kg/日である。一部の実施形態では、本開示の組成物の治療有効量は、約0.7g/kg/日である。一部の実施形態では、本開示の組成物の治療有効量は、約0.8g/kg/日である。一部の実施形態では、本開示の組成物の治療有効量は、約0.9g/kg/日である。
【0089】
[0133]本明細書に記載される組成物は対象の単位体重当たりタンパク質のある量を達成するように対象に提供することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は対象の体重1kg当たり約0.2gタンパク質/kg~約0.4gタンパク質/kg、約0.4gタンパク質/kg~約0.6gタンパク質/kg、約0.6gタンパク質/kg~約0.8gタンパク質/kg、または約0.8gタンパク質/kg~約1gタンパク質/kgの範囲を達成するように対象に提供することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は対象の体重1kg当たり約0.6gタンパク質/kg~約0.8gタンパク質/kgの範囲を達成するように対象に提供することができる。
【0090】
[0134]本明細書に記載される組成物は1日に付き1以上の一服として対象に提供することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回分の一服が1日で対象に提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物の3回分の一服が1日で対象に提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物の6回分の一服が1日で対象に提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物の9回分の一服が1日で対象に提供される。
【0091】
投与の方法
[0135]本開示の組成物は対象に投与することができ、投与は少なくとも1種のアミノ酸が少ないかまたはそれを実質的に欠く食品ベースの食事に伴われることができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の投与は1種のアミノ酸が少ないかまたは実質的に欠く食品ベースの食事に伴われる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の投与はセリンが少ないかまたはそれを実質的に欠く食品ベースの食事に伴われる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物の投与はグリシンが少ないかまたはそれを実質的に欠く食品ベースの食事に伴われる。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、システインが不十分であるまたは実質的にシステインを欠く食物ベースの食事により同時に行う。
【0092】
[0136]一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくとも2種のアミノ酸または任意のそのアミノ酸の塩が不十分であるまたは実質的に少なくとも2種のアミノ酸または任意のそのアミノ酸の塩を欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくともシステインおよびグリシンが不十分であるまたは実質的に少なくともシステインおよびグリシンを欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくともシステインおよびセリンが不十分であるまたは実質的に少なくともシステインおよびセリンを欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくともシステインおよびプロリンが不十分であるまたは実質的に少なくともシステインおよびプロリンを欠く食物ベースの食事により同時に行う。
【0093】
[0137]一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくとも3種のアミノ酸もしくは任意のそのアミノ酸の塩が不十分であるまたは実質的に少なくとも3種のアミノ酸もしくは任意のそのアミノ酸の塩を欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくともセリン、グリシン、およびシステインが不十分であるまたは実質的に少なくともセリン、グリシン、およびシステインを欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくとも4種のアミノ酸もしくは任意のそのアミノ酸の塩が不十分であるまたは実質的に少なくとも4種のアミノ酸もしくは任意のそのアミノ酸の塩を欠く食物ベースの食事により同時に行う。一部の実施形態では、本開示の組成物の投与は、少なくともシステイン、セリン、グリシン、およびプロリンが不十分であるまたは実質的に少なくともシステイン、セリン、グリシン、およびプロリンを欠く食物ベースの食事により同時に行う。本明細書において開示されるアミノ酸の塩は、薬学的に許容される塩であり得る。
【0094】
[0138]本開示の組成物はダイエット中の対象に投与することができる。いくつかの実施形態において、本開示の組成物が対象に投与され、対象は低タンパク質の食事を摂る。いくつかの実施形態において、本開示の組成物が対象に投与され、対象は低炭水化物の食事を摂る。いくつかの実施形態において、本開示の組成物が対象に投与され、対象は高脂肪低炭水化物食(例えばケトン体型の食事)を摂る。いくつかの実施形態において、本開示の組成物が対象に投与され、対象は菜食主義の食事を摂る。いくつかの実施形態において、本開示の組成物が対象に投与され、対象はビーガン食を摂る。一部の実施形態では、本開示の組成物は、高メチオニン食と共に投与される。
【0095】
[0139]一部の実施形態では、本開示の組成物は、低システインまたは低シスチン食と共に投与される。一部の実施形態では、低システインまたは低シスチン食は、最大約50mg/日、最大約100mg/日、最大約150mg/日、最大約200mg/日、最大約250mg/日、最大約300mg/日、最大約350mg/日、最大約400mg/日、最大約450mg/日、最大約500mg/日、最大約550mg/日、最大約600mg/日、最大約650mg/日、最大約700mg/日、最大約750mg/日、最大約800mg/日、最大約850mg/日、最大約900mg/日、最大約950mg/日、または最大約1000mg/日のシステインまたはシスチンを提供する。一部の実施形態では、低システインまたは低シスチン食は、最大約250mg/日のシステインまたはシスチンを提供する。一部の実施形態では、低システインまたは低シスチン食は、最大約500mg/日のシステインまたはシスチンを提供する。
【0096】
[0140]一部の実施形態では、本開示の組成物は、高メチオニン食と共に投与される。一部の実施形態では、高メチオニン食は、少なくとも約100mg/日、少なくとも約250mg/日、少なくとも約500mg/日、少なくとも約750mg/日、少なくとも約1000mg/日、少なくとも約1250mg/日、少なくとも約1500mg/日、少なくとも約1750mg/日、少なくとも約2000mg/日、少なくとも約5g/日、少なくとも約10g/日、少なくとも約15g/日、または少なくとも約20g/日のメチオニンまたはその塩を提供する。一部の実施形態では、高メチオニン食は、少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する。一部の実施形態では、高メチオニン食は、少なくとも約2g/日のメチオニンまたはその塩を提供する。一部の実施形態では、高メチオニン食は、少なくとも約5g/日のメチオニンまたはその塩を提供する。
【0097】
[0141]一部の実施形態では、本開示の組成物は、低システインおよび高メチオニン食と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約50mg/日、最大約100mg/日、最大約150mg/日、最大約200mg/日、最大約250mg/日、最大約300mg/日、最大約350mg/日、最大約400mg/日、最大約450mg/日、最大約500mg/日、最大約550mg/日、最大約600mg/日、最大約650mg/日、最大約700mg/日、最大約750mg/日、最大約800mg/日、最大約850mg/日、最大約900mg/日、最大約950mg/日、または最大約1000mg/日のシステインまたはシスチンを提供する食事;および少なくとも約100mg/日、少なくとも約250mg/日、少なくとも約500mg/日、少なくとも約750mg/日、少なくとも約1000mg/日、少なくとも約1250mg/日、少なくとも約1500mg/日、少なくとも約1750mg/日、少なくとも約2000mg/日、少なくとも約5g/日、少なくとも約10g/日、少なくとも約15g/日、または少なくとも約20g/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事と共に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約300mg/日のシステインまたはシスチン;および少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事と共に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、最大約500mg/日のシステインまたはシスチン;および少なくとも約5g/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事と共に投与することができる。
【0098】
[0142]一部の実施形態では、本開示の組成物は、メチオニンサプリメントと共に投与される。一部の実施形態では、メチオニンサプリメントは、約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を提供することができる。一部の実施形態では、約100mg~約250mg、約250mg~約500mg、約500mg~約750mg、約750mg~約1000mg、約1000mg~約1250mg、約1250mg~約1500mg、約1500mg~約1750mg、または約1750mg~約2000mgのメチオニンサプリメントは、メチオニンまたはその塩を提供することができる。一部の実施形態では、メチオニンサプリメントは、約100mg、約250mg、約500mg、約750mg、約1000mg、約1250mg、約1500mg、約1750mg、または約2000mgのメチオニンまたはその塩を提供することができる。一部の実施形態では、約500mgのメチオニンサプリメントは、メチオニンまたはその塩を提供することができる。一部の実施形態では、メチオニンサプリメントは、約1000mgのメチオニンまたはその塩を提供することができる。一部の実施形態では、メチオニンサプリメントは、約2000mgのメチオニンまたはその塩を提供することができる。
【0099】
[0143]一部の実施形態では、本明細書において開示されるは、ポリアミンが多い食事により本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法である。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が、少なくとも約100nmol/g、少なくとも約150nmol/g、少なくとも約200nmol/g、少なくとも約250nmol/g、少なくとも約300nmol/g、少なくとも約350nmol/g、少なくとも約400nmol/g、少なくとも約450nmol/g、少なくとも約500nmol/g、少なくとも約550nmol/g、少なくとも約600nmol/g、少なくとも約650nmol/g、少なくとも約700nmol/g、少なくとも約750nmol/g、少なくとも約800nmol/g、少なくとも約850nmol/g、少なくとも約900nmol/g、少なくとも約950nmol/g、少なくとも約1000nmol/g、少なくとも約1100nmol/g、少なくとも約1200nmol/g、少なくとも約1300nmol/g、少なくとも約1400nmol/g、少なくとも約1500nmol/g、少なくとも約1600nmol/g、少なくとも約1700nmol/g、少なくとも約1800nmol/g、少なくとも約1900nmol/g、または少なくとも約2000nmol/gである、食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が本明細書に開示される。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が少なくとも約300nmol/gである食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が少なくとも約500nmol/gである食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が少なくとも約750nmol/gである食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が少なくとも約1000nmol/gである食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体が少なくとも約1500nmol/gである食品全体を含む食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法が、本明細書に開示される。
【0100】
[0144]一部の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも1種の非必須アミノ酸が少ないように設計されている低タンパク質食中である対象に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、セリンおよびグリシンが少ないように設計されている低タンパク質食中である対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は約2g/日、約1.75g/日、約1.5g/日、約1.25g/日、約1g/日、約0.75g/日、または約0.5g/日未満の低タンパク質食事を摂る対象に投与される。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は約500mg/日、約450mg/日、約400mg/日、約350mg/日、約300mg/日、約250mg/日、約200mg/日、約150mg/日、約100mg/日、または約50mg/日未満の低タンパク質食事を摂る対象に投与される。
【0101】
[0145]多数の治療剤が任意の順に、または同時に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、別の治療剤と組み合わせて、別の治療剤との処置前または処置後に投与される。同時の場合、多数の治療剤は単一の一体形態で、または多数の形態で、例えば多数の別々の丸剤として提供することができる。薬剤は一緒または別々に単一のパッケージまたは複数のパッケージに包装することができる。1つまたはすべての治療剤は多数の服用で施すことができる。同時でない場合、多数の服用間のタイミングは約1月ほども変化することができる。
【0102】
[0146]本明細書に記載される治療剤は疾患または状態の発生の前、発生中、またはその後に投与することができ、治療剤を含有する組成物を投与するタイミングは変化することができる。例えば、組成物は予防薬として使用することができ、疾患または状態の発生の可能性を低下させるために状態または疾患に罹る傾向をもつ対象に連続的に投与することができる。組成物は症状の開始の間またはその後できるだけ早く対象に投与することができる。
【0103】
[0147]本明細書に開示される組成物は、疾患または状態の開始が検出されたかまたは疑われた後実務と同様に早く、疾患の処置に必要な長さの時間投与することができる。いくつかの実施形態において、疾患の処置に必要な時間の長さは約12時間、約24時間、約36時間、または約48時間である。いくつかの実施形態において、疾患の処置に必要な時間の長さは約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、または約15日である。いくつかの実施形態において、疾患の処置に必要な時間の長さは約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、約12週、約13週、約14週、約15週、約16週、約17週、約18週、約19週、または約20週である。いくつかの実施形態において、疾患の処置に必要な時間の長さは約1月、約2月、約3月、約4月、約5月、約6月、約7月、約8月、約9月、約10月、約11月、約12月、約13月、約14月、約15月、約16月、約17月、約18月、約19月、約20月、約21月、約22月、約23月、または約24月である。
【0104】
[0148]いくつかの実施形態において、化合物が投与することができる時間の長さは約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週、約2週、約3週、約4週、約1月、約5週、約6週、約7週、約8週、約2月、約9週、約10週、約11週、約12週、約3月、約13週、約14週、約15週、約16週、約4月、約17週、約18週、約19週、約20週、約5月、約21週、約22週、約23週、約24週、約6月、約7月、約8月、約9月、約10月、約11月、約1年、約13月、約14月、約15月、約16月、約17月、約18月、約19月、約20月、約21月、約22月、約23月、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年、または約10年であることができる。処置の長さは各々の対象に対して変化することができる。
【0105】
[0149]本開示の組成物は、処置期間を通して連続的に単独で投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、治療剤、例えば、放射線療法または化学療法の投与と同時に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物単独は、少なくとも1日1回、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日間投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物単独は、少なくとも1日1回、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1カ月、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2カ月、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3カ月、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4カ月、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5カ月、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約1年間投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも1日1回、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、または21日間投与することができ、治療剤は、適切な処置レジメン後の処置期間を通して投与することができる。一部の実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも1日1回、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1カ月、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2カ月、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3カ月、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4カ月、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5カ月、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、または約1年間投与することができ、治療剤は、適切な処置レジメン後の処置期間を通して投与することができる。
【0106】
[0150]本開示の組成物は、処置期間を通して断続的に投与することができる。一部の実施形態では、対象は、処置期間中、本開示の組成物で処置することができ、次いで、無-処置期間、処置を停止する。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の長さは、同一である。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の長さは、異なる。一部の実施形態では、処置期間の長さは、無-処置期間より長い。一部の実施形態では、処置期間の長さは、無-処置期間より短い。
【0107】
[0151]一部の実施形態では、処置期間の長さは、5日であり、無-処置期間の長さは、2日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、4日であり、無-処置期間の長さは、3日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、3日であり、無-処置期間の長さは、4日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、2日であり、無-処置期間の長さは、5日である。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の周期は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、または16週間反復される。
【0108】
[0152]一部の実施形態では、対象は、本開示の組成物で処置することができ、次いで、治療剤は、組成物および治療剤によるその後の処置周期を開始する前に処置を停止する。一部の実施形態では、治療剤は、放射線療法である。一部の実施形態では、治療剤は、放射線療法である。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の長さは、同一である。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の長さは、異なる。一部の実施形態では、処置期間の長さは、無-処置期間より長い。一部の実施形態では、処置期間の長さは、無-処置期間より短い。一部の実施形態では、処置期間の長さは、5日であり、無-処置期間の長さは、2日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、4日であり、無-処置期間の長さは、3日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、3日であり、無-処置期間の長さは、4日である。一部の実施形態では、処置期間の長さは、2日であり、無-処置期間の長さは、5日である。一部の実施形態では、処置期間および無-処置期間の周期は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、または16週間反復される。
【0109】
[0153]本明細書に記載される組成物は正確な投薬量の単回投与に適した単位剤形であることができる。単位剤形において、製剤は1種以上の化合物の適当な量を含有する単位用量に分割される。単位投薬量は離散量の製剤を含有するパッケージの形態であることができる。水性懸濁組成物は単一用量再閉鎖できない容器内に包装することができる。多数回投与用の再閉鎖可能な容器は、例えば、保存剤と共に、または保存剤なしで使用することができる。
【0110】
[0154]いくつかの実施形態において、組成物は1日中対象に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は食事と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は軽食と共に対象に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は食事なしで対象に投与される。いくつかの実施形態において、組成物は1日中等間隔で対象に投与される。いくつかの実施形態において、第1の一服は朝食の前に投与され、第2の一服は朝食と共に投与され、第3の一服は昼食と共に投与され、第4および第5の一服は夕食と共に投与され、第6の一服は就寝前に投与される。
【0111】
[0155]本発明により提供される組成物は他の治療法、例えば、化学療法、放射線、手術、抗炎症薬、免疫療法、生物製剤、および選択されたビタミンと共に投与することができる。他の薬剤は本医薬組成物の前、後、またはそれと同時に投与することができる。
【0112】
[0156]一部の実施形態では、本開示の組成物は、高脂肪食と共に投与される。一部の実施形態では、高脂肪食は、1日のカロリーの約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%超を脂肪から得られる食事である。一部の実施形態では、本開示の組成物は、低炭水化物食と共に投与される。一部の実施形態では、低糖質食は、1日のカロリーの約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、または約5%未満を糖質から得られる食事である。一部の実施形態では、本開示の組成物は、低タンパク質食と共に投与される。一部の実施形態では、低タンパク質食は、1日のカロリーの約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%未満を全タンパク質から得られる食事である。一部の実施形態では、低タンパク質食は、約50g/日、約40g/日、約30g/日、約20g/日、または約10g/日未満の全タンパク質量を有する。一部の実施形態では、本開示の組成物は、高脂肪、低糖質、および低タンパク質食と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、正常食と共に投与される。
【0113】
[0157]一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインが少ない食事と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、メチオニンが多い食事と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、ポリアミンが多い食事と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインが少なく、メチオニンが多い食事と共に投与される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、システインが少なく、メチオニンが多く、ポリアミンが多い食事と共に投与される。
【0114】
[0158]一部の実施形態では、システインが少ない食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法であって、対象が、MTAP-欠乏であるがんを有する、方法が本明細書に開示される。一部の実施形態では、システインが多い食事により本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法であって、対象が、MTAPレベルが上昇するがんを有する、方法が本明細書に開示される。一部の実施形態では、システインが少ない食事により、本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法であって、対象が、ポリアミン代謝が調節不全であるがんを有する、方法が本明細書に開示される。一部の実施形態では、システインが少なく、メチオニンが多い食事により本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法であって、対象が、MTAP-欠乏であるがんを有する、が本明細書に開示される。一部の実施形態では、システインが少なく、メチオニンが多い食事により本開示の組成物をがんの処置を必要とする対象に投与するステップを含む、それを処置する方法であって、対象が、ポリアミン代謝が調節不全であるがんを有する、方法が本明細書に開示される。
【0115】
併用療法
[0159]多数の治療剤は、任意の順序でまたは同時に投与することができる。一部の実施形態では、本開示の食事療法製品は、別の治療剤と組み合わせて、別の治療剤との処置前または処置後に投与される。同時の場合、多数の治療剤は、単回の、統一した形態で、または多回形態で、例えば、複数の別々の丸薬として提供することができる。これらの薬剤は、単一のパッケージにまたは複数のパッケージに一緒にまたは別々に包装することができる。治療剤のうちの1種またはすべては、複数回の投与量で投与することができる。同時でない場合、複数回の投与量間のタイミングは、約1カ月程度まで変わり得る。
【0116】
[0160]治療剤は、本明細書中に記載されるのは、疾患または状態の出現前、出現中、または出現後投与することができ、治療剤を含有する組成物を投与するタイミングは変わり得る。例えば、組成物は、予防薬として使用することができ、疾患または状態の出現の可能性を減少させるために、状態または疾患の傾向がある対象に、連続的に投与することができる。組成物は、症状の開始中または症状の開始後できる限り速く、対象に投与することができる。治療剤の投与は、症状の開始の最初の48時間以内に、症状の開始の最初の24時間以内に、症状の開始の最初の6時間以内に、または症状の開始の3時間以内に開始することができる。初回の投与は、例えば、本明細書中に記載される任意の製剤を用いて、本明細書中に記載される任意の経路により、実用的な任意の経路を介してであり得る。
【0117】
[0161]ポリアミンは、本開示の食事療法製品が、状態、例えば、がんを処置する能力を高めることができる。一部の実施形態では、ポリアミンは、ポリアミン代謝を変更するために投与することができる。一部の実施形態では、本開示の食事療法製品は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体と共に投与することができる。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与することによって、がん細胞中のROSレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、ポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与すること;本開示の食事療法製品;およびがん療法は、がん処置の有効性を増加させることができる。一部の実施形態では、ポリアミンは、トリアミンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、テトラアミンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、スペルミジンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、スペルミンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、プトレシンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、カダベリンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、合成ポリアミン、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)である。一部の実施形態では、ポリアミンは、大環状ポリアミン、例えば、1,4,7-トリアザシクロノナンまたはサイクレンである。一部の実施形態では、ポリアミンは、分枝状ポリアミン、例えば、トリス(2-アミノエチル)アミンである。
【0118】
[0162]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約1mg~約25mg、約25mg~約50mg、約50mg~約75mg、約75mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、または約450mg~約500mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約1mg~約25mを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約25mg~約50mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約50mg~約75mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約75mg~約100mgを投与することができる。
【0119】
[0163]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、または約500mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約25mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約50mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約100mgを投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、ポリアミン、その前駆物質、または類似体約150mgを投与することができる。
【0120】
[0164]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約1g、約1.5g、約2g、約2.5g、約3g、約3.5g、約4g、約4.5g、約5g、約5.5g、約6g、約6.5g、約7g、約7.5g、約8g、約8.5g、約9g、約9.5g、約10g、約11g、約12g、約13g、約14g、約15g、約16g、約17g、約18g、約19g、約20g、約21g、約22g、約23g、約24g、約25g、約26g、約27g、約28g、約29g、または約30gのポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与することができる。
【0121】
[0165]シスチナーゼ(システイナーゼ)は、細胞外L-システインまたはL-シスチンの持続性の枯渇を媒介する酵素である。シスチナーゼ(システイナーゼ)による処置は、細胞周期の停止ならびに細胞内GSHの枯渇および次のROSの上昇によるがん細胞の死を選択的に引き起こす。一部の実施形態では、本開示の食事療法製品は、ポリアミンまたはその類似体と共に投与することができる。
【0122】
[0166]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約10mg/kg~約50mg/kg、約50mg/kg~約75mg/kg、約75mg/kg~約100mg/kg、約100mg/kg~約125mg/kg、約125mg/kg~約150mg/kg、約150mg/kg~約175mg/kg、約175mg/kg~約200mg/kg、約200mg/kg~約225mg/kg、約225mg/kg~約250mg/kg、約250mg/kg~約300mg/kg、約300mg/kg~約350mg/kg、約350mg/kg~約400mg/kg、約400mg/kg~約450mg/kg、約450mg/kg~約500mg/kg、約500mg/kg~約550mg/kg、約550mg/kg~約600mg/kg、約600mg/kg~約650mg/kg、約650mg/kg~約700mg/kg、約700mg/kg~約750mg/kg、約750mg/kg~約800mg/kg、約800mg/kg~約850mg/kg、約850mg/kg~約900mg/kg、約900mg/kg~約950mg/kg、または約950mg/kg~約1000mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約10mg/kg~約50mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約50mg/kg~約100mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約100mg/kg~約250mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。
【0123】
[0167]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約10mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kg、約75mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kg、約225mg/kg、約250mg/kg、約275mg/kg、約300mg/kg、約325mg/kg、約350mg/kg、約375mg/kg、約400mg/kg、約425mg/kg、約450mg/kg、約475mg/kg、約500mg/kg、約550mg/kg、約600mg/kg、約650mg/kg、約700mg/kg、約750mg/kg、約800mg/kg、約850mg/kg、約900mg/kg、約950mg/kg、または約1000mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約50mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約100mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約150mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約200mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、約500mg/kgのシスチナーゼ(システイナーゼ)を投与することができる。
【0124】
[0168]一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、少なくとも約5mg/kg/日、少なくとも約10mg/kg/日、少なくとも約15mg/kg/日、少なくとも約20mg/kg/日、少なくとも約25mg/kg/日、少なくとも約30mg/kg/日、少なくとも約35mg/kg/日、少なくとも約45mg/kg/日、または少なくとも約50mg/kg/日のメチオニンまたは薬学的に許容されるその塩を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、少なくとも約10mg/kg/日のメチオニンまたは薬学的に許容されるその塩を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、少なくとも約20mg/kg/日のメチオニンまたは薬学的に許容されるその塩を投与することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示される方法は、少なくとも約25mg/kg/日のメチオニンまたは薬学的に許容されるその塩を投与することができる。
【0125】
[0169]一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、システイナーゼと共に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメントと共に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメントおよびポリアミンと共に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメントと共に投与されるが、ポリアミンと共に投与されない。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメント、ポリアミン、およびシステイナーゼと共に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、ポリアミンおよびシステイナーゼと共に投与されるが、メチオニンサプリメントと共に投与されない。
【0126】
[0170]一部の実施形態では、少なくともシステインを欠く、本開示の食事療法製品は、MTAP-欠失腫瘍を伴う対象に投与される。一部の実施形態では、少なくともシステインを欠く、本開示の食事療法製品およびメチオニンサプリメントは、MTAP-欠失腫瘍を伴う対象に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメントおよびポリアミンと共にMTAP-欠失腫瘍を伴う対象に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、MTAP-欠失腫瘍を伴う対象に、メチオニンサプリメントと共に投与されるが、ポリアミンと共に投与されない。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、メチオニンサプリメント、ポリアミン、およびシステイナーゼと共にMTAP-欠失腫瘍を伴う対象に投与される。一部の実施形態では、実質的に少なくともシステインを欠く、本明細書において開示される食事療法製品は、MTAP-欠失腫瘍を伴う対象に、ポリアミンおよびシステイナーゼと共に投与されるが、メチオニンサプリメントと共に投与されない。
【0127】
[0171]一部の実施形態では、放射線療法は、本開示の方法または組成物と組み合わせて使用して、原発性悪性腫瘍を除去する手術の後、腫瘍再発の可能性を防止するまたは低下させることができる。一部の実施形態では、放射線療法および化学療法は、本開示の方法または組成物と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、本開示の方法および組成物は、放射線療法と組み合わせて投与して、がんを処置することができる。一部の実施形態では、本開示の方法および組成物は、放射線療法と組み合わせて投与して、がんの症状を軽減させることができる。一部の実施形態では、本開示の方法および組成物は、放射線療法と組み合わせて投与して、がんの成長を遅くすることができる。
【0128】
[0172]一部の実施形態では、放射線療法は、外部照射療法(external beam radiation therapy)である。外部照射療法は、放射線をがんに局所的に当てる機械を使用する。一部の実施形態では、放射線療法は、内部照射療法(internal beam radiation therapy)である。一部の実施形態では、疼痛、呼吸困難、または腸もしくは膀胱の制御の喪失を処置するために、外部照射を使用して、腫瘍を収縮することができる。一部の実施形態では、外部照射療法は、三次元原体照射療法(3D-CRT)である。一部の実施形態では、外部照射療法は、強度変調放射線療法(IMRT)である。一部の実施形態では、外部照射療法は、陽子ビーム処置である。一部の実施形態では、外部照射療法は、画像誘導放射線療法(IGRT)である。一部の実施形態では、外部照射療法は、定位放射線療法(SRT)である。
【0129】
[0173]内部照射療法は、対象の体内に放射線の発生源を入れる処置である。一部の実施形態では、放射線の発生源は、液体である。一部の実施形態では、放射線の発生源は、固体である。一部の実施形態では、内部放射線療法は、恒久の留置用剤を使用する。一部の実施形態では、内部放射線療法は、一時的内部放射線療法、例えば、針、管、またはアプリケーターである。一部の実施形態では、放射線の固体発生源は、密封小線源処置において用いられる。一部の実施形態では、放射線発生源を含有するシード、リボン、またはカプセルは、対象の体内に入れる。一部の実施形態では、放射線療法は、処置を要する領域の内側またはその隣に入れる密封小線源処置である。一部の実施形態では、放射線療法は、骨髄移植用の調製における全身照射(TBI)である。
【0130】
[0174]一部の実施形態では、放射線療法は、術中照射(IORT)である。一部の実施形態では、放射線療法は、全身放射線療法である。一部の実施形態では、放射線療法は、放射免疫療法である。一部の実施形態では、放射線療法は、放射線増感剤または放射線防護用具を使用する。
【0131】
[0175]一部の実施形態では、密封小線源処置は、頭部、頸部、乳房、子宮頸部、前立腺、または眼のがんを処置するために使用される。一部の実施形態では、全身放射線療法、例えば、放射性ヨード、またはI-131などを使用して、甲状腺がんを処置することができる。一部の実施形態では、標的放射性核種療法を使用して、進行型前立腺がんまたは膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)を処置することができる。一部の実施形態では、加工された放射線ビームは、正常組織を残しながら、腫瘍に交差する曝露のいくつかの角度から目標とすることができる。一部の実施形態では、腫瘍は、周囲の健康な組織が吸収するよりも放射線のはるかに多くの線量を吸収する。
【0132】
[0176]一部の実施形態では、本開示のアミノ酸飢餓療法は、化学療法レジメンと組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、化学療法レジメンは、免疫療法である。一部の実施形態では、免疫療法は、抗体療法である。一部の実施形態では、抗体療法は、アレムツズマブ、リタキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、またはオファツムマブによる処置である。一部の実施形態では、免疫療法は、インターフェロンである。一部の実施形態では、インターフェロンは、インターフェロンアルファである。一部の実施形態では、免疫療法は、インターロイキン、例えば、IL-2である。一部の実施形態では、免疫療法は、インターロイキン阻害剤、例えば、IRAK4阻害剤である。
【0133】
[0177]一部の実施形態では、免疫療法は、がんワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、予防薬ワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、処置ワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、HPVワクチン、例えば、Gardisil(商標)、サーバリックス、オンコファージ、またはシプロイセル-Tである。一部の実施形態では、免疫療法は、gp100である。一部の実施形態では、免疫療法は、樹状細胞-系ワクチン、例えば、Ad.p53 DCである。一部の実施形態では、免疫療法は、Toll様受容体モジュレーター、例えば、TLR-7またはTLR-9である。一部の実施形態では、免疫療法は、PD-1、PD-L1、PD-L2、またはCTL4-Aモジュレーター、例えば、ニボルマブである。一部の実施形態では、免疫療法は、IDO阻害剤、例えば、インドキシモド(indoximod)である。一部の実施形態では、免疫療法は、抗PD-1モノクローナル抗体、例えば、MK3475またはニボルマブである。一部の実施形態では、免疫療法は、抗PD-L1モノクローナル抗体、例えば、MEDI-4736またはRG-7446である。一部の実施形態では、免疫療法は、抗PD-L2モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、免疫療法は、抗CTL1-4抗体、例えば、イピリムマブ(ipilumumab)である。
【0134】
[0178]一部の実施形態では、本開示の組成物または食事療法製品は、MTAP阻害剤と共に投与することができる。一部の実施形態では、MTAP阻害剤は、MT-DADMe-ImmAまたはメチルチオ-DADMe-イムニシリン(Immunicillin)Aとしても公知のMTDIAである。
【0135】
治療効果
[0179]がんを処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の本開示の組成物を投与することを含む、方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、本開示の組成物は、細胞増殖を減少させる、腫瘍の大きさを減少する、または少なくとも1種のアミノ酸の量を減少させることができる。
【0136】
[0180]本開示の組成物は、対象における細胞増殖を減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、食事組成物を投与されていない対象と比較して、対象における細胞増殖を、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%、約50%~約75%、約75%~約100%、約100%~約125%、約125%~約150%、約150%~約175%、または約175%~約200%減少させることができる。一部の実施形態では、開示の組成物を投与することにより、食事療法組成物が投与されない対象と比較して、対象における細胞増殖を約20%~約25%減少させることができる。一部の実施形態では、開示の組成物を投与することにより、食事療法組成物が投与されない対象と比較して、対象における細胞増殖を約50%~約75%減少させることができる。
【0137】
[0181]一部の実施形態では、開示の組成物を投与することにより、食事療法組成物が投与されない対象と比較して、対象における細胞増殖を約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約75%、約100%、約125%、約150%、約175%、または約200%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、食事組成物を投与されていない対象と比較して、対象における細胞増殖を約20%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、食事組成物を投与されていない対象と比較して、対象における細胞増殖を約30%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、食事組成物を投与されていない対象と比較して、対象における細胞増殖を約50%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、食事組成物を投与されていない対象と比較して、対象における細胞増殖を約70%減少させることができる。
【0138】
[0182]一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%、約50%~約75%、約75%~約100%、約100%~約125%、約125%~約150%、約150%~約175%、または約175%~約200%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約20%~約25%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約45%~約50%減少させることができる。
【0139】
[0183]一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約75%、約100%、約125%、約150%、約175%、または約200%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約20%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約30%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における腫瘍の大きさを約50%減少させることができる。
【0140】
[0184]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、対象の血清、血漿、または血液における循環システインまたはシスチンの量を、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、または少なくとも約98%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象の血清、血漿、または血液における循環システインまたはシスチンの量を、少なくとも約75%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象の血清、血漿、または血液における循環システインまたはシスチンの量を、少なくとも約80%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象の血清、血漿、または血液における循環システインまたはシスチンの量を、少なくとも約85%減少させることができる。
【0141】
[0185]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを、組織試料のLC-MS分析により測定して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、または少なくとも約98%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを、少なくとも約75%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを、少なくとも約80%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを、少なくとも約85%減少させることができる。
【0142】
[0186]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物、および少なくとも1種の追加のアミノ酸を投与することにより、対象における循環システインもしくはシスチンまたは少なくとも1種の追加のアミノ酸の量を、組織試料のLC-MS分析により測定して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、または少なくとも約98%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における循環システインもしくはシスチンまたは少なくとも1種の追加のアミノ酸の量を、少なくとも約75%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における循環システインもしくはシスチンまたは少なくとも1種の追加のアミノ酸の量を、少なくとも約80%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における循環システインもしくはシスチンまたは少なくとも1種の追加のアミノ酸の量を、少なくとも約85%減少させることができる。
【0143】
[0187]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物、および少なくとも1種の追加のアミノ酸を投与することにより、対象における組織のシステインもしくはシスチン、または少なくとも1種の追加のアミノ酸のレベルを、組織試料のLC-MS分析により測定して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、または少なくとも約98%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織のシステインもしくはシスチン、または少なくとも1種の追加のアミノ酸のレベルを、少なくとも約75%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織のシステインもしくはシスチン、または少なくとも1種の追加のアミノ酸のレベルを、少なくとも約80%減少させることができる。一部の実施形態では、本開示の組成物を投与することにより、対象における組織のシステインもしくはシスチン、または少なくとも1種の追加のアミノ酸のレベルを、少なくとも約85%減少させることができる。
【0144】
[0188]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、組織試料のLC-MS分析により測定して、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、または少なくとも約14日、対象における循環システインまたはシスチンの量を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約8時間、対象における循環システインまたはシスチンの量を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約12時間、対象における循環システインまたはシスチンの量を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約18時間、対象における循環システインまたはシスチンの量を減少させることができる。
【0145】
[0189]一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、組織試料のLC-MS分析により測定して、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、または少なくとも約14日、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約8時間、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約12時間、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約18時間、対象における組織システインまたはシスチンのレベルを減少させることができる。
【0146】
[0190]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、対象の全生存期間を増加させることが出来る。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%対象の全生存期間を増加させることが出来る。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%対象の全生存期間を増加させることが出来る。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%対象の全生存期間を増加させることが出来る。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%対象の全生存期間を増加させることが出来る。
【0147】
[0191]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、対象の無進行生存を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%対象の無進行生存を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%対象の無進行生存を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%対象の無進行生存を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%対象の無進行生存を増加させることができる。
【0148】
[0192]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、がん細胞死のパーセンテージを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、がん細胞死のパーセンテージを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%、がん細胞死のパーセンテージを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%、がん細胞死のパーセンテージを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%、がん細胞死のパーセンテージを増加させることができる。
【0149】
[0193]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、腫瘍細胞におけるフェロトーシスを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%腫瘍細胞におけるフェロトーシスを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%腫瘍細胞におけるフェロトーシスを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%腫瘍細胞におけるフェロトーシスを増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%腫瘍細胞におけるフェロトーシスを増加させることができる。
【0150】
[0194]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、対象におけるがん治療に対する感受性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、対象におけるがん治療に対する感受性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%、対象におけるがん治療に対する感受性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%、対象におけるがん治療に対する感受性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%、対象におけるがん治療に対する感受性を高めることができる。
【0151】
[0195]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、治療剤の処置応答率を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、治療剤の処置応答率を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約10%、治療剤の処置応答率を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約20%、治療剤の処置応答率を増加させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を投与することにより、少なくとも約30%、治療剤の処置応答率を増加させることができる。
【0152】
[0196]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と投与することにより、本開示の組成物のみで処置された対象と比較して、対象における治療剤の有効性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に投与することにより、本開示の組成物のみで処置された対象と比較して、少なくとも約少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、対象における治療剤の有効性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に投与することにより、本開示の組成物のみで処置された対象と比較して、少なくとも約少なくとも約10%、対象における治療剤の有効性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に投与することにより、本開示の組成物のみで処置された対象と比較して、少なくとも約少なくとも約20%、対象における治療剤の有効性を高めることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に投与することにより、本開示の組成物のみで処置された対象と比較して、少なくとも約少なくとも約30%、対象における治療剤の有効性を高めることができる。
【0153】
[0197]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、治療剤単独で処置された対象と比較して、治療剤の用量を減少させて、同じ結果を達成することができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、治療剤単独で処置された対象と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、治療剤の必要とされる用量を減少させて、同じ結果を達成することができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、治療剤単独で処置された対象と比較して、少なくとも約10%、治療剤の必要とされる用量を減少させて、同じ結果を達成することができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、治療剤単独で処置された対象と比較して、少なくとも約20%、治療剤の必要とされる用量を減少させて、同じ結果を達成することができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、治療剤単独で処置された対象と比較して、少なくとも約30%、治療剤の必要とされる用量を減少させて、同じ結果を達成することができる。
【0154】
[0198]少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、追加の治療単独で処置された対象と比較して、追加の治療に関連する有害事象を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、追加の治療単独で処置された対象と比較して、追加の治療に関連する有害事象を、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、追加の治療に関連する有害事象を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、追加の治療単独で処置された対象と比較して、追加の治療に関連する有害事象を、少なくとも約10%、追加の治療に関連する有害事象を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、追加の治療単独で処置された対象と比較して、追加の治療に関連する有害事象を、少なくとも約20%、追加の治療に関連する有害事象を減少させることができる。一部の実施形態では、少なくともシステインまたはシスチンを欠く本開示の組成物を、治療剤と共に対象に投与することにより、追加の治療単独で処置された対象と比較して、追加の治療に関連する有害事象を、少なくとも約30%、追加の治療に関連する有害事象を減少させることができる。
【0155】
使用する方法
[0199]本開示は、対象を処置するための方法を提供する。本明細書に開示される組成物は、任意疾患の処置に使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、がんの処置を必要とする対象においてがんを処置するために使用される。対象の食事および栄養を変えることによって、所望の健康上の利益が生じ、疾患の処置に効果的である可能性がある。
【0156】
[0200]特定の疾患および/または患者の必要性に基づいて、本開示は、対象に対する一般化された処置推奨のための方法、ならびに対象固有の処置推奨のための方法を提供する。処置方法は、以下のステップ、すなわち、対象の栄養素のレベルを決定するステップと;決定に基づいて対象における疾患の存在または非存在を検出するステップと、疾患の症状を改善するための少なくとも1つの一般化されたまたは対象固有の処置を対象に推奨するステップ、のうちの1つを含むことができる。
【0157】
[0201]一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物を使用して、食事介入によって疾患または状態を管理することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示される組成物は、特定の疾患または状態の処置計画の一部として使用することができる。
【0158】
[0202]一部の実施形態では、対象はがんを有する。がんは、腫瘍細胞の制御不能な増殖によって引き起こされ、隣接組織や遠隔組織への浸潤を引き起こし、死に至る。がん細胞には、ゲノムのコード領域と調節領域の両方に影響を与える遺伝的異常またはエピジェネティックな異常が、多くの場合根底にある。がん細胞の遺伝的異常によって、タンパク質の構造、動的および発現レベルが変化する可能性があり、その結果、がん細胞の細胞代謝が変化する。細胞周期の変化により、がん細胞は、正常な細胞よりもはるかに速い速度で増殖する可能性がある。代謝率および増殖の増加により、がん組織は、正常な組織と比較してはるかに高い栄養需要を有する。
【0159】
[0203]がん細胞は栄養要求性を有し、正常細胞と比較してはるかに高い栄養需要を有する。増加した栄養需要を満たすための適応として、がん細胞は細胞膜上のグルコースおよびアミノ酸輸送体をアップレギュレートして、循環からより多くの栄養素を得ることができる。がん細胞はまた、解糖およびグルタミノリシスを強化して代謝経路を再配線し、より高速のATP産生またはエネルギー供給を維持することもできる。グルコースおよびアミノ酸は、がん細胞において非常に必要とされる栄養素である。一部のがん細胞型および腫瘍組織は、特定のアミノ酸に対して栄養要求性であることが知られている。様々なアミノ酸に対するがんの栄養要求性により、このがんの型がアミノ酸飢餓処置に対して脆弱になる可能性がある。
【0160】
[0204]哺乳動物細胞がアミノ酸飢餓を経験すると、細胞は、アミノ酸不足に対する恒常性応答を受ける。アミノ酸欠乏によって、細胞の資源およびエネルギーを、膜輸送体、成長ホルモン、およびアミノ酸恒常性のための代謝酵素の発現にシフトすることを伴う、一般的なアミノ酸制御経路が誘発される可能性がある。膜輸送体のアップレギュレーションによって、アミノ酸の取り込みが促進され、代謝酵素のアップレギュレーションによって、アミノ酸合成が促進される。細胞はまた、タンパク質およびオルガネラを再利用して、オートファジーによって非必須アミノ酸を再生することもできる。一般的なアミノ酸制御経路およびオートファジーによって、細胞はアミノ酸の恒常性を維持しようとする。腫瘍組織はまた、血管新生を強化してより多くの栄養供給を得ることにより、アミノ酸飢餓を克服することもできる。
【0161】
[0205]重度のアミノ酸飢餓によりホメオスタシスを達成できない場合、がん細胞は、タンパク質合成を阻害し、増殖を抑制し、またはプログラム細胞死を起こす可能性がある。アミノ酸飢餓の細胞死メカニズムは、カスパーゼ依存性アポトーシス、オートファジー細胞死、またはフェロトーシス細胞死である可能性がある。アミノ酸輸送体、代謝酵素、オートファジー関連タンパク質、およびアミノ酸飢餓を使用して、がんの増殖を制御することができる。
【0162】
[0206]本明細書に開示される方法は、対象による栄養消費を監視することができる。栄養消費は、対象から生体試料を採取することによって測定することができる。生体試料は、例えば、全血、血清、血漿、粘膜、唾液、頬スワブ、尿、便、細胞、組織、体液、汗、息、リンパ液、CNS液、および病変浸出液であり得る。生体試料の組合せは、本開示の方法と共に使用することができる。
【0163】
[0207]本開示の組成方法によって、がん細胞株の増殖を遅らせるか、またはがん細胞を死滅させることができる。本開示の化合物によって処置することができるがんの非限定的な例には、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、エイズ関連がん、エイズ関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、小脳星細胞腫などの脳腫瘍、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚経路および視床下部神経膠腫、乳がん、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発不明の癌種、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸がん、小児がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、ユーイング肉腫、胚細胞腫瘍、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、膵島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓がん、喉頭がん、口唇および口腔がん、脂肪肉腫、肝臓がん、非小細胞および小細胞肺がんなどの肺がん、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部がん、口腔がん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫/骨悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、膵がん、膵島細胞がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体星状細胞腫、松果体胚細胞腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽細胞腫、形質細胞腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌、腎盂および尿管移行上皮細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん、皮膚のメルケル細胞癌、小腸がん、軟部肉腫、扁平上皮細胞癌、胃がん、T細胞リンパ腫、咽頭がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、絨毛性腫瘍(妊娠性)、原発部位不明のがん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、およびウィルムス腫瘍、が含まれる。
【0164】
[0208]一部の実施形態では、本開示の方法を使用して、乳がんを処置することができる。一部の実施形態では、本開示の方法を使用して、結腸直腸がんを処置することができる。一部の実施形態では、本開示の方法を使用して、膵がんを処置することができる。
【0165】
キット
[0209]本開示の組成物は、キットとしてパッケージ化することができる。一部の実施形態では、キットは、組成物の投与/使用に関する使用説明書を含む。書面資料は、例えば、ラベルであり得る。書面資料は、投与の条件方法を示唆することができる。使用説明書により、治療の投与から最適な臨床転帰を達成するための最良のガイダンスが対象および監督医師に提供されている。書面資料は、ラベルであり得る。一部の実施形態では、ラベルは、規制機関、例えば、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、または他の規制機関によって承認され得る。
【0166】
システイン枯渇に対する患者層別の方法
[0210]一部の実施形態では、患者集団を群に層別して、システイン枯渇治療に応答しやすい患者群を判定する方法が本明細書に開示される。一部の実施形態では、方法は、患者のMTAPステータスを判定して、患者集団を群に層別して、システイン枯渇治療に応答しやすい患者群を判定することを含む。一部の実施形態では、方法は、患者のAMD1ステータスを判定して、患者集団を群に層別して、システイン枯渇治療に応答しやすい患者群を判定することを含む。一部の実施形態では、方法は、患者のポリアミン代謝ステータスを判定して、患者集団を群に層別して、システイン枯渇治療に応答しやすい患者群を判定することを含む。
【0167】
[0211]一部の実施形態では、食事療法製品を必要とする対象における状態を処置する方法であって:a)対象からの生物学的試料における代謝産物のレベルを判定すること;およびb)少なくとも代謝産物のレベルに基づいて、治療的有効量の食事療法製品を対象に投与することを含み、食事療法製品が:グリシン、セリン、アラニン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、チロシンおよびアルギニンからなる群から選択される、最大約0.5%(w/w)の少なくとも1種の非必須アミノ酸を含む、方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態では、代謝産物は、MTAである。一部の実施形態では、代謝産物は、ポリアミンである。一部の実施形態では、代謝産物は、S-アデノシルメチオニン、S-アデノシルホモシステイン、ホモシステイン、ガンマ-グルタミルシステイン、GSHまたはGSSHである。一部の実施形態では、代謝産物は、GSHである。一部の実施形態では、代謝産物は、GSSHである。
【0168】
[0212]一部の実施形態では、方法は、患者のMTAPステータスを判定することを含み、MTAP-枯渇患者は、少なくともシステインを実質的に欠く本開示の組成物で処置される。一部の実施形態では、方法は、患者のMTAPステータスを判定することを含み、増加したMTAPレベルを有する患者は、システインが多い組成物で処置される。一部の実施形態では、方法は、患者のMTAPステータスを判定することを含み、MTAP-枯渇患者は、システイン阻害剤で処置される。一部の実施形態では、方法は、患者のMTAPステータスを判定することを含み、MTAP-枯渇患者は、システイナーゼ酵素で処置される。
【0169】
[0213]一部の実施形態では、非腫瘍組織またはMTAP-欠損がない腫瘍の代謝産物レベルより高い代謝産物レベルを含む腫瘍組織試料を有する患者は、本明細書に開示される組成物または方法で処置され得る。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約11倍、少なくとも約12倍、少なくとも約13倍、少なくとも約14倍、少なくとも約15倍、少なくとも約16倍、少なくとも約17倍、少なくとも約18倍、少なくとも約19倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、少なくとも約40倍、少なくとも約45倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも約100倍、少なくとも約150倍、少なくとも約200倍、少なくとも約250倍、少なくとも約300倍、少なくとも約350倍、少なくとも約400倍、少なくとも約450倍、少なくとも約500倍、少なくとも約550倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、または少なくとも約1000倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも約2倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも約5倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも約10倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも20倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも50倍高い。一部の実施形態では、MTAP-欠損腫瘍組織試料の代謝産物レベルは、非がん性である、またはMTAP-欠損ではない組織試料の代謝産物レベルより少なくとも100倍高い。
【実施例】
【0170】
実施例1:実験方法
a.細胞培養
[0214]HCT116、SW480、MDA-MB-468、MDA-MB-231、AsPC-1、BxPC-3、CFPAC-1、MIAPaCa-2、PANC-1、Panc10.05、SW1990、U-251、LN-18、LN-229、T98G、U-343、A-172細胞が使用された。細胞系は、ショートタンデムリピート(STR)プロファイリングを使用して認証され、マイコプラズマに対してテストされた。結腸直腸および乳がん細胞系は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増殖させ、膵管腺癌(PDAC)細胞系は、ロズウェルパーク記念研究所(RPMI)1640中で増殖させた。すべての細胞系に、ペニシリン-ストレプトマイシン、アムホテリシン、2mM L-グルタミンおよび10%ウシ胎仔血清(FBS)が補充された。細胞は、37℃にて、5%CO2下の加湿した細胞培養インキュベーター中で保持された。システイン、シスチン、メチオニンおよびセリンが欠落している調製された培地は、実験培地を作り出すベースとして使用された。ベース培地調製物は、0.2mM L-ヒスチジン、0.4mM L-イソロイシン、0.4mM L-ロイシン、0.4mM L-リシン、0.2mM L-フェニルアラニン、0.4mM L-トレオニン、0.08mM L-トリプトファン、0.4mM L-バリン、0.2mM L-アルギニン、2mM L-グルタミン、0.2mM L-チロシン、0.4mM L-アラニン、0.3mM L-プロリン、0.15mM L-グルタミン酸、0.1mM L-アスパラギン酸、0.2mM L-アスパラギンおよび0.4mMグリシンを含有していた。ベース培地は、10%透析FBS、ペニシリン-ストレプトマイシンおよびアムホテリシンが補充された。ビタミンB6(de novoシステイン合成に重大な補因子)の十分な供給を確実にするために、ベース培地に、追加の20μMビタミンB6が補充される。対照実験培地は、0.4mM L-システイン、0.2mM L-メチオニンおよび0.4mM L-セリンが補充されたベース培地であった。システイン飢餓(-Cys)実験培地は、0.2mM L-メチオニンおよび0.4mM L-セリンが補充されたベース培地であった。
【0171】
b.CRISPR/Cas9およびMTAP再発現を使用したMTAP-KO細胞の生成
[0215]HCT116細胞は、Cas9およびgRNA[NTC(配列番号1):AAAATAGCAGTAAACTCAAC、MTAP KO seq 1(配列番号2):GTTTTGCCCCAAAACGAGAG、MTAP KO seq 2(配列番号3):GCCTGGTAGTTGACCTTTGA]の両方を発現するpSpCas9(BB)-2A-puro(PX459)V2.0で、脂質ベーストランスフェクション方法を使用してトランスフェクトされた。正しくトランスフェクトされた細胞は、ピューロマイシンに対して選択され、クローンのコロニーとして増殖させた。クローンは、最初に、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)により測定されたMTA流出量に基づいて選択された。最大のMTA流出量を有するクローンが選択され、メチルチオアデノシンホスホリラーゼノックアウト(MTAP-KO)が、次いでウエスタンブロットにより確認された。MTAP-KO HCT116細胞は、ハイグロマイシンBを使用して選択されたpCMV-Hygro-MTAPおよびpCMV-Hygro-陰性対照ベクターでトランスフェクトされ、クローンのコロニーとして増殖させた。クローンは、最初に、LC-MSにより測定されたMTA流出量に基づいて選択された。MTA流出量が少ないクローンが選択され、次いでMTAP再発現がウエスタンブロットにより確認された。
【0172】
c.細胞計数実験
[0216]細胞は、ウェル当たり6×104細胞で24ウェルプレートにおいて、関連性がある完全培地中に播種され(状態ごとに3通りのウェル)、全24時間の期間接着させた。「時間-0」のプレートは、スタート時の細胞数を記録して、比較の細胞数を計算するために含まれていた。細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄されてから、これを特定のアミノ酸、代謝産物、または薬物を含有または欠落する実験培地が受ける。所定の時点で、培地が除去され、細胞が4%ホルマリン-PBS溶液中で固定された。細胞が次いで洗浄され、PBS中で保存されてから、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)-Triton(商標)X100-PBS溶液で1時間染色され、続いてさらなる分析まで4℃にてPBS中で保存された。DAPI-染色された細胞核は、顕微鏡法を介して検出された。
【0173】
[0217]ホモシステイン、シスタチオニン、グルタチオン、プトレシン、スペルミン、スペルミジン、GPX4阻害剤 ML210、SMOX阻害剤 MDL 72527、PAOX阻害剤ジミナゼンアセチュレート、フェロスタチン-1およびエラスチンが使用された。AMD1阻害剤サルドモジド/SAM486A、GPX4阻害剤RSL3およびCSE阻害剤ベータ-シアノ-L-アラニンが使用された。サルドモジドを使用した実験では、細胞は上記のように播種された。システイン飢餓前に、細胞に、所定の濃度のサルドモジドが補充された完全培地が供給された。16時間後、培地が除去され、細胞はPBSで洗浄された。完全培地またはシステインなしの培地(サルドモジドを一切含まない)が次いで添加され、細胞は所定の時間インキュベーションされてから、細胞を固定して、細胞計数を行った。
【0174】
[0218]スペルミンオキシダーゼ(SMOX)およびポリアミンオキシダーゼ(PAOX)阻害剤またはMTOBを使用した実験では、細胞は、完全培地中において、所定の濃度で16時間事前処置された。事前処置後、細胞はPBS中で洗浄され、処置は、完全またはシステインなしの培地中で所定の時間続けられた。処置が終了した後で、上記のように細胞は固定され、染色された。MTA、ポリアミン、GPX4およびCSE阻害剤を使用した実験では、処置は、システイン飢餓と同時にスタートした。低酸素状態条件を伴う実験では、細胞は正常酸素状態条件下で播種され、24時間接着させてから、対照およびシステイン飢餓培地が添加され、細胞は、所定の時間、20%O2(正常酸素状態)で37℃にセットされた加湿した細胞培養インキュベーター、または1%O2(低酸素状態)で37℃にセットされた低酸素状態チャンバに直ちに移された。細胞は上記のように直ちに固定され、染色された。
【0175】
[0219]システイン飢餓実験を通して、栄養素の中止に対する敏感性に細胞密度の低さが相関していることが観察された(
図42のパネルA)。低い播種密度は、システイン飢餓に対するすべての細胞の感受性を高め、高い細胞密度は、すべての細胞のシステイン飢餓に対する細胞感受性を減少させる。例えば、細胞は、システイン飢餓に比較的耐性であり、例えばHCT116は、低い集密度でより感受性になった。より飢餓感受性の細胞、例えばMIAPaCa-2は、高い集密度で細胞死により耐性になった。細胞計数実験における交絡因子を制限するために、細胞は、飢餓の時間で、20~30%の集密度に、すなわち増殖状態になるのに、また、実質的な接触阻害をきたさないのに十分なほど低いが、栄養素の制限に対して明らかに増感させないのに十分なほど高くなるように播種された。実験、例えばLC-MS分析では、細胞は、細胞生存を延長し、標識を可能として(例えば
13C
3
15N
1-セリンでGSH中、
図29のパネルA)、48時間までシステインが欠乏した細胞で評価するために、より高い密度で意図的に播種された。
【0176】
d.ウエスタンブロッティング
[0220]タンパク質は、プロテアーゼおよびホスフェート阻害剤カクテルが補充されたRIPA緩衝液中で溶菌により全細胞から抽出された。溶解物は遠心分離を使用して清澄化され、4~12%ビス-トリスプレキャストゲル上に分解され、ニトロセルロース膜に移された。使用される一次抗体は、MTAP、AMD1、ODC1、GPX4、AHCY、CBS、CSEおよび同一のブロットでローディング対照としてのアクチンであった。使用される二次抗体は、IRDye800CW抗マウス、IRDye680RD抗マウス、IRDye800CW抗ウサギおよびIRDye680RD抗ウサギであった。タンパク質バンドは、赤外スキャナーおよび画像化ソフトウェアを使用して検出され、定量された。
【0177】
e.生細胞でのCellROXアッセイ
[0221]細胞は上記のように播種された。生細胞は、Hoechst 33342核染色で20分染色された。培地は除去され、細胞は、CellTracker(商標)Green CMFDA色素およびHoechst染色を含有する100μl培地中で40分染色された。細胞を次いでPBSで洗浄し、300μlの関連性がある実験培地を1時間添加した。次いで、CellROX(登録商標)Deep Redは、培地中でスパイクされ、細胞は40分インキュベーションされた。培地は除去され、細胞は、PBSで洗浄され、CellROXを含む新たな関連性がある実験培地が添加された。細胞は、毎時間5%CO2で37℃にセットされたOperetta自動顕微鏡プラットフォームを16~24時間使用して画像化された。I
f.固定した細胞でのマロンジアルデヒド(MDA)染色
[0222]細胞は播種され、上記のように処置および固定された。ブロッキングは、PBS中の5%ロバ血清、および0.3%Triton(商標)X100中で4℃にて1時間行われた。染色は、MDA抗体 1:600を含むブロッキング緩衝液を、振とう機において4℃にて終夜使用して行われた。細胞は、PBSで洗浄され、ブロッキング溶液中の二次抗体Alexa Fluor(登録商標)568、ヤギ抗ウサギおよび0.2nM Calcein AMが、RTにて暗中で1~2時間添加された。細胞は、PBSで再度洗浄され、顕微鏡を使用して画像化された。
【0178】
g.定常状態の代謝産物測定
[0223]メタボロミクス実験は、以下のように行われた。細胞は6ウェルプレート(5×105~1.5×106細胞/mL、時間-経過に応じて、状態ごとに3通りのウェル)中の完全培地中に播種され、終夜接着させた。細胞は、PBSで洗浄され、関連性がある実験培地を所定の時間添加した。複製ウェルが細胞計数に使用された。細胞計数は、代謝産物の抽出前に、溶菌液の体積を標準化するために使用された(2×106細胞/mL)。細胞はPBS中で迅速に洗浄され、次いで氷冷した溶菌液(メタノール50%、アセトニトリル30%、水20%)が添加され、細胞が氷上で削り落とされた。溶解物が氷上の1.5mL管に移され、ボルテックスされ、次いで遠心分離により15,000rpmで4℃にて10分スピンされた。上澄みが収集され、LC-MS分析のために-80℃にて保存された。
【0179】
[0224]スペルミン分析では、Sequant(登録商標)ZIC(登録商標)-HILICカラムガード(20mm×2.1mm)は、スペルミンを、A=水中0.1%(v/v)ギ酸およびB=アセトニトリル中0.1%(v/v)ギ酸を使用する移動相で分離するために使用された。流量は200μL/分にセットされ、注入体積は20μLであった。分離は、80%Aおよび20%Bのアイソクラティックプログラムを使用して、合計実行時間3分で行われた。Exactive(商標)質量分析計は、ポジティブモードにて、50,000の分解能で、50~800m/zの質量範囲にわたってフルスキャンモードで作動させた。
【0180】
h.代謝産物の炭素-13標識
[0225]標識メチオニンを使用した実験では、同一の基本的プロトコールが、上記の定常状態代謝産物測定について記載されるように使用された。メチオニンまたはセリン(上記の)が欠落し、所定の濃度の13C5
15N1-メチオニン、13C3
15N1-セリンまたは34S1-メチオニンが補充された実験培地が調製された。代謝産物は、上記のように抽出された。
【0181】
i.LC-MS分析およびデータ加工
[0226]調製された試料は、Accela(商標)600LC系およびExactive(商標)質量分析計からなるLC-MSプラットフォームで分析された。Sequant(登録商標)ZIC(登録商標)-HILICカラム(4.6mm×150mm、3.5μm)は、代謝産物を、A=水中0.1%(v/v)ギ酸およびB=アセトニトリル中0.1%(v/v)ギ酸を使用する移動相で分離するために使用された。20%Aでスタートし、30分で80%に直線的に増加する勾配プログラム、続いて洗浄(92%のAで5分)および再平衡(20%のA、10分)ステップを使用した。方法の全体の実行時間は、45分であった。LCストリームは、脱溶媒和し、HESIプローブでイオン化された。Exactive(商標)質量分析計は、極性切替して、50,000の分解能で、70~1,200m/zの質量範囲にわたってフルスキャンモードで作動させた。LC-MS生データは、ProteoWizardを使用することによりmzMLファイルに変換され、ピーク抽出および試料整列のためにMZMine 2.10にインポートされた。関連性がある代謝産物のすべての考えられる13Cおよび15N同位体m/z値を含む社内データベースが、LCMSシグナルの割り当てに使用された。最終的にピーク面積が、比較の定量に使用された。
【0182】
j.多価不飽和リン脂質のLC-MS分析
[0227]細胞は、ウェル当たり3×105細胞として6ウェルプレート(状態ごとに3通りのウェル)中に播種され、完全培地中で48時間培養された。脂質抽出では、細胞試料は、氷冷したイソプロパノール(IPA)が溶菌液として使用されることを除いて、上記のように調製された。LC-MSによるリン脂質測定では、20μlの溶解物溶液が、Accela(商標)600LC系およびExactive(商標)質量分析計からなるLC-MSプラットフォーム中に注入された。ACEシリカゲルカラム(3mm×150mm×3μm)は、順相モードにて脂質を、A=20mM酢酸アンモニウム/IPA(80:20、v/v)およびB=ACN/IPA(80:20、v/v)を使用する移動相で分離するために使用された。0.3mL/分の流量での勾配プログラムが使用され;8%のA、1分でスタートし、Aを1~5分で9%に、5~10分で20%に、10~16分で25%に、および16~23分で35%に直線的に増加させ、最終的に26~40分に再平衡のために8%のAに戻された。Exactive(商標)質量分析計は、極性切替して、50,000の分解能で、100~1,200m/zの質量範囲にわたってフルスキャンモードで作動させた。LC-MS生データは、ProteoWizardを使用してmzMLファイルに変換され、ピーク抽出および試料整列のためにMZMine 2.10にインポートされた。リン脂質は、脂質分類、ならびに炭素および二重結合の数を含む詳述されている脂肪族アシルの情報を用いて、MZMine 2.10で、in silicoアルゴリズム(脂質調査)により同定された。ピーク面積は、比較分析に使用された。
【0183】
k.誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-OES)の鉄アッセイ
[0228]細胞系は、上記のように適切な培地を有する6ウェルプレートに播種された(5ウェルに各系)。24時間後、2ウェルの細胞が計数され、平均数は100万/mLでT=0時間として使用される。残り3ウェルにおける細胞は、1.5mLの完全培地で培養した。72時間後、1mLの使用された培地が採られ、鉄測定のため、ICP-OESを使用して4mLの脱イオン水で希釈された。細胞が計数され、100万/mLの平均数がT=72時間として使用された。希釈した培地は、Optima(登録商標)7300 DV ICP-OESを使用して分析された。各細胞系の3通りの試料からのppmの鉄レベルは平均化され、次いで比較分析のために、T=0時間とT=72時間との間における細胞数の差について標準化された。
【0184】
l.異種移植片実験
[0229]CD1-ヌード(Crl:CD1-Foxn1nu)6~8週齢雌マウスは、環境エンリッチメントに積極的なバリア施設に収容された。実験の食事療法の修正前に、マウスに通常の固形飼料食および水が自由に供給された。HCT116-NTCおよびHCT116-MTAP-KO細胞(4×106/側腹部)が片側皮下注入により留置された。注入部位は、視認可能で測定可能な腫瘍(長さおよそ5mm)が形成されるまで毎日モニターされた。腫瘍を有するマウスは、すべての必須アミノ酸を含有するが、すべての非必須アミノ酸が欠落している実験食を与えられた。食事は、以下の原料:スクロース15%、トウモロコシデンプン49.76%、トウモロコシ油7.89%、アミノ酸プレミックス16%、ビタミンミックス0.2%、ミネラルミックス10%、重炭酸ナトリウム1%、DL-アルファ酢酸トコフェロール0.004%、エトキシキン(保存料)0.019%、有色色素0.03%からなっていた。アミノ酸プレミックス(合計調製物の重量%):L-ヒスチジン-HCl 1.33%、L-イソロイシン1.78%、L-ロイシン2.67%、L-リシンHCl 3.11%、L-メチオニン1.33%、L-フェニルアラニン1.78%、L-トレオニン1.78%、L-トリプトファン0.44%およびL-バリン1.78%。飲料水は、システインおよびシスチンを含有または欠落しており、他の非必須アミノ酸すべてが添加された。
【0185】
[0230]対照飲料水(pH7)は、グリシン、L-アラニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、L-プロリン、L-セリン、L-グルタミン、L-アルギニン、L-システイン塩酸塩一水和物(すべて16mM)、L-チロシン二ナトリウム塩水和物(3mM)およびD-グルコース(25mM)を含有していた。システインなしの飲料水(pH7)は、L-アラニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、L-プロリン、L-グルタミン、L-アルギニン(すべて18.3mM)、グリシンおよびL-セリン(16mM)、L-チロシン二ナトリウム塩水和物(3mM)およびD-グルコース(25mM)を含有していた。食事および飲料水の両方を自由に摂らせた。
【0186】
[0231]腫瘍は、キャリパーで週に3回測定され、体積は、式:体積=(長さ×幅2)/2を使用して計算された。最大の許容される腫瘍の大きさ(長さまたは幅=15mm)に達したら、または腫瘍が潰瘍を生じるようになったら、マウスは人道的に屠殺された。
【0187】
m.データの提示および統計値
[0232]データの各セットでは、n-数およびエラーバーが、図の説明文で示される。個々の測定の平均値が示される場合、バーは標準偏差(SD)であり、平均値の平均が示される場合、バーは平均の標準誤差(SEM)である。In vitroデータは、n=3の生物学的反復の平均として呈示され、各図の説明文で言及される。腫瘍の大きさは、1週間に3回測定され、腫瘍体積は、食事が変化したときのスタート体積と比較した体積の変化(パーセンテージとして)に変換された。データは、SEMを示すバーを伴う週平均腫瘍体積として提示される。
【0188】
[0233]システインなしの食事のNTCおよびMTAP-KO細胞に対する相対的な効果を比較するために、システインなしの食事での個々の腫瘍と、対照食での平均腫瘍体積との間における週平均腫瘍体積の差(パーセンテージとして)が計算された。複数群間の統計的比較は、Sidakの複数比較検定を用いた通例の一元ANOVAにより行われた。
図40のパネルCでは、2群のみが比較される場合、両側独立T検定が行われた。P-値は、3小数位まで示され、統計学的有意性は、P<0.05とされた。
【0189】
実施例2:システイン飢餓への細胞感受性
[0234]結腸直腸がん(HCT116およびSW480)、乳がん(MDA-MB-231およびMDA-MB-468)および膵がん(AsPC-1、BxPC-3、CFPAC-1、MIAPaCa-2、PANC-1、Panc10.5およびSW1990)からなる細胞系のパネルは、システイン飢餓の、ある範囲のがん細胞に対する影響を評価するために使用された。すべての実験では、システインが除去された場合、ホモ二量体シスチンも存在しなくなった。
【0190】
[0235]
図1は、システイン飢餓(-システイン、右パネル)の細胞増殖に対する効果を、十分に供給された状態(対照、左パネル)と比較して示す。システイン飢餓の3日後、細胞系11種すべてが、完全に供給された状態と比較して、ひどく損なわれた増殖を示した。いくつかの細胞系は、飢餓中におよそ同一の細胞数を維持し(例えばHCT116、SW480、MDA-MB-468およびAsPC-1)、細胞が生存したことを示した。他の細胞系、特に MDA-MB-231、MIAPaCa-2およびPANC-1は、細胞死を示す、(スタート時の細胞数に対して)それを下回る相対細胞数を有していた。
【0191】
[0236]ある範囲の他の主な栄養素に対する細胞のシステイン飢餓への応答が判定された。
図2は、MDA-MB-231細胞における主な栄養素の飢餓している細胞の効果を示す。
図22のパネルAは、完全培地、または所定の栄養素が欠落している適合培地中で24時間増殖させた細胞系を示す。MDA-MB-231データは、他の細胞系との比較のために
図2から複写される。MDA-MB-231、MIAPaCa-2およびPANC-1細胞は、重要な非必須アミノ酸(すなわち、セリンおよびグリシンまたはグルタミン)、必須アミノ酸(リシン)、または完全なブドウ糖除去よりシステインの中止に感受性であった。対照的に、HCT116、SW480およびMDA-MB-468は、システインの中止に、他の栄養素、例えばブドウ糖およびリシンに対してと同様の感受性を有していた。
【0192】
[0237]システイン飢餓の基本的代謝効果は、LC-MS分析を使用して判定された。細胞内システインおよびシスチンのレベルは、外因性システインの除去で実質的に枯渇した。これらの変化は、グルタチオン(GSH)およびシステインに由来する前駆体γ-グルタミルシステインが減少するまで平行であった。
図3は、システイン飢餓の、システイン、シスチン、γ-GCおよびGSHのレベルに対する効果を示す。
【0193】
[0238]
図23は、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、または5mMグルタチオンを有する(-Cys+GSH)、またはグルタチオンを有さない(-Cys)、システインが欠落している適合培地中で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す。代謝産物が抽出され、LC-MSを使用して分析された。外因性GSHの添加は、システインおよびγ-グルタミルシステインの部分的回復と共に、細胞内GSHレベルを十分に復元し、これにより、細胞死が防止され、増殖が復元された。
図4は、HCT116、SW480、MDA-MB-213およびMIAPaCa-2細胞におけるシステイン飢餓および外因性GSHの細胞死に対する効果を示す。
【0194】
[0239]フェロスタチンは、システイン飢餓によって引き起こされる鉄-依存性細胞死の強力な阻害剤であり、これは、脂質過酸化を防止するラジカル捕捉抗酸化剤として作用する。
図22のパネルBは、システインを有する(Ctr)または有さない(-Cys)、およびフェロスタチン(+F)1μMで24時間および72時間増殖させた細胞系を示す。感受性の細胞では、フェロスタチンは、システイン飢餓に応答する細胞死を防止し、より耐性の細胞に対してほとんど影響を示さなかった。GSHと対照的に、フェロスタチンは増殖を復元しなかったが、これは、フェロスタチンがGSHとは異なり代謝産物変化の下流で作用し、システイン依存代謝経路を直接的に補うことができないことを反映する。
【0195】
実施例3:システイン飢餓に対する高い感受性は、トランススルフレーション経路の酵素発現と相関せず、過剰なメチオニンにより回復されない
[0240]システイン飢餓への応答とde novoシステイン合成でのTsP酵素の発現との間の関係が調査された(
図5)。システイン飢餓後の細胞数に対する酵素発現を比較する散乱プロットは、飢餓応答と、S-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(AHCY)、シスタチオニン(cystathione)β-シンターゼ(CBS)、またはシスタチオニンγ-リアーゼ(CSE)の発現との間に相関がなかったことを示す。
【0196】
[0241]
図6は、システイン飢餓後の細胞数に対する、S-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(AHCY);シスタチオニン(cystathione)β-シンターゼ(CBS);シスタチオニンγ-リアーゼ(CSE)またはCBS+CSEの酵素発現を比較する散乱プロットを示す。
図24のパネルAは、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、または0.8mMホモシステインを有するシステインが欠落している(-Cys+HC)、もしくはホモシステインを有さない適合培地(-Cys)中で24時間増殖させた、結腸直腸がん(HCT116およびSW480)および乳がん(MDA-MB-231およびMDA-MB-468)細胞を示す。細胞溶解物は、ウエスタンブロットにより、トランススルフレーション経路の酵素発現について精査された。パネルBは、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(+)またはシステインが欠落している(-)適合培地中で24時間増殖させた細胞を示す。細胞溶解物は、ウエスタンブロットにより、トランススルフレーション経路の酵素発現について精査された。バンドは、LiCorスキャナーで定量され、アクチン補正バンド強度(任意の単位)が示される。
【0197】
[0242]de novoシステイン合成の達成において、前駆体の可用性が制限的因子かどうかを判定するために、システイン飢餓中に、細胞にホモシステイン(HC)またはシスタチオニン(CTH)が補充された。
図7のパネルAは、さほど感受性ではない(SW480)または高度に感受性(MDA-MB-231)の細胞系において、0.2mMのいずれかの前駆体を添加すると、生存率/増殖に対してかなり回復が生じることを示す。
図7のパネルBは、より高い濃度のホモシステイン(0.8mM)は、さらに増殖を復元することが可能であったことを示す。しかし、同一の濃度のメチオニン(0.8mM、正常細胞の培養培地より4~8倍高い)を用いた補充では、回復は生じなかった。
【0198】
[0243]外因性ホモシステインおよびシスタチオニンが、トランススルフレーション中間体ならびにシステイン、γ-グルタミルシステインおよびGSHの細胞内レベルを増加させる能力は、LC-MS分析を使用して評価された。
図25のパネルAは、ビヒクル(Veh)が補充された、0.2mMホモシステイン(HC)が補充された、または0.2mMシスタチオニン(CTH)が補充されたシステインが欠落している(-Cys)培地中で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。パネルBは、ビヒクル(Veh)が補充された、または0.2mMもしくは0.8mMホモシステイン(HC)が補充されたシステインが欠落している培地中で8時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。
図23、ならびに
図25のパネルAおよびパネルBにおける統計的な比較は、Sidakの複数比較検定を用いた通例の一元ANOVAにより行われた。ウエスタンブロット以外に、すべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSD単位である。
【0199】
[0244]細胞内ホモシステインおよびシスタチオニンレベルは、0.2mMホモシステインまたはシスタチオニンを培養培地に添加することにより著しく増加し、システインレベルにおける中等度の増加、また、γ-グルタミルシステインおよびGSHにおけるより顕著な増加を引き起こす。システイン、γ-グルタミルシステインおよびGSHにおける増加は、代謝産物レベルを、供給された状態下で見られた代謝産物レベルに復元するのに必要とされるスケールではなかった(
図3)。飢餓状態において経路の代謝回転が速いと、代謝産物の蓄積が防止され得る。
【0200】
[0245]細胞の増殖を復元させ、生存を延長させる0.8mMホモシステインの添加により、システインレベルに著しい増加がもたらされた(0.2mMホモシステインとは異なる)。これにより、増加したGSHは、ROSに対処することで生存の誘導に必要とされることが示唆される。定常状態のシステインレベルにおける増加は、細胞を増殖させるのに重要になり得る(例えばタンパク質合成を補助することにより)。
【0201】
[0246]
図24のパネルAは、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、または0.8mMホモシステインを有するシステインが欠落している(-Cys+HC)、もしくはホモシステインを有さない適合培地(-Cys)中で24時間増殖させた結腸直腸がん(HCT116およびSW480)および乳がん(MDA-MB-231およびMDA-MB-468)細胞を示す。細胞にホモシステインを補充することは、飢餓単独によって引き起こされるものを超えたトランススルフレーション経路の酵素発現に対してほとんど影響を示さなかった。外因性ホモシステインおよびシスタチオニンが、増殖を回復する能力は、トランススルフレーション酵素レベルが細胞系の間でかなり変動し得る一方、トランススルフレーション酵素の発現および活性は、近位の前駆体が十分多量に存在すればシステインを作るのに十分であることを示唆する。
【0202】
実施例4:システイン飢餓への感受性と相関するメチルチオアデノシン流出量
[0247]必須アミノ酸メチオニンは、システイン合成に最適な上流前駆体(
図5)であり、トランススルフレーション経路に使用するのに十分なレベルのホモシステインを供給するはずである。高度に感受性のMDA-MB-231細胞、ならびにさほど感受性ではないHCT116およびSW480細胞におけるメチオニンの動態は、重炭素-および窒素-標識メチオニン(
13C
5
15N
1-メチオニン)を使用して判定された。
図8は、メチオニンが、ホモシステイン、シスタチオニンおよびホモセリンで検出される標識を用いて、HCT116およびSW480細胞におけるトランススルフレーション経路に進入したことを示す。しかし、MDA-MB-231細胞において、ホモシステイン、シスタチオニンおよびホモセリンではきわめてわずかな標識しか検出されなかった。
【0203】
[0248]トランススルフレーション経路を除いて、メチオニンは、ポリアミン合成に使用され得る。ポリアミンは、重要かつ多様な細胞機能を有し得、がん細胞は、上昇したポリアミン経路活性を呈示することが多い。高度にシステイン飢餓-感受性MDA-MB-231細胞は、ポリアミンであるスペルミジンにおいて比較的高いレベルのメチオニンに由来する標識を有していた。ポリアミン経路の副生成物5-メチルチオアデノシン(MTA、S-アデノシルメチオニンに由来する)も、MDA-MB-231細胞において増加したレベルおよび標識を示した。HCT116およびSW480細胞とは異なり、MDA-MB-231細胞は、メチオニンに由来する標識されたMTAの実質的外因性プールを有していた。
【0204】
[0249]MTA流出量は、MTAP発現およびポリアミン経路活性の両方の機能的測定値である。細胞系のパネル全体の細胞外MTAのレベルは、LC-MSを使用して、また、システイン飢餓で生存する能力に対するMTAレベルのプロッティングにより検査された。トランススルフレーション酵素発現とは異なり、
図6は、システイン飢餓後の細胞数に対する、S-アデノシルホモシステインヒドロラーゼ(AHCY);シスタチオニン(cystathione)β-シンターゼ(CBS);シスタチオニンγ-リアーゼ(CSE)またはCBS+CSEの酵素発現を比較する散乱プロットを示す。
【0205】
[0250]
図9パネルAは、細胞外MTAレベルと飢餓への感受性との間における明らかな相関が存在したことを示す。最高のMTA流出量を示した細胞が、システイン飢餓に一貫して最も感受性であった。MTAは、MTAPの直接的な基質であり、メチオニンサルベージ経路において重要な酵素である。
図9のパネルBは、MTAPタンパク質発現が、システイン飢餓応答との相関を、MTA流出量より低い程度ではあるが示したことを示す。
図26のパネルAは、システインを有して(+)または有さずに(-)24時間増殖させた細胞を示す。細胞溶解物は、ウエスタンブロットによりMTAP発現について精査され、LiCorスキャナーで定量された。
【0206】
実施例5:システイン飢餓への感受性に相関するポリアミン経路活性
[0251]多数の細胞のプロセスは、システイン飢餓への感受性に影響を与える能力を有する。幅広いさらなる細胞の因子が、細胞系パネルにおけるシステイン飢餓感受性との相関についてテストされた。以下が分析に含まれた:システイン、メチオニン、SAM、デカルボキシ-SAM(dc-SAM)、MTA、シスタチオニン、ホモシステイン、γ-グルタミルシステイン、GSH、GSSG、NADP+およびNADPHに対する代謝産物レベル;GSH/GSSGおよびNADP+/NADPHの代謝産物比;GPX4、CBS、CSE、AHCY、組み合わせたCBS+CSE、AMD1、ODC1および組み合わせたAMD1+ODC1での酵素発現;脂質ROSレベル(マロニルジアルデヒド-MDA染色);LC-MSにより検出される多価不飽和脂肪族アシルでのリン脂質のレベル(PUFA-PLs;ROS/Fe2+依存性脂質過酸化の標的);定常状態ROSレベル(CellROX染色);誘導結合プラズマ-発光分光法により判定される細胞の鉄取込み量;ならびにGPX4阻害剤のIC50値。
【0207】
[0252]テストされる>60の因子のうち、最大の相関を示す6つの因子(細胞外MTA[Ctr]、細胞MTA[Ctr]、組み合わせたODC1+AMD1発現[Ctr]、細胞MTA[-Cys]、デカルボキシ-SAM[Ctr]およびAMD1発現[Ctr](R2値=0.65356~0.39630)はすべて、ポリアミン経路活性の指標である。
【0208】
[0253]
図26のパネルBは、システインを有して(+)または有さずに(-)24時間増殖させた細胞を示す。細胞溶解物は、ウエスタンブロットによりAMD1およびOCD1酵素発現について精査され、LiCorスキャナーで定量された。
図27は、細胞系11種のシステイン飢餓への感受性に対する、ある範囲の生物学的パラメーターについての相関係数(R
2)を示す。代謝産物レベルは、「細胞外MTA」を除いてすべて細胞内である。複数のパラメーターは、供給(Ctr)およびシステイン-飢餓(-Cys)状態下で評価された。すべての代謝産物レベルは、細胞数に標準化された。タンパク質発現は、LiCorスキャナーを使用してウエスタンブロットにより定量され、すべてアクチンに標準化された。鉄取込み量は、ICP-OESにより評価された。定常状態ROSレベルは、CellROX染色の生細胞画像化により検出され、定常状態の脂質過酸化レベルは、マロンジアルデヒド(MDA)の免疫細胞化学染色により見積もられ、いずれも自動顕微鏡を使用して定量された。
【0209】
[0254]システイン飢餓中のCBSおよびCSEの組み合わせた発現(CBS+CSE発現[-Cys])は、TsP活性の役割を補助するリストのトップ15以内に存在していたが、相関は、ポリアミン経路活性のものより著しく低かった(R2=0.20996)。GPX4阻害剤IC50値も、リストのトップ15に表される。予測可能な相関は、システイン飢餓およびGPX4阻害が、同一の機構、すなわちフェロトーシスにより細胞を死滅させることを示す。システイン飢餓-感受性の細胞は、低いGPX4レベルを有することにより、感受性についてプライミングされ得るが、GPX4発現は、システイン飢餓感受性への相関をほとんど示さなかった[R2 GPX4 Ctr=0.03213、R2 GPX4-Cys=0.05780]。データは、ポリアミン経路活性と、システイン飢餓への細胞感受性との間の相関を実証する。
【0210】
実施例6:de novoシステイン合成とシステイン飢餓への高感受性との間の相関がないこと
[0255]TsP活性およびde novoシステイン合成をより綿密に調べるために、細胞に
13C
3
15N
1-セリンが補充され、これは、
13C
5
15N
1-メチオニンと異なり、TsPにより利用される場合、標識されたシステインを生じる(
図8)。測定可能な細胞内定常状態レベルの高度に細胞透過性の栄養素を検出することは、培地から除去された場合、困難になり得る。飢餓状態下で、新たに合成された需要が高い栄養素、例えばセリンおよびシステインは、下流代謝産物に急速に変換され、これにより、蓄積することが困難な検出可能な定常状態レベルになった。
図28は、完全培地(0.4mM、セリンに代わる
13C
3
15N
1-セリンを有する)中で48時間増殖させた細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。
【0211】
[0256]標識された代謝産物が変換された下流代謝産物における標識により、検出することが可能となる。システインのケースでは、下流代謝産物GSHが検出され得る。セリンに由来する炭素および窒素をGSH中に組み込む:グリシン合成を介する、およびシステイン合成を介する2つの考えられる経路が存在する。質量+3(m+3、13C2
15N1)GSHは、セリン>グリシン>GSH標識を示す一方、m+4(13C3
15N1)GSHは、セリン>システイン>GSH標識を示す。m+7 GSHピークは、GSHに同時に組み込まれるセリンに由来するグリシン(m+3)およびセリンに由来するシステイン(m+4)を示す。
【0212】
[0257]De novoシステイン合成は、システイン飢餓への応答と相関しなかった。
図29のパネルAは、
図28に示されるピーク面積データを使用して、GSHレベルを合計GSHプールの%合計として示した。パネル上段では、すべてのアイソトポログが示される。パネル下段では、システインにのみ由来するアイソトポログ(m+4およびm+7)が示される。すべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSD単位である。HCT116、MDA-MB-468、MDA-MB-231およびMIAPaCa-2細胞はすべて、飢餓の48時間後のde novoシステイン合成の証拠を示したが、システイン合成は、より耐性の細胞で、より高くなかった。HCT116(より耐性)およびMDA-MB-231(より感受性)は、システイン飢餓中に同等の低レベルのde novoシステイン合成を示し、MDA-MB-468(より耐性)およびMIAPaCa-2(より感受性)は、システイン飢餓中に同等の高レベルのde novoシステイン合成を示した。
【0213】
[0258]タンパク質発現およびLC-MSデータは、de novoシステイン合成が、システイン飢餓への感受性の優性決定因子ではなかったことを示唆した。de novoシステイン合成の基本的な根底にある重要性は、細胞をCSE阻害剤、ベータ-シアノ-L-アラニンで処置することにより確認された。
図29のパネルBは、(Veh)を有さない、または0.5mMもしくは1mMのCSE阻害剤ベータ-シアノ-L-アラニンを有する完全(Ctr)またはシステインが欠落している(-Cys)培地中で48時間増殖させた細胞を示す。データは、
図27の根底にある相関係数の分析を含有する。すべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSD単位である。予想されるように、CSE阻害剤の処置は、耐性細胞系SW480およびMDA-MB-468のシステイン飢餓への感受性を増加させ、システイン産生におけるTsPの基本的役割が立証された。HCT116細胞は、CSE阻害への穏当な応答しか有しておらず、これは、
図29のパネルAに示される低レベルのTsP活性を反映する。本明細書に開示されるデータは、TsP活性が、細胞がシステイン飢餓に適応するのを助ける明確な機能的役割を有する一方、TsP活性は、必ずしも、どの細胞系が最も高度な感受性を有するか判定する際の優性因子ではないことを示す。
【0214】
[0259]de novo合成とシステイン飢餓感受性との間の相関がないため、ポリアミン代謝のシステイン飢餓感受性に対する効果が、細胞にポリアミン経路代謝産物を補充することによりにより調査された。
図30は、増加量のMTAを有するすべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で20時間および72時間増殖させた細胞を示す。
図31のパネルAは、ビヒクルまたは500μM MTAを有する完全培地中で24時間増殖させた細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。高レベルのMTAは、供給された細胞の増殖を減少させたが、MTAは、細胞をシステイン飢餓に増感させなかった。MTAは、感受性細胞系(MDA-MB-231)の少なくとも1つが、システイン飢餓からの短期的な保護をも得る傾向も示した。結果は、MTAが、細胞をシステイン飢餓に増感させないことを示した。
【0215】
[0260]次に、細胞に、ポリアミンであるプトレシン、スペルミジンおよびスペルミンが直接的に補充された。MTAおよびプトレシンと対照的に、スペルミジンおよびスペルミンは、システイン飢餓感受性に対して劇的な影響を有していた。
図10横列Aは、耐性細胞系HCT116、SW480およびMDA-MB-468が、ポリアミンの存在下で高度に増感したことを示す。パネルBの上列は、20μMプトレシン(+プトレシン)、20μMスペルミジン(+スペルミジン)、もしくは20μMスペルミン(+スペルミン)を含有する、または作用剤を有さない(+ビヒクル)完全培地中で増殖させた細胞を示す。パネルBの下列は、20μMプトレシン(+プトレシン)、20μMスペルミジン(+スペルミジン)、もしくは20μMスペルミン(+スペルミン)を含有する、または作用剤を有さない(+ビヒクル)、システインを有さない培地中で増殖させた細胞を示す。活性酸素種(ROS)は、CellROX deep redで処置された生細胞において、Operetta自動顕微鏡によりリアルタイムで検出された。ポリアミンが補充された生細胞におけるROSレベルでの染色は、スペルミジンおよびスペルミンが、システイン飢餓の細胞におけるROSレベルの迅速な増加を引き起こし、きわめて迅速に広範な細胞死をきたすことを示した。LC-MS分析は、対照条件下で細胞におけるポリアミンレベルを直接的に評価するために使用された。
図10の横列Bは、より感受性の細胞(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)における、より多いスペルミジンおよびスペルミンと同時に生じるより少ないプトレシンでの一貫した傾向が存在したことを示し、これにより、de novoスペルミジン/スペルミン合成量がより高いことが示唆される。
13C
5
15N
1-メチオニンを用いた短い(3時間)標識期間は、一般的に、スペルミジンおよびスペルミンにおける制限された標識を示し、dc-SAM中に、ただしMTAP欠損、システイン飢餓感受性細胞系においてのみ明確な標識上流が存在した。dc-SAMは、AMD1-触媒脱炭酸によりSAMから生成され、dc-SAMがMTAに変換される間のスペルミジンおよびスペルミンの合成に必要とされる。結果は、MTAP-欠失細胞系が、dc-SAMのより多くの生成を示し、システイン飢餓感受性に寄与し得るポリアミン、例えばスペルミジンおよびスペルミンの合成の増加を引き起こすことを示す。
【0216】
[0261]
図11のパネルAは、ホモシステイン、シスタチオニン、スペルミジンまたはスペルミンが補充されたMDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞のLC-MS分析を示して、システイン飢餓中のTsPに対する、ポリアミン経路の活性を評価する。
13C
5
15N
1-メチオニンを用いた長い(16時間)インキュベーション時間は、高い比率のポリアミンおよび標識されたTsP中間体をもたらす。ポリアミン標識は、一般的に維持され、または飢餓中に増加さえし、これにより、ポリアミン合成は、飢餓中に活性なままであることが示唆される。
【0217】
[0262]低下したポリアミン経路活性が、細胞を飢餓から回復できるかどうかを評価するために、経路を阻害する2つの方法が用いられた。デカルボキシラーゼがSAMからdc-SAMへの変換に応答するように、AMD1は、ポリアミン合成の調節において重要な役割を有する。
図11のパネルBは、AMD1阻害剤(サルドモジド)を用いた細胞の処置が、システイン飢餓に応答した細胞死を防止することを示す。
【0218】
[0263]
図32のパネルAは、0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地中で16時間増殖させた、次いで0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で32時間増殖させた細胞を示す。
図32のパネルBは、メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する0.1mM MTOBを有する、または有さない完全培地中で5時間増殖させた細胞を示す)。AMD1阻害と同様に、4-メチルチオ-2-オキソ酪酸(MTOB)の補充は、細胞をシステイン飢餓から回復させた。方法(AMD1阻害剤/MTOB補充)を用いた、とりわけAMD1阻害剤を用いた回復は、一時的であった。
【0219】
[0264]
図12は、システインの飢餓の、
13C
5
15N
1-メチオニンまたは
34S
1-メチオニンで増殖させた、MDA-MB-2321、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞のLC-MS分析を示す。
図33のパネルAは、完全培地(メチオニンに代わる0.2mM
23S
1-メチオニンを有する)中で24時間増殖させ、次いで20μMのAMD1阻害剤サルドモジドで2時間、4時間および8時間処置したMDA-MB-231細胞を示す。パネルBは、20μMのAMD1阻害剤サルドモジドを有する、または有さない完全培地(メチオニンに代わる0.2mM
34S
1-メチオニンを有する)中で16時間増殖させたMDA-MB-231細胞(左)およびMIAPaCa-2細胞(右)を示す。すべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSDである。本明細書に開示されるデータは、AMD1阻害およびMTOB補充が、ポリアミン合成の顕著な阻害を引き起こしたことを示し、減少したdc-SAMおよびポリアミン標識として呈示され、これはAMD1阻害剤で特に強かった。本明細書に開示されるデータは、メチオニンのポリアミン経路への進入防止は、TsP中間体のレベルを目立って増加させなかったことも示す。
【0220】
実施例7:ポリアミン代謝の阻害は、高度に感受性の細胞をシステイン飢餓から保護する
[0265]活性酸素種である過酸化水素(H
2O
2)を生成するポリアミン代謝の複数の反応が存在し、これにより、スペルミジンおよびスペルミンがROSレベルを増加させ、細胞を飢餓に増感させる能力が潜在的に説明される(
図13)。これらの反応は、スペルミンオキシダーゼ(SMOX)およびポリアミンオキシダーゼ(PAOX)により媒介される。
図14は、SMOX阻害剤を用いてMDA-MB-231、PANC-1、MIAPaCa-2、HCT116、SW480およびMDA-MB-468細胞の処置の効果を示して、これらのROS-生成反応の、システイン飢餓への細胞の応答に対する影響を評価する。
図34は、10μM、40μM、または80μMのPAOX阻害剤を有さない、または有する完全培地中で16時間増殖させた、次いで完全培地(Ctr)、または10μM、40μM、または80μMのPAOX阻害剤を有さない、もしくは有するシステインが欠落している適合培地中で24時間増殖させた細胞を示す。SMOXおよびPAOXの阻害は、飢餓感受性細胞系(MDA-MB-231、MIAPaCa-2およびPANC-1)における細胞死を防止した。飢餓耐性細胞系(HCT116、SW480およびMDA-MB-468)では、SMOXおよびPAOX阻害剤により、システイン飢餓中に追加の利点がほとんど得られなかった、または得られなかった。
【0221】
[0266]
図15の横列Aは、平均CellROX染色強度での、システイン飢餓および/またはSMOX阻害剤での処置の、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞に対する効果を示す。
図35のパネルAは、50μMのSMOX阻害剤MDL72527を有する(+SMOXi)、またはSMOX阻害剤を有さない(+ビヒクル)完全培地中で増殖させ、次いで完全培地(Ctr)、または50μMのSMOX阻害剤を有する、または有さない、システインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す。ROSは、CellROX deep redで処置された生細胞において、Operetta自動顕微鏡によりリアルタイムで検出された。ROS染色強度は、16時間時点について示される。ROSレベルの分析は、システイン飢餓中のSMOXの阻害は、細胞がより低いROSレベルを維持することを可能にしたことを確認した。
【0222】
[0267]SMOXおよびPAOX反応が酸素(O
2)を必要とすることを考慮して、酸素レベルは、システイン飢餓への応答をモジュレートし得るかどうかが調査された。
図35のパネルBは、正常酸素状態(Nor)または低酸素状態(Hyp);1%酸素下で完全培地、システインが欠落している培地中で所定の時間増殖させたMDA-MB-231細胞を示す。低酸素状態条件(1%O
2)での増殖は、システイン飢餓の24時間後の細胞死を防止した。しかし、この回復は一時的であり、32時間までに細胞死が発生した。
【0223】
[0268]次に、SMOXおよびPAOX阻害は、飢餓耐性細胞をスペルミジンおよびスペルミン処置の増感効果から回復させ得るかどうかがテストされた。
図15の横列Bは、システイン飢餓、SMOXおよびPAOX阻害剤、スペルミジンまたはスペルミンでの処置の、HCT116、SW480およびMDA-MB-468細胞に対する効果を示す。SMOXおよびPAOX阻害剤は、HCT116、SW480およびMDA-MB-468細胞生存、およびシステイン飢餓と同時に生じるポリアミン処置下での増殖を復元した。
図15の横列Cは、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞における、システイン飢餓および/またはAMD1阻害の、平均CellROX染色強度に対する効果を示す。
図35のパネルCは、完全培地(Ctr)、または20μMのAMD1阻害剤を有する、もしくはAMD1阻害剤を有さないシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す。ROSは、CellROX deep redで処置された生細胞において、顕微鏡によりリアルタイムで検出された。ROS染色強度は、16時間時点について示される。SMOX阻害と同様に、AMD1阻害は、ROSレベルを減少させ、これは、システイン飢餓中に、ポリアミン代謝がROSを増加させることを実証する。
【0224】
実施例8:メチオニンの中止は、高度に感受性の細胞をシステイン飢餓から保護する
[0269]メチオニンは、ポリアミンおよびシステインの合成の両方で前駆体である。メチオニンレベルのモジュレーティングが、システイン飢餓への応答に直接的に影響し得るかどうかが、メチオニンの中止は、細胞を飢餓にさらに増感させ得るという仮定で、テストされた。
図16の横列Aは、システイン飢餓、ならびに組み合わせたメチオニンおよびシステイン飢餓の、HCT116、SW480、MDA-MB-468、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞の細胞生存に対する効果を示す。システイン飢餓により耐性である細胞系では、組み合わせたメチオニンおよびシステイン飢餓は、細胞増殖を穏やかに(SW480およびMIAPaCa-2)または強く(HCT116)阻害した。組み合わせたメチオニンおよびシステイン飢餓は、より感受性の細胞系において、システイン飢餓単独よりはるかに優れた耐容性を示した。MDA-MB-231、MIAPaCa-2およびPANC-1細胞はすべて、メチオニンおよびシステインなしの条件下で、細胞死がないことおよびある程度の増殖さえ呈示した。これらの結果は、ポリアミン代謝は、細胞系がシステイン飢餓に高度に感受性であるかどうかの判定において、de novoシステイン合成より優勢であることを示す。
【0225】
[0270]細胞培養培地は、超生理学的メチオニンレベル(100μM~200μM)を含有する。より低く、より生理学的なメチオニンレベルのシステイン飢餓感受性に対する効果が調査された。成人では、血液中のメチオニンの濃度は、10μM~45μMの範囲であり、平均値は29μMである。
図36の横列Aは、システインを有さず、増加濃度(1~1mM)のメチオニンを含有する培地中で20時間増殖させたシステイン飢餓に高度に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す。横列Bは、システインを有さず、増加濃度(0~10μM)のメチオニンを含有する培地中で17時間増殖させたシステイン飢餓に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す。横列Cは、システインを有さず、増加濃度(0~10μM)のメチオニンを含有する培地中で41時間増殖させたシステイン飢餓に感受性の細胞系(MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2)を示す。MDA-MB-231、MIAPaCa-2およびPANC-1細胞はすべて、10μM~1000μMの範囲でシステイン飢餓に高度に感受性のままであった。メチオニン濃度のさらなる減少は、細胞が5μMメチオニンまで、システイン飢餓に感受性のままであることを示した。システインおよびメチオニンが完全に存在しない場合、持続可能な細胞生存および増殖は不可能であるが、メチオニン除去によりもたらされる回復は、40時間かけて続く耐久性があった。
【0226】
[0271]
図16の横列Bは、MDA-MB-231、PANC-1およびMIAPaCa-2細胞生存における、外因性メチオニンを有する、または有さないシステイン飢餓の効果を示す。
図37は、所定の濃度で、メチオニン(Met)を有する、または有さない、完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた細胞系を示す。ROSは、CellROX deep redで処置された生細胞において、自動顕微鏡によりリアルタイムで検出された。ROS染色強度は、18時間の観点で示される。
図35のパネルA、パネルB、パネルCおよび
図37における統計的な比較は、Sidakの複数比較検定を用いた通例の一元ANOVAにより行われたにより行われた。すべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSD単位である。システイン飢餓状態下で、MTAP欠失細胞において、ROSレベルは、メチオニン濃度に応答する用量依存的手段で増加した。
【0227】
[0272]
図17は、メチオニンの中止のシステイン代謝に対する影響を検査する、システイン飢餓-感受性細胞系のLC-MS分析を示す。
図38は、様々なレベルの
13C
5
15N
1-メチオニンが補充された、メチオニンが欠落している培地中で5時間増殖させたPANC-1細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。メチオニン飢餓は、前駆体のTsPおよびポリアミン合成経路への進入を劇的に減少させた。これらの変化は、システインおよびシスチンレベルの増加、ならびにGSSGレベルの減少、ならびにGSSG/GSH比の減少を伴った。
【0228】
[0273]変化が、システインに特定か、またはメチオニンの中止のアミノ酸に対する一般的影響かどうかを評価するために、他のすべてのアミノ酸での変化が分析された。
図39のパネルAは、
図17および
図38に示される実験からのLC-MSデータを使用して評価されるアミノ酸のレベルを示す。相対量(ピーク面積、50μM条件に対して)は、各アミノ酸について示される。パネルBは、DMEMまたはRPMI中で2週間培養されたMIAPaCa-2細胞を示す。実験は、完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で細胞を32時間および48時間増殖させることにより行われた。メチオニンの制約は、合計の細胞のアミノ酸レベルを増加させた。効果は、システイン、グリシンおよびセリン(GSHのすべての前駆体);ならびにアスパラギン(タンパク質合成に、またセリンの取込み交換因子(uptake exchange factor)として使用される)で最も劇的であった。メチオニン飢餓に応答するシステインレベルの逆説的な増加、および付随するGSSGの減少は、減少したポリアミン経路活性は、MTAP欠失細胞における酸化負荷を緩和する仮説をさらに補助する。異なる細胞培養培地の間におけるメチオニンレベルの差(例えばDMEM約200μm、RPMI1640約100μM)を考慮すると、異なる培地における細胞維持の、システイン飢餓への感受性に対する効果が判定された。維持培地に基づき、感受性における差は観察されなかった。
【0229】
実施例9:急激なMTAP欠失および復元は、ポリアミン経路活性および細胞のシステイン飢餓への感受性をモジュレートし得る
[0274]
図26のパネルAは、システインを有して(+)または有さずに(-)24時間増殖させた細胞の、MTAP欠失に対する効果を示す。HCT116細胞は、比較的高いレベルのMTAPを発現し、システイン飢餓に感受性であった。HCT116細胞は、細胞死に他の細胞系より耐性であった(
図1)。MTAP欠失の影響を評価するために、CRISPR/Cas9が、HCT116細胞からのMTAP欠失に使用された。
図18のパネルAは、MTAP-欠失に対するシステイン飢餓の効果およびフェロスタチンを用いた回復を示す。MTAP-欠失は、細胞のシステイン飢餓への感受性を増加させ、これは、フェロトーシス阻害剤フェロスタチンを用いた処置により回復した。
【0230】
[0275]
図40のパネルAは、メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する)完全培地中で30時間増殖させたMTAP-陽性(親/Par、NTC)および陰性(M1、M2)HCT116細胞を示し、代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。パネルBは、MTAP-陽性(NTC)およびMTAP-枯渇(M2)HCT116細胞が注入されたCD-1ヌードマウスから得られるデータを示す。測定可能な異種移植片腫瘍が形成されたら、マウスはすべてのアミノ酸(完全)を含有する、またはシステインおよびシスチンが欠落しているが、他のすべてのアミノ酸を含有する(-Cys)食事および飲料水レジメンに移された。データは平均であり、バーはSEMである。NTC対照食n=8;NTC-Cys食n=7、MTAP-KO2対照食n=9;MTAP-KO2-Cys n=10。パネルCは、MTAレベルについてLC-MS分析を施した異種移植片腫瘍および血清から抽出された代謝産物を示す。データは平均であり、バーは、SD、両側独立T-検定である。NTC n=16;MTAP KO n=19。
図40のパネルBおよびパネルCを除くすべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーは、SDを示す。LC-MS分析は、MTAP欠失が、メチオニンサルベージ(m+1メチオニンにより表される)を防止し、細胞内蓄積およびMTAの流出を引き起こしたことを確認した。内因性MTAP欠失を有する細胞系と同様に、
図18のパネルBは、AMD1阻害剤を用いた細胞の処置は、システイン飢餓に応答して細胞生存を復元したことを示す。
【0231】
[0276]in vitro観察がin vivoに転換できるかどうかをテストするために、非標的対照およびMTAP-欠失HCT116細胞を用いて異種移植片実験が行われた。
図18のパネルCは、in vivoのNTC-およびMTAP-枯渇細胞のシステイン制限に対する応答は、著しく異なっていたことを示す。
図40のパネルBは、MTAP-陽性(NTC)およびMTAP-枯渇(M2)HCT116細胞が注入されたCD-1ヌードマウスから得られるデータを示す。MTAP-発現NTC細胞は、一般的に、システイン飢餓に応答して増加した腫瘍成長を示したが、MTAP-欠失細胞は、NTC細胞と比較して減少した腫瘍体積を呈示した。MTAレベルのLC-MS分析は、MTAP-欠失腫瘍組織は、NTC腫瘍に対して、MTAでより著しく高かったことを確認した。
図40のパネルCは、MTAレベルについてLC-MS分析を施した異種移植片腫瘍および血清から抽出された代謝産物を示す。MTAP-欠失腫瘍組織におけるMTAの増加は、より高い血清MTAに転換しなかった。結果は、血清ではなく腫瘍生検組織におけるMTAレベルの分析は、MTAP欠失を検出する生存能力のあるバイオマーカーであり得ることを示唆する。
【0232】
[0277]
図41のパネルAは、空ベクター(クローンM2.EV1およびM2.EV2)またはMTAP発現ではプラスミド(クローンM2.MX1およびM2.MX2)で安定的にトランスフェクトされたCRISPR/Cas9(M2)によりMTAPが欠失したHCT116細胞を示す。MTAP発現は、ウエスタンブロットにより有効であった。細胞は、すべてのアミノ酸を含有する完全培地(Ctr)、またはシステインが欠落している(-Cys)適合培地中で増殖させた。20時間後、細胞は固定され、染色され、計数された。パネルBは、xCT阻害剤および10μMフェロトーシス誘発物質エラスチンを有する、または有さない、完全培地中で18時間増殖させたHCT116クローンを示す。パネルCは、完全培地(メチオニンに代わる0.2mM
13C
5
15N
1-メチオニンを有する)中で30時間増殖させたMTAP-発現(NTCおよびM2.MX2)およびMTAP-欠失(M2およびM2.EV1)HCT116細胞を示す。代謝産物は、抽出され、LC-MSにより分析された。MTAP-欠失HCT116細胞におけるMTAPの安定な再発現は、システイン飢餓、およびシステイン-取込み阻害剤エラスタチン(システムxCT阻害剤およびフェロトーシス誘導剤)を用いた処置中に細胞が生存する能力を復元した。MDA-MB-231細胞(内因性MTAP欠失)では、MTAPの過剰発現は、感受性を回復せず(示されていない)、これは、長期間MTAP欠失をきたした細胞におけるMTAP発現に急激に再適応することができなくなる適応プロセスが発生することを示唆する。LC-MS分析は、MTAP-欠失HCT116細胞におけるMTAP再発現が、MTA流出を防止したこと、およびこれらの細胞がMTAからメチオニンをサルベージする能力を復元したことを確認した。
【0233】
[0278]
図42のパネルAは、24ウェルプレートにおける完全培地中である範囲の細胞密度で播種したMTAP-発現(NTCおよびM2.MX2)およびMTAP-欠失(M2)HCT116細胞を示す。24時間後、細胞は、PBSで洗浄され、培地は、システインが欠落している培地またはすべてのアミノ酸を含有する完全培地に変化させた。20時間後、細胞は固定され、染色され、計数された。細胞集密度は一貫して、飢餓への応答に対する影響を示した。まばらに播種された細胞は、集密細胞より感受性であったが、MTAP欠失/復元の効果は、幅広い細胞密度全体で一貫していた。
【0234】
[0279]
図19は、パネルAは、AMD1発現におけるMTAP喪失の効果を実証するウエスタンブロットを示す。ウエスタンブロットは、MTAP喪失が、AMD1発現の増加を3倍促進した一方、MTAP復元は、AMD1を基底レベルに減少させたことを示す。
図19のパネルBは、ポリアミン経路活性の増大を示すメチオニン-依存性dc-SAM標識の劇的な増加につながるAMD1アップレギュレートのLC-MS分析を示す。
図19のパネルCは、MTAP-欠失HCT116細胞が、MTAP-発現細胞に対する、システイン飢餓に応答する細胞ROSレベル上昇の増大を示したことを示す。
【0235】
[0280]
図19のパネルDは、MTAP-欠失細胞が、dc-SAM標識の増加に従って、ポリアミンであるスペルミジンにおいて実質的により高いメチオニン依存性標識を有していたこと、およびTsP中間体の標識において一貫した差はなかったことを示すLC-MS分析を示す。
【0236】
[0281]SMOXおよびPAOX阻害剤ならびにMTOB補充を使用して、ポリアミン合成と、MTAP-欠失/復元HCT116細胞におけるシステイン飢餓への感受性との間の関係をさらに評価した。
図20横列Aは、SMOX阻害剤、PAOX阻害剤およびMTOB補充を用いたポリアミン代謝の阻害は、MTAP発現細胞に対してほとんど影響を示さなかったが、システイン飢餓中にMTAP-欠失細胞における細胞生存を回復したことを示す。メチオニンの中止の、MTAP-欠失対復元HCT116細胞に対する効果における劇的な相違が観察された。
図20の横列Bは、メチオニンの存在が、システイン飢餓中にMTAP発現細胞に有利であり、メチオニンのレベルが一層低いと、MTAP欠失細胞の生存能力を阻害することを示す。
【0237】
[0282]膠芽腫(GBM)は、比較的高頻度でMTAP欠失を有する。GBM細胞系のパネルは、システイン飢餓への感受性についてテストされた。
図43のパネルAは、完全培地(Ctr)またはシステインが欠落している(-Cys)培地中で48時間増殖させたGBM細胞系を示す。パネルBは、対照(Ctr)またはシステインが欠落している(-Cys)培地中で48時間または72時間増殖させた乳がん細胞系MDA-MB-231(高度に感受性)およびMDA-MB-468(耐性)を示す。この時点での細胞が固定および計数された。同一手段で処置された他の細胞が、さらに48時間完全培地に再度供給されて(Ctr+48時間、-Cys 48時間)から、細胞が計数された。ウエスタンブロットを除くすべてのデータは、n=3の生物学的反復の平均である。エラーバーはSDである。MTAP-欠失系は、AMD1の最高の発現を示し、飢餓への最も感受性であった。細胞がシステイン飢餓からリカバーする、また、システイン飢餓後に増殖する能力もテストされた。システイン飢餓に高度に感受性のMDA-MB-231細胞は、生存またはリカバーしなかった一方、より耐性のMDA-MB-468細胞は、生存および増殖することが可能であった。
【0238】
[0283]in vivoデータは、食事療法システイン制限が、腫瘍遺伝子型に応じて腫瘍形成を促進し得る、または減少させ得ることを示唆する。システイン取込み(シスチンとして)は、重要な代謝前駆体グルタメートの著しい流出を引き起こし得、このプロセスは、代謝フレキシビリティを減少させ得る。
【0239】
実施例10:結果の考察
[0284]外因性システインは、ある範囲の乳がん、結腸直腸がんおよび膵臓がん細胞系にわたって、最大増殖の補助に重要であった。がん細胞のサブセットは、システイン飢餓への敏感性があることを見出し、これは、ブドウ糖の完全な中止より一層有害になり得る。テストされた細胞のパネルでは、TsP酵素発現は、システイン飢餓中の生存する能力と相関しなかった。CBSまたはCSEの発現が比較的低い細胞さえ、酵素基質ホモシステインおよびシスタチオニンの補充により飢餓に誘導される細胞死から回復した。さらに、CBSおよびCSE発現が高く、de novoシステイン合成に適する細胞、例えばMIAPaCa-2は、システイン飢餓に応答した細胞死に至った。
【0240】
[0285]ホモシステインおよびシスタチオニンが細胞をシステイン飢餓から回復させる能力を考慮すると、これらの代謝産物に対して最適な前駆体である過剰なメチオニンは、回復させることが不可能であった。この結果に基づき、最初の仮説は、メチオニンは代替代謝経路に転用され、これがTsPと効率的に拮抗するというものであった。ポリアミン合成経路は、メチオニンに由来する前駆体dc-SAMを使用して、ポリアミンであるスペルミンおよびスペルミジンを生成する。ポリアミンは真核細胞の増殖に必須であり、そこで、また、膜および微小管において、ミリモル濃度で存在し、DNA安定化、遺伝子発現の規制を含む種々の役割を有する。アップレギュレートされたポリアミン合成は、がん細胞で観察され得、古典的myc-標的ODC1によりプトレシンの形成が触媒される。炭素-13標識メチオニンの動態は、LC-MA分析を使用してトレースされ、炭素-13-標識メチオニンは、ポリアミン経路に直ちに進入し、ポリアミンおよびメチオニンに由来する副産物MTAを標識すると見出された。一方、MTAは、メチオニンサルベージ経路を介してメチオニンにリサイクルされ得、LC-MS分析は、ある細胞が著しいMTA流出を呈示することを明らかにし、これにより、メチオニンサルベージがないことが例証される。
【0241】
[0286]染色体上で腫瘍抑制遺伝子p16と同じ場所に位置する、MTA代謝酵素であるMTAPの遺伝子の欠失は、がんにおいて一般の事象であり、「バイスタンダー/パッセンジャー」遺伝子の欠失として発生する。MTAPの喪失は、メチオニンリサイクルを防止し、これは、新たなメチオニンの一定供給が、MTAP欠失細胞におけるポリアミン合成に進入するのに必要とされることを意味する。外因性MTAのレベル(ポリアミン合成およびMTAPステータスを組み合わせた測定)は、システイン飢餓への感受性と強く相関した。13C3
15N1-セリンを用いた標識実験は、飢餓に感受性のMTAP-欠失細胞が、より耐性のMTAP陽性細胞より低いシステイン合成を必ずしも示さなかったことを示した。MTAP-欠失細胞をシステイン飢餓から回復させるポリアミン経路の阻害は、メチオニンに由来する前駆体の、TsPへの進入を増加させなかった。
【0242】
[0287]LC-MS分析は、MTAP-欠失細胞が、ポリアミン合成前駆体dc-SAMにおいて、はるかに高いメチオニンに由来する標識と、より高いポリアミン定常状態レベルおよびより高いメチオニンに由来するポリアミンの標識を有していたことを明らかにした。ポリアミンであるスペルミジンまたはスペルミンの補充は、細胞のROSレベルを増加させ、細胞をシステイン飢餓に劇的に増感させた。ポリアミン合成の阻害またはポリアミン内部変換の阻害(SMOXおよびPAOXによる媒介)は、細胞のROSレベルを減少させ、MTAP-欠失細胞をシステイン飢餓から回復させた。ポリアミン代謝の循環性の性質(
図13)を考慮すると、上昇したdc-SAMレベルに関連するSMOX/PAOXに依存性のROS生成の可能性は、理論上きわめて高いと思われる。
【0243】
[0288]メチオニンの中止は、細胞を増感させずにシステイン飢餓から回復させた。本明細書に開示されるデータは、がん細胞に、システイン合成に利用できる、メチオニンに由来する前駆体が不足していること、およびTsP活性は、細胞にシステインの中止で生存させるのに重要であることを示す。本明細書に開示されるデータも、ポリアミン代謝が、これらの因子を無効にし得ること、およびがん細胞を、細胞死へと誘導されるシステイン飢餓に急激に増感させることを示す。
【0244】
[0289]細胞がTsP酵素発現、およびシステイン飢餓に応答する活性を効率的にアップレギュレートする能力は、細胞生存を改善し得る。データは、TsP酵素発現が、システイン飢餓に応答してアップレギュレートされたこと、およびTsP活性の直接的阻害が、細胞をシステイン飢餓に増感させたことを示す。しかし、ポリアミン代謝の影響は、ここでテストされる細胞系での急激なシステイン飢餓の感受性の判定において、TsP酵素発現に対して優性であった。とりわけ、TsP酵素の低発現およびMTAP-欠失の両方を呈示するMDA-MB-231細胞は、最高のシステイン飢餓への感受性を示した。
【0245】
[0290]この開示は、乳がん、結腸直腸がんおよび膵がんを含むがん細胞系のパネルにおいて、TsP酵素発現が、システイン飢餓に最も感受性の細胞がどれか予測しなかったことを示す。外因性ホモシステインは、細胞をシステイン飢餓から回復させることが可能であったが、メチオニンは不可能であった。本開示のデータは、メチオニンのTsPへの進入が制限されたが、このポリアミン代謝が、がん細胞が急激なシステイン飢餓への感受性を呈示し得る理由を説明できることを示す。
図21は、がん細胞のシステイン飢餓への敏感性に影響を与えるプロセスを例証する。
【0246】
[0291]メチオニンの他の動態は、ポリアミン合成のための利用である。この開示は、がん細胞により取り入れられるメチオニンの多くは、ポリアミン合成経路に進入し、これは、スペルミジンおよびスペルミンの合成を通して、SAMを消費し、5-メチルチオアデノシン(MTA)を生成することを示す。MTAの細胞の流出量(MTAP欠失の代謝の結果)と、システイン飢餓感受性との間に強い相関が観察された。MTAP欠失(がんで頻繁に発生)を示す細胞は、ポリアミン経路活性を増大させた。詳述される代謝の分析は、上昇したポリアミン代謝が、システイン飢餓中に、TsPと無関係に代謝不安定性になり得ることを明らかにした。
【0247】
[0292]この開示は、システイン合成のための酵素の発現も、主要な前駆体であるメチオニンの可用性も、システイン飢餓への感受性と関連しなかったことを示す。メチオニンに由来する代謝産物メチルチオアデノシン(MTA)の流出量と、システイン飢餓感受性との間の強い相関が観察された。MTA流出は、メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP、がんにおいて頻繁に欠失する)の遺伝子の欠失に由来した。MTAP喪失は、ポリアミン代謝をアップレギュレートし、これは、システインの中止と同時に生じ、ROSの上昇および細胞生存の防止を促進した。
【0248】
実施例11:システインが少なく、メチオニンが多い食事療法製品
[0293]表1は、シスチン、セリンおよびグリシンを欠くアミノ酸混合物を含む製剤1を示す。
【0249】
【0250】
[0294]表2は、セリン、グリシンおよびシステインを欠き、通常のメチオニンレベルを有するアミノ酸混合物を含む製剤2を示す。
【0251】
【0252】
[0295]表3は、セリン、グリシンおよびシステインを欠き、高いメチオニンレベルを有するアミノ酸混合物を含む製剤3を示す。
【0253】
【0254】
[0296]表4は、システインを欠き、通常のメチオニンレベルを有するアミノ酸混合物を含む製剤4を示す。
【0255】
【0256】
[0297]表5は、システインを欠き、高いメチオニンレベルを有するアミノ酸混合物を含む製剤5を示す。
【0257】
【0258】
実施例12:がんを処置する放射線療法の使用
[0298]がんを伴う第1の対象は、がんを処置する短期間の放射線療法で処置される。第1の対象は、実質的にシステインを欠き、少なくとも1種のメチオニンサプリメントおよびポリアミン、前駆体、または類似物を有する2日間の食事を受けてから(すなわち-2日)、放射線療法処置をスタートする。アミノ酸-枯渇食は、処置の2日前にスタートして、処置の4日後までの合計10日投与される(すなわち、-2日目から8日目まで)。第1の対象は、1日5Gyで5日間処置される。第1の対象は、8日目の後で、または放射線処置後4日で通常の習慣的食事へ戻す。第1の対象が、放射線療法後に化学療法で処置される場合、第1の対象は、化学療法を通じてサイクル化した食事を受ける。サイクルの食事は、第1の対象に、化学療法処置期間を通じて、5日間のアミノ酸-枯渇食(例えば月曜日~金曜日)、続いて2日間の習慣的食事(例えば土曜日、日曜日)の切り替えを受けさせる。表6は、がんを処置する短期間の放射線療法を示す。
【0259】
【0260】
[0299]がんを伴う第2の対象は、がんを処置する長期間の放射線療法で処置される。第2の対象は、実質的にシステインを欠き、少なくとも1種のメチオニンサプリメントおよびポリアミン、前駆体、または類似物を有する2日間の食事を受けてから(すなわち-2日)、放射線療法処置をスタートする。アミノ酸-枯渇食は、処置の2日前にスタートして、処置期間までの合計7日間投与される(すなわち、-2日目から4日目まで)。第2の対象は、1日2Gyで5日間処置される。第2の対象は、追加ラウンドの放射線療法をスタートする前の2日間、通常の習慣的食事へ戻す。後続の放射線療法サイクルは、5日間のアミノ-酸枯渇食と5日間の2Gyの放射線、続いて2日間の習慣的食事を投与する。サイクルは、必要に応じて繰り返される。
【0261】
[0300]第2の対象が、放射線療法後の化学療法で処置される場合、第2の対象は、化学療法を通してサイクル化した食事を受ける。サイクルの食事は、第2の対象に、化学療法処置期間を通じて、交互の5日間のアミノ酸-枯渇食(例えば月曜日~金曜日)、続いて2日間の習慣的食事(例えば土曜日、日曜日)を受けさせる。表7は、がんを処置する長期間の放射線療法処置を示す。
【0262】
【0263】
【0264】
実施形態
[0301]以下の非限定的実施形態は、本開示の実例を提供するものであるが、本開示の範囲を限定するものではない。
【0265】
[0302]実施形態1.がんを処置することを必要とする対象において、それを処置するための方法であって、方法は、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品は、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品は、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)含み、対象は、がんのためのがん療法を受けており、食事療法製品を対象に投与することは、がん療法を受けているが、食事療法製品を受けていない同等の対象におけるがん療法の有効性と比較して、対象におけるがん療法の有効性を少なくとも約10%は高める。
【0266】
[0303]実施形態2.がんが、乳がんである、実施形態1の方法
[0304]実施形態3.がんが、結腸直腸がんである、実施形態1の方法。
[0305]実施形態4.がんが、膵がんである、実施形態1の方法。
【0267】
[0306]実施形態5.がんが、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有している、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
[0307]実施形態6.がんが、アップレギュレートされたアデノシルメチオニン脱炭酸酵素1(AMD1)発現を有している、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0268】
[0308]実施形態7.がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
[0309]実施形態8.投与が経口である、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0269】
[0310]実施形態9.食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、実施形態1~8のいずれか1つの方法。
[0311]実施形態10.食事療法製品の治療有効量が、約0.8g/kg/日である、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0270】
[0312]実施形態11.食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
[0313]実施形態12.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のグリシンをさらに含む、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0271】
[0314]実施形態13.食事療法製品が、グリシンを欠く、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
[0315]実施形態14.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のセリンをさらに含む、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
【0272】
[0316]実施形態15.食事療法製品が、グリシンを欠く、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
[0317]実施形態16.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
【0273】
[0318]実施形態17.食事療法製品が、システインまたはシスチン、セリン、およびグリシンを欠く、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
[0319]実施形態18.食事療法製品が、チロシンをさらに欠く、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
【0274】
[0320]実施形態19.食事療法製品が、アルギニンをさらに欠く、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
[0321]実施形態20.食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0275】
[0322]実施形態21.食事療法製品が、メチオニンの約7.5%(w/w)超を含む、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
[0323]実施形態22.食事療法製品が、約1%~約10%(w/w)のポリアミン、その前駆物質、または類似体をさらに含む、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0276】
[0324]実施形態23.がん療法が、放射線療法である、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
[0325]実施形態24.がん療法が、化学療法である、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0277】
[0326]実施形態25.がん療法が、免疫療法である、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
[0327]実施形態26.がん療法が、抗がん剤の対象への投与を含む、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0278】
[0328]実施形態27.抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、実施形態26の方法。
[0329]実施形態28.ポリアミン、その前駆物質、または類似体が、プトレシンである、実施形態27の方法。
【0279】
[0330]実施形態29.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミジンである、実施形態27の方法。
[0331]実施形態30.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミンである、実施形態27の方法
[0332]実施形態31.食事療法製品の治療有効量の投与およびポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量を投与することが、食事療法製品を投与されているがポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与されていない同等の対象から得られた同等の生体試料中のがん細胞増殖の減少と比較して、対象から得られた生体試料中のがん細胞増殖の大きな減少をもたらす、実施形態27の方法。
【0280】
[0333]実施形態32.生体試料が腫瘍生検組織である、実施形態31の方法。
[0334]実施形態33.ポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、実施形態31の方法。
【0281】
[0335]実施形態34.メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)阻害剤を投与するステップをさらに含む、実施形態1~33のいずれか1つの方法。
[0336]実施形態35.約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を投与するステップをさらに含む、実施形態1~34のいずれか1つの方法。
【0282】
[0337]実施形態36.低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、実施形態1~35のいずれか1つの方法。
【0283】
[0338]実施形態37.少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を投与するステップをさらに含む、実施形態1~36のいずれか1つの方法。
[0339]実施形態38.低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、低システインまたは低シスチン食、および少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を対象に提供する食事を投与するステップをさらに含む、実施形態1~37のいずれか1つの方法。
【0284】
[0340]実施形態39.最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンならびにメチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンからなる群から選択される少なくとも1種の必須アミノ酸を少なくとも約7.5%(w/w)含まない同等の食事療法製品の治療有効量と比較して、食事療法製品の治療有効量が、がんの処置の場合に低い、実施形態1~38のいずれか1つの方法。
【0285】
[0341]実施形態40.食事療法製品の治療有効量が、食事療法製品を投与し、がん療法を施行しないものと比較して、その方法の場合少ない、実施形態1の方法。
[0342]実施形態41.食事療法製品の治療有効量が、食事療法製品を投与し、ポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与しないものと比較して、その方法の場合少ない、実施形態40の方法。
【0286】
[0343]実施形態42.食事療法製品の治療有効量が、食事療法製品を投与し、がん療法を施行しないものと比較して、その方法の場合少なくとも約15%少ない、実施形態40の方法である。
【0287】
[0344]実施形態43.食事療法製品の治療有効量が、食事療法製品を投与し、がん療法を施行しないものと比較して、その方法の場合少なくとも約30%少ない、実施形態40の方法である。
【0288】
[0345]実施形態44.がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、本方法は、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品は、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、がんは、ダウンレギュレートされた5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現を有しており、食事療法製品の対象への投与は、食事療法製品を投与されていない同等の対象におけるがん細胞増殖の減少と比較して、がん細胞増殖を少なくとも約20%は低下させる。
【0289】
[0346]実施形態45.がんが、乳がんである、実施形態44の方法。
[0347]実施形態46.がんが、結腸直腸がんである、実施形態44の方法。
[0348]実施形態47.がんが、膵がんである、実施形態44の方法。
【0290】
[0349]実施形態48.がんが、アップレギュレートされたアデノシルメチオニン脱炭酸酵素1(AMD1)発現を有している、実施形態44~47のいずれか1つの方法。
[0350]実施形態49.がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、実施形態44~47のいずれか1つの方法。
【0291】
[0351]実施形態50.投与が経口である、実施形態44~49のいずれか1つの方法。
[0352]実施形態51.食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、実施形態44~50のいずれか1つの方法。
【0292】
[0353]実施形態52.食事療法製品の治療有効量が、約0.8g/kg/日である、実施形態44~51のいずれか1つの方法。
[0354]実施形態53.食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、実施形態44~52のいずれか1つの方法。
【0293】
[0355]実施形態54.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のグリシンをさらに含む、実施形態44~53のいずれか1つの方法。
[0356]実施形態55.食事療法製品が、グリシンを欠く、実施形態44~54のいずれか1つの方法。
【0294】
[0357]実施形態56.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のセリンをさらに含む、実施形態44~55のいずれか1つの方法。
[0358]実施形態57.食事療法製品が、セリンを欠く、実施形態44~56のいずれか1つの方法。
【0295】
[0359]実施形態58.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態44~57のいずれか1つの方法。
【0296】
[0360]実施形態59.食事療法製品が、システインまたはシスチン、セリン、およびグリシンを欠く、実施形態44~58のいずれか1つの方法。
[0361]実施形態60.食事療法製品が、チロシンをさらに欠く、実施形態44~59のいずれか1つの方法。
【0297】
[0362]実施形態61.食事療法製品が、アルギニンをさらに欠く、実施形態44~60のいずれか1つの方法。
[0363]実施形態62.食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、実施形態44~61のいずれか1つの方法。
【0298】
[0364]実施形態63.食事療法製品が、約7.5%(w/w)超のメチオニンをさらに含む、実施形態44~62のいずれか1つの方法。
[0365]実施形態64.食事療法製品が、約1%~約10%(w/w)のポリアミン、その前駆物質、または類似体をさらに含む、実施形態44~63のいずれか1つの方法。
【0299】
[0366]実施形態65.食事療法製品を投与することによって、がん細胞増殖を少なくとも約30%は減少させる、実施形態44~64のいずれか1つの方法。
[0367]実施形態66.がん療法を施すステップをさらに含む、実施形態44~65のいずれか1つの方法。
【0300】
[0368]実施形態67.がん療法が、放射線療法である、実施形態66の方法。
[0369]実施形態68.がん療法が、化学療法である、実施形態66の方法。
[0370]実施形態69.がん療法が、免疫療法である、実施形態66の方法。
【0301】
[0371]実施形態70.がん療法が、抗がん剤である、実施形態66の方法。
[0372]実施形態71.抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、実施形態70の方法。
【0302】
[0373]実施形態72.ポリアミン、その前駆物質、または類似体が、プトレシンである、実施形態71の方法。
[0374]実施形態73.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミジンである、実施形態71の方法。
【0303】
[0375]実施形態74.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミンである、実施形態71の方法
[0376]実施形態75.食事療法製品の治療有効量の投与およびポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量を投与することが、食事療法製品を投与されているがポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与されていない同等の対象から得られた同等の生体試料中のがん細胞増殖の減少と比較して、対象から得られた生体試料中のがん細胞増殖の大きな減少をもたらす、実施形態71の方法。
【0304】
[0377]実施形態76.生体試料が腫瘍生検組織である、実施形態75の方法。
[0378]実施形態77.ポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、実施形態75の方法。
【0305】
[0379]実施形態78.メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)阻害剤を投与するステップをさらに含む、実施形態44~77のいずれか1つの方法。
[0380]実施形態79.約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を投与するステップをさらに含む、実施形態44~78のいずれか1つの方法。
【0306】
[0381]実施形態80.低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、実施形態44~79のいずれか1つの方法。
【0307】
[0382]実施形態81.少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を投与するステップをさらに含む、実施形態44~80のいずれか1つの方法。
[0383]実施形態82.低システイン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、低システインまたは低シスチン食、および少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を対象に投与するステップをさらに含む、実施形態44~81のいずれか1つの方法。
【0308】
[0384]実施形態83.ある状態の処置を必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法は、a)対象から生体試料中の代謝物のレベルを決定するステップと;b)治療有効量の食事療法製品を、代謝物のレベルに少なくとも基づいて対象に投与するステップを含み、食事療法製品は、グリシン、セリン、アラニン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、チロシン、およびアルギニンからなる群から選択される少なくとも1種の非必須アミノ酸を最大約0.5%(w/w)含む。
【0309】
[0385]実施形態84.状態ががんである、実施形態83の方法。
[0386]実施形態85.がんが、乳がんである、実施形態84の方法。
[0387]実施形態86.がんが、結腸直腸がんである、実施形態84の方法。
【0310】
[0388]実施形態87.がんが、膵がんである、実施形態84の方法。
[0389]実施形態88.がんが、5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現のダウンレギュレートを示す、実施形態84~87のいずれか1つの方法。
【0311】
[0390]実施形態89.がんが、アップレギュレートされたアデノシルメチオニン脱炭酸酵素1(AMD1)発現を有している、実施形態84~88のいずれか1つの方法。
[0391]実施形態90.がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、実施形態84~89のいずれか1つの方法。
【0312】
[0392]実施形態91.代謝物が、メチルチオアデノシン(MTA)である、実施形態83~90のいずれか1つの方法。
[0393]実施形態92.代謝物が、ポリアミン、その前駆物質、または類似体である、実施形態83~90のいずれか1つの方法。
【0313】
[0394]実施形態93.生体試料が、腫瘍である、実施形態83~92のいずれか1つの方法。
[0395]実施形態94.腫瘍が、固形腫瘍である、実施形態93の方法。
【0314】
[0396]実施形態95.腫瘍が、液体腫瘍である、実施形態93の方法。
[0397]実施形態96.生体試料が、血液である、実施形態83~92のいずれか1つの方法。
【0315】
[0398]実施形態97.食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、実施形態83~96のいずれか1つの方法。
[0399]実施形態98.食事療法製品の治療有効量が、約0.8g/kg/日である、実施形態97の方法。
【0316】
[0400]実施形態99.生体試料が、MTAP-欠乏腫瘍であり、代謝物のレベルが、MTAP-欠乏腫瘍でない生体試料中の代謝物のレベルよりも少なくとも約2-倍高い、実施形態83~98のいずれか1つの方法。
【0317】
[0401]実施形態100.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含む、実施形態83~99のいずれか1つの方法。
[0402]実施形態101.食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、実施形態83~100のいずれか1つの方法。
【0318】
[0403]実施形態102.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態83~101のいずれか1つの方法。
[0404]実施形態103.食事療法製品が、グリシンを欠く、実施形態83~102のいずれか1つの方法。
【0319】
[0405]実施形態104.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のセリンを含む、実施形態83~103のいずれか1つの方法。
[0406]実施形態105.食事療法製品が、セリンを欠く、実施形態83~104のいずれか1つの方法。
【0320】
[0407]実施形態106.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態83~105のいずれか1つの方法。
【0321】
[0408]実施形態107.食事療法製品が、システインまたはシスチン、セリン、およびグリシンを欠く、実施形態83~106のいずれか1つの方法。
[0409]実施形態108.食事療法製品が、チロシンをさらに欠く、実施形態83~107のいずれか1つの方法。
【0322】
[0410]実施形態109.食事療法製品が、アルギニンをさらに欠く、実施形態83~107のいずれか1つの方法。
[0411]実施形態110.食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、実施形態83~109のいずれか1つの方法。
【0323】
[0412]実施形態111.食事療法製品が、約7.5%(w/w)超のメチオニンをさらに含む、実施形態83~110のいずれか1つの方法。
[0413]実施形態112.食事療法製品が、約1%~約10%(w/w)のポリアミン、その前駆物質、または類似体をさらに含む、実施形態83~111のいずれか1つの方法。
【0324】
[0414]実施形態113.がん療法を施すステップをさらに含む、実施形態83~112のいずれか1つの方法。
[0415]実施形態114.がん療法が、放射線療法である、実施形態113の方法。
【0325】
[0416]実施形態115.がん療法が、化学療法である、実施形態113の方法。
[0417]実施形態116.がん療法が、免疫療法である、実施形態113の方法。
[0418]実施形態117.がん療法が、抗がん剤である、実施形態113の方法。
【0326】
[0419]実施形態118.抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、実施形態117の方法。
[0420]実施形態119.ポリアミン、その前駆物質、または類似体が、プトレシンである、実施形態118の方法。
【0327】
[0421]実施形態120.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミジンである、実施形態118の方法。
[0422]実施形態121.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミンである、実施形態118の方法。
【0328】
[0423]実施形態122.食事療法製品の治療有効量の投与およびポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量を投与することが、食事療法製品を投与されているがポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与されていない同等の対象から得られた同等の生体試料中のがん細胞増殖の減少と比較して、対象から得られた生体試料中のがん細胞増殖の大きな減少をもたらす、実施形態118の方法。
【0329】
[0424]実施形態123.生体試料が腫瘍生検組織である、実施形態122の方法。
[0425]実施形態124.ポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、実施形態122の方法。
【0330】
[0426]実施形態125.メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)阻害剤を投与するステップをさらに含む、実施形態83~124のいずれか1つの方法。
[0427]実施形態126.約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を投与するステップをさらに含む、実施形態83~125のいずれか1つの方法。
【0331】
[0428]実施形態127.低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、実施形態83~126のいずれか1つの方法。
【0332】
[0429]実施形態128.少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を投与するステップをさらに含む、実施形態83~127のいずれか1つの方法。
【0333】
[0430]実施形態129.低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、低システインまたは低シスチン食、ならびに少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を対象に投与するステップをさらに含む、実施形態83~128のいずれか1つの方法。
【0334】
[0431]実施形態130.がんを処置することを必要とする対象において、それを処置する方法であって、方法は、治療有効量の食事療法製品を対象に投与するステップを含み、食事療法製品は、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチンを含み、食事療法製品の治療有効量は、a)グルコースを欠く食事療法製品の治療有効量;b)セリンおよびグリシンを欠く食事療法製品の治療有効量;ならびにc)リシンを欠く食事療法製品の治療有効量のうちの少なくとも1つと比較して、がんの処置の場合に低い。
【0335】
[0432]実施形態131.がんが、乳がんである、実施形態130の方法。
[0433]実施形態132.がんが、結腸直腸がんである、実施形態130の方法。
[0434]実施形態133.がんが、膵がんである、実施形態130の方法。
【0336】
[0435]実施形態134.がんが、5-メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)発現のダウンレギュレートを示す、実施形態130~133のいずれか1つの方法。
[0436]実施形態135.がんが、アップレギュレートされたアデノシルメチオニン脱炭酸酵素1(AMD1)発現を有している、実施形態130~134のいずれか1つの方法。
【0337】
[0437]実施形態136.がんが、調節不全なポリアミン代謝を示す、実施形態130~135のいずれか1つの方法。
[0438]実施形態137.投与が経口である、実施形態130~136のいずれか1つの方法。
【0338】
[0439]実施形態138.食事療法製品の治療有効量が、約0.5g/kg/日~約1g/kg/日である、実施形態130~137のいずれか1つの方法。
[0440]実施形態139.食事療法製品の治療有効量が、約0.8g/kg/日である、実施形態130~138のいずれか1つの方法。
【0339】
[0441]実施形態140.食事療法製品が、システインまたはシスチンを欠く、実施形態130~139のいずれか1つの方法。
[0442]実施形態141.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態130~140のいずれか1つの方法。
【0340】
[0443]実施形態142.食事療法製品が、グリシンを欠く、実施形態130~141のいずれか1つの方法。
[0444]実施形態143.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のセリンを含む、実施形態130~142のいずれか1つの方法。
【0341】
[0445]実施形態144.食事療法製品が、セリンを欠く、実施形態130~143のいずれか1つの方法。
[0446]実施形態145.食事療法製品が、最大約0.5%(w/w)のシステインまたはシスチン、最大約0.5%(w/w)のセリン、および最大約0.5%(w/w)のグリシンを含む、実施形態130~144のいずれか1つの方法。
【0342】
[0447]実施形態146.食事療法製品が、システインまたはシスチン、セリン、およびグリシンを欠く、実施形態130~145のいずれか1つの方法。
[0448]実施形態147.食事療法製品が、チロシンをさらに欠く、実施形態130~146のいずれか1つの方法。
【0343】
[0449]実施形態148.食事療法製品が、アルギニンをさらに欠く、実施形態130~147のいずれか1つの方法。
[0450]実施形態149.食事療法製品が、チロシンおよびアルギニンをさらに欠く、実施形態130~148のいずれか1つの方法。
【0344】
[0451]実施形態150.食事療法製品が、約7.5%(w/w)超のメチオニンをさらに含む、実施形態130~149のいずれか1つの方法。
[0452]実施形態151.食事療法製品が、約1%~約10%(w/w)のポリアミン、その前駆物質、または類似体をさらに含む、実施形態130~150のいずれか1つの方法。
【0345】
[0453]実施形態152.がん療法を施すステップをさらに含む、実施形態130~151のいずれか1つの方法。
[0454]実施形態153.がん療法が、放射線療法である、実施形態151の方法。
【0346】
[0455]実施形態154.がん療法が、化学療法である、実施形態151の方法。
[0456]実施形態155.がん療法が、免疫療法である、実施形態151の方法。
[0457]実施形態156.がん療法が、抗がん剤の投与を含む、実施形態151の方法。
【0347】
[0458]実施形態157.抗がん剤が、ポリアミン、またはその前駆物質、もしくは類似体である、実施形態155の方法。
[0459]実施形態158.ポリアミン、その前駆物質、または類似体が、プトレシンである、実施形態156の方法。
【0348】
[0460]実施形態159.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミジンである、実施形態156の方法。
[0461]実施形態160.ポリアミン、その前駆物質、または類似体がスペルミンである、実施形態156の方法
[0462]実施形態161.食事療法製品の治療有効量の投与およびポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量を投与することが、食事療法製品を投与されているがポリアミン、その前駆物質、または類似体を投与されていない同等の対象から得られた同等の生体試料中のがん細胞増殖の減少と比較して、対象から得られた生体試料中のがん細胞増殖の大きな減少をもたらす、実施形態130の方法。
【0349】
[0463]実施形態162.生体試料が腫瘍生検組織である、実施形態157の方法。
[0464]実施形態163.ポリアミン、その前駆物質、または類似体の治療有効量が、約100mg~約5000mgである、実施形態157の方法。
【0350】
[0465]実施形態164.メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)阻害剤を投与するステップをさらに含む、実施形態130~163のいずれか1つの方法。
[0466]実施形態165.約100mg~約2000mgのメチオニンまたはその塩を投与するステップをさらに含む、実施形態130~164のいずれか1つの方法。
【0351】
[0467]実施形態166.低システインまたは低シスチン食を対象に投与するステップをさらに含み、低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、実施形態130~165のいずれか1つの方法。
【0352】
[0468]実施形態167.少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を投与するステップをさらに含む、実施形態130~166のいずれか1つの方法。
【0353】
[0469]実施形態168.低システインまたは低シスチン食が、最大約500mg/日のシステインもしくはシスチンまたはそれらの塩を提供する、低システイン食、および少なくとも約500mg/日のメチオニンまたはその塩を提供する食事を対象に投与するステップをさらに含む、実施形態130~167のいずれか1つの方法。
【配列表】
【国際調査報告】