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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】拡散スクリーン
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20230629BHJP
   G02B 6/08 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G02B5/02 A
G02B6/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575806
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 GB2021051390
(87)【国際公開番号】W WO2021250379
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】2008578.3
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】20275122.8
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ-エイイ- システムズ パブリック リミテッド カンパニ-
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン、ジョナサン・ポール
【テーマコード(参考)】
2H042
2H250
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA11
2H042BA13
2H042BA19
2H042BA20
2H250CD16
2H250CZ04
(57)【要約】
ユーザに画像を表示するための光学装置を開示する。本装置は、第1の開口数を有する画像担持光ビームを生成するための画像源と、拡散スクリーンとを備える。拡散スクリーンは、画像担持光ビームの開口数を第2の開口数に増大させるように構成される。拡散スクリーンは、第1の部分を備え、第1の部分は、互いに対して実質的に平行な第1の面及び第2の面と、第1の面と第2の面との間に光学経路を形成する複数の導波路の第1のアレイとを備える。複数の導波路の各々の光学特性の値が、光学特性の値のセットからランダムに選択される。複数の導波路の第1のアレイは、複数の導波路の各々がその最も近い近隣物に対して実質的に平行な光軸を有するように配置される。第1のアレイの実質的に全ての導波路が、可視光の単一モードが各導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満にサイジングされる。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに画像を表示するための光学装置であって、前記装置は、
画像担持光ビームを生成するための画像源であって、前記画像担持光ビームは、第1の開口数を有する、画像源と、
前記画像担持光ビームの前記開口数を第2の開口数に増大させるための拡散スクリーンと
を備え、前記拡散スクリーンは、
前記画像担持光ビームを受けるための第1の部分を備え、前記第1の部分は、
互いに対して実質的に平行な第1の面及び第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間に光学経路を形成する複数の導波路の第1のアレイであって、前記複数の導波路の各々の光学特性の値が、前記光学特性の値のセットからランダムに選択される、第1のアレイと
を備え、
複数の導波路の前記第1のアレイは、前記複数の導波路の各々がその最も近い近隣物に対して実質的に平行な光軸を有するように配置され、
前記第1のアレイの実質的に全ての前記導波路が、可視光の単一モードが各導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満にサイジングされる、光学装置。
【請求項2】
前記第1のアレイの各導波路は、前記第1のアレイの各導波路の前記光軸が互いに実質的に平行であるように配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
第2の部分を更に備え、前記第2の部分は、
前記第1の面に対して実質的に平行な第3の面及び第4の面と、
前記第3の面と前記第4の面との間に光学経路を形成する複数の導波路の第2のアレイであって、前記複数の導波路の各々の光学特性の値が、前記光学特性の値のセットからランダムに選択される、第2のアレイと
を備え、
複数の導波路の前記第2のアレイは、前記第2のアレイの前記複数の導波路の各々がその最も近い近隣物に対して実質的に平行な光軸を有するように配置され、
前記第1の部分及び第2の部分は、前記画像担持光ビームが前記第2の面と前記第3の面との間を伝搬することを可能にするために共に結合され、
前記第2のアレイの実質的に全ての前記導波路が、可視光の単一モードが各導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満にサイジングされる、請求項1又は2に記載の拡散スクリーン。
【請求項4】
前記第2のアレイの各導波路は、前記第2のアレイの各導波路の前記光軸が互いに実質的に平行であるように配置される、請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記光学特性は、前記導波路の直径、及び/又は前記導波路の屈折率を備える、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項6】
導波路の前記第1のアレイ及び第2のアレイのうちの少なくとも1つは、フォトニック結晶構造を備える、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項7】
前記フォトニック結晶構造は、穴のフォトニック結晶構造を備える、請求項6に記載の光学装置。
【請求項8】
第1の面及び第2の面の隔たりは、0.25mm~1.5mmの範囲内であり、好ましくは1mmである、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第3の面及び第4の面の隔たりは、0.25mm~1.5mmの範囲内であり、好ましくは1mmである、請求項3~8のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項10】
前記導波路の各々の長さは、0.25mm~1.5mm、好ましくは1mmである、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項11】
前記拡散スクリーンは、ガラス基板に接合される、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項12】
前記ガラス基板の厚さは、1mmである、請求項11に記載の光学装置。
【請求項13】
前記第1のアレイの全体的な光軸と前記第2のアレイの全体的な光軸との間の角度が、0°~45°である、請求項2~12のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項14】
前記角度は、実質的に10°である、請求項13に記載の光学装置。
【請求項15】
各導波路の前記直径は、4μm未満である、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項16】
前記光学特性は、離散的な数の値、好ましくは2つの値から選ばれる、請求項1~15のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項17】
前記第1の面及び第2の面のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に湾曲している、請求項1~16のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項18】
前記第3の面及び第4の面のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に湾曲している、請求項3又は請求項3に従属する任意の請求項に記載の光学装置。
【請求項19】
前記第2の開口数は、前記第1の開口数の2倍よりも多い、請求項1~18のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項20】
前記第1の開口数は、0.05~0.1の範囲内であり、前記第2の開口数は、0.35よりも多い、請求項1~19のうちのいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項21】
請求項1~20のうちのいずれか一項に記載の光学装置を備えるヘッドアップディスプレイ。
【請求項22】
請求項1~20のうちのいずれか一項に記載の光学装置を備えるヘッドウォーンディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
拡散スクリーンは、光をより均一に分散させ、画像ビームの開口数(NA)を増大させるように、光を散乱/拡散させるためにディスプレイにおいて使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1A】ファイバフェイスプレート(fibre faceplate)の例示である。
図1B】ファイバフェイスプレートからの出力円錐角を例示する。
図2A】角度付きファイバフェイスプレートの例示である。
図2B】角度付きファイバフェイスプレートからの出力円錐角を例示する。
図3A】いくつかの例による横断アンダーソン局在(transverse Anderson localisation)拡散スクリーンを例示する。
図3B】横断アンダーソン局在角度付き拡散スクリーンからの出力円錐角を例示する。
図4A】いくつかの例による角度付き横断アンダーソン局在拡散スクリーンを例示する。
図4B】角度付き横断アンダーソン局在角度付き拡散スクリーンからの出力円錐角を例示する。
図5A】いくつかの例による二重横断アンダーソン局在拡散スクリーンを例示する。
図5B】二重横断アンダーソン局在角度付き拡散スクリーンからの出力円錐角を例示する。
図6A】いくつかの例による直線-角度付き横断アンダーソン局在拡散スクリーンを例示する。
図6B】直線-角度付き横断アンダーソン局在角度付き拡散スクリーンからの出力円錐角を例示する。
図7A】いくつかの例による角度付き-直線横断アンダーソン局在拡散スクリーンを例示する。
図7B】角度付き-直線横断アンダーソン局在角度付き拡散スクリーンからの出力円錐角を例示する。
図8】いくつかの例による可変オフセット横断アンダーソン局在拡散スクリーンを例示する。
図9】いくつかの例による横断アンダーソン局在ファイバ拡散スクリーンを作製するための方法を例示する。
図10A】基準スクリーン及び試験スクリーンの両方についての緑色光についての放射角度に対するパワーを例示する。
図10B】基準スクリーン及び試験スクリーンの両方についての赤色光についての放射角度に対するパワーを例示する。
図10C】基準スクリーン及び試験スクリーンの両方についての青色光についての放射角度に対するパワーを例示する。
図10D】試験スクリーンについての正規化されたパワーに対する緑色光、青色光、及び赤色光についての円錐角のプロットを例示する。
図11A】緑色光についての基準スクリーンの解像度試験を示す。
図11B】緑色光を使用した試験スクリーンについての解像度試験を示す。
図11C】赤色光についての試験スクリーンについての解像度試験を示す。
図12A】第2の基準スクリーンについての様々な円錐角にわたる変動強度を示す。
図12B】ヘッドアップディスプレイの適用のためにマスクされた円錐角を示す。
図12C】第2の試験スクリーンについての様々な円錐角にわたる変動強度を示す。
図12D】ヘッドマウントディスプレイの適用のためにマスクされた円錐角を示す。
図13A】第2の基準スクリーンの粒度を例示する。
図13B】第2の試験スクリーンの粒度を例示する。
図13C】第2の試験スクリーン及び第2の基準スクリーンの粒度を例示する。
図14】いくつかの例による光学装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0003】
ヘッドアップディスプレイなどのいくつかの用途では、ファイバフェイスプレートが、ユーザに画像を表示するためのスクリーンの一部として使用され得る。ファイバフェイスプレートは、入力面から出力面に画像を転送する。ファイバフェイスプレート100の例を図1Aに例示する。ファイバフェイスプレート100は、第2の面105と第1の面104との間に光学経路を形成する複数の導波路130を備える。各導波路130は、少なくとも可視光の単一モードが、全反射によるファイバ中の有意な減衰を伴わずにファイバを進むことを可能にするのに十分なサイズの光ファイバを備え得る。ほとんどの例では、導波路は、マルチモードファイバであり、そのため、多くのモードがファイバ中で許容される。各導波路130はまた、互いの導波路と実質的に同様であり、互いに実質的に平行である。
【0004】
入力光110は、第1の面104の法線に対して角度αで拡散器中に入力され得る。入力光は、導波路のアレイの光軸に沿って伝搬する。出力光120は、第2の面105に対する法線を中心とする光の円錐で出力される。
【0005】
図1Bは、第2の面105の法線に対して垂直な平面上への円錐の投影140を例示する。図1Bから分かるように、円錐は、光のリングを形成し、そのため、単一方向への直線の光入力110は、角度αの円錐で出力される。
【0006】
図2Aは、角度付きファイバフェイスプレート200を例示する。角度付きファイバフェイスプレート200は、第1の面104と第2の面105との間に光学経路を形成する複数の角度付き導波路230を備える。複数の角度付き導波路230は、第1の面104又は第2の面105に対する法線に対して角度βを成す。各角度付き導波路230はまた、互いの導波路と実質的に同様であり、互いに実質的に平行である。
【0007】
入力光110は、第1の面104の表面に垂直に入力され得る。出力光120は、角度sin-1(n sin 2β)の円錐で出力され、ここで、nは、導波路の屈折率である。
【0008】
図2Bが例示するように、導波路230が第1の面104の表面に対して垂直ではないことの結果として、円錐120は、導波路が第1の面104の表面に対して垂直である場合に対してシフトされる。これは、ディスプレイが、第2の面105の真正面にあるのではなく、ファイバフェイスプレートに対して傾斜されるか、又は角度オフセットを有することを可能にし得る。
【0009】
しかしながら、図1A及び2Aの両方の例では、光は、中心軸を中心として円錐で放射される。いくつかの状況では、リングではなく中実円錐で光が放射されることが望ましくあり得る。ファイバフェイスプレートが使用される場合、円錐角全体にわたって画像を拡散させるために、即ち、入力ビームの開口数と比較して出力ビームの開口数を増大させるために、別個の拡散器が使用され得る。そうでなければ、ユーザに表示される画像は、光が光の円錐で放射されることの結果として、スクリーンの全ての部分が照明されるわけではないか、又は不均一に照明されることになるので、まだらになるであろう。これはまた、ユーザに表示される画像の品質を低減し得るか、又はこの影響を軽減するために追加の要素が必要とされ得る。
【0010】
本開示では、横断アンダーソン局在を利用するファイバフェイスプレートスクリーンが、リングではなく中実円錐でファイバから光が放射されることを可能にし、実質的に波長とは無関係に拡散を提供し、別個の拡散スクリーンの必要性を除去し得ることが特定されている。これは、かなりの円錐角にわたって均一な照明が望まれ得る場合に有益である。横断アンダーソン局在は、「Transverse Anderson localization of light: a tutorial review, Arash Mafi, arXiv:1505.01109v2 [physics.optics] 4 Jun 2015」に記載されている。
【0011】
横断アンダーソン局在を利用するファイバフェイスプレートの使用は、より均一な画像につながり、ユーザが、別個のファイバフェイスプレートの使用を伴わずに、より高品質の画像を見ることを可能にし得る。横断アンダーソン局在は、不規則な系の存在に起因して、系中の導波路の光軸に対して垂直な軸における拡散の欠如を引き起こし得る。光軸は、導波路中の光の伝搬の方向によって規定される。従来のファイバ導波路では、光軸は、縦軸と同じであり、垂直方向は、ファイバ導波路の横軸である。
【0012】
ファイバフェイスプレートの例では、異なる光学特性を有する導波路を配置することによって、例えば、異なるサイズの導波路のセット(例えば、幅)又は異なる屈折率のセットから導波路サイズをランダムに選ぶことによって、不規則性が系に追加され得る。
【0013】
いくつかの例による横断アンダーソン局在(TAL)拡散スクリーン300の例を図3Aに例示する。TAL拡散スクリーン300は、第1の面304と、第1の面304に対して実質的に平行な第2の面305とを備える。入力光310は、第1の面304を介してTAL拡散スクリーン300中に入力され、出力光320は、第2の面305から放射される。
【0014】
TAL拡散スクリーン300は、アレイ中に配置された複数の導波路330を備える。複数の光学導波路330は、第1の面304と第2の面305との間に光学経路を形成する。複数の導波路330の各々の光軸は、第1の面304及び/又は第2の面305の平面に対して実質的に垂直に配置される。アレイ中の導波路の各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。
【0015】
各個々の導波路のサイズは、導波路が単独で使用された場合に単一の光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。しかしながら、TAL拡散スクリーン300の構造及び各導波路の光学特性をランダムに選ぶことによって追加された不規則性に起因して、出力光320は、図3A及び図3Bに示すように、有意な減衰を伴わずにTAL拡散スクリーン300を通って伝搬し、導波路(即ち、導波路の光軸)中の伝搬の方向と実質的に平行な方向を中心とする角度のほぼガウス分布で放射される。
【0016】
入力角度は、ファイバフェイスプレート100と同様に、依然として名目上保存されるが、出力光線角度は、ガウスプロファイルで効果的に畳み込まれて、図3Bに示すようなプロファイルを生成する。図3Bから分かるように、出力は、中実円錐であるが、いくつかの例では、出力は、ガウスプロファイルが十分に広いか、又は円錐角が十分に小さい場合、中央が充填され得るように、ガウスプロファイルの幅又は円錐角に応じて、ドーナツ形状であり得る。
【0017】
図4Aは、オフセットTAL拡散スクリーン400を例示する。オフセットTAL拡散スクリーン400の配置は、複数の導波路の各々の光軸が第1の面304及び第2の面305の表面のうちの1つの法線に対して角度401で配置されることを除いて、図3Aに例示するTAL拡散スクリーン300の配置と同様であり、同様の特徴は同じ参照番号で例示する。
【0018】
入力光310は、オフセット拡散スクリーン400の第1の面304の表面に対して垂直に入力される。光は、アレイ中に配置された複数のオフセット導波路430を通って伝搬する。光は、オフセット出力光420として、オフセット導波路の光軸と実質的に平行に放射される。出力光320のようなオフセット出力光420は、ガウスプロファイルで効果的に畳み込まれる光線角度で出力されて、図4Bに示すようなプロファイルを生成する。出力プロファイルは、ガウス分布、又はトップハット分布若しくはスーパーガウス分布などのガウス様分布であり得る。
【0019】
いくつかの例では、入力円錐角は、±3°であり得、出力円錐角は、±12°であり得る。
【0020】
ガウス分布の幅は、あるTAL拡散スクリーンの出力が別のTAL拡散スクリーン中への入力であるように、2つのTAL拡散スクリーンを共に結合することによって増大し得る。TAL拡散スクリーンは、図3Aに関連して説明したものと同様である。2つの拡散スクリーンを共に結合することは、二重TAL拡散スクリーン500をもたらす。二重TAL拡散スクリーン500を図5Aに例示する。
【0021】
二重TAL拡散スクリーン500は、2つの部分、即ち、第1の部分500a及び第2の部分500bを備える。各第1の部分500a及び第2の部分500bは、TAL拡散スクリーン300と実質的に同様であり得る。第1の部分500a及び第2の部分500bの導波路は、第1の部分500aの導波路の出力が第2の部分500bの導波路の入力と位置合わせされないように位置付けられる。
【0022】
第1の部分500aは、第1の面504と、第1の面504に対して実質的に平行な第2の面505とを備える。複数の導波路530aは、アレイ中で第1の面504と第2の面505との間に光学経路を提供する。複数の導波路は、第1の面504に対して実質的に直交し得る。
【0023】
導波路530aの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダムな連続分布から、又は離散的な事前定義された値から、又は所定の離散値から選択され得る。複数の導波路530aの各個々の導波路のサイズは、単一光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0024】
第2の部分500bは、第2の面505からの出力が第3の面506中に入力されるように第1の部分500aに光学的に結合され、上述したように、第1の部分500a及び第2の部分500bの導波路の個々の入力及び出力は、位置合わせされない。第2の部分500bは、第3の面506と、第3の面506に対して実質的に平行な第4の面507とを備える。複数の導波路530bは、第3の面506と第4の面507との間に光学経路を提供する。導波路は、第3の面506に対して実質的に直交する。第2の面505及び第3の面506は、取得可能な解像度が隔たりの増大と共に減少するにつれて、画像の所望の解像度に応じて、可能な限り互いの近くに位置付けられ得る。
【0025】
導波路530bの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。複数の導波路530bの各個々の導波路のサイズは、単一光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0026】
いくつかの例では、値のセットは、第1の部分500aと第2の部分500bとで同一であり得る。しかしながら、いくつかの例では、値のセットは異なり得るか、又はセットの各々を選択する機会が異なり得る。いくつかの例では、第1の部分500a及び第2の部分500bの各導波路のサイズは、実質的に同じであり得るか、又は異なり得る。差は、必要とされるガウス分布の幅に基づいて選ばれ得る。
【0027】
出力光520は、図5Bに例示するように、導波路の光軸と実質的に平行な方向を中心とする角度のガウス又はガウス様分布で出力される。いくつかの例では、分布は、トップハット関数又はスーパーガウス関数であり得る。これは、スクリーンの一部にわたって比較的一定の輝度をもたらし得るので、いくつかの用途に有用であり得る。
【0028】
いくつかの例では、入力円錐角は、±3°であり得、出力円錐角は、±23°であり得る。
【0029】
第1の部分500aと第2の部分500bとの間の間隙は、可能な限り小さく保たれ得る。間隙のサイズに対する制約は、間隙のサイズの増大が利用可能な解像度の減少を引き起こすため、画像ピクセルのサイズ又は最小所望フィーチャーサイズであり得る。例として、ピクセルサイズが4μmである場合、間隙も4μm未満であるべきである。
【0030】
いくつかの例では、間隙は空隙であり得る。いくつかの例では、間隙は、接着剤などの接合材料で充填され得る。いくつかの例では、間隙は、屈折率整合材料で充填され得る。
【0031】
図6は、いくつかの例による直線-角度付きTAL拡散スクリーン600を例示する。直線-角度付きTAL拡散スクリーン600は、二重TAL拡散スクリーン500と実質的に同様であるが、部分のうちの1つは、面のうちの1つに対して直交しない光軸を有する導波路を備える。
【0032】
直線-角度付きTAL拡散スクリーン600は、直線部分600a及び角度付き部分600bを備える。二重TAL拡散スクリーン500と同様に、直線部分600a中の導波路の個々の出力は、角度付き部分600bの導波路の入力と位置合わせされない。直線部分600aは、図3に関連して説明した拡散スクリーン300と実質的に同様であり得る。
【0033】
直線部分600aは、第1の面604と、第1の面604に対して実質的に平行な第2の面605とを備える。複数の導波路630aは、アレイ中に配置され、第1の面604と第2の面605との間に光学経路を提供する。各導波路の光軸は、第1の面604に対して実質的に直交する。
【0034】
導波路630aの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。
【0035】
複数の導波路630aの各個々の導波路のサイズは、従来、単一光学モードが減衰を伴わずに導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0036】
角度付き部分600bは、第2の面605から出力される光が第3の面606中に結合されるように、且つ第2の面605の導波路の出力が第3の面606の導波路の入力と位置合わせされないように、直線部分600aに光学的に結合される。角度付き部分600bは、第3の面606と、第3の面606に対して実質的に平行な第4の面607とを備える。アレイ中に配置された複数の導波路630bは、第3の面606と第4の面607との間に光学経路を提供する。複数の導波路630bは、導波路630bの光軸が第3の面606及び/又は第4の面607の平面の法線に対して角度601を成すように配置される。
【0037】
導波路630bの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。複数の導波路630bの各個々の導波路のサイズは、単一光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0038】
いくつかの例では、値のセットは、直線部分600aと角度付き部分600bとで同一であり得る。しかしながら、いくつかの例では、値のセットは異なり得るか、又はセットの各々を選択する機会が異なり得る。いくつかの例では、直線部分600a及び角度付き部分600bの各導波路のサイズは、実質的に同じであり得るか、又は異なり得る。差は、必要とされるガウス様分布の幅に基づいて選ばれ得る。
【0039】
光は、直線部分600aの第1の面604への入力光310として直線-角度付きTAL拡散スクリーン600中に入力される。光は、図3AのTAL拡散スクリーン300に関連して説明したものと同様の形で、直線部分600aに沿って伝搬する。光は、次いで、第3の面606を通って角度付き部分600bに入り、複数の導波路630bに沿って伝搬する。光は、次いで、導波路630bの方向に対して平行な方向を中心とする角度のガウス又はガウス様分布で出力される。ガウス様分布は、トップハット分布又はスーパーガウス分布であり得る。
【0040】
角度601は、鋭角であり得る。角度は、所望されるガウス又はガウス様分布のオフセットに基づいて選ばれ得、ここで、より大きい角度が、より大きいオフセットにつながる。角度を選ぶときに考慮すべき要因は、ファイバフェイスプレートと同様に、導波路から空気(又は光が通過する他の媒体)への屈折率変化に基づいて、出力円錐が導波路の光軸に対して変化することである。
【0041】
直線部分600aと角度付き部分600bとの間の間隙は、可能な限り小さく保たれ得る。間隙のサイズに対する制約は、間隙のサイズの増大が利用可能な解像度の減少を引き起こすため、画像ピクセルのサイズ又は最小所望フィーチャーサイズであり得る。例として、ピクセルサイズが4μmである場合、間隙も4μm未満であるべきである。
【0042】
いくつかの例では、間隙は空隙であり得る。いくつかの例では、間隙は、接着剤などの接合材料で充填され得る。いくつかの例では、間隙は、屈折率整合材料で充填され得る。
【0043】
図7Aは、角度付き-直線TAL拡散スクリーン700を例示し、それは、図5A及び6Aの配置の変形である。角度付き-直線TAL拡散スクリーン700は、角度付き部分700a及び直線部分700bを備える。図5A及び6Aの配置と同様に、角度付き部分700aの導波路の出力は、直線部分700bの導波路の入力と位置合わせされない。角度付き部分700aは、第1の面704及び第2の面705を備える。アレイに配置中された複数の導波路730aは、第1の面704と第2の面705との間に光学経路を提供する。複数の導波路は、第1の面704及び/又は第2の面705の平面の法線に対して角度701を成す光軸を有する。
【0044】
導波路730aの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。
【0045】
複数の導波路730aの各個々の導波路のサイズは、単一光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0046】
直線部分700bは、第3の面706及び第4の面707を備える。複数の導波路730bは、第3の面706と第4の面707との間の光学経路中に位置する。複数の導波路730bは、第3の面706及び/又は第4の面707に対して実質的に直交する。
【0047】
導波路730bの各々の光学特性の値が、値のセットからランダムに選択される。いくつかの例では、値のセットは、2つの値から成り得るが、いかなる数の値も適切であり得る。いくつかの例では、値は、値のランダム連続分布から、又は所定の離散値から選択され得る。
【0048】
複数の導波路730bの各個々の導波路のサイズは、単一光学モードが導波路に沿って伝搬することを可能にするであろうサイズ未満である。
【0049】
直線部分700bは、光が角度付き部分700aと直線部分700bとの間を伝搬し得るように、角度付き部分700aに光学的に結合される。光は、第1の面704を介して角度付き部分700a中に入力光310として入力される。光は、複数の導波路730aに沿って伝搬し、直線部分700b中に出力される。光は、図4に関連して説明したオフセット拡散スクリーン400のものと同様の形で、角度付き部分700aを通って伝搬する。光は、導波路730aの光軸と平行な方向を中心とするガウスプロファイルを有する角度範囲内で出力される。
【0050】
出力光は、次いで、直線部分700b中に入力される。直線部分700b中への入力光は表面に対して90°を成さないので、光は、複数の導波路730bを通って拡散され、それは、第4の面からの出力光720の幅を更に増大させる。直線部分700bはまた、図3に関連して説明したTAL拡散スクリーン300のように挙動する。
【0051】
複数の導波路730aの角度701を増大させることによって、ガウス又はガウス様プロファイルの幅が増大し得る。実例的なプロファイルを図7Bに例示しており、それは、図6Aの配置とは対照的に、プロファイルがオフセットなしで対称であることを示す。ガウス様プロファイルは、トップハット分布又はスーパーガウス分布を備え得る。
【0052】
角度付き部分700aと直線部分700bとの間の間隙は、可能な限り小さく保たれ得る。間隙のサイズに対する制約は、間隙のサイズの増大が利用可能な解像度の減少を引き起こすため、画像ピクセルのサイズ又は最小所望フィーチャーサイズであり得る。例として、ピクセルサイズが4μmである場合、間隙も4μm未満であるべきである。
【0053】
いくつかの例では、間隙は空隙であり得る。いくつかの例では、間隙は、接着剤などの接合材料で充填され得る。いくつかの例では、間隙は、屈折率整合材料で充填され得る。
【0054】
図3~7は、互いに対して実質的に平行であり、且つ実質的に直線である、即ち光軸が実質的に平行である複数の導波路を有するTAL拡散スクリーンを示す。しかしながら、導波路は、それらの最も近い近隣物に対して実質的に平行であるが、TAL拡散スクリーン中の全ての導波路に対して平行ではない光軸を有し得る。導波路はまた、直線又は実質的に直線である必要はない。例えば、第1の導波路は、第1の面に対して垂直であり得、第1の面の法線に対する角度は、第1の導波路からの距離と共に増大し得る。角度は、第1の面の平面内の1つの寸法において一定のままであり得るか、又は第1の面の平面内の2つの寸法において変化し得る。いくつかの例では、角度はまた、導波路が湾曲するように、導波路に沿って寸法が変化し得る。導波路は、同じ曲率を有し得るか、又は曲率は、導波路によって変化し得る。
【0055】
例を図8が例示する。図8は、全ての導波路が互いに対して平行なわけではない可変オフセットTAL拡散スクリーン800を例示する。そのような構造の結果、円錐角オフセットは、可変オフセットTAL拡散スクリーン800の中心801には実質的にオフセットが存在せず、中心801の外側ではオフセットが増大するように、位置と共に変化する。
【0056】
図3~7は、単一の直線光線として入力光を示す。しかしながら、入力光は、例えば±3°の角度範囲内で入力され得る。更に、光入力は、TAL拡散スクリーンの有限領域にわたる画像、即ち単一光線の仮定として入力され得る。出力は、円錐の仮定であり、入力画像と比較して、出力される画像のサイズを保存又は増大させる。
【0057】
図5~7は、積み重ねられた2TAL拡散スクリーンを例示しているが、必要とされる特性に応じて、任意の配置における任意の数のスクリーンが積み重ねられ得る。
【0058】
いくつかの例では、TAL拡散スクリーンは、ガラス基板に接合され得る。
【0059】
TAL拡散スクリーンの面は、実質的に直線であるように示しているが、いくつかの例では、面のうちの少なくとも1つは、湾曲し得る。
【0060】
図3A~7Bに関連して説明する導波路のアレイは、各導波路が格子構造内に穴を備えるように、フォトニック結晶構造を備え得る。いくつかの例では、穴は、空気で充填され得る。いくつかの例では、穴は、プラスチック又はケイ素ベースの材料などの固体材料で充填され得る。
【0061】
図3~8を参照して説明するものなど、いくつかの例による拡散スクリーンの全体的な厚さは、導波路の特定の用途及びサイズに依存し得、ここで、より大きい導波路は、より厚いスクリーンを必要とし得る。いくつかの例では、拡散スクリーン厚さは、0.25mm~1.5mmであり得る。いくつかの例では、拡散スクリーン厚さは、0.5mm~1mmであり得る。
【0062】
図9は、いくつかの例によるTALファイバ拡散スクリーンを作製するための方法を例示する。この方法は、参照符号900で示す。
【0063】
方法は、開始910で始まる。導波路は、導波路のセットからランダムに選ばれる920。導波路のセットは、光学特性の第1の値を有する複数の導波路を備える第1のサブセットと、光学特性の第2の値を有する複数の導波路を備える第2のサブセットとを備え、第1の値と第2の値とは異なる。各々が光学特性の異なる値を備える任意の数のサブセットが存在し得る。導波路の選択は、n個の導波路が選ばれるように、合計でn回繰り返され、各導波路は、所定数の値のうちの1つである光学特性の値を有する930。
【0064】
導波路は、次いで、共に接合又は融着される940。いくつかの例では、これは、導波路を焼結し、引き出すことを備え得る。導波路の一部は溶融し、一部は完全なままであり、スクリーンのランダム性を更に追加する。
【0065】
拡散スクリーンの光学面が準備される950。いくつかの例では、これは、面が光学的に平滑になるように面を研磨することを備え得る。
【0066】
いくつかの例では、導波路の出力面又は入力面は、それが取り付けられる光学系に対して、適宜、少なくとも実質的に湾曲し得る。平坦でない表面を使用することによって、撮像光学系の視野の平坦さが矯正又は軽減され得る。
例1
【0067】
横断アンダーソン局在を利用する拡散スクリーンが作製され、この拡散スクリーンは、本明細書中で試験スクリーンと呼ばれる。試験スクリーンは、Incom, 294 Southbridge Road, Charlton, MA 01507によって製造された2つの直径24mm、厚さ0.5mmのNanoguideフェイスプレートを備えていた。フェイスプレートは、EPO-TEK 301-LP接着剤を使用して共に接合され、EPO-TEK 301-LPは、Epoxy Technology, Inc., 14 Fortune Drive, Billerica, MA 01821によって作成された接着剤である。接合されたNanoguideスクリーンは、厚さ1mmのガラス基板に接合され、ガラス基板は、一方の側上に反射防止コーティングを備えていた。両方のIncom Nanoguideスクリーンは、基板表面に対して垂直な光軸を有する導波路を備えていた。試験スクリーンの最終直径は、25mm未満であった。
【0068】
試験スクリーンは、基準スクリーンと比較され、基準スクリーンは、図1及び2に関連して説明したものと同様の回折技術及び別個の拡散器に基づいてヘルメットマウントディスプレイ上で使用される高解像度スクリーンであった。
【0069】
図10A~10Cは、赤色光、緑色光、及び青色光についての試験スクリーン及び基準スクリーンについての円錐角の比較を例示する。
【0070】
図10Aは、試験スクリーン及び基準スクリーンの両方の緑色光についての円錐角を例示する。図9Bは、試験スクリーン及び基準スクリーンの両方の赤色光についての円錐角を例示する。図9Cは、試験スクリーン及び基準スクリーンの両方の青色光についての円錐角を例示する。
【0071】
試験スクリーンは、従来のスクリーン(赤色光及び緑色光)と同様であるか、又はより良好(青色光)であるかのうちのいずれかであるが、ピーク及びトラフのうちのいずれも伴わない。
【0072】
図10A~10Cから分かるように、試験拡散スクリーンは、各色について非常に類似した線幅を有するほぼガウスプロファイルを与える。試験に使用される各光源が異なる入力パワーを有するので、強度は異なり、従って、測定される出力パワーは異なる。
【0073】
図10Dは、試験スクリーンについての正規化されたパワーに対する緑色光、青色光、及び赤色光についての円錐角のプロットを例示する。これは、プロファイルが実際に非常に類似していることを実証している。RGB円錐角は実質的に同一であるので、視野又はアイボックスにわたって変化する色バランスの問題はないはずである。
【0074】
図11Aは、緑色光についての基準スクリーンの解像度試験を示す。図11Bは、緑色光を使用した試験スクリーンについての解像度試験を示す。図11Cは、赤色光についての試験スクリーンについての解像度試験を示す。
【0075】
図11Aから分かるように、解像度は、基準スクリーンの領域にわたって6.6~7.1の範囲である。しかしながら、図11Bの同じ色については、解像度は、試験スクリーンの領域にわたって7.4~7.6の範囲である。赤色光を使用する試験スクリーンの場合、解像度は7.3である。全体として、横断アンダーソン局在を使用する拡散スクリーンについて、解像度は、緑色及び青色光については181cy/mmよりも、赤色光については161cy/mmよりも良好である。
例2
【0076】
5mm×5mmの第2の試験スクリーンが、Nanoguideフェイスプレートを使用して作製された。スクリーンの導波路は、スクリーンの面に対して実質的に垂直であり、フェイスプレートは、実質的に平坦であった(即ち、図3Aと実質的に同様であった)。第2の試験スクリーンは、ファイバフェイスプレート及び別個の拡散スクリーンを備える多くのHUD用途において使用される標準スクリーン(第2の基準スクリーン)と比較された。緑色光が、第2の試験スクリーン及び第2の基準スクリーンの両方に±3°の入力角度で入力された。
【0077】
図12Aは、第2の基準スクリーンについての様々な円錐角にわたる変動強度を示し、図12Bは、HUDの適用のためにマスクされた円錐角を示す。
【0078】
図12Cは、第2の試験スクリーンについての様々な円錐角にわたる変動強度を示し、図12Dは、HUDの適用のためにマスクされた円錐角を示す。
【0079】
図12B及び12Dの破線は、図12E及び12Fの円錐角プロットの位置を示す。図12Eは、強度に対してプロットされた水平円錐角を示し、図11Fは、強度に対してプロットされた垂直円錐角を示す。図から分かるように、第2の試験スクリーンは、使用された円錐の中心で、より約20%明るい。
【0080】
第2の試験スクリーンはまた、第2の試験スクリーンを通して投影されたUSAFパターンを使用して、128cy/mmの解像度を有することが実証された。これは、57cy/mmの解像度を有する第2の基準スクリーンとの比較である。
【0081】
第2の試験スクリーン及び第2の基準スクリーンの粒度は、均一に照明されたスクリーンの高解像度画像を分析することによって測定された。
【0082】
図13Aは、基準スクリーンによって表示された画像の0.2mm×0.2mmセクションの粒度を示す。図13Bは、試験スクリーンによって表示された画像の0.2mm×0.2mmセクションの粒度を示す。
【0083】
図13Cは、第2の基準スクリーン及び第2の試験スクリーンについての画像ピクセルサイズに対するグレースケール標準偏差の変化率のプロットを示す。画像ピクセルサイズは、画像解像度を、図13Cの水平軸上に示すものに再スケーリングすることによって変更される。グラフ上の第1の点は3μmであり、即ち、開始画像解像度ピクセルサイズは3μmであった。最後の点は23μmであり、そのため、最終画像解像度ピクセルサイズは23μmに増大した。
【0084】
図14は、いくつかの例による光学装置1400を例示する。光学装置は、画像担持光ビームを生成するための画像源1410であって、画像担持光ビームは、第1の開口数を有する、画像源1410と、画像担持光ビームの開口数を第2の開口数に増大させるための拡散スクリーン1420とを備える。拡散スクリーン1420は、図3A~13Cを参照して説明した横断アンダーソン局在拡散スクリーンと実質的に同様である。上記で説明したように、横断アンダーソン局在(TAL)拡散スクリーンの使用は、同時に開口数の増大を提供しつつ、ファイバフェイスプレートと比較して解像度の増大を可能にする。
【0085】
光学装置は、少なくともヘッドアップディスプレイ又はヘッドウォーンディスプレイにおいて使用され得る。いくつかの例では、入力ビームの開口数は、0.05~0.1の範囲内であり得、出力ビームの増大した開口数は、0.35よりも多くあり得る。いくつかの例では、ビームの出力開口数は、入力開口数の2倍よりも多くあり得る。
【0086】
いくつかの例では、ディスプレイは、ヘルメットマウントディスプレイなどのヘッドマウントディスプレイを備え得、入力光開口数は、約0.1であり得、出力開口数は、約0.35であり得る。
【0087】
いくつかの例では、ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイを備え得、入力光開口数は、約0.05であり得、出力開口数は、約0.5であり得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図13A
図13B
図13C
図14
【国際調査報告】