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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】レンズプレート
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/00 20180101AFI20230629BHJP
【FI】
F21V5/00 200
F21V5/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575900
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2021065236
(87)【国際公開番号】W WO2021249979
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】20179495.5
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ザレムバ クルジストフ セザリー
(57)【要約】
本発明は、LEDデバイス100のためのレンズプレート10であり、複数のレンズ要素12a乃至12eと、前記複数のレンズ要素のうちの2つのレンズ要素の間の可撓性接続部24a乃至24dであって、前記2つのレンズ要素の間の距離P11及び角度のうちの少なくとも一方が調節されることができるような可撓性接続部とを有するレンズプレートであって、前記2つのレンズ要素と、前記可撓性接続部とが、同じ材料で作成されるレンズプレートに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDデバイスのためのレンズプレートであって、前記レンズプレートが、
複数のレンズ要素と、
前記複数のレンズ要素のうちの更なる複数の連続する2つのレンズ要素の間の可撓性接続部であって、前記2つのレンズ要素の各々の間の距離及び角度のうちの少なくとも一方が調節されることができるような可撓性接続部とを有し、前記2つのレンズ要素の各々と、前記可撓性接続部とが、同じ材料で作成されるレンズプレート。
【請求項2】
前記可撓性接続部が、前記2つのレンズ要素と一緒に成形される請求項1に記載のレンズプレート。
【請求項3】
前記可撓性接続部の可撓性が、前記可撓性接続部の形状、寸法及び位置のうちの少なくとも1つによって達成される請求項1又は2に記載のレンズプレート。
【請求項4】
前記可撓性接続部が、2つのV字形部材を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレンズプレート。
【請求項5】
前記2つのレンズ要素が、各々、ベース部を有し、2つの前記ベース部が、前記2つのベース部の間で互いの方を指す2つの三角形又は等脚台形の空間を少なくとも部分的に画定し、前記2つの三角形又は等脚台形状の空間の各々が、前記可撓性接続部の前記2つのV字形部材のうちの1つを収容する請求項4に記載のレンズプレート。
【請求項6】
前記可撓性接続部に力が加えられていないときには、前記2つのレンズ要素の間に間隙が存在する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレンズプレート。
【請求項7】
前記複数のレンズ要素の各レンズ要素が、前記LEDデバイスのLED基板における対応するノッチと、前記LED基板における前記レンズプレートの位置決めのために係合するよう適合される2つの突出部を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレンズプレート。
【請求項8】
前記複数のレンズ要素が、線形アレイ状に配設される請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレンズプレート。
【請求項9】
前記線形アレイが、前記複数のレンズ要素の光軸に垂直な平面内で湾曲される請求項8に記載のレンズプレート。
【請求項10】
複数のLED光源を備える基板と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のレンズプレートであって、前記レンズプレートの前記複数のレンズ要素のピッチが、前記基板の前記複数のLED光源のピッチと一致するレンズプレートとを有するLEDデバイス。
【請求項11】
前記複数のレンズ要素の各レンズ要素が、前記基板における対応するノッチと、前記基板における前記レンズプレートの位置決めのために係合する2つの突出部を含む請求項10に記載のLEDデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)デバイスのためのレンズプレートに関する。本発明は、このようなレンズプレートを有するLEDデバイス、このようなレンズプレートの使用、及びこのようなレンズプレートを製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
様々なLEDデバイスにおいて、発光ダイオードの配光に影響を与えるために、複数のレンズ要素を備えるレンズプレートが、LED基板(即ち、基板又は担体であって、前記基板又は担体に取り付けられる発光ダイオードを備える基板又は担体)を覆って使用されることがある。しかしながら、配光(レンズプレートのレンズの形状)を同じに保ちたくても、LED基板におけるLEDピッチ(LED間の距離)の変更のたびに、新たな製造ツールへの投資が必要となる。例えば、48個の発光ダイオードを備える2フィートのLEDデバイスにおいてLEDピッチを0.05mmだけ変更する場合、最後の発光ダイオードの位置は0.05×47=2.35mm変わり、これは光学的な観点からは非常に重要である。
【0003】
US2012189800は、積層方向に配列される要素の各グループが高い精度で位置合わせされることができるように、要素アレイにおける要素間のピッチの誤差が、複数の要素アレイを積層するステップにおいて確実に吸収される要素アレイを開示している。要素アレイは、1次元的に又は2次元的に配列される複数のレンズと、レンズを形成する材料よりも弾力性に富む材料で形成される可撓性支持体とを有する。レンズは、支持体を介して互いに結合される。レンズ及び支持体は、二重成形(double molding)によって一体的に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題を解決し、又は少なくとも軽減し、改良されたレンズプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様によれば、この及び他の目的は、LEDデバイスのためのレンズプレートであって、前記レンズプレートが、複数のレンズ要素と、前記複数のレンズ要素のうちの更なる複数の連続する2つのレンズ要素の間の可撓性接続部であって、前記2つのレンズ要素の各々の間の距離及び角度のうちの少なくとも一方が調節されることができるような可撓性接続部とを有し、前記2つのレンズ要素の各々と、前記可撓性接続部とが、同じ材料で作成されるレンズプレートによって達成される。
【0006】
本発明は、レンズ要素間の可撓性接続部は、これらの接続部を引き伸ばす(stretch)(又は場合によっては押しつぶす(squeeze))ことによって、1つのタイプのレンズプレートが、異なるLEDピッチ及び/又は異なる形状さえ備えるLED基板に適合することを可能にするという理解に基づいている。従って、本レンズプレートは、汎用的に適用可能であり、このことは、多くの異なるタイプのLEDデバイス/基板を製造する際のコストを節減する。更に、前記レンズプレートの前記レンズ要素及び前記可撓性接続部が、同じ材料で作成されることから、調節可能なレンズプレートの構造が単純化され、製造が容易になり得る。
【0007】
例えば、前記可撓性接続部は、例えば射出成形によって、前記2つのレンズ要素と一緒に成形されてもよい。
【0008】
前記可撓性接続部の可撓性は、前記レンズ要素と比較して前記可撓性接続部のために異なる(例えば、より弾力性に富む)材料を選択するのではなく、前記可撓性接続部の形状、寸法及び位置のうちの少なくとも1つによって達成されてもよい。
【0009】
前記可撓性接続部は、2つの(平行な)ばね部材を有してもよい。
【0010】
前記可撓性接続部は、例えば、2つのV字形部材を有してもよい。V字形部材は、引き伸ばされることも押しつぶされることもできるという点で、有利である。また、前記V字形部材は、重なり合う必要がなく、このことは、容易な成形を可能にする。前記V字形部材は、好ましくは、前記複数のレンズ要素の光軸に垂直である平面内にある。なぜなら、その場合、前記V字形部材は、前記レンズ要素のレンズ(部)、又は前記レンズ(部)から発せられる光ビームを覆わない可能性があるからである。前記V字形部材はまた、材料が少なくて済む。
【0011】
他の形状の、例えば、W字形、U字形又はΠ字形の前記可撓性接続部も可能である。前記複数のレンズ要素の光軸に平行である平面内に立っているような、他の向き/位置の前記可撓性接続部も可能である。
【0012】
更に、前記2つのレンズ要素は、各々、ベース部(base portion)を有してもよく、2つの前記ベース部は、前記2つのベース部の間で互いの方を指す2つの三角形又は等脚台形の空間を少なくとも部分的に画定し、前記2つの三角形又は等脚台形状の空間の各々が、前記可撓性接続部の前記2つのV字形(又はW字形)部材のうちの1つを収容する。これの利点は、前記(2つの)レンズ要素間の相対的に短い最小距離が、それらの間の可撓性接続にもかかわらず、実現されることができることである。前記2つの三角形又は等脚台形状の空間を得るために、前記ベース部は、例えば、六角形又は八角形であり得る。
【0013】
前記可撓性接続部に力が加えられていないときには、前記2つのレンズ要素の間に間隙が存在してもよい。このやり方においては、前記レンズ要素のピッチは、大きくされても小さくされてもよく、それによって、前記レンズプレートは、非常に多様なLED基板に適合し得る。前記間隙は、例えば、前記2つのレンズ要素のうちの一方の前述の六角形又は八角形のベース部の側面と、他方のレンズ要素の六角形又は八角形のベース部の対向する側面との間に存在し得る。別の実施形態においては、前記可撓性接続部に力が加えられていないときには、前記2つのレンズ要素の間に(実質的に)間隙がない。
【0014】
或る実施形態においては、前記複数のレンズ要素の各レンズ要素は、前記LEDデバイスのLED基板における対応するノッチと、前記LED基板における前記レンズプレートの位置決めのために係合するよう適合される2つの突出部を含む。このような位置決めは、前記LED基板の発光ダイオードに対する前記レンズ要素の位置が安定しているので、熱伸びが配光に及ぼす影響に関する問題を解決している。別の実施形態においては、各レンズ要素は、前記LED基板における対応する突出部と係合するよう適合される2つのノッチを含む。これら2つの実施形態の組み合わせも可能である。追加の要素、例えばフレームも、位置決めのために使用され得る。
【0015】
前記複数のレンズ要素は、線形アレイ状に配設されてもよい。前記アレイは、直線(rectilinear)(真っすぐな)アレイであってもよい。別の実施形態においては、前記線形アレイは、前記複数のレンズ要素の光軸に垂直な平面内で湾曲される。
【0016】
本発明の第2態様によれば、複数のLED光源を備える基板と、前記第1態様によるレンズプレートであって、前記レンズプレートの前記複数のレンズ要素のピッチが、前記基板の前記複数のLED光源のピッチと一致するレンズプレートとを有するLEDデバイスが提供される。
【0017】
前記複数のレンズ要素の各レンズ要素は、前記基板における前記レンズプレートの位置決めのために前記基板における対応するノッチと係合する2つの突出部を含んでもよい。
【0018】
本発明の第3態様は、異なるLEDピッチ及び/又は異なる形状を備える少なくとも2つのLED基板のうちのいずれか1つと共に前記第1態様によるレンズプレートを使用することに関する。
【0019】
本発明の第4態様によれば、LEDデバイスを製造する方法であって、前記第1態様によるレンズプレートを供給するステップと、複数のLED光源を備える基板を供給するステップと、必要に応じて、前記レンズプレートの前記複数のレンズ要素のピッチが前記基板の前記複数のLED光源のピッチと一致するように、力を加えることによって前記可撓性接続部を引き伸ばす及び/又は圧縮する(compress)ステップと、基板に前記レンズプレートを配置するステップとを有する方法が提供される。
【0020】
本発明は、請求項において挙げられている特徴の全てのあり得る組み合わせに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明のこれら及び他の態様についてより詳細に記載する。
図1】本発明の実施形態によるレンズプレートであって、前記レンズプレートの可撓性接続部に力が加えられていないときの、レンズプレートの上面図である。
図2図1のレンズプレートの側面図である。
図3a】本発明の実施形態によるレンズプレートであって、前記レンズプレートの可撓性接続部に力が加えられていないときの、レンズプレートの上面図である。
図3b図3aのレンズプレートであって、前記レンズプレートの可撓性接続部が引き伸ばされた状態のレンズプレートの上面図である。
図3c】LED基板に配置される図3aのレンズプレートを含むLEDデバイスの分解斜視図である。
図3d】別のLED基板に配置される図3bのレンズプレートを含むLEDデバイスの分解斜視図である。
図4a】代替可撓性接続部を示す。
図4b】代替可撓性接続部を示す。
図4c】代替可撓性接続部を示す。
図4d】代替可撓性接続部を示す。
図5】湾曲構成にある図1のレンズプレートの上面図である。
図6】本発明の実施形態による方法のフローチャートである。
【0022】
全体を通して、同様の参照符号は、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明について以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多様な形態で実施されることができ、本明細書において記載されている実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、もっと正確に言えば、これらの実施形態は、完全及び完璧を期すために示されており、本発明の範囲を当業者に十分に伝える。
【0024】
図1及び2(及び3a)は、本発明の実施形態によるレンズプレート10を示している。
【0025】
レンズプレート10は、複数のレンズ要素12a乃至12eを有する。(複数の)レンズ要素12a乃至12eは、(実質的に)剛性であってもよい。(複数の)レンズ要素12a乃至12eは、ここでは、直線アレイ状に配設されている。各レンズ要素12a乃至12eは、レンズ部14とベース部16とを有する。レンズ部14は、例えば、ドーム状であってもよいが、他の形状も可能である。各レンズ部14は光軸18を有する。非結像レンズ部の場合は、光軸18は、関連する発光ダイオード(例えば、後述のLED光源104を参照)の軸、即ち、発光ダイオードであって、レンズ部が前記発光ダイオードのために設計された発光ダイオードの軸と一致する線として解釈されてもよい。ベース部分16は、ここでは、光軸18に垂直な平面20において、八角形である。各2つの隣接ベース部16、例えばレンズ要素12a及び12bのベース部は、2つのベース部16の間で互いの方を指す2つの三角形又は等脚台形の空間22a及び22bを少なくとも部分的に画定し得る。
【0026】
レンズプレート10は、各2つの連続するレンズ要素12a乃至12eの間の可撓性接続部24a乃至24d、例えば、レンズ要素12a及び12bの間の可撓性接続部24a、レンズ要素12b及び12cの間の可撓性接続部24bなどを更に有する。レンズプレート10のレンズ要素の数は、N個であってもよく、レンズプレート10の可撓性接続部の数は、N-1個であってもよく、ここで、Nは、整数であり、例えば2乃至200の範囲内である。例示的な約2フィートのレンズプレートは、例えば、48個のレンズ要素と、47個の可撓性接続部とを有し得る。別の例示的な約1フィートのレンズプレートは、例えば、24個のレンズ要素と、23個の可撓性接続部とを有し得る。各可撓性接続部24a乃至24dは、後で更に説明するように、その2つのレンズ要素12a乃至12eの間の距離及び角度のうちの少なくとも一方を調節することを可能にする。
【0027】
レンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、同じ材料で作成される。即ち、レンズプレート10は、1つの材料から作成され得る。レンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、非弾性材料で作成されることができる。レンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、例えば、(非弾性材料である)PC(ポリカーボネート)で作成されてもよい。他の例においては、レンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、シリコーンで作成され得る。可撓性接続部24a乃至24dは、例えば、レンズ要素12a乃至12eと一緒に成形されてもよい。従って、レンズプレート10のレンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、一体に作成されることができる。更に、レンズ要素12a乃至12e及び可撓性接続部24a乃至24dは、1つの製造プロセス、例えば液状シリコーン(LSR)注入又は射出成形で作成されることができる。
【0028】
各可撓性接続部24a乃至24dは、2つのV字形部材26a及び26bを有してもよい。V字形部材26a及び26bは平面20内にある。V字形部材26a及び26bは(一般に)互いの方を指す。とりわけ図1の拡大部分において見られ得るように、各V字形部材26a、26bの一方の端部28aは、或るレンズ要素12aに接続され、各V字形部材26a、26bの他方の端部28bは、隣接レンズ要素12bに接続される。具体的には、V字形部材26a、26bは、前述の三角形又は等脚台形の空間22a、22bに収容されてもよく、前記端部28aは、レンズ要素12aのベース部16の側面30aに接続され、前記側面30aは、空間22aを部分的に画定し、前記端部28bは、レンズ要素12bのベース部16の側面30bに接続され、前記側面30bも、空間22aを部分的に画定する。V字形部材の(mm単位の)例示的な寸法が図1において示されている。
【0029】
図4a乃至4dにおいては、様々な代替可撓性接続部が示されている。図4aにおいては、可撓性接続部は、平面20に垂直な平面内に立つV字形部材26'を有する。図4bにおいては、可撓性接続部は、平面20内にあるが、反対側の可撓性接続部材から離れる方を指すV字形部材26''を有する。図1と比較して、V字形部材26''は、より長くされることができ、従って、より可撓性にされることができる。図4cにおいては、可撓性接続部は、平面20内に存在し得るW字形部材26'''を有する。図4dにおいては、可撓性接続部は、平面20内に存在し得るが、反対側の可撓性接続部材から離れる方を指すΠ字形部材26''''(「3つの辺から構成される矩形」)を有する。
【0030】
図1に戻ると、可撓性接続部24a乃至24dに力が加えられていないときには、レンズ要素12a及び12bのような、各2つの連続するレンズ要素の間に間隙32が存在してもよい。具体的には、或るレンズ要素12aの八角形のベース部16の側面34aと、隣接レンズ要素12bの八角形のベース部16の対向する(ここでは平行な)側面34bとの間に間隙32が存在してもよい。特に、側面34aは、空間22aを部分的に画定する側面30aと、空間22bを部分的に画定する対応する側面30'aとの間にある。
【0031】
上述のように、各可撓性接続部24a乃至24dは、その2つのレンズ要素12a乃至12eの間の距離を調節することを可能にする。具体的には、図3bにおいて示されているように、(外力Fを加えることにより)可撓性接続部24a乃至24dを引き伸ばすことによって、レンズ要素12a乃至12eの間の距離が大きくされ得る。即ち、レンズ要素12a乃至12eのピッチは、例えばP11=12mmからP12=14mmに、最大で例えば40%大きくされ得る。レンズ要素間の距離(ピッチ)は、平面20内で、ここでは前述の直線アレイの直線方向に沿って、調節されることに留意されたい。
【0032】
図3aにおいて示されている状態のレンズプレート10は、図3cにおいて示されているように、P11に等しいピッチP21を有する複数のLED光源104を備える基板102に配置されることができ、レンズプレート10と、LED光源104を備える基板102とが、LEDデバイス100の一部を形成する。しかしながら、図3bにおいて示されている状態のレンズプレート10は、同様に、図3dにおいて示されているように、P12に等しい、異なる(より大きい)LEDピッチP22を備える別の基板102'に配置されることができ、レンズプレート10と、LED光源104'を備える基板102'とが、LEDデバイス100'の一部を形成する。従って、レンズプレート10は、異なるLEDピッチP21及びP22を備えるLED基板102、102'に適合することができ、本レンズプレート10を汎用的に適用可能にする。
【0033】
基板102(102')は、プリント回路基板であり得る。基板102(102')は、矩形であり得る。複数のLED光源104(104')は、基板102(102')の表面に取り付けられ得る。複数のLED光源104(104')は、直線アレイ状に配設され得る。LED光源104(104')の数は、N個であり得る。LEDデバイス100(100')は、照明器具であってもよく、又は照明器具の一部を形成してもよい。
【0034】
更に、レンズプレート10の各レンズ要素12a乃至12eは、基板102(102')におけるレンズプレート10の位置決めのために基板102(102')における対応するノッチ106a及び106b(106'a及び106'b)と係合するよう適合される2つの突出部36a及び36bを含んでもよい。具体的には、一方の突出部36aは、八角形のベース部16の横方向側面(lateral side)38aに位置してもよく、他方の突出部36bは、反対側の横方向側面38bに位置してもよい。対応するノッチ106a及び106b(106'a及び106'b)は、基板102(102')の長手方向縁端部(longitudinal edge)108a及び108b(108'a及び108'b)に位置してもよい。このような位置決めは、基板102(102')のLED光源104(104')に対する前記レンズ要素16の位置が安定しているので、熱伸びが配光に及ぼす影響に関する問題を解決している。
【0035】
図5に目を向けると、レンズプレート10は、湾曲基板102''にも配置され得る。ここでは、レンズ要素16の線形アレイが(平面20内で)湾曲されている。これは、図1及び3aにおいて示されている状態と比較して、レンズプレート10の一方の側のV字形部材26b(又はV字形部材26bの大部分)のみが引き伸ばされる一方で、レンズプレート10の他方の側のV字形部材26aが(わずかに)押しつぶされるような外力を加えることによって、達成され得る。図5において示されているように、各2つの連続するレンズ要素の間の角度が、非整列破線(non-aligned dashed lines)によって理解されるように、(図1と比較して)調節されている。
【0036】
図6は、本発明の実施形態によるLEDデバイス100'を製造する方法のフローチャートである。
【0037】
方法は、S1において、例えば図1及び3aにおいて示されているような、レンズプレート10を供給するステップを有する。
【0038】
S2においては、複数のLED光源104(104')を備える基板102、102'が供給される。
【0039】
方法は、S3において、(必要に応じて)レンズプレートの複数のレンズ要素12a乃至12eのピッチP12が複数のLED光源104'のピッチP22と一致するように、力Fを加えることによって可撓性接続部24a乃至24dを引き伸ばす及び/又は圧縮するステップを有する。ここで、ステップS3は、図1及び3aにおいて示されているようなレンズプレート10が基板102に配置される場合には、実施される必要はないが、そのレンズプレート10が基板102'に配置される場合には、(可撓性接続部24a乃至24dを引き伸ばして)実際に実施されることに留意されたい。
【0040】
S4においては、レンズプレート10が、例えば前述の突出部/ノッチを使用して、基板102(102')に配置される。
【0041】
当業者には、本発明が、決して、上記の好ましい実施例に限定されないことは分かる。逆に、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及び変更が可能である。例えば、図1及び2及び3aにおいて示されている実施形態においては、間隙32は相対的に小さいが、可撓性接続部に力が加えられていないときの間隙がより広い場合には、可撓性接続部は(また)、圧縮されてもよく、レンズ要素のピッチを小さくすることを可能にする。
【0042】
更に、当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の請求項の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
図1
【図
図2
図3a-3d】
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
【国際調査報告】