(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20230629BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230629BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230629BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230629BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20230629BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20230629BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20230629BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20230629BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20230629BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20230629BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230629BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20230629BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/249
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/6556
H01M50/293
H01M10/6554
H01M50/244 A
H01M50/271 B
H01M50/204 101
H01M50/242
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575933
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2021083924
(87)【国際公開番号】W WO2021248986
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202010517961.5
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼亮▲穏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼晶
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼文会
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031BB00
5H031EE01
5H031KK08
5H040AA07
5H040AA28
5H040AA29
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY05
5H040CC05
5H040CC20
5H040CC28
5H040CC30
5H040CC59
5H040JJ01
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
(57)【要約】
電池パック(1000)及び車両を提供する。電池パック(1000)は、トレイ(2)及びベイパーチャンバー(3)を含み、トレイ(2)は、収容空間(211)を囲む第1の側部梁(21)を含み、収容空間(211)は、頂部開口を有し、ベイパーチャンバー(3)は、トレイ(2)の頂部開口の箇所に設置され、ベイパーチャンバー(3)は、反対側に位置する2つの第1の縁部(32)を含み、2つの第1の縁部(32)は、いずれも第1の側部梁(21)に取り付けられ、第1の側部梁(21)と第1の縁部(32)のうちの一方の、収容空間(211)に向かう内面に係止溝(212)が設置され、第1の側部梁(21)と第1の縁部(32)のうちの他方は、係止溝(212)内に挿設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に動力を供給する電池パックであって、トレイ及びベイパーチャンバーを含み、
前記トレイは、収容空間を囲む第1の側部梁を含み、前記収容空間は、頂部開口を有し、前記ベイパーチャンバーは、前記トレイの前記頂部開口の箇所に設置され、前記ベイパーチャンバーは、反対側に位置する2つの第1の縁部を含み、2つの前記第1の縁部がいずれも第1の側部梁に取り付けられ、
前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの一方の、前記収容空間に向かう内面に係止溝が設置され、前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの他方は、前記係止溝内に挿入される、電池パック。
【請求項2】
前記トレイは、間隔を隔てて設置された2つの前記第1の側部梁を有し、2つの前記第1の側部梁はそれぞれ、2つの第1の縁部と係合する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記係止溝は、前記第1の側部梁の前記収容空間に向かう内面に設置され、前記第1の縁部は、前記第1の側部梁の前記係止溝内に挿設される、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1の縁部は、前記係止溝の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ、前記第1の縁部は、前記係止溝の溝側壁に接着される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記ベイパーチャンバーの前記収容空間から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管が設置され、隣接する2本の前記冷却管の間に加熱部材が設置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記冷却管とベイパーチャンバーは、一体アルミニウム押出成形され、前記加熱部材は、加熱膜である、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記冷却管の厚さは、前記加熱膜の厚さより大きい、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記トレイは、対向して設置された2本の第2の側部梁をさらに含み、2本の前記第1の側部梁と2本の前記第2の側部梁によって収容空間が囲まれ、前記収容空間内に補強梁がさらに設置され、前記補強梁は、第2の側部梁に平行に設置される、請求項2~7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記ベイパーチャンバーは、接続領域及び前記接続領域以外の載置領域を含み、前記接続領域の厚さは、前記載置領域の厚さより大きく、かつ前記接続領域は、前記補強梁に接続される、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記ベイパーチャンバーの前記接続領域は、前記補強梁にリベット接合されるか又はねじ止めされる、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記補強梁と前記第2の側部梁との平行方向は、前記補強梁の長さ延伸方向であり、前記ベイパーチャンバーの前記収容空間に向かう内面に2つのボスが設置され、2つの前記ボスはそれぞれ、前記補強梁の前記平行方向に沿った両端面に当接する、請求項8~10のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記ベイパーチャンバーに、車両に接続される接続部材が設置される、前記接続部材は、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記収容空間内に配置された電池モジュールをさらに含み、前記ベイパーチャンバーと前記電池モジュールとが接着される、請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項14】
カバー板をさらに含み、前記カバー板は、前記ベイパーチャンバーに位置し、かつ前記収容空間の前記頂部開口をカバーし、前記カバー板と前記ベイパーチャンバーとの間に封止クッションが設置されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の電池パックを含む、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月9日に提出された出願番号が202010517961.5である中国特許出願に基づき、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電池パックは、新エネルギー電気自動車の主な動力源として、その品質が電気自動車の使用性能及び安全性能に直接的に影響を与える。電池パックの構造において、一般的にはトレイを用いて動力電池を載置し、次にトレイカバーでトレイを封止することにより、電池パックを形成して、電池パックを電気自動車に取り付ける。
【0004】
関連技術において、軽量化とコスト低減の観点から、トレイの側部梁の設計について軽量化が求められるが、それに伴ってトレイの強度問題を引き起こし、電池パックが衝突すると、トレイの側部梁が押出変形しやすいため、トレイの内部の電池ポストを押圧し、電池短絡等の安全事故を引き起こす。
【発明の概要】
【0005】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。
【0006】
このため、本願は、電池パックの押出変形を回避するために、電池パックを提供する。
【0007】
本願は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【0008】
本願の実施例に係る、車両に動力を供給する電池パックは、トレイ及びベイパーチャンバーを含み、前記トレイは、収容空間を囲む第1の側部梁を含み、前記収容空間は、頂部開口を有し、前記ベイパーチャンバーは、前記トレイの前記頂部開口の箇所に設置され、前記ベイパーチャンバーは、反対側に位置する2つの第1の縁部を含み、2つの前記第1の縁部がいずれも第1の側部梁に取り付けられ、前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの一方の、前記収容空間に向かう内面に係止溝が設置され、前記第1の側部梁と第1の縁部のうちの他方は、前記係止溝内に挿設される。
【0009】
本願の実施例に係る電池パックにおいて、ベイパーチャンバーの2つの第1の縁部をいずれも、収容空間を囲む第1の側部梁と係合させることにより、ベイパーチャンバーが第1の側部梁を支持し、トレイが押圧又は衝突を受ける場合、トレイは、力をベイパーチャンバーに伝達することができるため、トレイの構造強度を増加させ、第1の側部梁が押圧された後に変形して収容空間内の電池モジュールを押圧することを回避して、収容空間内の電池モジュールを保護するという目的を達成することにより、電池モジュールの動作が安全で確実である。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記トレイは、間隔を隔てて設置された2本の第1の側部梁を有し、2本の前記第1の側部梁はそれぞれ、2つの第1の縁部と係合する。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記係止溝は、前記第1の側部梁の前記収容空間に向かう内面に設置され、前記第1の縁部は、前記第1の側部梁の前記係止溝内に挿設される。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の縁部は、前記係止溝の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ前記係止溝の溝側壁に接着される。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記ベイパーチャンバーの前記収容空間から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管が設置され、隣接する2本の前記冷却管の間に加熱部材が設置されている。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記冷却管とベイパーチャンバーは、一体アルミニウム押出成形され、前記加熱部材は、加熱膜である。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記冷却管の厚さは、前記加熱膜の厚さより大きい。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記トレイは、対向して設置された2本の第2の側部梁をさらに含み、前記第1の側部梁と2本の前記第2の側部梁によって収容空間が囲まれ、前記収容空間内に補強梁がさらに設置され、前記補強梁は、第2の側部梁に平行に設置される。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、前記ベイパーチャンバーは、接続領域及び前記接続領域以外の載置領域を含み、前記接続領域の厚さは、前記載置領域の厚さより大きく、かつ前記接続領域は、前記補強梁に接続される。
【0018】
本願のいくつかの実施例では、前記ベイパーチャンバーの前記接続領域は、前記補強梁にリベット接合されるか又はねじ止めされる。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記補強梁と前記第2の側部梁との平行方向は、前記補強梁の長さ延伸方向であり、前記ベイパーチャンバーの前記収容空間に向かう内面に2つのボスが設置され、2つの前記ボスはそれぞれ、前記補強梁の前記平行方向に沿った両端面に当接する。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記ベイパーチャンバーに接続部材が設置され、前記接続部材は、車両に接続される。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記電池パックは、前記収容空間内に配置された電池モジュールをさらに含み、前記ベイパーチャンバーと前記電池モジュールとが接着される。
【0022】
本願のいくつかの実施例では、前記電池パックは、カバー板をさらに含み、前記カバー板は、前記ベイパーチャンバーに位置し、かつ前記収容空間の前記頂部開口をカバーして封止し、前記カバー板と前記ベイパーチャンバーとの間に封止クッションが設置されている。
【0023】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例に記載の電池パックを含む。
【0024】
本願の実施例に係る車両は、運転が安全で確実である。
【0025】
本願の追加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、他の部分が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0027】
【
図1】本願の一実施例に係る電池パックの分解図である。
【
図2】本願の一実施例に係る電池パックの組み立て図である。
【
図3】本願の一実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図5】本願の一実施例に係る電池パックの別の断面図である。
【
図7】本願の一実施例に係るトレイの斜視図である。
【
図8】本願の一実施例に係るベイパーチャンバーの斜視図である。
【
図9】本願の一実施例に係るベイパーチャンバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0029】
なお、本願の説明では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部材が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解してはならない。また、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明では、別に説明しない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0030】
なお、本願の説明では、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」及び「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接接続であっても、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
以下、
図1~
図10を参照して、本願の実施例に係る電池パック1000を説明し、該電池パック1000は、車両に動力を供給することができる。
【0032】
本願の実施例に係る電池パック1000は、トレイ2及びベイパーチャンバー3を含み、トレイ2は、収容空間211を囲む第1の側部梁21を含み、収容空間211は、頂部開口を有し、ベイパーチャンバー3は、トレイ2の頂部開口の箇所に設置され、ベイパーチャンバー3は、反対側に位置する2つの第1の縁部32を含み、2つの第1の縁部32がいずれも第1の側部梁21に取り付けられ、第1の側部梁21と第1の縁部32のうちの一方の収容空間211に向かう内面に係止溝212が設置され、第1の側部梁21と第1の縁部32のうちの他方は、係止溝212内に挿設される。
【0033】
理解できるように、第1の側部梁21及び第1の縁部32のうちの一方に係止溝212を設置し、第1の側部梁21及び第1の縁部32のうちの他方を係止溝212内に挿設することにより、ベイパーチャンバー3の2つの第1の縁部32がいずれも、収容空間211を囲む第1の側部梁21と係合することにより、ベイパーチャンバー3が第1の側部梁21を支持することができ、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は、力をベイパーチャンバー3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形することを回避する。また、第1の側部梁21と第1の縁部32が係止溝212による挿入係合方式で係合されるため、第1の側部梁21と第1の縁部32との接続信頼性は向上することができる。
【0034】
本願のいくつかの実施例では、電池パック1000は、収容空間211内に配置された電池モジュール1をさらに含み、ベイパーチャンバー3は、電池モジュール1の上方に位置する。理解できるように、収容空間211内に電池モジュール1が設置されてもよく、ベイパーチャンバー3を収容空間211の頂部開口の箇所に設置し、かつ電池モジュール1の上方に位置させることにより、ベイパーチャンバー3によって電池モジュール1と熱交換を行って、電池モジュール1に対して加熱及び/又は降温を行うことができ、さらに電池モジュール1の充放電時の降温需要及び/又は電池モジュール1の低温環境での加熱需要を満たすことができる。
【0035】
例えばいくつかの具体的な例では、電池モジュール1は、ベイパーチャンバー3に接着されてもよく、より具体的には、
図1に示すように、ベイパーチャンバー3と電池モジュール1は、熱伝導構造用接着剤4によって接着されてもよいため、ベイパーチャンバー3と電池モジュール1との間の熱交換効率を向上させることができる。当然のことながら、本願は、これに限定されず、例えば電池モジュール1とベイパーチャンバー3とは、接続されなくてもよく、他の方式で接続されてもよく、ここでは説明を省略する。
【0036】
本願の実施例に係る電池パック1000において、ベイパーチャンバー3の2つの第1の縁部32をいずれも、収容空間211を囲む第1の側部梁21と係合させることにより、ベイパーチャンバー3が第1の側部梁21を支持し、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は、力をベイパーチャンバー3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。また、ベイパーチャンバー3がトレイ2の頂部開口の箇所に設置され、この箇所が、第1の側部梁21が変形しやすい位置であるため、第1の側部梁21が変形して電池モジュール1を押圧することを防止するという作用をよりよく果たすことができる。
【0037】
図1、
図5及び
図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2は、間隔を隔てて設置された2本の第1の側部梁21を有し、2本の第1の側部梁21はそれぞれ、2つの第1の縁部32と係合する。理解できるように、ベイパーチャンバー3の2つの第1の縁部32をそれぞれトレイ2の2本の第1の側部梁21と係合させ、さらにベイパーチャンバー3を2本の第1の側部梁21の間に支持させることにより、2本の第1の側部梁21の間の収容空間211が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安定で確実である。
【0038】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、係止溝212は、第1の側部梁21の収容空間211に向かう内面に設置され、第1の縁部32は、第1の側部梁21の係止溝212内に挿設される。理解できるように、第1の側部梁21の収容空間211に向かう内面に係止溝212を設置し、ベイパーチャンバー3の第1の縁部32を第1の側部梁21の係止溝212内に挿設することにより、ベイパーチャンバー3が第1の側部梁21を支持する安定性を向上させ、また、係止溝212を第1の側部梁21に加工することにより、ベイパーチャンバー3の加工を簡略化することができ、実際の生産要求により合致する。
【0039】
本願のいくつかの実施例では、第1の縁部32は、係止溝212の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ係止溝212の溝側壁に接着される。理解できるように、第1の縁部32と係止溝212の溝底壁とを接触させるか又は当接させることにより、第1の縁部32を係止溝212内に堅固に設置し、ベイパーチャンバー3が第1の側部梁21を支持する安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、第1の縁部32と係止溝212の溝側壁とを接着することにより、ベイパーチャンバー3とトレイ2との接続強度が向上し、さらにベイパーチャンバー3が第1の側部梁21内を堅固に支持することができ、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は力をベイパーチャンバー3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形して電池モジュール1を押圧することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。
【0041】
図1~
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、電池パック1000は、カバー板22をさらに含み、カバー板22は、ベイパーチャンバー3に位置し、かつ収容空間211の頂部開口をカバーし、カバー板22とベイパーチャンバー3との間に封止クッション5が設置されている。理解できるように、カバー板22により収容空間211の頂部開口を封止することにより、外部の塵埃又は液体が収容空間211に入って電池モジュール1の動作に影響を与えることを回避することにより、電池モジュール1の動作が安定で確実であることを保証する。
【0042】
また、カバー板22とベイパーチャンバー3との間に封止クッション5が設置され、さらに封止クッション5により収容空間211の頂部開口をよりよく封止し、収容空間211の封止性を向上させ、かつ制振及び騒音低減の効果を達成することができる。
【0043】
本願のいくつかの実施例では、ボルトでカバー板22をトレイ2に接続し、かつ封止クッション5を押圧し、封止クッション5が反発性を有するため、収容空間211の封止を実現する。
【0044】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、第1の縁部32は、係止溝212とカバー板22との間に位置する。理解できるように、ベイパーチャンバー3の両端にいずれも第1の縁部32が設置され、トレイ2の2本の第1の側部梁21にいずれも係止溝212が設置され、ベイパーチャンバー3の2つの第1の縁部32をそれぞれ2本の第1の側部梁21の係止溝212内に挿入させることにより、ベイパーチャンバー3を2本の第1の側部梁21の間に堅固に支持し、トレイ2の構造強度を向上させることができる。
【0045】
ベイパーチャンバー3を、カバー板22でカバーし、ベイパーチャンバー3の第1の縁部32を、係止溝212とカバー板22との間に設置することにより、さらにカバー板22と係止溝212との協働によりベイパーチャンバー3をクランプすることにより、ベイパーチャンバー3の収容空間211内での安定性を向上させることができるため、ベイパーチャンバー3をトレイ2の2本の第1の側部梁21の間に堅固に支持することができる。
【0046】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、ベイパーチャンバー3の収容空間211から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管31が設置され、隣接する2本の冷却管31の間に加熱部材が設置されている。理解できるように、加熱部材によって電池モジュール1を加熱し、電池モジュール1の低温環境での加熱需要を満たすことにより、電池モジュール1の耐用年数を延ばす。冷却管31によって電池モジュール1を降温させることにより、電池モジュール1の充放電時の降温需要を満たし、電池モジュール1が長時間に高温で動作することを回避することにより、電池モジュール1の耐用年数を延ばす。
【0047】
また、加熱部材を隣接する2本の冷却管31の間に設置し、隣接する2本の冷却管31の間の空間を十分に利用することにより、加熱部材と冷却管31の分布は、いずれも均一であり、電池モジュール1を加熱するか降温するかにかかわらず、いずれも熱量を均一に伝達し、温度を改善させる効率を向上させることができ、かつベイパーチャンバー3の構造がよりコンパクトである。
【0048】
本願のいくつかの実施例では、冷却管31は、ベイパーチャンバー3と一体アルミニウム押出成形され、加熱部材は、加熱膜311である。理解できるように、冷却管31とベイパーチャンバー3を一体アルミニウム押出成形部材とすることにより、加熱膜311をベイパーチャンバー3に設置することで、加熱膜311、冷却管31とベイパーチャンバー3との間の接続構造がより堅固になる。
【0049】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、冷却管31の厚さは、加熱膜311の厚さより大きい。
【0050】
図1~
図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2は、対向して設置された2本の第2の側部梁29をさらに含み、2本の第1の側部梁21と2本の第2の側部梁29によって収容空間211が囲まれ、収容空間211内に補強梁23がさらに設置され、補強梁23は、第2の側部梁29に平行に設置される。理解できるように、収容空間211は、2本の第1の側部梁21及び対向して設置された2本の第2の側部梁29によって囲まれるため、収容空間211の構造がより堅固になり、収容空間211が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。
【0051】
また、補強梁23の延伸方向を第2の側部梁29の延伸方向と平行にすることにより、補強梁23を収容空間211内に支持させて、収容空間211内の堅固性をさらに向上させるとともに、ベイパーチャンバー3を収容空間211内の補強梁23に支持させることができる。
【0052】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、ベイパーチャンバー3は、接続領域34及び接続領域34以外の載置領域35を含み、接続領域34の厚さは、載置領域35の厚さより大きく、かつ接続領域34は、補強梁23に接続される。理解できるように、ベイパーチャンバー3の接続領域34を補強梁23に接続させることにより、ベイパーチャンバー3の接続領域34の厚さが載置領域35の厚さよりも大きいため、ベイパーチャンバー3が補強梁23に堅固に接続されて、ベイパーチャンバー3の取り付け堅固性を向上させる。
【0053】
本願のいくつかの実施例では、ベイパーチャンバー3の接続領域34は、補強梁23にリベット接合されるか又はねじ止めされる。理解できるように、ベイパーチャンバー3の接続領域34は、補強梁23にリベット接合されるか又はねじ止めされることにより、ベイパーチャンバー3と補強梁23との間の接続がより堅固になり、かつ接続方式がより便利であり、操作しやすい。
【0054】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、ベイパーチャンバー3に複数の接続領域34が間隔を隔てて設置されることにより、ベイパーチャンバー3の強度を向上させ、ベイパーチャンバー3に折り曲げ現象が発生することを回避する。
【0055】
図5及び
図6に示すように、本願のいくつかの実施例では、補強梁23と第2の側部梁29との平行方向は、補強梁23の長さ延伸方向であり、ベイパーチャンバー3の収容空間211に向かう内面に2つのボス33が設置され、2つのボス33はそれぞれ、補強梁23の平行方向に沿った両端面に当接する。理解できるように、第2の側部梁29の2つのボス33をそれぞれ2本の補強梁23と接触させることにより、ベイパーチャンバー3が補強梁23に対して移動することを回避して、ベイパーチャンバー3の取り付け堅固性を向上させ、ベイパーチャンバー3がトレイ2を堅固に支持することができるため、トレイ2の構造強度をさらに向上させ、トレイ2が変形することを回避する。
【0056】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、ベイパーチャンバー3に接続部材36が設置され、接続部材36は、車両に接続される。理解できるように、接続部材36を車体に接続することにより、電池パック1000を車体に堅固に取り付け、電池パック1000の振動モードを向上させる。好ましくは、接続部材36は、ベイパーチャンバー3に溶接されてもよいため、ベイパーチャンバー3と接続部材36との接続強度を向上させる。なお、ベイパーチャンバー3上の接続部材36は、複数であってもよく、電池パック1000を車体に接続できればよく、ここでは接続部材36の数量を限定しない。
【0057】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、接続部材36は、ナットであってもよく、接続部材36に封止リング37が嵌設され、カバー板22に貫通孔221が設置され、接続部材36は、貫通孔221内に挿設され、封止リング37は、カバー板22と接続部材36との間を封止することにより、接続部材36と貫通孔221との間の封止性を保証し、さらに収容空間211の封止性をさらに保証する。なお、接続部材36は、ボルト又はバックルであってもよく、電池パック1000を車体に接続できればよく、ここでは接続部材36の具体的な構造を限定しない。
【0058】
図1~
図5に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2の外面に複数のラグ26が設置され、複数のボルトは、ラグ26を貫通して車体に接続されることにより、電池パック1000を車体に堅固に接続し、電池パック1000の振動モードを向上させる。
【0059】
図3~
図6に示すように、本願のいくつかの実施例では、収容空間211内に絶縁ガイド板28が設置され、絶縁ガイド板28により電池モジュール1をガイドして収容空間211内に取り付けることにより、電池モジュール1をより容易に取り付ける。また、絶縁ガイド板28は、電池モジュール1とトレイ2との間の絶縁性を確保して、電池モジュール1の動作を安定で確実にすることができる。好ましくは、絶縁ガイド板28は、プラスチック部材である。
【0060】
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、収容空間211の底部に支持部24が間隔を隔てて設置され、トレイ2は、各支持部24に配置された底板25をさらに含み、電池モジュール1は、底板25に配置される。理解できるように、底板25を収容空間211の底部の支持部24に設置し、電池モジュール1を底板25に設置することにより、電池モジュール1を収容空間211内に堅固に設置することができ、また、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、底板25と支持部24との係合により、トレイ2の構造強度を増加させ、トレイ2が変形することを回避することにより、収容空間211内の電池モジュール1を保護する。
【0061】
図1及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、底板25は、第1の構造用接着剤6によって電池モジュール1のケースに接続されることにより、底板25と電池モジュール1との間の接続強度を増加させて、電池モジュール1を収容空間211内に堅固に設置することができる。また、底板25が押圧される場合であっても、底板25が電池モジュール1のケースに接続されるため、底板25は、力を電池モジュール1のケースに伝達するだけであり、電池モジュール1の動作の安定性をさらに向上させる。
【0062】
図1及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、底板25は、第2の構造用接着剤7によって支持部24に接続されることで、底板25と支持部24との間の封止性を保証することにより、収容空間211の封止性をさらに向上させるとともに、底板25とトレイ2との間の接続強度を増加させ、トレイ2の構造強度をさらに上げ、トレイ2が変形することを回避する。本願のいくつかの実施例では、トレイ2の底部に保護板27がさらに設置されることにより、トレイ2の強度をさらに上げる。
【0063】
図1~
図10に示すように、本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例の電池パック1000を含む。
【0064】
本願の実施例に係る車両は、電池モジュール1の動作の安全及び信頼性を向上させることができるため、車両の運転安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0065】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0066】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原則及び精神から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
【符号の説明】
【0067】
1000 電池パック
1 電池モジュール
2 トレイ
21 第1の側部梁
211 収容空間
212 係止溝
22 カバー板
221 貫通孔
23 補強梁
24 支持部
25 底板
26 ラグ
27 保護板
28 絶縁ガイド板
29 第2の側部梁
3 ベイパーチャンバー
31 冷却管
311 加熱膜
32 第1の縁部
33 ボス
34 接続領域
35 載置領域
36 接続部材
37 封止リング
4 熱伝導構造用接着剤
5 封止クッション
6 第1の構造用接着剤
7 第2の構造用接着剤
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に動力を供給する電池パックであって、トレイ及び
上板を含み、
前記トレイは、収容空間を囲む第1の側部梁を含み、前記収容空間は、頂部開口を有し、前記
上板は、前記トレイの前記頂部開口の箇所に設置され、前記
上板は、反対側に位置する2つの第1の縁部を含み、2つの前記第1の縁部がいずれも第1の側部梁に取り付けられ、
前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの一方の、前記収容空間に向かう内面に係止溝が設置され、前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの他方は、前記係止溝内に挿入される、電池パック。
【請求項2】
前記トレイは、間隔を隔てて設置された2つの前記第1の側部梁を有し、2つの前記第1の側部梁はそれぞれ、2つの第1の縁部と係合する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記係止溝は、前記第1の側部梁の前記収容空間に向かう内面に設置され、前記第1の縁部は、前記第1の側部梁の前記係止溝内に挿設される、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1の縁部は、前記係止溝の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ、前記第1の縁部は、前記係止溝の溝側壁に接着される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記
上板の前記収容空間から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管が設置され、隣接する2本の前記冷却管の間に加熱部材が設置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記冷却管と
上板は、一体アルミニウム押出成形され、前記加熱部材は、加熱膜である、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記冷却管の厚さは、前記加熱膜の厚さより大きい、請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記トレイは、対向して設置された2本の第2の側部梁をさらに含み、2本の前記第1の側部梁と2本の前記第2の側部梁によって収容空間が囲まれ、前記収容空間内に補強梁がさらに設置され、前記補強梁は、第2の側部梁に平行に設置される、請求項2~7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記
上板は、接続領域及び前記接続領域以外の載置領域を含み、前記接続領域の厚さは、前記載置領域の厚さより大きく、かつ前記接続領域は、前記補強梁に接続される、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記
上板の前記接続領域は、前記補強梁にリベット接合されるか又はねじ止めされる、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記補強梁と前記第2の側部梁との平行方向は、前記補強梁の長さ延伸方向であり、前記
上板の前記収容空間に向かう内面に2つのボスが設置され、2つの前記ボスはそれぞれ、前記補強梁の前記平行方向に沿った両端面に当接する、請求項8~10のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記
上板に、車両に接続される接続部材が設置される、前記接続部材は、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記収容空間内に配置された電池モジュールをさらに含み、前記
上板と前記電池モジュールとが接着される、請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項14】
カバー板をさらに含み、前記カバー板は、前記
上板に位置し、かつ前記収容空間の前記頂部開口をカバーし、前記カバー板と前記
上板との間に封止クッションが設置されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の電池パックを含む、車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月9日に提出された出願番号が202010517961.5である中国特許出願に基づき、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電池パックは、新エネルギー電気自動車の主な動力源として、その品質が電気自動車の使用性能及び安全性能に直接的に影響を与える。電池パックの構造において、一般的にはトレイを用いて動力電池を載置し、次にトレイカバーでトレイを封止することにより、電池パックを形成して、電池パックを電気自動車に取り付ける。
【0004】
関連技術において、軽量化とコスト低減の観点から、トレイの側部梁の設計について軽量化が求められるが、それに伴ってトレイの強度問題を引き起こし、電池パックが衝突すると、トレイの側部梁が押出変形しやすいため、トレイの内部の電池ポストを押圧し、電池短絡等の安全事故を引き起こす。
【発明の概要】
【0005】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。
【0006】
このため、本願は、電池パックの押出変形を回避するために、電池パックを提供する。
【0007】
本願は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【0008】
本願の実施例に係る、車両に動力を供給する電池パックは、トレイ及び上板を含み、前記トレイは、収容空間を囲む第1の側部梁を含み、前記収容空間は、頂部開口を有し、前記上板は、前記トレイの前記頂部開口の箇所に設置され、前記上板は、反対側に位置する2つの第1の縁部を含み、2つの前記第1の縁部がいずれも第1の側部梁に取り付けられ、前記第1の側部梁と前記第1の縁部のうちの一方の、前記収容空間に向かう内面に係止溝が設置され、前記第1の側部梁と第1の縁部のうちの他方は、前記係止溝内に挿設される。
【0009】
本願の実施例に係る電池パックにおいて、上板の2つの第1の縁部をいずれも、収容空間を囲む第1の側部梁と係合させることにより、上板が第1の側部梁を支持し、トレイが押圧又は衝突を受ける場合、トレイは、力を上板に伝達することができるため、トレイの構造強度を増加させ、第1の側部梁が押圧された後に変形して収容空間内の電池モジュールを押圧することを回避して、収容空間内の電池モジュールを保護するという目的を達成することにより、電池モジュールの動作が安全で確実である。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記トレイは、間隔を隔てて設置された2本の第1の側部梁を有し、2本の前記第1の側部梁はそれぞれ、2つの第1の縁部と係合する。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記係止溝は、前記第1の側部梁の前記収容空間に向かう内面に設置され、前記第1の縁部は、前記第1の側部梁の前記係止溝内に挿設される。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の縁部は、前記係止溝の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ前記係止溝の溝側壁に接着される。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記上板の前記収容空間から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管が設置され、隣接する2本の前記冷却管の間に加熱部材が設置されている。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記冷却管と上板は、一体アルミニウム押出成形され、前記加熱部材は、加熱膜である。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記冷却管の厚さは、前記加熱膜の厚さより大きい。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記トレイは、対向して設置された2本の第2の側部梁をさらに含み、前記第1の側部梁と2本の前記第2の側部梁によって収容空間が囲まれ、前記収容空間内に補強梁がさらに設置され、前記補強梁は、第2の側部梁に平行に設置される。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、前記上板は、接続領域及び前記接続領域以外の載置領域を含み、前記接続領域の厚さは、前記載置領域の厚さより大きく、かつ前記接続領域は、前記補強梁に接続される。
【0018】
本願のいくつかの実施例では、前記上板の前記接続領域は、前記補強梁にリベット接合されるか又はねじ止めされる。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記補強梁と前記第2の側部梁との平行方向は、前記補強梁の長さ延伸方向であり、前記上板の前記収容空間に向かう内面に2つのボスが設置され、2つの前記ボスはそれぞれ、前記補強梁の前記平行方向に沿った両端面に当接する。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記上板に接続部材が設置され、前記接続部材は、車両に接続される。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記電池パックは、前記収容空間内に配置された電池モジュールをさらに含み、前記上板と前記電池モジュールとが接着される。
【0022】
本願のいくつかの実施例では、前記電池パックは、カバー板をさらに含み、前記カバー板は、前記上板に位置し、かつ前記収容空間の前記頂部開口をカバーして封止し、前記カバー板と前記上板との間に封止クッションが設置されている。
【0023】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例に記載の電池パックを含む。
【0024】
本願の実施例に係る車両は、運転が安全で確実である。
【0025】
本願の追加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、他の部分が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0027】
【
図1】本願の一実施例に係る電池パックの分解図である。
【
図2】本願の一実施例に係る電池パックの組み立て図である。
【
図3】本願の一実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図5】本願の一実施例に係る電池パックの別の断面図である。
【
図7】本願の一実施例に係るトレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0029】
なお、本願の説明では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部材が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解してはならない。また、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明では、別に説明しない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0030】
なお、本願の説明では、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」及び「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接接続であっても、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
以下、
図1~
図10を参照して、本願の実施例に係る電池パック1000を説明し、該電池パック1000は、車両に動力を供給することができる。
【0032】
本願の実施例に係る電池パック1000は、トレイ2及び上板3を含み、トレイ2は、収容空間211を囲む第1の側部梁21を含み、収容空間211は、頂部開口を有し、上板3は、トレイ2の頂部開口の箇所に設置され、上板3は、反対側に位置する2つの第1の縁部32を含み、2つの第1の縁部32がいずれも第1の側部梁21に取り付けられ、第1の側部梁21と第1の縁部32のうちの一方の収容空間211に向かう内面に係止溝212が設置され、第1の側部梁21と第1の縁部32のうちの他方は、係止溝212内に挿設される。
【0033】
理解できるように、第1の側部梁21及び第1の縁部32のうちの一方に係止溝212を設置し、第1の側部梁21及び第1の縁部32のうちの他方を係止溝212内に挿設することにより、上板3の2つの第1の縁部32がいずれも、収容空間211を囲む第1の側部梁21と係合することにより、上板3が第1の側部梁21を支持することができ、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は、力を上板3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形することを回避する。また、第1の側部梁21と第1の縁部32が係止溝212による挿入係合方式で係合されるため、第1の側部梁21と第1の縁部32との接続信頼性は向上することができる。
【0034】
本願のいくつかの実施例では、電池パック1000は、収容空間211内に配置された電池モジュール1をさらに含み、上板3は、電池モジュール1の上方に位置する。理解できるように、収容空間211内に電池モジュール1が設置されてもよく、上板3を収容空間211の頂部開口の箇所に設置し、かつ電池モジュール1の上方に位置させることにより、上板3によって電池モジュール1と熱交換を行って、電池モジュール1に対して加熱及び/又は降温を行うことができ、さらに電池モジュール1の充放電時の降温需要及び/又は電池モジュール1の低温環境での加熱需要を満たすことができる。
【0035】
例えばいくつかの具体的な例では、電池モジュール1は、
上板3に接着されてもよく、より具体的には、
図1に示すように、
上板3と電池モジュール1は、熱伝導構造用接着剤4によって接着されてもよいため、
上板3と電池モジュール1との間の熱交換効率を向上させることができる。当然のことながら、本願は、これに限定されず、例えば電池モジュール1と
上板3とは、接続されなくてもよく、他の方式で接続されてもよく、ここでは説明を省略する。
【0036】
本願の実施例に係る電池パック1000において、上板3の2つの第1の縁部32をいずれも、収容空間211を囲む第1の側部梁21と係合させることにより、上板3が第1の側部梁21を支持し、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は、力を上板3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。また、上板3がトレイ2の頂部開口の箇所に設置され、この箇所が、第1の側部梁21が変形しやすい位置であるため、第1の側部梁21が変形して電池モジュール1を押圧することを防止するという作用をよりよく果たすことができる。
【0037】
図1、
図5及び
図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2は、間隔を隔てて設置された2本の第1の側部梁21を有し、2本の第1の側部梁21はそれぞれ、2つの第1の縁部32と係合する。理解できるように、
上板3の2つの第1の縁部32をそれぞれトレイ2の2本の第1の側部梁21と係合させ、さらに
上板3を2本の第1の側部梁21の間に支持させることにより、2本の第1の側部梁21の間の収容空間211が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安定で確実である。
【0038】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、係止溝212は、第1の側部梁21の収容空間211に向かう内面に設置され、第1の縁部32は、第1の側部梁21の係止溝212内に挿設される。理解できるように、第1の側部梁21の収容空間211に向かう内面に係止溝212を設置し、
上板3の第1の縁部32を第1の側部梁21の係止溝212内に挿設することにより、
上板3が第1の側部梁21を支持する安定性を向上させ、また、係止溝212を第1の側部梁21に加工することにより、
上板3の加工を簡略化することができ、実際の生産要求により合致する。
【0039】
本願のいくつかの実施例では、第1の縁部32は、係止溝212の溝底壁に接触するか又は当接し、かつ係止溝212の溝側壁に接着される。理解できるように、第1の縁部32と係止溝212の溝底壁とを接触させるか又は当接させることにより、第1の縁部32を係止溝212内に堅固に設置し、上板3が第1の側部梁21を支持する安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、第1の縁部32と係止溝212の溝側壁とを接着することにより、上板3とトレイ2との接続強度が向上し、さらに上板3が第1の側部梁21内を堅固に支持することができ、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、トレイ2は力を上板3に伝達することができるため、トレイ2の構造強度を増加させ、第1の側部梁21が押圧された後に変形して電池モジュール1を押圧することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。
【0041】
図1~
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、電池パック1000は、カバー板22をさらに含み、カバー板22は、
上板3に位置し、かつ収容空間211の頂部開口をカバーし、カバー板22と
上板3との間に封止クッション5が設置されている。理解できるように、カバー板22により収容空間211の頂部開口を封止することにより、外部の塵埃又は液体が収容空間211に入って電池モジュール1の動作に影響を与えることを回避することにより、電池モジュール1の動作が安定で確実であることを保証する。
【0042】
また、カバー板22と上板3との間に封止クッション5が設置され、さらに封止クッション5により収容空間211の頂部開口をよりよく封止し、収容空間211の封止性を向上させ、かつ制振及び騒音低減の効果を達成することができる。
【0043】
本願のいくつかの実施例では、ボルトでカバー板22をトレイ2に接続し、かつ封止クッション5を押圧し、封止クッション5が反発性を有するため、収容空間211の封止を実現する。
【0044】
図3及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、第1の縁部32は、係止溝212とカバー板22との間に位置する。理解できるように、
上板3の両端にいずれも第1の縁部32が設置され、トレイ2の2本の第1の側部梁21にいずれも係止溝212が設置され、
上板3の2つの第1の縁部32をそれぞれ2本の第1の側部梁21の係止溝212内に挿入させることにより、
上板3を2本の第1の側部梁21の間に堅固に支持し、トレイ2の構造強度を向上させることができる。
【0045】
上板3を、カバー板22でカバーし、上板3の第1の縁部32を、係止溝212とカバー板22との間に設置することにより、さらにカバー板22と係止溝212との協働により上板3をクランプすることにより、上板3の収容空間211内での安定性を向上させることができるため、上板3をトレイ2の2本の第1の側部梁21の間に堅固に支持することができる。
【0046】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、
上板3の収容空間211から離れる外面に、順に配列された複数本の冷却管31が設置され、隣接する2本の冷却管31の間に加熱部材が設置されている。理解できるように、加熱部材によって電池モジュール1を加熱し、電池モジュール1の低温環境での加熱需要を満たすことにより、電池モジュール1の耐用年数を延ばす。冷却管31によって電池モジュール1を降温させることにより、電池モジュール1の充放電時の降温需要を満たし、電池モジュール1が長時間に高温で動作することを回避することにより、電池モジュール1の耐用年数を延ばす。
【0047】
また、加熱部材を隣接する2本の冷却管31の間に設置し、隣接する2本の冷却管31の間の空間を十分に利用することにより、加熱部材と冷却管31の分布は、いずれも均一であり、電池モジュール1を加熱するか降温するかにかかわらず、いずれも熱量を均一に伝達し、温度を改善させる効率を向上させることができ、かつ上板3の構造がよりコンパクトである。
【0048】
本願のいくつかの実施例では、冷却管31は、上板3と一体アルミニウム押出成形され、加熱部材は、加熱膜311である。理解できるように、冷却管31と上板3を一体アルミニウム押出成形部材とすることにより、加熱膜311を上板3に設置することで、加熱膜311、冷却管31と上板3との間の接続構造がより堅固になる。
【0049】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、冷却管31の厚さは、加熱膜311の厚さより大きい。
【0050】
図1~
図7に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2は、対向して設置された2本の第2の側部梁29をさらに含み、2本の第1の側部梁21と2本の第2の側部梁29によって収容空間211が囲まれ、収容空間211内に補強梁23がさらに設置され、補強梁23は、第2の側部梁29に平行に設置される。理解できるように、収容空間211は、2本の第1の側部梁21及び対向して設置された2本の第2の側部梁29によって囲まれるため、収容空間211の構造がより堅固になり、収容空間211が押圧された後に変形することを回避して、収容空間211内の電池モジュール1を保護するという目的を達成することにより、電池モジュール1の動作が安全で確実である。
【0051】
また、補強梁23の延伸方向を第2の側部梁29の延伸方向と平行にすることにより、補強梁23を収容空間211内に支持させて、収容空間211内の堅固性をさらに向上させるとともに、上板3を収容空間211内の補強梁23に支持させることができる。
【0052】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、
上板3は、接続領域34及び接続領域34以外の載置領域35を含み、接続領域34の厚さは、載置領域35の厚さより大きく、かつ接続領域34は、補強梁23に接続される。理解できるように、
上板3の接続領域34を補強梁23に接続させることにより、
上板3の接続領域34の厚さが載置領域35の厚さよりも大きいため、
上板3が補強梁23に堅固に接続されて、
上板3の取り付け堅固性を向上させる。
【0053】
本願のいくつかの実施例では、上板3の接続領域34は、補強梁23にリベット接合されるか又はねじ止めされる。理解できるように、上板3の接続領域34は、補強梁23にリベット接合されるか又はねじ止めされることにより、上板3と補強梁23との間の接続がより堅固になり、かつ接続方式がより便利であり、操作しやすい。
【0054】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、
上板3に複数の接続領域34が間隔を隔てて設置されることにより、
上板3の強度を向上させ、
上板3に折り曲げ現象が発生することを回避する。
【0055】
図5及び
図6に示すように、本願のいくつかの実施例では、補強梁23と第2の側部梁29との平行方向は、補強梁23の長さ延伸方向であり、
上板3の収容空間211に向かう内面に2つのボス33が設置され、2つのボス33はそれぞれ、補強梁23の平行方向に沿った両端面に当接する。理解できるように、第2の側部梁29の2つのボス33をそれぞれ2本の補強梁23と接触させることにより、
上板3が補強梁23に対して移動することを回避して、
上板3の取り付け堅固性を向上させ、
上板3がトレイ2を堅固に支持することができるため、トレイ2の構造強度をさらに向上させ、トレイ2が変形することを回避する。
【0056】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、
上板3に接続部材36が設置され、接続部材36は、車両に接続される。理解できるように、接続部材36を車体に接続することにより、電池パック1000を車体に堅固に取り付け、電池パック1000の振動モードを向上させる。好ましくは、接続部材36は、
上板3に溶接されてもよいため、
上板3と接続部材36との接続強度を向上させる。なお、
上板3上の接続部材36は、複数であってもよく、電池パック1000を車体に接続できればよく、ここでは接続部材36の数量を限定しない。
【0057】
図1、
図8~
図10に示すように、本願のいくつかの実施例では、接続部材36は、ナットであってもよく、接続部材36に封止リング37が嵌設され、カバー板22に貫通孔221が設置され、接続部材36は、貫通孔221内に挿設され、封止リング37は、カバー板22と接続部材36との間を封止することにより、接続部材36と貫通孔221との間の封止性を保証し、さらに収容空間211の封止性をさらに保証する。なお、接続部材36は、ボルト又はバックルであってもよく、電池パック1000を車体に接続できればよく、ここでは接続部材36の具体的な構造を限定しない。
【0058】
図1~
図5に示すように、本願のいくつかの実施例では、トレイ2の外面に複数のラグ26が設置され、複数のボルトは、ラグ26を貫通して車体に接続されることにより、電池パック1000を車体に堅固に接続し、電池パック1000の振動モードを向上させる。
【0059】
図3~
図6に示すように、本願のいくつかの実施例では、収容空間211内に絶縁ガイド板28が設置され、絶縁ガイド板28により電池モジュール1をガイドして収容空間211内に取り付けることにより、電池モジュール1をより容易に取り付ける。また、絶縁ガイド板28は、電池モジュール1とトレイ2との間の絶縁性を確保して、電池モジュール1の動作を安定で確実にすることができる。好ましくは、絶縁ガイド板28は、プラスチック部材である。
【0060】
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、収容空間211の底部に支持部24が間隔を隔てて設置され、トレイ2は、各支持部24に配置された底板25をさらに含み、電池モジュール1は、底板25に配置される。理解できるように、底板25を収容空間211の底部の支持部24に設置し、電池モジュール1を底板25に設置することにより、電池モジュール1を収容空間211内に堅固に設置することができ、また、トレイ2が押圧又は衝突を受ける場合、底板25と支持部24との係合により、トレイ2の構造強度を増加させ、トレイ2が変形することを回避することにより、収容空間211内の電池モジュール1を保護する。
【0061】
図1及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、底板25は、第1の構造用接着剤6によって電池モジュール1のケースに接続されることにより、底板25と電池モジュール1との間の接続強度を増加させて、電池モジュール1を収容空間211内に堅固に設置することができる。また、底板25が押圧される場合であっても、底板25が電池モジュール1のケースに接続されるため、底板25は、力を電池モジュール1のケースに伝達するだけであり、電池モジュール1の動作の安定性をさらに向上させる。
【0062】
図1及び
図4に示すように、本願のいくつかの実施例では、底板25は、第2の構造用接着剤7によって支持部24に接続されることで、底板25と支持部24との間の封止性を保証することにより、収容空間211の封止性をさらに向上させるとともに、底板25とトレイ2との間の接続強度を増加させ、トレイ2の構造強度をさらに上げ、トレイ2が変形することを回避する。本願のいくつかの実施例では、トレイ2の底部に保護板27がさらに設置されることにより、トレイ2の強度をさらに上げる。
【0063】
図1~
図10に示すように、本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例の電池パック1000を含む。
【0064】
本願の実施例に係る車両は、電池モジュール1の動作の安全及び信頼性を向上させることができるため、車両の運転安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0065】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0066】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原則及び精神から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
【符号の説明】
【0067】
1000 電池パック
1 電池モジュール
2 トレイ
21 第1の側部梁
211 収容空間
212 係止溝
22 カバー板
221 貫通孔
23 補強梁
24 支持部
25 底板
26 ラグ
27 保護板
28 絶縁ガイド板
29 第2の側部梁
3 上板
31 冷却管
311 加熱膜
32 第1の縁部
33 ボス
34 接続領域
35 載置領域
36 接続部材
37 封止リング
4 熱伝導構造用接着剤
5 封止クッション
6 第1の構造用接着剤
7 第2の構造用接着剤
【国際調査報告】