(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】接続装置及びそれに対応するX線発生器
(51)【国際特許分類】
H01J 35/00 20060101AFI20230629BHJP
H05G 1/08 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
H01J35/00 Z
H05G1/08 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575999
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2021099341
(87)【国際公開番号】W WO2021249471
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202010525711.6
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021058175.5
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517065220
【氏名又は名称】北京納米維景科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANOVISION TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】崔 志立
(72)【発明者】
【氏名】張 偉亭
(72)【発明者】
【氏名】張 坤
(72)【発明者】
【氏名】崔 亮
【テーマコード(参考)】
4C092
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB17
4C092AB19
4C092AB27
4C092BB18
(57)【要約】
高圧電源とX線管の接続装置及び対応するX線源に関し、接続装置は、高圧電源に取り付けられ、高圧電源の高圧出力端に接続される第1の接続ユニットと、X線管に取り付けられ、X線管の陰極に接続される第2の接続ユニットとを備える。第1の接続ユニットと第2の接続ユニットとを、それぞれ高圧電源とX線管に対応させて取り付け、着脱可能に挿し込むことにより、高圧電源とX線管を接続するだけでなく、高圧電源によってX線管に高圧を供給することができると共に、高圧電源とX線管を分離することができ、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧電源とX線管の接続装置であって、
前記高圧電源に取り付けられ、該高圧電源の高圧出力端に接続される第1の接続ユニットと、
前記X線管に取り付けられ、該X線管の陰極に接続される第2の接続ユニットと、を備え、
前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットとの間に十分な量のシリカゲルを塗布した後、これらの接続ユニットを着脱可能に挿し込み、これらの接続ユニットの間の空気を押し出すことにより前記高圧電源と前記X線管とを着脱可能に接続させることを特徴とする、高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項2】
前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第1ハウジングを備え、前記第1ハウジングの一端には高圧電源出力端子がそれぞれ設置され、前記第1ハウジングの他端におけるポートの断面は、前記高圧電源ハウジングのポートにおける第1の固定部材の断面と同じ高さに配置され、かつ前記第1の固定部材に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項3】
前記第2の接続ユニットは第2ハウジングを備え、前記第2ハウジングの一端には電源入力端子がそれぞれ設けられ、前記第2ハウジングの他端は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材に固定されることを特徴とする、請求項2に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項4】
前記第1の接続ユニットは第1ハウジングを備え、前記第1ハウジングの一端には高圧電源出力端子がそれぞれ設けられ、前記第1ハウジングの他端は、高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材の外側に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項5】
前記第2の接続ユニットは第2ハウジングを備え、前記第2ハウジングの一端には電源入力端子がそれぞれ設けられ、前記第2ハウジングの他端におけるポートの断面は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材の断面と同じ高さに配置され、かつ前記第2の固定部材に固定されることを特徴とする、請求項4に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項6】
前記第1ハウジングと前記高圧電源ハウジングとの間の空間、及び前記第2ハウジングと前記X線管芯との間の空間には、それぞれ絶縁フィラーが充填されることを特徴とする、請求項3または5に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項7】
前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には高圧電源出力端子が設けられており、
前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に第1の絶縁フィラーを充填し、前記第1の絶縁フィラーの外端面は、前記第1の固定部材の外端面と同じ高さに配置されることを特徴とする、請求項1に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項8】
前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には電源入力端子が設けられており、
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填し、前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材の外端面と同じ高さに配置されることを特徴とする、請求項7に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項9】
前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には高圧電源出力端子が設けられており、
前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に第1の絶縁フィラーを充填し、前記第1の絶縁フィラーの外端面は、前記第1の固定部材のポートから所定の距離だけ突出していることを特徴とする、請求項1に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項10】
前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には電源入力端子が設けられており、
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填し、前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材ポートの内側に位置し、かつ前記第2の固定部材の外端面から所定の距離だけ離れていることを特徴とする、請求項9に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項11】
前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には高圧電源出力端子が設けられており、
前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に第1の絶縁フィラーを充填し、前記第1の絶縁フィラーの外端面は前記第1の固定部材ポートの内側に位置し、かつ前記第1の固定部材の外端面から所定の距離だけ離れていることを特徴とする、請求項1に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項12】
前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には電源入力端子が設けられており、
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填し、前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記第2の固定部材のポートから所定の距離だけ突出していることを特徴とする、請求項11に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項13】
前記高圧電源出力端子の外周に第1のシールドリングが設けられ、前記電源入力端子の外周に第2のシールドリングが設けられていることを特徴とする、請求項2~5、請求項7~12のいずれか1項に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項14】
前記高圧電源出力端子のポートが、前記第1の絶縁フィラーの外端面から突出している場合、前記電源入力端子のポートは、前記第2の絶縁フィラー内に埋設され、該第2の絶縁フィラーの外端面と同じ高さに配置され、前記高圧電源出力端子のポートが、前記第1の絶縁フィラー内に埋設されている場合、前記電源入力端子のポートが前記第2の絶縁フィラーの外端面から突出していることを特徴とする、請求項8、10、12のいずれか1項に記載の高圧電源とX線管の接続装置。
【請求項15】
高圧電源とX線源管を備えるX線源であって、
前記高圧電源と前記X線源管は、請求項1~14のいずれか1項に記載の高圧電源とX線管の接続装置を介して、着脱可能に接続されることを特徴とする、X線源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像処理の技術分野に属する、高圧電源とX線管の接続装置に関すると共に、その接続装置を備えるX線源に関する。
【背景技術】
【0002】
X線球管(X線管と略す)は、高圧で動作する真空ダイオードである。X線球管は、陰極として電子を放出するフィラメントと、陽極として電子衝撃を受けるターゲットとの2つの電極を備える。2つの電極は、高真空ガラスまたはセラミック製ハウジング内に密封されている。X線管は、医学方面では診断や治療に、工業技術方面では材料の非破壊検査、構造解析、分光分析、ネガ照射などに使用されている。
【0003】
現在、高圧電源とX線管の接続方式には、一体化接続と独立式接続の2種類がある。ここで、一体化接続方式を採用した高圧電源とX線管は、X線管を高圧電源の内部に実装して形成された全体構造であり、主に低電力、小型の用途に適している。また、いずれかが故障すると修理や分解が難しく、高圧電源とX線管は全体的に交換するしかない。独立式接続方式を採用した高圧電源とX線管は、専門的な高圧ソケットと高圧プラグを使用して高圧電源とX線管を接続しており、主に高電力、大容量の用途に適している。また、独立式接続方式を採用した高圧電源とX線管の総体積と重量も比較的大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする主たる技術的課題は、高圧電源とX線管の接続装置を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、上記の接続装置を備えるX線源を提供することである。
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明は以下の技術案を採用する。
本発明の実施形態の第1の態様により、高圧電源に取り付けられ、前記高圧電源の高圧出力端に接続される第1の接続ユニットと、X線管に取り付けられ、前記X線管の陰極に接続される前記第2の接続ユニットとを備える高圧電源とX線管の接続装置を提供する。
【0007】
前記第1の接続ユニットと前記第2の接続ユニットとの間に十分な量のシリカゲルを塗布した後、これらを着脱可能に挿し込み、両者の間の空気を押し出すことにより、前記高圧電源と前記X線管とを着脱可能に接続させる。
【0008】
好ましくは、前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第1ハウジングを備え、前記第1ハウジングの一端には、高圧電源出力端子がそれぞれ設置され、前記第1ハウジングの他端におけるポートの断面は、前記高圧電源ハウジングのポートにおける第1の固定部材の断面と同じ高さに配置され、かつ前記第1の固定部材に固定される。
【0009】
好ましくは、前記第2の接続ユニットは第2ハウジングを備え、前記第2ハウジングの一端には、電源入力端子がそれぞれ設けられ、前記第2ハウジングの他端は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材に固定される。
【0010】
好ましくは、前記第1の接続ユニットは第1ハウジングを備え、前記第1ハウジングの一端には、高圧電源出力端子がそれぞれ設けられ、前記第1ハウジングの他端は、高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材の外側に結合される。
【0011】
好ましくは、前記第2の接続ユニットは第2ハウジングを備え、前記第2ハウジングの一端には、電源入力端子がそれぞれ設けられ、前記第2ハウジングの他端におけるポートの断面は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材の断面と同じ高さに配置され、かつ前記第2の固定部材に固定される。
【0012】
好ましくは、前記第1ハウジングと前記高圧電源ハウジングとの間の空間、及び前記第2ハウジングと前記X線管芯との間の空間には、それぞれ絶縁フィラーが充填されている。
【0013】
好ましくは、前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には高圧電源出力端子が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に、第1の絶縁フィラーを充填する。前記第1の絶縁フィラーの外端面は、前記第1の固定部材の外端面と同じ高さに配置される。
【0015】
好ましくは、前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には、電源入力端子が設けられている。
【0016】
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填する。前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材の外端面と同じ高さに配置される。
【0017】
好ましくは、前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には、高圧電源出力端子が設けられている。
【0018】
前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に、第1の絶縁フィラーを充填する。前記第1の絶縁フィラーの外端面は、前記第1の固定部材のポートから所定の距離だけ突出している。
【0019】
好ましくは、前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には、電源入力端子が設けられている。
【0020】
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填する。前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材ポートの内側に位置し、かつ前記第2の固定部材の外端面から所定の距離だけ離れている。
【0021】
好ましくは、前記第1の接続ユニットは、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材を備え、前記第3の固定部材には高圧電源出力端子が設けられている。
【0022】
前記第3の固定部材が前記高圧電源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第3の固定部材と前記高圧電源ハウジングにおける第1の固定部材と前記高圧電源ハウジングとの間に囲まれた空間に、第1の絶縁フィラーを充填する。前記第1の絶縁フィラーの外端面は、前記第1の固定部材ポートの内側に位置し、かつ前記第1の固定部材の外端面と所定の距離だけ離れている。
【0023】
好ましくは、前記第2の接続ユニットは、X線源ハウジング内に埋め込まれた第4の固定部材を備え、前記第4の固定部材には電源入力端子が設けられている。
【0024】
前記第4の固定部材が前記X線源ハウジングに嵌め込まれた後、前記第4の固定部材と前記X線源ハウジングにおける第2の固定部材と前記X線源ハウジングとの間に囲まれた空間に第2の絶縁フィラーを充填し、前記第2の絶縁フィラーの外端面は、前記第2の固定部材のポートから所定の距離だけ突出している。
【0025】
好ましくは、前記高圧電源出力端子の外周に第1のシールドリングが設けられ、前記電源入力端子の外周に第2のシールドリングが設けられる。
【0026】
好ましくは、前記高圧電源出力端子のポートが、前記第1の絶縁フィラーの外端面から突出している場合、前記電源入力端子のポートは、前記第2の絶縁フィラー内に埋設され、その外端面と同じ高さに配置される。
【0027】
前記高圧電源出力端子のポートが、前記第1の絶縁フィラー内に埋設されている場合、前記電源入力端子のポートは、前記第2の絶縁フィラーの外端面から突出している。
【0028】
本発明の実施形態の第2態様により、高圧電源とX線源管を備え、前記高圧電源とX線源管が、上記の接続装置を介して着脱可能に接続されているX線源を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によって提供される高圧電源とX線管の接続装置は、第1の接続ユニットと第2の接続ユニットを、それぞれ高圧電源とX線管に対応させて取り付け、着脱可能に挿し込むことにより、高圧電源とX線管を接続させるだけでなく、高圧電源によってX線管に高圧を提供することができると共に、高圧電源とX線管を分離することができ、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施例1によって提供される高圧電源とX線管の接続装置の分解図である。
【
図2】本発明の実施例1によって提供される高圧電源とX線管の接続装置の断面図である。
【
図3】本発明は、実施例1によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第1の接続ユニットの構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施例1によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第2の接続ユニットの構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例1によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第1の接続ユニットと第2のユニットの接続状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施例3によって提供される高圧電源とX線管の接続装置の分解図である。
【
図7】本発明の実施例3によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第1の接続ユニットの構造を示す図である。
【
図8】本発明の実施例3によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第2の接続ユニットの構造を示す図である。
【
図9】本発明の実施例3によって提供される高圧電源とX線管の接続装置における、第1の接続ユニットと第2のユニットの接続状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の技術内容について、添付図面と具体的な実施形態を参照してさらに詳細に説明する。
【0032】
図1及び
図2に示すように、本発明によって提供される高圧電源とX線管の接続装置は、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200とを備える。第1の接続ユニット100は、高圧電源の出力端として、高圧電源に取り付けられて高圧電源の高圧出力端に接続される。第2の接続ユニット200は、X線管の電源入力端としてX線管に取り付けられて、そのX線管の陰極に接続される。第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200との間に十分な量のシリカゲルを塗布した後、これらを着脱可能に挿し込み、両者の間の空気を押し出すことにより、高圧電源とX線管を着脱可能に接続させる。
【0033】
具体的には、第1の接続ユニット100は、高圧電源ハウジング1内に埋め込まれてもよく、あるいは第1の接続ユニット100が高圧電源固定部材の外側に位置するように、高圧電源の第1の固定部材8に結合されてもよい。第1の接続ユニット100に挿し込まれる第2の接続ユニット200は、第1の接続ユニット100に嵌合する構造である。以下、第1の接続ユニット100及び第2の接続ユニット200の構造について、具体的な実施例により詳細に説明する。
【0034】
<実施例1>
図1~
図3に示すように、本実施例によって提供される第1の接続ユニット100は、高圧電源ハウジング1内に埋め込まれる。第1の接続ユニット100は、高圧電源ハウジング1内に埋め込まれた第1ハウジング7を備え、第1ハウジング7の一端には、高圧電源出力端子(ソケットに相当)4がそれぞれ設けられ、第1ハウジング7の他端のポート断面は、高圧電源ハウジング1のポートにおける第1の固定部材8の断面と同じ高さに配置され、かつ第1の固定部材8に固定される。ここで、第1ハウジング7は、非金属材料で製造される。
【0035】
図2及び
図3に示すように、本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、高圧電源出力端子4の外周に、第1のシールドリング5を設けてもよい。第1のシールドリング5は、金属材料で製造されたガイドポスト付きの金属製シールドリングである。
【0036】
図3に示すように、高圧電源出力端子4は、予め設定された高圧を出力するための高圧電源の出力端として、高圧電源の高圧モジュール2に直接またはケーブル3を介して接続することができる。ここで、高圧電源出力端子4と高圧モジュール2との間の接続が、ケーブル接続によるものか、直接接続によるものかについては、実際のニーズに応じて決定する。
【0037】
ここで、第1ハウジング7の長さは、沿面距離の要件を満たす必要がある。すなわち、第1ハウジング7に沿って設定された高圧電源出力端子の端部と、高圧電源ハウジング1のポートに設けられた第1の固定部材8との距離は、沿面距離の要件を満たす必要がある。また、高圧モジュール2が実際に出力する必要がある高圧に応じて、第1ハウジング7の長さを調整し、第1ハウジング7の長さ1mmに対して1KVの高電圧を原則として、第1ハウジング7の長さを決定する。例えば、高圧モジュール2が実際に5KVの高圧を出力する必要がある場合、第1ハウジング7の長さは5mmとすることができる。
【0038】
ここで、第1の固定部材8には、第1ハウジング7のポートに連通する貫通孔が設けられており、この貫通孔は、第1ハウジング7のポートと同じ形状及び大きさである。よって、貫通孔を介して第1ハウジング7を高圧電源ハウジング内に埋め込むことができる。第1の接続ユニット100を高圧電源ハウジング1に埋め込んだ後、第1ハウジング7と高圧電源ハウジング1との間の空間に、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラー(
図3に示すような絶縁フィラー6)を充填するなどの高圧絶縁処理をする。
【0039】
なお、実際に加工する場合、ユーザーの実際のニーズに応じて、一体成形技術を用いて、第1ハウジング7は、第1の固定部材8及び高圧電源ハウジング1と一体加工することができる。高圧電源出力端子4と第1のシールドリング5が設けられている第1ハウジング7の一端を、第1の固定部材8の貫通孔に合せて高圧電源ハウジング内に嵌め込むと、第1ハウジング7の他端のポートと第1の固定部材8とをシームレス接続方式で固定することができる。このような接続方式は、従来の成熟したプロセス技術であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0040】
図1、
図2及び
図4に示すように、第2の接続ユニット200は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材15に接続される。具体的には、第2の接続ユニット200は、第2ハウジング12を備え、第2ハウジング12の一端には、電源入力端子9(プラグに相当)及び第2のシールドリング10がそれぞれ設けられ、第2ハウジング12の他端は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材15に固定される。ここで、第2ハウジング12は、非金属材料で製造される。また、第2ハウジング12の形状及び大きさは、第1ハウジング7と一致し、電源入力端子9と第2のシールドリング10も、高圧電源出力端子4及び第1のシールドリング5に対応している。
図5に示すように、第2ハウジング12及びその上に設けられた電源入力端子9は、第1ハウジング7及びその上に設けられた高圧出力端子4に着脱可能に挿し込むことができる。
【0041】
図1及び
図4に示すように、本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、電源入力端子9の外周に第2のシールドリング10をさらに設けてもよい。第2のシールドリング10は、金属材料で製造されたガイドポスト付きの金属製シールドリングである。
【0042】
図4に示すように、電源入力端子9は、必要な高圧を受けるためのX線管の電源入力端として、X線管芯14の陰極に直接またはケーブル11を介して接続することができる。ここで、電源入力端子9とX線管芯14との間の接続が、ケーブル接続によるものか、直接接続によるものかは、実際のニーズに応じて決定する。
【0043】
ここで、
図1及び
図4に示すように、第2の固定部材15には、X線管芯14の陽極を固定するための貫通孔が設けられており、この貫通孔は、X線管芯14の陽極と同じ形状及び大きさを有している。よって、X線管芯14の陽極を貫通孔に通した後、シームレス接続方式により第2の固定部材15に固定することができる。X線管芯14を取り付けた後、第2ハウジング12の電源入力端子9をX線管芯14の陰極に接続し、その後、第2ハウジング12をX線管芯14の外部にスリーブ接続させ、かつシームレス接続方式により第2の固定部材15に固定した後、第2ハウジング12とX線管芯14との間の空間を、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラー(
図4に示すように絶縁フィラー13)で充填するなどの高圧絶縁処理をする。また、実際に加工する場合、ユーザーの実際のニーズに応じて、一体成形技術を用いて、第2ハウジング12、X線管芯14及び第2の固定部材15を一体加工することもできる。
【0044】
本実施例において、高圧電源を用いてX線管に高圧を供給する必要がある場合、X線管に取り付けられた第2の接続ユニット200と、高圧電源に取り付けられた第1の接続ユニット100をそれぞれ十分な量のシリカゲルで塗布した後、挿し込み、ボルトを用いて第1の固定部材8と第2の固定部材15を固定し、両者の間の空気を押し出すことによって、高圧電源の放電現象を防止すると共に、高圧電源とX線管を固定させる。高圧電源またはX線管が故障した場合、第1の固定部材8と第2の固定部材15上のボルトを外して、X線管を高圧電源から抜き取るだけで、高圧電源とX線管が分離するので、高圧電源とX線管それぞれの故障検査とメンテナンスが容易になる。したがって、このような方式で高圧電源とX線管とを接続することによって、高圧電源とX線管との取り付け体積を小さくできるだけでなく、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することが容易になる。
【0045】
<実施例2>
本実施例によって提供される第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の構造は、以下の点で実施例1と異なっている。高圧電源が取り付けられた第1の接続ユニット100をX線管が取り付けられた第2の接続ユニット200に挿し込むことによって、高圧電源とX線管とを接続させること、第1の接続ユニット100を第2の接続ユニット200から引き抜くことによって、高圧電源とX線管を分離させることが挙げられる。すなわち、実施例2によって提供される第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200は、実施例1とは逆の方法で接続される。
【0046】
したがって、
図1~
図5を組み合わせると、実施例2における第1の接続ユニット100の構造は、実施例1における第2の接続ユニット200と類似し、第1の接続ユニット100が高圧電源ハウジングの第1の固定部材に接続されることは容易に想像される。第2の接続ユニット200は、実施例1における第1の接続ユニット100と同様に、第2の接続ユニット200をX線管ハウジング内に埋め込む。具体的には、第1の接続ユニット100において、第1ハウジングの一端に高圧電源出力端子(プラグに相当)をそれぞれ設け、第1ハウジングの他端は、高圧電源ハウジングの第1の固定部材の外側に結合している。
【0047】
本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、高圧電源出力端子の外周に第1のシールドリングを設けることもできる。
【0048】
ここで、第1の固定部材には、第1ハウジングのポートに連通する貫通孔が設けられており、この貫通孔は、高圧電源出力端子を高圧電源の高圧モジュールに直接またはケーブルを介して接続させる。シームレス接続方式で高圧電源ハウジング及び第1ハウジングを、それぞれ第1の固定部材に固定した後、高圧電源ハウジングと第1ハウジングとの間の空間を、高圧油または高圧絶縁ゴムで充填するなどの高圧絶縁処理をする。また、実際に加工する場合、ユーザーの実際のニーズに応じて、一体成形技術を用いて第1ハウジング、高圧電源ハウジング及び第1の固定部材を一体に加工することができる。
【0049】
本実施例によって提供される第2のユニットにおいて、第2ハウジングの一端には電源入力端子(ソケットに相当)がそれぞれ設けられ、第2ハウジングの他端のポート断面は、X線管ハウジングにおける第2の固定部材の断面と同じ高さに配置され、かつ第2の固定部材に固定されている。ここで、第2の固定部材には、第2ハウジングのポートと連通する貫通孔が設けられており、この貫通孔は第2ハウジングのポートと同じ形状及び大きさを有するため、第2ハウジングをX線管ハウジング内に埋め込み、かつ第2ハウジングとX線管ハウジングとの間の空間に、高圧油または高圧絶縁ゴムを充填するなどの高圧絶縁処理を施すことができる。また、電源入力端子は、実施例1と同様の方式でX線管芯の陰極に接続され、ここでは繰り返して説明しない。
【0050】
本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、電源入力端子の外周に第2のシールドリングを設けることもできる。
【0051】
同様に、実際に加工する場合、ユーザーの実際のニーズに応じて、一体成形技術を用いて第2ハウジング、第2の固定部材及びX線管ハウジングを一体に加工することができる。電源入力端子と第2のシールドリングが設けられた第2ハウジングの一端を、第2の固定部材の貫通孔からX線管ハウジング内に嵌め込み、第2ハウジングの他端のポートと第2の固定部材とをシームレス接続方式で固定することができる。
【0052】
本実施例において、高圧電源を用いてX線管に高圧を供給する必要がある場合、高圧電源に取り付けられた第1の接続ユニット100と、X線管に取り付けられた第2の接続ユニット200それぞれに十分な量のシリカゲルを塗布した後、挿し込み、ボルトを用いて第1の固定部材と第2の固定部材を固定させ、両者の間の空気を押し出すことによって、高圧電源で放電現象が発生することを防止すると共に、高圧電源とX線管を固定する。高圧電源またはX線管が故障した場合、第1の固定部材と第2の固定部材上のボルトを取り外し、高圧電源をX線管から抜き取るだけで、高圧電源とX線管が分離するので、高圧電源とX線管そのぞれの故障検査とメンテナンスが容易になる。したがって、このような方式で高圧電源とX線管とを接続することによって、高圧電源とX線管との取り付け体積を小さくできるだけでなく、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することが容易になる。
【0053】
<実施例3>
図6及び
図7に示すように、本実施例によって提供される第1の接続ユニット100は、高圧電源ハウジング1内に埋め込まれている。第1の接続ユニット100は、高圧電源ハウジング内に埋め込まれた第3の固定部材16を備え、第3の固定部材16には高圧電源出力端子4(プラグに相当)が設けられている。第3の固定部材16を高圧電源ハウジング1に嵌め込んだ後、第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラー(
図7に示すような絶縁フィラー6)を充填する。ここで、充填された絶縁フィラー6の外端面は、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8の外端面と同じ高さに配置されてもよく、または充填された絶縁フィラー6の外端面は、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8のポートから所定の距離だけ突出されてもよく、または充填された絶縁フィラー6の外端面は、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8ポートの内側に位置し、かつ第1の固定部材8の外端面から所定の距離を離れてもよい。また、高圧モジュール2と高圧電源ハウジング1との間の空間には、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラーが充填されている。
【0054】
図7に示すように、本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、高圧電源出力端子4の外周に第1のシールドリング5を設けてもよい。第1のシールドリング5は、金属材料で製造されたガイドポスト付きの金属製シールドリングである。第1のシールドリング5の外端面は、第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面と同じ高さに配置されている。
【0055】
図7に示すように、高圧電源出力端子4は、所定の高圧を出力するための高圧電源の出力端として、高圧電源の高圧モジュール2に直接またはケーブル3を介して接続することができる。具体的には、高圧電源出力端子4の一端は、高圧電源の高圧モジュール2に直接またはケーブル3を介して接続することができ、高圧電源出力端子4の他端は、充填された絶縁フィラーから突出しており、また、第2の接続ユニット200と着脱可能に挿嵌するために、高圧電源ハウジングポートの外部に位置する。
【0056】
図6及び
図8に示すように、第2の接続ユニット200はX線源ハウジング17内に埋め込まれている。第2の接続ユニット200は、X線源ハウジング17内に埋め込まれた第4の固定部材18を備え、第4の固定部材18には、電源入力端子9(ソケットに相当)が設けられている。第4の固定部材18がX線源ハウジング17に嵌め込まれた後、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間を、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラー(
図8に示すような絶縁フィラー13)で充填する。ここで、第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、第1の固定部材8の外端面と同じ高さに配置される場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、X線源ハウジング17における第2の固定部材15の外端面と同じ高さに配置されることによって、高圧電源出力端子4が電源入力端子9に挿入された後に、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面が確実に接合される。
【0057】
第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、第1の固定部材8のポートから所定の距離だけ突出している場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、X線源ハウジング17における第2の固定部材15のポートの内側に位置し、かつ第2の固定部材15の外端面から所定の距離を離れている。この所定の距離は、絶縁フィラー6の外端面が第1の固定部材8のポートから突出している所定の距離と同じである。よって、高圧電源出力端子4を電源入力端子9に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面を(
図9に示すように)接合させることが可能となる。
【0058】
第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8ポートの内側に位置する場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、第2の固定部材15のポートから所定の距離だけ突出する。この所定の距離は、絶縁フィラー6の外端面が第1の固定部材8ポートの内側に位置し、かつ第1の固定部材8の外端面から離れている所定の距離と同じである。よって、高圧電源出力端子4を電源入力端子9に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面を接合させることができる。
【0059】
図8に示すように、本実施例において、局所電界の均一性を確保するために、電源入力端子9の外周に第2のシールドリング10を設けてもよい。第2のシールドリング10は、金属材料で製造されたガイドポスト付きの金属製シールドリングである。第2のシールドリング10の外端面は、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面と同じ高さに配置されている。
【0060】
図8に示すように、電源入力端子9は、必要な高圧を受けるためのX線管の電源入力端として、X線管芯14の陰極に直接またはケーブル11を介して接続してもよい。具体的には、電源入力端子9の一端は、X線管芯14の陰極に直接またはケーブル11を介して接続され、電源入力端子9の他端は、充填された絶縁フィラーに埋設されている。また、電源入力端子9の他端の端面は、第2のシールドリング10の外端面と同じ高さに配置されることによって、第1の接続ユニット100の高圧電源出力端子4を電源入力端子9に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面を接合させることができる。
【0061】
本実施例において、
図9に示すように、高圧電源を用いてX線管に高圧を供給する必要がある場合、高圧電源に取り付けられた第1の接続ユニット100とX線管に取り付けられた第2の接続ユニット200それぞれに十分な量のシリカゲルを塗布した後、挿し込み、ボルトを用いて第1の固定部材8と第2の固定部材15とを固定し、両者の間の空気を押し出すことによって、高圧電源の放電現象を防止すると共に、高圧電源とX線管を固定する。高圧電源またはX線管が故障した場合、第1の固定部材8と第2の固定部材15のボルトを取り外して、X線管から高圧電源を抜き取るだけで、高圧電源とX線管が分離するので、高圧電源とX線管それぞれの故障検査とメンテナンスが容易になる。したがって、このような方式で高圧電源とX線管とを接続することによって、高圧電源とX線管との取り付け体積を小さくできるだけでなく、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することが容易になる。
【0062】
<実施例4>
本実施例によって提供される第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の構造は、以下の点で実施例3と異なっている。X線管が取り付けられた第2の接続ユニット200を、高圧電源が取り付けられた第1の接続ユニット100に挿し込むことによって、高圧電源とX線管との接続を実現することと、第2の接続ユニット200を第1の接続ユニット100から引き抜くことによって、高圧電源とX線管との分離を実現することが挙げられる。すなわち、実施例4によって提供される第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200は、実施例3と逆の方式で接続される。
【0063】
具体的には、本実施例によって提供される第1の接続ユニット100は、高圧電源出力端子4の一端を、高圧電源の高圧モジュール2に直接またはケーブル3を介して接続することができ、高圧電源出力端子4の他端が充填された絶縁フィラーに埋設され、かつ絶縁フィラーの外端面と同じ高さに配置されている点で実施例3と異なっている。この構造は、
図8に示された実施例3によって提供される第2の接続ユニット200における電源入力端子9の構造と類似している。また、第3の固定部材16を高圧電源ハウジング1に嵌め込んだ後、第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に、高圧油または高圧絶縁ゴムなどの絶縁フィラーを充填する。ここで、充填された絶縁フィラー6の外端面は、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8の外端面と同じ高さに配置されるか、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8のポートから所定の距離だけ突出するか、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8ポートの内側に位置し、かつ第1の固定部材8の外端面から所定の距離だけ離れていてもよい。
【0064】
第2の接続ユニット200は、電源入力端子9の一端が、X線管芯14の陰極に直接またはケーブル11を介して接続してもよく、電源入力端子9の他端が、充填された絶縁フィラーから突出し、かつX線管ハウジングポートの外部に位置するという点で実施例3と異なっている。この構造は、
図7に示された実施例3によって提供される第1の接続ユニット100における高圧電源出力端子4の構造と類似している。また、第4の固定部材18をX線源ハウジング17に嵌め込んだ後、第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、第1の固定部材8の外端面と同じ高さに配置されている場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、X線源ハウジング17における第2の固定部材15の外端面と同じ高さに配置されることによって、電源入力端子9を高圧電源出力端子4に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面を接合することができる。
【0065】
第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、第1の固定部材8のポートから所定の距離だけ突出している場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、X線源ハウジング17における第2の固定部材15のポートの内側に位置し、かつ第2の固定部材15の外端面から所定の距離を離れている。この所定の距離は、絶縁フィラー6の外端面が第1の固定部材8のポートから突出している所定の距離と同じである。よって、電源入力端子9を高圧電源出力端子4に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面を接合することができる。
【0066】
第3の固定部材16と第1の固定部材8と高圧電源ハウジング1との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー6の外端面が、高圧電源ハウジング1における第1の固定部材8のポートの内側に位置する場合、第4の固定部材18と第2の固定部材15とX線源ハウジング17との間に囲まれた空間に充填された絶縁フィラー13の外端面は、第2の固定部材15のポートから所定の距離を離れている。前記所定の距離は、絶縁フィラー6の外端面が第1の固定部材8のポートの内側に位置し、かつ第1の固定部材8の外端面から離れている所定の距離と同じであり、よって、電源入力端子9が高圧電源出力端子4に挿入した後、第1の接続ユニット100と第2の接続ユニット200の端面が接合されることを確保する。
【0067】
本実施例において、高圧電源を用いてX線管に高圧を供給する必要がある場合、X線管に取り付けられた第2の接続ユニット200と高圧電源に取り付けられた第1の接続ユニット100それぞれに十分な量のシリカゲルを塗布した後、挿し込み、ボルトを用いて第1の固定部材8と第2の固定部材15を固定し、両者の間の空気を押し出すことによって、高圧電源の放電現象を防止すると共に、高圧電源とX線管とを固定する。高圧電源またはX線管が故障した場合、第1の固定部材8と第2の固定部材15のボルトを取り外し、X線管を高圧電源から抜き取るだけで、高圧電源とX線管が分離するので、高圧電源とX線管それぞれの故障検査とメンテナンスが容易になる。したがって、このような方式で高圧電源とX線管とを接続することによって、高圧電源とX線管との取り付け体積を小さくできるだけでなく、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することが容易になる。
【0068】
本発明は、上記の接続装置を備えるX線源をさらに提供する。このX線源は、上記の接続装置を用いて、高圧電源とX線管とを接続させて構成してもよい。高圧電源、X線管及び接続装置は、独立して存在し、販売することができる。あるいは、接続装置を用いて、高圧電源とX線管とを接続させ、一体型のX線源を構成して販売することもできる。ここで、高圧電源とX線管の構造及びX線源の動作原理は、従来の成熟した技術であり、ここでは繰り返して説明しない。
【0069】
上記をまとめると、本発明によって提供される高圧電源とX線管の接続装置は、第1の接続ユニットと第2の接続ユニットを、それぞれ高圧電源とX線管に対応させて取り付け、着脱可能に挿し込むことによって、高圧電源とX線管を接続させて、高圧電源によってX線管に高圧を供給することを実現できる。また、高圧電源とX線管を分離して、高圧電源またはX線管のいずれかが故障した場合、分解して点検修理することができる。
【0070】
以上、本発明によって提供される高圧電源とX線管の接続装置及び対応するX線源について詳細に説明した。当業者にとって、本発明の実質的な内容から逸脱することなく、本発明に対して行われた如何なる明らかな変更は、何れも本発明の特許権の保護範囲に属する。
【国際調査報告】