(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】塩素化化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 249/12 20060101AFI20230629BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20230629BHJP
A61P 19/06 20060101ALN20230629BHJP
【FI】
C07D249/12 512
A61K31/4196
A61P19/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576055
(86)(22)【出願日】2021-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2021099336
(87)【国際公開番号】W WO2021249468
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202010528778.5
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520072718
【氏名又は名称】ジアンスー カニョン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU KANION PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ワン チエンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シューホイ チェン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA04
4C086BC60
4C086ZC31
(57)【要約】
塩素化化合物の製造方法を開示し、具体的には、式(I)で表される化合物の製造方法を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のステップを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の製造方法。
【化1】
(ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、TEA、DBU、DIPEA及び
【化2】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒又は混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、n-ヘプタン、DMF、アセトン及びメチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。)
【請求項2】
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化3】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒又は混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化4】
から選択され、
溶媒Cは、アセトンとメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
試薬A及び化合物1-2のモル比は、1~6:1であり、塩基B及び化合物1-2のモル比は、2~5:1であり、溶媒Cの混合溶媒におけるメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの体積比は、15~25:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を0~45℃に制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を30~35℃に制御する、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応時間を16~60時間に制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
下記のステップを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【化5】
(ただし、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH、イソプロパノール、トルエン、MTBE、THF及びDMFから選択され、
試料Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、MTBE、EtOAC、n-ヘプタン、THF、イソプロパノール及びDMFから選択される。)
【請求項9】
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH及びイソプロパノールから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、イソプロパノールから選択される、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
試薬D及び化合物1-3Aのモル比は、3~15:1であり、試薬F及び化合物1-4のモル比は、1~3:1である、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
下記のステップを含む、請求項1~3又は9のいずれか一項に記載の製造方法。
【化6】
(ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、請求項1~3のいずれか一項で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試料F及び溶媒Gは、請求項9で定義された通りである。)
【請求項12】
下記のステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
【化7】
(ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、請求項11で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、請求項11で定義された通りであり、
塩基Hは、塩基性化合物から選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAc、DCM、PE、THF、MTBE及びCH
3CNから選択され、
試薬Kは、
【化8】
から選択され、
掃酸剤Lは、K
2CO
3、NaHCO
3、K
3PO
4及びNaOACから選択され、
溶媒Mは、EtOAc、DCM、DMF、THF及びCH
3CNから選択され、
試薬Nは、NBS及びジブロモヒダントインから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、THF、CH
3CN及びEtOAcから選択され、
試薬Qは、塩基から選択され、
溶媒Rは、混合溶媒から選択され、前記混合溶媒はテトラヒドロフランと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒及びメタノールとテトラヒドロフランと水の混合溶媒から選択される。)
【請求項13】
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、請求項3で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、請求項9で定義された通りであり、
塩基Hは、NaOHから選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAcから選択され、
試薬Kは、
【化9】
から選択され、
掃酸剤Lは、NaOAcから選択され、
溶媒Mは、EtOAcから選択され、
試薬Nは、NBSから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、EtOAcから選択され、
試薬Qは、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択され、
溶媒Rは、テトラヒドロフランと純水の混合溶媒から選択され、前記混合溶媒において、テトラヒドロフランと純水の体積比は0.25~4:1である、請求項3、9又は12のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の相互参照
本発明は下記の優先権を主張する。
CN202010528778.5、出願日は2020年6月11日である。
【0002】
技術分野
本発明は、塩素化化合物の製造方法に関し、具体的には、式(I)で表される化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、人々の生活習慣の変化に伴い、高尿酸血症及び痛風疾患の罹患率が年々増加している。欧米では、疫学研究により、痛風性関節炎の発症率は全人口の1~2%を占め、成人男性の最も主要な関節炎のタイプであることが明らかになっている。ブルームバーグは、2021年には痛風に悩む人が1770万人になると予想している。中国では調査により、20~74歳の人口のうち、25.3%が血中尿酸値が比較的高く、0.36%が痛風を患っていることを示した。現在、臨床治療薬は主に、1)例えばキサンチンオキシダーゼ阻害剤であるアロプリノール及びフェブクソスタットなどの尿酸生成を阻害する薬物、2)例えばプロベネシド及びベンズブロマロンなどの尿酸排泄を促進する薬物、3)例えばコルヒチンなどの炎症阻害剤などを含む。これらの医薬は、いずれも治療において所定の欠点があり、治療効果が低く、副作用が大きく、コストがかかることが臨床使用の主要なボトルネック現象である。報道によると、患者の40~70%が標準プロセスの治療を受けた後、血中尿酸の含有量が期待の治療目標(<6mg/dL)を達しなかった。
【0004】
URAT1は、重要な腎臓陰イオン輸送体であり、腎細管上皮細胞の刷子縁膜に位置し、特異的に腎細管から上皮細胞に尿酸を輸送し、尿酸が腎細管から再吸収される主な動力である。従って、尿酸トランスポーターURAT1を有意に阻害することができれば、体内尿酸の排泄を増加させて血中尿酸値を減少させ、痛風発作の可能性を低下させることができる。
【0005】
2015年12月、米国FDAはアストラゼネカの最初の標的化URAT1阻害剤であるLesinuradを承認し、下記に示された通りであり、また、その200mg/日の投与量とキサンチンオキシダーゼ阻害剤XOI(例えば、Febuxostatなど)を併用して高尿酸血症及び痛風性関節炎の治療に使用することを承認したが、併用投与はキサンチンオキシダーゼ阻害剤の単独投与と比較して、その付加的な効果はあまり有意ではなかった。同時に、Lesinuradの400mg/日の投与量は、高用量での併用投与により比較的高い付加的な効果を示すものの、高用量で観察された有意に増加する毒性副作用(腎臓関連副作用発生率、特に腎臓結石の発症率が比較的高い)のために承認されなかった。従って、FDAはLesinuradのラベルに黒枠警告を追加し、医療関係者にLesinuradによる急性腎不全の危険性を警告するよう要求し、特にXOIと併用しない場合により一般的に現れ、Lesinuradを承認された投与量を超えて使用する場合、腎不全を引き起こす危険性が高くなる。同時に、FDAはLesinuradの市販以降も、アストラゼネカが引き続き腎臓及び心血管安定性について調査することを要求した。代謝性疾患の長期投与の場合、薬物の安全性の問題が特に重要である。従って、安全な血中尿酸降下薬の開発は本分野の強力な需要となっている。
【0006】
【0007】
アストラゼネカは公開された新薬承認申告書で化合物Lesinuradが多様な種の動物体外での肝マイクロソーム及び肝細胞代謝産物の検証実験結果を詳細に報告した。データにより、Lesinuradがサル及びヒト肝細胞で代謝される際、2つの主要代謝産物であるM3及びM4が有意に検出されたが、イヌ及びラット肝細胞からはM3及びM4が検出されておらず、下記の表-aに示された通りである。
【0008】
【0009】
同時に、アストラゼネカはまた、Lesinuradを様々な種の動物体内に投与した後の主要代謝物及び代謝経路を報告し、ここで、ジヒドロキシ代謝物M4はヒト代謝物から特異的に検出された。
【0010】
【0011】
これはLesinuradのヒト臨床データと一致した。実験データは、M3、M4はヒト臨床で発見された最も主要な代謝物であることを示し、下記の表-bに示された通りである。
【0012】
【0013】
M4代謝物の生成経路は、研究を通じてシトクロムCYP2C9及び霊長類エポキシド加水分解酵素mEHの共作用の結果であることが確定できる。上記のmEH代謝経路は霊長類種に固有のものであり、これはラットとイヌでM4が観察されなかった理由を説明している。
【0014】
【発明の概要】
【0015】
本発明は、下記のステップを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0016】
【0017】
ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、TEA、DBU、DIPEA及び
【化5】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒又は混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、n-ヘプタン、DMF、アセトン及びメチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化6】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒又は混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。
【0019】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化7】
から選択され、
溶媒Cは、アセトンとメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬A及び化合物1-2のモル比は、1~6:1であり、塩基B及び化合物1-2のモル比は、2~5:1であり、溶媒Cの混合溶媒におけるメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの体積比は、15~25:1である。
【0020】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を0~45℃に制御する。
【0021】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を30~35℃に制御する。
【0022】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応時間を16~60時間に制御する。
【0023】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【化8】
【0024】
ただし、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH、イソプロパノール、トルエン、MTBE、THF及びDMFから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、MTBE、EtOAC、n-ヘプタン、THF、イソプロパノール及びDMFから選択される。
【0025】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH及びイソプロパノールから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、イソプロパノールから選択される。
【0026】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬D及び化合物1-3Aのモル比は、3~15:1であり、試薬F及び化合物1-4のモル比は、1~3:1である。
【0027】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0028】
【0029】
ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬A、塩基B及び溶媒Cの定義は上記で記載した通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gの定義は上記で記載した通りである。
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0030】
【0031】
ただし、
nは、0、1及び2から選択され、
試薬A、塩基B及び溶媒Cの定義は上記で記載した通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gの定義は上記で記載した通りであり、
塩基Hは、塩基性化合物から選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAc、DCM、PE、THF、MTBE及びCH
3CNから選択され、
試薬Kは、
【化11】
から選択され、
掃酸剤Lは、K
2CO
3、NaHCO
3、K
3PO
4及びNaOACから選択され、
溶媒Mは、EtOAc、DCM、DMF、THF及びCH
3CNから選択され、
試薬Nは、NBS及びジブロモヒダントインから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、THF、CH
3CN及びEtOAcから選択され、
試薬Qは、塩基から選択され、
溶媒Rは、混合溶媒から選択され、前記混合溶媒はテトラヒドロフランと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒及びメタノールとテトラヒドロフランと水の混合溶媒から選択される。
【0032】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬A、塩基B及び溶媒Cの定義は上記で記載した通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gの定義は上記で記載した通りであり、
塩基Hは、NaOHから選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAcから選択され、
試薬Kは、
【化12】
から選択され、
掃酸剤Lは、NaOAcから選択され、
溶媒Mは、EtOAcから選択され、
試薬Nは、NBSから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、EtOAcから選択され、
試薬Qは、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択され、
溶媒Rは、テトラヒドロフランと純水の混合溶媒から選択され、前記混合溶媒において、テトラヒドロフランと純水の体積比は0.25~4:1である。
【0033】
本発明は、下記のステップを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0034】
【0035】
ただし、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、TEA、DBU、DIPEA及び
【化14】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒及び混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、n-ヘプタン、DMF、アセトン及びメチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。
【0036】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化15】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒及び混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0037】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化16】
から選択され、
溶媒Cは、アセトンとメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0038】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬A及び化合物1-2のモル比は、1~6:1であり、塩基B及び化合物1-2のモル比は、2~5:1であり、溶媒Cの混合溶媒におけるメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの体積比は、15~25:1であり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0039】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を0~45℃に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0040】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を30~35℃に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0041】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応時間を16~60時間に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0042】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【化17】
【0043】
ただし、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH、イソプロパノール、トルエン、MTBE、THF及びDMFから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、MTBE、EtOAC、n-ヘプタン、THF、イソプロパノール及びDMFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0044】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH及びイソプロパノールから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、イソプロパノールから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0045】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬D及び化合物1-3Aのモル比は、3~15:1であり、試薬F及び化合物1-4のモル比は、1~3:1であり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0046】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含み、
【化18】
【0047】
ただし、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0048】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0049】
【0050】
ただし、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、
塩基Hは、塩基性化合物から選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAc、DCM、PE、THF、MTBE及びCH
3CNから選択され、
試薬Kは、
【化20】
から選択され、
掃酸剤Lは、K
2CO
3、NaHCO
3、K
3PO
4及びNaOACから選択され、
溶媒Mは、EtOAc、DCM、DMF、THF及びCH
3CNから選択され、
試薬Nは、NBS及びジブロモヒダントインから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、THF、CH
3CN及びEtOAcから選択され、
溶媒Qは、塩基から選択され、
溶媒Rは、混合溶媒から選択され、前記混合溶媒はテトラヒドロフランと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒及びメタノールとテトラヒドロフランと水の混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0051】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、
塩基Hは、NaOHから選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAcから選択され、
試薬Kは、
【化21】
から選択され、
掃酸剤Lは、NaOAcから選択され、
溶媒Mは、EtOAcから選択され、
試薬Nは、NBSから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、EtOAcから選択され、
溶媒Qは、水酸化リチウム一水和物から選択され、
溶媒Rは、テトラヒドロフランと純水の混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0052】
本発明は、下記のステップを含むことを特徴とする、式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。
【化22】
【0053】
ただし、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化23】
から選択され、
溶媒Cは、単一溶媒又は混合溶媒から選択され、前記単一溶媒は、n-ヘプタン、DMF、アセトン及びメチルtert-ブチルエーテルから選択され、前記混合溶媒は、アセトンとメチルt-ブチルエーテルの混合溶媒から選択される。
【0054】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Aは、CS
2から選択され、
塩基Bは、
【化24】
から選択され、
溶媒Cは、アセトンとメチルtert-ブチルエーテルの混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0055】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬A及び化合物1-2のモル比は、1~6:1であり、塩基B及び化合物1-2のモル比は、2~5:1であり、溶媒Cの混合溶媒におけるメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの体積比は、15~25:1であり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0056】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を0~45℃に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0057】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応系の温度範囲を30~35℃に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0058】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、化合物1-3Aを製造するステップにおいて、反応時間を16~60時間に制御し、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0059】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0060】
【0061】
ただし、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH、イソプロパノール、トルエン、MTBE、THF及びDMFから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、MTBE、EtOAC、n-ヘプタン、THF、イソプロパノール及びDMFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0062】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬Dは、ヒドラジン水和物から選択され、
溶媒Eは、EtOH及びイソプロパノールから選択され、
試薬Fは、DMF-DMAから選択され、
溶媒Gは、イソプロパノールから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0063】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、試薬D及び化合物1-3Aのモル比は、3~15:1であり、試薬F及び化合物1-4のモル比は、1~3:1であり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0064】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0065】
【0066】
ただし、
塩基Bは、
【化27】
から選択され、
試薬A及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0067】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法は下記のステップを含む。
【0068】
【0069】
ただし、
塩基Bは、
【化29】
から選択され、
試薬A及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、
塩基Hは、塩基性化合物から選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAc、DCM、PE、THF、MTBE及びCH
3CNから選択され、
試薬Kは、
【化30】
から選択され、
掃酸剤Lは、K
2CO
3、NaHCO
3、K
3PO
4及びNaOACから選択され、
溶媒Mは、EtOAc、DCM、DMF、THF及びCH
3CNから選択され、
試薬Nは、NBS及びジブロモヒダントインから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、THF、CH
3CN及びEtOAcから選択され、
試薬Qは、塩基から選択され、
溶媒Rは、混合溶媒から選択され、前記混合溶媒はテトラヒドロフランと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒及びメタノールとテトラヒドロフランと水の混合溶媒から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0070】
本発明の一部の形態において、前記の製造方法では、
試薬A、塩基B及び溶媒Cは、本発明で定義された通りであり、
試薬D、溶媒E、試薬F及び溶媒Gは、本発明で定義された通りであり、
塩基Hは、NaOHから選択され、
試薬Iは、NCSから選択され、
溶媒Jは、EtOAcから選択され、
試薬Kは、
【化31】
から選択され、
掃酸剤Lは、NaOAcから選択され、
溶媒Mは、EtOAcから選択され、
試薬Nは、NBSから選択され、
触媒剤Oは、チオカルボニルジイミダゾールから選択され、
溶媒Pは、EtOAcから選択され、
試薬Qは、水酸化リチウム一水和物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択され、
溶媒Rは、テトラヒドロフランと純水の混合溶媒から選択され、前記混合溶媒において、テトラヒドロフランと純水の体積比は0.25~4:1であり、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0071】
技術効果
本発明で提供される式(I)で表される化合物及びその中間体の合成工程は、原料の価格が安く入手が容易で、分離・精製が難しく、工業化が難しいなどの欠点を克服する有益な効果を持っている。
【0072】
具体的には、
1)本発明の式(I)で表される化合物を製造する方法の原料は、通常の又は一般的な試料であり、市場で入手が容易で価格が安く、毒性の強い試料の使用を避けた。
2)化合物を製造する際、反応条件が温和で制御しやすく、後処理が簡単で固体生成物が直接析出され、簡単な再結晶を通じて比較的高純度の生成物を得ることができ、収率が高く、工業化が容易である。
従って、本発明は式(I)で表される化合物及びその中間体の製造において、高い工業的利用価値及び経済的価値を有する。
【0073】
定義及び説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は下記の意味を含む。1つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0074】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0075】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
【0076】
別途に説明しない限り、用語「シス-トランス異性体」又は「幾何異性体」とは二重結合又は環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによるものである。
【0077】
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
【0078】
別途に説明しない限り、「(+)」は右旋を意味し、「(-)」は左旋を意味し、「(±)」はラセミ体を意味する。
【0079】
【0080】
別途に定義しない限り、化合物に二重結合構造、例えば炭素炭素二重結合、炭素窒素二重結合及び窒素窒素二重結合が存在し、且つ二重結合における各原子に2つの異なる置換基が結合されている場合(窒素原子を含む二重結合において、窒素原子における一対の孤立電子対はそれに連結されている1つの置換基と見なされる)、当該化合物の二重結合上の原子とその置換基が波線
で連結している場合、当該化合物の(Z)形異性体、(E)形異性体、又は2つの異性体の混合物を意味する。例えば、下記の式(A)は、当該化合物が式(A-1)又は式(A-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(A-1)と式(A-2)の2つの異性体の形で存在することを意味し;下記の式(B)は、当該化合物が式(B-1)又は式(B-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(B-1)と式(B-2)の2つの異性体の形で存在することを意味する。下記の式(C)は、当該化合物が式(C-1)又は式(C-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(C-1)と式(C-2)の2つの異性体の形で存在することを意味する。
【0081】
【0082】
別途に説明しない限り、用語「異性体過剰量」又は「エナンチオマー過剰量」とは、2つの異性体又は2つのエナンチオマーの間の相対百分率の差を意味する。例えば、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が90%であり、もう1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマー過剰量(ee値)は80%である。
【0083】
本発明の化合物は、化合物を構成する一つまた複数の原子には、非天然の原子同位元素が含まれてもよい。例えば三重水素(3H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。又、例えば重水素を水素に置換して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素で形成された結合は、通常の水素と炭素で形成された結合よりも強く、重水素化されていない薬物と比較して、重水素化された薬物には、毒性の副作用が軽減され、薬物の安定性が増し、治療効果が向上され、薬物の生物学的半減期が延ばされるという利点がある。本発明の化合物の同位体組成の変換は、放射性であるかいやかに関わらず、本発明の範囲に含まれる。
【0084】
本発明の中間体化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0085】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒で完成され、前記溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るため、当業者が既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要であることもある。
【0086】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の何らの制限にもならない。
【0087】
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品から得ることができる。本発明は下記の略語を用いる。
【0088】
【0089】
化合物は本分野の通常の名称又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
発明を実施するための形態
【0090】
本発明の内容がよりよく分かるように、以下に具体的な実施の形態を参照しながらさらに説明するが、具体的な実施の態様は本発明の内容を制限するものではない。
【実施例】
【0091】
実施例1:式(I)で表される化合物の製造
【化33】
【0092】
ステップ1:化合物1-2の合成
化合物1-1(1.0kg、4.55mol、1eq)を5.0Lの水に加え、2MのNaOH水溶液で約pH=10に調節し、次に、5.0Lの酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ケーキを2.0Lの酢酸エチルで洗浄した。母液を合わせた後、減圧濃縮して遊離状態の1-1を得た。25~30℃の外部温度で、前記遊離状態の1-1を酢酸エチル(5.0L)に溶解させた後、N-クロロスクシンイミド(668.32g、5.01mol、1.1eq)をバッチで加え、添加完了後、内部温度を40~45℃に昇温させた。得られた反応溶液を12時間撹拌し続けた。反応の進行に伴い、内部温度を25~30℃にゆっくりと冷却させた。反応溶液を珪藻土で濾過し、母液を集めた。当該母液に、10%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を7.0Lを加え、15分間撹拌し、分層し、有機相を10%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液で、7.0L/回で2回洗浄した。次に、得られた有機相を水(7.0L)で1回洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液(7.0L)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(1kg)で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物1-2(896.36g、収率:90.47%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.41- 8.35 (m, 1H), 7.85 - 7.80 (m, 1H), 7.57 - 7.52 (m, 2H), 7.19 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 2.26 - 2.17 (m, 1H), 1.07 - 0.97 (m, 2H), 0.74 - 0.67 (m, 2H); MS m/z:217.9 [M + H] +。
【0093】
ステップ2:化合物1-3の合成
25~30℃で化合物1-2(650.00g、2.98mol、1eq)をメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの混合溶媒(6.5L、V:V=95:5)に溶解させた後、撹拌しながら二硫化炭素(1134.49g、14.9mol、5eq)及びトリエチレンジアミン(1002.79g、8.94mol、3eq)を順次に加えた。得られた反応溶液を30~35℃で48時間撹拌した。反応完了後、撹拌を続け、反応溶液をプログラミング方式で0℃(冷却速度は5℃/時間に制御)に冷却させた。懸濁液を濾過し、ケーキをメチルtert-ブチルエーテル及びアセトンの混合溶媒(メチルtert-ブチルエーテル:アセトン=95:5、v:v)で、100mL/回で2回洗浄した。ケーキを真空乾燥させて淡黄色固体化合物1-3(1345.68g、収率:90.51%)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 9.86 (br s, 1H), 8.37 - 8.31 (m, 1H), 7.93 - 7.85 (m, 1H), 7.59 - 7.51 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 3.82 (br s, 24H), 2.45 - 2.35 (m, 1H), 1.11 - 1.01 (m, 2H), 0.80 - 0.71 (m, 2H)。
【0094】
ステップ3:化合物1-4の合成
反応フラスコに化合物1-3(530.0g、0.97mol、1eq)及びエタノールEtOH(3.5L)を加え、撹拌し、20~23℃で、ヒドラジン水和物(248.34g、4.86mol、5eq)を滴下した。滴下完了後、得られた混合溶液を20~23℃で18時間撹拌した後、更にヒドラジン水和物(12mL)を加え、20~23℃で48時間撹拌し続けた。反応溶液を濾過し、ケーキをエタノールで100mL/回で2回洗浄した。ケーキを集め、35℃の真空オーブンで乾燥させて化合物1-4(271.82g、収率:90.05%)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 9.22 (br s, 1H), 8.48 - 8.31 (m, 1H), 7.91 - 7.75 (m, 1H), 7.67 - 7.48 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 2.80 (s, 2H), 2.47 - 2.40 (m, 1H), 1.12 - 1.08 (m, 2H), 0.85 - 0.71 (m, 2H); MS m/z:291.9 [M + H] +。
【0095】
ステップ4:化合物1-5の合成
反応フラスコに1-4(260.0g、0.89mol、1eq)、イソプロパノール(1.3L)及びN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(159.26、1.34mol、1.5eq)を順次に加え、得られた混合物溶液を60℃で16時間撹拌した。反応溶液を約500mLに減圧濃縮し、室温に冷却させ、希塩酸水溶液(1M)で反応溶液のpHを5~6に調節し、2時間撹拌し続けた。反応溶液を濾過し、ケーキを200mLの濾過した母液で洗浄した。ケーキを集め、真空乾燥させて薄い灰色固体を得た。前記固体を2.0Lのn-ヘプタンで撹拌してスラリー化させ、20~25℃で16時間撹拌し、濾過した。ケーキをn-ヘプタン(200mL)で2回洗浄した。ケーキを集め、減圧乾燥させて化合物1-5(210.68g、収率:83.35%)を得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 8.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.73 - 7.67 (m, 1H), 7.67 - 7.62 (m, 1H), 7.48 - 7.45 (m, 1H), 7.38 - 7.34 (m, 1H), 2.59 - 2.49 (m, 1H), 1.25 - 1.18 (m, 2H), 0.96 - 0.84 (m, 2H); MS m/z:301.9 [M + H] +。
【0096】
ステップ5:化合物1-6の合成
5Lの3口フラスコに化合物1-5(330.02g)及び酢酸エチル(3.3L)を順次に加え、均一に撹拌した。次に酢酸ナトリウム(179.68g)を一気に加え、均一に撹拌した。更にメチルブロモアセテート(200.86g)を一気に加え、均一に撹拌した。得られた反応溶液を外部温度60℃で16時間撹拌して反応させた。次に、反応溶液を熱いうちに濾過し(60℃の外部温度)、ケーキを酢酸エチル(100mL)で2回洗浄し、濾液を合わせた。同じ工程で4つのバッチ(同じ品質)を並行して投入し、反応完了後濾過した酢酸エチル濾液を合わせ、下記に示された方法で合併処理を実行した。
【0097】
1次洗浄:上記の酢酸エチル濾液に、14Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
2次洗浄:更に酢酸エチル相に、14Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
3次洗浄:更に酢酸エチル相に、14Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後下層の水相を放出させた。少量のフロックを含む有機相下層を珪藻土で濾過した後、残りの有機相と合わせ(計約14L)、5kgの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して暗赤色油状物を得、放置して室温に冷却させた後暗赤色固体粗生成物1-6(1640.73g、収率:87.11%)に変化した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ:8.94 (s, 1H), 8.58 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.84 - 7.66 (m, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.12 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.16 - 4.05 (m, 2H), 3.63 (s, 3H), 2.66 - 2.56 (m, 1H), 1.23 - 1.11 (m, 2H), 1.01 - 0.83 (m, 2H); MS m/z:374.0 [M + H] +。
【0098】
ステップ6:化合物1-7の合成
5Lの3口フラスコに化合物1-6(330.05g)及び酢酸エチル(3.3L)を順次に加え、得られた混合溶液を40~45℃の外部温度で、完全に溶解するまで撹拌した。撹拌しながら、チオカルボニルジイミダゾール(15.73g)を加え、40~45℃の外部温度で10分間撹拌し続けた。撹拌しながら、N-ブロモスクシンイミド(157.10g)をバッチで加え、得られた反応溶液を40~45℃の外部温度で1時間撹拌し続けた。最後に、N-ブロモスクシンイミド(15.74g)を加え、40~45℃の外部温度で15分間撹拌し続けた。反応溶液を室温に冷却させた後、珪藻土で濾過し、ケーキを酢酸エチル(200mL)で2回洗浄し、濾液を合わせた。同じ工程で5つのバッチ(同じ品質)を並行して投入し、反応完了後濾過した酢酸エチル濾液を合わせ、下記に示された方法で合併処理を実行した。
1次洗浄:上記の酢酸エチル濾液に、17.2Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
2次洗浄:更に酢酸エチル相に、17.2Lの10%の亜硫酸水素ナトリウム溶液を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
3次洗浄:更に酢酸エチル相に、17.2Lの10%の亜硫酸水素ナトリウム溶液を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
4次洗浄:上記の酢酸エチル濾液に、17.2Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後水相を放出させ、少量のフロック層が酢酸エチル相に残った。
5次洗浄:上記の酢酸エチル濾液に、17.2Lの純水を加え、20分間激しく撹拌した後、放置して分層させた。分層させた後下層の水相を放出させた。少量のフロックを含む有機相下層を珪藻土で濾過した後、残りの有機相と合わせ(計約17L)、8kgの無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して乾燥剤を除去し、濾液を減圧濃縮して暗赤色固体粗生成物(1562.17g)を得た。
【0099】
上記の暗赤色固体をメチルtert-ブチルエーテル(5.5L)に加え、80℃の外部温度で、透明になるまで撹拌した。更にメチルtert-ブチルエーテル溶液にn-ヘプタン(3.5L)を加え、60℃の外部温度で16時間撹拌した後、溶液に大量な固体が析出された。n-ヘプタン(2.0L)を加え、60℃の外部温度で2時間撹拌を続けた。次に、混合溶液をプログラミング方式で40℃(5℃/時間で冷却)の外部温度に冷却させた。撹拌を停止して濾過し、ケーキをn-ヘプタン(1.5L)で十分に洗浄した。ケーキを集め、40℃で2時間真空乾燥させた後淡黄色固体(1107.09g)を得た。
上記の淡黄色固体(1100.01g)をイソプロパノール(5.5L)に加え、110℃の外部温度に加熱させ、還流させた後透明な溶液を得た。前記イソプロパノール溶液をプログラミング方式で95℃(5℃/時間に冷却)の外部温度に冷却させ、当該温度で16時間撹拌し続け、少量のオフホワイト固体を析出させた。続いで、プログラミング方式で60℃(5℃/時間に冷却)の外部温度に冷却させ、当該温度で60時間撹拌し続け、大量の固体を析出させた。熱いうちに濾過し、ケーキをイソプロパノール(500mL)で十分に洗浄した。ケーキを集め、40℃で16時間真空乾燥させた後淡黄色固体1-7(962.69g、収率:52.27%)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 8.63 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.82 - 7.65 (m, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.29 - 7.20 (m, 1H), 4.16 - 3.94 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 2.64 - 2.49 (m, 1H), 1.30 - 1.20 (m, 2H), 0.99 - 0.85 (m, 2H); MS m/z: 453.7 [M+H+2]+。
【0100】
工程7:式(I)の化合物の合成
5Lの3口フラスコに化合物1-7(330.12g)を加え、更に、無水テトラヒドロフラン(1650mL)及び純水(1650mL)の混合溶液を加え、均一に撹拌した。次に、水酸化リチウム一水和物(183.91g)を一気に加え、得られた反応溶液を30℃の外部温度で2時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を室温(20℃)に冷却させた。同じ工程で3つのバッチを並行して投入し、反応溶液を合わせた後、下記に示された方法で合併処理を実行した。
合わせた反応溶液を減圧濃縮して(<40℃)テトラヒドロフランを除去した後、水相を0℃に冷却させた。0℃で、撹拌しながら混合溶液をpH=3になるまで臭化水素酸水溶液(40%)を滴下し、大量の固体を析出させた。混合物を20℃の外部温度で16時間撹拌を続け、pH=3であることを再測定した。濾過し、ケーキを純水(500mL)で十分に洗浄した。ケーキを集め、40℃で6時間真空乾燥させた後、895.65gの式(I)で表される化合物の粗生成物を得た。10Lの3口フラスコに式(I)で表される化合物の粗生成物(890.12g)を加え、更にエタノール(2225mL)及び純水(2225mL)の混合溶液を加え、40℃の外部温度で48時間撹拌した。混合物をプログラミング方式で20℃(5℃/時間で冷却)の外部温度に冷却させた。濾過し、ケーキをエタノール及び純水の混合溶液(450mL、V:V=1:1)で十分に洗浄した。ケーキを集め、40℃で16時間真空乾燥させた後式(I)で表される化合物(692.16g、収率:77.78%)を得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 13.02 (s, 1H), 8.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.83 - 7.69 (m, 2H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.12 - 3.96 (m, 2H), 2.69 - 2.57 (m, 1H), 1.24 - 1.13 (m, 2H), 1.03 - 0.91 (m, 2H); MS m/z: 439.9 [M+H+2]+。
【国際調査報告】