(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】有機発光ダイオードおよびそれを含む装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/19 20230101AFI20230629BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20230629BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230629BHJP
H10K 50/816 20230101ALI20230629BHJP
【FI】
H10K50/19
H10K59/10
H10K50/16
H10K85/60
H10K50/816
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576108
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2021065945
(87)【国際公開番号】W WO2021250277
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503180100
【氏名又は名称】ノヴァレッド ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー,アンスガー
(72)【発明者】
【氏名】ガニエ,ジェロム
(72)【発明者】
【氏名】パヴィチッチ,ドマゴイ
(72)【発明者】
【氏名】ガラン ガルシア,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】デンカー,ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC04
3K107CC12
3K107DD03
3K107DD52
3K107DD75
3K107DD76
3K107DD78
3K107DD80
3K107DD84
3K107DD86
(57)【要約】
本発明は、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含む有機発光ダイオード、およびそれを含む表示装置または発光装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
前記第1の電荷発生層は、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に配置され;
前記第1の電子輸送積層体は、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に配置され;
前記第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
前記第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar
1-A
c)
a-X
b (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar
1は、C
6~C
60アリールまたはC
2~C
42ヘテロアリールから独立して選択され、
ここで、Ar
1それぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Ar
1上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびAr
1上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Aは、C
6~C
30アリールから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、C
6~C
12アリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、A上のC
6~C
12アリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、C
2~C
42ヘテロアリールおよびC
6~C
60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、X上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびX上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
式(I)の前記化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、4D以下であり;
前記第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar
2)
m-(Z
k-G)
n (II);
mおよびnは独立して、1または2であり;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar
2は、C
2~C
42ヘテロアリールおよびC
6~C
60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar
2それぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R
10は独立して、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから選択され;
ここで、Ar
2上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびAr
2上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Zは、C
6~C
30アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、C
6~C
12アリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Z上のC
6~C
12アリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが1D以上、7D以下であるように選択され;
前記第1の電子輸送層および前記第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオード。
【請求項2】
Ar
1は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオランテニル、キサンテニル、スピロ-キサンテニル、フルオレニル、スピロ-フルオレニル、トリフェニルシリル、テトラフェニルシリル、または式(IIa)を有する基からなる群から独立して選択され、
【化1】
式中、
アスタリスク記号「*」は、式(IIa)の基をAに結合させる結合位置を表し;
R
1~R
5は、H、C
6~C
12アリールおよびC
4~C
10ヘテロアリールからなる群から独立して選択される、
請求項1または2に記載の有機発光ダイオード。
【請求項3】
Aは、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいフェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から選択される、
請求項1または2に記載の有機発光ダイオード。
【請求項4】
Xは、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいトリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項5】
Ar
2は、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいピリジニル、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項6】
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド-イル、カルバミド-イルおよびC
2~C
17ヘテロアリールからなる群から選択され;
Gそれぞれは、当該基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、前記1つ以上の置換基は、フェニル、メチル、エチル、およびピリジルからなる群から選択される、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項7】
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-フェニルベンゾ[h]キノリニル、ピリジニル、2,2’-ビピリジニル、5-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]キノリニル、9-フェニル-1,10-フェナントロリニル、および(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジニルからなる群から独立して選択される、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項8】
Gは、化合物G-フェニルが下記構造の1つによって表されるように選択される、
【化2】
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項9】
式(II)の前記化合物は、B-1~B-25から選択される、
【化3】
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項10】
前記第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含み、前記化合物(III)は、8~13個の芳香族またはヘテロ芳香族環、任意に8~11個の芳香族環またはヘテロ芳香族環、任意に9または10個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含む、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項11】
前記化合物(III)は、1~5個のヘテロ芳香族環を含む、
請求項10に記載の有機発光ダイオード。
【請求項12】
前記化合物(III)が2つ以上のヘテロ芳香族環を含む場合、前記ヘテロ芳香族環は、ヘテロ原子を含まない少なくとも1つの芳香族環によって互いに分離されている、
請求項10または11に記載の有機発光ダイオード。
【請求項13】
前記第1の電子輸送積層体は、前記第1の発光層と前記電荷発生層との間に配置される、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項14】
前記第1の電子輸送層および前記第2の電子輸送層は、互いに直接接触している、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項15】
前記第2の電子輸送層は、前記電荷発生層と直接接触している、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項16】
前記電荷発生層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物を含む、
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオード。
【請求項17】
先行する請求項のいずれかに記載の有機発光ダイオードを含む装置であって、
前記装置は、表示装置または発光装置であり、光は、透明なカソードを通して放射される、
装置。
【請求項18】
請求項1~16に記載の有機発光ダイオードを含む装置であって、
前記装置は、表示装置または発光装置であり、光は、透明なアノードを通して放射される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、有機発光ダイオードおよびそれを含む装置に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
自己発光装置である有機発光ダイオード(OLED)は、広い視野角、優れたコントラスト、迅速な応答、高い明度、優れた駆動電圧特性、および色再現性を有する。典型的なOLEDは、アノード、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)、およびカソードを含み、これらは基板上に順次積層される。この点に関して、HTL、EML、およびETLは、有機化合物および/または有機金属化合物から形成された薄膜である。
【0003】
アノードおよびカソードに電圧を印加すると、アノード電極から注入された正孔はHTLを介してEMLに移動し、カソード電極から注入された電子はETLを介してEMLに移動する。正孔および電子は、EML内で再結合して励起子を生成する。励起子が励起状態から基底状態に落ちると、光が放出される。正孔および電子の注入およびフローは、バランスを保つ必要があり、その結果、上記の構造を有するOLEDは、優れた効率を有する。
【0004】
異なる電子輸送材料を含む様々な有機電子ダイオードが、当技術分野において周知である。しかしながら、そのような装置の性能を改善すること、特に、マルチ発光層OLEDの性能を、特に効率および電圧に関して改善することが依然として必要とされている。
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する有機発光ダイオード、特に、改善された効率および改善された電圧を含む、改善された性能を有するマルチ発光層トップエミッションOLEDを提供することである。
【0006】
〔開示〕
本目的は、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、C6~C60アリールまたはC2~C42ヘテロアリールから独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Ar1上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr1上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Aは、C6~C30アリールから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、A上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、C2~C42ヘテロアリールおよびC6~C60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、X上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびX上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、4D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは独立して、1または2であり;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar2は、C2~C42ヘテロアリールおよびC6~C60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は独立して、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから選択され;
ここで、Ar2上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr2上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Zは、C6~C30アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Z上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが1D以上、7D以下であるように選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードによって達成される。
【0007】
前記目的は、本発明の有機発光ダイオードを含む装置によってさらに達成され、前記装置は、表示装置または照明装置である。
【0008】
表示装置または発光装置において、光は、透明なカソードを通して放射されてもよい。
【0009】
表示装置または発光装置において、光は、透明なアノードを通して放射されてもよい。
【0010】
〔第1の電子輸送層〕
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含む
(Ar1-Ac)a-Xb (I)。
【0011】
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物からなり得る。あるいは、第1の電子輸送層は、式(I)の化合物と1つ以上のさらなる化合物との混合物からなってもよいが、ただし、さらなる化合物はいずれも電気ドーパントではない。第1の電子輸送層は、2つ以上の式(I)の化合物を含んでもよい。特に、第1の電子輸送層は、式(I)の化合物と、電子輸送マトリックス化合物として当技術分野で公知のさらなる化合物との混合物からなり得る。含まれ得る例示的なさらなる電子輸送マトリックス化合物は、以下に開示される。
【0012】
式(I)の化合物において、基「A」は(存在する場合、すなわち、c>1である場合)、基Ar1およびXを接続するスペーサー部分である。式(I)の化合物が2つ以上の基(Ar1-Ac)を含む場合には、基は独立して、スペーサーAを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0013】
式(I)の化合物において、aおよびbは独立して、1または2である。あるいは、aおよびbは、両方とも1であってもよい。
【0014】
式(I)の化合物において、cは独立して、0または1である。
【0015】
Ar1は、C6~C60アリールまたはC2~C42ヘテロアリール、あるいはC6~C54アリールまたはC2~C39ヘテロアリール、あるいはC6~C48アリールまたはC2~C36ヘテロアリール、あるいはC6~C42アリールまたはC2~C36ヘテロアリール、あるいはC6~C36アリールまたはC2~C30ヘテロアリール、あるいはC6~C30アリールまたはC2~C24ヘテロアリールから独立して選択される。
【0016】
Ar1は、独立して、C6~C54アリール、任意にC6~C48アリール、任意にC6~C42アリール、任意にC6~C36アリール、任意にC6~C30アリール、および任意にC6~C24アリールであってもよい。
【0017】
Ar1は、独立して、C2~C42ヘテロアリール、任意にC2~C40ヘテロアリール、任意にC2~C36ヘテロアリール、任意にC2~C30ヘテロアリール、および任意にC2~C24ヘテロアリールであってもよい。
【0018】
一実施形態において、Ar1はXとは異なる。
【0019】
Ar1は、2つ以上の縮環芳香族環、好ましくは3つ以上の縮環芳香族環の系を含んでもよい。
【0020】
Ar1は、少なくとも1つのsp3-混成炭素原子を含んでもよい。
【0021】
Ar1は、芳香環構造に組み込まれていない炭素-炭素sp2アルケン結合を少なくとも1つ含むことができる。
【0022】
Ar1が非置換のC2~C42ヘテロアリールから独立して選択される実施形態では、ヘテロ原子は、単結合によってAr1の分子構造に結合している。
【0023】
Ar1は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオランテニル、キサンテニル、スピロ-キサンテニル、フルオレニル、スピロ-フルオレニル、トリフェニルシリル、テトラフェニルシリル、ジベンゾ-フラニル、ジ-ジベンゾフラニル、ピリミジニル、ピラジニル、アリール-アルケニルまたは式(IIa)を有する基からなる群から独立して選択され得る。
【0024】
【0025】
式中、
アスタリスク記号「*」は、式(IIa)の基をAに結合させる結合位置を表し;
R1~R5は、H、C6~C12アリールおよびC3~C10ヘテロアリール、あるいはC4~C5ヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
【0026】
Ar1は、フェニル、アントラセニル、フルオレニルまたは式(IIa)の基からなる群から独立して選択することができる。
【0027】
【0028】
式中、R1~R5は、Hおよびフェニルから独立して選択される。
【0029】
Ar1は、式(IIa)の基であってもよい。
【0030】
【0031】
R1~R5のうち少なくとも2つはHではない。
【0032】
式(IIa)の基において、HではないR1~R5のうち少なくとも2つは、互いにオルト位にあってもよい。HではないR1~R5のうち少なくとも1つは、*位に対してオルト位にあってもよい。この点に関して、2つの基は、式(IIa)中のベンゼン環の隣接する炭素原子にそれぞれ結合している場合、互いにオルト位にある。
【0033】
Ar1は以下の群のうちの1つから独立して選択することができる。
【0034】
【0035】
ここで、アスタリスク記号「*」は、それぞれ、Aへの結合のための結合位置を表す。
【0036】
Ar1が置換されているとき、置換基のそれぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イル、およびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択され得る。
【0037】
Aは、置換または非置換のC6~C30アリール、あるいはC6~C24アリール、あるいはC6~C18アリールから独立して選択され得る。
【0038】
Aはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され得、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0039】
Aは、以下の群のうちの1つまたはそれらの組合せから独立して選択することができる。
【0040】
【0041】
ここで、Ar1およびXへの結合のための結合位置は自由に選択することができ、好ましくは、以下の通りであり得る。
【0042】
【0043】
Aが置換されているとき、A上のそれぞれの置換基は、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択することができる。
【0044】
Xは、C2~C39ヘテロアリールおよびC6~C54アリール、任意にC2~C36ヘテロアリールおよびC6~C48アリール、任意にC3~C30ヘテロアリールおよびC6~C42アリール、任意にC3~C27ヘテロアリールおよびC6~C36アリール、任意にC3~C24ヘテロアリールおよびC6~C30アリール、ならびに任意にC3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され得、それぞれの基は置換されていても置換されていなくてもよい。
【0045】
Xは、C2~C39N含有ヘテロアリール、C2~C39O含有ヘテロアリールおよびC6~C54アリール、任意にC2~C36N含有ヘテロアリール、C2~C36O含有ヘテロアリールおよびC6~C48アリール、任意にC3~C30N含有ヘテロアリール、C3~C30O含有ヘテロアリールおよびC6~C42アリール、任意にC3~C27N含有ヘテロアリール、C3~C27O含有ヘテロアリールおよびC6~C36アリール、任意にC3~C24N含有ヘテロアリール、C3~C24O含有ヘテロアリールおよびC6~C30アリール、および任意にC3~C21N含有ヘテロアリール、C3~C21O含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択することができる。
【0046】
Xは、C2~C39N含有ヘテロアリールおよびC6~C54アリール、任意にC2~C36N含有ヘテロアリールおよびC6~C48アリール、任意にC3~C30N含有ヘテロアリールおよびC6~C42アリール、任意にC3~C27N含有ヘテロアリールおよびC6~C36アリール、任意にC3~C24N含有ヘテロアリールおよびC6~C30アリール、および任意にC3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択することができる。この点に関して、それぞれのN含有ヘテロアリールは、唯一のヘテロ原子として1つ以上のN原子を含むものと規定してもよい。
【0047】
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニル、およびジナフトフラニルからなる群から独立して選択することができ、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0048】
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニル、およびジナフトフラニルからなる群から独立して選択することができ、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0049】
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニルからなる群から独立して選択することができ、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0050】
Xは、以下の群のうちの1つから独立して選択することができる。
【0051】
【0052】
式中、アスタリスク記号「*」は、それぞれ基をAに結合させる結合位置を表す。
【0053】
Xが置換されているとき、X上のそれぞれの置換基は、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択され得る。Xが置換されているとき、X上のそれぞれの置換基は、フェニルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択され得る。
【0054】
Xが置換されている場合、それぞれの置換されたX基は、
【0055】
【0056】
であってもよい。式中、アスタリスク記号「*」は、基をAに結合させる結合位置をそれぞれ表す。
【0057】
式(I)の化合物は、部分P=Oを含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、P(=O)Aryl2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、P(=O)Alkyl2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、P(=O)Ph2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、P(=O)(CH3)2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物はR’P(=O)R’’(式中、R’およびR’’は互いに結合して環を形成する)を含有しない、すなわち、環-ホスフィンオキシドを含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、R’P(=O)R’’(式中、R’およびR’’は互いに結合して7員環を形成する)を含有しないものと規定されてもよい。
【0058】
式(I)の化合物は、2つの部分P=Oを含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、2つのP(=O)Aryl2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、2つのP(=O)Alkyl2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、2つのP(=O)Ph2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、2つのP(=O)(CH3)2を含有しないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、CNを含有しないものと規定されてもよい。
【0059】
以下の式の1つ以上が、式(I)の化合物の範囲から除外されるものと規定されてもよい。
【0060】
【0061】
式(I)の化合物は、6個~14個の芳香族またはヘテロ芳香族環、任意に7個~13個の芳香族またはヘテロ芳香族環、任意に7個~12個の芳香族またはヘテロ芳香族環、任意に9個~11個の芳香族またはヘテロ芳香族環を含み得る。この点に関して、芳香族、それぞれヘテロ芳香族環は、単一の芳香族環であり、例えば、6員芳香族環(フェニルなど)、6員ヘテロ芳香族環(例えば、ピリジル)、5員ヘテロ芳香族環(例えば、ピロリル)などである。縮合(ヘテロ)芳香族環の系において、各環は、この点において単一の環とみなされる。例えば、ナフタレンは、2つの芳香環を含む。
【0062】
式(I)の化合物の、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される分子双極子モーメントは、0D以上、4D以下;あるいは0D以上、3.5D以下;あるいは0D以上、3.0D以下;あるいは0D以上、2.5D以下;あるいは0D以上、2.0D以下であり得る。この点に関して、N原子を含む分子の双極子モーメント
【0063】
【0064】
は、以下の式によって与えられ:
【0065】
【0066】
式中、
【0067】
【0068】
は、分子中の原子iの部分電荷および位置である。双極子モーメントは、半経験的分子軌道法によって決定される。分子構造の幾何学は、プログラムパッケージTURBOMOLE V6.5(TURBOMOLE GmbH、Litzenhardtstrasse 19,76135 Karlsruhe、Germany)に実装されているように、気相中に6-31G*基底系を有するハイブリッド関数B3LYPを用いて最適化される。2つ以上のコンホメーションが実行可能である場合、最低の総エネルギーを有するコンホメーションが、分子の結合長を決定するために選択される。
【0069】
一実施形態において、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される、真空エネルギー準位をゼロとする絶対スケールにおける式(I)の化合物のLUMOエネルギー準位は、-1.90eV~-1.60eV、好ましくは-1.87eV~-1.65eV、好ましくは-1.85eV~-1.65eVである。
【0070】
式(I)の化合物は、以下の表1の化合物A-1~A-29から選択することができる。
【0071】
【0072】
一実施形態において、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される、真空エネルギー準位をゼロとする絶対スケールにおける式(I)の化合物のLUMOエネルギー準位は、-1.90eV~-1.60eV、好ましくは-1.85eV~-1.65eVである。
【0073】
第1の電子輸送層は、発光層と第2の電子輸送層との間に配置されてもよい。第1の電子輸送層は、発光層と直接接触して配置されてもよい。第1の電子輸送層は、発光層と第2の電子輸送層との間に「挟まれて接触している」ように配置されてもよい。
【0074】
第1の電子輸送層は、50nm未満、任意に1~30nm、任意に1~10nm、任意に1~5nmの厚さを有することができる。
【0075】
〔第2の電子輸送層〕
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含む
(Ar2)m-(Zk-G)n (II)。
【0076】
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物からなり得る。あるいは、第2の電子輸送層は、式(II)の化合物と1つ以上のさらなる化合物との混合物からなってもよいが、ただし、さらなる化合物はいずれも電気ドーパントではない。第1の電子輸送層は、2つ以上の式(II)の化合物を含んでもよい。第2の電子輸送層は、式(II)の化合物と、電子輸送マトリックス化合物として当技術分野で公知のさらなる化合物との混合物からなり得る。含まれ得る例示的なさらなる電子輸送マトリックス化合物は、以下に開示される。
【0077】
式(II)の化合物において、基「Z」は(存在する場合、すなわち、k>1の場合)、基Ar2およびGを接続するスペーサー部分である。式(II)の化合物が2つ以上の基(Zk-G)を含む場合、基は独立して、スペーサーZを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0078】
式(II)において、mおよびnは独立して、1または2である。式(II)において、mおよびnは、1であってもよい。
【0079】
式(II)において、kは独立して、0、1または2である。式(II)において、kは独立して、1または2であってもよい。
【0080】
Ar2は、C2~C39ヘテロアリールおよびC6~C54アリール、任意にC2~C36ヘテロアリールおよびC6~C48アリール、任意にC3~C30ヘテロアリールおよびC6~C42アリール、任意にC3~C27ヘテロアリールおよびC6~C36アリール、任意にC3~C24ヘテロアリールおよびC6~C30アリール、ならびに任意にC3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択することができる。
【0081】
Ar2は、C2~C39N含有ヘテロアリールおよびC6~C54アリール、任意にC2~C36N含有ヘテロアリールおよびC6~C48アリール、任意にC3~C30N含有ヘテロアリールおよびC6~C42アリール、任意にC3~C27N含有ヘテロアリールおよびC6~C36アリール、任意にC3~C24N含有ヘテロアリールおよびC6~C30アリール、および任意にC3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され得る。この点に関して、それぞれのN含有ヘテロアリールは、唯一のヘテロ原子として1つ以上のN原子を含むものと規定してもよい。
【0082】
Ar2は、少なくとも2つの縮環5員環または6員環を含んでもよい。
【0083】
Ar2は、ピリジニル、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニル、およびジナフトフラニルからなる群から独立して選択され得、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0084】
Ar2は、ジベンゾアクリジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、アントラセニル、トリアジニル、フェナトロリニル、トリフェニレニル、ピリジニル、ジナフトフラニルからなる群から独立して選択することができる。
【0085】
Ar2は以下の群のうちの1つから独立して選択することができる。
【0086】
【0087】
ここで、アスタリスク記号「*」は、それぞれZに結合させる結合位置を表す。
【0088】
Ar2が置換されているとき、Ar2上のそれぞれの置換基は、それぞれ置換されていても置換されていなくてもよい、フェニル、ナフチル、任意にβ-ナフチル、ピリジニルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択されてもよい。
【0089】
Ar2が置換されているとき、Ar2上のそれぞれの置換基は、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択されてもよい。
【0090】
Zは独立して、C6~C24アリール、あるいはC6~C18アリール、あるいはC6~C12アリールから選択され得、これらは置換されていても置換されていなくてもよい。
【0091】
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から選択され得、これらはそれぞれ置換されていても置換されていなくてもよい。
【0092】
Zは、以下の群のうちの1つから独立して選択され得る。
【0093】
【0094】
ここで、Ar2およびGに結合させる結合位置は、自由に選択することができる。
【0095】
Zが置換されているとき、Z上のそれぞれの置換基は、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択されてもよい。
【0096】
Gは、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される、化合物G-フェニルの双極子モーメントが1D以上、7D以下であるように選択される。双極子モーメントの単位「デバイ」は、記号「D」で略記される。本発明者らは、式(II)の化合物が特定の極性、すなわち、上記の範囲または下記の範囲内の特定の双極子モーメントを有する基を含むことが有利であることを見出した。式(II)の化合物がさらに、式(II)の化合物の総双極子モーメントが低くなるように、第1の極性基の双極子モーメントを均衡させるのに適したさらなる極性基(第2の極性基)を含む場合(例えば、化合物が、同一の第1の極性基および第2の極性基を含む対称分子である場合、双極子モーメントは0デバイであり得る)、式(II)の化合物がそのような極性基(第1の極性基)を含むことがなお有利であることがさらに見出された。したがって、式(II)の化合物は、化合物の全双極子モーメントを参照することによって特徴付けることはできない。結果として、極性基「G」および非極性基「フェニル」を含む人工化合物が代わりに参照される。この点に関して、N原子を含む化合物の双極子モーメント
【0097】
【0098】
は、以下の式によって与えられ:
【0099】
【0100】
式中、
【0101】
【0102】
は、分子中の原子iの部分電荷および位置である。双極子モーメントは、半経験的分子軌道法によって決定される。分子構造の幾何学は、プログラムパッケージTURBOMOLE V6.5(TURBOMOLE GmbH、Litzenhardtstrasse 19,76135 Karlsruhe、Germany)に実装されているように、気相中に6-31G*基底系を有するハイブリッド関数B3LYPを用いて最適化される。2つ以上のコンホメーションが実行可能である場合、最低の総エネルギーを有するコンホメーションが、分子の結合長を決定するために選択される。この点に関して、部分G全体は、含まれ得る全ての可能な置換基を包含する。
【0103】
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが、1D超;任意に2D以上;任意に2.5D以上、任意に2.5D以上、任意に3D以上、および任意に3.5D以上であるように選択され得る。Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが、7D以下、任意に6.5D以下、任意に6D以下、任意に5.5D以下、任意に5D以下であるように選択され得る。化合物G-フェニルの2種以上のコンホメーション異性体が実行可能である場合、G-フェニルのコンホメーション異性体の双極子モーメントの平均値は、この範囲内にあるように選択される。コンホメーション異性は立体異性の一形態であり、異性体は、単結合周りを形式的に回転運動するだけで相互変換することができる。
【0104】
化合物G-フェニルの双極子モーメントが上記の範囲内にあるようにGを選択することによって、隣接する別個の電荷発生層(CGL)からの電子注入が改善され、OLED装置の電圧が減少し、OLED装置のcd/A効率が増加することが提供される。
【0105】
例示的な化合物「G-フェニル」は、以下の表2に列挙され、ここで、それぞれの化合物の部分
【0106】
【0107】
は、「G-フェニル」における「フェニル」部分を特定している。
【0108】
【0109】
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ジヘテロアリールホスフィニル、アリールヘテロアリールホスフィニル、環状ジアリールホスフィニル、ホスフィンオキシド、アリール含有ホスフィンオキシド、ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、環状アリールヘテロアリールホスフィニル、環状ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド、カルバミド、およびC2~C42ヘテロアリールからなる群から選択されてもよく;Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、1つ以上の置換基は、C6~C18アリール、C1~C10アルキル、C2~C14ヘテロアリールからなる群から選択される。この点に関して、「環状は、ホスフィニルの「P=O」、ホスフィンオキシドそれぞれが、基のさらなる部分と共に形成される環の一部であることを意味している。
【0110】
Gは、ジ-C1~C10アルキルホスフィニル、ジ-C6~C10アリールホスフィニル、C10~C42ジヘテロアリールホスフィニル、C7~C42アリールヘテロアリールホスフィニル、C8~C42ホスフィンオキシド、C8~C42アリール含有ホスフィンオキシド、C8~C63ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、C12~C63環状アリールホスフィニル、C7~C42環状アリールヘテロアリールホスフィニル、C7~C42環状ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、およびC2~C39ヘテロアリール、任意にC2~C35ヘテロアリール、任意にC2~C32ヘテロアリール、任意にC2~C29ヘテロアリール、任意にC2~C25ヘテロアリールからなる群から選択されてもよく;Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、1つ以上の置換基は、C6~C12アリール、C1~C6アルキル、C2~C11ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0111】
Gは、ジ-C1~C4アルキルホスフィニル、ジ-C6~C10アリールホスフィニル、C10ジヘテロアリールホスフィニル、C7~C25アリールヘテロアリールホスフィニル、C8~C42ホスフィンオキシド、C8~C42アリール含有ホスフィンオキシド、C8~C24ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、C12~C42環状アリールホスフィニル、C7~C25環状アリールヘテロアリールホスフィニル、C7~C25環状ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、およびC2~C25ヘテロアリールからなる群から選択されてもよく;それぞれのGは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、1つ以上の置換基は、C6~C10アリール、C1~C4アルキル、C2~C5ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0112】
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ジヘテロアリールホスフィニル、アリールヘテロアリールホスフィニル、環状ジアリールホスフィニル、ホスフィンオキシド、アリール含有ホスフィンオキシド、ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、環状アリールヘテロアリールホスフィニル、環状ヘテロアリール含有ホスフィンオキシド、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド-イル、カルバミド-イル、およびC2~C17ヘテロアリールからなる群から選択され;それぞれのGは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、1つ以上の置換基は、フェニル、メチル、エチル、およびピリジルからなる群から選択される。
【0113】
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、ジ-ヒドロ-ベンゾイミダゾロン-イル、ジフェニル-プロパン-イル、N,N-ジメチルアセトアミド、アミド、カルバミド、イミダゾリル、フェニルベンゾイミダゾリル、エチルベンゾイミダゾリル、フェニルベンゾキノリニル、フェニルベンゾイミダゾキノリニル、ピリジニル、ビピリジニル、ピコリニル、ルチデニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリフェニル-ピラジニル、ベンゾキノリニル、フェナントロリニル、フェニルフェナントロリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジニル-イミダゾピリジニル;
【0114】
【0115】
からなる群から独立して選択され得る。式中、アスタリスク記号「*」は、結合位置を表す。
【0116】
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-フェニルベンゾ[h]キノリニル、ピリジニル、2,2’-ビピリジニル、5-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]キノリニル、9-フェニル-1,10-フェナントロリニル、2-キナゾリニル、4-キナゾリニル、4-フェニル-2-キナゾリニルおよび(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジニル;
【0117】
【0118】
からなる群から独立して選択され得る。式中、アスタリスク記号「*」は、結合位置を表す。
【0119】
式(II)の化合物は、以下の表3の化合物B-1~B-25から選択されてもよい。
【0120】
【0121】
一実施形態において、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される、真空エネルギー準位をゼロとする絶対スケールにおける式(II)の化合物のLUMOエネルギー準位は、-2.30eV~-1.20eV、好ましくは-2.10eV~-1.28eVの範囲内である。
【0122】
一実施形態において、式(II)の化合物は、1つの極性基「G」を含む。
【0123】
式(II)の化合物は、部分P=Oを含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、P(=O)Aryl2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、P(=O)Alkyl2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、P(=O)Ph2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、P(=O)(CH3)2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、R’P(=O)R’’(式中、R’およびR’’は、互いに結合して環を形成する)を含有しない、すなわち、環-ホスフィンオキシドを含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、R’P(=O)R’’(式中、R’およびR’’は、互いに結合して7員環を形成する)を含有しないものと規定されてもよい。
【0124】
式(II)の化合物は、2つの部分P=Oを含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、2つのP(=O)Aryl2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、2つのP(=O)Alkyl2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、2つのP(=O)Ph2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、2つのP(=O)(CH3)2を含有しないものと規定されてもよい。式(II)の化合物は、CNを含有しないものと規定されてもよい。
【0125】
以下の式の1つ以上が、式(II)の化合物の範囲から除外されるものと規定されてもよい。
【0126】
【0127】
第2の電子輸送層が式(II)の化合物および化合物(III)を含む場合、指定された量の化合物(表3および表4を参照)の以下の組合せは、除外されるものと規定されてもよい。
【0128】
B-23:C-3 30:70 v:v;
C-3:B-10 30:70 v:v;
B-23:C-5 30:70 v:v;
B-10:C-5 30:70 v:v;
B-23:C-6 30:70 v:v;
B-10:C-6 30:70 v:v。
【0129】
以下の化合物
【0130】
【0131】
を含む下記の有機発光ダイオードa)およびb)は、除外され得る:
a)電子輸送層が、化合物E
【0132】
【0133】
および金属リチウム(E:Liの重量比は、98:2に等しい)でできているnドープ電荷発生層に隣接し、かつ直接接触して配置されており、電子輸送層の組成物は、B-23:C-3、B-10:C-3、B-23:C-5、B-10:C-5、B-23:C-6、B-10:C-6から選択され、これらの組成物のそれぞれにおける第1および成分の重量比が30:70である、タンデム型OLED;
b)下記構造を有する、トップエミッション青色OLED
【0134】
【0135】
(表中、
HT-3は
【0136】
【0137】
であり、F2は
【0138】
【0139】
であり、C-1は
【0140】
【0141】
であり、D-1は
【0142】
【0143】
であり、H09は市販の青色発光ホストであり、BD200は市販の青色エミッタであり、両方とも韓国のSFCによって供給される)。
【0144】
第2の電子輸送層は、化合物(III)をさらに含んでもよく、ここで、化合物(III)は、8個~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環、任意に8個~11個の芳香族環またはヘテロ芳香族環、任意に9個~11個の芳香族環またはヘテロ芳香族環、および任意に9個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み、ここで、1つ以上の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、C1~C4アルキルによって置換されてもよい。この点に関して、芳香族環、それぞれヘテロ芳香族環は単一の芳香族環であり、例えば、フェニルなどの6員芳香族環、ピリジルなどの6員ヘテロ芳香族環、ピロリルなどの5員ヘテロ芳香族環などである。縮合(ヘテロ)芳香族環の系において、各環は、この点において単一の環とみなされる。例えば、ナフタレンは、2つの芳香環を含む。
【0145】
化合物(III)は、少なくとも1個のヘテロ芳香族環、任意に1個~5個のヘテロ芳香族環、任意に1個~4個のヘテロ芳香族環、任意に1個~3個のヘテロ芳香族環、および任意に1個または2個のヘテロ芳香族環を含んでもよい。
【0146】
化合物(III)の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、6員環であってもよい。
【0147】
化合物(III)のヘテロ芳香族環は、N含有ヘテロ芳香族環であってもよく、任意に、ヘテロ芳香族環の全てはN含有ヘテロ芳香族環であり、任意に、ヘテロ芳香族環の全てのヘテロ芳香族環は、唯一の種類のヘテロ原子としてNを含有する。
【0148】
化合物(III)は、各ヘテロ芳香族環中に1~3個のN原子を含有する少なくとも1つの6員ヘテロ芳香族環、任意に、各ヘテロ芳香族環中に1~3個のN原子をそれぞれ含有する1~3個の6員ヘテロ芳香族環を含むことができる。
【0149】
化合物(III)に含まれる少なくとも1つの6員ヘテロ芳香族環は、アジンであってもよい。化合物(III)に含まれる少なくとも1つの6員ヘテロ芳香族環は、トリアジン、ジアジン、ピラジンであってもよい。
【0150】
化合物(III)が2つ以上のヘテロ芳香族環を含む場合、ヘテロ芳香族環は、ヘテロ原子を含まない少なくとも1つの芳香族環によって互いに分離されていてもよい。
【0151】
一実施形態において、化合物(III)のヘテロ芳香族環中のヘテロ原子は、少なくとも1つの二重結合によって化合物(III)の分子構造中に結合している。
【0152】
化合物(III)の、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される分子双極子モーメントは、0D以上、4D以下;あるいは0.1D以上、3.9D以下;あるいは0.2D以上、3.7D以下;あるいは0.3D以上、3.5D以下であり得る。
【0153】
これらの実施形態に記載の化合物(III)を選択することによって、第2の電子輸送層の移動度がさらに改善され、OLED装置の電圧が減少し、OLED装置のcd/A効率が増加することが提供される。
【0154】
一実施形態において、化合物(III)は、式(II)の化合物ではない。式(III)の化合物は、以下の表4の化合物C-1~C-6から選択することができる。
【0155】
【0156】
第2の電子輸送層が式(II)の化合物および化合物(III)の両方を含む場合、式(II)と化合物(III)との重量比は、1:99~99:1、あるいは10:90~60:40、あるいは20:80~50:50、あるいは25:75~40:60、あるいは約30:70であってもよい。
【0157】
一実施形態において、ハイブリッド関数B3LYPおよびGaussian 6-31G*基底系を用いて、TURBOMOLE V6.5プログラムパッケージによって計算される、真空エネルギー準位をゼロとする絶対スケールにおける式(III)の化合物のLUMOエネルギー準位は、-2.00eV~-1.70eV、好ましくは-1.95eV~-1.80eVの範囲内である。
【0158】
一実施形態において、化合物(III)は、1個の窒素含有6員環を含む。
【0159】
別の実施形態において、化合物(III)は、2個の窒素含有6員環を含む。
【0160】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)の化合物ではない。さらなる実施形態において、式(II)の化合物は、化合物(III)ではない。別の実施形態において、式(I)の化合物は、化合物(III)ではない。本発明のさらなる実施形態において、3つの化合物全て、すなわち、式(I)の化合物、式(II)の化合物および化合物(III)は、それらが異なる分子構造式を有する点で互いに異なる。
【0161】
第2の電子輸送層は、第1の電子輸送層と電子注入層との間に配置されてもよい。第2の電子輸送層は、第1の電子輸送層と直接接触して配置されてもよい。
【0162】
第2の電子輸送層は、第1の電子輸送層と電子注入層との間に「挟まれて接触している」ように配置されてもよい。
【0163】
第2の電子輸送層は、第1の電子輸送層と電荷発生層との間に配置されてもよい。第2の電子輸送層は、電荷発生層と直接接触して配置されてもよい。第2の電子輸送層は、n型CGLと直接接触して配置されてもよい。
【0164】
第2の電子輸送層は、第1の電子輸送層とn型CGLとの間に「挟まれて接触している」ように配置されてもよい。
【0165】
第2の電子輸送層は、100nm未満、任意に10~90nm、任意に10~60nm、任意に10~50nmの厚さを有することができる。
【0166】
〔OLEDのさらなるあり得る特性〕
本発明に係る有機発光ダイオードは、少なくとも2つの発光層、すなわち第1の発光層および第2の発光層を含む。有機発光ダイオードは、さらに、さらなる発光層(第3の発光層、第4の発光層など)を含んでもよい。有機発光ダイオードが3つ以上の発光層を含む場合、発光層のうち2つの間にのみ電子輸送積層体が1つのみ備えられてもよい。あるいは、2つ以上の電子輸送積層体が存在してもよい。例えば、有機発光ダイオードが第1の発光層、第2の発光層および第3の発光層を含むとき、第1の発光層と第2の発光層との間に第1の電子輸送積層体が配置されてもよく、第2の発光層と第3の発光層との間に第2の電子輸送積層体が配置されてもよい。
【0167】
有機発光ダイオードが3つ以上の発光層を含む場合、2つ以上の電荷発生層が存在してもよい。例えば、有機発光ダイオードが第1の発光層、第2の発光層および第3の発光層を含む場合、第1の発光層と第2の発光層との間に第1の電荷発生層が配置されてもよく、第2の発光層と第3の発光層との間に第2の電荷発生層が配置されてもよい。
【0168】
本開示に関して、積層体は、2つ以上の別個の層の配列である。積層体の層は、それぞれの層に含まれる材料の化学的性質によって互いに区別されてもよく、すなわち異なる化合物からできていてもよい。本開示に関する電子輸送積層体は、それぞれが電子輸送材料からできている、少なくとも2つの異なる層を含む。
【0169】
式(I)の化合物および式(II)の化合物は、互いに異なってもよい。すなわち、式(I)の化合物および式(II)の化合物は、互いに少なくとも1つの構造的態様の点で互いに異なってもよく、特に、少なくとも1つの原子および/または基が互いに異なってもよい。
【0170】
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない。この点に関して、「含まない」とは、それぞれの層の調製中に通常の精製方法および一般的な技術的手段によって回避することができないそれぞれの化合物(電気ドーパント)のみ、それぞれの層に含有されることを意味する。この点に関して、電気ドーパントは特に、これに限定されるものではないが、電気n-ドーパントである。電気n-ドーパントは、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、ホウ酸金属塩、またはそれらの混合物から選択され得る。特に、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気n-ドーパントを含まなくてもよい。電気n-ドーパントは、少なくとも1つの金属カチオンおよび少なくとも1つのアニオンを含む金属塩であってもよい。金属塩の金属陽イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属からなる群から、あるいはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、SrおよびBaからなる群から;あるいはLi、Mg、CaおよびSrから、選択され得る。金属塩のアニオンは、キノリノラート、ホスフィンオキシドフェノラート、およびホウ酸化物塩からなる群から選択され得る。
【0171】
この点に関して、電気n-ドーパントは特に、元素金属、あるいはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属および遷移金属、遷移金属から選択される電気的に陽性な金属;金属塩、あるいはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、遷移金属錯体および/もしくは希土類金属錯体であるが、これらに限定されない。n-ドーピング金属塩の例は、LiF、LiCl、LiBr、LiI、金属ホウ酸塩、金属キノリノラートまたはそれらの混合物であり得る。電気n-ドーパントのさらなる例は、強力な化学的還元剤である。この類の「還元的」n-ドーパントは一般に、対応する電子輸送マトリックスの最低非占有分子軌道エネルギー準位に匹敵する最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位によって特徴付けられ得、これは、通常のOLED輸送材料では約-3.0eV以下である。用語「約-3.0eV以下」は、-3.0eVより負の小さい値、例えば、-2.8eV、-2.5eV、-2.3eV、-2.1eV、または-2.0eVより負の小さい値を意味することを理解されたい。
【0172】
電気n-ドーパントは、EP1837926A1、WO07107306A1またはWO07107356A1に開示されているような有機化合物であり得る。
【0173】
電気ドーパントは、本質的に非発光性であるものと規定される。
【0174】
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、互いに直接接触していてもよい。
【0175】
電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層からなってもよい。
【0176】
第2の電子輸送層は、電子注入層と直接接触していてもよい。
【0177】
電子注入層は、いくつかの個別の電子注入副層からなってもよい。
【0178】
電子注入層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/または希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、ホウ酸金属塩、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0179】
電子注入層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、ホウ酸金属塩、またはそれらの混合物からなり得る。
【0180】
式(II)の化合物は、電子注入層に含まれないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、電子注入層に含まれないものと規定されてもよい。化合物(III)は、電子注入層に含まれないものと規定されてもよい。
【0181】
式(I)の化合物、式(II)の化合物および化合物(III)は、互いに異なっていてもよく、および/または、それぞれ電子注入層に含まれていなくてもよい。
【0182】
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第1の電荷発生層との間に配置されてもよい。第1の電子輸送積層体の第2の電子輸送層は、第1の電荷発生層と直接接触していてもよい。
【0183】
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、互いに直接接触していてもよい。
【0184】
電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層からなってもよい。
【0185】
電荷発生層はp型副層およびn型副層を含んでもよく、第2の電子輸送層はn型副層と直接接触していてもよい。
【0186】
第1の電荷発生層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0187】
電荷発生層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物を、そのn型副層中に含んでもよい。
【0188】
第1の電荷発生層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物からなってもよい。
【0189】
第1の電荷発生層のn型副層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物からなってもよい。
【0190】
有機発光ダイオードは電子注入層および第2の電子輸送積層体をさらに含んでもよく、当該第2の電子輸送積層体は電子注入層と直接接触している。第2の電子輸送積層体は、第1の積層体と同じ、すなわち本開示で定義されている化合物(I)、(II)および(III)を含有してもよい。ここで、化合物それぞれは、独立して選択され得る。
【0191】
式(II)の化合物は、第1の電荷発生層に含まれないものと規定されてもよい。式(I)の化合物は、第1の電荷発生層に含まれないものと規定されてもよい。化合物(III)は、第1の電荷発生層に含まれないものと規定されてもよい。
【0192】
式(I)の化合物、式(II)の化合物および化合物(III)は、互いに異なっていてもよく、および/または、それぞれ第1の電荷発生層に含まれていなくてもよい。
【0193】
有機発光装置が2つ以上の電子輸送積層体(すなわち、第1の電子輸送積層体に加えて他の電子輸送積層体)を含む場合、第1の電子輸送積層体に関する上記の特徴すべてが、それぞれの電子輸送積層体に対して独立して適用され得る。
【0194】
有機発光装置が2つ以上の電荷発生層(すなわち、第1の電荷発生層に加えて他の電荷発生層)を含む場合、第1の電荷発生層に関する上記の特徴すべてが、それぞれの電荷発生層に対して独立して適用され得る。
【0195】
有機発光ダイオードは基板をさらに含んでもよく、当該基板は透明または不透明であり得る。
【0196】
〔例示的な実施形態〕
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、C6~C30アリールまたはC2~C24ヘテロアリールから独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Ar1上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr1上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Aは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、A上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、C3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、X上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびX上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、3.5D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは独立して、1または2であり;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar2は、C3~C30ヘテロアリールおよびC6~C42アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は独立して、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから選択され;
ここで、Ar2上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr2上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Zは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Z上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが2D以上、6D以下であるように選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0197】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、C6~C30アリールから独立して選択され、
Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、C6~C18から独立して選択され、
Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、C3~C21N含有ヘテロアリール、C3~C21O含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、3.0D以上であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは独立して、1または2である;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar2は、C3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド、カルバミド、およびC2~C42ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、当該1つ以上の置換基は、C6~C18アリール、C1~C10アルキル、C2~C14ヘテロアリールからなる群から選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0198】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオランテニル、キサンテニル、スピロ-キサンテニル、フルオレニル、スピロ-フルオレニル、トリフェニルシリル、テトラフェニルシリルまたは式(IIa)を有する基から独立して選択され、
【0199】
【0200】
式中、
アスタリスク記号「*」は、式(IIa)の基をAに結合させる結合位置を表し;
R1~R5は、H、C6~C12アリールおよびC3~C10、あるいはC4~C5ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、C3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.5D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、C3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、C2~C25ヘテロアリールからなる群から選択され;Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、当該1つ以上の置換基は、C6~C12アリール、C1~C6アルキル、C2~C11ヘテロアリールからなる群から選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0201】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、フェニル、アントラセニル、フルオレニルまたは式(IIb)の基からなる群から独立して選択され、
【0202】
【0203】
式中、
R1~R5は、Hおよびフェニルから独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリニル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択され;
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ピリジニル、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリニル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジ-C1~C4-アルキルホスフィニル、ジ-C6~C10-アリールホスフィニル、およびC2~C25ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、Gそれぞれは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、当該1つ以上の置換基は、C6~C10アリール、C1~C4アルキル、C2~C5ヘテロアリールからなる群から選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0204】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、式(IIa)の基であり、
【0205】
【0206】
R1~R5のうち少なくとも2つは、Hではなく;
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレンおよびビフェニレンから独立して選択され;
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ジベンゾアクリジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、アントラセニル、トリアジニル、フェナトロリニル、トリフェニレニル、ピリジニル、ジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、ジ-ヒドロ-ベンゾイミダゾロン-イル、ジフェニル-プロパン-イル、N,N-ジメチルアセトアミド、アミド、カルバミド、イミダゾリル、フェニルベンゾイミダゾリル、エチルベンゾイミダゾリル、フェニルベンゾキノリニル、フェニルベンゾイミダゾキノリニル、ピリジニル、ビピリジニル、ピコリニル、ルチデニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリフェニル-ピラジニル、ベンゾキノリニル、フェナントロリニル、フェニルフェナントロリニルおよびピリジニル-イミダゾピリジニルからなる群から選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0207】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、式(IIa)の基であり、
【0208】
【0209】
R1~R5のうち少なくとも2つは、Hではなく、ここで、R1~R5のうちHではない少なくとも2つは互いにオルト位にあり、および/または、R1~R5のうちHではない少なくとも1つは*位に対してオルト位にあり;
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレンおよびビフェニレンから独立して選択され;
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ジベンゾアクリジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、アントラセニル、トリアジニル、フェナトロリニル、トリフェニレニル、ピリジニル、ジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-フェニルベンゾ[h]キノリニル、ピリジニル、2,2’-ビピリジニル、5-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]キノリニル、9-フェニル-1,10-フェナントロリニルおよび(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジニルからなる群から選択され;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0210】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、表1に示される化合物A-1~A-8から選択される化合物を含み;
第2の電子輸送層は、表3に示される化合物B-1~B-25から選択される化合物を含み;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0211】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、C6~C30アリールまたはC2~C24ヘテロアリールから独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Ar1上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr1上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Aは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、A上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、C3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、X上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびX上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、3.5D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは独立して、1または2であり;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar2は、C3~C30ヘテロアリールおよびC6~C42アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、C6~C12アリール、C3~C11ヘテロアリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は独立して、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから選択され;
ここで、Ar2上のC6~C12アリール置換基それぞれ、およびAr2上のC3~C11ヘテロアリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Zは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、C6~C12アリールおよびC1~C6アルキル、D、C1~C6アルコキシ、C3~C6分岐アルキル、C3~C6環状アルキル、C3~C6分岐アルコキシ、C3~C6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R10)2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され、好ましくはOであり、R10は、C6~C12アリール、C3~C12ヘテロアリール、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C1~C6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルキル、部分重水素化または過重水素化C1~C6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Z上のC6~C12アリール置換基それぞれは、C1~C4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが2D以上、6D以下であるように選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0212】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、C6~C30アリールから独立して選択され、
Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、C6~C18から独立して選択され、
Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、C3~C21N含有ヘテロアリール、C3~C21O含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、3.0D以上であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは独立して、1または2である;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar2は、C3~C21ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、C6~C18アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド、カルバミド、およびC2~C42ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、当該1つ以上の置換基は、C6~C18アリール、C1~C10アルキル、C2~C14ヘテロアリールからなる群から選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含み;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0213】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオランテニル、キサンテニル、スピロ-キサンテニル、フルオレニル、スピロ-フルオレニル、トリフェニルシリル、テトラフェニルシリルまたは式(IIa)を有する基から独立して選択され、
【0214】
【0215】
式中、
アスタリスク記号「*」は、式(IIa)の基をAに結合させる結合位置を表し;
R1~R5は、H、C6~C12アリールおよびC3~C10、あるいはC4~C5ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、C3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.5D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、C3~C21N含有ヘテロアリールおよびC6~C24アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、C2~C25ヘテロアリールからなる群から選択され;Gは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、当該1つ以上の置換基は、C6~C12アリール、C1~C6アルキル、C2~C11ヘテロアリールからなる群から選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、6員環であり;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0216】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、フェニル、アントラセニル、フルオレニルまたは式(IIb)の基からなる群から独立して選択され、
【0217】
【0218】
式中、
R1~R5は、Hおよびフェニルから独立して選択され、
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリニル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択され;
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ピリジニル、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリニル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジ-C1~C4-アルキルホスフィニル、ジ-C6~C10-アリールホスフィニル、およびC2~C25ヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、Gそれぞれは、基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、当該1つ以上の置換基は、C6~C10アリール、C1~C4アルキル、C2~C5ヘテロアリールからなる群から選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、6員環であり;
化合物(III)のヘテロ芳香族環は、N含有ヘテロ芳香族環であり;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0219】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、式(IIa)の基であり、
【0220】
【0221】
R1~R5のうち少なくとも2つは、Hではなく;
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレンおよびビフェニレンから独立して選択され;
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ジベンゾアクリジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、アントラセニル、トリアジニル、フェナトロリニル、トリフェニレニル、ピリジニル、ジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、ジ-ヒドロ-ベンゾイミダゾロン-イル、ジフェニル-プロパン-イル、N,N-ジメチルアセトアミド、アミド、カルバミド、イミダゾリル、フェニルベンゾイミダゾリル、エチルベンゾイミダゾリル、フェニルベンゾキノリニル、フェニルベンゾイミダゾキノリニル、ピリジニル、ビピリジニル、ピコリニル、ルチデニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリフェニル-ピラジニル、ベンゾキノリニル、フェナントロリニル、フェニルフェナントロリニルおよびピリジニル-イミダゾピリジニルからなる群から選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、6員環であり;
化合物(III)のヘテロ芳香族環は、N含有ヘテロ芳香族環であり;
化合物(III)は、1~3個のN原子を含有する少なくとも1つの6員ヘテロ芳香族環をヘテロ芳香族環それぞれに含んでもよく;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0222】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar1-Ac)a-Xb (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar1は、式(IIa)の基であり、
【0223】
【0224】
R1~R5のうち少なくとも2つは、Hではなく、ここで、R1~R5のうちHではない少なくとも2つは互いにオルト位にあり、および/または、R1~R5のうちHではない少なくとも1つは*位に対してオルト位にあり;
ここで、Ar1それぞれは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピリジル、ピコリニル、ルチジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェン-イルおよびベンゾチオフェン-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Aは、フェニレンおよびビフェニレンから独立して選択され;
ここで、Aそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Xは、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、フェニル、ナフチルおよびビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
式(I)の化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、2.0D以下であり;
第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar2)m-(Zk-G)n (II);
mおよびnは、独立して1または2であり;
kは独立して、1または2であり;
Ar2は、ジベンゾアクリジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、アントラセニル、トリアジニル、フェナトロリニル、トリフェニレニル、ピリジニル、ジナフトフラニルからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar2それぞれは、フェニル、ピリジニルおよびビフェニル-イル、任意にパラ-ビフェニル-イルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Zは、フェニレン、ナフチレン、フェニレン-ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、フェニルおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく;
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-フェニルベンゾ[h]キノリニル、ピリジニル、2,2’-ビピリジニル、5-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]キノリニル、9-フェニル-1,10-フェナントロリニルおよび(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジニルからなる群から選択され;
第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含んでもよく、化合物(III)は8~13個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含み;
化合物(III)の芳香族環またはヘテロ芳香族環は、6員環であり;
化合物(III)のヘテロ芳香族環は、N含有ヘテロ芳香族環であり;
化合物(III)は、1~3個のN原子を含有する少なくとも1つの6員ヘテロ芳香族環をヘテロ芳香族環それぞれに含んでもよく;
化合物(III)は、2つ以上のヘテロ芳香族環を含み;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0225】
一実施形態によれば、アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
第1の電荷発生層は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第2の発光層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の発光層と第1の電荷発生層との間に配置され;
第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
第1の電子輸送層は、表1に示される化合物A-1~A-8から選択される化合物を含み;
第2の電子輸送層は、表3に示される化合物B-1~B-25から選択される化合物を含み;
第2の電子輸送層は、表4に示される化合物C-1~C-6から選択される化合物をさらに含み;
第1の電子輸送層および第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオードが提供される。
【0226】
〔さらなる層〕
本発明によれば、有機電子装置は、上述の層に加えて、さらなる層を含んでもよい。それぞれの層の例示的な実施形態を以下に説明する。
【0227】
〔基板〕
基板は、有機発光ダイオードなどの電子装置の製造に一般的に使用される任意の基板であってもよい。光が基板を介して放射される場合、基板は、例えばガラス基板または透明プラスチック基板などの、透明または半透明の材料であろう。光が上部表面を介して放射される場合、基板は、透明材料および不透明材料の両方であってもよく、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、金属基板またはシリコン基板であってもよい。
【0228】
〔アノード電極〕
本発明の有機電子装置に含まれる第1の電極または第2の電極のいずれかは、アノード電極であってもよい。アノード電極は、アノード電極を形成するために使用される材料を蒸着またはスパッタリングすることによって形成されてもよい。アノード電極を形成するために使用される材料は、正孔注入を容易にするために、高仕事関数材料であってもよい。アノード材料はまた、低仕事関数材料(すなわち、アルミニウム)から選択されてもよい。アノード電極は、透明電極または反射電極であってもよい。透明導電性酸化物、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、二酸化スズ(SnO2)、酸化アルミニウム亜鉛(AlZO)および酸化亜鉛(ZnO)を使用して、アノード電極を形成することができる。アノード電極はまた、金属、典型的には、銀(Ag)、金(Au)、または金属合金を使用して形成されてもよい。透明アノードまたは半透明アノードは、アノードを介した発光を容易にすることができる。
【0229】
〔正孔注入層〕
正孔注入層(HIL)は、真空蒸着、スピンコーティング、印刷、キャスティング、スロット-ダイコーティング、Langmuir-Blodgett(LB)蒸着などによってアノード電極上に形成することができる。HILが真空蒸着を使用して形成される場合、蒸着条件は、HILを形成するために使用される化合物、ならびにHILの所望の構造および熱特性に従って変化し得る。しかしながら、一般に、真空蒸着のための条件は、100℃~500℃の蒸着温度、10-8~10-3Torr(1Torrは133.322Paに等しい)の圧力、および0.1~10nm/秒の蒸着速度を含むことができる。
【0230】
HILがスピンコーティングまたは印刷を使用して形成される場合、コーティング条件は、HILを形成するために使用される化合物、ならびにHILの所望の構造および熱特性に従って変化し得る。例えば、前記コーティング条件は、約2000rpm~約5000rpmのコーティング速度、および約80℃~約200℃の熱処理温度を含むことができる。熱処理は、コーティングを実施した後に溶媒を除去する。
【0231】
HILは、HILを形成するために一般に使用される任意の化合物から形成され得る。HILを形成するために使用され得る化合物の例としては、フタロシアニン化合物、例えば、銅フタロシアニン(CuPc)、4,4’,4’’-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m-MTDATA)、TDATA、2T-NATA、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、およびポリアニリン)/ポリ(4-スチレンスルホネート(PANI/PSS)が挙げられる。
【0232】
HILは、p型ドーパントを含むか、またはそれからなることができ、p型ドーパントは、テトラフルオロテトラシアノキノンジメタン(F4TCNQ)、2,2’-(ペルフルオロナフタレン-2,6-ジイリデン)ジマロノニトリル、4,4’,4’’-((1E,1’E,1’’E)-シクロプロパン-1,2,3-トリイリデントリス(シアノメタニルイリデン))トリス(2,3,5,6-テトラフルオロベンゾニトリル)または2,2’,2’’-(シクロプロパン-1,2,3-トリイリデン)トリス(2-(p-シアノテトラフルオロフェニル)アセトニトリル)から選択されることができるが、これらに限定されない。HILは、p型ドーパントでドープされた正孔輸送マトリックス化合物から選択され得る。公知のドープされた正孔輸送材料の典型的な例は:LUMO準位が約-5.2eVであるテトラフルオロ-テトラシアノキノンジメタン(F4TCNQ)でドープされた、HOMO準位が約-5.2eVである銅フタロシアニン(CuPc);F4TCNQでドープされた亜鉛フタロシアニン(ZnPc)(HOMO=-5.2eV);F4TCNQでドープされたα-NPD(N,N’-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ビス(フェニル)-ベンジジン)、2,2’-(ペルフルオロナフタレン-2,6-ジイリデン)ジマロノニトリルでドープされたα-NPDである。p型ドーパント濃度は、1重量%~20重量%、より好ましくは3重量%~10重量%から選択することができる。
【0233】
HILの厚さは約1nm~約100nm、および例えば、約1nm~約25nmの範囲内であり得る。HILの厚さがこの範囲内であれば、HILは、駆動電圧の実質的なペナルティなしに、優れた正孔注入特性を有することができる。
【0234】
〔正孔輸送層〕
正孔輸送層(HTL)は、真空蒸着、スピンコーティング、スロット-ダイコーティング、印刷、キャスティング、Langmuir-Blodgett(LB)蒸着などによってHIL上に形成することができる。HTLが真空蒸着またはスピンコーティングによって形成される場合、蒸着およびコーティングのための条件は、HILの形成のための条件と同様であり得る。しかしながら、真空蒸着または溶液蒸着のための条件は、HTLを形成するために使用される化合物に応じて変化し得る。
【0235】
HTLは、HTLを形成するために一般に使用される任意の化合物から形成され得る。好適に用いることができる化合物は、例えば、Yasuhiko Shirota and Hiroshi Kageyama,Chem.Rev.2007,107,953-1010に開示されており、参照により組み込まれる。HTLを形成するために使用され得る化合物の例は:N-フェニルカルバゾールまたはポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(TPD)、またはN,N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニルベンジジン(α-NPD)などのベンジジン誘導体;および4,4’,4’’-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)などのトリフェニルアミン系化合物である。これらの化合物の中で、TCTAは、正孔を輸送し、励起子のEML中への拡散を抑制することができる。
【0236】
HTLの厚さは、約5nm~約250nm、好ましくは、約10nm~約200nm、さらに約20nm~約190nm、さらに約40nm~約180nm、さらに約60nm~約170nm、さらに約80nm~約160nm、さらに約100nm~約160nm、さらに約120nm~約140nmの範囲であってもよい。HTLの好ましい厚さは、170nm~200nmであってもよい。
【0237】
HTLの厚さがこの範囲内であれば、HTLは、駆動電圧の実質的なペナルティなしに、優れた正孔輸送特性を有することができる。
【0238】
〔電子阻止層〕
電子阻止層(EBL)の機能は、電子が発光層から正孔輸送層に移動することを防止し、それによって電子を発光層に閉じ込めることである。これにより、効率、動作電圧および/または寿命が改善される。典型的には、電子阻止層は、トリアリールアミン化合物を含む。トリアリールアミン化合物は、正孔輸送層のLUMO準位よりも真空準位に近いLUMO準位を有することができる。電子阻止層は、正孔輸送層のHOMO準位と比べて真空準位からさらに離れたHOMO準位を有することができる。電子阻止層の厚さは、2~20nmの間で選択することができる。
【0239】
電子阻止層が高い三重項準位を有する場合、電子阻止層は、三重項制御層としても記述され得る。
【0240】
三重項制御層の機能は、リン光性の緑色または青色の発光層が使用される場合に、三重項の消光を低減することである。これにより、リン光発光層からの発光効率を高めることができる。三重項制御層は、隣接する発光層におけるリン光エミッタの三重項準位より上の三重項準位を有するトリアリールアミン化合物から選択される。三重項制御層に適した化合物、特にトリアリールアミン化合物は、EP 2 722 908 A1に記載されている。
【0241】
〔発光層(EML)〕
EMLは、真空蒸着、スピンコーティング、スロット-ダイコーティング、印刷、キャスティング、LB蒸着などによってHTL上に形成することができる。EMLが真空蒸着またはスピンコーティングを用いて形成される場合、蒸着およびコーティングのための条件は、HILの形成のための条件と同様であり得る。しかしながら、蒸着およびコーティングのための条件は、EMLを形成するために使用される化合物に応じて変化し得る。
【0242】
発光層は、式(I)、式(II)の化合物および/または化合物(III)を含まないものと規定されてもよい。
【0243】
発光層(EML)は、ホストとエミッタドーパントとの組合せで形成されてもよい。ホストの例は、Alq3、4,4’-N,N’-ジカルバゾール-ビフェニル(CBP)、ポリ(n-ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)-トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5-トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼン(TPBI)、3-tert-ブチル-9,10-ジ-2-ナフチルアントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)およびビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾ-チアゾレート)亜鉛(Zn(BTZ)2)である。
【0244】
エミッタドーパントは、リン光エミッタまたは蛍光エミッタであってもよい。リン光エミッタおよび熱活性化遅延蛍光(TADF)機構を介して光を放出するエミッタは、それらのより高い効率のために好ましい場合がある。エミッタは、小分子またはポリマーであってもよい。
【0245】
赤色エミッタドーパントの例は、PtOEP、Ir(piq)3、Btp2lr(acac)であるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、リン光エミッタであるが、蛍光赤色エミッタドーパントも使用することができる。
【0246】
リン光緑色エミッタドーパントの例は、Ir(ppy)3(ppy=フェニルピリジン)、Ir(ppy)2(acac)、Ir(mpyp)3である。
【0247】
リン光青色エミッタドーパントの例は、F2Irpic、(F2ppy)2Ir(tmd)およびIr(dfppz)3ならびにter-フルオレンである。4.4’-ビス(4-ジフェニルアミオスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11-テトラ-tert-ブチルペリレン(TBPe)は、蛍光青色エミッタドーパントの例である。
【0248】
エミッタドーパントの含量は、ホスト100重量部に対して、約0.01~約50重量部であり得る。あるいは、発光層が発光ポリマーからなってもよい。EMLは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmの厚さを有することができる。EMLの厚さがこの範囲内である場合、EMLは、駆動電圧の実質的なペナルティなしに、優れた発光を有することができる。
【0249】
〔正孔阻止層(HBL)〕
EML上には、ETLへの正孔の拡散を防止するために、真空蒸着、スピンコーティング、スロット-ダイコーティング、印刷、キャスティング、LB蒸着などを用いて、正孔阻止層(HBL)を形成することができる。EMLがリン光ドーパントを含む場合、HBLはまた、三重項励起子阻止機能を有し得る。
【0250】
HBLが真空蒸着またはスピンコーティングを用いて形成される場合、蒸着およびコーティングのための条件は、HILの形成のための条件と同様であり得る。しかしながら、蒸着およびコーティングのための条件は、HBLを形成するために使用される化合物に応じて変化し得る。HBLを形成するために一般的に使用される任意の化合物を使用することができる。HBLを形成するための化合物の例としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、およびフェナントロリン誘導体が挙げられる。
【0251】
HBLは、約5nm~約100nm、例えば、約10nm~約30nmの厚さを有することができる。HBLの厚さがこの範囲内である場合、HBLは、駆動電圧の実質的なペナルティなしに、優れた正孔阻止特性を有することができる。
【0252】
〔電子輸送層(ETL)〕
本発明によるOLEDは、少なくとも2つの電子輸送層(ETL)を含む。電子輸送層のうち少なくとも2つは、本明細書で定義される第1の電子輸送層および第2の電子輸送層である。さらに、OLEDは、上記で定義された通りであってもなくてもよいさらなるETLを含んでもよい。追加のETLが上記で定義された通りでない場合、その特性は以下の通りであり得る。
【0253】
様々な実施形態によれば、OLEDは、式(I)の化合物を含む少なくとも第1の電子輸送層(ETL-1)と、式(II)の化合物を含む少なくとも第2の電子輸送層(ETL-2)とを含む電子輸送積層体を含むことができる。
【0254】
ETLの特定の層のエネルギー準位を適切に調整することによって、電子の注入および輸送を制御することができ、正孔を効率的に阻止することができる。したがって、OLEDは、長い寿命、改善された性能および安定性を有することができる。
【0255】
〔電子注入層(EIL)〕
EILは、カソードから、任意に第2の電子輸送積層体へ、電子の注入を容易にすることができ、第2の電子輸送積層体上に、好ましくは第2の電子輸送積層体上に直接形成することができ、好ましくは第2の電子積層体の第2の電子輸送層上に直接形成することができ、好ましくは第2の電子積層体の第2の電子輸送層と直接接触して形成することができる。EILを形成するための、またはEILに含まれる材料の例としては、当技術分野で公知のリチウム 8-ヒドロキシキノリノラート(LiQ)、LiF、NaCl、CsF、Li2O、BaO、Ca、Ba、Yb、Mgが挙げられる。EILを形成するための蒸着およびコーティングのための条件は、HILの形成のためのものと同様であるが、蒸着およびコーティングのための条件は、EILを形成するために使用される材料に応じて変動し得る。EILは、n型ドーパントでドープされた有機マトリックス材料を含んでもよい。マトリックス材料は、電子輸送層のためのマトリックス材料として従来使用されている材料から選択することができる。
【0256】
EILは、いくつかの個々のEIL副層からなり得る。EILがいくつかの個々のEIL副層からなるとき、副層の数は好ましくは2である。個々のEIL副層は、EILを形成するための種々の材料を含むことができる。
【0257】
EILの厚さは、約0.1nm~約10nmの範囲、例えば、約0.5nm~約9nmの範囲であり得る。EILの厚さがこの範囲内である場合、EILは駆動電圧の実質的なペナルティなしに、良好な電子注入特性を有し得る。
【0258】
本発明の電子輸送積層体は、電子注入層の一部ではない。
【0259】
〔カソード電極〕
カソード電極は、EILが存在する場合はEIL上に、好ましくはEIL上に直接、好ましくはEILと直接接触して、形成される。本発明の意味において、カソードおよびEILは、電子輸送積層体への電子の注入を可能にする1つの機能的部分と見なすことができる。カソード電極は、金属、合金、導電性化合物、またはこれらの混合物から形成されてもよい。カソード電極は、低仕事関数を有することができる。例えば、カソード電極は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)-リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、イッテルビウム(Yb)、マグネシウム(Mg)-インジウム(In)、マグネシウム(Mg)-銀(Ag)などから形成されることができる。あるいは、カソード電極は、ITOまたはIZOなどの透明導電性酸化物から形成されてもよい。
【0260】
カソード電極の厚さは、約5nm~約1000nmの範囲、例えば、約10nm~約100nmの範囲であってもよい。カソード電極の厚さが約5nm~約50nmの範囲である場合、カソード電極は、金属または金属合金から形成されていても、透明または半透明であり得る。透明または半透明のカソードは、カソードを通した発光を容易にすることができる。
【0261】
カソード電極および電子注入層は、第2の電子輸送層または電子輸送積層体の他の部分の一部ではないことを理解されたい。
【0262】
〔電荷発生層〕
電荷発生層(CGL)、すなわち本発明のOLEDに含まれる第1のCGLおよび任意の他のCGLは、p型CGLおよびn型CGLを含んでもよい。中間層は、p型層とn型層との間に配置されてもよい。
【0263】
典型的には、電荷発生層GCLは、n型電荷発生層(電子発生層、n型CGL)と、a型電荷発生層(正孔発生層、p型CGL)とを接合するpn接合である。pn接合のn側は、電子を生成し、アノードの方向に隣接する層に電子を注入する。同様に、pn接合のp側は、正孔を生成し、カソードの方向に隣接する層に正孔を注入する。
【0264】
電荷発生層は、カソードとアノードとの間に2つ以上の発光層を含むタンデムOLED(本開示のものなど)において使用される。2つの発光層を含むタンデムOLEDにおいて、n型電荷発生層はアノードの近くに配置された第1の発光層に電子を供給する一方、正孔発生層は第1の発光層とカソードとの間に配置された第2の発光層に正孔を供給する。
【0265】
正孔発生層のために好適なマトリックス材料は、正孔注入マトリックス材料および/または正孔輸送マトリックス材料として従来使用されている材料であってもよい。また、正孔発生層に用いられるp型ドーパントは、従来の材料を用いることができる。例えば、p型ドーパントは、テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)、テトラシアノキノジメタンの誘導体、ラジアレン誘導体、ヨウ素、FeCl3、FeF3、およびSbCl5からなる群から選択される1つであり得る。また、ホストは、N,N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-1,1-ビフェニル-4,4’-ジアミン(TPD)およびN,N’,N’-テトラナフチル-ベンジジン(TNB)からなる群から選択される1つであり得る。p型電荷発生層は、CNHATからなってもよい。
【0266】
n型電荷発生層は、電気的に陽性な金属の例として、希釈されていない(neat)n型ドーパントの層であってもよく、または、n型ドーパントでドープされた有機マトリックス材料からなってもよい。一実施形態において、n型ドーパントは、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、遷移金属化合物または希土類金属であり得る。別の実施形態において、金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Sm、Eu、Tb、Dy、およびYbからなる群から選択される1つであり得る。より具体的には、n型ドーパントは、Cs、K、Rb、Mg、Na、Ca、Sr、EuおよびYbからなる群から選択される1つであり得る。n型電荷発生層のために好適なマトリックス材料は、電子注入層または電子輸送層のためのマトリックス材料として従来使用されている材料であり得る。マトリックス材料は、例えば、化合物E、ビピリジル、テルピリジル化合物などのトリアジン化合物、フェナトロリン化合物のようなN含有ヘテロ環化合物、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウムのようなヒドロキシキノリン誘導体、ベンザゾール誘導体、およびシロール誘導体からなる群から選択される1つであり得る。
【0267】
正孔発生層は、n型電荷発生層に直接接触して配置されてもよい。
【0268】
本発明の電子輸送積層体は、電荷発生層の一部ではない。
【0269】
〔有機発光ダイオード(OLED)〕
本発明の様々な実施形態によれば、上述の層の間、基板上、または上部電極上に配置されたOLED層が提供されてもよい。
【0270】
本発明の一態様によれば、基板、アノード、第1の正孔注入層、第1の正孔輸送層、第1の電子阻止層、第1の発光層、第1の任意の正孔阻止層、第1の電子輸送積層体、n型電荷発生層、正孔発生層、第2の正孔輸送層、第2の電子阻止層、第2の発光層、第2の任意の正孔阻止層、第2の電子輸送積層体、第2の電子注入層およびカソードを含む有機発光ダイオードが提供される。
【0271】
本発明の一態様によれば、基板、アノード、正孔注入層、第1の正孔輸送層、第1の電子阻止層、第1の発光層、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含む第1の電子輸送積層体、第1の電荷発生層、第2の正孔輸送層、第2の電子阻止層、第2の発光層、第3の電子輸送層(=第2の積層体の第1の電子輸送層)および第4の電子輸送層(=第2の積層体の第2の電子輸送層)を含む第2の電子輸送積層体、第2の電荷発生層、第3の正孔輸送層、第3の電子阻止層、第3の発光層、第5の電子輸送層(=第3の積層体の第1の電子輸送層)および第6の電子輸送層(=第3の積層体の第2の電子輸送層)を含む第3の電子輸送積層体、電子注入層およびカソードを含む有機発光ダイオードが提供される。
【0272】
一態様によれば、OLEDは、基板がアノード電極に隣接して配置され、アノード電極が第1の正孔注入層に隣接して配置され、第1の正孔注入層が第1の正孔輸送層に隣接して配置され、第1の正孔輸送層が第1の電子阻止層に隣接して配置され、第1の電子阻止層が第1の発光層に隣接して配置され、第1の発光層が第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含む第1の電子輸送積層体に隣接して配置され、第1の電子輸送積層体が電子注入層に隣接して配置され、電子注入層がカソード電極に隣接して配置される、層状構造を備えることができる。
【0273】
例えば、
図1に係るOLEDは、基板110上に、アノード120、第1の正孔注入層130、第1の正孔輸送層140、第1の電子阻止層145、第1の発光層150、第1の電子輸送積層体160、n型電荷発生層185、正孔発生層135、第2の正孔輸送層141、第2の電子阻止層146、第2の発光層151、第2の電子輸送積層体165、第2の電子注入層181およびアノード190が、この順に連続形成される処理によって形成されてもよい。
【0274】
例えば、
図2に係るOLEDは、アノード120上に、正孔注入層130、第1の正孔輸送層140、第1の電子阻止層145、第1の発光層150、第1の電子輸送層161および第2の電子輸送層162を含む第1の電子輸送積層体160、n型CGL副層184aおよびp型CGL副層184bを含む第1の電荷発生層184、第2の正孔輸送層141、第2の電子阻止層146、第2の発光層151、第3の電子輸送層(=第2の積層体の第1の電子輸送層)166および第4の電子輸送層(=第2の積層体の第2の電子輸送層)167を含む第2の電子輸送積層体165、n型CGL副層186aおよびp型CGL副層186bを含む第2の電荷発生層186、第3の正孔輸送層142、第3の電子阻止層147、第3の発光層152、第5の電子輸送層(=第3の積層体の第1の電子輸送層)163および第6の電子輸送層(=第3の積層体の第2の電子輸送層)164を含む第3の電子輸送積層体168、電子注入層181、およびカソード190が、この順に連続形成される処理によって形成されてもよい。
【0275】
本発明の別の態様によれば、有機電子装置を製造する方法が提供され、この方法は以下を用いる:
-少なくとも1つの蒸着源、好ましくは2つの蒸着源、より好ましくは少なくとも3つの蒸着源。
【0276】
好適であり得る蒸着のための方法は以下を含む:
-真空熱蒸発による蒸着;
-溶液処理(好ましくは、当該処理は、スピンコーティング、印刷、キャスティングから選択される)による蒸着;および/または
-スロット-ダイコーティング。
【0277】
第2の電子輸送層(のうち1つ以上)が化合物(III)および式(II)の化合物を含む場合、当該2つの化合物は、2つの別個の蒸着源からの共蒸着によって蒸着されてもよく、または1つの単一源のためのプレミックスとして蒸着されてもよい。
【0278】
本発明の様々な実施形態によれば、本方法は、アノード電極上に、発光層および少なくとも1つの層を形成することをさらに含むことができ、少なくとも1つの層を形成することは、アノード電極と第1の電子輸送層との間に、正孔注入層を形成すること、正孔輸送層を形成すること、または正孔阻止層を形成することからなる群から選択される。
【0279】
本発明の様々な実施形態によれば、本方法は、有機発光ダイオード(OLED)を形成するための工程をさらに含むことができ、ここで、
-基板上に第1のアノード電極が形成され、
-第1のアノード電極上に発光層が形成され、
-発光層上に電子輸送積層体が形成され、電子輸送積層体上に電荷発生層が形成され、
-最終的にカソード電極が形成され、
-任意に、正孔注入層、正孔輸送層、および正孔阻止層が、第1のアノード電極と発光層との間にその順序で形成され、
-電子輸送積層体とカソード電極との間に電荷発生層が形成される。
【0280】
様々な実施形態によれば、OLEDは以下の層状構造を有することができ、ここで、当該層は、以下の順序を有する:
アノード、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、任意の正孔阻止層、電子輸送積層体、n型CGL、p型CGL、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、任意の正孔阻止層、電子輸送積層体、n型CGL、p型CGL、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、任意の正孔阻止層、電子輸送積層体、電子注入層、およびカソード。
【0281】
本発明の別の態様によれば、本出願の全体にわたって説明される任意の実施形態による少なくとも1つの有機発光装置を含む電子装置が提供され、好ましくは、電子装置は、本出願の全体にわたって説明される実施形態のうちの1つにおける有機発光ダイオードを含む。より好ましくは、電子装置は、表示装置または発光装置である。
【0282】
一実施形態において、本発明による有機電子装置は、ラジアレン化合物および/またはキノジメタン化合物を含む層をさらに含んでもよい。
【0283】
一実施形態において、ラジアレン化合物および/またはキノジメタン化合物は、1つ以上のハロゲン原子および/または1つ以上の電子求引基で置換されていてもよい。電子求引基は、ニトリル基、ハロゲン化アルキル基から、あるいはペルハロゲン化アルキル基から、あるいはペルフルオロ化アルキル基から選択することができる。電子求引基の他の例は、アシル基、スルホニル基またはホスホリル基であってもよい。
【0284】
あるいは、アシル基、スルホニル基および/またはホスホリル基は、ハロゲン化および/またはペルハロゲン化ヒドロカルビルを含んでもよい。一実施形態において、ペルハロゲン化ヒドロカルビルは、ペルフルオロ化ヒドロカルビルであってもよい。ペルフルオロ化ヒドロカルビルの例は、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロイソプロピル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロフェニル、ペルフルオロトリルであり得;ハロゲン化ヒドロカルビルを含むスルホニル基の例は、トリフルオロメチルスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニル、ペンタフルオロフェニルスルホニル、ヘプタフルオロプロピルスルホニル、ノナフルオロブチルスルホニルなどであり得る。
【0285】
一実施形態において、ラジアレンおよび/またはキノジメタン化合物は、正孔注入層、正孔輸送層および/または正孔生成層に含まれてもよい。
【0286】
一実施形態において、ラジアレン化合物は、式(XX)を有していてもよく、および/またはキノジメタン化合物は、式(XXIa)または(XXIb)を有していてもよい:
【0287】
【0288】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、R12、R15、R16、R20、R21は上記の電子求引基から独立して選択され、R9、R10、R13、R14、R17、R18、R19、R22、R23およびR24は、H、ハロゲンおよび上記の電子求引基から独立して選択される)。
【0289】
以下、実施例を挙げて実施形態をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。ここで、例示的な態様について詳しく述べる。
【0290】
〔一般的定義〕
本明細書において、定義が他に提供されていない場合、「アルキル基」は、脂肪族炭化水素基を指し得る。アルキル基は、二重結合または三重結合を有さない「飽和アルキル基」を指し得る。本明細書で使用される用語「アルキル」は、直鎖ならびに分岐および環状アルキルを包含するものとする。例えば、C3-アルキルは、n-プロピルおよびイソ-プロピルから選択され得る。同様に、C4-アルキルは、n-ブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルを包含する。同様に、C6-アルキルは、n-ヘキシルおよびシクロヘキシルを包含する。
【0291】
本明細書で使用される場合、他に明示的に言及されない限り、アスタリスク記号「*」は、対応して標識された部分が別の部分に結合する結合位置を表す。
【0292】
Cn中の下付き数字nは、アルキル基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはアリール基それぞれにおける炭素原子の総数に関する。
【0293】
本明細書で使用される用語「アリール」または「アリーレン」は、フェニル(C6-アリール)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセンなどの縮合芳香族を包含するものとする。テルフェニル、フェニル置換ビフェニル、フェニル置換テルフェニル(テトラフェニルベンゾール基など)などのビフェニルおよびオリゴフェニルまたはポリフェニルがさらに包含される。「アリーレン」「ヘテロアリーレン」それぞれは、2つのさらなる部分が結合している基を指す。本明細書において、用語「アリール基」または「アリーレン基」は、少なくとも1つの炭化水素芳香族部分を含み、炭化水素芳香族部分の全ての要素が共役を形成するp-軌道を有し得る基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピリニル基、フルオレニル基など)を指すことができる。2つの芳香族部分がスピロ原子を介して互いに接続されているスピロ化合物(9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]イルなど)がさらに包含されている。アリール基またはアリーレン基は、単環式官能基または縮合多環式(すなわち、隣接する炭素原子対を共有する結合)官能基を含み得る。
【0294】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているアリール基を指す。用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族ヘテロ環を指してもよく、炭化水素ヘテロ芳香族部分のすべての要素は共役を形成するp軌道を有することがある。ヘテロ原子は、N、O、S、B、Si、P、Seから、好ましくはN、OおよびSから選択することができる。ヘテロアリーレン環は、少なくとも1個~3個のヘテロ原子を含むことができる。好ましくは、ヘテロアリーレン環は、N、Sおよび/またはOから独立して選択される少なくとも1個~3個のヘテロ原子を含むことができる。「アリール」/「アリーレン」の場合と同様に、用語「ヘテロアリール」は、例えば、2つの芳香族部分が互いに結合しているスピロ化合物(例えば、スピロ[フルオレン-9,9’-キサンテン])を含む。さらなる例示的なヘテロアリール基は、ジアジン、トリアジン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフラン、アクリジン、ベンゾアクリジン、ジベンゾアクリジンなどである。
【0295】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合を含む基-CR1=CR2R3を指す。
【0296】
本明細書で使用される用語「ペルハロゲン化」は、ヒドロカルビル基の水素原子の全てがハロゲン(F、Cl、Br、I)原子によって置き換えられているヒドロカルビル基を指す。
【0297】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、式-OR(Rは、ヒドロカルビル、好ましくはアルキルまたはシクロアルキルである)の構造断片を指す。
【0298】
本明細書で使用される用語「チオアルキル」は、式-SR(Rは、ヒドロカルビル、好ましくはアルキルまたはシクロアルキルである)の構造断片を指す。
【0299】
Cn-ヘテロアリール中の下付き数字nは、単に、ヘテロ原子の数を除く炭素原子の数を指す。これに関連して、C3ヘテロアリーレン基は、3個の炭素原子を含む芳香族化合物(ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾールなど)であることは明らかである。
【0300】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、キナゾリン、ベンゾキナゾリン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾ[4,5]チエノ[3,2-d]ピリミジン、カルバゾール、キサンテン、フェノキサジン、ベンゾアクリジン、ジベンゾアクリジンなどを包含するものとする。
【0301】
本明細書において、単結合という用語は、直接結合を指す。
【0302】
本明細書で使用される用語「フルオロ化」は、炭化水素基に含まれる水素原子のうち少なくとも1つがフッ素原子で置換されている炭化水素基を指す。その水素原子の全てがフッ素原子で置換されているフルオロ化基は、ペルフルオロ化基と呼ばれ、特に用語「フルオロ化」で表される。
【0303】
本発明に関して、ある基に含まれる水素原子の1つが別の基で置き換えられている場合、その基は、別の基で「置換されている」(ここで、別の基は置換基である)。
【0304】
本発明に関して、2つの他の層の間にある1つの層に関する表現「間」は、当該1つの層と当該2つの他の層のうちの1つとの間に配置され得るさらなる層の存在を排除しない。本発明に関して、互いに直接接触している2つの層に関する表現「直接接触している」は、それら2つの層の間にさらなる層が配置されていないことを意味する。別の層の上部に蒸着された1つの層は、この層と直接接触していると見なされる。
【0305】
用語「挟まれて接触している」は、中間の層が2つの隣接する層と直接接触している、3つの層の配列を指す。
【0306】
本発明の電子輸送積層体に関して、実験部分で述べる化合物が最も好ましい。
【0307】
発光装置は、照明、照射、信号、または投影のために使用される装置のいずれかであり得る。それらは、対応して、照明装置、照射装置、信号装置、および投影装置として分類される。発光装置は通常、光放射源と、放射光束を所望の方向にある空間に伝送する装置と、部品を単一の装置に接合し、放射源および光伝送系を損傷および周囲の影響から保護する筐体とからなる。
【0308】
別の態様によれば、本発明に係る有機エレクトロルミネセント装置は、2つまたは3つ以上の発光層を含む。2つ以上の発光層を含むOLEDは、タンデムOLEDまたは積層OLEDとしても記載される。
【0309】
有機エレクトロルミネセント装置(OLED)は、ボトムエミッション装置またはトップエミッション装置であってもよい。有機エレクトロルミネセント装置(OLED)は、透明アノードを介して、または透明カソードを介して、光を放出してもよい。
【0310】
別の態様は、少なくとも1つの有機エレクトロルミネセント装置(OLED)を含む装置を対象とする。
【0311】
有機発光ダイオードを含む装置は、例えば、表示パネルまたは発光パネルである。
【0312】
本発明において、以下に定義される用語は、異なる定義が特許請求の範囲または本明細書中の他の箇所において与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0313】
本明細書の文脈において、マトリックス材料に関連している用語「異なる(different)」または「異なる(differs)」は、マトリックス材料がその構造式において異なることを意味する。
【0314】
用語「OLED」および「有機発光ダイオード」は、同時に使用され、同じ意味を有する。本明細書で使用される場合、用語「有機エレクトロルミネセント装置」は、有機発光ダイオードおよび有機発光トランジスタ(OLET)の両方を含むことができる。
【0315】
本明細書で使用される場合、「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(wt.-%)」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%(% by weight)」、およびそれらの変形は、組成物、成分、物質または作用物質について、各電子輸送層のその成分、物質または作用物質の重量を、各電子輸送層の総重量で割って100を乗じたものを指す。電子輸送層および電子注入層それぞれの全ての成分、物質および作用物質の総重量パーセント量は、100重量%を超えないように選択されることが理解される。
【0316】
本明細書で使用される場合、「体積パーセント(volume percent)」、「体積%(vol.-%)」、「体積パーセント(percent by volume)」、「体積%(% by volume)」、およびそれらの変形は、組成物、成分、物質または作用物質について、各電子輸送層のその成分、物質または作用物質の体積を、各電子輸送層の総体積で割って100を乗じたものを指す。カソード層の全ての成分、物質および作用物質の総体積パーセント量は、100体積%を超えないように選択されることが理解される。
【0317】
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されることが前提とされる。本明細書で使用するとき、用語「約」は、起こり得る数量の変動を指す。用語「約」によって修飾されるか否かに関わらず、特許請求の範囲は、その量に対する等価物を含む。
【0318】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明らかに他の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
【0319】
用語「含まない(free of)」、「含まない(does not contain)」、「含まない(dose not comprise)」は、不純物を除外していない。不純物は、本発明によって達成される目的に関して、技術的な影響を有さない。
【0320】
本明細書の文脈において、用語「本質的に非発光性」または「非発光性」は、装置からの可視発光スペクトルに対する、化合物または層の寄与が、可視発光スペクトルに対して10%未満、好ましくは5%未満であることを意味する。可視発光スペクトルは、約380nm以上、約780nm以下の波長を有する発光スペクトルである。
【0321】
好ましくは、式(I)の化合物を含む有機半導体層は、本質的に非発光性または非発光性である。
【0322】
Uとも呼ばれる動作電圧は、10ミリアンペア/平方センチメートル(mA/cm2)におけるボルト(V)で測定される。
【0323】
cd/A効率とも呼ばれるカンデラ/アンペア効率は、10ミリアンペア/平方センチメートル(mA/cm2)におけるカンデラ/アンペアで測定される。
【0324】
EQEとも呼ばれる外部量子効率は、パーセント(%)で測定される。
【0325】
色空間は、座標CIE-xおよびCIE-y(International Commission on Illumination 1931)によって記述される。青色発光の場合、CIE-yは特に重要である。より小さいCIE-yは、より深い青色を示す。効率値は、同じCIE-yで比較される。
【0326】
HOMOとも呼ばれる最高被占分子軌道、およびLUMOとも呼ばれる最低非占有分子軌道は、電子ボルト(eV)で測定される。
【0327】
用語「OLED」、「有機発光ダイオード(organic light emitting diode)」、「有機発光装置」、「有機光電子装置」および「有機発光ダイオード(organic light-emitting diode)」は、同時に使用され、同じ意味を有する。
【0328】
用語「寿命(life-span)」および「寿命(lifetime)」は、同時に使用され、同じ意味を有する。
【0329】
アノードおよびカソードは、アノード電極/カソード電極またはアノード電極/カソード電極またはアノード電極層/カソード電極層として記述され得る。
【0330】
室温は、周囲温度とも呼ばれ、23℃である。
【0331】
〔図面の簡単な説明〕
本発明のこれらおよび/または他の態様および効果は、添付の図面と併せて、例示的な実施形態の以下の説明から明らかになり、より容易に理解されるのであろう:
図1は、本発明の例示的な実施形態によるマルチ発光層有機発光ダイオード(OLED)の模式的な断面図である;
図2は、本発明の例示的な実施形態によるマルチ発光層OLEDの模式的な断面図である。
【0332】
〔詳細な説明〕
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳しく参照するが、その例は添付の図面に示されている。ここで、同様の参照番号は全体を通して同様の要素を指す。以下、本発明の態様を説明するために、図面を参照することによって、例示的な実施形態を説明する。
【0333】
本明細書において、第1の要素が第2の要素の「上に(on)」または「上に(onto)」形成または配置されると述べられている場合、第1の要素は第2の要素の上に直接配置され得るか、または1つ以上の他の要素がそれらの間に配置され得る。第1の要素が第2の要素の「上に直接(directly on)」または「上に直接(directly onto)」形成または配置されると述べられている場合、他の要素は、それらの間に配置されない。
【0334】
図1は、本発明の例示的な実施形態による有機発光ダイオード(OLED)200の模式的な断面図である。OLED200は、基板110、アノード120、第1の正孔注入層(HIL-1)130、第1の正孔輸送層(HTL-1)140、第1の電子阻止層(EBL-1)145、第1の発光層(EML-1)150、第1の積層体の第1の電子輸送層161および第1の積層体の第2の電子輸送層162を含む第1の電子輸送積層体(ETL-1)160、n型電荷発生層(n型CGL)185、正孔発生層(p型電荷発生層;p型GCL)135、第2の正孔輸送層(HTL-2)141、第2の電子阻止層(EBL-2)146、第2の発光層(EML-2)151、第3の電子輸送層(=第2の積層体の第1の電子輸送層)166および第4の電子輸送層(=第2の積層体の第2の電子輸送層)167を含む第2の電子輸送積層体(ETL-2)165、電子注入層(EIL)181、およびカソード190を含む。
【0335】
図2を参照すると、OLED200は、アノード120、正孔注入層(HIL)130、第1の正孔輸送層(HTL-1)140、第1の電子阻止層(EBL-1)145、第1の発光層(EML-1)150、第1の電子輸送層161および第2の電子輸送層162を含む第1の電子輸送積層体(ETL-1)160、第1の電荷発生層(CGL-1)184、第2の正孔輸送層(HTL-2)141、第2の電子阻止層(EBL-2)146、第2の発光層(EML-2)151、第3の電子輸送層(=第2の積層体の第1の電子輸送層)166および第4の電子輸送層(=第2の積層体の第2の電子輸送層)167を含む第2の電子輸送積層体(ETL-2)165、第2の電荷発生層(CGL-2)186、第3の正孔輸送層(HTL-3)、第3の電子阻止層(EBL-3)147、第3の発光層(EML-3)152、第5の電子輸送層(=第3の積層体の第1の電子輸送層)163および第6の電子輸送層(=第3の積層体の第2の電子輸送層)164を含む第3の電子輸送積層体(ETL-3)168、電子注入層(EIL)181、およびカソード190を含む。
図2に示すOLEDは、第1の発光部A、第2の発光部B、および第3の発光部Cを有する。
【0336】
図1および
図2には示されていないが、OLED200を封止するために、カソード電極190上に封止層がさらに形成されてもよい。また、他の様々な変形例が適用されてもよい。
【0337】
以下、本発明の1つ以上の例示的な実施形態について、以下の実施例を挙げて詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、本発明の1つ以上の例示的な実施形態の目的および範囲を限定することを意図するものではない。
【0338】
〔詳細な説明〕
〔双極子モーメント〕
N原子を含む分子の双極子モーメント
【0339】
【0340】
は、以下の式によって与えられ:
【0341】
【0342】
式中、
【0343】
【0344】
は、分子中の原子iの部分電荷および位置である。
【0345】
双極子モーメントは、半経験的分子軌道法によって決定される。
【0346】
プログラムパッケージTURBOMOLE V6.5(TURBOMOLE GmbH、Litzenhardtstrasse 19,76135 Karlsruhe、Germany)において実装されているような、気相中に6-31G*基底系を有するハイブリッド関数B3LYPを適用することによって、分子構造の幾何学的形状を最適化する。2つ以上のコンホメーションが実行可能である場合、最も低い総エネルギーを有するコンホメーションが、分子の結合長を決定するために選択される。
【0347】
〔HOMOおよびLUMOの計算値〕
HOMOおよびLUMOは、プログラムパッケージTURBOMOLE V6.5(TURBOMOLE GmbH、Litzenhardtstrasse 19、76135 Karlsruhe、Germany)を用いて計算される。分子構造の最適化された形状ならびにHOMOおよびLUMOエネルギー準位は、気相中に6-31G*基底系を有するハイブリッド関数B3LYPを適用することによって決定される。2つ以上のコンホメーションが実行可能である場合、最も低い総エネルギーを有するコンホメーションが選択される。
【0348】
〔OLED性能の測定〕
OLED装置の性能を評価するために、電流効率を20℃で測定する。電流-電圧特性は、Keithley 2635ソース測定ユニットを使用して、Vで電圧を供給し、試験される装置を流れる電流をmAで測定することによって決定される。装置に印加される電圧は、0V~10Vの範囲で0.1Vずつ変化する。同様に、輝度-電圧特性およびCIE座標は、それぞれの電圧値について、Instrument Systems CAS-140CTアレイ分析計(Deutsche Akkreditierungsstelle(DAkkS)によって較正された)を使用して、cd/m2で輝度を測定することによって決定される。10mA/cm2でのcd/A効率は、輝度-電圧特性および電流-電圧特性をそれぞれ補間することによって決定される。
【0349】
該当する場合、装置の寿命LTは周囲条件(20℃)および30mA/cm2で、Keithley 2400ソースメーターを用いて測定し、時間単位で記録することができる。
【0350】
装置の明度は、較正されたフォトダイオードを用いて測定される。寿命LTは、装置の明度が最初の値の97%に低下するまでの時間として定義される。
【0351】
動作電圧ΔUの増加は、装置の動作電圧安定性の尺度として使用される。この増加は、LT測定中に、装置の動作開始時の動作電圧を50時間後の動作電圧から減算することによって決定される。
【0352】
ΔU=[U(50h)-U(0h)]
ΔUの値が小さいほど、動作電圧安定性は良好である。
【0353】
〔OLEDの製造のための一般的手順〕
トップエミッションOLED装置として、150mm×150mm×0.7mmの寸法を有する基板を、スピン洗浄乾燥機中で、Deconex FPD 211の2%水溶液で7分間、次いで純水で5分間、超音波洗浄し、15分間乾燥させた。続いて、Agをアノードとして10-5~10-7mbarの圧力で蒸着させた。
【0354】
次いで、HT-1およびD-1をアノード上に真空共蒸着させて、HILを形成した。次いで、HT-1をHIL上に真空蒸着させてHTLを形成した。次いで、HTL上にHT-2を真空蒸着させて電子阻止層(EBL)を形成した。
【0355】
その後、ホスト-1およびエミッタ-1の共蒸着によって、EBL上に第1の発光層を形成した。
【0356】
次いで、式(I)の化合物を発光層上に真空蒸着させて、第1の電子輸送層を形成した。次に、実施例OLED-1~OLED-4として、式(II)の化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。比較OLED例として、化合物C-3を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0357】
実施例OLED-5~OLED-15として、式(II)の化合物および化合物(III)のプレミックス化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0358】
次いで、化合物Eおよびリチウムを共蒸着することにより、第2の電子輸送層上にn型CGLを形成した。
【0359】
次いで、n型CGL上にHT-1およびD-1を真空共蒸着して、p型CGLを形成した。
【0360】
次いで、p型CGL上にHT-1を真空蒸着して、HTLを形成した。次いで、HTL上にHT-2を真空蒸着して、EBLを形成した。
【0361】
その後、ホスト-1およびエミッタ-1の共蒸着によって、EBL上に第2の発光層を形成した。
【0362】
次いで、式(I)の化合物を発光層上に真空蒸着させて、第1の電子輸送層を形成した。次に、実施例OLED-1~OLED-4として、式(II)の化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。比較OLED例として、化合物C-3を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0363】
実施例OLED-5~OLED-15として、式(II)の化合物および化合物(III)のプレミックス化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0364】
次いで、化合物Eおよびリチウムを共蒸着することにより、第2の電子輸送層上にn-CGLを形成した。
【0365】
次いで、n型CGL上にHT-1およびD-1を真空共蒸着して、p型CGLを形成した。
【0366】
次いで、HIL上にHT-1を真空蒸着して、HTLを形成した。次いで、HTL上にHT-2を真空蒸着して、電子阻止層(EBL)を形成した。
【0367】
その後、ホスト-1およびエミッタ-1の共蒸着によって、EBL上に第3の発光層を形成した。
【0368】
次いで、式(I)の化合物を発光層上に真空蒸着させて、第1の電子輸送層を形成した。次に、実施例OLED-1~OLED-4として、式(II)の化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。比較OLED例として、化合物C-3を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0369】
実施例OLED-5~OLED-15として、式(II)の化合物および化合物(III)のプレミックス化合物を蒸着させることによって、第1の電子輸送層上に第2の電子輸送層を形成した。
【0370】
次いで、まずLiQ、続いてYbを蒸着することにより、電子輸送層上に2重層として電子注入層を形成する。
【0371】
次いで、Ag:Mgを、10-7mbarで0.01~1Å/sの速度で蒸発させて、カソードを形成した。
【0372】
HT-3のキャップ層をカソード上に形成した。
【0373】
トップエミッションOLED装置における積層体の詳細を以下に示す。スラッシュ「/」は、個別の層を区切る。層の厚さは、角括弧[...]で示され、混合比は重量%で、丸括弧(...)で示される:
表6のOLED装置例で使用される積層体の詳細:
Ag[100nm]/HT-1:D-1(重量% 92:8)[10nm]/HT-1[24nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物またはC-3[25nm]/E:Li(重量% 99:1)[15nm]/HT-1:D-1(重量% 90:10)[10nm]/HT-1[36nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物またはC-3[25nm]/E:Li(重量% 99:1)[15nm]/HT-1:D-1(重量% 90:10)[10nm]/HT-1[57nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物またはC-3[30nm]/LiQ[1nm]/Yb[2nm]/Ag:Mg(重量% 90:10)[13nm]/HT-3[65nm]。
【0374】
表7のOLED装置例で使用される積層体の詳細:
Ag[100nm]/HT-1:D-1(重量% 92:8)[10nm]/HT-1[24nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物:式(III)の化合物(重量% 30:70)[25nm]/E:Li(重量% 99:1)[15nm]/HT-1:D-1(重量% 90:10)[10nm]/HT-1[36nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物:式(III)の化合物(重量% 30:70)[25nm]/E:Li(重量% 99:1)[15nm]/HT-1:D-1(重量% 90:10)[10nm]/HT-1[57nm]/HT-2[5nm]/H09:BD200(重量% 97:3)[20nm]/式(I)の化合物[5nm]/式(II)の化合物:式(III)の化合物(重量% 30:70)[30nm]/LiQ[1nm]/Yb[2nm]/Ag:Mg(重量% 90:10)[13nm]/HT-3[65nm]。
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
実施例8、9および10は、化合物(III)が第2の電子輸送層において使用される場合、より低い電圧でcd/A効率がさらに増加することを示す。
【0379】
上述の説明および従属請求項に開示された特徴は、別々に、およびそれらの任意の組合せの両方で、それらの様々な形態で、独立請求項においてなされた本発明の態様を実現するための材料であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0380】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるマルチ発光層有機発光ダイオード(OLED)の模式的な断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な実施形態によるマルチ発光層OLEDの模式的な断面図である。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソード、第1の発光層、第2の発光層、第1の電荷発生層および第1の電子輸送積層体を含み、
前記第1の電荷発生層は、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に配置され;
前記第1の電子輸送積層体は、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に配置され;
前記第1の電子輸送積層体は、第1の電子輸送層および第2の電子輸送層を含み;
前記第1の電子輸送層は、式(I)の化合物を含み、
(Ar
1-A
c)
a-X
b (I);
aおよびbは独立して、1または2であり;
cは独立して、0または1であり;
Ar
1は、C
6~C
60アリールまたはC
2~C
42ヘテロアリールから独立して選択され、
ここで、Ar
1それぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され
、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Ar
1上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびAr
1上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Aは、C
6~C
30アリールから独立して選択され、
ここで、Aそれぞれは、C
6~C
12アリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され
、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、A上のC
6~C
12アリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、C
2~C
42ヘテロアリールおよびC
6~C
60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Xそれぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され
、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、X上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびX上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
式(I)の前記化合物の分子双極子モーメントは、0D以上、4D以下であり;
前記第2の電子輸送層は、式(II)の化合物を含み、
(Ar
2)
m-(Z
k-G)
n (II);
mおよびnは独立して、1または2であり;
kは独立して、0、1または2であり;
Ar
2は、C
2~C
42ヘテロアリールおよびC
6~C
60アリールからなる群から独立して選択され、
ここで、Ar
2それぞれは、C
6~C
12アリール、C
3~C
11ヘテロアリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され
、R
10は独立して、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから選択され;
ここで、Ar
2上のC
6~C
12アリール置換基それぞれ、およびAr
2上のC
3~C
11ヘテロアリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Zは、C
6~C
30アリールから独立して選択され、
ここで、Zそれぞれは、C
6~C
12アリールおよびC
1~C
6アルキル、D、C
1~C
6アルコキシ、C
3~C
6分岐アルキル、C
3~C
6環状アルキル、C
3~C
6分岐アルコキシ、C
3~C
6環状アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシ、ハロゲン、CNまたはPY(R
10)
2からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、ここで、Yは、O、SまたはSeから選択され
、R
10は、C
6~C
12アリール、C
3~C
12ヘテロアリール、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルキル、部分フルオロ化またはペルフルオロ化C
1~C
6アルコキシ、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルキル、部分重水素化または過重水素化C
1~C
6アルコキシから独立して選択され;
ここで、Z上のC
6~C
12アリール置換基それぞれは、C
1~C
4アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよく;
Gは、化合物G-フェニルの双極子モーメントが1D以上、7D以下であるように選択され;
前記第1の電子輸送層および前記第2の電子輸送層は、電気ドーパントを含まない、
有機発光ダイオード。
【請求項2】
Ar
1は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオランテニル、キサンテニル、スピロ-キサンテニル、フルオレニル、スピロ-フルオレニル、トリフェニルシリル、テトラフェニルシリル、または式(IIa)を有する基からなる群から独立して選択され、
【化1】
式中、
アスタリスク記号「*」は、式(IIa)の基をAに結合させる結合位置を表し;
R
1~R
5は、H、C
6~C
12アリールおよびC
4~C
10ヘテロアリールからなる群から独立して選択される、
請求項
1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項3】
Aは、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいフェニレン、ナフチレン、ビフェニレンおよびテルフェニレンからなる群から選択される、
請求項
1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項4】
Xは、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいトリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項5】
Ar
2は、それぞれ置換されていてもよく置換されていなくてもよいピリジニル、トリアジニル、1,2-ジアジニル、1,3-ジアジニル、1,4-ジアジニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、ベンゾキノリニル、ベンゾアクリジニル、ジベンゾアクリジニル、フルオランテニル、アントラセニル、ナフチル、トリフェニレニル、フェナトロリニルおよびジナフトフラニルからなる群から独立して選択される、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項6】
Gは、ジアルキルホスフィニル、ジアリールホスフィニル、アルキルアリールホスフィニル、ニトリル、ベンゾニトリル、ニコチノニトリル、アミド-イル、カルバミド-イルおよびC
2~C
17ヘテロアリールからなる群から選択され;
Gそれぞれは、当該基に結合した1つ以上の置換基を含んでもよく、ここで、前記1つ以上の置換基は、フェニル、メチル、エチル、およびピリジルからなる群から選択される、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項7】
Gは、ジメチルホスフィニル、ジフェニルホスフィニル、2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2-フェニルベンゾ[h]キノリニル、ピリジニル、2,2’-ビピリジニル、5-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]キノリニル、9-フェニル-1,10-フェナントロリニル、および(ピリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリジニルからなる群から独立して選択される、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項8】
Gは、化合物G-フェニルが下記構造の1つによって表されるように選択される、
【化2】
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項9】
式(II)の前記化合物は、B-1~B-25から選択される、
【化3】
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項10】
前記第2の電子輸送層は化合物(III)をさらに含み、前記化合物(III)は、8~13個の芳香族またはヘテロ芳香族環、任意に8~11個の芳香族環またはヘテロ芳香族環、任意に9または10個の芳香族環またはヘテロ芳香族環を含む、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項11】
前記化合物(III)は、1~5個のヘテロ芳香族環を含む、
請求項10に記載の有機発光ダイオード。
【請求項12】
前記化合物(III)が2つ以上のヘテロ芳香族環を含む場合、前記ヘテロ芳香族環は、ヘテロ原子を含まない少なくとも1つの芳香族環によって互いに分離されている、
請求項
10に記載の有機発光ダイオード。
【請求項13】
前記第1の電子輸送積層体は、前記第1の発光層と前記電荷発生層との間に配置される、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項14】
前記第1の電子輸送層および前記第2の電子輸送層は、互いに直接接触している、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項15】
前記第2の電子輸送層は、前記電荷発生層と直接接触している、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項16】
前記電荷発生層は、金属、あるいはアルカリ金属、金属塩、あるいはアルカリ土類金属塩および/もしくは希土類金属塩、または有機アルカリ金属錯体、あるいはアルカリ金属錯体、あるいはLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiQ、金属ホウ酸塩、またはそれらの混合物を含む、
請求項1に記載の有機発光ダイオード。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の有機発光ダイオードを含む装置であって、
前記装置は、表示装置または発光装置であり、光は、透明なカソードを通して放射される、
装置。
【請求項18】
請求項1~16
のいずれか1項に記載の有機発光ダイオードを含む装置であって、
前記装置は、表示装置または発光装置であり、光は、透明なアノードを通して放射される、
装置。
【国際調査報告】