(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】空気巻き込みを低減する特徴を有する移送リングシュー及び移送リング
(51)【国際特許分類】
B29D 30/26 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
B29D30/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504804
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021035130
(87)【国際公開番号】W WO2021243326
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025964
【氏名又は名称】マックリーリー、ケネス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マックリーリー、ケネス
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AM32
4F215VA12
4F215VL13
4F215VM06
4F215VP28
4F215VP36
(57)【要約】
車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングは、複数の移送リングシューによって画定される径方向に拡張可能及び折り畳み可能でセグメント化された把持面を備え、各シューは、円筒状の把持面の中心軸へ向けて及び該中心軸から離れて移動するように取り付けられる内側に面する表面を有する。それぞれの内側に面する表面が第1及び第2の側縁部を有する。各側縁部は、他方の側縁部の中央部と実質的に平行になるように構成される中央部を有するとともに、その間に中間部を形成する。各側縁部は、中央部の両側のそれぞれの端部に第1及び第2のテーパ部を有する。各テーパ部は、対応する中央部から外向きに且つ他方の側縁部のテーパ部に向かって延在する。シューの対応する端部のテーパ部が協働して端部を形成し、各端部の幅が中間部から離れる方向で減少する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングであって、
径方向に拡張可能及び折り畳み可能でセグメント化された略円筒状の把持面を備え、前記把持面は、前記円筒状の把持面の中心軸へ向けて及び前記中心軸から離れて移動するように取り付けられる複数の内側に面する表面によって画定され、それぞれの内側に面する表面が第1及び第2の側縁部を有し、各側縁部は、他方の側縁部の中央部と実質的に平行になるように構成される中央部を有するとともに、その間に中間部を形成し、各側縁部は、前記中央部の両側のそれぞれの端部に第1及び第2のテーパ部を有し、各側縁部の各テーパ部は、対応する前記中央部から外向きに且つ他方の側縁部のテーパ部に向かって延在し、
前記第1及び第2の側縁部の前記第1のテーパ部が協働して第1の端部を形成し、前記第1及び第2の側縁部の前記第2のテーパ部が協働して第2の端部を形成し、前記第1及び第2の端部の幅が前記中間部から離れる方向で減少する、
移送リング。
【請求項2】
各第1及び第2の側縁部の前記第1及び第2のテーパ部は、30度の角度で前記それぞれの中央部から内側に延在する、請求項1に記載の移送リング。
【請求項3】
前記第1及び第2の端部は、互いに実質的に平行なそれぞれの第1及び第2の端縁部を更に画定する、請求項1に記載の移送リング。
【請求項4】
各第1及び第2の側縁部の前記第1及び第2のテーパ部は、前記それぞれの中央部から内側に延在して湾曲した第1及び第2の端部を形成する、請求項1に記載の移送リング。
【請求項5】
各第1及び第2の側縁部の前記中央部は、前記それぞれの第1及び第2のテーパ部のうちの1つよりも狭い、請求項1に記載の移送リング。
【請求項6】
前記内側に面する表面は、前記第1及び第2の端部間の中間点に関して対称である、請求項1に記載の移送リング。
【請求項7】
それぞれの内側に面する表面は、前記円筒状の把持面の外周寸法の周りに弓形の形状を画定する、請求項1に記載の移送リング。
【請求項8】
それぞれの内側に面する表面は、前記円筒状の把持面の軸方向寸法の周りに弓形の形状を画定する、請求項1に記載の移送リング。
【請求項9】
それぞれの内側に面する表面の各第1の側縁部の各中央部は、前記移送リングの折り畳み位置で隣接する内側に面する表面の第2の側縁部の中央部に適合して係合するように成形される、請求項1に記載の移送リング。
【請求項10】
それぞれの第1及び第2の端縁部は、それぞれの第1及び第2の側縁部の各中央部よりも狭い、請求項1に記載の移送リング。
【請求項11】
車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングシューであって、
タイヤ構成要素を把持するための第1の表面と反対側の第2の表面とを画定するプレートと、
前記プレートを移送リングの中心軸へ向けて及び前記中心軸から離れるように移動するべく固定するためのマウントと、
を備え、
前記第1の表面は、
互いに平行に延在する両側の第1及び第2の側縁部と、
互いに平行に延在する両側の第1及び第2の端縁部と、
それぞれが前記第1及び第2の側縁部並びに前記第1及び第2の端縁部のうちの一方から内側に延在する及び前記一方の対応する端部間で延在する複数のテーパ縁部と、
を画定し、
前記第1及び第2の側縁部間の前記プレートの中間部がタイヤ構成要素のための把持面を画定し、各端縁部及び対応する隣接するテーパ縁部は、把持されたタイヤ構成要素に空気逃げ継ぎ目を形成するように構成される前記プレートのテーパ端部を画定するべく協働する、
移送リングシュー。
【請求項12】
それぞれのテーパ縁部は、対応する側縁部から30度の角度で延在する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項13】
それぞれのテーパ縁部は、それぞれの側縁から内側に延在して湾曲した第1及び第2の端部を形成する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項14】
それぞれの側縁部がそれぞれのテーパ縁部よりも狭い、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項15】
前記プレートは、前記第1及び第2の端縁部間の中間点に関して対称である、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項16】
前記第1の表面は、前記第1及び第2の側縁部間で弓形の形状を画定する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項17】
前記第1の表面が前記第1及び第2の端縁部間で弓形の形状を画定する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項18】
前記第1の側縁部は、前記第2の側縁部に適合するように成形される、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項19】
前記マウントは、前記移送リングシューを移送リングの従動リンクに回転可能に接続するためのヒンジ接続の一部を画定する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【請求項20】
前記マウントは、移送リングに取り付けられた他の移送リングシューと共に前記移送リングシューの前記第1の表面を円筒形態に維持するためのカムの一部を画定する、請求項11に記載の移送リングシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一般的な概念は、車両タイヤの製造に有用な装置に関する。より詳細には、本発明の一般的な概念は、タイヤの製造中にタイヤ内への空気の巻き込みを低減するように設計される特徴を有する移送リング及び移送リングシューに関する。
【背景技術】
【0002】
車両タイヤの製造は、一般に、タイヤカーカスを形成するステップと、カーカスとは別個にタイヤの環状ベルト及びトレッド「パッケージ」を形成するステップと、その後にベルト及びトレッドパッケージをタイヤカーカスに結合して、「グリーン」タイヤを形成するステップとを含む。その後、グリーンタイヤを処理して、仕上がりタイヤのトレッド及び様々な他の特徴を形成する。ベルト及びトレッドパッケージをタイヤカーカスに結合するなど、ベルト及びトレッドパッケージの「縫い付け」と呼ばれることが多い他の補足的なステップが、前述のステップのうちの1つ以上の過程で又はその後に実行される場合がある。
【0003】
タイヤのベルト及びトレッドパッケージの形成は、一般に、米国特許第6,013,147号に開示されるタイプのベルト及びトレッドドラムを使用して達成される。そのようなベルト及びトレッドドラムは、一般に、ベルト及びトレッドパッケージを画定するためにタイヤベルト材料の1つ以上の層(例えば、ポリマー結合剤に埋め込まれた補強コードを備える)がその周りに置かれる円筒形の外表面又は外周を画定する。ベルト及びトレッドドラムの外周は、例えば、完成したベルト及びトレッドパッケージをドラムから取り外すことができるように、伸縮可能であることが好ましい。完成したベルト及びトレッドパッケージは、一般に、本質的に径方向に拡張できない。しかしながら、完成したベルト及びトレッドパッケージは、一般に、支持されない場合、環状のベルト及びトレッドパッケージが重力の影響で変形して弛む程度に可撓性がある。また、望ましくは、ベルト及びトレッドドラムの外周を調整可能にすることにより、単一のドラムを使用して別の直径のベルト及びトレッドパッケージを形成することができる。
【0004】
車両タイヤの製造において、タイヤカーカスは、一般に、米国特許第6,457,505号に記載されるタイプのタイヤビルディングドラムを使用して製造される。そのようなタイヤビルディングドラムは、一般に、前述のベルト及びトレッドドラムと同様に、その上にタイヤカーカスが形成される、径方向に拡張及び収縮可能な円筒状の作用面を画定する。円筒状の作用面上にタイヤカーカスを形成した後、そのようなタイヤカーカスは、一般に、米国特許第6,602,372号で説明されているタイプの膨張ドラムに移送される。タイヤカーカスは拡張ドラムの周囲に位置され、タイヤカーカスの一部はベルト及びトレッドパッケージで覆われています。次に、タイヤカーカスは、仕上がったタイヤの形状と多くの場合に同じではないが、似ている環形状に膨張される。タイヤカーカスが膨張される間に、ベルト及びトレッドパッケージがタイヤカーカスに「縫い付け」られる。
【0005】
現代のタイヤ製造において、ベルト及びトレッドパッケージをタイヤカーカスに縫い付けるプロセスは、一般に、米国特許第3,423,272号に開示されるタイプの「縫い付け」機械を使用して達成される。そのような縫い付け機械は、一般に、タイヤカーカスが拡張ドラムの周囲に位置され、タイヤカーカスの一部がベルト及びトレッドパッケージで覆われて、タイヤカーカスが環状に膨張されるときに、回転可能な拡張ドラムに近接させられるように構成される1つ以上のローラを画定する。拡張ドラムが回転されると、縫い付け機械のローラは、ベルト及びトレッドパッケージの外周面に対して押し付くように使用され、それにより、ベルト及びトレッドパッケージがタイヤカーカスに押し込まれ、2つの構成要素の接触面が互いに付着する。代わりに又は縫い付け機械と組み合わせて、ベルト及びトレッドパッケージは、手持ち式のローラ又は同様の工具を使用してタイヤカーカスに「手縫い」される場合がある。いずれの場合も、ローラは、一般に、ベルト及びトレッドパッケージの外表面に適用されて、ベルト及びトレッドパッケージに沿う軸方向中央外周経路に沿って始め、ベルト及びトレッドパッケージの外周にわたって螺旋状に進み、そこから、ベルト及びトレッドパッケージの両側の周縁部のうちの1つに向かって軸方向外側に進む。このようにして、ベルト及びトレッドパッケージとタイヤカーカスとの間に存在し得る任意の空隙又は空所がベルト及びトレッドパッケージの外周縁部に向かって軸方向外側に圧迫される。
【0006】
前述のプロセスにおいて、タイヤカーカスをタイヤビルディングドラムから拡張ドラムに移送するステップ及びベルト及びトレッドパッケージを縫い付けのためにタイヤカーカスに移送するステップはいずれも、一般に、米国特許第8,091,602号に記載されているタイプの1つ以上の移送リングを使用して達成される。「Oリング」とも呼ばれるそのような移送リングは、一般に、タイヤカーカス及び/又はベルト及びトレッドパッケージをつかんで保持するのに適するセグメント化された径方向内側に面する略円筒状の表面を全体として形成する円弧状の内面を有する複数の「シュー」セグメントを含む。各シューセグメントは、シューが全体として互いに対して径方向に拡張及び収縮可能であるように適切なリンケージに取り付けられ、それにより、セグメント化された径方向内側に面する円筒状の表面の直径は、タイヤカーカス及び/又はベルト及びトレッドパッケージ上にわたって嵌合するように拡張され、移送のためにタイヤカーカス又はベルト及びトレッドパッケージをつかむように収縮され、それから、移送後にタイヤカーカス又はベルト及びトレッドパッケージを解放するように再拡張される。
【0007】
シューの円弧状の内面は、一般に、本明細書ではセグメント化された「円筒状の」面を形成すると称される。しかしながら、シューの弓形の内側に面する表面は、タイヤ構成要素の外側のそれぞれの部分に沿ってより望ましい嵌合に対応するべく付加的な曲率を伴って形成されてもよいことが理解され得る。例えば、移送リングの特定の形態において、セグメント化された「円筒状の」表面を形成する各シューのそれぞれの内向き表面は、セグメントの軸方向寸法に沿う方向で徐々に変化する半径を規定する。換言すると、円筒状の表面の軸方向において、シューの中央部は凹状又は凸状の形状を画定し得、接触面は、シューの縁/側面へと外側に向かう緩やかな半径を有し得る。同様に、外周寸法に沿うそれぞれのシュー内面の曲率は、シューの中央部と外周側縁との間で変化し得る。したがって、完全な円筒形状を規定しないとはいえ、シューの弓形の表面は、略「円筒状」の把持面を形成し得ることが理解される。
【0008】
更に、移送リングの従来技術の形態において、移送リングシューの円弧状の内面は、一般に、本明細書では、「長方形」形状を有すると称される場合がある。シューの弓形の内側に面する表面には、前述の周方向で及び/又は軸方向で弓形の表面が形成されてもよいが、用語「長方形」は、本明細書では、略円筒状のセグメント化された表面の中心軸と平行に延びる、すなわち、シューの弓形の軸方向側縁に対して直交する周端縁部を画定する内面を有する移送リングシューを示すために使用され得る。したがって、各シューを平面図で観察すると、シューの弓形の内側に面する表面は、湾曲した長方形の形状に似ている場合がある。同様に、移送リングのシューは、一般に、移送リングの中心軸に向かう方向及び中心軸から離れる「径方向」の動きを有するものとして本明細書に記載されるが、様々な移送リングの形態が、例えば、移送リングの径方向及び周方向の両方に沿った「アイリス」の動きなど、純粋に径方向ではない動きをもたらし得ることが理解される。
【0009】
上記のように移送リングを使用してタイヤカーカス及び/又はベルト及びトレッドパッケージ(本明細書では、まとめて「タイヤ構成要素」として使用される)を移送する場合、シューがタイヤ構成要素の外面にかなりの圧力を加えて移送中にタイヤ構成要素の均一な環形状を維持するのを部分的に補助するように移送リングを構成することは珍しくない。タイヤ構成要素の外面に加えられるそのような高い圧力の結果、シューの円弧状の内面の少なくとも一部がタイヤ構成要素に刻印されるようになり、その結果、タイヤ構成要素において、シューの内面の刻印、及び、刻印に隣接する対応する膨出部が形成され得る。しかしながら、隣接して方向付けられた長方形の移送リングシュー間に空間が残っている状況では、シュー間に圧縮されていない領域(例えば、継ぎ目)を残すシューによって、タイヤ構成要素に圧痕ができる場合がある。タイヤ構成要素を縫い合わせると、これらの長方形の圧痕と、タイヤ構成要素に形成された継ぎ目の結果として生じる急激な縁部により、空気がベルト及びトレッドパッケージの周縁部に90度で排出される。したがって、タイヤ構成要素のこれらの圧縮されない継ぎ目領域は、空気をベルト及びトレッドパッケージの縁部に向かって自由に通過させることができない。幾つかの極端なケースでは、タイヤ構成要素におけるこれらの圧縮されない継ぎ目領域の存在により、縫い付け機械及び/又は手縫い工具の動作が完了した後、縫い付けられたタイヤ構成要素の表面間に空所又は空隙が巻き込まれることさえある。これらの空所又は空隙は、特定の状況において、例えば回転するタイヤの振動及び/又は共振など、仕上がったタイヤの望ましくない性能特性をもたらす可能性がある。そのような振動及び/又は共振は、タイヤの望ましくないノイズ及び/又は揺れ、タイヤの摩耗の増大及び寿命の短縮、及び、幾つかの極端な例では、タイヤの壊滅的な不具合をもたらす可能性がある。これらの空気巻き込み問題は、例えば、タイヤ構成要素が薄く且つ材料が軽量である用途では、特に問題となる可能性がある。
【0010】
上記に鑑みて、タイヤ構成要素が互いに縫い合わされるときに、タイヤ構成要素間の空気の巻き込みを低減する移送リングシューを組み込んだ移送リングを提供することは有益であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,013,147号
【特許文献2】米国特許第6,457,505号
【特許文献3】米国特許第6,602,372号
【特許文献4】米国特許第3,423,272号
【特許文献5】米国特許第8,091,602号
【発明の概要】
【0012】
本発明の一般的な概念の前述及び/又は他の態様及び利点は、車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングを提供することによって達成され得る。本発明の一般的な概念の様々な実施例の実例によれば、移送リングは、径方向に拡張可能及び折り畳み可能でセグメント化された略円筒状の把持面を備えることができ、この把持面は、該円筒状の把持面の中心軸へ向けて及び該中心軸から離れて移動するように取り付けられる複数の内側に面する表面によって画定される。それぞれの内側に面する表面が第1及び第2の側縁部を有することができ、各側縁部は、他方の側縁部の中央部と実質的に平行になるように構成される中央部を有し、その間に中間部が形成される。各側縁部は、中央部の両側のそれぞれの端部に第1及び第2のテーパ部を有することができ、各側縁部の各テーパ部は、対応する中央部から外向きに且つ他方の側縁部のテーパ部に向かって延在することができる。様々な実施例の実例において、第1及び第2の側縁部の第1のテーパ部が協働して第1の端部を形成することができ、第1及び第2の側縁部の第2のテーパ部が協働して第2の端部を形成することができる。第1及び第2の端部の幅は、中間部から離れる方向で減少することができる。
【0013】
様々な実施例の実例において、各第1及び第2の側縁部の第1及び第2のテーパ部は、30度の角度でそれぞれの中央部から内側に延在してもよい。第1及び第2の端部は、互いに実質的に平行なそれぞれの第1及び第2の端縁部を更に画定してもよい。各第1及び第2の側縁部の第1及び第2のテーパ部は、それぞれの中央部から内側に延在して湾曲した第1及び第2の端部を形成してもよい。各第1及び第2の側縁部の中央部は、それぞれの第1及び第2のテーパ部のうちの1つより狭くてもよい。内側に面する表面は、第1及び第2の端部間の中間点に関して対称であってもよい。様々な実施例の実例において、それぞれの内側に面する表面は、円筒状の把持面の外周寸法の周りに弓形の形状を画定してもよい。様々な実施例の実例において、それぞれの内側に面する表面は、円筒状の把持面の軸方向寸法の周りに弓形の形状を画定してもよい。様々な実施例の実例において、それぞれの内側に面する表面の各第1の側縁部の各中央部は、移送リングの折り畳み位置で隣接する内側に面する表面の第2の側縁部の中央部に適合して係合するように成形されてもよい。様々な実施例において、それぞれの第1及び第2の端縁部は、それぞれの第1及び第2の側縁部の各中央部より狭くてもよい。
【0014】
本発明の一般的な概念の様々な実施例の実例によれば、車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングシューが提供される。様々な実施例の実例によれば、移送リングシューは、タイヤ構成要素を把持するための第1の表面と反対側の第2の表面とを画定するプレートと、プレートを移送リングの中心軸へ向けて及び中心軸から離れるように移動するべく固定するためのマウントとを備えることができる。第1の表面は、互いに平行に延在する両側の第1及び第2の側縁部と、互いに平行に延在する両側の第1及び第2の端縁部と、それぞれが第1及び第2の側縁部並びに第1及び第2の端縁部のうちの一方から内側に延在する及び一方の対応する端部間で延在する複数のテーパ縁部とを画定することができる。第1及び第2の側縁部間のプレートの中間部がタイヤ構成要素のための把持面を画定することができる。各端縁部及び対応する隣接するテーパ縁部は、把持されたタイヤ構成要素に空気逃げ継ぎ目を形成するように構成されるプレートのテーパ端部を画定するべく協働することができる。
【0015】
様々な実施例の実例において、それぞれのテーパ縁部は、対応する側縁部から30度の角度で延在してもよい。様々な実施例の実例において、それぞれのテーパ縁部は、それぞれの側縁から内側に延在して湾曲した第1及び第2の端部を形成してもよい。様々な実施例の実例では、それぞれの側縁部がそれぞれのテーパ縁部より狭くてもよい。様々な実施例の実例において、プレートは、第1及び第2の端縁部間の中間点に関して対称であってもよい。様々な実施例の実例において、第1の表面は、第1及び第2の側縁部間で弓形の形状を画定してもよい。様々な実施例の実例では、第1の表面が第1及び第2の端縁部間で弓形の形状を画定してもよい。様々な実施例の実例において、第1の側縁部は、第2の側縁部に適合するように成形されてもよい。様々な実施例の実例において、マウントは、移送リングシューを移送リングの従動リンクに回転可能に接続するためのヒンジ接続の一部を画定してもよい。様々な実施例の実例において、マウントは、移送リングに取り付けられた他の移送リングシューと共に移送リングシューの第1の表面を円筒形態に維持するためのカムの一部を画定してもよい。
【0016】
本発明の一般的な概念の更なる態様及び利点は、一部が以下の説明で説明され、一部が説明から明らかになる、或いは、本発明の一般的な概念の実践によって習得され得る。他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、図面、及び、特許請求の範囲から明らかになり得る。
【0017】
以下の実施例の実例は、本発明の一般的な概念の目的を達成するように設計された技術及び構造の例を表わすが、本発明の一般的な概念は、これらの実施例の実例に限定されない。添付図面及び例図では、線、エンティティ、及び、領域のサイズ及び相対的なサイズ、形状、及び品質が、明確にするために誇張されている場合がある。添付図面を参照して、実施例の実例の以下の詳細な説明を通じて、多種多様な更なる実施例がより容易に理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】典型的な「長方形」の形状に形成されたシューを有する移送リングを示す。
【
図2】本発明の一般的な概念の実施例の実例にしたがって構成されたシューを有する移送リングを示す。
【
図5】本発明の一般的な概念の実施例の他の実例に係る移送リングの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明の一般的な概念の実施例の実例を参照するが、その例が添付図面及び例図に示される。実施例の実例は、図面を参照することによって本発明の一般的な概念を説明するために本明細書に記載される。
【0020】
以下の詳細な説明は、読者が本明細書に記載の構造及び製造技術を包括的に理解するのを助けるために提供される。したがって、本明細書に記載の構造及び製造技術の様々な変更、修正、及び、均等物が、当業者に提案される。しかしながら、記載された製造動作の進行は単なる例であり、動作のシーケンスタイプは、本明細書に記載されたものに限定されず、特定の順序で必然的に行なわれる動作を除き、当技術分野で知られているように変更され得る。また、よく知られている機能及び構造の説明は、明確さと簡潔さを増すために簡略化及び/又は省略される場合がある。
【0021】
「上」、「下」、「右」、「左」、「真下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、図に示されているようにある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を記載するための説明を容易にするために本明細書で使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図に描かれる向きに加えて、使用中又は動作中の装置の様々な向きを包含することを意図している。例えば、図中の装置がひっくり返される又は回転される場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」として説明される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に向けられる。したがって、例示的な「下方」という用語は、上方向及び下方向の両方を包含することができる。装置は別の方向に向けられ(90度又は他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0022】
図1及び
図2は、本発明の一般的な概念の実施例の実例に係る空気巻き込みを低減する特徴を組み込むシューを有する移送リングを示す。
図1及び
図2において10で特定される移送リングは、互いに固定され、位置合わせされ、並んだ、平行な、離間した関係を成して配置される第1及び第2の円形フレーム部材14、16をそれぞれ含む。第1及び第2の円形フレーム部材14、16は、実質的に同じ内径及び外径を有し、それぞれのフレーム部材は、好ましくは、それぞれの内及び外の対向する平らな側面を有する略長方形の断面を成す。これらの表面のうちの2つの表面20、22が
図1に示される。複数のヒンジピンコネクタ26が、第1及び第2の円形フレーム部材14、16のそれぞれの周縁部の周囲の離間した位置において、第1及び第2の円形フレーム部材14、16間で延在して、第1及び第2の円形フレーム部材14、16の並んだ、平行な、位置合わせされた、離間した関係を強固に保持し、それにより、第1及び第2の円形フレーム部材14、16間に開放空間28を有する骨格ケージ25を画定する。
【0023】
骨格ケージ25の開放空間28内には、第1及び第2の円形フレーム部材14、16の間で延在する複数のローラ40を介して、第1及び第2の円形フレーム部材14、16に対して並んだ、平行な、及び、同軸の関係を成して取り付けられる円形駆動部材30が配置され、それにより、駆動部材30は、骨格ケージ25に対して駆動部材30の中心軸を中心に回転可能である。骨格ケージ25の開放空間28内には複数の従動リンク32も設けられる。各従動リンク32は、第1及び第2の円形フレーム部材14、16間で延在するそれぞれのヒンジピンコネクタ26にヒンジ式に取り付けられた第1の端部と、骨格ケージ25の略内側で延在する第2の端部とを有する、長尺な形状を成す。
【0024】
骨格ケージ25に対する駆動部材30の制御された回転を行なうために、
図1に示されるピストン/シリンダ装置などの動力源44が設けられる。したがって、動力源44の作動は、骨格ケージ25に対する駆動部材30の回転動作をもたらし、それにより、各従動リンク32のそれぞれの第2の端部が駆動部材30及び第1及び第2の円形フレーム部材14、16の中心軸に向かって略径方向内側に延びる
図1に示される収縮位置と、各従動リンク32のそれぞれの第2の端部が駆動部材30の外周に略沿って延びる
図2に示される拡張位置との間で、各従動リンク32をそのそれぞれのヒンジピンコネクタ26を中心に回転させる。なお、
図1及び
図2に示されるシステムは、本発明の一般的な概念のシューを使用することができる移送リングシステムの単なる1つのタイプである。例えば、
図1及び
図2のシステムはシューを径方向に動かすために様々なリンケージを採用するが、本発明の一般的な概念を利用する他のシステムは、異なるリンケージを有していてもよく或いはリンケージを伴うことなくシューを略径方向に動かしてもよい。例えば、本発明の一般的な概念を採用する幾つかの移送リングは、シューを略径方向に動かすアクチュエータの配列、他の略径方向にシューを動かす構成要素などを有してもよい。
【0025】
更に
図1及び
図2を参照し、更に
図3を参照すると、移送リング10は複数のシュー12を含み、各シュー12は、タイヤ構成要素をつかんで移送するためのセグメント化された円筒面50を形成する弓形の内面48を画定する。
図3に示されるように、この実施例において、複数のシュー12のそれぞれの内面48は、八角形の切頭ひし形を画定し、この形状は、「8つの面を持ったダイヤモンド」形状と見なされてもよく、この場合、隣接するシュー間の各隙間は、シューの「軸方向中央部」に沿って一定であるとともに、円筒面50の軸方向縁部付近の面積を広げる。この実施例の実例のシュー12は、セグメント化された円筒面50の中心軸と平行な移送リング10の軸方向寸法に沿って互いに平行に延びるように構成される第1及び第2の側縁部34、36を伴う内面48を有する。第1及び第2の側縁部34、36は、その中央部に沿って、内面48の軸方向長さに沿って部分的にのみ延在し、それにより、これらの平行な第1及び第2の側縁部34、36間の内面48の領域は、本明細書ではシュー12の「軸方向中央部」36と称される場合がある。同様に、内面48は、セグメント化された円筒面50の外周と平行な方向で、セグメント化された円筒面50の中心軸と垂直な平面に沿って、セグメント化された円筒面50の両側の周縁部に沿って互いに平行に延びるように構成される第1及び第2の端縁部38、42を画定する。これらの第1及び第2の側縁部38、42は、その中央部に沿って、それぞれのシュー12の内面48によって形成されるセグメント化された円筒面50の部分に沿って部分的にのみ延び、それにより、これらの平行な第1及び第2の側縁部38、42間の内面48の領域は、本明細書では、シュー12の「周方向中央部」46と称される場合がある。
【0026】
各第1及び第2の側縁部34、36の各終点から、隣接する第1又は第2の端縁部38、42の近位終点まで、テーパ縁部52、54、56、58が延在している。例えば、
図5の図示の実施例において、第1のテーパ縁部52は、第1の側縁部34及び第2の端縁部42のそれぞれの近位終点間で延びる。第2のテーパ縁部54は、第2の端縁部42及び第2の側縁部36のそれぞれの近位終点間で延びる。第3のテーパ縁部56は、第1の側縁部34及び第1の端縁部38のそれぞれの近位終点間で延びる。第4のテーパ縁部58は、第2の側縁部36及び第1の端縁部38のそれぞれの近位終点間で延びる。各テーパ縁部52、54、56、58は、それぞれ対応する側縁部34、36からそれぞれの対応する端縁部38、42に向かって、シュー12の内面48の軸方向長さと鋭角を成す方向に略沿って延在する。したがって、端縁部38、42は、隣接するテーパ縁部52、54、56、58と共に、軸方向中央部36のそれぞれの側から軸方向外側に延びるシュー12の内面48のテーパ部60、62を画定する。したがって、セグメント化された円筒面50の周方向の寸法に沿ったシュー12の内面48の幅は、シュー12の軸方向中央部36から外向きに軸寸法に沿って次第に狭くなるテーパ部60、62を形成するべく軸方向中央部36から軸方向に離れる方向で先細る。したがって、
図3に示されるように、セグメント化された円筒面50の外側環状縁部の方向で隣接するシュー間には幅が増大する隙間が形成される。
【0027】
図4は、シュー12を移送リング10の対応する従動リンク32に固定するための取付具を備えるシュー12の更なる特徴を示す。
図4に示されるように、シュー12の外面64は、外面64から外向きに、外面64に対して略垂直に延在する少なくとも1つの壁66を更に含む。図示の実施例では、一対の壁66、68が、シュー12の周方向寸法に沿って互いに離間した平行な向きで外面64から外向きに延びる。壁66、68は、従動リンク32のうちの1つの一端部をそれらの間に挿入できるようにするのに適した距離を隔てて互いに離間している。例えば複数の軸方向に整列した貫通開口70などの適切な締結手段が、壁66、68に沿って、各従動リンクを貫通して設けられ、それにより、ピン、ボルト、又は他の回転可能なコネクタを内部に受け入れることができ、各シュー12を対応する従動リンク32に回転可能に接続できるようになる。図示の実施例では、貫通開口70のうちの1つの軸方向寸法に対して垂直に開口して雌ねじ付き止めねじ開口72が設けられ、それにより、ピンコネクタを壁66、68及び従動リンク32の貫通開口70を通じて受ける際、止めねじ(図示せず)を止めねじ開口72内に受けて、貫通開口70を通じてピンコネクタを固定することができる。しかしながら、各シュー12と対応する従動リンク32との間の回転可能な接続を達成するために使用され得る他の適切な構成が存在し、そのような他の構成を本発明の一般的な概念の思想及び範囲から逸脱する使用できることが理解され得る。
【0028】
図1、2及び4を参照すると、第1及び第2の溝74、76が、各シュー12のそれぞれの第1の壁66に沿って画定され、それぞれの第1の溝74は、隣接するシューに向けて開放する少なくとも1つの開放端部を有し、それぞれの第2の溝76は、反対側の隣接するシューに向けて開放する少なくとも1つの開放端部を有する。第1の溝74は、シュー12のうちの2つの隣接するシューにまたがるのに十分な長さの硬質ガイドロッド(図示せず)の第1の端部を受けるようになっている。例えば、ねじ、ボルト、溶接、接着剤、又は他の締結具などの締結具によって、或いは、一体型接続部によって、各ガイドロッドがそのそれぞれの第1の溝74内に固定される。各ガイドロッドの反対側の第2の端部は、隣接するシューの第2の溝76内へと延在し、第2の溝76内に摺動可能に受けられる。
【0029】
従動リンク32は、骨格ケージ25に対して駆動部材30が適切に回転すると、拡張位置(
図2参照)と収縮位置(
図1参照)との間で回転するように構成される。従動リンク32が拡張位置に回転すると、シュー12が従動リンク32によって拡張形態に運ばれ、シュー12の内面48が互いに離間されてセグメント化された円筒面50の全直径を増大させる。逆に、従動リンク32が収縮位置に回転すると、シュー12が従動リンク32によって収縮形態に運ばれ、シュー12の内面48が互いに接近し、セグメント化された円筒面50の全直径を減少させる。このため、
図4を再び参照すると、第1及び第2の溝74、76のそれぞれは、拡張形態と折り畳み形態との間のシュー12の前述の拡張及び収縮全体を通して略円筒状の形態でシュー12の内面48を互いに対して協働的に維持するべくガイドロッドのそれぞれがそのそれぞれの第2の溝76に沿って摺動するように互いに対して方向付けられる。
【0030】
その中央部36から軸方向外側に延びる内面48のテーパ部を画定する前述のシュー12は、シュー12の内面48をタイヤ構成要素に刻印する態様で使用される場合に刻印の周囲のかなりの部分がセグメント化された円筒面50の軸方向寸法と平行又は軸方向寸法に対して鋭角を成す方向に延びる、移送リング10を可能にすることが認識される。言い換えると、内面48の第1及び第2の側縁部34、36によって画定される刻印の部分はそれぞれ、タイヤ構成要素の中心軸及びセグメント化された円筒面50に対して平行に延在する。テーパ縁部52、54、56、58のそれぞれによって画定される刻印の部分は、タイヤ構成要素の中心軸及びセグメント化された円筒面50に対して鋭角に延在する。しかしながら、比較的短い第1及び第2の端縁部38、42だけが、タイヤセグメントの外周に沿って、セグメント化された円筒面50の軸方向寸法に対して実質的に垂直に延在する継ぎ目を有する刻印の部分を形成する。したがって、この形状の1つ以上の刻印を画定するタイヤ構成要素が別のタイヤ構成要素に縫い付けられるとき、側縁部34、36及びテーパ縁部52、54、56、58によって画定される刻印の軸方向に平行で傾斜した部分は、空気がタイヤ構成要素の軸方向外縁部に向かって移動するのを容易にし、そのような空気がそこからより容易に排出され得る。同時に、タイヤ構成要素間から空気を排出することがより困難であり得る、タイヤ構成要素の軸方向寸法に対して垂直に延びる継ぎ目を画定する刻印の部分は、従来技術の移送リング形態と比較して減少される。
【0031】
これに関して、幾つかの実施例において、シュー12の軸方向中央部36の幅、すなわち、平行な第1及び第2の側縁部34、36の幅は、標準的なスティッチャローラの幅よりも小さくなるように設定され得る。
図1~
図5の図示の実施例において、それぞれの側縁部34、36に対するテーパ縁部52、54、56、58のそれぞれのテーパ角度「θ」は、側縁部34、36から内面48の周方向中央部46に向かって内側に約30度である。しかしながら、本発明の一般的な概念の範囲から逸脱することなく、他の角度及び/又は構成が想定し得ることが理解され得る。
【0032】
図1~
図5に示されるシュー12のそれぞれは、略八角形のダイヤモンド形状を有するが、本発明の一般的な概念の範囲から逸脱することなく、多数の他の形状及び形態を使用できることが理解される。例えば、
図6は、本発明の一般的な概念の様々な特徴にしたがって構成された移送リングシュー12aの別の実施例を示す。
図6の実施例において、シュー12aは側縁部36の一方のみから端縁部38a、42aまで先細っており、残りの側縁部34aはシュー12aの内面48aの軸方向長さ全体に沿って形成される。他の実施例において、シューの側部は、凸状又は凹状のいずれかの様々な湾曲形態のいずれかで先細るように形成されてもよく、シューに沿って同じ周方向で先細ってもよい又は湾曲してもよい。
【0033】
一例として、
図7は、本発明の一般的な概念の様々な特徴にしたがって構成された移送リングシュー12bの別の実施例を示す。
図7の実施例において、シュー12bは湾曲したテーパ縁部52b、54b、56b、58bを組み込み、各テーパ縁部は、内面48bの軸方向及び周方向中央部に向かって凹状経路を画定する。この実施例では、内面48bの軸方向外向きのテーパ部のテーパ率が急激に始まり、シュー12bの端縁部38、42に近づくにつれてそのようなテーパ率が減少する。逆に、他の実施例では、内面の軸方向外側テーパ部のテーパ率が徐々に始まってシューの端縁部に近づくにつれて増大するように、凸状のテーパ縁部が設けられてもよい。
【0034】
テーパの形態に関係なく、シューがシュー12の端縁部間の中間点に関して対称であることが望ましい場合がある。シューは、第1の側縁部から第2の側縁部まで対称であってもなくてもよいが、様々な実施例では、仕上がったタイヤとの高調波問題を回避するために、第1及び第2の端縁部間で実質的に対称であることが望ましい場合がある。本発明の一般的な概念のシューによってもたらされる空気巻き込みの低減に起因して、さもなければ存在する可能性があるそのような高調波問題も減らすことができ、例えば、高調波共鳴を緩和できる。例として、
図6の実施例では、シュー12aがシュー12aの弓形内面48aの周方向で対称ではないが、それにもかかわらずシュー12aは端縁部38aから端縁部42aまで対称である。
【0035】
本発明の一般的な概念の様々な実施例の実例は、車両タイヤの製造システムで使用するための移送リングを提供することができ、移送リングは、径方向に拡張可能及び折り畳み可能でセグメント化された略円筒状の把持面を含み、この把持面は、該円筒状の把持面の中心軸へ向けて及び該中心軸から離れて略径方向に移動するように取り付けられる複数の内側に面する弓形の表面によって画定され、それぞれの弓形の表面は、少なくともそのそれぞれの中間部で互いに実質的に平行になるように構成される第1及び第2の側縁部を有し、第1及び第2の側縁部の少なくとも一方は、それぞれの中間部から離れる方向に先細って、それぞれの中間部から離れる方向で幅が減少する第1及び第2の側部を形成する。第1及び第2の側縁部のそれぞれは、それぞれの中間部から先細って、それぞれの中間部から離れる方向で幅が減少する第1及び第2の側部を形成することができる。第1及び第2の側縁部の少なくとも一方は、それぞれの中間部から離れるように30度の角度で先細っていてもよい。第1及び第2の側部は、互いに実質的に平行なそれぞれの第1及び第2の端縁部を有するように構成することができる。第1及び第2の側縁部のそれぞれは、湾曲した第1及び第2の側部を形成するために、それぞれの中間部から離れるように先細っていてもよい。第1及び第2の側縁部の平行な中間部は、スティッチャの幅よりも狭くなるように構成されてもよく、幾つかの実施例の実例では、その狭い中間部自体が半径であってもよい。弓形の表面は、第1及び第2の側部間の中間点に関して対称であってもよい。
【0036】
多数の変形、修正、及び、追加の実施例が可能であり、したがって、そのような変形、修正、及び、実施例は全て、本発明の一般的な概念の思想及び範囲内にあると見なされるべきである。例えば、この出願のいずれかの部分の内容に関係なく、逆のことが明確に定められなければ、任意の特定の記載された又は図示された活動又は要素、そのような活動の任意の特定の順序、又は、そのような要素の任意の特定の相互関係を、本明細書のいずれの請求項又は本願に優先権を主張する任意の出願に含める必要はない。更に、任意の活動を繰り返すことができ、任意の活動を複数のエンティティで実行することができ、及び/又は、任意の要素を複製することができる。
【0037】
本願に含まれる簡略化された図及び図面は、様々な構成要素の様々な接続部及びアセンブリの全てを示しているわけではないが、当業者は、健全な工学的判断を使用して、本明細書で提供される例示的な構成要素、図、及び、説明に基づき、そのような接続部及びアセンブリを実装する方法を理解し得ることに留意されたい。多数の変形、修正、及び、追加の実施例が可能であり、したがって、そのような変形、修正、及び、実施例は全て、本発明の一般的な概念の思想及び範囲内にあると見なされるべきである。
【0038】
本発明の一般的な概念を幾つかの実施例の実例の説明によって示し、また、例示的な実施例を詳細に説明してきたが、本出願人の意図は、そのような記述及び例示に対する発明の一般的な概念の範囲を制限したり、何らかの形で限定したりすることではない。代わりに、本明細書の説明、図面、及び特許請求の範囲は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、追加の実施例は、上記の説明及び図面を読めば、当業者には容易に明らかになる。追加の変更は、当業者には容易に明らかである。したがって、出願人の一般的な発明概念の思想又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【国際調査報告】