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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】保護マスク
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/02 20060101AFI20230629BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A62B18/02 A
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524486
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-18
(86)【国際出願番号】 US2021039588
(87)【国際公開番号】W WO2022006088
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/045,749
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/066,582
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/177,321
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523001038
【氏名又は名称】インテリセーフ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107674
【弁理士】
【氏名又は名称】来栖 和則
(72)【発明者】
【氏名】トレバー・チャンドラー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・エング-モーリス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ケイ.・ゴッツ
【テーマコード(参考)】
2E185
3B211
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA20
2E185CA03
2E185CB07
2E185CB13
2E185CB16
2E185CC32
3B211CA01
(57)【要約】
本書類の開示事項は、有害エージェントを無力化するための保護マスクに関する。いくつかの例においては、当該マスクがフィルタ・エレメントを含み、そのフィルタ・エレメントは、前記有害エージェントの複数の粒子を捕捉する。無害化用エミッタが、無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させ、それにより、有害エージェントを無力化する。いくつかの例においては、前記無害化用エージェントが、例えばSARS-CoV-2の如きウイルスを無力化するように構成される紫外光である。
【選択図】図19A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護マスクであって、
鼻および口を覆う鼻口カバー部を含む不浸透性膜と、
その不浸透性膜に着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕集するように作用するフィルタ・エレメントと、
そのフィルタ・エレメントの外周を包囲することと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、
前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
【請求項2】
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む請求項1に記載の保護マスク。
【請求項3】
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む請求項2に記載の保護マスク。
【請求項4】
前記光源は、複数の発光ダイオードである請求項3に記載の保護マスク。
【請求項5】
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む請求項4に記載の保護マスク。
【請求項6】
前記光は、約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む請求項5に記載の保護マスク。
【請求項7】
前記電源は、充電可能である請求項3に記載の保護マスク。
【請求項8】
前記電源は、前記ハウジング内に配置されるバッテリを含む請求項3に記載の保護マスク。
【請求項9】
前記フィルタ・カートリッジは、第1のフィルタ・カートリッジであり、
当該保護マスクは、さらに、前記第1のフィルタ・カートリッジに直列に積み重ねられる第2のフィルタ・カートリッジを含む請求項1に記載の保護マスク。
【請求項10】
前記第1のフィルタ・カートリッジは、第1の種類の有害エージェントを無力化するように構成され、
前記第2のフィルタ・カートリッジは、第2の種類の有害エージェントを無力化するように構成される請求項1に記載の保護マスク。
【請求項11】
前記フィルタ・エレメントは、約50ミクロンを超える粒径を有する複数の粒子を捕集する請求項1に記載の保護マスク。
【請求項12】
さらに、透光性眼カバー部を含み、
その透光性眼カバー部と前記鼻口カバー部とは、前記不浸透性膜に一体的に形成される請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項13】
さらに、
前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に固定するように構成されるアタッチメント部材と、
シーリング・エレメントであって、自身が前記アタッチメント部材によってユーザの顔に固定されるときに前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に対してシールするように構成されるものと
を含み、
そのシーリング・エレメントは、
第1シールと、
その第1シールに対して前記不浸透性膜の縁から内向きに配置される第2シールと
を含む請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項14】
前記封じ込めエレメントは、第1の封じ込めエレメントであり、その第1の封じ込めエレメントは、自身が、前記無害化用エミッタの外周を包囲するとともに前記無害化用エージェントを横方向に封じ込めるように、前記無害化用エミッタから横方向外側に配置され、
当該保護マスクは、さらに、第2の封じ込めエレメントを含み、その第2の封じ込めエレメントは、前記フィルタ・エレメントに対して相対的に縦方向となる側に配置されるとともに、前記無害化用エージェントを縦方向に封じ込める請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項15】
前記無害化用エミッタは、前記フィルタ・エレメントの前記外周に直接的に隣接する請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項16】
前記無害化用エミッタは、前記フィルタ・エレメントの中心から均等であるように配置される複数のエミッティング・エレメントを含む請求項15に記載の保護マスク。
【請求項17】
前記フィルタ・エレメントは、円形断面を有する請求項16に記載の保護マスク。
【請求項18】
さらに、
前記第1シールと前記第2シールとの間に形成されるチャネルと、
そのチャネル内に配置されるエア・ムーバと
を含み、
前記第1および第2シールおよびエア・ムーバは、当該保護マスクを着用したままでユーザの顔を冷却するように構成されるクローズド・ループ型冷却エリアを形成する請求項13に記載の保護マスク。
【請求項19】
前記封じ込めエレメントは、蛇行状通路を形成し、その蛇行状通路は、空気が前記封じ込めエレメントを貫通することを許可するように構成されるとともに、前記無害化用エミッタによって放出された前記無害化用エージェントが当該封じ込めエレメントを貫通することを阻止するように構成される請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項20】
前記フィルタ・カートリッジは、前記無害化用エージェントを反射するように構成される反射性チャンバを含む請求項1-11のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項21】
保護マスクであって、
透光性不浸透性膜であって、鼻カバー部、口カバー部および顎カバー部を含み、ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
フィルタ・カートリッジであって、前記透光性不浸透性膜に、前記顎カバー部内において着脱可能に装着されるものと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記フィルタ・エレメントの外周を包囲することと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、
前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
【請求項22】
顔マスクであって、
レンズと、
そのレンズに連結されるフレームであって、前記レンズの周囲に沿って延びるものと、
そのフレームに連結されるフィルタ・カートリッジであって、当該顔マスクに対して流入・流出する空気をフィリタリングする顔マスク。
【請求項23】
前記レンズは、前記顔マスクの着用者の鼻、両眼および口を覆うように構成される請求項22に記載の顔マスク。
【請求項24】
さらに、前記フレームに連結されるとともに前記レンズの前記周囲に沿って延びるシールを含む請求項22に記載の顔マスク。
【請求項25】
前記フィルタ・カートリッジは、そのフィルタ・カートリッジ内に配置されたフィルタを交換するために操作されるように構成される請求項22に記載の顔マスク。
【請求項26】
前記フィルタ・カートリッジは、前記フレームから取り外し可能である請求項22-25のいずれかに記載の顔マスク。
【請求項27】
前記フィルタ・カートリッジは、前記フレームの底縁上に配置される請求項22-25のいずれかに記載の顔マスク。
【請求項28】
前記レンズは、使用中に当該レンズが曇ることを防止する防曇処理を含む請求項22-25のいずれかに記載の顔マスク。
【請求項29】
前記フレームおよび前記シールは、透光性または実質的な透光性を有する材料によって形成される請求項24-25に記載の顔マスク。
【請求項30】
保護マスクであって、
フレームであって、ジョイントによって互いに結合される第1フレーム部および第2フレーム部を含み、当該フレームは、前記保護マスクを着用するユーザの顔の周囲に沿って延びるものと、
透光性不浸透性膜であって、前記フレームに連結されるとともに第1部分を含み、前記ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
封じ込めエレメントを含むカートリッジ収容体であって前記フレームに連結されるものと、
そのカートリッジ収容体に分離可能に取り付けられるフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントを捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記有害エージェントを無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと
を支持し、
前記封じ込めエレメントは、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する保護マスク。
【請求項31】
さらに、
バッテリ室を含み、
そのバッテリ室は、前記第1フレーム部に連結されるとともに少なくとも1つのバッテリを収容するように作用し、その少なくとも1つのバッテリは、前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、電力を前記無害化用エミッタに供給するように作用する請求項30に記載の保護マスク。
【請求項32】
前記無害化用エミッタは、回路基板を含み、その回路基板は、前記電力を前記少なくとも1つのバッテリから少なくとも1つのエミッティング・エレメントに分配し、それにより、前記少なくとも1つのエミッティング・エレメントが前記無害化用エージェントを放出するように作用する請求項31に記載の保護マスク。
【請求項33】
前記回路基板は、前記ハウジングの形状に倣うように曲がるフレキシブル回路基板を含む請求項30-32のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項34】
さらに、
第1ガスケットを含み、
その第1ガスケットは、自身の本体部内に形成された複数の開口部を含み、
その第1ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、
前記無害化用エミッタは、前記第1ガスケット上に配置される請求項30-32のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項35】
前記複数の開口部は、複数のリブを形成し、それらリブは、前記無害化用エミッタを支持するように作用する請求項34に記載の保護マスク。
【請求項36】
さらに、
第2ガスケットを含み、
その第2ガスケットは、自身の本体部内に形成された少なくとも1つの開口部を含み、
その第2ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、
前記フィルタ・エレメントは、前記第2ガスケット上に配置される請求項34に記載の保護マスク。
【請求項37】
前記第1ガスケットおよび前記第2ガスケットは、前記ハウジングまたは前記カートリッジ収容体のうちの少なくとも1つをシールし、それにより、空気または前記有害エージェントが前記無害化用エミッタまたは前記フィルタ・エレメントをバイパスすることを軽減または防止する請求項36に記載の保護マスク。
【請求項38】
さらに、
前記カートリッジ収容体内に収容されるコントローラを含み、
そのコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリおよび前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、前記無害化用エミッタを制御するように作用する請求項30-32のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項39】
前記コントローラは、当該保護マスクの状態を示すように作用する少なくとも1つのインジケータを含む請求項38に記載の保護マスク。
【請求項40】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのバッテリから前記無害化用エミッタに供給されるパワーを制御するように作用するパワー・アクチュエータを含む請求項39に記載の保護マスク。
【請求項41】
前記コントローラは、当該保護マスクの作動状態をリセットするように作用するリセット・アクチュエータを含む請求項39に記載の保護マスク。
【請求項42】
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む請求項30-32のいずれかに記載の保護マスク。
【請求項43】
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む請求項42に記載の保護マスク。
【請求項44】
前記光源は、複数の発光ダイオードである請求項43に記載の保護マスク。
【請求項45】
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む請求項44に記載の保護マスク。
【請求項46】
前記光は、約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む請求項45に記載の保護マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)に従う優先権であって、2020年6月29日に出願された米国仮特許出願第63/045,749号であって発明の名称が「保護マスク」であるもの、2020年8月17日に出願された米国仮特許出願第63/066,582号であって発明の名称が「保護マスク」であるもの、および、2021年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/177,321号であって発明の名称が「保護マスク」であるものについてのものの利益を主張し、さらに、2020年6月29日に出願された米国意匠出願第29/739,808号であって意匠の名称が「マスク」であるものに関連しており、それら出願のすべては、引用によりこの出願書類に全体的に合体される。
【背景技術】
【0002】
ウイルス、バクテリアおよび他の汚染物質の拡散が世界中の関心の原因になるため、人々は、このようなウイルスおよび病原体(disease、病気、病気の原因、病気を引き起こす物質など)の拡散を顔カバー部(face covering、フェース・カバー、顔面被覆体)の使用によって制限しようと努力してきた。顔カバー部(face covering)は、例えば、唾液、喀痰、粘液または他の身体上の排出物(bodily excretions、身体から排出されるもの)のような飛沫(droplets、液滴)であって、有害エージェント(damaging agents、相手を損傷させる原因となるもの)、例えば、ウイルス、バクテリア、カビ胞子またはそれらと同様なものを含有するかもしれないものの通過(the passage、当該顔カバー部を通過するか通り抜けること)を制限するかもしれない。いくつかの顔カバー部は、ユーザがこのような飛沫を吸い込む能力を制限し、および/またはユーザがこのような飛沫を吐き出すかまたは排出する能力を制限し、それにより、他人を前記ユーザによる感染から保護するかもしれない。従来、顔カバー部は、織物(woven fabric)、不織布(non-woven fabric)、発泡体、または他の材料であってユーザの吸気時または呼気時に飛沫を捕捉することが可能であるものによって製作されてもよい。この種の材料(Such materials)は、小さな飛沫を捕捉することに対して効果的ではないかもしれず、また、有害エージェント、特にウイルスが通り抜けることを許してしまうかもしれない。さらに、従来の顔カバー部は、衛生的なものにする(clean、無害化する、無菌化する)ことが困難であるかもしれず、また、簡単に除去する(remove)ことも無力化する(neutralized、中和する)ことも不可能である有害エージェントが当該顔カバー部を通り抜ける状態になるかもしれない。この種の材料(These materials)は、さらに、防犯上のリスク(security risk)を有するかもしれず、なぜなら、それら材料は、典型的には不透明で、ユーザの顔を覆い、それにより、そのユーザが簡単に識別され(identify、特定され、確認され、人物特定され)ないかもしれないからである。
【発明の概要】
【0003】
一具体例においては、保護マスクが開示されている。このマスクは、鼻および口を覆う鼻口カバー部(a nose and mouth cover portion、鼻および口を一緒に覆うカバー部)を有する浸透性膜と、その不浸透性膜(impermeable membrance、不透過性膜)に着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジとを有する。そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを有し、そのハウジングは、有害エージェント(damaging agent)の複数の粒子を捕捉するように作用する(operative、作動する、機能する)フィルタ・エレメント(filter element、フィルタ部)と、無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用)エミッタ(emitter、放出体、放出器)であって、前記フィルタ・エレメントの外周(exterior perimeter)を包囲する(surrounding、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ことと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化(deactivate)するように作用する無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用、など)エージェント(agent、相手に対して一定の作用を行うもの、相手を無害化する原因となるもの、媒質、物質など)を前記フィルタ・エレメントに浸透させる(permeate the filter element with a sanitizing agent、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントによって浸透させられる、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントで充満する、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントで充填される、前記フィルタ・エレメントを無害化用エージェントを用いて浸透させる、など)ように作用することとを行うものと、前記無害化用エージェントを封じ込める封じ込めエレメント(containment element、閉じ込めエレメントなど)とを支持する。一具体例においては、前記封じ込めエレメントが、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する。
【0004】
任意選択的に、いくつかの具体例においては、無害化用エージェント・ソース(source、源、発生源)が、前記無害化用エミッタに電気的に接続される。
【0005】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが光源を含み、前記無害化用エージェントが光を含み、さらに、前記無害化用エージェント・ソースが電源(power supply、電力供給源、電源回路など)を含む。
【0006】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光源が複数の発光ダイオードである。
【0007】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光が紫外線スペクトル帯域にある光を含む。
【0008】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光が約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む。
【0009】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記電源が、充電可能(rechargeable)である。
【0010】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記電源が、前記ハウジング内に配置されるバッテリを含む。
【0011】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、第1のフィルタ・カートリッジであり、前記保護マスクが、さらに、前記第1のフィルタ・カートリッジに直列に積み重ねられる第2のフィルタ・カートリッジを含む。
【0012】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記第1のフィルタ・カートリッジが、第1の種類の有害エージェントを無力化するように構成され、また、前記第2のフィルタ・カートリッジが、第2の種類の有害エージェントを無力化するように構成される。
【0013】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが、約50ミクロンを超える粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子を捕集する(filter、除去する、捕捉する、トラップする、フィルタリングする)。
【0014】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、透光性(transparent、光透過性)眼カバー部を含む。その透過性眼カバー部および前記鼻口カバー部(nose and mouth cover portion)は、前記不浸透性膜に一体的に形成される。
【0015】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記マスクが、前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に固定する(hold ... to、接触状態で固定する)ように構成されるアタッチメント部材(attachment member、取付部材、装着部材)と、シーリング・エレメント(sealing element、封止エレメント)であって、自身が前記アタッチメント部材によって前記ユーザの顔に固定される場合に前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に対してシールする(seal ... to、接触状態で封止する、密封する、封止する)ように構成されるものとを含む。前記シーリング・エレメントは、第1シールと、その第1シールに対して(with respect to、に関して)前記不浸透性膜のエッジ(edge、縁、端面など)から内向きに配置される(disposed inward、内向きに延びるように配置される、など)第2シールとを含む。
【0016】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記封じ込めエレメントが、第1の封じ込めエレメントであって、自身が前記無害化用エミッタの外周(exterior perimeter)を包囲するとともに前記無害化用エージェントを横方向に(in a transverse direction、横軸方向に、半径方向に、空気流れ方向に対して交差する方向に、など)封じ込めるように、前記無害化用エミッタから横方向外側に配置されるものである。いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第2の封じ込めエレメントであって、前記フィルタ・エレメントに対して相対的に縦方向となる側に配置されるとともに、前記無害化用エージェントを縦方向に(in a longitudinal direction、縦軸方向に、長さ方向に、軸方向に、空気流れ方向に、など)封じ込めるものを含む。
【0017】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、前記フィルタ・エレメントの前記外周(exterior perimeter)に直接的に(directly、中間介在物なしで)隣接する。
【0018】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、複数のエミッティング・エレメント(emitting elements、前記無害化用エミッタを放出するエレメント、放出素子、放出部、放出体など)であって、前記フィルタ・エレメントの中心から均等であるように(uniformly from a center、中心から等距離であるように、中心から等角度であるように、中心から一様であるように)配置されるものを含む。
【0019】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが円形断面を有する。
【0020】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用マスク(the sanitizing mask、前記保護マスクなど)が、前記第1シールと前記第2シールとの間に形成されるチャネル(channel、経路、通路、溝、溝形断面材)と、そのチャネル内に配置されるエア・ムーバ(air mover、空気ムーバ、送風機、ファン、ブロアなど)とを含む。前記第1および第2シールおよびエア・ムーバは、前記保護マスクを着用したままでユーザの顔を冷却するように構成されるクローズド・ループ型(closed loop、外部から流体的に遮蔽された状態で空気が循環するタイプなど)冷却エリアを形成する。
【0021】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記封じ込めエレメントが、蛇行状通路(tourtuous path)を形成し、その蛇行状通路は、空気が前記封じ込めエレメントを貫通することを許可するように構成されるとともに、前記無害化用エミッタによって放出された前記無害化用エージェントが当該封じ込めエレメントを貫通することを阻止するように構成される。
【0022】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、そこでは、前記フィルタ・カートリッジが、前記無害化用エージェントを反射するように構成される反射性チャンバを含む。
【0023】
一具体例においては、保護マスクが、透光性不浸透性膜を含み、その透光性不浸透性膜は、鼻カバー部、口カバー部および顎カバー部を含む。ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔は、前記透光性不浸透性膜を通して視認可能である。フィルタ・カートリッジが、前記透光性不浸透性膜に、前記顎カバー部内において着脱可能に装着されており、このフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、そのハウジングは、有害エージェントの複数の粒子を捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、前記フィルタ・エレメントの外周(exterior perimeter)を包囲する(surrounding、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ことと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化(deactivate)するように作用する無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用)エージェント(agent、媒質、物質)を前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントとを支持する。
【0024】
一具体例においては、顔マスク(facial mask、フェイシャル・マスク、フェイス・マスク)が、レンズと、そのレンズに連結されるフレームであって、前記レンズの周囲に沿って延びるものと、前記フレームに連結されるフィルタ・カートリッジとを含む。そのフィルタ・カートリッジは、前記顔マスクに対して流入・流出する空気をフィリタリングする。
【0025】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記レンズが、前記顔マスクの着用者の鼻、両眼および口を覆うように構成される。
【0026】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、シールが、前記フレームに連結されるとともに前記レンズの前記周囲に沿って延びる。
【0027】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、自身内に配置されたフィルタを交換するために操作されるように構成される。
【0028】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記フレームから取り外し可能である。
【0029】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記フレームのボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面、底端部など)上に配置される。
【0030】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記レンズが、使用中に前記レンズが曇ることを防止する防曇処理(anti-fog treatment、防曇処理対策など)を含む。
【0031】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フレームおよび前記シールが、透光性または実質的な透光性を有する材料によって形成される。
【0032】
一具体例においては、保護マスクが、フレームを含み、そのフレームは、ジョイントによって互いに結合される第1フレーム部および第2フレーム部を含む。前記フレームは、前記保護マスクを着用するユーザの顔の外周に沿って(around、全周的に、など)延びる。前記保護マスクは、透光性不浸透性膜を含み、その透光性不浸透性膜は、前記フレームに連結されるとともに第1部分を有しており、そこでは、前記ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が、前記透光性不浸透性膜を通して視認可能である。前記マスクは、封じ込めエレメントを含むカートリッジ収容体(receptacle、容器など)であって前記フレームに連結されるものを含む。フィルタ・カートリッジが、前記カートリッジ収容体に分離可能に取り付けられ、当該フィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、そのハウジングは、有害エージェントを捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、前記有害エージェントを無力化(deactivate)するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させる(permeate the filter element with a sanitizing agent)ように作用する無害化用エミッタとを支持し、ここに、前記封じ込めエレメントは、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する。
【0033】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、バッテリ室(compartment)を含み、そのバッテリ室は、前記第1フレーム部に連結されるとともに少なくとも1つのバッテリを収容するように作用し、その少なくとも1つのバッテリは、前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態に(in electrical communication、電気的に接続される状態に、電気的に連通する状態に、電気が流れる状態に、電気通信可能な状態に、電気的連通状態に、電気的接続状態、など)あるとともに、電力を前記無害化用エミッタに提供するように作用する。
【0034】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、回路基板を含み、その回路基板は、前記電力を前記少なくとも1つのバッテリから少なくとも1つのエミッティング・エレメントに分配し、それにより、前記少なくとも1つのエミッティング・エレメントが前記無害化用エージェントを放出するように作用する。
【0035】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記回路基板が、前記ハウジングの形状に倣う(conform to)ように曲がるフレキシブル回路基板を含む。
【0036】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第1ガスケットを含み、その第1ガスケットは、自身の本体部内に形成された複数の開口部を含む。前記第1ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、また、前記無害化用エミッタは、前記第1ガスケット上に配置される。
【0037】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記複数の開口部が、複数のリブ(ribs、畝、壁、隆起部など)を形成し、それらリブは、前記無害化用エミッタを支持するように作用する。
【0038】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第2ガスケットを含み、その第2ガスケットは、自身の本体部内に形成された少なくとも1つの開口部を含む。前記第2ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、また、前記フィルタ・エレメントは、前記第2ガスケット上に配置される。
【0039】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記第1ガスケットおよび前記第2ガスケットが、前記ハウジングまたは前記カートリッジ収容体のうちの少なくとも1つをシールし、それにより、空気または前記有害エージェントが前記無害化用エミッタまたは前記フィルタ・エレメントをバイパスすることを軽減または防止する。
【0040】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、前記カートリッジ収容体内に収容されるコントローラを含む。そのコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリおよび前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態に(in electrical communication、電気的に接続される状態に、電気的に連通する状態に、電気が流れる状態に、電気通信可能な状態に、電気的連通状態に、電気的接続状態、など)あるとともに、前記無害化用エミッタを制御するように作用する。
【0041】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記保護マスクの状態を示す(indicate、表示する、標示する、表象する、提示する、インジケートする)ように作用する少なくとも1つのインジケータを含む。
【0042】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記少なくとも1つのバッテリから前記無害化用エミッタに供給されるパワー(power、電気エネルギー、電力)を制御するように作用するパワー・アクチュエータを含む。
【0043】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記保護マスクの作動状態(operation、動作、操作状態など)をリセットするように作用する(operative、作動する)リセット・アクチュエータを含む。
【0044】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、フィルタ・カートリッジを含む保護マスクの一具体例をを示す斜視図である。
【0046】
図2A図2Aは、図1に示す保護マスクの側面図である。
【0047】
図2B図2Bは、図1に示す保護マスクの背面図である。
【0048】
図2C図2Cは、図1に示す保護マスクを示す部分断面図であって図2Bの断面線2C-2Cに沿って取られたものである。
【0049】
図3図3は、図1に示す保護マスクの分解図である。
【0050】
図4図4は、図1に示す保護マスクの断面図であって図1の断面線4-4に沿って取られたものである。
【0051】
図5図5は、図1に示す保護マスクの前記フィルタ・カートリッジを前記保護マスクに設置される状態で示す詳細図である。
【0052】
図6A図6Aは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の斜視図である。
【0053】
図6B図6Bは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の背面図である。
【0054】
図6C図6Cは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の側面図である。
【0055】
図7図7は、図1に示す保護マスクに使用されるのに適するフィルタ・カートリッジの一具体例を示す詳細図である。
【0056】
図8A図8Aは、図7に示すフィルタ・カートリッジの分解図である。
【0057】
図8B図8Bは、図1に示す保護マスクに使用されるのに適するフィルタ・カートリッジの一具体例を示す分解図である。
【0058】
図9図9は、図8Bに示すフィルタ・カートリッジの断面図である。
【0059】
図10図10は、保護マスクの一例を示す側面図である。
【0060】
図11図11は、図10に示す保護マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面図である。
【0061】
図12図12は、フィルタ・カートリッジの断面図である。
【0062】
図13A図13Aは、マスクの正面斜視図である。
【0063】
図13B図13Bは、マスクの背面斜視図である。
【0064】
図14A図14Aは、マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面斜視図である。
【0065】
図14B図14Bは、図14Aに示すマスクの正面図である。
【0066】
図14C図14Cは、図14Aに示すマスクの側面図である。
【0067】
図15図15は、図13Aに示すマスクの分解図である。
【0068】
図16図16は、フィルタ・カートリッジの分解図である。
【0069】
図17A図17Aは、透光性マスクの正面斜視図である。
【0070】
図17B図17Bは、図17Aに示すマスクの背面斜視図である。
【0071】
図17C図17Cは、図17Aに示すマスクの正面図である。
【0072】
図17D図17Dは、図17Aに示すマスクの背面図である。
【0073】
図17E図17Eは、図17Aに示すマスクの側面図である。
【0074】
図17F図17Fは、図17Aに示すマスクの平面図である。
【0075】
図17G図17Gは、図17Aに示すマスクの底面図である。
【0076】
図18A図18Aは、透光性マスクの正面斜視図である。
【0077】
図18B図18Bは、図18Aに示すマスクの背面斜視図である。
【0078】
図18C図18Cは、図18Aに示すマスクの正面図である。
【0079】
図18D図18Dは、図18Aに示すマスクの背面図である。
【0080】
図18E図18Eは、図18Aに示すマスクの側面図である。
【0081】
図18F図18Fは、図18Aに示すマスクの平面図である。
【0082】
図18G図18Gは、図18Aに示すマスクの底面図である。
【0083】
図19A図19Aは、マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面斜視図である。
【0084】
図19B図19Bは、図19Aに示すマスクの側面図である。
【0085】
図19C図19Cは、図19Aに示すマスクの正面図である。
【0086】
図19D図19Dは、図19Aに示すマスクの底面図である。
【0087】
図19E図19Eは、図19Aに示すマスクの分解斜視図である。
【0088】
図19F図19Fは、図19Aに示すマスクの一部を詳細に示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本出願の開示事項は、保護マスクに関連しており、その保護マスクは、有害エージェントを原因とする汚染の防止に役立つ。本書類中に使用されるように、「有害エージェント(damaging agent)」というものは、人間の健康に被害を及ぼすかもしれない任意の種類のエージェント(agent)、例えば、塵、ガス(fume、煙、刺激臭など)、生物兵器、化学薬品(chemical agent、化学物質)や、複製して病気を引き起こす(replicate and cause disease)かもしれない任意の種類の生物的物質(biological material、生物的材料)、例えば、ウイルス、バクテリア、菌類、寄生虫、プロトゾア(protozoa)、プリオン(prion)、またはそれらと同様なものを意味する。一具体例においては、ユーザ(user、着用者、使用者)の顔の一部、例えば、ユーザの鼻および口を覆う不浸透性膜(impermeable membrane、不透過性膜、ガス不透過性膜、ガス不浸透性膜など)を含む保護マスクが開示されている。他のいくつかの具体例においては、前記不浸透性膜が、さらに、ユーザの鼻、口および眼(eyes、両眼など)を覆うように延びるものであってもよい。多くの具体例においては、前記不浸透性膜のうちの少なくとも一部が、透明であるかまたは部分的に透明であり、それにより、前記ユーザが前記不浸透性膜を通して見る(see、外界を見る)ことが可能であり、および/または、他人が前記不浸透性膜を通して前記ユーザの顔の一部を視認することが可能なものであってもよい。前記不浸透性膜は、ユーザの顔のうち、有害エージェントの吸い込みを防止するために必要な最小エリアを覆うように選択されてもよく、例えば、ユーザの眼(eyes、両眼など)、鼻および口を覆うように個別に調整され(tailored、ユーザごとにオーダーメイドされ)てもよいが、その選択は、ユーザの着用性(wearability、着用可能性、着用実用性、着用確実性、耐久性など)および快適性(comfort、着用快適性など)を目的としてサイズおよび形状という側面で行うものに限定される。
【0090】
前記保護マスクは、さらに、フィルタ・カートリッジを有してもよい。そのフィルタ・カートリッジは、通気性(air permeable、空気透過性)フィルタ・エレメントを含み、その通気性フィルタ・エレメントは、有害エージェントの通過(the passage、通気性フィルタ・エレメントを通過するか通り抜けること)を阻止する(block、遮断する)ように作用するとともに、フィルタ・カートリッジ内に収容されることに適している。いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、取り外し可能(removable)および/または交換可能(replaceable)であってもよい。これら具体例においては、ユーザが、自身の使用環境に応じ、目標とするフィルタ・カートリッジ、例えば、特定のフィルタリング特性を有するものを選択してもよい。
【0091】
一例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記保護マスクから取り外し可能であるか、または前記保護マスクに対して相対的に角変位可能(pivotable、ピボット回転可能、一軸回りに一定角度範囲内で回転可能、揺動可能)または回転可能であり、それにより、前記フィルタへの接近(access、アクセス、到達、接触など)および交換が可能であるものであってもよい。例えば、前記マスクは、カートリッジを有してもよく、そのカートリッジは、前記マスクのフレームのボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)から角変位するかまたは分離し(release)、それにより、ユーザがそのフィルタ部品(the filter components、前記フィルタのいくつかの部品または要素、前記フィルタ・カートリッジ)のみを交換して前記カートリッジを再装着する(reattach)ことが可能であるか、または、そのユーザが前記カートリッジ全体を交換することが可能であるように完全に分離することが可能である。前記フィルタの交換可能性という側面(aspects、特徴、特性)により、前記マスクがフィルタリング効率および通気性を維持することが可能となり、それに加えて、前記マスクが、必要に応じ、種々の環境または種々の有害エージェントに適合するように構成されることも可能となる。
【0092】
前記フィルタ・カートリッジは、さらに、ガスケットすなわちシールを当該フィルタ・カートリッジの周囲(perimeter、周長)をぐるりと(around、全周的に、など)回るように有してもよい。例えば、前記フィルタは、前記カートリッジによって形成された(defined、画定された、境界画定された)エリア(an area、一つのエリア、いくつかのエリアなど)内に静置され(seat、沈座され、着座され)てもよく、また、ガスケットが、前記カートリッジの周囲をぐるりと(around、全周的に、など)回るように延びてもよく、そのガスケットは、前記カートリッジを、そのカートリッジの位置(placement、配置される位置)に応じ、前記マスクのうちの前記フレームに対してシールするか、またはユーザの顔部に対してシールする(seal against、圧迫状態でシールする、など)ように作用する。
【0093】
前記フィルタ・カートリッジは、無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントの内部に分散させる(disperse)ことに適する無害化用エミッタ(sanitizing emitter、無害化用エージェントを放出する物質、物体、器具など)を有する。前記無害化用エージェントは、いくつかの有害エージェント(damaging agents、複数種類の有害エージェント)を、前記フィルタ・エレメントを通過する段階にあるものも、前記フィルタによって捕捉されたものも同様に、無力化するかもしれず、前記無害化用エージェントは、前記フィルタを浄化するとともに、捕捉されたいくつかのエレメント(captured elements、前記いくつかの有害エージェント、など)が前記フィルタを通り抜けることがあったとしても、それらエレメントがユーザに影響を及ぼすことを防止するように支援する。多くの具体例においては、前記無害化用エミッタが、発光器(light emitter、光出射器)であり、その発光器は、いくつかの光波長(light wavelengths、複数の光波長など)を前記無害化用エージェントとして出射する。例えば、前記無害化用エミッタは、発光ダイオード (「LED」)であってもよく、その発光ダイオードは、電磁スペクトルのうち紫外(「UV」)部分を有するいくつかの光波長を出射するように構成される。UV光は、前記有害エージェントのうち、例えば、デオキシリボ酢酸(「DNA」)またはリボ核酸(「RNA」)のようなアクティブな(active、活性本体である、有効成分である)生物学的物質に損傷を与える(damaging)ことにより、いくつかの有害エージェントを無力化する(neutralizing、中和化する)ことに効果的であるかもしれない。
【0094】
有害エージェントの一例は、重症急性呼吸器症候群(the severe acute respiratory syndrome、サーズ)コロナウイルス2(「SARS-CoV-2 」、サーズコロナウイルス)」であり、それは、コロナウイルス感染症19(「COVID-19」)を引き起こす。サーズコロナウイルス2は、紫外光のような無害化用エージェントに曝露されることにより無力化されるかもしれないRNAウイルスである。唾液、粘液または他の身体上の流体の飛沫であって、例えば、感染者が咳をするときに吐き出される飛沫のようなものは、何百万という数のサーズコロナウイルス2粒子を有しているかもしれない。しかし、それら飛沫は、小さすぎていくつかのフィルタ・エレメントがそれら飛沫を捕捉することができないかもしれない。例えば、いくつかの飛沫は直径が200ミクロンより小さいかもしれない。無害化用エージェント、例えば、紫外光のようなものを前記フィルタ・エレメントに注入する(infusing、導入する)ことにより、感染した唾液飛沫内の複数のウイルス粒子は無力化され、それにより、たとえ前記保護マスクのユーザが前記フィルタ・エレメントを通り抜ける感染飛沫を吸い込んだとしても、そのユーザはサーズコロナウイルス2に感染しないかもしれないとともにコロナウイルス感染症19を発症しないかもしれない。
【0095】
他のいくつかの例においては、前記保護マスクが、上述のアクティブな(active、能動的な)無害化という側面も特徴も有しないパッシブ(passive、受動的)なフィルタを有してもよい。言い換えると、前記フィルタ・カートリッジは、空気が前記マスクを通過して移動する際に、その空気の流れを前記フィルタ材料(the filter material、前記フィルタを構成する材料)の特性によって濾過する(filter、フィルタリングする)ように構成されてもよい。一例においては、前記保護マスクが、さらに、ユーザの意思疎通(communication)を促進するために透明であり(transparent、透光性を有し、など)、同時に、有害エージェントの侵入を防ぐために前記周囲(the perimeter、前記カートリッジの周囲)に沿って全周的に完全にシールされることを維持するかもしれない。前記フィルタ・カートリッジは、MERV16フィルタを有してもよい。前記保護マスクは、さらに、前記レンズ(the lens、前記不浸透性膜など)内に防曇特徴部を有し、それにより、前記着用者(the wearer、前記ユーザ)の視認性および透明性を確保してもよい。前記保護マスクは、ストラップ(a strap、1個のストラップなど)によって固定されてもよく、そのストラップは、例えば、2個のアタッチメント点(attachment points、アタッチメント位置、取付点、付着点など)(例えば、前記保護マスク上の上側位置および下側位置)を用いて位置決めされて固定されたストラップであって、シール圧(sealing pressure、シールに必要な圧力、シール部の圧迫力)を分散させることと、前記マスクを前記ユーザの頭頂部(the crown of the user's head)を覆うように係留させることとを支援するものである。
【0096】
いくつかの側面においては、前記マスクの、複数の、かなりの、または、多くの部品が、透明または実質的に透明な材料を用いて形成されてもよい。例えば、前側不浸透性膜(front impermeable membrance、当該マスクにおいて前側部に位置する不浸透性膜など)すなわちレンズが、透明(transparent、透光性を有するもの、科学的に見て透明であるもの)であってもよく、同様に、フレーム、パッド、シールまたはそれらと同様なものは、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)であるかまたは実質的にクリアである材料を用いて形成されてもよい。これにより、前記マスクが、「目に見えないもの(invisible)」になるか、または、少なくとも、社交の場において他人にすぐにはわからないものになり、それにより、マスクというものが障害物にも遮蔽物にもならずに人々が感情を伝えたり会話することが可能となる。
【0097】
図1図2Aおよび図2Bは、保護マスク100の一具体例を示すいくつかの図であり、その保護マスク100は、フィルタ・カートリッジ、例えば、フィルタ・カートリッジ300または500を有している。本書類内に開示されているいずれのフィルタ・カートリッジも、本書類内に開示されている他のいずれのフィルタ・カートリッジと相互置換可能であってもよい。したがって、特定のフィルタ・カートリッジについてのいずれも言及(references、説明箇所)も、開示されている他のいずれのフィルタ・カートリッジをも包含するように理解されるべきである。例えば、フィルタ・カートリッジ300および500は、それぞれ、他方と相互置換可能であるとともにその逆も成立するかもしれない。保護マスク100は、不浸透性膜102を含む。この具体例においては、不浸透性膜102が、レンズであると考えてもよいものであるが、眼カバー部112(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの両眼に対して位置合わせされるかまたはそれを覆うように位置決めされるように構成される部分)と、口鼻カバー部112(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの口および/または鼻に対して位置合わせされるかまたはそれを覆うように位置決めされるように構成される部分)と、顎カバー部113(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの口ではなくむしろ、ユーザの顎に対して位置合わせされるかまたはそれ覆うように位置決めされるように構成される部分)とを有する。いくつかの具体例においては、不浸透性膜102が、眼カバー部112なしで口鼻カバー部114を有するものであってもよい。保護マスク100は、保護マスク100をユーザの頭に選択的に装着する(selectively attach、必要なときに装着するなど)ために1または複数のアタッチメント部材(attachment members、装着を行うための部材、装着部材)104を有する。保護マスク100は、無害化用エージェント・ソース200、例えば、無害化用エミッタを有してもよい。
【0098】
不浸透性膜102は、ユーザの呼吸系に対するいくつかのアクセス・ポイント(access points、流体的経路など)を、任意選択的にはさらにそのユーザの視覚系(例えば、両眼)に対するいくつかのアクセス・ポイント(access points、視覚的経路など)をも最小限度に(minimally、できる限り少ない面積で、必要最小面積で、など)カバーする形状を有する。例えば、不浸透性膜102は、ユーザの顔特徴部に倣う(comforms to、追従する)形状を有する。例えば、不浸透性膜102は、丸底部(rounded bottom section、丸みを帯びた底部、下部)を、ユーザの口の幅に対応する幅を有するものとして有する。不浸透性膜102は、口鼻カバー部114を形成するために、ユーザの鼻のうちの梁部(bridge、鼻梁)に向かって内向きに(in、当該マスクの中心に向かって)先細化する(taper、テーパー化する)ものであってもよい。前記不浸透性膜は、眼カバー部112を形成するために外向きに(outward、当該マスクの中心から離れる向きに、など)拡張し(expand、張り出し)てもよい。前記不浸透性膜の形状は、機能性を有するもの(functional)であってもよい。例えば、その形状は、前記ユーザの顔を保護する一方で、前記ユーザの顔の近傍にあるいくつかのアイテム(items、物品、品物、物体など)に当たる(snag on)ことを防止するとともにユーザの快適性を維持するために過度に突出しない(not protruding)形状であってもよい。不浸透性膜102の形状は、さらに、審美的要素(aesthetic elements、不浸透性膜102のうち、審美性ないしは美感に関与する部分など)というものにも注目して(for、目的として、対象として)選択されてもよい。一具体例においては、不浸透性膜102が、丸底形状(circular bottom shape、底部または下部において円形状を成す形状など)を有してもよく、その丸底形状は、長方形状の鼻梁部(nose bridge、ユーザの鼻梁に対応する部分など)を形成するために内向きに(inwards、当該マスクの中心に向かって、など)先細化し(tapes、テーパー化し)、その後、ユーザの両眼の外縁間の間隔とちょうど同じかまたはそれより少しだけ長い長さで延びる幅を有する卵状または長円状の形状を形成するために外向きに(outwards、当該マスクの中心から離れる向きに、など)拡張する(expands、張り出す)。
【0099】
引き続き、図1図2A図2Bを参照し、さらに図6A図6Cも参照すると、不浸透性膜102は、吸排気用開口部(respiration aperture、レスピレーション用開口部、呼吸用開口部)116を有してもよい。その吸排気用開口部116は、不浸透性膜102の外側部122すなわち外面(external side or surface)から不浸透性膜102の内側部124すなわち内面(internal side or surface)まで延びる空気通路を提供する開口部として形成されてもよい。ユーザが保護マスク100を着用するとき、内部空間125が、不浸透性膜102の内側部124とユーザの顔との間に形成されてもよい。吸排気用開口部116により、ユーザが保護マスク100を着用しながら呼吸できるように空気の流れが許可される。吸排気用開口部116は、不浸透性膜102の外側部124からの唯一の(sole)空気通路を形成し、それにより、マスク100に対する空気の流入・流出が吸排気用開口部116を経由して行われるようになってもよい。この方法で、前記ユーザが吸排気する(respirates、レスピレーションする、呼吸する)(例えば、呼吸(breathes)、くしゃみ、咳または他の同様なものを行う)際に、その結果として吐き出されるかまたは吸い込まれる空気および他の流体が、吸排気用開口部116により形成された前記通路(the pathway、前記空気通路)を直接的に通過することになる。単一の吸排気用開口部116しか有しないことにより、不浸透性膜102の透光性エリア(the transparent area、前記透光性を有するエリア、領域など)が最大化されるとともに前記ユーザの視認性(visibility、視界度)および/または他人が前記ユーザの顔を視認するときの視認性(visibility)が向上するかもしれない。吸排気用開口部116は、所望のサイズおよび形状を有するように形成されるかもしれないが、いくつかの具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が吸排気用開口部116の内部に静置される(seat、着座する)ように、吸排気用開口部116がフィルタ・カートリッジ300の形状に対応する(correspond to、適合する、合致する、補完する)ように選択されるかもしれない。
【0100】
吸排気用開口部116は、不浸透性膜102内の任意の適切な位置に配置されてもよい。図示されるように、吸排気用開口部116は、不浸透性膜102のうちの底部(bottom portion、下部、前記丸底部、前記丸底部を含む部分、など)において、遷移点(a transition point、遷移線、形状変化点、後述の屈曲線610,810など)の間の位置、または、前記鼻梁部(nasal bridge、ユーザの鼻梁に対応する部分など)より下方の位置に配置されてもよい。吸排気用開口部116は、他の適切な位置に配置されてもよい。例えば、吸排気用開口部116は、不浸透性膜102上に、図示されている位置より低い位置に配置されてもよく、それにより、フィルタ・カートリッジ300がユーザの両眼から離れ、かつ、ユーザの視線から外れるように配置されることが可能になるかもしれない。一例として、図10には、保護マスク100の一例が示されており、その保護マスク100は、不浸透性膜103を有する。多くの点で、不浸透性膜103は、不浸透性膜102に類似する。不浸透性膜103は、その不浸透性膜103内に形成される吸排気用開口部116の位置という点で、不浸透性膜102とは異なってもよい。例えば、吸排気用開口部116は、不浸透性膜103の顎カバー部113内に配置されてもよい。吸排気用開口部116は、本書類に開示される任意の適切なフィルタ・カートリッジ、例えば、フィルタ・カートリッジ300または500を収容し(accept、を受け入れ)てもよい。図11に例示されるように、吸排気用開口部116をユーザの顔から離れるように、例えば、顎カバー部113内に配置することは、前記ユーザが自身の周囲(surroundings、周囲の状況、周辺外界など)を視認するときの視認性(visibility、視界度)を向上させる際、および/または他人が前記ユーザの顔を視認するときの視認性を向上させる際に有利であるかもしれない。例えば、顎カバー部113内に配置されたフィルタ・カートリッジ300,500および吸排気用開口部116を用いれば、視覚障害者は、マスクしているユーザが話す際に、そのユーザの口を見ることとそのユーザの唇を読むこととがより容易に可能となる。
【0101】
いくつかの具体例においては、1個より多数の(more than one、複数の)吸排気用開口部116が不浸透性膜102内に形成されるかもしれない。例えば、ある保護マスクは、第1の吸排気用開口部116を不浸透性膜102内に、前記ユーザが吸気する際に空気が前記第1の吸排気開口部116を経由して進むような一方向バルブを有するものとして備えてもよい。この保護マスクは、第2の吸排気用開口部116であって、前記ユーザが息を吐く際にそのユーザの息が第1の吸排気用開口部116ではなく第2の吸排気用開口部116を経由して外向きに向かうように逆向きに(oppositely、第1の吸排気用開口部116の向きとは逆向きに)配向された一方向バルブを有するものとして備えてもよい。他のいくつかの具体例においては、ある保護マスクが、1個より多数の(more than one、複数の)吸排気用開口部116であって各々がフィルタ・カートリッジ300を備えるもの(fitted with、サイズが適合する状態で装着されるもの、など)を有してもよい。吸排気用開口部116は、アタッチメント機構120であって、フィルタ・カートリッジ300のうちの補完的な(complementary、アタッチメント機構120を補完する、アタッチメント機構120に対して相補的な、アタッチメント機構120を機械的に補完する)アタッチメント機構312に装着されるのに適するものに関連付けられてもよい。
【0102】
不浸透性膜102は、ユーザの顔に倣う(conform to、顔の形状に合わせて変形する、など)のに適した任意の材料であって、当該不浸透性膜102を経由する有害エージェントの通過(the passage、当該不浸透性膜102を通過するか通り抜けること)を許可しないものを用いて製作されてもよい。多くの具体例においては、不浸透性膜102が、自身を経由する複数の流体または固形の粒子の通過(the passage、当該不浸透性膜102を通過するか通り抜けること)を制限するかまたは防止するものであってもよい。さらに、不浸透性膜102は、不浸透性(impermeability)を低下させることなく容易に浄化(cleaned)可能または無害化(sanitized)可能な材料を用いて製作されてもよい。例えば、いくつかの具体例においては、不浸透性膜102が、プラスチック(熱硬化性か熱可塑性)によって製作されてもよい。いくつかの実施形態においては、不浸透性膜102が、透光性または部分的な透光性を有するプラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(「PET」)、ポリカーボネート(polycarbonate)(レキサン(Lexan)(登録商標)として知られている)、アクリル酸(acrylic)、ポリ乳酸(polylactic acid)またはそれらと同様のものによって製作されてもよい。この種のいくつかの実施態様においては、眼カバー部112が存在する場合には、前記透光性を有するプラスチックにより、ユーザが眼カバー部112を通して外部を見ることが可能になるかもしれない。前記透光性を有する材料により、他人が前記ユーザの顔を見ることも、同様に、可能になるかもしれず、このことは、防犯上の理由、同様に情緒的な理由のために有利であるかもしれない(例えば、医師および看護師は、それらの者の顔全体を患者が見ることが可能であるとき、患者とより良好な信頼関係を結ぶことができる)。
【0103】
シーリング・エレメント118は、前記ユーザの顔部に対してシールするように、不浸透性膜102の周囲に沿って(around、全周的に、など)配置され、空気および有害エージェントが不浸透性膜102の境界線(border、周囲)の周りに浸透する(permeating around、前記境界線を迂回して浸透する、など)ことを防止してもよい。シーリング・エレメント118は、複数のシールを、例えば、冗長性、ユーザの快適性、改良されたシーリング性能またはそれらと同様なもののような目的のために有してもよい。例えば、図2A図2Cに示されるように、シーリング・エレメント118内の第1シール126が、不浸透性膜102の外周縁の近傍に配置されてもよく、また、第2シール128が、不浸透性膜102の前記周縁(the perimeter edge、前記外周縁)に対して相対的に前記第1シール126から内側に配置されてもよい。チャネル130が、第1および第2シール118,128の間に形成されてもよい。いくつかの具体例においては、シーリング・エレメント118が、互いに隣接する2個以上のシールを有してもよい。いくつかの具体例においては、シーリング・エレメント118が、不浸透性膜102の内側(the interior、内側面)に沿って(around)、例えば、眼カバー部112と口鼻カバー部114との間に配置されてもよい。シーリング・エレメント118は、例えば、前記保護マスク(the protective mask、保護マスク100)が眼カバー部112を有するいくつかの具体例における如く、ユーザが自身の両眼に触れることを防止するかまたはそれを思いとどまらせるかもしれない。同様にして、シーリング・エレメント118は、ユーザが自身の鼻および/または口に触れることを思いとどまらせるかもしれない。例えば、シーリング・エレメント118は、ユーザが自身の顔に触れるために指を不浸透性膜102の下から挿入することを防止するかまたは思いとどまらせるかもしれない。したがって、保護マスク100は、ユーザが有害エージェントを自身の身体に自身の両眼、鼻または口を経由して導入することを防止するかもしれない。
【0104】
いくつかの実施態様においては、エア・ムーバ(air mover、空気ムーバ)132、例えばファンのようなものが、チャネル130内に配置されるかまたはチャネル130と流体的に連通する状態で(in fluidic communication with)配置されてもよい。エア・ムーバ132は、前記チャネル内での空気の移動(move、流れ)を引き起こし、それにより、肌のうち、マスク100の前記複数のチャネル(the channels、前記複数のシール、など)間に位置する部分を冷却する。チャネル130およびエア・ムーバ132は、前記マスクの内側表面124と、マスク10を着用しているユーザの顔との間の内側空間125から流体的に絶縁され(fluidically isolated)てもよい。チャネル130およびエア・ムーバ132は、さらに、マスク100の外側にある大気(atmosphere、外気)から流体的に絶縁されてもよい。チャネル130,シール126,128およびエア・ムーバ132は、有害エージェントに対する前記マスクの前記シール(the seal、シール部、シール状態、など)を維持しつつ、クローズド・ループ(closed-loop、外部から流体的に遮蔽された状態で空気が循環するタイプなど)型冷却エリア(a closed-loop cooling area、1つのエリア、など)であって前記マスクを着用するユーザの顔を冷却するように作用するものを形成してもよい。例えば、シール126,128は、ユーザの肌面に対してシールされ、それにより、エア・ムーバ132からの空気が、前記肌のうち、シール126,128直下の部分またはシール126,128に隣接する(シール126,128の反対側において)部分に到達することができないものであってもよい。エア・ムーバ132は、ユーザの肌の生理学的反応を刺激するように作用する。言い換えると、前記肌のうちシール126,128間の部分を冷却することにより、前記肌のうち、シール126,128間に位置するチャネル130の直下に位置する部分に向かう血流が冷却されることになる。前記チャネル直下のエリアへの血液の流れが継続するにつれて、その血液が冷却される。
【0105】
したがって、エア・ムーバ132は、前記ユーザの発汗を、マスク100を着用している間、軽減することを支援してもよい。エア・ムーバ132は、ソース(source、無害化用エージェント・ソース)200が電力源(electrical power source、電源など)である複数の実施態様においては、無害化用エージェント・ソースにより電力(powered、パワー)が供給されてもよい。いくつかの実施態様においては、エア・ムーバ132が、それ自身に専用の電源を有してもよい。
【0106】
シーリング・エレメント118は、シールをユーザの顔と不浸透性膜102との間に形成することに適するように構成された(adapted)任意の適切な材料によって製作されてもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、アタッチメント部材104が不浸透性膜102をユーザの顔に押し付けてシール(例えば、前記シールは、前記ユーザの顔特徴部に倣うように変形することができる)を形成することから生じる圧力を受けて実質的に(substantially、大きく)変形するようにシーリング・エレメント118が選択されるが、そのシーリング・エレメント118は、依然として前記ユーザにとって快適であってもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、ソフト・デュロメータ・エラストマー(a soft durometer elastomer、低デュロメータ硬度を有するエラストマーなど)、例えば、天然ゴム、ラテックス(latex)、シリコーン(silicone)、ニトリル(nitrile)またはそれらと同様なものによって製作されてもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、何回も使用可能であるかまたは何人ものユーザによって使用可能であるように弾性的に変形するものであってもよい。いくつかの実施態様においては、シーリング・エレメント118が、ユーザの顔に倣う(conform to、顔の形状に合わせて変形する、など)が、取り外すと(when removed、顔から外すと)、自身の元の形状に復元しないように可塑的に変形するものであってもよい。
【0107】
アタッチメント部材104は、1または複数のデバイスであって、保護マスク100を前記ユーザの顔に接触状態で保持するとともに、シールを前記ユーザの顔とシーリング・エレメント118との間に形成するのに適切なものであってもよい。アタッチメント部材104は、不浸透性膜102に、その不浸透性膜102内に穴を形成することがない方法で装着され、それにより、シーリング・エレメント118により形成された前記シールの効果を減退させる(compromising、阻害する)ことを防止してもよい。例えば、アタッチメント部材104は、任意の適切な方法、例えば、接着剤、ファスナ(fastener)(例、ボタン、留め金(clasp、クラスプ)、面ファスナまたはそれらと同様なもの)、溶接、ろう付け(brazing)またはそれらと同様なものによって不浸透性膜102の外側表面に装着されてもよい。この種の外側アタッチメント構成(outer attachment arrangement、アタッチメント部材104を不浸透性膜102の外側表面に装着するための構成)により、アタッチメント部材104が不浸透性膜102の効果を、例えば、外側部122と内側部124との間の通路(a passage between the external side 122 and the internal side 124、外面122から内面124まで延びる貫通穴など)であって有害エージェントが前記フィルタ・カートリッジを迂回してユーザの顔に到達することを可能にするものを形成することなどによって阻害することが防止されるかもしれない。
【0108】
いくつかの具体例においては、アタッチメント部材104が、ストラップ(a strap、1つのストラップ、帯状体など)であり、そのストラップは、ユーザの頭部にそれの外周に沿って(around、頭部の外周に)フィットする(fits、形状的に適合する、ぴったり合う)とともに不浸透性膜102をユーザの顔に押し付ける。このストラップは、例えば、弾性エレメント(elastic element、弾性体)、鞍帯(cinch)、面ファスナ、留め金、ボタンまたはそれらと同様なものの使用により、異なる複数のサイズおよび異なる複数の形状を有する複数人のユーザの頭部にフィットするように調整可能なものであってもよい。いくつかの具体例においては、1個より多数の(more than one、複数の)のアタッチメント部材104が使用されてもよい。例えば、1つのアタッチメント部材104が、ユーザの頭部の外周にフィットするように適応的に構成されてもよい一方、第2のアタッチメント部材104が、ユーザの首部の外周にフィットするように適応的に構成されてもよく、それらは、図2Aおよび図2Bに例示されている。別の例として、1つのアタッチメント部材が、ユーザの頭部の頂部の外周に沿って延びてもよく、また、1つのアタッチメント部材が、ユーザの頭部の下部の外周に沿って延びてもよい。この方法で、保護マスク100が、種々の頭部形状および種々の頭部サイズを有する複数人のユーザに適合するように構成され(adapted to)てもよい。
【0109】
図1図5を参照すると、フィルタ・カートリッジ300は、吸排気用開口部116内に静置され(seat、沈座され、着座され)、それにより、ユーザが空気を吸排気する(respirates、呼吸する、など)につれて空気および他の流体がフィルタ・カートリッジ300を通過するように引き込まれるものであってもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が吸排気用開口部116に恒久的に(permanently、永続的に)固定されてもよい。一方、他の具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が不浸透性膜102に着脱可能に装着されてもよい。この種のフィルタ・カートリッジ300は、例えば、規定された使用期間の満了時において(例えば、使用された時間の長さ、通過した空気の量(volume、容積)、または有効期限)交換可能なものであってもよい。複数のフィルタ・カートリッジ300が、特定の脅威すなわち注目される有害エージェントに応じて選択的に不浸透性膜102に装着されてもよい。例えば、1つのフィルタ・カートリッジ300が、サーズコロナウイルス2を捕集して(filter)無力化する(deactivate)ように適応的に構成されて(adapted)もよい一方、別のフィルタ・カートリッジ300が、例えば、マスタードガス(mustard gas)のような発泡剤(a vesicant)のような化学兵器を捕集して(filter)無力化する(deactivate)ように適応的に構成されてもよい。ユーザは、想定される脅威または使用環境を基に、適切なフィルタ・カートリッジ300を選択してもよい。いくつかの具体例においては、複数のフィルタ・カートリッジ300が複数の有害エージェントを無力化するために直列に積み重ねられたものであってもよい。この種の積層フィルタ・カートリッジ300は、1つのフィルタ・カートリッジ300から、それに積み重ねられた別のフィルタ・カートリッジ300まで、無害化用エージェントを通過させるために、いくつかの界面(interfaces、境界層、介在層など)を有してもよい。この種のフィルタ・カートリッジ300は、いくつかのインジケータ、例えば、無力化のために適応的に構成された当該フィルタ・カートリッジ300によって無力化される特定の有害エージェントを示すための記号(symbles、シンボル)またはカラーコード(color codes)を有してもよい。
【0110】
図7図9を参照すると、フィルタ・カートリッジ300の一例が示されている。このフィルタ・カートリッジ300は、フィルタ・エレメント304,無害化用エミッタ306,1または複数の封じ込めエレメント302,封じ込めエレメント308およびカートリッジ・ハウジング310を有しており、そのカートリッジ・ハウジング310は、当該カートリッジのうちの自身以外の複数の部品(components)を支持する。図7図9に示す前記例においては、フィルタ・カートリッジ300が実質的に円筒状であるが、他の適切な形状、例えば、立方体、角柱、平行六面体、不規則な形状およびそれらと同様なものが使用されてもよい。フィルタ・カートリッジ300の形状は、前記吸排気用開口部の位置およびサイズを基に選択されてもよい。
【0111】
フィルタ・カートリッジ300の形状は、フィルタ・エレメント304を通過する無害化用エージェントの浸透(permeation)を最適化するように選択されてもよい。例えば、フィルタ・エレメント304であって円形断面を有するものは、与えられたサイズ(size、面積、など)に対して最小となる周長を有してもよい。したがって、非円形断面を有するフィルタ・エレメントに対して相対的により少ない数のエミッタ(emitters、無害化用エミッタ、など)が、前記周長に沿って配置されるとともに、無害化用エージェントをフィルタ・エレメント304に浸透させるものであってもよい。例えば、四角形断面を有するフィルタ・エレメントが、それと同じサイズを有するとともに円形断面を有するフィルタ・エレメントより長い周長を有してもよい。同様に、円形断面を有するフィルタ・エレメント304が、前記無害化用エージェントを当該フィルタ・エレメント304に一様に浸透させることを単純化してもよい。例えば、円形断面を有するフィルタ・エレメント304においては、複数の無害化用エミッタ306または複数のエミッティング・エレメント(emitting elements、放出部、放出体など)318が、フィルタ・エレメント304の中心から均等であるように(uniformly、等距離に、等角度間隔に、など)配置されてもよい。いくつかの例においては、無害化用エミッタ306またはエミッティング・エレメント318が、フィルタ・エレメント304の中心から概して等距離に位置するものであってもよい。よって、無害化用エミッタ306は、非円形断面を有するエレメントと比較して、フィルタ・エレメント304をより一様に(uniformly、均等な密度で)浸透させる(permeate、浸透する、充填する)ことが可能である。
【0112】
カートリッジ・ハウジング310は、フィルタ・カートリッジ300のうち自身以外の複数のエレメントを支持し、また、カートリッジ・ハウジング310を不浸透性膜102に装着するためのアタッチメント機構312を、例えば、それを補完するアタッチメント機構120の位置において有してもよい。シールが、有害エージェントの通過を防止するものとして、カートリッジ・ハウジング310と不浸透性膜102との間に形成されてもよい。多くの具体例においては、そのシールが、流体および/または固形粒子の通過を防止してもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構312が、不浸透性膜102に着脱可能に接続されてもよい。例えば、アタッチメント機構312は、いくつかのねじ山(threads、螺合部)、例えば、らせん状ねじ山であって、アタッチメント機構120のらせん状ねじ山であって相手を補完するものに回転可能に嵌り合うものを有してもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構120またはアタッチメント機構312のうちの一方が、バヨネット式マウント(bayonet mount)の一部、例えば、フィンガー部(fingers、凸部、雄側部)を有してもよく、また、アタッチメント機構120またはアタッチメント機構312のうちの他方が、バヨネット式マウント(bayonet mount)のうち、相手を補完する部分、例えば、トング(tangs、雄側部を補完する部材、など)またはスロット(slots、溝、凹部、雌側部)であって、前記フィンガ部(fingers)と係合するものを有してもよい。他のいくつかの具体例においては、アタッチメント機構312が、不浸透性膜102に恒久的に連結されてもよい。例えば、アタッチメント機構312およびアタッチメント機構120は、溶接されたり、接着されたり、ろう付けされたり、または他の方法で連結されてもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構312またはアタッチメント機構120が、磁気的エレメント(magnetic element、磁気力または磁気的吸引力を有するエレメント)であって、アタッチメント機構312およびアタッチメント機構120のうちの他方に分離可能(releasably)に連結されるように適応的に構成されたものを有してもよい。いくつかの実施態様においては、カートリッジ・ハウジング310が、不浸透性膜102と一体的に、例えば、単一の連続部品という形態で形成されてもよい。
【0113】
フィルタ・エレメント304は、空気の通過は許すが複数の粒子、例えば、有害エージェントの複数の粒子の通過は遮断または捕集する(filter、トラップする、捕捉する)のに適した任意のエレメントであってもよい。このフィルタ・エレメント304は、有害エージェントの複数の粒子をフィルタ・エレメント304内に捕捉し、それにより、保護マスク100のユーザへのまたはそのユーザからの前記複数の粒子の拡散を防止してもよい。その密度(the density、フィルタ・エレメント304の密度)により、フィルタ・エレメント304は、フィルタ・エレメント304内における有害エージェントの複数の粒子を、最終的には通り抜けるとしても、その滞留時間(dwell time)を増加させてもよい。したがって、フィルタ・エレメント304は、有害エージェントが無害化用エージェントに曝露する時間を増加させ、それにより、その無害化用エージェントが前記有害エージェントを無力化する効果を増加させてもよい。
【0114】
フィルタ・エレメント304は、所定の粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子のうちのある部分(a percentage of、一定の部分、ある割合、ある集まり)を捕集する(filter)ように適応的に構成されてもよい。例えば、種々のフィルタ・エレメントが、国立労働安全衛生研究所(「NIOSH」)により、所定の粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子を捕集する(filter)効果に関して評価されてもよい。一例においては、フィルタ・エレメント304が、フィルタ・エレメント304が0.3ミクロン以上の粒径を有する複数の空中浮遊粒子のうちの少なくとも95%を除去することが可能であることを意味する「N95」として評価されてもよい。同様に、「N100」フィルタ・エレメントが、0.3ミクロン以上の粒径を有する複数の粒子のうちの99.97%を捕集する(filter)ことが可能である。他のいくつかの例においては、フィルタ・エレメント304が、最小効率レポート値(「MERV」)(MERV、最低捕集効率)評価法を用いて評価されてもよい。例えば、MERV13というMERV定格を有するフィルタ・エレメント304は、3ミクロンから10ミクロンまでの範囲内の粒径を有する複数の粒子(例えば、カビ胞子、ダスティング・エイド(dusting aids、ほこり取り補助材)および、セメント・ダスト(cement dust))を捕集する(filter)ことに関して90%の捕集効率を有する。いくつかの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、50ミクロンより大きい粒径を有する複数の粒子を捕集して(filter)もよい。
【0115】
フィルタ・エレメント304は、有害エージェントを捕捉し(trap)、遮断し(block)またはその有害エージェントの通過を遅延させることが可能である任意の適切な構造体および/または材料を用いて製作されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、ある材料(a material)より成る複数本のフィラメントによって形成される縦糸(warp)および横糸(weft)を有する織物(woven fabric)を用いて製作されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、不織布を用いて形成されてもよい。例えば、フィルタ・エレメント304は、スパンボンド(spun bonded)材料またはメルトブロー(melt blown)材料より成る1または複数の層を有してもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304は、フォーム、例えば、オープン・セル・フォーム(open cell foam)またはクローズド・セル・フォーム(closed cell foam)を有してもよい。いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが、捕集表面積(filtering surface area)を増加させるために、ひだ状化され(pleated、プリーツ状化され)てもよい。適切な複数の構造体の組合せが使用されてもよい。複数の適切な材料についてのいくつかの例が、天然素材であって、綿、ウール、ジュート、フラックスまたは麻のようなものを有してもよい。合成材料、例えば、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester)、ナイロン(nylon)、レーヨン(rayon)またはそれらと同様なもののようなものであるプラスチックが使用されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、活性炭またはそれと同様なもののような吸着材料または吸収材料を有してもよい。これらの材料または他の複数の材料の組合せが使用されてもよい。
【0116】
いくつかの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、2またはそれより多い数の材料であってそれぞれ互いに異なるフィルタ定格を有するものを有してもよい。例えば、フィルタ・エレメント304は、大きな粒子については、ライト(light、光)前置フィルタ(light pre-filter)を有し、小さな粒子については、第2の主フィルタ(main filter)を有してもよい。フィルタ・エレメント304のすべてまたはそのうちの一部が、フィルタ・カートリッジ300から取り外し可能であってもよい。例えば、フィルタ・エレメント304がその寿命を終えると、そのフィルタ・エレメント304は、フィルタ・カートリッジ300から取り外されて、浄化されるかまたは他のフィルタ・エレメント304と交換されてもよい。同様に、前置フィルタが使用される場合、その前置フィルタは、フィルタ・カートリッジ300から取り外されて、浄化されるかまたは他の前置フィルタと交換されてもよい。フィルタ・エレメント304は、たとえ前記無害化用エージェントが故障し、枯渇しまたは他の方法で使用不能となったとしても、複数の有害エージェント粒子を捕捉することに効果的であるかもしれない。
【0117】
無害化用エミッタ306は、有害エージェントを無力化するように作用する(operative、作動する、機能する)無害化用エージェントを放出する(emits、エミットする)任意のエレメントであってもよい。いくつかの実施態様においては、無害化用エミッタ306が、フィルタ・エレメント304に直接的に(directly、中間介在物なしで)隣接してもよい。例えば、前記無害化用エミッタは、フィルタ・エレメント304と直接的に接触してもよい。直接的な接触は、前記無害化用エージェントがフィルタ・エレメント304内に均等にかつ全体的に(thorough)浸透すること(permeation)を可能にするかもしれない。一例においては、図7図9に示されるように、無害化用エミッタ(sanitizing emitter、無害化用放出部)306が、有害エージェントを無力化するように作用する複数のUV(UV、紫外線)LED(LEDs、発光ダイオード、UV光を発光するダイオード)より成るLEDアレイ(array、配列)である。他の適切なUVエミッタ(UV emitters)が使用されてもよく、それは、例えば、蛍光管(fluorescent tube、蛍光灯)である。例えば、図5図7図8A図8Bおよび図9に示されるように、前記LEDアレイは、無害化用エージェントをUV光という形態でフィルタ・エレメント304内に投射するために、フィルタ・エレメント304の外周に沿って配置される1または複数の列320という形態を有する。それら列320は、互いに平行であってもよい。それら列320は、1または複数の独立した(individual、個別的な)エミッティング・エレメント318を、列を成すかまたは他の配列態様で配列されるものとして有してもよい。フィルタ・エレメント304が円形断面を有する複数の実施態様においては、列(the rows、上述の、1または複数の列)320が、1または複数のリングであってもよく、それらは互いに平行であってもよい。例えば、複数のエミッティング・エレメント318、例えば、複数のLEDは、列320に沿って直列的に並ぶ状態で互いにすき間を隔てて並んでもよい。無害化用エミッタ306は、フィルタ・エレメント304の外周(exterior perimeter)、例えば、フィルタ・エレメント304の周縁(circumferential edge)を包囲する(surround、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ものであってもよい。複数のLEDより成る複数のリングが使用される場合、それらリングは、前記複数のLED(the LED、前記複数のリングに属する複数のLED)が互い違いの状態にある(staggered、複数のリングの間において複数のLEDが互いにずれるように配置される)ように配置されてもよい。このような互い違いの配置は、前記無害化用エージェントがフィルタ・エレメント304により一様に浸透することを可能にするかもしれない。いくつかの実施態様においては、複数のLEDが、異なる複数の波長を有する光を放出するように適応的に構成され(adapted)てもよい。例えば、一部のLEDが、ウイルスを無力化するのに効果的な光を放出するように適応的に構成される一方、他のLEDが、バクテリアなどを死滅させるのに適合する光を放出するように適応的に構成されてもよい。
【0118】
多くの実施態様においては、前記UV光が、220-280ナノメータの範囲内にある波長を有してもよい。いくつかの実施態様においては、前記UV光が、最長でも約400ナノメータである波長を有してもよい。好ましいいくつかの実施態様においては、前記UV光が、約264-約265ナノメータの範囲内にある波長を有してもよい。いくつかの有害エージェントがフィルタ・エレメント304内に進入してそこを通過する際、それら(they、前記いくつかの有害エージェント)が前記UV光に曝露される状態となってもよく、そして、それらが無力化されてもよく、このことは、それらが、最終的に、フィルタ・エレメント304内に捕捉される状態(become trapped、捕捉されてそこに滞留する状態)になるかフィルタ・エレメント304を通過するかを問わない。したがって、前記無害化用エージェント、例えば、UV光は、フィルタ・エレメント304が有害エージェントを温存させる(harboring)ことを防止するかもしれない。
【0119】
フィルタ・カートリッジ300は、前記無害化用エージェントがフィルタ・カートリッジ300から離脱してしまうことを防止することを支援する1または複数の封じ込めエレメントを有してもよい。例えば、図5図7図8A図8Bおよび図9に示されるように、フィルタ・カートリッジ300は、1または複数の封じ込めエレメント302と、封じ込めエレメント308とを有してもよい。前記無害化用エージェントが光である前記具体例においては、封じ込めエレメント302および封じ込めエレメント308が、前記光がフィルタ・カートリッジ300から漏れ出てしまうことを防止するために前記光を吸収しおよび/または反射する材料を用いて製作されてもよい。例えば、封じ込めエレメント302および/または封じ込めエレメント308は、UVを吸収するかまたは反射するポリマー,アルミニウム・シートまたは他の適切な材料により製作されてもよい。前記光がUV光である前記一例においては、前記エミッタから放出されるUV光が、ユーザの肌もしくは眼(eyes、両眼など)またはその近傍にいる他人の肌もしくは眼(eyes、両眼など)に影響を及ぼすことを軽減することを支援することが重要であるかもしれない。ある封じ込めエレメント308は、フィルタ・エレメント304のエッジ(edge、縁、端面など)からカートリッジ・ハウジング310に向かう向きにおいて、無害化用エミッタ306に対して相対的に横方向外側に配置され(disposed transversely outward、横軸方向外向きとなる位置に配置され、半径方向外側に配置され)てもよい。したがって、この封じ込めエレメント308は、無害化用エミッタ306の外周を包囲するとともに、前記無害化用エージェントを、フィルタ・エレメント304に対して相対的に横方向に(in a transverse direction、横軸方向に、半径方向に、横軸方向を向く姿勢で、横軸上で、など)封じ込めてもよい。ある封じ込めエレメント302(A containment element、一方の封じ込めエレメント)は、内側表面124から不浸透性膜102の外側表面122に向かう向きの縦方向に(in a longitudinal direction、一方の縦方向に、一方の長手方向に、一方の軸方向に)、無害化用エミッタ306に対して相対的に外向きとなる位置に配置され(disposed outwardly、外側に配置され)てもよい。別の封じ込めエレメント(Another containment element、他方の封じ込めエレメント)302は、外側表面122から不浸透性膜102の内側表面124に向かう向きの縦方向に(in a longitudinal direction、他方の縦方向に、他方の長手方向に、他方の軸方向に)、無害化用エミッタ306に対して相対的に内向きとなる位置に配置され(disposed inwardly、内側に配置され)てもよい。したがって、それら封じ込めエレメント302は、それぞれ、前記無害化用エージェントを、フィルタ・エレメント304に対して相対的に正逆両方向としての縦方向に(in longitudinal directions、正逆両縦方向に、正逆両縦軸方向に、正逆両長手方向に、など)封じ込めてもよい。
【0120】
他のいくつかの例においては、無害化用エージェントが、有害エージェントを無力化するように作用する流体であってもよく、それは、例えば、ディスインフェクタント流体(disinfectant liquid、有害エージョントの感染力を失わせるための流体、有害エージェントを破壊するための流体、など)である。無害化用エミッタ306は、前記無害化用エージェントをフィルタ・エレメント304に浸透するように放出する。例えば、エタノール(ethanol)または次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)の溶液が、エミッタ、例えば、ノズルまたは噴霧器(sprayer、スプレーガン)のようなものにより、フィルタ・エレメント304に適用され(applied、塗布され)てもよい。
【0121】
多くの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、シール(seal、密着部、封止部)を、カートリッジ・ハウジング310のいくつかの内壁、封じ込めエレメント308および/または無害化用エミッタ306の間に形成してもよい。例えば、フィルタ・エレメント304の外側寸法(outer dimension、外法、外径寸法)は、無害化用エミッタ306の内側寸法(inner dimension、内法、内径寸法)より大きい寸法であってもよい。よって、フィルタ・エレメント304は、カートリッジ・ハウジング310、封じ込めエレメント308および/または無害化用エミッタ306との間にしまりばめ(an interference fit)を有してもよい。いくつかの実施態様においては、シールが、フィルタ・エレメント304とカートリッジ・ハウジング310との間、フィルタ・エレメント304と封じ込めエレメント308との間、および/またはフィルタ・エレメント304と無害化用エミッタ306との間に配置されてもよい。例えば、前記無害化用エージェントが光である場合、透光材料が無害化用エミッタ306とフィルタ・エレメント304との間に配置されてもよい。例えば、UV光を透過する石英ガラス材料(fused quartz material)が、カートリッジ・ハウジング310とフィルタ・エレメント304との間、封じ込めエレメント308とフィルタ・エレメント304との間、および/または無害化用エミッタ306とフィルタ・エレメント304との間に配置されてもよい。
【0122】
無害化用エージェント・ソース200は、前記無害化用エージェントのためのソースを収容する。いくつかの実施態様においては、無害化用エージェント・ソース200が、電源、例えば1次電池または2次電池であって、光源の如き無害化用エミッタにパワー(power、電力)を供給するように適応的に構成されるものである。他のいくつかの実施態様においては、無害化用エージェント・ソース200が、無害化用エージェント、例えば無害化用流体を貯蔵するリザーバ(reservoir)、および、機構、例えば、ポンプ、ファン、コンプレッサまたはバルブの如く、前記無害化用流体を前記無害化用エミッタに分配するように適応的に構成されるものであってもよい。無害化用エージェント・ソース200は、前記エミッタ(the emitter、上述の無害化用エミッタ、上述の光源など)をサプライする(supply the emitter、前記エミッタに電力を供給する、前記エミッタに前記無害化用エージェントを供給する、など)ために、前記無害化用エミッタに作動的に(operatively、一定の相互作動を行う状態で、相互連携する状態で)連結されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200が電源である場合、無害化用エージェント・ソース200は、電気を運搬するために、前記無害化用エミッタにワイヤ(wire、電線、導線)によって作業的に(operatively、一定の相互作動を行う状態で、相互連携する状態で)接続されてもよい。他の例においては、前記無害化用エージェントが流体である場合、無害化用エージェント・ソース200は、前記無害化用エミッタに導管(conduit)、例えば、チューブ、パイプまたはホースによって接続されてもよい。
【0123】
無害化用エージェント・ソース200は、保護マスク100上の任意の適切な場所内に配置されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200は、図1に例示されているように、アタッチメント・エレメント(an attachment element、前述のアタッチメント部材104など)に関連付けられてもよい。他のいくつかの例においては、図8Bおよび図9に示される如く、無害化用エージェント・ソース200が、フィルタ・カートリッジ300のカートリッジ・ハウジング310内に配置されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200は、カートリッジ・ハウジング310内に配置された電源314であってもよい。その電源314は、1次(使い捨て(single use))電池であってもよいか、または2次(充電可能)電池、例えばリチウム電池であってもよい。その電源314は、パワー・コネクタ316を介して充電されてもよく、そのパワー・コネクタ316は、外部電源、例えば、外付けバッテリ、ACアダプタ、壁コンセントまたはそれらと同様なものからパワーを受けるように適応的に構成されている。無害化用エージェント・ソース200は、アクチュエータ、例えば、スイッチまたはバルブであって、前記無害化用エージェントの供給を制御するものによって作動させられてもよい。
【0124】
いくつかの実施態様においては、前記無害化用エージェントが、有害エージェントの無力化レベルを目標値に維持しつつ、低密度(less dense)型のフィルタ・エレメント304(すなわち、より低いフィルタ効率(lower filtration efficiency)を有するフィルタ・エレメント)を使用することが可能であってもよい。低効率型のフィルタ・エレメント304は、高効率型のフィルタ・エレメントより多孔性であるため、その効率が低いほど、保護マスク100を着用したままユーザが呼吸することが容易になる。低効率型のフィルタ・エレメント304は、また、高効率型のフィルタ・エレメント304より安価であるか、および/またはそれより長い使用可能寿命(serviceable life)を有するかもしれず、その高効率型のフィルタ・エレメント304であると、それが早期に目詰まりして自身を通過して呼吸することが不可能となることがあり得る。したがって、前記無害化用エミッタおよび無害化用エージェント(the sanitizing emitter and sanitizing agent、前記無害化用エミッタと前記無害化用エージェントとの組合せ)は、ユーザの快適性を増加させるか、ユーザが高効率型のフィルタ・エレメント304より高い呼吸数を伴う活動(例えば、激しい身体運動、ストレスがかかる状況またはそれらと同様なもの)に参加することが可能となるか、または、保護マスク100の使用可能寿命を延命させるかもしれない。
【0125】
組立状態にあるフィルタ・カートリッジ300においては、封じ込めエレメント308がカートリッジ・ハウジング310内に挿入されてもよい。無害化用エミッタ306は、封じ込めエレメント308の内側に挿入されてもよい。フィルタ・エレメント304は、カートリッジ・ハウジング310内に、無害化用エミッタ306の内側において、ぴったりと嵌り込んで(fitted into)もよい。フィルタ・エレメント304は、無害化用エミッタ306に押し付けられて(against、対抗して)すき間なく(snugly、ぴったりと)挿入されてもよい。この意味において、無害化用エミッタ306は、複数の個別のエミッティング・エレメント318を有する状態で、フィルタ・エレメント304に直接的に隣接してもよい。複数の封じ込めエレメント302は、フィルタ・エレメント304を覆うように組み立てられてもよい。
【0126】
図12は、フィルタ・カートリッジ500の一例を示している。そのフィルタ・カートリッジ500は、フィルタ・カートリッジ300に類似するものであってもよいが、異なる複数の封じ込め構造体(containment structures)を有するものであってもよい。フィルタ・カートリッジ500は、フィルタ・エレメント304と、無害化用エミッタ306と、エミッティング・エレメント318と、1または複数の封じ込めエレメント502と、封じ込めエレメント508と、アタッチメント機構312と、カートリッジ・ハウジング510であってフィルタ・カートリッジ500のうち自身以外の複数のコンポーネントを支持するものとを有する。それら構成要素は、本書類中に記載されたフィルタ・カートリッジ300のうち、対応するそれぞれの構成要素に類似してもよい。
【0127】
封じ込めエレメント(The containment element、それぞれの封じ込めエレメント、コンテインメント・エレメント)502は、1または複数の封じ込め構造体528を、ハウジング510の両端部(opposing ends、互いに対向する複数の端部)の位置に有する。それぞれの封じ込め構造体528は、前記無害化用エージェントをフィルタ・カートリッジ500内に封じ込める。例えば、前記それぞれの封じ込め構造体は、前記無害化用エージェントをフィルタ・カートリッジ500内に封じ込めるために、前記無害化用エージェントを反射しおよび/または吸収してもよい。封じ込めエレメント(The containment element、それぞれの封じ込めエレメント)502のうちの封じ込め構造体528は、蛇行状(tortuous)通路526を形成してもよく、その蛇行状通路526は、空気が封じ込めエレメント502を通り抜けることを許可するが、無害化用エミッタ506によって放出された無害化用エージェントが封じ込めエレメント502を通り抜けることを阻止する。いくつかの実施態様においては、封じ込め構造体(the containment structure、それぞれの封じ込め構造体、コンテインメント構造体)528が、バッフル(baffle、バッフル板、邪魔板、流れ阻止板、粒子を減速させてそれを分離する分離板など)528として形成されてもよい。いくつかの実施態様においては、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528が、その内部に開口部(aperture、貫通穴など)530を形成してもよい。いくつかの例においては、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528が、紫外光(UV光、UV light)を遮断し(block)、反射し、捕集し(filter)、および/または吸収する材料より成る薄肉シートであってもよい。例えば、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528は、金属、不透明なプラスチック(opaque plastic)、金属化フィルム(a metallized film、金属層)、染色プラスチック基板(a dyed plastic substrate)、それら材料の組合せまたはそれら材料と同様ないくつかの材料であってバッフル528を構造的に形成することが可能であるとともにUV光を封じ込めることが可能なものによって形成されてもよい。
【0128】
フィルタ・カートリッジ500は、その内部に形成されたチャンバ522(a chamber、一つのチャンバ、いくつかのチャンバなど)を有してもよく、そのチャンバ522は、フィルタ・エレメント304および/または1もしくは複数の無害化用エミッタ506を収容する(contain、封じ込める)ように構成される。ハウジング510および/または1もしくは複数の封じ込め構造体528は、チャンバ522をフィルタ・カートリッジ500内に形成してもよい。例えば、ハウジング510は、チャンバ522の周壁(circumferential wall、周方向に延びる1つの壁、周方向に延びるいくつかの壁など)を形成してもよく、また、複数の封じ込め構造体528は、チャンバ522の両端部(opposing ends)を形成してもよい。チャンバ522は、フィルタ・エレメント304および1または複数の無害化用エミッタ506を収容するか(house)または収納し(contain、封じ込め)てもよい。多くの具体例においては、無害化用エミッタ506がフィルタ・エレメント304に接触する状態にあってもよい。いくつかの具体例においては、無害化用エミッタ506が、チャンバ522内に、例えば、無害化用エミッタ506bのように、フィルタ・エレメント304から離れて配置されてもよい。
【0129】
いくつかの実施態様においては、空気が、第1の(first、最初の)開口部530a内に流入し、バッフル528の周りの蛇行状通路526に沿って流れて、フィルタ・カートリッジ500の内側に配置された開口部530b、例えば、チャンバ522に隣接する開口部530bから流出する。空気が、引き続き、チャンバ522内を流れて、フィルタ・エレメント304を貫通して、チャンバ522のうち、前記空気が流入した端部とは反対側の端部に至る。空気がチャンバ522を貫通するにつれて、前記空気は、前記無害化用エージェントによって無害化されることおよび/またはフィルタ・エレメント304により捕集され(filter)てもよい。空気が、引き続き、開口部530cを貫通し、バッフル528の周りを流れて、フィルタ・カートリッジ500の開口部503dから排出されてもよい。空気の流れは、ユーザが吸気および排気するにつれて向きが逆転してもよく、ここに、その空気は、自身が前記カートリッジを貫通して流れるにつれて、いずれの向きにおいても(in both directions、双方向に)無害化される。
【0130】
いくつかの実施態様においては、チャンバ522が、無害化用エミッタ506によって放出された前記無害化用エージェントを反射するように作用する反射性チャンバ522であってもよい。例えば、ハウジング510および/またはバッフル528は、反射性を有するか、または自身の上に配置された反射膜すなわち反射層524を有してもよい。例えば、前記無害化用エージェントがUV光であるいくつかの実施態様においては、反射層524が、前記UV光を反射性チャンバ522内において反射させてもよい。反射性チャンバ522内における前記無害化用エージェントの反射が、有害エージェント(harmful agents)の前記無害化用エージェントとの接触を増加させてもよい。例えば、光ビームが、反射性チャンバ522内において、何百回、何千回またはそれらより多い回数で反射を行ってもよく、ここに、各回の反射は、その度に、前記無害化用エージェントが有害エージェント(harmful agent)に接触してそれを無力化する(neutralize)確率を増加させる。反射性チャンバ522は、反射性チャンバを有しないフィルタ・カートリッジ相当品(comparable)より少数の無害化用エミッタ506またはより小形の無害化用エージェント・ソース200の使用を可能にしてもよい。上述のように、チャンバ522内における前記無害化用エージェントの反射は、有害エージェント(harmful agent)が前記無害化用エージェントによって無力化(neutralized)される可能性を増加させてもよい。よって、反射性チャンバ522を有しないフィルタ・カートリッジに対して相対的に、より少数の無害化用エミッタが使用され、それにより、効果のレベルを維持するためにエミッタ数を減少させてもよい。例えば、無害化用エミッタ506であって単一のエミッティング・エレメント318を有するものが使用されてもよい。エミッティング・エレメント318がUV-LEDであって、反射性チャンバ522を有するいくつかの実施態様においては、エミッタ・ソース200の電池寿命が反射性チャンバ522を有しないフィルタ・カートリッジに対して相対的に延長されてもよい。
【0131】
組み立てられたフィルタ・カートリッジ300または500は、不浸透性膜102に装着されてもよい。例えば、カートリッジ・ハウジング310に関連付けられるアタッチメント機構312と、それを補完するアタッチメント機構120であって不浸透性膜102に関連付けられるものとが、互いに連結されてもよい。シールが、有害エージェントがフィルタ・カートリッジ300をバイパスすることを防止するために、フィルタ・カートリッジ300と不浸透性膜102との間に形成されてもよい。無害化用エージェント・ソース200が、前記無害化用エージェントを供給する(supply)ために、フィルタ・カートリッジ300に、例えば、導管(conduit)としてのワイヤ(wire、電線、導線)によって接続されてもよい。前記ユーザは、無害化用エージェントのフィルタ・カートリッジ300への供給(supply)を開始するために、無害化用エージェント・ソース200を起動させてもよい。ソース200は、アクチュエータ、例えば、スイッチ、バルブまたはそれらと同様なものによって起動させられてもよい。
【0132】
前記ユーザは、自身の(her)顔を覆うように不浸透性膜102を配置することによって保護マスク100を着用してもよい。例えば、前記ユーザは、前記鼻口カバー部(nose and mouth cover portion)114を自身の(her)前記鼻および口に対して位置合わせし、また、眼カバー部112が存在する場合には、その眼カバー部112を自身の(her)両眼に対して位置決めしてもよい。前記ユーザは、自身の(her)頭部および/または首の周囲に沿ってアタッチメント部材104を配置し、そのアタッチメント部材104を引き締めて(tighten、緊縮させて)、シールをシーリング・エレメント118と自身の(her)顔部との間に形成してもよい。
【0133】
前記ユーザが吸気するにつれて、空気がフィルタ・カートリッジ300,500内に引き込まれる。前記ユーザと不浸透性膜102との間の前記シールであって、前記118(the 118、前述のシーリング・エレメント118)によって形成されるものは、空気がフィルタ・カートリッジ300をバイパスすること(bypassing)を防止してもよい。したがって、前記ユーザが吸気または排気するすべての空気は、フィルタ・カートリッジ300を通過する。前記空気内の有害エージェントは、フィルタ・エレメント304によって捕捉される状態(become trapped、捕捉されてそこに滞留する状態)となってもよく、さらに、前記無害化用エージェントによって無力化(deactivated)されてもよい。したがって、たとえ前記有害エージェントが前記ユーザに接触したとしても、そのユーザは、被害を受けないかもしれない。さらに、前記無害化エージェントは、フィルタ・カートリッジ300を衛生的なものにする(clean、無害化する、無菌化する)ことを続けるとともに有害エージェントが蓄積されること(buildup)を防止してもよい。
【0134】
例えば、保護マスク100を着用しているユーザが、サーズコロナウイルス2の浮遊(airborne、空気によって運搬される)飛沫(droplets、液滴)が存在する環境にいる場合には、フィルタ・エレメント304内に引き込まれた飛沫がフィルタ・エレメント304によって捕捉される状態または封じ込められる(blocked、閉じ込められる)状態に至るかもしれない。無害化用エミッタ306によって放出されたUV光が、前記リボ核酸(the RNA、前記飛沫内の前記ウイルス粒子のRNA)を破壊する(damaging)ことにより前記飛沫内の前記ウイルス粒子を無力化(deactivate)してもよい。前記UV光が前記ウイルス粒子を無力化(deactivate)するため、ひょっとするとフィルタ・エレメント304を通過してしまうかもしれない飛沫が無害(non-damaging)なものになるかもしれない。前記ユーザが吸排気すると、その息は、ウイルス粒子に関して無害化され、それにより、本人および他人を保護してもよい。
【0135】
前記ユーザは、ある時間が経過したか、ある量の空気が呼吸されたか、ある回数の呼吸が行われた後、または、フィルタ・エレメント304が目詰まり(clogged)状態となった場合に、フィルタ・カートリッジ300を交換してもよい。無害化用エージェント・ソース200が欠乏状態になると、前記ユーザは、無害化用エージェント・ソース200を補充してもよい。例えば、前記ユーザは、電池を交換するかもしくは充電するか、または無害化用エージェントのリザーバもしくは容器(container)を補充し、それにより、前記保護が保護マスク100によって与えられる状態を維持してもよい。
【0136】
図13Aおよび図13Bは、マスク600の他の一例を示している。そのマスク600は、マスク100および他のいくつかのマスクの例であって本書類に記載されているものに実質的に類似するものであってもよい。しかしながら、マスク600は、それの顔シールド(the face shield、当該マスク600のうち、顔を遮蔽しまたは防護する部分など)すなわちレンズ(lens)を包囲するフレームを有してもよく、ここに、前記シールが、前記フレームに連結されるとともに前記フレームの周囲に沿って延びてもよく、かつ、前記フィルタ・カートリッジは、同様にして、前記フレームに連結されてもよい。それら例においては、マスク600が、より大きな透光エリアであって、当該マスクの着用者およびその着用者(例えば、患者)と関わり合う他人に対する会話および視認を容易にすることが可能であるものを有してもよい。さらに、図17A図17Gおよび図18A図18Gに示されるように、マスク600は、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)および/または透明(transparent、透光性を有するもの、科学的に見て透明であるもの)の材料であって、当該マスクを、ユーザ上に着用されている状態で、可能な限り「見えない(invisible)」すなわち人目を引かない(unnoticeable)ものにするものによって形成されてもよい。図17A図17Gは、マスク600のうち、前述のクリアまたは透明であるといういくつかの特徴(aspects、側面、特性)を示す複数枚の写真であって、それら特徴は、マスク700についての図18A-18Gに線図として示されている。例えば、種々の材料、例えば、パッド(padding)、シール、フレームまたはそれらと同様なものが、クリアまたは透明の材料によって形成されてもよい。
【0137】
マスク600および/またはマスク700は、不浸透性膜102に実質的に類似する不浸透性膜612を有してもよい。いくつかの例においては、不浸透性膜612が、完全に透明であるかまたは少なくとも部分的に透明であるとともに、前記ユーザの顔の特徴および表情が他人に視認可能であることを可能にするためにレンズまたは他のビューアブル・エレメント(other viewable element、視認を可能にする構成要素、など)として機能するものであってもよい。不浸透性膜612は、前記ユーザの顔から離れる向きに延びるように構成されてもよく、それにより、前記ユーザの快適性が増加し、同様に、前記ユーザの息から生じる曇り(fog)が軽減することが支援されてもよい。一例においては、不浸透性膜612が、トップ・エッジ(top edge、頂縁、頂面など)614から第1の角度で下向きに延びる第1部分すなわちトップ部(top portion、頂部)616を有するかもしれない。その第1部分616は、屈曲点(inflection point、屈曲線)610において遷移して(transition、変曲して、角度変化して)第2部分618に至ってもよく、その第2部分618は、引き続き、前記第1角度とは異なる第2角度でボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)に向かう。この方法で、屈曲点610が、リッジ(ridge、隆起部、畝、1本のリッジなど)、または2つの部分616,618間にある他の境界線を形成してもよい。注目すべきことは、屈曲点610の位置が、不浸透性膜612の表面を横切る向きに(across the surface、垂直方向に、など)変化し、それにより、第1および第2部分616,618のそれぞれの面積が、不浸透性膜612の幅寸法を横切る向きに(across the width、水平方向に、など)変化してもよいということである。いくつかの具体例においては、当該マスクが、前記ユーザの顔と不浸透性膜612の内側表面との間の容積(volume)すなわち空間(spacing、すき間)を前記鼻の位置に対応する位置において増加するものとして形成するように、屈曲点610の中心が、前記着用者の鼻に隣接するかまたはその鼻に対して位置合わせされるように配置されてもよい。言い換えると、不浸透性膜612は、ユーザの鼻が不浸透性膜612に衝突することも接触することもないように前記鼻を収容するように外向きに延びるように構成されてもよい。
【0138】
図13B図17Bおよび図18Bを参照すると、マスク600および/またはマスク700は、不浸透性膜612に連結するフレーム602を有してもよい。そのフレーム602は、マスク600および/またはマスク700のための構造的支持部を形成してもよく、また、不浸透性膜612の周囲の周りに沿って延びてもよい。このフレーム602は、1または複数の固定化用サポート(securing supports、取付用支持部)606a,606b,606c,606dを有してもよく、それらは、ストラップ用サポートまたはストラップ用コネクタであってもよい。一例においては、固定化用サポート606a,606b,606c,606dが、複数のタブ(tabs、耳部、突き出し部、垂れ部、相手部材との連結を行う部材など)として形成されてもよく、それらタブは、フレーム602から外向きおよび後向きに延びるとともに、いくつかのストラップ開口部605であって、各々、1本のストラップの一部を各開口部605を貫通する状態で収容するものを有する。いくつかの具体例においては、マスク600および/またはマスク700が、2本のストラップによって支持されるように構成されてもよく、それらストラップは、ユーザの頭部の一部の周りに沿って延び、かつ、その場合には、2セットの固定化用サポートが、マスク600および/またはマスク700のそれぞれの各サイド(each side、右側および左側、など)ごとに、かつ、前記トップ固定化用ストラップおよびボトム固定化用ストラップについて存在してもよい。上述の、デュアル・ストラップ(The dual straps、上述のように、固定化用ストラップを二重化すること、など)および前記いくつかの固定化用サポートを位置決めすることにより、前記複数本のストラップに作用する力をマスク600および/またはマスク700のうちの複数の位置の全体に分散することが促進され、それにより、当該マスクを着用する際の快適性が向上する。
【0139】
フレーム602は、硬質材料、例えばプラスチックのようなものによって形成されてもよく、さらに、マスク600および/または700のためのシールをユーザの顔の上に形成するように構成される。いくつかの例においては、フレーム602が、さらに、いくつかの部品、例えば、前記フィルタ・カートリッジのようなものを収容するものであってもよい。それらの例においては、フレーム602が、前記フィルタ・カートリッジ、バッテリ、または、マスク600および/または700のうちの他のコンポーネントを収容する1または複数のポケットを形成してもよい。一具体例においては、カートリッジ・ポケット642が、フレーム602のボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)640の上に形成されてもよく、それにより、不浸透性膜612の下方に前記カートリッジが配置され、それにより、そのカートリッジがフレーム602上に配置されるときに、前記ユーザの口、鼻および眼が前記カートリッジによって邪魔されない。それらに関連して、フレーム602は、前記カートリッジをフレーム602に固定するように作用(act)してもよい1または複数の固定化用特徴部を有してもよい。いくつかの具体例においては、前記フレームが、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)または実質的にクリアな材料によって形成されてもよい。
【0140】
シール608が、フレーム602の内側周部に沿って(around the interior)延びるとともに、ユーザの顔の上に配置されるように構成される。このシール608は、空気および有害エージェントが前記ユーザの肌とシール608のうちの底部表面または外側表面との間に侵入することを防止することを目的として、前記ユーザの顔に倣うために軟質材料であってもよい。一例においては、このシール608が、マスク600および/または700の周囲に沿って延びてもよく、また、このシール608は、ユーザのいくつかの顔特徴部に合致する(corresponds with、形状的に合致する)曲部(curvature、湾曲部、曲率部など)を有してもよく、例えば、前記着用者の顔の形状に概して追従して変化して(track)もよい。このシール608は、不浸透性または実質的に不浸透性を有する材料、例えば、ラバー、シリコーンまたはそれらと同様なものによって形成されてもよい。このシール608は、底部延長部(bottom extension、ボトム・エクステンション)644すなわち顎部を有してもよい。その底部延長部644は、不浸透性膜612の内側表面に向かって内向きに延びるとともに、シール608のための、拡大された表面積を有する。底部延長部644は、前記ユーザが、例えば、話をしている間、自身の口を動かすかもしれないときに、シールを維持することを支援するために、ユーザの顎部およびその周辺領域に対してシールするように構成される。この底部延長部644は、顎ストラップまたは顎シールとして作用してもよい。前記シールは、パッドとして形成されるとともに、前記ユーザにとって柔らかい感覚を有するものであってもよい。いくつかの具体例においては、前記シールが、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)であるかまたは透明である(transparent、透光性を有し、など)材料、例えば、クリアなシリコーン、ラバーまたはソフト・プラスチックによって形成されてもよい。例えば、前記シールが前述のようにクリアまたは透明であるといういくつかの特徴を示す図17A図17Gおよび図18A図18Gを参照されたい。
【0141】
図16は、フィルタ・カートリッジ604の分解図を示している。このフィルタ・カートリッジ604は、自身内に配置されるフィルタ620を交換するためにユーザによりアクセスされるように、可動部品として(movable)構成されてもよい。例えば、フィルタ・カートリッジ604は、フレーム602に対して相対的に角変位可能であり(pivotable)、取り外し可能であり(removable)、または回転可能(rotatable)であってもよい。一例においては、フィルタ・カートリッジ604が、前記フィルタを収容するためのポケット630またはキャビティ(cavity、空洞部)を形成してもよい。一例として、フィルタ・カートリッジ604は、カートリッジ本体部628を形成してもよく、そのカートリッジ本体部628は、フレーム602に、それとの連結位置において合致する(matching、形状的に合致する)曲部(a curvature)を、カートリッジ604がフレーム602内に静置され(seat、沈座され、着座され)るように有してもよい。カートリッジ本体部628は、自身の長さに沿って延びる曲部(a curvature、1つの曲部、いくつかの曲部など)を有する長円(an oval)という形状を有してもよく、例えば、カートリッジ本体部628のうちの中間部(middle portion)が、カートリッジ本体部628の2つの端部より低い平面内に配置されてもよい。前記曲部(the curvature)は、さらに、前記ユーザの顔の形状に対応するように選択されてもよく、例えば、カートリッジ本体部628が前記ユーザの顔の上に配置されたとき、カートリッジ本体部628のうち最も低い部分が、前記ユーザの顎に対して位置合わせされてもよい。
【0142】
リップ(lip、唇状部品)622が、カートリッジ本体部628のうちの上面(top surface)から上向きに延びるとともにカートリッジ本体部628の周囲に沿って延びてもよい。一具体例においては、棚632すなわち張出部(ledge、レッジ)がカートリッジ本体部628の外縁(outer edge)とリップ622の外縁表面(outer edge surface、外周面、外側側面など)との間に形成されるように、リップ622が、カートリッジ本体部628の外縁(outer edge)から嵌め込まれる。
【0143】
いくつかのカップリング(coupling、相手部材との連結を行う)特徴部624a,624bが、カートリッジ本体部628に連結されてもよい。それらカップリング特徴部624a,624bは、カートリッジ604がフレーム602から変位可能または取り外し可能(detachable)であることを可能にする。一例においては、カップリング特徴部624a,624bが、いくつかの機械部品であって、フレーム602内における複数の特徴部のうち対応するものと連結するものとして形成されてもよい。一例として、第1カップリング特徴部624aが、曲がるとともに元の形状に弾性回復するかもしれない軟質性の(flexible、フレキシブルな、柔軟性を有する)タブ(tab、1つのタブ、いくつかのタブ、耳部、突き出し部、垂れ部、相手部材との連結を行う部材など)として形成されてもよい。別の例として、第2カップリング特徴部624bが、カートリッジ本体部628から離れる向きに外向きに延びる2つの尖端部(prongs、棒状部、雄側部、など)として形成されてもよい。しかしながら、他のカップリング特徴部624a,624b、例えば、ヒンジ(hinges)、ファスナ(fasteners)またはそれらと同様なものが同様に使用されてもよい。
【0144】
ガスケット626が、カートリッジ本体部628をフレーム602にシールする(sealing、封止する、密着する)ことを支援するために、カートリッジ本体部628の上に配置されてもよい。ガスケット626すなわちシールは、2つの部品間の接続部を充填する(fill、すき間を埋める)ために圧縮および拡張を行う圧縮性材料によって形成されるかもしれない。一例においては、ガスケット626が、棚632上に配置されるとともに、リップ622の外面壁(exterior surface wall、側壁面、前述の外縁表面、など)に押し付けられる状態で配置される。
【0145】
フィルタ620が、カートリッジ本体部628に連結される。例えば、フィルタ620は、ポケット630内に配置されるとともに、リップ622の内側表面に押し付けられる状態で拡張されてもよい。 フィルタ620は、カートリッジ604を貫通するいずれの空気の流れもフィルタ620を貫通せざるを得ないように、ポケット630全体を充填する(fill、すき間を埋める)ように構成される。フィルタ620は、定位置に(in position、規定された位置に、目標位置に)、摩擦ばめ(friction fit、締りばめ)(例えば、フィルタ620が前記ポケットよりわずかに大きいとともに定位置での(in position)保持のために圧縮されてもよい)、接着剤またはファスナまたはそれらと同様なものによって保持されてもよい。いくつかの例においては、フィルタ620が、カートリッジ604から取り外し可能であり、それにより、ユーザが、フィルタ620を取り外し、必要または要望に応じて交換することを可能にするものであってもよい。他のいくつかの例においては、カートリッジ604の全体が、取り外され、必要に応じて交換されるように構成されてもよい。フィルタ620は、全体として、フィルタ用材料、例えば、ファブリック(fabric、織物、編み物、布、生地など)、合成プラスチック・ファイバ、グラスファイバ(fiberglass)(織られているかまたは織られていないか)であり、その材料は、特定のサイズを有する分子の通過を許可するように、例えば、流動して通過することが可能である分子のサイズを制限するように構成される。いくつかの例においては、フィルタ620が、合成ポリマー・ファイバ製の微細メッシュ(fine mesh)、例えば、不織ポリプロピレン(polypropylene)製のファイバであってもよく、そのメッシュは、浮遊粒子のうちの95%を捕集する。フィルタ620は、さらに、最小効率レポート値(「MERV」)(MERV、最低捕集効率)定格として13から16までの範囲内の値、望ましくは、16という値を有し、それにより、0.3マイクロメータより大径の粒子を捕捉してもよく、ここに、捕捉される粒子は、バクテリア、飛沫およびそれらと同様なものを含む。フィルタ620は、さらに、カートリッジ604ないの表面積を増加させるために、ひだ状化される(pleated、プリーツ状化される)かまたは他の方法で折り畳まれるものであってもよい。
【0146】
マスク600および/またはマスク700を組み立てるために、不浸透性膜612は、フレーム602に連結されてもよい。例えば、不浸透性膜612は、モールド成形、接着剤、超音波溶接またはそれらと同様なものにより固定化される(secured、相手部材に動かないように取り付けられる)ものであってもよい。シール608は、フレーム602に同様な方法で固定化されてもよく、また、シール608は、マスク600および/またはマスク700のうちの底部係合表面(bottom engagement surface、当該マスクの底部のうち、ユーザの顔に係合する部分の表面など)を形成するように配置されるとともに、フレーム602の外縁から内向きに嵌め込まれるものであってもよい。ストラップ648a,648bが、フレーム602に、固定化用サポート606a,606b,606c,606dを介して連結されてもよい。例えば、第1ストラップすなわちトップ・ストラップが、固定化用サポート606a,606n内を貫通させられてもよく、また、第2ストラップすなわちボトム・ストラップが、固定化用サポート606c,606d内を貫通させられてもよい。
【0147】
フィルタ・カートリッジ604は、カートリッジ・ポケット642内に収容されて定位置に固定化されてもよい。例えば、カップリング用部品624a,624bが、フレーム602上にある複数の特徴部のうち対応するものの内部に収容されてもよく、それら対応特徴部は、カートリッジ・ポケット642を形成するいくつかの壁部に隣接するかまたはその壁部内に形成される。カップリング用部品624a,624bは、カートリッジ604の第1端部がフレーム602に装着された状態に維持され、また、それの第2端部が、カートリッジ604がフレーム602に対して相対的に角変位することが可能であるように離脱し、それにより、ユーザがフィルタ620にアクセスしてそれを交換するために前記カートリッジを開口させるかまたは角変位させることができるように、構成されてもよい。フレーム602上の定位置に固定化されると、ガスケット626は、定位置において圧縮し、その後、拡張してフレーム602のいくつかの壁部に係合する。この方法で、ガスケット626すなわちシールは、フレーム602を通過する有害エージェントおよび/または空気の流れを阻止し、また、すべての空気流がフィルタ620を通過する。
【0148】
図14A図14Cを参照するに、マスク600および/または700を使用するために、前記ユーザは、自身の顔部にマスク600を位置決めしてもよく、ここに、マスク600のトップ・エンドは自身の額部に隣接するように配置され、また、マスク600のボトム・エンドは、自身の顎部に隣接して配置される。ストラップ648a,648bは、それぞれ、前記ユーザの頭部のうち耳部より上側の部分、および頭部のうち耳部より下側の部分を周方向に延びるように配置されてもよい。その後、シール608は、前記ユーザの顔部に係合し、そのとき、シール608は、前記ユーザの皮膚に対してシールし(seal against)、前記ユーザの顔部の形状に倣う。空気が、カートリッジ604を経由して、前記ユーザの顔部と不浸透性膜612との間に形成された空間に対して流入・流出することが可能である。カートリッジ604は、粒子、飛沫およびそれらと同様なものであって予め定められた粒径を有するものがフィルタ620に対して流入も流出もしないように、前記空気流をフィルタリングする(filter、濾過する)ように作用する。この方法で、前記ユーザは、有害エージェントを有する空気流から保護されるとともに、他人が、前記着用者によって吐き出されたいかなる有害エージェントからも保護される。フレーム602およびシール608(the frame 602 and seal 608、フレーム602とシール608との組合せ)は、前記ユーザの眼部、口部および鼻部(the user's eyes, mouth, and nose、前記ユーザの眼部、口部および鼻部の集まり、それらを内包する1つの領域、など)の周囲に沿って延びてもよいため、前記ユーザの顔の表情が、不浸透性膜612が透光性を有する場合には、他人によってより容易に視認可能である。このことは、感情が他人により容易に伝達されることを可能にし、加えて、他人との対話を支援する。
【0149】
図19A図19Fは、マスク800の別の例を示している。そのマスク800は、マスク100,マスク600および他のマスクの例であって本書類中に記載されているものに実質的に類似してもよい。マスク600と同様に、マスク800は、それの顔シールドすなわちレンズを包囲するフレームを有してもよい。それのシールは、前記フレームに連結されるとともに、それの周囲に沿って延びるものであってもよい。前記フィルタ・カートリッジは、同様に、前記フレームに連結されてもよい。マスク800は、前記ユーザの顔部が、前記ユーザが対話する他人(例えば、患者)に視認されることを可能にするために十分に大きい透光性エリアを有してもよい。その透光性エリアは、前記ユーザの周辺視野を阻害しないように十分に大きいものであってもよい。
【0150】
マスク800は、不浸透性膜102および612に実質的に類似する不浸透性膜を有してもよい。いくつかの例においては、その不浸透性膜812が、完全に透光性を有するかまたは少なくとも部分的に透光性を有するものであってもよい。いくつかの例においては、不浸透性膜812が、前記ユーザの顔の特徴および表情が他人に視認されることを可能にするために、レンズまたは他のビューアブル・エレメント(other viewable element、視認を可能にする構成要素、など)として機能するものであってもよい。不浸透性膜812は、前記ユーザの顔部から離れる向きに延びるように構成されてもよい。このような構成は、ユーザの快適性を向上させてもよく、また、前記ユーザの息、呼吸またはこれらと同様なものなどを原因とする不浸透性膜812の曇りの軽減を支援してもよい。いくつかの具体例においては、レンズ812が、追加のポケットまたはすき間をユーザの口部および鼻部に隣接するように形成し、それにより、より快適な装着性および曇りの軽減を支援するように構成されてもよい。
【0151】
いくつかの例においては、不浸透性膜812が、前記ユーザの顔部の周囲に沿って曲がるかまたはその顔部に対応する第1部分816すなわちトップ部を有する。その第1部分816は、マスク800の使用中、前記ユーザの額部から顎部までの領域にほぼ等しい領域を延びるものであってもよい。このように大形である第1部分816は、屈曲線すなわち屈曲点を前記ユーザの視線から離れるように配置するために有利であるかもしれない。その第1部分816は、前記ユーザの顔部が不浸透性膜812に接触しないように前記ユーザの顔部から離れる向きに延びるものであってもよい。この第1部分816は、屈曲線810の位置において1または複数の第2部分817まで遷移してもよい。複数の第2部分817は、それぞれ、前記第1部分の左側および右側に配置されてもよい。それら第2部分817は、平面状であってもよいし曲面状であってもよい。それら第1および第2部分は、1または複数の第3部分819まで遷移してもよい。その第3部分819は、左側および右側の第2部分の間において、前記ユーザの顎部を横切るように延びるものであってもよい。その第3部分819は、平面状であってもよいし曲面状であってもよい。不浸透性膜812は、マスク800のフレーム801の一部の内部に収容されるように構成されたリム(rim、外縁など)815を有してもよい。
【0152】
マスク800についてのいくつかの具体例においては、不浸透性膜812がフレーム801の内部に収容される。そのフレーム801は、第1フレーム部802および第2フレーム部803を有してもよい。それらフレーム部80および803は、不浸透性膜812のための安定したプラットフォームを提供することと、マスク800をユーザの顔部に固定化することとを目的として、相互に連結し(interlock、インターロックし、結合し、連携し)および/またはマスク800のうちの他のいくつかの部品と連結する(interlock)ものであってもよい。例えば、第1フレーム部802および第2フレーム部803は、ジョイント805において相互に連結されてもよい(例えば、図19Bを参照)。いくつかの具体例においては、2つのジョイント805が、それぞれ、マスク800の左側および右側に配置される。いくつかの具体例においては、第1フレーム部802が上側フレーム部であり、また、第2フレーム部803が下側フレーム部である。相互に連結されたフレーム部802および803であってフレーム801を形成するものは、ユーザの顔部の周囲に沿って延びるものであってもよい。そのフレーム801は、フレーム603と同様な材料、例えば、プラスチックの如き硬質材料によって形成されてもよい。硬質材料を使用することは、マスク800を前記ユーザの顔部に、例えばシール808を用いてシールすることを支援するかもしれない。
【0153】
上側フレーム部(the upper frame portion、前述の第1フレーム部)802および/または下側フレーム部803(the lower frame portion、前述の第2フレーム部)のうちのいずれかまたは双方は、1または複数の固定化用サポート806、例えば、固定化用サポート806a,806b,806cおよび/または806dを有してもよい。それら固定化用サポート806は、本書類中に記載されている固定化用サポート606(例えば、固定化用サポート606a,606b,606c,606d)に実質的に類似したものであってもよく、これについてのさらなる説明は簡略化のために省略する。
【0154】
フレーム801は、マスク800のうちの他の部品、例えば、シール808,フィルタ・カートリッジ804,バッテリ200の如き無害化用エージョント・ソース,ブレース(brace、締め金、支え、突っ張りなど)823,無害化用エージョント・ソース・カバー821,カートリッジ収容体820および/または1もしくは複数のストラップ(例えば、固定化用サポート806の内部に収容される)を収容してもよい。
【0155】
例えば、上側フレーム部802は、それの上部の内部にブレース823を収容してもよい。そのブレース823は、無害化用エージェント室(compartment、区画、仕切り、コンパートメント、無害化用エージェントを収容する室、など)、例えば、1もしくは複数のバッテリ200または他の電源を収容する室の一部を形成してもよい。ブレース823および/または上側フレーム部802の一部は、例えば、1または複数の無害化用エージョント・ソース、例えば、マスク800内にある1または複数のバッテリ200を包囲することなどを目的として、無害化用エージョント・ソース・カバー821を収容するかまたはそれに選択的に連結されるものであってもよい。
【0156】
シール808は、フレーム800の内部に収容されてもよい。このシール808は、多くの点でシール608に実質的に類似するものであってもよく、このシール808は、簡略化のために繰り返されない。例えば、そのシール808は、フレキシブルであるかまたは変形可能な材料によって形成されてもよく、それは、空気および有害エージェントが前記ユーザの皮膚とシール808の底面または外面との間に侵入することを阻止または軽減することを目的として、前記ユーザの顔部に倣うとともにその顔部に対してシールするためである。そのシール808は、底部延長部644に類似する顎部すなわち底部延長部809を、前記ユーザの顎部に対し、場合によってはさらに前記ユーザの首部の一部に対してもシールするものとして、かつ、空気および/または有害エージェントが前記ユーザの顔部とマスク800との間の部分に侵入することに対する効果的なシールを提供することを目的として、有してもよい。
【0157】
カートリッジ収容体820は、フレーム801の一部に連結されるか、またはその内部に収容されてもよい。例えば、このカートリッジ収容体820は、下側フレーム部803に連結されてもよい。このカートリッジ収容体820は、硬質材料、例えば、プラスチックまたは金属によって形成されてもよく、また、フィルタ・カートリッジ804を収容するように構成される。このカートリッジ収容体820は、自身と前記カートリッジとの間の界面が、曲がり、捩じりまたは他のたわみ、およびフィルタ・カートリッジ804の周囲に沿って延びて前記ユーザの顔部に至る通路を形成するかもしれないいくつかのギャップの形成に耐える(resintant to、対抗する)ように、前記フィルタ・カートリッジのための頑丈な基礎を提供してもよい。このカートリッジ収容体820は、前記ユーザが前記無害化用エージェントに曝露することを防止することなどを目的として、前記無害化用エージェントを封じ込める封じ込めエレメントとして作用してもよい。例えば、このカートリッジ収容体820は、前記無害化用エミッタによって放出されたUV光を前記ユーザの顔部から遮蔽してもよい。このカートリッジ収容体は、無害化された空気が前記フィルタ・カートリッジから前記ユーザの口部に流れることを可能にする1または複数の開口部を有してもよい。
【0158】
フィルタ・カートリッジ804は、本書類中に記載されている他のフィルタ・カートリッジに類似するとともに、有害エージェントを捕捉しおよび/または無害化する(neutralize、無力化する)ことなどを目的として、無害化用エミッタとフィルタ・エレメントとを有してもよい。このフィルタ・カートリッジ804は、回路基板827を用いて形成されてもよい。その回路基板827は、剛体基板(例えば、FR4基板の如き繊維強化基板)またはフレキシブル回路基板であってもよい。無害化用エミッタ826は、本書類中に記載されている他のエミッティング・エレメントと同様に、有害エージェントを無害化することを目的として、無害化用エージェントを放出するように作用するかもしれない1または複数のエミッティング・エレメントを有する。多くの具体例においては、いくつかのエミッティング・エレメント828が、いくつかのLEDであり、具体的には、UVスペクトル帯域で光を放出するいくつかのLEDである。それら1または複数のエミッティング・エレメント828は、回路基板827によって配電されるいくつかのバッテイリ200から電力を受給するように、回路基板827に電気的に接続されてもよい。それら1または複数のエミッティング・エレメント828は、前記いくつかの無害化用エミッタが無害化用エージェントをフィルタ・エレメント83に浸透させるように配置されてもよいように、前記いくつかの無害化用エミッタを支持するとともにフィルタ・エレメント836に対して相対的に位置決めするように、回路基板827に物理的に連結されてもよい。いくつかのバッテリ200は、電力を、無害化用エミッタ826に、および、いくつかのエミッティング・エレメント828に、1または複数本のワイヤ(wires、電線、導線)(図示しない)を介して供給してもよく、それらワイヤは、前記バッテリ室(the battery compartment、バッテリを収容する室)内に収容されたいくつかのバッテリ200から、フレーム801の一部を通過して、前記無害化用エミッタに直接的に、またはコントローラ844を介して延びている。
【0159】
無害化用エミッタ826は、第1ガスケット830を覆うように配置されるか、または、その内部に収容されてもよい。その第1ガスケット830は、第1ガスケット本体部834を有してもよい。その第1ガスケット本体部834は、薄肉のエレメントであってもよく、そのエレメントは、無害化用エミッタ826を収容する凹部(recess、リセス)を有する。その第1ガスケット本体部834は、それの内部に形成された1または複数の開口部832を、空気が第1ガスケット本体部834を通過してマスク800に対する流入・流出を行うことを可能にするために有してもよい。第1ガスケット本体部834のうち、複数の開口部832間のいくつかの中間部が、無害化用エミッタ826を支持するように作用する1または複数のリブ833を有してもよい。前記無害化用エミッタは、前記有害エージェントを無力化するように作用する無害化用エージェントをフィルタ・エレメント836に浸透させるように配置されてもよい。
【0160】
フィルタ・エレメント836は、本書類中に記載されている他のいくつかのフィルタ・エレメントに類似するものであってもよい。例えば、このフィルタ・エレメント836は、有害エレメント(a damaging element、前述の有害エージェントなど)を捕捉し、それにより、それが前記ユーザに到達することを阻止することに適したものであってもよい。このフィルタ・エレメント836は、平面状であるか、曲面状であるか、またはU字もしくはL字状であってもよい。このフィルタ・エレメント836は、織られているかまたは織られていない材料を用いて形成されてもよい。このフィルタ・エレメント836は、汚れるか、目詰まりするか、または、自身の使用可能寿命の満了時であるときなどに、交換可能である。このフィルタ・エレメント836は、第2の838(a second 838、第2ガスケット838)の一部の内部に収容されるか、または、それを覆うように配置されてもよい。その第2ガスケット838は、第2ガスケット本体部842を有してもよい。この第2ガスケット本体部842は、薄肉のエレメントであってもよく、そのエレメントは、フィルタ・エレメント836を収容する凹部(recess、リセス)を有する。その第2ガスケット本体部838は、それの内部に形成された1または複数の開口部840を、空気が第2ガスケット本体部838を通過してマスク800に対する流入・流出を行うことを可能にするために有してもよい。その開口部840は、単一の開口部であってもよいし、複数の開口部であってもよく、開口部832と同様に、リブ833に類似するいくつかのリブを有する。
【0161】
第1ガスケット本体部834および/または第2ガスケット本体部838は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよいし、L字状であってもよいし(図19Eに例示されている)、U字状であってもよいし、または、他の形状であってもよい。曲面状、L字状、U字状または同様な形状であることの利点は、呼吸し易さの改善および/またはフィルタ寿命の延長を可能にすることなどを目的として、前記エレメント(the element、フィルタ・エレメント836など)の一部を前記ユーザの顔部に向かって折り返してその顔部に巻き付ける(wrap)ことにより、フィルタ・エレメント836および/または無害化用エミッタ826のための表面積を拡大する能力である。第1ガスケット834および第2ガスケット838は、空気または有害エージェントが無害化用エミッタ826および/またはフィルタ・エレメント836を迂回してバイパスすることを軽減または阻止するように、ハウジング822および/またはカートリッジ収納体820に対してシールしてもよい。
【0162】
フィルタ・カートリッジ804およびカートリッジ収容体820は、ユーザが前記フィルタ(the filter、フィルタ・カートリッジ804など)を挿入して交換することを容易にすることなどを目的として、道具を使用せずに、スナップさせて組み立てる(snap、パチンと鳴らして合体させる、スナップ・アクションによって合体させる、かみ合わせる、など)か、クリックさせて組み立てる(click、カチッと鳴らして合体させる、クリック・アクションによって合体させる、歯車などの歯止めを用いて合体させる、など)か、スライドさせて組み立てる(slide together、ジッパ、チャック、ファスナなどを用いて合体させる、スライド・アクション(前後運動など)によって合体させる、など)か、または、他の方法で組み立てられるように適応的に構成されてもよい。例えば、前記フィルタ・カートリッジは、ハウジング822を有してもよく、そのハウジング822は、前記フィルタ・カートリッジの複数の部品のうち自身を除くもの、例えば、無害化用エミッタ826,フィルタ・エレメント836,および1または複数のシールもしくはガスケットを収容する。ハウジング822は、カートリッジ収容体820の一部(例えば、対応する開口部)内に収容されるように適応的に構成された1本または複数本のレール(rails、レール状の部材、トラックなど)856を有してもよい。いくつかのレール856は、フィルタ・カートリッジ804をカートリッジ収容体820に位置合わせするためのいくつかのガイドとして作用してもよい。前記1本または複数本のレール856は、ハウジング822のうち、図示されている部分とは別の一部の内部に配置されてもよい。
【0163】
コントローラ844は、カートリッジ収容体820の内部に収容されるか、および/またはカートリッジ収容体820に連結されてもよい。コントローラ・カバー824が、コントローラ844を収容しまたは包囲するために、コントローラ844を覆うように収容されるとともにカートリッジ収容体820に連結されるものであってもよい。そのコントローラ・カバー824は、例えば充電、点検・修理(servicing)または交換を可能にすることを目的として、マスク800から選択的に取り外すことが可能であってもよい。コントローラ844は、無害化用エミッタ826の作動状態を制御しおよび/または通信するように作用することが可能であってもよい。このコントローラ844は、LEDの如き1または複数のインジケータ846であって、マスク800の状態を示すものを有してもよい。例えば、そのインジケータ846は、バッテリ充電状態(例えば、充電されているか、部分的にしか充電されていないか、充電が不足しているか、またはこれらと同様なのもの)を示すものであってもよい。他のいくつかの例においては、そのインジケータ846が、前記無害化用エミッタの放射パワー(radiant power、放射エネルギー、単位時間当たりの放射エネルギー、前記無害化用エージェントを放出する能力など)、故障状態またはこれらと同様なものを示すものであってもよい。このインジケータ846は、状態をユーザに示すために、変色し、発光しまたは点滅し(pulsate、脈動し)てもよい。このインジケータ846は、マスク800を着用したままでユーザが見えるものであってもよく、および/または前記ユーザ以外の人間が見えるものであってもよい。
【0164】
コントローラ844は、パワー・アクチュエータ(power actuator、無害化用エミッタ826の放射パワーを制御する機器など)848の如き第1アクチュエータを有してもよく、その第1アクチュエータは、前記無害化用エミッタをオン状態とオフ状態とに切り換えるかおよび/または前記無害化用エミッタの放射パワーを調節するために作用することが可能なオペレータ・インターフェース(operator interface、オペレータすなわち操作者にとってのインターフェースまたは介在具、操作補助具など)850を備えている。そのパワー・アクチュエータ848は、オンオフ式のスイッチ(on/off swith、2位置、3位置などに切り換えてオンオフするスイッチなど)、触覚スイッチ(tactile switch、タクタイル・スイッチ)、可変抵抗器、静電容量式タッチ入力装置(capacitive touch input、静電容量式タッチパネルなど)、またはこれらと同様なものであってもよい。コントローラ844は、オペレータ・インターフェース854を備えた第2アクチュエータ852を有してもよい。そのオペレータ・インターフェース854は、コントローラ・カバー824内に形成された開口部825内に収容されてもよい。第2アクチュエータ852は、マスク800の作動状態をリセットすること、例えば、故障発生後、新品のバッテリ200および/または新品のフィルタ・カートリッジを取り付けるときなどに、マスク800の作動状態をリセットするように作用するものであってもよい。オペレータ・インターフェース850または854のいずれかが、例えばボタン、スライダまたはこれらと同様なものであって、ユーザの指および/または手と相互作用することに適するものであってもよい。
【0165】
いくつかの実施態様においては、マスク100,600または800の如きマスクが、前記無害化用エージェントの存在を検出可能な1または複数のセンサを有してもよい。例えば、あるセンサが、前記無害化用エージェントが前記フィルタ・カートリッジから漏出することを検出するように配置されてもよい。いくつかの実施態様においては、そのセンサが、無害化用エミッタ306,506によって放出されたUV光を検出するように適応的に構成されたセンサである。そのセンサは、前記マスクの完全性(integrity)が損なわれるというウォーニングをユーザに提供するものであってもよい。さらに、そのセンサは、前記マスクの外部にあるいくつかのソースから無害化用エージェントを使用中であることをユーザにウォーニングするものであってもよい。いくつかの実施態様においては、あるセンサが、前記マスクの正常な作動状態を検出するように配置されてもよい。例えば、あるセンサが、フィルタ・カートリッジ内に配置されてもよく、また、ある無害化用エージェントが放出中であることを確認してもよい。いくつかの実施態様においては、いくつかのセンサが、前記無害化用エージェントの漏出を警告することと、前記マスクの作動状態を確認することとの双方を行うために配置されてもよい。
【0166】
いくつかの実施態様においては、マスク100,600または800が、拡張用インターフェースを有してもよい。拡張用インターフェースが、他の性能(capabilities、能力など)をマスクに追加することを可能にするものであってもよい。例えば、拡張用インターフェースが、マイクロホンの如き通信部品(communications component)を受け入れるように構成されたものであってもよい。通信部品は、ユーザが、前記マスクを着用したまま、他人と通信することを可能にするものであってもよい。通信部品が、ユーザがマスクを着用したまま電話をかけることができるようにするために、ユーザの電話機の如き別の通信機器と有線または無線で通信する状態にあるものであってもよい。
【0167】
いくつかの実施態様においては、前記不浸透性膜の一部が、その内部に投影された情報を表示するように構成されたものであってもよい。例えば、前記不浸透性膜の一部が、ヘッドアップ・ディスプレイの一部を形成するように適応的に構成されてもよい。適切なプロジェクタが、前記ユーザがマスク100を着用したままで情報が前記不浸透性膜の一部の上に、かつ、前記ユーザに対して表示されるように、前記拡張用インターフェースに連結される(例えば、当該プロジェクタを前記インターフェースにクリップで留めることにより)ように構成されてもよい。情報を表示するように構成された前記一部は、前記ユーザが、表示されている前記情報と、前記ユーザの周辺外界とを同時に視認できるように、透明であるかまたは半透明であってもよい。
【0168】
本書類中に含まれる特定のいくつかの具体例についての説明は、本質的に、単なる例示であり、開示されている事項の範囲を限定することもその事項の適用例または使用例の範囲を限定することも決して意図されていない。本発明についてのシステムおよび方法についてのいくつかの具体例についての詳細な説明であって本書類中に含まれるものにおいて、それらの一部を形成する何枚かの添付図面が参照され、それらは、前記記載されたシステムおよび方法が実施されるかもしれないいくつかの具体例に特化された例示的な図解である。それら具体例は、本書類中に開示されたシステムおよび方法を当業者が実施することを可能にするのに十分に詳細に記載されており、また、理解されるべきことは、他のいくつかの具体例が利用されてもよいということと、この開示事項の主旨および範囲から逸脱することなく、構造的かつ論理的な変更を施してもよいということとである。さらに、明瞭化のため、いくつかの具体的な特徴についての詳細な説明は、この開示事項のいくつかの具体例についての説明を曖昧にしないことが当業者にとって自明であるときは、議論されない。したがって、本書類中に含まれる詳細な説明は、限定を行うという意味で採用されるべきではなく、また、この開示事項の範囲は、添付された複数の請求項によってのみ画定される。
【0169】
前述されたことから理解されることは、本発明の具体的ないくつかの具体例が本書類において例示のために記載されているとはいえ、種々の変形が本発明の主旨および範囲を逸脱することなく行われてもよいということである。
【0170】
本書類中に示されているいくつかの細部は、例示として、かつ、本発明についての前述の望ましいいくつかの具体例についての例示的な議論のみを目的として存在し、また、本発明についての種々の具体例についての原理および概念的側面についての最も有用にして容易に理解される説明であると信じるものを提供するという理由のもとに存在する。この点、試行されないことは、本発明を基本的に理解するのに必要なものを超える程度の詳細さで本発明の構造的な細部を示すこと、前記図面を考慮して前記説明を示すこと、および/または本発明のいくつかの形態が実施において具体化される仕方が当業者に自明なものとなるいくつかの例を示すことである。
【0171】
本書類中において使用されるように、かつ、それを排除することを特記しない限り、「ある(a)」または「ある(an)」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1または複数」を意味すると解釈される。文脈がそれを排除することを要求しない限り、本書類中に単数として表現された用語は、複数性を含み、また、複数として表現された用語は、その単数性を含むべきである。
【0172】
文脈が明確にそれを排除することを要求しない限り、明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、「含む(comprise(有する)」、「含む(comprising(有する)」およびこれらと同様なものは、排他的または排除的な意味ではなく、非排他的な意味で解釈されるべきである。単数または複数の数を用いる単語は、それぞれ、複数の数を用いる単語および単数の数を用いる単語も包含する。さらに、「本書類」、「上記」および「下記」という単語ならびにそれらに類似する意味を有する単語は、この出願書類中に用いられる場合、この出願書類の全体を意味し、この出願書類のうち特定の一部しか意味しないということはない。
【0173】
もちろん、理解されるべきことは、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法のうちのいずれも、他の1つないしは複数の例、具体例および/または方法と組み合わされてもよいし、または、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法は、それぞれ、分離されるかおよび/または本書類に開示されているシステム、装置および方法に従う、互いに分離された複数のデバイス(devices、全体デバイス、完成品など)もしくはデバイス部分(device portions、部分デバイス、半完成品など)の中で実施されてもよいということである。
【0174】
最後に、上記の議論は、本書類中に記載されているシステムを単に例示的に説明することを意図されており、また、上記の議論は、添付された複数の請求項を、特定の具体例に限定するものとしても、複数の具体例より成る1つの群に限定するものとしても解釈されるべきではない。よって、本書類中に開示されているシステムは、典型的ないくつかの具体例を参照しつつ特に詳細に記載されているが、さらに理解されるべきことは、多数の変更および他の具体例が、当業者により、本書類中に開示されているシステムについてより拡張され、かつ、意図された主旨および範囲であって後続する複数の請求項に記載されているものから逸脱することなく、発案されてもよいということである。したがって、それら明細書および図面は、例示的な手法でされたものであると考慮されるべきであって、添付された複数の請求項の範囲を限定することを意図されていない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護マスクであって、
鼻および口を覆う鼻口カバー部を含む不浸透性膜と、
その不浸透性膜に着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕集するように作用するフィルタ・エレメントと、
そのフィルタ・エレメントの外周に光を投射するように配置されるとともに、前記有害エージェントの前記複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと、
ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
【請求項2】
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含み、
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む請求項1に記載の保護マスク。
【請求項3】
前記光源は、複数の発光ダイオードである請求項2に記載の保護マスク。
【請求項4】
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む請求項3に記載の保護マスク。
【請求項5】
前記光は、約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む請求項4に記載の保護マスク。
【請求項6】
前記電源は、前記ハウジング内に配置されるバッテリを含む請求項2に記載の保護マスク。
【請求項7】
前記フィルタ・エレメントは、約50ミクロンを超える粒径を有する複数の粒子を捕集する請求項1に記載の保護マスク。
【請求項8】
前記封じ込めエレメントは、蛇行状通路を形成し、その蛇行状通路は、空気が前記封じ込めエレメントを貫通することを許可するように構成されるとともに、前記無害化用エミッタによって放出された前記無害化用エージェントが当該封じ込めエレメントを貫通することを阻止するように構成される請求項1に記載の保護マスク。
【請求項9】
さらに、前記不浸透性膜に連結されるフレームを含み、
そのフレームは、前記不浸透性膜の周囲に沿って延び、
前記フィルタ・カートリッジは、前記フレームの底縁上に配置される請求項1に記載の顔マスク。
【請求項10】
さらに、前記フレームに連結されるとともに前記不浸透性膜の前記周囲に沿って延びるシールを含み、
前記フレームおよび前記シールは、透光性または実質的な透光性を有する材料によって形成される請求項9に記載の顔マスク。
【請求項11】
保護マスクであって、
透光性不浸透性膜であって、鼻カバー部、口カバー部および顎カバー部を含み、ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
フィルタ・カートリッジであって、前記透光性不浸透性膜に、前記顎カバー部内において着脱可能に装着されるものと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記フィルタ・エレメントの外周に光を投射するように配置されるとともに、前記有害エージェントの前記複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと、
前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
【請求項12】
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含み、
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む請求項11に記載の保護マスク。
【請求項13】
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む請求項12に記載の保護マスク。
【請求項14】
保護マスクであって、
フレームであって、ジョイントにおいて互いに結合される第1フレーム部および第2フレーム部を含み、当該フレームは、前記保護マスクを着用するユーザの顔の周囲に沿って延びるものと、
透光性不浸透性膜であって、前記フレームに連結されるとともに第1部分を含み、前記ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
封じ込めエレメントを含むカートリッジ収容体であって前記フレームに連結されるものと、
そのカートリッジ収容体に分離可能に取り付けられるフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントを捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記フィルタ・エレメントの外周に光を投射するように配置されるとともに、前記有害エージェントを無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと
を支持し、
前記封じ込めエレメントは、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する保護マスク。
【請求項15】
さらに、バッテリ室を含み、
そのバッテリ室は、前記第1フレーム部に連結されるとともに少なくとも1つのバッテリを収容するように作用し、その少なくとも1つのバッテリは、前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、電力を前記無害化用エミッタに供給するように作用する請求項14に記載の保護マスク。
【請求項16】
前記無害化用エミッタは、回路基板を含み、その回路基板は、前記電力を前記少なくとも1つのバッテリから少なくとも1つのエミッティング・エレメントに、その少なくとも1つのエミッティング・エレメントが前記無害化用エージェントを放出するように分配するように作用する請求項15に記載の保護マスク。
【請求項17】
さらに、前記カートリッジ収容体内に収容されるコントローラを含み、
そのコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリおよび前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、前記無害化用エミッタを制御するように作用する請求項15に記載の保護マスク。
【請求項18】
前記コントローラは、当該保護マスクの状態を示すように作用する少なくとも1つのインジケータを含む請求項17に記載の保護マスク。
【請求項19】
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含み、
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む請求項14に記載の保護マスク。
【請求項20】
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む請求項19に記載の保護マスク。
【請求項21】
保護マスクであって、
鼻および口を覆う鼻口カバー部を含む顔シールドと、
その顔シールドに着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕集するように作用するフィルタ・エレメントと、
そのフィルタ・エレメントの外周に光を投射するように前記フィルタ・エレメントに隣接して配置されるとともに、前記有害エージェントの前記複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと、
ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)に従う優先権であって、2020年6月29日に出願された米国仮特許出願第63/045,749号であって発明の名称が「保護マスク」であるもの、2020年8月17日に出願された米国仮特許出願第63/066,582号であって発明の名称が「保護マスク」であるもの、および、2021年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/177,321号であって発明の名称が「保護マスク」であるものについてのものの利益を主張し、さらに、2020年6月29日に出願された米国意匠出願第29/739,808号であって意匠の名称が「マスク」であるものに関連しており、それら出願のすべては、引用によりこの出願書類に全体的に合体される。
【背景技術】
【0002】
ウイルス、バクテリアおよび他の汚染物質の拡散が世界中の関心の原因になるため、人々は、このようなウイルスおよび病原体(disease、病気、病気の原因、病気を引き起こす物質など)の拡散を顔カバー部(face covering、フェース・カバー、顔面被覆体)の使用によって制限しようと努力してきた。顔カバー部(face covering)は、例えば、唾液、喀痰、粘液または他の身体上の排出物(bodily excretions、身体から排出されるもの)のような飛沫(droplets、液滴)であって、有害エージェント(damaging agents、相手を損傷させる原因となるもの)、例えば、ウイルス、バクテリア、カビ胞子またはそれらと同様なものを含有するかもしれないものの通過(the passage、当該顔カバー部を通過するか通り抜けること)を制限するかもしれない。いくつかの顔カバー部は、ユーザがこのような飛沫を吸い込む能力を制限し、および/またはユーザがこのような飛沫を吐き出すかまたは排出する能力を制限し、それにより、他人を前記ユーザによる感染から保護するかもしれない。従来、顔カバー部は、織物(woven fabric)、不織布(non-woven fabric)、発泡体、または他の材料であってユーザの吸気時または呼気時に飛沫を捕捉することが可能であるものによって製作されてもよい。この種の材料(Such materials)は、小さな飛沫を捕捉することに対して効果的ではないかもしれず、また、有害エージェント、特にウイルスが通り抜けることを許してしまうかもしれない。さらに、従来の顔カバー部は、衛生的なものにする(clean、無害化する、無菌化する)ことが困難であるかもしれず、また、簡単に除去する(remove)ことも無力化する(neutralized、中和する)ことも不可能である有害エージェントが当該顔カバー部を通り抜ける状態になるかもしれない。この種の材料(These materials)は、さらに、防犯上のリスク(security risk)を有するかもしれず、なぜなら、それら材料は、典型的には不透明で、ユーザの顔を覆い、それにより、そのユーザが簡単に識別され(identify、特定され、確認され、人物特定され)ないかもしれないからである。
【発明の概要】
【0003】
一具体例においては、保護マスクが開示されている。このマスクは、鼻および口を覆う鼻口カバー部(a nose and mouth cover portion、鼻および口を一緒に覆うカバー部)を有する浸透性膜と、その不浸透性膜(impermeable membrance、不透過性膜)に着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジとを有する。そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを有し、そのハウジングは、有害エージェント(damaging agent)の複数の粒子を捕捉するように作用する(operative、作動する、機能する)フィルタ・エレメント(filter element、フィルタ部)と、無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用)エミッタ(emitter、放出体、放出器)であって、前記フィルタ・エレメントの外周(exterior perimeter)を包囲する(surrounding、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ことと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化(deactivate)するように作用する無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用、など)エージェント(agent、相手に対して一定の作用を行うもの、相手を無害化する原因となるもの、媒質、物質など)を前記フィルタ・エレメントに浸透させる(permeate the filter element with a sanitizing agent、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントによって浸透させられる、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントで充満する、前記フィルタ・エレメントが無害化用エージェントで充填される、前記フィルタ・エレメントを無害化用エージェントを用いて浸透させる、など)ように作用することとを行うものと、前記無害化用エージェントを封じ込める封じ込めエレメント(containment element、閉じ込めエレメントなど)とを支持する。一具体例においては、前記封じ込めエレメントが、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する。
【0004】
任意選択的に、いくつかの具体例においては、無害化用エージェント・ソース(source、源、発生源)が、前記無害化用エミッタに電気的に接続される。
【0005】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが光源を含み、前記無害化用エージェントが光を含み、さらに、前記無害化用エージェント・ソースが電源(power supply、電力供給源、電源回路など)を含む。
【0006】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光源が複数の発光ダイオードである。
【0007】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光が紫外線スペクトル帯域にある光を含む。
【0008】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記光が約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む。
【0009】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記電源が、充電可能(rechargeable)である。
【0010】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記電源が、前記ハウジング内に配置されるバッテリを含む。
【0011】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、第1のフィルタ・カートリッジであり、前記保護マスクが、さらに、前記第1のフィルタ・カートリッジに直列に積み重ねられる第2のフィルタ・カートリッジを含む。
【0012】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記第1のフィルタ・カートリッジが、第1の種類の有害エージェントを無力化するように構成され、また、前記第2のフィルタ・カートリッジが、第2の種類の有害エージェントを無力化するように構成される。
【0013】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが、約50ミクロンを超える粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子を捕集する(filter、除去する、捕捉する、トラップする、フィルタリングする)。
【0014】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、透光性(transparent、光透過性)眼カバー部を含む。その透過性眼カバー部および前記鼻口カバー部(nose and mouth cover portion)は、前記不浸透性膜に一体的に形成される。
【0015】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記マスクが、前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に固定する(hold ... to、接触状態で固定する)ように構成されるアタッチメント部材(attachment member、取付部材、装着部材)と、シーリング・エレメント(sealing element、封止エレメント)であって、自身が前記アタッチメント部材によって前記ユーザの顔に固定される場合に前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に対してシールする(seal ... to、接触状態で封止する、密封する、封止する)ように構成されるものとを含む。前記シーリング・エレメントは、第1シールと、その第1シールに対して(with respect to、に関して)前記不浸透性膜のエッジ(edge、縁、端面など)から内向きに配置される(disposed inward、内向きに延びるように配置される、など)第2シールとを含む。
【0016】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記封じ込めエレメントが、第1の封じ込めエレメントであって、自身が前記無害化用エミッタの外周(exterior perimeter)を包囲するとともに前記無害化用エージェントを横方向に(in a transverse direction、横軸方向に、半径方向に、空気流れ方向に対して交差する方向に、など)封じ込めるように、前記無害化用エミッタから横方向外側に配置されるものである。いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第2の封じ込めエレメントであって、前記フィルタ・エレメントに対して相対的に縦方向となる側に配置されるとともに、前記無害化用エージェントを縦方向に(in a longitudinal direction、縦軸方向に、長さ方向に、軸方向に、空気流れ方向に、など)封じ込めるものを含む。
【0017】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、前記フィルタ・エレメントの前記外周(exterior perimeter)に直接的に(directly、中間介在物なしで)隣接する。
【0018】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、複数のエミッティング・エレメント(emitting elements、前記無害化用エミッタを放出するエレメント、放出素子、放出部、放出体など)であって、前記フィルタ・エレメントの中心から均等であるように(uniformly from a center、中心から等距離であるように、中心から等角度であるように、中心から一様であるように)配置されるものを含む。
【0019】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが円形断面を有する。
【0020】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用マスク(the sanitizing mask、前記保護マスクなど)が、前記第1シールと前記第2シールとの間に形成されるチャネル(channel、経路、通路、溝、溝形断面材)と、そのチャネル内に配置されるエア・ムーバ(air mover、空気ムーバ、送風機、ファン、ブロアなど)とを含む。前記第1および第2シールおよびエア・ムーバは、前記保護マスクを着用したままでユーザの顔を冷却するように構成されるクローズド・ループ型(closed loop、外部から流体的に遮蔽された状態で空気が循環するタイプなど)冷却エリアを形成する。
【0021】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記封じ込めエレメントが、蛇行状通路(tourtuous path)を形成し、その蛇行状通路は、空気が前記封じ込めエレメントを貫通することを許可するように構成されるとともに、前記無害化用エミッタによって放出された前記無害化用エージェントが当該封じ込めエレメントを貫通することを阻止するように構成される。
【0022】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、そこでは、前記フィルタ・カートリッジが、前記無害化用エージェントを反射するように構成される反射性チャンバを含む。
【0023】
一具体例においては、保護マスクが、透光性不浸透性膜を含み、その透光性不浸透性膜は、鼻カバー部、口カバー部および顎カバー部を含む。ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔は、前記透光性不浸透性膜を通して視認可能である。フィルタ・カートリッジが、前記透光性不浸透性膜に、前記顎カバー部内において着脱可能に装着されており、このフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、そのハウジングは、有害エージェントの複数の粒子を捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、前記フィルタ・エレメントの外周(exterior perimeter)を包囲する(surrounding、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ことと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化(deactivate)するように作用する無害化用(sanitizing、除菌用、殺菌用、無害化用、消毒用)エージェント(agent、媒質、物質)を前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントとを支持する。
【0024】
一具体例においては、顔マスク(facial mask、フェイシャル・マスク、フェイス・マスク)が、レンズと、そのレンズに連結されるフレームであって、前記レンズの周囲に沿って延びるものと、前記フレームに連結されるフィルタ・カートリッジとを含む。そのフィルタ・カートリッジは、前記顔マスクに対して流入・流出する空気をフィリタリングする。
【0025】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記レンズが、前記顔マスクの着用者の鼻、両眼および口を覆うように構成される。
【0026】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、シールが、前記フレームに連結されるとともに前記レンズの前記周囲に沿って延びる。
【0027】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、自身内に配置されたフィルタを交換するために操作されるように構成される。
【0028】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記フレームから取り外し可能である。
【0029】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記フレームのボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面、底端部など)上に配置される。
【0030】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記レンズが、使用中に前記レンズが曇ることを防止する防曇処理(anti-fog treatment、防曇処理対策など)を含む。
【0031】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記フレームおよび前記シールが、透光性または実質的な透光性を有する材料によって形成される。
【0032】
一具体例においては、保護マスクが、フレームを含み、そのフレームは、ジョイントによって互いに結合される第1フレーム部および第2フレーム部を含む。前記フレームは、前記保護マスクを着用するユーザの顔の外周に沿って(around、全周的に、など)延びる。前記保護マスクは、透光性不浸透性膜を含み、その透光性不浸透性膜は、前記フレームに連結されるとともに第1部分を有しており、そこでは、前記ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が、前記透光性不浸透性膜を通して視認可能である。前記マスクは、封じ込めエレメントを含むカートリッジ収容体(receptacle、容器など)であって前記フレームに連結されるものを含む。フィルタ・カートリッジが、前記カートリッジ収容体に分離可能に取り付けられ、当該フィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、そのハウジングは、有害エージェントを捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、前記有害エージェントを無力化(deactivate)するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させる(permeate the filter element with a sanitizing agent)ように作用する無害化用エミッタとを支持し、ここに、前記封じ込めエレメントは、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する。
【0033】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、バッテリ室(compartment)を含み、そのバッテリ室は、前記第1フレーム部に連結されるとともに少なくとも1つのバッテリを収容するように作用し、その少なくとも1つのバッテリは、前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態に(in electrical communication、電気的に接続される状態に、電気的に連通する状態に、電気が流れる状態に、電気通信可能な状態に、電気的連通状態に、電気的接続状態、など)あるとともに、電力を前記無害化用エミッタに提供するように作用する。
【0034】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記無害化用エミッタが、回路基板を含み、その回路基板は、前記電力を前記少なくとも1つのバッテリから少なくとも1つのエミッティング・エレメントに分配し、それにより、前記少なくとも1つのエミッティング・エレメントが前記無害化用エージェントを放出するように作用する。
【0035】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記回路基板が、前記ハウジングの形状に倣う(conform to)ように曲がるフレキシブル回路基板を含む。
【0036】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第1ガスケットを含み、その第1ガスケットは、自身の本体部内に形成された複数の開口部を含む。前記第1ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、また、前記無害化用エミッタは、前記第1ガスケット上に配置される。
【0037】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記複数の開口部が、複数のリブ(ribs、畝、壁、隆起部など)を形成し、それらリブは、前記無害化用エミッタを支持するように作用する。
【0038】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、第2ガスケットを含み、その第2ガスケットは、自身の本体部内に形成された少なくとも1つの開口部を含む。前記第2ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、また、前記フィルタ・エレメントは、前記第2ガスケット上に配置される。
【0039】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記第1ガスケットおよび前記第2ガスケットが、前記ハウジングまたは前記カートリッジ収容体のうちの少なくとも1つをシールし、それにより、空気または前記有害エージェントが前記無害化用エミッタまたは前記フィルタ・エレメントをバイパスすることを軽減または防止する。
【0040】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、前記カートリッジ収容体内に収容されるコントローラを含む。そのコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリおよび前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態に(in electrical communication、電気的に接続される状態に、電気的に連通する状態に、電気が流れる状態に、電気通信可能な状態に、電気的連通状態に、電気的接続状態、など)あるとともに、前記無害化用エミッタを制御するように作用する。
【0041】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記保護マスクの状態を示す(indicate、表示する、標示する、表象する、提示する、インジケートする)ように作用する少なくとも1つのインジケータを含む。
【0042】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記少なくとも1つのバッテリから前記無害化用エミッタに供給されるパワー(power、電気エネルギー、電力)を制御するように作用するパワー・アクチュエータを含む。
【0043】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記コントローラが、前記保護マスクの作動状態(operation、動作、操作状態など)をリセットするように作用する(operative、作動する)リセット・アクチュエータを含む。
【0044】
任意選択的には、いくつかの具体例においては、前記保護マスクが、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、フィルタ・カートリッジを含む保護マスクの一具体例をを示す斜視図である。
【0046】
図2A図2Aは、図1に示す保護マスクの側面図である。
【0047】
図2B図2Bは、図1に示す保護マスクの背面図である。
【0048】
図2C図2Cは、図1に示す保護マスクを示す部分断面図であって図2Bの断面線2C-2Cに沿って取られたものである。
【0049】
図3図3は、図1に示す保護マスクの分解図である。
【0050】
図4図4は、図1に示す保護マスクの断面図であって図1の断面線4-4に沿って取られたものである。
【0051】
図5図5は、図1に示す保護マスクの前記フィルタ・カートリッジを前記保護マスクに設置される状態で示す詳細図である。
【0052】
図6A図6Aは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の斜視図である。
【0053】
図6B図6Bは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の背面図である。
【0054】
図6C図6Cは、図1に示す保護マスクの不浸透性膜の側面図である。
【0055】
図7図7は、図1に示す保護マスクに使用されるのに適するフィルタ・カートリッジの一具体例を示す詳細図である。
【0056】
図8A図8Aは、図7に示すフィルタ・カートリッジの分解図である。
【0057】
図8B図8Bは、図1に示す保護マスクに使用されるのに適するフィルタ・カートリッジの一具体例を示す分解図である。
【0058】
図9図9は、図8Bに示すフィルタ・カートリッジの断面図である。
【0059】
図10図10は、保護マスクの一例を示す側面図である。
【0060】
図11図11は、図10に示す保護マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面図である。
【0061】
図12図12は、フィルタ・カートリッジの断面図である。
【0062】
図13A図13Aは、マスクの正面斜視図である。
【0063】
図13B図13Bは、マスクの背面斜視図である。
【0064】
図14A図14Aは、マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面斜視図である。
【0065】
図14B図14Bは、図14Aに示すマスクの正面図である。
【0066】
図14C図14Cは、図14Aに示すマスクの側面図である。
【0067】
図15図15は、図13Aに示すマスクの分解図である。
【0068】
図16図16は、フィルタ・カートリッジの分解図である。
【0069】
図17A図17Aは、透光性マスクの正面斜視図である。
【0070】
図17B図17Bは、図17Aに示すマスクの背面斜視図である。
【0071】
図17C図17Cは、図17Aに示すマスクの正面図である。
【0072】
図17D図17Dは、図17Aに示すマスクの背面図である。
【0073】
図17E図17Eは、図17Aに示すマスクの側面図である。
【0074】
図17F図17Fは、図17Aに示すマスクの平面図である。
【0075】
図17G図17Gは、図17Aに示すマスクの底面図である。
【0076】
図18A図18Aは、透光性マスクの正面斜視図である。
【0077】
図18B図18Bは、図18Aに示すマスクの背面斜視図である。
【0078】
図18C図18Cは、図18Aに示すマスクの正面図である。
【0079】
図18D図18Dは、図18Aに示すマスクの背面図である。
【0080】
図18E図18Eは、図18Aに示すマスクの側面図である。
【0081】
図18F図18Fは、図18Aに示すマスクの平面図である。
【0082】
図18G図18Gは、図18Aに示すマスクの底面図である。
【0083】
図19A図19Aは、マスクをユーザによって着用されている状態で示す正面斜視図である。
【0084】
図19B図19Bは、図19Aに示すマスクの側面図である。
【0085】
図19C図19Cは、図19Aに示すマスクの正面図である。
【0086】
図19D図19Dは、図19Aに示すマスクの底面図である。
【0087】
図19E図19Eは、図19Aに示すマスクの分解斜視図である。
【0088】
図19F図19Fは、図19Aに示すマスクの一部を詳細に示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本出願の開示事項は、保護マスクに関連しており、その保護マスクは、有害エージェントを原因とする汚染の防止に役立つ。本書類中に使用されるように、「有害エージェント(damaging agent)」というものは、人間の健康に被害を及ぼすかもしれない任意の種類のエージェント(agent)、例えば、塵、ガス(fume、煙、刺激臭など)、生物兵器、化学薬品(chemical agent、化学物質)や、複製して病気を引き起こす(replicate and cause disease)かもしれない任意の種類の生物的物質(biological material、生物的材料)、例えば、ウイルス、バクテリア、菌類、寄生虫、プロトゾア(protozoa)、プリオン(prion)、またはそれらと同様なものを意味する。一具体例においては、ユーザ(user、着用者、使用者)の顔の一部、例えば、ユーザの鼻および口を覆う不浸透性膜(impermeable membrane、不透過性膜、ガス不透過性膜、ガス不浸透性膜など)を含む保護マスクが開示されている。他のいくつかの具体例においては、前記不浸透性膜が、さらに、ユーザの鼻、口および眼(eyes、両眼など)を覆うように延びるものであってもよい。多くの具体例においては、前記不浸透性膜のうちの少なくとも一部が、透明であるかまたは部分的に透明であり、それにより、前記ユーザが前記不浸透性膜を通して見る(see、外界を見る)ことが可能であり、および/または、他人が前記不浸透性膜を通して前記ユーザの顔の一部を視認することが可能なものであってもよい。前記不浸透性膜は、ユーザの顔のうち、有害エージェントの吸い込みを防止するために必要な最小エリアを覆うように選択されてもよく、例えば、ユーザの眼(eyes、両眼など)、鼻および口を覆うように個別に調整され(tailored、ユーザごとにオーダーメイドされ)てもよいが、その選択は、ユーザの着用性(wearability、着用可能性、着用実用性、着用確実性、耐久性など)および快適性(comfort、着用快適性など)を目的としてサイズおよび形状という側面で行うものに限定される。
【0090】
前記保護マスクは、さらに、フィルタ・カートリッジを有してもよい。そのフィルタ・カートリッジは、通気性(air permeable、空気透過性)フィルタ・エレメントを含み、その通気性フィルタ・エレメントは、有害エージェントの通過(the passage、通気性フィルタ・エレメントを通過するか通り抜けること)を阻止する(block、遮断する)ように作用するとともに、フィルタ・カートリッジ内に収容されることに適している。いくつかの具体例においては、前記フィルタ・カートリッジが、取り外し可能(removable)および/または交換可能(replaceable)であってもよい。これら具体例においては、ユーザが、自身の使用環境に応じ、目標とするフィルタ・カートリッジ、例えば、特定のフィルタリング特性を有するものを選択してもよい。
【0091】
一例においては、前記フィルタ・カートリッジが、前記保護マスクから取り外し可能であるか、または前記保護マスクに対して相対的に角変位可能(pivotable、ピボット回転可能、一軸回りに一定角度範囲内で回転可能、揺動可能)または回転可能であり、それにより、前記フィルタへの接近(access、アクセス、到達、接触など)および交換が可能であるものであってもよい。例えば、前記マスクは、カートリッジを有してもよく、そのカートリッジは、前記マスクのフレームのボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)から角変位するかまたは分離し(release)、それにより、ユーザがそのフィルタ部品(the filter components、前記フィルタのいくつかの部品または要素、前記フィルタ・カートリッジ)のみを交換して前記カートリッジを再装着する(reattach)ことが可能であるか、または、そのユーザが前記カートリッジ全体を交換することが可能であるように完全に分離することが可能である。前記フィルタの交換可能性という側面(aspects、特徴、特性)により、前記マスクがフィルタリング効率および通気性を維持することが可能となり、それに加えて、前記マスクが、必要に応じ、種々の環境または種々の有害エージェントに適合するように構成されることも可能となる。
【0092】
前記フィルタ・カートリッジは、さらに、ガスケットすなわちシールを当該フィルタ・カートリッジの周囲(perimeter、周長)をぐるりと(around、全周的に、など)回るように有してもよい。例えば、前記フィルタは、前記カートリッジによって形成された(defined、画定された、境界画定された)エリア(an area、一つのエリア、いくつかのエリアなど)内に静置され(seat、沈座され、着座され)てもよく、また、ガスケットが、前記カートリッジの周囲をぐるりと(around、全周的に、など)回るように延びてもよく、そのガスケットは、前記カートリッジを、そのカートリッジの位置(placement、配置される位置)に応じ、前記マスクのうちの前記フレームに対してシールするか、またはユーザの顔部に対してシールする(seal against、圧迫状態でシールする、など)ように作用する。
【0093】
前記フィルタ・カートリッジは、無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントの内部に分散させる(disperse)ことに適する無害化用エミッタ(sanitizing emitter、無害化用エージェントを放出する物質、物体、器具など)を有する。前記無害化用エージェントは、いくつかの有害エージェント(damaging agents、複数種類の有害エージェント)を、前記フィルタ・エレメントを通過する段階にあるものも、前記フィルタによって捕捉されたものも同様に、無力化するかもしれず、前記無害化用エージェントは、前記フィルタを浄化するとともに、捕捉されたいくつかのエレメント(captured elements、前記いくつかの有害エージェント、など)が前記フィルタを通り抜けることがあったとしても、それらエレメントがユーザに影響を及ぼすことを防止するように支援する。多くの具体例においては、前記無害化用エミッタが、発光器(light emitter、光出射器)であり、その発光器は、いくつかの光波長(light wavelengths、複数の光波長など)を前記無害化用エージェントとして出射する。例えば、前記無害化用エミッタは、発光ダイオード (「LED」)であってもよく、その発光ダイオードは、電磁スペクトルのうち紫外(「UV」)部分を有するいくつかの光波長を出射するように構成される。UV光は、前記有害エージェントのうち、例えば、デオキシリボ酢酸(「DNA」)またはリボ核酸(「RNA」)のようなアクティブな(active、活性本体である、有効成分である)生物学的物質に損傷を与える(damaging)ことにより、いくつかの有害エージェントを無力化する(neutralizing、中和化する)ことに効果的であるかもしれない。
【0094】
有害エージェントの一例は、重症急性呼吸器症候群(the severe acute respiratory syndrome、サーズ)コロナウイルス2(「SARS-CoV-2 」、サーズコロナウイルス)」であり、それは、コロナウイルス感染症19(「COVID-19」)を引き起こす。サーズコロナウイルス2は、紫外光のような無害化用エージェントに曝露されることにより無力化されるかもしれないRNAウイルスである。唾液、粘液または他の身体上の流体の飛沫であって、例えば、感染者が咳をするときに吐き出される飛沫のようなものは、何百万という数のサーズコロナウイルス2粒子を有しているかもしれない。しかし、それら飛沫は、小さすぎていくつかのフィルタ・エレメントがそれら飛沫を捕捉することができないかもしれない。例えば、いくつかの飛沫は直径が200ミクロンより小さいかもしれない。無害化用エージェント、例えば、紫外光のようなものを前記フィルタ・エレメントに注入する(infusing、導入する)ことにより、感染した唾液飛沫内の複数のウイルス粒子は無力化され、それにより、たとえ前記保護マスクのユーザが前記フィルタ・エレメントを通り抜ける感染飛沫を吸い込んだとしても、そのユーザはサーズコロナウイルス2に感染しないかもしれないとともにコロナウイルス感染症19を発症しないかもしれない。
【0095】
他のいくつかの例においては、前記保護マスクが、上述のアクティブな(active、能動的な)無害化という側面も特徴も有しないパッシブ(passive、受動的)なフィルタを有してもよい。言い換えると、前記フィルタ・カートリッジは、空気が前記マスクを通過して移動する際に、その空気の流れを前記フィルタ材料(the filter material、前記フィルタを構成する材料)の特性によって濾過する(filter、フィルタリングする)ように構成されてもよい。一例においては、前記保護マスクが、さらに、ユーザの意思疎通(communication)を促進するために透明であり(transparent、透光性を有し、など)、同時に、有害エージェントの侵入を防ぐために前記周囲(the perimeter、前記カートリッジの周囲)に沿って全周的に完全にシールされることを維持するかもしれない。前記フィルタ・カートリッジは、MERV16フィルタを有してもよい。前記保護マスクは、さらに、前記レンズ(the lens、前記不浸透性膜など)内に防曇特徴部を有し、それにより、前記着用者(the wearer、前記ユーザ)の視認性および透明性を確保してもよい。前記保護マスクは、ストラップ(a strap、1個のストラップなど)によって固定されてもよく、そのストラップは、例えば、2個のアタッチメント点(attachment points、アタッチメント位置、取付点、付着点など)(例えば、前記保護マスク上の上側位置および下側位置)を用いて位置決めされて固定されたストラップであって、シール圧(sealing pressure、シールに必要な圧力、シール部の圧迫力)を分散させることと、前記マスクを前記ユーザの頭頂部(the crown of the user's head)を覆うように係留させることとを支援するものである。
【0096】
いくつかの側面においては、前記マスクの、複数の、かなりの、または、多くの部品が、透明または実質的に透明な材料を用いて形成されてもよい。例えば、前側不浸透性膜(front impermeable membrance、当該マスクにおいて前側部に位置する不浸透性膜など)すなわちレンズが、透明(transparent、透光性を有するもの、科学的に見て透明であるもの)であってもよく、同様に、フレーム、パッド、シールまたはそれらと同様なものは、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)であるかまたは実質的にクリアである材料を用いて形成されてもよい。これにより、前記マスクが、「目に見えないもの(invisible)」になるか、または、少なくとも、社交の場において他人にすぐにはわからないものになり、それにより、マスクというものが障害物にも遮蔽物にもならずに人々が感情を伝えたり会話することが可能となる。
【0097】
図1図2Aおよび図2Bは、保護マスク100の一具体例を示すいくつかの図であり、その保護マスク100は、フィルタ・カートリッジ、例えば、フィルタ・カートリッジ300または500を有している。本書類内に開示されているいずれのフィルタ・カートリッジも、本書類内に開示されている他のいずれのフィルタ・カートリッジと相互置換可能であってもよい。したがって、特定のフィルタ・カートリッジについてのいずれも言及(references、説明箇所)も、開示されている他のいずれのフィルタ・カートリッジをも包含するように理解されるべきである。例えば、フィルタ・カートリッジ300および500は、それぞれ、他方と相互置換可能であるとともにその逆も成立するかもしれない。保護マスク100は、不浸透性膜102を含む。この具体例においては、不浸透性膜102が、レンズであると考えてもよいものであるが、眼カバー部112(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの両眼に対して位置合わせされるかまたはそれを覆うように位置決めされるように構成される部分)と、口鼻カバー部112(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの口および/または鼻に対して位置合わせされるかまたはそれを覆うように位置決めされるように構成される部分)と、顎カバー部113(例えば、前記不浸透性膜のうち、ユーザの口ではなくむしろ、ユーザの顎に対して位置合わせされるかまたはそれ覆うように位置決めされるように構成される部分)とを有する。いくつかの具体例においては、不浸透性膜102が、眼カバー部112なしで口鼻カバー部114を有するものであってもよい。保護マスク100は、保護マスク100をユーザの頭に選択的に装着する(selectively attach、必要なときに装着するなど)ために1または複数のアタッチメント部材(attachment members、装着を行うための部材、装着部材)104を有する。保護マスク100は、無害化用エージェント・ソース200、例えば、無害化用エミッタを有してもよい。
【0098】
不浸透性膜102は、ユーザの呼吸系に対するいくつかのアクセス・ポイント(access points、流体的経路など)を、任意選択的にはさらにそのユーザの視覚系(例えば、両眼)に対するいくつかのアクセス・ポイント(access points、視覚的経路など)をも最小限度に(minimally、できる限り少ない面積で、必要最小面積で、など)カバーする形状を有する。例えば、不浸透性膜102は、ユーザの顔特徴部に倣う(comforms to、追従する)形状を有する。例えば、不浸透性膜102は、丸底部(rounded bottom section、丸みを帯びた底部、下部)を、ユーザの口の幅に対応する幅を有するものとして有する。不浸透性膜102は、口鼻カバー部114を形成するために、ユーザの鼻のうちの梁部(bridge、鼻梁)に向かって内向きに(in、当該マスクの中心に向かって)先細化する(taper、テーパー化する)ものであってもよい。前記不浸透性膜は、眼カバー部112を形成するために外向きに(outward、当該マスクの中心から離れる向きに、など)拡張し(expand、張り出し)てもよい。前記不浸透性膜の形状は、機能性を有するもの(functional)であってもよい。例えば、その形状は、前記ユーザの顔を保護する一方で、前記ユーザの顔の近傍にあるいくつかのアイテム(items、物品、品物、物体など)に当たる(snag on)ことを防止するとともにユーザの快適性を維持するために過度に突出しない(not protruding)形状であってもよい。不浸透性膜102の形状は、さらに、審美的要素(aesthetic elements、不浸透性膜102のうち、審美性ないしは美感に関与する部分など)というものにも注目して(for、目的として、対象として)選択されてもよい。一具体例においては、不浸透性膜102が、丸底形状(circular bottom shape、底部または下部において円形状を成す形状など)を有してもよく、その丸底形状は、長方形状の鼻梁部(nose bridge、ユーザの鼻梁に対応する部分など)を形成するために内向きに(inwards、当該マスクの中心に向かって、など)先細化し(tapes、テーパー化し)、その後、ユーザの両眼の外縁間の間隔とちょうど同じかまたはそれより少しだけ長い長さで延びる幅を有する卵状または長円状の形状を形成するために外向きに(outwards、当該マスクの中心から離れる向きに、など)拡張する(expands、張り出す)。
【0099】
引き続き、図1図2A図2Bを参照し、さらに図6A図6Cも参照すると、不浸透性膜102は、吸排気用開口部(respiration aperture、レスピレーション用開口部、呼吸用開口部)116を有してもよい。その吸排気用開口部116は、不浸透性膜102の外側部122すなわち外面(external side or surface)から不浸透性膜102の内側部124すなわち内面(internal side or surface)まで延びる空気通路を提供する開口部として形成されてもよい。ユーザが保護マスク100を着用するとき、内部空間125が、不浸透性膜102の内側部124とユーザの顔との間に形成されてもよい。吸排気用開口部116により、ユーザが保護マスク100を着用しながら呼吸できるように空気の流れが許可される。吸排気用開口部116は、不浸透性膜102の外側部124からの唯一の(sole)空気通路を形成し、それにより、マスク100に対する空気の流入・流出が吸排気用開口部116を経由して行われるようになってもよい。この方法で、前記ユーザが吸排気する(respirates、レスピレーションする、呼吸する)(例えば、呼吸(breathes)、くしゃみ、咳または他の同様なものを行う)際に、その結果として吐き出されるかまたは吸い込まれる空気および他の流体が、吸排気用開口部116により形成された前記通路(the pathway、前記空気通路)を直接的に通過することになる。単一の吸排気用開口部116しか有しないことにより、不浸透性膜102の透光性エリア(the transparent area、前記透光性を有するエリア、領域など)が最大化されるとともに前記ユーザの視認性(visibility、視界度)および/または他人が前記ユーザの顔を視認するときの視認性(visibility)が向上するかもしれない。吸排気用開口部116は、所望のサイズおよび形状を有するように形成されるかもしれないが、いくつかの具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が吸排気用開口部116の内部に静置される(seat、着座する)ように、吸排気用開口部116がフィルタ・カートリッジ300の形状に対応する(correspond to、適合する、合致する、補完する)ように選択されるかもしれない。
【0100】
吸排気用開口部116は、不浸透性膜102内の任意の適切な位置に配置されてもよい。図示されるように、吸排気用開口部116は、不浸透性膜102のうちの底部(bottom portion、下部、前記丸底部、前記丸底部を含む部分、など)において、遷移点(a transition point、遷移線、形状変化点、後述の屈曲線610,810など)の間の位置、または、前記鼻梁部(nasal bridge、ユーザの鼻梁に対応する部分など)より下方の位置に配置されてもよい。吸排気用開口部116は、他の適切な位置に配置されてもよい。例えば、吸排気用開口部116は、不浸透性膜102上に、図示されている位置より低い位置に配置されてもよく、それにより、フィルタ・カートリッジ300がユーザの両眼から離れ、かつ、ユーザの視線から外れるように配置されることが可能になるかもしれない。一例として、図10には、保護マスク100の一例が示されており、その保護マスク100は、不浸透性膜103を有する。多くの点で、不浸透性膜103は、不浸透性膜102に類似する。不浸透性膜103は、その不浸透性膜103内に形成される吸排気用開口部116の位置という点で、不浸透性膜102とは異なってもよい。例えば、吸排気用開口部116は、不浸透性膜103の顎カバー部113内に配置されてもよい。吸排気用開口部116は、本書類に開示される任意の適切なフィルタ・カートリッジ、例えば、フィルタ・カートリッジ300または500を収容し(accept、を受け入れ)てもよい。図11に例示されるように、吸排気用開口部116をユーザの顔から離れるように、例えば、顎カバー部113内に配置することは、前記ユーザが自身の周囲(surroundings、周囲の状況、周辺外界など)を視認するときの視認性(visibility、視界度)を向上させる際、および/または他人が前記ユーザの顔を視認するときの視認性を向上させる際に有利であるかもしれない。例えば、顎カバー部113内に配置されたフィルタ・カートリッジ300,500および吸排気用開口部116を用いれば、視覚障害者は、マスクしているユーザが話す際に、そのユーザの口を見ることとそのユーザの唇を読むこととがより容易に可能となる。
【0101】
いくつかの具体例においては、1個より多数の(more than one、複数の)吸排気用開口部116が不浸透性膜102内に形成されるかもしれない。例えば、ある保護マスクは、第1の吸排気用開口部116を不浸透性膜102内に、前記ユーザが吸気する際に空気が前記第1の吸排気開口部116を経由して進むような一方向バルブを有するものとして備えてもよい。この保護マスクは、第2の吸排気用開口部116であって、前記ユーザが息を吐く際にそのユーザの息が第1の吸排気用開口部116ではなく第2の吸排気用開口部116を経由して外向きに向かうように逆向きに(oppositely、第1の吸排気用開口部116の向きとは逆向きに)配向された一方向バルブを有するものとして備えてもよい。他のいくつかの具体例においては、ある保護マスクが、1個より多数の(more than one、複数の)吸排気用開口部116であって各々がフィルタ・カートリッジ300を備えるもの(fitted with、サイズが適合する状態で装着されるもの、など)を有してもよい。吸排気用開口部116は、アタッチメント機構120であって、フィルタ・カートリッジ300のうちの補完的な(complementary、アタッチメント機構120を補完する、アタッチメント機構120に対して相補的な、アタッチメント機構120を機械的に補完する)アタッチメント機構312に装着されるのに適するものに関連付けられてもよい。
【0102】
不浸透性膜102は、ユーザの顔に倣う(conform to、顔の形状に合わせて変形する、など)のに適した任意の材料であって、当該不浸透性膜102を経由する有害エージェントの通過(the passage、当該不浸透性膜102を通過するか通り抜けること)を許可しないものを用いて製作されてもよい。多くの具体例においては、不浸透性膜102が、自身を経由する複数の流体または固形の粒子の通過(the passage、当該不浸透性膜102を通過するか通り抜けること)を制限するかまたは防止するものであってもよい。さらに、不浸透性膜102は、不浸透性(impermeability)を低下させることなく容易に浄化(cleaned)可能または無害化(sanitized)可能な材料を用いて製作されてもよい。例えば、いくつかの具体例においては、不浸透性膜102が、プラスチック(熱硬化性か熱可塑性)によって製作されてもよい。いくつかの実施形態においては、不浸透性膜102が、透光性または部分的な透光性を有するプラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(「PET」)、ポリカーボネート(polycarbonate)(レキサン(Lexan)(登録商標)として知られている)、アクリル酸(acrylic)、ポリ乳酸(polylactic acid)またはそれらと同様のものによって製作されてもよい。この種のいくつかの実施態様においては、眼カバー部112が存在する場合には、前記透光性を有するプラスチックにより、ユーザが眼カバー部112を通して外部を見ることが可能になるかもしれない。前記透光性を有する材料により、他人が前記ユーザの顔を見ることも、同様に、可能になるかもしれず、このことは、防犯上の理由、同様に情緒的な理由のために有利であるかもしれない(例えば、医師および看護師は、それらの者の顔全体を患者が見ることが可能であるとき、患者とより良好な信頼関係を結ぶことができる)。
【0103】
シーリング・エレメント118は、前記ユーザの顔部に対してシールするように、不浸透性膜102の周囲に沿って(around、全周的に、など)配置され、空気および有害エージェントが不浸透性膜102の境界線(border、周囲)の周りに浸透する(permeating around、前記境界線を迂回して浸透する、など)ことを防止してもよい。シーリング・エレメント118は、複数のシールを、例えば、冗長性、ユーザの快適性、改良されたシーリング性能またはそれらと同様なもののような目的のために有してもよい。例えば、図2A図2Cに示されるように、シーリング・エレメント118内の第1シール126が、不浸透性膜102の外周縁の近傍に配置されてもよく、また、第2シール128が、不浸透性膜102の前記周縁(the perimeter edge、前記外周縁)に対して相対的に前記第1シール126から内側に配置されてもよい。チャネル130が、第1および第2シール126,128の間に形成されてもよい。いくつかの具体例においては、シーリング・エレメント118が、互いに隣接する2個以上のシールを有してもよい。いくつかの具体例においては、シーリング・エレメント118が、不浸透性膜102の内側(the interior、内側面)に沿って(around)、例えば、眼カバー部112と口鼻カバー部114との間に配置されてもよい。シーリング・エレメント118は、例えば、前記保護マスク(the protective mask、保護マスク100)が眼カバー部112を有するいくつかの具体例における如く、ユーザが自身の両眼に触れることを防止するかまたはそれを思いとどまらせるかもしれない。同様にして、シーリング・エレメント118は、ユーザが自身の鼻および/または口に触れることを思いとどまらせるかもしれない。例えば、シーリング・エレメント118は、ユーザが自身の顔に触れるために指を不浸透性膜102の下から挿入することを防止するかまたは思いとどまらせるかもしれない。したがって、保護マスク100は、ユーザが有害エージェントを自身の身体に自身の両眼、鼻または口を経由して導入することを防止するかもしれない。
【0104】
いくつかの実施態様においては、エア・ムーバ(air mover、空気ムーバ)132、例えばファンのようなものが、チャネル130内に配置されるかまたはチャネル130と流体的に連通する状態で(in fluidic communication with)配置されてもよい。エア・ムーバ132は、前記チャネル内での空気の移動(move、流れ)を引き起こし、それにより、肌のうち、マスク100の前記複数のシール間に位置する部分を冷却する。チャネル130およびエア・ムーバ132は、前記マスクの内側表面124と、マスク10を着用しているユーザの顔との間の内側空間125から流体的に絶縁され(fluidically isolated)てもよい。チャネル130およびエア・ムーバ132は、さらに、マスク100の外側にある大気(atmosphere、外気)から流体的に絶縁されてもよい。チャネル130,シール126,128およびエア・ムーバ132は、有害エージェントに対する前記マスクの前記シール(the seal、シール部、シール状態、など)を維持しつつ、クローズド・ループ(closed-loop、外部から流体的に遮蔽された状態で空気が循環するタイプなど)型冷却エリア(a closed-loop cooling area、1つのエリア、など)であって前記マスクを着用するユーザの顔を冷却するように作用するものを形成してもよい。例えば、シール126,128は、ユーザの肌面に対してシールされ、それにより、エア・ムーバ132からの空気が、前記肌のうち、シール126,128直下の部分またはシール126,128に隣接する(シール126,128の反対側において)部分に到達することができないものであってもよい。エア・ムーバ132は、ユーザの肌の生理学的反応を刺激するように作用する。言い換えると、前記肌のうちシール126,128間の部分を冷却することにより、前記肌のうち、シール126,128間に位置するチャネル130の直下に位置する部分に向かう血流が冷却されることになる。前記チャネル直下のエリアへの血液の流れが継続するにつれて、その血液が冷却される。
【0105】
したがって、エア・ムーバ132は、前記ユーザの発汗を、マスク100を着用している間、軽減することを支援してもよい。エア・ムーバ132は、ソース(source、無害化用エージェント・ソース)200が電力源(electrical power source、電源など)である複数の実施態様においては、無害化用エージェント・ソースにより電力(powered、パワー)が供給されてもよい。いくつかの実施態様においては、エア・ムーバ132が、それ自身に専用の電源を有してもよい。
【0106】
シーリング・エレメント118は、シールをユーザの顔と不浸透性膜102との間に形成することに適するように構成された(adapted)任意の適切な材料によって製作されてもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、アタッチメント部材104が不浸透性膜102をユーザの顔に押し付けてシール(例えば、前記シールは、前記ユーザの顔特徴部に倣うように変形することができる)を形成することから生じる圧力を受けて実質的に(substantially、大きく)変形するようにシーリング・エレメント118が選択されるが、そのシーリング・エレメント118は、依然として前記ユーザにとって快適であってもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、ソフト・デュロメータ・エラストマー(a soft durometer elastomer、低デュロメータ硬度を有するエラストマーなど)、例えば、天然ゴム、ラテックス(latex)、シリコーン(silicone)、ニトリル(nitrile)またはそれらと同様なものによって製作されてもよい。多くの具体例においては、シーリング・エレメント118が、何回も使用可能であるかまたは何人ものユーザによって使用可能であるように弾性的に変形するものであってもよい。いくつかの実施態様においては、シーリング・エレメント118が、ユーザの顔に倣う(conform to、顔の形状に合わせて変形する、など)が、取り外すと(when removed、顔から外すと)、自身の元の形状に復元しないように可塑的に変形するものであってもよい。
【0107】
アタッチメント部材104は、1または複数のデバイスであって、保護マスク100を前記ユーザの顔に接触状態で保持するとともに、シールを前記ユーザの顔とシーリング・エレメント118との間に形成するのに適切なものであってもよい。アタッチメント部材104は、不浸透性膜102に、その不浸透性膜102内に穴を形成することがない方法で装着され、それにより、シーリング・エレメント118により形成された前記シールの効果を減退させる(compromising、阻害する)ことを防止してもよい。例えば、アタッチメント部材104は、任意の適切な方法、例えば、接着剤、ファスナ(fastener)(例、ボタン、留め金(clasp、クラスプ)、面ファスナまたはそれらと同様なもの)、溶接、ろう付け(brazing)またはそれらと同様なものによって不浸透性膜102の外側表面に装着されてもよい。この種の外側アタッチメント構成(outer attachment arrangement、アタッチメント部材104を不浸透性膜102の外側表面に装着するための構成)により、アタッチメント部材104が不浸透性膜102の効果を、例えば、外側部122と内側部124との間の通路(a passage between the external side 122 and the internal side 124、外面122から内面124まで延びる貫通穴など)であって有害エージェントが前記フィルタ・カートリッジを迂回してユーザの顔に到達することを可能にするものを形成することなどによって阻害することが防止されるかもしれない。
【0108】
いくつかの具体例においては、アタッチメント部材104が、ストラップ(a strap、1つのストラップ、帯状体など)であり、そのストラップは、ユーザの頭部にそれの外周に沿って(around、頭部の外周に)フィットする(fits、形状的に適合する、ぴったり合う)とともに不浸透性膜102をユーザの顔に押し付ける。このストラップは、例えば、弾性エレメント(elastic element、弾性体)、鞍帯(cinch)、面ファスナ、留め金、ボタンまたはそれらと同様なものの使用により、異なる複数のサイズおよび異なる複数の形状を有する複数人のユーザの頭部にフィットするように調整可能なものであってもよい。いくつかの具体例においては、1個より多数の(more than one、複数の)のアタッチメント部材104が使用されてもよい。例えば、1つのアタッチメント部材104が、ユーザの頭部の外周にフィットするように適応的に構成されてもよい一方、第2のアタッチメント部材104が、ユーザの首部の外周にフィットするように適応的に構成されてもよく、それらは、図2Aおよび図2Bに例示されている。別の例として、1つのアタッチメント部材が、ユーザの頭部の頂部の外周に沿って延びてもよく、また、1つのアタッチメント部材が、ユーザの頭部の下部の外周に沿って延びてもよい。この方法で、保護マスク100が、種々の頭部形状および種々の頭部サイズを有する複数人のユーザに適合するように構成され(adapted to)てもよい。
【0109】
図1図5を参照すると、フィルタ・カートリッジ300は、吸排気用開口部116内に静置され(seat、沈座され、着座され)、それにより、ユーザが空気を吸排気する(respirates、呼吸する、など)につれて空気および他の流体がフィルタ・カートリッジ300を通過するように引き込まれるものであってもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が吸排気用開口部116に恒久的に(permanently、永続的に)固定されてもよい。一方、他の具体例においては、フィルタ・カートリッジ300が不浸透性膜102に着脱可能に装着されてもよい。この種のフィルタ・カートリッジ300は、例えば、規定された使用期間の満了時において(例えば、使用された時間の長さ、通過した空気の量(volume、容積)、または有効期限)交換可能なものであってもよい。複数のフィルタ・カートリッジ300が、特定の脅威すなわち注目される有害エージェントに応じて選択的に不浸透性膜102に装着されてもよい。例えば、1つのフィルタ・カートリッジ300が、サーズコロナウイルス2を捕集して(filter)無力化する(deactivate)ように適応的に構成されて(adapted)もよい一方、別のフィルタ・カートリッジ300が、例えば、マスタードガス(mustard gas)のような発泡剤(a vesicant)のような化学兵器を捕集して(filter)無力化する(deactivate)ように適応的に構成されてもよい。ユーザは、想定される脅威または使用環境を基に、適切なフィルタ・カートリッジ300を選択してもよい。いくつかの具体例においては、複数のフィルタ・カートリッジ300が複数の有害エージェントを無力化するために直列に積み重ねられたものであってもよい。この種の積層フィルタ・カートリッジ300は、1つのフィルタ・カートリッジ300から、それに積み重ねられた別のフィルタ・カートリッジ300まで、無害化用エージェントを通過させるために、いくつかの界面(interfaces、境界層、介在層など)を有してもよい。この種のフィルタ・カートリッジ300は、いくつかのインジケータ、例えば、無力化のために適応的に構成された当該フィルタ・カートリッジ300によって無力化される特定の有害エージェントを示すための記号(symbles、シンボル)またはカラーコード(color codes)を有してもよい。
【0110】
図7図9を参照すると、フィルタ・カートリッジ300の一例が示されている。このフィルタ・カートリッジ300は、フィルタ・エレメント304,無害化用エミッタ306,1または複数の封じ込めエレメント302,封じ込めエレメント308およびカートリッジ・ハウジング310を有しており、そのカートリッジ・ハウジング310は、当該カートリッジのうちの自身以外の複数の部品(components)を支持する。図7図9に示す前記例においては、フィルタ・カートリッジ300が実質的に円筒状であるが、他の適切な形状、例えば、立方体、角柱、平行六面体、不規則な形状およびそれらと同様なものが使用されてもよい。フィルタ・カートリッジ300の形状は、前記吸排気用開口部の位置およびサイズを基に選択されてもよい。
【0111】
フィルタ・カートリッジ300の形状は、フィルタ・エレメント304を通過する無害化用エージェントの浸透(permeation)を最適化するように選択されてもよい。例えば、フィルタ・エレメント304であって円形断面を有するものは、与えられたサイズ(size、面積、など)に対して最小となる周長を有してもよい。したがって、非円形断面を有するフィルタ・エレメントに対して相対的により少ない数のエミッタ(emitters、無害化用エミッタ、など)が、前記周長に沿って配置されるとともに、無害化用エージェントをフィルタ・エレメント304に浸透させるものであってもよい。例えば、四角形断面を有するフィルタ・エレメントが、それと同じサイズを有するとともに円形断面を有するフィルタ・エレメントより長い周長を有してもよい。同様に、円形断面を有するフィルタ・エレメント304が、前記無害化用エージェントを当該フィルタ・エレメント304に一様に浸透させることを単純化してもよい。例えば、円形断面を有するフィルタ・エレメント304においては、複数の無害化用エミッタ306または複数のエミッティング・エレメント(emitting elements、放出部、放出体など)318が、フィルタ・エレメント304の中心から均等であるように(uniformly、等距離に、等角度間隔に、など)配置されてもよい。いくつかの例においては、無害化用エミッタ306またはエミッティング・エレメント318が、フィルタ・エレメント304の中心から概して等距離に位置するものであってもよい。よって、無害化用エミッタ306は、非円形断面を有するエレメントと比較して、フィルタ・エレメント304をより一様に(uniformly、均等な密度で)浸透させる(permeate、浸透する、充填する)ことが可能である。
【0112】
カートリッジ・ハウジング310は、フィルタ・カートリッジ300のうち自身以外の複数のエレメントを支持し、また、カートリッジ・ハウジング310を不浸透性膜102に装着するためのアタッチメント機構312を、例えば、それを補完するアタッチメント機構120の位置において有してもよい。シールが、有害エージェントの通過を防止するものとして、カートリッジ・ハウジング310と不浸透性膜102との間に形成されてもよい。多くの具体例においては、そのシールが、流体および/または固形粒子の通過を防止してもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構312が、不浸透性膜102に着脱可能に接続されてもよい。例えば、アタッチメント機構312は、いくつかのねじ山(threads、螺合部)、例えば、らせん状ねじ山であって、アタッチメント機構120のらせん状ねじ山であって相手を補完するものに回転可能に嵌り合うものを有してもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構120またはアタッチメント機構312のうちの一方が、バヨネット式マウント(bayonet mount)の一部、例えば、フィンガー部(fingers、凸部、雄側部)を有してもよく、また、アタッチメント機構120またはアタッチメント機構312のうちの他方が、バヨネット式マウント(bayonet mount)のうち、相手を補完する部分、例えば、トング(tangs、雄側部を補完する部材、など)またはスロット(slots、溝、凹部、雌側部)であって、前記フィンガ部(fingers)と係合するものを有してもよい。他のいくつかの具体例においては、アタッチメント機構312が、不浸透性膜102に恒久的に連結されてもよい。例えば、アタッチメント機構312およびアタッチメント機構120は、溶接されたり、接着されたり、ろう付けされたり、または他の方法で連結されてもよい。いくつかの具体例においては、アタッチメント機構312またはアタッチメント機構120が、磁気的エレメント(magnetic element、磁気力または磁気的吸引力を有するエレメント)であって、アタッチメント機構312およびアタッチメント機構120のうちの他方に分離可能(releasably)に連結されるように適応的に構成されたものを有してもよい。いくつかの実施態様においては、カートリッジ・ハウジング310が、不浸透性膜102と一体的に、例えば、単一の連続部品という形態で形成されてもよい。
【0113】
フィルタ・エレメント304は、空気の通過は許すが複数の粒子、例えば、有害エージェントの複数の粒子の通過は遮断または捕集する(filter、トラップする、捕捉する)のに適した任意のエレメントであってもよい。このフィルタ・エレメント304は、有害エージェントの複数の粒子をフィルタ・エレメント304内に捕捉し、それにより、保護マスク100のユーザへのまたはそのユーザからの前記複数の粒子の拡散を防止してもよい。その密度(the density、フィルタ・エレメント304の密度)により、フィルタ・エレメント304は、フィルタ・エレメント304内における有害エージェントの複数の粒子を、最終的には通り抜けるとしても、その滞留時間(dwell time)を増加させてもよい。したがって、フィルタ・エレメント304は、有害エージェントが無害化用エージェントに曝露する時間を増加させ、それにより、その無害化用エージェントが前記有害エージェントを無力化する効果を増加させてもよい。
【0114】
フィルタ・エレメント304は、所定の粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子のうちのある部分(a percentage of、一定の部分、ある割合、ある集まり)を捕集する(filter)ように適応的に構成されてもよい。例えば、種々のフィルタ・エレメントが、国立労働安全衛生研究所(「NIOSH」)により、所定の粒径(size、サイズ)を有する複数の粒子を捕集する(filter)効果に関して評価されてもよい。一例においては、フィルタ・エレメント304が、フィルタ・エレメント304が0.3ミクロン以上の粒径を有する複数の空中浮遊粒子のうちの少なくとも95%を除去することが可能であることを意味する「N95」として評価されてもよい。同様に、「N100」フィルタ・エレメントが、0.3ミクロン以上の粒径を有する複数の粒子のうちの99.97%を捕集する(filter)ことが可能である。他のいくつかの例においては、フィルタ・エレメント304が、最小効率レポート値(「MERV」)(MERV、最低捕集効率)評価法を用いて評価されてもよい。例えば、MERV13というMERV定格を有するフィルタ・エレメント304は、3ミクロンから10ミクロンまでの範囲内の粒径を有する複数の粒子(例えば、カビ胞子、ダスティング・エイド(dusting aids、ほこり取り補助材)および、セメント・ダスト(cement dust))を捕集する(filter)ことに関して90%の捕集効率を有する。いくつかの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、50ミクロンより大きい粒径を有する複数の粒子を捕集して(filter)もよい。
【0115】
フィルタ・エレメント304は、有害エージェントを捕捉し(trap)、遮断し(block)またはその有害エージェントの通過を遅延させることが可能である任意の適切な構造体および/または材料を用いて製作されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、ある材料(a material)より成る複数本のフィラメントによって形成される縦糸(warp)および横糸(weft)を有する織物(woven fabric)を用いて製作されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、不織布を用いて形成されてもよい。例えば、フィルタ・エレメント304は、スパンボンド(spun bonded)材料またはメルトブロー(melt blown)材料より成る1または複数の層を有してもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304は、フォーム、例えば、オープン・セル・フォーム(open cell foam)またはクローズド・セル・フォーム(closed cell foam)を有してもよい。いくつかの具体例においては、前記フィルタ・エレメントが、捕集表面積(filtering surface area)を増加させるために、ひだ状化され(pleated、プリーツ状化され)てもよい。適切な複数の構造体の組合せが使用されてもよい。複数の適切な材料についてのいくつかの例が、天然素材であって、綿、ウール、ジュート、フラックスまたは麻のようなものを有してもよい。合成材料、例えば、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester)レーヨン(rayon)またはそれらと同様なもののようなものであるプラスチックが使用されてもよい。いくつかの具体例においては、フィルタ・エレメント304が、活性炭またはそれと同様なもののような吸着材料または吸収材料を有してもよい。これらの材料または他の複数の材料の組合せが使用されてもよい。
【0116】
いくつかの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、2またはそれより多い数の材料であってそれぞれ互いに異なるフィルタ定格を有するものを有してもよい。例えば、フィルタ・エレメント304は、大きな粒子については、ライト(light、光)前置フィルタ(light pre-filter)を有し、小さな粒子については、第2の主フィルタ(main filter)を有してもよい。フィルタ・エレメント304のすべてまたはそのうちの一部が、フィルタ・カートリッジ300から取り外し可能であってもよい。例えば、フィルタ・エレメント304がその寿命を終えると、そのフィルタ・エレメント304は、フィルタ・カートリッジ300から取り外されて、浄化されるかまたは他のフィルタ・エレメント304と交換されてもよい。同様に、前置フィルタが使用される場合、その前置フィルタは、フィルタ・カートリッジ300から取り外されて、浄化されるかまたは他の前置フィルタと交換されてもよい。フィルタ・エレメント304は、たとえ前記無害化用エージェントが故障し、枯渇しまたは他の方法で使用不能となったとしても、複数の有害エージェント粒子を捕捉することに効果的であるかもしれない。
【0117】
無害化用エミッタ306は、有害エージェントを無力化するように作用する(operative、作動する、機能する)無害化用エージェントを放出する(emits、エミットする)任意のエレメントであってもよい。いくつかの実施態様においては、無害化用エミッタ306が、フィルタ・エレメント304に直接的に(directly、中間介在物なしで)隣接してもよい。例えば、前記無害化用エミッタは、フィルタ・エレメント304と直接的に接触してもよい。直接的な接触は、前記無害化用エージェントがフィルタ・エレメント304内に均等にかつ全体的に(thorough)浸透すること(permeation)を可能にするかもしれない。一例においては、図7図9に示されるように、無害化用エミッタ(sanitizing emitter、無害化用放出部)306が、有害エージェントを無力化するように作用する複数のUV(UV、紫外線)LED(LEDs、発光ダイオード、UV光を発光するダイオード)より成るLEDアレイ(array、配列)である。他の適切なUVエミッタ(UV emitters)が使用されてもよく、それは、例えば、蛍光管(fluorescent tube、蛍光灯)である。例えば、図5図7図8A図8Bおよび図9に示されるように、前記LEDアレイは、無害化用エージェントをUV光という形態でフィルタ・エレメント304内に投射するために、フィルタ・エレメント304の外周に沿って配置される1または複数の列320という形態を有する。それら列320は、互いに平行であってもよい。それら列320は、1または複数の独立した(individual、個別的な)エミッティング・エレメント318を、列を成すかまたは他の配列態様で配列されるものとして有してもよい。フィルタ・エレメント304が円形断面を有する複数の実施態様においては、列(the rows、上述の、1または複数の列)320が、1または複数のリングであってもよく、それらは互いに平行であってもよい。例えば、複数のエミッティング・エレメント318、例えば、複数のLEDは、列320に沿って直列的に並ぶ状態で互いにすき間を隔てて並んでもよい。無害化用エミッタ306は、フィルタ・エレメント304の外周(exterior perimeter)、例えば、フィルタ・エレメント304の周縁(circumferential edge)を包囲する(surround、外周に沿って延びるように配列される、外周のまわりを全周的に延びるように配列される、など)ものであってもよい。複数のLEDより成る複数のリングが使用される場合、それらリングは、前記複数のLED(the LED、前記複数のリングに属する複数のLED)が互い違いの状態にある(staggered、複数のリングの間において複数のLEDが互いにずれるように配置される)ように配置されてもよい。このような互い違いの配置は、前記無害化用エージェントがフィルタ・エレメント304により一様に浸透することを可能にするかもしれない。いくつかの実施態様においては、複数のLEDが、異なる複数の波長を有する光を放出するように適応的に構成され(adapted)てもよい。例えば、一部のLEDが、ウイルスを無力化するのに効果的な光を放出するように適応的に構成される一方、他のLEDが、バクテリアなどを死滅させるのに適合する光を放出するように適応的に構成されてもよい。
【0118】
多くの実施態様においては、前記UV光が、220-280ナノメータの範囲内にある波長を有してもよい。いくつかの実施態様においては、前記UV光が、最長でも約400ナノメータである波長を有してもよい。好ましいいくつかの実施態様においては、前記UV光が、約264-約265ナノメータの範囲内にある波長を有してもよい。いくつかの有害エージェントがフィルタ・エレメント304内に進入してそこを通過する際、それら(they、前記いくつかの有害エージェント)が前記UV光に曝露される状態となってもよく、そして、それらが無力化されてもよく、このことは、それらが、最終的に、フィルタ・エレメント304内に捕捉される状態(become trapped、捕捉されてそこに滞留する状態)になるかフィルタ・エレメント304を通過するかを問わない。したがって、前記無害化用エージェント、例えば、UV光は、フィルタ・エレメント304が有害エージェントを温存させる(harboring)ことを防止するかもしれない。
【0119】
フィルタ・カートリッジ300は、前記無害化用エージェントがフィルタ・カートリッジ300から離脱してしまうことを防止することを支援する1または複数の封じ込めエレメントを有してもよい。例えば、図5図7図8A図8Bおよび図9に示されるように、フィルタ・カートリッジ300は、1または複数の封じ込めエレメント302と、封じ込めエレメント308とを有してもよい。前記無害化用エージェントが光である前記具体例においては、封じ込めエレメント302および封じ込めエレメント308が、前記光がフィルタ・カートリッジ300から漏れ出てしまうことを防止するために前記光を吸収しおよび/または反射する材料を用いて製作されてもよい。例えば、封じ込めエレメント302および/または封じ込めエレメント308は、UVを吸収するかまたは反射するポリマー,アルミニウム・シートまたは他の適切な材料により製作されてもよい。前記光がUV光である前記一例においては、前記エミッタから放出されるUV光が、ユーザの肌もしくは眼(eyes、両眼など)またはその近傍にいる他人の肌もしくは眼(eyes、両眼など)に影響を及ぼすことを軽減することを支援することが重要であるかもしれない。ある封じ込めエレメント308は、フィルタ・エレメント304のエッジ(edge、縁、端面など)からカートリッジ・ハウジング310に向かう向きにおいて、無害化用エミッタ306に対して相対的に横方向外側に配置され(disposed transversely outward、横軸方向外向きとなる位置に配置され、半径方向外側に配置され)てもよい。したがって、この封じ込めエレメント308は、無害化用エミッタ306の外周を包囲するとともに、前記無害化用エージェントを、フィルタ・エレメント304に対して相対的に横方向に(in a transverse direction、横軸方向に、半径方向に、横軸方向を向く姿勢で、横軸上で、など)封じ込めてもよい。ある封じ込めエレメント302(A containment element、一方の封じ込めエレメント)は、内側表面124から不浸透性膜102の外側表面122に向かう向きの縦方向に(in a longitudinal direction、一方の縦方向に、一方の長手方向に、一方の軸方向に)、無害化用エミッタ306に対して相対的に外向きとなる位置に配置され(disposed outwardly、外側に配置され)てもよい。別の封じ込めエレメント(Another containment element、他方の封じ込めエレメント)302は、外側表面122から不浸透性膜102の内側表面124に向かう向きの縦方向に(in a longitudinal direction、他方の縦方向に、他方の長手方向に、他方の軸方向に)、無害化用エミッタ306に対して相対的に内向きとなる位置に配置され(disposed inwardly、内側に配置され)てもよい。したがって、それら封じ込めエレメント302は、それぞれ、前記無害化用エージェントを、フィルタ・エレメント304に対して相対的に正逆両方向としての縦方向に(in longitudinal directions、正逆両縦方向に、正逆両縦軸方向に、正逆両長手方向に、など)封じ込めてもよい。
【0120】
他のいくつかの例においては、無害化用エージェントが、有害エージェントを無力化するように作用する流体であってもよく、それは、例えば、ディスインフェクタント流体(disinfectant liquid、有害エージョントの感染力を失わせるための流体、有害エージェントを破壊するための流体、など)である。無害化用エミッタ306は、前記無害化用エージェントをフィルタ・エレメント304に浸透するように放出する。例えば、エタノール(ethanol)または次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorite)の溶液が、エミッタ、例えば、ノズルまたは噴霧器(sprayer、スプレーガン)のようなものにより、フィルタ・エレメント304に適用され(applied、塗布され)てもよい。
【0121】
多くの実施態様においては、フィルタ・エレメント304が、シール(seal、密着部、封止部)を、カートリッジ・ハウジング310のいくつかの内壁、封じ込めエレメント308および/または無害化用エミッタ306の間に形成してもよい。例えば、フィルタ・エレメント304の外側寸法(outer dimension、外法、外径寸法)は、無害化用エミッタ306の内側寸法(inner dimension、内法、内径寸法)より大きい寸法であってもよい。よって、フィルタ・エレメント304は、カートリッジ・ハウジング310、封じ込めエレメント308および/または無害化用エミッタ306との間にしまりばめ(an interference fit)を有してもよい。いくつかの実施態様においては、シールが、フィルタ・エレメント304とカートリッジ・ハウジング310との間、フィルタ・エレメント304と封じ込めエレメント308との間、および/またはフィルタ・エレメント304と無害化用エミッタ306との間に配置されてもよい。例えば、前記無害化用エージェントが光である場合、透光材料が無害化用エミッタ306とフィルタ・エレメント304との間に配置されてもよい。例えば、UV光を透過する石英ガラス材料(fused quartz material)が、カートリッジ・ハウジング310とフィルタ・エレメント304との間、封じ込めエレメント308とフィルタ・エレメント304との間、および/または無害化用エミッタ306とフィルタ・エレメント304との間に配置されてもよい。
【0122】
無害化用エージェント・ソース200は、前記無害化用エージェントのためのソースを収容する。いくつかの実施態様においては、無害化用エージェント・ソース200が、電源、例えば1次電池または2次電池であって、光源の如き無害化用エミッタにパワー(power、電力)を供給するように適応的に構成されるものである。他のいくつかの実施態様においては、無害化用エージェント・ソース200が、無害化用エージェント、例えば無害化用流体を貯蔵するリザーバ(reservoir)、および、機構、例えば、ポンプ、ファン、コンプレッサまたはバルブの如く、前記無害化用流体を前記無害化用エミッタに分配するように適応的に構成されるものであってもよい。無害化用エージェント・ソース200は、前記エミッタ(the emitter、上述の無害化用エミッタ、上述の光源など)をサプライする(supply the emitter、前記エミッタに電力を供給する、前記エミッタに前記無害化用エージェントを供給する、など)ために、前記無害化用エミッタに作動的に(operatively、一定の相互作動を行う状態で、相互連携する状態で)連結されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200が電源である場合、無害化用エージェント・ソース200は、電気を運搬するために、前記無害化用エミッタにワイヤ(wire、電線、導線)によって作業的に(operatively、一定の相互作動を行う状態で、相互連携する状態で)接続されてもよい。他の例においては、前記無害化用エージェントが流体である場合、無害化用エージェント・ソース200は、前記無害化用エミッタに導管(conduit)、例えば、チューブ、パイプまたはホースによって接続されてもよい。
【0123】
無害化用エージェント・ソース200は、保護マスク100上の任意の適切な場所内に配置されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200は、図1に例示されているように、アタッチメント・エレメント(an attachment element、前述のアタッチメント部材104など)に関連付けられてもよい。他のいくつかの例においては、図8Bおよび図9に示される如く、無害化用エージェント・ソース200が、フィルタ・カートリッジ300のカートリッジ・ハウジング310内に配置されてもよい。例えば、無害化用エージェント・ソース200は、カートリッジ・ハウジング310内に配置された電源314であってもよい。その電源314は、1次(使い捨て(single use))電池であってもよいか、または2次(充電可能)電池、例えばリチウム電池であってもよい。その電源314は、パワー・コネクタ316を介して充電されてもよく、そのパワー・コネクタ316は、外部電源、例えば、外付けバッテリ、ACアダプタ、壁コンセントまたはそれらと同様なものからパワーを受けるように適応的に構成されている。無害化用エージェント・ソース200は、アクチュエータ、例えば、スイッチまたはバルブであって、前記無害化用エージェントの供給を制御するものによって作動させられてもよい。
【0124】
いくつかの実施態様においては、前記無害化用エージェントが、有害エージェントの無力化レベルを目標値に維持しつつ、低密度(less dense)型のフィルタ・エレメント304(すなわち、より低いフィルタ効率(lower filtration efficiency)を有するフィルタ・エレメント)を使用することが可能であってもよい。低効率型のフィルタ・エレメント304は、高効率型のフィルタ・エレメントより多孔性であるため、その効率が低いほど、保護マスク100を着用したままユーザが呼吸することが容易になる。低効率型のフィルタ・エレメント304は、また、高効率型のフィルタ・エレメント304より安価であるか、および/またはそれより長い使用可能寿命(serviceable life)を有するかもしれず、その高効率型のフィルタ・エレメント304であると、それが早期に目詰まりして自身を通過して呼吸することが不可能となることがあり得る。したがって、前記無害化用エミッタおよび無害化用エージェント(the sanitizing emitter and sanitizing agent、前記無害化用エミッタと前記無害化用エージェントとの組合せ)は、ユーザの快適性を増加させるか、ユーザが高効率型のフィルタ・エレメント304より高い呼吸数を伴う活動(例えば、激しい身体運動、ストレスがかかる状況またはそれらと同様なもの)に参加することが可能となるか、または、保護マスク100の使用可能寿命を延命させるかもしれない。
【0125】
組立状態にあるフィルタ・カートリッジ300においては、封じ込めエレメント308がカートリッジ・ハウジング310内に挿入されてもよい。無害化用エミッタ306は、封じ込めエレメント308の内側に挿入されてもよい。フィルタ・エレメント304は、カートリッジ・ハウジング310内に、無害化用エミッタ306の内側において、ぴったりと嵌り込んで(fitted into)もよい。フィルタ・エレメント304は、無害化用エミッタ306に押し付けられて(against、対抗して)すき間なく(snugly、ぴったりと)挿入されてもよい。この意味において、無害化用エミッタ306は、複数の個別のエミッティング・エレメント318を有する状態で、フィルタ・エレメント304に直接的に隣接してもよい。複数の封じ込めエレメント302は、フィルタ・エレメント304を覆うように組み立てられてもよい。
【0126】
図12は、フィルタ・カートリッジ500の一例を示している。そのフィルタ・カートリッジ500は、フィルタ・カートリッジ300に類似するものであってもよいが、異なる複数の封じ込め構造体(containment structures)を有するものであってもよい。フィルタ・カートリッジ500は、フィルタ・エレメント304と、無害化用エミッタ306と、エミッティング・エレメント318と、1または複数の封じ込めエレメント502と、封じ込めエレメント508と、アタッチメント機構312と、カートリッジ・ハウジング510であってフィルタ・カートリッジ500のうち自身以外の複数のコンポーネントを支持するものとを有する。それら構成要素は、本書類中に記載されたフィルタ・カートリッジ300のうち、対応するそれぞれの構成要素に類似してもよい。
【0127】
封じ込めエレメント(The containment element、それぞれの封じ込めエレメント、コンテインメント・エレメント)502は、1または複数の封じ込め構造体528を、ハウジング510の両端部(opposing ends、互いに対向する複数の端部)の位置に有する。それぞれの封じ込め構造体528は、前記無害化用エージェントをフィルタ・カートリッジ500内に封じ込める。例えば、前記それぞれの封じ込め構造体は、前記無害化用エージェントをフィルタ・カートリッジ500内に封じ込めるために、前記無害化用エージェントを反射しおよび/または吸収してもよい。封じ込めエレメント(The containment element、それぞれの封じ込めエレメント)502のうちの封じ込め構造体528は、蛇行状(tortuous)通路526を形成してもよく、その蛇行状通路526は、空気が封じ込めエレメント502を通り抜けることを許可するが、無害化用エミッタ506によって放出された無害化用エージェントが封じ込めエレメント502を通り抜けることを阻止する。いくつかの実施態様においては、封じ込め構造体(the containment structure、それぞれの封じ込め構造体、コンテインメント構造体)528が、バッフル(baffle、バッフル板、邪魔板、流れ阻止板、粒子を減速させてそれを分離する分離板など)528として形成されてもよい。いくつかの実施態様においては、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528が、その内部に開口部(aperture、貫通穴など)を形成してもよい。いくつかの例においては、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528が、紫外光(UV光、UV light)を遮断し(block)、反射し、捕集し(filter)、および/または吸収する材料より成る薄肉シートであってもよい。例えば、封じ込め構造体(a containment structure、それぞれの封じ込め構造体)528は、金属、不透明なプラスチック(opaque plastic)、金属化フィルム(a metallized film、金属層)、染色プラスチック基板(a dyed plastic substrate)、それら材料の組合せまたはそれら材料と同様ないくつかの材料であってバッフル528を構造的に形成することが可能であるとともにUV光を封じ込めることが可能なものによって形成されてもよい。
【0128】
フィルタ・カートリッジ500は、その内部に形成されたチャンバ522(a chamber、一つのチャンバ、いくつかのチャンバなど)を有してもよく、そのチャンバ522は、フィルタ・エレメント304および/または1もしくは複数の無害化用エミッタ506を収容する(contain、封じ込める)ように構成される。ハウジング510および/または1もしくは複数の封じ込め構造体528は、チャンバ522をフィルタ・カートリッジ500内に形成してもよい。例えば、ハウジング510は、チャンバ522の周壁(circumferential wall、周方向に延びる1つの壁、周方向に延びるいくつかの壁など)を形成してもよく、また、複数の封じ込め構造体528は、チャンバ522の両端部(opposing ends)を形成してもよい。チャンバ522は、フィルタ・エレメント304および1または複数の無害化用エミッタ506を収容するか(house)または収納し(contain、封じ込め)てもよい。多くの具体例においては、無害化用エミッタ506がフィルタ・エレメント304に接触する状態にあってもよい。いくつかの具体例においては、無害化用エミッタ506が、チャンバ522内に、例えば、無害化用エミッタ506bのように、フィルタ・エレメント304から離れて配置されてもよい。
【0129】
いくつかの実施態様においては、空気が、第1の(first、最初の)開口部530a内に流入し、バッフル528の周りの蛇行状通路526に沿って流れて、フィルタ・カートリッジ500の内側に配置された開口部530b、例えば、チャンバ522に隣接する開口部530bから流出する。空気が、引き続き、チャンバ522内を流れて、フィルタ・エレメント304を貫通して、チャンバ522のうち、前記空気が流入した端部とは反対側の端部に至る。空気がチャンバ522を貫通するにつれて、前記空気は、前記無害化用エージェントによって無害化されることおよび/またはフィルタ・エレメント304により捕集され(filter)てもよい。空気が、引き続き、開口部530cを貫通し、バッフル528の周りを流れて、フィルタ・カートリッジ500の開口部503dから排出されてもよい。空気の流れは、ユーザが吸気および排気するにつれて向きが逆転してもよく、ここに、その空気は、自身が前記カートリッジを貫通して流れるにつれて、いずれの向きにおいても(in both directions、双方向に)無害化される。
【0130】
いくつかの実施態様においては、チャンバ522が、無害化用エミッタ506によって放出された前記無害化用エージェントを反射するように作用する反射性チャンバ522であってもよい。例えば、ハウジング510および/またはバッフル528は、反射性を有するか、または自身の上に配置された反射膜すなわち反射層524を有してもよい。例えば、前記無害化用エージェントがUV光であるいくつかの実施態様においては、反射層524が、前記UV光を反射性チャンバ522内において反射させてもよい。反射性チャンバ522内における前記無害化用エージェントの反射が、有害エージェント(harmful agents)の前記無害化用エージェントとの接触を増加させてもよい。例えば、光ビームが、反射性チャンバ522内において、何百回、何千回またはそれらより多い回数で反射を行ってもよく、ここに、各回の反射は、その度に、前記無害化用エージェントが有害エージェント(harmful agent)に接触してそれを無力化する(neutralize)確率を増加させる。反射性チャンバ522は、反射性チャンバを有しないフィルタ・カートリッジ相当品(comparable)より少数の無害化用エミッタ506またはより小形の無害化用エージェント・ソース200の使用を可能にしてもよい。上述のように、チャンバ522内における前記無害化用エージェントの反射は、有害エージェント(harmful agent)が前記無害化用エージェントによって無力化(neutralized)される可能性を増加させてもよい。よって、反射性チャンバ522を有しないフィルタ・カートリッジに対して相対的に、より少数の無害化用エミッタが使用され、それにより、効果のレベルを維持するためにエミッタ数を減少させてもよい。例えば、無害化用エミッタ506であって単一のエミッティング・エレメント318を有するものが使用されてもよい。エミッティング・エレメント318がUV-LEDであって、反射性チャンバ522を有するいくつかの実施態様においては、エミッタ・ソース200の電池寿命が反射性チャンバ522を有しないフィルタ・カートリッジに対して相対的に延長されてもよい。
【0131】
組み立てられたフィルタ・カートリッジ300または500は、不浸透性膜102に装着されてもよい。例えば、カートリッジ・ハウジング310に関連付けられるアタッチメント機構312と、それを補完するアタッチメント機構120であって不浸透性膜102に関連付けられるものとが、互いに連結されてもよい。シールが、有害エージェントがフィルタ・カートリッジ300をバイパスすることを防止するために、フィルタ・カートリッジ300と不浸透性膜102との間に形成されてもよい。無害化用エージェント・ソース200が、前記無害化用エージェントを供給する(supply)ために、フィルタ・カートリッジ300に、例えば、導管(conduit)としてのワイヤ(wire、電線、導線)によって接続されてもよい。前記ユーザは、無害化用エージェントのフィルタ・カートリッジ300への供給(supply)を開始するために、無害化用エージェント・ソース200を起動させてもよい。ソース200は、アクチュエータ、例えば、スイッチ、バルブまたはそれらと同様なものによって起動させられてもよい。
【0132】
前記ユーザは、自身の(her)顔を覆うように不浸透性膜102を配置することによって保護マスク100を着用してもよい。例えば、前記ユーザは、前記鼻口カバー部(nose and mouth cover portion)114を自身の(her)前記鼻および口に対して位置合わせし、また、眼カバー部112が存在する場合には、その眼カバー部112を自身の(her)両眼に対して位置決めしてもよい。前記ユーザは、自身の(her)頭部および/または首の周囲に沿ってアタッチメント部材104を配置し、そのアタッチメント部材104を引き締めて(tighten、緊縮させて)、シールをシーリング・エレメント118と自身の(her)顔部との間に形成してもよい。
【0133】
前記ユーザが吸気するにつれて、空気がフィルタ・カートリッジ300,500内に引き込まれる。前記ユーザと不浸透性膜102との間の前記シールであって、シーリング・エレメント118によって形成されるものは、空気がフィルタ・カートリッジ300をバイパスすること(bypassing)を防止してもよい。したがって、前記ユーザが吸気または排気するすべての空気は、フィルタ・カートリッジ300を通過する。前記空気内の有害エージェントは、フィルタ・エレメント304によって捕捉される状態(become trapped、捕捉されてそこに滞留する状態)となってもよく、さらに、前記無害化用エージェントによって無力化(deactivated)されてもよい。したがって、たとえ前記有害エージェントが前記ユーザに接触したとしても、そのユーザは、被害を受けないかもしれない。さらに、前記無害化エージェントは、フィルタ・カートリッジ300を衛生的なものにする(clean、無害化する、無菌化する)ことを続けるとともに有害エージェントが蓄積されること(buildup)を防止してもよい。
【0134】
例えば、保護マスク100を着用しているユーザが、サーズコロナウイルス2の浮遊(airborne、空気によって運搬される)飛沫(droplets、液滴)が存在する環境にいる場合には、フィルタ・エレメント304内に引き込まれた飛沫がフィルタ・エレメント304によって捕捉される状態または封じ込められる(blocked、閉じ込められる)状態に至るかもしれない。無害化用エミッタ306によって放出されたUV光が、前記リボ核酸(the RNA、前記飛沫内の前記ウイルス粒子のRNA)を破壊する(damaging)ことにより前記飛沫内の前記ウイルス粒子を無力化(deactivate)してもよい。前記UV光が前記ウイルス粒子を無力化(deactivate)するため、ひょっとするとフィルタ・エレメント304を通過してしまうかもしれない飛沫が無害(non-damaging)なものになるかもしれない。前記ユーザが吸排気すると、その息は、ウイルス粒子に関して無害化され、それにより、本人および他人を保護してもよい。
【0135】
前記ユーザは、ある時間が経過したか、ある量の空気が呼吸されたか、ある回数の呼吸が行われた後、または、フィルタ・エレメント304が目詰まり(clogged)状態となった場合に、フィルタ・カートリッジ300を交換してもよい。無害化用エージェント・ソース200が欠乏状態になると、前記ユーザは、無害化用エージェント・ソース200を補充してもよい。例えば、前記ユーザは、電池を交換するかもしくは充電するか、または無害化用エージェントのリザーバもしくは容器(container)を補充し、それにより、前記保護が保護マスク100によって与えられる状態を維持してもよい。
【0136】
図13Aおよび図13Bは、マスク600の他の一例を示している。そのマスク600は、マスク100および他のいくつかのマスクの例であって本書類に記載されているものに実質的に類似するものであってもよい。しかしながら、マスク600は、それの顔シールド(the face shield、当該マスク600のうち、顔を遮蔽しまたは防護する部分など)すなわちレンズ(lens)を包囲するフレームを有してもよく、ここに、前記シールが、前記フレームに連結されるとともに前記フレームの周囲に沿って延びてもよく、かつ、前記フィルタ・カートリッジは、同様にして、前記フレームに連結されてもよい。それら例においては、マスク600が、より大きな透光エリアであって、当該マスクの着用者およびその着用者(例えば、患者)と関わり合う他人に対する会話および視認を容易にすることが可能であるものを有してもよい。さらに、図17A図17Gおよび図18A図18Gに示されるように、マスク600は、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)および/または透明(transparent、透光性を有するもの、科学的に見て透明であるもの)の材料であって、当該マスクを、ユーザ上に着用されている状態で、可能な限り「見えない(invisible)」すなわち人目を引かない(unnoticeable)ものにするものによって形成されてもよい。図17A図17Gは、マスク600のうち、前述のクリアまたは透明であるといういくつかの特徴(aspects、側面、特性)を示す複数枚の写真であって、それら特徴は、マスク700についての図18A-18Gに線図として示されている。例えば、種々の材料、例えば、パッド(padding)、シール、フレームまたはそれらと同様なものが、クリアまたは透明の材料によって形成されてもよい。
【0137】
マスク600および/またはマスク700は、不浸透性膜102に実質的に類似する不浸透性膜612を有してもよい。いくつかの例においては、不浸透性膜612が、完全に透明であるかまたは少なくとも部分的に透明であるとともに、前記ユーザの顔の特徴および表情が他人に視認可能であることを可能にするためにレンズまたは他のビューアブル・エレメント(other viewable element、視認を可能にする構成要素、など)として機能するものであってもよい。不浸透性膜612は、前記ユーザの顔から離れる向きに延びるように構成されてもよく、それにより、前記ユーザの快適性が増加し、同様に、前記ユーザの息から生じる曇り(fog)が軽減することが支援されてもよい。一例においては、不浸透性膜612が、トップ・エッジ(top edge、頂縁、頂面など)614から第1の角度で下向きに延びる第1部分すなわちトップ部(top portion、頂部)616を有するかもしれない。その第1部分616は、屈曲点(inflection point、屈曲線)610において遷移して(transition、変曲して、角度変化して)第2部分618に至ってもよく、その第2部分618は、引き続き、前記第1角度とは異なる第2角度でボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)に向かう。この方法で、屈曲点610が、リッジ(ridge、隆起部、畝、1本のリッジなど)、または2つの部分616,618間にある他の境界線を形成してもよい。注目すべきことは、屈曲点610の位置が、不浸透性膜612の表面を横切る向きに(across the surface、垂直方向に、など)変化し、それにより、第1および第2部分616,618のそれぞれの面積が、不浸透性膜612の幅寸法を横切る向きに(across the width、水平方向に、など)変化してもよいということである。いくつかの具体例においては、当該マスクが、前記ユーザの顔と不浸透性膜612の内側表面との間の容積(volume)すなわち空間(spacing、すき間)を前記鼻の位置に対応する位置において増加するものとして形成するように、屈曲点610の中心が、前記着用者の鼻に隣接するかまたはその鼻に対して位置合わせされるように配置されてもよい。言い換えると、不浸透性膜612は、ユーザの鼻が不浸透性膜612に衝突することも接触することもないように前記鼻を収容するように外向きに延びるように構成されてもよい。
【0138】
図13B図17Bおよび図18Bを参照すると、マスク600および/またはマスク700は、不浸透性膜612に連結するフレーム602を有してもよい。そのフレーム602は、マスク600および/またはマスク700のための構造的支持部を形成してもよく、また、不浸透性膜612の周囲の周りに沿って延びてもよい。このフレーム602は、1または複数の固定化用サポート(securing supports、取付用支持部)606a,606b,606c,606dを有してもよく、それらは、ストラップ用サポートまたはストラップ用コネクタであってもよい。一例においては、固定化用サポート606a,606b,606c,606dが、複数のタブ(tabs、耳部、突き出し部、垂れ部、相手部材との連結を行う部材など)として形成されてもよく、それらタブは、フレーム602から外向きおよび後向きに延びるとともに、いくつかのストラップ開口部605であって、各々、1本のストラップの一部を各開口部605を貫通する状態で収容するものを有する。いくつかの具体例においては、マスク600および/またはマスク700が、2本のストラップによって支持されるように構成されてもよく、それらストラップは、ユーザの頭部の一部の周りに沿って延び、かつ、その場合には、2セットの固定化用サポートが、マスク600および/またはマスク700のそれぞれの各サイド(each side、右側および左側、など)ごとに、かつ、前記トップ固定化用ストラップおよびボトム固定化用ストラップについて存在してもよい。上述の、デュアル・ストラップ(The dual straps、上述のように、固定化用ストラップを二重化すること、など)および前記いくつかの固定化用サポートを位置決めすることにより、前記複数本のストラップに作用する力をマスク600および/またはマスク700のうちの複数の位置の全体に分散することが促進され、それにより、当該マスクを着用する際の快適性が向上する。
【0139】
フレーム602は、硬質材料、例えばプラスチックのようなものによって形成されてもよく、さらに、マスク600および/または700のためのシールをユーザの顔の上に形成するように構成される。いくつかの例においては、フレーム602が、さらに、いくつかの部品、例えば、前記フィルタ・カートリッジのようなものを収容するものであってもよい。それらの例においては、フレーム602が、前記フィルタ・カートリッジ、バッテリ、または、マスク600および/または700のうちの他のコンポーネントを収容する1または複数のポケットを形成してもよい。一具体例においては、カートリッジ・ポケット642が、フレーム602のボトム・エッジ(bottom edge、底縁、底面など)640の上に形成されてもよく、それにより、不浸透性膜612の下方に前記カートリッジが配置され、それにより、そのカートリッジがフレーム602上に配置されるときに、前記ユーザの口、鼻および眼が前記カートリッジによって邪魔されない。それらに関連して、フレーム602は、前記カートリッジをフレーム602に固定するように作用(act)してもよい1または複数の固定化用特徴部を有してもよい。いくつかの具体例においては、前記フレームが、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)または実質的にクリアな材料によって形成されてもよい。
【0140】
シール608が、フレーム602の内側周部に沿って(around the interior)延びるとともに、ユーザの顔の上に配置されるように構成される。このシール608は、空気および有害エージェントが前記ユーザの肌とシール608のうちの底部表面または外側表面との間に侵入することを防止することを目的として、前記ユーザの顔に倣うために軟質材料であってもよい。一例においては、このシール608が、マスク600および/または700の周囲に沿って延びてもよく、また、このシール608は、ユーザのいくつかの顔特徴部に合致する(corresponds with、形状的に合致する)曲部(curvature、湾曲部、曲率部など)を有してもよく、例えば、前記着用者の顔の形状に概して追従して変化して(track)もよい。このシール608は、不浸透性または実質的に不浸透性を有する材料、例えば、ラバー、シリコーンまたはそれらと同様なものによって形成されてもよい。このシール608は、底部延長部(bottom extension、ボトム・エクステンション)644すなわち顎部を有してもよい。その底部延長部644は、不浸透性膜612の内側表面に向かって内向きに延びるとともに、シール608のための、拡大された表面積を有する。底部延長部644は、前記ユーザが、例えば、話をしている間、自身の口を動かすかもしれないときに、シールを維持することを支援するために、ユーザの顎部およびその周辺領域に対してシールするように構成される。この底部延長部644は、顎ストラップまたは顎シールとして作用してもよい。前記シールは、パッドとして形成されるとともに、前記ユーザにとって柔らかい感覚を有するものであってもよい。いくつかの具体例においては、前記シールが、クリア(clear、視覚的にきれい、視界を邪魔しないもの、澄明である)であるかまたは透明である(transparent、透光性を有し、など)材料、例えば、クリアなシリコーン、ラバーまたはソフト・プラスチックによって形成されてもよい。例えば、前記シールが前述のようにクリアまたは透明であるといういくつかの特徴を示す図17A図17Gおよび図18A図18Gを参照されたい。
【0141】
図16は、フィルタ・カートリッジ604の分解図を示している。このフィルタ・カートリッジ604は、自身内に配置されるフィルタ620を交換するためにユーザによりアクセスされるように、可動部品として(movable)構成されてもよい。例えば、フィルタ・カートリッジ604は、フレーム602に対して相対的に角変位可能であり(pivotable)、取り外し可能であり(removable)、または回転可能(rotatable)であってもよい。一例においては、フィルタ・カートリッジ604が、前記フィルタを収容するためのポケット630またはキャビティ(cavity、空洞部)を形成してもよい。一例として、フィルタ・カートリッジ604は、カートリッジ本体部628を形成してもよく、そのカートリッジ本体部628は、フレーム602に、それとの連結位置において合致する(matching、形状的に合致する)曲部(a curvature)を、カートリッジ604がフレーム602内に静置され(seat、沈座され、着座され)るように有してもよい。カートリッジ本体部628は、自身の長さに沿って延びる曲部(a curvature、1つの曲部、いくつかの曲部など)を有する長円(an oval)という形状を有してもよく、例えば、カートリッジ本体部628のうちの中間部(middle portion)が、カートリッジ本体部628の2つの端部より低い平面内に配置されてもよい。前記曲部(the curvature)は、さらに、前記ユーザの顔の形状に対応するように選択されてもよく、例えば、カートリッジ本体部628が前記ユーザの顔の上に配置されたとき、カートリッジ本体部628のうち最も低い部分が、前記ユーザの顎に対して位置合わせされてもよい。
【0142】
リップ(lip、唇状部品)622が、カートリッジ本体部628のうちの上面(top surface)から上向きに延びるとともにカートリッジ本体部628の周囲に沿って延びてもよい。一具体例においては、棚632すなわち張出部(ledge、レッジ)がカートリッジ本体部628の外縁(outer edge)とリップ622の外縁表面(outer edge surface、外周面、外側側面など)との間に形成されるように、リップ622が、カートリッジ本体部628の外縁(outer edge)から嵌め込まれる。
【0143】
いくつかのカップリング(coupling、相手部材との連結を行う)特徴部624a,624bが、カートリッジ本体部628に連結されてもよい。それらカップリング特徴部624a,624bは、カートリッジ604がフレーム602から変位可能または取り外し可能(detachable)であることを可能にする。一例においては、カップリング特徴部624a,624bが、いくつかの機械部品であって、フレーム602内における複数の特徴部のうち対応するものと連結するものとして形成されてもよい。一例として、第1カップリング特徴部624aが、曲がるとともに元の形状に弾性回復するかもしれない軟質性の(flexible、フレキシブルな、柔軟性を有する)タブ(tab、1つのタブ、いくつかのタブ、耳部、突き出し部、垂れ部、相手部材との連結を行う部材など)として形成されてもよい。別の例として、第2カップリング特徴部624bが、カートリッジ本体部628から離れる向きに外向きに延びる2つの尖端部(prongs、棒状部、雄側部、など)として形成されてもよい。しかしながら、他のカップリング特徴部624a,624b、例えば、ヒンジ(hinges)、ファスナ(fasteners)またはそれらと同様なものが同様に使用されてもよい。
【0144】
ガスケット626が、カートリッジ本体部628をフレーム602にシールする(sealing、封止する、密着する)ことを支援するために、カートリッジ本体部628の上に配置されてもよい。ガスケット626すなわちシールは、2つの部品間の接続部を充填する(fill、すき間を埋める)ために圧縮および拡張を行う圧縮性材料によって形成されるかもしれない。一例においては、ガスケット626が、棚632上に配置されるとともに、リップ622の外面壁(exterior surface wall、側壁面、前述の外縁表面、など)に押し付けられる状態で配置される。
【0145】
フィルタ620が、カートリッジ本体部628に連結される。例えば、フィルタ620は、ポケット630内に配置されるとともに、リップ622の内側表面に押し付けられる状態で拡張されてもよい。 フィルタ620は、カートリッジ604を貫通するいずれの空気の流れもフィルタ620を貫通せざるを得ないように、ポケット630全体を充填する(fill、すき間を埋める)ように構成される。フィルタ620は、定位置に(in position、規定された位置に、目標位置に)、摩擦ばめ(friction fit、締りばめ)(例えば、フィルタ620が前記ポケットよりわずかに大きいとともに定位置での(in position)保持のために圧縮されてもよい)、接着剤またはファスナまたはそれらと同様なものによって保持されてもよい。いくつかの例においては、フィルタ620が、カートリッジ604から取り外し可能であり、それにより、ユーザが、フィルタ620を取り外し、必要または要望に応じて交換することを可能にするものであってもよい。他のいくつかの例においては、カートリッジ604の全体が、取り外され、必要に応じて交換されるように構成されてもよい。フィルタ620は、全体として、フィルタ用材料、例えば、ファブリック(fabric、織物、編み物、布、生地など)、合成プラスチック・ファイバ、グラスファイバ(fiberglass)(織られているかまたは織られていないか)であり、その材料は、特定のサイズを有する分子の通過を許可するように、例えば、流動して通過することが可能である分子のサイズを制限するように構成される。いくつかの例においては、フィルタ620が、合成ポリマー・ファイバ製の微細メッシュ(fine mesh)、例えば、不織ポリプロピレン(polypropylene)製のファイバであってもよく、そのメッシュは、浮遊粒子のうちの95%を捕集する。フィルタ620は、さらに、最小効率レポート値(「MERV」)(MERV、最低捕集効率)定格として13から16までの範囲内の値、望ましくは、16という値を有し、それにより、0.3マイクロメータより大径の粒子を捕捉してもよく、ここに、捕捉される粒子は、バクテリア、飛沫およびそれらと同様なものを含む。フィルタ620は、さらに、カートリッジ604ないの表面積を増加させるために、ひだ状化される(pleated、プリーツ状化される)かまたは他の方法で折り畳まれるものであってもよい。
【0146】
マスク600および/またはマスク700を組み立てるために、不浸透性膜612は、フレーム602に連結されてもよい。例えば、不浸透性膜612は、モールド成形、接着剤、超音波溶接またはそれらと同様なものにより固定化される(secured、相手部材に動かないように取り付けられる)ものであってもよい。シール608は、フレーム602に同様な方法で固定化されてもよく、また、シール608は、マスク600および/またはマスク700のうちの底部係合表面(bottom engagement surface、当該マスクの底部のうち、ユーザの顔に係合する部分の表面など)を形成するように配置されるとともに、フレーム602の外縁から内向きに嵌め込まれるものであってもよい。ストラップ648a,648bが、フレーム602に、固定化用サポート606a,606b,606c,606dを介して連結されてもよい。例えば、第1ストラップすなわちトップ・ストラップが、固定化用サポート606a,606内を貫通させられてもよく、また、第2ストラップすなわちボトム・ストラップが、固定化用サポート606c,606d内を貫通させられてもよい。
【0147】
フィルタ・カートリッジ604は、カートリッジ・ポケット642内に収容されて定位置に固定化されてもよい。例えば、カップリング用部品624a,624bが、フレーム602上にある複数の特徴部のうち対応するものの内部に収容されてもよく、それら対応特徴部は、カートリッジ・ポケット642を形成するいくつかの壁部に隣接するかまたはその壁部内に形成される。カップリング用部品624a,624bは、カートリッジ604の第1端部がフレーム602に装着された状態に維持され、また、それの第2端部が、カートリッジ604がフレーム602に対して相対的に角変位することが可能であるように離脱し、それにより、ユーザがフィルタ620にアクセスしてそれを交換するために前記カートリッジを開口させるかまたは角変位させることができるように、構成されてもよい。フレーム602上の定位置に固定化されると、ガスケット626は、定位置において圧縮し、その後、拡張してフレーム602のいくつかの壁部に係合する。この方法で、ガスケット626すなわちシールは、フレーム602を通過する有害エージェントおよび/または空気の流れを阻止し、また、すべての空気流がフィルタ620を通過する。
【0148】
図14A図14Cを参照するに、マスク600および/または700を使用するために、前記ユーザは、自身の顔部にマスク600を位置決めしてもよく、ここに、マスク600のトップ・エンドは自身の額部に隣接するように配置され、また、マスク600のボトム・エンドは、自身の顎部に隣接して配置される。ストラップ648a,648bは、それぞれ、前記ユーザの頭部のうち耳部より上側の部分、および頭部のうち耳部より下側の部分を周方向に延びるように配置されてもよい。その後、シール608は、前記ユーザの顔部に係合し、そのとき、シール608は、前記ユーザの皮膚に対してシールし(seal against)、前記ユーザの顔部の形状に倣う。空気が、カートリッジ604を経由して、前記ユーザの顔部と不浸透性膜612との間に形成された空間に対して流入・流出することが可能である。カートリッジ604は、粒子、飛沫およびそれらと同様なものであって予め定められた粒径を有するものがフィルタ620に対して流入も流出もしないように、前記空気流をフィルタリングする(filter、濾過する)ように作用する。この方法で、前記ユーザは、有害エージェントを有する空気流から保護されるとともに、他人が、前記着用者によって吐き出されたいかなる有害エージェントからも保護される。フレーム602およびシール608(the frame 602 and seal 608、フレーム602とシール608との組合せ)は、前記ユーザの眼部、口部および鼻部(the user's eyes, mouth, and nose、前記ユーザの眼部、口部および鼻部の集まり、それらを内包する1つの領域、など)の周囲に沿って延びてもよいため、前記ユーザの顔の表情が、不浸透性膜612が透光性を有する場合には、他人によってより容易に視認可能である。このことは、感情が他人により容易に伝達されることを可能にし、加えて、他人との対話を支援する。
【0149】
図19A図19Fは、マスク800の別の例を示している。そのマスク800は、マスク100,マスク600および他のマスクの例であって本書類中に記載されているものに実質的に類似してもよい。マスク600と同様に、マスク800は、それの顔シールドすなわちレンズを包囲するフレームを有してもよい。それのシールは、前記フレームに連結されるとともに、それの周囲に沿って延びるものであってもよい。前記フィルタ・カートリッジは、同様に、前記フレームに連結されてもよい。マスク800は、前記ユーザの顔部が、前記ユーザが対話する他人(例えば、患者)に視認されることを可能にするために十分に大きい透光性エリアを有してもよい。その透光性エリアは、前記ユーザの周辺視野を阻害しないように十分に大きいものであってもよい。
【0150】
マスク800は、不浸透性膜102および612に実質的に類似する不浸透性膜を有してもよい。いくつかの例においては、その不浸透性膜812が、完全に透光性を有するかまたは少なくとも部分的に透光性を有するものであってもよい。いくつかの例においては、不浸透性膜812が、前記ユーザの顔の特徴および表情が他人に視認されることを可能にするために、レンズまたは他のビューアブル・エレメント(other viewable element、視認を可能にする構成要素、など)として機能するものであってもよい。不浸透性膜812は、前記ユーザの顔部から離れる向きに延びるように構成されてもよい。このような構成は、ユーザの快適性を向上させてもよく、また、前記ユーザの息、呼吸またはこれらと同様なものなどを原因とする不浸透性膜812の曇りの軽減を支援してもよい。いくつかの具体例においては、レンズ812が、追加のポケットまたはすき間をユーザの口部および鼻部に隣接するように形成し、それにより、より快適な装着性および曇りの軽減を支援するように構成されてもよい。
【0151】
いくつかの例においては、不浸透性膜812が、前記ユーザの顔部の周囲に沿って曲がるかまたはその顔部に対応する第1部分816すなわちトップ部を有する。その第1部分816は、マスク800の使用中、前記ユーザの額部から顎部までの領域にほぼ等しい領域を延びるものであってもよい。このように大形である第1部分816は、屈曲線すなわち屈曲点を前記ユーザの視線から離れるように配置するために有利であるかもしれない。その第1部分816は、前記ユーザの顔部が不浸透性膜812に接触しないように前記ユーザの顔部から離れる向きに延びるものであってもよい。この第1部分816は、屈曲線810の位置において1または複数の第2部分817まで遷移してもよい。複数の第2部分817は、それぞれ、前記第1部分の左側および右側に配置されてもよい。それら第2部分817は、平面状であってもよいし曲面状であってもよい。それら第1および第2部分は、1または複数の第3部分819まで遷移してもよい。その第3部分819は、左側および右側の第2部分の間において、前記ユーザの顎部を横切るように延びるものであってもよい。その第3部分819は、平面状であってもよいし曲面状であってもよい。不浸透性膜812は、マスク800のフレーム801の一部の内部に収容されるように構成されたリム(rim、外縁など)815を有してもよい。
【0152】
マスク800についてのいくつかの具体例においては、不浸透性膜812がフレーム801の内部に収容される。そのフレーム801は、第1フレーム部802および第2フレーム部803を有してもよい。それらフレーム部802および803は、不浸透性膜812のための安定したプラットフォームを提供することと、マスク800をユーザの顔部に固定化することとを目的として、相互に連結し(interlock、インターロックし、結合し、連携し)および/またはマスク800のうちの他のいくつかの部品と連結する(interlock)ものであってもよい。例えば、第1フレーム部802および第2フレーム部803は、ジョイント805において相互に連結されてもよい(例えば、図19Bを参照)。いくつかの具体例においては、2つのジョイント805が、それぞれ、マスク800の左側および右側に配置される。いくつかの具体例においては、第1フレーム部802が上側フレーム部であり、また、第2フレーム部803が下側フレーム部である。相互に連結されたフレーム部802および803であってフレーム801を形成するものは、ユーザの顔部の周囲に沿って延びるものであってもよい。そのフレーム801は、フレーム603と同様な材料、例えば、プラスチックの如き硬質材料によって形成されてもよい。硬質材料を使用することは、マスク800を前記ユーザの顔部に、例えばシール808を用いてシールすることを支援するかもしれない。
【0153】
上側フレーム部(the upper frame portion、前述の第1フレーム部)802および/または下側フレーム部803(the lower frame portion、前述の第2フレーム部)のうちのいずれかまたは双方は、1または複数の固定化用サポート806、例えば、固定化用サポート806a,806b,806cおよび/または806dを有してもよい。それら固定化用サポート806は、本書類中に記載されている固定化用サポート606(例えば、固定化用サポート606a,606b,606c,606d)に実質的に類似したものであってもよく、これについてのさらなる説明は簡略化のために省略する。
【0154】
フレーム801は、マスク800のうちの他の部品、例えば、シール808,フィルタ・カートリッジ804,バッテリ200の如き無害化用エージョント・ソース,ブレース(brace、締め金、支え、突っ張りなど)823,無害化用エージョント・ソース・カバー821,カートリッジ収容体820および/または1もしくは複数のストラップ(例えば、固定化用サポート806の内部に収容される)を収容してもよい。
【0155】
例えば、上側フレーム部802は、それの上部の内部にブレース823を収容してもよい。そのブレース823は、無害化用エージェント室(compartment、区画、仕切り、コンパートメント、無害化用エージェントを収容する室、など)、例えば、1もしくは複数のバッテリ200または他の電源を収容する室の一部を形成してもよい。ブレース823および/または上側フレーム部802の一部は、例えば、1または複数の無害化用エージョント・ソース、例えば、マスク800内にある1または複数のバッテリ200を包囲することなどを目的として、無害化用エージョント・ソース・カバー821を収容するかまたはそれに選択的に連結されるものであってもよい。
【0156】
シール808は、フレーム800の内部に収容されてもよい。このシール808は、多くの点でシール608に実質的に類似するものであってもよく、このシール808は、簡略化のために繰り返されない。例えば、そのシール808は、フレキシブルであるかまたは変形可能な材料によって形成されてもよく、それは、空気および有害エージェントが前記ユーザの皮膚とシール808の底面または外面との間に侵入することを阻止または軽減することを目的として、前記ユーザの顔部に倣うとともにその顔部に対してシールするためである。そのシール808は、底部延長部644に類似する顎部すなわち底部延長部809を、前記ユーザの顎部に対し、場合によってはさらに前記ユーザの首部の一部に対してもシールするものとして、かつ、空気および/または有害エージェントが前記ユーザの顔部とマスク800との間の部分に侵入することに対する効果的なシールを提供することを目的として、有してもよい。
【0157】
カートリッジ収容体820は、フレーム801の一部に連結されるか、またはその内部に収容されてもよい。例えば、このカートリッジ収容体820は、下側フレーム部803に連結されてもよい。このカートリッジ収容体820は、硬質材料、例えば、プラスチックまたは金属によって形成されてもよく、また、フィルタ・カートリッジ804を収容するように構成される。このカートリッジ収容体820は、自身と前記カートリッジとの間の界面が、曲がり、捩じりまたは他のたわみ、およびフィルタ・カートリッジ804の周囲に沿って延びて前記ユーザの顔部に至る通路を形成するかもしれないいくつかのギャップの形成に耐える(resintant to、対抗する)ように、前記フィルタ・カートリッジのための頑丈な基礎を提供してもよい。このカートリッジ収容体820は、前記ユーザが前記無害化用エージェントに曝露することを防止することなどを目的として、前記無害化用エージェントを封じ込める封じ込めエレメントとして作用してもよい。例えば、このカートリッジ収容体820は、前記無害化用エミッタによって放出されたUV光を前記ユーザの顔部から遮蔽してもよい。このカートリッジ収容体は、無害化された空気が前記フィルタ・カートリッジから前記ユーザの口部に流れることを可能にする1または複数の開口部を有してもよい。
【0158】
フィルタ・カートリッジ804は、本書類中に記載されている他のフィルタ・カートリッジに類似するとともに、有害エージェントを捕捉しおよび/または無害化する(neutralize、無力化する)ことなどを目的として、無害化用エミッタとフィルタ・エレメントとを有してもよい。このフィルタ・カートリッジ804は、回路基板827を用いて形成されてもよい。その回路基板827は、剛体基板(例えば、FR4基板の如き繊維強化基板)またはフレキシブル回路基板であってもよい。無害化用エミッタ826は、本書類中に記載されている他のエミッティング・エレメントと同様に、有害エージェントを無害化することを目的として、無害化用エージェントを放出するように作用するかもしれない1または複数のエミッティング・エレメントを有する。多くの具体例においては、いくつかのエミッティング・エレメント828が、いくつかのLEDであり、具体的には、UVスペクトル帯域で光を放出するいくつかのLEDである。それら1または複数のエミッティング・エレメント828は、回路基板827によって配電されるいくつかのバッテイリ200から電力を受給するように、回路基板827に電気的に接続されてもよい。それら1または複数のエミッティング・エレメント828は、前記いくつかの無害化用エミッタが無害化用エージェントをフィルタ・エレメント836に浸透させるように配置されてもよいように、前記いくつかの無害化用エミッタを支持するとともにフィルタ・エレメント836に対して相対的に位置決めするように、回路基板827に物理的に連結されてもよい。いくつかのバッテリ200は、電力を、無害化用エミッタ826に、および、いくつかのエミッティング・エレメント828に、1または複数本のワイヤ(wires、電線、導線)(図示しない)を介して供給してもよく、それらワイヤは、前記バッテリ室(the battery compartment、バッテリを収容する室)内に収容されたいくつかのバッテリ200から、フレーム801の一部を通過して、前記無害化用エミッタに直接的に、またはコントローラ844を介して延びている。
【0159】
無害化用エミッタ826は、第1ガスケット830を覆うように配置されるか、または、その内部に収容されてもよい。その第1ガスケット830は、第1ガスケット本体部834を有してもよい。その第1ガスケット本体部834は、薄肉のエレメントであってもよく、そのエレメントは、無害化用エミッタ826を収容する凹部(recess、リセス)を有する。その第1ガスケット本体部834は、それの内部に形成された1または複数の開口部832を、空気が第1ガスケット本体部834を通過してマスク800に対する流入・流出を行うことを可能にするために有してもよい。第1ガスケット本体部834のうち、複数の開口部832間のいくつかの中間部が、無害化用エミッタ826を支持するように作用する1または複数のリブ833を有してもよい。前記無害化用エミッタは、前記有害エージェントを無力化するように作用する無害化用エージェントをフィルタ・エレメント836に浸透させるように配置されてもよい。
【0160】
フィルタ・エレメント836は、本書類中に記載されている他のいくつかのフィルタ・エレメントに類似するものであってもよい。例えば、このフィルタ・エレメント836は、有害エレメント(a damaging element、前述の有害エージェントなど)を捕捉し、それにより、それが前記ユーザに到達することを阻止することに適したものであってもよい。このフィルタ・エレメント836は、平面状であるか、曲面状であるか、またはU字もしくはL字状であってもよい。このフィルタ・エレメント836は、織られているかまたは織られていない材料を用いて形成されてもよい。このフィルタ・エレメント836は、汚れるか、目詰まりするか、または、自身の使用可能寿命の満了時であるときなどに、交換可能である。このフィルタ・エレメント836は、第2ガスケット838の一部の内部に収容されるか、または、それを覆うように配置されてもよい。その第2ガスケット838は、第2ガスケット本体部842を有してもよい。この第2ガスケット本体部842は、薄肉のエレメントであってもよく、そのエレメントは、フィルタ・エレメント836を収容する凹部(recess、リセス)を有する。その第2ガスケット本体部842は、それの内部に形成された1または複数の開口部840を、空気が第2ガスケット本体部842を通過してマスク800に対する流入・流出を行うことを可能にするために有してもよい。その開口部840は、単一の開口部であってもよいし、複数の開口部であってもよく、開口部832と同様に、リブ833に類似するいくつかのリブを有する。
【0161】
第1ガスケット本体部834および/または第2ガスケット本体部842は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよいし、L字状であってもよいし(図19Eに例示されている)、U字状であってもよいし、または、他の形状であってもよい。曲面状、L字状、U字状または同様な形状であることの利点は、呼吸し易さの改善および/またはフィルタ寿命の延長を可能にすることなどを目的として、前記エレメント(the element、フィルタ・エレメント836など)の一部を前記ユーザの顔部に向かって折り返してその顔部に巻き付ける(wrap)ことにより、フィルタ・エレメント836および/または無害化用エミッタ826のための表面積を拡大する能力である。第1ガスケット830および第2ガスケット838は、空気または有害エージェントが無害化用エミッタ826および/またはフィルタ・エレメント836を迂回してバイパスすることを軽減または阻止するように、ハウジング822および/またはカートリッジ収納体820に対してシールしてもよい。
【0162】
フィルタ・カートリッジ804およびカートリッジ収容体820は、ユーザがフィルタ・カートリッジ804を挿入して交換することを容易にすることなどを目的として、道具を使用せずに、スナップさせて組み立てる(snap、パチンと鳴らして合体させる、スナップ・アクションによって合体させる、かみ合わせる、など)か、クリックさせて組み立てる(click、カチッと鳴らして合体させる、クリック・アクションによって合体させる、歯車などの歯止めを用いて合体させる、など)か、スライドさせて組み立てる(slide together、ジッパ、チャック、ファスナなどを用いて合体させる、スライド・アクション(前後運動など)によって合体させる、など)か、または、他の方法で組み立てられるように適応的に構成されてもよい。例えば、前記フィルタ・カートリッジは、ハウジング822を有してもよく、そのハウジング822は、前記フィルタ・カートリッジの複数の部品のうち自身を除くもの、例えば、無害化用エミッタ826,フィルタ・エレメント836,および1または複数のシールもしくはガスケットを収容する。ハウジング822は、カートリッジ収容体820の一部(例えば、対応する開口部)内に収容されるように適応的に構成された1本または複数本のレール(rails、レール状の部材、トラックなど)856を有してもよい。いくつかのレール856は、フィルタ・カートリッジ804をカートリッジ収容体820に位置合わせするためのいくつかのガイドとして作用してもよい。前記1本または複数本のレール856は、ハウジング822のうち、図示されている部分とは別の一部の内部に配置されてもよい。
【0163】
コントローラ844は、カートリッジ収容体820の内部に収容されるか、および/またはカートリッジ収容体820に連結されてもよい。コントローラ・カバー824が、コントローラ844を収容しまたは包囲するために、コントローラ844を覆うように収容されるとともにカートリッジ収容体820に連結されるものであってもよい。そのコントローラ・カバー824は、例えば充電、点検・修理(servicing)または交換を可能にすることを目的として、マスク800から選択的に取り外すことが可能であってもよい。コントローラ844は、無害化用エミッタ826の作動状態を制御しおよび/または通信するように作用することが可能であってもよい。このコントローラ844は、LEDの如き1または複数のインジケータ846であって、マスク800の状態を示すものを有してもよい。例えば、そのインジケータ846は、バッテリ充電状態(例えば、充電されているか、部分的にしか充電されていないか、充電が不足しているか、またはこれらと同様なのもの)を示すものであってもよい。他のいくつかの例においては、そのインジケータ846が、前記無害化用エミッタの放射パワー(radiant power、放射エネルギー、単位時間当たりの放射エネルギー、前記無害化用エージェントを放出する能力など)、故障状態またはこれらと同様なものを示すものであってもよい。このインジケータ846は、状態をユーザに示すために、変色し、発光しまたは点滅し(pulsate、脈動し)てもよい。このインジケータ846は、マスク800を着用したままでユーザが見えるものであってもよく、および/または前記ユーザ以外の人間が見えるものであってもよい。
【0164】
コントローラ844は、パワー・アクチュエータ(power actuator、無害化用エミッタ826の放射パワーを制御する機器など)848の如き第1アクチュエータを有してもよく、その第1アクチュエータは、前記無害化用エミッタをオン状態とオフ状態とに切り換えるかおよび/または前記無害化用エミッタの放射パワーを調節するために作用することが可能なオペレータ・インターフェース(operator interface、オペレータすなわち操作者にとってのインターフェースまたは介在具、操作補助具など)850を備えている。そのパワー・アクチュエータ848は、オンオフ式のスイッチ(on/off swith、2位置、3位置などに切り換えてオンオフするスイッチなど)、触覚スイッチ(tactile switch、タクタイル・スイッチ)、可変抵抗器、静電容量式タッチ入力装置(capacitive touch input、静電容量式タッチパネルなど)、またはこれらと同様なものであってもよい。コントローラ844は、オペレータ・インターフェース854を備えた第2アクチュエータ852を有してもよい。そのオペレータ・インターフェース854は、コントローラ・カバー824内に形成された開口部825内に収容されてもよい。第2アクチュエータ852は、マスク800の作動状態をリセットすること、例えば、故障発生後、新品のバッテリ200および/または新品のフィルタ・カートリッジを取り付けるときなどに、マスク800の作動状態をリセットするように作用するものであってもよい。オペレータ・インターフェース850または854のいずれかが、例えばボタン、スライダまたはこれらと同様なものであって、ユーザの指および/または手と相互作用することに適するものであってもよい。
【0165】
いくつかの実施態様においては、マスク100,600または800の如きマスクが、前記無害化用エージェントの存在を検出可能な1または複数のセンサを有してもよい。例えば、あるセンサが、前記無害化用エージェントが前記フィルタ・カートリッジから漏出することを検出するように配置されてもよい。いくつかの実施態様においては、そのセンサが、無害化用エミッタ306,506によって放出されたUV光を検出するように適応的に構成されたセンサである。そのセンサは、前記マスクの完全性(integrity)が損なわれるというウォーニングをユーザに提供するものであってもよい。さらに、そのセンサは、前記マスクの外部にあるいくつかのソースから無害化用エージェントを使用中であることをユーザにウォーニングするものであってもよい。いくつかの実施態様においては、あるセンサが、前記マスクの正常な作動状態を検出するように配置されてもよい。例えば、あるセンサが、フィルタ・カートリッジ内に配置されてもよく、また、ある無害化用エージェントが放出中であることを確認してもよい。いくつかの実施態様においては、いくつかのセンサが、前記無害化用エージェントの漏出を警告することと、前記マスクの作動状態を確認することとの双方を行うために配置されてもよい。
【0166】
いくつかの実施態様においては、マスク100,600または800が、拡張用インターフェースを有してもよい。拡張用インターフェースが、他の性能(capabilities、能力など)をマスクに追加することを可能にするものであってもよい。例えば、拡張用インターフェースが、マイクロホンの如き通信部品(communications component)を受け入れるように構成されたものであってもよい。通信部品は、ユーザが、前記マスクを着用したまま、他人と通信することを可能にするものであってもよい。通信部品が、ユーザがマスクを着用したまま電話をかけることができるようにするために、ユーザの電話機の如き別の通信機器と有線または無線で通信する状態にあるものであってもよい。
【0167】
いくつかの実施態様においては、前記不浸透性膜の一部が、その内部に投影された情報を表示するように構成されたものであってもよい。例えば、前記不浸透性膜の一部が、ヘッドアップ・ディスプレイの一部を形成するように適応的に構成されてもよい。適切なプロジェクタが、前記ユーザがマスク100を着用したままで情報が前記不浸透性膜の一部の上に、かつ、前記ユーザに対して表示されるように、前記拡張用インターフェースに連結される(例えば、当該プロジェクタを前記インターフェースにクリップで留めることにより)ように構成されてもよい。情報を表示するように構成された前記一部は、前記ユーザが、表示されている前記情報と、前記ユーザの周辺外界とを同時に視認できるように、透明であるかまたは半透明であってもよい。
【0168】
本書類中に含まれる特定のいくつかの具体例についての説明は、本質的に、単なる例示であり、開示されている事項の範囲を限定することもその事項の適用例または使用例の範囲を限定することも決して意図されていない。本発明についてのシステムおよび方法についてのいくつかの具体例についての詳細な説明であって本書類中に含まれるものにおいて、それらの一部を形成する何枚かの添付図面が参照され、それらは、前記記載されたシステムおよび方法が実施されるかもしれないいくつかの具体例に特化された例示的な図解である。それら具体例は、本書類中に開示されたシステムおよび方法を当業者が実施することを可能にするのに十分に詳細に記載されており、また、理解されるべきことは、他のいくつかの具体例が利用されてもよいということと、この開示事項の主旨および範囲から逸脱することなく、構造的かつ論理的な変更を施してもよいということとである。さらに、明瞭化のため、いくつかの具体的な特徴についての詳細な説明は、この開示事項のいくつかの具体例についての説明を曖昧にしないことが当業者にとって自明であるときは、議論されない。したがって、本書類中に含まれる詳細な説明は、限定を行うという意味で採用されるべきではなく、また、この開示事項の範囲は、添付された複数の請求項によってのみ画定される。
【0169】
前述されたことから理解されることは、本発明の具体的ないくつかの具体例が本書類において例示のために記載されているとはいえ、種々の変形が本発明の主旨および範囲を逸脱することなく行われてもよいということである。
【0170】
本書類中に示されているいくつかの細部は、例示として、かつ、本発明についての前述の望ましいいくつかの具体例についての例示的な議論のみを目的として存在し、また、本発明についての種々の具体例についての原理および概念的側面についての最も有用にして容易に理解される説明であると信じるものを提供するという理由のもとに存在する。この点、試行されないことは、本発明を基本的に理解するのに必要なものを超える程度の詳細さで本発明の構造的な細部を示すこと、前記図面を考慮して前記説明を示すこと、および/または本発明のいくつかの形態が実施において具体化される仕方が当業者に自明なものとなるいくつかの例を示すことである。
【0171】
本書類中において使用されるように、かつ、それを排除することを特記しない限り、「ある(a)」または「ある(an)」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1または複数」を意味すると解釈される。文脈がそれを排除することを要求しない限り、本書類中に単数として表現された用語は、複数性を含み、また、複数として表現された用語は、その単数性を含むべきである。
【0172】
文脈が明確にそれを排除することを要求しない限り、明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、「含む(comprise(有する)」、「含む(comprising(有する)」およびこれらと同様なものは、排他的または排除的な意味ではなく、非排他的な意味で解釈されるべきである。単数または複数の数を用いる単語は、それぞれ、複数の数を用いる単語および単数の数を用いる単語も包含する。さらに、「本書類」、「上記」および「下記」という単語ならびにそれらに類似する意味を有する単語は、この出願書類中に用いられる場合、この出願書類の全体を意味し、この出願書類のうち特定の一部しか意味しないということはない。
【0173】
もちろん、理解されるべきことは、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法のうちのいずれも、他の1つないしは複数の例、具体例および/または方法と組み合わされてもよいし、または、本書類中に記載されているいくつかの例、具体例または方法は、それぞれ、分離されるかおよび/または本書類に開示されているシステム、装置および方法に従う、互いに分離された複数のデバイス(devices、全体デバイス、完成品など)もしくはデバイス部分(device portions、部分デバイス、半完成品など)の中で実施されてもよいということである。
【0174】
最後に、上記の議論は、本書類中に記載されているシステムを単に例示的に説明することを意図されており、また、上記の議論は、添付された複数の請求項を、特定の具体例に限定するものとしても、複数の具体例より成る1つの群に限定するものとしても解釈されるべきではない。よって、本書類中に開示されているシステムは、典型的ないくつかの具体例を参照しつつ特に詳細に記載されているが、さらに理解されるべきことは、多数の変更および他の具体例が、当業者により、本書類中に開示されているシステムについてより拡張され、かつ、意図された主旨および範囲であって後続する複数の請求項に記載されているものから逸脱することなく、発案されてもよいということである。したがって、それら明細書および図面は、例示的な手法でされたものであると考慮されるべきであって、添付された複数の請求項の範囲を限定することを意図されていない。
【0175】
本発明によれば、次の複数の態様が得られる。
(態様1)
保護マスクであって、
鼻および口を覆う鼻口カバー部を含む不浸透性膜と、
その不浸透性膜に着脱可能に装着可能なフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕集するように作用するフィルタ・エレメントと、
そのフィルタ・エレメントの外周を包囲することと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、
ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
(態様2)
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む態様1に記載の保護マスク。
(態様3)
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む態様2に記載の保護マスク。
(態様4)
前記光源は、複数の発光ダイオードである態様3に記載の保護マスク。
(態様5)
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む態様4に記載の保護マスク。
(態様6)
前記光は、約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む態様5に記載の保護マスク。
(態様7)
前記電源は、充電可能である態様3に記載の保護マスク。
(態様8)
前記電源は、前記ハウジング内に配置されるバッテリを含む態様3に記載の保護マスク。
(態様9)
前記フィルタ・カートリッジは、第1のフィルタ・カートリッジであり、
当該保護マスクは、さらに、前記第1のフィルタ・カートリッジに直列に積み重ねられる第2のフィルタ・カートリッジを含む態様1に記載の保護マスク。
(態様10)
前記第1のフィルタ・カートリッジは、第1の種類の有害エージェントを無力化するように構成され、
前記第2のフィルタ・カートリッジは、第2の種類の有害エージェントを無力化するように構成される態様9に記載の保護マスク。
(態様11)
前記フィルタ・エレメントは、約50ミクロンを超える粒径を有する複数の粒子を捕集する態様1に記載の保護マスク。
(態様12)
さらに、透光性眼カバー部を含み、
その透光性眼カバー部と前記鼻口カバー部とは、前記不浸透性膜に一体的に形成される態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様13)
さらに、
前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に固定するように構成されるアタッチメント部材と、
シーリング・エレメントであって、自身が前記アタッチメント部材によってユーザの顔に固定されるときに前記不浸透性膜を前記ユーザの顔に対してシールするように構成されるものと
を含み、
そのシーリング・エレメントは、
第1シールと、
その第1シールに対して前記不浸透性膜の縁から内向きに配置される第2シールと
を含む態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様14)
前記封じ込めエレメントは、第1の封じ込めエレメントであり、その第1の封じ込めエレメントは、自身が、前記無害化用エミッタの外周を包囲するとともに前記無害化用エージェントを横方向に封じ込めるように、前記無害化用エミッタから横方向外側に配置され、
当該保護マスクは、さらに、第2の封じ込めエレメントを含み、その第2の封じ込めエレメントは、前記フィルタ・エレメントに対して相対的に縦方向となる側に配置されるとともに、前記無害化用エージェントを縦方向に封じ込める態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様15)
前記無害化用エミッタは、前記フィルタ・エレメントの前記外周に直接的に隣接する態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様16)
前記無害化用エミッタは、前記フィルタ・エレメントの中心から均等であるように配置される複数のエミッティング・エレメントを含む態様15に記載の保護マスク。
(態様17)
前記フィルタ・エレメントは、円形断面を有する態様16に記載の保護マスク。
(態様18)
さらに、
前記第1シールと前記第2シールとの間に形成されるチャネルと、
そのチャネル内に配置されるエア・ムーバと
を含み、
前記第1および第2シールおよびエア・ムーバは、当該保護マスクを着用したままでユーザの顔を冷却するように構成されるクローズド・ループ型冷却エリアを形成する態様13に記載の保護マスク。
(態様19)
前記封じ込めエレメントは、蛇行状通路を形成し、その蛇行状通路は、空気が前記封じ込めエレメントを貫通することを許可するように構成されるとともに、前記無害化用エミッタによって放出された前記無害化用エージェントが当該封じ込めエレメントを貫通することを阻止するように構成される態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様20)
前記フィルタ・カートリッジは、前記無害化用エージェントを反射するように構成される反射性チャンバを含む態様1-11のいずれかに記載の保護マスク。
(態様21)
保護マスクであって、
透光性不浸透性膜であって、鼻カバー部、口カバー部および顎カバー部を含み、ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
フィルタ・カートリッジであって、前記透光性不浸透性膜に、前記顎カバー部内において着脱可能に装着されるものと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントの複数の粒子を捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記フィルタ・エレメントの外周を包囲することと、前記有害エージェントの複数の粒子を無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用することとを行う無害化用エミッタと、
前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する封じ込めエレメントと
を支持する保護マスク。
(態様22)
顔マスクであって、
レンズと、
そのレンズに連結されるフレームであって、前記レンズの周囲に沿って延びるものと、
そのフレームに連結されるフィルタ・カートリッジであって、当該顔マスクに対して流入・流出する空気をフィリタリングする顔マスク。
(態様23)
前記レンズは、前記顔マスクの着用者の鼻、両眼および口を覆うように構成される態様22に記載の顔マスク。
(態様24)
さらに、前記フレームに連結されるとともに前記レンズの前記周囲に沿って延びるシールを含む態様22に記載の顔マスク。
(態様25)
前記フィルタ・カートリッジは、そのフィルタ・カートリッジ内に配置されたフィルタを交換するために操作されるように構成される態様22に記載の顔マスク。
(態様26)
前記フィルタ・カートリッジは、前記フレームから取り外し可能である態様22-25のいずれかに記載の顔マスク。
(態様27)
前記フィルタ・カートリッジは、前記フレームの底縁上に配置される態様22-25のいずれかに記載の顔マスク。
(態様28)
前記レンズは、使用中に当該レンズが曇ることを防止する防曇処理を含む態様22-25のいずれかに記載の顔マスク。
(態様29)
前記フレームおよび前記シールは、透光性または実質的な透光性を有する材料によって形成される態様24または25に記載の顔マスク。
(態様30)
保護マスクであって、
フレームであって、ジョイントにおいて互いに結合される第1フレーム部および第2フレーム部を含み、当該フレームは、前記保護マスクを着用するユーザの顔の周囲に沿って延びるものと、
透光性不浸透性膜であって、前記フレームに連結されるとともに第1部分を含み、前記ユーザが前記保護マスクを着用している間、前記ユーザの顔が前記透光性不浸透性膜を通して視認可能であるものと、
封じ込めエレメントを含むカートリッジ収容体であって前記フレームに連結されるものと、
そのカートリッジ収容体に分離可能に取り付けられるフィルタ・カートリッジと
を含み、
そのフィルタ・カートリッジは、ハウジングを含み、
そのハウジングは、
有害エージェントを捕捉するように作用するフィルタ・エレメントと、
前記有害エージェントを無力化するように作用する無害化用エージェントを前記フィルタ・エレメントに浸透させるように作用する無害化用エミッタと
を支持し、
前記封じ込めエレメントは、前記ユーザを前記無害化用エージェントへの曝露から保護する保護マスク。
(態様31)
さらに、
バッテリ室を含み、
そのバッテリ室は、前記第1フレーム部に連結されるとともに少なくとも1つのバッテリを収容するように作用し、その少なくとも1つのバッテリは、前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、電力を前記無害化用エミッタに供給するように作用する態様30に記載の保護マスク。
(態様32)
前記無害化用エミッタは、回路基板を含み、その回路基板は、前記電力を前記少なくとも1つのバッテリから少なくとも1つのエミッティング・エレメントに、その少なくとも1つのエミッティング・エレメントが前記無害化用エージェントを放出するように分配するように作用する態様31に記載の保護マスク。
(態様33)
前記回路基板は、前記ハウジングの形状に倣うように曲がるフレキシブル回路基板を含む態様30-32のいずれかに記載の保護マスク。
(態様34)
さらに、
第1ガスケットを含み、
その第1ガスケットは、自身の本体部内に形成された複数の開口部を含み、
その第1ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、
前記無害化用エミッタは、前記第1ガスケット上に配置される態様30-32のいずれかに記載の保護マスク。
(態様35)
前記複数の開口部は、複数のリブを形成し、それらリブは、前記無害化用エミッタを支持するように作用する態様34に記載の保護マスク。
(態様36)
さらに、
第2ガスケットを含み、
その第2ガスケットは、自身の本体部内に形成された少なくとも1つの開口部を含み、
その第2ガスケットは、前記ハウジング内に収容され、
前記フィルタ・エレメントは、前記第2ガスケット上に配置される態様34に記載の保護マスク。
(態様37)
前記第1ガスケットおよび前記第2ガスケットは、前記ハウジングまたは前記カートリッジ収容体のうちの少なくとも1つをシールし、それにより、空気または前記有害エージェントが前記無害化用エミッタまたは前記フィルタ・エレメントをバイパスすることを軽減または防止する態様36に記載の保護マスク。
(態様38)
さらに、
前記カートリッジ収容体内に収容されるコントローラを含み、
そのコントローラは、前記少なくとも1つのバッテリおよび前記無害化用エミッタと電気的に導通する状態にあるとともに、前記無害化用エミッタを制御するように作用する態様30-32のいずれかに記載の保護マスク。
(態様39)
前記コントローラは、当該保護マスクの状態を示すように作用する少なくとも1つのインジケータを含む態様38に記載の保護マスク。
(態様40)
前記コントローラは、前記少なくとも1つのバッテリから前記無害化用エミッタに供給されるパワーを制御するように作用するパワー・アクチュエータを含む態様39に記載の保護マスク。
(態様41)
前記コントローラは、当該保護マスクの作動状態をリセットするように作用するリセット・アクチュエータを含む態様39に記載の保護マスク。
(態様42)
さらに、前記無害化用エミッタに電気的に接続される無害化用エージェント・ソースを含む態様30-32のいずれかに記載の保護マスク。
(態様43)
前記無害化用エミッタは、光源を含み、
前記無害化用エージェントは、光を含み、
前記無害化用エージェント・ソースは、電源を含む態様42に記載の保護マスク。
(態様44)
前記光源は、複数の発光ダイオードである態様43に記載の保護マスク。
(態様45)
前記光は、紫外線スペクトル帯域にある光を含む態様44に記載の保護マスク。
(態様46)
前記光は、約220-約280ナノメータの範囲内の波長を含む態様45に記載の保護マスク。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19E
【補正方法】変更
【補正の内容】
図19E
【国際調査報告】