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特表2023-529030トリガ事象の発生から経過した時間を示すためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】トリガ事象の発生から経過した時間を示すためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20230630BHJP
   A61L 27/16 20060101ALI20230630BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20230630BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230630BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20230630BHJP
   C08K 3/08 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G02C7/04
A61L27/16
A61L27/18
C08L101/00
C08K5/00
C08K3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569915
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 IB2021053557
(87)【国際公開番号】W WO2021255536
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】16/901,113
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グ・フランク
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ポール
【テーマコード(参考)】
2H006
4C081
4J002
【Fターム(参考)】
2H006BB06
2H006BC06
2H006BC07
4C081AB23
4C081CA08
4C081CA21
4C081CA27
4C081CA28
4C081DA16
4J002AA001
4J002AB011
4J002AB051
4J002BE021
4J002BJ001
4J002CH021
4J002CH022
4J002DA077
4J002EF056
4J002EG026
4J002EH036
4J002EV236
4J002FD017
4J002FD312
4J002FD316
4J002GB01
(57)【要約】
トリガ事象の発生から経過した期間を示すために使用することができるシステム及び方法が記載される。より具体的には、本出願は、物品がそのパッケージから除去されてから経過した期間を視覚的に示すために使用することができるシステム及び方法に関する。システムは、物品上又は物品内に配置された指標と、容器内に配置され、かつ指標と接触しているトリガと、を含むことができる。物品は、パッケージの封止可能な容器内に被包され得る。指標は、指標と接触しているトリガの濃度における変化に応答する。容器からの物品の除去は、指標と接触しているトリガの濃度における変化を誘導することができる。トリガの濃度における変化は、指標における色における変化を誘導することができる。色変化は、物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを示す。所定の期間は、30分~30日、例えば、1時間~30日である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品がパッケージから除去されてから経過した時間を視覚的に示すためのシステムであって、
前記物品上又は前記物品内に配置された指標であって、前記物品が、前記パッケージの封止可能な容器内に被包されている、指標と、
前記容器内に配置され、かつ前記指標と接触している、トリガと、を備え、
前記指標が、前記指標と接触している前記トリガの濃度における変化に応答する、システム。
【請求項2】
前記トリガが、前記容器内に静的濃度で存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記指標が、光学的指標を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学的指標が、可視指標を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器からの前記物品の除去が、前記指標と接触している前記トリガの濃度における変化を誘導する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記トリガの前記濃度における変化が、前記指標の色における変化を誘導する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記色における変化が、可視スペクトル内の第1の色から前記可視スペクトル内の第2の色への変化を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記色における変化が、可視スペクトルの外側の第1の色から前記可視スペクトル内の第2の色への変化を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記色における変化が、可視スペクトル内の第1の色から前記可視スペクトルの外側の第2の色への変化を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記指標が、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記キャッピング剤を含む溶液を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ナノ粒子の集団が、プラズモンナノ粒子の集団を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プラズモンナノ粒子の集団が、金、銀、白金、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記集団ナノ粒子が、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、5nm~100nmの平均粒径、例えば、20nm~60nmの平均粒径を有する、請求項10~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ナノ粒子の集団が、単分散粒径分布を有する、請求項10~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ナノ粒子が、多面体形状を有する、請求項10~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ナノ粒子が、立方形、八面体形状、十面体形状、立方八面体形状、四面体形状、菱形十二面体形状、切頭複正方プリズム形状、又は切頭二重四面体形状を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ナノ粒子が、球状、ロッド、円錐、円筒形、シェル、又は星形形状を有する、請求項10~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ナノ粒子が、均質な粒子形状を有する、請求項10~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記ナノ粒子が、粒子形状の混合物を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子と非共有会合されている、請求項10~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記キャッピング剤が、生体適合性である、請求項10~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記キャッピング剤が、界面活性剤を含む、請求項10~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、請求項22~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記キャッピング剤が、ポリマーを含む、請求項10~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキシド、セルロース系ポリマー、チロキサポール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の集団の凝集を誘導する、請求項10~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記ナノ粒子の集団の凝集が、色変化をもたらす、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記色変化が示すように選択された速度で、前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子から解離する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記指標が、第1のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第1の集団と、第2のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第2の集団と、を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記第1のキャッピング剤及び前記第2のキャッピングを含む溶液を含む、請求項10~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第1のキャッピング剤が、前記第2のキャッピング剤が前記ナノ粒子の第2の集団から解離するよりも速い速度で、ナノ粒子の第1の集団から解離する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記物品が前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第1のキャッピング剤が、前記第1の集団ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の第1の集団の凝集を誘導し、第1の色変化を生成し、次いで、前記第2のキャッピング剤が、前記第2の集団ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の第2の集団の凝集を誘導し、第2の色変化を生成する、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記物品が前記容器から除去されてから第1の所定の期間が経過したことを前記第1の色変化が示すように選択された第1の速度で、前記第1のキャッピング剤が、前記ナノ粒子の第1の集団から解離し、前記物品が前記容器から除去されてから第2の所定の期間が経過したことを前記第2の色変化が示すように選択された第2の速度で、前記第2のキャッピング剤が、前記第2の集団ナノ粒子から解離する、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1の所定の期間が、10分~2週間であり、前記第2の所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記指標が、分散剤と組み合わせて発色団を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記分散剤を含む溶液を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記発色団が、フルオレセイン染料、ローダミン染料、クマリン、アゾ染料、アントラキノン染料、ベンゾジフラノン染料、多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、ポリメチン染料、アザカルボシアニン染料、ヘミシアニン染料、ジアザヘミシアニン染料、ストリリル染料、ジアリールカルボニウム染料、トリアリールカルボニウム染料、フタロシアニン染料、キノフタロン染料、トリフェノジオキサジン染料、ホルマザン染料、フェノチアジン染料、例えば、メチレンブルー、アズールA、アズールB、及び/若しくはアズールC、オキサジン染料、チアジン染料、ナフトラクタム染料、ジアザヘミシアニン染料、アゾピリドン染料、アゾベンゼン染料、キサンテン染料、ロイコ染料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記分散剤が、生体適合性である、請求項36~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記分散剤が、界面活性剤を含む、請求項36~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、請求項39~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記分散剤が、前記発色団から解離し、それによって前記発色団の凝集を誘導し、色変化を生成する、請求項36~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記色変化が示すように選択された速度で、前記分散剤が、前記発色団から解離する、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記トリガの前記濃度における変化が、前記指標における蛍光における変化を誘導する、請求項5に記載のシステム。
【請求項46】
前記蛍光における変化が、最大発光波長における変化、蛍光量子収率における変化、発光スペクトルの形状における変化、蛍光寿命における変化、又はこれらの組み合わせを含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記指標が、フルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している消光剤を含む溶液を含む、請求項45~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記フルオロフォアが、金属カルコゲナイド量子ドット、グラフェン量子ドット、カーボンドット、グラファイトオキシド、半導体(有機)ポリマードット、超小型金属ナノ粒子、金属ナノクラスター、蛍光ドープされたシリカナノ粒子、蛍光ドープされたシリカ微粒子、フルオロフォア官能化デンドリマー、アップコンバージョンナノ粒子、フルオレセイン及び/若しくはローダミンなどのキサンテン、ナフチルアミン、クマリン、アクリジン、N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド、ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記消光剤が、6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン、4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABYL)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、BHQ-0、BHQ-1、BHQ-2、BHQ-3、QSY-7、QSY-9、QSY-21 QSY-35、金属ナノ粒子、グラフェン酸化物、酸化鉄ナノ粒子、金属有機骨格、カーボンナノ粒子、量子ドット、又はこれらの組み合わせを含む、請求項47~48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記消光剤が、前記フルオロフォアから解離し、それによって蛍光における増加を誘導する、請求項47~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記蛍光における増加が示すように選択された速度で、前記消光剤が、前記フルオロフォアから解離する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記指標が、分散剤と組み合わせてフルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記分散剤を含む溶液を含む、請求項45~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記フルオロフォアが、金属カルコゲナイド量子ドット、グラフェン量子ドット、カーボンドット、グラファイトオキシド、半導体(有機)ポリマードット、超小型金属ナノ粒子、金属ナノクラスター、蛍光ドープされたシリカナノ粒子、蛍光ドープされたシリカ微粒子、フルオロフォア官能化デンドリマー、アップコンバージョンナノ粒子、フルオレセイン及び/若しくはローダミンなどのキサンテン、ナフチルアミン、クマリン、アクリジン、N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド、ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記分散剤が、生体適合性である、請求項53~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記分散剤が、界面活性剤を含む、請求項53~55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、請求項56~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記分散剤が、前記フルオロフォアから解離し、それによって前記フルオロフォアの凝集を誘導し、最大発光波長における変化を生成する、請求項53~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、前記分散剤が、前記フルオロフォアから解離する、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記指標が、第1のフルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している第2のフルオロフォアを含む溶液を含み、前記第1のフルオロフォア及び前記第2のフルオロフォアが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を含む、請求項45~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第2のフルオロフォアが、前記第1のフルオロフォアから解離し、それによって最大発光波長における変化を生成する、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、前記第2のフルオロフォアが、前記第1のフルオロフォアから解離する、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記物品が、医療用デバイスを含む、請求項1~65のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
前記物品が、眼科用デバイスを含む、請求項1~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記物品が、コンタクトレンズを含む、請求項1~67のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズを含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記コンタクトレンズが、ポリウレタン、チオウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、シリコーンヒドロゲル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項68~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記コンタクトレンズが、親水性モノマー、シリコーン含有成分、又はこれらの組み合わせの重合から誘導されるポリマーを含む、請求項68~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記指標が、前記物品上にパターン化されている、請求項1~71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
前記指標が、錠剤内に封入されている、請求項1~72のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項74】
前記錠剤が、光学的に透明である、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記錠剤が、多孔質ポリマー膜から形成されている、請求項73~74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
前記多孔質ポリマー膜が、121℃を超えるTを有する熱可塑性ポリマーから形成されている、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記多孔質ポリマー膜が、5nm~75nmの孔径を有する、請求項75~76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
前記指標が、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含み、多孔質ポリマー膜が、前記キャッピング剤よりも大きいが、前記ナノ粒子の集団の平均粒径よりも小さい孔径を有する、請求項75~77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項79】
前記指標が、オートクレーブに対して安定である、請求項1~78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
前記指標が、色保持指標である、請求項1、10、又は31に記載のシステム。
【請求項81】
前記キャッピング剤が、前記容器から拡散しない、請求項80に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月15日に出願された米国特許出願第16/901,113号に対する優先権を主張するものであり、特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズは、近視、遠視、及び乱視を含む多種多様な視力障害を矯正するために広く使用されている。コンタクトレンズはまた、着用者の眼の自然な外観を向上させるのに使用され得る。初期のコンタクトレンズは、硬質材料から構築又は作製され、比較的高価で脆弱であった。加えて、このようなハードコンタクトレンズを製造するために使用される材料は、比較的低い酸素透過性を有し、結膜及び角膜への酸素の流れを制限する。より最近では、ヒドロゲル材料に基づくソフトコンタクトレンズが開発されてきた。シリコーンヒドロゲルに基づくソフトコンタクトレンズは、より高い酸素透過性を呈し、概して、ハードコンタクトレンズよりも着心地がよい。
【0003】
異なる材料から形成されたコンタクトレンズは、異なる着用スケジュール及び交換スケジュールを有することができる。「常時着用」(DW、Daily wear)コンタクトレンズは、1日着用され、睡眠前に除去されるように設計されている。「延長着用」(EW、Extended wear)コンタクトレンズは、典型的には、最大6夜連続のために、連続的な終夜着用用に設計されている。シリコーンヒドロゲルなどのより新しい材料は、最大30夜連続のより長い着用期間を可能にすることができる。このようなより長い着用レンズは、「連続着用」コンタクトレンズ(CW、continuous wear)と称されることがある。単回使用レンズ(1日又は常時の使い捨てレンズと称されることがある)は、1回の使用後に廃棄されるように設計されている。他の使い捨てコンタクトレンズは、2週間又は4週間ごとに交換するように設計されている。他のレンズは、年に4回、年に2回、年に1回、又は更には規則的ではないように設計されている。
【0004】
コンタクトレンズ製造業者及び眼科医は、様々な理由で異なる種類のコンタクトレンズのための特定の交換時間を推奨した。例えば、コンタクトレンズがどのくらい良好に洗浄及び維持されるかにかかわらず、コンタクトレンズは、経時的にタンパク質、カルシウム、及び/又は脂質沈着物を蓄積し得る。これらの付着物は、コンタクトレンズの着用を快適でなくし、眼に感染及び刺激をより生じやすくし得る。副作用を最小限に抑えるために、着用者は、コンタクトレンズの適時交換を確実にするために、レンズ着用時間を追跡する必要がある。しかしながら、本発明では、市販のレンズは、コンタクトレンズがその推奨される着用スケジュールを超えて使用されたことを着用者に提供するための単純な指標を含まない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、着用者が指定の交換期間を超えることを防ぐためにレンズを交換する必要があることを着用者に知らせるためにコンタクトレンズに組み込むことができる単純なシステムに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
トリガ事象の発生から経過した期間を示すために使用することができるシステム及び方法が本明細書で提供される。より具体的には、本出願は、例えば、物品がパッケージから除去されてから経過した時間、物品若しくは組成物が調製されてから経過した時間、及び/又は物品が使用中の期間を視覚的に示すために使用することができるシステム及び方法に関する。
【0007】
システムは、物品上又は物品内に配置された指標を含むことができる。物品は、パッケージの封止可能な容器内に被包され得る。システムは、容器内に配置され、かつ指標と接触しているトリガを更に含むことができる。指標は、指標と接触しているトリガの濃度における変化に応答することができる。トリガは、静的濃度で封止可能な容器内に存在し得る。
【0008】
容器からの物品の除去は、指標と接触しているトリガの濃度における変化を誘導することができる。トリガの濃度における変化は、指標における観察可能な変化を誘導することができる。例えば、いくつかの実施形態では、指標は、観察可能な変化が指標の色における変化を含む光学的指標(例えば、可視指標)であり得る。そのような場合、観察可能な変化は、可視スペクトル内の第1の色から可視スペクトル内の第2の色への色における変化、可視スペクトルの外側の第1の色から可視スペクトルの第2の色への色における変化、又は可視スペクトル内の第1の色から可視スペクトルの外側の第2の色への色における変化であり得る。観察可能な変化(例えば、色変化)は、物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを示すことができる。いくつかの実施形態では、所定の期間は、30分~30日、例えば、1時間~30日であり得る。重要なことに、観察可能な変化は、観察可能な変化(例えば、色変化)の実質的に全てが所定の期間に起こるように、離散的であり得る。例えば、観察可能な変化は、所定の期間の前に実質的に起こり得ない。次いで、観察可能な変化は、所定の期間に、及びその後に、比較的短い期間内に起こり得る。例えば、観察可能な変化の実質的に全ては、所定の期間の48時間以内(例えば、24時間以内、12時間以内、6時間以内、5時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、又は30分以内)で起こり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、トリガの濃度における変化は、物品が容器から除去されてから2つ又は3つ以上の所定の期間が経過したことを示すように、この指標における2つ又は3つ以上の観察可能な変化を誘導することができる。いくつかの実施形態では、第1の所定の期間は、10分~2週間であり得、第2の所定の期間は、30分~30日、例えば、1時間~30日である。
【0010】
いくつかの実施形態では、指標は、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含むことができ、トリガは、指標と接触しているキャッピング剤を含む溶液を含むことができる。ナノ粒子の集団は、プラズモンナノ粒子の集団を含み得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、5nm~100nmの平均粒径を有し得る。場合によっては、ナノ粒子の集団は、均質な粒子形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の集団は、異なる粒子形状の混合物を含み得る。キャッピング剤は、ナノ粒子と非共有会合されることができる。特定の実施形態では、キャッピング剤は、例えば、ポリマー、界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0011】
これらの実施形態では、物品が容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、キャッピング剤は、ナノ粒子から解離することができる。キャッピング剤の解離は、コロイド状に分散したナノ粒子を不安定化し、ナノ粒子の凝集を誘導することができる。これは、ナノ粒子の色における変化をもたらすことができる。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを色変化が示すように選択された速度で、キャッピング剤は、ナノ粒子から解離することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、指標は、第1のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第1の集団と、第2のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第2の集団と、を含むことができ、トリガは、指標と接触している第1のキャッピング剤及び第2のキャッピングを含む溶液を含むことができる。これらの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、第1のキャッピング剤は、第2のキャッピング剤がナノ粒子の第2の集団から解離することができるよりも速い速度で、ナノ粒子の第1の集団から解離することができる。第1のキャッピング剤は、第1の速度で第1の集団ナノ粒子から解離することができる。第1のキャッピング剤の解離は、コロイド状に分散したナノ粒子の第1の集団を不安定化し、ナノ粒子の第1の集団の凝集を誘導することができる。この凝集は、第1の色変化を生成することができる。第2のキャッピング剤は、第1の速度よりも遅い第2の速度で、第2の集団ナノ粒子から解離することができる。第2のキャッピング剤の解離は、コロイド状に分散したナノ粒子の第2の集団を不安定化し、ナノ粒子の第2の集団の凝集を誘導することができる。この凝集は、第2の色変化を生成することができる。第1の速度及び第2の速度は、物品が容器から除去されてから2つの連続する所定の期間が経過したことを第1及び第2の色変化が示すように、組み合わせて選択することができる。例えば、物品が容器から除去されてから第1の所定の期間が経過したことを第1の色変化が示すように選択された第1の速度で、第1のキャッピング剤は、ナノ粒子の第1の集団から解離することができ、物品が容器から除去されてから第2の所定の期間が経過したことを第2の色変化が示すように選択された第2の速度で、第2のキャッピング剤は、第2の集団ナノ粒子から解離することができる。
【0013】
他の実施形態では、指標は、分散剤と組み合わせて発色団又はフルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している分散剤を含む溶液を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、分散剤は、発色団又はフルオロフォアから解離し、それによって発色団の凝集を誘導しかつ色変化(例えば、赤色転換)を生成するか、又はフルオロフォアの凝集を生成しかつ最大発光波長における変化(例えば、赤色転換)を生成する。
【0014】
物品が容器から取り除かれてから所定の期間が経過したことを最大発光波長の色変化又は変化が示すように選択された速度で、分散剤は、発色団又はフルオロフォアから解離することができる。いくつかの実施形態では、トリガの濃度における変化は、指標における蛍光における変化を誘導する。蛍光における変化は、最大発光波長における変化、蛍光量子収率における変化、発光スペクトルの形状における変化、蛍光寿命における変化、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0015】
他の実施形態では、指標は、フルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している消光剤を含む溶液を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、消光剤は、フルオロフォアから解離し、それによって蛍光における増加を誘導することができる。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを蛍光における増加が示すように選択された速度で、消光剤は、フルオロフォアから解離することができる。
【0016】
他の実施形態では、指標は、第1のフルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している第2のフルオロフォアを含む溶液を含むことができる。第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を含むことができる。第2のフルオロフォアは、第1のフルオロフォアから解離し、それによって最大発光波長における変化を生成することができる。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、第2のフルオロフォアは、第1のフルオロフォアから解離することができる。
【0017】
所望される場合、指標は、物品上又は物品内に配置されたときにトリガの濃度における変化に応答し続けるように、好適にパッケージ化することができる。いくつかの実施形態では、指標は、光学的に透明な錠剤内に封入することができる。錠剤は、121℃を超えるTを有する熱可塑性ポリマーから形成された多孔質ポリマー膜から形成することができる。多孔質ポリマー膜は、指標の膜貫通透過を妨げる一方で、トリガの膜貫通透過を可能にするのに十分な大きさの孔径を有し得る。好適な膜は、トリガの識別及び指標の識別を考慮して選択することができる。例えば、指標が、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含む実施形態では、多孔質ポリマー膜は、キャッピング剤よりも大きいが、ナノ粒子の集団の平均粒径よりも小さい孔径を有し得る。いくつかの実施例では、多孔質ポリマー膜は、5nm~75nmの粒径(por size)を有し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、物品は、コンタクトレンズなどの医療用デバイス又は眼科用デバイスを含む。いくつかの実施形態では、指標は、オートクレーブに対して安定であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】トリガ事象に基づいて経過した時間を示す、一実施形態の動作機構の概略図である。
図1B】マイクロウェルプレート内で手動で混合するための2粒子の紫色→赤色の色遷移(青色の損失+赤色の保持)のためのキャッピング剤濃度に基づく閾値ベースの色変化の実証を示す。
図1C】カラー→クリアー遷移のための、透析カセット内のプログラム可能な色変化の実証を示す。単一粒子システムは、キャッピング剤の濃度によってプログラムされて、3日間(図1C)、5日間(図1D)、又は8日間(図1E)で活性化される。
図1D】カラー→クリアー遷移のための、透析カセット内のプログラム可能な色変化の実証を示す。単一粒子システムは、キャッピング剤の濃度によってプログラムされて、3日間(図1C)、5日間(図1D)、又は8日間(図1E)で活性化される。
図1E】カラー→クリアー遷移のための、透析カセット内のプログラム可能な色変化の実証を示す。単一粒子システムは、キャッピング剤の濃度によってプログラムされて、3日間(図1C)、5日間(図1D)、又は8日間(図1E)で活性化される。
図2A図1C図1Eに示すサンプルの色の分析を示し、プログラム可能な色遷移が離散的であり、かつ標的活性化時間付近で急速に発生することを実証する。指標の色のGチャネルを分析し、色分析のために白色背景に対して正規化した。
図2B図1C図1Eに示すサンプルの色の分析を示し、プログラム可能な色遷移が離散的であり、かつ標的活性化時間付近で急速に発生することを実証する。指標の色のGチャネルを分析し、色分析のために白色背景に対して正規化した。
図2C図1C図1Eに示すサンプルの色の分析を示し、プログラム可能な色遷移が離散的であり、かつ標的活性化時間付近で急速に発生することを実証する。指標の色のGチャネルを分析し、色分析のために白色背景に対して正規化した。
図3】色指標の活性化時間が、容器内のキャッピング剤の初期濃度に基づいてプログラム可能であることを示す。単一粒子のカラー→クリアー指標についてデータを示す。
図4A】2粒子系(青色星形粒子+赤色球状粒子)に基づくカラー→カラー→クリアー(紫色→赤色→クリアー)色遷移の実証を示す。青色粒子は、コロイド安定性が低く、赤色粒子よりも早く(1時間)色を失うように促される。2つの異なる赤色粒子を、1時間及び5日間(図1A)並びに1時間及び9日間(図1B)でプログラム可能な色遷移に使用して、2つの色変化系が独立して活性化するようにプログラムされ得ることを実証した。
図4B】2粒子系(青色星形粒子+赤色球状粒子)に基づくカラー→カラー→クリアー(紫色→赤色→クリアー)色遷移の実証を示す。青色粒子は、コロイド安定性が低く、赤色粒子よりも早く(1時間)色を失うように促される。2つの異なる赤色粒子を、1時間及び5日間(図1A)並びに1時間及び9日間(図1B)でプログラム可能な色遷移に使用して、2つの色変化系が独立して活性化するようにプログラムされ得ることを実証した。
図5A】赤色(図5A)及び青色(図5B)の色変化単一粒子系のための、外部溶液中のキャッピング剤の存在下で(例えば、指標又は物品が容器中に残る間)、指標が不活性であることを示す。
図5B】赤色(図5A)及び青色(図5B)の色変化単一粒子系のための、外部溶液中のキャッピング剤の存在下で(例えば、指標又は物品が容器中に残る間)、指標が不活性であることを示す。
図6】色保持粒子を示す。キャッピング剤は、色保持粒子がカラー→カラー遷移のための一定の背景を提供するように、外部溶液中のキャッピング剤の非存在下を含めて、色保持粒子に結合したままである。
図7】2粒子系(青色損失粒子[8時間プログラム]+色保持赤色粒子)を使用した、カラー→カラー(紫色→赤色)遷移の実証である。
図8A】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8Aは、形成され封止されたマイクロパウチ(左)と、被包された指標を挟む多孔質ポリマー2つの層との概略図を示す。
図8B】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8B図8Dは、固形青色(図8B)、赤色のリング(図8C)、固形赤色(図8D)の指標(コンタクトレンズ(左)と、そのような統合レンズの画像(右)とに組み込まれた)で充填された封止されたマイクロパウチの側面図の概略図を示す。
図8C】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8B図8Dは、固形青色(図8B)、赤色のリング(図8C)、固形赤色(図8D)の指標(コンタクトレンズ(左)と、そのような統合レンズの画像(右)とに組み込まれた)で充填された封止されたマイクロパウチの側面図の概略図を示す。
図8D】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8B図8Dは、固形青色(図8B)、赤色のリング(図8C)、固形赤色(図8D)の指標(コンタクトレンズ(左)と、そのような統合レンズの画像(右)とに組み込まれた)で充填された封止されたマイクロパウチの側面図の概略図を示す。
図8E】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8E図8Fは、オートクレーブ前後の赤色(図8E)及び紫色(図8F)の指標の画像であり、オートクレーブに対する安定性を示す。赤色指標で充填された2つの複製サンプルを図8Eに示す。
図8F】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8E図8Fは、オートクレーブ前後の赤色(図8E)及び紫色(図8F)の指標の画像であり、オートクレーブに対する安定性を示す。赤色指標で充填された2つの複製サンプルを図8Eに示す。
図8G】指標の生体材料への組み込み、並びにオートクレーブ及び様々な液体に対する安定性を示す。より具体的には、図8Gは、最大35日間のそれぞれの溶液又はPureMoist洗浄溶液に対する赤色指標の浸漬を示し、これらに対する安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、以下の説明に記載されている構造又はプロセス工程の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は他の実施形態が可能であり、本明細書に記載の教示を用いた様々な方法によって実行又は実施することが可能である。
【0021】
定義
本開示において使用される用語に関しては、以下の定義が提供される。
【0022】
別段の定めがある場合を除き、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野における当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。ポリマーの定義は、Compendium of Polymer Terminology and Nomenclature,IUPAC Recommendations 2008,edited by:Richard G.Jones,Jaroslav Kahovec,Robert Stepto,Edward S.Wilks,Michael Hess,Tatsuki Kitayama,and W.Val Metanomskiに開示される定義に一致する。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
本明細書で使用するとき、「(メタ)」という用語は、任意選択的なメチル置換を意味する。したがって、「(メタ)アクリレート」などの用語は、メタクリレート及びアクリレートの両方を意味する。
【0024】
「個体」という用語は、ヒト及び脊椎動物を含む。
【0025】
「眼科用デバイス」という用語は、眼若しくは眼の任意の一部(眼の表面を含む)の中又は上に存在する任意の装置を指す。これらのデバイスは、光学補正、外見向上、視力強化、治療効果(例えば、包帯として)、若しくは医薬成分及び栄養補助成分などの活性成分の供給、又は前述の任意の組み合わせを提供することができる。眼科用デバイスの例としては、限定されるものではないが、レンズ、光学及び眼挿入物(限定されるものではないが、涙点プラグを含む)などが挙げられる。「レンズ」は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズ、眼内レンズ、及びオーバーレイレンズを含む。眼科用デバイスは、コンタクトレンズを含み得る。
【0026】
「コンタクトレンズ」という用語は、個体の眼の角膜上に置くことができる眼科用デバイスを指す。コンタクトレンズは、創傷治癒、薬剤若しくは栄養補助剤の供給、診断的評価若しくは監視、紫外線遮断、可視光線若しくはグレアの抑制、又はこれらの組み合わせを含む、矯正的、美容的、治療的な利益をもたらし得る。コンタクトレンズは、技術分野で既知の任意の適切な材料であり得、ソフトレンズ、ハードレンズ、又は弾性率、含水率、光透過、若しくはこれらの組み合わせなどの、異なる物理、機械、若しくは光学特性を有する少なくとも2つの別個の部分を含有するハイブリッドレンズであり得る。
【0027】
本明細書に記載の眼科用デバイス及びレンズは、シリコーンヒドロゲル又は従来のヒドロゲルで構成され得る。シリコーンヒドロゲルは、典型的には、硬化されたデバイス内で互いに共有結合した、少なくとも1つの親水性モノマー及び少なくとも1つのシリコーン含有成分を含む。
【0028】
「標的巨大分子」は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、開始剤、添加剤、希釈剤などを含む反応性モノマー混合物から合成されている巨大分子を意味する。
【0029】
「重合性化合物」という用語は、1つ又は2つ以上の重合性基を含有する化合物を意味する。この用語は、例えば、モノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマー、架橋剤などを包含する。
【0030】
「重合性基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合、例えばラジカル重合開始条件に供されたときに重合することができる炭素-炭素二重結合などの、連鎖成長重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバメート、O-ビニルカーボネート、及び他のビニル基が挙げられる。好ましくは、フリーラジカル重合性基は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、及びスチリル官能基、並びに前述のうちの任意の混合物を含む。より好ましくは、フリーラジカル重合性基は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物を含む。重合性基は、非置換であってもよく、又は置換されていてもよい。例えば、(メタ)アクリルアミド中の窒素原子は、水素に結合されてもよく、又は水素は、アルキル若しくはシクロアルキル(それ自体が更に置換されてもよい)で置換されてもよい。
【0031】
限定されるものではないが、バルク、溶液、懸濁液、及びエマルジョンを含む、任意の種類のフリーラジカル重合、並びに、安定性フリーラジカル重合、窒素酸化物媒介リビング重合、原子移動ラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合、有機テルル媒介リビングラジカル重合などの、制御ラジカル重合法のいずれかを使用することができる。
【0032】
「モノマー」は、連鎖成長重合、特にフリーラジカル重合を受け、それによって標的巨大分子の化学構造内に繰り返し単位を作り出すことができる単官能性分子である。いくつかのモノマーは、架橋剤として作用することができる二官能性不純物を有する。「親水性モノマー」はまた、5重量パーセントの濃度にて25℃で、脱イオン水を用いて混合したときに、透明な単相溶液が得られるモノマーである。「親水性成分」は、5重量パーセントの濃度にて25℃で、脱イオン水を用いて混合したときに、透明な単相溶液が得られる、モノマー、マクロマー、プレポリマー、開始剤、架橋剤、添加剤、又はポリマーである。「疎水性成分」は、25℃で脱イオン水中でわずかに可溶性又は不溶性であるモノマー、マクロマー、プレポリマー、開始剤、架橋剤、添加剤、又はポリマーである。
【0033】
「巨大分子」は、1500を超える数平均分子量を有する有機化合物であり、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0034】
「マクロモノマー」又は「マクロマー」は、連鎖成長重合、特にフリーラジカル重合を受け、それによって標的巨大分子の化学構造内に繰り返し単位を作り出すことができる1つの基を有する巨大分子である。一般的に、マクロマーの化学構造は、標的高分子の化学構造とは異なり、すなわち、マクロマーのペンダント基の繰り返し単位は、標的高分子又はその主鎖の繰り返し単位とは異なる。モノマーとマクロマーとの間の差は、ペンダント基の化学構造、分子量、及び分子量分布のうちの1つに過ぎない。結果として、かつ本明細書で使用するとき、特許文献は、約1,500ダルトン以下の比較的低い分子量を有する重合性化合物としてモノマーを定義することがあり、これは、本質的にいくつかのマクロマーを含む。具体的には、モノメタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量=500~1500g/mol)(mPDMS)及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量=500~1500g/mol)(OH-mPDMS)は、モノマー又はマクロマーと称され得る。更に、特許文献は、1つ又は2つ以上の重合性基を有するものとしてマクロマーを定義することがあり、マクロマーの一般的な定義を本質的に拡大してプレポリマーを含む。結果として、かつ本明細書において使用される場合、二官能性及び多官能性マクロマー、プレポリマー、及び架橋剤は、互換的に使用され得る。
【0035】
「シリコーン含有成分」は、通常は、シロキシ基、シロキサン基、カルボシロキサン基、及びこれらの混合物の形態で、少なくとも1つのケイ素-酸素結合を有する、反応性混合物中のモノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、開始剤、添加剤、又はポリマーである。
【0036】
本発明において有用なシリコーン含有成分の例は、米国特許第3,808,178号、同第4,120,570号、同第4,136,250号、同第4,153,641号、同第4,740,533号、同第5,034,461号、同第5,070,215号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,760,100号、同第5,849,811号、同第5,962,548号、同第5,965,631号、同第5,998,498号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,943,203号、同第6,951,894号、同第7,052,131号、同第7,247,692号、同第7,396,890号、同第7,461,937号、同第7,468,398号、同第7,538,146号、同第7,553,880号、同第7,572,841号、同第7,666,921号、同第7,691,916号、同第7,786,185号、同第7,825,170号、同第7,915,323号、同第7,994,356号、同第8,022,158号、同第8,163,206号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,415,404号、同第8,420,711号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,568,626号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第8,980,972号、同第9,056,878号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9,156,934号、同第9,170,349号、同第9,217,813号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、及び欧州特許第080539号に見出すことができる。これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
「ポリマー」は、重合中に使用されるモノマーの繰り返し単位で構成される標的巨大分子である。
【0038】
「ホモポリマー」は、1つのモノマーから作製したポリマーであり、「コポリマー」は、2つ又は3つ以上のモノマーから作製したポリマーであり、「ターポリマー」は、3つのモノマーから作製したポリマーである。「ブロックコポリマー」は、組成上異なるブロック又はセグメントから成る。ジブロックコポリマーは、2つのブロックを有する。トリブロックコポリマーは、3つのブロックを有する。「くし形又はグラフトコポリマー」は、少なくとも1つのマクロマーから作製される。
【0039】
「繰り返し単位」は、特定のモノマー又はマクロマーの重合に対応する、ポリマー内の原子の最小の基である。
【0040】
「開始剤」は、続いてモノマーと反応してフリーラジカル重合反応を開始することができるラジカルに分解可能である分子である。熱開始剤は、温度に応じて特定の速度で分解し、典型例は、1,1’-アゾビスイソブチロニトリル及び4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)などのアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、及びラウロイルペルオキシドなどのペルオキシド、過酢酸及び過硫酸カリウムなどの過酸、並びに様々な酸化還元系である。光開始剤は、光化学プロセスにより分解し、典型例は、ベンジル、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、及びこれらの混合物の誘導体、並びに様々なモノアシル及びビスアシルホスフィンオキシド、並びにこれらの組み合わせである。
【0041】
「架橋剤」は、分子上の2つ又は3つ以上の位置でフリーラジカル重合を受け、それによって分岐点及びポリマーネットワークを作り出すことができる、二官能性又は多官能性モノマー又はマクロマーである。一般的な例は、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルシアヌレートなどである。
【0042】
「プレポリマー」は、更に反応を受けてポリマーを形成可能な、残存している重合性基を含有するモノマーの反応生成物である。
【0043】
「ポリマーネットワーク」は、膨潤し得るが溶媒に溶解できない架橋巨大分子である。「ヒドロゲル」は、典型的には少なくとも10重量パーセントの水を吸収しながら、水又は水溶液中で膨潤するポリマーネットワークである。「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つの親水性成分と共に少なくとも1つのシリコーン含有成分から作製されるヒドロゲルである。親水性成分はまた、非反応性ポリマーを含み得る。
【0044】
「従来のヒドロゲル」は、いかなるシロキシ、シロキサン、又はカルボシロキサン基も有しない成分から作製されたポリマーネットワークを指す。従来のヒドロゲルは、親水性モノマーを含む反応性混合物から調製される。例としては、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、N,N-ジメチルアクリルアミド(「DMA」)、又は酢酸ビニルが挙げられる。米国特許第4,436,887号、同第4,495,313号、同第4,889,664号、同第5,006,622号、同第5,039459号、同第5,236,969号、同第5,270,418号、同第5,298,533号、同第5,824,719号、同第6,420,453号、同第6,423,761号、同第6,767,979号、同第7,934,830号、同第8,138,290号、及び同第8,389,597号は、従来のヒドロゲルの形成を開示している。市販の従来のヒドロゲルとしては、エタフィルコン(etafilcon)、ゲンフィルコン(genfilcon)、ヒラフィルコン(hilafilcon)、レネフィルコン(lenefilcon)、ネソフィルコン(nesofilcon)、オマフィルコン(omafilcon)、ポリマコン(polymacon)、及びビフィルコン(vifilcon)(それらの変形の全てを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つの親水性成分及び少なくとも1つのシリコーン含有成分から作製されるポリマーネットワークを指す。シリコーンヒドロゲルの例としては、アクアフィルコン(acquafilcon)、アスモフィルコン(asmofilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、デレフィルコン(delefilcon)、エンフィルコン(enfilcon)、ファルコン(falcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、ガリフィルコン(galyfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)、ナラフィルコン(narafilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、サムフィルコン(samfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、及びステンフィルコン(stenfilcon)(それらの変形の全てを含む)、並びに米国特許第4,659,782号、同第4,659,783号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,998,498号、同第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号、同第5,965,631号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,867,245号、同第6,943,203号、同第7,247,692号、同第7,249,848号、同第7,553,880号、同第7,666,921号、同第7,786,185号、同第7,956,131号、同第8,022,158号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,470,906号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,507,577号、同第8,637,621号、同第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第9,056,878号、同第9,057,821号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9156,934号、同第9,170,349号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、並びに国際公開第03/22321号、同第2008/061992号、及び米国特許出願公開第2010/0048847号で調製されているようなシリコーンヒドロゲルが挙げられる。これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
「相互貫入ポリマーネットワーク」は、分子スケールで少なくとも部分的に交絡しているが、互いに共有結合しておらず、制動化学結合なしに分離することができない、2つ又は3つ以上のネットワークを含む。「半貫入ポリマーネットワーク」は、1つ又は2つ以上のネットワークと、少なくとも1つのネットワークと少なくとも1つのポリマーとの間の分子レベルで何らかの混合によって特徴付けられる1つ又は2つ以上のポリマーと、を含む。異なるポリマーの混合物は、「ポリマーブレンド」である。半貫入ネットワークは、技術的にはポリマーブレンドであるが、場合によっては、ポリマーは、容易に除去することができないように絡まっている。
【0047】
「反応性混合物」及び「反応性モノマー混合物」という用語は、一緒に混合され、重合条件にさらされたとき、従来の又は本発明のシリコーンヒドロゲルを形成すると共に、そこからコンタクトレンズを作製する成分(反応性及び非反応性の両方)の混合物を指す。反応性モノマー混合物は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、及び反応開始剤などの反応性成分、湿潤剤、離型剤、ポリマー、染料などの添加剤、光吸収化合物、例えば、UV吸収剤、顔料、染料、及びフォトクロミック化合物(それらのいずれも反応性又は非反応性であってもよいが、得られる生物医学装置内に保持されることが可能である)、並びに医薬化合物及び栄養補助化合物、及び任意の希釈剤を含み得る。作製される生物医学用デバイス及びその使用目的に基づき、多様な添加剤が添加され得ることが理解されるであろう。反応性混合物の成分の濃度は、希釈剤を除いて、反応性混合物中の全ての成分の重量百分率として表される。希釈剤が使用される場合、それらの濃度は、反応性混合物中の全ての成分及び希釈剤の量に基づき重量百分率として表される。
【0048】
「反応性成分」は、共有結合、水素結合、静電相互作用、相互貫入ポリマーネットワークの形成、又は任意の他の手段により、得られるヒドロゲルのポリマーネットワークの化学構造の一部となる、反応性混合物の成分である。
【0049】
「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」という用語は、少なくとも1つのシリコーン含有成分を含むヒドロゲルコンタクトレンズを指す。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは全般的に、従来のヒドロゲルと比較して増加した酸素透過性を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、それらの含水量及びポリマー含有量の両方を機能させて酸素を眼に送る。
【0050】
「多官能性」という用語は、2つ又は3つ以上の重合性基を有する成分を指す。「単官能性」という用語は、1つの重合性基を有する成分を指す。
【0051】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0052】
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、示された数の炭素原子を含有する非置換又は置換直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。数が示されていない場合、アルキル(アルキル上の任意の置換基を任意選択的に含む)は、1~16個の炭素原子を含有し得る。好ましくは、アルキル基は、1~10個の炭素原子、代替的に1~7個の炭素原子、又は代替的に1~4個の炭素原子を含有する。アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ-、sec-及びtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3-エチルブチルなどが挙げられる。アルキル上の置換基の例としては、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「アルキレン」は、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCH(CH)CH-、及び-CHCHCHCH-などの、二価アルキル基を意味する。
【0053】
「ハロアルキル」は、1個又は2個以上のハロゲン原子で置換された上で定義されるアルキル基を指し、各ハロゲンは、独立して、F、Cl、Br、又はIである。好ましいハロゲンは、Fである。好ましいハロアルキル基は、1~6個の炭素、より好ましくは1~4個の炭素、更により好ましくは1~2個の炭素を含有する。「ハロアルキル」は、-CF-又は-CFCF-などのペルハロアルキル基を含む。「ハロアルキレン」は、-CHCF-などの二価ハロアルキル基を意味する。
【0054】
「シクロアルキル」は、示された数の環炭素原子を含有する非置換又は置換環状炭化水素を指す。数が示されていない場合、シクロアルキルは、3~12個の環炭素原子を含有し得る。好ましくは、C~Cシクロアルキル基、C~Cシクロアルキル、より好ましくはC~Cシクロアルキル、更により好ましくはC~Cシクロアルキルである。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル上の置換基の例としては、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「シクロアルキレン」は、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、又は1,4-シクロヘキシレンなどの二価シクロアルキル基を意味する。
【0055】
「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1つの環炭素が、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されている、上で定義されるシクロアルキル環又は環系を指す。ヘテロシクロアルキル環は、任意選択的に、他のヘテロシクロアルキル環及び/若しくは非芳香族炭化水素環及び/若しくはフェニル環に縮合されるか、又は他の方法で結合される。好ましいヘテロシクロアルキル基は、5~7員を有する。より好ましいヘテロシクロアルキル基は、5又は6員を有する。ヘテロシクロアルキレンは、二価ヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0056】
「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を含有する非置換又は置換芳香族炭化水素環系を指す。アリール基は、示された数の環炭素原子を含有する。数が示されていない場合、アリールは、6~14個の環炭素原子を含有してもよい。芳香環は、任意選択的に、他の芳香族炭化水素環若しくは非芳香族炭化水素環に縮合されてもよく、又は他の方法で結合されてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、及びビフェニルが挙げられる。アリール基の好ましい例としては、フェニルが挙げられる。アリール上の置換基の例としては、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「アリーレン」は、二価アリール基、例えば1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、又は1,4-フェニレンを意味する。
【0057】
「ヘテロアリール」は、上で定義したように、少なくとも1つの環炭素原子が、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されているアリール環又は環系を指す。ヘテロアリール環は、1つ又は2つ以上のヘテロアリール環、芳香族若しくは非芳香族炭化水素環、又はヘテロシクロアルキル環に縮合していてもよく、又は別の方法で結合されてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、フリル、及びチエニルが挙げられる。「ヘテロアリーレン」は、二価ヘテロアリール基を意味する。
【0058】
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びイソプロポキシが挙げられる。「アリールオキシ」は、酸素架橋を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。例としては、フェノキシが挙げられる。「環状アルコキシ」は、酸素架橋を介して親部分に結合しているシクロアルキル基を意味する。
【0059】
「アルキルアミン」は、-NH架橋を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。アルキレンアミンは、-CHCHNH-などの二価アルキルアミン基を意味する。
【0060】
「シロキサニル」は、少なくとも1つのSi-O-Si結合を有する構造を指す。したがって、例えば、シロキサニル基は、少なくとも1つのSi-O-Si基(すなわち、シロキサン基)を有する基を意味し、シロキサニル化合物は、少なくとも1つのSi-O-Si基を有する化合物を意味する。「シロキサニル」は、モノマー(例えば、Si-O-Si)並びにオリゴマー/ポリマー構造(例えば、-[Si-O]-であって、式中、nは2又は3以上である、構造)を包含する。シロキサニル基中の各ケイ素原子は、それらの原子価を完全なものにするために、独立して選択されるR基(ここで、Rは、式Aの選択肢(b)~(i)で定義されるとおりである)で置換されている。
【0061】
「シリル」は、式RSi-の構造を指し、「シロキシ」は、式RSi-O-の構造を指し、ここで、シリル又はシロキシ中の各Rは、トリメチルシロキシ、C~Cアルキル(好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはエチル又はメチル)、及びC~Cシクロアルキルから独立して選択される。
【0062】
「アルキレンオキシ」は、一般式-(アルキレン-O-)-又は-(O-アルキレン)-の基を指し、ここで、アルキレンは、上で定義したとおりであり、pは、1~200、又は1~100、又は1~50、又は1~25、又は1~20、又は1~10であり、各アルキレンは、独立して、ヒドロキシル、ハロ(例えば、フルオロ)、アミノ、アミド、エーテル、カルボニル、カルボキシル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ又は2つ以上の基で任意選択的に置換されている。pが1より大きい場合、各アルキレンは、同じであっても異なっていてもよく、アルキレンオキシは、ブロック又はランダム構成であってもよい。アルキレンオキシが分子中に末端基を形成するとき、アルキレンオキシの末端は、例えば、ヒドロキシ又はアルコキシ(例えば、HO-[CHCHO]-又はCHO-[CHCHO]-)であってもよい。アルキレンオキシの例としては、ポリメチレンオキシ、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、ポリブチレンオキシ、及びポリ(エチレンオキシ-コ-プロピレンオキシ)が挙げられる。
【0063】
「オキサアルキレン」は、1つ又は2つ以上の非隣接CH基が、-CHCHOCH(CH)CH-などの酸素原子で置換されている、上で定義されるアルキレン基を指す。「チアアルキレン」は、1つ又は2つ以上の非隣接CH基が、-CHCHSCH(CH)CH-などの硫黄原子で置換されている、上で定義されるアルキレン基を指す。
【0064】
「連結基」という用語は、重合性基を親分子に連結する部分を指す。連結基は、それが一部である化合物の重合に不必要に干渉しない任意の部分であってもよい。例えば、連結基は、結合であってもよく、又は1つ若しくは2つ以上のアルキレン、ハロアルキレン、アミド、アミン、アルキレンアミン、カルバメート、カルボキシレート(-CO-)、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アルキレンオキシ、オキサアルキレン、チアアルキレン、ハロアルキレンオキシ(1つ又は2つ以上のハロ基で置換されたアルキレンオキシ(例えば、-OCF-、-OCFCF-、-OCFCH-)、シロキサニル、アルキレンシロキサニル、又はこれらの組み合わせを含み得る。連結基は、1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換されてもよい。好適な置換基としては、アルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、HO-アルキレンオキシ、CHO-アルキレンオキシ、シロキサニル、シロキシ、シロキシ-アルキレンオキシ-、シロキシ-アルキレン-アルキレンオキシ-(2つ以上のアルキレンオキシ基が存在してもよく、アルキレン及びアルキレンオキシ中の各メチレンは、独立して、ヒドロキシルで任意選択的に置換されている)、エーテル、アミン、カルボニル、カルバメート、及びこれらの組み合わせから独立して選択されるものが挙げられ得る。連結基はまた、(メタ)アクリレートなどの重合性基で置換されてもよい(連結基が連結している重合性基に加えて)。
【0065】
好ましい連結基としては、C~Cアルキレン(好ましくは、C~Cアルキレン)及びC~Cオキサアルキレン(好ましくは、C~Cオキサアルキレン)が挙げられ、これらの各々は、ヒドロキシル及びシロキシから独立して選択される1つ又は2つの基で任意選択的に置換されている。好ましい連結基としてはまた、カルボキシレート、アミド、C~Cアルキレン-カルボキシレート-C~Cアルキレン、又はC~Cアルキレン-アミドC~Cアルキレンが挙げられる。
【0066】
連結基が上述のような部分(例えば、アルキレン及びシクロアルキレン)の組み合わせから成る場合、部分は任意の順序で存在してもよい。例えば、下記の式Eにおいて、Lが、-アルキレン-シクロアルキレン-であると示されている場合、Rg-Lは、Rg-アルキレン-シクロアルキレン-、又はRg-シクロアルキレン-アルキレン-のいずれかであってもよい。これにかかわらず、列記する順序は、連結基が結合している末端重合性基(Rg)から始まって、部分が化合物中に現れる好ましい順序を表す。例えば、式E中、L及びLが、両方ともアルキレン-シクロアルキレンであるとして示されている場合、Rg-Lは、好ましくは、Rg-アルキレン-シクロアルキレン-であり、-L-Rgは、好ましくは、-シクロアルキレン-アルキレン-Rgである。
【0067】
本明細書で使用するとき、「ナノ粒子」は、100nm未満の少なくとも1つの寸法を有する微小粒子を指す。場合によっては、ナノ粒子は、50nm未満の少なくとも1つの寸法を有し得る。本明細書で使用するとき、「プラズモンナノ粒子」とは、粒子表面の周囲の形状、組成物、又は媒体を変化させることによって調整可能な強い吸収(及び散乱)スペクトルを有する金属ナノ粒子を指す。この用語は、電磁スペクトルの青色領域(例えば、400nm~500nm)における表面プラズモン吸収及び散乱スペクトルを生じる様々な形状の全てのプラズモンナノ粒子を含むことが理解されるであろう。
【0068】
本明細書で使用するとき、「表面プラズモン」又は「表面プラズモン共鳴」は、自由電子と相互作用し、したがって、可視光の周波数と共鳴する電子電荷の振動を引き起こす、コロイド状ナノ粒子付近を伝播する光線の振動電場の共鳴振動を指す。
【0069】
本明細書で使用するとき、「光学的指標」は、還元可能な任意の所望の物質を意味し、還元されると、色、蛍光、発光、透過、偏光、及び/又は屈折率などの視覚的に検出可能及び/又は機械検出可能な変化を受ける。観察可能な変化の例としては、吸収波長における変化(例えば、色における変化)、発光波長における変化、蛍光寿命における変化、及び蛍光量子収率における変化が挙げられる。蛍光量子収率における変化は、蛍光強度の低下(「消光」と呼ばれる)、又は蛍光強度の増加を含み得る。
【0070】
本明細書で使用するとき、「可視指標」という句は、電磁スペクトルの可視領域内の光学的特性で(例えば、350nm~750nmの波長で)視覚的に検出可能及び/又は機械検出可能な変化を受ける光学的指標を指す。
【0071】
本明細書で使用するとき、「生体適合性」という用語は、インビボで実質的な有害反応を誘導しない材料を説明することが意図される。特定の実施形態では、材料は、細胞に毒性がない場合、「生体適合性」である。特定の実施形態では、インビトロでの細胞への添加が20%細胞死以下となる場合、材料は「生体適合性」であり、及び/又はインビボでのそれらの投与は、炎症又は他のそのような副作用を誘導しない。
【0072】
本明細書で使用するとき、「静的濃度」という用語は、約1%~約10%で変動し得るトリガの濃度を指す。例えば、静的濃度は、+/-10%、+/-5%、+/-2%、又は+/-1%によって変動し得る。
【0073】
別途記載のない限り、比率、百分率、部などは重量による。
【0074】
別途記載のない限り、例えば、「2~10」のような数字範囲は、その範囲を定義する数字(例えば、2及び10)を含む。
【0075】
システム
トリガ事象の発生から経過した期間を示すために使用することができるシステム及び方法が本明細書で提供される。より具体的には、本出願は、例えば、物品がパッケージから除去されてから経過した時間、物品若しくは組成物が調製されてから経過した時間、及び/又は物品が使用中の期間を視覚的に示すために使用することができるシステム及び方法に関する。
【0076】
システムは、物品上又は物品内に配置された指標を含むことができる。物品は、パッケージの封止可能な容器内に被包され得る。システムは、容器内に配置され、かつ指標と接触しているトリガを更に含むことができる。指標は、指標と接触しているトリガの濃度における変化に応答することができる。以下により詳細に記載されるように、指標は、ナノ粒子、発色団、若しくはフルオロフォア、又はこれらの組み合わせを含み得る。トリガは、キャッピング剤、分散剤、消光剤、第2のフルオロフォア、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0077】
トリガは、静的濃度で封止可能な容器内に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、物品が封止可能な容器内に被包されている時間から、物品が封止可能な容器から除去される時間まで、トリガの濃度は、+/-10%未満(例えば、+/-5%未満、+/-2%未満、又は+/-1%未満)だけ変動し得る。
【0078】
封止可能な容器から物品を除去することにより、指標と接触しているトリガの濃度における変化を誘導することができる。トリガの濃度における変化は、指標における観察可能な変化を誘導することができる。例えば、いくつかの実施形態では、指標は、観察可能な変化が指標の色における変化を含む光学的指標(例えば、可視指標)であり得る。そのような場合、観察可能な変化は、可視スペクトル内の第1の色から可視スペクトル内の第2の色への色における変化、可視スペクトルの外側の第1の色から可視スペクトルの第2の色への色における変化、又は可視スペクトル内の第1の色から可視スペクトルの外側の第2の色への色における変化であり得る。観察可能な変化(例えば、色変化)は、物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを示すことができる。いくつかの実施形態では、所定の期間は、30分~30日、例えば、1時間~30日であり得る。例えば、所定の期間は、24時間~30日、1時間~15日、又は24時間~15日であり得る。
【0079】
重要なことに、観察可能な変化は、観察可能な変化(例えば、色変化)の実質的に全てが所定の期間に起こるように、離散的であり得る。例えば、観察可能な変化は、所定の期間の前に実質的に起こり得ない。次いで、観察可能な変化は、所定の期間に、及びその後に、比較的短い期間内に起こり得る。例えば、観察可能な変化の実質的に全ては、所定の期間の48時間以内(例えば、24時間以内、12時間以内、6時間以内、5時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、又は30分以内)で起こり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、トリガの濃度における変化は、物品が容器から除去されから2つ又は3つ以上の所定の期間が経過したことを示すように、この指標における2つ又は3つ以上の観察可能な変化を誘導することができる。いくつかの実施形態では、第1の所定の期間は、10分~2週間であり得、第2の所定の期間は、30分~30日、例えば、1時間~30日である。例えば、第1の所定の期間は、15分~2週間、30分~2週間、1時間~2週間、1時間~24時間、1時間~1週間、30分~1週間、又は10分~24時間であり得、第2の所定の期間は、1時間~30日、24時間~30日、1時間~15日、又は24時間~15日であり得る。
【0081】
ナノ粒子の指標
いくつかの実施形態では、指標は、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含み得る。これらにおいて、トリガは、指標と接触しているキャッピング剤を含む溶液を含む。
【0082】
トリガ中のキャッピング剤の濃度は、キャッピング剤の平衡濃度を含み得る。物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、キャッピング剤は、ナノ粒子から解離し、それによってナノ粒子の集団の凝集を誘導する。この凝集は、色変化をもたらす。
【0083】
物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを色変化が示すように(適切なキャッピング剤を選択することによって)選択された速度で、キャッピング剤は、ナノ粒子から解離する。いくつかの実施形態では、所定の期間は、1時間~30日である。例えば、所定の期間は、24時間~30日、1時間~15日、又は24時間~15日であり得る。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したかどうかを判定するために、物品の使用者によって色変化を(例えば、視覚的及び/又は分光的に)観察することができる。
【0084】
所望により、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の複数の集団は、物品がその容器から除去されてから経過した時間の複数の観察可能な指標を提供するように、単一の指標で組み合わせることができる。例として、いくつかの実施形態では、指標は、第1のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第1の集団と、第2のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第2の集団と、を含むことができる。トリガは、第1のキャッピング剤と、指標と接触している第2のキャッピングとを含む溶液を含み得る。これらの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、第1のキャッピング剤は、第2のキャッピング剤がナノ粒子の第2の集団から解離するのとは異なる速度(例えば、より速い速度)で、ナノ粒子の第1の集団から解離する。物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、第1のキャッピング剤は、第1の集団ナノ粒子から解離することができ、それによってナノ粒子の第1の集団の凝集を誘導し、第1の色変化を生成することができる。その後、第2のキャッピング剤は、第2の集団ナノ粒子から解離し、それによってナノ粒子の第2の集団の凝集を誘導し、第2の色変化を生成することができる。
【0085】
物品が容器から除去されてから第1の所定の期間が経過したことを第1の色変化が示すように(適切なキャッピング剤を選択することによって)選択された第1の速度で、第1のキャッピング剤は、ナノ粒子の第1の集団から解離することができる。同様に、物品が容器から除去されてから第2の所定の期間が経過したことを第2の色変化が示すように(適切なキャッピング剤を選択することによって)選択された第2の速度で、第2のキャッピング剤は、第2の集団ナノ粒子から解離することができる。いくつかの実施形態では、第1の所定の期間は、10分~2週間、15分~2週間、30分~2週間、1時間~2週間、1時間~24時間、1時間~1週間、30分~1週間、又は10分~24時間であり得、第2の所定の期間は、1時間~30日、24時間~30日、1時間~15日、又は24時間~15日であり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、プラズモンナノ粒子を含み得る。プラズモンナノ粒子は、任意の好適な貴金属(例えば、金、銀、白金、パラジウム、又はこれらの任意の組み合わせ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、金を含むことができる。特定の実施形態では、ナノ粒子は、金からなることができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、銀を含むことができる。特定の実施形態では、ナノ粒子は、銀からなることができる。
【0087】
ナノ粒子のサイズ及び形状は、ナノ粒子の光学特性を調整するために変動させることができる。例えば、ナノ粒子のサイズ及び形状を変動させることにより、ナノ粒子の吸収は、広範な波長にわたって調整することができる。ナノ粒子は、ケージ、円錐、円筒、立方体、立方形、六角形、二十面体、八面体、プレート、プリズム、ピラミッド、リング、ロッド、シェル、球体、星形、四面体などの任意の好適な形状を有することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、多面体形状を有することができる。例えば、ナノ粒子は、立方形、八面体形状、十面体形状、立方八面体形状、四面体形状、菱形十二面体形状、切頭複正方プリズム形状、又は切頭二重四面体形状を有することができる。他の実施形態では、ナノ粒子は、球状形状を有し得る。他の実施形態では、ナノ粒子は、ロッドを含むことができる。
【0089】
場合によっては、ナノ粒子の集団は、均質な粒子形状を有し得る。これらの実施形態では、ナノ粒子の実質的に全て(例えば、ナノ粒子の少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%)は、同じ粒子形状を有し得る。他の場合には、ナノ粒子の集団は、粒子形状の混合物(例えば、ナノ粒子の集団との2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれ以上の異なる粒子形状の混合物)を含むことができる。例えば、いくつかの実施例では、ナノ粒子は、第1の形状を有するナノ粒子の第1の集団と、第2の形状を有するナノ粒子の第2の集団と、を含む。
【0090】
ナノ粒子の集団は、平均粒径を有することができる。「平均粒径(Average particle size)」及び「平均粒径(mean particle size)」は、本明細書において互換的に使用され、概して、ナノ粒子の集団におけるナノ粒子の統計的平均粒径を指す。実質的な球状形状を有するナノ粒子の場合、ナノ粒子の直径は、例えば、流体力学的直径を指すことができる。本明細書で使用するとき、粒子の流体力学的直径は、粒子の表面上の2点間の最大の直線距離を指すことができる。非球状形状を有するナノ粒子コアでは、ナノ粒子の直径は、例えば、ナノ粒子の最小断面寸法(すなわち、ナノ粒子の中心を通過し、粒子の表面上の2つの点と交差する最小直線距離)を指すことができる。平均粒径は、走査電子顕微鏡法、透過型電子顕微鏡法、及び/又は動的光散乱による評価など、当該技術分野において既知の方法を使用して測定することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、少なくとも5nm(例えば、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、少なくとも25nm、少なくとも30nm、少なくとも35nm、少なくとも40nm、少なくとも45nm、少なくとも50nm、少なくとも55nm、少なくとも60nm、少なくとも65nm、少なくとも70nm、少なくとも75nm、少なくとも80nm、少なくとも85nm、少なくとも90nm、又は少なくとも95nm)の平均粒径を有し得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、100nm以下(例えば、95nm以下、90nm以下、85nm以下、80nm以下、75nm以下、70nm以下、65nm以下、60nm以下、55nm以下、50nm以下、45nm以下、40nm以下、35nm以下、30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、又は10nm以下)の平均粒径を有し得る。
【0092】
ナノ粒子は、上記の最小値のいずれかから上記の最大値のいずれかまでの範囲の平均粒径を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、5nm~100nm(例えば、20nm~60nm)の平均粒径を有し得る。
【0093】
場合によっては、ナノ粒子は、単分散粒径分布を有し得る。本明細書で使用するとき、「単分散」及び「均質なサイズ分布」は、概して、粒子の全てが同じ又はほぼ同じサイズである粒子の集団を説明する。本明細書で使用するとき、単分散とは、分布の80%(例えば、分布の85%、分布の90%、又は分布の95%)が、平均粒径の25%以内(例えば、平均粒径の20%以内、平均粒径の15%以内、平均粒径の10%以内、又は平均粒径の5%以内)である粒子分布を指す。他の場合には、ナノ粒子は、多分散又は不均質な粒径分布を有することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも450nm(例えば、少なくとも475nm、少なくとも500nm、少なくとも525nm、少なくとも550nm、少なくとも575nm、少なくとも600nm、少なくとも625nm、少なくとも650nm、少なくとも675nm、少なくとも700nm、又は少なくとも725nm)の最大吸収値を呈することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、750nm以下(例えば、725nm以下、700nm以下、675nm以下、650nm以下、625nm以下、600nm以下、575nm以下、550nm以下、525nm以下、500nm以下、又は475nm以下)の最大吸収値を呈することができる。
【0095】
ナノ粒子は、上記の最小値のいずれかから上記の最大値のいずれかまでの範囲の最大吸収値を呈することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、450nm~750nm(例えば、450nm~500nm、500nm~550nm、550nm~600nm、600nm~650nm、650nm~700nm、又は700nm~750nm)の最大吸収値を呈することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも20nm(例えば、少なくとも25nm、少なくとも30nm、少なくとも35nm、少なくとも40nm、少なくとも45nm、少なくとも50nm、少なくとも55nm、少なくとも60nm、少なくとも65nm、又は少なくとも70nm)の半値全幅における全幅を有する吸収スペクトルを呈することができる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、75nm以下(例えば、70nm以下、65nm以下、60nm以下、55nm以下、50nm以下、45nm以下、40nm以下、35nm以下、30nm以下、又は25nm以下)の半値全幅における全幅を有する吸収スペクトルを呈することができる。
【0097】
ナノ粒子は、上記の最小値のいずれかから上記の最大値のいずれかまでの範囲の半値全幅における全幅を有する吸収スペクトルを呈することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コアシェル粒子は、20nm~75nmの半値全幅における全幅を有する吸収スペクトルを呈することができる。
【0098】
キャッピング剤は、ナノ粒子を安定化させる任意の好適な剤を含むことができ、これにより、キャッピング剤がナノ粒子と会合されたときに、ナノ粒子の凝集が最小限に抑えられる。キャッピング剤は、ナノ粒子と(イオン的に)非共有会合されることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、キャッピング剤は、生体適合性であり得る。これは、物品が生物と接触していることが意図される実施形態において特に好ましい。
【0100】
好適なキャッピング剤の例としては、例えば、界面活性剤、ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。キャッピング剤の代表的な例として、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000等のマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweens(商標))、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、マグネシウムケイ酸アルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルアルコール、及びポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。これらのキャッピング剤の大半は医薬用賦形剤であり、American Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britainから共同出版された、the Handbook of Pharmaceutical Excipients,the Pharmaceutical Press,1986に詳細に記載されている。
【0101】
キャッピング剤の具体例としては、ポリビニルピロリドン、チロキサポール、ポロキサマー(Pluronic(商標)F68及びF108など)(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(Tetronic(商標)908など)(Poloxamine 908としても知られる)(プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次添加することから誘導される四官能性ブロックコポリマーである)(BASFから入手可能である)、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(Aerosol OT(商標)など)(スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルである)(American Cyanimidから入手可能である)、Duponol(商標)P(ラウリル硫酸ナトリウムである)(DuPontから入手可能である)、Triton(商標)X-200(アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haasから入手可能である)、Tween 80(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである)(ICI Specialty Chemicalsから入手可能である)、並びにCarbowax(商標)3350及び934(Union Carbideから入手可能なポリエチレングリコールである)が挙げられる。他の有用なキャッピング剤としては、デカノイル-N-メチルグルカミド、n-デシルβ-D-グルコピラノシド、n-デシルβ-D-マルトピラノシド、n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド、n-ドデシルβ-D-マルトシド、ヘプタノイル-N-メチルグルカミド、n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド、N-ヘプチルβ-D-チオグルコシド、n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド、ノナノイル-N-メチルグルカミド、n-ノニルβ-D-グルコピラノシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、n-オクチル-β-D-グルコピラノシド、オクチルβ-D-チオグルコピラノシド等が挙げられる。
【0102】
特定の実施形態では、キャッピング剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせなどの界面活性剤を含む。いくつかの実施例では、界面活性剤は、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0103】
特定の実施形態では、キャッピング剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキシド、セルロース系ポリマー、チロキサポール、又はこれらの組み合わせなどのポリマーを含む。
【0104】
他の実施形態では、指標は、色保持指標であり得る。色保持指標のキャッピング剤は、容器から拡散しない。キャッピング剤は、容器が、色保持キャッピング剤の分子量よりも低いMWCOを有することによって、容器内に保持することができる。別の実施形態では、キャッピング剤は、キャッピング剤が容器から著しく正味拡散するように、その指標に強く会合することができる。
【0105】
フルオロフォアの指標
他の実施形態では、指標は、分散剤と組み合わせてフルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している分散剤を含む溶液を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、分散剤は、フルオロフォアから解離し、それによってフルオロフォアの凝集を生成しかつ最大発光波長における変化(例えば、赤色転換)を生成する。
【0106】
物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことをフルオロフォアの蛍光における変化が示すように選択された速度で、分散剤は、フルオロフォアから解離することができる。蛍光における変化は、最大発光波長における変化、蛍光量子収率における変化、発光スペクトルの形状における変化、蛍光寿命における変化、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0107】
他の実施形態では、指標は、フルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している消光剤を含む溶液を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品が、容器から除去され、より低い濃度のトリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、消光剤は、フルオロフォアから解離し、それによって蛍光における増加を誘導することができる。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを蛍光における増加が示すように選択された速度で、消光剤は、フルオロフォアから解離することができる。
【0108】
他の実施形態では、指標は、第1のフルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している第2のフルオロフォアを含む溶液を含むことができる。第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を含むことができる。第2のフルオロフォアは、第1のフルオロフォアから解離し、それによって最大発光波長における変化を生成することができる。物品が容器から除去されてから所定の期間が経過したことを最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、第2のフルオロフォアは、第1のフルオロフォアから解離することができる。
【0109】
フルオロフォアは、フルオロフォアの分光特性の観察及び/又は分析を容易にする光物理特性を有するように選択することができる。例えば、特定の実施形態では、フルオロフォアは、指標の蛍光の観察及び/又は測定を容易にする蛍光量子収率を有する。場合によっては、フルオロフォアは、水溶液中に少なくとも0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、又は0.90の量子収率を有する。
【0110】
場合によっては、フルオロフォアは、生体サンプルの自己蛍光と実質的に重なるスペクトル領域において、発光最大値を有しない。特定の実施形態において、フルオロフォアは、水溶液中に、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、又は700nmを超える発光最大値を有する。特定の実施形態では、フルオロフォアは、430nm~700nm、より好ましくは450nm~700nm、最も好ましくは480nm~700nmの水溶液中の発光最大値を有する。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、430nm~1200nm、より好ましくは450nm~1200nm、最も好ましくは480nm~1200nmの水溶液中の発光最大値を有する。
【0111】
好ましい実施形態では、フルオロフォアは、蛍光量子収率及び発光最大部を含む光物理特性を有するように選択され、これは、指標(例えば、指標を含む物品)にUV光を照射するときに肉眼で観察可能である。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、高い量子収率を有し、長波長で発光する。特定の実施形態では、フルオロフォアは、450nmを超える発光最大値及び水溶液中の0.10を超える量子収率を有する。
【0112】
様々な好適なフルオロフォアを指標として使用することができる。指標として有用なフルオロフォアは、典型的には、パイ電子が非局在化される、拡張された共役経路(例えば、交互の単一結合及び二重結合)を含有する。フルオロフォアは芳香族であってもよく、これは、1つ又は2つ以上の芳香環、又は非芳香族(例えば、直鎖構造)を含有することを意味する。好ましい実施形態では、フルオロフォアは、1つ又は2つ以上の芳香環を含有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、有機又は有機金属小分子である。好適な小分子フルオロフォアは、当該技術分野において既知であり、キサンテン及びキサンテン誘導体、例えば、フルオレセイン又はフルオレセイン誘導体、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッド、及びCal Fluor染料、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、及びQuasar染料などのシアニン及びシアニン誘導体、ダンシル及びプロダン誘導体、並びにナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などのナフタレン誘導体、クマリン及びその誘導体、ピリジキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、及びベンゾオキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、カスケードブルーなどのピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、及びオキサジン170などのオキサジン誘導体、アクリジン誘導体、プロフラビン、アクリジンオレンジ、及びアクリジンイエローなど、オーランアミン、クリスタルバイオレット、及びマラカイトグリーンなどのアリールメチン誘導体、ポルフィリン、フタロシアニン、及びビリルビンなどのテトラピロール誘導体、フルオレン誘導体、CF(登録商標)染料(Biotiumから入手可能)、BODIPY(登録商標)(Invitrogenから入手可能)、Alexa Fluor(登録商標)(Invitrogenから入手可能)、DyLight Fluor(登録商標)(Thermo Scientificから入手可能)、Sigma Aldrichから入手可能なAtto(登録商標)及びTracy(登録商標)、並びにFluoProbes(登録商標)(Interchimから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なフルオロフォアとしては、Lakowicz,J.R.の「Principles of Fluorescence Spectroscopy」,2nd Ed.,Plenum Press,New York,1999に記載のものが挙げられる。
【0114】
好適なフルオロフォアはまた、共役ポリマーなどの巨大分子を含むことができる。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、反応性官能基を含有する1つ又は2つ以上の側鎖を含有するポリ(アリーレンエチニレン)などの共役ポリマーである。
【0115】
他の好適なフルオロフォアとしては、適切な波長のエネルギーを吸収し、エネルギーを放出又は伝達することができる任意の物質が挙げられる。典型的なフルオロフォアとしては、蛍光染料、半導体ナノ結晶、ランタニドキレート、及び蛍光タンパク質が挙げられる。
【0116】
例示的な蛍光染料としては、フルオレセイン、6-FAM、ローダミン、Texas Red、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、カルボキシローダミン6G、カルボキシロドール、カルボキシローダミン110、Cascade Blue、Cascade Yellow、クマリン、Cy2(登録商標)、Cy3(登録商標)、Cy3.5(登録商標)、Cy5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)、Cy-Chrome、フィコエリトリン、PerCP(ペリジニンクロロフィル-aプロテイン)、PerCP-Cy5.5、JOE(6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン)、NED、ROX(5-(及び-6)-カルボキシ-X-ローダミン)、HEX、Lucifer Yellow、Marina Blue、Oregon Green 488、Oregon Green 500、Oregon Green 514、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、7-アミノ4-メチルクマリン-3酢酸、BODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)FL-Br、BODIPY(登録商標)530/550、BODIPY(登録商標)558/568、BODIPY(登録商標)564/570、BODIPY(登録商標)576/589、BODIPY(登録商標)581/591、BODIPY(登録商標)630/650、BODIPY(登録商標)650/665、BODIPY(登録商標)R6G、BODIPY(登録商標)TMR、BODIPY(登録商標)TR、これらの共役体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的なランタニドキレートとしては、ユーロピウムキレート、テルビウムキレート、及びサマリウムキレートが挙げられる。代表的な蛍光タンパク質(FP)としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、暗FP、大ストロークシフトFP、近赤外FP、及び赤外線FPが挙げられる。
【0117】
このような様々な蛍光半導体ナノ結晶(SCNC、fluorescent semiconductor nanocrystal)が、当該技術分野において既知であり、半導体ナノ結晶を製造及び利用する方法は、1999年5月27日公開のPCT公開第99/26299号(発明者Bawendiら)、1999年11月23日にWeissらに発行された米国特許第5,990,479号、及びBruchez et al.,Science 281:2013,1998に記載されている。半導体ナノ結晶は、明確に定義されたピーク発光波長を有する非常に狭い発光帯域で得ることができ、多数の異なるSCNCを、同じ評価において、任意選択的に他の非SCNCタイプのシグナル伝達発色団と組み合わせて、シグナル伝達発色団として使用することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、好適なフルオロフォアは、金属カルコゲナイド量子ドット、グラフェン量子ドット、カーボンドット、グラファイトオキシド、半導体(有機)ポリマードット、超小型金属ナノ粒子(例えば、金又は銀)、金属ナノクラスター(例えば、金、銀、銅)、蛍光ドープされたシリカナノ粒子、蛍光ドープされたシリカ微粒子、フルオロフォア官能化デンドリマー、及びアップコンバージョンナノ粒子又はこれらの組み合わせであり得る。
【0119】
上述のように、いくつかの実施例では、指標は、分散剤と組み合わせてフルオロフォアを含み得る。分散剤は、フルオロフォアの凝集が分散剤の存在下で最小限に抑えられるように、フルオロフォアを安定化させる任意の好適な剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、生体適合性であり得る。これは、物品が生物と接触していることが意図される実施形態において特に好ましい。
【0120】
好適な分散剤の例としては、例えば、界面活性剤、ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。分散剤の代表的な例として、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000等のマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweens(商標))、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、マグネシウムケイ酸アルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルアルコール、及びポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。これらの分散剤の大半は既知の医薬用賦形剤であり、American Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britainから共同出版された、the Handbook of Pharmaceutical Excipients,the Pharmaceutical Press,1986に詳細に記載されている。
【0121】
分散剤の具体例としては、ポリビニルピロリドン、チロキサポール、ポロキサマー(Pluronic(商標)F68及びF108など)(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(Tetronic(商標)908など)(Poloxamine 908としても知られる)(プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次添加することから誘導される四官能性ブロックコポリマーである)(BASFから入手可能である)、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(Aerosol OT(商標)など)(スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルである)(American Cyanimidから入手可能である)、Duponol(商標)P(ラウリル硫酸ナトリウムである)(DuPontから入手可能である)、Triton(商標)X-200(アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haasから入手可能である)、Tween 80(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである)(ICI Specialty Chemicalsから入手可能である)、並びにCarbowax(商標)3350及び934(Union Carbideから入手可能なポリエチレングリコールである)が挙げられる。他の有用な表面改質剤としては、デカノイル-N-メチルグルカミド、n-デシルβ-D-グルコピラノシド、n-デシルβ-D-マルトピラノシド、n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド、n-ドデシルβ-D-マルトシド、ヘプタノイル-N-メチルグルカミド、n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド、N-ヘプチルβ-D-チオグルコシド、n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド、ノナノイル-N-メチルグルカミド、n-ノニルβ-D-グルコピラノシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、n-オクチル-β-D-グルコピラノシド、オクチルβ-D-チオグルコピラノシド等が挙げられる。
【0122】
特定の実施形態では、分散剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせなどの界面活性剤を含む。いくつかの実施例では、分散剤は、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0123】
特定の実施形態では、分散剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキシド、セルロース系ポリマー、チロキサポール、又はこれらの組み合わせなどのポリマーを含む。
【0124】
上述のように、他の実施例では、指標は、フルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している消光剤を含む溶液を含むことができる。「消光剤」という用語は、フルオロフォアによって生成される検出可能な蛍光を抑制、低減、阻害することが可能な物質又はその一部分を指す。好適な消光剤は、フルオロフォアの識別を考慮して選択され得る。消光剤の好適な例は、6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン、4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABYL)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、BHQ-0(商標)、BHQ-1(商標)、BHQ-2(商標)、及びBHQ-3(商標)(これらの各々は、Novato,Calif.のBiosearch Technologies,Inc.から入手可能である)、QSY-7(商標)、QSY-9(商標)、QSY-21(商標)、及びQSY-35(商標)(これらの各々は、Molecular Probes,Inc.などから入手可能である)、金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅)、グラフェン酸化物、酸化鉄ナノ粒子、金属有機骨格、カーボンナノ粒子、及び量子ドット(QD)、又はこれらの組み合わせから選択することができる。
【0125】
上述のように、他の実施例では、指標は、第1のフルオロフォアを含むことができ、トリガは、指標と接触している第2のフルオロフォアを含む溶液を含むことができる。第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアは、FRET対を含むことができる。そのような対では、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアがごく近接しており、第1のフルオロフォアは、エネルギー源によって励起され、励起状態のエネルギーのかなりの部分は、第2のフルオロフォアに非放射的に移動し、そこでは、それは、非放射的に解離するか、又は第1のフルオロフォアの発光波長とは異なる発光波長で発光される。
【0126】
好適なFRET対は、当該技術分野において既知であり、小有機染料、蛍光タンパク質、金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅)、グラフェン酸化物、酸化鉄ナノ粒子、金属有機骨格、カーボンナノ粒子、及び量子ドット(QD、quantum dot)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例示的なFRET対としては、ダンシル-ローダミン、ナフタレン-ピレン、Green FP-Red FP、Cyan FP-Yellow FP、CdSe/ZnS QD、又はCdSe/ZnS QD-Red FPが挙げられる。
【0127】
発色団の指標
他の実施形態では、指標は、分散剤と組み合わせて発色団を含むことができる。様々な発色団が、当該技術分野において既知である。好適な発色団の例としては、シアニン、メロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、トリフェニルメチン、ポルフィリン、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、アズレニウム染料、インドアニリン、ベンゾフェノキサジニウム染料、ベンゾチアフェノチアジニウム染料、アントラキノン、ナフトキノン、インダトレン、フタロイルアクリドン、トリスフェノキノン、アゾ染料、分子内及び分子間電荷移動染料及び染料錯体、トロオン、テトラジン、ビス(ジチオレン)錯体、ビス(ベンゼン-ジチオレート)錯体、ヨードアニリン染料、ビス(S,O-ジチオレン)錯体などが挙げられる。
【0128】
使用され得る発色団の例としては、キシレンシアノル、フルオレセイン、ダンシル、NBD、インドシアニングリーン、DODCI、DTDCI、DOTCI、及びDDTCIが挙げられる。有機発色団の更なる例としては、シアニン染料、カルコゲノピリロメチン(chalcogenopyrylomethine)染料、ピリリウム染料、チアピリリウム染料、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、アズレニウム染料、メロシアニン染料、Cu及びNi錯体を含むインドアニリン染料、インダンスレン顔料、トリスフェノキノン染料、アゾ染料、非ベンゼノイド芳香族染料、テトラジンラジカル染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、Ni、Co、Fe及びMnを含有するものを含む金属化アゾ染料、フタロシアニン染料、ナフタルシアニン染料、金属フタロシアニン、金属ナフタルシアニン、ビス(ジチオレン)金属錯体、ビス(ベンゾジオチオレート)金属錯体、ビス(S,O-ジチオレン)金属錯体、及びトリス(a-ジイミン)金属錯体が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な例が、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,051,207号に見出される。
【0129】
いくつかの実施形態では、発色団は可視染料を含み得る。可視染料の例としては、フルオレセイン染料、ローダミン染料、クマリン、アゾ染料、アントラキノン染料、ベンゾジフラノン染料、多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、ポリメチン染料、アザカルボシアニン染料、ヘミシアニン染料、ジアザヘミシアニン染料、ストリリル染料、ジアリールカルボニウム染料、トリアリールカルボニウム染料、フタロシアニン染料、キノフタロン染料、トリフェノジオキサジン染料、ホルマザン染料、のフェノチアジン染料、例えば、メチレンブルー、アズールA、アズールB、及び/若しくはアズールC、オキサジン染料、チアジン染料、ナフトラクタム染料、ジアザヘミシアニン染料、アゾピリドン染料、アゾベンゼン染料、キサンテン染料、ロイコ染料(それらは、酸化されて、色相が前駆体ロイコ染料の色相から深色に(bathochromically)移行した染料を生成することができる)、及び当該技術分野において既知の任意の他の可視染料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0130】
分散剤は、発色団の凝集が分散剤の存在下で最小限に抑えられるように、発色団を安定化させる任意の好適な剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、分散剤は、生体適合性であり得る。これは、物品が生物と接触していることが意図される実施形態において特に好ましい。
【0131】
好適な分散剤の例としては、例えば、界面活性剤、ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。分散剤の代表的な例として、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、アラビアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000等のマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販のTweens(商標))、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非晶質セルロース、マグネシウムケイ酸アルミニウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルアルコール、及びポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。これらの分散剤の大半は既知の医薬用賦形剤であり、American Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britainから共同出版された、the Handbook of Pharmaceutical Excipients,the Pharmaceutical Press,1986に詳細に記載されている。
【0132】
分散剤の具体例としては、ポリビニルピロリドン、チロキサポール、ポロキサマー(Pluronic(商標)F68及びF108など)(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーである)、ポロキサミン(Tetronic(商標)908など)(Poloxamine 908としても知られる)(プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次添加することから誘導される四官能性ブロックコポリマーである)(BASFから入手可能である)、デキストラン、レシチン、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル(Aerosol OT(商標)など)(スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルである)(American Cyanimidから入手可能である)、Duponol(商標)P(ラウリル硫酸ナトリウムである)(DuPontから入手可能である)、Triton(商標)X-200(アルキルアリールポリエーテルスルホネートである)(Rohm and Haasから入手可能である)、Tween 80(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである)(ICI Specialty Chemicalsから入手可能である)、並びにCarbowax(商標)3350及び934(Union Carbideから入手可能なポリエチレングリコールである)が挙げられる。他の有用な表面改質剤としては、デカノイル-N-メチルグルカミド、n-デシルβ-D-グルコピラノシド、n-デシルβ-D-マルトピラノシド、n-ドデシルβ-D-グルコピラノシド、n-ドデシルβ-D-マルトシド、ヘプタノイル-N-メチルグルカミド、n-ヘプチル-β-D-グルコピラノシド、N-ヘプチルβ-D-チオグルコシド、n-ヘキシルβ-D-グルコピラノシド、ノナノイル-N-メチルグルカミド、n-ノニルβ-D-グルコピラノシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、n-オクチル-β-D-グルコピラノシド、オクチルβ-D-チオグルコピラノシド等が挙げられる。
【0133】
特定の実施形態では、分散剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせなどの界面活性剤を含む。いくつかの実施例では、分散剤は、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0134】
特定の実施形態では、分散剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキシド、セルロース系ポリマー、チロキサポール、又はこれらの組み合わせなどのポリマーを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、分散剤は、発色団から解離し、発色団の凝集を誘導し、色変化を生成することができる。
【0136】
物品
本明細書に記載されるシステムは、物品がパッケージから除去されてから経過した期間、物品若しくは組成物が調製されてから経過した時間、及び/又は物品が使用中の期間を評価する準備期間を提供するために、様々な物品に適用することができる。
【0137】
指標は、物品又は物品の領域全体に均一に配置することができる。あるいは、指標は、指標を含む領域及び指標を含まない他の領域を有する物品を生成するために、指標を指標上及び/又は指標内に(例えば、文字、数字、形状、ロゴなどの形態で)パターン化することができる。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、指標は、物品上及び/又は物品内に配置された錠剤中に存在し得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、物品は、医療用デバイス(例えば、包帯、歯列矯正デバイス、植え込み可能な医療デバイス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品は、眼科用デバイス(例えば、コンタクトレンズ、角膜オンレイ、角膜インレイ、眼内レンズ、オーバーレイレンズなど)を含むことができる。特定の実施形態では、眼科用デバイスは、ハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズなどのコンタクトレンズを含むことができる。これらの実施形態では、指標は、コンプライアンス指標として機能することができ、コンタクトレンズがそのパッケージから除去されて(及びコンタクトレンズを交換する必要があるときに延長によって)からいつ所望の期間が経過したのかを視覚的に示すことができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、物品は、ソフトコンタクトレンズの形成に使用するのに好適なヒドロゲル又はシリコーンヒドロゲル材料を含むことができる。このような材料は当該技術分野において既知であり、グループ1-低水(50%未満HO)非イオン性ヒドロゲルポリマー(例えば、テフィルコン、テトラフィルコンA、クロフィルコン、ヘルフィルコンA、ヘルフィルコンB、マフィルコン、ポリマコン、ヒオキシフィルコンB)、グループ2-高水(50%超HO)非イオン性ヒドロゲルポリマー(例えば、サーフィルコンA、リドフィルコンA、リドフィルコンB、ネトラフィルコンA、ヘフィルコンB、アルファフィルコンA、オマフィルコンA、オマフィルコンB、バスルフィルコンA、ヒオキシフィルコンA、ヒオキシフィルコンD、ネルフィルコンA、ヒラフィルコンA、ヒラフィルコンB、アコフィルコンA、ネソフィルコンA、グループ3-低水(50%未満HO)イオン性ヒドロゲルポリマー(例えば、ブフィルコンA、デルタフィルコンA、フェムフィルコン)、グループ4-高水(50%超HO)イオン性ヒドロゲルポリマー(例えば、ブフィルコンA、ペルフィルコンA、エタフィルコンA、フォコフィルコンA、オクフィルコンA、オクフィルコンB、オクフィルコンC、オクフィルコンD、オクフィルコンE、オクフィルコンF、フェムフィルコンA、メタフィルコンA、メタフィルコンB、ビルフフィルコンA)、及びシリコーンヒドロゲルポリマー(例えば、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ガリフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンC、シフィルコンA、コンフィルコンA、エンフィルコンA、バラフィルコンA、デレフィルコンA、ナラフィルコンB、ナラフィルコンA、ステンフィルコンA、ソモフィルコンA、ファンフィルコンA、サムフィルコンA、エラストフィルコン)が挙げられる。
【0140】
いくつかの実施形態では、物品は、シリコーンヒドロゲルを含むことができる。特定の実施形態では、物品は、親水性モノマー、シリコーン含有成分、又はこれらの組み合わせを含む反応性混合物の重合から誘導されるポリマーを含むことができる。例示的なシリコーンヒドロゲル基材としては、以下に詳細に記載されるものが挙げられる。
【0141】
親水性成分
親水性モノマーの好適なファミリーの例としては、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、N-ビニルイミド、N-ビニル尿素、O-ビニルカルバメート、O-ビニルカーボネート、他の親水性ビニル化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0142】
親水性(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドモノマーの非限定的な例としては、アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレート、N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド)、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド)、N,N-ビス-2-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0143】
親水性モノマーはまた、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、ベタイン、及びこれらの混合物など、イオン性であってもよい。このような荷電モノマーの非限定的な例としては、(メタ)アクリル酸、N-[(エテニルオキシ)カルボニル]-β-アラニン(VINAL)、3-アクリルアミドプロパン酸(ACA1)、5-アクリルアミドプロパン酸(ACA2)、3-アクリルアミド-3-メチルブタン酸(AMBA)、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド(Q塩又はMETAC)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、1-プロパンアミニウム,N-(2-カルボキシエチル)-N,N-ジメチル-3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-,分子内塩(CBT)、1-プロパンアミニウム,N,N-ジメチル-N-[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]プロピル]-3-スルホ-,分子内塩(SBT)、3,5ジオキサ-8-アザ-4-ホスファウンデカ-10-エン-1-アミニウム、4-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-9-オキソ-,分子内塩,4-オキシド(9CI)(PBT)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、3-(ジメチル(4-ビニルベンジル)アンモニオ)プロパン-1-スルホナート(DMVBAPS)、3-((3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(AMPDAPS)、3-((3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(MAMPDAPS)、3-((3-(アクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(APDAPS)、及び3-((3-(メタクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(MAPDAPS)が挙げられる。
【0144】
親水性N-ビニルラクタムモノマー及びN-ビニルアミドモノマーの非限定的な例としては、N-ビニルピロリドン(NVP)、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニルアセトアミド(NVA)、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチル-2-メチルプロピオンアミド、N-ビニル-2-メチルプロピオンアミド、N-ビニル-N,N’-ジメチル尿素、1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、N-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-N-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-N-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0145】
親水性O-ビニルカルバメートモノマー及びO-ビニルカーボネートモノマーの非限定的な例としては、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート及びN-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステルが挙げられる。親水性ビニルカーボネートモノマー又はビニルカルバメートモノマーの更なる例は、米国特許第5,070,215号に開示されている。親水性オキサゾロンモノマーは、米国特許第4,910,277号に開示されている。
【0146】
他の親水性ビニル化合物としては、エチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル(DEGVE)、アリルアルコール、及び2-エチルオキサゾリンが挙げられる。
【0147】
親水性モノマーはまた、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルアミドなどの重合性部分を有する、直鎖若しくは分岐鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの統計的ランダム若しくはブロックコポリマーのマクロマー又はプレポリマーであってもよい。これらのポリエーテルのマクロマーは、1つの重合性基を有し、プレポリマーは、2つ又は3つ以上の重合性基を有し得る。
【0148】
本発明の好ましい親水性モノマーは、DMA、NVP、HEMA、VMA、NVA、及びこれらの混合物である。他の好適な親水性モノマーは、当業者には明らかとなるであろう。
【0149】
概して、反応性モノマー混合物中に存在する親水性モノマーの量に関して、特に制限はない。親水性モノマーの量は、含水量、透明性、湿潤性、タンパク質取り込みなどを含む、得られるヒドロゲルの所望の特性に基づいて選択され得る。湿潤性は、接触角によって測定され得、望ましい接触角は、約100°未満、約80°未満、及び約60°未満である。親水性モノマーは、反応性モノマー混合物中の反応性成分の総重量に基づき、約5~約65重量パーセントの範囲内及び約10~約45重量パーセントの範囲内など、約0.1~約80重量パーセントの範囲内の量で存在し得る。
【0150】
シリコーン含有成分
使用に好適なシリコーン含有成分は、1つ又は2つ以上の重合性化合物を含み、各化合物は、独立して、少なくとも1つの重合性基、少なくとも1つのシロキサン基、及び重合性基をシロキサン基に接続する1つ又は2つ以上の連結基を含む。シリコーン含有成分は、例えば、下記に定義される基などの1~220個のシロキサン繰り返し単位を含有してもよい。シリコーン含有成分はまた、少なくとも1つのフッ素原子も含有し得る。
【0151】
シリコーン含有成分は、上で定義された1つ又は2つ以上の重合性基、1つ又は2つ以上の任意選択的に繰り返しシロキサン単位、及び重合性基をシロキサン単位に接続する1つ又は2つ以上の連結基を含み得る。シリコーン含有成分は、独立して、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバメート、O-ビニルカーボネート、ビニル基、又はこれらの混合物である1つ又は2つ以上の重合性基、1つ又は2つ以上の任意選択的に繰り返しシロキサン単位、及び重合性基をシロキサン単位に接続する1つ又は2つ以上の連結基を含み得る。
【0152】
シリコーン含有成分は、独立して、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、スチリル、又は前述の混合物である1つ又は2つ以上の重合性基、1つ又は2つ以上の任意選択的に繰り返しシロキサン単位、及び重合性基をシロキサン単位に接続する1つ又は2つ以上の連結基を含み得る。
【0153】
シリコーン含有成分は、独立して、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、又は前述の混合物である1つ又は2つ以上の重合性基、1つ又は2つ以上の任意選択的に繰り返しシロキサン単位、及び重合性基をシロキサン単位に接続する1つ又は2つ以上の連結基を含み得る。
【0154】
式A.シリコーン含有成分は、式Aの1つ又は2つ以上の重合性化合物を含み得、
【0155】
【化1】
式中、
少なくとも1つのRは、式R-L-の基であり、ここで、Rは、重合性基であり、Lは、連結基であり、残りのRは、各々独立して、
(a)R-L-、
(b)1つ又は2つ以上のヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択的に置換されているC~C16アルキル、
(c)1つ又は2つ以上のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択的に置換されているC~C12シクロアルキル、
(d)1つ又は2つ以上のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択的に置換されているC~C14アリール基、
(e)ハロ、
(f)アルコキシ、環状アルコキシ、又はアリールオキシ、
(g)シロキシ、
(h)ポリエチレンオキシアルキル、ポリプロピレンオキシアルキル、又はポリ(エチレンオキシ-コ-プロピレンオキシアルキル)などのアルキレンオキシ-アルキル又はアルコキシ-アルキレンオキシ-アルキル、あるいは
(i)アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロ、又はこれらの組み合わせで任意選択的に置換されている1~100個のシロキサン繰り返し単位を含む一価シロキサン鎖であり、
nは、0~500、又は0~200、又は0~100、又は0~20であり、nが0以外であるとき、nが表示値と同等のモードを有する分布であることが理解される。nが2以上であるとき、SiO単位は、同じ又は異なるR置換基を担持してもよく、異なるR置換基が存在する場合、n基は、ランダム又はブロック構成であってもよい。
【0156】
式Aにおいて、3つのRは、各々重合性基を含み得、代替的に2つのRは、各々重合性基を含み得、又は代替的に1つのRは、重合性基を含み得る。
【0157】
式B.式Aのシリコーン含有成分は、式Bの単官能性重合性化合物であってもよく、
【0158】
【化2】
式中、
Rgは、重合性基であり、
Lは、連結基であり、
j1及びj2は、各々独立して、0~220の整数であり、但し、j1及びj2の合計は1~220であり、
A1、RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA7は独立して、各発生において、C~Cアルキル、C~C12シクロアルキル、C~Cアルコキシ、C~C12環状アルコキシ、アルコキシ-アルキレンオキシ-アルキル、アリール(例えば、フェニル)、アリール-アルキル(例えば、ベンジル)、ハロアルキル(例えば、部分若しくは完全にフッ素化されたアルキル)、シロキシ、フルオロ、又はこれらの組み合わせであり、前述の基の各アルキル基は、1つ又は2つ以上のヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、又はベンジルで任意選択的に置換されており、各シクロアルキルは、1つ又は2つ以上のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボニル、アルコキシ、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、又はベンジルで任意選択的に置換されており、各アリールは、1つ又は2つ以上のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、又はベンジルで任意選択的に置換されており、
A6は、シロキシ、C~Cアルキル(例えば、C~Cアルキル、若しくはブチル、若しくはメチル)、又はアリール(例えば、フェニル)であり、アルキル及びアリールは、1つ又は2つ以上のフッ素原子で任意選択的に置換されていてもよい。
【0159】
式B-1.式Bの化合物は、式B-1の化合物を含み得、これらは、式中、j1が0であり、j2が1~220であるか、又はj2が1~100であるか、又はj2が1~50であるか、又はj2が1~20であるか、又はj2が1~5であるか、又はj2が1である、式Bの化合物である。
【0160】
B-2.式Bの化合物は、式B-2の化合物を含み得、これらは、式中、j1及びj2が、独立して4~100、又は4~20、又は4~10、又は24~100、又は10~100である、式Bの化合物である。
【0161】
B-3.式B、B-1、及びB-2の化合物は、式B-3の化合物を含み得、これらは、式中、RA1、RA2、RA3、及びRA4が、独立して、各発生において、C~Cアルキル又はシロキシである、式B、B-1、又はB-2の化合物である。好ましいアルキルは、C~Cアルキルであるか、又はより好ましくはメチルである。好ましいシロキシは、トリメチルシロキシである。
【0162】
B-4.式B、B-1、B-2、及びB-3の化合物は、式B-4の化合物を含み得、これらは、式中、RA5及びRA7が、独立して、アルコキシ-アルキレンオキシ-アルキルであり、好ましくは、独立して、式CHO-[CHCHO]-CHCHCHであって、式中、pは、1~50の整数である、メトキシキャップされたポリエチレンオキシアルキルである、式B、B-1、B-2、又はB-3の化合物である。
【0163】
B-5.式B、B-1、B-2、及びB-3の化合物は、式B-5の化合物を含み得、これらは、式中、RA5及びRA7が、独立して、トリメチルシロキシなどのシロキシである、式B、B-1、B-2、又はB-3の化合物である。
【0164】
B-6.式B、B-1、B-2、及びB-3の化合物は、式B-6の化合物を含み得、これらは、式中、RA5及びRA7が、独立して、C~Cアルキル、代替的にC~Cアルキル、又は代替的にブチル又はメチルである、式B、B-1、B-2、又はB-3の化合物である。
【0165】
B-7.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、及びB-6の化合物は、式B-7の化合物を含み得、これらは、式中、RA6が、C~Cアルキル、好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはC~Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、又はn-ブチル)である、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、又はB-6の化合物である。より好ましくは、RA6は、n-ブチルである。
【0166】
B-8.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、及びB-7の化合物は、式B-8の化合物を含み得、これらは、式中、Rgが、スチリル、ビニルカーボネート、ビニルエーテル、ビニルカルバメート、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、(メタ)アクリレート、又は(メタ)アクリルアミドを含む、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、又はB-7の化合物である。好ましくは、Rgは、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、又はスチリルを含む。より好ましくは、Rgは、(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドを含む。Rgが(メタ)アクリルアミドであるとき、窒素基は、RA9で置換されてもよく、RA9は、H、C~Cアルキル(好ましくはC~Cアルキル、例えばn-ブチル、n-プロピル、メチル、若しくはエチル)、又はC~Cシクロアルキル(好ましくはC~Cシクロアルキル)であり、アルキル及びシクロアルキルは、ヒドロキシル、アミド、エーテル、シリル(例えば、トリメチルシリル)、シロキシ(例えば、トリメチルシロキシ)、アルキル-シロキサニル(アルキルは、それ自体がフルオロで任意選択的に置換されている)、アリール-シロキサニル(アリールは、それ自体がフルオロで任意選択的に置換されている)、及びシリル-オキサアルキレン(オキサアルキレンは、それ自体がヒドロキシルで任意選択的に置換されている)から独立して選択される1つ又は2つ以上の基で任意選択的に置換されている。
【0167】
B-9.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、及びB-8の化合物は、式B-9の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレン(好ましくはC~Cアルキレン)、シクロアルキレン(好ましくはC~Cシクロアルキレン)、アルキレンオキシ(好ましくはエチレンオキシ)、ハロアルキレンオキシ(好ましくはハロエチレンオキシ)、アミド、オキサアルキレン(好ましくは3~6個の炭素原子を含有する)、シロキサニル、アルキレンシロキサニル、カルバメート、アルキレンアミン(好ましくはC~Cアルキレンアミン)、又はこれらの2つ若しくは3つ以上の組み合わせを含み、連結基が、アルキル、ヒドロキシル、エーテル、アミン、カルボニル、シロキシ、及びカルバメートから独立して選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、又はB-8の化合物である。
【0168】
B-10.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-10の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレン-シロキサニル-アルキレン-アルキレンオキシ-、又はアルキレン-シロキサニル-アルキレン-[アルキレンオキシ-アルキレン-シロキサニル]-アルキレンオキシ-(ここで、qは1~50である)である、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。
【0169】
B-11.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-11の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、C~Cアルキレン、好ましくはC~Cアルキレン、より好ましくはn-プロピレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。
【0170】
B-12.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-12の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレン-カルバメート-オキサアルキレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。好ましくは、連結基は、CHCHN(H)-C(=O)-O-CHCH-O-CHCHCHである。
【0171】
B-13.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-13の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、オキサアルキレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。好ましくは、連結基は、CHCH-O-CHCHCHである。
【0172】
B-14.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-14の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレン-[シロキサニル-アルキレン]-である(ここで、qは1~50である)、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-(CH-[Si(CH-O-Si(CH-(CH-である。
【0173】
B-15.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-15の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレンオキシ-カルバメート-アルキレン-シクロアルキレン-カルバメート-オキサアルキレンであり、シクロアルキレンが、1つ、2つ、又は3つの独立して選択されたアルキル基(好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはメチル)で任意選択的に置換されている、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-[OCHCH-OC(=O)-NH-CH-[1,3-シクロヘキシレン]-NHC(=O)O-CHCH-O-CHCH-であり、シクロヘキシレンは、1位及び5位において3つのメチル基で置換されている。
【0174】
B-16.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-16の化合物を含み得、これらは、式中、Rgが、スチリルを含み、連結基が、アルキレンオキシであり、アルキレンオキシ中の各アルキレンが、独立して、ヒドロキシルで任意選択的に置換されている、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-O-(CH-である。そのような連結基の別の例は、-O-CHCH(OH)CH-O-(CH-である。
【0175】
B-17.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-17の化合物を含み得、これらは、式中、Rgが、スチリルを含み、連結基が、アルキレンアミンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-NH-(CH-である。
【0176】
B-18.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-18の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、ヒドロキシル、シロキシ、又はシリル-アルキレンオキシで任意選択的に置換されているオキサアルキレンである(アルキレンオキシは、それ自体がヒドロキシルで任意選択的に置換されている)、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-CHCH(G)CH-O-(CH-であり、式中、Gは、ヒドロキシルである。別の例では、Gは、RSiO-であり、2つのR基は、トリメチルシロキシであり、第3は、C~Cアルキル(好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはメチル)であるか、又は第3は、C~Cシクロアルキルである。更なる例では、Gは、RSi-(CH-O-CHCH(OH)CH-O-であり、2つのR基は、トリメチルシロキシであり、第3は、C~Cアルキル(好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはメチル)又はC~Cシクロアルキルである。なおも更なる例では、Gは、(メタ)アクリレートなどの重合性基である。そのような化合物は、架橋剤として機能し得る。
【0177】
B-19.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-19の化合物を含み得、これらは、式中、Rgが、スチリルを含み、連結基が、ヒドロキシルで任意選択的に置換されているアミン-オキサアルキレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-NH-CHCH(OH)CH-O-(CH-である。
【0178】
B-20.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-20の化合物を含み得、これらは、式中、Rgが、スチリルを含み、連結基が、アルキレンオキシ-カルバメート-オキサアルキレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-O-(CH-N(H)C(=O)O-(CH-O-(CH-である。
【0179】
B-21.式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、及びB-9の化合物は、式B-21の化合物を含み得、これらは、式中、連結基が、アルキレン-カルバメート-オキサアルキレンである、式B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、又はB-9の化合物である。そのような連結基の例は、-(CH-N(H)C(=O)O-(CH-O-(CH-である。
【0180】
式C.式A、B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、B-9、B-10、B-11、B-12、B-13、B-14、B-15、B-18、及びB-21のシリコーン含有成分としては、式Cの化合物を含み得、これらは、次の構造を有する式A、B、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、B-7、B-8、B-9、B-10、B-11、B-12、B-13、B-14、B-15、B-18、又はB-21の化合物であり、
【0181】
【化3】
式中、
A8は、水素又はメチルであり、
Zは、O、S、又はN(RA9)であり、及び
L、j1、j2、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RA6、RA7、及びRA9は、式B又はその様々な下位式(例えば、B-1、B-2など)で定義されるとおりである。
【0182】
C-1.式Cの化合物は、式C-1の(メタ)アクリレートを含み得、これらは、式中、ZがOである、式Cの化合物である。
【0183】
C-2.式Cの化合物は、式C-2の(メタ)アクリルアミドを含み得、これらは、式中、ZがN(RA9)であり、RA9がHである、式Cの化合物である。
【0184】
C-3.式Cの化合物は、式C-3の(メタ)アクリルアミドを含み得、これらは、式中、ZがN(RA9)であり、RA9が非置換であるか、又は上述のように任意選択的に置換されているC~Cアルキルである、式Cの化合物である。RA9の例としては、CH、-CHCH(OH)CH(OH)、-(CH-シロキサニル、-(CH-SiR、及び-CHCH(OH)CH-O-(CH-SiRが挙げられ、前述の基中の各Rは、独立して、トリメチルシロキシ、C~Cアルキル(好ましくはC~Cアルキル、より好ましくはメチル)、及びC~Cシクロアルキルから選択される。RA9の更なる例としては、-(CH-Si(Me)(SiMe、及び-(CH-Si(Me)-[O-SiMe1~10-CHが挙げられる。
【0185】
式D.式Cの化合物は、式Dの化合物を含み得、
【0186】
【化4】
式中、
A8は、水素又はメチルであり、
は、O又はN(RA9)であり、
は、1~8個の炭素原子を含有するアルキレン、又は3~10個の炭素原子を含有するオキサアルキレンであり、Lは、ヒドロキシルで任意選択的に置換されており、
j2、RA3、RA4、RA5、RA6、RA7、及びRA9は、式B又はその様々な下位式(例えば、B-1、B-2など)で定義されるとおりである。
【0187】
D-1.式Dの化合物は、式D-1の化合物を含み得、これらは、式中、Lが、ヒドロキシルで任意選択的に置換されているC~Cアルキレンである、式Dの化合物である。好ましくは、Lは、ヒドロキシルで任意選択的に置換されているn-プロピレンである。
【0188】
D-2.式Dの化合物は、式D-2の化合物を含み得、これらは、式中、Lが、ヒドロキシルで任意選択的に置換されている4~8個の炭素原子を含有するオキサアルキレンである、式Dの化合物である。好ましくは、Lは、ヒドロキシルで任意選択的に置換されている5又は6個の炭素原子を含有するオキサアルキレンである。例としては、-(CH-O-(CH-、及び-CHCH(OH)CH-O-(CH-が挙げられる。
【0189】
D-3.式D、D-1、及びD-2の化合物は、式D-3の化合物を含み得、これらは、式中、ZがOである、式D、D-1、又はD-2の化合物である。
【0190】
D-4.式D、D-1、及びD-2の化合物は、式D-4の化合物を含み得、これらは、式中、ZがN(RA9)であり、RA9がHである、式D、D-1、又はD-2の化合物である。
【0191】
D-5.式D、D-1、及びD-2の化合物は、式D-5の化合物を含み得、これらは、式中、ZがN(RA9)であり、RA9が、ヒドロキシル、シロキシ、及びC~Cアルキル-シロキサニル-から選択される1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換されているC~Cアルキルである、式D、D-1、又はD-2の化合物である。
【0192】
D-6.式D、D-1、D-2、D-3、D-4、及びD-5の化合物は、式D-6の化合物を含み得、これらは、式中、j2が1である、式D、D-1、D-2、D-3、D-4、又はD-5の化合物である。
【0193】
D-7.式D、D-1、D-2、D-3、D-4、及びD-5の化合物は、式D-7の化合物を含み得、これらは、式中、j2が2~220、又は2~100、又は10~100、又は24~100、又は4~20、又は4~10である、式D、D-1、D-2、D-3、D-4、又はD-5の化合物である。
【0194】
D-8.式D、D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、及びD-7の化合物は、式D-8の化合物を含み得、これらは、式中、RA3、RA4、RA5、RA6、及びRA7が独立して、C~Cアルキル又はシロキシである、式D、D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、又はD-7の化合物である。好ましくは、RA3、RA4、RA5、RA6、及びRA7は、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、及びトリメチルシロキシから独立して選択される。より好ましくは、RA3、RA4、RA5、RA6、及びRA7は、メチル、n-ブチル、及びトリメチルシロキシから独立して選択される。
【0195】
D-9.式D、D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6、及びD-7の化合物は、式D-9の化合物を含み得、これらは、式中、RA3及びRA4が、独立して、C~Cアルキル(例えば、メチル若しくはエチル)又はシロキシ(例えば、トリメチルシロキシ)であり、RA5、RA6、及びRA7が、独立して、C~Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、又はn-ブチル)である、式D、D-1、D-2、D-3、D-4、D-5、D-6又はD-7の化合物である。
【0196】
式E.シリコーン含有成分は、多官能性シリコーン含有成分を含み得る。したがって、例えば、式Aのシリコーン含有成分は、式Eの二官能性材料を含み得、
【0197】
【化5】
式中、
Rg、L、j1、j2、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、及びRA7は、式B又はその様々な下位式(例えば、B-1、B-2など)について上で定義されるとおりであり、
は、連結基であり、
Rgは、重合性基である。
【0198】
E-1.式Eの化合物は、式E-1の化合物を含み得、これらは、式中、Rg及びRgが各々、構造CH=CH-O-C(=O)-O-又は構造CH=C(CH)-O-C(=O)-O-のビニルカーボネートである、式Eの化合物である。
【0199】
E-2.式Eの化合物は、式E-2の化合物を含み得、これらは、式中、Rg及びRgが各々、(メタ)アクリレートである、式Eの化合物である。
【0200】
E-3.式Eの化合物は、式E-3の化合物を含み得、これらは、式中、Rg及びRgが、各々(メタ)アクリルアミドであり、窒素基が、RA9で置換されてもよい(RA9は上で定義されるとおりである)、式Eの化合物である。
【0201】
E-4.式E、E-1、E-2、及びE-3の好適な化合物は、式E-4の化合物を含み、これらは、式中、j1が0であり、j2が1~220であるか、又はj2が1~100であるか、又はj2が1~50であるか、又はj2が1~20である、式E、E-1、E-2、又はE-3の化合物である。
【0202】
E-5.式E、E-1、E-2、及びE-3の好適な化合物は、式E-5の化合物を含み、これらは、式中、j1及びj2が、独立して、4~100である、式E、E-1、E-2、又はE-3の化合物である。
【0203】
E-6.式E、E-1、E-2、E-3、E-4、及びE-5の好適な化合物は、式E-6の化合物を含み、これらは、式中、RA1、RA2、RA3、RA4、及びRA5が、独立して、各発生においてC~Cアルキルであり、好ましくは、それらが、独立して、C~Cアルキルであるか、又は好ましくは、各々がメチルである、式E、E-1、E-2、E-3、E-4、又はE-5の化合物である。
【0204】
E-7.式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、及びE-6の好適な化合物は、式E-7の化合物を含み、これらは、式中、RA7が、アルコキシ-アルキレンオキシ-アルキルであり、好ましくは、式CHO-[CHCHO]-CHCHCH(ここで、pは、1~50、又は1~30、又は1~10、又は6~10の整数である)のメトキシキャップされたポリエチレンオキシアルキルである、式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、又はE-6の化合物である。
【0205】
E-8.式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、E-6、及びE-7の好適な化合物は、式E-8の化合物を含み、これらは、式中、Lが、アルキレン、カルバメート、シロキサニル、シクロアルキレン、アミド、ハロアルキレンオキシ、オキサアルキレン、又はこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせを含み、連結基が、アルキル、ヒドロキシル、エーテル、アミン、カルボニル、及びカルバメートから独立して選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、E-6、又はE-7の化合物である。
【0206】
E-9.式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、E-6、E-7、及びE-8の好適な化合物は、式E-9の化合物を含み、これらは、式中、Lが、アルキレン、カルバメート、シロキサニル、シクロアルキレン、アミド、ハロアルキレンオキシ、オキサアルキレン、又はこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせを含み、連結基が、アルキル、ヒドロキシル、エーテル、アミン、カルボニル、及びカルバメートから独立して選択される1つ又は2つ以上の置換基で任意選択的に置換されている、式E、E-1、E-2、E-3、E-4、E-5、E-6、E-7、又はE-8の化合物である。
【0207】
本発明で使用するのに好適なシリコーン含有成分の例としては、以下の表に列記する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。以下の表中の化合物がポリシロキサン基を含む場合、このような化合物中のSiO繰り返し単位の数は、別途記載のない限り、好ましくは3~100、より好ましくは3~40、又は更により好ましくは3~20である。
【0208】
【表1-1】
【0209】
【表1-2】
【0210】
好適なシリコーン含有成分の追加の非限定的な例を、以下の表に列挙する。別途記載のない限り、適用可能な場合、j2は、好ましくは1~100、より好ましくは3~40、又は更により好ましくは3~15である。j1又はj2を含有する化合物において、j1とj2の合計は、好ましくは2~100、より好ましくは3~40、又は更により好ましくは3~15である。
【0211】
【表2-1】
【0212】
【表2-2】
【0213】
シリコーン含有成分の平均分子量は、約400~約4000ダルトンであってもよい。
【0214】
シリコーン含有成分は、反応性混合物(希釈剤を除く)の、全ての反応性成分に基づいて、最大約95重量%、又は約10~約80重量%、又は約20~約70重量%の量で存在し得る。
【0215】
ポリアミド
反応性モノマー混合物は、少なくとも1つのポリアミドを含み得る。本明細書で使用するとき、「ポリアミド」という用語は、アミド基を含有する繰り返し単位を含むポリマー及びコポリマーを指す。ポリアミドは、環状アミド基、非環状アミド基、及びこれらの組み合わせを含み得、当業者に既知の任意のポリアミドであってもよい。非環状ポリアミドは、ペンダント非環状アミド基を含み、ヒドロキシル基との会合が可能である。環状ポリアミドは、環状アミド基を含み、ヒドロキシル基との会合が可能である。
【0216】
好適な非環状ポリアミドの例としては、式G1及びG2の繰り返し単位を含むポリマー及びコポリマーが挙げられ、
【0217】
【化6】
式中、Xは、直接結合、-(CO)-、又は-(CONHR44)-であり、式中、R44は、C~Cアルキル基であり、R40は、H、直鎖若しくは分岐鎖の置換若しくは非置換C~Cアルキル基、R41は、H、直鎖又は分岐鎖の置換又は非置換C~Cアルキル基、最大2個の炭素原子を有するアミノ基、最大4個の炭素原子を有するアミド基、及び最大2個の炭素基を有するアルコキシ基から選択され、R42は、H、直鎖若しくは分岐鎖の置換若しくは非置換C~Cアルキル基、又はメチル、エトキシ、ヒドロキシエチル、及びヒドロキシメチルから選択され、R43は、H、直鎖若しくは分岐鎖の置換若しくは非置換C~Cアルキル基、又はメチル、エトキシ、ヒドロキシエチル、及びヒドロキシメチルから選択され、R40及びR41の炭素原子の数は合計で、7、6、5、4、3、又はそれ以下を含む、8以下であり、R42及びR43の炭素原子の数は合計で、7、6、5、4、3、又はそれ以下を含む、8以下である。R40及びR41の炭素原子の数は、合計で6以下又は4以下であってよい。R42及びR43の炭素原子の数は、合計で6以下であってよい。本明細書で使用するとき、置換アルキル基は、アミン基、アミド基、エーテル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、若しくはカルボキシル基、又はこれらの組み合わせで置換されているアルキル基を含む。
【0218】
40及びR41は、独立して、H、置換又は非置換C~Cアルキル基から選択され得る。Xは、直接結合であってもよく、R40及びR41は、独立して、H、置換又は非置換C~Cアルキル基から選択され得る。R42及びR43は、独立して、H、置換又は非置換C~Cアルキル基、メチル、エトキシ、ヒドロキシエチル、及びヒドロキシメチルから選択され得る。
【0219】
本発明の非環状ポリアミドは、式LV若しくは式LVIの繰り返し単位の大部分を含み得るか、又は非環状ポリアミドは、少なくとも約70モルパーセント、及び少なくとも80モルパーセントなど、式G若しくは式G1の繰り返し単位の少なくとも50モルパーセントを含み得る。式G及び式G1の繰り返し単位の具体的な例としては、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチル-2-メチルプロピオンアミド、N-ビニル-2-メチル-プロピオンアミド、N-ビニル-N,N’-ジメチル尿素、N,N-ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、並びに式G2及びG3の非環状アミド由来の繰り返し単位が挙げられる。
【0220】
【化7】
【0221】
環状ポリアミドを形成するために使用され得る好適な環状アミドの例としては、α-ラクタム、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、及びε-ラクタムが挙げられる。好適な環状ポリアミドの例としては、式G4の繰り返し単位を含むポリマー及びコポリマー
【0222】
【化8】
式中、R45は、水素原子又はメチル基であり、fは、1~10の数であり、Xは、直接結合、-(CO)-、又は-(CONHR46)-であり、ここで、R46は、C~Cアルキル基である。式LIX中、fは、7、6、5、4、3、2、又は1を含む、8以下であり得る。式G4中、fは、5、4、3、2、又は1を含む、6以下であり得る。式G4中、fは、2、3、4、5、6、7、又は8を含む、2~8であり得る。式LIX中、fは、2又は3であり得る。Xが直接結合のとき、fは、2であり得る。かかる事例において、環状ポリアミドは、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)であり得る。
【0223】
環状ポリアミドは、式G4の反復単位の50モルパーセント以上を含み得、又は環状ポリアミドは、少なくとも70モルパーセント、及び少なくとも80モルパーセントなど、式G4の反復単位の少なくとも50モルパーセントを含み得る。
【0224】
ポリアミドはまた、環状アミド及び非環状アミドの両方の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。追加の繰り返し単位は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、他の親水性モノマー、及びシロキサン置換(メタ)アクリレートから選択されるモノマーから形成され得る。好適な親水性モノマーとして列挙されるモノマーのいずれも、追加の反復単位を形成するためにコモノマーとして使用され得る。ポリアミドを形成するために使用され得る追加のモノマーの具体的な例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。イオン性モノマーも含まれ得る。イオン性モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、N-[(エテニルオキシ)カルボニル]-β-アラニン(VINAL、CAS#148969-96-4)、3-アクリルアミドプロパン酸(ACA1)、5-アクリルアミドプロパン酸(ACA2)、3-アクリルアミド-3-メチルブタン酸(AMBA)、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド(Q塩又はMETAC)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、1-プロパンアミニウム,N-(2-カルボキシエチル)-N,N-ジメチル-3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]-,分子内塩(CBT)、1-プロパンアミニウム,N,N-ジメチル-N-[3-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)アミノ]プロピル]-3-スルホ-,分子内塩(SBT)、3,5ジオキサ-8-アザ-4-ホスファウンデカ-10-エン-1-アミニウム、4-ヒドロキシ-N,N,N-トリメチル-9-オキソ-,分子内塩,4-オキシド(9CI)(PBT)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、3-(ジメチル(4-ビニルベンジル)アンモニオ)プロパン-1-スルホナート(DMVBAPS)、3-((3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(AMPDAPS)、3-((3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(MAMPDAPS)、3-((3-(アクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(APDAPS)、及び3-((3-(メタクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホナート(MAPDAPS)が挙げられる。
【0225】
反応性モノマー混合物は、非環状ポリアミド及び環状ポリアミドの両方又はこれらのコポリマーを含み得る。非環状ポリアミドは、本明細書に説明される非環状ポリアミド又はこれらのコポリマーのいずれかであり得、環状ポリアミドは、本明細書に説明される環状ポリアミド又はこれらのコポリマーのいずれかであり得る。ポリアミドは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルアセトアミド(polyvinylmethylacetamide)(PVMA)、ポリジメチルアクリルアミド(PDMA)、ポリビニルアセトアミド(PNVA)、ポリ(ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド)、ポリアクリルアミド、並びにこれらのコポリマー及び混合物の群から選択され得る。
【0226】
反応性混合物中の全てのポリアミドの総量は、あらゆる場合において、反応性モノマー混合物の反応性成分の総重量に基づいて、1重量パーセント~約15重量パーセントの範囲内、及び約5重量パーセント~約15重量パーセントの範囲内など、1重量パーセント~約35重量パーセントの範囲内であり得る。
【0227】
理論に束縛されるものではないが、シリコーンヒドロゲルと共に使用されるとき、ポリアミドは内部湿潤剤として機能する。ポリアミドは、非重合性であってもよく、この場合、半相互貫入ネットワークとしてシリコーンヒドロゲル内に組み込まれる。ポリアミドは、シリコーンヒドロゲル内に封入されるか、又は物理的に保持される。代替的に、ポリアミドは、例えば、ポリアミドマクロマー又はプレポリマーとして重合性であり得、この場合、シリコーンヒドロゲル内に共有結合的に組み込まれる。重合性及び非重合性のポリアミドの混合物もまた使用され得る。
【0228】
ポリアミドが反応性モノマー混合物内に組み込まれているとき、ポリアミドは、少なくとも100,000ダルトン、約150,000超、約150,000~約2,000,000ダルトン、約300,000ダルトン~約1,800,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。反応性モノマー混合物と相溶性である場合、高分子量ポリアミドを使用することができる。
【0229】
架橋剤
概して、架橋モノマー、多官能性マクロマー、及びプレポリマーとも称される1つ又は2つ以上の架橋剤を反応性混合物に添加することが望ましい。架橋剤は、二官能性架橋剤、三官能性架橋剤、四官能性架橋剤、及びこれらの混合物から選択され得、これには、シリコーン含有架橋剤及び非シリコーン含有架橋剤が含まれる。非シリコーン含有架橋剤としては、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、トリアリルシアヌレート(TAC)、グリセロールトリメタクリレート、メタクリルオキシエチルビニルカーボネート(HEMAVc)、アリルメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられ、ポリエチレングリコールは、最大約5000ダルトンの分子量を有する。架橋剤は、通常の量、例えば、反応性配合物100グラム当たり約0.000415~約0.0156モルで反応性混合物中に用いられる。代替的に、親水性モノマー及び/又はシリコーン含有成分が分子設計により、又は不純物のために多官能性である場合、反応性混合物への架橋剤の添加は、任意選択的である。架橋剤として作用することができ、存在する場合に反応性混合物への追加の架橋剤の添加を必要としない親水性モノマー及びマクロマーの例としては、(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドでエンドキャップされたポリエーテルが挙げられる。他の架橋剤は当業者に既知となり、本発明のシリコーンヒドロゲルを作製するために使用され得る。
【0230】
配合物中の他の反応性成分のうちの1つ又は2つ以上に対して同様の反応性を有する架橋剤を選択することが望ましい場合がある。場合によっては、得られるシリコーンヒドロゲルのいくらかの物理的、機械的、又は生物学的特性を制御するために、異なる反応性を有する架橋剤の混合物を選択することが望ましい場合がある。シリコーンヒドロゲルの構造及び形態は、使用される希釈剤及び硬化条件によっても影響を受け得る。
【0231】
弾性率を更に増加させ、引張強度を維持するために、マクロマー、架橋剤、及びプレポリマーを含む、多官能性シリコーン含有成分も含まれ得る。シリコーン含有架橋剤は、単独で、又は他の架橋剤と組み合わせて使用され得る。架橋剤として作用することができ、存在する場合に反応性混合物への架橋モノマーの添加を必要としないシリコーン含有成分の例としては、α,ω-ビスメタクリロイルプロピル(bismethacryloxypropyl)ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0232】
硬い化学構造、及びフリーラジカル重合を受ける重合性基を有する架橋剤もまた使用され得る。好適な硬い構造の非限定的な例としては、1,4-フェニレンジアクリレート、1,4-フェニレンジメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリルオキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス[4-(2-アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、及び4-ビニルベンジルメタクリレート、並びにこれらの組み合わせなど、フェニル及びベンジル部分を含む架橋剤が挙げられる。硬い架橋剤は、全反応性成分の総重量に基づき、約0.5~約15、又は約2~10、3~7の量で含まれ得る。本発明のシリコーンヒドロゲルの物理的及び機械的特性は、反応性混合物中の成分を調整することによって特定の用途に最適化され得る。
【0233】
シリコーン架橋剤の非限定的な例としては、式E(及びその下位式)の化合物及び上の表に示される多官能性化合物などの、上記の多官能性シリコーン含有成分も含む。
【0234】
更なる構成成分
所望される場合、反応性モノマー混合物は、希釈剤、反応開始剤、UV吸収剤、可視光吸収剤、フォトクロミック化合物、医薬品、栄養補助剤、抗菌物質、着色剤、顔料、共重合性染料、非重合性染料、離型剤、及びこれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない、追加の成分を含有し得る。
【0235】
シリコーンヒドロゲル反応性混合物用の好適な希釈剤の種類には、2~20個の炭素原子を有するアルコール、一級アミンから誘導される10~20個の炭素原子を有するアミド、及び8~20個の炭素原子を有するカルボン酸が挙げられる。希釈剤は、一級、二級及び三級アルコールであり得る。
【0236】
概して、反応性成分は、希釈剤中で混合して、反応性混合物を形成する。好適な希釈剤は、技術分野において既知である。シリコーンヒドロゲルについて、好適な希釈剤は、国際公開第03/022321号及び米国特許第6020445号に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。シリコーンヒドロゲル反応性混合物用の好適な希釈剤の種類には、2~20個の炭素を有するアルコール、一級アミンから誘導される10~20個の炭素原子を有するアミド、及び8~20個の炭素原子を有するカルボン酸が挙げられる。一級及び三級アルコールが使用され得る。好ましい種類には、5~20個の炭素を有するアルコール及び10~20個の炭素原子を有するカルボン酸が挙げられる。使用され得る具体的な希釈剤には、1-エトキシ-2-プロパノール、ジイソプロピルアミノエタノール、イソプロパノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-デカノール、1-ドデカノール、1-オクタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、3-メチル-3-ペンタノール、tert-アミルアルコール、tert-ブタノール、2-ブタノール、1-ブタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、エタノール、2-エチル-1-ブタノール、(3-アセトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、1-tert-ブトキシ-2-プロパノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、tert-ブトキシエタノール、2-オクチル-1-ドデカノール、デカン酸、オクタン酸、ドデカン酸、2-(ジイソプロピルアミノ)エタノール、これらの混合物などが挙げられる。アミド希釈剤の例としては、N,N-ジメチルプロピオンアミド及びジメチルアセトアミドが挙げられる。
【0237】
好ましい希釈剤には、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-ドデカノール、1-デカノール、1-オクタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、3-メチル-3-ペンタノール、2-ペンタノール、t-アミルアルコール、tert-ブタノール、2-ブタノール、1-ブタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、エタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、2-オクチル-1-ドデカノール、デカン酸、オクタン酸、ドデカン酸、これらの混合物などが挙げられる。
【0238】
より好ましい希釈剤には、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-ドデカノール、1-デカノール、1-オクタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、2-オクタノール、1-ドデカノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、t-アミルアルコール、tert-ブタノール、2-ブタノール、1-ブタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、2-オクチル-1-ドデカノール、これらの混合物などが挙げられる。希釈剤が存在する場合、概して、希釈剤の存在量に関して特定の制限はない。希釈剤を使用するとき、希釈剤は、(反応性配合物及び非反応性配合物を含む)反応性混合物の総重量に基づいて、約5~約50重量パーセントの範囲及び約15~約40重量パーセントの範囲など、約2~約70重量パーセントの範囲の量で存在し得る。希釈剤の混合物を使用してもよい。
【0239】
重合開始剤は、反応性混合物中で使用してもよい。重合開始剤としては、例えば、ラウリルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、イソプロピルペルカーボネート、アゾビスイソブチロニトリルなどの、中程度の高温でフリーラジカルを発生させるもの、並びに芳香族アルファ-ヒドロキシケトン、アルコキシオキシベンゾイン、アセトフェノン、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド及び三級アミン+アルファ-ジケトン、これらの混合物などの光反応開始剤系のうちの少なくとも1つが挙げられ得る。光反応開始剤の具体例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4-4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド(DMBAPO)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(Irgacure 819)、2,4,6-トリメチルベンジルジフェニルホス-フィンオキシド及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエステル、及びカンファーキノンとエチル4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾエートとの組み合わせがある。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)などのジアゾ熱反応開始剤、又は同様の化合物を使用することもできる。
【0240】
市販の可視光開始剤系には、Irgacure(登録商標)819、Irgacure(登録商標)1700、Irgacure(登録商標)1800、Irgacure(登録商標)819、Irgacure(登録商標)1850(いずれもCiba Specialty Chemicalsより)及びLucrin(登録商標)TPO開始剤(BASFより入手可能)が挙げられる。市販のUV光反応開始剤には、Darocur(登録商標)1173及びDarocur(登録商標)2959(Ciba Specialty Chemicals)が挙げられる。使用され得るこれらの及び他の光反応開始剤は、Volume III,Photoinitiators for Free Radical Cationic & Anionic Photopolymerization,2nd Edition by J.V.Crivello & K.Dietliker;edited by G.Bradley;John Wiley and Sons;New York;1998に開示されている。開始剤は、反応性混合物の光重合を開始するのに有効な量、例えば、反応性モノマー混合物の100部当たり約0.1~約2重量部で、反応性混合物中で使用される。反応性混合物の重合は、使用する重合開始剤に応じて熱又は可視光若しくは紫外光又は他の手段を適切に選択して使用して開始することができる。代替的に、開始は、光開始剤なしで電子ビームを使用して実施され得る。しかしながら、光開始剤が使用されるとき、好ましい開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)819)、又は1-ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンとビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4-4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド(DMBAPO)との組み合わせなどの、ビスアシルホスフィンオキシドである。
【0241】
本発明の眼科用デバイスを作製するための反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団に加えて、上記の重合性化合物及び任意選択的な成分のうちのいずれかを含み得る。
【0242】
好ましい反応性混合物は、式Iのヒドロキシフェニルフェナントロリン及び親水性モノマーを含み得る。
【0243】
好ましい反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団、並びにDMA、NVP、HEMA、VMA、NVA、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択される親水性モノマーを含み得る。HEMA及びメタクリル酸の混合物が好ましい。
【0244】
好ましい反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団、親水性モノマー、及びシリコーン含有成分を含み得る。
【0245】
好ましい反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団、親水性モノマー、及び式Dの化合物(又はD-1、D-2などの下位式)を含むシリコーン含有成分を含み得る。
【0246】
好ましい反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団、DMA、NVP、HEMA、VMA、NVA、及びこれらの混合物から選択される親水性モノマー、式Dの化合物(又はD-1、D-2などの下位式)の化合物を含むシリコーン含有成分と、内部湿潤剤と、を含み得る。
【0247】
好ましい反応性混合物は、本明細書に記載のコアシェル粒子の集団、DMA、HEMA及びこれらの混合物から選択される親水性モノマー、2-ヒドロキシ-3-[3-メチル-3,3-ジ(トリメチルシロキシ)シリルプロポキシ]-プロピルメタクリレート(SiMAA)、モノ-メタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(OH-mPDMS)、及びこれらの混合物から選択されるシリコーン含有成分と、湿潤剤(好ましくはPVP又はPVMA)と、を含み得る。親水性モノマーの場合、DMA及びHEMAの混合物が好ましい。シリコーン含有成分については、SiMAA及びmPDMSの混合物が好ましい。
【0248】
前述の反応性混合物は、1つ又は2つ以上の反応開始剤、内部湿潤剤、架橋剤、他のUV遮断剤、及び希釈剤などであるが、これらに限定されない、任意選択的な成分を含有し得る。
【0249】
ヒドロゲルの硬化及びレンズの製造
反応性混合物は、振盪又は撹拌などの技術分野で既知の方法のいずれかによって形成され、既知の方法によるポリマー物品又はデバイスの形成に使用され得る。反応性成分は、反応性混合物を形成するために、希釈剤をしようするか又は使用しないかのいずれかで一緒に混合される。
【0250】
例えば、ヒドロゲルは、反応性成分及び任意選択的に希釈剤を重合開始剤と混合し、適切な条件で硬化させることによって調製されて、後に旋盤加工、切断などによって適切な形状に形成され得る製品を形成することができる。代替的に、反応性混合物は、成形型に入れた後に硬化させ、適切な物品にすることができる。
【0251】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを作製する方法は、反応性モノマー混合物を調製することと、反応性モノマー混合物を第1の成形型に移すことと、第2の成形型を、反応性モノマー混合物で充填された第1の成形型の上に配置することと、フリーラジカル共重合によって反応性モノマー混合物を硬化させて、コンタクトレンズの形状でシリコーンヒドロゲルを形成することと、を含み得る。
【0252】
反応性混合物は、回転成形及び静的成形を含む、コンタクトレンズの作製において、反応性混合物を成形するための任意の既知のプロセスを介して硬化されてもよい。回転成形方法は、米国特許第3,408,429号及び同第3,660,545号に開示され、静的成形方法は、米国特許第4,113,224号及び同第4,197,266号に開示されている。本発明のコンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲルの直接成形により形成し得、これは経済的であり、かつ含水レンズの最終形状に対する正確な制御を可能にする。この方法では、反応性混合物は、所望の最終シリコーンヒドロゲルの形状を有する成形型内に配置され、反応性混合物は、モノマーが重合する条件に供され、それにより所望の最終製品のおよその形状のポリマーを生成する。
【0253】
硬化後、レンズを抽出に供して、未反応成分を除去し、レンズをレンズ成形型から取り外し得る。抽出は、アルコールなどの有機溶媒など、従来の抽出流体を使用して行われ得るか、又は水溶液を使用して抽出され得る。
【0254】
水溶液は、水を含む溶液である。本発明の水溶液は、少なくとも約20重量パーセントの水、又は少なくとも約50重量パーセントの水、又は少なくとも約70重量パーセントの水、又は少なくとも約95重量パーセントの水を含み得る。水溶液はまた、無機塩又は離型剤、湿潤剤、スリップ剤、医薬成分及び栄養補助化合物、これらの組み合わせなどの追加の水溶性成分を含み得る。離型剤は、化合物又は化合物の混合物であり、これは、水と組み合わせると、離型剤を含まない水溶液を使用してコンタクトレンズを取り外すのに必要な時間と比較した場合、成形型からコンタクトレンズを取り外すのに必要な時間が減少する。水溶液は、精製、再利用又は特別な廃棄処理などの特別な取り扱いを必要としない場合がある。
【0255】
抽出は、例えば、水溶液中にこのレンズを浸漬すること、又は水溶液の流れにレンズをさらすことを介して行われ得る。抽出はまた、例えば、水溶液を加熱することと、水溶液を撹拌することと、水溶液の離型剤の濃度を、レンズの離型が生じるのに十分なレベルにまで増大させることと、レンズの機械的撹拌又は超音波撹拌と、少なくとも1種の濾過助剤又は抽出助剤を水溶液に取り入れて、未反応成分をレンズから適切に除去することを容易にするのに十分な濃度にすることと、のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。熱、振動又はその両方の追加の有無にかかわらず、前述は、バッチプロセス又は連続プロセスで行われてもよい。
【0256】
浸出及び離型を促進するために、物理的撹拌の適用が望ましい場合がある。例えば、レンズが付着しているレンズ成形型部分は、水溶液中で振動させるか又は前後運動させることができる。他の方法は、超音波を水溶液に通すことを含み得る。
【0257】
レンズは、限定されないが高圧蒸気処理などの既知の手段により殺菌され得る。
【0258】
本明細書に記載されるシリコーンヒドロゲル眼科用デバイス(例えば、コンタクトレンズ)は、好ましくは、以下の特性のうちの1つ又は2つ以上(及び場合によっては全て)を有する。全ての値の前には「約」が付き、このデバイスは、列挙する性質の任意の組み合わせを有し得る。特性は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許付与前公開第2018/0037690号に記載されているように、当業者に既知の方法によって決定することができる。
[HO]%:少なくとも20%、又は少なくとも25%
ヘイズ:30%以下、又は10%以下
Kruss DCA(°):100°以下、又は50°以下
引張弾性率(psi):120以下、又は80~120
Dk(バレル)少なくとも80、又は少なくとも100、又は少なくとも150、又は少なくとも200
破断伸び:少なくとも100
【0259】
イオン性シリコンヒドロゲルに関しては、(前述したものに加えて)以下の性質もまた好ましい場合がある:
リゾチーム取り込み(μg/レンズ):少なくとも100、又は少なくとも150、又は少なくとも500、又は少なくとも700
ポリクオタニウム1(PQ1)取り込み(%):15以下、又は10以下、又は5以下
【0260】
錠剤形成
いくつかの実施形態では、システムは、錠剤内に封入された指標を含むことができる。錠剤は、光学的に透明であり得る。錠剤は、熱可塑性ポリマーから形成された多孔質ポリマー膜から形成することができる。熱可塑性ポリマーは、121℃を超えるTを有し得る。多孔質ポリマー膜は、キャッピング剤の孔径よりも大きいが、ナノ粒子の集団の平均粒径よりも小さい孔径を有し得る。多孔質ポリマー膜の孔径は、5nm~75nmであり得る。例えば、5nm~20nm、5nm~30nm、5nm~40nm、5nm~50nm、5nm~60nm、又は20nm~75nmである。
【0261】
他の用途及び使用方法
本明細書に開示されるシステムはまた、殺虫剤、食品、及び/又は医療産業において有用であり得る。システム及び方法は、トリガ事象の発生から経過した期間を示すために使用され得る。この方法は、例えば、物品がパッケージから除去されてから経過した時間、物品若しくは組成物が調製されてから経過した時間、及び/又は物品が使用中の期間を視覚的に示すために使用することができる。いくつかの実施形態では、指標は、コンプライアンス指標として機能することができる。例えば、指標は、物品がそのパッケージから除去されてからいつ所望の期間が経過したのかを示すことができる。例えば、物品を交換する必要がある場合を示す。いくつかの実施形態では、システムは、包帯、歯列矯正デバイス、植え込み可能な医療用デバイス、又は眼科用デバイスで使用することができる。例えば、それは、リテーナ、拡張器、ポジショナ、又はスペーサなどの歯列矯正デバイスをいつ交換する必要があるのかを示すことができる。また、包帯を交換する必要がある場合を示すこともできる。
【0262】
以下の実施例は、本明細書に記載の材料及び方法の特定の態様を更に例示することが意図されるものであり、特許請求の範囲を限定することが意図されるものではない。
【実施例
【0263】
実施例1:ナノ粒子型光学的指標の合成
金ナノ粒子をシード媒介法によって合成した。最初に、単一ポット核形成プロセスを使用してシード前駆体を合成した。金(III)塩化物水和物(Sigma-Aldrich)及びクエン酸三ナトリウム二水和物(Sigma-Aldrich)の溶液を、ガラスシンチレーションバイアル(VWR)内の20mlのMilliQ水(18.2MΩ.cm、20℃、Millipore Sigma)中で、それぞれ、2.5×10-4及び10-4Mの最終濃度で調製した。特に指定のない限り、MilliQ水を使用して、実施例の残りの全体にわたって水溶液を調製した。次いで、60μlの新たに調製した氷冷水素化ホウ素ナトリウム(0.1M、Sigma-Aldrich)を、激しく撹拌しながら(2000rpm)バイアルに添加し、シード前駆体を核形成しながら、溶液を1分間撹拌したまま放置した。シード前駆体を周囲条件で暗所に一晩放置した。次に、シード前駆体溶液をシリンジで濾過し(0.2μm、VWR)、使用するまで暗所で4℃で保管した。
【0264】
金ナノ粒子は、異なるサイズ、形状、及びキャッピング剤で合成された。赤色を提示し、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)でキャップしたナノ粒子を成長させるために、塩化金(III)水和物(0.64ml、11mM)及び硝酸銀(0.096ml、0.01M、Sigma-Aldrich)を、中程度撹拌(900rpm)下で、20mlシンチレーションバイアル中のCTAB(1.466mM)の15ml溶液に添加し、溶液を放置して、1分間撹拌させた。次いで、L-アスコルビン酸(0.103mL、0.1M)を滴下した。最後の液滴を添加すると、ナノシード前駆体(0.6ml)を直ちに添加し、中程度に1.5分間撹拌した。このサンプルを指標1(I1)として示す。ポリ(ビニルピロリドン)(PVP、Sigma-Aldrich)でキャップされた赤色着色ナノ粒子を成長させるために、プロセスを繰り返したが、硝酸銀及びCTABを除外し、代わりに、金(III)塩化物水和物をPVP(200mM)の溶液に添加した。このサンプルをI2として示す。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS、Sigma-Aldrich)でキャップされた赤色着色ナノ粒子を成長させるために、合成中にPVPをヨウ化ナトリウム(0.25mM)及びSDS(24mM)と置き換えた。このサンプルをI3として示す。Pluronic F-127(Sigma-Aldrich)でキャップされた赤色着色ナノ粒子を成長させるために、合成中にPVPをPluronic F-127(40mM)と置き換えた。このサンプルをI4として示す。青色を提示するナノ粒子を成長させるために、塩化金(III)水和物(0.64ml、11mM)及び硝酸銀(0.192ml、0.01M、Sigma-Aldrich)を、中程度撹拌(900rpm)下で、20mlシンチレーションバイアル中のCTAB(7.33mM)の15ml溶液に添加した。溶液を放置して、1分間撹拌させた。次いで、L-アスコルビン酸(0.103mL、0.1M、Sigma-Aldrich)を滴下した。最後の液滴を添加すると、ナノシード前駆体(240μl)を直ちに添加し、中程度に5分間撹拌した。このサンプルをI5として示す。Tween 80(Sigma-Aldrich)でキャップされた青色着色ナノ粒子を成長させるために、それぞれのプロセスを繰り返したが、合成中にCTABをTween 80(5mM)で置き換えた。このサンプルをI6として示す。SDSでキャップされた青色着色ナノ粒子を成長させるために、それぞれのプロセスを繰り返したが、合成中にCTABをSDS(24mM)で置き換えた。このサンプルをI7として示す。サンプルを遠心分離し(15,000rcf、15分)、指定したように、所望の濃度のキャッピング剤に再懸濁させた。
【0265】
実施例2:固定マイクロウェルプレート内の指標の離散的な閾値ベースの色遷移の評価
我々の指標の色遷移が実際に急速であり、キャッピング剤の離散的な濃度閾値に基づいているのかを評価するために、最初に、塩化ナトリウム(20.34g/l、Sigma-Aldrich)、重炭酸ナトリウム(6.54g/l、Sigma-Aldrich)、塩化カルシウム(0.192g/l、Sigma-Aldrich)、及び塩化カリウム(4.14g/l、Sigma-Aldrich)をMilliQ水に溶解することによって、模擬涙液(STF、simulated tear fluid)の3倍濃縮溶液を調製した。本発明者らは、I5-色変化指標(15,000rcf、15分、3回)溶液を遠心分離し、これらを2倍に濃縮し、CTAB(1.6mM、6.4mM、又は25.6mM)の様々な濃度に再懸濁させた。加えて、本発明者らは、I4-色保持指標の溶液を遠心分離し、2倍に濃縮し、MilliQ中に再懸濁させた。カラー→カラー(紫色→赤色)遷移については、I4の各濃縮溶液をI5のアリコートと混合し、96ウェルマイクロプレート(VWR)内の隣接するウェルに、200μlのそれらの溶液を添加し、マイクロウェルプレート(図1B、最上段)を撮像した。CTABの臨界ミセル濃度(CMC)は、室温で約1mMであり、そのため、混合物中の最終CTAB濃度は、CMCのわずかに下方(0.8mM)、上方(3.2mM)、及び著しく上方(12.8mM)に選択した。初期画像の直後に、100μlの3倍濃縮STFを各ウェルに添加し、STF濃度を1倍に希釈した。STFを添加すると、I5(0.8mM)は、瞬時に色を損失し始め、赤色を明らかにし、色変化は10分飽和した(図1B、下段)。I5(3.2mM)及びI5(12.8mM)を有する混合物は、紫色のままであり、色損失が起こっていないことを実証した(図1B、下段)。まとめると、結果は、CMC付近のキャッピング剤濃度では、色変化指標が急速に色を損失することになり、一方、より高い濃度のキャッピング剤を有するものが色変化を示さないことを示した。加えて、結果は、色保持指標が、色変化指標と組み合わせて、離散的なカラー→カラー遷移のために使用できることを示した。
【0266】
実施例3:容器内の指標の活性化時間をプログラムする
容器内の指標の活性化特性を評価するために、本発明者らは、指標のサイズとキャッピング剤の分子量との間の分子量カットオフ(MWCO)を有する透析カセット(Thermo Fisher Scientific)内の指標を試験した。したがって、キャッピング剤は、指標が保持されている間に、容器から放出され得る。特に断りのない限り、全ての試験は、MWCOが3.5kDa、37℃(インキュベータ内、VWR内)及び1倍STFでの透析カセットを使用して実施した。
【0267】
プログラム可能なカラー→クリアー遷移
カラー→クリアー遷移については、I1溶液を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、様々な濃度のCTABに再懸濁し(遠心分離の1ラウンド当たり1回)、水和カセットに入力した。I1含有容器を撮像し(開始画像、時間:0時間)、十分なSTF(1倍、350ml)を含有するビーカーに入れて、カセットを完全に浸漬した。次いで、容器を撮像して(時間:0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、24時間、次いで、その後の各24時間間隔)、色の進行を特徴付けた。ビーカー内のSTFは、新しいSTF(1倍、350ml)と定期的に交換された。指標は、離散的な閾値応答(図1C図1E、及び図2)であり、最初にカセット内のキャッピング剤の濃度(時間:0時間)に基づいてプログラム可能であったカラー→クリアー遷移を実証した(図3)。
【0268】
プログラム可能なカラー→カラー→クリアー遷移
カラー→カラー→クリアー遷移については、I1及びI6の溶液を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、様々な濃度のCTAB及びTween 80に再懸濁し(遠心分離の1ラウンド当たり1回)、2倍に濃縮し、混合し、水和カセットに入力した。2つの指標含有容器を前述のように撮像し、STFを含有するビーカー内に配置した。図4に示すように、指標は、独立してプログラム可能であり得、ここで、CTAB及びTween 80の初期濃度は、2mM及び0.015mM(最上段)又は4mM及び0.015mM(下段)であった。また、I6が、キャッピング剤濃度が同一である場合、両サンプル中の1時間マークで活性化したが、I1が、異なるキャッピング剤濃度に基づいて、5日(最上段)又は9日(下段)マークで活性化したことを、サンプルは示した。
【0269】
容器内の指標の起動を遅延させる
I1及びI7を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、それぞれのCMCの上方のキャッピング剤濃度(それぞれ1.5mM及び10mM)に再懸濁し、水和カセットに入力した。指標含有容器を撮像し(開始画像、時間:0時間)、STFを含有するビーカーに、それらのそれぞれのキャッピング剤の等モル濃度で入れ、上記のように撮像した。図5に示すように、容器内の指標の色遷移は、キャッピング剤の正味濃度が一貫したままであるため、無期限に遅延されることが実証された。
【0270】
色保持指標
カラー→カラー遷移は、色損失及び色保持指標の混合物を使用して行うことができる。色保持指標のキャッピング剤は、容器から拡散しない。キャッピング剤は、容器が、色保持キャッピング剤の分子量よりも低いMWCOを有することによって、容器内に保持することができる。別の実施形態では、キャッピング剤は、キャッピング剤が容器から著しく正味拡散するように、その指標に強く会合することができる。I2及びI4が、後者の種類の色保持指標の2つの実施例であることを実証するために、I2及びI4の溶液を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、MilliQ水に再懸濁し(遠心分離の1ラウンド当たり1回)、水和カセットに入力した。指標含有容器を撮像し(開始画像、時間:0時間)、STFを含有するビーカー入れ、撮像した(時間:1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、次いで、その後、各24時間間隔で1週間まで、次いで各1週間間隔)。STFは、新しいSTF(1倍)と定期的に交換された。色保持指標は、図6に示すように、それらの色を保持した。
【0271】
プログラム可能なカラー→カラー遷移
カラー→カラー遷移については、I4及びI7の溶液を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、それぞれ、MilliQ水及び異なるSDSの濃度に再懸濁し(遠心分離の1ラウンド当たり1回)、2倍に濃縮し、混合し、水和カセットに入力した。これらの容器を撮像し(開始時間)、STF(1倍)を含有するビーカーに入れ、前述のように撮像した。図7は、容器内で8.5mMの初期SDS濃度で起こった紫色-赤色の色遷移を示す。
【0272】
実施例4:指標のコンタクトレンズへの統合、並びに滅菌条件及び消費者用液体に対する安定性試験
次に生物医学的デバイスに組み込むことができる容器に指標を入力するために、I3及びI6の溶液を遠心分離し(15,000rcf、10分、3回)、それぞれ、MilliQ水及び等モル濃度のTween 80に再懸濁し(遠心分離の1ラウンド当たり1回)、10倍に濃縮し、ポリ(エチレングリコール)(PEG、最終濃度:50mM、6kDa又は20kDa、Sigma-Aldrich)と混合し、減圧下で乾燥させた。乾燥した指標のフレークを、トラックエッチングされたポリカーボネート膜(孔径:15nm、Sigma-Aldrich)上に配置した。次に、第2のポリカーボネート膜を上部に配置し、指標を挟んだ。濾紙片を第2のポリカーボネート膜の上部に配置した。平坦な、固体のステンレス鋼製封止材をヒートガン(Wagner Spray Tech、加熱面から約1cm離れた距離で約500℃に設定し、6分間)によって加熱し、濾紙(1分)に押し付けた。その後、濾紙を除去し、先鋭端を有する中空ステンレス鋼カッターを上述のように加熱し、密閉膜に押し付けた(1分間)。このプロセスは、指標を収容する容器を形成する(図8A)。I3及びI6を、それぞれMilliQ水及びTween 80の溶液中で、それらの容器内に再懸濁させた。グローブボックス内で、3滴のEtafilcon Aモノマー混合物を後側コンタクトレンズ成形型内に入れ、I3又はI6含有容器をモノマー混合物に入れ、3滴のモノマー混合物を添加し、溶液内に容器を埋め込んだ後、溶液をUV光下で(20分)硬化させた。コンタクトレンズを水浴(60℃)に入れ、成形型から除去した。次に、I3及びI6容器を含むコンタクトレンズをコンタクトレンズパッキング溶液に入れ、等モルのTween 80を有するコンタクトレンズパッキング溶液に入れた。図8B及び図8Dは、各々、I6又はI3を含有する容器を有するコンタクトレンズを示す。
【0273】
リング構造内に指標を形成するために、2μl液滴のPEGをポリカーボネート膜上に加え、乾燥させた。次いで、I3の調製した溶液の2μl滴を乾燥したPEGに添加した。指標溶液をリング構造で乾燥させた。サンドイッチ型ポリカーボネート膜を封止プロセス中に接触させ、封止して、指標を再懸濁した後にリング構造を維持した。指標含有容器を封止、切断、再懸濁、及び埋め込むためのプロセスと、指標含有コンタクトレンズを形成するためのプロセスとの残りの部分を、上から繰り返した。図8Cは、レンズ内に埋め込まれたリング構造内にI3を含有する容器を有するコンタクトレンズを示す。
【0274】
オートクレーブ及び様々な試薬に対する安定性について、指標を試験した。I3の調製した溶液(図8E)並びにI4及びI7の混合物(図8F)をオートクレーブし、その後コロイド安定したままにした。I1の調製された溶液を、透析カセット内で入力した。次いで、容器を溶液中に配置し、ホウ酸(0.5%、Sigma-Aldrich)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA、0.07%、Sigma-Aldrich)、ソルビトール(1.0%、Sigma-Aldrich)、クエン酸ナトリウム(0.65%、Sigma-Aldrich)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパナール(0.001%、Sigma-Aldrich)、Tetronic 904(0.05%、Sigma-Aldrich)、Aldox(0.0005%、Sigma-Aldrich)、ポリクオタニウム-1(0.0005%、Toronto Research Chemicals)、(0.2%、Sigma-Aldrich)及びPureMoistレンズ洗浄溶液(図8G)に対する安定性を示した。
【0275】
添付の特許請求の範囲のシステム、方法、組成物、及びデバイスは、本明細書に記載される特定の材料及びデバイスによって範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲のいくつかの態様の実例として意図される。機能的に同等である任意のシステム、方法、組成物、及び装置は、特許請求の範囲内に入ることが意図される。本明細書に示され、記載されるものに加えて、システム、方法、組成物、及びデバイスの様々な修正は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。更に、本明細書に開示される特定の代表的なシステム、方法、組成物、及びデバイスのみが具体的に説明されているが、システム、方法、組成物、及びデバイスの他の組み合わせもまた、具体的に記載されていない場合であっても、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。したがって、要素、構成要素、又は構成成分の組み合わせは、本明細書以下で明示的に言及され得るが、明示的に記載されていなくても、要素、構成要素、及び構成成分の他の組み合わせが含まれる。
【0276】
本明細書で使用する、「含む/備える(comprising)」という用語及びその変化形は、「含む(including)」という用語及びその変化形と同義語として使用されるオープンで非限定的な用語である。「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語が、様々な実施形態を説明するために本明細書で使用されてきたが、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」という用語は、本発明のより具体的な実施形態を提供するために使用されることができ、また開示される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される幾何学的形状、寸法などを表す全ての数は、最低限でも理解されるべきであり、請求項の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、有効桁数及び通常の四捨五入法の数に照らして解釈されるべきではない。
【0277】
別段の定めがある場合を除き、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、開示された本発明が属する技術分野における当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物及びそれらが引用される材料は、参照により具体的に組み込まれる。
【0278】
〔実施の態様〕
(1) 物品がパッケージから除去されてから経過した時間を視覚的に示すためのシステムであって、
前記物品上又は前記物品内に配置された指標であって、前記物品が、前記パッケージの封止可能な容器内に被包されている、指標と、
前記容器内に配置され、かつ前記指標と接触している、トリガと、を備え、
前記指標が、前記指標と接触している前記トリガの濃度における変化に応答する、システム。
(2) 前記トリガが、前記容器内に静的濃度で存在する、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記指標が、光学的指標を含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記光学的指標が、可視指標を含む、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記容器からの前記物品の除去が、前記指標と接触している前記トリガの濃度における変化を誘導する、実施態様1~4のいずれかに記載のシステム。
【0279】
(6) 前記トリガの前記濃度における変化が、前記指標の色における変化を誘導する、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記色における変化が、可視スペクトル内の第1の色から前記可視スペクトル内の第2の色への変化を含む、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記色における変化が、可視スペクトルの外側の第1の色から前記可視スペクトル内の第2の色への変化を含む、実施態様6に記載のシステム。
(9) 前記色における変化が、可視スペクトル内の第1の色から前記可視スペクトルの外側の第2の色への変化を含む、実施態様6に記載のシステム。
(10) 前記指標が、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記キャッピング剤を含む溶液を含む、実施態様1~9のいずれかに記載のシステム。
【0280】
(11) 前記ナノ粒子の集団が、プラズモンナノ粒子の集団を含む、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記プラズモンナノ粒子の集団が、金、銀、白金、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記集団ナノ粒子が、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したとき、5nm~100nmの平均粒径、例えば、20nm~60nmの平均粒径を有する、実施態様10~12のいずれかに記載のシステム。
(14) 前記ナノ粒子の集団が、単分散粒径分布を有する、実施態様10~13のいずれかに記載のシステム。
(15) 前記ナノ粒子が、多面体形状を有する、実施態様10~14のいずれかに記載のシステム。
【0281】
(16) 前記ナノ粒子が、立方形、八面体形状、十面体形状、立方八面体形状、四面体形状、菱形十二面体形状、切頭複正方プリズム形状(truncated ditetragonal prismatic shape)、又は切頭二重四面体形状(truncated bitetrahedral shape)を有する、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記ナノ粒子が、球状、ロッド、円錐、円筒形、シェル、又は星形形状を有する、実施態様10~16のいずれかに記載のシステム。
(18) 前記ナノ粒子が、均質な粒子形状を有する、実施態様10~17のいずれかに記載のシステム。
(19) 前記ナノ粒子が、粒子形状の混合物を含む、実施態様10~17のいずれかに記載のシステム。
(20) 前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子と非共有会合されている、実施態様10~19のいずれかに記載のシステム。
【0282】
(21) 前記キャッピング剤が、生体適合性である、実施態様10~20のいずれかに記載のシステム。
(22) 前記キャッピング剤が、界面活性剤を含む、実施態様10~21のいずれかに記載のシステム。
(23) 前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様22に記載のシステム。
(24) 前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様22~23のいずれかに記載のシステム。
(25) 前記キャッピング剤が、ポリマーを含む、実施態様10~24のいずれかに記載のシステム。
【0283】
(26) 前記ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキシド、セルロース系ポリマー、チロキサポール、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様25に記載のシステム。
(27) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の集団の凝集を誘導する、実施態様10~26のいずれかに記載のシステム。
(28) 前記ナノ粒子の集団の凝集が、色変化をもたらす、実施態様27に記載のシステム。
(29) 前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記色変化が示すように選択された速度で、前記キャッピング剤が、前記ナノ粒子から解離する、実施態様28に記載のシステム。
(30) 前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様29に記載のシステム。
【0284】
(31) 前記指標が、第1のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第1の集団と、第2のキャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の第2の集団と、を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記第1のキャッピング剤及び前記第2のキャッピングを含む溶液を含む、実施態様10~30のいずれかに記載のシステム。
(32) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第1のキャッピング剤が、前記第2のキャッピング剤が前記ナノ粒子の第2の集団から解離するよりも速い速度で、ナノ粒子の第1の集団から解離する、実施態様31に記載のシステム。
(33) 前記物品が前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第1のキャッピング剤が、前記第1の集団ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の第1の集団の凝集を誘導し、第1の色変化を生成し、次いで、前記第2のキャッピング剤が、前記第2の集団ナノ粒子から解離し、それによって前記ナノ粒子の第2の集団の凝集を誘導し、第2の色変化を生成する、実施態様31に記載のシステム。
(34) 前記物品が前記容器から除去されてから第1の所定の期間が経過したことを前記第1の色変化が示すように選択された第1の速度で、前記第1のキャッピング剤が、前記ナノ粒子の第1の集団から解離し、前記物品が前記容器から除去されてから第2の所定の期間が経過したことを前記第2の色変化が示すように選択された第2の速度で、前記第2のキャッピング剤が、前記第2の集団ナノ粒子から解離する、実施態様31に記載のシステム。
(35) 前記第1の所定の期間が、10分~2週間であり、前記第2の所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様34に記載のシステム。
【0285】
(36) 前記指標が、分散剤と組み合わせて発色団を含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記分散剤を含む溶液を含む、実施態様1~9のいずれかに記載のシステム。
(37) 前記発色団が、フルオレセイン染料、ローダミン染料、クマリン、アゾ染料、アントラキノン染料、ベンゾジフラノン染料、多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、ポリメチン染料、アザカルボシアニン染料、ヘミシアニン染料、ジアザヘミシアニン染料、ストリリル染料(stryrl dye)、ジアリールカルボニウム染料、トリアリールカルボニウム染料、フタロシアニン染料、キノフタロン染料、トリフェノジオキサジン染料、ホルマザン染料、フェノチアジン染料、例えば、メチレンブルー、アズールA、アズールB、及び/若しくはアズールC、オキサジン染料、チアジン染料、ナフトラクタム染料、ジアザヘミシアニン染料、アゾピリドン染料、アゾベンゼン染料、キサンテン染料、ロイコ染料、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様36に記載のシステム。
(38) 前記分散剤が、生体適合性である、実施態様36~37のいずれかに記載のシステム。
(39) 前記分散剤が、界面活性剤を含む、実施態様36~38のいずれかに記載のシステム。
(40) 前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様39に記載のシステム。
【0286】
(41) 前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様39~40のいずれかに記載のシステム。
(42) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記分散剤が、前記発色団から解離し、それによって前記発色団の凝集を誘導し、色変化を生成する、実施態様36~41のいずれかに記載のシステム。
(43) 前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記色変化が示すように選択された速度で、前記分散剤が、前記発色団から解離する、実施態様42に記載のシステム。
(44) 前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様43に記載のシステム。
(45) 前記トリガの前記濃度における変化が、前記指標における蛍光における変化を誘導する、実施態様5に記載のシステム。
【0287】
(46) 前記蛍光における変化が、最大発光波長における変化、蛍光量子収率における変化、発光スペクトルの形状における変化、蛍光寿命における変化、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様45に記載のシステム。
(47) 前記指標が、フルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している消光剤を含む溶液を含む、実施態様45~46のいずれかに記載のシステム。
(48) 前記フルオロフォアが、金属カルコゲナイド量子ドット、グラフェン量子ドット、カーボンドット、グラファイトオキシド、半導体(有機)ポリマードット、超小型金属ナノ粒子、金属ナノクラスター、蛍光ドープされたシリカナノ粒子、蛍光ドープされたシリカ微粒子、フルオロフォア官能化デンドリマー、アップコンバージョンナノ粒子、フルオレセイン及び/若しくはローダミンなどのキサンテン、ナフチルアミン、クマリン、アクリジン、N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド、ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様47に記載のシステム。
(49) 前記消光剤が、6-カルボキシ-テトラメチル-ローダミン、4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABYL)、テトラメチルローダミン(TAMRA)、BHQ-0、BHQ-1、BHQ-2、BHQ-3、QSY-7、QSY-9、QSY-21 QSY-35、金属ナノ粒子、グラフェン酸化物、酸化鉄ナノ粒子、金属有機骨格、カーボンナノ粒子、量子ドット、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様47~48のいずれかに記載のシステム。
(50) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記消光剤が、前記フルオロフォアから解離し、それによって蛍光における増加を誘導する、実施態様47~49のいずれかに記載のシステム。
【0288】
(51) 前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記蛍光における増加が示すように選択された速度で、前記消光剤が、前記フルオロフォアから解離する、実施態様50に記載のシステム。
(52) 前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様51に記載のシステム。
(53) 前記指標が、分散剤と組み合わせてフルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している前記分散剤を含む溶液を含む、実施態様45~46のいずれかに記載のシステム。
(54) 前記フルオロフォアが、金属カルコゲナイド量子ドット、グラフェン量子ドット、カーボンドット、グラファイトオキシド、半導体(有機)ポリマードット、超小型金属ナノ粒子、金属ナノクラスター、蛍光ドープされたシリカナノ粒子、蛍光ドープされたシリカ微粒子、フルオロフォア官能化デンドリマー、アップコンバージョンナノ粒子、フルオレセイン及び/若しくはローダミンなどのキサンテン、ナフチルアミン、クマリン、アクリジン、N-(p-(2-ベンゾオキサゾリル)フェニル)マレイミド、ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様53に記載のシステム。
(55) 前記分散剤が、生体適合性である、実施態様53~54のいずれかに記載のシステム。
【0289】
(56) 前記分散剤が、界面活性剤を含む、実施態様53~55のいずれかに記載のシステム。
(57) 前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様56に記載のシステム。
(58) 前記界面活性剤が、レシチンなどのホスファチド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、3-[N,N-ジメチル(3-パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]-プロパンスルホネート、N-ドデシル-N,N-(ジメチルアンモニオ)ブチレート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクタデカン酸、ポロキサマー、ポロキサミン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、パルミチン酸、ドデシルホスホン酸、オレイン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド滴定剤、ドデシルホスホン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムパルミテート、テトラブチルアンモニウムラウレート、ポリソルベート、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様56~57のいずれかに記載のシステム。
(59) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記分散剤が、前記フルオロフォアから解離し、それによって前記フルオロフォアの凝集を誘導し、最大発光波長における変化を生成する、実施態様53~58のいずれかに記載のシステム。
(60) 前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、前記分散剤が、前記フルオロフォアから解離する、実施態様59に記載のシステム。
【0290】
(61) 前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様60に記載のシステム。
(62) 前記指標が、第1のフルオロフォアを含み、前記トリガが、前記指標と接触している第2のフルオロフォアを含む溶液を含み、前記第1のフルオロフォア及び前記第2のフルオロフォアが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対を含む、実施態様45~46のいずれかに記載のシステム。
(63) 前記物品が、前記容器から除去され、より低い濃度の前記トリガを含有する溶液と接触して配置されるとき、前記第2のフルオロフォアが、前記第1のフルオロフォアから解離し、それによって最大発光波長における変化を生成する、実施態様62に記載のシステム。
(64) 前記物品が前記容器から除去されてから所定の期間が経過したことを前記最大発光波長における変化が示すように選択された速度で、前記第2のフルオロフォアが、前記第1のフルオロフォアから解離する、実施態様63に記載のシステム。
(65) 前記所定の期間が、30分~30日、例えば、1時間~30日である、実施態様64に記載のシステム。
【0291】
(66) 前記物品が、医療用デバイスを含む、実施態様1~65のいずれかに記載のシステム。
(67) 前記物品が、眼科用デバイスを含む、実施態様1~66のいずれかに記載のシステム。
(68) 前記物品が、コンタクトレンズを含む、実施態様1~67のいずれかに記載のシステム。
(69) 前記コンタクトレンズが、ソフトコンタクトレンズを含む、実施態様68に記載のシステム。
(70) 前記コンタクトレンズが、ポリウレタン、チオウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、シリコーンヒドロゲル、又はこれらの組み合わせを含む、実施態様68~69のいずれかに記載のシステム。
【0292】
(71) 前記コンタクトレンズが、親水性モノマー、シリコーン含有成分、又はこれらの組み合わせの重合から誘導されるポリマーを含む、実施態様68~70のいずれかに記載のシステム。
(72) 前記指標が、前記物品上にパターン化されている、実施態様1~71のいずれかに記載のシステム。
(73) 前記指標が、錠剤内に封入されている、実施態様1~72のいずれかに記載のシステム。
(74) 前記錠剤が、光学的に透明である、実施態様73に記載のシステム。
(75) 前記錠剤が、多孔質ポリマー膜から形成されている、実施態様73~74のいずれかに記載のシステム。
【0293】
(76) 前記多孔質ポリマー膜が、121℃を超えるTを有する熱可塑性ポリマーから形成されている、実施態様75に記載のシステム。
(77) 前記多孔質ポリマー膜が、5nm~75nmの孔径を有する、実施態様75~76のいずれかに記載のシステム。
(78) 前記指標が、キャッピング剤によって安定化されたナノ粒子の集団を含み、多孔質ポリマー膜が、前記キャッピング剤よりも大きいが、前記ナノ粒子の集団の平均粒径よりも小さい孔径を有する、実施態様75~77のいずれかに記載のシステム。
(79) 前記指標が、オートクレーブに対して安定である、実施態様1~78のいずれかに記載のシステム。
(80) 前記指標が、色保持指標である、実施態様1、10、又は31に記載のシステム。
【0294】
(81) 前記キャッピング剤が、前記容器から拡散しない、実施態様80に記載のシステム。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
【国際調査報告】