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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】表示基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20230630BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230630BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 50/81 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 59/65 20230101ALI20230630BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20230630BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K50/10
H10K50/81
H10K59/121
H10K59/123
H10K59/124
H10K59/65
H10K59/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533190
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021094014
(87)【国際公開番号】W WO2021244266
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202010498559.7
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 耀
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 国波
(72)【発明者】
【氏名】蔡 建▲暢▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲遠▼游
(72)【発明者】
【氏名】王 彬▲艷▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC43
3K107DD22
3K107EE04
3K107EE06
3K107EE07
3K107EE68
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA02
5C094AA14
5C094AA51
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
5C094DB01
5C094DB04
5C094EA05
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA08
5C094JA01
5C094JA08
(57)【要約】
表示基板及び表示装置を開示する。該表示基板は、第1側及び第2側を有し、且つ第1表示領域~第3表示領域を含む。第1表示領域は第1画素繰り返し単位を含み、且つ第1側からの光が少なくとも部分的に第2側に透過することを可能にし、第2表示領域は第2画素繰り返し単位及び第4画素繰り返し単位を含み、第3表示領域は第3画素繰り返し単位を含む。各第1画素繰り返し単位と対応する第4画素繰り返し単位との中心を結ぶ線は第1方向と略平行であり、各第1画素繰り返し単位はt本の透明接続配線を介して対応する第4画素繰り返し単位に電気的に接続される。第1画素繰り返し単位及び第2画素繰り返し単位の第2方向におけるピッチはいずれもb1であり、第3画素繰り返し単位の第2方向におけるピッチはb2であり、透明接続配線の前記第2方向におけるピッチはDであり、第1方向において第1表示領域に含まれる第1画素繰り返し単位の最大数sは、
を満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、表示するための第1側及び前記第1側とは反対する第2側を有し、且つ第1表示領域、第2表示領域及び第3表示領域を含み、
前記第1表示領域は第1方向及び第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第1画素繰り返し単位を含み、各前記第1画素繰り返し単位は第1発光素子を含み、前記第1表示領域は前記表示基板の第1側と第2側との間の光の伝送を可能にする光透過領域を含み、
前記第2表示領域は前記第1方向及び前記第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第2画素繰り返し単位及び複数の第4画素繰り返し単位を含み、各前記第2画素繰り返し単位は第2画素回路及び第2発光素子を含み、前記第2画素回路と前記第2発光素子は電気的に接続され、各前記第4画素繰り返し単位は第1画素回路を含み、
前記第3表示領域は前記第1方向及び前記第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第3画素繰り返し単位を含み、各前記第3画素繰り返し単位は第3画素回路及び第3発光素子を含み、前記第3画素回路と前記第3発光素子は電気的に接続され、
前記第3表示領域は前記第2表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第2表示領域は前記第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、且つ前記第2表示領域は前記第1表示領域の前記第2方向における中心線に対して軸対称であり、
各前記第1画素繰り返し単位は1つの第4画素繰り返し単位に対応し、各前記第1画素繰り返し単位と対応する前記第4画素繰り返し単位との中心を結ぶ線は前記第1方向と略平行であり、各前記第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子はt本の透明接続配線を介して対応する前記第4画素繰り返し単位の前記第1画素回路に電気的に接続され、tは正の整数且つt≧1であり、
前記第1画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb1であり、前記第2画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb1であり、前記第3画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb2であり、
【数1】
nは正の整数且つn≧2であり、
前記透明接続配線の前記第2方向におけるピッチはDであり、前記第1方向において前記第1表示領域に含まれる前記第1画素繰り返し単位の最大数sは、
【数2】
を満たし、Floor( )は切り捨て関数を表す、表示基板。
【請求項2】
前記第1画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa1であり、前記第2画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa1であり、前記第3画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa2であり、
【数3】
mは正の整数且つm≧2であり、
前記第1表示領域の前記第1方向におけるサイズL1は、
【数4】
をおおよそ満たす、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第1方向におけるサイズにほぼ等しい、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1表示領域は円形表示領域及び前記円形表示領域を取り囲む環状配線領域を含み、
前記第1方向における各行の第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子を駆動するためのゲート線は、前記第1方向における同一行の第4画素繰り返し単位の対応する前記第1画素回路に電気的に接続され、前記ゲート線の少なくとも一部分は前記第1方向に沿って延伸し、前記ゲート線の少なくとも他の部分は前記環状配線領域に位置し、前記ゲート線は前記円形表示領域を貫通せず、
前記第2方向における各列の第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子を駆動するためのデータ線は、前記第2方向におけるある列の第4画素繰り返し単位の対応する前記第1画素回路に電気的に接続され、前記データ線の少なくとも一部分は前記第2方向に沿って延伸し、前記データ線の少なくとも他の部分は前記環状配線領域に位置し、前記データ線は前記円形表示領域を貫通せず、
前記ゲート線と前記データ線は異なる層に位置する、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
各前記第3画素繰り返し単位に対応するゲート線の数は、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の数と同じであり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の本数はxであり、前記ゲート線の前記環状配線領域におけるピッチはc1であり、前記環状配線領域の前記ゲート線の半径方向幅の合計はおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2であり、
各前記第1画素繰り返し単位に対応する前記データ線の本数はyであり、前記データ線の前記環状配線領域におけるピッチはc2であり、前記環状配線領域の前記データ線の半径方向幅の合計はおおよそy*c2*s/2である、請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記環状配線領域における前記ゲート線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影は、前記環状配線領域における前記データ線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影と重ならず、
前記環状配線領域の半径方向幅はおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2+y*c2*s/2である、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記円形表示領域の直径はおおよそs*a1-x*c1*Floor(L1/b2)-y*c2*s/2である、請求項6に記載の表示基板。
【請求項8】
前記環状配線領域における前記ゲート線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影は、前記環状配線領域における前記データ線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影と少なくとも部分的に重なり、
前記環状配線領域の半径方向幅はおおよそmax(x*c1*Floor(L1/b2)/2、y*c2*s/2)であり、max( )は最大値関数である、請求項5に記載の表示基板。
【請求項9】
前記円形表示領域の直径はおおよそs*a1-max(x*c1*Floor(L1/b2)、y*c2*s)である、請求項8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第2表示領域の前記第1方向におけるサイズL2は、
【数5】
をおおよそ満たす、請求項1~9のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズにほぼ等しい、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズより大きく、且つ前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズと前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズとの差は、4b1にほぼ等しい、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第4画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチは前記第2画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチに等しい、請求項1~12のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項14】
各前記第1画素繰り返し単位はGGRB画素配列方式で配列される8つの第1発光素子を含み、t=8であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の本数は4であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するデータ線の本数は4である、請求項1~13のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項15】
各前記第1画素繰り返し単位はRGB画素配列方式で配列される12個の第1発光素子を含み、t=12であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の本数は2であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するデータ線の本数は6である、請求項1~13のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項16】
前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である、請求項1~15のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項17】
前記表示基板は、陽極層、ソースドレイン電極層、及び前記陽極層と前記ソースドレイン電極層との間に位置する透明接続配線層を含み、
前記第1発光素子の陽極は前記陽極層に位置し、前記透明接続配線は前記透明接続配線層に位置し、
前記第1画素回路は薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタはソース及びドレインを含み、前記薄膜トランジスタの前記ソース及び前記ドレインの少なくとも一方は前記ソースドレイン金属層に位置し、
前記第1発光素子の前記陽極は前記透明接続配線を介して前記薄膜トランジスタの前記ソース及び前記ドレインの少なくとも一方に電気的に接続される、請求項1~16のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1発光素子の陽極は透明電極である、請求項1~17のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【請求項20】
センサをさらに含み、前記センサは前記表示基板の第2側に設置され、前記センサの前記表示基板上での正投影は前記第1表示領域と少なくとも部分的に重なり、前記センサは前記第1側からの光を受けるように構成される、請求項19に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月4日に提出された中国特許出願第202010498559.7号の優先権を主張し、上記中国特許出願で開示されている全内容は本願の一部として援用されている。
【0002】
本開示の実施例は表示基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話等の表示電子製品の発展に伴い、ディスプレイスクリーンの画面占有率の向上は製品の傾向になり、フロントカメラ等の携帯電話に必須の機能素子は画面占有率の向上を制限する要素となる。この問題に対して、業界ではカメラと表示基板を表示装置に組み合わせた、「画面内カメラ」と呼ばれる解決手段を提案した。このような解決手段では、表示装置は表示基板及び該表示基板の下方に位置するカメラを含む。表示装置の画面内カメラを有する領域は、他の領域と同様に発光し且つ表示することができ、同時に撮像機能を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、表示するための第1側及び前記第1側とは反対する第2側を有し、且つ第1表示領域、第2表示領域及び第3表示領域を含み、前記第1表示領域は第1方向及び第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第1画素繰り返し単位を含み、各前記第1画素繰り返し単位は第1発光素子を含み、前記第1表示領域は前記表示基板の第1側と第2側との間の光の伝送を可能にする光透過領域を含み、前記第2表示領域は前記第1方向及び前記第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第2画素繰り返し単位及び複数の第4画素繰り返し単位を含み、各前記第2画素繰り返し単位は第2画素回路及び第2発光素子を含み、前記第2画素回路と前記第2発光素子は電気的に接続され、各前記第4画素繰り返し単位は第1画素回路を含み、前記第3表示領域は前記第1方向及び前記第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第3画素繰り返し単位を含み、各前記第3画素繰り返し単位は第3画素回路及び第3発光素子を含み、前記第3画素回路と前記第3発光素子は電気的に接続され、前記第3表示領域は前記第2表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、前記第2表示領域は前記第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、且つ前記第2表示領域は前記第1表示領域の前記第2方向における中心線に対して軸対称であり、各前記第1画素繰り返し単位は1つの第4画素繰り返し単位に対応し、各前記第1画素繰り返し単位と対応する前記第4画素繰り返し単位との中心を結ぶ線は前記第1方向と略平行であり、各前記第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子はt本の透明接続配線を介して対応する前記第4画素繰り返し単位の前記第1画素回路に電気的に接続され、tは正の整数且つt≧1であり、前記第1画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb1であり、前記第2画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb1であり、前記第3画素繰り返し単位の前記第2方向におけるピッチはb2であり、
【数1】
nは正の整数且つn≧2であり、前記透明接続配線の前記第2方向におけるピッチはDであり、前記第1方向において前記第1表示領域に含まれる前記第1画素繰り返し単位の最大数sは、
【数2】
を満たし、Floor( )は切り捨て関数を表す。
【0005】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第1画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa1であり、前記第2画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa1であり、前記第3画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチはa2であり、
【数3】
mは正の整数且つm≧2であり、前記第1表示領域の前記第1方向におけるサイズL1は、
【数4】
をおおよそ満たす。
【0006】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第1方向におけるサイズにほぼ等しい。
【0007】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第1表示領域は円形表示領域及び前記円形表示領域を取り囲む環状配線領域を含み、前記第1方向における各行の第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子を駆動するためのゲート線は、前記第1方向における同一行の第4画素繰り返し単位の対応する前記第1画素回路に電気的に接続され、前記ゲート線の少なくとも一部分は前記第1方向に沿って延伸し、前記ゲート線の少なくとも他の部分は前記環状配線領域に位置し、前記ゲート線は前記円形表示領域を貫通せず、前記第2方向における各列の第1画素繰り返し単位の前記第1発光素子を駆動するためのデータ線は、前記第2方向におけるある列の第4画素繰り返し単位の対応する前記第1画素回路に電気的に接続され、前記データ線の少なくとも一部分は前記第2方向に沿って延伸し、前記データ線の少なくとも他の部分は前記環状配線領域に位置し、前記データ線は前記円形表示領域を貫通せず、前記ゲート線と前記データ線は異なる層に位置する。
【0008】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、各前記第3画素繰り返し単位に対応するゲート線の数は、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の数と同じであり、各前記第1画素繰り返し単位に対応する前記ゲート線の本数はxであり、前記ゲート線の前記環状配線領域におけるピッチはc1であり、前記環状配線領域の前記ゲート線の半径方向幅の合計はおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応する前記データ線の本数はyであり、前記データ線の前記環状配線領域におけるピッチはc2であり、前記環状配線領域の前記データ線の半径方向幅の合計はおおよそy*c2*s/2である。
【0009】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記環状配線領域における前記ゲート線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影は、前記環状配線領域における前記データ線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影と重ならず、前記環状配線領域の半径方向幅はおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2+y*c2*s/2である。
【0010】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記円形表示領域の直径はおおよそs*a1-x*c1*Floor(L1/b2)-y*c2*s/2である。
【0011】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記環状配線領域における前記ゲート線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影は、前記環状配線領域における前記データ線の円周方向に沿って延伸している本体部の前記表示基板上での正投影と少なくとも部分的に重なり、前記環状配線領域の半径方向幅はおおよそmax(x*c1*Floor(L1/b2)/2、y*c2*s/2)であり、max( )は最大値関数である。
【0012】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記円形表示領域の直径はおおよそs*a1-max(x*c1*Floor(L1/b2)、y*c2*s)である。
【0013】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第2表示領域の前記第1方向におけるサイズL2は、
【数5】
をおおよそ満たす。
【0014】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズにほぼ等しい。
【0015】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズは前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズより大きく、且つ前記第2表示領域の前記第2方向におけるサイズと前記第1表示領域の前記第2方向におけるサイズとの差は、4b1にほぼ等しい。
【0016】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第4画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチは前記第2画素繰り返し単位の前記第1方向におけるピッチに等しい。
【0017】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、各前記第1画素繰り返し単位はGGRB画素配列方式で配列される8つの第1発光素子を含み、t=8であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の本数は4であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するデータ線の本数は4である。
【0018】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、各前記第1画素繰り返し単位はRGB画素配列方式で配列される12個の第1発光素子を含み、t=12であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するゲート線の本数は2であり、各前記第1画素繰り返し単位に対応するデータ線の本数は6である。
【0019】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第1方向と前記第2方向は互いに垂直である。
【0020】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記表示基板は、陽極層、ソースドレイン電極層、及び前記陽極層と前記ソースドレイン電極層との間に位置する透明接続配線層を含み、前記第1発光素子の陽極は前記陽極層に位置し、前記透明接続配線は前記透明接続配線層に位置し、前記第1画素回路は薄膜トランジスタを含み、前記薄膜トランジスタはソース及びドレインを含み、前記薄膜トランジスタの前記ソース及び前記ドレインの少なくとも一方は前記ソースドレイン金属層に位置し、前記第1発光素子の前記陽極は前記透明接続配線を介して前記薄膜トランジスタの前記ソース及び前記ドレインの少なくとも一方に電気的に接続される。
【0021】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示基板では、前記第1発光素子の陽極は透明電極である。
【0022】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示の任意の実施例に係る表示基板を含む表示装置をさらに提供する。
【0023】
例えば、本開示のいくつかの実施例に係る表示装置はセンサをさらに含み、前記センサは前記表示基板の第2側に設置され、前記センサの前記表示基板上での正投影は前記第1表示領域と少なくとも部分的に重なり、前記センサは前記第1側からの光を受けるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の図面について簡単に説明し、明らかなように、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0025】
図1A図1Aは表示基板の平面模式図である。
図1B図1Bは表示基板の局所拡大模式図である。
図2図2図1Bの表示基板のA-A線に沿う断面模式図である。
図3図3は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の平面模式図である。
図4図4は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の局所拡大模式図である。
図5A図5Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る第1画素繰り返し単位の平面模式図である。
図5B図5Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る別の第1画素繰り返し単位の平面模式図である。
図6図6は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の模式的なブロック図である。
図7図7は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段、及びメリットをより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術的解決手段を明確で、完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0027】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する一般的な意味を有する。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似する用語はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するものに過ぎない。「含む」又は「包含」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は物品が該用語の後に挙げられる素子又は物品及びその同等物を含むが、他の素子又は物品を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似する用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接又は間接的な接続にもかかわらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係を示すためのものに過ぎず、説明される対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。本開示の実施例の以下の説明を明確で且つ簡明にするために、本開示は一部の既知の機能及び既知の部材の詳細な説明を省略する。
【0028】
「画面内カメラ」の設計案では、より多くの光が表示基板の下方に位置するカメラに入ることを可能にするために、表示基板を、高画素密度領域及び低画素密度領域を有するように設計してもよく、カメラをより多くの光の透過を可能にする低画素密度領域の下方に設置する。
【0029】
例えば、図1Aは表示基板の平面模式図を示し、図1B図1Aに示される表示基板の局所拡大模式図であり、図2図1Bの表示基板のA-A線に沿う断面模式図を示す。図1A図1B、及び図2に示すように、該表示基板の表示領域は光透過表示領域1、遷移表示領域2、及び本体表示領域3を含む。
【0030】
例えば、本体表示領域3は主な表示領域であり、高い解像度(PPI、Pixel Per Inch)を有し、すなわち本体表示領域3内に密度が高い表示用のサブ画素が配置されている。各サブ画素は発光素子及び発光素子を駆動する画素回路を含む。光透過表示領域1は表示基板の表示側から入射する光が表示基板を透過して表示基板の裏側に到達することを可能にし、それにより表示基板の裏側に位置するセンサ等の部材の正常な動作に用いられる。当然ながら、光透過表示領域1は、表示基板の裏側から発する光が表示基板を通過して表示基板の表示側に到達することも可能にする。光透過表示領域1及び遷移表示領域2も表示するための複数のサブ画素を含む。しかし、サブ画素の画素回路は通常、光が透過しないため、光透過表示領域1の光透過性を向上させるために、光透過表示領域1のサブ画素の発光素子と該発光素子を駆動する画素回路を物理的位置から分離させてもよい。例えば、光透過表示領域1のサブ画素(例えば、図1Bの光透過表示領域1内のブロックに示される)の画素回路は、例えば、遷移表示領域2の灰色ブロックに示すように、遷移表示領域2に設置されてもよく、従って、遷移表示領域2の一部の空間を占め、遷移表示領域2の残りの空間は遷移表示領域2のサブ画素を設置することに用いられ、例えば、遷移表示領域2の各白色ブロックは1つのサブ画素を表す。このとき、遷移表示領域2のサブ画素(図1Bの白色ブロック)及び光透過表示領域1のサブ画素の画素回路(図1Bの灰色ブロック)は遷移表示領域2においてアレイ状に配置される。それにより、光透過表示領域1及び遷移表示領域2の解像度は本体表示領域3の解像度より小さく、すなわち光透過表示領域1及び遷移表示領域2内に配置される表示用のサブ画素の密度は本体表示領域3のサブ画素の密度より小さい。
【0031】
図2に示すように、光透過表示領域1の1つのサブ画素の発光素子4は陽極4A、陰極4C、及び陽極4Aと陰極4Cとの間の発光層4Bを含み、陽極4Aは配線6を介して遷移表示領域2の画素回路5に接続される。例えば、画素回路5は薄膜トランジスタ(T)、コンデンサ(C)等の構造を含み、例えば、画素回路5は一般的な2T1C、4T1C、4T2C、7T1C等の画素駆動回路として実現されてもよい。
【0032】
光透過表示領域1の光透過性を向上させるために、上記配線6は通常、透明接続配線であり、又は、配線6の少なくとも光透過表示領域1に位置する部分は透明であり(この場合、配線6の他の部分が非透明であっても、本開示では配線6は透明接続配線であると見なされる)。例えば、透明接続配線は、例えば透明金属酸化物のような透明導電性材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO)等を用いてもよく、それによって高い光透過性を有する。なお、本開示では、「透明」、「光透過」は、一定の光透過率を有すればよく、例えば光透過率が0より大きく、光透過率が100%であることを必要としない。例えば、一般的に、いずれかの構造又は領域等の光透過率が特定の数値(例えば、40%、45%、50%等)より大きいと、該構造又は領域等は「透明」であり、「光が透過できる」と見なされる。
【0033】
実際のプロセスでは、配線6の最小幅は制限され(例えば、1.5μm~2.5μm)であり、複数本の配線6が密集して配置される場合、隣接する配線6の間の最小間隔も制限され(例えば、1.5μm~2.5μm)、それにより、配線6のピッチも制限される(例えば、3μm~5μm)。配線6のピッチが制限されるため、光透過表示領域1のサイズと光透過表示領域1の解像度とは互いに制限される。なお、本開示では、「ピッチ」とは、隣接する同類構造の間の中心距離を指す。
【0034】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供する。該表示基板は、表示するための第1側及び前記第1側とは反対する第2側を有し、且つ第1表示領域、第2表示領域、及び第3表示領域を含む。第1表示領域は第1方向及び第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第1画素繰り返し単位を含み、各第1画素繰り返し単位は第1発光素子を含み、第1表示領域は表示基板の第1側と第2側との間の光の伝送を可能にする光透過領域を含み、第2表示領域は第1方向及び第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第2画素繰り返し単位及び複数の第4画素繰り返し単位を含み、各第2画素繰り返し単位は第2画素回路及び第2発光素子を含み、第2画素回路は第2発光素子に電気的に接続され、各第4画素繰り返し単位は第1画素回路を含み、第3表示領域は第1方向及び第2方向に沿ってアレイ状に配置される複数の第3画素繰り返し単位を含み、各第3画素繰り返し単位は第3画素回路及び第3発光素子を含み、第3画素回路は第3発光素子に電気的に接続され、第3表示領域は第2表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、第2表示領域は第1表示領域を少なくとも部分的に取り囲み、且つ第2表示領域は第1表示領域の第2方向における中心線に対して軸対称であり、各第1画素繰り返し単位は1つの第4画素繰り返し単位に対応し、各第1画素繰り返し単位と対応する第4画素繰り返し単位との中心を結ぶ線は第1方向と略平行であり、各第1画素繰り返し単位の第1発光素子はt本の透明接続配線を介して対応する第4画素繰り返し単位の第1画素回路に電気的に接続され、tは正の整数且つt≧1であり、第1画素繰り返し単位の第2方向におけるピッチはb1であり、第2画素繰り返し単位の第2方向におけるピッチはb1であり、第3画素繰り返し単位の第2方向におけるピッチはb2であり、
【数6】
nは正の整数且つn≧2であり、透明接続配線の第2方向におけるピッチはDであり、第1方向において第1表示領域に含まれる第1画素繰り返し単位の最大数sは、
【数7】
を満たし、Floor( )は切り捨て関数を表す。
【0035】
本開示のいくつかの実施例は、上記表示基板に対応する表示装置をさらに提供する。
【0036】
本開示の実施例に係る表示基板は、透明接続配線の配置を最適化し、第1表示領域の第1発光素子の配置を最適化することができ、それにより、第1表示領域の表示効果を改善するとともに、第1表示領域の光透過性を向上させ、さらにフルスクリーン表示装置の性能を向上させることに有利である。
【0037】
以下、図面を参照して本開示のいくつかの実施例及びその例を詳細に説明する。ここで説明される実施形態は本開示を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本開示を制限するものではないと理解されるべきである。
【0038】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、図3は該表示基板の平面模式図を示す。図3に示すように、該表示基板は、表示するための第1側(すなわち表示側)及び第1側とは反対する第2側(すなわち非表示側)を有する。表示基板は表示領域を含み、表示領域は第1表示領域10(破線のボックスで示される)、第2表示領域20、及び第3表示領域30を含む。
【0039】
例えば、図3に示すように、第3表示領域は第2表示領域20を少なくとも部分的に取り囲み、第2表示領域20は第1表示領域10を少なくとも部分的に取り囲み、且つ第2表示領域20は第1表示領域10の第2方向Yにおける中心線に対して軸対称である。例えば、図3に示すように、第2表示領域20は第1表示領域10の第1方向Xにおける両側に対称に分布し、例えば、第1方向Xと第2方向Yは互いに垂直であり、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。
【0040】
例えば、図3に示すように、第1表示領域10は円形表示領域10A及び円形表示領域10Aを取り囲む環状配線領域10Bを含んでもよい。図3では、環状配線領域10Bは黒色リングで示され、円形表示領域10Aは環状配線領域10B内の白色円形で示される。例えば、第1表示領域10は第1側からの光が少なくとも部分的に第2側に透過することを可能にし、例えば、いくつかの実施例では、少なくとも円形表示領域10Aは第1側からの光が少なくとも部分的に第2側に透過することを可能にし、すなわち、少なくとも円形表示領域10Aは透明表示領域であり、光線は表示基板の表示側から該透明表示領域を通過して非表示側に到達することができ、非表示側には、例えばカメラ、赤外線誘導装置等のセンサが設置されてもよく、センサは非表示側に透過した光線を利用して動作することができる。いくつかの実施例では、表示基板の非表示側のデバイスから発する光が透明表示領域(例えば、円形表示領域10A)を通過して表示基板の表示側に透過するように設定されてもよい。
【0041】
図4図3に示される表示基板の局所拡大模式図である。例えば、図4に示すように、第1表示領域10は第1方向X及び第2方向Yに沿ってアレイ状に配置される複数の第1画素繰り返し単位Q1を含み、第2表示領域20は第1方向X及び第2方向Yに沿ってアレイ状に配置される複数の第2画素繰り返し単位Q2及び複数の第4画素繰り返し単位Q4を含み、第3表示領域30は第1方向X及び第2方向Yに沿ってアレイ状に配置される複数の第3画素繰り返し単位Q3を含む。
【0042】
例えば、第1画素繰り返し単位Q1は第1発光素子を含むが、第1発光素子を駆動するための第1画素回路を含まない。例えば、第1表示領域10には画素回路がなく、第1発光素子を駆動するための第1画素回路は第2表示領域20に設置され、それにより第1表示領域10の金属被覆面積を減少させ、第1表示領域10の光透過率を向上させることができる。
【0043】
例えば、第2画素繰り返し単位Q2は第2画素回路及び第2発光素子を含み、第2画素回路と第2発光素子は電気的に接続され、第2画素回路は第2発光素子を駆動することに用いられる。例えば、いくつかの例では、各画素繰り返し単位Q2の第2画素回路と第2発光素子は一対一で対応している。なお、本開示の実施例は、各画素繰り返し単位Q2に含まれる第2画素回路及び第2発光素子の具体的な数を制限しない。
【0044】
例えば、第3画素繰り返し単位Q3は第3画素回路及び第3発光素子を含み、第3画素回路と第3発光素子は電気的に接続され、第3画素回路は第3発光素子を駆動することに用いられる。例えば、いくつかの例では、各画素繰り返し単位Q3の第3画素回路と第3発光素子は一対一で対応している。なお、本開示の実施例は各画素繰り返し単位Q3に含まれる第3画素回路及び第3発光素子の具体的な数を制限しない。
【0045】
例えば、第4画素繰り返し単位Q4は第1画素回路を含み、第1画素回路は第1発光素子を駆動することに用いられる。例えば、各第1画素繰り返し単位Q1は1つの第4画素繰り返し単位Q4に対応し、各第1画素繰り返し単位Q1と対応する第4画素繰り返し単位Q4との中心を結ぶ線は第1方向Xと略平行であり、すなわち第1方向Xにおける各行の第1画素繰り返し単位Q1の発光素子は第1方向Xにおける同一行の第4画素繰り返し単位の第1画素回路により駆動される。
【0046】
例えば、図4に示すように、各第1画素繰り返し単位Q1の第1発光素子はt本の透明接続配線TLを介して対応する第4画素繰り返し単位Q4の第1画素回路に電気的に接続され、tは正の整数且つt≧1である。例えば、各第1画素繰り返し単位Q1の第1発光素子の数はtであり、対応する第4画素繰り返し単位Q4の第1画素回路の数もtであり、それにより各第1発光素子は1本の透明接続配線TLを介して対応する1つの第1画素回路に電気的に接続される。便利及び簡潔のために、図4では、上記t本の透明接続配線TLは1本の破線で示される。
【0047】
例えば、図4に示すように、第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1は均一に配置され、それにより第1表示領域10は均一な発光及び表示を実現できる。例えば、図4に示すように、第1画素繰り返し単位Q1の第1方向Xにおけるピッチはa1であり、第2方向Yにおけるピッチはb1である。
【0048】
例えば、図4に示すように、第2表示領域20の第2画素繰り返し単位Q2は均一に配置され、それにより第2表示領域20は均一な発光及び表示を実現できる。例えば、図4に示すように、第2画素繰り返し単位Q2の第1方向Xにおけるピッチはa1であり、第2方向Yにおけるピッチはb1であり、すなわち、全体的に、第1画素繰り返し単位Q1及び第2画素繰り返し単位Q2は第1表示領域10及び第2表示領域20において均一に配置され、それにより第1表示領域10及び第2表示領域20全体の均一な発光及び表示を実現できる。
【0049】
例えば、いくつかの例では、図4に示すように、第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4は均一に配置され、それにより配線(透明接続配線TL及び後続のゲート線GLとデータ線DL等を含む)の配置を最適化することができる。例えば、第4画素繰り返し単位Q4の第1方向Xにおけるピッチは第2画素繰り返し単位Q2の第1方向Xにおけるピッチに等しくてもよく、第2方向Yにおけるピッチは第2画素繰り返し単位Q2の第2方向Yにおけるピッチに等しくてもよく、すなわち、第4画素繰り返し単位Q4の第1方向Xにおけるピッチはa1であってもよく、第2方向Yにおけるピッチはb1であってもよい。なお、別のいくつかの例では、第4画素繰り返し単位Q4は第2表示領域20において非均一に配置されてもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0050】
例えば、図4に示すように、第3表示領域30の第3画素繰り返し単位Q3は均一に配置され、それにより第3表示領域30は均一な発光及び表示を実現できる。例えば、図4に示すように、第3画素繰り返し単位Q3の第1方向Xにおけるピッチはa2であり、第2方向Yにおけるピッチはb2である。
【0051】
例えば、
【数8】
mは正の整数且つm≧2であり、
【数9】
nは正の整数且つn≧2である。この場合、第3表示領域30は高い解像度を有するが、第1表示領域10及び第2表示領域20は低い解像度を有する。例えば、図面に示すように、第3表示領域30に比べて、第1表示領域10及び第2表示領域20はある数の画素繰り返し単位(灰色ブロックに示される)を減少させる。図4はm=3且つn=3の状況のみを示すが、本開示の実施例を制限するものではない。
【0052】
例えば、図4に示すように、透明接続配線TLの本体部は第1方向Xと略平行であり、第1方向Xにおける同一行の第1発光素子(第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1に位置する)と第1画素回路(第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4に位置する)を電気的に接続することに用いられる。例えば、透明接続配線TLが密集して配置される場合、透明接続配線TLの本体部の第2方向YにおけるピッチはDであり、すなわち透明接続配線TLの第2方向YにおけるピッチはDであり、例えば、Dの値の範囲は通常、3μm~5μmであり、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。
【0053】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板では、第1方向Xにおいて第1表示領域10に含まれる第1画素繰り返し単位Q1の最大数sは、
【数10】
を満たし、Floor( )は切り捨て関数を表す。それにより、b1、D、tは設計案に基づいて予め決められる場合、該表示基板の第1表示領域10の許容サイズは上記式に基づいて確定できる。例えば、いくつかの実施例では、第1方向Xにおいて第1表示領域10に含まれる第1画素繰り返し単位Q1の数は2*Floor(b1/(D*t))であり、それにより、第1表示領域10の第1方向Xにおけるサイズは許容される最大値であり、この場合、下記円形表示領域10Aは最大の面積を有することができる。
【0054】
例えば、第1表示領域10の第1方向XにおけるサイズL1は、
【数11】
をおおよそ満たす。それにより、第1表示領域10の第1方向XにおけるサイズL1の最大値はおおよそ
【数12】
である。
【0055】
例えば、第1表示領域10の第2方向Yにおけるサイズは第1表示領域10の第1方向XにおけるサイズL1にほぼ等しく、すなわち、第1表示領域10の形状はおおよそ正方形であり、それにより、円形表示領域10Aができる限り大きい面積を有する場合、第1表示領域10の面積が大きすぎないようにする。
【0056】
例えば、図4に示すように、第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1は、左右半分の制御方式を用いてもよく、第1表示領域10の第2方向Yにおける中心線に対して軸対称である第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4によりそれぞれ制御される。例えば、図4に示すように、第1表示領域10の左半領域の第1画素繰り返し単位Q1は、第1表示領域10の左側の第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4により制御され、第1表示領域10の右半領域の第1画素繰り返し単位Q1は、第1表示領域10の右側の第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4により制御される。例えば、図4に示すように、第1表示領域10は、円形表示領域10A(灰色円形で示される)及び円形表示領域10Aを取り囲む環状配線領域10Bを含む。例えば、図4に示すように、円形表示領域10Aの第1発光素子を駆動するための配線は密集して配置されるように環状配線領域10Bに配置され、円形表示領域10Aにできる限り大きい面積を有させることができる。
【0057】
図5Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る第1画素繰り返し単位の平面模式図である。例えば、図5Aに示すように、各第1画素繰り返し単位01は、GGRB画素配列方式で配列される8つの第1発光素子を含み、対応して、各第4画素繰り返し単位は、上記8つの第1発光素子を対応して駆動するための8つの第1画素回路を含む。各第1発光素子は1本の透明接続配線TLを介して1つの第1画素回路に接続され、それにより、t=8である。
【0058】
例えば、図5Aに示すように、各第1画素繰り返し単位01は2セットの第1発光素子を含み、各セットの第1発光素子は1つの赤色発光素子R、2つの緑色発光素子G、及び1つの青色発光素子Bを含む。例えば、各セットの第1発光素子では、赤色発光素子Rと一方の緑色発光素子Gは1本のゲート線を共有してもよく、青色発光素子Bと他方の緑色発光素子Gも1本のゲート線を共有してもよく、それにより、図5Aに示される第1画素繰り返し単位01に対応するゲート線の本数はx=4であり、例えば、各セットの第1発光素子では、赤色発光素子Rと青色発光素子Bは1本のデータ線を共有してもよく、2つの緑色発光素子Gも1本のデータ線を共有してもよく、それにより、図5Aに示される第1画素繰り返し単位01に対応するデータ線の本数はy=4である。
【0059】
図5Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る別の第1画素繰り返し単位の平面模式図である。例えば、図5Bに示すように、各第1画素繰り返し単位01はRGB画素配列方式で配列される12個の第1発光素子を含み、対応して、各第4画素繰り返し単位は上記12個の第1発光素子を対応して駆動するための12個の第1画素回路を含む。各第1発光素子は1本の透明接続配線TLを介して1つの第1画素回路に接続され、それにより、t=12である。
【0060】
例えば、図5Bに示すように、各第1画素繰り返し単位01の12個の第1発光素子は4つの赤色発光素子R、4つの緑色発光素子G、及び4つの青色発光素子Bを含む。例えば、図5Bに示すように、各第1画素繰り返し単位01の12個の第1発光素子は2行6列に配列される。例えば、各行の6つの第1発光素子は1本のゲート線を共有してもよく、それにより、図5Bに示される第1画素繰り返し単位01に対応するゲート線の本数はx=2であり、例えば、各列の2つの第1発光素子は1本のデータ線を共有してもよく、それにより、図5Bに示される第1画素繰り返し単位01に対応するデータ線の本数はy=6である。
【0061】
なお、図5A及び図5Bに示される第1画素繰り返し単位はいずれも例示的なものであり、本開示の実施例は第1画素繰り返し単位の具体的な構造(すなわち第1画素繰り返し単位に含まれる第1発光素子の種類、数及び配置方式等)を制限しない。
【0062】
例えば、第4画素繰り返し単位の第1画素回路は一般的な2T1C、4T1C、4T2C、7T1C等の画素駆動回路を用いてもよいが、これらに限定されない。本開示の実施例は第1画素回路の具体的な構造を制限しない。
【0063】
なお、本開示の実施例は第2画素繰り返し単位の具体的な構造(すなわち第2画素回路の具体的な構造及び第2発光素子の種類、数、及び配置方式等)を制限せず、同様に、本開示の実施例は第3画素繰り返し単位の具体的な構造(すなわち第3画素回路の具体的な構造及び第3発光素子の種類、数及び配置方式等)も制限しない。また、設計を簡略化及び製造を容易にするために、第1画素繰り返し単位の第1発光素子の種類、数及び配置方式等は、第2画素繰り返し単位の第2発光素子及び第3画素繰り返し単位の第3発光素子と同じであってもよく、第4画素繰り返し単位の第1画素回路の具体的な構造は第2画素繰り返し単位の第2画素回路及び第3画素繰り返し単位の第3画素回路と同じであってもよい。
【0064】
例えば、図4に示すように、第1方向Xにおける各行の第1画素繰り返し単位Q1の第1発光素子を駆動するためのゲート線GLは、第1方向Xにおける同一行の対応する第4画素繰り返し単位Q4の第1画素回路に電気的に接続され、ゲート線GLの少なくとも一部分は第1方向Xに沿って延伸し、ゲート線GLの少なくとも他の部分は環状配線領域に位置し、ゲート線GLは円形表示領域10Aを貫通しない。ゲート線GLの少なくとも他の部分を環状配線領域に配置することにより、ゲート線GLが円形表示領域10Aをバイパスし、円形表示領域10Aの光透過性を向上させることができる。例えば、上記ゲート線GLはさらに、第1方向Xにおける同一行の第2画素繰り返し単位の第2画素回路及び第3画素繰り返し単位の第3画素回路に電気的に接続されてもよい。例えば、上記ゲート線GLは各画素回路(例えば、第1画素回路~第3画素回路)に駆動制御信号を提供することに用いられ、例えば、前記駆動制御信号は、リセット制御信号、走査信号、発光制御信号等を含むが、これらに限定されず、対応して、ゲート線GLは、リセット制御線、走査信号線(通常、「ゲート線」とも呼ばれる)、発光制御線等を含むが、これらに限定されない。
【0065】
例えば、第2方向Yにおける各列の第1画素繰り返し単位Q1の第1発光素子を駆動するためのデータ線DLは、第2方向Yにおけるある列の第4画素繰り返し単位Q4の対応する第1画素回路に電気的に接続され、データ線DLの少なくとも一部分は第2方向Yに沿って延伸し、データ線DLの少なくとも他の部分は環状配線領域10Bに位置し、データ線DLは円形表示領域10Aを貫通しない。データ線DLの少なくとも他の部分を環状配線領域に配置することにより、データ線DLが円形表示領域10Aをバイパスし、円形表示領域10Aの光透過性を向上させることができる。例えば、上記データ線GLはさらに、第2方向Yにおいて該各列の第1画素繰り返し単位Q1と同一列の第3画素繰り返し単位の第3画素回路に電気的に接続されてもよく、また例えば、いくつかの例では、第2表示領域20は第1表示領域10を完全に囲み、この場合、上記データ線GLはさらに、第2方向Yにおいて該各列の第1画素繰り返し単位Q1と同一列の第2画素繰り返し単位の第2画素回路に電気的に接続される。例えば、上記データ線DLは各画素回路(例えば、第1画素回路~第3画素回路)にデータ信号を提供することに用いられ、さらに各発光素子(例えば、第1発光素子~第3発光素子)の発光輝度を制御する。
【0066】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板では、ゲート線GLとデータ線DLは異なる層に位置してもよい。
【0067】
例えば、いくつかの実施例では、各第3画素繰り返し単位Q3に対応するゲート線の数は各第1画素繰り返し単位Q1に対応するゲート線の数と同じであり、各第1画素繰り返し単位Q1に対応するゲート線GLの本数はxであり、ゲート線GLが環状配線領域10Bに密集して配置される場合のピッチはc1であり、例えば、c1の値は通常、3μm程度であってもよく、環状配線領域10Bのゲート線GLの半径方向幅の合計R1はおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2であり、Floor(L1/b2)は第1表示領域10の第2方向Yにおけるサイズに対応する第3画素繰り返し単位Q3の最大数を表す。なお、図4に示すように、第1表示領域10の円形表示領域10Aをバイパスする(すなわち貫通しない)必要があるゲート線GLについて、半分のゲート線GLは環状配線領域10Bの上半分を迂回して円形表示領域10Aをバイパスしてもよく、他の半分のゲート線GLは環状配線領域10Bの下半分を迂回して円形表示領域10Aをバイパスしてもよい。
【0068】
例えば、いくつかの実施例では、各第1画素繰り返し単位Q1に対応するデータ線DLの本数はyであり、データ線DLが環状配線領域10Bに密集して配置される場合のピッチはc2であり、例えば、c2の値は通常、4μm程度であってもよく、第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1が左右半分の制御方式を用いるため、環状配線領域10Bのデータ線DLの半径方向幅の合計R2はおおよそy*c2*s/2である。なお、図4に示すように、第1表示領域10に対応するデータ線DLについて、半分のデータ線DLは環状配線領域10Bの左半分を迂回して円形表示領域10Aをバイパスし、最終的に第1表示領域10の左側の第2表示領域20の第1画素回路に電気的に接続されてもよく、他の半分のデータ線DLは環状配線領域10Bの右半分を迂回して円形表示領域10Aをバイパスし、最終的に第1表示領域10の右側の第2表示領域20の第1画素回路に電気的に接続されてもよい。
【0069】
例えば、いくつかの実施例では、図4に示すように、環状配線領域10Bにおけるゲート線GLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影は、環状配線領域10Bにおけるデータ線DLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影と重ならず、それにより、寄生容量を減少させることができる。この場合、環状配線領域10Bの半径方向幅Rはおおよそx*c1*Floor(L1/b2)/2+y*c2*s/2であり、円形表示領域10Aの直径はおおよそs*a1-x*c1*Floor(L1/b2)-y*c2*s/2であり、上記円形表示領域10Aの直径はこの場合で円形表示領域10Aの許容される最大径である。
【0070】
例えば、別のいくつかの実施例では、環状配線領域10Bにおけるゲート線GLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影は、環状配線領域10Bにおけるデータ線DLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影と少なくとも部分的に重なる。この場合、環状配線領域10Bの半径方向幅Rはおおよそmax(x*c1*Floor(L1/b2)/2、y*c2*s/2)であり、円形表示領域10Aの直径はおおよそs*a1-max(x*c1*Floor(L1/b2)、y*c2*s)であり、上記円形表示領域10Aの直径はこの場合で円形表示領域10Aの許容される最大径である。
【0071】
例えば、いくつかの実施例では、設計を簡略化及び製造を容易にするために、a1=b1にしてもよく、それにより、環状配線領域10Bにおけるゲート線GLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影は、環状配線領域10Bにおけるデータ線DLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影と重ならない場合、環状配線領域10Bの半径方向幅Rはおおよそ(x*c1*n+y*c2)*s/2であり、円形表示領域10Aの直径はおおよそ(a1-x*c1*n-y*c2)*sであり、環状配線領域10Bにおけるゲート線GLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影は、環状配線領域10Bにおけるデータ線DLの円周方向に沿って延伸している本体部の表示基板上での正投影と少なくとも部分的に重なる場合、環状配線領域10Bの半径方向幅Rはおおよそmax(x*c1*n、y*c2)*s/2であり、円形表示領域10Aの直径はおおよそ(a1-max(x*c1*n、y*c2))*sである。
【0072】
例えば、いくつかの実施例では、第2表示領域20の第1方向XにおけるサイズL2は、
【数13】
をおおよそ満たす。例えば、図4に示すように、第2表示領域20の第2画素繰り返し単位Q2の列数は、第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1の列数よりも2列多く、この多くの2列の第2画素繰り返し単位Q2はそれぞれ第1表示領域10の左右両側の第2表示領域20に位置し、且つ第1表示領域10から離れる。例えば、第3表示領域30(高解像度を有する)と第2表示領域20(低解像度を有する)の境界発光アルゴリズムの差異を考慮すると、この多くの2列の第2画素繰り返し単位Q2は上記差異による影響の対処に使用される。例えば、図4に示すように、第2表示領域20の第4画素繰り返し単位Q4の列数は、第1表示領域10の第1画素繰り返し単位Q1の列数よりも2列多く、この多くの2列の第4画素繰り返し単位Q4はそれぞれ第1表示領域10の左右両側の第2表示領域20に位置し、且つ第1表示領域10から離れる。例えば、この多くの2列の第4画素繰り返し単位Q4は使用に備えてもよい。
【0073】
例えば、いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、第2表示領域20の第2方向Yにおけるサイズは、第1表示領域10の第2方向20におけるサイズにほぼ等しい。例えば、別のいくつかの実施例では、第2表示領域20の第2方向Yにおけるサイズは、第1表示領域10の第2方向Yにおけるサイズよりもやや大きくてもよく、この場合、第2表示領域20は第1表示領域10を完全に取り囲むことができる。例えば、第2表示領域20の第2方向Yにおけるサイズと第1表示領域10の第2方向Yにおけるサイズとの差は4b1にほぼ等しく、すなわち、第1表示領域10の上側及び下側にそれぞれ2行の第2画素繰り返し単位Q2があり、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。以上のように、本開示の実施例に係る表示基板は、円形表示領域10Aの面積ができる限り大きい場合で第1表示領域10及び第2表示領域20のサイズを合理的に確定することができる。なお、実際の応用では、環状配線領域10B以外の第1表示領域10の領域を第2表示領域20と一致するように設計又は製造してもよく、この場合、円形表示領域10Aを唯一の光透過表示領域としてもよい。すなわち、図4の実施例における円形表示領域10Aを有効な第1表示領域と見なし、図4の実施例における円形表示領域10A以外の第1表示領域を第2表示領域の一部と見なすようにしてもよい。
【0074】
例えば、いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る表示基板の局所断面構造図は図2に示される。例えば、本開示の実施例に係る表示基板の発光素子(例えば、第1発光素子~第3発光素子)の構造はいずれも図2の発光素子4を参照できる。例えば、本開示の実施例に係る表示基板では、各発光素子は、陽極、陰極、及び陽極と陰極との間の発光層を含む。例えば、いくつかの例では、陽極はITO/Ag/ITOの三層構造等を含んでもよく、本開示の実施例は陽極の具体的な構造を制限しない。例えば、陰極は一層全体にわたって共通陰極として形成されてもよく、例えば、共通陰極の材料は、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等の金属材料を含んでもよい。例えば、共通陰極は非常に薄い一層を形成できるため、共通陰極は高い光透過性を有する。
【0075】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板は有機発光ダイオード(OLED)表示基板又は量子ドット発光ダイオード(QLED)表示基板等であってもよく、本開示の実施例は表示基板の具体的な種類を制限しない。
【0076】
例えば、表示基板が有機発光ダイオード表示基板である場合、発光層は小分子有機材料又はポリマー分子有機材料を含んでもよく、蛍光発光材料又はリン光発光材料であってもよく、赤色光、緑色光、青色光を発することができ、又は白色光を発することができる。且つ、実際の異なる需要に応じて、異なる例では、発光層は電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層等の機能層をさらに含んでもよい。
【0077】
例えば、表示基板が量子ドット発光ダイオード(QLED)表示基板である場合、発光層は、量子ドット材料、例えば、シリコン量子ドット、ゲルマニウム量子ドット、硫化カドミウム量子ドット、セレン化カドミウム量子ドット、テルル化カドミウム量子ドット、セレン化亜鉛量子ドット、硫化鉛量子ドット、セレン化鉛量子ドット、リン化インジウム量子ドット及びヒ化インジウム量子ドット等を含んでもよく、量子ドットの粒径は、例えば2~20nmである。
【0078】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板の画素回路(例えば、第1画素回路~第3画素回路)の構造はいずれも図2の画素回路5を参照できる。例えば、本開示の実施例に係る表示基板では、各画素回路は薄膜トランジスタ(T)、コンデンサ(C)等の構造を含む。例えば、薄膜トランジスタは活性層、ゲート及びソースドレイン電極(ソース及びドレインは、図2のソースドレイン電極7に示される)を含む。
【0079】
例えば、いくつかの実施例では、図2に示すように、該表示基板は、陽極層、ソースドレイン電極層、及び陽極層とソースドレイン電極層との間に位置する透明接続配線層を含み、第1発光素子の陽極(図2の陽極4Aに示される)は陽極層に位置し、透明接続配線(図2の配線6に示される)は透明接続配線層に位置し、薄膜トランジスタのソース及びドレインの少なくとも一方(図2のソースドレイン電極7に示される)はソースドレイン金属層に位置し、且つ第1発光素子の陽極は、透明接続配線を介して薄膜トランジスタのソース及び前記ドレインの少なくとも一方に電気的に接続される。理解されるように、陽極層と透明接続配線層との間及びソースドレイン電極層と透明接続配線層との間には、通常、絶縁層が設置され、且つ絶縁層には通常、電気的接続を形成するためのビアホールが設置される。
【0080】
例えば、いくつかの実施例では、第1表示領域の光透過性を向上させるために、第1発光素子の陽極は透明電極であってもよく、第1発光素子の陽極は透明接続配線を介して第2表示領域の第1画素回路に電気的に接続される。なお、本開示の実施例では、透明接続配線の光透過表示領域1に位置する部分のみが透明であることを必要とし、例えば、透明接続配線は、例えば透明金属酸化物のような透明導電性材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO)等を用いてもよく、それによって高い光透過性を有する。
【0081】
本開示の実施例に係る表示基板は、透明接続配線の配置を最適化し、第1表示領域の第1発光素子の配置を最適化することができ、それにより、第1表示領域の表示効果を改善するとともに、第1表示領域の光透過性を向上させ、さらにフルスクリーン表示装置の性能を向上させることに有利である。
【0082】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示装置をさらに提供する。図6は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の模式的なブロック図である。例えば、図6に示すように、該表示装置100は表示基板110を含み、表示基板110は本開示の任意の実施例に係る表示基板、例えば、図3又は図4に示される表示基板である。該表示装置100は、表示機能を有する任意の電子装置、例えばスマートフォン、ノートパソコン、タブレットパソコン、テレビ等であってもよい。例えば、表示装置100がスマートフォン又はタブレットパソコンである場合、該スマートフォン又はタブレットパソコンはフルスクリーンの設計を有し、すなわち、第3表示領域30を取り囲む周辺領域がない。且つ、該スマートフォン又はタブレットパソコンは画面内センサ(例えばカメラ、赤外線センサ等)をさらに有し、画像撮影、距離感知、光強度感知等の操作を行うことができる。
【0083】
なお、該表示基板110及び表示装置100の他の構成部分(例えば、画像データ符号化/復号装置、クロック回路等)は任意の適用な部材を用いてもよく、これらは当業者によって理解されるべきであるものであり、ここで詳細な説明を省略し、本開示の実施例を制限するものとされるべきではない。
【0084】
図7は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置の断面模式図である。例えば、図7に示すように、該表示装置100は表示基板110を含み、表示基板110は本開示の任意の実施例に係る表示基板、例えば、図3又は図4に示される表示基板である。例えば、該表示装置100はセンサ120をさらに含む。
【0085】
例えば、図7に示すように、該表示基板110は表示するための第1側F1及び第1側F1とは反対する第2側F2を含む。すなわち、第1側F1は表示側であり、第2側F2は非表示側である。表示基板110は、第1側F1で表示操作を実行するように構成され、すなわち、表示基板110の第1側F1は表示基板110の出光側であり、第1側F1はユーザーに向かう。第1側F1と第2側F2は表示基板110の表示面の法線方向において反対している。
【0086】
例えば、図7に示すように、センサ120は表示基板110の第2側F2に設置され、且つセンサ120は第1側F1からの光を受けるように構成される。例えば、センサ120と第1表示領域10は表示基板110の表示面の法線方向(例えば、表示基板110と垂直な方向)において重ね合わせ、センサ120は第1表示領域10を通過する光信号を受信して処理することができ、該光信号は可視光、赤外光等であってもよい。例えば、第1表示領域10は第1側F1からの光が少なくとも部分的に第2側F2に透過することを可能にする。例えば、第1表示領域10に画素回路が設置されておらず、この場合、第1表示領域11の光透過率を向上させることができる。例えば、いくつかの例では、センサ120と第1表示領域10の円形表示領域10Aは表示基板110の表示面の法線方向(例えば、表示基板110と垂直な方向)において重ね合わせ、この場合、円形表示領域10Aを有効な第1表示領域と見なすことができる。
【0087】
例えば、センサ120の表示基板上での正投影は第1表示領域10と少なくとも部分的に重なる。例えば、いくつかの例では、直下型設置形態を用いる場合、センサ120の表示基板110上での正投影は第1表示領域10内に位置する。例えば、別のいくつかの例では、他の導光素子(例えば導光板、導光管等)を用いて光線を側面からセンサ320に入射させる場合、センサ120の表示基板110上での正投影は第1表示領域10と部分的に重なる。このとき、光線が横方向にセンサ120に伝播できるため、センサ120が第1表示領域10に対応する位置に完全に位置する必要がない。
【0088】
例えば、第1画素回路を第2表示領域20に設置し、且つセンサ120と第1表示領域10を表示基板110の表示面の法線方向において重ね合わせることによって、第1表示領域10の素子による、第1表示領域10に入射してセンサ120に照射する光信号に対する遮蔽を減少させることができ、それにより、センサ120から出力される画像の信号対雑音比を向上させることができる。例えば、第1表示領域10は、表示基板110の低解像度領域の高光透過領域と呼ばれてもよい(第2表示領域20は表示基板110の低解像度領域の低光透過領域又は非光透過領域と呼ばれてもよい)。
【0089】
例えば、センサ120は、画像センサであってもよく、センサ120の集光面が面する外部環境の画像を収集することができ、例えば、CMOS画像センサ又はCCD画像センサであってもよい。該センサ120はさらに、赤外線センサ、距離センサ等であってもよい。例えば、該表示装置100が例えば携帯電話、ノートパソコン等の移動端末である場合、該センサ120は、例えば、携帯電話、ノートパソコン等の移動端末のカメラとして実現でき、且つ需要に応じて、例えばレンズ、反射鏡又は光導波路等の光学デバイスを含んでもよく、それによって光路を変調させる。例えば、該センサ120はアレイ状に配置される感光画素を含んでもよい。例えば、各感光画素は感光検出器(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ)及びスイッチトランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ)を含んでもよい。例えば、フォトダイオードは、照射された光信号を電気信号に変換することができ、スイッチトランジスタは、フォトダイオードに電気的に接続され、フォトダイオードが光信号を収集する状態にあるか否か及び光信号を収集する時間を制御することができる。
【0090】
いくつかの例では、第1表示領域10において、第1発光素子の陽極のみが非光透過のものであるようにしてもよく、すなわち、第1発光素子を駆動するための配線は第1表示領域11をバイパスし、又は透明配線として設置される。この場合、第1表示領域11の光透過率をさらに向上させることができるだけでなく、第1表示領域10の各素子による回折を低減させることもできる。例えば、別のいくつかの例では、第1発光素子の陽極はさらに透明電極として設置されてもよい。
【0091】
なお、本開示の実施例では、表示装置100はより多くの部材及び構造を含んでもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。該表示装置100の技術的効果及び詳細な説明については、上記の表示基板についての説明を参照すればよく、ここで詳細な説明を省略する。
【0092】
本開示に対して、さらに以下の点を説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に関する構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
(2)明確にするために、本発明の実施例を説明するための図面では、層又は構造の厚さ及びサイズは拡大される。理解できるように、層、膜、領域又は基板などの素子が別の素子の「上」又は「下」に位置すると記載された場合、該素子は別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子が存在してもよい。
(3)矛盾しない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて新しい実施例を得ることができる。
【0093】
以上は、本開示の実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はそれに限定されない。本開示の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】