(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】多機能分子エネルギー装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/12 20060101AFI20230630BHJP
B01J 19/12 20060101ALI20230630BHJP
B01D 53/38 20060101ALI20230630BHJP
B01D 53/74 20060101ALI20230630BHJP
C02F 1/30 20230101ALI20230630BHJP
A61L 11/00 20060101ALI20230630BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20230630BHJP
B09B 3/50 20220101ALI20230630BHJP
【FI】
A61L2/12
B01J19/12 A ZAB
B01D53/38
B01D53/74
C02F1/30
A61L11/00
A61L2/24
B09B3/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022567289
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2021030584
(87)【国際公開番号】W WO2021226030
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522430305
【氏名又は名称】ウィックス ジョージ
(71)【出願人】
【識別番号】517194944
【氏名又は名称】アプライド リサーチ センター, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィックス ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C058
4D002
4D004
4D037
4G075
【Fターム(参考)】
4C058AA27
4C058BB06
4C058DD13
4C058KK04
4D002AA00
4D002AC10
4D002BA09
4D002CA20
4D002GA03
4D002GB20
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4D037AA02
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4G075AA03
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4G075AA23
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4G075AA65
4G075BA05
4G075CA02
4G075CA26
4G075DA01
4G075DA02
4G075EA05
4G075EA06
4G075EB01
4G075EB31
(57)【要約】
再利用やリサイクルを目的として物質を消毒かつ/又は滅菌し、さらに廃棄物及び成分を分解するように構成された固体廃棄物処理モジュール、移動液体流を処理するように構成された液体廃棄物処理モジュール、又は外部供給源からのガス流又は他のモジュールから発生するオフガスを処理するように構成された気体廃棄物処理モジュールのうちの少なくとも1つを備える処理装置が提供される。固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール、及び気体廃棄物処理モジュールは、ハイブリッドマイクロ波と組み合わせて互いに別々に、又は選択的に相互接続して使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用やリサイクルを目的として物質を消毒かつ/又は滅菌し、さらに廃棄物及び成分を分解するように構成された固体廃棄物処理モジュール、
移動液体流を処理するように構成された液体廃棄物処理モジュール、又は
外部供給源からのガス流又は他の前記モジュールから発生するオフガスを処理するように構成された気体廃棄物処理モジュールのうちの少なくとも1つを備える処理装置であって、
前記固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール、及び気体廃棄物処理モジュールは、ハイブリッドマイクロ波と組み合わせて互いに別々に、又は選択的に相互接続して使用される、処理装置。
【請求項2】
太陽光、風力、地熱、水力、及び/又は有機廃棄物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも前記ハイブリッドマイクロ波に電力を供給する代替電源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
直列かつ/又は並列に、請求項1に記載の少なくとも1つの他の装置と結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ランプアップ/ランプダウン時間の調整、放射線及び/又は熱強度適用プロファイルの必要に応じて互いに連動させての実行、かつ/又は、本装置の浸漬サイクルのパフォーマンスの制御、に適合した、ソフトウェアでプログラムされた少なくとも1つのコントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラが、前記ハイブリッドマイクロ波に対して遠隔配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
標準又は代替の電源を使用する包括的なモジュール式処理装置であり、
i)ユーザが、前記装置稼働中に放射線、熱、オフガス及び/又は他の潜在的に有害な物質若しくは影響から隔離されており、及び、
ii)複数の形態の物質は、同一のハイブリッドマイクロ波で、必要に応じて同時に処理されており、
a)固体、及び/又は、
b)流動液体、及び/又は、
c)a)及び/又はb)由来のオフガスを含む気体、を包含するモジュール式処理装置。
【請求項7】
金属、複合材料、セラミック、ガラス、ポリマー及び他のすべての種類の固体を処理するように構成されたハイブリッドマイクロ波を備える、固体を処理する処理装置であって、
前記装置ではハイブリダイゼーションにより、物質を急速加熱することができるだけでなく、通常従来型のマイクロ波とは十分に反応しない固体を、最初に少なくとも1つのサセプタを使用することによって処理できるようにしており、前記少なくとも1つのサセプタは、前記物質をより高い温度まで放射加熱し、その後前記物質は前記マイクロ波エネルギーと結合し得、
また前記少なくとも1つのサセプタは、加熱工程を開始してすべての種類の固体を使用できるようにするために、前記被処理物質を取り囲むボックスの壁内に組み込まれている、処理装置。
【請求項8】
ハイブリッドマイクロ波と、
前記マイクロ波の内部への入口及び前記内部からの出口として作用する、特別に構成された一対のポートと、
前記特別に構成されたポートを直接通過するか、又は前記装置内のコイルにすることもできる管であって、前記管の直径及びループの数を使用して、前記被処理液体の滞留時間をさらに制御することができる、管と、
必要に応じて、前記マイクロ波装置に流出入する流量を制御し、監視し、かつ再循環させることができるようにする外部ポンプシステムと、を備える、流動液体を処理する処理装置。
【請求項9】
オフガスが通過する層の形態の、又は管/配管内の、若しくはレトルト内のサセプタ素材を備え、前記サセプタは、マイクロ波と気体分子との直接結合及び生じ得る「マイクロ波効果」に加えて、オフガスを洗浄/処理するために電磁エネルギーを吸収して前記電磁エネルギーを熱に変換しており、また
前記オフガス処理は、前記ハイブリッドマイクロ波装置の上部の内側領域で必要に応じて行われる、オフガスを処理する処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の前記処理装置に被処理水を通過させるステップを含む、浄水及び/又は水処理を行う方法。
【請求項11】
請求項1に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項12】
請求項6に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項13】
請求項7に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項14】
請求項8に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項15】
請求項9に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項16】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項17】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項18】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項19】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項20】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項21】
再利用及びリサイクルを目的として医療素材及び医療機器を除染するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項23】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項24】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項25】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項26】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項27】
前記廃棄物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項28】
前記廃棄物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項29】
前記廃棄物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項30】
前記廃棄物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項31】
前記廃棄物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者:George G.WICKS
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年5月6日に出願された米国仮特許出願第63/020,632号、及び2020年10月21日に出願された米国特許出願第17/076,473号のPCT第8条に基づく優先権の利益を主張するものであり、その開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、物質処理及び/又は廃棄産業に関し、より詳細には、物質処理を提供する装置及び方法に関するが、これらに限定されない。これには、潜在的に有害な固体、液体及び気体、並びにこれらの作用範囲内の装置及び構成要素の消毒、並びに/又は滅菌、及び/若しくは分解が含まれる。
【背景技術】
【0004】
1990年代後半及び2000年代前半に、様々な廃棄物のレメディエーションを行うために、物質のハイブリッドマイクロ波処理について研究が行われた。この初期の研究は、サウスカロライナ州エイケンのサバンナリバー国立研究所(Savannah National River Laboratory:SRNL)及びフロリダ州ゲインズビルのフロリダ大学からなるチームによって行われた。
【0005】
しかしながら、これらの取組みは技術の探求にすぎず、廃棄物処理分野において実用的又は実施可能な解決策若しくは製品をもたらすものではなかった。
【0006】
当該分野における従前の研究は、Schulzらによる米国特許第6,534,754号明細書、Wicksらによる米国特許第6,420,457号明細書、Fliermansらによる米国特許第6,407,144号明細書、Wicksらによる米国特許第6,262,405号明細書、Wicksらによる米国特許第5,968,400号明細書、Wicksらによる米国特許第5,843,287号明細書、及びWicksによる米国特許第5,891,011号明細書によって代表される。
【発明の概要】
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール、又は気体廃棄物処理モジュールのうちの少なくとも1つを備える処理装置が提供され、固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール及び気体廃棄物処理モジュールは、一体型装置の一部として互いに別々に、又は選択的に相互接続して使用され得る。
【0008】
本発明の一実施形態では、本装置は、太陽光、風力、地熱、水力、及び/又は有機廃棄物のうちの少なくとも1つを含む、少なくともハイブリッドマイクロ波に電力を供給する代替電源をさらに備える。これにより、常時電力を利用できるとは限らない、多くの第三世界諸国を含む諸地域において、とりわけ国家の枠を超えて独自の応用が可能になる。
【0009】
本発明の一実施形態では、本装置は、装置の少なくとも1つの他のものと直列かつ/又は並列に結合されている。
【0010】
本発明の一実施形態では、本装置は、ランプアップ/ランプダウン時間を調整し、放射線及び/又は熱強度適用プロファイルを(必要に応じて互いに連動させて)実行し、かつ/又は本発明の一実施形態においては浸漬サイクルのパフォーマンスを制御するように適合された、ソフトウェアでプログラムされた少なくとも1つのコントローラをさらに備える。
【0011】
本発明の一実施形態では、コントローラは、ハイブリッドマイクロ波に対して遠隔配置されている。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、標準又は代替の電源を使用する包括的なモジュール式処理装置が提供され、i)本装置ではユーザは、装置稼働中に放射線、熱、オフガス及び/又は他の潜在的に有害な物質若しくは影響から隔離されており、またii)本装置では、a)固体、及び/又はb)流動液体、及び/又はc)a)及び/又はb)由来のオフガスを含む気体を包含する複数の形態の物質は、同一のハイブリッドマイクロ波装置で、必要に応じて同時に処理され得る。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、金属、複合材料、セラミック、ガラス、ポリマー及び他のすべての種類の固体を処理するように構成されたハイブリッドマイクロ波を備える、固体を処理する処理装置が提供され、本装置ではハイブリダイゼーションにより、通常従来型のマイクロ波とは十分に反応しない固体を、最初に少なくとも1つのサセプタを使用することによって処理できるようにしており、この少なくとも1つのサセプタは、物質をより高い温度まで放射加熱し、その後当該物質はマイクロ波エネルギーと結合し得、また少なくとも1つのサセプタは、加熱工程を開始してすべての種類の固体を使用できるようにするために、被処理物質を取り囲む「ボックス」の壁内に組み込まれている。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、流動液体を処理する処理装置が提供され、本装置は、ハイブリッドマイクロ波と、マイクロ波の内部への入口及び内部からの出口として作用する、特別に構成された一対のポートと、マイクロ波漏れを防止するように、当該特別に構成されたポートを直接通過するか、又は装置内のコイルにすることもできる管であって、管の直径及びループの数を使用して、被処理液体の滞留時間をさらに制御することができる、管と、必要に応じて、マイクロ波装置に流出入する流量を制御し、監視し、かつ再循環させることができるようにする外部ポンプシステムと、を備える。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、ハイブリッドマイクロ波由来のオフガスを処理する処理装置が提供され、本装置は、オフガスが通過する層の形態の、又は管/配管内の、若しくはレトルト内のサセプタ素材を備え、本装置においてサセプタは、マイクロ波と気体分子との直接結合及び生じ得る「マイクロ波効果」に加えて、オフガスを洗浄/処理するために電磁エネルギーを吸収してこれを熱に変換しており、またオフガス処理は、ハイブリッドマイクロ波装置の上部の内側領域で必要に応じて行われる。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、浄水及び/又は水処理を行う方法が提供される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、物質を再生利用する方法が提供される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法が提供される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、潜在的に有害な細菌、ウイルスなどを含む個人用防護具(personal protective equipment:PPE)などの材料を除染し、これにより、PPEの汚染除去と、安全なリサイクル及び再利用とを可能にする除染方法が提供される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、医薬品及び/又は違法薬物を処分する方法が提供される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様によれば、廃棄物量を削減する方法が提供される。
【0022】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載の方法及び物質と類似又は同等の方法及び物質を、本発明の実施形態を実践又は試験する際に使用することができるが、例示的な方法及び/又は物質を以下に述べている。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先される。加えて、これらの物質、方法及び実施例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0023】
本発明の実施形態の方法及び/又は装置を実行することは、選択されたタスクを手動で、自動的に、又はこれらを組み合わせて実行又は完了することを含み得る。さらに、本発明の方法及び/又は装置の実施形態の実際の計装化及び装備によれば、いくつかの選択されたタスクは、オペレーティングシステムを使用してハードウェア、ソフトウェア若しくはファームウェア、又はこれらの組合せによって実行され得る。
【0024】
例えば、本発明の実施形態により選択されたタスクを実行するハードウェアは、チップ又は回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが任意の適切なオペレーティングシステムを使用して実行する複数のソフトウェア命令として実装され得る。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法及び/又は装置の例示的な実施形態による1つ又は複数のタスクは、複数の命令を実行するコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。必要に応じて、データプロセッサは、命令及び/若しくはデータを記憶するための揮発性メモリ、並びに/又は命令及び/若しくはデータを記憶するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク及び/若しくはリムーバブルメディア)を含む。必要に応じて、ネットワーク接続も設けられる。ディスプレイ及び/又はキーボード若しくはマウスなどのユーザ入力装置もまた、必要に応じて設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面及び画像を参照して、単なる例示として本明細書に記載されている。ここで図面を具体的かつ詳細に参照すると、示されている詳細が例示としてのものであり、また必ずしも縮尺通りではなく、本発明の実施形態を例示的に論じるためのものであることが強調される。この点に関して、図面を用いてなされた記述は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0026】
【
図1】本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置の概略図である。
【
図2】本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置の固体物質処理モジュールの概略図である。
【
図3A】本発明の例示的な一実施形態による、垂直コイルを含む、一体型ハイブリッドマイクロ波装置の液体物質処理モジュールの概略図である。
【
図3B】本発明の例示的な一実施形態による、水平コイルを含む、一体型ハイブリッドマイクロ波装置の液体物質処理モジュールの概略図である。
【
図4】本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置の気体物質処理モジュールの概略図である。
【
図5A】本発明の例示的な一実施形態による、様々な医療廃棄物の実際の処理、及び分解/量の削減を示す画像である。
【
図5B】本発明の例示的な一実施形態による、様々な医療廃棄物の実際の処理、及び分解/量の削減を示す画像である。
【
図6】本発明の例示的な一実施形態による、実際の流水式液体処理装置を備える、ハイブリッドマイクロ波装置の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、物質処理及び/又は廃棄産業に関し、より詳細には、物質処理を提供する装置及び方法に関するが、これらに限定されない。
【0028】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明に記載されているかつ/又は図面に示される構成要素並びに/又は方法の構造及び配置の詳細に、必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明では他の実施形態が可能であり、また本発明を、様々な方法で実践又は実行することができる。
【0029】
一般に、廃棄物を処理してその量及び/又は潜在的に有害な影響を低減する機能は、多くの分野で重要である。本明細書に記載の発明は、「商用グレード」の、一体型分子エネルギー装置(例えば、ハイブリッドマイクロ波装置)、及び廃棄物処理及び他の用途のために新たに機能を増強することができる処理条件/方法の例示的な実施形態を提供する。本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、被処理廃棄物量を大幅に削減しながら、被処理物質を消毒し、滅菌し、殺菌し、かつ/又は分解するために使用することができる。
【0030】
ここで図面を参照すると、
図1は本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置100の概略図である。装置100は、本発明のいくつかの実施形態では、固体物質処理モジュール102、液体物質処理モジュール104、又は気体物質処理モジュール106のうちの少なくとも1つを備える。
【0031】
本発明の一実施形態では、固体は、
図2においてより詳細に示されるサセプタボックスを含む、ハイブリッドマイクロ波を使用して処理されている。装置100が、マイクロ波を1つのみ使用する従来型の大部分のマイクロ波とは対照的に、複数のマグネトロン管を含む基本ユニットとして、商用グレードのハイブリッドマイクロ波を使用していると考えられる。装置100は必要に応じて、4本以上のマグネトロン管を使用しているが、マイクロ波発振器のサイズ及び数の両方を拡張することもでき、即ち、装置100は拡張可能であることが意図されている。
【0032】
図3A及び
図3Bにおいてより詳細に示され、かつ記載されている液体物質処理モジュール104は、概して、液体が装置100を通って流れる間に当該液体が処理されるように、液体物質が装置100、及び必要に応じてサセプタボックスに進入する機能を提供している。例えば、装置100のマイクロ波に導入され、処理のために自身の内部を流れる流動液体を含む管及び/又はコイルを使用している。
【0033】
図4においてより詳細に示され、かつ記載されている気体物質処理モジュール106は、概して、装置100が他の物質を処理した際に発生するオフガスを、装置100が処理する機能を提供している。例えば、サセプタ材料の層を介してオフガスを排出することによって、処理している。
【0034】
装置100が被処理物質(固体、液体、気体、放射性物質、病原体など)及び/又は装置100を使用して達成される目的に応じて処理を行うように容易に構成され得るように、互いに好都合かつ/又は効果的に取り付けられ、かつ/又は取り外されるように、モジュール102、104、106が構成されることを理解されたい。例えば、モジュールのうちの1つ又は複数には、モジュール間で物質を搬送するための噛み合いポート及び/又は相手方ポートが設けられている。別の実施例として、留め金、スナップ、ジッパー、フック留め具及びパイル留め具、ねじ、ラッチ、バインダ、圧縮コネクタ、及びねじりコネクタなどを使用するなどして、機械的ロック機構を用いて1つ又は複数のモジュール同士を簡便に取り付け合ったり、互いから取り外したりしている。
【0035】
モジュール102、104、106のいずれかの少なくとも一部又は一部分が、他のモジュール102、104、106のうちの1つ又は複数と共有され得ることも理解されたい。例えば、
図2及び
図6においてより詳細に示され、かつ記載されているサセプタボックス200は、固体物質、液体物質、及び/又は気体物質の処理に別々に、又は互いに並行して使用され得る。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、例えばランプアップ/ランプダウン時間を調整し、放射線及び/又は熱強度適用プロファイルを(必要に応じて互いに連動させて)実行し、かつ/又は装置100の浸漬サイクルのパフォーマンスを制御することができる、特別にソフトウェアでプログラムされた少なくとも1つのコントローラ108を使用して、装置100の制御が行われている。必要に応じて、コントローラ108は、装置100の1つ又は複数の構成要素から遠隔配置されている。いくつかの実施形態では、ユーザ/オペレータの安全を確保するために、任意のユーザ操作制御手段が、さらに本装置の1つ又は複数の構成要素から遠隔配置されていることを理解されたい。
【0037】
いくつかの実施形態では、本装置は、例えば太陽光、風力、地熱、水力、及び/又は肥料などの有機廃棄物である代替エネルギーを、電源110として使用している。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、物質処理をスケーリングするために、かつ/又は被処理物質に異なる処理方法及び/又は効果を適用するために、装置100が他の処理装置と直列かつ/又は並列に使用されている。所望の処理結果を達成するために、必要に応じて1つ又は複数のコントローラを使用して、処理装置の配置が制御される。
【0039】
本明細書に記載の装置100は、廃棄物処理、法令執行、国土安全保障、産業(例えば、ゴムの脱硫など)、浄水及びその他を行うための多くの用途を有する。廃棄物処理用途については、以下により詳述しているが、廃棄物処理のために装置100を使用することの主な特徴/利点には、ユーザの安全性が向上すること(ユーザは熱源や放射線源から離れて位置することができるため)、廃棄物量が驚くほど大幅に減少すること、廃棄物を現場処理できること(本明細書に記載の装置100は可搬型であり得るため)、「一般」廃棄物及び電子機器廃棄物に関して、生体有害廃棄物、医療廃棄物、毒性廃棄物、化学廃棄物及び放射性廃棄物と同一の装置を使用すること、固体廃棄物、液体廃棄物及び気体廃棄物(オフガスの処理を含む)に同一の装置を使用できること、処理のために熱放射及びマイクロ波放射の両方を使用すること(非常に高い温度で、急速かつ選択的に加熱することを含む)が含まれる。いくつかの実施形態では、選択的かつ/又は制御された加熱を行うことにより、他の物質を削減かつ/又は除去しながら、特定の物質を分離かつ/又はリサイクルかつ/又は再生利用することができる。
【0040】
図2は、本発明の例示的な一実施形態による、サセプタボックス200を含む、一体型ハイブリッドマイクロ波装置100の固体廃棄物処理モジュール102の概略図である。この固体処理モジュールは、固体廃棄物の分解だけでなく、「除染」チャンバとして機能することもできる。これらの条件下で、当該モジュールを使用して、有毒物質、細菌、ウイルスなどを除染することができ、また当該モジュールを使用して、リサイクルや再利用を目的として物質を消毒し、滅菌し、かつ必要に応じて廃棄物を分解することができる。装置100がサセプタボックス200のみを備える状態で示されているが、稼働シナリオでは、被処理物質及び/又はオペレータの目的に応じて、液体物質処理モジュール104又は気体物質処理モジュール106の一方若しくは両方が、装置100の一部を形成し得ることを理解されたい。
【0041】
本発明の一実施形態では、金属、複合材料、セラミック、ガラス、及びポリマーなどから形成された固体物質が、ハイブリッドマイクロ波装置100で処理するためにサセプタボックス200内に配置され、当該固体物質を成功裏に処理するのに十分な熱量及び/又は放射線量が得られている。ハイブリダイゼーションにより、通常従来型のマイクロ波とは十分に反応しない固体を、最初にサセプタを使用することによって処理できるようにしており、このサセプタが、物質をより高い温度まで放射加熱し、その後当該物質がマイクロ波エネルギーと結合し得ることを理解されたい。本発明の一実施形態では、サセプタは、加熱工程を開始するために被処理物質を取り囲むサセプタボックス200の壁内に組み込まれている。図示されていないが、固体廃棄物処理モジュール102の一部を必要に応じて形成しているのは、装置100の動作を制御する少なくとも1つのコントローラ108である。
【0042】
図3A及び
図3Bは、本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置100の液体廃棄物処理モジュール104の概略図である。本発明の一実施形態では、ハイブリッドマイクロ波を通るコイル300に液体を通過させることによって、流動液体が装置100内で処理されている。必要に応じて、コイル300はサセプタボックス200(図示せず)を通っている。本発明の一実施形態では、コイル300は、液体物質が必要とする処理に都合が良いように適合されている。例えば、コイル(管)の直径及び/又はループの数を使用して、被処理液体の滞留時間(一例として、ループが多いほど、想定される処理曝露の時間が長くなる)を制御することができる。ポンプシステム304は、装置100に流出入する液体物質の量及び/又は流量を制御するために必要に応じて使用され、処理時間に作用させるように当該システムを使用することもできる。必要に応じて、液体物質を装置100に通して再循環させるように、戻り管が設けられている。必要に応じて、当該管を使用して、複数の装置100同士が接続されている。
【0043】
本発明の一実施形態では、液体物質の漏れを捕捉するために、コイル300の下に受皿306が配置されている。
【0044】
装置100は、マイクロ波の外部から内部への入口/通路として特別に構成された少なくとも1つのポート302iを使用しており、このポート302iをコイル300が貫通している。必要に応じて、入口ポート302i及び出口ポート302iiが設けられている。いくつかの実施形態では、ポート302i及び302iiは金属管であるか、又はマイクロ波の外側に配置された金属管に接続されている。本発明の一実施形態では、これらのポートは、ハイブリッドマイクロ波からマイクロ波放射が著しく漏れることを防止するために、マイクロ波内の位置に配置されている。即ち、本発明のいくつかの実施形態ではこれらの位置は、ハイブリッドマイクロ波内部のマイクロ波エネルギーの散乱を評価することによって決定され、当該ポートは、放射線の影響が最も少ない領域に配置された。これらのポートは、処理中に酸化還元条件を制御するために不活性雰囲気を導入するなど、他の機能にも使用され得る。本発明のいくつかの実施形態では、ポートは不使用時には閉鎖され、キャップ締めされ、又は遮断される。例えば、コイル/管300が貫通挿入されていないときは、ヒンジ付きフラップ又はキャップをばね付勢することによってポートが自動的に閉鎖される。必要に応じて、手動で操作されるキャップは、不使用時にポート上に配置される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、装置100の様々な動作態様を測定するために、少なくとも1つのセンサ308が装置100に設けられている。例えば、ハイブリッドマイクロ波からの放射線漏れを監視するために、少なくとも1つのセンサ308がポート302i/302iiの近傍に配置され得る。いくつかの実施形態では、マイクロ波自体の内部の状態(例えば、温度)を監視するために、少なくとも1つのセンサ308がハイブリッドマイクロ波の上部ポートに挿入されている。これらの上部ポートを使用して、処理中に発生し得るオフガスをさらに処理かつ/又は分析してもよい。
【0046】
共に流体物質であることから、気体物質が液体物質と同様に処理され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、コイル300、ポート302i/302ii、ポンプシステム304、及び装置100の他の関連構造を使用して、気体物質を本装置に通して移動させている。
【0047】
図4は、本発明の例示的な一実施形態による、一体型ハイブリッドマイクロ波装置100の気体廃棄物処理モジュール106の概略図である。本明細書の他の箇所に記載されているように、装置100は、主として気体物質を処理するように適応され得、かつ/又は装置100を使用して、装置100によって固体及び/又は液体が処理されているときに発生するオフガスを処理することができる。本発明のいくつかの実施形態では、サセプタ材料404(マイクロ波で照射され、次いで当該材料を通って流れるガスに熱を加える)を含むレトルト402を使用して、マイクロ波内のガスを収集し、サセプタ材料404の上かつ/又はその中をガスに通過させ、次いで処理済みガスを順に送っている。必要に応じて、処理済みガスは出口ポート406でマイクロ波から排出される。いくつかの実施形態では、さらに処理する必要のあるガスは、戻り管410を使用して気体廃棄物処理モジュール106を通って戻される。必要に応じて、モジュール106内のガス流をバルブ又はバルブシステム408が制御することにより、例えば処理済みガスを排出し、かつ/又はさらに処理する必要のあるガスを再循環させている。
【0048】
処理の前及び/又は後に気体物質の特性を監視するために、少なくとも1つのセンサ412がモジュール106に設けられている。様々な特性は気体の処理状態に関して定性的なものであり得、かつ/又は流量、密度、圧力及び他の同様の要因のような物理的特性を含み得る。
【0049】
図4は、サセプタボックス200と、ボックス200からレトルト402まで延在する管とを示しているが、本発明のいくつかの実施形態では、処理のために気体物質が流れるコイル300に対し、レトルト402が直接接続されており、当該気体物質は単なるオフガスではない。
【0050】
いくつかの実施形態では、モジュール106は、ハイブリッドマイクロ波装置内に部分的にのみ設けられているか、又はハイブリッドマイクロ波装置の完全に外側に配置されている。例えば、戻り410は、上部ポート406から延出して、ポート302i、302iiのうちの一方若しくは両方、又は異なるポートからでもマイクロ波装置に再度延入することができる。
【0051】
図5A及び
図5Bは、本発明の例示的な一実施形態による、様々な医療廃棄物の処理、分解/量の削減を示す画像である。
【0052】
図6は、本発明の例示的な一実施形態による、管が左側から延入し(画像に見られるように)、ハイブリッドマイクロ波の内部を通り、次いで右側へと延出する形態のハイブリッドマイクロ波装置の画像であり、流動液体が本装置によって処理されている。
【0053】
本明細書における本発明の説明から理解され得るように、固体廃棄物処理モジュール102、液体廃棄物処理モジュール104、又は気体廃棄物処理モジュール106のうちの1つ又は複数と、関連ハードウェア(コントローラ108など)とを備える、開示している廃棄物処理装置の複数の使用シナリオが存在する。
【0054】
例えば、装置100の少なくとも液体廃棄物処理モジュール104を使用して、水処理及び/又は浄水が行われ得る。第三世界国の逼迫したニーズに関連して、本モジュールはとりわけ「安全な飲料水」及び「下水設備」からなる2つの主要分野を含む。発展途上国におけるこうしたニーズは大きく、これらは相関している。安全な飲料水及び下水設備が十分に行き渡っていないことは、以下を含むいくつかの憂慮すべき統計値が出現する主要な原因である。
a)60秒ごとに子供が飲料水に関連する疾患で死亡しており、
b)発展途上国において80%を超える下水が未処理のまま排出され、河川、湖沼及び水源を汚染しており、
c)世界中で20億人が排泄物で汚染された水を飲んでおり、関連性下痢の問題で毎年50万人以上が死亡しており、また、
d)持続可能な食糧生産を向上させて、貧困や飢餓を縮減するためには、清潔な飲料水が不可欠である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、装置100を使用して、ハイブリッドマイクロ波エネルギーによる移動液体の濾過及び殺菌を実行することにより、浄化飲料水が生成される。本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置100をトイレ、公衆トイレ、又はし尿の他の排出口に組み込んで、し尿が現地の下水道システムに移動するときにこれにハイブリッドマイクロ波を施すことにより、下水設備が改善される。いくつかの実施形態では、この処理済みのし尿は、肥料などの他の用途のために、又は代替エネルギー源として(必要に応じて、廃棄物処理装置100に電力を供給する)リサイクルされる。
【0056】
別の使用シナリオは、例えば固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール又は気体廃棄物処理モジュールのいずれかを使用して、装置100を用いて他の物質から再生利用可能/リサイクル可能な望ましい物質を分離するステップを含む。例えば貴金属は、本明細書に記載のハイブリッドマイクロ波及び関連モジュールからの加熱及び/又は放射を施すことにより、溶融温度がより低いプラスチック又は他の物質から分離され得る。
【0057】
例えば国土安全保障のための別の使用シナリオは、被処理物質を本明細書に記載のモジュールのうちの1つ又は複数に通過させることによって、本装置を使用して生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を変性させ、かつ/又は殺菌し、かつ/又は消毒するステップを含む。
【0058】
装置100の法令執行又は医療産業用途は、被処理物質を本明細書に記載のモジュールのうちの1つ又は複数に通過させることによって、違法薬物を分解したり、期限切れ若しくは汚染された医薬品を安全に処分したりすることである。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、装置100を使用して、廃棄物量を削減している。例えば、廃棄物、とりわけ固体を装置100に通過させることによって、物質体積を大幅に減少させることができるため、廃棄物をより容易に貯蔵したり、処分したり、かつ/又は運搬したりできるようになる。
【0060】
本出願から期限が満了するまでの特許の存続期間中に、関連する多くのハイブリッドマイクロ波技術が開発されることが予想され、またハイブリッドマイクロ波という用語の範囲は、そのようなすべての新しい技術を先験的に含むことが意図されている。
【0061】
「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの活用形は、「~を含むがこれに限定されない(including but not limited to)」を意味する。
【0062】
「~からなる(consisting of)」という用語は、「~を含み、これに限定される(including and limited to)」を意味する。
【0063】
「実質的に~からなる(consisting essentially of)」という用語は、組成物、方法又は構造が追加の成分、ステップ及び/又は部分を含んでいてもよいが、これら追加の成分、ステップ及び/又は部分が特許請求される組成物、方法又は構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合に限ることを意味する。
【0064】
「複数(plurality)」という用語は「2つ又はそれ以上」を意味する。
【0065】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(a)」、及び「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形照応を含む。例えば、「化合物(compound)」又は「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含んでいてもよい。
【0066】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示されてもよい。範囲形式による記載が、単に便宜上かつ簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、ある範囲を記載する場合には、その範囲内におけるすべての可能な部分範囲と共に、個々の数値も具体的に開示されていると見なすべきである。例えば、1~6などの範囲を記載する場合、1~3や1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲と共に、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5及び6も具体的に開示されていると見なすべきである。このことは、範囲の広さとは関係なく適用される。
【0067】
本明細書において数値範囲が示される場合はいつでも、示された範囲内のあらゆる引用数値(分数又は整数の)を含むことを意味する。第1の表示数と第2の表示数と「に及んでいる/の間の範囲(ranging/range between)」、及び第1の表示数「から(from)」第2の表示数「まで(to)」「及んでいる/の範囲に及ぶ(ranging/range from)」という語句は、本明細書では互換的に使用され、第1の表示数及び第2の表示数並びにそれらの間のすべての分数及び整数を含むことを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「方法(method)」という用語は、例えば化学、薬理学、生物学、生化学及び医学の分野の当業者に公知であるか、又は当業者によって公知の様式、手段、技法及び手順から容易に開発される様式、手段、技法及び手順を含むがこれらに限定されない、所与のタスクを達成するための様式、手段、技法及び手順を指す。
【0069】
明確にするために別個の実施形態の文脈で記載されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴はまた、別個に、又は任意の適切な部分的組合せで、若しくは本発明の記載された他の任意の実施形態において好適であるように提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で記載されている特定の特徴は、当該実施形態がそれらの要素なしでは使用できなくなる場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0070】
本発明についてその特定の実施形態と併せて説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に明らかになることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広範な範囲に含まれるすべてのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【0071】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許又は特許出願がそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。さらに、本出願におけるいかなる参考文献の引用又は特定も、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限り、それらが必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用やリサイクルを目的として物質を消毒かつ/又は滅菌し、さらに廃棄物及び成分を分解するように構成された固体廃棄物処理モジュール、
移動液体流を処理するように構成された液体廃棄物処理モジュール、又は
外部供給源からのガス流又は他の前記モジュールから発生するオフガスを処理するように構成された気体廃棄物処理モジュールのうちの少なくとも
2つを備える処理装置であって、
前記固体廃棄物処理モジュール、液体廃棄物処理モジュール、及び気体廃棄物処理モジュールは、
同じハイブリッドマイクロ波と組み合わせて互いに別々に、又は選択的に相互接続して使用される、処理装置。
【請求項2】
太陽光、風力、地熱、水力、及び/又は有機廃棄物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも前記ハイブリッドマイクロ波に電力を供給する代替電源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
直列かつ/又は並列に、請求項1に記載の少なくとも1つの他の装置と結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ランプアップ/ランプダウン時間の調整、放射線
適用プロファイルの実行及び/又は熱強度適用プロファイル
の実行であり、必要に応じて互いに連動させての実行、及び/又は、本装置の浸漬サイクルのパフォーマンスの制御
の少なくとも一つに適合した、ソフトウェアでプログラムされた少なくとも1つのコントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラが、前記ハイブリッドマイクロ波に対して遠隔配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
標準又は代替の電源を使用する包括的なモジュール式処理装置であり、
i)ユーザが、前記装置稼働中に放射線、熱、オフガス及び/又は他の潜在的に有害な物質若しくは影響から隔離されており、及び、
ii)複数の形態の物質
のうちの少なくとも2つが、同一のハイブリッドマイクロ波で、必要に応じて同時に処理されており、
a)固体、及び/又は、
b)流動液体、及び/又は、
c)a)及び/又はb)由来のオフガスを含む気体、を包含するモジュール式処理装置。
【請求項7】
金属、複合材料、セラミック、ガラス、ポリマー及び他のすべての種類の固体を処理するように構成されたハイブリッドマイクロ波を備える、固体を処理する処理装置であって、
前記装置ではハイブリダイゼーションにより、物質を急速加熱することができるだけでなく、通常従来型のマイクロ波とは十分に反応しない固体を、最初に少なくとも1つのサセプタを使用することによって処理できるようにしており、前記少なくとも1つのサセプタは、前記物質をより高い温度まで放射加熱し、その後前記物質は前記マイクロ波エネルギーと結合し得、
また前記少なくとも1つのサセプタは、加熱工程を開始してすべての種類の固体を使用できるようにするために、前記被処理物質を取り囲むボックスの壁内に組み込まれている、処理装置。
【請求項8】
単一のハイブリッドマイクロ波と、
前記マイクロ波の内部への入口及び前記内部からの出口として作用する、特別に構成された一対のポートと、
前記特別に構成されたポートを直接通過するか、又は前記装置内のコイルにすることもできる管であって、前記管の直径及びループの数を使用して、被処理液体の滞留時間をさらに制御
する、管と、
必要に応じて、前記マイクロ波装置に流出入する流量を制御し、監視し、かつ再循環させる
外部ポンプシステムと、を備える、流動液体を処理する処理装置。
【請求項9】
オフガスが通過する層の形態の、又は管/配管内の、若しくはレトルト内のサセプタ素材を備え、前記サセプタは、マイクロ波と気体分子との直接結合及び生じ得る「マイクロ波効果」に加えて、オフガスを洗浄/処理するために電磁エネルギーを吸収して前記電磁エネルギーを熱に変換しており、また
前記オフガス処理は、前記ハイブリッドマイクロ波装置の上部の内側領域で必要に応じて行われる、オフガスを処理する処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の前記処理装置に被処理水を通過させるステップを含む、浄水及び/又は水処理を行う方法。
【請求項11】
請求項1に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項12】
請求項6に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項13】
請求項7に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項14】
請求項8に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項15】
請求項9に記載の前記処理装置に固体廃棄物、液体廃棄物又は気体廃棄物を通過させるステップを含む、物質を再生利用する方法。
【請求項16】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項17】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項18】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項19】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項20】
生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、生体有害廃棄物、毒性廃棄物、放射性廃棄物、医療廃棄物及び/又は化学廃棄物を処理する方法。
【請求項21】
再利用及びリサイクルを目的として医療素材及び医療機器を除染するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項23】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項24】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項25】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項26】
医薬品及び/又は違法薬物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、医薬品及び/又は違法薬物を処理する方法。
【請求項27】
前記廃棄物を請求項1に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項28】
前記廃棄物を請求項6に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項29】
前記廃棄物を請求項7に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項30】
前記廃棄物を請求項8に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【請求項31】
前記廃棄物を請求項9に記載の前記処理装置に通過させるステップを含む、廃棄物量を削減する方法。
【国際調査報告】