(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】視力処置のための電極システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20230630BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569503
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 US2021031869
(87)【国際公開番号】W WO2021231496
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522444058
【氏名又は名称】アイ-ルーメン サイエンティフィック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン,トゥー-ハ
(72)【発明者】
【氏名】ベルーラ,ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】マスコ,マーシャル ティー.
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB04
4C053JJ01
4C053JJ02
4C053JJ18
4C053JJ21
4C053JJ40
(57)【要約】
人間の身体の電気刺激のためのシステムおよび方法、特に、患者の視力問題の電気刺激処置、試験、および監視において使用される電極システムおよび信号送出のためのシステムおよび方法であって、処置の結果を解析し、例えば、患者についての医療処置が継続および/または変更される必要があるか否かを判定するために監視し、電極システムの設計および配置ならびに電極に送出される信号の調整が、患者の組織を通る信号流の幾何形状の調整を容易にする、システムおよび方法。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の目の視力問題の電気刺激処置、試験、および監視において使用するための電極システムであって、
前記患者の1つまたは複数の瞼に適用されるように構成される複数の瞼電極、および、
絶縁ポリマー基材上の複数の皮膚接触リターン電極エリアであって、前記患者の頭部の後部分に適用されるように構成される、複数の皮膚接触リターン電極エリア
を含む、電極システムと、
前記複数の瞼電極および前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに動作可能に結合され、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される電流を制御して、前記患者の前記目を通る電界の幾何形状を選択的に変更するように構成される電気コントローラと
を備える、装置。
【請求項2】
前記複数の瞼電極は、前記患者の第1の目の第1の瞼に適用されるように構成される第1の基材ストリップ上の第1の瞼電極、および、前記患者の第2の目の第1の瞼に適用されるように構成される第2の基材ストリップ上の第2の瞼電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電気コントローラは、前記患者の前記目を通る前記電界の前記幾何形状を、単一処置セッション中の複数の時間にわたって選択的に変更するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、電気伝導性ブリッジによって互いに電気接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、第1のリターン電極エリアおよび第2のリターン電極エリアを含み、前記第1のリターン電極エリアは、前記第2のリターン電極エリアから電気絶縁され、前記第1のリターン電極エリアおよび前記第2のリターン電極エリアは共に、前記電気コントローラからの個々に制御される信号によって駆動される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面に配置された第1のリターン電極エリア、および、前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面に配置された第2のリターン電極エリアを含み、
前記電気コントローラは、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される前記電流を制御して、前記患者の前記第1の目を通して、前記第1および第2のリターン電極エリアの両方まで通過する第1の電界を発生するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面に配置された第1のリターン電極エリア、および、前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面に配置された第2のリターン電極エリアを含み、
前記電気コントローラは、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される前記電流を制御して、前記患者の前記第1および第2の目を通して、前記第1のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面に配置された第1のリターン電極エリア、および、前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面に配置された第2のリターン電極エリアを含み、
前記電気コントローラは、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される前記電流を制御して、前記患者の前記第1の目を通して、前記第2のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面に配置された第1のリターン電極エリア、および、前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面に配置された第2のリターン電極エリアを含み、
前記電気コントローラは、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される前記電流を制御して、前記患者の前記第1の目を通して、前記第1のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
患者の目を処置するための方法であって、
電極システムを設けることであって、前記電極システムは、
複数の瞼電極、および、
絶縁ポリマー基材上の複数の皮膚接触リターン電極エリア
を含む、設けること、
前記複数の瞼電極を前記患者の1つまたは複数の瞼に適用すること、
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記患者の頭部の後部分に適用すること、および、
前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される電流を制御することであって、それにより、前記患者の前記目を通る電界の幾何形状を変更する、制御すること
を含む、方法。
【請求項11】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記適用することは、
前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面上に第1のリターン電極エリアを配置すること、および、
前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面上に第2のリターン電極エリアを配置すること
を含み、
前記電流を前記制御することは、前記患者の前記第1の目を通して、前記第1および第2のリターン電極エリアの両方まで通過する第1の電界を発生することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記適用することは、
前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面上に第1のリターン電極エリアを配置すること、および、
前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面上に第2のリターン電極エリアを配置すること
を含み、
前記電流を前記制御することは、前記患者の前記第1および第2の目を通して、前記第1のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記適用することは、
前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面上に第1のリターン電極エリアを配置すること、および、
前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面上に第2のリターン電極エリアを配置すること
を含み、
前記電流を前記制御することは、前記患者の前記第1の目を通して、前記第2のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記適用することは、
前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面上に第1のリターン電極エリアを配置すること、および、
前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面上に第2のリターン電極エリアを配置すること
を含み、
前記電流を前記制御することは、前記患者の前記第1の目を通して、前記第1のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを電気伝導性ブリッジによって互いに電気接続することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアは、第1のリターン電極エリアおよび第2のリターン電極エリアを含み、前記方法は、
前記第2のリターン電極エリアから前記第1のリターン電極エリアを電気絶縁することをさらに含み、
前記電流を前記制御することは、前記第1のリターン電極エリアおよび前記第2のリターン電極エリアを共に、個々に制御される信号によって駆動することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
患者の目の視力特性を監視するためのシステムであって、
プロセッサ、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリ、および前記プロセッサに動作可能に結合されたユーザ・インターフェースを含む、パーソナル電子デバイスと、
前記パーソナル電子デバイス上で実行されるアプリケーションとを含み、前記アプリケーションは、
前記プロセッサ上で実行され、患者の目に一過性光パターンの出力をもたらす出力ドライバ、
前記プロセッサ上で実行され、視覚的に知覚可能な光パターンの前記患者による知覚に対する前記患者の応答の指示を引き出し受信するように構成される応答ユニット、および、
前記プロセッサ上で実行される評価モジュールを含み、前記評価モジュールは、第1の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して第1の視力解析を実施して、第1の視力特性結果を生成するように構成され、前記評価モジュールは、第2の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して前記第1の視力解析を実施して、第2の視力特性結果を生成するようにさらに構成され、前記評価モジュールは、前記第1の視力特性結果および前記第2の視力特性結果を前記メモリに記憶するようにさらに構成され、前記評価モジュールは、前記第1の視力特性結果と前記第2の視力特性結果との間で第1の比較を実施するようにさらに構成され、
前記ユーザ・インターフェースは、前記第1の比較に少なくとも部分的に基づいて第1のメッセージを出力するように構成される、システム。
【請求項18】
患者の目の視力特性を監視し、前記患者の前記目を処置するためのシステムであって、
パーソナル電子デバイスであって、
プロセッサ、
前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリ、および、
前記プロセッサに動作可能に結合されたユーザ・インターフェース
を含む、パーソナル電子デバイスと、
前記パーソナル電子デバイスに動作可能に結合された電極システムであって、
前記患者の1つまたは複数の瞼に適用されるように構成される複数の瞼電極、および、
前記患者の頭部の後部分に適用されて、前記患者の組織を通る信号流の幾何形状の調整を容易にするように構成される1つまたは複数のリターン電極
を含む、電極システムと、
前記パーソナル電子デバイス上で実行されるアプリケーションと
を含み、前記アプリケーションは、
前記プロセッサ上で実行され、患者の目に一過性光パターンの出力をもたらす出力ドライバ、
前記プロセッサ上で実行され、視覚的に知覚可能な光パターンの前記患者による知覚に対する前記患者の応答の指示を引き出し受信するように構成される応答ユニット、
前記プロセッサ上で実行される評価モジュールであって、第1の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して第1の視力解析を実施して、第1の視力特性結果を生成するように構成される、評価モジュール、および、
前記プロセッサ上で実行される処置モジュールであって、前記第1の視力特性結果に少なくとも部分的に基づいて前記患者の前記目に対する第1の処置を前記電極システムが調整するようにさせるように構成される、処置モジュール
を含む、システム。
【請求項19】
前記評価モジュールは、第2の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して前記第1の視力解析を実施して、第2の視力特性結果を生成するようにさらに構成され、前記評価モジュールは、前記第1の視力特性結果および前記第2の視力特性結果を前記メモリに記憶するようにさらに構成され、前記評価モジュールは、前記第1の視力特性結果と前記第2の視力特性結果との間で第1の比較を実施するようにさらに構成され、
前記ユーザ・インターフェースは、前記第1の比較に少なくとも部分的に基づいて第1のメッセージを出力するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記処置モジュールは、前記患者の前記目を通る電界の幾何形状が選択的に変更されるように、前記電極システムが前記第1の処置を調整するようにさせるようにさらに構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記処置モジュールは、前記第1の処置が、
患者不快信号が前記システムによって受信されるまで、電流振幅が徐々に増加する第1のシリーズのパルス、
治療電流振幅で印加される第2のシリーズのパルスであって、前記治療電流振幅は、受信された前記患者不快信号に対応する不快レベル電流振幅より低い、第2のシリーズのパルス、
前記治療電流振幅から電流振幅が徐々に減少する第3のシリーズのパルス
を含むように、前記電極システムが前記第1の処置を調整するようにさせるようにさらに構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
患者の目の視力特性を監視し、前記患者の前記目を処置するための方法であって、
パーソナル電子デバイスおよび前記パーソナル電子デバイスに動作可能に結合された電極システムを設けること、
患者の目に一過性光パターンを、前記パーソナル電子デバイスを使用して出力させること、
視覚的に知覚可能な光パターンの前記患者による知覚に対する前記患者の応答の指示を引き出し、前記パーソナル電子デバイス内に受信すること、
第1の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して第1の視力解析を、前記パーソナル電子デバイスを使用して実施することであって、それにより、第1の視力特性結果を生成する、実施すること、および、
前記第1の視力特性結果に少なくとも部分的に基づいて、前記電極システムによって適用される前記患者の前記目に対する第1の処置を調整すること
を含む、方法。
【請求項23】
第2の時間的瞬間において、前記患者の前記目に対して前記第1の視力解析を、前記パーソナル電子デバイスを使用して実施することであって、それにより、第2の視力特性結果を生成する、実施すること、
前記第1の視力特性結果および前記第2の視力特性結果を、前記パーソナル電子デバイスに結合されたメモリに記憶すること、
前記第1の視力特性結果と前記第2の視力特性結果との間で第1の比較を、前記パーソナル電子デバイスを使用して実施すること、および、
前記第1の比較に少なくとも部分的に基づいて第1のメッセージを、前記パーソナル電子デバイスを使用して出力すること
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記患者の前記目に対する前記第1の処置を前記調整することは、前記患者の前記目を通る電界の幾何形状を選択的に変更することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記患者の前記目に対する前記第1の処置を前記調整することは、
前記患者の前記目に第1のシリーズのパルスを印加することであって、前記第1のシリーズのパルスは、患者不快信号が受信されるまで、電流振幅が徐々に増加する、印加すること、
治療電流振幅で前記患者の前記目に第2のシリーズのパルスを印加することであって、前記治療電流振幅は、受信された前記患者不快信号に対応する不快レベル電流振幅より低い、印加すること、および、
前記患者の前記目に第3のシリーズのパルスを印加することであって、前記第3のシリーズのパルスは、前記治療電流振幅から電流振幅が徐々に減少する、印加することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記電極システムは、複数の瞼電極および複数の皮膚接触リターン電極エリアを含み、前記方法は、
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを、電気伝導性ブリッジによって互いに電気接続すること、
前記複数の瞼電極を前記患者のそれぞれの目の1つまたは複数の瞼に適用すること、
前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記患者の頭部の後部分に適用することであって、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアを前記適用することは、
前記患者の第1の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第1の側面に第1のリターン電極エリアを配置すること、および、
前記患者の第2の目の真向いの前記患者の頭部の前記後部分の第2の側面に第2のリターン電極エリアを配置すること
を含み、
前記患者の前記目に対する前記第1の処置を前記調整することは、前記患者の前記第1の目を通り、前記第2のリターン電極エリアまで通過する第1の電界を発生することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
患者の目の視力問題の電気刺激処置、試験、および監視において使用するための電極システムであって、
前記患者の1つまたは複数の瞼に適用されるように構成される複数の瞼電極、および、
絶縁ポリマー基材上の複数の皮膚接触リターン電極エリアであって、前記患者の前記1つまたは複数の瞼以外の前記患者の皮膚上の場所に適用されるように構成される、複数の皮膚接触リターン電極エリア
を含む、電極システムと、
前記複数の瞼電極および前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに動作可能に結合され、前記複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、前記複数の皮膚接触リターン電極エリアに印加される電流を制御して、前記患者の前記目を通る電界の幾何形状を選択的に変更するように構成される電気コントローラと
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Electrode system for vision treatment and method」という名称のThu-Ha Duncan等によって2020年5月15日に出願された米国仮特許出願第63/025,987号の、米国特許法第119条(e)の下で含む優先権の利益を主張する。
【0002】
本出願は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、
「Apparatus and method for ocular microcurrent stimulation therapy」という名称のMowery等に対する、2019年8月27日に発行された米国特許第10,391,312号、
「Apparatus and method for ocular microcurrent stimulation therapy」(国際公開第2017/048731号として公開された)という名称のMowery等によって2016年9月13日に出願されたPCT特許出願第PCT/US2016/051550号、
「Appliance for microcurrent stimulation therapy using a disposable material afixed to the upper and lower eye lid & other body parts」という名称のMowery等によって2015年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/283,870号、
「Apparatus for a method of application of microcurrent stimulation therapy,consisting of a goggle device affixed to & encircling the upper and/or lower eyelids,as well as other body parts」という名称のMasko等によって2015年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/283,871号、
「Appliance for micro-current stimulation」という名称のTapp等によって2016年7月22日に出願された米国仮特許出願第62/365,838号、
「APPARATUS AND METHOD FOR MICROCURRENT STIMULATION THERAPY」(国際公開第2020/131329号として公開された)という名称のMasko等によって2019年11月26日に出願されたPCT出願第PCT/US2019/063404号、
「MICROCURRENT-STIMULATION-THERAPY APPARATUS AND METHOD」(国際公開第2020/132337号として公開された)という名称のMasko等によって2019年12月19日に出願されたPCT出願第PCT/US2019/067627号、
「APPARATUS AND METHOD FOR MICROCURRENT STIMULATION THERAPY」という名称のMasko等によって2018年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/783,116号
に関する。
【0003】
本発明は、一般に、人間の身体の電気刺激に関し、特に、患者の視力問題の電気刺激処置、試験、および監視において使用される電極システムおよび信号送出のためのシステムおよび方法であって、処置の結果を解析し、例えば、患者についての医療処置が継続および/または変更される必要があるか否かを判定するために監視し、電極システムの設計および配置ならびに電極に送出される信号の調整が、患者の組織を通る信号流の幾何形状の調整を容易にする、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
名称「Electro-stimulation system」を有する2016年3月15日にThu-Ha Duncanに対して発行された米国特許第9,283,371号は、参照により本明細書に組み込まれる。特許第9,283,371号は、治療のユーザ投与を容易にする指令を用いたコンパクトな電力および制御アセンブリおよび複数の成形ゲル電極パッチを有する電気刺激システムを記載する。
【0005】
名称「Method and system for self-administering a visual examination ushing a mobile computing device」を有する2014年11月18日にIravani等に対して発行された米国特許第8,888,288号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第8,888,288号は、発症および視力変化の経時的な進行を認識する患者の能力を改善する、個々に、および/または、他の視力監視およびスクリーニング試験システムと組み合わせて使用することができる、新規な視力監視、スクリーニング、および試験ツールならびに援助要請イネーブラーを記載する。急性および慢性視力状態を患者自身で識別する患者の能力は、患者によるより早期の援助要請行動を駆り立て、眼科専門家によるより早期の臨床診断を可能にし、したがって、より早期の処置および重篤な視力喪失の可能性の減少をもたらすことができる。
【0006】
名称「Secure flash media for medical records」を有する2008年1月31日に公開されたTafoya等による米国特許出願公開第2008/0028214号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。米国特許出願公開第2008/0028214号は、データをセキュアな方法で記憶するためのセキュア・モバイル・デバイスを記載する。セキュア・モバイル・デバイスは、デバイス上のフラッシュ・メモリにインターフェースを介して接続されたマイクロアーキテクチャを有する。マイクロアーキテクチャは、秘密鍵を使用してセキュア・モバイル・デバイス上に記憶された情報のアクセスを認証することができる。情報のアクセスの認証によって、デバイスのレコード所有者は、関連する公開鍵を使用して、第3者信頼されるエンティティに記憶された情報を提供することができる。セキュア・モバイル・デバイスは、多数の場所における種々のシステム上での機密データのセキュアなトランザクションを可能にする。
【0007】
名称「Comptuerized [sic] testing and determination of a visual field of a patient」を有する2017年7月6日に公開されたSteven p. Leeによる米国特許出願公開第2017/0188811号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許出願公開第2017/0188811号は、患者の視野を試験し決定するためのシステムおよび方法を記載する。例の実施形態において、方法は、第1の視野ダイヤグラムを患者に表示するようコンピュータ化スクリーンに指令することであって、第1の視野ダイヤグラムは選択された部分を含む、指令すること、および、第1の視野ダイヤグラムの選択された部分に集中するよう患者に指令することを含む。例の方法は、第1の視野ダイヤグラムを修正することであって、それにより、患者の視野の一部に対応するエリア内にさらなる特徴を一時的に表示する、修正すること、および、一時的に表示されたさらなる特徴を患者が見たことを示す入力を受信することも含む。例の方法は、受信された入力に基づいて、一時的に表示されたさらなる特徴が表示されたエリアに対応する患者の視野の部分に患者が視力を有すると判定することをさらに含む。
【0008】
名称「Computerized refraction and astigmatism determination」を有する2016年1月19日にLee等に対して発行された米国特許第9,237,842号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第9,237,842号は、患者の屈折異常を判定する、より詳細には、コンピュータ化スクリーンを使用することによって患者の屈折異常を判定する、そして、患者の好みのタイプの矯正レンズについての処方を患者に提供するためのシステムおよび方法を一般に記載する。システムおよび方法は、通院のトリップまたは費用を必要とせず、好都合およびコスト効果について最適化される。一般的な実施形態において、本開示は、患者の矯正レンズ処方を決定するための方法を提供する。方法は、患者のそれぞれの目について別々に、コンピュータ化スクリーンによって患者の乱視処方を決定すること、および、コンピュータ化スクリーンによって患者の矯正レンズのパワー処方を決定することを含む。
【0009】
名称「Visual field measuring device and system」を有する2017年10月12日に公開されたNico Correns等による米国特許出願公開第2017/0290505号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許出願公開第2017/0290505号は、モバイル・コンピュータ・デバイス、前面搭載型光学系、および視野測定を可能にするコンピュータ・プログラム製品を記載する。
【0010】
名称「Open retinoscope couplable to a smartphone」を有する2018年2月22日に公開されたFlorencio Gonzalez Marquez等による米国特許出願公開第2018/0049637号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許出願公開第2018/0049637号は、新規な開放型網膜鏡を記載し、開放型網膜鏡は、長手方向に配向した光源(31)およびボルク・レンズ(51)ホルダーに長手方向に摺動方式で結合するための第1の結合手段(32)を備える本体(3)と、本体(3)に長手方向に摺動方式で結合したボルク・レンズ(51)ホルダー(5)であって、本体(3)の第1の長手方向摺動結合手段(32)と相補的である第2の長手方向摺動結合手段(52)を備える、ボルク・レンズ(51)ホルダー(5)と、本体(3)に横摺動方式で接続されることができるスマートフォン・アダプター(2)とを備える。
【0011】
名称「Smartphone-based handheld ophthalmic examination devices」を有する2018年6月7日に公開されたWolfgang Fink等による米国特許出願公開第2018/0153399号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許出願公開第2018/0153399号は、眼科検査のための方法、システム、およびデバイスの種々の例を記載する。1つの例において、手持ち式システムは、光学撮像アセンブリを含み、光学撮像アセンブリは、光学撮像アセンブリの光学部品と整列したカメラを含むユーザ・デバイスに結合される。ユーザ・デバイスは、光学撮像アセンブリの光学部品によって、目の少なくとも一部分の目撮像データを取得し、目撮像データに少なくとも部分的に基づいて眼科評価結果を提供することができる。別の例において、方法は、目の少なくとも一部分の目撮像データを受信すること、目の少なくとも1つの眼科特性を決定するために目撮像データを解析すること、および、少なくとも1つの眼科特性に少なくとも部分的に基づいて状態を判定することを含む。
【0012】
名称「Apparatus for providing a secure processing」を有する2002年5月7日に発行されたRobert D. Cassagnol等による米国特許第6,385,727号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第6,385,727号は、セキュアな処理環境を記載する。1つの実施形態において、装置は、暗号化情報を記憶するための読み出し/書き込みメモリを含む。装置は、プロセッサ、サイファラー、および認証器も含む。サイファラーは、サイファラーからの暗号化情報を受信するための読み出し/書き込みメモリと通信状態にあり、プロセッサによる後続の使用のためにメモリに戻されるように、暗号化情報を復号化情報に復号するように構成される。認証器は、プロセッサが使用する前に、復号化情報を認証し、サイファラーによる再暗号化の前に、情報を再認証する。
【0013】
名称「System, method and apparatus for enabling corneal topography mapping by smartphone」を有する2017年12月12日に発行されたDavid A. Wallace等による米国特許第9,839,352号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第9,839,352号は、プラチド円板照明システムをモバイル通信デバイスのカメラと整列させるアタッチメントを含む、角膜トポグラフィを可能にするための装置を記載する。プラチド円板照明システムは、同心リングを発生し、角膜から同心リングを反射させる。反射した同心リングの一部分は、頂点間距離を確認するために利用される。装置は、メモリ、プロセッサ、およびモバイル通信デバイス内のコンピュータ可読命令をさらに備える。カメラは、反射した同心リングの画像を取り込み、反射した同心リングの取り込まれた画像を外部コンピューティグ・デバイスに通信する。角膜トポグラフィを実施するための方法は、モバイル・コンピューティグおよび/または通信デバイスを利用し、複数の周辺同心リングを被験者の角膜上に投影し、中心リングを被験者の角膜上に投影する。方法は、投影された周辺同心リングおよび中心リングの画像を、スマートフォン・カメラによって取り込むことをさらに含む。
【0014】
名称「Virtual reality peripheral vision scotoma screening」を有する2004年5月18日に発行されたPlummer等による米国特許第6,736,511号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第6,736,511号は、患者にランダム・ノイズ刺激を提示するために仮想現実表示を使用することを記載する。入力デバイスを使用して、患者は、ランダム・ノイズ表示における擾乱の場所を示す。好ましい実施形態において、走査型網膜レーザーは、ランダム・ノイズ刺激を患者の目(複数可)に直接投影する。画像は、好ましくは、仮想無限大に提示され、周辺網膜にわたって撮像されることができる。患者は、ランダム・ノイズ表示上で中心を凝視するように指示される。クロス・ヘア等の視覚補助具は、この中心凝視を容易にするために、生成された表示に含むことができる。狭い出口を有する走査型レーザー仮想現実デバイスによって、中心を凝視することを患者ができないことは、提示される画像を、歪ませる、不完全にさせる、または視野から消えさせる。患者がランダム・ノイズ表示を観察している間に、患者は、入力デバイスを使用して、擾乱の任意のエリアを示すように指示される。好ましい入力デバイスは、コンピュータ・ペンおよびタブレットである。これは、ランダム・ノイズ表示を同様に観察しながら、使用するのが容易である。好ましくは、表示は、患者がペンおよびタブレットを使用するときに変化し、それにより、患者は、ランダム・ノイズ表示の代わり示されているまたはその上に重ね合わされている場所を見る。
【0015】
米国特許第10,391,312号(上記に挙げた)は、微小刺激電流発生装置に接続されると、人間身体に微小電流刺激治療を送出するデバイスおよび方法を記載する。黄斑変性症(macular degeneration)、網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)、緑内障(glaucoma)、視神経炎(optic neuritis)、および他の眼に関連するまたは神経に関連する状態、ならびに、ベル麻痺(Bell‘s Palsy)等の他の疾病等の問題の処置のために、目の周りの重要なポイントに微小電流刺激治療を印加する方法は、目および/または他の身体部分に対する局在化刺激を必要とする。
【0016】
名称「Methods and apparatus for electrical microcurrent stimulation therapy」を有する2000年3月7日にJarding等に対して発行された米国特許第6,035,236号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第6,035,236号は、微小電流刺激治療を身体部分に提供するために、電気信号を身体部分に供給するための装置を記載する。装置は、好ましくは、第1の掃引波信号を発生するように構成される第1の掃引波または掃引周波数信号発生器、第1の掃引信号発生器から第1の掃引波信号を受信し、掃引波信号を増幅しバッファリングし、バッファリングされた掃引波信号を作成するように構成されるバッファ増幅器回路を含む。さらに、装置は、好ましくは、バッファ増幅器回路からバッファリングされた掃引波信号を受信し、身体部分に供給される電流の量を制限するように構成される電流制限回路を含む。最後に、装置は、好ましくは、掃引波信号を身体部分に印加するためのプローブを備える。装置は、掃引波信号または非掃引波信号を含むことができる第2の信号を発生するための第2の信号発生器をさらに備えることができる。装置は同様に、第1及び第2の信号発生器から第1及び第2の信号を受信し、第1及び第2の信号を結合して複合掃引波信号にするように構成される信号結合回路を含むことにもなる。
【0017】
名称「Methods and apparatus for electrical microcurrent stimulation therapy」を有する2001年8月14日にJarding等に対して発行された米国特許第6,275,735号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特許第6,275,735号は、微小電流刺激治療を身体部分に提供するための方法および装置を記載する。1つの実施形態において、方法は、微小電流信号の変調周波数のデジタル制御を可能にする。方法は、第1のデジタル・データ・ワードであって、第1のデジタル・データ・ワードに関連する第1の周波数を生成するために使用される、第1のデジタル・データ・ワードを受信することを含み、その結果、第1の周波数の第1の微小電流信号が身体部分に印加される。第2のデジタル・データ・ワードは、受信され、第2のデジタル・データ・ワードに関連する第2の周波数を生成するために使用される。第2の周波数の第2の微小電流信号は身体部分に印加される。別の実施形態において、方法は、微小電流刺激信号の直接デジタル合成を可能にする。第1のデジタル・データ・ワードは、身体部分に印加される第1のアナログ電圧を生成するために使用される。第2のデジタル・データ・ワードは、身体部分に同様に印加される第2のアナログ電圧を生成するために使用され、第1のアナログ電圧は第2のアナログ電圧と異なる。さらに別の実施形態において、微小電流刺激治療を提供するための装置は、デジタル・アナログ変換器、コントローラ、および複数のデータ・ワードを含む。コントローラは、デジタル・アナログ変換器に結合され、デジタル・アナログ変換器にデジタル・データ・ワードを供給して、微小電流刺激治療用の電気信号を発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第9,283,371号
【特許文献2】米国特許第8,888,288号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0028214号
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0188811号
【特許文献5】米国特許第9,237,842号
【特許文献6】米国特許出願公開第2017/0290505号
【特許文献7】米国特許出願公開第2018/0049637号
【特許文献8】米国特許出願公開第2018/0153399号
【特許文献9】米国特許第6,385,727号
【特許文献10】米国特許第9,839,352号
【特許文献11】米国特許第6,736,511号
【特許文献12】米国特許第10,391,312号
【特許文献13】米国特許第6,035,236号
【特許文献14】米国特許第6,275,735号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
視力問題処置および試験用の、電極設計、配置、ならびに、電気刺激信号送出および受信のための改良型システムおよび方法についての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
電気刺激処置において使用される電極システムおよび信号送出のためのシステムおよび方法であって、患者の視力問題を試験し、監視し、処置の結果を解析し、例えば、患者についての医療処置が継続および/または変更される必要があるか否かを判定するために監視し、電極システムの設計および配置ならびに種々のセットの電極に送出される信号の調整が、患者の組織を通る信号流の幾何形状の調整を容易にする、システムおよび方法。幾つかの実施形態において、処置、試験、および監視は、加齢黄斑変性(AMD:age-related macular degeneration)による視力問題のためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A1】
図1A1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するためのリターン電極システム101の分解斜視図である。
【
図1A2】
図1A2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム101の部分分解斜視図である。
【
図1A3】
図1A3は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム101の断面略図である。
【
図1B1】
図1B1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するためのリターン電極システム102の分解斜視図である。
【
図1B2】
図1B2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム102の部分分解斜視図である。
【
図1B3】
図1B3は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム102の断面略図である。
【
図1C1】
図1C1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するためのリターン電極システム103の分解斜視図である。
【
図1C2】
図1C2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム103の部分分解斜視図である。
【
図1C3】
図1C3は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム103の断面略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム201を使用する目刺激システム271の斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム202を使用する目刺激システム272の斜視図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム203を使用する目刺激システム273の斜視図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム204を使用する目刺激システム274の斜視図である。
【
図2E】
図2Eは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム205を使用する目刺激システム275の斜視図である。
【
図2F】
図2Fは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム206を使用する目刺激システム276の斜視図である。
【
図2G】
図2Gは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム207を使用する目刺激システム287の斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激のための眼刺激システムおよび方法301のブロック図/フローチャートである。
【
図3B】
図3Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激のための眼刺激システムおよび方法302のブロック図/フローチャートである。
【
図3C】
図3Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激システムおよび方法303のブロック図/フローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる2つの異なる代替の目刺激電極415および416を有する患者89の正面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極415を使用するシステム501の正面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極416を使用するシステム502の正面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる、単一ストリップ522上の目刺激電極521および523を使用するシステム503の正面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる、単一ラップアラウンド目刺激電極525を使用するシステム504の正面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成601を用いた、患者89の頭部における電界611の上部断面略図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するためのシステム構成602を用いた、患者89の頭部における電界622の上部断面略図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成701を用いた、患者89の頭部における電界711の上部断面略図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成702を用いた、患者89の頭部における電界712の上部断面略図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成703を用いた、患者89の頭部における電界721の上部断面略図である。
【
図7D】
図7Dは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成704を用いた、患者89の頭部における電界722の上部断面略図である。
【
図7E】
図7Eは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成705を用いた、患者89の頭部における電界715の上部断面略図である。
【
図7F】
図7Fは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成706を用いた、患者89の頭部における電界716の上部断面略図である。
【
図7G】
図7Gは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成707を用いた、患者89の頭部における電界717の上部断面略図である。
【
図7H】
図7Hは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成708を用いた、患者89の頭部における電界718の上部断面略図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成801を用いた、患者89の頭部における電界811の上部断面略図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成802を用いた、患者89の頭部における電界812の上部断面略図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成801を用いた、患者89の頭部における電界911の上部断面略図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成802を用いた、患者89の頭部における電界912の上部断面略図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の幾つかの実施形態による、患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがない信号の振幅を決定するために使用される、初期サブセッション1050中に患者の目に印加される経時的な電気信号振幅のグラフ1001である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の幾つかの実施形態による、患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがない信号の振幅を印加するための、サブセッション1053中に患者の目に印加される経時的な電気信号振幅のグラフ1002である。
【
図10C】
図10Cは、本発明の幾つかの実施形態による、信号の振幅が患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがないように、患者の目に印加される信号の経時的な振幅を変動させることができるシステム1003のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は例証のために多くの詳細を含むが、以下の説明に対する多くの変形および代替が本発明の範囲内にあることを当業者は認識するであろう。特定の例は特定の実施形態を示すために使用される。しかしながら、特許請求の範囲内で説明される発明は、これらの例のみに限定されることを意図されるのではなく、むしろ、添付特許請求項の全範囲を含む。したがって、本発明の以下の好ましい実施形態は、特許請求される発明に対する一般性を失うことなく、かつ、特許請求される発明に対して制限を課すことなく述べられる。さらに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、添付図面に対して参照が行われ、添付図面は、好ましい実施形態の一部を形成し、添付図面において、本発明が実施されることができる特定の実施形態が例証として示される。他の実施形態が利用されることができ、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的変更が行われることができることが理解される。
【0023】
本発明が、本明細書で個々に説明される種々の実施形態および特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせを有する実施形態を含むことが特に企図される(すなわち、要素の全ての組み合わせを挙げるのではなく、本明細書は、代表的な実施形態の説明を含み、そして、本出願において参照により組み込まれる特許および出願公報において説明される実施形態の特徴の一部と組み合わされた1つの実施形態からの特徴の一部を含む実施形態を含んで、別の実施形態の特徴の一部と組み合わされた1つの実施形態からの特徴の一部を含む実施形態を企図する)。さらに、一部の実施形態は、本明細書で説明する実施形態のうちの任意の1つの実施形態の一部として説明される全てより少ないコンポーネントを含む。
【0024】
図に現れる参照数字の先頭数字(複数可)は、一般に、そのコンポーネントが最初に導入される図の番号に対応し、それにより、同じ参照数字が、全体を通して使用されて、複数の図に現れる同一コンポーネントを指す。信号および接続は、同じ参照数字またはラベルによって参照されることができ、実際の意味は、説明の文脈におけるその使用から明らかになるであろう。
【0025】
本明細書で参照される特定のマークは、出願人または譲受人が所属するか所属しないまたは第3者のコモン・ローまたは登録商標とすることができる。これらのマークの使用は、例によって実施可能な程度の開示(enabling disclosure)を提供するためのものであり、特許請求される主題の範囲を、そのようなマークに関連するマテリアルに限定すると解釈されないものとする。
【0026】
図1A1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するための第1のタイプのリターン電極システム101の分解斜視図である。幾つかの実施形態において、リターン電極システム101は2つの電気伝導性ゲル層エリア152Aおよび152Bを含み、2つの電気伝導性ゲル層エリア152Aおよび152Bは、互いから横方向にオフセットし、幾つかの実施形態において、ゲル層エリア152Aおよび152Bの間で縁部から縁部に位置決めされた絶縁体154によって分離される。幾つかの実施形態において、絶縁体154は感圧接着剤を含む。幾つかの実施形態において、絶縁体154は、ゲル層エリア152Aおよび152Bを分離するだけでなく、ゲル層エリア152Aおよび152Bの周囲も囲む。幾つかの実施形態において、ゲル層エリア152Aおよび152Bと向かい合いかつ電気伝導状態で位置決めされるのは、1つまたは複数のスナップ・タイプ電気接続部110がそこを通して組み立てられる1つまたは複数の開口を有する単一の電気伝導性金属電極130である。示す実施形態において、2つのスナップ・タイプ電気接続部110が設けられ、2つのスナップ・タイプ電気接続部110は、それらのそれぞれの内側部分114Aおよび114Bならびにそれらのそれぞれの外側部分112Aおよび112Bを含む。他の実施形態は、1つまたは複数のそのようなスナップ・タイプ電気接続部110または他の適切な電気接続部を含む。幾つかの実施形態において、1つまたは複数のスナップ・タイプ電気接続部110は、患者の片目または両目の上または下の電極に(例えば、1つまたは複数のケーブルあるいは可撓性回路部によって)同様に電気接続される内臓式電気刺激コントローラに接続されるように構成される。幾つかの実施形態において、それぞれの内側スナップ・アセンブリ部分114Aおよび114Bは、それぞれの炭素層ディスク142Aおよび142Bによってそれらのそれぞれのゲル層エリア152Aおよび152Bから分離される。幾つかの実施形態において、電気伝導性金属電極130は、絶縁ポリマー基材120上に堆積される。幾つかの実施形態において、基材120は、その周辺の周りに感圧接着剤を有し、取り外し可能剥離層160が設けられ、それにより、組み立てられたリターン電極システム101は、剥離層160を取り外し、リターン電極システム101を患者の皮膚の所望のエリアに適用することによって使用されることができ(幾つかの実施形態において、リターン電極システム101は、例えば
図6A~9Bに示すように、患者の頭部の背後において患者の皮膚に適用され、一方、他の実施形態において、リターン電極システム101は、任意の他の適切な場所(例えば、患者の首部、こめかみ(temple)、肩、手のひら、または同様なもの)において患者の皮膚に適用され)、感圧接着剤の周辺は、リターン電極システム101を所定の場所に保持し、ゲル層エリア152Aおよび152Bを所定の場所でかつ互いから分離して含む。幾つかの実施形態において、電極130の2つのより大きい側面エリア132および133は、ブリッジ・エリア131によって互いに電気接続される。
【0027】
幾つかの実施形態において、電極130の2つのより大きい側面エリア132および133ならびにゲル層エリア152Aおよび152Bは、左右対称でかつできる限り互いに同様であるように作られて、目の電極(複数可)と、電極130の2つの半分およびそれらのゲル層エリア152Aおよび152Bのそれぞれとの間で患者の組織を通る電流の量を等しくまたは実質的に等しくする。
【0028】
幾つかの実施形態において、リターン電極システム101は、接地としてまたは患者の目に配置された電極に対するアクティブ電極として考えることができる。これは、1つの電気入力(またはチャネル)によって同時に駆動される患者の頭部の背後で横方向に分離された2つのアクティブ・ゾーンを可能にする。本発明の幾つかの他の実施形態は、リード・ワイヤを分割することによってこれを達成し、この実施形態は、物理的に分離された2つの接触エリア(それぞれの接触エリアは、任意選択で、患者の皮膚に対するよりよい伝導率およびより等しい電気伝導率のために電気伝導性ゲルを使用する)を有する単一電極によってこの結果を達成する。幾つかの実施形態において、これは、脳の視覚部分に目を接続する神経の中心エリアによりよく達するように電界を制御することを可能にする。
【0029】
2つのスナップが
図1A1~1A3の実施形態に示されるが、他の実施形態は、1つのみのスナップ電気接続部を使用する。他の実施形態において、他の数または他のタイプの電気接続部が設けられる。
【0030】
図1A1~1A3に示す実施形態は、頭部の背後にわたる対称電流密度のために電気を同等に分配するように設計されるが、他の実施形態は、不等のサイズの側面エリア132および133を有するかまたは所望の効果に基づいて非対称電流密度を達成する他のパラメータを有するように設計される。
【0031】
種々の実施形態において、異なるサイズは、設けられ、特定の患者の処置経過、または、所与の生理学について最適なサイズを決定するために制御された実験に参加する患者の母集団の経過の継続中の診断結果に基づいて選択される。
【0032】
幾つかの実施形態は、伝導性ハイドロゲルを使用する。他の実施形態において、他の適切な伝導性媒体(複数可)が使用される。
【0033】
複数の接続ポイントは、2つ以上のチャネル(例えば、幾つかの実施形態において、左目電極に対する右目電極(複数可)のために使用される異なる演算増幅器からの差動出力)が、信号リターンまたは接地のためにリターン電極システム101を共有することを可能にする。
【0034】
図1A2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム101の部分分解斜視図である。
図1A2は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1A1において分離されているコンポーネントを部分的に組み立てられたものとして示す。
【0035】
図1A3は、本発明の幾つかの実施形態による、組み立てられたリターン電極システム101の断面略図であり、垂直比率は例証のために誇張されている。この実施形態において、電気伝導性ハイドロゲル・エリア152Aおよび152Bが、より容易なアライメントを可能にするために導体130の左手および右手エリア132および133の横方向境界を超えて延在するが、それが最小抵抗を有する最短経路であるため、電流のほとんどが垂直に流れることに留意されたい。幾つかの実施形態において、上部基材120は、剥離層160に隣接してその周囲の周りに感圧接着剤127を含む。剥離層160および/または基材120は、製品が患者の皮膚にまさに適用されるときの剥離層160が取り除かれる前に、ゲル・エリア152Aおよび152Bを閉囲するために互いにシールするのに十分に可撓性がある。幾つかの実施形態において、中央絶縁体154は、その皮膚に向く表面上に感圧接着剤157をコーティングされる。
【0036】
図1B1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するためのリターン電極システム102の分解斜視図である。幾つかの実施形態において、リターン電極システム102は、電極135が側面導体エリア137および138を有し、側面導体エリア137および138がゲル・エリア152Aおよび152Bのそれぞれの周囲内のエリア全体まで延在し、152Aおよび152Bの電気伝導性ゲル表面エリア全体が、接触する皮膚エリア全体についてのより均等かつ一定の電圧および/または電流のために電極135と接触状態になることを可能にすることを除いて、
図1A1~1A3のリターン電極システム101と実質的に同様である。幾つかの実施形態において、中央ブリッジ導体136は、側面導体エリア137および138を互いに電気接続させる。幾つかの実施形態において(ここでは示さないが、
図1C1から1C3に示す方法と同様の方法で)、感圧接触接着剤157を有する絶縁体材料の周辺リングが設けられ、ゲル・エリア152Aおよび152Bを囲む。
【0037】
図1B2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム102の部分分解斜視図である。
図1B2は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1B1において分離されているコンポーネントを部分的に組み立てられたものとして示す。
【0038】
図1B3は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム102の断面略図である。側面導体エリア137および138がゲル・エリア152Aおよび152Bのそれぞれの周囲内の全エリアまで延在することに留意されたい。
【0039】
図1C1は、本発明の幾つかの実施形態による、人間組織に印加される電気刺激、例えば、目の電極と組み合わされて使用されるときの目に印加される刺激の幾何形状を制御するためのリターン電極システム103の分解斜視図である。幾つかの実施形態において、リターン電極システムは、2つのそれぞれの電極135Aおよび135Bが、電気的に分離され独立して駆動され、それぞれが、ゲル・エリア152Aおよび152Bのそれぞれの周囲内のそれぞれのエリア全体まで延在し、152Aおよび152Bのそれぞれのゲル表面エリア全体が、それぞれの電極135Aおよび135Bと接触状態になることを可能にするため、それぞれの電極135Aおよび135Bのそれぞれに提供される信号の別個の制御が、接触する皮膚エリアについてより均等かつ一定の電圧および/または電流を達成することができる、または代替的に、信号が、異なる不等の電流および/または電圧を有するように制御されて、刺激される目(複数可)とリターン電極システム103との間の(例えば、目、視神経、および/または脳の)組織にわたる電界を整形するという点で、
図1A1~1A3のリターン電極システム101と異なる。
図6A~9Bを参照されたい。ここで示す幾つかの実施形態において、感圧接触接着剤157を有する絶縁体材料の周辺リング156が設けられ、ゲル・エリア152Aおよび152Bを囲む(したがって、含む)。
【0040】
図1C2は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム103の部分分解斜視図である。
図1C2は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1C1において分離されているコンポーネントを部分的に組み立てられたものとして示す。
【0041】
図1C3は、本発明の幾つかの実施形態による、リターン電極システム103の断面略図である。
【0042】
図2Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム201を使用する目刺激システム281の斜視図である。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム201は、リターン電極システム102(
図1B1、1B2、および1B3について上記で説明した)、ならびに、それぞれ患者の左目および右目用の2つの目電極システム270Aおよび270Bを含む。電気コネクタ191は、コントローラ190とリターン電極システム102との間の電気接続を提供し、一方、電気コネクタ291はそれぞれ、コントローラ190と目電極システム270Aおよび270Bとの電気接続をそれぞれ提供する。他の実施形態において、リターン電極システム101(
図1A1、1A2、および1A3について上記で説明した)またはリターン電極システム103(
図1C1、1C2、および1C3について上記で説明した)は、リターン電極システム102に置き換わる。幾つかの実施形態において、コントローラ190は、パルス状信号をコネクタ191および2つのコネクタ291に供給し、コネクタ291は、患者の上側および下側瞼を通して電気刺激を提供して、加齢黄斑変性(AMD)に抗するように設計された治療刺激を提供する。幾つかの実施形態において、信号の極性は、患者の組織における電荷蓄積を低減するために周期的に反転される。幾つかの実施形態において、信号のマグニチュードは、反転されると変化する(例えば、電流のより低いマグニチュードのより長い継続期間またはより多数のパルスは、電流のより高いマグニチュードのより短い継続期間またはより少数のパルスの電荷蓄積を中和させるために使用される)。幾つかの実施形態において、パルス包絡線は、より高い周波数のより短いパルスのキャリアを振幅変調するために適用される。幾つかの実施形態において、パルス包絡線は、不快な感覚神経刺激を回避するために、より高いマグニチュード強度まで徐々にランプされる(
図10A、10B、および10C、ならびに以下のそれらの説明を参照)。幾つかの実施形態において、それぞれの目電極サブシステム270A、270Bは、可撓性絶縁基材271上に金属層として堆積された下側瞼電極272および上側瞼電極273を含み、各電極は、それぞれのスナップ・タイプ電気コネクタ274(または他の適切なコネクタ)を有する。コネクタ291はそれぞれ、各コネクタ274用の対応する収納部コネクタを有する。
【0043】
幾つかの実施形態において、目刺激電極システム201の場合にそうであるように、3つの別個の部品を使用することは、部品のより容易な適用を可能にする。その理由は、部品が、一度に1つ適用され、異なる頭部サイズに容易に順応するからである。幾つかの実施形態において、3つの部品のそれぞれは、その上に印刷された個々のQRタイプ・コード(エンコードされたシリアル番号情報を有する-例えば、
図2Gおよびその説明参照)(または、他の実施形態(図示せず)において、そのようなエンコードされたシリアル番号情報を有するチップ)を有するため、スマートフォンまたはタブレット99上のカメラ・アプリケーション(または、他の適切なソフトウェア・アプリケーション)は、それぞれのQRコード(登録商標)を読み取って、治療の追跡(そのため、将来の治療セッションにおいて調整が行われることができる)および/または患者/保険課金、または同様のものの目的で、どの日時にどの患者に対してどの電極が使用されたかを追跡することができる。
【0044】
図2Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム202を使用する目刺激システム282の斜視図である。幾つかの実施形態において、目刺激システム282は、眼刺激電極システム202が、眼刺激電極システム201の場合のように3つの別個の部品ではなく、オール・イン・ワン電極システムとして作製されることを除いて、上記で説明した目刺激システム281の動作と実質的に同様に動作する。幾つかの実施形態において、単一電気コネクタ292は、それぞれの電極(例えば、130、271、273)の全てに信号を結合させるために適切な接続ポイントを有する。
【0045】
図2Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム203Aを使用する目刺激システム283の斜視図である。幾つかの実施形態において、システムを190にインターフェースするのは、個々の接続ポイント212を有するコネクタ210である。反対側リターン電極は、電気接続ワイヤ通路230を通して基材218上の電極217にインターフェースする。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム203Aは、患者の左目用の一対の電極271および273ならびに患者の頭部の右後側用の反対側電極を提供する(
図2Fのシステム206の3分の1と本質的に同じ)。
【0046】
図2Dは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム203Bを使用する目刺激システム284の斜視図である。幾つかの実施形態において、システムを190にインターフェースするのは、個々の接続ポイント212を有するコネクタ210である。反対側リターン電極は、電気接続ワイヤ通路230を通して基材218上の電極217にインターフェースする。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム203Aは、患者の右目用の一対の電極271および273ならびに患者の頭部の左後側用の反対側電極を提供する(
図2Fのシステム206の3分の1と本質的に同じ)。
【0047】
図2Eは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム205を使用する目刺激システム285の斜視図である。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム205は、リターン電極135が、電気的に分離され、個々に作動可能であることを除いて眼刺激電極システム201と同様である。
【0048】
図2Fは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム206を使用する目刺激システム286の斜視図である。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム206は、リターン電極135が、電気的に分離され、個々に作動可能であることを除いて眼刺激電極システム202と同様である。
【0049】
図2Gは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激電極システム207を使用する目刺激システム287の斜視図である。幾つかの実施形態において、眼刺激電極システム206は、リターン電極117が、物理的かつ電気的に分離され、患者に個々に取り付けられることができ、個々に作動可能であることを除いて眼刺激電極システム202と同様である。幾つかの実施形態において、DRタイプ・コード241(スマートフォンまたはタブレット99上のアプリケーションによって、インターネット上でシリアル番号をルックアップするために使用可能なエンコードされたシリアル番号および/または情報を有する)が、電極システム270に取り付けられる。
【0050】
図3Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激のための眼刺激システムおよび方法301のブロック図/フローチャートである。幾つかの実施形態において、方法301は、医師95が行動を起こすことを示すブロック97.1を含み、医師95は患者/ユーザ89の世話をしている。幾つかの実施形態において、行動97.1は、診断試験に適する施設から診断試験を要求/スケジュールする。幾つかの実施形態において、要求は、患者89について使用されている目刺激電極システム上に位置する迅速応答(QR:Quick Response)コードのスキャンを含む(幾つかのそのような実施形態において、QRコード(登録商標)は、使用されている目刺激電極システムに関連するシリアル番号を含む)。幾つかの実施形態において、ブロック310にて、試験施設は、試験要求および/またはスキャン済みのQRコード(登録商標)情報を引き出し受信する。幾つかの実施形態において、ブロック320にて、診断試験が試験施設において投与され、診断試験のデータ・レポートは、生成され、そして、データ・レポートは、患者の/ユーザの医師95に送出され、患者の/ユーザの医師95は、レポートに基づき、ブロック97.2にて、処置(例えば、上記で述べた米国特許第10,391,312号、米国特許第6,035,236号、および/または米国特許第6,275,735号に記載される処置等の、ブロック340によって示される試験施設において実施される処置)を要求する。幾つかの実施形態において、ブロック330にて、試験施設は、医師95から処置要求を引き出し受信する。幾つかの実施形態において、ブロック340は、ブロック320において行われるようなフォローオン診断試験を実施することであって、それにより、中間改善結果が存在するか否かを確かめる、実施することも含む。幾つかの実施形態において、ブロック350にて、ブロック340の一部として実施されるフォローオン診断試験からの結果は、チェックされ(幾つかの実施形態において、任意選択で、医師95による検討を含む)、適切である場合、承認または拒否(必要に応じて)は、ブロック350にて発行され、ユーザ/患者89に提供され、患者のログおよびチェックアップの結果を維持するデータベース360に記憶される。幾つかの実施形態において、ブロック97.3にて、人98(例えば、ユーザ/患者89および/または患者の/ユーザの医師95)は、或る期間にわたって一連の継続中の処置についてデータベース360内にアカウントを作る。
【0051】
図3Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激のための眼刺激システムおよび方法302のブロック図/フローチャートである。幾つかの実施形態において、行動97.1は、診断試験を要求/スケジュールするが、診断試験および/または処置が
図3Aの場合のようにそのような試験に適する施設で実施される代わりに、患者89は、目刺激電極システムを所持し、診断試験および/または処置を自己投与する。例えば、幾つかの実施形態において、ブロック311にて、患者89は、目刺激電極システムによって、医師95からの診断試験要求を引き出し受信する。幾つかの実施形態において、ブロック321にて、診断試験は患者89によって自己投与され、診断試験のデータ・レポートが生成され、そして、データ・レポートは、患者の/ユーザの医師95に送出され、患者の/ユーザの医師95は、レポートに基づき、ブロック97.2にて、処置(例えば、上記で述べた米国特許第10,391,312号、米国特許第6,035,236号、および/または米国特許第6,275,735号に記載される処置等の、ブロック341に示される患者89によって自己投与される処置)を要求する。幾つかの実施形態において、ブロック331にて、患者89は、目刺激電極システムによって、医師95からの処置要求を引き出し受信する。幾つかの実施形態において、ブロック341は、ブロック321において行われるようなフォローオン診断試験を実施することであって、それにより、中間改善結果が存在するか否かを確かめる、実施することも含む。幾つかの実施形態において、ブロック351にて、ブロック341の一部として実施されるフォローオン診断試験からの結果は、チェックされ(幾つかの実施形態において、任意選択で、医師95による検討を含む)、適切である場合、承認または拒否(必要に応じて)は、ブロック351にて発行され、ユーザ/患者89に提供され、患者のログおよびチェックアップの結果を維持するデータベース360に記憶される。
【0052】
図3Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための眼刺激システムおよび方法303のブロック図/フローチャートである。幾つかの実施形態において、方法303に示すように、医師95は、プロセスから完全に取り除かれ、患者89は、診断試験(複数可)および/または処置を自己投与する。例えば、幾つかの実施形態において、ブロック313にて、患者89は、目刺激電極システムを所持し、患者89は、目刺激電極システムおよびその関連するQRコード(登録商標)(例えば、目刺激電極システムを識別するシリアル番号を含む)を使用して、診断要求を提示する。幾つかの実施形態において、ブロック323にて、患者89は、初期フル診断試験を自己投与し、診断試験のデータ・レポートが生成され、そして、データ・レポートは、患者89に送出され、患者89は、レポートに基づき、ブロック333にて、処置(例えば、上記で述べた米国特許第10,391,312号、米国特許第6,035,236号、および/または米国特許第6,275,735号に記載される処置等の、ブロック353に示される患者89によって自己投与される処置)を要求する。幾つかの実施形態において、ブロック343にて、目刺激電極システムは、パルス包絡線(複数可)を変更して、処置中に患者の組織に印加される電界の幾何形状を調整する。幾つかの実施形態において、ブロック353にて、患者89は、処置を自己投与し、幾つかの実施形態において、ブロック353は、ブロック323において行われるようなフォローオン診断試験を実施することであって、それにより、中間改善結果が存在するか否かを確かめる、実施することも含む。幾つかの実施形態において、ブロック363にて、ブロック353の一部として実施されるフォローオン診断試験からの結果に基づいて、目刺激電極システムは、パルス包絡線についてのパラメータを修正して、将来の処置中に患者89に印加される電界の幾何形状を調整する(幾つかのそのような実施形態において、修正されたパラメータは、患者のログおよびチェックアップの結果を維持するデータベース360に記憶される。)。
【0053】
図4は、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる2つの異なる代替の目刺激電極415および416を有する患者89の正面図である。幾つかの実施形態において、目刺激電極415は、分離され、一度に1つ、患者の瞼に個々に適用される、上側瞼ストリップおよび下側瞼ストリップ上の複数の個々に作動可能な電極を含む。幾つかの実施形態において、目刺激電極416は、分離され、一度に1つ、患者の瞼に個々に適用される、上側瞼ストリップ上の単一の個々に作動可能な電極および下側瞼ストリップ上の別の電極を含む。
【0054】
図5Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極415を使用するシステム501の正面図である。幾つかの実施形態において、システム501は、1つまたは複数のストリップ基材512を含み、各基材512は複数の電極511を有する。幾つかの実施形態において、複数の電極511のそれぞれは、対応する電気導体513に結合される。幾つかの実施形態において、システム501は、電気導体513を介して複数の電極511に動作可能に結合される微小電流刺激コントローラ561を含む。幾つかの実施形態において、微小電流刺激コントローラ561は、電池によって動作するマイクロプロセッサ(μP)を含み、任意選択で、近くのラップトップ・パーソナル・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、または同様なものによって制御および/またはプログラムされる。幾つかの実施形態において、それぞれの使い捨て治療器具ストリップ415は、コントローラ装置561上の対応するコネクタ562に差し込むまたはその他の方法で電気接続する電気コネクタ517に電気結合したワイヤ束514(複数の電気導体513を含む)を含む。
【0055】
図5Bは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極416を使用するシステム502の正面図である。幾つかの実施形態において、システム502はコントローラ190を含む。幾つかの実施形態において、それぞれの目刺激電極416は、可撓性絶縁基材522上で金属層として堆積された電極521を含み、各電極521は、対応する電気接続部414によってコントローラ190に結合される。
【0056】
図5Cは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる、単一ストリップ522上の目刺激電極521および523を使用するシステム503の正面図である。幾つかの実施形態において、電極521および523は、単一電気接続部514によってコントローラ190に結合される。
【0057】
図5Dは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極の1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる、単一ストリップ522上の単一目刺激電極525を使用するシステム601の正面図である。
【0058】
図6Aは、本発明の幾つかの実施形態による、人間の左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1A1~1C3、2A、2B、2C、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極416を使用するシステム構成601を用いた、患者89の頭部における電界611の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、目電極416およびリターン電極はコントローラ190に結合される。
【0059】
図6Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するためのシステム構成602を用いた、患者89の頭部における電界622の上部断面略図である。
【0060】
図7Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成701を用いた、患者89の頭部における電界711の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、目電極およびリターン電極はコントローラ190に結合される。幾つかの実施形態において、電界711は、右目上の目電極から右目に対向する頭部の側のリターン電極まで主に伝播する。
【0061】
図7Bは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成702を用いた、患者89の頭部における電界712の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電界712は、右目上の1つまたは複数の目電極416から右目と同じ側の頭部上のリターン電極まで主に伝播する。
【0062】
図7Cは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成703を用いた、患者89の頭部における電界721の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電界721は、左目上の1つまたは複数の目電極416から左目に対向する頭部の側のリターン電極まで主に伝播する。
【0063】
図7Dは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成704を用いた、患者89の頭部における電界722の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電界722は、左目上の1つまたは複数の目電極416から左目と同じ側の頭部上のリターン電極まで主に伝播する。
【0064】
図7Eは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成705を用いた、患者89の頭部における電界715の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電極およびリターン電極は、コントローラ190に結合される。幾つかの実施形態において、目電極416の両方のセットから右収納電極に至る電界715は、右目上の電極から頭部の左側のリターン電極まで主に伝播する。
【0065】
図7Fは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成706を用いた、患者89の頭部における電界716の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、目電極416の両方のセットから左収納電極に至る電界716は、右目上の電極から頭部の左側のリターン電極まで主に伝播する。
【0066】
図7Gは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数のリターン電極と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成707を用いた、患者89の頭部における電界717の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、目電極416の両方のセットから収納電極の両方のセットに至る電界717は、右目上の電極から左目と同じ側の頭部上のリターン電極まで主に伝播する。
【0067】
図7Hは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成708を用いた、患者89の頭部における電界718の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、目電極416の両方のセットから収納電極の両方のセットに至る電界718は、右目上の電極から右目と同じ側の頭部上のリターン電極まで主に伝播する。
【0068】
図8Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成801を用いた、患者89の頭部における電界811の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電極416およびリターン電極は、コントローラ190に結合される。幾つかの実施形態において、電界811は、左目上の1つまたは複数の電極416から左目に対向する側の頭部上のリターン電極まで伝播する。
【0069】
図8Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成802を用いた、患者89の頭部における電界812の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電界812は、右目上の1つまたは複数の電極から右目に対向する側の頭部上のリターン電極まで伝播する。
【0070】
図9Aは、本発明の幾つかの実施形態による、左目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成801を用いた、患者89の頭部における電界911の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電極416およびリターン電極は、コントローラ190に結合される。幾つかの実施形態において、電界911は、左目上の1つまたは複数の電極から左目と同じ側の頭部上のリターン電極まで伝播する。
【0071】
図9Bは、本発明の幾つかの実施形態による、右目に印加される電気刺激の幾何形状を制御するための、
図1C1~1C3、2E、または2Fに示すリターン電極のセットの1つまたは複数と共に、使用されることができる目刺激電極を使用するシステム構成802を用いた、患者89の頭部における電界912の上部断面略図である。幾つかの実施形態において、電界912は、右目上の1つまたは複数の電極から右目と同じ側の頭部上のリターン電極まで伝播する。
【0072】
図10Aは、本発明の幾つかの実施形態による、患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがない信号の振幅を決定するために使用される、初期サブセッション1050中に患者の目に印加される経時的な電気信号振幅のグラフ1001である。幾つかの実施形態において、徐々に増加する電流振幅(パルス1021、1022、および1023等参照)を有する強度決定シリーズのパルス1020が生成され、それにより、コントローラ190(例えば、
図2A参照)は、皮膚インピーダンスについてのフィードバックおよび/または患者不快を示す(音声コマンド(または甲高い声)またはプッシュ・ボタン・スイッチ信号等の)患者生成フィードバック(例えば、不快レベル1029を超えるパルス1025および1026を参照)を受信し、患者からのそのようなフィードバック信号またはパルスに対する患者の生理的応答を受信すると、コントローラ190は、パルスの電流および/または電圧を、不快を引き起こすレベルに比べて許容される治療レベル1039まで低減する。幾つかの実施形態において、治療シリーズのパルス1030、例えば、治療パルス1031、1032、1033等は、その後、印加される。幾つかの実施形態において、ランプダウン・シリーズのパルス1040は、治療シリーズのパルス1030後に印加される。幾つかの実施形態において、初期サブセッション1050は、強度決定シリーズのパルス1020、治療シリーズのパルス1030、およびランプダウン・シリーズのパルス1040を含む。
【0073】
図10Bは、本発明の幾つかの実施形態による、患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがない信号の振幅を印加するための、サブセッション1053中に患者の目に印加される経時的な電気信号振幅のグラフ1002である。幾つかの実施形態において、ランプから治療レベルのシリーズのパルス1051が、生成され、
図10Aの初期サブセッション1050中に決定される治療レベル1039まで、電流振幅を徐々に増加させる。幾つかの実施形態において、治療シリーズのパルス1031が、その後、印加され、それに続いて、ランプダウン・シリーズのパルス1052が印加される。幾つかの実施形態において、サブセッション1053は、ランプから治療レベルのシリーズのパルス1051、治療シリーズのパルス1031、およびランプダウン・シリーズのパルス1052を含む。
【0074】
図10Cは、本発明の幾つかの実施形態による、信号の振幅が患者にとって効果的であると共にあまりにも不快であることがないように、患者の目に印加される信号の経時的な振幅を変動させることができるシステム1003のブロック図である。幾つかの実施形態において、システム1003は、基地局1090、コントローラ1081、FLASH(登録商標)ドライブ1096、使い捨て電極1072、ならびに、(必要に応じて)使い捨てグラウンド・パッチ、伝導性ゲル、およびクリーニング・ワイプを含む。幾つかの実施形態において、基地局1090は、パラメータを選択し、性能、データ収集および記憶、ならびに制御ユニット(コントローラ1081)との通信を監視するための、ラップトップ・パーソナル・コンピュータ(PC)、タブレット・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、または同様なもの等のデバイスである。幾つかの実施形態において、コントローラ1081は、目の上の電極接点に電流を送出する電子部品を含む制御ユニットである。幾つかの実施形態において、電極接点は、使い捨てストリップ、ゴーグル、または個々のプローブ、または同様なものの一部である。幾つかの実施形態において、FLASH(登録商標)ドライブ1096は、固定数の前払い式患者治療を提供するために暗号化データおよびプログラム・コードを含むUSB「サム・ドライブ(thumb drive)」であり、そこで、成功裏の治療が終了するたびに、1つの治療ユニットがフラッシュ・ドライブから推測される。幾つかの実施形態において、FLASH(登録商標)ドライブ1096は、特定の患者治療についての処方を提供するために暗号化データおよびプログラム・コードを含むUSB「サム・ドライブ」であり、そこで、成功裏の治療が終了するたびに、1つの治療ユニットがフラッシュ・ドライブから推測される。幾つかの実施形態において、全ての利用可能な治療ユニット・セッションが終了すると、FLASH(登録商標)ドライブ1096は、廃棄されることができ、新しい前払い式フラッシュ・ドライブが使用される。他の実施形態において、FLASH(登録商標)ドライブ1096は、種々の異なる治療変動の長期有効性を判定するために後で解析されることができるセッション・データおよびパラメータを収集し記録するためにも使用されるため、全ての利用可能な治療ユニット・セッションが終了すると、FLASH(登録商標)ドライブ1096は、解析施設に戻され、データおよび1治療当たりのセッション料金と引き換えに、新しい前払い式フラッシュ・ドライブが処置施設に送出される。幾つかの実施形態において、患者識別データは、何がうまく働き、何がうまく働かないかを解析するのに十分な情報を有するように各セッションを維持しながら、患者のプライバシーおよび/または法的要件のために匿名化され暗号化される。幾つかの実施形態において、使い捨て電極1072は、上側瞼部分に一部の接点および下側瞼部分に他の接点を持つように分割された、例えば、6個から12個(または、他の適切な数)の接点を含む、接着剤ストリップ、使い捨て手持ち式プローブ先端またはゴーグルの形態の複数の電極接点を含む。幾つかの実施形態において、キットが設けられ、上記で述べた使い捨て電極1072(接点ストリップ)、1つまたは複数の手持ち式プローブ先端および/またはゴーグル、およびフラッシュ・ドライブに加えて、キットは、使い捨てグラウンド・パッチ、伝導性ゲル、およびクリーニング・ワイプのようなアイテムも含む。
【0075】
幾つかの実施形態において、コントローラ1081は、マイクロプロセッサ1061、コントローラ1081の残りの部分に電力を供給する電力システム(電池、ウルトラキャパシタ、または同様なもの)1062、電流およびインピーダンス・センサ1069からの信号に基づいてマイクロプロセッサ1061によって制御される電流源1063、例えば、任意の時間的瞬間に電気パルス信号を送る先が、考えられる6個の電極のうちのどの2個または3個の電極かを選択する、マイクロプロセッサ1061によって制御される、電極シーケンサおよび電流バランサー1064を含み、これらのパルスは、電極コネクタ1066を通して電極のセット1072に送られる。幾つかの実施形態において、シーケンサおよび電流バランサー1064は、電気刺激処置に関連するパルス包絡線も制御/発生する。幾つかの実施形態において、使い捨て電極のセット1072は、ストリップ内にまたはストリップ上に埋め込まれた1つまたは複数のステータスLED1067および1つまたは複数の刺激LED1077も含み、テータスLED1067および刺激LED1077は、コネクタ1066を通して送られる電気信号によって駆動される。他の実施形態において、1つまたは複数のステータスLED1067および/または刺激LED1077は、コントローラ1081内に位置し、コントローラ1081から直接、および/または、ストリップ内にまたはストリップ上に埋め込まれた光ファイバ1071または同様なものを通して、電極ストリップ上の放出ポイントまで光を放出し、これらのLED1067および/またはLED1077は、マイクロプロセッサ1061からの電気信号によって駆動される。幾つかの実施形態において、ステータスLED1067は、システムが機能していることおよびアクティブであることを医療専門家および/または患者に言うためにステータスおよび患者フィードバック機能を提供する。幾つかの実施形態において、刺激LED1077は、患者89のターゲット組織内で神経活動電位(NAP:nerve-action potential)を生成するのに十分である神経刺激光信号(例えば、十分に高い強度を有する赤外光信号)を提供する。幾つかの実施形態において、電極1072によって提供される電界は、LED1077によって生成される神経刺激光信号のためのプレコンディショナーとして働き、それにより、NAPは、電界が提供されなかった場合に要求されていたと思われるより低い強度で神経刺激光信号によって生成される。
【0076】
幾つかの実施形態において、無線通信デバイス1068(Bluetooth(登録商標)、NFC、赤外線光通信、または同様なもの等)は、基地局1090に対して一方向または2方向通信を提供する。幾つかの実施形態において、基地局1090は、例えば、FLASH(登録商標)ドライブ1096からの前払い式治療承認に基づいて、特定の患者について固有のプログラミング情報を送信し1091、承認は、任意選択で、料金が支払われたことに基づく承認、ならびに、患者固有の治療制御情報であって、特定の患者とみなされた人(identified patient)が、目の医師または同様な人によって処方された処置レジメンに基づいてこのセッションにおいて処置されるようにカスタマイズされた、患者固有の治療制御情報を含む。幾つかの実施形態において、セッション・パラメータは、(パルスの実際の数、極性、シーケンス、および強度、測定されたインピーダンスおよび/または電流、示された患者の不快のようなパラメータ、および同様なものと共に)基地局1090に戻るように通信される1092。幾つかの実施形態において、システム1003は、患者が不快または不安を感じる場合にそしてそのときに患者がそれを押すことを指令される患者作動可能スイッチ(例えば、コントローラ1081上の、または、コントローラ1081と無線でまたは有線で通信状態にある別個の手持ち式スイッチによる)を含み、そのスイッチを作動させると、コントローラ1081からの電気出力またはさらにコントローラ1081全体が、即座にシャット・オフされる、および/または、患者によるスイッチの作動のタイミングが、記録され、セッションからのパラメータの通信1092時に送信される。そのため、患者、彼女自身または彼自身からのこのフィードバックは、幾つかの実施形態において、(患者の快適さおよび安心のために、ならびに、電流源1063が不具合を有し、過大な電流を送るときのために患者の安全性に対するさらなる強化のために)デバイスを完全にシャット・ダウンするために使用され、その後、よりよい治療セッションの設計を将来可能にするために処置の特定の時間または他の態様と相関される、および/または、セッションを即座に終了するために使用されることができる(マイクロコントローラ1061は、全ての接続を「オフ(OFF)」(または、ハイ・インピーダンス)に即座に変更して、患者に対する更なる電流を遮断することになる、および/または、コントローラ1081全体は、その後(すなわち、患者によるスイッチ・プレスのタイムスタンプを記憶した後に)、シャット・ダウンし、電力源(例えば、電池)1062から切り離される)。幾つかの実施形態において、コントローラ1081および/または基地局1090は、オーディオ/振動出力ユニット1070を含み、オーディオ/振動出力ユニット1070は、治療セッション・ステータスに関連する音(ビープ、チャイム、ディング、または同様なもの)および/または振動を提供して、例えば、治療における「オン/セッション開始(ON/session starting)」、不十分なまたは不適切な処置についての警報、および、「オフ/セッション終了(ON/session ending)」を示す。
【0077】
幾つかの実施形態において、システム1003は、治療の周波数、波形、電流レベル、継続時間、および目の周りの「サイクル(cycle)」の数(幾つかの実施形態において、1つのサイクルは、6個から12個の電極接点のそれぞれの独立した作動である)を含む全てのパラメータのプログラム可能性を提供するソフトウェア駆動式システムである。幾つかの実施形態において、これらのパラメータは、製造中にプログラムされ、一方、他の実施形態において、パラメータは、臨床医または会社代表者によって現場でプログラムされる。幾つかの実施形態において、プログラミング・パラメータおよび/またはソフトウェアに対する修正(例えば、特定の患者とみなされた人について、免許を持つ医療専門家によって提供される処置プロトコルについての処方によってカスタマイズされる)は、プラグイン記憶デバイス1096(USB FLASH(登録商標)記憶デバイスまたは同様なもの)に記憶され、パラメータおよび/またはプログラムは、基地局1090に(プラグイン・デバイス1096によって)ロードされる(そして、その後、コントローラ1081に(例えば、無線でまたは有線接続によって)送信されて1091、マイクロプロセッサ1061のメモリに記憶される)。他の実施形態において、プラグイン記憶デバイス1096は、コントローラ701に直接差し込まれて、パラメータおよび/またはプログラムをマイクロプロセッサ1061のメモリにロードし記憶する(幾つかのそのような実施形態において、基地局1090は省略され、一方、他の実施形態において、基地局1090は、技術者/医療専門家に各セッションのステータスをリアルタイムに提供するために保持される)。幾つかの実施形態において、基地局1090は、技術者/医療専門家に、複数の同時の患者セッションの各セッションのステータスをリアルタイムに提供するために使用される(例えば、幾つかの実施形態において、基地局1090として使用されるラップトップ・コンピュータは、複数人の患者のそれぞれの患者についての複数の処置セッションについて分割スクリーン経過モニタを提供するようにプログラムされる(例えば、ディスプレイ・スクリーンは、例えば、最大4人の患者が同時に処置された場合、4分円に分割される))。幾つかの実施形態において、ソフトウェアは、基地局1090への無線接続を使用して遠隔で修正することもできる。幾つかの実施形態において、それぞれの個々の患者のための処置セッションについての処方(電流量、パルス継続時間、パルス間間隔、およびどれだけの数のパルスが送られるか、および同様なものを制御するための、プロトコル、パラメータ、および同様なもの)は、免許を持つ専門家によって調製されチェックされ、この処方は、前払い式アクティベーション・コードと共に、基地局1090内にまたはUSBデバイス1096内にダウンロードおよび/または記憶されて、特定の患者について承認された処置のみを可能にする。幾つかの実施形態において、基地局1090内のソフトウェアおよび/またはコントローラ1081内のソフトウェアは、特定の患者とみなされた人に関連する特定の患者の処方と特定の患者とみなされた人の患者識別情報との間の一致を検証して、正しい処方がその患者のために使用されていることを検証する。
【0078】
幾つかの実施形態は、コントローラ1081内におよび/または基地局1090内に大きいメモリを含んで、各電極に印加されるパルスの数、電流量、および処置セッションが関与したもの(例えば、実際のまたは見せかけの処置セッションが特定の患者に提供されたか否かを含む)の全ての他の関連するパラメータ等の処置プロトコルを含む、全ての関連する患者および臨床データを取り込み記録する。幾つかの実施形態において、記録されたデータは、(例えば、データが永久的に記憶され、後で利用可能になるために、多くの読み出し動作が続くことができる単一書き込み動作のみを可能にするメモリの部分を使用して)USB記憶デバイス1096の永久メモリ部分に記憶される。幾つかの実施形態において、これらのデータは、遠隔で収集され、会社および/または臨床要員によって要約される。幾つかの実施形態において、データは、患者と診療所との間の比較を提供するために要約され、調査に使用することができる。経時的に、このデータは、会社または解析施設が、設計および臨床プロトコルを最適化することを可能にすることになり、したがって、成果を改善する。
【0079】
幾つかの実施形態は、電流源1063によって、より大きい電流駆動容量ならびにセンサ・ユニット1069によるよりよい電流およびインピーダンス測定を提供する。これは、コントローラ1081が、予期しないより高い任意のインピーダンス・レベルを克服する、より大きくかつより注意深く制御された電流レベルを送出することを可能にする。幾つかの実施形態において、システム1003は、治療中に、患者に対する350マイクロアンペア(μA)より大きい電流の送出を防止するガバナー(例えば、電流コントローラ)を有する。幾つかの実施形態において、基地局1090および/またはコントローラ1081は、フラッシュ・ドライブ1096からの適切にエンコードされたメッセージによって、または、真正の暗号化コード(例えば、幾つかの実施形態において、インターネット上の会社ウェブサイトから受信される)によってのみ作動することができ、真正の暗号化コードは、ラップトップが、幾つかの実施形態におけるWIFIを介して、微小刺激コントローラ1061に信号送信して、特定の患者とみなされた人のために治療セッションを行うことを可能にする。幾つかの実施形態において、微小刺激コントローラ1061およびコントローラ1081は、ゴーグル1095上に実装され、コントローラ1081は、コントローラ1081に差し込まれたフラッシュ・ドライブ1096によって、または、任意の他の適切なタイプの接続(基地局1090へのUSBケーブル等)によって作動することができる。
【0080】
幾つかの実施形態は、インピーダンスの変化に対する自動調整を提供する。処置中に、接点から接点および目から目へとインピーダンスが変化するため、制御ユニット1081は、一貫性のある電流レベルを維持するように自動的に調整することになる。これは、性能および成果を改善する。処置は、臨床医の関与を最小にするために自動化されている。システム1003は、均一かつ繰り返し性のある結果を保証するために治療を自動的に管理する。
【0081】
幾つかの実施形態において、制御ユニット1081は、左および右グラウンド・パッチにうまく適合し接続するように設計される。これは、治療中の患者移動によって接点の左および右のセットに対して信号を喪失する可能性をなくす。小さいサイズの制御ユニットは、クラッタを低減し、患者快適さを改善し、デバイス一貫性および適合性を改善する。幾つかの実施形態において、制御ユニット1081は、耐タンパー性があり(物理的にと電子的に、の両方で)、プログラミングおよび検知されたパラメータに対して暗号化を提供して、ハッキングを防止するように設計される。
【0082】
幾つかの実施形態において、基地局1090は、無線接続によって制御ユニット1081と通信し、基地局に患者を拘束する必要性をなくす。これは、適合性を改善し、セットアップおよび治療セッションを管理するのをより容易にする。幾つかの実施形態において、基地局1090は、一度に複数の制御ユニットと通信することができ、必要とされる基地局の数を低減し、したがって、セットアップ時間および複数の患者を管理する臨床医の時間を低減する。
【0083】
幾つかの実施形態において、複数レベルの保護は、接点に送出される電流がプログラムされた電流を超えることができないことを保証するのに役立つ。設計は、たとえ出力が短絡した(ゼロ・インピーダンスになる)場合でも、安全でないレベルの電流が達成されることができないことを保証する。幾つかの実施形態において、制御ユニット1081は、小さい直流(DC)ボタン電池によって電力供給され、治療中、基地局に接続されず、患者に対する損傷の可能性を低減するかまたはなくす。幾つかの実施形態において、低コストの設計は、システムのほとんどまたは全てが1回使用かつ使い捨てであることを可能にする。幾つかの実施形態において、基地局1090は、ゴーグル・デバイス、および/または、上側および/または下側瞼ならびに他の身体部分を部分的にまたは完全に閉囲するストリップ等のデバイスと通信することができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、本発明は、患者の目の視力問題の電気刺激処置、試験、および監視において使用するための電極システムを含む装置を提供し、電極システムは、患者の瞼に適用されるように構成される複数の瞼電極、および、患者の頭部の後部分に適用されて、患者の組織を通る信号流の幾何形状の調整を容易にするように構成される1つまたは複数のリターン電極を含む。幾つかの実施形態は、複数の瞼電極および1つまたは複数のリターン電極に動作可能に結合され、複数の瞼電極のそれぞれの瞼電極を通して、1つまたは複数のリターン電極に異なる時間に印加される電流の量および極性を変動させて、患者の目を通る電界の幾何形状を変動させるように構成される電気コントローラをさらに含む。
【0085】
幾つかの実施形態において、本発明は、患者の目の視力特性を監視するためのシステムを提供し、システムは、パーソナル電子デバイス上で実行されるアプリケーションを含み、パーソナル電子デバイスは、プロセッサ、プロセッサに動作可能に結合されたメモリ、およびプロセッサに動作可能に結合されたユーザ・インターフェースを含む。アプリケーションは、プロセッサ上で実行され、患者の目に一過性光パターンの出力をもたらす出力ドライバ、プロセッサ上で実行され、視覚的に知覚可能な光パターンの患者による知覚に対する患者の応答の指示を引き出し受信するように構成される応答ユニット、プロセッサ上で実行される評価モジュールを含み、評価モジュールは、第1の時間的瞬間において、患者の目に対して第1の視力解析を実施して、第1の視力特性結果を生成するように構成され、評価モジュールは、第2の時間的瞬間において、患者の目に対して第1の視力解析を実施して、第2の視力特性結果を生成するようにさらに構成され、評価モジュールは、第1の視力特性結果および第2の視力特性結果をメモリに記憶するようにさらに構成され、評価モジュールは、第1の視力特性結果と第2の視力特性結果との間で第1の比較を実施するようにさらに構成され、ユーザ・インターフェースは、第1の比較に少なくとも部分的に基づいて第1のメッセージを出力するように構成される。
【0086】
幾つかの実施形態は、プロセッサ、プロセッサに動作可能に結合されたメモリ、およびユーザ・インターフェースをさらに含む。
【0087】
幾つかの実施形態において、メッセージは、患者の目の病気の診断である。
【0088】
幾つかの実施形態において、メッセージは、患者の目の病気の以前の診断に対する変化の指示である。
【0089】
システムの幾つかの実施形態において、評価モジュールは、第3の時間において、患者の目に対して第2の視力解析を実施して、第3の視力特性結果を生成するようにさらに構成され、評価モジュールは、第4の時間において、患者の目に対して第2の視力解析を実施して、第4の視力特性結果を生成するようにさらに構成され、第3の視力特性結果および第4の視力特性結果はメモリに記憶され、評価モジュールは、第3の視力特性結果と第4の視力特性結果との間で第2の比較を実施するようにさらに構成され、ユーザ・インターフェースは、第2の比較に少なくとも部分的に基づいて患者についての第2のメッセージを生成するように構成される。
【0090】
上記説明が、例証的であり、制限的でないことが意図されることが理解される。本明細書で説明された種々の実施形態の多数の特性および利点が、種々の実施形態の構造および機能の詳細と共に上記説明において述べられたが、詳細に対する多くの他の実施形態および変更は、上記説明を検討すると、当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲がそれに対して権限を有する均等物の全範囲と共に、添付特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。添付特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「において(in which」は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこで(whrein)」の平易な英語の等価物として使用される。さらに、用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、および「第3の(third)」等は、単にラベルとして使用され、それらのオブジェクトに対する数字的な要件を課すことを意図されない。
【国際調査報告】