(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】バルブおよびバルブのクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
F16K 3/02 20060101AFI20230630BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
F16K3/02 C
F16K51/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573418
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 FI2020050611
(87)【国際公開番号】W WO2021250309
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508342644
【氏名又は名称】マリキャップ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スンドホルム ヨーラン
【テーマコード(参考)】
3H053
3H066
【Fターム(参考)】
3H053AA02
3H053AA31
3H053BD07
3H053DA09
3H066AA03
3H066BA18
(57)【要約】
本発明は、本体1と、本体の壁部9、10の間の空間11において、本体を通して設けられた流路3に対して、流路3が閉じている第1の位置と流路が開いている第2の位置との少なくとも2つの位置の間で横方向に移動可能な閉鎖部材2と、閉鎖部材2を少なくとも2つの位置間で直線的に移動するためのアクチュエータ4と、を備え、本体1はエッジ部12、34をさらに備える。このバルブは、媒体を導通させるための開口部35、36が、バルブ本体1において、閉鎖部材2のアクチュエータ4側に位置する本体の一部に配置される、クリーニング装置であって、空間11の壁部9、10、12、34と閉鎖部材2との間に位置する空間の一部にクリーニング媒体を噴霧するように構成される、クリーニング装置を備える。本発明は、方法にも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)と、前記本体の壁部(9、10)間の空間(11)において、前記本体を通して設けられた流路(3)に対して、前記流路(3)が閉じている第1の位置と前記流路が開いている第2の位置との少なくとも2つの位置の間で横方向に移動可能な閉鎖部材(2)と、前記閉鎖部材(2)を前記少なくとも2つの位置間で直線的に移動するためのアクチュエータ(4)と、を備え、前記本体(1)は側壁部(9、10)を接続するエッジ部(12、34)をさらに備える、バルブであって、前記バルブは、媒体を導通させるための開口部(35、36)が、バルブ本体(1)において、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)側に位置する前記本体の一部に配置される、クリーニング装置であって、前記空間(11)の壁部(9、10、12、34)と前記閉鎖部材(2)との間に位置する空間の一部にクリーニング媒体を噴霧するように構成される、クリーニング装置を備える、ことを特徴とする、バルブ。
【請求項2】
前記クリーニング装置は、前記閉鎖部材(2)の動きに応じて同期した方法で、前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)に媒体を送り込む手段を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記クリーニング装置は、前記空間(11)への媒体通路を開閉または切り替えるためのコントロールバルブ(42)を備える、ことを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)は、圧力媒体作動シリンダ-ピストンの組み合わせであり、その圧力媒体がバルブの前記空間(11)に導入されてそれをクリーニングするために配置される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項5】
前記アクチュエータ(4)は、前記クリーニング装置の媒体通路(28’、35’、36’)の開閉または切り替えも制御するコントロールバルブ(42)によって制御されるように配置される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記クリーニング装置は、前記閉鎖部材のアクチュエータ(4)のピストン(22)の第1の側から、前記バルブ本体(1)の壁部(9、10)の間の前記空間(11)に開口する開口部(35)までの第1の媒体通路(35’)と、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)のピストン(22)の第2の側から、前記バルブ本体(1)の壁部(9、10)の間の前記空間(11)に開口する開口部(36)までの1つの第2の媒体通路(36’)と、を備え、前記第1の通路(35’)は、バルブの前記閉鎖部材(2)が前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるときに、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に媒体を導くために開いており、これに対応して前記第2の媒体通路(36’)は、前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置に移動されるときに、前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)に前記アクチュエータの作動媒体を導くために開いており、前記クリーニング装置は前記通路を開閉するコントロールバルブ(42)を備える、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記バルブは、前記本体の壁部(9、10)の間に位置する前記空間(11)の少なくとも下部に媒体を導くための第2の手段(14、28)をさらに備え、それにより、バルブのエッジ部(12)がチャネル(13)を備え、そのチャネルから少なくとも1つの、好ましくは幾つかの開口部(14)が存在し、この開口部は、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に、好ましくは前記アクチュエータ(4)に対して反対側に位置する前記空間(11)の部分に開口し、負圧によって媒体を前記空間内に導くためのものであり、負圧は前記空間(11)に作用し、前記チャネル(13)には周囲圧力に開口する少なくとも1つの入口開口部(28)が存在する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記バルブは、バルブのエッジ部(12)に配置されたチャネル(13)に対する媒体通路(28’)を備え、そのチャネルから少なくとも1つの、好ましくは幾つかの開口部(14)が存在し、この開口部は、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に、好ましくは前記アクチュエータ(4)に対して反対側に位置する前記空間(11)の部分に開口し、少なくとも1つの開口部(14)を介して媒体を前記空間内に導くためのものであり、前記媒体通路(28’)は、バルブの前記閉鎖部材(2)が前記第2の位置から前記第1の位置に動かされるときに、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に媒体を導くために開いており、これに対応して第1および/または第2の媒体通路(35’、36’)は、前記閉鎖部材(2)が前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるときに、開口部(35、36)を介して、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)側に位置する前記本体(1)の前記空間(11)の一部に媒体を導くために開いており、前記媒体は前記アクチュエータの作動媒体であり、前記クリーニング装置は前記通路を開閉するコントロールバルブ(42)を備える、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項9】
逆止バルブ(282)が、チャネル(13)の少なくとも1つの入口開口部(28)と連通して配置される、ことを特徴とする請求項7または8に記載のバルブ。
【請求項10】
前記クリーニング装置は、バルブの前記流路(3)が開いているときに、前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)に媒体を送り込むための手段を備える、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項11】
前記クリーニング装置は、前記閉鎖部材のアクチュエータのコントロールバルブとは独立した制御を備える、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
バルブをクリーニングする方法であって、このバルブは、本体(1)と、前記本体の壁部(9、10)間の空間(11)において、前記本体を通して設けられた流路(3)に対して、前記流路(3)が閉じている第1の位置と前記流路が開いている第2の位置との少なくとも2つの位置の間で横方向に移動可能な閉鎖部材(2)と、前記閉鎖部材(2)を前記少なくとも2つの位置間で直線的に移動するためのアクチュエータ(4)と、を備え、前記本体(1)はエッジ部(12、34)を備え、前記方法では、バルブ本体(1)において、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)側に位置する前記本体の一部に配置される開口部(35、36)を介してクリーニング媒体が送られ、クリーニング媒体は、前記空間(11)の壁部(9、10、12、34)と前記閉鎖部材(2)との間に位置する空間の一部に噴霧される、ことを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記方法では、前記媒体は、前記閉鎖部材(2)の動きに応じて同期した方法で前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)に送り込まれる、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法では、前記空間(11)への媒体通路がコントロールバルブ(42)によって開閉または切り替えられる、請求項12または13に記載の方法に。
【請求項15】
前記方法では、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)は、圧力媒体作動シリンダ-ピストンの組み合わせであり、その圧力媒体がバルブの前記空間(11)に導入されてそれをクリーニングする、ことを特徴とする請求項13~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
バルブの前記閉鎖部材(2)が前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるとき、および前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置に移動されるとき、前記媒体が媒体通路(28’、35’、36’)を経由して前記本体の壁部の間の前記空間(11)へ送られる、ことを特徴とする請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法では、前記媒体が、第1の媒体通路(35’)を経由して前記バルブ本体(1)の壁部(9、10)の間の前記空間(11)に送られ、および前記媒体が、1つの第2の媒体通路(36’)を経由して前記バルブ本体(1)の壁部(9、10)の間の前記空間に送られ、バルブの前記閉鎖部材(2)が前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるときに、前記媒体が、第1の通路(35’)を経由して前記本体の壁部の間の前記空間(11)に送られ、および前記閉鎖部材が前記第2の位置から前記第1の位置に移動されるときに、前記媒体が、第2の媒体通路(36’)を経由する、ことを特徴とする請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記閉鎖部材のアクチュエータの作動媒体が前記媒体として使用される、ことを特徴とする請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記アクチュエータ(4)の作動媒体が、アクチュエータから第1の媒体通路(35’)または第2の媒体通路(36’)を経由して前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)に導かれる、ことを特徴とする、請求項12~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記媒体が、媒体通路(35’、36’)に沿って前記バルブ本体(1)の壁部の間の前記空間に導かれ、前記バルブ本体の壁部の間の空間(11)へのその開口部(35、36)が、バルブ本体(1)において、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)側に位置する部分に配置される、ことを特徴とする請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記媒体は、気体、例えば圧縮空気である、ことを特徴とする請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記媒体は、液体を含む、ことを特徴とする請求項12~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記媒体は、アクチュエータ側に位置する前記本体の部分の壁部(34)に形成された開口部(35、36)から、前記本体の壁部の間の空間(11)、壁部と前記閉鎖部材との間の空間に送り込まれる、ことを特徴とする請求項12~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記媒体は、吹き付けによって送られる、ことを特徴とする請求項12~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記媒体または他の媒体が、前記バルブ本体(1)のエッジ部(12)に形成された開口部(14)または複数の開口部から送出され、この開口部は、圧力によって媒体を空間内に導くために前記本体の壁部の間の空間(11)に開いており、それにより、バルブのエッジ部(12)がチャネル(13)を備え、そのチャネルから少なくとも1つの、好ましくは幾つかの開口部(14)が存在し、この開口部は、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に、好ましくは前記アクチュエータ(4)に対して反対側に位置する前記空間(11)の部分に開口し、前記チャネル(13)には媒体が通路(28’)に沿って導かれる少なくとも1つの入口開口部(28)が存在する、ことを特徴とする請求項12~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
バルブの前記閉鎖部材(2)が前記第2の位置から前記第1の位置に移動されるときに、またはバルブの前記閉鎖部材(2)が前記第1の位置から前記第2の位置に移動されるときに、前記媒体が通路(28’)、チャネル(13)およびチャネル内の開口部(14)を経由して前記本体の壁部の間の前記空間(11)に送られる、ことを特徴とする請求項12~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記媒体または他の媒体が、前記バルブ本体(1)のエッジ部(12)に形成された開口部(14)または複数の開口部からさらに送出され、この開口部は、負圧によって媒体を前記空間内に導くために前記本体の壁部の間の前記空間(11)に向かって開いており、負圧は前記空間(11)に作用し、それにより、バルブのエッジ部(12)がチャネル(13)を備え、そのチャネルから少なくとも1つの、好ましくは幾つかの開口部(14)が存在し、この開口部は、前記本体の壁部の間の前記空間(11)に、好ましくは前記アクチュエータ(4)に対して反対側に位置する前記空間(11)の部分に開口し、前記チャネル(13)には周囲圧力に開口する少なくとも1つの入口開口部(28)が存在する、ことを特徴とする請求項12~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記方法では、クリーニング媒体は、前記バルブ本体の壁部の間の前記空間(11)から部分真空システムの搬送パイプのような部分真空パイプに導かれ、そのパイプにバルブの前記流路(3)が接続される、ことを特徴とする請求項12~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記媒体は、前記閉鎖部材(2)のアクチュエータ(4)の制御とは独立して送られる、ことを特徴とする請求項12~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
バルブの前記流路が少なくとも部分的に開いているときに、媒体が、前記本体の壁部の間の前記空間(11)へ開いている開口部から、好ましくはアクチュエータ(4)に対して反対側に位置する前記空間(11)の部分へ、および/または前記本体の壁部の間の前記空間(11)へ開いている開口部から、好ましくはアクチュエータ(4)側に位置する前記空間(11)の部分へ送られる、ことを特徴とする請求項12~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記媒体が、1~10秒、好ましくは2~8秒、最も好ましくは3~6秒といった特定の時間、開口部から送出される、ことを特徴とする請求項12~30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブおよびバルブのクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に板状の閉鎖部材を備えるバルブは、しばしば防漏性に問題がある。流路内に作用しうる媒体からの圧力は、バルブの閉位置において、閉鎖部材の撓みおよび密封性の弱化を引き起こし、これは、流路に沿って伝えられる特定の媒体の一部、例えばバルブ本体のガイド面および/または密封面の汚れ(fouling)につながる。これは、開位置と閉位置との間の閉鎖部材の動きを妨げる可能性がある。さらに、汚れ(dirt)は、ある用途においては、衛生上および防漏上の問題を引き起こす可能性がある。これらの問題を解決するために、様々なシール構造および/またはバルブ構造が試みられてきた。しかし、通常、これらは複雑であるため、コストの面で高価な解決策となっていた。特許文献1から、ゲートバルブが知られており、このゲートバルブは、バルブ本体の壁部の間に媒体を噴霧するために、壁部の間の空間の下部を清浄に保ち、したがってバルブの漏れ防止を改善するために、バルブ本体のエッジ部に配置された手段を備える。この解決策により、バルブの汚れの問題はかなり改善された。しかし、ある用途では、バルブの閉鎖部材および/またはその作動手段と本体の壁部との間に、バルブの作動を妨げる汚れ/物質が差し障ることがあることが観察されている。このような物質には、例えばプラスチックやガラスなどの硬いものが含まれ、これはバルブの部品を摩耗させ、機能不良を引き起こす可能性がある。
【0003】
本発明の目的は、バルブを清潔に保つための全く新規な解決策を提供することであり、この解決策によって、既知の解決策の問題点を回避しうる。本発明の他の目的は、バルブ構造を提供することであり、その製造耐久性は良好であり、また、組み立ての点でも容易である。本発明のさらに別の目的は、漏れ防止性の点で十分に良好な解決策を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/135237A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、バルブ本体が、作動デバイスすなわちアクチュエータ側に位置する端部に、空気などの媒体が吹き出される少なくとも1つの開口部を備える、という考えに基づいている。空気は、バルブの閉鎖部材が本体の壁部の間の空間を移動するときに吹き出される。媒体は、閉鎖部材と本体との間の空間を移動し、閉鎖部材と本体との間のクリアランスを清浄に保つ。本発明の実施形態によれば、媒体作動アクチュエータの出力は、バルブ本体に形成された開口部に吹き込まれるように接続されうる。
【0006】
本発明によるバルブは、請求項1のキャラクタライジング部に記載されたことを主な特徴とする。
【0007】
本発明の実施形態によるバルブは、さらに、請求項2~11に記載されたことを特徴とする。
【0008】
本発明による方法は、請求項12に記載されたことを主な特徴とする。
【0009】
本発明の実施形態による方法は、さらに、請求項13~31に記載されたことを特徴とする。
【0010】
本発明による解決策は、多くの重要な利点を有する。バルブに関連してクリーニング手段を配置することにより、本体の壁部と閉鎖部材またはゲートとの間の空間における流路内の搬送物の蓄積を防止し、同時に、汚損(fouling)に起因する誤作動を防止しうる。アクチュエータ側に位置するバルブ本体の部分にクリーニング装置の噴霧開口部を配置することにより、効率的なクリーニング効果が得られる。バルブ本体の端部、例えばアクチュエータと反対側に位置する部分に、クリーニング装置の1つまたは複数の噴霧開口部をチャネルに配置することにより、追加のクリーニング効果が提供される。閉鎖部材とバルブ本体との間のクリアランスは、清浄に保たれる。同時に、閉鎖部材の誤作動を効率的に低減しうる。バルブの防漏性や衛生面における問題もまた、効率的に低減される。閉鎖部材の動きに同期して媒体を送出する(deliver)手段を配置することにより、閉鎖部材のクリーニングとバルブ本体のクリアランスを向上させうる。バルブの閉鎖部材の作動と媒体の噴霧との両方を制御するコントロールバルブを配置することにより、バルブのクリーニング装置を制御するための効率的で手頃な価格のソリューションが達成される。圧力媒体作動アクチュエータの圧力媒体をクリーニング装置の媒体として作動するように配置することにより、噴霧可能なクリーニング媒体のための効率的で手頃な価格のソリューションが提供される。媒体がアクチュエータへ、そしてアクチュエータからバルブ本体の空間へ導かれる(conduct)媒体通路を、コントロールバルブによって同期して制御するように配置することにより、バルブおよびそのためのクリーニング装置を実施するための信頼性が高く効率的で手頃な価格の装置が達成される。バルブに第2のクリーニング装置を設けることにより、本体内の空間のクリーニングをさらに強化しうる。クリーニングに必要なチャネル空間をバルブ本体のエッジ部に配置することにより、機能的および技術的に非常に有利な構造が実現される。エッジ部として、バルブ本体の壁部の支持面を構成するプロファイルを用いることにより、バルブの組み立ての観点からも有利な構造を提供しうる。バルブの流路が開いているときに媒体を送出する手段を備えるクリーニング装置を配置することにより、タイミングよく効率的なクリーニング作動が提供される。クリーニング装置は、クリーニング媒体を送出するための、そのためのアクチュエータのコントロールバルブのような閉鎖部材の制御から独立した装置を備えていてもよく、それにより、クリーニング装置を制御するための柔軟なソリューションが達成される。媒体は、開口部から本体内の空間に特定の時間間隔だけ供給され(deliver)てもよく、その持続時間または頻度は、用途および必要性に応じて変化させうる。クリーニング媒体をバルブ本体の壁部の間の空間から、部分真空システムの搬送パイプのような、バルブの流路が接続されている部分真空パイプに導く(conduct)ことによって、クリーニング媒体および考えられる不純物を取り除くための効率的なソリューションが提供される。媒体としてガス、例えば圧縮空気を使用することにより、クリーニング媒体のための効率的で手頃な価格のソリューションが提供される。必要であれば、媒体は液体を含んでもよい。本発明によるバルブは、製造性に優れている。板状構造のバルブ本体および閉鎖部材を用いることにより、様々な用途に応じた容易に変更可能な構造を提供しうる。
【0011】
以下では、添付図面を参照しながら、本発明を実施例によってより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明によるバルブの一実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるバルブの一実施形態の正面図を示す。
【
図3】
図3は、
図2中の矢印Aの方向から見た本発明によるバルブの一実施形態を示す。
【
図4】
図4は、
図2中の矢印Bの方向から見た本発明によるバルブの一実施形態を示す。
【
図5】
図5は、閉鎖部材が下方位置にある、すなわち流路が閉鎖されている状態の第1の作動位置における、
図3の線V-Vに沿った部分断面としての本発明によるバルブの一実施形態を示す。
【
図6】
図6は、閉鎖部材が上方位置にある、すなわち流路が開放している状態の第2の作動位置における部分断面としての
図5の実施形態によるバルブを示す。
【
図7】
図7は、部分断面図および簡略化した概略図としての本発明の一実施形態による解決策を示す。
【
図7a】
図7aは、第2の作動位置にある
図7の実施形態のバルブのためのコントロールバルブのさらなる詳細を示す。
【
図8】
図8は、閉鎖部材が第1の位置にある状態における、部分断面図および簡略化した概略図としての本発明の一実施形態による解決策を示す。
【
図9】
図9は、閉鎖部材が第2の位置にある状態における、部分断面図および簡略化した概略図としての本発明の一実施形態による解決策を示す。
【
図10】
図10は、閉鎖部材が第2の位置にあり、流路から吸引が作用する作動状態における、部分断面図および簡略化した概略図としての本発明の一実施形態による解決策を示す。
【
図11】
図11は、閉鎖部材が第2の位置から第1の位置に移動している状態における、部分断面図および簡略化した概略図としての本発明の一実施形態による解決策を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明によるバルブの1つの第1の実施形態を斜視図として示す。
【0014】
図は、本発明によるバルブの一実施形態、具体的にはゲートバルブを示し、このバルブは、本体1を含む。本体の内部には、閉鎖部材2(
図5~
図7に図示)が配置され、この閉鎖部材は、本体1内を横方向に延びる流路3に対して、流路3が閉鎖されている第1の位置と、流路が開放されている第2の位置との少なくとも2つの位置の間で、本体内で横方向に(transversely)移動可能である。閉鎖部材は、1つの部品から形成されてよいし、別個の閉鎖部材が設けられたゲート部を含んでもよい。以下では、簡単のために閉鎖部材という用語を使用する。バルブは、閉鎖部材2を前記少なくとも2つの位置の間で移動させるためのアクチュエータ4も含んでよい。一実施形態によれば、閉鎖部材を移動させるための手段は、閉鎖部材が前記2つの位置の間で直線的に移動されうるアクチュエータ4を含む。一実施形態によれば、閉鎖部材2は、板状部品であってよい。一実施形態によれば、図のように、流路3は、バルブ本体内に配置されたチャネル部15、16を介してバルブ本体1を通して提供されうる。閉鎖部材2は、アクチュエータ4によって、流路が開放される上部位置と、流路が閉鎖される下部位置との間で移動するように配置さうる。閉鎖部材2は、本体の壁部9、10間に位置する空間11内を移動するように配置されうる。壁部9、10の互いに向かい合う面は、閉鎖部材のガイド面として機能しうる。流路のチャネル部15、16の間、すなわち流路の壁部には、隙間が配置されてよく、この隙間から閉鎖部材がチャネルに対して横方向に移動し、流路を閉鎖するために第1の位置に伸長してもよい。閉鎖部材2は、第1の位置において、流路の流れ開口、すなわち流路3の縁の外側で、流路から離れるように延在する。したがって、流路の断面における典型的な通常の円形の流れ開口と関連して、閉鎖部材2は、閉鎖部材2と流路3との間の交差部において、流路3の流れ開口の直径よりも大きい。
【0015】
閉鎖部材は、一実施形態によれば、板状部品であってよい。閉鎖部材の側縁部は、直線状に形成されうる。アクチュエータすなわちアクチュエータ4から離れる方向に向いた閉鎖部材2の端部の縁は、閉鎖部材の反対側の側縁を接続するように湾曲していてよい。また、湾曲した縁部に対して反対側に位置する縁部であって、アクチュエータ側に位置する閉鎖部材の端部における側縁部を接続する縁部は、直線状に形成されていてよいし、複数の直線部分からなるものであってもよい。閉鎖部材2は、アクチュエータの作動部に対する締結部を構成しうる。アクチュエータの作動部は、
図5~
図7の実施形態と同様に、ピストンロッド21であってよい。当然ながら、用途に応じて、閉鎖部材の別の形状も考えられる。
【0016】
バルブ本体1は、例えば
図1~
図7の実施形態のように、第1の壁部9と第2の壁部10とから構成されうる。第1の壁部9および第2の壁部10は、互いに距離をおいて配置されてよく、それにより両者間に空間11が形成される。空間11は、壁部9、10と、エッジ部12、34とによって区画される。例えば、エッジ部12と上エッジ部34のような、複数のエッジ部があってよい。一実施形態によれば、閉鎖部材2は、空間11内に移動可能に配置される。閉鎖部材2は、アクチュエータ4によって、図の実施形態と同様に空間11内で移動させうる。本体1に配置された空間11は、流路3からの距離に対して横方向に、例えばアクチュエータ4の方向に向かって延びている。閉鎖部材2は、空間11内で、流路3を閉鎖する第1の位置と、バルブを通る流路3が開放される第2の位置との間で移動されうる。アクチュエータ4は、本体1に固定されていてもよい。一実施形態では、アクチュエータ4は、バルブ本体1、例えばそのエッジ部に配置されうる。一実施形態によれば、アクチュエータは、流路3から見て反対側の端部、例えば上縁部34においてバルブ本体1に配置されうる。一実施形態によれば、アクチュエータ4は、直線運動を発生させるアクチュエータであってよい。一実施形態によれば、アクチュエータは、圧力媒体作動型のシリンダ-ピストンユニットであってよい。アクチュエータ4は、シリンダ空間29が形成されうる細長い壁部27を内部に有するシリンダから構成されうる。壁部27は、シリンダの端部23、24の間に配置されうる。シリンダ空間29は、可動ピストン22を備えていてよい。ピストン22は、シリンダの第1の端部23に形成された開口を通り、さらにバルブ本体の端部34に形成された開口を通り、空間11内に延びるピストンロッド21を備えていてよい。アクチュエータ4の直線運動は、バルブの閉鎖部材2に要求される直線運動に応じて調整されうる。アクチュエータ4のピストンロッド21は、ピストン22に対して反対側に位置する端部が、締結部品20によって閉鎖部材2に配置されうる。ピストンロッド21は、締結部品(fastening part)20によって閉鎖部材2に接続されるバルブステムとして機能しうる。
【0017】
一実施形態によれば、閉鎖部材2は、板状部品である。一実施形態によれば、閉鎖部材2は、例えば、レーザーカットのようなパンチングまたは切断によってプレートから製造されうる。それにより、十分に正確な寸法公差を満たす解決策が達成されうる。これに対応して、一実施形態によれば、本体の壁部9、10は、板材であってよく、例えばレーザー切断によって形状に切断されうる。
【0018】
好ましい一実施形態によれば、バルブは、バルブ本体1の壁部9、10の間に位置する空間11の少なくとも一部をクリーニングする手段をさらに含んでいてよい。
【0019】
典型的には、バルブは、媒体を噴霧することによってバルブ本体1の壁部9、10の間に位置する空間11の少なくとも一部をクリーニングするための手段を含んでいてよい。
【0020】
図5によれば、媒体は、入口開口28を介してエッジ部12内のチャネル13に導かれ、そこから開口14を介して本体1の壁部9、10間の空間11に導かれうる。一実施形態によれば、開口部14は、流路、すなわち流路3に近接して本体1内に配置されてよく、例えば、閉位置において閉鎖部材2が延びるべき空間11のその部分に配置されうる。一実施形態によれば、特にバルブが部分真空搬送システムのパイプのような部分真空パイプの閉鎖部材として配置される場合、流路3内に負圧が作用し、それにより入口開口28を介して、空気が常圧下でチャネル13にアクセスでき、それがさらに開口14を介して空間11内に噴射されることができる。
【0021】
本体1は、側壁部9、10を接続するエッジ部12、34を含んでいてよい。一実施形態によれば、エッジ部は、チャネル空間13を備えていてよい。エッジ部12、34には、媒体を空間内に導くために、第1の壁部9と第2の壁部10との間の空間11に開口する少なくとも1つの開口部14、35、36、好ましくは7つの開口部が設けられていてよい。本発明の一実施形態によれば、本体1は、壁部9、10をエッジ部12、34と、例えば締結手段31、32によりまたは溶接により接続することによって形成されうる。チャネル部15は、締結手段または例えば溶接によって第1の壁部9に接続されうる。これに対応して、チャネル部16は、締結手段または例えば溶接によって第2の壁部10に接続される。壁部9、10には、流れ開口部3が形成されていてよい。壁部の間には、閉鎖部材2のための空間11がある。本実施形態によるプレート構造バルブは、例えば鋳造構造バルブソリューションと比較して、非常に安価であり、特により小さい生産ランで容易に製造することが可能である。
【0022】
図による実施形態では、エッジ部12は、チャネル部および支持部17を有するプロファイルから形成されうる。チャネル部は、チャネル13から構成されうる。支持部17は、好ましくは、チャネル部よりも断面方向においてより薄い。エッジ部の支持部17は、バルブ本体の壁部9、10の支持面を形成しうる。
【0023】
壁部9、10は、締結手段31、32によって、エッジ部12の支持部17に配置されうる。これにより、支持部17は壁部9、10の間に設けられる。支持部17と壁部9、10の対応する部分には開口部30が形成されてよく、その開口部を介して締結手段として機能するねじ部材31のねじ部が延びてよく、反対側からナット手段32などの相手方手段によって壁部9、10が支持部17に対して締結されてよい。支持部17は、その厚みが閉鎖部材の厚みより幾分大きくてよい。
【0024】
チャネル部は、図による実施形態では、壁部9、10の外縁の外側に配置されうる。別の実施形態によれば、チャネル部は、壁部の間に配置されうる。
【0025】
本発明によるバルブは、媒体を導くための開口部35、36が本体1に、閉鎖部材2のアクチュエータ4の側に位置する本体1の部分に配置されるクリーニング装置(cleaning arrangement)を含んでいてよい。この配置では、開口は、空間11の壁部9、10、12、34と閉鎖部材2との間に位置する空間の一部にクリーニング媒体を噴霧するように構成されうる。媒体は、閉鎖部材2と本体との間の空間内を移動し、空間から不純物およびゴミを除去しうる。
【0026】
一実施形態によれば、クリーニング装置は、閉鎖部材2の移動に従って同期した方法で、バルブ本体の壁部の間の空間11に媒体を送り込む(deliver)ための手段を含んでよい。
【0027】
一実施形態によれば、クリーニング装置は、空間11への媒体通路35’、36’を開閉または切り替えるためのコントロールバルブ42を含んでいてよい。媒体は、ポンプ装置、例えばコンプレッサによって出力されてよく、そこからバルブ1への通路が配置されてもよい。
【0028】
一実施形態によれば、閉鎖部材2のアクチュエータ4は、圧力媒体作動シリンダ-ピストンの組み合わせであり、その圧力媒体は、バルブの空間11に導かれて、バルブをクリーニングするために配置される。
【0029】
一実施形態によれば、アクチュエータ4は、コントロールバルブ42によって制御されるように配置されうる。一実施形態によれば、コントロールバルブによって、クリーニング装置内の媒体通路35’、36’の開閉または切り替えも制御されうる。
【0030】
図7および
図7aは、バルブの閉鎖部材2のアクチュエータ4を制御するとともに、バルブ本体の空間11へのクリーニング媒体の送り込みを制御するために配置されたコントロールバルブ42の一実施形態を示す。
【0031】
一実施形態によれば、クリーニング装置は、閉鎖部材のアクチュエータ4のピストン22の第1の側から、バルブ本体1の壁部9、10間の空間11に開口する開口部35への第1の媒体通路35’を含んでいてよい。実施形態はまた、閉鎖部材2のアクチュエータ4のピストン22の第2の側から、バルブ本体1の壁部9、10間の空間11に開口する開口部36に至る1つの第2の媒体通路36’を含んでいてよい。一実施形態によれば、バルブの閉鎖部材2が第1の位置から第2の位置に移動されるときに、本体の壁部の間の空間11に媒体を導出するために、第1の通路35’が開放されうる。一実施形態によれば、これに対応して、第2の媒体通路36’は、閉鎖部材2が第2位置から第1位置へ移動されるときに開かれる。その後、アクチュエータ4の作動媒体は、バルブ本体の壁部の間の空間11に導入されうる。一実施形態によれば、クリーニング装置は、前記通路を開閉するためのコントロールバルブ42を含んでいてよい。
【0032】
図7および
図7aにおいて、クリーニング装置は、ポンプデバイス(pump device)40、例えばコンプレッサのような圧力源を含んでいてよい。圧力源40から、コントロールバルブ42への通路41がある。コントロールバルブ42の実施形態では、圧力源からの接続を開閉する手段によって、いくつかの位置があってよい。次いで、圧力媒体は、異なる通路に導かれうる。
図7の状況では、圧力媒体は、バルブの第1の位置でバルブに導かれ、そこから第1の通路25’に沿ってアクチュエータの上部のポート25に導かれ、このポートは、アクチュエータとして作動するシリンダ-ピストンの組み合わせのシリンダ部の第2の端部24に配置されている。第2の端部24は、
図7では、閉鎖部材2から離れる方向に向いたアクチュエータの端部である。上部のポート25から、圧力媒体は、ピストン22の上方のシリンダ空間29に、すなわちピストンロッド21および閉鎖部材2から離れて位置する側に導通されうる。そして、圧力媒体の作用により、ピストンがシリンダ空間内で図の下方に変位し、ピストンロッドがアクチュエータの下部、第1の端部23から外側に変位し、これにより、ピストン22に対して反対側の端部にあるピストンロッド21に配置された閉鎖部材2が下方位置に移動し、すなわち流路3を閉鎖する。ピストンがシリンダ空間29内を下方に移動すると、同時に、ピストン22とシリンダの下方の第1の端部23との間に位置する空間の一部に配置された圧力媒体を、通路26’に沿って第2のポート26からシリンダ空間29内に押し出しうる。コントロールバルブ42は、この位置で、通路26’を通路36’に導き、さらにバルブ本体1に配置された開口部36を介して、閉鎖部材の上エッジ部34とエッジ部12との間に位置するバルブ空間11の部分へと接続させた。こうして、アクチュエータ4のピストン22は、通路26、26’、36’、36を介して圧力下の媒体を空間11に強制的に送り込む。これにより、空間11から不純物が効率よくクリーニングされる。なお、
図7の実施形態において、開口部35を介した空間11への第2の通路35’は、バルブの位置で閉鎖されていてよい。
【0033】
図7aは、第2の位置にある一実施形態のコントロールバルブ42の詳細を示す。この位置では、圧力媒体は、バルブの第2の位置の通路41に沿ってバルブ42に導かれ、そこから第2の通路26’に沿ってアクチュエータの下部のポート26に導かれ、このポートは、アクチュエータとして作動するシリンダ-ピストンの組み合わせのシリンダ部の第1の端部23に配置されている。第1の端部23は、
図7において、閉鎖部材側に位置するアクチュエータ4の端部である。下部のポート26から、圧力媒体は、ピストン22の下方のシリンダ空間29に、すなわちピストンロッド21および閉鎖部材2の側に導かれうる。そして、圧力媒体の効果により、ピストンがシリンダ空間内の
図7の位置から上方に変位し、ピストンロッドがアクチュエータの下部、第1の端部23から内側に変位し、それにより、ピストンに対して反対側の端部で、ピストンロッド21に配置された閉鎖部材が第2の位置、上方位置、すなわち通路3を開放する位置に移動する。ピストンがシリンダ空間29内を上方に移動すると、同時に、ピストン22とシリンダの上方の第2の端部24との間に位置する空間の一部に配置された圧力媒体を、シリンダ空間29内で通路25’に沿って第2のポート25から押し出しうる。コントロールバルブ42は、この位置で、通路25’を通路35’に導き、さらにバルブ本体1に配置された開口35を介して、閉鎖部材の上エッジ部34とエッジ部12との間に位置するバルブ空間11の部分に接続させた。こうして、アクチュエータ4のピストン22は、通路25、25’、35’、35を介して、圧力下の媒体を空間11に強制的に送り込む。これにより、空間11から不純物が効率的にクリーニングされる。
図7aの実施形態では、開口部36を介した空間11への第2の通路36’は、バルブの位置で閉じられていてよい。図の例は、アクチュエータによってクリーニング装置における圧力媒体の噴霧を実施するための1つの方法である。さらに、クリーニング装置において、媒体の噴霧は、閉鎖部材の動きに同期させることができる。
【0034】
バルブは、本体の壁部9、10の間に位置する空間11の少なくとも下部に媒体を導出するための第2の手段14、28をさらに備えてよく、それにより、バルブのエッジ部12はチャネル13を備え、そのチャネルから少なくとも1つの開口部14、好ましくは複数の開口部が存在し、この開口部は、本体の壁部の間の空間11に、好ましくはアクチュエータ4に対して反対側に位置する空間11の部分に開口し、負圧によって媒体を空間11に導くために、負圧は空間11に作用し、このチャネル13には周囲圧力に開口する少なくとも1つの入口開口部28が存在する。第2の配置では、空気は、標準大気から入口開口部28を介してチャネル13内に、さらに開口部14を介して空間11内に導かれる。バルブが部分真空パイプ内のその流路3に配置され、バルブが開かれると、空気は圧力差により開口部14を経て、さらに流路3を経て、バルブ1が接続されうる搬送パイプに移動しうる。
【0035】
図8~
図11は、さらなる一実施形態を示す。図の実施形態では、閉鎖部材アクチュエータ4のピストン22の第1の側から入口開口部28を経てエッジ部12の流路13に至る通路28’が配置されうる。そして、媒体をエッジ部12のチャネル13に導通させ、そこから開口部14を介して本体1の壁部9、10間の空間11に導通させうる。ピストンがシリンダ空間29内で下方に移動するとき、それは同時にシリンダ空間29内でピストン22とシリンダの低い方の第1の端部23との間の空間の部分に配置された圧力媒体を、通路26’に沿って第2のポート26から押し出すようにしうる。コントロールバルブ42はこの位置で、通路26’を通路28’に、さらに流路13に、そこから開口部14を介して本体1の壁部9、10間の空間11に導くように接続した。したがって、アクチュエータ4のピストン22は、通路26、26’、28’、13および開口部14を介して圧力下の媒体を空間11に強制的に送り込む。これにより、空間11、例えばその下部の不純物が効率的にクリーニングされる。
図8の実施形態では、バルブの位置において、開口部35および/または開口部36を介した空間11への1つまたは複数の通路35’、36’は閉じられていてよい。
図8~
図11の実施形態では、バルブ本体の上部に少なくとも1つの開口部35、36が形成され、この開口部またはこの開口部に通じる通路35’、36’には、逆止バルブ(check valve)351、361が設けられうる。一実施形態によれば、逆止バルブは、通路に沿ってバルブ空間11に向かう流れを許容するが、バルブ空間から対向する方向の通路を閉鎖することができる。
【0036】
一実施形態によれば、チャネル13は、媒体通路28’が接続されうる第1の入口開口部28と、周囲圧力に開放されうる第2の入口開口部28とを含んでよい。一実施形態によれば、チャネル13の第2の入口開口部28と連通して、逆止バルブ282が配置されうる。逆止バルブ282は、一実施形態によれば、バルブ本体の外側からチャネル13への流れを許容するが、チャネル13から反対方向への流れを阻止しうる。一実施形態によれば、第2の入口開口と連通して、サイレンサ283が配置されうる。
【0037】
一実施形態によれば、装置は、閉鎖部材2のアクチュエータ4のピストン22の第2の側から、バルブ本体1の壁部9、10の間の空間11に開口する1つ以上の開口部35、36への1つの第2の媒体通路36’も含んでいてよい。一実施形態によれば、第1の通路35’は、第2の媒体通路36’に接続されてよく、それにより、第2の通路は、2つの通路に分岐される。それにより、第1および第2の媒体通路35’、36’は、バルブの閉鎖部材2が第1の位置から第2の位置に移動されるときに、開口部35、36から本体の壁部の間の空間11に媒体を導通させるために開放されうる。それにより、アクチュエータ4の作動媒体は、バルブ本体の壁部の間の空間11に導通されうる。この一実施形態は、
図9に示されている。一実施形態によれば、チャネル13への通路28’を介した接続は、それにより閉じられうる。一実施形態によれば、クリーニング装置は、前記通路を開閉し、コンプレッサなどの圧力媒体源を接続して媒体通路25’または26’を介してアクチュエータ4の異なる入口に作用させるためのコントロールバルブ42を含んでいてよい。
【0038】
一実施形態によれば、
図10のように、流路3に吸引が作用する一方で、より高い周囲圧力から開口部28を経由して、流路13から開口部14を経由して空気が導通することがある。したがって、空気は、周囲からの吸引により、サイレンサ283および逆止バルブ282を経て、さらに開口部28および流路に流れる可能性がある。流路13から開口部14を経て空間11に入り、さらに流路3に入る。それにより、入口開口部28を介して、空気は、標準圧力下でチャネル13にアクセスすることができ、それはさらに、開口部14を介して空間11に噴霧される。バルブ42は、流路28’を閉鎖していてよい。
【0039】
一実施形態によれば、
図11のように、閉鎖部材2が第2の位置から第1の位置に移動されるときに、コンプレッサ40のような圧力媒体源からの接続は、通路41から通路25’への接続が開放される。これにより、シリンダ上部のポート25から、圧力媒体は、ピストン22の上方のシリンダ空間29へ、すなわちピストンロッド21および閉鎖部材2から離れて位置する側に導出されうる。そして、圧力媒体の作用により、ピストンがシリンダ空間内で図の下方に変位し、ピストンロッドがアクチュエータの下部、第1の端部23から外側に変位し、これにより、ピストン22に対して反対側の端部にあるピストンロッド21に配置された閉鎖部材2が下方位置へ移動、すなわち流路3が閉鎖される。ピストンがシリンダ空間29内を下方に移動するときに、同時にシリンダ空間29内でピストン22とシリンダの下方の第1の端部23との間に位置する空間の部分に配置された圧力媒体を通路26’に沿って第2のポート26から押し出すように強制することができる。そして、コントロールバルブ42により、通路26’をパサージュ28’に、さらにチャネル13に、そこから開口部14を介して本体1の壁部9、10間の空間11に導くように接続することができる。そして、アクチュエータ4のピストン22は、通路26、26’、28’、13および開口部14を介して、圧力下の媒体を空間11に強制的に送り込むことができる。これにより、空間11、例えばその下部から不純物が効率的にクリーニングされる。そして、閉鎖部材と本体との間のシール面がクリーニングされ、バルブの防漏性が良好に保たれる。一実施形態によれば、チャネル13の反対側の端部には、圧力下で導かれる媒体がその反対側の端部からチャネル13から流出することを防止しうる逆止バルブ282が設けられうる。
【0040】
図11の実施形態から
図8の実施形態による第1の位置に戻った閉鎖部材2は、バルブの流路3を閉鎖する。
図8~
図11の実施形態において、通路28’、35’、36’に連通して逆止バルブ284、351、361が配置されうる。
【0041】
一実施形態によれば、クリーニング装置は、バルブの流路3が開いているときに、バルブ本体の壁部の間の空間11に媒体を送り込む(deliver)ための手段を備える。
【0042】
一実施形態によれば、クリーニング装置は、閉鎖部材2のアクチュエータ4のコントロールバルブ42から独立した制御を構成する。
【0043】
記載された装置は効率的に互いに支持し、バルブ空間11は、装置によって効率的に清潔に保たれ、バルブは作動可能な状態に保たれうる。
【0044】
一実施形態によれば、本発明は、バルブをクリーニングするための方法にも関連し得、このバルブは、本体1と、少なくとも2つの位置、すなわち、流路3が閉鎖されている第1の位置と、流路が開放されている第2の位置との間で本体を通して設けられた流路3に対して横方向に本体の壁部9、10間の空間11で移動可能な閉鎖部材2と、閉鎖部材2を前記少なくとも2つの位置間で線形に移動するアクチュエータ4とを含み、本体1は、エッジ部12、34を備えている。一実施形態によれば、この方法において、バルブ本体1に配置された開口部35、36を介して、本体1のうち閉鎖部材2のアクチュエータ4側に位置する部分にクリーニング媒体が送られ、空間11の壁部9、10、12、34と閉鎖部材2との間に位置する部分にクリーニング媒体が噴霧される。
【0045】
一実施形態によれば、本方法において、媒体は、閉鎖部材2の動きに応じて同期してバルブ本体の壁部の間の空間11に送り込まれる。
【0046】
一実施形態によれば、この方法において、空間11への媒体通路は、コントロールバルブ42によって開閉または切り替えられる。
【0047】
一実施形態によれば、この方法において、閉鎖部材2のアクチュエータ4は、圧力媒体作動シリンダ-ピストンの組み合わせであり、その圧力媒体は、バルブ空間11の中に導かれて、それをクリーニングするためのものである。
【0048】
一実施形態によれば、媒体は、バルブの閉鎖部材が第1の位置から第2の位置に移動されるとき、および閉鎖部材が第2の位置から第1の位置に移動されるときに、本体の壁部の間の空間11の中に媒体通路を介して送られる。
【0049】
一実施形態によれば、方法において、媒体は、第1の媒体通路35’を介してバルブ本体1の壁部9、10の間の空間11に送られ(deliver)、1つの第2の媒体通路36’を介してバルブ本体1の壁部9、10の間の空間に送られ、媒体は、バルブの閉鎖部材2が第1の位置から第2の位置に移動されるときに第1の通路35’を介して本体の壁部の間の空間11に送られ、閉鎖部材が第2の位置から第1の位置へ移動するときに第2の媒体通路36’を介して送られる。
【0050】
一実施形態によれば、閉鎖部材2のアクチュエータ4の作動媒体が媒体として使用される。
【0051】
一実施形態によれば、アクチュエータ4の作動媒体は、アクチュエータから第1の媒体通路35’または第2の媒体通路36’を介してバルブ本体の壁部間の空間11に導通される。
【0052】
一実施形態によれば、媒体は、バルブ本体の壁部間の空間11への開口部35、36がバルブ本体1において閉鎖部材2のアクチュエータ4側に位置する部分に配置された媒体通路35’、36’に沿ってバルブ本体1の壁部間の空間に導通される。
【0053】
一実施形態によれば、媒体は気体であり、例えば圧縮空気である。
【0054】
一実施形態によれば、媒体は、液体を含んでもよい。
【0055】
一実施形態によれば、媒体は、本体のアクチュエータ側に位置する部分の壁部34に形成された開口部35、36から、壁部と閉鎖部材との間の空間11に送り込まれる。
【0056】
一実施形態によれば、媒体は、吹き付けによって送り出される。
【0057】
一実施形態によれば、前記媒体等は、バルブ本体1のエッジ部12に形成された開口部14または複数の開口部から送出され、この開口部は、圧力によって媒体を空間内に導くために本体の壁部の間の空間11に開口している。一実施形態によれば、バルブのエッジ部12はチャネル13を備え、そのチャネルから、本体の壁部の間の空間11に、好ましくはアクチュエータ4に対して反対側に位置する空間11の部分に開口する少なくとも1つの開口部14、好ましくは複数の開口部があり、そのチャネル13には少なくとも1つの入口開口部28があり、媒体が通路28’に沿って導かれる。
【0058】
一実施形態によれば、媒体は、バルブの閉鎖部材2が第2の位置から第1の位置へ移動したとき、またはバルブの閉鎖部材2が第1の位置から第2の位置へ移動したときに、通路28’、チャネル13およびチャネル内の開口部14を介して本体の壁部間の空間11に送られる。
【0059】
一実施形態によれば、前記媒体等は、バルブ本体1のエッジ部12に形成された開口部14または複数の開口部からさらに送られ、この開口部は、空間内に負圧によって媒体を導出するために本体の壁部の間の空間11に開口し、負圧は空間11に作用し、これにより、バルブのエッジ部12がチャネル13を備え、そのチャネルから、本体の壁部の間の空間11に、好ましくはアクチュエータ4に対して反対側に位置する空間11の部分に開く少なくとも1つの開口14、好ましくは複数の開口があり、そのチャネル13に、周囲圧力に開く少なくとも1つの入口開口28がある。
【0060】
一実施形態によれば、方法において、クリーニング媒体は、バルブ本体の壁部の間の空間11から部分真空システムの搬送パイプのような部分真空パイプに導かれており、そのパイプにバルブの流路3が接続されている。
【0061】
一実施形態によれば、コントロールバルブ42によって提供される作動はまた、他の手段、例えば幾つかのバルブによってアレンジされうる。一実施形態によれば、例えば、クリーニング装置における媒体の吹き付けは、閉鎖部材2のアクチュエータ4の制御から独立したコントロールバルブによって提供されてもよい。一実施形態によれば、媒体の吹き付けは、時間によって調整されうる。一実施形態によれば、媒体は、バルブの流路が開いているときまたは部分的に開いているとき、例えば、閉鎖部材が第1の位置から第2の位置に移動するときまたは第2の位置にあるときに、送られる。一実施形態によれば、媒体は、バルブの流路が開いているときまたは部分的に開いているときに特定の時間、例えば1~10秒間、好ましくは2~8秒間、最も好ましくは3~6秒間、送られる。
図7および
図7aに図示されたコントロールバルブは、5/2方バルブであり、一実施形態によれば、パイロット操作されるばね負荷バルブであってもよい。バルブとコントロールバルブの制御は、用途に応じて様々な方法で実施することができる。5/2方バルブにおいて、最初の数字5はポートの数を示し、2番目の数字2はバルブの位置の数を示す。
【0062】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲内で変更可能であることは、当業者にとって明らかである。また、本明細書において他の特徴と組み合わせて提示される可能性のある特徴は、必要に応じて、別個に適用されうる。
【国際調査報告】