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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】後縁部が改良された帯鋸
(51)【国際特許分類】
   B23D 61/12 20060101AFI20230630BHJP
   B23D 55/08 20060101ALI20230630BHJP
   B27B 33/06 20060101ALI20230630BHJP
   B27B 15/04 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B23D61/12 B
B23D55/08 J
B27B33/06
B27B15/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574640
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021036185
(87)【国際公開番号】W WO2021248123
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/035,084
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521448053
【氏名又は名称】ザ エムケー モールス カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE M.K. MORSE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ セカール ラクルティ
(72)【発明者】
【氏名】ローン カーウィン
【テーマコード(参考)】
3C040
【Fターム(参考)】
3C040AA16
3C040DD20
(57)【要約】
帯鋸刃は、エンドレスリボン内で延びる本体と、切削刃を有する刃先と、該刃先とは反対に位置する後縁部と、該後縁部内に形成される一連の窪みを有してよい。前記窪みは少なくとも、それぞれ異なる第1窪みと、第2窪みと、第3窪みを含み得る。前記窪みは、繰り返しパターンを構成するように配置され、前記窪みの各々は、連続的に弧状であってよい。前記窪みは前記後縁部内へ第1深さまで広がり得る。前記窪みは互いに第1距離だけ離間され得る。前記窪みは、それぞれの曲率半径を有し得る。前記曲率半径は互いに異なり得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドレスリボン内で延びる本体と、
前記本体上の第1側部上に存在し、被加工物と係合して前記本体が前記被加工物にわたって切削方向に移動する間に前記被加工物から材料を除去するように構成される複数の切削歯を画定する刃先と、
前記第1側部とは反対側である第2側部上の後縁部と、
該後縁部内に形成される一連の窪みとを備える帯鋸刃であって、
前記後縁部は前記一連の窪み以外では平坦で、前記一連の窪みは繰り返しパターンを構成するように配置され、
前記複数の歯は、高さが変化する前記列のうちの最も高い歯の高さと最も低い歯の高さとの差で定義される歯の高さのばらつきを有する少なくとも1つの列を含み、、
前記一連の窪みは、
前記後縁部に沿って第1曲率半径及び第1幅を有し、前記後縁部内で第1深さにまで及ぶ記第1連続弧状窪みと、
前記後縁部に沿って第2曲率半径及び第2幅を有し、前記後縁部内で前記第1深さにまで及び、前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みの隣で、かつ、前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みから第1距離だけ離間する第2連続弧状窪みと、
前記後縁部に沿って第3曲率半径及び第3幅を有し、前記後縁部内で前記第1深さにまで及び、前記後縁部に沿って前記第2連続弧状窪みの隣で、かつ、前記後縁部に沿って前記第2連続弧状窪みから前記第1距離だけ離間する第3連続弧状窪み、
を有し、
前記第2連続弧状窪みは前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みと前記第3連続弧状窪みとの間に設けられ、
前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径は互いに異なる、
帯鋸刃。
【請求項2】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1深さは1/100インチ未満である、帯鋸刃。
【請求項3】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径はすべて、前記第1深さよりも少なくとも4桁大きい、帯鋸刃。
【請求項4】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最小は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最大の少なくとも2/3である、帯鋸刃。
【請求項5】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1距離は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべてよりも大きい、帯鋸刃。
【請求項6】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最小は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最大の少なくとも3/4である、帯鋸刃。
【請求項7】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべては、少なくとも130インチである、帯鋸刃。
【請求項8】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1幅、前記第2幅、及び前記第3幅のすべては、少なくとも3インチである、帯鋸刃。
【請求項9】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべては、200インチ未満である、帯鋸刃。
【請求項10】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1幅、前記第2幅、及び前記第3幅のすべては、3~4インチである、帯鋸刃。
【請求項11】
請求項1に記載の帯鋸刃であって、前記第1深さは前記歯の高さのばらつき以下である、帯鋸刃。
【請求項12】
請求項1に記載の前記帯鋸刃を用いる方法であって、
帯鋸装置の駆動輪と被駆動輪の周りに前記帯鋸刃の本体のエンドレスリボンを配置する段階と、
前記本体の第1側部上の複数の切削歯と前記被加工物とを係合する段階と、
前記駆動輪を回転させることで前記本体を前記被加工物にわたって切削方向に動かすことで前記被加工物から材料を除去する段階と、
第4曲率半径を有する少なくとも1つのローラによって前記第1側部とは反対側の前記本体の前記第2側部上で前記後縁部を支持する段階と、
を有し、
前記少なくとも1つのローラは、前記本体が動く際に前記後縁部内に形成される前記一連の窪みに入り込み、
前記少なくとも1つのローラが前記一連の窪みに入り込む段階は、前記第1連続弧状窪み、前記第2連続弧状窪み、及び前記第3連続弧状窪みに入り込み、かつ外れる段階を含む、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記支持する段階はさらに、前記第1側部とは反対側の前記本体の第2側部上の前記後縁部を、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径よりも短い前記第4曲率半径を有し、前記本体が動くと前記後縁部内に形成される前記複数の窪み内へ入り込む少なくとも1つのローラによって支持する段階であって、前記第1連続弧状窪み、前記第2連続弧状窪み、及び前記第3連続弧状窪みに入り込み、かつ外れる段階を含む段階として定義される方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記帯鋸刃を連続する正の給刃率で、前記被加工物にわたる移動とは直交する給刃方向に前記被加工物を貫くように給刃する段階と、
前記少なくとも1つのローラの回転軸を、前記後縁部を含む平面から、前記第4曲率半径に等しい第2距離だけ離れた状態に維持することで、前記第1連続弧状窪み、前記第2連続弧状窪み、及び前記第3連続弧状窪みでの前記本体のそれぞれの少なくとも一部は、前記被加工物から離れ、かつ前記少なくとも1つのローラに抗するように偏向される段階、
をさらに有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、2020年6月5日に出願された後縁部が改良された帯鋸(SAW WITH IMPROVED BACK EDGE)に関する米国仮特許出願番号63/035084の利益を主張し、その全体が参照によりここに組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
本開示は概して、切削手段に関する。
【0003】
所与の刃物について、刃先の長さ1インチあたりの歯の数、「TPI」は一定である。TPIは、刃溝のサイズ、幅、および歯の間の空間の深さとともに、一般に、刃物で切削できる材料の種類を決定する。刃のTPIはまた、刃で切削できる被加工物のサイズの範囲を決定する傾向がある。TPIが低い刃は一般に、より粗い端部でより速く切削し、木材の切削に最適である。一般的な経験則では、歯の数が多い鋸刃は滑らかに切削し、歯の数が少ない鋸刃はより速く切削する。他の考慮事項は、材料が鋸刃に供給される速さ及び鋸刃が回転する速さなど、切削品質と給刃率に影響を与える。
【0004】
図1は、切削工程中の刃の側面図である。刃10は、少なくとも1つの歯12を含む。歯12は、先端部14とひっかき面16を画定している。刃10は、被加工物18を通過しながら、被加工物18から材料を除去している。刃10の移動方向は20で表される。被加工物18の現在の外側表面は22で表され、切削深さは24で表される。切削動作の後に露出する表面は26で表される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4195543号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は概して、切削手段に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
帯鋸刃は、本体と、刃先と、後縁部と、該後縁部内に形成される一連の窪みを有してよい。前記本体はエンドレスリボン内で延びてよい。前記刃先は前記本体上の第1側部上に存在してよい。前記刃先は、被加工物と係合して、前記本体が前記被加工物にわたって切削方向に移動する間に前記被加工物から材料を除去するように構成される複数の切削歯を画定し得る。前記刃先は平坦であってよい。前記後縁部は、前記第1側部とは反対側の前記本体の第2側部上であってよい。前記後縁部は前記一連の窪み以外では平坦であってよい。前記一連の窪みは、前記後縁部内で繰り返しパターンを構成するように配置され得る。前記一連の窪みは、第1連続弧状窪みを有し得る。前記第1連続弧状窪みは、前記後縁部に沿って第1曲率半径及び第1幅を有し、前記後縁部内で第1深さにまで及んでよい。前記一連の窪みはまた、前記後縁部に沿って第2曲率半径及び第2幅を有する第2連続弧状窪みをもしてよい。前記第2連続弧状窪みは、前記後縁部内で前記第1深さにまで及んでよい。前記第2連続弧状窪みは、前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みの隣で、かつ、前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みから第1距離だけ離間し得る。前記一連の窪みは、前記後縁部に沿って第3曲率半径及び第3幅をも有し得る。前記第3連続弧状窪みは、前記後縁部内で前記第1深さにまで及んでよい。前記第3連続弧状窪みは、前記後縁部に沿って前記第2連続弧状窪みの隣で、かつ、前記後縁部に沿って前記第2連続弧状窪みから前記第1距離だけ離間し得る。よって前記第2連続弧状窪みは、前記後縁部に沿って前記第1連続弧状窪みと前記第3連続弧状窪みとの間に設けられ得る。前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径は、互いに異なり得る。
【0008】
他の特徴によると、前記第1深さは1/100インチ未満であり得る。前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径はすべて、前記第1深さよりも少なくとも4桁大きくてよい。前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最小は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最大の少なくとも2/3であり得る。前記第1距離は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべてよりも大きくてよい。
【0009】
他の特徴では、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最小は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のうちの最大の少なくとも3/4であってよい。前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべては、少なくとも130インチであってよい。前記第1幅、前記第2幅、及び前記第3幅のすべては、少なくとも3インチであってよい。前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径のすべては、200インチ未満であってよい。前記第1幅、前記第2幅、及び前記第3幅のすべては、3~4インチであってよい。
【0010】
前記帯鋸刃を用いる方法は、帯鋸装置の駆動輪と被駆動輪の周りに前記帯鋸刃の本体のエンドレスリボンを配置する段階を有し得る。当該方法は、前記本体の第1側部上の複数の切削歯と前記被加工物とを係合する段階をも有し得る。当該方法はまた、前記駆動輪を回転させることで前記本体を前記被加工物にわたって切削方向に動かすことで前記被加工物から材料を除去する段階をも有し得る。当該方法はまた、第4曲率半径を有する少なくとも1つのローラによって前記第1側部とは反対側の前記本体の前記第2側部上で前記後縁部を支持する段階をも有し得る。前記少なくとも1つのローラは、前記本体が動く際に前記後縁部内に形成される前記一連の窪みに乗り得る。前記少なくとも1つのローラが前記一連の窪みに乗る段階は、前記第1連続弧状窪み、前記第2連続弧状窪み、及び前記第3連続弧状窪みに乗り、かつ外れる段階も含む。
【0011】
他の特徴によると、前記ローラの曲率半径は、前記第1曲率半径、前記第2曲率半径、及び前記第3曲率半径未満であり得る。当該方法はまた、前記帯鋸刃を連続する正の移動速さで給刃方向に前記被加工物を貫くように給刃する段階をも有し得る。前記給刃方向は前記被加工物にわたる移動とは直交する。当該方法はまた、前記少なくとも1つのローラの回転軸を前記後縁部を含む平面から第2距離だけ離れた状態に維持する段階をも有し得る。前記第2距離は前記第4曲率半径に等しい。その結果、前記第1連続弧状窪み、前記第2連続弧状窪み、及び前記第3連続弧状窪みでの前記本体のそれぞれの少なくとも一部は、前記被加工物から離れ、かつ前記少なくとも1つのローラに抗するようにように偏向する。
【0012】
様々な態様は、以下の詳細な説明及び添付図面から当業者には明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】先行技術による切削プロセス中の刃の側面図である。
図2】本開示による切削プロセス中の刃の側面図である。
図3】本開示の他の態様による刃の一部の斜視図である。
図4図3に部分的に示される刃を拡大させた部分の側面及び平面図である。
図5図3及び図4に部分的に示された刃を含む帯鋸装置の概略正面図である。
図6図5に示された帯鋸装置の左側面図である。
図7図5及び図6に概略的に示された帯鋸配置の一部の詳細等角図である。
図8】本開示の1つ以上の実施形態による切削プロセス中の図3に示された刃の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、より長い寿命を有することができる刃を提供する。 本開示は、刃の後縁に形成されたプロファイルを含むように、標準的な刃を変更することを含む。刃が被加工物を通過する間、プロファイルを画定する刃の部分は、被加工物から離れるように弾性的に偏向し得る。作業中、刃は、伐採家が木を切るように、切り口で前後に揺れることがある。刃の偏向は、切り口における高応力の押圧領域の上昇に対応することができ、刃の歯の先端がより長く持続するのを助ける。
【0015】
次に図面を参照すると、図2には、刃10が切り口へ入り込み、かつ切り口から外へ出るように往復運動する切削プロセス中の刃10の側面図が示されている。先端部14の運動の例示的な経路27は、実線部分と破線部分とによって表されている。例示的な経路27は、被加工物18を横切る移動(図2の視点に対して横方向又は水平方向の動き)及び被加工物18に向かう及び被加工物18から離れる給刃移動(図2の視点に対して垂直方向の動き)を反映している。給刃移動と横方向移動とは、互いに直交している。経路27の例示的な実線部分が28で参照される。実線部分によって表される経路27の部分に沿った移動の間、歯12は、被加工物に係合し、材料を除去する。経路27の例示的な破線部分は、30で参照される。破線部分によって表される経路27の部分に沿った移動の間、歯12は、被加工物との係合を解除され、材料を除去していない。従って例示的な経路27は、刃10の往復運動を規定し、その運動は、周波数と振幅とを有する。
【0016】
経路27は例示的なものである。本開示の他の実施形態において刃10に適用される経路は、異なる形態であり得る。一例では、刃10は、方形波として現れる経路に沿って移動させることができる。 そのような経路が選択される場合、歯12は、被加工物18の一部を通って直線的に移動し得、被加工物18から離れて垂直に上昇し得、被加工物18の上を直線的に移動し得、その後、被加工物18の中に戻って垂直に下降され得る。
【0017】
帯鋸手段は、刃10を経路27に沿って移動させるように構成され得る。先行技術では、帯鋸は、刃10の速さと給刃率の選択に基づいて操作される。刃10の速さは、被加工物18を横切る方向への刃10の移動に対応する。給刃率は、刃10の被加工物18への移動に対応する。経路27に沿った移動のために、帯鋸は、刃10の速さ、給刃率、周波数、及び振幅の選択に基づいて動作するように構成され得る。
【0018】
ここで図3を参照すると、本開示の例示的な実施形態は、刃の後縁にプロファイルを有する刃を提供する。例示的な刃10aは、帯鋸刃である。 刃10aの一部分のみが示されている。刃10aは、その用語が米国特許で使用されているように、「エンドレスリボン」に延びる本体11aを含む。特許文献1は、少なくともその目的のために参照により組み込まれる。
【0019】
本体11aの第1側部の刃先32aは、切削方向に被加工物18aを横切る本体11aの移動中に、被加工物18aから材料を係合させて除去するように構成された複数の切削歯を画定する。例示的な刃先32aは、平坦である。複数の歯は、先端部14a及びひっかき面16aを画定する少なくとも1つの歯12aを含む。歯12aは、刃10aの前縁部32aから離れるように突出している。
【0020】
また、例示的な刃10aは、第1側とは反対側の本体11aの第2側部、つまり前縁部32aとは反対側の後縁部34aを含む。例示的な刃10aの長さは、36aで表される軸によってなど、エンドレスリボンに沿って、縁部32a、34aに沿って規定され得る。例示的な刃10aの高さは、38aで表される軸によってなど、長さに対して垂直に定義することができる。高さは、先端部14aと後端部34aとの間の距離として定義される。
【0021】
例示的な実施形態では、刃10aは後縁部34aに形成された一連の窪みを含む。一連の窪みによって高さは長さに沿って変化する。後縁部34aそれ以外は平坦である。図3は、後縁部34aに形成された連続的な弧状の窪み40aを示す。例示的な窪み40aは、いかなる平面/平坦な表面部分も含まない。例示的な連続円弧状窪み40aは、42aで参照される曲率半径によって定義される。長さ36aに沿った任意の位置における連続弧状窪み40aの「深さ」は、刃10aの最大高さ38aからの刃10aの高さ38aの減少又は損失として定義することができる。後縁34aにおける連続円弧状窪みの最大深さは、本開示の1つ以上の実施形態において、歯の高さの約2倍以下とすることができる。本開示の1つ以上の実施形態において、最大深さは、歯の高さを参照することなく選択され得る。例えば本開示の1つ以上の実施形態において、最大深さは、1インチの100分の1未満であり得る。
【0022】
例示的な弧状連続窪み40aは、後縁34aの位置44aと46aとの間に幅45aを延在する。例示的な位置44a及び46aは、幅45aによって刃10aの長さに沿って互いに離間している。例示的な刃10aの高さは、位置44aから歯12aの位置の近くまで長さに沿って減少する。例示的な刃10aの高さは、歯12aから場所46aまで長さに沿って増加する。
【0023】
図4は、図3に部分的に示された刃の一部の正面、平面図である。例示的な刃10は、後縁34aに繰り返しパターンで配置された一連の窪みを含む。図4は、一連の図であり、一連のものは、エンドレスリボンに沿って、後縁部34aにおいて、何度も繰り返される。一連の窪みは、第1連続円弧状窪み40a、第2連続円弧状窪み140a、及び第3連続円弧状窪み240aを含む。上述したように、第1連続円弧状窪み40aは、第1曲率半径42a、後縁34aに沿った第1幅45aを有し、後縁部34a内に第1深さ58aまで及ぶ。
【0024】
第2連続円弧状窪み140aは、第2曲率半径142a、及び後縁部34aに沿った第2幅145aを有する。第2連続円弧状窪み140aは、第1深さ58aを後縁部34aの中に延在させることができる。例示的な第2連続円弧状窪み140aは、後縁部34aに沿って第1連続円弧状窪み40aの隣に位置している。例示的な第2連続弧状窪み140aは、後縁部34aに沿って第1連続弧状窪み40aから第1距離60aだけ間隔をあけて配置されている。
【0025】
第3連続円弧状窪み240aは、後縁部34aに沿って第3曲率半径242a及び第3幅245aを有する。第3連続円弧状窪み240aは、後縁部34aの中第1深さ58aまで及び得る。例示的な第3連続円弧状窪み240aは、後縁部34aに沿って第2連続円弧状窪み140aの隣に位置している。例示的な第3連続円弧状窪み240aは、後縁部34aに沿って第2連続円弧状窪み140aから第1距離60aだけ間隔をあけて配置されている。従って第2連続円弧状窪み140aは、後縁部34aに沿って第1連続円弧状窪み40aと第3連続円弧状窪み240aとの間に配置される。図4の視点に関して、別の系列は、第3連続円弧状窪み240aの右側から、第1距離60aに等しい距離で始まり、別の系列は、第1連続円弧状窪み40aの左側まで、第1距離60aに等しい距離で終了している。このパターンは、エンドレスリボンの後縁34aの全距離に沿って続く。
【0026】
第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aは、全て互いに異なっている。例示的な実施形態では、第1曲率半径42aは160.56インチであり、第2曲率半径142aは142.227インチであり、第3曲率半径242aは190.143インチである。したがって、このような実施形態では、第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aの最小値は、第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aの最大値の少なくとも2/3になる。また、そのような実施形態では、第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aの全てが少なくとも130インチであり、第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aの全てが200インチ未満である。例示的な実施形態において、第1深さは、0.009インチである。そのような実施形態では、第1曲率半径42aと第2曲率半径142aと第3曲率半径242aの全ては、第1深さ58aよりも少なくとも4桁大きくすることができる。例示的な実施形態では、第1幅45aと第2幅145aと第3幅245aの全ては、3インチと4インチの間とすることができる。例えば、第1幅45aは3.4インチとすることができ、第2幅145aは3.2インチとすることができ、第3幅245aは3.7インチとすることができる。このような実施形態では、第1幅45aと第2幅145aと第3幅245aのうち最小のものは、第1幅45aと第2幅145aと第3幅245aのうち最大のものの少なくとも4分の3の大きさである。また、そのような実施形態では、第1幅45aと第2幅145aと第3幅245aの全てが、少なくとも3インチである。例示的な実施形態では、第1距離60aは4.5インチである。このような実施形態では、第1距離60aは、したがって、第1幅45aと第2幅145aと第3幅245aの全てよりも大きい。例示的な実施形態では、刃10aは、2.58インチである刃の高さを有する。本開示の実施形態は、0.5インチ~3インチの範囲内の刃の高さを有する刃を含むことができる。例示的な実施形態において、刃10aの厚さは、0.63インチである。厚さは、図3において74aで参照される。例示的な実施形態において、刃10a上の歯の高さは、約67mmであり得る。本開示の実施形態は、32mm~76mmの範囲内の歯の高さを有する歯を有する刃を含むことができる。例示的な実施形態では、刃上の歯の高さは、刃の長さに沿って変化し得る。例えば、0.05mmの歯のばらつきを有する複数の歯の例示的な列において、所望の場合には、第1歯は67.77mmの高さを有することができ、切削方向において第1歯にすぐ隣接しかつその背後にある第2歯は67.73mmの高さを有することができ、切削方向において第2歯にすぐ隣接しかつその背後にある第3歯は67.72mmの高さを有することができる。刃は互いに隣接する複数のそのような列を含むことができる。その際、最初の列の最も高い歯は次の列の最も短い歯にすぐに続く。本開示の実施形態は、32mm~76mmの範囲内の歯の高さを有する歯を有する刃を含むことができる。本開示の実施形態は、0.25~0.63インチの範囲の厚さを有する刃を含み得る。
【0027】
ここで図5及び図6を参照すると、帯鋸刃10aの使用方法において、帯鋸刃10aの本体11aのエンドレスリボンは、帯鋸装置の駆動輪62a及び従動輪64aの周りに配置することができる。本体11aの第1面の切刃32aの複数の切削歯は、被加工物18aに係合させることができる。駆動輪62aは、本体11aを切削方向20aに被加工物18aを横切って移動させ、それによって被加工物18aから材料を除去するために回転させることができる。
【0028】
それぞれが曲率半径を有するローラ66a、68aは、第1側部とは反対側の本体11aの第2側部で後縁部34aを支持することができる。図7は、図5及び図6のローラ66aを模式的に示す等角図及び詳細図であり、ローラ66aの回転軸は72aで表されている。例示的なローラ66a、68aは、本体11aの移動に伴って、後縁34aに形成された一連の窪み42a、142a、242aに入り込む。例示的なローラ66a,68aは、刃10aの移動中に、第1連続円弧状窪み40aと第2連続円弧状窪み140aと第3連続円弧状窪み240aに入り込み、その後それらの窪み40a,140a,240aから出る。ローラ66a、68aの両方は、ローラ66a、68aが窪み40a、140a、240aに完全に受け入れられるように、第1曲率半径42a及び第2曲率半径142a及び第3曲率半径242aの全てよりも小さいそれぞれの曲率半径を有し得る。
【0029】
帯鋸刃10aは、給刃方向に連続的に正の給刃率で被加工物18aを通して給刃され得る。給刃方向は、図5の70aで表され、被加工物18aを横切る移動20aに直交している。給刃方向は、図6に対してページの中に入っている。例示的な給刃率は、刃10aが方向70aと方向70aとは反対の方向との間で振動されないという点で、連続的に正の給刃率である。
【0030】
ローラ66aの回転軸72aは、後縁部34aを含む平面から所定距離だけ離れて維持され得る。窪み40a、140a、240aは、この平面から離れるように延びる。この所定距離は、ローラ66aの曲率半径に等しくされ得る。従って、ローラ66aと後縁部34aとが位置合わせされると、ローラ66aは後縁部34aに接触して後縁部34aを支持し、刃10aの本体11aが被加工物18aから離れる動きを防止する。ローラ66aと、第1連続円弧状窪み40aおよび第2連続円弧状窪み140aおよび第3連続円弧状窪み240aでの本体11aのそれぞれの部分とが一致すると、刃10aの本体11aは被加工物18aから離れる方向に弾性偏向することが許容される。
【0031】
ローラ66aと第1連続円弧状窪み40aが互いに位置合わせされているとき、ローラ66aが第1連続円弧状窪み40aとの接触を維持し、弾性撓みの範囲を制御するので、刃10aの本体11aは被加工物18aから離れて弾性撓みすることを許容される。ローラ66aと第2連続円弧状窪み140aとが互いに位置合わせされると、ローラ66aが第2連続円弧状窪み140aとの接触を維持して弾性撓みの程度を制御するため、刃10aの本体11aは被加工物18aから離れる方向に弾性撓みすることが許容される。ローラ66aと第3連続円弧状窪み240aとが互いに位置合わせされている場合、ローラ66aが第3連続円弧状窪み240aとの接触を維持して弾性撓みの程度を制御するため、刃10aの本体11aは被加工物18aから離れる方向に弾性撓みすることが許容される。
【0032】
窪み40a、140a、240aは異なる曲率半径を有するので、ローラ66aが異なる窪み40a、140a、240aに位置合わせされるとき、本体11aの偏向の割合は異なる。しかしながら例示的な実施形態では、第1深さ58aは同じであり、したがって、本体11aの撓みの程度は、窪み40a、140a、240aの全てにおいて同じである。また窪み40a、140a、240aは連続的に円弧状であるため、偏向は急激な期間-窪み40a、140a、240aのいずれかが方向70aに平行に延びる直線部分を有する場合に起こるような偏向-を含まない。そのような急激な偏向は、本体11a及びローラ66aの応力レベルを上昇させるであろう。
【0033】
次に図8を参照すると、刃10aによる切削作業において、刃10aは被加工物18aを通過して被加工物18aから材料を除去している。被加工物18aの現在の外側表面22aは、表面26aを露出させるために切削深さ24aまで除去されることになる。図8及び線26aは例示的なものであり、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
【0034】
例示的な経路27aは、刃10aが弾性変形するときに本体11a及び刃歯の先端部の運動によって生じる相対的な切削深さを例示するものである。線22aと経路/線27a/26aとの間の距離は、切削深さを表す。点48a及び50aなどの線26aに沿った最下点は、図3の歯52aなどの後縁34aに沿った窪み40a、140a、240aの1つに隣接しない歯によって生じる切削を表している。この切削は、最も深い切削である。点54a及び56aのような線26aに沿った最高点は、図3の歯12aのような後縁部34aに沿った窪み40a、140a、240aの最下点に隣接する歯によって作られる切削を表している。この切削は、最も浅い切削である。最下点と最高点との間の線26aに沿った点は、歯12aと歯112aとの間にある歯、及び図3における歯12aと歯212aとの間にある歯によって作られる切削を表す。歯112a、212aは、窪み40aの反対側の端部にある。
【0035】
刃10aの移動中、窪み40a、140a、240aの1つを含む刃10aの部分は、被加工物18aから離れるようにわずかに弾性的に偏向されるであろう。窪み40a、140a、240aの1つに隣り合う歯は、切削部から離れるように付勢されることになる。しかし図8に示されるように、これらの歯は、切削部から離されず、被加工物18aから材料を除去し続ける。むしろ、切削深さはわずかに減少する。窪み40a、140a、240aのいずれかに隣接する歯は、被加工物18aに係合したまま、材料を除去していることになる。このように、瞬間的な切削深さが変化する。これにより、窪みの摩耗と高温点が減少し、工具寿命が向上する。刃10aは、準振動アシスト工具のように作用し、押圧(または高応力)領域が減少し、工具先端の長寿命化に寄与する。 刃物10aを使用する際には、歯を切り口にとどめるために、より高い送りを加えることが望ましい場合がある。また刃10aは、伐採家が木を切るように、切り口で前後に揺れる傾向がある。まっすぐな後縁部と比較して、刃10aは、任意の瞬間における切削断面を減少させるので、瞬間的に切り屑の負荷を減少させる。
【0036】
本開示の教示は、実施された場合、刃の寿命を増加させる。刃10aについては、初期給刃率が比較的遅い典型的な慣らし運転は、歯が切削部から離れる可能性があるため、推奨されない。歯を切削部から離さないために、より高い給刃が推奨される。プロファイルの属性は、刃のインチあたりの歯の数、また、切削される材料の品質に基づき得ることに留意されたい。
【0037】
非実施形態(完全に平坦な後縁部を有する刃)に対する本開示の例示的な実施形態の試験の詳細は、以下に記載されている。
【表1】
【0038】
表1に示す結果をもたらした試験において、本開示の一実施形態である刃は、まっすぐ/平坦な後縁部を有する刃に対して試験された。「切削数」は、それぞれの刃が故障する前に切削された被加工物の数を意味する。刃の故障は、それぞれの刃が歯を失ったときに定義された。例えば、非実施形態の刃は、3つの被加工物を切削した後に破損したが、実施形態の刃は、9つの被加工物を切削した。なお、これらの試験における被加工物はすべて断面が円形であった。「面積」は、それぞれの刃が破損する前に切削した総面積を平方インチで表したものである。「給刃」は、給刃率を意味する。試験中、それぞれの刃の瞬間的な状態を監視し、それぞれの刃の瞬間的な状態を考慮して、可能な限り給刃率を最大にした。また、NO6625被加工物の切削時には、両刃とも刃の速さは同一とした。表1に示すように、実施形態の刃は非実施形態の刃よりも154%多くの面積を切削し、非実施形態の刃よりも大きな給刃率を可能にした。
【表2】
【0039】
表2に示す結果をもたらした試験において、本開示の実施形態である刃は、直線/平らな後縁部を有する刃に対して試験された。すべての被加工物は、断面が丸いものであった。試験中、それぞれの刃の瞬間的な状態を監視し、それぞれの刃の瞬間的な状態を考慮して、可能な限り給刃率を最大にした。K3403(ブリネル硬さ415)被加工物の切削時の刃速は、両刃とも同じであった。表2に示すように,実施形態の刃は非実施形態の刃に比べて758%の面積を切削し,非実施形態の刃よりも大きな給刃率を可能とした。
【表3】
【0040】
表3に示される結果を生じた試験において、本開示の実施形態である刃は、直線/平坦な後縁部を有する刃に対して試験された。すべての被加工物は、断面が丸いものであった。試験中、それぞれの刃の瞬間的な状態を監視し、それぞれの刃の瞬間的な状態を考慮して、可能な限り給刃率を最大にした。また,300Mの被加工物の切削時には,両刃とも刃の速さは同じであった。表3に示すように、実施形態刃は非実施形態刃よりも大きな給刃率を許容し、被加工物の大きさから、給刃率が大きいほど、1被加工物あたり71分の時間短縮につながった。実施形態の刃による被加工物の切削は、非実施形態の刃による被加工物の切削に比べ、71分も時間がかからないことが分かった。
【表4】
【0041】
表4に示される結果を生じた試験において、本開示の実施形態である刃は、直線/平坦な後縁部を有する刃に対して試験された。すべての被加工物は、断面が長方形であった。試験中、それぞれの刃の瞬間的な状態を監視し、それぞれの刃の瞬間的な状態を考慮して、可能な限り給刃率を最大にした。また、NO5500の被加工物の切削時には、両刃とも刃の速さは同じにした。表4に示すように、実施形態刃は、非実施形態刃よりも233%多くの面積を切削し、非実施形態刃よりも大きな給刃率を可能にした。
【0042】
本開示は例示的な実施形態を参照して説明されたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素に等価物を代用することができることが理解されよう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために、多くの変更がなされ得る。 したがって、本開示を実施するために企図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示が添付の請求項の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。本明細書に開示される部材及び/又は一部の組み合わせを主張する権利は、ここに無条件に留保される。本書における「できる」という語の使用は、その語の前にある主題が、本書の他の何かに対して重要でない、不要である、または「重要でない」と主張するものでない。 本書では、「できる」という言葉は肯定的な意味で使用されており、他の動機が推定されるべきではない。本開示では、複数の「発明」を開示することができる。「発明」は、特許請求の範囲の内容によって定義され、発明の実施形態の詳細な説明の内容によって定義されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】