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▶ ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】輸液フィルタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
A61M5/168 516
A61M5/168 520
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574817
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2021064756
(87)【国際公開番号】W WO2021245122
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】102020207084.9
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl-Braun-Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マンドリー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066LL20
4C066MM00
4C066QQ46
4C066QQ58
4C066QQ78
(57)【要約】
本発明は、輸液ライン(2)を介して液体通過フィルタ要素(1)と組み合わされ得る、輸液のための医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)に関し、圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)は、液体通過要素での圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮することができ、圧力インジケータは、液体通過チューブ部分として形成されている。
本発明はまた、本発明による医療用輸液フィルタ(1)の出口に接続するための無菌パッケージの医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)であって、圧力インジケータは少なくとも部分的に、伸縮することができる弾性材料で作られている、医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)に関し、医療用輸液フィルタ(1)の出口に接続するための、この圧力インジケータの使用に関する。
最後に、本発明は、本発明による無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)、又は本発明による圧力インジケータを備える輸液フィルタを備える輸液ラインに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ライン(2)を介して液体通過フィルタ要素(1)と組合せ可能である、輸液のための医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)であって、前記圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)は、組合せ可能な液体通過フィルタ要素(1)の下流の液体通過チューブ部分として形成され、前記圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)は、前記チューブ部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮し得る、医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項2】
前記チューブ部分は、前記液体通過フィルタ要素(1)の下流に配置されるライン部分、特に、輸液チューブ(2)又は輸液システムのライン部分である、請求項1に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項3】
前記圧力インジケータの前記チューブ部分、又は前記チューブ部分の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、伸縮するような形状である弾性又は非弾性材料で形成されている、請求項1又は2に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項4】
前記チューブ部分は、30mmHg以上、好ましくは40mmHg以上の圧力から膨張し、20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の圧力で収縮する、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項5】
前記チューブ部分は、折り目を備えるライン部分として形成されており、前記チューブ部分は、前記圧力が増加すると長手方向に膨張することができ、前記圧力が低下すると長手方向に沿って収縮することができる、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項6】
前記チューブ部分は、弾性膜の形態であり、前記膜は、圧力が増加すると第1の方向に膨張することができ、圧力が低下すると前記第1の方向と反対の第2の方向に膨張することができるか、又は選択的に、前記膜は、前記圧力インジケータが前記膜の側でのみ膨張することができるように非弾性構成要素と対向している、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3c)。
【請求項7】
前記フィルタは、キャピラリー膜である、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項8】
前記チューブ部分は、(非膨張状態に対して)少なくとも1mmだけ伸縮する、請求項1から7のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項9】
カラーマークが前記チューブ部分に施されており、前記圧力インジケータの好ましくは弾性材料の前記チューブ部分の前記膨張又は収縮に応じて変化するか、
又は
前記チューブ部分上のカラーの特徴が、伸びの状態に応じて異なるカラーイメージを提供する、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項10】
前記液体通過チューブ部分の直径は、通常の状態で少なくとも2mmであり、膨張状態で少なくとも3mmであり、収縮状態で少なくとも1mmである、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項11】
医療用輸液フィルタ(1)の出口、又は医療用輸液フィルタの更に下流に位置する接続部に接続するために好適な無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)であって、前記圧力インジケータは、前記医療用輸液フィルタの前記出口への接続、又は医療用輸液フィルタの更なる下流部分への接続において、輸液溶剤のためのライン部分として接続されるように適合されており、前記圧力インジケータは、少なくとも部分的に、伸縮することができる弾性材料で作られており、前記圧力インジケータは、前記ライン部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮することができる、無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項12】
前記弾性材料は、前記ライン上で30mmHgよりも高い、好ましくは40mmHgよりも高い輸液圧力で膨張することができ、20mmHg未満、好ましくは10mmHg未満の輸液圧力で収縮することができる、請求項11に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項13】
前記圧力インジケータは、液体通過フィルタ要素(1)と組み合わされる、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項14】
医療用輸液フィルタの前記出口への接続のための請求項11から13のいずれか一項に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)の使用。
【請求項15】
請求項11から13のいずれか一項に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)を備えるか、又は請求項1から10のいずれか一項に記載の輸液フィルタ及び圧力インジケータと組み合わされる、輸液ライン(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者のアクセスポートに接続することができ、特製の圧力インジケータを使用した医療用輸液システム内で閉鎖、閉塞、又は他の流れの擾乱を容易に且つ効果的に検出することができる医療用圧力インジケータに関する。
【0002】
本発明はまた、医療用輸液フィルタの出口への接続のための無菌パッケージの圧力インジケータ、及び医療用輸液フィルタの出口への接続のための当該圧力インジケータの使用に関する。
【0003】
最後に、本発明は、本発明による圧力インジケータ、又は本発明による圧力インジケータを備える輸液フィルタを備える輸液ラインに関する。
【背景技術】
【0004】
集中医療及び集中治療では、様々な病像の最適な治療の問題だけでなく、溶液状の医薬品の安定性、施与される輸液の化学的-物理的適合性(適合性)も常に問題となり、最後に、使い捨て材料(ライン、コックバンク(cock banks)等)との医薬の適合性の問題もある。文献データによると、集中治療医療では、輸液フィルタ無しで、患者一人当たり、24時間以内に、約1000万個の微粒子が人体内に入り込んでいる可能性がある。輸液溶剤は、異なるサイズの粒子、例えば、裸眼で見ることができる、50μm以上のサイズを有する粒子、及び裸眼で見ることができない、50μm未満のサイズを有する粒子を含み得る。
【0005】
ガラス製アンプル、薬剤若しくは非経口輸液溶剤中の未溶解固体、あるいは、例えば、薬剤と担体溶液との間の不適合による粒子形成は、輸液溶剤の粒子汚染の特に高いリスクを表す。特に、後者のいわゆる混合輸液では、粒子汚染のリスクは特に高い。混合輸液は、例えば薬局又は病院で要求に応じて調製され、粒子汚染のリスクは、緊急の状況で特に高い。
【0006】
管腔内部分に存在し、例えばフィルタによって保持されない汚染粒子は、患者の体に直接入り、そこで望ましくない影響を引き起こす可能性がある。粒子汚染のリスクとしては、微小循環の障害、血管の変位、様々な器官への損傷、又は静脈炎が含まれる。
【0007】
これらの問題は、患者に害与えるだけでなく、入院の長期化によって治療コストの増加にもつながり得る。
【0008】
このような不利益を回避するために、輸液フィルタ等のフィルタ要素を使用することが推奨される。しかしながら、輸液フィルタの使用は、まずその正しい取扱いを習得する必要があるため、標準的な方法ではない。特に、一般に患者に輸液の施与を任されている看護師は、このことに悩まされている。したがって、使用により相当な利益がもたらされる輸液フィルタが、最初の取扱いの困難性により中止されるのは珍しいことではなく、そしてそれは少なくとも、汚染のリスクの増加を被る患者の不利益となる。
【0009】
輸液フィルタの取扱いで生じ得る問題の1つは、輸液溶剤が意図したように患者に達していない場合、この原因を容易に判別することができないことである。輸液フィルタが閉塞している(閉鎖しているか若しくは閉塞している)か否か、例えば輸液針が管壁に対して引っ掛かることが原因で患者のアクセスポートが閉塞している(詰まっているか若しくは閉鎖している)か否か、又はカテーテル閉塞が存在するか否かを容易に区別できない。輸液フィルタ又は患者のアクセスポートが詰まっているか否かを特定する方法が無かったため、輸液溶剤が患者の内部を通過しない場合に輸液フィルタを交換する必要があり、そのため、輸液溶剤が所望の流量で患者に送られるという問題が解決されるとの確信は得られなかった。
【0010】
したがって、このようなフィルタの使用が望ましく、推奨もされているが、とりわけこの困難性により、多くの場合、輸液フィルタの使用が控えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、輸液フィルタ又は患者のアクセスポートが閉塞しているか否かを比較的容易に判断することでき、従来よりも確実に輸液フィルタを使用することを可能にする医療用圧力インジケータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、この問題は、請求項1に記載の医療用圧力インジケータによって解決される。したがって、本発明は、輸液ラインを介して液体通過フィルタ要素と組合せ可能であり、好ましくは組み合わされる、輸液のための医療用圧力インジケータに関し、圧力インジケータは、組合せ可能な液体通過フィルタ要素の下流の液体通過要素として形成され、圧力インジケータは、液体通過要素での圧力に応じて少なくとも1次元で膨張又は収縮することができる。特に有利な実施形態では、液体通過要素、すなわち圧力インジケータは、チューブ部分での圧力に相関して少なくとも1次元で膨張及び収縮することができる液体通過チューブ部分である。少なくとも1次元で膨張及び収縮することができるこのような圧力インジケータは、連続的に、信頼性をもって、且つ簡易な方法で、過圧(正圧)及び低圧(負圧)の両方を示すことができる。非常に低い圧力及び圧力変化でさえ検出し測定することができる。さらに、圧力インジケータは、輸液チューブに適合される最小限の構造により簡素な設計であり、それにより、輸液フィルタ又は患者のアクセスポートで、閉塞が存在するか否か及び閉塞がどこに存在するかを簡易な方法でも判断することを可能にする。輸液が詰まり、意図せずに引き出されるリスクが最小限にされるため、上述の利点は、患者への使用時にも重要である。したがって、液体通過チューブ部分としての構成は、小型の設計を許容するだけでなく、関連する形状により確実性を高める。
【0013】
本発明の更なる主題は、請求項11に記載の医療用輸液フィルタの出口への接続に好適な無菌パッケージの圧力インジケータ、請求項13に記載の本発明の圧力インジケータ、及び請求項14に記載の医療用輸液フィルタの出口への接続のための当該圧力インジケータの使用、並びに当該圧力インジケータ又は当該輸液フィルタを備える請求項15に記載の輸液ラインである。
【0014】
本発明によると、医療用輸液フィルタは、圧力インジケータと組み合わせることができる。圧力インジケータは、液体通過要素として、フィルタ要素の下流に形成されている。圧力インジケータは、液体通過要素での圧力に応じて、少なくとも1次元で膨張又は収縮することができるという特性を有する。
【0015】
「下流」という用語は、輸液の流れ、すなわち、輸液バッグ又は輸液フィルタの側から患者のアクセスポートの側に向かう一般的な方向を示す。
【0016】
特に記載しない限り、「圧力」という用語は通常、フィルタ要素が位置している輸液システムで支配的な輸液圧力、特に、フィルタ要素と患者のアクセスポートとの間で支配的な圧力を意味する。
【0017】
医療用輸液フィルタは、輸液溶剤から粒子を除去又は保持することができる。結果として、輸液溶剤が供給される患者の(マイクロ)粒子による汚染を少なくとも低減することができ、最善の場合、完全に回避することさえできる。このような輸液フィルタは、当業者に既知であり、例えば、ドイツのB.Braun社から入手可能である。輸液フィルタはまた、以下の公報、独国特許出願公開第3347374号、欧州特許出願公開第2567720号、欧州特許出願公開第0784988号に記載されている。
【0018】
本明細書で使用される「医療用」という用語は、材料の種類が輸液溶剤を通過させるのに好適であることを意味し、容認できない/有害な物質が溶解しないことを意味する。患者に使用するために、医療用輸液フィルタはまた、無菌である必要があり、その結果、本発明は好ましくは、無菌包装された医療用圧力インジケータ又は圧力インジケータを有する医療用輸液フィルタに関する。
【0019】
本明細書で使用される「膨張」及び「収縮」という用語はそれぞれ、肉眼によって知覚することができるか、又はスキャナ等の簡易な測定装置を使用して検出することができる程度までの圧力インジケータの寸法又はサイズ変化に関する。特に、このような寸法又はサイズ変化は、目で知覚可能であるか、又は1~70mmHgの範囲の圧力で好適な装置によって容易に検出可能である。特に、当該用語は、ミリメートルの範囲、又はセンチメートルの範囲における寸法変化、例えば、少なくとも1mmの膨張又は収縮を表す。
【0020】
圧力インジケータは、例えば輸液溶剤の流れの方向に対して径方向に、少なくとも1次元で膨張及び収縮し得る。
【0021】
圧力インジケータは、フィルタ要素の後の下流に位置している。輸液の施与中、フィルタ要素、例えばフィルタ膜、及び患者のアクセスポートの両方が閉塞した状態になり得る。基本的に、輸液の施与中、このシステムに3つの状態が存在する。
【0022】
状態1:この状態は、全ての液体通過部分に液体の流れの閉塞若しくは他の擾乱又は圧力変化状況が無いときに存在する。この場合、患者に接続される状態では、フィルタ要素(ここで、簡易に「フィルタ」とも称され、例えば、輸液フィルタのフィルタ膜)と、患者のアクセスポートとの間の圧力は、輸液溶剤による静圧から静脈静圧及び輸液及び血流の動圧を差し引いたものに相当する。この場合、圧力インジケータは、中間状態又は通常の張力である。例えば、これは、それに対応してフィルタ要素と患者のアクセスポートとの間で形成されたライン部分が、通常の断面直径又は断面積を有していることによって分かり得る。これは、圧力インジケータが寸法又はサイズの変化を示さないが、圧力の変化に応じて依然として膨張又は収縮する能力又は特性を有することを意味する。したがって、この状態、すなわち、全ての液体通過部分に閉塞又は他の擾乱が無く、したがって輸液溶剤を支障なく患者に供給することができるとき、圧力インジケータは膨張も収縮もしない。この状態は、図1Aに例示されている。
【0023】
この状態(「通常の状態」)では、圧力インジケータの液体通過要素の直径は、通常の状態で少なくとも2mmである。
【0024】
状態2:この状態は、患者のアクセスポートが詰まっている又は部分的に詰まっている場合に存在する。完全に閉塞している場合、フィルタ要素と患者のアクセスポートとの間の圧力は、輸液溶剤による静圧に対応する。圧力インジケータは、最大の張力である。すなわち、この状態では、圧力インジケータは、最大限に膨張している。この状態は、図1Bに例示されている。例えば、これは、それに対応してフィルタ要素と患者のアクセスポートとの間で形成された、特に、弾性の膨張可能なライン部分が、通常の状態よりも(すなわち、図1Aに示す状態と比較して)大きい断面直径又は断面積を有していることによって分かり得る。
【0025】
この状態(「膨張状態」)では、圧力インジケータの液体通過要素の直径は、少なくとも3mmである。
【0026】
状態3:この状態は、フィルタ要素(例えば、輸液フィルタのフィルタ膜)が詰まっている又は部分的に詰まっていて、フィルタ要素の上流で働く輸液圧力がもはや圧力インジケータに達しないときに存在する。完全に閉塞している場合、フィルタ要素の下流、すなわちフィルタ要素と患者のアクセスポートとの間の圧力は、静脈圧から血流の動圧を差し引いたものに相当する。圧力インジケータは、緩んでいる。すなわち、この状態では、圧力インジケータは、収縮している。この状態は、図1Cに例示されている。例えば、これは、それに対応してフィルタ要素と患者のアクセスポートとの間で形成された、特に、弾性の膨張可能なライン部分が、通常の状態よりも(すなわち、図1Aに示す状態と比較して)小さい断面直径又は小さい断面積を有していることによって分かり得る。
【0027】
この状態(「収縮状態」)では、圧力インジケータの液体通過要素の直径は、少なくとも1mmである。
【0028】
上記の説明から明らかなように、圧力インジケータで検出することができる寸法又はサイズ変化の程度は、圧力変化の程度又は詰まりの程度に対応し、一方の「フリー」又は「トラブルフリー」と、他方の「完全に詰まっている」と、の両極端の間にあり得る。
【0029】
したがって、圧力インジケータの状態は、輸液溶剤の流体の流れの不通又は機能不良の原因及び位置を迅速に特定するために使用され得る。圧力インジケータが膨張している(引き伸ばされている)か又は収縮しているかに応じて、患者のアクセスポート又はフィルタ要素が少なくとも部分的に詰まっている(閉塞)か否かを容易に且つ信頼性をもって検出することができる。フィルタ要素が少なくとも部分的に詰まっている場合、圧力インジケータは、多かれ少なかれ収縮状態にある。患者のアクセスポートが少なくとも部分的に詰まっている場合、圧力インジケータは、多かれ少なかれ膨張状態にある。閉塞を除去するために、閉塞が存在する場所に応じて、適切な対策を取ることができる。例えば、少なくとも部分的に詰まっているフィルタ要素を交換することができる。圧力インジケータを備える本発明による医療用輸液フィルタは、閉塞が位置する場所(患者のアクセスポート又はフィルタ要素)を簡易な方法で比較的迅速に且つ信頼性をもって検出するために使用することができ、そしてこれを除去することもできるため、本発明は、輸液フィルタの使用を、より広く受け入れられるようにすることができる。さらに、本明細書で提案される解決策は、比較的安価である。
【0030】
可能性のある一実施形態では、フィルタ要素が、フィルタの上流の標準の輸液溶剤圧力5mmHgで完全に閉塞しているとき、圧力インジケータは、少なくとも1mm収縮する。可能性のある更なる実施形態では、フィルタの上流の輸液溶剤の標準圧力70mmHg(好ましくは、非膨張状態を示し、通常の圧力1.013バール及び20℃、例えば、チューブが空気で満たされており、内部及び外部で同じ圧力が支配的である状態を参照)で患者のアクセスポートで完全に閉塞しているとき、圧力インジケータは少なくとも3mm膨張する。
【0031】
好ましい実施形態では、圧力インジケータは、液体通過要素として構成されている。最も好都合で最も簡易には、この液体通過要素は、フィルタ要素の下流に配置されるライン部分、特に、フィルタと患者のアクセスポートとの間の輸液チューブ又は輸液システムのライン部分である。
【0032】
好ましい実施形態では、圧力インジケータ、又は上述の液体通過要素の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、弾性又は非弾性材料等のフレキシブルな材料で作られており、膨張又は収縮するような形状である。フレキシブルな非弾性材料の一例は、LDPE(「低密度ポリエチレン」)である。
【0033】
例えば、圧力インジケータは、弾性チューブ部分として形成され得る。チューブ部分が、好ましくは、ラインにおいて、30mmHgよりも高い、好ましくは40mmHgよりも高い圧力から膨張し、及び/又は20mmHg未満、好ましくは10mmHg未満の圧力から収縮する。一方で、チューブの他の部分が、前述の高い圧力値で膨張しないか、又は前述の低い圧力値で収縮しない場合に、圧力インジケータの良好で簡易な視認性が付与される。ホースのこの部分は、弾性部分の寸法変化に対する基準として機能する。そして、変化は、観察者によってより容易に検出され得る。チューブ部分は、シリコン、PVC(ポリ塩化ビニル)、特に可塑剤フリーのPVC、又は可塑剤DEHT(フタル酸ジエチルヘキシル)を含むPVC等の弾性材料で作られている。DEHTを唯一の可塑剤として含むPVCが好ましい。
【0034】
更なる実施形態では、医療用輸液フィルタの圧力インジケータが、折り目を備えるライン部分として形成されることも可能であり、圧力インジケータは、圧力が増加する場合、折り畳まれた通常の状態から長手方向に膨張することができ、必要であれば、圧力が低減される場合、この長手方向に沿って、折り畳まれた通常の状態から(よりいっそう)収縮することができる。このような実施形態は、例えば図2に示されている。
【0035】
更なる実施形態では、医療用輸液フィルタの圧力インジケータが部分的に弾性材料で作られており、部分的に非弾性の硬質材料で作られている場合に、容易な方法で使用可能である。例えば、圧力インジケータは、膜の形態であってもよい。膜は、圧力の増加に応じて、膜を形成する弾性材料により第1の方向に膨張し得、患者のアクセスポートでの少なくとも部分的な閉塞による流体システムにおける圧力の増加を表す。この一例は、図3に示されており、弾性膜がどのように外向き(「第1の方向」)に膨張するかを示す。代替的には、膜を形成する弾性材料により、膜はまた、圧力の低減に応じて、第1の方向と反対の第2の方向に膨張し得、フィルタの少なくとも部分的な閉塞による流体システムにおける圧力低下を表す。これは、図3に明示的に示されていないが、このことから、弾性膜は内向き(「第2の方向」)に膨張することができるのは容易に明白なことである。
【0036】
圧力インジケータ、好ましくは圧力インジケータの弾性部分の膨張及び収縮は好ましくは、輸液の流れ方向に対して放射状に発生する。しかしながら、膨張及び収縮が輸液溶剤の流れ方向に発生し得る。
【0037】
一実施形態では、圧力インジケータの弾性材料は、膜であってもよい。この膜は、圧力インジケータが膜の側でのみ膨張又は収縮することができるように、非弾性(硬質)構成要素と対向してもよい。このような実施形態の一例は、図3に示されている。
【0038】
圧力インジケータの弾性材料と関連して本明細書で使用される「膜」という用語は、半透過性の膜又はフィルタ膜ではなく、膨張又は収縮することができるライン部分又は圧力インジケータの流体不透過性の薄い「皮膜(skin)」を指す。
【0039】
更なる実施形態、又は本明細書で記載される実施形態に加えて、フィルタは、毛細管膜であり得る。
【0040】
毛細管膜の場合、輸液溶剤は好ましくは、内側から外側へ濾過され、毛細管膜を取り囲むライン部分の外表皮は、圧力インジケータの弾性材料を含み得、そして膨張又は収縮し得る。ここでまた、弾性材料と接触する濾過された輸液溶剤が既に毛細管膜を通過しているため、弾性材料は、フィルタ要素の「下流」に位置している。
【0041】
医療用輸液フィルタは、1ピース、2ピース、又は複数ピースで形成され得る。2ピース又は複数ピース形態の構造では、輸液フィルタは、圧力インジケータから空間的に分離されてもよく、共に、ライン部分として機能し、例えば輸液チューブによって互いに接続されている。
【0042】
フィルタが完全に又は部分的に詰まっているか否か、又は患者のアクセスポートが完全に又は部分的に詰まっているか否かに応じて、圧力インジケータは、圧力インジケータの変化が視覚的に検出可能である程度まで膨張又は収縮する。圧力インジケータのこの膨張又は収縮は、例えば、0~70mmHgの範囲の圧力で生じる。好ましくは、例えばチューブ部分として形成され得る圧力インジケータは、30mmHg以上、好ましくは40mmHg以上の圧力から膨張し、及び/又は20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の圧力から収縮する。
【0043】
本発明による圧力インジケータは、負圧及び正圧、例えば本明細書で規定されるような圧力を連続的に且つ信頼性をもって測定することができる。したがって、それは、低い圧力を測定することもでき、したがって、比較的小さい圧力変化さえ示すことができる。
【0044】
好ましい実施形態では、ある圧力で視覚的に検出可能に膨張又は収縮するのは、圧力インジケータの弾性材料のみである。
【0045】
圧力インジケータの変化(すなわち、膨張又は収縮)の視覚的なより検出し易くするために、圧力インジケータ、好ましくは圧力インジケータのフレキシブルな(好ましくは弾性)材料の膨張又は収縮、好ましくは膨張における変化の検出可能性のために、圧力インジケータにカラーマークを施すことが好ましい。
【0046】
医療用輸液フィルタの圧力インジケータのカラーマークは、膨張の状態に応じて異なるカラーイメージを作成することができる。これは、圧力インジケータの任意の変化の視覚的な知覚を更に増大させることができる。
【0047】
例えば、膜等の弾性材料は、膜がよりいっそう引き伸ばされたときによりいっそう見えやすくなるカラーマーク上に配置され得る。
【0048】
緩んだ状態での医療用輸液フィルタの圧力インジケータの直径は、基本的に、圧力インジケータの形状に依存する。したがって、圧力インジケータは、そこを通る輸液溶剤を通過させ、且つ少なくとも1次元の膨張又は収縮によって生じ得る任意の圧力変化を示すのに好適な任意の形状を有し得る。例えば、圧力インジケータは、管状、アコーディオン形状、円形、又は球状であり得る。
【0049】
例えば、圧力インジケータが管状である場合、緩んだ状態(周囲圧力で液体無の状態)での圧力インジケータの直径は、輸液チューブの直径とほぼ等しく、例えば、輸液チューブの直径の0.7倍~2倍である。好ましい実施形態では、緩んだ状態での圧力インジケータの直径は、2mm~8mmである。
【0050】
したがって、本発明による圧力インジケータは、比較的簡易な構造である。それによって、圧力インジケータの構造は、例えば圧力インジケータのサイズに対してそれと組み合わされ得る輸液ラインに適合され得る。これは、例えば、患者に対する使用において利益となる、すなわち、好ましくは輸液チューブに適合される設計との組合せで、可能な限り小さいサイズを維持することによって、使用における不利益を回避することができる。例えば、圧力インジケータが詰まって、結果として患者から輸液が引き出されることを防止することができる。したがって、好ましくは可能な限り小さい圧力インジケータの簡易な設計だけでなく、可能な限り簡易な圧力インジケータの形状も、患者に対する有利な使用に寄与する。
【0051】
本発明はまた、医療用輸液フィルタの出口への接続のための無菌パッケージの圧力インジケータに関し、圧力インジケータは、輸液溶剤のためのライン部分として形成されており、圧力インジケータは、ライン部分での輸液圧力に応じて少なくとも1次元で膨張又は収縮することができる。有利なことに、無菌包装の圧力インジケータは少なくとも部分的に、膨張及び収縮することができる弾性材料で作製されている。
【0052】
医療用輸液フィルタと関連して圧力インジケータについて本明細書で記載されるような全ての特徴は、医療用輸液フィルタの出口への接続のための無菌包装の圧力インジケータにも当てはまる。
【0053】
本発明はまた、医療用輸液フィルタの出口への接続のための、本明細書で記載される無菌包装の圧力インジケータの使用に関する。
【0054】
最後に、本発明は、本明細書で記載されるような無菌パッケージの圧力インジケータ、又は本明細書で記載されるような圧力インジケータを有する輸液フィルタを備える輸液ラインに関する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
以下では、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明するが、図面及び以下の記載は、本発明をそれに限定することなくより詳細に本発明を示すことを意図したものである。
【0056】
図1A】本発明による第1の実施形態の例を示す。
図1B】本発明による第1の実施形態の例を示す。
図1C】本発明による第1の実施形態の例を示す。
図2】本発明による第2の実施形態の例を示す。
図3】本発明による第3の実施形態の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
それらはそれぞれ、医療用輸液フィルタと流体連通して接続された本発明による圧力インジケータの一部の縦断面を示す。輸液フィルタのフィルタ要素自体、及び患者のアクセスポートは明示的に示されておらず、したがって、圧力要素への任意の従来若しくは新しく適合されたフィルタ要素、又は圧力要素への任意の従来若しくは新しく適合された患者のアクセス形態を使用することができる。
【0058】
図1は、第1の実施形態、及び可能なる3つの状態A)、B)、及びC)を示す。この図では、輸液ライン2は、フィルタ要素1(図示せず)の下流(上向き矢印)に示されており、下向き矢印で患者のアクセスポート5(図示せず)に繋がっている。輸液ライン2のライン部分3は、圧力インジケータ3を表す。ここで、圧力インジケータ3は、例示的に弾性チューブ3aとして形成されている。
【0059】
図1A)は、状態1を示す。この状態1は、液体通過部分(フィルタ要素1、患者のアクセスポート5)がフリーであるときに表れる。この場合、フィルタ要素と患者のアクセスポート5との間の圧力は、輸液カニューレ、及びカニューレからフィルタ要素までの流体経路にわたる圧力低下をプラスした静脈圧に対応する。この場合、圧力インジケータ3aは、中間状態又は通常の張力であり、これは、圧力の変化に応じて膨張又は収縮することができることを意味する。したがって、この状態、すなわち、液体通過部分(フィルタ要素1、患者のアクセスポート5)がフリーであり、したがって輸液溶剤を支障なく患者に供給することができるとき、圧力インジケータ3aは膨張も収縮もしない。
【0060】
図1B)では、患者のアクセスポート5が少なくとも部分的に閉塞している(詰まっている)状態(状態2)である。完全に閉塞している場合、フィルタ要素1と患者のアクセスポート5との間の圧力は、輸液溶剤による静圧に対応する。圧力インジケータ3aは、最大限に張力がかかっている。すなわち、この状態では、圧力インジケータ3aは、最大限に膨張している。
【0061】
図1C)は、フィルタ要素1(例えば、輸液フィルタのフィルタ膜)が詰まっている又は部分的に詰まっていて、フィルタ要素1の上流に加わる輸液圧力が、もはや圧力インジケータに達しない状態(状態3)を示す。完全に閉塞している場合、フィルタ要素1の下流、すなわちフィルタ要素1と患者のアクセスポート5との間の圧力は、静脈圧から血流の動圧を差し引いたものと等しい。圧力インジケータ3aは緩んでいる。すなわち、この状態では、圧力インジケータ3aは収縮している。静脈圧は非常に低いため、圧力インジケータでの圧力は、それが取り付けられる高さに応じて負の値に達し得る。
【0062】
図2は、第2の実施形態を示す。本実施形態では、フィルタ要素1(図示せず)の下流に位置しており、患者のアクセスポート5(図示せず)に繋がっている輸液ライン2が見られる。輸液ライン2のライン部分3は、圧力インジケータ3を表す。ここで、圧力インジケータ3は、例示的にアコーディオン形状の圧力インジケータ3bとして形成されている。
【0063】
図3は、実施形態3を示す。本実施形態では、フィルタ要素1(図示せず)の下流に位置しており、患者のアクセスポート5(図示せず)に繋がっている輸液ライン2が見られる。輸液ライン2のライン部分3は、圧力インジケータ3を表す。ここで、圧力インジケータ3は、例示的に反対側に非弾性構成要素3cが位置している弾性膜を備える圧力インジケータとして形成されている。
【符号の説明】
【0064】
1:フィルタ要素
2:輸液ライン/輸液チューブ
3:ライン部分/圧力インジケータ
3a:弾性チューブ
3b:アコーディオン形状圧力インジケータ
3c:非弾性構成要素の反対側に位置する弾性膜を備える圧力インジケータ
4:膜
5:患者のアクセスポート
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ラインを介して液体通過フィルタ要素と組合せ可能である、輸液のための医療用圧力インジケータであって、前記圧力インジケータは、組合せ可能な液体通過フィルタ要素の下流の液体通過チューブ部分として形成され、前記圧力インジケータは、前記チューブ部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮し得る、医療用圧力インジケータ。
【請求項2】
前記チューブ部分は、前記液体通過フィルタ要素の下流に配置されるライン部分である、請求項1に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項3】
前記チューブ部分は、輸液チューブ又は輸液システムのライン部分である、請求項2に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項4】
前記圧力インジケータの前記チューブ部分、又は前記チューブ部分の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、伸縮するような形状である弾性又は非弾性材料で形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項5】
前記チューブ部分は、30mmHg以上の圧力から膨張し、20mmHg以下の圧力で収縮する、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項6】
前記チューブ部分は、40mmHg以上の圧力から膨張し、10mmHg以下の圧力で収縮する、請求項5に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項7】
前記チューブ部分は、折り目を備えるライン部分として形成されており、前記チューブ部分は、前記圧力が増加すると長手方向に膨張することができ、前記圧力が低下すると長手方向に沿って収縮することができる、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項8】
前記チューブ部分は、弾性膜の形態であり、前記膜は、圧力が増加すると第1の方向に膨張することができ、圧力が低下すると前記第1の方向と反対の第2の方向に膨張することができるか、又は選択的に、前記膜は、前記圧力インジケータが前記膜の側でのみ膨張することができるように非弾性構成要素と対向している、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項9】
前記フィルタは、キャピラリー膜である、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項10】
前記チューブ部分は、非膨張状態に対して、なくとも1mmだけ伸縮する、請求項1からのいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項11】
カラーマークが前記チューブ部分に施されており、前記チューブ部分の前記膨張又は収縮に応じて変化するか、
又は
前記チューブ部分上のカラーの特徴が、伸びの状態に応じて異なるカラーイメージを提供する、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
【請求項12】
前記液体通過チューブ部分の直径は、通常の状態で少なくとも2mmであり、膨張状態で少なくとも3mmであり、収縮状態で少なくとも1mmである、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項13】
医療用輸液フィルタの出口、又は医療用輸液フィルタの更に下流に位置する接続部に接続するために好適な無菌パッケージの圧力インジケータであって、前記圧力インジケータは、前記医療用輸液フィルタの前記出口への接続、又は医療用輸液フィルタの更なる下流部分への接続において、輸液溶剤のためのライン部分として接続されるように適合されており、前記圧力インジケータは、少なくとも部分的に、伸縮することができる弾性材料で作られており、前記圧力インジケータは、前記ライン部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮することができる、無菌パッケージの圧力インジケータ。
【請求項14】
前記弾性材料は、前記ライン上で30mmHgよりも高い輸液圧力で膨張することができ、20mmHg未満の輸液圧力で収縮することができる、請求項13に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ。
【請求項15】
前記弾性材料は、前記ライン上で40mmHgよりも高い輸液圧力で膨張することができ、10mmHg未満の輸液圧力で収縮することができる、請求項14に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ。
【請求項16】
前記圧力インジケータは、液体通過フィルタ要素と組み合わされる、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ。
【請求項17】
医療用輸液フィルタの前記出口請求項1から12のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータを接続するステップを備える、圧力の測定方法
【請求項18】
請求項13から15のいずれか一項に記載の無菌パッケージの圧力インジケータを備えるか、又は請求項1から12のいずれか一項に記載の輸液フィルタ及び圧力インジケータと組み合わされる、輸液ライン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
図3は、実施形態3を示す。本実施形態では、フィルタ要素1(図示せず)の下流に位置しており、患者のアクセスポート5(図示せず)に繋がっている輸液ライン2が見られる。輸液ライン2のライン部分3は、圧力インジケータ3を表す。ここで、圧力インジケータ3は、例示的に反対側に非弾性構成要素3cが位置している弾性膜を備える圧力インジケータとして形成されている。
以下に、本明細書に記載の技術の特徴を列挙する。
(特徴1)
輸液ライン(2)を介して液体通過フィルタ要素(1)と組合せ可能である、輸液のための医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)であって、前記圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)は、組合せ可能な液体通過フィルタ要素(1)の下流の液体通過チューブ部分として形成され、前記圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)は、前記チューブ部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮し得る、医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴2)
前記チューブ部分は、前記液体通過フィルタ要素(1)の下流に配置されるライン部分、特に、輸液チューブ(2)又は輸液システムのライン部分である、特徴1に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴3)
前記圧力インジケータの前記チューブ部分、又は前記チューブ部分の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、伸縮するような形状である弾性又は非弾性材料で形成されている、特徴1又は2に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴4)
前記チューブ部分は、30mmHg以上、好ましくは40mmHg以上の圧力から膨張し、20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の圧力で収縮する、特徴1から3のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴5)
前記チューブ部分は、折り目を備えるライン部分として形成されており、前記チューブ部分は、前記圧力が増加すると長手方向に膨張することができ、前記圧力が低下すると長手方向に沿って収縮することができる、特徴1から4のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴6)
前記チューブ部分は、弾性膜の形態であり、前記膜は、圧力が増加すると第1の方向に膨張することができ、圧力が低下すると前記第1の方向と反対の第2の方向に膨張することができるか、又は選択的に、前記膜は、前記圧力インジケータが前記膜の側でのみ膨張することができるように非弾性構成要素と対向している、特徴1から3のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3c)。
(特徴7)
前記フィルタは、キャピラリー膜である、特徴1から6のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴8)
前記チューブ部分は、(非膨張状態に対して)少なくとも1mmだけ伸縮する、特徴1から7のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴9)
カラーマークが前記チューブ部分に施されており、前記圧力インジケータの好ましくは弾性材料の前記チューブ部分の前記膨張又は収縮に応じて変化するか、
又は
前記チューブ部分上のカラーの特徴が、伸びの状態に応じて異なるカラーイメージを提供する、特徴1から8のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴10)
前記液体通過チューブ部分の直径は、通常の状態で少なくとも2mmであり、膨張状態で少なくとも3mmであり、収縮状態で少なくとも1mmである、特徴1から9のいずれか一項に記載の医療用圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴11)
医療用輸液フィルタ(1)の出口、又は医療用輸液フィルタの更に下流に位置する接続部に接続するために好適な無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)であって、前記圧力インジケータは、前記医療用輸液フィルタの前記出口への接続、又は医療用輸液フィルタの更なる下流部分への接続において、輸液溶剤のためのライン部分として接続されるように適合されており、前記圧力インジケータは、少なくとも部分的に、伸縮することができる弾性材料で作られており、前記圧力インジケータは、前記ライン部分における圧力に応じて少なくとも1次元で伸縮することができる、無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴12)
前記弾性材料は、前記ライン上で30mmHgよりも高い、好ましくは40mmHgよりも高い輸液圧力で膨張することができ、20mmHg未満、好ましくは10mmHg未満の輸液圧力で収縮することができる、特徴11に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴13)
前記圧力インジケータは、液体通過フィルタ要素(1)と組み合わされる、特徴1から10のいずれか一項に記載の圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)。
(特徴14)
医療用輸液フィルタの前記出口への接続のための特徴11から13のいずれか一項に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)の使用。
(特徴15)
特徴11から13のいずれか一項に記載の無菌パッケージの圧力インジケータ(3、3a、3b、3c)を備えるか、又は特徴1から10のいずれか一項に記載の輸液フィルタ及び圧力インジケータと組み合わされる、輸液ライン(2)。
【国際調査報告】