(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】乾式ガススクラバー
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20230630BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20230630BHJP
B01D 45/12 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B01D53/04 110
F27D17/00 104D
F27D17/00 104G
B01D45/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575957
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2021054567
(87)【国際公開番号】W WO2021250498
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522069345
【氏名又は名称】シーエスケイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ノ ミョングン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ヒョンユン
(72)【発明者】
【氏名】カン ソリム
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンホン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジェミョン
【テーマコード(参考)】
4D012
4D031
4K056
【Fターム(参考)】
4D012CA20
4D012CB05
4D012CH01
4D031AC02
4D031BA03
4D031BA06
4D031BB04
4D031BB10
4D031DA04
4K056AA09
4K056CA18
4K056DB04
4K056DB05
(57)【要約】
乾式ガススクラバーのための装置を開示する。乾式ガススクラバーのための装置は、ハウジングによって定められる冷却チャンバを備え、ハウジングは、乾式ガススクラバーによる処理のために廃液ストリームを受け入れるための入口と、乾式ガススクラバーによる処理のために廃液ストリームを提供するための出口と、チャンバ内の少なくとも1つの冷却板とを有する。冷却板は、ハウジングと熱的に結合され、かつ入口から出口まで流れる時の廃液ストリームの流れの方向を偏向するように構成される。このようにして、冷却チャンバは、乾式ガススクラバーの処理ツールと樹脂チャンバの間に介入し、かつ廃液ストリームをそれが樹脂チャンバに送出される前に冷却するように作動する。廃液ストリームをこのように冷却することは、たとえ廃液ストリームが高温である時でも樹脂の性能を改善することを助ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式ガススクラバーのための装置であって、
ハウジングによって定められる冷却チャンバを備え、
前記ハウジングは、
前記乾式ガススクラバーによる処理のために廃液ストリームを受け入れるための入口と、
前記乾式ガススクラバーによる処理のために前記廃液ストリームを提供するための出口と、
前記チャンバ内の少なくとも1つの冷却板であって、当該冷却板は前記ハウジングと熱的に結合され、かつ前記入口から前記出口まで流れる時に前記廃液ストリームの流れの方向を偏向するように構成された前記少なくとも1つの冷却板と、
を有する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
複数の冷却板を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却板は、前記入口から前記出口まで流れる時の前記廃液ストリームの前記流れの方向に沿って位置決めされることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記冷却板が少なくとも部分的に前記チャンバにわたって延び、前記入口から前記出口までの流れを容易にするように非閉塞部分を提供することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
隣接する冷却板が少なくとも部分的に前記チャンバにわたって反対に延び、前記入口から前記出口までの前記流れの方向を偏向するように対向する非閉塞部分を提供することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記冷却板は、前記入口から前記出口までの流れの蛇行方向を少なくとも部分的に提供するように構成されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記入口と前記出口の間を少なくとも部分的に延びる内側導管を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記内側導管は、前記入口から前記出口まで流れる前記廃液ストリームを前記冷却板の周りを流れる第1のストリームと該内側導管を通って流れる第2のストリームとに分割するように位置決めされることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記冷却板が前記内側導管と前記ハウジングの間を延び、、前記内側導管と前記ハウジングの間に熱経路を提供することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記内側導管は、前記入口に近接する少なくとも1つの入口開口と前記出口に近接する少なくとも1つの出口開口とを備え、前記入口から前記出口までの前記第2のストリームの流れを容易にするためことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの出口開口は、前記第1のストリームの流れの方向に対して横断方向の前記第2のストリームの流れを容易にするように向けられることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの出口開口は、前記第1のストリーム及び前記第2のストリームを前記出口に流れる単一ストリームに再収束させるように位置決めされることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記内側導管は、前記出口に近接する盲端を有する盲管を備え、該盲端は、該内側導管と前記ハウジングの間に熱経路を提供するために該ハウジングと熱的に結合されることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つのフィルタを有し、前記冷却チャンバの下流に位置付けられた粉体トラップ、
備え、
好ましくは、前記粉体トラップは、その外面上に位置付けられた少なくとも1つの冷却フィンを備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記粉体トラップの下流に位置付けられた樹脂チャンバを備えることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、乾式ガススクラバーのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乾式ガススクラバーは公知である。乾式ガススクラバーは、多くの場合に半導体加工ツールからの廃液ストリームの処理に使用される。乾式ガススクラバーは、樹脂上の材料と容易に吸着して反応するガスを軽減するために乾式樹脂軽減を実行する。このような乾式スクラバーは存在するが、それらの各々は、それら独自の欠点を有する。従って、改善された乾式ガススクラバーを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様により、乾式ガススクラバーのための装置を提供し、装置は、乾式ガススクラバーによる処理のための廃液ストリームを受け入れるための入口と、乾式ガススクラバーによる処理のための廃液ストリームを提供するための出口と、チャンバ内の少なくとも1つの冷却板とを有するハウジングによって定められる冷却チャンバを備え、冷却板は、ハウジングと熱的に結合され、かつ廃液ストリームの流れの方向を入口から出口まで流れる時に偏向するように構成される。
【0004】
第1の態様は、既存の配置の問題が、廃液ストリームが高温で乾式ガススクラバーに到着する可能性があることであることを認識するものである。その高温は、乾式ガススクラバーの有効性を阻害又は低減する場合がある。従って、装置を提供する。装置は、乾式ガススクラバーのためのものであると考えられる。装置は、冷却チャンバを備えることができる。冷却チャンバは、ハウジング又はエンクロージャによって定めることができる。ハウジングは、入口を有することができる。入口は、乾式ガススクラバーによって処理されることになる廃液ストリームを受け入れることができる。ハウジングは、乾式ガススクラバーによって処理されることになる廃液ストリームを提供する出口を有することができる。ハウジングは、冷却チャンバ内に位置決めされた1又は2以上の冷却板を有することができる。冷却板は、ハウジングと熱的に結合することができる。すなわち、冷却板は、ハウジングへの伝導経路を提供することができる。冷却板は、冷却チャンバ内の廃液ストリームの流れの方向を入口から出口まで進行する時に偏向、変化、又は変更することができる。このようにして、冷却チャンバは、乾式ガススクラバーの処理ツールと樹脂チャンバの間に介入して廃液ストリームをそれが樹脂チャンバに送出される前に冷却するように作動する。廃液ストリームをこのように冷却することは、廃液ストリームが高温である場合でさえも樹脂の性能を改善することを助ける。
【0005】
冷却チャンバは、複数の冷却板を備えることができる。冷却板の数を増すことは、冷却チャンバの冷却効率を高めることができる。
【0006】
冷却板は、入口から出口まで流れる時の廃液ストリームの流れの方向に沿って位置決めすることができる。
【0007】
冷却板は、入口から出口までの流れを容易にするために非閉塞部分を提供するようにチャンバを横切って少なくとも部分的に延びることができる。
【0008】
隣接する冷却板は、入口から出口までの流れの方向を偏向させるために対向する非閉塞部分を提供するようにチャンバを横切って反対の方向に少なくとも部分的に延びることができる。
【0009】
冷却板は、入口から出口までの流れの蛇行方向を少なくとも部分的に提供するように構成することができる。これは、冷却チャンバ内の廃液ストリームの滞留時間を増加させ、かつ廃液ストリームとの熱接触を増加させて廃液ストリームの冷却を改善することを助ける。
【0010】
ハウジングは、円筒形である場合があり、冷却板は、少なくとも部分的に円形扇形によって定めることができる。
【0011】
ハウジングは、少なくとも部分的に入口と出口の 間を延びる内側導管を備えることができる。内側導管を提供することは、廃液ストリームの冷却を更に強化することを助ける。
【0012】
内側導管は、入口から出口まで流れる廃液ストリームを冷却板の周りを流れる第1のストリームと内側導管を通って流れる第2のストリームとに分割するように位置決めすることができる。
【0013】
冷却板は、内側導管とハウジングの間を延びて内側導管とハウジングの間に熱経路を提供することができる。
【0014】
内側導管は、入口から出口までの第2のストリームの流れを容易にするために、入口に近接する少なくとも1つの入口開口と出口に近接する少なくとも1つの出口開口とを備えることができる。
【0015】
少なくとも1つの開口は、出口から離れる方向の第2のストリームの流れを容易にするように向けられる場合がある。
【0016】
少なくとも1つの開口は、第1のストリームの流れの方向に対して横断方向の第2のストリームの流れを容易にするように向けることができる。これは、全体的な冷却を更に強化するために第1のストリームと第2のストリームとの混合を改善することを助ける。
【0017】
少なくとも1つの開口は、最初に第1のストリームと第2のストリームとを出口に流れる単一ストリームに再収束させるように位置決めされる。
【0018】
内側導管は、出口に近接する盲端を有する盲管を備えることができ、盲端は、内側導管とハウジングの間に熱経路を提供するためにハウジングと熱的に結合することができる。これは、内側導管とハウジングの間の熱伝導性を改善することを通して廃液ストリームの冷却を改善することを助ける。
【0019】
少なくとも1つの開口は、盲端に近接して位置決めすることができる。
【0020】
冷却チャンバは、ハウジングと熱的に結合された少なくとも1つの冷却フィンを備えることができる。これは、ハウジングの冷却を改善することを助ける。
【0021】
装置は、少なくとも1つのフィルタを有する粉体トラップを備えることができ、粉体トラップは、冷却チャンバの下流に位置付けられる。
【0022】
粉体トラップは、その外面上に位置付けられた少なくとも1つの冷却フィンを備えることができる。
【0023】
装置は、樹脂チャンバを備えることができ、樹脂チャンバは、粉体トラップの下流に位置付けられる。
【0024】
更に別の特定の及び好ましい態様は、添付の独立及び従属請求項に示されている。従属請求項の特徴は、適宜、独立請求項の特徴と組み合わせる及び請求項に明示的に示されるもの以外の組合せで組み合わせることができる。
【0025】
装置特徴が機能を提供するように作動可能であるとして説明される場合に、これは、その機能を提供する又はその機能を提供するように適応された又は構成された装置特徴を含むことは認められるであろう。
ここで添付図面を参照して本発明の実施形態を以下で更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一実施形態によるガススクラバーの主構成要素を模式的に示す図である。
【
図2】一実施形態による冷却モジュール310を示す図である。
【
図3】フィルタモジュール320をより詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態をより詳細に議論する前に、最初に概要を以下に提供する。実施形態は、乾式ガススクラバーの装置又は構成要素を提供する。1つの装置は、乾式ガススクラバーによって処理されることになる廃液ストリームを搬送するハウジング又はエンクロージャ内に設けられた冷却チャンバである。冷却チャンバは、ハウジングと熱的に結合されて冷却チャンバを通って流れる廃液ストリームの流れの方向を偏向又は変更する1又は2以上の冷却板を有する。これは、廃液ストリームの滞留時間をそれが冷却チャンバを通過する時に増大することを助け、これは、廃液ストリームを乾式ガススクラバー内の樹脂の作動温度により適する温度まで冷却することを助ける。冷却板は、廃液ストリームから周囲雰囲気への熱伝導を改善するのを助けるためにハウジングと熱的に結合している。冷却チャンバには、冷却チャンバ内に延びる中心導管を設けることができ、これは、廃液ストリームのための個別の流路を提供し、廃液ストリームを2つの流れに、すなわち、一方は中心導管を通過し、他方は冷却板と相互作用する2つの流れに実質的に分割する。中心導管を通過する廃液ストリームの部分は、典型的に廃液ストリームの残余よりも高温である。中心導管はまた、ハウジングと典型的には冷却板と熱的に結合して内側導管を通じた廃液ストリームからハウジングへの熱伝達を容易にし、これは、ここでもまた廃液ストリームの冷却をそれが冷却チャンバを通過する時に改善することを助ける。導管を出る廃液ストリームは、典型的には、廃液ストリームが冷却チャンバを出る前に乱流を誘発して混合を増大するように、冷却板を過ぎて流れる廃液ストリームと交差するように配置される。冷却された廃液ストリームは、冷却チャンバから下流粉体トラップに提供され、これは、冷却された廃液ストリーム内の粉体又は特定の物質を捕捉することを助け、冷却された廃液ストリームを濾過し、かつ乾燥ガススクラバーに送出する前に廃液ストリームと粉体トラップの間の熱伝導を通して廃液ストリームを更に冷却する。粉体トラップの存在は、従って、乾式ガススクラバー内の樹脂の効率性を損なう場合がある粒子状物質又は粉体の量を低減することを助け、並びに乾式ガススクラバーへの送出の前に廃液ストリームを更に冷却することを助け、これは、樹脂の性能を改善することを助ける。
【0028】
乾式ガススクラバー
図1は、一実施形態によるガススクラバーの主構成要素を模式的に示している。廃液ストリームは、入口100に供給され、供給された廃液ストリームは、三方弁110の制御の下で主処理流れ200と迂回流れ300とに分割される。主処理流れ200を用いて作動される時に、廃液ストリームは、主キャニスタ230に供給される。主キャニスタ230に供給された廃液ストリームは、下方に設置された冷却ユニット210によって冷却される。冷却ユニット210によって生成された粉体は、粉体トラップ220によって回収され、廃液ストリームは、上側樹脂チャンバに移動する。廃液ストリームは、内側の樹脂によって吸着され、出口400に排出される。主キャニスタ230の保守を容易にするために、ガスが冷却モジュール310によって冷却される迂回流れ300を起動するのに三方弁を作動させることができる。冷却されたガスに含有される粉体は、次に、フィルタモジュール320によって濾過される。次に、それは、補助キャニスタ330にそこにある樹脂による吸着処理のために供給され、かつ出口400を通して排出される。
【0029】
冷却モジュール
図2は、一実施形態による冷却モジュール310を示している。冷却モジュール310は、この実施形態では円筒形であるハウジング314を有する。しかし、他に成形されたハウジングが可能であることは認められるであろう。入口311及び出口321は、ハウジング314と結合する。この配置では、入口311は、ハウジング314の軸方向面上に位置付けられ、出口321は、対向する軸方向面に近接するハウジング314の周方向面上に位置付けられる。
【0030】
ハウジング314によって定められた冷却チャンバ内には、1セットの冷却板315が設けられる。この配置での冷却板は、半径方向に延び、かつハウジング314の中心軸に対して横断方向に向けられる。同じくこの配置では、冷却板315は、冷却チャンバの約半分にわたって延びる。同じくこの配置では、冷却板は、冷却チャンバの軸方向長さに沿って異なる位置に設けられる。同じくこの配置では、隣接する冷却板315は、反対の方向に半径方向に延びる。しかし、他の配置が可能であることは認められるであろう。
【0031】
内側導管316は、冷却チャンバの一部分に沿って軸方向に延びる。特に、内側導管316は、出口321に近接する端板313から延び、かつ入口311の手前で停止する。内側導管は、出口開口317に流体連通している入口開口318を有する。入口開口318は、入口311と同軸に位置付けられてそれに近接している。この配置での内側導管316は、同じく円筒形である。しかし、他の形状も可能であることは認められるであろう。内側導管316は、内側導管316からハウジング314までの熱経路を提供する冷却板315を支持する。内側導管316は、いくつかの開口317を定める。開口317は、出口321から離れるように向けられる。冷却板315’の1つは、出口321に近接するサブチャンバを提供するために軸方向に延びる横断構成要素を有する。
【0032】
ハウジング314は、ハウジング314の外面の周りに周方向に位置決めされてハウジング314に沿って軸方向に延びる1又は2以上のヒートシンク312を有する。
【0033】
作動において、廃液ストリームは、入口311で受け入れられて冷却チャンバの中に通される。廃液ストリームの一部は、入口開口318の中に通され、内側導管316を通って進行し、かつ出口開口317を通って出る。廃液ストリームの残余は、冷却板315の存在によって出口321に向けて軸方向に直接流れることが阻止される。代わりに、冷却板は、廃液ストリームを偏向し、それは、それが出口開口317から流れる廃液ストリームと再収束するまで冷却板を過ぎる蛇行流れに従う。廃液ストリームが再収束する時の流れの異なる方向は、混合を引き起こす。廃液ストリームは、次に、冷却板315の横断方向部分と端板313の間の間隙を通って流れ、かつ出口321を通って流れる。
【0034】
廃液ストリームを2つのストリームに分割することは、冷却を改善することを助ける。特に、冷却板315、315’の周りを流れる廃液ストリームの典型的により冷たい部分は、廃液ストリームと冷却板315、315’(これらは、内側導管316及びハウジング314の両方と熱的に結合している)の間の熱伝導に起因してかつ廃液ストリームとハウジング314の間の熱伝導を通して冷却される。冷却板315、315’の存在は、廃液ストリームとの冷却接触を増大することを助ける。これに加えて、内側導管316を通って流れる廃液ストリームの典型的により高温の部分は、内側導管316と廃液ストリームの間の熱接触を通して冷却される。内側導管316は、端板313との熱接触に起因してかつ冷却板315、315’(これらは、逆にハウジング314と熱的に結合される)との熱接触を通して冷却される。廃液ストリームの2つの部分が再収束する時の混合も、廃液ストリームの温度を単一化することを助ける。ハウジング314上のヒートシンク312の存在は、ハウジング314の熱冷却を改善することを助ける。
【0035】
フィルタモジュール
図3は、フィルタモジュール320をより詳細に示している。フィルタモジュール320は、ハウジング324を備える。この配置では、ハウジング324も円筒形であるが、他に成形されたハウジングが可能であることは認められるであろう。入口327は、ハウジング324の軸方向端面に設けられる。出口328は、ハウジング324の他方の軸方向面に設けられる。代替入口327’が、出口328に近接するハウジング324の円周壁に設けられる。この代替入口327’は、モジュールの異なる物理的構成が要求される時に使用される場合がある。出口328と結合されるのは、穿孔チューブ325である。穿孔チューブ325は、ハウジング324の軸方向長さに沿って少なくとも部分的に出口328から軸方向に延びる。1又は2以上のフィルタ323が、穿孔チューブ325を取り囲み、かつその上で支持される。環状間隙が、フィルタ323の外面とハウジング324の内面の間に保持される。ヒートシンク322は、ハウジング324の外面の周りに周方向に位置付けられ、かつその軸方向長さに沿って少なくとも部分的に延びる。
【0036】
作動において、出口321によって提供される廃液ストリームは、入口327によって受け入れられる。廃液ストリームは、フィルタモジュール320の中に通される。粉体は、フィルタ323の目詰まりを低減するのを助けるためにフィルタ323の下方に集まることができる。廃液ストリームは、フィルタ323と穿孔チューブ325を通過し、樹脂を含有する補助キャニスタ330まで出口328を通じて出る。廃液ストリームとハウジング324の間及び廃液ストリームと穿孔チューブ325の間の接触は、廃液ストリームを更に冷却することを助け、冷却は、ヒートシンク322の存在によって強化される。
【0037】
冷却/濾過の順序及び量は、処理及び作動環境に応じて変えることができることは認められるであろう。例えば、目的が最初に粉体を軽減し、次に温度を下げることである場合に、フィルタモジュール320は、最初に廃液ストリームを受け入れることができ、冷却モジュール310は、フィルタモジュール320の下流に置くことができる。
【0038】
従って、一部の実施形態は、廃液ストリームの迂回流れ中に冷却及び粉体収集を可能にするモジュール形態を生成する。冷却モジュールは、供給される廃液ストリームの壁流れと中心流れとに分離される。壁流れは、外壁によって冷却され、中心流れと再度混合される。冷却性能に応じて、1又は2以上のモジュールを設置することができる。環境に適する流れ方向を選択するために三方流れをモジュールに適用することができる。一部の実施形態は、ガス冷却方法に冷却水、N2、又はCDAのような冷却剤を使用することなく内部気流の流れを制御することにより、壁面との熱交換を使用する省エネ冷却デバイスを提供する。
【0039】
一部の実施形態では、入口三方弁によって制御される迂回流れ内の冷却器モジュールは、冷却器モジュールのポートを通して供給される。供給された廃液ストリームは、内側チューブによって中心流れと壁流れとに分離される。中心流れは、内側チューブを通して流れ,壁流れと熱交換し,かつ内側チューブ孔を通して排出される。排出された部分では、混合物は、壁流れと混合することによって冷却され、かつ反対側のポートを通して排出される。内側チューブによって分離された壁流れは、バッフルによってモジュール本体の内側を均一に流れ、かつ外壁面によって冷却される。内側チューブ孔から排出された中心流れは、壁流れと混合されて反対側のポートを通して排出される。バッフルは、内側チューブに固定され、内側チューブは、上部ブラインドに固定される。冷却器モジュールは、大まかには、モジュール本体と上部ブラインドとで構成される。壁流れの冷却効率を高めるために、ヒートシンクピンがモジュール本体の外側に設置される場合がある。廃液ストリームは、冷却器モジュールを通して冷却され、廃液ストリームに含有された粉体は、フィルタモジュールによって濾過される。廃液ストリームは、ポートを通して供給され、モジュール本体とフィルタ材料との空間に移動する。粉体は、フィルタ材料によって濾過され、廃液ストリームは、上側ポートによって排出される。廃液ストリーム供給ポートは、下側又は両側で使用することができる。粉体を濾過するためのフィルタ材料は、穿孔チューブの外面上に設置される。穿孔チューブは、保守を単純にするために上部フランジに組み付けられ、かつそこから切り離し可能である。フィルタモジュールは、粉体の濾過目的に加えて冷却の効率を高めるために、モジュール本体上にヒートシンクピンを設置する場合がある。乾式ガススクラバーに供給された廃液ストリームは、上述の装置によって冷却されて粉体回収され、次に、ガスは、樹脂を通して処理されて排出される。
【0040】
本発明の例示的実施形態を添付図面を参照して本明細書に詳細に開示したが、本発明は実施形態通りには限定されないこと及び添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定められる時の本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって様々な変更及び修正をそこに達成することができることは理解される。
【0041】
参照符号
入口 100
三方弁 110
主処理流れ 200
冷却ユニット 210
粉体トラップ 220
主キャニスタ 230
迂回流れ 300
冷却モジュール 310
入口 311
ヒートシンク 312
端板 313
ハウジング 314
冷却板 315、315’
内側導管 316
出口開口 317
入口開口 318
フィルタモジュール 320
ヒートシンク 322
フィルタ 323
ハウジング 324
穿孔チューブ 325
入口 327
代替入口 327’
出口 328
出口 321
補助キャニスタ 330
出口 400
【国際調査報告】