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特表2023-529263水生バスケットのための向上された取付けシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】水生バスケットのための向上された取付けシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/30 20170101AFI20230703BHJP
   A01K 61/50 20170101ALI20230703BHJP
【FI】
A01K61/30
A01K61/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563085
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 AU2021050577
(87)【国際公開番号】W WO2021248184
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】2020901905
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2020903068
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522277928
【氏名又は名称】シーパ アイピー プロプライエタリ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEAPA IP PTY LTD
【住所又は居所原語表記】C/- Martin IP Pty Ltd, PO Box 906, Brisbane, Queensland 4001, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ガリー
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA22
2B104AA25
2B104AA26
2B104AA38
2B104DB05
2B104DB16
2B104DB17
(57)【要約】
水産養殖環境において水生バスケット(102)を延縄に取り付けるためのシステム(100)及び方法。本システムは、バスケット(102)、延縄係合手段(104、105)、並びに、該係合手段およびバスケット(102)の一方または双方との摺動可能な係合のために構成されたロッキングバー(106)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産養殖環境において水生バスケットを延縄に取り付けるためのシステムであって、
中に水生生物を保持するように構成された水産養殖バスケットであって、第1の端、該第1の端とは反対側の第2の端、上面、下面、及び、該第1の端から該第2の端までの長さを有し、前記上面は前記長さに沿って配向された少なくとも1つの空隙を含む、水産養殖バスケットと、
前記バスケットを延縄に保持するように構成された延縄係合手段と、
前記バスケットの前記上面の前記少なくとも1つの空隙と、前記延縄係合手段の一部との摺動可能な係合のために構成されたロッキングバーであって、前記バスケットを前記延縄係合手段に開放可能に固定するロッキングバーと、を備える、
システム。
【請求項2】
前記延縄係合手段は、
前記延縄の少なくとも一部を貫通して受け取るように構成された貫通孔を含む上体部と、
前記ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取るように構成された下体部であって前記バスケットを該下体部に固定する下体部と、を備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記延縄係合手段は、バスケットフロートに係合するように構成された、
請求項1または請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記延縄係合手段が、前記フロートに係合したまま前記バスケットの係合解除を可能に構成された、
請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記延縄係合手段は、前記バスケットおよびフロートが係合されたときに前記フロートおよび前記バスケット間に挟まれるように構成された、
請求項3または請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記ロッキングバーとの係合のために構成された複数の延縄係合手段であって、前記バスケットを前記延縄に解放可能に固定する複数の延縄係合手段をさらに備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記延縄係合手段は、互いに係合可能なバスケットクリップおよび別個のクリップロックを備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記クリップロックは、前記クリップロックの底面に沿って前記ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取り、前記ロッキングバーと前記クリップロックとの間に前記クリップを捕捉するように構成される、
請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記クリップロックは、前記バスケットクリップの下部を受け取るように構成された凹部を備える、
請求項7または請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記クリップロックは、前記バスケットの上面から延びるタブに係合するように構成されたタブ係合面を含む、
請求項7から請求項9の何れか1項記載のシステム。
【請求項11】
水産養殖バスケットをフロートおよび延縄に係合させるためのクイックリリースであって、
前記延縄の少なくとも一部を貫通して受け取るように構成された貫通孔を含む上体部であって、前記フロートに固定するように構成された係合手段を含む上体部と、
ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取るように構成された下体部であって前記バスケットを該下体部に固定する下体部と、を備える、
クイックリリース。
【請求項12】
前記下体部は、前記バスケットが前記延縄に対して垂直にその長さで前記延縄に固定されるように、前記上体部に対して横方向に配向されている、
請求項11記載のクイックリリース。
【請求項13】
前記下体部は、前記バスケットが前記延縄に対して平行にその長さで前記延縄に固定されるように、前記上体部と平行に配向されている、
請求項11記載のクイックリリース。
【請求項14】
前記上体部および前記下体部はそれぞれ実質的に等しい全長を有する、
請求項11から請求項13の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項15】
前記上体部の前記貫通孔は、前記延縄が前記クイックリリースを通して張られて前記クイックリリースを前記延縄に係合させるように全周を有する、
請求項11から請求項14の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項16】
前記下体部は、前記バスケットの上面から延びるタブに係合するように構成されたタブ係合面を含む、
請求項11から請求項15の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項17】
水産養殖バスケットを延縄に係合させるためのクイックリリースであって、
ロッキングバーと、
延縄にクリップするように構成された第1の端、及び、該第1の端とは反対側の第2の端であってボトムバーを含む第2の端を含むバスケットクリップと、
曲線上面と、前記バスケットクリップの前記ボトムバーを中にて受け取るように構成された内側に向けられた曲線凹部と、前記ロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成された係合手段を含む下面とを含むクリップロックと、を備える、
クイックリリース。
【請求項18】
前記ロッキングバーは、前記バスケットの長さと略等しい長さを有する、
請求項17記載のクイックリリース。
【請求項19】
前記バスケットクリップの前記第1の端はフック形状である、
請求項17または請求項18記載のクイックリリース。
【請求項20】
前記バスケットクリップの前記第1の端および前記第2の端はそれぞれ、互いに平行な中心軸を有する貫通孔を備える、
請求項17から請求項19の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項21】
前記クリップロックの前記下面は、前記ロッキングバーに係合するように構成された複数のフィートを備える、
請求項17から請求項20の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項22】
前記クリップロックの前記下面は、前記延縄に対して横方向に前記ロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成された、
請求項17から請求項21の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項23】
前記クリップロックの前記下面は、前記延縄に対して平行な向きで前記ロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成された、
請求項17から請求項21の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項24】
前記クリップロックは、前記バスケットの上面から延びるタブに係合するように構成されたタブ係合面を含む、
請求項17から請求項24の何れか1項記載のクイックリリース。
【請求項25】
水産養殖環境において水生バスケットを延縄に取り付ける方法であって、
前記延縄に係合手段を取り付けることと、
前記バスケットを前記係合手段の近くに配置することと、
ロッキングバーを前記係合手段に通して摺動させて前記バスケットを前記係合手段に固定することと、を備える、
方法。
【請求項26】
前記係合手段を通して前記ロッキングバーを摺動させることは、複数の係合手段を通して前記ロッキングバーを摺動させることを備える、
請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記係合手段を通して前記ロッキングバーを摺動させることは、フロートに固定された係合手段を通して前記ロッキングバーを摺動させることを備える、
請求項25または請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記フロートを前記延縄に係合させたまま前記バスケットを前記フロートから外すことをさらに備える、
請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記延縄の周りで前記バスケットをフリップさせることをさらに備える、
請求項27または請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記バスケットの長さが前記延縄の周りでフリップされるように前記延縄の周りで前記バスケットをフリップさせることをさらに備える、
請求項25または請求項26記載の方法。
【請求項31】
前記フロートが前記延縄およびケージと係合している間に前記延縄の周りで前記バスケットをフリップさせることをさらに備える、
請求項25から請求項28の何れか1項記載の方法。
【請求項32】
養殖された水産養殖種を収容する囲いを実質的に形成するように変形可能な耐久性材料の片を備える水産養殖用の装置であって、前記耐久性材料の片は、前記耐久性材料の第1部分がその第2部分に係合可能な係合手段であって、それにより前記耐久性材料を所望の変形状態にする係合手段を、実質的な囲いとして備え、前記耐久性材料の形状は、いったん前記囲いの形態になった際、前記養殖された水産養殖種の個体が前記囲いから出ることを許容するのに実質的に充分大きなギャップが、係合された部分の間にない、
装置。
【請求項33】
水産養殖バスケットを延縄に取り付けるためのアセンブリであって、少なくとも2つの平面で前記バスケットの回転が容易になるように共に操作可能な複数の予備成形された熱可塑性コンポーネントを備える、
アセンブリ。
【請求項34】
水産養殖バスケットの軸に沿って取り付けるための細長い部材であって、前記バスケットに剛性と支持とを提供する細長い部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本明細書は、水産養殖環境(aquaculturefarming environment)における使用のためのシステム、方法およびデバイスにおける向上に関連する。
【0002】
発明の背景
延縄にバスケットを取り付けるための従来の装置がある。このようなデバイスは、操作が面倒であり、また、収穫やメンテナンス作業中にかなりの量の手動リソースが必要になる。時折、何らかの理由で或るバスケットに欠陥となった場合、損傷したバスケットを交換するためだけにバスケットのセクション全体が交換必要となりうるため、損傷したバスケットの必要な交換が問題となる。かなりの手作業が必要になるだけでなく、交換自体が必要になりうるバスケットまたはバスケットの部品を交換するための追加費用がかかる。
したがって、従来のシステムおよびデバイスの欠点が生じにくい、改善されたシステム、デバイスおよび方法を提供する必要がある。
ここで先行技術公開が参照される場合、この参照は、オーストラリアまたは他の国での本分野における共通の一般知識の一部を該公開が形成することを認めるものではないことが明確に理解されよう。
【0003】
概要
本開示は、一般に、水生養殖環境(aquaticfarming environment)において延縄または他の構造物に水生バスケット(aquatic basket)を取り付けるためのシステム、デバイスおよび方法に関する。ここで「延縄(longline)」という用語が使用される場合、架台(trestle)または梯子(ladder)といった他の構造が後述の実施形態での使用のために想定されることが理解されよう。1以上の好適な実施形態において、バスケットと相互作用するロッキングバー、及び、延縄に取り付けられる係合機構が記載される。ロッキングバーおよび係合機構は、1以上のバスケットフロート(basket floats)及び/又はバスケットクリップ(basket clips)を伴う使用といった、多様な状況を伴う使用のために構成されうるが、それに限定されない。ロッキングバーおよび係合機構は、バスケットの長さ(length)が延縄と一般に平行になるように、或いは、別の角度、例えば必要な状況に応じて延縄に垂直になるように、多様な配向について構成されうる。
或る好適な側面における本開示は、水産養殖環境において水生バスケットを延縄に取り付けるためのシステムについて提供する。本システムは、中に水生生物(aquatic life)を保持するように構成された水産養殖バスケット(aquaculture basket)であって、第1の端、該第1の端とは反対側の第2の端、上面、下面、及び、該第1の端から該第2の端までの長さを有し、上面は長さに沿って配向された少なくとも1つの空隙を含む、水産養殖バスケットを備える。本システムは、バスケットを延縄に保持するように構成された延縄係合手段(longline engagement means)を更に備える。また、本システムは、バスケットの上面の少なくとも1つの空隙と、延縄係合手段の一部との摺動可能な係合のために構成されたロッキングバー(locking bar)であって、バスケットを延縄係合手段に開放可能に固定するロッキングバーを更に備える。
他の好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットをフロート(float)および延縄に係合させるためのクイックリリース(quick release)について提供する。本クイックリリースは、延縄の少なくとも一部を貫通して受け取るように構成された貫通孔(through-aperture)を含む上体部(上方本体部(upper body portion))を備える。上体部は、フロートに固定するように構成された係合手段を備え、下体部(下方本体部(lower body portion))は、ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取るように構成されてバスケットを該下体部に固定する。
更なる好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットを延縄に係合させるためのクイックリリースについて提供する。本クリックリリースは、ロッキングバーと、延縄にクリップするように構成された第1の端、及び、該第1の端とは反対側の第2の端であってボトムバーを含む第2の端を含むバスケットクリップと、を備える。本クイックリリースは、曲線上面(curvilinear upper surface)と、バスケットクリップのボトムバーを中にて受け取るように構成された内側に向けられた曲線凹部(inwardly oriented curvilinear recess)と、ロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成された係合手段を含む下面とを含むクリップロック(clip lock)を更に備える。
更に他の好適な側面において、本開示は、水産養殖環境において水生バスケットを延縄に取り付ける方法を提供する。本方法は、延縄に係合手段を取り付けることと、バスケットを係合手段の近く(proximate)に配置することと、ロッキングバーを係合手段に通して摺動させてバスケットを係合手段に固定することと、を備える。
他の好適な側面において、本開示は、水産養殖用の装置(apparatus for aquaculture farming)について提供する。本装置は、養殖された水産養殖種(farmed aquaculture species)を収容するための、バスケット等の囲い(enclosure)を実質的に形成するように変形可能な耐久性材料の片(piece of durable material)を備える。耐久性材料の片は、耐久性材料の第1部分がその第2部分に係合可能な係合手段であって、それにより耐久性材料を所望の変形状態にする係合手段を、実質的な囲いとして備える。耐久性材料の形状は、いったん囲いの形態(enclosure form)になった際、養殖された水産養殖種の個体(individual)が囲いから出ることを許容するのに実質的に充分大きなギャップが、係合された部分の間にない。
更なる好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットを延縄に取り付けるためのアセンブリについて提供する。本アセンブリは、少なくとも2つの平面でバスケットの回転が容易になるように共に操作可能な複数の予備成形された熱可塑性コンポーネント(pre-formed thermoplastic components)を備える。
更に他の好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットの軸に沿って取り付けるための細長い部材(elongate member)であって、バスケットに剛性(rigidity)と支持(support)とを提供する細長い部材を提供する。
前述の一般的な説明および後述の詳細な説明の双方は単に例示的かつ説明的なものであり、特許請求されるように本発明を限定するものではないことが理解されよう。本明細書および特許請求の範囲において、「備えている(comprising)」という用語、並びに、「備える(comprises, comprise)」を含む其の派生語は、記載された整数(stated integers)のそれぞれを含むが、1以上の更なる整数を含むことを排除しない。ここでの「好適な(preferred)」又は「好適には(preferably)」への言及は例示のみを意図していることが理解されよう。本明細書に添付されて提出された特許請求の範囲は、これによって参照により本明細書の本文に組み込まれる。
本明細書に組み込まれ且つ其の一部を構成する添付の図面は、本発明の幾つかの実施形態を描写し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面の簡単な説明
図1図1は、水産養殖バスケットと、ロッキングバーと、バスケットを延縄に係合させるように構成されたクリップアセンブリとを含む、本明細書の好適な実施形態に係るシステムの斜視図である。
図2図2は、バスケットの形態に丸める前の水産養殖バスケットメッシュシート(aquaculture basket mesh sheet)の上方斜視図である。
図3図3は、図1のバスケットのエンドキャップの斜視図である。
図4図4は、図1のロッキングバーの斜視図である。
図5図5は、図1のシステムのクリップアセンブリのクリップロックの斜視図である。
図6図6は、図1のクリップアセンブリのバスケットクリップの斜視図である。
図7図7は、図1のシステムのバスケットおよびロッキングバーの斜視図である。図7Aは、ラッチキャッチを伴う図7のロッキングバー係合ループ(locking bar engagement loop)の部分拡大図である。
図8図8は、バスケットに部分的に係合されたロッキングバーを伴う図7のバスケットの斜視図である。
図9図9は、ラッチキャッチループ内でラッチされた部分内に固定されたロッキングバーを伴う図7のバスケットおよびロッキングバーの斜視図である。図9Aは、図9のラッチキャッチループの部分拡大図である。
図10図10は、図9のバスケットおよびロッキングバーの斜視図であって、ループを通って前進されたロッキングバーと、ラッチキャッチループを通ったロッキングバーの更なる前進を許容するように押し下げられたロッキングバーの遠位端とを伴う、斜視図である。
図11図11は、図10のバスケットおよびロッキングバーの斜視図であって、ループを通って押し戻されたロッキングバーと、バスケットの頂に沿った位置にロッキングバーを固定させるようにラッチキャップループと再係合するロッキングバーの遠位端とを伴う、斜視図である。
図12図12は、本開示の他の好適な実施形態を伴う使用のためのフロートケーシングの斜視図である。
図13図13は、水産養殖バスケットへの図12のフロートケーシングの固定のためのフリップアダプタの斜視図である。
図14図14は、図12のフロートケーシングと、水産養殖バスケットに係合された図13のフリップアダプタとの分解斜視図である。
図15図15は、フロートケーシング、及び、延縄の周りで互いに係合された図14のバスケットの左斜視図(left perspective view)であって、フロートおよびバスケット間に挿入されたロッキングバーを伴う、左斜視図である。
図16図16は、図15のフロートおよびバスケットの部分斜視図であって、本明細書の好適な実施形態に係るフロート係止機構(float locking mechanism)を示す、部分斜視図である。
図17図17は、水産養殖バスケットおよびロッキングバーを含む、本開示の他の好適な実施形態に係るシステムの斜視図である。
図18図18は、図17に示されるバスケットの形態に丸める前の水産養殖バスケットメッシュシートの上方斜視図である。
図19図19は、図18のメッシュシートの中央部の部分側面図である。
図20図20は、図17のバスケットとの係合について位置されたクリップロックのクローズアップ斜視図である。
図21図21は、図17のバスケットと係合可能なIDプレートを示すクローズアップ斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
好適な実施形態の詳細な説明
前述の一般的な説明および後述の詳細な説明の双方は単に例示的かつ説明的なものであり、特許請求されるように本発明を限定するものではないことが理解されよう。本明細書および特許請求の範囲において、「備えている(comprising)」という用語、並びに、「備える(comprises, comprise)」を含む其の派生語は、記載された整数(stated integers)のそれぞれを含むが、1以上の更なる整数を含むことを排除しない。ここでの「好適な(preferred)」又は「好適には(preferably)」への言及は例示のみを意図していることが理解されよう。本明細書に添付されて提出された特許請求の範囲は、これによって参照により本明細書の本文に組み込まれる。
【0006】
或る好適な態様における本開示は、水産養殖環境において延縄に水生バスケットを取り付けるためのシステムについて提供する。システムは、中に水生生物を保持するように構成された水産養殖バスケットを備える。バスケットは、例えばウニ、ホタテ、カキ、その他の貝類など、広範な養殖水生生物(farmed aquatic life)に適する。この側面において、バスケットは、第1の端(first end)、第1の端の反対側の第2の端(second end)、上面、下面、および、第1の端から第2の端までの長さ(length)を有し、該上面は、該長さに沿って配向された少なくとも1つの空隙(開口(aperture))を含む。システムは、バスケットを延縄に保持するように構成された延縄係合手段(longline engagement mean)をさらに備える。システムは、また、バスケットの上面の少なくとも1つの空隙および延縄係合手段の一部と係合してバスケットを延縄係合手段に解放可能に固定するように構成されたロッキングバーをさらに備える。ロッキングバーは、如何なる適切な方法によってもバスケットおよび延縄係合手段と係合しうる。幾つかの実施形態では、それは、バスケットを延縄係合手段に解放可能にロックするように双方と摺動可能に係合する。幾つかの実施形態では、それは、共にラッチ可能に変形する1以上の変形可能なコンポーネント(deformable components)を例えば含みうるラッチ機構を備えうる。
【0007】
幾つかの実施形態では、延縄係合手段は、延縄の少なくとも一部を貫通して受け取るように構成された貫通孔(through-aperture)を含む上体部(upper body portion(上方本体部))と、ロッキングバーの一部を受け取る(例えば、摺動可能に受け取る)ように構成された下体部であってバスケットを該下体部に固定する下体部(lower body portion(下方本体部))と、を備える。延縄係合手段は、また、バスケットフロートに係合可能に構成されうる。
【0008】
幾つかの実施形態では、延縄係合手段は、フロートに係合されたままバスケットの係合を解除可能に構成される。幾つかの実施形態では、それは、バスケットに係合されたままフロートの係合を解除可能に構成されることが理解されよう。幾つかの実施形態では、延縄係合手段は、バスケットおよびフロートが係合されたときにフロートとバスケットとの間に位置されるように構成される。
【0009】
幾つかの好適な実施形態は、ロッキングバーとの係合のために構成された複数の延縄係合手段を備え、複数の位置でバスケットを延縄に解放可能に固定する。
【0010】
幾つかの好適な実施形態では、延縄係合手段は、互いに係合可能なバスケットクリップおよび別個のクリップロックを備える。クリップロックは、クリップロックの底面に沿ってロッキングバーの一部を摺動可能に受け取り、ロッキングバーとクリップロックとの間にクリップを捕捉する(entrap)ように構成される。クリップロックは、更に、バスケットクリップの下部を受け取るように構成された凹部を備えうる。
【0011】
他の好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケット(aquaculture basket)をフロートおよび延縄に係合させるためのクイックリリース(quick release)について提供する。クイックリリースは、延縄の少なくとも一部を貫通して受け取るように構成された貫通孔を含む上体部を備える。上体部は、ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取るように構成された下体部を、フロートに固定するように構成された係合手段を備え、バスケットを該下体部に固定する。
【0012】
幾つかの実施形態では、下体部は、バスケットが延縄に対して垂直にその長さで延縄に固定されるように、上体部に対して横方向に配向されている。幾つかの実施形態では、下体部は、バスケットが延縄に対して平行にその長さで延縄に固定されるように、上体部と平行に配向されている。上体部および下体部は、幾つかの実施形態においてそれぞれ実質的に等しい全長を有する。上体部の貫通孔は、幾つかの実施形態において延縄がクイックリリースを通して張られてクイックリリースを延縄に係合させるように全周(complete perimeter)を有しうる。他の実施形態では、上体部は、バスケットが延縄から不注意に外れないように固定されていれば、他の適切な方法で延縄に係合しうる。
【0013】
更に好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットを延縄に係合させるためのクイックリリースについて提供する。クイックリリースは、ロッキングバーと、延縄にクリップするように構成された第1の端、及び、該第1の端とは反対側の第2の端であってボトムバーを含む第2の端を含むバスケットクリップと、を備える。クイックリリースは、更に、曲線上面(curvilinear upper surface)と、バスケットクリップのボトムバーを中にて受け取るように構成された内側に向けられた曲線凹部(inwardly oriented curvilinear recess)と、ロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成された係合手段を含む下面とを含むクリップロックを備える。クイックバーのコンポーネントの寸法(dimensions)は、堅牢(robust)で、かつ、周囲の水に浮遊する物質(砂など)による摩耗や引き裂きの影響を軽減するのに十分であるべきである。本側面に従う堅牢なクイックリリースの更なる利点は、従来の取付け手段よりも摩耗しにくく、摩耗が最終的に問題になったら容易に交換可能であることである。
【0014】
幾つかの実施形態において、ロッキングバーは、バスケットの長さと略等しい長さを有する。バスケットクリップの第1の端はフック形状であってもよく、このことは、延縄の形状に容易に係合し且つ適合することを可能にし、一方、バスケットについての延縄上で前後にスイングするための自由移動を可能にして鳴動(rumbling)を大きくする。幾つかの実施形態では、バスケットクリップの第1の端および第2の端はそれぞれ、互いに平行な中心軸を有する貫通孔を備える。幾つかの実施形態では、クリップロックの下面は、ロッキングバーに係合するように構成された複数のフィート(足(feet))を備える。クリップロックの下面は、延縄に対して横方向にロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成されうる。クリップロックの下面は、また、延縄に対して平行な向きでロッキングバーを摺動可能に受け取るように構成されうる。クリップロックをバスケットに取り付ける他の方法もまた本開示の範囲内である。
【0015】
更に他の好適な側面において、本開示は、水産養殖環境において水生バスケットを延縄に取り付けるための方法を提供する。方法は、延縄に係合手段を取り付けることと、バスケットを係合手段の近く(proximate)に配置することと、ロッキングバーを係合手段に通して摺動させてバスケットを係合手段に固定することと、を備える。
【0016】
幾つかの実施形態では、係合手段を通してロッキングバーを摺動させるステップは、複数の係合手段を通してロッキングバーを摺動させることを備える。係合手段を通してロッキングバーを摺動させるステップは、フロートに固定された係合手段を通してロッキングバーを摺動させることを備えうる。幾つかの実施形態では、方法は、フロートを延縄に係合させたままバスケットをフロートから外すことを備える。幾つかの実施形態では、方法は、延縄の周りで(about)バスケットをフリップさせることを備える。方法は、バスケットの長さが延縄の周りでフリップされるように延縄の周りでバスケットをフリップさせることを備えうる。それは、また、フロートが延縄およびケージ(cage)と係合している間に延縄の周りでバスケットをフリップさせることを備えうる。
【0017】
他の好適な側面において、本開示は、水産養殖用の装置について提供する。装置は、養殖された水産養殖種を収容するバスケットのような囲い(筐体(enclosure))を実質的に形成するように折畳み可能(foldable)または変形可能(deformable)な耐久性材料の片を備える。耐久性材料の片は、耐久性材料の第1部分がその第2部分に係合可能な係合手段であって、それにより耐久性材料を所望の変形状態にする係合手段を、実質的な囲いとして備える。耐久性材料の形状は、いったん囲いの形態(enclosure form)になった際、養殖された水産養殖種の個体(individual)が囲いから出ることを許容するのに実質的に充分大きなギャップが、係合された部分の間にない。このようなギャップは、先行技術の装置に存在し、養殖された水産養殖種がギャップを通る水流と共にバスケットから逃げ又は出ることが可能な‘サイフォン’を形成する。
【0018】
耐久性材料の片は、何れの適切な形状であってもよいが、実質的に囲いの円筒形に丸めて入れられるように実質的に長方形形状のシートであることが好適である。材料をフラットシートとして提供することにより、生産、輸送および保管の観点からコストが削減可能となる(例えば製品をフラットパッキングすることにより)。耐久性材料は、何れの適切なタイプであってもよく、好適には、海洋環境で耐久性があり、それにより例えばポリプロピレンのようなプラスチックを備えうる。耐久性材料の片の係合手段は何れの適切なコンポーネントをも備えうる。幾つかの単純だが好適なコンポーネントにおいて、それは、タブおよびスロットの配置など、インターロック用のオスとメスの部品を備える。
【0019】
本側面に係る装置は、好適には、耐久性材料を囲いの形態に変形させた後に残された何れのギャップをも閉じるための1以上のキャップを備える。好適な実施形態では、囲いは実質的に円筒形であり、好適には実質的に卵形の断面(ovoid cross section)である。そのような実施形態では、装置は、囲いの各端に1つずつ、2つのキャップを備える。ここに記載されるキャップの取付けは、好適には、養殖された水産養殖種の個体が囲いから出ることを許容するのに実質的に充分大きなギャップを与えないことが理解されよう。他の構成もまた本開示にて考えられ、例えば、キャップが不要となるように、囲い又はバスケット全体を形成するように変形可能または折畳み可能な耐久性材料の片である。再び、これは、何れの適切な囲い又はバスケットの形状であってよいが、好適な形状は、卵形の断面を伴う円筒形である。折畳み又は変形前の耐久性材料の片は、いったん折り畳まれるとそれぞれエンドキャップを備える短い方の端のそれぞれにおいて実質的に卵形の断面を伴う長方形形状を含む。
【0020】
更に好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットを延縄に取り付けるためのアセンブリについて提供する。アセンブリは、少なくとも2つの平面でバスケットの回転が容易になるように共に操作可能な複数の予備成形されたコンポーネント(pre-formed components)を備える。複数の平面にわたる回転運動を可能にすることにより、本開示のこの側面のアセンブリは、水産養殖バスケットの動きを向上させ、それにより一層良好な鳴動(rumbling)を可能にする。アセンブリは、好適には、海洋環境に長時間晒される環境での使用に適した耐久性材料から作られる。回転の少なくとも2つの面は何れの適切な向きでもよい。幾つかの好適な実施形態では、それらは互いに垂直であるが、そうである必要はない。
【0021】
更に他の好適な側面において、本開示は、水産養殖バスケットの軸に沿って取り付けるための細長い部材(elongate member)を提供し、バスケットに剛性(rigidity)と支持(support)とを提供する。細長い部材は、何れの適切な方法で水産養殖バスケットに取り付けられうる。幾つかの実施形態では、それは単にバスケットにクリップする(留める(clip))ことができる。他の実施形態では、それは、ここで記載されるロッキングバーを備えることができ、例えば、バスケットの係止空隙(係止開口、ロッキングアパーチャ(locking aperture))または他の係合手段を通して捩じ込まれ(be threaded)うる。それは、例えば、クイックリリース、クリップロック、フロート、アセンブリ、又は、バスケットに有効に取り付けられうる他の装置のような、他のコンポーネントをバスケットに解放可能に係合させるのに追加的に用いられうる。細長い部材は、好適には、バスケット内で養殖される水産養殖種に日陰(shade)を提供するように十分に広く、また、好適には、バスケットに追加的な剛性を提供するように十分に構造的に堅牢(rigid)である。幾つかの実施形態は、ロッキングバーを用いずに(例えばクリップまたは他の手段を用いて)バスケットに取り付けられる細長い部材であって、ここで記載されるように別個のロッキングバー(separate locking bar)と係合可能であり、好適にはロッキングバーと同じ方法で係合する細長い部材を備える。この側面に係る細長い部材(ロッキングバーを備えるか否か或いはロッキングバーであるか否かに関わらず)は、幾つかの好適な実施形態では、他のコンポーネントの取付けのための複数および好適には2以上の位置を備える。
【0022】
参照はここで発明の本好適な実施形態に詳細に成され、添付図面に例が描かれる。
【0023】
図1~5は、水産養殖環境において延縄に水生バスケット102を取り付けるためのシステム100の好適な実施形態を示す。システム100は、図1~5に描かれた実施形態において、複数のループ108内で摺動可能に受け付けられるロッキングバー106を介してバスケット102と係合するクリップアセンブリ104の形態のなかで、延縄係合手段を含む。ロッキングバー106をループ108に通して摺動(スライド)させることは、バスケットを丸めて実質的に卵形の断面の形態で固定するだけでなく(以下で更に説明される)、クリップをバスケットに係合させてバスケットを延縄に取り付ける。ロッキングバー106をループ108から摺動させることにより、ユーザはバスケット102をクリップアセンブリ104から外すことができ、したがって、それを延縄から効率的かつ迅速な方法で取り外すことができる。システムの好適な要素とそれらの相互関係は以下で説明される。
【0024】
ここで図2を参照すると、バスケット102は、好適には、何れの適切な海洋耐久性材料であってもよいが好適にはポリプロピレンなどのプラスチックであるメッシュ材料112のシート110から形成される。シート110は、第1の端114、第2の端116、第1の側118、第2の側120および中央部122を含む。少なくとも1つ、より好適には複数のループ空隙(ループ開口(loop apertures))124が第1の側118に沿って配列される。各ループ空隙124は、シート110がバスケット構成に変形され又は巻かれたときに対応のループ108と係合するように、サイズ決めされ及び構成されている。シート110の第2の側120は、それに沿って配列された少なくとも1つ、より好適には複数のループ108を含む。中央部122は、好適には、シート110がバスケット構成に丸められるときに中央部122がその長さに沿って凹むように或いは側断面図から一般に凹形状になるように、構成される。凹面構成は、バスケットに強度を追加し、カキ(oysters)等、含まれて養殖された水産養殖種の鳴動(rumbling)を促進する。バスケット102は、希望されれば、及び、意図する用途に応じて、バスケットの底が平坦または凸状になるように、多様な方法で形成されうることが理解されよう。幾つかの好適な実施形態では、バスケットベースは凹面であり、追加の強度について提供し、カキの動きの向上それにより一層の生産性の向上をアシストする。好適には、バスケットは、振動または動きを促進する実質的に卵形の断面を有する。バスケットは、何れの適切な量であってもよい。単なる例として、それは15Itより大きくても小さくてもよく、好適には約20It~40Itであり、従来のバスケットベースのシステムよりも多くのストックをバスケットごとに生産可能にする。幾つかの好適な実施形態は、操作中にバスケットをどの程度まで満たすかをユーザが知るのをアシストするために、1つまたはマークされた充填線(one or marked fill lines)をバスケット上に備える。
【0025】
いったんシート110がバスケット構成に丸められると、図1に示されるように、雄ロケータタブ(male locator tabs)123が対応の雌タブ空隙(female tab apertures)125に嵌合(フィット(fit))し、シートをバスケット構成に固定する。図3は、好適にはメッシュ材料128で作られたエンドキャップ126を示す。エンドキャップ126は、ヒンジ130と、エンドキャップの幅に沿って反対側にラッチ(latch)132とを含む。エンドキャップ126は、好適には、バスケット本体に係合したときにスイングドアとして機能し、使用を容易にする。囲いの他の形態が利用されうること、および、図示のエンドキャップが単なる例示であることが理解されよう。ここで他の場所で記載されるように、幾つかの実施形態では、エンドキャップは、シート110と一体的に形成されてもよく、シート110の一部である。
【0026】
図4は、ロッキングバー106を示す。ロッキングバー106は、近位端134、遠位端136、及び、近位端から遠位端までの長さを有する。遠位端136は、ロッキングバー106がループ108を通って摺動するとロッキングバーと適所に(in place)係合するように構成された2つのタブ140を有するラッチ138を含む。ループ108とのロッキングバー106の係合は、以下で更に詳細に説明されうる。近位端134は、ループのアレイへのロッキングバーの挿入深さを制限するためのエンドストップ(終端(end stop))142を含む。ロッキングバー106は、クリップロック146(図5)と係合するように構成された複数の取付け点144を含み、バスケットをクリップロックに固定する。クリップロック146とのロッキングバー106の係合についても以下で更に説明されうる。
【0027】
図5は、好適には、一般に、アーチ、または、切り詰められた若しくは平坦化された楕円形(truncated or flattened oval)の断面形状のクリップロック146を示す。クリップロック146は、曲線上面(curvilinear upper surface)148と、上方外面(upper exterior surface)148と一致するように曲線形状を一般に有する内側凹部(inner recess)150と、下面とを含む。下面は、ロッキングバー106と係合するようにサイズ決めされ且つ構成され又は成形された複数のタブまたは係合フィート(engagement feet)154を含む。
【0028】
ここで図6を参照すると、バスケットクリップ105が示されている。クリップ105は、一般に第1の貫通孔(first through hole)160を形成するフック(hook)158の形状の第1の端156と、ボトムバー164を有する第2の端162とを含む。フルック(flook)158は、偏ったタブ(biased tab)166を含み、クリップ105が延縄にクリップすることを許容する。ボトムバー164は、好適には、クリップ105の本体の残りと共に第2の貫通孔168を形成する。貫通孔160及び168はそれぞれ互いに平行な中心縦軸(central longitudinal axis)を有する。貫通孔は、希望されれば互いに垂直になるように配向されうることが理解されよう。ボトムバー164は、好適には、クリップロック146との係合に適合するように、厚くされ、サイズ決めされ、成形される。バスケットクリップ105は、確実でありながら可逆的に延縄と係合し且つ延縄の軸についてクリップの(したがって、いったん取り付けられたバスケットの)回転を可能にする限り、何れの適切な形状であってよい。
【0029】
図7~11は、ループ108とのロッキングバー106の係合を示す。図7は、遠位端136においてラッチ138を伴うロッキングバー106を示す。ラッチ138は、好適には、図7Aに示されたラッチキャッチループ109内のラッチキャッチ139とラッチするように構成された2つの押下げ可能なタブ140を含む。ラッチキャッチ139は、エンドループ(ラッチキャッチループ109)の内面に位置された2つの内部突起(internal protrusions)から形成されうる。他の構成が、本開示の範囲から逸脱することなく、ロッキングバーをループでラッチするために可能であることが理解されよう。
【0030】
図8は、バスケット102の頂部の長さに沿ってループの配列に摺動されたロッキングバー106を示す。ロッキングバー106は、遠位端136まで遠位的に(distally)摺動され、最後のループ(ラッチキャッチループ109)からアレイに沿って突出し、図9に示されるように、ラッチ138を露出させる。近位端134のエンドストップ142は、図10に示されるように、ループへのロッキングバーの何れの更なる動きをも阻止する。エンドストップ142が近位ループ(proximal loop)に対してあるようにロッキングバーが最も前方の位置にあるとき、取付け点144は各ループ108間にて露出される。この構成では、クリップロック146の下面に対し及び中へのバスケットおよびロッキングバーの組合せの配置は取付け点とのフィート154の相互嵌合(interdigitation)を許容し、ロッキングバー106の逆方向の摺動(図11に示される)はフィート154上を摺動して、フィート154をバスケットにロックする(したがって、クリップロック146を留める。)。フィート154上にロッキングバー106を摺動させる前に、クリップ105がクリップロック146に対して回転可能となるようにクリップ105のボトムバー164が内側凹部150に挿入され、ボトムバー164が曲線の内側凹部150により制限される。ロッキングバー106をフィート154上で摺動させることは、したがって、図1に示されるように、ボトムバー164が内側凹部150内に閉じ込める(entraps)。ロッキングバー106を後方に引き抜くことは、ループおよびクリップロックからロッキングバーを取り外し、クリップアセンブリを延縄に係合させたままバスケット102が延縄から容易に外れることを許容する。
【0031】
ここで図12~16を参照すると、本明細書の別の好適な実施形態に係るシステム200が示される。システム200は、延縄係合手段がフロート270との共使用について構成されたことを除いてシステム100同様である。図12を参照すると、フロート270は、上部ケーシング(upper casing)272、下部ケーシング(lower casing)274およびロッキングバー空隙(locking bar aperture)276を含む。フロート270は、フリップアダプタ204との係合のためのフリップアダプタ空隙(flip adaptor aperture)278更に含む。フロート270は、また、好適には、上部ケーシング272を下部ケーシング274に係合させるための複数のフロートケーシングクリップ(float casing clips)273を含む。
【0032】
フリップアダプタ204として図13に示される延縄係合手段は、上体部282および下体部284を含む。下体部284は、上体部282に対して横方向に配向される。上体部282は、それを通って延縄10(図14)を受け取るように構成された延縄貫通孔(longline through hole)286を含む。上体部282は、また、フロート270の一部と係合するように構成された少なくとも1つ、より好適には2つの対向する上部フロートフランジ(upper float flanges)288を含む。
【0033】
引き続き図13を参照すると、下体部284は、それを通ってロッキングバー206を摺動可能に受け取るように構成されたロッキングバー開口部290を含む。
【0034】
図14および15を参照すると、フロートおよびバスケットの組合せは、延縄10を延縄貫通孔286に通すことによって組み立てられる。バスケット202は、システム100にて上述された係合位置同様のロッキングバー206を伴って下体部284に対して配置される。ロッキングバー206は、それから、図14に示されるようにバスケット202をフリップアダプタ204と係合させるように近位に(近位方向に(proximally))摺動され、バスケットの長さをフリップアダプタの下体部284の長さと平行にし、延縄を横断する。その後、フロート270は、フリップアダプタの上体部282に係合され、フロートとバスケットの間にてフリップアダプタを挟持し(sandwich)、図15に示される完全に係合された位置に到達する。図16を参照すると、ロッキングピン(locking pin)は、フロート270に挿入され、フロートをフロート係止機構(float locking mechanism)292に係止(ロック(lock))します。
【0035】
バスケット202は、ロッキングバー206を後方向に引くことによりフロートを延縄に係合させたまま、延縄から取り外される。
【0036】
バスケット202が延縄に係合している間、それはバスケットの長さが延縄の周りでフリップされるように延縄の周りでフリップされてもよい。バスケットは、希望されれば、バスケットの幅が延縄の周りでフリップされるように、適切に構成されたフリップアダプタを伴って延縄に取り付けられてもよいことが理解されよう。
【0037】
上述のステップは、本明細書の趣旨から逸脱することなく、異なる順序で実行され、変更され、又は、幾つかのステップが完全に省略されうることが理解されよう。
【0038】
ここで図17~21を参照すると、本明細書の他の好適な実施形態に係るシステム300が示される。システム300は、図18および19に示されるように、シート310が非係合状態の間においてシート310が凹面である中央部322を有することを除いて、システム100同様である。シート310がその係合状態に組み立てられるとき、図17に示されるように、中央部322は平らな表面になり、カキまたは他の水生生物がバスケット内で均一に広がるのを容易にし、水生生物の一貫性のある成長(consistent growth)に寄与する。
【0039】
図20は、バスケット302およびロッキングバー306との係合のためのクリップロック346を示す。クリップロック346は、クリップロック346が前方部から後方部まで延びる下面352を有することを除いて、クリップロック146同様である。下面352は、好適には、ロッキングバー306と係合するようにサイズ決めされ及び構成され又は成形された内面354を伴う形状である(図17)。クリップロック346は、更に好適には、バスケット302のタブ395と相互に噛み合うように構成された外面394を下端352において含む。使用の際、クリップロック346は、組み立てられたバスケット302上に配置され、それから下方に移動してクリップロック346の外部タブ面(external tab surface)394をバスケット302のタブ395にスナップフィット係合で係合させる。その後、ロッキングバー306(図17)は、内面354上で摺動してクリップロック346をバスケットに固定しうる。タブ395は、クリップロックを通ったロッキングバー306の摺動の間、クリップロック346をバスケット上の適所に固定するのを助ける。ロッキングバー306を後方に引き抜くことは、ループおよびクリップロックからロッキングバーを取り外し、将来における消耗部品(worn parts)を交換するための簡単かつ迅速なメンテナンス手順を許容する。
【0040】
図21は、IDプレートまたはタグ396を含む組み立てられたバスケット302の上面を示す。IDプレート396は、係合タブ398と適所にスナップフィットされうる。IDプレート396は、ユーザにとって個々のバスケットを識別する能力を提供する。IDプレート396は、印刷されたラベルを包むための透明カバーとして形成されてもよいし、それ自体が印刷、レーザーエッチング、または彫刻されたIDタグであってもよい。或いは、IDプレートは、非接触スキャンおよび識別のためのQRコード(登録商標)またはバーコードを含みうる。他の代替手段として、IDプレートは、IDプレート396により覆われたコンパートメント399内にRFIDチップを収容するためのカバーとして形成されうる。IDプレート396に関連付けられた識別は、会社名およびバッチ番号のうちの1以上を含みうる。
【0041】
前述の説明は、単なる例の途によるものであり、本発明の趣旨から逸脱することなくかなり変更されうる。単なる例として、バスケットはメッシュの側面または固体の側面を有しうる。卒業マーカー(Graduation markers)は、バスケットのベースの外側に沿って包含されて農場管理における支援を助け、一貫性のある飼育密度(consistent stocking densities)を促進しうる。バスケットは、多様な材料から形成されうるが、好適には、使用が海水において考えられる塩水の腐食作用に耐性のある材料である。
【0042】
他の延縄係合手段は、フックまたはフリップアダプタ以外で使用されうる。延縄といった柔軟な構造(flexible structure)に関連して使用が説明されてきたが、係合手段は、架台(例えばフレンチ架台)、はしご又は他の同様の構造といった剛性構造を伴う使用について構成されうることが理解されよう。
【0043】
浮揚(floatation)が利用されるところでは(そうである必要はない)、様々な浮揚装置が使用されうる。ロッキングバーは、剛性材料の固体直線長さであってもよいが、希望されれば、部分的に中空の湾曲した材料として形成されうる。
【0044】
係合手段は、(使用されるところでは)バスケットの長さが延縄に対して横向きになるように構成され、または、(使用されるところでは)バスケットの長さが延縄に対して平行になるように構成されうる。フリッピングは、使用される際、延縄または他の構造に対するバスケットの向きに従いうる。
【0045】
本発明に係るバスケットの幾つかの実施形態は、バスケットの下側に係合手段を備え、手元の応用(アプリケーション(application at hand))に有用な追加的なコンポーネントとの取付けまたは係合を可能にする。そのような係合手段は、例えば、第2のロッキングバー機構、または、クリップ、もしくは、そのようなコンポーネントの取付けのための補強された位置点(reinforced location points)等、何れの適切なタイプのものであってもよい。
【0046】
或る実施形態に関して説明された特徴は、本開示の趣旨から逸脱することなく、他の実施形態に適用され、または、他の実施形態の特徴と適切に組み合わせられ、もしくは、相互に交換されてもよい。
【0047】
本開示に記載された多様な実施形態のうちの1以上は、好適な形態で、延縄または他の構造とのバスケットの容易な係合および取外しの利点を提供し、しばしば従来のシステムを悩ませている収穫効率を大幅に増加させる。
【0048】
本発明の他の実施形態は、明細書およびここで開示された発明の実施の考慮から、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は単なる例として考えられることを意図しており、本発明の真の趣旨および精神は以下の特許請求の範囲により示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産養殖バスケットの軸に沿って取り付けて前記水産養殖バスケットに剛性および支持を提供する細長い部材であって、前記バスケットは、中に水生生物を保持するように構成され、前記バスケットは第1の端、該第1の端とは反対側の第2の端、上面、下面、及び、前記第1の端から前記第2の端までの長さを有する、
細長い部材。
【請求項2】
他のコンポーネントの取付けのための複数の位置を備える、
請求項1記載の細長い部材。
【請求項3】
ロッキングバーを備える、
請求項1記載の細長い部材。
【請求項4】
前記ロッキングバーは、近位端、遠位端、及び、前記近位端から前記遠位端までの長さを備え、前記遠位端は、前記ロッキングバーが囲いにおけるループを通ったら前記ロッキングバーを適所に係合するように構成された2つのタブを有するラッチを含む、
請求項3記載の細長い部材。
【請求項5】
前記ロッキングバーは、近位端、遠位端、及び、前記近位端から前記遠位端までの長さを備え、前記近位端は、囲いにおけるループのアレイへの前記ロッキングバーの挿入深さを制限するための終端を含む、
請求項3記載の細長い部材。
【請求項6】
前記ロッキングバーは、遠位端においてラッチを備え、前記ラッチは、囲いにおけるラッチキャッチとラッチするように構成された2つの押下げ可能なタブを備える、
請求項3記載の細長い部材。
【請求項7】
前記ロッキングバーは、クリップロックと係合するように構成された複数の取付け点を備え、前記クリップロックに囲いを固定する、
請求項3記載の細長い部材。
【請求項8】
前記他のコンポーネントが、第2のバスケット、延縄係合手段、クイックリリース、クリップロック、及び、フロートのうちの1以上を備える、
請求項2記載の細長い部材。
【請求項9】
前記細長い部材は、前記バスケットの前記上面の少なくとも1つの空隙との摺動可能な係合のために構成されたロッキングバーであり、前記コンポーネントの1以上を固定する、
請求項8記載の細長い部材。
【請求項10】
水産養殖のための装置であって、
養殖された水産養殖種を収容する囲いを実質的に形成するように変形可能な耐久性材料の片を備え、
前記耐久性材料の片は、前記耐久性材料の第1部分がその第2部分に係合可能な係合手段であって、それにより前記耐久性材料を所望の変形状態にする係合手段を、実質的な囲いとして備え、
前記耐久性材料の形状は、いったん前記囲いの形態になった際、前記養殖された水産養殖種の個体が前記囲いから出ることを許容するのに実質的に充分大きなギャップが、係合された部分の間にない、
装置。
【請求項11】
前記係合手段は、細長い部材を摺動可能に受け取るように構成され、前記耐久性材料を所望の変形状態にする、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記細長い部材は、他のコンポーネントの取付けのための複数の位置を備える、
請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記他のコンポーネントが、第2のバスケット、延縄係合手段、クイックリリース、クリップロック、及び、フロートのうちの1以上を備える、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
ロッキングバーの一部を摺動可能に受け取るように構成された下体部を備える延縄係合手段を備え、前記囲いを前記下体部に固定する
請求項12記載の装置。
【請求項15】
前記細長い部材はロッキングバーを備える、
請求項11記載の装置。
【請求項16】
前記ロッキングバーは、近位端、遠位端、及び、前記近位端から前記遠位端までの長さを備え、前記遠位端は、前記ロッキングバーが前記囲いにおけるループを通ったら前記ロッキングバーを適所に係合するように構成された2つのタブを有するラッチを含む、
請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記ロッキングバーは、近位端、遠位端、及び、前記近位端から前記遠位端までの長さを備え、前記近位端は、前記囲いにおけるループのアレイへの前記ロッキングバーの挿入深さを制限するための終端を含む、
請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記ロッキングバーは、遠位端においてラッチを含み、前記ラッチは、前記囲いにおけるラッチキャッチとラッチするように構成された2つの押下げ可能なタブを備える、
請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記ロッキングバーは、クリップロックと係合するように構成された複数の取付け点を備え、前記囲いを前記クリップロックに固定する
請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記細長い部材は、前記バスケットの上面の少なくとも1つの空隙との摺動可能な係合のために構成されたロッキングバーであり、前記コンポーネントの1以上を固定する、
請求項13記載の装置。
【国際調査報告】