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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】貫通ラチェット機構
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20230703BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G02B27/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572341
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 US2021035530
(87)【国際公開番号】W WO2021247763
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/034,871
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/334,498
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】フレイ, トーマス クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】カディルヴェル, カルティク
(72)【発明者】
【氏名】ハワード, ジェーソン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA71
2H199CA90
2H199CA91
2H199CA94
2H199CA95
(57)【要約】
開示される調節可能なストラップ装置は、第1のラック部材を有する左ストラップと、第2のラック部材を有する右ストラップとを含み得る。電気ユニットはシャフトが貫通する開口を有し得る。ピニオン部材はシャフトの近位端部に固定され得、(a)第1のラック部材および第2のラック部材に係合し、(b)シャフトの回転を介して第1のラック部材および第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合され得る。ラチェット部材はシャフトの遠位端部に結合され得、係合されたときにシャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を含み得る。様々な他の方法、システム、およびデバイスもまた開示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のラック部材を備える左ストラップと、
第2のラック部材を備える右ストラップと、
開口を有する電気ユニットと、
前記開口を貫通するシャフトと、
前記シャフトの近位端部に固定されたピニオン部材であって、
前記第1のラック部材および前記第2のラック部材に係合し、
前記シャフトの回転を介して前記第1のラック部材および前記第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合される、ピニオン部材と、
前記シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときに前記シャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を備える、ラチェット部材と
を備える、調節可能なストラップ装置。
【請求項2】
前記電気ユニットはプリント回路基板を備え、前記開口は前記プリント回路基板によって閉塞される、請求項1に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項3】
前記電気ユニットはバッテリパックを備え、前記開口は前記バッテリパックによって閉塞され、好ましくは、
前記左ストラップおよび前記右ストラップは、頭部装着ディスプレイデバイスに結合され、
前記バッテリパックは、前記頭部装着ディスプレイデバイスに電力を供給する、請求項1または2に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項4】
前記電気ユニットは湾曲したバッテリパックを備え、前記開口は前記湾曲したバッテリパックによって閉塞される、請求項1から3のいずれか一項に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項5】
前記電気ユニットを収容するハウジングを更に備え、
前記ハウジングは、前記1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを備え、
前記1つまたは複数の爪部は、前記ハウジングの前記内部ギアと係合されたときに前記シャフトの回転を防止する、請求項1から4のいずれか一項に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項6】
前記ラチェット部材は、1つまたは複数の径方向支持体を更に備え、各径方向支持体は、前記1つまたは複数の爪部のうちの1つに結合され、
前記1つまたは複数の爪部の各々は、前記シャフトの回転の軸の接線方向に方向付けられ、好ましくは、
前記1つまたは複数の径方向支持体と前記1つまたは複数の爪部のうちの前記1つとは、単一の半剛性の部品から形成され、
前記1つまたは複数の爪部の各々は、実質的に、圧縮力に抵抗し、屈曲力に応じて変形するような形状に形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項7】
前記左ストラップは第1の長細状開口を備え、
前記第1のラック部材は、
i 前記第1の長細状開口の内側面、または、
ii 前記第1の長細状開口の上側内側面、または、
iii 前記第1の長細状開口の下側内側面
を形成し、
前記右ストラップは第2の長細状開口を備え、
前記第2のラック部材は、
i 前記第2の長細状開口の内側面、または、
ii 前記第2の長細状開口の下側内側面、または、
iii 前記第2の長細状開口の上側面
を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項8】
ディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットを収容する前部ハウジングと、
前記前部ハウジングに結合された左ストラップであって、第1のラック部材を備える、左ストラップと、
前記前部ハウジングに結合された右ストラップであって、第2のラック部材を備える、右ストラップと、
開口を有する電気ユニットと、
前記開口を貫通するシャフトと、
前記シャフトの近位端部に固定されたピニオン部材であって、
前記第1のラック部材および前記第2のラック部材に係合し、
前記シャフトの回転を介して前記第1のラック部材および前記第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合される、ピニオン部材と、
前記シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときに前記シャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を備える、ラチェット部材と
を備える、頭部装着ディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記電気ユニットはプリント回路基板を備え、前記開口は前記プリント回路基板によって閉塞される、請求項8に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記電気ユニットはバッテリパックを備え、前記開口は前記バッテリパックによって閉塞され、好ましくは、前記バッテリパックは、前記ディスプレイユニットに電力を供給する、請求項8または9に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記電気ユニットは湾曲したバッテリパックを備える、請求項8から10のいずれか一項に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記電気ユニットを収容する後部ハウジングを更に備え、
前記後部ハウジングは、前記1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを備え、
前記1つまたは複数の爪部は、前記後部ハウジングの前記内部ギアと係合されたときに前記シャフトの回転を防止する、請求項8から11のいずれか一項に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【請求項13】
ユーザの頭部に一致するような形状に形成されたハウジングと、
左ストラップと、
右ストラップと、
開口を有する電気ユニットと、
前記開口を貫通するシャフトと、
前記シャフトの近位端部に固定された並進部材であって、
前記左ストラップおよび前記右ストラップに係合し、
前記シャフトの回転を介して前記第1のストラップおよび前記第2のストラップを反対方向に並進させるように適合される、並進部材と、
前記シャフトの遠位端部に結合された留め部材であって、前記ハウジングと係合されたときに少なくとも1つの方向における前記シャフトの回転を防止するように適合される、留め部材と
を備える、調節可能なストラップ装置。
【請求項14】
前記左ストラップは第1のギアラックを備え、
前記右ストラップは第2のギアラックを備え、
前記並進部材は、
前記第1のギアラックおよび前記第2のギアラックに係合し、
前記シャフトの回転を介して前記第1のストラップおよび前記第2のストラップを反対方向に並進させるように適合された1つまたは複数のピニオンギアを備える、請求項13に記載の調節可能なストラップ装置。
【請求項15】
前記電気ユニットはバッテリパックを備え、前記開口は前記バッテリパックによって閉塞され、
前記留め部材はラチェット部材を含む、請求項13または14に記載の調節可能なストラップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、貫通ラチェット機構を有する調節可能なストラップデバイスのための設計に向けられる。
【背景技術】
【0002】
頭部装着ディスプレイ(HMD)デバイスは、エンジニアリング、設計、外科手術演習、軍用のシミュレーションされた演習、ビデオゲームなどを含む様々な分野において広範な適用例を有する。例えば、仮想現実HMDデバイスは、ビデオゲームをプレイしている間に、フライトシミュレーション訓練中に、または世界中の共同作業者と対話するときに、ユーザが現実的な、没入感のある仮想環境を体験することを可能とし得る。
【0003】
従来のHMDデバイスは、典型的には、ユーザの頭部上に、およびユーザの顔に対してHMDデバイスを保持する単純な調節可能なストラップシステムを含む。残念なことに、これらの重量に起因して、およびバッテリなどの内部電気コンポーネントが前方に置かれていることに起因して、今までのHMDデバイスは、着用されたときにある程度の不快感および/または危なっかしさをもたらすことがある。例えば、ユーザは、典型的には、自身の眼を覆うようにHMDデバイスを着用するので、このようなHMDデバイスは、ユーザの後頭部に対してユーザの前頭部において、重さで垂れ下がることがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様によると、調節可能なストラップ装置が提供され、調節可能なストラップ装置は、第1のラック部材を備える左ストラップと、第2のラック部材を備える右ストラップと、開口を有する電気ユニットと、開口を貫通するシャフトと、シャフトの近位端部に固定されたピニオン部材であって、第1のラック部材および第2のラック部材に係合し、シャフトの回転を介して第1のラック部材および第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合される、ピニオン部材と、シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときにシャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を備える、ラチェット部材とを備える。
【0005】
いくつかの実施形態において、電気ユニットはプリント回路基板を備え得、開口はプリント回路基板によって閉塞される。
【0006】
いくつかの実施形態において、電気ユニットはバッテリパックを備え得、開口はバッテリパックによって閉塞される。
【0007】
いくつかの実施形態において、左ストラップおよび右ストラップは、頭部装着ディスプレイデバイスに結合され得、バッテリパックは、頭部装着ディスプレイデバイスに電力を供給する。
【0008】
いくつかの実施形態において、電気ユニットは湾曲したバッテリパックを備え得、開口は湾曲したバッテリパックによって閉塞される。
【0009】
いくつかの実施形態において、調節可能なストラップ装置は、電気ユニットを収容するハウジングを更に備え得、ハウジングは、1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを備え、1つまたは複数の爪部は、ハウジングの内部ギアと係合されたときにシャフトの回転を防止する。
【0010】
いくつかの実施形態において、ラチェット部材は、1つまたは複数の径方向支持体を更に備え得、各径方向支持体は、1つまたは複数の爪部のうちの1つに結合され、1つまたは複数の爪部の各々は、シャフトの回転の軸の接線方向に方向付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の径方向支持体と1つまたは複数の爪部のうちの1つとは、単一の半剛性の部品から形成され得、1つまたは複数の爪部の各々は、圧縮力に実質的に抵抗し、屈曲力に応じて変形するような形状に形成される。
【0012】
いくつかの実施形態において、左ストラップは第1の長細状開口を備え得、第1のラック部材は、第1の長細状開口の内側面を形成し、右ストラップは第2の長細状開口を備え、第2のラック部材は、第2の長細状開口の内側面を形成する。
【0013】
いくつかの実施形態において、左ストラップは第1の長細状開口を備え得、第1のラック部材は、第1の長細状開口の上側内側面を形成し、右ストラップは第2の長細状開口を備え、第2のラック部材は、第2の長細状開口の下側内側面を形成する。
【0014】
いくつかの実施形態において、左ストラップは第1の長細状開口を備え得、第1のラック部材は、第1の長細状開口の下側内側面を形成し、右ストラップは第2の長細状開口を備え、第2のラック部材は、第2の長細状開口の上側面を形成する。
【0015】
本開示の更なる態様によると、頭部装着ディスプレイデバイスが提供され、頭部装着ディスプレイデバイスは、ディスプレイユニットと、ディスプレイユニットを収容する前部ハウジングと、前部ハウジングに結合された左ストラップであって、第1のラック部材を備える、左ストラップと、前部ハウジングに結合された右ストラップであって、第2のラック部材を備える、右ストラップと、開口を有する電気ユニットと、開口を貫通するシャフトと、シャフトの近位端部に固定されたピニオン部材であって、第1のラック部材および第2のラック部材に係合し、シャフトの回転を介して第1のラック部材および第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合される、ピニオン部材と、シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときにシャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を備える、ラチェット部材とを備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、電気ユニットはプリント回路基板を備え得、開口はプリント回路基板によって閉塞される。
【0017】
いくつかの実施形態において、電気ユニットはバッテリパックを備え得、開口はバッテリパックによって閉塞される。
【0018】
いくつかの実施形態において、バッテリパックは、ディスプレイユニットに電力を供給し得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、電気ユニットは湾曲したバッテリパックを備え得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、頭部装着ディスプレイデバイスは、電気ユニットを収容する後部ハウジングを更に備え得、後部ハウジングは、1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを備え、1つまたは複数の爪部は、後部ハウジングの内部ギアと係合されたときにシャフトの回転を防止する。
【0021】
本開示の更なる態様によると、調節可能なストラップ装置が提供され、調節可能なストラップ装置は、ユーザの頭部に一致するような形状に形成されたハウジングと、左ストラップと、右ストラップと、開口を有する電気ユニットと、開口を貫通するシャフトと、シャフトの近位端部に固定された並進部材であって、左ストラップおよび右ストラップに係合し、シャフトの回転を介して第1のストラップおよび第2のストラップを反対方向に並進させるように適合される、並進部材と、シャフトの遠位端部に結合された留め部材であって、ハウジングと係合されたときに少なくとも1つの方向におけるシャフトの回転を防止するように適合される、留め部材とを備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、左ストラップは第1のギアラックを備え得、右ストラップは第2のギアラックを備え、並進部材は、第1のギアラックおよび第2のギアラックに係合し、シャフトの回転を介して第1のストラップおよび第2のストラップを反対方向に並進させるように適合された1つまたは複数のピニオンギアを備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、電気ユニットはバッテリパックを備え得、開口はバッテリパックによって閉塞され、留め部材はラチェット部材を備える。
【0024】
本開示の1つまたは複数の態様もしくは実施形態への組み込みのために適切であるものとして、本明細書において説明される任意の特徴は、本開示の任意のおよび全ての態様および実施形態にわたって一般化されるものと意図されることが理解されよう。本開示の他の態様が、本開示の説明、特許請求の範囲、および図面に照らして、当業者によって理解され得る。先述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求の範囲を制限するものではない。
【0025】
添付の図面は、いくつもの例示的な実施形態を示し、明細書の一部である。以下の説明とともに、これらの図面は、本開示の様々な原理を披露し、解説する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】いくつかの実施形態による、例示的な調節可能なストラップアセンブリの透視図である。
図2】いくつかの実施形態による、図1の例示的な調節可能なストラップアセンブリの分解図である。
図3】いくつかの実施形態による、図1の例示的な調節可能なストラップアセンブリの断面図である。
図4】いくつかの実施形態による、図1の例示的な調節可能なストラップアセンブリの別の透視図である。
図5】いくつかの実施形態による、図4の例示的な調節可能なストラップアセンブリの例示的なコンポーネントの切り欠き図である。
図6】いくつかの実施形態による、図4の例示的なコンポーネントのうちのいくつかの別の切り欠き図である。
図7】いくつかの実施形態による、図4の例示的なコンポーネントのうちのいくつかの別の切り欠き図である。
図8】いくつかの実施形態による、図4の例示的なコンポーネントのうちのいくつかの別の切り欠き図である。
図9】いくつかの実施形態による、例示的な貫通およびラチェットコンポーネントの透視図である。
図10】いくつかの実施形態による、図1の例示的な背面部品の後面図である。
図11】いくつかの実施形態による、図1の例示的な背面部品の透視図である。
図12】いくつかの実施形態による、図10の例示的な背面部品の例示的なコンポーネントの切り欠き図である。
図13】いくつかの実施形態による、図10の例示的な背面部品の例示的なコンポーネントの別の切り欠き図である。
図14】いくつかの実施形態による、例示的なラチェットコンポーネントの後面図である。
図15】いくつかの実施形態による、図10の例示的な背面部品の例示的なコンポーネントの切り欠き図である。
図16】いくつかの実施形態による、図10の例示的な背面部品の例示的なコンポーネントの別の切り欠き図である。
図17】いくつかの実施形態による、図10の例示的な背面部品の例示的なコンポーネントの別の切り欠き図である。
図18】いくつかの実施形態による、例示的なバッテリアセンブリの透視図である。
図19】本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップデバイスを製造する例示的な方法を示すフロー図である。
図20】本開示の実施形態と関連して使用され得る例示的な人工現実ヘッドバンドの説明図である。
図21】本開示の実施形態と関連して使用され得る例示的な拡張現実グラスの説明図である。
図22】本開示の実施形態と関連して使用され得る例示的な仮想現実ヘッドセットの説明図である。
図23】本開示の実施形態と関連して使用され得る例示的な触覚デバイスの説明図である。
図24】本開示の実施形態による例示的な仮想現実環境の説明図である。
図25】本開示の実施形態による例示的な拡張現実環境の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面全体にわたって、同一の参照符号および説明は、類似してはいるが、必ずしも同一とは限らない要素を示す。本明細書において説明される例示的な実施形態は、様々な修正および代替的な形態を許容するが、具体的な実施形態が例示として図面において図示され、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、本明細書において説明される例示的な実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものと意図されるものではない。むしろ、本開示は、全ての修正、均等物、および代替物をカバーする。
【0028】
頭部装着ディスプレイ(HMD)デバイスは、エンジニアリング、設計、外科手術演習、軍用のシミュレーションされた演習、ビデオゲームなどを含む様々な分野において広範な適用例を有する。例えば、仮想現実HMDデバイスは、ビデオゲームをプレイしている間に、フライトシミュレーション訓練中に、または世界中の共同作業者と対話するときに、ユーザが現実的な、没入感のある仮想環境を体験することを可能とし得る。
【0029】
従来のHMDデバイスは、典型的には、ユーザの頭部上におよびユーザの顔に対してHMDデバイスを保持する単純な調節可能なストラップシステムを含む。残念なことに、これらの重量に起因して、およびバッテリなどの内部電気コンポーネントが前方に置かれていることに起因して、今までのHMDデバイスは、着用されたときにある程度の不快感および/または危なっかしさをもたらすことがある。例えば、ユーザは、典型的には、自身の眼を覆うようにHMDデバイスを着用するので、このようなHMDデバイスは、ユーザの後頭部に対してユーザの前頭部において、重さで垂れ下がることがある。重量分布を向上させるためには、HMDデバイスの数ある態様の中でもとりわけ、HMDデバイスの電気コンポーネントのうちのいくつか(例えば、バッテリ、計算ユニット、メモリユニット、追跡ユニット、通信ユニットなど)をユーザの後頭部のより近くに置くと有利であり得る。それ故、本開示は、HMDデバイスの内部電気コンポーネントのうちのいくつかをユーザの後頭部のより近くに位置付けることを(必須的にまたは補助的に)可能とするHMDデバイスのための調節可能なストラップシステムの必要性を特定し、対処する。
【0030】
本開示は、概して、貫通ラチェット機構を有する調節可能なストラップデバイスのための設計に向けられる。本開示の実施形態は、一体型バッテリを有する調節可能なHMDストラップアセンブリのための貫通ラチェット機構を含み得る。いくつかの実施形態において、ストラップは一体型バッテリの内側に位置付けられたラックアンドピニオンシステムを使用して調節され得、ピニオンを駆動/ロックするためのラチェットダイアルは、一体型バッテリの外側に位置付けられ得る。シャフトは、一体型バッテリを貫通し得、ピニオンをラチェットダイアルに接続し得る。いくつかの実施形態において、シャフトは、一体型バッテリの保護制御モジュールの孔を貫通し得る。いくつかの実施形態において、ラチェットダイアルは、調節可能なHMDストラップアセンブリの外側ハウジングに一体化された内側ギアの歯と係合する1つまたは複数の爪部を含み得る。
【0031】
本明細書において説明される実施形態のうちの任意のものからの特徴は、本明細書において説明される全体的な原理に従って、互いに組み合わされて使用され得る。これらのおよび他の実施形態、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって完全に理解されよう。
【0032】
図1図18を参照し、以下において、貫通ラチェット機構を有する例示的なストラップアセンブリの詳細な説明が提供される。図19を参照し、以下において、調節可能なストラップデバイスを製造するための例示的な方法の詳細な説明が提供される。図20図25を参照し、以下において、本開示の実施形態を実現し得る様々な人工現実システムおよびコンポーネントの詳細な説明が提供される。
【0033】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップシステム100の透視図である。いくつかの実施形態において、調節可能なストラップシステム100は、頭部着用デバイス(例えば、HMD)のための調節可能なストラップシステムであり得、頭部着用デバイスを身に着けたときに左ストラップ102および/または右ストラップ103のユーザにとって適当な張力および/または長さを設定するために背面部品104の後ろに位置付けられた調節ノブ101をユーザ(例えば、HMDの着用者)が回転することを可能とする。例えば、ユーザは、左ストラップ102および/または右ストラップ103の長さを減少させる締め付け方向(例えば、図1において図示される調節可能なストラップシステム100の後ろから見て時計回り方向)に調節ノブ101を回転させ得る。左ストラップ102および右ストラップ103の近位端部は、図22の仮想現実システム2200および/または図24の頭部装着ディスプレイ2402などの頭部着用デバイスに取り付けられ得る。左ストラップ102および右ストラップ103の遠位端部は、背面部品104内に取り付けられ得る。いくつかの実施例において、左ストラップ102および右ストラップ103は、ユーザの頭部の周りに巻き付く、および/またはユーザの頭部に一致するように柔軟性材料で形成され得る。
【0034】
調節ノブ101が締め付け方向に回転されると、左ストラップ102および/または右ストラップ103の相対的な長さが減少し得、左ストラップ102および右ストラップ103が、ユーザの顔に対する頭部着用デバイスの力を増加させるようにユーザの頭部の周りで締め付け得る(例えば、張力を増加させる)。ユーザは頭部着用デバイスを身に着けて、快適な張力設定に到達するまで調節ノブ101を回転させ得る。追加的にまたは代替的に、調節ノブ101を脱係合方向(例えば、図1において図示される調節可能なストラップシステム100の後ろから見て反時計回り方向)に回転させることによって頭部着用デバイスの張力を減少させる(例えば、弛緩させる)ことをユーザが望むことがある。弛緩方向に調節ノブ101を回転させることは、左ストラップ102および/または右ストラップ103の相対的な長さを増加させ得、それによってユーザの顔に対する頭部着用デバイスの張力を減少させる。以下において詳細に説明されるように、調節ノブ101を回転させることは、長さ調節機構(例えば、ラックアンドピニオン機構)に左ストラップ102および/または右ストラップ103の長さを増加および/または減少させ得る。
【0035】
いくつかの実施例において、調節可能なストラップシステム100は、背面部品104内に収容された内部電気コンポーネント106を含み得る。電気コンポーネント106は、閉塞されたおよび/または閉塞されていない開口107(例えば、孔、ノッチ、スリット、隙間など)を含み得、これを通ってシャフト(例えば、図2において図示される貫通シャフト214)が電気コンポーネント106の前方対向側から電気コンポーネント106の後方対向側に延在または到達し得る。いくつかの実施形態において、電気コンポーネント106は、物理的プロセッサ、物理的メモリ、電源(例えば、図2において図示されるバッテリアセンブリ208)、回路基板、集積回路(IC)、ICパッケージ(例えば、システムインパッケージ(SiP)、マルチチップモジュール(MCM)、または3次元集積回路(3DIC))、これらのうちの1つまたは複数の変形または組合せ、または任意の他のタイプの形態の電気的もしくは電子的コンポーネントを含み得、またはこれを表し得る。電源の例としては、非限定的に、キャパシタ、太陽光コンバータ、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、一次リチウムバッテリ、アルカリバッテリ、または任意の他の形態の電力貯蔵器などがある。電源は、外部電源への有線および/または無線接続を介して充電され得る。電源は、調節可能なストラップシステム100に結合された頭部着用デバイスに電力を提供するように構成され得る。少なくとも1つの実施形態において、電気コンポーネント106は、湾曲したバッテリパックを含み得、またはこれを表し得る。
【0036】
いくつかの実施例において、調節可能なストラップシステム100は、快適な張力設定に到達するまでユーザが調節ノブ101回転させて左ストラップ102および/または右ストラップ103の追加的な移動距離を提供することを可能とし得、調節ノブ101を脱係合方向に回転させずにデバイスをユーザの顔から離れるように引き、デバイスをユーザの頭部から持ち上げることによってユーザが頭部着用デバイスを脱ぐ(例えば、取り外す)ことを可能とする。以下において更に解説されるように、調節可能なストラップシステム100は、ストップ102および103の長さを維持し得、および/またはユーザによって設定された張力を保持し得る少なくとも1つの留め要素(例えば、図2において図示されるラチェット要素216)を含み得る。
【0037】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、例示的な調節可能なストラップシステム100の分解図である。図2において図示されるように、調節可能なストラップシステム100は、前方ストラップハウジング202と、ピニオンギア204と、後部ストラップハウジング206と、バッテリアセンブリ208と、バッテリハウジング210と、留め要素212と、貫通シャフト214と、ラチェット要素216とを更に含み得る。左ストラップ102および右ストラップ103の遠位端部は、前方ストラップハウジング202と後部ストラップハウジング206との間に設けられ、隠され、保護され、および/または取り付けられ得る。ピニオンギア204の歯は、左ストラップ102および右ストラップ103のギアラックの対応する歯と噛み合い得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、前方ストラップハウジング202および後部ストラップハウジング206は、ピニオンギア204ならびにストラップ102および103の相対的な位置および向きを維持するようなサイズおよび形状に形成され得る。バッテリアセンブリ208は、後部ストラップハウジング206とバッテリハウジング210との間に隠され、保護され、および/または取り付けられ得る。留め要素212は、貫通シャフト214をラチェット要素216および/または調節ノブ101に(例えば、適切なファスナを介して)結合し得る。後部ストラップハウジング206、バッテリアセンブリ208、バッテリハウジング210は各々、閉塞されたまたは閉塞されていない開口を含み得、これを通って貫通シャフト214は、ピニオンギア204をラチェット要素216および調節ノブ101にバッテリアセンブリ208を通って結合し得る。
【0039】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図2において示されたコンポーネントの相対的な位置を示す調節可能なストラップシステム100の切り欠き図である。図示されるように、ピニオンギア204は後部ストラップハウジング206の前方に設けられ得、バッテリアセンブリ208は後部ストラップハウジング206とバッテリハウジング210との間に設けられ得、留め要素212、ラチェット要素216、および調節ノブ101はバッテリハウジング210の後方に設けられ得る。この実施例において、貫通シャフト214は、後部ストラップハウジング206、バッテリアセンブリ208、およびバッテリハウジング210を通って、ピニオンギア204をラチェット要素216および調節ノブ101に結合し得る。
【0040】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップシステム100の透視図である。図示されるように、調節可能なストラップシステム100は、ユーザの後頭部(例えば、ユーザの後頭葉の周り)に寄り掛かるような形状に形成されたクッション402を更に含み得る。調節ノブ101は、アクセスを容易にするために、背面部品104の上部の上に延在するようなサイズに形成され得る。いくつかの実施形態において、ストラップハウジング202および206は、調節可能なストラップシステム100に美的に心地よい外観を提供し得、左ストラップ102および右ストラップ103が長くされるときまたは短くされるときに、左ストラップ102および右ストラップ103のためのガイドとして機能し得る。
【0041】
図5図8は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップシステム100の切り欠き図である。図示されるように、ストラップ102および103は、ピニオンギア204と係合するギアラックを含み得る。例えば、左ストラップ102は上部ラック502を含み得、右ストラップ103は底部ラック504を含み得る。ピニオンギア204が回転されると、ピニオンギア204はラック502および504に沿って移動し、ストラップ102および103を長く、または短くする。この実施形態において、左ストラップ102および右ストラップ103の遠位端部は、上部ラック502および底部ラック504が位置付けられ得る長細状開口(例えば、図8において図示される開口802)を含み得る。いくつかの実施形態において、ピニオンギア204がラック502および504との係合を維持するように(例えば、図6において図示されるように)、ストラップ102および103の長細状開口はピニオンギア204の直径に実質的に等しい高さを有し得る。
【0042】
図1を参照して上述されたように、調節ノブ101は、ストラップハウジング202および206の外側の左ストラップ102および/または右ストラップ103の長さを減少させるために、係合方向に回転され得る。調節ノブ101の回転は、貫通シャフト214にピニオンギア204を回転させ得る。ピニオンギア204の回転が上部ラック502および底部ラック504の横方向運動をもたらすように、ピニオンギア204は上部ラック502および底部ラック504のギア歯と係合するように(例えば、噛み合うように)構成および配置され得る。矢印601によって示される方向における上部ラック502および底部ラック504の横方向運動は、結果として左ストラップ102および/または右ストラップ103の締め付けまたは弛緩をもたらし得る。
【0043】
調節ノブ101が係合(例えば、締め付ける、短くする)方向に回転されると、上部ラック502が矢印506によって示される方向に移動し、底部ラック504が矢印508によって示される方向に移動するように、ピニオンギア204は、(図5図7の視点から見たときに)反時計回り方向に回転し得る。上部ラック502および底部ラック504のこの係合移動は、ストラップハウジング202および206の外側の左ストラップ102および/または右ストラップ103の長さの減少をもたらし得る。同様に、調節ノブ101が脱係合方向に回転されると、上部ラック502が矢印506によって示される方向とは反対の方向に移動し、底部ラック504が矢印508によって示される方向とは反対の方向に移動するように、ピニオンギア204は、(図5図7の視点から見たときに)時計回り方向に回転し得る。上部ラック502および底部ラック504のこの脱係合移動は、左ストラップ102および/または右ストラップ103の長さの増加をもたらし得る。上に述べられたように、左ストラップ102および右ストラップ103は、頭部着用デバイスに取り付けられ得る。ラチェット要素216は、ユーザによって設定された張力を、ストラップ102および103の長さを保つことによって保持し得る。
【0044】
図7において図示されるように、調節ノブ101は、貫通シャフト214によってバッテリアセンブリ208を通ってピニオンギア204に接続され得、調節ノブ101の回転は、ピニオンギア204の対応する回転をもたらし得る。調節ノブ101が回転されると、ピニオンギア204は、左ストラップ102および右ストラップ103が矢印601によって示される反対方向に水平に並進するように、同一の方向に回転し得る。
【0045】
図9は、調節ノブ101へのピニオンギア204の接続を図示する説明図である。図示されるように、ピニオンギア204は貫通シャフト214の一方の端部に結合され得、調節ノブ101は貫通シャフト214の他方の端部に結合され得る。いくつかの実施例において、留め要素212は、調節ノブ101およびラチェット要素216を貫通シャフト214に(例えば、ネジによって)結合し得る。いくつかの実施形態において、図9において示されるコンポーネントのうちの1つまたは複数は、単一の一体式要素を表し得る。例えば、ピニオンギア204および貫通シャフト214は、後にラチェット要素216に結合される単一の一体式要素を表し得る。別の実施例において、貫通シャフト214、ラチェット要素216、および/または調節ノブ101は、後にピニオンギア204に結合される単一の一体式要素を表し得る。
【0046】
図10および図11は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップシステム100の後面図および透視図である。図示されるように、調節ノブ101は、バッテリハウジング210の上部および底部の上下に延在するようなサイズに形成され得る。いくつかの実施形態において、調節ノブ101は、調節ノブ101の面とバッテリハウジング210の面とが(例えば、図11において示されるように)互いに面一になるようにバッテリハウジング210内に凹み得る。
【0047】
図12図18は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップシステム100の様々な切り欠き図である。図12および図13において図示されるように、バッテリハウジング210は凹んだ内部ギア1202を含み得る。ラチェット要素216は、内部ギア1202のギア歯と係合する(例えば、噛み合う)ような形状に形成され、構成され得る。図14において図示されるように、ラチェット要素216は、対応する径方向支持体(例えば、径方向支持体1402、1404、および1406)に結合される1つまたは複数の爪部(例えば、爪部1401、1403、および1405)を含み得る。爪部1401、1403、および1405の各々は、内部ギア1202の歯と係合する(例えば、噛み合う)ように構成および配置された歯を含み得る。
【0048】
爪部1401、1403、および1405は、矢印1410によって示される方向における圧縮および張力に実質的に抵抗し、および/または矢印1411によって示される方向に変形するように構成され得る。ラチェット要素216は調節ノブ101に結合され得るので、ラチェット要素216は調節ノブ101の移動とともに回転し得る。もしもユーザが調節ノブ101を締め付け方向(例えば、図12において図示される調節可能なストラップシステム100の後ろから見て時計回り方向)に回転させたとしたら、ラチェット要素216も同じ様に時計回り方向に回転し得る。このようなことが起こったとき、爪部1401、1403、および1405は径方向内側に屈曲し得、爪部1401、1403、および1405の歯は、バッテリハウジング210に対してラチェット要素216が新たな位置に到達し、爪部1401、1403、および1405の歯が内部ギア1202の歯と再係合して反対方向の運動に抵抗するようになるまで、内部ギア1202の歯を越えて滑動する。
【0049】
図16図18において図示されるように、バッテリハウジング210およびバッテリアセンブリ208は開口を含み得、これを通って貫通シャフト214がラチェット要素216からピニオンギア204へと延び得る。例えば、バッテリハウジング210は貫通孔1602を含み得、バッテリアセンブリ208は貫通孔1808を含み得る。図18において図示されるように、バッテリアセンブリ208は湾曲したバッテリセル1802を含み得、湾曲したバッテリセル1804はバッテリ保護モジュール1806に結合される。この実施例において、バッテリ保護モジュール1806は貫通孔1808を含み得る。
【0050】
図19は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、調節可能なストラップデバイスを製造する例示的な方法1900を示すフロー図である。動作1910において、ラチェット要素がシャフトの遠位端部に固定され得る。動作1910は多様な手法において実施され得る。例えば、調節ノブに結合されたラチェット要素が、貫通シャフトの遠位端部に固定され得る。
【0051】
動作1920において、シャフトが電気要素の開口に通され得る。動作1920は多様な手法において実施され得る。例えば、貫通シャフトがバッテリパックアセンブリの開口を通って配置され得る。
【0052】
動作1930において、ピニオンギアがシャフトの近位端部に固定され得る。動作1930は多様な手法において実施され得る。例えば、ピニオンギアが、貫通シャフトの近位端部に結合、締結、および/または固定され得る。
【0053】
動作1940において、第1のストラップに結合された第1のラックがピニオンギアと係合され得る。動作1940は多様な手法において実施され得る。例えば、第1のラックが、ピニオンギアの底部縁または上部縁に沿ってピニオンギアのギア歯と噛み合わされ得る。
【0054】
動作1950において、第2のストラップに結合された第2のラックがピニオンギアと係合され得る。動作1950は多様な手法において実施され得る。例えば、第2のラックが、ピニオンギアの底部縁または上部縁のうち第1のラックと反対のものに沿ってピニオンギアのギア歯と噛み合わされ得る。
【0055】
例示的な実施形態
実施例1:調節可能なストラップ装置は、(1)第1のラック部材を有する左ストラップと、(2)第2のラック部材を有する右ストラップと、(3)開口を有する電気ユニットと、(4)開口を貫通するシャフトと、(5)シャフトの近位端部に固定され、(a)第1のラック部材および第2のラック部材に係合し、(b)シャフトの回転を介して第1のラック部材および第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合されたピニオン部材と、(6)シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときにシャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を有するラチェット部材とを含み得る。
【0056】
実施例2:電気ユニットは、開口を閉塞するプリント回路基板を含み得る、実施例1に記載の調節可能なストラップ装置。
【0057】
実施例3:電気ユニットは、開口を閉塞するバッテリパックを含み得る、実施例1または2に記載の調節可能なストラップ装置。
【0058】
実施例4:左ストラップおよび右ストラップは、頭部装着ディスプレイデバイスに結合され、バッテリパックは、頭部装着ディスプレイデバイスに電力を供給する、実施例1から3のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0059】
実施例5:電気ユニットは、開口を閉塞する湾曲したバッテリパックを含み得る、実施例1から4のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0060】
実施例6:電気ユニットを収容するハウジングを更に含み、ハウジングは、1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを含み得、1つまたは複数の爪部は、ハウジングの内部ギアと係合されたときにシャフトの回転を防止する、実施例1から5のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0061】
実施例7:ラチェット部材は、1つまたは複数の径方向支持体を更に含み、各径方向支持体は、1つまたは複数の爪部のうちの1つに結合され、1つまたは複数の爪部の各々は、シャフトの回転の軸の接線方向に方向付けられる、実施例1から6のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0062】
実施例8:1つまたは複数の径方向支持体と1つまたは複数の爪部のうちの1つとは、単一の半剛性の部品から形成され、1つまたは複数の爪部の各々は、圧縮力に実質的に抵抗し、屈曲力に応じて変形するような形状に形成される、実施例1から7のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0063】
実施例9:(1)左ストラップは第1の長細状開口を含み、(2)第1のラック部材は、第1の長細状開口の内側面を形成し、(3)右ストラップは第2の長細状開口を含み、(4)第2のラック部材は、第2の長細状開口の内側面を形成する、実施例1から8のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0064】
実施例10:(1)左ストラップは第1の長細状開口を含み、(2)第1のラック部材は、第1の長細状開口の上側内側面を形成し、(3)右ストラップは第2の長細状開口を含み、(4)第2のラック部材は、第2の長細状開口の下側内側面を形成する、実施例1から9のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0065】
実施例11:(1)左ストラップは第1の長細状開口を含み、(2)第1のラック部材は、第1の長細状開口の下側内側面を形成し、(3)右ストラップは第2の長細状開口を含み、(4)第2のラック部材は、第2の長細状開口の上側面を形成する、実施例1から10のいずれか1つに記載の調節可能なストラップ装置。
【0066】
実施例12:頭部装着ディスプレイデバイスは、(1)ディスプレイユニットと、(2)ディスプレイユニットを収容する前部ハウジングと、(3)前部ハウジングに結合された左ストラップであって、第1のラック部材を有する、左ストラップと、(4)前部ハウジングに結合された右ストラップであって、第2のラック部材を有する、右ストラップと、(5)開口を有する電気ユニットと、(6)開口を貫通するシャフトと、(7)シャフトの近位端部に固定されたピニオン部材であって、(a)第1のラック部材および第2のラック部材に係合し、(b)シャフトの回転を介して第1のラック部材および第2のラック部材を反対方向に並進させるように適合される、ピニオン部材と、(8)シャフトの遠位端部に結合されたラチェット部材であって、係合されたときにシャフトの回転を防止するように適合された1つまたは複数の爪部を有する、ラチェット部材とを含み得る。
【0067】
実施例13:電気ユニットは、開口を閉塞するプリント回路基板を含み得る、実施例12に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【0068】
実施例14:電気ユニットは、開口を閉塞するバッテリパックを含み得る、実施例12または13に記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【0069】
実施例15:バッテリパックは、ディスプレイユニットに電力を供給する、実施例12から14のいずれか1つに記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【0070】
実施例16:電気ユニットは、湾曲したバッテリパックを含み得る、実施例12から15のいずれか1つに記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【0071】
実施例17:電気ユニットを収容する後部ハウジングを更に含み、後部ハウジングは、1つまたは複数の爪部と係合するように適合された内部ギアを含み得、1つまたは複数の爪部は、後部ハウジングの内部ギアと係合されたときにシャフトの回転を防止する、実施例12から16のいずれか1つに記載の頭部装着ディスプレイデバイス。
【0072】
実施例18:調節可能なストラップ装置は、(1)ユーザの頭部に一致するような形状に形成されたハウジングと、(2)左ストラップと、(3)右ストラップと、(4)開口を有する電気ユニットと、(5)開口を貫通するシャフトと、(6)シャフトの近位端部に固定された並進部材であって、(a)左ストラップおよび右ストラップに係合し、(b)シャフトの回転を介して第1のストラップおよび第2のストラップを反対方向に並進させるように適合される、並進部材と、(7)シャフトの遠位端部に結合された留め部材とを含み得る。留め部材は、ハウジングと係合されたときに少なくとも1つの方向におけるシャフトの回転を防止するように適合され得る。
【0073】
実施例19:(1)左ストラップは第1のギアラックを含み得、(2)右ストラップは第2のギアラックを含み得、(3)並進部材は、(a)第1のギアラックおよび第2のギアラックに係合し、(b)シャフトの回転を介して第1のストラップおよび第2のストラップを反対方向に並進させるように適合された1つまたは複数のピニオンギアを含み得る、実施例18に記載の調節可能なストラップ装置。
【0074】
実施例20:電気ユニットは開口を閉塞するバッテリパックを含み得、留め部材はラチェット部材を含む、実施例18または19に記載の調節可能なストラップ装置。
【0075】
本開示の実施形態は、様々なタイプの人工現実システムを含み得、または様々なタイプの人工現実システムと連動して実現され得る。人工現実は、ユーザへの提示の前に何らかのやり方で調整された形態の現実であり、これは、例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、あるいはこれらのいくつかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツは、完全にコンピュータによって生成されたコンテンツ、またはキャプチャされた(例えば、現実世界の)コンテンツと組み合わされたコンピュータによって生成されたコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、ビデオ、音声、触覚的フィードバック、またはこれらのいくつかの組合せを含み得、これらの任意のものは、単一のチャネルまたは複数のチャネルにおいて提示され得る(見る者に3次元(3D)効果を生むステレオビデオなど)。追加的に、いくつかの実施形態において、人工現実は、例えば、人工現実におけるコンテンツを作成するために使用される、および/または人工現実において別様に使用される(例えば、アクティビティを実施する)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはこれらのいくつかの組合せにも関連付けられ得る。
【0076】
人工現実システムは、多様な異なるフォームファクタおよび構成において実現され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)がなくても働くように設計され得、その例は、図20における拡張現実システム2000である。他の人工現実システムは、現実世界内への可視性も提供するNED(例えば、図21における拡張現実システム2100)、または人工現実にユーザを視覚的に没入させる(例えば、図22における仮想現実システム2200)NEDを含み得る。いくつかの人工現実デバイスは、自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、ユーザに人工現実体験を提供するために外部デバイスと通信および/または協働し得る。そのような外部デバイスの例としては、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザによって着用されるデバイス、1人または複数の他のユーザによって着用されるデバイス、および/あるいは任意の他の適切な外部システムなどがある。
【0077】
図20を見ると、拡張現実システム2000は、全体的に、ユーザの身体部位(例えば、頭部)の周辺にフィットする寸法に形成されたウェアラブルデバイスを表す。図20において図示されるように、システム2000は、フレーム2002と、フレーム2002に結合され、ローカルな環境を観察することによってローカルな環境についての情報を集めるように構成されたカメラアセンブリ2004とを含み得る。拡張現実システム2000は、出力音声トランスデューサ2008(A)および2008(B)ならびに入力音声トランスデューサ2010などの1つまたは複数の音声デバイスも含み得る。出力音声トランスデューサ2008(A)および2008(B)は音声フィードバックおよび/またはコンテンツをユーザに提供し得、入力音声トランスデューサ2010はユーザの環境における音声をキャプチャし得る。
【0078】
図示されるように、拡張現実システム2000は、ユーザの眼の前に配置されたNEDを必ずしも含まなくてよい。NEDを有さない拡張現実システムは、ヘッドバンド、ハット、ヘアバンド、ベルト、腕時計、リストバンド、アンクルバンド、指輪、ネックバンド、ネックレス、チェストバンド、眼鏡フレーム、および/または任意の他の適切なタイプもしくは形態の装置などの多様な形態をとり得る。拡張現実システム2000は、NEDを含まなくてよいが、拡張現実システム2000は他のタイプのスクリーンまたは視覚的フィードバックデバイス(例えば、フレーム2002の側部に一体化されたディスプレイスクリーン)を含み得る。
【0079】
本開示において論じられる実施形態は、1つまたは複数のNEDを含む拡張現実システムにおいても実現され得る。例えば、図21において図示されるように、拡張現実システム2100は、ユーザの眼の前に左ディスプレイデバイス2115(A)および右ディスプレイデバイス2115(B)を保持するように構成されたフレーム2110を有する眼鏡デバイス2102を含み得る。ディスプレイデバイス2115(A)および2115(B)は、1つの画像または一連の画像をユーザに提示するように一緒にまたは別個に作動し得る。拡張現実システム2100は2つのディスプレイを含むが、本開示の実施形態は、1つのNEDまたは3つ以上のNEDを有する拡張現実システムにおいて実現されてよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、拡張現実システム2100は、センサ2140などの1つまたは複数のセンサを含み得る。センサ2140は、拡張現実システム2100の運動に応じて測定信号を生成し得、フレーム2110の実質的に任意の部分に位置付けられ得る。センサ2140は、位置センサ、慣性測定ユニット(IMU)、深度カメラアセンブリ、またはこれらの任意の組合せを表し得る。いくつかの実施形態において、拡張現実システム2100は、センサ2140を含んでも含まなくてもよく、または2つ以上のセンサを含んでもよい。センサ2140がIMUを含む実施形態において、IMUは、センサ2140からの測定信号に基づいて較正データを生成し得る。センサ2140の例としては、非限定的に、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、運動を検知する他の適切なタイプのセンサ、IMUの誤差補正のために使用されるセンサ、またはこれらのいくつかの組合せなどがあり得る。
【0081】
拡張現実システム2100は、集合的に音響トランスデューサ2120と称される複数の音響トランスデューサ2120(A)~2120(J)を有するマイクロホンアレイも含み得る。音響トランスデューサ2120は、音波によって誘引された気圧変化を検知するトランスデューサであり得る。各音響トランスデューサ2120は、音を検知して、検知された音を電子フォーマット(例えば、アナログまたはデジタルフォーマット)に変換するように構成され得る。図2におけるマイクロホンアレイは、例えば、10個の音響トランスデューサ、すなわち、ユーザの対応する耳の内側に置かれるように設計され得る2120(A)および2120(B)、フレーム2110の様々な場所に配置され得る音響トランスデューサ2120(C)、2120(D)、2120(E)、2120(F)、2120(G)、および2120(H)、ならびに/または対応するネックバンド2105に配置され得る音響トランスデューサ2120(I)および2120(J)を含み得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、音響トランスデューサ2120(A)~(F)のうちの1つまたは複数は、出力トランスデューサ(例えば、スピーカ)として使用され得る。例えば、音響トランスデューサ2120(A)および/または2120(B)は、イヤホンまたは任意の他の適切なタイプのヘッドホンもしくはスピーカであり得る。
【0083】
マイクロホンアレイの音響トランスデューサ2120の構成は異なり得る。図21において、拡張現実システム2100は、10個の音響トランスデューサ2120を有するものとして図示されているが、音響トランスデューサ2120の数は、10個よりも多くても少なくてもよい。いくつかの実施形態において、より多くの数の音響トランスデューサ2120を使用することは、収集される音声情報の量ならびに/または音声情報の感受性および正確性を増加させ得る。対照的に、より少ない数の音響トランスデューサ2120を使用することは、収集された音声情報を処理する関連付けられたコントローラ2150によって必要とされる計算パワーを減少させ得る。追加的に、マイクロホンアレイの各音響トランスデューサ2120の位置は異なり得る。例えば、音響トランスデューサ2120の位置は、ユーザ上の定められた位置、フレーム2110上の定められた座標、各音響トランスデューサに関連付けられた向き、またはこれらのいくつかの組合せを含み得る。
【0084】
音響トランスデューサ2120(A)および2120(B)は、耳翼の後ろ、耳介または耳窩の中などのユーザの耳の異なる部位に配置され得る。あるいは、外耳道の内側の音響トランスデューサ2120に加えて、耳にまたは耳の周囲に追加的な音響トランスデューサ2120が存在し得る。ユーザの外耳道に隣接して配置された音響トランスデューサ2120を有することは、音がどのように外耳道に達するかについての情報をマイクロホンアレイが収集することを可能とし得る。ユーザの頭部の両側に音響トランスデューサ2120のうちの少なくとも2つを配置することによって(例えば、両耳性マイクロホンとして)、拡張現実デバイス2100は、両耳性の聴覚をシミュレートし得、ユーザの頭部の周辺の周りの3Dステレオ音場をキャプチャし得る。いくつかの実施形態において、音響トランスデューサ2120(A)および2120(B)は、有線接続2130を介して拡張現実システム2100に接続され得、他の実施形態において、音響トランスデューサ2120(A)および2120(B)は、無線接続(例えば、Bluetooth接続)を介して拡張現実システム2100に接続され得る。なおも他の実施形態において、音響トランスデューサ2120(A)および2120(B)は、拡張現実システム2100と連動しては全く使用されなくてよい。
【0085】
フレーム2110上の音響トランスデューサ2120は、こめかみの長さに沿って、鼻梁を横切って、ディスプレイデバイス2115(A)および2115(B)の上または下に、またはこれらのいくつかの組合せにおいて配置され得る。音響トランスデューサ2120は、マイクロホンアレイが拡張現実システム2100を着用しているユーザの周囲の広範な方向の音を検知可能であるように方向付けられ得る。いくつかの実施形態において、マイクロホンアレイにおける各音響トランスデューサ2120の相対的な配置を決定するために拡張現実システム2100の製造中に最適化処理が実施され得る。
【0086】
いくつかの実施例において、拡張現実システム2100は、ネックバンド2105などの外部デバイス(例えば、ペアリングされたデバイス)を含み得、またはこれと接続され得る。ネックバンド2105は、概して、任意のタイプまたは形態のペアリングされたデバイスを表す。故に、ネックバンド2105の以下の議論は、充電ケース、スマートウォッチ、スマートホン、リストバンド、他のウェアラブルデバイス、ハンドヘルドコントローラ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、および他の外部計算デバイスなどの、様々な他のペアリングされたデバイスにも適用され得る。
【0087】
図示されるように、ネックバンド2105は、1つまたは複数のコネクタを介して眼鏡デバイス2120に結合され得る。コネクタは、有線でも無線でもよく、電気的および/または非電気的(例えば、構造的)コンポーネントを含み得る。いくつかの場合において、眼鏡デバイス2102およびネックバンド2105は、これらの間の如何なる有線または無線接続も有さず、別個に動作し得る。図21は、眼鏡デバイス2102およびネックバンド2105上の例示的な場所において眼鏡デバイス2102およびネックバンド2105のコンポーネントを示しているが、コンポーネントは、他の場所に位置付けられてよく、および/または、眼鏡デバイス2102および/またはネックバンド2105上で異なって分布されてよい。いくつかの実施形態において、眼鏡デバイス2102およびネックバンド2105のコンポーネントは、眼鏡デバイス2102、ネックバンド2105、またはこれらのいくつかの組合せとペアリングされた1つまたは複数の追加的な周辺デバイス上に位置付けられ得る。
【0088】
ネックバンド2105などの外部デバイスを拡張現実眼鏡デバイスとペアリングすることは、増大された性能のための十分なバッテリおよび計算パワーを依然として提供しつつ、眼鏡デバイスが一対のグラスのフォームファクタを達成することを可能とし得る。拡張現実システム2100のバッテリパワー、計算リソース、および/または追加的な特徴のうちのいくつかまたは全ては、ペアリングされたデバイスによって提供され得、または、ペアリングされたデバイスと眼鏡デバイスとの間で共有され得、故に、所望の機能性を依然として保ちつつ、眼鏡デバイス全体の重量、熱プロファイル、フォームファクタを低減させる。例えば、ユーザは自身の頭部において耐えるよりも大きな重量負荷を自身の肩において耐え得るので、ネックバンド2105は、ネックバンド2105がなかった場合には眼鏡デバイスに含まれるであろうコンポーネントがネックバンド2105に含まれることを可能とし得る。ネックバンド2105は、熱を周囲環境に拡散および消散させるためのより大きな表面積も有し得る。故に、ネックバンド2105は、ネックバンド2150がなかった場合にスタンドアロンの眼鏡デバイスにおいて可能であったであろうバッテリおよび計算性能よりも大きなバッテリおよび計算性能を可能とし得る。ネックバンド2105によって支えられる重量は眼鏡デバイス2102によって支えられる重量よりもユーザに対して非侵襲的であり得るので、ユーザは、重いスタンドアロンの眼鏡デバイスを着用することに耐える場合よりも長い時間にわたって、より軽い眼鏡デバイスを着用し、ペアリングされたデバイスを携えまたは着用することに耐え得、それによって、ユーザが人工現実環境を毎日の活動により完全に組み込むことを可能とする。
【0089】
ネックバンド2105は、眼鏡デバイス2102および/または他のデバイスと通信可能に結合され得る。これらの他のデバイスは、拡張現実システム2100に一定の機能(例えば、追跡、場所特定、深度マッピング、処理、記憶など)を提供し得る。図21の実施形態において、ネックバンド2105は、マイクロホンアレイの一部である(または、潜在的に、それら自体のマイクロホンサブアレイを形成する)2つの音響トランスデューサ(例えば、2120(I)および2120(J))を含み得る。ネックバンド2105は、コントローラ2125および電源2135も含み得る。
【0090】
ネックバンド2105の音響トランスデューサ2120(I)および2120(J)は、音を検知して、検知された音を電子フォーマット(アナログまたはデジタル)に変換するように構成され得る。図21の実施形態において、音響トランスデューサ2120(I)および2120(J)はネックバンド2105上に配置され得、それによって、ネックバンドの音響トランスデューサ2120(I)および2120(J)と眼鏡デバイス2102上に配置された他の音響トランスデューサ2120との間の距離を増加させる。いくつかの場合において、マイクロホンアレイの音響トランスデューサ2120の間の距離を増加させることは、マイクロホンアレイを介して実施されるビーム形成の正確性を向上させ得る。例えば、もしも音響トランスデューサ2120(C)および2120(D)によって音が検知され、音響トランスデューサ2120(C)と2120(D)との間の距離が、例えば、音響トランスデューサ2120(D)と2120(E)との間の距離も大きかったならば、検知された音の判定された音源の場所は、音が音響トランスデューサ2120(D)および2120(E)によって検知された場合よりも正確であり得る。
【0091】
ネックバンド2105のコントローラ2125は、ネックバンド2105および/または拡張現実システム2100上のセンサによって生成された情報を処理し得る。例えば、コントローラ2125は、マイクロホンアレイによって検知された音を表現する、マイクロホンアレイからの情報を処理し得る。検知された各音について、コントローラ2125は、検知された音がマイクロホンアレイに到来した方向を推定する到来方向(DOA)推定を実施し得る。マイクロホンアレイが音を検知すると、コントローラ2125は、情報を音声データセットに格納し得る。拡張現実システム2100が慣性測定ユニットを含む実施形態において、コントローラ2125は、眼鏡デバイス2102上に位置付けられたIMUからの全ての慣性および空間算定を計算し得る。コネクタは、拡張現実システム2100とネックバンド2105との間で、および拡張現実システム2100とコントローラ2125との間で情報を搬送し得る。情報は、光学的データ、電気的データ、無線データの形態、または任意の他の送信可能なデータ形態であり得る。拡張現実システム2100によって生成された情報の処理をネックバンド2105に移動させることは、眼鏡デバイス2102における重量および熱を低減させ得、眼鏡デバイス2102をユーザにとってより快適なものとする。
【0092】
ネックバンド2105における電源2135は、眼鏡デバイス2102および/またはネックバンド2105に電力を提供し得る。電源2135は、非限定的に、リチウムイオンバッテリ、リチウムポリマーバッテリ、一次リチウムバッテリ、アルカリバッテリ、または任意の他の形態の電力貯蔵器などを含み得る。いくつかの場合において、電源2135は有線電源であり得る。電源2135を眼鏡デバイス2102ではなくネックバンド2105に含むことは、電源2135によって生成される重量および熱のより良好な分配を助け得る。
【0093】
述べられたように、いくつかの人工現実システムは、人工現実を実際の現実と混合させる代わりに、ユーザの現実世界の知覚的感覚のうちの1つまたは複数を仮想体験に実質的に置き換え得る。このタイプのシステムの一例は、図22における仮想現実システム2200などの頭部着用ディスプレイシステムであり、これは、ユーザの視野の大部分をまたは完全に覆っている。仮想現実システム2200は、前部剛性本体部2202と、ユーザの頭部の周りにフィットするような形状に形成されたバンド2204と含み得る。仮想現実システム2200は、出力音声トランスデューサ2206(A)および2206(B)も含み得る。更に、図22においては図示されていないが、前部剛性本体部2202は、1つまたは複数の電子ディスプレイ、1つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)、1つまたは複数の追跡射出器もしくは検知器、および/または人工現実体験を作成するための任意の他の適切なデバイスもしくはシステムなどを含む1つまたは複数の電子コンポーネントを含み得る。
【0094】
人工現実システムは、多様なタイプの視覚的フィードバック機構を含み得る。例えば、拡張現実システム2100および/または仮想現実システム2200におけるディスプレイデバイスは、1つまたは複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイデジタル光投影(DLP)マイクロディスプレイ、液晶オンシリコン(LCoS)マイクロディスプレイ、および/または任意の他の適切なタイプのディスプレイスクリーンを含み得る。人工現実システムは、両眼のために単一のディスプレイスクリーンを含み得、または、各眼のために1つのディスプレイスクリーンを提供し得、可変焦点調節のためのまたはユーザの屈折異常の補正のための追加的な柔軟性を可能とし得る。いくつかの人工現実システムは、1つまたは複数のレンズ(例えば、従来の凹レンズまたは凸レンズ、フレネルレンズ、調節可能液晶レンズなど)を有する光学的サブシステムも含み得、これを通してユーザはディスプレイスクリーンを見ることができる。これらの光学的サブシステムは、視準すること(例えば、物体がその物理的距離よりも遠い距離に見えるようにする)、拡大すること(例えば、物体がその実際のサイズよりも大きく見えるようにする)、および/または光を(例えば、見る者の眼に対して)中継することなどを含む多様な目的を果たす。これらの光学的サブシステムは、非瞳孔形成アーキテクチャ(光を直接的に視準するがいわゆる糸巻き形歪みをもたらす単一レンズ構成など)、および/または瞳孔形成アーキテクチャ(糸巻き形歪みをなくすいわゆる樽形歪みを生む複数レンズ構成など)において使用され得る。
【0095】
ディスプレイスクリーンの使用に加えて、またはこれに代わって、いくつかの人工現実システムは、1つまたは複数の投影システムを含み得る。例えば、拡張現実システム2100および/または仮想現実システム2200におけるディスプレイデバイスは、環境光の通過を可能とする透明結合レンズなどのディスプレイデバイス内に(例えば、導波路を使用して)光を投影するマイクロLEDプロジェクタを含み得る。ディスプレイデバイスは、投影された光をユーザの瞳孔に向かって屈折させ得、ユーザが人工現実コンテンツおよび現実世界の両方を同時に見ることを可能とし得る。このことを、ディスプレイデバイスは、導波路コンポーネント(例えば、ホログラフィック、平面的、回折、偏光、および/または反射導波路要素など)、光操作面および要素(回折、反射、および屈折要素または格子など)、結合要素などを含む多様な異なる光学的コンポーネントのうちの任意のものを使用して成し遂げ得る。人工現実システムは、仮想網膜ディスプレイにおいて使用される網膜プロジェクタなど、任意の他の適切なタイプまたは形態の画像投影システムを有するようにも構成され得る。
【0096】
人工現実システムは、様々なタイプのコンピュータビジョンコンポーネントおよびサブシステムも含み得る。例えば、拡張現実システム2000、拡張現実システム2100、および/または仮想現実システム2200は、2次元的(2D)もしくは3Dカメラ、飛行時間深度センサ、単一ビームまたは掃引レーザー距離計、3D LiDARセンサ、および/または任意の他の適切なタイプもしくは形態の光学的センサなどの、1つまたは複数の光学的センサを含み得る。人工現実システムは、ユーザの場所を特定するため、現実世界をマッピングするため、現実世界の周囲に関するコンテクストをユーザに提供するため、および/または、多様な他の機能を実施するためにこれらのセンサのうちの1つまたは複数からのデータを処理し得る。
【0097】
人工現実システムは、1つまたは複数の入力および/または出力音声トランスデューサも含み得る。図20および図22において図示される実施例において、出力音声トランスデューサ2008(A)、2008(B)、2206(A)、および2206(B)は、ボイスコイルスピーカ、リボンスピーカ、静電スピーカ、圧電スピーカ、骨伝導トランスデューサ、軟骨伝導トランスデューサ、および/または任意の他の適切なタイプもしくは形態の音声トランスデューサを含み得る。同様に、入力音声トランスデューサ2010は、コンデンサマイクロホン、ダイナミックマイクロホン、リボンマイクロホン、および/または任意の他のタイプもしくは形態の入力トランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態において、音声入力および音声出力の両方のために単一のトランスデューサが使用され得る。
【0098】
図20図22においては図示されていないが、人工現実システムは、触知可能な(すなわち、触覚的)フィードバックシステムを含み得、これは、帽子、手袋、ボディスーツ、ハンドヘルドコントローラ、環境デバイス(例えば、椅子、フロアマットなど)、および/または任意の他のタイプのデバイスもしくはシステムに組み込まれ得る。触覚的フィードバックシステムは、振動、力、引っ張り、質感、および/または温度などを含む様々なタイプの皮膚的フィードバックを提供し得る。触覚的フィードバックシステムは、運動およびコンプライアンスなどの、様々なタイプの運動感覚フィードバックも提供し得る。触覚的フィードバックは、モータ、圧電アクチュエータ、流体システム、および/または多様な他のタイプのフィードバック機構を使用して実現され得る。触覚的フィードバックシステムは、他の人工現実デバイスとは別個に、他の人工現実デバイス内に、および/または他の人工現実デバイスと連動して実現され得る。
【0099】
触覚的知覚、可聴コンテンツ、および/または視覚的コンテンツを提供することによって、人工現実システムは、全体的仮想体験を作成し得、または、多様なコンテクストおよび環境においてユーザの現実世界の体験を増強させ得る。例えば、人工現実システムは、特定の環境内でのユーザの感覚、記憶、または認知を支援または拡張し得る。いくつかのシステムは、現実世界における他の人々とのユーザの対話を増強し得、または、仮想世界における他の人々とのより没入感のある対話を可能とし得る。人工現実システムは、教育目的のため(例えば、学校、病院、政府組織、軍隊組織、企業などにおける教示または訓練のため)、娯楽目的のため(例えば、ビデオゲームをプレイするため、音楽を聴くため、ビデオコンテンツを観るためなど)、および/または、アクセシビリティ目的のため(例えば、聴覚支援、視覚支援など)にも使用され得る。本明細書において開示される実施形態は、これらのコンテクストおよび環境のうちの1つまたは複数において、および/または他のコンテクストおよび環境において、ユーザの人工現実体験を可能とし得、または増強し得る。
【0100】
述べられたように、人工現実システム2000、2100、および2200は、より説得力のある人工現実体験を提供するために多様な他のタイプのデバイスとともに使用され得る。これらのデバイスは、触覚的フィードバックを提供する、および/または環境とのユーザの相互作用についての触覚的情報を収集するトランスデューサを有する触覚的インタフェースであり得る。本明細書において開示される人工現実システムは、触知可能なフィードバック(例えば、ユーザが皮膚の神経を介して検知するフィードバックであり、皮膚的フィードバックとも称され得る)、および/または運動感覚フィードバック(例えば、筋肉、関節、および/または腱に位置付けられる受容体を介してユーザが検知するフィードバック)を含む様々なタイプの触覚的情報を検知または搬送する様々なタイプの触覚的インタフェースを含み得る。
【0101】
触覚的フィードバックは、ユーザの環境(例えば、椅子、テーブル、床など)内に配置されたインタフェース、および/またはユーザによって着用され得、または携えられ得る物品(例えば、手袋、リストバンドなど)上のインタフェースによって提供され得る。例として、図23は、ウェアラブル手袋(触覚デバイス2310)およびリストバンド(触覚デバイス2320)の形態の振動触覚システム2300を示す。触覚デバイス2310および触覚デバイス2320は、柔軟性で、ウェアラブルなテキスタイル材料2330を含むウェアラブルデバイスの例として図示されており、それぞれユーザの手および手首に対する配置のための形状に形成され、構成されている。本開示は、指、腕、頭部、胴、足、または脚などの、人間の他の身体部位に対する配置のための形状に形成され得、構成され得る振動触覚システムも含む。限定するものではないが例として、本開示の様々な実施形態による振動触覚システムは、他の可能な形態の中でもとりわけ、手袋、ヘッドバンド、アームバンド、スリーブ、頭部カバー、ソックス、シャツ、またはパンツの形態でもあり得る。いくつかの実施例において、「テキスタイル」という用語は、織布、不織布、革、布、柔軟性ポリマー材料、複合材料などを含む、任意の柔軟性でウェアラブルな材料を含み得る。
【0102】
1つまたは複数の振動触覚デバイス2340は、振動触覚システム2300のテキスタイル材料2330に形成された1つまたは複数の対応するポケット内に少なくとも部分的に配置され得る。振動触覚デバイス2340は、振動触覚システム2300のユーザに振動知覚(例えば、触覚的フィードバック)を提供するような場所に配置され得る。例えば、図23において図示されるように、振動触覚デバイス2340は、ユーザの手指、親指、または手首に対して配置され得る。いくつかの実施例において、振動触覚デバイス2340は、ユーザの対応する身体部位に一致するような、またはこれとともに屈曲するような、十分な柔軟性を有し得る。
【0103】
振動触覚デバイス2340の稼働のために振動触覚デバイス2340に電圧を印加するための電源2350(例えば、バッテリ)は、導電ワイヤリング2352を介してなど、振動触覚デバイス2340に電気的に接続され得る。いくつかの実施例において、振動触覚デバイス2340の各々は、別個の稼働のために電源2350に別個に電気的に結合され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ2360は、電源2350に動作可能に結合され得、振動触覚デバイス2340の稼働を制御するように構成され得る(例えば、プログラムされる)。
【0104】
振動触覚システム2300は、多様な手法において実現され得る。いくつかの実施例において、振動触覚システム2300は、他のデバイスおよびシステムとは別個の動作のために一体化されたサブシステムおよびコンポーネントを有するスタンドアロンのシステムであり得る。別の実施例として、振動触覚システム2300は、別のデバイスまたはシステム2370との相互作用のために構成され得る。例えば、いくつかの実施例において、振動触覚システム2300は、他のデバイスまたはシステム2370から信号を受信するためおよび/またはこれに信号を送るための通信インタフェース2380を含み得る。他のデバイスまたはシステム2370は、モバイルデバイス、ゲーミングコンソール、人工現実(例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実)デバイス、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットワークデバイス(例えば、モデム、ルータなど)、ハンドヘルドコントローラなどであり得る。通信インタフェース2380は、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、セルラー式、電波など)リンクまたは有線リンクを介して、振動触覚システム2300と他のデバイスまたはシステム2370との間の通信を可能とし得る。もしも存在するならば、通信インタフェース2380は、振動触覚デバイス2340のうちの1つまたは複数を稼働または稼働停止させるためにプロセッサ2360に信号を提供するなどのためにプロセッサ2360と通信し得る。
【0105】
振動触覚システム2300は、任意選択的に、タッチセンシティブパッド2390、圧力センサ、運動センサ、位置センサ、照明要素、および/またはユーザインタフェース要素(例えば、オン/オフボタン、振動制御要素など)などの、他のサブシステムおよびコンポーネントを含み得る。振動触覚デバイス2340は、使用中に、ユーザインタフェース要素とのユーザの相互作用、運動または位置センサからの信号、タッチセンシティブパッド2390からの信号、圧力センサからの信号、他のデバイスまたはシステム2370からの信号などに応答してなど、多様な異なる理由のために稼働されるように構成され得る。
【0106】
図23において、電源2350、プロセッサ2360、および通信インタフェース2380は、触覚デバイス2320に配置されるものとして示されているが、本開示はそのように限定されるものではない。例えば、電源2350、プロセッサ2360、または通信インタフェース2380のうちの1つまたは複数が、触覚デバイス2310内に、または別のウェアラブルなテキスタイル内に配置され得る。
【0107】
図23において図示され、これに関連して説明されたものなどの触覚ウェアラブル機器は、多様なタイプの人工現実システムおよび環境において実現され得る。図24は、1つの頭部装着仮想現実ディスプレイと2つの触覚デバイス(すなわち、手袋)とを含む例示的な人工現実環境2400を図示しており、他の実施形態においては、任意の数および/または組合せのこれらのコンポーネントおよび他のコンポーネントが人工現実システムに含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態において、関連付けられた触覚デバイスを各々が有する複数の頭部装着ディスプレイが存在してよく、各頭部装着ディスプレイおよび各触覚デバイスが同一のコンソール、ポータブルコンピューティングデバイス、または他のコンピューティングシステムと通信する。
【0108】
頭部装着ディスプレイ2402は、概して、図22における仮想現実システム2200などの、任意のタイプまたは形態の仮想現実システムを表す。触覚デバイス2404は、概して、人工現実システムのユーザによって着用される、ユーザが物理的に仮想オブジェクトとかかわり合っているという感覚をユーザに与えるためにユーザに触覚的フィードバックを提供する任意のタイプまたは形態のウェアラブルデバイスを表す。いくつかの実施形態において、触覚デバイス2404は、振動、運動、および/または力をユーザに適用することによって触覚的フィードバックを提供し得る。例えば、触覚デバイス2404は、ユーザの移動を限定し得、または拡張させ得る。具体的な例をあげると、触覚デバイス2404は、ユーザが自身の手が仮想的な壁と物理的に接触したという感覚を有するようにユーザの手が前方に動くことを限定し得る。この具体的な例において、触覚アドバイス内の1つまたは複数のアクチュエータが、触覚デバイスの膨張可能な袋内に流体を圧送することによって物理的移動制限を達成し得る。いくつかの実施例において、ユーザは、アクションリクエストをコンソールに送るためにも触覚デバイス2404を使用し得る。アクションリクエストの例としては、非限定的に、アプリケーションを開始するためのおよび/またはアプリケーションを終了するためのリクエスト、および/またはアプリケーション内で特定のアクションを実施するためのリクエストなどがある。
【0109】
図24において図示されるように、触覚インタフェースは仮想現実システムとともに使用され得る一方、図25において図示されるように、触覚インタフェースは拡張現実システムとともにも使用され得る。図25は、拡張現実システム2500と相互作用するユーザ2510の透視図である。この実施例において、ユーザ2510は、1つまたは複数のディスプレイ2522を有し得る、触覚デバイス2530とペアリングされた一対の拡張現実グラス2520を着用し得る。この実施例において、触覚デバイス2530は、複数のバンド要素2532と、バンド要素2532を互いに接続する張力付与機構2534とを含むリストバンドであり得る。
【0110】
バンド要素2532のうちの1つまたは複数は、触覚的フィードバックを提供するために適切な任意のタイプまたは形態のアクチュエータを含み得る。例えば、バンド要素2532のうちの1つまたは複数は、振動、力、引っ張り、質感、および/または温度などを含む様々なタイプの皮膚的フィードバックのうちの1つまたは複数を提供するように構成され得る。このようなフィードバックを提供するために、バンド要素2532は、様々なタイプのアクチュエータのうちの1つまたは複数を含み得る。1つの実施例において、バンド要素2532の各々は、様々なタイプの触覚知覚のうちの1つまたは複数をユーザに提供するために調和してまたは別個に振動するように構成された振動触覚器(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含み得る。代替的に、単一のバンド要素またはバンド要素のサブセットだけが振動触覚器を含んでもよい。
【0111】
触覚デバイス2310、2320、2404、および2530は、任意の適切な数および/またはタイプの触覚トランスデューサ、センサ、および/またはフィードバック機構を含み得る。例えば、触覚デバイス2310、2320、2404、および2530は、1つまたは複数の機械的トランスデューサ、圧電トランスデューサ、および/または流体トランスデューサを含み得る。触覚デバイス2310、2320、2404、および2530は、ユーザの人工現実体験を増強するために一緒にまたは別個に働く異なるタイプおよび形態のトランスデューサの様々な組合せも含み得る。1つの実施例において、触覚デバイス2530のバンド要素2532の各々は、様々なタイプの触覚知覚のうちの1つまたは複数をユーザに提供するために調和してまたは別個に振動するように構成された振動触覚器(例えば、振動触覚アクチュエータ)を含み得る。
【0112】
本明細書において説明されおよび/または示されたステップのプロセスパラメータおよびシーケンスは、単なる例示として与えられたものであり、所望に応じて変更され得る。例えば、本明細書において示されおよび/または説明されたステップは、特定の順序で図示されまたは論じられ得るが、これらのステップは、必ずしも、示されまたは論じられた順序で実施される必要はない。また、本明細書において説明されおよび/または示された様々な例示的な方法は、本明細書において説明されまたは示されたステップのうちの1つまたは複数を省略し得、または、開示されたものに加えて追加的なステップを含み得る。
【0113】
前述の説明は、他の当業者が、本明細書において開示された例示的な実施形態の様々な態様を最も良好に利用することを可能とするために提供された。この例示的な説明は、網羅的であるものと、または開示された任意の正確な形態に限定されるものと意図されるものではない。多くの修正および変形が、特許請求の範囲から逸脱することなく可能である。本明細書において開示された実施形態は、全ての観点において、例示的なものであり、制限的なものではないと見なされるべきである。本開示の範囲を決定する際に、本明細書に添付の任意の請求項およびこれらの均等物への参照が行われるべきである。
【0114】
別に述べられていない限り、本明細書および/または特許請求の範囲において使用されるとき、「に接続される」および「に結合される」という用語(およびこれらの派生語)は、直接的な接続および間接的な(すなわち、他の要素またはコンポーネントを介した)接続の両方を許容するものとして解釈されるべきである。加えて、本明細書および/または特許請求の範囲において使用されるとき、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、「少なくとも1つの」を意味するものとして解釈されるべきである。最後に、使用を容易にするために、本明細書および/または特許請求の範囲において使用されるとき、「含む(including)」および「有する(having)」という用語(およびこれらの派生語)は、「備える(comprising)」という単語と交換可能であり、これと同じ意味を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】