(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(54)【発明の名称】輸液ポンプ流量制御
(51)【国際特許分類】
A61M 5/152 20060101AFI20230703BHJP
A61M 5/38 20060101ALI20230703BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A61M5/152
A61M5/38
A61M5/142 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572540
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021033483
(87)【国際公開番号】W WO2021242615
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランクス、ブレット
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD09
(57)【要約】
ユーザに点滴するための方法及びシステム。輸液ポンプが、膨張し且つ位置エネルギーを蓄えるように構成された弾性構成要素を有するハウジングを含む。輸液ポンプは、ハウジングの出口に流体的に結合された第1のチューブを含む。第1のチューブは、第1の流量においてハウジングから流体を導くように構成される。輸液ポンプは、空気フィルタ入口を介して第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタを含む。輸液ポンプは、空気フィルタ出口を介して空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブを含む。第2のチューブは、ハウジングから導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するように構成される。輸液ポンプは、ユーザに流体を分配するための1つ又は複数の構成要素をさらに含み、1つ又は複数の構成要素は、第2のチューブの出口に流体的に結合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ポンプであって、
膨張して、前記輸液ポンプ内の流体によって生成された位置エネルギーを蓄えるように構成された弾性構成要素を含むハウジングと、
前記ハウジングの出口に流体的に結合された第1のチューブであって、前記弾性構成要素によって蓄えられた前記位置エネルギーに部分的に基づく第1の流量で前記ハウジングから前記流体を導くように構成された第1のチューブと、
空気フィルタ入口を介して前記第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタであって、前記空気フィルタは、1つ又は複数の空気孔を介して前記流体から空気を排出するように構成され、前記空気は実質的に上流で排出され、それにより前記空気フィルタを出る前記流体が空気を含まないようにプライミングされる、空気フィルタと、
空気フィルタ出口を介して前記空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブであって、
前記第2のチューブは、前記第1のチューブを介して前記ハウジングから導かれた前記流体の前記第1の流量を第2の流量に調整するように構成され、前記第2の流量は、前記第2のチューブの内径に少なくとも部分的に基づき、また、
前記第2のチューブの出口が、ユーザに前記流体を分配するための1つ又は複数の構成要素に流体的に結合されるように構成される
第2のチューブと
を有する、輸液ポンプ。
【請求項2】
前記第2のチューブの前記内径が、0.1905mm(0.0075インチ)以下である、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項3】
前記第2のチューブが所定の長さであり、前記第2の流量が、前記所定の長さにさらに基づく、請求項1又は2に記載の輸液ポンプ。
【請求項4】
前記第1のチューブの内径及び前記第2の前記内径が同じである、請求項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項5】
前記第1のチューブの内径及び前記第2のチューブの前記内径が異なる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項6】
前記第1のチューブ内に流量制限器構成要素をさらに有し、前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブの内径未満の直径を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項7】
前記流量制限器構成要素は、前記流体の形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、前記ピンは所定の半径を有し、前記第1の流量は、前記ピンの前記所定の半径に部分的にさらに基づく、請求項6に記載の輸液ポンプ。
【請求項8】
前記流量制限器構成要素は、前記流体の前記形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、
前記ピンが所定の長さを有し、
前記第1の流量は、前記ピンの前記所定の長さに部分的にさらに基づく、
請求項6又は7に記載の輸液ポンプ。
【請求項9】
前記流量制限器構成要素が1つ又は複数の剛体ビーズであり、前記1つ又は複数の剛体ビーズは、前記1つ又は複数の剛体ビーズの直径の周りを流体が移動するように構成され、
前記第1の流量は、前記1つ又は複数の剛体ビーズの前記直径に部分的にさらに基づき、
前記1つ又は複数の剛体ビーズは、前記流体が前記1つ又は複数の剛体ビーズの前記直径の周りを移動しているときに前記第1のチューブを膨張させない、
請求項6から8までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項10】
少なくとも2つの剛体ビーズが前記第1のチューブ内に含まれる、請求項9に記載の輸液ポンプ。
【請求項11】
前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブ内で固定されておらず、また前記第1のチューブの長さに沿って移動するように構成されている、請求項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項12】
前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブ内で固定されており、また前記第1のチューブの所定の位置に留まるように構成されている、請求項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項13】
前記第2のチューブの前記出口は、固定雄ルアーである、請求項1から12までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項14】
前記空気フィルタは、1種類又は複数の種類の汚染物質及び粒子を前記流体から除去するように構成された膜フィルタを含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項15】
前記第1のチューブの外面部分に結合された外部流量制限器をさらに有し、前記外部流量制限器は、前記第1のチューブに外圧を与えるように又は前記外圧を除去するように構成され、それにより前記第1のチューブの流体通路をそれぞれ閉じる又は開く、請求項1から14までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項16】
前記流体の前記第1の流量を制御するために弁を操作するように構成された制御装置チップをさらに有する、請求項1から15までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項17】
前記第2の流量は5mL/hr以下である、請求項1から16までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項18】
前記第2のチューブの前記出口と接続するように構成された前記1つ又は複数の構成要素が、皮膚パッチ、針、及びカテーテルを含む、請求項1から17までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項19】
前記弾性構成要素は、単層膜で形成され、
前記ハウジングは、前記流体を受け入れるための入口を含み、前記入口を介して受け入れられた前記流体は前記弾性構成要素を膨張させて、前記弾性構成要素によって蓄えられる前記位置エネルギーを生成する、
請求項1から18までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項20】
前記単層膜はエラストマ膜である、請求項19に記載の輸液ポンプ。
【請求項21】
前記弾性構成要素は、少なくとも50mLの体積の前記流体を保持するために膨張するように構成される、請求項1から20までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項22】
前記ハウジングは、
第1の及び第2の表面を含む第1の部分であって、
前記第1の表面が、前記流体を分配するための前記ハウジングの前記出口を含み、
前記第1の表面の反対側の前記第2の表面が、第1のリングと、前記第2の表面に固着された第2のリングとの間に結合された前記弾性構成要素を含む、
第1の部分と、
前記第1の部分の前記第2の表面を収容するように構成された第2の部分であって、前記第1の部分及び前記第2の部分は結合されている、第2の部分と
を含む、請求項1から21までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項23】
患者に流体を注入する方法であって、
弾性構成要素を含むハウジングと、
前記ハウジングの出口を介して前記ハウジングに流体的に結合された第1のチューブと、
空気フィルタ入口を介して前記第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタと、
空気フィルタ出口を介して前記空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブと、
1つ又は複数の構成要素に流体的に結合された前記第2のチューブの出口と
を有する輸液ポンプにおいて、
前記輸液ポンプ内の前記流体によって生成される位置エネルギーを蓄えるために前記流体で前記弾性構成要素を膨張させるステップと、
前記ハウジングからの流体を、前記弾性構成要素によって蓄えられた前記位置エネルギーに部分的に基づく第1の流量で、前記第1のチューブから導くステップと、
前記空気フィルタの1つ又は複数の空気孔を介して前記流体から空気を排出するステップであって、前記空気は実質的に上流で排出され、それにより前記空気フィルタから出る前記流体が空気を含まないようにプライミングされる、ステップと、
前記第1のチューブを介して前記ハウジングから導かれる前記流体の前記第1の流量を第2の流量に調整するステップであって、前記第2の流量は、前記第2のチューブの内径に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記1つ又は複数の構成要素を介してユーザに前記流体を分配するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月26日に出願され「INFUSION PUMP FLOW RATE CONTROL」と題された米国仮出願第63/030,232号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、流体ポンプに関する。より詳細には、比較的少量の流体を持続した期間にわたって正確且つ一定の流量で実質的に一定の圧力下で圧送するのに有用なポータブル輸液ポンプ。本発明は、歩行可能な患者に流体薬剤を点滴するための使い捨てポンプとしての1回使用に特に有用であるが、これに限られない。
【背景技術】
【0003】
使い捨てポンプ(エラストマ・ポンプ、携帯型ポンプ、又はCADDポンプとも呼ばれる)は、以前から存在している。これらの使い捨てポンプは、明確な低費用ケアの利点を提供し、且つ、抗生物質投与から疼痛管理、化学療法剤投与まで、様々な用途において使用される。オルタネート・サイト・ケア(例えば、自宅での、又は大規模癌病院での)もまた、ますます一般的になってきている。健康管理費の値上がりを考慮すると、より穏やかな選択肢が必要とされている。使い捨てポンプは、ユーザの健康管理ニーズにかなう費用効率の高い方法をユーザに提供することができる。しかし、現在の使い捨てポンプは、必ずしもユーザに流体薬剤を点滴するための正確且つ一貫した流量を提供することができるとは限らない。
【発明の概要】
【0004】
したがって、当業者は、正確且つ一定の流量で流体薬剤をユーザに提供することができる使い捨てポンプの必要性を認識した。さらに、より費用効率良く製造することができ且つ様々なサイズの制限器と交換性のある部品を使用することができる流量制限器の必要性も確認された。本発明は、上記その他の要求を満たすものである。
【0005】
いくつかの実施態様では、輸液ポンプが、ハウジングを含む。ハウジングは、膨張し且つ輸液ポンプ内の流体によって生成される位置エネルギーを蓄えるように構成された弾性構成要素を含む。輸液ポンプは、ハウジングの出口に流体的に結合された第1のチューブを含む。第1のチューブは、部分的には弾性構成要素によって蓄えられた位置エネルギーに基づく第1の流量においてハウジングから流体を導くように構成される。輸液ポンプは、空気フィルタ入口を介して第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタを含む。空気フィルタは、空気フィルタから出る流体が空気を含まずにプライミングされるように、実質的に上流で1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するように構成される。輸液ポンプは、空気フィルタ出口を介して空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブを含み、この第2のチューブは、第1のチューブを介してハウジングから導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するように構成される。第2の流量は、少なくとも部分的には第2のタブの内径に基づく。輸液ポンプは、ユーザに流体を分配するための1つ又は複数の構成要素に流体的に結合された第2のチューブの出口をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施態様では、患者に流体を点滴する方法が、輸液ポンプにおいて行われる。輸液ポンプは、弾性構成要素を含むハウジングと、ハウジングの出口を介してハウジングに流体的に結合された第1のチューブと、空気フィルタ入口を介して第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタと、空気フィルタ出口を介して空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブと、1つ又は複数の構成要素に流体的に結合された第2のチューブの出口と、を含む。いくつかの実施態様では、輸液ポンプにおいて行われる方法は、輸液ポンプ内の流体によって生成される位置エネルギーを蓄えるために弾性構成要素を流体で膨張させるステップと、部分的には弾性構成要素によって蓄えられた位置エネルギーに基づく第1の流量においてハウジングからの流体を第1のチューブから導くステップと、空気フィルタの1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するステップであって、空気フィルタから出る流体が空気を含まずにプライミングされるように実質的に上流で空気が排出される、ステップと、第1のチューブを介してハウジングから導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するステップであって、第2の流量が、少なくとも部分的には第2のチューブの内径に基づく、ステップと、第2のチューブの出口に結合された1つ又は複数の構成要素を介してユーザに流体を分配するステップと、を含む。
【0007】
説明される様々な実施態様のより良い理解のために、以下の図面と併せて以下の実施態様の説明が参照されるべきである。図及び説明にわたって、同様の参照番号は、対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】いくつかの実施態様による使い捨て輸液ポンプの図である。
【
図2】いくつかの実施態様による使い捨て輸液ポンプの図である。
【
図3】いくつかの実施態様による使い捨てポンプ・システムの概観図である。
【
図4A】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの横断面図である。
【
図4B】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの横断面図である。
【
図5A】いくつかの実施態様による流量制限器構成要素の図である。
【
図5B】いくつかの実施態様による流量制限器構成要素の図である。
【
図6A】いくつかの実施態様による別の流量制限器構成要素の図である。
【
図6B】いくつかの実施態様による別の流量制限器構成要素の図である。
【
図7】いくつかの実施態様による流れ制御装置を示すブロック図である。
【
図8A】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの流量を制御するための方法を示す流れ図である。
【
図8B】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの流量を制御するための方法を示す流れ図である。
【
図8C】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの流量を制御するための方法を示す流れ図である。
【
図8D】いくつかの実施態様による使い捨てポンプの流量を制御するための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において開示される実施態様は、輸液ポンプ、及び、ユーザに流体薬剤を点滴するための点滴方法を含む。輸液ポンプは、ユーザに結合され、且つ、正確且つ一定の流量でユーザに流体薬剤を提供するように構成される。したがって、本明細書において開示される実施態様は、流体薬剤の流量を制御し且つ/又は調整するための様々なデバイス及び/又は技法を提供する。さらに、制御され得る正確且つ一定の流量でユーザに流体薬剤を提供することにより、本明細書において開示される輸液ポンプ及び点滴方法は、流体薬剤の安全な点滴を促進する。
【0010】
本開示と一致する実施態様のいくつかのさらなる利点は、ユーザに分配される流体薬剤に対する流量の精密制御及びより少ない達成可能流量を含む。具体的には、輸液ポンプは、所望の流量をもたらすように設計されることが可能であり、また、必要であれば、要求に応じて流量を細かく調整することができる。さらに、輸液ポンプ及び点滴方法は、本明細書において開示される技法及び/若しくはデバイスのうちの1つ又は複数を使用することにより様々な流量を達成することにおける優れた柔軟性を可能にする。本明細書において開示される実施態様は、様々な流体薬剤及び/又は用途(例えば、化学療法剤投与、抗生物質投与、疼痛管理、など)に適する。したがって、流量を調整することの柔軟性を高めること、及び/又は、点滴可能ポンプの用途の数を増やすことは、様々な用途にわたって機能的である流体薬剤点滴のための手頃な代替手段を提供することにより、総費用を削減する。
【0011】
図1は、いくつかの実施態様による使い捨て輸液ポンプを示す。
図1に示されるように、使い捨てポンプ100(本明細書では輸液ポンプとも呼ばれる)は、歩行中のユーザ102によって装着されることが可能であり、且つ、ホルダ104によりユーザ102に付着されることが可能である。ホルダ104は、ベルト、ファニー・パック、ランヤード、バックパック、ポーチ、及び/又は使い捨てポンプ100を持ち運ぶための他のデバイスであってよい。さらに、
図1は、使い捨て輸液ポンプ100が第1の医療用チュービング106を通じたユーザ102への流体の点滴のためにユーザ102に流体的に結合され得ることを示す。いくつかの実施態様では、流体は、水、又は化学療法薬、鎮痛薬、処方薬、生理食塩水、などのような任意の流体薬剤であってよい。第1の医療用チュービング106は、空気フィルタ付きマイクロ・ボアIVチュービング、スモール・ボアIVチュービング、ラージ・ボアIVチュービング、及び/又は任意の他のタイプの点滴のためのチュービングなどの、点滴チュービングのための任意のタイプのIVチュービングであってよい。
【0012】
いくつかの実施態様では、第1の医療用チュービング106のための材料は、Tygon(登録商標)、熱可塑性エラストマ(TPE:thermoplastic elastomer)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ナイロン、シリコーン、及び/又は他の類似の材料である。Tygon材料は、単一溶媒適用を使用して輸液ポンプの様々な構成要素に接着する。Tygon材料は、ポンプ上の他のタイプのチュービング(例えば、PVC)よりも遙かに小さな内径で押し出され得るという点、流量精度を高めるという点、及び、チュービングを長さ調節にほとんど影響されなくするという点において、利点を提供し得る。さらに、直径精度のわずかな変化が、流量精度への指数関数的な影響を有し得る。
【0013】
いくつかの実施態様では、直列空気フィルタ108が、第1の医療用チュービング106に(直列空気フィルタ108の入口を介して)流体的に結合される。直列空気フィルタ108は、小児科フィルタIVフィルタ、マイクロIVフィルタ、及び/又は薬物送達、化学療法、インスリン注入、抗生物質療法Lipid/TPN注入、新生児注入療法、などのための他の適切なフィルタであり得る。直列空気フィルタ108は、ユーザ102への空気の注入を防止するために、導かれる流体(例えば、使い捨てポンプ100から離れる)から空気を除去するように構成される。いくつかの実施態様では、直列空気フィルタ108は、ユーザ102への有害物質の注入を防止するために、流体から汚染物質及び/又は粒子を除去するように構成される。いくつかの実施態様では、空気フィルタは、空気が実質的に上流で流体から排出され、且つ、空気フィルタから出る流体がユーザ102の点滴のために(空気を含まずに)プライミングされるように、(以下で説明されるように)使い捨てポンプ100の近くに配置される。プライミングされるとは、いくつかの実施態様では、流体がいつでもユーザ102に注入される状態にあるように医療用チュービング106を流体で満たすことを意味する。
【0014】
いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112が、直列空気フィルタ108に(直列空気フィルタ108の出口を介して)流体的に結合される。いくつかの実施態様では、第1の医療用チュービング106及び第2の医療用チュービング112は、同じである(例えば、同じタイプ(例えば、材料)のチュービング、同じサイズ(例えば、内径及び外径)のチュービング、同じ長さのチュービング、など)。いくつかの他の実施態様では、第1の医療用チュービング106及び第2の医療用チュービング112は、異なる(例えば、チュービングのタイプ、チュービングのサイズ(例えば、内径及び/又は外径)、チュービングの長さ、などにおける1つ又は複数の変形を含む)。第1の医療用チュービング106及び第2の医療用チュービング112は、
図4A~4Bを参照しながら以下でさらに詳細に論じられる。
【0015】
さらに、又はその代わりに、いくつかの実施態様では、外部流量制限器110が、第1の医療用チュービング106に外圧を提供し且つ/又は外圧を除去するために、第1の医療用チュービング106に(例えば、第1の医療用チュービング106の外面部分を介して)結合される。第1の医療用チュービング106への外圧は、第1の医療用チュービング106の流体通路を開閉する(例えば、閉止弁としての役割を果たすのに十分な圧力を第1の医療用チュービング106に印加することによりポンプ100からの流体の流れを停止又は開始する)ように構成される。外部流量制限器110は、スライド・クランプ、ピンチ・クランプ、ローラ・クランプ、スクリュ・クランプ、及び/又は使い捨てポンプ100からの流体の流れを開始若しくは終了させることが可能な任意の他のタイプのデバイスであってよい。
【0016】
図2は、いくつかの実施態様による使い捨て輸液ポンプ100の概観図を示す。いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、第1の部分202と第2の部分204との組立体であるハウジング200を含む。いくつかの実施態様では、第1の部分202は、第1の表面402a(例えば、
図4に示される、外部表面又は上部表面)、及び、第1の表面の直接反対にある第2の表面402b(例えば、
図4に示される、(第1の部分202及び第2の部分204が結合されたときの)内部表面又は底部表面)を含む。いくつかの実施態様では、第1の部分202の第1の表面は、流体を受け入れるための入口208、及び、流体を分配するための出口210を含む。いくつかの実施態様では、第2の表面は、第1のリング410と第2のリング414(
図4に示される)との間に結合された弾性構成要素206を含む。第1及び第2のリングは、第2の表面に固着される。具体的には、いくつかの実施態様では、第1のリングは、第1の部分の縁部404を介して第2の表面に固着される(例えば、
図4に示される)。弾性構成要素206は、以下で論じられるように、膨張し且つ輸液ポンプ内の流体によって生成された位置エネルギーを蓄えるように構成される。
図2にさらに示されるように、いくつかの実施態様では、第1の医療用チュービング106は、流体が(
図4を参照して以下で説明されるように流体が装填されたときの)使い捨てポンプ100から分配され得るように、第1の部分202の(第1の表面上の)出口210に結合される。
【0017】
図3は、いくつかの実施態様によるポンプ・システムの概観図である。いくつかの実施態様では、ハウジング200の(
図4に示される、第1の表面402a及び第2の表面402bを含む)第1の部分202は、ポリカーボネートなどの硬質プラスチック、及び/又は、ユーザ102に注入される流体に化学的に適合する他の材料で作られる。いくつかの実施態様では、第1の部分202は、第2の表面402bが第1の表面402a(例えば、第1の表面は、わずかに入り組んでいる)とは反対方向に延在する状態で、放物線形状(又は、ドーム/隔壁形状)を有する。いくつかの実施態様では、第1の部分202は、組み立てられたときに(例えば、
図4A及び4Bに示されるように)弾性構成要素206を(第2の表面402bを介して)類似の形状に延伸させるように構成される。いくつかの実施態様では、第1の部分202の第2の表面402bは、弾性構成要素206の形状を(例えば、位置エネルギーを蓄えているとき又はそうでないときに)画定する。いくつかの実施態様では、第1の部分202の縁部404は、弾性構成要素206を第1の部分202上に(例えば、以下で説明されるように上部リング410及び下部リング414を介して)結合させるための表面を提供するために、第2の表面402bから外方に延在する。当業者には理解されるであろうように、ハウジング200の第1の部分202は、射出成形、ウレタン鋳造、3D成形、及び/又は他の製造手順を使用して製造され得る。
【0018】
いくつかの実施態様では、弁スリーブ406及び弁インサート408が、入口208に挿入される(例えば、
図4に示された弁スリーブ406及び弁インサート408)。スリーブ406及び弁インサート408は、入口208に挿入されると、一方向への流体の流れ(例えば、入口208を外部から通過する)を可能にする、ハウジング200の第1の部分202のための一方向弁を作成する。使い捨てポンプ100の1つの重要な側面は、入口208を通る流体で使い捨てポンプ100を満たすこと、及び、流体が使い捨てポンプ100を離れる(例えば、ハウジング200の入口208及び/又は他の部分から出て行く)ことができないように流体を確保することができることである。いくつかの実施態様では、注射器(図示せず)又は流体を注入するための他のデバイスを利用した圧力下で、流体が入口208に装填される。
【0019】
いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、少なくとも2つの保持リング(例えば、上部リング410及び下部リング414)を含む。いくつかの実施態様では、上部リング410は、弾性構成要素206を画定するリブ412(例えば、
図4に示されたリブ412)と係合される。いくつかの実施態様では、上部リング410はまた、下部リング414と係合されて弾性部材206のリブ412を上部リング410と下部リング414との間に効果的に結合させるように構成される。上部リング410及び下部リング414は、ポリカーボネートなどの任意の適切な剛体材料のものであってよい。上部リング410及び下部リング414は、互いに継合されると、弾性構成要素206を支持し、且つ、
図4A及び4Bに関して以下で説明されるように、弾性構成要素206が膨張し且つ位置エネルギーを蓄えるためのしっかりとした基礎を提供する。
【0020】
いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、膨張していないときには(例えば、弛緩し且つ/又は延伸されていない状態では)実質的に円形且つ平面状である。上記のように、リブ412は、弾性構成要素206の(例えば、弛緩した又は加圧された状態における)形状を画定し、且つ、上部リング410と下部リング414との間に結合されるように構成される。伝統的に、弾性構成要素206は、エラストマ材料の複数の層で構成され、複数の層のうちの少なくとも1つの層は、薬物バリアとしての役割を果たす。弾性構成要素206の複数の層は、流体薬剤を保持するために使用される。薬物バリアは、(弾性構成要素206の複数の層によって保持された)流体を複数の層のうちの他の層からの汚染から保護する層である。しかし、薬物バリアは、複数の層のうちの他の層の材料のせいで起こる化学物質の浸出を常に防ぐ訳ではない。化学物質浸出は、汚染物質及び/又は他の水溶性粒子の流体薬剤内への移動である。エラストマ材料の材料には、天然ゴム、イソプレン、シリコーン、及び/又は、高い弾性復元力を有する他の材料(例えば、膨張することができ、且つ、自然に又は自動的にその弛緩した状態に戻るように構成される材料)が含まれる。
【0021】
浸出の問題を解決するために、いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、単一の層で構成される。いくつかの実施態様では、単一の層は、液体射出成形されたシリコーンである。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206のエラストマ材料は、均一の厚さである。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206のエラストマ材料は、(弾性構成要素206が膨張し且つ位置エネルギーを蓄えることができる限りは)弾性構成要素206にわたって変化する厚さを含み得る。変化する厚さは、より大きな荷重(例えば、流体が使い捨てポンプ100に装填されたときの、リブ412に近い弾性構成要素206の縁部へのより大きな荷重)を経験する弾性構成要素206の部分を強化することができる。
【0022】
いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、ハウジング200の第2の部分204を含む。第2の部分204は、ジャー、ボトル、及び/又は弾性構成要素206を含むハウジング200の第1の部分202を受け入れるための開口部を有する形状を持つ任意の他の容器であってよい。いくつかの実施態様では、第2の部分204は、ブロー成形及び/又は類似のプロセスなどのプロセスで製造され得る、PETGなどの硬質又は半硬質のプラスチックで作られる。いくつかの他の実施態様では、第2の部分204は、ガラスで作られる。弾性構成要素206及び使い捨てポンプ100は、様々なサイズのものであってよく、また、第2の部分204は、それに応じたサイズとされてよい。例えば、第2の部分204は、弾性構成要素206及び/又は少なくとも2つの保持リングなどの本明細書において説明される他の構成要素に適合するのに十分な大きさの開口部416を有し得る。同様に、第2の部分204は、完全に膨張したときの弾性構成要素206を包含する(例えば、包囲する)ように構成される。いくつかの他の実施態様では、第2の部分204のためのサイズは、(以下で論じられる)使い捨てポンプ100に対する最大流体容量案に適合するように成され得る。
【0023】
いくつかの実施態様では、入口208を介して使い捨てポンプ100に装填される流体(例えば、流体薬剤)は、出口210から第1の医療用チュービング106を介して送達されるように構成される。第1の医療用チュービング106は、第1の流量において流体をハウジング200から導く。第1の流量は、少なくとも部分的には、入口208に(例えば、注射器又は他の類似のデバイスを介して)装填された流体によって弾性構成要素206が膨張したときに弾性構成要素206によって蓄えられた位置エネルギーに基づく。いくつかの実施態様では、第1の流量は、第1の医療用チュービング106の内径、第1の医療用チュービング106の長さ、及び/又は他の因子(例えば、流体の粘性、温度、圧力の変化、など)に基づく。いくつかの実施態様では、第1の流量は、ユーザ102への流体の送達のために点滴システムを迅速にプライミングするように設定される。いくつかの実施態様では、第1の流量は、使い捨てポンプ100をプライミングするのに要する合計時間の増大を考慮に入れるために、(以下で論じられる)第2の流量に基づいて選択される。言い換えれば、第1の流量は、使い捨てポンプ100を迅速にプライミングするために設定されてよく、一方で、第2の流量は、適切な(例えば、選択された)流量でユーザ102に流体薬剤を提供するように構成される。いくつかの実施態様では、第1の流量は、167mL/hr(+/-0.25mL/hr)以下である。いくつかの実施態様では、第1の流量は、5mL/hrから167mL/hrの間である。いくつかの他の実施態様では、5mL/hr未満の流量(例えば、約2mL/hr+/-0.25mL/hrの流量)を実現する第1の流量のより細かな制御が達成可能である。いくつかの実施態様では、第1の流量の制御は、第1の医療用チュービング106の直径及び/又は長さを調節することによって達成され得る。流量を制御する様々な方法が、以下で論じられる。
【0024】
いくつかの実施態様では、外部流量制限器110が、第1の医療用チュービング106の外面部分に結合される。外部流量制限器110は、第1の医療用チュービング106に外圧を与えるか又は外圧を除去するように構成され、これは、それぞれ、第1の医療用チュービング106の流体通路を閉じるか又は開く。言い換えれば、いくつかの実施態様では、外部流量制限器110は、ハウジング200を離れる流体薬剤(例えば、出口210を介して離れる流体)の流れを遮断する。いくつかの実施態様では、外部流量制限器110は、入口208を介して注入された流体が弾性構成要素206を膨張させるように第1の医療用チュービング106の流体通路を遮断する(例えば、使い捨てポンプ100は、十分な位置エネルギーが蓄えられる前に流体を分配することなしに装填され得る)。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、膨張すると、ユーザ102に点滴(注入)するための圧力差を作り出すために使用される位置エネルギーを蓄える。したがって、外部流量制限器110又は類似のデバイスは、弾性構成要素206が膨張した状態から弛緩した状態に収縮するときに使い捨てポンプ100が実質的に一定の流体圧送圧力を作り出すことを確実にするために、十分な位置エネルギーを作り出すことを必要とされる。入口208を介して使い捨てポンプ100に注入される流体は、弾性構成要素206の抵抗を克服するための十分なエネルギーを有して装填される必要があることが、留意されるべきである。いくつかの実施態様では、医療用注射器及び/又は流体を注入するための任意の他のツールが、弾性構成要素206の抵抗を克服するために使用され得る。弾性構成要素206に関するさらなる情報は、
図4A及び4Bにおいて以下で論じられる。
【0025】
いくつかの実施態様では、直列空気フィルタ108が、点滴システムに含まれる。いくつかの実施態様では、空気フィルタ108は、空気フィルタ入口を介して、第1の医療用チュービング106の遠位端部(例えば、出口210とは反対側の第1の医療用チュービング106の端部)に流体的に結合される。空気フィルタ108は、出口210の近くに実質的に上流に配置される。いくつかの実施態様では、空気フィルタ108は、1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するように構成される。空気は、空気フィルタ108を出る流体が空気を含まずにプライミングされるように、実質的に上流で排出される。いくつかの実施態様では、空気フィルタ108は、1種類又は複数の種類の汚染物質及び粒子を流体から除去するように構成された膜フィルタを含む。
【0026】
いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112が、空気フィルタ出口を介して空気フィルタ108に流体的に結合される。第2の医療用チュービング112は、第1の医療用チュービング106を介してハウジング200から導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するように構成される。第2の流量は、少なくとも部分的には第2の医療用チュービング112の内径に基づく。いくつかの他の実施態様では、第2の流量は、第1の医療用チュービング106の長さ、及び/又は他の因子(例えば、流体の粘性、温度、圧力の変化、など)に基づく。いくつかの実施態様では、第1の流量及び第2の流量は、使い捨てポンプ100を急速にプライミングするように選択される。例えば、第1の流量は、プライミングされるべき使い捨てポンプ100のより小さな部分のみを残して使い捨てデバイスが実質的にプライミングされるように、第2の流量よりも著しく高くなるように選択され得る(例えば、第1の流量は、(第2の医療用チュービング112の長さなどの)第2の流量でプライミングされるべき1/4のみを残して(第1の医療用チュービング106及び空気フィルタ108の長さなどの)使い捨てポンプ100の3/4をプライミングすることができる)。いくつかの実施態様では、第2の流量は、5mL/hr以下である。いくつかの実施態様では、第2の流量は、2mL/hrから5mL/hrの間である。いくつかの他の実施態様では、第2の流量は、約2mL/hrである(例えば、約とは、+/-0.25mL/hrである)。いくつかの実施態様では、(例えば、2mL/hr未満の)第2の流量のより細かな制御は、第2の医療用チュービング112の直径及び/長さを調節することによって達成され得る。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の内径は、0.1905mm(0.0075インチ)以下である。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112は、標的とされる流量に依存する予め定められた長さである(例えば、より長い長さは、より遅い流速を生じさせる)。いくつかの実施例では、第2の医療用チュービング112は、流体薬剤がユーザ102に分配される前に流体薬剤の流量を調整するために使用される。
【0027】
図1において上述されたように、第1の医療用チュービング106の内径及び第2の医療用チュービング112の内径は、同じであるか又は異なっていてよい。同様に、いくつかの実施態様では、第1の医療用チュービング106並びに第2の医療用チュービング112の長さ、材料、及び/又は他のパラメータは、同じであるか又は異なっていてよい。第1の医療用チュービング106及び第2の医療用チュービング112のパラメータは、ユーザ102に点滴するのに必要とされる流量に依存する。第2の医療用チュービング112は、流体がユーザ102に点滴される前に所望の流量を得るために使用される。
【0028】
いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の出口302(例えば、遠位出口)が、第2の医療用チュービング112に流体的に結合される。第2の医療用チュービング112の出口302は、ユーザ102に流体を分配するための1つ又は複数の構成要素と接続するように構成される。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の出口302は、固定雄ルアー(fixed male luer)である。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の出口302と接続するように構成される1つ又は複数の構成要素は、皮膚パッチ、針、カニューレ、及びカテーテル、並びに/又はユーザ102に点滴するための他の構成要素を含む。
【0029】
いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素が、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112内に配置される。例えば、流量制限器構成要素は、第1の医療用チュービング106内の第1の位置304a及び/又は第2の医療用チュービング112内の第2の位置304bに配置され得る。いくつかの実施態様では、流量制限器は、各位置(例えば、第1の位置304a及び第2の位置30b)に配置され得る。流量制限器構成要素は、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112内の任意の位置に配置され得る。例えば、流量制限器構成要素は、(例えば、第1の医療用チュービング106内で)ハウジング200の出口210に隣接して配置され、第2の医療用チュービング112の出口302に隣接して配置され、空気フィルタ108の入口若しくは出口に隣接して配置され、且つ/又は、中間のどこにでも配置され得る。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、固定されず、且つ、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112に沿って自由に移動するように構成される。或いは、又はさらに、いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112の特定の位置に(例えば、流量制限器構成要素が移動しないように)固定(係留又は定着)される。
【0030】
流量制限器構成要素は、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112によって提供される流量制御から独立している。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、
図5A~6Bにおいて以下で説明されるように1つ又は複数のピン及び/若しくはビーズを含む。流量制限器構成要素は、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112の内径未満の直径を有する。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、流量制限器構成要素がチューブの特定の位置又は部分内に(例えば、第1の医療用チュービング106又は第2の医療用チュービング112内に)留まるように、空気フィルタ108の入口及び/又は出口よりも大きい直径を有する。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、流量制限器構成要素がユーザ102に流入しないように、第2の医療用チュービング112の出口302よりも大きい直径を有する。さらに、流量制限器構成要素は、ユーザが第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を移動させるときに壊れない又は砕けないように構成される。流量制限器構成要素は、
図5及び6においてより詳細に論じられる。
【0031】
いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、流体の第1の流量及び/又は第2の流量を制御するために弁を操作するように構成された制御装置チップ(図示せず)を含む。制御装置チップは、
図7において以下で論じられる。いくつかの実施態様では、制御装置チップは、使い捨てポンプ100の1つ又は複数の構成要素と直列に流体的に結合された別個の構成要素である。例えば、制御装置チップは、使い捨てポンプ100の出口210と第1の医療用チュービング106との間、第1の医療用チュービング106と空気フィルタ108との間、空気フィルタ108と第2の医療用チュービング112との間、及び/又は第2の医療用チュービング112と第2の医療用チュービング112の出口302との間に流体的に結合され得る。或いは、又はさらに、いくつかの実施態様では、制御装置チップは、ハウジング200に結合される。流れ制御装置チップは、
図7を参照してより詳細に論じられる。
【0032】
図4A及び4Bは、いくつかの実施態様による使い捨てポンプ100の横断面図を示す。より具体的には、
図4A及び4Bは、注射器又は流体を圧送するための他の何らかのツールの圧力下で流体がハウジング200の入口208を通じて流体貯蔵器420(これは、膨張した弾性構成要素206によって生成される位置エネルギーを蓄える)内に導入されたときの弾性構成要素206の膨張を示す。いくつかの実施態様では、システム内の空気は、第2の表面402bに基づいて形成される凹み422に沿って出口210を介して除去(例えば、排気)される。
【0033】
図4Aは、下部リング414と結合された上部リング410、及び、それらの間に結合されたリブ412を示す。上述のように、リブ412は、弾性構成要素206の形状を画定する。いくつかの実施態様では、上部リング410及び下部リング414は、超音波溶接及び/又は溶媒結合によって結合される。いくつかの実施態様では、上部リング410は、第1の部分202に(例えば、縁部404を介して)結合され、下部リング414は、超音波溶接又は溶媒結合を使用して第2の部分204に結合される。弾性構成要素206は、第2の部分204の開口部416にわたって位置決めされて、空洞418(例えば、ハウジング200内に作り出される空間)を作り出す。いくつかの実施態様では、ハウジング200の第1の部分202と第2の部分204が(上部リング410及び下部リング414を介して)互いに結合されると、第1の部分202の第2の表面402bは、弾性構成要素206を第2の表面402bの形状に(例えば、
図4に示されるように)延伸させる。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206及び第2の表面402bの両方の寸法は、弾性構成要素206の弾性が直線的な形で挙動しない状態に弾性構成要素206が延伸されるような寸法である。具体的には、弾性構成要素206は、弾性構成要素206の材料の応力の変化が使い捨てポンプ100の動作中の材料の歪みの変化に直線的に比例しない状態に延伸される。
【0034】
図4Bは、いくつかの実施態様による、ハウジング200の第1の部分202の入口208を介して流体が注入された後の使い捨てポンプ100の横断面図を示す。いくつかの実施態様では、注入された流体は、弾性構成要素206を膨張させて、膨張流体貯蔵器420を作り出す。膨張流体貯蔵器420は、使い捨てポンプ100に流体を(入口208を介して)注入するために使用される注射器及び/又は他のツールの圧力下にある(第2の表面402bに基づいて形成された凹み422に沿って出口を介して(入口210を介して)空気がシステムから除去された後で)。上述のように、外部流量制限器110が、流体が出口210から出て行かないように第1の医療用チュービング106の流体通路を遮断して流体が使い捨てポンプ100に注入されたときに流体貯蔵器420が膨張するのを可能にするために使用され得る。実質的に一定の流体圧送圧力を流体貯蔵器420内に作り出すために、弾性構成要素206の膨張及びそれに続く収縮は、流体が入口208に注入される前に、弾性構成要素206がその弾性が非線形である状態に延伸されるときに得られる。上述のように、この状態は、ハウジング200の組立中に第2の表面402b及び/又は弾性構成要素206の形状及び/又は寸法によって得られる。使い捨てポンプ100に流体を注入するために使用される医療用注射器(図示せず)及び/又は任意の他のツールは、弾性構成要素206の現在の状態を克服するための十分な力(例えば、収縮する弾性構成要素206によって生成される力を克服するための十分な力)で流体を注入しなければならないことが、留意されるべきである。弾性構成要素206は、
図4Bに示されるように流体貯蔵器420を形成し且つ膨張させるために、非線形に延伸されなければならない。
【0035】
いくつかの実施態様では、流体貯蔵器420は、少なくとも50mLの体積の流体を保持するために膨張するように構成される。いくつかの他の実施態様では、流体貯蔵器420は、少なくとも100mLの体積の流体を保持するために膨張するように構成される。さらに他の実施態様では、流体貯蔵器420は、少なくとも250mLの体積の流体を保持するために膨張するように構成される。
【0036】
一般に、流体は、最初に延伸された弾性構成要素206(第2の表面402bによって延伸された)の位置エネルギーを克服するのに十分な圧力下で導入されなければならない。同様に、流体は、弾性構成要素206をさらに(非線形に)延伸させて流体貯蔵器420を形成するのに十分な圧力下で導入されなければならない。流体貯蔵器420によって蓄えられる位置エネルギーは、流体を(例えば、出口210から)放出するのに利用することできるエネルギーの総量である。流体貯蔵器420は、流体を完全に放出した後であっても、弾性構成要素206が第2の表面402b上で延伸されていることに起因する残留位置エネルギーを有する。
【0037】
第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を通過する流体の流れは、ハーゲン-ポアズイユの式によって特徴付けられ得る。第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を通過する流れは層流であることが想定されるため、流れはハーゲン-ポアズイユの式によって特徴付けられ得る。さらに、弾性構成要素206の特性(例えば、蓄えられた流体に一定の圧力を印加するエラストマ材料)により、使い捨てポンプ100によって生成される圧力(P_デバイス)は、一定であると考えられる。それと同時に、患者によって生成される圧力(P_患者)もまた事実上一定であると想定される。これらの仮定によれば、以下のハーゲン-ポアズイユの式が、使い捨てポンプ100からユーザ102への流体の流れを明確にするために使用され得る:
P_デバイス-P_患者=流量*(制限器抵抗)
【0038】
この式は、
【数1】
としてさらに特徴付けされてよく、式中、
V=流体流れの速度であり、
D=流量制限器導管の直径であり、
Δp=エネルギー損失(即ち、長さLにわたっての圧力変化)であり、
L=流量制限器の長さであり、
μ=流体粘性である。
【0039】
ハーゲン-ポアズイユの式によれば、(本実施態様において想定されるように)チューブの長さにわたって一定のエネルギー損失が存在する場合、チューブを通過する流体の一定の流量が(例えば、本明細書において説明されるように第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を設計することによって)得られ得る。上述のように、P_デバイス及びP_患者は一定であると考えられるので、チューブ(例えば、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112)の長さにわたって一定のエネルギー損失が存在することが想定され得る。実際には、P_患者は、無視できるほど小さい。したがって、使い捨てポンプ100の流れは、もっぱら弾性部材206の蓄えられた位置エネルギーによってもたらされる一定の圧力によるものである。
【0040】
言い換えれば、使い捨てポンプ100から第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を通ってユーザ102に向かう流体の流量に対する特定値を決定するには、P_デバイス並びに第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112の物理的設計は、一緒に考慮されるものでなければならない。具体的には、弾性構成要素206によって保持される圧力(例えば、蓄えられる位置エネルギー)は、使い捨てポンプ100のための流量を決定するために、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112のそれぞれの直径及び/又は長さとともに使用される。
【0041】
図5A及び5Bは、いくつかの実施態様による流量制限器構成要素を示す。
図5Aでは、ピン506などの流量制限器構成要素を含むチューブ・セグメント502(例えば、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112のどちらか)が、示されている。いくつかの実施態様では、ピン506は、ピン506がチューブ・セグメント502内に配置され得ないように、チューブ・セグメント502の内径未満の直径を有する。いくつかの実施態様では、ピン506は、空気フィルタ108の入口及び/若しくは出口並びに/又は第2の医療用チュービング112の出口302よりも大きい直径を有する。このようにして、ピン506は、異なるチューブ・セグメント間で(例えば、第1の医療用チュービング106から第2の医療用チュービング112へ、またその逆に)移動することなしに、且つ/又はピン506がユーザ102に注入されるのを防ぐために、チューブ・セグメント502内に留まる。いくつかの実施態様では、ピン506は、チューブ・セグメント502内で固定される(特定の位置に係留される)か、固定されない(長さに沿って移動可能である)。いくつかの実施態様では、ピン506は、所定の長さを有する。いくつかの実施態様では、ピン506は、ガラス又は金属で作られる。
【0042】
いくつかの実施態様では、ピン506は、流量(例えば、
図3において上記で論じられたように第1の流量又は第2の流量のどちらか)を調整する(例えば、減少させる)ように構成される。いくつかの実施態様では、流量の調整は、部分的にはピン506の直径に基づく。いくつかの実施態様では、ピン506は、流体の形状を円筒形状(例えば、円筒形流れ504)からトーラス(円環)形状(例えば、ドーナツ流れ又はトーラス流れ508)に変化させるように構成される。例えば、
図5Aに示されるように、ピン506は、円筒形流れ504をトーラス流れ508に変化させ、ここで、トーラス流れ508の半径は、部分的にはピン506の直径に基づく。トーラス流れ508は単一のリングとして示されているが、トーラス流れ508は(
図5Bに示されるような)連続的な水流であることが、留意されるべきである。いくつかの実施態様では、流量形状の変化は、流れを乱し且つ(例えば、チューブ・セグメント502を膨張又は形状変化させることなしに)流れをピン506の周りで移動させることにより、流量を減少させる。いくつかの実施態様では、流量は、部分的にはピン506の所定の長さにさらに基づく。
【0043】
図5Bは、
図5Aにおける流量制限器構成要素の部分的な横断面図を示す。
図5Bに示されるように、円筒形流れ504は、使い捨てポンプ100から(例えば、出口210を介して)チューブ・セグメント502の遠位端部(使い捨てポンプ100の出口210とは反対側の端部)に向かって流れる。いくつかの実施態様では、ピン506は、ピン506の断面積により円筒形流れ504の断面積を減少させることにより、したがって流れをトーラス流れ508に変化させることにより、円筒形流れ504の流量を減少させる。具体的には、チューブ・セグメント502の円筒形領域の面積は、ピン506の断面積によって減少される。いくつかの実施態様では、ピン506は、チューブ・セグメント502内に環状セクション(例えば、ピン506の長さ)を生成する。チューブ・セグメント502の環状セクション内の流れは、以下のポアズイユの式に従う:
【数2】
式中、
Q=流量であり、
R
1=ピン506の半径であり、
R
2=チューブ・セグメント502の半径であり、
G=長さにわたっての圧力の変化であり、
μ=流体粘性である。
【0044】
上述のように、P_デバイス及びP_患者は一定であると考えられるので、圧力の変化はチューブ(例えば、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112)の長さにわたって一定であることが想定され得る。上記の式を使用すると、ピン506を含むチューブ・セグメント502を通過する流体の一定の流量が(例えば、本明細書において説明されるように第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又はピン506を設計することによって)得られ得る。言い換えれば、使い捨てポンプ100からピン506を含む第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を通過する流体に対する特定の流量を決定するには、P_デバイス、並びに第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又はピン506の物理的設計は、ともに考慮されるものでなければならない。具体的には、弾性構成要素206によって保持される圧力(例えば、蓄えられる位置エネルギー)は、使い捨てポンプ100に対する流量を決定するために、第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又はピン506のそれぞれの直径とともに使用される。実際には、P_患者は、無視できるほど小さい。したがって、使い捨てポンプ100の流れは、もっぱら弾性部材206の蓄えられた位置エネルギーによってもたらされる一定の圧力によるものである。
【0045】
図6A及び6Bは、いくつかの実施態様による別の流量制限器構成要素を示す。
図6Aでは、1つ又は複数の剛体ビーズ(玉)602などの別の流量制限器構成要素を含むチューブ・セグメント502(例えば、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112)が示されている。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、チューブ・セグメント502内に1つ又は複数の剛体ビーズ602が配置され得るように、チューブ・セグメント502の内径未満の直径を有する。
【0046】
いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、空気フィルタ108の入口及び/若しくは出口並びに/又は第2の医療用チュービング112の出口302よりも大きい直径を有する。このようにして、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、異なるチューブ・セグメント間で(例えば、第1の医療用チュービング106から第2の医療用チュービング112へ、またその逆に)移動することなしに、且つ/又は1つ又は複数の剛体ビーズ602がユーザ102に注入されるのを防ぐために、チューブ・セグメント502内に留まる。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、チューブ・セグメント502内で固定される(係留される)か、固定されない(移動可能である)。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602の各剛体ビーズは、同一である。いくつかの他の実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602のうちの少なくとも1つの剛体ビーズ(又は、全て)は、サイズが別々であり得る(例えば、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、様々な直径を有する)。
【0047】
いくつかの実施態様では、剛体ビーズ602は、ガラス又は金属で作られ得る。様々な態様によれば、剛体ビーズは、剛体ビーズの設置がチュービング(例えば、チューブ・セグメント502)を膨張させないようなサイズとされ得る。上述のように、いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、チューブ・セグメント502の内径未満の直径を有する。この点において、チュービング・セグメントを通過する流量は、少なくとも部分的には、チュービング内のビーズの断面積若しくは直径、ビーズの断面積若しくは直径とチュービングの内径との差、及び/又はチュービング内のビーズの数若しくはチューブ・セグメント502の所定の領域内でのビーズの集団的な質量の作用によって決定され得る。
【0048】
いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、流量(例えば、
図3において上記で論じられたように第1の流量又は第2の流量のどちらか)を調整する(例えば、減少させる)ように構成される。いくつかの実施態様では、流量の調整は、部分的には1つ又は複数の剛体ビーズ602の直径に基づく。具体的には、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、それらの表面又は直径の周りで(例えば、チューブ・セグメント502を膨張又は形状変化させることなしに)流体(例えば、円筒形流れ504)を移動させるように構成される。流量は、部分的には1つ又は複数の剛体ビーズの直径(例えば、流体がその周りを移動する必要がある領域)に基づく。いくつかの実施態様では、流量は、部分的にはチューブ・セグメント502内の1つ又は複数のビーズ602の数にさらに基づく(例えば、1つ又は複数の剛体ビーズ602のうちの各剛体ビーズが流量を減少させる)。
【0049】
図6Bは、
図6Aにおける流量制限器構成要素の部分的な横断面図を示す。
図6Bに示されるように、1つ又は複数の剛体ビーズ602のうちの少なくとも2つの剛体ビーズが、チューブ・セグメント502内に存在する。使い捨てポンプ100から(例えば、出口210を介して)チューブ・セグメント502の遠位端部(使い捨てポンプ100の出口210とは反対側の端部)に向かって流れる円筒形流れ504が、
図6Bにさらに示されている。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602は、1つ又は複数の剛体ビーズ602の断面積により円筒形流れ504の断面積を減少させることにより、円筒形流れ504の流量を減少させる。具体的には、チューブ・セグメント502の円筒形領域の面積は、1つ又は複数の剛体ビーズ602の断面積によって減少される。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズ602を含むチューブ・セグメント502内の流れは、上記のようにポアズイユの式に従う(例えば、1つ又は複数の剛体ビーズ602のそれぞれの直径及び/又は周径に対して導出される)。
【0050】
図5A及び5Bにおいて上述したように、P_デバイス及びP_患者は一定と考えられるので、圧力の変化はチューブ(例えば、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112)の長さにわたって一定であることが想定され得る。ポアズイユの式を使用すると、1つ又は複数の剛体ビーズ602を含むチューブ・セグメント502を通過する流体の一定の流量が(例えば、本明細書において説明されるように第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又は1つ若しくは複数の剛体ビーズ602を設計することによって)得られ得る。言い換えれば、使い捨てポンプ100から1つ若しくは複数の剛体ビーズ602を含む第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112を通過する流体に対する特定の流量を決定するには、P_デバイス、並びに第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又は1つ若しくは複数の剛体ビーズ602の物理的設計は、ともに考慮されるものでなければならない。具体的には、弾性構成要素206によって保持される圧力(例えば、蓄えられる位置エネルギー)は、使い捨てポンプ100に対する流量を決定するために、第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又は1つ若しくは複数の剛体ビーズ602のそれぞれの直径とともに使用される。実際には、P_患者は、無視できるほど小さい。したがって、使い捨てポンプ100の流れは、もっぱら弾性部材206の蓄えられた位置エネルギーによってもたらされる一定の圧力によるものである。
【0051】
いくつかの実施態様では、様々な流量制限器構成要素が、チューブ・セグメント502において組み合わせられ得る。例えば、いくつかの実施態様では、チューブ・セグメント502は、ピン506及び1つ又は複数の剛体ビーズ602を含み得る。
【0052】
図7は、いくつかの実施態様による流れ制御装置700を示すブロック図である。いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、使い捨てポンプ100から放出される流体の流れを制御するように構成された流れ制御装置700を含む。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700は、ハウジングに(例えば、ハウジング200の第1の部分202及び/又は第2の部分202を介して)結合される。或いは、いくつかの実施態様では、流れ制御装置700は、第1の医療用チュービング106、第2の医療用チュービング112、及び/又は使い捨てポンプ100の他の構成要素と(例えば、第1の医療用チュービング106と出口210との間、第1の医療用チュービング106と空気フィルタ108との間、などで)直列に流体的に結合される。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700は、1つ若しくは複数のピロー(例えば、流体通路を遮断するための膨張可能な構成要素)、弁、及び/又は使い捨てポンプ100の利用可能な流体通路を制御し且つ所望の流量を選択するための類似の構成要素を操作する。いくつかの実施態様では、1つ若しくは複数のピロー、弁、及び/又は類似の構成要素は、使い捨てポンプ100の出口210に隣接して(例えば、その後ろ又は前に)配置される。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700(1つ若しくは複数のピロー、弁、及び/又は類似の構成要素を含む)は、使い捨てポンプ100の1つ又は複数の構成要素と(例えば、流体が第1の流量において流れ制御装置700の入口に入り、ユーザ102によって選択された第2の流量において流れ制御装置700の出口から出るように)直列に流体的に結合された別個の構成要素である。さらに、又はその代わりに、いくつかの実施態様では、1つ若しくは複数のピロー、弁、及び/又は類似の構成要素は、第1の医療用チュービング106及び/又は第2の医療用チュービング112とともに配置される。流量制御装置700は、0.48ml/hrと低い選択された流量を達成するように構成される。
【0053】
流れ制御装置700は、1つ又は複数の処理装置(例えば、プロセッサ、プロセッサ・コア、若しくは他のタイプの制御装置チップを含む)702と、1つ又は複数のネットワーク若しくは他の通信インタフェース704(例えば、1つ又は複数のアンテナ)と、メモリ712と、1つ又は複数のセンサ708と、これらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス710と、を含む。通信バス710は、場合により、システム構成要素を相互接続し且つシステム構成要素間の通信を制御する回路(チップセットと呼ばれることもある)を含む。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700は、流れ制御装置700を手動で制御するための外部インタフェース706を含み得る。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700の1つ又は複数の外部インタフェース706は、例えば、キーボード、マウス、タッチ・センサー式の表面及び/若しくは制御装置、トラックパッド、USB及び/若しくはUSBデバイス、並びに/又は入力ボタンなどの、入力デバイスを含み得る。いくつかの実施態様では、センサ708は、流量、弾性構成要素206(例えば、流体貯蔵器420)内に保持された圧力、及び/又は使い捨てポンプ100の流量を決定するのに必要とされる他の情報に関するデータを収集するために使用される。流れ制御装置700の1つ又は複数の構成要素は、流体薬剤の汚染を防ぐために殺菌される。同様に、流れ制御装置700の1つ又は複数の構成要素は、汚染をさらに防ぐために、及び/又は流体が流れ制御装置700に損傷を与えるのを防ぐために、使い捨てポンプ100の流体通路から(1つ若しくは複数のピロー、弁、及び/又は類似の構成要素を除いて)分離される。
【0054】
メモリ712は、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダム・アクセス固体メモリ・デバイスなどの高速ランダム・アクセス・メモリであってよく、また、1つ若しくは複数の磁気ディスク記憶デバイス、光学ディスク記憶デバイス、フラッシュ・メモリ・デバイス、及び/又は他の不揮発性固体記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含んでよい。いくつかの実施態様では、メモリ712は、プロセッサ702から遠隔的に配置された1つ又は複数の記憶デバイスを含む。メモリ712、或いはメモリ712内の不揮発性メモリ・デバイスは、一時的でないコンピュータ可読記憶媒体を含む。いくつかの実施態様では、メモリ712又はメモリ712のコンピュータ可読記憶媒体は、流れ制御装置700の1つ若しくは複数の動作を行うために使用され得るプログラム、モジュール、及び/又はデータ構造を記憶する。例えば、メモリ712は、オペレーティング・システム714、ネットワーク通信モジュール716、流れ制御モジュール718、及びデバイス情報データベース720のためのプログラム、モジュール、並びに/又はデータ構造を含み得る。
【0055】
いくつかの実施態様では、オペレーティング・システム714モジュールは、様々な基本システム・サービスを処理するための及びハードウェア依存タスクを行うための手続きを含み得る。ネットワーク通信モジュール716は、1つ又は複数の通信ネットワーク・インタフェース704(無線又は有線)、及びイーサネット、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、統合サービス・デジタル網(ISDN:integrated services digital network)接続、デジタル加入者回線(DSL:digital subscriber line)モデム若しくはケーブル・モデムなどによる1つ又は複数の通信ネットワークを介して、流れ制御装置700を他のコンピューティング・デバイスに接続するように構成され得る。電話モデム、MIBシステム、RS232インタフェース、補助インタフェース、光リンク、赤外線リンク、無線周波リンク、マイクロ波リンク、WLANS接続、又は他の無線接続を含むがこれらに限定されない、任意の直接的又は間接的なネットワーク接続が使用され得る。流れ制御モジュール718は、流量を要望通りに調整するように構成される。いくつかの実施態様では、流れ制御モジュール718は、上記のハーゲン-ポアズイユの式を使用して流量を決定する。具体的には、流れ制御モジュール718は、1つ又は複数のセンサ708及びデバイス情報データベース720から収集されたデータを使用して流量を決定することができる。いくつかの実施態様では、流れ制御モジュール718は、自動的に動作するように構成される(例えば、所望の流量に到達し且つ/又はそれを維持するように設計されたファームウェア)。或いは、又さらに、いくつかの実施態様では、流れ制御装置700及び流れ制御モジュール718は、外部インタフェース706及び/又は(例えば、ラップトップ、コンピュータ、携帯電話、タブレット、などのような遠隔デバイスからの無線制御を受信する)通信インタフェース704を介してユーザ102によって手動で動作され得る。いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、専用アプリケーション(dedication application)を介して制御され得る。デバイス情報データベース720は、第1の医療用チュービング106及び/若しくは第2の医療用チュービング112の長さ、第1の医療用チュービング106及び/若しくは第2の医療用チュービング112の直径、弾性構成要素206の最大容量、様々な量の流体が装填されるときの弾性構成要素206によって蓄えられる圧力(例えば、位置エネルギー)、1種類若しくは複数の異なる種類の流体の粘性、並びに/又は他の有用な情報などの、使い捨てポンプ100のためのデータを含む。
【0056】
図8A~8Dは、いくつかの実施態様による使い捨てポンプ100の流量を制御するための方法800を示す流れ図である。方法800は、弾性構成要素206を含むハウジング200を少なくとも有する使い捨てポンプ100において行われ得る。使い捨てポンプ100は、少なくとも、出口210を介してハウジング200に流体的に結合された第1のチューブ(例えば、第1の医療用チュービング106)と、空気フィルタ入口を介して第1のチューブ(例えば、第1の医療用チュービング106)の遠位端部に流体的に結合された空気フィルタ108と、空気フィルタ出口を介して空気フィルタ108に流体的に結合された第2のチューブ(例えば、第2の医療用チュービング112)と、第2のチューブに流体的に結合された第2の医療用チュービング112の出口302と、をさらに有する。いくつかの実施態様では、ハウジング200は、第1の表面402a及び第2の表面402bを含む第1の部分202を具備し、第1の表面402aは、流体を分配するための出口210を含み、第2の表面402bは、第1の表面402aの反対側にある。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、第1のリング410と第2のリング414との間に結合される。第1のリング410及び第2のリング414は、第2の表面402bに固着される。いくつかの実施態様では、使い捨てポンプ100は、少なくとも、第1の部分202の第2の表面402bを収容するように構成された第2の部分204をさらに有し、第1の部分202及び第2の部分204は、結合される。
【0057】
本開示と一致する方法は、異なる順序で行われる、方法800に示された動作のうちの少なくともいくつかを、しかし全てではないが、含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して又はほぼ同時に行われる、方法800におけるような少なくとも2つの又はより多くのステップを含み得る。
【0058】
方法800は、輸液ポンプ100内の流体によって生成される位置エネルギーを蓄えるために流体で弾性構成要素206を膨張させるステップ(802)を含む。いくつかの実施態様では、弾性構成要素は、エラストマ膜を含む(804)。いくつかの実施態様では、膜は、シリコーンの単層である(806)。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、少なくとも50mLの体積を保持するために膨張するように構成される(808)。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、少なくとも100mLの体積を保持するために膨張するように構成される(810)。いくつかの実施態様では、弾性構成要素206は、少なくとも250mLの体積を保持するために膨張するように構成される(812)。
【0059】
いくつかの実施態様では、弾性構成要素は、単層膜で形成され、(輸液ポンプの)ハウジング200は、流体を受け入れるための入口208を含み、方法800は、入口を介して流体を受け入れるステップと、弾性構成要素206を膨張させ、入口を介して受け入れられた流体に基づいて弾性構成要素206によって蓄えられる位置エネルギーを生成するステップと、を含む(814)。
【0060】
方法800は、部分的には弾性構成要素206によって蓄えられた位置エネルギーに基づく第1の流量においてハウジング200からの流体を第1のチューブ(例えば、第1の医療用チュービング106)から導くステップ(816)を含む。いくつかの実施態様では、第1の流量は、少なくとも部分的には第1のチューブの内径にさらに基づく(818)。いくつかの実施態様では、第1の流量は、少なくとも部分的には第1のチューブの長さにさらに基づく(820)。流量の決定は、
図4A~6Bにおいて上記したように、弾性構成要素206によって蓄えられた位置エネルギー、及びハーゲン-ポアズイユの式に基づく。
【0061】
いくつかの実施態様では、輸液ポンプは、第1のチューブの外面部分に結合された外部流量制限器110をさらに含み(822-a)、方法800は、輸液ポンプにおいて、外部流量制限器110を介して第1のチューブの流体通路を閉じる外圧を第1のチューブに与えるステップ(822-b)を含む。いくつかの実施態様では、方法800は、外部流量制限器110を介して第1のチューブから外圧を除去し、それが第1のチューブの流体通路を開くステップ(822-c)を含む。
図4A及び4Bにおいて上記したように、外部流量制限器110は、弾性構成要素206に装填する(例えば、流体を注入する)(例えば、弾性構成要素206を膨張させて流体貯蔵器420を作り出す)ために使用され得る。
【0062】
方法800は、空気フィルタ108の1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するステップ(824)を含む。空気は、空気フィルタから出る流体が空気を含まずにプライミングされるように、実質的に上流で排出される。いくつかの実施態様では、空気フィルタは、膜フィルタを含み、方法800は、輸液ポンプにおいて、1種類又は複数の種類の汚染物質尾及び粒子を流体から除去するステップを含む(826)。
【0063】
方法800は、第1のチューブを介してハウジング200から導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するステップであって、第2の流量が、少なくとも部分的には第2のチューブ(例えば、第2の医療用チュービング112)の内径に基づく、ステップ(828)を有する。いくつかの実施態様では、第2のチューブの内径は、0.1905mm(0.0075インチ)以下である(830)。いくつかの実施態様では、第2のチューブは、所定の長さであり、第2の流量は、所定の長さにさらに基づく(832)。いくつかの実施態様では、第1のチューブの内径及び第2のチューブの内径は、同じである(834)。いくつかの実施態様では、第1のチューブの内径及び第2のチューブの内径は、異なる(836)。いくつかの実施態様では、第2の流量は、5mL/hr以下である(838)。いくつかの他の実施態様では、第2の流量は、約2mL/hrである(840)(約とは、いくつかの実施態様では、+/-0.2mL/hrを意味する)。流量の決定は、
図4A~6Bにおいて上記したように、弾性構成要素206によって蓄えられた位置エネルギー、及びハーゲン-ポアズイユの式に基づく。
【0064】
方法800は、第2の医療用チュービング112の出口302に流体的に結合された1つ又は複数の構成要素を介してユーザ102に流体を分配するステップ(842)を含む。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の出口302は、固定雄ルアーである(844)。いくつかの実施態様では、第2の医療用チュービング112の出口302の接続するように構成された1つ又は複数の構成要素は、皮膚パッチ、針、カニューレ、及びカテーテルを含む(846)。
【0065】
いくつかの実施態様では、輸液ポンプは、第1のチューブ内に流量制限器構成要素(例えば、ピン506及び/又は剛体ビーズ602)を含み、流量制限器構成要素は、第1のチューブの内径未満の直径を有する(848)。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素の直径は、空気フィルタ108の入口及び/若しくは出口並びに/又は第2の医療用チュービング112の出口302の直径よりも大きい(850)。このようにして、流量制限器構成要素は、(
図5A~6Bにおいて上記したように)特定のチューブ・セグメント内に留まり且つ/又はユーザ102に注入されない。いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、第1のチューブ内で固定されない(852)。いくつかの他の実施態様では、流量制限器構成要素は、第1のチューブ内で固定される(854)。本明細書において提供される実例は第1のチューブ内に流量制限器構成要素を有するが、流量制限器構成要素は第2のチューブ内並びに/又は第1及び第2のチューブの両方内にあってよいことが、留意されるべきである。
【0066】
いくつかの実施態様では、流量制限器構成要素は、流体の形状を円筒形状(例えば、円筒形流れ504)からトーラス形状(例えば、トーラス流れ508)に変化させるように構成されたピン506である(856)。いくつかの実施態様では、ピン506は、所定の半径を有し、第1の流量は、部分的にはピン506の半径にさらに基づく(858)。いくつかの実施態様では、ピン506は、所定の長さを有し、第1の流量は、部分的にはピンの所定の長さにさらに基づく(860)。流れに対するピン506の効果は、
図5A及び5Bに関連して上述された。いくつかの実施態様では、ピン506は、ガラス又は金属で作られる(862)。
【0067】
いくつかの他の実施態様では、流量制限器構成要素は、1つ又は複数の剛体ビーその直径の周りで流体を移動させるように構成された1つ又は複数の剛体ビーズであり、第1の流量は、部分的には1つ又は複数の剛体ビーズの直径にさらに基づき、1つ又は複数の剛体ビーズは、流体が1つ又は複数の剛体ビーズの直径の周りで移動しているときに第1のチューブを膨張させない(864)。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズは、サイズが不定であり得る(866)。具体的には、剛体ビーズの全てが、同じ(同じ直径を有する)か、異なり(剛体ビーズ間で様々な直径を有し)得る。流れに対する1つ又は複数の剛体ビーズ602の効果は、
図6A及び6Bに関連して上述された。いくつかの実施態様では、少なくとも2つの剛体ビーズが、第1のチューブ内に含まれる(868)。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の剛体ビーズは、ガラス又は金属で作られる(870)。
【0068】
いくつかの実施態様では、輸液ポンプは、制御装置チップ(例えば、流れ制御装置700)をさらに含み、方法800は、輸液ポンプにおいて、流体の第1の流量を制御するために弁を操作する(872)。いくつかの実施態様では、制御装置チップは、USBを介して制御される(874)。いくつかの他の実施態様では、制御装置チップは、無線で(例えば、ブルートゥース(登録商標)などの無線プロトコル、又は専用アプリケーションを介して)制御される(876)。いくつかの実施態様では、制御装置チップは、流量を自動的に制御するためのファームウェアを含む(878)。流量制御装置700は、選択された流量(例えば、たったの0.48ml/hr)を実現するように制御される。いくつかの実施態様では、流れ制御装置700の1つ又は複数の構成要素(例えば、無線構成要素704、外部インタフェース706、センサ708、など)は、流体薬剤が汚染されないように、殺菌され且つ流体通路から分離される。流れ制御装置700は、
図7に関連して上記で詳細に論じられた。
【0069】
上記の説明は、本明細書において説明される様々な構成を当業者が実践することを可能にするために提供された。主題技術は、様々な図及び構成を参照して具体的に説明されてきたが、これらは、単に例示の目的のためのものであり、主題技術の範囲を限定するものと考えられるべきではないことが、理解されるべきである。
【0070】
本明細書において説明される様々な説明に役立つブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムは、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又はその両方の組合わせとして実装され得ることを、当業者は理解するであろう。このハードウェア及びソフトウェアの互換性を示すために、様々な説明に役立つブロック、モジュール、要素、構成要素、方法、及びアルゴリズムは、一般にそれらの機能性の観点から上述された。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか又はソフトウェアとして実装されるかは、具体的な用途及び全体的なシステムに課せられる設計制約に依存する。説明される機能性は、それぞれの具体的な用途に対して様々な形で実装され得る。様々な構成要素及びブロックは、主題技術の範囲から全く逸脱することなしに、違うように配置され得る(例えば、異なる順序で配置されるか、又は異なる形で分割される)。
【0071】
開示されるプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、手法の実例の例示であることが、理解される。プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、設計嗜好に基づいて再編成され得ることが、理解される。ステップのうちのいくつかは、同時に行われてもよい。添付の方法請求項は、様々なステップの要素を見本の順序で提示するものであり、提示される特定の順序又は階層に限定されることを意図されるものではない。
【0072】
条項としての主題技術の例示
【0073】
本開示の態様の様々な実例が、便宜のために番号付けされた条項(1、2、3、など)として説明される。これらは実例として提供されるものであり、主題技術を限定するものではない。図及び参照番号の特定は、単に実例としてまた例示の目的のために以下に提供され、条項は、これらの特定によって限定されるものではない。
【0074】
条項1.輸液ポンプであって、膨張し且つ輸液ポンプ内の流体によって生成された位置エネルギーを蓄えるように構成された弾性構成要素を含むハウジングと、ハウジングの出口に流体的に結合された第1のチューブであって、部分的には弾性構成要素によって蓄えられる位置エネルギーに基づく第1の流量においてハウジングから流体を導くように構成された、第1のチューブと、空気フィルタ入口を介して第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタであって、1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するように構成され、空気フィルタから出る流体が空気を含まずにプライミングされるように空気が実質的に上流で排出される、空気フィルタと、空気フィルタ出口を介して空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブであって、第1のチューブを介してハウジングから導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するように構成され、第2の流量が、少なくとも部分的には第2のチューブの内径に基づき、また、第2のチューブの出口が、ユーザに流体を分配するための1つ又は複数の構成要素に流体的に結合するように構成される、第2のチューブと、
を有する、輸液ポンプ。
【0075】
条項2.第2のチューブの内径が、0.1905mm(0.0075インチ)以下である、条項1に記載の輸液ポンプ。
【0076】
条項3.第2のチューブが、所定の長さであり、第2の流量が、所定の長さにさらに基づく、条項1又は2に記載の輸液ポンプ。
【0077】
条項4.第1のチューブの内径及び第2のチューブの内径が同じである、条項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0078】
条項5.第1のチューブの内径及び第2のチューブの内径が異なる、条項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0079】
条項6.第1のチューブ内に流量制限器構成要素をさらに有し、流量制限器構成要素が、第1のチューブの内径未満の直径を有する、条項1から5までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0080】
条項7.流量制限器構成要素が、流体の形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、ピンが、所定の半径を有し、第1の流量が、部分的にはピンの所定の半径にさらに基づく、条項6に記載の輸液ポンプ。
【0081】
条項8.流量制限器構成要素が、流体の形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、ピンが、所定の長さを有し、第1の流量が、部分的にはピンの所定の長さにさらに基づく、条項6又は7に記載の輸液ポンプ。
【0082】
条項9.流量制限器構成要素が、1つ又は複数の剛体ビーズの直径の周りで流体を移動させるように構成された1つ又は複数の剛体ビーズであり、第1の流量が、部分的には1つ又は複数の剛体ビーズの直径にさらに基づき、1つ又は複数の剛体ビーズが、流体が1つ又は複数の剛体ビーズの直径の周りで移動しているときに第1のチューブを膨張させない、条項6から8までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0083】
条項10.少なくとも2つの剛体ビーズが、第1のチューブ内に含まれる、条項9に記載の輸液ポンプ。
【0084】
条項11.流量制限器構成要素が、第1のチューブ内で固定されず、且つ、第1のチューブの長さに沿って移動するように構成される、条項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0085】
条項12.流量制限器構成要素が、第1のチューブ内で固定され、且つ、第1のチューブの所定の位置に留まるように構成される、条項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0086】
条項13.第2のチューブの出口が、固定雄ルアーである、条項1から12までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0087】
条項14.空気フィルタが、1種類又は複数の種類の汚染物質を流体から除去するように構成された膜フィルタを含む、条項1から13までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0088】
条項15.第1のチューブの外面部分に結合された外部流量制限器をさらに有し、外部流量制限器が、第1のチューブに外圧を与えるか又は外圧を除去するように構成され、これが、それぞれ、第1のチューブの流体通路を閉じるか又は開く、条項1から14までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0089】
条項16.流体の第1の流量を制御するために弁を操作するように構成された制御装置チップをさらに有する、条項1から15までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0090】
条項17.第2の流量が、5mL/hr以下である、条項1から16までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0091】
条項18.第2のチューブの出口と接続するように構成された1つ又は複数の構成要素が、皮膚パッチ、針、及びカテーテルを含む、条項1から17までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0092】
条項19.弾性構成要素が、単層膜で形成され、ハウジングが、流体を受け入れるための入口を含み、入口を介して受け入れられる流体が、弾性構成要素を膨張させ、且つ、弾性構成要素によって蓄えられる位置エネルギーを生成する、条項1から18までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0093】
条項20.単層膜が、エラストマ膜である、条項19に記載の輸液ポンプ。
【0094】
条項21.弾性構成要素が、少なくとも50mLの体積の流体を保持するために膨張するように構成される、条項1から20までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0095】
条項22.ハウジングが、第1及び第2の表面を含む第1の部分であって、第1の表面が、流体を分配するためのハウジングの出口を含み、第1の表面の反対側の第2の表面が、第1のリングと第2の表面に固着された第2のリングとの間に結合された弾性構成要素を含む、第1の部分と、第1の部分の第2の表面を収容するように構成された第2の部分であって、第1の部分及び第2の部分が結合される、第2の部分と、を含む、条項1から21までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【0096】
条項23.患者に流体を点滴する方法であって、弾性構成要素を含むハウジングと、ハウジングの出口を介してハウジングに流体的に結合された第1のチューブと、空気フィルタ入口を介して第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタと、空気フィルタ出口を介して空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブと、1つ又は複数の構成要素に流体的に結合された第2のチューブの出口と、を有する輸液ポンプにおいて、輸液ポンプ内の流体によって生成される位置エネルギーを蓄えるために流体で弾性構成要素を膨張させるステップと、部分的には弾性構成要素によって蓄えられた位置エネルギーに基づく第1の流量においてハウジングからの流体を第1のチューブから導くステップと、空気フィルタの1つ又は複数の空気孔を介して流体から空気を排出するステップであって、空気フィルタから出る流体が空気を含まずにプライミングされるように、空気が実質的に上流で排出される、ステップと、第1のチューブを介してハウジングから導かれる流体の第1の流量を第2の流量に調整するステップであって、第2の流量が、少なくとも部分的には第2のチューブの内径に基づく、ステップと、1つ又は複数の構成要素を介してユーザに流体を分配するステップと、を有する、方法。
【0097】
さらなる留意事項
【0098】
開示されるプロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、手法の実例の例示であることが、理解される。プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層は、設計嗜好に基づいて再編成され得ることが、理解される。ステップのうちのいくつかは、同時に行われてもよい。添付の方法請求項は、様々なステップの要素を見本の順序で提示するものであり、提示される特定の順序又は階層に限定されることを意図されるものではない。
【0099】
主題技術を実施するための多くの他の方法が存在し得る。本明細書において説明された様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなしに、示されたものとは違うように区分され得る。これらの構成に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであろうし、本明細書において定義される一般的な原理は、他の構成に適用され得る。したがって、主題技術の範囲から逸脱することなしに、多くの変更及び修正が、当業者により主題技術に対してなされ得る。
【0100】
本明細書において、一連の物品に先行する「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、物品のうちの任意の物を分離するための「及び」又は「又は」という用語とともに、リストの各部材(例えば、各物品)ではなく、リストを全体として修飾する。「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、挙げられた各物品のうちの少なくとも1つの選択を必要とするのではなく、むしろ、この語句は、物品のうちの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又は物品の任意の組合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は物品のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を可能にするものである。実例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という語句は、それぞれ、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、A、B、及びCの任意の組合わせ、並びに/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを意味する。
【0101】
さらに、「含む(include)」、「有する(have)」、などの用語が説明又は特許請求の範囲において使用される限り、そのような用語は、「有する(comprise)」という用語が請求項において転換語として用いられたときに解釈されるのと類似した態様で包括的であることが意図されている。本明細書において、「例示的な(exemplary)」という語は、「実例、例、又は例示としての役割を果たす」を意味するために使用される。「例示的な」として本明細書において説明されるいずれの実施例も、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解釈すべきものではない。
【0102】
単数形での一要素への言及は、具体的に述べられていない限り、「唯一」を意味することを意図するものではなく、むしろ、「1つ又は複数」を意味することを意図するものである。「いくつかの(some)」という用語は、1つ又は複数を意味する。当業者に知られているか又は後で知られることになる、本開示にわたって説明される様々な構成の要素に対する全ての構造的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、且つ、主題技術によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書において開示されている内容は、そのような開示が上記の説明に明示的に記載されているかどうかに関わらず、公衆に提供されることを意図されたものではない。
【0103】
主題技術のいくつかの態様及び実施態様が説明されてきたが、これらは単に実例として提示されたものであり、主題技術の範囲を限定するように意図されたものではない。実際には、本明細書において開示される新規な方法及びシステムは、その精神から逸脱することなしに、様々な他の形態で具現化され得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物は、主題技術の範囲及び精神に入るであろうものとしてそのような形態又は修正をカバーするように意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ポンプであって、
膨張して、前記輸液ポンプ内の流体によって生成された位置エネルギーを蓄えるように構成された
単層膜で形成される弾性構成要素
(206)を含むハウジング
(200)と、
前記ハウジングの出口
(210)に流体的に結合された第1のチューブ
(106)であって、
前記第1のチューブは、前記弾性構成要素によって蓄えられた前記位置エネルギー
と前記第1のチューブの内径とに部分的に基づく第1の流量で前記ハウジングから前記流体を導くように構成され
、前記第1の流量は、前記輸液ポンプを実質的にプライミングするように構成されている、第1のチューブ
(106)と、
空気フィルタ入口を介して前記第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタ
(108)であって、前記空気フィルタは、1つ又は複数の空気孔を介して前記流体から空気を排出するように構成され、前記空気は実質的に上流で排出され、それにより前記空気フィルタを出る前記流体が空気を含まないようにプライミングされる、空気フィルタ
(108)と、
空気フィルタ出口を介して前記空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブ
(112)であって、
前記第2のチューブは、前記第1のチューブを介して前記ハウジングから導かれた前記流体の前記第1の流量を
、前記第1の流量よりも少ない第2の流量に調整するように構成され、前記第2の流量は、前記第2のチューブの内径に少なくとも部分的に基づき、また、
前記第2のチューブの出口
(302)が、ユーザに前記流体を分配するための1つ又は複数の構成要素に流体的に結合されるように構成される
第2のチューブ
(112)と
を有する、輸液ポンプ。
【請求項2】
前記第2のチューブの前記内径が、0.1905mm(0.0075インチ)以下である、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項3】
前記第2のチューブが所定の長さであり、前記第2の流量が、前記所定の長さにさらに基づく、請求項1又は2に記載の輸液ポンプ。
【請求項4】
前記第1のチューブの
前記内径及び前記第2の前記内径が同じである、請求項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項5】
前記第1のチューブの
前記内径及び前記第2のチューブの前記内径が異なる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項6】
前記第1のチューブ内に流量制限器
(506、602)構成要素をさらに有し、前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブの内径未満の直径を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項7】
前記流量制限器構成要素は、前記流体の形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、前記ピンは所定の半径を有し、前記第1の流量は、前記ピンの前記所定の半径に部分的にさらに基づく、請求項6に記載の輸液ポンプ。
【請求項8】
前記流量制限器構成要素は、前記流体の前記形状を円筒形状からトーラス形状に変化させるように構成されたピンであり、
前記ピンが所定の長さを有し、
前記第1の流量は、前記ピンの前記所定の長さに部分的にさらに基づく、
請求項6又は7に記載の輸液ポンプ。
【請求項9】
前記流量制限器構成要素が1つ又は複数の剛体ビーズであり、前記1つ又は複数の剛体ビーズは、前記1つ又は複数の剛体ビーズの直径の周りを流体が移動するように構成され、
前記第1の流量は、前記1つ又は複数の剛体ビーズの前記直径に部分的にさらに基づき、
前記1つ又は複数の剛体ビーズは、前記流体が前記1つ又は複数の剛体ビーズの前記直径の周りを移動しているときに前記第1のチューブを膨張させない、
請求項6から8までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項10】
少なくとも2つの剛体ビーズが前記第1のチューブ内に含まれる、請求項9に記載の輸液ポンプ。
【請求項11】
前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブ内で固定されておらず、また前記第1のチューブの長さに沿って移動するように構成されている、請求項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項12】
前記流量制限器構成要素は、前記第1のチューブ内で固定されており、また前記第1のチューブの所定の位置に留まるように構成されている、請求項6から10までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項13】
前記第2のチューブの前記出口は、固定雄ルアーである、請求項1から12までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項14】
前記空気フィルタは、1種類又は複数の種類の汚染物質及び粒子を前記流体から除去するように構成された膜フィルタを含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項15】
前記第1のチューブの外面部分に結合された外部流量制限器をさらに有し、前記外部流量制限器は、前記第1のチューブに外圧を与えるように又は前記外圧を除去するように構成され、それにより前記第1のチューブの流体通路をそれぞれ閉じる又は開く、請求項1から14までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項16】
前記流体の前記第1の流量を制御するために弁を操作するように構成された制御装置チップをさらに有する、請求項1から15までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項17】
前記第2の流量は5mL/hr以下である、請求項1から16までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項18】
前記第2のチューブの前記出口と接続するように構成された前記1つ又は複数の構成要素が、皮膚パッチ、針、及びカテーテルを含む、請求項1から17までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項19】
前記ハウジングは、前記流体を受け入れるための入口を含み、前記入口を介して受け入れられた前記流体は前記弾性構成要素を膨張させて、前記弾性構成要素によって蓄えられる前記位置エネルギーを生成する、
請求項1から18までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項20】
前記単層膜は
、液体射出成形されたシリコーンである、請求項19に記載の輸液ポンプ。
【請求項21】
前記弾性構成要素は、少なくとも50mLの体積の前記流体を保持するために膨張するように構成される、請求項1から20までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項22】
前記ハウジングは、
第1の及び第2の表面を含む第1の部分であって、
前記第1の表面が、前記流体を分配するための前記ハウジングの前記出口を含み、
前記第1の表面の反対側の前記第2の表面が、第1のリングと、前記第2の表面に固着された第2のリングとの間に結合された前記弾性構成要素を含む、
第1の部分と、
前記第1の部分の前記第2の表面を収容するように構成された第2の部分であって、前記第1の部分及び前記第2の部分は結合されている、第2の部分と
を含む、請求項1から21までのいずれか一項に記載の輸液ポンプ。
【請求項23】
単層膜で形成される弾性構成要素(206)を含むハウジング(200)と、前記ハウジングの出口(210)を介して前記ハウジングに流体的に結合された第1のチューブ(106)と、空気フィルタ入口を介して前記第1のチューブの遠位端部に流体的に結合された空気フィルタ(108)と、空気フィルタ出口を介して前記空気フィルタに流体的に結合された第2のチューブ(112)と、1つ又は複数の構成要素に流体的に結合された前記第2のチューブの出口(302)とを有する輸液ポンプを使用して、患者に流体を注入する方法であって、
前記ハウジングの入口を介して流体を受け入れるステップであって、それにより前記弾性構成要素は前記流体によって膨張して、前記弾性構成要素によって蓄えられる位置エネルギーを
生成する、ステップと、
前記ハウジングからの
前記流体を、前記弾性構成要素によって蓄えられた前記位置エネルギー
と前記第1のチューブの内径とに部分的に基づく第1の流量で、前記第1のチューブから導くステップ
であって、前記第1の流量は前記輸液ポンプを実質的にプライミングするように構成されている、ステップと、
前記空気フィルタの1つ又は複数の空気孔を介して前記流体から空気を排出するステップであって、前記空気は実質的に上流で排出され、それにより前記空気フィルタから出る前記流体が空気を含まないようにプライミングされる、ステップと、
前記第1のチューブを介して前記ハウジングから導かれる前記流体の前記第1の流量を
、前記第1の流量よりも少ない第2の流量に調整するステップであって、前記第2の流量は、前記第2のチューブの内径に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記1つ又は複数の構成要素を介して
患者に前記流体を分配するステップと
を含む、方法。
【国際調査報告】